ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会添加物部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会




2012年12月6日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

平成24年12月6日(木) 10:00~11:40


○場所

中央合同庁舎第5号館22階 専用第14会議室
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

委員

若林部会長 穐山委員 井部委員
小川委員 鎌田委員 佐藤委員
山内委員 由田委員 吉成委員

事務局

新村食品安全部長 森口基準審査課長 横田補佐 高橋補佐
山本専門官 大井専門官 松田技官

○議題

(1)硫酸カリウムの新規指定の可否等について
(2)乳酸カリウムの新規指定の可否等について
(3)5-メチルキノキサリンの成分規格の一部改正の可否について
(4)その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきます。
 本日は御多忙のところを御参集いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員の皆様の出席状況でございますけれども、本日は井手委員、北田委員、中島委員、堀江委員より欠席されるという御連絡を頂いております。また、由田委員から20分程度遅れるという連絡を頂いております。また、佐藤委員は連絡はまだないのですけれども、遅れられているようです。
 しかしながら、現時点で添加物部会委員13名中7名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会は成立いたしますことを御報告申し上げます。
 続きまして、9月10日付で事務局に人事異動がありましたので御紹介させていただきます。
 前食品安全部長の三浦に代わりまして、新しく新村が着任いたしました。新村より御挨拶申し上げます。
○食品安全部長 ただ今御紹介いただきました新村です。よろしくお願いいたします。
 日ごろより委員の先生方におかれましては食品安全行政の推進に御助言、御協力いただきましてありがとうございます。
 食品安全に関してさまざまな課題がございますけれども、食品添加物の安全性についても国民の関心が高いものの一つになっております。引き続き委員の先生方の御意見を賜りながら、国際基準や科学的な知見を踏まえつつ対応していきたいと考えております。
 国が主体的に指定に向けた取組を行うこととしている国際汎用添加物でございますけれども、本日御報告させていただきますけれども、指定手続の迅速化・効率化を進めることが今年の7月に閣議決定されております。この閣議決定に従いまして、指定手続の迅速化に取り組んでいく必要がございますので、若林部会長を初め、委員の先生方におかれましてはよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
 本日は国際汎用添加物2品目の新規指定を含む3件の議事について御審議いただくこととしております。委員の皆様方におかれましては、専門家として忌憚のない御意見を賜れればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上、甚だ簡単でございますけれども、御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○事務局 また、10月1日付で専門官といたしまして山本が着任いたしております。
○事務局 山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
○若林部会長 おはようございます。
 最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 まず最初に、議事次第としまして1枚ございます。
 その次に配付資料一覧がございます。
 その次に委員名簿がございます。
 続いて座席表がございます。
 その後から資料でございますが、資料1のシリーズとしまして、資料1-1~1-3が1つの束になっております。
 資料2のシリーズとしまして、乳酸カリウムに関する資料として、資料2-1~2-3までがセットになっております。
 5-メチルキノキサリンの資料としまして、資料3-1~資料3-3までが1つの資料になっております。
 その後ろに報告資料1-1としまして利益相反に関する資料。報告資料1-1と1-2がセットになっております。
 報告資料2としまして「国際汎用添加物(15品目)の指定の流れ(ロードマップ)」。
 報告資料3としまして「平成23年度マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について」。
 その後ろに参考資料としまして「5-メチルキノキサリンの指定に係る添加物評価書」がございます。
 あと資料2-2の机上配付資料としまして1枚がございます。
 以上でございますけれども、不足や落丁等ございましたら、お気付きの際に事務局までお申し出いただきますようお願い申し上げます。
○若林部会長 よろしいでしょうか。配付資料が何か不足のような方はいらっしゃいますか。特にないですね。
 それでは、審議に入る前に事務局から利益相反の取扱いについて報告があるとのことです。
 事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 報告資料1-1、1-2の束を御覧ください。
 先日の食品衛生分科会におきまして、利益相反の明確化が行われましたので、その点について御報告いたします。
 報告資料1-2が正式な審議参加規程になりますが、説明につきましては報告資料1-1の骨子で御説明させていただければと思います。
 まず利益相反につきましては、審議の公正さに疑念を持たれないようにきちんと確認しくということになっているものです。対象となる方は会議に参加いただく委員、臨時委員、専門員、参考人で、対象となる会議としては添加物部会を含む企業からの申請があるような部会としております。
 具体的な取扱いについては骨子の3にございますが、審議品目の申請者又は競合企業からの寄附金、契約金等について金額ごとに取扱いを変えております。取扱いとしては、まず(1)~(3)の場合があります。
 (1)の500万円を超える場合につきましては、当該品目の審議又は議決中、会場から御退出いただくものでございます。
 (2)の50万円を超える年度があり、いずれの年度も500万円以下であるといった場合については、出席し意見を述べることはできますが、審議品目についての最終的な議決には加わらないというものでございます。
 (3)のいずれの年度も50万円以下である場合につきましては、議決にも加わることができるというものでございます。
 ただ、(4)に特例がございまして、特段発言等が必要ということであれば、審議、議決に参加ができるというような特例もございます。
 また、寄附金、契約金等以外につきましては4番にございますが、申請資料の作成に密接に関与した委員については、審議会場から御退出いただくというような取扱いとなっております。
 6番、7番につきましてですが、3年間ほど確認を行うというものでございまして、最も受領額の多い年度を自己申告いただくものでございます。
 8番ですけれども、今回から利益相反について確認をさせていただければと考えておりますが、事務局のほうで冒頭に確認状況を御説明させていただき、その取扱いを議事録にきちんと記録する。また、事前に委員の先生方に御提出いただきました申告書につきまして、後日厚生労働省のホームページ上で公開させていただくといった手続とさせていただければと思います。
 8番の下にございます表は、先ほど御説明いたしました金額ごとの取扱いについて一覧の表にまとめたものでございます。
 簡単でございますけれども、説明は以上でございます。
○若林部会長 ただ今の利益相反に関することで何か事務局に質問はございますか。よろしいですか。
 それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について御報告をお願いします。
○事務局 本日の部会におきましては、3品目ほど審議対象の品目がございます。このうち国際汎用添加物につきましては、国が主体的に行っているものでございますので、利益相反の対象からは外させていただいております。
 議題3の5-メチルキノキサリンにつきましては、もともと国際汎用香料ということで国が主体的に指定を行ったのですが、今回成分規格の一部改正ということで、業界団体のほうからの要望でございますので利益相反の確認の対象となります。したがいまして、今回1品目のみ確認の対象になっております。
 5-メチルキノキサリンの成分規格の見直しに関しましては、日本香料工業会からの申請を端緒としていることから、審議会参加規程に基づき日本香料工業会及び香料の売上げ上位3社について過去3年間における寄附金等の受取等について委員より御申告いただきました。その結果、本日御出席の委員について退出が必要あるいは議決に参加できない委員等がいないことを確認しております。
