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2012年9月28日 第11回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事録

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

○日時

平成24年9月28日(金) 10:00〜12:00


○場所

経済産業省別館10階 1028号会議室


○議題

・室内空気汚染予備調査結果について
・WHO空気質基準等について
・指針値の見直しの方針について
・その他

○議事

○事務局 それでは、10時3分となっておりますので、ただいまから「第11回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、御多忙のところ御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
 座長が選出されるまでの間、化学物質安全対策室の佐々木が進行役を務めさせていただきます。
 それでは、開催に当たりまして、平山審議官から御挨拶申し上げます。
○平山審議官 厚生労働省大臣官房審議官の平山でございます。
 本日は、委員の皆様方には、御多忙中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより厚生労働行政に関しまして御協力いただきましたこと、厚く御礼申し上げます。
 さて、1990年代から居住環境に起因する健康影響の問題、いわゆるシックハウス問題が懸念されておりまして、その中でも、特に化学物質による室内空気汚染の顕在化・深刻化が指摘されておりました。厚生労働省では、平成9年にホルムアルデヒドの室内濃度指針値を設定しました。その後、平成12年4月から平成14年1月にかけまして、計9回にわたりまして、シックハウス問題のうち、特に室内空気汚染問題に関しまして、本検討会でありますシックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会を開催いたしまして、室内濃度指針値の設定等、対策の検討を行ってきたところでございます。
 最近になりまして、指針値を定めた化学物質以外の物質あるいは代替物質による問題等が新たに指摘されております。このため、各種の最新の知見に基づきまして、室内濃度指針値の設定等、今後の対策の検討を行っていきたいと考えております。
 本日の会議は久しぶりの開催となりましたが、委員の皆様方には、最近のシックハウス問題をめぐる状況等を踏まえて、どのように検討を進めていったらよいかなど、活発な御議論をいただきまして、御助言をいただければと考えております。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、本検討会の委員の先生方を御紹介させていただきます。資料番号がない資料でございますけれども、委員名簿がございます。配付資料の上から二、三番目に入っていると思いますが、ごらんいただければと思います。五十音順に御紹介させていただきます。
 東委員、近畿大学医学部環境医学・行動科学教室講師。
 五十嵐委員、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部長。
 池田委員、日本大学理工学部建築学科教授。
 斎藤委員、東京都健康安全研究センター主任研究員。
 坂部委員、東海大学医学部教授。
 神野委員、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部第一室長。
 田辺委員、早稲田大学創造理工学部建築学科教授。
 角田委員、北里大学衛生学准教授。
 中井委員、横浜国立大学大学院環境情報研究院教授。
 西川委員、国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター、センター長。
 広瀬委員、同じく国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター総合評価研究室長。
 吉田委員、国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部第二室長。
 本日は、委員総数12名の全員に御出席いただいておりますことを御報告申し上げます。
 次に、事務局側の出席者を御紹介申し上げます。
 まず、冒頭、御挨拶ございましたけれども、審議官の平山でございます。
○平山審議官 平山でございます。
○事務局 化学物質安全対策室長、長谷部でございます。
○長谷部化学物質安全対策室長 よろしくお願いいたします。
○事務局 本日、事務局で私、進行をさせていただいております佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
 それから、オブザーバーといたしまして、関係省庁から御出席いただいています。
 次に、座長の選出に入ります。「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会の開催について」という紙が資料の上のほうに入っているかと思います。この紙の3ポツの(1)により、座長は委員の互選によって、これを定めるとなっています。どなたか御推薦等、ございますでしょうか。神野委員。
○神野委員 僣越ではございますが、私から本検討会の委員長といたしまして、化学物質の安全性、健康影響評価のお立場から長年にわたって御研究を進めていらっしゃいます国立衛研の西川委員を御推薦させていただきたいと存じます。
○事務局 ただいま神野委員より、座長は西川委員にという御提案がございましたけれども、いかがでございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○事務局 ありがとうございます。御承認いただけましたということで、西川委員に座長に御就任いただきたいと存じます。
 それでは、西川委員、座長席に御移動をお願いします。
 それでは、以降の議事進行につきましては、西川委員のほうにお願いしたいと思います。
○西川座長 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 配付資料の確認をいたします。番号がない資料で資料一覧というものがございます。こちらを御確認いただけますと幸いです。
 まず、「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会の開催について」という、開催に係る設置のためのペーパーがございます。
 それから、委員名簿。
 座席表。
 資料1といたしまして、「室内空気汚染予備調査結果について」。
 資料2、「WHOと諸外国の取り組みについて」。
 資料3、「指針値の見直しの仕方について(案)」。
 資料4、「今後の検討スケジュール」といった構成となっています。
 それから、参考資料1から参考資料4でございますが、これは10年前に開催された検討会で出されました取りまとめの結果について、参考として添付させていただいています。
 不備がございましたら、お知らせくださいますと幸いです。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 次に、今回の検討再開の背景と本日の予定を事務局から御説明ください。
○事務局 それでは、まず開催の背景について御説明させていただきます。資料番号がない資料で、この会の設置紙と申し上げました「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会の開催について」、平成12年4月につくられて平成24年9月に改正と書いてある紙があるかと思います。こちらの紙をご覧ください。
 まず、1.趣旨でございます。冒頭、平山審議官のほうからの御挨拶の中にもありましたように、平成9年ごろより居住環境に起因する健康影響の問題、いわゆるシックハウス問題が懸念されてまいりました。当初におきましては、平成9年にホルムアルデヒドの室内濃度指針値を設定しまして、その後、平成14年1月ぐらいまでにかけて、計9回にわたり検討会を開催してまいりました。現在までに13の指針値が設定されたところでございます。
 こういった状況でございましたけれども、?から?にあるような背景が最近出てきておりまして、1つ目としまして、最後の指針値が定められてから約10年経過している。2つ目としまして、指針値を定めた化学物質以外の代替物質による問題等が新たに指摘されている。3つ目としまして、新たな概念として、VOCのほかにSVOCの概念が出てきた。4つ目としまして、細菌からも出ているのではないかという指摘。それから、5つ目としまして、WHOの空気質基準の改廃の動向などと整合を図る必要があるのではないかということがございまして、見直しを含めて検討を再開できないだろうかという背景がございます。
 それから、本日の予定でございますが、議事次第のとおりでございますけれども、(1)といたしまして、室内空気汚染予備調査結果について。それから、(2)といたしまして、WHO空気質基準等について、海外の情報も含めてという状況であります。(3)といたしまして、指針値の見直しの仕方について。それから、3.その他といたしまして、今後の予定等について御説明できればと考えております。
 本日の予定は、以上でございます。
○西川座長 それでは、2.議事、(1)室内空気汚染予備調査結果について、神野委員、説明をお願いいたします。
○神野委員 国立医薬品食品衛生研究所の神野でございます。失礼ですが、着席して御説明させていただきます。
 私どもでは、昨年度の秋、10月から、厚生労働省化学物質安全対策室の依頼を受けまして、室内空気汚染の予備調査を実施いたしました。本日は、その概要・結果について、簡単にではございますが、御報告させていただきたいと存じます。
 まず、調査を始めるに当たりまして、住まい方も全国いろいろ違っている可能性もございますので、私どもでは地方衛生研究所の職員の皆さんに御協力をお願いいたしました。実際、ここに挙げさせていただきました全国21箇所の衛生研究所の職員の皆さんに御協力いただいて、今回の調査を進めさせていただいております。
 先ほど来、お話にあります室内濃度指針値でございますが、現在、資料1の3ページ目に挙げたような化学物質が設定されております。最後の総揮発性有機化合物に関しましては、指針値ではなく暫定目標値という取り扱いになってございます。
 ただ、10年前の当時、ここに挙げたものは全て揮発性有機化合物ということでリストアップされておりますが、これも後ほどいろいろ御議論いただければと思うのですけれども、実際はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド以下、テトラデカンまでの比較的揮発性の高い、本来的な意義での揮発性有機化合物と、クロルピリホス、ダイアジノン、フェノブカルブといった農薬、あるいはその下のフタル酸エステル類等は、先ほどの事務局の説明にもございましたSVOC、準揮発性有機化合物と呼ばれる化合物に分類されるというのが、昨今の状況でございます。
 本調査では、これらの中で一番問題となるであろう揮発性有機化合物、VOCについて、第1のターゲットとして調査を行いました。
