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2012年12月4日 第3回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成24年12月4日(火)
9:00~12:00


○場所

如水会館 スターホール(2階)


○出席者

池田、田中、千葉、堀田、村川、渡部(敬称略)

○議題

1.介護保険サービスにおける消費税課税の実態調査の実施について
2.関係団体ヒアリング

○議事

○松岡介護保険データ分析室長 それでは、定刻になりましたので、第3回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催いたします。
 初めに本日の委員の出欠状況ですが、藤井委員から欠席の御連絡をいただいております。 会の開催に当たりまして、今回から新たにお一人の方に委員にお入りいただきましたので、御紹介いたします。
公認会計士渡部博事務所の渡部博委員です。
 また、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 原老健局長でございます。

○原老健局長 老健局長の原でございます。委員の先生方におかれましては、大変御多忙の中をこの調査委員会の審議に御協力を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 この審議が円滑に、かつ十分な審議ができますように、事務局としても最大限の努力をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○松岡介護保険データ分析室長 片岡総務課長でございます。
 高橋介護保険計画課長でございます。
 朝川振興課長でございます。
 迫井老人保健課長でございます。
 林企画官でございます。
 本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にもお越しいただいておりますので、後ほど御紹介させていただきます。
 それでは、議事に入る前に、お手元の資料について、確認をさせていただきます。
 お手元の資料1枚目に座席表がございまして、議事次第、委員会の委員名簿がございます。その次に、
 資料1「介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて」
 資料2「介護サービス施設・事業所が行う高額投資に係る消費税負担の実態調査の実施について(案)」
 資料3「按分手法について(案)」
 資料4「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査の調査票(案)」
 資料5「消費税負担に関する関係団体とヒアリング・実施要領について」
 ヒアリング資料が1~9まであると思います。
 ヒアリング資料1「(社)全国老人福祉施設協議会提出資料」
 ヒアリング資料2「(社)全国老人保健施設協会提出資料」
 ヒアリング資料3「(社)日本慢性期医療協会提出資料」
 ヒアリング資料4「民間介護事業推進委員会提出資料」
 ヒアリング資料5「(社)全国特定施設事業者協議会提出資料」
 ヒアリング資料6「(社)日本認知症グループホーム協会提出資料」
 ヒアリング資料7「(社)日本看護協会提出資料」
 ヒアリング資料8「全国健康保険協会提出資料」
 ヒアリング資料9「健康保険組合連合会提出資料」でございます。
 参考資料1、2といたしまして、2つ続いております。
 参考資料1「第4会中医協診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会資料」
 参考資料2「第234回中央社会保険医療協議会資料から診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会からの報告について」
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申し付けくださいますようお願いたしま
す。
 では、以降の進行を田中委員長にお願いしたいと思います。

○田中委員長 おはようございます。朝からお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、議事次第にありますように、2つの議題を扱います。
 1つ目が「介護サービス施設・事務所が行う高額投資に係る消費税負担の実態調査の実施について」であります。
 2つ目が、きょうお越しいただいております皆様方からのヒアリングであります。
 初めに、資料1~4について、事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、資料1~4まで順に御説明をさせていただきます。
 はじめに、資料1「介護保険サービスに関する消費税の取扱いについて」でございます。
これにつきましては、前回9月7日の委員会で介護保険サービスに関する消費税引き上げの対応について検討をスタートしまして、検討項目や今後の検討スケジュールなどについて、御議論をいただいたところであります。今回、消費税の取り扱いに関するスタンスについて、改めて確認の意味も含めまして、1枚整理をしたものでございます。
 1点目、「消費税法の一部を改正する等の法律」が成立したことに伴い、今後、消費税率の引き上げが行われることから、介護保険サービスに関する消費税の取り扱いについて現在検討を行っている、ということでございます。
 2点目、この法律では「医療機関等の仕入れに係る消費税については、診療報酬等の医療保険制度において手当をする」とされており、介護報酬におきましても、過去の診療報酬における対応と同様の対応を行う場合、平成25年7月に実施を予定しております介護事業経営概況調査、これは報酬改定の前々年に通常行っておりますが、この調査で各サービスの人件費割合、非課税品目等のデータを取得し、改定率の検討を行う必要があると考えております。
 3点目、また、現在医療保険側においては、医療機関等が行う高額な投資に係る消費税負担の状況について調査を行い、その対応についても検討することにしていることから、介護保険においても、高額な投資の有無を含めた検証が必要になると考えております。
 4点目、このため、医療保険側と同様に高額な投資に係る消費税負担について調査を行いつつ、今後の対応を検討していくこととし、まずは、関係団体のヒアリングと高額投資に係る実態調査を実施するものであります。この点については、9月の給付費分科会において了承をいただいているものでございます。
 本日の委員会では、事務局から高額投資に係る実態調査の案につきまして、御説明をさせていただいた後、関係団体からヒアリングを行っていただきたいと考えております。
 続きまして、資料2「介護サービス施設・事業所が行う高額投資に係る消費税負担の実態調査の実施について(案)」でございます。
 今回の調査(案)については、先般、中医協の消費税負担に関する分科会において提示されました、医療機関等に対する高額投資に関する実態調査の実施(案)の内容を踏まえ、基本的には医療機関等に対する調査と同様の内容の調査を介護保険サービス施設・事業所に対しても行い、今後の高額投資への対応の議論に役立てたいと考えております。
 このため、調査項目、調査票の内容等については、基本的には医療機関等に対する調査にならって作成しており、これにより今後の中医協における議論を踏まえつつ、同様の観点からの議論に対応するためのデータ取得が可能と考えております。
 「1.調査の目的」としましては、介護保険サービスにおける高額投資に係る消費税の取り扱い等について、検討行うための基礎資料を得ることを目的とするものでございます。
 「2.調査の方針」としましては、繰り返しになりますが、医療機関等に対する高額投資に係る調査と同様の調査を行い、今後の議論のベースとなるデータをできる限り幅広く把握することとし、データ入手方法としましても、医療側と同様に直近の固定資産台帳からデータ取得することを基本としつつ、固定資産台帳からは得られない調査項目についてのみ、調査票による回答を求めることとしてはいかがかと考えております。
 「3.調査スケジュール」としては、医療における調査と同様、年明けの1月に調査を行い、年度内を目途に集計結果を取りまとめることとしてはどうかと考えております。
 「4.調査対象及び客対数」でございますが、今回の調査につきましては、全部で18のサービスについて、各サービス施設・事業所に対して調査を行い、中でも高額な投資が比較的多いと想定される施設系のサービスについて、重点的に調査を行ってはどうかと考えております。
 今回調査の対象外となるサービスは7サービスほどございます。
1つは、居宅療養管理指導でございます。これにつきましては、高額な投資が想定されないため、調査の対象外としております。
 次に、住宅改修でございます。これにつきましては、課税対象でありまして、仕入れに係る消費税負担について控除が可能であることから、今回の調査からは対象外としております。
 3つ目に、短期入所療養介護でございます。これにつきましては、老健施設等の施設との併設型ということでありまして、設備等が重複することからこれとしての調査は行わないということにしております。
 続きまして、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションでございますが、これらにつきましては、施設との併設型が多く、設備等が重複すると想定されることから対象外としております。
 6つ目、福祉用具購入でございます。これにつきましては、福祉用具貸与としてデータを取得することで、調査が可能と考えております。貸与のほうと設備等が重複すると思われますので、購入事業としての調査は行わないという整理でございます。 
 最後に、新サービスの複合型サービスでございます。これにつきましては、本年6月審査分の給付費実態調査によりますと、直近で請求事業所数が2カ所ということでございますので、調査の対象とはしておりません。
対象外7サービスとその理由については以上でございます。
 また、今回の調査は、約2カ月程度の短期間での調査となります。集計・確認作業等がこの期間内に可能な客対数として、全体で4,000程度と考えております。客対数の設定に当たりましては、各サービスにおける標準誤差を考慮して設定しております。新サービスであります定期巡回・随時対応型につきましては、事業所数が少ないことから、29全数の調査としております。
 続きまして「5.調査方法」でございます。調査方法といたしましては、直近の固定資産台帳から調査対象サービスに係る固定資産、あわせて併設サービスとの共用の有無、この2点を台帳上特定していただいた上で、原則エクセル形式での提出を求め、提出いただいた固定資産台帳から直近5年以内に取得した固定資産を抽出するということで、医療並びで行いたいと思っております。
 その他については、これも同様に調査票による調査で補足をしたいと考えております。
「6.調査項目」につきましては、固定資産台帳から取得する情報と調査票で取得する情報に分けて整理をしておりますが、基本的には、医療における調査の調査項目と同じでございます。
 「(1)固定資産台帳から取得する情報」としましては、1、資産の1件当たり取得価額、2、資産の総取得価額、3、資産種別ごとの資産の取得価額、4、耐用年数ごとの取得価額について、直近5年分の取得状況を集計することとしております。
 調査票のほうから取得する情報につきましては、後ほど調査票の案の御説明の際に具体的に説明をさせていただきます。
 続きまして、資料3「按分手法について(案)」でございます。
 介護に固有の特色といたしまして、1つの事業所が複数のサービスを行っているという点があろうかと思います。このため、調査対象施設・事業所において複数のサービスを提供している場合、保有する資産を共用していることが考えられることから、固定資産等を抽出する上で、調査対象サービス以外での使用についても考慮する必要があろうかと考えております。
この点につきましては、今回の資料の事前説明をさせていただく中で、複数の関係団体からも按分について工夫が必要といった御意見もいただいております。このことから、資料2とは別に、資料3として按分について整理をさせていただきました。
「2.対応方法」でございますが、介護保険の給付対象事業における会計区分の取り扱いについて、平成13年に通知が出されております。この取り扱いにおける減価償却費、経費の按分方法、下に参考として表の一部を付けておりますが、この按分方法にならいまして、その手法を採用してはどうかと考えております。
 具体的には、調査票の中で建物の延べ床面積、施設・事業所が提供する全てのサービスのそれぞれの延べ利用者数。この2点のデータを取得することにより、建物については延べ床面積の割合、介護用機器などにつきましては、延べ利用者数の割合によって按分をすることにより、調査対象となる各サービスに係る資産の取得価額というものを算出することとしてはどうかと、このように考えております。
 続きまして、資料4「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査の調査票(案)」でございます。
 これにつきましては、資料2の最後「6.調査項目」と照らし合わせながら、ごらんいただきたいと思います。
 調査票の1ページ、まず「1.基本データ」といたしまして、今後の議論において、高額投資の線引きが収益額に対する資産の総取得額の割合とされる可能性に備えまして、まず収益を把握することとしています。これも医療と同様でございますが、総収益、事業収益及び報酬収益につきまして、それぞれ直近3年分のデータを取得することとしています。また、介護保険に特有の項目といたしまして、報酬収益の外にありますホテルコスト等についても、あわせて調査票で把握をしたいと思っております。
 2ページ目でございますが、先ほどの資料3「按分手法」の関係で必要となりますので、各併設サービスについては、それぞれのサービスの延べ利用者数を書いていただくことにしております。
 3ページ目の「2.設備投資の状況」でございます。
 (1)取得した建物の保有状況といたしまして、直近5年以内に新築または譲渡により取得した建物資産について、取得価額、うち補助金等の額、延べ床面積等について把握することとしております。延べ床面積を把握することにより按分手法への活用ができるほか、今後、建設費の標準的な価額を設定して、対応の上限とするといったような議論にも対応可能と考えております。
 4ページ、(2)介護用機器、医療機器等の保有状況でございます。これも直近5年以内に取得した資産につきまして、取得価額、うち補助金等の額及び機器分類等を把握することとしております。機器分類をこの調査票で把握することによりまして、今後、高額投資の議論をする中で、介護用機器等の分類に着目して区分するような議論にも対応が可能と考えております。
 機器分類につきましては、調査票(案)の8ページ、9ページに掲載をしてございます。
 8ページ、介護用機器分類表につきましては、固定資産台帳に掲載される比較的高額なものとして想定されるものにつきまして、12の区分に分類して整理をしております。医療機器分類表以下につきましては、医療機関等に対する調査で使用される予定のものをそのまま借用しております。また、按分に必要なため、調査票の4ページに戻っていただきたいのですが、この機器の調査票につきましても、共用の有無について把握することとしています。
 次に、固定資産台帳には掲載されないものとして、6ページ以降でございます。
 6ページが、リース・賃貸契約により保有する資産の状況でございます。これにつきましても、直近5年以内に契約したものの状況を把握することとしています。固定資産では把握できない投資的な経費について、高額投資の対象とするかどうか議論される可能性があるため把握するものでございます。
 同様に7ページでございますが、(4)費用処理の状況についても把握することとしております。直近3年以内に行った建物及び付属設備資産に係る修繕のうち、減価償却せずに、固定資産台帳に記載せずに経費処理したものの状況について、これも把握することによりまして、先ほどのリース・賃貸契約と同様の議論の可能性に備えるものでございます。
 なお、全体に係ることとしまして、消費税の実際の負担額を明確にする観点から、取得建物の保有状況、介護機器等の保有状況及び費用処理の状況につきましては、それぞれの調査票において、うち補助金・助成金等の額という欄を設けまして、それぞれ把握をすることとしております。
 簡単ではございますが、資料1~4までの説明は以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。これについての質問や議論は、ヒアリングが終わってから行います。
 早速ですが、本日お集まりの関係団体の方々から、今回の調査の実施案に関することでも結構ですし、そのほか、消費税引き上げへの対応に関して御意見をお伺いしたいと存じます。事務局から紹介をお願いします。

