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2012年12月6日 厚生科学審議会疾病対策部会 第27回難病対策委員会 議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成24年12月6日(木曜日)14:00~16:00


○場所

都道府県会館 101大会議室


○議事

○西嶋疾病対策課長補佐 それでは、ただいまより「厚生科学審議会疾病対策部会第27回難病対策委員会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 委員会開催に際しまして、矢島健康局長よりごあいさつを申し上げます。
○矢島健康局長 委員の先生方には、大変お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。また、先生方には日ごろから難病対策だけではなく、厚生労働行政全般にわたりましていろいろな意味で御支援、御協力をいただいております。この場をお借りいたしまして、厚くお礼を申し上げさせていただきたいと思っております。
 この検討会でございますけれども、難病対策の改革の全体像という形で10月末に事務局から案、たたき台を提出させていただきました。
 それを踏まえまして、本日は今まで3回議論をさせていただいたわけですが、その3回の委員会の議論のおさらいをまずお願いしたいということと、それから難病についての医療費助成を行う考え方、それから障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲、難病手帳のあり方、それから都道府県からいただいた御意見等につきまして本日は御議論をいただきたいと考えております。
 今後も、難病対策の抜本改革のため、法制化に向けた具体的な議論を加速させていきたいと考えておりますので、何とぞよろしく御支援、御協力をいただければありがたいと思っております。
 本日は、よろしくお願いをいたします。
○西嶋疾病対策課長補佐 カメラの撮影は、ここまでとさせていただければと思います。
(報道関係退室)
○西嶋疾病対策課長補 また、傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項をよくお読みいただければと思います。よろしくお願いをいたします。
 それでは、まず本日の委員の出欠状況の確認でございますが、五十嵐委員、小幡委員、葛原委員、小池委員、水田委員、千葉委員、広井委員、山本委員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、駒村委員がおくれるということで御連絡をいただいております。
 以下の議事進行につきましては、金澤委員長、よろしくお願いいたします。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 暮れになってまいりました。お忙しいところ、ありがとうございます。
 それでは、最初に資料の確認をお願いいたします。
○西嶋疾病対策課長補佐 資料の確認でございます。
 まず、議事次が第1枚ございます。その後には、配置図と委員名簿、出欠の状況の確認の表でございます。
 また、資料1-1といたしまして、これまでの難病対策委員会における主な意見というものでございます。
 資料1-2といたしまして、「第24回~第26回難病対策委員会の意見の反映」の資料一式がございます。
 また、資料1-3といたしまして「今後の検討課題及びその手順(案)」ということでございます。
 また、資料2といたしまして「症例が比較的少ない難病について医療費助成を行う考え方」という1枚紙の裏表でございます。
 資料3といたしまして、「障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について(案)」がペーパーとしてございます。
 また、資料4は「難病手帳(カード)(仮称)の在り方(追加資料)」でございます。
 資料5-1は、全国衛生部長会から厚生労働健康局長へいただいた要望書でございます。
 また、資料5-2ということで、「その他都道府県関係者からの主な意見」ということで御用意させていただいております。以上です。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 問題がないようでしたら、議事に入りたいと思います。先ほど矢島局長のほうからお話がございましたように、きょうは4つぐらいの議論をしていただきますが、その最初であります。今まで3回、この会で議論をしていただきましたことのまとめと申しましょうか、正確には「第24~第26回難病対策委員会における主な意見」についてということでございます。これを資料1-1にまとめてあるそうであります。それを受けて、修正しました資料が1-2であります。
 その後、今後のスケジュールについての事務局からのまとめが1-3だそうでありますので、まずは資料全体を事務局から説明していただきまして、それぞれの3つの柱について一つずつ議論をしていただきたいと思います。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いします。
○西嶋疾病対策課長補佐 まず資料1-1、そして1-2、これを同時に見ながらと思っております。資料1-1といたしましては、これまで過去3回にわたりまして3つの柱ごとにそれぞれ難病対策のあり方について御議論いただきました。それにつきまして、それぞれの項目ごとに委員から出ました意見につきましてまとめさせていただいております。
 そういった意見を反映させたものが、資料1-2でございます。これは、基本的にはこれまで過去3回、事務局提出資料として出させていただきました資料に、赤字で委員の意見を加筆をした形になっておりますので、説明のほうは資料1-2を中心に御説明させていただければと思います。
 まず、資料1-2でございますが、1つ目の柱、「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上」ということでございます。これにつきましては、まず「今後の対応」というところで6ページでございます。パワーポイントの右下の小さい数字で恐縮でございますが、6枚目のパワーポイントでございますけれども、赤字で下線を引かせていただいております。
 まず研究分野については大きくこの3つに分けるということについては御了解いただいたと思っておりますが、領域別基盤研究分野につきましても疾患ごとに限らずグループ化も考慮してはどうかという委員の意見がございましたので、その旨、記載をさせていただきました。
 また、こういった研究の対象疾患を選定する際には公平性・透明性というものを確保することが必要だという御意見をいただいておりますので、丸の2つ目のところにその旨、加筆をさせていただきました。
 また、新たに丸を加えさせていただきまして、「研究対象の疾患群に対し、研究の必要性に応じて研究費を配分することを考慮する」ということで、これにつきましては委員から非常にその疾患数、あるいは研究の必要性、患者数が異なっていることを考慮して配分すべきだという御意見を反映させていただいたものでございます。
 また、8ページ目の研究分野、参考1のところのイメージの中でございますが、実用化研究分野のところで医薬品だけでなくデバイスのことも非常に重要ではないかということで、医療機器等ということでその旨、加筆をさせていただきました。
 次でございますけれども、研究の部分については以上でございます。また、国際協力のところで12ページでございますが、特に加筆はさせていただいてございませんが、委員からの意見といたしましては、データベースは重要なので欧米に持っていけるような高いレベルにしてほしいという旨の意見がございました。
 また、3つ目ということで「難病患者データの精度の向上と有効活用」、13ページからの項目でございますが、この点につきましては15ページの「今後の対応」を見ていただければと思います。
 ここでは、大きく委員からの意見としては2つあったかと思っております。1つ目は赤字丸の1つ目でございますが、できる限り難病指定医(仮称)」に新たな事務負担とならないような仕組みということで導入してはどうか。そういうことを考慮すべしという御意見がございますので、加筆をさせていただきました。
 また、次の丸のところでございますが、インフラの未整備等の理由で「難病指定医(仮称)」が登録できない場合においては、保健所等の医療機関以外での登録を検討するということで、保健所あるいはその他、自治体が入力をすべきだという御意見もございましたので、こういった形で加筆をさせていただいてございます。
 次の項目が4番の「医療体制の整備」ということで、20ページ以降でございます。これにつきましては、ここの部分では専門医の配置のことや、その他さまざまな意見がございました。また、データベースのシステムについてはモデル事業で試してから本軌道に乗せてほしいというような意見もございましたが、加筆のところはないかということで、この資料そのものには加筆をさせていただいてございません。
 また、次の柱でございますが、32ページで5番の「医療の質の向上」というところでございますが、ここについても先ほど申し上げましたようにデータベースの精度のことについて御発言がございましたが、それについてもデータベースのところで解説させていただいたとおりでございます。
 次の2つ目の柱が、35ページからで「公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築」というところでございます。ここにつきましてまず1番目は「基本的な考え方」、36ページでございますが、ここは資料1-2のパワーポイントのところでは意見を反映し忘れてございまして、「基本的な考え方」の?のところでございますが、「効果的な治療方法が確立されるまでの間、対症療法によらざるを得ず、長期の療養による医療費の経済的な負担が大きい患者を支援するという福祉的な目的」が2つ目にあるという考えをお示しさせていただいてございましたが、委員会といたしましては、そもそも現在の医療はすべて対症療法ということで誤解を招く表現ではないかという御意見をいただいたところでございますので、これは事務局のミスでございますが、「対症療法によらざるを得ず」というところは削除させていただければと思います。
 次の2つ目、「対象疾患及び対象患者の考え方」というところでございます。これにつきましては赤字のところが少々多くございますが、実際に難病対策委員会におきまして研究班の中間報告に基づいてこの委員会で御議論いただきました。その結果を、このパワーポイントに落とし込んだものでございます。
 医療費助成の対象疾患につきましては、研究班の中間報告における類型化を前提とすると以下の4つになるということで、ここの委員会の場では、その4要素について具体的にどういうものをもってそのようにするかということを御議論いただいたと思っています。
 まず、2つ目につきましての「原因不明」のところですが、「病態が未解明なもの」をもって原因不明とする。
 3つ目の「効果的な治療法未確立」については、「治療法がないもの・進行を遅らせ一時的に症状を緩和できるもの・一定の治療法があるが、軽快と増悪を繰り返すもの」とする。
 4つ目の柱、「生活面への長期にわたる支障」というのは、「発症してから生涯にわたるもの」だということで御議論いただいたと思っています。
 そういった4要素を満たし、また一定の診断基準や診断基準に準ずるものが確立しており、客観的な指標がある疾患(類縁疾患として疾患概念が明確なものを含む。)ということが考えられるということで追記をさせていただきました。これにつきましては、必ずしも診断基準だけがすべてではないという御議論をかなりいただきましたので、このように追記をさせていただいたものでございます。
 また、(注)というところで1つ目の柱の希少性という部分でございますが、「中間報告を踏まえれば、希少性については、例えば次の4つの類型が考えられ、諸外国の希少疾病の基準も参考に設定していくことが考えられる」ということで、そういうような形で加筆をさせていただいたところでございます。
