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2012年10月31日 第5回中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会議事録

○日時

平成24年10月31日(水)11:22〜12:34


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路部会長代理 西村万里子委員 森田朗委員
小林剛委員 白川修二委員 花井十伍委員 
石山惠司委員 伊藤文郎委員 
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員 
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
禰宜寛治専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員 加茂谷佳明専門委員
池田俊也参考人 田倉智之参考人 福田敬参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○QOL評価の具体的方法等について
○英国NICEにおける費用対効果等の評価プロセスについて

○議事

○関原部会長
 それでは、委員の皆様おそろいになりましたので、ただいまより「第5回中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、田中委員が御欠席です。
 それでは、きょうは配付資料の通り2つの議題が上がっておりますが、その議題の議論に入る前に、前回から日も大分たっているということもありますので、前回の議論について確認したいと思います。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。企画官お願いします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 前回の部会での議論について整理のために、中医協の費−1の資料を準備いたしましたので、これに基づきまして御説明いたします。
 前回、8月22日の当部会での主要な指摘事項につきましては以下の2点であると整理いたしました。1点目が、効果指標の取り扱いについてで、QALYの概念は理解できるけれども、実際にQOLをどのように評価するのか、具体的な事例等を参考に検討してはどうかという御指摘をいただきました。これに関しましては、関連資料の費−2で福田参考人から提出の資料をいただいているところでございます。
 さらに、費−1に戻りまして、2つ目の指摘事項といたしまして、費用対効果評価の全体像が共有されていないのではないかと。英国のNICEのガイドラインも参考にしながら、費用対効果評価の全体像の中でどの部分を議論しているのか確認しながら進めてはどうかという指摘をいただきました。これに関しましては、本日は費−3の資料を、これもやはり福田参考人からいただいております。この資料に基づきまして御議論いただければと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御意見等ございましたらどうぞ。
 それでは、格別御意見もないようでございますので、ただいまの確認を踏まえまして議論を進めていきたいと思います。
 それでは、「QOL評価の具体的な方法等について」を議題といたします。福田参考人より資料が提出されておりますので、福田参考人より説明をお願いいたします。先生よろしく。
○福田参考人
 参考人の福田でございます。よろしくお願いいたします。
 前回御指摘いただいた事項を受けて、まず、クオリティ・オブ・ライフの評価の具体的な方法について、特に質調整生存年、QALYを計算するためのQOL評価の方法について御説明させていただきます。費−2の資料で御説明させていただきたいと思います。
 目次は下のとおりで、QOLの評価尺度等についての御紹介ということになります。
 時間が限られていますので、まず1枚おめくりください。3枚目の資料になります。きょうお話をさせていただくのは、患者さんのクオリティ・オブ・ライフの調査、評価でありますけれども、限定的に健康関連QOLという言い方をしております。これまで明確にそうしてきませんでしたけれども、一般には健康関連QOLという概念を使っています。下に定義もありますけれども、健康状態に関連するクオリティ・オブ・ライフだけをみる、言い方を変えると、医療によってこういうところが改善できる、そういう要素だけを取り上げるということであります。
 具体的な要素としては、その定義の中にも含まれておりますが、身体的な状況、精神的な状況、それと社会的な機能という3つの要素を含むというのが、一般的な健康関連QOLの概念であります。
 この健康関連QOLを評価するに当たって、その下の評価尺度に参りますけれども、包括的あるいは汎用的な尺度と申しまして、どのような疾患にも適用可能なように状態を評価していくツールと、疾病特異的尺度といって、個々の疾病ごとにクオリティ・オブ・ライフを評価するツールができております。
 この中でQALYの計算に用いるのは、包括的な尺度の中の一部の手法ということになります。そこに具体的にEQ−5Dとか、HUI、SF−6Dというようなものを例示させていただきました。この中で、今回は代表的なものでありますEQ−5Dについて御紹介させていただこうと思います。
 4枚目のスライドに参ります。EQ−5Dとはどういうものかということですけれども、これは、今、御紹介した中では包括的な評価尺度とされているもので、患者さんが自己記入の形式で回答するものであります。もともとEQというのはEuroQolの略で、ヨーロッパの研究者を中心に開発されたものでございます。今、世界では広く使われておりまして、日本語を含む102の言語バージョンが存在しております。各項目について3段階で評価する尺度で、これにつきましては、現在、各項目を5段階で評価するものが研究開発中という状況でございます。具体的には5項目の質問で構成されています。これは次のスライドで御紹介します。
 それで、この5項目ですけれども、世界的に同じ調査項目で評価するということをやっておりますので、各国で独自に質問を追加するということはされておりません。さらに、もともとこの設計された目的が、この尺度を使って、1を完全な健康、死亡を0とする値に換算できるというのが、このツールの特徴であります。実際の換算の仕方についても、EuroQol本部で承認を得て、そこで決められた手続に従って各国で作成されております。
 次のスライドが具体的なEQ−5Dの日本語版の質問項目でございます。
 患者さんに聞くというものになっていて、5項目であります。例えば、移動の程度であれば、1.歩き回るのに問題はない、2.いくらか問題がある、3.ベッドに寝たきりである、この3段階で評価をしていきます。これが5項目、身の回りの管理、ふだんの活動、痛み/不快感、不安/ふさぎ込みというような5項目で、それぞれを3段階で評価するということであります。これの答えを5段階にするものが、現在開発中ということになっています。
 具体的には、次のスライドをお願いします。実際にこの5項目を様々な状態の患者さんに調査をしますと、それぞれ3段階から1つずつ選ぶという形で回答が返ってまいります。例えば、これは1つの例ですけれども、歩くのは問題がないけれども、身の回りの管理にはいくらか問題があって、ふだんの活動はできない。痛み/不快感、不安/ふさぎ込みは問題ないという状態だと、問題があるのは、程度に応じて2、3というスコアをつけますので、12311というような表現ができます。このような形で、何にも問題がない状態が11111、それから、全てが問題があってできないというような状態は33333になりますので、理論的には、これで表現できる健康状態が3の5乗通り、すなわち243通りということになるわけであります。
 実際にこのような尺度がどのように開発されてきているかということに関しましては、次のスライドを御参照ください。一般にはこのような評価尺度の開発をして、どういう質問をしようかというのを決めます。それをもとに換算表というものを作成する、これが大事になります。例えば、前の例のものだと、12311と表現ができたとしても、最終的には0を死亡、1を完全な健康とするQOLのスコアに換算できないと使えないということになりますので、この換算表をつくることが必要になります。
