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2012年10月1日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・食品規格合同部会議事録

○日時

平成24年10月1日
10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎5号館18階 
専用第22会議室


○議事

○三木監視安全課長補佐 それでは、定刻を少し過ぎましたけれども「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 食中毒・食品規格部会」合同部会を開会いたします。
 開会に当たりまして、食品安全部長の新村から挨拶を申し上げます。
○新村食品安全部長 おはようございます。このたび、食品安全部長を拝命いたしました、新村と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、大変お忙しい中、食中毒・食品規格部会にお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、委員の先生方におかれましては、日ごろより食品衛生行政の推進に当たりまして、格別な御理解、御協力を賜わっておりまして御礼申し上げます。
 8月に札幌市を中心に発生いたしました、浅漬けを原因食品とする腸管出血性大腸菌による食中毒事案でございますが、これまで、患者数169名、死者数8名を数えると承知しております。
 本日は、その事案の調査結果の報告を札幌市のほうからいただきますとともに、それを踏まえた対策について御審議いただきたいと考えております。
 腸管出血性大腸菌による食中毒は、昨年も牛肉の生食により発生しておりまして、御存じのとおり重症化する事例も中にございます。食品の安全性確保の点で大変重要な課題でございますので、国民の関心も高く、対策が必要となってございます。
 今回、新たに委員となられた方々もいらっしゃいますけれども、ぜひ、積極的に審議に参加していただきまして、専門家の立場から忌憚のない御意見を賜わればと存じております。
 本日は、限られた時間でございますけれども、十分御審議いただきますようにお願い申し上げまして、簡単でございますけれども御挨拶とさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
○三木監視安全課長補佐 どうもありがとうございました。
 食中毒部会は、委員の人事異動があり、委員の改選が行われておりますので御紹介させていただきます。
 初めに、全国食品衛生主管課長連絡協議会からの推薦でありました、白岩委員の異動に伴いまして、新たに高知県食品・衛生課長の竹内委員が就任されております。本日は、所用により御欠席でございます。
 次に、疫学等の専門家として就任されておりました、谷口委員の異動に伴いまして、同じく国立感染症研究所感染症情報センター第二室長の多田委員が就任されております。
 また、本日は参考人といたしまして、札幌市保健所の矢野保健所長。
 片岡食品監視担当課長。
 国立感染症研究所の砂川先生。
 同じく、八幡先生に御出席をいただいております。
 続きまして、事務局の異動もございましたので紹介させていただきます。
 9月10日付の人事異動に伴いまして、先ほど御挨拶を申し上げました食品安全部長に新村が着任してございます。
 また、大臣官房審議官に高島が着任しています。
 あと、企画情報課長に伊原が新たに着任しております。
 続きまして、本日の食中毒部会は、竹内委員、中村委員のお二人の委員が御欠席でございますけれども、16名の委員のうち14名の委員に御出席をいただいております。
 また、食品規格部会は、明石委員、石田委員、井上委員、春日委員、下村委員の5名の委員が御欠席でございますが、15名の委員のうち10名の委員に御出席いただいておりますので、両部会が成立していることを御報告いたします。
 それでは、これから議事に入りますので、カメラの撮影等はここまでとさせていただきます。御協力をよろしくお願いいたします。
○三木監視安全課長補佐 本日は合同部会ということで、両部会長で御相談をいただきましたところ、本日の議事進行は食中毒部会の山本部会長にお願いいたしたいと思います。
 それでは、山本部会長、よろしくお願いいたします。
○山本食中毒部会長 おはようございます。それでは、議事を進めさせていただきます。円滑な進行に御協力をお願いいたします。
 まず、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
○三木監視安全課長補佐 それでは、配付資料を確認させていただきます。
 お手元にある資料のうち、まず、議事次第と書かれた紙の裏面に配付資料が書いてございます。
 資料1が「札幌市内の営業者が製造した浅漬による腸管出血性大腸菌O157食中毒事件の調査概要(中間報告)」でございます。
 資料2が「浅漬の製造を行う施設に対する立入り調査の結果について(中間とりまとめ)」でございます。
 資料3が「浅漬による食中毒の発生防止に向けた対応について(案)」。
 資料4が「『漬物の衛生規範』の改正について(案)」ということになってございます。
 あと、参考資料が1〜5までございます。
 不足等がございましたら、事務局までお知らせをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○山本食中毒部会長 皆さん、過不足ございませんでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議題は、8月に札幌市等で発生した浅漬けによる腸管出血性大腸菌O157食中毒事故を受けて、その調査報告と対策について議論をいただく予定です。
 まず、議題1が、今回の食中毒事件の調査結果について、札幌市保健所、矢野所長、片岡課長から御説明をお願いします。
 各委員からの御意見、御質問は、説明が終わってからお願いいたします。
 では、まず、矢野所長からお願いいたします。
○矢野参考人 札幌市保健所長の矢野でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 このたびのO157による食中毒事件では、先ほどもお話がございましたけれども、169名の方が発病し、そのうち現時点で8名の方が亡くなられております。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、まだ、入院されていらっしゃる方々の一日も早い回復を願っております。
 札幌市といたしましても、この事件を大変重く受けとめておりまして、今後の再発防止に向けて、全力を挙げて努めてまいりたいと考えております。
 それでは、パワーポイントのスライドに従いまして、御説明させていただきます。
(PP)
 報告内容といたしましては「1.本食中毒事件の探知と対応」「2.食中毒患者の概要」「3.原因食品の汚染経路の究明」という形で進めさせていただきます。
(PP)
 まず「1.本食中毒事件の探知と対応」というところでございますけれども、端緒といたしましては、平成24年8月7日、札幌市及び苫小牧市内の医療機関から高齢者施設の入所者が下痢、発熱、血便等の症状を呈して受診している旨、保健所のほうに連絡がございました。
 その後、市内5カ所の高齢者施設で同様の有症者が発生していることが判明いたしました。また、市外の高齢者施設、これは北海道所管の高齢者施設ですけれども、こちらも5カ所で同様の有症者がいるとの情報が寄せられております。
 これら10施設がいずれも同じ業者から食材を納入していたということから、共通食材による食中毒が疑われました。
(PP)
 原因食品の究明といたしまして喫食調査を行いましたけれども、ここの中で、高齢者施設において複数の給食メニューのオッズ比が高い、ここに挙げておりますが、御飯、みそ汁、冷奴等、通常食べるものがかなり高いオッズ比を示しておりますけれども、また、白菜きりづけについても高いオッズ比を示しております。
 また、先ほど申し上げましたけれども、共通の業者から食材を仕入れているということで、共通食材のほうを7月23日〜8月5日までの2週間にわたりまして調査いたしましたところ、白菜きりづけ、インゲン、キヌサヤ、グリンピース、菜の花、ブロッコリーといったものが候補に挙がってまいりました。
 その中で、共通のところで製造している食材として、白菜のきりづけが浮かび上がってまいりました。
(PP)
 白菜きりづけに絞り込んだ理由といたしまして、微生物学的情報といたしまして、高齢者施設、A、B、Cとございます。一番左の列が施設名ですけれども、そこで今回の当該ロット品、7月28日に漬け込んだ漬物がA施設、B施設から保存食として保管されておりまして、これらの菌を調べましたところ、腸管出血性大腸菌O157のVT1プラス、VT2プラスのものが、2つのきりづけの保存食から検出されております。これは、後に患者便から検出された腸管出血性大腸菌O157とISプリンティング等で一致した結果が得られております。
 ※1のC施設ですけれども、有症者が発症していない高齢者施設にも同じ漬け込み日の浅漬けが納入されているのですが、この施設からは発症者が出ず、保存食からもO157は検出されませんでした。
 別ロット品、7月28日に漬け込んだものではない白菜きりづけも調べておりますけれども、これからもO157は検出されておりません。
 こちらの食品製造会社、漬物会社では、複数の漬物を製造しているのですけれども、その中の1つのアリラン漬からは、O157は検出されておりません。
 また、食品会社のほうから収去した白菜きりづけ、これは全く別ロット品で8月9日に漬け込んだものですけれども、これについてもO157は検出されていないという結果になりしまた。
(PP)
 また、この漬物業者からは高齢者施設以外のホテルでありますとか、スーパー等にも白菜きりづけを納入しているのですけれども、そのうちホテルAのほうに残っておりました保存食で、やはり同じように7月28日の漬け込みですが、O157が検出されております。このO157につきましても、後にISプリンティング等の遺伝子検査で患者便と一致した結果が得られております。
(PP)
 これらのことから、先ほどと同様のスライドが出ておりますけれども、白菜きりづけの保存食から高齢者施設あるいはホテルのほうからの保存食から腸管出血性大腸菌O157、VT1、VT2が検出され、一方、検便で患者便からもO157が検出されており、それらの遺伝子型も一致しているという状況から、白菜きりづけが今回の食中毒の原因であると判断いたしました。
(PP)
 初期の対応といたしましては、疫学的な推定及び検査結果に基づき、漬物製造会社のE社が製造した白菜きりづけが共通の食品であることが判明いたしました。さらに、当該浅漬けは、高齢者施設以外にも道内の食品スーパーやホテル、飲食店等に流通していることが判明いたしました。
 高齢者施設の有症者、この時点での有症者は、9名中7名の検便及び高齢者施設に保存されていた白菜きりづけ3検体中2検体から腸管出血性大腸菌O157を検出したことから、白菜きりづけを本事件の原因食品と断定し、8月14日にE社に対して営業禁止処分を下しました。営業自粛及び自主回収につきましては、8月11日から実施しておりましたが、14日に営業禁止処分を下しております。
