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2012年12月26日 第14回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 速記録

○日時

平成24年12月26日(水)16:00~18:00


○場所

厚生労働省 専用15・16会議室(12階)


○出席者

出席構成員:

堀田構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員
奥田構成員、小川構成員、落合構成員、北田構成員、後藤構成員
友池構成員、西川構成員、葉梨構成員、藤原構成員、村島構成員
山本構成員、横谷構成員、吉村構成員

出席参考人:

安藤参考人、勝野参考人、中村参考人、宮崎参考人、山本参考人

○議事

○医薬食品局審査管理課
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第14回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出欠でございますけれども、樋口構成員、松石構成員より御欠席との御連絡をいただいております。五十嵐構成員、岡部構成員からは遅れてみえるとの御連絡をいただいております。落合構成員が遅れておられるようでございまして、現在のところ15名の先生方に御出席をいただいております。
また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たりまして、前回同様に各ワーキンググループのメンバーから参考人として御出席をいただいております。これまで御出席をいただいている先生方になりますので、御紹介は割愛をさせていただきます。
カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)

○医薬食品局審査管理課
 それでは、堀田先生、以降の議事進行をお願いいたします。

○堀田座長
 皆さん、こんにちは。この大変厳しい寒波の中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 早速ですけれども、本日の会議資料につきまして、事務局から確認をお願いします。

○医薬食品局審査管理課
 それでは、本日の配布資料について確認をさせていただきます。
まず、机の上に議事次第がございますが、1枚おめくりいただいて、配布資料一覧をごらんいただきながらお願いをしたいと思います。また、本日配布資料としては、議事次第、座席表を別途御用意をしております。配布資料一覧に沿って御説明をさせていただきます。
 資料1「検討会議における検討の進め方」の資料。
 資料2-1、2-2として、各第1回、第2回要望に係る専門作業班の検討状況等の概況についての資料がございます。
 資料3シリーズが1~7までございまして、横になっておりますが「医療上の必要性に関する専門作業班の評価」の資料となっております。
 資料4のシリーズですが、4-1~4-6までございまして、公知申請の該当に係る検討会議報告書(案)となっております。
 資料5-1が第?回要望で、医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況、資料5-2が第?回要望に係るものとなっております。
 資料5-3は、ヨードベンジルグアニジンに関する企業からの意見の資料となっております。
 資料6-1「企業から提出された開発工程表について」、6-2がこの工程表の概要と第?回要望に係るものです。
 6-3が第?回要望に係るものということで、資料7が開発企業の募集を行った医薬品のリストとなっております。
 資料8が未承認薬データベース(仮称)についての資料でございます。
 参考資料は一まとめにホチキスどめにして配布をしてございます。
 以上でございますけれども、不足などございますでしょうか。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 それでは、資料の落丁等がありましたら、今お知らせ願えますか。よろしいでしょうか。
 本会議は前回が10月3日に第13回の会議をさせていただいて以来でございますが、まずは事務局からそれ以後の検討状況の進捗について説明をお願いします。

○医薬食品局審査管理課
 資料1「検討の進め方について」、資料2「ワーキングの検討の進捗状況の概要」の資料を御用意ください。
 資料1でございますけれども、表側の資料1と書いてありますところの右下のあたりですが、10月までのところ、特に?回要望に関して67件の開発要請。開発企業の募集として14件を実施したところでございます。現在、各企業におきまして、申請に向けた開発の実施などをしておりまして、ワーキングにおいて開発支援であるとか公知申請の該当の妥当性、申請のために実施が必要な試験の妥当性などの検討を進めております。
 続きまして、資料2-1をごらんください。「第?回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」ということで、表側の資料、裏につきましても前回と特段状況は変わってございません。現在検討中のものが2品目ということで残っておりますが、使用実態調査をしたり、ガイドラインが必要ということで、後ほど資料5のほうで御説明をさせていただきます。
 資料2-2「第?回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」でございますが、まず1番が前回10月3日までの検討の進捗状況でございまして、この右端、下から3つ目の検討中未承認薬が3件、適応外薬が41件ということで、合計44件が検討中でございました。
 2番が今回の会議の時点までの評価の進捗状況を示してございますが、全体55件のうち検討済みということで医療上の必要性が高いとされた未承認薬が3件、適応外薬が2件、必要性が高くないとされたものが未承認薬2件、適応外薬8件、そのほか対象外と判断されたものが2件ございまして、残り検討中が27件となっております。未承認薬1件と適応外薬26件の合計でございます。これはおめくりいただきまして、紙としては2枚目以降になりますが、横で現在該当性を検討中の要望一覧ということで、この27件の内訳をつけております。
続きまして「3.医療上の必要性が高いとされた品目の現状について」ということで、こちらも表をごらんください。参考から今回合計ということで変更がございます。なお、企業の公募の部分は14件となっておりまして、こちらのほうですが、前回開発企業の募集は13件と御紹介をしておりました。本文の中下ほどにございますけれども、平成24年7月30日に開催をされました12回会議で医療上の必要性が高いとされたイブプロフェンリジン塩について開発企業の募集を行っておりますので、1件ふえて14件ということで合計を81件とさせていただいております。こちらの前回からの進捗ですけれども、検討中のものが6件減っておりまして、いずれも公知申請が妥当ということで判断をいただいております。公知申請が妥当なものが12件から18件に、その分6件ふえているという状況で、後ほどこの部分については御紹介をさせていただきます。
以上でございます。

○堀田座長
 ありがとうございました。
 それでは、何か質問があればお受けいたしますが、前回からの進捗といたしまして、第?回要望については残るのは2件のみとなっていて、これは現在、使用実態の調査等に時間をいただいているところです。第?回がまさに進捗しているという状況でありますが、何か御質問とか御意見をいただくことはありますでしょうか。
 もしなければ、各ワーキンググループから第?回要望品目に係る医療上の必要性の検討状況を御説明いただきたいと思います。
まずは循環器ワーキンググループから、山本先生、よろしくお願いいたします。

○山本参考人
 循環器ワーキングの山本でございます。
資料3-2をごらんください。生殖器官用薬分野の要望のうち、医療性の必要性が高いと判断しましたものは、今回は1品目でございます。レボノルゲストレルでございます。要望番号が?-278、要望された効能・効果は月経困難症です。
資料3-2の裏側をめくっていただきますと、概要が記載されております。適応疾病の重篤性につきましては、月経困難症は月経の開始に伴う下腹部痛、腰痛、下肢への疼痛等を主とする局所症状を呈し、就労に影響を及ぼすことも報告されていることから、ウのその他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患の基準に該当すると判断いたしました。
また、医療上の有用性につきましては、本剤は海外6カ国、米国、英国、ドイツ、フランス、カナダ及びオーストラリアにおきまして、月経困難症の効能・効果での承認はございませんが、国内外のガイドラインによりまして、本剤を含むレボノルゲストレル放出型子宮内システムが月経困難症の薬物治療の選択肢の一つと記載されていることから、ウ、欧米等においても標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられるという基準に該当すると判断いたしました。
循環器ワーキングからの報告は、以上でございます。

○堀田座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いします。
 月経困難症に対する効能・効果としてはないけれども、ほかはどんな効能があるのですか。

