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2012年12月28日 第34回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会議事録

健康局臓器移植対策室

○日時

平成24年12月28日(金) 14:00〜16:00


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第21会議室(17階)


○議題

1 造血幹細胞移植の現状と最新の動向について
2 法律施行に向けた検討スケジュール等について
3 その他

○議事

○西脇室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第34回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会を開催いたします。
 本日は年末のお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。
 開会に先立ちまして、健康局長の矢島から御挨拶を申し上げます。
○矢島健康局長 健康局長の矢島でございます。先生方には大変お忙しいところを、また、年末のところをお集まりをいただきまして、大変ありがとうございます。日頃から厚生労働行政、いろんな意味でお世話になっております。この場をお借りいたしまして、厚くお礼申し上げさせていただきます。
 後ほど御紹介させていただきますが、委員の先生方の改選も多数ございました。委員をお引き受けいただきました先生方に、厚くお礼を申し上げさせていただきたいと思います。
 造血幹細胞移植につきましては、多くの医療従事者、骨髄バンクやさい帯血バンク、ボランティアの方々の、患者さん皆さん方の治療のために力を合わせて進めさせていただいたところです。特に、非血縁間の移植を進めるための骨髄バンクは創設から21年を経過し、さい帯血バンクは最初のバンク設立から17年余りが経過しました。今や非血縁間だけでも年間2,400人近い方に移植が行われ、多くの尊い命が救われてまいりました。こうした関係者の方々の熱意が実を結び、今年9月6日に議員立法という形で、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が全会一致で成立し、9月12日に公布されたところです。政府としてしっかりと施行しなければならないと考えております。
 本日は、法律成立後初の審議会となります。早期の法施行に向け、委員の先生方におかれましては御多忙の中ではございますけれども、これから頻回にお集まりをいただき、議論をお願いすることとなろうかと存じます。御協力のほど、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日は造血幹細胞移植の現状や最近の動向、法律について、事務局から報告させていただいた後、法律の施行に向けて検討すべき課題などについて議論をお願いしたいと考えております。造血幹細胞移植推進法は公布の日から1年6か月以内の施行とされておりますが、法律の趣旨を踏まえ、造血幹細胞移植を望む患者さんが、より良い移植を受けることができる体制を早期に整備していくため、更には患者さんの移植後の生活の質の向上に資するため、一日も早い施行を目指して努力してまいりたいと考えております。今後とも、造血幹細胞移植を必要とする患者さんに対して、早期に適切な造血幹細胞移植が行われますよう、皆様方の御支援と御協力をお願いいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○西脇室長補佐 それでは、委員の先生方の改選がありましたので、委員の先生方を50音順に紹介させていただきます。患者・慶應義塾大学総合政策学部教授 浅野史郎委員、千葉骨髄バンク推進連絡会会長 梅田正造委員、慶應義塾大学内科学教授・日本造血細胞移植学会理事長 岡本真一郎委員、患者・特定非営利活動法人血液情報広場つばさ理事 鎌田麗子委員、都立駒込病院院長 坂巻壽委員、立教大学法務研究科教授 辰井聡子委員、東北大学大学院医学系研究科血液・免疫病学分野教授 張替秀郎委員、名古屋第一赤十字病院血液内科部長 宮村耕一委員、国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員 山口照英委員。なお、今村委員、野村委員、西川委員、武藤委員、吉村委員からは御欠席との連絡を頂いております。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。先ほど挨拶をさせていただきましたのが局長の矢島です。審議官の高島です。臓器移植対策室長の間です。室長補佐の加賀山です。同じく室長補佐の竹内です。私も室長補佐の西脇です。
 次に資料の確認をさせていただきます。お手元の資料一覧を御覧になりながら資料の確認をお願いいたします。配布資料の右上の四角で囲ったところを順に御確認ください。資料1-1「造血幹細胞移植の現状について」、資料1-2「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」にかかる資料、資料1-3「平成25年度概算要求の概要について」、資料2-1「造血幹細胞移植法の体系」、資料2-2「審議スケジュール(案)について」、資料3-1「非血縁者間移植において公的バンクを介すべき疾病について(案)」、資料3-2「移植用臍帯血基準検討会(仮称)の設置について(案)」。お手元のファイルに綴じてあります参考資料として、参考資料-1「厚生科学審議会疾病対策部会運営細則」、参考資料-2「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」、参考資料-3「臍帯血移植の実施のための技術指針」。お揃いでしょうか。不備等がございましたら、事務局までお伝えください。
 本委員会の委員長を務めていただいておりました斎藤英彦先生が、本年7月28日で委員の任期満了となり、併せて委員長も御退任されました。お配りしております参考資料-1、厚生科学審議会疾病対策部会運営細則第3条に基づき、委員長には、金澤一郎疾病対策部会長から自治医科大学の小澤敬也委員が指名されております。それでは、小澤委員長に今後の議事の進行をお願いしたいと思います。
○小澤委員長 委員長に指名されました小澤でございます。よろしくお願いいたします。私は2回目の委員になります。この委員会がスタートしましたのは確か2002年だったと思いますけれども、その頃から委員をさせていただきまして、2009年3月まで委員を務めたように記憶しております。そしてまた今回、今度は委員長を務めることになりました。今回の委員の約半数は新任ということです。幸い、新任の先生方は、今日全員御出席いただいております。今日は顔合わせと今後の活動内容の確認という意味合いもありますので、現状について詳しく説明していただき、また、最後のところで意見交換がありますが、今日は皆様方にいろいろな意見を出していただいて、今後何を検討すべきか、そういったことを決めていきたいと考えております。
 まず、議事に先立ちまして、本委員会は法律の施行に向けて議論を重ねていく必要があるということになっておりますので、円滑な運営のために、委員長代理を定めておきたいと考えております。委員長から指名をさせていただきたいと思いますが、異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 御異議ございませんでしたら、私としては都立駒込病院の坂巻壽先生に委員長代理をお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
                (異議なし)
○小澤委員長 ありがとうございました。では、坂巻委員から一言御挨拶をお願いいたします。
○坂巻委員長代理 駒込病院の坂巻でございます。微力ながら患者さんとドナーさんのために力を尽くしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小澤委員長 それでは、さっそく議事次第に従って、議事に入りたいと思います。最初の議事は「(1)造血幹細胞移植の現状と最新の動向について」です。最初にいくつか事務局に説明を求め、その後、御質問を承りたいと思います。
 なお、本日は、先ほど申しましたように、新たな議論のスタートを切ることになりますので、本日4番目の議題のところで、委員の皆様から自由に御意見を頂きたいと考えています。
 では、最初に、新たな委員が多数お見えですので、事務局より造血幹細胞移植の現状について、簡単に御説明をお願いします。
○間臓器移植対策室長 それでは、お手元の資料1-1、表題が「造血幹細胞移植の現状について」という、この資料に沿いまして、委員の先生方の御案内のことも多いかと思いますが、まず簡潔に御説明申し上げたいと思います。
 お手元の資料1-1、1ページを御覧いただきたいと思います。1ページの下にあるのは、非血縁者間で行われた、つまり骨髄バンクやさい帯血バンクを介した、造血幹細胞移植の実績の推移が示されています。
 造血幹細胞移植全体、これは折れ線グラフですが、一貫して移植数が増加していまして、平成23年度末においては、先ほど局長からも御紹介しましたように、2,378件となっています。内訳は骨髄移植及び末梢血幹細胞移植が1,272件、臍帯血移植が1,106件、この二つが肩を並べるような状況になっています。
 現在効果的な医薬品が開発されて、必ずしも移植を必要としないケースもありますが、その一方で人口の高齢化によりまして、今後は骨髄異形成症候群をはじめとして、移植を必要とする患者さんは増加するのではないかと考えています。
 2ページの上の表を御覧ください。主な血液疾患、移植を必要とする血液疾患に対する移植成績を示しています。移植後5年の生存率、一番右側の欄ですが、これを御覧いただきますと、かつては不治の病と言われた疾患の患者さんも、4割から5割は尊い命が助かるようになってきている。そして今後、更なる向上が期待されているということです。
 同じページの下のグラフを御覧ください。まず、骨髄移植の方に入ってまいりますが、骨髄移植は当然、骨髄のドナーとなる方を必要としますが、ドナー登録をしてくださっている方の総数は、これまた折れ線グラフの方ですが、一貫して増加していまして、ありがたいことに平成23年度末現在では40万人を超えると言われています。
 これによりまして、患者さんが骨髄移植を希望した場合に、合致するHLA型を保有するドナーが見つかる確立は、理論的には95.1%で、95%を超えています。しかしながら、実際にコーディネートした場合に、それが移植に至る割合は約6割と言われていまして、今後は、登録後も積極的に供与してくださるドナーさんを増やしていくという努力が必要だと考えています。
 3ページの上のグラフを御覧ください。これは、今回初めてお出しするグラフなのですが、今申し上げたような理論的なものと実際との乖離の一つの原因かと思うのですが、ドナー登録者の方の中には、例えば住所が変わった後、御連絡先を教えていただけていなくて、連絡がつかなくなっているとか、あるいは連絡がついていても、2回ほど連続で「ちょっと今は都合がつかないんです」という理由でもって、保留という扱いになっている方がいらっしゃいます。また、登録してくださっているのですが、20歳未満である、まだお若いということもありまして、実際のコーディネートの対象とならない方もいらっしゃいます。こういう方々を除いた方を、ここでは「有効ドナー登録者」と仮に呼びますが、この有効ドナー登録者数はドナー登録者数の約84%、直近の11月で申し上げますと、約35万人余りとなっています。
 同じページの下を御覧ください。骨髄移植においては、コーディネート期間が長いのではないかということを指摘されています。患者登録してから骨髄採取、実際の採取に至るまでの期間は、中央値ですが121日ということで、ここ数年、大きな変動はないということです。
 これまでも実際には、それ以前から期間短縮の努力はしてきているのですが、このかかっている期間のうち、一番多い部分を占めているのが、紫色の一番右側の欄でして、採取行程、すなわちドナーが1人に決まってから、実際に骨髄採取に至るまでの採取行程が、一番時間がかかっています。これはドナーの方のお仕事の都合もありますし、採取病院における受入体制の調整に時間を要している場合があるという現状がございます。できるだけ早期に適切な移植を行うことが、治療成績に影響するということを考えますと、特に急ぐ方について、コーディネート期間の短縮を図っていくことが非常に重要であると考えています。
