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2012年9月27日 第15回原爆症認定制度の在り方に関する検討会議事録

健康局総務課

○日時

平成24年9月27日(木) 14:00〜16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 省議室(9階)


○議題

1.開会

2.議事

(1)中間とりまとめを踏まえた今後の議論について

(2)その他

3.閉会

○議事

○榊原室長 開会に先立ちまして、傍聴者の方におかれましては、お手元にお配りしています「傍聴される皆様への留意事項」をお守りくださいますようお願い申し上げます。
 これ以降の進行は神野座長にお願いいたします。
○神野座長 それでは、15回を数えておりますけれども「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、本当にお忙しいところを万障繰り合わせて御参集いただきまして、本当にありがとうございます。心より御礼を申し上げる次第でございます。
 それでは、議事に入ります前に、事務局のほうから委員の出席状況の報告と、資料の確認をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○榊原室長 本日の出席状況でございますが、高橋滋委員から欠席との連絡をいただいております。
 次に、お手元の資料について御確認をさせていただきます。
 議事次第、資料一覧に続きまして、資料1「第14回検討会における主な発言」。
 資料2「議論のポイントと各方向性の整理表」。
 参考資料1「『中間とりまとめ』に基づく方向性の整理(案)」。
 参考資料2「方向性イメージ図」。
 以上でございます。資料に不足、落丁がございましたら、事務局までお願いいたします。
 あと、今般、事務局で人事異動がございましたので御紹介いたします。
 健康局長の矢島鉄也でございます。
 審議官の?島泉でございます。
 健康局総務課長の塚本力でございます。
 以上でございます。
 カメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○神野座長 どうもありがとうございました。
 前回は、中間取りまとめを眺めてみると、大体そこから3つの方向性が見えてくるのではないかということをお示しいたしまして、これに基づいて、少し今後の議論を展開してはどうかという御提案を申し上げました。
 そういうことをもとにしながら、前回御発言を頂戴したわけですが、本日は、前回、委員の皆様方から頂戴いたしました御意見を整理してまとめた資料を事務局のほうに作成しておいていただきました。本日は、これに基づきながら、より具体的なフェーズで議論を深めていくことをしたいと思いますので、事務局のほうから御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○榊原室長 まず、本日の資料1でございますが「第14回の検討会における主な発言」でございます。御確認賜れればと思います。
 資料2でございますが、前回、方向性1、2、3、これを意識しながら議論すると。
 他方、前回、起因性ですとか、グレーゾーンですとか、あるいは疾病、手当のあり方、国民の納得、財政上の視点などのいろんな観点が出たということでございます。こうしたことから、座長とも御相談しまして、こういった二次元の表で資料を作成させていただいております。
 基本的に、ここの中に入っておりますのは、全て主な発言の中にあります、前回の御発言を、それぞれ総論に関するもの、方向性1に関するもの、2に関するもの、3に関するもという形で、それぞれの事項ごとに整理させていただいたものでございます。簡潔に御紹介申し上げたいと思います。
 まず「ア 起因性」でございます。「総論・3つの方向性共通」に関するものとしまして「残留放射線についても確定した知見はなかったと思う。今となっては残留放射線を浴びたのか否か、その程度もわからないと理解している。放射線の知見には一致したものがなく、判断に限界があることを理解しつつ議論を進めればよい」という御意見。
 「過去に原爆起因性を提案したことがあるが、それは放射線起因性というと非常に科学的に判断する必要があるからである。放射線起因性を正確に使っていただかないと様々な分野に波及する。一般福祉施策と異なることをきちんと理解していただく必要性がある。他領域への波及をさせない議論をすべき」という御意見。
 「原爆の影響と放射線の影響は違う。東京大空襲と原爆というものを区別するために放射線起因性で判断を行ってきた。行政は科学的な放射線の影響として認定してきているが、司法は科学ではなくて援護の考え方で認定をしてきている。被爆者援護の根幹としてどう考えるか」という御意見。
 「放射線起因性から原爆起因性に変更すると制度の考え方そのものが変わってしまう。制度全体を考える必要が出てくるため、実現可能な法制度になるかどうか」という御意見。
 「現時点でもかなり科学を飛び越えていると言うことは認識すべき。極力科学者の方が悩まなくても良いところで認められるかを考える必要があるのではないか」という御意見。
 「3.5km以内の悪性腫瘍を全て認めるというのは『高度の蓋然性』とは到底いえないと思っている」という御意見。
 「(放射線起因性について)科学だけで判断がされていく仕組みではないと考える。裁判所は科学と別次元にある。放射線起因性を判断するときに放射線以外も含む。科学の純粋性に傷がつくという違和感を持っているかもしれないが、本制度は元々科学だけで判断しているのではないとして理解することはできないのか」という御意見。
 それから「方向性1」に関連しまして「司法の判断を仰がなくて良いようにするという趣旨は理解するが、それが全てだとは思わない」という御意見。
 「方向性1について、認定制度が破綻していると言っても、より良くする方法は無理と考えているのか?」という御意見。
 「被爆者であれば放射線の影響があるということを前提とした場合、各委員で意見が折り合うのは難しいのではないか?」という御意見がございました。
 また「方向性3」につきましても「方向性3も一つの選択肢と考えるが、“相当程度判断が固まった”について、今後どう認めていくかの問題が残る。原爆起因性で認定の広がりが出てきたと考えることで、次のステップに行けるのではないか」という御意見がございました。
 続きまして「イ グレーゾーン」についてでございます。総論的な御意見としまして「司法の判決によりグレーゾーンは積み上がっている。しかし、制度を大きく見直した場合に過去認定した方との整合性を懸念している。『破綻』ではなく現行制度をより良いものにしていく方がよいと思う」。
 「制度の問題なのか科学の限界の問題でこのようなグレーゾーンが存在するのではないか。現時点では議論が進んでいないので結論を出せる段階にはない」という御意見。
 「放射線の影響について否定できないレベルというのもまたあるはず。それがグレーゾーンの一つの基準になるのではないか」という御意見。
 「司法の判断は法律に基づいて判断しているが、それを行政が認めないことに問題がある。行政が残留放射線を認めていないためグレーゾーンが存在する。科学性にこだわると今後も認めてもらえないのではないか」という御意見。
 「グレーゾーンを仕分けできるのか。(この制度は)放射線が根っこにある。そうしなければ認定基準が際限なく拡大していく。他の戦争被害者との違いを言うためには、物差しは放射線以外あり得ないと思う」という御意見。
 「法的に確定した最高裁判決は1件。下級審の判決はある種の個別判断で一部政府が争わなかった部分。司法判断には相当のバラツキがあり、それら(判例)について、我々がどう受け止めていくかと言うことを責任もって判断するべき。国が勝訴している事例もあるわけで、(見直すには)合理的に説明する必要がある。慎重に検討すべき」という御意見がございました。
 また「方向性1」に関しまして「認定を無くした結果として、全員に手当を渡すということになる。現行制度が残ると裁判が残ると言っている。裁判をなくすためには全体を見直すべきということである。グレーゾーンを設けても争いは無くならない」という御意見がございました。
 また「方向性2について、グレーゾーンは裁量が及ぶ範囲になるので客観性・理論的裏付けが出来るか危惧している」という御意見。
 「グレーゾーンのイメージが各委員で違うのではないか。ワンランク増やすのは魅力的だが、中間的な要件を考えるのは非常に難しいと思う。高度の蓋然性に対して『中程度の蓋然性』を認めるのか。裁判では『高度』か『無い』かだ。中程度で拾ってもよいというわけではないのではないか」という御意見がございました。
 2ページ目に進んでいただきまして「ウ 疾病」に関する議論でございます。
 総論的なものとしまして「放射線起因性について、行政は科学的到達点で疾病を判断していくしかない。これに対して、裁判では総合的に考えて認定があるのではないかという考えをしている」。
 「問題は『原爆症』というものが正確にわからないこと。方向性1では法改正だから議員への説明が必要。これはまた何十年かかってしまう。3つの案の共通の内容がないものか」。
 「原爆起因性とか放射線起因性とかはさておき、疾病を前提とした議論が必要で、そうしないと精神的影響まで含まれてしまう。もうすこしそれぞれの考え方を明確化しなくてはいけないと思う」という御意見がございました。
 また「エ 手当のあり方(必要性)」につきまして「手当について、現在、医療や介護の費用に対しては給付しており、その中での意味をはっきりしてほしい」という御意見がございました。
 また「方向性1」につきまして「全員に手当を支給と言っているが、現在の健康管理手当は、将来ほぼ全員が受けられる程度の手当になっており、実質的に全員に手当は出ていると思っている」という御意見がございました。
 「オ 国民の納得(公平性)・財政上の視点」に関してでございます。
 総論的な意見としまして「手当も含めた全体のバランスを考える必要がある。原爆に係る費用がどの程度出ているかを意識すべき」。