○山本参考人
 基本的には、これは子宮内に留置する、避妊のためのお薬です。

○堀田座長
 よろしいでしょうか。
 落合先生、どうぞ。

○落合構成員
 山本先生、非常に妥当な御判断をいただいて、ありがとうございます。非常に有用な薬剤だと思っておりますので、適応追加は結構なことだと思います。ありがとうございました。

○堀田座長
 この報告はあくまで医療上の必要性の判断だけで、まだ適応までは行っていませんが、ご意見をありがとうございます。
 そのほかによろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、その次に、抗菌・抗炎症ワーキンググループから、宮崎先生、お願いします。

○宮崎参考人
 抗菌・抗炎症ワーキングの宮崎です。よろしくお願いいたします。
 資料3-4をごらんください。今回検討が完了したものが6件ございますので、御報告いたします。
 まず、初めに抗菌薬分野から説明いたします。1ページ目、2ページ目はサイトメガロウイルス免疫グロブリンですが、これが臓器移植時のサイトメガロウイルス感染症に対する要望が出ております。これは個々の無作為化試験の研究において、有効性について一貫した結果が認められていないことや近年の海外メタアナリシスでは、本剤とプラセボ、本剤と通常のグロブリン製剤、抗ウイルス薬単独と抗ウイルス薬への本剤の上乗せとの比較がございますが、有効性に差がないという報告が複数存在していることから、本剤の有効性が確立しているとは言いがたいと判断いたしました。それで医療上の必要性は高くないと判断いたしております。
 3ページ目のアモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウムと4ページ目のシプロフロキサシンが発熱性好中球減少症に対する経口抗菌薬の追加の要望が出ております。アモキシシリン・クラブラン酸とシプロフロキサシンの経口薬を併用するというレジメンは、米国感染症学会ガイドラインによれば、発熱性好中球減少症を発現した低リスクの患者さんに対してエンピリック治療、経験的治療としての記載がございます。ところが初回投与が病院の中で4時間程度の観察下で行い、その後、劇症感染症の可能性を除外し、患者さんの臨床状態の安定の確認及び最初の培養サンプルの結果の確認等の特定の臨床基準を満たした場合に、静注あるいは経口抗菌薬を用いて外来治療に移行させてもよいというような記載になっております。
 また、米国感染症学会のガイドラインにおきましては、外来治療の移行した際には、非常に綿密な観察と迅速なケアを24時間体制で24時間ごとにチェックしてフォローすることが記載されておりまして、臨床状態の悪化が認められた際には1時間以内に医療機関での診療開始が必要だとされています。
 本邦における医療状況を考えますと、このような対応が可能な医療施設が極めて限定されているということや、現時点ではこのようなガイドラインに求められているような診療体制が必要な患者さんにおいては、我が国では主に入院下での注射製剤による治療が選択されているものと考えられます。そのための注射剤に関しては発熱性好中球減少に適応を持っている抗菌薬がございますので、我が国の医療状況を考えますと代替療法としての注射剤での治療がございますので、ワーキングとしては本剤の医療上の必要性は高くないと判断いたしております。
 5ページ目のセフェピム塩酸塩でございます。これも発熱性好中球減少症に対する1日当たり6gまでの増量の要望が出ております。本剤は平成16年8月に発熱性好中球減少症の効能・効果で承認された際にも、6gまでの増量の必要性について検討されております。しかし、国内外における1日6gの使用経験がなく、安全性が不明であることや我が国での臨床使用経験で1日4gの有効性が示されていたこと。あるいは緑膿菌感染を疑うような場合には、他剤を選択するとか他剤を併用すべきことが推奨されますので、塩酸セフェピムを増量によって対処するものではないと考えます。このような理由から4gまでの用法・用量と承認のときにされております。
 その後の調査におきまして、現時点で6gまで増量したほうがよいというようなエビデンスの蓄積が確認できませんでしたので、今回は医療上の必要性は高くないと判断いたしました。
 次に、抗炎症薬・呼吸器官用薬の説明に入ります。6ページのモメタゾンフランカルボン酸エステルは、鼻茸に対する要望が出ております。鼻茸は副鼻腔粘膜や副鼻腔粘膜から生じる炎症増殖性の腫瘤でありますけれども、重症化して腫瘤が肥大したような場合には外科的切除が第一選択となります。したがって、本剤の投与対象となる軽症や術後症例では重篤性が高くないと考えられ、また、鼻茸に対して適応を有する鼻腔の噴霧剤といったステロイド製剤が実際にございますので、医療上の必要性は高くないと判断いたしました。
 抗菌・抗炎症ワーキンググループからは、以上です。

○堀田座長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまから御意見をいただきます。いずれも医療上の必要性が高いとまでは言えないという判断をしていただいていますが、何か御意見をいただくことはありますでしょうか。
 藤原先生、どうぞ。

○藤原構成員
 IDSAのガイドラインは1997年くらいのガイドラインだったと思いますが、臨床腫瘍学会がことしの夏くらいにたしか発熱性好中球減少症の治療のガイドラインを出していまして、そちらのほうが日本の医療により近いガイドラインだと思うので、そちらの内容との整合性はチェックされたのでしょうか。

○宮崎参考人
 IDSAのほうもその後アップデートされておりまして、確かに日本の腫瘍学会と外国のものでシプロとアモキシシリン・クラブラン酸の併用療法を推奨に関しては、その有効性に関してはエビデンスもございますので、経口剤でFNに対する適応がないということは実際ございますから、その点については議論になりました。
その結果、我が国の医療状況を考えますと、恐らく御専門の施設によってかなり違うかと思いますが、ほとんどの施設では低リスクの患者さんであっても実際に好中球減少の患者さんで発熱で病院にお見えになったようなときには、まず入院して観察するだろうといった議論になりまして、今のところ、ほかの代替薬での治療が可能であるということから、今回はワーキングの結論としては、必要性が高いとまでは言えないとしております。

○堀田座長
 結局これは経口剤ですので、外国では、外来通院中にもし好中球減少症で発熱したときに、外来ベースで対応するための薬という位置づけですね。

○宮崎参考人
 そうです。

○堀田座長
 日本の医療状況だと、そういう場合はまず入院させるだろうという判断で、今は医療上の必要性が必ずしも高くないとおっしゃっているわけですね。

○宮崎参考人
 そうです。ですから、利便性を考えますと、経口薬があったほうが確かによろしいのですが、注射であれば外来で注射することも可能ですので、そういった点を考慮すると相対的に必要性が高くないのではないかという判断です。

○堀田座長
 わかりました。何か御意見はよろしいでしょうか。

○藤原構成員
 実際の医療現場は、私も診療していますけれども、通常、外来化学療法センターが最近非常に盛んで、こういう患者さんたちは低リスクであっても、発熱好中球減少症が起きることが予想されていれば、患者さんは事前に経口抗生剤を飲んで自宅で1日とか2日様子を見て、病院に来るという医療機関も結構多いと思います。医療費的に見ても、セフェピムとかメロペネムの静注に比べたら経口剤のほうが全然安いですし、シプロはバイオアベイラビリティー70-80%ですから静注薬と同じような効果も期待できますし、オプションとしては静注剤に頼るよりも、こういう経口剤があるのが必要ではないかと思います。

○宮崎参考人
 恐らくそのような意見があるということもワーキングの中では出ました。恐らく将来的には外来ケモが中心になってきておりますので、こういったオプションも必要になってくるだろうという議論にはなったのですが、今回の全体のコンセプトと照らし合わせると、まだこれをたくさんある薬の中で強制的に開発を要請するほどではないのではないかといった結論です。

