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2012年10月23日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第27回議事録

医政局看護課看護サービス推進室

○日時

平成24年10月23日(火)17:00~19:00


○場所

厚生労働省19階専用第23会議室


○出席者

秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長)
有賀 徹 (昭和大学医学部救急医学講座 教授)
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授)
大滝 純司 (北海道大学大学院医学研究科・医学部医学教育推進センター 教授)
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長)
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授)
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授)
竹股喜代子 (前 医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長)
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長)
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長)
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授)
山本 隆司 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)

○議題

1)医行為分類(案)について
2)その他

○議事

○島田看護サービス推進官 それでは、定刻より少し時間が早いところでございますが、御到着予定の先生方はおそろいですので始めさせていただきます。
 ただいまより第27回「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催させていただきます。
 委員の先生方におかれましては、御多用の中、ワーキンググループに御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 まず、本日の委員の出席状況でございますけれども、本日神野委員より御欠席と御連絡をいただいております。そして秋山委員におかれましては、30分ほど遅れて御到着と連絡をいただいております。
 次に、事務局のほうでございますが、前回紹介のみさせていただきました医政局長でございます。人事交代がございましたので御紹介させていただきます。
○原医政局長 原でございます。よろしくお願いします。
○島田看護サービス推進官 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りしております議事次第でございます。その下に座席表を配らせていただいております。
 資料1-1「医行為分類(案)及び教育内容等基準(案)にかかる意見募集の結果について(概要)」。
 資料1-2「医行為分類の枠組みに関するご意見(一覧)」。
 資料1-3「医行為分類(案)に関する主なご意見」。こちらは5ページのものでございますが、これに別添といたしまして医行為分類検討シートと、それに関連する意見の一覧をつけさせていただいております。
 参考資料1「医行為分類(案)に関するご意見(一覧)」。こちらは委員の先生方にはA3の分厚いものをプリントアウトして配らせていただいております。
 参考資料2「その他のご意見(一覧)」。
 参考資料3「医行為分類(案)及び教育内容等基準(案)にかかる説明会資料」。
 本日、資料が多くなっておりますので、途中でないものなどございましたら、途中でも結構ですので、事務局にお申しつけいただければと思います。
 それでは、カメラの方いらっしゃいましたら、ここで終わりにしていただければと思います。
(報道関係者退室)
○島田看護サービス推進官 それでは、有賀座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。
○有賀座長 委員の方々こんにちは。この時間からとなりますので最後の力を振り絞ると言っても、私はこの後またあるのですね。
 きょうは資料が大変たくさんありますので、事務局からの御説明に引き続いて質疑等が展開されることになりますけれども、資料そのものは一応、最終的にきょうのこの2時間のうちに、全体的には少なくとも見てしまうというのは全部見るという意味ではなくて、資料全体のありようを理解することも必要ですので、少し時間を区切りながらやりたいと思います。どうぞよろしく御協力ください。
 では、活発な御議論の口火のための資料の説明をお願いします。
○島田看護サービス推進官 資料1-1と資料1-2を続けて説明させていただきます。
 まず資料1-1でございます。医行為分類(案)と教育内容等基準に関しましては、先生方に御議論いただきましたものを案という形で意見募集をさせていただきました。その意見募集の結果の概要が資料1-1でございます。意見につきましては9月7日から10月5日の間に募集をいたしました。御提出いただく方法といたしましては、それぞれの案に対する具体的な修正意見を所定の様式をお示しいたしまして、電子メールで受けつけをいたしました。
 意見募集の対象でございますけれども、本日参考資料3でおつけしておりますが、ワーキンググループでおつくりいただきました医行為分類(案)と、教育内容等基準(案)につきまして意見をいただいたところでございます。
 4番にございますように、意見につきましては多数いただいたところでございまして、御協力いただきました関係の方々にはお礼を申し上げたいと思います。いただきましたメールの件数で計上しておりますけれども、医行為分類(案)につきましては120件、教育内容等基準(案)につきましては97件の御意見をいただいております。そして、その他この制度試案の枠組み等につきましても御意見をいただいておりまして、それらが34件いただいております。
 本日の資料といたしましては、教育内容等基準(案)につきましては本日の議論の対照ではございませんのでおつけしておりませんけれども、医行為分類(案)とその他の意見につきましては、資料として全て本日お示ししております。
 参考として下に記載しておりますが、この意見募集に関しましては説明会を開催しておりまして、2回ほど厚生労働省におきまして説明会をさせていただきました。参加者数としましては223名の方に御参加をいただきまして、この意見募集に関する説明会を行ったところでございます。
 続きまして資料1-2でございます。本日は意見募集をいたしまして、言っていただいた意見の中から医行為分類に関する御意見について、中心に御議論いただければと思っております。
 まず資料1-2といたしましては、医行為分類そのものといいますよりも、枠組みに関しましての御意見をいただいたものということでまとめさせていただいております。資料1-2はその意見募集の対象としました資料の順番に沿って、左側に意見番号をつけておりますけれども、それぞれの資料についての意見をいただいているところでございます。分量ございますので、先生方には事前にお目通しをいただいていることかと思いますが、幾つかピックアップさせていただきますと、例えば意見番号1にありますが、こちらは2軸で分けた医行為の分類に関する考え方に対する別紙1への意見でございますけれども、修正案としては、医行為は生命への危険性で分類するべきといった修正案をいただいております。
 意見番号5でございますけれども、こちらも同じく別紙1に対する御意見でございますが、判断の難易度は患者の状況や身体的な側面、心理社会的な側面かつ過去・将来・現在にわたる経時的な全体状況を含む要素によって決定づけられるということで、当該行為を実施する際の難易度という、それらがそういった難易度になるのではないかといった御意見をいただいているところでございます。
 3ページまでが別紙1への御意見になっておりまして、3ページの一番下の意見14では、別紙1~3を通しての御意見などいただいておりまして、医行為分類のB、C、D、Eの表現に対する御意見などもいただいているところでございます。
 5ページ、御意見22、23、25は共通したところを御指摘いただいているところですけれども、意見募集の対象としております中で別紙2、別紙3では、看護師が行う薬剤に関する行為の考え方を分類として示しておりましたが、それらについては看護師が行う範囲を明確に示すべきではないかということで、18ページの図を意見募集として別紙2ということでおつけしておりますが、看護師が行う範囲として点線で運んでいる範囲を明確に示したほうがいいのではないかといった御意見もいただいたところでございます。
 6ページに意見番号27をいただいておりまして、用語の変更の御提案ということで、抗生物質を抗菌薬と修正してはどうかという御意見をいただいております。
 7ページの意見番号35でございますが、こちらは指示に関する整理をしました図の中で、指示について「医師または歯科医師の指示」と変更してはどうかという御意見などもいただいております。
 9ページの意見番号48、こちらも指示に関して整理した資料に対する御意見でございますが、具体的指示以外の指示は全て包括的指示であると記載している部分につきまして、修正案として理由が書かれておりますけれども、具体的指示も患者の病態等に応じて幅があるということで法令上規定することはできないし、すべきではないといった御意見もいただいております。
 11ページ、意見番号60でございますが、医行為という表記について「医行為・歯科医行為」と明記したほうがいいのではないかといった修正意見もいただいております。
 12ページ、意見番号63は資料全般について御意見をいただいているところでございますけれども、在宅医療を想定した例も明記したほうがいいのではないかといった御意見もいただいているところでございます。
 全ての意見を御紹介できず恐縮でございますが、幾つかかいつまんで紹介させていただきました。こちらをもとに御議論いただければと思います。
 以上でございます。
○有賀座長 では、資料1-3は引き続きということになりましょうので、資料1-1と資料1-2に関連して御質問がございましたら、しばし本件についてと思いますので、いかがでしょうか。
 資料1-1できょうの議論は医行為の分類(案)120件と出ましたが、1と2は枠組みに関する意見ということでいいのですね。ですから120のうち半分ぐらいということなのですか。これでいくと意見番号六十幾つまでありますので、そうかなと。聞いただけです。
○島田看護サービス推進官 1つの団体から複数の御意見などもいただいていて、それを通しで番号をつけています。
○有賀座長 星先生、どうぞ。
○星委員 教えてください。分類の枠組みに対する御意見というところに、他の専門団体からの意見が非常に少ないような気がするのですが、この手のものでどこかほかに分類されているところはあるのですか。全般にと書いていないと、ここには載らないということなのでしょうか。そこはどう理解すればいいのでしょうか。この一覧の中にはかなりいろんなことが書かれているのですが、個別のものはこの中に整理されて、全般に対する意見ということで三十幾つか出てきたことだけが、ここに出ていると理解すればいいですか。
○島田看護サービス推進官 意見をいただく際に、資料番号を明示していただいて御意見をいただいています。そのうち行為の番号でお示しされている意見につきましては、それぞれの行為別の御意見にまとめさせていただいています。そして、今、見ていただきました資料1-2にまとめましたように、枠組みに対する意見ということで資料番号をつけて御意見をいただいているものについて、こちらにまとめているというものでございます。
