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2012年10月22日 遺伝子治療臨床研究作業委員会議事概要

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成24年10月22日(月)15:00~17:45


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

(委員)

島田委員長
荒戸委員、大橋委員、小野寺委員、斎藤委員
谷委員、那須委員、水口委員、山口委員
大屋敷委員

○議事

議事概要

(概要は以下のとおり。)

 三重大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院、藤田保健衛生大学病院及び名古屋大学医学部附属病院より申請のあった遺伝子治療臨床研究実施計画(対象疾患:急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群。また、本臨床研究は上記4施設による多施設共同研究として実施予定である。)について第1回の審議が行われた。
 まず、実施計画について総括責任者より説明を受けた後、委員間で実施計画の妥当性等について審議が行われた。その結果、本計画は概ね了承されたが、副作用・有害事象に関する同意説明文書の記載、安全性評価等を行う中央部会(4施設間で共通の基準で安全性評価等を行うために設置される会議)の機能や役割、各施設の臨床研究実施体制等について確認した後、科学技術部会に報告することとされた。

(遺伝子治療臨床研究実施計画の内容は別紙参照。)


(別紙)遺伝子治療臨床研究実施計画の内容 平成24年10月22日審議分

研究課題名 MS3-WT1-siTCRベクターを用いたWT1抗原特異的TCR遺伝子導入Tリンパ球輸注による急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群に対する遺伝子治療臨床研究
申請年月日 平成24年7月23日
実施施設及び
総括責任者
実施施設: 1.三重大学医学部附属病院
         2.愛媛大学医学部附属病院
         3.藤田保健衛生大学病院
         4.名古屋大学医学部附属病院
          注) 本臨床研究は上記4施設による多施設共同研究と
           して実施予定である。
総括責任者: 1.三重大学大学院医学系研究科
           遺伝子・免疫細胞治療学講座大学教員
           大学教員  珠玖 洋
          2.愛媛大学大学院医学系研究科
           生体統御内科学
           教授  安川 正貴
          3.藤田保健衛生大学医学部
           血液内科
           教授  恵美 宣彦
          4.名古屋大学大学院医学系研究科
           血液・腫瘍内科学
           教授  直江 知樹
対象疾患 急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群
導入遺伝子 WT1抗原特異的TCRα鎖及びβ鎖遺伝子
ベクター レトロウイルスベクター MS3-WT1-siTCR
実施期間及び
対象症例数
厚生労働大臣による了承の日より2年間
4施設合計9 例(低用量3例、中用量3例、高用量3例。重篤な有害事象が発現した場合には、安全性確認のため症例数の追加を行う。)
治療研究の概要  本研究は、薬物療法等の標準的な治療法の実施が困難である非寛解期の急性骨髄性白血病、あるいは治療困難な予後不良の骨髄異形成症候群患者を対象として、WT1抗原をHLA-A*24:02存在下で特異的に認識するT細胞受容体(TCR)α鎖及びβ鎖の遺伝子をレトロウイルスベクター MS3-WT1-siTCRにより遺伝子導入した自己リンパ球(TCR遺伝子導入Tリンパ球)輸注の安全性、体内動態及び臨床効果を評価することを目的とした臨床研究である。
 また、三重大学医学部内に設置された細胞調整施設より本臨床研究に参画している医療機関へTCR遺伝子導入Tリンパ球を搬送し被験者に投与することで、医療機関の間で安全性や血中動態等の結果に差が無いことを確認することも目的としている。
その他(外国
での状況等)
   米国では、悪性黒色腫患者に対して、本臨床研究とは異なる抗原特異的TCR遺伝子を導入したTリンパ球を投与する臨床試験が実施され、2006年及び2009年にその結果が報告されている。2006年の報告では、患者17名を対象としており、リTンパ球投与による毒性はみられなかったとされている。また、2009年の報告では、患者36名を対象としており、皮膚症状、眼症状、聴力障害といった有害事象がみられたとされている。 また、国内では三重大学において、治療抵抗性食道癌患者に対して、本臨床研究で使用されるベクターと類似のレトロウイルスベクターを用いてMAGE-A4抗原特異的TCR遺伝子を導入したTリンパ球を投与する遺伝子治療臨床研究(2009年に厚生労働大臣が承認)が実施中である。2012年8月末時点で患者7名に対してTリンパ球投与が行われており、現在までに安全性上の問題は起きていないと報告されている。

遺伝子治療臨床研究作業委員会委員名簿

  氏   名         所   属

 荒戸 照世 (北海道大学大学院医学研究科教授)

 大橋 十也 (東京慈恵会医科大学DNA医学研究所教授)

 小野寺 雅史 ((独)国立成育医療研究センター研究所成育遺伝研究部長)

 斎藤  泉  (東京大学医科学研究所遺伝子解析施設教授)

○島田  隆  (日本医科大学医学部教授)

 谷 憲三朗 (九州大学生体防御医学研究所長)

 那須 保友 (岡山大学病院新医療研究開発センター教授)

 水口 裕之 (大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野教授)

 山口 照英 (国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部研究員)

                                          ○委員長 (五十音順 敬称略 平成24年10月22日)
                     


<照会先>

大臣官房厚生科学課
研究企画官          尾崎 (内線3803)
バイオテクノロジー専門官 松倉 (内線3820)

電話 03(5253)1111(代表)
    03(3595)2171(直通)

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