(PP)
 原因食品といたしましては、繰り返しになりますけれども、白菜きりづけで、製造年月日、下の少し小さい字のほうを先にお読みいただきたいと思います。後で片岡のほうから説明いたしますけれども、7月28日に漬け込んだもので30日に包装したもの、これが8月3日消費期限ということで販売していたのですが、それが当初の当該食品だったのですけれども、7月28日に漬け込んだ白菜きりづけについては、29日、30日、31日と、同じ漬け込んだ漬物を3日間にわたって包装し、それぞれ出荷していたということが判明いたしましたので、製造年月日としては、7月29日〜31日、それに4日間の消費期限ということで8月2日〜4日という、そういった白菜きりづけの商品が原因食品であると断定いたしました。
(PP)
 次に、食中毒患者の概要について御報告いたします。
(PP)
 患者認定の要件といたしましては、我々、札幌市保健所の患者認定の要件といたしましては、まず、下痢、血便等の症状を呈していること。
 検便検査の結果、O157VT1、VT2が検出されていること。
 原因食品の白菜きりづけを喫食していること。
 喫食から発症までの期間がO157の潜伏期間として考えられる範囲内、最大14日以内であることとしております。
 そのほか、個別の事例につきましては、O157の遺伝子パターンの位置の確認や有症者の状況や疫学調査結果などを総合的に判断し、本事件の患者と認定しております。
 ですから、全ての患者さんでO157を確認しているわけではございません。
(PP)
 このように食中毒認定患者につきましては、認定患者数が169例、男性26例、女性143例となっております。この報告が9月24日現在ということでの報告になりますので、死亡者数が7名となっております。9月28日に1人亡くなられましたので、現時点では8名ですけれども、9月24日の時点では7名となっております。札幌市保健所管内が4名、江別保健所管内が3名ということで、全例女性でございます。
 認定患者中のO157陽性例が91例で、このうち分子疫学検査といたしまして、29例の患者から検出した菌株と当該浅漬けから検出した菌株でISプリンティングが一致していることが確認されております。
 死亡者の方につきましては、腸管出血性大腸菌によるHUS、出血性大腸炎あるいは多臓器不全などが死因として報告されております。
(PP)
 認定患者の流行曲線といたしまして、169例の患者さんのヒストグラムを示しております。
 高齢者施設からは105例の方が認定されておりまして、そのほか、市販のスーパー等で購入して発症した方が64例となっております。ヒストグラムとしては、8月2日〜8月14日までの間の発症となっております。
(PP)
 認定患者の年齢分布でございますが、5歳未満の方が1例、この方は、先ほど申し上げましたけれども、亡くなられた方でございます。
 そのほか、亡くなられた方が80歳代、90歳代、100歳以上ということで合計7名となっております。高齢者施設を中心に患者さんが発症しておりますので、高齢者のほうにシフトしたグラフになっております。
(PP)
 症状といたしましては、患者数169例の中で、複数症状を持っておりますので、複数回答という形になりますけれども、下痢、血便、腹痛、発熱、嘔吐、嘔気、頭痛、痙攣、HUS、脳症の方がいらっしゃいました。重症度からいきますと、HUSの19例というのは非常に重症であったと考えられます。
(PP)
 ちょっと見えにくいのですが、これが、先ほど申し上げました、分子疫学検査といたしまして、ISプリンティングを行ったものです。
 この中で、一番下のところに説明がございますが、レーンの一番左のStと書いてあるのがコントロールDNAで、レーンの24、25、27、35、36、26がF、B、Cと異なる高齢者施設の患者さんの便から検出されたO157のISプリンティングパターンでございます。
 レーン28、34が、先ほど白菜きりづけからO157が検出されたと申し上げましたけれども、それのISプリンティングのパターンでございます。
 レーンの29、30がE社従業員便となってございます。これにつきまして御説明いたしますけれども、これらの従業員は、自社で製造しております漬物を昼御飯に一緒に賄いとして食べていたということで、7月28日に漬け込んだ白菜きりづけも、これらの従業員の方たちは喫食されていて、その後、潜伏期間の後に、やはり下痢、血便等の症状が出ております。
 これらの従業員の方たちも汚染した白菜きりづけを喫食することによって、腸管出血性大腸菌の感染症の症状が出ているものと判断しております。
 レーンの31、32、33につきましても、高齢者施設の患者便のO157のパターンでございます。
 また、一番右のレーン42は、亡くなられました4歳児の便から検出されたO157でございます。この方につきましては、近くのスーパーで白菜浅漬けを購入して、それを家庭で喫食して発症しております。
このように、複数の高齢者施設等の患者便、従業員便、白菜きりづけから検出されたO157のISプリンティングのパターンは、すべて一致しております。
(PP)
 本事例の全国的な地理的情報ということでお示ししておりますけれども、ほとんどが北海道、札幌市が94例、江別市が28例、千歳、苫小牧が14例ずつとなっております。
 そのほか、山形県、茨城県、東京都、神奈川県、栃木県からも患者さんが発生しておりますけれども、これらの方は、全て北海道に旅行等で滞在中に当該浅漬けを喫食しているという調査結果が得られております。
(PP)
 ここに北海道の発生動向調査におけます腸管出血性大腸菌感染症の報告数を2007年〜2012年までお示ししております。吹き出しにございますように、2007年からの発生ですけれども、2007年には札幌市内の幼稚園で発生したO26による集団発生事件がございました。
 続いて、2010年には、苫小牧保健所管内の社会福祉施設で発生したO157による集団発生事例がございました。
 2012年は、今回の札幌市内のE社が製造した浅漬けが原因の食中毒事件ということで、過去のO157あるいはO26等によります腸管出血性大腸菌による集団発生としては、非常に今回の事例は発症者の方が多いということが示されます。
(PP)
 次に、原因食品の汚染経路の究明ということでございます。
(PP)
 ここに絵がございますけれども、さかのぼり調査といたしまして、実際に栽培から輸送、加工工場、工場の中での洗浄・殺菌、カット、それで実際に漬け込み等を終えて出荷されるわけですけれども、それぞれの工程の中において、どのような問題があったかということについて調査をいたしました。
 まず、栽培時から輸送時につきましては、保冷車によって野菜が仲卸業者まで搬送されていることは確認されております。
 次に、加工工場の中での問題点につきましては、後ほど片岡のほうから再現試験等の中で御報告いたします。
(PP)
 ここで浅漬け原材料の流通について御説明いたします。スライドの一番下がE社となっておりますが、ここのE社のところに、最終的に点線で囲まれた部分がE社に納入されたものでございます。
 左から白菜、キュウリ、ニンジンとなっております。白菜が約3トン、キュウリが約0.6トン、ニンジンが約0.1トンE社に納入されておりますけれども、ここに納入した仲卸業者を調査いたしましたところ、この仲卸業者からは約6トンを小売業者のほうに納入しておりますけれども、E社以外にも3トン白菜が納入されていますが、これらの納入したところからは、有症者が出たという情報は入ってきておりません。
 次のキュウリについても、それぞれE社以外のところにも5.4トンのキュウリが小売業者に出荷されていますけれども、有症者の情報はございません。
 ニンジンにつきましても、E社以外に3.9トンが小売業者のほうに卸されていますけれども、有症者の情報はございません。
 今回、私どもが調査した中では、当該施設以外の食品加工工場等には白菜等が納入されているという情報はございません。
 また、仲卸業者の上の卸売業者のほうについても調査をいたしましたけれども、仲卸業者が複数ございますので、今回、E社に卸した以外の仲卸業者にもそれぞれ白菜、キュウリ、ニンジンが納入されております。それぞれ仲卸業者のほう等に確認をいたしましたけれども、有床者の情報がないということでございます。
 私どもとしては、これより上にさかのぼっての調査というのが、なかなか困難な状況でございました。
(PP)
 これをまとめますと、札幌市中央卸売市場における取扱量ということですけれども、7月、8月の白菜の取扱量、772トン、865トン、キュウリにつきましては7月が1,741トン、8月については1,503トンということになっております。これらを取り扱っておりますけれども、我々が把握しておりますE社の伝票だけでは、どこが生産者であるのかというところまでは特定できておりません。
 E社につきましては、特定の生産者の野菜を使って漬物を漬けていたということではなく、特にこだわりなく野菜を納入していたということがわかっております。
 また、繰り返しになりますけれども、卸売、仲卸売段階では、他のO157の食中毒事例の情報がないというところまで把握しております。
(PP)
 次に、E社における各種浅漬け製品の有症者の有無ということになっておりますけれども、このE社のほうでは、白菜きりづけ以外にも複数の漬物製品をつくっておりまして、キャベツのきりづけでありますとか、白菜漬でありますとか、キムチ漬、アリラン漬等をつくっております。ですけれども、白菜きりづけがメインの商品となっている状況でございます。
 私ども今回の食中毒事例の中で調査をいたしましたけれども、当該E社から購入した白菜きりづけ以外の漬物から有症者が出ていないという状況がございまして、納入された白菜全てが汚染していたということではなくて、7月28日に漬け込んだ白菜きりづけの製造工程の中で何らかの問題があってO157が汚染したと推定いたしまして、再現試験を行っております。
(PP)
 再現試験からは、うちの片岡のほうから御説明いたします。
○片岡参考人 札幌市保健所の片岡でございます。私のほうから再現試験の状況についてお話をしたいと思います。
(PP)
 この再現試験は、製造者のほうからいろいろと聞き取りをした中身で実施したと。結果的にはマニュアルとか、作業記録がなかったために、それぞれ聞き取った中で実施したということでございます。
(PP)
 再現試験の実施日につきましては、9月7日、8日の2日間でございます。後ほどフローの中で御説明しますけれども、ある工程をそれぞれくっつけて、それと漬け込み時間を確保ということで2日間の作業、試験ということで実施したものでございます。
 作業従事者ですけれども、E食品には従事者12名おりましたが、そのうち7日には7名参加、8日には8名参加という中で実施したということでございます。
(PP)
 検査の概要ということで、再現試験をしていく中で、いろいろと段階的に水温とか、温度とか、地下水等を使っておりますので、それぞれの水温、作業所冷凍庫の温度、そのほか殺菌槽の次亜塩酸ナトリウムの濃度がどのように変化しているかということで、その濃度を測定するほか、生菌数、大腸菌、E.Coli、それと腸管出血性大腸菌、これらを検査しております。
(PP)
 4番目に示させていただいたのは、再現試験時の気象状況はどうだったかということで、9月7日と8日の気温及び湿度を示させていただいております。平均は、大体23度くらいとなってございます。
