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2012年7月13日 薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会議事録

○日時

平成24年7月13日(金)15:00~


○場所

航空会館701+702会議室


○出席者

出席委員(18名) 五十音順

○荒 井 保 明、 内 田 恵理子、 小 野   稔、◎笠 貫   宏、

 川 原 信 隆、 釘 宮 豊 城、 佐 伯 晴 子、 佐 藤 景 二、

 杉 山   肇、  高 谷 節 雄、 土 屋 文 人、 那須野 修 一、

 西 田 輝 夫、 配 島 由 二、 松 岡 厚 子、 溝 渕 健 一、

 横 井 英 人、  渡 邉 治 雄

 (注) ◎部会長  ○部会長代理

欠席委員(4名) 五十音順

 石 井 則 久、 井 部 俊 子、 高 杉 敬 久、 根 本   幾

(行政機関出席者)

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 森    和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事


○事務局 定刻になりましたので、ただ今から「平成24年度第1回薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会」を開催いたします。本日の部会は、従前の取扱いと同様、公開で行うこととしております。なお、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
 本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は定数22名の委員中、18名の委員に御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを申し上げさせていただきます。なお、石井委員、井部委員、高杉委員からは御欠席の御連絡をいただいております。また、前回の部会より委員の変更がございまして、古幡委員が御退任され、東京電機大学情報環境学科の根本幾教授に新たに委員として就任いただいております。本日は根本先生からも御欠席の御連絡をいただいております。
 それでは議事に入らせていただきますので、カメラ撮り等は、ここまでとさせていただきます。以後の議事の進行は笠貫部会長にお願いいたします。
○笠貫部会長 それでは議事に入らせていただきます。始めに事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日の資料といたしまして、順に、座席表、委員名簿、議事次第、資料一覧を配付させていただいております。資料一覧に資料番号が振ってございますが、順に御紹介いたします。
 資料1-1「平成23年度の安全対策について(まとめ)」、資料1-2「放射線治療器に係る使用上の注意の改訂について」、資料1-3「ヘモグロビンA1c測定値の国際標準化に係る対応について」、資料1-4「家庭用電気マッサージ器の適正使用に関する周知等について(協力依頼)」、資料1-5「医療機器市販直後安全使用情報収集事業結果について」、資料2-1「医療機器の不具合等報告について」、資料2-2「医療機器不具合報告」、資料2-2-1「整形インプラント製品の不具合報告状況及び不具合発生までの使用期間」、資料2-2-2「過去5年間の不具合報告の公表状況について(平成18年度~平成22年度)」、資料2-3「医療機器外国措置報告」、資料2-4「医療機器研究報告」、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」、資料4-1「医療機器の回収報告の状況」、資料4-2「平成23年度医療機器自主回収一覧」、参考資料1「医療機器の総括製造販売責任者の基準及び責任技術者の要件の変更について」、参考資料2「PMDA医療安全情報No.29心電図モニタの取扱い時の注意について」、参考資料3「PMDA医療安全情報No.30気管チューブの取扱い時の注意について」、参考資料4「PMDA医療安全情報No.32閉鎖式吸引カテーテルの取扱い時の注意について」でございます。また当日配付資料といたしまして、右肩に「当日配付資料」と枠囲いをしております、厚生労働省のPress Releaseでございますが、「テルモ(株)製埋め込み型補助人工心臓の不具合への対応について」を別途配付させていただいております。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。なお本日の議題に審議事項はございません。すべて報告事項となっておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○笠貫部会長 それでは各委員の先生方には資料の御確認をしていただけますでしょうか。特に資料の不足がございませんでしたら、今日の議題に入りたいと思います。先ほどお話がありましたように、今日は審議事項がないということですので、報告事項に入らせていただきます。
 では、議題1「医療機器の市販後安全対策について(報告)」、これについてお願いいたします。
○事務局 資料1-1「平成23年度の安全対策について(まとめ)」について御説明させていただきます。1ページ、1「副作用等の報告数の推移」でございますが、(2)医療機器、につきましては、平成23年度は外国症例も含めて全部で1万6,068件でございまして、前年度よりやや増加しております。平成22年度に大きく増加しておりますが、平成23年度も同様の傾向となっております。次の2ページ、2「安全対策上の措置数の推移」でございます。「医薬品・医療機器等安全性情報」への掲載が4件、使用上の注意の改訂が6件となっております。続きまして3~4ページ、「医薬品・医療機器等安全性情報」へ掲載した情報についてですが、281号で皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について、282号で冠動脈ステントの禁忌事項等の見直しについて、及び眼内レンズの禁忌事項等の見直しについて、287号で在宅酸素療法実施中の火災による死亡事故について、以上4件が医療機器関係で掲載した情報でございます。最初の3件につきましては、昨年度の当部会において報告させていただいた内容となっております。最後の在宅酸素療法実施中の火災による死亡事故については、厚生労働省や日本産業・医療ガス協会ではこれまでも注意喚起を行ってまいりましたが、在宅酸素療法を受けている患者様やその御家族に、酸素吸入時に火気を近づけないということについて、十分に理解していただくよう注意喚起の徹底をお願いするというものでございます。最後に5ページ、(2)その他、の事項といたしまして5.に先ほど御説明いたしました、冠動脈ステントと眼内レンズの禁忌事項の見直しを審議いたしました安全対策調査会についての記載がございます。
 次に、資料1-2「放射線治療器に係る使用上の注意の改訂について」でございます。まず1~2ページでございますが、厚生労働省から各都道府県に、放射線治療器の製造販売業者に対して、使用上の注意の改訂を指示する通知を発出したということをお知らせしたものでございます。その内容が3~5ページでございまして、厚生労働省から放射線治療器を扱う製造販売業者12社に対しまして、使用上の注意の改訂及び医療機関への情報提供を指示する通知でございます。具体的には、治療室に持ち込まれた人工呼吸器や輸液ポンプなどが、放射線による影響で誤作動を起こす可能性があるということ、止むを得ず持ち込む場合には動作状況を監視すること、誤作動等の発生時にも対処ができるよう準備すること、を記載することとしております。