○説明者 ヒアリングの概要につきましては、資料5をご覧ください。
 本日、全国老人福祉施設協議会、全国老人保健施設協会、日本慢性期医療協会、民間介護事業推進委員会、全国特定施設事業者協議会、日本認知症グループホーム協会、日本医師会の計7団体にお越しをいただいております。日本医師会につきましては、まもなく到着される予定でございます。
 また、本日、ヒアリングへの出席はされておりませんが、ヒアリング資料7の日本看護協会、資料8の全国健康保険協会、資料9の健康保険組合連合会から書面にて御意見を提出いただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
 以上でございます。

○田中委員長 では、全国老人福祉施設協議会から、順に発表をお願いいたします。
 なお、時間に限りがございますので、各団体とも意見陳述はおそれいりますが、10分程度でお願いいたします。

○全国老人福祉施設協議会 全国老人福祉施設協議会の桝田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、調査票の件ですけれども、1つは介護老人福祉施設、短期入所生活介護、地域密着型を含めまして、従来型とユニット型と分類を分けて集計をお願いしたいと。少し内容が違ってきますので、そこの部分を同じ形にしますと、少し数字が見えにくくなるのかなと思っています。
やはりユニット型云々の施設種別の問題と、地域区分についても、最終集計は別にしましても、フェースシートのところで記載していただけたら、その分の分類というのがわかってくると思いますので、お願いしたい。調査票は、西暦と和暦が入り混じっておりますので、少しわかりやすい形で、前年度とかいう表記でなくても、年度を特定していただきたいと思います。
 社会福祉法人の問題なのですけれども、この収益という形の部分の総収益額、介護保険事業収益という部分が、少しなじみにくい。まだ、新会計基準にほとんどのところが移っていませんので、従来使っている部分を説明書きか何かで書き加えていただいたらと思います。
 固定資産台帳のほうから転記していく形になりますけれども、工事契約金額という欄を別に構えていますので、そこが非常に把握しづらい。例えば新しい建物を造った場合に請負金額が契約書で出ますけれども、その中には、建物以外の項目が固定資産管理台帳の中で分類しますと、いわゆる台帳に載らなく、一括償却するようなものも入ってきますので、取得価額と工事契約金額の違いという部分が出てしまうだろうと。税区分の違いによって異なってくるのであれば問題ないのですけれども、それ以外の要因が入ってくるので、どのように調査するかというのが疑問点で残っています。
 建物という形の記載方法になっていますけれども、その中に建物付属設備とか構築物とか機械及び装置とかいろいろなものが入ってくるのをどこまで合計でまとめて書いてくださいという書き方がないので、固定資産管理台帳の中で建物だけ抜き出してしまいますと、全体の半分しか把握できないということが起こってきますので、そこも説明書きのほうでお願いできたらと思います。
 今回、消費税の全体のほうの話になるのですけれども、お手元の資料のほうで見ていただきたいのですけれども、11ページの分です。 
特別養護老人ホームの場合ですと、例えば給食に関してですと、業務委託で給食をしている形と直営でしている形がある。今は52%ぐらいの施設が業務委託に出していると。そうすると、今回消費税が変わってきたことによって、業務委託を出しているところはそのまま消費税が上乗せされる。直営をしているところの調理員さんの人件費というのは、消費税がかかりませんので、給食に対する原価の部分が大きく変わってきてしまう。
 今、実態的には、食材料費が大体770円ぐらいが平均値です。委託を出しているところと直営のところの調理員さんの給与関係が1食当たり623円で、委託を出しているところが630円と7円差なのです。5%の消費税がありながら7円差で収まって、ほぼ全体の均衡がとれている。それが、今回8%、10%になってきますと、10%の段階で多分30円差ぐらいが出てくる。そうすると、1日の食費が1,380円の分が、消費税の影響分を少し加味しても、委託に出すところとそうでないところでは価格差がかなり出てきて、統一単価では吸収できないことが起こってくる。
 もう一つは、いわゆる居住費の関係のほうです。そこの部分についても同じような形で、建物が古いところと、消費税がこれから上がって新築する、大規模な修繕をする、そういうときに、新しいのと古いのとによってすごく差が出てきて、その消費税の影響が上がった瞬間にくるのではなくて、除々にやってくるという問題が出てくる。
大きな問題点は、いわゆる基準費用額をどのような設定にしていくのか。今、居住費についても食費についても基準費用額があって、特別養護老人ホームの場合ですと、約8割近い方が基準費用額の適用範囲、第1段階~第3段階に入ってくる。第4段階の方だけが、そこの事業所が設定した居住費なり、食費なりの支払いになっている。そうすると、この基準費用額の設定というのが収入に関して一番大きな影響を持ってきますので、そこの部分の設定をどうするのかという議論をお願いしたいと思います。
基準費用額の部分という分で、人材派遣の問題もあります。人件費の中で見る部分と、いわゆる派遣職員さんを使っている場合のコスト的な人件費として考えた場合に、派遣の場合に消費税がかかっている。その方たちが今回8%、10%になってくると、収支を考えると、派遣の方を使わない方向に向いていくだろう。今の言わば雇用形態で派遣の方を切っている形が果たして望ましいのかどうかも一つの問題点として起こってきます。
そこらの部分を少し単純に単価を、消費税分を加味すれば、今までの形に加味すればいいのではなくて、食費についても居住費についても影響が違う部分。従来型とユニット型の違いの部分で居住費などはすごく表れてきますし、そこらの部分をかなり検討していただきたいというのが要望でございます。
以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 引き続き、全国老人保健施設協会からお願いいたします。

○全国老人保健施設協会 全国老人保健施設協会の会長の内藤と申します。よろしくお願いいたします。
 調査票への意見ですけれども、今回のこの調査票を拝見しますと、大規模改修、高額医療機器等についての調査となっておりますが、我々としてはそれだけではなく、介護施設における消費税負担については、その日常的なサービス提供にかかわる負担の状況を明確にしていただければと要望したいと思います。具体的に申し上げますと、次の3点について要望いたします。
 1つは、老健施設における日常的な医療は、介護保険に包括化されております。医療保険診療と異なり、医薬品費は薬価請求ができない仕組みであります。購入した医薬品に対して保険診療所の請求もできず、消費税も非課税となっています。老健で使用する医療材料費や検査料についても同様であります。仮に診療報酬で消費税分の上乗せがされたとしても、老健施設の提供する医療については、診療報酬の対象外という仕組みになっております。平成20年3月の介護事業経営実態調査を見ますと、老健施設における医薬品費は年額789万円、医療材料費は年額474万円、合計1,263万円となっております。老健施設が提供する医療とその消費税の実態がわかるような調査を行っていただくよう要望いたします。
 先ほど桝田さんのほうが触れましたけれども、補足給付については低所得者対策として補足給付が介護保険を財源として行われております。老健施設においても第3段階までの補足給付対象者は利用者の60%を占めております。この補足給付に伴う基準費用額として食費は1,380円、多床室の場合の居住費が320円と設定されているため、この消費税についても施設が負担しております。この基準費用額を満たすための食材料費、給食委託費などについての調査を要望いたします。
 3つ目としては、平成20年の介護事業経営実態調査によれば、老健施設におけるおむつに関する費用は、1施設当たり年間747万円です。これも施設負担ですけれども、消費税非課税になっております。全老健で行った調査では、この間述べてきた医薬品費、医療材料費、食材料費、これにこの衛生材料費といったものを積み重ねますと、1つの老健施設の年間の消費税負担額は600万円となっております。介護報酬収入の約1.5%を占めております。既にこれだけの損税負担が発生しており、大規模改修や高額な医療介護機器に関する調査だけでなく、日常的なサービス提供にかかわる消費税についての調査を強く希望いたします。
 老健施設はこの間の介護報酬改定によって経営的には非常に危機的な状況にあります。今回、老健施設の収支差率は9.9%とされましたが、開設主体別に見ますと、老健施設を運営する4分の3に当たる医療法人立の経営は、減価償却費を取り崩しながらやっと成り立っている状態です。医療法人立の老健施設の税引き後の収入後は約2,500万円。一方、老健開設時の補助金が少ないために、今、多額の借入金があり、元金返済は年間4,500万にのぼっております。この元金返済のためにやむなく減価償却費を取り崩しているのが実態です。
 年間の消費税の損税600万円、わずかな金額という問題ではなくて、我々の老健施設にとってはこの額の大きさは経営の安定化にとって、極めて厳しい数字であります。老健施設の経営基盤の安定化を訴えると、勝手に自分達で借金しておいて自助努力を怠っているのではないかと必ず批判されております。超高齢社会にあって老健施設のリハビリを中心とした健康寿命増進のための機能は、今後ますます重要性が高まるものと信じております。その役割を果たすべく全国の会員が頑張っていることを報告しておきたいと思います。
我々は消費税、原則課税を要望していくつもりです。ただし、老健施設の経営実態のデータから見れば、ゼロ税率課税以外にないというデータでもあります。医療法人に対する包括的な税制を見直していただきたいと思いますけれども、これは一朝一夕でできるもものではないと思います。老健には医師が配置されております。看護職もおりますので、その医療機能を正当に評価していただき、その社会資源を有効に活用することによって、老健の機能をさらに充実させていただければと思っております。
以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 続いて、日本慢性期医療協会から御報告をお願いします。

