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2012年11月28日 第59回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成24年11月28日(水)13:58〜15:40


○場所

如水会館「スターホール」


○議題

1.協会けんぽの財政対策について
2.健保組合における準備金の見直しについて
3.70歳〜74歳の患者負担特例措置ほか高齢者医療制度について
4.健康保険と労災保険の適用関係の整理について
5.その他(報告事項)

○議事

○遠藤部会長
 それでは、委員の皆様が御着席になりましたので、ただいまより第59回「医療保険部会」を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、岩本委員、岡崎委員、齋藤正寧委員、樋口委員、福田委員、横尾委員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、岩村部会長代理から少しおくれる旨の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方について、お諮りしたいと思います。
 岡崎委員の代理として、村岡参考人。
 横尾委員の代理として、江副参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思います。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 本日、岩本委員は御欠席でございますけれども、資料が提出されておりますので、まず事務局から御説明をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。
○濱谷課長
 お手元の資料の一番最後に、岩本委員からの委員提出資料を配付してございます。
 意見といたしましては、2点ございます。
 1点目は、後期高齢者支援金の総報酬割についてでございますけれども、被用者保険での支援金としては、支援金に充てる保険料率が全ての制度と同じくなるように、全面総報酬割とするのが望ましい。
 しかしながら、支援金も含めた高齢者医療制度全体のあり方が国民会議で検討されていることから、25年度、26年度は従前どおり3分の1総報酬割として、国民会議で制度のあり方についての結論を得ることが妥当であるといった点。
 国庫補助の増額については、歳出の大枠71兆円を遵守するとされた予算編成の中では非常に困難でありますので、平成25年度及び26年度は、従前の国庫補助率16.4%の措置を前提とせざるを得ないといった意見でございます。
 また、高齢者の患者負担については、法定の2割に戻すことが、法律と予算の乖離を解消する正当な手続であると考えるといったことでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 本日行います関連の議案の際に、御参考にしていただければと思います。
 それでは、議事に移らせていただきます。
 初めに「1.協会けんぽの財政対策について」を議題といたします。
 事務局より資料が出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。その際、前回お求めのあった資料についての説明もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、保険課長、お願いします。
○大島課長
 資料1「協会けんぽの財政見通しについて」をご覧願います。
 1ページから6ページまでは、11月7日の本部会での資料、協会けんぽの財政問題への対応についてという資料の11ページから17ページまでと同じものでございます。ケースを6つ並べています。
 8ページ以降、「11月7日の部会で御指摘があったもの」として、4ケースを追加しております。
 9ページをおめくりいただけますでしょうか。9ページと10ページは、国庫補助率20%で、後期高齢者の支援金が3分の1部分総報酬割というケースです。これにつきまして、収支均衡が9ページ、準備金を取り崩すのが10ページになっております。
 前の6ケースの中に国庫補助率20%、全面総報酬割がありまして、そちらと比較しますと、9ページは10.0、10.0となっているところが、10.0、10.0、10.1、10.4、10.6、10.9となっていまして、それに比べると、若干料率が低いという結果になります。
 10ページも同様に、国庫補助率20%、全面報酬割と比較しますと、10.0、10.0、10.0、10.0、10.4、10.9となっていますので、1年分10%の保険料率が長くなっているという結果になっております。
 11ページをおめくりいただきますと、こちらは国庫補助率16.4%、支援金が加入者割というケースであります。こちらは前の6つのケースの中ですと、国庫補助率16.4%、3分の1総報酬割というものがございまして、そちらと比較しますと、同じような数字になります。10.0、10.1、10.4、10.7、10.9、11.2、加入者割と同じ保険料率の推移となります。
 12ページは準備金を取り崩していった場合ですが、こちらの数字も3分の1総報酬割と同じでありまして、10.0、10.0、10.0、10.6、10.9、11.2となっております。
 全部で10ケースになります。
 説明は以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 前回御要望のあったことに対して、事務局がシミュレーションを再度行ったものでございます。いかがでございましょうか。
 これに関連しまして、そもそもが総報酬割の話、あるいは国庫補助の話がベースにあるわけでありますけれども、前回行われた議論と同じになっても結構でございますので、何か意見があればよろしくお願いします。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 協会けんぽの財政対策については、前回、前々回と繰り返し申し上げておりますとおりで、現在の平均保険料率10%という水準は、加入者、事業主にとって既に限界にあって、これ以上の保険料率の引き上げは、中小企業の経営、加入者の生活の限界を超えており、到底考えられないということを改めて申し上げます。
 11月26日、今週の月曜日に開催した当協会の運営委員会で、来年度の保険料率に関連して、各都道府県支部の評議会の御意見を紹介いたしましたが、そのほとんど全てが現在の保険料率は既に限界であって、これ以上の引き上げは到底受け入れられないということを強く訴える内容でありました。当協会の運営委員の皆様は厚生労働大臣から任命されておりますが、その運営委員の皆さんの御意見も、支部協議会の御意見と同様に厳しいものばかりでありました。
 国に対する国庫補助割合20%の引き上げと高齢者医療制度の見直しを強く要求し続けることが大前提ですが、万が一、協会の要望が実現しなかったとしても、保険料率は据え置くことが必要であり、法令改正をしてでも準備金を取り崩し、保険料率の引き上げを何としても回避すべきという意見ばかりでありました。
 ただ、仮に平均保険料率を10%に維持したとしても、都道府県ごとに異なっております都道府県単位保険料率に関する激変緩和率は、これは毎年度、厚生労働省が定めてきておりますが、それが拡大された場合には、約半数の支部が来年度も保険料率を引き上げざるを得ず、連続4年あるいは5年の保険料率の引き上げという事態に陥ります。
 これでは協会全体の平均保険料率10%を維持したとしても、加入者、事業主の皆様の理解を得ることは困難でありますので、支部評議会だけでなく、運営委員の皆様からも都道府県保険料率をこれ以上引き上げることのないように、激変緩和率を当面凍結するなどの方策を講じるべきという御意見をいただきました。こういった点についても、ぜひ何らかの工夫・配慮が必要かと考えますので、事務局においても御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにありますか。齊藤委員、どうぞ。
○齊藤正憲委員
 毎回同じことを言っておりますが、今般4つのケースを追加提示いただきましたけれども、結果としては、協会けんぽの負担が大きく軽減できるわけではありませんし、この数年しか料率が維持できないという見通しは変わらないと存じます。高齢者医療への現役世代の拠出のあり方を見直さないままでは、被用者保険全体が倒れてしまうと考えます。この観点から、被用者保険間の負担のつけかえにつきましては、反対でございます。前期高齢者医療給付を含めまして、税投入割合を拡充するとともに、医療費の抑制にかかわる具体策に踏み込むべきだと考えます。当面、協会けんぽさんの方では、想定以上に積み上がった準備金を活用していただいて、料率維持を図っていただくほかはないのではないかと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 前回までに何度か申し上げましたので、同じような意見になるかと思いますけれども、本日新たに作成いただきました、資料の12ページでございます。先ほど保険課長からも説明がありましたとおり、12ページは国庫補助率16.4%で加入者割でございます。6ページは国庫補助率16.4%で3分の1総報酬割、全く同じグラフになっております。要は国庫補助率16.4%を国が全部助成すれば、3分の1総報酬割をしなくても同じなんです。我々が主張しております3分の1総報酬割というのは、国の負担の肩がわりにすぎないという証拠であると思っております。