○堀田座長
 ありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。確かに利用側から言えば、選択肢としてあったほうがいいのだけれども、医療状況の中で特に開発を急いで、特別な対応をする必要があるかという判断から言うと、今の報告では、そこまでは言えないという御判断ですが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、これはそのようにさせていただきます。
そのほかの論点はいかがでしょうか。よろしかったでしょうか。
もしなければ、次に抗がんワーキンググループのほうから、安藤先生、お願いします。

○安藤参考人
 抗がんワーキングの安藤です。
資料3-5をごらんください。医療上の必要性の基準に該当すると考えられる品目で、まず、ヨードベンジルグアニジン(131I)について説明いたします。?-5神経芽腫、?-6褐色細胞腫、?-7甲状腺髄様癌で全て同じですので、お話をします。それら3つの疾患に関しては、適応疾患の重篤性についての該当性は致死的な疾患でありまして、アです。医療上の有用性については、該当性はウでありまして、欧米のガイドライン教科書等の記載内容等から欧州においては標準的な治療と位置づけられておりまして、国内外の医療環境の違いを踏まえても、国内において有効性が期待できる薬剤と判断しました。したがって、ウに該当すると考えました。
ただし、備考のところをごらんください。この要望された医薬品に関しては、これは今131Iは診断薬としてあるのですが、それよりはこの治療に用いるのは高い放射能量を有する製剤でありまして、国外の原子炉で製造される原材料を確保した上で輸送、製造等にかかわる薬事法以外の各種法令に基づいて輸入製造をする必要があります。当該医薬品に関しては効率に高エネルギーガンマ線を放出し、投与された相当量が尿とか唾液とか汗などの体液中に排泄される特徴を持っております。
このため医療現場では取り扱いに関しては医療法等に基づく診断用放射線の防護に関する規定に準拠した専門的な施設内での治療が必要とされておりまして、現在、こういう治療が行える施設は国内では数施設に限られております。したがって、ワーキンググループでは公募の可能性を検討していただきたいということと、本邦で当該要望の治療が実施可能な施設は限られておりまして、あとはこれらの対象となった、例えば神経芽腫とか褐色細胞腫等が極めてまれな疾患でありまして、そういうものに対する治療であることも考慮すると、薬事承認以外の手段で何か対応の余地がないかということも検討していただきたいという意見が出されました。
以上です。


○医薬食品局審査管理課
 これは事務局のほうから補足をさせていただいてよろしいでしょうか。資料5-3「3-ヨードベンジルグアニジン(131I)製剤の取扱いについて」という紙でございます。
 今、資料3-5で安藤先生から御紹介をいただきました3-ヨードベンジルグアニジンに関してですけれども、簡単にまとめたものが裏に別添1ということでございますが、いずれも要望する医薬品としては富士フイルムRIファーマ株式会社のフェオMIBG-I131注射液というものに対する要望がほとんどとなっております。
 このフェオMIBG-I131注射液については、今回の要望については治療に対するお薬ということですけれども、要望の対象になっているフェオ注射液については診断用ということで開発をされたものでございまして、この5-3の1枚目の「2.治療用の131I-MIBG製剤について」に記載をしてございますが、要望の治療については用量・用法として3.7GBq以上の用量を投与する必要があるということでございます。一方で既に承認をされているフェオ注射液については診断用ということですので、1バイアル当たりの放射能量が低く、当該用量の投与には適していないこと。また、海外では治療用の製剤が別途ございまして、治療用のものとは放射能量、放射能濃度及び比放射能濃度が大きく異なると言うことで、この点について富士フイルムRIファーマのほうから意見が提出されているものが別添2にございますので、こちらをごらんください。
 今、申し上げた放射能量、放射能濃度、比放射能につきましては、別添2の中ほどにございますけれども、中ほどにあるフェオ注射液か今、日本にある診断用のもので、右側にある治療用が海外で使われている、まさにこの要望にある治療に対して使う製剤でございまして、この量が大きく異なっております。
 実際にこの表の上のほうにもございますけれども、使用に当たっては、海外から個人輸入をして治療用の製剤を使っているという状況がございますし、新たにこういったもののために製剤として別途つくらなければいけないということで、下のほうにございますけれども、新たに標識された要素とMIBGの反応条件、要は製造方法などについて新たに検討する必要があるとともに、裏になりますけれども、安定性などの検討、規格安定性試験など、新たに実施するということで、これは実質的には全く新しい製剤を開発する必要があるというような状況になっております。
3番でございますが、事務局の対応案としては、要望としては効能追加でございますが、実際に使われている製剤が非常に異なるものですので、これは今、日本にないものということで未承認薬に対する要望として取り扱わせていただければと思いますが、いかがでしょうか。

○堀田座長
 事務局からただいまのような追加の説明がございました。もともとは診断薬という形であるものを治療用に使うということですが、その場合は放射能量が10倍とか100倍とか違う量になってしまいます。そもそも規格自体が違うので、これは同じ適応外という範疇では扱えないのではないかということですね。したがって、未承認のお薬の開発としての位置づけになろうかというお話でした。この点はいかがでしょうか。そういう整理にさせていただいてよろしいですか。そういう意味では、医療上の必要性が高いという評価になるということでよろしいですね。
 それでは、そのような形でこの品目の区分けを変えさせていただいて、開発要請という形に持っていきたいと思います。
 続きをお願いします。

○安藤参考人
 資料3-5の13ページをごらんください。日本臨床腫瘍学会から?-46のエトポシドと?-99のシスプラチンですが、神経内分泌腫瘍に要望が出されております。適応疾患の重篤性については、神経内分泌腫瘍は致死的な疾患でありまして、重篤性はアに該当する。医療上の有用性についての該当性はエであります。これはシスプラチンもエトポシドも同様でありまして、特記事項をごらんいただいて、神経内分泌腫瘍という効能ではエトポシドとシスプラチンの併用投与は欧米等の6カ国では承認されておりません。ただ、欧米等のガイドラインには、神経内分泌腫瘍のうち、低分化と診断された神経内分泌腫瘍に関しては、腫瘍の組織学的な特徴から発生部位にかかわらず、肺原発の小細胞肺癌に対する標準的な化学療法レジメンの仕様が推奨されております。
そのレジメンの一つとして、エトポシドとシスプラチンの併用投与がガイドラインには明記されております。ただ、国内外の公表論文では後ろ向きの症例検討結果が散見されていまして、この神経内分泌腫瘍が極めてまれな疾患であることを考慮すると、この併用療法は神経内分泌腫瘍に対して使用実態のある治療法の一つと考えられます。
ただし、小細胞肺癌に用いられる用法・用量と同様の用法・用量であるシスプラチン80~100mg/?(day1)とエトポシド100mg/?(day1~3)の3~4週投与の有効性は示されていると考えられるのですが、今回要望の上がってきた用法、日本臨床腫瘍学会が出してきた用量では、エトポシドとして1日量60~100mgを5日間連続投与して3週休薬するとか、シスプラチンが45mgのday1,2で3週投与とか、この要望された用法・用量での検討が全くないために、今回の対象疾患が極めてまれな疾患であることを考慮しても、ワーキンググループとしては薬事法による承認申請を行うことは困難だと判断いたしました。
以上です。

