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2012年11月15日 厚生科学審議会疾病対策部会 第26回難病対策委員会 議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成24年11月15日(木曜日)14:00~16:00


○場所

東京交通会館 カトレアB 第一会議室A(12階)


○議事

〇竹内疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから厚生科学審議会疾病対策部会第26回難病対策委員会を開会いたします。
 委員の皆様方には、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、委員会開催に際しまして、矢島健康局長より御挨拶申し上げます。
〇矢島健康局長 金澤委員長先生初め委員の先生方には本当にお世話になっております。遅れて着いてしまい、申しわけございませんでした。
 10月末より、今、事務局が作成しました『難病対策の改革の全体像』について御議論いただいています。今回は、そのたたき台の3回目の御議論で、本日、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上について御議論をいただくことになっております。それから、医療費助成の認定等の考え方についても御議論いただくことになっておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 解散とか、そういうふうないろいろな中での話ですが、我々は、基本的には変わらずにやっていくということで考えておりますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
〇竹内疾病対策課長補佐 カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。
 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、小池委員、水田委員、広井委員、福永委員、本田(彰子)委員から御欠席の連絡をいただいております。また、駒村委員からは、途中で御退席をされるという御連絡をいただいております。
 以降の議事進行については、金澤委員長にお願いをいたします。
〇金澤委員長 どうもありがとうございます。
 最初は、資料の確認を簡潔にお願いしましょう。
〇竹内疾病対策課長補佐 まずお手元の資料でございます資料1、改革の柱の1つであります「効果的な治療方法の開発と医療の質の向上」、「医療費助成の認定」について、本日、委員の皆様方に御議論いただく資料でございます。
 それから、資料2は、先の11月9日(金)に第2回の難病対策に関する意見交換会で、患者団体の皆様と意見交換をさせていただきました。その際の概要をまとめてございますので、ぜひともごらんをいただければと思っています。
 それから、参考資料として、難病情報センターのホームページアクセスの件数の資料をおつけしてございます。この後、事務局から簡単に説明をさせていただきたいと考えております。
 資料の欠落等はございませんか。もし、あるようでしたら、事務局へお申しつけください。
 以上でございます。
〇金澤委員長 どうもありがとうございます。
 今、事務局から説明がありましたように、難病情報センターホームページアクセスの件数に関して、前回の委員会の発言について訂正したいことがあるということですので、どうぞ、課長から説明してください。
〇山本疾病対策課長 申しわけありません。今、竹内補佐から申し上げました今回の資料の一番最後のページの参考資料ですが、前回のこの委員会で、難病情報センターのことについて私が御説明いたしましたところ、アクセス数について間違っておりまして、訂正させていただきます。
 前回、年アクセス数は130万件と申し上げましたが、月間アクセス数が平成24年度までありまして、月間アクセス数は130万件を超えているということでございますので、非常に多くの方が見てくださっているホームページだということで、1桁間違っておりました。失礼いたしました。訂正させていただきます。
〇金澤委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、議事に入っていきたいと思います。
 最初は、『効果的な治療方法の開発と医療の質の向上医療費助成の認定について』でございます。前々回、事務局から説明されました『難病対策の改革の全体像』の中で、改革の柱の1つになっております「効果的な治療法の開発と医療の質の向上」です。それから、もう一つは、医療費助成が皆さんの注目の的だと思いますが、対象患者の認定等の考え方については、今の質の向上とあわせて御議論いただいたほうがいいのではないかということで、そういう提案がございましたので、こちらも本日一緒に議論をしたいと思います。
 それではまず、資料1「治療法の開発に向けた難病研究の推進」と、「国際協力の推進」2番目です。それから、3番目「難病患者データの精度の向上と有効活用」、この3つについて事務局から説明をしてください。
〇西嶋疾病対策課長補佐 お手元の資料1おめくりいただきますと、1ページ目からですが、まず1つ目の柱で「治療方法の開発に向けた難病研究の推進」でございます。今、現状、厚生労働科学研究補助金で難治性疾患克服研究事業がどのように行われているかということで、現状をおまとめをさせていただきました。2ページにその概要をお示しをしておりますので、1ページ目と2ページ目をあわせてごらんいただければと思います。
 現在、難病の研究、平成24年度の予算として、全体として100億円ございますが、そのうち、難治性疾患克服研究事業として80億円、難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業、2ページ目の表の青い部分ですが、この難病関係の研究分野として20億円計上されているところでございます。まず黄色のところですが、難治性疾患克服研究事業においては、大きく4つの分野に分類されて研究をしていただいてございます。1つ目は、臨床調査研究分野ですが、この難病の4要素(希少性、原因不明、治療方法未確立、生活面への長期の支障)を満たす疾患から選定をして、対象疾患130疾患で、研究を現在進めていただいているところでございます。それに加えて、この難病の研究事業が大きくなった平成21年度以降、研究奨励分野を新しく新設し、4要素を満たす疾患であるけれども、この臨床調査研究分野130の中に入っていない疾患については、実態の把握、診断基準の作成、疾患概念の確立等を目指すことを目的に、これまで研究を進めているところでございます。対象疾患の数は、平成21年度から177、214、234、234は、黄色の奨励分野のところに書いてあるとおりでございます。
 また、重点研究分野で、平成8年度より、主に革新的診断・治療の開発で、創薬を目指した研究です。また、横断的基盤研究分野として、疾患横断的に遺伝子解析等を行っていくということで、こういった研究も進めているところでございます。また、その他として、行政的な課題を行っていただいているところでございます。今、現状においては、こういった状況です。
 青い部分については、遺伝子解析地点の整備、あるいは、解析装置共同利用の遺伝子解析等の推進をしてきたというところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、3ページ目です。その課題について、次のページの「中間報告(抜粋)」にも書いてございますけれども、整理をさせていただきました。
 1つ目は、臨床調査研究分野130疾患と研究奨励分野の対象疾患、必ずしも適切な疾患が選定されていないのではないかという御指摘でございます。
 また、両分野の研究目的の違いが、今現時点においては、必ずしも明瞭にはなっていないという御指摘でございました。
 また、3点目としては、こういった研究を進める際に、治療の実用化という最後のゴールを念頭に置いた研究が、必ずしも進んでいないのではないかということでございます。
 また、研究の評価・審査体制が十分でない。
 研究の内容、成果が十分に患者、医療機関へフィードバックをされていないという御指摘だったかと思います。
 また、4ページ目の「中間報告(抜粋)」には、そういったことをおまとめいただいたということでございます。
 ページをおめくりいただきまして、5ページ目、6ページ目には、その課題に対して、今後どのようにして対応するかということをまとめさせていただきました。
 まず1つ目は、この分野の分類の仕方でございます。これは、7ページ目に研究分野(案)(イメージ)で、少しわかりやすく書かせていただいておりますので、そちらをごらんいただければと思います。この真ん中のところ、領域別臨床研究分野で、各分野のネーミングが並んでいるかと思いますけれども、まず、ここの黄色の部分については、難病は非常に分野の範囲が広いので、それぞれの分野ごとに研究を進めていく。特に診断基準が確立された、疾患概念が固まった疾患については、こういった疾患分野ごとに研究を進めていくとしてはどうかというものでございます。また、左側を見ていただきますと、領域別基盤研究分野、赤く書いているところですけれども、ここは黄色の疾患群ほど必ずしも疾患概念は明確ではないけれども、難病ということで新たに研究に取り組まなければいけない疾患について研究を行う分野として整理をできないかということでございます。そういった疾患については、まず疾患概念を確立していただく、あるいは、患者さんの実態の把握をしていただく、あるいは、診断基準を作成していただくということで、必ずしも診断基準がまだ確立されていないような疾患を対象に、基盤研究分野を設立してはどうかということでございます。ここで研究がある程度進み、疾患の概念がはっきりしてきたものについては、右側の先ほど最初に御説明申し上げました臨床研究分野に移行していくという考え方でどうかということでございます。
 また、この黄色の部分、臨床研究分野、各分野ごとに研究を進めていただいて、その中で、創薬等の実用化につながるであろう有力なシーズ等が見つかった場合には、上のところになりますが、実用化研究分野ということで、GLP準拠の非臨床試験、あるいは、GMPグレードの治療薬を製造していただいて治験につなげていただくということで、きちんと市場に出るまでの創薬に確実につながるというシーズを見つけていただいたものについては、実用化研究分野で個別に研究を進めていただくというふうにしてはどうかということでございます。
 また、下側の横断研究分野、緑色で書いてございますけれども、これはゲノム解析研究、タンパク質解析研究、疫学研究等、あるいは、患者主体の研究支援体制にかかわる研究で、疾患を横断的に研究を進めていかなければならない研究については、こういったところで進めていくということで、計4つの分野、分野の数としては変わりございませんけれども、こういった形で再編をしてはどうかということでございます。
 ページお戻りいただきまして5ページ目でございますが、その新たな研究分野の枠組み、先ほど御説明したとおりでございます。そこの下のところに、フォントが小さいですけれども、記述をさせていただいておりますが、こういった4つの分野のうち、特に創薬につながる実用化研究分野については重点的に推進し、創薬と治療法の開発・実用化をこれまで以上に加速させる。また、そういった研究申請の際には、プロトコールベースできちんと申請をし、適切に評価をいただいて進めていくことを考えてはどうかということでございます。
 また、研究の対象疾患の選定については、きちんと関連学会の意見も参考にしながらその選定を進めていく。
