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2013年1月16日 第11回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録

社会・援護局

○日時

平成25年1月16日


○場所

グランドアーク半蔵門 華の間


○出席者

岩村正彦部会長代理 上田文雄委員(中村代理) 岡崎誠也委員
奥田知志委員 柏木克之委員 勝部麗子委員
櫛部武俊委員 小杉礼子委員 駒村康平委員
高杉敬久委員 武居敏委員 谷口仁史委員
野老真理子委員 長谷川正義委員 花井圭子委員
広田和子委員 藤田孝典委員 藤巻隆委員
堀田力委員 松井一郎委員(井手之上代理) 宮本太郎部会長
山村睦委員(泉代理)

○議事

○宮本部会長
 おはようございます。定刻となっております。ただいまから第11回「社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、今日は大変足元の悪いところをおいでいただきまして誠にありがとうございます。
 前回の特別部会から随分期間が空いてございます。その間に政権の交代もあり、政務も交代されております。
 本日は、桝屋厚生労働副大臣が御出席くださっております。議事に入る前に桝屋副大臣から御挨拶をお願いできるでしょうか。

○桝屋厚生労働副大臣
 皆様、おはようございます。今、部会長からもお話がございましたが、このたび新しい政権が誕生いたしまして、新たに厚生労働副大臣を拝命させていただきました、桝屋敬悟でございます。
 私は、岡崎委員と同じでありまして、衆議院議員に出る前は山口の県庁に勤めておりました。ケースワーカーになりたくて県庁へ入ったというところでございます。本庁で生活保護の係長も経験をし、それぞれの福祉事務所の指導等にも携わってまいった経験がございます。また、国会に参りましても長い間、厚生労働行政を中心に活動してきたと思っております。
 さて、生活保護制度につきましては、一昨年7月、受給者数が過去最高を更新して、以降、増加を続けているわけであります。国民の関心も非常に高くなっております。我々、選挙戦の中でも数々のお声を頂戴してまいりました。こうした中で、本部会では昨年の4月以降、新たな生活困窮者支援体系、あるいは国民の信頼に応える生活保護制度の構築に向け、精力的に御議論・御論議されてきたと伺っております。昨年12月の選挙により政権交代が成りましたけれども、本部会では御議論いただいていることにつきましては変わらず重要な問題だと認識をいたしております。
 本日の部会では、これまでの御議論を踏まえ、起草委員の皆様方より作成していただいた報告書(案)を提示し、御議論いただくと伺っております。厚生労働省としても皆様方の御意見をしっかりと受けとめていきたいと考えておりますので、委員の皆様におかれましては報告書の取りまとめへ向け精力的な御議論をお願い申し上げたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 どうもありがとうございました。報告書の議論をしっかり受けとめていただけるということで、大変心強く伺った次第でございます。
 次に、事務局から委員の出席状況について御報告をお願いいたします。

○古都社会・援護局総務課長
 それでは、本日の委員の出席状況でございます。
 石委員、岩田委員、宮本みち子委員の3名が御欠席でございます。
 また、上田委員の代理といたしまして中村札幌市保健福祉局総務部生活保護担当部長、松井委員の代理といたしまして井手之上大阪府福祉部長、山村委員の代理として泉日本社会福祉士会副会長に御出席いただいております。
 出席委員につきましては、委員総数25名の3分の1を超えておりますので、開催の要件を満たしております。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 カメラ撮影はここまでということにさせていただきたいと思います。

○宮本部会長
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 これまでの特別部会における議論を踏まえて、起草委員会のほうで本特別部会の報告書(案)を作成してきました。そして本日、皆様にお配りをしております。本日は、この報告書(案)について委員の皆様から御意見をいただきたいと思っております。
 その点に関連して、別途資料を提出していただいている委員もいらっしゃいます。ただ、時間の都合上、その資料のための特段の時間は設けませんので、それぞれ御意見をお述べになる際に資料について適宜お触れいただければと思います。
 議論に入る前に、報告書(案)の概要を起草委員会から、また事務局から説明をさせていただきます。まず、私から簡単に、報告書を貫く基本的な考え方についてお話をさせていただき、総論部分と申し上げてもいいですけれども、それから、事務局のほうから報告書の細部について概括的にお話をいただくということにさせていただきます。
 報告書の基本的な考え方でございますけれども、言うまでもなく、生活困窮者が大変増大をしている。そうした中で、頑張って働く、そして報われるということがなければ、これまでこの国の繁栄をつくってきた社会の根本が揺らいでしまうだろう。これがまず出発点でございます。
 そうした中で、生活困窮に陥るということはこの国の誰にでも起こり得ることになっている。であるからこそ、もし生活困窮に陥っても生活保護の受給に至る前に、あるいは一時受給に至っても、少しでも早く困窮から脱却できる、そのような条件をつくっていくことが大切なのだということです。
 もちろん、最後のセーフティーネットとしての生活保護の役割は大変大事なのだ。しかし憲法第25条にある、健康で文化的な最低限度の生活というものは、やはり社会に参加して、そこで承認されてある、包摂されているということなのではないだろうか。これが基本的な見方、認識でございます。
 それで、今、社会の根本が揺らいでいると申し上げましたけれども、それはどう揺らいでいるのか、どう対応するのか。報告書では、4つの基本的な視点ということでそのことをあらわしています。
 第1に、自立と尊厳であります。国民一人一人が生き生きと働く。そして、一人一人の能力が伸びていく。これこそがこの国の活力の源であるはずですけれども、それが実現しなくなっている。したがいまして、国民の社会的、そして経済的な自立を促進することが大切なのだけれども、それは一人一人の尊厳をたっとぶ形で進めなければいけない。誰しもが幸福になりたいと思っている。一人の人間として認められてありたいと思っている。その思いに寄り添い、またその思いを生かしていくことが大切なのだ。これが自立と尊厳ということであります。
 第2に、つながりの再構築で、尊厳ある自立を実現していく大前提がつながりである。家族であれ、地域であれ、つながりがきちんと持続・再生されていくことが大事である。
 第3に、子供・若者の未来であります。生活困窮世帯で育ったからといって、子供と若者が最初から人生を諦めることが決してあってはならないということです。
 第4に、信頼による支え合い。生活保護のような支え合いの制度は、それがまさに社会の基盤だからこそ、ここで不信が広がってはならないということです。不信というものは、生活保護制度はなかなか複雑な制度でありまして、正確な情報が伝わっていないことから起因することもある。しかし他方において、生活保護の運用に問題があることから不信が広がっていくこともある。きちんとその制度の仕組み・性格を伝え、同時にその制度の運用に問題が生じているならば、それは正していかなければいけないということであります。
 こうした4つの基本的な視点から、いかに支援を実現していくのか。報告書では、支援の3つの形を述べております。
 1つは、包括的・個別的な支援です。一人一人が困窮に陥っているという、その要因は経済的な要因、健康の要因、家族の問題、重篤な問題など、複数の要因が一人一人にとって複雑な形で組み合わさっている。これを解決していくためには、まず縦割行政を超えて包括的にアプローチする。同時に、一人一人の事情に沿って個別的に対応していく。これが包括的・個別的ということです。
 2番目に、早期的・継続的ということです。生活困窮からの脱却への対処・支援で、これは早く始めることが効果的であります。もちろん、これはいたずらに早く制度から出ていけということ、追い立てるわけではありません。そのほうが脱却が容易になっていく、そして継続的であることであります。自立のそれぞれの段階に応じて、包括的・個別的に対話をしていく、継続的に伴走をしていくということであります。
 最後に、分権的・創造的ということです。こうした支援を実際に行っていくのは自治体であろうかと思います。自治体にはそれぞれ、これまでもいろいろな実践の積み重ねがありました。それを何か上からのフレームで損ねてしまうというのではない、それを尊重することが必要で、何よりも同時に、地域の実情に合わせた創造的な取り組みが必要であろうかと思います。
 このような基本的な考え方に沿って、以下、事務局のほうから個別の政策・制度について概要をお話しいただきますけれども、あらかじめ申し上げておくならば、こうした個別の政策・制度についてはさまざまな考え方があり得る。今、申し上げたような基本的な考え方に賛同いただける場合においても、これからお話しいただく点についてはいろいろな考え方があり得るだろうと思ってございます。
 先ほど分権的・創造的と申し上げましたけれども、幾つかの制度・政策については、答えは1つではない。これは自治体で実践しながら、走りながらつくり上げていくということも必要かと思います。もちろん部会長として、びたっと整合的で一貫した報告書をつくれなくなった場合へのエクスキューズではありませんけれども、多面において、それは非常に大事なことだろうと思っております。
 今日の特別部会でも、皆様からたくさんの御意見をいただくと思います。可能な限り、先ほど申し上げたように、創造的な取り組みが広がっていく中でいろいろなことが試されていくという余地を残しながら報告書をつくり上げていきたいと思ってございます。事務局からのお話の後の御議論においても、その点、よろしく御協力をお願いしたいと思います。
 それでは、事務局のほうからお願いします。

