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2012年12月26日 専門医の在り方に関する検討会(第14回)議事録

○日時

平成24年12月26日(水) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
東京都千代田区霞が関1−2−2中央合同庁舎第5号館


○議題

「総合医」「総合診療医」等について

○議事





 
        専門医の在り方に関する検討会(第14回)



   日時 平成24年12月26日(水)
   10:00〜
   場所 厚生労働省専用第22会議室(18階)

○医師臨床研修推進室長 先生方おそろいになられましたので、「専門医の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 本日は先生方には御多忙のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。本日、桃井委員から所用により御欠席との御連絡をいただいております。また、文部科学省医学教育課からは、渡辺企画官にお越しいただいております。
 以降の議事運営については、座長にお願いいたします。高久先生、よろしくお願いいたします。
○高久座長 それでは、ただ今から議事を進行させていただきます。まず、議事を始める前に資料の確認を事務局からお願いします。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。お手元にお配りしている資料です。議事次第、座席表等を含めた3枚セットの資料。資料1として、前回(第13回)までの主な御意見。資料2として、「総合医」「総合診療医」等に関する論点整理(案)。資料3として、専門医の在り方に関する検討会。今後のスケジュール(案)。参考資料として、専門医の在り方に関する検討会の中間まとめの本文全体と、その後ろに中間まとめの参考資料を付けております。以上です。不足等がございましたらお申し付けください。
○高久座長 それでは議事に入ります。本日の議事は、1.前回(第13回)までの主な御意見について。2.「総合医」「総合診療医」等について。3.その他となっています。まず、1.の前回(第13回)までの主な御意見について、説明よろしくお願いします。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。資料1として、これまで同様に前回いただいた主な御意見についてアンダーラインを付して追加をしております。時間の関係もあるので一部割愛をさせていただきながら追加部分の御案内をいたします。
 3ページの下の○です。サブスペシャルティ領域については、どういう領域を認め、どこまで情報を開示するかということについての慎重な議論が必要ではないか。次のページの最初の○で、情報の開示については、例えば、都道府県ではホームページで行っている医療情報提供制度も参考となるのではないか。その四つ下、医療制度の中で、法制度の中にどう落とし込んでいくかについても、最終的には議論する必要。下から三つ目の○、専門医を取得する、質を維持し続けるインセンティブが何かしら必要ではないか。その二つ下、広告や標榜科を検討していく必要。将来的には、これがないと国民の信頼を得られないのではないか。また、これがインセンティブになるのではないか。
 次に15ページの中ほどの○で、基本的な目的は、医療の質の向上だが、その論理的帰結として、量の制御が入ってくることはしょうがない。すみません。「やむを得ないのではないか」と修正させていただきます。失礼いたしました。個人の自由を尊重するアメリカでも専門医の量の制御は強く行っている。
 次の16ページの二つ目の○では、専門医制度は、医師・専門医の質の向上を目的とするが、その結果として、少なくとも、更に偏在させるようなことにならないようにしなければならない。
 次に18ページの中ほどの○で、都道府県ごとに、地域住民、大学、医師会、研修病院等の関係者からなる機構をつくり、そこでプログラム作成を行ってもいいのではないか。
 最後の20ページの中ほどの○で、これからプログラムを作成していくにあたり、現在の専門医の情報、養成期間中の医師の情報等のデータベース構築についての国の支援が必要ではないか。その二つ下、国の関与ではないが、都道府県行政との関係、特に第三者機関と都道府県の連携についての議論が必要ではないか。その三つ下、地域偏在の背景の一つは医学部の偏在であり、国は、この西高東低を解消するため、医師の少ない地域への研修病院、派遣される指導医等への財政支援をすべき。一番下、地域で取り組んでいる好事例を全国に広めていくことも国の役割ではないか。資料1の御説明は以上でございます。
○高久座長 この点について御質問がありますか。18ページの「質が担保されることが前提だが、複数の施設で群となってプログラムを運営する」と。この点はいいですね。第三者機関は当然関与するわけですから.池田委員、これでよろしいですか。
○池田委員 はい。
○高久座長 次に、議事2の「総合医」「総合診療医」等についてです。事務局から説明をお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。お配りしておる資料2について説明いたします前に、資料3を御覧ください。今後のスケジュール(案)です。今回、枠で囲った第14回の部分が議論の対象となるところです。「総合医」「総合診療医」の在り方について。「総合医」「総合診療医」の養成について。医師養成に関する他制度との関係について。求められる専門医像についてです。これらのうち、この大きな三つの項目がありますが、まず、「総合医」「総合診療医」について御議論を賜りたいと思います。
 なお、「総合医」については、別途、池田先生の評価機構において検討が進められておりますので、後ほど池田委員から、その状況について御案内をいただきたいと思います。その前に事務局から用意した資料を御説明いたします。それが資料2です。論点整理(案)です。8月末の中間まとめの中から今回の議論の論点に該当する部分を抜粋して、それぞれの項目ごとに事務局のほうで論点を追記しているものです。
 一つ目「総合医」「総合診療医」の在り方について。中間まとめの中でコンセンサスが得られた項目事項を記述しております。一つ目、「総合医」「総合診療医」の必要性については、こちらの?〜?書かれたような視点が挙げられる。二つ目の○、「総合医」「総合診療医」は、従来の領域別専門医が「深さ」が特徴であるのに対し、「扱う問題の広さと多様性」が特徴であり、専門医の一つとして基本領域に加えるべきである。三つ目、「総合医」「総合診療医」は、地域の医療、介護、保健等の様々な分野において、包括ケアのリーダーシップをとるような役割も期待されており、「地域を診る医師」といったコンセプトも重要である。
 次の○、「総合医」「総合診療医」と「基本診療能力」のある領域別専門医をバランス良く養成することが重要。あるいは「総合医」「総合診療医」の定義を、例えば「頻度の高い疾病と傷害、それらの予防、保健と福祉など、健康にかかわる幅広い問題について、わが国の医療体制の中で、適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供できる医師」と定義することが適当とされております。
 それを受けまして中間まとめにおいて、引き続き議論が必要とされた項目について枠で囲んでおります。総合的な診療能力を有する医師の名称については、「総合医」、「総合診療医」、「一般医」、「プライマリ・ケア医」、「家庭医」などの定義を明確にした上で、国民にとって分かりやすい名称、例えば「総合医」に統一して整理することについて。これを踏まえ論点としては、総合的な診療能力を有する医師の名称について、定義を明確にした上で、名称を統一して整理することについて、どう考えるか。
 次のページで、引き続き議論が必要という論点の二つ目です。総合的な診療能力を有する医師の定義に鑑み、その名称は「総合診療医」とし、地域医療の大半を支えている現在の開業医師(かかりつけ医)の名称を「総合医」とすることについて。論点としては、専門医の一つとして新たに加える総合的な診療能力を有する医師の名称は「総合診療医」とすることについて、どう考えるか。
 二つ目の大きな柱として、「総合医」「総合診療医」の養成についてです。中間まとめの中で、一つ目の○で、「総合医」「総合診療医」を目指す若い医師を増やすためには、養成プログラムの一層の充実が必要です。「総合医」「総合診療医」を養成するためには、卒前教育においても、単に診療科をローテイトするだけではなく、総合的な診療能力を養成するようにプログラムを構築する必要があります。あるいは、「総合医」「総合診療医」の養成には、指導医の養成も必要である。あるいは「総合医」「総合診療医」を新たに養成していくためのプログラムについては、臨床研修修了直後の医師が進むコースに加えて、領域別専門医の資格を既に取得している医師のためのコースも設ける必要がある。これらを踏まえて引き続き議論が必要とされた項目は、「患者を幅広い視点で総合的に診ることができる能力は、それ自体に重要な専門性があることを踏まえ、関連する学会で養成に必要なプログラムを一本化して養成していくことについて」とあります。論点として、患者を幅広い視点で総合的に診ることができる能力を養成するため、関連する学会で養成に必要なプログラムを一本化して養成していくことについて、どう考えるか。
 次のページで、「総合医」「総合診療医」の養成プログラムの充実について。これも論点としては、この充実について、どう考えるのか。
 「総合医」「総合診療医」を養成するためには、臨床研修に加えて一定の養成期間が必要とする見方がある一方で、卒前教育と臨床研修等を充実させることにより「総合医」「総合診療医」の養成は可能であるとする見方もあることについて。論点は二つに分けました。「総合医」「総合診療医」を養成するためには、臨床研修に加えて一定の養成期間が必要とする見方について、どう考えるか。卒前教育と臨床研修等を充実させることにより「総合医」「総合診療医」の養成は可能であるとする見方について、どう考えるか。
 ここまでが「総合医」「総合診療医」の部分です。参考資料として、別に配りました資料の一番後ろの参考資料を御覧ください。この中の目次で、4.の19ページ4-?〜34ページ4-?までが「総合医」「総合診療医」関係の参考資料ですので適宜、御参照いただければと考えます。以上でございます。
○高久座長 はい、それでは池田先生、機構での検討状況について教えてください。