 また、次でございますが、「対象疾患及び対象患者の考え方」につきましてはこのとおりでございます。
 次でございますが、3つ目の柱の「対象患者の認定等の考え方」は42ページからでございます。ここにつきましては、「今後の対応」というところで1つ加筆をさせていただいてございます。
 「今後の対応」、43ページの1つ目の丸でございますが、「病気の診断や治療の質等の担保と患者の利用のしやすさの両立を考慮した上で都道府県が難病について専門的な知見を有する医師を「難病指定医(仮称)」として指定し、「難病指定医(仮称)」が交付する診断書に基づき認定をする」ということで、アクセスの問題と医療の質の問題の両立ということで御意見をいただきましたので、その旨、加筆をさせていただいたところでございます。
 また、次の「難病指定医(仮称)について」、44ページでございますが、一定の研修というところにつきまして専門学会、医師会、あるいは拠点病院等で行う研修ということで、そういう旨の御発言がございましたので加筆をさせていただきました。
 また、次は「登録者証(仮称)のあり方について」ということでございます。51ページですけれども、登録者証のあり方についてどのようにするかというところで更新について御議論がございました。一定程度の期間の更新がなければ患者さんをきちんとデータ管理できないのではないかという御意見もございましたので、「更新手続きの負担を軽減する一方、難病患者データを収集することは重要であるため、更新手続きの期間として5年としてはどうか」ということで加筆をさせていただいております。
 その他、「指定難病医療機関(仮称)について」、あるいは「医療費の公費助成の範囲の明確化について」は、このとおりでございます。
 次に、56ページで「給付水準についてのあり方」、考え方ということでございます。これについては当方のほうから事務局案として御説明させていただいた資料をそのままつけておりますけれども、ここについてはその会の委員会におきましては特段の議論がなかったところでございますので、今回は特段加筆等、全く手を加えていないというところでございます。
 次に、3つ目の柱ということで「国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実」、63ページ以降でございます。ここについては、細かい御意見を幾つかいただいております。まず、加筆したところで申し上げますと80ページの4つ目、「患者間の相互支援・相談を担う人材の育成」というところで、一部の都道府県において、ここはピアカウンセリングという単語を使わせていただいておりましたが、患者団体がやるべきことということでピアサポートのほうが適切ではないかということで、「ピアサポートの研修会を開催しているが」ということで、そこは修正をさせていただいております。
 同様の修正が86ページで、患者間のピアサポートについては加筆修正をさせていただいているところでございます。
 また、次の87ページからの「保健所を中心とした地域支援ネットワークの構築」という項目につきましては、「今後の対応」というところで90ページで地域協議会のメンバーとしては地域の医師会、あるいは介護の事業者につきましてもそのメンバーとして加えるべきではないかという御意見をいただきましたので、その旨、加筆をさせていただいたところでございます。
 また、同様の理由で97ページでございますが、全く同じところで、保健所地域の医師会・診療医、看護・介護・福祉サービス事業者等の関係機関等々で構成される「難病対策地域協議会(仮称)」ということで修正をさせていただきました。
 以上、かなり駆け足でございましたけれども、主な委員からの意見と、その修正を反映させていただいた状況について御説明をさせていただきました。
 引き続きまして、資料1-3の1枚紙で「今後の検討課題及びその手順(案)」ということでございます。これまで10月30日以降、3つの柱に沿ってそれぞれ御議論いただいたのは先ほど御説明したとおりでございます。今回、第27回ということで12月6日でございますが、今後の予定でございますけれども、委員の先生方からさまざまな御意見をいただいたというような状況もございまして、1月の17日、25日の2回開催をしてはどうかということで、事務局案としてそのスケジュールをお示しさせていただければと思います。
 当初は12月に何とか報告書をまとめるということでございましたけれども、さまざまな状況等がございましてこのようにしてはどうかということで資料として御用意させていただいたところでございます。
 資料1-1から資料1-3の説明につきましては、以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 今のことは復習でありまして、その復習の結果を反映したかどうかということを見ていただいたわけです。
 それでは、3本の柱がございましたので、一つ一つ御意見を伺っていこうと思います。最初は、パワーポイントの数字で言いましょう。ページと言わせていただきますが、1ページ~34ページまでです。「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上」についてという柱であります。どうぞ、御自由に御意見をいただけませんでしょうか。御質問でも結構でございます。なければどんどん先にいってしまいますので、ここで声を出していただいたほうがいいので。
 どうぞ、眞鍋さん。
○眞鍋委員 長野県の眞鍋でございます。
 2つございます。24ページの「現行の事業と新しい医療体制の比較」というところのパワーポイントでございますが、現在、県では中央に1つ難病医療連絡協議会というのを設置しております。それが保健所を中心に難病対策地域協議会というものに発展させていくということなんですけれども、やはり中央というか、都道府県の中で中央でこの地域の協議会の様子を、お互いの整合性を図られているかどうかとか、そういうことをやっていく協議会というのも恐らく必要じゃないかと都道府県で思っておりまして、それはコメントさせていただきたいということです。
 それから今、難病医療専門員というのを原則として1名配置ということで、また難病医療コーディネーターは複数配置となるということなんですけれども、この方々は今、右側にやることを書いているわけですが、もう少し要件とかが今後明らかになるといいと思っております。それが1つです。
 もう一つは、新・難病医療拠点病院、それから基幹病院、これはまだ仮称だという前提で申し上げるんですが、実は厚労省でほかの事業で、がんだったらがんで、がん診療連携拠点病院という、これは拠点病院が二次医療圏にひとつ。
 次に、これは医政局だと思うんですけれども、救命救急センターは基幹型というのが県で1個で、基幹という言葉の使い方と拠点という使い方がほかのものと整合がとれていなくて、どの分野でいう拠点なのか、どの分野でいう基幹なのかというところで混乱が生じるんじゃないかと思っていて、まだ仮称であるという前提でコメントさせていただきます。まずは以上です。
○金澤委員長 わかりました。ありがとうございます。
 最初のほうは、これは今後のことですね。おっしゃっていただいたことを踏まえて頑張っていきましょう。
 2つ目は、どうなんですか。私は余りよくわからないので、ちょっと教えてほしいです。どうぞ課長。
○山本疾病対策課長 眞鍋委員がおっしゃったようにこれからかと思いますけれども、今のパワーポイントのページでいえば30ページに「難病医療コーディネーター(仮称)について」というのがありまして、その中で少し概要が書いてありますが、そこには医療、福祉の専門家というようなことしか書いてございませんので、確かにもう少しこれから具体的に進めていく必要があるかと思いますし、拠点の基幹の名前は御指摘のとおりです。確かに、いろいろな言い方があるので、こちらのほうでも今後具体的にしていくときに考慮したいと思います。
○金澤委員長 そうですね。確かに、同じ厚労省の中であれば統一はできればしたほうがいいですね。
 ありがとうございました。ほかにどうでしょうか。
 どうぞ、本間さん。
○本間委員 19ページで、参考3と書いてあるイラストですが、以前もちょっと伺ったことがあるんですけれども、都道府県の特に認定審査でございます。これは、今までもゼロ%の県もあったりして非常に精度の点で問題があったということははっきりしたわけですが、今後対象疾患が恐らく増えるんでしょう。そうした場合、都道府県によるばらつきとか、そういった示唆のおくれといったものが今後、本当に起こらないのかどうか。患者側にとって、その辺はかなり懸念としてあるように思うんですが、その辺のこういう理由で大丈夫だという何か担保みたいなものはあるんでしょうか。これは、どちらでしょうか。疾病対策のほうでしょうか。お伺いしたいのですが。
○金澤委員長 今の段階では難しいですけれども、でもどうぞ。
○山本疾病対策課長 ありがとうございます。まず、本間委員から前回も御指摘いただきましたが、18ページに書いてありますように入力率が低いということにつきましては、先ほど補佐のほうから申し上げましたとおり、入力の仕方として医療機関から直接入力をしていくということも一案だと思います。
 ただ、なかなか難しい場合には保健所で入力のオプションを残しておくべきじゃないかということで書かせていただいております。
 また、入力とは別にその前の審査ということですけれども、確かにお手元の資料の中で、審査会の持ち方についてはなかなか担保というのは難しゅうございますが、審査会のことについては次の医療費助成の項目にまたがってきますけれども、専門医、あるいは研修を受けたそれなりの専門性を持つ方々がきちんとをしていただき、あわせて審査もきちんとしていただくという両方相まって何とか回していく。
 特に新規の申請のときには丁寧に審査をしていくということでめり張りをつけていくということも委員会の資料では出させていただいておりますが、実際に現場で回っていくように、さらに詰めていく必要があると思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。ほかに御意見はございませんか。
 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 質問といいますか、前回ちょっと聞き忘れたことだったのですけれども、26ページと28ページに関連することです。
 26ページでは、いわゆる特定機能病院に従事する専門医ということで、平均でも520人という数になっていたりしますが、28ページのほうを見ますと、本当に大きな学会から非常に専門化された専門医までいろいろいるのですが、患者から見れば専門医という表現のときには自分の病気なり何なりの細かい専門医というイメージを持っているのですが、ここで言うと日本の医者はほとんど皆、専門医みたいになっているような気がするんです。
 それは、そのことがどうこうというよりも、そのイメージがそんなに違っていていいのかなということで質問しておきたいと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○山本疾病対策課長 委員の先生方にお答えいただいたほうがいいのかもしれませんが、残念ながら難病専門医というのは日本の中ではなかなかありません。
 かといって、ではまた新たにそういうものをつくり上げるのはなかなか難しゅうございますけれども、例えば消化器内科の専門の方が、消化器内科系のさまざまな難病も合わせて見ていただくということがあるでしょうし、神経内科ともそうだと思います。
 また、非常にまれな疾患については、日本の中で本当にわかる方が限られているという疾患もあることも事実なので、それにつきましては専門の先生方、あるいは学会、研究班のネットワークで、ウェブ上かもしれませんけれども、お互いのQ&A、あるいは質問について答えるというような支援体制をとるということも提案させていただいております。
 お手元の34ページに「難病医療支援ネットワーク(仮称)(イメージ)」という資料がついてございますけれども、こういうもの、あるいは研究班などがつくられたガイドライン診断基準等の普及啓発等々から全体の力量を高めていくということが必要になろうかと思います。
