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2012年9月26日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成24年9月26日(水)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、尾崎委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、宮井委員、山内委員、由田委員、吉成委員、鰐淵委員

事務局

森口基準審査課長、横田課長補佐、茂野課長補佐、中西課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 農薬対策室 峯戸松専門官、 飼料安全基準班 池田係長

○議事

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただ今から薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、斉藤委員、廣野委員、松田委員より御欠席なさる旨の御連絡を頂いておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中11名の御出席をいただいており、部会員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 それでは、以降の進行につきまして、大野部会長にお願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 初めに、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 本日お配りしました資料は、まず、議事次第、配付資料一覧、委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿を付けた資料が2枚ございます。2枚目の後ろに座席表がございます。
 その後ろに、本日御審議いただきます8剤それぞれにつきまして資料1-1、資料1-2というように配付させていただいております。なお、資料3につきましては、資料3-3までございます。
 さらに、委員の先生、事務局のみにお配りしております資料として、食品衛生分科会における確認事項の紙が1枚、それから、前回の部会で配付いたしましたカカオ豆の検査部位変更に関する資料が1部ございます。
 不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○事務局 すみません、資料1~資料8までは本日御審議いただく剤のものでございます。それに追加しまして、農林水産省から御報告させていただきます資料9、私どもの方から平成17年度、平成18年度の農産物等の残留農薬検査結果等の案としまして資料10、あと参考資料としまして、もう一部付けさせていただいております。
 失礼いたしました。
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、今日は平成23年12月12日と平成24年6月13日、平成24年9月18日付で薬事・食品衛生審議会への諮問を行った農薬8剤について御審議いただきます。
 報告書案の作成に当たりましては、先生方にいろいろ事前に資料をお送りしまして必要な修正、追加をしてくださって、どうもありがとうございます。
 それでは、議題1の食品中の残留農薬の基準値設定ですけれども、まず農薬スピロジクロフェンの審議に入りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、1剤目のスピロジクロフェンについて御説明申し上げます。資料1-1、部会報告書案を御覧ください。
 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請及び関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定とポジティブリスト制度導入時に設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについても御審議いただくものとなります。
 「1.概要」としまして、本剤は環状ケトエノール系の殺ダニ剤であり、作用機序は脂質生合成に関与するアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することにより作用するものと考えられております。
 化学名、構造式等については記載のとおりです。
 「2.適用の範囲及び使用方法」ですが、(1)に今回、適用拡大申請がなされた国内における茶の使用方法について四角で囲んで示しております。
 また(2)に、インポートトレランス申請された各国のリンゴ、トマト等の使用方法について示しております。
 「3.作物残留試験」ですが、分析対象の化合物としてスピロジクロフェンのほか代謝物M9、M12、M13について分析が行われております。分析法の概要については記載のとおりでございまして、結果については別紙1-1、別紙1-2に記載させていただいております。
 「4.畜産物への推定残留量」ですが、分析対象の化合物としてスピロジクロフェンのほか代謝物M1について分析が行われております。分析法の概要については記載のとおりです。
 また、各組織の最大残留量を表1に記載しております。
 これら家畜残留試験結果と最大理論的飼料由来負荷(MTDB)により推定いたしました各組織の推定残留量を表2に示しております。
 「5.ADIの評価」ですが、結論としてはイヌを用いた1年間慢性毒性試験の無毒性量1.38mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.013mg/kg体重/dayとなっております。
 なお、発がん性試験におきまして、ラットの雄でライディッヒ細胞腫が、雌で子宮腺がんが増加、マウスの雄で肝細胞腺腫及びがんが増加しましたが、遺伝毒性試験ではすべて陰性の結果が得られており、ラット及びマウスで認められた腫瘍発生機序は遺伝毒性によるものとは考えがたいとされ、閾値を設定することは可能であると判断されております。
 「6.諸外国における状況」でございますが、2009年にJMPRにおける毒性評価が行われており、国際基準はぶどう、トマト等に設定されております。なお、米国においてはぶどう、マンゴー等に、カナダにおいてはぶどう、りんご等に、EUにおいてはぶどう、りんご等に基準値が設定されております。
 「7.基準値案」ですが、まず、残留の規制対象についてですが、農作物については食物体内運命試験の結果等を踏まえて代謝物M9、M12、M13は規制対象には含めず、スピロジクロフェン親化合物のみとし、畜産物にあってはスピロジクロフェン親化合物及び代謝物M1と設定する案としております。なお、食品安全委員会による食品健康影響評価におきましても、暴露評価対象物質については同様の考え方で設定されております。
 基準値案につきましては、16~17ページの別紙2を御覧ください。国内作物残留試験成績に基づきまして、みかん、りんご、びわ、おうとう、茶、その他スパイスについて基準値を設定しております。また、IT申請がなされましたトマト、なす、いちご、パパイヤ、ペカンなどについては海外の基準値を参照しております。
 なお、今回パパイヤ、マンゴー、その他の果実については、アボカドの作残データを参照することで設定しております。申請企業にも確認いたしましたが、既に当該作物の基準値が設定されている米国、欧州でも同様の考えで設定されているとのことです。
 簡単に諸外国の状況を説明いたしますと、EUではパパイヤ、マンゴーがアボカドと作物の形態が類似しており、アボカドはその中で最も小さいことを踏まえて外挿することとしているようです。また、米国ではCFRで規定された作物群の考え方に基づいて他の作物への外挿を行うことが多いようですが、今回は別に規定されましたレビューアーズガイドに基づきまして、トロピカルフルーツの食物群の考え方に従って判断していることを確認しております。
 以上、これらの基準値案により暴露評価を行いましたものが、18ページの別紙3でございます。TMDI試算により一番高い幼小児で72.2%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、通常どおり逐一御審議をお願いいたします。
 まず、用途と薬理作用のところでいかがでしょうか。よろしいですか。
 化学名、構造ではいかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 代謝のところではいかかでしょうか。
○吉成委員 今回、規制対象にM1という代謝物が入っていますが、これは動物ではエステル体が加水分解されて親化合物はあまり出ずに、加水分解物であるM1が多く出ること、植物では逆に加水分解反応が起こらずに親化合物がメインであること、それに付け加えて植物で測られている代謝物M12、M13あるいはM9といったものはほとんど作残試験から検出されていないということで、問題となるような代謝物でもありませんし、この案で問題はないのかなと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 高橋先生よろしいでしょうか。私も同じ考えです。
 それでは、分析対象物質は植物については親化合物、ヒツジとか肉とか乳といったものではM1と親化合物を含めてということでよろしいですね。
 それでは、分析法のところはいかがでしょうか。
○永山委員 言葉だけなので大変恐縮なのですが、統一を図るということで畜産物の分析法の概要の表記ですけれども、「アセトニトリル/水」は農産物の方では「・」を使っていますので「・」にしていただいて、「8:2」は最近約分していますので「4:1」。その後ろに「混液」という言葉を入れていますので、その形にすると、ほかと同じような表記になるということで。内容は変わらないのですが、表記だけですけれども。
○事務局 承知いたしました。御指摘ありがとうございます。
○大野部会長 では、そのように修正をお願いいたします。
 石井先生もよろしいですか。
○石井委員 はい。
○大野部会長 ちょっと今めくっていて気が付いたのですけれども、4ページの「3.作物残留試験」の代謝物M9の構造は、これでよろしいでしょうか。企業の報告書を見ると、一番左のシクロヘキサン環のところが水酸基が付く位置が明確に書いていなかったのですが。
○吉成委員 すみません、私も見落としていましたけれども、M9は大野部会長が言われたようにシクロヘキサンのところがどこに付くかというのは多分同定されていないのではないかと思います。
○事務局 分かりました。その点が分かるように記載を改めたいと思います。ありがとうございました。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 分析法も含めて今までのところで御意見ございますか。佐藤委員、何かありますか。
○佐藤委員 多分今の質問は、質量分析計で測っていて水酸化されているのは分かっているのですけれども、位置までは特定できなかったというような意味ではないかと思います、この書き方は。
○大野部会長 やはり位置が特定していないということでよろしいですか。
○佐藤委員 そうだと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
○吉成委員 追加で。抄録の代謝マップを見ていたのですけれども、ここには載っていませんがM9の代謝物の前にM4という代謝物ができるようなのですけれども、M4の場合は水酸基の位置が同定されていまして、ここが正しいのか、それとも抄録の代謝マップが間違っているのか確認した方がよろしいかと思います。上の代謝物で構造が決まっているのに、下の代謝物で構造が決まっていないというのはちょっとおかしいような気がしますので、どちらかが間違っている気がしますので確認した方がいいかもしれません。
○大野部会長 順番によって最初M9では同定していなかったけれども、その後M4では同定できたということかもしれませんね。では、確認していただけますか。
○事務局 分かりました、確認させていただきます。
○大野部会長 それでは、分析結果についてはいかがでしょうか。
 すみません、毒性のところでがんが出ているところがありましたね。鰐渕委員、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 詳細に試験がされていて検討されているのですけれども、一言で言うと遺伝毒性がないということが一番重要で、閾値を設定できるようなメカニズムであるということで、いわゆる骨子案にまとめられている書き方で十分説明が付くかと思います。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、基準値について御意見ございますか。