 また、実際に研究をスタートした後のサイトビジット、面接、公開の成果報告会等を通じて、評価をきちんと厳格に実施をしていくということでいきたいと考えてございます。
 また、次のページ、6ページ目ですけれども、そういった枠組み以外にも、希少疾病用医薬品の研究開発の促進の優遇措置が参考資料2の8ページ目に抜粋がございますけれども、そういった措置についても、これまで以上にきちんと周知をし、企業あるいは研究者を十分に活用できるように促していきたいということでございます。
 また、難病に対する臨床研究・治験の情報提供については、現在、国立保健医療科学院で「臨床研究(試験)情報検索ポータルサイト」で、これは「難知性疾患」をクリックすれば、今進んでいる治験が検索できるというシステムですが、そういったシステムについて広く周知をするということでございます。
 また、難病研究班については、その研究対象の疾患の概要、研究の内容、研究対象疾患の関連論文等についても、患者さんにわかりやすく情報提供することを求めてはどうかということでございます。
 また、横断的な研究分野と関連がございますが、遺伝学的検査については、今後ますます難病の診断、病態解明、治療方法の選択等に重要性は増すだろうということで、これについても、必要とする患者がきちんと検査を受けられるように、各施設の遺伝相談・検査体制については、情報を収集し、公表する、また、検査そのものの精度を向上させるための実用化研究も進めていくということでございます。
 また、小児の難病についても、この枠組みの中で研究を進めていきたいということでございます。
 また、関係各府省が一体となった難病研究・治療法の開発を総合的・戦略的に推進していきたいということでございまして、参考資料3-1、3-2で、9ページ目、10ページ目ですが、現在、医療イノベーション5か年戦略が閣議決定されて進められておりますけれども、こういった中にも、希少疾患の取組み等を書いてございます。政府全体のこういった動きもございますので、難治性疾患についても、その特性を踏まえつつ、各省連携しながら戦略的に推進をしていきたいということでございます。
 また、難病研究班と難病患者との双方向のコミュニケーションを可能とする体制が整備されている研究を推進するということでございます。
 11ページですが、「国際協力の推進」については、課題が3つ書いてございます。
 難病については、患者さんが少ないということで、国内研究のみならず、ますます国際的な協調が必要になること。また、国内の症例報告、治療経験、研究情報のみでは、必ずしも蓄積が困難であり、また、専門的な人材の育成も難しいという課題があるということで、「今後の対応」のところですが、後ほど御説明申し上げますが、難病患者のデータベースを作成する場合にも、欧米等とそういった国際連携をする必要がある。また、広くこのレアディジーズについての国内の統括的な窓口、必ずしも今はございませんけれども、明確に設置する必要がある。また、3つ目としては、こういった国内の難病の研究成果をきちんと世界を発信をする。また、国際的な最新情報をきちんと入手をし、わかりやすく、医療現場あるいは患者さんへフィードバックをする仕組みを検討するということでございます。また、研究者、医療従事者、患者等それぞれの人たちが、国際交流をできるような環境整備をするということでございます。
 12ページ以降、難病の患者さんのデータベースについて、現状、課題、今後の方針について、まとめさせていただいております。前回の委員会でも御意見がございましたけれども、難病患者データベースについては、今現在も行っておりますけれども、課題がございます。それは12ページの下に大きく5つにまとめさせていただきました。
 1つ目は、現在、都道府県で医療費の交付申請を行う際に添付されています主治医の臨床調査個人票の一部に関して、必ずしも医学的に正確でない内容が含まれていることの御指摘がございました。また、都道府県によって、入力率が低いところもございます。また、登録内容についても、必ずしも正確性が十分でないという現状もございます。したがって、現在、難病患者さんの動向を正確に把握できるだけのデータベースにはなり得ていないという御指摘がございます。これは、参考資料2の17ページに、どの県がどうこうという趣旨のデータではございませんが、各都道府県によってこの患者データベースを入力していただいていますけれども、入力の進捗状況にばらつきがあるということでございます。課題としては、こういった事情があるということでございます。
 12ページにお戻りいただきまして、また、3つ目の課題としては、患者さんのIDが現在付与されておりませんので、経年的に難病患者さんのデータを蓄積し、分析をすることが今できないという状況になっています。また、こうやって集めた患者データについても、難病の研究班に限定をして利用しているということで、必ずしも有効に活用されていないのではないかという御指摘でございました。また、難病患者データの分析結果、こういったデータを活用した成果が広く還元されていないという御指摘でございます。
 次のページには、「中間報告(抜粋)」で、そういった点が御指摘があったかと思います。
 14ページ、15ページで、難病患者データについて、今後の対応についてまとめさせていただきました。大きく2点でございます。1点目は、「難病患者データの精度の向上」、15ページの2点目としては、「難病患者データの幅広い活用」という観点でございます。
 まず、精度を向上させるという観点で、4つ今後の対応案ということで書かせていただいております。
1つ目は、入力率を向上させる。それによって正確なデータきちんと登録するということで、従来、都道府県が入力をしているこのデータについて、難病指定医とここに書いてありますが、難病指定医そのものは、後ほど本日御説明いたしますが、難病指定医が、患者に医療費公費、医療費の助成に係る診断書を交付する際に、その必要な項目を記載していただきますけれども、それと同時に、その内容を疾病の登録のこのデータのシステムに載せることを検討してはどうかということでございます。具体的には、今の現状が16ページ参考資料1、そして、参考3に、今後の対応案ということで、今御説明をしようとしておりますことをイメージ図としてまとめさせていただきました。今現在は、患者さんが医療機関で受診をして治療を受け、医療機関から患者さんが申請をし、都道府県が認定審査をすると同時に、難病患者さんのデータ提供を国に対して行っている。国は、難病研究班から利用申請を受けて、そのデータを研究班に対して提供している。今、そういうデータの流れになっております。18ページを見ていただきますと、難病指定医から、難病患者さんのデータ登録の矢印がまず始まります。下のところに、このデータを集約して一元的に管理をし、必要な難病患者さんのデータは都道府県にはフィードバックをし、それと同時に、右上のところで、16ページでは「難病研究班」と書いてあった枠のところが、「難病研究班、医療機関等」と書いてございますけれども、難病研究班に限らず、広く難病研究を行う者が利用申請をしていただき、難病研究に必要な申請かということを、第三者で審査をした上で、難病患者さんのデータを個人情報を注意をしつつデータ提供をするという図でございます。
14ページにお戻りいただければと思います。患者データの必要な項目ですが、〇の2つ目ですが、都道府県における認定審査に必要な項目がございます。それに加えて、難病患者データを研究活用するための基本的な項目がございますが、そういったものをまとめて登録していただくことを考えております。そういった登録の項目については、今後、精査が必要かと思いますけれども、その際には、欧米の項目とも調和させつつ検討をする。なおかつ、精度を上げないといけませんので、余り複雑になり過ぎないように、きちんと項目を今後精査をしていくことを考えております。
また、3つ目としては、小児期から成人期の連続した疾患登録を行い、経年的にそのデータを分析できる仕組みとするということでございます。
また、4つ目としては、極めて希少な疾患については、このデータの仕組みに加えて、難病研究班が研究の一環として、同意が得られた患者さんのデータを収集し、研究に活用できるような仕組みを、あわせて構築をしていきたいと考えております。
続きまして、15ページですが、その患者さんの集まったデータをいかに幅広く有効に活用するかという観点でございます。
まず1つ目は、先ほど最後に申し上げましたけれども、難病研究班が、対象疾患の患者さんの同意を得た後に、追加をして難病患者さんのデータを収集できる仕組みを個別につくっていきたいということでございます。また、先ほど、イメージ図で御説明をしたとおり、このデータについては、難病研究に携わる研究機関、医療機関、企業等に対して、きちんと倫理的な審査をした上で、幅広くそのデータを提供し、活用していただくことを考えております。ただし、その際には、個人情報の保護については十分に配慮をするということでございます。
また、患者さんのデータを利用する場合、それによって得られた研究の内容あるいは成果については、きちんと公表をし、きちんと患者さんに還元するという仕組みを整えたいということでございます。
また、集めたこういったデータについては、患者の発生動向等の観点から非常に重要なデータということで、定期的に分析をし、公表したいと考えております。
また、?番の国際的な連携ですけれども、先ほども少し御説明したとおり、欧米の患者さんのデータときちんと連携をできるようなことを前提にこのシステムを検討していきたいということでございます。
研究に関しては、ここまででございます。
〇金澤委員長 どうもありがとうございました。
 一気に説明してもらったわけですが、さて、いかがでしょう。どこからでも結構だと言いたいところですが、常識的に見て、最初から行っていただけるとありがたいです。「治療方法の開発に向けた難病研究の推進」ですね。効果的な治療方法の開発と医療の質の向上ですね。どうぞ、御意見をいただけますか。
 班の構成についての7ページの説明はおわかりいただけましたでしょうか。今との違い。質問をまず受けましょうか。どうでしょう。ここはちょっとわかりにくかったので、もう一度説明せよということでも結構です。どうですか。
〇本間委員 事務局への質問ですが、今度、別なこういうくくり方をした場合、現在行われている130疾患と研究奨励分野の234疾患は、多分、新しいくくり方でも研究対象になると思うのですが、7ページの図でいくと、大ざっぱでいいですが、どこに入ることになるのでしょうか。大ざっぱな見通しを。
〇西嶋疾病対策課長補佐 130プラス奨励分野ですけれども、多くの疾患は、疾患がきちんとはっきりしているということかと思います。そういったはっきりした疾患の多くは、臨床研究分野ということで、各領域ごとに研究をする群の中に入ると思いますが、ただ、その中でも、これから研究を始めたばかりという疾患も含まれておりますので、特に奨励の分野のほうで、始めたばかりという疾患も含まれておりますので、そういったものについては、ここで言うところの基盤研究分野に入ると思います。今、実は、奨励分野の234をやっておりますけれども、それについても、研究の進捗状況にかなりばらつきがあり、概念がはっきりしているものからこれからというもののばらつきがございます。それを整理したとお考えいただければと思います。
〇金澤委員長 ほかにいかがですか。
 余計なことを言うようですが、真ん中の黄色い帯から上のグレーの、あるいは薄い青のところにつなぐというところが実は非常に大事であると思っているわけですが、実は、前にこういう例があったのでということをちょっと1つお話ししたいのです。
