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2012年12月26日 歯科専門職の資質向上検討会 歯科技工士ワーキンググループ(第1回)

医政局 歯科保健課

○日時

平成24年12月26日(水)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用14会議室


○議題

1.歯科技工士国家試験について
2.その他

○議事

○小椋課長補佐 
 それでは、ただ今より歯科専門職の資質向上委員会・歯科技工士のワーキンググループ(第1回)を開催いたします。委員の皆さまにおかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 まずは、こちらの事務局のほうで進行させていただきます。まず本日、第1回目ということですので、初めにワーキンググループの委員の先生方を名簿順に紹介させていただきたいと思います。
 まず、日本歯科技工士会副会長、杉岡委員です。

○杉岡委員 
 杉岡です。いつも歯科技工士のために御尽力いただきまして、ありがとうございます。

○小椋課長補佐 
 有限会社プラスONE代表取締役、時見委員です。

○時見委員 
 おはようございます。よろしくお願いします。

○小椋課長補佐 
 日本歯科医師会常務理事の溝渕委員です。

○溝渕委員 
 溝渕です。どうぞよろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 全国歯科技工士教育協議会会長、座長の末瀬委員です。

○末瀬座長 
 末瀬です。遅くなって申し訳ございません。

○小椋課長補佐 
 東京医科歯科大学教授、鈴木委員です。

○鈴木委員 
 どうぞよろしくお願いします。

○小椋課長補佐 
 東洋医療専門学校歯科技工士科学科長、杉田委員です。

○杉田委員 
 どうぞよろしくお願いします。

○小椋課長補佐 
 日本歯科大学東京短期大学准教授、尾崎委員です。

○尾崎委員 
 尾崎です。よろしくお願い申し上げます。

○小椋課長補佐 
 岡山歯科技工専門学院教務部長、松下委員です。

○松下委員 
 松下でございます。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 大阪府・岸和田保健所所長、大西委員です。

○大西委員 
 大西でございます。職種は歯科医師でございます。よろしくお願いします。

○小椋課長補佐 
 横浜市立大学教授、白石委員です。

○白石委員 
 白石です。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 本日はオブザーバーといたしまして、文部科学省高等教育局医学教育課、吉田医療技術係長に御出席いただいております。

○吉田医療技術係長 
 吉田でございます。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。大臣官房審議官、高島審議官です。

○高島審議官 
 高島です。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 歯科保健課長、上條です。

○上條課長 
 上條でございます。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 歯科保健課長補佐、野田です。

○野田課長補佐 
 野田です。よろしくお願いします。

○小椋課長補佐 
 歯科保健課歯科保健医療調整官、斎藤です。

○斎藤調整官 
 斎藤です。よろしくお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 最後になりますが、私、小椋と申します。よろしくお願いいたします。引き続き、審議官より御挨拶申し上げます。

○高島審議官 
 官房審議官の高島でございます。本日は本当に年末の慌ただしい中、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。また、本日は第1回ということで、このワーキングチームがスタートいたしますが、皆さまには委員として御参加していただきましたことに、改めて、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。
 この歯科技工士のワーキンググループは、先月に立ち上げました歯科専門職の資質向上検討会で設置が決められたところです。歯科専門職の資質向上検討会では、在宅の歯科医療の需要の増加や高齢化が進んでいる中で、歯科専門職の資質の見直しをしようということでございますが、その中でも大きなテーマになっているのが、歯科技工士の現在の制度の見直しと聞いております。歯科技工士国家試験の見直しや、資質の向上について大きなテーマになるところを、このワーキンググループで親の検討会で議論する素材、案を作っていただこうということでございます。
 こちらのワーキンググループで決められたものが、基本的には討議を経て、新たな制度の見直しにつながるものは、厚労省としてはそれを受けて見直しをしていきたいということで、今後の歯科行政の推進の大きな礎となっていくものと思っています。これからの皆さまの御議論を期待しますとともに、良い成案を作っていただきまして、歯科専門職の資質向上検討会にお出しいただくことを期待しております。今日は第1回目ですので、制度のいろいろな点につきまして、皆さまにディスカッションしていただき、焦点を絞りながらまとめていただきたいと思います。
 本日は、本当にどうも御参加ありがとうございました。冒頭に当たっての御挨拶とさせていただきます。

○小椋課長補佐 
 続きまして、座長を御紹介させていただきます。本ワーキンググループの親会であります歯科専門職の資質向上委員会におきまして、末瀬委員が本ワーキンググループの座長に指名されております。よろしくお願いいたします。

○末瀬座長 
 遅くなって申し訳ございませんでした。今、御紹介いただきましたように、本委員会で座長を指名していただきました末瀬でございます。本当に厚労省の方でいろいろ企画立案をしていただいてます。皆さん方には忌憚のない御意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より資料の確認をお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 資料ですが、先生方の机の上に配付させていただいております。まず、議事次第が1枚。座席表が1枚。そして資料一覧という紙が1枚。それで、資料1-1がホッチキスで留めておりませんが2枚。資料1-2はホッチキス留めをしております横とじのもので6頁の資料です。資料1-3もホッチキスで留めておりませんが2枚の資料です。続きまして、資料2-1が1枚ものの資料です。資料2-2が5頁までとなっております。続きまして、資料3が2枚のものをホッチキスで留めてあります。資料4と資料5は1枚という形になっております。
 それ以外に、先生方に参考資料として青いファイルのものを机の上に置かさせていただいております。こちらは参考資料1から6まで中に入っております。これは今後のワーキンググループでも使っていきたいと思いますので、本ワーキンググループ終了後には机の上に置いてお帰りいただきたいと考えております。資料確認は以上でございます。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。資料1について何か御意見、御質問ございますでしょうか。検討会設置要綱ということでございます。本委員会、検討会が先日ございましたが、そのときの設置要綱ということで目的、検討内容、更には構成、検討会の運営等々について記載をされております。何かございますか。

               (特に発言なし)                

