ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(科学技術部会ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会)> 第27回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会議事録




2013年5月29日 第27回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 議事録

医政局

○日時

平成25年5月29日(水)17:00~19:00


○場所

厚生労働省(19階)専用第23会議室


○出席者

永井委員長、位田委員、伊藤委員、高坂委員、斎藤委員、佐多委員、佐藤(陽)委員、澤委員、直江委員、中畑委員、本田委員、町野委員、松山委員、武藤委員、森尾委員
佐原課長、荒木室長、原専門官

○議題

1)見直し案について
2)その他

○議事

○原専門官 定刻となりましたので、第27回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会を開催いたします。先生方にはお忙しい中、お集まりくださいましてありがとうございます。本日は須田年生委員から御欠席の御連絡を頂いております。また、澤委員からは1時間程度遅れるとの御連絡を頂いております。17名の委員のうち、現在14名の委員の先生方に御出席いただいており、本会議が成立しておりますことを申し上げます。頭撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いします。
 ここからは座長の永井委員長に司会をお願いいたします。
○永井委員長 最初に、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○原専門官 お手元にお配りした資料を御覧ください。議事次第、座席表、委員名簿があり、続けて資料となります。資料1、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の全部改正について(パブリックコメント掲載紙)、資料2、パブリックコメント一覧表、資料3、パブリックコメントに対する回答案、資料4、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針改正イメージ案(新旧対照表)になります。
 参考資料1から19を紙ファイルで配付しております。参考資料については、委員会終了後、机上に置いたままでお持ち帰りにならないようお願いいたします。以上でございます。過不足、落丁等がありましたら、事務局までお申し出ください。
○永井委員長 では、議事を始めます。事務局から見直し案についての御説明をお願いいたします。
○原専門官 それでは、お手元の資料1を御覧ください。本年4月18日から5月17日まで募集したパブリックコメントの際に提示しておりましたヒト幹指針の改正案の概要です。パブリックコメントの募集前に、委員の皆様に御確認いただいた内容につき、ここでの詳細な説明は省略させていただきます。続いて資料2を御覧ください。パブリックコメントとして頂いた意見を一覧表としてまとめたものです。頂きました意見を番号1から次ページの18までに分類していますが、この中で11に該当する意見は、同様のものが3件あり、16の意見は2件ございました。
 資料3を御覧ください。パブリックコメントに対する回答案を作成しております。問の番号と内容は、資料2の一覧表に対応させております。
 それでは1から順に御説明させていただきます。1.「指針の適用範囲について、目的、対象を問わず、ヒトに(幹)細胞を投与する全ての臨床研究を対象とするべきではないか」といったコメントでした。回答案としては、「今回の改正案では、臨床研究における使用を目的として、ヒト幹細胞等を調製・保管する研究も新たに対象としています。御指摘の臨床研究を対象とするかという点につきましては、今後の検討課題とさせていただきます」という案にしております。
 問2です。「『臨床研究における使用を目的としてヒト幹細胞等を調製・保管する研究も対象とした』とあるが、調製・保管についても、細胞のリスクに応じた申請、届出となるのか」といったコメントです。回答案としては、「したがって」からです。「細胞のリスクの多寡に関わらず、ヒト幹細胞を調製・保管する研究も、本指針に基づいた申請が必要です」という回答案にしております。
 問3、「新たに『臨床研究における使用を目的としてヒト幹細胞等を調製・保管する研究も対象とする』とあるが、具体的にどのような研究を指すのか」といったコメントです。回答案としては、「ヒトES細胞やヒトiPS細胞を臨床利用のために樹立し、保管する研究を指します。具体的には、再生医療を必要とする将来の患者に対して実施されている医療用iPS細胞を保管する研究等が含まれます」という回答案にしております。
 2ページです。問4、「本指針の対象にヒトES細胞を含めたとしているにも関わらず、第1章第5の1の細則において、ヒトES細胞の臨床研究は現状実施できないこととなっており、矛盾しているのではないか。また、このような重要な事項は、本則として明確に規定するべきである」というコメントを頂いています。回答案としては、「今回の改正案では、本則において、原則、ヒトES細胞を使用可能な細胞と定め、併せて、特定のES細胞について臨床研究は実施しないとしており、改正案のような書き方になっています」としています。
 次に問5です。「胎児付属物は、現状では医療廃棄物として扱われており、産業的所有権が法的に定まっていないため、それらの法律が制定されるまでは少なくともインフォームド・コンセント、倫理審査委員会での審査等、現状で可能な手続を行い、適切に対応すべきではないか」といったコメントです。回答案として中ほどの「御指摘のように」以降ですが、「それぞれの研究に対応する指針を遵守しつつ、適切に実施していただきたいと考えています」という内容にしております。
 続いて問6です。「インフォームド・コンセントの手続をテレビ電話等によって行うことは可能か」といったコメントです。回答案としては、「所要の条件が整っていれば、テレビ電話等による手続を行うことは可能です」。所要の条件として1.「あらかじめ、インフォームド・コンセントにおける説明文書及び同意文書の様式が被験者等の手元に用意されていること」。2.「説明後、インフォームド・コンセントを受ける者及び被験者の署名の入った同意文書を取り交わした上で、双方の手元に適切に保存されること」という要件が考えられました。
 3ページの「また」以降は、委員の先生から頂いた意見を盛り込んだものになりますが、「インフォームド・コンセントにはこのように様々なケースが想定されますが、とりわけヒトES細胞樹立のための余剰胚の提供においては、受精胚の人の生命の萌芽という地位に鑑みて、インフォームド・コンセントはより慎重であるべきであり、テレビ電話ではなく、直接の対面形式が必要と考えます」としております。
 続いて問7です。「インフォームド・コンセントの確保について、現行指針では原則として、医師としているインフォームド・コンセントを受ける者が臨床研究コーディネーター等にまで広がるという解釈でよいか」といったコメントです。回答案として、「インフォームド・コンセントを受ける者は、研究責任者又は研究責任者の指示を受けた者で、職務上、守秘義務を負う者に対象が拡大をされます」。今回の改正で対象としているのは、そういった守秘義務を負う者、具体的には中ほどにありますが、医師、歯科医師、看護師、薬剤師など、そのような職種を想定しております。
 続いて問8です。「インフォームド・コンセントは本来『得る』ものであり、『受ける』の記載は適当でない。また、インフォームド・コンセントを得るのはあくまでも医師とすべきではないか」といったコメントです。回答案として、「臨床研究に係る各種指針においては、インフォームド・コンセントを『受ける』こととしています。ヒト幹指針についても、臨床研究に係る指針の1つであり、インフォームド・コンセントについてはこれまで『受ける』ことと表現しています。また、インフォームド・コンセントを受ける者については、本専門委員会での議論などでも出されました、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針や文部科学省のヒトES細胞の樹立及び分配指針との整合性をとるのがよいのではないか。その際、説明者は研究責任者が総合的に勘案し、妥当と判断した者とする、としてはどうかといった御意見も参考に、指針の改正を行いました」。