 問題の浅漬けがつくられた7月27日〜31日の気温と湿度については、表に参考ということで載せさせていただいてございます。平均温度は27日が27度、28日が26度と、そういう中で実際に製造されている。そういった気象条件だったということでございます。
(PP)
 5番目に示させていただいたのは製造環境ということで、実際に製造室での温度はどうだったかということと、原料冷蔵庫、製品の冷蔵庫、こちらのほうの温度帯を再現試験の中で測定をしまして、表としてまとめさせていただいております。
 製造室については、エアコンが稼働していたということで、製造室の平均温度が18度、最大としては19度、最低としては17度であったということです。
 原料冷蔵庫については平均が3.6度、製品冷蔵庫については平均が1.7度という状況であったということです。
 使用水として、こちらの施設は地下水と水道水を併用ということで使っておりますけれども、それぞれの再現試験地の水温と残留塩素を測定しておりまして、こちらの表に掲げている状況のとおりということでございます。
(PP)
 次に試験製造品の概要ということで、こちらのほうにまとめさせていただいているのは、実際に再現試験の中でどのくらい漬け込まれたかということで整理させていただきました。
 原因食品で7月28日に漬け込んだ白菜きりづけにつきましては、漬け上がる量が約300kgということでございましたので、それに相応する量が漬け込まれるよう、原材料等の用意をして漬け込んだということでございます。その際に、塩分濃度及びpH、酸度について測定した結果を参考として載せさせていただいてございます。
 実際に漬け込んだ量に対する塩分濃度については1.7%、製品漬け上がり後の部分で塩分、pH、酸度等を測定した結果としては、こちらのとおり、塩分が1.9%、pHは6.1、酸度については0.00%ということでございました。
 保存試験等も行いながら、この検査を実施していたのですけれども、pH、酸度等については、漬け込み後7日間においても変化はなかったという状況でございます。
(PP)
 こちらのスライドが、実際に7月27日、28日に白菜きりづけが漬けられた際の製造工程のほぼスケジュールということになってございます。実際の製造フローとしては28日に漬け込みということで、本格的な製造工程については28日に実施なのですけれども、前日に白菜の一部の切り込み等を行っております。
 ニンジンについては、スライス工程まで進んでおります。ニンジンについては、頭を落として水で洗って一時殺菌ということで次亜塩素酸ナトリウムで殺菌をし、その後、スライス、水洗いして冷蔵保管されてございます。
 28日については、白菜の前にキャベツの処理がなされておりますことから、白菜のカットと選別、そして、水洗い、殺菌、水洗い、きざみ、水洗いと、そういう工程で、キャベツのほうが処理された後、実際に白菜の処理がなされてございます。
 白菜の処理としては、まずは水洗いということで4分の1カットされたものが水洗い、殺菌、水洗い、きざみ、そして、水洗いされて漬け込みということになります。
 後ほど写真等で細かいところの作業については御説明したいと思います。
(PP)
 再現試験については、包装工程を含めますと4日間の工程になってございますので、それを漬け込みまでの分を9月7日、包装工程を9月8日に行うということで、2日間の工程で実施させていただいてございます。
(PP)
 こちらがE社の製造工場の平面図ということになります。原材料につきましては、原料冷蔵庫、こちらから受け入れして製造室のほうに入ることになります。
 製造室の中で先ほどのきざみ工程、殺菌工程等を経て漬け込まれ、製品冷蔵庫のほうに1日置かれるということで漬け込み工程が行われます。
 そして、翌日に製品冷蔵庫から出されて、包装工程が施設の上部及び右側の部分で行われるということになります。
 製品ができ上がりましたら、水色の車庫のほうから製品が出荷されるということになります。
 赤の両矢印で示させていただいているのが、人の出入りということになります。外から入り口を通じて事務所に入り、そして、更衣所等で着がえた後、両矢印のところから施設の中に入るということになります。
 その両矢印の上に赤丸がついておりますけれども、そこが手洗い施設ということになります。そこでの手洗い後、作業従事ということになります。
(PP)
 こちらが製造室のレイアウト図ということになります。こちらの施設なのですけれども、いろいろたるとかをテーブルがわりで使用したりしておりまして、以下のような形になります。
 これからお見せするのは、まずは28日の加工が進められる手順を示させていただきたいと思います。
(PP)
 こちらが前日にスライスされているニンジンを冷蔵庫から引き出して、漬け込み前に水洗いして殺菌、A槽に入りまして、水洗い、一次保管場所に置かれます。
(PP)
 こちらは、キュウリの両端のスライス等が行われる手順となります。まず、冷蔵庫から作業用台に入り、そこで両端カット、中央部分に行って水槽Aで水洗い、殺菌、水洗いBに入りまして、製造室下部にスライサーというのが置いてありますけれども、こちらでスライスされたものができ上がり、一時保管場所、ニンジンの下側に置かれるということになります。
(PP)
 こちらが白菜の漬け込み処理作業のフローということになります。まず、白菜が段ボールとともに製造室に入りまして、そこで4分の1カットしながら、おにっぱということで、白菜の一番上の部分をとる。4分の1カットされたものが水槽1で水洗い。上側の水切り用のざるの上に上げられて、それがそれぞれ殺菌槽1、殺菌槽2のほうに送られて、殺菌工程として10分間殺菌されるということになります。
 その後、10分後に水切り用のざるに上げられ、水槽2で水洗い、水洗い後、まな板の上で切り刻みまして、水槽3で再度水洗いした後、漬け込みだるのほうに送られるということになります。
 漬け込みだるの中で、副材として事前に処理していたニンジン及びキュウリが入れられ、それと塩でもまれて、約70kg分がたるの中に入って漬け込まれるという工程になります。当日は4たるが製造されてございます。
(PP)
 その間、今、表示されました矢印が製品の包装工程の部分でして、その処理をしている中で製品の包装工程もなされておりまして、たるから上げられたものがはかりにかけられ、200または1kgに包装されて製造されていくということになります。
 この中で、処理と包装等が行われており、汚染区域として黄色で示された部分が汚染区域ということで考えられるのですけれども、そこの部分が清潔区域と混在した中で実際に行われたということでございます。
(PP)
 ニンジンとキュウリの処理が終了次第、先ほどの包装の分を上側に移動します。
(PP)
 包装ラインが別途、上の作業台を使いながら包装を開始するという形になります。このときには、キュウリ及びニンジンの処理工程が終わっていて、ほかの作業等も終わっているので、作業台A、B、C、Dとありますけれども、そのうちBとCを使って広いスペースで作業をしていくことになります。
(PP)
 こちらが、それぞれの工程を写真で示させた部分でございます。
 最初のスライドが、ニンジンの下処理を示してございまして、包丁で頭を落としたり、その後の水洗いで次亜塩素酸ナトリウムの調整等が始まりながら処理を行っているという状況でございます。
 水洗いした後、ピューラーで皮をむき、水洗いし、スライサーで細切りした後、水洗いで冷蔵保存ということになりますが、その間、右側の写真のほうを見ていただきたいと思いますが、水洗い等で床面等に直置きしていた給水用のホースを洗浄しないで、その中に給水をしたというところとか、たるをいろいろと作業台がわりに使っておりまして、そこの部分の洗浄等が不足をしているという部分があり、そこの部分からの汚染等もいろいろ考えられる状況下であったというところでございます。
 ここでの次亜塩素酸ナトリウムの調整については赤で示させていただいていますけれども、次亜塩素酸ナトリウム12%のものを使っているのですが、目分量で13mL程度計量して、水10Lに添加という形で行っておりました。計算的には、150mg/Lの濃度になる形でございます。
(PP)
 こちらは、翌日の白菜の処理を行うのと並行しながら、ニンジンとキュウリの処理が行われる際のフローでございます。
 ニンジンについては、前日に1回殺菌をされておりますけれども、スライスされて冷蔵保存されたものを再度二次殺菌ということで殺菌を10分間行っており、その際、次亜塩素酸ナトリウムの調整については、水150Lに対して次亜塩素酸ナトリウムの12%液を約200mL添加して調整をしてございます。
 実際にニンジンの後、濃度等を測定せずにキュウリのほうもあわせて次亜塩酸ソーダの同じ液で殺菌を10分間しており、その後、スライサーで薄切りという工程になります。
(PP)
 こちらは白菜の下処理の写真でございます。包丁で4分の1カットをした後に外側の葉っぱをむくということで、表の中ではおにっぱということで示させていただいてございます。
 おにっぱのほか、葉の上部をそぎ落しながら段ボールに戻して冷蔵保管をしておく。白菜については処理量が多いために、ある程度の量を前日に下処理ということで処理をして冷蔵庫保管をしてございます。
(PP)
 こちらが実際に殺菌工程に入るところの写真ということになります。白菜の前に、実際にキャベツのほうの処理が行われているということですので、そのキャベツのときに殺菌剤の調整を行い、キャベツ、そして白菜、両方連続して処理をするということになります。
 殺菌剤の調整についてはこちらのほうに書いておりますけれども、約550mLまでしかメモリのない計量カップで600mLを計量。そして、添加の際も目分量ということで添加をして、調整の濃度が一定しない状況であったということです。
 今回、現試験の中の確認できたのは、調整槽1には約330mL、殺菌槽2には約270mLそれぞれ添加されたという状況でございました。
 下の写真は、水洗い工程の写真でございます。水洗いと殺菌槽が3つオレンジのものが見えるかと思いますが、一番右側の部分は水洗い槽ということで水洗いの部分でございます。
 その後、手前のほうの白いたるにざるが乗せてあるのですけれども、そちらのほうに移されて、その後、殺菌槽1であり、殺菌槽2のほうに入れられ、10分間の殺菌という形になります。
 その作業としては、1人の人間が実際に行っているということもあり、原材料等を触った手で殺菌後の野菜等を扱っているという状況が見受けられたということでございます。
(PP)
 こちらは、製造工程中での白菜の下処理のフロー図に対して写真として、示させていただいてございます。
 手前2つのオレンジの写真が殺菌槽になります。奥側のオレンジが水洗槽ということで、先ほどのように水洗槽からざるに上げられ、殺菌槽に入れられて、水切り用のざるの上に上げられるということになってございます。
 それで、たる、ふた、ざる、漬け石は用途別に使い分けがなされていないという状況でございます。
 下側の写真が漬け込みの際の状況でございますけれども、たるの中まで体を入れて撹拌するため、作業着が汚染されていた場合に、浅漬けにも汚染が広がる可能性があるという状況でございます。
(PP)
 こちらは調味液の製造工程でございます。調味液については、食塩、調味料を計量して加水しながら混合、そして、ふたをして冷蔵保管ということになります。
