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2013年1月18日 第37回がん対策推進協議会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成25年1月18日(火)
15:00~17:00           


○場所

全国都市会館 2階 大ホール
(東京都千代田区平河町2-4-2)


○議題

1 開  会
2 議  題
 (1)がん対策関連の検討会の進捗状況・今後の予定について(報告)
 (2)がん対策の評価指標について
 (3)相談支援・ピアサポートについて
3 意見聴取
 (1)がん計画における評価の活用 評価事業の方針と行程(宮田参考人)
 (2)がん患者のサポートプログラムに関するニーズ調査(花出参考人)
4 その他

○議事

出席委員:門田会長、天野会長代理、石井委員、上田委員、江口委員、北岡委員、中沢委員、西山委員、花井委員、堀田委員、松月委員、松本委員
参考人:花出参考人、宮田参考人

○岡田がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第37回「がん対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。事務局の健康局がん対策・健康増進課がん対策推進官の岡田でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、川越委員、田村委員、中川委員、野田委員、前川委員、眞島委員、道永委員より、御欠席との御連絡をいただいております。
 また、松月委員におかれましては、御出席いただく予定となっております。
 本日、定数に対しまして議事運営に必要な定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、本日は、がん対策の評価指標及びピアサポートについて御議論いただく予定としております。ヒアリングをさせていただく方といたしまして、評価指標につきましては、厚生労働科学研究でがん対策の評価指標策定に関する研究を進めていらっしゃいます、東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座准教授の宮田裕章様をお招きしております。
 また、ピアサポートに関しまして、がん研有明病院の患者調査の結果を御報告いただくため、がん研究会有明病院看護部患者支援センターのがん看護専門看護師でいらっしゃる花出正美様にお越しいただいております。
 事務局でございますけれども、本日、がん対策・国際保健担当審議官の麦谷は、公務のため欠席をさせていただいております。
 また、厚生労働省のほか、文部科学省及び経済産業省より御出席をいただいております。
 それでは、以後の進行、門田会長にお願いいたします。
○門田会長 皆様、「明けまして」は少し遅いかもわかりませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日もいつものように本質的な問題と、もう一つ、現実的な問題というようなことで準備いただいていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、最初に、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○岡田がん対策推進官 では、恐縮ですが、以上をもちまして撮影のほうは終了していただきまして、カメラをお収めいただきますよう御協力をお願いいたします。
 では、資料の確認をさせていただきます。
 お手元に配付してございます資料、座席表、議事次第のほか。
 資料1 がん対策推進協議会委員名簿
 資料2 がん対策関連の検討会の進捗状況・今後の予定について
 資料3 がん対策指標に関する前回協議会での意見等
 資料4 がん計画における評価の活用:評価事業の方針と行程
 資料5 相談支援・情報提供に関するこれまでの意見
 資料6 がん患者のサポートプログラムに関するニーズ調査<中間報告>
 参考資料1 がん対策推進基本計画
 参考資料2 がん対策全体を評価する枠組みと指標の策定について
 参考資料3 がん対策指標に関する委員からの意見のまとめ
 参考資料4 ピア・サポーターに関する取組について
 天野委員提出資料 がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム策定事業-ピアサポーターを対象とした研修-
 花井委員提出資料 愛知県下11のがん診療連携拠点病院等における院内ピアサポートに関する調査報告
 西山委員提出資料 がん専門医に関する検討についての要望書
 また、委員の皆様の机上配付資料としまして、宮田参考人より、机上配付資料1、研究班に提出していただいた協議会委員の皆様の意見のまとめ。
 机上配付資料2 QOLに関連する評価指標候補を配付させていただいております。
 資料に不足、乱丁等ございましたら、事務局までお申し付けください。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。皆さん、資料については問題ございませんか。特にないようでしたら、議事に入りたいと思います。
 まず、事務局のほうから、がん対策関連の検討会の進捗状況と今後の予定についてということで、御報告をお願いしたいと思います。
○事務局(秋月) それでは、資料2「がん対策関連の検討会の進捗状況・今後の予定について」を御説明させていただきます。
 まず、「1.小児がん拠点病院について」ですが、これはがん対策推進基本計画を踏まえて、「小児がん医療・支援のあり方に関する検討会」で検討いたしまして、報告書が9月にまとめられております。
 この報告書を踏まえて、「小児がん拠点病院の整備について」という健康局長通知を発出いたしまして、拠点病院の要件を定めております。10月9日の申請書の提出締切までに計37の医療機関から申請がございました。この報告書の提言を受けまして、「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」というものを平成24年12月から開催いたしまして、12月の末にヒアリングを行いました。
 このヒアリングを行った医療機関の一覧については、5ページのほうにつけておりますので、御参照ください。
 ヒアリングを行いまして、今後1~2月を目途に拠点病院を全国に10カ所程度指定する予定としております。
 「2.緩和ケアについて」ですが、「緩和ケア推進検討会」を4月から開催いたしまして、現在まで7回開催しております。緩和ケアセンターの整備や身体的苦痛、精神心理的苦痛等の緩和において、基本的緩和ケアに求められる方策を盛り込んだ報告書というものを9月に「中間とりまとめ」として公表いたしました。
 引き続き、専門的緩和ケアを提供するための各職種の適正配置、専門的緩和ケアのアクセスの改善、緩和ケアにおける地域連携などについて議論を進めるとともに、緩和ケアセンターに求められる機能についても一定の議論を行いました。今後、拠点病院の指定要件に係る事項について議論を行った後、緩和ケアの教育体制や緩和ケアの普及啓発等について議論を進める予定としております。
 ごめんなさい、1行目ですが、「昨年4月から」ということになります。
 「3.がん検診について」ですが、こちらも昨年5月から開始しておりまして、計3回開催しております。
 第2~3回にかけて子宮頸がんの検診、特にHPVの検査について対策型検診として扱うかどうかについて議論を行いました。
 第4回目に子宮頸がん、第4回目はまた2月を予定しておりますけれども、子宮頸がんについて、まず取りまとめを行いまして、その後、胃がんとか乳がんとか、ほかのがん種や受診率の向上施策について議論を進める予定としております。
 2ページ「4.がん診療提供体制について」ということで、「第1回がん診療提供体制のあり方に関する検討会」を12月に開催しております。この中で今後のがん診療連携拠点病院のあり方(2次医療圏に原則1つや空白の医療圏の問題等)、こういったものをまとめた上で、がん対策推進基本計画を踏まえて拠点病院の要件案を策定することとしております。
 個別具体的な要件については、さらにこの検討会の下にワーキンググループを設置して検討するということにしております。また、緩和ケアについては、拠点病院の要件案については、現在、緩和ケア推進検討会で議論していますので、この検討会では主に緩和ケア以外の分野についての要件を議論することとしております。
 また、要件案の策定に当たっては「がん対策推進協議会」の意見を踏まえることとしておりまして、本日御議論いただく相談支援やピアサポートについてもいただいた意見については、拠点病院の要件というところに反映できるものについては反映していくということにしていきたいと考えております。
 また、拠点病院の要件以外の課題、例えば拠点病院をどう評価していくとか、拠点病院に必ずしも限ったものではありませんが、その医療の質の評価、情報提供、こういったところについても議論を進めていく予定です。
 「5.がん研究について」ですが、これはおくれているのですけれども、関係省庁と連携して、年度内には「第3次対がん10か年総合戦略」に続くがん研究戦略を策定するための場を設置して、具体的な検討を開始することとしております。
 6番目が少し検討会とは話が違うのですが、都道府県の基本計画の策定というものも進めておりまして、昨年8月に一度調査を行いまして報告をさせていただいたのですけれども、またもう一度調査をしたいと考えております。またことしの2月目途で調査を行って、次回、3月の協議会のほうで報告をさせていただく予定としております。
 後ろに各検討会の開催要綱、検診については10ページのほうに論点案ということでつけさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 事務局からは以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 それぞれの検討会での進捗状況並びに都道府県のことについても御紹介がございましたが、どなたか御質問はございませんか。よろしいですか。
 どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。私からは2点ございます。
 まず、1点目としまして、がん研究についてということで御報告をいただいているかと思います。既に文科省のほうでそういった検討会が開始されていると理解しているのですけれども、国のがん対策推進基本計画の中で、がん患者の視点に立って実用化を目指した研究を効率的に推進するということと、透明性を確保するということで、がん研究に対して一般の市民であるとか、患者さんの参画、また透明性の確保ということにぜひ留意していただいて、議論を進めていただければというのが1点目でございます。
 もう1点目が、都道府県のがん対策推進基本計画の進捗状況の調査ということで次回御報告いただけるということで伺わせていただいたのですけれども、今、現時点で既に各都道府県で素案が出ていてパブコメを実施されているのですけれども、現状出ている素案を見ていると、国のがん対策推進基本計画で設定されている目標よりも、場合によっては低い目標が設定されているような都道府県もあるように見受けられますので、それに対して厚生労働省や国から具体的に何か指導を行うということは難しいのかもしれませんが、そういった検討、後退したような計画を出している県があることはぜひ御留意いただいて、可能な限り指導等、もしくは技術的な助言、そういったものをしていただければと思っております。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございます。
 事務局、何か。
○事務局(秋月) 1点目のがん研究に関しては、一般の方、国民の方、患者さんの方の御意見というものもきちんとお伺いした、聞く機会を設けて戦略というものを立てていきたいと思っています。
 2点目の都道府県に関してですけれども、確かに指導というのはあれなのですが、技術的な助言という形で、また全都道府県を1つ並べて見てみることで、各都道府県が、自分たちの基本計画がほかの都道府県と比べてきちんと策定されているかどうかの1つの目安にもなると思いますので、そういったことを通してこちらからも助言をして、都道府県においてもよい計画をつくっていただきたいと考えております。
○門田会長 そのほかいかがでしょうか。
 では、私のほうから1つ。この「4.がん診療提供体制について」というのは、始まるのがおくれていたのですけれども、始まってよかったと思っておるのですが、気になりましたのは、今後のがん診療連携拠点病院のあり方あるいは病院の要件という表現がよく出てくるのですが、ここをあえてがん診療提供体制についてということで、拠点病院のあり方ということから少し枠を広めてこういうタイトルをつけてもらったと思うのですが、そのディスカッションの中で、病院という単体の枠を超えた地域完結型というのか、もう少し幅広い終身医療の提供をどうするかというあたりもディスカッションしていただくとたしかお話ししたと思うので、そのあたりのディスカッションは入っておるのでしょうか。この文章だけでは見えなかったので。