○古都社会・援護局総務課長
 お手元の資料1に沿いまして、整理した、いわゆる各論の部分について御説明いたします。これは部会長の、起草委員会の指示をいただきまして、これまでの10回の議論を整理し、起草委員会でまとめていただいたということでございます。
 なお1点、私ども事務方の構成作業の誤りもありましたので、後ほど御指摘をさせていただきたいと思います。
 9ページで「III.新たな生活困窮者支援制度の構築について」というところでございます。これは9月28日の論点整理、それから11月14日の皆様の意見の取りまとめ等も踏まえつつ、起草委員会で整理いただいたところでございます。全文を読み上げるわけにはまいりませんので、主なポイントを事務局からは御紹介させていただきます。
 9ページで、この「III.新たな生活困窮者支援制度の構築について」の中で「1.基本的な考え方」でございます。これは先ほどの総論の流れも踏まえながら整理されております。
 最初の○にございますように、この新たな生活困窮者支援制度につきましては、広く生活困窮者に対しまして、生活保護に至る前の段階で早期に支援を行う。そして必要に応じ、生活保護受給者であっても、この新しい仕組みを活用できるようにして、全体として困窮状態からの早期脱却を図るということでございます。
 2つ目、3つ目の○にございますように、先ほど創造的・分権的ということもございましたように、地域の実情に応じて柔軟に実施できる仕組みとすることを基本の考え方としておりますし、当然、効果測定とか役割分担、無駄の排除もやるということが整理されております。
 2つ目の「国と地方、官と民の協働による体制づくり」でございます。
 今の趣旨に沿って行う場合には、国と地方自治体、あるいは行政と民間、それぞれの役割のもとに協働して取り組む。この部会でも御紹介してきましたように、これまで多くの先駆的な取り組みが進められておりますので、それを阻害してはならないという考え方で「協働して取り組む必要がある」とされております。
 以下、さまざまな地域の中で生活困窮者支援の経験を持つ地方自治体が実施主体になりながら、地域の社会福祉協議会、社会福祉法人、NPO、民生委員・児童委員等々と連携・協働しながら進めていくことが適当であるとされております。
 その次には、もちろん福祉部局のみならず、関係部局、国で言えば関係省庁が連携して総合的に取り組むことが必要であるということです。
 さらには、国・地方がそれぞれの役割や責任を踏まえて、財源や人材養成を含め、責任ある体系となるようにすべきであるという整理でございます。
 これが「1.基本的な考え方」でございます。
 10ページで「2.新たな相談支援の在り方」でございます。
 「(1)谷間のない相談支援体制の構築について」でございます。ここの1つ目の○にございますように、現状、十分ではないという中で「今後は」というところで「本人の状況に合わせた丁寧な対応を行う新たな相談支援体制を構築することが必要である」ということでございます。
 以下、2つ目、3つ目の○等におきましては、そういう課題を抱えておるところの状況に対し、冒頭、総論でも御説明がございましたが、包括的・一元的に対応する体制が必要である。あるいは3つ目の○で、早期支援のためには、関係機関のネットワークづくりが重要であるとされています。
 4つ目の○につきましては、何も経済的困窮とかそういう問題だけではなく、健康面、生活面、あらゆるさまざまな課題についての対応も必要であるということです。
 一番下でございますけれども、既存の相談支援機関もございます。そういったものの対応も含めて、実態に即した、柔軟な対応が可能となるよう工夫すべきであるということでございます。
 11ページで、そういったイメージで「新たな相談支援事業と関係機関のネットワーク」を作成するようにと起草委員会でもございまして、これはそういう御指示をいただいて事務局で作成したものでございます。この相談支援事業というものは利用者と相談員の相談、チーム支援に加えて、さまざまな関係機関が協力し、大きなネットワークをつくっていく。地域の機関のネットワークと同時に、個人に対する包括的な支援ということのイメージでございます。
 11ページの真ん中で「(2)新たな相談支援事業の機能について」でございます。
 12ページのほうに「基本的な相談支援の流れについて」というものがございます。これを模式にしたものが11ページのイメージ図でございます。
 生活困窮者の方が新たな相談支援事業で受けられたときに大切なことは、まず相談・スクリーニングをする。これについては、上の絵にもございますが、地域の関係機関のネットワークも通じて、課題を抱える生活困窮者の把握をしていく。当然、訪問支援もあわせて行うということでございます。
 その上で「1相談・スクリーニング」、まず適切なアセスメントが必要であるということです。
 3つ目でございますけれども、この相談・スクリーニングの過程におきまして作られる支援計画については、本人への丁寧な情報提供と、これに基づいた本人の意思を十分に勘案した上で支援計画をつくる。そして、必要なサービスへのつなぎをするということでございます。これは公的な支援を行うものでございますので、地方自治体もきちんとこの計画には関与し、必要な事業利用や支給を確認・決定をしていくということで、相談支援を担う機関だけではなく、地方自治体も含め、あるいは関係機関も含めて、合意した形での支援を行うというものがこの絵でございます。
 その後、支援が始まった後につきましても、効果を評価・確認しながら、自立までの包括的・継続的に支えていく寄り添い型の支援を行うことが必要であるということでございます。
 なお「4支援調整会議」という表現で、まさに言ってみれば、これは12ページの2つ目の○にございますように、関係機関が支援内容を調整する場としての機関がやはり必要であろうということであります。支援内容が適切かどうかということについて、第三者の目を入れて確認をすることが必要であるという趣旨でございます。
 さらにということで、この新しい取り組みはこれから取り組んでいくことでございますので、支援の効果測定やエビデンスに基づく支援計画をつくるためにも、データベース化が必要であるということになってございます。
 「福祉事務所との関係について」でございます。福祉事務所との関係につきましては、ここでは新たな相談支援事業についても議論がございました。その点につきまして、やはり生活保護受給者に対する支援の責任はこれまでどおり、実施機関たる福祉事務所が担うということとされております。
 その上で13ページに、福祉事務所がこの新たな相談支援事業の運営機関とも連携をしつつ、新たなサービスも活用しつつ、支援すべきであるということに整理されてございます。
 逆に、新たな相談支援事業の運営機関において、来訪された方が、直ちに新しいサービスが利用困難であって、これは生活保護の受給が必要であると考えられるときには、適切に生活保護制度、いわゆる福祉事務所のほうにつないでいくことが必要であるということで、この福祉事務所と新たな相談支援事業の運営機関とが相互に連携をして適切にやっていくということで整理されております。
 そうした上で、3つ目の○でございますけれども、生活困窮者が就労等を通じて積極的に社会に参加し、個人の状態や段階に応じた自立ができるよう、さらに意欲を喚起しつつ必要な支援を行うということは、生活保護受給者であっても新たな利用者であっても同じであるということでございます。
 「新たな相談支援事業の運営機関でのサービス提供について」ですが、若干、先ほどの絵と繰り返しになりますけれども、複合的な課題を生活困窮者は抱えているということが大半でございますので、関係機関が連携しながらチームとして機能するように、さらに、できるだけそういう外の機関もうまく活用して支援すべきであるという考え方でございます。
 それは、地域ネットワークを強化していくという役割を担うことにもなります。
 一番下の○ですけれども、相談だけではなく、緊急的・一時的な支援も必要となる場合があるということですので、いわゆるシェルターと言われるような一時的な居住の支援、こういったものも活用しつつ行うということを検討することが考えられるとされております。
 14ページで「(3)新たな相談支援事業の対象者について」でございます。この場でもかなり御議論がございまして、生活困窮者全てということになるとこれは間口が相当広いのではないか等々、いろいろな議論もございました。そういう中で、新たな相談支援事業の対象者等について、議論をまとめると、地方自治体の意見も踏まえてやっていくべきであろうということ等の整理でございます。
 その際、非課税世帯などの低所得者の対策も課題であるという意見もありました。最終的には、新たな相談支援事業の対象者は、今回、自立の支援という目的を踏まえますと、生活保護の一歩手前の経済的困窮者を中心に検討すべきであろうということであります。
 当然、生活保護から脱却した方につきましても、新たな相談支援事業でフォローしていくという必要もあると整理されております。
 それから、実施主体でございます。実施主体につきましては、この新たな相談支援事業を既存の福祉事務所が全てを担うことは困難であるとした上で、地方自治体からの委託を受けて、社会福祉法人や社会福祉協議会、NPOなどの民間団体も実施できるように必要な法整備を行うことが必要であるという整理でございます。
 2つ目の○でございますが、こういう生活保護制度との一体的・連続的な制度運用という観点から見ますと、福祉事務所を設置している自治体を中心に考えることが適当であるとされています。
 その上で、小規模自治体でも取り組めるように、柔軟な制度設計とすべきであるということでございます。
 15ページで、職員の配置でございます。これもさまざまな意見がございました。その中で、この新たな相談支援事業の職員につきましては、特に初回面談時については、多様な課題・複合的な課題を持っているということから総合的な視野に立った相談員を配置していく。さらには、先ほどありました地域づくりも重要でございますので、そういったことも可能となるような人材の配置も必要であるということでございます。
 その中で、社会福祉士の配置という御意見もございました。
 それから、こういう民間機関などを活用しつつ、機能強化を図ることになると、福祉事務所についても、当然、相談支援機能が低下しないようにやっていくということです。
 さらに、ケースワーカーについても、人員確保について努めるべきということで御意見がございました。
 「(6)新たな相談支援事業に係る人材育成について」は、人材育成の制度化が必要であって、国において一定の研修カリキュラムの標準モデルを示すことが必要であるということにされております。
 一番下で、その際、人材育成の研修は、座学だけでなく、実践的なものとすべしということでございました。
 16ページでございます。それでは、こういう相談支援事業を踏まえてさまざまなサービスを展開するわけでございますが「3.就労準備のための支援の在り方について」ということです。
 就労準備の支援事業については(1)でございますように、やはり生活困窮者の就労意欲の喚起に当たっては、幾つかの段階を設けることが必要であるということで、こうした能力を培うための支援を一貫して行うための事業の実施が必要であるということでございます。
 (2)の2つ目の○にございますが、
1 社会参加のために必要な生活習慣の形成や回復のための訓練、
2 就労の前段階として必要な社会的能力を身につけるための訓練、
3 継続的な就労経験の場を提供し、一般就労への就職活動に向けた技法や知識の取得等の支援を行う訓練、
こういったものが必要であろうということでございます。
 実施主体につきましては、福祉事務所を設置している自治体を中心に考えることが適切であるということであります。
 こういった分野については民間団体が先駆的に取り組んでこられておりますので、そういった民間団体が主体的に役割を果たせるような制度設計を検討すべしということでございます。
 17ページで、就労準備の対象者をどう考えるかでございます。これもいろいろ意見がございましたが、要は稼働年齢世代の自立支援がしっかりと行われることが大変重要であるという認識のもとに、既存の職業紹介や求職者支援制度などの就労支援の対象となりにくく、直ちには一般就労することが難しい者を主たる対象として考えるべきであるということでございます。
 同時に、これは生活保護を受給しながら、こうした事業を利用することができるように検討すべきであるということでございます。
 (5)で、就労準備支援事業と新たな相談支援事業は、当然、新たな相談支援事業できちんと本人の参加と同意のもとで支援計画をつくるわけですから、それに基づいて連動して実施すべきということでございます。
 「(6)就労準備支援事業の実施期間について」ですが、一定の期間を定めて実施すべきということでございまして、これまでの経験から、6カ月から1年程度は必要であろうということで、検討すべきということでございます。
 18ページで、就労準備支援事業の実施形式につきましてはいろいろ意見がございまして、通所型による支援に加えまして、一旦家庭から離れなければ自立支援ができないという指摘も多いことから、本人支援・家族支援という面から宿泊型の支援も検討すべきとの意見が強くございました。
 「4.中間的就労の在り方について」でございます。
 このように、就労意欲を喚起すべきという人の次の段階といたしまして、一方で、直ちに一般就労を求めることが難しい者もいらっしゃるということで、段階的に、中間就労の場あるいは社会参加の場を設けることが必要であるということでございます。
 これにつきましては、19ページでございますが、さまざまな意見がございましたということで、意見が整理されております。福祉施策の一環として、労働基準法制の適用外とすべき。あるいはケアつきである、賃金労働ではなく参加に重点を置くべきであるという意見もあれば、訓練と位置づけるべき。一方で労働者としての位置づけをきちんと位置づけるべきであるという意見もございます。こうしたものについては、制度設計に当たっての検討事項ということで整理がされております。
 「(2)中間的就労の対象者について」でございますが、一般就労に向けたトレーニングの段階として利用する者を基本的に想定をします。「ただし」のところでございますけれども、就労のみならず社会参加の場として利用する人も存在することは想定されるということです。
 さらに、生活保護受給者も利用できるように検討すべきということですので、幅広くこれを多様な層で活用するという整理でございます。
 「(3)中間的就労と新たな相談支援事業との関係について」でございます。基本的には、本人の同意のもと、支援計画をつくる。これらについては、先ほどのように、就労準備支援事業と同じ取り扱いをすべきということでございます。
 20ページで「(4)中間的就労の内容について」ですが、やはり一定程度の生活習慣の確立が前提で、軽易な作業等の機会を提供すべきということでございます。
 その上で、持続可能な取組とすべきで、公共部門からの仕事の受注の仕組みも検討すべきという意見がございました。