 写真のほうを見ていただきたいのですけれども、調整については手洗器の横で調味液を調整したり、調味液が不足した場合、浅漬けを包装している隣で追加調整をしたりしている状況でございます。
(PP)
 製造工程の中での包装ということで、工程として示させていただいている部分でございます。その際の部分として、包装用に一旦たる上げした部分について水上げしてございますけれども、写真のほうで示させていただいておりますとおり、未洗浄の作業台の上にざるを直接置くため、横に置いた袋、これは製品用の袋ですけれども、そちらのほうに汁が付着して汚染が広がる可能性があるということでございます。
 下のほうの写真を見ていただきたいと思います。浅漬けの上で袋詰めを行っており、袋の外側の汚れが浅漬けを汚染する可能性があるということでございます。
(PP)
 こちらは製造工程の包装Bということで、上側の広い位置での製造時の状況でございます。たるのふたを台がわりに使用して漬け込み液の浅漬けの入ったざるを置いて水切りをしている状況ということでございます。下の写真は、水切り中の浅漬けの横で器具類等の洗浄を行っており、はね水等により汚染される可能性がございました。
(PP)
 こちらはたる等の洗浄状態での状況でございます。漬けだるについては、洗剤・次亜塩素酸ナトリウムはいずれも使用せずに、床に倒して水洗いのみを行うため、床からの汚染が残存する可能性が示されてございます。
 そのほか、器具類は濡れたまま重ねて保管されているため、汚染が広がったり、乾燥せず、生菌が増殖する可能性がありました。
 そのほか、洗浄器具が床から20〜30cmの高さに保管されている状況でございました。
 こちらのほうでの次亜塩酸ナトリウムの調整については、四角で示されている状況でございます。
(PP)
 こちらから、それぞれ塩素濃度の推移について示させていただいているスライドでございます。
 こちらが殺菌槽A、Bを経時的に示させていただいているグラフになります。野菜の殺菌により塩素が消費されて、終了時には100mg/L以下に減少してございます。
 こちらの製造施設の当初の殺菌剤の濃度については、150mg/Lということでございましたので、それで想定しますと、下の点線のグラフとなり、ほぼ今回の量の殺菌をすると、塩素濃度が50とか0に近くなっている状況でございました。
(PP)
 こちらは、実際に殺菌において生菌数がどのように変化したかということで示させていただいている表でございます。
 最初の緑のほうはキャベツの状況で、実際に原料から1回目の殺菌により100分の1から1,000分の1に減少しているという状況でございます。
 これについては、白菜についても同様ということでございますが、同じ槽を使って殺菌を続けていきます。
(PP)
 後半部分になりますと、生菌数が蓄積されて増加している傾向が見られてございます。
(PP)
 こちらは白菜の微生物検査結果を取りまとめた部分でございます。おにっぱの部分、洗浄前、洗浄後、漬け込み前の部分、この4つの段階で分けてございます。
 生菌数としましては、殺菌後については、約100分の1から1,000分の1になるわけですけれども、白菜のおにっぱからE.Coliが検出されております。その後、洗浄等によってE.Coliについては不検出という状況です。
 それと、O157についても不検出ということでございます。
(PP)
 こちらがニンジンの微生物検査状況ということでございます。E.Coli、O157については不検出という状況でございました。
 殺菌工程により、ニンジンの生菌数等は減少傾向を示しており、大腸菌については、二次殺菌後は不検出ということでございました。
(PP)
 こちらはキュウリの検査状況ということで、E.Coli及びO157については不検出という状況でございます。ただ、生菌数、大腸菌とも若干高めの値を示しているという状況でございました。
(PP)
 こちらは包装品及び漬け込みだるにおける保存試験の結果でございます。生菌数、大腸菌及びpHについては、経過日数にかかわらず、ほぼ一定の状況となってございます。
(PP)
 こちらは、施設の作業前、作業後にATPの拭き取り検査をいろんな地点でさせていただきました。それをまとめた部分でございます。
 こちらのATP測定値については、1,000を上回った場合に汚染のリスクが高いということで判断させていただき、表としてまとめさせていただいています。その高い部分を示してございますが、実際にホースとかまな板、80Lのたるは1万を超えております。そういう中で殺菌等の不足なども見受けられる状況だったということでございます。
(PP)
 以上の結果、私どもとしての原因として考えられるところを可能性としてまとめさせていただきます。
 製造室内で汚染区域と非汚染区域が区分されていなかったことから、各工程で微生物による汚染の可能性があるということでございます。
 2番目として、殺菌時の次亜塩素酸ナトリウム液の調整を目分量で行うとともに、殺菌工程中に塩素濃度が減少したにもかかわらず、濃度測定や次亜塩素酸ナトリウムの追加を行っていなかったことから、原材料の殺菌に不備があった可能性がある。
(PP)
 3番目として、たるを洗浄する際に洗剤や次亜塩素酸ナトリウム液を使用せず、水洗いのみで行っていたことなど器具類の洗浄・殺菌に不備があり、微生物が残存した可能性があるということでございます。
 4番目として、たる、ふた、ざる等の器具類について用途分けされておらず、水洗いされた原材料が殺菌工程を通らないで製造されていた可能性があるということでございます。
(PP)
 5番目として、床に直置きした給水ホースをそのまま使用して、たるに給水していたこと、包装工程の近くでたるなどの洗浄作業が行われ、はね水が製品を汚染した可能性があるなど、従業員の衛生管理意識が不十分であった。
 この5点が、今回の食中毒の原因として考えられた事項でございます。
(PP)
 このために必要な対策として、これらのことから汚染区域と非汚染区域の設定とか、適正な塩素濃度の管理と記録、器具類の適正な洗浄・殺菌、器具類の用途区分の明確化、作業従事者の衛生管理意識の向上、これら5点の対策が必要ではないかと考えてございます。
 以上でございます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。ただいま御説明いただきましたけれども、私から1つ確認です。原因施設がE社ということでわかったときに、そのE社の施設内での拭き取り調査とかはされておられますか。
○片岡参考人 拭き取り検査については、施設に立ち入った8月9日に19検体とらせていただきまして、施設の冷蔵庫とか作業台、たる、それらについて検査をしております。
 O157について検査をした結果、不検出という状況でございました。
○山本食中毒部会長 O157以外の検査は何かやられましたか。
○片岡参考人 O157以外はしてございません。当初その時点で患者便等からO157が検出されており、O157の食中毒症状であったことから、O157に限って検査をしたという状況です。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。それでは、先生方から御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 では、渡邉先生。
○渡邉委員 幾つか確認させていただきたいのですけれども、なかなかこの種の調査というのは難しい点があると思うのですが、まず、1つ疫学調査で、今回、オッズレシオが幾つかのことで非常に高めに出ているという結果を得られているわけですけれども、この中で白菜を食べていない人での感染者数というのは、どのくらいであるかということはおわかりでしょうか。
○矢野参考人 今回、食中毒の患者認定という形においては、喫食したことを条件としておりますので、喫食されない方については患者と認定しておりません。
 高齢者施設等で症状が出ている方もいらっしゃるのですけれども、潜伏期間等から二次感染の可能性があるのではないかというふうに考えております。
 ただ、その数は今すぐ出せませんけれども、余り多い数ではございませんでした。
○渡邉委員 幾つか確認をよろしいですか。
○山本食中毒部会長 どうぞ。
○渡邉委員 あと、微生物検査なのですけれども、これはC施設で白菜きり浅漬けづけが陰性ということですけれども、この微生物検査というのはどういう方法でやられているのか、いわゆる濃縮法でやられているのか。
 この陰性というのは、恐らくO157の菌がとれなかったということを意味しているのだと思うのですけれども、例えば、我々もいろんなところで調査をして食材等からEHECを分離することは難しいとの経験がありますが、恐らく雑菌が相当含まれるので、なかなかO157だけを特異的に分離するというのは難しいと思うのです。例えば、ダイナビーズとかの濃縮法でやったとしても、ほかの菌が混ざってしまってなかなかとれないという経験がありますが、その辺のやり方と、それの問題点がどういうところにあるのかということに関してコメントを御願いします。
 あと、培養液自身体を、例えばPCRでベロ毒素遺伝子なり、O157のLPSの遺伝子の検出とか、そういうものをやられているのかどうか、お聞かせください。
○矢野参考人 今回のO157の検査につきましては、札幌市衛生研究所のほうで実施しておりますけれども、O157についてはO157の選択培地で検出されたものについてPCRで確認をするという検査法と報告を受けております。
○渡邉委員 そうすると、いわゆるダイナビーズ結合抗体を用いた濃縮法とかは使われていなかった及び培養液中の毒素遺伝子のPCRによる検出は行っていないということですね。

※ 審議会終了後に確認したところ、札幌市衛生研究所及び北海道衛生研究所ではビーズによる濃縮法を用いた試験が実施されていました。

○矢野参考人 今回の検査については使っておりません。
○渡邉委員 先ほど同時期にこれを喫食した以外の方では、北海道地区で患者の明らかな増加がなさそうだというお話でしたけれども、北海道地区で、当年度あたりに発生した患者から分離されたO157の菌のジェノタイプ、ISプリンティングでも何でもいいですけれども、そういうものをルーティンに、札幌衛研または北海道衛研ではやられているのかどうかということと、その中に、今回のO157タイプのものが存在していたのか、いなかったのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○矢野参考人 通常は保健所のほうに腸管出血性大腸菌ということで届出があった場合に、全ての菌を保存して、遺伝子学的な検査をするということは行っておりませんが、今回、こういった食中毒事件が起こりましたので、散発例についても菌を医療機関等から回収しまして、一部の方についてISプリンティングも行っております。
 例えば、札幌市保健所におきましては、8月3日から9月11日までの間に、O157による腸管出血性大腸菌の届出が61名ございました。
 このうち18名の方が今回の食中毒患者として認定した方になります。残りの方の中で、15名の方のISプリンティングが今回の食中毒例と一致しているという結果がございました。
 ですから、散発例、今回、札幌市を初め、道内で発生しているO157の患者さんの中で、食中毒と認定していない患者さんの中にも、ISプリンティング上は、今回の食中毒の菌株と遺伝的な情報が同じである方がいるということは確認できております。