 協会けんぽさんの件について、前回も申し上げましたけれども、3つほど申し上げたいと思います。
 1つは、今、協会けんぽの小林理事長あるいは経団連の齊藤委員からも御発言がありましたとおり、政令改正が必要なようでございますが、4,400億円強の積立金をぜひ活用して、保険料を10%に少しでも抑えるという方策が必要ではないかと考えております。
 2つ目は、5年間の財政見通しになっておりますけれども、この間、幾つか状況が変わる要素がございます。
 1つは、国民会議で、高齢者医療制度に対する拠出金がどのような負担構造になるのかということが多分検討されるであろう。遠藤部会長は委員に御就任されたそうでございますので、ぜひ国民会議でもこれを取り上げていただきたい。
 それから、消費税の引き上げに伴って、3%あるいは5%分の財源がどういうふうに配分されるのかということも、不確定要素としてございますので、当面は来年度から2年ないし3年ぐらい、できれば協会けんぽさんの料率を10%程度で抑えるような形を考えていくべきではないかと考えております。
 3つ目は、高齢者医療制度改革の話でございますが、この件とは直接的には関係がないと言いますか、間接的には当然関係があるわけですけれども、今、後期高齢者の支援金の総報酬割がこの件の絡みで議論されておりますが、高齢者医療制度の負担そのものが問題です。協会けんぽさん、私どももそうですけれども、高齢者医療制度に対する拠出金が財政逼迫の主な要因であることは間違いございませんし、今後の少子超高齢化を考えれば、前期高齢者医療の負担構造というものにもメスを入れていただかなければ、協会けんぽさん、あるいは我々保険者側の財政問題は解決しないということを、あえて3点目として申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますか。菅家委員、お願いします。
○菅家委員
 私もこれまでの主張の繰り返しになりますけれども、何点か申し上げたいと思います。
 1つは国庫補助の問題でありますけれども、法律本則では16.4〜20%になっておりまして、歴史的な経緯を見ますと、協会けんぽの所得水準に対応して、低さをある程度カバーするといった目的で国庫補助に入れられてきていると思っておりまして、そういう意味では、格差が拡大している今日、上限の20%を適用してもおかしくない状況だという認識をしております。したがって、法律本則の適用は論をまたないだろうと思っております。むしろ13%という特例的な水準は、過去のバブル期の遺産だと思いますけれども、この特例措置を一刻も早くやめるというのが、本来の姿だろうと思っております。
 2点目、総報酬割につきましては、前回も申し上げましたけれども、高齢者医療制度改革会議の結論の中で出てきた、現行の制度を廃止した後の姿の1つのメニューとして出されたものであります。したがって、今回これが突如出されたことにつきましては、やはりいろいろと問題・課題があるだろうと思っておりますし、協会けんぽの所得水準の問題だけではなくて、健保組合におきましても、そういった格差が現状ではあるわけでありますので、そういった事柄を総合的に考えた対応が必要になってくるんだろうと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございます。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 前回に比べて資料が増えたわけですが、先ほど白川先生が6ページと12ページを比べて同じだというお話もされましたが、6ページの方は3分の1総報酬割であるのに対して、12ページは加入者割に戻すということになっております。我々としては、以前から保険者間の保険料率の平準化ということを言っておりますので、方向性としては、総報酬割の方向だと思います。やはり社会保険制度ですから、まず保険料を考えるべきだと思いますので、そういう方向で議論をしていただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 和田委員、どうぞ。
○和田委員
 これまでいろいろ議論を伺ってきていまして、私が考えるのは、国庫補助というのは、もちろんディープポケットで、無尽蔵にあればいいということなんですけれども、これも国民の税金なわけです。
 そういうことも前提に考えていきますと、どのグラフを見ても、現状のやり方でいけば、何年か後には必ずどこも破綻していくことになりますので、抜本的な何らかの対策が国民会議で検討されるべきであろう。そうしますと、ここで余り大きなことをやるよりは、比較的安定的に、それまでにダウンしてしまうことが絶対にないようにという形で考えていくことが肝要だろうと思っております。
 そういうふうに考えますと、きょう岩本委員からの御意見が出ておりましたけれども、私も結論的には妥当だと思っております。ここ数年黒字になってきていることを前提にすれば、そこで税金投入ということは、なかなか納得が得られない部分もあるかもしれません。ですので、これを取り崩す方策を前提とした上で、16.4%は維持していただいてという形で、ここ数年は何とか持ちこたえる。抜本的な対策を国民会議で考察していただくという方向が、現実的には妥当なのではないかと考えております。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 山下委員、どうぞ。
○山下委員
 これも毎回繰り返しの話になると思うんですけれども、協会けんぽに政管けんぽから移行して以来、毎回、保険料率が上がっていることに関して、被保険者の焦燥感というか、今まで期待が大きかった分、失望感につながっている中で、今回10%を超えるということは、絶対に避けるべきだと思います。
 私は運営委員とか、東京支部の評議会にも出ています。昨日もあったんですけれども、そういう意見が圧倒的に多い中で、何を優先していくかといったら、今、菅家委員のお話にもありましたとおり、いわゆる国庫補助率を20%にするというのが第一優先であって、今、国庫補助のあるべき姿で20%という数字が求められているときではないかと思います。それが第一優先であって、もしそれが実現しない場合には、準備金の取り崩しもやむなしだと思います。政令による改正によって、準備金の取り崩しも次の段階の順序としてありますが、とにかく10%は守り抜くことが大事ではないかと考えています。
 あと、本来、総報酬制というのは、つけかえという部分もあるので、余り賛成ではないんですけれども、これは国民会議に委ねて、大局的な判断の中で、もっと具体的な論議の中で、そういったものを制度の中に盛り込んでいくということなのではないかと思っています。とにかく来年度10%を超えることがないようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 委員側から、前回、前々回とわかりやすい資料も頂戴しまして、大変厳しい状況で、厳しいシミュレーションがあることは理解いたしました。
 先ほどから話が出ているように、総合的に医療制度を考える中で、この議論もしていかなければならないと思うんですが、いきなり来年から時限が切れるということで、混乱が生ずるのは絶対に避けなくてはならないということです。
 今、要素が3つ出ていると思います。国庫補助率の問題、総報酬割の問題、準備金の取り崩しです。細かいところまではまだ咀嚼できておりませんが、とにかく何らかの形で、現在とられている措置について継続をして、対応していただくように、私も意見として申し上げたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。齋藤委員、お願いします。
○齋藤訓子委員
 私どもも協会けんぽの被保険者にとって、これ以上の負担は限界だろうという見解を持っております。死活問題に発展しかねないと思っておりますので、何らかの措置をするということについては、賛成いたします。
 先ほどから出ていますように、国民会議で抜本的な話があろうかと思いますけれども、私どもも措置の方法として全面総報酬割、国庫補助率20%はやむを得ないのではないかと考えております。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございました。
 大体御意見はよろしゅうございますでしょうか。
 前回及び本日御意見をいただいたわけでありますけれども、協会けんぽの財政が非常に厳しいということは、共通の認識が得られていると思います。
 個別の内容については、中長期的な課題として、総報酬制の問題等々があるかと思いますが、これも総報酬制に移行するべきだという御認識の方も多かったと思います。その場合でもさまざまな条件、抜本的な改革等々が前提になるとか、そういうことがあったわけでありますので、これにつきましては、引き続き検討していくことになるかと思います。
 もう一つは、直近の問題でございまして、協会けんぽの特例措置が今年度で切れてしまいます。この対応についても御発言があったわけでありますけれども、高齢者医療制度改革は、これから国民会議の検討が始まるわけでありますので、先の話になるということであります。
