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2012年12月19日 第6回中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会議事録

○日時

平成24年12月19日(水)11:06〜12:12


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路部会長代理 西村万里子委員 森田朗委員
小林剛委員 白川修二委員 花井十伍委員 
石山惠司委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員 
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員 
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
禰宜寛治専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員  土屋裕( 加茂谷専門委員の代理)
池田俊也参考人 福田敬参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 費用の範囲や取り扱い・比較対照のあり方について

○議事

○関原部会長
 おそろいになりましたので、ただいまより第6回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
 まず委員、参考人の出席状況について御報告いたします。
 本日は、加茂谷専門委員が欠席され、代理として、土屋裕エーザイ株式会社代表執行役専務に御出席いただいております。
 田倉参考人が御欠席でございます。
 それでは、議題に入ります前に、今日の検討の進め方について確認をしたいと思います。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局による説明をお願いしました上で、特に異論がなければ、時間の制約もありますので、福田参考人に御説明をいただくという手はずで進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局からの説明をお願いします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 中医協費−1に基づいて、本日の議題が、議題全体の中でどこに位置するかということを簡単に御説明いたします。
 中医協費−1の1ページ目、点線で囲った部分が、当部会の6月27日で議論したもので、今後の検討事項はこうした項目にしようという形で、この部会で合意をしたものでございます。基本的にはこの順番に沿って、これまで議論を進めてまいりました。
 本日の議論は、点線でくくった全体の議論の項目の中で、下線部を引いたところであるという位置づけの確認でございます。
 以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 そういうことで、具体的な説明は福田参考人にお願いします。先生、よろしくお願いいたします。
○福田参考人
 参考人の福田でございます。よろしくお願いいたします。
 中医協費−2の資料に従いまして、御説明をさせていただきたいと思います。今、お話がありましたが、本日は費用の範囲や取り扱い・比較対照のあり方について、一般的な考え方等を御説明させていただきます。
 1枚目にあります「内容」ですけれども、本日の議論の前提をお話させていただいた上で、テーマであります費用の範囲や取り扱い、あるいは比較対照のあり方についてのお話になります。
 2枚目「1.議論の前提」であります。
 3枚目のスライドにまいります。そもそも費用対効果は効率性を議論するわけですが、これはごく一般的な考え方ですけれども、効率というのは、投入と産出の両方を見て考えるということで、現在のこの部会においても、費用と効果の両方を見るという形で進んでいると思います。
 下に図で書かせていただきましたが、大きな投入をしても、余り成果が上がらないものは、効率が悪いと考えられますし、小さな投入で大きな産出が得られるものは、比較的効率がいいと判断されると思います。
 4枚目のスライドにまいります。一般的に公共性のあるような事業を国や自治体等が行う場合には、金銭的な収支だけではなくて、投入と歳出を勘案して評価します。投入はそれを得るために必要とするものの価値、これを一般に費用という言い方をします。
 それに対して、産出はその事業が社会全体に提供する価値、これを便益という言い方をいたしますけれども、これを幅広く勘案して評価するということが行われています。
 しかも、通常は、費用の要素も便益の要素も金銭化をして評価をするという形です。
 これを一般には費用便益分析と言っております。
 5枚目のスライドにまいります。これに対しまして、現在、議論しております医療技術の費用対効果においては、費用便益分析ではなく、費用効果分析と言います、産出、アウトプットを金銭化しない分析を行うことが一般的でございます。
 効果指標については、表にありますとおり、生存期間の延長とか、臨床検査値等いろいろな効果の見方がありますが、それをそのまま利用する形が一般的にとられております。
 6枚目のスライドにまいります。費用便益分析の手順ですけれども、先ほど申し上げたとおり、費用と便益を全て金銭化しますので、単位としては、費用についても、便益についても、金銭の単位で出てきますから、費用と便益を直接比較して、差し引きをするようなことをやって、最終的にどちらが上回るかということで判断をしていくことが可能になっています。
 7枚目のスライドにまいります。そのために費用便益分析の特徴といたしましては、全く異なる社会的価値をもたらすような事業間を評価することができるということです。
 下に公共事業の例ということで、例えば公共的な住宅をつくるということと、道路を整備するというものの比較が可能になるということであります。
 ただ、欠点といいますか、限界としては、全ての費用や便益を金銭化する必要がある。全てが金銭化されていないと、差し引きをすることができなくなりますので、金銭化する手段、手法等で、評価に当たって困難が生じる場合があるということであります。
 8枚目のスライドにまいります。これに対しまして、費用効果分析は、一般的にどうやっているかといいますと、左側にありますとおり、評価対象の医療技術と比較対照とするような医療技術について、費用と効果を別々に積算するということで、特段効果は金銭化をしないというのが、大きな特徴になります。
 その上で、右にありますとおり、以前にも御説明をさせていただきましたが、一般には増分費用効果比と申しまして、従来の技術に比べて、新しい技術が追加的にどのぐらいのメリットが得られるのか、追加的にどのぐらいのお金がかかるのか、この比をとることによって、それを評価しようという手法でございます。