○渡邉委員 散発事例なので難しいと思うのですけれども、その方々については、喫食の調査というのはされていないわけですね。
○矢野参考人 散発事例については、喫食をしていないということが、まず、前提になっておりますので、今回の数の中には入っておりません。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。
 どうぞ。
○賀来委員 東北大の賀来ですけれども、詳細な検討をありがとうございました。
 今、渡邉先生がお話になったO157の菌の性状とちょっと重なるのですけれども、これらの菌が抗生物質に耐性、いわゆるセフェムとかペニシリン耐性のESBLsというタイプがすごくふえてきているのと、大腸菌そのものが、キノロン薬の耐性が非常にふえてきているのですけれども、もし、薬剤感受性や抗生物質に関係するデータがありましたら教えていただきたいと思います。
○矢野参考人 今回、私どもが検査したものについては、薬剤感受性は調べておりませんけれども、菌株自体は保存してありますので検査をすることは可能かと思います。
○賀来委員 近年、非常に薬剤耐性の大腸菌がふえてきていますので、治療ということも含めて、ぜひ詳細な検討をお願いしたいと思います。
 もう一点、25ページの中でATPの検査をされて、これはもちろん1,000以上だと汚染がある程度疑われるということなのですけれども、この中でちょっと気になったのが、腕ぬきというところがあって、腕ぬきというのが、作業前からかなり高いATPを示しておりましたね。腕ぬきというのは、手に何か、これの汚染というのは非常に高いものでしたので、そのあたりをぜひ御意見いただければと思います。
○片岡参考人 作業時に腕につけているものですので、実際に作業工程前に十分な洗いとか、何かができていなかったのではないかと想像しているところでございます。それらを含めて従事員の方々の衛生知識が不足しているということではないかと思ってございます。
○賀来委員 再現検査をなさるときにマニュアルがなかったということも言われましたけれども、そういった腕ぬきを事前に洗浄するとか、いわゆる予防衛生的なこともマニュアルの中には取り入れていなかったと考えてよろしいでしょうか。
○片岡参考人 そうですね。実際にマニュアル等はなかったので、聞き取りの中で実際の工程等を組み立てたということでございます。
 実際にマニュアルがなかったことで、腕ぬきも含めて洗浄不足もあるのかなと思います。
○矢野参考人 ちょっと補足させていただきますと、ATPのところ、例えば、まな板あるいは80Lのたるなのですけれども、作業前のほうが洗浄後よりもATPの値が非常に低いのです。
 今回、再現試験をするまでにE社のほうが営業禁止になっていますので、作業していない期間がかなり長期間になっておりましたので、一旦、器具等を洗浄しておいた上で、今回の再現試験を行っていますので、作業前にかなり業者のほうがきれいに洗浄して、この再現試験に入ったものと、この中から推定されるかと思います。
 ですから、逆に腕ぬきが作業することによってきれいになったとか、そういうふうにもとれますし、まな板とたるについては洗浄しているつもりではあるけれども、実際にはきちんと洗浄されていなかったということが、このATPの検査の結果からは示されるのかなと思っております。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。ほかにございますか。
 石川先生、どうぞ。
○石川委員 日本医師会の石川でございます。今の時点で169人のうちの8人という大変多い死亡率のわけなのですけれども、最初のところの端緒のところから教えてもらいたいのですけれども、最初の通報があった端緒のところのスライドで、8月7日の医療機関ということなのですけれども、これは、医療機関から複数の報告があったのですか、1つの報告で、こういうことでわかったのですか。
○矢野参考人 これは、高齢者施設と関連のある医療機関ということで、その高齢者施設の方は、そこの医療機関に専任の方がいらっしゃるので、その高齢者施設から複数の患者さんが出ると、同一の医療機関のほうで診療するということで、複数の患者さんが出ているという情報が。
○石川委員 複数の患者さんが出ているということでわかったということですね。
○矢野参考人 そうです。
○石川委員 普通は、単発だったらこういうふうにはならないですね。
 それと、この治療途中で、何人かの方はしていたと思うのですけれども、全てが速やかに入院をしていたかということなのですけれども。
○矢野参考人 最初の患者さんについては、高齢者の方がほとんどでしたので、その方たちについては、高齢者施設から通常関連のある医療機関のほうに速やかに入院していたと判断しています。
○石川委員 169分の8という死亡率というのは、それなりにちゃんと治療していても、これだけになったということですね。
○矢野参考人 1例の方は、幼いお子さんですので、その方については外来診療を受けていて、その後、急に状態が悪くなって入院、死亡されたという形になっております。高齢者については、適切な対応ができていたのかなと考えております。
○石川委員 先ほど、二次感染という言葉が出てきたのですけれども、その施設の中で二次感染というのは、あったのですか、なかったのですか。
○矢野参考人 二次感染が疑われる施設はございました。
○石川委員 わかりました。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。
 どうぞ。
○寺嶋委員 感染研細菌第一室長の寺嶋でございます。2点ほど教えていただきたいと思います。
 12ページで、E社が各社の浅漬け製品をつくっているということですけれども、白菜きりづけに使った白菜も、これはほかの製品では白菜塩漬けというので有症者が出ていないというふうになっていますけれども、これは同じロットで、一方は白菜きりづけにいって、一方は白菜の塩漬けというふうに、これはカットの部分がちょっと違うみたいになっていますけれども、7月28日に製造したときに、そういう製品が実際にあったのでしょうか。
○矢野参考人 先ほど申し上げましたけれども、主力商品が白菜きりづけで、メインの白菜は白菜きりづけのほうに使用されていて、その白菜の一部がほかの朝鮮漬けであるとか、白菜漬けのほうに回っておりますので、全体としては同じロットと言いましても、E食品のほうに、次々と原料としての白菜が納入されていますので、それがいつ納入したものかというのが判然としないまま漬物工程に入りますので、ある日の漬物工程の中では白菜きりづけに使った白菜と、それ以外のものに使った白菜は同様に扱ったものです。
○寺嶋委員 ありがとうございます。
 もう一点は、E社の工場の図面ですけれども、先ほどスライドで何点かありましたけれども、水槽というのは、おけみたいなもので、これは、いわゆるオーバーフローするような、そういう形で使われていたのでしょうか。それとも、おけに水を張っただけでじゃぶじゃぶと洗って、そういうおけが幾つもあって、それを次々と洗いかえていくというような、そういう形で水で洗われたのでしょうか。
○片岡参考人 16ページの下部の製造室の工程のほうの図面を見ていただきたいのですけれども、水槽3という四角の水槽がありますが、最後の刻みの後、水洗いされる水槽ですが、こちらについては、水を加水しながら上部に丸い穴を開けておきまして、そこからオーバーフローする形をとってございます。ですから、流水で洗浄という形です。
 それと、殺菌後の水洗いする水槽についても加水をしながら、オーバーフローするために上部に丸い穴を開けて、そこから水が流れ出るという形での水洗いになってございます。
 それと、水槽1については、通常の漬けだるを使用しておりますので、その分については、加水をした場合は、上から水があふれるという形での水洗いということになります。
○寺嶋委員 どうもありがとうございました。
○山本食中毒部会長 どうもありがとうございました。ほかにございますか。
 どうぞ。
○工藤委員 消費科学センターの工藤と申します。幾つか教えていただきたいのですが、認定患者の中に、やはりスーパーで買ったという方が、かなり数いらっしゃいますね。
 それで、配付された資料の中の経緯を拝見いたしますと、原因食品である白菜きりづけが市内の流通先28カ所公表と書いてありますが、どういう形で公表なさったのかが1つ。
 それから、その3日前の11日に、既にE社が自主回収を開始していますので、やはり消費期限が短い製品ですので、大変時間というものが急がれるものではないかなと思いますので、そこら辺をお教えください。
○矢野参考人 公表につきましては、新聞報道、メディアの方に来ていただいて、そこで広報をして流通先のスーパーマーケット等を周知いたしました。
 また、保健所のホームページにも情報をアップしまして、そこの中で流通している機関について周知しております。
 ですから、我々が広報した翌日には、各社の新聞のほうに流通先の情報が掲示されております。
 また、自主回収をする、あるいは公表するタイミングが遅かったのではないかという御質問かとは思うのですけれども、私ども営業禁止を判断したのが8月14日なのですが、可能性はあるということでE社のほうに自主的な回収は進めてはいましたけれども、はっきりと断定できるまでに日数を要しますので、例えば、O157の検査につきましても、細菌検査ですから数日間かかりますので、その結果を待たずに予測だけで判断するというのは、それもまた危険なことですので、そういったことで営業禁止命令をした時期と、あるいは公表をした時期が探知をした時期から日数を要したということになります。
○工藤委員 もう一つ、市民相談窓口の設置と書かれてありますが、ここにかなりお問い合わせというのはございましたでしょうか。
○矢野参考人 市民相談のほうは、電話等で保健所あるいは各区保健センターのほうで受けておりましたけれども、どちらかというと、新聞社あるいは報道の方からの問い合わせが非常に多い状況でございまして、市民の方からの相談というのは余り多くはなかったのですけれども、その中に、先ほどございましたように、スーパーマーケットで疑わしい漬物を買って食べて調子が悪いのだけれどもといった問い合わせもございまして、そういったことから患者認定につながったお問い合わせがあったのも確かでございます。
○工藤委員 ありがとうございました。
○山本食中毒部会長 ほかにございますか。
 西渕先生、どうぞ。
○西渕委員 京都大学の西渕です。ちょっと確認させていただきたいのですけれども、今回、汚染していたのは特定のロットですね。漬け込みは7月28日でしたか、それ以外の29、30、31日というのは汚染していなかったということですね。
 今、お話をお聞きしますと、確かに微生物学的に見て、この工場のような施設の管理というのは、余りよくなされていなかったというのはわかりますけれども、もし、そういうところが関係しているとすると、特定のロットでなくてほかの製品なんかも汚染する可能性が大きいのではないかと思うのです。
 それで、水あるいは野菜が汚染する可能性があるとすると、やはりもっとほかの製品も汚染することが考えられるのですけれども、特定のロットについて何か特別な要因等の関係を考えたほうがいいような気がしまして、例えば、調味液の調整、これはロットに特異的だと思うのですけれども、それにかかわっていた従事員というのは特定の人がやっておられるのでしょうか、それとも入れかわり立ちかわりいろんな人がやっておられるとか、そういうことはおわかりですか。