 4ページ、問9です。「ドナーの提供の同意撤回について、調製機関に細胞が輸送された後でも、同意を撤回できる機会は設け、ES細胞やiPS細胞の樹立後であっても少なくとも投与されるまでは同意の撤回が可能になるようにしておくべき」というコメントです。回答案としては、「現行指針においては、提供者又は代諾者となるべき者が、ヒト幹細胞等の採取に同意した後であっても、いつでも同意を撤回できることとされておりました。一方、文部科学省のヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針においては、同意を受けた後、少なくとも30日間は、ヒト受精胚が提供医療機関において保存され、当該ヒト受精胚が保存されている間は、同意の撤回が可能であるとされています。今回のヒト幹指針の改正案では、文部科学省の樹立・分配指針等との整合性をとることが大切であるという意見を踏まえて、改正作業を行いました」。その他、同意の撤回については、本専門委員会で議論された「ヒトES細胞やiPS細胞の作成には、多くの時間と研究資金がかかるため、その途中でのインフォームド・コンセントの撤回は大きな損害となる」。「ヒト受精胚の提供者における同意の撤回が可能な期間とiPS細胞の場合の期間を揃えるべきではないか、との意見も参考にし、当該ヒト幹細胞等が採取若しくは提供される研究機関等により、調製機関に移送される前までとして、被験者の保護に配慮しつつ、円滑で効率的な研究が実施できるようにしました」。なお、回答案について事前にいただきました委員の先生から、余剰胚の提供については、提供機関から調製機関への移送の時間が短い場合には、文部科学省のいわゆる30日規制が事実上無視されることになりかねない。この場合、新鮮胚であっても可能に見えるといった御意見もありまして、本件については後ほど論点の1つとして御議論いただければと思います。
 次に問10-1です。「平成22年の改正において、『研究者等は新規ヒト幹細胞臨床研究を実施する場合には、多領域の研究者等と十分な検証を行い、患者団体等の意見へも配慮しなければならない』とされましたが、患者の意見を取り入れていくよう、更に実効性のある指針としてほしい」といったコメントです。回答案としては、「今後も、本改正試案を含めて、ヒト幹指針を関係者に周知していきたいと思います」という回答案にしております。
 次に5ページ目の問10-2を御覧ください。「倫理審査委員会の満たすべき要件として、適切な教育及び研究を受けた委員を構成委員とすることが追加されたが、適正な実施を一層進めるため、患者、患者団体代表を構成委員として加えること、また参考人として意見聴取することを指針に盛り込んでほしい」といったコメントです。回答案としては、ヒト幹細胞臨床研究を適正に実施するために、特に、社会的に脆弱な立場にある患者を対象とする研究が多いことから、臨床研究に関する倫理指針に定める『一般の立場を代表する者』として、患者や患者団体代表を含めることが望ましい旨を細則として追記することを検討します」としています。
 ただ、ここにおきましても、事前の委員の先生より本回答案に対する御意見を頂いておりますので、以下意見として併記しています。内容として、「患者の意見を聴くことは非常に重要であるが、倫理審査委員会は中立・公平、公正な立場で研究計画の科学的合理性と倫理的妥当性を審査する場であり、患者団体代表を加えることによって、利益代表のような立場の者が加わることは適切ではないと考えます。患者個人が倫理審査委員会に委員として構成されるべきいずれかの資格において、委員となることは認められますが、患者団体の代表を構成員とすることは回避すべきです。むしろ、委員会に参考人的な立場で意見を述べる機会を認める形で患者団体の意見を聞く機会を設ける形にとどめるべきです」という御意見を頂いています。本回答案につきましては、後ほど2つ目の論点として御議論いただければと思います。
 続いて問10-3です。「個別の研究計画に関しても、患者、患者団体の意見がくみ上げられるよう、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会においても、患者、患者団体の意見聴取の機会を作ってほしい」といったコメントです。回答案としては、下から3行目以降、「当該専門委員会においても、患者、患者団体の意見聴取の機会をさらに設けることについては、患者、患者団体の負担等も考慮した上で、ヒト幹細胞臨床研究の審査体制における今後の検討課題といたします」という回答案にしております。
 6ページです。問11から13は、文科省のES指針に基づき樹立された既存のヒトES細胞についてです。問11については、「文科省のES指針に基づき樹立された既存ヒトES細胞の臨床利用について、細則による規定を設けて、当該要件を満たす場合は新規樹立ヒトES細胞と同様の扱いをとすることが合理的判断ではないか」。
 問12で、「国内外を問わず、本指針に合致した条件で提供を受けた細胞を元に樹立された幹細胞であると認められる場合には、本指針で対象とする幹細胞に含めることとするのが妥当ではないか」。
 問13は、「文部科学省と連携し、臨床応用可能なES細胞を新たに樹立・分配するための枠組みを早急に整備することを要望したい。臨床には使用しないとしたインフォームド・コンセントに基づいて作製され、また新たに同意を得ることができない既存のES細胞について、事後に使用可能とするような内容を含む指針改定は避けてほしい」といったコメントがありました。
 回答案としては、「文部科学省のES細胞の樹立及び分配に関する指針に基づいて樹立されたヒトES細胞については、基礎研究目的の使用に限定されているところです。当該指針下の説明同意文書についても、その前提で作成されていることから、臨床利用に対するインフォームド・コンセントが明確ではないとされております。一方、本委員会でも特定の条件の下での使用を認めてはどうか、等の意見がありました。しかしながら、文部科学省の樹立・分配指針では、基礎的研究に限り樹立を認め、また使用指針においても、基礎的研究に限っての使用を可としています。また、文部科学省の樹立・分配指針では、受精胚とその提供者とは連結不可能とすることとされており、ヒト受精胚の提供者から、臨床利用を行うことについてのインフォームド・コンセントを確保することが困難です。今後、文部科学省や総合科学技術会議とも連携して、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する本指針と、文部科学省の樹立・分配指針等の関係をさらに整理していく予定です」としています。
 7ページ、問14を御覧ください。「既存のヒトES細胞も品質及び安全性を十分担保すれば臨床利用は可能と考えられる」が、1つ目として、なぜ外国のES細胞が提示している基準で認められるのか。2つ目として、「臨床利用するヒトES細胞の樹立を文部科学省の関連指針におけるヒトES細胞の臨床利用に関する考え方が示された後としているが、文部科学省が臨床利用の指示を出すということか」。3として、「臨床利用のためのヒトES細胞の樹立はどのような手順で行われると想定しているか」といったコメントがありました。
 回答案としましては、「一方」からになりますが、1つ目のコメントに対する回答案として、「外国で樹立されたヒトES細胞のうち、今回の改正案で使用可能と考えられるヒトES細胞については、生殖補助医療で生じた余剰胚であって、基礎及び臨床を含めた研究に対するインフォームド・コンセントを受けていると確認できるものとしています。このように、細胞の品質に加えて、臨床利用に関する手続についても、適切であるヒトES細胞を改正案の対象としています。2つ目の回答案については、「文部科学省の関連指針におけるヒトES細胞の臨床利用に関する考え方については」、本年3月の文部科学省の関係部会において、「改正案に対応した樹立・分配指針等の見直しの必要性に関する考え方について整理を行うべく検討を進めることが了承されたところ」という御発表が前回もございました。下から3行目に当たりますが、そこでの「検討の必要な課題の例として、文部科学省の樹立・分配指針に基づき樹立したヒトES細胞の臨床目的での使用に関する事項」、8ページですが、「ヒト幹指針に基づき樹立したヒトES細胞の基礎研究目的での使用に関する事項等が挙げられています。今後、厚生労働省では、文部科学省と連携しつつ、文部科学省や総合科学技術会議での検討結果を注視して、臨床利用のためのヒトES細胞の樹立、樹立機関、胚提供機関等の審査等の手順を具体化していきます」。この回答は、3番の「どのような手順で行われるか」といった回答と同じとしております。
 続いて問15です。「ドナーの適格性判断について、適格性の判断に関わる既往歴の確認について規定しているが、現時点で上がっているリスクを惹起する項目については、問診ではなく全て検査を実施するべき」といったコメントです。
 回答案として、「薬事法上の治験を開始するに当たってのヒト幹細胞等の提供者の選択基準、適格性を含むヒト由来の細胞等を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性を確保するための基本的な技術要件については」、昨年9月7日に、「5つの新たな指針が発出されています。これら5指針との整合性をとり、改正案に提示した項目については、既往歴の聴取、問診等からドナーとしての適格性を判断することとしています」。