 指針値が設けられています13物質のうちで、本来的に揮発性化合物として分類されます6物質、具体的には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン及びテトラデカンという化学物質になりますが、これらについては、全国の居住家屋、結果的に101戸を対象として、居間、寝室及び屋外の空気を24時間にわたって吸着管と呼ばれる実験器具で採取いたしました。採取した空気は私どものほうで、加熱脱離−ガスクロマトグラフィー/質量分析法による測定を行いました。
 同時に、暫定目標値が定められておりますTVOCについても測定を行い、その結果を通常の方法に従いましてトルエン換算値として定量いたしました。さらに、室内環境中に存在することが文献等で予想される約120の化合物について、保持時間、主要イオンによる同定並びに未同定ピークを対象にして、デコンボリューション解析と呼ばれる新たな手法を採用いたしまして、暫定的な同定を行いました。これらの一連の解析を行って、室内空気中に存在する主要な未規制揮発性化合物及びその半定量的な濃度について明らかにいたしました。
 非常に技術的なお話で申しわけないのですけれども、5ページ目がサンプリングスケジュールとなっております。私どものほうで空気サンプリング用のポンプを地方衛生研究所の皆さんに配付いたしまして、そこで居間24時間、その後寝室24時間のサンプリングを行っていただきました。
 もう一つ、シックハウスの原因として大きな問題となっておりますアルデヒドにつきましては、簡易用と呼ばれますパッシブサンプラー、拡散サンプラーを用いて、それぞれ居間24時間、寝室24時間のサンプリングを行いました。また、室内空気中の化学物質の主要な由来の一つとも言われております屋外についても、その概略を把握するという目的で、VOC、アルデヒド類、それぞれにつきましてサンプリングを行いました。
 もう既に10年前に出ております室内空気中の化学物質測定マニュアルに、基本的には従って調査を行っております。居住住宅の測定においては、日常生活を営みながら空気を24時間採取すると記載されておりますので、原則、それに従った調査を実施させていただきました。
 6ページ目が調査を実際行うときの概略で、左側のパネルがパッシブ法によるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド類の調査になります。右側がポンプによって吸着管で室内空気中の揮発性化合物を吸着させ、それを分析します。それぞれ下のパネルに分析を行った際のクロマトグラムを示しております。このように一度に多数の化学物質の存在の有無、あるいはその濃度を明らかにすることができるという手法を用いております。
 一方、先ほど申し上げました準揮発性有機化合物、SVOCと呼ばれるものに関しましては、防蟻剤3物質は、10年前に指針値作成以後、使用が減少しているということから、実際、ターゲットとしては、ピレスロイド系あるいはネオニコチノイド系へと、家庭内で使われる薬剤が変化していると考えられます。ただし、これらの化合物は必ずしも蒸気圧が高くないので、すべての家屋から検出されることも考えにくいということ等を考慮いたしまして、昨年度の調査では、基本的には地方衛生研究所の方の協力で今後の調査を進める対象を選定しようということにいたしました。
 ただし、一番下に赤で書きましたピレスロイド系殺虫剤と呼ばれるものに関しましては、防蟻剤以外の用途でも室内で用いられる機会が多いことから、フタル酸エステル類及びアジピン酸エステル類、リン酸トリエステル類とあわせまして、これも加熱脱離−GC/MS法による予備調査を実施しました。ただし、これは全国規模の調査というわけにはいきませんでしたので、私どもの研究所あるいは近隣の都内近郊を対象に63家屋で調査を行いました。
 8ページ目が実際にその分析を行ったSVOCと呼ばれる化学物質になります。だいだい色で囲ってあるのがフタル酸エステル類で、黄色がアジピン酸エステル類、これも可塑剤として用いられております。それから、リン酸トリエステル、これは可塑剤あるいは難燃剤として使われている化合物になります。その後がピレスロイド系殺虫剤ということで、これらの物質を対象に調査を行いました。
 9ページ目がその測定方法ですけれども、左上に示しましたようなポンプを用いて、居間の空気を計144L採取して分析するということで調査を実施いたしました。
 次に結果に移らせていただきますけれども、今回の検討会ではまず指針値等が定められている物質につきまして、結果を御報告させていただきたいと思います。
 アルデヒド類ですが、ホルムアルデヒドは指針値100μg/m3に対しまして、10ページ目にお示ししましたような分布を示しております。結果から申し上げますと、居間・寝室、いずれも指針値を超えるようなお宅はなかったということになります。
 ただし、ここで留意していただきたいのは、本調査は冬季の調査でございます。ホルムアルデヒド、家具・建材等からのアルデヒド類の放散は温度に強く依存するということが知られておりますので、恐らく夏であれば多少超過する御家庭もあるかと予想されます。これにつきましては、現在、引き続き夏季の調査を行っておりますので、いずれ本検討会で御報告させていただければと考えております。
 一方、アセトアルデヒドにつきましては、ガイドライン指針値が48μg/m3に対しまして、10ページ目に示しましたように5軒程度で指針値を超える御家庭があったという結果が得られております。
 一方、揮発性有機化合物と呼ばれる化合物のうち、指針値が定められているものについてですが、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカン、それぞれの化合物につきまして11ページ目に結果を示しておりますが、結果から申し上げますと、パラジクロロベンゼンについてのみ、この場合ですと指針値を超える御家庭が3軒存在したということです。
 これにつきましても、特に防虫剤であるパラジクロロベンゼンの放散が夏場に高まることが知られておりまして、現在行っています夏の調査では、このパラジクロロベンゼンについて、かなり高い御家庭が見られているということもあわせて報告させていただきます。
 12ページ目がTVOCで、ここではC6、ヘキサンからC16のヘキサデカンまでの間に、ガスクロマトグラフから溶出してくる化学物質を総体として定量して、TVOCとしてあらわすという方法を採用させていただきました。その結果、こちらのほうは、右側に統計解析の結果を示しておりますけれども、居間での中央値が300、寝室での中央値が249、250ということになっております。ただ、最高値居室では2,330μg/m3、寝室では4,800μg/m3ということで、3分の1程度が暫定目標値を超える結果となっております。
 13ページ目が最後になります。指針値が策定されておりますSVOCと呼ばれるジブチルフタレート、フタル酸ジブチルと、ジエチルヘキシルフタレートの2物質についての分布を示しております。これらは、揮発性が極めて低いということからも予想されますように、室内空気中の濃度といたしましては、ジブチルフタレート220の指針値に対して、極めて低い0.5以下、0.2程度の中央値で、ジエチルエキシルフタレートに関しましても、同様に極めて低い値となっているという結果が得られました。
 ただし、こちらにつきましては、昨今の学会等の御発表でいろいろ指摘されていることではございますが、室内環境における粒子状あるいはハウスダウトを介したばく露が、このフタル酸エステル等のばく露に大きな寄与をするというご指摘もあることから、本来であれば、その辺もあわせてリスクの評価を考えるべきと考えております。
 以上、雑駁ではございますが、昨年度実施させていただきました私どもの予備調査の結果を御報告させていただきました。
 以上です。
○西川座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問、コメント等、ございますでしょうか。どうぞ。
○角田委員 大変興味深く結果を拝見したのですが、指針値が設定されている主立った物質がほとんど基準値を超えているものがないにもかかわらず、TVOCがとてつもなく暫定目標値を超えているものばかりというのは、このTVOCのそもそもの暫定目標値が足し算を反映していないのか、ちょっとその辺がかなり乖離があると思ったのですが、そう理解してよろしいのでしょうか。
○神野委員 指針値が定められていない化合物で、かなり高濃度で検出される化合物が存在するという実態を反映した結果になっております。
○西川座長 どうぞ。
○坂部委員 測定された家の建築された年数別、あるいは集合住宅なのか一戸建てなのか、そういったところでの分類というのはされているのでしょうか。
○神野委員 アンケートとして、どのような御家庭で、築年数等も含めて調査は記録しておりますけれども、今回、100軒という軒数でございますので、その分類ごとの傾向等を評価するには至っていないということです。
○坂部委員 過去のガイドラインで評価できるような御家庭と、新規の化合物を考慮しないといけない御家庭とは、違うと思うのですね。そのあたりが少し整理されると、もっとわかりやすいと思いました。
○神野委員 ありがとうございます。
○西川座長 ほかにございますか。中井委員、それから東委員。
○中井委員 まず、この予備調査の全体の枠組みがよくわかっていませんで、先ほど、これは冬の結果で、夏もされるようなことを話されていたのですが、それがどうなっているのかを知りたいことと。
 先ほどの質問と絡むのですが、半定量的な話が今日はなかったのですけれども、例えばクロマトグラフィーの話で、どんなものが出てきていそうなのかというのは、何か情報はございますでしょうか。
○神野委員 1番目にいただいた御質問なのですけれども、昨年の後期、秋から始めさせていただいた調査を夏も継続して、夏・冬、もう一度調査するということで、実際はそちらのほうは分析がやっと終了した段階で、結果を今日お示しできませんでした。
 もう一つの、どのような化学物質が見つかっているかということですけれども、具体的には、デコンボリューション解析あるいはライブラリーサーチによる解析では、シロキサン類のような化合物とかグリコールエーテル等の化合物が非常に高濃度で存在する場合があることがわかってはいるのですが、それにつきましては、現在、標準物質を入れた、その化合物を含めた標準物質を作製しまして、夏の調査で確定的な判断を行っている状態ですので、また、追って御報告させていただけるかと思います。
○西川座長 それでは、東委員、よろしくお願いします。
○東委員 ホルムアルデヒドの指針値は、短時間暴露の指針値になっていまして、30分平均値でございます。これは、後ほどの私の話でもお話したいのですが、24時間のサンプリングでは、24時間の平均的な数値を見てしまうので、実際のホルムアルデヒドの指針値の意味するところとは違った数値を測ってしまうことになります。これは実はほかにもいろいろなところでやられているのです。今後、ホルムアルデヒドの指針値に照らし合わせた形での測定をやっていかないと、実際の実態が把握できないのではないかというところがありますので、その辺をお願いしたいと思っております。
○神野委員 東委員のおっしゃるとおりで、今回の調査では揮発性有機化合物の調査のほうに1つ重点を置いて行った調査であるということで、最初、御紹介させていただいたように、パッシブ法ということで、簡便法で測定いたしておりますので、どうしてもサンプリング時間を長くとらないとうまく定量できないということで、24時間サンプリングいたしましたけれども、本来であればアクティブ法ということで、ポンプでのサンプリング、定量を行いたい。今後、それについても検討していきたいと思います。