 なお、先ほど御説明いたしましたとおり、各委員に御提出いただいた申告書については、規定に基づき後日厚生労働省のウェブサイト上で公表する予定でございます。
 以上でございます。
○若林部会長 ありがとうございました。
 よろしいですね。
 それでは、審議に入りたいと思います。
 本日の議題は3つあります。「硫酸カリウムの新規指定の可否等について」「乳酸カリウムの新規指定の可否等について」「5-メチルキノキサリンの成分規格の一部改正の可否について」であります。
 それでは、1つ目の「硫酸カリウムの新規指定の可否等について」の審議に入りたいと思います。
 まずは事務局のほうから説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、説明をさせていただきたいと思います。
 硫酸カリウムにつきましては、平成14年4月に食品衛生分科会で了承されました、国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物の1つとして挙げられている品目でございます。
 本品目につきましては、食品安全委員会へ平成19年2月6日に食品健康影響評価の依頼を行っております。
 食品安全委員会では平成20年6月17日~平成24年10月25日までに計5回にわたりまして添加物専門調査会で審議がされまして、現在、パブリックコメントを行っている状況でございます。
 それでは、資料につきまして御説明させていただきます。資料は資料1-1を御覧になっていただきたいと思います。
 資料1-1につきましては、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会会長への諮問書でございます。
 次に資料1-2でございます。「硫酸カリウムの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)」につきまして御説明させていただきます。
 「品目名」でございますが、硫酸カリウムでございます。
 「用途」ですけれども、調味料、フレーバー、そしてフレーバーの助剤の使用を含むというものでございます。
 「概要及び諸外国での使用状況」につきましては、食品加工の食塩代替品として欧米諸国等で食品添加物としての使用が認められております。
 JECFAにおきまして、硫酸カリウムについてはADIは特定しないとされています。
 米国ではGRAS、一般に安全と認められる物質でありまして、GMPの下で食品に使用することが認められています。
 欧州連合EUにおきましては一般の食品に必要量を加えることができ、また担体又は担体溶剤としての使用が認められています。
 我が国では、類似物質としまして硫酸アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸カリウムが食品添加物として指定されています。
 次に2ページでございます。「食品添加物としての有効性」でございます。食品添加物の有効性としましては、食塩代替製剤の成分として、調味料として各食品に利用することができるとされております。
 食品安全委員会における評価結果につきまして、次の6番のところになりますが、食品安全委員会からの「食品健康影響評価(添加物評価書(案))」の抜粋の内容を記載させていただいております。
 3ページ中ほど6番の後ろになりますけれども、「以上から」というところでございますが、食品安全委員会における評価結果につきましては、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを特定する必要はないということで評価がなされております。
 次に「摂取量の推計」のところでございます。
 摂取量の推計につきましては、我が国で現在、使用が認められております類似用途の塩化カリウムの摂取量につきまして、食品向けの出荷量から63.7mg/人/日と算出されておりまして、仮に塩化カリウムの使用量のうちの半量が硫酸カリウムにより代替されるとすると、添加物「硫酸カリウム」の一日推定摂取量は74.4mg/人/日になるということで、食品安全委員会の「添加物評価書(案)」の中に記載されております。ページにつきましては4ページの8の前の「生産量ベースでの摂取量調査報告によれば」というところの部分になります。
 硫酸カリウムの成分規格案につきましては、硫酸カリウムが食品添加物として指定ということになりますと、食品衛生法第11条第1項の規定に基づき成分規格を定めることになりまして、成分規格案としまして、成分規格を別紙1ということで添付させていただいております。成分規格案につきましては、JECFA、EU、FCCとの整合性を考慮しておりまして、第8版食品添加物公定書も参考にして設定をしております。
 主な項目につきましてですけれども、それぞれのJECFA、FCC、EUの規格の比較表につきましては9ページの別紙3を御覧いただければと思います。
 主な項目につきましてですが、確認試験につきまして、硫酸塩及びカリウム塩の確認試験はJECFA、EU、FCCと公定書の一般試験法の試験方法がほぼ同様であることから、公定書の一般試験法を設定しております。
 純度試験につきましては、JECFA、EU及びFCCで規定されている液性、鉛、セレンのほか、EUで規定されているヒ素につきまして、公定書の硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムに準じて設定をしております。なお、EUでのみ規定されている水銀につきましては、混入の恐れが少ないことを踏まえまして設定しないこととさせていただいております。
 4ページを御覧いただきたいと思います。「8.新規指定について」の「(2)使用基準について」のところでございます。食品安全委員会における評価結果(案)では添加物として適切に使用される場合、ADIを特定する必要はないと評価をされております。また、米国においてはGRASでありまして、食品への使用が可能であること、及びEUにおいては一般食品に必要量の使用が可能であること、我が国において使用が認められている硫酸ナトリウム及び塩化カリウムにつきましては特段の使用基準は設定されていないということから、使用基準は設定しないこととすることが適当であると部会報告書案に記載させていただいております。
 硫酸カリウムにつきましては、以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○若林部会長 ありがとうございます。
 硫酸カリウムについて皆さんに御意見を頂きたいのですが、その前に小川先生のほうから硫酸カリウムに関する食品安全委員会の毒性評価等について簡単に補足していただけないでしょうか。
○小川委員 食品安全委員会のほうで、今、パブリックコメントのところにあるという状況ですが、こちらは硫酸カリウムそのものを被験物質とした試験はほとんどされていないということで、そのものの評価は難しい状況です。資料1-3の33ページが最終的な食品安全委員会の硫酸カリウムの評価書になりますが、「?.食品健康影響評価」にございますように、硫酸カリウムが強酸と強塩基の塩であるということなので、胃の中ですぐに硫酸とカリウムに分かれてしまうということになります。硫酸塩として硫酸アンモニウムとカリウム塩として塩化カリウムについての毒性影響について検討されたところ、いずれにも懸念はないということで、また、カリウム塩自体がほかの食品にも多量に含まれているものでありますので、ADIを特定する必要はないと最終的に評価しております。また、JECFA、FDA、EUにおいても同様のADIの設定は特定しないということでまとめられておりますので、同じ結果になったと考えてよろしいかと思います。
 以上です。
○若林部会長 ありがとうございました。
 今、小川先生のほうから毒性のことについて少し御説明がありましたけれども、事務局のほうからは硫酸カリウムの用途が調味料、フレーバー、概要、諸外国での使用状況、食品添加物の有効性等々が説明されまして、4ページのところの成分規格案について、9ページのところにあります本規格案とJECFAの成分規格が示されているということであります。使用基準についても今、説明されたとおりであります。
 委員の皆様からの御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 井部委員。
○井部委員 勉強不足でお恥ずかしいのですが、用途のところで「調味料、フレーバー」と書いてあるのですが、においが何かあるのでしょうか。
 それと助剤という使用の仕方を教えていただければと思います。
○若林部会長 事務局のほうからお願いできますか。調味料、フレーバー、助剤の簡単な説明をお願いいたします。
○事務局 用途でございますが、国際汎用添加物でありますので、日本でこのものが使われている用途が実際にあるわけではございません。ですので、EUですとかアメリカのほうで使われている用途ということで記載させていただいております。