○金澤委員長 どうぞ。
○福永副委員長 関連して確認ですけれども、例えば56あるいは130、300といういろいろな疾患が認定されるとすると、例えば難病専門医といっても今、先生が言われましたように、私は神経内科医ですが、例えば神経内科で本当にカバーできる病気というのは20、あるいはその辺りだと思うんですね。
 だから、例えば難病専門医という認定のもとに消化器系の病気の意見書をもやむを得ず書いたり、そういうことも恐らくせざるを得ない地域も出てくるんじゃないかと思います。だから、研修も恐らく今からあるでしょうから、特定機能病院、拠点病院を中心とする研修とか、そういうことを通してある一定の難病に対する専門医というレベルと、本当にもっと深く入りこんだところの難病の専門医というのは多少違うのではないかと思います。
 そういうことで、一応難病専門医ということを認定、指定されるとすると、基本的にはほかの全然関係ない分野の難病についても認定とか更新とか、そういう手続は可能にするということになるのでしょうか。その辺りはどのようにお考えでしょうか。
○山本疾病対策課長 今、例えば何の専門医がどこまでの判断ができるかということを個別具体的に云々という段階ではないかと思いますが、ただ、今回医療費助成を行うところでの研究の推進と患者の福祉の向上と、具体的にその研究を推進するのにきちんとした患者データを持っていくということですから、きちんとした診断がつけられる方々ということになります。それに合わせて患者の利便性をどうしていくかということになりますので、原則はそれぞれの専門分野の範囲できちんと年に1回の診察はしていただくということだろうと思います。
 また、例外的に資料のほうにも書いてございますけれども、僻地、山村部とか離島とか、さまざまな別の病院の医療機関に入院しているということは例外的にあるということもあります。
 これは医療費助成のところにも関係してくるものですが、41ページにも書いてありますように、業務的にはその専門分野の専門の方でお願いしていくということで、ただ、その範囲をどれだけ限定的にするかというようなことは、これから各学会等とも御相談させていただいて議論していこうと思います。
○福永副委員長 そうですね。やはり質の担保ということが今回の最初の出発点でしたので、そういう意味では専門医が診断、あるいは更新の手続ということだと思います。
○金澤委員長 では、これが最後の質問ということにしましょう。どうぞ。
○本田(麻)委員 その関連になると思うんですけれども、質問です。
 例えば34ページの難病医療支援ネットワークは、ある一定程度の難病とか、その分野に詳しい先生方のネットワークなのかなと理解していたんですけれども、そういう先生方、もしくはそういう医療の氏名とか、どこにいらっしゃるかということが患者、家族にわかるようなものという理解ではないものなんですか。これは医療機関が使用するもので、患者、家族がそういう先生方がどこにいてということを調べるものではないんですか。
○金澤委員長 どうぞ。
○山本疾病対策課長 ありがとうございます。今は「難病医療支援ネットワーク(仮称)(イメージ)」という34ページのお話をしてくださいました。
 もともと中間報告で難病治療研究センター(仮称)というのを検討すべしというような議論がありましたが、オールジャパンで何か1個箱物をつくるとか、人材を集めるのは現実的でないのでこういうネットワークをつくる。基本的にはこれについては難病指定医等々がお互いに診断のコンサルテーションをするというようなイメージです。
 それで、患者さんへの還元としては、例えば診断基準から外れた症例もこういうところに積み重なることで診断基準を改定したり、治療のガイドラインを改定することで患者さんに還元するということがございます。
 ただ、一方で、患者さんへの情報提供という議論があって、現時点でも難病情報センターのホームページでは、その疾患の研究班の班員の先生方のリストは出ております。ただ、今後、例えばいろいろな疾患の高度専門的な方々のネーミングリストをどういうふうに情報提供していくのかということについては、現場の御理解もいただきながら、患者さんへの情報提供という観点からも考えていくべき一つの大きな課題だろうと思います。
○本田(麻)委員 そこのところはいろいろな課題もあるでしょうし、拠点病院制度とかで必ずしも自分で調べなくてもちゃんとつないでいただくのが一番いいとは思うんですが、やはり情報があるということは一つの希望とか安心につながるということもあるので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
○金澤委員長 ありがとうございます。そのとおりだと思います。実際にこれから詰めていく段階で、非常に参考になる御意見でした。
 ありがとうございます。もっと御意見があるかもしれませんが、次の柱もございまして、「公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築」についてというところにいかなければいけません。35~62ページまで間になります。これについてどなたか御意見、御質問はございますか。
 どうぞ、眞鍋さん。
○眞鍋委員 長野県の眞鍋でございます。
 都道府県は難病認定審査会を担うと、47ページのほうにこういう役割をするということでお決めいただいているところですが、これは恐らく事務局への質問になろうかと思うんですけれども、現行も特定疾患の調査管理システムというのがあって、そこで一次判定、患者さんのデータを入れると一次判定が出るような仕組みがあるんです。あれは、非常に我々も助かっています。それで、今後その疾患があるいは拡大されたりということがあったとしても、わかりやすい基準とともにああいう仕組みを残していただきたいと思っているのですが、その辺の所見はいかがでしょうかということをお聞きしたいと思います。
○金澤委員長 一つ一ついきましょう。どうぞ。
○山本疾病対策課長 ありがとうございます。医師のシステムについて、都道府県のほうからはぜひ一次判定のシステムは大事だということを言われているので、今後の入力のシステムでどこでどのようにスクリーニングできるのか、一次判定に何かスクリーニングをかける仕組みをどうしていくかというのは、システム全体の中での課題だというふうに受け止めさせていただきます。
 特に入力側の医療機関の先生方、何人かの委員の方からも、医療機関側の負担も十分考えてくれということの御意見をいただいておりますので、全体のシステム設計の中でなるべく負担が少なく、かつ正確にといいますか、そういうところを追求したいと思います。
○金澤委員長 現場からはそういう御意見があるということを理解しておきましょう。ほかにいかがですか。
 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 57~60ページにかけてですが、参考として特定疾患の自己負担の限度額表がありますけれども、養育医療とか自立支援医療が全部、参考ということで出ていますが、これはこれから議論をするということなのでしょうか。これを参考ということで書いたことによって、ほかの制度も全部横並びにしていこうというような方向なのでしょうか。そのことについて伺いたいと思います。
○金澤委員長 どうぞ、課長。
○山本疾病対策課長 そのようなお話ですと、パワーポイントのページで56ページの「給付水準についての考え方」の基本的な考え方のところで、これは中間報告でもこういう議論がありましたけれども、難病の特性を踏まえつつ、一方で他制度との均衡ということで基本的な方針を考えております。
 その他制度の例としてどんなものがあるのかというと、具体的には例えば障害者であったり、あるいは高齢者であったりというような制度を示しています。
 では、今にわかに幾らですかとかということではなくて、考え方を少しずつ詰めていくということかと思いますが、どうしても法制化を視野にということになりますと、他制度とのバランスというのも一方で議論しなくてはいけないということだと思います。
○金澤委員長 要するに、これからほかの部局その他とも相談の上、だんだん決まっていくときの参考という意味に理解していいですね。
○山本疾病対策課長 そうです。
○金澤委員長 ある程度の負担はしていただかなければいけないでしょうけれども、かといって収入がない人に払えといっても難しいから、そういうことを考慮に入れてのことでしょう。
 どうぞ、本田さん。
○本田(麻)委員 56ページの基本的な考え方ということで、「難病の特性を踏まえつつ」云々とあって、「費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない患者を対象とする他制度との給付の均衡を図る」とあります。
 それで、これはこれから議論というふうに今おっしゃいましたが、横並びが必ずしもいいとは私も思いませんけれども、一方で全国民の負担による助成ということもありますので、その辺のことも考えて、「難病の特性を踏まえつつ」とあるので、では自立支援医療とかと異なって自己負担なしということを定義するのであればそれなりの理由というものを明確にしなければいけないと思いますし、そこら辺は私など素人にはわかりませんので、もしもあるならば教えていただきたいと思います。
 一方で、ほかの一般の患者にしてみれば、その理由が明確でないとなぜかということになってくるのかなと感じています。
○金澤委員長 これは、次の話題でいいですか。どうぞ。
○山本疾病対策課長 ストレートにお答えできるかどうかはわかりませんが、ただ、中間報告のときから議論しておりますのは、1つは対象者が負担する一部限度額について低所得者に配慮しつつ月額限度額を決めていくという考え方は基本的にあるのではないか。
 それからもう一つは、一部負担が完全にゼロ円という重症認定がございます。これは、所得に関係なくゼロ円であるということについては、所得に応じて一定の負担を求めるということがございますし、もう一つは入院時の標準的な食事療養費等々についても、これらについてはきちんと求めていく。
 ただ、薬局の保険調剤の話については、以前この委員会でも御説明いたしましたけれども、院内薬局と院外薬局は取り扱いが違うという問題についてはきちんと整合性をとっていくということで、他制度との均衡ということもありますし、難病患者間の今、言った公平性の問題もありますので、負担を求めていく。
 特に法制化も視野にということになりますと、まさに本田委員がおっしゃったようにほかの制度との違いや違うならば理由は何かということをきちんと整理していくということですし、そういう意味では例えば自立支援医療ならば自立支援なりの理由があってこうなっている。あるいは、高齢者医療は高齢者としての考え方があるということで、そこも合わせつつ考えていくということだと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。ほかにどうぞ。
 では、益子委員。
○益子委員 宮前保健所の益子です。
 1つお尋ねしたいんですけれども、この法律ができた場合、他制度とのかかわり合いについて、患者さんはいろいろ選べるのでしょうか。生保のように他制度優先といった法の適用はあると思いますけれども、どのようにお考えなのでしょうか。
○金澤委員長 どうぞ。
○山本疾病対策課長 他制度のどれを見てということは個別にあると思いますけれども、必ずしも全部排他的にこれを使ってあれは使ってはいけないということにならないかもしれませんが、制度を設計するときに似たようなサービスがあった場合にどちらを優先するのかということを整理しなければいけない。ショッピングするというのではなくて、基本的には整理していくということが出てくるだろうと思います。
○金澤委員長 ほかにどうですか。
 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 これから議論するという部分もあるのでしょうが、これから大きく法制化もといっていることに直接つながると思うのですけれども、例えば所得税額でいっても、特定疾患の場合で、例えばF層で所得税課税年額が4万1円以上7万円以下の方の外来での費用負担の限度額が9,350円ですね。
