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2012年11月7日 第57回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成24年11月7日(水)9:57〜12:14


○場所

如水会館「スターホール」


○議題

1.協会けんぽの財政状況について
2.産科医療補償制度について
3.その他

○議事

○遠藤部会長 おはようございます。まだ定刻に若干時間がございますけれども、委員の皆様、御予定の方はすべて御着席でございますので、ただいまより、第57回「医療保険部会」を開催したいと思います。
 まず、委員の御異動がございましたので、御報告いたします。
 安部委員が退任をされました。新たに日本薬剤師会常務理事の森昌平委員が就任されておられます。
 次に、本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、岩村委員、岩本委員、岡崎委員、齋藤訓子委員、福田委員より御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りいたしたいと思います。
 岡崎委員の代理としまして村岡参考人、齋藤訓子委員の代理として菊地参考人の御出席について御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 また、本日は、産科医療補償制度を議題の2としておりますが、この御説明をいただくために、日本医療機能評価機構の上田理事にお越しいただいております。後ほど御説明をいただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、前回の医療保険部会以降、厚生労働省幹部に人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いしたいと思います。事務局、お願いします。
○濱谷課長 それでは、人事異動について御紹介をさせていただきます。
 まず、保険局長の木倉でございます。
 本日は、国会対応のため、途中退席となります。
 続きまして、医療保険・医政担当の審議官、神田でございます。
 審議官も、本日は国会対応のため、恐縮ですが、途中退席となります。
 続きまして、保険局保険課長の大島でございます。
 国民健康保険課長の中村でございます。
 医療課長の宇都宮でございます。
 歯科医療管理官の田口でございます。
 医療課薬剤管理官の近澤でございます。
 医療課医療指導監査室長の泉でございます。
 最後に、保険局総務課長、私、濱谷でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、保険局長から一言御挨拶をさせていただきます。
○木倉局長 改めまして、このたびの異動で保険局長に参りました木倉でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 委員の皆様には、御多忙の中をこの部会に御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 この夏前までは、部会も開かせていただいたようでございますけれども、その間、2月には社会保障の機能強化、税制の持続可能性ということの確保を図っていくための医療保険制度、医療制度を含んだ社会保障・税一体改革大綱、これを閣議決定をし、国会を進めてきたところでございます。また、その後、この間で与野党間のお話し合いもされ、8月には社会保障制度改革推進法というものが成立しておるところでございます。これまで途中までの経緯は御報告申し上げておりますけれども、また改めてこのような視点を踏まえて御議論をいただきたいと思っております。
 全体の高齢者医療制度のあり方につきましては、この与野党間の合意、あるいは推進法にありますとおり、3党間の議論もする、また、推進法に書かれておりますように、国民会議の場でもあり方というものをきちんと議論をしていくという位置づけがなされているところでございます。まだその場が立ち上がっていないわけではございますが、それに備えてまいりたいと思っております。
 それから、当面の課題といたしましては、予算の夏の概算要求のときにもお示しさせていただいたのでございますけれども、年末の予算編成までに議論を尽くしていくべきものとして、主なものは今日もお諮りする3つのものがございます。協会けんぽの財政問題への対応の課題、70歳から74歳の間の患者負担の取り扱いの課題、それから、高額療養費制度の改善、その財源を含めた改善ということについてでございます。まずは当面のこの部会におきましては、この3課題を中心に御議論を進めていただきますようお願い申し上げる次第でございます。
 この皆保険制度を堅持してまいりたい。将来にも医療制度の安心を支えていくためのものとして堅持をしていきたいと思っております。私ども事務局としてもしっかりと対応してまいりたいと思いますので、ぜひ委員の皆様方の御忌憚のない御議論、御指摘をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に移りたいと思います。
 ただいまの局長の話にもありましたように、当面の課題の一つになると思いますけれども、協会けんぽの財政状況、これにつきまして、まずは議題としたいと思います。
 本議題につきましては、前回御議論いただいたわけでございますけれども、本日も引き続き御議論をいただきたいと考えております。
 本議題につきましては、小林委員から資料が提出されておりますので、まずは小林委員から資料の御説明をお願いしたいと思います。小林委員、よろしくお願いします。
○小林委員 全国健康保険協会の小林でございます。
 私どもから資料1−1、1−2、1−3、資料2を提出させていただいております。
 私からは、まず、先週公表いたしました来年度の収支見通しと、それを踏まえた平成29年度までの5年収支見通しに関する試算内容、さらには、協会けんぽの現在の財政状況などについて、資料に沿って御説明させていただきたいと思います。
 提出資料1−1、「協会けんぽ(医療分)の収支見通しについて(概要)」をごらんいただきたいと思います。この概要に沿って御説明させていただきます。
 1ページの2つ目の○、試算の制度前提をごらんください。
 試算に当たっては、2つの前提で試算を行っております。
 1つ目は、制度前提A、つまり、現状維持の場合として、国庫補助率16.4%、後期高齢者支援金の負担方法を3分の1総報酬按分とした前提です。
 2つ目は、制度前提B、つまり、協会けんぽが要望しております国庫補助率20%。後期高齢者支援金の負担方法を全額総報酬按分とした前提であります。
 2ページの枠内をごらんいただきたいと思います。
 平成25年度の収支見込みのポイントについて御説明いたします。
 平成25年度の収支見込みにつきましては、今回、今年9月の標準報酬月額の定時決定の実績を踏まえて算出いたしました。
 平成25年度の試算の前提となる平成24年度の収支ですが、標準報酬月額が本年9月の定時決定時においては、見込みより金額が高かったこと、また、年度前半の医療給付費が見込みより低位に推移していることなどから単年度収支差はプラス2,482億円となり、年度末の準備金残高は4,432億円となる見込みであります。
 その上で、平成25年度の収支見込みについて御説明いたしますと、現状維持の制度前提Aの場合には、平成25年度の均衡保険料率、つまり単年度収支が均衡する保険料率は10.1%に引き上げる必要があります。
 また、協会要望の制度前提Bの場合には、均衡保険料率は9.8%になります。
 次に、3ページの下にあります表2をごらんいただきたいと思います。
 現在の平均保険料率は10%ですが、我々協会けんぽとしては、この保険料率10%というのは既に限界であり、これ以上の引き上げは到底できないと考えております。このため、平成25年度の保険料率を10%に据え置いた場合についての試算も行っております。
先ほど御説明いたしました現状維持の制度前提Aでは、単年度収支差がマイナス802億円となり、準備金残高は3,630億円となります。
 一方、協会要望の制度前提Bでは、単年度収支差が1,295億円となり、準備金残高は5,728億円となります。
 以上が平成25年度の収支見通しであります。
 続きまして、4ページを飛ばして、5ページをごらんいただきたいと思います。
 ただいま御説明いたしました平成25年度の協会けんぽの収支見込みを足元として、一定の前提を置いて機械的に試算した平成29年度までの5年間の収支見通しについて御説明いたします。試算を行う上での賃金上昇率の前提は、3ケース置いております。5ページにある表をごらんいただきたいと思います。
 ケース1は、国民年金・厚生年金の平成21年財政検証の経済前提における経済低位ケースの賃金上昇率に0.5を掛けた場合であります。
 ケース2は、賃金が動かないという0%で一定とした場合です。
 ケース3は、過去10年間の平均でありますマイナス0.6%で一定とした場合です。
 それでは、5年収支見通しについて説明いたします。6ページ、7ページをごらんいただきたいと思います。
 6ページは、現状維持の制度前提Aの場合の5年収支の見通しの結果です。7ページは、協会要望の制度前提Bの場合の試算を記載しております。
 まず、6ページの枠囲いをごらんいただきたいと思います。制度前提Aの場合における5年収支見通しのポイントをまとめたものです。
 1つ目の○をごらんいただきたいと思います。現在の保険料率10%を据え置いた場合ですと、足元の平成25年度で収支差がマイナスであり、賃金上昇率の前提のケース1からケース3のいずれの場合でも平成27年度には準備金が枯渇する結果となります。
 この後も保険料率を10%に据え置いたままですと、累積赤字が増加して、平成29年度末では賃金上昇率が最も高いケース1でもマイナス1兆3,100億円、ケース2ではマイナス1兆9,500億円、賃金上昇率が最も低いケース3では、マイナス2兆3,700億円という累積赤字となります。
 次に、2つ目の○をごらんいただきたいと思います。平成25年度から保険料率を均衡保険料率、すなわち、準備金を取り崩さずに単年度で収支が均衡するために必要な保険料率を示しております。
 均衡保険料率は、平成25年度においても10.1%と10%を超える結果となり、平成29年度末には賃金上昇率ケース1では10.8%、ケース2では11.2%まで上昇、ケース3では11.5%まで上昇する結果となっております。これは6ページの一番下の3に記載しております。
 続きまして、7ページの枠囲いをごらんください。協会要望の制度前提Bの場合における5年収支見通しのポイントをまとめたものです。
 1つ目の○をごらんください。保険料率を現在の10%に据え置いた場合、準備金が枯渇する年度が制度前提Aの場合よりも遅れ、平成29年度では賃金上昇率ケース1では、マイナス2,600億円、ケース2ではマイナス8,900億円、ケース3ではマイナス1兆3,200億円という累積赤字となります。
 次に、2つ目の○をごらんいただきたいと思います。保険料率を均衡保険料率とした場合の試算です。
 制度前提Bでは、制度前提Aの場合より保険料率の上昇が抑えられ、平成29年度末では、賃金上昇率ケース1では10.5%、ケース2では10.9%、ケース3では11.2%となります。以上が平成25年度以降の収支見通しであります。
 ここまでが資料説明でありますが、今回の試算結果を踏まえて、協会の財政問題について、私どもの考え方を申し上げたいと思います。
 御案内のとおり、協会けんぽは平成20年10月に政管健保を引き継いで設立されました。20年秋のリーマンショック、新型インフルエンザの影響で、いきなり21年度の単年度収支は4,900億円の赤字、準備金残高、要は累積赤字ですが、3,200億円と大幅な赤字に陥りました。私どもは、この3,200億円の準備金の赤字を解消するために、22年度から24年度までの3年間の特例措置を講じていただいた上に、私どもの加入者というのは、主として中小企業の事業主とその従業員でありますが、この方々に大変重い負担をしていただきながら、保険料率を大幅に引き上げ、それまで8.2%だったものが、22年度は9.34%、23年度は9.5%、本年度は10%、ついに10%の大台に乗ってしまったということであります。私どもは累積赤字を3年間の特例措置の間に何としても解消しなければいけないということで、先行き経済の見通しが非常に難しい中で、堅めの見込みをいたしましたが、結果としては、医療費は思ったほど増えなかった、また、標準報酬月額は思ったほど下がっていなかったということで、結果として23年度の単年度収支はプラスになり、準備金残高もプラスになりました。24年度も引き続き同じような状況にあります。私どもは、保険料率を上げながら、単年度収支をプラス、すなわち黒字にしながら、このプラス分をもって赤字の解消に努めてきたわけであります。現在はそういった状況であります。