 調味料につきましては、食塩の代替品のようなもの、いわゆる味を調整するような形のもので使われると理解をしております。
 フレーバーにつきましては、香り付けですとか摂取した場合の食品に対する風味付け、味も含めてということで、そういったものに使うことがあるということで記載させていただいております。
 助剤につきましては、フレーバーを作る際に使われる、それと混合して風味を調整するような形で、フレーバーを作る際の助剤という形で使われているということでこのように記載させていただいております。
○若林部会長 御理解できましたか。
○井部委員 においはあるのですか。
○事務局 恐らくにおいはないとは思うのですが、国際的に使われているものですのでまず英語上の記載を説明しますと、JECFAと米国と2つあるのですが、JECFAでは「salt substitute」という文言で、食塩代替品とされています。日本では調味料になるかと思います。米国ではFDAのCFRという法律で、硫酸カリウムは「flavoring agent and adjuvant」ということで、flavoring agentと、adjuvantは助剤に当たるものなのですけれども、そういうふうに定義されています。ただ、実際flavoring agentはtasteとaromaのことを指すということですので、調味料でも香料でもflavoring agentに入ってしまうのですが、恐らくにおいがないでしょうから日本では調味料の方になると思います。つまり、今回、国際汎用添加物ということで外国の書き方に合わせたところはありますけれども、香りはないだろうと思われますので調味料になり、また、調味料の増強的な役割も果たすのかなと考えています。
 済みません、ちょっと分かりにくいかもしれません。分かりにくいようであれば、フレーバーとの記載を修正し、調味料とする方が分かりやすいかなとも考えます。
○若林部会長 今のところのお話をもう一度説明してください。
○事務局 部会報告書は用途の項目に、調味料とフレーバー(助剤)と記載させていただいたのですが、混乱を招くようでしたら調味料という記載でまとめさせていただいたほうがいいのかなと考えております。
○基準審査課長 フレーバーというと香料のイメージが日本では非常に強いと思うのですけれども、これを使った食品に表示させるときに香料と表示させるのは不適切なことになるかなと。むしろ味のほうで使っている、調味料、食塩の代替で使っているというということであれば、それは調味料として表示させるべき成分ですので、そういった誤解を生まないように、今回の報告書(案)では外国の規定をとりあえず入れましたけれども、最終的に部会報告書(案)にするのに消していただいても、もちろん構わないと思っております。
○若林部会長 事務局からは「フレーバー(助剤としての使用を含む)」というところを削除したほうがいいという案ですね。
 いかがでしょうか。
 佐藤委員。
○佐藤委員 JECFAのfunctional useを見ると、食塩代替とacidity regulatorが入っているのですけれども、pH調整剤の用途は今回は入らないのでしょうか。
○事務局 明確にpH調整剤というような記述が見当たらなかったものですから、先生のおっしゃるようなところはあるかと思いますが、このものにつきましてはpH調整剤というものは記載していない状況でございます。
○若林部会長 先ほどのところに戻りまして、フレーバーのところに関しては、皆さんはどのような御意見でしょうか。
○山内委員 助剤としての使用があるということであれば、フレーバーという言葉はなくていいと思うのですけれども、「調味料(助剤としての使用を含む)」というのは入れておいたほうがよろしいのではないですか。
○事務局 ありがとうございます。できればそのような形にさせていただければと思います。
○若林部会長 そのほかに何かこの点について。
 穐山委員。
○穐山委員 9ページですが、規格で溶解性のところなのですけれども、JECFA、FCC、EUは水に溶けやすい、あるいはエタノールに溶けないと設定されていますけれども、これは本規格案では設定しないということでよろしいですか。
○若林部会長 佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 溶解性は確認試験に入るのですけれども、水に溶けやすくてエタノールに溶けないという特徴は別に硫酸カリウムだけに限った特徴ではないので、情報としては有用なのですが、規格試験としてわざわざ設定する必要はないと思い、一般に入れませんので、今回も入れておりません。純度試験に溶状という比濁法で調べる試験はありますが、単に溶けやすい、溶けにくいというような表現で規格を作りますと、結局試験者のほうでも混乱の元となりますので設定しておりません。
○若林部会長 よろしいですか。
 では、また最初のところに戻って、フレーバーの文言については、皆さん、御意見はいかがでしょうか、今のところ用途は「調味料(助剤としての使用を含む)」という言葉としたほうがより適切ではないかという意見が出ておりますけれども、いかがでしょうか。
 佐藤委員。
○佐藤委員 日本の法律でフレーバーというのは定義されているのでしょうか。この用途は日本の用途ですね。
○事務局 今回用途を基準で制限するものではありませんが、主にこういう用途に使われるであろうというものをここで書かせていただいています。フレーバーという言葉は日本の食衛法の中で使っていないと思います。ですので、山内委員の御提案のとおり、「調味料(助剤を含む)」、助剤という言葉も調べてみないと分かりませんが、ただ国際汎用添加物であり、アメリカでadjuvantという用途も入っていることを見ると消さなくてもいいのかなという気もいたしますので、例えば「調味料(助剤を含む)」とさせていただくというのも今の案としては考えております。
○鎌田委員 済みません、混乱しました。助剤というのはフレーバーにかかるのですか、調味料にかかるのでしょうか、両方でしょうか。味が良くなるのをさらに助けるという意味の助剤、においの成分があって、それにこれを足し込むとそのにおいの成分がもっとよく鼻に来るという意味の助剤でしょうか。
○事務局 そうです。ここではフレーバーとフレーバーの助剤という意味で書かせていただいております。今、お話しいただいていますのは、フレーバーと調味料については日本の用途とかも含めますと、外国等で言っている「flavor agent」というものも含むと思われますので、「調味料(助剤としての使用を含む)」ということでよろしいのではないかと先生方のお話を聞いて考えております。
○若林部会長 そうすると、括弧の中が「フレーバーの助剤としての使用を含む」という格好にしたほうがいいのではないか。これは括弧だけれども、調味料の助剤というように意味を捉えてしまうのではないかという懸念です。
○事務局 用途の記載につきましては調味料、その助剤ということで、「調味料(助剤としての使用を含む)」とさせていただければと思います。
○事務局 大まかに言いますと、フレーバーが日本でいうと調味料と香料のことだと思うのです。今回恐らく香料としてではないので、調味料の助剤ですので、もし書くとすれば「調味料(調味料の助剤として)」ということです。
○若林部会長 では、元の格好で、「調味料(助剤としての使用を含む)」。
○事務局 ただ、分かりやすくするとすれば「調味料(調味料の助剤)」になるかと思います。主な用途ですので助剤は入れなくてもいいかもしれません。
○由田委員 調味料の助剤というのは日本の中で理解が得にくくて、かえって混乱するのではないかと思うのです。先ほど伺っていると、主な使用目的というお話であれば、そこを細かく書かなくても「調味料」だけでいいのではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○若林部会長 それが一番すっきりしますね。
 それ以外のところは硫酸カリウムはよろしいですね。毒性の箇所ですとか、使用基準というようなところに関しては特に問題ないと思いますけれども、用途の表現だけが問題になりました。
○事務局 確かに助剤という言葉が今まであまり使ってこなかったこともありまして、ここは、これで用途を規制するわけではありませんので、いろいろ御意見を伺って、最後に「調味料」を主な用途として記載させていただいてもいいかと思いますが、「調味料」だけというのはいかがでしょうか。
○若林部会長 いかがでしょうか、一番すっきりすると思いますけれども、用途のところを「調味料」だけにする。あとの「フレーバー」以下を削除するということでいかがでしょうか。
 それでは、硫酸カリウムの食品添加物の指定に関することで、用途のところを先ほど言いましたように「フレーバー(助剤としての使用を含む)」を削除することでの新規指定について可とするということでよろしゅうございますでしょうか。特に御異論はございませんでしょうか。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 部会報告書を取りまとめ、分科会へ報告する手続をとりたいと思いますけれども、事務局からそのほかに何か御説明はございますでしょうか。