○星委員 前に配っていただいて見せていただいた範囲で、参考資料1となるのだろうと思いますけれども、その中に随分、看護系ではないところからの意見があったように私は読んだのですが、そういうものについてはどういうふうに今後議論していくのでしょうか。端的に言えば何で看護だけのことなんだ、我々はこんなものをやっているんだぞというか、こういう行為は我々もやっているんだということが出てきたと思うのですけれども、その整理はどちらにされるのでしょうか。
○有賀座長 今の御質問は、得られた意見をどういうふうに分類して議論していこうとしているかという話であって、私が最初にお話したみたいに、1-1と1-2がこれからの話になりますけれども、きょうのところは1-3も含めて全体の意見をこんなふうに整理されていますよということを理解することが、まずとっかかりになるということです。従って、星先生がその件をもう一回念を押すということで、だから参考資料1を見ると具体的な行為の番号に対して、例えば意見番号1~5は行為番号1について動脈ラインからの採血について載っているわけで、そういうふうなものについてはどのような形で整理をしていこうとしているのか。それは枠組みとしての議論とは別議論なのかということで質問されているのですね。これは私も頭がぐちゃぐちゃになるのです。
○島田看護サービス推進官 御議論いただく進め方としましては、まず行為の枠組みについて御意見をいただいているものを見ていただいて、その枠組みをまず御議論いただこうと思っておりますけれども、本日後半ではそれぞれの行為に対していただいているものを番号に沿って整理しておりますので、それを本日全て1からということではなかなか議論していただきにくいかと思うので、後ほど御説明いたしますが、代表的なものを抽出して、本日御議論いただこうと思っております。
○有賀座長 それが1-3になるので、前半戦は一つ一つについてではなくて、今ここにありますように分類の仕方とか、X軸とY軸はこういうふうな表現がいいのではないかという、言わば分類のあり方みたいなところでの議論から意見があったのでしてくださいという、星先生、そういうことだと思いますね。
○星委員 あえて、何でこんなことになるかというと、非常に大量の情報を何とか処理しようとしているわけです。少なくとも私の足りない頭で。となると、ガイドラインがないとなかなか入り込めない。そのときに枠組みといったときの印象から言うと、例えばいろんな職能団体の中からさまざま出されている統一的な見解、つまり、この手の医行為は我々もしているのだから、我々についてはどういうふうに考えるのかといったようなことも、先ほど歯科医師というのを入れろとか、言葉を明確にしようという話と同じような理解のできる話題といいますか、提案というふうに捉えることができるのであれば、1-3に行って戻るのではなくて、本当はこの入口で整理をしてもらったほうが、私自身としては議論をしやすいかなと思ったのです。
 つまり、行為の中に入ってしまうと、これは代表的なものをやりますと言っていますけれども、代表的なものだけでは議論できない部分があって、ほかの職域と重なる部分、その他既にやられているようなところとの接点なんかはかなり丁寧にやらないと、理解が得られないような気がするのです。ですから、そのあたりについてもう少し整理をしてもらったほうが、我々としては議論しやすいのかなというある種のクレームでもあるわけで、漠然としたことを言って申しわけないのですけれども、もう少し突っ込んだ整理をしてもらったほうが、つまり、その他の意見はこれでしたというのではなくて、その他の意見のほか、それぞれの意見に統一的な学会からの意見として、こんなふうな内容がありますというような整理をしてもらって、この資料1-2で議論ができたほうがよりわかりやすいかなという意見です。
 したがって、非常にやりにくい環境で私は議論しなければいけないということを申し上げているのでありまして、かなりこれは、きょうはその後、何かあるそうですけれども、私は8時でも9時でも10時でもいいですけれども、ですからそのあたりの資料を提出された皆さんとしては、ここでどんな議論をしてもらおうかといったときに、非常に制限的に感じるということを申し上げているので、行ったり来たりするということ、あるいは時間がかかるということは了承の上、これから議論させてほしいということを申し上げるにとどめます。
○島田看護サービス推進官 進め方といたしまして、枠組みという流れで御議論いただくか、あるいは個別の行為ベースで御議論いただくかというところかと思うのですが、本日、事務局で御準備しておりますのは、星委員から御指摘ありましたような他職種で実際にやっておられる行為などについても今回、分類対象に挙がっているものもあろうかと思いますので、そういったものも資料1-3で例としてお示しをしまして、どういった観点から今後これを考えていくことが必要なのかといったことを、1つの行為をとっかかりとして御議論いただきたいと思っているところで、資料のほうは準備をさせていただいております。
○川上委員 他の職種の話が出たので今この場で申し上げさせていただきますと、資料1-2の5ページ、意見番号22と23ですけれども、もともとは、その資料の18ページの図を見ていただいても結構かと思うのですが、看護師が実施する薬剤に関する行為の分類の考え方に対して、日本病院薬剤師会と日本薬剤師会が修正意見を言ってきているものです。変更点としては、タイトルを「診療の補助として」と直した部分と、調剤から下に線が出て2本に分かれているというところと、B、Cに分類される部分を点線で囲んで、どこが診療の補助に該当するのかというところを明確にしたことかと思います。恐らく、薬剤師が行っている薬剤業務と、看護師が診療の補助として薬を取り扱う行為の範囲を、明確にしようという修正意見だと思います。
 これを拝見して、確かにこの方が、これまでもこの場で私も薬剤に関してはいろんな意見を申し上げてきたのですけれども、理解する上ではすっきりするかなと私も思いますので、薬剤については、ぜひこんな形で資料を修正して今後も議論していただければと思います。よろしくお願いします。
○有賀座長 これは色がついていないのですが、赤線というのは点線のことですか。
○島田看護サービス推進官 済みません、点線のところです。
○有賀座長 というふうなことでじわじわと議論は進むのでしょうが、星先生が言われたように紙を前にして机に座りながら議論するということで、ロングランの議論に耐えるというのも1つの方法なのですけれども、この間、国立病院機構の東京医療センターと立川の災害医療センターを見学させていただいて、そこでは国立病院機構の議論によって当座、大学院を2年卒業してきた看護師さんについては診療部門の組織図的な位置づけに置いて、この包括的な指示のもとでの技量の向上を1年ないし3年かけてやっていくという様子なのです。
 1年目の人たち、だから卒業してまだ数カ月の人たちを何人か見て、お話を聞かせていただいたり、どんなふうに教育されているのかという話を聞いたりしていますと、やはり私たちの医療の現場というのは生きているというか、生き物というか、したがって、ここでの議論は大事なのですけれども、現場にこそ本当のことがあるみたいな気がしました。だから結局、今、薬剤師から見たときのより精緻なあり方はこうだろうという意見は出るので、それはそれで精緻な形で図や表などを進化させる必要は多分あるのだとは思うのですが、極めて現実的にはそこにいる人たちは、ある日この図を見ることは多分あると思うのですけれども、それぞれの職種の方たちから見て妥当な範囲と言うのはおかしいですが、そこにいる薬剤師さんから見て特定行為にチャレンジしているナーシングスタッフがこんなことをしようとしているということを理解している。
 つまり理解できないことは展開していないのです。ですから、そういう意味ではここでの議論はここでの議論として星先生みたいに大事なのですけれども、極めて現実的な場面をこの議論のほうに逆にフィードバックするような、そういうことを持ち込むとこの膨大な資料が少し氷解してくるのかなという、そういう印象を持ちました。
 ですから、この机の上だけで多くのことが納得の水準まで行くのかというと、本物を見てしまったほうがどうも早そうだという感じがしないわけではない。思考停止しているわけではないのですが、現実の病院の中というのは本当に生きているなということを感じたのです。
 先ほど少し説明がありましたけれども、在宅の景色がわかるような書きぶりがあってもいいのではないかとか、患者さんの病気の推移のあるポイントとあるポイントは違うので、そういう意味での難易度についての議論は違うのではないかと書かれているのですが、一つ一つがそういう意味では極めて当たり前で、私たちはそれをそう言って議論することが仕事ではなくて、当たり前の中でどういうふうにしてこういう看護師さんたちの仕事ぶりを進化させていくのかなと思ったのです。議論の仕方が私たちから見ると、星先生にとっても私にとっても難しいのは、そういうふうなことがあるからではないかなと実は思うのです。
 ですから、むしろ看護師さんたちの考える道筋によってこういうふうな議論の仕方がいいというのであれば、私はそれでいいのではないかという感じがするのです。どうもこういうふうな議論はある意味とめどなく沼地の中に入り込んでいくような印象を私自身はなかなかぬぐえないのです。星先生も多分同じようなことを言っているのではないかという気がするのです。むしろナーシングスタッフの方たちからの意見をと思います。真田先生いかがですか。ぱっと目がそちらに行っただけの話なので深い意味はないです。
○真田委員 これはまさにそのまま出していただいたのだと思います。全てデータを出していただいて、そして、そのデータをどのように整理するかということをここでディスカッションするということも大事なのかなは思っております。ですので、一つ一つ膨大な量なのですけれども、代表的な例がしめされているので、視点をどこに置くかということを出していければ、今日のところはよいと思っておりました。
○有賀座長 ほかに何かありますか。せっかくですから今、資料1-1と資料1-2をとりあえず説明していただいて、枠組みに関してはこのような意見があるのだなと。一個一個はまたきつくやろうと思えば幾らでもできますが、今真田先生のおっしゃるように全体を出していただいたということがありますので、資料1-3もここで説明していただいて、それで全体のからくりというか、でき方についての理解を少しいざなって、それから、もう一回行ったり来たりでもいいのではないかという気がします。
 資料1-3を説明していただけますか。
○島田看護サービス推進官 資料1-3を説明いたします前に、ただいま委員の先生方に資料1-3に関連します参考資料1の追加のものを配付させていただきます。膨大な資料を整理しておりまして、若干その整理をする際に抜けがございましたので、今、追加で配付をさせていただきます。
○山本医事課長補佐 それでは、配付途中でありますが、資料1-3に基づきまして医行為分類(案)に関して寄せられた主な意見について御説明させていただきます。
 参考資料1にありますとおり、今回は意見がかなり膨大な量を寄せられておりますので、今回のワーキンググループでは主にAとすべき、もしくはCとすべき、Bというものを変更する必要性があるのではないかという意見が多く寄せられたものなどを中心に選定しまして、資料とさせていただいております。
 また、今1-3にあります最初の88番、胸腔ドレーンの抜去などにつきましては、ドレーンと言えば心臓ドレーンやほかのドレーンのバッグなどもありますが、そうしたものを個別に出していくというよりは、そうしたものの中から1つ選択をして例示として示させていただいております。その際、原文そのままではなく、複数意見を寄せられたりしておりますので、ある程度事務局のほうで要約して資料とさせていただいております。したがいまして、原文ままの正確な意見につきましては、1-3とは別に医行為分類検討シート案という形で別のものを用意させていただいておりますので、意見募集を行った際の行為のどういう形のもので提示したのか、また、その後ろに各団体、学会等から寄せられた意見を個別に原文のまま記載させていただいておりますので、あわせてごらんいただければと思っております。
