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2012年12月13日 第8回感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会 議事録

○日時

平成24年12月13日(木)10:00〜12:00


○場所

国立感染症研究所共用第1会議室


○議事

○飯野室長補佐 それでは、定刻になりましたので、これより第8回「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会及び第6回平成24年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同開催を開会いたします。
 本日は、御多用のところを御出席いただき誠にありがとうございます。
また、本日は日本脳炎の予防接種について検討するために、「日本脳炎に関する小委員会」と「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を合同で開催し、座長には日本脳炎小委員会の加藤委員長にお願いしております。
 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレスの関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 それでは、開会に当たり、矢島健康局長より御挨拶を申し上げます。
○矢島健康局長 おはようございます。健康局長の矢島でございます。
 委員の先生方、それから参考人の先生方におかれましては、年末の大変お忙しいところをお集まりをいただきまして大変ありがとうございます。先生方には感染症行政、薬事行政を初め厚生労働省の施策、いろいろな意味で、いろいろなところでお世話になっております。この場をおかりいたしまして、厚くお礼申し上げさせていただきます。
 本日は、先月10月に行われました、日本脳炎に関します小委員会での審議を踏まえまして、2件の日本脳炎予防接種後の死亡事例の継続調査の結果、それから脳炎・脳症事例の調査の結果、今後の副反応報告等における対応等につきまして、御審議をいただくことになっております。厚生労働省といたしましては、予防接種行政のこれからの安全性も含めまして、有効性も含めまして、国民に期待していただけるような施策に向けて、これからも頑張っていきたいと思っていますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
 簡単でございますけれども、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。
○飯野室長補佐 では、本日の出欠状況について御報告いたします。日本脳炎小委員会で小森委員、宮崎委員、薬事・食品衛生審議会安全対策調査会で大野委員から欠席の御連絡をいただいております。それから、岩本委員につきましては遅れる旨の連絡をいただいております。
 また、日本脳炎小委員会の参考人として、神奈川県立こども医療センター放射線科部長の相田先生、独立行政法人国立成育医療研究センター器官病態系内科部長の賀藤先生、国立感染症研究所副所長の倉根先生、国立感染症研究所感染症情報センター第三室長の多屋先生、大田区保健所長の永井先生、薬事・食品衛生審議会安全対策調査会の参考人として、山口大学大学院医学系研究科神経内科教授の神田先生、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院名誉院長の埜中先生、東京都立府中療育センター小児科部長の福水先生の計8名の参考人に御出席をいただいております。
 なお、本日の議題1〜3につきましては、「日本脳炎に関する小委員会」と「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同開催とし、議題4におきましては、「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の各委員の先生方には、オブザーバーとして御参加いただくこととさせていただきますので、参加委員の構成には変更はございませんことを申し上げておきます。
 それでは、これ以降は議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○飯野室長補佐 それでは、以後の進行につきまして、座長の加藤先生にお願いいたしたいと思います。
○加藤座長 皆さん、おはようございます。
 ただいまより、議事を進行させていただきます。事務局から、審議参加に関する遵守事項について御報告をいただきたいと思います。
○飯野室長補佐 まず、日本脳炎小委員会の審議参加についてですが、「予防接種部会における審議への参加について」に基づき対応しております。また、薬事・食品衛生審議会安全対策調査会の委員におかれましては、日本脳炎小委員会のルールに準じた対応とさせていただきますので御容赦願いします。
 本日、出席された委員、参考人から、議題1「日本脳炎の予防接種死亡事例について」、議題2「脳炎・脳症の例(19事例)の調査報告について」、議題3「日本脳炎ワクチンの接種後のADEMへの対応について」に関して、日本脳炎ワクチンの製造販売業者である一般財団法人阪大微生物病研究会、一般社団法人化学及血清療法研究所からの過去3年度における寄付金等の受け取り状況及び申請資料作成への関与について申告いただきました。日本脳炎小委員会、薬事・食品衛生審議会とも、各委員、参考人の方々の申し出から今回の審議への不参加に該当される方はおりませんでした。
 以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 遵守事項につきましては特に問題がないようでございますので、議事を進行させていただきます。
 引き続き、事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○飯野室長補佐 それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
 議事次第
 座席表
 委員名簿
 資料1「日本脳炎の予防接種後の死亡事例の継続調査の結果について」
 資料2「脳炎・脳症の例(19事例)の調査報告について」
 資料3「わが国の日本脳炎に関する疫学情報(その2)」
 資料4「日本脳炎ワクチンの接種後のADEMへの対応について」
 資料5「積極的勧奨の差し控え(平成17年5月〜22年3月)に対する対応について」
 参考資料1「日本脳炎の予防接種死亡例について」
 参考資料2「日本脳炎に関する小委員会中間報告」
 参考資料3「日本脳炎に関する小委員会第2次中間報告」
 参考資料4「日本脳炎に関する小委員会第3次中間報告」
 参考資料5「日本脳炎に関する小委員会第4次中間報告」
 参考資料6「予防接種法施行令(抜粋)」
 参考資料7「添付文書(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)」になります。
 不足や落丁等がございましたら、事務局までお知らせください。
 また、資料1、資料2の関連資料として、机上に委員限りの資料をお配りしておりますが、委員限りの資料につきましては議事終了後に回収させていただきますので、お持ち帰りにならないよう御配慮のほどお願いいたします。
○加藤座長 よろしゅうございますか。
 それでは、進行いたします。まず、資料1〜4までにつきまして、事務局並びに多屋参考人より御説明をお願いいたします。
○城予防接種専門官 それでは、私のほうからは、死亡例2例について発表させていただきます。
 まず、前回の日本脳炎小委員会から今回にかけまして、新たに得られた情報を中心に御説明させていただきたいのですけれども、簡単に概略だけ御説明させていただきます。
 1例目のお子様ですけれども、5歳以上10歳未満のお子様でして、平成24年7月に日本脳炎ワクチンを接種し、その翌日に感冒症状が出現。接種2日後に発熱し、けいれん重積のために入院。けいれん群発のために気管内挿管し、転院となっているのですけれども、転院先にてMRIで急性脳症と診断され、DIC、多臓器不全が進行したため、再度転院が決定となり、最終的に3カ所目の入院先にて急性脳症に対する全身管理を行ったものの、接種7日後に死亡されたということで、最終入院先の病院の主治医の御判断といたしましては、呼吸器感染症に伴う急性脳症が死因と考えられました。
 前回の10月の委員会の後に御家族の方から1つ御指摘があったので、こちらで訂正させていただきたいのですけれども、前回お配りした資料の中に「お子様が寝たきり」という表現が書かれていたのですが、これに対しまして御家族のほうから、「寝たきりと書かれておりますが、実際は座位、立位はできなかったが、背ばいで動いていましたということだけは訂正させてください」ということでしたので、この場をおかりして訂正させていただきます。
 もう一つなのですけれども、経過の中で、接種翌日に鼻水、咳などがあったということを書かせていただいているのですが、こちらの内容は提出されたカルテのほうに書かれたことなのですけれども、御家族の記憶では「接種翌日に鼻水や咳はなかった」ということをおっしゃっておりますので、ここで訂正されております。ただし、この表現なのですけれども、「鼻汁・咳嗽・体熱感」というのはカルテのほうからの引用でして、実際カルテには、「ほかの部位にも、翌日に、咳、痰、鼻づまりがあった」という記載もございますので、こちらで訂正させていただきます。