○事務局(秋月) がんの診療提供体制としているとおり、拠点病院に議題を絞っているというわけではないのですけれども、今は拠点病院の新規指定のほうを一時期とめているということもありますので、まずは拠点病院の要件をなるべく早くつくりたいと事務局側としては考えております。
 ただ、拠点病院の要件に必ずしも該当しないようなこと、会長が御指摘いただいたそういった地域連携の話であるとか、そういう要件以外の部分についても議論する場を設けて、何かしらいい施策があれば国のほうでも取り入れていきたいと考えています。
○門田会長 ありがとうございました。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 今の件なのですけれども、私もかねてよりずっと発言させているのですが、拠点病院さえよければということにならないように、拠点病院自体の要件にも連携のあり方について何かしら盛り込むとか、そういう視点でもぜひお願いしたいと思います。
○門田会長 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 その点については、前回のがん診療提供体制のあり方検討会で、必ずしも二次医療圏というところに1個という拠点病院だけを点として考えるのではなくて、面として、地域を全体としてどうカバーするかという視点も必要だという議論をやっております。狭い意味の指定要件とは別になりますけれども、今後、二次医療圏にどこまでこだわってやっていくかということも含めて検討することになるのだろうと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、議題の2つ目のがん対策の評価指標に移りたいと思います。
 まず、資料3について事務局のほうから簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局(秋月) 資料3「がん対策指標に関する前回協議会での意見等」について御紹介させていただきます。
 1つ目、WHOの緩和医療の定義は、患者・家族が命を脅かす状況に遭遇したときに、全人的な取り組みを通してQOLを改善するとされておりますが、QOLの向上というのは緩和医療のあり方と関連すると考えるが、助かる可能性がある患者さんへの取り組みと、そうではない患者への取り組みとの違いというのは、QOL評価においても考慮することが重要である。
 2つ目が、がん患者の流れを考えるに当たっては、拠点病院のみならず地域全体という視点も重要ではないか。
 3つ目が、満足度は主観的なものであるため、指標になりにくいという議論はあるが、確実な情報でなくとも、代理指標や付帯情報といった考え方で踏み込んで形にすることも重要ではないか。
 4つ目が、QOL関連の評価指標の検討に当たっては、医療機関の協力が得られ、自治体等においても具体的に評価が可能か否かという観点も重要ではないか。
 5つ目、総合的ながん対策の指標は、多方面からのアプローチが必要で指標の数も多くなってしまうと考えるが、できるだけ交絡したものを減らして単純化することも重要ではないか。
 次が、満足度については、日本の医療に対する患者の満足度は欧米と比較して低いということが問題になっている。交絡する要員を純分考慮した上で、そのあり方を慎重に検討することが重要ではないか。
 QOLの評価に当たっては、QOLが医学・医療の一環であるという流れで捉えているのかといった問題、死生観といった問題に対する考え方も踏まえて検討する必要があるのではないか。
 最後が、がん患者は多層的な苦悩を抱えており、QOLも悩みも時間の経過とともに変化するため、がんの疑いがあるとされてから、治療、治療後に至るまでQOLの悩みも変化するという視点に立って検討する必要があるのではないかということで、前回、御議論いただいたのですが、特に指標についてQOLに関するところを多く御意見いただきました。
 事務局からは以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 ただいま御報告いただきましたように、皆さんの関心の多くはQOLというところについて指標をどういうふうにやっていくかということの重要性を多分指摘されたと思います。そういうことで、本日はがん対策の指標の中でも、特にQOLのところに議論を集めて、このQOLの指標というのをどう考えるかということを、先ほど御紹介がありましたけれども、東京大学の宮田先生のほうから説明をしていただいて、本日、皆さんの御意見を頂戴し、これは非常に急ぐことでございますので、できれば煮詰めて何とか次回までの間に具体的に動けるような形にできないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、宮田先生のほうから、資料4の御説明をお願いしたいと思います。
○宮田参考人 よろしくお願いいたします。
 私のほうは資料4に加えて、委員の皆様においては机上配付資料1、2を使いたいと思います。机上配付資料1は、今、用意している調査の概要についてのものです。2に関しては、昨年末から今年の頭にかけて、委員の方々に御協力いただいたアンケートを取り込んで作成した評価枠組みです。
 まず最初に、この場をかりて御礼させていただければと思います。お忙しい中にもかかわらず頂いた御意見は非常に勉強になりましたし、また、この御意見を一つ一つ読みながら、まだ本日お話しさせていただくのはその過程の段階なのですが、それを取り込む形でよりよい調査、評価の事業を行うことができればと考えております。
 それでは、資料4をごらんください。これは前回もお話ししたのですが、本日の報告の位置づけであり、東京大学保健社会行動学の橋本英樹先生を主任研究者とする、がん対策を評価する枠組みと指標の策定に関する研究の一環としてお話しさせていただくものです。
 本日は、この評価事業の方針とスケジュール、先ほどからお話がありましたQOLに関連してディスカッションをさせていただければと思います。
 2ページ目においては、評価事業の主要な目的として、前回も3つ挙げさせていただきました。最も重要なのが、1番のがん対策を評価する枠組みを多角的視点から検証するというものです。多角的視点から検証した枠組みのもとに、既存の資料を活用しながら指標をより客観的に設定していく、ということになります。
 このような形で、がん対策推進協議会などにおける指標の選定に先駆け、その前提となる評価、目的のあり方の枠組みを提示し、目的指向を持った効果的な評価のための基盤を提示していきたいと思います。
 評価枠組みについての全体的な展望が下のスライドになります。がんによる死亡の減少、苦痛の軽減、QOLの向上、そして、がんになっても安心して暮らせる社会の向上、この3つの全体目標を強く意識するとともに、個別の施策をどのように位置づけていくか、どのような評価枠組みで考えていくかということの考え方を提示させていただきたいと思います。
 個別の目標についても、がんの予防、早期発見といった、領域にフォーカスを絞った施策もあれば、教育、普及啓発、がん登録といった基盤型のものもございます。
 3ページ目に参ります.研究班としては昨年7月から活動を始めましたが、2013年4月、年度の区切りを1つの目処として、指標選定の前提となる評価の目的・あり方の枠組みの検討を行い、それをがん対策推進協議会に提示させていただければと考えております。
 この資料をもとに、次年度からは中間評価に向けた評価方針の検討と評価指標の絞り込みをがん対策推進協議会で行っていただき、そして、その経過の中で選定された指標や方針のもとで既存のデータを活用して、どのように中間評価を行っていくかについて、評価班のほうで検討していきます.その後その検討結果を,また協議会のディスカッションの材料として提示させていただければと考えております。
 スライドを飛ばして、4ページの下をご覧下さい。今回、先ほどからQOLというお話をいただいておりますが、全体の評価枠組みを個別の施策で検討するといった工程と別に、QOLについては委員の先生からも非常に多くの意見、関心をいただきましたので、事務局の厚労省とも相談して別途1月、3月の協議会の中でも話題に取り上げさせていただきながら、評価枠組みの検討といったものをサポートさせていただければと思います。
 5ページの上、前のスライドにも挙げているのですが、死亡に関しては、既に大阪府でロジックモデルがつくられているなど、既にさまざまな有識者あるいは研究者の方々から案が提示されております.一夫尾でQOL、安心して暮らせる社会に関しては、なかなかそういったものがありません.これは日本だけではなくて世界においても検討の途上であるkともあり,既存資料においても活用できるものが非常に少ないといったことが背景にあります.従って政策評価の枠組みの構築においても重点的な検討が必要なのではないかということとなりました.今年度,2013年3月までは、がんによる苦痛の軽減、QOLの向上に関する論点整理をさせていただきながら、将来の指標候補の絞り込みに関する協議をサポートさせていただければと考えております。
 協議会の方々のご意見、患者さんからのフィードバック,有識者の見解や調査、そういった多角的な見解をもとに,評価事業としては患者体験調査を実施し、QOL関連評価指標の策定及び中間評価の具体的実施に関する検討といったものをサポートできればと思います。
 この結果を受けて、協議会のほうでは調査結果等を参考にしながら、中間評価に向けた指標の決定、そして方向性を協議していただきたいというようなスケジュールを考えております。
 6ページをご覧下さい.今回、特にQOL部分に関するロジックモデルには、さまざまな多角的な意見が必要であるということで、QOLに関する個別施策のロジックモデルを委員の方々に提示させて頂き、御意見をいただきました。
 委員の方々の御意見をもとに構成したものが机上配付資料1になります。これは例えばチーム医療、あるいは緩和ケア、地域ケア、相談支援と、6ページのスライドの上の下方に位置するものを中心にして構成されております。
 最後に分析メモというのがあります.ロジックモデルにしてしまうとかなりあっさりしたものになるのですが、皆様からいただいた意見を一つ一つ読み込み、カテゴリに分類しながら、既存のロジックモデルの中にどういう形で当てはまるのかという形で、メモを残しながら分析を行わせていただきました。
 まだ仮定ですので、いただいた意見を全て反映しきれていないという部分もございます。また、今回提出させていただいたのも、1次アウトカム、2次アウトカム、そして最終的な目標のアウトカムといった部分になりますので、例えばピアサポートという活動や、その活動のアウトプットといった部分に関しては、今後追記させていただきながら、広く共有させていただければと思います。
 本日の報告あるいはディスカッションを踏まえて言い足りないということがあれば、またいつでも追加でご意見をお寄せください。また、まだいただいていない方々についても御意見をいただければ、ぜひとも反映させていきたいと考えております。
 皆様からいただいた意見は、ロジックモデルの作成だけでなく,これより後にお話しする患者体験調査との関連でも検討させていただいております。これが6ページのスライドの下になりますが、前回の協議会でも御意見をいただきましたとおり、病院での患者さんの体験だけではなくて、がんになってから治療を開始するまで、退院後に地域の中で生活していく、そういった流れを考慮しながら把握したいと考えております。
 7ページ目をご覧下さい.今回の調査の限界としては病院での体験をに焦点を絞るということになります.これは最初のステップで、かつ把握しやすいという点が理由となりますが,それでも今申し上げたPatient Journeyを考慮しながら、来院の経緯や退院後の外来ケアといったものも今後は検討していきたいと思います。
 また、病院も恐らく規模の大きいところからスタートすることになると思うのですが、今後は小規模病院あるいは地域全体も含めて、動向を確認できるような展開といったものも想定しながら準備を進めたいと思います。
 次は下のページをご覧下さい.これは机上配付資料2とかかわるものなのですが、既にがん対策推進協議会でも切れ目のないケア、身体的苦痛の除去など、さまざまな御意見をいただいていると思いますが,このような多角的な要素に配慮して項目を設計しているという説明資料です.。
 8ページの上をご覧下さい.前回の協議会でも、単に満足をとるだけでは限界が強いのではないかという御意見をいただいたとおり、満足であったり、治療関連QOLだけを把握するのではなく、がんの中でアウトカムに関連する多角的な要素に配慮しながら検討を進めたいと考えております.患者さんの体験を体系的に把握することによって、指標の候補を検討し焦点を絞る上でも協議会の皆様の検討をサポートできるのではないかと思います.