○池田委員 以前にもお話申し上げましたが、機構では「総合医の在り方に関する検討会」を開催しております。金澤先生に取りまとめをお願いし、機構からももちろん私と山口先生が出席しています。その他に内科学会、外科学会、小児科学会、救急医学会、プライマリ・ケア連合学会、日本医師会等と幅広い領域の先生方と議論し、現在までに3回にわたり議論し、大体3回での議論のコンセンサスが検討会では出来上がり、そのまとめをしております。そのまとめについて機構で作りました検討会なので、プロセスとしては当然のことながら機構理事会の先生方に、今、こういう検討をしておりますので、何か御意見がありましたらどうぞという訳で、フィードバックをお願いしている状況です。
 議論の内容は、大きく四つに分かれていると理解していいかと思います。一つは、今、ここの検討会でも「総合医」「総合診療医」についての御議論は、大分していただき、中間まとめである程度のコンセンサスが得られているわけですが、私どもの機構での検討会では、四つのテーマについて議論しました。
 一つは、「総合医」の専門医師像と具体的な活動内容です。どういう医師が「総合医」「総合診療医」として必要であるか。どんな医師像をイメージしたらいいのか。もう一度議論をさせていただきました。もう一つは、「総合医」「総合診療医」の育成のための研修プログラムを具体的にどういうふうに作ればいいかの議論です。もう一つは、名称です。「総合医」「総合診療医」という形でここでは議論をしましたが、いつまでも二つの名称を並べておくのは、あまりよくないということで、どういう名称にするのがふさわしいかの議論をしました。最後に、18の基本領域の19番目として、「総合医」「総合診療医」を位置付けることもこの検討会で議論をいただき、ある程度のコンセンサスが得られていると私は理解しており、その場合、一つの基本領域の専門医として当然位置付けることになるわけですが。これまでは18の基本領域の専門医は、原則として基本領域の専門医の資格は一資格ということ。もちろんこれは原則であり、非常に努力された方がきちっとそのトレーニングをし、また、更新の手続をとって二つを取ることは妨げるものではないわけですが、現実問題として一つであろうと。しかし「総合医」というものを位置付けた場合には、これはほかの領域の専門医がキャリアの変化の中でこの専門医像を認識した上で「総合医」「総合診療医」に移行することも当然考えられ、その仕組みをしっかりと作っていかなくてはいけない。「総合医」「総合診療医」については、18のその他の基本領域とは少し違った形で認識することが必要ではないかと、そんな議論でした。
 「総合医」の専門医像、医師像に関しては、この検討会の中間まとめにも出てまいりましたが、日常的に頻度の高い疾病や傷害に対する初期対応も含めてきちっとできるお医者さん、そして、地域によって医療ニーズは様々ですので、そういう地域による異なる医療ニーズを的確に把握して、それに対応できる「地域を診るお医者さん」としての視点が重要ではないかという議論がありました。「総合医」の専門医像としては、やはり中間まとめで挙げられましたような日常的に頻度の高い疾病や傷害に対して適切に対応し、年齢、性別を問わず、必要に応じて各科専門医と連携しながら包括的、継続的医療を全人的に提供できる。これは福井先生からここの検討会でも一つの提議として提案していただいたわけですが、これをやはり専門医像として位置付けます。
 地域のニーズを基盤とし、医師だけではなく、多くの職種と連携して包括的な、かつ多様な医療サービス、在宅ケア、緩和ケア、高齢者ケアというものを柔軟に提供でき、地域を診るお医者さんとしての役割を果たしていただく。これが医師像として具体的な活動内容ではないかということです。
 具体的にどういう育成のプログラムを作るかについては、ここでも議論がありましたように、中立的第三者機関を2013年度に立ち上げるという方向性が決まっていますが、そこでは各専門医のボードというものができ、そのボードでどんなプログラムを作るかを議論して頂く訳ですが、重要な事はプログラム作成や、施設認定の基準をどのように作るか、新しい機構でその大綱を決める事で、それを基にプログラムをそれぞれ作っていただく形になると思います。「総合医」の育成のための研修プログラムも当然そういうボードの中で具体的には議論をします。その目指す医師像から見て、まさにオールジャパンでプライマリ連合学会はもちろんですが、内科学会、小児科学会、救急医学会、その他外科、整形等々いろいろな学会。これは地域を診るお医者さんを育てるわけですから、日本医師会の先生方にも是非入っていただき、プログラムの作成に当っていただく。これはこれからの非常に重要な課題であり、検討会の中でもどういうプログラムが一番いいかの話ではなく、むしろプログラムを作るプロセスをきちっと議論をし、このプロセスに従い、皆さんが納得できるような研修プログラムを作る形でやっていただけばどうか。基本的には、初期臨床研修を終わってから3年間の「総合医」「総合診療医」を育てるための研修プログラムを作ることでした。
 繰り返しますが、診療所や在宅診療を実施している小さな病院、あるいは中小規模の病院での研修、あるいは外来診療をやっている開業の先生方等にも是非、プログラム作成に参加していただき、実際に指導医になっていただく仕組み作りを考えようということです。
 名称は、今まで「総合医」「総合診療医」の二つが並んでいましたが、総合医専門医というのは非常に分かりにくいと。総合診療ということを医師像としてうたうのであれば、総合診療専門医という名称が妥当ではないかということで、機構の検討会では、大体一致をみましたので、ここで先生方の御意見も伺えたらと思います。
 基本領域専門医から総合診療医への移行は、これもプログラムをしっかり作る必要があります。本検討会でも議論がありましたが、外科系の先生が専門医として、手術をバリバリやっていた。大学病院あるいは基幹病院で手術をし、ある年代に達して手術をしなくなった場合には、外科の先生方がメスを置いて地域医療に従事されることも非常に多くキャリア・パスとしてはあるだろうと。それは新しく初期研修が終わり総合診療専門医を目指すプログラムとはまた別に、やはり皆さんが納得できるようなプログラムを作って移行していただくことを検討するべきであり、その検討の実際の研修プログラムをボードで議論していただけばいいのではないか。とのように大体四つの骨組みについて議論がされました。この四つの議論の内容については、検討会の先生方の中では、大体これでいいのではないかとまとまりができました。
 冒頭で申し上げたように、それを機構としては理事の先生方の御意見等も聞いて最終的に決定した段階で皆さまにも正式に御報告します。この検討会の中にも金澤先生はもちろん、小森先生、山口先生が参加されていますので、もし追加することがありましたら御意見をいただきたいということです。私からは以上です。
○高久座長 基本的な領域として、「総合診療医」という名前が良いだろうということです。ほかにどなたか御意見はおありですか。2ページ目の一番上に、「総合的な診療能力を有する医師の定義に鑑み、その名称は「総合診療医」とし、地域医療の大半を支えている現在の開業医師、(かかりつけ医)の名称を「総合医」とすることについて。」については、小森先生、高杉先生、御意見はいかがですか。
○金澤座長代理 この件に関して、池田先生のお話はそれはそれで結構ですが、ちょっと追加をさせていただきたいと思います。一つは今の点です。
 これは「総合診療医」という名称に、とりあえずはそうしようではないかという意見が多くて固まったのですが、ただ、そのときに、かかりつけ医、あるいは2ページ目の頭にあることをそのまま残すのではなくて、かかりつけ医に関しては、これは患者さんたちの問題なので、「かかりつけ医」という言葉は全く別個に使おうではないか。そのときに「総合診療医」と言うからには、「総合医」と言うのは非常に紛らわしいことになるので、「総合医」という言葉はやめましょうということになったと私は理解していたのです。これは皆さん方の御意見を伺わないといけませんが、できれば、どこかに収束をさせないと、1ページ目の下の四角の中にもありますが、何か統一して整理する必要があるのではないかという点からいくと、二つ並ぶのはちょっと困ったなというところが一つです。
 もう一つは全体的なことになりますが、「総合的な診療能力を有する医師」となりますと、先ほどの総合診療医に関して当たり前と言えば当たり前ですが、三つの考え方、ポイントがあることを理解しながら、私はその会に加わっていたのです。一つは当然ですが、できればずっと総合診療医であり続けるお医者さんがおやりになる診療です。もう一つは、先ほど池田先生がおっしゃったような、専門医としてしばらくやってこられたが、後に少し広くやろうとする方々の教育のためのルート、プロセスを通って総合診療医的な状況になろうとする方。
 もう一つは、議論の中で少し出てきたのですが、これまでの、あるいはほかの専門医の医療をずっとおやりになってこられているが、そういう方々の医療レベルを上げようという意味での総合診療医、あるいは全人的な医療という、この三つがきちんと区別されなければいけないと思うのです。今、議論しているのは、できれば一生ずっとという方々のことを考えておりますが、部分的には途中からこれに加わる方のことであって、最後に申し上げたことは、別個にきちんと考えなければいけないことだと理解しております。そのことだけ申し上げておきたいと思います。
○高久座長 ただ、総合医を何年かやって、それから専門医になる。例えば循環器内科とか、そういう手もあります。自治医大の卒業生は結構多いです。
○金澤座長代理 そうです。それは確かにそうです。
○池田委員 おっしゃるとおりで、基本領域に位置付けていますので、そのサブスペシャルティとして、例えば神経内科をもう少し勉強しようという方もいらっしゃると思いますので、当然それを妨げるものではないと。医師のキャリア・パスは、多様であってもいいと思います。
○高杉委員 池田先生、金澤先生のまとめ方については、非常にすっきりとしたと思います。ただ医療の過去、現在、未来を考えたときに、この会議は未来の医師を育てるということでは総合診療医でまとめられる。あるいは基本領域から移行へのプログラムを作る。あるいは総合診医からサブスペシャルティへの道も作るということ、これは非常に基本的に賛成です。
 ただ、最後に付け加えられた、今まで活躍していた地域医療を支えた人たちをなし崩しに訳の分からないところへ持っていくのは異論があります。最初のころから言っていますが、日本ではかかりつけ医、これは患者さんが呼ぶのかどうか知りませんが、これが基本的な総合医として動いていることは事実です。その点でほとんど現役の人たちはこれから老境に入っていくわけですが、やはり、地域、過疎地で支えていっていることは事実です。その人たちを排除してしまうのは、いささか乱暴かなと思います。その点で、私たち日本医師会の考えとしては、今まで支えてきた人たちを、この資格から追い出す。これは専門医に別になれというわけではありませんが、かかりつけ医=家庭医=総合医だったのだろうと。私たちは最初からそれを主張しておりますので、その点だけは強調します。これからの若い人に総合診療専門医を作ることは異論はないということです。