 問16です。「本来GMP製造され、GLP非臨床安全性データで安全性が確認された試験物を用いて、安全性・品質が保証された細胞調製品で臨床試験を実施するべき」といったコメントでした。回答案では、ヒト幹指針では、「GMPに準拠したヒト幹細胞等の調製段階における安全対策及び品質管理のための規定を設けているところです。また、「採取・調製及び移植又は投与の過程を複数の機関で実施するヒト幹細胞臨床研究については、薬事法等の関係規定を遵守した上で、適切に実施することを規定しています。さらに、ヒト幹細胞臨床研究の実施に当たっての申請時には、非臨床安全性データを添付していただいているところです。今回の見直し作業においても、ヒト細胞を加工した医薬品等を開発する際に利用されている各種指針も参考として」改正を行っています。
 9ページ、問17の1です。「被験者の試料及び記録等の保存については、投与日から起算して、少なくとも20年間保存するべき」といったコメントです。回答案としましては、2段落目からですが、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」、GMP省令の28条において、「細胞組織医薬品に係る製品にあっては、適切な期間保管することが規定されています」。前に御説明させていただきました関連5指針、昨年24年の9月7日に発出されている5指針では、「採取した細胞・組織を一定期間保存する必要がある場合には、保存条件や保管期間及びその設定の妥当性について明らかにすることとされ、保存期間については個別に審査されています」。また、「文書及び記録の管理期間については」、「その有効期間に10年を加算した期間保管しなければならないと規定されています。以上のように被験者の試料及び記録の保存期間については、十分に確保することが必要と考えますが、改正案においては、現行指針どおり、『総括報告書を提出した日から少なくとも10年』とし、研究毎の具体的な保存期間については個別に審査することにしています」。
 ここでは、委員の先生より、本回答案に対する事前の御意見がありましたので、意見として併記させていただいています。内容は、「ヒト幹細胞の場合に、現在の研究の進行状況から考えて、『10年』が妥当か。指摘のように『20年』程度想定するほうが適当ではないでしょうか」といった内容です。これについては後ほど3つ目の論点として御議論いただければと思います。
 次に問17の2です。「被験者の有害事象として、幹細胞を投与する試験においては腫瘍形成についても明記すべき」といったコメントです。回答案として、「被験者における留意すべき有害事象として、腫瘍形成は重要であり、第5章第2の3(1)に「腫瘍形成」を追記して明記します」としております。
 10ページ、問17の3です。「幹細胞治療を受けた全症例に対して、各症例における研究期間終了後、少なくとも10年間フォローアップするべき」といったコメントです。回答案としましては、被験者の追跡期間については、使用する細胞の種類や投与方法、部位等についても異なり、一律に指針で設定することは困難であるため、個別の審査時に検討いたします」としております。
 問18です。「細胞の品質規格の点から、トレーサビリティがないような細胞は使用すべきではなく、連結可能匿名化に例外規定を設けるべきではない」というコメントです。回答案として、「連結可能匿名化は基本的原則であると考えられます。しかしながら、治験におけるヒト細胞加工医薬品の品質及び安全性確保に関する各種指針との整合性も踏まえ、一定の要件の下での連結不可能匿名化されているヒト幹細胞等の使用を考慮できることとしています」。以上が資料3です。
 最後に資料4です。パブリックコメント及び委員の皆様からいただきましたこれまでの御意見を踏まえた現時点での指針改正イメージ案です。構成は前回と同様に左側に指針改正イメージ案を、右側には現行指針を示しております。アンダーラインは改正している部分です。パブリックコメントを反映し、前回から修正した部分は、61ページになります。こちらの3番、被験者に関する情報の把握の(1)です。先ほどのパブリックコメントにありましたが、研究責任者は、被験者に病原体感染等の有害事象が起きた場合にあっては、ヒト現行指針では規定しているところを、腫瘍形成という事象を明記した形にしています。以上、事務局より御説明させていただきましたが、本日は資料3のパブリックコメント回答案の途中で取り上げさせていただきました3つの論点を含め、御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○永井委員長 それでは御質問、御意見を受けたいと思いますが、3つの論点があります。1つ目はパブコメの9「ドナーの同意撤回が可能な期間について」、2つ目は10-2「倫理審査委員会の構成員として患者・患者団体代表を加えることについて」、3つ目が17-1「被験者の試料等の保存期間について」です。この辺りが主な論点であろうということです。御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。
○伊藤委員 順番はどうでもいいですか。
○永井委員長 はい。
○伊藤委員 10-2について少し事務局の考えを聞きたいというか、分からないのですが、「意見」に出ていることなのです。実際には患者の団体を入れるといっても、様々なレベルの違いや興味を持っている所の違いがありますので、一概に「患者団体」と一括りにはできないことは現実にあるわけです。ですから、そういう形で、必ず団体代表を入れなければならないという表現でいいのか。答えにあるように、一般の立場を代表するものということで括っていくのがいいのかという問題があります。
 ただ、この意見の中で少し分からないのは、「利益代表のような立場の者が加わる」ということが、患者団体代表を入れるということによって、そういう人が来るのかという、紛れるということを言っているのか、患者団体の代表が利益代表のようなイメージなのか、そういうイメージはちょっとつかめないというか、この場合の利益代表というのがどんなイメージの患者会のことなのか分からないので、もしもそういうことが分かれば教えていただきたいと思います。
○原専門官 事務局で頂きまして理解させていただいた解釈では、特定の病気の患者さんや患者団体の方がお入りになった際に、その特定領域の病気を対象にした臨床研究が促進されやすいと。そういった偏りが生まれるのではないかといったお考えなのかなと理解しておりました。
○永井委員長 表現がこれでいいかどうかですね。利益代表という言葉が少し誤解を招く可能性もあると思いますが。そこをもう少し工夫していただければと思います。
○原専門官 承知しました。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。
○位田委員 患者さん自身が、団体の代表ではなくて、たまたま倫理委員になっておられるということについては、恐らく問題はないと思うのですが、「私は患者団体の代表です」という方が倫理委員会に出てこられて、倫理委員として発言されることが妥当なのかなという気は、私もいたします。それが1つです。したがって、倫理的妥当性と科学的合理性を判断する、ある意味では中立的な立場で判断をするときに、患者さんという立場から御意見を出されて、ある意味では推進してほしいというある種の一方的な立場を表明される可能性があります。全ての患者団体がそうだとは申しませんが、そういう可能性があるので、外から見ていると、患者さんの団体の意見に引っ張られるという誤解を生じる可能性もあります。患者さんの意見を聞くことは、私も非常に重要だと思うので、倫理委員会に参考人としてお招きになって、それで十分に意見を聞いて、その上で患者さんの代表を除く、いわゆる普通の倫理委員会の委員で議論をするというのが、より適当かなと思います。
 それから、先ほど伊藤委員もおっしゃったように、どの患者団体を入れればいいのかというのは、現場でものすごくお悩みになると思いますし、研究計画ごとに患者団体を替えないと、実際には患者団体の意見が聞けないことになってしまいますから、患者団体と一般的に言ってもあまり適当な形で委員を選べないのではないかと思います。これは恐らく、どこの指針を作るときにも、そういう議論がありまして、患者団体を入れようという話は、なくなっていると思うのです。かといって、患者さんの意見を聞かないという話ではもちろんなくて、むしろ参考人としておいでいただくのが一番いいのではないかと、私は思います。
○武藤委員 私はこの記述は先ほど伊藤委員がおっしゃったように、このままでよいと思っています。理由は、今、位田委員がおっしゃっていただいたこともそうなのですが、本当はそういう御懸念を払拭するために患者団体の方に教育をすると。倫理委員としての教育をして、ある疾患の団体の利益を代表する立場としてここに来てはいけませんということを教育するということです。ほかの国でもやっていますが、しかしまだ、わざわざここに特記して是非入れなくてはいけないという取組まではなされていないので、それであれば、ほかにももっと入るべき人がいるかもしれませんので、このままでよいのではないか。
 他方で、いろいろな患者団体の方々が臨床試験に関心を持っていただいて、いろいろな倫理審査委員会の外部になれるような教育や研修の機会が増えていくことは、すごく大事なことだと思います。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。
