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2012年11月13日 第3回がん検診のあり方に関する検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成24年11月13日(火)


○場所

厚生労働省 9階 省議室(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○議題

1 開  会
   
2 議  題 
 ・子宮頸がん健診について

○議事

出席構成員:大内座長、菅野構成員、斎藤構成員、祖父江構成員、福田構成員、松田構成員、道永構成員

○岡田がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回がん検診のあり方に関する検討会を開催いたします。
 本日は、構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。本日は、構成員の皆様に御出席いただいております。
 また、前回の検討会以後、事務局に人事異動がございましたので、御報告申し上げます。
 健康局長の矢島でございます。
○矢島健康局長 矢島でございます。大内座長を初め、構成員の先生方には日ごろからお世話になっております。健康局には5年ぶりに戻ってまいりました。がんセンターの運営局長の時には、先生方に大変お世話になりましたが、引き続き頑張っていきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いします。
 私はこの後、別件があるので中座してしまいますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
○岡田がん対策推進官 がん対策・健康増進課長の宮嵜でございます。
○宮嵜がん対策・健康増進課長 宮嵜でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○岡田がん対策推進官 なお、健康局長の矢島は公務のため、ここで退席させていただきます。
(矢島健康局長 退室)
○岡田がん対策推進官 次に、資料の御確認をお願いいたします。
 資料1 第2回がん検診のあり方に関する検討会におけるヒアリング概要
 資料2 HPV検査を子宮頸がん検診として実施することに関する論点案
 資料3 がん検診指針(がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針)における子宮がん検診の名称や細胞診の結果の分類等について
 参考資料1 がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について
 また、構成員の皆様方の机上には、第2回検討会において5名の参考人から御提出いただきました資料の配付もさせていただいております。御確認いただけますと幸いです。万一、資料に不足・乱丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 以上をもちましてカメラはお収めいただきますよう、お願いいたします。
 後の進行は大内座長、よろしくお願いいたします。
○大内座長 では、本日の議題に入りたいと思います。
 前回は5名の有識者の参考人の方々から、主にHPV検査についてヒアリングを行いました。本日は、具体的に御議論をいただきたいと思います。
 最初に、事務局から第2回検討会におけるヒアリング概要と、本日の論点案について御説明願います。
○事務局 では、事務局から資料1、資料2について御説明申し上げます。
 最初に資料1をごらんください。前回、9月3日の第2回検討会では、事務局から今後の子宮がん対策についてということで案を提示いたしまして、その後、5名の有識者の先生方からヒアリングを実施いたしました。まずは、その概要について、いま一度御説明いたします。
 2ページをごらんください。こちらは事務局から提示した「今後の子宮頸がん対策(子宮頸がん検診)について(案)」でございます。現状としては、今、市区町村で実施するがん検診としては、子宮頸部細胞診などによる子宮頸がん検診を2年間隔で実施することとしていて、受診率の向上のためには5歳刻みの節目年齢の方に無料クーポンを配付する事業を実施しています。しかしながら、子宮頸がんは特に若年層での罹患が増加していて、死亡率も諸外国が低下している中で日本は上昇していることから、海外で一定程度有用性が認められているHPV検査を実施して、より正確に早期のがんを発見し、進行がんやがんによる死亡率を減少させることを図ってはどうかといったことを提示いたしました。
 その後に、5名の先生方からお話をいただきました。事務局で先生方のお話の内容をまとめておりますので、3ページ以降を使ってお話の概要を紹介させていただきます。構成員の先生方には、机上配付資料として前回の先生方の提出資料を置かせていただいておりますので、必要に応じてごらんいただければと思います。
 まずは、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部検診評価研究室長でいらっしゃる濱島先生から、HPV検査をめぐる最近の動向についてお話をいただきました。
 1つ目でございますが、国立がん研究センターの研究班が中心となって2008年に作成された子宮頸がん検診ガイドラインの紹介がありました。ガイドラインでは、細胞診従来法については推奨レベルBということで、相応の根拠があり、対策型検診、任意型検診として推奨となっています。液状検体法についても同様にBでした。HPV検査については、推奨レベルIということで、根拠が不十分であり、対策型・任意型検診として推奨できないとなっていました。
 2つ目ですが、当時の状況といたしましては、フィンランドなど幾つかの研究に基づいてHPV検査の細胞診を比較した精度が報告されていたとの紹介がありました。その内容については、CIN2以上の病変の感度はHPV検査のほうが高い、CIN3以上の病変の感度は同程度、特異度は細胞診が高いという御紹介がありました。
 しかしながら、HPVが感染するとすべてががんになるわけではなく、ごく一部ががんに進行するため、前がん病変をより多く発見することが死亡率の減少、浸潤がんの減少に結びつくか検討が必要とされているとのことでした。
 そのため、先進国ではHPV検査をどのように子宮頸がん検診に導入するかということについて、RCTが実施されてきたとの紹介がありました。
 それから、RCTの結果をどのように見るかについては、まだ議論があるとの御紹介でしたけれども、European Commissionにおける精度管理ガイドラインの紹介をいただきまして、そのガイドラインでは評価の方法として、子宮頸がんの死亡率減少効果を証明できた研究が最も評価が高く、次に、子宮頸がん罹患率の減少、そして、CIN2・CIN3以上の減少、もしくは発見率の増加と続いています。前の2つが絶対指標、3つ目が相対指標とされており、絶対指標による評価が最も望ましい評価とされているとのお話をいただきました。
 最初の1つ目にありました国立がん研究センターの研究班を中心として作成されたガイドラインのころの状況では、この相対指標が出始めた状況だったとのことでして、前回、濱島先生は当時の検索以降である2008〜2012年について文献を再抽出いただき、その内容を御紹介いただきました。3ページ下の3つの□がその文献です。
 まず最初は、インドの研究を御紹介いただきました。インドの研究が死亡率をエンドポイントとしており、その下のイタリアとオランダの研究は、浸潤がんの罹患率をエンドポイントとしているとのことでした。
 インドについては、通常の診療とHPV検査と指針を比較して、HPV検査のみで死亡率が減少したとのことでした。しかしながら、濱島先生からは教育啓蒙活動は浸透しているものの、医療提供体制の整備が不十分であるとか、診療と検診の状況が識別不可能。または、精密検査の提供に不備がある。あと、検診は1回のみの介入であるなど、先進国にその研究結果を導入できるかどうかについては、議論のあるところであったとの御説明をいただきました。
 次に、イタリアのRCTでは、HPV単独法と細胞診を比較したもので、浸潤がんの減少が認められたとのことでした。しかしながら、浸潤がん罹患の減少の大きさがそれほど大きくないことや、フォローアップ期間が短いこと、単独側の半数余りが細胞診も併用していること、また、2回目の検査は両方とも細胞診を実施しているなど、幾つか問題点も挙げられているとの御説明をいただきました。
 最後に、オランダのRCTですが、こちらはHPV検査と細胞診の併用と細胞診単独を比較したもので、併用法のほうで浸潤がんが減少している傾向があったものの、有意ではなかったとの御説明をいただきました。
 こうした3つの研究が出そろったところで、各国のガイドラインやエビデンスレポートがどういった状況で変わってきたかを御紹介いただきました。
 まずは、オランダのエビデンスレポートです。オランダのレポートでは、これらの研究が出る1つ前の段階で策定されていたとのことで、レポートの根拠となっているのがCIN3以上をエンドポイントとした研究との御紹介でした。
 レポートの内容については、同じ資料1の12ページもあわせてごらんいただければと思いますが、オランダではHPV検査の単独法を推奨しています。その理由については、併用法と単独法を比較した場合、両者の感度は併用法がやや高いか、ほぼ同じであるけれども、併用法ではCIN2が多く発見されて、精密検査が増加したことなどが挙げられていました。
 次に、イタリアのHTAレポートの紹介がございました。こちらは、前のページの3つの研究が出そろってから判断がなされたものということでして、こちらについても単独法を推奨しています。その間隔は最低5年で、細胞診の併用法に関する証拠はないことを明言されています。