 「総額の予算ありきには反対。原爆症認定がどうあるべきかから議論して、どのように給付するかを見極めた上で議論すべき」という御意見。
 「裁判で争わないで認めるという制度を作ることが、公平な制度として国民の納得が得られるのか。必要な人に認定できるかが問題。財源についてはそれがありきではないが、国民が(見直した)この制度を公平な制度と感じるかどうかが問題である」。
 「税を使ってやるからには明確な根拠を求めるのは当然の前提」。
 「現行の制度を肯定するか否定するかは大きな問題ではない。3つの方向性についてそれぞれ議論しないと結局堂々巡りになる。3つの方向性それぞれについて中身を確かめたいと思う。国民の理解を得られることを頭に入れて議論したい」という御意見がございました。
 参考資料1、2は、前回も配付した資料でございますので、説明を省略させていただきます。
 事務局からは、以上でございます。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 今、御説明いただきましたように、本日は、この資料に基づいて御発言を頂戴できればと思いますが、資料を見ていただきますと、横軸の方に方向性1、2、3、それに3つの方向性に共通するという軸を設けて、縦軸に「ア 起因性」「イ グレーゾーン」「ウ 疾病」「エ 手当のあり方(必要性)」「オ 国民の納得(公平性)・財政上の視点」というような論点を整理しながら、前回の委員の皆様方の議論をまとめていただいたものでございます。
 見ていただければ、おわかりいただけますように、前回は、こういう3つの方向性にまとめて議論することができるのではないかということについて、大筋委員の皆様方から御理解を頂戴したというふうに認識しておりますが、そのための議論が多かったものですので、共通というところが非常に増えております。
 今回は、この縦横、前回の議論をまとめたものを参考にしていただきながら、抜けている論点のところを御発言いただいて、それぞれの方向性について、より具体的に問題点とか、具体的なイメージを深めていって、こういう問題点があるのではないかとか、あるいはこういうメリットがあるのではないかというような御議論を頂戴しながら、少し方向性の具体的なイメージをつくっていきたいと思っております。
 どこからでも結構でございますので、御発言、御意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いします。
 どうぞ。
○草間委員 ア、イ、ウと書いてある、要するに論点のところで、1つ抜けているのは、要医療性について抜けているのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。現行制度に基づいてということになると、要医療性があるか、ないかということも1つ大きな判断根拠にもなる。
○神野座長 この間余り出なかった、非常に重要な論点なので、中間報告を整理するに当たっても要医療性についてわざわざテーマを設けて御発言いただいたところでございますので、それを含めて御発言いただければ、ここに加えますので、きょう御発言いただければということです。
○草間委員 ア、イ、ウ、エ、オの並びの中で要医療性に関しても。
○神野座長 前回もやっていますので、御発言いただければ、つけ加わってきます。
○草間委員 論点の1つとして、要医療性についても入れていただくというのが必要だと思います。
○神野座長 ありがとうございます。特に要医療性の観点から、それぞれの方向性や何かについて問題点とかございますでしょうか。
○草間委員 いずれにしましても、方向性1、2、3、どれをとるにしましても、今、医療が大変進んでいるわけでして、疾病にかかったからといってずっと治らないということはないわけですので、仮に手当を支給しても、医療の必要がなくなったら打ち切るということもあり得ると思います。要医療性というのは1つ入れておいたほうがいいと思います。
○神野座長 わかりました。
 ほかにいかがでございましょうか。御発言を頂戴できればと思います。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 全くそのとおりだと、私も思うのです。前に何回も言っていますけれども、認定という問題は、疾病をどう認定するかということと、給付の条件が、医療費用を給付するわけですから、医療をしているか、していないかというのは問題になるわけですね。だから、それを本当は1つのものとして議論しておかなければいけないと、私も思います。
○神野座長 ありがとうございます。
○田中委員 それから、議論の仕方なのですけれども、ア、イ、ウ、エ、オというふうに議論していくかのどうかということがあるのですけれども、私は、やはり最初は疾病をどう見るのかということから議論していかないと、うまくいかないのではないかという気がします。
○神野座長 疾病について、それぞれどういう方向性の立場からでも構いませんが、具体的に今回は少し頂戴できるとありがたいのです。
 今の御発言でもって、疾病の論点が方向性について全然出ていませんので、どの立場からでも構いませんけれども、委員のお考えからいって、それぞれどういうメリット、デメリットがあるというようなことなど、具体的にちょっと中身の御発言をいただけるとありがたいのですが。
○田中委員 私どもが提案していますのは、認定の疾病というふうになっていないのですね。手当を出すのに認定は、別の意味での認定が必要かもしれませんけれども、だから、そこでの疾病というものが問題になりますけれども、現行の認定制度をそのまま残すということであれば、認定する疾病は何かという議論をしないといけない。その場合には、方向性の2と3というのは、多分、現行制度を残すということが前提になっていますから、残す現行制度の中での疾病と、その認定、それから、医療程度、期間、それをどうするかという議論を先にやっていただいたほうがいいと思います。
○神野座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 お願いします。
○佐々木委員 私、前回出席をしていなかったものですから「『中間とりまとめ』に基づく方向性の整理(案)」について考えていることを御説明するとともに、後でポイントの話をさせていただきたいと思いますけれども、一応、それぞれの方向性についてのメリットと課題を整理していこうということだと思いますので、それについて、最初に感想を申し上げます。
 まず、1点目の認定制度を廃止することにしてはどうかということについて、メリットとしては、認定を巡っての争いがなくなるという面でのメリットは確かにあると思っておりますけれども、認定ということとセットになっている、まさに国が認定をして、国の責任でやるということになっていますので、それをやめるという考え方になると、少し国の責任というものが、むしろ薄れるような仕組みになってしまって、手当の考え方なり、いろんなものについて、むしろ被爆者の援護に資するような方向になるのかどうか、これを推し進めていったときに、少し心配な面があるのではないかというのが、1についての心配な点です。
 2の点ですけれども、これは、現在の認定の外に認定とは別の仕組みをつくろうという仕組みです。したがって、今、放射線起因性ということでぎりぎりいって、なかなか科学的に難しいというところを何らかの形で援護に資するようにしていこうという面では、非常にメリットのあるやり方ではないかと思っております。
 ただ、実際には、ここのグレーゾーンの部分をどういうふうに仕組むかということによって、もともとの話の発端であった認定を巡っての裁判というのか、そこのところの争いが少しでも軽減するものになるかどうかというところが、ちょっとまだよくわからないというか、ここのグレーゾーンのつくり方によってはなるかもしれないし、場合によってはならないかもしれないという心配をしています。
 3点目の認定を広げて判断が固まっているものを行政認定に取り入れるということについては、まさに争いになっている分について、できるだけ認定に取り込んでいこうということですので、これは、もともとの発想であった、いろいろ争いになっている部分、行政と裁判との違いというものをできるだけなくしていこうということからは、その方向性に沿った形だと思っておりますけれども、いろいろ御議論になられているとおり、そこで放射線起因性ということになっていますので、どこまで取り入れられるか。
 それと、これをする場合には、法律改正まで視野に入れるのかどうかということが課題になると思いますけれども、今の法律の中だけでこれをするということは、なかなか困難ではないかという印象がいたしますので、場合によってはこれをするということを法律の中に、明確にこれをしていくということを法律改正で位置づける必要があるのかなという気がしています。
 その場合に、余り先の話ばかり言ってもあれですけれども、例えば、今は審査会でやるということにはなっていますけれども、さらに審査会で基準をつくるということを法定化するとか、あるいはその基準については、法律でもっと方向性を書くとか、そういうような法律の中で少し方向性をある程度より明記をしていくという形で何かするとか、そういうような方向でしかないのかもしれない。感想めいた程度でございます。
 以上、3つの点についての私の感想です。
 あと、ポイントについて整理されているので、それについての意見なのですけれども、ポイントというのが議論になる論点だと思うのですけれども、それぞれにとってメリットがあるか、あるいは課題があるかみたいな整理だと思いますので、そういう意味でいうと、例えば、もともとの議論の発端である裁判でいろいろ争いになっているということの解決につながるかどうか。あるいは国民の納得ということもあるのですけれども、一方で被爆者の支援に真につながるものであるかどうかとか、何か制度本来の目的とか、我々が審議し始めた目的により資するかどうかという論点も要るのではないかと思っております。
 以上です。
○神野座長 ありがとうございます。
 あと、いかがでしょうか。高橋委員、何かあれば御発言いただきたい。
○高橋進委員 必ずしもこのマス目を埋めるという議論には、ちょっとならないかもしれませんけれども、よろしゅうございますか。
