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2013年1月9日 第60回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成25年1月9日(水)9:56〜10:42


○場所

全国都市会館 大ホール


○議題

議論の整理(案)について

○議事

○遠藤部会長
 それでは、まだ定刻より少し早いですけれども、委員の皆様は全員御着席でございますので、これより第60回「医療保険部会」を開始したいと思います。
 皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日の出席状況について御報告を申し上げます。
 本日は、岩本委員、大谷委員、岡崎委員、齋藤訓子委員、福田委員より御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。
 大谷委員の代理として黒川参考人、岡崎委員の代理として村岡参考人、齋藤訓子委員の代理として菊池参考人の御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
(報道関係者退室)
○遠藤部会長
 それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は、これまで議論いただきました内容についての議論の整理を行いたいと思います。後ほど「議論の整理(案)」を事務局から説明していただきますけれども、内容につきましては、補正予算あるいは25年度予算と関連のあるものが非常に多うございまして、できるだけ早く部会としての整理をまとめたいと思っております。できるだけ本会議の中で結論を得たいと思っておりますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 では、事務局から「議論の整理(案)」が出されておりますので、それにつきまして御説明をお願いしたいと思います。
 事務局、どうぞ。
○濱谷課長
 総務課長でございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の「議論の整理(案)」について、ポイントをかいつまんで御説明させていただきます。事前にお目通しいただいていると思いますので、簡潔にしたいと思います。
 まず、当部会では「社会保障・税一体改革大綱」を受けて、予算編成までに議論を尽くしておくべき3つの課題、協会けんぽの財政問題、70歳から74歳の患者負担の取扱い、高額療養費制度の改善、この3つの課題を中心に議論を重ねてきたということであります。
 1点目「協会けんぽの財政対策」です。
3つ目の○でございます。
 議論では、現行の協会けんぽの保険料率10%は、加入者、事業主にとって大変重い負担となっており、他の被用者保険との保険料率の格差も拡大する傾向にあることから、協会けんぽの財政基盤の強化、安定化のための具体的な方策を講じなければならないという意見が多かった。
 協会けんぽの財政基盤の強化、安定化を検討するに当たっては、高齢者医療の在り方等の見直しが必要であることから、社会保障制度改革国民会議における議論等を踏まえた見直しが実施されるまでの間の当面の対応として、準備金を取り崩せば保険料率10%が維持できる平成26年度までの2年間、現行の措置(国庫補助率16.4%、支援金の1/3について総報酬割)を延長することはやむを得ないとの意見が多かった。
 他方、多くの健保組合で赤字となっている実態を考慮して方策を検討すべきとの意見や、協会けんぽの財政状況は改善しており現行の措置を延長する必要はないとの意見もあった。
 また、国庫補助率を法定上限の20%に引き上げる措置を講ずべきとの意見があった。さらに、国庫補助率を16.4%とする措置を継続するのであれば、総報酬割(支援金1/3)によって財源を捻出するという健保組合等による負担の肩代わりではなく、国の責任で財源を確保すべきとの意見もあった。
 2点目「高齢者医療制度における支援金の負担の在り方等」です。
3つ目の○でございます。
 総報酬割は、所得にかかわらず保険料率が平準化されるため、最も公平な制度であることから、将来的には全面総報酬割に移行すべきとの意見が多かった。他方、総報酬割は被用者保険者間の負担のつけかえでしかなく、納得できないという意見もあった。
 総報酬割とすべきかどうかは、所得格差の状況を含め医療保険制度全体の負担の公平性に関する議論が必要であり、社会保障制度改革国民会議等における高齢者医療制度全体の議論の中で検討すべきとの意見があった。また、全面総報酬割に移行する際は、高齢者医療制度への公費拡充等の改革とセットで議論されるべきとの意見があり、協会けんぽに投入されている公費のうち、全面総報酬割によって不要となる部分について、協会けんぽの国庫補助率20%の引き上げに使うべきとの意見や、前期高齢者の給付費に充当することによって被用者全体の負担軽減を図るべきとの意見があった。
 3点目「70歳から74歳の患者負担の取扱い」です。
2つ目の○の後段でございます。
 平成25年度以降の取扱いについて、本来の2割負担に戻すのかどうかという点と、2割負担に戻すとすれば、どのような形で戻すかという点を中心に当部会で議論を行った。