 9枚目のスライドにまいります。費用効果分析の特徴ですけれども、繰り返しになりますが、利点としては、効果の指標、例えば生存率ですとか、臨床検査値でありますとか、質調整生存年などの指標をそのまま用いることができるということで、特段金銭化をする必要がないということになります。
 ただ、逆に欠点といいますか、限界としては、医療技術以外の事業との比較はできなくなります。
 10枚目のスライドにまいります。それでは、なぜ医療技術では費用効果分析を一般に行っているかということですけれども、大きな理由としては、効果の金銭化が困難であるということであります。費用便益分析の場合には、効果を全てお金で評価するということが生じます。
 医療においては、大きな目的が、生存期間の延長であったり、臨床検査値の改善、あるいはQOL等の改善等の一般的な健康の状態の改善や維持を目的としておりますので、これを全てお金に置きかえることは、非常に困難な作業になります。そういうことが避けられるということが、一番大きな理由になります。
 しかも、一般に医療技術間の比較のみで十分であると思いますので、特に医療のために使うお金、あるいは資源等をどう効率的に使うかという議論をすればいいという場合が多いと思いますので、それ以外の分野との比較は必要がないことが一般的だと思います。
 このような理由から、医療技術においては、費用効果分析を一般に行っているということになります。
 それでは、本日の話題であります、費用の範囲や取り扱いの話に移りたいと思います。12ページにまいります。
 12枚目は、先ほど御説明したとおりで、左側の御説明になります。医療技術の費用と効果を別々に積算する。ここでの課題としては、費用の範囲や取り扱いについて、整理をする必要があるということであります。
 13枚目は、左側を見ますという説明ですので、次にいかせていただきます。
 14枚目にまいります。ここで費用効果分析に用いられる費用の種類として、代表的なものを挙げさせていただきました。患者さんは医療機関に行って、医療を受けます。左側に保険者とありますけれども、保険者からの支払いがあることになります。公的な医療保険制度でかかる医療費、これは患者さんの負担分も含めてというイメージでありますが、これを一般的に医療費あるいは公的な医療費という言い方をいたします。
 それ以外にもいろんな費用の要素がございまして、例えば患者さんの下にありますけれども、日本では公的介護保険制度もありますので、医療の内容によっては、介護費用の負担に影響する可能性もあるということで、これを公的な介護費という言い方をさせていただきます。これも保険者が負担する分と、自己負担する分を含んで考えています。
 それ以外の要素も挙げさせていただきました。左側にまいります。例えば本人の生産性損失といいまして、医療を受けるために時間がかかるとか、その間、少し仕事や家事ができないような状態が生じる。これによる損失を一般に本人の生産性損失という言い方をいたします。
 それ以外に、家族等が介護をするとか、ケアをするとか、そういうことによってかかる負担を考慮する場合もございます。
 さらに一番下、その他ですけれども、その他として考えられますのは、例えば患者さんが医療機関に行くための交通費でありますとか、保険ではカバーされないような補装具等を必要とする場合があったとすれば、そういうものにかかるもろもろの費用をここではその他とまとめさせていただきました。
 こんなさまざまな費用があるということでございます。
 15枚目のスライドにまいります。医療費の範囲や取り扱いをどう考えるかということなんですけれども、ここでは公的医療費に限定してお話をしますが、原則が幾つかございます。
 1番目の原則として、公的医療費といっても、評価に関心がある当該の医療技術の費用だけではなく、そこに関連する医療費も考慮する。これが大きな原則であります。例えば新規の手術法や医薬品等、様々な技術があるときに、それにかかる直接的な医療技術の費用だけではなくて、下にありますように、それ以外に外来・入院等で診察にかかる費用とか、検査、治療等にかかる費用、いずれにしても、関心がある疾患に関連するものについては、一通り含めるのが大きな原則の1番目であります。
 16枚目のスライドで例示をさせていただきました。これは仮想的な例ですけれども、ある疾患に対しての手術が、AとBと2つあると仮定させていただきます。手術費だけに関して見ると、術式Aは20万円、術式Bは15万円かかるということで、術式Aの方が費用がかかることになりますが、費用の計算としては、これだけではなくて、例えばこれも仮想ですけれども、手術Aの方が在院日数が短縮できる。1週間で退院ができる。術式Bは3週間入院期間が必要だということになりますと、入院費用が大きく変わってくるということでありまして、ここまでを含めて、費用として計算をするというのが一般的なやり方であります。
 17枚目ですが、経時的な費用も考慮するというのが、原則の2番目であります。もちろん関連する費用といった場合、手術を行った時点だけにかかる費用ではなくて、将来的に疾患の治療に関連するものをとるというのが一般的な考え方です。これも1年目、2年目、3年目と足しますということなのですが、例を18ページに御用意させていただきました。
 薬剤の例で御説明していますが、想定しておりますのは、例えば初期の治療でかかる薬剤費、入院費、検査費等のもろもろの費用は、薬剤Aと薬剤Bで同じだといたします。ただし、再発の予防効果はAの方が高い薬剤の場合でありますと、下にありますとおり、初期でかかる薬剤費、入院費、検査費等は同じであっても、3年後に薬剤Bの方は再発があると仮定をして計算をすると、その分も積まなければいけないことになります。ここまでを含めて、費用はどのぐらいかかるということを計算していかなければいけないということでございます。
 19枚目のスライドですけれども、大変申しわけないのですが、見出しである項目と、その下の説明がずれてしまっております。これは私がパソコンを操作した際のミスでありまして、大変申しわけございません。これは削除させていただければと思います。
 ここで説明させていただこうと思っておりましたのは、医療費以外のどんな要素があるかということで、御説明は14枚目のスライドで御説明させていただいたものを文章として書こうとしたんですが、かなりずれてしまっておりまして、大変申しわけございません。説明としては、公的医療費以外に、先ほど御説明した公的な介護費という介護保険による負担とか、あるいはその他の支出といって、交通費とか補装具等にかかるものだったり、本人の生産性損失、仕事ができないことによる損失があったり、家族等による負担もありますということを文章にしたものでございます。