○神野座長 どうぞ。
○高橋進委員 先ほど、要医療性のところで認定する疾病をどうするのかとか、そういうお話がありましたけれども、逆にちょっとお聞きしたいのは、被団協のお考えというのは、疾病を認定するのではなくて、最初から疾病を対象として決めておくということでよろしいんですね。そこのところのお考えを少し整理していただければと思うんですけれども、それが1点です。
 要するに、被爆者であるがゆえに、かかられる疾病は全て支援の対象にするということではなくて、あくまでも、やはりがんだとか、そういう対象とする疾病はあるわけですね。そこは、そういう理解でよろしいか。
 もう一つは、当然のことながら、疾病には軽度、重度いろいろあって、治癒していくということがある。治癒した場合には、その手当というのは落としていくということでよろしいのか、その辺についてはいかがでしょうか。
○田中委員 被団協が提言していますのは、現在の認定制度はなくすということなのです。その上で、手当の制度を変えようという提案になっているわけです。手当に3段階、ベースを入れると4つの段階になるのですけれども、4つの段階を設けようと。それぞれの段階については、疾病を特定するということを考えています。疾病を特定して、がんでもいろいろありますから、がんの重度、軽度とかありますね。それから、同じがんでも治療のやり方で、厳しい治療、例えば抗がん剤を打つとか、普通の薬剤くらいで抑えることができるとか、そういうのがあると思うのです。それは、少しランクをつけてもいいのではないかというので、3つの加算という言い方をしていますけれども、3つのランクは疾病と重症度と、あるいは生活レベルといいますか、治療しているために生活が悪化していくわけですけれども、そういうものを勘案したものを決めるというふうに考えています。
 認定制度をなくすということになれば政府の責任が軽くなるのではないか、確かにそういうところはあるので、大変私ども悩んで、最終的には今の問題が解決できないということであれば、そこは、むしろなくしたほうがいいのではないかということになってきています。
 ごめんなさい、高橋先生、もう一つは何でしたか。
○高橋進委員 今、お答えになったことでも、ちょっと違いがあるのですが、それは、がんのことは余り議論の余地はないのかもしれませんが、それ以外の病気の場合、それをどこまで含めるのかということ。
 2つ目に申し上げたのは、がんであろうが、何であろうが治癒した場合、それは手当を落としていいのかということです。
○田中委員 まだコンクリートでなく、皆さんで議論していただければいいと思っているものですから、本当に素案なのですけれども、加算するものは、従来、放射線起因性があると言われている疾病をまず加算するということにしたらと。ですけれども、病気もいろいろ段階がありますから、それはそのランクの中で入れるということです。
 それ以外については、今まで裁判でもそうですし、実際の認定行政でもそうですけれども、必ずしも放射線と言えなくても認定されているものはあるのですね、ケロイドなんかにしても、ガラスの傷にしても。そういうものは加算のどのランクに入れるか、そういうことはやはり考慮していったほうがいいのではないかという考え方です。
○高橋進委員 もう一つは、治癒した場合です。
○田中委員 治癒した場合はランクを落とすということを考えています。
○高橋進委員 そうすると、ちょっと詰めるようで申しわけありませんが、被団協の御提案でもグレーゾーンというのは残りませんか。本当に放射線に起因しているかどうか、あるいは本当に関係がある病気なのかどうかというところはわからないものもあるわけですね。それに対してどこまでの手当てをすべきか、ということについては、これは行政だけの問題ではなくて、被爆者の中での公平性という観点からしても、どの病気まで入れるのかということについては、結構議論が残ってしまうのではないかという気がするのですが。
○田中委員 最初にはかなり議論しないといけないだろうと思いますけれども、決めてしまった後は、1年に1回でもいいですから、私たちの代表も入るような審議会をつくっていただいて、そこで見直していくということでいいのではないかという考え方です。
○高橋進委員 そうすると、今ある疾病の範囲から広げていくときに、何らかの審議会なり機関をつくって、そこで審議をして、入れるか、入れないかということは明確に線を引いていくと。
○田中委員 そうですね。
○高橋進委員 そして、それは常時見直しをしていく、そういうようなお考えでよろしいのですか。
○田中委員 はい。それから、今のグレーゾーンは、放射線の起因性を非常に厳密に問うていますね。だからグレーゾーンができてくるのですけれども、私どもの提案は疾病を決めるのです。だから、放射線をどれくらい浴びたかということは決めないと。
 ですから、長瀧先生なんかにお伺いすればいいのですけれども、UNSCEARなんかでは、これは放射線が関係ある病気である、心筋梗塞も最近の研究では関係があるというふうに決められた疾病は、その加算の対象にしてしまう。実際に、放射線がその病気の原因になっているかどうかというのは、そこでは問わないという考え方です。
○神野座長 どうぞ。
○高橋進委員 もう一点なのですけれども、なかなか議論がかみ合わないところの1つとして、具体的なイメージ図で言うと、1と2、3の違いは、被爆者援護手帳を保持しておられる方が一番底辺にあって、その上に健康管理手当があるわけですが、1は健康管理手当を手帳保持者全員にとおっしゃっている。2、3はそうではない。ここの違いのところですね。これは、前からも議論になって、かつ、この図だけ見ると、ささいな差と言うと怒られますが、非常に狭い差に見えるのですけれども、実は、私個人的には、ここはある意味では重要な意味を持つのかなという気がするのです。
 というのは、被爆者の方というのは、被団協もおっしゃっていましたけれども、いつどんな病気を発症するかもしれない、あるいは社会的な差別を受けるという中で、非常に苦しい思いで一生を送ってこられたという観点に立つと、やはりおっしゃっている慰謝、慰め、そういうものが必要だと。それこそが、まさに他の戦争被害者と違うところなのではないかと。
 だから、原爆起因性なのか放射線起因性なのかという議論もありましたけれども、放射線起因性ということだけではなくて、被爆者の方が抱えている問題点というのは、その慰謝の部分をどうするのかということだと考えると、実は、そこに手当てをするということが1つの大きな解決策になって、それで被爆者の方々が慰安されたことになる、支援を受けられるということであれば、私は、そこは1つの解決策にもなる可能性はあるのではないかと。
 そして、その上に組み立てられる階段については、厳密にと言うと言い過ぎかもしれませんが、まさに要医療性というところをかちっと固めて、そして手当てをしていく。それで、必要がなくなれば、その手当はまた下げますというような制度でつくるということも1つの考え方かなという気はするのですけれども、私の考え方は、大体おっしゃっていることと近いのでしょうか、それとも違うのでしょうか。
○田中委員 基本的には、そのとおりだと思っております。先生が御説明いただいたような考え方だと申し上げて結構です。
○高橋進委員 そうだとすると、ほかの委員の方と私は違うのかもしれませんけれども、この議論の中で抜け落ちている部分あるいは、実はいろんな議論がかみ合わないことの背景に、行政というのは科学に立脚しつつも、恣意性だとか思いやりだというものをある程度含めていくのが行政だというふうに考えていけば、それこそがグレーゾーンで、そこのグレーゾーンを解決する仕方として、解決する1つの手段として、こういう手当というものがあるのではないかとも思うのですけれども、多分、ほかの委員の方は、そこは御賛同いただけない考え方かなという気もするのですが、ちょっと問題提起をさせていただければと思います。
○神野座長 今、先生がおっしゃっているのは、方向1のような形で手帳を持っている人全てに、どういう手当かは別としても手当を支給すると。
○高橋進委員 一応、被団協は健康管理手当程度とおっしゃっているわけですね。
○田中委員 名称は被爆者手当と。
○高橋進委員 名称は違うのでしょうけれども。
○神野座長 その上に、要医療性などに基づいた厳格な基準を決めたもので新たに実行していくというやり方があるのではないかと。
 ということは、先生のお考えでは方向性1とほぼ同じだと。
○高橋進委員 一番底辺のところは近いと思いますが、その上に乗せる階段といいますか、グレーゾーンというか、1と2に共通しているといいますか、点線になっている部分、ここは、まだまだ大きな議論の余地はあると思うのです。したがって、必ずしも1でおっしゃっているような、ある意味では大きな図になるのかどうか、そこはわかりませんけれども、厳密にそこはもう少し議論の共通点を見出せるのではないかと思うのですけれども。
○神野座長 いずれにしても、上に積むものについてはどうなるかわからないけれども、つまり、その基準については被団協の考え方と違うかもしれないけれども、手帳を持っておられる全ての方に支給される手当を前提にした上で、上を少し厳しくというか、きちんと理屈をくっつけてつくり直すと。
○高橋進委員 そのときに、従来からの議論を伺っていると、要するに、今、既に相当高い手当を受けておられる方、この人たちが場合によっては手当を減らされるかもしれないというところが、1つのデメリットのわけですけれども、しかし、それは要医療性ということで厳密に制度をつくれば、当然、今受けておられる方でも疾病がよくなったということがはっきりすれば手当は下がるのだということで、既得権はつくらないということまで、もし議論ができれば、それはある意味では、被爆者の方々にとっても非常に公平な制度になるのではないか。早く認められたか、早く発症したかということだけで既得権になってしまうのではなくて、やはり、今、必要な人にきちんと手当てをしていくという観点から言えば、今、ある方の手当が減ってしまうかもしれないという可能性はあるわけですが、そこのところは非常に大きな、むしろこちらから御納得いただけるのですかという問いかけになるとは思うのですけれども、もし、そこができるのであれば、私はもう少し歩み寄りの余地はあるのかなという気はするのですけれども、いかがでございましょうか。