 まず、戻すかどうかについては、他の世代との負担の公平性の観点から、早急に法律上の2割負担に戻すべきとの意見が多かった。一方で、負担の増加による受診控えにより症状の悪化等が懸念されるため、現行の措置を維持すべきとの意見もあった。
 また、戻し方については、公平性の観点から見直しは行うべきだが、引き上げによる負担感を軽減するため、現在1割負担である者の負担割合は変更せず、平成25年度以降新たに70歳以上となる者から2割負担とし、段階的に法律上の負担割合に戻すべきとの意見や、医療保険財政は猶予を許さない厳しい状況であること等から、平成25年度から直ちに70歳から74歳の者を一律2割負担にすべきとの意見があった。また、実施する場合には、低所得者等に配慮を行うべきとの意見が多かった。
 なお、国民に対して十分に説明をすべき、対象者への周知と市町村におけるシステム対応等現場が混乱しないよう十分な準備期間をとるべき、システム改修は国が必要な費用を負担すべきといった意見がございましたし、もとの負担割合の水準に関する議論の前に、まずは高齢者医療制度のあり方を議論すべきとの意見がございました。
 4点目「高額療養費制度の改善」です。
4ページの2つ目の○でございます。
 議論では、高額療養費の改善の必要性については、異論がなかったが、年間での負担上限の導入については、1必要となる保険料財源と比較してシステム改修費が多額に上るため、費用対効果が薄く、提案された規模の改正では効果が限定的、2厳しい医療保険財政の中、保険者への負担増は避けるべきということで、導入には慎重な意見が多かった。
 また、これ以外にも、番号制度の議論が控えており、今後、大幅なシステム改修が見込まれる中で、現段階で多額の投資を伴う一部のシステム改修のみ行うことには慎重であるべきとの意見がございました。
 5点目「その他」でございます。
 1点目は、健康保険と労災保険の適用関係の整理についてで、3つ目の○であります。
 議論では、労災保険と健康保険のどちらの給付も受けられない者を救うことは必要であるなどの意見があった。その上で、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とすべきであり、請負などの働き方の形態にかかわらず、労働者性のある業務に起因する負傷等については、引き続き、労災保険が健康保険に優先して給付されるべきであるとした事務局の案については異論がなかった。
 ただし、労災保険は業務上の事由を、健康保険は業務外の事由を対象とするという根本的な原則は変更すべきではなく、健康保険における業務上・外の区分を廃止する必要はないとの意見がございました。
 なお、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等に係る現行の取扱いを継続することについても異論がございませんでした。
 また、これらの取扱いは、健康保険法の根幹にかかわるため、法律改正で明確に見直すべきとの意見が多かった。さらに、これまでの考え方を変更し制度改正を行う以上、将来に向かって適用すべきであり、遡及適用はすべきでないとの意見が多かったということでございます。
 傷病手当金等の不正受給対策についてでございます。
 協会けんぽに対して、事業主への調査権限を付与することについて異論がございませんでした。
 一方、保険者判断で傷病手当金等の支給額に上限を設けることを可能とすることについては、反対の意見が多うございました。
 なお、さらなる不正受給対策の検討を行うべきとの意見がございました。
 健保組合における準備金の見直しについては、異論がございませんでした。
 最後に、以上の課題は、平成25年度の予算編成過程で検討することとされているなど喫緊の課題であり、厚生労働省においては、当部会における意見を十分に踏まえ、見直しを進められたい。
 また、高齢者医療制度等の見直しについては、引き続き検討する必要があることから、社会保障制度改革国民会議の議論等を踏まえ、当部会においても議論を進めていくべきである。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局にまとめていただいた「議論の整理(案)」のポイントについて御報告をいただいたわけですけれども、これについて御意見を賜りたいと思います。
 幾つかポイントが分かれておりますので、まず、1番の「協会けんぽの財政対策」と2番の「高齢者医療制度における支援金の負担の在り方等」の2つに関連する中身について御意見を承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 今回提出されました「議論の整理(案)」のうち、私ども協会けんぽの財政対策について意見を申し上げたいと思います。
 これまで繰り返し申し上げましたとおり、協会けんぽの財政は極めて危機的な状況にあります。現在の平均保険料率10%という水準は、加入者、事業主にとっては既に限界にあり、他の被用者保険との格差を踏まえても、異常とも思われる水準であります。これ以上の保険料率の引上げは到底考えられません。
 また、本部会で御説明させていただいたとおり、平成25年度収支推計を足元に置いた29年度までの収支見通しを見ても、現在講じられている財政措置を継続し、平均保険料率10%のまま据え置いた場合、29年度には最大2兆3,700億円という累積赤字になる見通しであります。