 一般には、この尺度を用いて一般集団に対してそれの価値を聞いて、国ごとにこの換算表をつくるということをやっています。確かに質問内容は各国で同じにはなっていますけれども、それについての国での価値の考え方が変わってくるという可能性が大いに考えられますので、共通の手続でこの換算表はつくるのですけれども、でき上がった換算表は各国独自ということになっております。
 次のスライドで、具体的に、EQ−5Dの日本語版がどのように作成されたかを御紹介します。まず、上の半分が翻訳に関しての手順であります。これは、一般的にQOL評価尺度などではとられている方法ですが、もともとは英語で書かれているものですので、それを日本語に翻訳して、逆翻訳をして、テストをして、承認を受けるというような手続をとっています。
 その下の部分が日本版の換算表の作成方法ということになります。具体的には、このEQ−5Dの健康状態の表現方法を使って仮想的な状態を設定して、一般の人に対してこれについての価値を聞き、これをもとに換算表を作成するということが日本国内で行われたものであります。日本では2001年にこの作業が行われて、日本版のツールが完成している状況であります。
 その次のスライドが具体的にできている換算表の一部でございます。これは、全部で243通りありますので、ここではその一部を掲載させていただいております。5項目全てが1、つまりどれも問題がない場合には1、完全な健康状態と定義をしています。例えば、最後の項目だけが2の場合には0.786とか、右側のほうに行きますと、もうちょっと低い状態が出てくるということで、これが11111から33333まで全てできているものでございます。
 次のスライドに参ります。実際にこれを調査していくときにはどのような流れになるかといいますと、この5項目の質問に関しては、一般的には患者さんに直接答えていただくという形をとります。やはり患者さんの状態は御自身がよくわかるということであります。それをもとに、この換算表としてできているものを使ってQOLスコアに換算するということです。
 先ほど申し上げましたが、この換算表自体は、国ごとにつくられております。日本は日本のものを使っていますし、例えばイギリスではイギリスで開発されたものを使っています。結果としては、下に書きましたが、「換算表が各国独自で作成されているため、同じ健康状態であっても、算出されるQOLスコアは国によって異なる」ということになります。それは、その国の価値観を反映しているためと考えています。
 次のスライドで、本当にごく一部で恐縮ですが日本とイギリスのスコアの比較を御紹介します。例えば、上の21111という、歩き回るのだけが少し問題があるという場合は、日本は0.774ですがイギリスは0.850と少し高目になっています。あるいは逆に、12311というような、先ほど例で挙げたものですけれども、着がえ等にいくらか問題があってふだんの活動ができないという場合には、日本は0.661ですが、イギリスは0.452とイギリスのほうが低くなっているというような違いが生じています。これは、各国で換算表ができていて、それを使うという形になっているためです。
 次のスライドに参ります。本日は代表的な例としてEQ−5Dを御紹介させていただきましたけれども、ツールはこれだけではございませんで、例えばSF−6Dという言い方をしますけれども、この6項目の質問から成っているような尺度とか、HUI、ヘルス・ユーティリティー・インデックスのこれはバージョン3というものですけれども、8項目から成るような尺度もございます。これらのものも同様に0が死亡で1が完全な健康状態という形に換算ができる、あるいは、日本版はまだ換算が必ずしもできる段階に至っているものとそうでないものがありますけれども、そういうものが諸外国では考えられているという状況であります。
 その下に、一応QALYの計算方法を、以前にも御提示させていただきましたが、つけさせていただきました。QALYといいますのは、横軸に生存時間の長さ、縦軸に健康状態をとったときに、斜線の面積であらわされる部分というのがQALYの考え方です。今、御紹介したのは、例えばEQ−5Dのようなツールを使って0が死亡で1が完全な健康というところでのクオリティ・オブ・ライフ、QOLのスコアを算出したら、それとその状態でいる年数を掛けてこの面積を計算するという形での用い方になるということでございます。
 次のページでEQ−5Dの諸外国での位置づけを簡単に御紹介します。
 これは、世界中で最もよく使われているツールでありまして、例えばイギリスは、御案内のNICEという組織では、費用対効果の標準的な評価手順についてまとめておりますけれども、その中で、EQ−5Dは成人の健康関連QOLの評価に推奨される尺度であるという位置づけになっております。
 あるいはフランスは、今後取り組むと聞いていますけれども、HASというところで出した同様の標準的な手順では、フランスで妥当性が検証済みの指標を使うことを推奨するとされています。その上で、現段階ではEQ−5DとHUI3のみがこの基準を満たすということになっています。
 実際にどのくらい使われているとかいうのが次のスライドでございます。これは、NICEの評価において、2005年から2008年に使われたものですけれども、EQ−5Dが半分ぐらいを占めていて、その他の指標も一部使われているということであります。
 次のスライドに参ります。こちらのほうは類似の統計ではありますけれども、QALY、質調整生存年を健康アウトカムの指標として用いた費用効果分析の研究の論文のデータベースが米国のタフツ大学にございまして、そこで用いられているものから得られた知見ということで学会で報告されているものでございます。年を追うごとに、一番長い部分ですけれども、EQ−5Dが多く使われているのが現状でございます。
 次に、実際に国内でもこのツールを用いて実際の測定という研究が行われて、発表されておりますので、それを御紹介させていただきたいと思います。乳がんの領域と慢性閉塞性肺疾患、COPDの領域でございます。
 まず、乳がんの術後化学療法患者におけるQOL評価でございます。これは、左側の四角にありますけれども、日本人の乳がん患者を対象とした市販後の無作為化比較試験でございます。研究者主導の臨床試験もので治験とは異なります。
 対象はリンパ節転移陽性の術後の乳がん患者で、ランダム化して4群に振り分けるということをやっています。治療法がそれぞれ異なるということで、アドリアマイシン、シクロホスファミドを4サイクル投与した後に、パクリタキセルあるいはドセタキセルを投与する群と、最初から8サイクルパクリタキセルあるいはドセタキセルを投与するというような群でございます。
 その下のスライドは、参考までに割りつけの状況を御紹介させていただいております。一応ランダム化に関しては、おおむねうまく機能しているのではないかと論文からは見てとれます。
 その次は、治療スケジュールとEQ−5Dの測定ポイントです。これは、術後の乳がん患者にこのような化学療法をやっていくわけですけれども、3週間を1サイクルとして8サイクルこの治療を行っていきます。その8サイクルの治療方法が異なるというスタイルでございます。3週間で8サイクルですので、約6カ月間、この治療が行われることになります。その時点で終わって、その後、7カ月後、1年後というところまで含めてEQ−5Dを使ったクオリティ・オブ・ライフの評価がされているということであります。
 その前に、そもそもの治療期間を含めて、治療期間中にも評価をしていますし、治療終了後も、7カ月目と1年後に評価をしているというものでございます。
 下が、そこから得られたスコアでございます。この尺度は、0が死亡で1が完全な健康という尺度に換算表を使って求めたものですけれども、群ごとに見ますと、治療期間中に特にドセタキセル等を用いたものについては、7サイクルあるいは1カ月後に向かって低下しているという状況が見てとれるかと思います。こういう治療に伴ってさまざまな問題が生じる可能性がありますので、そういうところを反映しているかなと思います。全体としては、文章で載せさせていただきましたが、ドセタキセル群は、ACを先に投与する群に比べてQOLの値が低いとか、そういう知見が得られております。