 今度は4ページの一番上の図ですが、これは造血幹細胞移植をソース別したグラフです。ソース別に骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植とありますが、左の円グラフが我が国のものです。我が国では、先ほど御紹介しましたように、骨髄移植と臍帯血移植がほぼ拮抗している状態だということです。他方、右の円グラフは世界的なトレンド、現状ということです。末梢血幹細胞移植が約6割を占めていまして、残り4割を骨髄移植と臍帯血移植が占めているという状況です。
 我が国では末梢血幹細胞移植につきましては、血縁間の移植は以前から行われてきていますが、非血縁間の移植は2010年10月からということで、移植例は今年の9月現在で10例ということです。今後、患者さんの治療の選択肢を増やすという意味でも、末梢血幹細胞移植の実施体制を整えていく必要があると考えています。
 続いて4ページの下のグラフを御覧ください。今度は臍帯血についてです。これは移植用に用意されている臍帯血の保存状況と利用状況を示すものです。横軸は、一つの臍帯血に含まれる細胞の総数を示しています。単位は億です。左の縦軸はさい帯血バンクが保有した、あるいは提供した臍帯血の数を示します。この左側に固まっている棒グラフが、青いものが公開済みのもの、保有しているものでして、右の方に固まっている赤いものが、利用されたものです。赤/青というのが利用率でして、折れ線グラフです。この折れ線グラフでは、御覧いただけますように、細胞数の多いものほど、利用が多いということがお分かりいただけるかと思います。今後の移植ニーズの増大に対して、大人の方も含めていろいろな体格の方がいらっしゃいますので、CD34陽性細胞数が多いということも含めまして、より品質の高い臍帯血を確保していくことが非常に重要だと考えているところです。
 今の話を簡単にまとめますと、5ページですが、造血幹細胞移植をめぐる課題は多々あります。その中で、患者さんの治療という点にある程度フォーカスをしますと、主要な課題は次の五つであろうと考えています。第1に、移植医療はドナーの方の協力があって初めて成り立ちますので、善意のドナーの方々に継続的に御協力いただけるようにすることが大事だと思っています。
 それから第2に、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植という3種類の移植術について、その患者さんにとって最適な治療法は何かということについて、医学的なエビデンスをより一層整理しまして、治療のアルゴリズムを医学界で確立していただくことではないかと思います。その上で、これがこの方にとって最適な治療法だと医学的に判断できた場合に、それが実際に選択できるような、実施できるような体制を整備することが大事ではないかと思っています。
 ここからは個別の移植法についてですが、第3は骨髄移植については先ほど御覧いただきましたように、コーディネート期間の短縮というのが非常に大きな課題だと思っています。
 第4に末梢血幹細胞移植については、末梢血幹細胞の採取体制の整備というのが非常に重要だと思っています。
 第5については、これも先ほど申し上げましたように、臍帯血の品質を一層向上させていくことが重要ではないかと思っています。
 これらの課題に対して、積極的に取り組む必要がありますが、これらの方針について、委員の皆様方の御意見を頂戴したいと考えています。
 残余のページについては、参考として資料をお付けしています。お時間のあるときに御覧いただければと思います。また必要があれば、今後御説明を申し上げたいと思っています。まず資料1-1については以上です。
○小澤委員長 ありがとうございました。御質問については、資料1-1から資料1-3まで全て御説明いただいた後で受けたいと考えています。
 それでは次に、先ほど矢島局長からもお話がありましたけれども、本年9月12日に、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が公布されました。造血幹細胞移植委員会では、この法律の施行に向けて、議論を進めていくことになります。まずは法律の内容について、事務局から御説明願います。
○間臓器移植対策室長 続きまして、お手元の資料1-2を用いて、今委員長からお話がありました法律のポイントについて御説明を申し上げたいと思います。
 この法律は、造血幹細胞移植に力を尽くしてこられた日本造血細胞移植学会、あるいは患者相談などをされているボランティア団体の方々、あるいは骨髄バンク、さい帯血バンク、日本赤十字社など、皆様方の熱意ある要請を政治が受け止められて、当初は自民、公明、共産、新党改革の提案として法案が提出されまして、最終的には全党一致、全会一致の形で、今年の9月6日に国会で成立しています。
 お手元の資料はそのときの、議員立法のときの立法者の意思を示すような資料です。この資料の中で、1ページの下の方に太い字で書かれていますが、この法律は「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進を図り、もって造血幹細胞移植の円滑かつ適正な実施に資する」ことを目指したものでして、端的には、患者さんがより良い移植を受けられることを目指したともの承知をしています。
 法律の中身について、2ページと3ページで簡潔に御説明します。なお、法律の条文については、お手元のピンク色のファイルの中に、条文そのものを御用意しています。
 まず、この法律の仕立てについて、第1、第2とありますが、第1の所に基本理念が定められています。ここに移植だという、提供する方がいらっしゃって、移植を受けられる方がいらっしゃるという、この移植医療の特殊性もありまして、基本理念としてアンダーラインの所を御覧いただきますと、まず第1は、造血幹細胞の提供の促進が大事であると。それから2番目に、造血幹細胞の提供は任意でなければならない。それから第3に移植を受ける機会が公平でなければならない。第4に造血幹細胞の安全性が確保されていなければならない。第5にドナーの健康の保護が図られなければならない。そして6番目に、臍帯血の品質確保が図られること。こういったことが規定されています。
 その上で、第2の所に責務がありますが、ここに国や地方公共団体、骨髄バンク、さい帯血バンク、日本赤十字社、医療関係者などの責務が規定されて、相互に連携を図りながら協力することが求められています。国の具体的な責務については、この後、第3及び第4の所で具体的に書かれているということです。
 第3は基本方針です。「厚生労働大臣は、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進を図るための基本方針を策定・公表すること」とされています。本委員会の先生方には、この大方針をどうするのかということを、一番に御議論いただきたいと考えています。これについては後ほど、検討スケジュールのところでもう少し詳しく御説明を申し上げます。
 それから、具体的な責務の関係で、第4の国の施策です。七つ掲げられています。1番目は国民の皆さんの理解を深めるため、普及啓発に努めること。2番目が、ドナーや臍帯血のHLA情報などが一体的に提供できるようにすることです。この点については、現在既に、日本赤十字社がHLA情報を、移植を行う医師に対してインターネットを通じて、患者さんのHLAの型に合うドナーが何人ぐらいいらっしゃいますか、どの型がどれぐらいいらっしゃいますか、さい帯血バンクがどれぐらい持っておられますかということが分かるようになっています。
 3番目は、学会がこれまで取り組んでこられた、ドナーや患者さんのフォローアップ事業、レジストリを支援することです。この点については、来年度予算において新たに取り組めるよう、政府部内で調整をしているところです。
 4番目は、骨髄バンクあるいはさい帯血バンクに対して財政上の措置などを行うことです。この点については、国庫補助を確保することのほか、医療機関の御協力も頂きまして、診療報酬として支払われた費用のうち、相当な額を骨髄バンクやさい帯血バンクに支払う仕組みを、現在構築しているところです。
 5番目が研究開発の促進、6番目が国際協力の推進です。そして7番目が、骨髄や末梢血幹細胞の採取体制の整備です。この点についても、来年度予算において新たに取り組めるよう、調整をしているところです。
 今のところは、基本的に造血幹細胞移植を進めるということが、ずっと書かれているわけですが、第5、第6、第7については、国の許認可権限を規定したものです。非血縁間で移植をする場合にドナーのあっせんをしたり、臍帯血の供給を行ったりすることは、非常に公共性が高いので、骨髄バンク、さい帯血バンクを運営するには、厚生労働大臣の許可を必要として、逆に、無許可営業の場合には罰則が設けられています。なお、医療機関内で完結するような院内の自家の移植、あるいは血縁間の移植については、こうした規制はかからないものです。
 また、バンクを支援する機関を法律上位置付けていまして、これが第7ですが、これには日本赤十字社を想定しているということです。本委員会では、先ほどの基本方針に加えて、このバンクの許可条件に関わるような点についても御議論をいただきたいと思っています。法律については、ごく簡単ですが以上です。
○小澤委員長 ありがとうございました。続きまして、この法律の施行に向けた予算の概要について、事務局より御説明をお願いします。
○間臓器移植対策室長 続いての御説明で恐縮です。お手元の資料1-3について、これも簡潔に御説明を申し上げたいと思います。つい先頃政権交代が起きまして、また、予算編成の作業を改めて行っているところですが、先ほど申し上げましたように、この法律は全会一致の法律です。基本的に、この法律を進めていくために必要な概算要求を行っていまして、それについて現時点でのものということですが、御説明をしたいと思います。
 資料の1ページの下は、先ほど見ていただいた資料と全く同じです。これらのうち、(1)については日本赤十字社、支援機関を法律に位置付けるということが、非常に大きな意味を持っていると考えています。
 (2)(3)(4)(5)に関連して、新たな新規要求を概算要求段階で行っているということです。
 2ページの上の方にあるものが新規要求ですが、簡単に申し上げますと、第1に、造血幹細胞移植患者・ドナー情報登録支援事業と書いてあります。これは先ほど御紹介しました、学会がこれまで取り組まれてきた患者登録などの事業に対して支援を行い、患者の疾病の種類やステージに応じた最適な移植法を、医学的なエビデンスに基づいて追究する基盤を整備しようというものです。要するに、データベースを整備して、それを医療現場にフィードバックしていくということを考えています。これは学会を母体に、新たに設立が見込まれる第三者機関に対して補助をしたいと考えています。
 第2に造血幹細胞移植の拠点病院です。これは、想定している主な機能は三つありまして、一つは3種類の移植術を適切に行うこと。その人に相応しいものを選んで行えるような体制が整っていること。いろいろ特色のある病院があってもいいわけですが、この拠点病院については、そういうことを一つ条件としてはどうだろうと。それから、造血幹細胞移植に関わる人材養成、研修などの機能を持っていること。それから、骨髄や末梢血幹細胞の採取。要するに非常に移植を急ぐ患者さんのために、早期の採取に取り組んでいただくことというのを、大きな要素としたいと考えています。この三つの機能を合わせ持つ病院を拠点病院として、関係医療機関と協力して、治療成績の向上を目指していただきたいと思っています。全国8ブロックに整備をしたいと思っています。
 それから第3番目が、末梢血幹細胞の採取体制の整備です。末梢血幹細胞を普及させるためには、末梢血幹細胞の採取施設を増やす必要があります。この採取施設の認定を受けようとしますと、もちろん人員体制、その他いろいろあるのですが、一つ、末梢血幹細胞が十分採取できたのかどうかというのを測定する、フローサイトメーターという細胞数を測定する装置がないことが、その認定を受ける上でハードルになっているケースがあると聞き及んでいます。