 8ページ下になりますが、今回、もう一つの限界は患者さんの主観の調査というところになります.QOLを体系的に考えていく上では、がんのステージであったり、治療関連の合併症などを客観的に把握することも重要なのではないかという御意見もいただいております。したがって、今後はがん登録や臨床データベースと連携することによって、ステージや併存疾患、治療関連合併症を考慮して、リスク層別化の指標を設定していくというような点も考慮していきたいと考えております。
 あとは、地域の広がりということであれば、受療行動調査も関連する部分は一部に限られるのですが連携可能性があり,地域をより広く面として捉えていくというところも課題であると考えております。
 最後のスライドになりますが、QOLに関しては、今、お話しさせていただいた有識者のヒアリングであったり、協議会の皆様の御意見ということに加えて、がんの経験者の方に実際どういった経験、Patient Journeyをされてきたかといったインタビュー、フォーカスグループディスカッションを通じて、机上配付資料2の調査項目がどの程度妥当なものかというところを確認しながら、より注意深く進めていきたいと考えております。
 最後、5ページの下段に戻るのですが、今お話ししたことを踏まえながら、今年度に関しては、がんによる苦痛の軽減、QOLの向上に関する論点の整理をサポートできればと考えております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 宮田先生のほうから、今、この評価の方針とタイムスケジュール的なことの御説明をしていただきましたけれども、ここまででどなたか御質問ございますか。
 天野会長代理、どうぞ。
○天野会長代理 貴重な御発表、ありがとうございました。私から2点ございます。
 1点目が、8ページの上のスライドのところで論点案を示していただいたところに関連するのですが、この中で満足度やQOLを直接的に測定するのではなく、患者体験に関連する項目を幅広く把握し、現状を明らかにしてはどうかという1文があるかと思うのですけれども、例えば患者満足度というものについては確かに評価が難しくて、研究や他疾病においては患者満足度と実際の医療の質が必ずしも比例しない、むしろ下がってしまう場合もあるという研究もあると聞いておりましたので、慎重な取り扱いが必要だとは思うのですが、ただ、私ども患者の立場からしますと、患者満足度というものを測定しないとなると、それはそれで問題であると思っていて、データの把握自体の生かし方は注意が必要ではあるにせよ重要だと思っているのですが、そのあたりはどのようにお考えなのかということが1点目の質問でございます。
 あと2点目ですが、QOLを直接的に測定するのではなくという部分なのですけれども、QOLはずっとこの協議会でも言われているかと思うのですが、例えば緩和ケアということに関して、患者さんの痛みがどれだけ取り除かれているのか除痛率、もちろん、これは別の研究班でずっと検討していただいていると思うのですけれども、こちらのほうもずっと検討中のままでなかなか出てこない中で、こういった指標というのはどのように活用されていく予定なのかということについて、もしお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○宮田参考人 御質問ありがとうございました。2点、お答えさせていただきたいと思います。
 初めに、この文言についてなのですけれども、構成の中で我々の意図した言葉ではない形でここに記載されてしまったので、そこを最初に訂正させて頂ければと思います.。「QOLを測定して指標にするべきではない」ということではなく,「QOL“だけ”を測定して指標を検討するべきではない」というところが意図したところです.校正の中で文言が抜けてしまいました。大変恐縮です。
 ですので、今回の調査項目の1次案にもございますが、この中にQOLであったり満足度に関連する項目が既に候補としてあがっております.調査では全体的な満足だけではなくて、例えばいわゆる治療決定を自分の納得いく形でできたかというそれぞれのセグメントに分けながら、個別の満足やQOLを質問させていただいております。
 研究班として意図するところは、吟味を経ずにQOLを指標にするのではなくて、多角的な体験の要素とともにQOLを把握しながら、患者さんによりよい治療を提供するためには一体どのように指標を設定すればいいのか、という観点で考えていくことができればと思います。
 御指摘いただいたように患者さんの満足は極めて重要であると考えております.もし最初の調査の結果,満足度が十分に適切な指標でないということになったとしても、継続的な把握に含めていきたいと考えています.最終的に情報提供や痛みの除去,意志決定という個別の条件を改善したときに全体的な満足も上がるというところも目標にしながら、指標を構成していくということはかなり重要になるのではないかなと考えております。これが1点目の御質問に対するご返答です。
 2点目は緩和ケアというところですね。これも今お話がありましたが、痛みに関しては、今回も幾つか項目を挙げさせていただいており、“痛みや不快な症状が起きたときに伝えることができたか”の項目があります.患者体験調査ではこのような形で先ずは患者さんの主観に基づいて把握したいと思っています。ただ、一方で、これが8番目の下のスライドにも関連することになるのですが、やはり主観のみの情報だけだと評価のときに限界があるかもしれません。例えば専門医制度と連携した外科領域を中心にしたNational Clinical Databaseという事業においては,現在緩和治療に関連した項目は入っていない状況です。これは現在の専門医制度において外科治療を行う上で緩和治療を考慮するということが必要事項として挙げられていないことを意味します.今後,NCDのように専門医制度と連動するデータベースにおいて、“緩和ケアと連動しながら患者さんの痛みのケアを十分に治療行っているか”というような事項を医療提供者に質問して、状況を把握していくことは有益であると思います.このように患者さんに加え,医療提供者の観点から緩和ケアといったものを重層的に見ていくということも今後は重要となると思います。
○門田会長 そのほか。
 江口委員、どうぞ。
○江口委員 ありがとうございます。指標の検討というのは非常に重要で、大変いいお話をお聞きしたと思うのですが、やはり私たちとしては、医療機関ごとに治療対象となる患者さんのバックグラウンドがどんなものかというのは非常に問題になると思って、今、がん登録などで1期/4期比率ということが出てきましたけれども、ああいうような指標も非常に有益な評価になると思うのです。
 8ページの下のスライドなどにもありますけれども、例えば併存疾患ということに対してどういうふうな構成の形、ファクターがあるのかというようなことを考えてみると、1人の患者さんの併存疾患数の中央値とか、そういうものでも患者さんの質というのはある程度評価できると思うのです。
 パフォーマンスステータス(PS)の中央値とか、介護力というのがすごく問題になると思うのです。実際、私たちががん患者さんの治療方針とか何とかを決める際に、病院の中の入院での治療のところはできるけれども、在宅治療になるととても介護力がないのでできないということが結構多いわけですけれども、介護力をどうやって指標のファクターに入れ込むことができるか。介護者の有無とか、キーパーソンの有無とか、先生方の研究班でそういうものを検討されているようなことがありましたら、教えていただければと思います。
○門田会長 どうぞ。
○宮田参考人 御意見ありがとうございます。
 ステージ,がん種によって極めて予後が不良なものもあれば、基本的には良好なケースもあり,いろいろな状況に応じて必要とされるケアや満足度の違いを考える必要があると思います.御指摘のとおり、患者さんのバックグラウンドに対して重症補正する、あるいはリスク層別化していくということが極めて重要であると考えております。
 今回、次年度から始める患者満足度調査は,患者さんに直接主観的な経験を聞くものなので、疾患関連の情報をどの程度の精度で把握できるかという点が課題となります.これからも検証していきたいと思うのですが、情報精度の兼ね合いも出てくると考えているので,ある程度のことは御質問する一方で、がん登録や関連の調査と連携しながら併存疾患、パフォーマンスステータス、そういうものを把握することができればと考えております。
 一方で、御指摘いただいた介護力に関しては、準備はこれから行うところであり,また御意見を伺って改めて重要であると感じました。研究班で想定していたのは医師と患者さんという2つの立場からの満足度の重層化だったのですが、その中に間に看護師や介護を担うその他の医療提供者の方々を加えていくことも重要かと思います.現場でがんに関わる方々が何をしているのか、どういったことを重要と考えているのかと聞くことによって、よりよい患者体験というものをサポートできるのではないかなと考えています.やはり医師に加え他の医療提供者に対する調査も今後検討できればと感じました。ありがとうございます。
○門田会長 関連してですか。
 どうぞ。
○江口委員 もう一つだけ。机上配付資料1なのですけれども、メール添付の資料も拝見してお聞きしたかったのですが、ここの1次アウトカムのところの文言がすごくアウトカムらしくないのですけれども、恐らく1次アウトカムというときにはプライマリーエンドポイントみたいに、要するに尺度を出さなければいけないと思うのですけれども、最初のページの1次アウトカムの下には、回復時の日数とか具体的なことが書いてあるのですけれども、上のほうに行けば行くほど書いていないのですが、まだ今検討中ということなのでしょうか。
○宮田参考人 おっしゃるとおりです。この1次アウトカムの中で混乱を招く構造になっているのですが、その中にストラクチャー、プロセス、アウトカムとなっていて、一番アウトカムらしいのはアウトカムの中のアウトカムだけなのです。特にストラクチャープロセスに分類するのは、各活動でアウトカムとして設定されているのですが、実際は過程を示すようなもので、これをどのような形で政策目標として扱っていくかというところがまさに研究班での課題です。またこのあたりについてもぜひ共有させていただきながら検討を進めたいと思います。
○門田会長 西山委員、どうぞ。
○西山委員 体験、主観ということまで指標に入れようという野心的で立派な試みだと思うのですが、確認させてください。
 対象と方法です。というのは、QOL、満足度は、亡くなった方に関してはアンケート調査等に参加できず、入院期間や生存期間といった事実関係の処理だけではうまい具合に評価ができないでしょう。要するに、生きて元気でアンケートに答えられる方(のみが主観的満足度調査の主たる対象となるわけで)、調査を受けられる方はごく一部分のポピュレーションであって、必ずしもそのデータが全体を代弁していないと考えられます。そこで、どのような状況の方に対してどのようなことを対象に、どのような方法でこの調査をされようとしているのか確認をしたいと思います。
 もう一点。がんは高齢者の病気でもあって、かなり年齢の高い方がいらっしゃいます。これらの方は、このアンケートや聞き取り調査に全部答えられるという状況にはなくて、家族の方が答えられる場合が大半ではないかと思うのです。そうすると、全体の評価が、探索的な部分ではあるのですけれども、かなり偏ったものになるのではないかという危惧がありますが、この辺について。
○宮田参考人 重要な御指摘、ありがとうございます。まさにこの点が今feasibility
チェックも含めて試行錯誤している状況です。がんにおいて患者さんの御意見を伺うときに、意見を積極的に言ってくれる方というのは経過が良好で元気な方というのが多いので、その方々の意見に偏りがちなものとなります。予後が不良で調査に回答することが困難な方の意見をどのように把握するかといったところも極めて重要である一方で、2点目で御指摘いただいたように、そういったことを聞くこと自体に対するハードルも高いという現状もあります。
 今回は調査に協力していただく施設と信頼関係を構築しながらバランスを検討していきたいと考えております.入院患者も含めてある一定期間の全ての患者さんに、予後が不良な方も良好な方も含めて調査に協力して頂く,というのが一つの理想ではあるのですが、現実は病院の患者さんに対する全体的なサービスとの兼ね合いも考慮する必要があるので,調査の意義を御理解していただきながら、いかに協力体制をつくっていくかという点も踏まえて検討を進めることができればと思います。
 また,たとえ意識の高い病院で調査が成功したとしても、今後この調査を拡大していくに当たっては、そうではない病院も対象に含めて広く行っていく必要があります.また調査に対する資源を余り割くことができない施設もある状況では、調査の精度を下げずにどういった方法でアプローチしていくのが適切なのかといったところも含めて、プランを考えていくことができればと思います。
○門田会長 松本委員、どうぞ。
○松本委員 先生、どうもありがとうございました。2点、確認をさせてください。
 まず、8ページの上のスライドの中で、患者プロセス及びカテゴリは妥当かという論点案が示されておりますので、このことに関連して2点お尋ねをいたします。
 この調査は、拠点病院の入院患者さん、がん由来の患者さんを対象としているということですのでプロセスがこうなっているのかもしれませんけれども、在宅療養のことについてどのようにお考えになるのかということです。つまり、退院後の外来ケアというのはだんだん間遠くなっていって、その間、在宅でいろいろなケアを受けるということもあり得ると思いますので、そういったことに対して別の調査とか、何かそういうものをお考えになっているのかどうかということが1点目です。