 続きまして資料1-3「ヘモグロビンA1c測定値の国際標準化に係る対応について」の説明に入らせていただきます。糖尿病の指標の一つでございます、ヘモグロビンA1cについては、これまで我が国で用いられてきたJDS値から、国際的に用いられているNGSP値に移行するということについて、厚生労働省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」や日本糖尿病学会において検討がされてきておりまして、「学会運用指針」等が示されてまいりました。日常診療におきましては、当面の間、NGSP値とJDS値が併記されることとなっておりまして、それに伴い測定機器の設定やソフトウエアの変更など、医療機関及び製造販売業者に対して必要な対応をお願いするというものでございます。1ページが都道府県を通じた医療機関への通知でございまして、23ページが製造販売業者19社に対する通知となってございます。
 続きまして資料1-4「家庭用電気マッサージ器の適正使用に関する周知等について(協力依頼)」の説明に入らせていただきます。本年3月に愛知県で発生した家庭用マッサージ器を使用中の死亡事故を受けまして、関係各所へ改めて適正使用に関する周知の依頼をするというものです。今回の事例は凹凸の付いたローラー部が回転することによりまして、患部を刺激するタイプのマッサージ器で、ローラー部の布カバーが外れた状態で使用したことにより、衣服がローラー部に巻き込まれて窒息死したという事例でございます。これまでも誤った使用をしないよう注意喚起を図ってまいりましたが、更に広く情報提供をするということとしておりまして、各都道府県への広報誌等への掲載依頼、製造販売業者による新聞等への社告の掲載や顧客への注意喚起文書の送付、消費者庁や一般社団法人日本ホームヘルス機器協会への周知依頼などを行っております。
 続きまして資料1-5「医療機器市販直後安全使用情報収集事業結果について」の説明に入らせていただきます。この事業は新たに承認された新医療機器のうち新規性が高いものや、国内外において使用経験が少ないものなど、特に市販直後の安全性確保が必要と判断されるものにつきまして、原則として6か月間、当該医療機器の使用状況や不具合の発生状況、また臨床現場への製造販売業者による安全性情報の提出状況などの情報を、毎月医療機関より提供していただきまして、必要な対応を図ることを目的とした事業でございます。平成23年度は株式会社メディコスヒラタのPenumbraシステムを対象といたしまして、神戸市立医療センター中央市民病院及び、虎の門病院の二つの医療機関に調査を依頼しました。平成23年6月に承認されておりまして、平成23年10月から保険適用が開始された品目でございます。本品は使用目的に記載がございますように、急性期の脳梗塞(原則として発症後8時間以内)の患者様におきまして、組織プラスミノーゲンアクチベーターの経静脈投与が適用外、又は組織プラスミノーゲンアクチベーターの経静脈投与により血流再開が得られなかった患者様を対象といたしまして、血流再開通を図るために使用する医療機器でございます。3ページの右側にあります図に示すように、カテーテルの中を通したセパレーターを出し入れしながら、血栓を吸引する医療機器でございます。調査実施期間の6か月で2機関合わせて10症例に使用されまして、頭蓋内内頸動脈の穿孔を来した症例が1例報告されておりますが、重篤な頭蓋内出血はなく、予後には影響しなかった旨が報告されております。その他の症例においては、機器の不具合及びこれに関連した健康被害は認められなかったとのことでございます。調査実施機関からは製造販売業者の情報提供活動について、使用方法の説明会やハンズオントレーニングの実施、不具合症例に関する情報提供などがなされ、提供情報の内容は適切で対応も妥当であったとの評価がなされております。一方でこのような情報提供がすべての医療機関に対して行われているか、あるいは代表的な実施医だけではなく、一般の実施医に対しても十分な情報提供がされているかなどの懸念が示されましたが、製造販売業者に対してこの点について確認したところ、すべての納入医療機関に対して同様の情報提供を行っているとの回答が得られております。資料1-1~1-5までの説明は以上でございます。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。この市販後の安全対策について全体のお話をいただきましたが、御質問がありましたらどうぞ。
○高谷委員 資料1-1ですが、1ページに医療機器の不具合の報告に関して、平成19年度は大体1万6,550例あります。平成20年度、平成21年度は約1万例少なく、また平成22年度から1万4,000、1万5,000とまた元に戻っています。平成20年度、平成21年度が1万例も少ないというのは、ただ報告されていないのか、それとも不具合が起こっていないのか、何か原因は分かりますか。
○機構 PMDAからお答えさせていただきます。平成19年度1万6,000件の不具合に関しましては、一部不良品が市場に流通してしまったということで、不具合報告は多く上がっています。その原因は、製造上の問題によるインスリンの自己注射の針の目詰まりであります。平成22年度に関しましては、少しお待ちください。
○高谷委員 平成20年度、平成21年度は、大幅に1万例、報告が減っていますね。
○機構 通常、特別な品質の不良によるリコールなどの事案がなければ、不具合報告は毎年約6,000~7,000件で推移している感じでございます。ですので、平成19年度と平成22年度は一部の医療機器に特別な事象が発生して、増えているという感じです。
○笠貫部会長 よろしいですか。平成22年度、平成23年度も1万件を超えたのは何かあるかという、もう一つの御質問ですね。増えた理由は、先ほどの平成19年度はインスリンの自己注射の問題で増えましたということですね。その後のはいかがですか。
○機構 平成22年度、平成23年度に関しましても、ある特定の医療機器の不具合が増加したものです。
○笠貫部会長 インスリンの自己注射は平成19年度で、平成22年度、平成23年度の特定機器が何かということは、今すぐ分からなければ後でお願いします。
○事務局 補足させていただきます。平成22年度には中心循環系血管内超音波カテーテル、いわゆるIVUSといわれる医療機器について、画像の消失などの不具合が年間5,000件以上報告されていたこともありまして、数が増えております。
○笠貫部会長 平成23年度は細かいことはあるかもしれませんが、特定の医療機器についての報告が非常に多いということで、医薬品と違って件数が多いという御説明です。その特定の医療機器での数が増えたことに関しては、重大な健康被害は今のところはないのですね。平成23年度については、不具合報告の中でまた議論されると思いますので、そちらで検討、御議論いただけたらと思います。ほかにはございませんでしょうか。
 資料1-5の、市販直後の安全使用情報収集事業は大変重要な意味を持っていると思います。今回出されました中心循環系塞栓除去用カテーテルですが、先ほどの「その他」の御説明の中で、情報提供がすべての医療機関に対して行われているか懸念があるという意見があり、企業についてみたら143施設で同様の情報提供を行っている、という報告があったという御説明だったと思います。これは企業側が情報提供を十分にしたとしても、その医療機関側では十分だと捉えていないという意味なのでしょうか。そうだとしたら、それに対しての対策をどのようにするかも必要になるかと思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 この件に関して、こういった調査実施機関の先生から、御意見をいただいているということについては、製造販売業者にも伝えさせていただきまして、改善できるところについては、改善していただくように指導しております。
○笠貫部会長 そういう意味では個別にどれだけ必要かというのは、それぞれ工夫していただき、十分情報を提供していただいて、こういったギャップが生じないようにしていただくことを、企業に強く求めていただけたらと思いました。ほかにはございませんでしょうか。
○安全対策課長 少し補足します。調査をお願いした施設はこの分野でも第一人者といわれる先生の施設です。先生方としては、そもそもこの分野では第一人者なので、そういう意味で企業から自分のところには情報がくるけれども、いわゆるほかの施設にはどうなのだろうかということで御心配いただいたもので何か滞っている事実があるということではない、とお聞きしております。特に私どもとしては、非常にリスクの高い医療機器でもございますので、実際に日本では治験も行われておりませんので、実際の使用に当たって何かリスクのありそうなところがどういうところなのか、そういうことについても情報をいただければということで、正に第一人者の先生方にお願いをしたということでございます。