○日本慢性期医療協会 日本慢性期医療協会の安藤でございます。
 介護療養型医療施設の場合は、医療保険の病棟とケアミックスの場合が非常に多いものですから、介護という部分だけではなく、多少、中医協で議論されていることも重なってしまっていますが、よろしくお願いします。
 要望が箇条形式になっています。まず初めに全老健の方が言われたように、原則課税ということでございますから、課税としてもゼロ税率、軽減税率、あるいは利用者の方に御負担がかからないような還付制度を創る要望をお願いしたいと思っています。
 2番目として、診療報酬を課税へと変えられない場合には、医療用材料については非課税にしていただきたいという要望です。
 3番目としましては、現在、土地は非課税になっておりますが、医療用建物や医療用機器を賃借も含めて非課税にしていただきたいと思っております。
 4番目、中医協でも議論されていますが、法人税法との調整を考えて高額投資に関しては原則10万円以上の資産にしていただきたいということと、法人税の確定申告後、1カ月以内に申請をして、還付を申請締切月の翌月にしていただくなど、少しでも医療施設に金銭的な負担がかからないよう、また医療施設間の公平な税負担となるような仕組みをお願いしたいと思っております。
 5番目としましては、消費税の値上げとなる税率分は、使途を明確化し、医療、介護、年金等の社会保障に限定するようお願いしたいと思っております。
 6番目としましては、税率に関してです。柔軟な税率を適用していただきたいということで、諸外国の中では嗜好品に関しては高い消費税率を適用するなど、品目によって異なった税率を適用している国が多くあります。膨大な費用を要する医療関係の設備投資においても、現在は同率の消費税が課されており、医療機関の設備投資の減退の原因にもなっておりますので、ぜひとも医療関係の設備投資については、柔軟な税率を設けていただきたいと思っております。
7番目は、消費税の増税にあわせて法人税等の他の税の負担軽減も図っていただきたい。現在、社会医療法人あるいは特定医療法人に関しては優遇措置が設けられていますが、法人税の税率軽減の対象の拡大を図るなど、医療法人に対する税制の見直しを併せて検討していただきたいと思っております。
以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 次は、日本医師会からお願いいたします。

○日本医師会 日本医師会の税制担当の三上でございます。よろしくお願いします。
 ヒアリングのお話を伺いましたのは先週の水曜日ということで、私どもの役員会は火曜日開催のため、今回の意見については機関決定をしておりませんので、本日は文書では提出しておりませんが、後ほど機関決定した内容につきまして、文書で提出させていただきます。本日は口頭で申し上げます。
 また、本日は11時から別の会議がございますので、10時40分くらいに退席させていただきますので、よろしくお願いします。
 介護保険につきましては、平成12年スタートということで、平成9年に消費税が5%に引き上げられた後に創設されたため、形の上では介護報酬の中に消費税額が上乗せされた形になっているということですけれども、介護報酬のどの部分に消費税分を転嫁したのかという議論には限界がございます。その中で今回、消費税にかかわる議論はどのようにするかということについては、少し矛盾が生じるのではないかと危惧をいたしております。
医療保険においては高額投資に係る部分について、別に診療報酬等の医療保険制度の中で手当てをするということで、現在、中医協の中で田中委員長のもとで高額投資に係る調査をすることになっているわけで、今回は介護保険においても同じような形で調査をするということでございますが、高額投資についての定義もないままに調査をするということ。それから、介護報酬の中の消費税分についてはどこにどう入れたかがわからない状態であるということ。さらに医療と介護では高額投資の意味合いも全く違ってまいりますし、高額医療機器のようなものもない。建物以外のものにつきましては、送迎用の車両でありますとか、あるいは特殊浴槽などのもの以外で大きなものは余りないのではないかということもありますし、基本的には消費税負担分が総額わかるような調査にしていただきたいということが希望でございます。
2015年に消費税が10%に引き上げられる予定ということでございますが、そのときはちょうど介護報酬改定の年でもあるということで、8%のときにどうするかという議論ではなくて、10%になった場合にどうなるかということを前提に議論を進めていただきたい。我々としては課税方式では、損税、益税がどちらにも生じますし、公平な負担という形にもならないと考えておりますので、課税方式にしていただきたいと考えておりますが、その上で介護保険には支給限度額がございますので、支給限度額を消費税負担分だけ引き上げることで対応してはどうかということを提案したいと思っております。
介護報酬は非課税ということで、非常に国民に対して優しいというイメージを受けますけれども、課税にして消費税で負担をするのか、非課税のまま介護報酬の中に消費税分を転嫁して負担をするのかということについては国民の負担増という意味では全く同じ意味合いでありますので、我々としては軽減税率方式にすれば、今と同じような形で負担が増えないという形になるのではないかと考えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中委員長 ありがとうございました。
 続きまして、民間介護事業推進委員会からお願いいたします。

○民間介護事業推進委員会 民間介護事業推進委員会の代表委員をやっております山際です。私のほうから民間介護事業推進委員会の意見について、簡単に述べさせていただきたいと思います。ヒアリング資料4となっております。
 まず、最初に2ページ目からいきたいと思います。消費税率引き上げへの対応に関する意見ということで、3点申し上げたいと思います。
 第1点目ですが、消費税率の引き上げによって事業者負担が増加する控除対象外消費税について、負担を回避する何らかの対策を講じていただきたいと考えております。先ほど来お話がありますとおり、介護保険サービスについて、一部のサービスを除いて、消費税分については非課税取引となっております。
しかし、仕入れ部分について一定の課税対象のものが存在しております。現在その消費税分については事業者が全額を負担している状況にございます。こちらの負担金額は、現在の消費税率5%でも事業経営に一定の影響を及ぼすレベルになっているという状況になっておりますので、今後、消費税率の引き上げが行われていった場合に、その負担金額が倍増することとなって、事業経営に大きな影響を与えることが想定されております。
 幾つかの事業者のところで試算なども行っております。サービスごとによって当然その仕入れ部分に係る課税の金額、飲み込んでいる金額の割合は違いますが、一定の割合になっているということで、これが仮に30%とすると事業収入の1.5%に相当する中身になります。その分が5%から10%になれば、丸々上乗せがされてくることになりますので、ぜひここの対策をお願いしたいと思っております。
 2点目ですが、この負担の回避に当たって幾つかの方法が想定されるということでございますが、適切な方策について検討を進めていただいて、実施をしていただくことをお願いできればと思っています。現在のところで幾つかの方策が考えられるわけですが、ここには仮にということで3点書かせていただいております。
 (マル1)現在の医療保険制度と同様に事業者負担の増加分に見合う金額を介護報酬で上乗せをするという方式があろうかと思います。
 (マル2)事業者負担の増加分を仕入れ控除または還付するという方式で、課税で支払っている部分もございますので、そちらの仕入れ控除を可能とする方式あるいは還付を可能とする形が考えられようかと思います。これも幾つかの方式があって、先ほど来、意見として出されておりますような介護保険サービスを課税対象取引としながらゼロ税率を適用する方法であるとか、非課税取引のまま仕入れ控除または還付を可能とする方法等々が考えられようかと思っています。
 (マル3)介護保険サービスを課税対象とする方式があろうかと思っています。
ただ、これらの方式の検討に当たっては、それぞれ営利法人あるいは公益法人など法人の違いがさまざまございますので、そちらの税制上の措置の現状を踏まえた上で、慎重な検討を進めることがあわせて必要だろうと思っております。また、これらの対応策の実施に当たっては、利用者負担を増加させないように利用者の税額控除を可能とさせる施策もあわせて実施することが妥当ではないかと考えております。
3点目、こちらは先ほども若干申し上げましたが、介護保険サービスの種類ごとに課税対象となる仕入れ部分の費用・投資部分の比率は大きく異なってくるだろうと思っておりますので、サービス種類ごとの実態に合わせた対応策を御検討いただければと思っております。こちらについてはこの先、来年の平成25年7月実施予定の介護事業の経営概況調査で当然明らかにされるものと思っておりますので、各サービスごとの実態を踏まえた対応策ということで御検討をいただければと考えております。
3ページ、2番目でございますが、今回の調査票に関する意見でございます。基本的には、調査票の内容そのものについては大きな異論はございません。記入するに当たって幾つか工夫をしていただければと思っている中身です。その内容については、加盟の団体のほうから少しわかりづらいという意見が出されておりまして、その内容は例えば、デイサービスを展開するような場合にデイサービスの建物があって、中の改修工事を行った場合にもかなりの金額がかかるわけですが、そうした内容についても記入しやすいようにということで、これが固定資産台帳に記載されるのか。あるいは通常の経費という形になるのか。それはそれぞれ金額によって違うと思いますが、そうした内容についても記入しやすい例示のような形を入れていただければありがたいと思っています。
一つ一つの備品としてはそんなに大きな金額ではないにしても、かなり一定まとまって購入するような場合がございます。合わせると大きな投資になるものについても、ぜひ例示をお願いできればと考えております。
最後でございますが、今後、地域包括ケアシステムの構築が求められていく中で、民間事業者の役割、責任も今後ますます大きくなるだろうと考えております。介護の事業者が経営の改善ということで自助努力をしていくことはもちろん当然でありますが、税制の制度も含めた環境の整備ということを進めていただければと考えております。
以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 続きまして、全国特定施設事業者協議会からお願いいたします。