 直近の課題としましては、保険料給付の16.4%の国庫補助、高齢者の支援金の3分の1部分を総報酬とするという現状でございますけれども、この延長はやむを得ないのではないかという意見が多かったように受け止めるわけでありますが、いかがでございましょうか。いかがでございましょうかということでもないのですけれども、今後、議論を続けていきたいと思っております。大体よろしゅうございますか。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 もう一度、改めてお願いしたいと思いますが、各委員の皆さんからもお話がありました、国庫補助割合20%への早期引き上げ、高齢者医療制度への公費負担拡充を含めた見直しの検討をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 御要望は十分に理解しているつもりです。
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして「2.健保組合における準備金の見直しについて」を議題としたいと思います。
 事務局より説明をお願いしたいと思います。
○大島課長
 資料2を1枚おめくりいただけますでしょうか。「健康保険組合の準備金の見直しについて」。
 これは11月7日の部会で、白川委員から、健保組合の法定準備金が3カ月となっていることにつきまして、多過ぎるのではないか、法定給付費と拠出金に分けて、本当に必要な額は幾らなのか見直すべきとの御意見をいただいておりました。それにつきまして、事務局で検討し、見直しの案を提案させていただいているものでございます。
 1のところでございますが、健保法及び健保法施行令において、健保組合は医療給付費相当分及び後期高齢者支援金等拠出金相当分の3カ月分に相当する額に達するまでは、その年度の剰余金を準備金として積み立てなければならないとされています。
 3カ月の内訳ですけれども、特段区分して管理しているわけではありませんで、積算上の考え方だけでありますが、なぜ3カ月としているかということにつきまして、これまでの説明では、インフルエンザの蔓延など、医療費の年間変動に対応するための医療給付費相当分及び拠出金相当分で1カ月分。
 保険料が不能欠損になるなど、解散に備えるために医療給付費相当分及び拠出金相当分の2カ月、合わせて3カ月分としています。
 しかしながら、今般1・2それぞれにつきまして、検討を加えました結果、1につきましては、医療給付費相当分についてだけ1カ月分、つまり拠出金相当分を除いた1カ月分を積み立ての対象、2につきましては、医療給付費相当分2カ月、拠出金相当分1カ月を積み立ての対象とするのが適切と考えられるという提案でございます。
 下に6つのブロックに分かれている箱がありますが、現在は、医療給付費相当分と拠出金相当分、それぞれ3個ずつの計3カ月分です。見直し案では、左側の医療給付費相当分は今と同じ3カ月分、拠出金相当分は1カ月分ということで、結論的には拠出金相当分2カ月分を減らす。今、拠出金相当分が1カ月分全体の約45%を含めていますので、大まかに言いますと、現行の3カ月分から約2カ月分へ減少することとなるという案です。
 なぜそういう考え方かということにつきまして、2ページは変動リスクについての整理でございます。
 現行では、年間の変動リスクに対応するため、給付費と拠出金を合わせた分の1カ月になっておりますが、拠出金の部分は、年度単位の賦課で、年度当初にあらかじめ賦課をしておりまして、毎月の変動はほとんどありません。
 ちなみに、過去の予算の見通しとのずれを比較しましても、0.2カ月、0.0カ月、0.1カ月と、ほとんどずれがない状況になっております。拠出金相当分については、変動リスクを考える必要がなく、積み立てを不要としたらどうかと考えられます。
 一方、医療給付費分につきましては、確かにインフルエンザや花粉症などで、医療費の変動がございます。
 予算と比較した場合、組合の平均で見ますと、医療給付費相当分に対して、△0.7カ月、△0.5カ月、△0.6カ月というのが過去3年の状況でありまして、医療給付費を1カ月分持っていれば、十分その幅に収まっている状況にございます。
 以上から、変動リスクに相当する部分につきましては、医療給付費相当分のみ1カ月分としてはどうかと考えます。
 次に解散時のリスクにつきまして、3ページになります。
 解散時のリスクにつきましては、通常、組合が解散するといった場合は、財政が悪化したとか、被保険者が減ったとか、さまざまな理由がございますが、その中で母体企業の破産が原因という場合も、非常に数は少ないですけれども、あることはあります。その中で、さらに事業主からの保険料の納入が滞ったケースが下の図に書いてありまして、言わば最悪のケースで、どういう事態が想定されるかということであります。
 図では、11月にある企業がばったり倒産をしたケースを想定しています。本来11月の保険料収入が組合にあるわけですけれども、その原資は10月分の給与から事業主が確保していた分ですが、これが別の用途に使われて、組合に入らなかったというのが、考えられる悪いケースです。11月分の保険料で、2カ月おくれになります10月分の診療分への支払いと、1カ月おくれになります前期・後期の納付金、支援金の拠出金への支払いが滞ることになります。医療給付費は2カ月おくれですので、11月分の診療分も1月に請求がやってまいります。これも収入が途絶えていますので、支払えないということで、この図のケースですと、2カ月分の診療費と1カ月分の拠出金が払えないことになります。したがいまして、2+1を積み立ての対象としておけばいいのではないかというのが考え方でございます。
 最初の1ページの図に戻りまして、6つのブロックが積んでありますが、薄い色と濃い色が塗ってあります4つのブロック、医療給付費相当分3か月分と拠出金相当分1カ月分を法定準備金として規定するように、改めてはどうかと御提案いたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の提案につきまして、御質問、御意見はございますでしょうか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 まずもって、私どもの問題提起に対しまして、事務当局が非常に素早く一定の結論を出していただいたことに、感謝申し上げます。
 保険者である以上は、法定給付費あるいは拠出金で欠損が生じることは、絶対に避けなければいけませんので、一定の準備金を保持することは、義務として当然のことだと考えております。
 今回の件につきまして、2点だけ要望をさせていただきたいと思っております。
 1点目は、今の保険課長の御説明ですと、法定給付費でリスクを補填するために、2カ月分ということで、3ページの絵を使って御説明がありましたけれども、通常はこういうことはほとんど起きないわけでございまして、万が一のリスクに備えて、こういうケースは2カ月分必要だという御説明だったと思います。私どももよく調べたわけではございませんが、過去にこういう例があったのかと思っておりまして、本来であれば、ここに相当する分は、2カ月ではなくて、1カ月で十分ではないかと考えておりますので、過去の例、それに加えてリスクの大きさ、小ささ、その辺ももう一度御検討いただきまして、さらに小さな額にすることが可能かどうかということを、御検討いただきたいというのが1つ目のお願いでございます。
 2つ目は、実施時期に関する件でございます。毎回申し上げているとおり、健保組合はかなり赤字が膨らんでおりまして、特に財政が逼迫しているところでは、資金繰りにも苦慮している状況でございます。こういう措置をとっていただければ、資金繰り等にとってはかなり有益と感謝しております。実施時期につきましては、政令の改正が必要だと聞いておりますけれども、ぜひ早目に手続をしていただいて、できましたら、来年度から実施いただくようにお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 事務局にお尋ねがありましたので、お願いしたいと思います。保険課長、どうぞ。
○大島課長
 確かに保険料の納入が滞ったケースはほとんどありませんが、少なくとも1つは把握しております。
 この取り扱いを運用させていただいて、解散が行われた場合の保険料納入がどういうふうになっていったのか、さらに詳細に今後は把握していきたいと考えておりまして、その上で一層引き下げることが可能かどうかは、その状況を踏まえて考えさせていただきたいと思います。
 それから、実施年度につきましては、最大限、来年度から適用ができるように、手続を早く頑張りたいと思います。
○遠藤部会長
 よろしくお願いします。
 ほかに御意見、御質問はございますか。
 よろしければ、この議題につきましては、このぐらいにさせていただきます。
 次に「3.70歳〜74歳の患者負担特例措置ほか高齢者医療制度について」を議題としたいと思います。
 事務局から資料の説明をお願いします。
○横幕課長
 お手元の資料3をごらんいただきたいと思います。
 前回、70〜74歳の方の患者負担の特例措置について御議論いただきましたが、そのときに御質問などをいただきましたので、それらに関する資料を御説明したいと思います。
 2ページをごらんいただきますと、平均収入と患者負担の割合を年齢階層別に整理した資料でございます。
 2ページの下、1人当たり平均収入との関係は、前回御説明したものと同じものです。これに対しまして、どういう調査なのかとか、あるいは世帯単位で見るとどうなるのかという御意見をいただきました。
 1ページをごらんいただきたいと思いますけれども、もとになった調査を書いてございます。国民生活基礎調査の中で、収入に関して、一人ひとりの収入を把握するという調査が行われています。