 もう一点は、家族や友人との連携というカテゴリがあります。これは机上配付資料2を拝見しますと、家族や友人というのはあくまで患者をサポートする場合にどうかということの観点で質問がされていますけれども、患者の視点からしてみると、家族が心身ともに大丈夫であるだろうかと、自分のことよりも家族のことが心配になって、それが負荷になって治療に専念できないというような患者のケースもありますので、家族や友人のサポートがどうなっているかという視点も取り入れていただけると大変ありがたいと思っておりますが、そのあたり、どのようにお考えかということの2点をお聞かせください。
○宮田参考人 御質問、ありがとうございます。
 最初の御質問についてなのですが、御指摘のとおり、今回、拠点病院の患者さん、外来なのか、入院なのか、これはまた協力施設との検討になるのですが、そういった形になるので、在宅療養といったものは最初の調査項目からは外れてしまいます。ただ、患者さんの総合的な体験を考える上では、在宅療養や,がんになってからどうやって治療を受ける病院まで到達したかというところまで含めて重要だと思っています.今回、最後に9ページでお話しさせていただいたのですが、がんの経験者の方々の意見をとりながら、海外の知見とか文献だけではなく、日本の現実における患者さんの生の声を中心にしながら、今後は療養や病院にたどり着くまでのプロセスに対してどのようなサポートができるのかということを継続して考え、ゆくゆくは,体系的に情報を把握する調査を立ち上げたいと考えております。
 2点目、家族との連携について、御指摘ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりだと思います.今回お手元に提示した調査項目はあくまでも1次案ですので、いただいた意見を参考にしながら、よりよい形で患者さんの体験が把握できるように、進めていきたいと思います。
○門田会長 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 ちょっと視点の違う話で申しわけないのですが、今回、事務局から投げられた我々委員に対しての質問はどちらかというとQOLに関係して意見聴取をされたと受け取れる文章でした。したがって今回の資料の委員の意見というのはほとんどがQOLに集中しているということであって、がん対策全体に対してどういうアウトカム指標をつくっていくかという投げかけではなかったと思うのです。今後指標をつくっていくときにどういう基軸でつくっていくか。最終的にはQOLなり満足度が高くなければ意味がないわけで、そういう究極の目標はわかるのですが、では直接QOLを調べるのか、それに対する代替指標を見つけていって、それを対策と結びつけて評価していくのか。この辺のところの整理ができればと思います。
○門田会長 事務局、どうぞ。
○岡田がん対策推進官 では、事務局としての考え方をお話しさせていただきたいと思います。
 先ほど資料3で、前回から具体的に評価指標の御議論をいただいたわけですけれども、そこの中でQOLというところの御意見が非常に多くございました。また、QOLを高めていくためにはどの施策をやればいいのかというところは非常に重要な視点でありまして、先生が今おっしゃった死亡率というか、がん対策の全体目標の大きな柱が3つあるわけですけれども、その死亡率や、安心して暮らせる社会の構築というところと、ともにという形ではあるのですけれども、その中でも特に困難であり、かつ、指標の検討という観点で未知の領域でもあるQOLというところを皆さんの御意見を聞き、また専門的な立場での研究班での検討というものをお願いしつつ、評価指標を策定していって、来る中間評価、その先へつなげていきたいと、事務局としてはそのように考えておりまして、死亡やQOL以外の部分も順を追って指標をどのように考えるかという議論はいただきたいと考えております。
○門田会長 よろしいですか。
 大体そういうことで、これは途中の段階のものですね。きょうの机上配付のものを見ても、これから皆さんの御意見を頂戴して、さらにブラッシュアップしていくという段階のものとなっています。本日は、きょうお示しいただきました5ページの下のほうの今後の工程の中で、最初の13年3月のところまで来ておるわけですが、ここのところで論点整理と指標候補の絞り込みに関する協議をして、25年度の評価事業として協議会の意見も踏まえ患者体験調査等の実施、その下にあります関連評価指標の策定及び中間評価の具体的実施に関する検討、このあたりを一つ一つ進めていかなればならないというタイミングでございます。本日は8ページの上のプロセス、カテゴリ、考慮要素、先ほど松本さんのほうからも出ましたけれども、ここのことについての御意見をひとまず頂戴して、まず骨格のところをやって、そして机上配付のものについてはその内容は皆さんの御意見を寄せていただければいいのではないか。
 特に8ページの上のものについて、ここに書いているとおり、これが妥当かどうかと、ほかに考慮すべき要素がこういうふうに挙がっているけれども、これがどうかということの一案を皆さんから頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
 先ほども出ておりましたように、完璧なものということを最初から求めても不可能だろうと思います。そういった意味では、一つ一つやりながら、そしてこれは進化していくものであると思いますので、パーフェクトというよりも、ひとまず今の時点でどうできるか、どうすべきかという観点で御意見をいただいて、このままでいきますとある程度の絞り込みをやって、25年度中にはパイロットスタディをやって、どういう問題があるのかというあたりは具体的にそういうことをやりながら結果を見ていって、修正すべきところは修正していく。最終的には中間評価の段階では、一度決めたものでもって中間の評価をやり、そして、5年たった最後のときにどうかということを検討して、我々の今の対策がどう進んでいるかということを評価していこうという流れでございますので、そのあたりの意見を頂戴したいと思いますが、いかがですか。
 どうぞ。
○天野会長代理 確認というか質問なのですが2点ありまして、8ページの上のスライドで、これはいわゆるサバイバーシップというか、経験者というか、そういった視点というのは今回含まれていないという理解でいいのかというのが1点目の質問です。
 もう一点は、先ほどの西山委員からの質問とも関連するのですが、もちろん、成人や高齢者の方でも把握は難しいかと思うのですが、これは小児の方に関しては、今回は含まれているのか、含まれていないのかということについて教えていただければと思います。
○門田会長 いかがですか。
○宮田参考人 御意見、ありがとうございます。サバイバーシップに関しては、検討するに当たって考慮しながら進めてはいるのですが、やはり病院の中から把握するというところで、どうしても薄くなっているというのが現状です。
 この机上配付資料2の下のほうをごらんいただければと思うのですが、入院から退院まで、上から下に時間経過のプロセス順に並べてあります.従って退院前の情報から外来ケアで質問している項目がサバイバーシップに関連した項目であるといえます.ここで挙げられている“切れ目のないサポート、治療、アクセスの担保”というところが、わずかですが今回の調査の中にサバイバーシップとして入っているという状況です。この点について聞き方を変える、あるいはもっと別の項目を足すことにより,サバイバーシップをより体系的に把握していくということが1つの可能性かと思います。
 2点目についてなのですが、小児もまさにこれからの検討となります.全集団に対して調査を行うという場合には、大多数の方を想定した質問構成にどうしてもなってしまうという限界があります。特に小児がんの場合は,若年層になると思うのですが、その方々に同じように患者体験調査の質問を行って良いのかどうかといったところも、倫理的な観点も踏まえて検討して、対象から外すのか、あるいは別の小児用の調査票の設計を行うのかといったところもぜひ検討できればと思います。ありがとうございました。
○門田会長 松月委員、どうぞ。
○松月委員 こういうものを入れていただけるとうれしいという話はいっぱい出てきますし、期待も膨らみ、夢も膨らむのですが、そうは申しましても、余り複雑なものができ上がっても、なかなか国民の納得も得られないし、患者さんの家族の納得も得られないと思います。この際、いろいろ書かれているものの中から一番何がわかりやすく、何が一番患者さんにとって実現できるといいかという視点で考えてみますと、例えば8ページの上ですと、カテゴリの中の身体的な痛みがなくなるということではないかなと考えてみました。
 もちろん、ここに書いてあることが実現できればいいし、それは痛みとの関連というのもコミュニケーションもありますし、切れ目のないサービスや家族や友人との連携もありますが、最終アウトカムは身体的な痛みがなくなることではないかなと思います。ぜひこの身体的な痛み、苦痛というところをあるウエイト、重みづけをしていただいて、全体を構成していただけると非常にわかりやすくて、私たちもやりがい感も出るかなと素朴に思いましたので、一言申し上げさせていただきました。
○門田会長 ありがとうございました。
 宮田先生、何かありますか。
○宮田参考人 ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおりで、全体的な満足度となると、治療全体の結果やその後の予後に影響を受けるものとなるため,委員の先生方に御指摘いただいたように,最初の段階で適切な指標とすることは難しいだろうと考えております.ただ全体的な満足を構成する下位の要素として、少なくとも“痛みがとれているか”、あるいは“痛みがあると伝えることができたと患者さんが思っているか”といったところは、もう少し精度の高い情報として把握できる可能性があるので検討していきたいと思います.例えば最初の調査結果により,痛みがあるのに言えなかったというケースが少なからず生じていた場合には、痛みを伝える環境をサポートすることはプライマリーな介入ターゲットになり得るのではないかなと思います。
 同じように、診断を伝えられてから治療を決定するまで、自分が尊重されたと感じ、セカンドオピニオンも含めた治療の選択肢を理解し,満足して治療を決定できたという部分も全体的な満足を構成する下位の要素となります.このような治療決定過程において,調査結果から課題が確認されれば、よい治療決定を行っていただけるようなサポートを次の年度で考えていただくことも有益かと考えています。
○門田会長 ありがとうございました。
 松本委員、それから花井委員、どうぞ。
○松本委員 ありがとうございます。このカテゴリのどこかに入るのかもしれませんけれども、就労を含めた患者の社会的な苦痛については、どこに入ってくるのでしょうか。想定がありましたら、教えてください。
○宮田参考人 就労に関しても、現時点では入っていないという状況です。ここもどのような形で入れていくのかといったところも、またぜひいろいろ御意見をいただきながら検討できればと思います。
 就労関連については先行研究も少なく,検討の途上にあるいうところもあって十分な情報がなかったということが1つ背景にあるのですが、全体目標として挙がってきている以上、完璧な指標にならないにせよ、何らかの形で情報を把握していくということができればと思います。
 ありがとうございます。
○門田会長 花井委員、お願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。このように非常に難しくはありますけれども、とても大切な問題にこのように取り組んでくださっていることに、患者団体として大きな喜びを抱いております。
 ただ、私たちが患者支援という立場で患者さんの声を聞きながら活動しておりますと、例えばここのところで情報提供、コミュニケーションのような項目のところにわかりやすいという言葉とか、聞きたいと思ったときに聞けたかというような表記がたくさんあるのですけれども、例えばわかりやすければQOLが上がるのかというとそうではなくて、たとえわかりやすい明確な情報が得られたとしても、あなたはもう3カ月ですと非常にわかりやすく明確ではあるけれども、その伝え方において、その方のQOLを損なっているようなわかりやすさはQOLの向上ではないと思うのです。
 我々の求めているQOLというのは、先ほど松月委員がおっしゃいましたように、身体的な苦痛を取り除いてもらうというのが一番なのですけれども、それを取り除いてもらうと同時に精神的なQOLを上げてほしいというのが強く強く来るわけなのです。一例で恐縮なのですけれども、例えばがんと告知されて思考回路が凍結したような状況に陥ります。何をドクターが言っているのかわからないということをよく聞きますけれども、ある患者さんの例では、がんと告知されて、これから最善の方法を一緒に考えていきましょうという、この一緒に考えていこうという、医師がある意味共感を示した、ともにあるのですよという安心につながる。その一言で凍結した思考回路が溶け出して、病院の門をくぐって帰っていくときには治療のファイトがみなぎっていたという話を聞いたこともあるのです。
 わかりやすさは大切ですけれども、いかに医師や看護師と会う機会、会いたいと思ったとき、聞きたいと思ったときに聞く機会が得られて、わかりやすさと同時に、患者の個別性であるとか置かれている状況に配慮した対応ができるかというところも考えていただいた上でのQOLに関する指標を求めるというのは大変難しいと思いますが、私は大切なことであると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○宮田参考人 御指摘ありがとうございます。患者さんを対象にしたこれまでの調査の多くでは,“医師の説明は適切でしたか”という質問のみが行われるケースが多くありました。適切かと言われると、主観的にわかったかどうかではなくて、客観的な点も含めてかなり高いレベルの判断を求められることになります.今回の調査票では,その点を患者さんの視点から,分かりやすいか,信頼し尊重されたと感じたか,いつでも質問出来たか,満足できたか,という要素に分解して質問しています.