○田中委員 先生、今、おっしゃったとおりというとあれですけれども、今の認定された人たちがありますね。少なくとも今の法律が生きている限りで、認定される方はまだ続いていくのですね。その人たちが、今の医療特別手当の支給を受ける、これは当然のことなのですけれども、それは、要医療の期間だけですね。もともとあの法律は医療費を支給する条件がまず前提にあって、そして、その人たちに手当てをするわけですから、要医療性がなくなれば、その手当も支給もなくなるということなんです。実際はなくならないで、減額されて特別手当という制度があって、そこに落ちるのです。健康管理手当よりも高い手当があるのですが、そこに落ちるということになるのです。ですから、草間先生がおっしゃるように、要医療性をどういうふうに見るかということはかなり重要ではあるのです。
 ただ、従来ですと、かなり長い期間を要医療性として認められてきたというところがあるのですけれども、それは、私たちはもう一度見直すということもあっていいのではないかと思っています。
 ですから、今後ですね、現在でも3年ですか、5年ですか、病状を報告しなければいけないことになっていますので、その報告次第で要医療性がどう認定されるかということだと思います。
○神野座長 坪井委員、どうぞ。
○坪井委員 被爆者の1人ですけれども、被爆者は皆さんと同じですよ。こういう会合をやっては、どんなことでも全てまず感謝が先なのです。本当は放ったらかされても仕方ないのですけれども、国によってはどうなるかわからぬですね。日本では幸いにいろいろやってもらっているし、非常に感謝が先です。
 今、我々はいろいろなことで討論しつつありますが、やはり一番の問題は、国民に理解させるかどうかです。これがないのに、ばりばりやったところで、物はつくっても心つくらずだよ、そう私は思っている。
 その証拠には、原爆症認定問題をやるというでしょう、この認定の問題は、国が全部面倒を見ろというのです、医療の方もね。普通の医療、我々が認定ではない病気をしたとき、それをやるのは自己負担分を国が払っている。大部分は個人負担になっているわけです。そういうことを国民は一切わからないからね、被爆者はいいのだ、まだこれ以上要るのかとなるわけです。理解させていないのは私らの責任でもあるが、しかし、認定の問題は全然違う。しかし、これは、いわゆる健康管理手当なんかもみんなひっくるめて考えないと、どうしても前へ進めないという面があります。それはそうですが、今、認定されている人でも、ちょっと調子がいいから元気らしいところを見せると、なんだ、あんな元気のいいしっかり者が13万幾らいただいているのか、こうなるのです。それを一々言ってくるのがいるのですね。だから、被爆手帳を取得するところから、常にいろいろなところで理解をさせることが大事なんです。ただ、予算があるから、ないからと。その部分も理解をさせなければいかぬが、しかし、一番もとになると、国民が理解しないのに、ただ被爆者だけがわあわあ言う、それは意味ないです。私に言わせると本物にならぬ。
 したがって、ちょっと口幅ったい言い方をしましたけれども、どの場面においても、裁判で国民に理解させるようなこともある、そこだけではないのですね。いろいろな面でやらなければ、これは成功しないですね。そう私は思っています。
 だから、理解をするためには、行政の側のほうからでも話ができるのかもわかりませんが、認定する分科会、それがどのようにやっているかは、私らもわからぬ。いわんや国民がわかるわけがないです。しかし、認定でやっているわけですね。ここの中で、あの分科会のことがみんなわかっている人は、余りいないと思います。私は、その分科委員の人にちらほらは聞いておりますけれども、ちらほらではどうにもならない。分科会の先生に来てもらって話をすることも考えますが、それに成りかわって行政のほうでその話をしてもらってもいいと思っています。認定の問題をやらなければいけないですからね。手当の問題をやるのではないですからね。そういうようなことを考えています。
 とにかく、全てにおいて理解させることができるか、できないか。これは文句ばっかり出て理解できるはずがないというようなものを我々はつくったのではと思っております。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 荒井委員、どうぞ。
○荒井委員 繰り返しになるかもしれないのですけれども、国民の理解が得られるような制度でないとまずいだろうという坪井委員のお話は全く同感でございますが、認定制度をどういうふうに組み立てるかということは別として、一定の給付を国の制度として考えていくとすれば、それを法律なり政令なり省令なりで、機械的にと言うと語弊がありますけれども、決めてしまうか、あるいはどこかで今のような形で、いわゆる認定の制度というものを置くか、それは選択がいろいろあると思うのですけれども、問題は、その要件をどういうふうに設定するかというところだろうと思うのです。
 そこで、やはりポイントになるのは、繰り返し繰り返し議論をされておりますけれども、放射線起因性というものを要件に取り込むかどうか。それは、はっきりしている今までの科学的知見の積み重ねで、これは、明らかに原子爆弾の放射線によるものだということが余り争いがない部分と、そうではない部分といろいろ、いわゆるグレーゾーンというのを含めてありますね。
 その場合に、1案のお考えというのは、場合によっては放射線起因性というものから解放してもいいじゃないかという部分が、どの程度広いかは別としまして、予定されているのではないか。
 つまり、手帳の保持者と健康管理手当、そこはほとんど一致しているけれども100%ではないみたいですね。しかし、今の健康管理手当を含めて、やはり放射線起因性がないことがはっきりしているという場合は、今の給付の制度からは外れているはずなのです。だから、そこをまず100%一致させるということ自体がかなりの問題ではないかと、私は思うのです。そういう意味で、認定制度をどうするかという前に、要件として放射線起因性というものをやはり肯定するかどうかというところは議論を、ある意味で多数決というわけにはいかないですけれども、入れていいかどうかということは、ある意味ではっきりしなければ仕方がないのではないでしょうか。そのあいまいな部分をどこまでどういう仕掛けでもって拾い上げることができるかということが、大変難しいところだろうと思うのです。
 私は、そういう意味で起因性の議論というものを、1案にしろ、2案にしろ、3案にしろ、とりわけ1案というのが起因性を無視してもいいという部分を含んでいるのではないかというところが、非常に気にかかるところなのです。これが1つ。
 もう一つの問題点は、田中委員も御指摘になりました疾病をどこまで考えるのかというところだろうと思います。
 つまり、原爆手帳を持っている人に全てというのではなくて、何らかの疾病を考えなければならない。
 現在の法律なり運用でもって予定されている疾病から、法律の運用で外れたものが、個々の裁判例では一部拾われている疾病がありますね。それをどういうふうに拾い上げることができるのか。
 先ほどの田中委員のお話ですと、認定制度をやめて、法律なり省令でもって指定してしまうと。これは1つの方法だろうと思うのですけれども、その指定対象にする疾病というものを放射線と関係なく拾い上げるというのでは、やはり原爆被爆者に対するいわば救済の制度としては広過ぎるのではないか。
 そこで区分けをするとすれば、法律で書くか、認定制度をかませるかということは別として、やはり放射線起因性というものを考慮した意味での疾病の拾い上げといいますか、検討にならざるを得ないのではないでしょうか。
 そこは、質問を含めて申し上げると、田中委員の先ほどの御説明で、認定制度をやめて、きっちり法律なり省令で書いてしまうということなのですが、その場合、ある程度放射線というものを無視しないようにも聞こえましたし、しかし、手帳保持者には全部ということになると、いわば起因性のない疾病まで拾い上げることになりはしないか、そこがちょっと疑問に思います。もし、御説明いただければと思います。
○田中委員 全ての被爆者に基本的な手当をというのは、これは、高橋委員もおっしゃいましたように、必ずしも放射線に限定されなくてもよろしい。原爆の被害を受けた者に対する慰謝と言ってもいいですし、心の傷と言ってもいいですけれども、そういうものに対する、心の傷を放射線かと言われるとそうではないのですね。だけれども、原爆の惨憺たる状況を見たり、それから、後遺症が出るかもしれないという不安にずっと駆られてきているということは、やはり原爆の被害なのです。だから、そういうものに対して手当があっていいじゃないかというのが私たちの基本的なもので、それを全員にと言っているのです。
 だけれども、では、それでいいのかということになると、そうではなくて、やはり厳然とした放射線の厳しい病気があるわけですから、そういう病気にかかった人たちは別に手当を加算してしかるべきではないかというのが、加算の3つの段階というのをつくっているわけですね。
 その加算の基本になっているのは、さっきも申し上げましたけれども、やはり放射線が原因になる病気が加算の基本的な考え方です。ただ、先生、認定ということを入れますと、個別に判断しなければいけない。その人がどれくらい放射線を浴びたかということを議論するということになると、それは、今、私たちはもう不可能だと思っているわけです。その人がどれくらいの放射性を浴びたか、だから、原爆症、こういうがんにかかったかということを認定するのがもう難しいというよりも、ほとんど困難、不可能に近いと思っているわけです。
 その1つの理由は、初期の放射線以外の考慮がないわけですね。草間さんが時々言われる2、3日の間の誘導放射線はありますよ。それ以外の残留放射線の考慮はないわけですよ。
 ですから、個別の、一人ひとりの放射線起因性は問わないほうがいいということなのです。ですけれども、放射線が原因になるような病気になったということであれば、その人一人は問わないで一定の手当を支給するということでいったほうがいいのではないかということです。