 また、1-3を分類していく上では意見のまとめ方としてB1、B1またはB2、B2等という形で分けて分類しておりますので、その順番で御説明させていただければと思います。
 それでは、最初1-3の1ページをごらんいただければと思います。医行為分類(案)においてB1と分類された行為でございますけれども、まず最初に88番、胸腔ドレーンの抜去につきましては、Aとすべきという意見とCとすべきという意見、両方の意見が寄せられておりまして、Aとすべきとした主な理由としては、抜去そのものでは高い技術は必要としないけれども、抜去後の縫合手技や再挿入、抜去後の病態評価についての難易度から医師が実施すべきという意見ですとか、行為の侵襲性、危険性から考えて医師が実施すべきという理由からAとすべきという御意見がございました。一方、行為そのものは一般的な医行為なのでCとすべき。適切な教育訓練等がなされていればいいのではないかという逆の意見もございました。
 続きまして、生命に直結するという意味で経口・経鼻挿管の実施を選定されていただいておりますけれども、生命を直接左右する重大な医行為なので、その安全性を確保する必要性があるですとか、一方、その中で実施する場合でも、対象を限定すべきという意味で心肺停止患者に限定されていないので危険。逆に、実施する場合でもそうしたものに限定すべきではないかという意見がございました。一方、プロトコールがきちんと定められていればCでもよいのではないかという意見もございました。
 2ページ、気管カニューレの選択・交換でございます。これにつきましてはCとする。これは原文を見ていただければと思いますけれども、これはBのままという前提だと思いますが、自発呼吸管理下のみとすべきという御意見もございました。また、これも対象を限定すべきという意味で長期間挿入し、気切孔ができ上がっているものならばよいという形で、気管カニューレを選択・交換していく上でも症例によって状況が違うのではないかという意見もございました。
 75番、表創(非感染創)の縫合、皮下組織までという形で、これも縫合は幾つかありますけれども、皮下組織までのものを代表として例示させていただいております。この行為につきましても侵襲性、危険性から考えて医師が実施すべきという意見。醜形を残さない縫合には高い技術水準が必要であるという意見がある一方で、現行のCのままでよいという意見もございました。
 69・70-2でございます。褥瘡の壊死組織のシャープデブリードマン・止血につきましては、行為の危険性で出血があった場合に止血措置が必要である。また、動脈や神経を損傷する危険性があるという意味でAとすべきという意見がある一方で、Bのままでよい。しかしながら、褥瘡に限定するわけではなくて慢性創傷も対象にすべきという意見もございました。
 137番、血液透析・CHDF(持続的血液ろ過透析)の操作・管理ということで、これもAとすべきという意見と、B1またはB2という形で変えるべきという意見と、Cとすべきという3つの意見がありまして、Aという意見の理由といたしましては、病態の総合的な判断が必要であるためというものでございました。一方、B1またはB2とすべきという形でB1で整理されておりますけれども、判断が伴うためという理由でB1またはB2という意見もございました。Cとすべきというものとしてはきちんとプロトコールが定められているのであれば、一般の医行為のCとすることが可能ではないかという意見もございました。一方で、透析をするという意味でも慢性透析の場合等々いろいろございますので、今回Bとしていくなら急性血液浄化のみをBとすべきという意見もございました。
 3ページ、医行為分類(案)においてB1またはB2と整理された行為についてでございます。例示としては腹部超音波検査を挙げさせていただいておりますけれども、御承知のとおりB1またはB2に分類されたものは心臓も含めて複数超音波検査がございますが、腹部のものを例示として挙げさせていただいております。これにつきましてはAとC両方意見がございまして、医師の専門的判断と技術で行うべきですとか、超音波検査は術者により診断能力に差があり、診断結果は治療方針に大きな影響を与えるということでAという意見がある一方で、既にほかの診療放射線技師、臨床検査技師等々が実施しているですとか、保助看法の範疇で可能な業務をあえて特定行為に格上げする必要性がないですとか、精度の高い検査を実施するには研修が必要であるが、部位別に分けて分類すべきではないといった意見がC意見としてございました。
 続きまして、B2またはCと分類された行為で、これは基本的には判断が中心となる行為で服薬検査に関するものですとか、投薬等に関する行為が中心のものでございます。
 最初の行為が8番として手術前検査の項目・実施時期の判断で、これは大きく3つ、Aとすべき、Cとすべき、Eとすべきという意見がございましたけれども、Aとすべきという主な理由としては手術内容を熟知し、経過予想の判断が必要ですとか、判断の過ちにより重大な結果をもたらすという意見がある一方で、プロトコールが定められていれば一般の医行為とすることが可能という意見もございました。また、少し違う観点で最終的な決定は医師がすべきということで、そういう意味では看護師が行うのは判断ではなく提案ではないか、Eとすべきという意見もございました。
 続きまして、B2の中で生命に直結するものの例示ということで64番、人工呼吸器装着中の患者のウィニングスケジュール作成と実施ということで、Aとすべきという意見は判断の過ちにより重大な結果となる。最後には医師の確認を得るべき。医学的判断を要する医行為である。一方で、ほかの医行為と同じようにきちんとプロトコールが定められているのであれば、一般の医行為とすることが可能という意見もございました。
 補液・投薬に関するものですけれども、133番として脱水の程度の判断と輸液に関する補正ということで、Aとすべきという理由は病態の総合的な判断が必要であるということ。その一方で、プロトコールが定められていればCで大丈夫ではないかという意見ですとか、在宅医療や僻地医療においては看護師の対応が重要であるという意見もございました。
 インスリン投与量の判断ですが、判断の過ちにより重大な結果となるため、最後には医師の確認を得るべきですとか、病態の総合的な判断が必要であるということでAという意見がある一方で、医師の指示、血糖値の確認、プロトコールに基づくのであればC一般の医行為と分類しても可能。その他、在宅医療あるいは僻地医療においては看護師による対応が重要ですとか、一番上とかなり類似しますけれども、プロトコールに基づいた調整は比較的リスクが低く、看護師が行うメリットは大きいという意見も一方でございました。
 投薬の調整については3つ例示として、このほかにも幾つか薬剤の調整というものはありますけれども、例示として挙げさせていただいております。降圧剤、硬膜外チューブからの鎮痛剤の投与調整、オピオイドの投与調整という3つを例示させていただいています。シートの案のほうにも3つの行為について挙げさせていただいております。Aとすべきという意見としては、プロトコールにより看護師が対応することは困難であるという意見がございました。その一方で、既に投与量の調整というのは診療の補助として認められているので、薬の種類等で包括的指示か具体的指示か分けるべきではないという意見ですとか、薬剤の選択を要さずプロトコールに従えば、安全に施行することができるという意見もございました。
 168-1は臨時薬剤、これはドレッシング材の選択・使用でございます。それにつきましても創傷被覆材の選択は難しく、医師のみが行うべきという意味でAとすべきという意見がある一方で、創傷の治癒過程の判断力を要するが、褥瘡に関する教育や研修で習得することが可能、もしくは在宅や僻地の医療機関では看護師が行えることが重要であるという意味で、Cとすべきという意見がございました。
 最後に臨時薬剤という意味で抗けいれん剤(成人)についての投与につきましては、薬剤の選択は医行為であるという理由でAとすべきという一方で、プロトコールが定められているのであればCとすべきという意見がございました。
 各行為につきましては以上でございますけれども、そのほか4、5で5ページ目に書かせていただいておりますが、B以外の行為についても意見をいただいておりますけれども、今後ワーキンググループにおいて御検討いただければと考えております。
 また、今回意見募集を行った以外の行為についても追加すべきという意見をいただいておりますけれども、まずは意見募集したところをきちんと検討していただいた上で、その後、必要に応じて検討させていただければと思っております。
 最後に全般的事項として記載させていただいておりますが、そうした個別の意見をいただく中で1つ目の○で記載させていただいているように、医療が提供される場所や患者の状況によって相違するため一定の判断が困難ですとか、専門施設ではCだけれども、ほかのそうした手技をやる機会がないところではA、医者がやったほうがいいという場合もあり、行為の分類が難しいですとか、小児期の患者や慎重な判断を要する慢性疾患、合併症、複数の疾患を併せ持つ患者等をどのように識別するのかわからないといった、一概に一くくりにできないのではないかという意見がありましたけれども、それにつきましてはここに御参加いただいている先生方も御承知かと思いますが、今回の医行為の分類(案)につきましては一律に全て看護師がやるというものではありませんで、医師が患者の年齢や状態、看護師の能力、技量、患者の状況等を踏まえて指示をするかどうかを含め、指示の内容を判断することを前提にしておりますので、医師の指示がなくて看護師が特定行為を実施することは想定していないという前提ということは、これは我々もきちんともう少し説明していかなければいけないところかと思っております。
 説明については以上でございます。
○島田看護サービス推進官 先ほど追加で配りました資料につきまして、どの資料の追加なのかということを再度説明させていただきます。
 2アップになっていますけれども、1/3、2/3、3/3とありますが、表面の1/3、2/3と書いてありますものは参考資料1に追加すべき資料でございます。裏面にございます3/3の行為番号137につきましては、参考資料1に追加すべきものと、それから、今、御紹介いたしました137につきましては項目が検討対象となっておりますので、資料1-3の別添に追加すべき部分となっております。
 その下でございますが、こちらは参考資料2に追加すべき資料となっております。申しわけございません。よろしくお願いいたします。
○有賀座長 ありがとうございます。
 ちょっとこんがらがっていますが、今、御説明のその他の下の○、行為の実施に関する判断への意見についてという、これはどちらかから賜った意見を事務局の言葉に置きかえたものという理解でいいのですね。ここに事務局の意見みたいな話が最後にぽっと出たのですが、どういう資料なのかよくわからなくなってしまったので今、聞いています。
○山本医事課長補佐 正確に記載できておりませんで、2つ目の○については事務局で記載をさせていただいております。1つ目の○のところは今回の意見募集でいただいたものですけれども、そうした混乱があったので、今回御議論いただく上できちんと頭の整理といいますか、この前提を確認していただければという趣旨で記載させていただいておりますので、これは事務局のほうで基本的には記載させていただいている記載になっております。
○有賀座長 だそうです。だからその他の全般的事項に事務局の意見を言ったということなのでしょうか。