 ただ、繰り返しになりますけれども、私どもの加入者は主として中小企業の事業主と、そこに働く従業員であります。160万の事業所の4分の3が従業員9人以下と、極めて中小・小規模の事業所ということであります。こういった加入者、事業主にとって、10%という保険料率は既に限界であるということで、これ以上の保険料率の引き上げは、中小企業の経営、あるいは加入者の生活にとって限界と考えており、到底私どもは考えられないと思っております。
 私どもは47都道府県に支部がございまして、そこに評議会を置いております。評議会のメンバーは、事業主、被保険者、学識経験者の三者構成になっておりまして、私どもの支部の運営についていろいろと御意見を聞きながら、支部運営を進めているということでありますが、この皆さんから保険料率について大変厳しい、大変分厚い意見書をいただいております。これが今日お手元の提出資料の2であります。
 たくさん寄せられておりますが、主なものをちょっと読み上げますと、1つ目の○については、「これ以上の保険料率の引き上げは、事業者が破綻する状況になる。あるいは、10%が限界に達しているということを認識してほしい。これ以上は事業者として負担は絶対できない」。
 あるいは、2つ目の○、「不況下で企業の利益率は下がっている中、これ以上の負担増は事業主が従業員の雇止めを始めることにつながる」。
 こういう御意見がたくさん寄せられております。
 こうした中で、同じ医療保険であるにもかかわらず、他の被用者保険との保険料率の格差が拡大する一方であるということでありまして、収入の低い私どもの中小企業の皆さん、そういった方が突出した高い保険料率を負担するということは、社会保障とは到底思えない状況にあると言わざるを得ない。この格差が拡大しているという状況にあります。
 また、私どもの財政規模は約8兆円でありますが、保険料収入は、収入の中で約7兆あります。このうちの3兆、言ってみれば4割もの比率で、高齢者に対する支援金に充当しております。これは、高齢化に伴って年々増加しております。例えば、24年度保険料率を10%にいたしましたが、そのうちの相当の部分が高齢者医療制度に対する拠出金の増加であり、23年度に比べて24年度は3,000億増えております。また、この25年度も2,400億の増を見込んでおります。
 そういった高齢者医療の関係の費用がさらに増加すると見込まれる中で、加入者の標準報酬月額はリーマンショック以降ずっと減り続けておりまして、一方、医療費、これは保険給付費ですが、1人当たりはどんどん増えております。収入を上回った医療給付の伸びということで、この格差が年々拡大しているという状況にあります。そういった意味で、高齢者医療に対する負担の重さ、これがふくらんでいる中で、一方で経済動向から見て、協会けんぽの赤字構造は全く変わっていないという状況にございます。
 制度改正が行われないまま、現在の平均保険料率10%を据え置いた場合、先ほど御説明したように、29年度には最大2兆3,700億円もの途方もない累積赤字になるという状況になります。こういった構造は、私どもだけではなくて保険者共通の問題でありますが、この辺を抜本的に改革しなければ、医療保険制度、あるいは国民皆保険を守れなくなってしまう状況にあります。
 私どもで見ますと、脆弱な協会けんぽの財政基盤を変える抜本的な改革が必要だと思っております。既に10%という極めて高い保険料率であり、これは限界であると考えております。このままでは今後数年のうちに大幅な赤字となる見込みでありますから、まず、急がれる措置として、国庫補助割合の引き上げ、高齢者医療の抜本的な見直し、すなわち、公費負担の拡充、総報酬按分の全面的な導入、70〜74歳の本人負担を2割に戻していただく、これらの実現をぜひともお願いしたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 協会けんぽの足元の財政状況の御説明と、前提を置いたシミュレーションの結果、そして、従来から御要望されております御要望内容をおっしゃっていただいたということであります。
 関連いたしまして、事務局から協会けんぽの財政問題への対応という資料が出ておりますので、これを事務局から御説明をお願いしたいと思います。では、よろしくお願いします。
○大島課長 保険課長でございます。
 「協会けんぽの財政問題への対応について」という横の資料についてごらんになっていただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして、まず最初に、現行のこの3年間の協会けんぽの財政再建の措置につきまして、確認的に御説明させていただきたいと思います。四角で囲ってある一番上の所です。
 協会けんぽは、平成22年改正の健康保険法で、平成22年7月から24年度までの間、後期高齢者支援金の総報酬割3分の1とあわせて、国庫補助率の引き上げ13%から16.4%の措置が講じられています。
 今、小林理事長から御説明がありましたように、下の※ですけれども。景気悪化による保険料収入激減により、平成21年度に4,900億円の収支赤字を計上し、そのときありました積立金を取り崩しても3,200億円の負債が生じたということがその背景にございました。
 それで、このページの一番下の箱、平成22年改正健保法附則第2条という所に、検討規定がございまして、政府は、附則第5条及び第5条の2というのは、料率を書いている所ですけれども、料率の規定について、「協会けんぽの財政状況、高齢者の医療に要する費用の負担のあり方についての検討状況、国の財政状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、24年度までの検討を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講じる」と書いてありまして、これに基づいた検討をこの場でお願いしたいと考えております。
 なお、真ん中の箱の小さな※の所ですけれども、平成24年度中に法律上の手当てを行わないとした場合には、平成25年4月以降、国庫補助率が13%に戻ります。それから、後期高齢者支援金もすべて加入者割に戻ります。仮にこういったこととなった場合には、あとの資料でまた出てまいりますが、協会けんぽの保険料率が全国平均で0.4%程度上がる影響があります。そういう状況でございます。
 次の2ページでございますが、協会けんぽに対する現行の措置の内容を表にしています。13.0%が16.4%。加入者割を、3分の1部分につきましては、総報酬割にしています。特例措置の期間は3年間、加えて、2つの特例がありまして、短期借入金の償還の特例と、5年間の収支見通しの特例です。これにつきまして、その次のページに簡単な説明がございます。
 短期借入金の償還期限の特例は、協会けんぽが短期の借入金をした場合に、通常は当該年度で1年の間に償還しなければならないとなっています。その場合には、保険料率の算定も1事業年度で償還をするということを前提として行うということになります。しかしながら、平成22年度から平成24年度までの間は、3年間で借入金を償還するということにしました。このため、保険料率を算定する場合も、特例的に3年間のそれぞれの年度で予定する償還額を保険料の率の計算の場合に用いるということで、その特例を法律に設けております。
 5年間の収支見通しの特例は、通常は、2年ごとに5年間の収支見通しを出して公表することが協会けんぽの業務に位置づけられていますが、今回の特例期間中は、その5年間の収支見通しではなくて、24年度まで、つまり、特例期間終了時までの各年の収支見通しを毎年つくって公表するという特例を設けております。これに関連する条文がその次の4ページです。
 以上がこの3年間講じておりました措置の内容の確認でございます。
 次に、5ページでございますけれども、協会けんぽの財政状況は厳しいという御説明が小林理事長からございました。それに関連する資料を多少つけております。
 健保組合も近年厳しい財政状況にあります。協会けんぽも健保組合も厳しいわけですけれども、相対的には協会けんぽのほうがより厳しいという関連の資料です。
 まず、保険料率ですけれども、平成12年、西暦2000年からの協会けんぽと健保組合の保険料率の推移をあらわしたグラフです。
 右下のほう、近年、協会けんぽも健保組合も、共に保険料率を大幅に引き上げてきております。平成21年から24年の間で見てみますと、健保組合の上昇率は平均11%、協会けんぽの上昇率は22%となっております。
 なお、協会けんぽに国庫補助が入っておりますので、それによって一定程度格差が縮小されているわけですけれども、仮に協会けんぽへの国庫補助がなかったときにどうなるかというのが、一番上の折れ線グラフです。
 次の6ページ、保険料率の差の要因です。1人当たり医療費を見ますと、協会けんぽと健保組合の間でほとんど差はございませんので、1人当たりの医療費の差が料率に影響を与えているというふうには余り考えることはできません。
 7ページ、こちらは報酬水準の推移です。保険料の差の大きな要因は、報酬水準の格差、特に平成15年以降の格差にあると考えられます。平成14年までは、ボーナスを標準報酬の中に算定していませんでしたが、15年以降、ボーナスを、賞与を加えることになりまして、そのときから、健保組合と協会けんぽの差がいっそう開いております。特にこの1〜2年は、若干またその差が拡大する傾向にございます。
 このほかの関連する資料といたしまして、8ページですけれども、保険料を100とした場合に、本人の負担割合です。本人と事業主が通常折半するわけですけれども、報酬階級別に見てみますと、報酬階級が高額なほど、800万とか750万とか、こういうところほど事業主がより多く負担をしています。例えば、一番上の800万円以上のところですと、本人が41%負担をしているということですので、事業主が残りの59%を負担しているということになります。
 次の9ページは準備金の比較です。協会けんぽの準備金は必要とされる法定準備金を下回っていますが、健保組合の場合は法定準備金を上回っているという状況にございます。協会けんぽ23年度末で1,951億円、先ほど24年度の見込みが4,432億円という御報告がございましたが、法律上は5,855億円が積み立てが必要な水準です。一方、健保組合のほうは、3兆3,745億円ですが、法律上必要な準備金は1兆7,659億円です。
 それから、10ページは、法定準備金のことにつきまして、今の規定がどうなっているかを整理しております。これは、その次のページに出てきます6つのケースで、準備金を取り崩すかどうかというところにも関連いたします。
 健康保険法及び健康保険法施行令で、協会けんぽは、ちょっと間を飛ばしますが、1カ月分に相当する額に達するまでは、その年度の剰余金を積立金として積み立てなければならないという規定があります。
 これは、下の2の所ですけれども、インフルエンザの流行など予測し得ない事態に備えるという趣旨で、1カ月分積み立てていくという趣旨でありまして、解釈としては、準備金を取り崩すことは現行法上はできません。したがって、仮に取り崩しを前提とする措置を講ずるのであれば、法令の改正を行った上で行うということになります。
 その次のページからシミュレーションを載せております。何の措置も講じずに、法律の本則どおりに戻すということになりますと、先ほど御説明いたしましたとおり、来年度の協会けんぽは0.4%保険料率が上がり、10.4%になると考えられます。これは、先ほどの理事長のお話からしても極めて大変なことでありますので、一定期間何らかの措置の実施が必要であると考えられます。