○矢野参考人 調味液の調整については、今、調べておりますけれども、今のお話で7月28日漬け込みのものだけが起きるのではなくて、もっと広範囲に起こってもいいのではないかという御指摘ですけれども、こういったことというのは、例えば、医療事故なんかも同じで、ヒヤリハットがたくさんある中で本当の医療事故が起きるということがあると思うのです。
 ですから、今回も複数の問題のある状況の中で、何かの要因で高濃度に多数の汚染された野菜が工場の中に入ってきたというよりは、たまたまスポット的にO157の付着した白菜が紛れ込んできたときに、それが、今、御説明させていただいたような複数の衛生的に問題のある工程の中でO157が生き延びて、それで特定のロットだけに汚染を生じさせたのではないかと、私どもは考えております。
○片岡参考人 それと、漬け込み液の調整については、ある特定の人間だけがやっていたということではなくて、包装工程等を含めて、その工程をやられる方々がやっていたと、複数の人間がやっていたという状況です。
○西渕委員 その中に、例えば、今回菌が陽性だった方も含まれている可能性もあると。
○片岡参考人 そうです。
○矢野参考人 私どもも従事員の検便からO157が出ておりますので、当初、従事員が原因で汚染されたのではないかということも検討したのですけれども、先ほど御説明いたしましたように、従事員も賄い食ということで、ちょうど28日に漬け込んだ白菜きりづけを食べて、その後、3日ないし4日の潜伏期間の後に症状が出ておりますので、従事員からの汚染というよりは、従事員も汚染された漬物を食べて逆に感染したのではないかと考えております。
○西渕委員 ありがとうございました。
○山本食中毒部会長 よろしいですか。
 それでは、小西先生、どうぞ。
○小西委員 2点だけ教えていただきたいと思います。
 最初は、先ほど渡邉先生も御質問されていらっしゃいましたけれども、食品からのO157の検出法なのですが、ことしの5月15日にその検査法については課長通知で出ています。そこには免疫ビーズを使ってはかるようにと書かれているのですが、先ほどの御説明ですと、免疫ビーズは使っていないということでございますね。
○矢野参考人 私ども札幌市衛生研究所では、今回は免疫ビーズを用いた高感度な方法でやってはいないと報告を受けております。
○小西委員 一般に食中毒の原因物質を定める場合には、とにかくどんな方法でもいいので、菌を探すということが目的になると思うのです。
 そうなりますと、もっと効率的に感受性の高い方法を使えば、ここで今回陰性と御報告されているものも、陽性になる可能性としては否定できないと考えてよろしいですか。
○矢野参考人 おっしゃるとおりだと思います。ただ、今回、札幌市衛生研究所で調べた検体については、3検体中2検体が陽性だったのですけれども、道のほうの保健所で調べたほうは、陽性例が1例もなかったので、それから比べると、そこに測定感度に違いがあるのかもしれないと思っておりましたけれども、道衛研も市衛研も免疫ビーズ法を用いた検査は、通常の工程法として行っていないと、私どもは認識しております。
○小西委員 食中毒の原因菌として調べるときには行っていないということですね。
○矢野参考人 そうです。

※ 審議会終了後に確認したところ、札幌市衛生研究所及び北海道衛生研究所ではビーズによる濃縮法を用いた試験が実施されていました。

○小西委員 もう一点は、白菜の塩素消毒のところなのですけれども、これは4分の1カットした後に塩素で消毒するという工程だということはわかりましたが、4分の1カットでも白菜というのは葉が重なっていますね。その重なっている中にも塩素液が入るかどうかというのは御確認されていますでしょうか。
○片岡参考人 4分の1カットして、水洗い工程の後、塩素消毒という工程に移るわけですけれども、一応、塩素剤のほうに入れた段階で、白菜から気泡等が発生しているという状況も見受けられたりしておりまして、その気泡等と殺菌液との交換がなされていると思われますので、一応、間のほうにも殺菌液が浸透していったと考えてございます。
 ただ、実際に殺菌していた時間は、再現試験等も含めて、従事者のほうが白板に書いたりしながら管理をして10分間殺菌をしているのですけれども、その気泡等が発生している時間というのは2分から5分くらいあるという状況下ですので、そういう中で接触時間等については10分間を割る形にもなっているかなと思っております。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。
 ほかに、浅見先生、どうぞ。
○浅見委員 国立保健医療科学院の浅見でございます。詳細な調査をありがとうございました。
 殺菌のことなのですけれども、今回、次亜塩酸ナトリウムを使って殺菌をされていたということなのですが、水道でも次亜塩素酸ナトリウムは非常に使っているもので、以前、次亜塩素酸ナトリウムの劣化が問題になったことがございまして、ちゃんと管理された状態で新しい次亜塩酸ナトリウムを使っていたのかどうかというのと、その濃度は当時はかっていなかったということなのですが、この再現試験の結果とほぼ同様な殺菌状態が、本当に起こっていたかどうかというのは、どのように推測されていらっしゃるかどうかを、ちょっと教えていただきたいのですが。
○片岡参考人 測定そのものについては、実際に業者のほうではしていなかったという状況でございまして、私どもの再現試験のときにいろいろと濃度を測定して、その結果について確認しているという状況です。
 殺菌剤については、購入履歴が大体1カ月半に1回の割合で購入しているという状況でございました。40日〜50日の間隔で液剤については購入していて、その量は40Lです。大体1日の使用量が1Lから1.1Lくらいの使用量ということで、ほぼ使用量に応じた購入履歴ということで考えてございまして、ただ、最低限の使用量であれば、再現試験の量でやっているかと思うのですけれども、それ以外の別途殺菌剤のほうの使用があれば、もう少し低めの殺菌濃度だったという可能性もあるかもしれないと思ってございます。
○浅見委員 もし、外に保管をされていらっしゃったとすると、ことしは結構夏が暑かったものですから、1カ月半外に置いておきますと、かなり劣化をしていたのではないかという感じもするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○片岡参考人 保管については、車庫とか施設の中で保管をしており、外ということではありません。
○山本食中毒部会長 温度はどうですか。
○片岡参考人 施設内の温度については、昼間についてはエアコン等がついておりまして、その際の温度としては18度設定ということでやっておりました。
 その後、いろいろと再現試験以外でも製造室での温度とかを測定した結果、大体18度、19度前後の状況でございましたので、極端な劣化はないものと考えてございます。
○山本食中毒部会長 よろしいですか、ありがとうございました。
 大分時間が過ぎてきましたけれども、特にないようでしたら、このあたりで御質問等を打ち切りたいと思いますが、今回、砂川先生、八幡先生に来ていただいていますけれども、特に追加で発言ということはございますか。
○砂川参考人 感染研の砂川です。今回、感染研から派遣された我々のグループといたしましては、札幌市保健所の調査に関する情報収集とか、全体像の分析に関する支援を行ってきたということが挙げられます。現在、支援の活動に加えまして、客観的な立場での情報の精査を進めているところです。
 今回、事例全体の特徴として、私どもは特に食中毒事例以外のものも含めて全体を見ようという形でしておりますけれども、比較的早い段階で原因のメニューの同定が行われて、それに対する対策が行われたということがありますので、事例全体を見てみましても、やはり食中毒として占める部分が大半だったのかなということを感じているところです。
 散発例のほう、先ほど御指摘がありまして、我々のほうも注目しております。これらの例については、札幌市さんのほうからも報告がありましたように、クラスターというか、集団を形成していることはないという状況は確認できていることと、数は全体に比べますと、非常に小さかったということで、そういった意味でのインパクトは小さかったと。個々の原因については、まだ、確認できているわけではないという状況があるかと思います。
 そういった意味で、札幌市のほうでは非常に熱心に遺伝子学的な検査のほうも、少なくとも9月いっぱいまでは継続して行われておりましたので、これらについても把握をしてきたわけなのですけれども、一応、事例全体としてほぼ収束しているのかなという形で思っております。
 我々としましては、今回の事例は非常に重症例が多かったということがありますので、散発例も含めまして、詳細な調査を引き続き継続して行っていくと考えているところです。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。調査は、まだ、完全に終結はしていないということですので、今、先生方からいろいろな意見が出ておりますけれども、それを参考に製造工程からの原因とか、従業員、原材料のこととかいろいろな原因が考えられると思いますので、それらの原因究明についても、また、対策の取り方についてのヒントということで、今後の報告をお待ちしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に移りたいと思います。資料2「浅漬の製造を行う施設に対する立入り調査の結果について(中間とりまとめ)」について、その概要を事務局から説明をお願いします。
○三木監視安全課長補佐 事務局から1点、配付資料で説明が漏れておりまして申しわけありませんでした。
 先ほど、札幌市さんのほうから御説明がありましたスライド資料については、委員のみの配付となっておりまして、傍聴の方にはお配りをしておりませんので、1点、申し添えさせていただきます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。それでは、中間取りまとめについてお願いします。
○説明者 お手元の資料の資料2をごらんください。「浅漬の製造を行う施設に対する立入り調査の結果について(中間とりまとめ)」ということで中間取りまとめをまとめております。
 これにつきましては、先ほどの食中毒事件を踏まえまして、同様の食中毒の再発の防止という観点で、8月29日に全国の自治体で浅漬けを製造する施設に対して立入調査をお願いして実施していただいているものです。
 9月14日時点での中間的な取りまとめを行ったものになります。
 3番のところで「主な調査内容」とございますけれども、今回の調査に当たっては、参考資料の4もしくは5で添付をしておりますけれども、大量調理施設マニュアルや管理運営基準の内容を参考に、ここに記載をしております主な内容について行っております。
 (1)は原材料の低温保管。(2)は各工程における微生物による汚染防止。(3)として飲用適の水での洗浄、(4)で保管や漬け込み時の低温の保管、(5)で塩素における殺菌、(6)の製品の保管や(7)の自主検査の実施、(8)の施設、使用水、従業員の衛生管理などの項目について実施をしております。
 右肩に*印がついている項目がございますけれども、これは漬物に対して、新たに明示的に示した項目になります。
 通知自体の詳細は、7ページ以降に添付をしておりますので、ごらんいただければと思います。
