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2013年2月19日 第5回再生医療の安全性確保と推進に関する専門委員会 議事録

医政局

○日時

平成25年2月19日(火)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省(18階)専用第22会議室


○出席者

永井委員長、位田委員、伊藤委員、梅澤委員、掛江委員、澤委員、辰井委員、中畑委員、野村委員、早川委員、前川委員、町野委員、松田委員、宮田委員、大和委員

神田審議官、鎌田経済課長、佐原研究開発振興課長、荒木再生医療研究推進室長
松岡医薬食品局総務課長、赤川審査管理課長

○議事

○荒木室長 定刻となりましたので、第5回厚生科学審議会科学技術部会 再生医療の安全性確保と推進に関する専門委員会を開会いたします。先生方にはお足下の悪い中、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
 本日は、社団法人日本医師会常任理事の今村定臣委員、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長の西川伸一委員、全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人である花井十伍委員から御欠席の御連絡を頂いております。また、位田委員が少し遅れられているようですが、現在、18名の委員のうち、14名の委員に御出席いただいており、本会議は成立しておりますことを申し上げます。
 メディアの皆様におかれましては、頭撮りはここまでとさせていただきます。それでは、座長の永井先生に司会をお願いしたいと思います。
○永井委員長 それでは議事に入ります。初めに資料の確認をお願いいたします。
○荒木室長 それでは、お手元にお配りしました資料を御覧ください。議事次第、座席表、委員名簿とあり、続けて資料となります。今回は資料が1と2ということで、資料1が前回の論点メモを少しバージョンアップした「これまでの議論のまとめ」、そして資料2がそれに類する参考資料となっております。それ以外に参考資料1から5ということで、紙ファイルで配布しておりますので、こちらの参考資料につきましては、委員会終了後、机上に置いたままで、お持ち帰りにならないようにお願いいたします。以上でございます。過不足、落丁等ありましたら事務局までお申し出ください。
○永井委員長 ありがとうございました。では、議事に入ります。前回の専門委員会で御議論いただきました、再生医療の安全性確保と推進のための枠組み構築につきまして、事務局において前回の議論を踏まえて、再度まとめ直しをしていただいております。前々回から議論しておりますので、長文になりますので、項目ごとに議論を行いたいと思います。なお、これまで比較的御議論いただいた項目1、2については短時間とさせていただき、討議がまだ十分でない項目3以降につきましては、十分な時間をかけて御議論を頂きたいと思います。では、最初に事務局から項目1、2についての説明をお願いいたします。
○荒木室長 それでは、前回の議論を踏まえまして、再度まとめ直しました資料1の「議論のまとめ」と資料2の2つを合わせながら御説明させていただきます。なお、後で出てくる部分で一部まだ御議論が不十分な部分についても、4回の議論の中で、議論のたたき台として案文を作成しているところもあります。これはあくまでも議論の素材として整理したものでありますので、委員の皆様方にはその点について御理解いただき、より深く検討を頂きたいと思います。
 それでは資料1ですが、資料2を横目で見ながら、第1の柱の「再生医療の安全性確保と推進のための枠組みの必要性・構築の目的について」です。前回の資料と変えましたのは、論点を最初に出させていただきました。こちらで明確にさせていただいた上で、これまでの議論と主な意見を書かせていただいています。
 まず、「ヒト幹細胞等を用いた医療の実施に当たっては、現行の制度上、大きく以下の3つの枠組みで安全性等を確保する形となっている」と。資料2の参考1は、第1回目のときに出させていただいた資料です。日本では大きく3つのトラックがあります。薬事法に基づく治験、ヒト幹指針に基づく臨床研究、自由診療。この3つのトラックのうち、特に??、すなわちヒト幹指針と自由診療の部分の枠組みについて、現状を踏まえた課題を抽出し、議論を進めて以下のような意見が出されました。意見ですが、これまでの繰り返しになっておりますが、一番上はアカデミアの立場、さらには患者の立場、そして産業界の立場、それぞれルールがあったほうがいいだろうということ。一方で個別の医療の内容というのは、臓器移植法等、例が少ないのだけれども、国策として推進する観点から、枠組みも必要ではないかという御議論もありました。
 次ページ、方向性です。再生医療の実用化を推進し、国民が迅速かつ安全に再生医療を受けられるようにするためには、実効性のあるルールが必要であり、そのために必要な措置を行うことを目的とした法整備を検討すべきであるというような方向性を書かせていただいております。
 続きまして、2の「対象範囲・定義」です。これはかなり御議論をずっとしていただきました。論点としては、「法的な枠組みの対象となる医療の範囲をどこまでとするか。また、それをどのように定義するのか」と。
 こちらのほうは、資料2の参考2-1、2-2辺りが第2の柱に対応している資料となります。法的な枠組みの対象となる医療の範囲をどこまでとするか、あるいはどのように定義するかについては、他国との比較、あるいは国民から見た場合の分かりやすさ等の観点から議論がなされ、以下のような意見が出されたということです。こちらも議論をかなりされておりますので、簡単に言いますと、セルセラピーという形にするのが妥当ではないかと。細胞というのは、一般の低分子化合物と違うという特徴を有していることから、細胞を用いた治療を基本とすることは妥当ではないか。その際に治療目的でないものも、やはり美容整形等というのは対象範囲に含める必要があるのではないかという御議論。前回御質問の中でありましたが、薬事承認されたものとか、あるいは治験中のものをどう扱うか、この辺りは例えば二重の規制という観点からも除外するという考え方もあるのではないかということで、事務局で少し加筆させていただいております。
 さらには「再生」という言葉があまりにも期待が大きいということで、その辺りについては、科学的に適切な表現を明確に定義する必要があるということ。一方で再生医療というのは非常に国民に浸透しているということを踏まえて、リスクコミュニケーションの前提としても、国民に非常に分かりやすい名称を検討する必要があるのではないかということです。方向性ですが、安全性確保のための法的枠組みを対象とする医療は「細胞」を用いる医療であり、一般の医薬品・医療機器と異なる細胞特有のリスクを基本にすれば、細胞を用いる治療を基本とし、治療でなく、美容目的等で同様の技術を用いる医療も含むものとするとさせていただいております。
 名称につきましては参考の2-2の枠ですが、細胞を用いる治療目的の医療であるもの、それが再生するかどうかという、大きく2つの軸があると思いますが、再生医療と細胞治療の両方を包括する概念であること。そして、国民の理解を得るためには、「再生医療」の用語を一般的に用いられていることにかんがみ、本報告では便宜的に「再生医療・細胞治療」として、以降の記載において用いさせていただきたいと思っております。なお、法文上の名称につきましては、別途法制的な検討が今後必要なことに留意すると考えています。説明は以上です。
○永井委員長 いかがでしょうか。
○大和委員 最初のところにもあります3月30日通知に対する考え方について質問させてください。この通知はかなり良く書き込んであります。必ず臨床研究からやってくださいなど、自由診療的なものに対しても、かなり制限を加わえています。現在検討中の法律ができたあとでは、この通知のあつかいはどのようになるのでしょうか。
○荒木室長 今の形式上、3月30日通知については、医政局長通知ということで、地方自治体に対する助言という形になっています。当然これを作る際には制度的枠組み検討会で議論をされて、先生が今おっしゃいましたように、原則やはりやるのであれば、臨床研究から始めるという内容になっています。今回も法律的な枠組みとして、それに基づいたガイドラインとか、あるいは政令というような形で定めていきますので、そういう場合に、二重に同じようなものがあるということについては、そこは排除する必要があるかもしれませんので、改廃という形になる可能性はあると思います。
○大和委員 もう一点。現在薬事法の改正も進んでいるというように承っておりますが、「本報告では便宜的に再生医療・細胞治療とし」と書いていますが、そちらのほうではどうなっているのでしょうか。
○松岡課長 薬事法の文言につきましても、こちらの文言と平仄を合わせていくということが基本でして、現在検討中の用語としては、「再生医療・細胞治療製品」という名称で使いたいと考えています。
○大和委員 分かりました。
○永井委員長 ほかに。
○伊藤委員 ちょっと分からないことがあるので教えていただきたいのですが、方向性のところで、「長期にわたる人体への影響の可能性がある」というように書かれていますが、「人体」というのは、その治療を受けた人だけのことなのか、長く、もっとほかにも影響が出るという意味なのか、この「長期にわたる」というのも、どのように関わってくるのか教えていただきたいと思います。
 2点目は、この遺伝子治療というのは、この範囲の中に入るのか、入らないのか。あるいは当面の課題だと思いますが、生殖医療というのも対象になるのかならないのかということについて、教えていただきたいのですが。
○荒木室長 大きく3点の御質問を頂きました。まず長期にわたるということで、こちらに書いておりますのは、細胞がそこで増殖するということですので、そこで腫瘍化、がん化と呼ばれるものについても念頭に置いて「長期にわたる人体への影響」と。多分、伊藤委員が御指摘の「長期にわたる」というのは、例えば生殖細胞系列に遺伝するみたいな、そういうイメージも含めてなのかなと思いますが、まず、第一義的には腫瘍化を念頭に置いた文章にはなっております。
 さらに、遺伝子治療が対象になるかどうかということで、現行は遺伝子治療については別途指針のほうで定めて、そちらのほうでチェックをされておりますので、そこについて直接的には対象にはならないのかなと思いますが、しかしながら細胞を用いて、その細胞に遺伝子導入をして使うというような加工の仕方があれば、それは細胞を用いた医療ということですので、対象になると。なるものとならないものがあって、遺伝子治療といっても全てが対象になるわけではなくて、細胞に遺伝子操作を加えて、それを移植するというものについては対象になると。生殖補助医療につきましては、そもそもが治療であるのかというような概念もありますので、現行では対象にならないのかなと事務局では考えております。また、今日は今村委員はいらっしゃいませんが、別途御検討されている部分もあると伺っています。