○小椋課長補佐 
 まず、こちらから資料の説明をさせていただきたいと思います。先月の11月28日に歯科専門職の資質向上検討会の第1回目が開催されております。その中で、こちらから御提示いたしました歯科専門職の資質向上検討会の設置要綱というのが資料1-1です。
 1番目に目的等が記載されております。こちらは先ほどの?島審議官の御挨拶の中にもございましたが、多様化するライフスタイル、長寿命化、医療技術の進展等により、歯科専門職の資質向上を図っていく必要があるであろうと。その中でも、今まで歯科医師臨床研修制度の見直しでありますとか、あるいは各都道府県で実施されている歯科技工士国家試験の在り方、あるいはその出題基準等の検討を行うことが必要であろうということです。
 2番目に想定される主な検討内容で、上のほうは歯科医師臨床研修についてですが、下から二つ目のポツですが、歯科技工士国家試験の在り方や出題基準等ということ、その他、歯科技工士の資質向上に関連する内容というようになっております。
 構成としまして、次頁に委員の一覧がありますが、この委員の中から座長を選出するということで、一番上の日本大学総長でいらっしゃいます大塚先生が座長という形で、互選により決定しております。その次ですが、専門の事項について検討を行うため、必要に応じて検討会の下にワーキンググループを置くことができる。なお、ワーキンググループの座長については、検討会の座長が指名することとするという形になっておりまして、先ほど、大塚委員から当ワーキンググループの末瀬委員が座長として指名されております。次に、ワーキンググループの委員は、検討会の座長の意見を踏まえて追加することができるとなっております。
 あとは検討会の運営等ですが、ワーキンググループの審議とかの必要に応じ、適当と認める有識者を参考人としてお招きすることができると。ワーキンググループの議事は原則公開とします。ただし、特段の事情がある場合には、座長の判断により、会議、議事録及び資料を非公開とすることができるとなっております。
 資料1-1につきましては、以上でございます。

○末瀬座長 
 ただ今、資料1-1について御説明ございましたけれども、何か御質問ございますでしょうか。ワーキンググループの本委員は、先ほどありました検討会で承認をされておりますので、皆さん方、その下でワーキンググループの委員として御意見を賜りたいと思います。また、ワーキンググループでの意見は決定ではございませんで、この意見を取りまとめて検討会に御提案をしていくという形のものでございますので、よろしく忌憚のない御意見を賜りたいと思います。よろしいでしょうか。                

(特に発言なし)

それでは、続きまして資料1-2の説明をお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 資料1-2ですが、こちらも先月11月28日の歯科専門職の資質向上検討会の中で提出した資料です。この資料で歯科技工士法の改正に関する資料として、歯科技工士国家試験の全国統一化についての資料をこちらから御提示させていただきました。
 ここに書かれている「現状と課題」とありますが、最終的な改正の方向性として、歯科技工士国家試験を現在の歯科技工士の養成施設がある所在地の都道府県知事がそれぞれ行うのではなく、国が実施するよう歯科技工士法を改めてはどうかという資料を持ちまして、各委員の先生方にお諮りしたところ、この方向性でよろしいのではないかという御意見でございました。
 次に2頁目で歯科技工士法の改正についてですが、こちらの試験の実施体制につきましても、こちらは厚生労働大臣が実施することとなっている歯科技工士の国家試験については、歯科衛生士国家試験等と同様に指定試験機関において実施できるよう、歯科の歯科技工士法を改めてはどうかということ。それともう1点ですが、歯科技工士の登録に関しましても、指定登録機関において実施できるように歯科技工士法を改めてはどうかということです。それにつきましても、先ほど申しました11月28日のこの歯科専門職の資質向上検討会の中で、この方向性でよろしいのではないかということで、了承いただいたところです。
 続いて、資料1-3ですが、このような方向性を受けて法律改正を行っていくに当たりまして、歯科技工士国家試験を統一していくというようなこと、あるいは指定試験機関、指定登録機関というようなことを法律改正を行っていく上において、それぞれの例えば国家試験の細かい事項というようなことにつきましては、ワーキンググループで御検討いただいてはどうかということで、このような歯科技工士のワーキンググループを設置するということで、御了承をいただきました。
 次頁ですが、こちらは本日出席いただいております先生方ですが、委員の構成、それと末瀬委員が座長となるということも含めまして、資料1-3で御了承をいただいているものです。以上です。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。資料1-2、あるいは資料1-3に基づきまして、今、事務局から説明いただきました。検討会で歯科技工士の国家試験の全国統一化をするための改正点というか、現状と課題という点がまとめられております。また、法改正についても現状と課題ということで、法改正を行っていくということでございます。そして、資料1-3では本ワーキンググループでの目的、あるいは今後の検討課題というか、検討内容について課題を挙げていただいております。これにつきまして、何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。御理解いただけますでしょうか。

               (特に発言なし)                

 それでは、続きまして、資料2の説明を事務局よりお願いいたします。

○小椋課長補佐 
 資料2-1、資料2-2を併せて説明いたします。資料2-1については、各都道府県で歯科技工士国家試験を行うに当たり、国で提示している実施要綱です。こちらの試験期日としては、学説試験1日、実地試験が1日となっています。試験内容として、歯科技工士として必要な知識及び技能について、一般的実力を試し得る程度のものとするとなっています。
 3番目として、試験の実施方法ということで、1番目は学説試験、2番は実地試験について記載しています。4番目は合格基準で、その内容を記載しています。5番目として、合格基準は公表するとなっています。
 この資料2-1に基づいて、各都道府県で行っている歯科技工士国家試験をとりまとめたものが、資料2-2となっています。1ページは、歯科技工士国家試験の実施状況ということで、学説試験、実地試験の実施日、合格発表の日、出願者、受験者、合格者数、合格率。あとは学説試験、実地試験の所要時間です。
 2ページです。こちらは各都道府県で行っている国家試験の試験委員の内訳です。一番左側に総数、その次に歯科医師、医師、歯科技工士、その他と職種です。次が、試験委員会の回数、日数、委員名公表の有無を記載しています。
 3ページです。科目別の試験委員です。上から歯科理工学から始まりまして、科目が記載されています。一番最後が実地試験という形になっています。
 4ページです。こちらは歯科技工士国家試験の科目別の問題数で、歯科理工学から始まって、関係法規までの試験問題数です。一番右端が合計の試験問題数になっています。
 5ページです。試験問題の回収の有無、解答の公表の有無、合格発表の方法、受験手数料、障害者等への配慮、試験の共同作成について、各都道府県ごとに記載しています。資料2-1、資料2-2については以上です。