○山内委員 確認なのですけれども、16ページの基準値案を検討する際に、作物残留試験成績の直接の作物でないもの、例えば、上から3つ目の大きな枠の中のレモンはないので、なつみかんを参照してと書いてありますのと、同様に先ほどアボカドの件については形状が似ているとか育ち方が似ているということで、そのまま米国でも当てはめていらっしゃるのでとおっしゃったのですが、このように汎用してやるということは既に部会で確認していますか。今までもありましたか。
○大野部会長 今まである程度代表するもので作物の結果を代用しているところがあったと思いますけれども、細かいどれをどこまでというのは私は理解していませんけれども、いかがですか。
○山内委員 ペカンというのは私はなじみがなくて、どういうものかよく分からないので、多分囲ってあるぎんなんからその他のナッツ類までナッツ類ということで同様に考えていいのだろうと思うのですけれども、国際的にこのグループはこれで代表してよろしいというものがもしあるのでしたら、そのような考え方についてお示しいただけるものがあれば紹介していただきたいと思います。
○大野部会長 いかがでしょうか。
○事務局 まず、かんきつにつきましては、農林水産省の方で大粒種、小粒種などの作残によって、その中で一番作残が高いものにすべて置くというルールを採用しております。
 また、米国では、ペカン及びアーモンドの作残データを基にナッツツリーグループ14として基準値0.10ppmを設定するということになっておりまして、それに基づいて代表作物、作残データが出されましたので、そのグループの基準値を採用するということで基準値を置かせていただいております。
○大野部会長 ペカンというのはどういうものですか。
○事務局 手元で検索したものしかありませんが、ナッツの一種でクルミに似た実だと書いてあります。実の写真までは載っていなかったので正確には分からないですけれども。
○大野部会長 FDAのレビューアーズガイドには、グループをこう分けて、このグループだったらこれで代表するということがたしか書いてありますよね。
○事務局 基本的に、今、茂野から説明したのは、CFRの方で規定されている作物群の考えによりまして従前どおり基準値を設定してきたのですけれども、今回あえて説明したのはCFRとは別にレビューアーズガイドとしてさらに細かいところを規定しているものがあります。今回のケースについてはトロピカルフルーツの作物群を細かく規定している文書としてレビューアーズガイドがありまして、米国の基準値設定に際してはそれを参照していたと。ただ、EUはもちろんそういう文書はないので個別に議論して設定している。今回、日本では諸外国と同様の考え方で設定させていただくという案を提案したということになります。
○大野部会長 山内委員いかがでしょうか。FDAの考え方のレビューアーズガイド、あれはそんなに厚いものではないですか、それともかなり厚いものですか。もし、そうでもなければ委員の先生方に送っていただければ。
○事務局 それは可能ですので、後ほどお送りさせていただきたいと思います。それほどページ数は多くありません。
○大野部会長 多分それにはどういうグループに分けて、場合によってはこれで代表するとか、代表してもいいということですかね。基本的な考え方が書いてあると思いますので。
 山内委員、お願いします。
○山内委員 国際的な方法にのっとって日本もそれに当てはめられるところはやっていくということについては私は問題ないと思いますけれども、アメリカがそうやっているからそれに従って、EUは1つずつされているということは、どちらにそろえるかは今回アメリカを選んだということですか。
○事務局 いえ、結論としてはEUもアメリカも同じです。アボカドの作残データを参照してパパイヤ、マンゴーに基準値を設定している。ただ、評価書での説明ぶりがそれぞれ違っていたという事実を補足として御説明申し上げただけです。
○山内委員 今の説明はわかりました。お願いが一点あります。今のやりとりにかかわってですが、残留農薬などの基準作成に当たって、作物残留データのデータ数や利用の仕方、作物グループのくくり方や代表となる作物の設定のし方など、コーデックスで整理している方向をみながら、日本のやり方を整理していく方向にあると、私は理解しています。そこで、一度、国際的に整理が進んでいることがらは何か、日本ではどこまで追い付いて整理されたのか、これからどういったタイミングで整理を進めようとしているのか、等について、全体像をまとめて教えていただけると助かります。
○事務局 コーデックスのグループ基準の進め方等につきまして、次回に資料を用意させていただいて御説明できればと思っております。
○大野部会長 国際的に決まっているものがあれば、それに従ってやることになると思いますけれども、FDAがこうやっているから日本もこうやらなければいけないということはないですね。その考え方を参考にして、それが良ければ採用するし、悪ければ採用しないということだと思います。
 では、御手数ですけれども、次回に説明してくださるようにお願いいたします。
 ほかに全体を通してございますか。国際的整合性も含めて。
 それでは、若干確認していただいたところで場合によっては修正するところがありました。そのほかにも修正するところがございましたけれども、修正したものをもって本部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 どうもありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、ミルベメクチンについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○事務局 農薬のミルベメクチンでございます。資料2-1を御覧ください。今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請及び関連企業からのインポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、前回は平成21年12月の部会で審議が行われております。
 「1.概要」ですけれども、本剤は16員環マクロライド骨格を有する殺虫剤でございます。ダニ、昆虫及び線虫の神経-筋接合部位の塩素イオンチャンネルにアゴニストとして作用し、殺虫活性を示すものと考えられております。
 化学名及び構造式等につきましては記載のとおりでございまして、こちらの剤はミルベメクチンA3、A4の混合物となってございます。
 「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。今回、適用拡大申請がなされたものにつきまして、うめ、いちじく、さといもと複数ございますけれども、四角で囲んで示してございます。
 また、5ページ以降にインポートトレランス申請されましたEUのホップとニュージーランドのアボカドにおける使用方法につきましても記載しております。
 「3.作物残留試験」でございます。分析の対象ですけれども、ミルベメクチンA3及びA4について分析が行われております。国内の作物残留試験結果につきましては、8ページ以降の別紙1-1に記載してございます。海外の作物残留試験成績については、11ページに示してございます。
 なお、植物代謝試験において10%のTRRを超える代謝物は認められておりませんので、特別に分析はされていないようです。
 「4.ADIの評価」でございます。ADI=0.03mg/kg体重/dayという結果となってございます。また、発がん性、遺伝毒性などは認められなかったと評価されております。こちらの評価ですけれども、前回部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 「5.諸外国における状況」です。JMPRにおける毒性評価は行われておらず、国際基準も設定されておりません。米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランドの結果につきましては、記載のとおりとなっております。
 「6.基準値案」でございます。まず、残留の規制対象についてですが、ミルベメクチンA3及びA4を設定する案としてございます。ともに親化合物ということになります。食品安全委員会における食品健康影響評価においても、農作物中の暴露評価対象物質としてミルベメクチン親化合物のみと設定されております。
 基準値案は12ページの別紙2を御覧ください。適用拡大申請がなされたものにつきまして、「申」で示しておりますけれども、作物残留試験成績に基づいて基準値案を設定しております。インポートトレランス申請されましたアボカド、ホップにつきましても、ニュージーランド、ドイツの基準値を参照する案としております。残留試験結果につきましては、右側に記載しているとおりでございます。
 これらの基準値案によりまして暴露評価を行いましたのが、13ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして一番高い幼小児で12.7%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほどお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。これはまだ2回目ですので、逐次御審議をお願いいたします。
 まず、薬理作用のところはこれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 化学名、構造式は複雑ですけれども、いかがでしょうか。
○吉成委員 合っていると思いますけれども、ミルベメクチンA4の字体だけが、なぜか2行目がおかしいので、そこだけ修正していただければと思います。
 それから、構造ではないですが、上の方に戻ってしまいますけれども、混合物であるということで存在比が22~32%と60~70%とあったのですが、合計して100にならないということはあるのでしょうか。例えば、ミルベメクチンA3が22%しか入っていないときは、残り8%ぐらいは不純物ということになってしまうのでしょうか。食安委の方にも同じような記載があったので、事業者からのデータだとは思うのですが。
○大野部会長 不純物ということでよろしいですか。
○事務局 こちらは、農薬抄録の記載で間違いはございませんので、残りはとなりますと不純物やその他のものということになります。
○大野部会長 これだけ複雑な構造だと、ちょっと違うものがあってもおかしくないかなという気がしますけれども。
○事務局 念のためメーカーには確認させていただいて、また御連絡させていただきます。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 今までのところで先生方から何かございますか。
 それでは、体内動態、代謝物のところはいかがでしょうか。
○吉成委員 構造が非常に複雑ですので、さまざまな代謝物が出るのですが、先ほど説明にあったように、目立って多く出る代謝物はないということで、規制対象を親化合物混合物とするということで良いのではないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございました。高橋先生もそれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。私も同じ考えです。
 安全性の面で鰐渕委員、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 このとおりで結構かと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析法、分析結果についてはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、基準値と国際的整合性の辺りで御意見ございますか。
 それでは、全体を通していかがでしょうか。特に御意見ございませんか。
 それでは、パーセント値について確認するということで、場合によっては数値が若干変わるかもしれませんけれども、その点については御了解くださるようお願いいたします。
 吉成委員、お願いします。
○吉成委員 非常に細かいことで申し訳ないのですけれども、16ページの「*」のただし書きで「ミルベメクチンとは」の後ろですけれども、「ミルベメクチンA3」と恐らくその下にA4があると思いますけれども、その「3」と「4」は下つきで統一した方がいいと思います。