 さらに「また」というところでございますが、この中間的就労というものは、地域の資源を活用したり、地域社会への貢献に資するといった地域ニーズを踏まえたものが望ましいということで、幾つか農業等の例示もありました。
 「(5)中間的就労の提供期間について」でございます。先ほど、就労準備のほうは6カ月から1年ということで整理をいたしておりますが、こちらのほうでは、対象者の状態も多様でございますので、上限を一律に設けることはしないで、むしろ定期的に相談支援事業でアセスメントすることで見直すという形での対応ということでございます。
 21ページで「(6)中間的就労の事業形態について」です。これは論点でも示したように、社会福祉法人やNPO、民間企業などのいわゆる社会的企業の自主事業として位置づける。特に社会福祉法人は積極的に取り組むべきであるということでございました。
 提供するに当たっての幾つかの課題というものも、人材的な支援等についての御意見が出されたところでございます。
 それから、中間的就労を広げていくためには、一般の民間企業の参加が期待されるということであります。他方、それだけではなかなか企業のほうも大変であるということで、民間企業で中間的就労を提供するためにも、多様な支援策の検討が必要であるということになっております。
 中間的就労の制度設計に当たっても、1カ所で複数集める集合型もあれば、少数の生活困窮者を受け入れる形の柔軟な対応が必要であるということでございます。
 (7)で、適正性の確保についてもいろいろ意見をいただきまして、ステップアップに資するように、支援の適正性の確保のための仕組みもあわせて検討すべきということで、22ページに論点が整理されております。
 「(8)中間的就労を推進するための支援について」で、直接的な財政支援というよりは、地方自治体の商工部局、農水部局などの事業立ち上げのノウハウですとか、財やサービスを優先的に購買する企業とのネットワークの構成、税制優遇など、社会全体の力をかりた形の支援が必要であるということでございます。
 その次の次の○にございますように、適正性の確保をするというためには、認定された事業者について、公共契約での優位性を持たせるほか、能力開発・専門スタッフの育成などの意見もございました。
 さらに、研修についても支援をすべきという意見もあったということでございます。
 23ページで、起業に当たっての非営利金融法人等の支援も必要。こういう幾つか具体的な提案もあったということで整理されております。
 「5.ハローワークと一体となった就労支援の抜本強化」です。
 「(1)地方自治体とハローワークとが一体となった就労支援体制の整備について」でございます。23ページはこれまでの取り組みが整理されておりますが、一番下にありますように、まだ支援の体制とか規模は十分でなく、早期にアプローチ可能な体制整備には至っていないということでございます。
 ですので、24ページの「このため」というところで、地方自治体とのワンストップ窓口を引き続き整備し、さらに強化、就労支援体制を全国に整備をし、就労可能な生活困窮者を広く対象者として、これは生活保護受給者だけではなくという趣旨でございますが、早期のアプローチを徹底する。さらには、職業紹介事業を行う地方自治体が希望すれば、ハローワークの求人情報をオンラインで提供することも検討するということで、今後の抜本強化の考え方が24ページにされているところでございます。
 「(2)ワンストップ型の就労支援体制の構築について」は、全国的に整備するということで、常設あるいは巡回相談、予約相談等の3類型で整備をするということです。
 対象者についても、生活保護受給者、児童扶養手当受給者、住宅手当受給者に加えて、これから受給しようとする人等を加えるということです。
 25ページですが、新たな相談支援事業との連携も図っていくということ。
 それから「(5)就労支援サービス内容の充実・強化について」で、課題に応じた支援プログラムの開発・実施ということも求めております。
 下から2つ目でございますけれども、ハローワークによるフォローアップ事業。つまり、生活保護受給者が就職されても離職のリスクを抱えるということでの論点整理がされております。
 26ページで「6.家計再建に向けた支援の強化について」でございます。
 (1)の1つ目の○で、家計相談支援というものは、生活困窮者の家計の再建のためには、金銭給付のみならず、返済が必要な貸し付けという枠組みを活用することも有効であるということでございます。
 3つ目の○にございますように、一方で市町村民税課税の方についての支援も十分ではないということでございます。
 4つ目の○にございますように、これらにも消費生活協同組合などがやっていることもあるということで、こうした取り組みを参考にしつつ、市町村民税課税の者であっても、多重債務等々の方について貸し付けが受けられるような環境整備も必要であるということでございます。
 相談の内容につきましては、家計収支等に関するアセスメントをした上で、家族・親族からの支援調整、あるいは支出の適正化、家計表をつくったりして理解していただく。さらには一時的な資金不足の貸し付けあっせん等々、家計収支バランスの適正化を図って、生活困窮者の自立を支援することが必要であるということでございます。
 それから、こういった取り組みをやるためにも、27ページで、国が標準的なカリキュラムを示したりして、支援員の養成を支援していくことが必要であるということでございます。
 実施主体につきましては、この家計相談支援につきましても、福祉事務所を設置している自治体を中心に考えていく。その上で、実施に当たってはさまざまな既存の機関に委託することができるようにするということでございます。
 対象者でございますけれども、生活に困窮している者またはそのおそれがある者として広く対象にするということで、内容によっては生活保護受給者も利用できるようにするという考え方でございます。
 その際には、当然、生活保護受給者に当たっては、福祉事務所ときちんと連携を図って、本人の同意を得つつ利用していくということでございます。
 (5)で、この相談支援事業との関係は、基本的に相談支援事業を利用してということですが、ただし書きにございますように、内容によっては家計相談支援を単独で提供することもあり得べしということでございます。
 生活福祉資金につきましても、いろいろ課題があるということですので、一番下の○ですけれども、家計相談支援の導入をやって、社会福祉協議会自らが実施したり、あるいは頼んだりすることで、むしろ相談支援の充実を図っていくということでございます。
 29ページで「7.居住の確保について」でございます。
 居住の確保支援というものは、やはり離職の方が再び自立するための第一歩であるということにした上で、現行制度は平成21年度から住宅手当制度が臨時の予算措置としてありますけれども、一定の効果を上げているということで、2つ目の○にございますように、居住の確保を支援する給付金の制度化を検討することが必要であるということでございます。
 居住の確保については、さまざまな意見もありましたということがその次に整理をされてございます。
 (2)で、この給付金の提供事務は、やはり給付金の支給という性格を踏まえると、地方自治体が適切であるということで、福祉事務所を設置している地方自治体を中心に考えるということでございます。
 給付金の対象者につきましては、住宅手当制度の趣旨を踏まえて考えていくということで、離職により住居を喪失した生活困窮者を考えるということでございます。
 新たな相談支援事業との関係は、これも先ほどの他の事業と同様の趣旨でございます。
 「(5)一時的な居住等の支援について」で、やはり住居がない生活困窮者が新たな相談支援事業による相談窓口を来訪した場合には、緊急的・一時的に宿泊場所や食事等々の提供を行うことが必要であり、ホームレス自立支援法がございますけれども、シェルターといったものを拡充する中でいろいろ位置づけていくことが必要であろうということでございます。
 さらに(6)で、空き室情報の提供等につきましても積極的にやるという整理でございます。
 「8.子ども・若者の貧困の防止について」でございます。
 「(1)若者向けの相談支援の実施について」は、31ページで、子どもや若者が抱える課題の深刻化、複雑化。それから、貧困の連鎖を断ち切るためにも継続的な支援が必要であるということです。
 そして、2つ目の○にございますように、教育分野、精神保健分野、労働分野、福祉分野が一体となって、学校教育段階から総合的に進めることが必要であるということでございます。
 それから、こうしたニート等の状態が長期化した場合には就労にますます結びつきにくくなるので、こういう若者に対する相談支援、就労支援も重点的に取り組む必要があるということでございます。
 これらを踏まえて、32ページでございますけれども、一番上の○にあるように、経済的に困窮している若者については、新たな相談支援事業と連携しつつも、発達成長過程にある若者や子どもであったり、関係機関の多様性、あるいは若者や子どもにとっての利用しやすさ等々を考えると、3つ目の○にございますように、ニート等の若者の職業的自立については、地域若者サポートステーションの充実・強化で対応することが適切であるということでございます。
 (2)にありますように、経済的に困窮している若者向けの相談支援についても、訪問支援といったことで、早期発見に取り組んでいくということでございます。
 その上で「(3)子どもの学習支援や社会性を育むための支援について」も、義務教育段階から学習支援等を行っていく必要があるということで、学習支援については、社会生活を営む上で必要となる知識を幅広く教えていく、こういうことも重要であるということで整理がされております。
 34ページの(4)で、学習支援等の事業の実施主体につきましては、地方自治体ができるようにし、社会福祉法人やNPO等に委託するようにするということも適当であるとしてございます。
 以上が、新しい制度のさまざまな論点が整理されたところでございます。
 35ページ以降は「IV 生活保護制度の見直しについて」でございます。
 生活保護制度の見直しにつきましては「1.基本的な考え方」でございます。冒頭、起草委員会委員長からありましたように「最後のセーフティネット」としての役割を引き続き果たすということ。しかし、近年の急増等の状況にあって、自立を助長する仕組みが機能していないということもあり、新たな生活困窮者支援体系の構築にあわせて、一体的に生活保護制度の見直しを行い、両制度が相まって、生活困窮者の状態や段階に応じた自立を促進することが重要であるという考え方が整理されております。
 最初に「2.切れ目のない就労・自立支援とインセンティブの強化について」でございまして、稼働可能な方については、切れ目なく、また、どの段階でも、就労などを通じて積極的に社会に参加し、自立することができるように支援をするということでございます。
 「(1)保護開始段階での取組について」で、自ら積極的に就労活動に取り組まれる方に対しての一定の手当の支給ということも言われております。
 それから、早期に対応するということで、一定期間を集中期間として実施をするということです。
 さらに、なかなか自らの希望が満たせない場合には、36ページの2つ目の○でございますけれども、より場所等を広げて就職活動を行うことも支援していくということでございます。
 (2)で、開始から3カ月から6カ月たった段階では、まず低額であっても一旦就労するということが生活のリズムの安定等につながるということで取り組んでいくということであります。
 もちろん、「まずは就労」と強調すべきではないという意見もあった一方で、これも大切であるということでございますので、全体としてはそこを基本的な考え方とするということで整理されております。
 したがって、これは一人一人の状態をよく見て支援をしていくということであります。
 「(3)就労開始段階での取組について」で、勤労控除制度が十分ではないということでございますので、これを見直しすることとし、控除率が低下する仕組みを見直すということです。
 あわせて、特別控除も整理して、勤労控除全体の見直しを行うということでございます。
 37ページで「(4)保護脱却段階での取組について」ということで、インセンティブを強化するということです。
 特別控除も含めて勤労控除全体を見直していくという上で、加えて脱却を目指されている方について、収入認定される範囲内で別途、一定額を仮想的に積み上げて、安定就労の機会を得た場合に保護廃止という際に積み上げたものを支給をする制度を創設するということでございます。
 これについては、どの程度の額等々今後検討すべき課題が御意見としてあったところでございます。
 保護脱却後の取り組みにつきましても、先ほどの新制度の活用、それから支援方法の見直し等々についても幾つか指摘がございましたので、これを整理しています。
 「3.健康・生活面等に着目した支援について」でございます。
 健康で生活できることが何よりも自立に向けたチャレンジを行う上で大変重要であるということですので、健康保持・増進の支援をしていくということで、健康診査の受診などを促しながら、自ら意識していただくということをし、そしてそういった助言指導ができるような専門職員の配置を進めていくということでございます。
 次に、生活保護受給者の家計管理の取り組みでございます。家計管理の取り組みにつきましては、社会生活を送る上で、自ら家計管理ができることも必要であるとした上で、誰でもということではなく、福祉事務所が必要と判断した者について、例えば家計管理の支援をするということでございます。これは先ほどの家計相談支援事業の活用も考えるということでございます。
 (3)で、住宅扶助については、いろいろな事情で滞納等もございます。そういう家賃滞納をされるような方については、代理納付を推進して、安定した居住を確保していくということでございます。
 40ページで、さらには既存の民間住宅ストックへの受給者の受け入れを促進していくという観点で、受給者の受け入れを民間団体も活用して、孤独の防止であるとか、いろいろ相談支援を進めるということでございます。
 それから、地域の機関が連携して支援する体制を構築していく中で、いわゆる社会的入院の解消を図るということも努めていくということでございます。
 その次で、おわびでございます。事務局が順番の整理を間違えておりまして、その次に不正・不適正受給、全体が生活扶助の流れでございますので、申しわけありませんが、従前の5.と4.が入れ代わっております。事務局のミスでございます。おわび申し上げます。
 「4.不正・不適正受給対策の強化等について」でございます。
 冒頭、部会長からもございましたように、生活保護の条件を正しく知っていただくべきであるということで、例えば現在、不正受給で把握されているケースは、金額ベースで見た場合に全体の0.4%でございます。そういうことを明らかにした上で、ただ、一部であっても不正受給があり、その対応を放置することは国民の信頼を損なうことにもつながりかねないということで、厳正に対処することが必要であるということでございます。その上で大切なことは、真に支援が必要な方には確実に保護が行われることに十分に留意をしつつということでございます。問題があった場合にしっかり厳正に対処できる仕組みを考えるという趣旨が必要であろうということでございます。