 一方、社会保障・税一体改革の中で社会保障制度改革国民会議という会議を設置する方針が定められていまして、まだ実際には設置されておりませんが、会議の存続期限は来年の8月までと定められております。この国民会議の中では、高齢者医療を初めとして、医療保険制度の大きな改革についても議論されるのではないかと予想されます。したがいまして、今の段階で、当部会で抜本的な医療保険制度の改革の議論を行うという状況には必ずしもないと考えますので、こうした観点から、当面の協会けんぽの財政支援をどうするかということについての議論の円滑化を図るために、大きく2つに場合を分けてシミュレーションをしました。4,432億円の準備金を維持するという前提の場合と、それを取り崩すという前提の場合の2つです。
 それぞれにつきまして、1国庫補助率13%、全面加入者割、2国庫補助率16.4%、3分の1総報酬割、3国庫補助率20%、全面総報酬割の各ケース、したがいまして、合計6つのケースになりますが保険料率がどのように推移するかというのをグラフにしました。このグラフの前提となる諸係数は、すべて協会けんぽが11月2日に発表されたもの、あるいは協会けんぽから別途いただいたものをベースにしております。
 それから、賃金上昇率をどのように設定するかということですが、協会けんぽでは3パターン設定されています。期間が長くなるほどに賃金上昇率をどう見込むかで、収支の計算に大きな差が出てきますが、ここでは真ん中のケース、5年間賃金上昇率0%で一定ということのみを掲げております。
 12ページ、6つのうちの最初の1番目ですけれども、最初の3つは、準備金を取り崩さないというケースです。したがいまして、各年度の収支均衡が図られるという前提です。そうしました場合に、国庫補助率を13%、加入者割で行った。すなわち、法律上の手当てを何もしなかった場合にどうなるかということになるわけですけれども、24年度において10.0%の保険料率が25年度に10.4%になります。それ以降も10.7、11.0、11.2と保険料率が上がってまいります。
 次のページをおめくりいただきますと、今度は、準備金を取り崩さないという前提は同じですけれども、国庫補助率をこの3年間の水準を維持する。16.4%。支援金も3分の1の総報酬割という形にした場合どうなるかということでありますが、これは、24年度の10.0の保険料率が、25年度には10.1になります。26年は10.4、27年は10.7となります。
 これはちなみに、先ほど小林理事長から説明がございました資料の6ページ、制度前提Aの3均衡保険料率、2、0%で一定。この数字と同じであります。
 その次の14ページですが、こちらは、準備金を取り崩さずに、国庫補助率20%、全面総報酬割にした場合ということでございます。24年は10.0、25年も10.0、26年は10.1、27年は10.4ということになります。
 この数字は、協会けんぽで公表されました資料の7ページ、制度前提Bの3均衡保険料率の2、0%で一定と基本的には同じです。ただ、若干違いますのは、9.8というふうに平成25年度の料率を協会けんぽの資料ではされておりますが、こちらの資料では、保険料率10%をそのままにして準備金に乗せる形にして計算をしております。あとは同じであります。
 4番目のシミュレーションは次のページでありますが、ここからは、準備金を取り崩すという形になります。準備金を取り崩して、準備金が枯渇する前の年までは保険料率を10%で維持して、それからあとは収支均衡させていくというパターンです。国庫補助率13%、加入者割の場合ですけれども、4,400億円あります準備金が、25年度にはまだもちますが、26年度には枯渇をするということになりまして、料率で見ますと、24年度10.0、25年10.0、26年10.5、27年11.0ということになりまして、26年度には相当急速に保険料率が上がります。25年度の収支差がマイナス2,800億円ということで、運営的には相当大幅な赤字を出すということになります。
 また、来年8月までに国民会議が一定の報告を出すということになっておりますので、仮にその段階で医療の抜本改革が決められたとしても、実際にはその後法案化をしたり、施行準備等々を要しますので、2年以上はかかるということを考えますと、26年の手当てがないままに10.5%を迎えてしまうということがこの場合ですと想定されます。
 その次のページ、16ページでございますが、こちらは、国庫補助率を16.4、3分の1総報酬割にした場合でございます。4,400億円の準備金が25年度、26年度まではもちます。したがいまして、料率は24年度10.0、25年度10.0、26年も10.0、27年から急速に上がりまして10.6、10.9となってまいります。
 ここの数字は協会けんぽの公表されました資料の6ページ、制度前提Aの2準備金が枯渇する前年度まで保険料率10%を維持し、準備金が枯渇する年度以降は均衡保険料率という所の2の数字と同じでございます。
 最後になりますが、6つ目のシミュレーション、国庫補助率20%、全面総報酬割ですけれども、この場合ですと準備金が25、26、27までもちます。したがいまして、保険料率は、24年10.0、25年10.0、26年10.0、27年10.0、28年から上がりまして、10.4、10.9というふうになってまいります。ここの数字は、協会けんぽの資料の7ページの制度前提Bの2の2と同じでございます。
 議論の素材としてこういったシミュレーションを御活用いただければと存じます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 現状の協会けんぽへの支援の状況と、それに関連して、一部追加の部分があったシミュレーションということでありましたけれども、ただいま、小林委員及び事務局から御説明がありましたけれども、これに関連しまして、御質問、御意見、よろしくお願いいたします。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員 まず冒頭、昨今、本日の議題に関しましてさまざまな報道がされております。何かあたかも協会けんぽさんと健保連が対立するような記事も見受けられますけれども、私どもはそんなつもりは全くございませんで、同じ被用者団体の保険者として連携をしていろいろな主張をしていこうという立場でございますので、そういう立場であるということをまずお話をしたいと思います。
 それから、その例として今回の特例支援措置をめぐる議論ということになるわけですけれども、そもそも22年の7月の改正のときに、私どもは協会けんぽさんを支援することについて反対したわけでも何でもございません。我々が問題にしましたのは、当時、協会けんぽさんへの国庫補助率13%を16.4%に引き上げるために必要な財源が、年度で約2,000億必要ということであったと思います。ところが、国の財政的な制限ということもあって、国としては1,000億しか出せないと。残りは3分の1総報酬割をやることによって協会けんぽさんの負担を減らすという形で2,000億を調達しようという提案でございましたので、私どもは、協会けんぽさんの16.4%については国がしかるべき補助をするというのが当然だと。しかしながら、それを健保組合と共済組合に肩代わりさせるような仕組みには反対だというふうに申し上げてきた次第でございます。
 今回、来年の3月で特例支援措置が期限切れということになりますけれども、25年度以降の協会けんぽさんの財政問題につきましても、私どもとしては同じスタンス、必要であれば国のほうでしかるべき財政措置をとっていただくということでしか我々としては御意見を申し上げられないということを確認しておきたいと思います。
 それから、今、厚労省のほうから説明のありました資料に関しまして一言申し上げたいと思います。
 厚労省資料の5ページに、協会けんぽと健保組合の保険料率の推移という図がございます。これによりますと、協会けんぽさんの上昇率は22%で、健保組合は11%だと。これは確かに数字はそうかもしれませんが、中身が全く違う数字でございます。協会けんぽさんは、今お話のあったとおり、2年連続で2,000億を超える黒字ということで、それは保険料率を上げたから黒字が出たという面もあると思いますが、そういう数字でございます。
 一方、健保組合のほうは、毎年3,000億から6,000億の赤字を出している数字でございます。したがいまして、10.0%というのは、実質の保険料率で言うと若干下に行くし、健保組合のほうは、赤字分を保険料率に換算すれば上に行くという数字でございます。その辺を誤解なきようにお願いしたいと思います。
 それから、なぜ健保組合が上昇率を抑えられたかというのは、これも資料の中にあるとおり、私ども、積立金を保有しているから、それを取り崩すことによって保険料率を抑えている、伸びを抑えているというのが現状でございます。積立金の取り崩し額は、平成20年度以降、毎年4,000億前後の取り崩しというのが続いておりまして、この数ページ後に数字がございますが、何か潤沢にあるような印象を持たれた方もいると思いますけれども、あと数年で枯渇すると、ゼロになるというレベルまで迫られているということが現状であるので、その辺は御説明しておきたいと思います。
 さらに、健保組合、前回も申し上げましたけれども、一口で平均で言うととんでもない誤りでございまして、今、1,432の健保組合がございますけれども、非常にさまざまな健保組合がございます。保険料率で見ても、24年度で協会けんぽさんの料率10%以上の健保組合というのは73もございます。そういう現状もございますので、健保組合の場合は、平均値で言うと大事なところを見逃すということは、いつも厚労省事務局にもお願いしておりますけれども、そういう資料の御配慮をお願いいたします。
 それで、今回の6つのケースを事務局のほうで想定してシミュレーションされております。その議論の前に、3年間の特例支援措置がどうであったかということをまず総括する必要があるんだろうなと考えております。先ほど申し上げたとおり、協会けんぽさんもさまざまな努力をされ、料率も相当、事業主、加入者の反発を受けながら、10%まで3年連続で引き上げてこられ、2,000億強の単年度黒字が出るところまで改善されたということで、敬意を表します。
 その一方、残念ながら健保組合は相変わらずさらに負担がふえて困っているという状況でございます。24年度までの3年間を振り返ってみても、多分現状の問題は、簡単な手を打って解決するという問題ではないと認識をしております。協会けんぽの小林理事長が申し上げたのと私も同じ意見でございまして、高齢者医療制度の抜本改革がない限りは、協会けんぽさん、健保組合、あるいはほかの保険者さんを含めて、保険者財政は中長期的にはもたないということは明らかであると。そこに手をつけない限り、25年度以降の問題は短期的なつけ焼き刃的な対策しか打てないと認識をしております。その上で、協会けんぽさんの6つのケースに関する意見を申し上げたいと思います。
 1つは、さまざまな資料が法令に基づいて5年間の計画ということで示されておりますけれども、正直申し上げて、今段階で5年間の計画を議論することはかなり難しい話だと思っております。と申しますのは、御案内のとおり、国民会議が来年の8月までに一定の結論を出すということ、診療報酬の改定が再来年の4月、それから、その2年後等々、それがどう転ぶか。したがって、それが保険給付費や拠出金にどう影響するかというのがなかなか読めないということ。それから、消費税の引き上げが予定されていること。そういうことを考えますと、今時点で25年から29年までの5年間を議論することはかなり無理があるのではないかなと考えております。
 具体的には、国民会議で一定の結論が来年の8月ということになれば、来年度と再来年度ぐらいの2年間ぐらい、協会けんぽさんの財政について議論をするということが現時点では正しいのかなと思っております。というのが1点。
 それから、もう一点は、協会けんぽさんの積立金の取り扱いでございます。さまざまな資料を見ても、公費の補助率と積立金を使うか使わないかということで、当然数字が大きく変わるわけでございますけれども、確かに法令で積立金は取り崩しできないようになっているという御説明がありましたけれども、必要であれば、政令改正してでも積立金を取り崩して保険料の引き上げを抑える。これは、我々健保組合は今までずっとやってきたことでございますし、協会けんぽさんもそういう手だてを取るべきではないかなと申し上げたいと思います。
