ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 第235回中央社会保険医療協議会総会議事録(2012年12月19日)




2012年12月19日 第235回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成24年12月19日(水)8:59~10:55


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員 西村万里子委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員 花井十伍委員 石山惠司委員
田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
佐藤田鶴子専門委員 北村善明専門委員 福井トシ子専門委員 藤原忠彦専門委員
<参考人>
DPC評価分科会小山信彌会長
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会からの報告について
○ DPCに関する調査について
○ 先進医療会議の検討結果の報告につい
○ 医療機器の保険適用について
○ 長期収載品の薬価のあり方等について
○ その他

○議事

○森田会長
 それでは、おそろいになりましたので、ただいまより第235回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は石津委員が御欠席です。
 また、西村部会長はおくれるという御連絡をいただいております。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 「診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会からの報告について」を議題といたします。
 前回11月28日の中医協総会におきまして、本件を議題といたしましたが、最終的に会長である私が預からせていただきました。その後、前回の総会での御議論を踏まえまして、田中分科会長と相談をしつつ、調査票の修正について検討いたしました。そして、一応案をまとめましたので、再度、総会で御議論いただきたいと思っております。
 それでは、資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。どうぞ。
○竹林保険医療企画調査室長
 事務局でございます。
 11月28日の総会にてお諮りいたしました、消費税の調査に関する報告書と調査票を今回改めてお諮りするということでございますけれども、ここでは11月28日の総会で議論になりました部分に焦点を絞って、御説明いたしたいと存じます。
 資料といたしまして、中医協総-1-1という資料がございます。これは28日にもお示しした報告書でございまして、中身の変更はございません。
 中医協総-1-2が調査票でございます。3ページ目の医療機器等の保有状況に関する調査票の部分が、先日議論になった箇所でございます。3ページ目は、森田会長におまとめいただいた修正案を反映した形となっております。
 中身的な部分につきましては、中医協総-1-3という1枚の紙、裏表でございますけれども、その資料で説明をさせていただきたいと存じます。
 1ページ目でございます。これが11月28日の総会で提示をした案でございまして、内容的には枠囲みの中にございますように、300床未満は、金額によらず全ての機器を御回答いただくのに対しまして、300床以上の病院につきましては、原則として500万円以上の機器について御回答をいただくという案でございました。
 こうした線引きのよりどころとしておりましたのは、調査専門チームで実施いたしました予備的調査の対象となった病院のうち、9施設につきまして、固定資産台帳上、医療機器が容易に特定できる状況であったこともございまして、9つの病院につきまして、過去5年間にどの程度の価格の機器を、どの程度の数取得されているかということを把握したデータがございまして、1ページの中ほどに参考としてお示ししてある表でございます。
 この表の見方ですけれども、例えば左から2列目に300床台という病院がございますが、300床台の病院が9つのうち3施設ございまして、仮に500万円という下限を設定した場合には、平均して35の機器について御回答いただくことになるといったことでございます。この表における太線の部分が、11月28日にお示しをした線引きでございます。
 この案に対しまして、診療側の委員の方から、全ての病院で、全ての機器について回答していただくべきであるとか、300床以上の病院も原則全ての機器について回答してもらうこととしつつ、それが難しい場合、例外的に500万円以上のみ回答を可とするように、原則と例外とを逆転させるべきといった御意見、あるいは300床ではなく500床のところで線引きをすべきといった御意見がございました。
 他方、支払い側の委員からは、原案を指示する旨の御意見もございました。
 このような状況を踏まえまして、森田会長におまとめいただきました修正案が2ページ目でございます。内容的には枠の中の3つの○でございます。
 ○の1つ目、300床未満の部分は、原案どおり、全ての機器を回答ということで変わっておりません。
 2つ目の○ですけれども、300床以上500床未満の病院については、原則として100万円以上の機器について御回答いただく。
 3つ目の○でございますけれども、500床以上の病院については、原則として、300万円以上の機器について御回答いただくということでございます。
 枠の下に先ほど申し上げましたデータの表がございまして、今、申し上げました線引きの修正案を太線でお示ししてございます。線引きの基本的な考え方は、2ページの一番上の行にございますけれども、回答件数がおおむね150件程度に収まるようにということでございまして、11月28日時点の案と診療側の委員からの御意見との間で、中をとったような内容となっているということでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 前回出ました御意見、もう少し調査対象を増やすべきではないかということと、高額機器にある程度限定していいのではないかという御意見もございました。
 調査の技術的な制約、その他も考慮しまして、事務局に検討してもらった結果、こういう案がいいのではないかと思いましたので、私の提案として提出させていただきます。この案について、いかがでしょうか。さらに修正という御意見はございますでしょうか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 前回はいろいろお聞きしたと思いますが、このようにまとめていただいたので、基本的には了承したいと思いますが、300床、500床という数字は、あくまでも事務的に出てきた実務的な数字であって、今後、何らかの線引き等に使われることがないということを確認させていただきたいと思います。それだけお願いいたします。
○森田会長
 わかりました。その点はきちんと記録をしていくということです。
 この案そのものについては、御賛成ということでしたけれども、1号側もよろしいですか。
 花井圭子委員、どうぞ。
○花井圭子委員
 この案につきましては、前回の中医協総会で会長一任にしましたので、これを修正してほしいということではありませんが、1つ質問だけさせていただきたいと思います。300万円と100万円の金額ですが、例えば税制における高額医療機器の特別償却制度が500万円となっております。そこからいうと、500万円には一定の理由があると思っております。「500床以上の病院の下限額を500万円から300万円」と「300~499床の病院の下限額を500万円から100万円以上」の根拠だけお聞かせいただければと思います。これは事務局に対しての質問でございます。
○森田会長
 それでは、事務局お答えください。
○竹林保険医療企画調査室長
 確かにおっしゃるとおり、税制の中で500万円というものはございます。ただ、300万、100万という数字自体は、今回の調査について2つの要請があると思うんですけれども、1つはできるだけ詳細に実態を把握するということ、もう一つは、回答者である医療機関の回答負担をなるべく軽減して、回収率を高めるということです。この2つの異なる要請をなるべく両立させるという観点で、線引きをするということでございますので、ここでの御議論も踏まえて、税制の500万にこだわらずに、100万、300万ということでいかがかということでございます。
○森田会長
 花井委員、よろしゅうございますか。
○花井圭子委員
 はい。
○森田会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 会長に御一任いたしましたので、この中身について、異議を唱える気持ちは全くございません。前回の分科会での分科会長御一任も同じでございました。
 ただ、今後のことがありますので、一言、御意見を申し上げたいと思っております。
 1つは、一任という考え方について、2号側の先生から、一任にもいろいろあるんだという御発言が前回あったと記憶をしておりますけれども、今後も1号側、2号側で意見が分かれて、会長に御一任とか、あるいは公益裁定にお願いするという場面が想定されます。そういうときは、文字どおり、一任あるいは公益裁定に委ねるということですから、その御決定について、我々としては、今後もそれに従うということでございますので、2号側も今後はそういう立場で臨んでいただきたいというのが1点目です。
 2点目は、分科会なり部会の位置づけでございますが、中医協の委員が参加している分科会、部会、あるいは参加していない分科会、部会があるかと思いますけれども、それを総会に諮る場面もこれから数多くあると思いますが、根本的なところで、総会で分科会の御意見を覆さなければいけない場面も当然あるかと思います。ただ、基本的に、分科会、部会の結論を尊重するというスタンスだけは、これからも大事にしていかなければいけないのではないか。そうしませんと、分科会なり部会なりの存在意義がなくなるということになりかねませんので、尊重はする。もちろん意見があれば言うというスタンスで、我々としてはやっていきたいと考えております。それが2点目でございます。
 3点目は、今回の会長御一任について、中身はもちろん異存ございませんが、我々として懸念しておりますのは、特に病院当局の事務負担が相当増えるということです。そのことによって、回答の回収率に影響が出るのではないかと懸念をしております。たしか分科会では、1,000病院を対象に調査票を配るという案になっていたかと思います。配布方法について、今、ここでは3区分になっておりますけれども、この3区分で1,000病院をどういう線引きにしていくかということを是非事務局で御検討いただければと思います。あわせて、回収率の向上につきまして、2号側の先生方にも御指導をいただくようにお願いをしたいというのが、3点目でございます。
 以上です。
○森田会長
 わかりました。
 議論がほかの論点にも及んでいますけれども、最初に確認させていただきたいのは、この調査票そのものについては、御異存ございませんでしょうか。
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 調査票につきましては、基本的な方針として、会長に一任させていただきましたので、これでよろしいと思いますが、質問だけさせていただきたいと思います。
 新しい修正案の500床台のところを合計しますと、1施設ですので、これが全部とは思いませんけれども、たった37ということで、修正案の基本的な考え方として、150件程度に収まる設定という中で、ここだけ少し外れているように思いますが、ここら辺はどういう考え方で線を引かれたのかについて質問させていただきたいと思います。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○竹林保険医療企画調査室長