 ちなみに、ここで得られているおよそ0.7から0.9ぐらいというのは、諸外国で同様の疾患を対象にしたものでも、ほぼ同じぐらいの水準となっております。
 もう一つ、次のスライドをごらんいただきたいのですけれども、このEQ−5Dで評価したスコアと疾患特異的なクオリティ・オブ・ライフの評価尺度、これはちょっと冒頭で申し上げただけですけれども、がんの領域に関しては、FACTと呼ばれる、がんに特異的な症状等を評価するクオリティ・オブ・ライフの評価尺度がございます。このスコアとの関係を見ると、相関係数が0.664ということで強い相関が得られています。この疾患特異的な尺度との関連が見られるということでございます。
 もう一つの例がCOPDの例でございまして、これは、国内の北海道のCOPDのコホートでされた調査ということでございます。
 この中の北海道大学附属病院で受診中のCOPDの患者さん91人に対して調査をしたものです。COPDはそもそもゴールド基準というものがございまして、重症度でステージ分類ができるようになっています。そこに対して、やはり疾患特異的なQOL評価尺度であるSGRQとEQ−5Dで、今、御説明したようなスコアの出し方、5項目から調査して換算表を使って出すというものを同時に測定したという研究結果が報告されています。
 最後のスライドに参りますけれども、このスコアを見ますと、青の線で描いてあるほう、実線がEQ−5Dのスコアで、破線の赤いほうがSGRQのスコアでございます。EQ−5Dは値が小さいほうが状態が悪いということですけれども、SGRQは逆になっておりますので、相関としては逆に出てきています。これも下のほうに相関係数がありますが、マイナス0.741ということで、非常に強い負の相関が見られているということでございます。これも疾患特異的な尺度との関連が見られているということで、使用に耐えるのではないかと考えているところです。
 以上、簡単でありますが、QALYで用いるクオリティ・オブ・ライフの評価方法について御説明させていただきました。以上です。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等がございましたらどうぞ。嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員
 非常にクリアに御説明いただきましてありがとうございます。ちょっと質問と意見を述べたいのですが、まず、尺度としてEQ−5Dをお使いになっているのが多いのだそうですけれども、これは自己評価ですよね。我々サイエンスをやっている者として見ると、センセーションが多い。例えばこの6ページの5項目ある、痛み/不快感ですとか不安/ふさぎ込みですとか、この辺はセンセーションなのですが、我々医療の中では、先生も御存じのように客観評価がないところで非常に幅が出る、もっと言えばアンステーブルなデータになりやすいだろうというところなのですね。
 もしもこういう尺度を使うのであれば、例えばがんであれば、アメリカのECOGのイースタン・クリニカル・オンコロジー・グループで使っているような、誰が見ても評価できるような指標、例えば、がんがECOGだとすれば、脳卒中のほうはNIHSS、今でもそれが患者さんの状態をよく示している客観的な指標になるので、そういうような指標をお使いになったほうがいいというのが私の意見です。これだけではちょっと、本当にわかるのかなと。
 事実、WHOがやっている世界の医療のレベルのエバリエーション、評価の中で、日本が唯一Dというのがあるのですね。そのDは、国民が自分の体を健康だと思っているか思っていないかということですね。日本の医療レベルはWHOでは世界でトップにしているのですけれども、1位に評価しているのですけれども、反対に16位のアメリカ人のほうが、自分は健康だというAという評価をしているというぐあいに、随分文化的なあるいは社会的な差があるので、それは事実、WHOが問題にしているのです。日本人は世界一レベルの高い医療を受けているのに、自分は健康だと思っていない不幸な国民だというふうにですね。したがって、このEQ−5Dだけではちょっと不足ではないかという意見です。
 もう一つは、これは質問です。日本版EQ−5D(3段階版)スコア換算表が9のスライドにありますが、これのところの御説明がなかったのですが、各国でこの数字が違いますというお話だったのですが、これの換算表はどういうふうにつくったのでしょうか。その原理を教えていただければ。
○関原部会長
 それでは、福田先生にお答えいただきます。
○福田参考人
 では、先に御質問の後ろのほうからお答えさせていただきます。
 この換算表なのですけれども、使い方としては、状態がわかれば、すぐそのまま表を見てくればいいということなのですが、つくり方は、ごく簡単にですが、その前のスライドをごらんいただけますでしょうか。その下の4項目が日本版換算表の作成ということで、例えば11112とか12312とか、こういう書き方を使って仮想的な状態を設定して、それをもちろん数字ではなくて言葉で説明した上で、日本国内の一般の方、無作為に抽出した方について、その状態が、0が死亡、1が完全な健康というスケールだと幾つに相当するかということを調査しているということでございます。その結果を、最終的には543名の回答が得られたと論文にございますけれども、それをもとに、各項目についてどのくらいの重みになっているかを計算し、それを、日本全体の性・年齢構成に合うように調整してこの換算表ができているということです。従って、仮想的な状態を一般の人に聞いているということでございます。
○嘉山委員
 ちょっと概念的なことだけだったのでわからないのですが、もうちょっと具体的に、例えば11ページにあるように、「歩き回るのにいくらか問題がある」、これは2になっていますよね。ですから21111になっているのですけれども、これはイギリスのほうがスコアが高くて日本のほうが低いというのは、どういう意味があるのですか。つまり、日本人のほうが、より一層歩くのに問題があると質が落ちると評価しているということですか。この0.774と0.850でイギリスのほうがスコアが高いですよね。同じ状態なのに。
○関原部会長
 それでは、福田先生、ちょっと今の点をお願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。イギリスと日本でスコアが違うというのは先生御指摘のとおりで、同じ状態、もちろん表現上は日本語と英語とは違いがありますけれども、それについて評価したものがこうなっているということで、同じ状態と見ても、例えば21111に関しては日本のほうが低いということでございます。
○嘉山委員
 それで先ほどの、またもとに戻ってしまうのですけれども、どういうふうにこの換算表を各国で変えたというものの、変える原理を教えてもらえますか。
○福田参考人
 もともとイギリスであったものを変えたということではなく、イギリスで換算表を作成した際と同じ作業を日本で行って独自に作ったということです。各国でそうやっているということなのですけれども、これで、例えば設定した21111とか、こういう状態について、それが、0が死亡で1が完全な健康というスケールの中では幾つになるかを一般の人に調査しています。それをいろいろな状態を仮想して調査することによって、その組み合わせから、統計的な手法で言えば回帰分析というものをやっていますけれども、そこから、各項目の2とか3がついたときの重みの係数を算出するという形をとっています。
○嘉山委員
 そうすると、例えばこの5つの項目の重しを国によって変えたということですか。
○福田参考人
 そうです。
○嘉山委員
 そういうことですね。
○福田参考人
 2よりもちろん3のほうが悪いです。しかも、1と2の間と2と3の間は距離が違う、重みの程度が違うとは考えています。
○嘉山委員
 わかりました。では先生、最初の私の意見に対して。
○関原部会長
 もう一つの、最初の質問についてお願いします。
○福田参考人
 わかりました。