 ところが、養育医療ということになりますと、同じく所得税課税年額が4万1円から7万円でも費用負担の限度額が2万2,400円ですね。かなり大きく違ってくるときに、これを参考にしてならしてということになるのか。ならすのならば、では向こうも下げるのかとか、いろいろなことが起きていく。
 現実に向こうにこれを下げろというわけにもいかないでしょうし、いろいろな階層の分け方も違ってきたり、自立支援医療との関係もありますので、どこかでもう少しきちんとした抜本的な議論をしておかないと、患者さんも新しい制度になると同時に費用負担額が倍になるということだと、それは相当大きな負担になります。
 それから、生計中心者の収入だったり、世帯での収入だったり、課税額だったりとまちまちですので、今、無理して高いところに合わせる必要もないかなという気もするのですが、その辺りも今後検討するならば検討するということを皆にも言っておいてもらったほうがいいような気がします。
○金澤委員長 よろしいですか。どうぞ。
○山本疾病対策課長 検討します。検討しますというのは乱暴な言い方なんですけれども、もちろん一つ一つどういう費用負担であって、それはどういう理由によるのか。それからもう一つ、それが与える財政影響をどう考えるのかということも出てくると思います。だから、何でもかんでも皆と一緒ということではないと思うんですが、おっしゃるとおり上限額の問題、それから区分の問題、あるいは実は1割負担なのか、2割負担なのか、3割負担なのかという負担割合の問題もあります。
 いろいろなことを含めまして、ただ、難病の医療費助成は一部分、かなり手厚い部分があることも事実なので、そこをどういうふうに考えていくかということでこれからの議論だろうと思いますが、全く他制度と関係なくということはなかなか難しくて、他制度を見ながら難病の特性を踏まえということの議論だと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、次の柱3本目の柱に移らせていただきます。63ページ以降ですが、「国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実」ということです。どうぞ、御意見をいただきましょうか。
 どうぞ、春名さん。
○春名委員 96ページですけれども、現在、難病患者の就労支援で難治性疾患患者雇用開発助成金の対象となっている人たちというのは重症度を問わず受給者証とか、軽快している登録者証を持っている方もその対象になっています。これは恐らく軽快しているとはいっても難病の方はいつ体調が悪化するかもしれないということで、やはり特別な雇用管理だとか支援が必要だろうということで対象になっていると思うんです。
 それで、難病手帳などの議論ともかかわると思うんですけれども、軽快者にはもう社会生活上の支障がないということが明確になれば対象から外すことが適切ということになります。この後の議論になるかと思いますが、難病で社会生活上、支障がある人の範囲についてのこの委員会での議論が、こういう労働の支援において客観的に対象者の範囲を決めていくため重要になってくるということがありますので、そういう影響も含めて検討していただきたいと思っております。
○金澤委員長 ほかにいかがですか。
 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 同じく96ページに関してですけれども、ここで難治性疾患患者雇用開発助成金の対象では平成22年4月現在で130疾患と書かれています。
 特定疾患の難病患者等居宅生活支援事業では難病患者等ということになって、現在、関節リウマチが130疾患プラス1ということで受け止められています。それをベースに今、障害者総合支援法が組み立てられるかという議論をしているところなのですが、そうすると同じくこの開発助成金のほうでは重症度は関係なく対象にしているので、130疾患であれば軽い人も対象になるのですが、同じくリウマチも難病患者等居宅生活支援事業では軽い人も対象になりますが、この開発助成金だけは障害者手帳を持っているリウマチの患者さんはそちらの制度にいくのですけれども、そうでない、例えば3級、4級程度だと思われる方々はこの対象にならないんです。ここはちょっと矛盾があるような気がするのですが、それはどういうふうに考えるでしょうか。
○山本疾病対策課長 もしかしたら補足してくれるかもしれませんけれども、今、就労のところで俗に言う難開金というのは難病患者に着目している。その難病患者をどういう範囲と考えるかというので当面、今の130疾患というのがございます。
 それで、福祉のほうですが、この後、きょう議論があるので担当官も来ていますけれども、難病患者等は難病患者その他特殊な疾患というようなことで、リウマチは難病のグループではない、違うプラスアルファの部分ということで位置づけられているということですので、今、春名委員もおっしゃいましたけれども、今後新しい難病の制度の中で就労支援をどういうふうに考えていくのかというのはこれからですが、現行は就労のところの難開金は難病で、その難病は今130疾患を対象にしているということであり、居宅生活のほうは難病等で、その等のほうでリウマチを読んでいるということです。
○金澤委員長 ほかに、どうぞ。
○福永副委員長 難病手帳の件ですけれども、ずっといろいろ議論されてきて、それぞれメリット、デメリットもあるかと思いますが。
○金澤委員長 先生、手帳そのものの話でしたら、後でやりますので。
○福永副委員長 わかりました。
○金澤委員長 ほかにどうでしょうか。もし、よろしければ次にいってどうしてもということでまた議論していただいても結構だと思います。15分ぐらいおくれておりますので、できれば次に進ませていただきたいと思います。
 2つ目の議事に入りたいと思います。それは、症例が比較的少ない難病について医療費助成を行うという考え方についてであります。この委員会でも、例えばがんなどもたくさんありますが、なぜ難病にだけ医療費助成を行うのかという理由を国民に対して説明する必要があるんじゃないかという御意見もございます。これについて事務局で資料を作成してもらいましたので、これに沿って議論をまずしたいと思います。事務局から説明をお願いします。
○竹内疾病対策課長補佐 それでは、資料2に沿って御説明をさせていただきます。
 医療費助成を行う基本的な考え方についてはワーキンググループのほうでもずっと議論をしてまいりましたし、また本委員会のほうでも御議論いただいてきたところでございます。そういう意味では、ある意味、確認になるところがあるかと思いますけれども、改めて事務局で整理をさせていただきましたので御説明をさせていただきます。
 まず、高額な医療費の負担についてでございますが、この高額な医療費の負担については医療保険制度における高額療養費という制度によりまして一般的に軽減が図られているということでございます。難病患者が受ける医療につきましても、医療保険が適用される医療につきましては高額療養費制度の対象になるということがまず前提としてございます。
 「しかしながら」ということで、症例が比較的少ない難病につきましては各医療機関、研究機関の個別の研究に委ねていては原因の究明や治療方法の開発等に困難を来たすおそれがあるということで、このため患者の受療を促進するとともに一定の症例を確保し、難病患者データを研究事業に結びつけることで治療研究に役立てる必要があるということでございます。
 「また、いわゆる難病は、原因が不明であって、治療方法が確立されていないため、長期にわたる療養が必要となり、その結果、比較的若い時期から長期にわたり高額な医療費の負担が必要となる」という状況にございます。
 「こうした難病特有の事情に着目し、医療費の助成を行うものである」ということでございます。
 「したがって」ということでその矢印の下でございますけれども、新たな難病対策における医療費助成につきましては、?として「治療方法の開発等に資するため、難病患者データの収集を効率的に行い治療研究を推進するという目的に加え」、?として「効果的な治療方法が確立されるまでの間、長期療養による医療費の経済的な負担が大きい患者を支援するという福祉的な目的も併せ持つものとし」ということで、次のような仕組みを検討しているとさせていただいております。
 ワーキンググループのほうでも、福祉的な側面と研究的な側面をきちんと分けて制度設計をしてほしいというような御意見もあったところでございますし、また、金澤委員長のほうからも本委員会で御説明いただいたことがあろうかと思いますけれども、やはりこの研究と福祉という目的は、この難病について医療費助成を行うということを説明する理由としては福祉目的だけでは成り立たないということでございまして、研究と福祉的な目的とは一体のものであるということについてぜひ御理解をいただければと思っております。
 2ページのほうでございますが、今のような目的から、まず1番目として「対象疾患」につきましては御案内のとおり「原因不明」「効果的な治療法未確立」「生活面への長期にわたる支障(長期療養を必要とする)」という3要素に加えまして、「症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない」という、いわゆる希少性の要件が選定要件の一つになっているということでございます。
 したがいまして、希少性についても希少な疾患に限るべきではない、限らないでほしいという御意見を多々いただくわけでございますけれども、先ほど申し上げた目的から、この対象疾患について希少性の要件はどうしても必須のものであるというふうに御理解をいただければと思います。
 それから、2つ目に「医療の質の向上及び研究のための難病患者データの精度の向上」という観点で、これは既に資料1-2の各施策のほうの資料にもすべて含まれているものでございますけれども、「都道府県が難病について専門的な知見を有する医師を「難病指定医(仮称)」として指定をする」。そして、その「「難病指定医(仮称)」は、医療費助成に係る診断書を交付するとともに、同時に難病患者データの登録を行う」。
 そして、難病患者データを経年的に蓄積できるような仕組みを検討するということで、難病患者データはこれまでは難病研究班に限定して利用されていたわけでございますけれども、今後は研究班に限定することなく、難病研究に携わる研究機関等に対して審査の上、幅広く難病患者データを提供していきたいということであります。
 また、対象患者として認定された方に対しましては、都道府県が「医療受給者証」を交付するということでございます。「医療受給者証」の有効期間につきましてもできるだけ長く、1年よりもっと長くという御指摘もあるところでございますが、難病患者データを収集するという目的がございますし、また病状、所得の変化等に対応するということで1年とするという考え方でございます。
 今、申し上げました1、それから2の部分については治療研究を推進するという目的のほうから導き出されるものと考えております。それから、これから申し上げる3と4については、むしろ福祉的な目的から導き出されるものというふうに考えております。
 まず「対象患者」については、「広く国民の理解が得られるものとするため、対象疾患にり患している者のうち、重症度が一定以上等であり、日常生活又は社会生活に支障がある者とする」。
 また、「給付」については先ほどもいろいろ御意見がありましたけれども、「難病の特性を踏まえつつ、病気がちであったり、費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない患者を対象とする他制度の給付との均衡を図る。対象患者が負担する一部負担額については、低所得者に配慮しつつ、所得等に応じて月額限度額を設定する。」という考え方をお示ししているところでございます。
 資料の御説明は、以上でございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 かなりクリアに説明してくれたと思います。要するに、この資料2の表側の一番下を見ますと、結局昭和47年に難病対策大綱ができたときの精神にきちんと戻ろうじゃないかという感じがいたします。これは古いことを知っている人間なので、そういう思いが強いのでありますが、さていかがでしょうか。