 20枚目のスライドにまいります。生産性損失をどう考えるかというのは、1つの論点だと思います。一般に生産性損失と申しますのは、病気によって仕事や家事ができないことによる損失を考えておりまして、これが減少するということ、仕事や家事ができないということは、社会全体にとってみれば、損失であるという考え方でございます。
 ただし、これは医療費のような、直接支払いが起こるものとは別ですので、概念上、資源を損失しているという見方ができますけれども、実際に金銭のやりとりが生じるような性格のものではございません。そのために、一般的には医療費をどう使うかというところにと関心がある立場からは、含まないで計算することが基本となっています。
 推計を実際にどうしていくかということですが、もし生産性損失を推計するとすれば、労働に対する対価ということで、一般には賃金を用いて推計をされています。
 21枚目のスライドにまいります。生産性損失の取り扱いですけれども、生産性損失の推計方法は、確かに一般には賃金を用いると言いましたが、もちろん賃金というのはいろいろなばらつきがございます。性別、年齢、職種等、様々な要因でばらつきがありますし、推計方法もばらつきの要素をどこまで考慮して計算していくか等で、差が大きいというのが現状であります。
 そのために、諸外国で医療経済評価の標準的な手法を定めているガイドラインにおきましても、取り扱いの方法は分かれております。
 22ページにありますとおり、諸外国では、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア等のように、生産性を含めないというやり方をとっている国と、一部スウェーデン、ノルウェー等のように、生産性損失を含める計算をするところもあります。
 ただし、下段にありますとおり、生産性損失を分析に含めるとしている国でも、生産性損失を含まない分析結果、生産性損失をどこまで含めるかどうかというのは、議論がありますし、その推計方法はいろいろだということがありますので、含めない分析結果も同時に出すというのが、一般的なやり方であります。
 そういうことで、生産性損失を含まないものはどの国でもやっていて、一部それにプラスして、生産性損失を含める計算をしている国があるという状況でございます。
 続いて、23枚目「3.比較対照のあり方」の御説明をさせていただきます。
 24枚目のスライドの右側になります。増分費用効果比が従来の比較対照とする技術と比べて、追加的にどのぐらいの健康状態の改善が得られるか、及びどのぐらい追加で費用が発生するかということで決められますので、比較対照とするものをどうするか。これによって、増分費用効果比の値も変わってきてしまうことになります。
 25枚目のスライドにまいります。比較対照の選定ですけれども、前提としては、今、申し上げましたとおり、比較対照のとり方によって、結果としての増分費用効果比が変わってくるという場合が一般的に多くございます。
 これについては、諸外国の取り扱いにおいても、比較対照はあらかじめこういうものを基本にしようという考え方を定めている場合があります。
 考え方の中でも、前提としておりますのは、比較対照とする医療技術は、既に医療保険制度等で利用されているものを一般的にとっています。特に全く新しい技術の場合には、比較対照は無治療という場合もあります。これを技術と言うかは問題があるかもしれませんが、比較対照として既存の技術がなければ、無治療を置く場合も含めて、比較対照という言い方をさせていただきます。
 ただ、これについては、診療現場での使用実態を踏まえて、検討する必要があると考えます。
 26枚目のスライドで、諸外国の一例を御紹介させていただきますと、多くのガイドラインでは、評価対象の医療技術が導入されることによって、最も代替され得る医療技術、一般に標準治療等が定められている場合には、そういうものを比較対照とすることを推奨している場合が多いです。
 一例として、オランダのガイドラインでの記述を書かせていただきましたが、有効性が立証されている日常診療で、第一選択とみなされる治療(標準治療)と比較されるべきであるという記載がされていて、そうした治療がない場合には、通常の治療と比較されることになっております。
 27枚目のスライドで、検討の例ということで、図を書かせていただきました。下の図を見ていただいて、右上にありますものを評価対象の医療技術(X)とさせていただきました。左側に比較対照候補の医療技術(A)(B)があったといたします。これは横軸が効果、縦軸が費用という形でとらせていだいていますので、想定されるのは、Xを除くと、従来の○のAとBの比較をしますと、Aの方が効果が高い技術ですので、恐らくこの方が医療現場で実施されていることが多いのではないかと考えられます。その場合には、これが比較対照として一般的にされているものなので、Xによって置きかえられる可能性が高いと考えられると思います。
 ただし、もし何らかの要因で、臨床の現場ではAではなくて、Bが行われているという実態が明らかである場合には、必ずしもAではなくて、Bが多く置きかえられる可能性が高いですから、Bを比較対照にすることもあり得るということで、これは個別に判断をしていく必要があるということになると思います。
 28枚目ですけれども、一般的に考えられるものとしては、諸外国にならって、新技術によって最も置きかえられるものを比較対照Aにすると、新しい技術Xの導入前にシェアが大きいと言いますか、比較的多く使われているものが、最大の候補になると考えられると思います。
 最後の29ページで、諸外国のガイドラインにおける比較対照の例ということで、日常的に最も用いられているという記述が多くなっているということでございます。
 私からの説明は以上です。
○関原部会長
 先生、ありがとうございました。
 先ほど私の説明が稚拙だったものですから、もう一度やらせていただきますと、今の福田先生の御説明は、費用の範囲や取り扱い・比較対照のあり方について、を議題としておりまして、それにかかわる説明でございます。
 この議題は、きょう結論出して合意をするということではなくて、これから事務局から論点を出していただきまして、それを議論していこうと考えております。
 そういうことで、引き続き、ただいまの御説明に基づき、事務局より論点を整理いただきましたので、説明をお願いいたします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官です。
 ただいまの福田参考人提出資料及び御説明に基づきまして、中医協費−3で、本日の議論の論点整理、1枚紙を準備いたしました。この1枚紙に沿って、簡単に論点整理を御説明いたします。
 論点としては、本日大きく2つございます。