 今申し上げたように人員体制など、ほかの要件は満たすのだけれども、この測定の体制を満たさないために、採取施設の認定を受けられない医療機関に対しまして、フローサイトメーターの購入補助を行うものです。この予算については、実は今申し上げているのは来年度の予算の話をしていますが、今年度の予備費で末梢血幹細胞の採取体制の緊急整備を行う目的で、10か所ほど、既に予算を確保し、採取施設を今年度中にも増加させたいと考えています。
 それから第4番目が、臍帯血の品質向上のための共同事業に対する支援です。臍帯血の品質向上のためには、臍帯血を採取してくださる病院、産科の病院における技術の向上、あるいはさい帯血バンクにおける調製保存の技術の向上などが必要になりますけれども、今後、さい帯血バンクが共同して、力を合わせて、品質を向上させるための研修ですとか、採取病院に対する研修を支援したいと考えています。
 以上が全く新たな事業ですが、このほかに、2ページの下の方には、これまで同様、日本赤十字社、骨髄バンク、さい帯血バンクに対する必要な補助金を確保したところです。また、2ページの一番下にありますように、造血幹細胞移植に関することが厚生労働省の任務として、法律上明記されました。これを受けまして、臓器移植対策室の名称も変更し、仮称ですが、「移植医療対策推進室」と変更することを現在検討しています。
 最後に3ページ、これは御参考ですが、今回の法律上、国に求められた責務に対して、予算などでどのように対応しているかという観点から整理した表です。この中で、右側の方に赤い点線で囲われた所が、新規事業に該当するところで、これまで必ずしも積極的な対応がなされていなかった点を、法律の規定を根拠に予算要求していることがお分かりいただけるかと思います。
 先ほど申し上げましたように、予算案については、一昨日新たな政権が発足して、その方針に基づいて整理することになりますが、何度も申し上げていますように、全会一致の法律ということですので、厳しい予算の状況ではありますが、必要な予算をしっかり確保したいと考えています。説明は以上です。
○小澤委員長 ありがとうございました。それでは、約10分間ほど御質問を受けたいと思います。最初に、順番どおりに御質問を頂きたいと思います。
 まず、「造血幹細胞移植の現状について」の御質問等はいかがでしょうか。臍帯血移植がどんどん増えてきているような感じではありますけれども、一方で、同種末梢血幹細胞移植は、意外と、余り実施されていないようです。これはドナーがそちらを希望されないのか、あるいは体制のお話もありましたが、まだ採取できる実施機関が少ないのか、その辺はどうなのでしょうか。
○間臓器移植対策室長 もし先生方で御意見を頂ければと思いますが、私どもの承知している範囲でということで申し上げます。始めた当初は、骨髄移植の経験のある方だけを対象として、末梢血幹細胞移植のドナーのコーディネートをやっておりました。今現在それは外しておりますけれども、そういったように非常に慎重に始めた点が一つあろうかと思います。
 それから、臨床の先生方のお考えとしてもあるのかと思いますけれども、骨髄移植と末梢血幹細胞移植があったときに、第一選択はやはり骨髄移植を選択するというケースも多いのかと思いまして、この辺り、血縁間などで当然実績があるわけですが、どの方にどの移植法が一番いいのかということが医学的にも一層明らかになってくれば、増えてくる可能性はあるのではないかと考えております。
 もう一つは、末梢血幹細胞移植を採取する場合に、意外と拘束期間と言いましょうか、入院していただく期間も、今は通院ではなくて入院のみになっておりますので、拘束期間が長いこともありまして、負担が骨髄に比べて軽いということでは必ずしもないという辺りも、総合的な影響としてこうなっているのかなと。ただ、ドナーを骨髄移植経験者に制限するというものを緩和してから、徐々ではありますが件数がだんだんと出てきておりますので、今後は体制を整えれば伸びてくるのではないかというように期待をしております。
○小澤委員長 欧米と比べると随分な違いですので。
○山口委員 今のことに関連して、確か、やはりヨーロッパはわりと末梢血が非常に多いというように聞いております。多分、今御説明があったように、G−CSFを5日間連投するという、それで拘束しないといけないのだろうと思うのですが、ただ、ヨーロッパはこのように進んでいるというのは、それだけ向こうのシステムを学ぶべきところが多いのかなという気がしましたけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○間臓器移植対策室長 この辺り、むしろ学会の方がお詳しいのかもしれませんけれども、例えばドナーの負担を考えた場合に、例えば通院でできるのか、入院しなければいけないのかが、一つ大きな要素なのかもしれません。ただ、現在日本では、ドナーの方が通院している間に家に戻られて、例えば風邪を召されるとか、体調を崩しますと、それは患者さんにとっても不利益になりますので、日本では非常に慎重にやっているということだろうと思います。その辺りも含めて、今後検討しなければいけないのだろうと思っております。
○小澤委員長 造血細胞移植学会理事長の岡本委員、何かコメントありますか。
○岡本委員 今のとおりでよろしいと思います。日本では入院になりますけれども、欧米では、特にアメリカは外来で、その資格を持った者がちゃんと安全性を確保していくという形になっています。
 施設においても、日本の場合には採取施設、それから移植施設がオーバーラップしますけれども、欧米の場合には、例えば赤十字のアフェレシスセンターとか、あるいは、病院の中でも、末梢血を採取するチームと骨髄採取のチームが違いますので、そうした点でオーバーラップを避けて、かなり効率良くいけるというところがあると思います。
○小澤委員長 いろいろシステム的なことも検討していかないといけないと思いますが、そのほか、現状について何か確認はありますか。
○宮村委員 今現在、骨髄バンクにおきましては、骨髄に比べて末梢血が非常に少ないという現状で、これについて先般集まりまして解析しました。その結果、現在のところ、ドナーの安全のために、ドナーと比較した採取病院に行けるようなドナーさんに限っております。これを骨髄バンクと同じようにした場合、そういうことで80%減っていることになります。
 また、HLAの関係で、HLAを完全に一致させるということで、2割ぐらいの人がそこで減っています。患者、ドナーの両方の安全のために、今非常に厳しい状況でやっておりますが、これをドナーの安全を考慮した上で、少しずつ骨髄と同じような条件にしていけば、かなり増えていくことが予想されています。
○小澤委員長 そのほか、何か確認をしておきたいことは、よろしいですか、現状については。
 それでは、次の1-2の資料ですが、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」についていかがでしょうか。日本造血細胞移植学会の先生方は、この辺のことはよく御存じかと思いますけれども、いろいろな領域の方が委員になられておりますので、少しこういう議員立法ができてきた経緯も、簡単に御説明していただければと思いますが、いかがでしょうか。
○間臓器移植対策室長 この分野におきまして、行政というよりは、医療現場であるとか、あるいは患者さん、その御家族の思いとか、ボランティア団体の方、骨髄バンク・さい帯血バンクの方々の御努力によってここまできたと思っています。以前からこの分野について、根拠となる法律がほしいというような御意見がありました。それはいろいろな理由があって、なかなか実現してこなかったのかと思いますが、国会にも骨髄バンク議連という超党派の、移植を応援していこうというような国会議員の先生方の集まりもありまして、こういった先生方、色分けするのはちょっと適切ではないかもしれませんけれども、比較的、自民党は骨髄移植を一生懸命応援してこられましたし、公明党は臍帯血移植を応援してこられたというのもありまして、この辺りの先生方が話合いをされて、これを機にやろうではないかと。私の認識では学会、バンク、日赤、ボランティアの方々、患者相談をしてくださっているような方々のお気持ちは、基本的には揃ったということを受け止めて、政治の方でこれをつくるという動きが本格化したと。本格化したのは今年の1月からですので、非常に短期間の間に各党の調整が進み、一旦、4月には自民党・公明党の各党の了承が得られ、6月の18日だったでしょうか、自民、公明、共産党、新党改革4党の共同で法案が提出されました。当然、みんなの党、民主党、社民党など各党にもお声はかけていただいておりまして、最終的にはみんな、やろうではないかということになって、9月6日に、国会が大変難しい状況にある中で、全会一致で成立をしたというものです。そのあと開かれた超党派の議連においても、やはりこれは頑張ろうと、頑張って施行していこうと、このようなお話があったところです。
○小澤委員長 法律というと、罰則規定があるのかとか、少しだけ話を聞くと不安感を覚える方も非常に多かったように思いますけれども、先ほどの御説明で、これは基本的には、適正な移植を円滑に進めるためのものであるというようなお話でしたので、非常にポジティブに受け止めていいようなものだと思いますけれども、何かほかに確認はありますか。
○張替委員 今後の議論で進められる項目だと思いますけれども、あっせん事業の中の末梢血幹細胞・骨髄、又は安全性の確保を講じるということと、提供する者の健康の保護を講じるという項目がありますが、上の方は、採ってきた細胞を安定して安全にあっせんするという意味で、2番目は、ドナーの方の安全を確保することなのだろうと思うのですが、この場合、採取施設とあっせん施設というかあっせん機関という二つあって、多分、今後の議題だと思いますけれど、健康の保護というところをどちらをどこまで責任を持つかとか、そういうところまで踏み込んだディスカッションをすることになるのでしょうか。
○間臓器移植対策室長 この基本方針は、まさにより良い移植のために何が必要かということなので、幅広く御議論をいただくことだと思っています。この法律の規定そのものに関して申し上げますと、若干狭い範囲で、つまり、あっせん機関の仕事について書かれているということだと思っています。
 今の張替委員がおっしゃいました第5の(3)と(4)は、基本的には立法した人たちとの話の中では、(3)のところで一番想定されていますのは、ドナーさんについて健康診断とか事前に当然やりますが、そういった形で、つまり造血幹細胞が健康な方から提供されるものなのかどうかということを、それだけに尽きないと思いますけれども、それが念頭にあるというように伺っています。
 他方で(4)の話というのは、いろいろな保護があるわけですけれども、最終的にいうと、保護の一環として、例えば、何か後遺症があったといった場合の傷害保険を今現在かけておりますけれども、そういったものも含めて、ちゃんと保護しなければいけないという意図を含んだものだというように承知しております。
○山口委員 同じ3ページの5の許可制にする対象としては、日赤を想定されているという御説明だったかと思うのですが、これも今後の議論になるかと思います。
 もう一つ、さい帯血バンクについて、今まで日赤を想定されるのは、日赤の血液事業の経験を活かすというところかなと想像しているのですが、さい帯血バンクの整備も先ほどちょっとお話があったのですが、そういうところへの日赤のコミットメントは、どのように今後議論していくべきなのか、もし分かればと思います。
○間臓器移植対策室長 まず、今おっしゃいました第5は、現在、骨髄移植推進財団が行っておられますので、今はまだ、これから申請を出して許可ということなので、決まった話ではありませんけれども、そこがまず第一に想定されるのかと考えています。
 さい帯血バンクに関しては、先ほど説明を端折りました、1-1の一番最後の10ページですが、現在あります、いわゆる公的バンクと呼ばれる八つのバンクが掲げられています。この中で、もちろん日本赤十字社系列のものが四つ、日本赤十字社系列でないものそれぞれ、例えば東京臍帯血バンク、あるいは東海大学さい帯血バンク、中部さい帯血バンク、特定非営利活動法人兵庫さい帯血バンクというのもございまして、こうしたバンクのこれまでの実績は十分踏まえていかないといけないのだろうと思っています。ただ、今まで日本赤十字社の中でさい帯血バンクの事業は、いわゆるボランティア的な事業として位置づけられてきましたけれども、本年4月から、その位置づけが改まり、関連事業として正式に位置づけがなされましたので、そうした形でこのバンク名も、例えば一番上のような「旧北海道さい帯血バンク」も、「日本赤十字社北海道さい帯血バンク」というようになっています。今後、さい帯血バンク及び日本さい帯血バンクネットワーク全体として、協力をしながら品質を高めていく努力をしていただきたいと考えております。そのために、日本さい帯血バンクネットワークの事務局も務める日本赤十字社の役割は非常に大きいのだろうと思っています。