○笠貫部会長 143施設だと大変だと思いますが、これはかなり高度な、しかもリスクの高い治療なので、是非企業には徹底していただけたらと思います。それ以外にはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 この家庭用電気マッサージ器について、広い注意喚起ということですが、更なる工夫として、御意見がありましたらお願いします。同じ企業が平成20年度に出されて、平成24年度ということなので、更に徹底した方法として先ほどいろいろな御説明をいただきましたが、委員の先生方から特に何かありましたらお願いします。
○佐伯委員 どうしたらいいという方策ではなく、一般に電気製品では7年経ったら部品がないとか、電気屋さんに持っていくと、修理するより買った方が早いですよと常に言われてしまうのに消費者は慣れているので、古ければ古いほど修理に持っていかないと思うのです。そうするともうフォローができないというか、危険が野放しという状況かという気がします。それで凹凸が波型のようで、それが回るローラー式のものということですが、今かなりよく売れているので、正方形とか長方形のクッション型で、ボールが回るのもあると思いますが、あれも多分布が取れたらやはり同じように巻込みをするのではないかという気がするのです。何か一度例えばNHKの朝の番組であるとか、そういうところで取り上げていただくなど、働きかけをしてもいいのかと思います。身近にある健康器具でこんな恐いことが起こりますという番組をされたらと思います。
○笠貫部会長 古い機器で頻度は極めて少ないけれども、使い方によっては重大な問題が起こりますと、情報の提供の仕方を、さらに今テレビの話が出ましたが、そういうことを含めて企業にも検討していただくということですね。
○佐伯委員 類似の商品がどんどん出てきていると思いますので。
○笠貫部会長 ほかにはございませんか。ございませんでしたら、議題2に移ります。「医療機器不具合等報告について(報告)」、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料2-1に基づきまして御説明させていただきます。まず1ページの1として、本部会への報告に関する薬事法の規定を記載しております。2として、平成23年度の後半6か月間の、平成23年10月1日~平成24年3月31日までの報告状況について、今回の部会で御報告させていただきます。2ページ「医療機器不具合等報告について」でございますが、各項目の報告件数を示しております。不具合報告の件数については、この半期で8,923件でございます。前回12月の部会で報告いたしました、平成23年度上半期の件数は7,145件でしたので、やや増加しているという状況でございます。今回の8,923件の内訳でございますが、1.~8.の八つの分類で言いますと、多いのは3.「処置用・施設用機器等」の3,939件と、4.「生体機能補助・代行機器」の4,487件ということでございまして、それらの比率としては前回と同様になっております。国内報告と海外報告の件数でございますが、国内報告が4,723件、外国報告は4,200件ということでございまして、感染症報告は0件でございました。以下、外国措置報告559件、研究報告1件、感染症定期報告32件の報告がございまして、医療関係者からの不具合等報告195件が報告されておりますが、これらの件数は前回の12月の部会から大きな変動はないという状況でございます。
 続きまして、資料2-2に基づきまして御説明させていただきます。大変分厚い資料でございますが、1ページの注意事項に、この不具合報告リストの見方が記載されております。この報告については、医療機器との因果関係が不明なものも含めまして、製造販売業者等から報告されたものであり、報告に関する分類は(1)~(8)の8分類となっております。また、一覧の掲載順につきましては、発生場所で国内と外国とに分けておりまして、それぞれで一般的名称の五十音順で掲載しております。件数については、提出された報告書の件数を示したもので、同一の症例で複数の医療機器が関与しているような場合は、複数の企業からそれぞれ報告されることがございますので、同一の症例を重複してカウントすることになります。そのような場合がございますと、報告件数がそのまま症例数ということにはならない場合があるということでございます。表の右端の欄に対応措置の項目として、原則として平成24年3月31日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しておりますのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は、修理や検査の実施等を行った「改修」の措置をとったことを示しております。「情報提供」と記載しているものにつきましては、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布などの措置をとったものということでございます。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。「調査中」というものは、調査継続中であるということを示しております。「空欄」のものは、情報が不足しているなど調査が困難なもの、ということでございます。次に目次が記載されておりまして、その次から表の下にページ番号を記載いたしまして、一覧を記載しております。時間の関係上、簡単に御紹介したいと思います。1ページは、分類(1)「画像診断用機器」で14件報告されております。2~5ページは、分類(2)内視鏡・血液分析装置など「生体監視・臨床検査機器等」について108件の報告がなされております。6ページ~90ページは、分類(3)インスリンの注入器やカテーテルといった「処置用・施設用機器等」で報告件数は3,939件、全体の報告の約44%となっております。32ページに中心循環系血管内超音波カテーテルの報告が出ておりまして、先ほども平成22年度で多いと申し上げましたが、平成23年度につきましても国内で不具合報告が1,400件近くございまして、平成22年度同様に、全体の数値を押し上げているという状況でございます。91~211ページは、分類(4)の心臓ペースメーカや冠動脈ステントなどの「生体機能補助・代行機器」で、報告が4,487件ございまして、全体の約50%となっております。先ほどの分類(3)と合わせますと全体の約94%となり、大半を占めている状況でございます。今回、分類(4)で目立って件数の多いものとして、95~96ページのメドトロニックEnRhythmで、電池消耗に関するものが60件余、124ページにはベンチレータ840の換気停止に関するものが160件余、それぞれ外国でも107件あるいは400件余と多く報告されているものがございます。メドトロニックEnRhythmについては、平成22年2月にクラスII改修がされているものでございまして、ソフトウエアの改修により対応がなされているというものでございます。ベンチレータ840につきましては、160件余のうちの116件は、平成22年6月に実施されておりますクラスII改修によりまして、ソフトウエアのアップグレードを行い、対応がなされているものでございます。ただ、不具合報告の要否について企業に対して指導を行った結果、報告としては平成23年度に上がってきている状況でございまして、不具合自体は平成17年~平成21年に発生したものでございます。このほか不具合報告の多いものといたしましては、102ページからの冠動脈ステントや、130ページからの大動脈用ステントグラフトなど、外国報告としても同じように、冠動脈ステントと大動脈用ステントグラフトには多くの報告が見受けられております。分類(4)につきましては、体内に留置するペースメーカや、ステントグラフトのようなリスクの高い医療機器が多く分類されておりまして、報告件数も多くなっているという状況でございます。