○事務局 本品目につきましては、食品安全委員会において現在、パブリックコメントを実施中でございます。その終了後にはパブリックコメント中である旨の記載は事務的に修正をさせていただければと思います。
 また、今、お話がありましたような部分の変更等につきましては修正内容、変更等を部会長に御確認を頂きまして、特に問題がなければ手続を進めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○若林部会長 ただ今の事務局からの提案ですけれども、細かな文言の修正に関しては部会長に御一任いただいて、しかし大きなものになりましたらやはり委員の皆様方にちゃんと御意見を聞くということであります。
 このような事務局からの提案ですけれども、よろしいですか。
 それでは、今後のスケジュールについてどのようになりますでしょうか。
○事務局 今回の審議結果につきまして、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報などの所定の手続を開始したいと思っております。ただ、食品安全委員会でパブリックコメント中でございますので、もし何かそれで変更等がございましたら、また御審議いただくこととなるかと思います。
○若林部会長 それでは、次の議題のほうに移ります。「乳酸カリウムの新規指定の可否等について」の審議を行いたいと思います。
 事務局からの説明をまずお願いします。
○事務局 それでは、乳酸カリウムにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 乳酸カリウムにつきましては、平成14年4月に食品衛生分科会で了承されました、国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物の1つとして挙げられている品目でございます。本品目につきましては、食品安全委員会へ平成19年2月6日に食品健康影響評価の依頼を行っております。
 平成24年10月25日までに計5回にわたりまして添加物専門調査会で審議がされまして、現在、パブリックコメントが行われております。
 それでは、資料につきまして御説明させていただきます。資料は資料2-1からでございます。資料2-1を御覧いただければと思います。
 資料2-1につきましては諮問書でございます。
 資料2-2につきまして部会報告書(案)でございます。部会報告書(案)について御説明をさせていただきます。
 「品目名」は乳酸カリウムでございます。
 「用途」は調味料、pH調整剤でございます。
 「概要及び諸外国での使用状況」につきましては、調味料、pH調整剤として欧米諸国等で食品添加物として使用が認められております。
 JECFAにおきましては、乳酸カリウムについてADIを制限しないとされております。その際ですけれども、光学異性体のD-体及びDL-体につきましては生後3カ月未満の乳児の食品には使用すべきでないとされております。
 米国におきましてはGRASでありまして、GMPの下で食品の風味増強剤、pH調整剤などとして食品に使用することが認められています。なお、乳児食品、乳児用調製乳につきましては、使用される食品の対象から除かれているということでございます。
 欧州連合EUでは食品への使用が認められておりまして、一般の食品に必要量を加えることができるとされております。なお、乳児食品につきましてはL-体のみ使用が認められておりまして、その際にも必要量を加えることができるとされております。
 我が国での状況でございますが、我が国では類似物質としまして乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸鉄が食品添加物として指定されております。
 5番のところになりますが、「食品添加物としての有効性」につきましては、食塩代替製剤の成分あるいは調味料として各種食品に利用することができるとされております。利用例としましては生麺の保湿効果や白菜漬けでの食塩の使用量を削減できるとされております。
 「食品安全委員会における評価状況」でございます。
 食品安全委員会における評価結果につきましては、2ページから「添加物評価書(案)」抜粋を記載させていただいておりますが、3ページの2段落目「本専門調査会としては」というところから御覧いただければと思います。食品安全委員会における評価結果につきましては、体内動態及びヒトにおける知見を検討した結果、次のように判断がされております。
 乳酸はL-体、D-体のいずれも生体内で合成され検出される物質であり、生体内において代謝分解可能である。しかし、乳幼児に乳酸を添加した調製粉乳を経口摂取させることにより、代謝性アシドーシスが認められ、尿中乳酸濃度が増加したという知見がある。
なお、乳幼児に代謝性アシドーシスが認められた知見の中には、乳酸のL-体、D-体の区別がないアシドーシスの報告がある。一方、健康なヒトにおいて、食品中に含まれる乳酸摂取による代謝性アシドーシスに関する報告はみられていない。
 以上より、本専門調査会としては、乳幼児向け食品に添加物として乳酸(L-体、D—体又はDL-体)を使用することは、乳幼児期には乳酸の代謝能が低いことに加え、摂取する食事が多様性に欠けることから、乳酸の過剰摂取の原因となり、代謝性アシドーシスをもたらす懸念があると考えた。
とされております。
 また、本専門調査会としましては、添加物「乳酸カリウム」が添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考え、添加物「乳酸カリウム」のADIを特定する必要はないと評価したとされております。ただし、乳幼児向け食品に添加物「乳酸カリウム」並びに乳酸及び乳酸塩類を主成分とする添加物を使用する場合、代謝性アシドーシスをもたらす懸念があるため、適切な措置が講じられるべきであるとされております。
 4ページになります。「7.摂取量の推計」というところでございます。
 食品安全委員会の評価案によりますと次のとおりとされておりまして、5ページの「(2)塩化カリウムの代替品として」を御覧いただければと思います。摂取量の推計につきましては、我が国で現在、使用が認められている類似用途の乳酸ナトリウム、塩化カリウムの摂取量につきまして、食品向けの生産量から26.7mg/人/日、塩化カリウムにつきましては63.7mg/人/日と算出されております。これらの使用量の全量が乳酸カリウムにより代替されるとすると、添加物「乳酸カリウム」の一日推定摂取量は139.9 mg/人/日になるとされております。なお、この場合の食品添加物の乳酸の摂取量の増加量につきましては76.9 mg/人/日でありまして、カリウムとしての1日総摂取量の増加分は42.7 mg/人/日と推定がなされております。
 続きまして、成分規格案につきましてでございます。成分規格につきましては、7ページの別紙1に成分規格案を付けさせていただいております。別紙2につきましては乳酸カリウムの規格設定の根拠、12ページの別紙3に乳酸カリウムのJECFA、EU、FCCとの比較表を添付させていただいております。
 成分規格につきましてはJECFA、EU、FCCとの整合性を考慮いたしまして、第8版食品添加物公定書を参考に設定されております。
 主な項目についてでございますが、確認試験につきましては、乳酸塩及びカリウム塩の確認試験は、JECFA、EU、FCCの方法も踏まえまして、公定書の一般試験法を設定しております。
 純度試験につきましては、JECFA及びEUで規定されております遊離酸、JECFA、EU及びFCCで規定されている鉛、EUで規定されているヒ素について設定をしております。ヒ素につきましては、その限度値を公定書に準じた形での設定ということにさせていただいております。
 また、FCCで規定されている液性につきましては、遊離酸を設定することから、塩化物及び硫酸塩などにつきましては製造での原料となる乳酸においては規定がございまして、製造時の混入及び残留の恐れがないということを考えておりまして、JECFA及びEUでは規定されていないということから設定しないこととさせていただいております。
 なお、EUで規定されております水銀につきましては製造時の混入の恐れはないと考えられること、またJECFA及びFCCでは規定されていないことから設定しないということとさせていただいております。
 6ページに戻りますが、「8.新規指定について」の「(2)使用基準について」というところでございます。使用基準につきましては、食品安全委員会における評価結果の案におきまして、添加物として適切に使用される場合、ADIを特定する必要はないと評価していること、米国においてはGRASであり、必要量を食品に使用することが認められていること、EUにおいては一般の食品に必要量の使用が可能であること、我が国において使用が認められている乳酸、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムには特段の使用基準は規定されていないことから、乳酸カリウムの使用基準は設定しないことが適当であるとさせていただいております。