○小澤委員長 そのほかはありますか。
○坂巻委員長代理 張替委員の質問とちょっとかぶるのですが、提供者の健康と保護に関して、現在も骨髄バンクではドナーの安全については随分苦心してきたところですが、これを更にもう一回見直すなり、モニターするようなことを考えていらっしゃるのですか。もう一回評価するということなのでしょうか。それとも、現在あるのを追認していくというようなことになるのでしょうか。
○間臓器移植対策室長 現実のある中での法律ではありますが、しかし同時に新しい制度でもありますので、そこは何が必要なのかというのを御議論いただいたらよろしいかと思います。
 ただ一方で、これをやっていきますと、最低基準と言いましょうか、許可の最低基準ですので、これを満たさない所には許可しないし、それができなければ許可を取り消すというものになりますので、その最低の基準の話と望ましい話とは、少し分けた議論が必要なのかもしれないと思っているところです。
○小澤委員長 そのほか、1-3の「概算要求の概要について」も含めて、この移植法について確認をしてください。
○浅野委員 法律の内容、中身について、ちょっと教えていただきたいのですが。第2条の定義の中で、「この法律において、『移植に用いる造血幹細胞』とは」ということで、三つ挙げられています。「移植に用いる骨髄、移植に用いる末梢血幹細胞及び移植に用いる臍帯血」ということですが、そのうちで、「移植に用いる骨髄」、これが移植に用いる造血幹細胞のことですと定義されています。私はよく分からないのですが、骨髄というのが造血幹細胞なのでしょうか。これは意見にもつながるのですが、骨髄ではなくて、骨髄液ではないかと。私も骨髄移植なるものを受けましたけれども、骨髄の移植を受けたという認識ではなくて、骨髄液の移植を受けたということですが。それはそれとして、ここで定義で、造血幹細胞は「移植に用いる骨髄」というのは、医学的に言ってというか、慣例的な使い方としておかしくないのでしょうか。
 さらに意見から言えば、「骨髄移植」という名称そのものが極めてミスリーディングというか、イメージとして心臓移植、肝臓移植と同じように、私も移植を実際に受けることになるまでは、骨髄というのはドナーさんから持ってこられて、お腹を開けて骨髄を埋め込むというイメージを持っていたので、恐ろしいことだなあと思っていたのですが、正しくは骨髄液の移植で、しかも造血幹細胞は骨髄ではなくて、本当は骨髄液の中の幹細胞ですよね。そこのところはどうなのでしょうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○小澤委員長 厳密なことを言いますと、浅野委員の言われるとおりかもしれませんけれども、かなり慣用的な言い方になってきているものもありますし、実際にやっているのは、本当は移植ではなくて輸注。でも、移植というのは普通の言葉で定着しています。岡本委員、いかがでしょうか。
○岡本委員 ごもっともな御意見だと思います。小澤委員長がお話になったように、これはかなり慣例的な使い方になっておりまして、骨髄液、骨髄血、末梢血を含む骨髄血といった、そこまで踏み込むことをしなくても、今、ここまで骨髄移植というものが一般の治療として広く普及していく中で、確かにそういったミスリーディングはあるかもしれませんが、当初に比べたら、この「骨髄」という言葉で現状を表していくことができると考えております。
○浅野委員 まあ、これは意見になりますけれども、患者というのはもちろん初めて患者になるわけです。言葉として使われているなんて知らないわけですから、初めて患者になる人にとっては恐怖なのです。多分、ドナーさんも登録のときに、骨髄移植のドナーになるよというときに、自分は骨髄液を採取されて、それのドナーになるという認識でいるのか、ひょっとして、登録者になろうと思っている人も、骨髄移植という名前に誤解されて二の足を踏むというか、なかなか先に進まない。これは意見ですけれども、法律の段階からそうしてほしかったのですが、「骨髄移植」という言い方は是非変えてもらいたいと思っています。これが一般的に広がっているのだからということが、私は逆に問題で、それは心臓移植、肝臓移植とのアナロジーで、当然イメージとしては骨髄そのものを移植すると思われるのです。法律ができたから仕方ないのですが、であればなおのこと、今後のいろいろな形での公報のときには、そこをかなり強く言っておかないと、自分の経験からいっても、ものすごい誤解を生む、これはむしろ恐ろしいというような誤解になるのは極めて問題だと思っています。登録が進まないことの一つの原因になっているのではないかと思いますので、これは質問より意見になってしまいましたけれども、かなり根本的な問題ではないかと思っております。
○小澤委員長 ありがとうございました。医学的にはいろいろな言葉が使われていて、造血幹細胞移植という言い方が一番適切かもしれませんけれども、現実にはいろいろな言葉が使われていますので、特に患者さんを含めた一般の方が読まれる文章では、そういった用語についてもですね、適切な説明を加えるような形で、また考えていきたいと思います。そういう用語について御議論がありましたら、今後またよろしくお願いいたします。
 そのほか何かありますでしょうか。一旦ここでよろしいでしょうか。
 そうしましたら議題(1)について、取りあえず質疑応答はこれまでとしまして、次に議事の「(2)法律施行に向けた検討スケジュール等について」にまいりたいと思います。本委員会は、当面、法律施行に向けた検討を進めていくことになりますが、委員会としての使命と大まかな検討スケジュールを明らかにしておくことが必要と考えます。事務局から御説明をお願いいたします。
○西脇室長補佐 まず、本委員会で御検討いただきたい事項の概略について御説明します。資料2-1を御覧ください。
 法律の施行に向けて、本委員会で特に御議論をいただきたい項目は、資料2-1の上段の図で、黄色の部分「基本方針」「全体に関する事項」「臍帯血の品質基準について」「臍帯血の研究利用のための基準」「その他公的バンクの許可要件」等です。最も重要なものは「基本方針」となります。これは法律では厚生労働大臣が定めるとされており、基本的な方向、造血幹細胞提供の目標・促進、安全性の確保、その他必要事項と大きな四つの項目があります。
 例に示すように、それぞれ現状分析、登録者数の目標、品質確保について、研究についてなどが挙げられます。基本方針は大きな方向性を示すものとなりますので、具体的な事項については、省令やガイドライン、通知で定めていくこととなります。
 省令に定めるべき事項の一覧は、資料の下段に示してあります。そのうち、特に御議論いただきたいのは、「全体に関する事項」「臍帯血の品質基準について」「臍帯血の研究利用のための基準」などがあります。省令に定めるべき事項とはされていませんが、骨髄バンク、さい帯血バンクという公的バンクの許可要件などについても御議論をいただき、ガイドライン、通知に定めていくこととなります。
 続いて、審議スケジュール(案)について御説明します。資料2-2を御覧ください。
 本日は第34回の開催となりますが、括弧の中に示しますように、法施行に向けた議論の第1回となります。本日はスケジュール等と、この後御説明いたします医学的・専門的事項に関する専門家への検討依頼についてが主な内容です。
 法施行に向けた議論の第2回、第3回は、基本方針に関する本格的な議論に入る前の段階として、関係団体からのヒアリングを行ってはどうかと考えております。候補団体を50音順で挙げました。一般社団法人日本造血細胞移植学会、NPO法人さい帯血国際患者支援の会、公益財団法人骨髄移植推進財団、特定非営利活動法人血液情報広場つばさ、特定非営利活動法人全国骨髄バンク推進連絡協議会、日本さい帯血バンクネットワーク、日本赤十字社などが挙げられます。これらの団体の方々から御意見を伺って、今後の議論に反映させていただければと思います。委員の先生方の御都合をお伺いいたしまして、できるだけ多くの委員に御参加いただける日として、第2回は平成25年1月28日、第3回は2月4日開催予定です。
 第4回は2月22日に予定しておりますが、各方面からの御意見を受けて、基本方針の議論を開始していただきたいと思います。基本方針で御議論いただきたい内容は、資料2-1で御説明したものですが、広く造血幹細胞移植全般に関するものになり、内容も多くなりますので、2月から5月にかけて、原則月に一度、場合によってはそれ以上の頻度で御意見をいただきたいと思います。
 平成25年6月以降の議論は、省令事項のうち、重要な事項となる臍帯血品質基準、研究目的で臍帯血を利用する際の利用・提供の基準、骨髄バンク・さい帯血バンクという公的バンクの許可及び休廃止、帳簿の備え付け、保存などについて、その他の省令事項について御議論をいただき、ガイドラインの案などについても御検討をお願いできればと思います。
 早期施行のため、おおむね9月には基本方針等の取りまとめを行っていただければと考えております。以上です。
○小澤委員長 ありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問等いかがでしょうか。この造血幹細胞移植委員会は、余り大きなテーマがないときには年に1、2回くらいでしたが、今回は移植法がスムーズに離陸できるようにということで、非常に過密なスケジュールで予定されています。内容についてはいかがでしょうか。何か御質問等、確認しておきたいところ等いかがでしょうか。
○浅野委員 これは結局、具体的に、この法律に基づいて政令を作るのですね。ここでの議論というのは、政令の内容に活かされることをかなり主眼として考えるということですか。
○間臓器移植対策室長 はい、そうです。
○浅野委員 そうすると、このデッドラインがあって、そこから逆算して日程を決めていくのだろうと思います。そのデッドラインというのは、今、具体的に何年何月ということは分かっているのですか。
○間臓器移植対策室長 まず、法律の施行期日ですが、造血幹細胞移植の法律に関しては、規定上は、「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲において政令で定める日」とされております。具体的には、平成26年3月11日がデッドラインになります。ただ一方で、関係者からも早期施行の声が寄せられておりますので、そう考えますと、1日も早く、できるだけ、可能ならば来年のうちに施行ができないかと考えて、それをやっていきたいと思っております。そう考えますと、政令は施行日政令しかないのですが、大臣告示としての基本方針、省令、通知があります。これについては規制的な要素がありますので、国民の皆さんに意見を聞くパブリックコメントの手続等も必要です。そう考えますと、先ほど申し上げましたように、細かいところはまだあってもいいのかもしれませんが、おおむね9月ぐらいまでに、大体のところの議論をまとめていただけると有り難いと考えております。
○浅野委員 デッドラインということもありますが、我々がここで依頼されているのは、基本方針について意見を述べるということですね。そうすると、ここでまとまった意見を出すことが、基本方針ができる条件ですか。
○間臓器移植対策室長 法律上の話をすれば、昔と違って現在の審議会は、そういう要件とはなっておりません。しかし、今回私どもは基本方針の最終段階では、具体的なものも出し、先生方の委員会での御意見を反映したものとして、基本方針を作成し、それもお示しして、最終的にはもちろん大臣の判断になりますが、それを大臣告示にするような形に持っていきたいと思っています。
○浅野委員 この委員会は、基本方針を作るに当たって、参考にしたいので意見を聞かせてくださいという位置付けですね。
○間臓器移植対策室長 そうです。