○高久座長 お伺いしたいのですが、内科学会が認定医を作るときに、従来の開業している先生方で内科の方は、みんな認定医を差し上げた経緯があります。おそらく耳鼻科や眼科の先生方も、専門医の資格を持っている方はかなりいらっしゃるのではないかと思うのですが、認定医、専門医の資格を持たないで開業をしておられる先生は何パーセントぐらいいらっしゃるのですか。
○高杉委員 各科違うと思います。
○小森委員 今、高久座長がお聞きになったことについては、正確な数字は把握しておりませんが、現在の専門医を取得しておられる方々の数は分かるわけです。特殊な領域は別として、ごく少ないと思ってよろしいと思います。
○高久座長 ごく少ない。分かりました。
○小森委員 2ページ目のことですが、私も専認機構の委員会に参加をさせていただきました。金澤先生に委員長を務めていただいて、池田先生から御報告があり、今、問題点として三つ挙げられて、まさに総合診療医としてこれから育っていき、それを生涯やっていこうという方々を評価する。この名称について議論を主に収束した上で、その名称は「総合診療医」とすると御提議をいただいたことについて、大変素晴らしいおまとめをいただいたと思います。
 御指摘のように、かかりつけ医と言うのは、患者さん、地域の住民から見て、何でも相談ができるという意味です。このような収束をした上で、あえてかかりつけ医=総合医ということは、これまでの議論の中で出てきた言葉ですので、あくまで今申し上げたように、金澤先生から最初に御報告をいただいた観点からの議論の中では、もう「総合医」という名前はやめようということです。日本医師会としても、今、池田先生及び金澤先生からお話になったことについては、基本的に賛成です。
○高久座長 分かりました。ほかにどなたか。
○福井委員 池田先生が説明された四つのポイントのうち、1番目の専門医像は私も賛同します。2番目も、内容までこの検討会で踏み込んで決めたり、提言を出すのは非現実的ですので、作成のプロセスや在り方を決めていただくということで、私も賛同します。
 そこで1点だけ、3年間のプログラムになると先生はおっしゃっいましたが、これは既に挙げられている18領域も3年間になるという意味ですか。
○池田委員 そうです。
○福井委員 2年間の初期研修プラス3年間で。
○池田委員 そうです。
○福井委員 4年ではないのですか。
○池田委員 場合によっては、3年から少し超しているところもあります。しかし、3年という、卒業してから5年ということを一応コンセンサスとして標準的なものとして認めています。
○福井委員 従来は4年とおっしゃっていたような気がします。ほとんどが、合計すると、卒後6年間で資格がとれるように聞いていたものですから。私は5年でいいと思います。
○高久座長 大体5年で、例えば、科によっては6年ぐらいになるかもしれないが、それは仕方がないと思います。
○福井委員 私も義務化された2年プラス3年で、基本的にはいいのではないかと思います。
○小森委員 これは各学会が自主的にお決めになられたことを、またボードでも議論するということです。全ての基本領域の科が3年という議論をしたわけではありません。それはそれぞれの科の御事情といいますか、科の特殊性がありますので、それぞれの学会のレベルで一定の専門性を取得したという年月は、当然いろいろあっていいと思います。総合診療医に関しては、3年程度を基本で考えてはどうかという案を議論したということです。また、先生がおっしゃったように、まさにプロセスを考えようということで、その詳細についてはまだボードで検討する。ただ、3年程度は最低必要と議論の内容は理解しております。
○門田委員 今、総合医、総合診療医、そのほかも含めて3年と言い切られましたが、どこで決まったのか。私は前のときにこの席で同じことを申し上げました。外科系としてこれには問題があるということを申し上げて、3年が原則としてうんぬんというところについては、私は合意に至っていないという理解です。少なくとも、学会単位でない、第三者機関が専門医をどうするか、ということをディスカッションを始めたこの段階において、学会さんのうんぬんということをディスカッションの内容に入れること自体が、私はおかしいと思います。ですから、基本的な専門医とは何ぞやというところから入らないと、個々、個別のものについてディスカッションして、トータルとして統合しようというのは話が逆転してしまいますので、もしこの件についていくのであれば、少ししっかりとした議論が必要ではないかと思います。
○高久座長 ここでは基本的には議論をしないで、第三者機関が出てきたときにきっちり決めていただくことを考えています。
○森山委員 ほかの学会にまで言及されたのですが、多分、これはサブスペシャルティとの問題も絡んでくるので、余りサブスペシャルティを置きたくないという所は、3年ではなくて4年とか5年という所も出てくると思うので、総合診療医に関しては2年プラス3年でもいいと思うのですが、ほかの学会に関しては特殊な事情があるのではないかと思います。
○池田委員 ちょっと説明が足りなかったのですが、基本領域19、サブスペシャルティの17、内科系13、外科系4、このトータルの36の学会に関しては、機構では今まで繰り返し繰り返しヒアリングをさせていただいて、大体の研修期間の標準化を図ろうと。しかし、それはきっちり3年である必要はないですよと。4年になったほうが、自分たちの領域としてはふさわしいという所も、先生がおっしゃるようにあります。しかし、大体標準的にはそのぐらいのところで落ち着いて、一応機構としては、それぞれの学会に認定証を出したということを申し上げただけです。門田先生が言われるように、これからそれぞれの領域の専門医のプログラムを作っていくときに、またその議論も当然出てくるとは思います。
○高久座長 そうですね。3ページの囲いの中の「卒前教育と臨床研修等を充実させることにより『総合医』『総合診療医』の養成は可能であるとする」ということは不可能ですね。
○福井委員 私もプラスアルファが必要だと思います。名称のことですが、私も「総合診療専門医」でいいと思います。これで進めていただければと思います。
 四つ目につきましては、参考資料の27枚目のスライドを見ていただきたいと思います。これは私が今年の1月にお話したときに使ったスライドです。総合医なり、総合診療医になったあとも、臓器別の専門医になれるような研修なり、簡単な認定試験なり、そして逆方向にもなれるようなものを、是非確保していただきたい。この研修のやり方自体が、例えば、呼吸器内科の専門医が総合診療医の専門医になろうとするときの研修と、総合診療医になっている方が、呼吸器内科の専門医になろうとするときの研修のプログラムというのは、随分違ったものになると思いますので、そこのところも作成するプロセスを作っていただければ、これは任せるより仕方がないのかなと思います。
○高久座長 実際には、現在、初期臨床研修の見直しが行われていますが、弾力化によって、研修医によっては、2年目は専門のコースをとる人が出てきています。ですから、5年と言っても少し個人差が出てくると思います。ほかにどなたか御意見がありますか。
○藤本委員 質問ですが、プログラムを作成される中で、専門医の先生方が、もう少し関連領域を幅広く診るようにという御提案もあったと思います。それも今後のそれぞれの診療分野別のほうで、そういったプログラムを新たに作っていただくと理解してよろしいのですか。
○池田委員 金澤先生が三つの問題を掲げて、二つに関しては、機構の中の検討会でもコンセンサスが得られた。三つ目のところは、これから少し議論しようということだったのです。ただ、専門医像をそれぞれの領域で、今作っていただいていて、その専門医像をきちっと頭に置いて、そういうお医者さんを育てるためには、どういうプログラムを作ったらいいのか、どういう施設で、どういうふうにトレーニングをしたらいいかということを、今、それぞれの領域で議論していただく。これは非常に大変な作業になりまして、1年、2年で本当にできるかどうか分からないぐらい大変です。最低、2年ぐらいのところで、それぞれの領域でしっかりとしたプログラムを作っていただきたい。
 そういうプログラムを作るときに専門医像の中に、例えば、倫理の問題を非常に重要視して作ってくださいということを前から申し上げていました。最近では、臨床研究にある程度理解があるということも、専門医像の中に含んでくださいと。そのもう一つとして重要なのは、それぞれの専門医の中に、地域における診療というのも少し念頭に置いてほしい。それは特に基本領域です。そういうことがプログラムの中に盛り込まれるような形で、ボードでそれぞれ議論していただいたらいいのではないかと思いますので、恐らく今おっしゃられたことが入ってくるのではないか。その領域でジェネラルに診られる。もともと基本領域というのは、その領域でジェネラルに診られることがすごく大事です。
○山口委員 総合診療医とほかの専門医とを並べるのではなく、総合診療医という言葉を言っていると、何となく3ページのように、卒前教育と臨床研修を充実させれば総合診療医ができるのではないかという議論が出てくるだろうと思います。
 今ここで話題にしているのは、新しい基本領域の一つとして、いわば総合診療科の専門医を作るというプロセスを議論しているのですから、当然、臨床研修を終えてから、更に総合診療科としての研修を、専門医としての研修を積むという話だと思うのです。ですから、「総合診療科専門医」という話をしないと、ただの外科医、内科医の話をしているわけではなく、この診療科の専門医という話していると認識すると、ここにいろいろ挙げられている議論も、あるものは論外のような感じがします。是非、新しい基本領域の一つとして、総合診療科を設ける。そこに専門医を養成するという理解で、是非議論をしていただきたいと思います。
○桐野委員 総合診療を担当する専門医を育てようというのは、専門医療を重視することだけに偏っていると、果てしなく分化して細分化や断片化が起こるので、今後必要ではないかと。つまり、医療界としても、これが重要であるという認識でスタートしているのだと私は思うのです。