 次に、アメリカ対がん協会などの3学会が合同でとりまとめられたガイドラインの紹介がありました。内容は30〜65歳に併用法で5年ごとに行うことを推奨。細胞診は3年置き、単独の検査は推奨していないとのことでした。このガイドラインは科学的根拠を考慮したコンセンサスで、モデルの結果も採用されているとの御説明でした。
 また、U.S.Preventine Service Task Force、アメリカのUSPSTFの御紹介がありまして、こちらでは60〜35歳を対象とした5年ごとの細胞診と、HPV検査の併用を推奨しています。21〜65歳には3年ごとの細胞診ですが、30歳以上については検診間隔を延ばしたい女性はHPV検査を併用してもよいという推奨でした。HPV検査に関しては、単独法の効果は不明との判断をしているとのことでした。なお、この推奨には2011年に公表されたカイザーのコホート研究によるHPVが陰性であると、前がん病変の発症が細胞診陰性の半分になるという研究も大きく影響しているとのことでした。また、こちらのUSPSTFの推奨の判断分析というモデル評価も実施されているという御紹介でした。
 最後に、カナダのInternational Network of Agencies for Health Technology Assessment(INAHTA)のレポートがございまして、こちらもInternational Networkのほうでカナダのレポートを取り上げたものがございまして、その中では費用効果分析を含めて細胞診を推奨し、HPV検査をトリアージとして行うことが望ましいとの結論になったということでした。
 次に、イギリスの評価研究の御紹介がありまして、自国でHPV検査の評価研究を進め、2011年よりHPV検査をトリアージとして用いる検診を開始したということでした。
 済みません、ここは「基いる」ではなく「用いる」の誤字です。失礼いたしました。
 また、先ほど飛ばしてしまったのですが、イタリアのHTAレポートのところで、3つの研究が「全ページ」となっていますが、「前ページ」の誤字です。失礼いたしました。
 では、先に続けさせていただきます。ここで濱島先生からのまとめということで、3つの◆を御説明いただきました。
 最初に、HPV検査を含む3つの方法からどれを選択するかということで、各国によって今までのとおり評価は異なっているということで、最終判断は自国の研究を重視ということでした。そして、日本に適切な方法は不明。
 また、HPV検査の管理上の問題点として挙げていただいたものには、対象年齢ということで、トライアルでは20歳代を行っているものの、20歳代がHPV検査の対象として不適切ということが、すべてのガイドラインで一致した見解であるとのことでした。また、HPV検査を含む検診間隔は最低5年がいずれのガイドラインでもまとまっているものであると。あと、リスク別フォローの体制として、受診間隔の異なる集団になりますので、そういった集団をマネジメントできるかどうか。あとは、精神的負担として不安や怒り、パートナーとの関係に問題があるのではないかということをお話しいただきました。
 最後に、HPV検査導入のための研究の必要性ということで、適切な方法の根拠となる日本独自の研究が必要であるということ。少なくともCIN3以上の病変をエンドポイントとした感度・特異度の算出、有効性評価研究が必要であると。あと、利益と不利益のバランスを考慮して、対象年齢、検診間隔の再検討を行うこと。適切な受診勧奨のインフォームド・コンセントを行うサポートシステムの構築が必要であるというお話をいただきました。
 以上が、濱島先生からいただいたお話の概要でございます。
 次に、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室の青木先生から、子宮頸がん検診の新たな手法の導入に際してということでお話をいただきました。
 まず最初に、子宮頸がんやHPVの一般的な背景について御紹介いただきまして、子宮頸がん死亡率の推移や浸潤がん年齢調整罹患率の推移を見ると、近年は減少傾向が見られないとのことでした。
 また、子宮頸がんの自然史等について御説明いただきましたが、CIN1、CIN2では少なからず消退するものがあると。約3割は停滞して、がんへ進展するのは数パーセントであるということでした。また、CIN3は不適切な治療だと浸潤の子宮頸がんになるリスクが30倍ということを御紹介いただきました。
 また、東京予防医学協会のデータを用いて、検診によって浸潤がんの約20倍程度の数がCIN1、CIN2、CIN3の前がん病変として発見されているという御紹介をいただきました。
 また、子宮頸がんの年齢階級別罹患率とHPVについてお話をいただいて、HPVの陽性率は20代で高いけれども、30代を経て40代に向かって急激に減少すること、また、子宮頸がんの罹患は、それとは逆行するように増加するというお話をいただいて、よって受診率やCINの数を見る上では集団の年齢分布が非常に重要であるというお話をいただきました。
 次に、HPV感染状況別のCIN3以上の累積罹患率のデータをお示しになって、ハイリスクHPVのうちの16型と18型が陽性となると、約10年間でそれぞれ17%、13.6%がCIN3以上に進展すると。そういうことで、HPV検査を行うときには、集団の中にあるHPVの型の分布が影響するといったことをお話しいただきました。
 次に、HPV感染が引き起こす腫瘍性変化についてに知見ということで、今までわかっているものを御紹介いただきまして、HPV感染のクリアランスは6〜18カ月ということで、感染がなくなる方もいるということ。HPV陽性の3分の1が細胞診異常を示すということ。逆に言うと、細胞診がマイナスでもたくさんの方がHPV陽性になるということ。HPV16型及びその関連型は細胞診異常を示すものの、18型は異常を示すことは少ないという御説明いただいて、ただし、持続感染の問題ということで、HPV16型の3〜5年の持続感染はCIN3への進展リスクが40%といった、子宮頸がんやHPV感染に関する背景をまず御紹介いただきました。
 こうしたことを踏まえて、がん検診についてお話をいただきましたが、まず、がん検診の利益と不利益について御紹介いただいて、不利益については集団全体の死亡率を減少させること、適切な時期に発見できることによって、がんによるさまざまなダメージを減らすこと、不利益については精密検査・治療による合併症、経済的な負担、精神的不安、擬陽性過剰診断といった不利益を定量化する観点からは、要精検に至る比率であるとか、精検を受ける延べ回数、コルポ診になる比率などを不利益の指標にすることにより明確化できるのではないかと考えられるということをお話しいただきました。
 次に、濱島先生からも御紹介があったように、HPV検査の導入がいろいろな試験で検討されてきたわけですけれども、その理由についてお話をいただきました。1つ目ですけれども、細胞診による子宮頸がん検診は、死亡・罹患率の減少が既に証明されていること、HPV検査はCIN2以上に対して細胞診より感度が高いこと、CIN3以上に対する感度は細胞診と同等かそれ以上ということで、HPV検査を用いれば細胞診よりも死亡率・罹患率が減少する可能性があるということでした。
 もう一つとしては、細胞検査士のような人材育成が不要であること。これは特に発展途上国にとってはメリットであり、地域格差も出にくいということでした。
 こうした理由でRCTが各国で実施されてきたということですが、イタリア、フィンランドなどのRCTについて御紹介をいただきました。これはUSPSTFが新しいリコメンデーションを出すときにとりまとめたものから御紹介いただいたということでございます。その内容としては、CIN2以上とCIN3以上の発見率の比では、イタリアの研究ではHPV検査を実施した群でより多くが発見されているものの、オランダとスウェーデン、イギリスの研究では細胞診とほぼ同等であったこと、浸潤がんの検出数は、イタリアの研究では有意に下がって、オランダの研究では減少傾向があったということを御説明いただきました。
 次に、HPV検査を検診手法として採用される場合に予想される不利益を御紹介いただきまして、1つ目としては、細胞診より偽陽性と過剰診断が多いことによる不利益。ここで、実際の細胞診とHPV検査の陽性率の比較ということで、イタリアやフィンランド、それから、日本の佐賀市のデータの提示がありましたが、細胞診の陽性率やHPV検査の陽性率には、かなりの幅があるといったことでした。
 2つ目としては、不利益を最小化するためにはということで、偽陽性と過剰診断が大きい20代には使用しないこと。HPV検査陽性者に対して細胞診などでトリアージを行うこと。細胞診と比較して検診間隔を延長することといったことで不利益を最小化するといったお話をいただきました。
 こうした背景から、日本でHPV検査導入の検討をするときに決めなければいけないこととして、HPV検査はハイブリットキャプチャーで行うのか、タイピングで行うのか、ほかの方法で行うのか。また、HPV検査単独にするのか、併用がいいのか。スクリーニング陽性症例への対応はどうするのか。対象年齢をどうやって決めていくのか。HPV検査を導入した場合、不利益はどの程度増えるのか。日本の細胞診と比較して、少なくとも同等の有効性があるのかといったことを検討しなければいけないというお話をいただきました。
 最後に、子宮頸がん検診におけるHPV検査の有効性評価が必要だろうということで、試験の例について御提示をいただきました。その概要は、こちらに記載しております。こうした試験を行う必要があるとのお話をいただきました。