 このような極めて厳しい財政状況において、協会けんぽが被用者保険のセーフティネットとして持続可能な制度とするためには、一刻も早く協会けんぽの財政基盤の強化、安定化のための具体的な方策を講じる必要があると考えております。
 今回の「議論の整理(案)」では、本部会の共通認識として、協会けんぽの財政基盤の強化、安定化を図ることが喫緊の課題であると確認することができたと考えておりますが、1ページの3つ目の○では、「意見が多かった」とあり、これについては、何かほかに異論があったのかどうか。異論があったからこのような表現にしたのか。それとも私の認識でよろしいのかどうか。この点は非常に重要な点なので、まず事務局の考えを確認させていただきたいと思います。
その上で、一刻も早く社会保障制度改革国民会議の議論等を踏まえ、高齢者医療のあり方などを含む医療保険制度全体を見直し、協会けんぽの財政基盤の強化、安定化、保険料負担の緩和、被用者保険間での保険料負担の公平性の確保、の実現に向けた具体的な改革を実施していただきますよう強く要望いたします。
 その一方で、協会けんぽに加入する中小企業の経営実態や、そこで働く従業員とその御家族の生活は大変厳しい状況にあります。平成24年度末には、準備金が約4,400億円となる見通しではありますが、これは22年度から3年連続で大幅に保険料率を引き上げた結果であり、たとえ準備金を取り崩すことで現在の保険料率を2年間維持することができたとしても、制度改革が実施されなければ、その後にさらに大幅な保険料率の引き上げは避けられない状況にあります。このことは、先ほど申し上げた平成29年度までの5年間の収支見通しを見ても明らかであります。
 「議論の整理(案)」では、「協会けんぽの財政状況は大きく改善した」という意見が紹介されておりますが、協会けんぽの財政状況は5年後には、先ほど申しましたように最大2兆3,700億円もの累積赤字となる見通しであり、脆弱な財政基盤は何ら変わっておらず、赤字財政構造は改善されておりません。
 協会けんぽとしては、これまで申し上げておりますことの繰り返しになりますが、大変厳しい状況にある加入者、事業主の保険料負担を軽減するために、平成25年度予算においては、国庫補助割合を法律の法則どおり20%に引き上げること、公費負担の拡充を含めて、高齢者医療制度を見直すことについて、引き続き要望してまいりますが、同時に、協会けんぽが被用者保険のセーフティネットとしての持続可能な制度とするためには、高齢者医療のあり方を含む医療保険制度全体を見直し、協会けんぽの赤字財政構造を改善するための具体的な改革を講じなければなりません。国民会議の議論を踏まえ、是非とも制度全体の見直しを実施していただくことを強く要望いたします。
 その上で、私たち協会けんぽが強く要望しております国庫補助割合を20%に引き上げる措置については、本部会においても「法律本則の適用は論を俟たない」、「国庫補助のあるべき姿で20%という数字が求められている」、「国庫補助率20%はやむを得ない」など、私以外の委員からも同趣旨の御意見があり、多くの方の御賛同を得られたと理解しております。
 今回の整理(案)では「意見があった」となっておりますが、多くの委員からの御賛同があったことがわかるように修正をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 御意見と、修文上の問題としましては、質問が1つと御要望ということだったと思いますので、御意見につきましては、従来の御意見とまた同種のものであると理解させていただきます。
 それでは、事務局に御質問がありましたので、最初の「意見が多かった」ということの背景について、御説明をお願いします。
 事務局、どうぞ。
○濱谷課長
 事務局の認識といたしましては、2ページの一番上にございますけれども、「他方」ということで、多くの健保組合で赤字となっている実態を考慮して方策を検討すべきとの意見、あるいは協会けんぽの財政状況は改善しており現行の措置を延長する必要はないという意見もございましたので、前段の御指摘のところについては「意見が多かった」ということで、多数、少数ということで整理をさせていただいております。
○遠藤部会長
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 繰り返し申し上げておりますように、被用者保険制度のセーフティネットとしての協会けんぽの財政基盤の強化、安定化。これは今回の部会での議論の前提であって、これは論を俟たないのではないかと考えております。
 この点で異論があるということであれば、さらに議論しなければならないと思い、いずれにいたしましても、この点はもっとも重要な点であると考えておりますので、とりまとめの文案は次回までに事務局でよく考えもらいたいと思っており、繰り返し強く申し上げたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 もう一つの講ずべき意見があったということについては、御要望として、これも修文の要望ということでございますね。
○小林委員