○浅野委員 よくあるように、基本方針の内容について諮問・答申みたいな形で、基本方針案なるものを、多分事務局が案を作って、それをお示しいただいて、よしという形ではないのですね。あくまでも基本方針に反映してもらいたいということで意見を申し述べると。したがって、ここでまとまった意見が基本方針に必ず反映されるという保証はないのですね。意見を尊重するということでしょう。諮問・答申なら当然内容の要件になっていますよね。そうではなくて、意見を申し述べるということで、まとまった意見をとにかく言いっぱなしですね。それを受け止めて、大臣がこれでいこうということですね。ちょっと疑り深くて申し訳ないのですが。だけどそれはあり得るのです。我々としては、こういうふうにやってくれ、こういう基本方針でなければならないと言ったが、ほかの場面でも、厚生労働省にはいっぱいありますので、厚生労働省OBとしては、そういう罪も感じながら疑り深く言っているのですが。それが良い悪いは別として、意見をとにかく申し述べて終わりですね。
○間臓器移植対策室長 そうです。最終的に決めるのは、大臣が決めますので、そのために御意見を伺う。ただ、先ほども申し上げましたように、おっしゃっていただいて、それでおしまいにするつもりはありません。私どもの腹づもりとしては、基本方針の案をこちらでお示ししますし、それを具体的に御議論いただいて、こうだというところまで、かなり具体的に御議論をいただくことになるだろうと思っています。抽象的な話とか、こういうことを言ったと議事録に残ったというだけの話ではないということです。
○浅野委員 少し先取りして言いますが、基本方針の中身という中に、相当の予算を使うことも含まれる可能性があると思うのです。私も患者代表として、是非、ここで大きく前進をしてほしいと思いますが、それはお金がかかるのです。単なる意欲だけの問題であれば違いますが、基本方針ということで、こういうところにちゃんとお金を使いましょうと。具体的な金額何億円まで言わないにしても、それを大幅に使ってほしいということが含まれる内容のものは、今度は受け取る事務局の方では、「いや、そんなことを言っても予算は取れない」とか、そういうことになったり、随分先回りした意見で申し訳ないのですが、そういうことですね。そうすると、余りにも違ったら、多分、委員長があとで談話をして、我々はこう言ったのに、基本方針に活かされてないと、大変慚愧だと。ものすごく先回りした意見です。終わります。
○小澤委員長 ありがとうございました。法律ですので、いろいろ微妙な問題も出てくるかもしれませんが、私もこの委員会の委員を務めておりました頃は、この中で議論したことが、そのまま実現されていったのですね。ですから、非常にこの委員会は重要ですので、そういう意味でも、本当にそれがそのまま動いていく可能性のあるものですから、しっかり議論していただきたいと考えております。浅野委員は随分心配されていますが、確実に反映されていくものと理解しておりますので、よろしくお願いします。
 そのほか何か御意見、確認したいこと等いかがでしょうか。
○辰井委員 スケジュールとは関係なく内容に関してですが、臍帯血の研究利用に関して条文があって、一次的な主体としては、この臍帯血供給事業者自身による研究利用というのが、主に想定されているのですか。それは実態として、今現在もさい帯血バンク事業者が、自ら何か研究をやっているということがあるのかどうかというのを教えていただきたいのですが。
○間臓器移植対策室長 この点につきましては、この委員会の前回のときに、そのような議論をさせていただいております。現状におきましても、これは法律も通知も含めて、特に明文のルールはありませんが、各さい帯血バンクの中で、例えば倫理委員会を開いて、その研究用に提供するかどうか御判断いただいたりすることは行われております。その中にはバリデーション用にバンク内で利用される場合もありますし、臨床的な研究に利用される場合もあります。例えば、文部科学省の理化学研究所のバイオリサーチセンターの再生医療目的で提供されるようなことも、実際には行われております。
 前回の7月のときもそうでしたが、先ごろノーベル賞を受賞された山中教授を中心として、京都大学のiPS細胞研究所を中心にいろいろな所で行われているiPS細胞研究などにつきましては、現在の枠組み、あるいはインフォームドコンセントでは必ずしも十分に読めないのではないか、いや、これは読めるものもあるのだと、こういう議論がいろいろあります。この辺りも含めて、まずは移植目的に提供していただいており、移植に活かすのが第一だと。しかし、移植ができるような品質ですが、細胞数が少ないなどの理由によって、実際には移植に用いないもの、デッドストックになっているものもある。そういうものを積極的に、今後の治療研究に活かしていくということをやる場合に、どのようなルールが必要かということを具体的に御議論いただきたいと思っています。その中には、例えば、同意書の様式をどうするのか、どういう同意を取るのかといったようなことも入ってくるのだろうと思っています。いずれにしても、先生の直接のお答えとしては、現状でもそのような利用はなされているということです。
○小澤委員長 そのほかいかがでしょうか。「関係団体からのヒアリング」という所に、七つほど候補団体が挙げられていますが、委員の先生方で、これこれこういう所も加えてほしいとか、何か追加の団体はありますか。大体カバーされているのでしょうか。何か御意見はありますか。よろしいですか。あとでお気付きになりましたら事務局にお伝えいただければと思います。そのほか、スケジュール等よろしいですか。議論の進行具合によっては少し早まったり、あるいは後ろにずれたりすることもあるかもしれません。それでは議題(2)に関しては、この辺りとさせていただきます。
 次に議題(3)になります。議題(3)は「医学的・専門的事項に関する専門家への検討依頼について」です。本委員会では、相当広範囲の議論を行うことになります。検討事項のうち、特に専門性が高かったり、技術的な事項については、ある程度事前の議論をしておいた方が、本委員会での議論をスムーズに進行させることができるかと思います。
 2点について、専門家への検討依頼をしてはどうかという、事務局からの提案があるようですので、まず、「非血縁者間移植において公的バンクを介すべき疾病」について御説明をお願いします。
○西脇室長補佐 資料3-1を御覧ください。今回の法律では、非血縁者間移植において公的バンクを介すべき疾病を厚生労働省令で定めるとされています。これは、特に公的バンクを許可制としたこととの関係で、この法律が適用される範囲を明確にするために法律が要請しているものです。
 これらの疾病は、日常臨床において造血幹細胞移植が施行されているもののうち、その適応が広く合意されているものです。ここに掲げる疾病として、非血縁者間移植、つまり、血縁でない第三者からの移植を受ける場合には、必ずこの法律の規定に基づいて許可された公的バンクを介して行わなければならないことを意味します。御留意いただきたいのは、ここに掲げる疾病以外の疾病に対して、公的なバンクからの移植を禁止するものではないということです。
造血幹細胞移植の適応が広く合意されているかどうかは、純粋に医学的な判断となりますので、この分野での専門家の集まりである日本造血細胞移植学会に対して、本委員会の委員長名で検討依頼をし、半年後の平成25年5月末までに御回答をいただき、報告していただいてはどうかと考えております。以上です。
○小澤委員長 ありがとうございました。こういう疾病を具体的に挙げるのは誤解もあったりして、なかなか難しいところもあるかと思います。何か御意見、御質問等いかがでしょうか。確認すべきことはありませんか。よろしいですか。
○張替委員 まだちょっと理解できていないのですが、この疾病というのは、多分、医学の進歩でいろいろ変わってくると思うのです。この段階で、決めたもの以外はノーということではないとおっしゃったのですが、これを定める理由というのが、まだよく分かっていないのですが。具体的な疾病を挙げることで、法律が適用になることをかなりしっかり定める理由は何なのでしょうか。
○間臓器移植対策室長 先生がおっしゃるように、今現在でも適応の疾患はいろいろリストがあって、更に「その他」という範囲で、それは個別に御判断されております。
 今イメージしているのは、その他を除く疾患を掲げるというイメージで、その他についても、これで移植ができなくなることは全くありません。なぜこれを定めるかと言いますと、法律の作りに関係するのですが、非血縁者間の移植については公益性が高いので、公的バンクを介してやるというルールが今回できています。その公的バンクは、国が許可する許可制になっています。逆に言えば、許可を受けていない人がそういうことをしてはならないと。そういう非許可営業、無許可営業の場合には罰則が設けられることになります。そうした場合に罰を与える可能性がある以上、どの範囲なのかということを、法律上明確にしておく必要があります。そのために、こういう病気の治療のために造血幹細胞移植をやりますと。しかし、それを非血縁間でやる場合に、全然許可を得ていない人がやった場合には、これはアウトですよ、セーフですよと、その境目をこの疾患で定めていく形になっているのです。そのために、ここで定めるべき疾患というのは広く、これは通常、造血幹細胞移植の選択があるというものを定めるのだろうと思います。逆に言うと、医学が進歩していって、いろいろな適応が広がっていった場合には、それに追加をしていけばいいということです。それは医学の進歩によって、今後変更は十分あり得ると考えております。
 それとは別に、ベン図でいくと外側に範囲がありまして、そこが適応疾患、通常、先生方がお考えになるような、適応してもいいのではないかという範囲だと考えています。ですから、医学的には、治療現場には御迷惑をおかけしないものだろうと思います。
○山口委員 今の御説明だと、業としてやるという、そういう理解でよろしいのでしょうか。例えば、ヒト幹などで臍帯血、あるいは造血幹細胞などが研究として利用される可能性があると思うのですが、研究の場合には、こういう意味での対象の範囲外という理解でよろしいでしょうか。
○間臓器移植対策室長 恐らくこの法律からいくと、臨床研究かどうかというのは直接関係はなくて、非血縁間であるこれらの疾病の治療のために造血幹細胞移植を行う場合には、公的バンクを介せということです。したがいまして、先ほどの御説明で申し上げたように、例えば自家であるとか血縁間であるとか、逆に言えば非臨床の研究といったものがこの規制にかかるわけではないということです。
○山口委員 例えば、造血幹細胞をin vitroで増幅させて、治療の開発研究みたいな形でやられる場合も、公的バンクを介さないといけないという理解でしょうか。
○間臓器移植対策室長 非血縁間で使う場合についてはそうですが、それにつきましてはもっと別の問題が、再生医療の関係で、やや薬事法との関係も今度出てくると思いますので、今、その辺も検討されていますので、そちらとも整理をしなければいけないと思っています。
○小澤委員長 よろしいでしょうか。なかなかこの解釈といいましょうか、いろいろ難しいところもありますので、できるだけ誤解が生まれないような形で整備していただきたいと考えております。
 それでは、日本造血細胞移植学会に検討をお願いする形にしたいと思います。日本造血細胞移植学会の理事長の岡本先生はいかがお考えでしょうか。
○岡本委員 今の議論で確認をしますが、これは非血縁者間の造血幹細胞を使って移植をするという、適応が広く合意をされている、そして、実際の造血幹細胞をしっかりとしたものを確保して治療を行っていくことの対象を規制することであって、今後のエビデンスの作成や、そういった臨床研究を規制するものではないといった判断でよろしいと理解をしました。
 日本造血細胞移植学会では、既に移植の適応を含めたガイドラインを作成しております。そのガイドラインの作成の中には、多少視点は違いますが、非血縁者間の造血幹細胞移植のための造血幹細胞ソースとして使用することが妥当であるかどうかという視点の議論も十分なされておりますので、そういったものを含めて、現状にアップデートした形でまとめることが私たちのタスクと思いますので、お引受けしたいと思います。
○浅野委員 これは許可を得ない業者があっせんをしたらアウトということで、そのために疾病も特定しておくということですね。
○岡本委員 そうです。
○浅野委員 そういうことが発動されるというのは、許可を受けていない、例えばさい帯血バンクの場合は骨髄バンクと違って、採取をした段階では誰に提供するかというのはまだ決まっていないわけですよね。文字どおり、さい帯血バンクの場合には物体としてバンクしているわけですよね。