○東委員 もう少し詳しく説明しますと、ホルムアルデヒドの室内濃度は日内変動がありまして、一番高いところを測定しないと、ホルムアルデヒドの本来の指針値の意図するところの短時間暴露での評価ができないということがございます。ホルムアルデヒドの指針値というのは、いわゆる天井値的な意味がありますので、そこを押さえるという意味でも、日中の変動で一番高いところを押さえる必要があるのではないかということでございます。
○西川座長 それでは、池田委員、よろしくお願いします。
○池田委員 先ほどの角田委員のお話ともちょっと関連するのですけれども、そもそもTVOCが400μg/m3という暫定目標値を決めたことについては、その前に行われた先生の研究所の実測結果があって、そのときの結果を踏まえて、400μg/m3なら何とか達成可能ということで決まったわけですね。したがって、TVOCについては、今回のようなとんでもなく高い値はあのときは出ていなかったと思うので、そういうことも踏まえると、今回、どうしてこうなったのかとか、その辺の時代的背景の違いとかは検討されましたでしょうか。
○神野委員 時代的な背景とまでは言えないのですが、10年前ぐらいになると思うのですけれども、私どもの前任の安藤部長が調査された際も、かなり高い値を示す御家庭は存在していたと記憶しております。今回も同じようにというか、高い御家庭が存在するということで、その場合、TVOCに関しましては、1つ量的な問題もさることながら、今回お示しできませんでしたけれども、どのような化学物質が主要なピーク、あるいは汚染源となっているかという情報が得られることが、おそらくTVOCの一番のメリットだと考えております。
 その辺の解析を進めながら、10年前と、高濃度で検出される化学物質が変遷しているかという結果を得たいと考えております。
○西川座長 田辺委員、どうぞ。
○田辺委員 まず、冬ということなのですけれども、測定されたデータを見まして、ホルムアルデヒドに関しては、2000年の国交省の大規模調査で、新築住宅はガイドラインを28.7%超えていて、トルエンは13.6%、新築で超えていたわけですね。それが、ガイドラインが設定されて十数年でここまで下がったというのは、私は逆に言うと非常に評価されていいのではないかと、まずは思います。
 その中で、建築基準法が改正され、24時間換気が行われるようになって、ホルムアルデヒド建材規制が行われるようになりましたけれども、調査された中で、新しい建築基準法に基づいて建てられている住宅と、そうでないところはぜひ分けて分析頂くと良いと思います。つまり、換気システムがあるかどうか、それから建材規制を受けているかどうかで分けるということです。これが明確になると、それ以前に建った住宅の濃度が依然高いのかどうかとか、こういったリスクの評価ができる。まだ測定家屋数が少ないと神野委員はおっしゃっていましたけれども、ぜひその前後で分けられるとよいのではないかと思います。そういう意味では、住宅の属性とか換気の状況とか室内の温室度というのも、概略のデータでいいと思いますので、出ているといいかなと思いました。
 それから、測定法についてなのですけれども、当時、検討会で測定マニュアルが作成されましたけれども、そのマニュアルはISOの原案をかなりベースにして、厚労省でできることを書かれているのですけれども、その後、測定法がJIS1960シリーズとして、ISOと整合させて出版されるようになっているので、できれば、各省庁、いろいろなところが同じ方法で測定できるようにして頂くと良いと思います。
 それぞれの測定法はほとんど一緒だと思いますけれども、整合性をとると、民間の方が測ったものとかほかの方がはかったものと比較が、例えば文科省の学校で測られたものとか、そういうものが全て横並びで比較できるようになると思います。ぜひJISをうまく活用していただけるといいかと思います。
 それから、SVOCについては非常に気中濃度が低い。1μg/m3、2μg/m3という測定結果なのですけれども、先ほど神野委員がおっしゃいましたけれども、空気中に出るものと、粒子のほうに吸着する成分の割合が今、海外でも非常に問題なっている。沸点が高いものでは、ほとんど空気中に出ないで、すぐに液体とか皮膚に付くことがあります。当時も120μg/m3のフタル酸ジ-2-エチルヘキシルのガイドラインが実測値とこんなに離れるのならば、指針値は要らないのではないかという議論がありました。
 当時は、全てまずは空気で摂取すると考えて、経口とか皮膚から人体に入る知見がないので、その知見を待ちましょうということがあったのですが、ルートの違うものがうまくリスク評価できると、特に高沸点のものに関しては適正に取り扱えるのではないかと思います。
 あと、TVOCを測ると、これだけ高いのは非常に驚くべきことです。もともとTVOCは空気の汚れの指標なので、直接的に低い濃度で健康影響に関係があるわけではありません。ただし、その中で高い物質で問題があるものは、きちんと新しくガイドライン等に挙げて対策していく努力をすべきだろうと思います。
○坂部委員 1つだけ。ベッドルームのところで、洋間なのか、畳の部屋なのかということも分けて出されたほうが、恐らくいいかなと思いました。
○神野委員 御指摘いただいた点を踏まえまして、もう一回データを解析し直して、また提示させていただきたいと思います。
 また、田辺委員がおっしゃられました分析法なのですけれども、テクニカルなことで申しわけないのですが、今回のTVOCは全部をスキャンと呼ばれる方法で測定して面積を定量しておりますので、ISOないしはJISに近いというか、基本的にそれにのっとった分析法になっております。
 これは私からの希望でございますけれども、指針値あるいは暫定目標値が策定された化合物について、先ほど御指摘があったように、試験法も国際的な意味も含めまして、いろいろ変わっておりますので、ぜひそれに合わせて、指針値並びにそれの試験法まで含めて、この検討会で御審議いただけると、あるいは決めていっていただけると、その波及効果も含めて重要と考えております。
○西川座長 ほかにございますでしょうか。
 ないようでしたら、貴重な御意見をいただきましたので、引き続き神野委員、よろしくお願いします。
 それでは、次の議事に移ります。議事2、(2)WHO空気質基準等について、東委員、御説明をお願いいたします。
○東委員 近畿大学の東と申します。それでは、説明を始めさせていただきたいと思います。着席させていただきます。
 お手元に2人の委員に1冊ずつの割合で、WHOの「Indoor Air Quality Guidelines : SELECTED POLLUTANTS」というものと、8年ほど前に厚生労働科学研究費で調査しました「室内空気質規制の研究」という2つの資料があるかと思います。それは、また御参照いただければと思いますけれども、その内容と最近の状況を含めて、少しお話をしたいと思います。
 今日、皆さんにお話をするのは、WHOのガイドラインと諸外国の話なのですけれども、まずWHOのガイドラインについてお話を進めていきたいと思います。
 まず、時系列のお話からいたしますが、WHOは、空気質あるいは住宅と健康ということに関して、かなり昔から取り組みを行っていまして、空気質のガイドラインをつくり始めたのは1972年からです。
 1987年に、ホルムアルデヒドやトルエンのヨーロッパのガイドラインができております。主に大気から来ているのですが、室内の空気も適用可能という形でのガイドラインになっています。
 2000年ごろに第2版改訂版が出まして、物質の数がかなり増えました。同時に、ヨーロッパのものを世界の各国に対するものとして、ジュネーブ本部のガイドラインという形で出しています。このときもかなり数を増やして出しております。
 2005年に、これも大気のほうから来ているのですが、グローバルアップデートというのを行っております。ここでは、PMとかオゾン、NO2、SO2に対するガイドラインを新たに制定しています。
 ここにはありませんが、この翌年のことですが、大気とインドアはマネジメントがかなり異なるということから、インドアのガイドラインをつくっていこうというワーキンググループが発足しまして、2009年から来年にかけて、インドアエアクオリティーのガイドラインを作成中でございます。室内の問題というのは、化学物質のみならず、湿気やカビなどの生物因子もかかわりますので、そちらのガイドラインを先に出しまして、2年前に化学物質のガイドラインを出しています。
 最後の燃料の燃焼に関しましては、途上国とかで、換気とか、あるいは燃料をまだ良質なものを使っていないところでは燃焼生成物の問題が大きいということで、このガイドラインをつくっているところでございます。私は、2010年に公表された汚染物質のガイドラインのワーキンググループに入っております。
 3ページ上部が2000年のガイドラインでして、対象物質の主な選定基準としては、暴露源として広範囲な問題を起こしているもの。個人暴露の可能性が高いもの。健康影響に関するデータが明らかになっているもの。測定ができるもの。最近濃度が上昇傾向であるものということで、35の化学物質に対してガイドラインが設定されています。
 このガイドラインのねらいなのですが、WHOはスタンダードとガイドラインを区別しましょうということをしきりに言っています。ガイドラインというのはサイエンスベースのもので、科学的な知見をもとにつくる。それをもとに、各国のスタンダード、基準をつくる、そのための基礎的な資料を提供することがガイドラインのねらいになっています。ですから、WHOのガイドラインというものを必ずしも各国の基準にそのまま適用するわけではなくて、それぞれの国の状況を考慮して、それぞれの国で制定していく形になっています。
 WHOでは、かなり前からこの考え方が出ていまして、環境衛生基準の概念ということで、スタンダードというものは、第1には、健康影響を防止することでありまして、その他の要因も含めて各国で考えてくださいということになっています。
 4ページ下部が2005年のグローバルアップデートでして、大気がメインですので、車とか工場等の排気から出てくるような生成物のガイドラインがアップデートされています。
 5ページからがインドアエアーのガイドラインでして、3つの分野に分けてガイドラインをつくっています。汚染物質、湿気やカビ、それから燃料の燃焼でございます。
 これらのガイドラインは、ヨーロッパの事務局がつくっているものではあるのですが、ヨーロッパの実態調査等を踏まえて、ガイドラインのワーキンググループは世界各国から、日本を含むアジア、アメリカ、ヨーロッパなどから専門家が集まっています。
 本来、化学物質とは少し関係ないところではあるのですが、まず簡単に湿気とカビについてお話して、次に化学物質についてお話したいと思います。湿気とカビなのですが、先ほども微生物由来の化学物質の話がありましたが、化学物質を含め、微生物そのものの有害影響に関する定量的な評価は非常に難しいということで、湿気とカビに関して定量的な評価というのは、今はなかなかできないことになっています。