 入院後の経過なのですけれども、前回の10月以降の情報収集におきまして、最初の1カ所目の入院先のB病院の診療録とC病院の診療録、並びに画像のほうの提出に御協力いただけたので、委員の先生方のお手持ちの資料のほうには、血液検査の結果のほうを詳細に記載させていただいているのですけれども、経過といたしましては、けいれんから数時間以内に、もう既にかなり細胞逸脱酵素のほうが動いて、上昇しているような状態であったということと、画像のほうを再度確認させていただいたのですけれども、肺のCT並びに単純レントゲンにおきまして浸潤影がかなり明確にあるということで、こちらに関しましては、後ほど、きょうお越しいただいている放射線科の相田先生のほうに、御意見をいただければと思っております。
 それ以外なのですけれども、最終的な入院先の病院から、髄液、血清、尿の残存検体のほうを提出いただきまして、こちらのほうを国立感染研究所においてウイルス解析を行っていただきました。結果のほうは、先生方のお手元の2枚目のほうに書かせていただいておりますが、いずれも陰性であったということで、特段ウイルス等は検出されませんでした。
 1例目のほうは以上となります。
 続きまして、2例目のほうに移らせていただきます。2例目のお子様は10歳以上のお子様で、平成24年10月に日本脳炎ワクチンを接種されております。
 接種時なのですけれども、不安なようで診察室から出たり入ったりしていたということなのですが、待合室でお母様と看護師の方が腕を抱きかかえるような形でワクチンを接種されたということです。接種4〜5分後に倒れているところを発見され、心肺停止状態。心肺蘇生を開始し、緊急搬送され、約2時間の心肺蘇生を実施するも心拍の再開は一度もなく、接種約2時間半後に亡くなられたお子様になります。
 こちらの方なのですけれども、前回の委員会以降、新たに2学年でとられた学校心電図のほうを提出していただいているのですが、こちらのほうはいずれも明らかな異常はなかったということで、こちらのほうに関しましては、きょう参考人としてお越しいただいている賀藤先生に御意見をいただければと思います。
 さらに、薬物の血中濃度なのですけれども、採取検体のほうから血中濃度を測定していただけましたが、値に関しましては、委員の先生方の2例目の3ページ目に書かせていただいておりますけれども、内服していた3剤とも血中から検出されているという結果となっております。
 さらに、司法解剖のほうを進めていて、ほぼ全ての解剖は終了したということで、岐阜大学の武内先生のほうから心臓の組織学的検査の結果について御報告いただけたので、こちらのほうを記載させていただいております。
 簡単に御説明いたしますと、心筋全域にコントラクションバンドネクローシスに陥った心筋細胞が散見されたということと、右冠動脈の房室結節枝には内膜に線維性肥厚を認めるということで、年齢を考慮すると特記すべき異常と判断されるけれども、程度は高くなく、心臓性の突然死を引き起こす可能性はほぼない病変であったと考えるということです。
 こちらに関しまして、武内先生のほうにコメントをいただきました。心筋全領域にコントラクションバンドネクローシスが認められたということなのですが、心筋梗塞等の再灌流障害やカテコラミンの上昇、心臓外傷で起こる所見ということで、CPRをほとんど受けていない例では死因の診断に有用な所見となるようなのですが、心臓マッサージでも心筋細胞の再灌流障害に類似した所見が起こるということで、また、こちらの症例の方はかなりカテコラミン等を投与されていたということもあって、このような状態の本症例では、認められた心筋の変化から、これだけをもって死因を致死的な不整脈、心室細動と確定することは困難との結論に達せざるを得ない。けれども、解剖所見全体を通して見れば、致死的不整脈が疑われる例の解剖所見とほぼ符合するということでした。
 薬剤の関与に関してなのですけれども、不整脈の原因としての薬剤の関与については、可能性は指摘できても、解剖結果から断定することは困難と考えますという御意見をいただいております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございました。
 前回の御説明に加えて少し詳しい情報が入りましたので、それを主にお話しいただきました。後ほど、相田先生から1例目についてのMRI、それから、心筋梗塞等につきましては成育医療センターの賀藤先生に、簡単なコメントをいただきたいと存じますので御用意ください。
 先に進ませていただきます。資料2につきまして、難波江補佐官。
○難波江課長補佐 続きまして、資料2につきまして御説明させていただきます。
 前回の小委員会で、新ワクチン導入後に報告があった、日本脳炎ワクチン接種後の脳炎・脳症症例につきまして御審議いただきましたが、その際、これらの症例の中には紛れ込み事例があるのではないかという御指摘をいただきました。そのため、事務局においてこれらの症例について、カルテや画像などをできる限り集めまして、PMDAの専門家の先生、放射線科の先生に事前に評価をいただきました。
 資料2の右側のほうに、その後、調査等により得られた情報として新たな情報を記載させていただいております。
 また、各委員、参考人の先生方には、より詳細な情報を委員・参考人限りの資料として、本日机上のほうに配付させていただいております。
 また、前回の会議で症例リストは22症例ございましたが、今回の資料は、前回報告されたうち薬事法上の取り下げがありました1例、議題1で御審議いただきます死亡1例、重複例が1例ございましたので、それら3例を除いた19例についてこちらに取りまとめております。
 資料2につきましては、以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 この件につきましても、前回よりも少し情報が加わっておりますので、もし後ほど御意見がありましたら、各委員から簡単な御意見を伺います。
 続きまして資料3をもとに、多屋参考人からお願いいたします。
○多屋参考人 多屋です。よろしくお願いいたします。
 前回の小委員会のとき以降にさらに解析しました結果を、きょうお示しさせていただきたいと存じます。感染症情報センターの1枚目のスライドに書いてある研究官の先生方と一緒に検討をしております。
 次のページですけれども、感染症流行予測調査事業からの結果をもとに、今回解析をいたしました。この事業は厚生労働省の事業で、都道府県と感染研が協力をして行っている事業です。それぞれ日本脳炎ウイルスに対する中和抗体価の特定は、次のページにある県の衛生研究所で実施されたものということでよろしくお願いいたします。
 今回、追加解析を実施した項目は、その次のページにある3つの点になります。
 まず、ワクチン接種回数別の中和抗体保有率とその経年変化。前回は東、中、西と3つの地域に分けておりましたけれども、やはり東日本の調査圏がどうしても少なくなりますので、今回は東と西のみに分けて全国を出させていただいています。
 次に、前回はグラフが、とりあえず結果をそのままつなげたものだけになっていたのですけれども、今回は生年別の日本脳炎ウイルスに対する抗体陽性率の経年推定を提示いたします。
 3つ目は、ワクチン未接種者の抗体保有率から見た自然感染率と推計患者発生数、推計後遺症発症者数、推計死亡者数について、1つ目と同じように東と西に分けて全国とともに提示いたします。
 前回の委員会では、過去10年間からの結果を推計したのですけれども、今回は、より現状に近い、直近5年間の2007年〜2011年度の調査より推計しております。
 また、前回の委員会では、発症者の致命率を18%というふうに仮定して計算いたしましたが、今回は年齢を考慮いたしまして、40歳未満の致命率のほうが40歳以上の致命率よりも低かったという結果から、今回は9%という致命率を用いて推計をいたしております。
 それでは、次のスライドで結果をお示ししたいと思います。
 まず最初に、ワクチン接種後の経過年数による中和抗体の推移です。まず全体を示しますが、最終接種年から5年ごとに0〜4年、5〜9年、10〜14年、15年以上というふうに抗体陽性率をグラフ化しております。15年以上経ってきますと、中和抗体の保有率が下がってくるというのがわかるかと思います。ただし、接種後、経過年数が15年以上の分におきましては、濃い青、カラーでない場合は1期3回と1期3回+2期のみ、経過年数に有意差がございました。また、2期には一部3期を受けたものが含まれる結果です。
 次のページが、東日本と西日本に分けたものなのですけれども、自然感染率が少なかった東日本のほうが、15年以上経ったときの抗体陽性率が、より低くなっているのがわかります。
 西日本についても、同様に15年以上経ちますと、やはり中和抗体を持っていらっしゃらない方の割合がふえてくるわけなのですけれども、東日本よりは、まだ高く位置されていました。
 次に、生年別の日本脳炎ウイルスに対する抗体陽性率の経年推定です。こちらについては、感染症情報センターの大日主任研究官や菅原主任研究官、新井主任研究官らが調査してくれましたけれども、各生年別で14歳から70歳までの抗体陽性率の経年変化を推定する目的で、1972年度以降の流行予測調査事業報告から、14歳以上を対象として推定をしました。
 抗体陽性基準は年によって若干違いますが、10以上あるいは12以上を陽性と判断して検討しています。
 推定方法は、抗体陽性に対する多変量解析、Probit法を用いての推定です。
 説明変数は、性別、都道府県、生年、年齢。
 今回は、14歳時点の抗体陽性率を0.9と仮定して推定をしています。