 ただ、これまでの専門医の養成と違うのは、18診療科のそれぞれの専門医には、それなりに相当の人材が蓄積した状態で専門医を導入し、専門医制度を作ってきたことがあります。ところが、総合診療科にしても、総合医的な役割を担う方についても、既に専門医制度はある程度はあるのですが、現状では、残念ながらそれほど人気はないのです。したがって、もし重要と思うのであれば、医師というプロフェッションが一致してこれを育てていかないとできない。今、ここで我々が議論しているのは重要なことではありますが、昔の高校の用語で言えば、必要条件をいろいろと議論しているのです。一方総合医が十分養成されて、医療界の一方の力として育っていくのかどうかという議論は余りされていない。十分条件的な議論をしておかないと、いろいろ作ったけれども、なかなかスタートアップしないということが起きてくるのではないかと思うのです。そのためには、どうしても「総合診療医」なるものが何をするのか。どういう役割を持っていて、総合診療医でなければできないことというのは何なのか、ということをあらかじめ十分医療界がコンセンサスを得てスタートしない限り、何となくよく分からないということがいつまでも続くような感じがして、そこは是非やっていただきたいと希望します。
○松尾委員 今の意見に関連して、私も同感で、いろいろ専門医の人に聞くと、今、専門医の在り方検討委員会が行われて、「総合医」、あるいは「総合診療医」というのは、一体どういう役割を果たすのかというのは、必ずしも明確になっていない。ただ、今議論がされている幅広い分野をカバーできて、かつこれは専門医ですから、広く浅くというのではなくて、ある程度深めにやる。しかもそれらを総合できるということになると、例えば、病院の中でカンファレンスをやったときに、そういった部分の議論をちゃんとリードできて、取りまとめができるような力を持っているとか、そういう力を持って、若いドクターを教育できるとか、具体的なしっかりした役割がイメージできないと、なかなか若い人がほかの専門を辞めて、3年目から総合診療医のコースに入っていくというのは、いわゆるキャリア・パスもあるので、なかなか行けないのではないかということで、その辺も詰めておく必要があるのかと思います。
 ただし、私の地域のさる大病院の院長先生が、内科の医者は半分は総合診療医でもいいとおっしゃっていて、現実的に大きな病院でも、非常に専門分科し過ぎて困っているという状況は実際にあるのです。先ほど、かかりつけ医の話もあったのですが、かかりつけ医の先生のイメージは私は非常に良いイメージを持っているのですが、名前はどうであれ、役割が明確になって、国民にちゃんと知られるようになったときには、地位は上がってくると思います。そういう議論をもう少し深くする必要があると思います。
○高久座長 この委員会のヒアリングで、名前は忘れましたが、総合内科のドクターが集まって、その病院が立ち直ったという話を聞きました。総合内科のドクターというと少し診療の幅が広いドクターになると思います.大都会の大きな病院には病院総合医がいますが、中小病院は総合診療医でないと維持できなくなってきているのではないかと思います。
 私が所属していた自治医大の卒業生は、義務年限の間は小児科や産科まで診ていましたので、そういう人が場所によってはどうしても必要になってくると思います。
 私が所属していた自治医大の卒業者は、義務年限の間は小児科や産科まで診ていましたので、そういう人が場所によってはどうしても必要になってくると思います。
○藤本委員 どのようなお医者さんがという話題ですので、患者側に今どのようなニーズがあって、どのような点で不便を感じているかをお話させていただきたいと思います。
 まず、私どもの地域にも少なからず難病の方がいらっしゃるのですが、その方たちが適切な専門医にたどり着くまでに非常に苦労をされています。最初に行った、いわゆるかかりつけの先生が適切にコンサルテーションしてくださることが、私たちから見ると非常に高いニーズです。
 専門医の先生は近くにいらっしゃいませんので、半日かけてその病院に行って、長いこと待って、3分診療して帰ってくると。難病の方たちは治る病気ではないので、そういった生活をすることにすごく疲れてしまうのだそうです。「本当だったらどういうことを先生に聞きたいのですか」と伺うと、やはり生活全般のことで、食べるものをどうするか、排泄をどうするかといったようなことです。「そういうことはどなたに相談しているのですか」と聞くと、自分の近くにもう一人開業医の先生を相談する先生として位置付けて、そちらにも通っているということでした。
 このような場合、チーム医療ということで、医療スタッフが対応する形をとり、専門病院で対応していただくのか、それとも生活全般のことについては、近くの先生をかかりつけという形にして行ったほうがいいのか、その辺が医療資源の少ない地域では患者さんが苦労されています。そこをカバーしてくださる先生でしたら、かなり患者さんからの支持は得られるのではないかと思います。以上です。
○小森委員 先ほどのと、今の藤本先生の御意見に対する一つのお答えをしたいと思います。今はあくまで専門医としての総合診療医のことを議論しているのですが、それは置いておいて、例えば、1ページの「総合医・総合診療医の在り方中間まとめ」の五つ目の○、「頻度の高い疾病と傷害、それらの予防、保健と福祉など」と書いてあるのは、過去に高久先生に大きな枠組み、学術推進会議の座長としておまとめをいただきました。その中で、福井先生が委員長として大変御尽力をいただきまして、日本医師会の生涯教育の理念、まさにそのものでもあります。
 ただ我が国の場合には、当初から申し上げているように、それぞれ専門性という深い、そして太い背骨を持った上で、しかしながら、地域を診る、患者さんを全人的に診る、寄り添って診療するという観点からは、当然何科であってもそういった理念を具有することは必要です。日本医師会の生涯教育制度の単位取得者数を昨日集計して、私も常任理事会で報告しましたが約11万人になっております。更にこれを精緻化した上で、取得することについては責務であるという形で、それぞれのかかりつけ医の方々の地域を診る力は、更に向上させていきたいということです。そういった方々がそれぞれの専門医の方々、また総合診療医として地域を診ておられる方々と連携をとりながら、幅広く患者さんに様々なニーズに対応していきたいということです。専門性のある方が全部診るということではなくて、現在の地域医療を担っている方々が広く地域を診る力については、私どもも皆様のお力をいただきながら、更にその力を強めてまいりたいと思います。そういう中で頑張って対応力を強めていきたいと思います。ちょっとここの議論と違いましたが、藤本さんがおっしゃいましたのでお答えをさせていただきました。申し訳ございません。
○池田委員 私ども専門医制度を新たに改革するに当たって、非常に重要だと思う事は、それぞれの領域の専門医像を、一般の方たちに分かりやすく説明をする事だと思うのです。この専門医はどういうお医者さんで、どういうトレーニングの過程を経て今いらっしゃるのかと。どういう領域の医療を担当するのかということを、分かりやすく一般の方たちに説明することはすごく大事だと思うのです。しかし、それは必ずしも簡単ではなくとても難しいのです。
 今、藤本委員が言われたように、総合診療専門医に関しては、恐らく今言われたようなニーズは、確実にあるのです。それぞれ個々の例を挙げて説明することになると、ものすごく大変なことになってしまうのです。先ほど私が申し上げたように、その専門医を表す、キーワードとしては、地域を診る視点とか、各科、各領域の専門医との密接な連携とか、あるいは医師以外のいろいろな職種の人たちの連携とか、包括的な医療サービスです。在宅や緩和、高齢者ケアという、そういうキーワードをなるべくちりばめて、分かりやすく、そして個々の事例にフィットするだろうと推定できるような医師像の説明の仕方を、特に総合診療専門医の場合は考えなければいけないのではないかと痛切に感じています。ただ、文章にするとそうなるということで、その文章の作り方等に何かサジェッションいただければ非常に有り難いと思います。
○藤本委員 先ほど池田先生からお話をいただいたように、「連携」という言葉が、中間まとめのほうには出てきていなかったので、先生のお話を大変うれしく伺っておりました。「総合医」、「総合診療医」の定義を、中間まとめのときに皆さんで合意をしたというところを見ると、頻度の高い疾病に関しては診療していただけるということですが、そうでない専門の領域別の専門の先生が診るべきものについて、どのようにコンサルテーションするかということについては、この定義の中には見えていないので、それは追加したほうがいいのではないかと思います。
○福井委員 実は、これを作ったときには「適切な初期対応」の中に全部入れたつもりです。つまり、初期対応の中に救急の処置をするということや、適切なタイミングで専門の施設に送るなどを、一つの言葉にしてしまったから、確かに分かりにくくなっているかもしれません。
○金澤座長代理 私も福井さんの話で考えていたのですが、これはもう少し言葉を継いだほうがいいかもしれません。一般の方々には分かりにくいかもしれません。私たちは理解してしまったものですからそのままにしましたが、おっしゃるとおりだと思います。
○高久座長 資料の何ページですか。
○医師臨床研修推進室長 資料2の1ページです。四角の枠の一つ上です。
○金澤座長代理 先ほどから藤本さんのお話を伺っておりまして、我々は患者さんの立場というか、国民の皆さんの立場で少し考えなければいけないところはあると思っております。それは桐野先生がおっしゃったこととつながるのですが、先ほど定義した総合診療専門医を育てるシステムが、本当に育っているかどうかというのは大変疑問です。開業をなさっていてものすごく経験を積んでいる方々の全てとは言いませんが、少なくとも一部の非常に優れた方々に御協力をいただかないと、これは日本で教育できないと思っているのです。ですから、それを何とかお願いしたいということです。
 もう一つは、医学教育の中身もきちんとした形で位置付けていかないと、「私はこの専門なのだから、ほかの方は診れないのだから」とか言って、そういうことでずっと過ごしてきた人たちが決して少なくはないわけで、これは考える一つのポイントだと思います。
○高久座長 初期臨床研修も含めてそうなのですね。
○金澤座長代理 そのとおりです。今のは教育する側の話をしましたが、もう一つは、いわゆるクオーテーションマーク付きの総合診療医が、この国に根付くかどうかというのは患者さん次第だと思うのです。患者さんもこれを受け入れて育ててほしい。例えば、かかりつけ医の方にちゃんと専門医に紹介してくれということをおっしゃっていただいていいと思うのです。
○高山委員 この制度を育てていく上で、もう一つ大事なのは、やはり若いドクターにどう受け止められるかというのが、一番重要なポイントになると思うのです。この検討会に参加するために、いろいろな若いドクターに意見を聞いたことがあります。自治医大の卒業生のみならず、各大学の医学部でこういう分野に対する関心は非常に高まっているのは事実です。一方で非常に不安感を持っていまして、そういう意味で、具体的に今後各論を検討される場面で、若いドクターの、この領域にかなり関心を持っている人たちの意見をくみ上げる何か仕組みはあるのでしょうか。