 ですから、ガイドラインは主に定性的な面です。定量的なリスク評価はできないので、指針値を出せないということがありますので、建物の設計とか維持管理とか住まい方をどう行っていくことによって、湿気やカビを抑えることができるかという手引きの提供をガイドラインの中で行っております。
 実際にどんな健康影響があるかという疫学的なレビューですが、例えば喘息の増悪、上気道の症状、喘鳴、あるいは1年以内に発症した喘息に関しては、関連性が十分にあるだろうということで、こういったガイドラインをつくるという流れになっております。その他、証拠不十分なもの等は、下にあるようなものでございます。
 次に汚染物質のガイドラインですが、一番上の3つのクライテリアをもとにガイドライン作成対象物質を選定します。インドアに汚染源が存在する。物質の毒性データがある。室内の濃度が無毒性量や最小毒性量を超えているといったことで、室内で健康リスクがありそうだというところが選定の基準になっています。
 7ページ上部にある左側のグループ1のものが、今回のガイドラインの対象物質になっていまして、右のグループ2のほうは、まだ科学的な知見が少し十分ではないということで、今後、そういった知見が集まってくれば、ガイドラインをつくるような動きを考えていこうということになっています。左の中で、粒子状物質のPMに関しては、グローバルアップデートでガイドラインをつくっていますので、ここでは対象から外してワーキンググループでは活動しています。ですから、ホルムアルデヒド、ベンゼン、ナフタレン、二酸化窒素、一酸化炭素、ラドン、ハロゲン化合物、多環芳香族炭化水素というものにガイドラインをつくっております。
 ガイドラインの概要ですけれども、数値の細かいことに関しては資料を御参照いただく形にさせていただきまして、主なポイントだけ御説明したいと思います。
 ホルムアルデヒドについては、指針値の数値としましてはこれまでのものと変わらないのですが、昨今、発がん性に関して議論がかなり出ていまして、IARCもヒトで発がん性があると認定しました。これに関しては、白血病と鼻咽頭がんがエンドポイントになるのですが、はっきりとした量反応関係に関するデータがありませんでした。また、低濃度の閾値ありなしに関しても、閾値があるのではないかという議論がありまして、はっきりとしたガイドラインを出すことは今の段階ではできないことになっています。ですから、長期暴露による発がん性等のガイドラインに関しては、今回は見送った形になっています。
 ただ、リスクアセスメントは行っていまして、短期の暴露指針値を守っていけば、この発がん影響に関しては防止できるだろうという判断を行っています。ですから、短期の暴露のガイドラインを出した上で、長期に関してもコメントを文章の中に入れております。その中に具体的なアセスメントの数値も出ています。
 ただ、このワーキンググループの中でもかなり議論になったのですが、この指針値の扱いなのですが、これはあくまで短期の最大の許容濃度という位置づけですので、いわゆる天井値という考え方をしていまして、年間変動、日内変動、いかなる時間帯もこの濃度を超えないという位置づけであるということを、これも注釈として入れています。
 ベンゼンに関しては、特にガイドラインの数値の変更はなくて、発がん影響に関する閾値なしという考えで数値を設定しています。
 ナフタレンに関しては、ヨーロッパのほうではナフタレンが防虫剤に使われることがあるようでして、動物試験結果に基づいてガイドラインを設定しています。
 それから、二酸化窒素、一酸化炭素ですが、一酸化炭素に関しては、24時間値というのはこれまでのガイドラインではなかったのですが、長期暴露の影響がどうもありそうだということがありまして、この数値を新たに加えた形になっています。
 ベンゾ-a-ピレンに関しては、燃焼生成物でございますけれども、これもガイドラインの数値の変更はなしということになっています。
 ラドンは、自然由来の生成物でございますけれども、これに関してもガイドラインをつくっているのですが、非常に厳しい数値であります。もともとWHOがラドンハンドブックをこの前につくっていまして、そこでは安全なばく露レベルは存在しないという判断しており、参照レベルとして100Bqという数値を併記しています。
 ハロゲン化合物でございますが、有機溶剤とかクリーニングの溶剤等から出るものでございますけれども、これも従来から変更なしということになっています。
 ラドンだけ、各国の状況と、国内では科学院のほうで調べている結果がありますので、少しデータだけお示ししますと、日本は、低いほうから数えるほうが早いような位置づけでありまして、ラドンというのは抑えるのが難しいといいますか、もともとこのぐらいあるということでございます。
 あと、化学物質と直接関係ないところも少し入っておりますけれども、室内の健康影響ということでは、湿気やカビ、それから光や安全性の問題、音の問題といったものもあるというのが、近年のWHOの疫学調査でわかってきておりまして、それを踏まえて、現在、住宅と健康のガイドラインというものを作成中でございます。ここでの化学物質のガイドラインは、数値というものではなくて、全体的な住宅の設計とか構成とか住まい方も含めたガイドラインということになっています。これは、現在、ジュネーブの本部のほうでつくっておりまして、私もこのワーキンググループに入っております。
 10ページ上部がそうです。新たなガイドラインの開発。先ほどの調査結果を受けて、現在こういったガイドラインを策定中でございます。
 また最近、こういったレポートがWHOから出ていまして、不十分な住宅、inadequate housingということなのですけれども、それによる環境疾病負荷を調査しておりまして、さまざまな環境因子が居住者のリスクを上げているというデータをまとめて発表しております。その中で、化学物質では、ラドンとか喫煙の煙、あるいは鉛とか一酸化炭素、それからホルムアルデヒドといったものが挙げられております。
 全世界を対象にしている関係から、途上国等の状況もかなり入っておりますので、日本の状況とは少し違う部分も入っていると思います。
 続いて、11ページ下部から諸外国のガイドラインを御説明していきたいと思います。
 これも時系列に、主にヨーロッパが中心なのですが、そのほかアメリカの取り組みをまとめたものでございます。これは、お手元の2004年の厚生科学研究でまとめたものから抜粋しております。1970年代、1980年代は、ホルムアルデヒドの問題がヨーロッパでかなり発生しまして、ヨーロッパ諸国でのホルムアルデヒドのガイドラインは、WHOのガイドラインと同じ0.08ppm近辺のものが出されているような状況になっています。この当時、ホルムアルデヒドの実態調査というものが頻繁に行われていた時代でございます。
 1980年代に入りますと、これがVOCの調査のほうに移ってまいりまして、ヨーロッパとアメリカで行われていきまして、1987年にWHOのガイドラインがつくられたときには、トルエンとかスチレンといったものがガイドライン対象物質に入ってきています。
 1990年代、これもVOCの調査が行われているのですが、農薬に関する調査もアメリカのほうで少し行われておりまして、重金属を含めて調査がされております。また、ヨーロッパからアジア諸国まで、ガイドラインをつくる国が広くふえてきております。
 2000年代に入りますと、ドイツでは子どもの影響が懸念され始めておりまして、特に子どもに対するばく露調査を行っています。これは、インドアエアクオリティーだけではなくて、ダスト等の経口摂取も含めた調査を行っておりまして、そのほかカビとかペットアレルゲンの調査も行っております。そのほか、アジア諸国でガイドラインをつくる国が増えてきております。
 14ページ上部は、諸外国の状況を簡単にまとめたものでして、建物を建てる方とか設計される方の目安ということで、数値に関して法的拘束力がないガイドラインを出しております。ただし、公衆衛生上、非常に大きな問題になっている、例えばホルムアルデヒドに関しては、建材からの放散量の規制を行っている状況でございます。ホルムアルデヒドに関しては、かなり多くの国がガイドラインを出していまして、そのほかでは主に、TVOCを抑えることに関してガイドラインをつくっている国も少なからずございます。
 また、ラドンに関しても、ガイドラインをつくっている国がございます。
 個別のVOC等のガイドラインに関しては、各国の実態に応じて策定しております。例えばヨーロッパのほうでは、以前、コンクリートのコーキング等にPCBを使っていた時期がありますので、スイスではPCBのガイドラインをつくっています。ドイツもPCBに関して、少し考慮しているところがございます。
 それから、例えばアンモニアとか生活臭に関するガイドラインをつくっている国もありますし、あるいはハウスダスト、微生物や細菌に関するガイドラインをつくっている国もございます。ですから、各国の状況に応じて、それぞれの国の実態に応じたガイドラインをつくっているということでございます。
 14ページ下部は諸外国の取り組みの特徴をまとめたものでして、基本的な考え方というのは、ガイドラインを目安の数値として提供し、それをもとに業界などが取り組みを行うということになっております。有害性が高くて問題が大きいものに関しては、汚染源の規制を行うということになっております。それから、各国の実態に基づいたガイドラインをそれぞれの国で策定しております。
 一番下ですけれども、これは予防とかアレルギーなど。感受性が非常に高い方々を考慮したガイドラインを、別の数値として設定している国もあります。これも後ほど御説明いたします。
 このあとは、ガイドラインの比較をしていきたいのですが、15ページ上部はトルエンの指針値の例でございまして、日本は260μg/m3、WHOも260μg/m3でございます。ドイツは3,000μg/m3。これは、急性暴露影響を主に考慮していまして、塗料とか接着剤を使った後の急激な濃度の上昇を抑えることをメインにしており、慢性的な影響ではなく、急性的な影響で数値が設定されております。
 アメリカのIRISは、ガイドラインではなくデータベースです。これは少し高い値で私も直接IRISにコメントを送ったのですが、それは考え方が違うということを言われました。これは、ガイドラインに対する数値設定の考え方というのは、いろいろ違いがありますので、こういう数値を使っているところもあるということでございます。
 ただ、日本の指針値を超えた保育園での児童の体調不良の例は、皆さん御存じかと思いますが、日本のガイドラインは適切だと個人的には考えております。
 アセトアルデヒドに関してですが、これも少し議論があるところかと思います。15ページ下部の一番右のベースとなっている文献は同じでして、これをもとに不確実係数をどうとっていくかとか、あるいは断続的な暴露の実験、動物実験ですから、1日8時間、週5日とかの実験をやっているのですけれども、これを一般環境の24時間、7日間暴露に変更することへの考え方などで各国違いがありまして、こういった数値の大きな違いが出ていますけれども、こういう数値を参考程度に示させていただいております。
 このアセトアルデヒドのガイドラインの根拠となっている論文ですが、かなり古いのですけれども、近年新しい動物実験結果が報告されており、国内のワーキンググループでそれをもとに検討を行っていまして、新しいデータをもとに考えることも可能になってきております。
 16ページ上部はTVOCでございまして、日本は400μg/m3という暫定目標値をつくっておりますけれども、ドイツ、イギリス等に関して、TVOCの指針値といいますか、参照値が提示されております。