○全国特定施設事業者協議会 全国特定施設事業者協議会の代表を務めております、市原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、事業所の設備投資に対する調査についての意見を申し上げます。消費税の値上げによりまして、介護施設、特定施設においても投資を控えることが懸念されておりますので、その実態を調査いただけることについては大変ありがたいし、価値のある有益なことであると考えております。
 ただ、特定施設の調査の客体数がお手元の資料2の2ページ「4.調査対象及び客体数」の真ん中あたりに特定施設が出ておりますが、事業所数が3,800あるのですが、うち客体数が200ということで0.5%くらいで少ないと思いますので、もう少し客体数を増やしていただきたいと思います。特定施設もかなり設備投資が必要な施設でありますので、この設備投資についての調査をたくさん調べていただければ、より実態に近いデータがとれるのではないかと思います。ぜひ1%に近いくらいの客体数まで増やしていただきたいと思っております。特定施設と一口に申しましても、利用者が数名のところから大きいところは100名、200名のかなり規模の大小もばらつきがありますので、客体数を増やしていただかないと実態にそぐわないのではないかと考えております。
 提出資料の2ページに設備投資調査に対する意見を記載しておりますが、今、1番と2番を申し上げまして、3番目です。最近では、特定施設は本社を構えて、多店舗展開をしている事業体が相当数ございます。したがって、本部における投資についても何らかの調査をお願いしたいと思っております。例えば本部における投資は一括して本部で何かコンピュータのシステムを投資する、給食センターをつくる、あるいは備品の倉庫をつくるとか、そんなことも本部の投資ということで十分考えられます。そういった本部投資についてどうお考えいただけるのか、ぜひ御配慮いただきたいと思っております。
 お手元の資料4の調査票(案)の、8ページに介護用機器の分類がございます。大変丁寧に介護用品あるいは介護用機器の分類表をお作りいただいているのですが、これに加えて、例えば健康管理の機器、緊急対応の機器、あるいは省エネ対応の機器、そういった分類も入れていただけるとありがたいと思います。
 例えば健康管理の機器としては、そんなに大した金額ではないと思いますが、血圧計や車いす用の体重計が挙げられます。また、最近は特定施設も看取り介護加算が認められまして、特定施設も看取りについては積極的に取り組んでおりますので、ある程度の医療支援あるいは医療関連機器の胃痩、点滴、吸引の付属機器、こういったものも特定施設では備品として購入する器具になっております。そういった健康管理、医療支援関連機器の項目も入れていただけたらどうかと思っております。
 緊急対応としては、防災ということでスプリンクラーを設備していますが、古くなったので取りかえたいとか、あるいは新規に設備したいというところもあると思います。緊急通報やナースコールも当然設備してあるのですが、リプレースしたいというような需要もあると思いますので、その辺も入れていただいたらどうかと思っています。
 介護とは直接関係ないかもしれませんが、省エネの関連機器で省エネの家電に取りかえる、あるいは自家発電は入っていましたが、自然エネルギー、太陽光パネルを新しく設備とるとか、そういう積極的な投資も特定施設では期待されるところです。その辺りの項目を分類表に入れていただきたいと、お願い申し上げます。
以上が設備投資の調査に関するお願いです。次に特定施設事業者における消費税の取り扱いについて、御意見を申し述べさせていただきたいと思います。お手元の資料の3ページ目の左側が特定施設の売り上げの分類を挙げてございます。居住に係る利用料、食事、介護以外のサービス、介護保険サービス、上乗せ介護費用。上乗せ介護費用は事業者が独自に介護保険にプラスして提供しているサービスのことですが、そういった主な売り上げ項目があります。
それに対して右半分で、仕入れが物件費等は課税の対象になっております。これはどこの介護保険事業所にしても同じであります。仕入れは全て課税で、売り上げについては課税、非課税の区分がありますという表をおつけしております。
これは皆さんおっしゃっていましたが、人件費は非課税で、物件費は課税になっていまして、それが損税になっていることについては、ほかの介護保険事業者と同じでございます。これについても御考慮いただきたいと思います。
資料の4ページ目、ちょっと話が逸れるのですが、今年度に介護報酬の改定が行われまして、特定施設の介護報酬が引き下げになりました。その引き下げの理由としましては、特定施設における介護報酬に占める物件費の割合が55%、半分以上が物件費だという想定のもとにデフレ傾向を反映して、特定施設の介護報酬が今年度4月から引き下げになりました。実際に物件費が55%、あるいは人件費が45%ということですが、実際のデータにおきましては、特定施設は人件費が約70%になっています。この人件費70%の根拠は、分子は直接処遇職員、介護職員や看護職員。分母のほうは介護報酬や上乗せの介護費用。これを分母にいたしまして、人件費率の実態を調査すると70%ですので、その辺の人件費率を見直していただきたいと思っています。
この物件費は55%ですと、これをそのまま5%にかけますと2コンマ数パーセントの損税が発生いたしますが、実際に物件費の損税割合を介護報酬で引き上げていただくのも一つの方法であります。もう一つ特定施設としては人件費比率を見直していただいて、今、人件費率は45%という分類に置かれているのですが、実際は70%くらいですので、その辺の人件費率をも見直しすることによって、実質的な介護報酬の引き上げになると思いますので、どちらかの方法をお願いできないかと思っています。
物件費の損税をリカバーしていただく、もしくは人件費率の見直しを行っていただいて、実質的には介護報酬の引き上げをお願いできないかと思っています。
 お手元の資料5ページに人件費率における介護報酬単価の表をおつけしておきました。右下あたりの見直し後のところで、人件費割合は70%、55%、45%とありますが、特定施設は45%のところに分類されておりまして、特別区と特甲地など地域区分によって単価は違います。45%から引き上げていただければ、地域区分単価が引き上げになりますので、この辺は実態の人件費比率70%を御配慮いただきまして、人件費率の見直しも次回の報酬改定のときにお願いできないかと思っています。
 以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 最後になりましたが、日本認知症グループホーム協会からお願いいたします。

○日本認知症グループホーム協会 日本認知症グループホーム協会副代表の武久でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査(案)についてでございます。客体数が200ということで、1万をはるかに超える客体数の中で200というのは少ないかなと。特に認知症グループホームは営利法人から非営利法人まで、あらゆる法人が参画をしておりまして、有限株式会社の比率が結構高うございます。そういう中でそれぞれの法人別に事情が異なるものですから、これをある程度公平に吸い上げるような客体数と調査数をお願いしたいと思います。
 まず、調査につきましてですが、消費増税分にきめ細やかな対応をするため、高額投資等に係る部分の実態調査を実施することとしては賛成でございます。適正な調査の実施によって、高額投資に係る適正な基準が設定されることを期待申し上げます。ただ、日本医師会の方も申し上げられましたが、どれくらいの限度のものを高額と言うかがわかりませんで、我々グループホームにおける高額というものがその他のいろいろな施設、特養、老健と比べて零細な企業でございますので、それに対しましてはある程度比率ということで、小額であっても影響は多大であることを御理解いただけたらと思っております。
 設備投資の状況についてでございますが、介護用機器、医療機器、調剤用機器の保有状況、固定資産台帳に掲載されているものです。介護用機器分類表の分類内容については、一応一とおり網羅された内容となっておりますが、これをどれだけとり上げていただけるかということが問題かと思っております。
 リース、賃貸契約により保有する資産の状況でございます。これは固定資産台帳に掲載されていないものが含まれます。協会の2009年度の実態調査によりますと、調査対象事業所全体の約20%が建物を賃貸借契約しております。ただし、オーナーが課税売上1,000万以上の免税事業者かどうかによって消費税が課される場合と課されない場合がある。また、消費税が課される場合も非課税となる住宅の貸付部分と課税となる役務の提供部分に関しては、それぞれに係る対価の額を合理的に区分するものとしていただきたい。消費税法基本通達6-13-6でそうされておりますが、担当者の解釈により、実態として合理的に区分されていない、全て課税対象としてみなされることもあるようであります。
 消費税引き上げへの対応に対する意見でございます。私は個人的には、税金は国民が等しく負担すべきものと思っておりますが、消費税も同じと考えておりますが、それはさておき、現在の非課税方式を継続されるならば、介護サービスは公共性の観点から消費税が非課税とされておりますが、仕入れに係る消費税は課税扱いとなっております。消費税率引き上げに際し、仕入れに係る税額が適正に転嫁されず、介護サービス提供事業者に新たな負担が生じないか懸念をしております。
 特に、認知症グループホーム全体の9割以上が2ユニット以下の小規模事業体であります。4割が1ユニット以下の小規模でございます。建物や建物付属設備等の保守・修繕や福祉機器の購入等、高額な投資に伴う消費税負担は、経営の深刻な圧迫要因となり得ます。
 介護サービス提供事業者の経営の安定化の観点から、介護サービス提供事業者に消費税率引き上げに伴う新たな負担が生じないよう、高額な投資に係る部分の実態調査及び介護事業経営概況調査の結果を適正に分析された上で、介護報酬の消費税分の適正な上乗せ幅の設定及び個別の状況に応じた交付金等により、高額な投資への配慮など介護サービスに係る消費税の適正な負担のあり方について、十分検討していただくようお願いをしたい。
 なお、その際、介護サービスの公共性の観点も踏まえた上で、利用者の負担増とならないような配慮についてもお願いしたいと思います。
 そして、もう一つお願いしたいことは、介護報酬への消費税分の上乗せに関しましては、事業者、利用者、そして、全ての国民に理解が得られるような見える化をできるだけ図っていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございます。7団体の御協力で時間を超過せずに済みました。
 では、ただいまから20分か30分、委員のほうから各団体の御発表に対して質問等をお願いいたします。どの団体に対してでも結構です。いかがでしょうか。
 渡部委員、お願いします。

○渡部委員 それでは、全国老人福祉施設協議会の資料の中で1点だけお聞きしたいことがございます。冒頭にございました従来型の施設とユニット型の施設に区分してくださいということでございますが、高額投資との関連でこの従来型とユニット型を区分したときに、どのような見え方ができるのか。ねらいを教えていただければと思っています。

○全国老人福祉施設協議会 5年間に限りますと、従来型は非常に少ないと思います。ユニットとの合築型であってもその形になりますけれども、やはり従来型のいわゆる多床室形態の部分と一人頭の建設コストの違いがどのように出ているのかというのも、ここで同時に把握していただけたらという願いがございます。あとは実際の部分に絡んでいく部分になると思いますけれども、いわゆる居住費が本人負担になるものと、従来型の場合は居住費が介護報酬に含まれているものの違いの部分が本来そこに出てきますので、それを含めた形でここで違いの部分があるのかないのかを含めて、見ていただけたらと思っています。

○渡部委員 ありがとうございました。追加でよろしいですか。

○田中委員長 どうぞ。

○渡部委員 第3回からの参加なので、前回の議事録を拝見していませんのでわからないのですが、益税、損税という言い方がされておりますが、それぞれの各種別団体において、そもそも消費税の申告をされている法人の割合がどれだけあるのかというところは、もしデータがあれば、社会福祉法人、医療法人別にお聞かせ願えればと。株式会社にあってはほとんどが消費税の申告をされているのだと思っております。もしデータがあればということでございます。