○星委員 同じことで、その上の4番、5番も同じですね。ですから資料のつくり方として表題と中身が違っています。丁寧につくっていただきたいと思います。だからここはB以外の行為についての意見があったという話と、新たな医行為の追加があったという話をしますが、それについては四角囲みか何かで今後別に議論しましょう。?の1番目の○はこういう意見があった。それに対して今回はこういうふうにしてはどうかという事務局の提案ですので、点々で囲んでもらうとか、番号を変えるとか、そういう丁寧にやる必要があったのです。
○有賀座長 だからつまり看護師が特定行為を実施することは例えば・・・を前提にしておって、医師の指示なくいわゆる特定行為をやることは想定していないことに留意する必要があると言っている。しかし、こんなことはわかっているわけで、もっと大事なことは前段のかなりアメーバー的な局面が展開する中で、私たち医療者が働いていることについて理解する必要がある。ということについて、改めてもう一回言ってくださっていいのではないかと思うのです。
 私が何を言おうとしているかというと、こうやって分類して一生懸命やっていますが、実は現場はそれなりにやっておるというところを再びどう理解するのかということになってしまうのです。別に見させているわけではなくて、見学に行ったことが大変私の脳みそを整理するのに役に立っているのです。
 なぜかと言うと、今、言った患者の年齢や状態、看護師の能力といったときには看護師さんから見れば御自身の能力、技量、患者の状況等を踏まえて自分がやることができるのかできないのかを判断している。それは同じ例えば胸腔ドレーンを抜くという作業にしても、この患者さんは抜くし、あの患者さんは抜かないということを彼女、彼らはどうやらできそうだということを勉強してきたのです。
 ですから、森羅万象を全部書きまくるという話は恐らく無理で、病態生理や臨床薬理学や臨床推論を勉強して、患者さんのフィジカルアセスメントがきちんとできるということがあれば、恐らく医師の包括的な指示のもとで仕事がどうもできそうな人たちが育っているんだということがわかったということなのだと思うのです。
 だから、この分類の仕方はもちろん丁寧にうまくやってくれということになるのですが、どういうふうに議論を進めるのかというところは結構難しいというか、BなのだけれどもAとすべきだとかCとすべきだという意見は、私ばかりしゃべって申しわけありませんが、要はどれも正しいのです。ですから、ここでAとすべきだからと言ってBではないと言ってもCの場面もあるんだということが私たちの医療の現場なのです。だからと言って思考をとめているのではなくて、どういうふうに医行為の分類を上手に現場感覚に合せていくかという話になってくるのではないかと思うのです。前原先生いかがですか。一緒に見学に行きましたよね。
○前原委員 先生と御一緒して、東京医療センターと災害で救急と総合内科と外科を4カ月ずつローテーションしてやっていらっしゃる方とお会いしてきたのですけれども、その前に2年間の教育は、その3つのところを2年間でローテーションしていろいろやっていたということで、自分のできること、できないことというのは非常に認識していますし、一人一人で技量が全部違うのです。だから、この人は胸腔ドレーンの抜去ができるとか、この人は何回やっていないからできないとか、もう少しだとか、気管挿管はできる人とできない人というのは個人個人にあるということが、技量をよく認識しているという人を育てていることは間違いないと思うのですけれども、この医行為分類に関する御意見ということで、こういうふうにみんなまとめていただけるとありがたいと思うのですが、代表的な、くしくも医行為の中でも侵襲的なものが最初に出ていますけれども、Bという行為をAだと言うのとCだと言うのでどちらも正しいのだと思うのです。場面と趣旨からすると。ところが、2年間の医学教育なり実習、臨床実践というものをやっているその人たちにとっては、これはそういう能力認証を持った人であればオン・ザ・ジョブ・トレーニングでBであろうというのが、私としては皆さんとの意見の末にBとして選んだので、これはBに対する異論だからAとCしかないわけですけれども、これの中のBが妥当なのかなと私はこの紙を見てそういうふうに思います。
○川上委員 拝見していて、Bとしたものを「Aとすべき」「Cとすべき」と両方の御意見があるのですけれども、「Cとすべき」の方は「プロトコールが定められていて、一定の研修や安全体制の確保があればCでよいでしょう」ということですし、「Aとすべき」の方は「そうは言っても、例えば、それから外れる可能性や、外れた場合の結果の重大性等を考えるとAだ」ということなので、これはどちらもそのとおりかと私も思うのです。だから、いろんな考え方がある中で、これらを統一的にどう判断するかという見解を作っていかないと、個別に一個一個「これがAだ、Bだ、Cだ」とやっても、ちょっと難しいのかなと感じました。
○有賀座長 今の御意見と全く似たようなところに落ち着きそうなのですけれども、発展途上の特定行為にチャレンジされている看護師さんたちの気持ちはBです。教えるほうは限りなくCに近づけたいという感じで一生懸命教えている。標準的な作業過程を示したり、カンファランスで議論したりということがあって、ですからそういうことに耐える基礎体力というか、そこら辺の体力というのは要するに脳みその体力ですが、脳みその力そのものからみれば私がお聞きした限りにおいてはBだと思いました。2年間大学院で基礎的な知識なり技量なり物の考え方を勉強したというふうなことがあってということになるのかなと、とりあえず私は思いました。一つ一つの作業が本当に幅があるということは全くそのとおりなのだけれども、その幅を理解している人が医師のパートナーとして参加してくれているということが多分いいことなのではないか。
 片っ端から聞いていっていきます。こちらからいきましょう。
○竹股委員 私は消去法みたいな意見になりますけれども、一番典型的なのはCとすべき意見の中に、プロトコールが詳細に定められ、適切な教育訓練がなされていればいいというのがありました。そもそも論ですが、あまたあるいろいろな環境、いろいろな地域の医療施設で、そしてあまたあるいわゆる侵襲性の高い判断とか技術を必要とする医行為の中で、それらのプロトコールができている、あるいはプロトコールをきちんと使って行ったり、そういう適切な教育訓練ができたり、そういう環境が印象的になってしまいますけれども、本当にどうなのだろうかということを考えたときに、先ほど申し上げた消去的に、一般的にこれはなかなか特別な場所でちゃんときちんと教育なり、そういう意識喚起ができるようなところでやらなければ無理な行為ではないかというものがBに落とし込まれて、Cとなると現行の基本的にどこにでもある病院が基礎教育を受けたナースたちのその後のOJTの現場の継続教育で、これぐらいだったらできるかなという、そういうような形でBかCかというふうに、私はそんな感じの切り分けが自分の中では落ちるのです。
○井上委員 ここに挙げたB1、B2項目、ここに書かれているように侵襲性と判断力の難易度として、本当に医行為のみ注目して分類していったところがあるかと思うのです。今回何のためにパブコメをしたのかというと、世間での実施頻度とか、世間がどう受け止めているか、これは慎重に聞く必要があるのではないかと思うのです。私たちが論議してきたグレーンゾーンについては安心してやりたい。法律違反ではないという意見がずっとありました。
 そういう意味では既に実施している項目は、積極的にCに落とし込んでやっていっていいのではないか。これを侵襲度という軸だけで判断していくと現状とあわなくなる。医行為自体の分析ではそうなるけれど、教育も進んできて現場では実際にやられているというのであるならば、静脈注射が後から通達となったように、アカデミックな分類だけではなくて、現状をかんがみてCに落とし込む。
 それで推進会議のもう一度説明会の資料を見直していたのですが、看護師のできる行為をさらに拡大する、そういう観点でいくとAと判断されているものに踏み込んでいくかどうか。そこはもう少し丁寧に論議して、これをやることによってどう変わるのか、どういうふうに質向上になるのかという点で見ていかないと、本当にAもありCもありだと決着がつかないのではないかと私は思います。
○真田委員 先ほど項目の分類の方法のお話をしていたのですけれども、有賀先生のお話を聞きながら、自分ならどういう分類をするのかと思っていたのですが、というのは今回、医行為の分類何が今、問題になっているかということの整理をしなければいけないのかなと思いました。
 その整理の仕方は、1つ目はここに医行為分類検討シートに書きました行為の概要自体の表現が十分に伝わっていないということがあるのではないかと思います。その行為の表現方法が1つ。
 2つ目には、実際に現在先ほど井上先生おっしゃられたように、ここの医行為分類シートの4番、現場でどれくらい実施されているのかということの既成事実ももとにして、かつ、業務試行事業をしているので、その試行事業の中での割合と、安全対策がとれているのかをみる。私たちができること実際の既成事実と試行事業の内容から、ここでディスカッションすることが重要だなと思いました。
 ただし、全部の項目をディスカッションするのは非常に時間的にもできないことだと思いましたので、そこで資料1-3で選んでくださった代表項目ですけれども、この代表項目がそれぞれ何を代表にする意味がおありなのだと思います。1回ここで代表項目を今の分類などでディスカッションした後に、もう一度全部を振り返っていただいて、事務局のほうでもう一度ど、先ほど言った既成事実も踏まえて直すべきかどうかということを全体的に見直してもらって、資料を出していただくという方法がいいのではないかと考えました。
 以上です。
○秋山委員 私は作業部会に参加をしているものですので、作業部会の作業の途中でも、部会の委員自体もB1にするかB2にするか、逆にCではないかという意見を闘わせながら原案としてのB1、B2を提示したという作業に加わった者としては、このようにさまざまなところからの意見を集約されて、修正をかけなければいけないかどうかといったときに、これを全て取り入れるのではなくて、確かに今、真田先生がおっしゃったように表現自体が少し曖昧なので誤解を招く表現があり、表現を少し整理することで逆にその表現をしたらB1、B2でいいという内容も多分にあると思います。
 それと、場面が変わると確かにCでいい場面と、例えば御意見の中にありましたけれども、小児の場合はまた全然違う設定になるのではないかという御意見もあるし、その辺のところはただし書きで示していくなり、そういうものを原案として提示していただければ、この膨大な集められた意見の中からの整理としては、もう少しすっきりしたものが出てくるのではないかと考えました。
○英委員 私も作業部会から参加させていただいているので、そもそもこのA、B、Cの分類に関しては随分迷いながらつくられたということですので、我々としてはこういうたくさんの御意見をいただいた、特に学会であったり、現場からいただいた意見というのは十分参考にしながら考えなければいけないですけれども、余り個別性に向けてしまうとなかなか難しい。だから皆さんがおっしゃったような御意見にほとんど近いです。
 ただ、57番の気管カニューレの選択と交換というのは、AもなければB1かCという意見しかなかったということであれば、それが主だったということであれば、その部分はB1かCなのかなということで、そのあたりは結構すっきりと考えられるのかなと思った次第です。
○大滝委員 私は大阪医療センターに見学に伺いましたので、それを思い出しながら今回の資料を拝見しました。大阪に伺って思ったのは、研修を修了された方々が、本当に役に立つ機能を果たしておられる、現場で評価が高いということを実感しました。もう一つはセンター自体の教育機能がもともとすごく優れておられると思いました。そういう中で育てられているということで、これが今後ほかの施設で全部同じような環境で育って、研修なりを受けていくことを期待するのは無理ではないかとも思いました。
