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2012年10月4日 第2回「地域若者サポートステーション」事業の今後のあり方に関する検討会・議事録

職業能力開発局キャリア形成支援室

○日時

平成24年10月4日
10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室


○出席者

構成員

小杉 礼子 (独立行政法人 労働政策研究・研修機構 統括研究員)
遠藤 和夫  (一般社団法人 日本経済団体連合会 労働政策本部 主幹)
工藤 啓  (NPO法人「育て上げネット」理事長)
玄田 有史  (東京大学 社会科学研究所 教授)
佐藤 洋作  (NPO法人 文化学習共同ネットワーク 代表理事)
谷口 仁史  (さが地域若者サホ゜ートステーション 総括コーディネーター)
松田 考  (さっぽろ地域若者サホ゜ートステーション 総括コーディネーター)
宮本 みち子  (放送大学 教養学部 教授)
村越 和弘  (東京都立 一橋高等学校 校長)
森原 琴恵  (日本労働組合総連合会 生活福祉局 次長)
吉田 美穂  (神奈川県立 田奈高等学校 教諭)

オブザーバー

梅澤 敦  (内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付 参事官(青少年企画・青少年支援担当))
久知良 俊二 (厚生労働省 職業安定局 派遣・有期労働対策部 企画課 若年者雇用対策室長)
熊木 正人 (厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 生活困窮者自立支援室長)
松永 賢誕 (文部科学省 生涯学習政策局 政策課 生涯学習企画官)
春山 浩康 (文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課長補佐)

事務局

山田 亮 (厚生労働省 職業能力開発局長)
吉本 明子 (厚生労働省 職業能力開発局 総務課長)
吉村 紀一郎 (厚生労働省 職業能力開発局 総務課長補佐)
浅野 浩美 (厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室長)
永井 祐一 (厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室長補佐)

○議題

(1) 地域若者サポートステーション事業関係者に対するヒアリング
(2) その他

○配布資料

資料1佐藤構成員提出資料
資料2松田構成員提出資料
資料3吉田構成員提出資料
資料4村越構成員提出資料
資料5谷口構成員提出資料
資料6谷口構成員提出資料
資料7「生活支援戦略」に関する主な論点(案)
資料8地域若者サポートステーション事業の実績(8月末速報値)