○池田委員 特にはないのですが。今おっしゃられたように、私も若い先生方の話を聞くと、この領域に入っていって、医師としてやりたいという希望を持っている若いお医者さんはかなり増えてきたと、私自身は実感しています。非常に良いことだと思うのです。そのときに、そこへ自分のキャリアを作っていって、本当にハッピーな状況にやれるかどうかというのは、もう少し医療界全体でそういう人たちをサポートする仕組み、あるいは国もそういうところに関与していただきたい。例えば、国の関与については前回も少し議論があったのですが、私はプログラムを作る所、育成の仕組み、研修施設、そういう所を応援するような国の関与の仕方があるのではないかと思っているのです。
 ですから、第三者機関を作ってその組織そのものをサポートするというのではなくて、むしろ、実際にプログラムを作って、そのプログラムを運営する地域、医療施設、大学病院も含めて研修施設、そういう所をサポートするような仕組みで、そのときに地域医療の総合診療のプログラムを積極的に展開しているところに、よりサポートを強くするとか、そういうことはあってもいいのではないかと思っています。
○今委員 八戸市民病院の今です。内科専門医と総合診療医との区別が非常に難しくなります。特に中規模病院では、内科専門医の後に循環器医や消化器医のサブスペシャルティが出るわけで、そのサブスペシャルティになる前の内科専門医と今回の総合診療医が、一体どう違うのかということが、非常に中規模病院では問題になってしまうと思うのです。現在、内科認定医が比較的簡単に取れてしまうので、すぐ先の循環器専門医や消化器内科専門医などにスッと行ってしまって、そこで臓器別に分かれてしまって、基本的なことを忘れがちになってしまっていると思うのです。ですから、内科認定医が、多分これから内科専門医になるのではないかと思うのですが、そこを、もう少し幅広くやらないと、内科専門医を取れないような状況にすれば、臓器別に偏った内科医が少し減るのではないかと思うのです。
○高久座長 総合内科専門医は余り人気がなく、取る人が少ない様です.恐らく内科は、5年間ぐらいで専門医になって、その後にサブスペシャルティに行くようになるのと思います。
○池田委員 内科学会では、今おっしゃられた内科認定医という初期研修を終えて1年間内科の研修をやったら、認定医を与え、すぐにサブスペシャルティに行くという仕組みは改めるということで、現在、学会として大きな専門医制度の改革に着手され、ほかの領域と同じように、内科学会も変えていくということで、機関決定されたと伺っています。それは非常に大きな出来事だと思うのです。内科学会というのは10万人近い会員がいる大きな学会ですから、その学会が専門医の全体のところと整合性をとっていないと、とても専門医制度はうまく改革できないと思うのです。初期研修が終わってから2年から3年のきちんとしたプログラムを作って、内科の専門医を作る。それからサブスペシャルティの方に行っていただくというふうに変わるということは私も聞いておりますし、そのようになると思います。
 一般的に、総合的な診療を担う、例えば総合診療医として専門医を作るときに、やはり内科の研修、あるいは外科の研修、小児科の研修というのは、かなりコアになることは確かです。ですから、そういう総合診療専門医のベースになる研修というのは、内科学会や小児科学会がかなり積極的にサポートしていく。そして2年目、3年目になって、地域性ということを、もっと勉強しなければいけないときは、医師会の先生方に、かなり指導を仰ぐことが出てくるのではないかと思います。ですから、そういう面で、私は昔、内科学会にいたものですので内科学会がそういう役割を果たしていただけたらと思いますし、そのように変わっていると認識しています。
○高久座長 若い人の中で総合診療に興味を持っている人がかなりいます.私が関係している地域医療振興協会では、奨学金を出して、ハワイ大学やトーマス・ジェファーソン大学やオレゴンの健康科学大学に140人ぐらい行っています。そこで勉強して帰ってきて、第一線でかなり役に立っています。ですから、これから総合診療に興味を持つ若い医師が増えると思います。
○医師臨床研修推進室長 資料2「論点整理(案)」の4ページを御覧ください。本日の二つ目の論点は「医師養成に関する他制度(卒前教育、国家試験、臨床研修)との関係について」です。こちらは中間まとめの中で、引き続き議論が必要とされた事項を、それぞれ三つ挙げております。
 一つ目が「新たな専門医の仕組みは、原則として2年間の臨床研修修了後に専門医の養成プログラムが実施されることを前提として構築することについて」です。論点としても、そのことについて、どう考えるかと記述しております。
 二つ目が「専門医の養成プログラムにおいて、各領域に求められる内容を踏まえて2年間の臨床研修での経験をどのように加味すべきかについて」です。論点としても、このことについて、どう考えるかです。
 三つ目が「新たな専門医の仕組みが構築された際に、卒前教育や国家試験、臨床研修など卒前から一貫した医師養成を行う観点から、検討すべき課題について」です。論点としても、この課題について、どう考えるかとしております。
 なお、資料としては、一番最後に付けている参考資料を御覧ください。その中の39枚目のスライドから一番最後の43枚目のスライドまでが該当する部分ですので、適宜御参照ください。
○高久座長 この点について、森山委員から御説明があると聞いていますが。
○森山委員 卒前教育だけに関して少し意見を述べたいのですが、卒前教育に限らず、卒後教育も含めて効率化をして、なるべく、ある一定期間で養成しようというのは非常に大事なことだと思います。ただ、卒前のコア・カリの到達目標と、卒後の初期臨床研修の到達目標が、かなりダブっている部分もあるのです。そういう観点で、卒前をきちんと充実させて、その後につなげることは非常に大事だというのは皆さんも同じ意見だと思います。
 特に卒前の中の臨床実習に関していくつか意見を述べたいと思うのですが、大きな点は三つあります。まず一つは臨床実習の内容の充実、もう一つは期間の延長、もう一つは臨床実習の場の問題です。内容の充実に関しては、いわゆるクリニカル・クラークシップで臨床参加型の臨床実習が、コアとなる内科、外科、小児科、救急等々でやられているのですが、ここをかなり増やさなければいけないというところで、当然出てくるのが、学生の医行為という問題だと思います。これは、1991年の前川私案のときに出てきましたが、今、これは大学によってかなり違っている状況で、そのために、我々、全国の医学部長・病院長会議で提案しているのは、4年から5年になる臨床実習の前の共用試験(CBT)を、もう少しきちんとして資格化させる。同時に、客観的な臨床能力の試験のOSCEを実施して、それを進級要件として臨床実習に入るということで、ある程度、質を担保して、そこで学生が医療に参加することで患者の理解も得ることを一つのポイントとして取り上げたいと思います。
 もう一つは、臨床実習の期間の延長なのですが、現在80の医科大学で、大体60週種前後なのです。これはグローバルに見ると、かなり少ないということで、これをもう少し期間を延長しないといけないと思うのですが、ただ、現在5年と6年でやっていますが、実質1年とちょっとぐらいしか行われていないのは、高久座長も御存知のように、現実だと思うのです。やはり一番の問題は、国家試験が3日間で500問と。それも1-2年生にやった基礎領域から全部やり直さなくてはならないなどと、非常にヘビーな状況になっていますので、6年生の大半の臨床実習がその対策に当てがわれている状況があるのです。
 その中で、もしも国家試験の改善をしないままに期間を延長しようとすると、今度は4年次になり、4年次のものが3年次になり、基礎がどんどん圧縮されて、日本の医学教育の一番いいところが一番駄目になってしまうというところがあるので、そこのところをどういうふうにやるかという問題が非常に大きいと思います。特に、5年生と6年生の最初に臨床実習をやって、臨床能力がある程度身に付いた学生が国家試験の勉強をして、それから卒後の初期に入るので、そこで不連続になってしまうのです。それは非常に大きい問題だと思います。そのために、大学が卒業認定をしているわけなので、そういう意味では、各大学が卒業時に出すアウトカムの評価を、あるところがきちんと保証すれば、国家試験はもう少し軽減化してもいいのではないかと思います。
 特に、CBTとダブっての内容に関しては、大分削減できると思いますから、CBTのところを4年から5年で1回ある程度切って、それから、卒業のときは臨床実習に合った国家試験の問題と、各大学でAdvanced OSCEを必須化して、それを卒業の条件とするということ。もう一つ大事なのは、各大学で医学の教育の質がバラバラですから、そこは第三者が医学の教育の質保障をするというところで、大学の卒業認定をある程度重視していただくことで、国家試験の軽減化を図って、5年、6年にかなりしっかりした臨床実習をするというのは、大変必要ではないかと思います。
 最後に、臨床実習の場の問題なのですが、これに関しては、今、ほとんどのところでは大学病院でやっていますが、今までの議論にあったように、地域のニーズ、あるいは高齢化、あるいは介護、倫理等々を含めると大学病院だけではできないので、大学病院が中心となって、地域の中核、診療所、介護施設、保健所等々、予防などということも踏まえて教えるということで医療ニーズに対応できる医師が育つと。これはまた、初期の臨床研修にもつながりますし、今までここで議論されていた専門医の育成の場としての教育病院群にもつながるのではないかと思いますので、そういう意味で、卒前教育を、できるだけいろいろな意味で充実させていただきたいと思います。
○桐野委員 医学部でどういう教育をするかというのは、もちろんいろいろなお考えがあると思うのですが、もし米国と日本という比較をするのであれば、日本の卒業生の方が米国の卒業生よりも、卒業した時点での臨床的な経験というか、いろいろなことが劣るというのが、一般的に言われていることなのです。ただ、アメリカは制度から言って、26歳の出来上がりなのです。日本は24歳で、初期臨床研修が終わった時点でアメリカと並ぶのです。そういうことを考えると、医者というのは、早く作った方がいいか、ゆっくり作った方がいいかという問題は、よく考えておかないといけないと私は思います。
 早く作った方がいいのであれば、高校に医学科を作って訓練すればいいわけで、それは世界のどこもやっていないのです。やはり医師の教育は、ある程度の年齢からスタートした方がいいという考えなのだろうと思うのです。ですから、大学の医学部での教育は無駄なものを省いて効率的にやった方がいいというのはそのとおりだと思うのですが、その辺りのところは、よく考えた方がいいと私は思います。