 伊藤さん、どうぞ。
○伊藤委員 基本的な考え方につきましては今まで議論してきたことのまとめになっていると思いますのでいいのですが、ここでひとつ問題なのは、「新たな難病対策における医療費助成の仕組み」の中で難病患者データを研究班に今までもどうしていたかという問題はあるわけですけれども、これに限らず研究機関や医療機関、企業等に審査の上、幅広くデータを提供するとありますが、今の調査個人票等には名前、住所は書いてあるわけですね。
 それで、今はレジストリづくりなどでもいろいろ議論が出ていますけれども、特に希少疾患であれば名前は出さなくてもどこにいるとか、どの県の人というだけでも患者さんが少ないと一定程度の特定はできるわけです。そうすると、今の多くの難病は遺伝子に関わる疾患が多いとすれば、これは本人だけでなくある程度特定されればその親類縁者まで大きな影響が出るわけです。
 それをどうするのか。データは大事なのだけれども、それをどういう具合にレジストリづくりをするのか。匿名化は当然のこととしましても、住所なども含めたものをどうするのか。あるいは、連結可能にするのかどうか。研究の場合ですと、さまざまな連結は必要でしょう。しかし、そこのところになるとうんと難しい話になってくるような気もしますが、今はIPSやヒト幹細胞の問題でも大きな問題になっている。そういう中で、その人たちがもっと重篤な症状が出ると将来予測されるというような場合、あるいは親類縁者、兄弟等にも出ると予測された場合に、その情報は提供するべきなのか、提供するべきでないのか。
 あるいは、地域の難病対策でさまざまな協議会を持つとすると、大体地域に同じような遺伝性の疾患を持っている親類縁者がいる場合、情報がそのままストレートにいってしまうと、当然指導援助をするという側はその兄弟などの将来の発症も踏まえた上で何らかの行動をするということもあり得るわけですが、それはどうするのか。それはいいことなのか、悪いことなのかを含めて議論をしなければならない部分なのではないか。相当な配慮をしなければならない部分ですので、このことについて今の段階でわかっていることがあれば説明をお願いします。
○山本疾病対策課長 ありがとうございます。伊藤委員がおっしゃったことは多方面から御議論いただいていますし、これは別に難病の医療分野に限らず、さまざまな医学研究その他の分野でも問題になっているところです。
 それで、法的な整備でどこまできちんとしなければいけないかということはありますけれども、現時点で具体的にどこまで決まっているかということは難しゅうございますが、今おっしゃったようにインターナショナルな基準というか、スタンダードもありますし、国内的には法制的ないろいろな議論もありますので、そこもきちんと踏まえてプライバシーの問題、特に遺伝情報のお話はまさにおっしゃるとおりで、どこまでどの範囲でデータに登録し、またそれを誰がどの範囲までアクセスできるのかということは非常に大きな問題だろうと思います。
 また、一方でここの委員会の中でも、この登録されたデータが例えば大規模災害時に患者の支援に使えるのはどうだろうかという御意見もありましたが、他の目的で使う場合にどうしていくのか。そのアクセスをどうするのかということも確かにおっしゃるとおり大きな問題なので、この分野で先進的に進んでいるほかの事例や国際的な議論も勉強して、いずれにしてもシステムをつくる段階では広く議論をし、共有してつくっていく必要があると事務局も認識しております。
○金澤委員長 ありがとうございます。非常に大事な御指摘をいただいております。これは、厚労省で一方でやっている倫理指針ともかかわることであって非常に大事なポイントだと思いますが、多分最も大事なのはやはり御本人たちの御意思なんですね。それをどう尊重するかということでありますので、それをベースに持ちながらちゃんと対応していかなければいけない。
 一方で、国の保護は受けたいというときに一体どうするかという話なので、具体的に幾つか考えていかなければいけない問題はあります。それはおっしゃるとおりです。これは、これからの問題だと思います。
 では、どうぞ。
○眞鍋委員 2ページのほうで、先ほど事務局から有効期限は1年ということでございました。そのことに関してのコメントなのですが、前回のこの委員会だったと思うのですが、きょうは御欠席でございますが、山本委員のおっしゃったことに私は非常に感銘を受けました。
 というのは、今のデータというのがなぜ多く使われないかというと、それは現場の先生が患者に配慮するがゆえに、科学的には実は患者さんにやや有利にデータを入れてしまうときがあって、そうしたものを先生方もよく御存じで、ですから研究には使えない。そうすると単に事務作業となるが、都道府県とすれば単に事務作業であれば本当は1年は延ばしてほしいということなのですけれども、それを今回の制度改正においてはしない。つまり、研究にちゃんと役立つものにして、医師もちゃんとそれを使える。研究に使えるものにする。そこを担保さえすれば、我々も1年ということはやむを得ないし、そうなんだろうと思います。
 だから、そこの仕組みづくりとして正確なデータがきちんと入って、難病患者さんの研究が進んで、より有効な治療法が早く開発される。そういうふうな仕組みにしていただければと思っております。以上です。
○金澤委員長 ありがとうございました。次に移らせていただきますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、3つ目の議事に移りたいと思います。「障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について」ということであります。先ほども少し議論があったかもしれませんが、御承知のとおり、障害者総合支援法が成立いたしまして障害者の中に、あるいは範囲に難病等が加わることになったわけでありますが、この法律が来年の4月に施行されます。
 それに向けて、対象疾患を政令で定めることが必要なんだそうでありまして、きょうはこれについて所管部局であります障害保健福祉部から担当の方においでいただいておりますので説明を受けたいと思います。そして、御説明を受けた上で皆様方からの御質問を受けたいと思います。
 では、井上さんどうぞ。
○井上障害保健福祉部企画課長 障害保健福祉部企画課長でございます。資料3に沿いまして、「障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について」の案を整理いたしましたので、御説明申し上げます。
 「現在の状況」でございますが、今、委員長から御説明があったことと重複しますけれども、障害総合支援法、正式名称は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律でございますが、この法律は今年の6月に成立しております。それで、来年の4月からこの法律に定める障害児、障害者の対象に難病等を加える。そして、障害福祉サービス相談支援等の対象にしていくということが定められたところでございます。
 それで、下に※2と書いてありますけれども、法律上は難病等についてどう書いてあるかといいますと、「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者」という書き方でありまして、ここで言う「政令で定めるもの」というところで疾病を具体的には政令で定めていくことが必要になっているところでございます。
 上から2つ目の白丸に戻りますけれども、この施行に際しましては難病患者等が障害程度区分の認定や支給認定等の手続を経て、来年の4月から円滑に必要なサービスを受けられるようにしていく必要がございます。そのためには、自治体での準備期間を考慮しまして早急に対象疾患を定める政令の公布手続を進める必要があるというふうに考えております。
 それで、この対象となる難病等の範囲についてでございますけれども、5ページ目をごらんいただきますと、今年の8月にこの委員会でおまとめいただいた中間報告の中でどのように検討していくかということが書かれております。下から2つ目の白丸のところに下線が引いてありまして、その下線部分の後段ですけれども、「新たな難病対策における医療費助成の対象疾患の範囲も参考にしつつ、障害者総合支援法の施行に向け、検討する。」ということで、医療費助成の対象疾患の範囲も参考にしながら検討するという考え方をおまとめいただいたところでございます。
 それで、1ページ目に戻りまして3つ目の白丸でございますが、しかしながら現時点の状況ではこの疾病対策委員会で新たな疾病対策における医療費助成の対象疾患の範囲等の検討、これはまだ結果がまとまったわけではなく、引き続き検討が進められているところでございます。この範囲等も参考にして検討することとされていた障害者総合支援法における難病等の範囲につきましては、直ちにそういった形で結論を得るというのが難しい状況でございます。これが、現在の状況ということでございます。
 ただ、一方で、来年の4月から法律は施行するということが決まっているので、政令を何がしかの形で定めねばいけないという状況でございまして、「当面の措置」ということで、ここで案をお示ししております。
 「当面の措置」の1つ目の白丸ですけれども、障害者総合支援法における難病等の範囲につきましては当面の措置として「難病患者等居宅生活支援事業」の対象疾病と同じ範囲として、平成25年4月から制度を施行するということにしてはどうかと考えております。
 その上で、今後新たな疾病対策における医療費助成の対象疾患の範囲等に係る検討が進められていくというふうに考えておりますので、その検討を踏まえて当面の措置として一旦定めたものについて見直しを行うことにしてはどうかと考えているところでございます。
 この関連で後ろに若干資料がついておりまして、6ページにこれまで実施されてきている「難病患者等居宅生活支援事業の概要」ということで資料が載っております。これは予算事業、予算補助による事業ということで行われているもので、130疾患と関節リウマチというものを対象にしてホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具の給付といった3つの事業を行っているものでございますが、この事業の対象になっている難病患者等の方々が来年4月以降も引き続きサービスが受けられるようにしていくということを基本に考えた当面の措置を整理させていただいたところでございます。
 ちなみに、7ページで障害者総合支援法施行後の支援法の対象になった場合の対象となるサービスということで整理しておりまして、予算事業の3事業に相当するもの以外にも幅広いサービスが対象になるということで御参考までに御覧くださればと思います。
 それから、2ページ目でございます。来年4月からの当面の措置として障害者総合支援法の対象となる難病等として定める疾患を整理したものがこの表でございます。これは、先ほど申し上げた難病患者等居宅生活支援事業の対象となる、これは現行では健康局長の通知で対象が定められていて、130の疾患と、それから関節リウマチとなっておりますが、これを同じ範囲で疾病を定めたものでございます。
 ただ、ここの疾病の表記の仕方については法制上の観点から一定の調整をしておりまして、健康局長通知に書いてある表記の仕方と少し変更を加えたところがございます。それについては3ページ目、4ページ目に対照表がついておりますので、御参考までに御覧いただければと思います。左側が今度政令で定めようとしている表記の仕方、右側が現在健康局長の通知で定められている130疾患プラス関節リウマチの表記の仕方でございまして、これはあくまでも疾病の範囲を実質的に変えるものでは全くなくて、疾病の範囲としては過不足なく対応するようになっております。
 ただ、例えば括弧書きで略称が書いてあるものは法令で規定するときはそういうものは書かないということになっているので外しているとか、それから非常に細かい疾病概念で書いたものについてはそれを上位概念にまとめて書くとか、そういったことなど、これまで疾病の名前を政令に書くときの規定の仕方を踏まえながら法制的な観点から見直したというものでございます。これは、御参考までに御覧いただければと思います。