 表の見方でございますけれども、今の500床台のところでいきますと、300万円以上の数は12+25=37ではなくて、25という数字になります。
 その上でということでございますけれども、今、先生の御指摘にありましたように、500床台の病院は1つしかございません。見ていただきますと、300床台の平均よりも医療機器の数が少ないという状況でございまして、もともと物すごくサンプルが少ない中での話でございますので、どれだけ500床台の病院を代表しているかということがあるわけですが、私どもそこはすごく心もとなく思いまして、実際、少しつてをたどりまして、500床台の病院にも状況を聞いてみました。もちろん500床台の病院については1つですが、その病院に聞いたところ、300万円以上の機器は89、100万円以上になりますと214ということでございました。もちろんこの2つで全てを推しはかるのは難しいわけでございますが、そうしたことも踏まえまして、この線でいかがかということでございます。
○森田会長
 よろしゅうございますか。
 それでは、いろいろ御発言があるかと思いますけれども、まず事務局提出資料の調査の実施方法や調査票により調査を実施することにつきましては、中医協として承認したいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。中医協として、この件については、承認したいと思います。
 それでは、さらに御発言ということで、西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 この案については、承認いたしますが、白川委員がいろいろお考えを述べましたので、私も私の考えを述べたいと思います。
 まず分科会というものの性格と、総会の性格を明らかにしていただきたい。これは白川委員と同じ意見で、事務局に要望でございます。確かに分科会から出たものをできるだけ尊重するというのは、私たちもそう思っています。しかしながら、総会が、中医協においては、最終的な意思決定機関であると思います。そういうことでは、やはり総会の役割として、分科会から出されたものを全て報告のような承認にしてはならない。総会で議論しり、修正があるというのは、基本的にあっていいと思っております。
 それから、一任ということですが、一任は原則変えるべきではないと思います。今回は総会での会長一任でしたので、私たちも認めました。しかし前回は分科会での一任でございます。ですから、分科会で決めたことは、総会に上げる。総会に上げる案として、これでいかがかということで、私たちは一任したということです。ですから、分科会の中ではひっくり返しておりません。ただし、分科会の案として総会に上がってきて、分科会に出ていない委員から、それに対する意見があったということでございますので、その辺りは分科会と総会を分けて議論しなければならないと考えております。その辺りは、今後しっかりとした考え方について、事務局に一度示していただければと思います。
 それから、ほかの分科会、DPC分科会とか、あるいは入院医療の分科会等がありますが、これは中医協総会の委員は入っておりません。今回、総会の委員が入っているということでは、確かにほかの分科会とはかなり性格が違ったということは、私も認めております。しかしながら、この分科会を設立するときに、分科会の委員は中医協委員が入るべきか、入らない方がいいのかということを、前の事務局に問い合わせたときには、どちらでも構わないということでした。ということは、分科会に中医協委員が1人もいなくてもいい分科会であったと認識しております。そういうことでは、たまたま中医協委員も入っているということだったのではないかと思っております。そういうことで、分科会の性格も明らかしにて議論しないと、こういうことがまた起きる。そういうことでは、白川委員と同じように、今後、事務局にきちっとした仕切りをしていただきたいと思っております。
 以上です。
○森田会長
 さらに何か御発言ございますか。万代委員、どうぞ。
○万代委員
 一任につきましては、西澤委員の御意見に賛成でございまして、分科会会長に一任について尊重するけれども、中医協の委員として一任したわけではないという立場は同じでございます。余り細かくは申し上げませんが、同様の意見です。
 さらに、白川委員から、病院の事務負担をできるだけ軽減してという御意見をいただきまして、大変ありがたいと思っております。私どもも極めて忙しい日常の診療の中で、できるだけ良好な医療提供体制のために、こういった調査に協力しようというスタンスで臨んでおりますが、中にはかなり微細な項目にわたる調査もございまして、できるだけ協力したいと思っても、時間的な負担、事務作業量の負担から、必ずしも十分にお答えできないこともあるというのは御理解いただいて、今後につきましても、白川委員からの事務の負担があるんだということを、全ての調査において御勘案いただきながら、審議していっていただきたいと、切に願っておる次第でございます。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。この件はよろしいですか。
 今、一任のあり方とか、分科会の位置づけにつきましては、さまざまな御意見が出たと思いますけれども、これにつきましては、私の方で検討、整理をさせていただきたいと思っております。
 なお、一言だけ申し上げておきますと、西澤委員から、これについて事務局で整理をせよという御意見がございましたけれども、あくまでも中医協の運営に関して決めるのは総会でございます。事務局はサポートをする役割でございますので、総会できっちりと議論をして決めていただきたいと思っております。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 今、まとめていただいたので、現時点で異論は全くございませんけれども、一般論として、いわゆる部会長、会長等における一任のあり方について一言だけ申し上げます。一任ということは、多くの場合、1号、2号でしょうが、場合によってはそうでないこともあるかもしれません。要するにそれぞれの分科会あるいは会において、意見の一致を見ることができないという、結果としての一任になるわけだと思います。本来、部会が設定されれば、意見が違っても、最終的には一任する前に合意に至るということが一番望ましいと思います。一任する場合については、双方の意見が出尽くして、なおかつ相違点があって、どうしてもここは合意できないという場合が一任の最終的な形だろうと思いますから、意見がまだお互いに出尽くしていない、あるいは十分に言い切っていない場合があるにもかかわらず、一方では、行政的な手続等の制約によって、時間がないので一任ということで、安易に一任という措置が頻発しないようにということは、是非考えておくべきだということで、一言申し上げました。
○森田会長
 ありがとうございました。
 今の安達委員の御意見ですけれども、私も同感で、私も余り一任などされたくございませんので、できるだけで決めていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、次のアジェンダに移ります。次に「DPCに関する調査について」を議題といたします。
 本日はDPC評価分科会の小山分科会長にお越しいただいておりますので、小山分科会長より御説明をお願いいたします。お待たせいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
○小山分科会長
 よろしくお願いいたします。DPC分科会の小山でございます。
 このたびDPC評価分科会におきまして、DPC導入の影響評価に関する平成23年度調査結果及び平成22年度特別調査結果について取りまとめを行いましたので、御報告いたします。
 お手元には、中医協総-2-1、中医協総-2-2、中医協総-2-2参考という3つの資料を御準備して、お話を聞いていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に中医協総-2-1の資料をごらんください。
 今回の報告書は従前とは少し異なっておりまして、幾つかの明確な目的に合わせた項目を絞って、統計学的有意差の有無を含めた分析・評価を行っております。これは集計項目数が年々増加してきたことと、これまでの調査報告には、統計学的有意差の検証が不足していたという御指摘がありましたので、これを踏まえて、統計学的な専門家によるワーキンググループを組織しまして、取りまとめを行いました。
 2ページ目をごらんください。IIの1、今回の調査の目的と検証内容について記載しております。今回は3つの目的を設定し、それぞれの目的について2つずつ検証項目を設定いたしました。
 「(1)医療の質の検証について」。
 丸1治癒・軽快となっていない状態で退院する患者が増えていないか。
 丸2十分な治療が行われていない状況で退院することで、再入院率が増加していないか。
 「(2)患者の選別について」。
 丸1救急車による搬送患者の割合が減少していないか。
 丸2緊急入院患者の割合が減少していないか。
 「(3)効率化の進展について」。
 丸1平均在院日数の短縮が認められるか。
 丸2後発医薬品の使用割合が上昇しているか。
 これらの検証項目について、3ページの○の2つ目のポツに記載しております、3つの分析を行っております。
 1)平成23年度の集計結果に対するDPC病院と準備病院の比較。
 2)DPC病院、準備病院の経年変化。
 3)DPC制度参加前後の比較でございます。
 具体的な調査結果につきましては、5ページからになっております。資料が大変多うございますので、幾つかポイントとなる図表のみをピックアップして、御説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 医療の質について、患者の治癒・軽快退院割合ですが、5ページの図表1-1をごらんください。DPC参加病院と準備病院とでは、DPC参加病院の方が治癒・軽快で退院している患者の割合が有意に高いという結果でありました。*は有意差ありという印でございます。
 6ページ目の図表1-4では、DPC参加後に治癒・軽快で退院している患者さんの割合が減少したという類型はありませんでした。
 7ページ目の図表2-1をごらんください。同一疾患での6週間以内の再入院割合については、DPC病院の方が有意に準備病院より高いという結果でありました。これについては、再入院の理由による検証が必要であることから、特別調査においてさらに分析を行っております。
 ページが飛びますけれども、18ページ目をごらんください。これらは6週間以内の再入院のうち、十分な治療が行われていない状況で退院することによる再入院の可能性がある、予期せぬ原疾患の合併症のため、予期せぬ併存症の悪化のため、予期せぬ原疾患悪化、再発のためといった理由による再入院について分析を行いました。
 その結果、図表7-1、19ページの図表7-4をごらんいただくと、これらの理由による再入院は、DPC病院と準備病院の間で有意差はなく、またDPC制度参加前後を比較しても、有意差は認められませんでした。
 次に患者の選別に関する分析でありますが、申しわけありませんが、戻りまして、9ページをごらんください。9ページの救急車による1施設当たりの患者割合につきまして、図表3-1、10ページの図表3-4にありますように、DPC病院と準備病院の間で有意差はなく、またDPC制度参加前後を比較しても、有意な差は認められませんでした。
 11ページからの救急医療入院の1施設当たり患者割合についても、同じような傾向の分析結果が得られております。
 最後に効率化の視点といたしまして、平均在院日数と後発医薬品の使用割合を分析しております。
 平均在院日数は、13ページの図表5-1でございますが、DPC参加病院の方が、準備病院より有意に短いという結果になっております。