212ページからは、分類(5)手術用の電気メスやドリルなどの「治療・鋼製機器等」で、246件報告されております。前回よりも全体で90件ほど、国内報告では95件ほど増加しておりまして、国内報告の増加がそのまま全体数の増加となっております。ただ、特定の品目で特別増加している様子は見受けられず、全体として増加しているという状況でございます。223ページは、分類(6)「歯科用機器・材料」で11件報告されており、224ページの、分類(7)「眼科用機器」、ソフトコンタクトレンズなどの不具合が、112件報告されております。226ページの、分類(8)「衛生材料・家庭用機器等」で、6件報告がきております。続きまして、平成22年度及び平成23年度に新医療機器として承認された品目の、国内での不具合発生状況について御紹介いたします。まず、33~35ページにかけてでございますが、平成22年4月に承認されましたMerciリトリバー及び平成23年6月に承認されたPenumbraシステムが、それぞれ72件及び20件報告されております。こちらは、先ほど定点観測の事業で御紹介いたしました、脳梗塞の血栓を除去するシステムでございまして、リスクも高いことから、それ相応の数の不具合が報告されているという状況にございます。98~99ページにかけては、平成22年12月に承認された、植込み型補助人工心臓EVAHEART、及びDuraHeart左心補助人工心臓システムが、それぞれ15件及び16件報告されております。テルモ社のDuraHeart左心補助人工心臓システムにつきましては、本日の当日配付資料のPress Releaseの資料を御覧いただければと思います。昨年12月22日、テルモ社より人工心臓のケーブル内の導線の一部断線又はその疑いの不具合が報告されておりまして、テルモ社より原因の究明、対策の検討等を行う間、当面の新規患者様への植込みを原則として見合わせるということが発表されております。それを受けまして、厚生労働省としても報道発表したという資料でございます。2~3ページがテルモ社からのPress Release資料でございます。104~105ページにかけては、平成23年3月に承認された、薬剤溶出型の冠動脈ステントのノボリが37件、107ページには平成24年2月に承認された、同じく薬剤溶出型ステントのプロマスエレメントステントシステムが、6件報告されております。214ページには、平成22年6月に承認されておりますELVeSレーザーが、9件報告されております。先ほど御説明いたしましたDuraHeartにつきましては、新規の植込みが中止されている状況でございますが、その他の新医療機器につきましては、現在特別な対応が必要な不具合は発生していない状況と考えております。
 続きまして、資料2-2-1の御説明をさせていただきます。前回の部会で御指摘いただきました整形インプラントの製品で、再手術や再置換となっているものにつきまして、どれぐらいの期間使用された後に再手術等となったのかといったところが、分からないという点で、国内での不具合報告の件数の多い上位10製品につきまして、各使用期間をまとめた資料となっております。御検討の参考としていただければと思っております。
 続きまして、資料2-2-2「医療機器 過去5年間の不具合報告の公表状況(平成18年度~平成22年度)」をまとめた資料でございます。平成22年度は、先ほども御紹介いたしました、中心循環系血管内超音波カテーテルの不具合が5,000件以上報告されたということでございまして、全体の報告件数が増加しているという状況でございます。一方、死亡報告数についても増加ということでございますが、裏面を御覧いただきますと、一般的名称ごとの報告件数を示しております。冠動脈ステントの死亡報告数のうち、医療機器との因果関係が否定できない症例として46件となっておりますが、そのうちの31件は、Cypherステントの血栓症レジストリーであるRESTARTの方で報告されている死亡報告例が報告されたものでございまして、報告は平成22年度に受けておりますが、発生は平成20年度以前のものとなっております。ただ、それが平成22年度にカウントされているため、一見、多くなっているように見えるといった状況がございます。また、大動脈用ステントグラフトにつきましては、平成19年度以降に数が急増して見えますが、これは使用数の増加に伴うものでございまして、従来、外科手術を第1選択としていたところを、徐々にステントグラフトを第1選択とするケースが増えている事情があるということになっております。
 続きまして、資料2-3の御説明をさせていただきます。医療機器に関する外国措置報告につきましては、企業が海外でも同じ製品を製造販売している場合に、外国でとられた措置につきまして、日本の行政当局にも報告するというものでございます。こちらも不具合報告と同じく、平成23年度下半期で559件の報告が来ております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合などを除きまして、おおむね日本においても同様の対応をとっている状況でございます。時間の関係上、それぞれの説明は省略させていただきますが、死亡又は、重篤な健康被害の恐れのある分類として、クラスIの回収を行ったものについて御紹介いたします。15ページの370番、371番でございます。こちらはいずれも体外式の除細動器でございますが、クラスI回収となっているものでございます。国内での製造販売業者、製品は異なるものでございますが、海外での製造所が同一というものでして、使用する基板部品の特定ロットにおいて、その基板が機能しなくなる部品が搭載されている可能性があることが判明したことによるものでございます。よって、同一の理由により、それぞれ回収となっております。
 続きまして、資料2-4「医療機器研究報告」を御説明させていただきます。こちらは1件報告されておりまして、ジョンソン・エンド・ジョンソン社より人工股関節に用いる人工骨頭デピューエリートヘッドに関する研究報告がなされております。人工股関節のヘッドとカップが、金属と金属の組み合わせであるメタルオンメタルの関連製品について、その再置換に関する報告を行ったというものでございます。メタルオンメタルの製品につきましては、米国や英国におきまして金属摩耗粉による進行性の軟組織反応や壊死が発生するなど、手術成績に有害な影響を及ぼす可能性があるとの懸念が示されておりました。しかし、今回のケースでは、摺動面では顕著な摩耗は見られなかったということでございますが、ヘッドとステムテーパーの嵌合部に腐食の傾向が見られたという報告でございます。本来、ヘッドとステムテーパーは手術時に固定されるものでございますが、手術時に血液や骨片などが混入することにより、腐食等が起こってしまうというものでございます。今後は注意深い経過観察が必要と考えると結ばれております。なお、関連の情報といたしまして、メタルオンメタル製品に関する国内での使用状況に関する調査研究を、平成24年度厚生労働科学研究費補助金の特別研究事業として実施することといたしました。研究代表者は関西医科大学の飯田寛和教授でございまして、医療機関への症例の調査や国内・海外の文献・学会発表等の調査を行って、日本でのメタルオンメタル製品の使用状況、不具合の発生状況等を調査研究していただくこととしております。資料の説明は以上です。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。大変多くの資料と、それをいろいろな角度から分析も加えていただいた御報告だったと思いますが、各委員の先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。
○荒井委員 資料2-2-2の御説明の内容は分かったのですが、これは平成22年度までの集計ですね。今日は平成24年7月ですが、裏側の因果関係が否定できない死亡症例というのはそれほど膨大な数ではないですが、ただ平成23年度のものが集計されて、こういったところで審議されるのは、いつなのでしょうか。