 もう一つに関しましては、先生の御指摘のとおりで、客観的な指標も臨床的なアウトカムを見る上ではとても重要だと考えております。ただ、ここで取り上げているクオリティ・オブ・ライフというのは、患者さんがどう感じるかを評価するのがクオリティ・オブ・ライフの基本的な考え方ですので、必ずこの調査は患者さん本人からデータをとって、その評価を使うというのが一般的な考え方だと思います。ただ、それだけでは不十分かもしれませんので、やはり臨床的なアウトカムといいますか、医療の効果等を測定するのに、客観的な指標等を組み合わせたり、あるいは必要に応じて疾患特異的な尺度等を組み合わせたりというような評価は必要なのではないかと考えています。
○関原部会長
 嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員
 結局、お出しになったこの乳がんにしても、COPDにしても、先ほどの私が言ったNIHSSとか、反対に言えば、そちらで質を評価していますので、かえってそちらのほうがいいのではないかと思って。患者さんの気持ちとか感覚というのは非常に幅があるので、それは参考程度のほうがいいのではないかと思うのですが、なぜこれを中心にされたのかがよくわからないのです。
○福田参考人
 お答えさせていただきます。確かに客観的な指標を使って医療の効果を評価するというのもありますけれども、やはり中心としては、患者にとってそれがどのくらいの価値があるか、特に、今の状態というよりも、医療によってどのくらい改善ができているかを患者さんがどう評価するかが重要だというのが、このQALYのような発想だと認識しております。そのため、客観的な指標も重要でありますけれども、患者さんがどう考えているかというのも、今、諸外国でも重視されるようになってきていると認識しています。
○嘉山委員
 幾ら世界がそういうふうにやっているといっても、どうも納得いかないのですね。なぜかといえば、これは具体的なお金の問題ですよね。対費用効果ですからね。それをサイエンスでないもので、感情だけでやって、経済学者はそれで大丈夫なのですかね。どうもサイエンティフィックでないような気がするのですが、その辺はいかがですか。僕は幾ら外国がやっても、そんなもの信用しませんから。外国が幾ら何をやってもですね。日本で独自にやっていくという考えをきちんと出したほうがいいのではないかと思うのですが、いかがですか。
○池田参考人
 失礼します、参考人の池田でございます。
 例えば、日本でも鎮痛薬の薬効評価などでは、患者さんが報告するいわゆる痛みなどを評価項目として使っておりますし、痛み、不安感などに関しても、患者さんの自覚をもとに薬効の評価なども行っております。このEQ−5Dの中の下の2項目は、患者さん本人でしか報告できない。私も医療者の端くれでありますが、医療者が感じる痛みの程度と患者さんの報告する痛みの程度、これは必ずしも一致しないというような文献もございます。したがいまして、こうした要素も加味した上で総合的に評価する。
 ただ、これだけではもちろん患者さん自身の報告にぶれがあるということもございますので、疾病特異的尺度などを同時に見て、医師あるいは専門家の評価とどの程度関連があるかということを検証しておくことも同時に行う、これが必要だと思っております。
○嘉山委員
 いや、同じことを言っているのですよ。私は脳外科医ですから、だから、要するに人間の能力は知覚と運動と2つに大きく分かれるわけですよ。そのほかに高次精神機能があるわけですね。だから、その3つをやらなければだめですよ。先生がおっしゃるように、センセーションは、どこまで行っても本人が評価せざるを得ないのですよ。今のところ、痛みとかそういう感覚に関しては、世界で誰も客観的評価はできないのですよ。それはもう間違いないのです。ただ、それだけではだめではないですかということで先生にお話ししたわけです。
○関原部会長
 それはさっき福田参考人も、不十分で、別にこれで何かしようということではなくて、あくまでもクオリティ・オブ・ライフというものをベースにした治療はこういうことであるという御説明だったと私も理解しておりますので。
 では、鈴木委員どうぞ。
○鈴木委員
 まず、前期の事務局のもとに拙速というか強引というか進めようとしてきたこの費用対効果の話が、今度の事務局になって、じっくりと取り組もうというスタンスに変わってきたのは、私はよかったと思っています。要するに、きょうのような話も知らずにというか、なしに進めようとしていたことが、私は非常に問題だと思っておりましたので、それはよかったと思っています。
 それと、今、嘉山先生がかなり疑問を呈されておりましたが、嘉山先生は自然科学者、大学教授ですから、ある意味、当然だと思うのです。我々医師、薬剤師、歯科医師は、自然科学をずっと学んできたので、これまで実証データで議論することしかしておりません。今までの中医協の議論というものも、いわばそういうことだったのですが、要するにこのQALY、EQ−5D、こういった効用値というものは、自然科学ではなくて社会科学なのですね。だから、今までと異質なものがここに入ってきたので、我々は違和感を感じて、これは慎重にする必要があると思った訳ですが、それは直感にせよ、ある程度そういうものを調べて知ったにせよ、当然だと思うので、そこをきちっとやる必要があるということだと思います。
 経済学で言うと、基数的効用から序数的効用になると言うのだそうですが、そんなものは経済学を学んだ人は教科書の最初のころに出てくるそうですけれども、我々はそんなことすら、昔、教養のころに少しはかじったのかもしれませんが、もう忘れていた。そういうことを勉強しないと理解できない世界の話をこの中医協の議論の中でして、それを診療報酬に取り入れようということですから、私は、やはり慎重な議論が必要だと思います。
 それで、ただ今、御説明はいただいたのですけれども、そうは言いながらも、それは文化的な背景によって、世界の国々によって違ってくるのではないかというのが1つ、またそれが、それでかつ1つの指標として共通に世界の各国ごとに同じ土俵で調べられるものかなということと、それから、今、ある程度さらっとおっしゃったのですけれども、日本でそういうものをとりあえずつくられたということですが、そういったものの妥当性がきちんと評価されているのかどうかということがあります。そして、例えば年齢とか、性別とか、疾患とか、状態とか、症状に合わせたスコア表というものができていらっしゃるのかどうか、そういったものはどのような状況になっているのかを教えていただきたいということもあります。さらに、実際この質問に答えていただく場合に、例えば、集中治療を受けていらっしゃる患者さんとか、認知症がある方とか、精神疾患がある方とか、子供さん、あるいは妊娠中の方、これはお母さんと子供、両方のファクターがあると思いますし、終末期医療の方、緩和ケアを受けていらっしゃる方、そういった方に対しては、どのようにこういった対応をしていくのか、そういったことを決めていらっしゃるのかどうか。そういうことについて教えていただければと思います。
○関原部会長
 これはかなり具体的な話になりますけれども、福田参考人からお願いいたします。
○福田参考人
 御質問の中で、まず、国ごとのこの文化的な背景とかというものを考慮してやるべきだというご指摘がございました。EQ−5Dに関しましても、これを例でお話しさせていただきますけれども、その翻訳の段階とか、あるいは換算表を独自につくるというあたりで、各国の価値を反映するという形での作業が行われています。
 それから、これを使って疾患ごと等でスコアが計算できているのかというと、世界的には多く使われているツールですので、海外のものとかはレビューをすればたくさん出てきます。ただし、国内で調査されているものは、きょうは2つ御紹介させていただきましたが、最近増えてきているとはいうものの、まだ余り多くはないという状況だと思います。
 それから、もし疾患によって、なかなかこういう調査になじまない、例えば例を挙げていただきました認知症の患者さんであるとか、小さなお子さんであるとか、そういう場合にどうするかというのは、場合によって、EQ−5D等のツールを用いる場合には、ご家族等の代理人が答えるというアプローチをとっている場合があったり、あるいは、その年齢とか疾患に応じたほかのツールを使うということもされてはおります。そのような対応になっていると思います。