 それは、私の経験で、神経の中で、脊髄性内性症という病気に対するTRHの有効性がある程度基礎実験からわかってきたときに、これはこの真ん中で言う研究班に相当するところでわかってきたときに、そこで危険を考えるのではなくて、外出しにして新しい班をつくって、臨床家だけ集めて、専門家だけ集めて、そこで一気に勝負をつけたという例が実際にございます。そういうことを私は実はイメージしながらこういうのをいろいろ議論しているのです。そういうふうにお考えいただければと思います。
〇本間委員 今、委員長がおっしゃった関連で、私からもちょっと伺いたいのですが、この黄色から上に行く新薬実用化につなげる、私が関係している疾患の中では、神経繊維腫症?型という病気があるのですけれども、そこで今度、先進医療という分野で治験と同じようなことも始めるのですけれども、そうした場合、その対象になる薬が、新薬というよりも、アメリカを中心にしてもう既に発売をしている薬なんですね。そういったもので実験することもここに含まれていると考えていいのでしょうか。
〇西嶋疾病対策課長補佐 基本的には、ここに書いてございますように、治験につなげるためということですが、今おっしゃったようなところも含んでいると考えてよろしいのではないかと思います。
〇山本委員 新しい研究体制の枠組みとして、7ページの図で大体イメージはつかめたのですけれども、この中で、研究はボトムアップとトップダウンというのがあります、すなわち研究者がこれをやりたいというふうにして申請するのと、国全体としてこういう方向でやってほしいという方向性です。似たようだけど、全く違う方向性があって、それを今回どういうふうに組み合わせるかというのも少し見えるようにしていただけるといいかなということがあります。
 それから、実際の経験としては、領域別基盤研究分野は非常にいいと思うのですね。一方、平成21年度からの研究奨励分野が立ち上がって、最初はこういう形式のしかないというのはよくわかっているのですけれども、余りにもたくさんの班が立ち上がったために、五月雨式にその班長さんからはがきが来て、とにかく症例があったら返信をという問い合わせが増えて、その後、返事が来る班と来ない班があったりとか、いろいろなことがありました。ある程度まとまってその領域全体を見て、こういう疾患はあるかという問い合わせにしないと、一個一個の疾患について個別の班が一生懸命やっていても、エネルギーが、出すほうもそうだし、受ける側の各医療機関も相当戸惑っていたのではないかという気がします。そのところが、ちょっと感想です。
〇千葉委員 山本先生に言っていただいたのと、基本的には同じ考えです。黄色とピンクのところは、基本的にそういう形でいいと思うのですけれども、すっきり分けるのはなかなか難しいと思うのですね。例えばピンクのところにも、神経系の疾患、血液疾患とかいうことでくくれていく可能性もありますし、この3年間の研究の中で、実は違う研究班がやっていた疾患が同一のものであった、同じ遺伝子の病気であったというようなことも、この3年の間ではっきりしたものもありますし、例えば、炎症症候群と言われるようなものについては、非常に似通っているわけですね。これらが一つ一つ今はピンクのところに入っています。ですから、そういったものはまだ十分確立されてないものでも、大きくくくってあるとかいう、実際そうなってきてはいますけれども、そういうフレキシビリティは必要かなと思って、山本先生と意見としては一緒です。
 それから、私の意見としては、例えば内分泌、皮膚、免疫とかいうふうに分かれますけれども、過去、学会と非常に密接に連携をとるような、そういうシステムをつくるのが非常に重要かなと思います。ですから、手を挙げて、こういう疾患について研究をしたいというのと、全体的にトップダウンで整合性をとっていくのと、両方うまく組み合わせることが極めて重要かなと思っています。
〇山本疾病対策課長 患者さんからは、自分の病気をちゃんと研究してくれているのだろうかという声をよく聞きます。新しい整理で言えば、基盤研究分野で自分の疾患の病名が研究の題名に、明確に載っているとちゃんと見てくれているんだなということがわかりますが、1つは領域臨床研究分野でも横断的にやるにしても、中で何をしているのか。研究成果の公表は重要になろうかと思います。一方で、今実は臨床研究分野の中で、患者さんのデータをそれぞれ登録をしたり、数を集めていますから、それは新しい制度では、データベースのほうにきちんと移行して全国的なデータを集めることになることで、研究がきちんと行われていることが患者さんにも見えるようにすることを考えております。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、小幡さんどうぞ。
〇小幡委員 今の課長のお話の続きですけれども、私は医療専門ではないので、外在的な面から申しますと、今回、研究を治療によりつなげた形で促進していこうということで、くくり方のイメージを少し変えていこうという話だと思うのですが、患者さんの団体の意見交換会の概要にもございましたように、公平に選定してほしいという声がございます。おそらく、患者さんの団体の方からすると、自分の疾患が入っているかが問題になるわけです。今お話がございましたけれども、いずれにしても、研究をしていく場合に、選択、選んでいくことが必要になってくると思いますので、どのように選ぶかというそのやり方について、広く公平感を持っていただけるような形で、いかに透明なものにしていくかということも含めてお考えいただければと思います。
〇山本疾病対策課長 直接的なお答えになるかどうかわかりませんが、患者さんの疾患のデータとか、患者さんの登録データは、国全体の登録のシステムでやる。研究は、どうしても研究計画の科学的な質といいますか、その評価もせざるを得ないので、厳正な評価をし、よりよい研究を採択していくことであり、まだまだというときには、それを、言葉はよくないかもしれませんが、研究を育てていくという視点も要ると思いますが、評価は厳正にやっていく必要があろうかと思います。
〇小幡委員 まさに研究の場合、公費が入るわけですので、その進捗状況とか成果を患者さん、国民にわかりやすく伝えること。「中間報告」にもございますが、まさに、それが大事ではないかと思います。
〇金澤委員長 ありがとうございます。そのとおりですね。
〇葛原委員 7ページの新しい研究分野のイメージ図で、私も基本的にはこれでいいと思うのですけれども、ただ1つ、この黄色いところに入っているのは、割合有名な病気が入っていて、1つの括弧の中に10個とか、多い場合には20個ぐらいの病気が入っているのですね。大体従来ですと、8,000万ぐらいの研究費ですと、1つの病気について、せいぜい200万ぐらいしか行き渡らないわけで、実際、それでは研究としてはできないわけですね。しかも、範囲が大体難病の患者さんに対応するように、一つの県に1人ぐらいずつというと、四十何人いるわけですから、それが8,000万というと、1人当たり100万とか150万になってしまうわけです。しかも、非常に有名な病気をやっていくことが果たして可能かどうかということで、従来、奨励研究と言われていたのは、非常に数が少ない病気でも、1つについて何千万という研究費がつくと、研究費の額から見ると、物すごく大事な病気が1件当たり数百万で、非常に少ない病気が何千万という、ちょっとアンバランスなところも出てきていたように思うので、私がちょっと申し上げたいのは、この黄色いところにある中で、この病気について今度はこれをやろうというときは、そういうものにも少し特別にお金をつけるような仕組みをつくっていただきたいということです。従来、そういう形のは、上のほうの重点研究で、創薬とか新しい診断法は、5,000万単位のが1つの病気についていたのですが、非常に数が少ないのと、これで見ますと、薬の開発だけですが、薬の開発以外のことでも、大型である周知しなければいけないことがありますので、この上のところは、薬だけに絞らないで、病態とか、あるいは遺伝子を行う病気について調べるとか、そういうところにもある程度そういう対象を広げておいていただきたいというのが、これが私の希望というか意見です。
〇西嶋疾病対策課長補佐 先ほどのお話です。まずは、今、委員のおっしゃったところの大事な疾患とそうでない疾患は明確にできませんので、それは幅広く一つの難病については研究を同じように進める必要があると我々としては考えております。難病については、特に最終的な目標は、創薬に結びついて、薬が開発されて、それが相対的な治療法になっていくのが究極的なゴールですから、ゴールを目指して、患者さんがわかりやすい形で進めていくというふうな研究分野の仕組みが重要だと考えています。
 その前提で、先ほど、委員の御質問のお答えになるかどうかわかりませんけれども、臨床研究分野という各分野ごとに研究を進める。これは病態解明であったり、診療の指針策定をやっていただくのですけれども、そこからゴールに一直線に走って行かれるようなシーズ、そういったものが見つかってくれば、実用化研究分野として、ここは恐らく研究の規模からすればかなり大きな規模になると思いますけれども、そういったところに重点的に予算を配分し、研究を一気にゴールまで進めていただくことが必要なのではないかと考えておりますので、ここで言う実用化研究分野については、まずはそのゴールを目指す創薬が必要なのではないかということで、こういうふうに考えております。
〇金澤委員長 今、葛原先生がおっしゃった中で、聞いていて、なるほどと思ったことが1つあります。実用化研究分野の「実用化」というのは、薬だけに限定されてしまっているように見えるのですね。例えばロボットとか、デバイスとか、そういうものも入るはずなんですね。そこは配慮したほうがいいと思いますね。
〇西島疾病対策課長補佐 そうですね。次の8ページも、オーファンドラッグ・デバイスの仕組みがありますので、まさに研究の分野においても、この実用化というのは、確かに委員長のおっしゃるとおり、デバイスとかそういったところも当然その範囲に入るということで、この資料は、ちょっと薬ありきになっていまして、申しわけございません。
〇金澤委員長 ちょっと対策をお願いします。
 ほかにどうぞ。
〇伊藤委員 かなり大幅な斬新な案というように感じておりますけれども、実は、私どもの患者団体でも、患者団体がこの研究に参加するには、どういうようなことがいいのかという命題を与えられまして、研究班をつくっているのですが、先ほど山本先生がおっしゃられたように、我々もいろいろな研究班にアンケートをまず始めるわけですけれども、半分しか返ってはきません。結局、各研究班がたくさんできても、ばらばらでやっているということだけでいいのか。どこかで情報を収集して、自由に情報を引き出せるようなものも何か必要なのではないかということを感じております。
 その中で幾らか感じたことは、それぞれの先生のところで、いろいろな病気のレジストリーづくり、登録をやっているわけですね。その先生がその研究班にいなくなったら、それきりになってしまったり、その後が続かなかったり、いろいろする中で、個々の疾患、個々の研究班ごとのレジストリーでいいのか。いろいろな研究班にももっと提供できる仕組みで、個々につくらなくてもいいという、これは患者にとっても負担が少なくなる方法ですので、それがいいのかということを我々は研究したいのですが、その中で1つ出ているのは、外国の事例ですけれども、台湾では、かなり大がかりなレジストリーを患者団体が引き受けてやっていて、それが、そのレジストリーの利用料を取ることによって、患者団体の資金になっているという、別に私どもにという話ではないのですけれども、そういうような活用の方法をどこかで集中して系統的にやるという方法だってないわけではないだろうということもあります。