○末瀬座長 
 現在行われている歯科技工士国家試験の実施要綱、実施状況について、詳細な資料の下に御説明をいただきました。既にこういったデータについては、御存じの先生方もおられるかと思いますが、今日初めて見ていただいた方もあるかと思います。御質問、御意見はございますでしょうか。

○大西委員 
 追加ですが、資料2-2の25、26、27の滋賀県、京都府、大阪府については、合同で試験をしていることを、情報提供させていただきます。

○末瀬座長 
 近畿の滋賀、京都、大阪については、平成24年の試験は合同試験ということで、学説試験のみ、同じ問題で試験をしたということです。試験の実施業務、登録業務は、各府県別ということです。大西委員から情報提供をいただきました。
 ほかに御意見、御質問はございますか。合格率は98.7%ということで、非常に高い合格率でもあります。試験の実施日等についても、1か月以上の開きがあるということもありますし、現状、受験者数が全国で1,300名ということも大きな点で、10年前に比べますと半分ぐらいになっていて、減少してきているという実証があります。何かございますか。よろしいでしょうか。また後ほど、何かございましたら御意見をいただきたいと思います。
 続いて、資料3について御説明をお願いします。

○小椋課長補佐 
 資料3です。これは医政局で所管している医療関係職種の国家試験の実施状況の資料です。ですので、医政局で所管していない薬剤師などは、この表からは抜けています。
 職種としては、1番目の医師から始まり、歯科技工士以外ですので、19番目の言語聴覚士ということで、歯科技工士以外の19職種の国家試験の実施状況を記載しています。
 数字ですが、左側から受験者数、合格者数、合格率、国家試験の出題数となっています。
 次が、平成25年の試験の予定ですが、官報公告の日付、合格発表の日付、筆記試験の実施日です。日数として、例えば医師ですと、500問を3日間でやる形になっています。
 続いて、口述及び実技試験ということで、こちらの8番の理学療法士、9番の作業療法士に、実技試験等は1日ありますが、全員が行うわけではなくて、一番右側の備考欄に書いていますが、こちらの視覚障害者のみが、この実技試験等を行う形になっていまして、毎年行われているわけではなく、数年に一遍、視覚障害者の方がいらっしゃるときにだけ、適宜行っているというものです。
 続いて、試験地です。例えば医師ですと、北海道から始まりまして、沖縄県まで12か所です。一番最後に括弧書きで数字が書いてありますが、試験地の数です。そのような形で、医師から言語聴覚士まで並べているのが、資料3です。説明は以上です。

○末瀬座長 
 歯科技工士以外の医療関係職種について、医政局管轄のものについて、現状の国家試験の実施状況ということで、御説明をいただきました。医師から始まりまして、19職種について、恐らく一覧で御覧いただくのは初めてではないかと思いますが、実態はこのような形です。
 先ほどの資料2-1、資料2-2と一緒に見ていきますと、歯科技工士の場合は受験者数が約1,300名であること、出題数は各都道府県によって異なりますが、平均では79題と整理をしていただいています。あと、先ほど御説明いただきましたように、口述、実技試験については、一部を除いては、ほかの医療職種については全く行われていないというのも実態です。試験地についても、全国の何箇所で行われているかも記載していただいています。何か御質問はございますでしょうか。
 この実施状況というのは、現状で行われているものですので、今後歯科技工士の国家試験の全国統一化に当たっては、非常に参考になる資料ではないかと思います。今後御検討いただく場合に、参考にしていただきたいと思います。御質問はありませんか。よろしいでしょうか。また後ほど、ディスカッションのところで御質問もいただきたいと思います。
 続いて、資料4について御説明をお願いします。

○小椋課長補佐 
 資料4です。1枚の横紙で、「歯科技工士国家試験に関する論点整理メモ(案)」です。事務局から案を提出しています。
 大きく分けて、歯科技工士の教育をどのように考えるのか、歯科技工士国家試験をどのように考えるのか、その他の3つに分かれています。
 歯科技工士の教育については、歯科技工士に求められる能力、あるいは今後のあるべき教育内容、歯科技工士の指定規則、歯科技工士養成所の指導要領、指導教授要綱などについて、今後どのように、改める点などがあるのかないのかということ。また、歯科技工士国家試験については、先ほど資料2、資料3にもありましたが、試験の日数、試験問題数、試験地、試験内容、国家試験の出題基準ということ。先ほど座長からも御提示ございましたが、ほかの職種ではほとんど行われていない実技試験に関しては、実技能力をいかにして担保していくかという、実技能力の担保方法等について、先生方に御議論いただけたらと思っています。資料の説明は以上です。

○末瀬座長 
 資料4については、これからこのワーキンググループで検討していく問題を抽出していただいています。いわゆる論点整理という形で項目を挙げていただいています。大きくは、歯科技工士の教育に関するもの、歯科技工士の国家試験について具体的にどうあるべきかのことです。
 後ほど、また御意見いただきますが、本日は、これから5、6回にわたって行われるこのワーキンググループの概要というか、資料説明が中心ですが、概略的に、これまで皆さん方がお考えになっている御意見を賜りたいということです。
 まず、最初に歯科技工士の教育をどのように考えるかということで、5つほど課題を挙げていただいています。委員の方々から、忌憚のない御意見を賜りたいと思います。現状の教育を見て、ここに挙げていただいている内容も踏まえて、あるいはこれ以外にでも結構ですが、御意見があれば是非発言をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 これまで、全国歯科技工士協議会等でも、いろいろ話題にしてきた内容もございますし、あるいは歯科技工士、歯科医師会等でも、議論されておられるようなこともあろうかと思いますが、教育という問題について、御意見をいただけたらと思います。