 また、後発医薬品の使用割合は、15ページの図表6-1です。DPC参加病院の方が有意に高く、16ページの図表6-4をごらんいただきますと、DPC制度に参加した直後に大きな上昇が見られております。
 以上より、今回用いた指標では、DPC病院は準備病院と比較して、医療の質が低下している、患者の選別が行われているといった傾向を示唆するデータはなく、効率化については、進展を示唆するデータが得られました。
 続きまして、中医協総-2-2をごらんください。こちらは平成22年度特別調査の結果報告でございます。
 平成22年度特別調査は、丸1化学療法等、本来外来で実施できる処置や手術等について、再入院させることで外来での実施が抑制されていないか、また、外来での実施状況に地域特性があるのか。丸2としまして、小児科・心臓血管外科・放射線科・麻酔科の医師1人当たりの業務量に変化があるかといった目的として実施されております。これらにつきましても、平成23年度の退院患者調査と同様に統計学的有意差を含む検証を実施しております。
 中医協総-2-2の4ページ目をごらんください。化学療法等の外来・入院別実施状況調査につきましては、4ページの中ほどに四角で囲っております、4つの分析を行いました
 1)DPC病院と準備病院の状況を確認するため、平成22年度における外来実施率のDPC病院と準備病院の比較。
 2)外来実施率の年次推移を分析しております。
 さらに地域や施設の特性を見るために、3)二次医療圏・三次医療圏ごとのばらつき。
 4)各種指標との相関を分析いたしました。
 分析結果の図表が大分多くなりますので、中医協総-2-2参考として別に取りまとめておりますので、そちらをごらんいただきながら、御説明したいと思います。中医協総-2-2参考を御用意ください。
 3ページ目をごらんください。右上の図1-1に平成22年度の化学療法の外来実施率について、DPC病院と準備病院を比較しております。その結果、DPC病院の方が有意に化学療法の外来実施率が高いという結果でありました。
 左下の図1-2-1は、DPC病院の化学療法外来実施率の年次推移を示しておりますが、毎年有意差を持って上昇しておりました。
 4ページをごらんください。上段の図1-3-1と図1-3-2は、地域間のばらつきを把握するため、二次医療圏・三次医療圏ごとに外来実施率を棒グラフでお示しし、外来実施率の高い医療機関から順に並べたものになります。
 下段の図1-3-3と図1-3-4は、これを箱ひげ図であらわしたものであります。この図表から、DPC病院の方が準備病院より地域間のばらつきが小さいことがわかります。
 5ページをごらんください。これら4枚の散布図は、地域特性、施設特性を把握するために作成したもので、左上図1-4-1は、二次医療圏・三次医療圏ごとの外来実施率とその医療圏の人口との相関を見たものです。
 図1-4-2、図1-4-3、図1-4-4は、各DPC病院の外来実施率とその病院の平均在院日数、DPC算定病床数、DPC算定病床割合との相関を見たものになります。これらの散布図からは、明らかな施設特性や地域特性を見出すことはできませんでした。
 6ページ目をごらんください。6ページからは放射線療法、9ページからは外来でも実施可能な手術や検査のうち、消化器や一般外科に関するものについて同様の分析を行っておりますが、いずれも化学療法と似た傾向の結果でございましたので、ここでは説明を割愛させていただきます。
 12ページをごらんください。12ページからは心臓カテーテル検査、15ページからは白内障の手術、18ページからは体外衝撃波腎・尿管結石破砕術について分析を行っております。これらの手術や検査は、基本的に化学療法と似た傾向でございましたが、外来実施率が2.5~30%程度と低く、十分な評価は困難でありました。
 21ページ目をごらんください。こちらからは、再入院が化学療法や放射線療法の外来実施を妨げている可能性がないか、再入院率と化学療法・放射線療法の外来実施率の相関を見たものであります。
 右上の図7-1-1が化学療法でございますが、rs=-0.465と中程度の相関が認められ、再入院率が高い病院ほど外来実施率が低い傾向が認められます。
 両者の因果関係を分析した図が、左下の図7-1-2でございます。これは横軸に平成22年度と20年度の再入院率の差、縦軸に外来実施率の差をとった散布図でございます。その結果、両者の相関はほとんどなく、再入院率が上がれば、外来実施率が上がるといった直後の因果関係は薄いという結果でありました。
 右下の図7-2は、放射線治療法の外来実施率と再入院率の散布図ですが、こちらは相関がほとんど認められておりません。
 以上のことより、化学療法の外来入院別実施状況調査の結果、DPC病院が化学療法の外来実施を抑制していることを示唆するような結果は得られませんでした。また、明らかな地域特性を見出すことはできませんでした。
 続きまして、医師当たりの患者数の動向調査について御説明いたします。文章が記載されておりますのは、先ほどの中医協総-2-2の資料です。もう一度ごらんください。
 11ページ目をごらんください。本調査は平均在院日数の減少に伴い、小児科、心臓血管外科、放射線科(放射線治療にかかわる医師)、麻酔科の4診療科について、医師1人当たりの症例数の変動を見ることで、勤務医1人当たりの業務量が増大しているかどうかを確認するために実施いたしました。
 分析内容につきましては、中ほどの四角で囲ってあります4つの項目になります。
 1)平成22年度における医師1人当たり症例数をDPC病院と準備病院で比較しております。
 2)医師1人当たり症例数の年次推移をお示ししております。
 それらの数字を背景といたしまして、3)1施設当たり医師数の年次推移、4)1施設当たり症例数の年次推移を示しております。
 それでは、図表の説明をいたしますので、まことに申しわけありませんが、また中医協総-2-2参考の25ページをごらんください。25ページは、小児科の分析結果になります。
 左上の図8-1は、小児科医師1人当たりの症例数をDPC病院と準備病院で比較しておりますが、DPC病院の方が有意に少ないという結果でありました。
 右上の図8-2は、医師1人当たりの症例数の年次推移を示しております。DPC病院は有意差を持って減少してきております。
 その背景となる、医師数、症例数の年次推移は、下段の図8-3、図8-4となっております。両者をごらんいただきますと、症例数には有意な変化はないものの、医師数は毎年有意に増加しており、その結果、医師1人当たりの症例数が減少しているものと考えられます。
 26ページをごらんください。こちらは心臓血管外科の分析結果であります。
 図9-1では、DPC病院と準備病院で、医師1人当たり症例数に有意差はありませんでした。
 先に図9-3と図9-4から説明させていただきますと、DPC病院の心臓血管外科医師数は、経年的に有意な変化はない一方、症例数は増加しております。にもかかわらず、図9-2をごらんいただきますと、DPC病院の医師1人当たりの症例数は、必ずしも右肩上がりではなく、これは医師の多い医療機関へ症例が集まっている可能性も考えられます。
 27ページをごらんください。こちらは放射線治療の分析結果です。
 図10-1では、DPC病院の方が、医師1人当たり症例数が非常に多いことがわかります。
 右下の図10-4をごらんいただきたいのですが、背景となる症例数がDPC準備病院には非常に少ないことから、放射線の医師が治療のみに従事しているのではなく、読影等その他の業務に従事している可能性が考えられます。
 図10-2から図10-4を総合いたしますと、症例数、医師数ともに増加している結果、医師1人当たりの症例数は有意な変化がないという結果でありました。
 最後に28ページをごらんください。こちらは麻酔科の分析結果です。
 図11-1では、DPC病院と準備病院で有意な差はございませんでした。
 図11-2から図11-4を総合いたしますと、症例数、医師数、医師1人当たりの症例数、全て有意に増加しており、医師数の増加を症例数の増加が上回っている可能性が考えられます。
 以上より、医師1人当たりの症例数は、診療科によって状況がさまざまであったことから、一概にDPC制度による勤務医1人当たりの業務量が系統的に増大しているとは言えない結果でありました。ただし、本調査の結果については、勤務医の業務全てを評価するものではないということに、留意する必要があると考えております。
 長くなりましたが、調査結果報告は以上であります。これで終わります。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 事務局から補足があればお願いいたします。どうぞ。
○井上医療課企画官
 特段ございません。
○森田会長
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 小山先生はDPCのことで大変御苦労されて、DPCの制度をいろいろと提案されてきて、その結果を検証されたわけですが、自分でつくったシステムを自分ではなかなか評価しにくいでしょうから、基本的にDPCの分科会で評価をするよりは、第三者評価委員会をつくった方がよかったのではないかというのが私の感想です。それが第1点です。
 次に今回先生がお話になったものは、DPCのシステムを評価するスタディーデザインになっていないのではないかと思うんです。なぜかというと、DPC病院と準備病院を比較することは、そもそもDPCのシステムの評価にはならない。なぜならば、DPC病院と準備病院では、来ている患者さんの質も違うし、重症度も全く違う。もしもDPCのシステムのインフルエンスを見るとしたら、初期と比べると、DPC病院で年次的に在院日数が減っていますから、患者の質から重症度も同じなので、比べることができると思います。
 中医協総-2-2参考の27ページの放射線のところで、放射線科の医者がDPC病院では非常に多くの患者を診ているというところだけ、先生は注釈をつけられて、あとは注釈がなかったんですけれども、DPCをやって入院期間が短くなれば、業務量が増えるのは、誰が考えても当たり前のことですから、この調査をするに当たって、調査が必要ではないかということを言ったときに、DPC病院の医師のタイムテーブルをお願いしますと言ったんですが、やはりそのとおりで、タイムテーブルでなければ、勤務環境は無理だということがわかりました。
 先生はこれをおやりになって、DPCは大丈夫だという結果をお話になったんですが、先生も心臓外科医ですから、現場感があると思うんですが、私は現場感としてこの結果に違和感があるんです。全国の大学は、DPCになってから手術件数もどんどん増えていますから、そういう中にあって、業務量が全く増えていないというのはあり得ない。スタディーデザインから先生がおやりになったんですけれども、感想をお聞かせ願いたいです。
○森田会長
 小山分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
 私の感想ですけれども、確かに業務量は膨大になっていると思います。そのための施策として、看護師長がついたり、あるいはクランクがついたりということで、さまざまな施策をしながら、ある意味、過渡期であると理解をしながら仕事をしております。
 いろんな問題が一番起きてくるのは、DPCによって、ある意味、患者さんの集中が少しずつ行われてきて、機能分化をしてきているという思いもしておりますので、方向性はこの方向でよろしいかと思います。
 あとは、中医協の総会の中で、我々医師あるいは看護師の業務を補助していただけるような評価をこれからますますしていただければ、我々は本来の仕事に専念できると考えております。
 以上です。