 最後に、我が国でもHPV検査の導入を検討する時期に来ているので、いずれかの検査方法で実際にどういった検診体制を選ぶべきか決定する必要がある。諸外国の報告や勧告はそれぞれ異なるので、日本が独自に科学的に検証する必要があり、早急に着手すべきであるとしたお話をいただきました。
 それでは、次に、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科の今野先生からお話をいただきました。
 まず、今野先生からはWHOからの文書の紹介として、細胞診とハイブリットキャプチャー?によるHPVテストの文書を御紹介いただきまして、細胞診は一次スクリーニングとして子宮頸がんの発生と死亡率を減少させた十分な根拠があると。片や、HPVテストは一次スクリーニングとして子宮頸がんの発生と死亡率を減少させる十分な根拠があるという記載があるとの御紹介でした。
 次に、細胞診とHPV−DNA検査の感度と特異度について表を用いて御紹介をいただきまして、その表の中で細胞診の感度は43.5〜86%、HPV検査の感度は93〜98%、併用すると100%という御紹介でした。日本の今野先生方のデータでは細胞診の感度は86%ということでしたが、ただし、一般的な施設ではより低い可能性があるとのことでした。
 次に、HPV併用検診のメリットと目指すところということで、HPVテストは感度が高いと。それがCIN3の発見率の向上になる。しかしながら、特異度が低いため、どうやって特異度を上げるか、ここはアルゴリズムの運用の開発であると。過剰診断と弊害をどうやって減らすかについては、受診間隔を延長したり、年齢を制限したりということ。また、費用対効果をどうやって上げるかについては、モデリング解析という手法があるといったことをお話しいただきました。
 次に、子宮頸がん検診のエンドポイントについてお話をいただきました。従来は、子宮頸がん検診も他のがんと同様に死亡率減少効果がエンドポイントであったけれども、現在は浸潤がんの代替指標としてのCIN2、CIN3の減少がエンドポイントとして考えられてきたと。また、日常臨床においてもCIN2以上を管理してCIN3で治療しており、浸潤がんになるまで待っているわけではないというお話をいただきました。
 子宮頸がんの死亡の減少はもちろんですけれども、女性のQOLや妊孕性、ひいては子宮頸がんの予防や発生抑制というところが提言されている内容とのことでした。よって、がんレジストリですとか、検診レジストリ、ワクチンレジストリの構築やリンク、あとは、HPVワクチンを含めて子宮頸がん予防政策の評価を再構築することであるとか、5年後、10年後はレジストリをもとに検診施策を再構築するといったことが必要になってくるのではないかといったお話でした。
 次に、WHOの検診の御紹介でしたが、検診に関する基本コンセプトと検診の方法、HP検査のメリットの御紹介がありまして、基本コンセプトとしては70%の検診受診率が必須であるということと、検診結果が陰性の場合に90%が治療を受けるということ。頻回に健診を受けるよりもよい精度で5年に1回以上の検診がよいといったことを御紹介いただきました。
 HPV検査のメリットとしては、客観的で再現性があること、感度と陰性反応的中度が高いということ、HPV検査を検診に用いることで検診間隔を5年以上に延ばすことができること、費用を削減できること、HPVワクチンが導入された時代の子宮頸部病変が減少した際の準備にも適当であるといったことを御紹介いただきました。
 済みません、また誤字ですけれども、今読み上げました2番目の●の1つ目「70%の検診受診率が必須」というのは事務局の記載ミスですので、削除をお願いいたします。
 また、アメリカ産婦人科学会からの文書として、HPV検査を用いたスクリーニングについては、CIN2、CIN3の検出においてHPV検査は細胞診よりも感度が高いこと、両者併用で陰性だった場合、CIN2以上が見逃される危険は1,000分の1程度であること。また、細胞診とHPV検査併用検診で両者陰性であった場合、6年後にCIN3となる確率は0.28%であること。こういったことから検診間隔を3年にすることができるといったものが出ているとの御紹介をいただきました。
 次に、日本産婦人科医会のリコメンデーション、そのアルゴリズムについてと、USPSTF、あと3学会合同ガイドラインと日本産婦人科医会のリコメンデーションの比較についても御紹介がありました。こちらについては12ページと13ページをごらんください。12ページに、アメリカ対がん協会3学会合同のガイドライン、またUSPSTFのガイドラインを示しております。また、13ページには、日本産婦人科医会のリコメンデーションを記載しております。13ページのリコメンデーションの対象年齢とその内容については、表のとおりです。
 今野先生からも御説明があったのは、両者陰性のときには次回の検診が3年後であって、95%の受診者がここに当たるということ。また、30歳以上で細胞診が陰性、HPV検査が陽性の人についても、その年に精密検査をせずに1年後の検診に回ってもらうということを御紹介いただきました。
 次に、CIN3の累積発生率についての御紹介がありまして、まず、ヨーロッパのデータではHPV陽性者からは5〜11年で7%の上皮内がんが出てきたと。また、HPV陰性者からは1%弱で、HPVが陰性であるとかなりの期間受診しなくても安心できるというお話でした。
 次に、日本の研究における累積進展率の御紹介がありまして、こちらは今年の日本がん学会で先生方が報告されたものとお聞きしていますが、細胞診とHPV両者陰性の場合は72カ月で0.6%、HPV陽性の場合は6.9%ということで、ヨーロッパと同様の結果であったとのお話でした。
 次に、エンドポイントと科学的根拠に関するお話をいただきまして、エンドポイントについては先ほど申し上げたとおりですが、子宮頸がんやHPV検査のガイドラインはほかのガイドラインと異なるということで、前のページでも御紹介しましたように、死亡だけでなくて浸潤がんやがんの発生、妊孕性やQOLの保持も重要だと考えていらっしゃるとの御紹介でした。
 また、科学的根拠については、疫学手法とモデリングの手法があるということ。疫学については、膨大なデータを後ろ向きに解析することで長期間の観察研究が必要であり、費用と時間と実現性が問題になること。また、コントロール群への倫理的配慮が必要であるということでした。モデリングについては、過去・現在のデータをもとに解析をするもので、効率性や医療経済学的な判断で、これをもとに政策決定の根拠になるといった御紹介でした。
 また、先生からはUSPSTFの解析について、そのモデルのグラフなどをお示しいただきながら御紹介がありました。生存年とコルポスコピー数や偽陽性数などをモデルで検討したと。その結果を見ますと、細胞診は20歳から開始して、2年または3年置きが適当。細胞診とHPV併用検査は3年または5年置きが適当。細胞診2年間隔と併用検診3年間隔では、併用検診3年間隔のほうが偽陽性、コルポスコピーが少ないとの結果が読み取れるという御紹介でした。
 また、HPV検査のキットについて御紹介がありまして、どれでもいいというのではなく、世界で標準的検査としてハイブリットキャプチャー法が望ましいとのお話でした。ハイブリットキャプチャー?は臨床的に意義のあるカットオフ値を設定しており、また、HPV検査キットの国際的ガイドラインがあり、これによって検診に採用するHPVキットの条件を定義するといったお話でした。
 次に、自治体の費用負担についても御紹介がありまして、受診率が向上すると、より多くの費用と、またより多くの検体処理が必要であって、マンパワーや予算の問題が出てくるということで、これらについては費用対効果の高い検診の導入で検診間隔を延ばす必要があるということでした。
 また、マルコフモデルを用いた試算の御紹介がありまして、この結果では、細胞診とHPV併用検査は年間検診費用が現在実施されている細胞診の隔年検診とほぼ同等であると。一方、見通しは少ないということでした。
 また、出雲市では併用検診の導入後、1検体、1病変当たりの検診単価が36%減少したという事実があるとの御紹介でした。
 また、先生からの追加資料ということで御紹介があったものですが、子宮頸がん検診の経済評価の予備解析結果として、単年度の検討においては細胞診単独による検診に対して、併用検診並びにDNA単独検診は費用効果的であると推測されると。また、30歳より35年間観察した場合、併用検診並びにDNA単独検査は、細胞診の感度を50%と仮定した場合に対して費用効果的であると推測されたと。また、HPV−DNA検診及び併用検診は、細胞診単独に比べて高い検出数が得られ、さらに費用削減効果が得られると推測されたと。こうした予備解析の結果を御紹介になりました。
 最後にまとめといたしまして、これからの子宮頸がん検診の方法と課題ということで、子宮頸がんの原因は、ほぼすべてHPVであると。HPVテストには揺るぎない根拠があって、高感度に病変を検出する。HPVテストの特異度が低いことに対する対応としては、細胞診でトリアージすることや、HPVが陽性で細胞診が陰性の方は翌年検診を行うことがあるということでした。
 また、検診の弊害を避けるために検診間隔を空けること。30歳以下のHPV検査を行わないこと、細胞診によって無駄な精密検査を減らすことを挙げていらっしゃいました。
 次に、検診団体や医療従事者、検診従事者にとっては、1年当たりの検診受診者が減少すると。産婦人科医の収入が減少したり、優秀な細胞検査士の雇用を喪失するという問題がありますが、検診受診率を50〜80%とすると、逆に現在の3倍以上の検診処理が求められると。こうしたマンパワーやインフラ、財源ともにパンクするといったお話をいただいて、こうしたことに対する解決としては、精度の高い検診を間隔をあけて行うことによってのみ解決するということ、最後に、受診率を上げつつ、HPV併用検診に移行することで、行政や検診従事者、女性といった立場のそれぞれ異なる方にとってWIN−WINである政策となるといったお話をいただきました。