○荒井委員 後のほうのお話についての疑問なのですけれども、個別には問わないようにということをおっしゃって、わかったような気もするのですけれども、結局、どういう病気が放射線と関係がありそうだというので、その疾病を、放射線と関係がありそうだと、それをどういうふうに拾い上げるとおっしゃるのですか。
○田中委員 それは、私、先ほど申しましたように、日本の放影研が研究もし、そして、放影研だけではなくて、世界の放射線科学者たちが研究をして、そして、この病気は放射線が原因になる、あるいはなりそうだということが報告されているわけですね。だから、今の基準に入って放射線起因性が認められるというふうに言われている心筋梗塞であるとか、肝機能障害だとか、そういうのも放射線と関係があるというふうに報告があるわけです。ただ、今の基準は放射線の量を規定するのですけれども、それは、もう問わないほうがいいというのが私たちの意見です。
 ですけれども、放射線の原因があると言われている病気は加算の対象にすればいいのではないかということです。
○荒井委員 つまり、放射線起因性というものを非常に緩やかに、関係がないとは言えないという程度でよろしかろうという御趣旨のようですね。今、御指摘になった肝炎にしろ、あるいは心筋梗塞にしろ、放射線との関係がどの程度であればという、関係がないとは言えないけれども、今の仕組みの中で言えば、起因性がいわゆる高度の蓋然性の中で認められるかどうかということで非常に難しいボーダーラインにあるケースがいっぱいあるわけですね。それを全部拾い上げるべきだという御意見かと思うのですけれども、そうなると、ちょっと広過ぎるのではないか、これが1つ。
 それから、底辺のほうの、底辺というと語弊がありますけれども、手帳保持者の人に対しての給付ですが、これは、今の制度では放射線に関係がないことが明らかだという場合には外しているのですね。いろんな疾病というのは、なぜ原爆の被爆者だけに健康管理手当が出るのかといえば、やはり放射線との関係を意識しているはずなので、それこそ、東京大空襲ではないですけれども、ほかの爆弾、戦災被災者の中にもいろいろと困難に出遭うということがあるわけですね。そこを区分けするのが、やはり放射線に関係が明らかにないのだというものは健康管理手当も出しませんよというのが仕組みなので、それは一定の合理性がある仕組みだろうと私は思うのです。
 だから、そこを100%近く現実に給付されているようですけれども100%ではない、8割か9割か、私は正確には存じませんけれども、それを100%というのは、やはり相当問題を含むことではないかと。
 ついでに、先ほど高橋進委員のお話で、原爆被爆者の方々のいろんな苦難に対する一種の慰謝といいますか、それも含めてということを手帳保持者に広げることの意味合いとして考えることができるというようなことをおっしゃったのですが、それは、今、田中委員に申し上げたのと同じことで、やはり放射線と関係のない人でそういう原爆体験のある人への慰謝的な要素というのは、ほかの戦争被害との区分けがつかなくなるという意味で、やはり広過ぎるということを、私としては考えざるを得ない。
 結局、全体の話のもとに戻りますと、起因性というものをないとは言えないという程度で全部対象にしていくべきなのかどうかということが、やはり大きい議論だろうと思います。そこは、イメージの1、2、3それぞれについて問題になるところですから、繰り返し議論が必要だと思います。
○神野座長 潮谷委員、どうぞ。
○潮谷委員 前回、草間委員と御一緒に、原爆起因性を支持するような発言をいたしました。
 その背景の1つは、グレーゾーンの問題と、司法に具体的に乖離が生じている、それを吸収していくためには、原爆起因性というような考え方もあっていいのではないかと、前回、私自身は考えたところでした。
 さらに、放射線起因性ということを考えていったときに、まさにそこのところの中にグレーゾーンが存在しているということのあいまいさがあるというような思いもあって発言したのです。しかし、よくよく考えてみますと、原爆を現に受けたことによっての起因性、例えば爆風の問題だとか、あるいは、残留放射線、黒い雨等々を受けたということの実証を何らかの形で証明していく必要があります。果たして他の戦争とどのような差と言いましょうか、それがきちんと客観的に理解されていくのか。もしかしたら原爆起因性で認定を進めていくことによって、裁量だとか、認定上の信頼を欠くような状態が出てくるのではないか、そんな思いも抱いたところであります。前回、原爆起因性に、本当に今の矛盾を救うという点では共感し賛同したわけですが、改めて考えますと、やはり、説明責任の点からも、放射線起因性の部分を動かすということはよくないのではないか。やはり、新たな矛盾を生じさせるのではないかという思いがいたします。
 それから、方向性の1についてですが、症状に応じて加算、これは先ほど高橋委員が確認をなさいましたけれども、加算だけではなくて症状が落ち着いたところでは、削除ないしは減額というような状況等も生じてくるということでありましたので、これはまた医学的な複雑さと、それから、過去からずっと御自身が受けとめておいでになっていることと、医学的に判断されたこととの間の納得というようなものが非常にはかりがたいような苦痛と、それから既得権ということもやはりあるのではないかと思いますので、なかなか症状に応じた加算あるいは削除というようなことは難しいのではないか。
 今、荒井先生がおっしゃいましたように、やはりこの分科会の中では、放射線起因性をどのように考えていくのか、この論議がスタートラインに立っていかないといけないのではないかという思いを抱いているところでございます。前回の発言を訂正させていただきたいと思います。
 以上です。
○神野座長 どうもありがとうございます。
 草間委員、どうぞ。
○草間委員 放射線起因性か原爆起因性かに関しては置いておいて、いずれにしても起因性といったときに、健康管理手当と医療特別手当と、判断のシビアさがかなり違うわけですね。健康管理手当は全く裁判の俎上にのらない。これはなぜかというと、もし、本当に放射線起因性にもとづいて健康手当も支給するということになれば、医療特別手当と同じ幅でいいはずですね。
 健康管理手当は、御承知のように糖尿病であったり、高血圧であっても、とりあえず、今、挙げられている、先ほどから田中委員が疾病を挙げたらいいというお話だったのですけれども、健康管理手当については疾病が挙げられていて、その病気にかかったらもう健康手当。医療分科会のようなところで個別に慎重に議論するのではなくて、申請すればいただけるようになっているわけです。
 そういう意味では、健康管理手当というのは、私は放射線起因性に深くかかわっていないと考えています。これをかかわっていると考えたら、これはまた科学者として別の視点から議論を挑まなければいけないような形になってまいります。
 なぜかというと、糖尿病とか高血圧も放射線起因性ですかといったら、これは、今、田中委員が言ったように、循環器疾患については最近知見が出てきているのですけれども、こういった健康管理手当の疾病として挙げられているものが必ずしも放射線起因性があるかどうかというのは余り議論しないで、健康管理手当対象の疾病は決まったと思っておりますので、これについては余り放射線起因性というのはないと思っているのです。
 それに対して医療特別手当というのは分科会等で、かなり慎重に放射線起因性と要医療性という2つの視点から議論して、分科会のほうは私はかなり科学的に判断していただいていると思っているのですけれども、司法との乖離がある。
 司法も放射線起因性と言うのですけれども、要するに司法と行政、分科会との大きな違いは何かというと、1つは被曝線量に関して司法のほうが行政の側の評価を全く否定していると考えられるのだろうと思うのです。
 結局、今、行われている被曝線量というのは司法のほうでは余り正しくないと思っているから、急性の症状、要するに脱毛がありましたとか、下痢がありましたとか、そういった症状に重きを置いて、結構、それを参考に被曝線量を出しているわけです。
 いずれにしても、司法も、そういう意味では放射線起因性というのは、ちゃんと議論の俎上にのせているけれども、要するに現在の被曝線量の評価を否定しているというところに大きな乖離があるのだろうと思うのです。だから、この乖離というのはすごく難しいかなと思っています。
 いずれにしましても、先ほど田中先生、健康管理手当は全部に支給しましょう、その後、症状に応じて、例えばがんの場合だと高額医療費がかかるからと言うのですけれども、これは、前回も御発言させていただいたのですけれども、医療給付があって、高額医療でも医療費は全額支給されているわけです。前回も医療特別手当の意味合いをちゃんとしないとと発言しました。健康管理手当というのは、先ほど高橋委員も、田中委員も言われるように、慰謝というところがかなり強いのではないかと思っています。だから、仮に慰謝という点では、既に健康管理手当でかなりカバーできている。
 あと、医療特別手当をどういう意味づけをして支給していくかというところは、やはりきっちりここで議論しなければいけないことではないかと、私は思っているのです。
 それによって、認定や支給の仕方とか、そういったものも変わってくるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○神野座長 石委員。
○石委員 先ほど来、皆さんの御議論をお聞きしての感想ですが、我々のこの議論も随分積み重ねてきましたけれども、ややデッドロックに乗り上がっているのではないかと思うように、繰り返し同じ論点が出てきて、きょう新しく学んだなというところはあるのかないのかという程度の知見のプラスだろうと思っていますので、今後、おのおのの方の意見は大体わかってきたのですが、繰り返しやってもそう生産的ではないし、出てきたところは大分論点をまとめてもらっていますから、私は、この3つの方向性にまとめるところまでは極めて生産的な、建設的な議論の展開であったと思うのです。