 それから、オーファンドラッグ・デバイスのことですけれども、そういういろいろ支援するといっても、中身は、PMDAとか、基盤研のやっていることをそのまま書いただけなのか、もっと何か別な仕掛けをするのかというのがわからない。それと、医療イノベーション5か年戦略にこれは載っているだけなのか、それとも、本当に独自の仕組みとして、難病対策として、何かこれを支援したり、援助したりするという仕組みをつくられるのかというのが、この中からは見えません。
 そして、ここに書いてありますけれども、結局、PMDAにしても、医薬基盤研にしても、あるいは、創薬を実際に担う製薬企業にしても、その方々の御意見とか御意向はこの中にあるのかどうかということも伺いたいと思います。
〇金澤委員長 この問題に関しては、ここぐらいまでにしましょう。どうぞ、ちょっと答えて、次へ行きましょう。
〇山本疾病対策課長 まず、患者さんのレジストリーの件ですけれども、先ほど西嶋から申し上げました12ページ以降、「難病患者データの精度の向上と有効活用」という項目がございました。今後、難病患者さんの範囲が広がったときに、そちらではきちんとしたナショナル・データベースということがあります。我が国で、患者さんが自らデータベースをつくり、それが経済的にも自立するという、インターナショナルなやり方につながり得るのかどうかというのは、未知数だと思いますけれども、国として、患者データをなるべく幅広く整理し、それが精度の高いものであって、かつ、研究者には幅広く提供していくことがまず第一歩基本になると思います。
 また、オーファンドラッグ・デバイスの話ですけれども、おっしゃるように、今の時点で行っているささやかなとは申しませんけれども、オーファンに対する取組みということで、まだこれ以上のものではなかなかない。また、医療イノベーション5か年戦略、これは平成24年からのものですので、現在決まって進んでいるものの御紹介です。1つ新しいこととしては、5ページの1つ目の〇の下のほうの2つ目の「・」で、ipsの関連では、難病の研究班と、文部科学省がやられる疾患特異的ips細胞を活用した難病研究の拠点整備があって、これは当課の持っている難病の研究をやっているところと文科省の拠点が共同してipsをつくっていくというような新しい試みも始まっていきます。
〇金澤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、時間もかなり過ぎておりますので、11ページの「国際協力の推進」、12ページから始まるデータの精度の向上と云々、例えば16ページ、17ページ、この辺について何か。
〇本間委員 これは事務局への質問ですが、17ページの棒グラフは、ばらつきがあると言うのですが、あんまりばらつきが多過ぎて、例えば北海道や長野はないとか、それでいて100%を超えているところもあるわけですね。このばらつきは、一体どういう原因でこんなになっているのかが1つ質問です。
 それと、もう一つは、前々回かな、千葉先生に出していただいたデータによりますと、大体56疾患の特定疾患に限ると、約半分強のデータが入力されているけれども、残りはされてないというのが出ましたが、この棒グラフを見る限り、人口の多い東京とか神奈川とかは大体100%、80%行っているわけですね。そうすると、データの率がそごがあるというか、違うのではないかなという気がしてならないのですが、これは私の思い過ごしかどうか。その2点わかったら、ちょっと教えていただきたいのです。
〇金澤委員長 ジェスチャーで御指名ですので、眞鍋さんお願いします。
〇眞鍋委員 長野も御指摘があったとおり0でございます。担当者に率直に聞いてみました。難病施策というのは、超過負担がある中で、対財政部局からも厳しい目で見られていて、人でも十分に確保できず本当に担当者が片手間でやっている感じです。もちろん、時間を見つけて、それで入力しようとするのですけれども、結果的には、事務方にはなかなかわかりにくい項目が多くて、再度医師に問い合わせている間に時間が過ぎてしまったりとか、あとは、システムに入力してもはじかれてしまったりとかということもあって、事務方が片手間にやるには相当ハードルの高いシステムかなと思っております。長野はそういう状況でございます。恐らく0の件というか、低い県ではそういう状況なのではないかと推察しているところであります。
〇山本疾病対策課長 全国の平均データは、17ページの一番左側に全国平均があり、50よりちょっと超える。棒グラフの一番左側が「全国」という欄がありまして、北海道よりも左ですけれども、そこが平均なので、前回の数字がほぼこの数字ということです。
〇金澤委員長 そういう意味で16と18を比べていただいて、新しい方式では、「難病指定医(仮称)」が実際に患者さんを拝見して、入力をするということでしょう。ですから、そこは大いに変わってくるわけです。
 山本先生、どうぞ。
〇山本委員 この辺が今回の委員会の一つの大きな問題点だと思うので、よく議論したほうがいいと思っています。本間委員が言われたように、何で半分くらいなのかということについては、それは理由があるのであって、残念ながら、使う側も全く必要としてないというデータになってしまっているということです。今までのシステムがこうなってしまっているということを認識しなければいけないと思うのですね。
 何でこうなったかというのは、患者さんが毎年審査を受けるという、その事情だけで主治医は患者さんにとって有利になるように、いつもデータを水増ししてしまうのですね。そのデータをもとに統計をとっても、残念ながら本当に難病の対策のためのデータにならないわけです。なおかつ、それが国際的なデータとして日本のデータを受け入れてもらうためにも、どういうふうにしたら正確なデータが入るかということを議論する必要があります。そこが恐らく今回の難病対策の大きな方向になってくると思うのです。今までいろいろなすごいエネルギーがここに投入されてきた。だけれども、そのエネルギーが必ずしも実りある様なものでなかったという反省だと思います。
 18ページの絵で、すばらしいですねと我々がなかなか言えないのは、それが根本的に解決できる方法かどうかがまだよくわからないというところだと思います。確かに、途中で、眞鍋委員が言われたように、医療従事者でない方が入れるのは大変だというのはよくわかるのですが、今、患者さんを拝見している医師に、発生源入力というか末端入力が物すごく課せられてきて、そこで何でもかんでも入れろと。それが一番正確であるのは間違いないのですが、難病患者さんを拝見している医師は、恐らくその診療内容がいかに正しいかということに全精力を使っているので、その患者さんが例えば終わった後とか、その夜に患者さんのデータを入れるときにはほとんど力が残ってない状態だと思うんです。今までは夏だけにそれが来ていたので、そのためだけに夜遅くまで残っていなければいけない専門医がたくさんいたわけですね。それが、これから誕生月になってくると、少しは緩和されるのですが、それでも、やはり全てを診療医が入力するのは恐らくパンクしかかっている。立ち去り型医療の崩壊と言っていますけれども、そこに耐えられなくなってしまっている人も結構いるという現状をまず知っておいていただきたい。
 あとは、一人ひとりの担当医が入れるときには、何のために入れるかということがしっかりわからないと、これが単に審査のためだったら、水増しすればいいというふうに多くの医師が考えるわけですね。そうではなくて、では、何のために入れるのか。国際データベースのためだと言ったって、一人一人の医師が恐らくそういうインセンティブが働かないと思うのです。唯一働くのは、やはり患者さんのためだというそこだと思うのです。このデータを入れることが、今自分が拝見している患者さんのためになるというデータでないと、それだったら正確に入れざるを得ないのですね。そこのところの仕組みを何とかつくっていただけると、どんなに疲れていても正確に入れなければいかんと納得できる。それは例えば手伝ってくれる人と一緒にしながらでもやらなければいけないというふうになると思うのですね。そこのところをもうちょっとわかりやすくしていただくとありがたいと思います。
〇金澤委員長 ありがとうございます。大変大事なことを御指摘いただきましたが、そういう具体的なことについては、恐らくこれから議論あるいは具体的なことが決まっていくと思います。
〇眞鍋委員 これは、保健所の方々に一回聞いてみました。そうすると、お医者さんとのやりとりというのは、保健所の保健師さんがされていらっしゃいます。こういうシステムが入ったときに、システムに対する問い合わせだったり苦情は、多分保健所が受けなければいけないのではないかと心配をしています。ですので、件数も増えそうなので、それから、先ほど山本委員からも発言がありましたとおり、医療機関もどういうインセンティブで対応するのかがちょっと見えないというところで、不安を口にしておりました。県としては、先ほど、入力率0の長野が何を言うのかと言われるかもしれませんが、保健師のところできちんと置けるような人件費を積んでいただいて、集中的に入力するのも一つの手かなと思ったりはしています。ただ、発生源入力ということで進んでいるのであれば、逆に、医師がちゃんと入れていただけるような環境が整備されることが必要なのかなと思っているところであります。
〇伊藤委員 患者の立場から1つです。入力だけということであれば、いろいろな方法もあるでしょうし、それにしても、100%のところと0のところがあるのは、理由がなかなか納得しがたいとは思うのですが、患者の立場として考えるのは、必ず難病指定医というところを受診しなければならないのか。日常かかっている先生のところではなぜだめなのか。入力だけの問題だったら、それで構わないと思いますし、このところがどうしてもひっかかっていて、これは画期的な方向とは思いつつも、ちょっと素直にはなれない部分があると思います。
〇金澤委員長 これは後の話になります。
〇益子委員 保健所の立場から。実際入力している保健所の意見としては、主治医が直接入力するとなるとちょっと違ってくるかもしれませんけれども、中核市や政令指定都市に権限を委譲してやってもいいのではないか、そういう意見がございました。そうすると、小慢なんかとうまく連携できるのではないかというような御意見もありました。
〇金澤委員長 いろいろ御意見、アイデア、ありがとうございました。
 できれば、次の議論もしていただきたいので、恐縮ですが、次に移らせていただきます。医療体制の整備、それから、医療の質の向上、医療費助成の対象患者の認定等の考え方、かなり大事なところでありまして。先ほど問題提起されたものがここでも出てくると思いますから、ちょっと説明を簡潔にお願いします。
〇堀岡疾病対策課長補佐 かなり盛りだくさんでございますので、簡便に説明させていただきます。
 まず、19ページの4.の「医療体制の整備」でございます。現状としては、現在、難病に関する医療機関で、医療体制の整備を行う枠組みとしては、重症の神経難病患者に対して、入院施設の確保を行うことを目的とした「重症難病患者入院施設確保事業」の中で、難病医療拠点病院を都道府県ごとに1か所、2次医療圏ごとに1か所整備することになっております。また、同事業では、都道府県ごとに1人難病医療専門員を置いて、医療の確保に関する関係機関との連絡調整などを行うことになっております。
 この現状に対する課題として、神経内科以外の幅広い他科の連携が必要な希少な疾患の患者さんなどが、診断や治療のためにどの病院に行けばいいのかわからないという指摘がございます。また、拠点病院を指定していない都道府県があったりして、格差があったりいたします。3つ目として、また、難病医療専門員という方は、かなり治療範囲が多診療分野にまたがったりした患者さんがいた場合、必ずしも適切な療養環境の調整ができていないような事例もあるのではないかという課題を挙げさせていただいております。