 それから、積立金につきましては、協会けんぽさんは1カ月ということに法令上なっておりますけれども、健保組合は実は3カ月の法定準備金という規定になっております。3カ月というのは、法定給付費と拠出金の3カ月分という規定になっておりますけれども、健保組合も非常に財政が厳しくなっておりますし、もちろんその2つが支払えなければ大変な事態になりますが、3カ月というのは余りに長過ぎるというのが私どもの意見でございまして、ぜひとも法定準備金、拠出金に分けて、本当に必要な額は幾らなのかということで見直しをしていただくように、この場をかりて厚労省事務局にお願いを申し上げます。
 それも、もう来年度の予算を策定しなければいけない。準備を始めているところでございますので、早急に、できれば来年度の健保組合の予算に反映できるような形で、速やかな検討をするようにお願いを申し上げます。
 長くなりましたが、私の意見は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 今、白川先生のお話がございましたが、いつもの中医協のときよりはやや歯切れが悪かったようにも聞こえたのですが、確かに協会けんぽは大変だと思います。私のところも実は協会けんぽなので、大変な思いをしながらも、でも、非常に世界的にもすばらしい国民皆保険を守ろうということで、みんなで頑張っているところでございます。
 日本医師会としましては、従来より、保険料の被用者保険間での平準化ということを主張しております。そういう観点で厚労省の説明、あるいは協会けんぽの説明を見ますと、先ほど白川先生が、5ページについての上昇率には疑義があるという御意見でしたが、確かにそういうことが含まれるとしたとしても、例えば、7ページにおきまして、標準報酬水準の格差が拡大していて、倍近くなっているということがあります。それは、健保組合の平均は、こういう状況下でも少しずつ上がっているのに対して、協会けんぽの場合は少しずつ下がっているので格差が拡大しているのです。
 それから、8ページにありますように、保険料の収入別の自己負担の割合を見ると、収入が高い人ほど負担が少ないという現状があります。
 9ページは準備金ですけれども、確かに健保組合も毎年少しずつは減っているようですが、それでも、非常に多い金額が維持されているということがあると思います。
 また、協会けんぽの資料1−3の8ページを見ますと、保険料率の格差があります。協会けんぽが10%ですが、健保組合が8.310%、共済組合は7.7%と格差があって、しかも、被保険者1人当たりの標準報酬の総額年額が、協会けんぽが370万円、健保組合が553万円、共済組合だと666万円とかなり差があります。
 さらに私が問題だと思うのは、保険料の実額です。同じ30万円の給料とした場合、協会けんぽで3万円、健保組合で2万4,930円、共済組合に至っては2万3,100円ということで、大企業や公務員の方が中小企業より実額も少ないというのは、私は非常に格差という意味で問題があると思います。大変なのは、今どこも同じなわけで、医療機関も非常に低い医療費の中で懸命に経営努力で、民間中心の医療提供体制であるために、頑張って何とかぎりぎりのところでやっているわけですが、こういう数字を見ますと、もう少し健保組合、あるいは共済組合、こういうところには負担の平準化に向けて努力をお願いしたいと思います。
 また、対外的に見ましても、事業主負担というのは、我が国が突出して高いわけではないのです。白川先生は赤字だ、赤字だとおっしゃいますけれども、保険料率が現状のままならそうかも知れませんが、それが対外的にはまだ低いということを考えれば、そういったことは一概には言えないのではないかと思いますし、対外的に見ても、ドイツやフランスなど、同じような社会保険制度の国の事業主負担というのは、はるかに日本よりも高くて、ドイツだと15%の労使折半とか、フランスは事業主だけで13%近いというようなレベルです。それでも企業はしっかり活動し、輸出もし、国内経済は回っている。ヨーロッパは今、EUの問題はございますけれども、そういうことでまずは社会保険制度でありますので、保険料を第一に考え、保険料率の平準化に向けた取り組みをすべきであろうと思います。その次に国庫補助、公費の投入ということを考えるべきだろうと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、菅家委員、お願いいたします。
○菅家委員 きょうの議題は協会けんぽの財政状況ということでありますが、ありていに言えば、この3年間講じられてきた特例措置を来年度以降どうするかということがテーマだということでありまして、協会けんぽの財政問題というのは、単に協会けんぽの財政問題にとどまることのない、被用者医療保険制度全体の課題、問題を突きつけているのだろうというふうに捉えております。したがって、大変重要で重い課題だと認識しておりまして、きょう一日の議論で結論が出るようなテーマではないと考えておりますので、この問題について検討する視点について申し上げたいと思っております。
 これは小林委員の資料にもありますとおり、検討の視点は2つあると思っております。1つは、国庫補助をどうするのかということと、それから、総報酬割をどういうふうに考えるのかということだろうと思っておりまして、まず、国庫補助について申し上げますと、先ほど保険課長が説明された資料の中にありますとおり、協会けんぽに対する国庫補助につきましては、法律本則の中にきちんと位置づけられているわけでございまして、16.4%から20%の範囲の中で定めるということになっているわけであります。歴史的な経過はよくわかりませんけれども、平成4年の改正におきまして、法律附則で、本則とは無縁の数字であります13%に引き下げたという歴史的な経緯があるわけでありまして、そもそも協会けんぽに対する国庫補助をどういうふうにしていくのかということを整理する必要があるのだろうと思っております。
 そういう意味で申し上げますと、今申し上げました保険局が準備された資料の7ページに、協会けんぽと健保組合の報酬水準の推移の資料が載っておりまして、これは、御案内のとおり、平成15年に総報酬制が導入されて以降、健保組合と協会けんぽの報酬水準が大きく開いてきているという歴史的な経緯があるわけでありますが、それ以前の、例えばこの資料で言いますと、平成12年を見ますと、報酬差につきましては97万円ということでございまして、率で言うと多分2割程度だと思います。今日の状況を見ますと、差額が183万円ということで、多分これは率で3割ぐらいの格差ということだと思います。
 つまり、私が申し上げたいのは、協会けんぽに対する国庫補助というのは、小林委員がおっしゃったとおり、加入者の大宗が中小零細企業であるということでございまして、客観的に賃金水準が低い集団でございますので、それに対する一定の補助を行うことによって、医療保険全体の財政的な基盤をきちんと確立をするんだというのが多分趣旨だろうと思っております。
 水準につきましては、やはり賃金水準の差に一応対応しているのだろうと思っておりまして、今申し上げましたとおり、かつては2割程度だったということでございまして、法律本則で16.4%から20%の範囲内に定めるというのは、多分そういった意味が数字的にもあったのだろうと理解をしております。そういう意味で、今日、この格差が3割に及んでいるということについて、国庫補助のあり方をそもそもどういうふうに考えるのかということについて、医療保険部会の中で整理する必要があるだろうと思っております。
 2点目は、総報酬割についてでございます。これは、白川委員が国庫補助の肩がわりとしてこの制度が導入されたという御指摘をされましたけれども、確かにこの総報酬割といいますのは、医療保険制度をどういうふうにするかという、医療保険財政をどういうふうにするかという議論の経緯の中で出てきたのではなくて、これは歴史的に振り返りますと、長妻大臣のときに高齢者医療制度改革会議というものが設けられて、後期高齢者医療制度にかわる新しい制度をどういうふうにするのかということについて1年間ぐらい議論されて、その報告書の中に総報酬割の導入について触れられているといった経緯があったと思っております。
 そういう意味では、協会けんぽの財政問題について、突如、総報酬割という考え方が導入されたということにつきましては、これはやはり白川委員のおっしゃるとおり、何らかの財政当局の意図があって、そういう経緯のもとで導入されたと指摘されても否定できない経緯なのではないかなと考えているところでございます。そういう意味で、この総報酬割をどういうふうに整理をするのかということについても、きちんとした議論が必要なんだろうと思っております。
 ただ、一方で被用者医療保険制度全体の課題を突きつけていると冒頭申し上げましたけれども、高齢者医療に対する財政的な負担がどんどんふえているわけでありまして、この問題をどうするのかということ、それから、健保組合と協会けんぽに代表されますような、保険者がどうしようもできない要因で保険料率に大きな格差が出ているという現状についてどういうふうに考え、どういうふうに改革をしなければいけないのかということについても、この問題を議論するに当たっては重要な視点として考えなければいけないと考えているところでございます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、齊藤正憲委員、お願いいたします。
○齊藤正憲委員 経団連としてもただいま白川委員、小林委員からお話しございましたように、当問題は抜本的な改革を抜きにして、解決することはできないと考えております。しかし、当面の課題としての短期的な対策として、今回の協会けんぽの財政状況をめぐり、2点問題を提起させていただきたいと思います。
 まず1点目は、財源捻出を目的に、健康保険組合に負担を肩がわりさせることには、我々としては反対でございます。もっと根本的な問題解決を図ることが望まれます。
 厚労省から示されました資料に6つのケースが提示されておりますけれども、負担をつけかえても、料率を維持できるのはせいぜい2〜3年程度でございます。協会けんぽの負担増に歯止めがかからず、被用者保険の持続可能性は確保できなくなります。また、今求められているのは、高齢者医療制度改革を推進し、前期高齢者医療給付を含めた税投入割合の拡充によって、現役世代の負担軽減を図ることと考えております。また、急増する医療費をどのように抑制していくのかという点もこれからの課題でございます。そのような状況を直視しないで、安易に取れるところから取るという発想で総報酬割を継続するのであれば、被用者保険全体が倒れてしまうと懸念しております。
 2点目は、今後の対応を検討するに当たりまして、協会けんぽの財政状況が大幅に改善している点をよく踏まえるべきだと考えます。現在の特例措置が導入された背景には、3,200億円の累積赤字という状況があったと理解しております。協会けんぽの提示されました資料の1−1の3ページを見ますと、今年度末には準備金が約4,400億円も積み上がり、協会けんぽの努力もあって、財政状況は大きく改善しております。当初の目的を達成したのであれば、時限措置でございましたので、それを継続する必要はないと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、いろいろとまた御発言がありましたので、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 一言申し上げたいと思います。事務局の案に6つありますが、12ページの協会けんぽの国庫補助率13%、すべて加入者割という案は、先ほど申しましたように、私どもは10%が限界だと思っておりまして、10%を更に引き上げるということは到底できないと考えております。
 それからまた、菅家委員からお話がありましたように、協会けんぽというのは中小企業の皆さんの健康保険であり、財政状況が極めて脆弱なため、できるだけ格差を埋める、すなわち公平な負担に近づけるということで、国庫補助を入れていると私どもは理解しております。そういった意味では、今、被用者保険間で相当格差が拡大している中で13%に引き下げるということは、私どもは絶対あり得ないと思っておりまして、案3については容認できる案ではないと強く申し上げます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、山下委員、お願いいたします。