○堀田座長
 ただいまの報告に御意見があれば、よろしくお願いします。この要望の用法・用量は、何か臨床実態があって要望しているのですね。

○安藤参考人
 そこがよくわからなかったのです。

○堀田座長
 文献的には、そういった報告が見当たらないということですか。

○安藤参考人
 はい。

○堀田座長
 その点はいかがでしょうか。特に御意見はないですか。ありがとうございます。
 それでは、続いてやってください。

○安藤参考人
 次は15ページで、これも日本臨床腫瘍学会からで小腸癌ということで、?-54のオキサリプラチンと?-193の5-フルオロウラシルの要望が出されております。これに関しても適応疾患の重篤性についての該当性は致死的な疾患でありまして、アであります。医療上の有用性については、エであります。
これに関して特記事項をごらんいただくと、要望内容について米国の一部の診療ガイドラインには、これは小腸から発生する腺癌は大腸癌に準じて治療をしなさいということが記載されておりますが、記載の根拠は示されておりませんし、それを示すようなエビデンスは非常に乏しいものであります。国内外に公表論文を見ても後ろ向きの症例検討は散見されていますが、小腸癌が極めてまれな疾患であることを考慮して、小腸癌に対して要望された今回のオキサリプラチン、5-FU等の併用療法の治療は使用実態のある治療法の一つと考えられます。ただし、切除不能な小腸癌に対する要望された化学療法レジメンに対する前向きの臨床試験結果は報告されていませんで、小腸癌に対する有用性と指摘用法・用量が現時点で明確でないとワーキンググループは判断しまして、医療上の有用性については、エと判断いたしました。
以上です。

○堀田座長
 それでは、報告に対して御意見をいただければと思います。これは小腸癌という非常にまれな疾患ではありますが、こういったまれな疾患に対してどの程度のエビデンスを求めるかは、なかなか難しいところではあるかと思います。いろいろと御意見はあろうかと思いますが、ただいまの報告に何か特別な御意見があればいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、次に進んでください。

○安藤参考人
 次に22ページをごらんください。これに関しては医療上の必要性の基準に関する評価の対象外と考えられた品目であります。?-53のオキサリプラチンと?-192の5-フルオロウラシルは虫垂癌に対して日本臨床腫瘍学会から要望が出されました。虫垂癌は大腸癌の一つでありまして、御存じのようにオキサリプラチンも5-フルオロウラシルも効能・効果は切除不能な進行再発の結腸直腸癌、結腸癌における術後化学療法ということで効能が承認されておりますので、虫垂癌も大腸癌の結腸癌の中の一つと考えられるために、これに関しては今回の該当性の検討から対象外と判断しました。
これについて、例えば保険償還がうまくされないということで問題になっているのであれば、保険局のほうで何か保険審査上のところで解決していただければと思います。
以上になります。

○堀田座長
 ただいまの説明では、虫垂癌につきましては既に大腸癌の中の一つのタイプという位置づけとして解釈できるということで、その中に入っているとすれば、今回の検討の対象からは外れるのではないかということです。
 これについてはいかがでしょうか。今、保険のことで、これで例えば償還の問題が起こるとすれば、保険局で対応していただくというコメントもありましたが、その点は事務局としていかがですか。

○医薬食品局審査管理課
 関係局と調整をしております。

○堀田座長
 そう言っていただけるのであれば、これは報告どおりにしたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、次に小児ワーキンググループで、中村先生、お願いします。

○中村参考人
 それでは、資料3-7をごらんください。前回検討中のもののうち、検討が完了したものが1件ございますので、御報告いたします。
 1ページのバルガンシクロビルです。小児に対する固形臓器移植後のサイトメガロウイルス感染予防の要望が出されておりました。疾患の重篤性ですけれども、移植後、免疫抑制剤が投与されて、免疫機能が低下している状態でサイトメガロウイルスに感染すると症状が重くなる傾向にあり、死亡することもあるということで、アの基準に該当すると判断いたしました。
 また、医療上の有用性につきましては、臓器移植におけるサイトメガロウイルス感染症の治療薬としては、ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩が承認されておりますが、いずれも小児に対する適応がないということ。両薬剤の添付文書には、感染予防の使用目的に対する安全性は確立されていないと記載されているということで、国内で現在承認されている固形臓器移植後のサイトメガロウイルス感染予防治療薬は、成人承認ともにないということで、アの基準に該当すると判断いたしました。
 以上でございます。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 これは小児から出ていますが、成人についての適応はないですか。
 事務局としてはどう考えていますか。今の御説明では、小児の適応はないですが、成人にもないという話ですと、これは成人での必要性はどんなふうになっているのかなと思います。成人では代替治療があるということでしょうか。

○中村参考人
 要望が出ていないというところで小児の検討しかしていないのですが、企業に問い合わせて、今後対応を考えるということでございます。

○堀田座長
 わかりました。ありがとうございます。要望にないことを聞いてしまって申しわけありません。

○中村参考人
 いつもワーキンググループで悩むのですけれども、要望されている範囲内で見るのが前提ということで失礼いたしました。

○堀田座長
 いろいろな整理の段階ではそういった関連の領域についても、この後、踏み込んでいただければと思います。ありがとうございます。
 今までの報告について、全体を通して御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、特になければ、ワーキンググループの報告をここで了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○堀田座長
 続きまして、公知申請への該当性に係る検討会議の報告(案)につきまして、各ワーキンググループから御説明をお願いしたいと思います。
 まず最初は、精神・神経ワーキングから、勝野先生、お願いします。

○勝野参考人
 精神・神経ワーキング、精神・神経用薬分野の座長をしております勝野です。
プレドニゾロンの公知申請の妥当性に係る報告書について御説明いたします。資料4-1をごらんください。日本神経学会ほか2団体からデュシェンヌ型筋ジストロフィーの要望がありました。
2ページ目から、欧米等6カ国の承認状況についてまとめてございますが、要望内容についてはいずれの国においても承認はされておりません。
ただ、3ページから欧米等6カ国での標準的使用状況についてまとめてございますが、米国神経学会のガイドラインでありますプラクティス・プラメーターなどにおいて、プレドニゾロンについて記載されております。
6ページから無作為化比較試験の結果をまとめてございますが、海外において1日当たり0.3~0.75mg/kgの用量範囲でプラセボ群に対して有効性が示されたことが報告されております。
また、10ページには、日本国内において臨床試験成績は報告されておりませんでしたけれども、症例報告等の公表文献においてデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対してプレドニゾロンが使用されていることが報告されております。
13ページから国内外の教科書、ガイドライン等の記載をまとめてございます。デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する標準的な治療法として、用量の範囲は0.3~0.75mg/kg/日がおおむね共通して記載されております。
18ページから要望内容に関する有効性と安全性について検討を行った結果ですけれども、国内外の教科書、ガイドライン等に標準的な治療法として記載されていること。国内での使用状況、既に知られている副作用を除き、日本人においてプレドニゾロンをデュシェンヌ型筋ジストロフィーに用いた場合に安全性上の問題は認められないと考えられることなどから、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対してプレドニゾロンを投与したときの有効性、安全性は医学薬学上公知であると判断いたしました。
20ページの効能・効果につきましては、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」といたしました。また、用法・用量につきましては、海外で実施された無作為化比較試験で有効性が示されており、国内外のガイドライン等でも使用が推奨されている用量範囲であります0.3~0.75mg/kg/日は現在承認されておりますプレドニゾロンの用法・用量の範囲内であり、プレドニゾロンの用法・用量は多岐にわたる疾患を含めて設定されていることも考慮しまして、新たに設定する必要はないと考えました。また、用法・用量に関する使用上の注意において、学会のガイドライン等の最新の情報を参考に実施する旨を規定することが適当であると考えました。
最後に開発要請先企業が製造販売するプレドニゾロン製剤は、5mg錠のみですけれども、本要望内容について適用対象は主に小児であると考えられることから、本邦で発売されているプレドニゾロンの1mg錠や散剤についても「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の効能・効果の追加がなされることが望ましいと考えます。
説明は以上です。