○議事

○小杉座長 第2回「地域若者サポートステーション」事業の今後のあり方に関する検討会を開催します。初めに事務局から構成員等の出席状況について、御報告をお願いいたします。
○永井室長補佐 前回欠席されたオブザーバーの方に御出席いただいていますので、議事に入る前に御紹介させていただきたいと思います。文部科学省生涯学習政策局政策課の松永生涯学習企画官です。白間児童生徒課長におかれましては今回も御都合が付かないため御欠席です。代理で課長補佐の春山様に御出席いただいております。事務局ですが、本日、業務の都合で大臣官房審議官の内田が欠席です。また、宮本構成員につきましては電車の都合で若干遅れますという御連絡を受けております。以上です。
○小杉座長 議事に入ります。本日はサポステ、学校関係者である各構成員の方から、現状や課題についてヒアリングを行いたいと思います。佐藤さん、松田さん、吉田さん、村越さん、谷口さん、工藤さんの順番で、よろしくお願いいたします。最初にこの6名の方にお話しを伺った後、御質問や御意見をお伺いする形で進めていきたいと思います。進行について事務局からお願いします。
○永井室長補佐 進行につきまして説明させていただきます。一人の構成員の説明時間は8分でお願いしたいと思っています。村越構成員以外につきましては、今回プロジェクターを使用されるということですので、円滑な議事の進行のために、次に発表される構成員の方につきましては発表者の隣に席を設けていますので、そちらの方で待機をしていただきたいと思っています。以上です。
○小杉座長 佐藤構成員、よろしくお願いします。
○佐藤構成員 私は、文化学習協同ネットワークという法人で事業をやらせていただいているのですが、もともとは40年近く不登校の子ども等々の支援をしている団体です。その延長線上で若者支援事業ということで、「みたか地域若者サポートステーション」「さがみはら若者サポートステーション」をやらせていただいているということです。今日は、パーソナル・サポート・サービスを併設しているサポートステーションということで、少し紹介してくれというお話しでしたので申し上げます。「さがみはら若者サポートステーション」と併設させた形で、今年の7月からですから開始して間もなく、実績があるわけではないのですが、どういうことを考えているかということです。
 サポートステーションと、福祉などさまざまな社会的資源を繋げる、繋げ手としてのパーソナルサポーターは効果的な施策だと考えています。というのは、サポートステーションでは一定程度対象年齢が限定されてきますが、パーソナルサポートはそういう制限はありませんので、より小さな子どもから、30歳、40歳を越えたところまでの長期的な支援が可能になると思います。
 それから福祉との連携というのが、かなり重要なテーマになってくると思いますが、二つのプログラムが進むものをどう繋げていくかという問題とか、サポートステーションの対象者よりも、より重篤で困難なケースに関しては、少し丁寧に社会に繋がるまで時間をかけて対応していく伴走型の支援が可能になるかと思います。
 サポートセンターというのは、場の問題というよりも、ソーシャルワーカー的な役割で、とりわけ相模原ではサポートステーションとの併設ですので、サポートステーションのケースを掘り起こしていく形で地域資源に繋げていく仕事になっていくかと思います。
 とりわけ福祉との連携ですが、ケースワーカーとの連携の場合、少し丁寧に家庭の中にも入ってやっていくという話になってきますので、生保の前後をパーソナルサポーターとケースワーカーが連携しながら、継続的に切れ目のない支援をしていく形が取れるようになってきていると思います。
 これは相模原のセーフティネットの事業ですが、中3勉強会から始まって、居場所づくりもやり、その中で青年期の出口を支援していくために、サポステとの連携を作っていく形で事業が進み始めています。これはサポート・サービスの支援プログラムのプロセスですが割愛します。
 もう一つ、パーソナルサポーターを置くことについて、何分、三鷹では40年近く地域の教育活動に参加してきていますのでネットワークもあるのですが、相模原はまだ落下傘部隊のように入ったばかりですので地域との繋がりがありません。そういう意味で、このパーソナルサポーターを通して地域の資源を開発していく。それと若者を繋げていくという形で、例えば一つの事例として地元に老人介護の施設があります。それと人材事業会社の求職者支援訓練を繋げ、ふれあいネットワークという形で繋げていく、という形でやっています。
 9月からは、福祉住環境コーディネーター受験講座ということで、介護士養成は少し期間も長いしタイトなスケジュールでやらなければいけませんから、少し短い導入的な講座を開発して始めています。十人ほど受講していますが、そのパーソナル・サポート・サービス事業の中から予算を組んだ企業謝金という形で、この講座を実施してもらっている人材事業会社に謝金を提供しながら、この講座を作っています。