 例として,治療決定のプロセスでは,単にわかりやすいものでしたか以外にも、“信頼していたか”,“あるいは自分が尊重されて決定ができたか”という、理解した上で満足につながるようなプロセスを調査項目として体系的に把握できるような検討を行っています。
 ただ、御指摘いただいたように、信頼関係を育みながらともに生きていく、治療を考えていく、そういうような提供体制も含めて構成される体験を適切に把握できるように配慮を行い,検討を進めたいと思っております。
 ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。
 では、上田先生、どうぞ。
○上田委員 非常に難しい問題で、いろんなQOLの問題点の掘り出しとしてはいいと思うのです。それのアウトカムの最終目的としてはがんの死亡の減少であったり、患者や家族の苦痛の軽減とか生活の質とか、そして安心して暮らせることだと思うのです。ここまで持っていくのに本当に今のような話でできるかどうかという点を考えたときにもう少し具体的に焦点を絞って考えたいと思います。私たち医療従事者からすると、最初に病気を告知したときに、先ず、がん難民が発生しますね。それを直すことがこの時期の最も重要なQOLだと思うのです。頭が真っ白だとか、いろいろなことをおっしゃっている。そうすると、そのときにどういうことをしてあげればQOLが上がるかというような視点。
 例えば国がんなら国がんからの医療情報も、何歳でどれぐらいだったらどういうような治療の方策がありますとか、どういうところへ相談しなさいと、そういうきちんとした情報が頭が真っ白なのを一番医学的に治すQOLだし、がんと言ったときに真っ白になるのが、家族、入院のことが気になるとか、経済的な問題であると思われます。次のがん難民は、治療中から再発するときに生じます。治療中の苦痛というものに対するQOLが先ほどから話題になっている色々なことがある。それは精神的な痛みや肉体的な痛みで、それを解決するのは痛みをとるとかいろんなことをやらないと、QOLの解決にならない。その頭出しをとることに関してのアンケートはよろしいのですけれども、そうしたら、その治療中のQOLをよくするのは何かということがないと、先ほどの3つの問題は解決しない。
 第2の難民というのが再発するとき。再発をするときに先ほども言ったように、再発だからあなたには薬がありませんよと言われる。それをどういうふうにインフォームするか、どういうふうな解決方法をチョイスするか。そういうことが提示されなければ本当の意味でのQOLにはならない。
 もう1点、我々から見ていると、今度はターミナルになったときのがん難民。ターミナルになったときにどうするか、そのQOLをどうするか。ターミナルにならなくて再発しなくて社会復帰した人に対するQOLが就労の問題である。そうやってカテゴリ別に分けて話をしないと、今のように網羅的にずっとお話ししたら、その一つ一つはそうですね、そうですねと言って解決策まで届かない懸念があります。我々は具体的に何をするのかの時期に来ている。そうすると、今回頭出しをきちんと整理した上で、そうしたら、最初のがん難民のときに真っ白になるのをとるために何をすべきか。そのためには学会が何をすべきか、社会が何をするべきか、というようなことを具体的に詰めていき、QOLの観点からそれを導いたということが本当はいいのではないかと思うのですけれども、宮田先生、どう思われますか。
○宮田参考人 これも御指摘のとおりだと思います。今回、提示させていただいた資料に挙げられていた英国NHSでは、既に患者体験調査だけではなく医療提供者や看護師、サポートスタッフにも同じように調査をし、多方面の情報を把握しています.つまり、患者さんのQOLや満足度を把握するには、御本人に聞くのが一番なのですが、では、どうやって改善すればいいかといったときには、付帯的・客観的な情報を得るため,その他の調査を実施することも有用です.サポートにかかわられている方々はどの様な取り組みを行ったかを把握し,患者さんからのフィードバックと併せて,一体どのような取り組みを行えばよりよい体験をサポートできるのかといったことを考えていくことが重要になります.多角的・重層的な観点から現場を明らかにしながら、現状がいいのか悪いのかだけではなく、その改善の手かがりを得るための情報も同時に把握し、全体の進捗を把握・改善していくといったところが重要なのかなと考えております。
 この様な視点のもと一連の取り組みのベースとなる部分として,設計されたのが患者体験調査です.第一に患者さんが現在どういう体験をされて何を感じられているのかというところを明らかにしていきたいと思います.患者さんの体験をより良いものとするためにどういったサポートを提供すべきかを多層的に検討することが次のフェーズであると考えています.今回の協議会の御意見や現在進行中の聞き取りを踏まえて、我々としてもがん医療を良くするために何を把握してどのようなアプローチをしていければ現実が変わるのかといった点をより一層考慮し,検討を進めていきたいと考えています。
 ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。
 カテゴリの中に、実際、宮田先生も心配されていたのは、ターミナルをどういうふうな形に入れるのかということを含めて皆さんの御意見を聞きたいというのがきょうの趣旨だったと思います。私たちの今の協議会は次で最終回となりメンバーが変わってしまうと思いますので、とにかくこの件については、もう一歩前に進んで次の協議会に渡したいと思います。今、幾つかの意見をいただきましたし、大分ポイントがわかってきたような気がするのですが、さらにカテゴリをどう考えるかということ、この1次試案、指標候補と挙がっていますが、今、急には十分目を通せないと思いますので、この件についてはやはり御意見を寄せていただいて、そして事務局のほうでそれをまとめて、先ほど出ておりましたように、何もかにもというわけにはいかないので、ある程度絞り込んでいくという作業で次回までに一応の結論、今の段階における結論というのを得たいと思います。
 ですので、その作業を進める上でいつごろまでに意見を事務局に送ってもらったらいいですか。
 どうぞ。
○岡田がん対策推進官 具体的にどういう形で意見をいただくかということにつきましては、研究班のほうとも相談して、また速やかに皆様方にお願いをさせていただきます。
○門田会長 作業とすればそういうふうな形でやっていくということで、よろしゅうございますか。
 とにかく最初からここのところは非常に難しいと最初の5年間では結局できなくて、何とかしなければならないと今に来ているわけですので、難しいと言っても切りがありません。難しいながら、どこまでできるのか、何ができる、さらにそれをどんどんブラッシュアップしていくのだという形で、皆さんのご意見を集めて、実際、計画倒れになっても具合が悪いわけですから、本当に今やるとしたらどのぐらいのものをどうするかということを何とか次回までに方向性をはっきりしておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。この件についてはそういうことでよろしゅうございますか。では、そういう形でお願いしたいと思います。
 それでは、次が、「相談支援・ピアサポートについて」ということに移りたいと思います。
 まず、資料5について、事務局から説明をお願いします。
○事務局(秋月) 資料5「相談支援・情報提供に関するこれまでの意見」について、御説明いたします。下線のところは前回から新しく追加されたところです。下線のところを読ませていただきます。
 3つ目ですが、相談支援センターのチラシがエレベータの壁に貼ってあるというのですが、これは「実施」ではなくて「実際」には貼っていないところが多くある。
 名称、質、相談方法などが違うので、ある程度統一したほうがいいのではないか。その上で、各病院の独自性があってもよいのではないか。
 その次が、拠点病院の中には相談支援センターの場所がわからない、職員に聞いても、がん相談支援センターというところが認識されていないというようなところもあって、名前の統一というものも必要ではないかということでした。
 次に、相談支援センターの体制についてですけれども、患者様がなかなか遠慮して相談できないということもありますので、病院長やセンター長などが相談支援センターの責任を負うというような体制が必要なのではないか。
 そして、相談支援センターの機能についてですけれども、相談支援センターが緩和ケア、がん登録、キャンサーボード、化学療法をつないでいくということが重要であろうと。
 一番最後ですけれども、拠点病院の中でも成人病全てを対象としているような総合医療機関の相談支援センターというのは、今後の高齢者のがん対策にも必要である。がんプラスアルファの病態に対して対応できる相談支援センターのあり方を明確にすべきである。
 裏面にまいりまして、都道府県拠点と地域拠点の役割分担ですが、拠点病院の中でも都道府県の拠点病院がやる内容と地域の拠点病院がやる内容というのは違うのだろうと。都道府県の拠点病院がもっとリーダーシップを発揮して、相談支援に関しても地域をまとめていくことが必要である。
 次に、地域完結型の相談支援ということで、地域に開かれた拠点病院になるためには、相談支援センターなどと協力して市民との交流の場を持ち、患者・市民の目線に立って声を聞くシステムの構築が必要である。
 医療相談は地域全体で行うということが重要ですので、限られた資源では、自施設だけで行っていくには限界があるだろう。
 そして、拠点病院のみ参加する相談支援部会では解決できないような、地域における相談支援機能に関する課題が積み残されている。地域の医療事情を考慮した相談支援体制を強化するような方策を考える。
 次に、国や都道府県に期待される役割ですが、がん相談支援センターなど、拠点病院のがん対策が実際にどのように行われて、どこに問題点があるかなどをチェックする機能が必要なのではないか。
 2つ飛ばしまして一番下ですけれども、患者さんの中には、主治医に伝わってしまうのではないかなどの病院が自分自身を守ろうとするのではないかなと思って、なかなか相談したがらない方もいるというような御指摘がございました。
 事務局からは以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 きょうは3人の方から発表していただくことになっておりますので、3人の方の御発表が終わってから、ディスカッションを行いたいと思います。
 本日、最初に、がん研究会有明病院の花出さんのほうから、がん患者さんを対象に調査をされていますので、その結果を報告していただきます。
 天野会長代理のほうからは、厚生労働省のピアサポートに関する委託事業の運営委員長という立場にございますので、その立場からの御発表。
 3人目として、ピアサポーターの立場ということで、花井委員のほうから説明していただくと進めたいと思います。
 最初に、花出さんのほうから、調査結果について御報告をお願いします。
○花出参考人 本日は、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。がん患者のサポートプログラムに関するニーズ調査の結果を御紹介させていただきます。
 1ページめくっていただきまして、スライドの3番のところから入らせていただきます。
 調査の目的ですけれども、がん研究会有明病院に通院するがん患者のサポートプログラムに関するニーズを明らかにすることです。
 外来通院中のがん患者さんを対象として、昨年12月10日(月)~14日(金)の5日間行いました。
 調査内容は、がん経験者の交流の場に今までに参加したことがあるか。交流の場の設置希望、参加希望、希望する交流の場のタイプということで、自記式アンケート調査を行いました。
 結果として、対象者の概要は4,932名の方から回答を得られた形になります。約50%が女性でした。年齢のほうは、約40%が45~64歳、40%が65歳以上です。がん種は多岐にわたり、通院期間も1年未満の方から5年以上の方まで含まれました。
 結果の2番目で、がん経験者の交流の場の参加経験に関してです。過去にがん経験者の交流の場の参加経験があるものは8%、女性は10%、男性は5%で、実際のところ、患者のみのグループが最も多く参加経験があるものでした。
 病院内におけるがん経験者の交流の場の設置希望と参加希望に関してです。設置希望があるものは約75%、参加希望があるものは60%でした。
 設置希望に関しては、性別別に見ますと女性のほうが多い印象が読み取れました。年齢ですとか通院期間別、がん種別にもあらわしてみました。がん種別では、乳腺ですとか婦人科系が多く、少ないのが泌尿器系というところで、このあたりは性差が反映されている可能性があると解釈しております。
 11番のスライドです。どのようながん経験者との交流を希望しますかというところで、ここからは実際に参加を希望している2,967名の方を対象に分析を進めました。同じ病名同じ治療、治療後の先輩、同じ年代というような形で参加を希望したいという方が多かったです。
 どのような時期にがん経験者との交流を希望するかに関しては、治療中、治療後、治療前という形で多かったです。複数回答で聞いたものを組み合わせ別に見ますと、一番多いのが治療中、次に治療前・中・後、その次に治療後、治療中・後という順でした。