○事務局 すみません。御説明をし忘れてしまいましたが、前回の平成21年度までの5年間の御報告は、昨年度の第1回のときに御報告させていただきました。前回、昨年度の第2回の時に、平成22年度の御報告をさせていただければよかったのかもしれないのですが、前回はしておりませんでしたので、今回、平成22年度までの5年間の御報告をさせていただくことといたしました。今年度の第2回は12月ごろに予定されておりますけれども、その際には平成23年度までの5年間の報告をさせていただきたいと考えております。以後、毎年度、第2回で前年度までの5年間の集計を御報告させていただく予定にしております。
○荒井委員 お伺いしましたのは、要するに、何千例とか何百例という数ではなくて、先ほど御説明いただきましたように、冠動脈ステントなどかなり急増しているものに関して、集計も大変だと思いますが、どのぐらいの期間がかかるのか疑問に思ったのです。この辺のものに関してはリアルタイムとは言わないまでも、もう少し短縮して、ますます増えているものは早くチェックできて、議論できるような形の方がいいかと思ったものですから御質問させていただきました。大変だと思いますけれども、ラグがなるべく短くなるように御努力いただければと思います。お願いします。
○笠貫部会長 ほかにはございませんでしょうか。
○佐伯委員 資料2-2-1です。前回、どのぐらいの年数で起こっているのか教えてくださいとお願いしまして、大変詳細の資料を作っていただき、ありがとうございました。拝見しますと、10年以上経っていればいろいろなことがあってということで納得できるのですが、例えば手術時であるとか1か月、1年、2年ぐらいまででしょうか、そこまで短いところですと、再手術などをする患者様の身にとっては、かなり厳しいなと思いました。特に気になりましたのは、5番の「手術時の不具合」が6件と上がっていることです。5番と8番の「手術時の不具合」について、何か教えていただくような情報がありましたらお願いいたします。
○事務局 各品目でそれぞれ長期間使用されたもの、あるいは手術直後に不具合が発生しているものとありますけれども、例えば1番の臼蓋カップGA02につきましては、いずれも10年以上ですが、これは平成9年に承認されているものでございまして、そういった理由からも長期間の使用になっております。5番は手術時の不具合も含めて1年未満での不具合の報告でございますが、こちらは平成23年度に承認されたもので、使用が開始されたばかりということで、短い期間での報告がなされているということでございます。この中には、1番のように既に販売を終了しているものもあるのかもしれないといったところがございますので、一概に比較は難しいかと考えております。
○佐伯委員 やはり手術時の不具合というのが気になるのですけれども、大丈夫なのでしょうか。
○機構 手術時の不具合に関しましては、例えば5番の椎体ケージの破損等は、椎体内にケージを挿入する際にケージを破損させてしまったという事例でございます。8番の大腿骨頭の髄内釘というのも、手術時に髄内釘を挿入する際にブレードを破損させてしまったもので、手技に起因しているものと考えます。
○佐伯委員 技術に依存しているという感じですか。
○機構 そう考えます。
○佐伯委員 分かりました。
○笠貫部会長 こういった細かい分析は大変意味があると思いますし、特にインプラント製品の場合には、機器の問題とヒューマンファクターの評価が、難しいので、このような分析がされていくと、これからの安全対策にとって非常に意味があると思いますので、こうした分析は是非御検討いただければと思います。それ以外に何かあればお願いいたします。
○小野委員 厚生労働省からプレスリリースがあったDuraHeartの件について、先ほど時間を取って御説明いただいたと思います。資料2-2の98~99ページに植込み型補助人工心臓システムDuraHeartの不具合とありますけれども、植込み型補助人工心臓は、重症心不全で心臓移植を安全に待てないような重症の患者さんに対して、循環補助のために植込むクラスIVの医療機器に当たるわけです。今回、機械的な不具合があったのですが、死亡例が1例も出ていないということは非常に大事なことです。私自身もこの治療にかかわっておりますので、現場の者としての意見を少し述べさせていただきたいと思います。この植込み型補助人工心臓につきましては、PMDAの安全部で市販後の情報収集作業が、ずっと行われておりまして、J-MACSと呼ばれるデータレジストリーシステムを取っております。全例報告が義務づけられており、この報告をしない場合は植込み施設としての認可が取り消されるという厳しい罰則も付いているものです。実はDuraHeartの不具合が分かったのは、植込み型補助人工心臓の市販後調査の委員会で、不具合が出ているのではないかという意見があって、12月の効果・安全評価委員会の方で検討して、植込みを中止した方がいいのではないかという御意見が出たのです。それで急遽、委員会を開き、このような形でプレスリリースまで行ったという経緯があると聞いております。今回の会まで大きなフィードバックがかからずに植込みが続けられていた場合には、死亡事故につながっていたのかもしれませんが、そういうことがなく、新規の植込みを中止することができました。また、なぜケーブルの断線が起こったかということについても、企業の方で既に鋭意解析が進んで、かなりのところまでは原因が究明されてきているという状況になっております。今後新しい医療機器や、特に植込み型の医療機器については、こうした定点の安全性情報というのも大事だと思うのですが、登録システムを含めた市販後の調査は非常に大事になってきます。そこで安全性を確認し、植込み型治療機器の植込みを継続してできるのかどうかということを、定期的にチェックできるという意味で、ファンクションした1例としてDuraHeartの植込みの不具合が早期に見つかり、植込みを中止し、死亡症例を1例も出していないということを、ここで皆様方に御報告したいと思いました。
○笠貫部会長 事務局の方で加えることは特にありませんか。
○安全対策課長 先生から御説明いただきましたように、人工心臓については極めてリスクが高いことと、国内で開発された製品が承認されることから、全例を登録するJ-MACSというシステムを日本でも動かそうということで、先生方の御協力をいただいてやってきました。すべての症例の不具合については、植込みをされている施設の間で共有できるようなシステムを作っていただいておりまして、それも機能してきたということだと考えております。これについては先生からも御説明がありましたように、企業が原因究明を進めておりまして、植込みの一時中止がまだ続いてはおりますけれども、改善、改良が進めば、また国産の人工心臓が使えると理解しておりますし、私どもも、改善の状況については注視しているところでございます。
○笠貫部会長 J-MACSは、医療機器の安全対策にとって日本で画期的で、その成果が問われています。小野委員からあったように、その機能を十分果たしているということですが、J-MACSのシステムで、今後も安全対策を厳重にチェックしていただきたいと思います。それでは、ほかに何かございませんでしょうか。
 私から一つ、91ページの植込み型除細動器のペースメーカリードの件ですが、1431~1436の植込み型除細動器のリードの内部導線露出というのは、不具合としてはかなり意味の大きいものだと思います。これは先ほど海外の方でも情報提供となっているので、海外と日本とが、ある意味で一緒にこの対応をしていると思うのです。学会でも一つの問題として取り上げられていると聞いておりますので、これについての御説明をいただきたいと思うのですがいかがでしょうか。事務局のどなたか、いかがでしょうか。
○機構 RIATAの状況でございますが、現在、絶縁被覆の損傷の報告が増えているため、笠貫部会長からもお話をいただいたとおり、絶縁被覆の損傷、内部導線の露出に対して、日本と米国とカナダで前向きな調査を、企業主導で開始しております。また、絶縁皮膜の損傷に関する新たなリスクファクターなどもはっきりしてきていますので、新たな安全性情報等も企業から現場の方へ提供される予定と聞いております。