 約9.5万人を対象としまして、そのうち集計対象は7万人ですけれども、一人ひとりの収入を整理したものが1ページの右側のグラフになります。年齢が上がるにつれて収入は下がっていくものですが、これをもとにしたものが、前回御紹介した2ページの下の資料になります。
 同じ資料の同じデータを使いまして、世帯当たりの収入という形で整理したものが、1ページの左側のグラフになります。これは世帯主の年齢階層に着目して、1世帯当たりの平均収入を並べたものでございますけれども、ごらんいただくとわかるように、やはり世帯主の年齢が上がるにつれて、平均収入は下がっていくという傾向がございます。ただ、この場合は、世帯主の年齢で整理しておりますので、その世帯を構成する一人ひとりの年齢はいろいろあるということ、世帯を構成する人数そのものにもばらつきがあるという限界があるものです。
 こういう限界がございますけれども、あえて1世帯当たりの平均収入と患者負担を並べて見たものが、2ページの上の表になります。年齢階級が上がるにつれて、平均収入が世帯当たりで見ても下がっていくことになりますので、患者負担の割合としては、1人当たりで見た場合と同じような傾向があるという状況が出ております。
 3ページをごらんいただきますと、前回の議論の中で、見直しを行う場合に低所得の方への配慮をすべきであるという意見を多くいただきました。低所得者については、現行の患者負担上限額をそのまま据え置くという案を改革会議からもいただいておりますけれども、もともと70歳になる時点で、上限額が69歳以下と比べて低く規定されておりますので、この資料の中では、69歳から70歳になるときにどういう変化があるのかということを、所得階層ごとに整理し直してみました。
 一番右に低所得の方がありますけれども、今、申し上げましたとおり、この方々については、限度額を据え置こうということになっていますので、今、1割負担で2万4,600円ないし1万5,000円とされているラインを、2割負担となる方についても継続するというのが、今の案になっています。
 真ん中が所得階層一般の方々ですけれども、69歳までは3割負担ですが、70歳になったところで2割負担になる。その際に上限額は8万100円+1%であったところが、6万2,100円になる。6万2,100円という上限額が、これまで1割負担とされている方については4万4,400円となっていますので、これが6万2,100円に上がるものです。
 左の現役並み所得の方は、現行でも70歳以上の方に3割負担をいただいております。ですので、負担割合そのものは変わらないわけですけれども、この中でも69歳以下でかつ上位所得の方は、上限額が15万円+1%になっています。70歳に達したところで、こういった方の負担割合は変わらないけれども、上限額が下がるということで、70歳以上の方には、こういった形での所得に応じた配慮が行われていることを示す資料でございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ただいま事務局が説明されました資料につきまして、何か御意見、御質問はございますか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 これは前回私どもが質問させていただいたことに対する回答だと思います。拝見いたしますと、抽出調査で、果たして妥当な結果が出るのかということでしたが、かなり客体数が多いこともわかりましたし、1人当たりもちゃんと調査の中には入っていて、表にされていなかっただけということで、そういうものを使って出されたデータだということもわかりました。
 こういったデータではありますが、現役並みの所得の方とそれ以外の方を区分したようなものがないということ、あるいは入院と入院外の区別もないということは、さらに課題としてあるかと思います。
 また、前回もお話をさせていただきましたけれども、実際1割になると思っていた人が2割になるわけで、我々の調査でも、1割から2割になるときの方が、2割から3割になるときよりも、受診抑制、受診控えが強いという結果でした。これはある意味では当然でして、1割から2割というのは2倍、2割から3割は1.5倍ということなので、やはり1割から2割になるときの方が負担感が急に増すということだと思います。そういった受診抑制、またそれによる症状、病態の悪化等の懸念を払拭するまでには至っていないという感じがいたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見はございますか。村岡参考人、お願いします。
○村岡参考人
 ありがとうございます。
 前回、法定2割に戻す場合には、低所得者対策の実施と、医療保険全体ではなしに、社会的な総コストで見るべきではないかという意見を述べさせていただきましたが、事務局から説明のあった1世帯当たりの平均収入額と1人当たりの平均収入額で見れば、2割負担も妥当ではないかと読み取れるかとは思うんですが、市町村国保の実態についてデータをお示ししながら、御理解をいただきたいと思います。
 昨年11月に開催をされました、第49回の医療保険部会に提出をされました、市町村国保の基盤強化についてという資料の中で、市町村国保の低所得者が非常に多いという資料、低所得者世帯の割合が示されております。その中では、所得なしの層が22.8%、100万円以下が23.9%ということで、約45%ほどを占めております。
 所得なしの世帯については、給与収入では65万円以下、年金では120万以下ということで、資料が示されておりますけれども、低所得者が非常に多いという実態がございます。
 本市の場合、世帯ではございませんが、70〜74歳の1人当たりの所得を抽出してみました。高知県というのは、非常に低所得者が多いという状況もございますが、所得なしが41.6%、33万以下が11.5%、100万円以下が20.3%ということで、全体の73%が所得100万円以下という構造になっております。1人当たりになっておりますから、世帯に合わせると、所得としてはもう少し上回ることにはなるかと思いますが、相当多い被保険者の皆さんが、低所得の状態にあるということが、この数値でも読み取れるかと思います。
 平均で見れば、負担能力があるという状況にもありますが、一方では、非常に高額の所得の方もおられますから、そこが全体の平均を押し上げているという実態を見れば、所得の階層ごとにどういった実態にあるのかということを、可能であれば、数字的なものを事務局からお示ししていただきたいと思います。
 低所得の方が2割負担ということになれば、生活的にも相当厳しいという実態もございますので、そういう側面を十分に配慮した制度を考えていくことが必要ではないかと考えております。
 資料にありますように、平均で2.9万円の負担が増えることになっておりますから、120万ぐらいの年金収入の中で、約3万円の負担が増えていくことになれば、生活そのものが厳しくなるという実態もございます。私たち基礎自治体、市町村国保を預かる立場からすれば、一方では、市民の暮らしに対して責任を持つということも必要なところでございますので、そういう実態を十分に配慮した法定負担のあり方について、御検討いただく必要があるのではないかと思っております。
 自己負担割合の見直しだけでは対応し切れない問題もございますから、全体の所得の再配分機能の中で、低所得者に対する施策を充実していくことも必要ではないかと考えております。世代間の公平であったり、負担能力のある方に適正な負担を求めることについては、私どもも当然考え方は同じにしておりますけれども、こうした国保の実態を考えた場合には、法定2割だから一律に見直しをしていくということには、少し無理があるのではないかということで、大変懸念をいたしているところでございます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 事務局に対する検討の御依頼もありましたが、事務局からコメントはございますか。よろしゅうございますか。
 従来から、低所得者にも配慮して、2割ならば、という御意見の方が多かったので、そういう流れであろうと理解させていただきます。
 齊藤委員、お願いいたします。
○齊藤正憲委員
 先ほどご指摘がありましたように、低所得者の方に配慮するのは前提でございますけれども、今回の資料を見せていただきましても、70〜74歳のみ負担軽減が大きいという傾向には変わりがないと思います。高齢者の方々にも応分の負担を求めまして、痛みを分かち合う必要があると思います。この観点から、70〜74歳の患者負担につきましては、早急に法定の2割に戻すべきだと考えます。また、70歳到達時点から順次引き上げるという経過措置も設ける必要はないと思います。
 2点目としまして、高齢者の保険料負担の軽減にかかわる特例措置も、早急に法定に戻すべきだと考えます。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。前回も同趣のことをおっしゃっていただいたということです。ありがとうございます。
 ほかによろしゅうございますか。山下委員、どうぞ。
○山下委員
 私も同じような意見なんですけれども、本来、公平であるべきなので、70〜74歳までの特例につきましては、本則の2割に戻すべきだという考えです。
 段階的にという考え方もあるでしょうけれども、そこは財政面から見ても5年間の累積では4,500億か9,000億かというところで、大きく違ってくるわけなので、段階的にというよりも、対象年数は直ちに2割自己負担という形でお願いしたいと思います。