○山下委員 小林委員を初め、何人かの方からお話がありましたけれども、中小企業、協会けんぽに所属する企業にとって、10%というのは本当に限界なので、ボクシングで言えば、ダウン寸前の状態で、早く20%というゴングによって救われたいというような状況である。それぐらい差し迫った状況であるということです。
 しかしながら、根本的な問題については、非常に多岐にわたる要素があるので、そこは財政負担の根本的な問題の解決をしない限りは、将来について不安な材料がかなり残ってしまうというふうになると思いますので、そこは慎重にしていただきたいと思います。
 70歳から74歳の高齢者について、2割負担という問題、それから、今言った国庫補助率の問題、総報酬割の問題、いろいろあると思いますけれども、そういった中で10%以上に保険料率を上げるということは至難のわざだという中で、選択肢は限られてくるとは思うのですけれども、大局の問題と直近の問題と両方に分けて考えていかなければいけないと考える中で、これは要望として、今示されたいろいろな厚生労働省のケースがありますけれども、国庫補助率が20%で、3分の1総報酬制という部分がないので、そういったケースの場合も含めあらゆるケースを想定して選択肢を決めていかなければいけないと思いますので、その辺のデータをお示しいただければありがたいと思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、白川委員、お願いいたします。
○白川委員 先ほど鈴木先生から歯切れが悪いと御指摘を受けたものですから、2つだけ申し上げたいと思います。
 1つは、総報酬割に関する件でございます。私、先ほどの意見で申し忘れましたけれども、私どもは総報酬割に反対しているわけでも何でもございません。総報酬割は、公平な負担という原理から言えば決しておかしくない仕組みだと認識をしておりますし、この場でも何回か申し上げたことがあるかと思います。
 私どもが言っておりますのは、総報酬割という名のもとに、政府が我々に肩代わりさせるといいますか、財源のつじつま合わせをするという手法に反発をしているだけでございます。したがいまして、国民会議でしかるべき議論をしていただいて総報酬割ということでしたら、反対をするつもりは毛頭ございません。
 ただし、今のままで総報酬割ということになりますと、単純に負担のつけかえということになりますので、先ほど申し上げたとおり、高齢者医療制度に対する公費の投入等、改革とセットで総報酬割を議論していただきたいというお願いをしているだけでございます。
 それから、2つ目は、そういう理論から言いますと、経団連の齊藤委員も、6ケースの中でこれがという御意見をおっしゃいましたけれども、例えば厚労省の資料の16ページでございます。これは、国庫補助率16.4%、3分の1総報酬割と書かれておりますけれども、私はこれが不本意だと申し上げているわけでございます。単に国庫補助率16.4%でこうなりますとやればいいのに、なぜここで3分の1総報酬割を持ってくるんですかと。3年間の時限措置は来年の3月で終わるわけですから、そうしたら、その後については、国庫補助率16.4%かどうかということで議論していただくのが筋ではないかと私は申し上げているだけでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 横尾委員、お願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。
 いただいた資料を拝見しますと、厚労省のシミュレーションは6つしていただいておりますけれども、いずれも4〜5年経ち、6年、7年目になっていくと増加していくというのが趨勢だという分析になっています。やはり各委員の方がおっしゃっているように、抜本的な改革が本当に今こそ求められていると思うのです。その上でぜひ厚労省のほうでも検討いただきたいのですけれども、「健康づくりをそもそもどうするか」から始まって、「疾病に至ってどう治療するか」、「そのときの医療費はどうなるか」ということだと思っています。
 ついつい、我々も病気になってから医療費の増大をどうすべきかという対策を考えがちですし、そうなりますと、ステークホルダー、あるいはインタレストグループというか、関係者にとりましては、負担は多くならないほうがいい、いまのままぜひ続けてもらったほうがいいという意見になりがちだと思いますけれども、では、オールジャパン、国民全体で見た場合には、幾らここでいろいろな手を打っても、4〜5年後にはまた上っていくということで負担増ということになれば、本当に各委員がおっしゃっている抜本的な改革というものが重要になってまいります。その意味では、疾病後の対策はもちろんなのですけれども、その前に、以前の会議でも意見が出たかと思いますが、健康意識、健康づくりをどうするか、このことも含めた医療全般の対策を厚労省のほうでぜひお考えいただきたいと思います。
 このことについては、おそらく国会のほうでも国民会議が立ち上げられますし、また、その前後に選挙があって、いろいろなことで政権の安定性とか、政局というものを厚労省も凝視されていると思うのですが、どの政権になろうと、どんな時代になろうと、すべての国民が危機感を持ってこのことは何とかしてほしいと思っていることですので、ぜひそこは政局の動向に拘泥されず、こうあるべきだということをより真剣に精力を注いでいただいて、分析検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、武久委員、お願いいたします。
○武久委員 私、余り詳しくはないのですけれども、健康保険組合がいろいろ分かれておりまして、将来は統一するということを言われていると思うのですけれども、今、個別の組合である状況下において、一方のところがお金に余裕があるから融通していくというのは、それぞれの組合が努力をされてきている結果だと思いますから、安易にそういうことはできないと思うのですけれども、皆さんの言葉の端々に高齢者医療という問題が出てきています。これは、保険局の医療保険委員会ですので、大学病院の附属病院の入院患者さんの平均が70歳を超えているというデータもございます。すなわち、医療問題すなわち高齢者問題ということと同義語じゃないかと思うのですが、結局、高齢者が高度急性期病院に長く入院していると。処置が終わった後も入院していると。これの医療費の1日当たりが非常に高い。処置が終わったなら次の段階に移っていくという仕組みを考えていかないと、ここで数字の何%とか細かいことばかり言っていても、結局根本解決にならないと思いますし、これは医療課のほうで当然そういうこともお考えと思いますが、高齢者医療がどんどんふえるから、高齢者医療を減らすのだという単純な削減よりは、システム上の問題というか、治療が終わっても長く入院している人をできるだけ少なくするというような議論も必要ではないかと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 よろしゅうございますか。
 いろいろと御意見が出たわけでありますけれども、抜本改革をなくして小手先のことをやっても余り意味もないし効果もないだろうというようなお話、これはまさしくそのとおりでありますけれども、同時に、国民会議と言われるものが実際のアジェンダは私はよく知りませんけれども、抜本改革に近いようなことが議論されると聞いておるわけでありますし、また、24年度末に時限の支援策が切れるというのが実態としてあるという中で、当面、当部会としては、先ほど菅家委員がおっしゃったように、当面切れるであろう時限措置に対して、当部会してどう考えるかと。そのためのいろいろな資料が出てきたわけでありますので、とりあえずそのあたりのところを集中的に審議をしていくというのが適切な対応なのではないかと思います。事務局にもそのような仕切りで事務的にいいかどうか、ちょっと聞いてみたいと思いますけれども、保険課長いかがですか。
○大島課長 まさに今年度で切れまして、それは来年度予算にも、非常に額が大きいものですから影響が大きいということで、年内に措置が切れますところをどうするかというところをまず集中的に御議論をいただいて、結論をお願いできればと思います。
 抜本的な議論につきましては、国民会議での議論も始まると思いますが、当部会においてもそういった議論と並行しながら議論していくということになるかと思いますが、短期、中長期で言えば、当面この12月までは、短期の措置が切れるところの取り扱いを集中的にお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 わかりました。ありがとうございます。
 本来であるならば抜本改革と一緒に議論するというのが筋なわけでありますけれども、時間のラグの問題もございますので、とりあえずは今回その問題に集中し、その以降は、場合によっては国民会議と並行するのかもしれませんけれども、抜本的な議論を当部会としても審議することもやぶさかではないということでありますので、そういう段取りで進めていきたいと思います。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、一通り御意見を承ったと思いますので、本件につきましてはこのあたりにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、次の議題でございますけれども、産科補償制度についてを議題といたします。
 本議題につきましては、前回御議論を既にいただいたところでありますけれども、本日はそれに引き続き御議論ということでございます。
 上田理事が御参加いただいておりますけれども、まず、上田理事から資料の説明をお願いいたします。その際、前回、医療保険部会でいろいろな御意見が出まして、その御意見、御質問に対する検討事項も盛られていると伺っておりますし、また、機構独自で見直しの議論もされているということなものですから、その中身についても御報告をいただければと思っておりますので、上田参考人、どうぞよろしくお願いします。
○上田参考人 日本医療機能評価機構の上田でございます。よろしくお願いします。
 7月の医療保険部会において、産科医療補償制度について御報告させていただき、皆様からさまざまな御意見や御要望をいただきました。その後、当機構において運営委員会を2回開催し、医療保険部会における御意見等も踏まえ、制度見直しの進め方などについて検討を行っておりますので、本日はその状況について御報告させていただくとともに、前回御質問いただいた事項について回答させていただきます。
 まず、お手元の資料の1ページ目の産科医療補償制度運営委員会における制度見直しの検討状況についてをごらんください。運営委員会における検討状況について、医療保険部会と関係の深い部分を中心に取りまとめております。
 9月18日に開催した第14回運営委員会においては、医療保険部会での御意見等を踏まえ、制度見直しの進め方などについて議論を行いました。前回の医療保険部会において、補償対象者数を早期に推計すべきとの御意見をいただき、私もできるだけ速やかに推計し、見直しの検討を進めていくことを御説明させていただきましたが、この点について記載しております。
 まず、アでありますが、本制度の補償申請期間は児の満5歳の誕生日まででありますが、専門家からは、脳性麻痺の型や程度によっては早期の診断が困難との御意見があるなど、現時点での補償対象者数の推計は困難であります。
 しかし、前回の医療保険部会で御意見をいただいたことなどを踏まえ、平成27年中ごろの補償対象者数の確定を待たずにできるだけ早期に推計し、制度見直しを行うために、医学的調査専門委員会を立ち上げることとなりました。
 次に、イですが、この医学的調査専門委員会においては、補償対象者数の推計及び制度見直しの検討に当たって必要な脳性麻痺の発症等のデータの収集・分析等を行い、具体的な議論を行えるよう整理しまして、平成25年の6月ごろを目途に、その結果が運営委員会に報告されることとなりました。
 ウですが、このことを踏まえて、以下の進め方で見直しの検討が進められることとされました。