○宮田委員 ちょっと整理のためにお尋ねいたしますが、この2番の「対象範囲・定義」についての中で、「薬事承認されたもの、あるいは薬事法に基づく治験中のものについては、二重の規制という観点からも、対象から除外するという考え方もあるのではないか」という論点が出されておりますが、私の整理では、この法律というのは、治療という行為を対象にしているのではないかと思っていて、薬事法というのはモノといいますか、つまり対象物である再生医療・細胞治療製品ではないかと思っていたので、これは排除の対象ではなくて、概念の中で整理をして、主に製品という概念で、この法律の中で製品の概念にも実は規制を掛けようとしておりますので、そこは排除ではなくて、ある枠組みの中で、この製品に関してはこの法律で担保するという書き分けでいいのではないかと思っております。以上です。
○荒木室長 貴重な御意見ありがとうございます。確かに細胞をモノというか製品として考えた際には、薬事のルートもありますので、その際には重複感がありますが、医療技術としてそれが使われる、あるいはそれを研究や治験で進めるということであれば、安全性確保という観点の当方での枠組みで整理をするということだと思います。
○早川委員 今の遺伝子治療のところです。遺伝子治療に遺伝子治療薬、ベクターを作って、それを直接、人に投与するのは、細胞を使いませんので、自動的に範囲外にいくのかもしれないですね。もう1つは、ex-vivo遺伝子治療といって、人の体内からリンパ球等を取り出してきて、それにベクター、目的遺伝子を入れて、それを人に返していくときは、確かに細胞を結果的に返すことになるのですが、事務局は、そちらのほうはこちらの議論で扱うという趣旨で先ほどおっしゃったのでしょうか。確認です。
○荒木室長 同じ細胞を使うということであれば、例えばiPS細胞は昔は遺伝子導入をして作っていたので、同様に遺伝子治療のありようとして、細胞に遺伝子を導入して加工して使うというものについては除外するのは難しいのかなと思いまして、そういう説明をさせていただいております。そこは御意見があれば是非、頂きたいと思います。
○早川委員 意見ということではなくて、明確に区別しておかないといけないのは、iPS細胞というのは、原料を作るための遺伝子操作なのです。先ほどのex-vivo遺伝子治療というのは、それ自体が一種の医薬品の扱いとして遺伝子を使うということで、どのように扱うかは別として、そこら辺は明確にしていただいたほうがいいと、そういうことだけです。
○掛江委員 生殖補助医療の先ほどの御説明に関して少しだけ確認というか、御説明をお願いしたいのですが、生殖補助医療の領域の中で、細胞治療的なというか、今後研究的なことがされる場合には、一部こちらの対象になる可能性もあるような理解でよろしかったですか。それとも切り分けをしておられるという理解をしたほうがよろしかったですか。
○荒木室長 生殖補助医療も多分いろいろな様態がありまして、直接、例えば狭義の生殖補助医療として、卵子と精子を体外に取り出して、IVFETというか、体外受精をさせると。こちらについてはかなりたくさんの例がありますが、ここは厳密に言うと細胞の治療ではないはずですので、対象にならないかなと思います。今、掛江委員がおっしゃられたように、例えば卵巣機能を改善するとか、あるいは精巣機能を改善して、精子が作れるようにするような治療的なものについては、対象になる可能性はあると思っております。
○澤委員 これも確認です。細胞を用いる医療という観点で、範囲を書いていただいていますが、その意味は、もちろん細胞を一旦体から出して、何も培養せずに、加工せずに戻す場合も、輸血以外はこの範疇に入るのかどうか、その辺りはいかがでしょうか。
○荒木委員 そこは、今回の論点のところの御意見としては一番最初でございます。ミニマリーマニピュレーテッドについても、そこをどう考えるかというのは、たぶん今後細かいところの議論になると思います。例えば細胞をそのまま取り出して洗浄だけして戻すみたいな、今おっしゃられたように、赤血球というだけではなくて、例えば大きく言えば臓器移植とか、組織移植的なところも、そのまま加工をせずに戻すというものについては、手が加わっていないということであれば、他国の例も考えると、対象にならなくてもいいのではないかというようには思っています。そこは逆に御意見を賜れればと思います。
○澤委員 体の外に一旦出すと、要するに生理的でない条件に持っていってしまうので、たとえ何もしなくても、臓器移植とは少し違うとは思うのですが、品質の管理的なものでいうと、体にまた戻すのですから、そこは入ると思います。ミニマリーマニピュレーテッドの「ミニマリー」の中には、一旦体の外に出して、非生理的な状況にさらしただけでも、やはり適用だと考えているのですが。
○中畑委員 その問題は造血幹細胞移植、前のヒト幹の指針のときにも議論があったのです。造血幹細胞移植では骨髄を取り出して、それを培養液の中に入れて保存して、ある程度ためて、最終的に遠心をして、患者さんに戻すのです。確かに幹細胞をある程度体外でマニピュレートはしますけれども、ただ、もう既に一般的な医療となっていまして、世界的にたくさん行われていますので、そういった一般的な医療でも、特に保険収載まで認められているようなものは対象としないということで今まできましたので、それを踏襲したほうがいいと思います。
○前川委員 今の中畑先生、澤先生の御意見なのですが、例えば自家の骨髄移植などは、一旦外へ出して、それからまた入れるわけです。これに関しては、いま中畑先生がおっしゃったように、日常診療としてやられていることで、一旦外へ出して、また体に入れても、例えば骨髄移植の場合は、出した細胞の持つ造血幹細胞としての性格を期待して入れるわけですよね。ところが、そうではなくて、取り出した血液細胞を例えば神経にしようと思って入れる治療は、単にマニピュレートをほとんどしていないとは言え、それはやはりきちんと規制すべきです。例えば造血幹細胞移植のように最初の幹細胞が持っている性質と同じものが再生されることを期待して移植するわけですが、それはホモロガス・ユースと言う範疇になります。しかし、取り出した血液細胞を神経にしようと思って移植する治療はノン・ホモロガス・ユースと言う範疇になります。このノン・ホモロガス・ユースのものは、きちんと規制をしないといけないとFDAは言っていますし、私もそのように思います。ただ、造血幹細胞移植はもうかなりやられていることなので、GMP規制がかかるものではありません。ただし、造血幹細胞移植を目的とした血液細胞の取り扱いに関しては、日本輸血・細胞治療学会と日本造血細胞移植学会の合同で「院内における血液細胞処理のための指針」として発表しておりますので、それを遵守していただければと思います。
○澤委員 私もそれでいいと思います。造血幹細胞移植はいいのですが、例えば同じ細胞を体外というか、下肢に打つと、これは細胞治療になりますので、そこはマニピュレーションよりも前川先生のおっしゃった、目的に応じて考えるべきというのは賛成です。
○永井委員長 まだ御意見があるかとは思いますが、またいずれ戻ることもあろうかと思いますので、先へ進めさせていただきます。次は項目3について御説明をお願いいたします。
○荒木室長 資料1の5ページの項目3「リスクに応じた安全性確保の枠組みについて」と、資料2では参考3-1と書いてある所からです。論点は、再生医療・細胞治療については、用いる細胞や技術により、リスクの程度が異なるため、一率の安全対策を求めるのではなく、想定されるリスク要因の内容・程度、その多寡に応じた安全性等の確保を図るための仕組みを検討すべきではないかというのが1点目になります。もう1点は、想定されるリスク要因の内容・程度や多寡に応じた安全性等の確保のための、具体的な仕組みとしてどのようなものが考えられるかということになります。これまでの議論と主な意見ということで、現行のヒト幹指針等に基づく手続あるいは海外における規制等を参考に議論を進め、以下のような意見が出されたとしております。
 1つ目の○の「現状においては」ということで、第1回目に参考3-1で出した資料です。先ほどのスリートラックを少し詳しく書いたものです。真ん中の、ヒト幹指針に基づく大臣告示は、厚生労働大臣の意見を聴くことが求められているものの法律上の根拠はないということです。一方で、一番右の医政局長通知は、行政への報告を求めておらず、実施状況の把握が困難である実態については、これまで御意見を頂いたところです。
 2つ目の○です。臨床研究あるいは診療を問わず、その実施される医療の内容は、当然、内容の中には使用する細胞性質を含むものですが、内容に即した想定されるリスク要因の内容や程度、安全性評価を行う際の留意点の多寡に応じて、必要な安全対策を求める制度とすべきではないのかということです。具体的には、ア)として、細胞を用いた医療が患者に及ぼすリスクの評価を考えた際に、大きく2つ、細胞そのものの持つ固有のリスク要因と、投与部位や投与方法等によるリスク要因を考慮する必要がある。
 資料2ですが、少し飛びます。参考3-5の表を見つつ、こちらの文字も追っていただくと有難いのですが、大きくは参考3-5の、縦のカラムの「細胞固有のリスク」と、横のカラムの「投与部位や投与方法等によるリスク」が大きく2つあるのではないかということです。イ)として、まず細胞固有のリスク要因としては、原材料となる細胞、調製過程中の細胞、あるいは最終的に人に投与する直前の段階の最終細胞調製品それぞれについて、その新規性あるいはその品質、その中には、例えば純度や均質性、恒常性、安定性など、いろいろなものがあると思いますが、そういう品質を考慮する必要があるのではないか。また、どういう細胞であれ、細胞固有のリスク要因として、細菌やウイルスの伝播の可能性というのもあると考えられます。
 これらを踏まえた上で、原材料として使用する細胞の観点から、細胞固有のリスクの程度を整理すると、1つはES、iPS細胞のように、これまで我が国で臨床応用されていないということで、未知の領域が多く残っていることから腫瘍化、あるいは予測不能な重篤な有害事象の発生の可能性があるもの。6ページに移りまして、?として体性幹細胞のように、既に臨床研究として一定の症例数が積み上がっており、有害事象の発生について、一定の予見が可能であるもの。さらに、分化細胞、体細胞のように自己増殖能を有さないため、腫瘍化等の有害事象の発生の可能性は低いが、先ほど申し上げた感染症等、細胞固有のリスクを依然有するものが考えられるのではないか。
 ウ)として、一方で用いる細胞が同じであっても、投与部位、投与経路、投与量、さらには自己移植なのか同種移植なのか、あるいはhomologous useであるのか。先ほどの、細胞を取って別の場所に打つという話だと思いますが、homologous useか否かの違いによって、安全性確保に関する検討・留意すべき内容・程度、あるいは評価・確認すべき情報・データやその多寡が異なるということで、掛け算ではないのですが、細胞固有のリスク要因と、投与部位や投与方法等によるリスク要因も考慮する必要があるのではないかと思います。
 エ)ということで、実際に再生医療・細胞治療が人に実施されるに当たっては、今の2つのリスク要因が投与前に適切に検討・評価されて十分な安全性が確認されなければいけないと思っています。その際の留意点の多さ、あるいは難易度・複雑性は、再生医療・細胞治療、それぞれ個々によって違うだろうというものですが、現時点の科学的、医学的治験をもとに、留意点の多寡等に応じて分類した場合には、例えば、参考3-5にありますように、区分A、B、Cが考えられるのではないかということで、参考3-5を出させていただいております。当然ながら、個々の医療技術がどの区分に分類されるかは、どんどん研究が進んでいけば科学技術の進歩により、変更し得ることに留意する必要があります。これが2つ目の○です。