○森田会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 現場の医師がこの話を聞いたら、非常にがっかりする可能性があると思います。先生がおっしゃるように、DPCがいいか、悪いかということは別にして、現場は忙しい。先生も御存じのように、明らかに論文は減っています。本当は論文も生涯教育ですから、自分がやった手術がどういう結果であったかというのは、医療の発展、患者さんのために必要なんです。そういうことも手抜きになっている。そういうこともあらわしていただかないといけない。
 あと、ここに挙げた小児科の放射線治療医等は、最近の文部科学省のがんプロフェッショナル教育のおかげで、数がすごく増えています。もともと少なかったんですけれども、倍になったりしていますから、そういうことを勘案しますと、現場感からかなり離れているのではないか。
 再入院の問題もありましたが、事実、脳卒中等々は、入院期間が短いと、途中で退院せざるを得なくなるんです。患者さんにとっては、早くリハビリということもあるんですけれども、実はある地方の脳卒中の成績が下がってしまったんです。なぜかというと、入院期間が短いのに、退院時に評価することになっていたからです。それこそDPCが悪いとか、いいとか言っているわけではないんです。そういう現状をきちんと出した方がいいのではないかということで、別の調査をする気はありませんかということです。そんなことを言うと、白川先生に分科会を大事にしろと言われるので、何も言えなくなってしまう可能性があるんですけれども、こういうことは現場からはかなり離れていると感じます。
 若い人たちがこの結果を聞いたときに、厚労省あるいはお国は、我々はすごく忙しくなっているのに、それをくんでくれていないということになって、ますます外科離れというか、仕事がたくさんあるところはがっかりしますので、評価の表現の仕方もお考えになっていただきたいという気がします。
 事務局どうですか。
○森田会長
 小山分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
 嘉山委員が御指摘のとおり、確かに大学での論文の数は非常に減っております。それは多忙を極めているところがあることは事実だと思います。ただ、それはただ単にこの制度がどうのこうのということではなくて、我々の姿勢も大事だと感じております。ある意味過渡期で、そのかわり、今回の診療報酬改定の中でも、医療に対するいろんな人を雇いなさいというようなニュアンスの評価がいろいろ出されてまいりまして、これから少し望みを持って、我々もできるのではないかと感じております。
 それから、脳卒中等々の結果をお話になりましたけれども、DPC評価というのは、我々がやった実績を評価していくわけですから、必要であれば、必要なだけ十分に入院させて治療をするべきであって、単年度では採算が合わないかもしれませんが、次年度にはそれが評価されるというのが、DPC制度の非常にいいところであります。それは我々医療側が必要であれば、採算にかかわらずやっていくという姿勢が大事なのであって、逆に我々の姿勢が問われているのではないかという感じさえいたします。
 以上です。
○森田会長
 どうぞ。
○嘉山委員
 私はDPCのことを云々と言っているわけではないんです。この結果が現場感と離れているので、最後の結論のところで、医師の労働量は増えていないということにしないでいただきたい。
 1つは如実なんです。DPC病院と準備病院を比べるのは、もともと評価のスタディーデザインになっていないと思いますけれども、中医協総-2-2参考の25ページの図8-1の小児科医師1人当たりの症例数の比較ですが、DPC病院は13.5で、そうでない病院は17.7です。DPC病院と準備病院では、患者さんにかかる手間のクオリティーが全然違うと思います。大学等々で言えば、大学に来る小児科の患者さんと、DPCをやっていない病院、準備病院では、そちらの方が少ない。だから、DPCの方が少ないんだ、いいんだということにはならないと思います。患者さんのクオリティーがどういうクオリティーなのかをしっかりと見ない限り、これは評価できないと思いますので、そういう意味でDPC病院と準備病院をただ単に比べるのは、現場の労働の緊迫感があらわれていないということを申し上げているので、その辺は先生にもきちんと評価していただきたいと思います。
○森田会長
 お答えになりますか。
○小山分科会長
 決してそういうつもりで言っているわけではなくて、事実は事実として、数字をお示ししております。嘉山委員がおっしゃっているとおり、これが事実と違うということであれば、違うことを考えるようなデータ、例えばこの中身がわかりますので、重症度がどうかということになってくると思いますけれども、ただ、ここで言っているのは、DPC病院だから、DPC病院ではないからという比較の中では、それほど差はない。全体がDPC病院であろうと、DPC病院でなかろうと、今、大変な状況なんですということを示しているデータだと私は理解しております。
 以上です。
○嘉山委員
 ちょっとしつこいんですけれども、先生も医師である以上、患者さんの質によって、比べても意味がないということは、おわかりになっていただかないと困ります。缶詰工場の同じ缶詰を比べているわけではないんです。患者さんは人間です。その質の違いがあるのは大きいわけですから、事実といっても、バックグラウンドが違えば、比較にならないということは、もう一度最後に確認させていただきます。これはとんでもないことだと思います。エビデンスでこちらの数が少ないとか、多いという問題ではないということです。
○森田会長
 御発言ございますか。
○小山分科会長
 そのとおりだと思います。それに対して、評価分科会の中では、これからの評価の中に重症度分類を入れていくということでございます。今できる評価は、入院して、処置があるか、ないかぐらいの評価しかありませんので、中身については、今後、評価の中で重症度分類を入れていきながら、評価をしていこうということであります。
 以上です。
○森田会長
 どうぞ。
○嘉山委員
 今、先生に言っていただいたので、サブ解析のところで、これは質が違うものを比べてしまったということをきちっと出していただかないと、このまま数字が歩いてしまいますので、その辺はよろしくお願いしたいと思います。サブ解析をしていただきたいと思います。
○森田会長
 ほかにも手が挙がっておりました。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 我々としては、従来からDPCと出来高を平等に評価すべきだということを主張しております。
 幾つか質問がございますが、1つ、嘉山先生もおっしゃいましたが、DPC病院と比較するのに、DPC準備病院を比較ということでは、そもそもDPC準備病院はDPC病院になることを目指していますから、近似した結果が出やすいのではないかと考えられますので、比較対象としては、必ずしも適当ではないのではないか。もし比較するのであれば、出来高病院と比較すべきであると考えます。それについての御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森田会長
 小山分科会長、お願いします。
○小山分科会長
 ありがとうございます。
 従来から先生の御指摘でありますけれども、もし近似した結果が出ているのであれば、確かにそうなんですが、明らかに違うパターンのデータが出ておりますので、よろしいと思います。
 もう一つは、先ほどのところにも出ましたけれども、出来高の病院にこれだけの膨大なデータを出していただくためには、今、比較できない。24年度改定の中で、中医協の総会の方で、出来高病院でも手挙げ方式でデータを出していただけるようになりますので、そのデータが出てくれば、鈴木委員が御指摘のようなことが、これからできるようになってくると感じております。
 以上です。
○森田会長
 どうぞ。
○鈴木委員
 DPC病院は平均在院日数が短く、後発医薬品の割合が高いということをもって、DPC病院は医療の効率化が進展していると総括されておりますが、あくまでもそれは医療費削減といった面からの医療の効率化であり、医療の質の向上を示すものではないと考えます。
 また、医療費削減といった面から見ても、DPCが多い大規模急性期病院は、ここ数回の診療報酬改定により、医療費が集中偏在しておりますので、DPC病院が出来高算定病院と比較して、医療費が低下しているかどうかも検証されておらず、費用をかけて、さらに本当に平均在院日数や後発医薬品の割合以外の真の質の向上が高まっているかどうかという検証が必要ではないかと思うんですが、それについての御意見をお聞かせください。
○小山分科会長
 現在、集めている資料の中で、できる範囲のことはやっていると考えております。もしそれ以上の質の評価が必要だということになりますと、様式1をもう少し詳細化する。ひいては各医療機関の事務作業量がさらに膨大になりますので、その御覚悟があるならば、それはするべきだと考えております。
 以上です。
○森田会長
 どうぞ。
○鈴木委員
 平均在院日数については、短縮化することが評価されていますが、患者さんの身体的・心理的負担となっていることが危惧されます。我々としては、平均在院日数を効率化の指標とすること自体に疑義があると考えております。
 また、DPC参加病院では、平均在院日数に下げ止まりの傾向も見られております。平均在院日数の短縮化が限界にきているのではないかと考えられます。平均在院日数の短縮化が国民の安心、健康に寄与したというエビデンスもありません。平均在院日数の短縮化ありきではなく、患者の状態に応じた適切な医療を提供することが重要ではないかと思います。たとえ平均在院日数を短縮化しても、1日当たりの単価が上がっていますから、総コストとして、それが下がっているかどうかということは、必ずしも言えない。むしろ上がっているのではないかと考えられます。
 患者の増加に伴って、患者さんにとっても頻回な転院ということで、そういう負担が増えているのではないかということも考えられます。そういった検証も必要ではないかと思いますが、それについての御意見はいかがでしょうか。
○小山分科会長
 最後の転院につきましては、患者さんの求められている医療を提供する場所にそれぞれ移っていくという形は、これからの病院の機能を考えて、超急性期、急性期、亜急性期、慢性期、在宅といったことを考えたときには、ある程度患者さんの御負担にはなるかもしれませんけれども、より環境のよいところに移っていただくということで、必要だと思っております。
 あと、平均在院日数を効率化と見るか、見ないかでありますけれども、いつも医療側が批判されているのは、欧米に比べて、余りにも在院日数が長過ぎるという御批判であります。それにはこれである程度の答えが出た。ここ数年のデータを見ると、大体プラトーになってきておりますので、それは我々医療側が在院日数をさらに短くしろというような傾向ではないと感じております。
 以上です。
○森田会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今回の結果では、治癒と軽快の合計値が比較されておりますが、治癒と軽快のそれぞれの傾向は大きく異なっていると考えられます。例えば平成15年度のDPC参加病院について見ると、治癒の割合は明らかに低下しており、軽快はほぼ横ばいとなっております。しかし、治癒の割合は、軽快に比べて当然小さいので、治癒と軽快を合計すると、治癒の傾向は薄まってしまうのではないかと考えられます。治癒と軽快のデータを別々に出すべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
○小山分科会長
 これは後で事務局から追加していただきたいと思いますけれども、私の考えでは、治癒という定義がかなり幅広い、人によって違う。少なくとも患者さんが自宅で療養できる全体を含めて、治癒と軽快という形のものの方が、より現実的ではないかということでもって、途中でかじを切った経緯があります。ですので、治癒と軽快を分けて調査しろということであれば、調査できると思いますけれども、治癒とは何かと聞いたときに、我々外科は手術をします。お腹ならお腹、胸なら胸を開けます。抜歯をすればそれを治癒と言うのか。それとも、組織的に言えば、くっ付いているというんですか、何にもなくなったところを治癒とするのか、そこら辺の判定がなかなか難しいので、どうしても治癒と軽快が混在するような形、病態が生じるのが実際の臨床現場ではないかと思います。