○全国老人福祉施設協議会 社会福祉法人に関しましては、課税申告をされているところは多分10%もいかないと思います。行っている事業のほとんどは非課税事業、介護保険以外もそうですので、その中で例えば介護保険事業の中で課税になるのは、いわゆる特別室料であったり、特別の食費、そのあたりしか課税は入ってきません。事業の中で社会福祉事業以外の収益事業等を行なっている事業体はまだまだ少ない状況ですので、ほとんどのところが申告しなくてもいい事業体ということになります。
一番問題になるのは、消費税に対する認識というか、会計上もそれに対していろいろなチェックをかけている事業体も少ないというのが実態でございます。ですから、どの程度の消費税をうちに持っているかどうかの資料をつくるとなると、大変な作業が起こってくるというのが実態と思われます。

○田中委員長 ほかの団体は、消費税非課税の割合については把握していらっしゃいますか。

○全国老人保健施設協会 我々の開設主体がありますので、ほとんどそれに準じていますけれども、納税義務のある方人が大体86%くらいで、免税事業者である割合が12%くらいです。なかなか開設主体によって違いますので、我々も消費税について調査を行いましたが、非常に分析が難しかったところが現状です。

○田中委員長 民間、どうぞ。

○民間介護事業推進委員会 民間のほうですが、今の時点で正確なデータは持ち合わせておりませんので、後日概要について御提出を申し上げたいと思います。

○田中委員長 特定施設、お願いします。

○全国特定施設事業者協議会 特定施設につきましては、全国で約3,700施設でありまして、70%くらいが多分、株式会社だと思います。特定施設の指定は社会福祉法人のケアハウスでもとれますし、あるいは有料老人ホームにおいても一部社会福祉法人あるいは財団法人等が経営しているホームもあります。正確な数字ではありませんが、特定施設においては7割以上が課税法人です。

○田中委員長 グループホーム、お願いします。

○日本認知症グループホーム協会 グループホーム協会では、正確なデータは把握しておりません。恐らく微々たるものだとは思います。微々たる額だけれども、パーセンテージとしては比較的高く出てくるとは思っております。

○田中委員長 では、ほかの観点からでも結構ですので、委員の方々はいかがでしょうか。
 では、私から委員として質問をしてよろしいですか。御要望の中で課税にならない場合、医療機器、医療材料、建物については非課税としていただきたいと書かれています。この場合の非課税という意味は、慢性期医療機関が医療機器業者、医療材料業者や建築業者に消費税を払わないという意味ですか。つまり、消費税を後方転嫁すべきとのご意見ですね。

○日本慢性医療協会 はい。

○田中委員長 課税にしてゼロ税率にするのと違って、医療機関自体が消費税を仕入れ業者に対して払わない方式をつくったらどうかという理解ですね。

○日本慢性期医療協会 はい。

○田中委員長 ありがとうございます。
 千葉委員、お願いします。

○千葉委員 これは事業者団体さんへの質問というよりは、それをきっかけにして事務局さんへの質問になってしまうのですが、構わないでしょうか。
 幾つかの団体さんのほうから客体数の問題が挙がっていたということがあります。この時点でも予算執行とか諸事情もあろうかと思いますが、これはどの程度可能なのか。もしくは今この状態であるのかというのが1つ。例えば機器分類をふやしましょうというのは、これはお金はかからない話なのですが、この辺は対応可能なのかどうかというのはどうでしょうか。

○田中委員長 事務局、お答えください。

○説明者 お答えいたします。一定の客体数につきましては、最初に御説明いたしましたとおり、調査期間、一定の短期間の中でなるべく出てきたものを集計するだけではなくて、細かいところを可能な限りつぶしていくためのやり取りを考慮した場合に、最大どれくらい客体数を拾えるかを勘案して4,000としています。医療側の調査も4種類で4,000ということでほぼイコールなのですが、可能な限り多く見込んで4,000程度ということで考えております。
 機器分類につきましては、これもなかなかよるべきものがない中で検討した結果、今の12分類にしております。本日も団体の方から御意見をいただいておりますので、分類表については調査実施までに可能な限り必要な見直しは行いたいと思っております。また、御意見も賜りたいと思っております。
 以上です。

○田中委員長 老健課長、お願いします。

○迫井老健保健課長 担当は若干遠慮気味に答えておりますので、幾つか具体的に客体数の御要望がありましたから、少し具体的にお答えをさせていただきます。
 1つには、調査期間をある程度限定して実務的に処理をしませんと、スケジュールの問題がありますので、客体数が多いほうがもちろんよろしいのですが、先ほども説明させていただいたとおり、医療の調査の並びで考えて、大体規模としては4,000くらいが適当だというのが御提案です。
そこで先ほどの資料4の一覧表を見ていただきますと、対象施設の数がそもそもかなりばらつきがある中で、ある程度整理をさせていただいて、200という対象施設、対象サービスが多いとお気づきになると思います。このような判断をさせていただいた理由は、これは私どもの統計を所管しております部門とも相談をさせていただいて、何をゴールとしてこの調査を行うかと考えますと、かなり対象施設数が違いますので、全数に調査をした場合に得られるであろうという数字からどれくらい誤差がありうるかという標準誤差率を考慮して大体の客体数を設定してはどうかというアドバイスをいただきまして、一応その考え方で、施設系について少し重点的に標準誤差率の範囲を4%程度にしたらどうかと。それ以外については6とか7%くらい、やや高めになってしまいますけれども、そういうふうに設定をしたらどうかということで、大体この客体数を弾き出しています。
ですから、恐らく対象施設の数がサービスごとにかなり違うのに何で同じように100なのだという御疑問は持たれるかもしれませんけれども、標準誤差の計算方法は調べていただければわかるのですが、少し統計学的といいますか、おおむねこういった考え方でこの数字を設定させていただいたということでございます。

○田中委員長 ありがとうございます。

○渡部委員 せっかくの機会ですので、各団体から集まっていただきましたので、これから議論の焦点になります高額という範疇ですね。これは定義が今はないという御意見がございまして、各団体から集まっていただきましたので、高額という数値感がもしありましたら、お教えいただきたいと思っております。
 私は個人的には、事業規模との比較の相対値あるいは絶対額の2つの視点が必要かと思っておりますが、もし皆さんの中で御意見があればということでございます。

○田中委員長 中医協の分科会のほうでも高額とは何かがずっと議論になっております。こちらについてはいかがでしょうか。介護に関して高額とは何か。
 三上理事、どうぞ。

○日本医師会 高額投資につきましては、いわゆる1点で高額なのかどうかということと、トータルで高額かという話があろうかと思います。医療保険における高額投資に関する議論でも1つ100万の機器を10台そろえないと医療ができないということや、あるいはそれに付随する200万の機械とか500万の機械を足して、全体で3,000万くらいかかるというものもあるわけですけれども、個別にしますと高額かどうかが問題になるということがございますので、全体でどれくらいの消費税負担をしているかということが問題だと思います。
 ですから、はっきり申せば、高額投資という言葉自体が無意味で、投資全体として高額かどうかということ、消費税負担が大きいかどうかということが問題だと思っておりますので、今回の調査にしましても全体での消費税負担がどうなっているのかを見ていただくことが大事だとは思っております。

○田中委員長 老健協会、お願いします。

○全国老人保健施設協会 我々も大規模改修とか設備機器の更新とか調査をしてみましたけれども、開設年度が古いところが少しずつ、今そういうことが発生していて、開設年度によって大分差があるということと、日々のサービス提供にかかわる医療材料とか医薬品とか衛生材料の比率が非常に高いということがありますので、介護分野については、ぜひそういった日常的なサービスにかかわる費用も含めて、全体がわかるように調査をお願いしたいと実感しております。

○田中委員長 日慢協、どうぞ。

○日本慢性期医療協会 法人税法との試算勘定のバランスを考えると、10万円以上を高額としたほうがいいのではないかと思っています。

○田中委員長 今いろいろと意見を伺ったので、後で委員同士で議論をいたしましょう。ありがとうございます。
 池田委員、お願いします。

○池田委員 事業者の方に教えていただきたいのと、事務局の方でどう対応されるかということ、2つ質問をさせていただきます。1つは経営実態調査などを見てもわかるのですが、同じ特養にしても老健にしても、きわめてばら大きい。このばらつきは恐らくこの調査も出てくると思います。このばらつきを、どういうふうに対応していくのか。
 例えば施設の建設年度によって改修とか改装とか、そういうのが決まりますから、これはある意味でばらつきが出るのは当たり前であって、それは何とか補正できると思いますが、設備投資による査定はどのくらいあるのだろうかということ。これは在宅系のサービスよりも施設系のサービスの方にお聞きしたいのですが、どの程度予想されているのかなと。
 北海道でこの間、豪雪がありまして、3日間停電してしまうということがありまして、あれを見ると災害用の設備投資は施設によって随分違います。自家発電がどこまでできるか、そういうのは見ると結構差があるみたいで、この差をどうとらえているか。差し当たっての介護保険3施設の方々に教えていただければ、ありがたいと思います。
 次に集計といいますか、介護保険は大体平均で判断することがあって、これは現実にそぐわないところもあるので、その辺はどのように考えるか。基礎的、基本的な考え方が事務局にあったら、それも前もって教えていただければ、ありがたいと思います。
 以上です。

○全国老人福祉施設協議会 特養関係のほうの話をしますと、一番最初に当初施設をつくったときに高額的な機器類も全部そろえますね。それで建物が大規模修繕的なものが入るのが15年目くらいにかなりの金額がどんと出ていくということが起こります。ただ、設備の買いかえが大体10年で、例えば特浴機器の買いかえは10年。車両関係ですと7~8年は皆さん最低使われますので、5年スパンでするとうまく平均がとれるのかどうかは少し疑問の部分はあります。
 この最近の5年間で全くしなくてもいい時期のところと、どんと来ているところがありますので、1つずつの事業所の数字はすごいばらつきが総額では出てくる。それで果たして平均化できるかどうかはわかりませんけれども、老施協で調査した部分もすごくばらついて、どう処理しようかというのが実態です。同じような調査はデータ的にはやっていますので、分析をしかかっているところですが、非常に難しいなと。これで何が出てくるのだろうという感はしています。

○全国老人保健施設協会 平成24年5月時点で調査を行っております。建物の修繕費、建物の付属設備の修繕費、構築物、これをそれぞれ試算計上額と修繕費、医療用機械、備品についての試算計上額と修繕費、車両、船舶、その他についてデータをとっております。これを1つずつ報告するのもあれですので、資料として御提示したいと思います。よろしいでしょうか。