 はい。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 今の2点について、ほかの方で何か御意見ございますか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 今、小林委員が御指摘になりました1ページの最後の○のところでございますが、非常に表現が微妙といいますか、協会けんぽさんの財政基盤の強化、安定化のために、小林委員のおっしゃるとおり、中長期的には制度の改革がなされないと、本質的な財務体質の強化というのはできない。それはそのとおりだと思います。
 そんな中で、安定化のための具体的な方策を講じなければならないというのはどういうことなのかというのが、はっきり申し上げてよくわからない。私どもとしましては、以前から申し上げているとおり、協会けんぽさんの財政基盤のために健保組合が一部肩がわりするような仕組み、これ自体には反対をしておりますので、それも含めて意見が一致したと言われますと、私どもとしては全く納得のできない形でございます。
 さらに申せば、2行目に「他の被用者保険との保険料率の格差も拡大する傾向にあることから」と書かれておりますけれども、このことと協会けんぽの財政対策とどういう関係があるのか、私どもには全く理解ができません。これは削除していただきたいというのが私どもの意見でございます。
 理由を申し上げますと、基本的には現在の健康保険法では、各保険者がみずからの財政を切り盛りするというのが基本になっております。当然のことながら、協会けんぽさんは標準報酬月額の水準が健康保険組合に比べますとかなり低いですから、何らかの措置が必要ということで、国からの助成金という形で、国から公に補助をするという形で財政運営をされている。少なくとも健保組合はそういうことはなくて、料率でいえば、協会けんぽさんの10%を超える健保組合も多数あるわけですけれども、以前、資料が出ましたが、下は確かに4%という健保組合もあることはあります。非常に幅がありますが、それはそれぞれの料率の中でみずからの財政を運営していくというのは、健康保険法の現在の精神であるということからそうされているわけでありまして、ここにあります「他の被用者保険」というのは健保組合のことだと思いますが、健保組合と協会けんぽさんの料率の差が拡大している。そのために助成金という仕組みがあるのでしょうと私どもとしては申し上げたい。
 もう一つは、これも以前指摘させていただきましたけれども、協会けんぽさんは保険料率10%で黒字ですが、健保組合は今、平均で8.3%ぐらいで赤字ですから、実質保険料率ということで考えますと、本当にそんなに格差はあるのかということは、また重ねて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 小林委員、お願いします。
○小林委員
 被用者保険間の保険料率の格差ということについてでありますが、協会けんぽは前から申し上げておりますように、加入者が中小企業の事業主と、そこで働く従業員であり、財政基盤が元々極めて脆弱だということで、被用者保険の中で唯一国庫補助をいただいている保険者であります。
 平成15年から、賞与からも保険料を頂戴するという総報酬制になるまでは、保険料率は被用者保険間でそんなに差がなかったということでありますが、この総報酬制になってから格差が開き、協会けんぽになってさらに拡大したということであります。そういった意味では、被用者保険間でこれだけの格差があるというのは、社会保険制度あるいは社会保障としてはいかがなものかということで、こういう格差の是正について、やはり財政基盤の強化、安定化のために具体的な方策を講じる必要があると私どもは考えているということであります。
 2点目についてですが、今は黒字ということであります。黒字というのは、3年間の特例措置を講じていただいた上に、私どもは3年連続して大幅に保険料率を引き上げて、したがって、結果として黒字になっておりますが、以前にも申し上げましたとおり、足元をベースにした長期見通しについては、24年度末では4,400億の準備金の黒字になる見込みでありますが、これを使ったとしても、2年間で枯渇してしまう。5年後には2兆3,700億円も赤字になるという脆弱な基盤であるということで、そういったことを見通した上で、足元の今の財政基盤の強化を考えていただきたいということでございます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかの委員の方で、何か御意見ございますか。
 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤正憲委員
 「議論の整理(案)」につきましては、来年度予算にかかわる議題が中心ということで、それほど意見はございません。しかし、たびたび申し上げておりますように、高齢者医療制度や、今回の協会けんぽの財政対策等につきまして、当面の対応を検討するのは予算編成として大事かと思いますが、根本的な問題解決が図れないと考えております。