○高久座長 これは専門医の話で、医学教育のことはやりたいのですが、ただ、みんなが言うことは、日本の医学教育の中では、問診やフィジカル・イグザミネーションは非常に十分に教えていなくて、いわゆる検査、これは教育もそうですし、卒後の教育もそうですが、検査を主体にしている。
 もう一つは、日本の場合には電子カルテをいちいち見なくてはならないので、余り検査をする、問診や、特に身体所見を取る時間がなかなか取れないという問題があります。教える方も、余りきっちりとフィジカル・イグザミネーションを教えていない。外国の教師が来て言うのには、臨床推論というかクリニカルリーズニングのトレーニングは日本の医療医学生は受けていない。要するに、胸が痛いと言えば、すぐ心電図をとりましょう、咳をすると言えば、すぐ肺の写真を撮りましょうというところにいっている教育が非常に問題なのです。
 それから、CBTは福田先生が中心になっておられますが、私は余り詳しくは分からないのですが、CBTの結果は、問題をたくさんためて、その中から出していますから、非常に精度が高いのです。能力が非常によく表していると思います。OSCEの場合には、まだ少し問題があるのです。ですから、CBTは医学部長病院長会議の方で、もうこの結果で進級を決めると言ってくだされば全然問題はないと思うのです。それで、医師国家試験の内容も随分よくなっていると言いますが、我々としては、今、厚労省で議論されているとは思うのですが、本当はCBT以降の問題を医師国家試験に出していただくと、局長さんもいらっしゃいますけれども、非常に有り難いのではないか。ほかの国のドクターに聞いても、3日間で500題というのはクレイジーだ、学生にとっては余りにも酷ではないかという意見があることは事実です。
 初期臨床研修で、必修として地域医療実習がありますから、あれが診療所や二次医の第一線の病院できちんとやれば、かなりの実践、プライマリ・ケア的な教育ができてくる。ですから、病院の地域医療実習をどういうプログラムを組んでいるかによって、かなり違ってくると思います。
○森山委員 一つ、桐野先生の発言で誤解があったと思うのですが、私は別に前倒ししろと言っているのではなくて、前倒しはしてはいけないから5年、6年でピッチリとやってくださいということで、日本の医学教育の一番いいところは基礎をきちんとやっているので、それがいずれすごく役立つということを言っているので、5年、6年をちゃんと使ってくださいということです。
○小森委員 今、森山先生、高久先生がおっしゃられたことは、日本医師会としても従来から主張しております。数日前にも、全国医学部長病院長会議と日本医師会との意見交換をさせていただきました。また、この流れは、今から11年前に「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」、高久先生が座長でいらっしゃいましたが、そこで方向性が出た上で、今のモデル・コア・カリキュラムが作成され、特に平成23年から開始された現在のカリキュラムには、地域医療の観点が非常に強く盛り込まれていると思っています。森山先生が御指摘の、特に6年次の診療参加型臨床実習がまだまだ達成されていないことについては、いろいろなところで全国医学部長病院長会議からもデータを示されておりますが、そのキーポイントが国家試験にあることも事実です。ただ、このことについても医道審議会の医師国家試験改善検討部会において一定の方向性が出されているわけで、今、求められるのは、それを一貫して卒前教育、そして国家試験、更には臨床研修といった流れの中で、これを具体化をする作業を加速化させる必要があると思っております。そういう意味では、私ども日本医師会としても、森山先生の御主張、高久先生のお示しになられた御意見は、本当にそのとおりだと思っております。是非、これを厚労省の方々、文科省もいらっしゃいますけれども、一体となってこれを促進させていく必要がある。具体化させていく必要がある。もう既に答申は出揃っていると認識しております。
○高久座長 どうもありがとうございました。それでは、次の議題を事務局から説明していただけますか。
○医師臨床研修推進室長 その前に、よろしいでしょうか。今のところは卒前教育ということで、主に御議論を賜ったのですが、今回の論点の中では2年間の臨床研修の位置付けについても大きな一つの論点ですので、事務局から補足説明をさせていただきます。
 一番最後にお配りしている参考資料の最後のページの41枚目のスライドからです。臨床研修制度に関する経緯です。これは、前に検討会においても一通り御案内申し上げましたが、簡単にレビューさせていただきますと、今の臨床研修の2年間の制度は、平成16年に新制度として施行されています。その後、いろいろな御指摘を踏まえて、平成21年に臨床研修制度を一度見直しております。
 次のページの42枚目のスライドが、その見直しの具体的な内容です。基本理念は変えておりませんが、プログラムの弾力化を図る。あるいは、指定研修病院の指定基準の強化をする。あるいは、募集定員の見直しを図るというようなことで、今、進められていますが、一方で、現在、その見直しを更に進めております。一番最後のスライド、評価に関するワーキンググループにおいて、国立がん研究センターの堀田先生の下で、今年中にということで、ワーキンググループで論点の整理を先日行いまして、ほぼ内容が固まりつつあります。年明け以降は、桐野先生が部会長でいらっしゃいます医道審議会の臨床研修部会において、具体的な見直しの考え方を整理した上で、最終的には平成27年度の研修医から適用したいと考えております。
 その上で、資料2の4ページにお戻りいただいて、今の御議論を賜っている医師養成に関する他制度との関係についての一つ目と二つ目の論点、すなわち一つ目は、この2年間の臨床研修修了後に専門医の養成プログラムが実施されることを前提として構築すること。各領域に求められる内容を踏まえて、この2年間の臨床研修での経験をどのように加味すべきかについて。この辺りのことについて、もう少し御議論を賜われればと思っております。
○高久座長 この点についていかがでしょうか。
○今委員 臨床研修のプログラムに、専門医の内容を踏まえて入り込まれると、何か臨床研修に偏りが出るというか、例えば耳鼻科をやりたい人が、外科に全く興味がなくなるとか、外科をやりたい人は外科ばかりをやるということになりかねないので、2年間の臨床研修は専門医に全く加味しない、プラス加点しないというふうに言っておかないとぶれが出るのではないかと思います。
○高久座長 私にも責任があるのですが、この前のときに、内科と救急と地域医療を必修にしたのです。あとの外科や小児科や産科は選択の必修で、あとは自由としたのです。ですから、大体、どの研修病院でも1年間は内科と救急と地域医療はやっているはずなのです。ですから、必ずしも外科に行く人が内科に全くいないということはないと思います。ただ、内科系の人が外科を選択しない可能性は少し出てくる。しかし、福井先生、何とか条件というのは未達成になっているのですよね。何でしたか。
○医師臨床研修推進室長 到達目標です。
○高久座長 到達目標ですね。到達目標というものを挙げて、それに合致した程度の内容にはなっていると思います。
○今委員 つまり、臨床研修2年間の自由選択に、例えば外科を回っていると。それを8か月ぐらい回ったとなった場合に、その8か月を外科の専門医制度のときに少し加点になってしまうと、外科を志望する人がみんなそうしてしまって、本当は放射線科や皮膚科も少しは回りたいのだけれども、早く専門医を取りたいということで、若しくは専門医に加点したいということで、そういう流れになってしまうと、臨床研修の自由度がなくなって、幅広い知識を持った臨床研修医が育たなくなるのではないかと。それを危惧しています。
○福井委員 私も今先生の御意見に賛成です。個人的には、是非もう一度見直してほしいと思っています。43枚目のスライドにあるワーキンググループの会合で、私たちの調査結果を発表させていただきましたが、今回の平成22年度から始まった弾力化されたプログラムでは、それ以前と比べて恐らく優位に幅の狭い研修を行っている研修医が多くなっているのです。そういう意味では、本当は細かいところまで見ると、実は到達目標を達成していない研修医がかなりいるのではないかと、私は思っています。それで、できたら今先生がおっしゃるように、2年間はもう少し義務的に幅広く学ぶべきで、2年間が無理なら、せめて1年半ぐらいまで必須ローテーションに増やした方がいいのではないかと思います。特に外科を研修しないで終えられるというのは、まずいのではないかと思っています。私は義務的な期間を延ばしてもらいたいと思っています。
○桐野委員 この問題は、今、福井先生が言われた問題のほかに、もっと基本的な問題があります。というのは、今の制度では2年経ったところで、もう少し前かもしれませんが、自分はどのような後期臨床研修を選ぶかということを各人が決めるという精神でやっているのですが、もし、ある診療科が「2年目の後半では○○を必ず修得すること」と要求し始めれば、専門領域を決めるのは、1年目で決めるのだということを認めることになります。それはそれでどちらでもいいのですが、果してそれでいいのかということは、よく議論しなければいけない。つまり、2年間勉強した後で、自分の進路を決めるのか、1年目で決めなければいけなくするのかというのは、相当大きな違いだと思います。
○門田委員 外科学会がどうしているかを御紹介しておきますと、外科学会は、今の段階では2年間の卒後臨床研修を始めるに当たって、その次の、外科の専門医を取ろうとする人間は、その段階において、研修を始める前に専門医のコースを、要するに、必要な勉強や手術の件数などもその中に、その期間のものも入れるようにということで登録させているのです。ですから、既に2年間のものは入って、そしてその後の3年後によってということで、トータル5年間という教育のプログラムを我々は考えている、というやり方を今まで踏襲してきたわけです。ですから、今、桐野先生がおっしゃるように、それは違うと言われても、我々は既にそういう形で進んできました。
○桐野委員 その場合、もし仮に、普通は受けると思うのですが、受けないで、しかしやはり外科に志望したいという人ははねるのですか。それとも期間が長くなるだけなのではないですか。
○門田委員 長くなるだけですね。
○桐野委員 それは合理的です。
○高久座長 だから、平成22年のときに、私も責任があるのですが、大学側の委員の意見が強い人がたくさん出ていまして、ある意味ではこれはオフレコにしていただきたいのですが、少し押し切られた感じがありました。しかし、弾力化という意味では、例えば逆に小児科をやる意欲が全くない人は小児科に義務として回っても、教える方も教える気がしないし、行く方も習う気がしない。だから、ある程度弾力化した方が教える方も勉強する方も身に付くのではないかという考えもあったことは事実なのです。