 今回の資料を拝見すると、行為の難易度とか危険性についてのいろいろな御意見や、その前提となる器具の問題など、かなりのバリエーションがあること、そして今後状況がさらに変化していくと予想されることを改めて実感しました。一番大切なのは安全性の担保だと思いますので、個々の手技の研修であるとか、正しくできるようになったかどうかについて、チェックすることを重視する必要があると改めて思いました。しかし、一方で余り細かく、ここまで研修をやりなさい、ここを評価しなさいと規定してしまうと、今後状況が変わった際に対応しにくくなると思います。何らかのモデル的なものを示して、現場では例えばこういうトレーニングや評価をして、その上で実施してくださいというかたちで、柔軟にそれぞれの現場で取り入れられるよう配慮することも大切だと思います。もちろん、セーフティーネットとしてはきちんと機能するように研修や評価のシステムを織り込んでいく必要があります。それができれば、私はこれらの意見の幅の中ほどあるいはそれより少し多くの人にやっていただけるような方針に落とし込めると思います。そういった個々の手技の研修や評価に関することが、今回の説明資料で伝わりにくかったという御意見が何カ所かに書いてあります。その点についてもお示しした上で、いろいろなご意見の幅の中ほどあるいは少し広めのところへ持っていくのが、全体としては妥当だと思いました。
 以上です。
○有賀座長 1ページの下の経口・経鼻挿管の「救命士が実施する場合のように心肺停止状態の患者に限って」というのは日本救急医学会の意見なのです。私は別に日本救急医学会の該当する委員会の中での議論に途中から立ち入るようなことはしませんでしたので、皆さんがお考えになったことをそのまま厚生労働省へのオピニオンとして入れるということでよろしくねという感じなのですけれども、今、先生が言われたみたいに基本的には器具そのものがより優れたものができれば、一発でできてしまうというのもありますね。ですから、そういう意味ではここに座っているどなたも一発でできてしまうという道具が既にできていますので、それを使えばCどころではなくてDかもしれないという話になってしまうわけです。
 ただ、東京医療センターでしたか、これから少し外科を回るときに気管挿管を勉強してできるようになりたいと言っている人がいましたので、恐らくできるようになるのだと思います。だから、そうなると制限しているように書いていますけれども、教育の仕組みがあると結構いい線までいきそうだ。なおかつ私が見たところによると、研修医と同じように勉強しているのですけれども、もともとナーシングスタッフなのです。ですから生活背景を見るとか、患者さんの家族の方たちの聞こうとしていることが何なのか多分わかるのでしょう。非常に患者さんたちからは評判がいいのです。
○大滝委員 大阪でも全く同じことがわかりました。私は看護の専門性については正確に理解できているかわかりませんが、おっしゃるように看護で働いていらっしゃった方がこういった領域について研修することで、専門職者の間、患者、家族との間のコミュニケーションがとてもよくなるそうです。私はその点についての認識はあまりなかったのですが、確かに大阪でも強調されていました。
○有賀座長 だから病棟の一般のナースも喜んでいるのです。そういう意味では現場がそれなりに進化していることがわかるので、それに合せて紙面(かみづら)を整理するほうが早いのではないか。小松先生、いかがですか。
○小松委員 私も先生方おっしゃることに大体出てきているので、大きくつけ加えることはありませんけれども、私も見学に行かせていただいて、そして2年課程の人たちが診療部門で研修医と同じように、同じラインで働かせていただくことで、かなり難しい技術に関しても判断しながらやるということがわかりました。
 そういう環境の中で、診療部門に位置づいて安全が担保されるということの中でできるのでしょうけれども、今回出してくるBにしても、一般の看護師が具体的指示で一方でできるという対案があるので、その部分に関しては例えば医療の行為名に関しても、先生がおっしゃるように経口・経鼻挿管の実施と言っても状況をある程度設定しないといけないのかなとか、そこのところは論議をしたほうがいいのではないかと思っているのと、一方で透析のところなんかで現場の医療から考えて使っている文言が私たちのところでうまくいかなかった部分もあって、透析一般、血液透析と言わないほうがいいのかなとか、現場の専門的な声をたくさんいただいたので、それも見直したほうがいいのではないかと思います。
○有賀座長 山本先生、いかがですか。
○山本委員 私は個々の、どれがどの分類に入るということに関しては、専門ではございませんので判断できないのですが、いろいろお話を伺い、あるいは資料を拝見していて、とにかくさまざまな条件が医療現場によって違ったり、あるいは対象としている医行為についても多様なシチュエーションがあるので、それを3つに分類しようというのは極めて難しい作業と思いました。
 ただ、何か制度をつくるということになると、そこはある程度類型的に考えざるを得ないと思いますので、結局2年間の教育が非常に重要な意味を持って、それによってできるようになる行為あるいはそれに相当するようなかなり厳しい条件のもとであれば可能であるような行為が結局Bになって、それ以外がAとCになる。特定医行為と分類しても、特定看護師という言葉は使わない方がいいのかもしれませんが、特定看護師であればあらゆるシチュエーションで、あらゆることができるということまで考えてしまうと、それは危険ではないかという話になるのですけれども、細かい全部のシチュエーションまで考えて分類しようとすると、混乱をするのではないかと感じました。
○有賀座長 そういう意味では、ある程度AとかBというのは決めたわけですけれども、状況によってはAにもなり得るし、シチュエーションによってはCにもなり得るということを許容した、そういうふうな形での分類のあり方というのはあっていいわけですね。
○山本委員 特定のシチュエーションではAではないかというのは、特定看護師であってもあらゆる特定医行為について、あらゆるシチュエーションでできるわけではなくて、やはりそれはまずいという場面があるということだと思うのです。シチュエーションによってCというのは要するにかなり整った条件で、現在はそれが一般の看護師であっても具体的指示があればやっていいという形になっているわけですけれども、具体的指示と言われているものの中身をもう少し詰める必要があるかとは思いますが、一定の条件が備わっていれば特定看護師でなくてもできる。そういう意味ではシチュエーションによってはCという考え方はあり得ると思います。
○有賀座長 結局、行政が示す社会の仕組みのあり方という議論にいずれしていかなければいけなくなるときに、私とか星先生は極めて現場の感性で、「これ全部言っていることわかるよね」となってしまうのです。そうすると、わかった途端に何を決めようとしていたんだっけということに陥りかねないので、先生に今お聞きした次第なのです。だから、何らかの形で類型化はしておかないと、整理がつかないということにはなるのではないかと思います。
○星委員 私は残念ながら現場を見に行くことができなかったので、その報告も聞きたかったなと実は思ったりするのですけれども、大滝先生が非常にうまい指摘をしてくださったなと思うのです。非常に特殊な環境で2年間勉強されて、そして非常に特殊な現場の環境で教育を受けて、実力をめきめき発揮するという非常にスーパーマン的な人たちというのが一部に存在することは否定しませんし、多分そういう手のかけ方と、そういう教育の仕方をすれば、そういう人はつくれるのだと思います。これは間違いないと思います。実際にそれを見ていらっしゃったと思うのです。
 ところが、我々の議論してきた枠組みは、とにかくそういうスーパーマンでなければできない行為はないという仮定でやってきたわけで、要は先ほどおっしゃったように具体的な指示、この言葉がいいかどうかわかりませんが、行為そのものについてはやっていいかどうかということの判断も含めて、判断をしないで済む形でするということになれば、あらゆるということではないのでしょうけれども、それなりのスキルを持った看護師さんならできる。
 一方で、見てきたものの中にもしかすると行為の難易度そのものが高くて、特別な教育をしなければ、つまり判断を伴わない技術そのものの特別な教育をしなければ危ないものも含まれているような気がするのです。
 何が言いたいかというと、この間からやっている枠組みの中ではとにかくどなたでもできますよ、これまでの議論で言えば具体的な指示があればできますよ、しかし、包括的な指示があれば、つまり判断できるからこういう行為ができますよというものは、両方重なっているものでないと多分Bというふうにはできないのだろうと思うのです。ですから多分、有賀座長が見てきてなるほどと感激したり、前原先生が見てなるほどと感激したものの中には、もしかするとその両方の重なり合いはなくて非常に特殊な教育を受けた特別な人ができるという、極端に優れた行為が含まれているのではないかと思うので、そこを余りターゲットにして議論をすると見間違ってしまうような気がするので、あえてそれは申し上げておきたいと思います。
 私はその一方で、きょうの議論の中心的な話題ではありませんけれども、2年か8カ月かという話がいまだに続いているわけで、この話になるとまた元に戻ってしまうような気がするのですが、しかしながら、多くの人に教育の機会が与えられて、安心して行える機会が提供されるというのが医療現場全体を考えたときに必要なことで、スーパーマンを5人、10人、30人つくるというのが今、我々の目標でないことをかんがみれば、その先にスーパーマンをつくるという話が出てくれば別ですけれども、そうでない今、一般にできる、そして具体的な指示がなくても包括的な指示で実施できるという行為を本当に選りすぐっていくという作業をしていかないと、話が変な方向に流れてしまうのではないかと思います。
 したがって、この間見てきた話を伺いたいのですが、どうも有賀先生の目の輝きを見るとスーパーマンを見てきたような気がしないでもないので、そのあたりはどんなふうな、私が今、言ったようなことでBのランクに入れられて、つまり一般の看護師さんもできるという範囲のものを極めてスマートにやっているという状況なのか、あるいはこれだけのトレーニングをすればそういう人たちだろうなという内容だったのか、そのあたりを教えてください。
○有賀座長 行って見てきた方たちに適宜発言してもらえばいいと思いますが、基本的に手技そのものについて言うと、要するに学校を卒業して、現場に来て、そして指導するドクターとのやりとりの中で少しずつできていく。ですから、そういうふうな仕事に就いてみたいという人が、国立病院機構で初めのトライアルとしてエントリーされたということになりますから、どちらかと言うとできのいい人たちが最初に露払い的に頑張り始めたというふうに見れば、そういう意味でのバイアスはかかった人たちなのだとは思います。
 教育の内容と、その後の教育プロセス、つまりオン・ザ・ジョブ・トレーニングの教育は大滝先生言われたように、さすがに多くの医療職、研修医にしてもその他リハビリステーションスタッフにしても何にしても、薬剤師も多分そうなのでしょう、そういう若手の人たちを教育する素地がもともとあるところで育っていることになります。従って、星先生言われるみたいにどちらかと言うとスーパーなところを見てきたなのではないかとなりますが、教育の仕組みそのものはスーパーな病院ではないかと思います。
 そういうふうなところに入れれば、患者さんたちから見て非常によい療養環境ができ上がるような、そういうふうな人たちがつくれるということは間違いなさそうです。そして、東京医療センターでは病院長先生がそういう仕事ぶりを発揮した人が、いずれ病棟の婦長というか師長になると、恐らく病棟全体の医療安全に関しても底上げできるだろうということを発言されていました。