 まず不正受給対策の強化につきましては、調査権を拡大すべきということでございます。一昨年に行われました国・地方の協議等で地方自治体からも、問題があると思われるケースについてきちんと調査をする必要がこの信頼確保に必要であると言われており、御意見も賜っているところでございます。
 その次の41ページにございますように、具体的には生活保護受給者等の資産及び収入の状況等がお聞きできる、調査できることを明らかにし、また、仮に過去に不正をしていたことが明らかになった者についてということでして、やみくもに過去の受給者をどうこうするということではなく、そういうことが明らかになった人についてはきちんとどうでしたかという調査ができるようにする権限を明確にすべきということです。
 さらに現在、福祉事務所のほうでいろいろ官公署に尋ねた場合でもなかなか回答していただけない場合がございますので、そこについては、必要な照会をした場合については必要な回答をしていただけることを位置づけるほうがいいだろうということでございました。
 それから、生活実態の把握とか不正受給が疑われる場合について、説明を求めていくということですけれども、当然、個々のケースの状況に十分配慮し、そして必要な説明を受給者あるいは扶養義務者等に対してした上でやっていかなければ、やみくもにやるということではないということでございます。
 「不正受給に係る返還金と保護費との調整」ということで、これについては事前の本人同意を前提にできないかを検討するということでございます。
 この際は、これはいろいろ丁寧に議論することが必要という意見がございました。もちろん、きちんと生活ができるという前提でどう調整をするかということは言うまでもございません。
 「第三者求償権の創設について」ということは、これができるようにするということです。
 それから、返還金の滞納処分についても、税の滞納処分の例によるということです。ここまでの話について、全体として、丁寧に、本当に必要な人にはそういうことができるように明確にしておくということで、実施に当たっては適切な運用が求められるところでございます。
 稼働能力があるにもかかわらず明らかに就労の意思のない方で、何度も何度も手続を経て保護を廃止された生活保護受給者については、審査をより明確にするということです。しかし急迫の状況であれば当然保護はするわけでございますので、そういった一定の条件のもとにやっていくということです。
 その際は当然、下にございますように、恣意的判断を懸念するという意見がございましたので、きちんとそれに配慮しなければならないということでございます。
 「2 制裁措置の強化について」で「不正受給に対する罰則の引上げについて」で、これは一般的な罰則の例に合わせて引き上げるということでございます。
 「不正受給に係る返還金への加算について」で、一定程度求めるということでございます。これらもそういう問題があった方についてということでございます。
 「(2)生活保護費の適正支給の確保について」で、扶養義務の履行につきましては、受給する要件とはされていないと明確にした上で、さらには本人以外の事情で、本人の生活が成り立たないということも十分考えられます。一方で、扶養が明らかに可能と思われるにもかかわらず扶養を拒否しているというケースは適当ではないということでございますので、いろいろな要件を踏まえながら、本当に生活保護が必要な人が受けることができなくならないように、また、家族関係の悪化につながらないように特段に留意しつつ、特にどうしても必要だなと認めた場合について、扶養が困難な理由を求めることが必要であるということでございます。
 次の44ページにございますように、この点につきましては、扶養義務の調査については慎重に対応すべきである、あるいは家族への扶養照会がなされるなら生活保護は受けたくないといったことにならないかが危惧されるということで意見が出されておりますので、運用に当たっては特に慎重に行うことが必要であるということでございます。
 最後で、医療の関係でございます。医療につきましては「5.医療扶助の適正化について」でございます。今までが生活扶助の関係でございました。
 1つは、医療扶助の適正化についてはさまざまな御意見をいただいたところでございます。
 45ページで、当然、生活保護受給者ができる限り病気を患うことなく健康でやっていかなければいけない。そういった場合、受給者本人が自らの健康の保持・増進に努める、あるいは動機づけを行うことが必要であります。
 一方で医療扶助について、一部の方の重複受診とかいろいろな指摘がございますので、3つ目の○にございますように、必要な受診を抑制することがないように配慮しつつも、後発医薬品の使用促進などを含めて、いろいろな課題に対応していく必要があるだろうということでございます。
 (2)は省略させていただきます。
 (3)で、医療機関については、特に「指定医療機関に対する指導権限の強化等」ということで、健康保険法の取り扱いに準ずる、あるいは6年の期間を設けるということでございます。
 それから、過去の不正事案に対しての厳正な対処、あるいは不正を行った指定医療機関についての再指定は5年間しないということでございます。
 さらに、国の指導もあわせて行うということでございます。
 大変長くなって申しわけございませんでした。以上でございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 これから報告書をまとめていかなければならないわけでございまして、議論がなるべく、この報告書の意図を正確に受けとめていただいた上での議論になることが望ましいわけで、そういう意味では少し時間をかけていただいてよかったのではないかと思います。
 それでは、委員の皆さんから御意見を承っていきたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○岡崎委員
 時間が限られておりますので、何点か市長会としての意見を述べたいと思います。
 まず、内容的には、国、地方公共団体、それから民間のそれぞれの団体の方々と役割分担があることは十分承知しておりますが、全体のトーンとして国の責任とか国の責務というところが後退しているのではないかという印象を持っております。報告書の手前のほうにも少しそのことは書かれておりますが、後段のほうになりますと、今、御説明があったように、実施主体は各地方の福祉事務所を中心にということになっていますので、これだけ、日本の将来がかかる大事な議論ですので、やはり国の責務についてもう少ししっかりうたい込んでいただきたいと感じています。
 その点につきましては、その部分を加筆していただきたいと思います。例えば9ページに「国と地方、官と民の協働による体制づくり」というものがありますけれども、大体このあたりからトーンは全て地方公共団体が行うというトーンになっていますので、国としても覚悟を持ってそれを支援するということをきちんと入れ込んでいただきたいということでございます。
 中身につきましては、ちょっと気になる点を少し申し上げますが、例えば14ページの上から2つ目の○ですが、相談支援事業というものは非常に幅広うございますので、全てを福祉事務所を中心にやるということは実際上困難ですけれども、例えば対象者についてですが、「生活保護の一歩手前の経済的困窮者」という書きぶりにしますと、自分自身、ケースワーカーの経験がある者から見ますと、これはほとんど生活保護になる可能性が高い方々になります。例えば「生活保護の一歩手前」という表現をすると、申請の御相談をしていると生活保護にほとんどなってしまうということも感じられますので、表現を見直したほうがいいのではないかと思います。
 全ての相談を受けるということではございませんし、私が資料を求めた社会福祉協議会等の報告でも、今日は資料2のほうでお配りいただいていますが、地域の社協や地区社協を中心とします相談業務等の機能強化というものが出ていますので、この辺とのタイアップということもいろいろありますので、ここは少し、この書きぶりを修正したらというのは思います。
 それと、貧困の連鎖については、我々も社会的なものを全て動員をしながら、特に子供たちへの貧困の連鎖は断ち切っていかなければならないと考えているところでございまして、高知市でもチャレンジ塾ということで、生活保護の世帯、そして準困窮世帯を中心に中学生の学習支援をしておるところでございますが、33ページにあります「(3)子どもの学習支援や社会性を育むための支援について」で、貧困の連鎖を断ち切るためには、別件で厚労省とも協議をしておりますが、準困窮世帯に対します、貧困の連鎖の支援は抜け落ちないようにしていただきたいので、そこはいろいろな意味でメニューとしての支援はまたよろしくお願いをしたいと思います。
 最後のほうでございますが、医療費の自己負担の問題が41ページに少し出てまいります。41ページの上から4つ目の○ですが、医療費の窓口の自己負担の問題が出てくるのですが、これは私の記憶ではほとんど賛同者はいなかったと記憶をしておりますので、両論併記になっておりますが、実際に医療機関の窓口負担を取るということにしても、実際は窓口で取れないのです。恐らくお金を持ってきていないので、そうすると医療機関が後で取れないという事態が発生することは多分間違いないと思いますし、医師会自体もこのことで反対しておるはずでございますので、両論併記になっていますけれども、自分の感覚では両論併記ではなかったはずなので、賛同意見はなかったという記憶があるので、ここはどうかというのを指摘しておきます。
 以上、気がついた点で、市長会としての立場で意見を申し上げさせていただきました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○中村代理
 上田市長の代理で参りました中村と申します。
 上田市長から意見書が出されておりますけれども、それについては21ページの上から4つ目の○に「中間的就労を民間企業にも広げていくためには、多様な支援策の検討が必要である」ということで盛り込んでいただきましてありがとうございます。
 全体的には、本当に事務局の方、起草委員の先生方の御努力、市長についてまいりまして、ほとんどの会議に出席させていただいていますので、実際問題、これをまとめるのは本当に大変だろうなと思っておりましたので、ここまでまとめていただいた御努力にまず感謝を申し上げたいと思います。
 その中で、まず10ページと11ページの上の図で、全体がネットワークを組んでという形で書いてありました。非常に理想的ではありますけれども、実際問題、やる場合にアウトリーチ、訪問支援する場合にどうやって個人情報を取り扱うのだろうか。現在の福祉の制度はほとんどが申請主義でございます。それについて手を差し伸べるのは、上田市長もそれについては賛同しているところではありますけれども、実際に現場の問題としてやる場合に、この個人情報の壁、同じ役所の中の担当部局がちょっと違うだけで個人情報の共有ができない問題があります。ましてや、申請する方であればそのときに同意をもらえばいいではないかという話もありますけれども、その申請すらできない人に対して、その人を寄ってたかって何とか助けてやりたい中で情報共有ができないという、実際に支援している側で言えばすごくもどかしい部分がここに出席の委員の先生方も感じているのではないかと思います。
 そこの部分の要支援者の情報を関係機関で共有できる、この部分でやった場合には、ある程度、それぞれ守秘義務を持ったところでやっていますので、そこについては情報共有してもいいのだ。もちろん罰則も必要かもしれませんけれども、その情報共有という部分についてきちんと担保していただきたいということがございます。それが、せっかく制度をつくっても個人情報の壁でお互いに助けることができないといったことを防げるのではないかと思います。
 あと、求職者支援制度の部分でございますけれども、何回も政令指定都市市長会からも、求職者支援の訓練給付と住宅手当については併給を認めていただきたい。ただし、訓練給付については住宅費部分も入っているので、その併給は難しいという話がございます。これについては併給を認めるか、それであれば生活保護に落層しなくても済む。それから、どちらかというと住宅手当の給付水準を引き上げる。
 あわせて、今までは住宅手当というものは、30ページに飛んで申しわけございませんけれども、30ページの2番目の○に「離職により住居を喪失した生活困窮者であって」という言い方になっていますが、これが今までの住宅手当に関して言えば「住宅を喪失するおそれのある者」というものが含まれておりました。そこが、抜けている。もしくは「住宅をなくした生活困窮者等」という「等」が抜けたのではないかなという気もしたのですけれども、今日の説明を聞いて全くそこがなかったものですから、これについては少なくとも「住宅喪失のおそれのある者」は入れていただきたい。
 これは札幌市の状況でございますけれども、平成21年度から平成24年12月まで、全体で3,600件ほどの住宅手当を支出しております。そのうちの約8割が生活保護を受けずに自立といいますか、頑張っている。2割の方が生活保護になりましたけれども、この住宅手当の効果は非常に認められます。ただし、喪失のおそれのある者が3,600件中3,424件で、住宅を喪失してしまった者はこの3年半でわずか176件、5.1%でございます。ですから、ここで「住宅喪失のおそれのある者」というものを除きますと、今の住宅手当制度の、札幌市で言えば95%が除かれる形になります。ですから、ここの部分についてはぜひとも「おそれのある者」を入れていただきたいと考えます。
 それと、ハローワークと一体の就労支援。これは非常に札幌市の場合はうまくいっておりまして、あいワークというところで、札幌市10区中4カ所がハローワークの方が来ていただいて、端末もあって、非常に効果を上げています。実質上のワンストップになっております。それから、ハローワークの方と一緒になってセミナーを開催して、就労のインセンティブといったことをやっておりまして、仕事をもっと探そうかなという気持ちになっていただければいいなという程度でございましたけれども、そのうち8件が就職をしたということで、想像以上の効果を上げております。
 最後に、高知市長もおっしゃいましたけれども、国の責任において、例えば生活保護の全額国庫負担であるとか、そういった部分の意見がなぜか政令指定都市市長会からも出しておりましたが、その部分については抜け落ちているということで、この部分については、報告書でございますので、要請事項には入れていただきたいと考えます。
 以上でございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、広田委員、藤田委員の順番でお願いします。