○伊藤委員 今、お二人の委員がおっしゃったことで、ほぼ尽きるわけですが、日本の場合は、患者団体、患者会の育成は社会的に大変遅れていて、同じ病気の利益代表であるということについては否めない事実で、そこで客観性を持たせようというのはなかなか困難であることは確かです。ですから、私どもがこの委員会に参加して、いろいろ言っていることについても、再生医療の委員会でもそうですが、ブレーキを掛けるという発言をすると、それに対して非常に強い反応を示すところもあります。ただ、私が懸念したのは、利益代表というのが、同じ病気の患者さんの利益を守るために進めてほしいのだというのは、患者会として当然の意見なわけです。そこでなくて、何か実際に、もっと怪しいところもなくもないのです。利益とは何かの利益に結び付くようなこと、患者団体を標榜してそういうことをしている所もないわけではないので、その辺りの見極めなどもはっきりしてほしいのと、委員長もおっしゃいましたように、「利益代表」という表現だと、どうも誤解を招くので、そうでない言い方なりを踏まえつつ、しかし、日本でも当事者のというよりも、もっと客観性を持った、議論に参加できるような市民団体といいますか、そういうものの育成は、市民団体としての患者会の育成は、もう少し意識してもいいのではないかということもありましたので、お二人の話に補足させてもらいました。
○永井委員長 言葉はどういたしますか。
○伊藤委員 どなたも皆、市民の代表なのでしょうけれども、例えば、あえて「患者団体」という表現なのか、あるいは「患者団体を含めた市民団体の代表」というか、そういう表現なり何なりでもいいかなという気もします。いずれにしろ人によるのだと思います。
○武藤委員 事務局に確認したいのですが、この部分は委員の先生の御意見であるので、Q&Aとして公表されるものではないのですよね。違うのですか。それとも「意見」から下の部分の欄も公表されるのでしょうか。
○原専門官 今回、回答案として「意見」の直前の文章まで準備しておりますが、頂いた意見を反映して、この回答案に反映させていただくかを少し御議論いただいた上で、正式な回答とさせていただきたいと思っています。
○武藤委員 ということは、今のこの用語を使わなくても回答案は用意できますよね。という気もするのですが。
○原専門官 はい。
○武藤委員 もし例えば、追記しないということでここで決定されればですね。
○高坂委員 私は位田先生の御意見に全面的に賛成です。確かに言葉のニュアンスとして「利益代表」というのは非常にまずいことはよく分かります。原則は回答案でいいと思うのですが、やはり望ましいということにせよ、患者や患者団体代表を含めることが望ましいということをここで回答してしまうと、どちらかというと、入れなくてはいけないというニュアンスが含まれるので、これはやはり、この回答案の中には入れる必要はないだろうと私は思います。むしろ、もし入れるとすれば、患者団体の意見を聞く機会を持つことが望ましいというようなことは追記してもいいと思いますが、あえて、代表を含めることが望ましいという文章も、私は要らないと考えます。
○伊藤委員 日本の市民団体としての患者団体が十分に育っていないこともあります。各地での倫理委員会で、そういう配慮をしなければという具合に書く必要はないのですが、中央では、やはりこれから日本の患者団体も様々な場面、研究等にも参加していっているわけですから、そことを何か区別されてもいいかと思います。
○永井委員長 うまい表現方法がありますか。事務局はいかがでしょうか。
○荒木室長 非常に貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。最後の武藤先生の御意見も含めて、多分、委員の先生方のこれまでの御意見を総合すると、やはり直接的に倫理指針に定める一般の立場を代表するような方として、メンバーとして入るというのは少し書き過ぎの部分も、質もいろいろあるのでということだと思います。「むしろ」以下の部分を強調する形で、「全体の利益代表」などの辺りは説明文章なので少し飛ばさせていただいて、正に患者団体の御意見を踏まえることは非常に重要であるということなので、それも踏まえて、委員会の参考人として意見を述べる機会を認める形で、しっかり設けるべきだということについては細則内で定めていくような形で、少し書き直させていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○永井委員長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
○伊藤委員 問17-1なのですが、「20年間保存すべき」というのはパブコメの意見に対してですが、「少なくとも10年」ということなのかなと思うのですが、ただ、この領域の先生方の研究の中での、期間の認識が、あるいは研究の積み重ねの期日が関係していると思うのです。例えば20年がいいか10年がいいかという議論をしてしまうといろいろ御意見があるのでしょうけれども、ただ、10年前に、今のような現状を考えられたのか。今から10年前のこれらの研究、あるいは臨床について、どういう状況であったのかと考えると、この10年というのは非常に短い期間であるような気もするのです。そういう意味から見て、この20年という期間と10年という期間を考えて比較しなければならない気がしているのです。私の立場から見れば、20年だから非常に長いという気もしません。そういう点で、10年というのは本当に短い、ものすごくスピードのあった10年だと思いますので、そういう意味では少し慎重に期間を取られてはいかがかという印象を持ちました。
○永井委員長 つまり20年のほうがよろしいのではないかと。
○伊藤委員 言っていいかどうか分かりませんが、多分、そうだと思います。
○位田委員 これはむしろ、科学者の先生たちにお聞きしたいのですが、これは臨床研究ですから、例えばiPS細胞なりES細胞なりから分化させた細胞を移植して、それが10年後までフォローできればいいのか、いや、やはりそれは今の研究状況から見て20年ぐらいまで、恐らく20年でないといけないということではないと思いますが、15年ぐらいは見たほうがいいのか、そこの見極めなのだろうと思うのです。10年で十分だというのであれば、保存期間10年でいろいろな試料を廃棄されても恐らく問題はないのですが、これはむしろ科学的な問題ではないかと思います。10年だという、証拠とは言いませんが、理由と、いやもっと長いほうがいいとおっしゃる先生もあるかもしれませんので、その辺りは科学者の先生方の意見を聞いたほうがいいのではないかと思います。
○中畑委員 非常に難しい問題で、なかなか答えは出せないと思うのですが、ただ、先日から、PMDAの別の会ですが、例えばiPS細胞の安全性をいろいろ検討している会があるのです。そこで1つ、短期的に発現するような腫瘍、がんのリスクをどう排除するかという辺りは、比較的簡単にいろいろな方法でスクリーニングできるのですが、ゲノムの不安定性というのが生ずる可能性があって、それだと非常に長期の観察をしないと分からないような、例えば10年以上経ってから起こるような腫瘍で、ゲノムが非常に不安定性を生ずるために起こるような腫瘍があるのではないかと。ただ、それわ分からないということですが。ですから、そのゲノムの不安定性がiPSを作ることによって、普通のドナーあるいは患者さんの皮膚なり血液の細胞にあるゲノム不安定性と、iPS細胞から作った細胞のゲノムの不安定性とが同一であればリスクはないという判断をしたほうがいいだろうと。もしそれが増すようであれば、やはりそういったiPS細胞は排除したほうがいいのではないかという議論も、今はあります。長期的に見たゲノムの不安定性ということでは、やはり10年以上経ってから起こるリスクは、まだ現時点では全く否定できませんので、もう少し長い期間、例えば20年なりしっかり見る、フォローすることが必要で、伊藤委員の意見に私も賛同いたします。
○高坂委員 私は、はっきり言うとケース・バイ・ケースだろうと思うのです。特に今、相当安全性が確認されている体性幹細胞などを使って、今も現に我々も中央審査をしているようなところは、かなり普遍化してきているというか、そういったところは10年でいい可能性もあると思うのです。ところが、やはり、iPSという新しい技術を使ってこれからやると。あるいは、例えば今まで我々が経験したことのないような疾患にそれを応用するといったときには、当然、これは臨床研究としてもフォローアップをしていくことは非常に重要なところですから、これはやはりケース・バイ・ケースで、ある場合は20年が妥当かどうかは知りませんが、多分10年では足りないだろうという気はします。ただ、ここに書いてあるとおり、これは個別に中央での審査といったところで意見をきちんと出して、それに従っていくというほうがいいのかなと。一律10年、一律20年ということを規定する必要はないと私は思います。