 特に今後の人口構成を踏まえれば、被用者保険間の負担のつけかえで対処するのは不可能と考えており、先ほどの白川委員と全く同意見でございます。特に現役世代の保険料に過度に依存する高齢者医療の仕組み等を改め前期高齢者を含めた税投入割合の拡充等を図ることが重要と考えておりますので、ぜひ早急な検討を期待したいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかに1、2に関連いたしまして、何か御意見があれば承りたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、またあれば戻っていただいても結構でございますので、次の3番と4番はともに自己負担に関連するものでありますので、3番の「70歳から74歳の患者負担の取扱い」及び4番の「高額療養費制度の改善」について御意見、御質問はございますでしょうか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 「3.70歳から74歳の患者負担の取扱い」です。3つ目の○で、後半の負担の増加による受診控えにより症状の悪化等が懸念されるため、現行の措置を維持すべきだという意見もあったということで、我々の意見は少数意見ということですが、これは議論の中でも話をさせていただきましたけれども、世帯主が70歳以上の場合、年間所得に占める公的年金・恩給の割合は50%を超えるということで、収入がない中で負担がふえるということは、非常に負担感が増すということでございます。
 我々の調査によりましても、1割から2割というのは2倍ですから、2割から3割が1.5倍ということもあって、1割から2割に上がった場合のほうが負担感がより高いということであります。
 また、経済的理由による受診控えの経験のある方というのは1割ぐらいいらっしゃるわけですが、その中の半分以上の方は症状が悪化しているという回答をしておられますので、こういった方々をさらに厳しい状況に追い込むことのないように、我々としてはやはり1割の凍結を継続していただきたいと思います。
 以上、意見です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。御意見として承りました。
 ほかにございますか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 今、鈴木先生がおっしゃった「3.70歳から74歳の患者負担の取扱い」に関しまして、私どもは以前申し上げたとおり、来年度から2割にすべきだという意見を言わせていただいておりますけれども、高齢者医療制度改革会議で提案のありました新たに70歳に到達された方から2割にしていく、5年かけて是正していこうという案もあるかと思います。
 ただ、特にマスコミの方々が書いているものを読んでいますと、あるいは鈴木先生の御意見もそうだったのですけれども、例えば高齢者医療制度改革会議の意見で言えば、69歳まで3割負担だった方が2割負担に減るという考えが私は正しいのではないかと思います。私ども健保連の意見で言えば、1割負担の方が2割にふえるという鈴木先生の御意見はわかるのですが、高齢者医療制度改革会議でいえば、3割の負担の方が70歳になったら2割負担に減るのだということをきっちりお伝えしないと、若干誤解されているのではないかという感じがしておりまして、それについても3ページの文章の書きぶりでございますが、それがはっきりわかるような形で書くべきではないかという御意見を申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 樋口委員、どうぞ。
○樋口委員
 私は、まさに高齢者の該当年齢の立場でございますが、世代間の公平という観点から申しますと、2割に引き上げるということは当然のことではないかと思います。それはやはり今、おっしゃいましたように、69歳だった人にとっては1割軽減になるということで通していただきたいと思っておりましたが、今の70代を一斉に2割にするということではなく、この案の中にも書いてありますように、財源的には大変かもしれませんけれども、そこに到達した人からというようにしていただきたいと存じます。同時に、やはり当事者への周知徹底という時間をとっていただきたいからでもございます。
私は後期高齢者医療制度にはかなり反対の立場でございましたが、それは内容的な問題もさることながら、また妥当と思うこともありましたが、ただ、余りにも唐突に知らされたということが一番高齢者にとっては大きなショックだったと思います。ここにも書かれておりますし、再三申し上げていることでございますけれども、自治体や保険者の方々からきちんと周知徹底していただきたいということです。
 もう一つは、低所得対策でございます。鈴木先生がおっしゃいましたように、確かにこの年齢のもっとも貧しい人たちは、年金3万円ぐらいで暮らしているひとり暮らしの女性などたくさんおります。そういう場合の低所得対策なのですけれども、ここに書き込まれてはあるのですが、ぜひ何らかの具体的な策をお示しいただければ幸いだと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 できるだけ御意見を承りたいと思います。
 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤正寧委員
 高額療養費についてであります。
 ここに書いてあることは、このとおりだと思いますが、特に今、お話しがあったように、国保の被保険者は低所得者が非常に多い。そういう点では、上限を引き下げる、あるいは所得階層の細分化など、やはり具体的に制度改善について検討してほしいと思います。