○広田委員
 これは、次回もこの続きをやるということですか。

○宮本部会長
 できる限り今回承っておいて、もちろん積み残しの議論があれば適宜。

○広田委員
 承ってといっても50分しかなくて、これだけいますから、それで伺っているのです。
 次回、事務局からこれ以上のものはもう出ないということですね。流れを聞いておきませんとね。

○宮本部会長
 これ以上のものというのは。

○広田委員
 これが修正されたり、加筆されたり、何かほかのものが出てくるということがなくて、ここで足りない時間が次回ということですか。そういうことを確認しておきたいのです。

○宮本部会長
 もちろん、御意見を反映させたものは出るようにします。

○広田委員
 わかりました。ありがとうございます。
 率直に言って、本人不在だなという感じがします。今の札幌のお話を伺って、まさにそうで、全体的にそうですけれども、個人情報が守られているようで守られていなくて、今日は札幌の話を聞かなくて言おうと思っていたのですが、いつも横浜市の市長に来てほしいと言うのですけれども、横浜市の民生委員は、日本人全体のレベルが落ちていると思いますが、本当にプライバシーとかが守られないで、いろいろな居酒屋とかで職務とか活動の内容とかを話したりしているのです。そういうところが連携だ、ネットワークだと言って、本人不在のもたれ合いがいろいろなところで見られていますから、そういうものはどこで担保できるのかなというのがまず1点です。
 それから、不正というものはやくざイコール不正みたいな報道のされ方をしていますけれども、私、前に言いましたが、社会資源が工賃をプールしておいて、結果的に不正の温床になり、本人が働く気をなくしているから、そういう生活保護の人が来ている社会資源はすべからく、きちんと収入申告するような体制に持っていくような指導を厚生労働省が通達か何かを出されたほうがいいと思います。そうしないと、本当に収入申告を知らない生活保護のコンシューマーがたくさんいるということです。その温床は社会資源のスタッフ側、場合によっては団体でやっているということです。それが終わっていないということですから、それはぜひやっていただきたい。
 それから、母子加算は前政権の津田さんがいるところで言っていますけれども、ぜひ廃止したほうがいいと思います。母子加算だけではなく障害者加算も、いわゆる障害者加算をもらうために働かない精神障害者がいっぱいいますから、本当に大変な人もいますけれども、生活保護手帳を買って読んでいますが、加算はすべて見直したほうがいいと思います。
 それと、自民党さんの桝屋さんはいい人だと言っているから、今日はちょっと困ってしまっているのですけれども、片山さつきさんでも来たらどんぱちをやりたかったのですが、要するに基準を自民党さんも維新の会も1割下げると言っているのですが、安倍さんが出てきて円安になったりして、インフレを抑制するとかとやっていますけれども、そういう時代に、全国の弁護士会から要望書が来ているから言っているのではないのですが、いわゆる基本はいじらないほうがいい。世界一の生活保護制度ですから基本はいじらないで、むしろ69歳から70歳になるときに、なぜ1類を4,000円も下げるのかなということが、これまでの発言に出ていますから読んでいただければわかると思いますけれども、そういうことですから、基本はいじらないで、加算を全部見直したほうがいいと思います。
 ただ、私は年末から目の病気か、目に傷がついていて、全く読み取れていないので、今日伺っただけの話ですけれども、あとはいわゆる精神障害者が生活保護層で多い場合に、精神障害者がいわゆる雇用の義務規定に入っていない。それを義務規定に入れることによってきちんと働けるシステム、いわゆるそういう形に乗せていただきたい。入っていないということは、これは障害者基本法上の差別です。それから、前に言っていますが、ハローワークは障害者窓口が使えない。使えるように全国的にすべきです。
 そういうことを、いろいろなことがありますから、ぜひここで今まで言ったことを盛り込んでいただきたい。札幌市さんは国が全部見てとかと言っていますが、そういうことだけではない、それは私の管轄ではないですから、こちらに置いておいて、話したことを盛り込んでいただきたいですし、それから、私はお金を、本人の収入を積み上げておいて渡すなどというのは反対です。
 高福祉は人をだめにするという言い方をカナダで聞いてきましたけれども、本当にお金のせこい、生活保護のコンシューマーもたくさんいます。ですから、お金をもらったら結果的にパチンコに行ってしまうとか飲んでしまうとか、それがきっかけで持ち崩す人はいっぱいいるのです。ですから、就職するためのいわゆる支度金みたいな形はいいけれども、積み上げて渡すなどというのは、本来、国民と地方自治体の税金をお借りして生活しているというぐらいの認識の人もたくさんいますから、それを返している。それを積み立ててしまったら国はお金が余っているのかと思いますから、そういうことは反対です。
 一応、ほかの人の時間を残して、あとは言い足りないところは次回ということで、ぜひ働けるように整備してください。以上です。
 それから、ここに社会が活性していないというのですが、その責任は、私は日本国民全体ですけれども、マスコミだと思います。今、体罰の問題も、まるで戦争中のように全部、あの先生1人が悪いような報道をしていて、あの先生が自殺したらどうするのかと言ったら、近所の人が、だって自殺させたのだから本人も自殺すればいいのだという、こういう戦争中のような状態で、この間も横須賀に行ってまいりましたら、横須賀の青年が、神奈川県警は悪い人、米軍兵は怖い人という、これが今どきの女の子の考えだそうですから、そういう一辺倒に持っていくような、世論操作のような報道は本当に戦争中の、戦争に駆り立てていった報道と同じですから、マスコミはもっとジャーナリズムに立ち返ってやっていただきたいと思います。これはきのう、酔っ払いに道で会ったら、ぜひ言うように言われました。私が言うと言ったら、頑張れと言われました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 今までの委員の御意見にあったように、この報告書自体はこれまでの10回の特別部会の積み上げの上に出されておりますので、あの辺の議論が反映されていないではないかとか、こうした議論は果たしてどこまで出ていたのか、そういう御意見をいただけると建設的かなとも思っておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、藤田委員どうぞ。