 例えばの話、パーキンソン病などは、入れても、例えば一過性に症状が改善したといっても、私の個人的意見としては、恐らくそのあとまた症状が変わっていく可能性があると思っているのです。この場合には、パーキンソン病に対する治療効果として、やはり10年、20年単位でフォローアップしていかなければいけない。1つの例ですが、そういうケース・バイ・ケースだろうと思います。
○直江委員 私も、これは非常に新しい特殊な医療にしては10年はやや短いのではないかという印象を持ちました。と言うのは、私も少し失念しておりますが、いわゆる公文書の類で、例えばカルテの保存は法律的に5年でしたか、10年でしたか。
○原専門官 5年です。
○直江委員 5年ですよね。大学病院等では、一応今のところ、電子カルテは永久保存という立場でどこの病院でもやっているはずです。例えば、お子さんが何か非常に新しい幹細胞治療を受けたときに、大人になってから発症するリスクを考えると、試料は無理でしょうけれども、基本としては記録は永久保存という精神でやらなければいけないのに、10年でいいと、棄ててもいいというのは少し科学的に見てどうなのかなと。ただ、今、高坂先生がおっしゃいましたように、これはもちろんリスクによりますが、特にESやiPSで、例えば日本で最初に行われる治療のカルテが、10年経ったら棄てていいというふうに読めるのは、何となく残念な気がします。
○松山委員 例えば、10年や20年というのは、結構エイヤで決められているような感覚があるのです。やはり指針なので、一定程度サイエンスベースの理由が絶対必要だろうと思います。そう考えたときに、例えば10年、20年というのは、何を見たいのか。例えば感染症であれば、10年以上経って起こる可能性はほぼないのだろうと思います。では腫瘍に関しては10年以上見なければいけないかといえば、体性幹の再生医療で1例だけ、恐らく体性細胞の移植で腫瘍になったというレポートが、実はケースレポートであって、それはハワード・グリーン先生のされたバイオ皮膚で、12年半から13年1か月にかけて、5か所からインディペンデントでスカルマッスルカルシノーマが出たというレポートが世界で1本だけ出ているのです。そう考えると、実は10年では難しくて、腫瘍の場合は20年ぐらい必要なのかもしれないと思います。
 それから、薬事法42の制限期のことを考えると、例えばBSEやバリアントのCJDのことを考えると、以前も硬膜の移植で非常に不幸な事件がありましたが、10年ぐらい前は、多分7年か8年ぐらいに出てくるピークがあるのだろうと言われていたのですが、実際、世界的にフォローアップしていると、ピークが7年、8年にあるわけではなくて、10年経っても14年経っても出てくる患者さんは出てくるというのがあって、そう考えると、もしかしたら移植部位によって、例えば期限を無期限に近い形にするかもしれないというのがあると。
 落とし所は、正に高坂先生がおっしゃったようにケース・バイ・ケースで、どんな細胞を使ってどんなリスクがあるのかということと、それから、何を評価していくべきかということを議論していくのだろうと。今のところ、10年、20年とあるかもしれないけれども、ものによっては、iPSだったら、例えば1つのがん細胞からそれなりのトゥモローをできるのは30年という計算をして、マスコミなどに出ていることがあると。そうしたら30年必要ではないかということになりますし、一般国民も、そうでないと納得する気がしないかもしれませんので、ここで決めるのか、あるいはケース・バイ・ケースで決めるのであればロジックを組み立てて、ここまで見ましょうという形になるのか、いずれかではないかと思います。
○永井委員長 そうすると、「少なくとも10年」という表現がいいかどうかですが、何か書かないと、ケース・バイ・ケースといっても困ってしまうと思いますが。
○松山委員 まあ、10年で規定されているのであれば、「10年以上」などという形でも構わないかもしれないと思います。
○永井委員長 いかがでしょうか。「少なくとも10年以上」という表現でどうだろうかということですね。あとはケース・バイ・ケースで、できるだけ長期保管してほしいというニュアンスを伝えるということでしょうか。
○中畑委員 今までのヒト幹の指針が10年だったわけです。それは体性幹細胞を用いた臨床研究の指針が、10年間記録を保存するということになっていたので。今回の指針の見直しによって、ほかの新たな細胞、我々もまだ経験したことのない細胞も、今度の新しい指針の中に入ってきますので、これは今までと同じ10年というのではなくて、それを区別して、新たな、そういう幹細胞を用いたものについては更に長期間の保存なり、試料の保存なりを要するというのは、10年とすると何か今までと同じ感じになってしまいますので、そこは少し変えたほうがいいのではないかと思います。
○永井委員長 10年以上保管すると。あるいは20年と書くのか、15年と書くのかなのですが。
○佐藤(陽)委員 中畑先生がおっしゃったのをそのまま文章にして、「少なくとも10年」ということで、新たな細胞のリスクや患者の予後などを勘案して、必要に応じて考えることということも入れたらいいのではないかと思うのですが。
○伊藤委員 全然科学的ではない発言なのですが、「少なくても10年」と言うと、大方の人は少ないほうを選ぶ、面倒くさくないほうを選ぶ。それは、例えば今までカルテの保存期間は5年と言って、大体、5年経つと「カルテはありません」と言うのですが、実際、患者が様々な場面でカルテの掘り起こしが必要なときになると、結構いっぱい出てくるのです。ですが、それは裁判所の命令などがない限りは、あったとしても「5年経ったからありません」と言ってしまうのです。そういう、今までの事件なり何なりを考えると、そこで「少なくとも10年」と言うと、絶対に少ないほうを選んでしまう傾向があります。そこは何かよい工夫で、しかも、こういう画期的な治療なわけですから、記録はできるだけ長く残っていてほしいという気持ちもありますし、是非何か工夫をして表現をしていただきたいと思います。
○町野委員 「以上」という言葉と同じですから、「10年以上」、そして先ほどから佐藤先生や中畑先生がおっしゃられたようなものを付けて、「によって必要とされる期間保存するものとする」ということにすれば問題ないように思いますけれども。
○松山委員 この部分は、実は試料と記録を切り離して考えるべきかもしれません。記録はほぼ半永久的に残せると思います。一方で試料の場合、10年経って、ではPCRでものを検出できるかというと、結構、試料のサンプルの質が落ちているので分からないので、例えばこれは分けて考えるのも1つかもしれないと思います。これは御提案で、10年とか20年とかは、私はエイヤでは決められないので申し訳ないのですが。
○斎藤委員 伊藤先生の御意見に少しだけコメントをしたいのですが、研究者の立場としては、すぐに棄てたがるということは決してないです。むしろ、ずっと長く保存していたいです。ただし、倫理委員会で同意を取るときに、一体いつまで保存するのかということを言われるので、こういう年限を記載せざるを得ないというのが研究者の本音です。
○森尾委員 ちょっと確認ですが、この試料というのは原材料のことでしょうか。
○荒木室長 最終調製物です。
○森尾委員 最終調製物のことですか。それであれば、恐らくなのですが、書きぶりのところで、「採取した細胞や組織を一定期間」と書いてあるので、これは恐らく明確にしておいたほうがよいという気がします。被験者の試料というと、最初のものということになると、きっと、本当に10年間必要なのかということになってくるので。「最終調製物を」という形で。
○荒木室長 11ページに書いておりますが、説明が足らずですみません。60ページからの所に「試料及び記録等の保存」があります。こちらには、「最終調製物を適切な期間保存するとともに、当該被験者にヒト幹細胞等を移植又は投与する前の血清等の試料及びヒト幹細胞等を移植又は投与する前後の記録を、総括報告書を提出した日から少なくとも10年間保存するものとする」となっておりますので。最終調製物は適切な期間で、それを被験者に移植あるいは投与する直前の血清等の試料ですので、最終調製物も含まれるとは思われますが、そういうものも含めて少なくとも10年以上ということになります。
○森尾委員 原材料ではなくてということですね。
○荒木室長 そうですね。投与する前の血清等の試料となっておりますので。
○森尾委員 ということなのですね。分かりました。ありがとうございます。ちょっと明確にしておいたほうが分かりやすい気がします。
○永井委員長 さて、いかがいたしましょうか。どういうふうに書けばまとまるのでしょうか。結局、ケース・バイ・ケースだということになると、やはり「少なくとも10年」ということになりませんでしょうか。
○町野委員 皆さん方、お考えはほぼ一致していると思いますので、永井委員長預りということで、私は結構だと思いますけれども。ケース・バイ・ケースという言葉を書くわけにはいかないわけで、やはり、どういうことに応じて必要な範囲ということは書かなければいけないので、その辺りは研究者の方にお任せしたほうがいいと思います。例えば松山先生が言われた、腫瘍の発生などのいろいろなケースがありますから、そういうことを考慮した上で、この観点から見て必要な期間、10年以上、というような表現になる。恐らく皆さんもそのような御趣旨ではないかと思います。