 次に、京都大学の婦人科学産科学の小西先生からお話をいただきました。先生からのお話の要旨としては、HPVワクチンが有効であると接種を受けた年代の女性が子宮頸がん好発年齢となるころには、子宮頸部前がん病変の発生数が減少して、浸潤頸がん罹患率も減少に転じると予測されている。子宮頸がん発生頻度の変化に応じた検診システムの見直しが必要であるというお話をいただきました。
 先生からは子宮頸がん治療の歴史として、紀元前の文書に記載されたころから19世紀末、浸潤がんに対する系統的な手術療法が確立してきたころ。また、子宮頸がん早期発見の歴史として、1940年代の細胞診の確立からHPVウイルスの同定、そして2000年代以降のワクチンやHPV検査の開発に至るまでの御説明をいただきました。
 まとめといたしまして、日本でHPVワクチンが普及して、15歳の女性の4分の3は確実にワクチン接種を受けると想定される2015年を起点として、その後の罹患数を予測した場合に、20〜30代前半の女性のCIN3罹患数の確実な減少が見られると予測されるということ。
 しかしながら、ワクチン接種のみの効果予測では、CIN及び頸がんの減少は半減にとどまるため、頸がん検診における進歩が必要であるということ。
 そして、日本の子宮頸がんの発症を徹底的に減少させるためには、HPVワクチンと頸がん検診の二本柱を勧めることが必須であるということをお話しいただきました。
 そして、検診については、できるだけ早くHPV検査の導入、受診率の向上によりCIN及び浸潤がん発症のさらなる減少が期待されているといったお話をいただきました。
 最後に、自治医科大学の鈴木先生からのお話を御紹介いたします。
 まず最初に、日本産婦人科医会の子宮頸がん検診リコメンデーションについて御紹介をいただきました。このリコメンデーションは2011年に産婦人科医会のがん対策委員会において、国内外で得られているエビデンスをもとに、子宮頸がん検診において細胞診にHPV−DNA検査を併用する場合に最も適切と考えられる検査法と運用法に関するリコメンデーションを作成したということで、そのときにHPV−DNA検査は、検診という体制では現状の25〜30の市町村でしか用いられていないものの、人間ドック等で既に実施が始まっているという状況を考慮して作成されたという背景もお話しいただきました。
 その後、米国や日本におけるHPV陽性率についてグラフをお示しになりまして、また、栃木県小山地区HPV検査併用検診の年代別HPV検査陽性率等も御紹介になりました。その結果では30歳以下のHPV陽性率は8%であったということです。
 また、どの年齢からHPV検査を実施するかということも重要ですけれども、その一環として年齢別上皮内がん発見率ということで、2009年の対がん協会のデータをお示しになりまして、20代後半では上皮内がんが30代とほぼ同頻度で発見されているということでした。
 また、子宮頸がん制圧を目指す専門家会議が調査されたHPV検査併用検診導入自治体数をお示しになりまして、21市町村と島根県全域で実施されているということでした。
 次に、日本産婦人科医会のガイドラインが、外国のガイドラインと比べて検診間隔が短いということについて御説明をいただきまして、それには日本の子宮頸がん検診の実情を考慮されたということでした。
 その理由の1番目としては、検診の受診率が欧米に比べて著しく低率であるということ。ここで仮に5年間隔とすると、1回機会を逃すと、次が10年後になりかねないということでした。また、精度管理が不十分である、その内容としては、ベセスダシステムが未徹底であり、液状化検体細胞診が未普及であるということ。また、レジストリ(住民台帳)がないということ。受診勧奨(Call Recall)制度がないということを挙げていらっしゃいました。
 最後に、栃木県小山地区HPV検査併用検診のモデル事業を御紹介になりまして、こちらは2012年からに2市1町でスタートしたものということですが、特徴としては、集団検診も含めての試みであるということ、液状化検体細胞診を導入したということ、官民協同治療であるということ。また、HPV−DNA併用検診の有用性の検証を行う事業であるということ。これには前がん病変の発見率や不適正検体率、検診受診率等、従来の細胞診単独検診と比較するということでした。また、HPVワクチンの効果の検証として、他地域との共同での検証もスタートされたということでした。
 最後に、開始後4カ月のデータの御紹介がありまして、受診率が2,098人のうち、HPV検査に不同意だった方が4人であったということ。不適正標本はなかったということ。HPV検査の陽性が4.1%で、陰性が95.9%であったということを御紹介いただきました。
 資料1の御説明については、以上でございます。
 次に、資料2をごらんいただきたいと思います。前回こうした5名の先生方からお話をいただきまして、きょう御議論いただきたい論点案ということで用意しております。
 新たな手法であるHPV検査を対策型検診として実施することについて、以下の観点からはどうかということで、早期発見による効果(浸潤がんや死亡の減少)、感度・特異度等の精度、不利益、実施方法(細胞診と併用・単独等)、対象年齢や検診間隔、また実務上の課題などでございます。
 裏には、対策型検診についての表を御用意しております。対策型検診は、目的として対象集団全体の死亡率を下げ、予防対策として行われる公共的なサービスであること。対象者については構成員の全員。例えば、一定の年齢範囲の住民などであること。検診費用については公的資金を使用するということ。利益と不利益については、限られた資源の中で利益と不利益のバランスを考慮して、集団にとっての利益を最大化するものであること。
 また、対策型検診とは別の考え方として任意型検診があるといったものでございます。
 資料2についての御説明は以上でございます。
○大内座長 今、事務局から資料1、これは第2回の本検討会が9月3日に開催されまして、そのときに5名の参考人からいただいた資料をとりまとめていただきました。それから、資料2としましては論点案ということで事務局が整理されたものです。
 ただいまの御説明に関しまして、御質問はございますか。
○道永構成員 質問ではないのですが、誤字が多いんですよね。資料1の7ページですけれども、下から2つ目の「検診に関する基本コンセプト」で、「検診結果が陰性」ではなくて「陽性」ですよね。
○事務局 WHOの検診の人からの御紹介については「陽性」でございます。失礼いたしました。
○大内座長 私も誤字が多いのに気がつきましたので、後で訂正をよろしくお願いいたします。
 参考人の意見のとりまとめについては、誤字以外についてはほぼ妥当ではないかと思いますが、よろしいでしょうか。
 前回ほとんど議論ができず、10分か15分程度しか時間がとれなかったのですが、きょうはまだ1時間以上ございますので十分に議論したいと思います。HPV検査を対策型検診として実施する場合に、どのような点に留意すべきかということにまず議論を集約したいと思いますが、よろしいでしょうか。
○祖父江構成員 そもそもの話ですけれども、子宮頸がんに関して現在、若年者を中心として死亡率が増加しているところが問題であるというのは事実としてあるのですけれども、では、それをどうするかというところについて、はっきりしているのは受診率が低いということ。だから、そこを対策強化の方向性としてまず考えるべきであって、現状の検診方法がまずいとか、それを新たに変えるというところは次の話であるということを、まず認識しておくほうがいいと思います。もし、新たなものを導入するのであれば、現状の検診の精度がまずいのか、どうなのかに関してきちんと日本のデータを出すことが大前提であって、そこがないのに新たな検診の手法を考えるというのは、ちょっと論理としてはスキップしてしまっているような気がします。
○大内座長 ただいま祖父江構成員から、そもそものがん検診受診率が低いのではないかと、現行の精度についての評価と、がん検診受診率の向上について、もっと議論を深めるべきではないかということ。当然、本検討会においても今後、受診率の向上に関する検討を開始するところですが、この点についてはいかがですか。
○松田構成員 祖父江構成員と同じような観点からお話をしたいのですが、今、受診率が非常に低いというときに、あとはHPV検診をどう取り入れようかというときに、いろいろな検診間隔というのが出てきますよね。毎年だとか、3年後、5年後。いみじくも産婦人科医会の先生方が若年で検診間隔を短くしようというときに、一度チャンスを逃すと次はかなり検診間隔があいてしまうのではないかと。それはかなり実態を表していて、受診歴をきちんと把握して、例えば、去年受診していない人にことし受診勧奨するとか、あるいは2年前に受けたので今度は受診勧奨なんだと、そういう体制ができていないからなのではないでしょうか。ですから、受診間隔をしっかり把握して、その結果に応じて次の勧奨をするという体制ができなければ、いろいろな間隔の検診を導入するというのは非常に難しくて、今でも2年に1回とか5年ごとのクーポン券とか、さまざまな間隔があるので、それが体制としてでき上がるようなものを考えていかないと、混乱のみが生じるような気がします。ですから、HPVを取り入れるかどうかというものとは別にして、いかに受診率を高めるかということを、受診歴をしっかり把握して、今度は職域の話が出てくるのかもしれませんが、すべての人たちに検診を案内するという体制がつくられないといけないと思っています。
○大内座長 お二方の意見についてはごもっともだと思いますが、別途、受診率向上に関する検討を早ければ次回から開催したいと思っているところですので、本日は子宮頸がん検診についてのHPV検査の在り方について議論を集約したいと思いますが、よろしいですか。