○笠貫部会長 これは企業、学会、日・米・カナダ合同で、原因究明とその対策を考えられているということですので、企業に対してもその情報提供についてはきちんとしていただくことをお願いしたいと思います。それ以外に何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。大変たくさんの資料ですが、これでよろしければ、議題3に移らせていただきます。感染症定期報告について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは議題3「医療機器の感染症定期報告について(報告)」、資料3-1及び3-2によりまして、御報告させていただきます。今回は、平成23年10月~平成24年3月末までに報告された感染症定期報告を取りまとめており、合計で32件の報告がございました。資料は二つございます。資料3-2が医薬品医療機器総合機構からの感染症定期報告の整理・調査結果になっております。こちらの資料につきましては、医療機器原材料ごとになっておりまして、感染症単位でまとまっておりませんので、同一文献が何度も出てくること、また前回までの部会で御報告済みのものがあります。新規の文献につきまして、感染症ごとに資料3-1に整理してございます。
資料3-1を御覧ください。昨年10月~本年3月までに報告された15種類の名称の感染症につきまして、新規文献又は報道発表資料ごとに52件をまとめてございます。今回、比較的報告が多かったものにつきましては、インフルエンザ関係が19件、口蹄疫が7件、旋毛虫症が4件となっております。内容につきましては今回も事前に御専門の石井委員、内田委員、渡邉委員に御検討をお願いし、特に石井委員と渡邉委員には、御所属の国立感染症研究所での所属の先生方に、学術的なコメントをお願いするなどして、措置を講ずる必要性を含めて御意見をいただいております。今回、医療機器の安全対策上新たな措置を講ずる等の必要がある文献は、特に見られないということでした。以上でございます。
○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは、内田委員、渡邉委員は何か追加することはございますでしょうか。よろしいですか。それでは御質問、御意見はございますでしょうか。特にないようでしたら、議題4に移らせていただきます。「医療機器の回収報告について(報告)」、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは御説明させていただきます。「医療機器の回収報告について(報告)」でございまして、関連する資料は資料4-1、4-2でございます。回収につきましては薬事法に基づきまして、回収に着手した際には、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならないという規定がございます。この規定を受けまして、薬事法施行規則により報告する事項を規定しておりますが、具体的には資料4-1の1ページの「また」以下のところでございます。「医薬品等の回収に関する監視指導要領」というものを通知しておりまして、その中で回収に当たっての基本的な考え方や対象範囲、手続の詳細な事項について明確化を図っているところでございます。回収に至った案件につきましては、インターネットで公開をしております。また、法令の関係でございますけれども、薬事・食品衛生審議会の報告は、薬事法第77条4の4の規定に基づき行っているものです。
 資料4-1の1ページが、「回収件数年次推移」でございます。上から2段目の医療機器を御覧ください。平成15年度~平成23年度までの数字を記載しております。この件数につきましては、今回は408件でございます。大体400件前後を推移しているという状況にありますので、特段の特徴があると考えているところではございません。
また、2ページには「平成23年度医療機器等の回収件数及びクラス分類」がございます。回収のクラス分類でございますけれども、先ほどお話いたしました回収の指導要領の中に定められているもので、クラスI~クラスIIIと分かれているものでございます。クラスIにつきましては、その製品の使用等が重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況にあるものと規定しております。一方、クラスIIIはその製品の使用等が健康被害の原因となるとはまず考えられない状況ということで規定しています。基本はクラスIIを前提に考えて、その上でクラスIに当たるのか、クラスIIIに当たるのかという判断をしていきます。実際の件数でございますが、平成23年度においてはクラスIが7件、クラスIIが333件、クラスIIIが68件ということで、合計408件でございます。この件数につきましても、これは平成23年度のデータでございますが、平成22年度はクラスIが7件、クラスIIが339件、クラスIIIが50件ということで、特に今年度に何らかの特徴があると考えてはございません。次に具体的な中身でございます。件数が多いので、クラスIについて御紹介させていただければと思います。資料4-2に、平成23年度にクラスI回収があった7件を、記載列挙させていただいております。大きく分けると1と5~7については、除細動器の関係がクラスI回収に至っています。2~4については、カテーテル系の回収でございます。1番目はパラダイムという販売名の3製品で、回収台数が376台ございます。これは心不全の進行をモニタリングする機能に起因する不具合があったということで、健康被害が予想され回収に至っています。実際に国内でも3件、この原因による不具合が発生して、めまいという健康被害が1件報告されているところでございます。2番目はアトランティス超音波イメージングカテーテルということで、今回の回収対象範囲6万5,941本について回収が行われております。こちらにつきましては、カテーテル先端部の材質が離断したという事象が確認されましたので、回収に至っております。健康被害ということでは、死亡等の報告はございません。3番目はガイディングカテーテルということで、回収対象が4,492本でございます。こちらについてもカテーテルの先端部が離断という事象が確認されておりますので、回収に至っています。こちらも死亡等の健康被害は報告されておりません。4番目は血栓吸引カテーテルでございまして、先の2件と同様に、先端部が破断ということで、こちらも死亡症例等の健康被害は生じておりませんが、回収に至っております。5~7番でございますが、5番目のパワーハートでは、回収対象が3台となっております。製造元にCardiac Science社と記載しておりますが、こちらは回路基板の一部に損傷の恐れのある部品が使われていたということで、念のために回収するということでございます。6番目はカルジオライフでございますが、回収対象は157台で、Cardiac Science社の同様の部品を使っていたということで、こちらもオムロン社と同様に、念のため回収が行われているものでございます。健康被害も報告されておりません。最後にライフパックでございますが、回収対象は184台です。こちらは基板内での短絡が発生し、電源が入らなくなる恐れがあるということで、健康被害は報告されておりませんが、回収となった事例でございます。クラスII、クラスIIIについては説明を省略させていただきたいと思います。報告は以上でございます。
○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは委員の先生方から御質問、御意見ございますでしょうか。先ほどのクラスIの中で、超音波イメージングカテーテルが海外で6,500本ぐらいの回収だったということですが、国内ではどれぐらいだったのか分かりますか。
○事務局 何番目でございますか。
○笠貫部会長 2番目です。
○事務局 これは海外ではございません。国内での回収対象が6万5,941本です。
○笠貫部会長 海外ではないのですね。
○事務局 確認いたします。
○笠貫部会長 日本で非常に使われている機器ではあると思うのですが。ほかにはございませんでしょうか。
○横井委員 7番の方です。特定ロットの基板内で短絡が発生する不具合で、自主回収を行ったと言うことですが、平成20年度に自主回収を行った時と、同じ基板なのでしょうか。それとも違う基板なのでしょうか。
○事務局 まさしく、同じ基板を今回の7番の事例でも使っていたことが後で分かったので、回収に至った事例でございます。