 3つ目の○は、これまでも書いてありますが、特にES、iPSのような、今のリスク分類としてはAになるものについては、一定程度の設備、機能が整った医療機関に限定し、そこから実施状況をもとに広げていくことも妥当ではないか。さらに、制度運用に当たっての厚生労働省の役割ではなく、ガイドラインとか、あるいは人材育成の面では、専門家としての学会の積極的な関与が求められるのではないか。
 次に、安全性の確認が主目的ではあるにせよ、有効性、あるいは本当に再生しているかどうか等についても科学的に評価できるようにすることが重要である。例えば、将来的には先進医療制度あるいは薬事法における治験へ移行するように促すことにも配慮すべきではないか。
 最後に、前回少し質問が出ましたが、実効性のある法的枠組みを考えた際に、例えば法律に基づく手続を経ずに実施されている場合は、例えば届出等の指導等、必要な手続を行った上で適切な罰則を適用する仕組みが必要ではないかということで、論点を挙げさせていただきました。
 7ページは「方向性」です。今の御議論の御意見を整理したものです。(1)が再生医療・細胞治療の実施に当たっては、用いる細胞の種類、調製方法、投与部位・方法等の違いによって、検討・評価・確認すべきリスク要因の内容・程度、多寡及びリスク管理の難易度・複雑性が異なるということで、これらを総合的に勘案すれば、3分類程度のリスク確認・管理分類にする。
 さらに(2)として、リスク確認・管理の必要性の一番高い分類Aの医療については、第三者性が担保された有識者から成る質の高い「地域倫理審査委員会(仮称)」のようなものの意見を聴いた上で、厚生労働省に事前に提出し、承認を得ることとする。その際に、リスク分類Aについては、最初は医療機関を一定程度限定すべきではないかという方向性を出させていただいています。
 (3)として、リスク分類Bについては、厚生労働大臣の承認制とせずに、先ほどの「地域倫理審査委員会」の御意見を聴いた上で届け出ていただく。(4)リスク分類Cについては、先ほどの地域倫理審査委員会でも結構ですが、施設内等の倫理審査委員会も含めて、意見を聴いた上で厚生労働省に届け出ることとする。
 (5)としては、安全性確保が主目的であるが、実際の治療の有効性や、再生が本当にしているかどうかについて、学術的に評価できるように促していく必要があります。(6)としては、実効性のある法的な枠組みにするためには、必要な手続を行った上で、適切な評価、仕組みが必要とさせていただいております。
 参考3-5の説明に戻ります。細胞固有のリスクということで、原材料である場合、あるいは最終調製品における場合、例えばiPS、ESはそのまま移植することはありませんで、分化させて移植しますが、調製過程あるいは最終調製品における純度や均質性、そういうものを考えると、iPS、ESは高レベル、体性幹は大体中レベル、分化している樹状細胞、リンパ球などは低レベルになる。さらに右の横のカラムでいうと「投与部位や投与方法等によるリスク」ということで、総合的に判断するとして、大きく高、中、低と分けた際に、iPS、ESを使ったものは大体、投与部位等にかかわらずA分類。幹細胞の中では、一部A分類になるものもあるといったようなことで書かせていただいております。
 参考3-6は、現行においては法律に基づかない告示として、臨床研究が66件されていました。自由診療については実態不明である。これをリスクに応じて手続を定めるということで、次の参考3-7ですが、A分類であれば地域倫理審査委員会、厚生労働省の厚生労働大臣の承認という手続をとっていただきたい。B分類については、地域倫理審査委員会の了承を経て届出いただく。C分類については、地域あるいは倫理審査委員会の了承を経て厚生労働省に届け出るということのイメージ図を書かせていただいております。
 さらに、今後のフォローアップということで、先ほどの有効性の評価等も含めて、最低限実施状況について把握していく。1回、入口だけという話ではなく、実施計画を出していただいて、それを承認・受理します。国民はその情報を見て実態把握がまずはできる。さらに、定期的な報告を出していただき、国がそれを公表して、また国民がその状況について現状把握できるのではないかということになります。これを繰り返していく中で、技術について次に進んでいただくようにしたいと思っています。
 参考3-9-1から参考3-9-4については、医療行為あるいは医師の行為について監督・罰則をつけている例ですので、説明は割愛させていただきます。1つ挙げるとすれば、例えば参考3-9-3にあるクローン技術等の規制に関する法律ですが、倫理的な問題を含めていますので、ヒトクローン胚を体内に移植することは禁止されており、禁止に違反した場合には10年間の懲役等が科せられるものもあります。項目3に関しては冗長になりましたが以上です。
○永井委員長 御意見を頂きたいと思います。
○中畑委員 この地域倫理審査委員会は非常に重要な意味を持っているのですが、イメージとしてわいてこないのですが、地域というのは、日本を幾つかの地域に分けて、そこにそれぞれ地域倫理審査委員会を置くということなのか、ヒト幹の場合は中央で審査しているのですが、中央で審査している名称を地域審査委員会という名称にただ変えるだけなのか、その辺についてまずどうお考えですか。教えていただけますか。
○荒木室長 名称が少し混乱を招いているかもしれません。今のヒト幹審査委員会は、基本的には参考3-7の、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴く、この部分が今、国に1つありますヒト幹審査委員会に当たるのかなと。その前段階として、今は各施設内倫理審査委員会等を通しておりますが、第三者性の確保ということも常々御意見を頂いておりますので、地域ごとにというか、ブロックごとにというか、そこは別にブロックを定めるわけではないのですが、一定程度、今のヒト幹審査と同じようなレベルのようなものをできるような倫理審査委員会を設けていただいて、その質を確認させていただくことを考えております。
○中畑委員 前の中央審査のときにも、きっちり審査できるような人材がどれだけ日本の中にいるかということが問題で、各施設での倫理委員会を通して、それまで様々な医療が行われていたのですが、非常に激しい意見としては、倫理委員会を通したということは、倫理委員会を通したということを1つの免罪符として、好き勝手なことをやっている医療施設もあるのではないかと。そういった厳しい意見もあって、本当に倫理審査委員会がきちんとした人から構成され、またそこで適正な審査が行われているかどうかが非常に重要な問題で、そのためには、それだけの人がきちんと確保できるということが問題だと思うのですが、地域を分けるのであれば、ある程度、日本の何箇所とか、具体的にしていかないと、私はまずいのではないかと思います。
○永井委員長 これは当然そういうことですね。複数箇所で設置する。
○荒木室長 はい。御意見のままだと思います。ありがとうございました。
○永井委員長 ほかにいかがですか。
○辰井委員 1つは意見で、1つは質問です。1つは、今の地域倫理審査委員会に関してです。何かそういう質の高い第三者委員会で審査するというのは1つのアイディアだと思います。それをフランスとか、そういった国で、地域でやっている例があると伺いますが、地域で審査するという方法が日本に適しているのかどうかということは、相当考えたほうが良いことのように思います。
 もう1つ御質問したいことは、分類Aの医療について、地域倫理審査委員会の意見があり、さらに厚生労働大臣が承認するという構成になっているわけですが、恐らく最初の倫理審査委員会のところで、専門家もたくさん入って、リスク評価に基づいて、そのような研究をすることが妥当かどうかという判断をまずそこでしているわけですよね。それに加えて、厚生労働大臣のところでは何を審査しようという趣旨なのですか。
○荒木室長 これは、正にいろいろ御議論いただきたい部分です。1つは、今のヒト幹審査は中央の1つでやっていますが、一定程度質の担保されたものとして、地域で作っていただく。さらに、厚生労働大臣が承認する上で、厚生科学審議会の意見も聴く形になりますが、より質の高い安全性、リスク評価をしていくことというのが1つ。総合的な観点というか、全国的な観点から見て、それが国として見た場合に、適切な実施計画なのかどうかをそこで評価していくということで、屋上屋のように見える部分がありますが、より質が高く、国の政策として見たときにも、それが適切かどうかという判断をしていくのかなと思っています。
○辰井委員 分かりました。そうすると、厚生労働大臣の所でも、さらに専門家を入れた委員会が開かれて、そこでもう一度審査をするという格好ですね。なぜこのような質問を申し上げたかというと、今まで指針上、実際のところは国で審査をしてきたわけですが、今回のこれを法律にするということになると、まず1つは医師の裁量に踏み込むという点で非常に大きな第一歩であるという点。さらに、これは医療であると同時に、研究でもありますから、そうすると研究の内容を国が審査することになり、これは公法上、憲法上かなり重大な問題になる可能性があります。  基本的に研究の規制を倫理審査委員会でやっているというのは、国の公権力を民間に託す形で、国がじかに、こういう研究はやってもいい、悪いという内容の判断をしないというところに非常に重大な意義があるわけです。その質が担保できないときには、何らかの形で、よりクオリティの高い形で確保していこうという仕組み作りが工夫されるべきだと思います。しかし、特に今回は指針で何となくうやむやにやることとは違い、法律に基づいてやることになりますから、どこまでが許される範囲か、どこまで国が審査して良いのかということを厳密に考える必要があると思います。
○永井委員長 私もその点を懸念するところで、国がかなり内容に関与してくる。しかも違反した場合には罰則規定が当然設けられるわけです。ですから、研究の目的であるとか、プロセスであるとか、それをどういうふうに患者さんに説明するかというところにまで、きちんとしないと罰則が掛かりますよという、そういう前提での話と理解してよろしいのですね。
○荒木室長 先ほど、私の説明不足もありましたが、当然、研究の内容についても見させていただくのですが、研究の内容の適否というよりも、どちらかというと、それがきちんと安全性が確認できるような形でできているのかというところのチェックを考えております。ですので、非常に分かりづらいのですが、やはり安全かどうかという確認は研究の内容を見ないと分からない部分もありますので、そういう観点で国として見ていかないといけないということで、ダブルチェックと考えております。
○永井委員長 そこにやはり、有効性の評価とか、説明の仕方というのが当然入ってこないのですか。単にリスクの問題だけではないように思うのですが、その辺はいかがですか。
○佐原課長 御指摘のようなことは当然入ってくるのではないかと思います。例えばヒト幹審査委員会で御議論いただいているときに、患者さんにどういうふうに説明しているのかという文書についても確認していただいております。もちろん、患者さんと研究者の間のインフォームドコンセントがどうなっているのかということもチェックをしていただくものではないかと事務局としては考えております。