 6ページにつきましては、本日お手元のほうに配付させていただきました「(机上配布資料)資料2-2 6ページ」と右の肩に記載があります1枚の紙を併せて御覧いただければと思います。
 使用基準につきまして、乳酸カリウムの使用基準は設定しないことが適当であるとさせていただいております。しかしながら、食品安全委員会の評価書(案)におきまして、乳児向け食品に添加物「乳酸カリウム」並びに乳酸及び乳酸塩類を主成分とする添加物を使用する場合、代謝性アシドーシスをもたらす懸念があるため適切な措置が講じられるべきであるということが記載されておりまして、JECFAにおきましては3カ月未満の乳児向け食品にD-体、DL-体を使用すべきではないということは示されております。EUでは乳児向け食品にはL-体のみ使用可とされております。また、米国では乳児食品への使用できる食品からは除外されているということがございます。
 これらを踏まえまして、乳酸カリウム並びに乳酸及びその塩類につきましては、乳幼児に供する食品への使用に関して代謝性アシドーシスをもたらす懸念があることについて十分に留意する必要があることを周知すべきであるということとさせていただいております。
 乳酸カリウムにつきましては、以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○若林部会長 ありがとうございました。
 それでは、小川先生のほうから同じく乳酸カリウムの毒性等について御説明をもう少し詳しくお願いできますでしょうか。
○小川委員 ほとんどお話しいただいたところかとは思いますが、資料2-3の食品安全委員会の評価書についてですけれども、こちらのほうも先ほどと同様に乳酸カリウムそのものの毒性試験はほとんど行われていないということであります。最後の28ページのところに食品健康影響評価のまとめがありますが、こちらも弱酸と強塩基の塩であるということで、やはり胃液中で乳酸とカリウムに乖離するということで、そちらの塩について検討されております。
 こちらにつきましては、乳酸の化合物として乳酸カルシウムについて13週間の試験と発がん性の試験について検討しており、懸念されるような毒性はないということが示されております。
 また、カリウム塩につきましては先ほどと同様なのですけれども、塩化カリウムなどにおいても特に懸念されるような毒性はないということですので、それぞれ乳酸あるいはカリウムについては特に懸念はないということから、一般的にはADIを設定する必要はないと結論付けております。
 乳児における乳酸の代謝能が大人より劣るということで懸念をするようにという注意喚起がされております。JECFAにおいては、1974年のJECFAの決定でD-体とDL-体のみ使用が禁止されるという形になっておりますけれども、その後の検討も加えて食品安全委員会のほうではD-体、DL-体、L-体いずれについても乳児の使用は控えるという決定になっています。
 以上です。
○若林部会長 小川先生、どうもありがとうございました。
 それでは、委員の皆さんから乳酸カリウムに対しての御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
 山内委員。
○山内委員 6ページにお示しいただいた新規指定のところで、基本的に一般的な食品についての使用自体は問題ないと思いますので賛成いたしますが、食品安全委員会でも御指摘いただいているように、乳幼児向け食品での使用については代謝性アシドーシスをもたらす懸念があるため適切な措置が講じられるべきであると管理機関へのお願いが出ている関係で、この適切な措置を部会としては検討したほうがいいと思います。その際に今、御説明がありましたように、JECFAやEU、米国においては、表現は違いますけれども、3カ月未満の乳児については使用しないという制限がかかっているようでございますので、これを鑑みて日本でも明確にこのような何カ月齢以下の乳児には使用しないようにしたほうがいいという表現で規制をかけたほうがいいのではないかと思いますが、その辺りはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
 また、周知すべきであると部会報告書に書いてありますけれども、具体的にはどのような方法でもって周知を御検討になっているのか、これについても教えていただきたいと思います。
 以上です。
○若林部会長 乳酸カリウムについては乳幼児に対する代謝性アシドーシスのポイントだけが多分問題になると思いますけれども、今、山内委員から指摘された点はごもっともだと思いますので、どういうような対応方法でどういうように周知するのかということについて、事務局から何か御説明があればお願いできますか。
○事務局 まず1つ目、山内委員のほうからお話がありました何カ月未満ということについてでございますが、こちらにつきましては、食品安全委員会においては乳児、幼児ということでの記載になっておりますので、その部分はなかなか難しいのではないかと考えるところでございます。
 次の周知につきましてでございますけれども、こちらのほうはここに記載させていただいていますように、乳酸カリウムが今回審議品目でございますけれども、既に我が国で指定がされております乳酸及び乳酸塩類、乳酸カルシウム等も含めまして、乳児がこれらを添加物として使用された食品を供した場合に代謝性アシドーシスをもたらす懸念があるということを、乳酸カリウムの指定のところとはまた別な形でこれらの情報を周知させていただきたいと考えております。
○若林部会長 どういうような周知方法ですか。
○事務局 これにつきましては、今、お話しさせていただきましたが、それらの物質につきましての通知を出させていただくということで考えさせていただいております。
○若林部会長 今の事務局の説明に対していかがですか。
○山内委員 通知をするということは、厚生労働省としては、業界の方たちに注意してくださいということをお願いし、いわば業界の方の自主的な努力に委ねるということだと思いますけれども、部会報告書の1ページを見ると、アメリカやヨーロッパの例は国として何らか規制をされていると私には読めるのです。だから日本の管理措置としては、国としての規制をかけるというよりは、業界の自主的なお願いに委ねる、任せることでいいと考えていらっしゃるようですけれども、そういうふうに法的な規制をかけるまでのことはなく、今回は自主的なお願いのレベルでいいとお考えになっているその理由はどこの辺にあるのかということと、この措置について委員のほかの皆さんもどんなふうにお考えなのか、専門的な見地からお考えを教えていただきたいと思います。
○若林部会長 山内委員のほうから2つ、事務局が通知の方法をとるということについて、それでよしとする理由と、あとは委員の先生方がこの点についてどのようにお考えなのかということについて御意見をお願いします。まず委員の先生からいきましょうか。
○井部委員 山内委員のおっしゃるとおりだと私も思うのです。といいますのは、周知の仕方が全然具体的ではないのです、これでは分からないのではないですか。留意してくださいと業者に言っても、それぞれのやり方もあるだろうし、理解の仕方も違う。これは数値化は難しいのかもしれませんけれども、極端に言えばこれだと実際には使用基準がある雰囲気ですね。ですから、使用基準は作らないけれども、使用基準はある、ようにとれてしまうのですが、いかがでしょうか。
○事務局 1つは、乳酸カリウムが今回審議になっていますが、もう既に指定されております乳酸あるいは乳酸ナトリウムあるいは乳酸カルシウムにつきましては、1つの例ですけれども、ベビーフードは日本では使用の必要性がないことがありまして、使用されている実態にないということがまず一つございます。ですので、そういったもので使うことがないということに加えて、ADIの特定もなされていないということも考えますと、使用量という部分について制限を加える必要はないのではないかと思います。
 周知につきましてですけれども、今、おっしゃられたように、乳児に対して何カ月未満でありますとか、諸外国ではそういう形でのこともありますので、そういった部分の今、考えているところの状況でございますけれども、それらの実情といいますか、そういったところの情報も含めた通知を出して、さらに乳幼児向け食品における使用に関しては代謝性アシドーシスの懸念をもたらす恐れがありますということを、通知において周知をさせていただくと考えさせていただいております。
○若林部会長 追加説明をお願いします。
○事務局 済みません、追加します。
 既に指定されている添加物として、今、申しあげたように乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウムなどがあるのですが、使用基準という法的な基準は、今はございません。今回、乳酸関係の添加物として乳酸カリウムが追加されるという御審議をお願いしているという状況でございます。