 ドイツについては、1999年に3つぐらいに分けたものを出しているのですが、新たに改訂を行ったものが2007年に出まして、4つのカテゴリーに分かれております。300μg/m3未満を目標値にしまして、その他300〜1,000μg/m3、1,000〜3,000μg/m3など、それぞれ衛生上の問題などの問題の大きさに応じて分けております。ですから、単一の指針値のようなものを出すのではなくて、幾つかのカテゴリーをつくって、それらに対する考え方を整理しております。
 イギリスは1,000μg/m3以上を一つの値として出していますが、これも指針値のようなものではなくて、あくまでも参考値ということでございます。
 ここから、特にドイツに関して、フランスも後ほど説明いたしますが、これらの2つの国では、近年、ガイドラインの策定を行ってきておりますので、少し御紹介したいと思います。
 ドイツ連邦環境庁では1993年ごろにガイドラインをつくるためのワーキンググループが発足し、1996年のトルエンからほぼ毎年のようにガイドラインを策定してきております。トルエン、ジクロロメタン、一酸化炭素。数値の御説明はいたしませんが、主に物質のほうをお話したいと思います。
 この中でRW?とRW?という2つのカテゴリーがございますが、左側のもののほうが健康影響ベース、通常のドーズレスポンスの関係からつくったガイドラインでございます。右のものは予防を目的としたものでございまして、不確実係数として10を掛けて10分の1の数値を設定しております。これは、ドーズレスポンスにもとづくガイドラインだけではなく、広く一般の方々が暴露するという状況を踏まえて、不確実係数を掛けたものを予防の目的、ターゲットバリューのようなかたちでガイドラインを設定しております。
 もともとドイツという国は、予防原則とか予防的取り組み方法という考え方が非常に浸透しているところがありますので、そういうところも少し背景にあるのではないかと考えられます。
 物質につきましては、ホルムアルデヒド、トルエン等の有機化合物。燃焼生成物、一酸化炭素とか二酸化窒素。ペンタクロロフェノールは、PCPと呼ばれるもの。スチレンはスチレン系樹脂の原料です。水銀は燃料にも不純物として入っていることがあります。
 ジイソシアネートはウレタン系の樹脂に使われています。発泡系のウレタン樹脂とかクッション剤にも使われております。
 それからリン酸エステル類等。テルペンは、ピネンが主な物質の例として挙げられておりまして、ヨーロッパなどの研究でピネンとオゾンが反応して、二次生成物としてアルデヒドやケトンなどが出ることが報告されています。そういう二次生成物を抑えるという意味で、こういったガイドラインをつくっています。
 ナフタレンは防虫剤です。それから炭素数が9から14のアルカン、イソアルカン。これは、カテゴリーをある程度まとめたものとしてつくっています。
 TVOCについては、先ほど説明したとおりでございます。
 続きまして、PM、粒子状物質ですが、燃焼生成物等で出ますので、これに関しては、粒径が2.5μmの小さい粒子に関するガイドラインをつくっております。
 それから燃焼生成物でもあるのですが、人の呼気からも出る二酸化炭素。
 炭素数4から11のアルデヒドというカテゴリー化したもの。
 単環式のテルペン。これはリモネンが対象物になります。これも先ほどのピネンと同じような二次生成物を抑制する目的でございます。
 それからベンジルアルコール。主に溶剤として用いられます。 それから、ベンズアルデヒド。環状シロキサン。これは三量体から六量体までの和ということになっています。シロキサンは、シリコン系の防水剤あるいは補てん剤が対象になるのではないかと思います。
 そのほかフルフラール。発生源については私もわかりません。これはアルデヒド類です。
 それからフェノール、トリクロラミン。トリクロラミンは、プールの塩素系消毒剤からのもので、室内遊泳プールの気中濃度。用途を限定しています。
 そのほかではクレゾール。炭素数が9から15のアルキルベンゼン。エチルベンゼンです。これらは、今年に入ってからガイドラインが公表されています。
 今後の検討対象物質は、18ページ上部のスライドの下にありますカテゴリー化されたアルデヒド類、アルカン類、ノルマルヘキサン、ジオキサン。溶剤系が非常に多いと思いますが、MEKとかシクロヘキサン、グリコールエーテル。それから二塩基エステル類では、グルタル酸エステル酸類等が検討されています。
 続きまして、フランスのガイドラインでございます。フランスは、2000年ぐらいまでガイドラインの作成作業をあまり行っていなかったのですが、ここ5年ぐらい急に活発になりまして、2007年にガイドラインをつくり始めています。それまで、実態調査を主に学校や住宅で行っていたようでございます。
 まずはホルムアルデヒド。数値に関しては説明を省きます。次に一酸化炭素、ベンゼン。ベンゼンに関しては、長期暴露と短期暴露、ガイドラインを2つに分けています。ホルムアルデヒドもそうです。そのほかではナフタレン。トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンといった塩素系の有機化合物。
 それからPM、粒子状物質に関するガイドラインを作成しています。
 最後のシアン化水素は、ガイドラインの作成に取りかかったのですが、データが十分なかったため、数値は出ませんでした。
 今後の検討対象物質でございますが、空気とダストに分けていまして、空気に関しては、アクロレイン、パラジクロロベンゼン、アセトアルデヒド、クロロホルム、フルオレン、エチルベンゼン、二酸化窒素。主に有機溶剤由来の物質で、ここには日本でガイドラインをつくったものもあります。実は、フランスの方とはWHOのワーキンググループで一緒でしたので、日本の情報を教えてくれということで、かなり提供しましたので、日本の状況も参考にされているかもしれません。
 そのほか、ダストについては、先ほど少しお話がありましたが、近年、空気の問題だけではなく、ダストの問題も非常に大きくて、SVOCについては、むしろダストのほうがリスク、影響が大きいと言われています。SVOCでは空気の濃度の問題よりも、ダストからくる経口摂取の問題の方が大きいのです。特にフタル酸エステルです。日本の疫学調査でも問題がありそうだと言われておりますけれども、そういう物質に関してガイドラインをつくろうという動きがあります。ただ、測定方法の問題がかなりあると伺っております。
 時間が長くなって申し訳ございませんが、では、どういう物質を選定するか、優先づけについてまとめてみました。19ページ下部に示したのは、ヨーロッパ、アメリカ等です。主には、有害性、健康影響がメインのクライテリアでございまして、それからインドアに排出源があるかどうか、という2つが大きなポイントになっています。その他、実態調査の結果等を踏まえながら、ということになっております。
 そのほか、除外基準もありまして、既存の規制の有無、所管問題、科学的知見の不足がクライテリアになっている場合もあります。
 アメリカはこれまであまり出てこなかったのですが、アプローチが違っております。かなり前のことですが、数値などで規制を行いますと、業界のほうから訴訟を起こされて、最高裁で負けるという経験を幾度かしています。例えばベンゼンやホルムアルデヒドがその例でございます。規制というのがなかなかやれない状況になっております。ですから非規制戦略と言っております。主に情報提供をしていまして、いろいろなパンフレットを出しています。アメリカでは民間の責任強化を主に考えています。また、連邦省庁間の委員会を定期的に開催し、どう取り組みを行っていくかについて議論しながら進めています。ですから、原則としてガイドラインはアメリカにはございません。
 最後に、要求レベルに応じて分類されたガイドラインについて説明いたします。予防やアレルギーを考慮したガイドラインを、ドイツやフィンランドがつくっています。フィンランドのものは国の基準ではなくて学会の基準です。香港でもカテゴリーを分けたガイドラインをつくっています。フィンランドでは、例えばアレルギーなどの感受性が高い方を対象にガイドラインを分けています。
 ガイドラインの具体的な数値につきましては、先ほどドイツで説明しましたように、ドイツでは通常の健康影響ベースのガイドラインの数値に対して、10分の1の数値を予防のためのガイドラインに設定しています。
 駆け足でのお話で恐縮でございますが、以上でございます。
○西川座長 東委員、どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問、コメント等、ございますでしょうか。どうぞ。
○角田委員 2点ほど。
 今回とは関係ないかもしれないですけれども、例えばラドンなどはリスクをどこに置くかで、産業衛生学会の許容濃度委員会でもそうですけれども、どれぐらい増えるのを問題にすべきかという線引きは、ちょっと難しいと、御説明を拝見させていただいて思いました。
 それから、先ほどのことにも関係するのですけれども、TVOCに関しましては、国によって測定法が果たして共通なのかなというところが気になります。つまり、感度の良い方法でいっぱいピークが出る方法だったら、当然高くなるような気もするのですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
○東委員 ラドンに関しては、角田委員のおっしゃるとおりです。どう取り扱うかは難しい問題で、どう抑えていくかというところにもかかわってくると思います。それからリスク評価でも課題があると思います。
 TVOCに関しましては、各国の測定方法について、細かく私も精査しておりませんので、測定方法の違いについて正確にはお答えできません。ただ、田辺委員もよく御存じだと思うのですが、ヨーロッパではTVOCの測定方法に関するガイドラインをつくっておりますので、それにある程度近い方法で測定されているのではないかと推測いたします。
○西川座長 ほかによろしいでしょうか。どうぞ。
○神野委員 粒子状物質に関して、ちょっとお伺いしたいのですけれども、お話の中にもありましたけれども、テルペン類とオゾン等で二次生成物として粒子状物質ができるということもあるかと思うのです。そうすると、室外のPM2.5とかの微小粒子と、室内の微小粒子が必ずしも質的に同等じゃない可能性もあるのかなと考えているのです。そうしたときに、ここでのリスク評価というのは、基本的には室外の大気中の粒子でのリスク評価あるいは有害性評価をもとに算出されたものという理解でよろしいのですか。
○東委員 このPMに関しましては、神野委員がおっしゃいました、いわゆる二次生成物ではございません。SOAに関しては、実態調査が余り行われていないところもありますので、テルペン類とオゾンの二次生成物の粒子をPMの中に入れているのではありません。大気中の、あるいは室内の燃焼生成物からPMが出ますけれども、それに基づくリスク評価になっています。日本も環境基準をPMに関してつくっていますけれども、欧米などの疫学調査から、大気の粒子状物質からのリスク評価に基づく数値でございます。
○西川座長 ほかによろしいでしょうか。どうぞ、広瀬委員。