○池田委員 ばらつきはありますか。

○全国老人保健施設協会 ばらつきはあります。

○日本慢性期医療協会 きちんとした調査は余りしていないと思いますが、介護保険の療養病床の場合は、大体常識的な範囲だと5~6年で内装を変えたりはしていると思いますが、療養病床の場合は特定許可老人病院から加療許可病院になって、加療許可病院から療養病床になったりとか、一般病床から転換したりとか、その制度が変わるごとに廊下幅とか病室面積とかいろいろと変えているので、結構大変だと思います。その施設によって大分違っているのではないかと思っています。

○田中委員長 事務局、何かお答えになりますか。

○説明者 開設年によって、設備投資の状況にばらつきが出ることはあるかもしれませんが、調査の実施に当たりましては、今回の調査は特定の対象をねらい撃ちして行う調査ではなくて、いわゆる層化無作為抽出で行う予定としております。その際に層化の過程で委員がおっしゃった開設年についても層化ができるのかどうかは検討をしてみたいと思います。

○田中委員長 千葉委員、お願いします。

○千葉委員 そういう意味で気になるところというか、これは調査設計の話になってしまうのかもしれないのですが、こういう設備投資関係は毎年経常的に同じ物件について発生しているものではないわけで、例えば同じ財産の増減を伴うものである人件費と全然扱いが違ってくる。私も統計学はかじりなので余り正確かどうかはわからないですが、正規分布の形をとるのか、ポアソン分布とかなどの例外的な偶発的に起きるような事象を記述する分布をとるのかと幾つかパターンがあったはずですが、そういう意味では後者のほうに今回のは当たってくるのではないかという気がしています。
 これは事業者の方に聞きたいのは、今回その調査の設計の中で過去5年間の分を対象としているのですが、これは多分2つの理由があって、1つは回答する側の方の負担、固定資産台帳に全部書けというのは無理だということで、その配慮が1点あると思いますが、逆にそれがどこまでなら耐えられるか。先ほどですと例えば投資のサイクルによって5年だったり10年だったりで、多分5年を超えているようなサイクルのものは、特に高額になればなるほど、そういうのが多いのではないかという気がしますが、その回答の負担に耐えられるのかなというのが1つ。
 逆に実施する事務局のほうで、そこを5年間ということで決めうちしていいのかどうかは、どう判断されているか。今の話についてですね。両面から聞きたいです。

○田中委員長 調査が細かくなれば、当然回収率は下がるので、どこかで決めるしかないと思いますが、老健課長、どうぞ。

○迫井老人保健課長 老健課長でございます。
 このことも含めてですけれども、まず今回の調査の前提といいますか、位置づけを少し改めて確認させていただいた上で、御議論をいただいたほうがいいかなということで補足をさせていただきます。
 これはきょう御紹介しませんでしたが、ヒアリングの資料で今回御出席はされませんけれども、意見として提出されております、特に保険者サイドでヒアリング資料8ないし9ですけれども、今回この調査の調査票の案をお示しして御議論をいただく理由、つまり、制度上どう取り扱うかはまさに現在進行中の議論で、これを本来ですと先ほど日本医師会の理事のほうからもおっしゃいましたけれども、定義なり取り扱いが決まっていない中で調査をするという難しさがあるということでございます。
私どもの理解は、消費税対応のスケジュールが組まれていて、ある程度、現実的な対応が必要だという中で、制度の取り扱いの議論していく、あるいはしていくための素材として高額投資のようなものが問題になっているので、まず医療のほうで主にそこの議論をされていて、介護も一定程度そういう対応ができるような、横にらみでとかそういう表現を使ったと思いますが、そういう位置づけで今回の調査を設計し、お願いすることになりますということです。
ですから、例えば5年でどうして切ったのかとか、そういったものは正直に申し上げまして、医療のほうの取り扱いとある程度整合性をとらせていただくことを我々は非常に重視しましたので、現実的な対応として、どこかで期間を区切らざるを得ないというのは、そういうことだろうと思います。
これは池田委員からの御指摘にも絡みますが、当然5年の中に大体平準的な物事が起こるとは必ずしも言えない側面は当然あるので、今回はそういう時限を切った上でいろいろな実態を出していただいて、それをもとに、もちろん制度が違いますから、介護は介護、医療は医療でしょうけれども、医療保険、介護保険全体で消費税をどう取り扱っていくとか、議論を進めて、さらに整理がなされていく、という手順になろうと考えております。補足でございます。

○田中委員長 どうぞ。

○全国老人福祉施設協議会 少しデータがありますので、例えば平成22年度で特養法の関係で、200施設でどの程度が見たのですが、建物の増改築をしているのは7.8%、23年度で11%、最大値が3億4,800万、最小値が168万。60万以上がいわゆる固定資産として計上する修繕費としての形になっていますので、最低値が60万少々から始まっていて、この3億という改修費をかけているところまであると。22年度ですと8%くらいしか改修していないということは、5年間のスパンで見ると、全体を網羅するには少し足りないかなと。ただ、平均は出てくるのかなと思いますけれども、それくらいのばらつきは当然出てくるので、数値をどう扱うかは非常に難しい状況が起こると思います。

○池田委員 今、課長がおっしゃったとおり、開設時期と5年のサイクルはどうしたってそこでばらつきが起きるのは当たり前であって、これは補正はそう難しいことではないと思います。ただ、サンプル数が足りるかどうかという気はありますが、これはこれでやっていただければいいということを先ほど私は申し上げたつもりです。
 もう一つはそれとは別の問題として、特に施設系が大きいから言うのですが、設備投資の意欲の違いがばらつきに表れた場合は、これは5年サイクルとは違う問題です。そこのところは2つ分けて分析するような指標が必要ではないかと。そういうふうに受け止めていただけるとありがたいと思います。
 以上です。

○田中委員長 全老健、お願いします。

○全国老人保健施設協会 私どもは回収率を上げて、なおかつばらつきを少なくしたいということで、3年間で調査を行いました。

○田中委員長 統計学的に言えば、1施設当たりの消費税負担額の平均値を出そうと思うとばらつきは問題になるけれども、設備投資金額当たりごとの消費税負担率と考えれば、別にばらつきがあっても、さほど問題はないことになりますので、平均金額を出す調査でないとすれば、消せるかなという気もします。
 ほかにいかがでしょうか。村川委員、堀田委員、何かございますか。全体像についてはヒアリングの方が退席なさってから再び議論いたしますけれども、各団体の方々に対しては特によろしいですか。

○村川委員 後ほど。

○田中委員長 もう一つ、私はグループホーム協会にお聞きしたいのですが、よろしゅうございますか。先ほどの法人種別によって違うからとの御発言があったのですが、消費税負担について法人種別が違うということですか。

○日本認知症グループホーム協会 この調査の中に収入とか経営実態が入っていますので、その中でいわゆる営利を追求しなければいけない法人とそうでない法人とで経営状況に非常に大きな差がある。特に調査をされる上で、我々の協会での調査でも有限株式会社の回答率が非常に低いという実態がございますので、ちゃんと調査をされるなら、そのあたりを考慮していただきたいということでございます。

○田中委員長 経営実態調査とか法人税に関する調査ですとおっしゃるとおりですが、消費税に関する調査に至って、法人種別がどういう統計的な影響があるのでしょうか。

○日本認知症グループホーム協会 有限株式会社に関しましては当然、法人税がかかってくるわけですから、そのあたりの実態が本当に反映されるかどうか心配をしておるところです。

○田中委員長 株式会社のほうが消費税分を費用として差し引けるわけですね。消費税の被り方は課税法人のほうが低くなりますね。そういうことですか。

○日本認知症グループホーム協会 零細業者ですから。

○田中委員長 非課税だと非営利法人のほうが消費税を多く被るのですね。そういう理解でよろしゅうございますか。

○日本認知症グループホーム協会 結構です。

○田中委員長 ほかはいかがでしょうか。
 私も委員として2~3発言をさせていただきましたが、ほかになければ、ヒアリングについてはここまでといたして御退席いただくと同時に、10分くらい休憩を入れたいと存じます。
皆様方、お集まりいただきまして、ありがとうございました。55分に開始します。

(休  憩)

○田中委員長 では、よろしいですか。
次に、我々委員の中での話し合い、あるいは事務局への質問でも結構です。委員の方々から先ほどの関係団体の御意見を踏まえ、実態調査の実施(案)について御意見や御質問があれば、お願いいたします。
堀田委員、どうぞ。

○堀田委員 最初に確認ですけれども、この調査の趣旨として、高額投資にかかわる消費税負担の状況について把握とありましたけれども、消費税負担ということに関しては、結局これと経営概況調査をあわせて見るということでいいのかが確認の1点目です。この調査だけでは、消費税負担についてはわからないのではないかというのが1点目の確認です。
 2点目は単純な確認ですが、団体からも幾つか出ていましたが、調査対象事業所の基本属性、特に設立の法人主体、設立年、地域区分といったものは、自動的に接続するということを想定しているのか。法人の基本属性についても同様です。技術的な点です。
 先に技術的な点の確認ですけれども、これはこの調査の中の話ではないかもしれないのですが、資料3「按分手法について(案)」の中で、延べ利用者割合によって介護用機器などについてはというのが書かれていますけれども、私はこの範囲は完全にど素人ですが、訪問系についても余りないから関係ないかもしれないのですが、1週間に30分の人も1週間に5時間使っている人も時間数は関係なく、延べ利用者数割合となっているという理解でいいのでしょうか。ここまでが確認です。
 先ほども出ていましたが、この後に申し上げるのは論点にかかわるところだと思いますが、この調査をするに当たって、改めてこの高額投資というものの定義と範囲はしっかりとどこかで定義づけをする必要があるだろうなということを感じました。一番シンプルなところでも調査の趣旨のほうは高額投資と書いてありますが、調査票の案のほうは設備投資と書いてありまして、そもそもそれもどうなのかということ。機器分類のレベルといった話もそうですが、消耗品、おむつのようなものも加えるのか。法人本部の分も加えるのかといったような高額投資の定義と範囲についての論点があるだろうなということと、先ほど投資のサイクルが出てきましたが、調査票の中で5年サイクルのものと3年サイクルのものが混じっているように、(4)は3年サイクルのように見たのですが、これはどうすればいいのかも議論の必要があるのではないかということ。
 最後は、これは私がわからなかったことで、議論すべきなのかお答えいただければいいのですが、先ほど医師会の方の御指摘があったと思いますが、この中で把握された設備投資の中で、介護報酬でどこまで支出されたのかについては、この調査の目的上、押さえる必要があるのかないのかについては、確認させていただきたいと思います。
 以上です。

○田中委員長 満を持して質問が10個くらいあったのですが、確認が3点あって、高額投資の定義を定めよ、サイクルが2つあるがいかがか、介護報酬の収入割合によって設備投資がどこまでそちらに振り分けられるべきか。
たくさんありましたが、事務局、お願いします。