 もし事務局から追加があればお願いいたします。
○森田会長
 事務局、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 今、小山分科会長がお話されましたように、過去の経緯の中で、以前は治癒と軽快を別々に出したこともございましたが、それぞれの定義の違い等によって、ばらつきがかなりあった。それに対しまして、治癒と軽快を合わせますと、そういったばらつきがかなり補正されたということで、治癒と軽快を一緒に出したという経緯がございます。以前、私が企画官で座っていたときに、ちょうどそういうことがあったということで、記憶してございます。
○森田会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 再入院の割合については上昇しているケースも見られますが、予期せぬ理由による再入院ではないという分析がなされております。すなわち計画的入院であるということも推察されるわけですが、計画的入院であれば、再入院が多くてもよいのかという問題が起きるかと思います。計画的再入院ついては、問題ないとお考えなのかどうかをお聞かせいただけますでしょうか。
○森田会長
 どうぞ。
○小山分科会長
 それに関しては、個人の判定の仕方によって変わると思います。基本的な姿勢とすると、病院に入院している状態は、決して通常の状態ではありませんので、患者さんはなるべく自宅にいることの方が、より快適に過ごせるということを考えますと、抗がん剤と抗がん剤の間のような場合は、ずっと入院させておくよりも、1週間でも家に帰る方が、私は患者さんにとってはいいのではないかと思います。ただ、患者さんがもし望まれる場合には、我々は医療従事者として、それに対応していく必要があると思います。
 再入院については、医療評価分科会の中で16項目設定しておりまして、主治医が選択することになっていますけれども、大きく3つに分かれておりまして、計画的再入院、予期された再入院とか、予期せぬ再入院等々を分けております。そのような形の中で分析をしておりますが、再入院よりも入院日数が長い方がいいのではないかという御質問に対しては、個人で違いますので、我々医療従事者とすれば、患者さんが望む方向を選んであげるというのが、考え方ではないかと考えております。
○森田会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 最後になりますが、平均在院日数別に見た治癒・軽快の退院患者割合、あるいは再入院患者の割合、さらに年齢階層別の平均在院日数や患者割合も明らかにするべきだと思いますが、それについてはいかがでしょうか。
○森田会長
 事務局からお願いいたします。
○井上医療課企画官
 今、鈴木委員の御指摘の集計については、技術的な検討も含めまして、この場でできる、できないという即答はできませんので、検討させていただければと思います。
○森田会長
 よろしゅうございますか。
○鈴木委員
 はい。
○森田会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 まずは小山分科会長にDPCのいろんなデータが非常に多くなる中で、膨大な作業を経て、解析をしていただいたことに、御礼を申し上げたいと思います。大変ありがとうございました。
 その上で1点お聞きしたいんですが、中医協総-2-1の20ページ「IV 考察」に、今回の調査で着目した3点が載っています。1ページ目にも書いてありますけれども、ここに注目をして、データの集計をしていただいたということになっています。このうちの3番目、効率化の進展について、効率化ということをDPC分科会ではどのように定義された上での効率化でしょうかということが1点と、効率化の進展ということを3つの着目点の1つに入れられた理由は何でしょうか。この2つをお伺いしたいと思います。
○小山分科会長
 これに関しては、平成16年度にDPCの制度が制定されたときには、確かに効率化という言葉は入っておりませんでした。ただ、我々が実際にやっていきまして、今の保険制度の経済状況等を考えましたときに、効率化ということが当然必要であると感じております。そういった意味で、DPC制度が、そのような制度に対して、サイドエフェクトという形ではないと思いますけれども、そのような形の1つの産物として、効率化という方向性に動いているということがわかりまして、ならば、効率化ということでもって、今、最も一般的に国民から言われている、日本の入院時間は長過ぎるのではないかというところから、平均在院日数等々を指標にしながらやったという経緯でございます。
 以上です。
○安達委員
 この議論をすると、果てしなく続きますが、1点だけ申し上げたいのは、先生が御指摘のように、あるいは私も理解しておりますが、DPC導入のときに、厚労行政から言えば、治療の標準化あるいは平準化等々が一番の目的であって、効率化という文言はなかったはずです。当時の総合規制改革会議等が、この導入について、コメントとして、それを出したことがあると思います。
 今、先生がおっしゃっている視点で、DPC分科会について、ある意味での懸念を持つのは、1つは、入院期間が長過ぎるという国民からの指摘があるとおっしゃいましたけれども、果たしてそうか。財務省の指摘ではないのか。諸外国との比較ですから、そういう意味での厳然たるデータはありますが、先ほど先生がお述べになったように、日本のその他の社会的状況の全てを勘案しないと、平均在院日数の議論は軽々にはできないということが1点であります。
 もう一つは、先ほど鈴木委員の質問にお答えいただきましたが、予期せぬ再発による入院の「予期せぬ」という単語の意味を、例えばアンケート設定したときに、どこまでの範囲が予期せぬなのか。例えば1つの疾病がよくなったとしても、それによる全身状況の影響から考えるべき範囲であったその他の臓器の異常について、これを考慮しなかった結果、その疾患が出てきて、再入院が起こった。そういうときには、それは予期せぬに入るのか、予期したに入るのかという根本的な問題があります。
 鈴木委員の御質問に、先生は入院期間がもう少し長い方がいいのではないかということは、患者さんの希望によるとおっしゃいましたけれども、私は患者さんの希望の前に、厳然たる医学的判断があるべきだと思うということを申し上げます。そういう点からいって、平均在院日数を縮めたことが、直ちに効率化というのは、それだけでは済まない問題があるということを指摘しておきたいと思います。
 同時に21ページには、後発医薬品の使用をDPC化することによって、病院で伸びた。このことも平均在院日数と並んで、効率化の2つの要因として、結論がつくられていると思うんですけれども、非常にこれは単純な話なので、事務局に確認したらいいのかもしれませんが、DPCの入院費用は包括払いですね。その中で、特殊なDPCの包括額を超えるような医薬品については、次の改定まで、それも含めて出来高払いにするというのが現在のルールですけれども、大半のDPC入院において使われる医薬品は、包括払いですから、先発品を使おうと、後発品を使おうと、医薬品代が高かろうと、安かろうと、医療費の支出は同じです。なのに、後発品の使用が進んだことも、効率化が進んだという判断の要因の1つという結論になっている。このことはなぜなんでしょうか。
○小山分科会長
 後発品の使用に関しての効率化でありますけれども、DPCの原理そのものは、前年度の1年間の出来高の実績を、次の年のDPC評価の原資としております。そのために、そこでもって出来高の点数が下がることは、その次の評価の中で、DPC評価は下がるということでもって、これはある種の効率化と言ってよろしいのではないかと考えております。
 以上です。
○安達委員
 済みません、一言だけです。それだけで済まない議論を薬価専門部会でも後発についてはしております。これはいい方の評価という意味で書かれているんだろうと思いますが、これにはいろんな角度から我々も意見があるところでありまして、本来のDPCの分科会の視点からすると、後発医薬品の部分はあえて触れる必要があるのかどうか。平均在院日数については、DPCの分科会の正面を切った課題であろうと思います。そういうことを思いますが、いかがでしょうか。
○小山分科会長
 後で事務局に追加していただきますけれども、ジェネリック医薬品の使用割合については、中医協の中でも使用促進をしなさいという示唆があって、政府目標が決められて、それに向けて動いておりますので、それに対して、DPCがある意味協力するような形で動いていると理解しております。これを評価に入れるか、入れないかについては、逆に総会が必要ないと言われれば、それは外さざるを得ないと思います。
 事務局から追加をしていただきます。
○森田会長
 事務局、お願いいたします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今後どうするかということは、確かに中医協の議論ですが、今回入れたことに関しましては、過去の中医協の議論の結果、このようになったと理解をしております。
○森田会長
 嘉山委員は、この件に関連してですか。お願いします。
○嘉山委員
 再度、小山先生にお願いなんですけれども、DPCでボトムアップが図られたことは、目的をかなり達したんだと思います。我々から見ていても、同じ医療人の中でも、入院が必要でない人を入院させているような病院もありましたので、それが改善されたことは、もちろん健全になったということで、評価します。ただし、先ほども何度もお話しましたけれども、それが行き過ぎると、医療の崩壊が起きる。DPCはいいところもあります。ただ、行き過ぎもあるので、両方を評価で出していただければ、健全ではないかと思います。その辺をお願いしたいんですが、先生、いかがですか。
○小山分科会長
 嘉山委員がおっしゃるとおりです。ただ、行き過ぎるか、行き過ぎないかは、我々の判断というか、我々がやることですから、医療人は行き過ぎないように注意することが一番大事だと思います。行き過ぎか、行き過ぎないかに関しては、DPCというのは、我々がやった結果を評価していると理解しておりますので、我々も努力する必要があると感じております。
 以上です。
○嘉山委員
 そうは言われても、日本人は非常に弱い民族ですから、7対1にした途端に、急性期のベッドがあれだけ増えてしまって、制度というのは非常に大事なんです。ですから、こういう委員会があるんだと思います。したがって、それはあなた方だとしないで、やはり我々も責任を持って制度設計をしていく必要があるので、その辺を勘案していただきたいということです。
○森田会長
 ありがとうございました。
 安達委員、今の件ですか。
○安達委員
 その前の件です。事務局の御回答について、後発医薬品の効率化のところに入れるかどうかということです。
○森田会長
 わかりました。どうぞ。
○安達委員
 事務局の回答は、過去の議論に基づいてということなんですが、過去にどんな議論があったという理解で、事務局はそれをおっしゃっているんですか。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 過去、中医協の場において、DPCの調査で後発医薬品の使用割合の変化を、調査項目に入れるべきだという御議論があり、それ以来、これまで数次にわたって継続的に調査項目に含めていることでございます。
○安達委員
 調査項目に入っていることと、私が申し述べた意見は、全く次元の違う話なのではないかと思います。調査項目で調査データが出ているのはいいです。それはよろしいですけれども、それが効率化の進展の2つのうちの1つの理由になっていることについて、私は疑義を呈しているんです。