○広瀬委員 この後の議論とも多分絡むのかもしれませんが、規制対象の優先づけというのが多分38のスライドで、諸外国は有害性物質を中心にやっていて、日本は検出事例を中心ということで、これからという話なのですけれども、日本の選定基準は割と昔の考え方かという印象です。ドイツとかフランスの最近の活発さは、どういうところが中心で選ばれる方向になっているのでしょうか、もし知見があれば教えて頂きたい。
○東委員 もともとドイツは、70年代ぐらいから室内環境における化学物質の問題がありましたので、そのころからずっと取り組みが続いている状況かと思うのです。新たな問題、それから代替物質の問題も含めて、問題がなかなか解決しないということがあり、幾つかの物質についてガイドラインをつくったけれども、カテゴリー化するような少し広目のガイドラインのつくり方などを踏まえながら、どんどん数値を定めた物質がふえていく状況になっているのではないかと思っております。ですから、実際の現場での問題として、物質の代替の問題とか、新たな物質の出現ということも背景にあるのではないかと思います。
 フランスは、1980年代、1990年代の活動はあまりなかったのですが、周りの国などの影響も少しあるという気がするのですけれども、2000年前後から全国実態調査を行って、まずVOCなどの調査から行った上で、ある程度有害性の高いものとか、インドアで検出されたものを踏まえた選定を行って、ガイドラインの策定作業を行っている状況のようでございます。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 それでは、次の議事に移りたいと思います。議事2、(3)指針値の見直しの仕方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局から、議事2の(3)指針値の見直しの仕方について御説明申し上げます。
 資料3をごらんください。
 まず、趣旨でございます。これは、冒頭御説明申し上げました、この検討会の設置紙の背景をこちらに書かせていただいております。今回、この資料をつくりましたのは、指針値が前回つくられてから10年ぐらい経過していることもございますので、いきなり前回の数字を見直すというよりは、10年間で蓄積されたさまざまな知見があるでしょうから、そういった知見を集めながら、今年度いっぱいかけて、定められた指針値をどういうふうに見直していったら良いか、あるいは追加していったら良いか、場合によっては、必要ないと思われるものがあれば削除したらどうかといった見直しの仕方について、これから議論をさせていただければと考えています。
 たたき台という形で示させていただいておりますけれども、2.に指針値対象物質の選定・見直しに当たって考慮すべき項目を、事務局で幾つかピックアップしました。
 (1)WHOの空気質ガイドライン、外国の規制等での指針値が参考にならないか。
 それから、(2)居住環境内における揮発性有機化合物の実態調査等の結果。これは、SVOCの話もございますので、そういった結果なども加味できないかということがございます。
 (2)?でございますけれども、調査結果等を受けまして、国内の今、定めている指針値以外の化学物質が検出された物質について、ハザードの調査、ばく露評価を見ながら、検討の優先順位が決定できないか。
 それから、室内の濃度と室外の濃度を比較しながら優先づけができないか。
 それから、(3)これまでの指針値を策定した物質の用途が参考にならないか。名指しにしてしまって大変恐縮でございますけれども、例えば溶剤とか接着剤、防虫剤が挙げられます。また、こういうものよりも、ほかのものが今、優先されるという話はないか。
 それから、資料3の裏へ行きまして、(4)化学物質の構造の観点から、資料に挙げられた物質をターゲットにしていったらいいのではないか。
 それから、(5)家庭用品等からの化学物質の放出量の検討結果などは活用できないか。具体的には、国立衛研の研究で幾つか検討結果が出てきていますし、国立衛研以外にも、本日、オブザーバー参加している関係省庁様のほうで外郭団体と取り組みを相当行っていらっしゃる結果なども活用させていただけないか。
 それから、こういったことを視野に入れながら、3.指針値の設定のあり方でございます。規制の実行可能性の担保の観点から、2.の事項を勘案いたしまして、これらを総合的に判断して優先順位づけをするようなプロトコルを作成することができないか。そういったプロトコルを作成して指針値を定めることができないか。
 それから、(2)でございますけれども、現在13指針値が並んでいる状態になっていますが、それぞれの指針値自体が、例えばホルムアルデヒドだったら急性毒性の観点から刺激性があるとか、こういう物質については、どちらかというと慢性的な要素があるといったフラグを立ててあげると、指針値を活用する方々が便利なのではないかといった視点。
 それから、(1)で1つ説明し忘れましたが、一番最後の実行可能な範囲で指針値を設定するということでございます。指針値を定めるといいますと、通常、どんどん追加していくイメージがあるかと思います。やろうと思ったら、50物質でも1,000物質でも、どこまでも行ってしまうところがあるかと思うのですが、指針値を定めたときに実行可能性がある範囲はどのぐらいなのか考慮する必要があると考えます。
 例えば、今、13指針値を定めてはいるのですが、実際の各規制の中にどれぐらい取り込まれているかというと、全部取り込まれているわけではなくて、それぞれのセクターの中で検討していただいて、本当に必要なものをピックアップして、1つの物質を指標として規制をかけてみたり、2つの物質を規制してみたり、あるいは5つ、6つ規制してみたりという状態があります。あるいは、民間の方の話を聞きますと、契約の中に、13指針値を全部守るようにという自主的な取り組みをやっている例もございます。
 ただ、これが50種類とか1,000種類になった場合に、実行可能性はあるのか。1,000種類というのは物すごい数で、指針値は定めたけれども、実際守られていないという事態はさすがに避けたいと考えているので、例えば優先順位をつけて指針値ベスト10とか、指針値優先取り組みベスト15とか20とか、実際、どのあたりの数が一番実行可能性がありそうかという議論もできないかと考えております。
 それから、4.TVOCの関係でございます。今、暫定目標値という形で設定させていただいておりますけれども、まず総量規制、健康影響を加味するようなことができるか。これは、NGOの方等々、いろいろなレベルから私どものほうに要望が来ているのですが、健康影響を加味するような形でのTVOCの値の導入が今、できるかどうか。
 それから、4.(2)のステータスに今、すごく近いのですけれども、室内空気の比較値、いわゆる健康影響を加味するというよりは、クオリティーの観点で定めている。こういったTVOCの導入の是非。
 それから、(3)は(1)と(2)の議論を踏まえて、実効性を伴うTVOCの設定方法、試験方法等を検討する。
 それから、神野委員がスライドを御説明いただいたときに、試験方法を見直したほうがいいような物質があるということで、ホルムアルデヒドの話もございましたけれども、そういった試験法の見直しについて、この中のテーマに盛り込んでいけたらと考えております。
 以上でございます。
○西川座長 それでは、ただいまの御説明について、委員の先生方から御意見、コメント等、ございますでしょうか。どうぞ。
○角田委員 この指針値対象物質の選定、見直しで考慮すべき項目を背景について、どうしてかわからないのですけれども、毒性学的な観点と疫学的観点が全く入っていないのは、おかしいのではないかと思います。
○事務局 入れさせていただきます。
○角田委員 ここ10年でいろいろな新しいトキシコロジー的な観点も入っているでしょうし、疫学的研究もなされているでしょうから。また、逆に毒性がこの程度であって、やってみたけれども、有意差が出なかったという結果も、論文になりにくいですけれども、結構出ているはずなので、それが抜けていると、単に環境中の濃度をはかって、それに対してどのくらいの健康影響があるかというエビデンスというか、あるいはその予想がないと、科学的な指針値にならないと思うので、対象物質を絞り込む際にも、例えばこういう新しい文献が出ているということを最初に見ないとちょっとまずいのではないかと僕は思います。
○事務局 ありがとうございます。
○西川座長 では、斎藤委員、それから東委員。
○斎藤委員 前回の指針値を定めるときに行った全国調査に参加させていただいたのですが、そのときは新築住宅に限定、築後6カ月以内ということで、住宅を選定するのが大変だったのですけれども、今回の先ほど御報告いただいた予備調査は、新築限定ではないという理解でよろしいでしょうか。
○神野委員 ないです。
○斎藤委員 今後、新築住宅限定で調査を行う御予定はあるのでしょうか。
○神野委員 必要であればという回答になるのかと思うのですけれども、1つは、私どもが現在目指しているところが、建材由来の化学物質、これは10年前、指針値が定まるときのメインの問題だったと思うのですけれども、その後、田辺委員からも御指摘があったように、規制によってトルエンとか、そのあたりの値がすごく下がっているにもかかわらず、TVOCの減少が余り見られていない。
 この事実からしますと、建材もさることながら、それ以外の家庭内で使用される化学物質も恐らく大きな寄与をしているということで、現在は居住環境、実際に人が住んでいる状態で調査をしていますので、必ずしも新築ということに限っていないのですけれども、全体の化学物質を探索するという目的の上で、必要であればやっていきたいと考えております。
○斎藤委員 私ども、御相談を受ける立場にあるのですけれども、通常、苦情として多いのは、リフォームをしたらすごく臭くて体調が悪くなったとか、新しいおうちに住んだら子どものせきが始まったということで、新築なりリフォームを契機にしてということがすごく多いです。そういうところを測りますと、トルエン、キシレンにかわる代替物質が出てまいりまして、常時、計量しようと100物質以上のスタンダードはそろえておりますが、測かるたびに、自分の検査機関はこのスタンダードは持っていないというものが出てまいります。
 トルエン、キシレンなどを規制したかわりに、各社メーカーさんが塗料なり接着剤なり、思い思いの全く違う溶剤を使った新しい製品を開発してきていらっしゃって、それが製品の容器を見ても何も表示がなくて、13物質は入っていませんという、入っていません表示はあるのですけれども、何が入っているということが全く表示されていない。困ったのですけれども、測定してくださいと言われるほうの身になってみますと、何を目指して測定していいのかという非常に難しいところがございます。最初の段階で高濃度になってしまう新築を目指して、ぜひとも調査していただきたいと希望しております。
○西川座長 それでは、東委員、お願いします。
○東委員 角田委員のお話にも少し関わるのですけれども、2.の(2)の?のクライテリアのところで、調査結果等を受けて国内の指針値以外の化学物質とありますが、この中身なのですけれども、物質の測定データがあって、その濃度があって、それに対してハザード調査を行って、またばく露評価をするという流れが少し理解しがたいところがあります。
 このばく露評価というのは、通常、ばく露評価したデータがあって、物質の濃度が高いものとか、何らかのものがあって、それに対する物質の毒性を、先ほど角田委員がおっしゃったような動物実験とか疫学調査の結果から量反応関係などを含めてハザード評価を行って、リスク評価を行うという流れのような気がするのですけれども、このあたりの書き方が、ばく露評価が、例えば体内負荷量とか、後で詳しくPBPKモデルを用いて評価するようなことを意図しているのかどうかについて、少しお伺いしたいのです。