 だから8カ月コースで現場に展開している人たちの場所に行って見てくるというのは、次の作業かなとも思いました。星先生が言われたように、8カ月コースが本当なのか、2年間コースが本当なのかという話は、まだここでは議論が緒についたばかりです。少なくとも2年間の中で病態生理などを勉強したというのは、彼女や彼らによると非常によい、それがあるから今があるという言い方をしていましたので、その部分に関して言う限り、それは間違いないのではないかと思った次第です。
○川上委員 私も東京医療センターに行かせていただきましたけれども、教育・研修の体制は、有賀座長がおっしゃるとおりで、大変すばらしいところでした。有賀座長がおっしゃったこと以外で私が印象に残ったこととしては、医師や看護師がチーム医療を行っていく中で、すごく大きな役割を発揮していたなと思います。一般の看護師の方が例えば看護業務をしていく中で判断が難しい時に、医師にこういうことを聞こうかな、相談しようかなと思っても、まずは職種としては看護師でも進んだトレーニングを受けている方に最初に聞くことができるなど、一般の看護師の理解が深まるとか、看護業務が良くなるといった説明もありましたので、そういったチーム医療での役割もあるのかと思いました。
 ただし、包括的指示のもとで特定行為を実施するというところに関しては、まだ研修半ばということもあったのか、ほとんど初期研修医の先生を教えているような体制で、かなり具体的な、教育的な指示のもとで特定行為をやっていたので、まだ包括的指示が具体的に現場でどう動くのかという状況を見るというところまでには至らなかったというのが私の感想です。
 以上です。
○前原委員 星先生もぜひ行かれたらいいと思うのですけれども、星先生が言っているのは2点あると思うのですが、スーパーマンかスーパーウーマンということは確かにそうだと思います。モチベーションもあって、看護をやっていて、その場合は救急で看護師をやっていて、手術場でも看護師をやっていた。病棟でも総合内科みたいなところでやっていて、プラスアルファ、もう少し医療と言うと皆さん医療をやっているわけですけれども、そのことをやりたいというモチベーションのある人が2年間の教育で、ですから看護師さんは看護師で5年以上の経験を持って、10年以上の人もいました。そして2年間の教育、これは申しわけないですけれども、看護教育ではなくて、それが何%ぐらいですかと聞いたら80%は医学教育であるし医療教育で、もっと少ないと言った人もいましたが、その2年間のそういう教育を受けて、それはマン・ツー・マンですね。ある意味で言えばレジデントみたいなものです。レジデントで一緒に生活をしながら、そしてそこを2年間で卒業したその人は今、救急に行っている、今は総合内科に行っているときで、何をやっているかというとレジデントみたいなフィジカルアセスメントをして、この人の場合にはどういう処置をするのかということをドクターと相談しながら、そしてそれを処理していくという状況です。
 そうすると、手術場で働いていた場合で手術に入る人もいましたけれども、その間の看護師さんもその人がいると、この人はどういう手術をしてきて、救急外来でこういう状態であったというようなことが、コミュニケーションも非常によくとれて、一般の看護師さんとドクターとの間を取り持つメディエーターであり接着剤であり触媒みたいな、触媒と言うと作用がもっとプラスして、いいプラスになるような働きをしていた。それはスーパーマンとスーパーウーマンだと思います。
 それは年間に、先生がおっしゃるとおりそうは出ないです。今、国立病院機構で年間40名か50名、そして、あとは特定看護師のコースの人で10名とすると、多くても年間100名ぐらいでしょうか。それが10年たてば1,000になるけれども、私はそれがメインだと思っているのですが、それだけではだめで、今の医療を支えていくためには8カ月コースという、ここでカリキュラムの話をしてはいけないのかもしれないが、8カ月コースの認定看護師さんなり専門看護師さんなり、その人たちがそういうことをやりたいというモチベーションがあり、そういうひとを望む人であれば、そういう人が出れば1,000になり、2,000になりふえてくるので、インパクトとしては大きいかなと思います。
○井上委員 私も2カ所行かせていただきまして、2カ所が全然違う性質のものでした。
 1カ所は慢性というか、糖尿病の長い経歴を持った人が元の病院に帰って、言わばその人がやりたいことを尊重してやらせてくれるという中で、多分糖尿病のインシュリン調整などをさらに踏み込んでやっているのだろうなと。さらに医師のほうから提案されて、内視鏡の結果説明を、医師がプロトコールをつくってやっていっているというところでした。
 私は2カ所を見学させていただいて、看護チームというか、看護師の側からの役割拡大という視点で、その点に限って言わせていただきますけれども、最初のその人の専門性を伸ばしてというところでは、特定行為という部分を除けば専門看護師の動きと別にどこが違うのだろうという感想を抱きました。そこに特定行為を入れることによって、さらにどういう拡大があったのか。そこは残念ながら見えなかったのですが、まだ時期が短かったのかなと思いました。
 もう一つは座長と前原先生と一緒に行かせていただいたところです。そこは本当にローテーションも研修医のようにやっていて、人物的には多分どの施設もそうだろうと思うのですが、パイオニア的にすばらしい人たちで一生懸命やっていて、本当に皆さんの役割モデルになるような方たちなのですが、私はその人が試行事業というか、研修が終わって一体どういう働きをするのかというところが実は見えなかったのです。多分、診療局と看護部の引っ張り合いになるのか、でも看護部長さんは手放しそうな雰囲気でしたが。ただ、その御本人はある特定の診療科に属して、そこでの看護師としてやっていきたいということで本当にすばらしいと思ったのですが、そこで御本人の希望がどの程度通るのか。今は本当に医師とマン・ツー・マンでやっていて、あんなこともできる、こんなこともできる、すごいなと思ったのですが、果たして研修修了後はどうなるのか。そこの先を見極めない限りは、今の段階でできるすばらしいと言っているのはちょっと心配になりました。
○大滝委員 追加です。大阪医療センターで私が興味を持って伺ったのは、卒業2年間のトレーニングを終えた後、実際に現場で活動し始めて、少なくとも1年間は研修扱いでやっておられて、それが適当だろうという御意見でしたが、その中でどれくらい指導やチェックを受けておられるのかということです。大きく分けて判断の部分と侵襲的な手技の部分について伺いました。判断については1日1回程度、多くは業務が終わるときに、その日行ったいろいろなことについて、かなり包括的ではあるけれども、指導医に相談をしたりチェックを受けたりしておられるということでした。侵襲的な手技については、今回の試行事業の関係で、大学院で実際にトレーニングを受けたことしか実施できないということでした。具体的にはかなり種類が限られていました。今回拝見した資料では、実施しておられる手技の中ではシャープデブリードマンが侵襲的なものの代表でしたので、それについて伺いました。
 大学院ではシャープデブリードマンはシミュレーターでしかトレーニングしなかったそうです。実際の現場に出てからは2~3回指導医に監督、そばについてもらいながら実施して、その後は独立してやっている。ただし、動脈の拍動が見えるといった難しそうな場合には、指導医に声をかけて一緒にいてもらって、今のところは問題なくやっておられるということでした。私が先ほど申しましたのは、こういった個々の事例を参考に、特に侵襲的な行為とか危険な判断についての現場でのトレーニングのおおよそのモデル的なものがあったほうが、先ほどの現場の教育機能のばらつきを補完するという意味で重要であると思いました。
○有賀座長 そういう意味では臨床研修病院に対する第三者評価があるではないですか。あれはどこまで踏み込むかいろいろ議論はありますけれども、一定の標準化された形で質を測ろうとしているということになります。ですからあれよりもう少し丁寧な細かさがあっていいと思うのですが、そういう意味での標準化された道具は持ちたいものですね。
○大滝委員 そうですね。すべての病院に必ず同じ研修や評価がなければいけないというのではなくて、こういった研修や評価のクオリティをチェックする機能がどのように用意されているか、それを毎年見直しているか、といったことを外部評価で確認するのが有効だと思うのです。個々の現場でできることで、かつ、ある程度質を担保できる研修や評価の機能を、義務というか整備することを条件にするほうが、現場は対応しやすいと思います。
○有賀座長 そういう意味では先ほどの山本先生の御意見ではございませんが、類型化された何らかのこういうものを見せて、それでもってBについてはこうですよという形がある意味必要条件の中に入ってくるでしょうか。きょうの資料の1-1~1-3について言いますと、言葉負けしてしまっているところがどうしても出てくるので、こういう言い方になるのでしょうが。
○英委員 私は竹股委員と井上委員と1カ所だけ見に行かせていただきました。本当に非常に慎重に業務をやられているなという印象で、その特定の医行為をどこまで踏み込んでやっているのかというと、そんなに踏み込んでやっていらっしゃるような印象はなかった。むしろ指導体制、安全管理体制がかなりしっかりした中で、本当にちゃんときちんと育てていただいているという印象を持ちました。
 先ほどから大滝委員がおっしゃっている、教育体制をしっかりするというのはすごく大事なことだと思う一方で、かなり現場のニーズに即して動きやすくするという考え方もあるのかなと思うのです。ですから、余りがちがちに縛ってしまうと、逆にもっと現場の即応性というものが少なくなってしまうことも危惧するし、大滝委員がおっしゃっていることもよくわかるし、そのあたりもう少しバランスを考えていかないと、業務試行事業の中でもう少し踏み込んだ仕事ぶりを拝見したかったなという印象を、正直言って持ったという次第です。
○有賀座長 その該当の方は2年間の大学院ですか。
○英委員 そうです。
○小松委員 私も前原先生と有賀先生とまいりました。東京医療センターでした。私が非常に感じたのは、スーパーローテートの研修医と同じような形で学んでおられるということが1つはあるかなというので、試行事業の間ですからそういう形の中で医行為を学んで、先生先ほどおっしゃった判断という意味ではたくさんのカンファレンスにも出ておられて、そこでトレーニングがかなりされているなということがありました。
 この制度自体の難しさで、特定の行為というのは決まっているので、それで実際に包括的な指示のもとに自立してやれるという行為が決まっているので、今後試行事業が終わって自立してその人が働くときに、それらを組み合わせてどういうふうに、どういう役割をとっていくのかというのはこれからの課題かなと思って、6つのローテーションを組んでいますけれども、その中で行う医行為でどの頻度が高いんですかとお聞きすると、やはり集中してしまうというか、それ以上はできないという状況なので、同じような処置を繰り返しやるという状況での仕事にもなる可能性があるわけで、そうすると院長はすごくおっしゃっていて、看護部のほうで見て病棟のほうにその人が行けばいいねということが、私もすごく望んでいることで、でも安全管理という部分で看護部の方は少し慎重な感じで、看護部に来られてもという感じだったので、現実的に今からかなという感じがしました。
 今、見ている限りは、私が見た限りは働くとすればフィジシャンアシスタントという感じの役割での働きでいらっしゃるのかなと。それは患者さんたちにとっては役に立っていると言えば役に立っている。でも、看護がもう少し役割拡大という意味では、そういう人が病棟に来てすごく活躍してくれるといいのになと思っています。