 1つは、費用の範囲や取り扱いをどう考えるか。具体的には公的な医療費のみなのか、そのほかの費用を含めるのかという点でございます。
 2つ目が、比較対照の選択。新規の医療技術と比較をする既存の技術が複数ある場合、複数の中からどれを選択するかという点でございます。
 それぞれに関しまして、論点整理を紙に沿って説明いたします。
 1つ目、費用の範囲や取り扱いですが、事務局のたたき台といたしましては、案と書きましたように、費用の範囲は公的医療費を原則としてはどうか。当該医療技術の費用のみならず、関連医療費も含む形での公的医療費を原則としてはどうか。ただし、評価対象の医療技術のもたらす効果が介護にも影響が大きい場合には、公的な介護費用も含めることにしてはどうか。
 すなわち、生産性損失に関しては、原則として、含めずに評価を行うものとしてはどうかということを申し上げている形になります。ただし、治療直後の休養期間など、ばらつきや推計方法による差が小さい等の場合には、参考データとして、生産性損失を含めた費用を添付することができるとしてはどうか。
 こうしたことの理由といたしましては、諸外国における事例においても、生産性損失を含めない分析の提出を求めており、生産性損失等を含めると、ばらつきや推計方法による差が大きいと考えられるためでございます。
 2つ目の論点といたしまして、比較対照の選択という議論がございます。
 事務局の整理案といたしましては、評価対象の医療技術が導入されることにより、最も代替され得る医療技術を比較対照とすることを原則としてはどうか。
 なお、上記の比較対照技術に関するデータが入手困難である場合には、別の比較対照の選定についても、柔軟な取り扱いとしてはどうか。
 理由といたしましては、最も代替され得る医療技術を比較対照とすることにより、医療全体への影響が的確に把握できると考えております。
 以上、福田参考人の資料をもとに、事務局としての論点整理の御説明でございました。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 繰り返しになりますが、きょうは結論を得ることが目的ではございませんので、福田参考人及びただいまの事務局からの説明等について、御質問や御意見があれば、お願いいたします。
○鈴木委員
 本日は非常にわかりやすい説明をありがとうございました。
 その上で、事務局も含めて質問させていただきたいと思います。中医協費−3、論点のところで、公的医療費を原則とするということですが、介護にも影響が大きい場合には、公的介護費用も含めることはどうかということですけれども、そのほかは生産性損失も含めて、原則として含めないということで、参考データとして添付するということになっています。公的医療費が原則であるが、場合によっては、公的介護費用も含めるということですが、介護費用にも影響が大きい場合というのは、具体的にどういうものを想定されているのでしょうか。介護費用を費用対効果の中に含めるということは、医療保険の中で、介護費用も見るということにつながりかねないと思うんですけれども、それはどういう意味があるのかということを聞かせていただきたいと思います。
 それから、比較対照の選択のところで、比較対照技術に関するデータが入手困難である場合ですが、これは最も代替され得る医療技術を比較対照とすることを原則とすると言っておられるわけですので、最も代替され得る医療技術というのは、かなり使われている技術なわけです。それにも拘わらず、そのデータが入手困難であるというのは、どういう場合を意味しているのかということです。
 この2点をお伺いしたいと思います。
○関原部会長
 それでは、2つ、介護保険に絡む話と代替の医療技術についてです。福田先生よろしくお願いいたします。
○福田参考人
 御質問ありがとうございます。福田でございます。
 1点目の介護費用に関しまして、想定しているものは、新しい技術によって治療をするということなのですが、もともとその疾患が、その後の介護のケアが必要になるような疾患を想定しています。例えば脳卒中であるとか、認知症であるとか、介護的なものに影響するものです。特にそれに対して改善効果が大きくて、介護の必要性が少なくなるものがあれば、検討してもいいのではないかと思っております。日本には公的介護保険制度があるので、そういうものも含めるという考え方があり得るのではないかと思いました。
 比較対照に関しましては、データがとりにくいものを、現時点で私の方で想定しているわけではなく、一般には、先生御指摘のとおり、一番使われている技術だと思いますので、データはとりやすいものではないかと思います。万が一、何らかの理由でそういうものが生じた場合には、柔軟にという御指摘ではないかと思います。
○関原部会長
 よろしいですか。
○鈴木委員
 はい。
○関原部会長
 ほかにございますか。安達委員、お願いします。
○安達委員
 福田先生、ありがとうございます。いつも詳細なわかりやすいデータで、我々も大変参考にさせていただいております。
 先生のスライドでいうとスライド14で、中医協費−3で言えば、論点の1番なんですけれども、比較対照になる医療技術は、現在、公的医療保険のもとで給付されていますから、スライド14にあるように、公的医療費でよろしいわけでしょうが、新規に出てきた新しい薬剤や医療機器等については、まだ医療保険上の価格設定ができていません。それを比較するときに、公的価格がないんですけれども、それをどう扱うかというのは、この説明の中では、どういう切り分けになっているのかということを確認させていただきたいと思います。
○関原部会長
 とりあえず、それだけでよろしいですか。
○安達委員
 はい。
○関原部会長
 福田先生、お願いします。
○福田参考人
 日本でどうするかはこれからの議論だと理解しておりますので、諸外国で一般的にやられている方法としては、想定される価格です。例えば医薬品等であれば、メーカーが提示するような価格をベースに使うということがされております。日本はこういうものを反映して、価格設定なりを考えていくかというところによると思います。
 いずれにしても、諸外国でやっているのは、仮にそれが公的な制度でカバーされたとしたら、幾らぐらいになるだろうということを想定して、計算をして、さらにその価格が少し変わったらどうなるかということを、一般には感度分析と言いますが、変わったときの結果をあわせて検証するということが行われております。
○関原部会長
 どうぞ。
○安達委員
 先生がおっしゃった、例えば薬剤なら薬剤、医療機器でもよろしいんですが、メーカーの希望販売価格という意味ではなくて、それに基づいて、現在ある薬価制定制度や医療機器の制定制度で、仮にそれを医療保険に導入した場合には、ルールを適用して検討したら、この数字になるという、仮想の数字が公的医療費との比較ということでございますか。新規のものについては、そういう理解でよろしいんですか。これは事務局にお聞きした方がいいのかもしれません。