○祖父江構成員 もちろんそれで結構です。とにかく、受診率に関して大きな問題であるという認識を持っているということであれば、それでオーケーです。
○大内座長 それでは、HPV検査を対策型検診として実施すると仮定した場合、その方向に向けて議論すべき点が多々ございますが、いかがでしょうか。
○菅野構成員 市町村の立場から申し上げますと、正直費用が安くなるということだけで、相対の費用で十分やりたいという魅力はある部分があるのですが、そうはいえ、今、松田構成員からもありましたように、正直このまま導入したのでは、かなり現場の混乱というか、不利益が生じるのではないかと。結局、受診率につながるところだと思うのですけれども、HPV検査の方法・間隔がしっかり定まらないままにやった場合、恐らく受けた方は引っかかれば翌年受けるとか、3年後に受けるとか、それを自治体が管理してくれるのかどうなのか。また、1年後だと言われた方が、果たして1年後まで我慢できるのか。そういう点が、現場で一番困る点になってしまうのではないかと考えています。
○大内座長 行政的な市町村事業として今行われているがん検診の中で、このような検査がいきなり入ったとしたら相当現場は困るのではないかと。検診間隔を延ばすことによって、費用対効果がよくなるといった論点もございますけれども、今、菅野構成員からは、市町村事業としてやるには、まだ検討すべき課題が残っているということかと思いますが、いかがでしょうか。
 実施体制に関する問題のほかに、HPV検査の評価、現在の細胞診と比較してどうかということは、多くの参考人の方から意見がございましたので、そのデータに基づくと、世界各国の事情もその国それぞれで異なっていまして、HPV単独法であったり、あるいは細胞診との併用法であったりしております。それは基本的にはデータを拝見しますと、自国のデータに基づいて、その国にふさわしい方法で行っているという傾向が見られます。そうなりますと、我が国においてもこの導入の前にそういった検討も必要ではないかという意見もあるかと思いますが、いかがでしょうか。
○福田構成員 前回休んでしまいましたので既に議論があったのかもしれませんけれども、今、座長がおっしゃられたとおり、実際にこれを対策型検診としてやっていくにしても、やっていく中で検証していくようなことは今の段階だと必要かなという気はしています。そのときに、やり方を一通りに決めてやっていくのか、ある程度検証するとか研究の意味合いも含めて幾つかのやり方をやっていくのかを考えるのかが、ちょっとよくわからないのですけれども。
○大内座長 検討段階においてのある意味パイロット的なトライアル、その形も議論していくとよろしいということでしょうか。
○福田構成員 そうです。もし検証的なことを考えるのであれば、頻度とか対象なども幾つかのパターンでやってみるということもあるのではないかと思います。
○大内座長 従来、厚生労働省がこういったがん検診を導入する以前に、あるいは直前にいわゆるモデル事業として行ってきている研究事業がございますけれども、そういったことを思い浮かべられるかと思いますが、いかがでしょうか。
○菅野構成員 そうなりますと、改めて台帳の整備というのが同時に行われないと、結局、間隔や頻度が仮に決まったとしても、その後実行に移せないということになりますし、実際その研究を回すのも大変だと思いますけれども、その点を同時にやっていかなければ実際にはできないのではないかと思います。
○大内座長 まさしくそういった体制づくりも含めて、市町村で各自実施できるような枠組みを想定した上で、研究計画もある程度議論しておく必要があるかと思います。
○斎藤構成員 今、祖父江構成員のそもそも論から始まって、いろいろなことが語られましたけれども、検診というのは特にヨーロッパの成功例などを見ていますと、原則は、まず科学的根拠があった上で導入するわけですが、受診率対策、精度管理の方法、検診間隔や対象といった条件を全部整備して導入するというのが鉄則です。参考人も引用したECガイドラインの中にも、それが原則として述べられているわけです。きょうのこの論点を拝見しますと、そういう項目が順に並んでいますので、座長、僣越ながら、そういうおつもりで今進めているのだと思いますが、まずは前回議論ができなかった提示された科学的根拠に対して、この項目は非常によく挙がっていると思うのですが、これに沿ってまとめをすることを提唱したいと思います。
○大内座長 具体的にどの項目を今、確認しますか。
○斎藤構成員 やはりまずは、科学的根拠があるかどうかということですと、ここにあるように早期発見による効果、有効性があるかどうかということ、エンドポイント等々から始まって、それから一段下がった代替指標としての精度についてということがたくさん提示されましたので、それについてまず、先ほど御説明がありました資料のまとめをもとに議論をしていただければと思います。
○大内座長 事務局で作成していただいた資料2「HPV検査を子宮頸がん検診として実施することに関する論点案」に6項目書いてありまして、今、斎藤構成員が言われたように、まず有効性評価等について確認してはどうかということなのですが、これはいろいろな参考人の方からもいただきました、それから、直近のデータ等も見ますと大体整理はつくと思いますけれども、今ここで意見をいただくというよりは、これを整理していただくということでいいですか。それとも、もう一度議論を深めるということですか。
○斎藤構成員 これを拝見しての1つのディスカッションポイントは、参考人のプレゼンテーションにもありましたが、ほかのがんあるいは子宮がんも有効性評価の原則というのは共通で、死亡をエンドポイントとするということですね。しかし、子宮頸がんの場合はいろいろ特異性のある背景があって、前がん病変も相手にすると。ただし、前がん病変を相手にした場合には、国民にとってプラスになる面とマイナスになる面と、両方想定されると。そこで、どこで線を引くかというのが1つのディスカッションポイントになっていて、、国際的な標準はCIN3ということを明記してあるわけですけれども、御意見の中にはCIN1、CIN2というのもありましたから、ここをまずどうするか、エンドポイントについて整理するのがいいのではないかと思います。
○大内座長 大変重要なポイントですね。当該がんの死亡率減少効果のみならず、今回の場合はHPVワクチンによってCIN3以上を減少させるということが主立った流れかと思いますが、この点について今、斎藤構成員から言われましたように、いわゆる浸潤がんの罹患率の減少も目標とするということでよろしいですね。それをどのように皆さんお考えかということですが、祖父江構成員いかがですか。
○祖父江構成員 それでいいですけれども、それについてHPV単独とか併用とか細胞診単独でそれぞれどうなのかということを検討するという意味ですか。それでいくと、細胞診については幾つかのガイドラインで有効であることは確認されていますね。一方で、HPV単独というのは、どちらかというと評価不十分ということで余り推奨はされていないところですよね。併用に関しては、死亡率減少効果に関しては細胞診単独であるのだから、あって当然と言えば当然であって、あとは運用法というか、検診間隔に関して、効果を維持した上で間隔をどこまで延ばせるのかという検討だと思います。
○大内座長 現在の細胞診の検診そのもので死亡率減少効果は認められる。あとは受診率の問題に戻りますけれども、したがって、HPV検査といった場合には、基本的には斎藤構成員が言われたようなプラスアルファで浸潤がんの罹患を減少させるという観点も当然ながら入ってくるわけですよね、そういう理解でよろしいですか。そうであれば、CIN2、CIN3という議論がございますが、諸外国のデータを見ますと、CIN3以上というところに落ち着くかと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○斎藤構成員 問題は、CIN3以上となると通常の有効性を判断する場合に、単独の研究だけでは判断しないわけですが、そういったルールからいくと、祖父江構成員が言われたように、あまり証拠は十分ではない。ただ、CIN1、CIN2というものを重視していく立場からすると、そこで2番目のエンドポイントの感度が高い、ただし特異度は低いというようなことが出てきますね。そのあたりを勘案しないといけないのかなと思います。
○大内座長 今の御意見は論点案の2番目、感度・特異度。特異度が下がるということは不利益にもつながりますので、3点目にも入ります。それと実施方法についても、まさしくこの項目に合致する検討すべき課題なのですが。
○祖父江構成員 この点に関して今野先生からの発表ですと、感度に関して細胞診がどうなのかということがまず重要ですけれども、我が国のデータが余りそろっていない。ただ、今野先生の関係するところでは、かなり感度が高い数字が出ていましたので、この辺諸外国とはちょっと様相が違っていて、現状での細胞診の、やはり日本人のサイトスクリーナーの人たちのクオリティーが高いということがあるのかもしれませんけれども、そこをきちんと確認して、それが一様に高いのか、それとも地域によってはそういうところに問題があるのかということを、まずは日本のデータで確認しないと次に進めないような気がします。
○大内座長 日本のデータそのものを確認すべきという意見が出ましたけれども、これは事務局で確認できますか、あるいは学会レベルですか。
○事務局 既存のデータを手持ちでないので今すぐというのはちょっと難しいのですが、学会などがもしかしたらお持ちかもしれませんけれども、それも確認をさせていただきたいと思います。
○祖父江構成員 やはり新たな研究課題ではないですか。今野先生自身がよくわかっていないと言っておられますから、きちんとそれを確認する研究をしないといけないと思いますが。