○竹股委員 私は昨年8月ぐらいに5カ所ぐらい行きましたので、ことしは1カ所だけだったのです。それで今回印象的には、そこの施設の院長あるいは看護部長が大変意欲的にそのような人たちを育てたい、あるいは使いたいという気持ちを持っておられているのです。ただ、先ほど井上先生おっしゃったように、もともとDMをやっていらして、婦長さんで医師たちにもナースたちにも信頼の厚い方で、さらにそれでお勉強してきたのですけれども、ですからそこの領域はすばらしいというのは当たり前だという感じだったのです。
 もう一つは、内視鏡の説明業務についてなのですけれども、系統立てて教育していくというよりは、そこにそういうニーズがあり、必要とする先生なり教えてくださる先生がいらしていて、そして、その先生のもとでそこでの役割を拡大していくのだなという印象を受けました。先ほどのつながりでいくと、そこの施設ではさらに現在2人育てています。もっと言うと1病棟に1人いてもいいですみたいな話があったりして、多分きっと今後そこの1施設でかなりの数を育てたときに、そこでの教育の体制とか、そういう人たちをどのような活用をしていくのかというモデルになるのだろうけれども、今の段階ではやれるところからともかく手をつけるという印象を受けました。
 ただ、昨年8月に大分県の病院訪問に行ったときに、そのときにはその方はやはりベテランの非常に立派なナースでしたけれども、当初は病棟とか外来でいわゆる研修をしていたのですが、最近は在宅で活躍されていて、結果としては本当に必要なところに行って活躍しているのだなということでした。ですから、その辺の活躍の本来的なというか、必要性とか、そういうものはもう少し時を待たないと出てこないのかなという印象を受けています。
○秋山委員 私も東京医療センター1カ所だけ行かせていただいたのですけれども、ほかの先生たちおっしゃっているほかには、非常にベッドサイドで患者さんへの情報をしっかりと聞いてきて、そこをきちんと診療の中に入れ込む、本来の看護業務だろうとは思うのですが、それがなかなかできにくい現状の中で、その辺例えば手術の患者さんへの反応もきちんと組み込んできていて、非常に信頼が寄せられているというあたりは、診療の補助の体系に入っているけれども、看護というアイデンティティーは失わずに、逆にそこが生かされている。それはこれから伸びる可能性が非常にあるのではないかという気がしました。
 ちょっと特徴的だったのは、動脈採血が非常にすぐに必要な現場が多くて、それをたくさんやっているという、現場サイドのニーズとぴたっと合っているというあたりが、技術的な面は研修した上でたくさんしているのだけれども、現場としてはそういうことが求められ、なおかつそれに応えているのだなというのが1つあります。
 昨年は今、竹股さん言われましたけれども、私も大分の現場で私自身はバックグラウンドは在宅ですので、在宅の中では技術的なものを使える状態にあるが、それを使わないで済むような予防的な視点を非常に発揮されていて、逆に臨床推論というフィジカルアセスメントが非常によくできるので、例えば老健などでは余り重度化しないうちにきちんと早目に手当てができるような対処をしていることは、大変有意義ではないかという気がして帰ってきています。
 以上です。
○前原委員 東京医療センターに行かせていただいたのですけれども、先ほど言ったように救急と総合内科と外科というところで回ったのですが、総合内科というのが立地条件が世田谷で非常に高齢者が多くて、総合内科のベッドが一番多くて回転率もいつもにぎわっている。そこを回ったときに認知症という方が多くて、そういう方をいかにシームレスに、タイムリーに治療するかということも勉強して、その3つのうちのどこに行くのと後で聞いたときには、総合内科みたいなお年寄りを診たいような、在宅に行きたいというようなことをおっしゃっていたスーパーマンがいましたけれども、その人によく言われるように医療と看護というのは対立するものではないのですが、例えればバイリンガルで日本語と英語両方しゃべれて、そして英語が達者でいろんなところを回ったときに、先ほど小松委員がおっしゃられた、ではどこなんだ、フィジシャンアシスタントなのかということを、私はミニドクターと言われることに関してはどうですかと聞いたらば、私の母国語は看護でございます。ミニドクターと言われることに関しては、私は何とも思いませんと。結局は何かというと、患者さんが喜んでくれればいいという立場でバイリンガルをやっているということを言われました。
 私が最後に言いたいことは、在宅と救急、外科というところでのB行為というものにただし書きをつけて、在宅ではCになるのか、その辺のところはどういうふうに法律で書けるのかわかりませんけれども、そういうことも必要ではないかと感じました。
○有賀座長 一応、見学がかなった人たちからの印象なりを今ぐるっとお聞きしました。きょうの予定は資料1-1~資料1-3という話だったのですが、やはりこういうふうな書いたものに向かって何かをするということよりも、時にはA、時にはCという場面を見てきたことのほうが、どうやら1~3を考えることについては意味がありそうな気もするのです。
 星先生、沢山の意見を聞いて今のところどう思うか、お聞かせください。
○星委員 前原先生がスーパーマンと認めてくれたので何となくほっとしていますけれども、私がきょうお伺いして感じたことが3つ。
 1つ目は在宅の場面というのと、救急の場面というのがかなり目的も違うし、多分教育の仕方も、研修というか技術を磨くという観点も違うのかなというのは、もやもやと感じました。
 2つ目は、私が想像するのは特別な環境に置かれた特別な人たちでない人たちが取り組めるような環境が準備できるかどうかという観点で見るべきだろうなというのが、非常に特別な環境を見てこられた皆さんの感想を聞いて、こういう状況に全ての医療機関がなれば、それに越したことはないだろうなと思いつつも、多分それはかなり難しいことだろうなと思いました。
 臨床研修指定病院がかつて全国に百幾つしかなくて、それが非常に特別な病院だと言われていて、大学病院を除けば極めて特殊な病院だと言っていた。しかし、数をふやさなければいけないということで始まったことではありますが、数をふやしてみたら臨床研修指定病院という病院になることが金銭的にメリットがあるかどうかは別として、あるいは医者が集まってくれるかどうかは別として、少なくともそういうインセンティブがあるからかもしれませんが、何とか脱皮してもう少しよい病院になろう、あるいは研修の仕組み装置を身につけようという努力をしたというプロセスを10年近く見てきています。
 それを見ていると、それなりのマスで教育するというようなスタイルにすることで、全体の底上げというのが私は可能になるのではないか。あるいはそういうことを目指すべきなのではないかというのが私の受けた印象です。これがどういうふうに皆さんに聞こえるかわかりませんが、2年間の座学を含めたものと、その後のOJTというものが相まっていなければいけないし、そのいずれもかなりの人数、かなりの人たちに与えられるようなチャンスであるべきなのかなというのを感じました。
 1つ、私が知りたいなと思ったのは、そう言えば看護師さんも臨床研修を努力目標にしましたね。1年間やるということになっていて、その1年間で目指したいものが何で、それによって病院やそれぞれ新人を受け入れる病院や診療所やいろんな施設がどんなふうに変化したのかなというのには興味が沸きました。実際にそんなの昔からやっているよという病院もあったでしょうし、その義務化があることによって自分たちが選ばれる病院になるための努力をしたところもあるのかもしれません。ですから、そういう意味で教育を担うという立場を目指したときに、病院やいろんな医療機関が大きく変貌を遂げる可能性が私はあると思って、そういうチャンスとしてこれを捉えれば、かなり前向きにいろんなことを考える材料になるのではないかと考えました。
 ちょっと話が飛んでしまいましたが、その1年間の臨床研修を努力目標にして、一体現場がどう変わったかというところは別な意味で、つまりスーパーマンではなくて多くの人たちを育てるという環境がどんな状況で変わり得るのか、変わったのか、変われていないのかというところは、ぜひとも見たいなというか、何かデータがあるなら見たいし、何かそういうコメントがあるなら、そういう医療機関からのコメントも聞いてみたいなと思いました。
 以上です。
○有賀座長 今の最後のことに関しては、島田さん何かあるのですか。私はにわかにはこうではないかと言えないのですけれども。
○島田看護サービス推進官 御指摘の新人看護職員研修につきましては、平成22年4月から努力義務ということで法律に位置づけられておりまして、本日、参考資料3で意見募集に際しまして使いました資料をおつけしておりまして、26ページを見ていただければと思いますけれども、その努力義務の中では新人看護職員研修ガイドラインというものをお示ししておりまして、ここまで新人の段階として努力として目指していただきたいというものをガイドラインの中で示しております。26~28ページに示しましたものが、新人の時期に看護職員としてこういったものを身につけていただきたいということで、到達目標を努力という中でお示しをしているものでございます。
 全体的な傾向につきましては、またこの実施状況などは別途検討の場を設けることが必要かと思っておりまして、今、研究事業などを通して実施状況等について把握しているところでございます。
○有賀座長 真田先生も見学に行き損なってしまったのですね。
○真田委員 私と星先生が行けなかったということがわかりました。
 きょう先生方のお話を聞いて、看護師が行う特定行為はあってよいし、それは教育によって担保されるのだということを今回の先生方がヒアリングで見てこられたということで、大変意義がおありになったんだなと思います。
 ぜひ次回の資料で準備していただきたいものがあって御提案申し上げるのですけれども、今回出ている意見を見せていただくと、ある特定の団体から数多く出ているので、非常に多くの項目に全部答えられて、全部ということはないけれども、結構1つの団体の意見になっているという現実があると思うのです。
 ですので、私どもが全体的に知りたいことは、言いかえればこれに意見がなかった団体はこれでよしとしていることなのではないかと思いますので、どれくらいの団体にこの意見を求められて、どれくらいの団体からお返事があったのか、この資料をいただきたい。
 もう一つは各団体がどのような意見、団体別に意見をまとめていただくと、見方としてはある特定の団体は一つ一つの特定行為に対していろいろ意見をくださっているのではなくて、特定行為を設けること自体に全部Aにすべきだというところで、そこの反対から始まっている意見も出ていると思うのです。ですので、見方を変えて全体像をまずお示しいただきたいということと、団体別に非常に意見が多く出ている団体があるので、その特徴をもう一度見せていただきたいと思います。そうすると、意見を集約するときの参考資料になるのではないか思いましたので、次回ぜひ御準備いただければと思います。
○島田看護サービス推進官 御要望のありました資料につきまして、できる限りと思っておりますが、1つ無理なものがございまして、今回意見募集を対象としました団体の母数というものが定まっておりませんで、ホームページ上に意見募集ということをしておりますし、団体でお願いはしておりますけれども、各大学院からお出しいただいたり、あるいは病院からお出しいただいたりということになっていますので、母数というものの設定をしていない中で意見をいただいています。ですので、意見をいただいた実数というのはきょうお示ししたものでございますので、団体の数というのもわかるのですけれども、割合というものが基本的には方法として出すことができないことになっています。
○真田委員 ただ、送られた団体はあるのですね。そこから団体がeメールか何かで全員に発信されているということですか。
○島田看護サービス推進官 いいえ、厚生労働省のホームページに広く意見募集をしますということで、もともと意見をいただきたい団体さんを限定してお願いしているわけでは、そもそもこちらの考え方としてありませんので、母数というのが把握できないところであります。