 まず、補償対象者数の推計値等のデータに基づいて検討する必要がある補償対象範囲や補償水準、掛金の水準、剰余金の使途等の課題については、医学的調査専門委員会からの報告に基づいて、速やかに検討を行います。
 一方、補償対象者数の推計値等のデータがなくても検討が可能な課題については、医学的調査専門委員会の検討を待たずに順次審議を行い、平成25年春ころを目途に報告書を取りまとめます。
 具体的には、この下に記載しております原因分析のあり方から診断医の体制等までの課題でございます。これらはいずれも出産育児一時金とは関係しない課題ですので、順次審議を行うこととしております。
 なお、内容がわかりにくいと思われる項目につきましては、アスタリスクで注を付しておりますので、適宜御参照ください。2ページにございます。
 続きまして、2ページの保護者及び分娩機関へのアンケートの実施についてでございます。
 制度の評価及び制度運営の課題について検証し、制度見直し及び制度運営に資することを目的に、本年の6月末までに補償対象と認定された327事例の児の保護者と、児が出生した分娩機関を対象にアンケートを実施することとし、その内容等について審議が行われました。現在、このアンケートを実施しておりまして、年明けを目途に集計結果を取りまとめる予定でございます。
 次に、原因分析に係る検討の進め方についてでございます。
 本制度は、補償に加えまして、原因分析、再発防止を行うことを制度の柱の一つとしており、原因分析のあり方について、幾つかの検討課題が運営委員会において提起されたところでございます。医学的評価のあり方や回避可能性の記載の要否は、原因分析は、責任追求を目的とせず、再発防止の観点で行うものでありますが、記載によっては責任追求につながる恐れがあるとの意見があり、論点となっております。また、原因分析の対象件数が増加する中、体制面の見直しなどが論点となっております。
 次に、11月1日に開催されました第15回運営委員会について御説明申し上げます。
 まず、医学的調査専門委員会の状況でございます。
 医学的調査専門委員会を設置しまして、10月18日に第1回の委員会を開催しております。
 委員については、小児神経科等の専門家の6名で構成されておりまして、東邦大学医学部名誉教授の多田裕先生に委員長をお願いしております。
 次に、イでございますが、第1回の委員会においては、補償対象者数の推計及び制度見直しの検討に当たって必要なデータに関して、具体的な内容と取得方法、調査・分析の進め方等について議論が行われました。
 その結果、沖縄県、栃木県、三重県において脳性麻痺発症に係る医学的調査を行い、データを収集するとともに、文献等も踏まえて分析・整理を行うこととされました。
 次に、ウでありますが、3ページをお願いします。委員から、どのような事例が補償対象となるかについて必ずしもまだ広く認知されておらず、補償対象となる範囲について誤解されている可能性がある、また、脳性麻痺のタイプによっては早期の診断が困難であるため、補償申請が行われていない事例が相当あると考えられるとの意見がありました。そこで、小児科やリハビリの施設、また脳性麻痺児の保護者等への周知・広報にしっかりと取り組むことが重要であるとされました。
 当機構としては、これまで補償申請漏れが生じないよう、その周知に努めてまいりましたが、さらなる周知に努めてまいりたいと考えております。
 次に、(2)の原因分析のあり方についてでございます。
 補償対象者数の推計値等のデータがなくとも検討が可能で順次審議を行うと整理された課題については、見直しの検討に入っております。
 まず、アですが、平成23年1月から12月までに原因分析報告書を送付した67事例の保護者及び分娩機関を対象に、本年の7月末に実施した「原因分析に関するアンケート」について集計結果を報告しました。
 前回の医療保険部会においては、昨年実施した「原因分析に関するアンケート」について御報告をさせていただきましたが、今回もおおむね同じような結果でございました。
 イでございますが、分娩後に新生児搬送が行われた事例について、NICU等の搬送先における新生児管理に関して、原因分析報告書の中で医学的評価を行うことの是非について審議が行われました。いろいろ意見がございましたが、これまで原因分析をした事例を再度確認し、新生児管理に対する医学的評価の必要性等を分析・整理した上、改めて審議を行うこととされました。
 ウですが、分娩機関に対して改善を促すための対応について議論が行われました。
 続いて、訴権の制限の再検討についてでございますが、訴権の制限の是非について審議が行われ、現状どおり、保護者は補償金を受け取った場合でも損害賠償請求訴訟等を行うことが適当であるとされました。
 運営委員会における検討状況の御報告は、以上でございます。
 なお、運営委員会の資料及び議事録は、当機構のホームページで公開しております。
 続きまして、資料の4ページをお願いします。
 前回の医療保険部会でいただいた御質問のうち、後日回答することとなっておりました質問の6項目について、それぞれ回答を記載しております。時間の関係で御説明は割愛させていただきますが、御確認いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 回答のところが確認するということでありましたけれども、ただいまの御質問について、何か御意見、御質問ございますでしょうか。白川委員、どうぞ。
○白川委員 肝心な部分の御説明がなかったのが残念でございますが、医療保険部会なものですから、むしろ後半部分が我々にとっては非常に関心が高い部分でございます。ただ、事前に読ませていただいておりますので、幾つか意見を申し上げたいと思います。
 前回、いろいろ資料をお出しいただきまして、その際に私は3つぐらい意見を言ったと記憶しております。
 1つは、制度設計の段階からまだ4年弱しかたっていないので確定値はなかなか出ないということは、確かにそのとおりですけれども、それにしても、当初予定したよりもかなり補償対象者が少ないだろうと。500人から800人と言っていたのが、たしか200人弱ということを考えると、多分そこまでは行かないだろうと見込まれるという前提でございましたので、それに関して、掛金の見直しを早急にやるべきだと。どう考えても3万円は必要ないでしょうという話が1つ。
 2つ目は、過去3年間で毎年200億円ずつぐらいの剰余金が蓄積されている。5年たてば1,000億という金額。しかも、たしか20年間の年賦でお支払いする部分が大部分ですから、1,000億の剰余金の扱いをどうするかということが2つ目の議論と。
 3つ目は、前回、経費の内訳、事務費の内訳を出していただきましたけれども、明らかに公的保険にもかかわらず、民間の保険会社が、私に言わせれば過大な利益を上げている構造になっている。したがって、来年の民間保険会社との契約について、ぜひとも見直すべきではないかという3つの意見を申し上げたと思います。
 それの続きでございますが、前回お出しいただいた、特に事務経費のところを私どもでも精査をさせていただきました。その件で特に具体的に御指摘をさせていただきたいと思っております。
 1つは、制度変動リスク対策費というのが16億円強、毎年支出されることになっております。これは、要は保険会社のリスクのヘッジのために一定額を補償しましょうという内容だと思いますが、どう見ても保険会社にリスクは全くないと。なぜこれを16億円、ただであげているようなお金があるのかというのが、はっきり言うと許せないと言わざるを得ません。これは即刻やめていただきたい。
 それから、最低保険料というのがあるようでございまして、補償実績が300件を下回る場合は、300件との差が保険会社の取り分だという契約になっているようでございますが、これも何のことやらさっぱりわからない。過去の実績を見て300人を超えたケースはないわけでございますので、これも取りやめをしていただきたい。
 それから、運用収益について、剰余金、今、600億ぐらいあると思いますけれども、この運用益については、前回質問いたしましたけれども、今回の回答では具体的なことを何も書いていないのですが、これはどう考えても保険会社がその分、運用益は取っていると考えられます。これもおかしな話で、この運用益をどうするかということについて、ぜひ評価機構でも詰めていただきたいし、契約の更改に当たっては反映をさせていただきたいということが3つ目。
 4つ目は、聞くところによりますと、この保険会社は5社で引き受けていると聞いておりますけれども、その3分の2が1社に集中していると。たしか理事会でそういう議論があったと聞いております。どう考えても公的保険、前回、自賠責の話を例として出されましたけれども、公的保険で1社が3分の2のシェアを取るということは普通あり得ないわけでございまして、このシェアについてもぜひとも見直しをしていただきたい。
 それ以外もいろいろ意見はございますが、とりあえず1月から保険会社と契約更改というふうに聞いておりますので、早急に取り組んでいただいて、契約更改に反映をしていただくように強くお願いしたいと思います。
 それから、もう一点、今お示しいただいた資料の1ページ目の下半分、ウの(ア)でございますが、運営委員会等で対象範囲や補償水準、掛金の水準、剰余金の使途等を検討するやに書かれておりまして、そんなことはないと思いますが、これを評価機構のほうで全部決めるんだというお考えだとすれば、それは全く私は違うと思っております。それは、医療保険部会のような所できちんと議論をして合意を得て進めるものであると考えておりますので、そのための資料を評価機構のほうで出していただくというふうに捉えておりますが、それでよろしいかどうか、御確認をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 先ほど小林委員もお手を挙げられましたけれども、前回、似たようなことをおっしゃっていたので、もし今のと関連するのであれば、一度にしたほうがよろしいと思います。では、小林委員。
○小林委員 白川委員と全く同じ意見でありまして、関連しておりますので、同じ内容になるかもしれませんが、私どもの意見を申し上げたいと思います。
 質問事項について回答が示されており、今、説明はありませんでしたが、この中には幾つか問題があると考えております。特に今、白川委員がお話しになった最大の問題というのは、5ページの問3に対する回答の最後の3行であります。この中には、財団内部の運営委員会において、補償対象範囲、補償水準、掛金の水準、剰余金の使途等をあわせて議論していくこととし、その検討状況については、当部会に御報告し、関係者の御理解をいただきながら進めてまいりたいとありますが、この財団の考え方というのは、当部会の考え方と随分違います。
 この制度は、そのもとを辿れば、社会保険料と税金で成り立っている公的制度であります。その補償対象範囲や補償水準、あるいは掛金の水準をどうするかというのは、まさに公的な制度をどうするかという議論であり、この制度論は、当然この医療保険部会で行うべきものです。
 以前の医療保険部会で西辻前保険課長は、「産科医療補償制度の掛金に充てる出産育児一時金の水準をどうするかという医療保険の給付に係る部分は、この医療保険部会で御議論願いたい」とおっしゃっておりましたが、そのような理解で間違いがないか、まず事務局に確認させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 それでは、保険課長、お願いします。
○大島課長 今、小林委員、御指摘のとおり、7月30日のこの部会で、当時の西辻課長のほうから、医政局とも相談いたしまして、産科医療補償の掛金に充てる出産育児一時金の水準をどうするかという医療保険の給付に係る部分については、この医療保険部会で医療機能評価機構から報告をいただきながら検討をお願いしたいと考えておりますということを述べております。この整理は今もそうだと考えています。
○小林委員 ありがとうございました。
○遠藤部会長 私も当時の西辻さんとお話をして、そのように理解しております。
○小林委員 引き続きよろしいですか。
○遠藤部会長 お願いします。
○小林委員 ただいまお聞きになったとおりでありまして、ぜひそのようなことで議論を進めていくべきだと思いますが、そのほかにも幾つか問題がありますので、申し上げたいと思います。これも事務局において、私どもの問題提起についてお考えいただいて、次回以降で構いませんので、しっかりお答えいただけたらと思います。