○大内座長 少なからず細胞診による子宮頸がん検診というのが存在していて、それで死亡率減少効果が認められていることは確かで、ただ、感度・特異度といったデータが地域ごとにばらつきがあるのではないか、そのデータそのものを我々は見ることができないのではないかという国としての仕組みの問題まで今言われているわけですけれども、この検討会でそこまで見なければ次の議論に進めないというのは、ちょっと大変なことになりますが。
○祖父江構成員 感度を通常の精度管理事業として挙げているわけではなくて、研究的に計測をするものだと私は思っていますけれども、諸外国から出ている感度の値と、もちろん数値を比較するのはなかなか難しいですが、それと比較できるような日本の値を研究としてきちんと確認し、それについて検診機関ごとにばらつきがあるのか、ないのかというデータがないと、どのようにHPVを普及させていくのかという土台のデータが欠落していると思います。
○大内座長 わかりました。今後の検討課題として提案していくということでよろしいですか。研究の中に取り込んでいくということでまとめたいと思います。
 ほかに項目の中にここで議論すべきことが幾つかあると思いますが、いかがでしょうか。
○福田構成員 余り詳しくないので申し訳ないのですが、先ほどの参考人のまとめを拝見して1つ気になったのは、今野先生の発表の中で、HPVの検査ならどれでもいいわけではなくて、やり方はこれでなくてはいけないというような御提案をされたようですけれども、これは解決されているのですか。国際標準みたいなものがあって、それでやらなければというのであれば、そこは統一しないと感度・特異度を議論するのにも困るような気がするのですが。
○大内座長 ハイブリットキャプチャー法という提案がございましたね。それは具体的に方法までここで定める必要性があるかどうかもそうですが、斎藤構成員、何かございますか。
○斎藤構成員 今は新しい方法も開発されていますが、臨床試験をやっているのはハイブリットキャプチャーだと思います。例外はあるかもしれませんが。ですから、エビデンスとひもづけで考えればとりあえずはハイブリットキャプチャーということで議論を進めていいのではないかと思います。
○大内座長 道永構成員、何か御意見ございますか。
○道永構成員 結局、ワクチンを今女性が打っていて、その効果が出るかということもこれから検証しなければいけないし、HPVも今25〜30ぐらいの市町村でやっているということで、そこでどういった検証がされているのか。あとは人間ドックで結構やっていらっしゃるので、そちらの検証もできれば、ある程度決めるのに参考になると思いますが、それをどうやって手に入れられるのかがちょっとわかりません。
○大内座長 ただいま重要なポイントを指摘されまして、実施されているところもあって、そのデータも集めながら進めていくのがいいのではないかと。事務局にお聞きしたいのですが、このように何点かの論点として挙がっていて、研究デザイン的なものをお考えなのかどうか、既に提案されているのかどうか、そういったことも含めて構成員の質問に答える形で何かございますか。
○岡田がん対策推進官 逆に私どもとしては前回、先ほど御説明させていただきましたヒアリングを受けて、この検討会として今、この6点の観点を示させていただいているのですけれども、ここでそういった研究をすべきなのかどうなのかとか、どれくらいの規模というか、具体的なところまでこれだけの情報でこの場で検討というのはなかなか難しいと思いますけれども、そういった研究的なものが必要なのかどうかとか、これらの観点から今HPV検査というものをどう位置づけるのかというあたりを御議論いただければ、我々もそれを受けた施策を考えたいと思っております。
○大内座長 厚生労働省としては皆さんの意見を受けて、そういった研究を立ち上げることは前向きに考えているということですね。まずは、大きな課題でありますHPV検査をこの検討会の中でいきなり対策型検診とするには、議論すべき点あるいは精査すべき課題が多々あるということについては御了解いただけますか。対策型検診として導入するには時期尚早であろうと受け止めますが、よろしいですか。
 これから喫緊に解決すべき課題が幾つか挙がってきたと思いますが、そもそもの論点で祖父江構成員、斎藤構成員が言われたように、HPV検査の意義、受診率の向上施策も極めて重要ですけれども、従来からある細胞診の検診で死亡率減少効果が出ている等の原点に立ち返ってHPV検査の位置づけも、先ほど申しましたように、例えば、CIN3以上を発見することによって浸潤がんへの罹患を減少させるという新たな目標みたいなものが出てくると思いますが、そういったことでHPV検査の意義については皆さん了解ということでよろしいでしょうか。
 今後、検討すべき課題として論点案にあります6項目を研究課題として厚生労働省から課題解決に向けての提案をしていただきたいということでよろしいですか。
○菅野構成員 先ほどのところに話が少し戻ってしまうのですが、もし、やるとすれば、現場で実際にやるときのことも考えた研究フレームをぜひお願いしたいと思います。というのは、例えば、先ほどのハイブリットキャプチャー?のお話もありましたけれども、もし仮に型をタイピングをしないで現場で1年後だよと言われると、やはりみんな不安になってタイピングまでしてしまうのではないかという背景もあると思います。実際に自治体財政としても、タイピングされると2,000点とか保険点数にすると大分高い費用が出てくるといった面もありますし、再検査するのにそれだけの検査体制等がキャパシティーとして大丈夫なのかどうかもあわせてやっていただきたい。
 さらに、余り引き延ばすと導入を求める声がだんだん強くなるというのも実際のところなので、そこも含めて。自治体の立場とすると、なし崩し的に何となく始まってしまって、何がよかったんだろうということがわからないままにスタートするというのが一番よくないので、できれば現場のことを考えた研究フレームをお願いしたいと思います。
○大内座長 ありがとうございました。市区町村がきちんとマネジメントできるような体制ということですよね。実際に検診費用が発生いたしますし、それから、マンパワー的な問題もございます。そういったことから現場に即した研究も同時にしてほしいという御意向ですが、よろしいでしょうか。
○斎藤構成員 それはもちろん重要なことなのですが、それ以上に最も大切なのは、やはり国民にとって利益は本当に最大化できるかという観点で、それで実際に実行可能性があるかということだと思います。
 それで、あえてこの論点について私なりに前回の資料のまとめを言わせていただきますと、エビデンスについては、まず大事なことは祖父江構成員が言われたように、細胞診について確固たる、動かしがたい証拠ががん検診の中で最もあり、しかも、インパクトも大きい。ですから、新しい検査に変える、あるいは併用するということになると、その上乗せのメリットがあるかどうかということになります。そうしますと、提示された現在あるエビデンスは、そういう意味では死亡率をエンドポイントとしたものが1つありますが、先進国には適用できないというようなお話がありました。それから、浸潤がんを減らすという一研究もインパクトに限界があるし、もう一研究はまだ結果が出ていないということもありました。ですから、ほかに今発している研究の結果も見る必要があるだろうというまとめかと思います。
 ただ、はっきりしているのは、前がん病変をターゲットにするにしても、標準のCIN3にしてみると細胞診と差がない、ほとんど同じだということがある一方で、青木参考人の資料を9ページを見ますと、要精検率が非常に高く、特異度が低い。これは実は、3番目の項目に不利益が挙がっていますが、不利益として最も国民の割合的に影響する。となると、やはり不利益は相当ある可能性があるということです。そこで、実態を示すような日本津々浦々のデータが全く欠如していることは非常に問題で、菅野構成員から出たような問題も含めて、これを実際に導入するときの問題としては非常に大きいのではないかと思います。
○大内座長 今、斎藤構成員から、もう一度振り返って細胞診によっての死亡率減少効果が出ていると。今回のHPV検査がどういった利点をもたらすのか、逆に不利益についてしっかりと国民の利益になるような形にするにはどうしたらいいかということですね。最近では、がん検診については死亡率減少効果のみならず、不利益をいかに減らすかということが国際的な議論になっておりますので、このHPV検査の大きな問題点は、やはり特異度が低いということですね。陽性率が高くなって不要な検査あるいは精神的な不安ということが多くありますので、それはごもっともな意見かと思います。
○斎藤構成員 ちょっと言い足りなかったのですが、一方、期待できるHPV検査のメリットというのは、かなり大きなものがあります。検診間隔を延ばすとか、年齢上限が定められるとか、この辺が一番のアドバンテージだと思います。それに関しては、なおさらまだ全く証拠がない。世界的にも不十分ですし、我が国では全くない。ですから、今入れると不利益ばかりをかこつということになりがちだということを先ほど申し上げました。それで、もし入れるのであれば、やはり最大限にアドバンテージが生かせるような下準備をしてからというのが私の意見です。
○大内座長 松田構成員どうぞ。
○松田構成員 先ほど祖父江構成員が感度の話をされたのですけれども、感度・特異度についても、従来の細胞診だけではなくてHPVを併用した地域における成績も、例えば、通常感度を求めるときは、がん登録と照合ということだと思いますが、ただ、子宮頸がんの場合は、勝手な言い分かもしれませんけれども、私自身は特殊だと思っているんです。婦人科以外でほとんど診断がされないのではないかと思っているので、もしかしたら違っているかもしれませんが。そうすると、例えば、婦人科医会の先生方がデータを集められると、感度・特異度というのは、ほかのがんと比べると実はかなり正確に把握できるのではないかという気がするので、今までのデータでも出せるのではないかと期待しているので、ぜひお願いしたいと思います。