○藤田委員
 藤田と申します。引き続きよろしくお願いします。
 私は10回ほど、広田委員の隣にいるとお母さんのように感じまして。

○広田委員
 お姉さんでしょう。

○藤田委員
 済みません。ですので、ちょっと緊張します。

○広田委員
 頑張りなさい。

○藤田委員
 はい。
 私のほうは資料4を提示させていただいております。これまで足りない部分を少し補う形で、特に当事者の声がないという広田委員の声も伺いながら、私も当事者の声はどういうものなのかということを伺いながら、弁護士さんも含めていろいろ議論してきたものがこの意見書として出しているものです。
 資料4ですが「1 はじめに」のあたりは後で読んでいただけたらと思います。
 2つ目に、ちょっと全体的に見ていただきたいのですけれども「新たな水際作戦のツール」にならないように歯止めをすることを明記していただきたいということを考えています。これは前回のときにも幾つも水際作戦の事例があるのかということをお示ししたところですので、これは改めて(1)のところで、水際作戦のツールにならない、新たな生活困窮者支援が福祉事務所に行くことを妨げるようにならないようにしていってもらいたいと思っています。
 これは下の(2)にもつながることですが、現在、福祉事務所は前回から、よい福祉事務所のケースワーカーさんはたくさんいることは承知しておりますけれども、一部でまだ不十分な福祉事務所のケースワーカーさんがいらっしゃることを実態を踏まえて見ていくと、2ページ目を見ていただきたいのですが、2ページの真ん中あたりですが、人権侵害が絶えないという状況が、今、現場では起こっています。本来は福祉事務所で生活保護が受けられるべき人が受けられなくなっていることが実態としてありますので、その代行を新しい相談機関が受け持たないようにということが大事かなと思っております。ですから福祉事務所に来ないように、社協に行ってくれとか、この相談機関に行ってくれというツールにされてしまったら困るということを強調していただきたいと思っております。
 これは勝部委員とも強調していることですが、福祉事務所のケースワーカーの資質としては、これは補足的に一番下のあたりに書いていますけれども、現行法、社会福祉法で、社会福祉主事でなければならないということが記載されているにもかかわらず、無資格である方がケースワーカーをやっている実態があるのです。これによって人権侵害が発生していることがありますので、これは新しい相談機関を創設することも大事なのですが、まず既存の福祉事務所の基盤をさらに強化していただきたいということを、これは私と当事者の方の切なる願いですので、これは何とかしていただきたいと思っております。
 これは、勝部委員はコミュニティーソーシャルワークという言葉を使いましたし、私はジェネラリストソーシャルワークという言葉を使って、社会福祉士とソーシャルワークということを位置づけて説明してきましたので、この中にソーシャルワークという言葉も位置づけていただけたらありがたいと思っております。
 3番目には、中間的就労も私は懐疑的に見ております。3ページ目を見ていただきたいのですが、イのところに書いていますが、悪質業者排除のための整備を明記していただきたいと思っております。これは介護保険制度が導入されたときに民間事業者が参入してきて、株式会社も介護をするようになりましたが、現在ではその中で、いい民間企業もありますけれども、中には劣悪なサービスを提供する事業者もありますので、そういった中間的就労という言葉だけが錦の御旗にならないようにちゃんと監視をしていく、ちゃんと認可をしていっていただきたいと思っております。特に、労働基準法の適用外であるという話が報告書の中に書いてありますが、そのような特例を認めるのであれば厳しい規制をするべきであろうと考えております。
 あと、その下の「3 『生活保護制度の見直し』について」です。
 1つ目は「まずは就労」ということは、これも両論併記になっていましたが、あえてまた記載する必要もないのではないかと考えています。これは後半にもつながってきますが、寄り添い型の支援を考える際には「まずは就労」ということを意味しないことはずっと強調してきておりますので、これは削除したほうがよいのではないかと思っております。既に現場では、鬱病のある方とか精神疾患のある方で、目に見えない心の病を抱えている方に対しても就労指導がなされているのです。あえて強調しなくても、現場では「まずは就労」という意識はありますので、ここの報告書でも従来どおり、そういったものを記載する必要はないのではないかと思っています。
 4ページ目ですが(2)に「稼働能力があるにもかかわらず明らかに就労の意思のない者」というものは、前回も御説明しましたが、何をもって就労の意思のない者と判断をするのかということは、ケースワーカーの恣意的な判断が入るだろうと思っています。これも「寄り添う支援」とは明らかに就労の意思がない者に対しても適切に支援していこうということですので、就労だけではなくていろいろな支援が必要であろうと思っています。
 あとは(3)で「特別控除の見直し」についてですが、新制度へ移行していって、新しい積立制度も議論されていますが、万が一ですけれども、その新制度ができなかったときには、場合によっては特別控除の見直しだけが、または廃止だけが先行してしまうことがないようにしていただきたいと思っていますので、あえてここの報告書でも特別控除については、廃止を含めた見直しは結構大きなことだと思うのです。この記載を何とか変更してもらえないかと思っています。これは、私は新制度に移行してもらえればいいと思っていますけれども、新制度がうまくいかなかった場合には非常に危惧する点の一つです。
 (4)以降は、ケースワーカー・福祉事務所の調査権限の強化に関してですけれども、ここで記載しているとおり「支出の状況」について調査対象とするのはいかがなものかと思っております。
 あと、5ページにも書いていますが「過去に保護を受給していた者及びその扶養義務者」を調査対象とするということも、これは調査対象とされる親族であるとか、そういった方たちの心情を考えてみてもらえればと思いますけれども、生活保護を受給したくないとか、生活保護窓口に相談に行くことをちゅうちょさせることにもなりかねませんので、これは何とか削除していただきたいと思っております。
 あとは「官公所の回答義務」もそうですし、扶養義務者の説明義務もそうなのですが、これは義務というところが非常に強いところでして、義務が課せられている方というものは、これは弁護士さんと相談しながらつくっていますが、5ページの一番下に書いていますけれども、刑事訴訟法でもかなり配慮が必要な状況で義務というものが課せられるので、生活保護受給者に対してこのような過度な義務が課せられるべきとして考えられていいのかということが提起されています。
 これは当事者の方も、窓口に行くことを、相談することを非常にちゅうちょされている現状が今もありますので、さまざまな回答義務、さまざまな調査をされることが、生活に困って相談をちゅうちょしている人たちをどういう道に進めるのかといいますと、相談しなくてもその場で餓死してしまおう、あとは孤独死してしまおうという事件が増えていますが、そういった悲惨な事件、あとは無理心中してしまおうという相談者も多いので、窓口に行くことをちゅうちょさせるようなことはなるべく記載してもらわないでいただきたいと思っております。
 最後になりますが、6ページ目を見ていただきたいのですが、不正受給の返還についてもそうなのですが(5)に書いていますけれども、これは確認しておかないといけないところですが、本来、不正受給はケースワーカーの調査不足であるとか説明不足によって起こっているという調査があります。大部分がケースワーカーの調査が不足している場合によって起こってきているので、これは単純に不正受給をしている者が、不正受給はいけないのですが、それは大前提として、そもそもケースワーカーがちゃんと説明をしているのか。生活保護法は難しいですので、それに対する説明が不足していたのではないかと考えています。
 そういったケースワーカーの不備であるとか調査の不足によって受けた当事者の不利益を、発生してしまった場合には、それをあえて返還してくださいということを求めるときには、一番下に下線部で強調するところで書いていますが、生活保護法は差し押さえ禁止という条項があります。これは法的にも守られている権利ですので、これとの整合性を図らないといけないと思っているので、義務であるとか、あとはこの差し押さえ禁止ということをあえて書いているにもかかわらず、それを超えてまでやることに対しては非常に強い危機感を持っていますので、このあたりは慎重に報告書に盛り込んで、あるいは削除していただけたらありがたいなと思っています。
 私からは以上です。長くなりましたが、ありがとうございました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 どうぞ。その次に勝部さん、お願いします。

○井手之上代理
 全国知事会の意見ということで、今日は資料5をつけさせていただいております。
 ただ、このペーパーですけれども、これは9月なりの「『生活支援戦略』に関する主な論点(案)」に対する意見という形でございまして、今回出されている報告書(案)を見ますと整理されているものもあるという前提のもとでお聞きいただけたらと思います。
 まず「1 新たな生活困窮者支援体系について」です。
 1つ目に支援対象につきまして、以前は経済的困窮者、それから社会的孤立者という2本立てになっていたと思うのですけれども、知事会としては経済的困窮者を中心とすべきではないかと考えておりました。ただ、今回の報告書(案)ではそういう形にしていただいたと理解しております。
 次に実施主体でございますが、今回の報告書(案)では生活保護制度との一体的・連続的な制度運用の観点ということで、福祉事務所設置自治体を中心に考えるべきということが適当であるという内容になっていると思いますが、この生活困窮者への個々の課題に対してきめ細かく対応するということを考えますと、実施主体は住民に最も身近な基礎自治体である市町村が適当ではないかと考えます。そういう考えのもとで、今後市町村と協議をお願いできたらなと思います。
 3番目に、支援メニューについてですが、これは総合相談、就労準備支援等々、幾つかメニューが示されておりますが、今回の報告書(案)で基本的な考え方としては、柔軟な対応というところがあるのかなと感じました。そういった点から各自治体の地域資源の状況を見ますと、実にさまざまでございます。そういう状況を踏まえまして、義務的なメニューは限定的な形としまして、残りは任意メニューにする、そういったところでの柔軟な対応が必要ではないかと考えております。
 4番目に、地方が就労支援まで一貫して実施できる仕組みということで、我々としては、ハローワークにつきましては、地方移管が望ましいのではないかと基本的には考えておりますが、その移管までの間にハローワークの求人情報をオンラインで地方に提供するということが必要ではないか。そういったことで一貫した支援が実施できるのではないかと考えております。今回の報告書(案)はそういう視点で書いていただいたということで、了解させていただきたいと思います。
 それから、市長会・町村会のほうでも同じ意見でございまして、国の役割と責任の明確化、それと必要な財政措置ということについては、きちんと報告書には書いていただきたい。先ほどご説明がありました市長会と、意見としては同様でございます。
 「2 生活保護制度の見直しについて」でございます。
 これにつきましては、国と地方自治体のほうでこれまでさまざまな議論を重ねてまいった経緯がございます。我々の意見書でも一定の評価をさせていただいているところでございます。ただ、いろいろ厳しい状況にある福祉事務所の負担軽減を図っていただきたいという思いはございますが、基本的にはこういった方向で進められるのがよいのではないかと考えているということでございます。
 以上でございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、勝部委員お願いします。

○勝部委員
 きのうの夕方なのですけれども、1人の引きこもっていた青年が、新聞配達が決まりました。もし、こういうパーソナルサポートの事業がなければ、ああいう子たちの将来といいますか、新しい仕事への結びつきはなかった。
 そう思いますと、この2年間、モデル事業でもありましたが、こういう伴走型で、それから社会的に孤立をしていたりとか、引きこもっている青年たち、特に若い人たち、就労ができる年代層の人たちがこういう仕事につけるようになって、私の町だけでも70人近く、私たちがかかわっている人たちでもそれぐらいの人たちが済んだことにつきましては、この生活支援戦略の中でいわゆる生活困窮者の支援について、各自治体がどのようにこういう人たちを支えていくかということについてのきちんとした体系をそれぞれの地域で考えていくことなしに、ただ、この事業をどこかが委託をして運営していくというやり方で、担当者レベルであったりとか、市とそれぞれの受け入れをしていくような委託機関の間だけで考えていくような問題ではないのだろうと思います。
 そこでは、先ほど国の責任ということもありましたけれども、やはりそれぞれの自治体が、例えば地域福祉計画のような中で、地域を包摂していく人たちも、あるいは社会的孤立をさせない地域づくりをしていくところの関連も考えれば、そういう中でこういう生活支援についての計画も一定、明確にしていくことを前提にして、こういうお金を出していく仕組みが必要ではないかということを新たに思いました。
 2つ目は、先ほど少しお話がありましたが、中間就労の問題で、これもとてもこれから大切な課題となりますが、やはり一定、監視する仕組みが要ることは御説明を申し上げたことがあったと思いますので、ここについても少し抜けているのではないかなという気がいたしましたので、この点についても補足をお願いできたらと思います。
 3点目ですが、先ほど生活保護基準のことにつきましては、基準部会でまた議論がされることですので、ここでいろいろと議論をするということではないのかもしれないのですが、マスコミ報道等で大変危惧をしています。一部でデフレ脱却という話が大きく打ち上げられている中で、一律1割カットとなりますと本当に生活がどうなっていくのかというところの不安が先に立っていくということで、さらに生活保護から逃れられない気持ちが強くなってしまうというマイナス要因になってしまうのではないかという気持ちもすごくありますので、これはいわゆる景気とそれぞれの成長に合わせた生活保護基準というところでのもともとの判断で進めていただけることが大変良識のある対応ではないかなという気持ちでおります。
 最後ですけれども、社会参加が人間にとってとても尊厳があるということを一番最初のところで書いていただいているという、この生活支援のあり方というものはとても意味があると思います。社会参加をしていくためには、当然それを支えていく地域づくりが絶対必要になります。社会参加をしていくためには、そこを支えていく地域をどうつくっていくかということがありますので、ぜひコミュニティーソーシャルワーカー等との一体的な生活支援戦略ということがこの中でしっかりうたわれていくことを望みたいと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、堀田委員、花井委員お願いします。