○平林委員 今の点なのですが、私は医師というのは基本的にはジェネラリストがベースにあるべきだと思うのです。ですから、初期臨床研修のところで基本的な診療能力を修得するというのがうたわれているのは正にそれなのだと思いますので、そこの基本的なベースがあって、その上での専門分化がないと、実務家としてはやっていけないのではないかと思うのです。私は法律家ですから、私は研究者ですので民法や医事法しか分かりません。ほかの刑法などのケースは分かりませんで済むのですが、弁護士の方は事件が来て、「私は刑法は分かりません」では済まないわけですよね。それと同じで、医師の場合も、実務に携わっている限りは、基本的なベースのところはきちんと押えておく。その上に今日やっている専門医制度があるのだろうと思いますので、その意味では、やはり初期臨床の2年間とその後の3年間は、きちんとそのことを踏まえて整理をすべきだろうと思います。
 また、先ほどから議論になっている総合診療科の議論についても、その上に何をプラスして専門医としての総合診療科の専門医があるのかということを議論すべきだろうと思います。その意味で言えば、例えば地域の問題を議論する上には、医学だけではなくて、例えば法律や経済などもきちんと教授して、全体として幅広い総合診療医の専門医を作っていくべきだろうと考えています。
○藤本委員 初期臨床研修の方の各科診療科を回るときのプログラムの担保は各学会からされているのですか。それとも、研修機関単位ですか。
○高久座長 各病院です。各病院が提示して、研修医は自分の好むプログラムを提示した病院を選ぶわけです。
○藤本委員 よく、研修中の若い先生方とお話をしていると、ただ各科を回されているだけで、2年間を通して基本理念を身に付けるようなプログラムになっていないところが結構あるという話です。特に地域医療に関しては必修になっているのですが、かなりプアな研修内容のところもまだまだあるそうです。
○高久座長 それは、前から問題になっているのです。例えば保健所を回るとか、それでは本当の地域医療ではないのです。
○藤本委員 私たちのところでは、夏休みのイベントとしてなのですが、地域医療セミナーというものを開催しております。集まってくる学生さんたちも医学系に限らず政策を勉強している学生さんなど、医療以外を学ぶ学生さんが集まってきて、一緒にチームを組むのです。その地域の中にある医療資源プラス行政や商工会議所、不動産会社などの民間の会社も廻って、地域にある課題をどうやってみんなで解決しているかということをフィールドワークで学んでいただくようなプログラムを作っています。医療系から来られた学生さんたちが、目からうろこの連続だとおっしゃられて、すごく喜んで帰られます。そういう形で、今は学生が自腹で一生懸命情報を取ってセミナーに出ているのですが、これをうまく活用していただいて、これに出ると大学の講議の単位になるなど、うまく大学と連携をとっていただくと、かなりいろいろなものが作れるのではないかと思うので、その辺りの情報公開、やり取り、交流もこれから検討していただければいいのではないかと思います。
○高久座長 アメリカなどでは臨床実習というかクリニカルトレーニングがきっちりとしていますから、すぐレジデンシーというのは専門ですから入っていっているのです。ですから、日本も本来は最後の2年間ぐらいは臨床実習をきっちりやれば、初期研修のときに全部を回る必要は、本当はないのかもしれないのです。ところが、森山先生がおっしゃったように、多くの大学が1年間しかやっていませんし、しかも、もう一つの問題は、私が関係している財団やいろいろな所などで、学生をイギリスやアメリカに送ると、患者さんは学生に診られるのを非常に喜ぶのです。ウェルカムと。日本は意外と患者さんが学生に診られるのを嫌がるのです。指導医も何か事故があったときに大変だというので、学生が少しでも侵襲的なことをやらせるのを非常に嫌がるというか、やらせない。ですから、そういうところも、必ずしもカリキュラムだけの問題ではなくてそういう問題もあります。フィリピンから来たチアランコロン大学の学生は5年生のときに、地方に行って脊椎腺腫までやっているのです。それは地方だからできるらしいのですが。
○藤本委員 付け加えてよろしいですか。私たちの地域で、ベテランの先生がいなくなって、若手の先生が集まられたとき、患者が不安になったときにやったのが、いわゆる医師育成サポーターという、一般住民を医師を育てるサポーターとして登用した、コミニュケーションスキル研修です。研修の中で自分たちが若い先生を育てているのだというふうに*患者さんたちは意識が変わってきます。岩手の藤沢病院でも、研修をされた先生が研修報告会をするときに、必ず地域の住民の皆さんに集まっていただいて、皆さんの前で発表することを繰り返しているそうです。若い先生に勉強してもらうと言って、患者さんが若手の先生の診察室に率先して入っていくようになったとうかがいました。その辺りのところで、皆さんに育てていただくのですよというメッセージを、医育機関の方から出していただくことがいいきっかけになるのではないかと思います。
○高久座長 そろそろ専門医の問題にかかりたいと思いますが、問題がありますか。
○医師臨床研修推進室長 三つ目の柱です。資料2の論点整理の4ページ、最後の項目です。「求められる専門医像について」ということです。中間まとめの中では、「専門医とは『神の手を持つ医師』や『スーパードクター』を意味するのではなく、例えば、『それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師』と定義することが適当である」とあります。その上で、引き続き議論が必要な項目として「専門医」、「標榜医」、「認定医」との関係の整理についてということで、論点としても、この関係の整理について、どう考えるかということを記述させていただいております。よろしくお願いいたします。
○高久座長 池田先生、認定医というのはだんだんに、内科はなくなりましたよね。
○池田委員 そうですね。内科学会は認定医はやめようということです。
○高久座長 がん治療の認定医はありますね。
○池田委員 がんの問題は国民の一番の関心事で、やはり、がんは未だに不治の病ですので、がんになった患者さんはどこに行って、どういうふうに治してもらったらいいかというのが切実な問題です。それぞれのがんのがん種によって専門学会があるわけですが、ではそれぞれのがん種ごとに専門医制度を作るかというと、これはまた別の問題だと思うのです。がんの診療を専門医制度の中でどう位置付けるかという議論は、もう少しいろいろな意味で慎重にしなければいけないということで、機構では一応、今、実際には、これは門田先生なども関係されていましたが、がん治療認定機構という機構が別に法人組織としてありまして、現在、1万人ぐらいの認定医を認定しているのです。ただ、この認定医というのは、どちらかといえば地域にいて、がんの患者さんの相談に乗ってもらう程度のもので、それぞれの領域のトレーニングで手術の問題やがん治療の抗がん剤の使い方を徹底的に臨床でトレーニングしたということではなくて、2日間ぐらい一堂に会して朝から晩までセミナーをやって、そのセミナーを受験して一応認定されるという程度のものなのです。ですから、この専門医制度とは少し違うのですが、実際にそういう認定を受けた方たちがいらっしゃるという事実はあって、実はそういう機構とも相談をしながら、その機構の先生方には、是非、専門医機構と議論をして、日本の中でがんの診療を専門医制度の中でどう位置付けるかを、もう少し慎重に考えたいと思います。
○高久座長 内科はなくなって、がん治療の認定医はこれからの課題だと。標榜医というのは麻酔科などですか。これは学会ではなくて、国としてやっているわけですね。
○医師臨床研修推進室長 そうです、国としてです。
○高久座長 それはどうしますかね。
○医師臨床研修推進室長 それをどうするべきなのかを、専門医の新たな仕組みの中で。
○今委員 麻酔科専門医は東北地方では不足しております。それを補っているのが麻酔学会に入っていないけれども麻酔をやっている麻酔標榜医なので、麻酔専門医だけが順調に増えればいいのですが、すぐにはそうならないと思いますので、標榜医を継続していただかないと、病院としては困ります。
○高久座長 その標榜医は外科系の人ですか。
○今委員 主に外科系ですが、大体は昔ながら、外科の修業中に麻酔をかけて、そのときに標榜医を取ってしまって、そのまま今も継続している人も多いです。
○高久座長 今は、特に地域によっては麻酔のドクターが足りないから、専門医だけにすると言ったら大騒ぎになりますから、これはちょっと宿題にせざるを得ないのではないですか。
○門田委員 ここに挙げられているのは、専門医と標榜医という形で、公的に認められているものを挙げておられるのか、あるいは、今までディスカッションになったように、専門医取得者が自由標榜制をどうするかを含めて検討するということで書かれているのか、どちらなのですか。
○医師臨床研修推進室長 補足させていただきます。ここで言っている標榜医は自由標榜の標榜ではなくて、今申し上げた、麻酔科を想定した標榜医のことに限定をして考えております。
○池田委員 基本的には専門医制度改革は冒頭にも何人かの先生がおっしゃられたように、これから医学部を卒業して、臨床で医師として活躍してくれる人たちに向けて、5年、10年、20年先の日本の専門医制度をきちんと枠組みを作ろうということで始まったものです。しかし、現在も実際にいろいろな方たちが医療に従事しているわけですが、そのこと全部をすぐに置き換えてやるというと大混乱になりますので、それはやはり、少し整理をしていかなければいけない。ですから、標榜医の問題が麻酔科であるとすれば、それを全て麻酔の専門医に置き換えてやってしまうと困るということであれば、ある程度の時間を置いて慎重に議論をしていかなければいけないというのは当然のことだと思うので、その辺りが、小森先生や高杉先生がいつもおっしゃっているように、現在いる方の問題と、これから専門医制度を改革して10年、20年先の日本の医療の形を作るというのとを少し分けて考えて、現実問題として対処しなければいけないのは、それぞれ、その問題を何かの形で議論していくということで。標榜医に関しては、恐らくそのプロセスが必要だろうと私自身は思います。
○松尾委員 私も時間軸で考えるのは必要で、今、はやりの言葉で言うとバックキャストというのがありますが、20年後のあるべき姿を考えて、そこから現在どうしたらいいか、というのは一つ必要だと思います。ただそのときに、今先生が言われたように、直ちに変えたら大混乱が起こる可能性がありますから、そこはフォアキャスト的にやると。両方の視点が必要だと思います。