○早川委員 1つは、法律にすることによって、研究というのは一体どこまでを指し、実はここから、場合によっては国から保険みたいなものが支払われる可能性もあると思いますが、そういうことも含めて、研究というものの定義を明確にして、おっしゃったように、そういうことであれば、介入がどの程度か、それ以上の国の保証付きということであれば、薬事法では当然、保険は最後に承認されればありますから、罰則もあるし、フォローアップもきちんと法律的に規定が決まってくるわけです。そういう意味で、中身の位置付けをある程度明確にするほうがいいのかなというのが1つです。
 次に、厚生科学審議会でやるというのは、今はヒト幹で、幹細胞に関しては、申請があったものに関して中央審査でやっているわけです。そうすると、「地域」をその前に置くということは、名前がいいかどうかは別にして、これは規制としては強化みたいな感じになってしまうのです。ここの「厚生科学審議会」と書いてあるのは、今のヒト幹でやっているのが、しかるべき数箇所の地域ブロックの所に下りていくということなのですか。今、ヒト幹でやって、最終的に厚生科学審議会で結果について報告を受けて、形式とは申しませんが、言ってみれば、承認という形であるわけです。ここの「厚生科学審議会」と書いてある所が、今のヒト幹の形態をそのまま残した上で、厚生科学審議会にさらに掛ける。つまり、ダブルの組織というか、承認形態というか、報告形態があるのか、今のヒト幹が地域に下りていっている形なのか、ここを明確にしていただければと思うのです。さっきの研究をどう考えるかにもよるのかもしれません。
○佐原課長 むしろ、そこは先生方の御意見を頂きたいと思います。早川先生の御質問は「厚生科学審議会」と書いてある所が、今のヒト幹の部会のような実質的な審査をやるのか、それとも科学技術部会のような、ある意味承認する形にするのかということかと思います。そうなりますと、例えばこれからiPSを使ったような細胞の医療が出てきたときに、もちろん地域のきちんとした所で、倫理審査委員会で審査していただいたあと、もうワンステップ一体何をしたらいいのか、どの程度までやるのか、そこはむしろ先生方の御意見を頂いて、我々としては考えていきたいと思っております。
○宮田委員 辰井先生の御指摘は非常に鋭くて、これは整理しないといけないと思います。実は、私は今までの議論の暗黙の前提として、研究を頭の中で排除しておりまして、医療になったときの議論かと思っておりました。ですから、これに関しては、もう一度自分の頭の中も整理しなければいけないと思っています。そうなりますと、もともと出口として考えられるのは3つあって、1つは薬事でいく。iPSはほとんど薬事だろうと私は思っています。それが1つ。それから、先進医療のBでいく、自由診療でいくオプションがあります。現状からいうと、自由診療の部分が非常に曖昧で、国民に対して迷惑を掛けているのではないかというのが皆さんの大方の認識であります。
 今、私たちは再生医療を国家として支援しているのですが、このような薄氷の状況で事故でも起ころうものなら、国民から指弾を受ける状況が今、存在すると思っているわけです。ですから、そういう意味では、医師の裁量権という法律的にもきちんと定義されていないものに関して、ここで踏み込むのは私はすばらしくいいと思っています。専ら、これは自由診療のところに関する安全性の確保、先進医療Bに関する安全性の確保というところに集中して議論をすべきではないかと考えております。というか、今までの議論は私の頭の前提では、そういうものでありました。したがって、この法律は研究から除外されることが前提なのではないかというふうに。
○永井委員長 先生、再生を目的とする医療の推進ですから、その言葉の中に当然研究が入るわけです。それで、その言葉に最初議論が集中したわけです。再生する医療が再生ならばいいのですが、今回の枠組みは「推進」と「安全性確保」ですから、しかも目的が入っていますから、当然、研究の対象になるというのが大前提の話だと私は理解していましたが。
○宮田委員 私は全然理解していなかったです。申し訳ありません。
○町野委員 研究が対象になるのは否定できない話だと思うのですが、研究の規制では、もっととんでもない前からのすごい規制があって、それはクローン技術規制法です。あれは、とにかくヒト胚の研究について、全部規制をかけていますから、その研究をやっているので、もし研究の自由が憲法問題になるというのなら、当然あれから問題にしたってしかるべきだということがあるだろうと思います。同時に、厚生労働省のほうで準備されていた、この中で罰則がついているものもほとんど研究ですよ。医療ではないのです。医療の内容についてはないのです。
 探したところ、医療の内容について規制しているといえるものは、あえて言えば、不妊手術に関する母体保護法しかない。それは抜けていますけれども。しかし、それも不妊手術という、医療と言えるかどうか、かなり議論があるところで、安全性のために確保しているだけのものですから、かなり周辺部分です。今回のように、医療そのものの内容に踏み込んで規制を加えているというのは、何回も繰り返しておりますが、恐らくないのではないかと思います。たくさんありますよと言いましたが、恐らくそれは全部違うと思います。
 だから、これはきちんと議論しなければいけない話です。研究の自由も憲法問題ですから、この規制をするということについては、憲法第22条だったかな。21条か忘れたけれども、それで規制があります。しかし、医療の自由も職業の選択、職業の自由ですから、これも憲法です。両方とも憲法問題なので、最初に規制ありきということで考えてもらっては困る。辰井委員の言われるとおりだと思います。
○辰井委員 ちょっと誤解を呼びそうに思えましたので付け加えます。クローンに関しては、研究の自由を規制しているというお話ですが、本体のクローン技術規制法が禁止している事柄に関して言うと、個体を発生させることを目的に着床させるとか、そういう特定の行為が決まっていて、それはやっては駄目。ヒトの個体が発生してしまう危険性のある行為だからやってはいけないということで、一律の規制です。研究といっても何をやってもいいわけではないということは当然で、人を殺す研究とか、そういうのはいけないに決まっているわけです。それと同じような格好での禁止であれば、余り問題はないわけです。クローン技術規制法のところで研究の規制の問題があるとすれば、実際、要件をそろえて届け出ればやってもいいという形に法律上はなっているのに、実際には許可制として運用されていて、私も委員に入っていますが、法律の業界の者として、そこで審査していることは本当にハラハラです。これはどう考えても憲法違反ではあるまいかと思う。研究の内容を、これをやっていいかどうかということをそこで判断しているわけですから、そこのところが問題になっています。
 更に言うと、不穏当な発言を続けますが、そうするとヒト幹の指針において、厚生労働大臣の意見を聴く形で行われている審査も見ようによっては、法律に基づかないで、国民の研究の自由を国が奪っていることになりますので、それは憲法違反ではないかという恐れが非常に高いです。ただ、あれは指針であって、今、自由診療が実際に行われておりますように、あれを通さなくてもできるというルートが一応あるので、非常に不当なことではありますが、見逃されているということです。今回、こうやって、正面切って法律にすることになりますと、越えなければならない壁は相当高いと思います。
○町野委員 クローン技術規制法のことを今、議論する気はないのですが、私は特定胚指針のことを言っているので、指針のほうで譲って、それぞれの胚の研究をすることについては届出制で、しかも、それが限りなく許可制に近い届出制という奇妙なやり方で運用されている。これがかなり問題だということは確かですが、それは規制されている。
 もう1つは、指針であれば見逃されるけれども、法律であれば駄目だということはなくて、私は見逃せないのなら両方見逃すべきではないという具合に思います。
 実際上、研究者の自由はかなり規制されているわけで、ただ、処罰されないかというところで相違があるに過ぎないということであるとするならば、しかし、処罰されないにしても、指針に従わないと、例えば研究費を取り消されたり、あるいはES指針においては、これは不当だという批判がかなりありますが、いわばさらし者にして名前を公表するような処分をしたり、いろいろしているわけですから、研究の自由については、指針であろうと、それはあるという話だろうと思います。
 そのことは裁判所自体も別の例で当然の前提にしていることで、例えば産科婦人科学会の戒告に違反したら除名するということがあって、除名されたときに、除名の取消処分を求めているときについても、やはりこれは戒告だから法律ではないという話ではないし、この規約が無効の確認が出てきても、守るか守らないかということが会員に対して影響を持つことを前提にした上で、裁判所がその内容を議論しているということですから、指針だからといって、憲法問題が起きないとおっしゃっていないだろうと思いますが、指針についてもかなり重大な問題があるということを認識しなければいけないと思います。同じように、もし今回のものが内容的にはヒト幹の指針と違わない、しかし、法律事項とされているから憲法違反だというとするならば、恐らく指針も同じ憲法違反としなければ私は筋道が通らないだろうと思います。
○早川委員 私は法律家ではないので、法律論は全然分かりませんが、法律にしようということだから、そのことが基本的に大事なのだろうと思うのですが、研究の自由の話だけをすれば、何でもやってもいい自由はないと。研究の自由があったとしても当然そうだと思います。しかも対象は、言うまでもなく患者さん相手にその人の基本的人権を全て含めてやる行為なので、そういうことと研究の自由は、うまくバランスに掛けてどうやれば一番いいのかということを法律的に何かあるのならば知恵を絞っていただいたほうが、細かい法律論争よりは実りがあるのかなと素人的に思いました。
○鎌田課長 非常に貴重な御意見です。貴重だけではなく、大事なことと思います。確か憲法第23条の学問の自由は、国家権力は学問や研究を弾圧してはいけないということで、常にそういうのを心掛けています。そうならないように、これまで指針などにおいてもしているところです。一方で、勉強不足ですが、そういった人権なり、何なりについても全てがいいというわけではなく、無制限に認められないことがあります。恐らく、そういったことで、クローン胚についても、こうした専門家の方々の議論を踏まえて、法制局あるいは国会などで憲法との関係を踏まえて認められたものを考えています。
 私たちも、今回の再生医療についても、当然ながら学問の自由あるいは医師の裁量を尊重しつつも人体への影響が未知であることなどについて、それを体に投与することをどう考えるかということの、正にバランスを考えて、一定の手続あるいは規制を考えていきたいと思っております。今日、頂いた御意見を踏まえてこれから我々が法案を作れば、内閣法制局で一番大事なのは、憲法に違反しないかどうかということですので、そういった御意見を踏まえて案を作って、法制局と相談し、そして国会の審議を経て、憲法との兼ね合いを考えていきたいと考えております。