 次に、グラフをお示しします。
 まず、1910年代生まれ、20年代生まれ、30年代生まれというふうに、10年刻みで1980年代生まれまでの人の生年別の日本脳炎ウイルスに対する抗体陽性率の経年推定です。
 まず、14歳時点を0.9と仮定しています。1910年代生まれの人は、一番上のところです。10年代、20年代、30年代、40年代生まれの方は、特に経年推定で抗体陽性率の減少は多くありません。1950年代生まれから、経年に伴って抗体陽性率が下がっているのがわかります。それが50年代、60年代、70年代、80年代生まれというふうにグラフ化していますが、80年代生まれの人の抗体陽性率の減少は、そのほかの生まれの方よりは急になっています。
 3番目の結果です。今度はワクチン未接種者が抗体を持っていた場合に、自然感染を受けたというふうに仮定しての推計です。ワクチン未接種者の抗体保有率から見た自然感染率から、推計患者発生率、これは感染症の話に高崎先生が記載された、感染者のうち100人〜1,000人に1人発症するという結果から、今回は1,000人に1人発症するという数字を用いて推定しました。
 推計後遺症発症者数は、新井らの論文で44%の後遺症発症率ということから、それを用いて計算しました。
 推計死亡者については、先ほど申し上げましたように40歳未満の致命率9%を用いて推計しました。
 次に、日本脳炎を発症した場合の後遺症にはどのようなものがあるかというのは、その次のページに示したとおりです。
 その次のページからは、情報センターの佐藤研究官と一緒に推計したものなのですけれども、まず一番初めが全体です。その次のページが、東日本と西日本に分けてございます。全体から先に説明させていただきます。
 前回は1〜12歳を全体で集計していたのですが、今回は年齢刻みでそれぞれ計算をしております。
 まず、2007〜2011年度までの接種歴不明の方を除いた対象者数がそこに挙げるとおりで合計3,633人、この中でワクチンを受けてらっしゃらない方が1,896人。
 未接種率を、その次のカラムに記載しております。52.2%で、積極的勧奨が差し控えられていた時期が含まれていますので、ワクチンを受けてらっしゃらないお子さんは多くいらっしゃいます。
 今度は、未接種者における抗体保有者数、中和抗体10以上の方なのですけれども、これを自然感染を受けられたと仮定いたします。これが76人、抗体陽性率は4.1%となります。
 次に、厚生科研の研究班で、年間の自然感染率の推計について、これまでも生存年数を年齢プラス0.5年と仮定しての計算が用いられていましたので、今回はそれを使わせていただきました。それをもとに年齢別の年間自然感染率を計算いたしますと、その次のカラムにありますとおりで、平均では1.0%という結果になりました。
 次に、2010年に国勢調査が実施されていますので、そのときの各年齢人口を次のカラムに持ってきました。
 その次のカラムは、ワクチン未接種者における推定発症者数ですけれども、今回、発症率は0.1%と仮定したものです。59人、推定後遺症発症者数が26人、推定死亡者数が4人で、もし皆さんがワクチンを受けてらっしゃらなかったと仮定した場合の推定発症者数が129人、後遺症発症者数が57人、推定死亡者数が13人という結果でした。
 次のページは東日本と西日本に分けているのですが、計算の仕方は同じで、それぞれ計算した結果を示しています。
 東日本のほうがワクチン未接種者の抗体保有率は低かった、いわゆる自然感染を受けた人の割合が少ないと考えられるので、数は少なくなってございます。
 あと、それぞれを年齢別に計算しております。また、四捨五入していることから、東と西を足すと単純に全体になるということにはなっていないことを、お断りさせていただきます。
 以上のことから、結果をスライドの1〜6までにまとめました。結果は、今、申し上げたとおりなので繰り返しませんけれども、前回の委員会では2000〜2011年度の結果で推計しておりましたので、その結果は参考資料として最後に3枚付けさせていただいております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございました。
 続きまして資料4、課長補佐からお願いいたします。
○難波江課長補佐 続きまして、資料4について御説明させていただきます。
 前回の委員会において、今後の課題としてADEM等の副反応がどの程度発生すれば中止を検討すべきか、そういった基準の検討をすべしという御指摘をいただいたところでございます。
 事務局において、資料4を御用意させていただきました。1枚おめくりいただきまして、議題を2つ記載させていただいております。1つ目が、日本脳炎ワクチン接種後のADEMの発生についてということで、これまでの知見を一度整理させていただいております。2つ目として、重篤な副反応報告への対応についてという形で記載させていただいております。委員の先生方、参考人の先生方には、事前に資料のほうを配付させていただいておりますので、本日はかいつまんで資料を御説明させていただきます。
 3ページ目に記載しているのが、日本脳炎予防接種に関する本年度の経緯でございます。23年度までは死亡の報告がなかったのですが、今年度は死亡2例の報告を受けまして、日本脳炎小委を開催したといった経緯でございます。
 4ページ目が、もう少し以前からの日本脳炎予防接種とADEMに関するこれまでの経緯を記載しております。
 それから、5ページ目でございますが、ADEMとはといったADEMの概要を記載しております。
 6ページ目は、Brighton CollaborationによるADEMの症例定義を記載しておりまして、診断のレベル1〜3という段階に分けられていて、1のほうが確実性が高いという診断基準になっております。一番下に除外基準というものも記載されております。
 続きまして7ページ目でございますが、これは日本におけるADEMの発症に関する疫学研究で、これまで確認した範囲で5つほど研究がなされていまして、それぞれの研究、地域、対象、調査年、例数、頻度というものを右側に記載しております。これはワクチン接種にかかわらず、一般的に対象人口当たりどの程度ADEMが発生しているかというものでございまして、まとめは下の枠組みの中に記載されております。
 3の研究では、日本脳炎ワクチン接種とADEMの密接な疫学的相関関係は認められないとされたという結論になっております。
 3と4の比較によって、日本脳炎ワクチン(マウス脳由来)の積極的勧奨を中止してもADEMの減少は見られなかったという結果となっております。
 3と5では、全症例の60〜70%で発症前1カ月以内に何らかの先行感染が見られたという結果になっております。
 3と5では、全症例の10〜15%で発症前1カ月以内に何らかのワクチン接種が実施されていたとなっております。
 5の研究につきましては、具体的にどのようなワクチンが接種されていたかというのが確認されておりますので、それを確認したところ、インフルエンザワクチンが3例、MRワクチンが2例、DPTワクチンが1例という結果でございました。
 続きまして8ページ目でございますが、WHOの現在での見解が記載されておりまして、「マウス脳由来の日本脳炎ワクチン接種とADEMの発生の因果関係については確立しておらず、WHOの諮問委員会は、そのようなリスクの増加を示すエビデンスはないと結論づけている」というのが、2010年に出されたWHOのドキュメントに記載されております。
 それから、細胞培養ワクチンにつきましては、「現在のところ、細胞培養の日本脳炎ワクチンによる神経学的有害事象の増加リスクを示した研究は報告されていない」という形でWHOはまとめております。
 続きまして9ページ目でございますが、これはアメリカのIOMの見解が記載されております。2011年に出された文章において、ADEMとワクチン接種の関係について取りまとめをしておりまして、生物学的機序として、「自己抗体の産生やT細胞の異常、自己組織の抗原物質と微生物由来の抗原物質との間で共通の構造があることによる分子相同性の機序等によるADEMの発生は理論上考えられるが、そのことを支持するエビデンスは多くない」というふうにしておりまして、それぞれのワクチンとこれまでのエビデンスの整理と結論というものを記載しておりまして、いずれもエビデンス不十分という結論が出ております。ただ、日本脳炎ワクチンについて、アメリカのほうではルーチンでやっておりませんので、この中には含まれておりませんでした。
 10ページは、これらの知見をまとめたものを案として記載しております。
 これまでの知見の蓄積により、日本脳炎ワクチン接種とADEMの因果関係について以下のとおり考えるが、如何か。
 ワクチン接種によるADEMの発生は理論上考えられるが、現在までのところそのことを支持するエビデンスは多くない。
 現在までのところ、日本脳炎ワクチン接種とADEMの発生の因果関係を強く支持する疫学的研究はほとんど見られない。
 現在までのところ、日本脳炎ワクチン接種とADEM発生の因果関係を強く支持する基礎研究、症例報告が多くない。
 まとめとして、「ワクチン接種とADEMの発生について理論的可能性は考えられるものの、現時点で因果関係を示す明確なエビデンスは得られていない」ということで記載しております。
 続きまして11ページ、「2.重篤は副反応報告への対応について」ということで、12ページに副反応報告制度のメリット、デメリットといったものを記載しております。
 それから、13ページに副反応の原因別分類としまして、WHOのドキュメントなどを参考に、副反応の要因として、このようなものが考えられるのではないかと分類をしております。