○関原部会長
 よろしゅうございますか。鈴木委員どうぞ。
○鈴木委員
 そうしますと、例えば海外には疾患ごとのデータがあるけれども、国内にはないというようなお話でしたけれども、それでは、こういうことを実際にやろうという場合に、それは国内でのそういうデータがそろってからしかやれないというか、そろってからやるのか、それともやれるところからやるのか、それとも海外のデータを使ってやるのか、そういうことに関してはどのように考えていらっしゃるのかということがあります。本当に問題になる方ほど、そういった対応が難しい方ですから、そういったものが、代理人というのはどういう方を、どのような条件で聞くのかといったことも、今までの我々の議論とは全く異なる世界の議論になってくるので、そういう議論をしっかりしてからやらないと、これは、要するに仮想のデータですが、数字化してしまうと、ほかの数字とわからなくなってしまいますので、やはりあくまでも仮想データですから、しっかりとそこら辺を議論していかないと、この話はなかなか進められない話だと思うのです。そこを事務局としてはどのように考えていらっしゃるのか、スケジュール観等を教えていただければと思います。
○関原部会長
 それでは、事務局にお願いします。企画官どうぞ。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今、鈴木委員から何点か御指摘いただいた点に関しましてですが、まずは、海外データをどのように取り扱っていくのかという点でございます。この点に関しましては、前回、8月22日の部会におきまして、当面の検討事項という形で項目の中に含まれているものの、いまだに議論が進んでいない項目でございます。したがって、本日の鈴木委員の御指摘をも受けまして、次回以降の当部会において議論すべき課題の一つである、未整理の事項であると事務局では認識しております。
 それからもう一つ、鈴木委員から御指摘いただきました今後どのようなスケジュールを想定しているのかという点でございます。本部会では、これまでの議論の中で、制度の導入ありきではなくて、着実な議論を行うべきという御指摘を何名かの委員からいただいているところでございます。こうしたことを事務局としては踏まえて、今後、段階的に議論を積み上げていくことが重要だと考えており、鈴木委員御指摘のデータの取り扱いというものも、そのうちの一つだと理解しております。
 これまでの議論の中で、一番最初の議論では、平成24年秋ごろまでに具体的な評価の運用方法の検討、整理を行うこととされていましたが、実際にはまだ、前回御議論いただいた効果指標の取り扱いについて、本日御議論いただいている、まだ引き続き御議論いただいている段階です。さらに、それ以外の整理項目も残っているために、これらについて、引き続き十分に議論いただいた上で次の段階に進むべきと考えております。
 以上でございます。
○関原部会長
 鈴木委員よろしゅうございますか。
 堀委員どうぞ。
○堀委員
 済みません、よろしいですか。今回の資料は、この前、効用値の把握が、具体的にイメージが湧かないということでお出しいただいて、ようやく見えてきたのですが、ちょっと基本的で申しわけないのですが、2点ほど御質問させてください。
 5ページのEQ−5Dの件ですが、私はもう少し細かな項目がたくさんあるかと思ったのですが、この5つだということで、1点確認させていただきたいのは、特に精神面でトラブルがある方だと、さっき嘉山先生も申されたのですが、痛みや不安感というのは、大きな数値のほうに出やすいのではないか。つまり、いわゆる健常な精神状態の方よりも、こういった数値が大きく出るのではないかという気がするのですが、その辺の結果を補正するようなツールがまた別にあるのかどうかが1点であります。
 それから、もっと基本的なことで、13ページですが、このQALYですが、最終的にQALYが1だったということを想定しても、完全な健康状態1で1年間生きたということでも1ですし、10分の1の健康状態で10年生きても1だと。結果は1であっても中身が相当違うということで、これはひょっとすると、特に超高齢社会で、この価値観、死生観にかかわるところで、どちらがいいのかということを一つの1で計算するのがどんなものだろうかという素朴な疑問がありますが、その辺のことについて、もし見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○関原部会長
 それでは、福田先生、お願いできますか。
○福田参考人
 御指摘ありがとうございます。まず、EQ−5Dは例ですけれども、5項目と比較的少ないものでやられています。この理由としては、もちろんたくさんの質問項目で調査するという手はありますけれども、実際、患者さんに調査することを想定して、なるべく少ない数で行うというような形でできているということであります。
 それから、精神的な部分に関しては、大きく下がるのではないかということですが、確かに、痛み/不快感、不安/ふさぎ込みで2や3がつくと、下がる部分はそれなりに大きくあります。ただし、これも、例えばイギリスの重みと比較をしてということになりますが、日本は、例えば痛み等のスコアによる低下は比較的少ないです。それを使って、日本人は比較的痛みに耐えるような志向を持っているということかもしれませんが、そういうような傾向はございます。ただし、確かに2や3がつくと下がるというのはそのとおりであります。
 それから、1QALYというものの価値ですけれども、これも先生が御指摘のとおり、完全に元気で1年生きても、0.1の状態で10年生きても1QALY、それは等価と考えています。これがQALYの基本的な発想です。その同じ価値を得るのにどのくらいの費用がかかるかという計算をしていくのですけれども、確かに、もともと完全な健康状態である1の人を想定するのと、0.1の比較的悪い状態の人を想定して、その人の生活がどうかと考えるのでは、意味が違う可能性はありますので、QALYの計算上は等価と考えて、そこは公平に1QALYは1QALYとして考えるべきだという思想で使っています。実際に、では、どのくらいそこに資源配分するかということに関しては、その同じ1QALYを割り当てるものについても、もとの状態が0.1の人と0.8の人では違うのではないかという議論はあり得ると思います。それは、同じQALY単位の評価をしたとしても、そこにどのくらいの資源配分をするかというのは、別の議論ではないかと理解しています。
○関原部会長
 堀委員、よろしゅうございますか。
○堀委員
 客観的なこととして了解いたしました。わかりました。
○関原部会長
 どうぞ。
○石山委員
 確認というか教えてください。先ほど嘉山委員が質問されました日本とイギリスのケースがありますね。これは何で差が出るかというのが、私は、先生のお話を聞いて自分で理解したのは、5項目のそれぞれのウエートが統計的に見て違うという結果なのですよね。そういう理解をしてよろしいのですね。ウエートのとり方が違うと。違いますか。
○福田参考人
 日本とイギリスでは項目のウェートが違います。
○石山委員
 理解として。
○福田参考人
 先生御指摘のとおりです。1が全部ついているときには特段問題ないのですが、2や3という幾らか問題があるとか、多く問題がある場合には、その価値を考えていますので、その重みがイギリスと日本では違います。
○石山委員
 世界的に調査をした結果、日本での分布を見ながらウエートをつけたという理解ですね。
○福田参考人
 そうです。それで、国によって違うということでございます。
○関原部会長
 よろしゅうございますか。
 それでは、池田先生どうぞ。
○池田参考人
 池田でございます。
 先ほどの嘉山先生からの御質問に、私、ちょっと不十分なお答えだったかと思いまして、補足させていただければと思います。
 先生が今おっしゃったECOGというのは、パフォーマンスステータス、PSのことをおっしゃってくださっていたという理解でよろしいでしょうか。PSとか、あるいはNIHSSというのは、これは医療者が客観的に患者さんの状態を評価するものでございますが、これは、疾病特異的な尺度ではございますが、疾病特異的なQOLの尺度ではないと私は認識しておりまして、例えばNIHSSのスケール幾つの人は平均的なQOLは幾つだという対応はつけられると思うのですが、QOLそのものをはかる尺度ではないと私は理解しておりますが、その理解でよろしいでしょうか。