○大野部会長 そうですね。
○事務局 そのように修正させていただきます。
○大野部会長 お願いいたします。
 それでは、修正したもの、それから、存在比について確認していただいたものを本部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目です。農薬のピリメタニルの審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、ピリメタニルでございます。今般の残留基準の検討につきましては、インポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定と、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準値の見直しについて御審議いただくものでございます。こちらは、農薬として国内での登録は現在ないのですけれども、海外で収穫後に防ばい剤として使用されるものとなっております。防ばい剤としての使用は日本では添加物として規制されることになりまして、別途添加物部会において使用基準等が取りまとめられている剤となっております。
「1.概要」でございますが、本剤は、アニリノピリミジン系の殺菌剤となります。糸状菌のメチオニン生合成を阻害し、直接死滅させるとともに、植物細胞壁を加水分解する酵素の菌体外への分泌を阻害することにより植物への感染を防ぐものと考えられております。
 化学名及び構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。こちらの剤は、現在農薬としての登録はなされておりません。暫定基準の見直しに関係いたしまして、基準値設定に関係する海外の使用方法について(1)以降で示させていただいております。今回、高麗人参について韓国の基準値を参照するように要望が出ておりまして、韓国での使用方法につきましては2ページの下に記載しております。
 「3.作物残留試験」でございます。分析対象の化合物として、ピリメタニルについて分析が行われております。分析法の概要につきましては、記載のとおりとなってございます。
 基準値設定の根拠となったデータにつきましては、7ページ以降の別紙1-1~別紙1-3に示しております。
 「4.畜産物への推定残留量」でございます。まず、4ページの(2)ですけれども、乳牛における残留試験が実施されております。こちらは代謝試験の結果から乳を除く筋肉、脂肪、肝臓、腎臓といった組織につきましては、ピリメタニルと代謝物Bについて分析を行っております。乳につきましては、これらに加えまして代謝物Cについても分析がなされております。
 表1に示しますように、腎臓において代謝物Bが3ppm、10ppm、50ppm投与群で定量限界を超える残留が確認されております。乳につきましては、10ppm、50ppmの投与群で代謝物Cについて定量限界を超える残留が確認されております。
 JMPRにおけるMTDBは3.52ppmと評価されておりまして、こちらの数字を用いて推定残留量を示したのが表2になります。こちらは残留試験の最大投与群である50ppmの投与群で定量限界となっているものにつきましては、実際の状況ですと残留がほとんど認められないだろうと考えられますので、乳以外の組織については代謝物Bを、乳については代謝物Cについて算出し、表2に記載しております。こちらは通常の取扱いとちょっと違うのですけれども、コーデックスの腎臓や乳の基準値設定においては、このような考え方が用いられておりましたので、そのように記載させていただいております。
 「5.ADIの評価」でございます。ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量17mg/kg体重/dayを根拠といたしまして、安全係数100で除しまして、ADIは0.17mg/kg体重/dayという評価となっております。
 なお、発がん性試験においてラットの雌で甲状腺等の腫瘍の発生頻度が増加したようですけれども、こちらについては遺伝毒性試験であったり、その他追加でされているメカニズム試験の結果等から、この腫瘍の発生メカニズムは遺伝毒性によるものではないと考えられ、評価に当たり閾値を設定することは可能であると食品安全委員会は評価しておりまして、ADIが設定されている状況でございます。
 「6.諸外国における状況」ですけれども、2007年にJMPRにおける毒性評価が行われておりまして、日本と同等のADIが設定されております。基準値設定の状況につきましては、記載のとおりとなります。
 「7.基準値案」でございます。残留の規制対象についてですけれども、農産物についてはピリメタニルのみといたしまして、畜産物の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び食用部位、乳以外については、ピリメタニル及び代謝物Bとする案としております。乳につきましてはピリメタニル及び代謝物Cとする案としております。
 国際基準であるコーデックスの状況ですけれども、腎臓において代謝物Bが、乳において代謝物Cが主に残留することから、今回の案と同じような形で乳を除く組織、畜産物にあっては、ピリメタニルと代謝物Bを規制対象としております。乳にあってはピリメタニル及び代謝物Cを規制対象としております。こちらの基準値ですが、国際基準を準用することとしたいこともありますので、代謝物B及び代謝物Cもそれぞれ加えることとしたいと思っております。
 食品安全委員会における農産物及び畜産物中の暴露評価対象物質ですけれども、今回はピリメタニル親化合物のみということで評価が出されている状況です。
 次に、基準値案でございますけれども、10~11ページに示す案としております。国際基準があるものについては採用するようにしております。暫定基準につきましては、作残データ等の根拠が確認できたものについては、その国と同じように基準値を設定する案としております。
 1点、1品目目で御説明させていただきましたスピロジクロフェンと同様に、米国で基準値が設定されているということで、その他のナッツ類に米国の0.2ppmという基準値を採用する案としております。これはスピロジクロフェンと同様に、レビューアーズガイドラインでこういう取決めをしているものでございまして、アーモンドの基準値をピスタチオにも採用することとしておりまして、日本ではピスタチオはその他のナッツ類に該当しますので採用する案としております。この点ですけれども、もともとアーモンドとペカンの両方の作残からツリーナッツグループ、ピスタチオも含まれますが、グループ基準を採用するように米国はCFRで規定されております。こちらについては、これまでもずっと当部会においても採用してきた方針となっております。
 レビューアーズガイドラインで記載しているのは、こういうクロップグループを用いることになったときに救済的な意味もあるのだと思いますけれども、アーモンドの作残でピスタチオについても同じように基準値を設定するということで規定されている点と、もともとツリーナッツとしてひとまとめにできる作物ということも考慮いたしまして、米国と同じようにアーモンドの作残ではあるのですけれども、その他のナッツ類に基準値を採用する案としております。
 畜産物についてですが、コーデックスの基準を採用する案としております。
最後に、11ページのその他のスパイスで1つ誤記載がございまして、「及び」になっていますが、「根又は根茎に限る。」、正しくは「又は」ということでお願いいたします。「その他のスパイス(根又は根茎に限る。)」ということで、米国のばれいしょで設定された基準値0.05ppmを採用する案としております。
 この点についてですけれども、資料3-3に説明資料を御用意しましたので、『「その他のスパイス(根又は根茎に限る。)」に米国の作物群1C、1Dの基準値を参照することについて』を参照していただければと思います。
 まず、経緯ですけれども、ポジティブリスト導入時に、その他のスパイス及びその他のハーブの食品分類を設け、多くの残留基準を設定したところでございます。しかし、香辛料、特にスパイスの多くは途上国から輸入されるものでございまして、作物残留試験データが集まりにくく、暫定基準の見直しに際して基準値を削除せざるを得ない状況となっております。
 現在、米国の塊茎状野菜及び球茎状野菜のグループ基準である1C又は1Dに「その他のスパイス」に該当するウコンが含まれていることから、これらの基準値を参照し「その他のスパイス」全体に基準値を設定できないかと輸入業者等から検討を依頼されております。
 現状の取扱いについてですけれども、「その他のスパイス」に分類される作物の残留試験成績を根拠に、「その他のスパイス」に基準値を設定しております。要は、同じ食品分類に該当される作物の残留データが必要となっている状況です。
 米国では、塊茎状野菜及び球茎状野菜のグループ基準である1C、1Dとはまた別に、スパイスとしてのグループ基準である19Bが設けられておりますし、1C、1Dの基準値設定に当たっては、ばれいしょ、かんしょの残留試験成績が用いられることとなっておりまして、このかんしょ、ばれいしょは「その他のスパイス」に該当する作物ではないことから、現在日本ではこれらの基準値を参照していない状況です。この取扱いですけれども、コーデックスにおいてもばれいしょ又はかんしょの作物残留試験成績でウコンの基準値が設定されることはございませんので、現状の取扱いはコーデックスに沿っているものとなってございます。
 事務局としての対応案ですけれども、日本の食品分類は摂取量のほかに、作物の植物学的分類や食品としての利用部位、農薬としての使用方法等の類似性等を考慮して設定しているところでございます。米国の1C、1Dも同じ形状の作物を集めたグループでございますし、残留基準と使用方法は合わせてセットで検討しますので、そもそもまとめて全部グループとして設定している状況です。これらのグループに含まれる作物は利用部位や農薬の使用方法が共通しているものとなっております。
 日本においては、地下の塊茎、球茎を食するようないも類は、ばれいしょ、さといも類、かんしょ、やまいも、こんにゃくいもと、それ以外の作物をまとめたその他のいも類として分類しておりまして、米国が1C、1Dに基準値を設定している場合は原則いも類全般に基準値を参照することとしております。
 その他のいも類ですけれども、まめ科やせり科やきく科などさまざまな科の作物をまとめて取り扱っておりますし、スパイスの摂取量自体は少ないものですので、スパイスであっても根又は根茎を食するものに限っては、米国の1C、1Dの基準を参照することに今後改めたいと考えております。
 2ページに参考といたしまして、日本のスパイスに該当する作物と食用部位を記載させていただいております。2番では米国の作物グループ群として1C、1Dに含まれる作物群を記載させていただいております。米国は19Bのスパイスのグループは種子類がほとんどですので、このような点も考慮して今回の対応案を御提示させていただいた次第でございます。
 今回の取扱いについて御審議のほどをお願いしたいと思います。
 すみません、一部、かんきつや仁果類で食品添加物として使用を認められている作物があるのですけれども、これらの基準値案について説明が漏れましたので、遅ればせながら説明させていただきます。
 資料3-1の10ページの別紙2に戻りまして、かんきつ類とりんご、なしなど仁果類果実を御参照いただければと思います。右端に「添加物としての使用基準に基づき設定」と書いてある作物については、添加物部会で使用基準としてこの量が残留することが認められているところでございます。国際基準よりは少し高い値となっていますけれども、こちらの値については添加物部会の方で御了承いただいた値ですし、農薬として使用されたときと食品添加物として使用されたときは区別がつきませんので、基準値を合わせる形で同じ基準値を採用していきたいと考えております。
 レモンやオレンジ、グレープフルーツ、ライム、その他のかんきつ類については、現行基準を下げる形となっておりますけれども、15ppmという値は今は国内の農薬登録はないのですが、過去に農薬登録保留基準として設定されたものでございまして、今、登録がなくなっていることを考えまして下げることは可能だと考えております。
 また、主要5カ国地域のMRLの最大値は米国の10ppmでございますので、海外との整合性でも15ppmから10ppmに下げることについては問題ないかと考えております。
 日本なしとおうとうについては、コーデックス基準がポストハーベストとしての使用として基準値が設定されているのですけれども、これらの作物は日本での添加物としての使用は認められておりませんので、国際基準は採用しないこととしております。