○堀田委員
 まず新しい制度、個々の点は問題があるにしても、丁寧にバランスのとれたものにされましたことに敬意を表したいと思います。自立と尊厳、そして共助・共生という基本理念をしっかりと入れていただきましたし、生活支援、生活保護、両者の関連もつけていただいております。そこも大変高く評価しております。
 全般に見まして少し残念なのは、もっとインフォーマルな、いろいろな社会の資源を使うような仕組みにしてほしい。その点が一番残念に感じるところであります。実際にいろいろな機関が頑張っていただいても、本当に困窮している人たちはなかなかそこに浮かんでこない、そういう人たちが多い。でも、そういう人たちも、友達であるとか近所の特別な人であるとか、ごく限られた人だけれども、やはり助けを求める、相談する人を持っておって、そこにはつながっている。何とかそこを手繰り出して、それこそうまくアウトリーチして、この仕組みの中に乗せるように、もっと広く社会のいろいろなインフォーマルな力を使うように、そこのところをもっと強調していただきたいというのが私の望みであります。
 例えば5ページで「自立と尊厳」の次に「つながりの再構築」、共助・共生のことを書いていただいております。この「つながりの再構築」の下から3行目ですか、「孤立している人々が多様なつながりを再生・創造できることを目指し、そのつながりを人々の主体的な参加の基盤と位置づける」、これはもちろん、大変いい記述ですけれども、孤立しておる人が自分でつくるだけではなしに、もっと救いたい人が地域にもたくさんいますし、いろいろな力がある。そういう地域の力とうまくつながるように、そこにうまく包摂されていくように、もう少し広い書き方にしていただけないかなと思います。
 例えば7ページで、一番上に「分権的・創造的な支援」とあります。ここもいい記述なのですけれども「社会福祉協議会、社会福祉法人、NPO、民生委員・児童委員、社会的企業など」と、全部聞いたような組織ばかりでありまして、もちろん、それぞれ立派な組織ではありますけれども、もっとインフォーマルな地域の組織や友人の組織等々と、これをうまく組み入れて、こちらとつながり、情報を仕入れ、あるいはそういう方々にうまく頼んでいく、そういう幅広い支援の形になるように、もう少し広げていただけないか。
 同じ視点からもう一点だけ、11ページであります。この図面は、出てしまうといろいろあちこちで説明に使われそうなのですけれども、これもいろいろな機関を挙げていただいておりますが、何か既視感がありまして、もっとインフォーマルな、いろいろなところとかネットワーク、「社会福祉法人・NPO」とありますけれども、さらにもっとインフォーマルな地域の団体、友人団体等々とうまくつながるような形にしていただきたいですし、下の図面も申請主義のような感じがしてしまうのですが、もっとアウトリーチ、出かけていって、いろいろな組織の力で、本当に困っている方々と接して支えていく。もう少し、これが広がるように図面もなるといいかなというのが私の願いであります。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それでは、花井委員お願いします。

○花井委員
 時間がありませんので、できるだけ短く質問も含めて意見を述べさせていただきます。
 まず、2ページの「II 総論」です。私は、この総論全体は大変よくまとめていただいていると考えておりますが、2ページの下から2つ目の○の2行目のところに「失業、病気などをきっかけに」とあります。最近ふえているのが、親の介護や病気で、気がついたら30歳を超え、さらに40歳近くになっているという若者です。ぜひとも「家族の介護」という言葉を入れていただけないかということが1点目です。
 14ページに飛びますが(3)の2つ目の○です。先ほど「生活保護の一歩手前の経済的困窮者」と言うと全て生活保護になってしまうという意見が出されておりましたが、私どもはむしろ「生活保護の一歩手前」という、この範囲を狭められるのではないかと危惧しており、書きぶりを少し工夫いただけないかということです。
 次は、17ページから18ページにかけてのところです。「(6)就労準備支援事業の実施期間について」から(7)までトータルしてということですが、とりわけ(7)です。この宿泊型も含めて検討すべきという、このこと自体は否定するものではありませんが、ややもすると、かつて起こった事件のようなことも想定できますので、そこに参加している利用者の人権が間違いなく保障されるような、保護されるような記述も必要なのではないかと思います。
 21ページです。一番下の中間的就労のところ、前も意見書を出させていただいたときに述べたのですが「支援の適正性の確保」という文言があります。現在、中間的就労を担っていますNPOや社会福祉法人につきましては、大変良心的に、献身的にやっておられることは十分承知しておりますが、一旦制度化されると必ず貧困ビジネスの温床となりかねないということで、ぜひともそこに対する警鐘を発するような文言を追加していただきたいと思います。
27ページですが、家計相談の問題です。家計相談支援事業につきましては、社会福祉協議会とか消費生活協同組合が例示として挙げられておりますが、大変この取り組みは重要だと考えておりまして、この事業を担う団体がもっと増え、貸付機関等も増えればいいと考えております。ここについて、先ほど来、国の責任ということも出ておりますが、国がこういう事業を拡大していく、支援をしていくことを明確に示した方がよろしいのではないかと思います。
 30ページです。先ほど出ておりましたが、私も全く同じなのですが(3)の2つ目の○で「住居を喪失した生活困窮者」と出ております。私どもがリーマンショック後、労働相談をしたときに、3日後に出ていけとか、1週間後に出ていけと言われたという相談が相次ぎました。ですから「住居の喪失のおそれがある人、あるいは高い人」等々の文言を追加すべきではないかと思います。
 32ページの一番下ですが(2)で「経済的に困窮している若者向け」とありますが、書かれているのは経済的困窮なのかという疑問で、細かいことですが、取ってしまったほうがいいのではないかと思います。
 36ページの2つ目の○です。「その際、一般就労が可能と判断される者」云々とあります。なかなか就職がうまくいかなくて、さらに職種を変えるという話なのですが、ややもすると、それが強制になりかねないので「本人の意思を十分尊重しつつ」といった文言をつけ加えていただけないかということです。
 37ページの積立制度の問題ですが、働いた、収入認定された金額の範囲内で仮想的に積み立てるとありますが、その働いた範囲内でというと、仮想的ですから、あり得ないと思いつつも、強制貯金に当たらないかという心配もあります。むしろ生活保護の金額から積み立てていく考え方のほうが自然なのではないかと思います。
 39ページの一番上です。これは質問ですが、1つ目の○の3〜4行目です。「健康診査結果等を入手可能にする」という、この「等」は一体、何を指しているのか。ややもすると人権侵害に触れないか不安です。
 40ページの4つ目の○に「また、地域において関係機関が連携して支援する体制を構築していくこと等により、いわゆる社会的入院の解消を図ることも必要である」とありますが、ここにつきましても生活保護にかかわって、貧困ビジネスが社会問題化していますので、もう少しその辺も触れておく必要があるのではないかと思います。
 46ページの医療のところです。一番下の○の下から2行目で、医療機関の指定ですが、一方が指定を取り消された際に、両制度間で連携してとありますが、これは一方が取り消されたら、もう一方を取り消すべきではないかという意見からこういう表現になっているかと思いますが、もう少しわかりやすい文言にしたほうがいいのではないかと思います。
 そして最後の、医療費の一部負担につきましては、私も自己負担については賛成できないと既に述べております。確かに積極的賛成とか賛成という意見もなかったのではないかと思いますので、45ページのその部分は削除してもよいのではないかと思います。
 以上です。済みません、長くなりました。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 1つ、質問のお話がありました。「健康診査結果等」の「等」で、それでは、どうぞ。

○古都社会・援護局総務課長
 今、御指摘いただいた点でございますけれども、健康診査結果だけに限定をいたしますと、例えば市町村の保健師さんがいろいろな健康相談などを受けているケースもございますので、それだけに限定してしまうとかえって、本当に効果的なアドバイスをするときに限定しないほうがいいのではないかということがありましたので「等」ということでございます。同時にやみくもであってはもちろんいけませんので、健康診査結果に関連する範囲で「等」ということで書かせていただいているものでございます。