 1つ目が、ワクチンそのものに起因する副反応。通常、ワクチンが十分な品質を保って、適切に保存管理・接種されていても起こり得る事象というものでございます。
 2つ目が、製造過程に起因する副反応ということで、製造過程に何らかの不備があったために、品質に問題が生じて起こる事象。
 cとしまして、保存管理・接種に起因する副反応として、ワクチンの保存管理や処方、接種方法等定められた取り扱い方法が守られていないために起こる事象としております。
 dとして、接種の痛み刺激・不安に起因する副反応。
 eとして紛れ込み事例、このように分類をしております。
 次の14ページに、重篤な副反応が発生したときの対応案として、フロー図という形でお示しをしております。
 重篤な副反応が発生した場合に、まず同一の施設や地域で発生しているのかということを確認いたしまして、そうであれば、その要因としてワクチンの保存管理や接種、前ページのcの要因が主に想定されまして、対応としましては直ちに調査等を実施しまして、緊急性を要する場合は検討会を開催するという形になっております。
 それから、同一の地域ではなく、同一の製品・ロットで発生していて、かつ、非接種者でも同様の発生がない場合、下のほうの「No」の場合はbかcの要因が主に想定されまして、同様に調査をし、緊急を要する場合は検討会を開催する。
 非接種者でも同様の発生があるようなものであれば、主に紛れ込みが想定されるとしております。
 上の段に戻っていただきまして、それが既知の副反応であった場合、そしてまた下のほうに行きまして、それが想定範囲内の頻度で起こるか否かで分けておりまして、想定範囲の頻度であれば主にaの分類が想定されまして、経過観察及びモニタリング。それから、そうではなく想定範囲の頻度を超えるような場合においては、主にbやcの要因が想定されまして、直ちに調査を実施して、緊急を要する場合は検討会を開催するというものになっております。
 それから、上段に戻っていただきまして、既知の副反応ではないという話であれば、未知の副反応も想定して調査を実施し、緊急性を要する場合は検討会を開催する、こういった対応案になっております。
 ちなみに、この「経過観察及びモニタリング」というのは、前回の小委でも御報告させていただいましたが、日本脳炎ワクチンについては、今後定期的、年に3階程度、副反応報告について評価、検討をいただく。その定期的にやるものを想定しておりまして、緊急的な場合というのは、それを待たずして緊急に調査、評価をしないといけない場合、こういった場合ではないかということを事務局案として提示させていただいております。
 続きまして15ページ、副反応報告の緊急性評価といたしまして、予防接種法に定める定期接種は、自然感染した場合に起こり得る症状の重症化や合併症と、ワクチンによる避けがたい健康被害とのバランスを勘案した上で定められているものである。
 副反応の原因究明が完全にはなされていない段階で、予防接種の見合わせを行う等の社会的影響力の大きい意思決定を下すことについては、適切な段階を踏み、科学的根拠に基づき、合理的かつ迅速に行う必要があり、以下の3指標等を参照しつつ専門家の知見を踏まえ、総合的に判断することが必要であると考えられていると整理しております。
 その3つの指標というのが、予防接種後の標準的な副反応報告率。海外の文献などを含めて、国際的にどの程度の副反応が起きているかというものを参照する。
 それから、疾病の自然発生率。ワクチンと関係なく、ある副反応というのは自然発生で起こり得ますので、それが実際にどの程度発生しているのか。
 それから、過去の副反応報告というものを見ていく。
 具体的に16ページ以降に、ADEMと脳炎・脳症について、今、得られているデータをお示ししております。
 参考(1)としては、ワクチン接種後のADEMの発生率。幾つか文献の報告がございまして、レビューの論文が出ているのですが、下の囲みの中なのですけれども、予防接種後のADEMの発生は、多くのワクチンでおおむね50〜100万接種に1回程度の頻度で報告されているとされております。
 次の17ページは、ADEM以外の脳炎・脳症でございますが、MMRとDPTについての知見がございまして、IOMがレビューを行っております。そこで記載されているのは、同じ不活化ワクチンでございますが、DPTワクチンで約37万回に1回程度、接種後に発生しているという結論にしております。
 それから、18ページがADEM及びADEM以外の脳炎・脳症の自然発生率でございます。先ほどの日本の疫学調査のデータを用いまして、小児におけるADEMの発生頻度、これは0.34〜0.8という積極的勧奨を差し控えていた期間のデータを用いまして、日本脳炎ワクチンの接種対象年齢、対象人口で年間どの程度ADEMが自然発生しているかということを推計したもので、大体年間11〜26例程度起きているのではないかということが推計されました。
 ADEM以外の脳炎・脳症につきましても、病院不明の脳炎・脳症というものが大体10万人に0.82人程度発生しているという報告がございましたので、それをもとに推計しますと、日本脳炎ワクチンの接種対象人口では年間27例ぐらい、ADEM以外の脳炎・脳症が発生していると推計されました。
 最後に、過去の副反応報告、どのぐらいの頻度でADEM、ADEM以外の脳炎・脳症が起きているかという推移をお示しした図でございまして、下の囲みの中に書いておりますが、明らかな外的要因がない限りは、副反応報告率というのは大きく変動する可能性は少ないと考えられまして、過去の副反応報告状況から報告される報告数の範囲というのは、おおむね想定されるのではないかと考えております。
 資料4は以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 ちょっと長くなりましたけれども、ただいま資料1〜4まで御説明いただきました。
 ちょっと頭をもとに戻していただきまして、資料1です。議題1の日本脳炎の予防接種後の死亡事例の継続調査の結果につきまして、前回から少し新しい情報が入っております。レントゲンの情報が入っておるということですので、相田参考人のほうから御説明いただけますでしょうか。
 その次に、賀藤先生から心臓のほうのコメントを前回いただきましたので、前回のこととダブらずに、今回の資料をもととして御意見をいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○相田参考人 相田でございます。
 画像の入りましたCDをいただきまして、それを見せていただきました。まず、この方の頭部MRIに関しましては、1つ目の転院先の病院で撮られておりますが、1回だけの施行でございまして、基礎疾患として慢性の白質損傷による容量低下が存在します。このとき、多少ゆがんだ画像ではありましたが、拡散強調像にて左大脳半球優位に拡散制限が存在していることがわかりますので、経過と合わせ、脳症に合致する所見でございました。
 胸部CTも1回だけの施行ですが、両肺背側にエアブロンコグラムを伴う浸潤影がありまして、もちろん1回の画像診断だけでは、そこに炎症があるかという判断は難しいのですが、無気肺は確実に存在し、そこに肺炎も合併している可能性があります。無気肺と肺炎の両方か、絶対に炎症がかぶっているかどうかに関しては、背側に関しては1回の診断ではちょっとできません。
 また、両側の上葉に気管支肺炎と肺炎を示唆する浸潤影がございまして、こちらは画像診断から病歴と合わせると、アクティブな肺炎であると考えました。
 その後、何回か、最後の転院先では単純写真だけでしたが、肺炎プラスαは出てきているかもしれませんけれども、肺炎に矛盾しない浸潤影はずっと認められておりました。
 以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 それでは、第2例につきまして、賀藤先生、お願いします。
○賀藤参考人 賀藤でございます。
 いただきました学校心臓検診の心電図は、2011年のものと2008年のものでございます。心電図上、皆さんが特に気になるのはQTの長さだと思いますが、QTCが左の上のほうに書いてあります。これはミリセカンドなのですが、377ミリセカンド、2011年のQTCが379ミリセカンドということで、これは特に問題なしです。
 ただ、いつも学校心臓健診のときに大きな問題になっているのですけれども、QTCの一般的に用いられている補正式はとげになっているR波というものがあるのですが、Rの間隔を分子として、それを平方根にしたもので割ったものを補正としているのですけれども、それは心拍数が80を超えると余り正しくないと考えられていますので、子どもで、そのQTCがどの程度正確かということは大変疑わしいというふうになっていまして、今、ちょっと問題になっています。ただ、経験上400ミリセカンドを切っている場合は、余り大きな影響はないだろうと思いますので、QTCの延長はこの心電図上は認められない。
 ただ、QT延長症候群という病気の場合は長さも大事ですが、T波の形も大事で、T波というのは一番とがったボルトの高い、次に来るなだらかな波ですけれども、それの形が異常なことが多いので、その形をすごく重要視するのですが、そのことに関しても余り異常とはとれません。ですので、この2つの心電図からは、QT延長症候群という病気を疑う所見は全くないということになります。