 今、乳酸関係の添加物について使用基準は特に設けていないのですが、業界の方に聞いたところ、例えばベビーフード協会というものがあるのですが、そこで自主的な規格を作られていて、その中にベビーフードにはこういう添加物を使いましょうというリストがあるのです。そこには乳酸関係の添加物は全く含まれていない。ですので、恐らくベビーフードの会社が全部協会に入っているかどうかというのはありますが、一般的には自主的に乳酸をほとんど使っていないという状況になっていると承知しています。
 また、特にJECFAで議論になっている3カ月以下の乳児に関して、飲むとすればほとんど粉ミルクか母乳だと思うのですが、粉ミルクの大手メーカーさんに聞いたところ、乳酸はそもそも入れる必要がない物質であるため、その大手メーカーさんは入れていないという状況でございます。
 また、過去に平成20年の部会でステアロイル乳酸ナトリウムの御審議を頂いたことがあります。そのときも少し同じような御質問があったのですが、その当時に粉ミルクの話もさせていただいていております。当時、特に粉ミルクに今のところ含まれているとは承知していないということでして、全部を徹底的に調べたということではございませんけれども、恐らく現時点として、JECFAに合わせるとすれば3カ月未満の方への摂取はほぼないだろうと認識はしています。
 ですので、今回乳酸カリウムに基準を設けるということではなくて、乳酸も含めた全般に関して食品安全委員会からの指摘を受けて代謝性アシドーシスを発症するという報告がありますので、この点について、引き続きというか、自主的には対応されていると思いますが留意してくださいということを改めてお知らせするという対応をさせていただけないかと事務局のほうでは考えています。
○若林部会長 アシドーシスとしては乳酸カリウムだけではなくて他の乳酸ですとか乳酸ナトリウムとか乳酸カルシウムも全て対象になるのですが、これらのものに関してはこの中での議事の対象にはなっていないし、実際には今のところは法的には規制されていないのですけれども、業界の自主的規制では明らかにそれが守られているという現状です。今回乳酸カリウムだけを対象に規制するというようなことになりますと全体の中のある一部分だけの話になってしまうので、今回は通知という格好でできないかというような事務局からの提案のように思いましたけれども、御意見はいかがでしょうか。
○佐藤委員 乳酸は天然に広く存在するものなので、今回通知という形で注意喚起というお話なのですけれども、業者さんというよりは、実際に乳幼児を持っているお母さん方にもそのことを広く伝えるような方法でお知らせなりした方がもしかするとより効果的なのかなと思うのです。添加物という観点よりも乳酸と捉えて広く注意喚起をやっていただいたほうが、使用基準を作るとかそういったことよりも効果的なのではないかと思います。
○事務局 食品添加物でいうと食品製造の観点からになるのですが、お母さんへの注意喚起というとまた別の担当部署もございますので、相談してそちらは検討したいと思います。
○若林部会長 乳酸アシドーシスの関係ですけれども、委員の皆様方、そのほか御意見はございますか。
 どうぞ。
○鎌田委員 これはいわば成功体験なのですけれども、私が馬肉の安全性を調べたときに、冷凍すれば馬肉は食べてもいいよ、加熱しなくてもいいんだよと、寄生虫性の被害があったときに監視安全課から提言という形で通知を出してもらったのです。そうしますと、それからほぼ馬肉に関する食中毒の発生はちゃんと止まっているのです。それは業界が自分たちの産業、業界を守るために非常に緻密に提言を受け入れて実行した経験があるのです。ですから、厚生労働省からの発令、通知、提言は非常に有効だと思います。業界も自分たちのところが被害がありますと一気に駄目になってしまいますので、非常に積極的に取り組むのではないでしょうか。通知を出していただければ非常に有効だと思います。パブリシティーがあると思います。
○事務局 方法論になりますが、通知の方法ですが、通常、添加物を指定する際には指定しましたという通知にその品目のことをいろいろ書いているのですが、今回はその通知ではなくて、乳酸カリウムだけの話ではございませんので、もちろん時期は乳酸カリウムの指定時期になるとは思いますけれども、乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸塩類に関する注意として、別にしっかり通知でお知らせしたいと考えています。
○若林部会長 そちらのほうが非常に有効、効果的ですね。全体の乳酸を対象にするということだと思いますけれども、皆様の御意見はいかがでしょうか。鎌田委員のほうから通知はある面では非常に有効に働いているというような御意見がありましたけれども、いかがでしょうか。
 山内委員。
○山内委員 現状については分かりました。ベビーフードに対するベビーフード協会の寄与率というか、捕捉率があれば、分かりますか。全体のベビーフード生産量においてどれくらいのメーカーさんが入っておられるか。
○事務局 実際に正確にではございませんけれども、ベビーフード協議会では大手6社ほどの会社が入っておりまして、そういったものを扱う業者はほぼ網羅されていると理解はしております。
○若林部会長 よろしいですか。
 そのほかに何か乳酸とアシドーシスのことについて御意見のある方はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、乳酸カリウムに関しまして、先ほど言いました乳幼児に対するアシドーシスに関しましては事務局、厚労省のほうからしっかりとした通知を出して対応するということで、乳酸カリウムについての新規指定成分規格等々については可とするということでよろしゅうございますでしょうか。
 どうぞ。
○吉成委員 細かいことですけれども、この資料の1ページ目の「2.分子式及び分子量」というところで下に構造式が入っていますので、「構造式、分子式及び分子量」という形に直していただければと思います。
○若林部会長 御指摘ありがとうございます。
 では、そこのところは修正願います。
 そのほかはよろしいですか。
 それでは、そのような通知をしっかり出すということで乳酸カリウムの新規指定は可とするということでよろしいですね。
 それでは、分科会へ報告する手続をとりたいと思いますけれども、事務局から追加事項の説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 乳酸カリウムの部会報告書案につきましては、少し修正が入るということがございますので、この点につきましては修正内容を部会長のほうに御確認をいただきまして、特段に問題がなければ手続を進めさせていただきたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
○若林部会長 よろしいですね。
 それでは、今後のスケジュールについていかがですか。
○事務局 ありがとうございます。
 本品目は食品安全委員会においてパブリックコメントを実施中でございます。終了後にパブリックコメント中である旨の記載を事務局のほうで修正させていただきまして、部会報告書ということにさせていただきたいと思います。
 また、先ほど言いましたが、その他細かい文言の変更等があった場合につきましても修正をさせていただきまして、部会長のほうに御確認をさせていただければと思います。
 今後のスケジュールでございますが、今回の審議結果に基づきまして、食品衛生分科会での審議、パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続を開始させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○若林部会長 それでは、手続をよろしくお願いいたします。
 それでは、議題3に入ります。議題3は「5-メチルキノキサリンの成分規格の一部改正の可否について」です。この点について審議を行いたいと思います。
 事務局からまず説明をお願いします。
○事務局 それでは、5-メチルキノキサリンについて御説明させていただきたいと思います。資料3-1を御準備ください。
 資料3-1は諮問書でございます。
 資料3-2の1ページ目を御説明させていただきたいと思います。「5-メチルキノキサリンの成分規格の一部改正に関する部会報告書(案)」でございます。
 今般の添加物としての成分規格の一部改正につきましては、事業者より要請がなされたものでございます。「食品安全委員会において食品安全基本法(平成15年法律第48号)第11条第1項第2号の人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当する」と書いてございますが、これは評価が不要であるという意味でございます。そう認められると通知されたことを踏まえまして、この部会において審議をしていただくものでございます。
 「品目名」は5-メチルキノキサリンでございます。
 2番に構造式、分子式及び分子量を示させていただいております。
 「用途」は香料でございます。
 4番がこの品目の概要でございます。この品目は焦げ臭、ロースト臭などの香気を有しておりまして、食品中に天然にも存在しますし、加熱により生成します。欧米ではアイスクリーム、肉製品などに香料として添加されております。