○関原部会長
 嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員
 まさにクオリティです。これはクオリティの評価をしているのです。先生もおわかりだと思うのですが、要するに、僕らは医学的に2つ評価するわけです。1つはエンドポイントとしてのOS、つまり生存年月日ですね。これはもうエビデンスとしてきちんと出ますよね。何月何日に亡くなったというのは動かせないことですから。でも、それだけではだめなので、それにクオリティ・オブ・ライフを入れているわけです。それがイースタン・クリニカル・オンコロジー・グループと言って、我々、がんで言えば、アメリカの東海岸のがんのグループがつくっているクオリティの指標を使うということです。それからあとNIHSSも、脳卒中治療後のクオリティを見ている指標です。
 ですから、私が提案したいのは、福田先生、田倉先生、池田先生といらっしゃるので、3人が日本版QALYをつくってもらいたいのですけれども、13ページのQOLスコアをただのEQ−5Dではなくて、そういうサイエンティフィックなものも加えたスコアをつくっていただけたらと思っているのです。それが日本版のQALYだと思っています。これだと余りにもサイエンスから離れ過ぎているなという感じがしているので、客観的ではなさ過ぎるという感じがしています。
 事実、先ほど福田先生も、これだけを使うのではなくてほかの尺度も使うということをおっしゃっていただけたので、それをまぜた新しい尺度を提案したいと思います。
○関原部会長
 今の点についてのきょうの説明は、この世界で一般に言われているクオリティ・オブ・ライフの説明ということで御理解いただいて、日本でどうするかは嘉山先生の話にも関係するものですから、それは、まだ日もございますので、次の機会にその辺を整理しまして話を進めるということにして、きょうの議題のもう一つ、QALYを使って実際にどういうふうにやられているかという実例として、イギリスNICEにおける費用対効果等の評価プロセスというものが用意されておりますので、ただいまの議論とも非常に関係するものですから、これを続けて説明いただいて、また議論したいと思います。
 では、福田先生、よろしくお願いします。
○福田参考人
 では、もう一つの資料、「英国NICEにおける費用対効果等の評価プロセスについて」を御説明させていただきます。
 3枚目に行っていただきまして、まず、英国の医療制度の概要、これは御存じのとおりでありまして、税金を中心として全国民をカバーする国民保健サービスを有しております。日本と大きく異なりますのは、薬価制度に関しては、企業の申請によって薬価を決定するという仕組みを持っております。それから、診療行為等については、予算制で動いておりますので、個々の診療行為についての価格、診療報酬を設定することがされていないというのがイギリスの特徴でございます。
 その下に英国と日本の償還制度の違いについてもまとめさせていただきました。これは、医療用医薬品に限定したところでありますけれども、イギリスの場合には、薬事承認を受けたとしても、そのまま自動的にNHSでカバーされるとか、あるいは薬価をつけられるというものではございません。薬価そのものは企業が決めますのでつけられるのですけれども、そのまま償還されてNHSで使われるというわけではございません。そういうことで、企業が決めた薬価でNHSという税金で賄う仕組みで提供するかどうかは、改めて評価を行ってそれを決定する。その決定に際して、NICEという組織が技術評価を行って、臨床的な有用性と経済性を見て判断しているということでございます。
 日本の場合には、薬事承認、このときにはPMDAが大きくかかわりますけれども、ここで承認を受けたものについては原則として保険収載される、そのときに薬価がつくという仕組みになっておりますので、有効性、安全性については、主にその薬事承認の段階でされていて、ここで追加的にもし考慮するとすれば、今やっている仕組みに加えて、経済性を評価するというところかなということでございます。
 次のページに参ります。英国のNICEについては、以前にもお話をさせていただきましたが、NICEは1999年に設立されております。設立の背景として、イギリスは、冒頭で申し上げたとおり予算制で動いておりますので、そもそも新規の医療技術の導入が遅れる傾向にあり、しかも、医療の地域格差が大きいという状況がございました。そこで、技術評価、NICEを設立した大きな目的としては、費用対効果の良い医療技術にはなるべく多くの国民がアクセスできるようにそれを推奨しようということです。さらに大きなテーマが、地域格差を解消するということで、NICEの推奨によって、イギリス全体で使えるようにしようということでございます。
 それから、これは前回御指摘にありましたNICEのガイダンスですけれども、経済評価のところだけではなくて、NICEとしては様々なガイダンスを作成しています。左側にあります通り、例えば公衆衛生領域の疾病の予防等に関するガイダンスとか、いわゆる臨床ガイドライン、これは基本的に疾患ごとでございますが、どういう治療やケアを標準的にするべきかというようなガイダンス、それから、今話題になっております技術評価、これは個別の医療技術、医薬品等についての評価を行う技術評価、それから、それ以外に介入的措置というものについての評価もございます。
 ここで今回取り上げておりますのは、この中の技術評価の部分と認識しています。NICEの場合には、この技術評価(テクノロジーアプレイザル)の中に臨床的有用性(クリニカルエフェクティブネス)と医療経済性(コストエフェクティブネス)の2つの面を評価することになっております。
 次のスライドに参ります。これを評価する場合ですけれども、NICEで行う技術評価では、それに関する標準的な実施方法、これをリファレンスケースという言い方をしていますが、それを設定した文書を作成しています。だからといってほかの分析ができないということではなく、必要に応じてその他の分析を複数加えることが可能になっています。ただ、その下にも書きましたが、他の手法を用いた分析も可能ではありますけれども、少なくともリファレンスケースの分析を含めなければいけないとされています。これは評価結果の比較をするためということでございます。
 次のスライドに参ります。そういうことで、リファレンスケースとして標準的な実施方法を設定しているのがNICEのやり方で、誰がその評価データを用意するにしても、必ずこのリファレンスケースに沿った方法による評価を行うことになっています。これによって、いろいろな疾患、治療技術等について比較ができるような評価が可能になるという仕組みになります。
 ただし、下のルートになりますが、1つの技術について複数のほかの方法を実践することも可能で、特にリファレンスケースとは異なる方法を用いたほうがいいと考えられる場合等、これは、その理由とか妥当性を示す必要がありますけれども、これは明確に区別した上でこのような評価を行うということです。最終的には評価委員会がそのリファレンスケースの分析、さらにそれ以外の分析を総合的に見て結果を判断するという仕組みになっております。
 次のページで、リファレンスケースの具体的な内容を幾つか御提示させていただきます。まず、臨床的な有用性に関しましては、定められた方法で系統的に文献を分析して整理する。いわゆるシステマチックレビューというようなアプローチをとっています。ただし、これも疾患全体ではなく、対象となる個別技術についての臨床的な評価結果をレビューするというものでございます。
 それから、医療経済性については、これをリファレンスケースとして定めるということで、分析の方法は費用効果分析で、費用としては、公的な医療費及び福祉の費用を含めるという視点、さらに健康効果の指標については、QALYを用いるということになっております。これも繰り返しますが、それ以外の分析を認めないということではなく、リファレンスケースではQALYを使うということです。それから、健康関連QOLの測定については、患者あるいは、先ほどは代理人という言い方をしましたけれども、その患者を介護している方について調査して意見をもらうということになっていますし、それをスコアに換算するときには、一般集団でサンプル抽出してとったもののスコアリングの仕組みを使うということになっています。さらに、分析の比較対照については、NHSにおいて日常的に用いられる治療法を比較対照にする。このようなことをリファレンスケースとして定めていて、これに従った分析を必ず含めるという形になっております。