 ただし、先ほどから何人かの方が発言されているように、低所得者には配慮するような形をぜひお願いしたいと考えています。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 ありがとうございます。
 前回の会議で当事者を代表する方からも賛成があったので、据え置きというのは、医療提供者のおせっかいみたいな感じにもなってきて、ちょっと言いにくいんですが、我々としては、前から申し上げているとおり、先進諸国に比べて、公費、保険料、窓口負担の割合で、日本は窓口が高いという意識があります。将来そういう議論をしてほしいんですが、今の厳しい経済状況ではそれができないという認識です。この場所は、我々にとっては最後のとりでといいますか、聖域に近いところなので、少なくとも高齢者医療制度全体の議論の中で、ここを議論していただきたいと思います。繰り返しの意見になりますが、そういった意味で、現状維持をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 私も前回と同じ意見でありまして、既に2割と法律で規定されたものについては、一刻も早く法律どおり実施していただきたいと思っております。
 それから、現在、提案されているものについては、段階的に負担を2割に軽減する。すなわち、69歳から70歳になる方から段階的に、3割から2割にするということで、前回も申し上げたように、私はこの案でいいと思いますが、この辺も配慮されているわけですから、せめてこの程度は直ちに実施すべきだと思っております。
 今回、事務局から提出されました資料では、1人当たりだけではなくて、世帯別に見た平均収入に対する患者負担割合が示されております。この資料を見ますと、現在の特例措置の対象となるところが、1人当たり、世帯ともに負担が突出して軽減されています。厳しい国家財政の中から、毎年2,000億もの財源を予算計上して、なぜこの世代だけが恩恵を受けているのか理解に苦しむと言わざるを得ません。ぜひとも直ちに法律どおり実施していただくよう、強くお願いいたします。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 岩村部会長代理、お願いします。
○岩村部会長代理
 なかなか出席できなくて、大変申しわけありません。
 70〜74歳の患者の負担の問題ですが、既に法律で70〜74歳については、2割負担ということが決まっておりますので、これは本則どおり実施すべきだと考えております。
 きょう提出いただいている、資料3の2ページ目の「年齢階級別平均収入に対する患者負担の状況」を見ましても、70〜74歳のところが、ほかの年齢層に比べると、がくんと負担割合が落ちている。これを正当化するような理由は、なかなか見出し難いと思っております。
 また、高額療養費の制度というものは、日本の大きな特徴のある制度だと思っておりますけれども、高額療養費の制度において、低所得者については、非常に配慮がされている。とりわけ、きょう御提出いただいている資料の3ページ目にもありますように、70歳以上の低所得者については、かなり配慮されていることを考慮すると、やはり本則どおりの2割の負担ということで実施すべきだと思っております。
 今まで1割負担できた方が、突然2割に上がるというのは、非常に負担感が重く出ることはたしかでありますので、これから69歳から70歳になる人から上げていくという、段階的な施行と組み合わせる形で行っていくことを考えるべきであろうと思います。段階的にやると、財政的効果はそれだけ弱くなることは確かなんですけれども、他方で、いきなり1割が2割に上がる負担感の上昇という問題を避ける点では、段階的実施もやむを得ないと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 和田委員、どうぞ。
○和田委員
 私も特に異論はないです。法律でこうなっている以上、早く合わせるべきだと思います。
 ただ、段階的な移行については、少し疑問もございます。今は個人のところで負担の増える人がないようにということなんですけれども、70歳に到達した人は、当然これまで1割への減だったのが2割への減になったんだということで、その意味では負担が増えるわけです。今、70〜75歳の間の方というのは、段階的に75歳になるまでずっと1割負担でいくということで、制度全体からしてみれば、緩衝措置のように見えるんですけれども、中にいらっしゃる方からすれば、現在70〜75歳の方たちはずっと1割負担でいく。70歳に到達する方からは、2割負担に移行する。ある意味70歳に到達する方にとっては、減少幅が減って突然の増加でもあるわけです。ですから、段階的移行というもので、全体的には緩衝措置のように見えながら、実は少しアンフェアな要素が含まれていないか。このことの正当化の根拠が要るのではないかということを少し疑問に思いつつ、ただ、全体として異論はございません。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 岩村部会長代理、お願いします。
○岩村部会長代理
 今のことにコメントしますと、69歳まで3割負担で、70歳からは2割負担に変わるので、負担はむしろ軽減されるということは御注意いただきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 川尻委員、どうぞ。
○川尻委員
 前回も御意見を申し上げたところですが、当事者の団体としては、そこのところは、段階的にお願いをしたいということを一言だけ申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 川尻委員は、前回、低所得者への配慮と十分な周知広報を前提とすれば、段階的移行は致し方がないといった御意見だったと思います。
○川尻委員
 そうです。
○遠藤部会長
 ほかに御意見ございますか。菅家委員、どうぞ。
○菅家委員
 この前の主張の繰り返しでありますけれども、基本的に年齢で負担割合を区分するという考え方について、私どもは納得をしていないというか、合理的な理由はないと思っております。したがって、こういう議論には違和感を感じているということを、まず申し上げたいと思います。
 高齢者医療制度の抜本改革が不可避だと思っておりまして、その中で、この問題を議論すべきというのが、私どもの考えでございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。そもそも年齢で区切っている現行の仕組みに違和感があるというお考えです。
 ほかに御意見ございますか。よろしゅうございますか。
 前回、今回と十分な議論をさせていただいたと思います。
 それでは、引き続きまして「4.健康保険と労災保険の適用関係の整理について」を議題としたいと思います。
 事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。
○大島課長
 こちらは資料4と参考資料1、縦の紙になりますが、そちらを使わせていただきたいと思います。
 最初に参考資料1「健康保険と労災保険の適用関係の整理プロジェクトチーム」の紙をごらん願いたいと思います。
 こちらは今年9月末に設置されました、西村副大臣を筆頭とするプロジェクトチームでございます。
 1枚おめくりになっていただきますと、このプロジェクトチームの取りまとめがございます。10月29日付の2ページの取りまとめを載せておりますけれども、冒頭のところですが、労働者の業務災害については、使用者が補償責任を負うことから、業務上の負傷等は労働者災害補償保険法に基づく給付が行われ、業務外の負傷等は健康保険法に基づく給付が行われる。健康保険法上、業務は職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務または事業と広く取り扱っており、例えば副業で行った請負の業務で負傷した場合やインターンシップで負傷した場合などに、労災保険法からも健康保険法からも給付がなされない事態が生じ得るという問題認識でございます。
 それに対しまして、解決の方向といたしまして「(1)健康保険」ですけれども、健康保険における業務上・外の区分を廃止し、請負の業務(シルバー人材センターの会員等)やインターンシップなど、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とする。
 その上で、労使等関係者の負担にかかわる変更であるため、変更の方法(法改正の要否)、遡及適用の要否、役員の業務上の負傷に対する給付の取扱いを含め、社会保障審議会医療保険部会で審議を行い、結論を得るとの記載になっております。
 資料4をお移りいただきまして、2ページ以降、論点を4つ掲げています。
 2ページ「論点1(業務上・外の区分の廃止)」でございますが、プロジェクトチームの取りまとめに基づいて、健康保険における業務上・外の区分を廃止し、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とすることとしたい。
 ただし、労災保険との関係においては、健康保険法第55条第1項において、被保険者に係る療養の給付(中略)は、(中略)労働者災害補償保険法(中略)の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わないとされています。つまり労災との業務上・外の区分は残すわけでして、それ以外の業務上・外の区分をなくすという提案であります。