 20ページ、「中間報告(抜粋)」ですけれども、「中間報告」では、(1)「新・難病医療拠点病院(仮称)」の整備として、難病の診断・治療に高い専門性と経験を有する拠点的な医療機関を整備することが必要である。2つ目として、おおむね全ての疾患領域に対応し得る総合型と、特定の疾患群に対して専門性の高い領域型を含める必要があるという御指摘をいただいています。
 また、(2)として「長期にわたる治療・療養を支える体制(環境)の整備」の1つ目として、地域のさまざまな医療機関などが連携して難病医療を行うような体制を整備することが必要だと。2つ目として、地域の実情を踏まえつつ、難病医療の地域基幹病院を整備して、さまざまな医療機関と連携して、地域で難病医療や福祉サービスを提供する人材や入院・療養施設の確保を進める必要がある。3つ目として、現在の難病医療専門員を発展させて、難病医療コーディネーター(仮称)を置くことも有用なのではないかという御指摘をいただいているところでございます。
 次のページ、21ページに、そういった御指摘を踏まえた、今後の対応をまとめさせていただいております。22ページに、新しい医療の提供体制のイメージとして、絵を載せておりますので、この両方を見比べながらお願いできればと思います。
 今後の対応として、「新・難病医療拠点病院(総合型)(仮称)」として、都道府県が3次医療圏ごとに原則1か所以上、特定機能病院等を想定しておりますけれども、指定してはどうか。「特定機能病院」という言葉が突然ここで出てくるので、なじみのない方もいらっしゃるかと思って、24ページに、特定機能病院はどういう役割をそもそも果たしているものなのかという参考資料をつけていただいております。そもそも特定機能病院というのは、実は、各県のほとんどの場合は大学病院ですけれども、総合診療医療能力として、多くの診療科であったり、手厚い人員配置、看護配置や医師の配置を求められておりまして。左の<要件>にございますとおり、その大学病院以外では通常提供することが難しいような医療をそもそも提供することを求められている枠組みでございます。その中では、先進的な医療への取組みのほか、特定疾患への取組みとして、難病患者も診療することを役割の1つとして規定されているものでございます。
 また、ページが相前後して恐縮ですが、21ページに戻っていただきます。そういった点も踏まえて、「新・難病医療拠点病院」特に、総合型が果たすべき役割は以下のとおりだと考えております。後ほど、難病指定医について御議論をいただきますけれども、多分野の難病指定医、難病医療コーディネーターが配置されているなど、難病患者の診療のために十分な体制が整備されていること。2つ目としては、研修が実施されていること。3つ目に、地域の患者さんなどに対して、難病医療に関する情報を提供していただくこと。4つ目としては、先ほども、研究が一つの条件となっていると申し上げましたが、難病に関する研究を実施すること。また、5つ目として、病病・病診連携以外にも、都道府県や保健所、難病相談・支援センターなどともきちんと連携体制を構築していただくというようなことを挙げさせていただいております。
 2つ目の〇として、領域型という神経難病などに特定の分野の疾病に対して、専門的な医療を提供しているという枠組みをつくるということで、従来の今、神経難病の方に関する予算事業の中で、拠点病院となっている病院のうち、神経難病等の疾患の治療を専門に行っている病院などを想定しておりますけれども、都道府県ごとに適切な数の「新・難病医療拠点病院(領域型)(仮称)」を指定していただいてはどうかと考えております。
 3つ目としては、おおむね2次医療圏に1か所程度の「難病医療地域基幹病院(仮称)」を指定してはどうかと考えております。地域基幹病院の役割としては、拠点病院と少し似ているところはあるのですけれども、難病指定医の配置などで、総合型よりも緩い基準を想定しておりますけれども、難病患者の診療のための診療体制の整備とか、研修の実施。また、前回の委員会で、保健所を中心に設置していただくというふうに御議論いただいた「難病対策地域協議会(仮称)」などへも積極的に参加をしていただいて、連携体制を構築していただきたいと考えております。
 次に23ページで、文字だけですと、今の予算事業と新しい制度でどういうふうに変わるかというのがちょっと見えにくいところがございますので、図にして整理をさせていただいております。左が現行の予算事業で、右が新しい制度として考えさせていただいているものです。
 左は、そもそも神経難病患者に対してのレスパイトというか、入院施設の確保のための事業ですので、拠点病院と協力病院の意味合いが違うというのが、今御説明したところですけれども、もう一つ、今までは、この真ん中の難病医療連絡協議会をつくった中で、その中で難病医療専門医を配置していただくことになっておりましたけれども、今回、我々の今、今後の対応で御説明した中では、難病医療コーディネーターという形でいわゆるパワーアップをいたしまして、複数人の配置などを実情に応じてしていただいて、さまざまな医療・福祉の支援が複合的に必要な患者さんに対して、広域的に助言を行うような体制を整えていただいてはどうかと考えております。
 24、25、26、27ページと、資料編という形で、いろいろ議論のたたき台となるような資料をつけていただいております。
 25ページは、日本全国の特定機能病院に「広告可能な専門医」がどれだけ配置されているかというのを、平成22年度の「3師調査」から特別集計をして棒グラフにしたものでございます。全国の特定機能病院に従事する専門医は、1病院当たり最大で1,191人、最小で154人で、平均は520人でございまして、おおむね非常に多くの専門医の方が配属されておられる病院であるということでございます。
 26~27ページは、その広告可能な専門医の枠組みを説明しておりますので、説明は飛ばさせていただきます。
 28ページで、ほとんど大学病院ですけれども、現在の特定機能病院では、どれぐらい難病患者を診ているかというデータを示させていただいております。これはちょっと複雑なグラフになっているのですが、上向きのグラフは、難病の1年間の取扱患者数になっておりまして、最大の病院では17,000人、最小の病院では24人の難病患者を診ているということでございますが、ほとんどの病院では、1,000人以上の1年間の取扱いの患者は診ているということでございます。また、下のグラフは、今、特定疾患は56疾患ございますけれども、何疾患ぐらい幅広く診ているかというグラフでございますが、おおむね、どの特定機能病院も非常に幅広い疾患を診ているということは言えるのではないかということでございます。
 次に29ページです。先ほど御説明いたしました難病医療専門員からパワーアップをして、難病医療コーディネーターを今後の対応で触れさせていただいたものの役割と要件をまとめさせていただいております。役割としては、難病医療拠点病院に所属をして、さまざまな施設の連携体制を整備して、関係者と顔を突き合わせた関係をつくるというような中心的な役割を担っていただくことを考えております。また、直接の個別のケースとして、非常に難しい患者さん、さまざまな医療・福祉の支援が複合的に必要な患者さんについて、2次医療圏というレベルではなく、3次医療圏という意味で広域的な医療資源を調整して、専門的な立場から助言を行っていただきたい。3つ目として、そもそも拠点病院の役割として、研修と情報提供を書かせていただいておりますけれども、そういったものも主導的に行っていただきたいと考えております。要件としては、医療または福祉の専門家を複数配置することを書かせていただいております。下はイメージ図ですけれども、例えばA県で、この2次医療圏の中でなかなか対処が難しいような難病患者さんがいらっしゃった場合、複数の2次医療圏を束ねている3次医療圏の単位で、広域的に医療資源を調整して、または、場合によっては隣の県の難病医療コーディネーターとも連携をしながら、うまく広域的に医療資源を調整していただけるような役割を担っていただくことを考えております。
今、そのような方がどれぐらいいるのかという現状を30ページにまとめさせていただいております。神経難病患者の確保事業での難病医療専門員という話ですけれども、現在、39都道府県で既に設置されておりまして、左のとおりですが、実際に行っている業務としては、医療相談、困難事例に対する調整、在宅療養患者に対する連絡や情報交換、または、研修会といった事業を中心的には行っている方です。また、現時点でも、設置場所としては大学病院にいらっしゃる方が半分以上ということでございます。
医療体制については、以上でございます。
5番。次に、31ページ「医療の質の向上」について説明させていただきます。
課題として、難病患者が必ずしも正確な診断を受けられなかったり、治療方針に差があるという指摘があること。また、医療従事者の利害が必ずしも十分でないことを挙げさせていただいております。
「中間報告(抜粋)」で御指摘いただいたこととして、対象患者の認定等のあり方として、疾患ごとの治療ガイドラインを策定すること。また、医療・介護サービスの提供体制のあり方として、希少疾患に対して、高度専門的な対応ができるセンターのあり方について検討をするという御指摘をいただいております。
そういったことを踏まえた「今後の対応」32ページでございます。
難病医療の質を向上させるために、治療ガイドラインを広く周知するとともに、ガイドラインが作成されていない疾患についても、作成を促していって、できる限り、治療方針を、ガイドラインをつくっていくということでございます。
2つ目の〇として、先ほどのセンターの話ですが、まずは、2次医療圏の中で、難しい患者、診断が難しい患者さんは、難病医療拠点病院で問い合わせいただくことが想定されますが、そこでも難しいような、非常にウルトラレアな疾患については、各疾患分野は非常に高い専門性が必要とされると思いまして、各疾患の専門家は全国の分散していて、また、専門もばらばらでございますので、疾患分野横断的な、何か難病診断センター、高度センターみたいなものを国に1つ設置したり、何か一つの医療機関をセンター機能を委ねることは現実的ではないのではないかということを踏まえ、この2つの枠組みを考えております。
まず1つ目としては、難病医療支援ネットワークとして、NC、具体的には、精神神経センターとか、成育医療センターのような、国立高度専門医療研究センターや、また、我々の研究班、また、それぞれの分野の学会などと連携をして、その難病指定医がそういったことが難しかった場合に、ウェブサイト上などで問い合わせができるようなネットワークを形成してはどうかと1つ目は思っております。また、2つ目として、難病患者、先ほど登録の御議論をいただいておりますけれども、一元的に管理をして、研究班に限定することなく、研究に携わる研究機関、医療機関、企業等に関して、幅広くデータを提供すること。国際的な研究のハブとする。データを一元管理するような機能をどこかが担ってはどうかというところでございます。
33ページに、今申し上げた前半の難病医療支援ネットワークのイメージ図を書かせていただいております。右下の部分にある難病指定医の方から、極めて貴重な疾患に関する問い合わせを行って、難病医療支援ネットワークの中で、その問い合わせに対する回答をしていただいて、患者さんの難しい疾患の診断、治療に少しでもつなげていく。それでも、今までの診断基準に合致しない症例や治療が困難な症例などが生じてくると思いますので、そういった症例をネットワークの中で収集して、また、診断基準やガイドラインの改善などにつなげて、患者さんに還元をしていこうということを考えております。
34ページ、「医療費助成の対象患者の認定等の考え方」を御説明させていただきます。