○堀田座長
 ありがとうございました。
 それでは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するプレドニゾロンの公知申請の該当性で該当するという判断をしていただきましたけれども、何か御意見を賜ることはありますでしょうか。

○伊藤構成員
 用法・用量のところですけれども、この書きぶりだと小児のところがはっきり本当に使っていいかどうかがわからない書きぶりですが、何とかならないでしょうか。

○堀田座長
 その点はいかがですか。これでは小児への適応があると読めないということですね。

○伊藤構成員
 要するにこの記載であると小児で適応外薬になってしまいます。通常成人ではと書いてありますから、小児の場合はどうするかをある程度加えていただかないと、小児の用法・用量としてははっきりしないということになってしまうと思います。

○勝野参考人
 大変重要な御指摘だと思います。その点を何か記載整備のような形で追記できるような方向性について、今後検討させていただきたいと思います。

○堀田座長
 この疾患に対するプレドニゾンについては、保険償還上は既になされているのですね。これは55年通知に従ってされているのですが、今回はこれを薬事承認という形で改めて公知申請が妥当かどうかという判断をしていただいています。何か御意見をいただくことはありましょうか。
小児領域では既に保険上は使われていると考えていいのですね。

○伊藤構成員
 適応外を定義する場合に、成人だけ書いてありますと小児は適応外になってしまいますから、何かの記載で小児はどうかということを入れていただく方向で修正していただきたいと思います。

○勝野参考人
 事務局とも協議をして、検討させていただきたいと思います。

○堀田座長
 それでは、事務局のほうで対応いただくということでよろしいでしょうか。これの公知申請を御承認いただきたいと思います。
 次に、抗菌・抗炎症ワーキングから、宮崎先生、よろしくお願いします。

○宮崎参考人
 それでは、資料4-2のリツキシマブ、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎の公知申請の該当性にかかわる報告を申し上げます。
 1ページ目をごらんいただきますと、日本リウマチ学会より要望が提出されておりましたリツキシマブのウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎に対する適応追加に関してです。
 3~16ページに欧米等6カ国の承認状況がございますが、本剤はここに記載されておりますように、海外、米国やカナダにおいて既に当該効能・効果等により承認されております。また、16~24ページに「5.要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について」の項の記載しておりますとおり、国内外の文献調査の結果、要望内容に関する文献が公表されていること。教科書や国内外の各種ガイドラインで本剤が推奨されていることから、治療薬として確立されたものであり、さらに24~27ページにございますが、本邦での開発状況及び使用実態の項に記載しておりますけれども、国内の臨床現場におきましても使用実績が確認されているものと判断いたしました。
 以上のことから、27~29ページに記載しておりますが、要望内容に対する本剤の有効性及び安全性は医学・薬学上公知であると判断いたしました。
効能・効果につきまして、29ページに記載しておりますウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎としました。なお、海外臨床成績、国内の研究及び使用実態においてシクロホスファミド等の既存治療に効果不十分な患者が対象とされていたことを踏まえまして、効能・効果に関連する使用上の注意に、既存治療で効果不十分場合や既存治療が使用禁忌の場合、あるいは再発を繰り返す場合にリツキシマブの使用を考慮する旨を記載する予定であります。
用法・用量につきましては、これも29ページに記載してありますとおり、臨床試験、国内の研究及び使用実態ではおおむね1回量が375mg/?/週を1週間隔で4回点滴静注ということから、当該の用法・用量が適切であると判断いたしました。
その他、30ページの要望内容に係るさらなる使用実態調査等の必要性についてでございますが、ここに記載しておりますように、設定された効能・効果、用法・用量における有効性及び安全性に関する一定のエビデンスが得られていると判断いたしましたので、既に国内外で使用されている実態を踏まえますと、今回新たに製造販売後調査を実施する必要はないと判断いたしております。
以上です。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいまのウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎のリツキシマブの公知申請の該当性についての報告に御意見がありましたら、お願いします。

○山本構成員
 実際に臨床で対応している者としては、非常に妥当な判断だと思います。お聞きしたいのですが、関節リウマチについては、今どうなっていますか。

○宮崎参考人
 検討課題として残しております。

○山本構成員
 まだ企業まで行っていないですか。

○宮崎参考人
 必要性の検討するリストにまだ載っている段階でございます。

○山本構成員
 欧米ではもう既にガイドラインになってしまって、入っていて、普通の治療になっていますので、ぜひよろしくお願いします。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 これはB細胞特有のCD20に対するキメラ型のモノクローナル抗体ですけれども、B細胞リンパ腫の場合はCD20はポジティブということが適応の前提で、それが陽性でないと使えないけれども、この疾患にはそういうことは無関係にB細胞が間接的に影響しているということで、効果のメカニズムがあるということなのですか。

○山本構成員
 本当のメカニズムの詳細はわかりませんが、自己抗体を抑えるというのは間違いなくて、T細胞とB細胞のインタラクションをブロックできそうだということなので、二重の思ってもみなかった効果もあるということなので、単にB細胞を潰すというだけではないということが欧米の研究からもわかっています。