 ただ、申し添えておきますけれども、QT延長という所見とQT延長症候群という病気は全く違ったもので、余りデータないもので経験上となりますが、学校心電図で正常だからといって、QT延長症候群を否定することは全くできないということになりますので申し添えておきます。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございました。
 前回のこの委員会では、いろいろな御意見をいただきまして、その結果としてこの2つの死亡例が出ました。日本脳炎ワクチンの接種後に起きた事例であることには間違いないけれども、直接的な明確な因果関係は認めにくい。したがって、他の要因により発生した可能性が考えられるという御意見をいただきました結果、積極的な勧奨の中止を行う必要はないであろうという結論に至ったわけですけれども、きょう幾つかの新たな情報が入りました。それをもとにして、何か御意見がある委員は御意見をいただきたいと思います。
 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、議題1は、今回も前回と同様の結論であるということで取りまとめさせていただきたいと存じます。
 議題2のほうをちょっと思い出していただきまして、脳炎・脳症のことでございます。ここのところで御意見がございましたらいただきたいと思いますが、前回の小委員会におきましては、ADEMを含めまして脳炎・脳症報告例の中には、他の要因による事例が含まれているという可能性がありまして、より詳細な情報を集めて評価をすべきである、こういう御意見が出てきたところで、少し詳細な情報が盛り込まれていると思われます。
 先ほど、事務局において追加情報も集めていただきましたので、改めてきょう出ました情報も加えて御意見あるいは発議をしていただきたいと存じます。御意見がある方はどうぞ。
○岡部委員 資料2のところで、きょうそれぞれを全部チェックするということは、この資料の中では無理だと思いますし、我々がそれぞれのカルテを拝見しているわけではないのですけれども、ざっと拝見したところで、例えばマイコプラズマ感染。マイコプラズマは、母数がふえてくればかなり合併症が多くなるということが知られていますけれども、マイコプラズマ感染によると思われる症例が含まれているとか、あるいは私が非常に重要だなと思ったのは、資料2の番号で言うと14の方なのですけれども、髄液から嫌気性菌が出ている。これはかなり網羅的な検査をやって、相当時間とお金のかかる方法で、感染研でやられたということを聞いています。必ずしも予防接種との関連を全部否定する目的ではないと思いますけれども、きちんと医学的科学的に調査するということによって、ある結論が出てくるというのは貴重だろうと思います。
 ただ、こういう症例が、報告が間違ってされたということでは決してなくて、むしろこういう事項を含めた報告がきちんとされて、それを評価するということによって最終的な結論が出るのではないかと思いますので、前回の委員会のときでもちょっと申し上げたのですけれども、こういう有害事象を含めた症例についてきちんと検討するということが、今回の事例から学べることであろうと思います。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 今、岡部先生が分科会長をやっておられますが、私も長い間、健康被害救済の委員をやっておりまして、そのときにこういうものが必ずたくさん出てきます。果たしてこれがワクチンに因果関係があるのかないのかということで、いつもかなり議論をして絶えず困っているところでして、多分今後も困ると思います。それは別として、きょう出ました資料をごらんになって、何か感想でも結構です。特にございませんか。
 どうぞ。
○岡部委員 もう一点ですけれども、先ほど申し上げました症例の14の場合もそうなのですけれども、細かい検査をやるということが副反応発生時のシステムとして組み入れられてなくて、今、私は川崎市の衛生研究所にいるのですけれども、例えばそういう検体が持ち込まれたときに、衛生研究所ではそういうことが決められていない。つまり、予防接種の副反応ということを衛生研究所というところでやるということは、法的な裏付がないので、衛生研究所では費用、負担、予算、その他から、やることができないという返事を出してしまうことがあります。検査を行う場合は研究ベースでということになるので研究所によって実行性に温度差が出てきます。
 したがって、ある程度そういうところが公的に調査をできるというルールづくりは、こういうことを契機に方向性を見出していただければと思います。これはお願いです。
○加藤座長 それは、一応今後の課題ということで、事務局のほうでノートオンをしておいていただければと思います。
 ほかに御意見はございませんか。どうぞ。
○廣田委員 せっかくこの19例の症例を集めて整理していただいておりますので、できれば症例対照研究をしたらどうかと思うんです。例えば対照をさかのぼって、その症例と受診時期も一致している、こういった人を年齢・性でマッチして5例とかをとって、その情報は全て病院の記録からとれると思います。接種記録は母子手帳からとれるわけです。症例だけを検討していて、臨床の専門の先生方でもワクチンとの因果関係には苦慮されるわけです。症例対照研究、分析疫学では個別の因果関係はわかりません。しかしながら、全体としての関連は調べることができます。
 実際調査するときも、例えば全体で解析するとか、ADEMに限って解析するとか、あるいはADEMについても診断レベルによって別々に解析するとか、あるいは接種から発症までの期間別に、例えば1週間以内とか1カ月とか区切って別々に解析するとか、そういったことを一度やってみると、かなり傾向性ということはわかるのではないかと思うんですね。
 将来的というか、できれば早目がいいですけれども、検討していただきたいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。将来的にどのようにこういう制度をつくっていくか。変な言い方をしますと、出てきたものをどのように生かしていくかということと考えていいですね。
○廣田委員 できれば今回も、余力があれば取りかかってみたらいいのではないかと思います。
○加藤座長 わかりました。
 ほかによろしいでしょうか。どうぞ。
○岩本委員 基本的に岡部先生と同じなのですけれども、先ほどのフロー図にありました、こういう症例の集積が、あるときに急速に起こっているのかということを早くつかまえられるかどうかということと。
○加藤座長 それは後でやりましょう。
○岩本委員 その件と、あとは個々の症例を細かに見ていくという両方が必要だということだと思います。
○加藤座長 いずれにいたしましても、この19例というADEMを含めたものが、この2年間に出てきたということについて議論をしているところでございますけれども、前回いただきましたように、前回は、これをもってして積極的な接種の勧奨を中止するまでには至らない、こういう御意見をまとめさせていただいているわけですが、その中でより細かいデータをいただきたいという御意見がありましたので、細かいデータを提出した、こういうことですので御了承いただけますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、続いて多屋先生の御発表になりましたところで、何か御意見がおありの委員は御意見をください。どうぞ。
○倉根参考人 参考人ですが、よろしいですか。
○加藤座長 参考人でも御自由にどうぞ。
○倉根参考人 多屋先生のスライドの12ページの表です。多屋先生は抗体陽性をとっております。実際には少ない数だと思いますけれども、2回感染している人もいるはずであります。発症はしないけれども2回感染した人です。ですから、ひょっとしたら実際の数はもうちょっと多いのかもしれない。つまり、今、ウイルスに感染するということは、そういう状況で生活しているということも考えられます。この計算の仕方は、2回感染しても1回というふうに数えられますので、実数はもうちょっと多いかという気はいたします。
 コメントでございます。
○加藤座長 それは特にエビデンスはなくて、先生の感想。
○倉根参考人 感想というか、これの読み方ということでございます。
○加藤座長 2回感染するということは事実。
○倉根参考人 2回感染といいますか、ウイルスが生体に入るということは当然あり得ることでありますので、この計算の仕方ですと、それは1回と数えておりますということでございます。
○加藤座長 多屋先生、それでよろしゅうございますね。
○多屋参考人 ありがとうございます。
 あともう一つ、倉根先生から以前にも御指摘いただいているのですけれども、感染して中和抗体を獲得した後、減衰してくるというのは、この推計では見ていませんので、今回、実際よりは非常に少ない最低の数字で結果をお示ししていることになろうかと思います。ありがとうございます。
○加藤座長 多屋先生の資料、御発表について、ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
○岩本委員 1点質問なのですけれども、9ページの年代別の年齢のところで、14歳時点での抗体陽性率を、全年齢群で0.9と仮定してこの図が描かれているのですけれども、恐らく現実のデータとしては、これも基本的にはばらつくんですね。
○多屋参考人 ありがとうございます。
 9ページの経年推定なのですけれども、今回は大体14歳ぐらいのお子さんですと9割ぐらいの抗体陽性率ということが多かったので、今回は仮にこれを仮定しています。最初は1.0で仮定したときもあったのですけれども、それだとちょっと実際とはそぐわないということで、ここはどこに仮定するかということになろうかと思うので、今回は0.9にして計算したものということになります。