 13ページのスライドになります。治療前・中・後の各時期にがん経験者同士で話してみたいことに関して調査しております。治療前が一番多く、治療中・治療後と少なくなっていくものが、「気持ちのもちかた」「医療者との付き合いかた」「子どもに病気についてどのように伝えるか」「家族との関わり」「経済的なこと」「親に病気についてどのように伝えるか」でした。逆に、治療前に少なく、治療中・治療後にふえていくものとしては、「日常生活上の工夫」「仕事のこと」という形になりました。
 これらに関して、順位づけをしてみたのが14番で下のものになります。例えば「気持ちのもちかた」に関してなのですけれども、治療前は1位、治療中は3位、治療後は4位というような見方になります。「気持ちのもちかた」「医療者との付き合いかた」は、全ての時期を通して、上位に位置づけられていました。
 「子どもに病気についてどのように伝えるか」に関しては、治療前には上位だったのですけれども、治療中・治療後は下位でした。身体症状への対応の仕方、日常生活上の工夫は、治療前には下位でしたが、治療中・治療後は上位に上がっておりました。
 最後の15番の資料になります。どのようながん経験者の交流の場を希望するかということに関しては、「患者のみ」「患者と家族」「医療者も参加」というものが希望としては多かったです。
 また、形態としましては、「体験を語り合う+体験談を聴く+医療者の話を聴く」という3つの組み合わせが一番多く、次いで「体験を語り合う」「体験談を聴く+医療者の話を聴く」の組み合わせというような形で順に多かったです。
 まとめのほうは箇条書きにしておりますので、御参照いただけたらと思います。
 以上になります。
○門田会長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、天野会長代理のほうから御説明をお願いいたします。
○天野会長代理 ありがとうございます。私からは、厚生労働省から公益財団法人日本対がん協会に委託事業として実施されている、がん総合相談に携わる者に対する研修プログラム策定事業に関して御説明申し上げます。
 まず、本事業についでございますが、がん患者またはその家族の方がピアサポーターなどの相談員に対し、相談事業に関する基本的なスキルを身につけるための研修を行うための研修プログラムを策定するということを目的としております。
 地域統括相談支援センターという単語が出ておりますが、もちろん、地域統括相談支援センターにもピアサポーターという方がいらっしゃることが想定されますが、本事業に関しては、地域統括相談支援センターにかかわらず、地域の患者支援団体であるとか医療機関、またそれぞれの地域のコミュニティーなどで、ピアサポートにかかわる方が研修プログラムを活用していただけることを想定しております。事業の内容としましては、研修プログラムの策定と周知ということがございます。
 3スライド目でございます。本事業については、ピアサポートという取り組みにつきましては、かねてから各地で患者団体であるとか、それぞれの支援団体で行われてきたところですので、医療者の方や有識者の方のみならず各地で実際のピアサポートにかかわられてきた患者支援団体等の方にも御参画いただきまして、多角的な御意見をいただきながらよりよいプログラムをつくっていくということを考えております。
 4ページ目のスライドでございますが、その1つとしまして、公開シンポジウムを2回開催させていただいております。こちらのほうには、各種の団体であるとか、あとは地域の行政の方などにも御参加いただきまして、ピアサポート研修ブロックプログラムに対してさまざまな御意見をいただきました。
 いただいた御意見についてでございますが、もともとピアサポートというものが、いわゆるがんに特化したものではございませんが、各疾患であるとか、草の根で行われてきたという経緯がございますので、一言でピアサポートと言っても、多様なあり方やニーズが存在するということが明らかになってきております。
 5はスライド目、例えばピアサポートの例ということで幾つか紹介申し上げますと、例えば千葉県がんセンターの患者相談支援センターでは、いわゆる専門職の方とともに、ピアサポーターという方が1つのチームとしてかかわっているということがございます。各地でがんサロンというものもあるわけでございますが、例えば千葉県がんセンターでは、がんサロンにピアサポーターが参画している。この日のがんサロンにはこういった経験を持っているピアサポーター、こういったがん種のピアサポーターの方が参加するということをあらかじめ告知することで、参加者の方が例えばこういったがんであるとか、こういった経験をしている方と話したいということの手助けになるような広報をしながら活動を進めてらっしゃるということがございます。
 また6ページ目、こちらは本日後でプレゼンしていただけるかと思いますが、名古屋のNPO法人ミーネットでは、いわゆるオープンスペースでピアサポート活動を実施している。これは周知ということのみならず、例えば相談室という閉じられた空間であると、かえって患者さんが足を運びづらいということがあるという意見があることから、こういったオープンスペースで気軽に参加できるような体制でピアサポート活動を実施されているというところもありますし、またこちらのミーネットでは、90時間の研修を実施しているということにも特徴があるかと思います。
 7スライド目、ピアサポート研修ということについても既に各地で行われておりまして、例えば医療機関が実施するもの、行政が実施するもの、患者団体等が実施するものなど、各地で既にピアサポート研修会というのが実施されているところで、この沖縄の例は、沖縄県の地域統括支援センターが実施しているピアサポート研修会の例でございます。
 本策定事業のスケジュールでございますが、8ページ目のスライドにあるとおりでございますが、まず今年度に関しましては、当初初級編としていたものでございますが、がんピアサポーター編ということで、初めて学ぶ方を対象にピアサポートに関する基本的な内容や守るべき事項について理解しやすい内容のプログラムをつくるということを今年度は進めておりまして、既にβ版が完成しております。β版については、各地の関連支援団体の方に手を挙げていただいて、実際に研修で活用していただいて、その中で参加者であるとか運営団体の方々から御意見をいただく形でよりよいプログラムをつくっていくということをしております。
 また、これと並行してでございますが、これは中級編と言うべきものでございますが、がんサロン編というものがございます。このがんサロン編というのは、いわゆるがんピアサポーター編で、初級的なものを学ばれた方を対象に、より踏み込んだ内容であるとか、特にがんサロン等におけるファシリテートについても触れるような内容ということを考えておりまして、こちらについても現在あわせて検討しているところでございます。
 9ページ目のスライドでございますが、これは実際の研修プログラム、β版でございますが、研修テキストの目次です。現状については各種の団体からいただいた御意見をもとに既に修正が一部かかっているところがございますが、例えばピアサポーターは何かとか、よりよいコミュニケーションのためにとか、知っておきたい基礎知識などの内容が触れられていまして、特にピアサポーターの方は実際に相談される場面につきましては、DVDを収録しております。
 プログラムについては幾つか特徴があるのですが、幾つか注意していることがございまして、まず1つが、個人情報の保護ということに関してしっかり守っていただくといった感じで、幾つか基本的な守っていただくべきルールというものを決めているということがございます。
 もう一つが、基礎知識ということで、主ながんであるとか、主な治療法について触れられていますが、これはそういったことについて、ピアサポーターの方が相談に乗るという趣旨ではなく、医療介入をしないというのがピアサポーターの原則であると考えておりますので、ピアサポーターの方が話を聞く際に、その手助けとなるために、こういった知識編もあわせて掲載しているということがございます。
 11ページ目、これは実際に研修DVDがございまして、ピアサポーターの方が実際に相談に乗られている様子をわかりやすく解説しているものでございます。
 12スライド目でございますが、既に各地の団体で実際にピアサポート研修プログラムのβ版を活用した研修を実施していただいておりますが、そういったものの紹介も含めて、本プログラム策定事業を広く公開するためのホームページも策定させていただいておりまして、こういった広報も既に行っております。
 私からは以上でございます。
○門田会長 どうもありがとうございました。
 では、続きまして、花井委員のほうからお願いしたいと思います。
○花井委員 ありがとうございます。
 私のほうからは、表題にありますような調査をいたしましたので、その報告をしたいと思います。かねて出ておりましたきょうの資料4でございますけれども、ピアサポーターにおける取り組みの最後のほうに、ピアサポーターの充実に向けた論点案というのがございました。この論点について、参考になればと思いまして、今回の協議会の議論のために行った調査でございます。
 調査者は、私と、がんのピアサポートシステムの構築という研究に取り組んでいる、名古屋市立大学大学院人間文化研究科研究員の大野裕美さんという方と共同で行いました。
 調査の目的、これはごらんいただいたとおりでございますけれども、がん診療連携拠点病院の相談支援センターとピアサポーターとの連携によりまして、どのようなことが今後必要になるのかということを少し明らかにしたいと思いました。
 対象医療機関は、ここにあります11医療機関、2009年6月に導入した名古屋記念病院その他10の病院でございます。
 そして、方法はアンケート調査で、20日余りの短い期間でございましたが、有効回答率は100%です。
 ピアサポートの概要として、少し私どもの背景に触れておきますけれども、月平均15.6回の拠点病院に出向いての院内ピアサポート、年間総数187回。3番目にありますように、相談数は年間で1,181人という数字になっております。
 4)にありますように、1対1の面談方式で、先ほど天野会長代理から御紹介がございましたように、病院ロビーなどのオープンスペースで行っております。
 2ページ、非常に長い資料となりましたので、かいつまんでお話をしたいと思います。ピアサポーターの背景でございますが、これは天野会長代理からもございました。大体このような研修をし、この写真にあるような感じで取り組んでいるということです。
 4番目に、調査結果、サマリーというのがございます。最初にありますように、院内ピアサポートの評価は高く、病院側の期待に応えるものであったということを初めとして、幾つかポイントを記してございますので、後で御確認をいただければと思います。
 3ページ、サマリーの最後でございます。上から4行目です。院内ピアサポートの役割は医療サポートを補完する役割として期待されていたという分析結果がございます。そうして中ほど、ピアサポートの周知に関する事項がどれぐらい病院で知られているのかと言いますと、ここにありますように、職員間に患者への周知のほうが進んでいる。患者は知っているけれども、病院の職員が意外と知らないという結果がございました。
 4ページ、ピアサポートの導入の理由でございます。ここでざっとグラフでごらんいただいておわかりのように職員からの要望とかいろいろございますが、これはピアサポート団体が働きかけたものではなく、病院の自発性に基づいてピアサポートを導入したのだということがおわかりいただけると思います。
 ピアサポート導入に当たっての期待でございますが、この表のうちの最初の記述が全体を言い表していると思います。患者さんが抱えている悩みを医療スタッフが十分対応しきれていない、時間がないなど問題が多い。そこで同じような立場で共感を持って傾聴し、対応していただけるピアサポーターに期待したということです。
 5ページ、ピアサポート導入後の院内評価でございますけれども、なかなか高い御評価をいただいておりますが、期待以上であったというのは3位。この3位については、ピアサポーターとの連携において非常に特徴がありますので、後で御説明をしたいと思います。
 評価に対する具体的な感想としては、中ほどにあるように、サポーターとのかかわりで相談者のほとんどが希望を持ち、強く闘病される1つのモデルになっている。もしくは患者さんの精神的緩和につながっている。医療者が聞き出せない患者情報をつかんでいるという御意見もございました。
 6ページ、活動の場に関しての事項でございますが、よそ様ではびっくりされることもあるのですが、オープンスペースでやっているのですかということですけれども、私ども団体のみならず、病院のほうでも非常に御評価をいただいて、場合によっては個室もいいけれども、オープンスペースがよいであろうという結果が出ているということであります。
 このページの最後、?ピアサポーターの育成に関する事項では、全11病院が教育訓練は必要であると回答しています。
 7ページ、ピアサポーターに求めるスキルでございますが、これは複数回答でございます。やはり、一番高いのはがん体験から得た療養生活に必要な当事者情報でございます。医療知識というところにはそんなに票は集まらなかったというとおかしいのですけれども、実施団体といたしましては、療養体験を正しく伝え、患者さんの悩みを正しく聞き取るためには、一定の医療知識が必要で欠かせないと思っております。ピアサポーターに最も必要なスキルとしては、守秘義務などの個人情報です。これは医療機関でピアサポーターをやる以上は非常に大切な事項と考えております。今のところ、守秘に関しての問題は全く起きておりません。