○前川委員 この議論は続くと思うのですが、別の観点から事務局に確認しておきたいことがあります。将来的に細胞治療のリスク別に3つに分けたものが法律としてできるとしますと、それは発効と言うかたちをとるわけですよね。つまり、公表されて施行される。そのときに対象となる、言い換えれば、網を掛ける相手はどの時期からになるのかということを確認しておきたいと思います。例えば、あたらしくできる法律でリスクCと言われている医療を現在行っているところも実際にあるわけで、この法律ができたときに、今、実際にやられているものは、既得権があって網にはかからないのか、要するに、これができたとき発効された時期以降に実施しようとするものだけが対象になるのか、そのところはどういうふうになりますでしょうか。
○永井委員長 いかがですか。
○佐原課長 そこもいろいろな考え方があると思います。例えば、法律ができたときに既にやっているものについては、この手続を取らなくても良いという考え方もあると思います。もう1つは経過措置をおいて、今やっているものについては、法律が来年の4月に施行するとして、そのとき時点で倫理審査委員会や地域倫理審査委員会の手続を終わっていなくても、1年以内にとか、2年以内にその手続をきちんと踏んで下さい、それまでは継続することが可能ですという形で対応していくこともできると思います。
○前川委員 ちょっと危惧するのは、例えばこういう法律が来年の4月からできますというときに、それまでに行われていたものは、もしオーケーとするのであれば、いわゆる駆込みでいろいろなものが実施され、いわゆる「逃げ得」になるということがあり得ると思います。法律として発効するのは、まだもう少し先の話だろうと思いますので、議論をしていかれたほうがいいかなと思います。
○永井委員長 この件については最後で、伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 3ページの冒頭の長期にわたる人体への影響がどういうことなのかということを質問させていただいたのですが、ここでいう「人体」は個の問題だと思うのですが、人体だけで終わるのか、人類への影響があることも考えなければならないことだとすれば、今の法律の議論だけでいいのか、そこで適法であるとかないとかという話だけでいいのかということも視野に入れて検討いただきたいということを申し上げたいと思います。
○永井委員長 では、野原委員、手短にポイントだけをお願いします。
○野原委員 質問ですが、方向性の(5)で「当該治療の有効性や実際に再生しているかどうか等について、学術的に評価できるように促す必要がある」というのは、ものすごく具体的に言うと、どういう具体的な仕組みを想定しているのか教えてほしいのと、(6)の「適切な罰則を科す仕組みが必要である」というのは、飽くまでも手続を経ずにという、手続上のところで科すものであって、研究や治療の中身について科すものではないという理解でよろしいですよね。
○荒木室長 まず(5)です。どのように具体的にということですが、御意見の中には例えば、先ほどの先進医療Bなり、あるいは薬事法に基づく治験に進んで下さいということで促していく。どういう手法があるかというのは、安全性の評価はしっかりこちらで、実施計画をされた際に、届出を見てすると思います。次のステップにどういうふうに行っていただくかというのは、多分いろいろ方法があると思っております。そこは逆に、良い御意見を頂ければ有り難いと思っています。1つは、厚生科学審議会で状況報告を経て、それをもとに専門家の御議論を頂く方法があるかと思っています。
 (6)の話は、正におっしゃるとおりで、手続を経ずに、言うなれば、無届けでされている場合については、きちんと届出をしてくださいとか、あるいは有用な形での指導や改善命令をした上で、それでもなされない場合について、行政的な罰則というものがあり得ると思います。
○永井委員長 つまり、入口論では再生を目指す研究を対象にしているけれども、出口としては再生するものが再生医療ですよということになるわけですね。その研究の過程で、そこをしっかり明らかにしないと患者さんが誤解しますから、そこをやはり義務付けていると理解できると思います。
○早川委員 一言だけ。今の話は、参考3-7とか参考3-8を、このようなプロシージャでやりますというふうに綿密にすればと私は理解していたのですが、それでよろしいですか。
○__ はい。
○永井委員長 最後に宮田委員、お願いします。
○宮田委員 憲法問題が出たのですが、本当は参考3-5をもう少しじっくりやらないといけないと私は思っているのです。というのは、なぜかと言うと、樹状細胞、リンパ細胞などの分化細胞という機械的な分け方で、いきなりBとCはないだろう。Aという可能性だって当然あるのです。今の樹状細胞が効かないから安全だというのは、効かないから安全なのです。あれが効くようになって、本当にがんに対して獲得免疫が出たときに、自己免疫疾患にならないのかというリスクは実は逆に上がってくるので、この表が独り歩きするのはすごく大変。むしろ、法律でこの表を使ったときに、ネガティブな、むしろなんちゃって再生医療のほうを応援してしまう可能性を私は懸念します。
 あえて言えば、もう1つ重要なのは、こういった表のときのリスクを誰が判定していくのか。それはなぜかと言うと、例えば樹状細胞に関してもメッセンジャーRNAローディングみたいな新しいテクノロジーがどんどん出て、効くようになってくると思うので、そういう技術発展に対して、リスクをどうやって、法律の評価のもとにしていく主体はどこなのかということも少し検討していただきたいと思います。
○永井委員長 まだ御議論があろうかと思いますが、ほかの項目の御意見も伺いたいと思います。また後ほど、お気づきの点はメール等でお寄せいただければと思います。
○佐原課長 一点だけ、先ほど前川委員から御質問があった経過措置のところで訂正させていただきたいと思います。新しい法律ができたときは、駆け込みしていれば、法律ができたあとにその法律が適用されないことは基本的にはないので、やはり新しい法律の下での手続を取っていただくか、あるいは法律自体にきちんと経過措置を作っていくかということになると思います。失礼しました。
○永井委員長 項目4について御説明下さい。
○荒木室長 項目4です。資料1の8ページ「細胞の培養・加工基準の設定等について」です。資料2では、参考4-1からになります。論点ですが、1点目は、使用する細胞の安全性を確保するため、その培養・加工を実施する施設の基準等を明確にする必要があるのではないのか。もう1つは、そのような安全性の確保というのを前提として、医療行為の一環として医師の監督・責任の下、細胞培養・加工の工程を医療機関以外に委託することを可能とする制度を設ける必要があるのではないかという、大きく2点の論点を掲げています。
 これまでの議論と主な意見です。再生医療・細胞治療においては、培養・加工された細胞は最終的に人に投与されることから、培養・加工の安全性を確保することは極めてクリティカル、重要である。しかしながら、現行では明確な基準がないこと。そういうことにおいて、臨床研究等においては研究者自身が厳しい施設基準を自ら設定することにより、CPCと呼ばれる細胞培養加工施設に対する過大な設備投資が行われているケースもある。一方で、特に自由診療の場においては医療機関内のCPC等がウイルス等の混入を防止できるように、適切に運営されているかどうかの実態が不明なところもある。
 2ポツ目ですが、医療機関内においては医師法、医療法に基づいて、細胞の培養・加工がなされているということですが、医療機関以外の施設における細胞の培養・加工についての明確な規定がないということです。今後、再生医療・細胞治療を実施する医療機関が増加することが予測されますが、専門の技術を有した医療機関以外の施設に細胞の培養・加工を委託することで、専門的な人員の確保あるいは設備の整備ということで、細胞の培養・加工に係る医療機関の負担を軽減することとなりますので、安全性を確保しつつ、効率的な医療の推進を図ることが可能となるのではないかということです。
 このため、医療行為の一環として、医師の責任の下、医療機関以外の施設に細胞の培養・加工を委託する場合には、どのような条件であれば実現可能かについて検討が必要ではないかということになっています。
 一番下ですが、その際にはどういう基準にするかということですが、再生医療の現場の実態、細胞の特性というのを十分に踏まえて合理的な基準である必要がある。検討中の薬事法改正においても、再生医療製品の特性を踏まえた新たな基準というのを考えられているということですので、その際には整合性を図る必要があるのではないかということです。
 9ページはこれまでの御意見として、ハード面での施設基準だけではなくて、培養・加工を実施する人の資質の確保、加工手順というようなソフト面での設定も必要ではないのか。あるいは、先ほどの培養・加工の実施者の資質の確保のためには、再生医療学会等で考えられているような培養・加工実施者の研修、技術認定についても検討が必要ではないのか。さらに、安全性確保にこのプロセス管理ということであれば、日本の強みであるトレーサビリティーという点も含めて、ITを用いた管理というのもアイディアとしてあるのではないのかという御意見も前回頂きました。
 方向性ですが、そういう細胞培養加工施設の施設基準・手順を定めるとともに、その基準を満たしているかどうかをチェックする必要がある。さらには、事前に施設基準を満たしているかどうかを確認した上で、医療機関以外への委託ということも認めるということです。こちらについては文字だけでは少し分かりづらいので、参考4-1以降で御説明を再度申し上げたいと思います。
 これまで平成21年度、平成22年度に、再生医療における制度的枠組みに関する検討会で検討されておりました。平成21年度は、医療機関内で実施する際の自家細胞を用いた場合について、先ほどの3月30日局長通知ということで成果が出たというものです。右の平成22年度の検討範囲というのは、医療機関以外での細胞を加工するような業者がどういう枠組みで達成するかの検討を行ったということで、まずは薬事法を円滑に運用することによってやっていくというような結論、方向だったと思っております。今回、参考4-2の下にあるように、新たに細胞培養・加工の医療機関以外の委託についても、しっかりと安全性が確保されるのであればいいのではないのかというようなもので図を書いております。
 左側に再生医療製品ということで、薬事法により許可を受けた製造所がある。薬事法に基づいた製造所であれば、細胞を医療機関から運んで、そこで加工・保存をして承認された製品の購入ということになります。しかしながら、今回新たな法的枠組みの中で設定される細胞培養加工施設のイメージとしては、当然医療機関内で加工・保存をするということもこれまでやっていただいておりますが、今後そういう専門の人員や設備投資ということを考えると、そこの専門の知識を持っているような、ノウハウのあるような工場のような所にお願いすることもいいのではないか。そのときに安全性の担保という意味では許可というのも必要であろうし、その場合には委託という形での医師の責任というのも必要になってくるというのがそのイメージ図です。