○堀田座長
 わかりました。このものについては、ほかに何かよろしいでしょうか。
 それでは、これは了承とさせていただきます。
 続いて、お願いします。

○安藤参考人
 抗がんワーキンググループであります。
資料4-3をごらんください。トラスツマブです。日本乳癌学会からHER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法との同時併用療法ということで、トラスツマブの週1回投与法の要望がありました。化学療法とも同時併用してもいいと。これに関しては、今まではトラスツマブというのは、術後補助化学療法として3週に1回の治療が認められておりました。今回は週1回の要望がありました。
2ページ目の欧米等6カ国の承認状況に関しては、アメリカを初めとして6カ国全ての国で乳癌のHER2過剰発現乳癌の術後に対しては週1回投与法が承認されております。
18ページから海外では4つの大きな無作為化比較試験が公表されておりまして、22ページの日本における臨床試験等に関しては、日本ではHER2過剰発現の乳癌患者さんに対して術後補助化学療法として他の抗癌剤との併用でトラスツマブを1週間間隔で投与した臨床試験は実施されておりません。ただし、国内のレトロスペクティブな検討では、75例では化学療法との併用で術後に1週間間隔投与の報告がありまして、それでは心不全を合併した症例はトラスツマブの特有の有害事象である心臓の有害事象による治療中止例は認められなかったという、その1点のみの報告であります。国内外のガイドラインには、しっかりと本薬の術後、もしくは抗癌剤との併用での化学療法の有用性がしっかり記載されております。
29ページで、既に3週間1回投与が術後に使われるので承認されているのですが、3週1回投与のものと、先ほど海外の行われた臨床試験のデータは週1回投与のものでありますが、それを比較しても特に有害事象がふえるという報告はありません。
もう一つ、30ページに放射線療法との同時併用においてということで、乳癌の場合は術後に例えば乳房を温存したり、腫瘍が非常に大きい場合、5cmを超えるような場合には、放射線療法が術後に行われるのですが、この本薬単剤のときに放射線療法等を併用されることがありまして、それについての安全性に関しても海外の報告で検討されていまして、乳房の右側、左側、放射線治療の有無で、例えば心臓の心不全等の合併症が特にふえるという報告はありません。
そのために31ページの「以上の試験結果より」をごらんいただきまして、適切な患者さんの状態に応じて放射線療法、術後の本剤が単剤で投与されるフェーズにおいて、放射線治療を含めた適切な治療計画のもと、慎重な対応がなされるのであれば、翻訳と放射線治療の同時併用は任用可能とワーキンググループは判断いたしました。
要望内容に関する公知の妥当性に関しては、日本国内ではデータがありませんが、国内では実は3週間に1回の投与成績は海外との国際共同知見でありまして、3週間に1回投与と週1回投与に関しては、有効性については特に大きな差ははっきりしたものはありません。安全性に関しても特に3週間1回投与と週1回投与で、特に大きな差があるとは考えられないために、日本人のHER2乳癌患者さんに対しても術後補助化学療法として本薬の1週間間隔投与法は管理可能とワーキンググループは判断いたしました。
33ページで、この用法・用量が術後補助化学療法のところも、A法は週1回投与で、B法は3週間1回投与でありますが、A法とB法は療法使用できるということと、もう一つ、用法・用量に関連する使用上の注意のところで1ポツの(2)に術後放射線療法との併用における有効性及び安全性は確立していないというところは、先ほど述べました海外の同時併用された臨床試験成績、なおかつ長期フォローアップ成績が発表されたことから、ここのところに関しては安全性が確立されていないという文言を削除して構わないとワーキンググループは判断いたしました。
以上であります。

○堀田座長
 ありがとうございました。
大分踏み込んだ報告をしていただきましたが、A法は多分プラクティスではもう既にいろいろとやられていると思うけれども、それは正式に公知申請という形で承認をとるということと、放射線との併用の問題です。使用上の注意については、公知申請の中身になるのか、ここで対応できてしまうのか、どちらですか。

○安藤参考人
 要望の中には厳密には含まれていないですけれども、臨床現場からもそういうふうにしてほしいという要望が非常に強いということがありまして、それでこの中で検討いたしました。

○堀田座長
 これは特に問題ないですね。何か御異議はございますでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、これについても公知申請の該当性があるものとさせていただきます。
 その次になります。

○安藤参考人
 資料4-4と資料4-5をごらんください。資料4-4が成人で、資料4-5が小児の要望であります。日本造血細胞移植学会からの要望で、造血細胞移植後のCD20陽性EBウイルス関連リンパ増殖性疾患に対するリツキシマブの要望であります。
 備考に書いてありますように、要望は増殖細胞移植後のEBウイルス関連リンパ増殖性疾患でありますが、これに関しては先日の会議でも述べましたように、免疫抑制下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患で検討すべきと考えました。これに関しては下のポツで書いてありますように、移植後のリンパ増殖性疾患に関して病理組織上、必ずしもEBウイルスだけではなくて、EBウイルスの関連が同定できない場合もあるので、EBウイルス関連と設定する必要はないと考えたことと、欧米の診療ガイドライン等には、例えば腎移植とか固形臓器の移植後のリンパ増殖性疾患、リウマチ疾患での免疫抑制治療をした場合のリンパ増殖性疾患が発現することも知られていまして、それらに対してのことも本剤に関して使用されることがありまして、造血幹細胞移植後に限定する必要性は乏しいと考えたために、免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患の効能・効果で検討いたしました。
 2ページ以降の欧米等の6カ国の承認状況に関しては、この効能で承認されている国はございません使用状況に関して欧米等の20ページですね。ここには米国を初めとして、イギリス等でリンパ増殖性疾患に対してリツキシマブ本剤が用いられることが記載されております。
 26ページの要望内容に関する国内外の公表文献・成書等に関してでありますが、臨床試験に関しては第?相試験レベルでありますが、幾つか報告されております。
 30ページに、日本における臨床試験成績等では、国内では先天性の免疫不全症及びメソトレキセートの服用中に合併したリンパ増殖性疾患、固形臓器の移植後、造血幹細胞移植後に発症したリンパ増殖性疾患に対して、本薬の単剤投与が行われた報告が学会抄録で複数確認されております。このうち翻訳の用法・用量の詳細が明確であった報告というのは、小児2歳3カ月~12歳までで5包、成人で23~64歳で9包でありました。これらの症例では、今回の本薬のもともとの承認用量であります1回375mg/?/週で1~8回、最大8回投与する用法・用量で用いられておりました。
 この31ページ、32ページと教科書等に関しても本薬は、免疫抑制下のリンパ増殖性疾患に関して用いられることが記載されております。この34ページのガイドライン等にも記載されております。
37ページに公知申請の妥当性に関して、海外の臨床成績で成人と小児の免疫抑制下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患に対しての本薬の有効性が示唆されていると思います。国内外の診療ガイドラインにもそういうふうに記載されておりまして、先ほど述べましたように、国内では前向きの臨床研究成績は報告されておりませんが、症例報告等の公表論文で小児が2歳3カ月~12歳及び成人では23~64歳のいずれに対しても本薬の投与例が確認されております。これらの症例では先ほど述べましたように、本薬のもともとの承認用量であります375mg/?/週を1から最大8回投与する臨床使用実態が報告されておりまして、本薬による奏効例も確認されております。
このために非常にまれな疾患ではありますが、検討会議としては免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞リンパ性増殖性疾患に対する本薬の有効性は、医学薬学上、公知と判断可能と考えました。
以上です。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 これは私も何例か痛い経験がありますが、造血幹細胞移植後のB細胞増殖性疾患は一旦起こると手がつけられない状況になることも多く、非常に致死的な状況だと理解しています。こういったものに対応するのは、患者さんにとっても大変いいことだと思います。これは造血幹細胞移植学会から出ているので要望自体は造血幹細胞移植後になっていますが、もっと広い意味で、むしろ通常の臓器移植のほうが頻度としては絶対数は多いと思います。そんなことから言えば大変妥当な判断かと思いますが、何か御意見をいただければと思います。

○吉村構成員
 この書類を見ていったところ、4-4と4-5は全く同じように見えます。小児と成人との違いについて、この書類でここが違っているというところがあるのでしょうか。

○安藤参考人
 小児も成人も使用例が国内で全く同じでありますし、ガイドライン上もそう記載されているので、記載内容としては区別していないです。あとは小児で有害事象が特に異なるという報告が特にないので、このまま記載は同じにさせていただいています。

○吉村構成員
 わかりました。

○堀田座長
 そのほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これは公知申請が妥当とさせていただきます。
 続きまして、ノギテカン。