 まず、1つ目の問題ですが、4ページの問1の回答です。補償対象数の推計は困難であると真ん中くらいにありますが、いまだ補償対象数の推計が困難な状況という中で財団内部で議論を進めるというのはどういうことなのか、理解に苦しみます。これについて事務局の見解をお答えいただきたい。
 2つ目です。同じページの問2も、保険金に匹敵する事務経費というのはどうも納得ができないし、保険会社の分がその大半を占めているというのは制度的な欠陥と言っても過言ではないと思っております。早急な見直しが必要だと考えますが、これも事務局のご見解をお願いしたいと思います。
 最後に、いずれにしましても、剰余が出た場合は財団に返還されるとのことですが、剰余金については、余ったら保険者に戻すべきであるし、少なくとも今後の掛金の値下げに充てる以外の選択肢はあり得ないと考えております。財団内部で剰余金の使途について議論いただく必要は全くないと考えておりますので、後ほどで結構でございますので、これについて事務局のお考えをまとめていただきたいと思います。白川委員の御意見と、私も全く同じです。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 類似のご質問ですか。余り多くなり過ぎてもあれなので、ひとまず御回答を得たいと思います。ただ、申しわけありませんけれども、前回の話はあくまでも保険のファイナンスの話だったわけですから、そこのところの御回答が直接承れなかったというのは、プレゼンテーションの仕方として適切ではないという印象を私も受けましたので、そこのところを白川委員から再度細かく質問がありましたので、御説明いただきたいと思います。細かい内容だったので、もし御質問の趣旨がわからないようだったら、再度御質問いただければと思います。それでは、上田参考人、お願いします。
○上田参考人 まず、見直しの進め方について、先ほど大島課長からもお話がありましたが、私からも、基本的な考えをお話ししたいと思っております。
 産科医療補償制度の見直しについては、運営委員会で議論を行っていますが、このうち、出産育児一時金に関連する部分につきましては、運営委員会での議論の内容を適宜医療保険部会に御報告し、そして医療保険部会での御意見を受けて、また改めて運営委員会で議論していただくなど、医療保険部会にも十分御理解をいただきながら進めていきたいと考えております。
○遠藤部会長 わかりました。確認します。決定はそちらですると。ただし、こちらの意見は聞くと、そういう理解でよろしいですか。ただいまの御発言。
○上田参考人 ですから、出産育児一時金に関しては、こちらで決定されますので、当然それの関連したものを議論していただいて、出産育児一時金については、こちらで決定されるということで私ども理解しております。
○遠藤部会長 どうぞ続けて。
○上田参考人 それで、私どもの資料1を見ていただきたいのですが、ここにありますように、今の私の話と関連しますが、補償対象者数の推計値等のデータに基づいて検討する必要がある、1ページのウの(ア)でございます。補償対象範囲や補償水準、掛金の水準、剰余金等の使途等の課題については、議論するに当たって、イにありますように、補償対象者数の推計及び制度見直しの検討に当たっての必要な脳性麻痺の発症等のデータの収集・分析等を行って、そしてこういったデータに基づいて行う必要があるということを我々考えております。
 したがいまして、こういったデータをあくまでも医学的に、この推計、あるいは必要なデータを、先ほどから申し上げています医学的調査専門委員会でまさに医学的データを出していただく。そして、出していただいたものをもとに、先ほども申し上げましたが、運営委員会で審議をします。と同時に、先ほど申し上げましたように、適宜こちらのほうに報告し、議論をしていただくということで進めていきたいということでございます。
 もう一つは、1ページの(イ)でありますが、一方、補償対象者数の推計値等のデータがなくても検討が可能な課題、すなわちこれは出産育児一時金と関連の乏しい課題でございます。こういった原因分析のあり方、調整のあり方については、これは随時、審議を進めて、来年の春ころを目途に報告書を取りまとめるということで考えております。
 これが基本的な考えでございまして、出産育児一時金にかかわる項目をもう少し丁寧に説明すべきという部会長からの御指摘、大変失礼いたしました。ただいま、白川委員、そして小林委員から、経費の問題等々の御指摘がございました。この点について、私どもの考えを申し上げたいと思っております。
 これも何度も私申し上げていますが、本制度においては、全国的な十分なデータがない中での制度設計でありました。そして、補償対象者数が推計値を上回る恐れもありましたので、それに対するリスク対策費等を計上した経過がございます。しかしながら、3年半を過ぎて、ただいまの白川委員、小林委員から御指摘のように、当初の800に比べると、今は200弱じゃないかとか、いろいろな御指摘がございます。したがいまして、そういった皆様方の御意見を我々も十分踏まえながら、確かにこの制度は公的な性格を有する制度でございますので、事務経費をできるだけ抑えていくということは非常に大事でございます。したがいまして、先ほど御指摘のありました運用益の問題、あるいは制度変動リスク対策費の問題、こういったものを含めて、保険会社における事務経費の来年以降のあり方については、厚生労働省ともよく相談します。そしてまた、保険会社とも相談しながら進めていきたいと考えております。
 ですから、こういった経費については、私ども、例えば保険会社の経費節減、実際に平成21年対比3億6,000万の事務経費の減となっておりますが、こういった効率化も当然図りますし、先ほど申し上げました運用益、あるいはリスク対策費等々のこういった問題については、厚労省とも相談して進めていきたいと思っております。
 それから、もう一点、300の最低基準について御意見がございました。制度創設時には、これも前回お話ししましたけれども、補償対象者数が予測を上回ったら、その上回った分が損保会社の損失となってそれで対応していただく。予測を下回ったら、下回った分が保険会社の利益となる仕組みと当初なっておりました。しかしながら、これは制度開始後でありますけれども、保険会社が過大な利益を得るべきでないという御意見がありましたから、予測を上回った場合のリスクはそのままにしながら、一方、下回った場合の剰余金は運営組織に戻されるということとなったものでございます。
 しかし、民間保険を活用する以上は、全額返還される契約はあり得ないということから、厚生労働省とも協議の上、300人を最低保険料の基準としたものでございます。この基準については、先ほど私、資料の1ページで御説明させていただきましたが、こういった問題も含めて、データをそろえ、そして全体の議論をする中で、検討していきたいと考えております。
 それから、剰余金の使途については、これまで、保険者への返還、あるいは将来の保険料に組み込むことで掛金を下げるべきという御意見がございます。またもう一方、補償対象範囲や補償水準の見直しに活用すべきといった御意見などもございます。剰余金の使途につきましては、補償対象者数の推計が何人になるのか、あるいはそれに伴ってどれほどの剰余金が生じるのか、また、補償対象の範囲ですとか、補償水準、掛金水準の見直しなど、こういった内容にもよりますので、資料の1ページにもありますように、この点については、医学的調査専門委員会で議論ができるデータを出していただいて、それをもとに、制度全体のあり方の中で検討していきたいと考えております。
 それから、医学的調査専門委員会は、6月を目途にデータを出していただいて、そして、先ほど言いましたように、速やかに運営委員会で議論しますが、その状況は適宜こちらの医療保険部会に報告し、また議論していただき、よく連絡を取りながら最終的に確認をしていきたいと思っております。
 そして、補償対象範囲、補償水準などの内容がかたまりますと、実際に実施するに当たっては、その内容を加入分娩機関や妊産婦への周知ですとか、あるいは契約関係の改定ですとか、あるいはWebシステムの改修等を行います。
 創設に当たって検討を行いましたが、こういった準備を考えますと、私ども、来年6月に医学的調査専門委員会からデータをいただき、それをもとに運営委員会で議論し、そして医療保険部会でも議論していただきながら、医療保険部会の御理解もいただきながらまとめて、先ほどの準備などを考えますと、平成27年1月を目途に実施するということを今のところ考えております。しかしながら、この点については、運営委員会の議論ですとか、医療保険部会からの御意見を踏まえ、そして厚生労働省ともよく相談しながら進めていきたいと思っております。
 とりあえず以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 白川委員の御質問にお答えいただいたわけなので、まずは白川委員お願いします。
○白川委員 今のお話を伺っていまして、医療機能評価機構というのは何なんだろうという気が実はしているんです。要するに、我々は法令で定められた形で3万円の掛金を出産育児一時金としてお支払いしているけれども、それで剰余金が出たら、これは医療評価機構のお金であって、それをどう使うかは機構が決めるんだというふうに、極論するとそういうふうに聞こえてしまったのですけれども、そういうものではないでしょうと。我々が医療機能評価機構に期待しておりますのは、補償を受ける方、それから、我々掛金を支払っている側、この立場に立って、どうしていけばそういう方々の負担がいかに低くなるか、小さくなるかというのを考えていただけるというふうに期待をしていたのですけれども、はっきり言うと、あきれ返っています。これは反論は結構です、私の意見ですから。あきれ返っていますよ。機構に入った剰余金は自分たちのお金だから、これを適用拡大しようかとか、保険会社はどんどん利益を持っていけと、こういうのでしたら立場が逆じゃないかと申し上げざるを得ませんので、それだけは申し上げておきます。反論は結構でございます。私の意見ですから。
○遠藤部会長 簡潔に上田参考人、お願いします。
○上田参考人 私、今、白川委員がおっしゃられたそういう考えで申し上げているつもりでございません。私、申し上げたのは、確かに我々は産科医療補償制度の事業を実施しております。ですから、制度の見直しについては運営委員会でまずは議論します。しかしながら、出産育児一時金に関連する事項、すなわち出産育児一時金は、この医療保険部会で決定されますから、私、申し上げたのは、剰余金の問題など、あるいは補償対象の基準など、つまり、出産育児一時金に関連する部分について、まずは確かに私ども議論をします。議論しますけれども、と同時に、医療保険部会にそういった状況報告をして、そして医療保険部会でも議論していただく中で進めさせていただくということを申し上げておりますので、決して私どもが一方的に審議し決定して、これでいきますということで申し上げているつもりではございません。この点よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、順番で、横尾委員、鈴木委員、樋口委員でお願いしたいと思います。
○横尾委員 ありがとうございます。
 支払備金、7ページですけれども、問5に対しての回答が出ているのですが、こういった場合はどう回答するか。普通は、150〜200億円の内訳はこういうことになっていて、大括り、こういうふうに分けていますと。それぞれの金利はこういう金利運用で、何年間の契約をどことしていますとかいうふうなデータが出てくるのが普通の回答なのですけれども、文章だけの考え方の回答では、個人的には余り誠意がないのかなという感じがいたしまして、そこら辺は明らかにしたほうが透明性が高くなる運営になると思いますので、よろしくお願いしたいと思っています。
 なお、このことについては、厚労省は内訳は全部把握されているのでしょうか。
○遠藤部会長 保険課長、お願いします。
○大島課長 医政局ではしているかもしれませんが、保険局ではしておりません。
○遠藤部会長 それは御要望しますか、横尾委員。確認しますか。
○横尾委員 出していただくとありがたいです。
○遠藤部会長 もし可能であれば。
 上田参考人、どうぞ。