 参考4-3です。その薬事法と今回の新たな法的な枠組みでの加工施設は一緒ではないかというような、安全確保の部分については同じと思っておりますが、何が違うのかということで資料を作っております。真ん中に実施医療機関、左側に薬事法に基づく製造業者、右側に細胞培養加工施設というのがあるとして、構造設備や人的要員構成、運用管理の手法というのは各種基準としては共通のものが必要になるのかなと思っています。それ以外に薬事法においては、製品ごとの承認が必要だったり、承認の前提としての業規制がありますので、言うなれば再生医療・細胞治療製品の承認の取得や治験も必要ですし、製造販売業許可の要件ということで管理者、品質管理、安全管理、供給と別にならないような形での安定供給の要件も見ていかないといけないということです。そういう意味で、イメージとしては共通部分は当然あるけれども、薬事はそれプラスアルファの部分もありますよというイメージ図です。4つ目の柱については以上です。
○永井委員長 いかがでしょうか。松田委員、どうぞ。
○松田委員 確かに、医療の施設内において細胞を調製したりすることがコストの面でも、あるいは労働力の負荷の面においても大変だから、外部の細胞培養をして調製してくださる業者というか、そこに委託をしてやると。そういうロジックで議論されるのも1つの視点だと思いますが、国の予算のこういう再生医療分野への配分を厚くする背景には、新しい産業を興そう、企業の参入を促そう、そして雇用を増やそうという期待が大きいと思います。そういう視点から、積極的に法制度も変えるべきところは変えてでも委託することをプロモーションする。そういう事業の参入を促すという視点もまた大事だと思います。それにまつわることで言えば、細胞培養業者のみならず、従来の医薬品のメーカーから医療の現場に配送する輸送の問題や、一番最後に表現は前回言ったのとは違いますが、日本の強みとは、日本はインフラは強いのですが、ソフト面で非常に遅れているということを言いたかったわけで、これを機会に、この国として力を入れる再生医療分野、かなり広義の分野において、インフラの整った日本のIT、ICTの産業もそちらにソフト面で参入をして、情報管理なり細胞の製造プロセスの工程管理とか、そういうところにITの技術をふんだんに取り入れていく。そうすると、ITの産業界もこの分野にコミットしてくれるということが、雇用の創出につながる。こういう産業育成の視点ということも、この議論の背景にあることを強調しておきたいと思います。
○永井委員長 いかがでしょうか。中畑委員。
○中畑委員 もう1つは、施設内で細胞を加工するというと、どうしてもその質が本当に確保できるかどうか、施設間のばらつきが大きくなるということで、私自身はむしろ専門の業者、将来的にはある特定の職種が生まれてきたほうがいいと思いますが、そういった人を雇用して、専門施設で細胞を安全に加工して、医療機関で実際に患者に投与するほうがずっと健全ではないかと思うので、より安全に細胞を作るという観点からも、医療機関内で細胞を加工することにとどまらず、外部で専門の業者をこれから育成していくのだといった観点が必要ではないかと思います。
○宮田委員 私もそうですが、今、政府のほうでは混合診療などの議論もありますが、今の段階の前提で国民皆保険制度を考える。なおかつ、再生医療というものは国民の健康に資するものだという前提において議論をすると、そういう意味では健康保険制度の中に本当に良いものであれば、再生医療が組み込まれるというトラックは明示しておかなければいけなくて、そのためには薬事法があり、高度医療のBがあるという、そちらのほうのトラックに本当に良いものが行くことを前提に、今皆さんがおっしゃったようなことはやりたい。
 もう1つは、医療機関に対して、片や薬事法で作られた細胞と、そうではなくて今回の法律で作られた細胞が供給されます。そのとき、安全性に差があっていいのかという問題があって、私はここは絶対譲れない。国民にとって安全性の担保というのは同じなので、薬事法と同じ基準で、ここに関してはやらなければいけないと思います。
○中畑委員 私も同感です。その点については全く同じで、少なくとも薬事法で言われているような、きっちりと安全な細胞を作り出すことは前提として、両方共通の土俵に乗せるべきだと思います。
○前川委員 資料1の9ページの方向性で、細胞プロセッシング・センター(CPC)の重要性を私は唱えてきましたが、確かにCPCのハードおよびソフトの基準は作れても、それをチェックするシステムというのがきわめて大切で、どのようにしていくのかというのが重要だと思います。輸血治療のほうではI&A、inspection and accreditationという査察のシステムがありますが、どういうふうにしてチェックしていくのかもきちんと体制の構成をしてゆかないといけないと思います。
 同じページの上から2つ目の○の技術認定のことです。澤先生もお考えになっていると思いますが、細胞操作を行う者の技術認定を行うということは、作製された治療用ヒト細胞の一定の品質を保つためには非常に良いことであろうと思います。しかし、まだ認定を受けた者の絶対数が不足している段階で厳しい認定をして、認定を持った人でないとこれこれの作業ができないということにしてしまうと少し困るという意見もあります。例えば、血液センターで血液製剤の製造に関わっている方は国家資格を持った方ではありませんし、何の資格もない。ただ、センターで教育訓練を受けてやっている方です。その辺も少し議論をしないといけないと思いますが、遠い将来を見ると、きちんとした技術認定を受けた人をたくさん養成していくべきだろう。ですから、人材育成の重要性というのを強調したいと思います。細胞治療や再生治療の推進に必須の細胞プロセシングに関する人材育成や教育は文部科学省の専管事項であると言うのは少し違うと思います。実際にヒトに投与して治療を行うと言う意味で、臨床に直結することであるからこそ、厚生労働行政が積極的に関与してゆくべき事項であると考えられます。
○永井委員長 そのほか、いかがですか。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 「培養」や「加工」と書いてありますが、これは何らかの原因で使われなくなったもの、あるいはうまくいかなかったものの処理というか、廃棄というのは培養や加工の中に入っていると考えていいのでしょうか。
○永井委員長 処理も培養・加工に入るか。そこはいかがでしょうか。
○荒木室長 培養・加工の定義の中に入るかどうかという話であれば、多分入らないとは思いますが、培養・加工の施設を認定というか確認する際に、そういうところで出た廃棄物については正しく処理することということは、感染性のものもある可能性はありますので当然、定義付けていくと思っています。培養・加工の一連の流れの中では出てきますが、培養・加工の定義の中には多分入らないのではないかなと思います。
○宮田委員 これは確認と質問と半ばしております。参考4-2で、医師の委託によって受託細胞培養業者というものがこの法律によって誕生しそうですが、その際、ほかの法律との整合性において、製造物責任という概念はどう考えたらいいのかというのを少し教えていただきたいです。つまり、この業者は医師の責任において再生医療を行うから、業者に関しては製造物責任は免責になってしまうのでしょうかということをお尋ねしたいと思っています。
○荒木室長 非常に良いポイントで、なかなかすぐには答えづらいところがありまして、PL法との関係ということですので、また少し整理をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○永井委員長 よろしいですか。大和委員、どうぞ。
○大和委員 実際にアメリカでもヨーロッパでも、ペプチドや核酸などの製造でCMOに出している実績があります。ネットで見ても複数の業者がすぐ見つかります。もしも時間があれば海外の事例を見ていただいて、良い所は学ぶべきだし、直すべき所は直すという観点がいいのではないかと思います。何もないところから作るのは少しハードルが高いのではないかと、私以外の委員の先生方もお考えではないかと思いますが。
○永井委員長 よろしいですか。項目5についての御説明をお願いいたします。
○荒木室長 10ページの項目5「国民への情報提供について」になります。資料2は、参考の5-1からになります。論点ですが、再生医療・細胞治療を国民が正しく理解し、適切な医療を享受できるようにするため、国は医療機関からの定期的な報告等により最新の実施状況を収集し、国民に情報提供を図っていく必要があるのではないかということです。
 以下の意見ということで、1つはこれまでも記載しておりますが、夢の治療と期待されがちだが、一方で適切な医療が実施されているかどうか不明な場合もあるということです。因果関係は不明確ですが、死亡事故の事例も報道されています。そういう意味では、専門家と国民との知識の乖離を考えれば、国や研究者あるいは実施者側からの国民への情報公開、そして発信と共有が重要であろうということです。さらに、細胞治療の内容はもとより、実施された患者数や治療実績等も把握することが必要ではないのか。臨床研究のみならず、自由診療についても国が実施状況を把握した上で、その結果を解析し、情報発信を行うなどによって、その結果を国民にフィードバックする体制が必要である。そういう際には分かりやすい内容とすることにも努めるとともに、即時性のある情報公開も重要であろうということです。
 患者側の視点としては、一方的な情報発信だけではなくて、疑問に思った際の相談できるような方策についても検討してはどうかという御意見も頂きました。さらには、法制度によりまして再生治療・細胞治療の実施者、提供者側に対する安全性確保のための手続を定めるだけではなくて、併せて学会等の関係者による情報発信・啓発によりまして、最終的には教育されるというか、国民が正しい知識を持って、適切な再生医療・細胞治療を選択することができるようにすることも重要ではないかということです。
 方向性としては、国は医療機関からの再生医療・細胞治療の実施状況を把握し、その実施状況について最新の情報を定期的に、広く情報提供するような仕組みが必要ではないのかというのが1点目。11ページにあるように、再生医療・細胞治療に関する情報が一方通行で流れるだけではなくて、知りたいときに知りたい情報について相談できるよう、現行では例えば「ヒト幹情報データベース」というものを今年度から作り始めたばかりですが、こちらの充実による利便性の向上という方法も1つあるのかなということで書かせていただいております。
 資料2の参考5-1からの説明です。5-1は、現行ヒト幹指針でも報告をしていただくようには定義されております。進行状況については、少なくとも年1回定期的に報告、あるいは重大な事態が起こったときには、しっかり報告をしていただきたい。さらに、一定程度の研究が終わった場合には、総括報告書を出していただくということで定義づけております。こちらに類した形で報告というのはしていただくとともに、前回も御指摘がありましたが、そういう報告を国民に向けて発信していくようなことをすべきではないのかという御意見がありました。
 参考5-2は、ヒト幹細胞情報化推進事業です。今年度始まったばかりで、つい先日にやっとWeb上で情報発信を始めていますが、こちらの中では情報を発信するだけではなくて、総合インターラクションというか、いろいろな御質問等に対しても答えが一定程度できるようなシステムを組み込もうと思っておりますので、こういうことも活用していきたいと思っております。以上です。