○岩本委員 質問しているのは、年代ごとに、14歳時点での抗体陽性率が下がってないかという点なのですけれども、各年代ともに14歳時点ではで0.9ぐらいになっていたということですか。
○多屋参考人 最近は若干低目なのですけれども、今までの30年間の調査では、10代ですとこれぐらいの抗体をお持ちの方が多かったということです。
○加藤座長 よろしいですか。
 廣田委員。
○廣田委員 ちょっと私、混乱しているのですけれども、お示ししていただいた図表で実際の観察結果に基づいたものと、あるいはモデルで推定したものとの区別がつきにくくなってちょっと混乱しているんです。
○多屋参考人 これについては、過去30年間の各都道府県衛生研究所で実施していただいた中和抗体の結果をもとに出したものです。その方法が、比較的よく用いられる方法らしいのですけれども、多変量解析のProbit法という方法を用いて出したもので、結果に基づいたものという理解をしていただければと思います。
 大日先生が来られていると思うので、もし補足等がありましたらお願いいたします。
○加藤座長 廣田先生。
○廣田委員 例えば将来の患者数とか、将来どういうふうに抗体保有率が動くかというときは推定になると思うのですけれども、過去の結果を、過去の観察結果でなくて推定結果で出されたという意義に、ちょっと疑問を持ったものですからお伺いしています。
○加藤座長 そのあたりはいかがですか。
○多屋参考人 将来の推計ということについては、今回はできておりません。ですので、今までの結果をもとに過去の結果を推定したものという形になります。
○廣田委員 多分、過去の結果でいくと数値の変動があったりするので、モデルを使われたのだろうとは思うのですけれども、その結果の前が全部ブラックボックスになっているもので。
○多屋参考人 実際に、これの計算をしてくれました大日主任研究官が来てくれていますので、もしよかったら補足を。
○感染症情報センター大日研究員 座長の発言の許可をいただければ。
○多屋参考人 許可をいただければ。済みませんが、よろしいでしょうか。
○加藤座長 それでは、発言を許可いたしますので、御説明をよろしくお願いします。
○感染症情報センター大日研究員 廣田先生がおっしゃられておるように、実際の観察値はがたがたになりますので、それを滑らかな線で表現した。
○加藤座長 自己紹介をしてください。
○感染症情報センター大日研究員 済みません、国立感染症研究所の大日と申します。この部分に関して担当させていただきましたので、補足的に説明させていただきたいと思います。
 過去の部分に関して推定を行って、そのがたがたの部分をならした。ならして全体的な傾向を把握したという部分でございます。
 モデルといいますか、推定のあれに関しましては、その1枚前の説明のところで多変量解析ですね。性別、都道府県名、生年、年齢というところで調整したProbit推定を行ったわけでございますので、特に問題はないかと思います。
○加藤座長 どうぞ。
○廣田委員 ここで余り議論する気はないのですけれども、過去の観察値で変動が大きい場合、平均化して安定した数値を得るというのと、そこでモデルを使うというのはかなり違ってくると思うんですね。今度はモデルの妥当性の検証ということから始まりますので、単純に平均化して滑らかにしたという数値も教えていただく機会があったらと思います。
○加藤座長 どうぞ。
○岩本委員 余りこの部分で議論をしても時間が取られると思いますが、私がちょっと想像したのは、調査が72年だから、1910年生まれの方だと調査の時点で62歳ですね。20年の生まれの方は52歳。それ以降に関しては実際のデータに基づいていて、調査時点までの値を滑らかにしたという御説明かと思ったのですけれども、大まかにはそれでよろしいでしょうか。
○多屋参考人 そのとおりでございます。
○加藤座長 廣田委員。
○廣田委員 1点、非常に気にかかることがありますので、これだけははっきりさせてください。
 12ページでございます。12ページの真ん中からちょっと左側に、「未接種者における」というカラムがございます。その3つに分かれたカラムの右側に「年間自然感染率」とございまして、抗体保有率を平均生存年数で割ったものを年間自然感染率としてあるのですけれども、年間の感染率は一定でも、感染してない人が翌年に感染するわけですね。だから、これは言いかえれば複利計算みたいな感じになっていくわけで、単純に生存年数で割っていいのか。この部分は、結核の分野で年間感染率を使ってありますので参考にしていただければと思います。
○多屋参考人 ありがとうございます。
 これまでの日本脳炎における年間自然感染率の計算について、こういった方法が用いられておりましたので、今回はこの方法を用いて結果を出させていただきました。ありがとうございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 今回は、このような方法で、多屋先生を中心として一応データが出たけれども、今後、若干方向性を変えた方面で、きちんとしたモデルを使った上での統計も必要ではなかろうか、こういうことでございますので、これも今後の課題としていただきたいと思います。このデータはこのデータとしていただいておくということで、よろしゅうございましょうか。
 それでは、続いて事務局から出ました案につきまして、十数ページにわたりまして出ましたけれども、このペーパーにつきまして、各委員、参考人から御意見がございましたらどうぞ。
 倉根参考人。
○倉根参考人 8ページ、9ページというになろうかと思います。9ページに「【生物学的機序】」ということが書いてあります。日本脳炎のウイルスの粒子そのものを免疫したときに、自己抗体ができる可能性があるかどうかということでありますが、これまでの研究では、日本脳炎の粒子自体で自己に対する抗体あるいは免疫ができるということはないと思います。
 唯一、日本脳炎と非常に類似のウイルスで、デングウイルスというものがありますが、このウイルスを感染させれば、感染のときのみできるたんぱくに対して自己と交差する抗体ができるという報告はあります。しかし、今、用いている日本脳炎ウイルスというのは不活化されておりまして、感染ではありませんので、デングウイルスによって観察されたことは当てはまらないということになります。そうすると、残っているたんぱくとしての日本脳炎粒子に対して、自己の交差するものができるという報告はないということでございます。
○加藤座長 ありがとうございます。
 現在のワクチンでは起こりえない、こういう御意見ですね。
○倉根参考人 起こり得ないと言われるとあれですが、わかっているものはない、あるいは科学的に報告されていることはないということであります。理論的にゼロと言われるとそれはわかりませんけれども、そういうことでございます。
○加藤座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○岡部委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、しばしば予防接種副反応のときに自己抗体によるものがあるかどうかというのは非常に問題になって、今のは日本脳炎ウイルスではなさそうである。デングだとそうかもしれない。それはほかのウイルスの場合にも当てはまることなのでしょうか。それとも、まだデータがそろってない。
○加藤座長 今は、ウイルスのたんぱくだったら起きる可能性があるということで、岡部先生の質問はウイルスですか、ワクチンの話ですか。
○岡部委員 両方の話です。ちょっと話が広がってしまって申しわけないです。
○倉根参考人 私、ほかのものについては十分なことはわかりません。自己抗体のできるできないという議論は、多くの場合、単クローン抗体で交差するものはできるとか、そういう話でありますので、その事実が直病気に結びつくあるいは病的な状況に結びつくかと言われると、これはまた別の話であります。
○加藤座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○岩本委員 関連の質問ですけれども、マウスの脳で作ったワクチンのときには、異種の動物の脳の成分が入る可能性があると思います。細胞培養でワクチンを作る場合には、用いる細胞由来の抗原が原因となって自己抗体が出来る可能性は非常に少ないと考えていいということですか。
○加藤座長 倉根委員。
○倉根参考人 まず、従来使われていたマウス脳由来ワクチンについては、岩本先生がおっしゃったように脳ということがあるので、やはり理論的可能性は否定できないということであっただろうと思います。ただ、その当時でも脳のコンポーネント、入っているものはゼロではないかもしれませんが、ほとんど認められない程度であります。
 当時、副反応が出たときに、たしか特別研究でやったと思いますが、当時用いていたマウス脳由来のものをマウスで免疫したときに、自己に対するあるいは脳に対する抗体あるいは免疫応答が起こるかということをやりましたけれども、やはり何も起こりませんでした。まずそれが1つ。
 もう一つは、今、用いている日本脳炎ワクチンはベロ細胞を用いております。これはグリーンモンキー・キドニーの細胞であります。もちろん理論的にはグリーンモンキーのキドニー細胞と、脳に存在している細胞の間に交叉免疫原性はゼロかと言われると、実際はわかりません。しかし、まず非常に少ないと思います。