 あとは、どういう具合に進めるかということを、いつも私は気にしているのですけれども、時間という資源が重要ですから、たまたま資料2のマトリックスが出てきましたけれども、これは大分埋まっていないですね。これを全て埋めるというのも難事業だと思いますが、3つの方向性が出たのだから、それについておのおの附帯条件について、3つの方向性の中にどう取り入れるかという視点からだったら、多分、このマトリックスを埋める作業というのは生産的だと思うのです。
 ただ、この審議会が何を求められているかですけれども、制度設計まで、具体的には例えば方向1、方向2、方向3について制度設計をするということまで行くなら、これはグレーゾーンを何らかの形でグレーではなくするような物差しが必要ですよ。
 私は、放射線起因性といっても、グレーゾーンもかなりあるのではないかと思いますよ。というのは、客観的に放射線を浴びたという人でも、結局、いろいろ疾病が起こって治療したとしても、それが放射線かどうかわからないのですよ。私の友人はまさに客観的に放射線を浴びたという状況にいても、やはり白内障になったり、前立腺がんになれば、それは年だろうというふうに割り切っている人もいますからね。
 とはいえ、2階建て、3階建て、あるいは右に寄せたときの階段状の幅とか、どこから始まるとか、そういうところまで行くのかどうか。多分、これは行けないと思いますけれども、しかし、制度を設計するなら、やはり法律を使うか、あるいは過去の慣行を使うか、あるいは政治文化の程度を使うか知らないけれども、何か一刀両断的にどこかであれしなければいけないのですよ。私はそこまで行けばプラスかとは思いつつも、恐らく、この3つの方向性で折り合いをこの委員の中でつけるのは難しいと思いますからね。ここまでまとまったということの成果プラスアルファ、アルファというのは、3つの方向性の優劣を決めるというか、利害得失を検討するというか、そういう条件を整理して、ここまでではないかという気がするのです。
 それ以上繰り返しませんが、やはり一番の物差しは、放射線起因性が全体の中で、たまたま席が近いせいもあるのだけれども、荒井さんと意見が一致しておりまして、そこが一番のポイントではないかと思っているのです。それを取っ払ってしまったら何もできないですよ。それを取って、さら広く原爆起因性にするか、慰謝まで入れるという精神的なものを入れるか、これはいろいろ主観的なものなんだけれども、もう一つ、あえて言うなら、金の問題、予算面のことを言うことについては、ここでは何か禁句のようですけれども、つまり、ある非常にいい制度をつくるときに、金目で制約があるからできないと言われるのは困るのですよ、それはよくわかります。
 さはさりながら、これは政府がやり、公費を使うわけです。税金投入するわけです。そのときに、国民の理解といったときは、当然、そこが国民の関心事なのですよ。だから、例えば、方向3でも方向2でもいいのですけれども、立っている柱のところで、方向3で特別手当という囲みがございますけれども、こういうところへ一体どのくらい予算制約の中で予算を工面するかということは、これが見えたら、きっとのこの議論は空中分解しますよ、恐らく国民の支持も得られないと思う。それは、それで私は避けるべきではないと思う。最後でいいのですよ。最初から、これだけ高価なものだからできないというのでは、議論ができない。いろいろやって、理念的、制度的に結構だという後で、制約要件として予算措置まで入れるということは、やはり必要でしょうね。
○神野座長 ありがとうございます。御忠告を肝に銘じながら、これも議論がどのくらい煮詰まり、どのくらい合意が得られるかということによって、どの程度までデザインを、制度的に深めたものにまとめるかという。
○石委員 いつまで、何回くらいやる余裕があるのですか。
○神野座長 今のところ、特に。
○石委員 エンドレスでは困るでしょう。
○神野座長 恐らく、まとめる段階でも2、3回かかるでしょうから、今のところ、この議論を丁寧に積み上げていって、合意が得られた段階で、1年はかからずには上げたいと思っています。
 長瀧委員、どうぞ。
○長瀧委員 繰り返しになって申しわけないのですけれども、今、放射線起因性というものを我々がどう考えるかということは、1、2、3のどれを選ぶかということにも関係するだろうと。
 もう一度繰り返しになって申しわけないのですけれども、確かに放射線起因性というのは、原爆の被害をほかの戦争被害から分けるという、そういう恣意的なというか、ある条件のもとに決まって、それで、原爆イコール放射線という感覚が、日本の原爆を通じて世界中に流れてしまったということが1つあります。
 我々は、今、その範囲で議論しているということでもいいのか、あるいは現在、福島の原発事故を抱えている。それから、原発事故がいろいろなところで起こっていて、放射線の被害と、放射線でない被害もたくさんあるのだけれども、何となく全部放射線で説明しようということで、放射線の被害のグレーゾーンがどんどん世界中で広くになっている。そして、その放射線のせいだから補償しようと。
 これは、例えば、すぐ福島で問題が起こってくると思いますけれども、我々の検討会の考え方というのは、今後の日本の原発事故の考え方と相当関係してくるだろう。あるいはそのときに当然議論になる。そういう意味で、少し責任を感じてお話ししているのですけれども、例えば、我々の一番いい例としてはチェルノブイリがございますけれども、チェルノブイリは、非常に政治的な状況が弱くて、ある意味で放射線の影響を非常に強く補償の対象にして、それで20年たってみたら、放射線の健康影響というのは甲状腺がんだけであって、それ以外に、少なくとも明らかなものは認められないというのが国際機関。そして、20年目のときに公衆衛生上の最大の問題は精神的な影響だろう、100万人以上の人間が自立できなくなって、ただ補償に頼って生きていると。これは、チェルノブイリの事故の公衆衛生上の最大の問題であって、今後、十分取り上げなければいけない。
 ところが、25年後の国連のUNSCEARの報告では、この精神的影響は放射線の影響ではないのだと。放射線は精神的には影響しないからと言って、結論の中から、その部分全部なくなってしまった。だけれども、実際の被害は放射線の健康影響というものがあって、100万人の人が困っている。そこで政治的な変化なり、物すごい自国の経済的な影響もある。だから地元の方たちは、放射線の被害と同時に、そういう被害を受けていらっしゃる。
 そういう感覚からいうと、では、福島で、あるいはJCOもそうですけれども、放射線の被害がある程度、今、科学的に議論されて決まって、例えば、今、一番多いところで10mSvであるとか、内部被曝は1mSv以下と、ほとんどいろんなところで報告されていますけれども、そうすると、ほとんど放射線の影響がないということになると、福島の事故は全く補償はなくていいのかという議論にもなりかねないですね。
 そうなると、放射線の起因性だけで被害を考えていこうとすると、無限に、これも放射線のせいだ、これも放射線のせいだと広がってしまう。それは、補償したいという気持ちのために放射線が常に使われて、その影響が拡大してくるということが、今後、十分に起こり得るだろうということで、議論を別に提案するところはないのですけれども、放射線の起因性ということで全てを説明しようとするのがいいのか、こういう災害のときに、明らかに何らかの社会的な考えの中で、放射線以外の影響ですね。例えば、福島の場合に避難したということは、もう放射線の影響はないわけです。その方たちには全く放射線の影響はない。放射線の影響がないのだから全く補償しなくていいというふうな議論が今後成立するのかどうか。非常に目の前にいろんなことがありまして、そして、この検討会というのは、世界で一番放射線の影響がわかっている、調査ができているところでの検討会ですので、繰り返しになりますけれども、やはりこの検討会の結論というのは、そういう意味で、非常に意味がある大きなものだろうと思いましたので、一言申し上げたいと思います。
○神野座長 そうすると、先生のお話では、疾病との関係でも起因性というのは説明することが不可能だということでしょうか。先ほど来、心筋梗塞とかいろいろ話が出ていますが。
○長瀧委員 一番はっきりしていますのは、放射線のないところには放射線の影響がないだろうということが1つはっきり言えますね。そうすると、例えばそれが1つの条件。
 その範囲で、放射線を少なくとも被曝したというときに、疫学的に、今まである程度以上の確率で放射線の影響があったという範囲と、それから、ないとは言えないというような非常にグレーゾーンに相当する線量、放射線の被曝というもの、それは1つ基準としてある程度持っていないといけない。
 その中で、どういう病気を取り上げるか、そのときに起因性だけを取り上げるのか、現実にほかの事故と同じように放射線の被害だけを補償するのか、それとも、今、困っていらっしゃるから、病気の人とか、そういう気持ちまで含めて認定するのか、そこら辺は、本当にこの検討会の考え方を示さなければならないところだと思って、そういう意味では、私は非常に責任を感じておりましたので、ちょっと繰り返しになりましたけれども、本当に起因性と放射線に起因しない明らかな被害があった場合に、それは、もう原爆ということで別にしてしまうのか、それも極端にいえば、今のチェルノブイリの精神的な問題がございましたけれども、では、原爆で放射線が怖いということをさんざん言われたあるいは町の人から拒否されてみたり、結婚できなかったとか、あるいは自分も放射線が怖いという話の中で暮らしてきたから、いつそういう病気になるかと思って、非常にストレスの中で暮らしてこられた、あるいは被爆直後に薬もない、何もないところで放っておかれたと、そういうような放射線以外の被害はどう考えるのかというところを、我々として、日本の国として、そういうものも補償するという気持ちでいくのか。あるいは、あくまで放射線というものに頼って、ただ、それの範囲を広げるということで解決しようというのか、そこら辺が繰り返しになりましたけれども、ちょっと考えてもいいのではないかと。
○神野座長 高橋委員、どうぞ。
○高橋進委員 私も基本的には、放射線起因性という考え方から外れることではないのだろうと思います。この中でもほとんどの方はそういうふうに思っていらっしゃる。そういう意味では、放射線起因性自体は、そこを起点とすべきことについては、コンセンサスではないのかなと思います。