○事務局 そういう点では、ここで書いたねらいとしては、リスク評価のほうのイメージが強かったので、ここの書きぶりについては、後で御相談させていただいて御助言をいただければと思います。
○東委員 そうですね。さらっとリスク評価という流れで書かれるのが一番わかりやすいという気もいたします。
○西川座長 ありがとうございました。
 どうぞ、池田委員。
○池田委員 今後、対象とすべき物質をどのぐらいにしたらいいかという話なのですけれども、水質のほうの分野では、そういう関係の研究がかなり進んでいるのではないかと思うので、水質とか食品の研究結果などを参考にして決めるという点もあるのではないかと思ったのが一点。
 もう一つは、田辺委員が先ほどもおっしゃっていたのですけれども、空気だけじゃなくて、水や食品からも我々は同じような物質をとるわけで、それらも合わせて評価するということをそろそろ考えないと、空気だけでガイドラインを決めているというのは、水や空気からもっととっていたという話になった場合のことも少し考えないと、そろそろいけないのかなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
○長谷部化学物質安全対策室長 確かにおっしゃるとおりだと思います。それで、今回も幅広く省庁の関係者に声をかけましてオブザーバー参加頂いており、今回の検討の結果なり議論については、必要な部署にも伝えたいと思います。まずは、室内空気でということでこちらでは御検討いただいて、その後の波及については今後考えていきたいと思います。
○西川座長 ありがとうございました。
 どうぞ、中井委員。
○中井委員 まず、先ほどの東委員の質問と絡むのですけれども、今後の進め方として、今、神野委員のところでやられているわけですけれども、今無いようなデータ、つまり実測みたいなものをどの程度考えていくのか。既存のデータでこれからどんどん話を進めていくという話でリスク評価をされると考えていいのか、あるいは足りないデータをこれからとっていくということも考えてやられるのか。これは、多分これから考えていくことなのだろうとは思うのですけれども、その辺をある程度考えても良いというのが一点。
 先ほども斎藤委員のお話がありましたけれども、イタチごっこの状況が多分起き得るので、例えばAという物質をやったらBまで含むよということが、先ほどの池田委員の話に絡むかもしれないのですけれども、トータルの話、どこまでしたらいいのかというのを今後の検討課題として、答えはないと思うのですけれども、考えていく必要ももしかしたらあるという気がします。
 先ほど、一番最後に書いてあったTVOCですね。健康影響とは直接関係しなくても残っていて良いのではないかというのが、スクリーニングの一つの方法としてあってもいいのかなと私は個人的に思うのですけれども、一個規制したら終わりという状況ではないような話だと思うので、これを今後どの程度のサイクルで変えてやっていくかも含めて、もう少し整理していく方向でまとめてもいいのではないかという印象を持ちました。コメントというか。
○西川座長 吉田委員、お願いします。
○吉田委員 今回初めての参加で、ちょっと視点がずれているのかもしれないのですが、3.の指針値の設定のあり方についてです。諸外国では、急性影響と慢性影響を分けているというお話が今日出ていたのですが、こちらの検討会でも、今後そのような方向で考えていくということなのでしょうか。
○西川座長 事務局、お答えできますか。
○事務局 今までは、13物質について、全部一緒くたにしてやっていたのですが、恐らくそこを分けたほうが、指針値を使う側にとっても便利ではなかろうかと予測されますので、そこのところは、この検討会の中で分けられそうであれば分けていって、ユーザーフレンドリーな指針値設定ができればと考えています。ただ、既存の指針値で既に並んでいる、つまり設定されているものがありますので、その辺の整理等々、作業量も勘案しながら検討していきたいと思います。
○西川座長 どうぞ。
○坂部委員 これは、リスクを評価していくところで議論すべきことなのかもしれないのですが、前回の場合、例えばクロロピリホスなどは大人と子どもで分けていましたね。今回も、それに例えば妊婦さんを入れるといったこと。個人的には、全ての物質でそうすべきではないかと思っています。そこの評価のところで子どもとか妊婦といった、いわゆる高感受性集団と言っていいと思うのですけれども、そういう人たちを含めたガイドライン値というものをつくるという姿勢でいいのでしょうか。クロロピリホスの場合、そういう話だったと思います。
○事務局 この中で、今日いただいた論点も含めまして、指針値を定めたときに、できるだけ受け取り手が使いやすい形でいきたいと思いますので、子どもの部分の指針値は、現にクロロピリホスで定めていますので、データがとれるかどうか。定めているものと定めていないものがありますので、集まったデータによって区分けができる、できないということもあるかと思います。そこについて、ここでも否定はせず、どういったことができるかというのを、まず考えていただくような形を考えておりますので、ぜひ論点として考えていきたいと思います。
○西川座長 それでは、田辺委員、お願いします。
○田辺委員 まず、2000年のころのシックハウス検討会のときは、ある程度こういう物質で問題が起こっている、有機系の溶剤とかホルムアルデヒドということがわかっていたので、それに対して指針値をつくることで、建材生産者等がそれを含まない、あるいは低いものをつくって下げていくということかかなり明白だったと思うのですけれども、今の問題がどこにあるかをもう一回整理しないと、どうも化学物質が高そうだというのは分かっても、それが何かよくわからない。
 私も諸外国で規制されている、あるいはガイドラインにあるもので、日本に指針値があったほうが良いという物質は幾つかあるのですけれども、生産者も毒をつくりたいと思って住宅をつくっているわけではないので、リスクがわかれば、それを排除していく努力というのは一般的なまじめな人だったらやられるわけですね。事実、例えば国交省であれば、紛争処理支援センター等で事例を集めていらっしゃる。自治体でクレーム事例があるとか、経産省であれば製品技術基盤機構で、製品の調査とか家電製品まで含めて測定されているものがありますし、あるいは持ち込み家具、輸入家具の調査もされています。
 まず、どういう事例で問題になったことがあるか、困ることがあるか、それを1回整理しないと、やみくもにこの物質はと言う前に、因果関係があるものを整理することが1つ必要と考えます。諸外国でガイドラインにされているもので、日本でも使われているものは、向こうが先行して問題を発見しているわけですから、それはターゲットにしてぜひ対策をすると良いと思います。
 においがクレームのときに非常に問題になるので、先ほどの調査で、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまでの分析でしたけれども、カルボニル化合物、もう少し炭素数が多いところまで見ると、におい閾値が非常に低い物質があります。せっかくなのでその辺まで分析すると良いと思いました。
 最後にTVOCですけれども、もともと2000年に決めたときには、溶媒抽出で測定して、対象物質を測定して、それによくわからないものが50%あるというので400μg/m3をつくっているわけですね。今、神野委員がやられたような加熱脱着の方法でつくられたわけではないので、まずそこをよく見直さないといけないと思います。つまり、前のTVOCとは少し違うということです。暫定目標値にした大きな理由は、その当時事務局原案では、400μg/m3と1,000μg/m3というものをつくったのです。私も、少しお手伝いしていて、新築は1,000μg/m3で、通常生活では400μg/m3だと案をつくりました。それに対して、極めてパブリックコメントで反対がありまして、1,000μg/m3はだめだと、高いほどだめだという意見が多く寄せられました。
 1,000μg/m3を提案した大きな理由は、実は日本の伝統的な木造住宅で、ヒノキとかヒバを使って三種換気すると1,000μg/m3を超えてしまう場合があるのです。400μg/m3はに簡単に超えてしまって、毒性の指標ではないものでTVOCを見ていますから、それを低ければいいという議論だけをすると、我々が捨てなきゃいけない日本の伝統が実は結構背景にあるわけです。
 そういう議論を経て暫定目標値というので落ち着きました。その後、厚生科研で私も班長をさせていただいて、一度TVOCの見直しをしたのです。暫定目標値があることの意味というのは結構あります。小学校とかで問題が起こった後に、最初は幾つかの対象物質しかわかりませんけれども、問題解決をするときにTVOCが低くならないと、父兄とか中の人が安心しないのです。最後は、総量が減りました。400μg/m3の暫定目標値が随分低くなったので、かなり安全性が高くなりました。安心できるかどうかは別ですけれども、そういう意味ではTVOC暫定目標値を設定しておく価値は非常にあると思います。
 ただ、それを健康影響にそのまま結びつけると難しくなる。海外では健康影響とは関係ないと言われています。VOCカクテルとよく言うのですけれども、TVOCカクテルが違うと影響が全く違う。ただし、問題解決のためには非常にいい暫定目標値になっていると思いますので、そういうものを含めて考えて頂きたい。特に高いところ、例えば2,000μg/m3とか4,000μg/m3が出た住宅については精査して、どこに根源があるかというのと、全体的にどうやって下げていくかというのを少し分離しながら議論したほうが安全ではないかと思います。
○西川座長 ありがとうございます。
 最初の御質問で、現在の問題点を整理したほうがよいのではないかということですけれども、冒頭事務局からの本検討会の開催についての説明の中で幾つかのポイントが挙げられていて、現在の問題点を整理された上での話かと思いますが、事務局、いかがですか。
○事務局 10年間でさまざまな知見が出てきているかと思いますので、本年度いっぱいは、まず見直しのルールをしっかり固めていきたいと考えております。文献として挙げられたものを一つ一つ丁寧に潰せるところは潰す。そこに取り組み過ぎると、トータルとしてすごくスコープが広がってしまって結果が出てこないところを見きわめながら、御意見を受けとめながら考えていきたいと思います。
○西川座長 それから、TVOCについては、神野委員のほうからお願いします。
○神野委員 その以前についても少しコメントさせていただきたいのですけれども、ここで指針値を定めるに当たって化合物を選定するという手続の問題がいろいろ指摘されているのだろうと思います。その意味では、有害性とか諸外国での規制の動向といったほうから、あるいは角田委員から御指摘いただいた疫学的な情報の蓄積を踏まえて、恐らく優先取り組みリストというものをつくる必要があるのだろうと思います。
 一方で、今、私どもで進めさせていただいているような探索型の調査から挙がってきた化合物、特に濃度が高いものに関してということになると思うのですけれども、そこから調査すべきプライオリティーリストをつくっていく。その中には、2.(5)で挙げています、家庭用品から出てくることが既にわかっている化合物も入れていくべきだろうと。最終的には、昨今の状況ですので、最終的なリスクが許容できる範囲を超えるかどうかというので指針値を策定していくかどうかを決めていくべきだと私自身は思っています。