 順番がバラバラになってしまって申し訳ないのですけれども、本剤の基準値の説明については以上でございます。その他のスパイスの基準値の取扱いについても併せて御審議いただければと思います。よろしくお願いします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 では、ピリメタニルの個別の問題について審議する前に、資料3-3について先生方から御質問・御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。こういうやり方でアメリカでやっていると。スパイスについてはこのように分類されるということです。結局、その他のスパイスについて根又は根茎にかかわるものについては、ばれいしょとかそういったもののデータを使ってやったらどうかということですね。
○事務局 はい、そうです。
○大野部会長 いかがでしょうか。
 永山先生、お願いします。
○永山委員 1点確認させていただきたいのですが、この方法でどういう場合に基準を設定するのですか。要するに、インポートトレランスなり何なり申請があったときに、この形で基準値を置いていくというお考えなのでしょうか。そうではなくて、全体的にかかるとなると、いも類や何かで基準が設定されているものについては、必ずこちらも引っかかってくることになりますけれども、その辺はどのようにお考えなのでしょうか。
○事務局 その他のスパイスにつきましては、生産国が途上国が多くてなかなか作物残留試験データなどが集まりにくい状況にあります。現在、暫定基準を見直していくときにそういったものは根拠データがないということで基準値が削除されることが非常に多くなっております。こういう現状がありまして、輸入業者の方々よりアメリカでは1Cなどでその他のハーブに属するものの基準値が設定されているのだから、それを基に基準値を設定できないかという要望が強くありまして、こちらとしても何とかできないかということを検討いたしたところでございます。
 今後、この案を部会で御了承いただきましたら、例えば、その他のスパイスに暫定基準が設定されているようなものであって、アメリカで1Cのグループ基準があって、じゃがいもの作物残留試験データが提出され1Cが採用できる場合には、その他のスパイスの根又は根茎については基準値を置いていきましょうということで考えていけないかということで御提案させていただいています。
○大野部会長 そうすると、根や根茎以外については、やはりそれなりのデータがないと採用できないということですね。種子とか果実とか樹皮といったものについては、こういったやり方はとらないということですか。種子や果実には類似したものがあるわけですね。そういったものを採用することは今のところは考えていないということでしょうか。
○事務局 当初はそういうことも考えたのですけれども、海外でグループで基準が置かれています、そのグループは今回1Cでしたらじゃがいもの作残で置かれています。そのじゃがいもが日本で置こうとするグループに属しているものでない場合には、ほかの作物でもグループ基準を日本では採用していなかったんですね。ですので、アメリカで1Cという基準があって、日本でその他のスパイスに属するウコンがあったからといって、ほかのものまですべて基準値を置いてしまうのはいかがなものかと考えまして、今回、根又は根茎でしたら置いても致し方ないのかなということで案を示させていただいております。
○大野部会長 分かりました。
 ちょっと聞き漏らして申し訳ないのですけれども、これからはその他のハーブでもこの基準に合うものが出てきたら、輸入業者等からの申請がなくても、その値を自動的に割り当てていくということでよろしいですか。
○事務局 自動的にというか、今、暫定基準の見直しを行っておりまして、海外に基準があって根拠データが示されれば、その値を参照として暫定基準の見直しを行っています。海外に基準がなく、根拠データも提出されなければ基準値は削除されています。そういった暫定基準の見直しをするときに、このルールでやっていきたいと考えているということです。
 じゃがいもの作残があるからといって、必ずしもスパイスに基準値を置けるというわけではなくて、じゃがいもの作残があって、アメリカで1Cの基準値が置かれている場合に、このような対応をしたいと考えております。
○大野部会長 アメリカで1Cに置かれているというのは、1Cの中にウコンが入っているからという意味ですか。
○事務局 そうです。アメリカでは1C、1Dという基準値があります。そして、1Cにつきましては、ばれいしょの作残で参考資料に書かれているこれらのものに基準を置いております。また、1Dはかんしょの作残データにより書いてあるものについて基準値を置いております。その中にウコンが含まれております。アメリカでは、ばれいしょ又はかんしょの作残データによって、ウコンに基準を置いております。
○基準審査課長 アメリカの基準値の置き方として、ばれいしょのデータがあるから常に1Cというグループに置くのではなくて、ばれいしょしか置かない場合もあるし、1Cとしてグループ全体に認めてしまう場合もある。全体に認めている成分についてはウコンを認めているので、我が国でもウコンに類似のスパイス類について基準値を置いてもいいのではないかと考えた次第でございます。
○大野部会長 いかがでしょうか。
○山内委員 資料3-3の2ページにある1-2というのは、現行の日本の分類ですよね。しょうがはいいのですか。
○事務局 しょうがは消費量等を考慮しまして、その他のスパイスではなく個別にしょうがとして基準値が設定されております。分かりにくくて申し訳ないのですが、スパイスには該当しますけれども、その他のスパイスではないということです。
○事務局 資料3-1の10ページの別紙2を見ていただきますと、しょうがは個別に基準が設定されております。消費量が多いものにつきましては、このように個出しで基準値を日本では設定しているところでございます。
○山内委員 だけれども、ばれいしょのグループとして認められているから、ばれいしょの基準値を参考にして付けたということですね。そうすると、今回の11ページに「その他のスパイス(根又は根茎に限る。)」と概念で書いてあるのですけれども、具体的に当てはまるのはここではウコンということですか。
○事務局 具体的に当てはまるのはウコンだけになります。
○山内委員 では、ピリメタニルの「その他のスパイス(根又は根茎に限る。)」というのは具体的に何かを下に書かれたらどうですか。ほかのものは書いてありますよね。先ほどのスピロジクロフェンの答申案の欄外に、その他の野菜とは、果実とは細かく書いてありますので、そのように書けばいいのではないかと思いますけれども、どうなのでしょうか。
○事務局 では、部会報告書の中で該当するものが分かるように記載するということでいかがでしょうか。
○山内委員 14ページですよね。
○大野部会長 そうですね。そういった形で書いてくださるとはっきりしますね。
 永山委員、お願いします。
○永山委員 実際には、その他のスパイスという中に14ページに書いてある西洋わさび、わさびの根茎、にんにく、とうがらし、パプリカ、しょうが、レモンの果皮、オレンジの果皮、ゆずの果皮及びごまの種子以外のものはすべてその他のスパイスに属していて、そのうちのいわゆる根又は根茎に当たるもの、これ全体にこの基準をかけようということで、ウコンやカンゾウとかガランガル、アサフェチダとか書いてありますけれども、これにも当然かかるし、もし、それ以外にその他のスパイスに当たる根又は根茎については、その基準が適用されるという理解でよろしいでしょうか。
○基準審査課長 すみません、これは資料の整理が悪いです。14ページの注8に「その他のスパイスとは」と書いてあるのは、通常いわゆる括弧がないものについての注ですから、個別の作物として食品名に出てくるものを書いてあって、それを除くものがその他のスパイスですと書いてあるのですけれども、今回認めるのは個別に出しているものを除き、さらに残っているものについて根又は根茎類だけですので、具体的には資料3-3の2ページの1-2、スパイスに該当する作物の網かけしているアサフェチダ、ウコン、ガジュツ、ガランガル、カンゾウだけでございます。ですから、注8の文章は「その他のスパイス(根又は根茎に限る。)」は、今の作物ですと書き直さなければいけません。すみませんでした。
○大野部会長 分かりました。皆さんよろしいでしょうか。理解したつもりになっておりますけれども。
 委員の先生方の中に、植物分類の担当の先生は私の控えの中には入っていないので、米国の分類がいいかどうかが分からないのですけれども、多分、一番詳しいのは宮井委員ではないかと思いますが。
○宮井委員 私も正直あまり詳しくないので。
○大野部会長 永山委員、お願いします。
○永山委員 今の御説明で何とか理解させていただいたのですが、要するにスパイスに該当する作物が日本の場合はすべて規定されていて、そのスパイスに該当する作物があると。その中で個別に基準が設定されているものは、その他のスパイスからは最初から外れていますと。その規定されているスパイスの中で外したものを除く中で、根又は根茎に当たる部分が要するに今回の設定対象作物になる。それからいくと、今おっしゃられたアサフェチダ、ウコン、ガジュツ、ガランガル、カンゾウが相当するものであるという理解になるのですね。
○大野部会長 確認していただいてありがとうございます。
 それでは、ほかに資料3-3に書かれた方針でいくことについて追加の質問なりコメントはございますか。
 米国の作物分類は見ただけではすぐに分かりませんので、後で先生方に見ていただいて、もし、おかしなところがあれば指摘していただいて、なければ、このまま準用するということでいきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○事務局 すみません、暴露評価の値の説明が漏れておりまして、その他のスパイス(根又は根茎に限る。)について0.05ppm、アメリカのグループ基準を参照した場合のADI占有率ですけれども、こちらは幼小児でTMDI試算は26.4%となっておりまして十分低いものと考えておりますので、こちらで御了解いただければと思っております。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、基本的に資料3-3の方針について御了承いただいたと。後で追加のコメントがあれば出していただき、なければこれからこれを準用していくということにしたいと思います。
 それでは、ピリメタニルについて個別に御審議をお願いいたします。これは1回目ということで、よろしくお願いいたします。
 まず、用途、薬理作用についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、化学名、構造、物性について御意見ございますか。
 それでは、体内動態、代謝物について吉成委員、よろしくお願いいたします。
○吉成委員 植物の方では、代謝試験の結果からも親化合物しか出ないということですし、規制対象も親化合物ということで特に問題はないと思います。
 畜産物の方ですが、食安委の方では親化合物だけということですが、国際基準との整合性から親化合物よりも比較的多く検出されるB、Cをそれぞれ加えるということになっています。構造的にはB、Cを加えなくてもB、Cが問題となる代謝物だとは思われませんので、入れなくてもよいのかと思ったのですが、親化合物があまり残らない場合も多いということで、入れるという案でも特段問題ないのかなと思いました。
 1つだけ気になったのが代謝物Bなのですけれども、幾つかの動物では抱合体も検出されていまして、Bを入れるといった基準での評価試験では、代謝物Bだけであり、抱合体を本当に含んでいないのかを確認したかったのですが、3ページにあるような方法ですと、抱合体はもちろん入らないと思うのですが、参照した基準値を出した基となる試験においても本当にBだけだったのかというのがよく分からなかったので、もし情報があれば教えていただければと思います。抱合体を入れる必要はないと思います。基となった基準に抱合体が入っていたのかということで、かなりの量が出る動物もいますので、抱合体が入った試験の結果で、実際には抱合体なしでやると値がちょっと変わってくるのかなと思いますので、その点だけ。
○事務局 分析の面から考察することはなかなか難しいのですけれども、試験結果の評価の記載等を見ますと、抱合体という記載はないのはないんです。
○吉成委員 文章どおり本当にBしか入れないという理解でよろしいでしょうか。規制対象物もこの場合は対象物Bのみということでよろしいですか。