○永井委員長 それでは御質問、御意見はいかがでしょうか。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 この情報を欲しがっているのは患者、しかもかなり難しい病気の患者が多いと思われます。今、そういう難病系については難病情報センターという所でいろいろ情報提供しているわけですが、是非バラバラにならないで、難病関係が多いことも含めて、難病情報センターとリンクしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 論点のところの「適切な医療を享受できるようにするため」は、この議論の中では「享受」という表現でいいのかなというのが気にはなりましたので、何かもっと良い表現がありましたらお願いしたいと思います。
○永井委員長 いかがでしょうか。
○大和委員 全体的に、この文章が性善説にのっとって作られていることは明白だと思います。気になるのが、この情報提供も、一生懸命やっている人たちはこうして提供するのだけれども、実際ATMPのグリベラの承認やプロベンジの承認などを見ていても、そんなにきれいに白黒はっきりしないですよね。何回も差し戻されて、やっと承認が出ています。このような細胞・組織加工製品の薬事承認の先行事例を考えると、国民に情報を提供することは非常に難しいと思います。
 更に性善説だと思うのは、AとかBとかCにどうやって分けるのですか、誰が分けるのですかという宮田委員の質問もあるし、今度届出だけしておけばいいとなっているけれども、届出していない人をどうやってキャッチして、「罰則等がある」と書いてありましたが、罰則を当てるのですかみたいなことも、重要なポイントだと思います。これらはどう考えるのでしょうか。
○荒木室長 まず、伊藤委員からの御意見の難病情報センターとのリンクについては貴重な御意見として承りまして、なんとかそういう形でならないかということを努力したいと思っています。
 もう1点の「享受」という言葉が分かりづらいのではないかということで、こちらについては少しまた御意見をいただきつつ、工夫をしたいと思います。
 大和委員からの御質問というか御指摘というか、全体として性善説に立っているというようなところですが、1つは状況報告、年次報告については、例えば一定程度の義務化をすることによって、実績というのを報告することによって、少しでも実効性を担保していこうかなと。それを基に国が、そこはどう分かりやすくというのはなかなか難しいという話ですが、どのぐらいの患者に対してどういうことをやって、有害事象がどれだけあったというような単純情報だけでも、客観的な情報として出していくことは可能なのかなと思いますので、そういうことは最低限やっていくとともに、もう1点、ここの議論ではないかもしれませんが、届出していない場合はどうするのだという話だと思いますが、ここも皆さんに出していただけるものという法律になればという性善説だけでは駄目ではないかということだと思いますが、そこは医療法等の定期的な医療監視もやっておりますので、そういう中でこういう事案があれば、きちんと届出をしてくださいとお願いをしていくとかの方法はあるのかなと。いろいろな法制度を活用していくことになると思います。
○宮田委員 簡単に言いますが、まず施設基準を作ることになりますので、施設を認定した印みたいなものの表示という制度が1つは必要になります。それから、施設を持たない医療機関が受託業者に頼んで医療をやる可能性がありますので、受託業者は報告義務を出すべきだと思います。どういうような医療機関に対して受託を行ったのかというのをそこから得られれば、一応その枠が取れるかなと思います。
○松田委員 国民への情報提供については複数のルートがあってしかるべきですし、できるだけ多様なルートを使って情報提供をするという努力を怠るべきではないと当然思うわけですが、最近1つこの点について思ったことは、地方の患者がたくさん集まる大きな病院の関係者とお話したときに、再生医療というか、最先端の医療が研究も含めて行われている大学病院や大きなセンターで、どういった最新の情報があるかということは、地方の実際に患者がたくさん集まる大きな病院の関係者は、最先端の情報というのはもちろん学会などに参加すれば十分得られるのかもしれませんが、日常の医療に多忙を極めている関係者からすると、その情報量に随分差があるということをおっしゃるわけです。
 ですから、実際に多くの患者が集まる地方の病院の患者が、自分の治療をしてくださる信頼のおける先生とのコミュニケーションの中で、最先端の再生医療の最新の情報を理解するというのが一番良いやり方ではないかと思います。そういう点において、国民への情報を提供していく1つのルートとして、地域の先端の大学病院あるいはセンターと、実際に患者がたくさん集まる大きな中核病院との間の情報共有が、国民への理解を広める1つの大きなカギになるような印象を受けましたので、御参考までに意見として申し上げておきます。
○澤委員 今、私は医薬食品局の下で、この再生医療製品のレジストリーを作る委員会に参加させていただいています。予算を付けていただき、これから本格的にその仕組みを作るわけですが、情報提供全般を含め、その委員会もそうですが、結局予算というか支援というか、息の長い資金が必要だと思います。長期にわたって情報提供していくための予算を是非確保していただきたい。その仕組みは、まだ現段階では再生の製品だけですが、先ほど来お話に出ている先進医療Bとか、そのあたりも同じような形でレジストリーというか、長期の成績をしっかり出していくのが情報提供に非常に重要であります。が、しかし、どうしても短期的な予算で終わってしまうというか、息が続かないのです。私は人工心臓もやっていますが、そちらも予算が難しくなっていく。予算だけではなく、もちろん参加する企業側も出さないといけないと思います。そのあたりをよく考えていただきたいです。そうでないと、これはうたい文句で終わってしまうのではないかなと思います。
○前川委員 資料1の11ページのヒト幹情報データベースの件ですが、ここへはリスクA、B、Cと分けた審査委員会へ申請されたものが承認された場合、その情報を公開することを考えておられるのかどうかが1点と、逆に申請をしてこない所があるかも知れないという先ほどのお話でしたが、これこれの細胞治療や再生治療を実施していますよと言う情報を発信しないと患者さんが集まらないわけですので、おそらくインターネット等を使って何か宣伝のような情報発信をしてくると思いますので、そういうものをどのようにしてキャッチアップするのかということがあります。ただ、少し懸念されるのは、似たようなことをISSCRのほうでもアンケートを出してやったわけですが、結局いまだに結果が公表されていないようです。いろいろな所で少しブロックがかかったようですが、そういうこともあるので、このようにして得られた情報をできるだけ公開をすることに関してはかなり力を入れてやっていただいたほうが、患者さんのためになると思います。
○野村委員 お願いというか質問というか。患者の立場で言うともちろんリアルタイムの情報公開が必要ですが、ネットに載せればいいわけではなくて、皆さんがおっしゃるのは、ネットにたくさん情報があるけれども、たくさん情報があるということはものすごく混乱してしまうということもよく聞きます。患者にとってはこの病気のこの事実が知りたいのではなくて、私の体の場合にどのことが関係するのかが知りたいので、先ほど伊藤委員がおっしゃったような難病情報センターの方たちとの連携もそうですし、医療機関のスタッフ以外の相談ができる窓口、いろいろな病気でもそういう窓口がどんどんできていますが、そこでの人材育成が必要だと思います。これは法律に規定する話ではないですが、その場合、医療側の情報公開をそちらの方たちにもすることも大切になってくるのではないかと思いました。
 法律の中で患者への情報提供についてですが、私は専門家でないので分かりませんが、緊急事態というのがあって、緊急に情報を発信しなければいけない事態が、こういう治療の中で起きてくることをこの法律の中では想定していらっしゃるのかどうかが分からなかったので、それを伺いたかったのと、その場合によくヒト幹指針のときも「速やかに」というのがありますが、拝見していると「速やか」が一般的な感覚と違って速やかではない場合が多いような気がしますので、そのあたりの情報公開のリアルタイムというのを意識していただきたいなと思っています。
○永井委員長 事務局、いかがでしょうか。
○荒木室長 まず前川委員からの御指摘のリスクA、B、Cに関わるようなものの申請あるいは申請状況についての公開は、当然それも含めて公開をしていくということで考えています。それが参考5-2にあるヒト幹細胞情報化推進事業の中にあるかどうかは運用の問題ですが、確実にそういうことはしていかないといけないだろうと思っております。さらには、申請をしていないままのものもあるのではないかというのは先ほどの大和委員からの御質問もありますが、ここは一定程度行政的な指導をすることによって、できるだけ網羅していかないと逆に意味がない。そうしないと患者の選択肢としても、情報として整理されていないと厳しいのかなと思っておりますので、そういうこともしっかりとやっていきたいと思っております。
 野村委員から、リアルタイムの情報発信が重要ということだけではなくて、単に載せるだけではなく、しっかりとすべきだ、特に第三者の窓口相談というようなものも必要ではないのかという御意見ですが、ここはこれまで伊藤委員からも頂いているような御意見も参考にしつつ、併せて考えていきたいと思っております。
 もう1点が緊急事態の想定ということで、こちらについては実施計画上、途中で緊急事態が発生した、例えば、お亡くなりになられる方が多数出たということについては、実施計画について至急に緊急停止をしないと、何のための安全性確保かということもありますので、そういうような権限というか指導をしていくとともに、そういうことについてはメディアの皆様の力も借りつつ、こういう事案が発生したことについてはお知らせしていくのかなと今の段階では考えております。
○位田委員 今いろいろな意見が出たのですが、情報という言葉にいろいろなレベルがあるなというのが分かりました。再生医療の現場で情報提供されるべき、どちらかというとサイエンティフィックな情報の問題については、ここでは国民に対してどう情報を提供するかという話なので、かなり専門的なレベルの情報まで国民に提供する必要は余りないのだろうと思います。ただし、その医療機関の間、若しくは研究者の間の情報の流通というのは、当然やっておかないといけない。ただ、その問題と5の「国民への情報提供について」というのは、若干レベルが違うと思います。情報というのは、どのレベルの情報を誰に流すかということをある程度はっきりさせておかないと、最新の情報かもしれないけれども、少し聞いてもよく分からないような情報を国民に流したところで国民が分からない話です。したがって、国民に対してどのレベルの情報をどう流すかということをある程度決めてかからないと、単に「インターネットでレジストリーがあります。どうぞ御覧ください」では、レジストリーを見ても、国民はそのままでは分からない。そうすると、一般国民に対してどう情報を提供すればいいかが一番重要だと思います。