 また、1ページ目にお戻りください。1ページ目の最後の白丸のところでございます。先ほど、※2のところで法律上の規定の仕方を見ていただきましたけれども、「政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者」という規定の仕方をしておりまして、政令で疾病を定めた上で障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者ということが書いてあります。
 それで、この障害の程度についても、「「難病患者等居宅生活支援事業」の対象患者の状態に鑑み、「特殊の疾病による障害により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける程度」」という一般的な定め方をすることによって、これまで難病患者等居宅生活支援事業によるサービスを受けていた方が引き続きサービスを受けられるような規定の仕方にしたいというふうに考えているところでございます。
 私ども、実はこのような方向で政令の公布に向けた手続を進めたいと考えているところでございます。以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。今まで支援を受けてこられた方々はそのままいけそうな話ですので、よろしいのかなと思います。
 ただ、先ほども井上さんのほうから言っていただきましたけれども、今後この委員会で範囲が定まるものがございますので、その分も十分考慮に入れていただいて、近い将来を期待しますけれども、新たにまた見直してもらえるということを条件に認めてはどうかという感じも持っておりますが、いかがでしょうか。
 では、どうぞ。
○伊藤委員 新たに見直しいただくと文言に書いてありますのでそれはいいのですけれども、ここで案が出た段階というか、それが認められた段階になるのか、法制化の段階なのか、あるいは3年後の見直しということなのか。どういう形で見直しをされるのかを確認というか、お聞きしておきたいと思います。
 それから、130に分類していただいて大変わかりやすくなったかと思うのですが、今まで130プラス1と言っていたのが130にまとめられたという解釈ですね。悪性関節リウマチと関節リウマチをまとめて一つの関節リウマチという表現にしたということを確認したいと思います。
○井上障害保健福祉部企画課長 2つ目の質問に関しては、まさに疾病概念が複数に分かれていたものを一つにまとめたものもあれば逆のパターンもあって、全体として入りと出があって、最終的にたまたま130という形になったということで、別に130にするためにまずありきではないのですが、法制的な観点から整理してみたら新しい整理では130になったということが2つ目です。
 それから、1つ目の御質問のほうにつきましては、今後医療費助成の対象についての御議論がどういうふうなスケジュールでどういうふうに進んでいくかということについて詳細に承知していないのですが、これは健康局のほうとも医療費助成の対象疾患の範囲の議論と合わせてこちらでどのタイミングで議論を進めていいか、よく連絡をとりながら適切に対応していきたいという形です。
○金澤委員長 私からちょっとお願いがあるのですが、2ページでたまたま130になっちゃったという表ですが、訂正をしていただきたいと思います。
 4列ありますが、一番右の列の上から7つ目でしょうか、ハンチントン舞踏病というのが書いてあります。もうこの病名はありません。ハンチントン病です。これは20年以上前の名前です。これは、訂正してください。難病の実際の申請書でしたか、患者さんたちの表の中にもそうなっているはずです。これは、訂正していただきます。
 それからもう一つは細かいことになりますが、一番左の21番にギラン・バレと書いてありますが、通常ギラン・バレーと伸ばします。この2つは訂正してください。
 もし今ここで訂正があったら、言ってくださいませんか。よろしいですか。
 では、どうぞ。
○本間委員 これは事務局への質問ですが、現在、難病患者等居宅支援事業の利用者は延べ何人くらいいるかという規模を知りたいのと、それから今度広がった場合にどれくらいの規模まで拡大するのか。それが1点です。
 それからもう一点、これを利用する場合は難病手帳、カードが必要になるんですね。それと関係あるのか、ないのか。その辺をはっきりさせたいのですが。
○金澤委員長 どうぞ。
○山本疾病対策課長 まず実績なんですけれども、大変お恥ずかしいといいますか、低調でございまして、例えば難病患者等ホームヘルプサービス事業、難病患者さんは今56疾患でも70万人を超えておりますけれども、315名の利用実積になっております。全部で315人しか使われていない。
 正確にいいますと、そもそも事業を実施している自治体が5割に満たない状況で、実施していても実際の患者数から見ると全体でも300人強ということがございます。
 また、ショートステイ、短期入所ということにつきましてはオールジャパンで10人というような状況ですし、日常生活用具給付、例えば特殊マットですとか、難病患者ですとネブライザー、パルスオキシメーターみたいなものがありますけれども、それでも729人、700人強ということで、実は十分に行き渡っていないといいますか、そういう事業になっております。
○金澤委員長 どうぞ、井上さん。
○井上障害保健福祉部企画課長 障害者総合支援法の対象になったときにどう拡大するかということですが、これは法律を施行してみないとわからない部分はありますけれども、少なくともすべての市町村で事業を行うことになりますので、現在より増えていくことは十分予想されるとは考えておりますが、具体的にどこまで増えるかというのは現時点ではなかなかつかみかねるところだと思います。
 それから、難病カードについては、難病カードがないと総合支援法のサービスが受けられないということではありませんので、市町村においてそういう支給の認定が行われればサービスの対象になります。
○金澤委員長 では、どうぞ春名さん。
○春名委員 難病等の特徴についてちゃんと配慮するということですけれども、ここはすごく大切だと思うのですが、今の例えばコンピューターの一次判定などでは発達障害とか精神障害は非常に低く判定されてしまうので、その配慮規定というものがあるようです。難病についても疲れやすいであるとか、痛みであるとか、あるいは今の状態はそれほど重くはないんだけれども、生活上、無理をすると体調が悪化する可能性があるので活動の制限があるだとか、そういう難病の特徴をちゃんと配慮することが非常に大切だと思います。今の御検討の状況とかはいかがなのでしょうか。
○井上障害保健福祉部企画課長 おっしゃる点については、やはり難病等の特性に配慮した認定が行われるような形が必要だと考えておりまして、お手元の資料でいいますと1ページの最後の※5のところにありますけれども、障害程度区分の認定について全国の市町村で難病等の特性に配慮した円滑な認定が行われていく必要があると考えていまして、今、私どもとしてはできれば1月中に政令は公布して、それで2月くらいをめどに市町村にマニュアルを配布したいと考えております。難病についての基本的な情報ですとか、難病等の特徴ですとか、認定調査のときの注意点とか、こういったものを整理したマニュアルを市町村に配布して、市町村においてそういう適切な対応ができるようにする。それに向けて今、準備をしているところでございます。
 それから、もう一つです。委員長からの、疾病の表記の仕方が適切ではないのではないかという御指摘についてでございますが、この疾病の表記につきましては先ほども申し上げたとおり、法制的な観点から法制局とも調整しながら整理していくことになっておりますので、そういう御意見があったということを踏まえて調整したいと考えております。
○金澤委員長 御意見があったんじゃないんです。これは、変えてもらわなくちゃだめなんです。ハンチントン病はだめなんです。
 なぜかといいますと、これは患者さん団体と厚生労働省とが相談をしてハンチントン病と呼ぶということを決めたんです。国際的にも決まっているし、それを今から協議はいいですよ。だけど、そのような結論にしてくださらないと困ります。もうこのハンチントン舞踏病という言葉はないんです。そういうことですから。
○井上障害保健福祉部企画課長 いずれにしても法制局との調整が必要になりますので、今の御意見を踏まえて調整したいと思います。
○金澤委員長 伝えるので結構です。
 では、どうぞ。
○伊藤委員 確認ですか、確かに舞踏病については今、舞踏病とかという言葉は使わないですね。
 それで、この研修のときにお願いしたいのですが、この対応表というのはそのままつけていかれますか。というのは、保健所とかそういう中では、例えばレフェトフ症候群だとか、ほかにも幾つか表記を変えてあるところの知識が入っていませんので、何の病気かということになってしまいますので、一緒に対応表をつけていただければと思います。
○井上障害保健福祉部企画課長 これは、そのように対応したいと思います。特に、今まで通知で表記したものと変わったものについて現場で混乱が起きることがあるといけませんので、そういうことがないように、今回政令で定めたものについては従来通知でこういう表記だったものが含まれていますということが現場にも徹底できるようにマニュアル等で対応したいと思います。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 では、余り時間がないので次の話題にいきましょう。「難病手帳(カード)(仮称)の在り方」、先ほどからちらちら出ておりますので、これを少し議論していただきましょう。これは宿題になっていたんですね。前に積み残してしまったもので、追加資料もいただきまたので、どうぞ事務局から説明してください。
○竹内疾病対策課長補佐 資料の4番でございます。今、委員長からお話があったとおり、第25回、前々回になりますけれども、難病手帳(カード)につきましても御議論いただいたところでございますが、また改めて事務局で整理をしてという御指示もいただいてございましたので、追加で資料を提出させていただいております。
 それで、前々回のときにたしか伊藤委員からだったかと思いますけれども、この難病手帳(カード)があるかないかでいろいろな仕組みが左右されるのではなくて、まず仕組みが先だ。手帳はそれを証明するものだというような御指摘もあったかと思います。
 そこで、私ども従来出しておりました資料から少し視点を変えまして、その御指摘を踏まえてまず支援内容を柱に、ではその証明する方法としてどんな方法が考えられるかという考え方で少し資料をつくり直してございます。
 ここでは、まず一番左側に「支援内容」と書いてございます。障害福祉サービスについては、まさに今、資料3で御議論いただいたところでございまして、来年4月から施行されるということでございますが、まず重症度です。私どもは今、医療費助成の観点から重症度が一定以上等であり、日常生活又は社会生活に支障がある者としてはどうかという御提案をしておりますが、そうした要件が果たして障害福祉サービスに必要なのかと言われれば、これは不要であるということでございまして、むしろ障害福祉サービスのほうには先ほどもお話があったとおり、障害程度区分の認定や支給認定等の手続は別途定められてございますので、重症度の基準は特段必要がないということでございます。
 また、写真による本人確認の必要もないということで、先ほど資料3の下の※5のところで若干井上課長のほうからも御説明がありましたけれども、「難病等に該当するかどうかの判断は、個々の市町村において、医師の診断書等で確認することとなる」ということでございまして、「考えられる証明方法」として診断書等というふうに書かせていただいております。
 それで、具体的にはまた障害部さんのほうと協議をしていくということになろうかと思いますけれども、医療受給者証、それから登録者証、これは現行の様式を見ますと病名がきちんとそこに書いてございますので、そういう意味からすると診断書の代わりのものとしても想定し得るのかなということで、医療受給者証、登録者証も想定というような書き方をさせていただいております。