○事務局 コーデックス基準における規制対象も抱合体については特に何も触れていませんので、このままの記載でさせていただければと思っております。
○吉成委員 確認したかっただけですので、いいと思います。
○大野部会長 基本的に3ページに書いてある分析法の概要に基づいて分析して定量値を得たのだと思っていますけれども、それだと抱合体は入っていないのではないかということで、いろいろ農薬会社がやった方法をここでまとめているのだと思います。
 その点で永山委員、いかがでしょうか。
○永山委員 この分析法を見る限り、恐らくですけれども、抱合体は測っていないと思います。ただ、ほかに例えば、放射性物質か何かでいろいろ代謝を見たりというところでやったかどうかは、ここだけでは分からないので、その辺のデータがあれば、もしかしたらほかにあるとかないとか、そういう話が出てくるかもしれませんけれども。
○大野部会長 4ページ目の(2)動物飼養試験で、乳牛における残留試験をやっていますね。これはその前に書かれた分析法の概要で示されている方法に基づいて測ったのではないかと思いますけれども。
○永山委員 そうだと思います。ですから、この中では恐らく代謝物BとかCは対象になっていても、抱合体が入っているかどうかになりますと、これは加水分解していませんので、入っている可能性は低いかなと考えられます。
○大野部会長 吉成委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
○佐藤委員 よろしいですか。評価書の12ページを見ますと、腎臓中代謝物としてBがあって、これが46%なんです。ですから、抱合体があるかどうか分からないのですけれども、Bがほとんどフリーとして存在しているのかなという感じはします。(3)畜産動物(ウシ)の3段落目の2行目「腎臓中代謝物としてB 」と書いてありまして、ただ、抱合体に関しては何も触れていません。ですから、かなりフリーのものが多いのではないかという感じはしています。
○大野部会長 これはRNAを使ってやっているんですね。
○佐藤委員 はい。この結果から家畜残留試験をやったのだと思います。
○大野部会長 基本的に抱合体は含まれていないという判断でよろしいですね。
○佐藤委員 そこが分からないのですけれども、ほとんどがフリーだという推定です。
○大野部会長 ありがとうございます。
 代謝と分析対象物質について、ほかの先生はいかがでしょうか。高橋委員、何かコメントはございますか。
○高橋委員 代謝物Bですけれども、乳牛での試験を見ますと、投与量に濃度があまり比例していないので、3ppmの投与で0.08、10ppmで0.13、50ppmで0.088ですけれども、これを規制対象にするというのはデータからやむを得ないと思うのですが、基準値を作るときに国際基準が0.1だからということですけれども、0.1というところが大丈夫かなというのがちょっと気になりました。用量依存の濃度になっていませんので、MTDBを考えてもどうかなという気はちょっとしました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ちょっと先にいってしまって御容赦いただきたいのですけれども、この計算だと腎臓での残留が0.09、牛、豚の規制値は0.1であまり差がないですけれども、それでよろしいかということですか。
○高橋委員 いいかどうかよく分かりません。国際基準が0.1ということで、それに合わせるということですから、部位が腎臓ですし、問題はないのかなと思いますけれども、この数字だけを見ると最大値で3.52ppmをもし摂取した場合に0.1を本当にクリアーできるのかなというのは感じました。
○大野部会長 ありがとうございます。それについては、後でまた基準値について先生方から御意見を伺うときに御議論いただきたいと思います。
 とりあえず順番に従って、分析対象物としては農産物についてはピリメタニルのみ、そのほか畜産物については、乳についてはCを含める、それ以外はBを含めるというところで、残留試験の結果を見るとそれでよろしいかなと私も思いました。特に食品安全委員会でどうしてそれを含めないでいいとしたのか、そこがよく分かりませんが。
 分析対象物質までについては、高橋委員の御指摘がありましたが、それについては後で御議論いただくとして、よろしいですか。
 それでは、安全性について鰐渕委員、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 記載のとおりで結構だと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析法、分析結果について、いかがでしょうか。永山委員、お願いします。
○永山委員 また恐縮ですが、表記だけですけれども、3ページの「3.作物残留試験」の?分析法の概要ですが、「アセトンで抽出し、ヘキサンに分配」とされていますけれども、要するにヘキサンの方に移しているということで「転溶」という言葉を今は使っています。そして、「後」が続きますので、例えばですが「ヘキサンに転溶した後、シリカゲルカラムを用いて精製し、ガスクロマトグラフ」云々とされたらいかがかと思います。
 もう一つ、畜産物の方ですけれども、?分析法の概要のところも「アセトンで抽出し、ヘキサンに分配・精製した後」となっていますが、この「精製」は分配したということでの精製であれば、ここは「ヘキサンに転溶した後」としただけでよろしいかと思いますけれども、御確認いただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。特に精製しているかどうかということですね。ちょっと確認していただけますか。
○事務局 永山委員のおっしゃるとおり、畜産物の方も「転溶した後」のみで試験法との整合性もとれると思いますので、御指摘のように修正させていただければと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、基準値のところでまた御議論いただきたいと思います。基準値と国際的整合性はいかがでしょうか。先ほど畜産物中の残留値がこれで大丈夫かというお話がございましたけれども。もともと容量依存性がないところでそういう内挿で決めたというところがあるので、もともとのデータそのものの正確性に問題があるかと思いますけれども。特に事務局から何か御意見ございますか。腎臓については0.09で、0.1で置くとちょっと危ないですよね。コーデックスの基準が0.1ということで、それで適用していて今まで諸外国では問題が起きていないということですね。
○事務局 基準値を設定するときに国際基準がある場合は、特に大きな問題がない限り国際基準を基準値として採用するということでやってきておりますので、腎臓については0.09でございますけれども、0.1で置かせていただければと考えております。
○大野部会長 先生方いかがでしょうか。
 高橋委員、根拠となる数値はどこまで信頼できるのかというところはありますけれども、コーデックスで0.1と決めて今まで特に問題は起きていないということで、基本的に国際基準に従うという原則があるということですので、よろしいでしょうか。
○高橋委員 結構です。
○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生いかがでしょうか。
 それでは、全体を通して先生方の御意見を伺いたいと思います。
 石井委員、お願いします。
○石井委員 1点確認をさせていただきたいのですけれども、10ページの基準値案ですが、かんきつのところは添加物としての使用基準に基づき設定するとありますが、添加物部会の報告を見ますと、基準値案のところで、なつみかんの果実全体が10で、レモンが15、レモン以下が15の基準となっていると思いますが、これは勘違いですか。メールで御連絡いただいた参考にしてくださいというものを見ると。
○事務局 添加物部会の取決めでは、みかんを除くかんきつに10ppm、なつみかんの果実全体からその他のかんきつまでに10ppmということです。そのほかりんご、洋なし、マルメロについては14ppmをそれぞれ超えて残留しないように使用しなければならないというのが使用基準案ということですけれども、どこかそごがございますか。
○石井委員 ピリメタニルの基準値案というのは違いますか。もう一回確認してみます。○大野部会長 では、確認をお願いいたします。
 私から質問なのですけれども、10ページで日本なしについては1となっていますが、これは根拠は何かあるのですか。
○事務局 1につきましては、本基準なのでそのままいじっていないところでございます。
○基準審査課長 これは日本なしですので、日本ではポストハーベストの用途がございませんから、本基準を国際基準のポストハーベストの数字に上げる必要がないということでいじっておりません。
○大野部会長 分かりました。ほかの先生方いかがでしょうか。
 それでは、全体を通していかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、分析法のところを修正していただくことと、先ほどのレモンやオレンジ等の値について確認していただいて、添加物としての使用基準ともし違っていたら修正するということでいきたいと思いますが、事務局もよろしいですか。それでは、必要に応じて修正したものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、農薬クロマフェノジドについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、クロマフェノジドについて説明させていただきます。資料4-1を御覧ください。
 今回の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請がなされたことに伴う基準値設定について御審議いただくものです。当部会での審議は2回目となります。
 「1.概要」です。本剤は、アシルヒドラジン系の殺虫剤です。昆虫の脱皮を促進するエクダイソン様の作用を示し、鱗翅目昆虫の異常脱皮を促すことにより殺虫効果を現すと考えられています。
 化学名、構造式については、その下に記載してあるとおりです。
 「2.適用の範囲及び使用方法」です。表中、作物名を四角で囲んで示しているものが今回の適用拡大申請のあった作物で、その際に記載しておりますグアバ、パセリ、みつば等になります。
 「3.作物残留試験」です。分析対象の化合物はクロマフェノジドとなっております。分析方法については?に記載しております。
 この方法に基づき作物残留試験が実施されており、結果は7~8ページの別紙1に記載しております。今回新たに作物残留試験についてお示ししたものについて、網がけして記載しております。
 「4.魚介類への推定残留量」です。これにつきましては前回部会から記載内容に変更はなく、水産動植物被害予測濃度、生物濃縮係数から推定残留量を0.0594ppmと算出しております。
 「5.動物飼養試験(家畜残留試験)」です。ここにつきましても前回部会から変更はありません。乳牛における残留試験において、いずれの試料においても定量限界でした。
 「6.ADIの評価」です。食品安全委員会では、イヌにおける慢性毒性試験の無毒性量27.2mg/kg体重/dayを100で除しまして、ADIを0.27mg/kg体重/dayと評価しております。
 「7.諸外国における状況」です。JMPRにおける毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。主要5カ国地域のうちEUにおいてリンゴに基準値が設定されております。
 「8.基準値案」です。規制対象物質をクロマフェノジドのみとする案としております。なお、食品安全委員会における暴露評価対象物質も同様にクロマフェノジド親化合物のみと設定しております。
 基準値案は9ページの別紙2を御覧ください。今回、適用拡大申請がなされた作物について、作物残留試験結果を基に基準値を設定する案としております。表中「申」という文字が入った作物について新しく基準値を設定する案としております。
 次に暴露評価ですが、10ページを御覧ください。TMDI試算により一番高い幼小児で7.7%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となっております。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これは2回目ですね。それでは、普通のやり方でもう一度お願いいたします。用途と薬理作用のところではいかがでしょうか。よろしいですか。
 化学名、構造式で新たに気が付いたことはございますか。よろしいですか。
 体内動態、代謝物の辺りについては、いかがでしょうか。