○位田委員 私もそれでいいと思うのですが、ケース・バイ・ケースで、この場合には何年ということを、どこで決めるかが問題で、各研究機関で、これは10年とか15年とかではなくて、やはり、国で一律に、この細胞については15年とか、そういうふうにしないと、この研究機関では10年残っているけれども、こっちは15年残しているなどという形でばらばらになるわけにはいかないだろうと思います。その辺りをどこかで決めないといけないので、必ずしもこの指針の中に何年と書く必要はないとしても、どこかの機関で決めることは必要だろうと思います。
○荒木室長 先生方の御意見を総合しまして、先ほどの61ページですが、本則の所については「少なくとも10年間」と書いておりますが、そこをあえて書き直すとすると「10年間以上で必要とされる期間」ぐらいに書き直しつつ、細則の部分を少し変更して、例えば「細胞のリスクあるいは患者の予後等を総合的に勘案して適切な期間を定める」というような書きぶりにし、更にQ&Aのほうで、例えばこういう場合には15年とか、こういう場合には20年ということを、一例としてQ&Aで書くという形ではいかがでしょうか。
○永井委員長 いかがでしょうか。なるべく長期間保存してほしいということですね。そういうことが伝わるような書きぶりにするようにしたいと思います。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○武藤委員 もう1つの論点は、同意の撤回のほうですが、資料3の問9です。私は方針はこのままでかまわない、原案のままでよいと思うのですが、回答案が少し気になりました。3段落目の3行目から、「その他、同意の撤回については」、本委員会で議論された「ヒトES細胞やヒトiPS細胞の作成には多くの時間と研究資金がかかるため、その途中でのインフォームド・コンセントの撤回は、大きな損害となる」と書かれているのですが、これは要らないのではないかと思いました。これが残ると、これが根拠で撤回に制限がかけられるかのような誤解も生みかねないですし、どちらかというと樹立・分配指針との整合性、あるいは期間をなるべく一致するようなことが重視されたものと理解しています。
 もし何か補足されるのであれば、こういった期限を設けるのだけれど、同意いただく前の熟慮期間をきちんと取っていただくことを推奨するとか、あるいは必要なら本則に少し入れていただくということでよいのではと。私の意見は、これを取ったらどうでしょうという意見です。
○永井委員長 第3パラグラフですか。
○武藤委員 はい、「今回の」という段落にポツが2つあると思いますが、その1個目のほうの例示がいらないのではないかと思ったのですが。
○永井委員長 いかがでしょうか。
○伊藤委員 私も武藤委員と同じことを感じていました。何かここで突然、お金の問題と比較するような、お金で何か計るような印象を持たれてしまうので、何でこれが書いてあるのかなという気はしました。武藤委員のおっしゃるとおりだと思います。
○永井委員長 その点はよろしいでしょうか。
○位田委員 常に文科省の指針と比較しながらという格好、できるだけ整合性を取りながらということですから、文科省の指針については、ES細胞の樹立のために提供される受精胚が30日間は保存しておかないといけない。つまり最初に同意をいただいたときから30日後に、最終確認の同意をもう一度やるというのがルールになっていて、その間はもちろん撤回できるわけですが、この回答の仕方ですと、提供していただいて、それがすぐに調製機関、したがって樹立機関に移送されてしまうと、ある意味では新鮮胚を持って行ってもいいということになってしまいます。文部科学省の指針では余剰胚でかつ凍結胚というのがもともと条件なのです。
 それと違う形で、余剰胚だけれども、新鮮胚でもいいのかという議論は、我々はまだやっていないので、こういう書き方をしてしまうと、新鮮胚も結果的に認められてしまう。それでいいのだろうかというのは、私も疑問に思います。
 30日というのがいいかどうかというのは、恐らく受精胚の質の問題もあるのだろうと思いますが、しかし文科省の指針で30日を決めたという理由は、科学的な理由というよりも、むしろ提供者の同意の確実さというか、その確認というのにやはり30日は置いたほうがいいだろう。人の生命の萌芽である、「私たちの受精胚なのよ、したがって場合によっては子供として生まれてくるかもしれなかったのよ」という感情を勘案して、作るときには30日と決めたわけですから、それを臨床研究だから短くていいという理由には、必ずしもならないだろうと思います。
○中畑委員 ただその場合、海外から輸入されてくるES細胞の場合は、多くの場合は新鮮胚を使って樹立されたES細胞ですよね。海外から日本に入ってくるものは、新鮮胚から作られたもので、日本では少なくとも30日間以上凍結したものでなければならないという、そこのところの差をどうやって説明するかということが、文科省の方で議論して、指針の見直しの方で議論していただくか、そこのところは何か理論的に説明できないとまずいと思うのですが、どうでしょうか。
○位田委員 指針を作ったときには、海外でどうだから日本でどうだという話はもともとなくて、「日本で」という限定を付けていたわけではありませんが、日本において法律上の夫婦が余剰胚を提供していただくときに、もちろん、恐らく生殖医療で成功したから、ある種の安堵というか満足感の中で「ああ、いいですよ」と言ったのだけれども、しかし後から考えてみると、「でも、あれは私たちの子供になったかもしれない胚である」ということを考え直して、「やっぱりやめます」と考え直されるかも知れない。
 これは人にもよるのですが、例えばお墓を建てるというケースも、実はあると聞いています。したがって、そういうことを勘案して、ある意味でそれは非常に日本人的な感情であるかもしれないのですが、そういうことを勘案して結局30日という期間を取りました。そういう経緯がありますので、外国が新鮮胚でいいからというのは、恐らく外国ではそのようには考えないということなのだろうと思うのです。輸入ES細胞を使っていいかどうかという議論をしたときに、外国にも30日なり、凍結胚なりという条件をかけるかというと、そのようにやってしまうと恐らく外国ではそんなことは決めていないので、基本的に輸入できなくなってしまうかもしれないので、外国は外国の基準で樹立されたES細胞ということにしましょう、ということになりました。
 そうすると日本において一番重要なのは何かというと、きちんとインフォームド・コンセントを取っているという点と、それから余剰胚であるという点、この2つの条件が基本なので、これが守られていれば外国からの輸入は、新鮮胚からのES細胞でもいいという結論になったと思うのです。ですから、外国の胚に対する感情と、日本人の胚に対する感情が同じか違うかというのは、あまり証明もありませんが、少なくとも指針を作ったときの議論は、そういうカップルの感情を、やはり考慮するべきだという話でした。
○伊藤委員 科学的に30日というのはどうかというのと、話はちょっと別な観点ですが、撤回が可能だということであれば、私はそれでいいような気もするのです。むしろ30日というのがあると、この30日の間に撤回するかどうかをもう一度考えてくださいと言うと、30日間悩む日にちがあるのだと思うのです。
 これは心理の先生の御意見を聞きたいところですが、一体30日という期間を与えられることが、提供者にとって精神的な負担を増すことになるのか、あるいは撤回についての猶予期間が与えられたということだけの話なのか、あるいは何かもっと別の要素があるのか、これは専門の方々の意見を聞きたいというのと、提供者側の心理的な負担を少なくする、短くするということも、何か考えなければならないのではないかという気がしています。
○永井委員長 調製機関に移送される時期というのは、何日目ぐらいになるのですか。
○高坂委員 iPSの場合とESは違うと思うのです。iPSの場合は、すぐにでも送っていく可能性があって、これとESとはやはり違うということを申し上げましたが、少なくとも現在は、ES細胞はおっしゃったように30日間の凍結が必須になっていますから、当然その後に送るという理解です。
 そこのところが、この指針の改正で、文科省との整合性を図るという意味で、30日間の凍結保存というのは、厚労省の指針においてもまだ生きているのではないですか。これは書いていなかったのですよね。
○原専門官 はい。その点は、基本的なES細胞の樹立の用に供されるヒト受精胚の要件としては、今の凍結胚で、生殖補助医療で生じた余剰胚であって、凍結されているものというように、その辺は整合性を取ってきたところです。
○高坂委員 そうすると、これについてもやはり文科省の方との調製が必要になるという理解でよろしいですか。
○原専門官 確かに何日間という厳密な日数についての御議論は、それほどなされていなかったかと思います。ただし、これも内閣府総合科学技術会議の基本的考え方、それから文科省の指針にありますとおり、提供者が受精胚を提供するかどうか判断するためには、必要な時間的余裕を設けるという、そういう考え方については、このヒト幹指針でも、その辺を踏まえていただき、十分な時間を作るということは、今後、もし現時点で記載不足の内容でしたら、その辺は追記して、時間は確保するようにしていきたいと思います。