 繰り返しですが、子宮頸がんは胃がん、大腸がん、肺がんと比べて極めて特殊ではないかと思っていますので、ぜひお願いしたいと思います。
○大内座長 データの収集・解析については、今の松田構成員の御意見のとおりでして、そういった形で集約していただきたいと思います。これは事務局のほうでも、できることについてはお願いしたいと思います。
○祖父江構成員 研究が必要というのはそうなのですが、研究にそんなに時間をかけてゆっくりやっているわけにもいかないですよね。なので、死亡率減少効果を実測しますみたいな話はなくて、感度・特異度、CINステージ別にはかるというようなこと、更には生存率などを吟味して、ある程度モデリングとか組み合わせて証拠を積み上げていくというアプローチが必要で、それによって評価をできるだけ早く行うことが必要だと思います。なので、そのあたりは婦人科の先生方ときちんと議論して、工夫した研究計画が必要だと思います。
 それから、検診の間隔をあけて累積の受診率を上げるというのは、世界的にはそういう方向なのですけれども、日本で本当に定着しているのかと言われると、なかなかそうではなくて、住民の方々もそうですし、産婦人科だけではなくて医療者側も意識改革が相当必要だと思うんです。そこに関しても研究的なアプローチが必要で、どうやったら医療関係者を教育できるのかということも同時に進めていかないと、単に間隔をあけましょうでいくと、またえらい騒ぎになるというか、前の子宮頸がんの毎年やっていますというのを2年に1回にした際に、物すごくフリクションがありましたよね。ああいうことがまた起こるような気がして、今回は今野先生や産婦人科の先生方から検診間隔をあけるという提案をされたのは物すごく画期的なことなのですが、参考人になられる方々は割とその辺の理解は進んでいる方だと思うので、そういうものを医療関係者に定着・普及させるためにはどうするのかというようなことも同時に研究的な課題ではないかと思います。
○大内座長 2点ほど今、提案がございましたけれども、研究に関しては迅速にそう長くなく、恐らくは2年間とかそういう間隔で行っていただきたいということで、そこで見えてくるデータがあるかと思いますけれども、今、述べられた検診間隔は平成16年でしたか、乳がん・子宮頸がんの見直しがあったときに逐年検診から隔年検診に移行しました。そのときにも議論があって、もちろん欧米のデータ等と見比べて、さらに日本の罹患率を見た上で隔年検診にすると、前のがん検診に関する検討会での中間報告があったわけです。今回も同じように我々が提言をまとめるときには、そういったことにも配慮しなければいけないということです。今の祖父江構成員の御提案は、検診間隔を延ばすことの理由も研究対象ではないかということですね。
○祖父江構成員 理由というか、それを理解していただくには、どうするのかです。それが最終的には死亡率を下げるとか、浸潤がんの罹患率を下げるために効果的・効率的なやり方なんですよというのをわかっていただけていない場合が割と多いので、そういうものをわかっていただくにはどうするかということです。それは医療関係者だけではなくて、住民の方あるいは検診機関で働いている人たちにもきちんと理解してもらわなければいけないところだと思います。
○大内座長 この件は、ほかのがん検診についても同じことかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 そろそろ議論をまとめさせていただきますが、今まで構成員の皆様からいただきました意見としまして、今後国としてしっかりデータを広く収集していくことで、HPV検査を対策型がん検診として全国で広く実施するか否かについては、更に検討をすべきということかと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、きょう御意見がございました、それから、前回の参考人からの聴取もございましたので、この論点案に沿ってということになるかと思いますが、本日の御意見を踏まえて中間報告書の案を事務局に作成していただきたいと思いますが、よろしいですか。次回に中間報告書の案をお示しして、また御議論いただくことにしたいと思います。
 それでは、ちょっと話題が変わりますが、現在、健康局長の通達で出されている参考資料がございますけれども、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針についてとありますが、この点について少し改めるべきではないかという御意見もございます。名称変更や報告様式の統一の案について事務局から御説明願います。
○事務局 それでは、資料3について説明いたします。あわせて参考資料もごらんください。まず、指針の中の文言ですとか構成について変更したほうがいいのではないかと思われるところを御説明いたします。
 まず、1点目として、参考資料の1ページをごらんいただきますと、下線を引いてございますが、「子宮頸がんと活発な性活動との関係の理解等について」ということが、がん予防重点健康教育の実施内容として含まれているのですが、ここは子宮頸がんと例えばヒトパピローマウイルスの感染との関係の理解などに変更してはどうかという提案でございます。
 2点目といたしまして、2ページ目に「第3 がん検診」に「?子宮がん検診」とあるわけですが、この内容は、ほぼ子宮頸がん検診と体がんの細胞診の内容いずれも含まれているのですけれども、全員の方に実施するのは子宮頸がんの検診ということですので、ここは「子宮がん検診」を「子宮頸がん検診」に変更してはどうかという提案でございます。
 3つ目といたしまして、6ページをごらんいただきたいと思います。「3 子宮がん検診」とありまして、「?子宮がん検診の検診項目は、問診、視診、子宮頚部の細胞診」とありまして、「?問診の結果、最近6月以内に、不正性器出血、月経異常及び、褐色帯下のいずれかの症状を有していたことが判明した者に対しては、子宮体がんの有症状者である疑いがあることから、第一選択として、十分な安全管理の下で多様な検査を実施できる医療機関への受診を勧奨するものとする」とありまして、?が子宮頸がんに関する記載、?が子宮体がんに関する記載となっています。これ以降も指針の中で、子宮頸がんの検診の記載と体がんの記載がまじっているような状況ですので、ここは「子宮がん検診」という項目を「子宮頸がん検診」に改めて、それに伴って、子宮体がんの細胞診の記載がまじっているところをまとめまして、16ページ以降に「がん検診実施上の留意事項」をまとめていまして、この中では子宮がん検診の子宮体部の細胞診の実施について詳細に説明していますので、こちらにひとまとめにしてはどうかという提案でございます。
 次に、話が変わりまして、子宮頚部の細胞診の結果の分類などについてです。同じく参考資料の7ページをごらんください。子宮頚部の細胞診の結果の分類についての記載がありまして、子宮頚部の細胞診の結果は、細胞診のクラス分類またはベセスダシステムによって分類することとしていますが、これを原則ベセスダシステムのみにしてはどうかという提案でございます。
 ベセスダシステムについては、資料3に説明しています。簡単に説明いたしますと、まず、細胞診のクラス分類というのは、細胞診の結果を?〜?のクラスに分類するもので、日本では日本母性保護医協会、現在の日本産婦人科医会が作成したいわる日母分類が広く用いられてきたということです。
 一方、ベセスダシステムは、アメリカにて子宮頚部細胞診の報告の用語があいまいで、臨床的な取り扱いに混乱が生じていたということで、1988年に策定されたものとのことです。こちらについては、2001年に改訂が行われて、ベセスダシステム2001が広く用いられているとのことです。日本においては、日本産婦人科医会が日本産科婦人科学会で、日本臨床細胞学会、日本病理学会、日本婦人科腫瘍学会からの専門家も召還したワーキンググループにて検討が行われ、子宮頚部細胞診の報告様式を、先ほど御説明したいわゆる日母分類からベセスダシステム2001準拠子宮頚部細胞診報告様式に改定しています。これは2008年です。
 この改定の必要性について日本産婦人科医会は、1つ目が、検診の精度管理のため、単なる?〜?のクラス分類ではなくて推定病変を記述する必要があるということ。標本の適正と不適正を評価して、不適正標本をなくす必要があるということ。また、診断困難な異形細胞に対して、新しい分類を設ける必要があるということ。子宮頸がんの発がんにおけるヒトパピローマウイルス関与のエビデンスを取り入れる必要があるといったことを改定の必要性として挙げています。
 厚生労働省健康局長のがん検診の指針においては、2008年3月の改定時から子宮頸部の細胞診の結果は、細胞診クラス分類またはベセスダシステムにより分類することにしています。
 3ページにはベセスダシステムの概要をお示ししています。先ほど御説明しましたとおり「1.標本の種類」の次に「2.検体の適否」がありまして、検体の適正・不適正を評価することになっています。また、細胞診の判定結果は表のとおりでございます。
 今御説明しましたベセスダシステムですが、今まで細胞診の結果は細胞診クラス分類またはベセスダシステムによって分類することとしているけれども、今後は原則ベセスダシステムのみとしてはどうかという御提案です。
 また、ベセスダシステムに伴って検体の適正・不適正の分類がベセスダシステムにありますので、不適正検体であった場合には再度、細胞の採取をすべきであるといった旨を指針の中でも明示してはどうかと思っております。
 以上が御提案でございます。