○関原部会長
 企画官、お願いします。
○井上医療課企画官
 現在の想定は御指摘のとおりでございます。
○関原部会長
 ほかにございますか。白川委員、どうぞ。
○白川委員
今の安達先生の質問は、薬も含めた新しい医療技術で、まだ診療報酬の点数づけがないなどの場合、例えば新薬であれば、薬価の算定ルールにおける原価計算方式で計算した額を比較対象にするというお考えでよろしいんですね。
○関原部会長
 企画官、お願いします。
○井上医療課企画官
 そうした仮定の値を置いて、まずは計算をしてみるということでございます。
○白川委員
 もう一点、スライド18の費用の範囲について、医療費がかなり長期にわたって発生する場合の期間の考え方でございますが、例えば治療が終わった後、一生薬を飲み続けなければいけないケースもあると思います。その期間をどういうふうに考えるのか。一方、効果は、例えば平均余命が何年間延びますというケースもあれば、QOLが長期にわたって改善しますという効果もあります。費用の期間をどう考えるのか、また、効果と費用の比較をやるわけですから、その期間はイコールと考えて計算するのかどうかについて御教示いただきたい。
○関原部会長
 これは福田先生にお願いします。
○福田参考人
 御質問ありがとうございます。
 その点は説明をしておりませんけれども、まず後ろの方の費用と効果は、原則同じ期間で見るというのは、そのとおりでありまして、これは一般に経済評価研究あるいは諸外国でやっているものも、そのようなアプローチです。
 その中で、どのぐらいの期間をとるかということになると、一般的なルールとしては、当該治療技術による影響が十分評価できる長い期間をとるというのが、通常のやり方ですので、先生が御指摘のとおり、例えば薬剤をずっと飲み続けなければいけない場合には、長期にわたってそれを含めるということを行います。それが全て観察できないと、分析ができないということはなくて、一般にはそれをモデル化して、ある程度の予測をするという形で、評価を行うことになります。
 いずれにしても、長期に影響があるものについては、十分に長い期間をとるというのが一般的なやり方ですので、期間を区切ってということはやられておりません。
○関原部会長
 ほかにございますか。鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員
 同じく中医協費−3ですけれども、取り扱いのところに、何度か何々を原則としてと書いてありまですが。原則としてということは、例外もあり得ると理解してよろしいと思うんですが、例外的な場合は、どのように取り扱うのか。そういったプロセスを決めておく必要があるのではないでしょうか。そうでないと、想定された結果を出すために、都合がいいものを入れたのではないかと言われかねないので、その辺のプロセスをどのように透明化・公平化していくかということも、決めておく必要があるのではないかと思うんですけれども、その辺については、どのようにお考えでしょうか。
○関原部会長
 企画官、お願いします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 鈴木委員が御指摘のとおりでございます。何が原則で、何が例外で、例外規定を用いるのはどのような場合かという、こうした具体的なルールの細部に関しましては、どこかのタイミングで必ず決める必要がございます。
 ただ、こうしたことを決めるのは、今はまだ議論の初期で、本当の原則を決めている段階ではなく、例えば具体的な事例をもとに試行し、検討する中で、そうした細部のルールは決めていけばよろしいのではないかと考えております。
 以上でございます。
○関原部会長
 よろしいですか。
○鈴木委員
 そういったこともきちっと検討の中に入れていただいて、進めていただければと思います。
 ありがとうございました。
○関原部会長
 花井委員、どうぞ。
○花井十伍委員
 スライドの24、費用効果分析の手順は、比較対照技術が決定した段階でこのような方法でやって、結局ICRが確定するということです。それとの関係で、いわゆる比較対照をどうやって選ぶかという議論があるわけです。例えば有効性は高いんだけれども、むちゃくちゃ高い。低いのに高いのは問題外だとわかるんですけれども、パフォーマンスがちょっとしか上がっていないのに、コストが高いというのは、はじく方向になれば、患者としては高いから、このぐらいのパフォーマンスなら公助は我慢しないということに使われる可能性があるわけですけれども、そういうことも総合的に考えていって、例えば比較対照になる医療技術が複数ある場合、それぞれの相対的なコストパフォーマンスがあるはずです。そうすると、本来、選ぶときに、最善の技術とか、最も利用されているとか、そういうものは、割と一意性がないというか、ある程度ケース・バイ・ケースみたいな感じにもなる場合も出てくると思うんですけれども、それぞれの相対的なコストパフォーマンスがわかれば、現状の中で、コストパフォーマンスが一番高いものと比較するという選択肢もないことはないと思うんですけれども、そういう手法にならずに、こういう形で比較対照を選ぶという理由は何なんでしょうか。
○関原部会長
 福田先生、お願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。
 御指摘のとおりで、24の図で御説明させていただきますと、比較対照が変わると、ちょっと太目の点線で表示してある矢印が、増分費用効果、ICRになりますので、結局、傾きの程度が問題になります。御指摘のとおりで、比較対照のとり方によって、傾きが小さくなったり、大きくなったりする。横軸を効果で、縦軸を費用とした場合には、傾きが大きくなると、費用対効果の観点からは悪くなるという判断ができます。
 比較対照をどうとるかですけれども、御指摘のとおり、いろいろな技術があるときに、それぞれ出してみるという方法は、手法としては可能であると思います。ただ、一般的にされていないのは、1つの比較対照と比べて評価をするだけでも手間がかかりますので、かなり時間をかけてやらなければいけなくなる。さらにそういうものがたくさん出てきたときに、結局どこで判断をするのだろうということになってくると思います。そのために、一番使われている代表的なものの傾きを見て判断するのが、一般的なアプローチとしてとられていると理解しています。
○関原部会長
 どうぞ。
○花井十伍委員
 これは意見ですけれども、費用対効果をどのように利用していくかというところは、具体的にはわからないことになっているので、難しいと思うんですが、今後、費用対効果を新しい技術にだけ導入するということが決まっていない以上、既存の技術の費用対効果、相対的なものを比較しておかないといけない。最初に新技術だけを費用対効果で評価するんだと決めているのであれば、それはそれで、ある程度方法論は決まっていくと思うんですけれども、費用対効果はどのようなもので、どのように導入するかということが、今、未知数であるならば、既存の技術間の費用対効果の比較も結構重要になってくるのではないかと思います。これは意見です。