 労災との関係を実際上担保するためには、法律上の併給調整といいますか、先に労災法が適用されますという規定があるわけですけれども、実務上の観点からもそれがきちんと担保されるようにするために、実施にあわせてQ&Aを出してはどうかと考えています。
 それが箱の下にあります(Q)でありまして、労働者の業務災害と疑われる事例で、健康保険の給付が申請された場合、まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができるか。
 (A)まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができる。これは健康保険法第55条第1項においてされており、この規定に基づき、労災保険からの給付がなされる労働者の業務災害については、労災保険からの給付が優先されるためであるということを念押ししたいと考えます。
 3ページ「論点2(役員の取扱い)」でございます。
 最初の○ですけれども、今のように整理をした場合、労災保険の給付とはならない役員の業務上の負傷について、取り扱いをどうするか。役員の業務上の負傷に対して、労使折半である健康保険から給付すべきかどうかという論点であります。
 現行の取り扱いがどうなっているかということが、下の○ですけれども、役員の業務上の負傷については、原則として、業務外を要件としている。これが今の健康保険の整理であり、健康保険からの給付は行われないわけですが、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等、言わば役員であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事しているものについては、そのものの業務遂行の過程において、業務に起因して生じた傷病について、健康保険による給付の対象としている。言わば5人未満の法人の役員で、ほかの従業員と同じような仕事をしている場合に起こった業務については、健康保険による給付を行う、そういう運用を行っております。
 この点につきましては、2つの案を並べております。
 1つは、四角の箱の上ですが、これまでどおり、5人未満の法人の役員のみ健康保険から給付をする。それ以外の役員は給付をしないという案です。
 この考え方の利点としましては、役員など使用者側の業務上の負傷に対する補償は、全額使用者側の負担で行うべきという考え方になじみやすい。
 一方、問題としましては、引き続き、労災からも健保からも給付されないケースが残り得ることになります。ただし、中小企業につきまして、労災保険に特別加入という仕組みがありまして、任意加入ですけれども、労災に入れる仕組みがあります。労災の方が健保に比べて10割給付であったり、給付も手厚いわけですので、労災への加入を中小企業の役員の方については、促進していくという点が対策としては考えられます。
 もう一つの案は、下の箱ですけれども、全ての役員について健康保険から給付をするという案でございます。
 利点としましては、労災、健保いずれかからは給付がされるということで、言わば漏れがなくなります。
 問題点は、先ほどの5人未満の方と裏腹で、全額使用者の負担で払っていいのだろうかということ、軽微ではありますが、保険財政への影響があり得るということであります。
 続きまして、4ページ「論点3(遡及適用の取扱い)」です。
 プロジェクトチームの取りまとめに基づく取り扱いの変更は、将来に向かってのみ行うのか、過去に遡及して行うのかということであります。
 なお、遡及適用の取り扱いについては、内閣法制局の見解を求めることも必要となります。
 最初の案は、遡及適用を行うということであります。
 その案の利点は、取り扱い変更以前の不支給となった事例も救済することができる。
 一方、問題点としましては、遡及適用は、多くの場合、既に発生、成立している状態に対し、法令が後から規制を加え、その法律関係を変更するものですので、法的安定性の面から見て、みだりに行うべきではない。一般的にそう考えられます。
 今回、救済をした場合には、保険給付が増えることになりますので、全体から見れば小さな額でありますが、保険料の概念的には増加につながり、救済対象でない者や保険者にとっては不利益な変更となります。
 傷病の原因や所要額の証明を後でさかのぼって行うことを想定しますと、その証明が可能な人だけが救済されるという、不公平が生じるという問題点もあります。
 一方で、遡及適用を行わない場合、利点としましては、将来のみについて取り扱いを変更するということで、法的安定性の問題ですとか、加入者間の不公平が生じません。
 問題点としては、先ほどの利点と裏腹で、救済という面では弱いことになります。
 「論点4(法改正の要否)」ということで、解釈の変更でも可能なのか、法改正によるべきかということで、こちらも法制局の見解を求めることが必要になると考えます。
 解釈による変更で行うという考え方ですが、法律の規定ぶりは6ページに出ています。「参照条文」として、健康保険法の第1条、この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷もしくは云々という書きぶりでありまして、包括的なので、解釈によって技術的に変更が行い得るのであれば、あえて法改正という手段をとる必要はない。
 問題点としましては、業務上・外の区分の廃止は、制度の根幹をなす部分でありますので、保険者事務の取り扱いをこれまでと比べて変更することになりますので、行政内部の手続、手段だけで処理するにはなじまないのではないか。
 一方、法改正による変更という案では、国会の手続を経ますので、国民の信認あるいは手続の透明性が確保できる。
 問題点としましては、先ほどの利点との裏腹の部分がございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 健康保険と労災保険のどちらも適用されないケースがあるということで、それに対する改善案です。医療保険部会で具体的に検討することになっておりますので、御検討いただきたいと思います。
 事務局から4つの視点が出されまして、特に最後の3つの論点につきましては、それぞれ2つの選択肢があるという形で出されたものでありますけれども、これについて御意見、御質問があればと思います。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員
 協会はこの問題の背景となった事案の直接の当事者でありますので、個別事案に関する発言は差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げたいと思います。
 健康保険と労働者災害補償保険は、本来、どちらも労働者の医療、健康を保障するための制度であります。同じ労働者であるにもかかわらず、働き方とか業務内容の違いによって救済が行われないということは、社会保障制度として是正するのが適当だと考えます。
 一方、今回のような事案が生じた背景としては、労災対象となる労働者の範囲が健康保険の対象となる労働者の範囲よりも、より狭く適用されているのではないか、確認する必要があると考えます。
 シルバー人材センターの紹介で、業務に従事されている方は、書面上は、労働契約の請負という個人事業主かもしれませんが、その働き方の実態を見れば、労災が適用される一般の労働者と変わらない労務実態の場合も多いのではないかと思います。労災が適用されるのであれば、加入者の労災保険料負担もなく、シルバー人材センターで働く高齢者の方にとっては、窓口負担もないということであります。なぜ労災による救済ができないのか、その点をもう少し丁寧に検討すべきではないかと考えます。
 いずれにしましても、業務上・業務外の区分をなくすというのは、健康保険法の目的などの根幹にかかわる内容でありますので、法の解釈運用の変更による対応ではなくて、明確に法律を見直して実施すべき事柄ではないかと思います。ただし、制度改正の前提として、労災適用に当たってはしっかりと実態を見た上で、適切な運営をしていただきたいと思います。
 運用上の問題としては、労災適用しなければ、自動的に健康保険の適用となるということは、いわゆる労災隠しを助長することにもなりかねませんので、ケースに応じて労災適用とすべきケースについては、保険者からもその旨の意見を申し上げることができる仕組みにしていただきたいと考えます。
 協会は、これまで現行の法律に基づいて、適正に給付認定事務を実施してまいりました。したがいまして、今回、新たな判断に基づいて制度改正する以上、将来に向かって適用すべきであり、遡及的適用は認めるべきではないと考えます。
 それから、役員の業務上の負傷等についても、労災の特別加入制度がある以上、実態を踏まえて、現行どおりの取り扱いとしていただきたいと考えます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。協会けんぽとしてのお考えをおっしゃっていただきました。
 それでは、同じく保険者ということで、白川委員、お願いします。
○白川委員
 基本的には小林委員の御意見と同じでございますが、確かにシルバー人材センター等、1人で働きながら請負という妙な形に雇用形態がなっているものですから、こういう隘路のような問題が起きたわけですけれども、仕事、業務中に起きた事故については、労災を適用するというのは、基本中の基本でございますから、こういう取り扱いについては、なるべく健康保険の適用範囲を狭くしていただきたい、健康保険を適用するという取り扱いの範囲は、できる限り少なくすべきと考えております。