○上田参考人 ただいまの御質問ですが、まず1つは、ただいまの資料の4ページに、問2の表で、4で178件があって、今のところは53億4000万がそれに充てている。これはあくまでも中途段階であるということと、それから、これは前回の資料ですが、私どもの産科医療補償制度の概要の参考資料の2でございますが、これにつきまして、8ページに、21年、22年、23年、それぞれの生まれの児について、補償金が172件、126件、26件、そして保険料からそれを差し引いた支払備金として214億、250億、272億、これを支払備金として確保し、そしてこれは満5歳まで申請可能ですので、それに対応する備金として対応しているということでございます。
○横尾委員 それは表を見たらわかることなので、要は、内訳がどうなっていて、金利がどうなっているか、そもそもの質問にはちゃんと答えたほうがいいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 お答えはまた改めてということで、それでは、鈴木委員、お待たせしました。
○鈴木委員 私どもとしては、余裕が出た場合、これは当初、全然見通しのつかないままに、限られたデータをもとにかなり抑えてスタートしたという経緯がありますので、日本産婦人科学会、医会の御意見も踏まえまして、補償対象の拡大や補償金額の増額を要望したいと思っております。そういう議論をするにしましても、今日の機構の御説明では、現時点での補償対象者数の推計は困難であるとした上で、医学的調査専門委員会を立ち上げてその議論を開始したとのことですが、この結果が出るのが来年の6月ごろ、その他の報告書が出るのも来年の春ごろということで、今後の議論の進め方として、そういった結果が出るまで、我々はここで議論ができないのでしょうか。医会、学会の先生方が心配されているのは、そういうデータが出る前にここの結論が出てしまうような形になるのは困るとおっしゃっているのですが、その議論の進め方、結論が出てから議論するのか、出なくても議論して結論を出してしまうのか、あるいはその中間ということもあるかと思いますが、どういう議論の進め方をするか、事務局に確認させていただきたいと思います。
 それから、保険者の先生方がかなり強くおっしゃっている保険会社の利益ということですが、これは我々も現状には非常に問題だと思っております。特に私は、300人まで対象者がいかない場合には差額全部保険会社の利益にするというのは、幾ら何でも問題だと思うので、そういったものの見直しはいつごろ行われるのか、それもそういうデータが出る来年の6月とかじゃないとできない話なのか、そういった保険会社の利益に関する透明性の確保は議論の前提になる話だと思いますので、これはしっかり行っていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 樋口委員、お願いします。
○樋口委員 ありがとうございます。
 産科医療補償制度そのものに関しては、いろいろ見直しが必要だとは思いますが、私はぜひ続けていただきたい制度だと思っております。今お話を伺っている間に、確かに主人公、主体がどこか、わけがわからなくなるようなお話でございましたけれども、制度的なフォーカルポイントというのはしっかりあるだろうと思いますが、基本的に私は、主体はと言ったらいいか、この制度によって恩恵を得るのは、母親であり、子供であり、医療者たちであって、その人たちが安心して出産に立ち会い、出産に臨み、万一不慮の事故があったときには補償されて、そして、かつ、きちんと分析することによって、補償金は出て行くかもしれないけれども、そこがきちんと明るみに出て分析されることによって再発が防止されれば、結果として医療財政に金目の面でも益する制度だと思っております。ですから、現状では数が把握できない、少ないとしても、私はこの制度は見直した上で、ぜひ存続していただきたいと思っております。実はこれは将来のお金の浪費をなくするいい制度だと思っておりますし、広い意味での今度の社会保障・税一体改革の、あえて言えば、子供の出産、子育てに重点を向けていくというその施策にも合うものだと思っております。ここまでが応援演説です。
 しかし、誰が主体であって、そして、どのように運用するかということについては、私も皆様方の多くがおっしゃいましたように、きょうの御説明を聞いてもわからないです。そもそも私はこの委員会にそれほど古くなくて、後期高齢者医療制度が立ち上がって運営され始めてから高齢者枠で加わった人間でございますので、よく知りましたのは、前回、夏のこの委員会ぐらいでしたけれども、そのときに、まずこういう公的機関に生命保険会社が入っているということで、ちょっとびっくりいたしました。きょう伺いましたら、5社入っているんですか。そのうちの全体の2分の1を1社が独占しているんですか。
○白川委員 3分の2です。
○樋口委員 3分の2。とにかく保険者が払おうと、その保険者の元金はどこから出ているかといったら、我々被保険者が払う保険料から出ているわけです。そういうものからできるとしたら、やはり透明性というのは最も大事なことなのではないでしょうか。生命保険会社に委託しなければならない。確かに民活、民活と言われておりますから、そういうところに一部使うことを全面的に否定はいたしませんけれども、だとしたら、そういう情報ははっきりと公開していただいて、例えばここの委員会に出てくる報告の中にも、生命保険会社の実名を上げて何が悪いのでしょうか。実名を上げて発表して、ここに何%ぐらい委託している、そういうことがあってしかるべきではないかと私は思いますけれども、皆様ないし厚労省はいかがでございましょうか。
 ついでに厚労省に伺いたいのですけれども、きょういただいた資料、私はわからないですよ。参考資料1でございます。産科医療補償制度についてとございまして、これは機構から出ているのではなくて厚生労働省保険局から出ております。頭のほうはまだわかるのですけれども、なんでここに大正11年法律第70号。なるほど私が生まれる前からの法律が今も生きて日本に脈々と続いているのは、ある意味でとても喜ばしいことでございますけれども、当時制定された法律と現行の法律とどういう関連性があって、どう生かされているかというのをちょっと御説明いただかないと、私、わかりませんでした。
 以上です。
○遠藤部会長 最後の質問は、事務局は御対応可能ですか。それとも次回以降に。すぐお答えできますか。保険課長、お願いします。
○大島課長 出産育児一時金に加算してそこから産科医療補償制度のお金を出していますというところに関連する条文を書いています。出産育児一時金の法律上の根拠が、大正11年の健康保険法の101条にあって、そこには金額は政令で決める旨が書いてあります。
 その下の健康保険法施行令のほうですけれども、39万円の出産育児一時金に、別途3万円の範囲内で額を加算するという規定が書いてありまして、実際にはこの3万円で産科医療補償制度が回っている。その関連する条文を書いたものでございます。
○菅家委員 次回以降もやるんですか。
○遠藤部会長 次回以降、では、ちょっと整理させていただきますと、実はこの制度そのものは、もともとは医療事故とか産科医療の話なものですから、医政局マターで話が進んでいるわけですけれども、現実には相当なお金が拠出されているということで、保険制度も兼ねているというところで、そういう意味で医療保険部会とも非常に関連のあるところであったと。しかも、運営上やや問題があるということで、特にスポンサー役であった保険者から非常に強い御指摘が出ているということで、この問題は全然まだ解決はしていないと思います。
 そもそもこの制度の運営上の、先ほど透明性というようなこともおっしゃいましたけれども、ある種ガバナンスをどういうふうにするのかというところがはっきりしていませんので、そこはある程度はっきりさせる必要があるかなと思いますし、当面の課題としては、保険会社への委託、損害保険なのですけれども、損害保険会社への委託のやり方について疑義があるということがるる言われておるわけですから、契約見直し時にどうするかということ、これを決めなければいけないと思うわけですけれども、その議論も、どこがどういう視点でやっていくのかというところは、今のところはっきりしていないというのが現状ではないかなというのが私の今の認識でございまして、となると、これは1回で済む話ではないなと思っておりますが、事務局、いかがでしょうか。総務課長、お願いします。
○濱谷課長 御指摘のとおりでございまして、この制度そのものは医政局の所管でもございます。そういう意味で局をまたがる話でございまして、この部会でどこまで審議するかという整理も必要であります。その点につきまして、事務局でまず整理をさせていただきたいと思います。
 また、時期でございますけれども、先ほど来、宿題もいただいておりますので、そう遅くない時期にということではあろうかと思います。ただ、一方で、推計の話、あるいは事務的な検討の話については、機構のほうである程度の準備があるだろうということ、それから、年内には、実は局長から申し上げましたけれども、協会けんぽの財政問題、高齢者の患者負担の見直し、高額療養費の見直しということで、かなり時間をとるというような事情もございます。こういったことも勘案しまして、時期につきましては、部会長とよく相談をさせていただきたいと存じます。
○遠藤部会長 そのような対応で。
 それでは、菅家委員、お願いします。
○菅家委員 今のお話にもありましたとおり、この制度の所管は医政局ということでございまして、つまり、逆の言い方をすると、機構が主体的につくった制度ではないわけですね。そういう意味では、制度のありようについては、医政局にきちんと対応してこの場で答えていただけるような仕組みを考えていただかないと、なかなかこの議論は深まらないと思いますので、要望したいと思います。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○濱谷課長 この場での医政局の参加なども含めまして、部会長と相談させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 そのように対応させていただきます。
 それでは、上田参考人、どうもありがとうございました。
 それでは、時間がオーバーしておりまして申しわけございません。
 最後に、議題、その他として、これまで当部会で議論していただきました審査支払機関のあり方についてと、社会保障・税一体改革に関するこれまでの経緯についての資料が事務局から提出されておりますけれども、本日、時間もございませんので、資料配付の形で報告という形にさせていただきたいと思います。もし御質問等々があれば、事務局に問い合わせるというような形で対応していただければと思います。
 失礼しました。それでは、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 時間をオーバーしているところで大変恐縮ですが、2点だけ意見を簡潔に申し上げたいと思います。
 私ども協会けんぽは、平成22年9月8日付で本部会に傷病手当金の支給要件のあり方、調査権の強化に関する具体的な制度改正要望を出しております。2年経過しておりますが、まだ審議が継続中です。ぜひこれは一刻も早く実現に向けて結論を出していただくべきと考えます。
 それから、もう一点は、私どもの健康保険委員の件であります。私ども保険者は加入者との距離感があって、保健事業の推進等に苦慮しております。健康保険委員の皆さんが相談・助言を行い、加入者、国民の健康保険制度に対する啓発に努めていますが、ぜひ健康保険事業の強力な推進のために、健康保険委員の位置づけや役割を法律に明記していただきたいと考えております。この2点について意見を申し上げます。
 済みません。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 御要望ということで受けとめさせていただきますので、また事務局と相談して、それなりの対応をさせていただきたいと思います。
 では、どうもありがとうございました。
 次回開催につきましては、追って事務局より御連絡したいと思います。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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