 そうすると、これが適応されるというのは、さい帯血バンク事業をやっている業者がバンクへのドナーを集めてきますよね。それは当然どこかで使うために採っているわけですよね。それを使うと、それは当然アウトになるのですね。許可を受けていない所は、それをあっせんの前に求めると、ここに寄附してくださいというのですか、提供してくださいということで、実際にそういう事業をすることを念頭に置いているのですか。私から言えば、そのこと自体を罰することはできないのですか。それは無理だと言うのですか。許可を受けていない所が臍帯血の提供を受けるということ自体はセーフなのですね。
○間臓器移植対策室長 ここで一つ、抽象的な世界ではなくて、具体的にあり得る話というのは、臍帯血のプライベートバンクがあります。これは本来、お子さんを産んだ場合に、お母さんが自分若しくは自分の子供、あるいは自分の兄弟、つまり血縁間で血液疾患の患者さんがいた場合に臍帯血を使えるかもしれないという、公的バンク成立以前からあるサービスがあります。それは要するに相対契約です。5年間で25万円の保存料を払うなどというものがあります。個人間で単に保存契約を結んでいる分については、一般の委託契約ですから、直ちに違法とは言えないのだと思います。今ここで法律にかかり得るのは、プライベートバンクが預けた方の了承を得てか何か分かりませんが、何らかの形で、これは非血縁間で使いますといった場合には、その品質基準も必ずしも明らかではありませんし、非血縁間で提供した場合に、それはアウトであるということを言っているわけです。
○小澤委員長 よろしいでしょうか。それでは岡本委員に御快諾いただきました。どうもありがとうございました。特に御異議はないようですので、適応疾病につきましては、日本造血細胞移植学会に検討をお願いして、後日、御提案を報告していただいた上で、再度議論することにしたいと思います。
 続きまして、「移植用臍帯血基準検討会(仮称)の設置」について事務局より御提案がありますのでよろしくお願いします。
○西脇室長補佐 資料3-2を御覧ください。先ほど御説明しましたように、臍帯血の品質基準については省令で定める事項とされています。これは臍帯血の採取から調整保存、搬送という、極めて実務的・専門的なものであり、内容も多岐にわたります。そのため別途、健康局長の下に検討会を設置し、専門家によってあらかじめ専門的な観点から整理をしていただいた上で、その結果を本委員会にて御議論いただく形にしたいと思います。以上です。
○間臓器移植対策室長 補足です。委員の皆様方の手元には、ピンク色のファイルがあります。この参考資料3が、日本さい帯血バンクネットワークで改訂を続けていただいています、現在使われている基準書です。これを今後はリバイズした上で、国の省令なり、通知なりで定めていくもので、非常に詳細で膨大なものです。これを少しワーキングなどでこなしをしてから、こちらにお諮りをしたいという趣旨です。
○小澤委員長 ありがとうございました。何か御質問等いかがでしょうか。
○宮村委員 臍帯血については、いくつかのバンクがありまして、その中でいろいろなものが、例えば抗体があるかどうかを測ることも有料だったり、測れたり、測れなかったり、いろいろなことがあって、臨床の場ではそれで非常にいろいろなことで困っています。そういったさい帯血バンク間の整合性みたいなものは、この中には含まれないのでしょか。
○間臓器移植対策室長 今回の基準は、さい帯血バンクを許可する際の最低基準です。最低というのはレベルが低いという意味ではなく、最低限度守っていただくべき基準になりますので、どういう決め方にするのかというのはありますが、幅は大きすぎないようにしなければいけない。基準上、許された許容範囲の中に納めていただくように、ある程度揃えていくことが一つポイントになると思います。
 そこのところの基準をどの程度高めていけばいいか、一度に高められるのか、高められないのか。余り基準が高すぎると、臍帯血の安定供給にも影響が出ますので、その辺のバランスをとる必要はあると考えております。しかしながら、移植に携われている先生方のお立場からすれば、恐らく品質は良いものの方がいいということだと思いますので、その辺りの方向感について御議論いただきたいと思います。
○小澤委員長 いかがでしょうか。
○山口委員 一つは基準、もう一つは実際のパフォーマンスというか、多分、日本赤十字は、例えばウイルス検査に関しては一番高感度な系を持っておられると思うのです。今、さい帯血バンクが8施設あって、その検査を日赤に委託をしてやるとか、そういうフレームも、少し基準を超えたところになるのかもしれませんが、そういうことは想定されるのでしょうか。
○間臓器移植対策室長 いろいろな水準があって、極めて高い水準のものがあった場合に、最低限守るものというのは、まずあるのかもしれません。では、基準を高くしていく場合に、どうやったらそれが実現できるのかということも、恐らくこの検討会の中でも議論が必要で、その上で本委員会でも御議論いただきたいと思います。
○小澤委員長 よろしいでしょうか。
○浅野委員 先ほどの疾病のことに関連して、まだ理解できないのですが。これは岡本理事長の所に、こういうので特定してくださいということですが、記に「造血幹細胞移植が施行されているもののうち、その適応が広く合意されている疾病」とあります。これを特定してくれということですから、これに外れるものは、実際に造血幹細胞移植が施行されているもののうち、適応が広く合意されていないものがあるという意味ですか。私の感じでは、ちゃんとした許可を受けていない所が、どのような疾病であれ、移植をあっせんしてしまったらアウトではないのですか。
 それと、ここで特定される以外の疾病というか、それは何か考えられるのですか。何でこんな特定をする必要があるのか。ともかく、そういう許可を受けていない主体が、どんな疾病であれ、それを移植のためにあっせんしたら、それでもう許可は取消しでいいのではないですか。この意味がよく分からないのです。
○間臓器移植対策室長 これは罰則が用意されている規定ですから、どういう場合に罰則が発動され得るのかということは明示しておく必要があると考えています。
 そう考えますと、現在の適応疾患の書き方は、いろいろな疾病がきちんと書かれているのですが、最後にバスケットクローズで、その他というような、非常に抽象的な書き方をされているのが現状です。その中で、個別の主観で、自分はこれは適応があると思うからやってみたいと。だから、骨髄移植をあっせんしてくれとか、あるいは臍帯血を提供してくれということがあった場合には、適応の委員会でドクターがどうだろうかと議論をして、それをやるかどうか決めております。まだ議論が必要な疾患があるというのが現状です。まだ確定できないものについてはすぐにはできないが、これは先生方が、ドクターが、これは絶対適応と言っているものについては、そこに書いていくと。先ほど申し上げたように、「その他」で、現状、適応できたものについても、医学的には、これは適応があると言っていいと言われれば、これは省令に今後もどんどん追加していく形になりますので、隙間がたくさんあるということでは恐らくないのだろうと思います。医学的に、これはもうやるものだと、造血幹細胞移植というのが、治療法の選択肢として十分あると言われたものについては、全て書いてある、列記するということだろうと思います。
○浅野委員 それは許可を受けた事業者についても、これは特定されると、それ以外のものにやるというのは、本当は駄目なのではないですか。それが罰する趣旨ではないのですか。よく分からないのですが。だってそもそも、ちゃんと許可を受けていない所は、なぜやってはいけないかと言うと、それは特定の疾病から外れるかどうかではなくて、危ないというか、ちゃんとした保存基準が守られているかどうかという担保もないのですから、そんなものはやってはいけないというのは当たり前ですよね。それは刑罰を与えるから特定しなければいけないというお話ですが、それは逆に言うと、特定してしまうと、ひょっとして特定から外れたものについてはいいということになるのですね。そうではないのですか。これはそのための特定ではないのですか。
○間臓器移植対策室長 いいとするためのものではないと思います。
○浅野委員 しかし、そうなるではないですか。
○間臓器移植対策室長 まさに罪刑法という主義の観点から書かざるを得ないということです。
○浅野委員 しかし、それは逆の効果になるのではないですか。それ以外のものだったら、別におとがめなしと。逆にうんとおかしいではないですか。罰するという趣旨は、基準がはっきりしていないところでやったら、それを受ける患者も危ないではないかということであれば、その疾病が特定されていようがいまいが、その移植に供したという行為自体が、不許可の対象になるというか、また罰則までになるということにすべきではないのですか。特定の意味がよく分からないのです。
○小澤委員長 浅野委員が懸念されることは、大変よく分かりますし、多分、今日初めてこんなようなお話を聞きますと、移植医の方でも、あるいは血液内科の先生方も、すぐには理解できないような部分も含まれているかなと思うのです。ですから、これについては今後また改めて、造血細胞移植学会の提案をここで議論することになりますので、その議論をしていただくときに、本当にこういう疾病をリストアップする真意が分かりやすくなるように、狙いがどこにあるかを明らかにしていただきたいと思います。多分、今の議論は事務局と浅野委員で少しずれがありますので、議論が噛み合わないところが若干あるようですが、そういうことのないように、丁寧に学会の方で議論を尽くしていただいて、あとでいろいろ不都合が発生しないような形のものを用意していただけたらと思います。
 実際に、ここにいろいろな疾病がリストアップされても、それだけが対象疾患になるということでもないでしょうし、いろいろ法の体裁みたいなところもあるのでしょうか、いくつか代表的な疾患をリストアップしておくことのようですので、それの狙いと、また、浅野委員が心配されていることについては、どういうことを考えているのかというのが、第三者誰が読んでも誤解のないような形で整備していただければと考えております。また、不安なところがありましたら御意見をいただければと思います。
 そのほかいかがでしょうか。この辺は非常に分かりにくい部分ではあるかなと思いますが。岡本委員、よろしいですか。
○岡本委員 今の罰則がかかるか、かからないかの議論と少し離れて、日本造血細胞移植学会としては、実際に広く移植医、医業界のコンセンサスが得られる適応をリストアップすることは、それほど難しい問題ではないです。実際にこれが絶対に駄目だということを、逆に強く入れることもないと思います。
 例えば、私のイメージとしては、具体例を出しますと、固形がんに対する同種移植をやるべきかどうか。多分これは、ここの適応には入ってこないものとして分類されると思います。一つの例ですが、そういった感覚でリストアップをしていくことになると思います。
○浅野委員 それは不許可にするというか、許可されていない所がやるという問題ではなくて、許可されているちゃんとしたバンクも、こういう疾病にあっせんするのだよという、特定をするという趣旨でしょう。ここにこれが登場してくるのがどうも分からないのです。
○岡本委員 あくまで日本造血細胞学会がお受けしたのは、そういった形で広く認識をされているものをリストアップをし、それをどういう形で使うかということは、引き続きここで御議論いただければいいことかと理解をいたします。
○浅野委員 分かりました。これはどういうふうに特定しても、絶対反対解釈されるはずなのです。これが外れるものだったら、やっても別に罰されないと、どう考えても取ってしまいますよね。今の岡本先生のお話で分かりました。これは特定する必要があるというのは、それは別に許可されていないというのではなくて、ちゃんとした公的バンクも事業者も、今ちゃんと合意されている疾病にやるんだよということは、それはやはり必要だろうと思うのですが、それはここに適応する話ではないと、私はかなり強く思います。
○辰井委員 ほとんど初見のようなものなので、いい加減な解釈になりますが、恐らくこの罰則の趣旨も、移植自体について罰則ということではなくて、法的にバンク事業を行うということについての罰則なので、例えば臓器移植法が、医療として、臓器移植として認める臓器の範囲とかを限っているのと同じように、その特定のいくつかの疾患に関しては、これに関しては、他家であっても医療としてきちんと認めていきますという前提があって、そのような医療に業として関わるものに関しては規制をします、という趣旨だろうと思います。ですから、それ以外はオーケーというよりは、それ以外はむしろきちんとした医療としてはそもそも認定はされてなくて、非常に臨床研究というか、研究に近い領域だという前提の話ではないかと推測いたします。