○説明者 順にお答えをさせていただきます。
 まず、消費税負担はこの調査ではわからないのではないかという御意見ですけれども、医療と同様に高額な投資がどれくらいあるかを過去5年さかのぼりまして、調査をするということでございます。その中で実際に消費税を幾ら支払ったかという調査内容にはなっておりませんが、投資に対して5%消費税はかかるという前提のもとに、どれくらい投資があるかを把握したいというのが今回の調査の趣旨でございます。
 2点目の事業所の基本属性につきましては、調査票の中であえて項目としては設けておりませんけれども、母集団名簿の作成において、法人種別がそれぞれどういったところに対して調査票を配布してお願いするのかということは、前提として把握をしておりますので、調査票の中であえて項目としてとらなくとも集計は可能でございます。

○堀田委員 それは接続して集計するということですね。

○説明者 可能です。
 それから、3点目、按分の件につきましては、もう一度御質問の趣旨を確認させてください。

○堀田委員 これは本当に私が不勉強なのですが、訪問系のサービスについて、介護用機器などについて延べ利用者数割合がやや違和感が何となくありまして、1週間に30分利用の人も1週間に5時間利用している人も関係なく、積み上げた延べ利用者数で割ると今はなっているわけですか。

○説明者 この会計区分の考え方としましては、もちろん使用高割合で区分をするのが、例えば減価償却費の場合ですとそうなっておりますが、区分が困難な場合は延べ利用者数割合で按分することになってございますので、今回の高額投資、主に建物と機器になると思いますが、これについてはそれぞれ建物は延べ床面積、機器につきましては延べ利用者数の割合で一律按分をしたらどうかという御提案でございます。
 次の点ですが、調査票に高額投資という言葉は書いてございませんけれども、今回の調査は医療がこれから行う高額投資の調査と同様の調査を介護についても行うということで、調査票の調査の名称も医療側の調査にそろえる形で、このような調査名にさせていただいているところでございます。
 調査票の中の(4)費用処理のところで、過去3年分ということで固定資産は5年分とるのにというお話かと思いますが、費用処理につきましては固定資産台帳には載ってこないということで、これについては帳簿に当たって記入していただくしかないという前提でございますので、そこは最初の基本データで出ております収益と同じ話なのですが、記入者負担という点も考慮いたしまして、5年ではなくて直近3年分にしているところです。
 最後の御質問については、確認させて下さい。

○堀田委員 介護報酬でどこまでというのは、とらなくていいのかということです。

○田中委員長 老健課長、お願いします。

○迫井老人保健課長 もしかしたら私どもの質問のとり方が間違っているかもしれませんので、その際は確認をいただきたいのですが、今回の調査の大前提は、介護保険関係のサービスにかかる設備なりサービスを調査するわけですので、その時点で既に基本的には入口で整理がされているという前提での調査でございます。
 それに関連するのですが、先ほどお答えさせていただい部分を少し補足させていただきますと、これはヒアリングの際にも例えば医師会さんとか、全老健さんもおっしゃっておりましたが、そもそも消費税全体をちゃんと調査してほしいという御要望があったように思います。その調査自体は今回の高額投資だけで全て完結することには当然なっておりませんで、通常行います改定のときにある経営実調等のそういったものとの組み合わせのトータルで消費税の対応を検討していくことになります。
 按分の中の時間の話は、例えばマンパワーについて言えば常勤換算のように時間を勘案する調査の仕方ももちろんあるのですが、膨大な手間を要しますし、それを徹底することは現実的ではないと考えますので、確かに時間の要素が異なるものを含めて全部、ある程度大ざっぱにとることにはなりますが、逆に平準化はされるであろうということで、ここは割り切りでございます。
 これは今後、御議論されることになると思いますが、高額投資の定義についてでございます。これはそもそも取り扱い自体についての議論があるという前提で調査をするというのが、先ほど私も補足をさせていただいたところですが、その取扱い自体を制度で議論していただくのですが、介護については少なくとも現時点で、ある閾値でこれ以上のもの、これ以下のものという取り扱いはしておりません。ちゃんと数字をとらせていただいた後で、制度の中でどう取り扱うのかという議論のときに、そのことは多分俎上に載るのかなと。
その際には、当然、医療のほうの取り扱いとの並びなり、参考なりはあろうかと思っておりますが、現時点であくまで、まずは調べさせてくださいというスタンスで整理をさせていただいている関係で、定義は今のところはございません。そういう趣旨でございます。

○田中委員長 よろしいですか。調査の段階では区別せずに調べてしまうようです。ありがとうございました。
 渡部委員、どうぞ。

○渡部委員 先ほどグループホーム協会さんの立場と田中委員長との議論の中で、法人格の主体によって消費税の負担がどう異なるかというところで、非常に洞察を富む議論だったと思っております。例えば医療法人や株式会社等であれば、損税と言われるものは最終的には法人税の上で費用になる。ですから、100の損税が存在したとしても、法定実効税率が4割だとすると、負担は約6割だろうと。
一方、社会福祉法人等でその損税になったものを法人税等で取り返すすべがない団体については、100の損税はそのまま100の損税なのだろうと考えておりますので、その点に関して今回の調査でそれを峻別する必要があるやなしやと。もし、ありということであれば、基本調査に入るのかどうかはわかりませんけれども、法人格の違いといいますか、医療法人であるのか、株式会社であるのか、そもそも法人非課税となっている社会福祉法人であるのか。それによって絶対値としての損税の負担化が丸っきり違うのだろうと思っておりますので、もし可能であれば、基本データの中に法人格の違いを入れておけばよろしいのではないかと考えております。これは事務局に対する要望でございます。

○田中委員長 先ほど堀田委員が言われたことと同じで、それはわかるという答えでよろしいですか。

○説明者 調査票として項目はとらなくても、法人種別ごとに集計することは可能でございます。

○千葉委員 1つ関連質問ですが、その場合、例えば種別としては消費税課税もありだけれども、課税対象売上額で非課税になってしまうというか、税負担のない法人は営利法人の場合はあるではないですか。そこのところまでとれるのですか。具体的に1,000万というラインです。

○渡部委員 消費税の負担については、基本データの中の1の(3)で、消費税の申告をしているか、していないかというアンケート項目があります。

○千葉委員 これでわかるのですね。失礼しました。

○田中委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 今おっしゃったことは非常に興味深い話で関心があるのですが、社会福祉法人は税制上の優遇措置が置かれている。その議論をすると今度は民間のほうがイコールフッティングにすべきではないではないかという議論を必ず惹起する。私はそこまで言ってもいいと思うけれども、この消費税の問題で解決することは時間的に不可能であろうということで、おっしゃっていることは十分よくわかるのですが、ある意味で戦略戦術的な問題として、それを提示するのはいいのだけれども、それを一つのテーマにすると議論がずれているおそれがあるので、その辺の取り扱いを注意したほうがいいなという感じがしました。
 いずれにしても事務局のほうも、この問題で社会福祉法人の税制上の問題は別の問題ですね。やるとすれば、社会保障国民会議のほうの話ではないかというくらいの話だから、そこのところは大体民間の方はわかっていらっしゃるというか、営利団体はわかっていらっしゃると理解していいですか。その辺は常識があるのでしょうねと。これは質問ではなくて、感想にしておきましょう。

○田中委員長 堀田委員、どうぞ。

○堀田委員 今のに関連して先ほどの補足ですが、接続できるデータの中で、少なくとも今も話が出ていました法人主体と設立年と地域区分については、できれば分析の軸として考えていただきたいと思います。ただし、客体が少ないので、事業種別かける今の3本をやるだけでも相当少なくなってしまうかもしれないので、状況を見ながら法人主体と設立年、地域区分については、分析の軸と考えていただきたいというリクエストです。

○田中委員長 村川委員、お願いします。

○村川委員 詳細な論点については、先ほど堀田委員から随分出ましたので、大まかな観点から2~3述べたいと思います。
 基本的には、このたびの調査は社会保障と税の一体改革法が成立した上での介護分野での消費税をめぐる動向、実態把握ということが先行いたしますので、資料2については基本的には了解するわけであります。ただ、細かい論点としては、先ほど千葉委員からもありましたけれども、対象サービスの位置づけの中で一つ疑問に思っておりますのは、通所リハビリテーションは今、省かれた形となっておりますね。
これについてはある角度から見ると、通所介護事業所については対象となっている。なぜ類似のサービスでそちらがないのかなという疑問が出てくるわけで、確かに一つの見方としては、介護老健施設の通所部分のような形式をとっているところが多いとか、医療機関のみなし指定とか類推はできるのですが、通所リハビリがなくてよいのかどうかというのが1点であります。
2点目は、先ほど千葉委員から出されました、客体数であります。端的に私はふやすべきかなと思っておりますが、確かに入所施設優先といいますか、少し比重を置くのは基本的な判断としては正しいと思いますが、居宅サービスあるいは地域密着かもしれませんが、この特定施設の関係については、経営主体別ということもあり、有料老人ホーム系のところ、ケアハウス、サービス付き高齢者住宅、実態としてはいろいろなことが考えられるので、そこは少し増やしつつということもあるのかなと。逆に近年、事業所数が減っている介護療養型医療施設は少し減らすこともあるのかなとか、全体で4,000くらいという枠がどうもあるようでありますので、適宜なバランスのとれた進め方をされたらどうかと思っております。
もう一つは、開設年について御意見がありまして、私も同感の部分もございます。これははっきり言って、この介護保険制度のほうが後から始まったといいますか、例えば特養などは50年の歴史がありますし、介護老健施設についても初期のものは二十数年の歴史がある中で、やはり大規模修繕はそれぞれで大きなテーマでありますから、そこのところの把握が過去3年、補助金のほうは5年ということを行っておりますが、そのあたりをどうとらえていくのか。これは経営実態全体とも少し違いますから、どこまで突っ込むのかということがあります。
ただ、客体を層化していくときに、先ほど開設年の論点もありましたし、経営主体別の観点もあると。しかし、客体数はどうも全体として限られている側面もありますので、後はバランスのとれたやり方で委員長に御判断をいただければと思っております。
以上です。

○田中委員長 ありがとうございました。
 一部の事業ラインについて調査しない理由を改めて、もう少し説明いただけますか。

○説明者 通所リハビリにつきましては、施設との併設型が多いということで、恐らく老健施設なり医療機関、病院になろうかと思いますので、基本となる医療機関側との設備の重複が多いのではないかというところで、介護保険サービスとしての通所リハビリ単独で抜き出して、高額投資の調査をするというところまでは必要ないのではないかということで、対象外としているところであります。
 客体数につきましては、先ほど老健課長からもお話をさせていただいたとおりでありまして、3施設とそれ以外とで標準誤差をある程度そろえる形で、結果的にこの客体数になってございます。地域密着系、小規模多機能などにつきましても全体は3,700ありますが、そこをそろえると結果として200ということでございますので、基本的にはそういうことで御理解いただきたいと思っております。
 以上でございます。