○関原部会長
 わかりました。御意見ということにさせていただきます。
 今の活用の話は、今後の話だと思いますので、企画官からもしコメントがありましたら、お願いします。
○井上医療課企画官
 今の花井委員の御意見の中にございました、これをどう活用していくのかということに関しましては、中医協費−1の点線で囲った部分の今後の議論はどのような項目があるかというところをごらんください。これは6月27日の本部会において合意をした、今後の議論の流れの中の一番最後のところですが、費用対効果の具体的な活用方法というのは、議論項目としてございます。ですから、今回ではございませんが、次回以降の当部会において、今の花井委員の御指摘事項は、議論の予定に入っているという形でございます。
○関原部会長
 よろしいですか。
○花井十伍委員
 重ねての発言になりますけれども、勿論順番があるんですが、逆に言えば、4を決定しなければ、対象をどれに選択するかという方法論にも影響するので、必ずしも順番で進められないということはあるんでしょうという指摘です。今、これで決まって、対象については、最も広く使われているものにしましょうとか、最も効果が高いものにしましょうという決定は、使い方によって覆る可能性が出てくるのではないでしょうかという懸念を発言したわけです。
○関原部会長
 それはきょうの目的で、いろんな御意見を出していただいて、それを踏まえて、どういうふうにやるかということを、今後、詰めていく話なものですから、今の御意見も今後の議論を踏まえて使わせていただきます。
 嘉山先生、どうぞ。
○嘉山委員
 非常によくわかりました。実際に起きてみて、それをこの表に当てはめていくときに、一番大事なのは、運用の仕方だと思います。今、花井委員からもお話があった、いろんな価値観をどういうふうにここに当てはめるのかということです。私らとしては、エンドポイントを一番、例えば患者さんのパフォーマンスがよくなるとか、1日でも生命予後が延びるということを価値に置くんですけれども、それだけで今はやっていけないということで、こういうものが出てきているので、24ページのものでいいますと、傾きを第1例目でどうやって決めるかで、その後の運命が全て決まるのではないかと思ってしまうんです。ですから、ちょっとぐらいパフォーマンスがよくなっても、こんなにかかるんだったらだめだというのが原則になってしまうと、困ります。ですから、第1例目の運用がすごく大事だと思いますので、今後、傾きのところを運用するときには、我々は慎重にディスカッションしなければならないと思います。そうでないと、現場が非常に困ることになります。
 2点目は、先ほど安達先生が御質問されたんですが、私も同じ趣旨で、新薬の場合、お薬の値段がまだ決まっていないというか、保険収載の値段が決まっていなくて、多分製薬会社が言ってきた値段で計算した場合、多分安い値段では言ってこないと思います。資本の論理で、製薬会社は高く売りたいですから、最初から絶対に安くはしてこないと思います。すごい高かった場合、対費用効果が全然ないとなったら、それが収載されなくなるので、その辺のバランスをどうとるのか。
 例えばそんなに対費用効果がないなら、下げましょうという手順を薬品会社に指示するような制度になるんですか。もし最初の設定で、対費用効果で全然合わないということになれば、収載されなくなると、患者さんが困ることも起きるのではないかと思うので、そのときの交渉の手順なども考えていらっしゃるんですか。これは現実の問題なんです。
○関原部会長
 評価の実施を誰がどういうふうにやるかということも含めて、これはまだここでは全然議論されていないと理解しておりますが、先生、何かコメントございますか。
○福田参考人
 日本でどうするかはこれからですが、諸外国でのやり方という意味でお話をさせていただきますと、例えばイギリス等の国では、新薬に関しては、メーカーが提示する価格でやるという形をとっていますので、先生が御指摘のとおり、メーカーが出してきたものを見て、それで費用対効果を検証して、高ければ少し交渉するとか、そういう方向になっています。あくまでも値段そのものは、メーカーが決めるというスタンスですので、折り合わないときには、メーカーがある程度下げたもので、もう一回出し直す。これはイギリスでも、オーストラリアでも、同じような対応がとられています。ただ、日本は薬価制度がございますので、そこは考え方が少し違うのかもしれません。
○嘉山委員
 あと、3番目なんですけれども、9ページの費用効果分析の特徴というところで、QALYをそのままお書きになっているんですが、先生には、この前、客観的でない評価ではなくて、もうちょっと客観的な評価を入れてくださいということで、この協議会では同意が得られましたが、これがまた出てきたので、これは次回の議論にでも持ち越すつもりでいるんですね。企画官、それでいいですね。これはこれで決まったわけではないですね。確認ですが、よろしいですね。
○関原部会長
 企画官、どうぞ。
○井上医療課企画官
 御指摘のとおりでございます。
○関原部会長
 三浦委員、お願いします。
○三浦委員
 福田先生、いつもわかりやすい資料を提出いただきまして、ありがとうございます。
 2つほどお伺いしたいことがあるんですけれども、まず1つ目なんですが、資料でいくと、20番目の生産性損失についてです。上から3つ目、医療の立場では費用に含まないことを基本とするということで、21番目の下にも各国のガイドラインで、生産性損失を費用に含める国でも、これを含まない費用も同時に提出させているということが書いてあります。
 次のところに、生産性損失を含めない国と含める国が列挙されておりますけれども、生産性損失を含めないというのが一般的であるにもかかわらず、これだけの国で含めるものも提出されているということは、どうしてかというのが1つ目の質問です。
 もう一つは、それをどれぐらい利用しているか。つまりどのぐらいの数、今、新薬でお話が出ましたけれども、全部をやっているのか、それとも幾つかピックアップをしてやっているのか。医療技術についてもそうだと思うんですが、どのぐらいの割合でやっているのかを教えていただければと思います。
○関原部会長
 福田先生、お願いします。
○福田参考人
 御質問ありがとうございます。
 生産性損失に関しましては、22ページのスライドにあるとおり、諸外国では含める形も提出が可能としているところがございまして、正確な数字は持っていないのですけれども、実際にこれが評価されているものは、非常に少ないという理解であります。