○森田会長
 企画官、お願いします。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 調査項目に入っている後発医薬品の使用割合の変化を、実際のレポートにまとめるときに、どのように表現するか。効率化という観点から評価するかということに関しましては、DPC評価分科会の中でレポートをまとめられたときに、こういうまとめ方をした。これは効率化という観点から評価をするべきだという議論がなされた。分科会での議論でございます。
○森田会長
 小山分科会長、どうぞ。
○小山分科会長
 効率化はいろんな効率化があると思うんですけれども、一番ジェネリックが入っているのは、経済的な効率化だと思います。経済的な効率化ということでは、1疾病当たりの費用が下がっていくこと、適正になっていくことを効率化と考えますと、後発医薬品の使用割合、使用状況というのは、効率化の評価にしても、私は間違っていないと思っておりますので、もしそれは違うとここで御指摘するのであれば、それは外すという形になると思います。それは中医協の皆さんの御意見に従おうと思います。
○安達委員
 ですから、最初に申し上げたように、この議論をやると、エンドレスになるということなんです。
 1疾病当たりの医療費が減ることが、医療経済から言えば、同じアウトカムであればという条件のもとで、正しいという限定を我々はつけて議論しなければならないわけでありまして、効率化で直ちにこの話が入ると、霞が関文学の中にある適正化が、引き下げを意味するということが、今や完全に一般的になったような気がして、それについても私は異論がありますけれども、新たに文学用語がもう一つ加わって、効率化ということもそういうことも意味するのか。効率化というのは、単に適正化というか、引き下げるという話ではなくて、最初に申し上げたように、アウトカムが同等であることが保障された中で、どれだけ無駄が省けているかということです。
 あわせて、先ほどから嘉山委員が御指摘のような従事者の負担の問題も含めて、総合的に議論されるべき話だと思っているということがございまして、DPC化したから後発品の使用が促進している。今の小山先生の御指摘だと、準備病院から後発品の使用割合を増やすであろう、だからという御指摘だったんですね。DPC化してからは、後発医薬品を使えば、包括支払いの係数が多少変わるかもしれませんけれども、それはそんなに大きな影響をしているとは認識していません。
○小山分科会長
 御指摘のとおりで、後発に使おうと、使わまいと、調整係数に関してはほとんど影響がないと考えております。そのかわり、疾病ごとの単価は、後発品を使った場合と使わない場合では、明らかに使った方が下がるということであります。
○安達委員
 そこがよくわからないんです。係数が同じであれば、1疾病、1患者、1症例が入院したときに、医療機関に支払われる医療費は同じですね。その中で後発品を使おうと、先発品を使おうと、医療機関の経理には差が出るでしょうが、医療費としては同じではないんですか。
○小山分科会長
 これはDPCの原理の話になってしまいます。
○森田会長
 議論が込み入ってきたように思います。本件は報告事項でございまして、DPC分科会のデータについて報告をしていただいて、その報告の中に評価が含まれておりまして、その評価のあり方について、今、議論がされているところだと思いますけれども、最終的にはこの報告を踏まえて、今度、中医協の総会できちんと議論をすることになろうかと思います。問題点の指摘は大変重要なことだと思っておりますけれども、これはかなり制度も複雑でございますし、議論が尽きないところだと思いますので、そろそろ違う御意見も伺いたいと思います。
 手を挙げている順番から言いますと、牛丸委員が最初で、関原委員、白川委員でお願いいたします。
○牛丸委員
 小山分科会長、ありがとうございました。
 集計に関して確認と言いますか、少し教えていただきたいことがございます。分科会長か事務局かわかりませんが、中医協総-2-2の6ページ、中医協総-2-2参考の9ページです。中医協総-2-2の6ページを読みますと、手術のうち、以下の項目を対象としてということで、幾つかの項目がございます。その下に集計の結果ということで、図3-1がございまして、これが中医協総-2-2参考の9ページの図3-1です。ここまでもっていく集計に関して、私の推測ですけれども、それが間違っていたら御指摘いただきたいです。
 まずDPC病院ですと、こういうふうに数字が70.7と1つですが、当然DPC病院はたくさんあるわけですけれども、それぞれの病院で数字が出てきて、それを平均化した。もちろん1つの病院の中で、多くの項目に関して、それぞれの手術に関する外来実施率があると思うんですけれども、それを平均化したというか、1つにしたことではないかと思うんですが、もしそうだとすれば、私は医療に関しては素人なので教えていただきたいんですが、それぞれの外科手術で違いますけれども、それぞれの外来比率を一本化してしまって、1つの数字にすることで、何かを見ようというのは、問題がないのかどうか、いいのかどうか。つまり外科手術の違いが全部消えてしまいます。単に1つになってしまう。それを使っていくことに問題がないか。問題がないなら結構なんです。素人ですから、そこを教えていただきたい。ですから、集計方法に関して、私の推測が正しいか。違うとすれば、御指摘ください。正しい上で、もしそういうことだとすれば、その辺に問題がないかどうか、それをお願いいたします。
○森田会長
 事務局からお答えください。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 中医協総-2-2の6ページにある1群のものを全部まとめている理由は、こうした1群の資料は、全て短期滞在手術として、患者さんの状況によっては、外来でも対応でき得る手術群という形で、1群にまとめております。確かに個々の手術によって多少傾向は違いますが、全体をまとめることによって、この調査の目的であるDPC導入により、外来ででき得る手術が、あえて入院に移行している傾向がないかどうか、そうした全体的な傾向を見るためには、こうしたまとめ方が適切な調査手法だと考えた次第でございます。
 以上でございます。
○森田会長
 よろしいですか。
○牛丸委員
 はい。
○森田会長
 関原委員、どうぞ。
○関原委員
 先ほどの安達委員の質問はよくわからなかったのですが、嘉山先生がおられたがんセンターなり、今の山形大学、あるいは万代先生の病院も、DPCであれば、病院の経営としては、なるべくコストを下げたい。コストを下げるために、ジェネリックがあるならジェネリックを使って、薬剤費を下げて収益を改善する。病院経営にとって、収益改善は当然の経済活動なわけです。
 問題は、安達先生がおっしゃったように、収入の方は変わらないわけですが、やはり2年に1回とか、何年に1回の診療報酬のとき、トータルとして、その点数が妥当かどうか検討するときに、合理化の部分は全部値段を下げろということではないにしろ、合理化分をどういうふうにするかということを大いに議論する上においても、これは絶対に必要な話だし、そのために後発品の問題をやっているのではないかと思ったものですから、議論の余地がない話ではないかというのが、私の印象です。
○森田会長
 それは御意見としてでよろしいですか。さらにございませんか。
○関原委員
 はい。
○森田会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 安達先生の御意見、関原先生の御意見に巻き込まれると、大変なことになりそうなので、特に意見は申し上げませんが、私の考え方も関原先生と同じ意見でございます。
 確かに医療費の適正化・効率化というのは、20年度に医療法が改正されたときに、政府が医療費適正化計画を設定して、その中で、平均在院日数の短縮、あるいは特定健診等の実施、ジェネリックの量の目標を設定したわけでございますので、そういう観点から、DPCにおいても、医療費の適正化の進捗がどうかということを分析するのは、当然のことだと考えております。
 それ以外に質問があるんですけれども、そもそもDPCを導入した経緯というのは、何人かの先生がおっしゃったとおり、標準化と医療の質の向上という2大目的であったと記憶をしておりますが、今、質の向上については、さまざまな御意見がありましたけれども、小山分科会長のところで分析はされていらっしゃる。標準化については、過去にやったかどうか記憶がないので申しわけないんですが、過去にやっているのか、やっていないのか。今後やる御予定があるのかということをお聞きしたいというのが1点目でございます。
 2つ目は、今回はDPC病院とDPC準備病院、出来高の病院はデータをこれからとるということでございますので、比較データがないというのは、おっしゃるとおりだと思いますし、今後、出来高病院の情報が集まれば、是非比較をしていただきたいと思います。
 もう一つは、DPC病院の数がかなり増えてきて、大学病院から始まって、今、正確な数は承知しておりませんが、1,000を超える数になっておりますけれども、機能評価係数のときに、いろんな分析結果を出されて、それをベースに我々も議論をしたんですが、先ほど申し上げた標準化とか質の向上について、DPC病院自体はどういうことになっているのかという分析も是非御検討いただけないかという、質問兼お願いでございます。
 私からは以上でございます。
○森田会長
 小山分科会長、お願いします。
○小山分科会長
 まさに標準化という御指摘ですけれども、今、そこに向かって動いております。具体的にはどういう形で動いているかというと、いわゆる病院ごとの調整係数から基礎係数という形の概念に変えます。基礎係数になって、病院を1群、2群、3群と分けさせていただきましたけれども、それぞれの群で一番標準的な治療法はどういうことなのかというのは、これから集約されとくるものだと思います。つまり病院ごとの評価がなくなりますので、ある疾患に関しては、こういうものが標準的な治療方法であるということがだんだん確立されて、それを大きく外れてしまうと、病院の運営はうまくならなくなってしまうという形です。
 標準化ということでは、ある意味、今までDPCのデータを使いながら、診療報酬改定を3回ぐらい行ってきているわけですけれども、これによって混乱が生じないということで、データの信頼性がある程度確保できたと考えておりますので、確保できたものを、次の平成30年度に向けては、調整係数をなくして、基礎係数にいくということは、治療の標準化と同意義に考えていただいてよろしいかと思います。
 それから、参加病院が非常に多くなってきていますので、そのためにそぐわないようなものが出てくるかもしれませんけれども、それはデータを見ながら、機能評価係数1とか2の評価をしながら、場合によっては、DPCにそぐわないという群が出てくる可能性がありますが、各病院ごとに、その方向に向かって努力していると感じております。
 以上です。
○森田会長
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
 DPCの病院で後発医薬品が進むということは、関原先生がおっしゃられたように、DPC病院の経営の改善に一番大きな効果があるんだろうということです。後発医薬品の医療に対する質の担保を高める同等のエビデンスになってくるのではないか。これが果たして出来高病院に置きかえられたときに、医療費の総額抑制という面では、進むのではないかと思っているわけです。
 一方、DPCの病院については、後発医薬品を導入することによって、経営の改善が求められますが、出来高病院にとっては、果たしてそのままそれが当てはめられるかというと、そうではないのではないかと思われます。ですから、先般の総会でも申し上げましたが、薬価の原価計算方式の中の定率方式をやっているうちは、間違えなく値段の高いものを導入しませんと、利益は上がりませんので、出来高病院がなかなか導入しにくいという背景があると思っています。ですから、DPCという医療制度を変えていくわけですので、そのもとになっていく材料、医薬品、そのものの計算方式もある程度変えていくという形でないと、全体の議論はできないのではないかと思っています。