 論点に従って申し上げますと、論点1は、今、言ったようなことで、適用範囲を限定するということと、労災保険を優先するという原則が貫かれれば、やむを得ないと考えております。
 役員につきましては、下の枠囲みでいきますと、現行は上の方になります。5人未満の法人の役員等のみ健康保険から給付をする。もちろん条件つきでございますけれども、こういう形でよろしいのではないか。これも最初の原則どおり、特例的な取り扱いと考えざるを得ませんので、そういった観点からいうと、5人未満という現行の扱いでよろしいのではないかと考えます。
 論点3の遡及適用は、端的に申し上げれば必要ない。これがどの程度過去にあったのか、全く承知しておりませんけれども、今後、発生するこの種の無保険状態を回避するために、こういう特例の措置を設けるんだということで、今後、発生するものに限定すべきと思います。
 法改正の問題でございますが、解釈というと、いろんな解釈が生まれて、現場では混乱することも考えられますので、きちっと法改正をし、Q&Aをつくるというお話もありましたけれども、いろんな形でQ&Aを出していただきたい。あるいは政令でどんどん厚くしていくという形で、法改正はすべきと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。菅家委員、お願いいたします。
○菅家委員
 請負にかかわる問題につきましては、小林委員、白川委員が言った意見と同じでございまして、形式的な問題ではなくて、実態的に労働者性があるのかないのか、使用者責任があるのかないのかということで、ある場合には、労災保険を適用することが大原則だと思っております。
 その上で、省内のプロジェクトチームの取りまとめの結論部分について、異議がございます。健康保険における業務上・外の区分を廃止しとなっているんですけれども、これはおかしいだろうと思っております。もともと健康保険法にはそういった区分はなかったわけでありますけれども、労災保険制度の成立にあわせて、そこは区分けをして、健康保険と労災保険のきちんとしたすみ分けというものが、法律上も明確になっているわけですから、そのことを変える理由は全くないと思っております。労災保険に適用にならないにもかかわらず、健康保険法が適用になっていないところの方が、むしろ問題ではないかと思っておりまして、運用の実態に大いに問題があると、基本的には考えております。したがって、現行の健康保険法における業務上・外の区分という根本については、これを改める必要は全くないと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 我々が議論をリードする内容ではないものも含まれていると思いますが、業務上・外の区分の廃止については、我々としては、いわゆる労災保険と健康保険のはざまに救済されない方々がいるというのは、問題だと思いますので、こういった方々を救済することは必要だと思います。
 労災保険の方がより狭い概念ですが、高齢者の労働といっても、労働と日常生活の中での健康増進との中間のようなものも最近は増えております。そういうことは、むしろ好ましいものだと思っております。元気な高齢者が増えていけば、それこそ健康保険の負担も少なくなるのではないかと思いますし、そういった方々にいちいち労災保険に入りなさいというのもいかがなものかということで、健康保険で救済することが、方向性としてはいいのではないかと思います。
 ただ、我々としては2点気になりますので、お話させていただきます。
 1つは、シルバー人材センターにおける事例が挙げられておりますが、文章中に「インターンシップなど」という言葉があります。「など」というところに、その他のものも含まれると思いますが、1つ確認させていただきたいのは、障害者自立支援法における就労継続支援B型についてです。
 自分のところでもそうした事業をやっているんですが、こういうところにも同様の問題があります。就労継続支援A型、B型とあるんですが、B型の方が通常の事業者に雇用されることが困難、即ち雇用契約に基づく就労が困難である方で、サービスを提供する事業者内において、就労の機会や生産活動の機会の提供を受け、一般就労に向けた支援を受けるというものです。この際、雇用契約は結ばないということなので、ここでの生産活動のときに生じたけが等に対しては、労災保険が適用されませんが、被用者保険では業務上の扱いとなるため、健康保険の適用も受けられないという問題があります。今回の改正がもしこの方向で進んだ場合、シルバー人材センターの事例と同様になるかどうかでる。就労継続支援B型の対象者は11万9,000人ぐらいいらっしゃるんです。こういった方が救われるということを確認させていただきたいと思います。
 それから、2ページのQ&Aのところで、(A)で「まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができる」と書いてあるんですが「留保する」という言葉が何を意味するのか。これによって、もし医療機関からのレセプト請求があった場合、支払いが滞るようなことがあれば、これはまた問題だと思います。正しくルールにのっとって診療し、レセプト請求を行っていて、医療機関に落ち度がないにもかかわらず、支払いが保留されることは問題だと思いますので、この辺は十分に説明なり配慮が必要だと思います。
 また、途中で患者さんが労災保険に切りかえるような場合は、既に受け取ってしまった一部負担金を返還したり、改めて労災保険に対してレセプト請求をし直さなければいけないという問題もありますので、そういったものに対しても、速やかな情報提供や柔軟な対応などが必要だと思います。
 さらに先程も話が出ましたけれども、厚労省では、従来から、労災事故なのに健保で診療を受けようとする、いわゆる労災隠しの対策として、「労災隠しは犯罪です」というポスターなどをつくって、キャンペーンもされているようですが、診療する際、我々現場では、これは労災ではないかという事例に遭遇することもあります。特に軽症の場合、多く見られます。会社からの何らかの圧力、あるいは本人の遠慮がある場合もあるかと思います。健保の財政が厳しいと盛んにおっしゃっておりますが、こういった労災隠しは、そういうものをさらに圧迫することにもなりかねないと思います。
 患者さんは、医療機関の医師が労災ではないかと聞いても、雇用が打ち切られてしまうことを心配されて、健康保険でお願いしたいと言われます。そうすると、我々としては、無理に労災というわけにもいきません。そういった場合には、例えば医療機関からのレセプトに、労災の疑いというコメントをつけることで、保険者が後で確認の調査等を行えば、いわゆる労災隠しも減少しますし、少なくとも健保の財政も労災隠しで圧迫されることはなくなるのではないかと思いますので、あわせて御検討いただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 鈴木委員、確認ですが、ほとんど御意見だと承りましたけれども、事務局に確認することが幾つかあったようにも思いますが、それは必要ありませんか。
○鈴木委員
 「インターンシップなど」の「など」というところに、就労継続支援B型が含まれるかどうか。
 それと「健康保険の給付を留保する」の「留保」は、どういう意味なのかということです。
 あと、論点2・3・4とありますが、これは我々が議論をリードするものでもないと思います。
 3の遡及適用は、常識的にというか、余り好ましくないだろうと思います。
 4の法改正の要否ですが、やるんだったら、そういったものも含めて必要だという気がします。
 2に関しては、私どもはほかの方々の御意見を伺いながらという感じでございます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局、確認事項について、御対応をお願いします。
○大島課長
 障害者の就労継続支援B型につきまして、今の取り扱いが健保法の業務との関連で実際にどういうふうになっているかというのは、個別のところを見ないと、若干わからないところがあります。個別のケースによって、業務であったり、なかったりする可能性があるかもしれませんけれども、少なくとも改正後の扱いにおきましては「など」に含まれるということで、カバーされると考えています。
 「留保する」の意味するところは、まずは労災での判断をしていただいて、その上で健保の方から支給する。仮に労災が出ない場合には支給するという意味でありまして、いたずらに引き延ばしをしたりしないように、あわせて周知をしたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 岩村部会長代理、お願いします。
○岩村部会長代理
 私は労災保険にもかかわっているので、微妙なんですが、この問題自体をこういう形で取り上げていただいたことは、非常によろしいことだと思います。
 1つ厄介なのは、労災保険における労働者というのが、最終的には労基法における労働者に返ってしまうということでございまして、もちろんこれも実態に基づいて判断するんですけれども、労基法の労働者と言えないと、労災保険の対象にならないという連結があるので、シルバー人材センターの実態によりますけれども、労基法上の労働者と言えないと、結局、労災保険の対象者にはのってこないということになってしまって、私の承知している限りでは、シルバー人材センターの場合は、現在、多くの場合は必ずしも労働者性は認められないというのが一般的ではないかと思っております。
 以下、コメントと事務局にお伺いしたいことがございます。