 続いて、ある程度必要なスキルでございますが、コミュニケーションスキルというところにたくさん御意見がありました。まさにそのとおりで、研修などでも力を入れている部分でございます。
 5-3、相談支援センターとピアサポーターの連携については、11病院全てが患者紹介はあると答えています。これが月に1回ピアサポートを入れているという病院が11病院中7院ということから考えますと、数字が多いのか、少ないのかということを御判断いただきたいと思います。
 9ページ、ピアサポーターから相談支援センターへの患者紹介に関しましては、ピアサポート団体、私どものほうで相談支援センターを紹介したかというカウントするシステムをきちんと持っていないわけなのです。そこで、患者さんがピアサポーターに聞きましたと言っていただければカウントされるのですけれども、そうでない場合はカウントされないということで、この仕組みをきちんとつくっていかなければいけないなと思っています。
 患者支援連携の具体例として小さな表にありますけれども、同じがん種の人と話したいとする希望する患者を紹介、化学療法中の患者さん、日常生活における留意点の伝達、こういうところに御期待が高いような気がいたします。
 表の下にありますけれども、ピアサポーターとのかかわりを得て患者の変化が見られたときは、フィードバック(情報共有)をしているという記述もありますが、実際にこれはございます。
 連携に必要なものとして、その下の丸いグラフでございますが、それぞれの役割分担の明確化ということが43%もあります。こういう場合はこうしましょうというマニュアルであるとか、ルールの設定を意見交換して、そして病院側とコンセンサスを図る必要があると思っております。
 がんのピアサポートに関する意見・要望という10ページでございますけれども、非常に高い御評価、温かい御意見をいただいておりますけれども、いいこと尽くめばかりではございませんでして、この表の一番下、確立されていない治療法などを説明し、混乱を招いたことがあったという御指摘もございます。これについては、後で少し御説明をしたいと思います。これについては後で少し御説明したいと思います。
 考察としまして、調査分析者の立場から?~?までございますけれども、これはその都度のグラフ等で触れましたので、後で御確認いただければと思います。
 11ページ、特記すべきことだけ申し上げますと、こんなようなことが書かれておりますが、客観的に的確な分析をいただいたなと実施団体のほうとしては思っております。
 12ページの真ん中ぐらいから、私どものことで非常に恐縮ではありますけれども、これだけ量を実施していながら、行政からの支援があるものではなく、独自で取り組んでいるということです。それに対して相談支援センターの中にも、今後の意見として県が育成していければよいが、現在は団体に頼らざるを得ず、今後複数の団体が混在する可能性もあるという指摘がございます。持続可能な仕組みには、一団体の力だけでなくさまざまなステークホルダーが必要なのですが、いろんな団体が混在することで、こういう1つのルールであるとか役割の明確化であるとか、そういうところもすみ分けたり守っていくマネジメントしていくということが非常に難しいというところから、これは公的に行うのが望ましいのではないかという分析者からの意見もございます。
 今後の課題として、この表にまとめてくださっていますが、一番下のところ、院内ピアポートが普及拡大していくには、ピアサポート実践団体の育成に行政のサポートが必要であるということです。そういう分析内容でございます。
 6-2からは、実施団体としての私どもからの考察でございます。非常に情緒的な記述も多いのですが、かいつまんで御説明したいと思います。今後の相談支援センターなどとの連携協力について、少しは御参考になるような面を中心に御説明していきたいと思います。
 13ページ目、先ほどの期待以上であったという評価が3病院あったというお話をいたしましたけれども、この3病院の連携、つまり、ピアサポートへの病院側のかかわり方というところに非常に特徴がございますので、少し御説明をさせていただきたいと思います。
 A病院は、相談支援センターがピアサポートの予約をとり、そして、相談支援センターの相談員が現場にも参加しているということです。時折医師の参加もあります。医師が患者さんに、いついつピアサポートをやっているからと勧められてやって来たというケースも非常にたくさんございます。
 院内アナウンスが徹底していまして、病院に案内板も数か所立てられまして、繰り返し院内アナウンスが行われております。これで1日2時間半から3時間で10件以上の御相談がございます。
 B病院は担当医療職からの積極的な患者紹介とピアサポーターとの交流がございまして、この病院での催事には、ピアサポーターも必ず参加して、情報共有したり勉強させていただいたりということがございます。医師及び相談員からの積極的な患者紹介も行われています。
 そして、C病院でございますが、医師が2名もしくは1名、ピアサポートの現場に控えていて、前に出てくるのではないのですけれども、ちょっと控えてくださっていて、ピアサポーターと連携しているというケースです。
 実施日は医療的な相談があると、ピアサポーターは患者の了解をとって医師につなぎます。内容に応じて医師が対応、あるいは医師の判断で認定看護師を呼んだり、専門看護師を呼んだり、しかるべく医療職にその場でつないでいます。医師とピアサポーターが一緒に座って相談対応を行うことも患者さんの相談内容に応じてございます。患者家族に非常に喜ばれておりまして、現在は月2回の実施でございますが、回数をふやしてほしいとの要望もございます。
 上記3病院のピアサポーターへのかかわり方というのは、私どもが求めたものではございませんでして、病院側の方針で自発的にやっていただいていることでございます。密接な連携協力体制とピアサポーターへの評価というのは関連性があるのではないかと考えております。実施団体としても、連携体制の充実を図るために努力すべき課題だと思われております。
 下の?でございますが、ピアサポーターの教育訓練でございますが、なぜ1年もやるのだ、90時間も必要かということをよく言われますけれども、経験から、必要なコミュニケーションスキルとか知識、そういうものをもとにしてプログラミングしていくと、90時間、1年になったということでございます。
 しかし、これはどういうピアサポーターを養成していくのかという団体の方針に基づいて異なってきて当然であると思っています。私ども同じ立場ということを生かしながら、相談支援という役割を担う病院と連携できるサポーターを目指して教育しております。
 最も必要なスキルについてというところで、医療知識をどうするのかという面が医療者と意見の分かれるところでもございますけれども、医療介入はしてはならないが、先ほど申し上げたように、正しく患者さんの話を聞く、何を悩んでいるのかという背景を知るためにも、一定の医療知識は必要で、体験者であるからこそ、新たにがんにかかった方の初期学習を助けていくという役割も担うと思っておりますので、一定の医療知識は、医療介入はしてはならないけれども必要だということを思っております。
 院内ピアサポートにおけるがん相談連携でございますが、両者の意見交換とシステムづくりが今後非常に大切になるなと考えています。そして、非常に重要なのが?でございますけれども、がんピアサポートに関する意見、いろいろございました。私どもはピアサポートの適切性と安全性はNPOや団体単体では守れるものではなく、連携によってこそ守られるのではないかと思っています。先ほどの病院からのネガティブな御意見として、確立されていない治療法などを説明し、混乱を招いたことがあったという御指摘がございましたけれども、これは悪い治療でも法外に高額な治療でもないのですが、標準治療として認められていない治療を受けた患者の例を患者の求めに応じて、こういう例もありましたということを御紹介申し上げたところ、その患者さんが医師に、こういうことをピアサポーターに聞いたから、私もこの治療を受けたいとかとおっしゃって、医師がこういうのはどうなのかなと問題提起をしてくださったことで明らかになりました。これはピアサポート対応基準の禁止事項であるために、実施団体としてすぐさま全ピアサポーターに通達を出し、ルールの徹底を図るための方策を協議して病院コンセンサスをとりました。
 ですから、こういったことが浮上してくる。そして、病院側とピアサポーター側の問題として話し合い、リスクマネジメントをできるということも病院と連携している1つの意義でもあり、安全性、適格性、こういうものは連携で守られていくと私たちは思っております。
 今後の課題でございますが、ピアサポート導入病院への評価が必要ではないかと、先ほどのC病院の例でございますが、医師が月2回出てきて3時間ほど一緒にピアサポートに参加しているというわけなのです。それによって、この医師は自分の本来の業務、さらに忙しくなると思われます。
 また、この病院もかかわりながらピアサポートをしていくことについて、非常に労力、手間暇も経費もかかることではないかと思っております。ですから、私どもはわずかですけれども、有償で行っておりまして、行政は精神的支援をしてくださいますが、財源的支援はまだありません。そうしたことで、本当に血と汗と誇りにまみれながら務めているピアサポートでございます。これが健全に発達し、普及していくためには、安定した財源が何よりも必要ではないかと思っております。
 こうして相談支援体制の充実をピアサポートを入れることによってさらに広げていこうと努力している医療機関には、診療報酬をもって評価し、ピアサポーターが有償で任に当たることが今後のピアサポートの推進と発展、がん相談支援体制の充実には必要ではないかと思っております。
 最後になりますが、?地域統括相談支援センターの必要性。ピアサポートを推進していこうと思うと、マネジメントが必要でございます。このマネジメントの拠点なくしてピアサポートは機能しないということです。幸い私どもは名古屋市と一緒に、「名古屋市がん相談情報サロン・ピアネット」という施設を運営しておりまして、これが一部がん統括相談支援センターにおけるピアサポートセンターのような役割も果たしており、また、医療機関には行政と連携、共同している団体として、信頼も得ているということがあると思います。こうしたところが絶対に必要になってまいりますので、この統括相談支援センターというのが全ての都道府県に置かれるということが非常に大切ではないかと思っております。
 結びにということで、ピアサポーターとの連携による相談支援センター、拠点病院の相談支援の充実のためには、最後に書きましたように、この相談支援体制の充実はがん患者家族の精神的、社会的な痛みの解決の緩和に大きな役割を果たすものでございます。
 もちろん、QOLの向上ももたらします。行政、医療機関、ピアサポーターとの連携のもとに、持続可能なピアサポートが地域に根付くための関係者の熱意とアクションと財源が求められているということを結びに申し添えたいと思います。
 ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御発表いただきました3人の方の御意見と、事務局からの報告がございましたけれども、どなたか御質問、御意見がございましたらおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 石井委員、どうぞ。
○石井委員 花出参考人の御報告なのですけれども、参加希望をしていない方というのが2割ぐらいいるようなのですけれども、その方々の分析はされているのでしょうか。つまり、その人たちはどうして参加しないのか、それとも参加するようになるにはどういうふうな改善をしていけば参加できるようになるか、その辺を解析されていたら教えてください。
○花出参考人 御質問ありがとうございます。参加希望がない方の分析のほうは進めておりません。ただ、今後の課題なのですが、参加希望がある方とない方とどういう傾向があるかというところに関しましては、さらに分析をしていきたいと思っております。
○石井委員 ありがとうございます。
○門田会長 そのほかいかがでしょうか。
 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 事務局の資料についてでもよろしいですか。これで見ますと、ピアサポーター育成事業等に関する都道府県の取り組みというのが紹介されていますが、これはあくまで都道府県単位で、先ほどのピアネットのように名古屋市ということになるとこの集計には入ってこないという理解でよいですか。ピアネットは名古屋市の事業としては位置づけがどのようになっていますか。
○花井委員 ピアネットは名古屋市の施設なのですが、ピアネットがピアサポーターを養成したり院内活動をしているわけではなく、ミーネットがしているわけです。ただ、ピアネットのPRを院内のピアサポートでピアサポーターがやると、ピアサポーターはどちらにも軸足を置いているわけなのです。ですから、一部拠点というか、統括相談支援センターのピアサポーター的役割も果たしているということなのです。
○堀田委員 そうしますと、愛知県はこの表には載っていないのだけれども、この表以外に市町村レベルでこういう活動があるという理解になるのですか。
○花井委員 それはあると思いますが、どのように把握してらっしゃいますでしょうか。
○事務局(秋月) 市町村レベルでの取り組みということですか。
○堀田委員 それはこの中には出てこないけれども、あり得るということですね。