 日本では国際汎用香料として以前食品安全委員会で平成17年に評価がなされ、こちらの部会で審議を頂き、平成18年に添加物として指定され、その際に成分規格が定められております。
 今回御議論いただくのは比重でございますが、指定の際に成分規格のうち、「純度試験(2)比重」につきましてはJECFAの規格を参照し25度で1.102~1.128として設定されました。
 2ページでございます。しかしながら、添加物としての指定の後に事業者において比重について検討を行いました結果、比重以外の規格の項目を満たすものであっても、添加物としての純度が高いものといいますか、含量が高いものは比重の項が設定された範囲に合致しないことが判明いたしました。このことを踏まえまして、比重の上限値の変更を求めるという要請がなされたものでございます。
 次に現行の規格が1.102~1.128、今回の改正案は上限値の1.128を1.132に変えてほしいという要請でございます。
 5番以降がこれの検証試験の結果でございます。
 表1に結果がございますけれども、5-メチルキノキサリンについて国内外で流通しているもののうち入手できるもの、また試薬の10サンプルを複数の施設において成分規格の測定を行いました。特に成分規格の項目のうち、含量と比重、屈折率をまとめたものでございます。
 3ページに結果をまとめたものがございます。2行目からでございますが、今回の含量と屈折率につきましては規格内に収まっておりましたが、比重につきましては実測値の範囲でいいますと1.1170~1.1300でございまして、特に含量が99.9%以上の7サンプルの比重の実測値が高かったということでございます。
 したがいまして、含量が高いほど比重の値が大きくなるという傾向がございましたので、指定当時の18年の状況に比べまして、高純度に精製された製品が流通するようになったのであろうと考えられております。
 6番に食品安全委員会の意見照会の結果でございます。冒頭にお示しいたしましたとおり、成分規格の改正ということで法的には食品衛生法第11条第1項に基づく改正でございますので、食品安全委員会へ意見を求めた結果、先ほど申しましたとおり評価不要ということで通知されております。
 7番が一部改正でございますが、比重の上限値1.128を1.132に改正することが適当であるとさせていただいております。
 4ページは別紙として改正部分を消した線で示させていただいているものでございます。
 説明は以上でございます。御審議をお願いいたします。
○若林部会長 ありがとうございます。
 5-メチルキノキサリンの件についてですけれども、成分規格に関しまして、比重を1.102~1.128を1.102~1.132に変更するという1つの改正でありますけれども、特に何か問題点はないように思いますけれども、委員の皆様から意見がありましたらお願いします。よろしいですか。
 どうぞ。
○佐藤委員 内容のことではなくて記載のことなのですけれども、4ページの別紙の比重のところで、1.128のほうは見え消し線が引かれていますけれども、その次の1.132のほうはアンダーラインは必要ですか。
○事務局 4ページの別紙のところで改正部分を取消しと下線で示すべきでございますので、1.128を取消していますが、1.132は下線を引いた形にしたいと思います。
 大変失礼いたしました。
○若林部会長 そのほか何か御意見はございますか。よろしいですか。
 意見がないということで、一部改正については可ということで進めたいと思います。
 それでは、事務局から今後のスケジュールについて説明してください。
○事務局 今後のスケジュールですが、今回の審議結果につきまして、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報等の所定の事務手続を開始させていただきたいと思っております。
○若林部会長 それでは、よろしくお願いします。
 審議事項は以上の3つであります。
 今からは報告事項に入ります。
 報告資料2の「国際汎用添加物(15品目)の指定の流れ(ロードマップ)」について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告資料2という1枚の紙を御覧ください。報告資料2について説明させていただきます。
 まず図の下の「規制・制度改革に係る方針」閣議決定について説明させていただきます。
 これは平成24年7月10日に閣議決定がなされたものを抜粋したものでございます。御説明させていただきます。
 国際汎用添加物のうち、いまだ指定がなされていない15品目について、「規制・制度改革に係る方針」(平成23年4月8日閣議決定)に基づき実施した「食品添加物の指定手続の簡素化・迅速化」のための措置を踏まえ、全ての品目について既に審議が開始されているところであり、このうち食品健康影響評価が終了している3品目については、平成24年度中を目途に指定する。
 その他の12品目については、国際汎用添加物の早期指定に向けてリソースを充実させた上で、既に指定された国際汎用添加物の指定に要した期間を踏まえ、追加資料の収集に要する期間を除き、指定までおおむね1年程度を標準とする今後のロードマップを策定・公表し、処理する。
<平成24年度上期措置(3品目指定は平成24年度措置)>【内閣府、厚生労働省】
と閣議決定されております。
 現在の状況と上の図について御説明させていただきたいと思います。食品健康影響評価が終了している3品目とございますが、既に2品目、リン酸一水素マグネシウムとサッカリンカルシウムについては既に御審議いただいております。リン酸一水素マグネシウムにつきましては先日11月2日に指定させていただいております。
 その他の12品目でございます。先ほど硫酸カリウムと乳酸カリウムを御審議いただきましたが、この12品目のうちの2つでございます。「その他の」以降の3行目にございますとおり、今後のロードマップを策定し、公表することとされております。これが上期措置、つまり9月末までということでございました。上の図がロードマップでございます。こちらを今年の9月12日に厚生労働省のホームページに掲載して公表させていただいております。今後、これに従いまして、迅速に処理を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○若林部会長 審議すべきは残り10ということですね。
○事務局 12品目については残り10でございまして、3品目についてはあともう一つまだ御審議いただいていないものがございます。
○若林部会長 そういうことでございまして、これ以上説明することはないと思いますが、何かございますか。
○基準審査課長 国際汎用添加物につきましては、平成14年に世界的には広く使われているけれども日本では要請がないので指定されていないというものについて国主導で指定していくという方針を薬食審で認めていただいて、15年から実際には作業が始まっているわけでございますけれども、10年たって当初目標にしていた45のうちまだ15が指定されていないというので、さすがに遅いではないかということで規制・制度改革事務局のほうから指摘を受けて、もっと迅速にすべしということで閣議決定が、追加の資料要求の期間を除いて事務局作業、それは食品安全委員会の作業とうちのほうの作業等ですけれども、おおむね1年で事務作業をするという縛りを今回付けられたということで、迅速にやっていかなければいけないということで、先生方のほうにもとりあえずもし食安委から評価書が出てくれば、議題が入るかどうか分かりませんが、すぐ会議ができるように日程を細かく押さえさせていただくというようなことでございます。
 それから、通常であれば食安委のほうで評価書が出てからこちらで審議していただくというのが本来のあり方だとは思いますけれども、食品安全委員会のパブコメで評価書の内容が大きく変わることは通常余り考えられないことから、パブコメに入った時点でこちらのほうでも指定に向けて審議をしていただいて作業していくという形で期間をなるべく短縮してやっていこうというようなことで、今回審議していただきました2品目についてはまだ食品安全委員会のパブコメ中という形で審議にかけさせていただいたものでございます。
 もし万一これで食品安全委員会のパブコメで内容が大きく変わる、今回こちらの審議内容に影響するような、例えばADIが変わったとか、そういうことがあれば、もちろんまた審議していただかなければいけないのですが、そういうことはほとんど考えられないということでそういうような手続で、この範囲についてはこういう形で今後も進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○若林部会長 そうしますと1月、2月、3月までは一応食品添加物部会の予定は入っていますけれども、それ以降は入っていない。日程調整が結構大変なので、早目早目に押さえておいたほうがいいかもしれないです。皆さんお忙しい先生方ですので。
○事務局 改めて御連絡させていただきたいと思います。
○若林部会長 どうぞ。