○小澤委員長 この辺は受け止め方がいろいろ違うように思いますので、疾病のリストアップは日本造血細胞移植学会にお願いをして、この法としての位置づけ、意味合い、そういったものは事務局の方で、誤解のないようにうまく文章を考えていただくということで、よろしくお願いします。
○間臓器移植対策室長 はい、また学会から御報告を頂いたときに再度整理をして、御相談させていただきたいと思います。
○小澤委員長 また議論する機会がありますので、よろしくお願いいたします。それでは、臍帯血についてはよろしいでしょうか。検討会を作っていただくということについては、何か御意見はありませんでしょうか。
 特に御異議がないようでしたら、臍帯血の品質基準等につきましては別途、「移植用臍帯血基準検討会」を設置して御検討していただき、その内容を報告していただいた上で、改めて議論することとしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは(3)番が終わりまして、「(4)意見交換」に移りたいと思います。本日は法律の施行に向けた第1回目ということですので、これからの時間は、各委員の方々から自由な御意見や御提案を頂きたいと考えております。いかがでしょうか。自由討論、意見交換ということになります。まだ御意見を頂いていない委員の方も、是非、御発言を頂けたらと思います。15分ぐらい少し時間を取りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○浅野委員 ほかにいらっしゃらないということで何度も出ますが、実は、私はこの委員会の委員に選ばれて、大変嬉しく思っています。まさかこのような場にいるとは思わなかったのですが、患者になったがために、治ったから言うのですが、私は良かったなと思っているのです。治ったからには、私に続く患者に、是非、良い対応をしてもらうということを、私もそういうミッションをもらって、この病気を治してもらったと思っています。しかも、23年7か月勤めた、この厚生労働省にこういう形で戻ってくると。
 それから、2009年の5月25日に東北大学病院の血液内科で、委員の顔ぶれの中の張替秀郎先生から、「浅野さん、ATLが発症しました」と告知を受けました。そして、これに関係して忘れもしない、「骨髄移植でしか治りません」と言われて、そこで骨髄移植というのがインプットされたのです。そのとおり骨髄移植で治って、ここにいると。
 発症したというときに、セカンドオピニオンがほしくて行ったのが、実は岡本真一郎先生の所で、そこで懇切丁寧に骨髄移植について言われました。先ほど岡本先生に言われて、「大学の医学部の講義を聞いているような気がしました」というコメントを言ったのですが、それだけ分かりやすくて、そういうことを経て、私も新たに学んだということです。
 意見としては、ここでは項目だけを申し上げて、内容についてはまた別のところであると思いますが、私の問題意識を披露して終わりたいと思います。
 基本的には、患者として骨髄移植、特にコーディネートですね、コーディネートというか、せっかくドナーが見つかったのに、タイムリーに移植を受けられない、又はそれがゼロになってしまって、前処置まで済ませて待っていたのに、直前にドナーの心臓病が見つかってということで、できませんとなったがために命を落としたという家族から私はメールを受けて、すごくショックを受けました。そのようなこともあって、そこのところに問題意識があります。
 具体的なところですが、来年度の概算予算要求の2番目に、「造血幹細胞移植拠点病院整備事業(特別重点)」というのがあります。これは二つ言われていると思うのですが、造血幹細胞移植そのものを行う病院と、採取術を相当数行う病院と言われているわけです。採取術を行う病院から拠点病院へ来て、早期治療の実践を行うとか、人材の育成、研究等を行う、治療成績の向上を図るというのは必要だということも分かります。
 ただ、私から言うと、今必要なのはこういうことでしょうか。ここで拠点病院になるのは、既に採取をしている病院です。それで実績もあります。さらに、その技術をもっと上げようということなのでしょうけれども、今必要とされているのはそうではないと思います。きちんと採取する病院の数を増やすということです。それにかかわる医師の数を増やすということです。それによって、採取する機会を増やすということです。ちょっと悪く言えば、質より量だと思います。採取について事故が起きているわけでもありませんし、質がそんなに悪いわけではないと思います。ほかの技術もあるのだろうと思います。ドナーに痛みを与えないようにするにはどうするかとか、いろいろあると思うのです。
 それにしても、これが特別重点の予算としてやられるということに異議ありとは言いませんが、これと並行してというか、更にそれよりも大事なことは、採取できる病院を増やすことです。そのためには、こういう拠点病院というのではなくて別な形があると思いますし、根本的には、医療保険の診療報酬の点数をこれで上げるということによって、採取することがペイするとか。今はほとんどボランティアというか、赤字覚悟でやっているわけです。そういう所の意欲、そこにおんぶする形でやられている所が多いので、これでは採取は増えません。
 それを私自身も、私の都合で時期をずらしてもらうというときに、今度ドナーから採取できるのは、長ければ半年先だと聞いて、「えっ」と言ったことに始まります。そのときには、ドナーがいても、それを採取する場がない、具体的には手術室が空かないということなのです。忙しい病院で、ほかの手術でどんどん使うというときに、これは後回しにされるだろうと。そうではなくて、やりたくないのですから、後回しにされるのは当然です。採取する側としても提供する側ですから、受けたいのは患者の方なのです。やりたいというのは、もちろん採取している所は、それなりの問題意識というか、意欲を持っている。そうでない所にも、どんどん採取する場を持ってほしいというのが、切実な願いです。したがって、予算要求にかこつけて言いますが、そういったようなことについても是非力を入れていただきたいと思います。
 あと、具体的に、今日はこれをやりますというときにもう一回言いますが、今のは予告編です。
○小澤委員長 確かに、コーディネートの期間が非常に長いのが大きな問題で、3、4か月かかっています。この一つには、指摘された採取施設が足りないというところがあるわけですが、その中で、医師も足りないということも言われましたが、この委員会の範囲を超えますが、更に言えば、血液内科医が本当に足りないのです。これも深刻な問題になってきております。非常にいろいろな問題が、この移植医療に絡んで存在するわけです。
○浅野委員 コーディネートだけではなくて、コーディネートにも関係するのですが、移植全体について、ドナーがいて、患者がいます。今回も、ドナーの健康保持を重点に書いていました。それは必要なのですが、実はそこで、ある意味で利益相反が起こるのです。バランスなのです。患者からすると、ドナーの健康を大事にするのはもちろんいいのですが、余りにもそこのハードルが低すぎて、少し風邪をひいたぐらいでやめてしまう。確かにそういう状況で採取するというのはリスクがありますが、患者の方のリスクは100%なのです。先ほど言ったように、心臓病が見つかったと。それで提供をやめたわけですが、そうすると患者側は100%死にます。骨髄を空にして待っているわけですから。そのときにタイムリーに来ないということであれば、これは死を意味するのです。そのときに、これはドナーにもしものことがあれば、骨髄移植というシステム自体が崩壊していくだろうということはありますが、それはある程度は程度問題ではないか。
 ただ、そこまで言うと少し問題なので、先ほどのような悲劇が起きないようにするためには、例えばダブルキャストで用意しておく。しかし、そうもいかないだろうと。そしたら、骨髄移植についても、凍結ということを利用して、そのためには事前に採っておかなければいけないということで、みんなそれをやらなくてはいけないことになるかもしれませんが、何か別な方法を工夫して、今のようにドナーの健康優先がもたらすリスクについても考えていけば、どうしてもそこは考えていかなくてはいけないだろうと思うので、あえて問題提起をさせていただきます。
○小澤委員長 今日は個々のテーマについて議論を深める場ではありませんので、次回以降に議論すべき問題点、事項、テーマといったものをリストアップしていただきたいと思います。
○鎌田委員 私も患者なのですが、患者として骨髄移植を2回受けていますので、そういった立場から、先ほど浅野委員もおっしゃっていたように、こういった根拠法ができて、それに関する委員会に患者がこうして参加できるようになったことを、非常に感慨深く思っています。専門的な話ではありませんけれども、どういった方向に向かっていってほしいかという点で、患者としての視点から率直に思いを述べさせていただけたらと思います。
 私の場合は、1991年に慢性骨髄性白血病と分かって、すぐに妹からの骨髄移植を受けたのですが、再発して、リンパ球輸注を経て、再度移植をしましたが、これも再発してしまいました。なので結果として、当時のハイドレア・インターフェロンに始まり、現在のグリベック、そしてスプリセルを経たわけですので、この20年間の白血病に対する主要な治療を、一通り経験してきたことになるかと思います。そうした中で、自分の闘病を通じていろいろなことを感じてもきましたし、医療の発展、患者を取り巻く環境の変化も、身をもって感じてまいりました。
 また、移植を通じて、入院も長かったので、それこそ同じ部屋で相手の息遣いをも感じながら、たくさんの患者さんたちと24時間毎日毎日寝食を共にして、ほかの患者さんの思いというのも痛いほど感じながら過ごしてきましたし、その後、骨髄バンク運動ですとか、患者支援活動などに参加させていただく中で、ほかの患者さんたちの思いに触れる機会も頂いてまいりました。そういう経験を踏まえて、今後もこの委員会の中で、私はお話をさせていただくことになると思いますが、これはあくまでも私という一患者の意見であって、これを過度に絶対視することはしないようにという自覚もした上で、お話をさせていただきたいと思っています。
 その上で、今日は1回目ということで、まずお伝えしたいのは、移植医療というのは、患者にとっては最後の命綱とも言えるぐらい、必要性が高い上、ドナーがいなければ始まりませんし、難しい治療ですから、医師・看護師をはじめとする、本当にたくさんのスタッフ、骨髄バンクを支えるボランティアの方々など、数えきれないくらいたくさんの方々に支えられた治療法です。言ってみれば、これほどいろいろな方の愛情や熱意にあふれた治療はないと言っても過言ではないと思います。ただ一方で、治療法としてはとても過酷なものです。そこは厳然たる事実ですし、そこをしっかり認識していく必要もあると思います。
 20年経って医療も進んで、かつてよりは楽にはなっている部分もあるかもしれませんけれども、それでもなお厳しい治療で、前処置など、移植自体による身体的な負担だけではなくて、その後ずっと合併症を抱えたり、人生の上で代償として失うものも本当にたくさんあります。そういう厳しい治療でありますし、私自身もそういう経験をしてきました。
 私の場合は、分子標的薬が登場するよりはるか以前に、しかも2回の骨髄移植にも耐えてしまうような、性の悪い白血病を抱えていたにもかかわらず、今こうしてここにいられるのは、骨髄移植を受けることができたからこそでありますし、そのことをありがたいと思うと同時に、移植医療の持つ厳しさも否定することもできない。その両方を抱えながら生きていくことになるわけです。
 事ほどさように、移植医療というのは究極の治療法だと思います。決して良いことばかりではない厳しい治療だけれども、生きるためにはどうしても必要だという。強い治療法だからこそ、過酷さと意義の大きさとのギャップによって、いろいろな難しい問題が必然的に生じると思います。しかし、そこに常に目を向けて、その上で医療を発展させていかなければいけないのだと思っています。