 今回のものは、まさに先生の方でエビデンスをつくっていただきましたので、国家的に後発医薬品を導入していくには、どうやったら、医療者の皆さんにも無理なくやっていただけるのか。どこかの誰かだけが血を流すのではなくて、そういう形でやっていくために、もう少し根本的な改善が必要なのではないかというエビデンスが、今回は出てきたと思っております。
 私の意見であります。
○森田会長
 それは御意見として承っておくということでよろしゅうございますね。
○伊藤委員
 はい。
○森田会長
 大分時間も過ぎましたけれども、今回の報告は大変重要なものだと思いますし、これから次期の診療報酬の改定に当たって、この議論は続いていくと思いますが、本日のところはこれでよろしいでしょうか。
 花井十伍委員、簡潔にお願いします。
○花井十伍委員
 長くなって申しわけないんですけれども、今、標準化の話が出ていたんですが、患者の立場からすると、標準化すれば、DPCの医療機関であれば、どこでも安心してかかれるというのが構想だと思うんですが、その過程で、コストを切り込んでいって、ある種病院の経営は効率化していくという問題で、切り込み過ぎたら、これは適切ではないということになると思います。制度を進めていく上で、本当に標準的で安心した形になっているかということをチェックする必要があるので、今後のお願いなんですけれども、パフォーマンスをどこまで切り込んでいくか。中央値が標準だとすれば、いわゆる出来高を比較して、効率化は進んでいないのかもしれないけれども、ある程度コストがかかっている場合と、かなり切り込んでコストダウンしているところがあります。今、パフォーマンスの面では、再入院とか、治癒・軽快という指標にしていますけれども、そういった関連で評価して、中央値で左右のばらつきがないのか、大きいのかということを検証しながら、今後やっていく調査設計が可能であれば、お願いしたいというのが1点です。
 もう一点は、医師の負担の話が出ていましたけれども、私は生まれてから通算で500日ぐらい入院していると思うんですが、ずっと時代を見ていくと、ナースなどでも、ナースコールの鳴り具合というか、つまり同じ夜勤をやっていても、業務が濃厚になっていると思います。DPCだけではないと思いますけれども、医師だけではなくて、ナースの業務なども見て、それがどうなのかということも、今後、調査の課題にしていただけたらと思います。
 以上です。
○森田会長
 それも御意見としてでよろしゅうございますか。
○花井十伍委員
 はい。
○森田会長
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 質問が2つと、意見を少し述べさせていただきたいと思います。
 細かな点で申しわけございませんが、質問の方で、これは事務局にお答えいただいた方がいいのかもしれませんけれども、中医協総-2-2参考の4ページの図1-3-3に箱ひげ図がございますが、ここに○と*がありまして、*は何を意味するのかというのが1点でございます。まずそれからお願いします。
○森田会長
 これは事務局からお願いします。
○井上医療課企画官
 *の部分は、外れ値の外れの割合が大きいものを示してあります。申しわけございません。
○万代委員 そうだと思いますが、そうであれば、そうと注記いただいた方がいいと思います。どこかにございましたか。
 もう一つ細かな点ですが、同じ資料の21ページの再入院による化学療法のところでございます。このタイトルをそのまま読みますと「再入院による化学療法・放射線療法の外来実施率に対する影響」ということで、再入院がどこにかかるかにもよりますけれども、隣の図7-1-1を見ますと、再入院率と外来実施率がありまして、これは二律背反的で、どちらも相入れないものが表になっていると思いますので、まず再入院率が何かということをお教えていただきたいと思います。
 表の100%のところを見ますと、再入院率が一番高い病院が20%の再入院率で、100%外来実施率でございますが、外来で実施していれば、再入院しないはずなのに、再入院が20%もあって、外来実施が100%というのはちょっとよくわからなくて、再入院の率の定義を教えていただきたいと思います。
○井上医療課企画官
 医療課企画官でございます。
 今の御質問の点に関しましては、中医協総-2-1の17ページをお開きください。17ページの「2.調査対象・分析対象データ」がございます。御指摘の再入院の定義でございますが、2の(1)の条件の丸2のところに、今回の調査において、前回入院から6週間以内に再入院があった場合を再入院ありと判定したという形の定義を用いております。説明が不足をしており、申しわけございませんでした。
○万代委員
 そうだと思いましたけれども、全ての再入院を外来の化学療法の実施率と絡めて出すデータというのは、いかがなものかと思います。例えば心不全でも肺炎でも、あるいは手術後の腸閉塞でも、そういったものの再入院全てと外来化学療法の実施率との相関関係を見るような散布図は、意味がないと思いましたので、御質問しました。御検討いただければと思います。
 是非意見を述べさせていただきたいと思いますが、先ほどの安達委員の効率化については、私もすぐに後発医薬品が出てくるというのは、少し意味が違うと思っております。現場の感覚から申し上げて、少なくとも私どもが効率化ということで、どういう医療を提供しようかということは、1号側の先生方にも御理解いただきたいと思います。1号側の方々は、効率化、すなわち医療費抑制ということでおっしゃっておりますけれども、全く反対するものではありませんし、それについて、どういう工夫をしているかということは、お互いに知恵を出していこうと思っております。
 現場の感覚から申し上げますと、1人の患者さんが入院されて、いかに医療費をかけないでその人を治していくかということですので、その中には、例えばAという薬、Bという薬もありましょうし、Cという治療法、Dという治療法を患者さんに提供するときに、どちらがいいのか。患者さんがクオリティーを高く入院・退院していくためには、どのように資するのかということを、常に考えておりますので、そういった意味での効率化という議論にしていただければ、大変ありがたいと思っております。
 これについては以上です。
 次に医療の質ということで、医療の質に関するデータについては、白川委員がおっしゃったように、是非出していただきたいという御意見については、大賛成でございますし、私どもあるいは全国のどの病院も、医療の質について、何とか向上させようと考えていることは間違えありません。ただ、医療の質といった場合、非常に漠然的でございますし、概念的な言葉でございますので、それを具体的に考える必要があろうかと思います。
 ドナベリアン先生という有名な方がおられるんですが、その方の医療の質に対する判定項目を引用するまでもなく、医療の質については、ストラクチャー、行動です。例えば医者が何人いるとか、どういう機械があるとか、アメニティーはどういうものがあるという、ストラクチャーです。プロセス、診療の過程において、どういう診療過程が改善したか。最後はアウトカムでございます。これは結果です。結果については、なかなか算出しにくいということで、現時点で医療の質を判定していく上では、プロセスの評価を重視するのがいいのではないかという考えが、現状だと認識しております。
 その中で、中医協総-2-1の1ページ、医療の質を調査するという中で、2ページ「1.目的」の「(1)医療の質の検証について」とございますけれども、丸1丸2が、今、申し上げたストラクチャーなのか、プロセスなのか、アウトカムなのかということを考えながら、私どもは判断していくんだと思います。治癒・軽快となっていない状態で退院する患者が増えていないということにつきましては、どちらかというと、アウトカムだと思っております。
 そんな観点から、DPCのデータの提出には様式1がございまして、その中には一般的な患者さんの状態のほかに、疾患ベースに即した調査項目が要求されてございます。これにつきましては、年度ごとに盛り込まれたり、外されたりして、現場としては少し困惑しているという苦言は申し上げたいんですが、それはそれといたしまして、例えば心不全に関しまして、ニューヨーク心臓協会の分類を用いた患者さんの状態を、心不全の患者さんについて提出しろ。それだけでは足りないので、最近、クリップ分類をどうしようかという議論になっていると思いますけれども、そういった患者さんの状態を判別できるようなデータを提出しております。例えばそういったものを使って、医療の質の検証をする。そういったことは、事務局にデータがあると思います。現場の医師に書けというのは大変なんですけれども、私どももそういった苦労をしておりますので、そのデータを利用いただきたい。そうすれば、先ほどの白川委員の医療の質についてのデータをもう少し出してほしいということにも答えられるのではないかと思っております。
 最後にもう一つ、準備病院と比べることにつきましても、データとして提出いただきましたので、これはこれとして判断させていただくべきだと思っております。この前の意見にも関係しますけれども、DPC病院としてどうなるかという経年的な変化は、プロセスの改善になるかと思いますが、そういったものはDPC病院個々でデータが出ると思いますので、個々のプロセスの変化を算出して、それを総合的に見るというデータのつくり方を事務局にもお願いしたいと考えております。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 万代先生にほとんどまとめていただいたので、私は万代先生の意見に賛成なんですが、1つだけDPCで我々が現場で困っていることは、DPCの根幹にかかわることなんですけれども、先ほど白川先生から標準化はどうだというお話でしたが、我々脳外科治療は、ほとんどガイドラインにのっとって、北は北海道から沖縄までやられています。かえって困るのは、先進医療をしなくなってしまったんです。昔であれば、こういう薬を使えばと、我々は原体験でわかっているわけです。治験まではいかない。だけれども、これを使ってみたいということが、医師の裁量であるわけですけれども、かえって先進医療に取り組まなくなってしまったんです。非常に困っていて、紋切り型の治療しかできなくなってしまったという感じがしていて、小山先生もおわかりだと思いますけれども、現場でこういう薬を使いたいと、出来高でやってしまえばいいんですが、それも時間的に間に合わないということがありますので、DPCのデフェクトを探していただいて、そこを何とか補っていただければ、現場はこれを非常に受け入れやすくなると考えていますから、よろしくお願いします。
○森田会長
 それも御意見として承っておきます。
 この件については、かなり御意見が出たと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、本件につきましての議論はこの辺りとしたいと思います。
 小山分科会長におかれましては、長時間にわたり、ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。まだアジェンダが大分残っておりますけれども、休憩を入れましょうか。続けてよろしいですか。それでは、続行いたします。
 次に「先進医療会議の検討結果の報告について」。これも報告事項でございますが、これを議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。どうぞ。
○井上医療課企画官
 医療課企画官です。
 先進医療制度に関しまして、中医協総-3-1、中医協総-3-2、中医協総-3-3、中医協総-3-4、4種類の資料を通して簡単に御説明いたします。