○溝渕委員 
 直接に教育のことかどうか分からないのですが、歯科技工士法の中で、非常に歯科の方も厳しいということで、患者との対面行為等のところは、法律でいうとどの辺りで規制されているのでしょうか。これも、よく代議員会等で出る質問なのですが、何とか歯科技工士にということで。

○末瀬座長 
 いわゆる診療室等で、歯科技工士が診療室に出たときの、患者に対する対面行為について御質問がありましたが、規制現状について事務局からお願いできますか。

○小椋課長補佐 
 青い冊子に参考資料1ということで、歯科技工士法が載っています。歯科技工士法の中に、用語の定義ということで第2条に記載していますが、「歯科技工とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補綴物、充填物、又は矯正装置を作成し、修理し、又は加工することをいう」ということで、歯科医師がやることを除くと記載してあります。
 歯科技工士に関しては、歯科技工を行うということで、法律の中に、対人行為、対面行為に関しては、特に記載はされていません。例えば3ページを御覧ください。中程の第4章に業務が記載されています。その第17条で、「歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行ってはならない」ということで、先ほどの第2条の歯科技工は、歯科技工士あるいは歯科医師の独占業務だということが、こちらに記載されています。
 第18条として、歯科技工士が歯科技工を行うに当たっては、歯科医師の指示書によらなければ、その業として歯科技工を行ってはならないという形になっています。
 第20条「業務上の注意」ということで、「歯科技工士については、その業務を行うに当たっては印象採得、咬合採得、試適、装着、その他歯科医師が行うのでなければ、衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない」ということは、こちらに記載しています。法的なものとしては以上です。

○末瀬座長 
 ほかに何か御意見、御質問等があれば、どうぞ。歯科技工士の教育ということについて、まず伺いたいと思いますので、その点について、御意見、御質問をいただきたいと思います。

○時見委員 
 歯科技工所を代表して参加しています時見です。先ほどの溝渕委員の関連ですが、昨年、日本歯科技工学会が診療中のチェアーサイドに歯科技工士が立ち会うことによって、どのような影響があるかという調査を行いました。
 その結果、歯科技工士が患者のそばに立って、シェードテイキングをドクターと一緒に行ったり、使用される材料についての説明、作成する補綴物の機能等に関して患者に説明するということで、非常に品質の向上につながり、また歯科医師とのコミュニケーションもスムーズにいくようになった、という報告がなされているのですが、立会いというのが、いかにも第20条に規定されているような行為を歯科技工士がすると誤解されることがあるのですが、そういうことではなく、歯科技工士が立会いをすることによって、より品質の向上が期待されるという報告も出ていますので、教育の内容も、そういったものを含めて行うべきではないかと考えております。

○末瀬座長 
 業務ということになれば、その前提には教育がなければ、そういったことも行えないということで、これはよく教育現場でも話し合われていますが、いわゆる臨床実習というか、臨地実習というか、そこには現場での実習もそこに入ってくるのではないかと思いますが、その点について、鈴木委員、いかがですか。

○鈴木委員 
 このワーキンググループでどこまでやるかというのは、私もまだつかめていないのですが、教育をどのように考えるか、教育に求められるものを国家試験で出題するということになるわけですね。そうしたとき、私のところは4年制という非常に余裕のあるところですが、一般的には2年間でやらなければいけないとなりますと、現在の教授要綱というのは非常にぎりぎりなわけです。そうしますと、最近では必要とされるCAD/CAMみたいな話はやる余裕はないということになります。
 歯科医師の方でもモデルコアカリキュラムのようなものがありますが、歯科技工士でも2年間でやるものをもう少し整理するべきです.いわゆる捨てる部分がないと新たに入れるところがないように思うのです。ですから、そこをもう少し考えて、例えば2年間の教育なのですが、2年間のあとのアドバンスで行う教育までを含めて、もう少し広い範囲のところで取捨選択をするいい機会なのではないかと思っています。
 あと、第20条に絡めますと、これは本学では学生に一番最初にテーマとして考えさせるのです。第20条の「衛生上危害を生ずる」というのは、歯科技工士は汚いのかと見られるわけです。そうなりますと、例えばこの20条を将来変えることを考えたら、感染に対する教育がきちんと行われているかどうかということが、社会に説明できなければいけないということになります。
 そうしますと、学校を卒業してすぐにこのことができないと務められないということではなくて、こことここを押さえておけば、それが将来に生きていくという教育にしないと、今後、ただ授業時間が増える、覚えることが増えるという形では、未来がないのではないかと思うのです。
 ですから、教授要綱等を見たときに、ここは是非というところと、将来につながるようなものを増やしていく。反対に少し捨てる部分をつくっておいて、また別のところでアドバンス的にやるような形の内容まで踏み込めれば、国家試験という我々の業界の悲願を、うまく次のチャンスに持っていけるのではないかと思います。将来性のあるものを入れる。そして、あとは、卒業してからでもいいというようなものを別にするというような整理をして、2年間というものではなく、もう少し長いスパンの中で教育を考えるべきではないかと思います。

○末瀬座長 
 今、鈴木委員からもありましたが、このワーキンググループでは、いろいろな面からそういったことをまとめて、将来につなげていきたいと思いますし、我々が今まで懸案にしていた内容をよく盛り込んでいただいていますので、本当にいいチャンスだと思いますので、皆さん方、委員の手で、新しい歯科技工士の教育については是非前向きに御検討いただきたいと思います。
 その中に、先ほど申されました臨床の場での業務といったものもあるでしょうし、鈴木委員がおっしゃったような、就業年限という問題もそこに関わってくるのではないかと思います。ほかに御意見はございますでしょうか。