 また、次に「難治性疾患患者雇用開発助成金」についてでございますが、これも先ほど春名委員のほうからお話がございました。現行の難開金については重症度等を問わないということでございますので、「重症度が一定以上等であり」云々という欄のところについては不要というふうに書かせていただいております。
 また、写真による本人確認についても不要です。これも、考えられる証明方法としては診断書等ということでございまして、これも障害福祉サービスと同様に医療受給者証、登録者証での代用も想定されるのではないかということでございます。
 それから、次に「税制優遇措置 NHK受信料の免除」といったような本来といいますか、障害者手帳でいわゆる認められている効果についてでございますが、そうした他の手帳制度との均衡を考えますと、やはり一定、日常生活又は社会生活に支障がある方でなければそうした効果、支援内容をとらせていただくことはなかなか難しかろうということで、「重症度が一定以上等であり」云々の欄については要というふうに書かせていただいています。
 また、「写真による本人確認の要否」については不要であるということで、「考えられる証明方法」としては新たな医療受給者証といったようなものが考えられるということであります。
 それから、一番下の行でございますが、「公共交通機関の運賃等の割引」でございます。これも、他の障害者手帳制度との均衡を考えますと、やはり日常生活、社会生活に支障があるといったような方に限られるのではなかろうかということで要ということです。
 「写真による本人確認の要否」につきましては、前々回の議論のときに御紹介申し上げましたけれども、精神障害者保健福祉手帳については手帳導入時、当初は写真を添付する欄はなかったということでございますが、なかなか公共交通機関の運賃の割引等の御協力がいただけないという実態があったということで、その後、写真添付欄が新たに設けられたというような経緯からいたしますと、やはり写真による本人確認が必要であるということで、要と書いてございます。
 その場合、考えられる証明方法としては、写真付きの何か公的証明を出すということでございまして、ここに注ということで一番下に書いてございますけれども、そうした場合の写真付きの公的証明書として別途、難病手帳(カード)といったようなものを交付するのか、あるいは医療受給者証に写真を添付するかといったような方法が考えられるのではないかと思います。
 ただ、医療受給者証に写真を添付するという場合につきましては、その様式に受療されている医療機関名であったり、自己負担限度額といったような情報が記載されておりますために、民間企業を含む広範な窓口に提示をするということについては、患者のプライバシーの観点から慎重に検討する必要があるのではないかということでございます。
 次に、2ページでございます。そういう整理をさせていただいた中で、さはさりながら、やはり患者さんの声を聞きますと、これは患者団体さんとの意見交換会の中でもよく出されることでございますが、移動費に関しての助成、補助といったようなものを求める声が非常に強いというふうに私ども認識しておりまして、これは平成22年度障害者総合福祉推進事業報告書ということで、難病患者等の日常生活と福祉ニーズに関するアンケート調査を基に作成をした資料でございます。
 障害者手帳を持たない特定疾患治療研究事業の対象者、448名を対象に調査をしたものでございますが、「今後利用したいサービス」ということで「移動費に関する補助」を要望される方が非常に多いということが見てとれるかと思います。やはり遠方に通院される患者さんにとっては、この交通費の負担が非常に重いという声を私どもよく聞くところでございます。そうしたことも、検討に当たって御考慮いただければと思います。
 それから、少し議論を先取りするような形になって恐縮でございますが、資料5-1、次に全国衛生部長会から提出された要望について、この後、詳しく御説明をさせていただく予定でございますが、難病手帳(カード)についての要望も入ってございますので、ちょっと先取りする形で御紹介をさせていただきます。
 資料5-1の裏面でございますけれども、3で「難病手帳(カード)(仮称)について」ということでございますが、「身体障害者手帳等が既にあり、後発となる難病手帳の内容や効果が患者の福祉向上にどのように結び付くのかはっきりしていない状況では、発行主体となる自治体の事務負担だけが大きくなるため、実施を見合わせること」といったような要望をいただいているということを併せて御報告させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございました。
 何か御意見はございますか。それに代わるものはこれという提示を今されたわけではありませんけれども、いろいろオプションは言ってくれたと思います。
 では、どうぞ。
○本田(彰)委員 公共交通機関の運賃等の割引のことで大変いろいろ御検討いただいていると思うんですけれども、実際に利用者が使っているサービスだとか、今後利用したいサービスの中にある移動費に関する補助のところです。
 これは、公共交通機関のことを指しているのではなく、もしかしたら自立して動けるような方ではない場合の移送、搬送サービスのような形のことを言っているのではないかと思ったので、ここに特に強調されているところがあって、それで公共交通機関の運賃等の割引のところも合わせて御検討いただいているのかなと思ったんですけれども、これはそういう形なんでしょうか。
○金澤委員長 どうぞ、課長。
○山本疾病対策課長 確かに、このアンケートの「移動費に関する補助」といいますのは非常にいろいろなものを含み得ると思います。
 ただ、先ほど竹内のほうから申し上げましたとおり、患者さんとの意見交換会ですと、公共交通機関だと、例えば地方ではタクシーですとか、バスですとか、あるいは非常に遠方に通われる方はJRですとか航空運賃を払って地方から東京まで受診されるような方もおられるので、広い意味の概念を含むものだろうと思っております。
 今、ホームヘルプサービスの下に「移送サービス」というのもまた別途あるものですから、「移動費に関する補助」というのは今、言ったいろいろなものを広く含むものというふうに考えております。
○金澤委員長 この下の「移送サービス」というのは何ですか。
○山本疾病対策課長 「移送サービス」というのは福祉分野で、例えば福祉バスとかで移送する福祉サービスとしてよく自治体等でも、あるいは障害者の分野では行われている分野だと思いますけれども、自力で来られない方が福祉の窓口に申し込んで、いろいろな形で病院や必要なところに移送してくれるというサービスだろうと思います。
○金澤委員長 そろそろ、この委員会としての方向性を言わないといけないのですが。
 では、どうぞ。
○福永副委員長 この難病手帳に関しては随分議論してきましたし、私もメリットというか、有効性も認めるのですけれども、先ほど保健所長会からの提案もあったのですけれども、自己負担料の増大ということを考えたときには、例えば医療受給者証を基本にして、それにまとめるような形で新たな難病手帳というのをつくる必要があるかどうかということもやはり検討する必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○金澤委員長 あらかじめちょっと言ってしまいますと、やはり新たに手帳というのを設けるというのはいろいろ問題がありそうに思えますね。受給者証というのが既にあるわけですから、それに何らかの形でプライバシーが守られるような形で何とかできないものでしょうか。それに写真を張ってもいいし。
 ただし、最初のページにはその問題の自己負担限度額などが出てこないような形で、裏を返せば出てくるとか、折り返すと出てくるとか、表だけ例えばコピーして事務的には進めるとか、何かやりようがあるような気がするんですけれども、どうですか。
 どうぞ、伊藤さん。
○伊藤委員 そういうやりようはあると思うんです。また、すごくまとめていただいてありがとうございます。何が何だかわからなかったのが、少しわかってきました。
 ただ、この中で税制優遇措置とかNHK受信料の免除というのは今後関係機関と調整して、医療受給者証があればいいですよということになれば、これは要が不要に変わってしまいますから。
 そうすると、問題は要となっているのは公共交通機関の運賃等の割引だけですから、そこだけにターゲットを絞ればもう少し工夫のしようがあるかというような印象なのですが、どうでしょうか。
○金澤委員長 相手のあることですから、なかなか難しいですね。
 どうぞ、道永さん。
○道永委員 少し話が戻るんですが、先ほどの難病患者等居宅生活支援事業の実績が余りに少ないということでちょっとびっくりしました。
 現在利用しているサービスの中にこれは恐らく入っていると思うんですが、今後利用したいサービスの中に3つほど全部入っていると思うんです。ですから、どうしてこれだけ実績が少ないかというのはちょっとわからないのですが、こういう事業があるということをもっと難病患者さんたちに啓発をしてこれを利用していただければ、私も基本的には新たに手帳をつくる必要はないのかなと考えております。
 その代わり受給者証、あるいは登録者証、そちらのほうをうまく利用すればいいかと思っております。
○金澤委員長 ありがとうございます。
 さっき私が何か言おうと思っていて忘れていたのはそれだったんです。あれだけ皆さんが一生懸命ああいう事業をつくっていただいても利用者数があんなに少ないというのは一体どういう理由なのか。やはり、やり方が悪いんじゃないかと思ったりします。それで、実は伊藤さんに聞こうと思ったんです。
 では、どうぞ。
○本間委員 難病カードにつきましては、私は注意していなかったんですが、この全国衛生部長会の裏の3を見ますと、都道府県としてははっきり反対だと書いてあるんですけれども、新たに難病カードをつくるのには反対、しかし医療受給者証でいくならばやれそうだとか、その辺の感触は眞鍋さんに伺いたいんですけれども、どうでしょうか。
○金澤委員長 どうぞ。
○眞鍋委員 衛生部長会の代表で出ていながら、このような形で要望書をまとめさせていただいたことを申しわけなかったと思っていますが、一応衛生部長会でこれをつくりますということで意思決定されたものですから、このようにまとめさせていただきました。
 3のところはまさに書いてあることでして、我々としてはほかの制度との整合性なり、それから発行するメリットですか。そういうことをきちんとしない段階では、単に都道府県が発行する事務を負担するということはやめてほしいということでございます。それ以上でも、それ以下でもないです。
○金澤委員長 ありがとうございました。
 では、春名さんどうぞ。
○春名委員 この難病手帳は、恐らく実務的にはそういうことなのかと思うんですけれども、本質的な話からすると、もともと障害者手帳や精神保健福祉手帳などの認定基準ではなかなかカバーされず、病気を持ちながら生きていかなければいけないけれども、社会的な支援も何もなかった人たちを対してちゃんと支援の対象にしていこうというところが基本だと思います。
 今の身体障害者手帳ではカバーされていない人がたくさんいるという状況ですので、医療受給者証で確認するときでも、「医療受給者証の対象であって、例えば身体障害者手帳の基準に当たる場合だけを障害とする」とか、そういうふうになってしまうと今と全然変わらなくなってしまいます。
 そういう意味で、難病の定義そのもので、難病にはそもそも生活上の支障があるわけですので、なるべく、病気を持ちながら生活する上での支障がある人全員を障害者基本法だとか障害者総合支援法での支援対象にしていくということを明確にして、その対象者の範囲を客観的に確認できる手段というのをちゃんとつくっていくことが、この難病手帳の本質的な議論だと思います。
○金澤委員長 ありがとうございました。
 皆さん方の御意見を突き合わせますと、新たに全く別のシステムとして難病手帳をつくるのではなくて、今あるものを似たような機能を持たせる方向で新たに考えてもらえばいいということかと理解いたします。よろしいですね。
 ありがとうございました。では、そのようにさせていただきましょう。
 それでは、5つ目で最後の議題になりますが、「都道府県からの意見について」であります。これは先ほども一部入ってしまっていますけれども、全国衛生部長会から事務局への要望書をまとめたものだそうですが、事務局からさっきの3番を除いて御説明ください。