 ただ、この問題がいつも問題になるのは、昨年もそうでしたし、一昨年もそうでしたけれども、財政上の問題ですね。これがネックになってなかなか具体的に進んでいない。ことしは去年、おととしと比べると少額の影響額だという資料は出ておりますけれども、少額だからなし崩し的にやっていいという話ではないと思います。これはやはり財政中立あるいは財源手当てをきちんとした上で行ってもらわないと非常に困ります。このことは改めて強調しておきたいと思います。
○遠藤部会長
 御意見ということで、特段修文の御要請ということではないわけですね。
○齋藤正寧委員
 そこまでは。ただやってもらえば結構です。
○遠藤部会長
 では、お待たせしました。和田委員、どうぞ。
○和田委員
 前回も少し申し上げたのですけれども、この3割から2割に減るから受け入れてもらえるのではないかという論理の立て方というのは、何かちょっとおかしいような気がしております。実質的には3割から1割に減るはずだった方が、ある年代のところから3割から2割にしかならないわけですね。減るからいいのだというのは、ちょっと違うかもしれませんが、朝三暮四的な形で、財政的にもどういう影響や負担があって、どういう形で対応ができるのかという、もう少し客観的な根拠というものがあってしかるべきではないかと思います。
 論理としては、特に若い世代に向けて、そういう客観的な根拠を示していくことが必要ではないかと思います。結論としては、これで私は異論があるわけではないのですが、少し意見として申し上げさせていただきます。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございます。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 今の和田先生の意見で、確固たる根拠は何か、示すべきだという御意見があったのですけれども、もう法律で決まっているのですから、これが根拠ではないかということが、私も前からここの場で申し上げてきたとおりであります。それ以上の根拠がなぜ必要なのか、私には理解できないのです。
 医学的な根拠云々ということをおっしゃるのであれば、それは法改正をするかどうかということを国会で議論していただければいい話で、私は現行の法律が根拠だということを改めて申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 和田委員、お願いします。
○和田委員
 その点は、私もそのように思います。根拠としては、法律的にもう決まっている以上、それに従う形にしていくのが正当であろうと思います。
 私が申し上げたいのは逆方向の根拠でございまして、法律的な根拠があるにもかかわらず、緩衝策として5年間をかけて少しずつという形になっておりまして、すぐに法律で定められている形に戻さないことの根拠が少し弱いのではないかという、そういう逆の意見として申し上げたわけです。
○遠藤部会長
 御意見として承りました。
 ほかにございますか。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 事前にこの資料を拝見して、これでよろしいのだろうと思っていましたし、特に異論というわけではないのですが、3ページの「3.70歳から74歳の患者負担の取扱い」の5番目の○のところで、最後に「また、年齢ごとに負担割合の水準に関する議論の前に、まずは高齢者医療制度の在り方を議論すべき」ということで、これでよろしいとは思うのですが、むしろ「前に」というよりも、この高齢者医療制度の在り方の議論の「中で」この負担割合のことを一緒に一括して議論するべきだというほうが、逆に議論としてはいいのかという気がしますので、事務局ではその辺、もう一回御検討いただければと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。御意見として承りました。検討したいと思います。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、3番と4番は、そのようなことということで、次は5番でございます。いろいろなことが入っているわけでありますけれども、5番のその他について、何か御意見ございますか。
 白川委員、お願いします。
○白川委員
 5ページの最後の部分で、健保組合における準備金の見直しでこういう御提案をいただいて、特に異論がなかったということで、このとおりでございまして、別に修文をしてくれというつもりはないのですけれども、私どもとしては、医療給付費相当分の平均の3カ月分というのは、まだ小さくできる可能性があるということで、この席でも御検討をお願いしておりますので、そこの部分だけは確認をさせていただきたいということでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 樋口委員、お願いします。
○樋口委員
 きのうの4時までの修文に外出していて間に合わなかったので、入らなければ今回はこれでよろしいと思いますが、これからの社会を思いますと、たしか国民会議の座長さんは清家先生ですね。清家先生は随分前から生涯現役社会ということをおっしゃっていましたし、昨年の秋に「高齢社会対策大綱」が閣議決定で改正されましたね。そこでは、人生90年社会ということをはっきりと言って、かなり具体的な雇用率上昇の目標まで書かれていて、これからの急激な変化は、初めは男の方が中心かもしれないが、女性も含めて、高齢者のいわゆる雇用でないかもしれないけれども、就労が広がるということだろうと思います。