○杉岡委員 
 今、鈴木委員がおっしゃったこともよく分かるのですが、我々は歯科技工士会ですので、卒業した学生を受け入れる立場です。歯科技工士の全体像、資質を向上するという意味では、教育現場と、そのあとに受け入れる我々の立場でも、協働して取り組んでいかなければならないということは確かです。
 我々の調査では新卒者で5年以内に歯科技工士として残る人が2割5分とか、3割しかいないという実情があります。それは、教育レベルと実際に社会に出た歯科技工士が活躍する臨床レベルに、余りにも差がありすぎるということに、1つ原因があるのではないか。
 それだけではなくて、歯科技工士の重要な手技に対して、子供たちが22、23歳まで育つまでの社会環境が、変わってきたということもあると思うのですが、いずれにしても、技術を大事にしなければならない歯科技工士の教育レベルと、実際に我々が日常的に行っている臨床レベルにかなり差があるのではないかと思います。
 そういう意味では2年間の教育にこだわるのではなく、むしろ、3年、4年という長い教育の期間も必要ではないか。それは我々だけが、医療従事者の中で2年という教育期間だと聞いていますので、もう少し2年にこだわらないで教育をしていただくのも、1つの考えではないかと思っております。

○末瀬座長 
 今、御意見いただきましたように、座長の立場で言うのはどうかとは思うのですが、常々、3年制の必要というのは教育現場では求められておりますが、他の医療関係職種が3年以上だから、歯科技工士も3年以上にするということではなくて、鈴木委員もおっしゃいましたが、必要性です。何を入れる、どういうことを教育していかなければいけないのか。そのために、先ほど申しました臨床実習等も含めまして、3年制も必要ではないかという議論になってくる。
 ですから、本ワーキンググループでも、そういった具体的な内容、どういうものを入れていかなければいけないのか、あるいは教授要綱をどう変えていかなければいけないのかを、先生方から具体的に御意見を賜りたいと思います。ほかに御意見はございますでしょうか。尾崎委員、何かございますか。

○尾崎委員 
 教育現場の意見として、今、鈴木委員からもお話がございましたが、かなり苦しい状況で学生の指導を行っています。指定規則では最低2,200時間を実施することになっております。これは、他の医療職種や一般の大学に比べても、かなり多い時間数だと思います。
 また、以前の調査では、2,200時間では時間数が少なく教育できないという理由で、2,500時間を上回る時間数を、多くの各学校が実施していました。 その中に、新しい内容として、CAD/CAMやレーザーなどを組み入れようとすると、教育は、さらに困難になると考えられます。学生も、教員も大変になってしまいます。
 そこで、指定規則をもう少し弾力化して作っていただけますと大変嬉しく思います。他のほとんどの医療職種が大綱化されている中で、歯科技工士は、いまだに大綱化されていません。この点につきましても御検討いただけましたなら幸いです。

○末瀬座長 
 尾崎委員からも「大綱化」という言葉が出てきましたが、これは今の現状、各医療職種だけではなくほかの分野においても、教育の内容に関する大綱化はよく論じられているところです。そういった意味からも、歯科技工士教育の中では、先ほど「コアカリキュラム」という言葉も出ていましたが、教育の大綱化です。
 以前に渡辺先生が会長をしておられましたときに、少し研究でまとめたものもありますが、そういったものもベースにしながら、こういった場で是非御議論いただきたいと思います。
 また、この場はいろいろな方面、教育現場、日本歯科医師会、歯科技工士会の先生方、また、第三者的な立場で見ていただける先生方にも参画していただいていますので、意見を交すには絶好の機会ではないかと思いますので、それぞれの立場から御意見も賜りたいと思います。ほかに教育に関して何かございますでしょうか。フリーデスカッション的にでも結構ですので、現状に御意見のある方は是非お願いいたします。

○松下委員 
 本校は昼間の2年制の学校ですが、私も長い間歯科技工士教育に関わって感じたところがあります。
 私の仕事の内容は、学生の募集、授業、就職担当ということで、入り口から出口まではやっています。学生募集、授業については、学生のレベル等もあり、大きく変わったと思いますが、就職に関しては、私が就職した40年ぐらい前と比べても、何も変わっていません。
 というのは、求人者側からすると、仕事ができる、明るくて協調性がある、積極的な、いい子がほしい。この一言に尽きるわけです。これは40年前も、今も、何も変わっていないと思うのです。教育が、例えば専門学校の立場からいくと、職業教育なのかなと思っています。
 学生にとっては、せっかく取ったライセンスですから、歯科技工士として社会に貢献したいという願いをもって、みんな就職していくわけですが、3年あるいは5年以内に、長時間労働などで辞めていってしまう形が、今の現状ではないかと思っています。
 歯科技工士ですから、求められる能力などは、患者さんのために良いものを作るということだと思いますが、そこには技術だけでなく、社会性、人間性という大きな問題が出てきていると思っています。

○末瀬座長 
 ほかに何かございますでしょうか。これまで数名の方から、いろいろな御意見を賜りました。そういったことも含めて、また今後、教育については1つのワーキンググループの中で、まとめていきたいと思います。今日は最初ですので、いきなり教育ということで、皆さん方も戸惑われているところもあるかもしれませんが、次回までには是非御意見をまとめてきていただきたいと思います。

○大西委員 
 教育の検討の仕方なのですが、ある程度検討する方向性、やり方を整理した方がいいかなと思うのです。教育の、いきなり各論にいくと、なかなかまとまりにくいところがあると思います。まずは、歯科技工士として今後、どういう形のものに業務の最適化がされるのか、求められるのかという辺りについて、ある程度共通認識を持ってもらった上で、そのうち養成所の教育でどこまでいくのか、卒後教育でどこまで教育するのか整理した上で、必要であれば修業年限等も考えていくという形で、まず、今後、求められている歯科技工士像を描いた上で、それをどういう形で教育していくかというところ、検討することが必要だと思います。