○西嶋疾病対策課長補佐 資料5-1と5-2に基づきまして、都道府県のほうから要望をいただいております。御意見をいただいておりますので、御紹介させていただければと思います。
 先ほども手帳のところで御紹介させていただきましたように、全国衛生部長会からも御要望がございました。おおむね、これまで眞鍋委員のほうからも御発言のある項目内容になっているかと思いますので、簡単に御紹介させていただければと思います。
 まず1つ目は、「都道府県の超過負担について」ということで、恒久的にそういった超過負担を解消する。それで、都道府県に新たな費用負担が生じないようにすることということでございます。
 2つ目が、「自治体が医療機関・医師を指定することによる影響の軽減について」ということで、そうすることで患者の利便性の低下、負担の増加等が懸念されることから、こうした患者環境の悪化が生じないようにすることという記述がございます。
 また、「指定業務に係る自治体の負担が過度にならないよう配慮するとともに、新・難病医療拠点病院、難病医療地域基幹病院には、新制度に関連した業務増への対応のための国費による財政支援や診療報酬上の加算を行うなどの配慮をすること」ということでございます。
 裏にいきまして、手帳は飛ばさせていただきまして、4つ目の事務負担の軽減ということで、そういった形で事務負担が増加する中で、臨床調査個人票のデータ入力等、過大な負担となっている現行の事務についての負担軽減を行うということでございます。
 5つ目は、障害者総合支援法が施行される平成25年4月以降、新たに障害程度区分認定を受け、その区分に基づいてサービス量等が決定されるということで、その結果によりサービス量の減少、自己負担の増額などの影響が生じないように配慮することということでございます。
 また、6つ目ということで、新制度の設計に当たって自治体の意見を十分に反映すること。また、その開始に当たっては患者への周知、システムの改修等を含めて十分な準備期間を設定するようにということで御要望いただいてございます。
 また、資料5-2でございますけれども、この衛生部長会とは別に個別に都道府県の関係者の方から御意見をいただいておりますので、主な意見を御紹介させていただければと思います。基本的には、これまでの衛生部長会の御意見の内容以外のところを抜粋させていただいてございます。大きく3つございました。
 1つ目は、「難病患者データの精度の向上と有効活用について」ということでございます。これにつきましては、これまで都道府県で行っていただいている認定の審査、あるいは医療受給者証の発行ということで、その際には難病患者のデータというのをいずれにしても電子媒体で入力をせざるを得ないということでございますので、そういった難病指定医が今後入力するというシステムにする場合には、そのデータを速やかに難病指定医が登録をし、また都道府県がそのデータ、電子媒体を有効に適宜利用できるような仕組みが必要だという御意見でございます。
 また、そういった新しい仕組みを導入する初期の段階には混乱が生じるだろうということで、医療機関等から都道府県に多数の問い合わせが寄せられる可能性があり、負担となり得る。
 また、そういった負担、あるいは混乱ということを考えると、引き続き保健所等でデータ登録等を行う仕組みとすることも選択肢の一つとして考え得るのかなという御意見もいただいてございます。
 また、「医療体制の整備について」ということでございます。これについては先ほど眞鍋委員からも御意見をいただきましたけれども、現在の難病医療連絡協議会のように都道府県が中心となって難病に関係する医療関係者同士の連携を図る仕組みというのが非常に現在有用であって、今後も必要ではないかという御意見をいただいております。
 また、特にそういった新・難病拠点病院を複数指定するであろう都道府県においては、全県的な対応、医療資源の調整等、対応につきましては結果的には都道府県が一定の役割を果たす必要があるだろうということで御意見をいただきました。
 また、3つ目ということで「医療費助成の対象患者の認定等の考え方について」でございます。これにつきましては、基本的には更新の仕方をどうするかということで、これもこれまで委員会の中で眞鍋委員より御意見もいただいてございますけれども、更新を患者の誕生日月に行うとすれば、基準となる課税状況の判断が前年度の所得をもとに判断する方と、前々年に基づいて判断する方が、要は所得が確定をする7月を境に発生するだろうということで、公平性の観点から実は問題になるのではないかという御指摘をいただきました。
 また、各都道府県ではそういった更新の時期の数か月前に事前に更新のお知らせメール、お知らせの連絡をしているということでございますけれども、誕生日ごとに毎月そういった作業が都道府県で発生するとなると、そういった個別の対応が難しくなるのではないかということで、結果、更新を忘れる患者さんが発生すれば医療機関の現場で混乱を生じるのではないかという御指摘でございます。
 また、最後には、そういった形で現状のように一定期間に集中をして更新したほうが効率がいいのではないかという御意見は、そういった今の2つの理由によりいただきましたけれども、実は都道府県の中では一方で特に人口の多いところでございますが、医療受給者証の更新というのは事務局案のとおり、患者の誕生日月のほうが事務負担が分散されるという意見も別途ございましたので、合わせて御報告させていただければと思います。
 以上でございます。
○金澤委員長 ありがとうございます。
 今のこの意見の中の資料5-2の下から3つ目の丸ですね。これは、7月に集中しても同じなんです。これは理由にならない。
 いろいろな御意見があるかもしれませんが、どうですか。確かにそのとおりだなという御意見もございます。かなり取り込まれているんじゃないですか。
 どうぞ、伊藤さん。
○伊藤委員 自治体の考え方はよくわかるのですけれども、この御意見の最後の6ですね。制度設計に当たって自治体の意見を反映させてくれというのはいいのですけれども、「新たに自治体に必要となる人件費やその他の経費については、その全額を国で財源措置すること」というように強く書かれているのですけれども、これがなければ新制度にいけないということなのか。あるいは、こちらでもきちんと努力するということなのか。努力だけなのか。この6番目はどうするのですか。
○金澤委員長 どうぞ。
○眞鍋委員 まず、最初に金澤委員長、それから事務局を始め、都道府県の意見を非常にたくさん取り入れていただいて今回資料を出していただいています。本当に感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、今の伊藤委員からの御質問でございますが、まずは要望するときはこういうふうに言わせていただきます。ただ、ぜひ御承知いただきたいのは、今、超過負担が生じている状況で、我々は財政当局と折衝するときに、そもそも半分は国からくるはずじゃないのか。その上、人件費もなのかという状況なんです。もちろん、患者さんのためにと思ってやるんですが、人が張りつかないことには本当にできないこともあります。
 それから、一度、私は発言させていただきましたけれども、これが法制化されると、例えば不服審査制度とか、重厚なシステムを多分つくらなければいけなくなるんだと思います。そうすると、県で新たな条例をつくったりとか、そういうことが発生するかもしれないと思っています。そこは、きちんとした法制化の対応ということであれば、我々もそれなりの規定と人を置かなければいけないことになりますので、そこに関してはぜひ御配慮いただきたいということでございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございます。
○伊藤委員 非常によくわかって、我々も自治体の超過負担については支援してきているんです。
 ただ、これを出されたら患者会団体としては全国衛生部長会とか知事会に一度、患者会の要望も聞いていただきたいと思うのですが、実は同じ難病対策をやっても自治体の単独事業を積み上げてきちんとやっているところ、それから余りそれをやっていないところといろいろあります。
 ところが、同じ日本に住んでいて、同じような暮らしをして、同じ税金を払っていて、幅広く難病対策をやっていて、特定疾患の医療費助成の受給率も高いところと、そうでないところの県では非常に大きな差があるわけです。こういうことも一度、自治体の皆さんとお話をする機会も、この委員会の話ではないかもしれませんけれども、自治体のことは応援しますので、ぜひそういうことも御考慮いただければと思います。
○金澤委員長 これは知事会の議論になったことはないんですか。
○眞鍋委員 あります。
○金澤委員長 ありますか。確かにその辺の議論が必要なんでしょうね。どうもありがとうございました。
 では、どうぞ。
○駒村委員 済みません。もう終わりに近いので、今のところとちょっと違うところへ少し戻るんですけれども、実は事務局に頭の整理というか、教えてもらいたいことが1つあります。
 資料2に戻るんですけれども、医療費助成の話の根拠がデータ収集と長期の治療だということはわかりました。それで、先ほど患者データの取り扱いについての議論があったんですけれども、同じ厚生省の政策統括官室の参事官室で社会保障番号に関する議論が行われていて、そこで社会保障番号は医療に関するデータは別立てにして医療部門検討会が行われていて、このデータ収集とかデータの取り扱いに関する議論はそちらでもやっているんですけれども、そちらの議論とここはどういうふうに調整されているのか、そこら辺を教えてもらいたいと思います。きょうはもう時間がなければ、また後でも結構です。
○金澤委員長 どうぞ。
○山本疾病対策課長 ありがとうございます。こちらの議論もまだある意味で非常に総論的な議論ですので、今、先生が御指摘のとおり、別のところでの議論をこちらも勉強しつつ、連携をとりつつということだと思います。
 今の医療情報のデータをそのまま我々の難病の研究に使えるのか。もうワンクッション何らかの仕組みをビルトインした上で使えるようになるのかというところもこれからも連携をとりつつ、御指摘のとおり全庁的な流れの中での議論も進めていく必要があると思っております。ありがとうございます。
○金澤委員長 どうもありがとうございました。
 そろそろ時間ですが、いかがですか。
 どうぞ、本間委員。
○本間委員 また話が元に戻りますが、資料1-3は最後に説明があるんですか。中間報告以降4回やって、あとは2回来月やるということなんですが、もともとは今月いっぱいで最終報告をつくるというつもりだったように私は聞いていたんですが、政治状況があるとは思います。
 あるとは思うんですけれども、とにかく仮でしょうが、1月25日でとにかく最終報告に向けたスピードをちょっと加速していただきたいと思います。逆に法制化を視野に入れると間に合わないと思うんです。ちょうどこの時期ですと政治体制も固まるでしょうから、ここで最終報告をたたき台にあちこちで説明するにはちょうどいい時期かと思うので、1月末をリミットとするという感じで進めていただきたいと、私個人は思います。以上です。
○金澤委員長 ありがとうございます。恐らく同じ思いだと思いますが、何かありますか。まさにそのとおりだと思います。
○山本疾病対策部長 よく相談しつつと思います。ありがとうございます。
○金澤委員長 その結果が1月25日ですね。ありがとうございました。
 それでは、そろそろ終わりにさせていただきますが、井上さん、さっき私はいろいろ厳しいことを言ったけれども、私は実はハンチントン病の専門家なんです。それで、舞踏というのを一生懸命抜くためにものすごく苦労して抜いたはずなのにまた出てきたので、亡霊が出てきたと思って怒ったんです。ごめんなさい。そういうことですので、よろしくお願いします。
 さて、それでは本日の難病対策委員会はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)

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