 専門医の養成プログラムを考えるに当たって、一つは是非留意して、私も留意したいと思うのは、実際に、今、国民の視点を随分考えているのですが、実際に専門医を取っていくこれからの若い人にとって、あるマイルストーンがあって、そこで、どういうアチーブメントをしたらそのマイルストーンを到達できて、かつ、専門医を取ったときに社会で何を求められているのかを明確にしておいてあげるということがないと、また偏りができたり、あるいは、特に総合診療専門医については、そういうことを是非明確にして投げかけてあげないと、選択する人が減ってしまう危険性もありますので、その辺は、是非、若いドクターの視点からも検討していただきたいと思います。
○高久座長 これは、ずっと先の話になるかもしれませんが、いずれはアメリカのようにレジデンシーを後期研修で、専門医でもいいのですが、取らないと標榜できないという時代が来ざるを得ないだろうと思います。それはいつになるか分かりませんが。そうしないと、患者さんの方が、どういうトレーニングを受けた人かが分からないことになりますから。しかし、これはずっと先の話になるかもしれませんが。
○藤本委員 患者への分かりやすい情報開示も、もちろん大事だと思いますが、私も何度かこの会議で申し上げていますように、ドクター同士でのネットワークを作ることが必要です。その際、こういった名称というものは、逆にきちんと残していく必要があります。知っている先生だったらお互い分かると思うのですが、そうではない場合は、これが手掛かりになると思いますので、ドクター間のネットワーク作りという観点からも、整理された方がいいのではないかと思っております。
 それから、一般の人たちに広告で出せる内容について、紙媒体で出せるものとウェブ上に出せるものの間に差異があるというところも、別のところでになるかもしれませんが、検討していただく必要があると思っております。
○高久座長 恐らく地方自治体の方で、そういう情報をホームページか何かで全部出せるようにするように、これももう少し経つと皆さんもホームページを見ることになれるでしょうから。それで検索をして、どこにどういう専門家がいるかということが全部分かるようになる時代が来るのだろうと思うのですが。
○池田委員 その点は、2013年に新たに設立されるであろう中立的な第三者機関では、やはり専門医のデータベースをきちんと構築することが非常に重要だと思います。それに関しては各学会との連携を密にしないと、ものすごく巨大な機構ができれば、もちろんそういうことができるかもしれませんが、現実問題としては何百人も勤めるような機構ができるとは思えませんので、これまで各学会でデータベースを作られて努力されているところはたくさんありますので、そういう学会との連携を密にしながら作っていく仕組み作りも大事だと思っています。そのデータベースを作って行く事に関しては、やはり国が何らかの形でサポートしてくれることが絶対に必須だと思っていますので、この機会によろしくお願いしたいと思います。
○今委員 すみません。今の議論と全く関係なく、最初に戻ってしまって申し訳けないのですが、総合診療医のことなのですが、名称のことをもう一回再確認します。山口先生から「総合診療科医」という意見が出ました。この参考資料の14ページにも「総合診療科」というのが書いてあります。いまの議論では「総合診療医」ということで、「科」は付かないのですね。
○池田委員 総合診療専門医で。
○高久座長 専門医としては、総合診療の。
○今委員 「総合診療専門医」という名称でよろしいと私は思います。
○高久座長 看板を出す時は、やはり内科の。
○今委員 標榜科になったときにはということですよね、先生。
○池田委員 多分ですね。
○山口委員 基本領域を見ていただくと、全部内科専門医、外科専門医、耳鼻科専門医となっています。「内科医」、「外科医」という言葉があって、「内科専門医」ということであるので、整理としては「総合診療科専門医」で、通称「総合診療医」という話のほうがすっきりするのではないでしょうか。あとの標榜科を考えると。
○金澤座長代理 今までは付けないで議論しましたけれども。
○山口委員 だけど、その「総合診療科」という一つの診療領域を想定した専門医の話だったと理解しているのですが。
○高久座長 ……なると思いますけれども、名前としては「総合診療‥‥」。
○今委員 ちょっといいですか。救急に関しては、「救急医」という言葉が一般的に言われていますが、「救急科専門医」なのです。「救急」には「科」が付くのです。ですから、「総合診療」も「科」が付くのかなと思っていたのですが、どうも。それをちょっと再確認しました。
○小森委員 金澤先生がもう既にお答えになられたと思いますが、いままでの議論の中では、標榜科の問題は、将来の議論としてこれは大切であるけれども、新しい概念のものを今、議論していますので、今の段階ではあえて横並びに「科」を付けることは妥当ではない。あくまで「総合診療医」としての議論を14回にわたってしてきたという理解ですので、あえて、ここに「科」を付けてというお話ではないと思われます。
○高久座長 19番目の「基本領域の専門医」という議論をしてきたものですから、だから、その方が開業でもされたときに、「科」を付けるかどうかということは、また一つ別な問題で、標榜科の問題になりますから、ちょっとこれは、また厚労省とよく相談してみないと。確か標榜科の問題は、医道審議会で。
○金澤座長代理 医道審議会の中に分科会が。まだ残ってますか。そこで検討するのではないですか。
○高久座長 はい、議論すると思います。
○門田委員 それにちょっと関係するのですが、今、その総合診療専門医にしても総合医にしても、今回のこのディスカッションの中で一番大きなテーマですね。今日もものすごい傍聴席です。いま我々はこの皆さんの前でディスカッションして、「総合診療専門医」ということが国民の目線で、あるいは我々委員として、どういうイメージを皆が描いているのか、一致しているイメージをもっているように思えないですね、いまのディスカッションを聞いていても。その辺りのところが発信できる「診療科」という話、あるいは将来的に見て「医」から「科」のほうにいくのか、総合診療医というのは、簡単な外科をできるようにするのか、あるいはお産でも取り上げることを言い出すのか、どこまでいくのが総合診療医というイメージなのかというところを、まず少しはっきりしていかないと、今のような問題が出てくるのではないかと思います。
○高久座長 いや、「総合診療医」の定義はそこに書いてあったのではなかったですかね。何ページでしたかね。
○医師臨床研修推進室長 はい。資料2の1ページの下の枠の1つ上の○です。「定義を、例えば」からです。
○福井委員 よろしいですか。一つは、そもそも100年も200年も続いている診療科のイメージと、これから新しく作ろうという診療科のイメージが同じように広まっていることは期待すべきではないと思います。かつて私は二つの大学で総合診療部を立ち上げましたが、両方の大学で、総合診療の定義をしろと言われました。それに対して、私がます内科の定義をしてくださいとお願いしましたら、内科の定義ができませんでした。定義は、どのレベルで考えるのかによってなかなか難しく、かなり抽象的にしか定義できないのが現実だと思います。分かりにくいのは承知のうえで、いまから分かっていただく努力をするということで、是非、進めていただければと思います。
○高久座長 メディケア・ドクターとか、アメリカではファミリー・フィジシャンですか、イギリスの場合はジェネラル・プラクティショナーと、そういうイメージでしょうね。
○山口委員 「科」を付けるかどうかはあれとして、今回議論したのは、やはりその新しい診療領域の専門医が必要だという話だと思うのです。この新しい総合診療という領域は、やはり卒前も含めて、そういう地域医療も含めて、例えば開業医の先生が、あるいは医師会の先生が教壇に立って、ちゃんと学生さんにそれをプレゼンテーションしなければ、卒業して突然、総合診療というのが出て来て、そこで専門医ができ、そこへどっと卒業生が集まるかといえば、それは無理な話なのです。やはり学生の時から総合診療というイメージが一つの診療領域として、一つの領域として、プレゼンテーションされることが必要だと思います。だから、そういう意味で言うと。
○高久座長 自治医大の場合には、5年生の時に、卒業生の診療所に2週間行っていますし、今、いろいろな大学で地域枠の学生や大学によっては全部の学生が先輩の診療所に行って、一定期間勉強するということを、多くの大学でやっています。
○山口委員 普通の大学では、少なくとも、そういう講義、そういう時間というのはなかなかないので、それから言うと、総合診療科の授業というのがあることがいいのではないかという気がするのです。
○平井委員 私、いまの議論を聞いていて違和感を覚えましたのは、先ほど申し上げましたように、総合診療医にしても、総合診療科にしても、本来医師としては、当然もっていなくてはならない領域であったにもかかわらず、それが必ずしも十分に認識されてこなかったと。それを現実の現代社会においてそれが必要なので、新しい専門医として明確にして、高めていこうという流れではないのかなと私は思うのです。ですから、新しい診療領域を作るのではなくて、いままで当然なければならなかったものをきちんと確認して、それを高度化していくというふうに理解していかないと、何か私はおかしいなと思いました。
○高久座長 それはそのとおりですが、医学がどんどん進歩したものですから、昔は、開業の先生も、内科も小児科も皆、私が子供の頃は診てもらっていた先生が、どんどん医学が進歩して分化したために、こういう議論になってきたのだと思います。
 本日は、いろいろと広い範囲にわたって議論していただきまして、ありがとうございました。次の予定は。
○医師臨床研修推進室長 資料3を御覧ください。「今後のスケジュール(案)」です。第11回から書いてありますが、今回は、下のほうの枠で囲った第14回、この総合医等の在り方について御議論を賜りました。第15回、次回以降については、「最終報告に向けての検討」としておりますが、実は、これまでの項目の中でもう少し議論を深掘りしていただいたほうがいいのではないかと思われるものもあります。例えば、第12回の「専門医の認定機関について」とか、「サブステシャルティ領域について」とか、こういった項目について改めて御議論いただくことも含めまして、また、座長とも御相談したうえで、改めて御案内したいと考えています。なお、次回は、年明け1月を予定させていただいています。詳細が決まりましたら、追って御案内させていただきます。以上です。
○高久座長 それでは、今日はこれで、今年最後の討議でしたので、皆さん、よいお年をお迎えください。どうもありがとうございました。


(了)

厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室

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