 パーソナル・サポート・サービスで対応していく一つの事例として、例えば21歳男子、いじめから不登校、通信高校へ行ったけどすぐ中退、転職を繰り返し失業、引きこもりと。母親は中卒、二度離婚、神経症で通院、生保受給、父親の違う妹がいて、結局、統合失調症が発生し家庭の中に家族中が引きこもっている。計算は不得意で仕事できず、叱られ失職ということで学力不振というか、何分、ちゃんとした環境で育っていませんから、そうした遅れをもって自信を持てないで立ち竦んでいる現状があります。親は「働け」と言い自分でも自立したいのですが、なかなかというところで福祉事務所からサポステに依頼がありました。より重篤ということで、サポステから、このPSに引き継いでずっと支援をしている形です。地域を開発して商店街の中に居場所を作り、そこの商店街の人たちと一緒にさまざまな社会参加を通して、そして学習の学び直し、サポステの学び直しプログラムにも参加させながら、ようやく中学1年の勉強が終わったということで、今後、働きながら高校認定の資格を取って専門学校に行きたいと本人は言っていますが、まだ先の長い継続的な支援になっていくかと思います。
 この34歳の男子の場合は、高校中退後、フリーターになり転々とし、海外に渡り薬物中毒、帰国後8年間引きこもっていた。そして病院からサポステにリファーがあったわけですが、やはり重篤で時間がかかる、サポステでは継続的な支援は困難だということで、PSを付けてさまざまな取組みをやりながら、先のふれあいネットワークの中で開いた介護職の講座に繋げながら、それをようやく終わって、いま介護職のグループホームでパートとして働き始めています。一人を支援するということは、その環境そのものを構成し直しながら、そこへ繋げていくという総合的な支援になっていくのではないかと思います。
 サポステの本体事業に、さまざまなモデル事業もプラスしてボリュームは大きくなり、機能も拡充していっているのですが、一つの事例としてPSを付けると、予算的にも人員的にもボリュームは膨らんでいく。サポートステーションの機能そのものも、そういう形で進めていくことになるのではないかと思っています。以上、時間が来ましたので報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小杉座長 ありがとうございました。短くてすみません。続きまして松田さん、お願いします。
○松田構成員 「さっぽろ若者サポートステーション」の現場におります松田と申します。よろしくお願いいたします。地方の現場の実態を背伸びすることなく、お伝えしたいと思います。例えばサポステと学校が連携するという話も出ているのですが、サポステはどれぐらいのことができて、何ができないのかという部分です。サポステ自体は単独でそんなに大きなことができるわけではなくて、サポステという種が土の中に植えられ、受託団体という門性のある土の中に種が入り、そこに地域のネットワークという根を張り、そしてキャリア相談という幹を付ける。さらに、それをきっかけとしていろいろな自治体の協力、あるいは受託団体の工夫等々を含め、いろいろな枝葉を広げていって初めて花や果実、成果を付けるということです。サポステの相談窓口だけで留まっていては実はそんなに大きな成果は出ないのですが、かといって、では何もできないかというと、この仕組みはとても可能性を持っている。ネットワークも作りやすいというか、作ろうというきっかけにもなりますし枝葉も広げていくということで、非常に可能性に満ちた種であると思っています。
 その種から派生した札幌のサポステですが、キャリア相談という緑の部分から、必ずしもキャリアの仕事の部分ではない相談の方も来ますし、1対1の面談では立ち行かない、いろいろなグループワークが必要な方、あるいは親の会を含めて派生していった部分を、札幌市の自治体事業として若者支援総合センターの中でやっています。この総合相談窓口に来る方に対しては、特にあなたは、いまサポステのお金で賄われている相談員に付けますとか、市のお金で賄われている相談員に付けますということは言わないのですが、相談の中で、専門性によって担当課が変わることもありますというか、それが普通です。当然ながらサポステの核として、ネットワークがいろいろな所と繋がって社会に入って行くのですが、ハローワークに行って求人票をもらえれば何とかなるかというと、そうではない若者もたくさんいますので、また後で触れますが、中間的な段階を経て就労に向かっていくというものも市の事業として入れています。