○真田委員 そうですか。私も理事長をしている学会があるのですが、そこからこのような書類が来たということで回ってきているのですけれども、それはなぜでしょうか。
○島田看護サービス推進官 御意見をいただく際にホームページで御案内をし、こういった場でも御案内をしておりますけれども、なかなかそういう周知という点で限界があるかと思っておりまして、幾つかの医学系、看護系、職能団体等に対しましては、御意見をいただくようなことをしていますということを御案内差し上げていますので、そういったところから関係の方々に周知をしていただいたということもあったかと思っております。ですけれども、基本的にはこちらとしてホームページに掲載させていただいて、広く意見はいただきたいという形で意見募集はさせていただいたところでございます。
○有賀座長 そうしますと、例えば日本医学会に属している臨床系の学術団体、例えば救急学会だとか脳神経外科学会とかありますね。そういうふうなところへホームページを見てねというメッセージは入れたことになるのですね。だから、そういう意味ではこういう書き方をしたところはわかるわけです。だから、そのうちどれぐらい答えてくれたかというだけでもわかればいいのではないかという、その程度だと思います。
○真田委員 反対に意見を言われなかった方々が、ある意味今回は修正案のある方だけを対象に意見を集約しているので、数から見るとすごく多く見えてしまうということを申し上げたかっただけなのです。ですので、どれくらいの団体に周知したか。ホームページでありましたけれども、やはりこの団体からは御意見いただきたいという団体はきっとお開けになっていると思うので、文章で言っている、あるいはホームページにお願いしているということだと思うので、そこはぜひお示しいただければと思います。
○島田看護サービス推進官 検討いたします。
○有賀座長 看護師さんたちの学術団体も同じでしょう。
○島田看護サービス推進官 はい。同じようにお出ししております。
○有賀座長 だから、場合によっては病院薬剤師会とかいうふうに多分声をかけていると思うのです。違いますか。
○川上委員 済みません、声をかけて頂いたかは正確には存じておりません。
○有賀座長 今の趣旨はそういうことなので、別に難しい話は多分ないと思います。
○真田委員 数がきっと独り歩きすることがとても懸念されるのではないかと思いますので、出せる資料で結構です。
○星委員 これもお願いになるのかもしれないですが、先ほど私が看護師の臨床研修の努力目標化の話を出した理由は、例えばその8カ月であろうが2年だろうがどうでもいいですが、今そういう枠組みで考えようとしている特定の行為ができるある種の能力認証ということが、一方でできる人を育てるということと同時に、その具体的な指示があればという世界で一般の看護師さんができるという裏の手は残るわけですね。そうすると、その一般の看護師ができるという領域をどういうふうに備えていくのか。
 つまり、教育のあり方としてそういう特殊な教育を受けなくても、OJTその他をしていくことで具体的な指示があればできるという教育の仕方ですね。それは一般の医療機関になると思います。そういうことが現に可能かどうかという話ももちろんあるのだと思いますし、必要は発明の母で、必要があれば教えますよという話なのかもしれません。しかしながら、表と裏を一緒に考えていかないと、つまり私たちはあえてそういう人たちをスーパーウーマンではないけれども、特定認証を受ける人たちはつくらないが、我々の医療機関の中でもこれができなくなると困るし、今後のことを考えればきちんとして安全にできるということが、一方でそういう教え方をしているのであれば、我々もそういう教え方ができるような施設になろうではないかというようなことが私はあり得るのだろうし、私はそういうことをすることが全体を安全に行えるということや、全体の看護技術やいろんな行為の安全性みたいなことを底上げしていくようなものになると思うのです。
 ですから、非常に特別なことだけを一方で議論するのではなくて、こういう医行為あるいは特定行為ができるようなプロセスは、病院の中に織り込むとすれば、どんなふうにすればいいのかなということを一方で考えていくことが、もしかすると出口を近づけてくれるかな、あるいはこの間から議論になっている、でも一方は具体的な指示であればできるんだよね。でもこちらは包括的な指示でというところのどうも非常にかけ離れた感じが埋まってくる、あるいはその違いが明確になると言った方がいいのかもしれませんが、理解が進むような気がするので、そういう意味で今回の例えば新人の話は少しレベルが違うのかもしれませんが、その後、実際にうちではやっているよという特殊な教育を、つまり2年間の教育なんかもしなくてこういう技術的なところはこんなふうにしてチェックをしよう、教えているよという例も少し拾い上げてもらいたいなと思います。
 この間、私が申し上げたように、実は座学でそんな別な学校に行ってというのではないけれども、毎週何曜日の午後はレクチャーをしていて、あるいは夜にレクチャーをしていて、そして、そういうものを実際に医者から一定期間学ぶというようなことを施設の中でやっているという施設は多分、東京何とかセンターなんかもかねてそうしてやっていたはずですね。ですから、そんなところがどんな形態で行われ、どんな成果をあげているのかみたいなことも実は見たいなというか、知りたいと思いますし、そういうことがみんなに知られることによって医療機関のありよう、自分たちも安全で安心な特定行為が、認証を受けた人ではないけれども、させるためにはどんなような教育をすればいいのかということを認知してもらうために、非常に重要な要素になるような気がするので、具体的にどうしてほしいというのは言いにくいのですが、そういう努力をしている病院などの取り組みを少し、うちはそういうところには出していないけれども、こんなふうにやっているという、神野先生のところなんかはそうなのかもしれませんが、そういう例を具体的にうちではこういうプログラムを持って、こういう目標を持って、こういう院内チェックをして技術認証していますよというところの姿が見えたらいいなと思うので、それは探してもらえませんか。
○有賀座長 どうやって探しますかね。
○竹股委員 もし星先生がおっしゃっている新人研修であれば、多くのある規模の年間少なくとも50人以上の新人が入るような病院であれば、基本的にそういうプログラムを持っていると思います。
○星委員 それはあるのはわかっていますし、我が病院でもやっていますし、一定の専門病棟に配置された看護師さんたちに対するOJT以外の座学の勉強会などもそれなりにやられているのは知っています。だからこそ言っているので、ただ、それはうちの病院がそうですみたいな話をただするだけではなくて、どういう取り組みがどんなふうにされているのか。つまりこれが例えばBの行為になって、特別な教育をしなければできないよということに対して、そんなことはないよ、うちでもこういう教育をしていればやれているよということがもしあるのだとすれば、そういう病院のそういう取り組みとか意見などを聞いてみてもいいような気がするのです。わかりますね。その辺を見るというか、そこをはっきりさせると、2年の座学というのはどういう意味があるのだとか、大学院に行くってどういうことなんだとか、8カ月ってどういうことなんだということも含めて理解が広がるような気がするので、ぜひそういう取り組みをしている病院を複数紹介していただきたいと思いますが、探しようですか。有賀先生のところはやっていらっしゃいますね。
○有賀座長 病院としてということになると、私も病院長としてはどうかなと思うのだけれども、例えばCCUとかICU、救命救急センターの中でここに書いてあるこのようなことについては、こういうふうなことでやってしまっていますよと。やってしまっていますよというのは、こういうふうな訓練をしてできるようにしていますというふうな話であれば、ぽつぽつとは出るような気がします。恐らく私も少なくとも知っているICUやCCUなどは昔からそういうようなとはしていたはずなのです。だから、それを出せと言うのであれば、都内の比較的大きいCCUなどに聞いてみれば、ささっと出てくる可能性があります。それは事務局からどんなふうにして、お手紙でも出してやるかということなんでしょうかね。
○前原委員 いわゆるスーパーホスピタルですね。現時点で。そういうところは現にB行為をやっているところは全国に心臓血管外科の領域でもあると思います。それが5本の指に入るのか、もう少しやっているのか、でも、それは業務試行事業をやっていませんから、そこで出てきてこんなこともやっていますということはなかなか言いにくいということと、もう一点は星先生の狙いが私の理解からすると、そういう取り組みを全国に広めて、このシステムをつくらなくてもできるのであれば、よりレベルはボトムアップするだろうという考えはあると思いますけれども、私はそういうところでやっているよりも、全国的に年間100人なり200人なり出てきて、それプラスアルファ認定看護師さんたちがそういう教育をここで、現には2年間の教育ということに関して座学だけではないですね。座学であれば今までの看護教育と変わらないかもしれないけれども、実習なり臨床推論なりレジデントと同じようなローテーションをしている業務試行事業をやっているというのは、私はそれは王道だと思いますので、それを参考に聞きたいというのは一度やりましたね。近森病院だとかどこでしたか。名前を出したら申しわけないけれども、そういうところとヒアリングしたと思いますが、そこにまた先祖がえりする必要はないのではないかと思います。
○有賀座長 それは事務局に考えていただきましょう。
 それから、現場でもって今まさに2年終わってレジデントと一緒にぐるぐる回っているところを見たわけですけれども、8カ月コースでもそういう例がもう既にあるわけですね。だから百聞は一見にしかずで、私も含めてみんなが見たほうがいいと思いますので、そういう機会を適宜上手につくっていただくとありがたいと思います。
○島田看護サービス推進官 昨年も8カ月で終わられた方も先生方に行っていただきましたので、またそういった機会を事務局でも座長と相談させていただければと思います。
○有賀座長 時の流れとともにどんどん進化しているというのは間違いないと思うのです。だから、その方たちもここでの議論を横目で見ながらというか、耳をそばたてて聞きながらと言ったほうが正しいのでしょうか、自分たちの将来はどうなるのだろうということでやっているという話がありますので、やはり去年と今年とは違うし、今年と来年も多分違うと思うのです。そういう意味では見に行かないといけないのではないかと思います。できれば機会をつくっていただくとありがたいと思います。
 事務局の思惑どおりにきょうの議論は展開しなかったのですけれども、それはそれで時にはそういうこともあろうという話でいいのではないかと思います。むしろ星先生がみんな聞いてきたのだったらみんな教えろやと言ってくださったので、Bを中心にAとCにぶれる話が、見学することによって一定の水準で理解ができたということなのだと思います。やはり現場に戻らないといけないという気がします。
 もう19時を過ぎましたので、あとは事務局お願いします。
○島田看護サービス推進官 本日は資料1-3につきまして先生方から全体的な御意見をそれぞれお伺いいたしましたけれども、さらにもしお気づきの点や御意見がございましたら、毎度のことで恐縮でございますが、今週中に事務局にお寄せいただければと思っております。
 次回以降の案内はまた別途させていただきます。
○有賀座長 A、B、Cのいろんな議論もありましたけれども、その他の議論も含めて御意見があれば、事務局のほうへ上げていただきたいと思います。
 先生方どうもありがとうございました。


(了)
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