○田中委員長 きょうはまだ調査票(案)ですので、ここは直さなければというのがあれば、今月もう一回開く予定の委員会で最終案にいたしますけれども、きょうの御意見を踏まえますので、ほかにございましたら、どうぞお願いします。
 千葉委員、どうぞ。

○千葉委員 貸付をやっている機関の人間がこういうことを言うのもあれですが、調査票の3ページで設備投資の状況があって、施設とか宿舎とか例示があります。この中で上の科目で取得価額と工事請負金額があります。
これは事務局に聞くより、むしろ専門の渡部先生に聞く質問になってしまうのかもしれないのですが、この2つを分ける意味は何かありますか。取得価額と工事請負金額は台帳上、そもそも分かれているかどうかというのが1点。多分工事は台帳にはないはずなので、その2つは分けるのですか。

○渡部委員 工事契約金額と取得価額の差についていいますと、設計士の費用や管理費、工事契約そのものに織り込まれないものが取得価額として計上されているだろうと思います。工事契約は工事直接費で、取得価額はそれにプラスすることの工事間接費を含んだ数字だと理解をしております。
 工事契約金額自体は確かに台帳では捕捉しづらいかとは思っております。ただ、台帳によっても本体工事価額、設計管理料あるいは設計料、工事付随料を建物自体の台帳の中で4つ、5つ、6つに分けて登録されている場合もありますので、そのような場合には簡単に捕捉できるだろうと思います。

○千葉委員 機構の融資実行後に徴求する完了報告などではこの2つはとるのでしょうけれども、これは調査可能なのか、とって意味があるのか。限りなく近いものではないかと思うのですが、そこに分けてとる意味は何があるのかがわからないです。
これは逆に事務局のほうに質問になってしまいますが、ある意味、医療との並びでということでとられている部分で、多少は仕方がないところはあると思いますが、逆につかんでいらっしゃらない可能性があるものを無理してとると結構しんどいかなと。被験者側の負担とか調査実施可能性みたいなところからどう判断されているか、もし御意見があったら教えていただきたいと思います。

○田中委員長 お答えになりますか。

○説明者 お答えいたします。今、渡部委員からもありましたとおり、取得価額としての額以外に、あらかじめ建設のために行った調査や測量、計画変更により不要となった部分など、取得価額を上回った額が入ってくる前提でこの欄は設けております。医療側の調査でも同様の項目立てになっているため、介護のほうでも載せているところです。
 正直申しまして、調査項目として、ここまでとる必要があるのかどうかという点は、逆に余りとる必要がない項目でしたら、ここを落とすことも議論していただければと思いますが、医療側の調査とそろえておくのが安心というのは本音としてございます。
 以上です。

○千葉委員 わかりました。ありがとうございます。

○田中委員長 ほかに御質問あるいはアドバイス等はございますか。
 渡部委員、どうぞ。

○渡部委員 先ほどから設備投資のサイクルといいましょうか。調査対象期間が5年よりもっと長くとる必要があるか。あるいは簿外のものについては3年が是かという議論がございます。もともと中期計画といいますか、設備投資計画を例えば5年を超えて、あるいは6年、10年のサイクルで計画をされているところは、なかなか民間企業でもないのだろうと思っております。そもそも事業環境が非常に激しいものですから、確かに大規模修繕などは最初が15年、その後は10年、最後は5年とだんだんサイクルが短くなってくると思っております。
もともとここの調査で把握する期間につきましては、ここで把握された報酬の改定のタイミングといいましょうか。3年をカバーするのか、5年をカバーするのかという議論のほうが、私は何となく大事なような気がしております。報酬改定に関しては3年に1回と理解をしておりますので、最低3年あれば十分な期間ではないかとは理解していますが、いかがでしょうか。

○田中委員長 ありがとうございます。
 千葉委員、どうぞ。

○千葉委員 それについては、例えば経常的経費関係のものであれば、その間のということで今の話は成り立つのですが、長期にわたって使用し続ける固定資産については、その期間の費用配分は確かに減価償却等としてはあるのでしょうけれども、その時期にたまたま設備投資が発生したかどうかとは別次元の話ではないかと思って、先ほど委員長がおっしゃったように、そこで発生したものの平均をとって、その実態はどうかとつかむのがむしろ今回の調査なのかなと思ったので、そこはそのサイクルとは違うのではないかと私は思います。

○田中委員長 設備は5年でいいですか。

○千葉委員 結論はもうこれでいいかと思います。

○田中委員長 ありがとうございます。
 事務局から委員の方々の意見を伺っておきたい点は、ほかに何かありますか。高額機器は調査の段階では定義しなくてよいという御説明がありましたが、分析に当たっては必要なのですね。

○迫井老人保健課長 逆に言いますと、現時点でそういったことがイメージしづらいところもありまして、定義をすべきだという御指摘もあったように思っております。ですから、むしろそれは出てきた調査をもとに御議論いただくべき性質のものかと思います。

○田中委員長 どうぞ。

○千葉委員 今さら確認ですけれども、今回のこの調査の対象で、調査票などを見ても設備投資の状況で台帳から移してきたり、介護用機器で移してきたり、またはオンバランスになっていないファイナンスリース等々のものを持ってきたりやっていますが、逆にこれは機械的に固定資産管理台帳に載っている過去5年分のものに該当すれば、全部持ってくるという形でいいのですね。今のところは高額だというスクリーンはかけていないということでいいのですね。
 その場合だと、例えば介護機器はさっきの分類表の範囲になってしまうのですが、これでその施設の持っている投資により取得された物件全てが網羅されているのですか。それとも、ここは対象としていないところがわかった上で調査をされているのでしょうか。そこは確認です。

○説明者 お答えいたします。この調査において、調査票の2番に該当する介護用機器、医療機器につきましては、高額なものとして想定されるこの範囲をあらかじめ限定して調査するものではございません。委員のおっしゃるとおり、固定資産台帳に載ってくるのは最低単価10万円以上になろうかと思いますが、その事業所の固定資産台帳に載っているものについて、その機器の中身で分類分けをしておく必要があると考えるため、この4ページの調査票を用意しているということでございますので、8ページにあります介護機器分類表から漏れるようなものがあってはいけないという前提で作成しているつもりでございますので、そういう点でもこの分類表に対しては御意見をいただきたいと思っております。
ですので、固定資産台帳に載ってくるものは基本的に調査票の4ページ、機器であれば、ここに全て載ってくるものと考えています。医療側の調査は病院の規模によって一定のラインを設けるような案に今のところはなっておりますけれども、介護の場合は幾ら以上のものしか書かないということではなくて、台帳に載っているものを分類分けのためにこの調査票上に落としていただくということで作成をしてございます。

○田中委員長 それに対して意見はどうかと聞かれましたけれども、いかがですか。

○千葉委員 そうすると基本的には施設の持っている財産は全部ここで吸い上げますよということだと思うので、ポイントになるかなと思うのは、調査票の末尾にある機器分類表のカバレッジで、今は限定列挙になってしまっていますが、バスケットクローズみたいなものをつくるかどうかという判断は要るのかなと思います。そうするとバスケットクローズで落ちたものがいっぱいあると、後でまた分析者側で分類し直さなければいけないという手間がかかるので、タイミング的に厳しいのかなとは思うので、これで施設にあるものはほぼ尽くされているよということならいいのですが、私が見た感じだといいのかなという気がしますが、何かうまく確認してやっていったほうがいいのかなと思います。

○田中委員長 老人保健課長、お願いします。

○迫井老人保健課長 これは今後の段取りにもかかわるのですが、途中の御議論でも介護保険にそもそも係るものなのかどうなのかもはっきりさせるべきだという御指摘があったように思いますが、資料2の2ページに調査方法のところで書かせていただいております。2ページの4のリストに該当するものは調査対象サービスになるのですが、このサービスに係る固定資産ということで、まず各施設で網をかけていただきたいという趣旨です。その各施設がこの対象サービスに係る固定資産なのだという判断をされたものは、おっしゃるとおり、あとは固定資産台帳に載っているものは全て基本的には調査されます。
 ですから、次にそういったものが出てきたときに、先ほどの分類表がちゃんと機能するかどうかがポイントで、我々としてはそういう意味もあって、特にサービス提供者さんの団体をはじめとして見ていただいて、こういった項目でどうですかと。きょう具体的な御提案が若干あったように思いますが、それも含めてもう少し、次の最終案をお示しするまでに再度御確認をさせていただいて、あくまで実務として回ることが重要だと思っておりますので、そこの精査は引き続きさせていただきたいと思っております。

○田中委員長 堀田委員、どうぞ。

○堀田委員 今のに関連して、全て載せていただくということであれば、機器分類表の中で医療機器以下はその他がありますが、介護用機器のところにその他を加えるか、もしくは具体的に出されたのは、きょうは特定施設の団体だったと思いますが、健康管理費とか緊急対応とか、そういったものを追加しないと介護用機器について漏れてしまうので、どれだけ加えても必ずその他は必要ですということが第1点と、加える必要があるのではないでしょうかというのが2点目です。
 以上です。

○田中委員長 ありがとうございます。
 調査の先の手順ですが、按分は調査主体が行うのですか。現場の方は、例えば車をいろいろなサービスに使っているけれども、車を持っていれば、それは書いていただいて、按分は調査主体が行うという理解でよろしいですね。

○説明者 そのとおりでございます。記入者側ですと、按分がなかなか一律にそれぞれのところで同じようにできないということもあろうかと思いますので、集計の段階で按分をしたいと考えております。

○田中委員長 もう一点、資料に厚生労働省に対する報告時期が来年3月末と書いてありますが、これはそれから委員会で議論をするということですか。これはあくまで事務局に提出されるのが3月末という理解でよろしいのですか。

○説明者 ここの表記につきましても、医療側の調査並びで記載しております。極力年度内に集計を行いまして、この委員会に結果を御報告するのが年度内もしくは4月に入ってからくらいの感じで、医療側の状況を見つつということで、こちらのほうも考えてございますので、おおむねそのあたりということで考えております。

○田中委員長 ありがとうございます。
 横並びだから医療側がどう進むかによって、多少影響を受けてしまいますね。
 調査票については、大体よろしいですか。もし何か後でお気づきになったら、事務局にお知らせください。ヒアリングに対する意見で、高額投資に係る消費税負担の実態調査について、少し修正が必要になるかもしれません。なければいいのですが、それをもう一度、事務局で検討いただきます。もし大きな修正があれば、もう一度集まらなくてはなりません。
 今後の日程について、事務局から説明をいただけますか。

○松岡介護保険データ分析室長 次回は12月20日木曜日14時から、場所はグランドアーク半蔵門を予定しておりますので、よろしくお願いします。

○田中委員長 では、本日は早朝からお集まりいただきまして、いろいろな意見や御質問によって理解を深めることができました。
長時間にわたり参加いただき、どうもありがとうございました。


(了)

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