そうしますと、労災に当てはまる新たな制度が必要です。私の家などは、今、シルバー人材センターさんに家事と庭の周辺と大掃除など、助けてもらわなかったら、私の今の職業人生はやっていけないぐらいに依存しています。私とそう年の変わらない方が脚立に乗って天井掃除をしていると、落っこちたらどうしようとハラハラしていることもございまして、これから高齢者のいわゆる労働基準法の中には入らない就労の場がふえることを思って、本当は最後のほうに、こうした高齢社会大綱など、要するに高齢者の就労が新たにふえることが見込まれることから、健康保険法を含め、何かそういう長期的展望を含めて考えていただきたいという趣旨を実は書いていただきたかったのですが、これからの、あるいは社会保障国民会議の中でも御検討いただければ幸いだと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 大変貴重な御意見だと思います。どういう形でこの文章に反映できるかどうかは、もう少し検討させていただきたいと思いますけれども、どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 ただいま御意見を承りまして、多くは御意見だったわけですけれども、中には文章の削除も含めた修文の御要請というのがございました。この場でそれを詰めていくという考え方も当然あるかもしれませんが、これはどこまで行っても意見の一致はなかなか見えないというところもあるかと思いますし、あるいはこの議論の整理の中に載せるのには必ずしも適切でないというものや、また新しい課題の提案もあったと思いますので、それらを含めまして、少し総合的に考えさせていただきたいと思います。
もしよろしければ、この修文につきましては部会長預かりということにさせていただくということでお願いできればと思うのですが、よろしゅうございますか。もう一回やるとしますと、予算編成との関係があるものですから、先ほど申しましたように早く結論を出さなければいけないので、そのような対応をさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。では、そのように対応させていただきたいと思います。
 本日、御用意いたしました議案は、以上のとおりでございますけれども、何かございますか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 本日の議題につきましては、今の部会長のまとめでよろしいと思っておりますが、昨年から産科医療補償制度について、2回ぐらいこの部会でも議論をさせていただいたと思いますが、その後、どうなっているのかというのを私どもサイドとしては非常に気にしております。
 御案内のとおり、保険料300億に対して200億の剰余金が毎年積み上がっていくという、この保険者財政が非常に厳しい折に、私どもとしては全く納得のいかない状況になっておりますので、現状、たしか医療機能評価機構で少し検討するという宿題事項もあったかと思いますので、それも含めて、あるいは今後の検討をどういうふうに進めるのだというスケジュール感も含めて、次回の医療保険部会にでも御提案をいただければとお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長
 次回でよろしゅうございますか。
○白川委員
 はい。
○遠藤部会長
 既に、医療機能評価機構では検討を進めていると伺っておりますので、現状において、また御説明させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。
 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤正憲委員
 私も次回以降でいいのですけれども、高齢化の進展と医療の高度化で、今後とも医療給付費は増加の一途をたどると思っております。社会保障制度改革推進法にも、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図ると明記されています。ぜひ本審議会においても、給付の適正化に向けた具体的な検討を進めるべきではないかと考えておりますので、一度検討いただけたらと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、先ほど申し上げましたように、議論の整理の修文につきましては部会長預かりということで、もしかすると、思ったとおりの修文になっていないということになるかもしれませんけれども、その場合の責任は、全て悪いのは部会長だということでございますので、御容赦いただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、本日の医療保険部会は、これにて終了したいと思います。
 次回の日程等々につきまして、何かございますか。
○濱谷課長
 特にありません。
○遠藤部会長
 それでは、御協力いただきましたので、予定した時間よりも大分早く終了いたしまして、ありがとうございました。ことしもよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。


(了)

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