 実際の技術評価ですけれども、次のスライドに参りますが、シングル・テクノロジー・アプレイザルとマルチ・テクノロジー・アプレイザルというものがございます。当初は右側のMTAのほうだけを行っておりましたけれども、これには非常に時間がかかるということで、左側のSTAの仕組みが2006年ごろから導入されております。具体的な違いは、MTAのほうは、対象技術としては、複数の技術について独立したアカデミックグループがデータの収集・分析を行って評価するものです。これに対してSTA、左のほうは、単一の技術の単一適応症に関して、これは、その技術を提供している医薬品等を含みますけれども、企業がデータを準備する。それを独立したアカデミックグループが評価して、最終的な判断に役立てるという仕組みがとられております。
 次のスライドに詳細のプロセスの違いをまとめさせていただきましたが、ちょっと時間がありませんので割愛させていただきたいと思います。いずれの場合にも、上から2番目にありますが、リファレンスケースを含む分析を必ずすることになっております。これは、メーカーが準備をする場合にも、アカデミックグループがする場合にも、このリファレンスケースに沿ったものを必ず含めるということがされています。その後、パブリックコメントとか関係者の意見を聞くというような場面も何回か用意されています。
 最後に2つ、最終的にどんなガイダンスというものが技術評価では出るのかということで、これは単に例示として2つだけ御用意させていただきました。1つは、こういう医薬、薬剤が推奨されたケースということで、ガイダンスでは、必ず一番最初に、最終的にこの医療技術、薬剤等を推奨するとかしないとかという文章が出てきます。その後に、数十ページにわたってその理由を、臨床的な有用性に関して、それから費用対効果に関してという記述とともに説明がされるということであります。この薬剤については推奨されている例でありますし、その次は、何か推奨されていない例もあったほうがいいかと思いまして、1つ推奨されていない例を書かせていだたきました。
 以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がございましたらどうぞ。鈴木委員。
○鈴木委員
 これも、これまでNICE、NICEと言ってもどんなふうにやっているのかよく知らないままに名前だけが出ておりましたので、そのやり方をある程度詳しくお話しいただいたのはよかったと思います。3ページで幾つか質問させていただきたいのですが、英国と日本の違いということで、薬事申請のところですが、日本の場合、PMDAがあって、そこで有効性、安全性を評価するのだと書いてありますが、イギリスの薬事申請の場合は、有効性、安全性は見ないのでしょうか。そこで見るのか見ないのかを教えていただきたいということがあります。
 それから、我が国の場合、そういう有効性、安全性を、前事務局は、薬事承認で見ているからいいのだというお話でしたけれども、我々としては、改めてしっかり有効性、安全性も見るべきだと言ってきました。イギリスでは、臨床的有用性というところに安全性などを含むとありますから、このリファレンスケースの中にはシステマティックレビューが入っておりますので、それに基づいて有効性、安全性も見るということだと思うのです。それが、イギリスの場合、薬事承認のときにはどうなのかということです。それと、我が国でも、実際にやる場合にはそういうものを含むのか、有効性、安全性に関してもシステマティックレビューに基づいてやるのかどうかということについてどんなふうに考えていらっしゃるのかを教えていただきたいと思います。
 以前の議論のときには、最終的に経済評価だけでは十分ではないということで、イギリスではその前に臨床的評価があって、その後に総合的評価、総意形成があるというお話をしたところ、前の企画官の方はそういうふうにしますと口頭ではおっしゃったのですが、総意形成の部分はどんなふうにしたらいいと考えていらっしゃるのかも教えていただきたいと思います。
 それともう一つは、組織ガバナンスについてです。こういう組織を、イギリスはNICEのように独立した形でやっているわけですが、我が国の場合、その組織のあり方が見えてこないのです。私はやはりその独立性を担保することが必要だと思いますが、そのことに関してはどのようにお考えなのか教えていただきたいと思います。
○関原部会長
 それでは、3つ御質問がありましたが、この2番目のものは企画官のほうで答えていただくということで、最初の薬事の申請のところと、それから、組織のあり方についてどうお考えかというのを福田先生からお答えいただけますか。
○福田参考人
御質問ありがとうございます。ちょっとスライドが十分でなかったかもしれませんが、当然、英国でも薬事承認に関しては、有効性、安全性の評価はもちろんされております。これはヨーロッパですので、中央でやっている場合とイギリスで独自にやっているものが2つあると理解しています。なので、それについては日本とも変わりませんし、そこで評価されたものがNICEでの評価の際にも参考にされるというのは、間違いなくそこはされている。そこは日本でもそうなるのだろうと認識しています。
 ただ、日本に関しまして、そこでもう有効性、安全性を見ているからいいのだということではなく、日本の場合には、これが今の状態だと一体になっていますので、時間的なスケジュールを考えても、かなりその部分はまとめて、承認段階で使った評価等は最大限活用するような仕組みは、特に新規承認時には望ましいのではないかと考えているということでございます。
 それから、組織に関しましては、一応諸外国での状況ということの理解でお話をさせていただきますと、やはり中立的、客観的に評価する組織があるべきだとは思います。それは、諸外国でもいろいろなやり方がされておりますので、独立した組織をつくるか、あるいは、オーストラリアなんかですと、政府内の委員会という形でやっておりますけれども、それを専門に取り扱う組織は、いずれにしてもあるべきではないかとは思います。
 以上です。
○関原部会長
 それでは、2番目の総意形成、企画官からお願いいたします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今、鈴木委員から御質問がありました、どのように総意形成をしていくのか。これは、実際に費用対効果の評価をした後、その評価の使い方に関してどういう意思決定をするのかというご趣旨だと理解いたしました。これに関しましては、前回、8月22日の部会において、当面の検討事項を列挙した中におきまして、当面の検討事項の一つとして、具体的な評価の活用方法は今後検討する。さらにこれをブレークダウンして、具体的には価格評価における評価の反映方法、あるいは保険収載時における評価の反映方法等を今後議論するという形で整理されております。
 今、鈴木委員が御指摘の総意形成というのは、まさにこの点だと我々は認識をしており、これも次回以降の当部会において議論をし、整理した上で、最終的には中医協の総会において取りまとめていただくものだろうと理解しております。
 以上でございます。
○関原部会長
 鈴木委員、よろしゅうございますか。
 ほかに御意見。万代委員、お願いします。
○万代委員
 まず、2つ資料を御用意いただいて、非常にわかりやすい資料で本当にありがとうございます。費−2のほうで質問したかったものもございますので、それについて少し疑問点を質問したいと思いますが、EQ−5Dがかなり使われているということでございますけれども、この資料の14のスライド、EQ−5Dの諸外国での位置づけということで、イギリスはもちろんこれを使っているということですが、フランスではもう一つの基準を使っていると。これにつきましては、ほかの国についてはいかがでしょうか。例えばQALYを使っているフィンランドとかカナダとか、そういうところではどう考えているかという、諸外国でのEQ−5Dの位置づけとか、あるいはそのほかのQOLの評価の指標がどんな使われ方をしているかということをまず教えていただければと思います。