 結果になりますけれども、1枚めくっていただいて1番のところになります。9月14日まで約2週間程度ですが、立入調査を行った施設の数として2,282施設。
 先ほどの項目に従って何らかの指導を行った施設は1,994施設となっております。
 2番のところで、施設ごとの管理、適合していた状況です。簡単に申しますと、何パーセントくらいが適合していたかということで、上から2つ目までの行で60%以上の適合していた施設というのが、全体の中で約6割くらいあったというものでございます。
 3番に行きまして、項目ごとに見ますと、それぞれございますけれども、例えば(2)の?、殺菌工程もしくはその記録が十分ではなかったというところが87%。
 右側の3ページ目にまいりまして、(3)で自主検査の実施や、また、その記録がなかった施設が75%であったという結果になっております。
 4ページ目以降は、各自治体別の結果を記載しております。
 以上でございます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に関しまして、御意見、御質問はございますか。
 寺嶋先生、どうぞ。
○寺嶋委員 私よりもむしろ塩崎先生のほうが御専門かもしれませんけれども、こういう浅漬け、生で食べることに近い食品を扱う食品の工場、いわゆる調理施設としては学校給食の給食センター等の大量食品を扱う施設に比べると、今回の施設などでは、ほとんど失格に近いような状況かと思うのですけれども、今回、調査された結果から見ても、過去に浅漬け等の漬物で被害が出たところでも、やはり施設としてはどうかというところが幾つか自治体にあるかと思うのですけれども、この調査自体から全体的な取りまとめとして、大量調理衛生管理マニュアルに準ずるというような指導で、現在の施設の状況が改善というか、衛生管理が十分行き届くようなものなのでしょうか、これは調査ですから、ここからどういうふうにするかということかと思うのですけれども、その辺の見通しについてお聞かせ願えればと思います。
○説明者 御指摘のとおり、大量調理施設衛生管理マニュアルでは、非常に細かい点について記載があったわけで、今回、後の御説明になりますけれども、それらも網羅した漬物の衛生規範自体の改正を行わせていただいて、それに基づいた監視・指導を各自治体のほうで徹底をしていただくというようなことの検討を考えております。
○山本食中毒部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。
 それでは、特にないようでしたら、次に進みたいと思います。浅漬けの食中毒発生防止に向けた対応ということで、今、御質問も出ましたけれども、それに向けて、漬物の衛生規範の改正案等について事務局より説明をお願いいたします。
○三木監視安全課長補佐 まず、資料3と4を説明させていただきますが、まず、資料3をごらんください。1枚紙になります。浅漬けによる食中毒の発生防止に向けた対応案ということでございます。
 厚生労働省といたしましては、先ほどの札幌市からの調査報告と、今、御説明をいたしました全国調査の中間報告を踏まえて、当面の対応といたしまして、次の取り組みを行うこととしております。
 1点目は、今もお話をしましたが、昭和56年に策定をしました漬物の衛生規範がございますけれども、これの改正ということでございます。
 まずは、この改正内容について御説明をいたします。
○説明者 お手元の資料4になります。簡単に御説明させていただきますが、先ほどもありましたが、課長通知でありますけれども、漬物の衛生規範については昭和56年に漬物の衛生確保を図るという観点から通知をしているものでございます。
 今回の事件を受けまして、主な改正の内容といたしまして、先ほどの調査事項と同じような内容になりますけれども、浅漬け自体には加熱の工程はないということもありまして、製造工程中で十分殺菌をすることができない。したがって、原料から製品まで一貫した衛生管理を行うという観点で、以下の項目を追加する。
 (1)は原料からの低温管理。(2)として各工程における微生物等の汚染がないと。?として飲用適の水で、流水で十分洗浄する。それから、製造工程中の半製品の保管等については、低温で保管すると。それから、次亜塩素酸ナトリウム等の溶液もしくは加熱によって殺菌を行う。?としまして、漬け込み液の交換、器具・容器の洗浄、消毒ということを追加したいと考えております。
 2ページ、食品衛生責任者の設置、食品取り扱い等の衛生管理とか、もしくは従業員の教育管理、こちらにつきましては、食品全般について定めている食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)というのがございますが、参考資料5につけさせていただいておりますけれども、このガイドライン自体を自治体の条例で定めていただきまして、営業停止等の行政処分の対象になるものですが、こちらに従っていただいて指導していただくということにしております。
 次のページからが改正の(案)になります。
 以上でございます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。続きまして、どうぞ。
○三木監視安全課長補佐 引き続き資料3に戻っていただきまして、対応の2点目といたしましては、○の2つ目のポツになりますが、漬物の衛生規範の改正内容について、都道府県等を通じて浅漬けの製造業者に対して、いろいろ周知、指導の徹底を図っていくということとともに、今後、食品等の年末一斉取り締まりや夏期一斉取り締まりなどを活用しまして、重点的に調査を進めるということとしております。
 さらに下の○になりますけれども、漬物の衛生規範の改正後の遵守状況や今後の浅漬けによる食中毒の発生状況などを踏まえて、必要に応じてさらなる対応について検討することとしたいと考えてございます。
 引き続き、参考資料3をごらんいただけますでしょうか。
 これは、9月13日に北海道保健福祉部長より提出がございました、浅漬けの安全性確保に対する緊急要望ということでございます。
 要望は、下のところに1、2と2点ございまして、1つ目は浅漬けについて、食品衛生法第11条に基づく規格基準を設定すること。
 2つ目が、浅漬け以外のカット野菜等の衛生管理手法について検討することという2点でございます。
 参考ということで、これに対して、現時点での厚生労働省の考え方について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 まず、1点目の規格基準の設定につきましては、食品衛生法の規格基準について事業者に遵守、義務づけるものでございますので、規制の内容や適用対象については十分な科学的根拠に基づいている必要がありますが、今回の食中毒事件については、先ほど札幌市の中間報告がございましたが、どこから汚染をしたのかとか、被害の拡大につながった製造工程の要因はどこにあるのかということについて、さまざまな可能性は想定しておられますが、最終的な特定に至っていないという状況でございます。
 このため、事故の発生、再発防止の観点で原因をしっかり押さえた因果関係に基づく規格基準を設けることは、科学的根拠の観点で難しいのではないかと考えてございます。
 2点目の加熱せずに喫食するカット野菜等についての検討については、8月に通知を発出してございまして、その中で、大量調理施設であるか否かにかかわらず、大量調理施設衛生管理マニュアルを踏まえて指導を実施していただくことになってございます。
 したがいまして、先ほど御説明しましたように、漬物の衛生規範を改正しまして、周知、指導を強化して、一定の期間後に、その遵守状況等を把握して、さらなる対応が必要かどうか検討するということとさせていただきたいと考えてございます。
 厚生労働省といたしまして、このような取り組みを予定してございます。
 長くなりましたが、以上でございます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。漬物の衛生規範をまず改正して、現在の状況に合ったものにしていくということがメインの提案ということですけれども、1つ、食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)、これと、今度の規範との関係、これをもう少し説明していただいて、これで条例をつくるというお話がありましたけれども。
○説明者 管理運営基準のガイドラインについては、食品衛生法50条に基づいて、それぞれの自治体において、食品事業者が取り扱う、どちらかといえば、ソフト面です、衛生的な取り扱いという観点で、それぞれ条例で規定されております。その指針として出しているのが、管理運営基準のガイドラインということになります。
 したがいまして、これらについて違反とかがあれば、行政処分の対象になるということでございます。
 一方で、漬物の衛生規範のほうは課長通知になりますので、もちろん管理運営基準は対象になりますけれども、漬物に特化して、特に今回、浅漬けに特化した箇所について、その記載をさせていただいております。従って、横断的な管理運営基準の上に漬物の衛生規範が乗っかっているような形をイメージしていただければ結構かと思います。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見等ございますか。
 石川先生、どうぞ。
○石川委員 今回のは、私たち老健施設を持っているのですけれども、大変不安が残りますね。先ほど169分の8という死亡者の数ということで、参考資料1に、これまで漬物が原因食品として特定された食中毒発生状況とか、10年間のものが出ていますけれども、極めて多いほうなのではないかと思うのです。死亡率は深刻だと思います。
 特に高齢者の方たちは、かなり亡くなっているということも考えると、今回、衛生規範の改正、それから、先ほど札幌市の方が最後のスライドでお示しになったような、ああいうことを注意して徹底するということで、これが防げるのかどうなのかと。
 もう少し踏み込んだ、例えば注意といいますか、ユッケとかレバ刺しのときは食べないほうがいいですよ、みたいなことを言ったわけなのですけれども、そういうことは言わなくていいのか、どうなのかということについてもちょっと議論したほうがいいのではないかと思います。
 少なくとも、私なんかは、そういう老人施設を幾つか持っている中では、本当にこれでいいのかなという思いが残っております。ですから、そこのところをちょっと検討していただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○山本食中毒部会長 ありがとうございます。これに関しましてよろしいでしょうか、山内委員、どうぞ。
○山内委員 日本生協連の山内です。
 資料4の現行の漬物衛生規範の25ページに、製品の適合要件というのがありまして、(1)の?に「E.coliの試験法により大腸菌が陰性であること」とありますが、参考資料の2で、漬物の汚染実態調査を出していただいておりまして、下から2つ目の大きな表のところの右側のE.coliの検出状況を見ますと、加工品、漬物のところで、平成19年、20年、21年、23年で10%以上の数字が出ています。
 ということは、現行の規範があったにもかかわらず、残念ながら適合要件に沿わない個所がかなりあったということです。今、御指摘がありましたように、今回の規範改正のみで十分な改善が図られるのかどうなのか不安ですので、そのあたりを教えていただきたいと思います。