○大内座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から資料3と参考資料に基づいて御説明がありました。1つ目が、がん検診指針の文言及び構成についてということで3点述べられています。次に、子宮頸部の細胞診結果の分類等についてということで、ベセスダシステムによって分類にすることという2点の提言ですが、いかがでしょうか。
○松田構成員 今の2番目の分類の件ですけれども、従来は日母分類で今はベセスダシステムが使われているわけですが、原則ベセスダシステムの「原則」というのは、そうでないものも受け入れると実は受け取れなくもない。私どものところも今、日母分類とベセスダシステムの併記でしているんです。ですから、これは「ベセスダシステムのみ」と書くと何かしら問題があるのでしょうか。婦人科の先生方は、既にベセスダシステムにしないといけないという通達を受けているとお聞きしています。ですから、この「原則」という言葉をとると何か問題があるのでしょうかという御質問です。
○事務局 こちら「原則」と記載いたしましたのは、自治体の方々からお伺いするところによると、細胞診クラス分類のみを用いている自治体がベセスダシステムに急に変更するのは、なかなか難しい面もあるということで、ベセスダシステムの方向を示しつつも「原則」という言葉を残していますが、産婦人科医会や産婦人科学会としてはベセスダシステムに一本化するということを伺っていますので、そちらの方向もあるかと思っておりまして、また検討させていただければと思います。
○大内座長 菅野構成員いかがですか。
○菅野構成員 実際、八王子も実は今年ベセスダシステムにようやくなったのですが、括弧でクラス分類を書いておりまして、やはりそういった併記の期間がないと、実は先生も説明するときに、あなたは?aですとか、そういう言い方になれてしまっていて、現場でいきなりHSIL(ハイシル)だよとか何とか言われてもわからないと思いますので、基本はもうベセスダなのですけれども、括弧で書くようなことはしばらく続けないと、現場が混乱するのではないかと思います。
○松田構成員 日母との併記という時期が、実は移行期間があったような気がします。ですから、もう婦人科の先生方はベセスダが当然だとお考えになっていて、ぜひやめてほしいという意見も実は婦人科の先生からはあったんですね。ですから、まだ現実にはそれが難しいということであれば、原則というのはほかも受け入れるという言葉になるわけですので、そうでないと実際にできないという状況であれば、それはいたし方がないかなという気もいたしますが、もうとってもいい時期かなとも思います。
○大内座長 この「原則」という言葉をどう理解するかによりますけれども、平成16年度の中間報告書は、また乳がんと子宮がん検診の見直しに戻りますが、あのときも乳がん検診についてマンモグラフィ検診の導入を40歳までということを明記したわけですが、そこに「原則」と書いてあったんですね。それはなぜかと言いますと、まだマンモグラフィ検診の体制整備ができていなかったということで、平成17年、18年の2カ年にわたって厚生労働省が健康フロンティア戦略ということで基盤整備を行った。そういったことを見据えながら「原則」という言葉を使ったわけですけれども、今の松田構成員のお話だと、もう産婦人科医会等から既にベセスダのみでいきたいというような意向もあるということですが、それは確認させてください。それを事務局で確認していただいて、「原則」を外すかどうかについては精査していただく。菅野構成員からの意見にありましたように、国民にとって混乱のないように、特に市町村事業で行っているがん検診におかれては、移行期については配慮するということでいかがでしょうか。
 ほかにこの項目等の変更について、いかがでしょうか。これは健康局長からの通達が変わるということになりますけれども、先ほどの説明を踏まえてもう一度文言整理していただいて、次回に再度提案していただけますか。
○祖父江構成員 今、子宮体部の細胞診をどういう位置づけでやっているのかは割と微妙なところで、不正性器出血等がある有症状者に対してやっているという点では、検診というよりは日ごろ婦人科に行きにくい人の拾い上げみたいな形でやっているという認識だったので、本来検診という形でやっているのは子宮頸がんであるということで、子宮頸がん検診と名称を変えるのは私も賛成なんですけれども、では、子宮体部の細胞診をどう扱うのかも、この際はっきりしたほうがいいのかなという気もします。余りこれは検診的ではないですよね。どうするのかは難しいところではありますが。
○大内座長 皆さん御記憶にあるかどうかわかりませんが、平成13年度でしたか、久道茂先生が座長をされていた、がん検診の有効性評価でこの点が議論された経緯があって、子宮体部のがんということで、有症状でいろいろな議論の末にこれが入ったと私は記憶しています。ですから、祖父江構成員が言われるのは、見直しを今回考えたらどうかという御提案ですね。
○祖父江構成員 純粋に無症状の人に対して子宮体部の細胞診を行うことについての死亡率減少効果とか有効性に関して言うと、これは効果がないと世界的にはなっていますし、久道さんの中でもそうなっていますか。なので、検診として無症状の人に対して行う子宮体部細胞診というのは、ちょっと待ったという感じではあるんです。
○斎藤構成員 記憶に間違いがなければ、平成16年、平成19年頃の検討会でも話題になって、これは検診ではないという議論になったように覚えていますが、この件に関しては、私もできれば外したほうがいいと思います。前回のがん検診に関する検討会でも、そういう議論があったと思います。理由は、国民生活基礎調査によると、検診等を受けない人の理由の主たるものが、症状がない人が受けるということに対する誤解なんです。症状が出てからも遅くないと。そうすると、こういう有症状者を対象にした検診を加えていますと、この誤解が正されないのではないかと思います。ほかのがんに対して人知れず悪い影響を及ぼす可能性がありますので、この際もし可能であれば、やはりすっきりさせたほうがいいのではないかと思います。
○大内座長 この件は大事なところでもありますので、指針の中に書き込まれているところですので検討していただいて、次回に改正案を出していただければと思います。子宮体がんの細胞診の実施に関する件については、もう一度、祖父江構成員あるいは斎藤構成員とも相談されて、案をまとめられて次回提出ということでいかがでしょうか。
○祖父江構成員 だから、どういう基本スタンスでいくのかを確認しないと、なかなか案も出せないのですけれども、純粋に検診という行為だけを含めるような形にするのであれば、子宮体部の細胞診というのは余り適さないということなので、外すということになるかもしれませんし。
○大内座長 その意向をくんで私は提案しているのですが。よろしいでしょうか。
○事務局 子宮体部については祖父江構成員の御指摘のとおり、いわゆる検診というものではなくて、あくまで症状があった場合にこういうことをしてくださいという、いわゆる留意事項という形で書いておりますので、例えば、肺がん検診についても、レントゲンを見たときに結核などが疑われる場合には、適切な治療をしてくださいというような形で留意事項を書いておりますので、書きぶりについてはまた御相談させていただきますけれども、いわゆる検診としてやっているのではないという誤解を生まないような形で明確に記載する形で御相談させていただきたいと思います。
○大内座長 1つの提案は、参考資料にありますように、本体に書いてあるものが問題だということで、別紙には留意事項がございますので、そこに書き込むような形もあるかもしれません。つまり、がん検診は無症状な方ということが前提になると思いますので、斎藤構成員、祖父江構成員の御意見ももっともだと思います。そういう観点から整理し直していただければと思います。
○菅野構成員 これは蛇足になるかもしれないですが、現場で第一選択としてとなっていることが受診者にとって、その病院では腕がないみたいな話にとられてしまって婦人科の先生が困ると。なので、この選択があっても結局は、体部は出血があれば基本やるんだという形に解釈してしまって、検診の中に取り込んでやってしまうという解釈がかなり固まっているので、今、事務局からもありましたように、そこは検診ではなくて、この先医療ですよという線引きはきっちりしていただいたほうが、現場で混乱が残らなくていいかなと思います。
○大内座長 貴重な御意見ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 では、全体を通しまして御質問ございますか。
○菅野構成員 もう一点ですが、不適正検体の扱いのお話ですけれども、自治体によって異なるのですが、現在でも不適正の場合は自治体が負担するのか、検診機関側がやるのかということがあるのですけれども、このことは採取すべき旨を明示ということになりますと、おのずと整理がされるという理解なのでしょうか。
○岡田がん対策推進官 この指針の位置づけですけれども、技術的な指針を示しているものですので、それを自治体の中でどのように運用されるかというのは、個々の自治体の御判断になるだろうと思います。
○大内座長 ほかに御意見ございますか。
 それでは、そのほか事務局から連絡事項等がありましたら、お願いいたします。
○岡田がん対策推進官 長時間の御議論どうもありがとうございました。次回の検討会の開催につきましては、日程調整の上、早急に御案内させていただきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○大内座長 それでは、本日の第3回のがん検診のあり方に関する検討会は、これにて終了いたします。皆様、御苦労様でした。


(了)
<照会先>

健康局がん対策・健康増進課

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