○関原部会長
 それでは、福田参考人、お願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。このスライドではイギリスとフランスの例だけ上げさせていただきましたけれども、これ以外にQALYを使っている国はたくさんございます。その中で、ただ、この尺度まで指定しているケースは余り多くはないです。あと、ほかの国で1カ国ぐらいあったと思うのですけれども、それ以外は、特段ツールは指定せずに、クオリティ・オブ・ライフを妥当性が確認されているもので評価しなさいというような形になっている場合が多いと思います。
○万代委員
 それから、アトランダムで申しわけないですが、今の資料の疾患特異的尺度というものと、このEQ−5Dが相関するというようなデータのお示しを2ついただきましたが、慢性の閉塞性呼吸器疾患のほうのCOPDについては、点数自体がもともと逆転現象なので、負の相関が非常に相関するという御説明だったと思うのですけれども、であれば、むしろ疾患特異的尺度というのは不要なのではないかと思ったりするのですけれども、それについては、どういうふうに判断すればいいのかということを御説明いただければと思います。
○関原部会長
 では、福田参考人、お願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。これについては、相関が高くて、どちらを使ってもかなり関連が見られる、EQ−5Dでやったものであっても疾患特異的でやったものでも大丈夫ということだと思うのですけれども、今回議論しているような費用対効果の考え方をいろいろな疾患に応用していくということで考えるのであれば、やはり包括的な尺度を基準に、標準的な手法としてとるべきではないかと思います。その上で、疾患特異的な尺度の意義としては、もしその包括的な尺度としてどれを取り上げるにしても、そこでは、もしうまく評価ができていないような事項とか要素がある場合には、それを補完する形で疾患特異的な尺度を使うというような形があるのではないかと思います。疾患特異的な尺度は、それぞれの病気等に応じた症状等を捉えておりますので、それが必ずしも、例えばEQ−5Dの5項目では含まれていない要素で、ただ、重要なものがある場合には、そういうものを補足的に使うことが考えられるのではないかと思います。
○万代委員
 あと、最後の質問でございますけれども、NICEで使用されている評価尺度については、EQ−5Dが50%程度という説明でございましたけれども、その理由というのですか背景というのでしょうか、そのほかにも幾つかの尺度をNICEで使っているということでございますけれども、これが重要視される根拠というか理由は、どんなふうに考えたらよろしいでしょうか。
○関原部会長
 福田先生、お願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。これが標準的な指標として多分最も使われているというところだと思います。次のページの一般に研究で用いられているレベルでも、最も多く使われているものですので、データの蓄積もありますし、もちろんそもそも開発した段階では、妥当性、信頼性等確認されているツールですので、それが背景としては大きいのではないかと思います。最も使われていて、いろいろな疾患で応用ができると確認されているということが理由だと思います。
○万代委員
 ありがとうございました。
 これからはちょっと意見でございますけれども、基本的スタンスとしては、先ほど嘉山委員が言われたように、やはり我が国独自のものを開発していくのが本論だろうとは考えております。と申しますのも、QALYを使っている国は、この資料にもありますように必ずしも多くないですし、対極にあるドイツなどでは、QALYの考え方では費用対効果を発揮できないというような考え方もあると認識しておりますので、やはりできれば我が国独自のと思っております。
 ただ、森田会長がおっしゃるように、費用対効果のあるべき姿というものは、将来に向かって、2025年の医療提供体制モデルに向かって費用対効果を考えていくという中では、やはり時間的な制約もありますので、どこかで折り合って、ある程度の作業仮説を立てて、例えばイギリスのNICEでの評価は、今、御質問申し上げたように、EQ−5Dが比較的クオリティの尺度として有用であるということであれば、ひとまずそういったような尺度を設定して、幾つかの具体的疾患について応用して、その判断基準として、これが我が国に比較的導入しやすいのか、しにくいのかといったような評価をしていくような時期に来ているかとは考えております。
 以上です。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。
 今の万代委員、あるいは先ほどの嘉山委員の御意見等も含めて、今日の議論を十分織り込んだ上でまた議論を進めていきたいと思います。
 時間もかなり押しておりまして、では、最後に安達委員にお願いします。
○安達委員
 済みません、手短に申し上げますが、結局、今の議論点を全部総括すると、この費用対効果の部会が求めるエンドポイントをどこに置くのかということが、まず一つはっきりしないと、議論が拡散するのだろうと思うのですね。私が思うこの会議のエンドポイントというのは、少なくとも、主に先進医療等々について、薬剤も含めて、そのことの従来の有効あるいは有効でない、その2つの評価に分かれる有効というほうの評価、これは、有効という評価がされれば保険給付の対象になるわけです。その有効という評価が、従来の日本は、諸外国に比べると、ある意味、相当定性的ではなかったのかと思われる部分が多々あって、だから、ある種の有効という評価に定量性を持たせようというのが、この部門会議の意味ではないかと私は思っています。
 だから、そういう意味で言うと、定量性をはかる一つの尺度としてQALYというものが出ているわけですけれども、QALYは、今、御紹介があったように、質的なというQOLのほうは患者さんの状態、自覚によるクオリティ、嘉山先生が言われるのは、それ以外に医療のアウトカムとしてのクオリティもあるだろうということをおっしゃっているわけで、それも加味したものが、この後の資料にあるリファレンスケースなどを含めた評価になるのではないかと思います。
 特に、その臨床的有用性について、QALYも加味するけれども、QALYだけでは不十分だろうというのが我々の指摘なので、そこのところをどう組み合わせるかということが、日本版の評価基準の一つの手がかりなのではないかと理解いたします。そのように進めてはどうかと思いますけれども、いかがなのでしょうか。
○関原部会長
 先ほど来の意見の繰り返しになりますが、きょうは、要するに諸外国の実例あるいはクオリティ・オブ・ライフの一般的な説明ということでございまして、いろいろな意見を踏まえまして、どういうふうに進めるか、しかも、このタイミングのことも含めて検討いたしまして、次回に御提示するということで考えさせていただきます。
 時間も大分オーバーしましたので切り上げるような格好になりますが、この議論はまだ引き続き続くということで御理解いただきたいと思います。
 では、本日はどうもありがとうございました。
 では、次回の日程について、説明いただけますか。企画官、お願いします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 次回の日程は、まだ現時点ではっきりした日程は定まっておりませんので、また、座長とも改めて御相談させていただければと思っております。
 以上でございます。
○関原部会長
 それでは、この部会をこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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代表: 03−5253−1111(内線3288)

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