○吉成委員 特に問題となるような代謝物も出ませんし、規制対象も親化合物で問題ないかと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。私も農産物中には大半が親化合物で、代謝物はごく微量ということですので、よろしいと思います。測定対象物質もクロマフェノジドでよろしいと思いました。
 安全性のところで何かコメントございますか。
○鰐渕委員 特にないのですけれども、ちょっと記載の仕方を今後改めてもらいたいところがあるのですが、6ページの一番上「無毒性量:27.2mg/kg体重/day」になっていますけれども、正確にはいろいろな試験をやったうちの最小の無毒性量ということなので、最小無毒性量をという書き方をした方が正確だと思うので、今までずっと無視していたのですけれども、その方がいいかなと思うので、今後はそのように変えていってください。
○大野部会長 それはちょっと私は異論があるのですけれども、例えば、慢性毒性試験を2本やったときに容量の設定の仕方で、この試験では例えば1mgが最小だったと。同じような試験で、それよりちょっと高い1.5mgだったというときに、どちらを無毒性量として採用するかとなると1.5の方を採用しますよね。容量の設定の仕方で、最初の1として無毒性量が出たときに、容量設定が結構幅広い場合ですね。
○鰐渕委員 それはそのとおりなのですけれども、食品安全委員会の評価書の記載に当たっても、そういう書き方をしております。要は、各試験で得られた無毒性量の最小量が書かれてあるところは最小にした方がいいのではないかと思います。たまたま先生が言われたように、こうなっているときにはあえて書かなくても。それはちゃんと見て書いた方がいいとは思いますが。
○大野部会長 そこを今後、文字として最小無毒性量と書いてしまうと、全部引っくるめて最小無毒性量になりませんか。説明しにくいのですけれども。
○鰐渕委員 でも、それはいいのだと思います。容量設定の問題だけなので、最小無毒性量としては低いデータが出て、ある試験では低い方が出て、高いところでは毒性が出ていたと。でも、容量設定の問題でもうちょっと細かくやっているところで最小無毒性量があった、それはそこが最小無毒性量になるので、言葉としては最小の無毒性量という形でいいのではないかと思います。無毒性量というのは、いろいろな試験でそれぞれ無毒性量があって、全部の無毒性量の中の一番低い無毒性量という意味。
○大野部会長 基本的にそうですけれどもね。ただ、同じようなものだけれども低くなってしまった場合に、同じような毒性試験を繰り返して、ただ、容量設定だけもっと細かくしてやる場合がありますよね。そういう場合には、無毒性量よりもちょっと高いところがこの化合物についての無毒性量だと設定する場合もありますよね。
○鰐渕委員 それはそうなんですけれども、それも含めて最小無毒性量と言ってしまうとまずいですか。
○大野部会長 何となく最小無毒性量と言うと、その物質について試験をやったものの無毒性量試験の中で最も低い値だととらえてしまいますから。
○鰐渕委員 そのとおりで、ただ、たまたまそういうこともありますけれども、そのときには無毒性量だけにしておけばいいのではないかと思うのですが。言葉を統一するなら無毒性量だけにした方が無難だということであれば、この形でずっといくのだったらいいかなと思いますけれども。
○大野部会長 この試験で、例えば、動物でイヌ混餌慢性毒性試験の1年間での無毒性量が27.2。でも、同じイヌでも同じような慢性毒性試験の1年間のものが2つあったら、それは必ずしも言えないですね。なかなか難しい。
 食品安全委員会の表現はどうなっていますか。
○事務局 資料4-2の27ページに食品健康影響評価の記載がありますので、読ませていただきます。「食品安全委員会は、各試験で得られた無毒性量のうち最小値がイヌを用いた1年間慢性毒性試験の27.2mg/kg体重/日であったことから、これを根拠として、安全係数100で除した」と書いてあります。
○大野部会長 最終的にADIの欄については無毒性量で27.2と書いてありますよね。私は、こういうふうに無毒性量として最終的には書くものかなと思っていますけれども。
○鰐渕委員 別にこだわらないので。
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、今までの記載のままということで、また食品安全委員会の記載が変わったら見直すということにしたいと思います。
 今までのところでいかがでしょうか。
 それでは、分析法、分析結果についてはいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、基準値と国際的整合性については、いかがでしょうか。
 では、全体を通して御意見ございますか。
 それでは、これについては変更ありませんでしたけれども、これをもってこの部会の報告とさせていただいて、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 次の品目、農薬のスピロメシフェンについての御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、5剤目のスピロメシフェンでございます。資料5-1を御覧ください。今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法に基づく適用拡大申請及び関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定でございます。なお、前回は平成23年10月の部会で審議が行われております。今回、部会審議は4回目となります。
 「1.概要」でございます。当剤は、環状ケトエノール系の殺虫剤であり、脂質生合成に関与するアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することにより殺幼虫、殺卵活性等を示すものと考えられております。
 化学名及び構造式等につきましては、記載のとおりでございます。
 「2.適用の範囲及び使用方法」です。今回、適用拡大申請がなされたとうがらし類につきまして、3ページに四角で囲んで示しております。また、インポートトレランス申請がなされました作物につきまして、使用方法を4ページに記載しております。
 「3.作物残留試験」でございます。分析対象化合物は前回と変更はございません。スピロメシフェン代謝物M1、M2及び代謝物M2の抱合体M9を分析対象化合物としております。
 国内の作物残留試験結果につきましては、9ページの別紙1-1に記載してあります。
 海外の結果につきましては、10ページからの別紙1-2、1-3に記載しております。今回新たに提出された作物残留試験成績につきまして網かけで示しています。
 また、別紙1-3に関しましては、後作物としての残留基準設定のための残留試験成績ということで、これらの作物に直接使用するというわけではございませんが、ほかのものに使用した後、このような作物を栽培した場合に残留があるということで、これらの残留データを基に基準値の設定を検討しております。
 「4.乳牛における残留試験」につきましては、前回部会で御審議いただいたときと変更はございません。
 「5.魚介類への推定残留量」につきましても、前回の部会で御審議いただいた内容と変更はございません。
 「6.ADIの評価」でございます。ADIは0.022mg/kg体重/dayとなっております。この値につきましても前回の審議内容と変更はございません。
 「7.諸外国における状況」でございますが、JMPRにおける評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。また、米国、カナダ、EU及びニュージーランドにおいて、記載のとおり基準値が設定されております。
 「8.基準値案」でございます。残留の規制対象を農産物、魚介類につきましては、スピロメシフェン及び代謝物M1としております。
 畜産物につきましては、アメリカの基準を準用しているため、スピロメシフェン、代謝物M1、代謝物M2及び代謝物M2の抱合体とし、アメリカと同様の規制対象化合物とする案としております。
 食品安全委員会におきましても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質をスピロメシフェン及び代謝物M1と評価しており、これらの内容につきましても前回御審議いただいた内容と変更箇所はございません。
 次に、基準値案でございますが、14ページの別紙2を御覧ください。国内の作物残留試験成績に基づき、その他のなす科野菜について基準値を変更しております。また、この表の登録の有無の欄に「IT」と記載してあります食品につきまして、アメリカ及びEUを参照して基準値を設定、変更しております。
 また、たまねぎからその他のゆり科野菜につきましては、先ほど御説明いたしましたアメリカの後作物の残留試験成績に基づき基準値を設定しております。
 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが、16ページの別紙3でございます。EDI試算によりまして、一番高い幼小児で78.1%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案となります。御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。これについては、先生方に御審議いただくのは4回目ということですので、ざっといきたいと思います。
 最初の半分ぐらいで薬理作用、体内動態、代謝物、毒性の辺りまでで何か御意見ございますか。化学名、化学構造も含めて御意見いただければと思いますけれども。また後で気が付いたら御指摘ください。
 その後、分析法、分析結果、基準値、国際的整合性の辺りでいかがでしょうか。EDI基準で78.1とかなりギリギリのところでございますけれども、いかがでしょうか。一応、80%を割っているということでございます。
 これについて全体を通して御意見ございますか。私も新しいコメントは特にございません。
 それでは、今回のスピロメシフェンについて、事務局が作ってくださった案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、サフルフェナシルについて審議をお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料6-1を御覧ください。サフルフェナシルの報告案でございます。今般の残留基準の検討については、関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴い、基準値を設定するものです。
 サフルフェナシルは国内登録はありません。また、今回は2回目の御審議で、前回は今年5月の部会で行っております。
 「1.概要」です。サフルフェナシルはスルホニルアミド系の除草剤です。プロトポルフィリノーゲン?オキシダーゼを阻害することにより、除草効果を示すものと考えられています。
 化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。
 「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。前回より追記になったのは、2ページの表の下から3つ目、なたね類でございます。そのほかは前回と同じでございます。
 「3.作物残留試験」でございます。分析対象化合物をサフルフェナシル代謝物H11、H35としており、分析法の概要は記載のとおりでございます。また、データについては8ページ以降の別紙1に示してあります。新たなデータは9ページの網がけしている箇所でございます。
 続きまして「4.畜産物への推定残留量」です。分析対象化合物をサフルフェナシル親化合物とし、概要のとおり検査されております。また、表1、表2で最大残留量と推定残留量を算出しておりますが、こちらも前回と変更はございません。
 「5.ADIの評価」でございます。食品安全委員会より0.009mg/kg体重/dayと評価されており、こちらも前回と同じ値です。なお、評価に供された遺伝毒性のin vitro試験の一部で陽性の結果が得られておりますが、小核試験をはじめin vivo試験では陰性の結果が得られたので、サフルフェナシルは生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論されております。
 「6.諸外国における状況」です。2011年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが設定されています。国際基準はトウモコロシに設定されております。諸外国における残留基準の調査の結果は、御覧のとおりです。