○末瀬座長 
 今後の方向性というか、検討すべきような内容についても、今、大西委員から御意見をいただきました。せっかくこういった機会ですので、将来的に歯科技工士としての職種を更に確立する上での教育を、現状を踏まえてやっていかなければいけないと思っております。そういった意味で、先ほど来申していますが、教育の現場におられる方々、既に業務をされている歯科技工士会の皆さん等がおられるわけですので、各分野から意見があると思いますので、次回に教育について集中して協議をしたいと思いますので、そういった方面から、現状求められる能力はどのようなものであるか、将来の教育内容をどういう形にすべきなのかも踏まえて、御提案をいただきたいと思います。
 もちろん、その中には先ほど申されました診療現場での話もありましょうし、あるいは修業年限の問題等もございますでしょうし、あるいは大綱化等についての問題もあると思います。それぞれ御専門の立場で、是非御意見をまとめてきていただいて、このワーキンググループでそれを反映していただきたいと思います。
 また、いろいろな所定規則であるとか、指導要項、教授要綱という、いわゆる行政機関で定められているような内容もございますが、これについても資料を用意していただいていますので、文言あるいは内容等について、見直していかなければいけないところについても是非抽出していただいて、提案という形でまとめさせていただきたいと思いますので、今日頂きました資料をよく御覧いただいて、次のワーキンググループで御発言を賜りたいと思います。
 まだ御意見もあるかも分かりませんが、次の議題にいきます。次に、「歯科技工士の国家試験について」という、かなり核心的なことまで触れられておりますが、これも今日は資料を提案していただいています。概要ということで御意見を賜りたいと思います。また、日を改めまして、これについても集中討議もしたいと考えております。とりあえずこの国家試験について、先生方の御意見がございましたら、忌憚のない御意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。

○白石委員 
 先ほどの資料の御説明のときにお伺いすればよかったのかもしれないのですが、事実関係を確認させていただければと思います。私は専門ではないので、皆様は御存じかもしれないのですが、試験日が県によって異なっているという状況があると思うのですが、全国で統一化しようという動きはないのか、あるいは試験日はどのような形で、その日に設定されているのでしょうか。
 それと、受験場所が設定されていない都道府県があるかと思うのですが、その場合、受験者の方は実際にはどのような対応をされているのでしょうか。

○小椋課長補佐 
 試験日については、各都道府県知事が定めるという形になっておりまして、資料2-2にございますが、現段階では各都道府県によって試験日が異なっています。ですので、例えば違う都道府県に行くと、国家試験でありながら複数回の受験が可能になってしまいます。今の段階ではそういうことも可能となっていまして、課題の1つとして挙げられています。
 あと、御質問にありました試験会場についてですが、こちらについても各都道府県がそれぞれの実情、具体的な現場を踏まえて、試験する場所についても決定しているということです。

○白石委員 
 例えば沖縄は試験が行われていないのですが、そういった場合は本土で受験するのですか。

○小椋課長補佐 
 資料2でバーの付いているところは、養成所、学校のない都道府県です。ですので、そもそも養成していませんので、歯科技工士国家試験を実施していない都道府県が、12県あります。

○末瀬座長 
 ほかに、国家試験について何か御意見はございますでしょうか。いろいろあるとは思うのですが、何かございましたら、是非お願いいたします。御質問でも結構です。
 まず現状把握をしていただかないと、事が進みませんので、こういった資料を用意していただいていますので、現状把握すること、あるいはその中で何か御質問があれば、是非伺いたいと思います。何か御意見でも結構でございます。

○鈴木委員 
 「医療関係職種」というところで、これは一つ参考になると思うのですが、例えば同じ2,000人の受験者でも、助産師は10か所、臨床工学技士は4か所となっています。他の職種はどのくらいの時期に国家試験になったかというのは判断の参考になりそうです。この中に割と最近のものがありましたら教えていただけますか。

○小椋課長補佐 
 資料3で申しますと、こちらの10番目以降については、結構最近行われてきているものが多いという形になっています。それぞれの職種について、具体的に何年からというのはすぐにお答えできないのですが、恐らく財団でやられているものが下の方にきていることが多くて、次のページも、財団で行われている試験ということで、恐らくこちらは平成になってから財団で国家試験が開始されていると思います。

○上條歯科保健課長 
 歯科衛生士は平成4年で、通常の職種は平成のはじめ以降が後半のところは多うございまして、最近は医療関係職種でも、新しくできたものは言語聴覚士ぐらいで、これが平成11年です。
 あとは、職種によっては急激に受験者が増えている職種がありますので、一概には言い切れないところはあります。

○末瀬座長 
 ほかに御質問はございますか。

○時見委員 
 試験の実施日と合格発表の日に関してですが、合格発表されてから、免許の申請を行い、免許を受け取って、はじめて歯科技工士として歯科技工業務に従事することができるのですが、臨床の現場で新卒者の就職ということになれば、よくあるのが4月1日からですが、例えば近畿の3府県に関しては、合格発表が3月29日末であるということで、学生によっては免許証を受け取るのが4月の半ばになってしまうということがあります。そこで、期日に関しては、できれば前半にまとめることができればと思います。
 あと試験地の数ですが、医療職種それぞれ試験者数は様々ですが、受験者数と試験地数とは関連があるのでしょうか。

○末瀬座長 
 最初のものは要望ですね。

○時見委員 
 最初は要望で、後半は質問です。

○末瀬座長 
 後半の、受験者数と試験地の数ですね。

○小椋課長補佐 
 回答させていただきます。資料3を見ていただきますと、12番目の義肢装具士ですと、受験者が223名しかいらっしゃいません。これは全国で東京1か所になっています。
 10番の視能訓練士は720名で、試験地は東京と大阪の2か所になっています。
 あとは1,000名以上の職種になっていますので、それぞれの職種、あるいは確保できる試験会場を踏まえた上で、大体12か所、10か所、8か所となっています。
 上にいくと、例えば5番目の看護師は5万3,702名の受験者がいますが、こちらも10か所となっていまして、ほかの助産師、保健師と同様になっています。保健師と助産師は数は少ないのですが、看護師、保健師、助産師は同じ試験会場で行うこともありますので、これは数が少なくても10か所となっています。ですので、それぞれの職種によって、その状況を踏まえた上で、試験地についても決定しています。