 そうすると、有害性が極めて高いものがあれば、私どものほうで例えば濃度調査をすることによって、それが有害なレベルに達する可能性があるかどうかを確認していく必要があると思いますし、有害性が未知あるいはあまり無いことがわかっていても、濃度が高ければリスクがある許容範囲を超える可能性があるということで、その点についてはしかるべき機関でリスク評価、あるいは毒性がないのであれば、有害性評価も含めて取り組んでいただけたらと私個人は考えています。
 斎藤委員から御指摘があったようなイタチごっこですが、規制をすれば次の化合物が出てくるという意味からすると、これも私の希望なのですけれども、恒常的に室内環境中で検出される、それは、空気のみならず、ハウスダストも含めてということになるのかもしれないのですけれども、そういうものを監視していくようなシステムをできれば構築していただく思います。
 その中からばく露が許容範囲を超える可能性のある化合物をピックアップしていくようなシステムができると、そのイタチごっこというものも適宜対応していけるようなシステムになるかなと思うので、この検討会の範疇かどうかわからないのですけれども、できればその辺も含めて考慮していただきたいということが一点。
 あと、指針値の実効性という意味で事務局のほうからお話がありましたけれども、全てが分析できるかどうかという問題が出てくると思うのですけれども、実際は、VOCであれば1回の分析で全ての情報が得られるということになるので、その意味からすると、実行可能性を議論する上でも、分析法、試験法が整っているかどうかというのは非常に大きな問題だと思いますので、できれば指針値の作成等を含めて、指針値に合致しているかどうかを判定するための試験法もあわせて検討会でつくり上げていっていただけると、両輪として、良い方向に行くのではないかと考えております。
○西川座長 ありがとうございました。
 ほかに。東委員、どうぞ。
○東委員 先ほど田辺委員からお話があった現状の問題点の把握で、どういった情報をどう集めるかということでございますが、神野委員がなされた実態調査が一番ベースのところにあるかと思います。ほかにも、これまで現在進行中の全国調査とかが、これは厚生科学研究のほかの班もやっていますし、東京都の斎藤委員も調査をかなりやられています。ですから、そういったほかの機関の実態調査の情報も集めて、できるだけ広く情報をとらえるようにしたほうが良いと思います。
 全国レベルとなりますと、100軒とかだけじゃなくて、できればもう少し数が多く、そして広く。それから、先ほど坂部委員から御指摘があったような新築とか中古とか、住宅の状況の違いとかも踏まえて、現在どういう問題があるかというのを広く捉えるような形でお願いできないかなと思います。
 それをどう評価するかということに関してですけれども、毒性データベースがある程度あるものに関しては、リスク評価もできますので、リスクのスクリーニングという形で、環境省も初期リスク評価を行っていまして、インドアエアーとアウトドアエアーと水、そういうものでこの10年以上、リスク評価を行って優先取組物質リストを発表してきていますので、そういうデータベースも活用しながらリスクベースに基づいた優先づけをぜひお願いしたいと思っています。
○長谷部化学物質安全対策室長 今の東委員の御意見に対しまして、事務局のほうで考えておりますことといたしましては、後ほど議論になろうかと思います資料4のほうで少し書かせていただいております。本日は再開後の第1回で、今回は最近の状況ということで、神野委員、東委員にお願いしまして状況の御説明等をしていただきましたが、次回以降につきましても、調査結果の引き続きの御報告と御説明をさせて頂く予定です。
 それから、業界等の取り組み紹介、または業界からのヒアリング、「業界」と書いておりますが、それをもう少し広く解釈しまして、東委員から御意見いただいたような最近のほかの省庁での取り組みとか研究とかも、今後の検討会で御紹介させていただきながら、現状をより広く正確に把握した上で、また今後の議論を進めていただければと思います。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ、斎藤委員。
○斎藤委員 ずっとシックハウスの御相談に携わってきた者として、13物質を測っても全く出ない。けれども、健康影響が起きているという事例がほとんどですので、そういった方たちにお示しできる基準として、今、残っているのはTVOCしかないと言っても過言ではない状況です。13物質を測っても何も出ていない。でも、これこれ、こういう物質が出ています。その物質名をお伝えしても、それ、何でしょうねという形で、規制も何も全然ないですから、それを言って建設業界、住宅を建てた業者にこれが出ていますと言っても、全然レスポンスがとれないというか、対応していただけない。
 ただ、TVOCについては、例えば10?/m3を超えていますよ。これは明らかに400μg/m3に比べれば何十倍もあるじゃないですかということで、やっとそこで動いていただけるという現状がありますので、TVOCは現在ある基準値の中の最後のとりでのようなことを感じております。
 それで、ここにお示ししていただいた指針値の考え方の方向と、実は全く違った方向をずっと考えているものがありまして、これはだめ、あれはだめと言っていきますと、それに替わるものをメーカーさんは一生懸命開発してつくられるわけですけれども、新たに使われるものが果たして健康影響がどうなのかという観点からの検討というのは、二の次になってしまって、製品としてつくりやすいもの、あるいはコストとして安くつくものという観点が優先されていくのではないかなというのが、最近の室内環境でいろいろな物質が出てくるのですけれども、そういう結果なのではないか。
 それで、業者さんも指針値が出るたびにそれを使わない、違った製品をつくらなくてはいけないという状況があるので、そこで何を使ったらいいのかというところは、逆にこれなら非常に健康影響もわかっている物質ですし、これであれば使ってもいいですよというポジティブリストのような方向に、この指針値とは別にお示しいただくと、業者さんはそちらの方向に転換することができるのではないかなといった私見をずっと持っております。でも、これは非常に難しいことだと思いますが、そういう考え方もあるということで、ここでお話をさせていただきました。
○西川座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○広瀬委員 もう時間があまりありませんが、今の斎藤委員からご説明頂いたことが多分一番現実的で困っていることではないかと思います。私も今回検討会に参加するのは初めてなのですけれども、毒性の観点で指針値を見ると、この検討会の目的がそもそも難しいところがあるのですけれども、シックハウスという観点にしておきながら、発がん性で指針値ができているという、エンドポイントと基準が少し乖離している。それは、この後、もっと精査していって、本当は難しくて最終的にはTVOCしかなくなってしまうようなところがあるかもしれないのですけれども、そのクラス分けは少しはっきりしたほうがいいのかなというのが一点。
 先ほど斎藤委員がおっしゃったポジティブリストは、多分この会合ではなくて、業界でポジティブリストを検討するという話になるので、この検討会ではできないと思うのですが、この検討会としては、結局、何をつくるかというのは業者任せで自主的にやってもらうしかないので、その自主的にやってもらうための基準とか考え方をここから示すというのも、一つの方法かと思います。考え方だけですね。それをやるというのは、ここでは無理なので、1つ提案として考えることと。
 あと、TVOCは、先ほど言った新築だとすごく高くなってしまうというのを考えると、ひょっとしたら幾つかの毒性が低い物質はネガティブというか、TVOCの対象物質から外してしまえば良いと考えます。それは現実的じゃないですけれども、例えばヒノキだったらヒノキオールは除外してTVOCを計算するとか、明らかに無害なものはTVOCからは外すということをすると、もう少し現実的にできるかと思います。これは、かなり飛躍的な考え方です。
○吉田委員 1点だけ、済みません。ポジティブリストという用語は、多分、先生は勘違いされていると思います。農業のポジティブリストは、そういう意味でつくったものではございませんので、それだけコメントです。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 それでは、その他に移りますが、事務局のほうで何かございますか。
○事務局 それでは、その他といたしまして、資料4、今後の検討スケジュール(案)ということで示させていただいております。
 9月28日、本日の検討会でございます。それから、この後、11月末から3月ぐらいまでの間に、あえて回を示さずシックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会ということで、やることとして、予備調査結果ではなくて、今、衛研のほうにお願いしている調査結果が一区切りついたところで出していくということを考えています。
 あと、業界、それから関係省庁、関係団体と要相談ということですが、幅広に情報を私どもとしても把握する観点から、この10年間、どういった取り組みをしてきたのか、あるいは、見直しに当たってよいアイデアはないか、そういったことをいろいろ情報収集できたらということで、取り組み紹介とかヒアリングを設定できればと考えております。
 それから、引き続き、資料3の紙をどんどんブラッシュアップしていくようなイメージで、できれば来年度ぐらいから実際の指針値の見直しに取り組めないかということを考えておりますので、資料3をブラッシュアップするような作業、その他の見直しにかかるトピックを考えています。
 それから、平成25年度以降、今、申し上げた調査結果、業界の取り組み等、それから幅広な情報を集めて、今後の検討の仕方、来年のこの時期にはフィックスしているでしょうから、そういったものを踏まえて、個々の物質について検討していきたいといったスケジュールで考えております。
 以上でございます。
○西川座長 ありがとうございます。今後のスケジュールについて、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
○池田委員 できたら、次回の検討会の開催がいつとか言っていただけないですか。そのほうが、後で日程調整するよりは楽かと思います。
○西川座長 今、日程調整ですか。事務局、いかがですか。
○事務局 委員の先生方含めて各方面からのアドバイスを受けて作業量を見積もりますので、後日調整でよろしゅうございますか。すみません。大変恐縮でございます。
○池田委員 いいです。
○西川座長 御了承ください。
 それでは、これにて本日の検討会を閉会いたします。お忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

連絡先: 電話:03-5253-1111 (内線2424)
FAX:03-3593-8913

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