 「7.基準値案」です。こちらも前回と同様、サフルフェナシル親化合物を規制対象とする案としてございます。また、食品安全委員会の健康影響評価においてもサフルフェナシル親化合物のみを暴露評価対象物質としております。
 続きまして基準値案でございます。11ページの別紙2のとおりでございます。登録の有無で「IT」という箇所がありますが、米国のMRLを参照しております。
 これらの基準値案より暴露評価を行ったのが12ページの別紙3でございます。TMDI試算において一番高い幼小児で27.8%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申案です。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 これはまだ2回目ですので、普通のやり方で御審議をお願いいたします。
 まず、用途と薬理作用の辺りでいかがでしょうか。
○宮井委員 2ページの(1)海外での使用方法のとうもろこしの括弧内で「フィーリド」となっていますが「フィールド」だと思いますので直していただけますか。
 それから、3ページ目の米国の使用時期の下の「(収穫前日数)」というのは削除してもらって、下のブラジルの使用時期の「(PHI)」を「(収穫前日数)」に変えてもらえますか。
○事務局 御指摘のとおり修正させていただきます。
○大野部会長 ありがとうございました。尾崎委員もよろしいでしょうか。
 化学名、構造、物性の辺りで吉成委員、何か御意見ございますか。よろしいですか。
 では、体内動態、代謝物の辺りでいかがでしょうか。
○吉成委員 問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。高橋委員もよろしいですか。ありがとうございます。
 かなりいろいろ代謝物が出てくるのですけれども、それをいろいろ見てみると今までのところでいいのかなと思いました。
 安全性の面で追加なり修正はございますか。
○鰐渕委員 特にありません。
○大野部会長 ありがとうございます。
 分析法、分析結果の辺りはいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、基準値、国際的整合性の辺りはいかがでしょうか。
○吉成委員 言葉の問題なのですけれども、6ページの代謝のところとも関係するのですが、「7.基準値案」の(1)の「米国は」の文章の3行目、ひまわりの種子で幾つか試験が行われているうちで確かに前回指摘したように、一部の試験だけでH11、H35というのが比較的高く出るのですけれども、それを示す言葉が「ひまわりの種子の一部を除く作物残留試験において」だと思いますが、ちょっと表現が分かりにくいような気がしないでもないのです。どうしたらいいかは考えずに発言してしまったのですが。
○大野部会長 ひまわりはちょっと高いんですね。
○吉成委員 そんなに高くない試験も実際にあったので、そういう意味だったと思うのですが。
○大野部会長 ひまわりの種はあまり食べないからいいのかなと思ったのですけれども。
○吉成委員 同じひまわりの種でも検出限界以下の試験もあるし、比較的高い試験もある。例えば、9ページを見ていただくと、ひまわりの6日とか7日、14日辺りですと、検出限界以下もあれば比較的高い値が出ているというのもあって、それを表現するための文章になるかと思うのですが、ちょっと分かりにくいので。前回の修正の後、確認し損ねたのかもしれませんが。種子の一部に見えてしまうので、試験の一部というニュアンスが入るような文章に変えていただければ思うのですが。
○大野部会長 「ひまわりの種子についての一部の試験を除く」という感じですか。では、そのような感じで修正していただけますか。
○事務局 「ひまわりの種子に行った作物残留試験の一部を除き定量限界未満であることから」ということでよろしいでしょうか。
○大野部会長 では、それでお願いいたします。ありがとうございました。
 基準値のところまでいったと思いますけれども、全体を通して先生方から御意見ございますか。
○鰐渕委員 しようもないことなんですけれども、13ページの参考「これまでの経緯」の時系列が多分若干間違っているのではないかと思います。3つ目は多分、平成23年ではなくて平成22年ですよね。その次が平成23年、平成23年なのではないかと思いますが。途中で何かが入ってこうなったのか、ちょっと分からないので。
○事務局 平成24年5月にかかったのは正しくて、若干時系列がずれていますけれども、申請は確かに平成24年5月に御審議いただく前に申請されています。ですから、平成22年のインポートトレランス申請に伴う一連の流れが平成24年5月31日に続いていると。平成23年9月に受けたインポートトレランス申請の流れが平成24年9月26日までの流れになっています。
○鰐渕委員 そういうことですね、分かりました。
○大野部会長 ありがとうございました。そうすると、3行目の平成23年はこのままでよろしいのですか。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。
 それでは、2ページと3ページの表、6ページの表現について修正がございました。その修正したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、クロラントラニリプロールについて御審議をお願いいたします。では、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料7のクロラントラニリプロールと資料8のチアメトキサムの両方とも一度に御説明させていただければと思います。どちらもカカオ豆の検査部位を変更することについて既に部会で御審議いただいたものを、もう一度部会で御審議いただくものでございます。
 カカオ豆の検査部位を変更することにつきましては、7月部会で御審議いただき、今後暴露評価等で安全性が確認できたものから順次、カカオ豆の検査部位を「カカオ豆(外皮を含まない。)」に修正することとし、その一貫として7月の部会ではビフェントリン、メタラキシル及びメフェノキサムについて、カカオ豆の検査部位を「カカオ豆(外皮を含まない。)」に変更することを御承認いただきました。前回7月部会でお配りしました資料を参考として先生方の机の上に配らせていただいております。
 今回はチアメトキサム、クロラントラニリプロールのカカオ豆の検査部位を「カカオ豆(外皮を含まない。)」に変更することについて御審議をお願いするものでございます。
 まず、今回の変更点でございますけれども、資料7-1、クロラントラニリプロールについて御説明させていただきます。
 本剤は、アントラニリックジアミド系の殺虫剤で、平成23年12月部会で米国の基準値を参照として、カカオ豆に0.08の基準値を設定する基準値案を御審議いただきました。その際の部会報告書と今回の変更点でございますけれども、変更点は25ページの別紙2のカカオ豆の基準値案に「※0.08」と書いてございます。一番下に「※カカオ豆の基準値については、外皮を含まないものに適用するものとする。」と記載してございます。
 それから、28ページで、本日の部会についての経緯を追加してございます。
 また、31ページの答申案で「カカオ豆(外皮を含まない。)」という追記をしております。
 変更点は以上です。
 続きまして、資料8-1、チアメトキサムについて御説明させていただきたいと思います。
 本剤は、ネオニコチノイド系殺虫剤で、平成24年6月部会でコーデックス基準を参照として、カカオ豆に0.02の基準値を設定する基準値案を御審議いただきました。その際の部会報告書と今回の変更点は、先ほどのクロラントラニリプロールと同じでございますけれども、30ページの別紙2、カカオ豆の基準値案に「※0.02」と記載してございます。一番下に「※カカオ豆の基準値については、外皮を含まないものに適用するものとする。」という記載になっております。
 また、33ページの「これまでの経緯」で、本日の部会についての記載を追記しております。
 また、36ページの答申案で「カカオ豆(外皮を含まない。)」を追記してございます。
 この2剤につきましては、7月部会で御承認いただきましたように、「カカオ豆(外皮を含まない。)」と検査部位を変更することとさせていただきたいと思います。
 説明は以上でございます。
○大野部会長 御説明ありがとうございました。
 この2つの農薬について、カカオ豆の外皮を含まないようにするということです。基準値は変わらないということですね。いかがでしょうか。特に問題はないかと思いますけれども。
○尾崎委員 1つよろしいですか。細かいことですけれども、クロラントラニリプロールの薬理作用の2行目ですが「筋小胞体内のカルシウムチャンネル」とあるのですが、正確には「筋小胞体膜のカルシウムチャンネル」ですね。
○事務局 そのように訂正させていただきます。
○大野部会長 ありがとうございます。修正をお願いいたします。
 事前に先生方に見ていただいていますけれども、ほかに気が付いたところはございますか。それでは、今回はカカオ豆の外皮を除くという修正ですが、よろしいでしょうか。
 それから、尾崎先生の御指摘であった薬理作用のところを「筋小胞体内」ではなく「筋小胞体膜」に修正するということです。
 この2つの答申案でございますけれども、そういう形で若干修正が入りましたが、それをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。
 一応、今日審議すべき農薬の残留基準の審議はすべて済んだと思いますけれども、よろしいですか。
 それでは、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました「食品衛生分科会における確認事項」に基づき、本日の部会で御審議いただいた農薬8剤の食品衛生分科会での審議又は報告の取扱い案につきましては、せん越ながら事務局より原案を用意させていただきました。
 御審議いただいた品目のうち農薬スピロジクロフェン、ピリメタニルにつきましては、暫定基準等の既に設定されている残留基準の一部改正で区分4又は5に該当しないことから、区分3として分科会での取扱いは「報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 農薬クロマフェノジド、サフルフェナシル、スピロメシフェン、ミルベメクチン、クロラントラニリプロール、チアメトキサムにつきましては、いずれも食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4として分科会での取扱いは「文書配付による報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、毒性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
○大野部会長 ありがとうございました。
 ただ今説明されたような形での食品衛生分科会での取扱いについて御質問・御意見ございますか。特にございませんか。
 それでは、当部会としてそのような形で分科会長にお話ししまして、承認を得たいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、事務局から今後の手続について御説明をお願いいたします。
○事務局 本日御審議いただきました農薬8剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていることから、若干修正の上、部会長に御確認いただくものもございますが、修正・御確認いただいたものを部会報告書とさせていただきます。また、今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等、剤ごとに必要な手続を進める予定としております。
○大野部会長 ありがとうございます。
 続きまして、次の議事について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の改正につきまして、農林水産省から厚生労働省へ意見聴取がなされております。この件につきまして農林水産省担当者より御報告いただきたいと思います。
○大野部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
○農林水産省 農林水産省の池田と申します。よろしくお願いいたします。