 場合によっては、具体的な改善数値目標のようなものを決めていただいて、それに向かって対策を具体的に検討するとか、先ほど札幌市の再現調査のところでお示しいただいたように、非常に具体的にやってはならないこと、状況のよろしくない状況がわかっているわけですから、そういったものを実際に製造業者に示して、改善の方法を伝えるとか、今回も、厚生労働省の取り組みということではありますけれども、食品業者を指導する農林水産省などと一緒に対策を検討することも必要かと思います。
 消費者から見れば、国がいろいろなところの力を使って、総合的対策に取り組むという姿勢を見させていただくのがよいかと思いますので、そのあたりについても御検討をいただきたいと思います。
○山本食中毒部会長 御意見、ありがとうございました。私が意見を述べるというのも、なかなかあれなのですけれども、今回の調査を見ましても、ほとんど衛生規範に基づいたような管理がなされていないというような状況が見てとれるのではないかという気がしております。
 これが、やはり基本的には徹底されることが、まずは必要なのだろうと。食品事業者としてのベースのガイドラインについては条例等がありますけれども、生で提供するに近い食品の提供の仕方ということを、もう少し業者自体が自覚していただくということのほうが、まずは先決なのかなという気はしておりますが、その辺についても、規格部会長からも御意見がありましたら、お願いします。
○大前食品規格部会長 規格部会長の大前でございます。先ほどありましたように、規格基準にするというのは、まだちょっと無理があるだろうと思います。原因そのものがわかっていないわけですから、そこにはちょっと行かないだろうと。
 今、山本先生がおっしゃいましたように、漬物の衛生規範自身が浅漬けをつくっている方なんかに余り知られていないのではないかと、そういう方々に対する啓蒙あるいはリスクコミュニケーションのほうをまずやって、それから、先ほどのガイドラインにもございましたが、これとあわせ技でやってみて、それでどうしても問題が残ればということでよろしいのではないかと思います。
○山本食中毒部会長 ほかに、委員の先生方で御意見はございますか。
 どうぞ。
○益子委員 川崎市宮前保健福祉センターの益子ですけれども、資料の2に戻ってよろしいでしょうか。厚労省がこの事件に関連して、全国で調査をやってくださったわけですけれども、都道府県によって届出制度のあるところと、ないところ、半分くらいずつありますし、ないところにあっては、把握していないからということなのでしょうけれども、立ち入りもゼロ、指導もゼロというところもあるというような形で、かなり自治体によってこの辺の取り扱いに非常に温度差があるのではないかと思いますけれども、この点の御指導について、厚労省は、どういうふうにお考えなのでしょうか。
○山本食中毒部会長 よろしいですか。
○説明者 今般のこの事件自体は非常に大きなものであったわけですから、今回、それぞれの自治体さんに積極的な立入調査を行っていただいているところです。
 特に、製造者自体の把握をされていない自治体については、さまざまな方法を駆使していただいて、その施設の把握にまず努めていただいて、指導の徹底をしていただくというところを重点的に行っております。
 先ほど、山内先生からもお話がありましたが、今回の衛生規範の改正につきましては、リーフレットなども作成するなどして、できるだけ事業者の方々にもわかりやすいようなものを作成していきたいと思っております。
 また、生産段階を担当しております、農林水産省においても、生産段階における衛生管理の適正化ということで規範をつくられておりまして、生産団体への周知もされてきております。
 引き続き、これらについても連携をしながら取り組んでいくということを考えております。
 以上でございます。
○山本食中毒部会長 ありがとうございました。ほかに委員の先生方から、どうぞ。
○今村委員 奈良医大の今村です。ちょっと確認をさせてもらいたいことがあるのですけれども、今の衛生規範ですけれども、私は工場の規格基準の一部と考えていて、食品衛生法にのっとったものだと思っていたのですけれども、これはガイドラインの一部ということは、純粋に行政指導として行っているものという位置づけになっているということなのでしょうか。
 もし、そうだったとしたら、同じような事件があったときには、食品衛生法の違反ではなくて、あくまでも行政指導への違反になるということなのでしょうか、そこの部分の確認をお願いしたいのですけれども。
○説明者 衛生規範だけにしか記載がないような項目については、あくまでも行政指導ですので、その対応になるということでございます。もしくは、まだ、従業員の衛生管理等で、条例等で規定がある場合には、行政処分の対象にもなり得るということでございます。
○今村委員 そうすると、今回、同じ業者さんが、もし、同じ事件を起こしたとしても、これは食品衛生法上の違反としてもっていくことは難しいということなのでしょうか。
○説明者 もちろん食中毒が出れば、それは罰則の対象になりますし、食品衛生法6条等の対象になりますので、食中毒を起こしても何もないということはないです。
○今村委員 では、6条の規範として、これは生きているという整理なのですね。
○説明者 はい。
○今村委員 わかりました。
○山本食中毒部会長 よろしいでしょうか。どうぞ。
○工藤委員 済みません、単純な、本当に素朴な疑問なのですけれども、先ほどスライドでも見させていただきましたけれども、工場内で従業員が作業するときは、皆さん、素手ではないのですね。ゴム手袋なり、使い捨ての何かでやっているようですけれども、今、拝見しましたガイドライン、規範、時間がなくて見落としているのもしれませんけれども、そういったところは何かあるのでしょうか。手袋した場合は、こうこうというような規定がないような気がするのですけれども、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
○山本食中毒部会長 いかがでしょうか。
○賀来委員 現行の28ページに、そこに汚染作業区域から、非汚染作業区域に移動した場合、その下の(3)に「従事者は、作業中は清潔な外衣を着用すること。作業場内では、専用の清潔で衛生的な頭巾、マスク及びはきものを用いること」。この中で先ほどの腕のところ、あるいは言われた手袋、そのあたりについてのことは、確かにこのあたりには書いていない。私もそこのところを少し見たのですけれども、確かに、先ほどのところでATPで汚染をしていたというようなことがあったときに、ゴム手袋の取り扱いとか、そういったところが、確かにあったほうが、よりよろしいかなと思います。
○滝本監視安全課長 ゴム手袋につきましても、検討はしたのですけれども、要は汚染をさせないというところが重要でございますので、手袋をしなくても、手指の洗浄を徹底的にやることによって菌の汚染は防ぐことができるだろうと、一部、作業がしにくいとか、そういうような問題もありますから、手袋をする、あるいは手指の洗浄を徹底するというような幾つかの方法が考えられるかなと思いまして、特定をしないという形で記載しております。
○賀来委員 東北大の賀来ですけれども、作業手順書の標準作業書の中で、別添2のところで手洗マニュアル、水で手を濡らし石けんをつけるということと、最後にアルコールでリンスするというところがあるので、もちろんこういったことが守られていれば、ある程度対応できると思うのですけれども、ただ、先ほど、素手でという以外にいろんな手袋、いわゆるゴム手袋を使っているところも多々あると思いますので、そういうふうなところも踏まえて少し、例えば、標準作業書の中に手袋を使う場合は、このようなことで対応するというような形で捉えた方が感染対策としては確実だろうと思います。
○山本食中毒部会長 ありがとうございます。事務局、よろしいですかね。御意見をもとに、少し手を入れることを検討していただくということで。
○説明者 参考の5の管理運営基準のガイドラインということになります。基本的には、どの食品企業でも同じような話だとは思いますけれども、7ページの第3のところに、取扱施設における取扱者の衛生管理ということで、もちろん健康状態の関係もございますけれども、(5)で作業着だとか、帽子、マスクの着用であるとか、また、一方で逆に繊維質のものは食品に残ってしまいますので、そういったものは使わないとか、手指の爪を短く切るとか、手指の洗浄、消毒といったものについて、こちらのほうで記載されておりますので、おおむね対応しているものと考えております。
○山本食中毒部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございませんでしょうか。
 今村先生、どうぞ。
○今村委員 もう一点だけ、カット野菜については、結果的には、ガイドラインに基づいていることなのでしょうけれども、こういう漬物の規範のほうが大分実際のガイドラインでは厳しくなっていると思うのですけれども、こういったものを将来的には考えていく予定があるのか、それとも今のままいく予定なのかというあたりを、もし、可能なら踏み込んでお願いします。
○説明者 もちろん、今後の話になりますけれども、基本的に大量調理施設マニュアル自体は、平成9年に、野菜等を考慮して作成されていますので、基本的にカット野菜もそれに準じて扱えば衛生管理は守られるのではないかと考えておりますので、現在、その指導として、大量調理施設マニュアルに準じて指導を行うように、各自治体さんの皆さんにお願いをしているという状況になります。
○山本食中毒部会長 よろしいでしょうか。今回、死者も出る大変重篤な事件が起こったわけですけれども、それに対応してさまざまな調査をされた結果、なかなか汚染原因となるようなものが特定されていないという状況なので、その辺の調査をさらに進めていただくということが、1つお願いとしてあります。
 それにつきましても、その対応をとっていかないといけませんので、当部会の中での御意見を踏まえながら、今回、改正される漬物の衛生規範、こういったものを通じて指導を徹底していくということと、消費者へ事件が起こっていることに対する周知といいますか、そういうこともあわせて広く知らせていくことが必要なのではないかと考えております。
 今回の対応としては、今、皆さん方の御意見としても、規格基準にしろという形での御意見はなかったように思いますので、この衛生規範の改正をもって事務局のほうから順次指導の徹底等をお願いしていくということで対応していただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本食中毒部会長 それでは、そのほか、事務局から何か連絡事項等はございますか。
○三木監視安全課長補佐 特にございません。
○山本食中毒部会長 それでは、時間が大分過ぎてしまいましたけれども、これで食中毒・食品規格合同部会を終了とします。
 長時間にわたり御審議ありがとうございました。


(了)
医薬食品局食品安全部監視安全課食中毒被害情報管理室:
松岡、石丸: (内線)4239、4240
(直通)03−3595−2337
医薬食品局食品安全部基準審査課:

飯塚、岩瀬: (内線)4280
(直通)03-3595-2341

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