○山内委員 このロードマップの図というか、大きな四角の中は基本的に評価と管理機関での検討というのは順番とかが変わっているものではないですね。この上に「1年程度」と入ったというのが新しくなったということですね。
○事務局 この流れが変わったということではございません。ただ、1年のスタートについては、特に12品目に関してですが、閣議決定の7月の時点では既に評価の依頼はしており、添加物専門調査会で審議が始まっている状況でございますので、ここをスタートとして、終わりまでをおおむね1年と。ただ、追加資料を、例えば何らかの試験データが必要であると言われれば試験をしなくてはいけなくなりますので、そういった資料の収集期間を入れますと1年というのは無理になってしまうようなデータ収集もございますので、追加資料の収集期間を除いて1年程度、と示させていただいた状況でございます。
 あとは先ほど課長から説明いたしましたように、食品安全委員会で「添加物専門調査会」の隣に「意見・情報の募集」というのがあるのですが、これが食品安全員会でのパブリックコメントでございまして、私どもとしてはここに入った段階で下にあります「規格基準の検討」、まさにこの添加物部会で御審議を頂くことを開始したいと考えています。そこは順番が変わったということではございませんが、なるべく短縮できるところはするということでございます。
○若林部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、次の報告事項に移りたいと思います。
 報告資料3「平成23年度マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について」、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 報告資料3を御覧ください。ホチキスとじ2枚の資料でございます。
 こちらにつきましては、平成23年度に実施いたしました甘味料のマーケットバスケット調査の結果でございます。こちらについては摂取量の調査ということで、新規の指定時には毒性データから出たADIと、指定時は使われていませんから推定摂取量を計算いたしまして、ADIの範囲の中に収まっているということを事前に確認しております。
 一方、マーケットバスケット調査につきましては、指定後の摂取量について実態を調査して、ADIと比較して問題ない範囲になっているかを確認するということで、リスク管理措置の大きな1つの柱になっているものでございます。
 資料にいきまして、「目的」のところでございます。2段落目ですけれども、平成23年度は6種類の甘味料についてマーケットバスケット調査、スーパーで買ってきてそれを分析するというようなことを行っております。具体的な品目といたしましてはアスパルテーム、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア抽出物、こちらの6種類でございます。
 その下の「方法」です。いつもそうなのですけれども、今回は国立衛研が主となって、その他5機関の地方衛研に御協力いただきながら加工食品について分析を行ったということです。また、分析の仕方としては群を分類しておりまして、1群から、今回だと7群まで分けておりまして、それぞれの群ごとにどれくらいの摂取量があったのかを調査しております。計算に当たっては国立健康・栄養研究所で行いました加工食品群別年齢階級別の食品喫食量を用いて計算しております。
 その下の「結果及び考察」ですけれども、表で見ていただいたほうが分かりやすいかと思います。2、3ページを御覧いただければと思います。
 表が4つございます。表1と2が全体の平均値でございます。表3、表4が年齢階層別になったデータでございます。
 まず表1について御説明いたします。こちらは各混合群1~7群についてのそれぞれの摂取量の値になります。縦軸が食品添加物、横軸が食品群でございます。いろいろ数値が出ておりますけれども、簡単に御説明しますと、この中でいうとアセスルファムカリウムが調査の結果だと最も摂取量が多かったということで、1群の調味嗜好飲料ですとか7群の果実・野菜・海藻類が比較的この中では大きな値だったということです。なお、群の中で実際にどういうものに添加されているかといいますと、1群は調味嗜好飲料ですけれども、主に嗜好飲料のほうでして、例えば発泡酒、焼酎、ジュース、紅茶、コーヒー、スポーツ飲料といった飲料、これらのカロリーオフというような飲料に使われているというような実態がございます。
 あと7群、一番右側のところですけれども、こちらについては漬物に対して使われている実態があるということでございます。
 また、その他いろいろな群で出ていますけれども、ほかの群で代表的なものを申しますと、4群ですと、例えばさつま揚げですとか干し魚といったものに使用されています。
 5群については代表的なものとしてはアイスクリーム類でございます。
 6群はいわゆる一般的なお菓子ということで、キャンディー等に使用されているということでございます。こちらがそれぞれの一日摂取量ということです。
 続きまして表2でございます。こちらがリスク管理的には重要な表になります。一日摂取量とADIを比較したADI比を算出しております。表の中で一日摂取量というのは上の表の値を持ってきたものでして、その右側がJECFAで算出されたADIです。例えばアスパルテームであれば40というような値が出されております。グリチルリチン酸は空欄になっていますが、こちらはADIがJECFAで評価されておらず、ADIが設定されていないので空欄となっております。一日摂取量とADIを比較いたしまして、一番右の縦の列ですけれども、対ADI比を出しております。この中で最も対ADI比が大きかったのはアセスルファムカリウムです。ただ、それでも0.27ということなので、摂取量とADIを比較した値は極めて少なく、安全性上は問題ない摂取量になっているのではないかというようなことでございます。
 続きまして、3ページに移りまして、こちらは年齢層別のものでございまして、表3が摂取量、表4がADI比となっております。
 まず表3ですけれども、全体の傾向といたしましては、アスパルテームについては最も摂取量が多かったのは7~14歳の年齢層、それ以外の添加物については20歳以上が最も摂取量が多いというようなものでございます。
 ADI比は表4の値になります。体重当たりにすると1~6歳の部分が値としては最も大きなものになります。ただ、こちらにつきましても先ほどと同様、ADI比としては極めて少ない値ですので、摂取量としては問題ない範囲になっているというような結論を得ております。
 マーケットバスケット調査につきましては、全体としては安全性上問題ない摂取量になっているというような結論でございます。
 説明は以上でございます。
○若林部会長 どうもありがとうございました。
 何か御質問はございますか。
 まだ日本ではそれほど大きな問題になっていませんけれども、米国では非常に肥満児が問題になっておりますので、こういうような甘味料の使用量などは今から問題になる可能性が出てくるかもしれませんね。
 どうぞ。
○井部委員 全国の地衛研でやっていますが、地区の差はあるのでしょうか。
○佐藤委員 甘味料に関しては余り地区の差はないと思います。
○若林部会長 例えば食塩ですと、沖縄県と秋田県ですと1.5倍くらい量が違うのですけれども、そういうような差は甘味料の場合特にはないということですね。
○佐藤委員 そうです。
○若林部会長 何かありますか。
○事務局 地域差よりも恐らく年齢層によって食べる食品、例えばお菓子をよく食べるとか、お酒を飲むとか、そういう影響のほうが大きいのではないかなと考えています。
○若林部会長 よろしいでしょうか。
 では、この報告事項についてはよろしいですね。特に問題ないです。
 事務局のほうからその他報告事項はございますか。
○事務局 特にございません。
○若林部会長 それでは、審議事項、報告事項はこれで本日は全て終わったと思いますけれども、委員の皆様から何か追加発言はございますでしょうか。よろしいですか。
 ないようでしたら、次回の予定等について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 次回以降の添加物部会につきましては、委員の先生方の御予定を事前に確認させていただいておりますけれども、食品安全委員会での審議状況等を踏まえて、部会長の若林先生と御相談の上、次回の開催日を決定させていただきたいと思っております。なお、開催日が決定し次第、場所、議題について御案内させていただきます。
○若林部会長 よろしくお願いします。
 それでは、本日の添加物部会はこれで終了いたします。
 ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2459)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会添加物部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

ページの先頭へ戻る