○宮本部会長
 余り拡張解釈されないような枠をつけたいと思います。
 櫛部委員、お願いします。

○櫛部委員
 櫛部です。
 支援センターの対象者の話ですが、経済困窮とともに、子供あるいは児童、若者、そこあたりにするのがいいのかなと思います。、いわゆる要保護世帯というものは、実際はわかるようでわからないのですよ。子供の勉強会をやっていてわかったのは、子供同士は、友達を連れてくると、その中にひとり親世帯があったり、いろいろあるのですよ。子供の方が結構、その境を乗り越えてきてもらっているところがあるものですから、漠然とアウトリーチと言うのではなく、限定したところから手繰っていく。特に、20年後のこの成果を期待すると考えれば、子供は対象の一つではないかなと私は思います。
 子供の点で考えますと、これは生活保護の基準とも関係あるのですけれども、生活保護の扶養義務で、最後のパンを分けるのが未成熟の子供ですね。生活保持義務関係です。そういう枠組みは家庭の機能としてある一方、多子家庭の場合、保護費が別に子供の教育に使われなくて、ほかに行くのではないかという懸念もあったりするわけです。、最終的には子供が社会からも、あるいは家庭からもうまくケアされないことがあり得るとしますと、この報告書の文脈に、これは就労の文脈ですけれども、一定期間家庭を離れてという言い方があるのですが、生活保護で言うと、児童世帯の形成も今後考えていく、それに伴い、自立援助ホームとかを含めて、そういう仕組みで保護費の体系も考えていく。その子たちが大学にも行けるような流れのほうに考えていくべきではないか、20年後の日本を考えるのであれば、やはりそういうふうに持っていくべきではないか。そうでないと、お金は心配だと言いながら、扶養義務はあると言って、結局はそこでがんじがらめになって子供にインセンティブが働かないのはやはりまずいのではないかなと私は思っています。
 先ほど、第29条調査で藤田委員から御指摘がありました点は、保護の要否を決定するときにどうやって決定するのか、理解ができません。我々は課税も含めていろいろやって、この人は要保護状態であるということをやるわけです。、本当にその調査が、先ほど中村委員がおっしゃったように、いろいろな壁があって、なかなか真っ当に把握できないのが現実問題としてあるわけで、それが生活保護上の信頼を得られるのかなという点で藤田委員の29条にかかわるお話は理解できません。、しかし役所としての矜持があるのかという意味では真剣に受けとめなければいけない。、我々は何のためにこの仕事をしているのか。第25条の生存権で、個々にいろいろあっても、それは中でぐちゃぐちゃ言うのはいいけれども、それを面と向かって利用者に対してやっているとかというものがもしあるとすれば、役場の矜持として、地方自治体のプライドとして、我々は何をしようとしているのかということをきちんとすることで解決することなのだと私は思っているわけです。。
 それから、やはり今、100円ショップで暮らせている人がいっぱいいるのです。それで、これからいろいろ変わるということなので、私は経済の向きはわかりませんが、これが200円ショップ、500円ショップになったときに、それに今の保護の基準体系が本当に対応していけるのかなということを非常に心配はしている。これは何年後かに見直すのでしょうけれども。
 最後に、これは副大臣にお願いしたいのですが、政権がかわって、今まで我々は生活支援戦略という名前で議論してきました。それが変わるのは別にいいことなのですが、本当に国民に向けて、これは何なのだというキャッチコピーが必要なのだと私は思うのです。役場の人間はこの言葉でわかりますけれども、本当に国民向けにこの議論をしているとしたときに、どういうコピーがあるか。それは生活支援戦略が使えないというのであれば違うことでも構いませんが、これを体現する言葉をぜひ次回までにお考えいただいて、出していただきたいと私は思っています。それが、今度新しい、こういうことをするのだということを表すものなので、それで10回やってきましたので、あと2回で、それを使わないなら使わないでもいいのですけれども、事務方にはなかなかお答えにくいと思うので、ぜひ副大臣にお願いしたいなと思っております。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 桝屋副大臣に宿題を出すという大胆な部会になってしまいましたけれども、御検討いただければありがたいと思います。
 それでは、駒村委員、その後にお願いします。

○駒村委員
 報告書全体としては、48ページの最後のところには昭和25年以来の大きな見直しにもつながる話であるということで意義が書かれていて、先進国の中でも多様な貧困要因や社会的排除が広がる中で、日本の生活保護制度もこれに対応していかなければいけないという形になっておりますので、内容全体としては非常に賛成しておりますけれども、まだまだ、例えば31ページには子供の貧困の連鎖の話があるものの、やはり児童養護施設にいるような子供たちの可能性を広げるという部分について、今後も厚生労働省にはそこについては政策の充実をやっていただきたいと思っております。
 16ページと25ページに2つのなお書きがあるのですけれども、同じような文面になっているので、これはもし同じだったらば調整したほうが、同じようなことを繰り返す必要もないと思いますので、もし同じであれば後で調整していただきたいと思います。
 3つ目に、先ほども櫛部さんからお話があったように、やはり今回のこの提案の意義とかキャッチコピーも含めて、国民にきちんと理解いただくように、50ページ弱の資料はやや大部ではないかな。関心とエッセンスが伝わるような、要約みたいなものはできないだろうか。余り抜いてしまうと、今度は誤解になる可能性もあるので、国民に関心を持っていただけるようなエッセンスをつくっていただければと思います。
 それから、これはここで申し上げる話ではないかもしれませんけれども、先ほどから保護基準の議論があります。基準部会がこの午後に開催されることになりまして、部会長としてまたそこにかかわるわけでございます。予断をもってお話しすることはできない、これから議論する内容ですけれども、もし一部の報道に一律引き下げみたいな議論があれば、基準部会はそういう議論はしていない。基準部会のほうでは消費構造を見て、引き上げるファクターもあれば引き下げるファクターもあるという議論につながるのではないかと思いますので、そういう誤解があれば一言申し上げたいなと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 私の不手際で、もう時間は過ぎておりますが、なるべく皆様の御意見を承っておきたいと思います。
 野老委員、どうぞ。

○野老委員
 1つだけ、民間企業として小さな不動産業者で、地方の業者で必死に一生懸命働いてきて、この課題を自分の課題として捉えてやろうとしてここにいるのだろうと思っているのですが、そのときに、例えば11ページの表になったとき、自分がどこに位置づけられるのかがないことが1つです。それは堀田さんがお話ししたところと同じなのですが、それから地域の住民の一人として、隣のこの課題として見えたものを参加しようとして、課題解決しようとしたときに、やはりこの表には自分がそこには入れないこと、こういうことが少し変えてほしいと思います。恐らく、その人たちが大半であるはずだと思うときに、どうしても狭いものに捉えられてしまうような気がしています。
 以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 今の委員のお話、それから先ほどの堀田委員のインフォーマルな集まり、このあたりもどう表現すればいいのか、もし言葉を教えていただければ、これは否定的に言っている意味ではなくて、ぜひお伺いをしたい、御教示願いたいということです。
 奥田委員、どうぞ。

○奥田委員
 奥田です。
 済みません、私、この後、地域生活定着支援センターの研修会があって、話さなければいかぬので、このまま出ますけれども、1つだけ、やはり11ページの、同じことかもしれませんが、既存の部分で使える社会資源をどう認定するかという問題と、ここの真ん中のところに「必要に応じ社会資源を開発」と書いている、この部分がちょっと全体としてトーンが弱いのではないかと思います。
 社会資源開発に関しては就労部門が結構書かれていまして、中間就労であるとか、社会的企業を興すためにはどうするかが書かれているのですが、私はやはり寄り添い支援とか、本当は伴走型支援と言ってきたのですが、伴走型支援においては経済的困窮かつ孤立ということを今回のテーマに据えてきたので、この支援期間が終わった後に、まさにおっしゃるとおり、どう地域社会が、例えば新たな困窮状況を迎えたときに早期発見するところは、今度は地域社会そのものがしていくような地域をつくらないと国の制度ばかりできていくと思うのです。
 そうではなくて、やはり足腰をもっと強くするためには、この出口問題として、就労だけに特化された出口のイメージではなくて、孤立問題とか等々に関してどう地域資源をつくるかという観点。しかも、それをするのが総合相談支援センターの役割の大きな一つで、私はやはり個人に対する徹底した寄り添い型の支援と、社会に対する創造型の支援という、この2方面戦略が今回の生活支援戦略と言われてきたものの非常に中核であると思っています。
 ですので、ここの表の下には書いているのですが、実際、文面の中には余り出てこないのです。この社会資源開発のイメージをもうちょっと膨らます、それから、その手だてをきちんと書くということは大事である。
 あと、もうちょっと細かいことなのですけれども、これは私の立場であれなのですが、30ページのシェルター活用のところは、単なる住むところだけではなくてケアつきのシェルターで、今までのホームレス自立支援法の枠のシェルターは本当に宿泊と食事の提供のみだったので、それを拡充しても、対象者を拡充してもだめだと思います。やはりここにはケアという概念を入れないとだめなのだということで、そういう理解を盛り込んでいただきたいと思います。
 済みません、中座します。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 小杉委員、どうぞ。
 これで最後の意見としてよろしいですか。
 それでは、よろしくお願いします。

○小杉委員
 ごく短く、皆さんに言われていないところで2点あります。
 1つは「社会的企業」という言葉が突然出てきていますけれども、人によって捉え方が違うので、どこかで定義が必要であるということが1つです。
 もう一つは、支援の専門家の専門性の担保について、カリキュラムを示すということしか書かれていないので、もう少しきちんと、専門性をつくって、それを担保している仕組みを考えていくようなことを国にぜひやっていただきたいと思います。
 以上です。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 今、承った御意見をできる限り真摯に受けとめ、反映させて、次回の会議でもう一回御議論いただく。できるならば、次回の会議で報告書の合意に至るという形にしたいと思います。

○広田委員
 済みません、そうしましたら、社会的入院だけなのですけれども、今まで日本の社会的入院の施策として、いわゆる精神のほうはやたら、日中活動の場とか作業所とか、そんなことばかりつくっていて、住宅施策が抜けた結果、厳然として社会的入院が減らないのです。ですから、こういうものがふえてもまた日中活動みたいにならないように、どこか住宅施策をもっとポイントで入れてください。精神科救急もできなければだめですし、村木さんお願いします。

○宮本部会長
 あと1点だけ、前回の特別部会で岡崎委員から、社会福祉協議会の今後の方向性等をめぐって御質問をいただいておりました。これに簡単にお答えを願えますでしょうか。詳しくは後で直接、岡崎委員のほうにお願いします。

○矢田社会・援護局地域福祉課長
 地域福祉課長でございます。
 時間もございませんので、ポイントだけ絞ってということで御説明をさせていただきたいと思います。資料2でございます。
 昨年10月でありますけれども、全国社会福祉協議会で「社協・生活支援活動強化方針」をつくっております。資料2の別冊、白い20ページほどの冊子で、こちらが本番の資料でございます。本日はこの部会用ということで、全国社会福祉協議会のほうで3枚物の資料2として取りまとめたものを提出いただいております。
 まず1ページ目ですが、全国社会福祉協議会で昨年の早い段階から強化策につきまして検討を始めておりまして、ここの副題にも書いてありますとおり「地域における深刻な生活課題の解決や孤立防止に向けた社協活動の方向」につきまして議論がなされ、10月に強化方針として取りまとめが行われたものでございます。
 そして「方針の構成・内容」ですけれども、右側になりますが、1つは行動宣言ということで大きな方向性、2つ目としましてはアクションプランということで2段階の取り組みが、まとめられております。それが2ページ目でございます。
 行動宣言でございますが、これはこの特別部会でも御議論いただいております内容と非常に重なっております。
 まず「あらゆる生活課題への対応」で、地域における幅広い協働・連携の場づくり、そういった仕組みをつくることが必要であり、そういったことで取り組んでいこうという方向性を示しています。それから「相談・支援体制の強化」「アウトリーチの徹底」「地域のつながりの再構築」と、こういった取り組みの方向性を示して、最後に「行政とのパートナーシップ」ということが掲げられております。
 右側でございますが、これに応じたアクションプランということで、ステップ1、ステップ2ということで個別の取り組みが掲げられております。
 現在は、この方針につきまして全国の社会福祉協議会で共有化を図っている段階で、今後、この取り組みが具体的に進められていくのではないかということでございます。
 以上でございます。

○宮本部会長
 ありがとうございました。
 それから、本日皆さんに配付をしている参考資料の中に、岩田委員が座長を務めておられる「ホームレスの実態に関する全国調査検討会」の報告書の概要が添付されてございますので、御参考までに申し添えたいと思います。
 時間が過ぎましたけれども、本日の議論はこれで終了したいと思います。
 次回の開催について、事務局のほうからアナウンスをお願いします。

○古都社会・援護局総務課長
 本日もありがとうございました。
 次回は、1月23日水曜日の10時から開催を予定しております。会場は本日と同じで、このグランドアーク半蔵門華の間でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○宮本部会長
 それでは、次回に何とか報告書をまとめてまいりたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。


(了)

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