○安藤参考人
 資料4-6をごらんください。ノギテカン塩酸塩で、難治性の小児悪性固形腫瘍に対して日本小児学会等から要望が出されております。要望の用法・用量は、難治性小児悪性固形腫瘍に対してサイクロフォスファマイドなどとの2剤、併用の1剤として1日1回0.6~0.75mg/?当たりを5日間連続投与して、少なくとも16日休薬するというものであります。
 2ページからごらんいただいて、欧米6カ国との承認状況については、この効能で小児悪性固形腫瘍で承認されている国はございません。
 12ページから標準的な使用状況に関しては、これは米国を初めとして、再発または難治性のユーイング肉芽ファミリー等、横紋筋肉腫などで本剤が0.75mg/?当たりとサイクロフォスファマイドが250mg/?の1日量で5日間連続投与、16日休薬、3週休薬というような用法で使われるということがガイドラインで記載されております。
 16ページの要望内容に関する国内外の公表文献・成書等に関して、海外では第?相試験ですね。本剤の単剤もしくはサイクロフォスファマイドとの併用の試験の結果がずっと公表されております。
 25ページ、日本における臨床試験成績等で26ページにかけて、本薬の用法・用量が明確であったものが単剤投与では0.6~2mg/?/日で5日間連続投与、または2mg/?当たり7日間または10日間連続投与、もしくは他の抗癌剤との併用で0.6~2mg/?当たりの5日連続投与で用いられている報告がありました。
 次は30ページに関してガイドライン等にも再発または難治性の小児の固形腫瘍に関しての有用性に関して、ガイドラインに記載されております。公知の該当性についてでありますが、38ページをごらんいただいて、小児難治性の固形腫瘍は肉腫が主でありますが、非常にまれな疾患でありますが、要望された他の抗癌剤との併用で1日量が0.75mg/?当たり5日間連続静注して、少なくとも16日休薬するということを1コースとして繰り返す用法・用量については、国際的なガイドライン等でこの再発または難治性の小児悪性固形腫瘍の治療選択肢の一つとして推奨されております。
安全性に関しても、この薬剤自体は骨髄抑制が主でありますが、特に小児で非常に成人と比較して骨髄抑制等が強いとかいう報告は特にありません。このために、小児という非常にまれな疾患であることを考慮して、検討会議では日本人の再発または難治性の小児悪性固形患者さんに対して、他の抗悪性腫薬との併用において1日1回0.75mg/?当たり5日間静脈内投与21日ごとの用法・用量の有用性は、医学・薬学上、公知であると判断可能と考えました。
以上であります。

○堀田座長
 ありがとうございます。
 それでは、ノギテカンにつきまして、御意見をいただければと思います。小児の関連の先生方、いかがでしょうか。特にほかに御意見はよろしいでしょうか。
 それでは、新しい「がん対策推進基本計画」にも小児あるいは難治がん、稀少がんについて踏み込んだ対応をすることが求められていますのでこれに沿った積極的な提案だと思います。ありがとうございます。
 それでは、これは承認とさせていただいてよろしいですね。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、医療上の必要性が高いとされて品目に対する検討状況の第?回要望につきまして、事務局から御説明願いたいと思います。

○医薬食品局審査管理課
 それでは、資料5-1をごらんください。資料5-1は第?回要望に関するものでございます。第1回要望につきましては、2品目残っておりまして、1つは日本睡眠学会からのアナフラニール錠でございます。これについては関連学会の協力を得て、使用実態調査の結果を待っている段階でございまして、この結果が出次第、速やかに進めてまいりたいと考えております。
 もう一つは、バンコマイシン塩酸塩でございまして、これにつきましても多剤耐性菌の懸念もございまして、耐性菌拡大防止のためのガイドラインの作成をするということでございまして、これを待っている段階でございます。これも進捗を確認しつつ、なるべく早く進めてまいりたいと考えております。
それでは、資料5-2をごらんください。資料5-2は第?回要望に関するものでございますけれども、本日各ワーキングで御検討いただいた結果をそれぞれ反映しておりますので、御確認ください。
以上です。

○堀田座長
 何か今の説明に御意見、御質問はございますでしょうか。粛々と行っているというところだと思いますので、よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、続きまして、企業から提出された開発工程表につきまして、事務局から続いてお願いします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 医政局の研究開発振興課でございます。
企業から提出された開発工程表につきまして、御説明をさせていただきます。
資料6-1をごらんください。今回の提出状況ですけれども、これまで提出されておりました開発工程表の第?回要望についての186件及び第?回要望についての74件につきまして、11月30日現在の状況を踏まえたものが提出されております。未提出の企業はございません。また、評価基準につきましては、記載のとおりでございまして、前回までと変更はございません。
個別の状況でございますけれども、まず第?回要望に関するものにつきまして、資料6-2をごらんください。186件ございまして、最初に5ページ目からが個別の概要表でありますけれども、承認済みのものが99件になっております。前回から5件ほど増加しておりまして、新たに加わりましたのが15ページの下104番、156番が新たに承認されております。
16ページの195番も新たに承認されております。
21ページでございますが、中ほどの112aのクロピドグレル、340番のリネゾリド、この2件につきましても前回以降、新たに承認されております。
22ページからが申請済みのものでございます。前回からの移動でございますが、12番、23ページの199番、273番につきまして、新たに承認申請済みとなっております。
24ページの171番と372番、その下の12.2番。
25ページの124番、229番、277番、これらも新たに申請済みとなったものでございます。
26ページは第3回の要請分、362番が2件ありますが、この2件につきましても新たに承認申請済みとなっております。
27ページからの治験計画届提出済みのものにつきましては、状況が変わりましたのが27ページの94番、これが治験実施中から承認申請準備中に変わっております。
28ページの173番ですが、これも承認申請準備中に変わっております。
以上のa-1、a-2、a-3につきましては、いずれも適切に開発を行ったものと評価させていただきたいと思います。
次の部分は38ページ「e.開発要請半年後以降に公知申請を予定するもの」ということで、これが2件残っております。前回からの移動ですけれども、114番のクロミプラミンにつきまして、公知申請の予定が前回2013年3月であったものが5月に若干延長されております。これら2件につきましては、評価は保留とさせていただきたいと思います。
40ページからが「g.その他」でありまして、11件ございます。これらにつきましては、記載内容について前回からの変更はございません。いずれにつきましても評価を保留とさせていただきたいと思います。
続きまして、第?回要望に係るものの状況でありますが、資料6-3をごらんください。これも個別の案件について御説明しますが、5ページが承認済み1件ということで、これは前回から変更はございません。
6ページからが承認申請済みのものでありまして、18件ございます。これはかなりふえておりまして、まず6ページ目では要望番号が?-10、?-37が2件、?-51が新たに申請済みとなったものでございます。
7ページの真ん中から下ですが、?-77、?-96、?-98、?-116、?-150の5件について承認申請済みとなっております。
8ページにつきましても、記載の?-176~?-273までの5件が新たに承認申請済みとなったものでございます。
9ページ「a-2.治験計画提出済みのもの」でありますけれども、19件ございます。ここの部分では11ページの最後?-277につきまして、新たに治験計画届出済みになりました。
以上、a-0、a-1、a-2につきましては、適切に開発を行ったものと評価させていただきたいと思います。
飛びまして、15ページ「e.開発要請半年後以降に公知申請を予定するもの」が16件でございます。15ページに記載をしております?-141、148、195、262、263、264の6件につきましては、先ほど御審議をいただきましたもので、全て公知申請に該当すると判断されましたので、これらは適切に開発されているものと評価をしたいと思います。
16~17ページにかけてのものでございますけれども、これはまだ検討中でございますので、いずれも評価は保留とさせていただきたいと思います。
18ページ「f.開発要請後一年以内に治験計画届を提出するもの」ということで、6件ございます。前回から移動したものにつきましては、まず一番上の?-219ですけれども、治験計画届の提出予定年月が前回は2012年12月とされておりましたが、2013年3月に若干延長されております。
下から2番目の?-220につきましては、新たにこの区分に移動をしております。これらにつきましては、いずれも評価を保留とさせていただきたいと思います。
19ページ「g.その他」14件でございます。この部分につきましては、記載内容として?-78以降、次のページにかかって?‐86までですが、前回まで企業名がジェンザイム・ジャパンでございましたが、承継が行われまして、企業名がサノフィに変わっております。そのほかは変更はございません。以上の14件につきましては、いずれも評価を保留とさせていただきたいと思います。
以上が開発工程表でございます。
続きまして、資料7をごらんください。開発企業の募集を行った医薬品のリストでございます。最初が第?回要望に係るものでございますが、前回からの変更だけ申し上げます。1番のフェニル酪酸ナトリウムですけれども、これが9月28日に承認をされまして、承認済みとなりました。
4番のベタインですけれども、前回は治験実施中でございましたが、承認申請準備中に変わっております。
9番の亜セレン酸ナトリウムは開発状況が前回未公表でしたけれども、治験準備中に変わっております。
以上でございます。裏にかけて第?回要望募集がございますが、いずれも前回とは変更はございません。
御説明は以上でございます。