○事務局(秋月) あり得ると思います。
○堀田委員 あくまでこれは事業として手を挙げてきたところにつけたということになるのですか。
○事務局(秋月) これは都道府県のほうに調査をかけまして、都道府県の事業としてやっているところをリストアップしたということです。
○堀田委員 そのために特別な財源を国から渡しているわけではないということですね。
○事務局(秋月) もちろん、国の補助があるものとないものが参考資料4の5枚目、6枚目のスライドになるのですけれども、都道府県のがん対策に対して、国から2分の1の補助という枠組みもございますので、そういうものを活用しているところは国の補助がありとなっておりますので、独自の財源でやっているところもあるということです。
○堀田委員 ピアサポートを全体に広げていくとなると、やはり標準化とか教材をある程度統一するというようなことも含めてやっていくのがよろしいかと思います。それと、これは1つの施策として行っていくとよろしいのかもしれませんが、ただ、こういった団体の位置づけが病院側なのか、県の側なのか、あるいはそれらからフリーなのかという辺はいろいろ特徴があるのだろうと思いますが、現状はどのようになっているのでしょうか。
 どなたかおわかりになりますか。天野さんかな。研修だけですか。
○天野会長代理 研修を実施している主体がという御質問でしょうか。それはこちらにもあったように、都道府県ががんの対策として実施したところもあれば、NPOが独自にやっているところ、また、花井さんのところのように、行政と連携してやっているところもある。さまざまな形態があると理解しております。
○門田会長 そのほかいかがでしょうか。
 中沢委員、どうぞ。
○中沢委員 今の関連でございますけれども、神奈川県におきましては、今、15の拠点病院の中で3つの病院にピアサポートの相談の窓口をつくっているというところでございます。それはNPO法人にお願いして、がん対策というよりはNPO法人を育成するような、別途の予算で実際やっているというところがございますので、国の予算は活用していないと。研修に関しては、キャンサーネットジャパンというところが独自にやっていて、かなり拠点病院ではその相談を取り入れたことによりまして医療従事者側もかなり関心が高まって、これを今回のがん対策推進計画の中では、二次医療圏ごとにこういったピアサポートの仕組みを取り入れようみたいな形での素案を出しているところでございます。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。そのほかいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 この件につきましては、きょうの御発表、事務局のほうの流れを含めて、一応事務局のほうでまとめていただくということでよろしいですか。
 それでは、本日、「その他」のところ、最後になりますけれども、もう一つ、西山委員提出資料というのがございますので、西山委員のほうからこの件につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○西山委員 別紙の西山委員提出資料をごらんください。
 今回の内容につきましては、今、見直しが進んでおります本邦の専門医制度の中で、ぜひともがんの専門医をディスカッションの対象に挙げていただきたい、そうした要望をこの協議会のほうからしかるべく出していただけないかという御依頼でございます。
 御存じのように、本邦には、がんの専門医がいない、いてもどこにいるかわからないという国民の声が、がん対策基本法制定への請願運動を興る1つの大きな要因となったわけであります。その後、さまざまな専門医制度ができまして、かなりの方が専門医としての資格を取得しております。これに伴うように、がん以外の専門医制度についても、もう一度しっかり見直そうということで、2011年、厚生労働省のほうに専門医制度の在り方委員会が設置され、今後、第三者機関をつくって専門医制度をまとめて管理していこうと、あるいはそこが認定する方向を探っていこうということになったわけでありますけれども、実はその全体の専門医制度の中で、がんについての具体的なディスカッションは、まだ一度も行われておりません。
 (在り方委員会では)ことしの3月までに専門医制度が(医療法に定められた診療科)標榜と結びつくべきか、ということもひっくるめて、ある程度のところまでの最終結論を出すわけでありますけれども、がんの専門医制度というのは、基盤診療科のところが決まった後の第2段階、サブスペシャリティとなるので、ディスカッションがまったく進んでいない。今のままでいきますと、がんの専門医制度ができても、国民の方にとってどれがどの程度の意味をなすかということについて、(診療科としての標榜も認められておらず)決してわかりやすい状態ではないまま(新制度に移行)ということになります。
 この際、本邦全体の専門医制度のあり方をもう一度考える機運がある中で、ぜひとも今あるがんの専門医・認定医制度というものについて、もう一度ディスカッションをして本来あるべき姿を探り、公認の制度とする機会を求めたいと思っています。
 この要望書は日本がん治療認定医機構の理事長の平岡先生から出されたものであります。そもそもがん治療認定医機構というのは、本邦でがんの専門医制度について揉めた時期がございまして、その際に、日本医学会の肝煎りで、「本邦のがん専門医制度は2段階制度とする」との提言が出され、2段階制度の基盤は、がん治療認定医という形で支えなさい。しかもそれは単独の学会ではなくて、日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会、全がん協が一緒に入って、認定専門の組織をつくりなさいということでできたものであります。
 在り方委員会が終了する前に、あるいは、これを機に、これに代わる組織で、患者さんにわかりやすいがんの専門医制度とはなにか、診療科標榜は不要か、等をもう一度議論して見直してもらう。たとえば専門医の種別や教育内容は今のままでよいが、着実に診療科として標榜できるという形にまで持っていくべき、というような、がん専門医制度の今後の方向性について、ぜひとも(国レベルで)議論していただきたいと思っております。このがん対策推進協議会のほうから、そうした要望をしかるべき組織に出していただければと思っております。御検討ください。
○門田会長 ただいまのように、このがん治療認定医機構というところから、私宛てに上がってきております。私、たまたまこの専門医のあり方検討委員会のメンバーでもあるのですが、実はきょう午前中、委員会があったところなのですけれども、今までに15回の検討会が開かれました。そして、ここに書かれておりますけれども、夏の段階で中間まとめという形で出されて、その後、中間まとめまでにはっきりしたことと、まだペンディングで残っていたことについてのディスカッションがきょうまで行われたということで、あと今年度中に結論を出すということになっております。それは今、西山委員がおっしゃられたとおりです。
 本日の委員会の話は、まず今まで決まっていますことは、基本領域学会が内科、外科、小児科等18学会ありますけれども、この18基本領域学会にそれぞれ外科専門医、内科専門医、整形外科専門医等というメジャーな18基本領域の専門医制度がありますけれども、そのものを学会が認定するのではなくて第三者機関が認定する制度です。学会が認定するというところから外れるけれども、基本的には内科、外科というくくりはそれほど大きく変わらないだろうということで、多分18領域の専門医ということがスタートする。これが1段階目の専門医です。
 しかし、それに加えて、現在のところ専門医が余りにも特化してきて、診療科と診療科の間を支えるところが薄くなって、そういうところの教育も今のところは余りはっきりしていないのではないかというところから、18の基本領域に加えて総合医もしくは総合診療医という領域をつくって、そこの教育をしていくべきではないかということで、現在の第1段階目は、19の診療領域の専門医をひとまずスタートするべきではないかということで流れてきております。
 本日、話題になりましたのは、1段階目の話だけでは2段階目のところがわかりにくいので、結論を出す前に第2段階目のディスカッションをするべきではないかということになって、本日、何がしのディスカッションがございました。そこには、いっぱいいろんな学会がいろんな専門医を持っていて、あるいは技術認定医とか、高度技能医とかいろんなものが出てきている。それをどういうふうに2段階を考えるかというディスカッションがきょうございましたが、結論は出ておりませんけれども、例えば私は外科ですから、消化器外科とか、心臓血管外科とかという単位のものというのはある意味仕方がないというか、そういうくくりの中で診療が行われているのは事実ですので、そういうものは2段階としては必要である。
 ところが、消化器外科でありますが、消化器外科の上には、肝胆膵外科とか、大腸肛門病学会とか個々の臓器がその上に乗ってきます。全てのものを専門医として考えるというわけにはいかないだろうと。そうすると、どこかで何がしのところで区別をすべきではないかと抽象的にディスカッションされるということでございました。
 その段階で上に乗ってくるものとして、いろんな腫瘍の専門医ですね。放射線腫瘍学会、婦人科腫瘍学会等腫瘍というものをうたった学会が出てきますので、個々のディスカッションは本日ありませんでしたけれども、そういうものをどこでどうするかという、そこのところに議論が行ったときに、臓器を超えてのがん治療認定医というものをどういうふうに考えるかということをディスカッションしていくことになるのだと思います。
 今の流れとすれば、余り細かいところまで今回の検討会ではディスカッションは深めずに、第三者機関をつくって次にボードをつくっていく。第三者機関のディスカッションに入って、現場の関係する皆さんに集まってもらってつくっていくのだという方向性の話が本日ありました。
 あと2回しか検討会は予定されておりませんので、今の流れはそれほど変わらないのかなという気はいたします。ですから、私、両方関係しているということから、私たちの基本的な方針は、がん専門医のいい人材育成をするのが我々としても大きな目標でございますので、これは間違いなく、そうする方向に行ってほしい。しかし、それをどういうふうにやっていくのかというのは、ここのマターでもないし、お話ししたように、今開かれている検討会というのは、もう少し大きなテーマでやっているので、多分専門医制評価・認定機構の中にいろんなワーキングをつくったりなどしていますから、ここに挙がっておりますように、そこで具体的な話を煮詰めていくということが基本的な方向性として一番内容を理解してもらえるし、そしてそれをその次の第三者機関のがんに関係するようになったときに具体的に皆さん集まっていただくときに反映できるような形でどうできるかということをディスカッションしてもらうという流れになるのではないか。
 そういった意味で、今、きょうここで協議会のほうで話題になったので、医政局のほうに対して、こちらからこういう話の情報を提供し、我々とすればいい専門医をつくっていただくという方向、どういう形かは別として、そういう方向は協議会の方向とも一致することなので、そういうことを伝えていただく。既に機構のほうには依頼はしているわけですね。ですから、それは多分開いていただけるのではないかと思いますが、それは我々としてもそれをお願いする、ぜひ検討してほしいということを言うという2つの方向で対応するということを考えたらどうかと思いますが、委員の皆さん、何か御意見はございますか。その方針でよろしゅうございますか。
 では、事務局は医政局のほうに対して情報を流していただくことと、専門医制評価・認定機構のほうには、こういう希望が出ていることを我々もお願いしたいという形で出すということで扱わせていただきたいと思います。よろしいですか。
○岡田がん対策推進官 はい。事務局として、担当する部局のほうに伝えさせていただきます。
○門田会長 では、このことにつきましては、そういう形で対応させていただきたいと思います。
 予定いたしました議題は以上でございますが、どなたか御発言ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 では、きょうの前半の特に評価指標のことも我々としては重要なことだと思いますし、余り先送りができないことも事実ですので、事務局のほうからいついつまでにこうしてくださいというのを連絡してもらいますので、ぜひ意見をお願いしたいと思います。
 では、最後、事務局のほうから何かございますか。
○岡田がん対策推進官 長時間の御議論、ありがとうございました。
 評価指標及び相談支援、ピアサポートにつきまして、引き続き委員の皆様からの御意見をいただくようにさせていただきたいと思います。特に評価指標につきまして、どのような形でいつまでということもなるべく早い段階でお願いさせていただきます。
 また、次回の協議会でございますけれども、現在、委員の皆様方の日程調整をさせていただいております。決まり次第、御連絡をさせていただきたいと思います。
 事務局からは以上です。
○門田会長 それでは、委員の皆さん、特に御発言がないようでしたら、本日の協議会はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
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