 今回、飼料の残留農薬の基準を改正することについて御報告いたします。今回の案件の御説明の前に、飼料の残留基準について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 資料9の32~33ページになりますけれども、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づきまして、現在60の農薬・成分に対しまして飼料の残留基準を設けております。これは食品のいわゆるポジティブリストが開始されましたときに、飼料の方でも暫定基準として設けたものでございます。これらにつきましては暫定基準でございますので、食品と同じように食品安全委員会の諮問を順次行っているところです。
 今回、農薬イミダクロプリドにつきまして食品安全委員会の答申を受けておりますので、この機会に合わせて残留基準の改正をすることとしたものでございます。
 改正の内容については2ページ、参考資料1の概要を御覧ください。
 イミダクロプリドは殺虫剤でございまして、ADIにつきましては食品安全委員会で既に設定済みでございます。
 食品の基準につきましても、食衛法に基づきまして、農産物、畜産物に対しても設定されております。
 飼料の残留基準ですけれども、現在、穀類6種類に対して基準がついてございます。それから、牧草というカテゴリーで基準がついてございますが、えん麦、大麦、小麦、ライ麦、マイロにつきましては、0.05ppmの現行の基準の改正はございません。とうもろこしにつきましては、0.1ppmのところを0.05ppmに改正することとしております。こちらにつきましては、食用とうもろこしも現在0.05で定められていたかと思います。牧草につきましては、6ppmの基準を0.5ppmに改正することとしております。
 以上です。
○大野部会長 ありがとうございました。
 ただ今の御説明について、先生方から御質問・御意見ございますか。
 では、私から。飼料中の残留基準が0.05ppmから0.1ppmということで、とうもろこしが増えて、また牧草については10倍近く増えているわけですね。逆ですか、すみません。そうすると、残留基準には反映がないわけですね。今度はオーバーしてしまうとかそういうことはないわけですね。
 先生方から御質問ございますか。
○基準審査課長 一応法律上、公衆衛生の見地から飼料の基準を変えるときに厚生労働省の意見を聞くということになっていますが、例えば、とうもろこしの基準がヒトの基準と違う、家畜の餌が高いとなると、それが食用に紛れたときに非常に問題が出ますけれども、同じですので特に問題はない。牧草はヒトが食べることはないと思っていますので、事務局としてはそのように考えています。
○大野部会長 分かりました。御説明ありがとうございました。先生方もよろしいでしょうか。では、池田さん、どうもありがとうございました。
 次の議事について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より平成17年度~平成18年度農産物中の残留農薬検査結果について御報告を申し上げます。お手元の資料10を御覧ください。また、ただ今追加の資料としてお配りさせていただいている資料も併せて御覧ください。
 本集計につきましては、以前にも当部会にて御報告を行いましたが、当時、委員より集計結果について御指摘を受けたことから、集計内容を全面的に見直し、再集計を行うこととし、本日の報告に至りました。再集計、見直しに時間がかかり、御報告が遅れて大変申し訳ありませんでした。
 それでは、内容に移ります。「1.はじめに」です。流通している食品について、地方公共団体及び検疫所が実施した残留農薬の検査結果を取りまとめたものを報告するのが今回の報告内容になります。
 「2.集計方法」ですが、1ページ目の下から2ページ目にかけて御協力いただいた地方公共団体及び検疫所をお示ししております。
 簡単に集計内容ですが、地方公共団体及び検疫所の検査結果をまとめた上で、検査対象を農産物、加工食品ごとに国産品、輸入品に区分した上で、検査件数、農薬等が検出された件数である検出数及び農薬等が検出された量の上限と下限である検出範囲、並びに違反数をそれぞれ集計いたしました。ただ今追加でお配りした資料が、その集計した詳細の一部になります。非常に膨大な集計結果になりますので、あくまでこういった形で集計させていただいているということで御覧いただければと思います。今回お配りした報告書案の中では、概略という形でお示しさせていただくことになります。なお、違反の判断については、検査を実施した各年度の時点の残留基準値に基づいて行っております。
 なお、これらの検査に当たりましては、必ずしも厚生労働省が通知等で示している試験方法ではなく、これらの試験法と同等以上の性能を有すると認められる試験法が用いられており、またppbオーダーの値が検出された例も検出事例として検出数に含まれております。
 「3.集計結果」について御説明いたします。こちらにつきましては、5ページからの表と併せて御覧いただければと思います。
 まず、農産物の集計結果ですが、平成17年度の検査結果を表1で示しております。残留農薬の検査結果の総数は約350万件程度であり、このうち基準値設定が当時されていたものが約84万件、設定されていなかったものが260万件ほどございました。
 国産品、輸入品別に見ると、国産品が約50万件、輸入品が290万件となっております。
 また、検査結果のうち何らかの農薬が検出されたものは7,000件程度、0.2%であり、このうち残留農薬基準が設定されているものが5,173件、設定されていないものが1,837件。農薬が検出された事例について国産品、輸入品別に見ると、国産品が1,778件、輸入品が5,232件となっています。
 さらに、残留農薬基準が設定されているものであって、基準値を超える量の農薬が検出されたものは59件、0.0070%となっております。
 国産品、輸入品の別で見ますと、国産品が8件、0.0032%、輸入品が51件、0.0086%となっています。
 また、農薬ごとの検査結果については、検査数が100件以上あった360農薬中、検出割合が高い上位20農薬を6ページの表2にお示ししております。
 また、国産品を対象として同一農薬に関する検査数が100件以上あった289農薬中、上位20農薬を7ページの表3に、輸入品と同様に上位20農薬を8ページの表4にお示ししております。
 平成18年度の農産物の結果については、同様の集計を行っておりますが、ポジティブリスト制度の施行ということですので、平成17年度のように基準値設定あり、なしの場合分けは行っておりません。
 件数については総検査結果数は約345万6,000件。国産品、輸入品の別で言いますと、国産品が約63万2,000件、輸入品が約282万4,000件となっております。
 詳細な結果は10ページ以降、先ほどの主な上位20農薬をそれぞれの国産品、輸入品ということで掲載させていただいております。
 また、平成18年度につきましては加工食品についても集計を行っております。そちらの結果は13ページ以降に記載させていただいております。平成18年度の加工食品の残留農薬検査結果は、約46万3,000件でございました。
 国産品、輸入品別で見ますと、国産品が約1万1,000件、輸入品が約45万3,000件となっております。
 検出された件数で言いますと954件、0.21%でございまして、国産品が29件、0.27%、輸入品が925件、11.20%となっております。
 さらに、基準値を超えた農薬が検出された件数は84件、0.018%で、国産品が0件、輸入品が84件すべてでございます。
 上位20農薬は13~14ページに記載させていただいている内容になっております。
 以上の結果を踏まえて、簡単な考察にはなりますが、平成18年度にすべての農薬と農産物等の組合せにおいて、一定の量を超える農薬の残留を禁止するポジティブリスト制度が導入されたことから、農薬の検出件数、基準値違反件数とも平成17年度に比べて平成18年度には増加しているものの、何らかの農薬が検出された件数割合と検出された量、違反件数の割合はいずれも極めて低いことから、我が国で流通している農産物における農薬の残留レベルは低いものと考えられました。なお、農産物から検出された農薬の中には、鉛のように農産物中にバックグラウンドとして検出されるものもありまして、検出されたもののすべてが農薬等として用いられた成分に由来するものとは限らないと考えられます。
 さらに、国産品、輸入品の別で見ますと、検出割合の高い農薬の種類が異なっておりますが、これは国内と諸外国で汎用されている農薬の種類が異なることによるものと考えられます。
 以上を踏まえまして「5.まとめ」ですが、本集計結果から農薬等が検出された件数、割合及び食品衛生法に基づく残留農薬を超える件数の割合は、いずれも極めて低く、我が国で流通している農産物及び加工食品における農薬等の残留レベルは低いものと考えられます。
 以上でございます。
○事務局 すみません、若干補足させていただいてよろしいでしょうか。後から配らせていただきました別添1と別添2がございますけれども、別添1が平成17年度の残留基準の設定されているものの一部でして、米の部分だけを抜粋しております。別添2は残留基準値の設定されていないものということで、同様に米だけを抜粋しております。あと、平成18年度分もあるのですけれども、若干記載ミスがありましたので本日はお配りしておりませんが、平成18年度分も用意させていただいております。これを全部合わせると約3,000ページになりますので今日はお配りしておりませんけれども、ホームページにはこの報告書と併せて掲載させていただくことになっております。
 あと、1点だけミスがあって、2ページ目の(1)農産物の平成17年度、平成18年度の間にスペースがありますが、その1つ上のパラグラフで「農薬ごとの検査結果については」というくだりがありますが、一番後ろに「360農薬中」とございます。その結果が6ページの表2ですが、ここは「100件以上あった359農薬中」ということで数字がずれておりますので、ここは確認の上、どちらかに合わせるという形にさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○大野部会長 分かりました。
 いろいろ説明をいただきましたけれども、先生方から御質問・御意見ございますか。
○永山委員 1点だけ。これは検疫所の結果が入っていますけれども、検疫所でおやりになられた結果は国内流通前の結果が入っていますよね。ですから、当然、一番最後のまとめで国内流通品については問題ないというのは全然問題ないのですが、結果そのものには流通されていないものが入っているのだというのを、どこかで表記することはできないでしょうか。いつも気になっているんです。実際0.003%にしろ、〇・〇何パーセントにしろ、流通品でこれだけ違反があるのかと誤解される方もいらっしゃると思うので、その辺を触れられるといいと思うのですが。
○事務局 分かりました。すぐに文章の修正ができないのですけれども、大野部会長と相談の上、修正させていただければと思います。その際、永山先生にも一度御覧いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 山内委員、お願いします。
○山内委員 この検査は通常、都道府県のお仕事でやられているものですよね。そうすると、平成19年度以降もずっとされていますよね。その数値は集計していただけますか。
○事務局 まず、約2年近く前に一度出させていただいて、数字がおかしいという御指摘をいただいたので、我々が自力で集計をし直していたので時間がかかってしまったのですけれども、引き続き平成19年度、平成20年度以降も続けてやる予定になっておりますので、またこの部会で御報告させていただきます。
○山内委員 大変だと思いますけれども、なるべく早目にお願いします。
○大野部会長 よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問・御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、次回の予定の御説明をお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成24年10月30日火曜日、午後を予定しております。後日、出欠につきまして御確認させていただきたいと存じます。詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了したいと思います。先生方、長時間の御審議をありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係
(03-5253-1111 内線2921)

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