 中医協総-3-1ですが、旧来は、先進医療、高度医療の2本立てで走っていたものを、中医協総会の議論等に基づきまして、新たな先進医療制度として一本化をいたしました。一本化した制度につきましては、本年10月1日から新たな制度として機能を始めました。その点に関しましての御報告でございます。
 中医協総-3-1に、これまでの経緯、見直し後の先進医療の分類、新たな会議の役割、その下にある技術審査部会の役割、先進医療として実施されている技術の評価等につきまして、概要を改めて御説明いたしております。
 3ページ目以降は、本年10月1日からの新たな先進医療会議における審査の流れをフローチャートで示し、御参考として、5ページには平成24年9月までの旧制度の流れについてもお示しをいたしました。
 御報告事項の1点目でございます。
 御報告事項の2点目は、中医協総-3-2でございます。関連する御報告でございますが、旧制度のもとで、第2項先進医療、第3項先進医療として評価されておりましたものは、それぞれ本年10月以降の新たな制度におきまして、先進医療A、先進医療Bに振り分けられることになります。個々の技術をどちらに振り分けるかということに関しまして、整理をいたしましたものの御報告でございます。
 次に中医協総-3-3で、新たに先進医療として入ってまいりますものの、意見、御報告でございます。
 中医協総-3-3の1ページ目、整理番号044と書いた技術でございます。多少長いんですが、読み上げますと、自己培養口腔粘膜上皮細胞シート移植術という技術が新たに先進医療として入ってまいりました。
 簡単に技術の概要を御説明いたしますと、中医協総-3-3の10ページ目をお開けください。角膜に障害を受け、視力が著しく低下をした患者さんに対して、角膜移植等を受けられない状況にある患者さんの場合、患者さん御自身の口腔粘膜を採取し、口腔粘膜を培養し、重層化した上皮細胞シートをつくり、それを自分の目に移植するという技術でございます。
 11ページに示しましたように、申請者である大阪大学で被験者数10例で、高度医療として予定をし、結果によっては、その後、薬事承認を目指すものでございます。
 こうした新たな技術が今回先進医療に入ってまいりましたので、御報告いたします。
 引き続きまして、中医協総-3-4でございます。旧第3項先進医療技術として動いているものの中で、取り下げがございましたので、3つの取り下げに関して御報告でございます。
 それぞれ中医協総-3-4の中に取り下げの理由を書いてございますが、告示番号12につきましては、薬事承認を取得したため。
 告示番号10の技術につきましては、無事に計画どおり、臨床試験が終了したため。
 告示番号25の技術につきましては、予定どおり、治療及び観察期間が終了したため。
 それぞれの理由で、この3つの技術が先進医療から取り下げという御報告でございます。
 事務局からは以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 今、中医協総-3-1から中医協総-3-4につきまして、御説明がございましたけれども、これにつきまして、御質問等がございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 報告事項でございますので、特に御質問等がなければ、本件に係る質疑はこの辺りとしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、続きまして「医療機器の保険適用について」を議題といたします。これも報告事項でございます。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。どうぞ。
○井上医療課企画官
 医療課企画官です。
 中医協総-4に基づきまして、御説明をいたします。
 これも定例の御報告ですが、12月1日の時点で、新たに保険医療材料として適用を受けたものを、各区分別に一覧表にして御報告をいたします。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきましても、御質問、御意見等はございますでしょうか。
 特にないようですので、本件に係る質疑もこの辺りとしたいと思います。
 急にスピードアップしてまいりましたけれども、次に薬価専門部会から、長期収載品の薬価のあり方等についての中間取りまとめ案を議題としたいと思いますので、西村部会長より御報告をお願いいたします。どうぞ。
○西村部会長
 西村です。
 薬価専門部会の中間まとめについて御報告させていただきます。
 4月11日の第223回総会での決定に基づき、本年6月より6回にわたって、薬価専門部会において、長期収載品の価格及び副次的に後発医薬品の新たな目標等について、議論を行ってまいりました。その結果として、中医協総-5にございます中間取りまとめを、薬価専門部会として取りまとめましたので、報告いたします。
 中医協総-5をごらんください。中間取りまとめは、大きく分けて、後発医薬品と先発医薬品の薬価の差について、長期収載品(先発医薬品)の薬価及び後発品への置きかえについての2つに分けて意見を集約しました。
 後発医薬品と先発医薬品の薬価の差についてですが、市場実勢価格を反映することを前提とした上で、これを許容することといたしました。
 また、長期収載品(先発医薬品)の薬価及び後発品への置きかえですが、長期収載品の薬価については、市場実勢価格を反映することを原則とするが、一定期間を経ても後発品への適切な置きかえが図られていない場合には、特例的な引き下げを行い、薬価を見直すというルールを導入することとしました。
 なお、単に薬価の引き下げルールだけを先行して決めるのではなく、新薬創出・適用外薬解消等促進加算について、その効果を十分に検証した上で、導入についても、あわせて議論するべきとの業界からの意見も盛り込んでおります。
 最後に副次的に議論することになっておりました、後発医薬品の新たな目標についてですが、全医薬品の使用量を分母とする従来の後発医薬品の使用率から、後発医薬品が存在し得る範囲を分母とする後発医薬品置きかえ率に指標を改めた上で、例えば現状の我が国に一番近いフランス等が参考になるという意見があったことを付記して、取りまとめといたしました。
 なお、後発医薬品の新たな目標については、検討内容を医療保険部会に報告したいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。薬価部会等で十分に御議論の上、出された取りまとめでございます。
 それでは、本件につきまして、中医協として承認するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、ただいま説明のありました件については、中医協として承認することにしたいと思います。
 なお、後発医薬品の目標等につきましては、医療保険部会に報告をしたいと思います。
 この件に関連しまして、事務局よりほかにございますか。どうぞ。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 中医協総-5の「2.長期収載品(先発医薬品)の薬価及び後発品への置き換えについて」のハの一番下のなお書きに、欧米の価格及び後発品を置きかえ率の関係について、確認すべきとの意見があったとございまして、事務局に対して、宿題が出ております。ですので、年明けの薬価専門部会で、宿題事項を御議論していただきたいと思います。
 その際に、中間取りまとめの検討のために参画していただきました、外部有識者、参考人の4名の先生についても、引き続き御参加いただきたいと思います。こちらは提案でございます。
○森田会長
 さらに審議を進めるために、外部有識者の方にも引き続き御出席をいただきたいという件ですけれども、これについて、中医協の総会で承認をいただきたいという提案でございます。いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 それでは、宿題事項の検討期間に限って、引き続き外部専門家の出席要請を認めたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日アジェンダとして予定した議題は以上でございますが、事務局から「その他」として資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○田口歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 中医協総-6をごらんください。
 9月の中医協総会におきまして、堀委員からお尋ねがございました、歯科用貴金属の告示価格の改定に伴う歯科医療費への影響についてでございます。
 平成23年度におきましては、二度の歯科用貴金属の価格の改定を行っております。これに伴います、歯科医療費への推計影響率でございますが、この資料でお示しをしたとおりでございます。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上でございますが、何かございますか。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 要望が1点ございます。今、資料を提起していただきまして、大変ありがとうございました。委員の先生方は御承知のとおり、歯科の保険点数は、金属材料の値段も含んだ点数になっておりますので、半年に1回改定がありますと、自動的に保険点数が上がってまいります。結果として、年間医療費の伸びに価格の見直しの影響が出てくる仕組みになっております。
 今回お示しいただきました0.4、0.8は、半年前の公示価格に対する見直しの影響です23年度の歯科医療費の伸びは2.6%となっておりますのでトータルで、その中にどれだけ価格見直しの影響があるかというデータが、1つ重要な視点になると思っております。手元の試算では、2.6という伸びの中で、半分近くが実際には金属の見直しの影響だと思っておりますので、メディアスで、年間医療費の伸びが、例えば医科入院でどのぐらい、入院外どのぐらい、歯科どのぐらい、調剤費どのぐらいと出ますけれども、並列で出してもらって、そこにこの材料の説明がないと、評価で誤解を生ずる。簡単に言えば、改定がない年は、自然増が過大に評価されたり、過小に評価されたり、改定があるときは、改定の影響が同じように過大評価される危険があると前から思っております。
 要望は、調査課では価格見直しのデータを把握されていないということですので、これからは、できれば、随時改定のたびに医療課から調査課へこのデータを御提供いただきまして、調査課で必要な分析をして、メディアスの御説明のときには、そこが少しわかるような工夫をしていただきたいという要望をしておきますので、是非御検討をお願いしたいと思います。
○森田会長
 これにつきまして、事務局はよろしいですね。
 それでは、本日の議題は以上でございます。
 次回の日程等につきまして、事務局からお願いいたします。どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 次回は年明け1月を予定してございます。具体的な日程が決まりましたら、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○森田会長
 ありがとうございました。
 後半はスピードアップしまして、ほぼ予定どおりに終了することができました。本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 それでは、これで終わりにします。ありがとうございました。


(了)
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代表: 03-5253-1111(内線3288)

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