現状として、特定疾患に診断されている患者さんについては、医療費の自己負担分を軽減する施策が現在行われております。また、1年に1度、臨床調査個人票を担当する医師から受け取って、都道府県に提出することとなっておりまして。都道府県は、特定疾患対策協議会に意見を聞いて、予算事業の中ですけれども、審査を行っていただいております。そもそも現時点においても、特定疾患の事業の対象となる医療は、対象疾患及び当該疾患に付随して発現する傷病に対する医療に限られることとなっております。
課題として、正確な難病患者データの蓄積のためにも、適正な医療費助成の仕組みとするためにも、専門的な知見を有する医師が的確に診断する仕組みとする必要がある。都道府県によって審査を行う特定疾患対策協議会の委員の構成や審査方針が違うのではないかという御指摘をいただいております。また、医療費の助成を行う上で、医療機関からの請求方法に関する通知。これはレセプトという医療機関から保険者などに医療費の請求を行うものがあるのですけれども、それに関する公費助成の通知が周知されていないのではないかという課題を挙げさせていただいております。
35ページですけれども、「中間報告(抜粋)」の中でも、そういった課題を踏まえて、医療費助成の対象疾患に罹患しているかどうかについては、専門医が診断基準に基づき的確に診断すべきであり、自治体の指定を受けた専門医の診断を要件とすることが必要である。また、病気の診断や治療の質等の担保と患者の利用のしやすさとの両立について、どのように図るかについて留意する必要があるとも御指摘いただいております。また、医療費助成の対象となる医療の範囲については、現状でもそうですけれども、対象疾患及び対象疾患に付随して発現する傷病に対する医療に限定することが必要である。3つ目として、医療費助成の認定手続ができる限り、患者や医療関係者、自治体の負担とならないように検討をするという御指摘をいただいております。
それを踏まえて、「今後の対応」ですが、都道府県が難病について専門的な知見を有する医師を「難病指定医(仮称)」として指定して、「難病指定医(仮称)」が交付する診断書に基づき認定する。都道府県では、申請を審査する「難病認定審査会(仮称)」を設置して、体制を強化する。現在でも交付をしていますけれども、3つ目として、認定された方に関しては「医療受給者証(仮称)」を交付する。有効期間については、データの収集等の側面から、1年とする。都道府県の事務的な負担や、患者の受診が一定期間に集中することによる医療機関の負担を軽減するために、今、一時期に決まっている「医療受給者証(仮称)」の更新を患者の誕生月にすること等、ばらける仕組みを検討してはどうか。また、「医療受給者証(仮称)」を交付されている患者の状態が軽症化して、医療費助成の対象とならなくなった患者に対しても、円滑な手続のため、「登録者証(仮称)」を交付してはどうか。最後に、診療報酬の請求方法についてのルールを周知徹底してはどうか、という6点を挙げさせていただいております。
先ほどから御議論いただいている「難病指定医(仮称)」についてでございます。36ページです。役割として、患者の求めに応じて、認定・審査等に必要な項目を記載して、医療費助成に係る診断書を交付するとともに、疾病の登録を行っていただくということを考えております。診断書の交付は、その医師が専門とする分野の疾病に限ると考えております。
「難病指定医(仮称)」の要件の概要ですけれども、難病医療に関して専門性を有する医師であること。この専門性というのは、専門学会に所属して、専門医を取得している医師、または、一定の研修を修了した医師等を考えております。
また、例外として、入院中の患者であったり、神経難病などで人口呼吸器をつけて在宅医療を行っている患者であったり、また、離島地域などにいらっしゃって、付近に「難病指定医(仮称)」が存在しないというような場合には、難病指定医以外の医師が交付した診断書であっても例外として認めるという例外規程を考えさせていただいております。
次のページから、37ページ、38ページ、しばらくデータを御議論のたたき台としてつけさせていただいております。都道府県ごとの専門医の分布です。これは難病患者1人当たりの「広告可能な専門医」の数を割り返したものでございます。47都道府県の棒グラフです。宮城と福島だけは、震災の影響でデータが未集計でございます。
もう一つ、38ページは、臨床調査研究分野ごとの主な学会の専門医の数の変化でございます。これは学会の中でごく一部を抜き出しております。
次に、39ページに「難病認定審査会(仮称)について」という資料をつけさせていただいております。現在、特定疾患対策協議会という形で、予算事業で事実上はつくっていただいているものですが、今回、「難病認定審査会(仮称)」として位置づけてはどうか。「難病認定審査会(仮称)」は、「難病指定医(仮称)」によってなされた診断・重症度判定の適正性・妥当性を審査していただく。特に新規の申請については、診断書だけでなく、CTやMRIといったフィルムとか、内視鏡所見の実際の写真とか、もしくは、病理医の書いた病理の診断書といった検査結果のコピーなどをもとに重点的に審査することとしてはどうかということを考えております。必要に応じて、診断等について助言を行うということでございます。
構成として、次のページに、現状の構成などについてまとめさせていただいておりますけれども、都道府県ごとにかなり差がございますので、「難病指定医(仮称)」で、おおむね疾患領域ごとには1名以上入っていただいたり、または、行政関係者とか、知事が必要と認める者で構成していただいてはどうか。
開催頻度は、月一回程度は開催していただいてはどうかということを書いております。
次のページ、「現行の特定疾患対策協議会の状況」です。委員の構成、例えば人数でも、各都道府県ごとに若干名(数名)という人数から、最大の都道府県で22名もの委員をお願いしているところ、また、新規と更新で審査の仕方を変えていたり、また、認定基準の検査結果も、フィルム・CD等を必ず添付していただく都道府県と、診断書のみで基本的には判定しているものだったり、かなり差がございました。
次のページ、「医療受給者証(仮称)」についてでございます。
医療費、現在でも、42ページのとおり、特定疾患医療受給者証として、難病患者さんには医療受給者証を配っておりますが、今後も配ってはどうかというものでございます。医療費助成の対象患者として認定された方に、「医療受給者証(仮称)」を交付して、有効期間については1年とする。現行の特定疾患医療受給者証の様式に準じて、以下のような情報も記載してはどうかと書かせていただいております。
43ページです。今回、重症度基準を入れるという議論がございますけれども、「医療受給者証(仮称)」を交付されている患者の症状が軽症化して、助成の対象とならなくなった患者に対しても、再度、症状が悪化した場合、円滑な手続を行うために、「登録者証(仮称)」を交付してはどうかという対応でございます。
44ページ、現行にも軽快者基準というものがございまして、軽快者基準に該当した医療費助成の対象から外れた方については、特定疾患登録者証を交付しておりますので、今回も、「登録者証(仮称)」として、長期の有効期間を定めた上で交付してはどうかというものでございます。また、症状が再度悪化した場合は、「難病指定医(仮称)」が交付する診断書を添えて、これは当然ですけれども、医療費助成の申請を行うことができる。医療費助成の対象患者として認定された場合、これは4つ目の〇ですが、患者は、「難病指定医(仮称)」により病状の悪化が確認された日にさかのぼって医療費助成を受けることができるとさせていただいております。
次に45ページ。「指定難病医療機関(仮称)について」でございます。「指定難病医療機関(仮称)」は、難病について法制化を行う場合には、法的な位置づけを検討しなければならないものでございますが、認定申請の際には、「難病指定医(仮称)」が交付する診断書の提出を要件といたしますが、それ以外の医療費助成の対象となる診療、日常的な診療も含めて、その場合は、都道府県が「指定難病医療機関(仮称)」を幅広く指定して、身近な医療機関で公費助成のもと治療を受けることができるという仕組みをつくることと考えております。
「指定難病医療機関(仮称)の要件、役割」ですけれども、難病について治療を行う医療機関を幅広く都道府県が指定する。都道府県は、医師会などの協力を得まして、保険医療機関の中から幅広く指定するように努めていただく。また、一方、故意に難病治療と関係ない治療で医療費助成の請求を繰り返す場合には、障害者自立支援法でも全く同じ枠組みがございますが、都道府県に対して、指定取消しの権限を付与することを書かせていただいております。
46ページに障害者自立支援法での指定自立支援医療機関の指定についての法的な枠組みを参考としてつけさせていただいております。
最後です。47ページ。「医療費の公費助成の範囲の明確化について」です。今後の対応として、現状でも、医療費助成の対象となる医療の範囲は、対象疾患及び対象疾患に付随して発現する疾病に対する医療に限定しておりますので、それについて書かせていただいております。また、各都道府県別に公費助成に係る取扱いについて、いろいろな取扱いをしておりますので、それについて、いろいろな都道府県で情報共有を図ってはどうかということを書かせていただいております。
医療機関からの請求方法に関するルールの明確化ですけれども、現在、医療機関から診療報酬を請求する際には、そのレセプトの中で公費負担に係る分はアンダーラインを付すことに本来なっているのですけれども、都道府県ごとにやっている県、やっていない県がかなり見られますので、既にルールとして明確化されているものですので、よりきちんと明確化して、周知徹底してはどうかということを最後に御提案させていただいております。
以上でございます。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
 大変広範な話になってしまいましたが、かなり重要なものが幾つかあったかと思います。順番でなくて結構ですから、大事と思われるところから、どうぞ御発言ください。
〇伊藤委員 時間が少なくなってきていますので、これはということだけです。
 1つは、指定医の話ですけれども、36ページにあります。指定医療機関が45ページに出てくるのですが、この関係がちょっとわかりにくいということ。
 それから、35ページで、対象疾患に罹患しているかどうかについては、審査会がこの後のページで出てくるわけですので、審査会があれば、指定医でなくても診断書を書くのはいいのではないかということが1つの意見です。
〇金澤委員長 36ページと45ページの指定医は同じでしょう。
〇堀岡疾病対策課長補佐 同じ「指定」という言葉がありますので、ちょっとわかりづらいところはあるのですが、指定医というのは、診断書を1年に一度書いていただくという医師のことで、指定医療機関は、幅広く日常的な診療も含めます。
〇伊藤委員 それはわかっています。そうではなくて、難病認定審査会があるのですね。指定医と指定医療機関は、名称が紛らわしいということだけでなく、指定医療機関にかかるのであれば、病気の治療について指定している医療機関ですから、そうすると、診断書を書くのも、指定医療機関の先生であれば、それでいいのではないかという話と。難しいことについては、審査会があるので、それでいいのではないかということです。
〇山本疾病対策課長 難病指定医の話ですけれども、36ページです。「中間報告」でも、今回の難病については、高い専門性を持つ希少な疾患についてきちんとした診断をしていただくということは、データベース上も非常に重要であります。一方で、患者さんのアクセスも十分考えなければならないという2つのことがあり、36ページですけれども、難病医療に関し専門性を有する医師が、その専門分野についてきちんと診断書を書いていただくということで、その要件としては、学会の専門医の問題、あるいは一定の研修をしていただくことで確保する。そのことで両者のバランスをとっていくことがぜひとも必要であると考えております。