 子ども・若者支援地域協議会というのがあります。これは児童福祉の段階から、あるいは少年非行の問題などいろいろな段階から繋がっていくという意味で、とても大事なネットワークだと私たちは思っています。このネットワークの核で私の所属している札幌市青少年女性活動協会が、指定していただくに当たって、他の自治体の方も言うのですが、どの民間団体を選べば最も不公平感なくというか、市民の納得が得られる状態でいけるかというのは非常に頭を悩ませるのです。そういう意味でもサポステがあって、それを取り巻くネットワークを既に築いていることがあるので、市民の方にも納得していただける機関として、この子ども・若者ネットワークも中核を担っています。
あるいは、水面下にまだリスクがある状態というか、この子ども・若者支援地域協議会は、ある意味でリスクが表面化した子ども・若者が主な対象ですが、学校との繋がりというところで強化をしています。これも緑の部分のサポステでかなり手厚くやっている。プラス市の事業として黄色の部分ですが、中学校段階も入れているところです。
 学校との関係のところで数字だけお出ししておきます。必ずしも中退したらみんなが無業状態に陥るわけではないのですが、無業状態の若者で私どもの所に登録に来た若者の中に一定程度、少なくない割合で中退経験者がいることは事実だろうと思っています。
 札幌の取組みの一つの例ですが、これはサポステを呼び水として、あるいは高校中退者等アウトリーチ事業を呼び水として自治体で作ってもらった仕組みで、市立、道立、私立の方に、文科省からお手紙をいただいていることで入口が開けたのですが、そこから各家庭の親御さんに、「あなたの家の情報をサポステに出していいですか」と手紙を出して、拒否しなかったら情報が来るという仕組みを作ってもらっています。ほとんどの家庭は無視するというか、おそらくほとんど読まないですね。私どもが電話をすると「何かそういうのが来ていた気がする、何?」みたいな対応なのですが、そこでスッと自己紹介ができて、こういう意図でと言って、親御さんのハートをギュッとつかめるかどうかが非常に大事な部分かなと思っています。その部分で個人情報が漏れたと言われるといったトラブルは一度もなく、「きちんと学校を通じて御案内があったと思います」という話をしています。その経過なども適宜報告しながらやっています。高知県の「はばたけネット」に非常に近いものかなと思っています。
 それをやっている中での課題ですが、いまの情報共有事業に関して言うと、サポステという名前、ブランドへの信頼がまだ足りないと思っています。先ほど申し上げたとおり、文部科学省の名前での手紙を含め、教育委員会レベルではオーケーをいただき「協力するよ」とおっしゃってくださるのですが、当然ながら学校単位で協力していただかないと情報というのは全然上がって来ないので、いま学校を回って聞取りをしていると、確かにそういうお達しはあったけれども、どういうところかよくわからないので、さすがに生徒の情報を出すわけにいかない。お達しは来ていたけれども、それは命令ではないのでちょっと控えているという感じです。いま、この事業の中で、元中学校の校長先生を経験した方に各学校を回っていただいて説明をしてもらっています。学校に説明するのは学校経験者がいいのかなと思っています。そして実際に親御さん、本人に対応するのは私どものスタッフがやっています。電話をすると、「あと1、2年は子どもは部屋から出ないけど、見守ろうと思う」と言う親御さんも少なからずいますが、1、2年黙っているのではなく月に1回、「最近、どうですか、元気にしていますか」と、電話だけでもさせてくださいということで突破口を開いていくのですが、それが3月31日で切れるということがあってはならないと思っています。
 課題2として、この学校との情報共有とは別に、サポステを拡充していくのであれば、どのエリアにするか。先ほどの種の例で言うと豊かな土壌がある場所にだけ置いていくのではなく、おそらく必要としている場所は違うでしょうし、必要だけれども土壌がない場合にどうするかというあたりを、きちっと整理しておかないと、豊かな所、必要とされる所に植えるだけでは難しいだろうと思っています。
 あと1点、どうしても申し上げたいのが、いま私が申し上げたようにサポステを受託していろいろな枝葉を広げていくと、どうしてもその地域の中の代表的な窓口になってきて、他の団体との豊かな付合いというか、そこに一極集中することがあってはならない。地元の機関もちゃんと一緒に育っていくという意味では、一旦、代表的な窓口として私どもの所に来るけれども、地元の機関にお願いしますと、できればお金もちゃんと渡せる形でできればいいと思います。例えばフリースクール、不登校関係の方も私どもの所に、こっちだと無料だということで15歳を過ぎたら来るのです。まだフリースクール等々、地元のいい所にお繋ぎしたいと思っても、お金の問題で、あっちは有料だからということで来る問題もありますから、地元の機関も痩せ細らずに一緒に育っていく仕組みが必要だと思っています。