○堀田座長
 ありがとうございました。
 第?回、第?回要望に係る開発工程表の説明をいただきましたけれども、一部保留はありますが、余り大きな遅延を来しているものはないと見受けましたが、いかがでしょうか。開発企業の募集を行っているものにつきましても順次進んでいると思います。
 ところで、未承認薬・適応外薬解消等加算の2年という試行期間がもうすぐ終わりそうですが、これはせっかく企業への開発要請をやっているのに、途中ではしごを外されるということはないのでしょうか。そんなことをここで言ってもしようがないかもしれないけれども、この制度はぜひ続けていただきたいと思います。
 何か御意見をいただくことはございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、その次、審査管理課のほうから未承認薬のデータベースについての事務局からの御説明がありますので、よろしくお願いいたします。

○医薬食品局審査管理課
 それでは、資料8をごらんください。資料8はこれまで出していない新しい資料でございますけれども、今年度、承認審査等医薬品開発グローバル化対策事業として、PMDAに未承認薬データベース(仮称)を現在作成中でございますので、その紹介をしたいと考えております。
 紹介いたしますと、左の絵がありますように、米国、EU、日本、それぞれ医薬品の承認情報を集めまして、その四角の中の未承認薬データベースとして、日米欧で新たに承認された新有効成分含有医薬品の情報を収集して比較検討できるようにデータベース化を現在作成中でございます。
裏面を見ていただきますと、どのような情報を集めるのかといったようなリストがございます。項目としましては、例えば成分名、承認国、承認日、会社名、剤形・規格、効能・効果、用法・用量等、そういった薬剤の情報をデータベースに集めていきたいと考えております。これは現在作成中でございまして、来年度以降できるだけ早くこういったデータベースを活用できるようにと考えております。
具体的には表の図に戻ってきまして、PMDAのほうにおきましては、審査等において活用して迅速な審査を促進する。製薬企業におきましても、申請等において活用して、なかなか直接的という感じではないかもわかりませんが、活用して国内未承認の医薬品の国内開発を促進していくということでございます。
以上でございます。

○堀田座長
 ただいまのし説明のように、新しいデータベースをつくって、それを利用可能にするということで、海外の承認状況が一目でわかるという非常に便利なものが用意いただけるようですが、これをつくるに当たっては、自動的に海外の承認のデータが日本に流れてくるというわけではないですね。それぞれのホームページを探すしかないと。

○医薬食品局審査管理課
 そうです。データベースといたしましても、基本的にはFDAとEMAの情報をPMDAの担当官が目で見ていきながら、それぞれの情報を比較検討していくと。実際に外国のものは英語で書かれておりますので、そういった書きぶりを比較検討していく必要があるということでございます。

○堀田座長
 それは英語ならいいけれども、フランス語とかドイツ語でも調べなければいけないですか。

○医薬食品局審査管理課
 できるだけいろいろな情報を集めたいと思いますが、基本的にはまず米国、EUの情報を集めていくということがございます。

○堀田座長
 私どもにとっても大変利便性のあるデータベースをつくっていただけるようですが、何かこんなことはどうだという話がありましたら。
 吉村先生、どうぞ。

○吉村構成員
 非常に重要で、かつ大変な仕事だろうなと資料を見て思ったのですが、この資料8の真ん中の下のところにある未承認薬データベースは日本の立場での未承認ですね。そこのところに何で日本が入るのでしょうか。

○医薬食品局審査管理課
 米国、EUで承認があるものでも、日本でも承認があるといたものもございますので、基本的には日本において承認はないけれども、欧米には承認があるといったものをこういったデータベースで探すことができると。

○吉村構成員
 問題はこの真ん中のところの「日米欧で新たに承認された」と書いてありますが、欧米で新たに承認されたというのはわかるのですけれども、日本で新たに承認されたものが何で未承認薬データベースに入るのだろうかということです。

○医薬食品局審査管理課
 そうですね。基本的には、まだ仮称でございますので、名前も工夫して考えていきたいと思います。

○堀田座長
 世界の未承認薬データということになりますね。

○横谷構成員
 横谷です。
 もし可能なら逆に言うと、日本で既に承認されたとしても、承認されたのだとわかる部分を残していっていただいたほうが役立つのではないかと思います。名称は検討していただきたいと思います。

○医薬食品局審査管理課
 ありがとうございます。

○堀田座長
 日本の承認データもここに入ってくるというのは、今のような意味合いも込めてやるのですね。表現上はいろいろと工夫していただくとして、よろしいでしょうか。

○奥田構成員
 非常におもしろい有意義な試みだと思いますが、1点お伺いしたいのですが、新有効成分だけではなくて非常に特殊な、例えば、きょう御紹介があった困難症のああいった新しい機能を持った製剤も対象になるのでしょうか。新しいDDSとか、そういったような。

○医薬食品局審査管理課
 今後のこの事業の発展の中で、先の目標としてはそういうところも見ていきたいとは思いますが、今お話があったように、まず未承認について見ていくようなことがございますので、中長期的に検討はしていきたいと思います。

○堀田座長
 そのほかにいかがですか。今の時代にアナログ的に調べてデータベースをつくることになりますので大変だと思いますが、利便性のあるものにしていただければと思います。
 それでは、その他の事項について、事務局から何か御報告があれば、お願いします。

○医薬食品局審査管理課
 それでは、次回検討会議につきましては、日程調整の上、追って御連絡いたします。御多用のところを恐縮ではございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

○堀田座長
 きょうのは早めに切り上げさせていただきますけれども、皆様方の御協力によりまして、スムーズに検討が進んでいるかと思います。御協力をありがとうございます。
よいお年をお迎えいただけますように。ありがとうございました。


<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課


03-5253-1111(内線 4163、4221)

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