 一方で、難病指定医療機関というのは、医療費助成の支払いをやられるところですので、例えば調剤薬局等も含まれています。そういった意味で、地域のさまざまな医療機関、療養型の医療機関等も含めて対象になってくるということで、これは幅広く対象にしていくことになります。
 審査会のことですけれども、審査会だけでは万能ではないと考えております。一度主治医がきちんと診断をし、そして、今、診断書票をとって、臨床調査個人票では、一定程度の患者さんの負担を得て、そして、審査をするということで、実際に患者を診ていない審査会できちんと確認できることもあると思います。でも、それだけに委ねるというのは、今と同じなわけですけれども、そこについては、これまでの難病対策委員会の中で、きちんとした専門性の高い診断に基づく患者のデータベースをつくり、また、診断をしていくことと患者のアクセスを最大限バランスをとったというふうに考えておりますので、審査会も重要であり、専門医の診断も必要であるということで、難病指定医の考え方を取りまとめさせていただきました。ただ、この難病指定医というのは、学会が認定した専門医以外にも、一定の研修等、要件があるのではないかということで考えております。
〇金澤委員長 課長が言われた「主治医がきちんと診断して」というのは、ちょっと誤解を招く表現ですから、難病指定医がきちんと診断した、それがたまたま主治医かもしれないけれども、ということですね。
〇山本疾病対策課長 そうですね。ありがとうございました。
〇駒村委員 35ページのフローの話ですね。新しい仕組みの確認ですね。今、難病指定医と新しい審査会をつくることによって、今までの都道府県ごとのばらつきと医療の範囲を厳格化というかルール化しておく。その上で、さらに、指定医療機関で過剰な請求をしないようなチェックもここで入れておく。そこはエッセンスということでよろしい。それを確認させていただいた上で、1つ確認させてもらいたいのは、新しい受給証が発行されますね。2種類あるのですけれども、これは1つは登録者証、1つは受給者証の新しいのが発行されますけれども、この性格は、今のものと新しいものでは、書かれる内容も含めてほとんど変わらないという理解でいいのかどうか。
 この受給者証は、ほかの社会保障の制度で言うと何に相当するのかというのを確認させてもらいたいと思います。
〇竹内疾病対策課長補佐 まずフローの確認ということで、都道府県のばらつき云々という、今回やろうと思っている目的・趣旨については、委員おっしゃられたとおりだと私どもも思っております。実際に、受給者証がほかの制度で言うと何なのかということだと思いますが、医療保険で言うところの保険証ということだろうと思いますし、他の公費負担医療においては、受給者証がやはり交付されておりますので、そういう位置づけのものだと理解しております。受給者証と登録者証、現行のものと同じ考え方で配られるのかということですが、基本的に同じものだと理解しておりますけれども、登録者証については、これまでは、軽快者基準に則ってということで、対象者の範囲が新しい登録者証とはやや異なるという理解でございます。効果については、それぞれ同じような効果を持つものということでございます。
〇伊藤委員 35ページに出ています医療受給者証の問題と、42ページにある医療受給者証のことは、同じことがここで書かれているわけですけれども、これは大事なことだと思うのですが、ここに書かれているのは、既に医療受給者証を交付されている重症患者ですが、その患者の病状が軽症化したときに、この登録者証となっていますけれども、そうすると、今の福祉サービスにつながる話ですが、それでは、診断された方々がある程度軽症であっても、福祉サービスが受けられるように、就労支援が受けられるようにという仕組みだったと思うのですが、そうすると、重症から軽症になった人だけがこの登録者証になるということになると、はじめから診断された軽症の方は、福祉サービスの対象からも除外されてしまうことになるのではないかという懸念です。
 ついでに、もう一つ言っておきますが、今の受給者証の欄ですが、これは2つの医療機関しか書かれていないのですが、実際には、セカンドオピニオンを求めたり、ほかの治療を求めたりしてほかの医療機関へ行くことがあるのですが、県によっては、指定医療機関ならどこでも行けるというところがありますが、ある県では、ここに2つ書かれたら、この2つの医療機関しか行けないということで、県の方々がその2つの医療機関しか受診できないことも起きていますので、この2つの医療機関だけ書くという方法がいいのかどうか、検討はお願いしたいと思います。
〇山本疾病対策課長 まず、医療機関の段のところについては、前回ちょっと議論がありましたけれども、医療費の合算制度という議論も出てきますので、記入欄が2つでは十分ではないかと思います。先ほど調剤薬局の話もいたしましたけれども、それも含めまして、段の数については十分整理をしたいと思います。これは現行の様式なので、細かい様式までは、ここにはまだお出しできておりません。
 それから、福祉サービスのところは、実は、前回、難病手帳、カードの議論の中でいろいろなお話がございました。就労の問題、あるいは、その他税制上の優遇、いろいろなことがありましたので、もう一度12月6日に整理をさせていただいて、こちらから御提示させていただくというお約束になっていました。、主に、受給者証と登録者証の問題ではなく、どういう方がどういう福祉サービスを受けるべきなのかという議論だと思いますので、おさらいのときにもう一度整理させていただきます。
〇金澤委員長 ほかにどうでしょう。
〇小幡委員 カードとの関係ですが、登録者証が出てきたので、次回、また、御検討いただければと思います。
 医療助成の対象とならないという43ページですね。今はとりあえず軽快している場合には登録者証を発行しておいて、また、病状が変化したら、すぐスムーズにというようなことであろうと思います。この4つ目の〇は、割と珍しい制度ですが、要するに、これを持っていれば、悪化が確認された日にさかのぼって医療費助成が受けられるということで、そこは手厚くなっていると思います。普通は、申請主義で、申請したときから走るというのが、こういうものには多いのですが、これは登録者証を持っていることによりスムーズに医療費助成に移行できるという意味があるので、これは良いと思います。ただ、このようにいろいろ発行しますと、福祉とか、医療とか、いろいろな目的に応じてのカードになりますので、制度がわかりにくくなるということがあるので、その辺りが課題かと思います。
〇金澤委員長 コメントをありがとうございます。
〇山本委員 登録者証についてですが、これは、基本的な考え方はもちろんいいと思うのですけれども、長期有効期間というと、長期に特定医療機関に行かなくてもいいことになってしまうわけですね。悪くなったらそこにかかればいいと。だけれども、医療側については負担が大きくなることは重々承知ですけれども、この軽症になられた方のデータも重要なわけですね。必ずしも全てのデータが全部正常ではないわけですから、そういう症状や検査値が動く中でも、高度の医療を必要としないというのがこの軽症者に入っているわけですから、その方たちが定期的に指定医療機関を受診できるシステムはつくっておかないと。それを毎年データベースを入れろということではないにしても、それを、例えば2年に1度とか、3年に1度でもいいから、そういうふうにして更新するというシステムにしておかないと、ちょっとシステム自体も狂ってしまうかもしれませんね。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、眞鍋さんどうぞ。
〇眞鍋委員 35ページの今後の対応方針の中の4つ目の〇です。今、秋に更新作業を行っています。そのときの作業は、結構自治体の負担であると。そこに一定の配慮をしていただいたのだと思うのですけれども、今、更新を誕生月にするということで、負担を平準化しようということだと思うのですが、これも現場に聞いてみると、一回でやっていただいたほうが漏れがなくていいという指摘もございました。
〇金澤委員長 それはないです。現場では明らか。
〇眞鍋委員 そうですか。恐らく医療の現場の先生はそうだと思いますけれども、誕生月はそうだということです。
〇山本委員 入力しない立場だったら、そう言われるかもしれないけれども、それはちょっとないと思います。
〇金澤委員長 それはちょっと残念ですが、そうではないでしょう。
〇山本疾病対策課長 今のことです。眞鍋委員の御発言を補足させていただきますと、自治体に伺いますと、切りかえの例えば2か月ぐらい前に丁寧な自治体では、「あなたの有効期限が2か月後に来ますので、どうぞ切りかえの手続をしてください」というアラームをダイレクトメールで出してくださっている自治体もあるようです。それが通年になりますと、毎回、誰が2か月前の更新かというのは全部チェックして、毎回ダイレクトメールを送るということができなくなるかもしれない。漏れのないように、きめ細かく、自治体が患者さんのためを思ってやってくださっているところもあるようなので、そこのところをもう一工夫要るのかなと思います。しかし、手続き事務の平準化ということで、これまで委員会でも、複数回御議論いただいたものですから、このような案を出させていただきました。
〇金澤委員長 これは、むしろ、こういうところで言うべきかどうかわかりませんけれども、患者さん及び家族にも協力してもらったらいいと思います。やはり自分たちのことなのだから、ドタドタとこんなに来られたら、本当にわかってくださいよ。大変なんですよ。よろしく。
〇益子委員 診断は、難病指定医が診断するということですけれども、難病指定医が、非常に田舎で1人しかいないとかという場合には、患者さんが非常に集中してしまって大変だという意見もあります。患者さんの状態が一定であれば、臨床調査個人票は、かかりつけというか、地域で実際に診ていらっしゃる先生が書くことはできないのでしょうか。そして、病状が変化したときは、もちろん専門医の診断書をもってということにはならないでしょうか。
〇山本疾病対策課長 難病指定医をどの範囲にするかについては、一定の研修とも併せて考えるということですけれども、正確なデータをきちんととることで、ここでも何度も議論があったことなので、基本的に難病指定医に年に一遍はきちんと診断していただいて、データをとる。それがないと、難病のデータが国際水準の研究には全然使われてないという現況もございます。ただ、何度も、この会で、伊藤委員やそのほかの方からも、アクセスのことも十分考えてほしいという御発言があって、地域格差もさまざまあるというような地域の実情も十分考え、かつ、精度の高いものにしていく。難病指定医と考えている方が、全国でそれほど少なくない状況も見えてきておりますので、そこについては、ここに書いてありますように、学会の専門医以外にも、一定の研修を修了した医師等ですので、今後、実務が回るように考えていく必要があると考えております。
〇道永委員 もともと難病指定医というのはとても難しい問題でして、医師会でもかなり議論がありました。疾病の数もふえますし、300以上の難病の専門医があり得るというのが考えられませんし、あとは、今のお話で、地域で今まで培ってきたかかりつけの先生と患者さんとの信頼関係もありますので、それを潰すようなことはしたくない。しかも、患者さんの不利益になってはいけないと思いますので、この「研修」という言葉を入れていただいた経緯がございます。医師会で、ブロックごとに生涯教育と言って、いろいろな研修会をやっています。この制度が実際に稼働する前に、医師会が各ブロックで、今まで難病の診断書を書いてくださっている先生方を主体にして、恐らく制度そのものがあんまりよくわかっていない部分もあるし、これだけ変わることをお知らせする意味でも研修会を開いていきたいと思っております。また、新・難病拠点病院ができますけれども、その中で、研修ということもその内容に入っておりますので、そちらのほうでもぜひ研修をやっていただければと思っております。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