 ただ、例えば、先ほど私が申し上げた、被爆者の方に健康管理手当を支給する、それを全員に広げるという発想は、要するに被爆者の方は、放射線の影響がいつ自分に出てくるか、どういう病気にかかるかわからないという気持ちをずっと持っておられる。そういう意味では、放射線を心配しておられることに変わりはないわけですから、そういう意味で慰謝ということがそこで入ってくるのではないかということで申し上げました。
 あとは、具体的な疾病の種類のところで、先ほどグレーゾーンのお話が出ましたけれども、やはり疾病の種類でどう切るかというところもありますが、同時に、やはり量ということを外しては考えられない。というのは、私どもは日常でも放射線を浴びているわけですから、結局、どの程度浴びたかということもある程度考慮せざるを得ない。そういうことも含めたグレーゾーンをどこまで議論できるのかというところは、もう少し詰めどころなのかなという気がします。
 そういう意味で、石先生は先ほど、もうつけ加えるものはないのではないかとおっしゃいましたけれども、私はもう少し議論してもいいのかなという気がするのですけれども。
○神野座長 どうぞ。
○三藤委員 方向性1、2、3と3種類あるのですけれども、私は、基本的に、この3つともがグレーゾーンを抱えていると思っています。
 方向性1については、ちょっと極端な言い方になるかもしれませんけれども、大ざっぱに言って、全てのものをグレーゾーンの中で抱え込もうという方向ではないかと。
 それから、方向性3については、やはり認定制度の内側にグレーゾーンを引き込もうというような考え方だと思うのです。
 方向性2については、もともとグレーゾーン自体が議論になっていますけれども、今の段階では、方向性2のグレーゾーンを現行の認定制度の内に引き込むのか、外に出そうかというのは、まだ明確になっていないと思っています。
 そういうような前提でこれを考えますと、私は、方向性1については、一律性というのはかなり強くなりますので、国民の理解と科学性という面でかなり弱いのではないかと思っています。
 方向性3についても、相当程度判断が固まっているという表現が使われていますけれども、現実的にそういう判断が固まっている部分で司法と行政の差を埋めることができるのでしたら、今回の問題は発生していませんので、多分、そのことをもって司法と行政の差を埋めることはかなり難しいと思います。
 そういう意味では、やはり方向性2の中で、現行の認定制度の内側でやるか、外側でやるかという結論を先に出して、個人的には、グレーゾーンというのは、認定制度の外側に出さないと多分成立しない内容だろうと思います。これは、何らかの中間的な基準を設けて、認定制度のほうを広げていくという方向では、科学性なり理解なりが落ちていくと思いますので、そういうような方向では多分整理できないと思いますので、認定制度の外で議論をしていく。
 もう一つつけ加えて言わせていただければ、私どもの基本的な考え方は、早い段階で結論を出す必要があると思っています。だから、私としては、どのような基準で、そのようなことが成立するかというような議論をやり始めていただきたいと思っています。
○神野座長 山崎委員、どうぞ。
○山崎委員 1つは、私自身も石先生と同じような心境にありまして、無理に1つの意見にまとめるか、あるいは合意点を妥協しながら形成するよりは、それぞれの御意見を尊重しつつ、ここでは3つの方向性が出ておりますが、その方向性に整理していくという段階に、もう入るべきではないかなと思います。
 それから、グレーゾーンの問題ですが、私は安易に従来の認定の蓄積、科学的知見に基づいて客観的に認定していくというこの仕組みは崩してほしくないと。そのかわりに外で拾う。それは原爆症と認定できないけれども、私は準ずるということを何度か言いましたが、原爆症に準ずる状態として認定するということができないかどうかという気がいたします。
 それから、1案で、事実上、全員に被爆者手当を支給するというわけでございますけれども、私が広島にいたときの実感では、被爆者手帳そのものが相当広範囲に交付されていて、今の時点では、自分が被爆者手帳を受けられる、受けられないという争いはほとんどないのではないかなというくらいまで広がって支給されています。
 それから、健康管理手当も、それがもらえる、もらえないという争いはほとんどないように思いまして、事実上、多くの方がもらっている、あるいは亡くなるまでには、いつかはもらえるような状況であるということで、あえて全員にここで手当を支給するという積極的な理由を私自身は感じません。
 以上でございます。
○神野座長 どうもありがとうございます。
 では、荒井委員。
○荒井委員 先ほど来の、長瀧先生あるいは高橋進先生の放射線に関係のないケースについてどういう対応ができるかということについて、私の個人的な意見としては、それは対象外にせざるを得ないという割り切り方しかないのではないかと、私は思っているのです。
 しかし、そういう方々が全く国のほうで何の手当てもしてこなかったかといえば、それはそうではないので、例えば、医療費の負担の問題1つを取り上げても、やはりいろいろと、いわゆる原爆症、健康管理手当なり特別手当の対象にはなっていないけれども、それなりの、十分ではないかもしれないけれども、手当て、対応はしてきていると。その限度で我慢してもらわなければ仕方がないのではないかというのが、私の結論的な考えでございます。
 それから、今後のことを含めて、先ほど三藤委員の御指摘も参考にしながらなのですけれども、2案と3案というのは、恐らくグレーゾーン的なもの、あるいは行政認定に取り入れて広げていく、この部分をどういう要件で設定するかによって、場合によると、そんなに変わらないものができてくるかもしれない。内か外かということで言えば、外に出してしまうと、今度はまた先ほどの議論に戻って、健康管理手当との内外問題がまた出てくると思いますので、やはり、今の認定制度をどこまで広げることができるか、そういう意味では内側ということになろうかと思うのですが、グレーゾーンなりあるいは行政認定に加えていくというものを、もうちょっと具体的なレベルで議論を進めるのが、先ほど三藤委員の御指摘には、そういう意味では賛成でございます。
 これまでも、実は方向性1、2、3のイメージ図、きょうもかなりの議論が出たと思うのですけれども、もうちょっとそれぞれ1、2、3についての肉づけ、肉づけというのは、例えば、1については田中先生のほうから何度かペーパーもお出しになりましたね。
 2については、山崎先生のほうから、ペーパーとしてはいただかなかったが、かなり議論を整理されたものがどこかに入っていると思うのです。
 3というのは、私個人的には3に近いのですけれども、必ずしも肉づけはできていないということで、少し事務局のほうでも、既にある程度具体的な考え方として提示されているものは、この図面だけではなくて、それを具体化したようなものを何か用意していただけないか。
 これまでの発言の中に、1、2、3それぞれに対応する具体的な内容がいろいろ散りばめられてきたと思うのです。それを拾い出して整理していただけないか。その場合の要件というのは、やはり起因性についてどこまで求めるべきと考えるか、考えないか、疾病をどこまで考えるか、考えないか、それから、グレーゾーンというものの要件の設定の仕方をどうするか。
 ここは、余り議論ができていないと思うのですけれども、1、2、3それぞれについて、少しでもこれから要件を変えていこうとすると、言葉は既得権という言葉が出ておりましたけれども、従来の認定対象者と今後のものとの食い違いで広がる部分もあるかわりに、下がってくる部分も出てくるかもしれない。そういう問題について何か対応ができるのか、あるいはそもそも被爆者の方々が、ある意味では切り下げ的な現象が起こってくるかもしれないことについて、どういうふうに受けとめられるか。その辺を念頭に置きながら従来の発言を整理していただけると、もう少しこれからの議論がしやすくなるかなという気がするのですが、いかがでしょうか。
○神野座長 潮谷委員、どうぞ。
○潮谷委員 今、荒井先生がおっしゃったことと関連するのですけれども、方向性の3で、先ほどから高橋先生と、健康管理手当の横の特別手当の意味は何だったのですかねと言って、2人で頭をひねっていたのです。これは、症状別にひどくなったりしたときにと、そういうことの中で出てきたことだったのでしょうか。整理された文章の中では、医療特別手当についてはされているのですけれども、この特別手当のところの意味合いが、ちょっととれないでおりますので、今、荒井先生がおっしゃいましたようなことで整理されているときに、少しそのあたりの内側の問題も明確に出していただくとよろしいかと思います。
 以上です。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 田中委員、どうぞ。
○田中委員 今の潮谷先生の特別手当は、私はさっき発言しましたけれども、認定されていた被爆者の疾病が治癒したという判断をされたら特別手当になる、これは、ただそれだけのことです。意味は何にもないです。御理解いただきたいと思うのです。
 それで、私は、最初からお尋ねしたかったのは、2にしても、特に3の場合、全然意味がわからないです。相当程度固まっているというのが何なのか、行政認定で決めてしまえばいいじゃないかというのがわからないし、この図を見ますと、額は全部同じ額なのですね。今の13万と同じということになってしまうのです。それは、認定するのか、しないのか、これだと認定しないのですね。行政認定ですから審査はなくてよろしいのです、決めておけばいいわけですね。そういう御説明をきょうは実は求めたかったのですけれども、時間はまだありますか、ぜひ、お願いしたいと思います。
 その場合に、これは多分、従来の認定には入らないのですね。グレーゾーンを外につけるわけですね、中に入れたほうがいいという三藤さんのお話がありましたけれども。
○三藤委員 内側に入っているのではないかと。
○田中委員 これは、どっちがわからないというのが1つ。