○横井委員 特定ロットの問題だけなのか、そもそも構造的な欠陥が内在的にあり得るのかもしれないですね。
○笠貫部会長 ほかにはございますでしょうか。回収につきましても特に御意見がありませんでしたら、議題5に移らせていただきます。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 議題5「その他」につきまして、御説明いたします。「その他」の1番「医療機器の総括製造販売責任者の基準及び責任技術者の要件の変更について」でございます。参考資料1に概要が書いてあります。まず別紙1を御覧ください。こちらに薬事法令の記載がございます。医療機器の製造販売業者につきましては、薬事法第17条「総括製造販売責任者等の設置」に記載のあるとおり、医療機器の品質管理及び製造販売後安全管理を行わせるために、医療機器の製造販売業者にあつては、厚生労働省令で定める基準に該当する者を、それぞれ置かなければならない、と規定されております。また、医療機器の製造業者の責任技術者の設置につきましても、同じく第17条の5を御覧ください。医療機器の製造業者は、厚生労働省令で定めるところにより、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造を実地に管理させるために、製造所ごとに、責任技術者を置かなければならない、とされ、具体的要件が薬事法施行規則に定められております。1枚目にお戻りください。医療機器の製造販売業者の許可要件につきましては、平成24年1月24日付けの「厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会」の報告書におきましても、医療機器が多様な専門性を持った要素技術の集合体である特性を踏まえて、医療機器の製造販売業の許可要件の見直しについて検討すべきとされております。別紙2を御覧ください。医療機器産業連合会や復興特区、又はそれぞれの総合特区等から改正の要望があることから、医療機器の総括の要件につきまして、今回見直しを行うものでございます。改正の内容でございますが、別紙3を御覧ください。左半分が製造販売業者の「総括製造販売責任者関係」の要件、右半分が製造業者の「責任技術者関係」の要件になっており、それぞれ現行と改正案が記載されております。改正の項目の一つは、現行の総括及び責任技術者の大学等、もしくは高校等での履修科目が記載されております。それを現行の物理学、化学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学にプラスしまして、近年の医療機器の多様性を鑑みまして、工学、情報学、生物学を追加するものでございます。改正項目の二つ目でございますが、総括の要件、製造販売業者の総括製造販売責任者の要件を、責任技術者の要件に適合させます。別紙3の右側に示されております、責任技術者の上の方、高度管理、管理医療機器の責任技術者の要件は、大まかに言いますと、一つ目は大学等で物理学等の専門の課程を修了した者、二つ目は高校等で物理学等に関する専門の課程を修了した後、3年以上の業務に従事している者、三つ目は医療機器の業務に5年以上従事した後、講習を受けた者という3種類が定められております。一方、左半分の総括製造販売責任者の右側に示された現行の総括の要件は、大学等で物理学等の専門の課程を修了した後、医薬品又は医療機器の品質管理又は製造販売後安全管理の業務に3年以上従事していること、と定められておりまして、責任技術者と比べて、より厳しい基準で限定されたものとなっております。このため、今回の改正では総括の基準を責任技術者の基準と同様に、大学等で物理学等の専門の課程を修了した者、高校等で物理学等に関する専門の課程を修了した後3年の業務に従事している者、業務に5年以上従事した後、講習を受けた者に変更いたします。また、一般医療機器につきましても同様に、責任技術者の要件に整合させることとしております。今回の改正で、大学等で物理学等の専門課程を修了した者につきましては、現行の基準からは3年の実務要件が不要になるということですが、医薬品、医薬部外品、化粧品につきましては、総括の基準は製造業の責任技術者と同等でございまして、実務経験を有しない基準もあること、総括の設置基準につきましては、平成14年の薬事法の改正で導入されたものでございますが、制度の導入に当たり、責任技術者であった者につきましては、例外としてそのまま総括になれることとなっております。その規定を受けて、現在の要件を満たしていない者が総括になっている医療機器の企業もあるということですが、そういう企業につきましても、薬事法令で特に問題となっている事例はないということでございます。本改正につきましては今年の4月16日~5月16日の間、パブリックコメントを行い、3件の意見をいただきました。2枚目に戻ってください。一つ目の御意見は、大学等を卒業後すぐに総括になれるということですが、ほとんどの大学では薬事法令を学ばないので、講習会修了者を要件とすべきという御意見でございます。これにつきましては、その下の4「その他」に記載されております。薬事法令には総括の遵守事項というのがございまして、品質管理及び製造販売後安全管理に係る業務に関する法令及び実務に精通し、公正かつ適正に当該事業を行うこと、という規定を遵守している必要がございます。また不適切な総括につきましては、法令に基づき変更を求めることができることとなっております。いろいろな方法により薬事法令を学ぶことが可能と思われるため、受講を要件とすることはいたしませんが、薬事法令の知識を持っていることが前提となっており、GVPに基づきまして、継続的な講習を奨励するよう通知する予定でございます。二つ目の御意見は、薬事法施行規則第91条第3項第3号と同様に、業務に5年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う講習を修了した者も含めることという御意見でございます。5年従事する業務につきましては、品質管理又は製造販売後安全管理となりますが、総括の要件につきましては同様の規定を設ける予定でございます。今回の改正につきましては、公布及び施行時期を8月中に行うことを予定しております。以上でございます。
○笠貫部会長 ありがとうございます。ただ今の御説明について御質問、御意見はございますでしょうか。
○高谷委員 特に高度管理医療機器、品質管理、市販後の安全性の管理という観点から非常に重要な項目ですけれども、実際に中小企業からは、そういう条件を満たす人がいないから、もう少し緩和して欲しいとの要望があった。従って、工学、情報学、生物学の背景を有する人材という項目を追加されているのですけれども、私の大学の教育経験からしますと、工学、情報学、生物学で実際に必要とされる医療機器の品質管理や安全性に関しての教育は、ほとんど行われていないのが事実です。ですから、このように緩和することによって逆に、更にいろいろな医療機器の不具合を作り出す可能性があるのではないか、非常に心配するところです。本当にこういう方向に修正するのであるなら、社会的にこのようなニーズがあるから、大学でも率先して品質管理、特にISO13485で要求されている品質マネージメントシステムに関して、個々の医療機器に応じたいろいろな品質管理や、リスクマネージメントもできる、そういう講義であるとか、社会的にこのようなニーズがあるから、そのための人材育成をするための体制づくりが必要かと思います。従って、専門課程の追加として工学、情報学、生物学分野で教育ということを必要条件にしてしまうと、医療機器分野では更なる問題を起こすのではないかと心配です。医療機器と医薬品とはだいぶ違うと思うのですけれども、そこをやはり理解し、医療機器が理解できる人材育成を行わないと、今後いろいろな不具合に関する問題を起こす可能性があるのではないでしょうか。このことは、医療機器の審査の側においても、同じようなことが要求されると思うのです。医療機器の品質管理や安全性に関して、PMDAの中で深い経験を持って、きちんと評価、そして審査できる人材が数少ないことも、似たような問題だと思います。そういうところは本邦の医療機器の実用化に向けた社会的な課題として、この委員会でも方向性を考え、安全・有効な医療機器の開発、実用化に向けたいろいろな課題を解決するための人材育成という観点から、協力して取り組まないと、日本の医療機器は発展しないのではないかと心配しております。従って、工学、情報学、生物学分野での教育、経験を有する人材という一般的な形で緩和するのはどうかと、私は思います。
○笠貫部会長 事務局の方からお話を聞きますか。あるいは、この点に関しては大変大事なことを御指摘いただいたので、委員の方々から、それと同じことについての御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
○高谷委員 特にテルモの不具合は12例が断線という問題で、日本の技術レベルから判断してあり得ないことだと思います。私もJ-MACSの委員をしていますけれど、2011年12月にいろいろと審議をした結果、親委員会に上げた結果、販売停止ということになり、死亡事故を未然に防いだことは市販後委員会で検討していて良かったと思います。この事象からも分かるように、今後医療機器の品質管理ということが非常に大切になってくると思います。このようなことも関連して、これからは医療機器の安全管理、品質管理というところを考える場合に、工学、情報学、生物学という一般的な学問を実際の責任に就く人の資格レベルとした場合、更にもっといろいろな問題が起こる可能性があるのではないかと、私は心配します。医療機器に特化した人材育成が今後の日本社会において強く望まれていると思います。
○佐伯委員 国民の立場として、是非、資格の認定試験とか、きちんとした形にしていただく方が安心かと思うのです。これだと修了していればということで、大学の卒業だけで全部信頼を置いている感じですが、実際には、かなり具体的にいろいろ求められていると思います。できれば、こういう専門分野の試験という形にしていただく方がいいかと思います。