○時見委員 
 そうなれば、例えば試験のできる施設を確保するために、例えば当該の地域に属する歯科技工士養成所の定員数でいくのか、実際の受験者数でいくのか。というのは、2000年を境に、歯科技工士学校では定員割れを起こしています。これが本来ならその定員に近い数の受験者数がいるというのが本来の姿だと思うのですが、その辺はどのように考えていられていますか。

○小椋課長補佐 
 これは定員と受験者数の乖離があるということだと思うのですが、それもそれらの実情を踏まえた上で、今後は試験地についても、先生方の御意見を伺った上で決定していきたいと考えているところです。
 蛇足ではありますが、試験地の数が増えると、恐らく受験料にはね返ってくるような形になるのです。試験地が増えれば、当然試験にかかる経費が増えますので受験者が負担する受験料はそれにはね返ってくることが1点あろうかと思います。

○末瀬座長 
 現在、歯科技工士の養成機関の定員は2,000名です。それに対して、受験者が1,300名です。あるいは受験者はほとんど入学者と同じですので、充足率は約7割弱ということです。
 今、申されましたように、試験会場が増えれば、それだけ経費がかかりますので、受験料にはね返るか、あるいは個人の交通費にはね返るかのどちらかになるのではないかと思います。いずれにしても、経費の問題、会場のキャパシティの問題もあることも、この受験者数と試験会場との関係ではないかと考えられます。
 ほかに何か御質問、御意見はございますでしょうか。

○大西委員 
 試験問題数ですが、一応過去に大阪府で100問に決めた経過があります。過去、大阪府の試験では160問出していたのですが、現状の100問に減らしています。減らした経緯は、マークシート方式でやっているのですが、160問出していたときには、毎年違った問題を出すとなってくると、試験委員の先生方が出すところがなくなってきて、問題が枝葉末節を問うような問題ばかりになってきた経過がありまして、本当に重要なところを、ポイントをついて出題するには何問が一番適当か、いろいろ議論いただいた結果が100問に至ったという経過です。問題数について御検討される中で、その辺を踏まえて御検討いただけたらと思います。
 試験の実施要綱の中では、試験時間は5~6時間となっているのですけれども。これも、京都、滋賀、大阪、統一試験をするときに、記述問題で出題されている所は当然試験時間が長くなりますし、大阪のように、マークシートで選択式にすると、5~6時間に相応しい問題を出すのはなかなか大変でして、実際にはこの半分以下の時間で終了するような問題になっているのが実態です。その辺、出題形式と採点方法と試験時間の3点を関連づけて御検討いただけたら。それから、本来聞くべきところを聞くには、一番適切な問題数はいくらかといった観点から試験問題数を念頭に置いて御検討いただけたらと思います。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。大西先生は以前、大阪府の試験のほうに直接関わっていただいていました。そういうことで、今、御参考までに意見をいただきました。ほかに何かございますか。

○溝渕委員 
 今年になります。技工士の全国統一の問題は、歯科医師会のほうでも何度か理事会で、協議というか意見交換されております。医療関連業種のほうで全国統一の国家試験がないのは歯科技工士だけで、是非とも全国統一試験のほうに持っていっていただきたいというのが1点と。そこの中で、私は少し違うのですが、やはり実技試験で少しハードルをつけていただきたいと、理事会の中では意見として多く出ています。実際、実地試験が行われるのか、あるいは臨床実地問題で対応されていくのか、この辺もこれから検討されると思いますが、そこは少しハードルがいるのではないかというような意見が出ております。試験地の問題に関しても費用の問題等もありますので、できるだけたくさんの場所でやられるのがいいとは思いますが、なかなかそういうわけにもいかないのかと思います。以上です。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。今、溝渕委員のほうからも、実技というか、ここの一番下にある、実技能力の担保方法等についても書いていますが、そういった話題についても、是非ワーキンググループでもいろいろ御意見をいただいて、最終的にはワーキンググループとしての意見をまとめたいと思います。何か御意見ございますか。

○大西委員 
 実技能力の担保方法もなのですが、大阪府の場合、最近、5校あるのですが、実技試験をやっているとやはり学校間でいろいろな特徴というか格差が出てきます。実技試験だけで学校間の格差がならされるかというと、それが現実に養成所に格差を伝えているわけではないので、国家試験だけで実技試験の学校間格差が是正されるかというと、それはなかなかしんどいところがあります。ですから、実際には、例えば、歯科医師の客観的臨床能力試験のように、養成所段階で一定の評価みたいなものを実施し、養成所自体の質を担保することが必要かなと。大阪府の場合、機会をとらえて、差支えない範囲で養成所に情報提供するということもありますが、基本的に実技試験をやったから全部の養成所間格差がなくせるかというと、非常にしんどいところがあります。それなので、養成所段階での実技能力担保方法も併せて検討していく必要があるかと思います。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。いつも問題になりますが、技工士の場合の実技という問題ですね。これについても非常にシビアなところがあると思いますが、是非また御意見をいただきたいと思います。ほかに何かございますか。

○杉田委員 
 試験ということで、実技においては、本校は3年制になりますので、ほかの学校よりも1年多いわけで、そういう意味では対応というか対策が取れる時間はあると思います。先ほどの教育の所に戻るかもしれませんが、時間に少し余裕があるので、独自色が出せるということで、その時間を何に使うかですね。これは以前も、本校も2000年までは2年制で教育していたのですが、実は3年制になってから、国家試験対策が時間数的には短くて済むという結果になっています。それはその間、1年間ほかの実習をしているうちに実力がついたのではないかと分析しています。
 試験は違うかもしれませんが。柔道整復師の国家試験に関しては、認定実技審査制度があり、そういったことも少しは考える余地はあるのではないかと考えています。