〇本田(麻由美)委員 2点ありまして、意見というか感想めいたものとお願いです。
 1つは、先ほどから話題になっている難病指定医の件で、私も、この全体の流れの中で、審査会だけでは万全ではないとか、患者さんのことを思ってのことだとは思うのですけれども、いろいろなデータ的な水増しとかそういうことがあるということで、こういう段階を積んでいらっしゃるということはとても理解できるところだと思っています。ただ、社会全体を見ますと、都道府県の違いがあるとかそういうことを変えていくために、難病指定医だったら正確な登録に結びつくのかどうかというのが、患者さんの不利益にならないようなことはお医者さんはすごく思うと思うので、そこら辺がここで本当に担保できるのかというのが、とても懸念を感じるところでもありまして、道永委員もおっしゃいましたけれども、研修とこれの意義というものを明確にしていただいて、社会の公平性も大事なことだと思いますので、そこを徹底していただきたいというのが1つあります。
 もう一つは、感想というか、今のこの会で発言するのが適切ではないとは思っているのですけれども、前々回のときに、医療費助成の対象疾患のことが議論されたときに、最後発言できなかったので、あえて申し上げたいのですけれども、難病の方々、患者さんの家族が生活をしていく、または、療養できないとかで、医療費助成の仕組みはとても大事だと思っているので、そのことに対してあれこれ言うわけではないのですけれども、一方で、いろいろなそういう医療費助成の仕組みがない疾患は世の中にたくさんありまして。そういう疾患の患者さんたちからは、何であれだけ、何でこれだけというような声がたくさん聞かれます。そういう中で、なぜ難病の疾患に対して医療費助成が必要なのかということを明確に社会に示していただかないと、難病患者さん自体もそういう非難にあってはいけないと思いますので、そこを何かの形で担保していただくということが必要ではないかと思っていますので、御検討をいただきたいと思います。
〇金澤委員長 非常に大事な御指摘ですね。障害者の中に難病の方々が入ったというところで今は議論しているのですが、いずれは、難病対策の基本法をぜひ別個につくってもらいたいと個人的には思っています。そういうときには、必ず今の点はクリアしなければいけないことだと思うのですね。そういうことだけちょっと申し上げて、葛原先生どうぞ。
〇葛原委員 35ページから36ページのことで、指定医のこと、助成のことについて、2つ、3つ御意見を申し上げたいのです。
 先ほどから、指定医でなければいけないか、あるいは、専門医でなければいけないかという話が出ていますが、これは、私は、現在の難病の患者さんはほとんどの方が専門医に一回、あるいは年に一回はかかっていらっしゃいます。私どもも、半日ぐらいかかるところは、年に2~3回来て、あるいは、状態が変わったときだけ来ていただいて、あとは地域の先生に頼んでいます。それから、36ページの一番下のところで、人口呼吸器をつけ在宅医療、こういう人こそ全部専門医が診ています。往診したり、療養所から行って、そういう人も多いと思うので、これはこういう仕組みをつくれば、年に一度ぐらいはきちんと専門医を通すことは僕は不可能ではないだろうと思います。あるいは、場合によっては、出かけていく方法もとれないことはないと思いますので、患者さんのためにも、私はこれはきちんとやっていただきたいと思います。
 それから、もう一つ、最後に、専門医がやったのが、あるいは、指定医がやったのがちゃんとしたデータになるかどうかというのは、これは山本先生も繰り返しおっしゃっていますけれども、今の診断書というか、調査個人票は、病気はできるだけ甘く書くことだけが患者さんのためになると、そこ以外はほとんど役に立っていないのが実感なんですね。ですから、国内的にも誰も信用してない数値なわけです。伊藤さんがいらっしゃる北海道で0になっていますが、それで、北海道が何か困っているかというと、厚労省に届けなくても誰も困ってないわけですね。私の三重県でも0ですが、みんな難病医療はちゃんとやっていると言っていますね。だから、そういう制度にまたしないようなことはきちんとやっていただきたいと思うのですね。そのためにも、先ほどから、国際協力とか、国際比較が出ていましたけれども、ヨーロッパのユーロネットとか、アメリカに持っていっても、恥ずかしくない診断基準で、恥ずかしくない数でやっていただきたい。そうでないと、結局、社会福祉以上の意味は全くないという制度ですと、今、最後におっしゃったけれども、僕らはほかの病気の患者さんで同じ障害の方を診ていると、何であの人だけという問題に必ず突き当たるのですね。だから、そういうことにきちんと答えが出るような制度にしていただきたいということです。
 それから、もう一つ、登録制度でちょっとお願いしておきたいのは、現場で医者に入力させるのは非常に大変で、これは臨床治験でやっていますが、CRCとか、相当お金を払って、専門の人がチェックして入力しています。このくらいのお金をつけていただかないと、現場の忙しい医者にやれと言うと、やはり福祉重点、できるだけ患者さんのためということに流れかねないと思いますので、それをやっていただきたい。
 日本は、アメリカやヨーロッパと違って、国民に背番号がついてないので、データが全く継続してとれない。外国は、生まれたときにすぐ背番号がつくわけですからね。だから、そういうことも含めて継続性、例えば患者さんが来なくなったときに、よくなったから来なくなったのか、それとも、高齢者の医療になると、これは、また、負担金がなくて来なくなる人がいるのですね。お金持ちになっても来なくなる人もいるかもしれませんけれども、それから、亡くなられたとき、あるいは、生活保護、患者さんが途切れたときに、全く経過がどうなったかわからないということで、私は患者さんの継続性をとること。それから、軽い患者さんもぜひ登録するという形にしていくことと、よくなった方、それから、最後の結末がどうなったかも含めて、ぜひ新しい制度では、きちんと外国に発信できるようなデータがとれるような精度にしていただきたい。それが現場で苦労して診察して書類を書いている者の一番の願いです。
〇道永委員 先ほど、ちょっと途中になってしまったのですけれども、今のデータベースということで、更新の方でも、やはり指定医のところに行っていただかないと、そのデータがとれないということがまずあると思います。これが機械のことですので、ウェブサイトがどれだけうまくいくかわかりませんけれども、これから先、どこかモデル事業みたいな形で少し試してみて、それから、本軌道に乗るようにしていただければと思っております。これは要望です。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
〇堀岡疾病対策課長補佐 幾つか葛原先生から今御指摘いただいた点で、専門性との両立というところでも、我々は、「中間報告」の中でも御指摘いただいている点ですけれども、専門の治療の診断と、あとは、患者さんの利用しやすさの両立が、どちらも配慮をできるだけした制度構築をきちんとしていきたいというところは思っているところです。
 また、登録についてですけれども、私どもは、臨床治験のほうでかなり手間のかかることをしていただいているという御指摘をいただきましたが、診断と同時に登録ができるという仕組みにでき得る限り先生たちの事務負担がかからないような、少ないようなシステムを頑張ってつくっていこうと思っておりますので、また、道永先生に今御指摘いただいた点も踏まえて、きちんとしたものをできるだけつくっていきたいと思っております。
〇金澤委員長 どうもありがとうございました。
〇伊藤委員 専門医の診断のことですけれども、別に私たちはそれを否定しているのではなくて、葛原先生もおっしゃったように、専門医のいないところを、そういう地域、遠いところ、あるいは、お医者さんのところには、むしろ、専門の先生が年に一遍は訪問していただけるというような制度にしていただければ大変ありがたいので、むしろ、そこへ踏み込んでいただいたほうがいいかと思います。そこで地域の先生ときちんとした連携をつくることが大事かと思います。
 なぜ難病がということですが、幾つかの疾病だけが指定されていれば、それはなぜなのかという問題はいっぱい出てくると思います。ところが、昨年12月にまとめたこの委員会の中間まとめの中では、なぜ難病が社会的支援を必要とするかというようなことについてはまとめに出ていますので、この精神も今後の新しい、特に法制化に向けては、ぜひ、その精神をきちんとうたっていただきたいと思います。
〇眞鍋委員 今回、指定医、それから、指定医療機関ございまして、都道府県が指定することが多いのですけれども、患者さんの動きを見ますと、必ずしも一つの都道府県で動きが完結しているわけではなく、他県へ行っていらっしゃる方はたくさんいますので、恐らく相互乗り入れのような仕組みが必要なのかなという話を私は思っております。
 それから、これを読ませていただいて、今回、審査のほうを強化するというのがございますけれども、先ほど葛原委員から、例えばCRCを置くぐらいのことがないとなかなか厳しいというお話ですけれども、県にとっても、その事務負担は非常に大きなものだと思っていますので、ぜひ、ここは御配慮いただきたいと思っています。
〇金澤委員長 ありがとうございました。
 いろいろ御注文をいただきましたが、大変参考になる建設的な御意見ばかりだったと思います。まだまだ御議論があるかもしれませんけれども、そろそろ時間になっております。
〇伊藤委員 1点だけ。特定疾患の治療研究事業の対象疾患をどうするかということは、まだ余裕があるとは思うのですけれども、実は、来年4月1日から総合福祉法、難病患者も福祉の制度の中に入れるという実施が始まるわけですね。ところが、どういう疾患を対象にするかということは政令で定めることになっているのですが、実施する部局では、12月6日ぐらいまでに決まらないと、そのまま現行の疾病名だけで走っていくしかなくなるのではないか。そうすると、次回12月6日にその政令で指定する疾病はこれこれだといきなり言われて、それがリミットの日だということになると、とても大変なことになりますので、早めにこの問題についても、考えを委員にもお示しいただいて、議論を短時間に正確に行えるようにしていただきたいというようにお願いをします。
〇山本疾病対策課長 この委員会の議論を丁寧に積み重ねることと、タイムリミットとの難しさだと思いますが、いずれにしましても、この委員会できちんと議論をするものについては、きちんとお示しさせていただきますので、次回以降ということになろうかと思います。
〇金澤委員長 どうもありがとうございました。
 議論はこのぐらいにさせていただきましょう。長時間にわたって、いろいろありがとうございました。
 考えてみると、この会が存続できるのかどうか、私はちょっとだけ心配をしておりますが、確約してください。
〇矢島健康局長 次回12月6日を予定していますし、先ほど、私、最初の挨拶でさせていただきましたけれども、基本的には、方針は変わっておりませんので、よろしくお願いいたします。
〇金澤委員長 ありがとうございます。よかった。
 どうもありがとうございます。どんな状況になっても、この会は最後までやり通したいと思っておりますので、どうぞ御協力のほどをお願いいたします。
ありがとうございました。終わります。


(了)

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