 1つは、法改正が必要かどうかということとの関係なんですが、健康保険法で言っているところの業務外の概念を整理し直すとことで、対応できるのではないか。法改正は必ずしも要らないのではないかという気もしなくはありません。
 先ほどの菅家委員の意見とも関係するんですが、業務外というのは、あくまでも労災保険における業務上の認定を受けなかったものと定義してしまえば、別に法改正は必要ないのではないかという気がしております。そういう意味では、従来の健康保険の概念がやや広過ぎたという気もします。業務の概念がちょっと広かったという形で整理できないかという気がしています。
 もう一つは、先ほど鈴木委員がおっしゃったことと関係するんですが、2ページのQ&Aで、労災保険の給付を促して、健康保険の給付を留保するというのは、医療機関の側もいろいろ問題があるでしょうけれども、患者サイドもいろいろ問題があるのではないかという気がしています。
 よく聞くのは、労災が疑われる場合は、医療機関からまずは全部自費で払ってくれと言われるということです。要するに後でもう一回請求し直さなければいけないということになって、非常に面倒なんです。労災の場合は健康保険の適用がないからとか何とか言って、労災の支給決定が出るまでは、まず自費で払ってくれと言われるとか、そういう話を聞いたこともあります。
 それから、労災保険の場合は、確かに迅速に決定は出るにしても、どうしてもタイムラグがあるので、決定が出るまでの間をどうするのかという問題は常に残るような気がします。
 さらにいえば、最初、労災の方が不支給になって、今度それを争っていって、最終的に裁判までいって、支給決定が出るというケースがあったりするので、そういった場合に一体どうするのかとか、実務上いろいろ考えていくと、面倒な問題がある。特に労災をまずやってということになると、医療機関もそうですが、患者の方も困ってしまうケースが出てこないかというのが気になっております。
 役員のところについては、これまでどおり、5人未満の法人の役員等のみから健康保険で給付するということでいいと思っていますが、これは労災保険にかかわるもので、深入りはしませんけれども、ただ、特別加入というのが、それほどうまく機能しているのかという問題は別途存在するのでこの立場をとるとしても、そこのところは要検討だと思っています。
 遡及適用については、遡及適用を行わないという立場でいいと思うんですが、ただ、これはほかの領域でも例があるんですけれども、法改正前に、健康保険からも労災保険からももらえなかったんですという人が出てきて、そうすると、遡及適用しなかったのは、憲法違反だ、14条違反だという訴訟が出てくる可能性があります。その議論に対して、あらかじめ答える理由を考えておく必要があるだろうと思います。
 法改正が必要かどうかというところだけ、最初にお聞きしましたので、そこだけ少しお答えをいただければと思います。
○遠藤部会長
 事務局、コメントをお願いいたします。
○大島課長
 先ほどの資料の中で、6ページに健保法の1条を掲げておりますが、この中の業務外の事由によるというところは、昭和22年に労災法ですとか、労働基準法ができたときに入った規定でありまして、それまでは業務外ということに限定していませんでした。ですので、考え方としては、法律で改正した当時には、労災法との線引きを念頭に置いた規定だと考えられます。その後、どこからそういう運用をしたかはわからないんですけれども、相当早い段階から、ここでいう業務は、言わば反復、継続した事務事業だという運用をしておりまして、労災法でいう業務災害より広い概念として、業務を捉えた運用と解釈を積み重ねてきております。
 したがいまして、それがかなり浸透している状況になっていますので、私どもとしましては、ここの業務外という業務が、広い意味になっていますので、例えば業務災害といった言葉を使うような形にして、労災法との区分なんですということが、目的規定でも明確にわかるようにした方が、混乱は少ないと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 よろしいですか。
○岩村部会長代理
 はい。ありがとうございます。
○遠藤部会長
 ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに御意見がないようでありますので、本議題につきましても、これぐらいにしたいと思います。
 最後の議題「5.その他(報告事項)」でございます。
 「厚生労働大臣が定める現物給与の価格の一部改正について」の資料が出ております。当初のスケジュールでは、資料配付の形で報告にかえさせていただこうと思っておりましたけれども、若干時間があるので、これは事務局からコメントをいただけますか。お願いします。
○大島課長
 「厚生労働大臣が定める現物給与の価格の一部改正について」でございます。
 小さい字で恐縮ですけれども、参考資料2「1 改正の内容」の○の2つ目をごらんになっていただけますでしょうか。社会保険においては、適用事業所の事業主が、従業員の指揮監督、報酬の支払い等の人事・労務管理が実際に行われている単位を1つの適用事業所として取り扱うこととされている。
 また、支店等も含めて1つの適用事業所とされている事業所にあっては、支店等に勤務する被保険者に係る現物給与について、本社の所在地が属する都道府県の現物給与の価額を適用する取り扱いとなっている。
 現物給与の価額については、本来、生活実態に即した価額になることが望ましいことから、このような支店等における現物給与の価額の適用についても、実際の勤務地が属する都道府県の現物給与の価額を適用するものとするよう、従来の取り扱いを改めることとするとあります。
 具体的に書いていないので、わかりにくいかと思いますが、2ページをごらんになっていただけますでしょうか。
 例えば会社から社宅の給付を受けていて、現金に置きかえた場合、社宅がどれぐらいの給与の価値があるのか。それを標準報酬月額に反映させる。そういう過程で出てくる取り扱いの問題であります。
 下の絵の右側をごらんになっていただきますと、適用事業所本社とありますが、ここにある方がもともと勤めていた。異動でA支店、例えば北海道札幌支店に異動しましたというケースで、その人自身は本社の採用で、本社の人事労務管理を受けている方を想定します。その人が札幌で社宅の給付を受けた場合、そこをどちらの価格で換算するかということで、今の取り扱いは、本社が適用事業所になっていて、本社の管理なのでということで、畳1畳当たり、東京価格の2,400円に換算して、標準報酬月額に算入しています。これをその人は札幌に住んでいるから、札幌の価格である、畳1畳当たり870円に換算して、標準報酬月額に反映するように改めたい、そういう内容でありまして、告示の改正になります。
 今、これをパブコメに付しているところでありまして、そのことにつきまして、御報告をしようとしたものであります。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 資料に書いてありますように、これは社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会で議論されているものでありまして、その内容につきまして、審議会として一番近い立場にあります、医療保険部会で御報告をさせていただいたという位置づけになるかと思いますけれども、御質問、御意見はございますか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、きょうは3時間を予定しておったんですけれども、こういう日に限りまして、非常にスムーズに審議が進みました。
 岩村部会長代理がちょっとおくれていらっしゃいましたものですから、最初の議案につきまして、御意見がおありになるということなので、よろしくお願いいたします。
○岩村部会長代理
 せっかく終わりと思ったところで申しわけございませんが、遅刻してきたものですから、議題「1.協会けんぽの財政対策について」に関してちょっとだけ発言をさせていただきたいと思います。
 きょうの資料にもありますように、協会けんぽにつきましては、財政状況が非常に厳しく、何もしないと、料率がどんどん上がっていくことになり、中小企業の被保険者、事業主にとっても大変厳しい状況になるものと思います。そうしますと、現在行われていて、今年度限りとなっている国庫補助率の特例16.4%を、来年度以降についても継続していただくことが必須であろうと思います。
 また、保険料が上がっていくことが、それでもなお避けられませんので、あわせて3分の1の総報酬制も維持し、さらには準備金の取り崩しも視野に入れて、当面の保険料率の引き上げが起こらないように、対処していくべきだろうと思っております。
 なお、個人的には、総報酬割のところについては、3分の1ではなくて、全面総報酬割が適切であると考えておりますけれども、これについては、高齢者医療制度の問題も絡むものでありますので、医療保険制度全体の今後の見直しの中で、議論をしていくのが適切であろうと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、本当にこれで終了させていただきたいと思います。
 次回につきましては、また事務局より御連絡があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。


(了)

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