○末瀬座長 
 今、柔整の話も出ましたけれども。資料3に、国家試験としては実技は行っていないとありますが、教育機関の中ではそういった内容的なことも行われている所もあります。
 それから、一応参考までにですけれど。先ほどの教育ということに非常に関わってくるのですが、国家試験等の実施区域があって、現在、歯科技工士学校というか養成機関は全国で53校あります。その内訳として、4年制大学が広島と東京医科歯科大学の2校です。2年制の短期大学が、日本歯科大学の東京短期大学と明倫短期大学の2校です。それから、3年制の専門学校が東洋医療専門学校の1校で、あと、48校が2年制の専門学校となっております。御参考までに。ほかに何かございますか。

○鈴木委員 
 私が委員になるに当たって、ほかの大学の先生方から、実技試験を絶対に無くさないようにと言われました。ただ、現実的に難しいのはよく分かっております。実際、私の専門は義歯なのですが、普通に2年間でやった場合、実習で1回排列するだけなのです。ただし、国家試験の直前に集中的に練習するので、できるようになるのですね。そうしますと、国家試験に実技がないと、結局、最後のところで集中的にもう一度やるということがないので、どう考えても実力が落ちるということなります。歯科医師の場合、臨床実地問題があって、それで担保することになっているのですが、技工士の場合はカービングを臨床実地問題で代替できるのか、全部床義歯の排列を代替できるのかというと、それは臨床実地問題という形にはなかなかそぐわないと思います。そうしますと、ここら辺のところは全国歯科技工士教育協議会を中心としてある程度対応すべきかもしれません。試験があれば学生も頑張るというところがあると思います。ですから、その前にいろいろな所で、自校の教員が教えるだけではなくて、外部の委員が評価判定するような形で、実技試験を別のかたちでやらないと技工士としての能力は落ちてしまうのではないかと思います。ただし、他の職種ではどこを見ても実技試験がないという中で、我々が実技試験に固執することで国家試験が頓挫してしまったら元も子もないと私は思いますまた別の担保方法も考えないと世間には認められないのではないかと思います。以上でございます。

○末瀬座長 
 今、鈴木委員のほうからありましたが、そういった意味で、実技能力の担保方法と記載がされているので、その辺もよく議論していただきたいと思います。実技というのは非常にシビアで、従来は歯科医師も衛生士も従来実技がありましたが、今は国家試験では行われていないという現状から、いろいろ話題になっているところもあります。そういった先例もありますので、技工士の国家試験を統一化する場合の実技の在り方については、慎重に検討していかなければいけないのではないかと思います。
 ほかに何かございますか。よろしいですか。今日は資料をたくさんいただいていますので、是非資料を見ていただいて、次回からのワーキンググループにまた御意見を賜りたいと思います。それでは、事務局のほうから何かございましたら。

○小椋課長補佐 
 資料5を御覧ください。こちらのほうは今後のスケジュール案となっています。本日が第1回目でして、12月18日で、歯科技工士の教育及び国家試験ということで、先生方に御議論をいただきました。第2回目としては2月中旬頃を予定しています。また、第2回につきましては、歯科技工士の教育について、第3回から第5回までは、歯科技工士国家試験についてということで、詳細について御議論いただけたらと考えております。第6回目といたしまして、平成26年の春ぐらいにワーキンググループでの最終的な取りまとめを行っていただけたらと考えております。ただ、議論の進捗状況によっては、更に途中で回数が増えたり、あるいは減ったりということもあろうかと思いますので、そこら辺は先生方の御議論を踏まえた上で弾力的に対応できればと考えております。次回の、2月中旬の日程や会議場所についても、先生方には決定次第連絡させていただきます。そして、次回以降から国家試験の中身に触れるような資料も提出することもありますので、できればこれは公開ではなく非公開という形で進めさせていただければと考えております。それとあと、本日配付した資料についてです。先ほども冒頭で説明しましたが、青いファイルについては次回以降も使用しますので、机の上に置いていただければと思います。それ以外の資料はお持ちいただいてもかまいませんが、机の上に置いといていただければ、青いファイルに適宜綴じ込んでいきたいと思います。次回以降、この会議に持ってこなくてもいいだろうという先生方は、ほかの資料につきましても、机の上に置いといていただければ、青いファイルに綴じ込んで、こちらのほうで保管しておきたいと思います。以上でございます。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。ただいま御説明にありましたように、次回からは資料5に基づいて核心に触れた内容について集中討議をしたいので、先生方から、委員の方々から御意見を賜りたいと思います。冒頭に申し上げましたが、こういった機会というかチャンスです。近い将来の技工士の在り方等についても問われるような内容ですので、是非このワーキンググループで十分な御意見をいただいて、親会の検討会に御提案をしていきたいので、委員の先生方の御協力を賜りたいと思います。何か御質問はよろしいですか。

○鈴木委員 
 2月14日5時というのは、第2回目をまだフィックスされていないのですか。

○小椋課長補佐 
 今のところ、第一候補として2月14日5時で、そこで行いたいと思いますが、会議室が取れないとか、そういうことがあるとまた別な日にちにということもあるかと思います。今のところ、第一候補として2月14日5時という形にしています。よろしくお願いします。

○末瀬座長 
 ありがとうございます。一応予定ということで。よろしいですか。

○杉岡委員 
 御用意されると思いますけども。今日、資料3で各医療技術者の試験状況を表にされていますが、できれば第3回以降の国家試験の問題のときまでに、実技試験がない所の担保方法も調べていただくと有難いです。

○末瀬座長 
 もし事務局のほうで資料を準備ができればお願いします。それでは、皆さん方におかれては年末のお忙しいところですね。本ワーキンググループに参加していただきまして、ありがとうございました。一応6回の予定ですが、今後とも先生方の御協力に期待します。今日はたくさんの貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。これで第1回目の歯科技工士ワーキンググループを閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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