 医療の立場から原則入れないのが、どうしてここまで出ているかということですが、国によっては、医療費がどうかということは一番関心があって、どこでも見ているのですけれども、もう少し広く、いろいろなものを入れたものを考慮するべきだという主張もありまして、入れる部分も検討するというものが入っているということです。ただ、実態としては、先ほども言いましたが、推計方法の困難さ等から、余り使われていないのが現状と認識しています。
○関原部会長
 よろしいですか。
○三浦委員
 どのぐらいそれを実際にやっていらっしゃるんでしょうか。
○福田参考人
 諸外国で含めているというところですね。
○三浦委員
 はい。
○福田参考人
 正確な数字がないので、何とも言えないのですが、私が認識している範囲では、ほとんど入っていないというのが現状です。入れてもいいという形をとりつつ、実際の計算には反映されていないケースがほとんどです。いわゆる経済評価研究としては、入っている場合もときどきありますけれども、諸外国の機関がやっているものとしては、ほとんどないと思います。
○三浦委員
 ということは、実際には余り活用されていないということですね。
○福田参考人
 そうです。生産性損失に関して、そこを考慮しているということは、ほとんどされていないと思います。
○三浦委員
 わかりました。
 もう一つ、生産性損失の取り扱いは別として、実際に各国では出てきたものについて、費用対効果に全部利用されているんですか。医療技術や医薬品全てにこれをやっているんでしょうか。
○関原部会長
 福田先生、どうぞ。
○福田参考人
 全ての技術とか医薬品についてという御質問でよろしいでしょうか。
○三浦委員
 はい。
○福田参考人
 それは国によって大きく違います。例えば代表的にしばしば出てきますイギリスのやり方ですと、そこで評価する医薬品あるいは医療技術等については、国が指定をすることになっていますので、特に財政的なインパクトが大きくなりそうなもの等に限定して、評価がされている形になっています。
 ほかの国では、例えばオーストラリアの例ですと、新規の医薬品については、全てこれを行っておりますので、国によって対応が違うという形になっております。
○関原部会長
 よろしいですか。
○三浦委員
 ありがとうございました。
○関原部会長
 ほかにございますか。万代先生、どうぞ。
○万代委員
 私も生産性損失について、意見と質問を取りまとめてお話したいと思います。
 まず生産性損失については、考え方として、是非というか、一定程度取り入れていただけたらと考えます。それをどのような使い方をするかは、今後の議論だと思いますし、中医協費−3にあります生産性損失等の文章についても、まだ決まっていないと理解しておりますので、これについては、今後さらに修正が加わるものと思います。原則としてという書き方と、もし生産性損失を加える場合には、参考データとしてという書きぶりにつきましては、物によっては、参考データではなくて、それも実際に費用対効果の考え方に盛り込んでいただければと思います。と申しますのも、医師の技術料が生産性損失を加えないことによって、不当に安く評価されるということであれば、それについては、特に生産性損失についても、その部分の費用を加えていただきたいと思うわけでございます。
 具体的なところで申し上げますと、先ほど例示がございました、福田先生の15と16のスライドでございますけれども、15の中に医療技術の費用が書かれてございまして、技術の定義については、これまで合意しましたように、単なる技術のほかに、医薬品も含めた全ての技術を含めるということでございますから、医療技術の費用については、そういう確認をさせていただきたいと思います。
 16ページのスライドで、例えば術式A、術式Bとございまして、これは例示的なものなので、揚げ足をとるつもりは全くございませんけれども、手術費の中に、例えばここは手術費ではなくて、私の理解では医療技術の費用、入院費のところにはその他の関連する費用という形で、理解するべきだと思っております。例えば術式Aの費用が高いということで、具体的に申し上げれば、この絵で言えば、想像するに、腹腔鏡の手術については、こんな図式が当てはまるのではないかと個人的には考えております。手術費の中に医療技術の費用ということで、含まれていると考えますと、腹腔鏡手術において使用される、いろいろなディスポーザブルな機器についても、かなり価格が上がる。その中で、医師の技術が正当に評価される部分についても、この中に盛り込んでいただきたい。
 さらに生産性損失につきましても、どれだけこの上に積むかは別でございますけれども、例えば術式Bの方が生産性損失がより大きいということになれば、術式Aの費用が圧縮される。もちろん安ければ安いにこしたことはないですけれども、それによって、先ほど来申し上げている医師の技術料が、不当に評価される、低く評価されるということでは、少し問題だと考えますので、今後、費用対効果の考えを使って、新規の技術を導入した価格の設定については、例えば術式Aの黒い部分のバーをずっと上げていただくことも考えるという意味では、生産性損失についても、一定程度考えに入れていただきたいと思っております。
 つきましては、先ほどの三浦委員の質問に関連いたしますが、諸外国で生産性損失を含めるという国があっても、ほとんど使っていないというお話がございました。実際にどのように使われているのか、どのように使われていないのか、そういったことを例でも結構ですので、是非教えていただきたい。そういう例がないと、ただ総論的に含める、含めないというだけですと、議論がしにくいと思っていますので、是非その点はよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○関原部会長
 福田先生、今の具体的な例を幾つかピックアップしていただいて、御報告いただくことは、次回でも次々回でも結構ですけれども、可能でございますか。
○福田参考人
 具体的な評価事例ですか。
○関原部会長
 はい。
○福田参考人
 よろしければ、事務局と相談させていただいて、準備させていただきます。
○関原部会長
 事務局と相談して、資料を用意していただくことにいたします。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 今の万代先生のことにだめ押しなんですけれども、手術費の中で、物とパーソナルテクニックを分けてほしいんです。それを対費用効果の中に入れていただくと、非常に明確になる。例えば従来からお話していますように、肝臓移植の糸だけで4割なんです。ですから、先ほどの歯科の話でも、金属が上がったことによってという話がありましたけれども、手術料というと、何となく人件費みたいに見えるんですが、これはほとんどが物品費ですので、そこは分けていただければと思います。