 患者としては、突然降りかかってきた困難を乗り越えなければいけないし、病というものの理不尽さというのは、そう簡単には受け止めきれないものがあります。そういうやり場のない気持ちというのを、時には支えてくれている家族、医療者の方々、周りの人たちにぶつけてしまうことも多々あると思いますし、一方で、先生方をはじめとする医療者の方々も、患者のためにと思って一生懸命してくださっているけれども、場合によっては患者の思いとはずれてしまうということもあると思います。
 それぞれ異なる立場である以上、それはある程度は仕方がないこととも言えるとは思いますけれども、ただ、お互いが必死で、一生懸命であるからこそ、ずれが生じてしまった場合に、そのずれを埋められないまま離れてしまうような場合が、実際にはままあることだと思いますけれども、それはとても残念なことだと思います。
 私自身も、自分の置かれている状況が受け止めきれずに、家族や主治医の先生に、やり切れない思いをぶつけてきたこともありましたし、それは患者としてきちんと伝えるべきであったこともあれば、理不尽なことを言ってしまったこともあると思います。しかし、それを含めて、先生も周りの方々も、そういう患者の率直な思いというものを根気強く受け止めて、見守ってくださったお陰で、今の私があると思っていますし、とてもありがたく思っています。
 医療の目的というのは、究極には病気の治癒でありますし、それができなくても、できる限り患者の苦痛がなく、より良い状態で生きられることを望むという点では、患者も支え手も、本当は同じものを目指しているはずだと思いますので、特にこうした移植医療のように、本当にたくさんの方々の熱い思いに支えられているようなものなわけですから、患者と支え手がお互いの思いを汲みながら、しっかりと寄り添って、より良い医療につなげていかなくてはならないと強く思っています。
 そして、その基盤というのはこの20年で随分整ってきたように思っています。かつては、それこそ告知もしないのが当たり前でしたし、患者は守られるべきもので、その代わり黙って従順に医療をしてもらうべきで、医師に率直にものを言うのは好ましくないという状況も、確かにあることはあったと思います。ただ、医療が進むにつれて、必ずしも救命だけが大事なのではなくて、命が救われたあとの人生を考えていかなくてはいけないようになってきて、それは喜ばしいことでもあり、新たな悩みが生じてきたという側面もあると思います。
 そうすると、患者にとっても病気や治療の困難さも含めて、しっかり知って、受け止めて、病と向き合う必要が一層求められますし、そうした必要性と同時に、支えてくださる方々との真摯な思いの交流、働き掛けをお互いに持って、患者と支え手の相互理解を深めることが大事だと思います。それは着実に進んできていると思いますので、これからも、患者があくまでも1人の普通の人間であって、病気になった途端に患者という生き物になるわけではなく、健康な人と同じように、夢もあればいろいろな望みもあって、ただ生きるというためにさえ、大変な闘いをしなければならないからこそ、その先に希望があってほしいと思いますので、そういった難しい側面を抱えつつも、支えてくださる方との思いを交わして、病気を治すだけではなく、1人の人間として、どう人生を取り戻すことができるかというところを見つめながら、周りの方々にも支えていっていただきたいと思いますし、患者自身もそういう思いを抱きながら、希望を持って医療に向かっていってほしいなと思っています。
 いささか抽象的な話になってしまいましたけれども、これから先を考えていく上でも、そういう思いを患者が持っているということをお伝えしたいなと思いました。
○小澤委員長 今、鎌田委員がお話をされたように、移植というのは非常に過酷な治療で、まだ完璧な治療ではありません。その時点で最善の移植医療を提供できるように、この法整備が進むことを期待しているわけです。
 一方で、まだまだ再発の問題もありますし、GVHD(移植片対宿主病)、まだ研究面で解決しなくてはいけない問題もありますので、そういう研究の推進も含んでいただくと思います。鎌田委員がなられた慢性骨髄性白血病は、今では移植するケースが非常に少なくなってきているほどに、別の治療法が進んできています。ですから、ある意味で、こういう移植をしないで済むような新しい治療法の開発というのも、この委員会の範囲を超えますが、そういったものも重要かなと思います。そのほかにいかがでしょうか。
○梅田委員 自己紹介を兼ねまして、御挨拶ということで話させていただきます。
 私は、骨髄バンクを作ろうというところからボランティア活動を始めていまして、ちょうど20年です。1995年にドナーになりまして、当時2歳半の男の子に骨髄を提供しました。その男の子からは、「元気になりました」というような、嬉しい手紙を頂いています。
 こういう経験を活かしまして、千葉で、県と日赤、私どもボランティアで、三者会というものをつくって、いろいろやらせていただいています。千葉の場合は三者会は非常にうまく回っているのですが、全国的にはうまく回っているところはないように聞いています。
 この中の7番目で、日赤を想定という項目もありましたので、こういうところで、今までの経験等を活かした意見を述べていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小澤委員長 そのほかにいかがでしょうか。
○岡本委員 最後にコメントです。この最初の委員会の共通認識として、法律の理解が難しいことを実感しました。外で見ている方には、更に難しいのではないかと思います。
 その中で、この法律が目指すところは、移植の細胞の提供を推進するということになりますと、その裏では、移植医療全体を前進させていくことが目的だと思います。そういった中で、これから様々な議論、肉付けをしていくわけですが、その中でいろいろな規制、ルールを作っていくわけです。
 その中で、この委員会として共通認識をしなくてはいけないのは、作る規制が一部にブレーキになったとしても、それが全体のブレーキには絶対にならないものであるということを、様々な領域の方がいらっしゃいますが、それを認識して、その次には、それが実際に施行されたあとに、例えばコーディネート期間が短くなったとか、法律を作ったことが絵に描いた餅ではなくて、実際に実行可能な案を作成し、それを広く一般に示すことを目的に、この委員会は活動する必要があるかなと自分では思っていますので、その認識を是非共有できればと思って発言いたしました。
○小澤委員長 正に、そういう方向で議論を進めていただけたらと考えています。
○山口委員 最初の方にありましたが、海外と日本で大きく違うのは、末梢血幹細胞移植が日本ではまだ余り行われてないというところだと思います。こういう制度の違いについて、岡本先生が一番適任かなと思ったのですが、例えば欧米の制度の部分について御紹介いただければありがたいと思うのですが、次回、次々回にでも。
○岡本委員 それは国際協力というところがありますが、そのときに、必要であれば資料を準備しますし、御指摘のように、世界の常識は日本の非常識というのはたくさんあります。それは、本当に非常識のものもありますし、日本の移植のやり方に非常に合ったものもあるということで、全て欧米のものを輸入するのがいいことではありませんし、我流のやり方を押し通すこともいいことではないので、いいところをしっかり取って作っていくということで、情報提供は十分にできると思います。
○坂巻委員長代理 末梢血が余り増えていないというのは、欧米のスタートの時点でも、非常に伸びは緩やかでした。ただ、日本は余計緩やかな感じはしています。その中の一つは、もう少しドナーへの規制緩和というわけではないですが、もう少しやり易くすれば、ずっと違うと思います。
 それから、移植する側の立場からすると、今日本では、骨髄だけでなく、末梢血は全部病院採りに行くわけです。そのときに、末梢血の場合には、1日だけではなくて、2日採りに行かなくてはならないということもあって、そうなりますと、2日間行く準備をしておかなければいけない。骨髄よりも大変だという、少し現実的な話もあります。ただ、ドナーはだんだん末梢血の方がいいという方が増えてくるのではないかと思うのですが、そうなりますと、徐々に増えてくるだろうと、私個人的には予想はしているのですが。
○宮村委員 末梢血幹細胞移植の研究班の班長をしている宮村です。先ほど浅野委員から、ドナーと患者の話がありました。そこは非常に大事なところで、規制の度にドナーの保護を強くやると、かえってドナーの善意を我々が阻害してしまうというところはあると思います。このバランスをきちんと考えていく必要があると思います。
 もう1点は、移植まで時間がかかって、その間に再発する可能性は高い。だから非常に早くしていくというところがあります。そのためには施設も増やさなければいけないし、いろいろな規制もやらなければいけないのですが、今回法律ができまして、今まではいくら頼んでも、30数施設しかなかった末梢血の採取施設が、厚生労働省のいろいろな援助もありまして、今年度中に50に近いところまで増えるのです。やはり法律というのはすごいと思いました。
 ただ、患者にとって一番いい、ドナーがたくさんいる所にたくさんやるというのは一つだと思いますが、同時に、鹿児島県とか沖縄県とか、日本中に患者はいるので、そういう人たちのことも考えていくと、先ほど室長からもありましたが、地方と患者がたくさんいる所のバランスと、ドナーと患者のバランスというのは、こういういろいろな立場からきているこの会が非常に大事だと思いますので、今後議論していくし、研究班としても、そういうことは力を付けてやっていきたいと思います。
○小澤委員長 よろしいでしょうか。司会の不手際で、予定していた時間を既に過ぎておりますが、大変活発な議論をありがとうございました。皆様方の御意見を取り入れながら、今後議論を進めてまいりたいと考えております。
 関係者の御尽力により、「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が成立しまして、施行に向けて、中身や詳細を議論していく非常に大切な委員会であります。途中で申しましたが、この委員会で議論されたことが、どんどんそのまま実現されていくという非常に大切な委員会ですので、しっかりとした議論をお願いしたいと思います。患者さんや医療現場にとって、より良いものとなるよう、委員の皆様をはじめ、厚生労働省など関係機関のより一層の御尽力をお願いしたいと思います。
 そのほかに何かありますでしょうか。なければ、本日の議題は以上です。最後に事務局から連絡をお願いいたします。
○西脇室長補佐 本日は活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。次回は平成25年1月28日(月)の16時からを予定しております。今後、法律の施行までの間は、1か月に1度程度の頻度で開催する予定です。先生方におかれましては、お忙しいところ大変恐縮でございますが、日程の確保に御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 併せまして、3月以降の御予定につきましても、別途事務局よりお問合せさせていただきます。御回答をよろしくお願いいたします。
 なお、テーブルの上のピンクのファイルに関しては、机の上に残してください。持って帰られる場合には、次回お持ちください。
○浅野委員 名前は書いておくのですか。
○西脇室長補佐 名前を書いていただいても結構です。
○小澤委員長 本日は、本来であれば仕事納めの日でありますが、そういう日の委員会で、皆様お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。これからも委員の先生方、仕事はまだ続くかなと思いますが、よいお年をお迎えいただきたく、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の第34回厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会を閉会いたします。ありがとうございました。


(了)
<<照会先>>

厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室

代表 : 03(5253)1111
内線 : 2362 ・ 2363

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