 それから、同じように方向性2の紫は、認定の枠に入るのか、グレーゾーンは認定するのかどうか、その辺がわからないものですから、もう少し、発言された方から御説明をいただければいいのかと思うのです。
 潮谷先生も原爆起因性は撤回されましたけれども、草間先生はまだですか。原爆起因性というのは紫に入っているのかどうか、その場合に、医療分科会の認定作業みたいなものが必要とされているのかどうかというようなことを、ちょっと御説明をいただければと思っています。
 以上です。
○神野座長 わかりました。
 草間委員、何かありましたら。
○草間委員 私は、先ほど長瀧委員が言われたように、原爆起因性というのにすごくこだわったのは、放射線起因性というのは御承知のように、さまざまなところで使われているわけですね。既に電離則に基づく職業病認定のときにも放射線起因性ということで、相当の蓋然性があることという形で放射線起因性と言われていますし、これから、3.11の福島に関連して、必ずそういった訴訟が出てくるのだろうと思いますので、そういう意味で、ほかに波及をするということをすごく懸念しております。それで、原爆起因性という形になれば、先ほどからちょっと言いましたように、裁判の中では被曝線量を全く否定されてしまっているわけですので、そういう意味では、以前にやっていたような距離で判断するというようなことも、1つの判断の基準ではないかなと思っています。
 また、一方他の国家補償との乖離も必要という形で、原爆起因性という形で以前から提案させていただいているのですけれども、ほかの認定、例えば職業病認定等にこういったものが影響しない、要するに拡大していかないのだということさえきっちりしていただければ、そういう言葉には特にこだわっていません。
 いずれにしましても、東京大空襲とか、沖縄とか区別しなければいけない、これはすごく強く思っておりますので、それと、先ほど言いましたように、職業病認定とか、そういったものとの関係で、そこに広がらないという形で、原爆起因性という言葉だと本当に原爆に限ったという形でやると思ったので。原爆起因性といったときも放射線に注目するというのは私自身全く変わっておりませんので、そういう意味では、ほかに影響しないということさえはっきりしていただければ、言葉には全然こだわりませんので。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 時間は、まだあるのですけれども、少し御意見を頂戴して、具体的な方向性イメージ図といっても、例えば2について言えば、山崎先生がペーパーをお出しになっていますが、そういったことということであって、ここでは山崎先生の案そのものというわけではないので、きょうの御意見を頂戴いたしましたので、当面、方向性1については、田中委員からペーパーが案として出ていますし、そのほか、ほかに補足するようなものを含めて準備し、それから2については、一応、山崎委員からペーパーが出ておりましたので、それについて、次回に準備させていただいた上で、それぞれ御説明をいただくなり、コメントをいただくなり何なりをしながらしていく。
 それから、3については。
○田中委員 済みません、よろしいですか。2と3については、山崎先生がこの前提案されたのは、手当のモデルを提案されたと思うのです。それで、認定はどうするのかと。
○神野座長 それを含めてです。
○田中委員 どう考えているかということを含めて、ぜひ、出していただければと思っています。
○神野座長 それから、3については、この間も申しましたように、中間取りまとめをする段階で、1つの流れとしてこういうことがあるということをまとめただけですので、具体的には、おっしゃるとおり、主体というか、言った人がいるわけではありませんので、むしろ、ここでこの案について具体的にやるとすれば、どういうふうに詰めていくのか、あるいはどういうものを持っていくのかという議論を出してもらわないと進んでいかない議論ですので、少しフェーズを上げて議論するために、きょうの議論を聞かせていただいた上で、次回に1、2など、既にペーパーが出ているものについては、そのペーパーを基礎にしながら少し御議論をいただく。
 もう一つは、3を含めてなのですけれども、きょうの議論とも関係しますが、草間委員も前回おっしゃっていたように、現状の資料を少し出してもらいたいというお話がございました。これは、多分、きょうここで議論をやっていても、さまざまな手当があり、さまざまな諸制度があるのが少し混乱しているところもあるので、もう一度、きょうの議論を踏まえて、制度の由来とか状況を含めた資料を一方でつくっておくということをしながら、1、2、3について、もう少しフェーズを具体化するような形で議論できるような資料をそれぞれについて準備させていただいて、次回、御議論いただくということにさせていただければと思っています。
 どうぞ。
○長瀧委員 この絵で、基本的な手当、健康管理手当というのは、放射線起因性との関係では、これは起因しなくてもということに、グレーゾーンというか、これはどういう立場になっているのか。
○神野座長 事務局、わかりますか。こっちの話ですか、提案されているほうの。現行制度のほうの話ではなくて。
○長瀧委員 3つとも、健康管理手当と書いてありますので。
○田中委員 私のは、1は相当と書いてある。
○長瀧委員 相当ね。
○神野座長 先ほどの健康管理手当の趣旨。どうぞ。
○荒井委員 きょうは、高橋滋先生がおられないので、この第1回の説明ファイル、今の援護法が資料として出されています。資料1の援護法の27条の健康管理手当の支給の要件が書いてありまして、先ほど、私の発言でちょっと触れたのですが、「省令で定める障害を伴う疾病(原子爆弾の放射能の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)」と。だから、やはり起因性を意識はしていて、明らかに放射線の影響がないものだけは外していきましょうと。
 だから、濃淡はありましょうけれども、明らかに起因性がないものは除いて、あとは対象にいたしましょう、こういう考え方だと思います。
○神野座長 よろしいですか。
 どうぞ。
○長瀧委員 今の荒井先生の話は、ある程度ベースがあって、放射線の起因性によって病をつけ加えていこうという議論として考えてよろしいのですか。加えていくものは、この1ではありませんが、放射線起因性を残すとすれば、加えていくものは起因性に従って加えると、グレーも含めてですけれども。
○神野座長 荒井先生。
○荒井委員 それは、いろいろ考え方はあり得ると思いますが。
○神野座長 先生がおっしゃっているのは、今、提案されている案についてですか。田中委員の提案についての御質問ですか。
○長瀧委員 全体の感覚として、基本的な手当、健康管理手当というのは、本当に放射線でないというものを除いては、皆さんに行くのだと。だから、基本的に言えば、全員に近い関係。ですから、これは余り起因性を強く言わない、それに足していくものを起因性との関係をどうするかという議論と考えていいわけですね。
○神野座長 つまり、方向性1にしろ、2にしろ、3にしろ、健康管理手当があるからと、そういう御意見ですね。わかりました。
 佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員 その関係で、ちょっと最後に申し上げさせていただこうと思ったのですけれども、起因性について、どうも原爆症の認定に起因性があって、そこだけに着目されているような気がしたので、もともとこの法律自体は、全体に原爆起因というのが入りつつ、その中はいろんなものが散りばめられていて、認定は積極的に起因性を認めなければいけないけれども、健康管理手当は、今、読み上げていただいたように、どちらかというと消極的に、絶対というとあれですけれども、起因性がないというものは除いて、それ以外は全部いこうという考え方になっているわけです。
 被爆者というのは、それよりももっと手前の、起因性云々ではなくて、この地域にいたということになっていますから、そういう意味で、起因性の捉え方についても、いろんな段階を既にこの法律は持っていますので、そういうことも明らかにした上で、例えば、さっきの方向性2であった、放射線の起因が無視できない程度という新たな部分というものをつくれるのかどうか、今は既にそうなっていますという上で、ちょっと議論をしてみたらどうかということを思います。
○神野座長 どうもありがとうございました。
 では、進め方はそういうことでよろしいでしょうか。つまり、一応、1、2、3について、より具体的な議論ができるような資料を、今まで提出していた書類とか、それから、それを新たに補完するような資料、具体的には、現状その他を説明できるような資料を、次回討論をするために、便利なように少し加工させていただいて提出をさせていただいて、それをもとに、やや具体的な中身といいますか、具体的なフェーズに踏み込んだ議論をしていただくということにさせていただければと思います。よろしいですか。
 どうぞ。
○田中委員 資料の出し方なのですけれども、恐らく出てくる資料は、ほとんどここに入っているのですね。今まで、いろんなことが報告されて、ほとんどのことはもう入っているのですね。何回の何資料でもいいかと思う。そうじゃないと、同じものがいっぱいたまっていくという感じがします。
○神野座長 では、ちょっと出し方を考えますので。いずれにしても加工するつもりでおりましたから、そのようにさせていただくということでよろしいでしょうか。
 それでは、次回は、今、まとめさせていただいたような形にさせていただきますが、事務局のほうから、次回以降、その他、連絡事項がございましたら、どうぞ。
○榊原室長 次回の日程につきましては、調整の上、追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○神野座長 それでは、本日の検討会は、これにて終了させていただきます。
 本日も御熱心に御討議いただきまして、ありがとうございます。至りませんで、いろいろ不行き届きのところがあるかと思いますが、また次回も御協力いただきたいと思います。よろしくお願いします。


(了)
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