 それからもう一つは、グリーンモンキー・キドニーは日本脳炎ワクチンのみに使われているのではなくて、日本ではまだ用いられていないかと思いますけれども、狂犬病とか、既に他のワクチンでも幾つか使われております。しかし、そこでグリーンモンキー・キドニーに由来する副反応が出たかというのは、私は特にないと思っております。
 もう一点、現在用いているワクチンの中に、ベロのたんぱくはどのぐらい残っているのか。またゼロとは言えませんが、非常に微量、ないと言っていいぐらいだろうと私は思っています。
 ですから、理論的可能性はゼロではないにしても、やはり粒子による生体への交差反応、つくったベロ細胞による交叉反応、これは非常に少ないのではないか。また言いますが、理論的にはゼロとは言えないかもしれませんけれども、可能性としてはほぼないというふうに私自身は考えております。
○加藤座長 ありがとうございました。
 非常に学問的な問題に突っ込んできまして、皆さん興味があるので、これをやっておりますと時間がなくなりますので打ち切りにいたします。
 座長といたしましては、14ページのフローチャートのところ。と申しますのは、前回私が申し上げましたが、何らかの基準が必要かもしれないということをちょっと申し上げました。その基準というのは、何名発生したらどうしようかということではなくて、今後副反応が出てきたときに、どのようなことが起きたら、どのような方法で、どのように進めていこうかということで、厚労省のほうで案をつくっていただいておりますので、14につきまして皆さんに目を通していただいて、約10分間ぐらいお時間をとりますので、この件について御議論がございましたらいただきたいと思います。
 事務局から特につけ加えることはありませんか。
 どうぞ。
○廣田委員 14ページのフローチャートで、症例を検討するということが出てまいります。次の15ページは、いわゆる発生率、そういった頻度を中心に書いてあります。短期間に症例が集積したような場合は、そういった頻度とか症例だけを見ることとは別に、やはりケースコントロール・スタディーであるとか、ケースクロスオーバー・スタディーという分析疫学的調査もしてほしいと思いまして、15ページには「以下の3指標等」と書いてありますから、この「等」には、ぜひそういうことも加味していただきたいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
 この14ページの一番左のところで、赤く塗って重傷症例のクラスターが発生した場合と書いてあるので、ここのところに引っかかってくると思います。これで、今の廣田先生の御意見と15ページのところで、その件についてはクリアーできると思います。
 ほかの委員の方で。賀藤さん、委員から。
○岩本委員 最初の赤の重症症例のクラスターなのですけれども、同一施設・地域で発生した時、例えば何日ぐらいの間に死亡例が何例あったらこのフローチャートを使うのか、あるいはADEMの症例であれば何例でやるのかという、そのクラスターと地域の定義が、大まかにで結構ですけれどもあったほうがいいだろう、という気がします。
○加藤座長 これは先生も部員で、部会でも提言の同意を得ておりますけれども、今までの年1回ではなくて、年に3〜4回こういう会を開きましょうということになっております。
○岩本委員 開催の提起があるんですね。
○加藤座長 1回だけではないということです。ただ、1例出たらすぐにこれをやるというわけにもなかなかいかないだろう、こういう基本的な考えがあると思います。
 賀藤さん、どうぞ。
○賀藤参考人 門外漢なのですが、今、厚労省の事業で小児と薬の情報に関しての事業をさせていただいておりますので、ちょっと発言させていただければと思います。
 副作用・副反応とかいうものの症例を、どうやって集めるかということで少し考えているのですが、わかるのは、この薬から副反応・副作用があったかということは、症例から入るとすごく簡単にやりやすいのですけれども、最も重要なことは、現場の医者が気づいてない副作用・副反応は何かということになります。それをどうやってピックアップするかということが最も大きな問題なのですが、この左上の重篤症例のクラスターの発生から全部「No」で右端に行きます。そうすると、右端に「非接種者でも同様の発生があり」ということが書いてあるのですが、これをどうやってピックアップするかが一番大きな問題だと思っています。
 ですので、きょうの外来で発熱が来た。その発熱は何が原因かとなるといろいろ問題なのですけれども、非接種者でも同様の発生があるというのがすごくアバウトな感じで書いてあります。これをどうやってピックアップするかが、物すごく大きな問題だと思います。私自身は、いつも小児と薬の情報に関してどうやっていくかということで悩んでいるところなのですけれども、具体的なことはあるのでしょうか。
○加藤座長 それは、きょうのペーパーにあるかどうかはわかりませんけれども、昔、AND調査というものをやっておりまして、そのほかでは科研費で、非常に規模が小さいところで調査をいたしまして、AND調査というのはAcute Neurologic Diseases。これを全国で調査して、そこで予防接種をやっているかやっていないかという評価をする。ですから、そういう急性の神経疾患が出た方が予防接種を受けていたかいないかという調査というのは、もう既に十何年前に行われているんです。
 ただ、有効に使われていたか使われていないかはわかりません。賀藤先生の意見は非常に有効だと思うので、多分今後こういうことも考えた上で、何らかのプロスペクティブなスタディーというものをやっていきませんと先生のお答えが出ないと思いますが、事務局、何か御意見はありますか。
○難波江課長補佐 AND調査については、7ページの一覧の中の2番目に記載されております。
○加藤座長 ADEMに関してですけれども、こういう調査は行われているということでございます。
 ほかにこの件について、あと5分ぐらい。どうぞ。
○岡部委員 この重篤な副反応報告時の対応、これは普遍的に行われることを想定しているんですか。それとも、日本脳炎の今回のものについての想定なのでしょうか。
○難波江課長補佐 ここ自体は、ほかの副反応でも適用できるかと思っていますが、まずこの会においては日本脳炎ということを想定しております。
○加藤座長 どうぞ。
○岡部委員 というのは、例えば感染症法の中で、急性脳炎、それから感染症に関係があると思われる急性脳症というのは、1つの指標になり得るのではないかと思って感染症法対象疾患の中に入れたという経緯があるのですけれども、実際には必ずしも全ての報告がない。これはほかの症例についてもそうですけれども、そういう予防接種に関連するような事象について、1つはきちんと普段から報告をしていただく。臨床の先生には報告しなくてはいけないということがあるのですけれども、そういうようなことの喚起と、もう一つは、例えばインフルエンザですとギランバレーとか、割に関連するような症例を通常からとっておく仕組みがなかなかないので、これも今後の課題としては1つ挙げておいておきたいと思いますし、今後検討していただければと思います。
○加藤座長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。
 よろしいですか。
○岩本委員 事務局が手を上げております。
○難波江課長補佐 先ほど御指摘のあったクラスターの話でございますけれども、14ページの下のほうに「クラスターの発生」として、ちょっと小さい字ですが、注意書きを記載しておりますので。
○加藤座長 よろしいですか。
 1番目と2番目のところを兼ねまして、多屋先生のところの御意見も混ぜまして、このようなことでよろしゅうございましょうか。
 きょう、追加の情報もいただきました。それを検討いたしました結果、19例が脳炎・脳症として出てまいりました。これは第2番目の議題の話です。多くの症例では感染症等が見られまして、他の要因で起こった可能性も否定はできないのではないかということが考えられる。日本脳炎の予防接種の死亡の2例につきましては、先ほどお話ししたとおりです。
 また、今後、日本脳炎がどうなるかということは、廣田先生の鋭い御質問があったものの、かた目の数値を用いて多屋先生が推計を行って、日本脳炎ウイルスが現在でも脅威であるということは変わりないのではなかろうかということ。
 それから、副反応につきましては、ワクチン以外の他の要因が含まれている可能性が十分に考えられる。その報告頻度は、国際的に報告されている頻度と比較して異常とは言えないというところから、今回、直ちに積極的な勧奨の接種を中止する必要はないとした前回の結論を覆すものではないというふうに判断いたします。そのようなことと考えてよろしゅうございますね。先ほど御意見をいただきました。
 しかし、本日の事例を見ておわかりいただけたと思いますし、いろいろなディスカッションの中でも出てまいりましたけれども、副反応報告制度というものは因果関係を問わず収集しておりますので、当然ワクチンとの関連性というものが薄い症例、またはあるかないかは本当はわからないということがたくさん含まれてきます。そのために、ことしの5月、この予防接種部会におきまして、副反応報告の個別事例に対する調査の実施や評価・検討組織における評価の実施を行うようにということを提言して、きちんと書かれておるところでございます。
 したがいまして、今後、予防接種の見合わせ等の検討を行う場合におきましては、詳細な調査、科学的知見、これは難しいですけれども、科学的知見に基づく評価、検討が必要だと思いますので、事務局におかれましては、今後この点を十分に留意されて、制度改正の作業を務めていただきたいと座長からお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、議題2まで終わりましたので、議題3に入ります。