 しかも、一般国民というのは2つ種類があって、患者に対してどういう情報を流すかという問題と、患者ではないけれども、ある意味では患者予備群である一般の人たちに対して、どちらかというと再生医療を進めていく国民的環境というか、そういう雰囲気を醸成するための情報提供、広報活動も必要だと思うので、ここに余り難しい話を持ち出すと、かえって嫌がられる可能性がある。その辺のレベルと相手方をきちんと考える必要があると思うのが1つです。
 もう1つは、宮田さんや野村さんの前で申し上げるのは何ですが、マスコミの人が国民に分かるように、正確な情報を適時に流していただく。良いニュースも悪いニュースも一緒に流していただく。しばしば「再生医療は夢の医療だ」とマスコミでよく言われますが、今にもできそうな、実現しそうな口調で書かれる。それは、もう少し抑えてくれという言い方はしませんが、国民が受ける印象やその後のことも考えて、マスコミはどう伝えればどういった効果が出るかということをもう少し考えていただきたいなと思います。宮田さんも野村さんももちろんよくお分かりですが、マスコミの中には全く不勉強な方がインタビューされて、欲しい答えだけを引き取ってニュースに流したりされることもあるので、マスコミの方々の勉強というのもできるだけやっていただきたいなと思います。
 長くなって申し訳ないですが、3点目は先ほど澤委員も少しおっしゃいましたが、研究費の中に広報活動の費用も当然含めて研究費として認めてあげるべきではないか。ゲノム研究は、研究費のある部分を広報活動に使うというのが、最近では文科省のお金でもできるようになってきたのですが、再生医療に関してもそういったことも考えて、ただ単に研究だけというのではなくて、研究活動の中には広報活動も入るのだという、少し意識改革というか、そういったことが必要です。それと、これは厚労省で言うべき話ではないかもしれませんが、小学校、中学校、高校の教育の中で、再生医療だけではないかもしれませんが、最新の医療や若しくは病気の話、感染症の話などのベーシックな知識を教えることも、国の政策としては入れたほうがいいのではないかなと思います。
○野村委員 一言だけその件で先生たちにお願いしたいのですが、正しい知識を得ようとしたがっている記者はたくさんいて、よくあるようなというのは乱暴な言い方ですが、企業が利益のために開くセミナーではなくて、学会の専門医の方たちが正しい意味でのプレスセミナーを開いていただけたらと思っている記者はたくさんいますので、よろしくお願いします。
○宮田委員 この泥試合はやめます。5項目のポイントは、全部の主語が厚生省になっているところがまずいのではないか。再生医療を推進するための環境づくりを是非この法律の中で書いてほしいのですが、主語として学会もあってもいいし、産業が形成されたときに再生医療関連医療機関や関連企業の業界団体ができてもいい。そういったようなところが誠実にまず情報提供をするというような方向性を、この法文では書くべきだと思います。
 もう1つお願いしたいのは、自由診療も前提にしておりますと、最終的には患者の選択ができるような情報提供基盤がないと、市場として不均衡になってしまう。片方の医療機関はものすごく情報を握っているのに、消費者である患者のほうに情報がないとなると、これは取引としてフェアなトレードができないのです。ここのところも少し考えていただきたい。特に、ここで罰則を受けるような医療機関に関しての情報提供というのは、しっかり明示していただきたいと思います。多分、罰金50万円とかその程度の法律になるでしょうから、医療機関にとって50万円というのは大した問題ではないので、むしろそれをきちんと公表するほうが重要だと思います。
○鎌田課長 必ずしも、私たちが皆さんの意見を聴きながら準備している法律と違いますが、別途議員立法というものが準備されていて、再生医療についての大きな基本方針と枠組みで、進行と安全確保、迅速かつ安全にという観点から進める内容ですが、その中に今皆さんがおっしゃった国民・患者に対してどう情報提供をするか。それがいかに大切かということの考え方があります。例えば国の責務という条項の中に、再生医療について国民の理解と関心を深めなければいけない。そして、再生医療に対する国民の協力を得るために、国民に情報提供をしなければいけない。また、そうしたものに医師や研究者、業者も協力しなさいということがありまして、国会議員の先生方の中で検討されているもので、まだ皆さんに細かいところをお示しできませんが、そういった理念は共通していて、我々もそういった考えに基づいて今後も、この立法作業あるいは通常の業務について考えていきたいと思っています。
○早川委員 5は国民への情報提供ということで、いろいろな形での伝え方があると思いますが、もう1つは実際にやっている医療から、研究者や医療従事者が何を学んでやっていくか。それから、得られた情報によって規制当局としてどう対応するかという意味での情報提供が、必ずしも明確に書かれておりません。ただ、参考3-8に部分的に全体のフォローアップの流れ、イメージ図ということで書かれていて、ここでうっすらと「国民・患者」や「厚生労働省」とあるわけです。ここで宮田さんの発言を意識して、うっすら厚生労働省と書いてあったのかもしれませんが、されど厚生労働省なので、厚生労働省がいずれにしても届出の段階から実際の情報は把握しておく必要がもちろんありますし、途中経過、事後があったとすれば、事後はどうだったか。定期報告を基に安全に実施されているか等の概要を公表というのがあって、あと幾つかのことが書かれておりますが、1つはこれを実際的に行うシステム・やり方をどうするのかを、先ほどの消費者とはまた別の話として、やっている人に対して、あるいは関係者が共有してそれをベースに促進するという意味も含めて、うっすらと厚生労働省と書いてあるのは、システムがまだ固まっていないせいなのか、ここは学会が入ってもいいと思いますが、何かもしありましたら。これは非常に大事なところだと思います。
○位田委員 図の中の色が違うのです。国民は真っ赤な色で描かれています。
○早川委員 いずれにしても、ここの仕組みはどうなっているのか、もし今の時点でお考えがあれば。
○荒木室長 早川委員から適切に御指摘を頂き、ありがとうございました。正に参考3-8のような流れを現行で考えていて、実施医療機関から実施計画あるいは申請届が出た際には、厚労省がそこで受理する。その状況について一覧表になるかどうかは分かりませんが、国民・患者に向けて実態把握の状況について公表していく。それを1年に1回なのかは分かりませんが、定期的に報告される都度に厚労省は頂いて公表し、現状把握ができるようにそういうオプションとして出していくことを考えております。ここは本当に単純なイメージ図ですが、最低限こういうことはやっていかないと、国民への情報還元というか判断材料がないのではないかなと思っております。
○伊藤委員 議員立法の準備が進んでいるというお話でしたが、どこまでできているのか、できれば開示してほしい。できてしまってからでは、案が固まってしまってからでは国民は何も言えなくなってしまいます。なぜ、ここの話と議員立法の話とがドッキングしないのかが不思議に思う。
○永井委員長 今の点を是非御説明いただけますか。
○鎌田課長 第2回の専門委員会の資料3の15ページです。ごめんなさい。今お手元にないのですが、第2回の専門委員会の資料3の15ページに、検討中の法案の概要ということでお示ししていて、それを今私は申し上げました。
○永井委員長 桜井政務官が来られたときの話ですか。
○鎌田課長 左様でございます。桜井副大臣が来られたときです。
○永井委員長 それがその後、どういう状況になっているかという御報告は。
○鎌田課長 その後、その案のまま、今、各党において承認の手続というか、それが取られているところです。
○伊藤委員 かなり進んでいるのですか。
○鎌田課長 かなりというか、今国会に出されるために、精力的に検討していただいて進んでいると理解しております。
○永井委員長 その話とここの委員会のまとめというのは、どう調整するのでしょうか。
○鎌田課長 この議員立法は平たく申し上げれば、再生医療に関する基本法あるいは理念法的な位置づけです。広く再生医療の研究、医療、再生医療製品の審査、再生に関する事業を、方々に対して迅速に国民に提供するとともに、その際には安全を確保しなければならないという理念を書いて、必要な法制上の措置を取ってください、必要な財政上の措置を取ってくださいということを言って、考え方をまとめている法律です。その中に、先ほど私が御紹介した国民の皆様方に情報提供することもありますし、医療の安全についても確保しろというような考え方を示されております。
 したがって、そうした議員立法で示すような基本的な考え、方針を踏まえて、我々は具体的な措置について政府のほうで考える。それが今、御議論いただいている新たな法的枠組みであり、また薬事法において新たに再生医療製品に関して規定を作ることにしております。それは先達て、医薬局から御説明しているところですが、それも議員立法のほうで再生医療製品に関して、再生医療にふさわしい審査体制を取れというような考え方を示されているので、そうした議員立法を受けて各班の施策を行政府のほうで取るというような関係になっています。
○梅澤委員 再生医療学会から状況提供について、どういうことを行っているかを簡単に御報告させてください。広く一般的に社会に対しては各学会で、大会で市民公開講座を開いております。前回の澤委員が開いた会場では、澤委員、山中博士、岡野理事長が市民公開講座を開いて、かなり好評を博しています。メディアに関しては、坪田広報委員長が年2回程度、交通の便のいい六本木でメディアの方々を集めて、私が知る限り毎回満員で、かなりの方にいらしていただいております。例えば、ここにおられる大和委員であれば「いまさら聞けない再生医療」というタイトルだったかで、御講演をしていただいています。3番目として小中高への教育ですが、社会やメディアに対してと違いましてシステム化はされておりませんが、各研究室にはいつも小中高の方々が見学に来ている印象を持っております。今後、学会としてのシステム化ができるといいなとも感じました。ありがとうございます。以上です。
○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今日は大体時間になりましたので、今日の論点を次回までにまとめていただいて、更に議論を深めたいと思います。
 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
○荒木室長 今日も十分な御議論を頂き、ありがとうございます。頂いた御指摘等については、再度次回に御報告をいたしたいと思っております。次回は3月19日(火)、時間は5時から7時を予定しております。詳細についてはメール等でお伝えいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
○永井委員長 本日はこれで終了いたします。長時間ありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課再生医療研究推進室
TEL  03−5253−1111
内線 2587

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