○永井委員長 新旧対照表のどこに書いてありますか。
○原専門官 47ページに載っています。?に同意の撤回については、「提供機関から調製機関に移送される前までは」という記載になっています。
○永井委員長 ここは、30日にはこだわらないという意味があるわけですか。
○原専門官 今のところ30日の明記はしていません。
○永井委員長 30日以降に送れば、30日というのは続くわけですね。
○原専門官 はい。
○永井委員長 そこは文科省の指針との調整になるのだろうと思います。
○町野委員 結局、体性幹細胞も、それ以外のiPSも、要するにヒト組織も、それから受精胚も、みんな同じこれになっているのですが、これがやはり問題なのだろうという感じがしました。特に受精胚については、まず「廃棄することが決まった」ということから始まるわけですが、だから廃棄の決定の手続がまず行われ、その後で初めてインフォームド・コンセントの手続にいくのですが、これがその中に入っていないのですよね。だから、これが恐らく当然の前提だろうと思うのですが、少し文科省のそれを倣って、きちんと書いた方がいいかもしれないですね。受精胚についてはということで。それで30日についても、恐らく同じことだろうと思います。
○位田委員 基本的にヒト幹細胞の臨床研究指針の方は、調製という言葉でES細胞の樹立から、いわゆる体性幹細胞の調製まで、全部を含んだ言葉になっているので、それで受精胚の提供も、実は調製の中に入ってしまっているのです。そこを、もう少し書き分けるというか、段階を追って、言葉を変えて書き分けることが必要ではないかと思います。
 それから、文部科学省が将来、30日ではなくて新鮮胚でもいいのだとおっしゃれば話は別ですが、文部科学省の指針が現存している以上は、やはりそれに合わせて、30日というのは明記するべきではないかと思います。確か、凍結胚というのも書いてないですよね。
○原専門官 今回、ヒトES細胞を指針の対象としたことによりまして、15ページの5番に「ヒト幹細胞臨床研究に用いるヒト受精胚」というのを追加したところです。こちらでは余剰胚であって、インフォームド・コンセントで胚を滅失させることについての意思が確認されているものとしているところですが、伊藤委員が御指摘のとおり、凍結胚の原則はありませんでしたので、そういったES細胞を作る際の受精胚に関する基本的な所は、こちらに記入しまして、4章の調製の所ですとか、今の30日の考える期間というのは、3章の提供の部分などに、本則か細則かは分かりませんが、少し追記させていただくということでよろしいでしょうか。
○永井委員長 よろしいでしょうか。その他の点について、いかがでしょうか。
○佐原課長 今の件で、ESはそういうことでいいと思うのですが、iPSも含めて、そうするとiPSは今の書きぶりでよいという理解でよろしいですね。例えば医療機関で取った後、2日後に調製機関に行くということであっても、同意を撤回できる期間は2日間ということになると思いますが、そういうことでいいのではないかということで、確認だけさせていただきます。
○位田委員 やはり受精胚の場合とiPSの場合は全く違うのです。受精胚は人の生命の萌芽だという大きな価値があるので、それに基づいて30日なり、凍結胚なりという話になっています。しかし、iPSはもともと体細胞ですから、これは受精胚になりようがないので、それは通常の2日でもいいでしょうし、ひょっとしたら1日かもしれないので、そこはあまり問題にならないかなと思います。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もし御意見がないようでしたら、もう一度、事務局で文案を整えていただいて。
○位田委員 1点質問ですが、問6の所で、テレビ電話でのインフォームド・コンセントというのがあるのですが、どういうケースでテレビ電話でのインフォームド・コンセントをするのかというのが、ちょっと想像できなかったのですが、例えばどういう場合に、テレビ電話でインフォームド・コンセントをいただくことになるのか、御説明いただけないでしょうか。
○原専門官 いただきましたパブリックコメントの内容ですと、具体的なそういったケースは、近くに住んでいないこと以外には不明であり、明確な答えは難しいです。
○位田委員 では、ここにおられる先生方で、そういうことをもし想定される方がおありになれば、少し教えていただきたいと思うのですが。
○武藤委員 実際に受けた相談としては、非常に遠方の方で、日にちとかいろいろなことが合わず、スカイプで御説明していいですかという御相談をもらったことがあります。あとは、いきなりたくさんの人が来ないでほしいという患者さんの御希望があって、どうしましょうとか、何件か伺ったことがありますが、それを想定しての御質問かどうかはわかりませんが、アメリカだとよくあるからという言い方をされることもあります。
○伊藤委員 私たちの患者会の経験で言いますと、専門の先生が非常に少ないのです。今はスカイプなど、そういうのが非常に発達していますから、普段の診療の相談も、結構スカイプで患者さんとやり取りしますので、そのままいけば、延長でそのままいってしまう可能性というのは、ものすごくあると思っています。
○永井委員長 その道を残しておいた方がいいということですね。将来的にもっと発展する可能性があると。
○町野委員 インフォームド・コンセントというのは両者があるわけですから、これは提供者についてのあれですよね。要するにトライアルをされる人について、スカイプで話すということはあり得ないので、だからこの書き方も、例えば提供者の方についても、余剰胚の提供についても、スカイプでかまわないということではないだろうと思うのです。ですから、これはかなり一般的な書き方で、文書さえあれば大丈夫みたいな、そうではなくて、やはりものによるだろうと思うのです。
○永井委員長 余剰胚については次のページに。
○町野委員 書いてありますか、失礼しました。
○位田委員 それだけでいいのかというのは、ちょっと。
○町野委員 いやいや。それと、これはあくまでも提供の場合のインフォームド・コンセントの問題ですよね。恐らく被験者についてのそれではないという。これは、どこかに書かれていれば、これでよろしいのですが。
○松山委員 私のイメージは、実は被験者の方のイメージだったので、例えば非常に重症の心不全の患者さんで、例えばインフォームド・コンセントを東京大学に行って受けるのに、例えば鹿児島の方の病院にいらっしゃって、スカイプみたいなものにつないでもらってというのはあるのかなと思ったので、むしろ患者さんが動けないときというのは、非常にテレビ電話というシステムはいいのかなというイメージで思っていました。
 提供者の場合は、スカイプを用意するぐらいだったら、行った方が早いのではないかというのも実はあって、あまり想定外だったのですが、ここは倫理の専門家の武藤先生にお聞きしないと分からないのかなと思います。
○伊藤委員 今、スカイプはすごく簡単です。パソコンがあればいいわけです。
○永井委員長 そうすると提供者を、提供の場合は除くとか、明記したほうがいいかどうかですね。被験者の場合は、それは可能であるというか。
○松山委員 そういう御趣旨でしたか。余剰胚について……、私……の場合かなと思ったのですが。
○原専門官 余剰胚については3ページ上の、「また」以降のとおり、「直接の対面の形式が必要」という回答になっています。その前半の、このインフォームド・コンセントのテレビ電話については、こちらも提供者かとは考えていますが、パブリックコメントには提供者と被験者の両方の記載がありましたので、こちらでは問6の内容としても、インフォームド・コンセントと一言で書かせていただいたということで、いずれか、または両方という条件がもしよろしければ、こちらに追記させていただきたいと思います。
○高坂委員 ケース・バイ・ケースという言葉を使って申し訳ありません。これも、やはりテーマごとというか、課題ごとに違いますし、病院の対応、あるいは研究所がどこにあるかということでも違ってくると思うのです。したがって、これはこういった形での回答をするのではなく、するならば、やはり各施設のIRBで個別に審査をしてくださいと言うのが妥当だと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤委員 付け加えるならば、患者さんが様々な理由でそういう施設に行けないとか、負担だという場合と、先生方の方で、「自分は忙しいからとりあえずテレビでやろうよ」と言うのだったら、これは全然違いますので、そこのところはしっかり制限はきちんとしておいてほしいと思います。