○関原部会長
 ほかにございますか。堀委員、どうぞ。
○堀委員
 1点だけ基本的な確認をお願いしたいんですが、これまでの議論の整理の中で、この技術については、希少疾患に対するものは除く、あるいは代替医療技術がないものは除くという整理だったと思うんですが、先ほどの御質問で、薬は必ずしも保険収載されていないものも対象になるということなんですが、医療技術について、保険収載されていないものも、代替医療技術があれば検討対象になるのかどうか。かなり難しい比較になるという気がしますので、その辺は整理として、必ずしも代替技術は保険収載されていない技術であっても、比較対照になるという考えでよろしいんでしょうか。
○関原部会長
 事務局、お願いいたします。
○井上医療課企画官
 基本、今の御指摘の点はならないと考えております。
○関原部会長
 ほかにございますか。白川委員、どうぞ。
○白川委員
 スライドナンバーの16を、万代先生は腹腔鏡と通常の手術というイメージで捉えられ、私もそういうふうに感じましたが、ここで問題になっておりますのは、術式AやBの内容ではなく、診療報酬で何点つくんだということです。例えば腹腔鏡が何点で、それが高いか、低いか、その中に医師の技術料がどれぐらい入っているのかということは、ここでは問題にならないと思います。
 この計算式でいいますと、費用が大きくなれば、効果との比較でコストパフォーマンスが悪いという話になるわけで、先ほどの腹腔鏡のコストパフォーマンスはきちっと計算してみないとわからないと思います。今の段階では、こういう方法でいいでしょうと言わざるを得ないと思っています。それをどう使うかは、今後、議論していけばいいのではないかと考えております。
 それから、生産性損失について意見が出ましたが、私は生産性損失を入れるべきではないと思っております。諸外国の実例について、次回、福田参考人から追加の説明をいただくようでございますので、それを聞いてから、この議論をもう一度やればいいと思います。ただ、費−3に書いてありますとおり、生産性損失を費用に含めるとバラツキや推計方法による差が大きくなる。具体的に言いますと、例えば80歳の方と子ども用の手術あるいは薬をどう比較するのかという話は、生産性の分野では非常に難しい話になりますし、意見が分かれるところだと思います。したがって、データとしてきちっとしているもの、具体的には公的医療保険、介護保険の点数、薬価制度における原価計算方式といったデータがはっきりつかめるものを費用とすべきだと思っております。

○関原部会長
 今のは御意見ということで、繰り返しになりますが、今後の議論でこれを詰めていくということにさせていただきます。
 ほかにございますか。石山委員、どうぞ。
○石山委員
 白川委員と同じような意見ですけれども、次回で結構ですから、先ほど質問があったように、生産性損失の具体例について、諸外国ではどのように取り扱っているのかということについて、いろいろ勉強の意味で教えていただきたい。
 2点目は、生産性損失というのは、はっきり申し上げて、推計における物差しがみんな違うのではないかと思います。ですから、基本的には、事務局提案にあるとおり、費用の範囲に「生産性損失等は、原則として含めずに評価を行うもの」とするほうが適切ではないか。ただ、症例によっては、参考になる場合もあると思うのですが、原則は原則できちんと立てておくべきではないかというのが2点目です。
 3点目は、先ほど生産性損失に絡んで、医師の技術料の話、術式A、Bの話が出ました。はっきり申し上げて、医師は大変立派な仕事をされていると思うのですけれども、その議論を今回の議論に入れてディスカッションするというのは、少し違うのではないかと思います。これはもともと様々な意見がある世界だと思うので、費用対効果の議論とは別に考えるべきではないかというのが、意見です。
 以上です。
○関原部会長
 御意見として承ります。
 福田先生、どうぞ。
○福田参考人
 追加で御説明を2点させていただければと思います。
 1点は、生産性損失と言ったときに、医療提供者の損失と患者さん側の損失とございまして、多分万代先生に御指摘いただいたのは、医療提供者である先生方の損失という意味だと思いました。違いますか。それなら大丈夫です。済みません、私が誤解したかもしれません。
 それについては、白川先生が御指摘のとおり、医療費として払うものを考えるのであれば、人件費の原価相当分ではなく、報酬で計算するということがありますので、それは別だと思います。
 それから、生産性損失を仮に計算に入れていくときに、注意が必要だと諸外国で言われている点は、費用対効果で、費用と効果の両方を見ますので、例えば生存が延びるという価値は、一般には生存年数等の効果の方で評価されますので、生存が延びる期間の生産性などを入れると、割り算をしたときに、同じ効果が分母と分子に両方入ることになりまして、一般に二重計上と言われておりますが、課題があると指摘をされています。
 それだけ追加をさせていただきます。
○関原部会長
 今の御説明でよろしゅうございますか。
○万代委員
 私が具体的なイメージを持っておりますのは、例えばDPCデータで、同じ対象疾患に対する開腹の手術と腹腔鏡の手術で、平均在院日数は簡単に出ますし、もちろん外れ値をどういうふうに扱うかは、技術的に問題があると思いますけれども、そういった形で、平均在院日数というデータはすぐに出るでしょう。そうであれば、生産性損失につきましては、どの表を用いるかは別といたしまして、例えば国家公務員の平均を使ったりすることもあると認識しておりますので、そういったことからすれば、比較的簡単に生産性の損失は出るのではないかというイメージを持っておりますので、先ほどの発言をいたしました。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 それでは、きょうは意見交換、議論ということでございまして、ちょうど時間も12時でございます。先ほど企画官からもお話がございましたように、次回以降、幾つかの問題について議論いただくということでございますので、きょうの議論につきましては、この辺りにさせていただいて、この意見を踏まえまして、取りまとめに向けた検討に入りたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。
 次回の日程等についてお願いいたします。
○井上医療課企画官
 次回の日程につきましては、未定でございまして、決まり次第、また御連絡をいたします。
 以上でございます。
○関原部会長
 それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03−5253−1111(内線3288)

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