 どうぞ。
○埜中参考人 ADEMのことです。私、今回この評価をさせていただいたのですけれども、もちろんこのワクチンによって起こったというADEMの症例、確実な例はないのですけれども、否定できない例というのがかなりあるんですね。
 インフルエンザの予防注射の副作用報告を見ていると、インフルエンザは物すごくたくさんやっているのに、こういうADEMの例は余り出てこない。だから、怪しいものが多いからどうこうしろというわけではないですけれども、やはり今後、このことは皆さん頭に置いて、ADEMのことについては慎重に考えていかれたほうがいいと思うんですね。
 今回のことでも、ちょっと熱があったら感染症ということで外してあるのですけれども、私はどうしても引っかかるものがあるので、その点だけ申し上げておきます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 先ほど申し上げませんでしたけれども、副反応報告につきましては、先ほどの事務局のつくられましたフローチャートにつきまして、ほぼ御意見が出そろったと思いますので、今、先生から出ました、日本脳炎に関しましての接種後のADEM及び他の脳炎・脳症については、資料で示された数値を目安といたしまして対応していただきたいと考えますので、この点も重ねてよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 まだありますか。
○難波江課長補佐 1点だけ。10ページにADEMとワクチン接種のエビデンスのまとめの案ということを記載させていただいているのですが、現時点でのエビデンスはこういうもので整理してよろしいか、少し御確認をさせていただけないでしょうか。
○加藤座長 埜中先生、何か10ページ目の。
○埜中参考人 対応としては、10ページのとおりでよろしいと思います。ADEMが多いとか少ないとかいうことは、今現在の時点では何も言えませんので。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして資料5に入ります。事務局から資料5についてお願いいたします。医薬の方々は、これ以降は参考人ということになっておりますので、御自由によろしくお願いいたします。
○喜多ワクチン対策専門官 資料5について御説明をさせていただきます。前回10月31日の際にも、今後検討しなくてはならない課題ということで御説明を申し上げましたが、主に2つの論点が課題として残されてございます。
 1つ目が政令対象者についてということでございますが、平成17年5月30日〜平成22年3月31日までの間に積極的勧奨の差し控えが行われたことで、その間に十分な積極的勧奨の期間が確保できなかったと整理されるお子さん、つまり平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれのお子さんに関しては、その間、1期接種、2期接種の年齢であって、積極的勧奨が十分に確保できなかったということがございましたので、御本人の希望があれば、20歳未満までの間は日本脳炎の定期摂取を受けられるというふうにしております。
 ただし、この措置をする前の平成17年度から、この積極的勧奨の対象の変更が若干行われていたということがございまして、平成7年4月2日〜5月31日生まれのお子さんに対しても、二十歳未満までの接種について対応すべきではないか、不公平であるというお声が寄せられておりまして、これについて対応が必要であるというものが1つございます。
 2つ目でございますが、第2期接種の積極的勧奨の開始についてでございます。乾燥細胞培養の日本脳炎ワクチンが導入されたことで、平成22年度から、順次、積極的勧奨ができなかったお子さんに対して、1期接種についての差し控え時の補償としての勧奨の再開ということを開始しておりますが、現在の時点では、まだ2期接種の積極的勧奨について再開してはおりません。
 平成23年2月の日本脳炎に関する小委員会におきまして、2期接種の機会を逸した者に対しても、12歳を超えたかどうかを問わずに、その機会を提供すべきとの意見が大勢であったことを踏まえて、平成23年2月の日本脳炎小委員会第4次中間報告において、次のページにございますような形で中間報告がまとめられております。第2期接種の機会を逸した者への第2期接種の積極的勧奨については、ワクチンの確保状況等を踏まえ、適切な時期に判断を行うということで、平成23年2月に報告としてまとめていただいております。
 さらにその前に、平成22年10月の第3次中間報告において、その2期接種の対象になる方がいらっしゃいますが、その方々の優先順位の考え方についてまとめていただいております。積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した者への積極的勧奨のうちでは、より長期にわたって接種機会を逃してきた、より年齢の高い者への勧奨を優先させると提言をいただいております。
 これについては、平成7年生まれのお子さんについては来年度に18歳になるということもございまして、もし積極的勧奨を再開するのであれば、実質的には18歳のお子さんに対しての勧奨が、予防接種行政上は実効性のある最後の学年になるのではないかということで、来年度の対応について、今年度のうちに対応を決定しないといけないという課題がございます。これについては来年度18歳になるお子さんに2期の勧奨をすることで良いか御議論いただきたいと思います。
 以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 大分前にディスカッションしたことでありますし、頭が非常にごちゃごちゃになってしまうような事例なのですけれども、お役所のお仕事上非常に大切なことで、ここで一応きちんと決めておきませんと不公平が出てくる可能性がありますので、今、補佐から御説明があったとおりの手順で進めてまいりましたけれども、わずか数カ月の間だけでも不利益をこうむる方が出てきてしまう。要するに、積極的勧奨を差しとめたのが6月1日ですから、そこから発生していますので、それより前の方、同じ学年でありながら4月〜6月までの間の方々はどうなるのかという問題点が起きてきて、不公平だろうということが実際に起きているということなので、この際きちんと公平性を持ちましょうという提案でございますので、このように取りまとめます。こんなものが関係あるのかしらと思われる委員が多いと思われますが、あります。
 平成7年4月2日から、同じく5月31日生まれの者を政令対象者とすることは、不公平の解消、対象者の十分な積極的勧奨を確保することでも改正をする必要がある。
 第2期接種については、資料からも長期の抗体保有には有効であること、また、第2期の接種勧奨を控えていた世帯が来年度18歳になることを踏まえて、来年度18歳となる世帯を対象に第2期の積極的勧奨を再開する。積極的勧奨を差し控えていた期間に、通常どおり1期接種を完了した世帯に対しても、市町村が実施可能な範囲で、2期接種の積極的勧奨を行うということにいたしたいと考えます。
 このことによって大分上限が変わってまいりますけれども、今までの流れに沿ったとおりの形にしていくということが1点と、今、お話になったとおり不公平さをなくすということを目的として、今、述べたような方向にいたしたいと考えます。
 よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○加藤座長 厚労省、役所的にはこういう取りまとめで大丈夫でしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのように取りまとめて発令をしていただければと思います。事務手続につきましては、事務局のほうでよろしくお願いいたします。
 そのほかのところで、何か御意見がございましたらお伺いいたします。若干時間が残っておりますが、よろしいですか。どうぞ。
○岡部委員 埜中先生がおいでにならなくなってしまったので、今さら言うのも申し訳ないのですが、確かにADEMの報告が日本脳炎ワクチンにおいて少し数が多いというのはずうっと気になっているところで、したがって、いろいろなところで議論が行われるわけですけれども、発症する年齢層というものも加味しなくてはいけないと思います。誤解があるといけないと思うので申し上げているのですけれども、例えばインフルエンザワクチンは高齢者のほうが接種率が高いので、そこからADEMが出てくるというのはきわめて少ないので、一律にものは言えないのではないかと思います。もちろん、きちんとしたベースを持って議論する必要はあると思います。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございますか。よろしいですか。
 それでは、本日の議題、結論に関しましては、本小委員会からの経過報告という形で予防接種部会に報告させていただくことにいたします。事務局のほうから、何か追加事項がございましたらいただきます。
○飯野室長補佐 次回の開催につきましては、委員長と御相談の上、追って御連絡差し上げたいと思います。
○加藤座長 長い間、どうもありがとうございました。本日は、これをもちまして会議終了でございます。


(了)

照会先 健康局結核感染症課予防接種係(03-5253-1111 内線:2383、2100)

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