○直江委員 最終的には、いわゆる文書同意でサインをすると思うのですが、それも郵送でやってしまうということですか。しかし治療を受ける直前には、やはりコンファーメーションはいるのではないかと。つまり、これで一番不安なのは、その人が本当に患者さんかどうかということは誰が担保するのかということがありますよね。だから別の方がしゃべっていて、実際に来たら患者さんではなかったという場合、では、誰がそれを担保してくれるのかという問題もあるので、私はやはりテレビ電話をプロセスのどこかに使うということはいいですが、きちんとした要件で、最後はやはり本人と会った上での確認が必要ですというのがいいのではないかと思いますけどね。
 確かに鹿児島の方が、例えばインフォームド・コンセントの長い説明を受けるために、8割くらいの部分はテレビ電話でやったとしても、やはり最後のサインの部分とコンファーメーションの部分は、どうなのですかね。やはり面と向かってやらないといけないのではないかという気はしますが、古いでしょうか。
○永井委員長 手続の一部はテレビ電話で可能だけども、サインであるとか本人確認というのは対面が必要であるということですね。それから受精胚の所は、やはり対面が必要であると、そんな書きぶり。
○直江委員 それともう1つ、「テレビ電話等」と書いてありますから、では、電話だけでもいいのか、メールだけでいいのかなど、どんどんこれは広がりませんか。ちょっと心配しますが。
○原専門官 では、今いただきました御意見を踏まえて、手続の1つとしては利用可能だが、最終的な確認については対面ということで、修正させていただきたいと思います。
○伊藤委員 少し追加させてもらいますが、スカイプなど、そういう簡便な、いわゆるテレビ電話的なものと、今はもっといい機械がいっぱいありまして、両方の施設間に、普段患者さんがいる所の施設なり、提供者がいる所の施設というのと、それを施行する側の施設で、非常に大きな画面で、そこでそれぞれの医師なりコーディネーターなり、様々な方も一緒に関与していて、議論していく、そして確認していくという、そこまでのことを言うのか。本当にスカイプ的な、何かテレビ電話的なもので想像するのかで、これは大分また違うと思うのです。そこのところも考えて、そのうち「テレビ電話」なんて書くと、すごく時代遅れな感じがする。間もなくそういう時代だと思いますので、そこのところもきちんと見て、検討されたらいかがでしょうか。
○位田委員 結局のところは、テレビ電話を使わなければならない場合には使っていいけれども、という話だと思うので、一部をテレビ電話で使ってよろしいという話ではないと思うのです。だから、被験者が非常に遠くにいて、先ほどの鹿児島と東京の場合には、これは使わなければいけない状態だと思うのです。
 提供の場合も、場合によったら説明は遠くにおられるかもしれないけれども、でも提供していただくときには、例えば東京に出てきていただいてやるというときには、説明はテレビ電話でいけるかもしれない。だけど先ほど伊藤委員がおっしゃったように、研究者の便宜のためにテレビ電話というのは、これはやはりやるべきではない話なので、テレビ電話でなければ説明ができない、もしくはインフォームド・コンセントが取れないという状況の場合には、テレビ電話を認めるけれども、基本は対面だということを、やはりちゃんと書いておくべきかなと思います。
○本田委員 私はこの「テレビ電話」という言葉自体も意味が分からなくて、今はスマートフォンでもフェースタイムとか、いろいろありますよね。何でもありなので、これを認めるなら認めるで、私はある程度は必要だと思っているのですが、それを何でもいいのかどうかということも、ちょっと理解に苦しむところなので、何らかを書いた方がいいのではないかと感じました。
○永井委員長 排除するものではないわけですね。その辺をどう使うか、どういうものを対象にするか、もう少し細かい記載が必要だと思います。
○町野委員 要するに説明のためには、いろいろな手段があり得る。電話でやってもいいし、いろいろテレビ電話もあるし、いろいろなやり方があるだろう。場合によっては書面のやり取りでもいいかもしれないし、しかし最終的にはコンセントのところがやはり問題なので、そういうところでは対面できちんと文書にして残すということが必要だと、そういうことではないでしょうか。
 だから書き方としては、インフォームド・コンセントとバカッと書くのではなくて、要するにインフォームド・コンセントにおける説明の手続については、適宜妥当と考えられる手段をとることが可能であると。例えばテレビ電話とか、いろいろなものがあるよと。しかし最終的には、先ほどから話がありますとおり、書面でフェイス・トゥ・フェイスでやってくださいということだろうと思うのですが。
○永井委員長 ということでよろしいでしょうか。では、そのほかに御意見はありますか。
○佐藤(陽)委員 1点だけ、すごく細かいことかもしれないのですが、問16です。一般的に医薬品とか医療機器の品質といった場合には、有効性と安全性を担保するものという意味での品質なわけでして、まず問い掛け自体が、安全性・品質が保証された細胞調製品でということになりますと、臨床試験をする意味がないということになってしまう。
 回答の方も、GMPに準拠したということになるのですが、GMPというのは本来、薬事の方面でのGMPというものは、有効性・安全性が証明された製品を、安定的、継続的に再現性よく供給するためのプラクティスであるわけなので、GMPに準拠してしまうと、要するに既に有効性も安全性も担保されている製品を作らなければいけないということなので、正確には治験薬GMPなのです。
 あと、もう1つGLPについては、少なくとも薬事の治験では、GLPは必須ではなくて、GLPはどこで必要とされているかというと、要するに治験が終わった後の販売承認申請のときに付けるものなのです。ですから、治験と比較的似ている性格を持つヒト幹の研究の中で、果してGLPが要るかというと、恐らく要らないと思います。それをどうやって回答に書き込むかというと、あまり書き込むと話がややこしくなるので、要らないとは思うのですが、補則的にちょっと説明させていただきました。
○永井委員長 事務局、いかがでしょうか。
○原専門官 ただいまの佐藤委員から御指摘の点については、治験薬GMPというように修正させていただきます。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。もしございませんでしたら、基本的にはこのまとめで御同意いただけたと思いますが、細かい記載についてはもう一度事務局で修文していただき、委員の先生方にお送りして、最終的には委員長に一任ということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○永井委員長 ありがとうございます。そうしますと、この見直し案は先生方の御意見に基づきまして、次回の科学技術部会に報告したいと思います。
 それでは、事務局から連絡事項等はありますか。
○原専門官 本日まで15回にわたりまして熱心に御議論いただき、ありがとうございました。本日御指摘いただいた点として、また修正の後に、委員の先生方に御確認いただきたいと思います。
 今後、事務局としても引き続き、ヒト幹細胞臨床研究が適切に行われますように、また努力していきたいと思います。今日お集まりの先生方、あるいは関係者の方々に、引き続き御指導、御協力をお願いしまして、また、これまでの御尽力に改めてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 最後になりますが、お手元に5月24日に閣議決定して、国会に提出されました「再生医療等の案全性の確保等に関する法律案」の関係資料を配布させていただいております。また御参照をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○高坂委員 最後に1つだけ御質問をさせていただきたいのです。先ほどから文科省との整合性を図るとの言葉があって、特に文科省の方でこれから何点か審議していただくわけですよね。それがある一定の結論が出た暁には、もう一遍この会議をここでやるということですか。
○荒木室長 そうですね、文科省さんにも御努力いただいて、なるべく早い段階で。例えば先ほどの細則の問題、ESの問題も含めて、反映させていかなければと思っています。
○高坂委員 そういうことですね、分かりました。
○永井委員長 この委員会は解散ではないということですか。
○荒木室長 そうですね、現状、文科省さんの進捗状況を踏まえるという形になります。あともう1つ、こちらの法案関係がありまして、今のヒト幹が法律に基づくものになっていきますので、そうなった場合にはこのヒト幹がベースになるのですが、又、新たに作り直すということになりますので、この委員会でやるのか、もっと別の上の委員会が必要なのかということは、又、科学技術部会等で相談してと思っています。
○永井委員長 とりあえずは、終了という理解でよろしいですね。
○荒木室長 はい。
○永井委員長 それでは、これで終了となります。どうも長い間、ありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課再生医療研究推進室
TEL  03-5253-1111
内線 2587

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