○笠貫部会長 ほかにはございますでしょうか。私も基本的にニーズとして改正するということは、十分理解するのですが、もともと製造販売業者の場合は総括製造販売責任者、製造業者の場合は責任技術者と分けて、その要件を変えていたという原点に帰ると、昭和36年で作られたのが、現在それとほとんど同じにしていいかどうかということです。その根拠が何かを知りたいですね。お二人の先生方からも出ましたように、医療機器の特性に合わせて、あるいは実際の業者の方々の実情に合わせてというときに、問題として、学校教育の話もあるいは試験をするという新たなシステムの話も、両方とも大事だとは思うのですが、もう一つは、研修を受けることです。先ほどの「その他」の「知識の修得に努める」というのは、講習会をきちんとするということですね。そこがこの改正の中には、運用として触れられるかどうかは分からないのですけれども、講習をきちんとするということは、最低限触れておいていただかないと、危険ではないかと私も感じます。高谷委員と佐伯委員から、厳しい学部教育の話と試験の話も出たのですが、現実的には講習会をどのように義務づけするかということは、きちんとしておかないと、いけません。すべてクオリティーを上げるために、人材育成は非常に大事な御指摘かと私も思います。この辺のところは、事務局から何か御説明いただけますでしょうか。
○安全対策課長 先ほど笠貫部会長から御指摘ありました、製造販売業者の総括製造販売責任者と製造業者の責任技術者の経緯でございますけれども、医療機器の規制の中で、総括製造販売責任者が入ってきたのが平成14年の法改正で、平成17年からでございます。それまでは製造業者の責任技術者が、製造や品質の責任を担って、ずっと薬事法の下で医療機器を供給してくださっていたわけです。平成14年の改正で製造業者とは別に、製造販売業者というものを設けたことに連動して、総括製造販売責任者という人が新たな立場として設けられたのです。そのときに新たな規制が加わったことから、当面、責任技術者の方であれば総括製造販売責任者を担えるということで、経過措置的にやってきております。特に中小企業におきましては人材の確保が難しいので、多くの会社で責任技術者の方が総括製造販売責任者になるということで、必ずしも大学の一定の学部を卒業していない方でも、総括製造販売責任者として平成17年以降、やってきてくださったという実績がございます。今回、別紙2に要望がございます。例えば、ふじのくに先端医療総合特区のような、各自治体でいわゆる医療イノベーションとして、医療機器を中心とした産業振興から、医療機器の起業を進めようということで、いろいろな地域で取組みが行われております。4ページの一番下にございますが、「中小企業にとって、このような条件に合う人材を確保することは非常に困難であり、そのため、中小企業の製造販売業許可の取得の障害となっている」ということで、大分県、宮崎県等からも同様に、基準の緩和について強い御要望が出てきております。薬事法の制度改正部会においても、基準の見直しについては検討するようにというおまとめがあったものでございます。事務局といたしましては、平成17年に新たに設けられた資格ではございますが、当面の経過措置として製造の責任技術者の方がなれるということで、実態的な運用もしてきたという実績もあるということから、今回、責任技術者の要件を総括製造販売責任者の要件とすることは、大きく安全性を損なうものではないのではないかと、基本的に考えております。また、御指摘がありましたように、十分な研修といいますか教育が必要なことは、事務局としてもそのとおりと考えております。もちろん今後、大学でも医工連携等で始まっておりますけれども、医療機器の品質管理、安全管理のための特別な教育課程が充実していくことは望ましいと思っておりまして、是非お進めいただきたいと思います。その後、このような責任ある立場になった方々が必要な研修を受けられるように、事務局としても研修をやっている機関とも連携をして、そのような機会の提供を進めていきたいと思います。2ページの最後にありますように、法令にも総括製造販売責任者の遵守事項として、法令に関しても精通していなければならないことも規定して、これに不適切な者については変更命令をするような権限も、法律的には規定されております。そういったことをバックに、十分な講習、研修を受けられるよう、この改正に伴って通知を改めて発出する予定にしております。今回の改正によって、責任技術者と同じ要件にはなりますが、十分な研修を受けていただくように進めていきたいと考えております。
○高谷委員 今、日本は製造販売業者と製造業者が別になっていて、最終的に製造販売業者が責任を負うという形ですね。しかし欧州の場合などは、製造販売業と製造業の別はないのです。全部製造業のくくりですね。そういうことを考えますと、日本の製品を欧州などに出す場合は、またいろいろな問題があるのではないか、実際に欧州などでは、ISO-13485を製造業者に要求するようなところもあるわけです。ですから、そういう少しの違いで、日本の製品が国際的にも出ていけないこともあり得るわけです。そういうところは統一した見解で、日本国内だけではなく、国際的にもきちんと認められるような資格を見据えて考えていかなければいけない。しかし講習会や教育の観点から考えて、人材育成ということで、日本国内の医療機器の発展のために考えてほしいと思います。
○安全対策課長 欧米との関係から言いますと、先生が御指摘のとおり、製造業者と製造販売業者は、そもそも国内では両方とも許可ですけれども、アメリカも欧米も許可を受けるような業態になっておりません。また今回、日本では両方とも資格を設けておりますけれども、欧米では責任者について法的に特段資格も求めておりません。欧米との整合性を取るという意味では、むしろ要件を撤廃したらどうかということかもしれませんが、我が国では薬事法に関連するこういった責任者については、従来より一定の資格を設けてきております。今回、欧米にはございませんが、長い歴史を持って医療機器の安全・品質管理を行ってきた責任技術者の要件を課すような形で、引き続き資格要件の制度を維持したいと考えております。
○笠貫部会長 このことにつきましては講習といいますか、実際に人材育成の中で、講習会や研修会は非常に大事なものとして位置づけられています。その中で先ほど試験の話も出ましたが、それだけ厳しいというか、内容のある講習をしていただいて、その成果を見るという評価も一つ念頭に置いていきながら、人材育成ということと、先ほどグローバリゼーション、ハーモナイゼーションのお話が出ましたけれども、イノベーションの方から見たときに、どこで考えていくかということも含めて、事務局の方で更に御検討して、良いものを作っていただけたらと思います。
 この件について、ほかにございませんでしたら、参考資料2~4の御説明をいただいてなかったので、これをお願いします。
○事務局 それでは参考資料2~4まで、いずれも医薬品医療機器総合機構の「PMDA医療安全情報」に関する資料の御説明をさせていただきます。まず、参考資料2「心電図モニタの取扱い時の注意について」でございます。テクニカルアラームに関する注意点といたしまして、事例を三つ挙げております。一つ目は「電極はがれ」についてで、粘着力が低下する前に定期的な交換を行いましょうということでございます。二つ目は「電池切れ」についてで、交換マークが表示されたら、速やかに交換しましょうということでございます。三つ目は「電波状況」についてで、受信可能なエリアを把握しておきましょうということでございます。最後のページに、その他心電図モニタの必要性の検討であったり、適正なアラームの設定についてということで記載しております。
 続きまして、参考資料3「気管チューブの取扱い時の注意について」でございます。気管チューブが抜けかけた場合にあわてて押し込まないこと、また気管チューブの固定をする際に、カフラインが患者の歯に接触して噛み切られることがないようにすること、というのが記載されております。
 続きまして参考資料4「閉鎖式吸引カテーテルの取扱い時の注意について」でございます。気管チューブを切断して長さ調節を行う際には、中を通る吸引カテーテルをしっかりと引き戻してから切断しないと、先端部を切断してしまって、先端部が体内に脱落する恐れがあるということで、必ずマーカー位置を確認するということが記載されております。簡単ですが、御説明は以上です。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。大変分かりやすい安全情報が、PMDAから出されておりますが、これについて更に御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。この素晴らしいものを、いかに多くの人に見ていただけるかということで、PMDAはいろいろ考えていただいておりますので、本当に活用できれば、より安全情報ということで意義があるのかと思います。ほかにございませんでしょうか。
○佐伯委員 一応、事務局の方にもお伝えしておきたいのですが、駐車禁止みたいなマークではなく、Xの方が明確かと思います。何か紛らわしいのでそちらの方が、いいと思います。
○笠貫部会長 そういう御意見も参考にしていただければと思います。
○機構 そういった御意見をいただくこともあるのですが、実はこの安全性情報は国内だけではなくて、英文化して海外にも配信しております。海外の方からいろいろな問合せを受けたり、転用していただいているという状況です。海外の方だけを工夫すればいい話かもしれないのですが、海外ではXについて、禁止という解釈をしない国が結構多くございます。世界一般的に駐車禁止のようなマークになっているというというアドバイスがありまして、Xをやめたという経緯もあります。その辺は日本版と海外版を工夫すればいいだけの話かもしれませんので、また少し検討したいと思います。
○笠貫部会長 日本国民向けというのをまた検討していただいて、更に良いものを作っていただけたらと思います。それでは、特にございませんでしたら、本日予定しております報告事項は、これですべて終了いたしました。ほかに全体として御意見がございましたらお伺いしますが、よろしいでしょうか。それでは事務局からお願いします。
○事務局 次回の部会の日程等についてでございます。例年どおり、平成24年12月ごろを予定しております。別途、部会での審議等が必要な課題が生じた場合には、開催予定が早まることもございますので、御承知置きいただければと思います。なお、日程調整等につきましては、事務局より先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思っております。以上です。
○笠貫部会長 これで「平成24年度第1回医療機器安全対策部会」を閉会とさせていただきます。今日は大変暑いところ、あるいは外に出ますと雨が降っているかを心配しながら終わらせていただきます。どうも長時間、ありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、公開で開催された。

連絡先: 医薬食品局 安全対策課安全使用推進室 室長補佐 高畑(内線2751)

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