 最後に1枚だけ、コネクションズネットワーク〜こねっと〜というものをお付けしたので、時間がありましたら御覧いただければと思います。地元の機関ではなく各個人です。静岡方式と言われているものに近いですが、いろいろなコネを持った個人と繋がるという仕組みです。時間が来ましたので以上です。ありがとうございました。
○小杉座長 ありがとうございます。では続きまして学校の方から吉田さん、お願いします。
○吉田構成員 よろしくお願いいたします。私からは神奈川県立田奈高校の取組と、そこから見えるサポステのあり方に関わるお話しをさせていただきたいと思います。お手元の資料は詳しいものになっているのですが、時間が8分と短いので、抜粋したスライドを作ってあらかじめお送りしてあったのですが、その一部のデータが消されてしまっているようですので、お手元資料の1ページを御覧ください。
 1ページにグラフが載っています。田奈高校はクリエイティブスクールに指定されています。これは中学校までに持てる力を発揮できなかった生徒を積極的に受け入れて、社会実践力を育成しようとする学校ということで、入試では学力検査を行っていません。このため生活面、学習面に課題を抱えた生徒が多く入って来ますけれども、その背景には厳しい経済状況があるということで、グラフは授業減免率の推移を示しています。これは生保またはそれに準じる家庭の割合ということで、25%に近い状況になっているのが御覧いただけるのではないかと思います。
 こういう状況ですが、学校としてはさまざな取組をしてまいりました。2ページの下のグラフに中途退学率が示されています。御覧いただくとわかりますように、いちばん高かった平成17年度は9%台になっていますが、いろいろな取組をして中退率を大きく下げてきました。そういう中で課題として残ったのが進路を巡る問題です。3ページの下のグラフを見ていただくと卒業生の進路の推移になっていますが、いちばん上の折れ線が未定率です。学校としても2006年度以降、とくにキャリア教育などに取り組んで未定率も減ってきていたのですが、リーマン・ショックの年の次の年に大きく未定率が上がってしまいました。外側のそういう社会環境の変化の影響というのは非常に大きいです。家庭の経済も厳しくなって進学はできない、けれども、求人票の枚数は大きく減って就職もできないということで、未定率は上がっていくわけです。ここからキャリア支援センターの構想が始まってきました。
 キャリア支援センターの組織が載っていますが、経済的な理由で進学できない生徒や、さまざまな困難を抱えた生徒の進路を、卒業生あるいは中退生まで含めて支援していくための組織ということで、センター長は副校長で、他に担当の教員が2名います。私はその一人になります。それ以外が新たに入って来ていただくスタッフになっていて、教員補助者という方々がいます。これは緊急雇用対策で雇用されている方々で、ハローワークなども経験された方が多いですが、この方たち2名が基本的には常時進路室を開設し、就職の支援に取り組んでいくという体制を作っています。この効果は非常に大きいです。
 今回、サポステに関わるところでは田奈Passと言って、2名の相談員の方に横浜の「生活・しごと∞わかもの相談室」から来ていただいています。学校としては、他に就職に向けたいろいろなカウンセリングのために、キャリア・コンサルタントの方にも入っていただいています。そういう体制でキャリア支援センターを動かしています。
 田奈Passという取組ですが、横浜のパーソナル・サポート・サービス、「生活・しごと∞わかもの相談室」から2名の相談員に来ていただいています。昨年度までは、この「生活・仕事∞わかもの相談室」はサポステの分室という位置づけもありましたが、今年度からはパーソナル・サポート・サービス事業ということで行われています。そこから2名の方に来ていただき、図書館をベースとして生徒との交流・相談活動を、昼休みや放課後に行っていただいています。これは非常にいいかなと思います。一つは生徒の日常の様子や特徴をつかんで、そこから相談員の方に課題を見出していっていただくという意味もありますし、生徒の方は日常的なところで相談員の顔を覚え、交流することができるということがあると思います。特に課題を抱えていて将来に向けて個別の相談が必要な生徒は、授業時間内に公欠扱いで相談を入れています。昨年度は延べ90人、今年度は9月中旬までで延べ80人ということで、最初は2名の方に同時で面談していただいていたのですが、人数が多くなって、ばらばらに対応していただくことも増えてきています。さらに大きな効果として、こういうところで相談員の存在やパーソナル・サポート・サービスを知っていった生徒が、直接、そちらの機関を利用するケースも出てきていることで、これが本校の一つの特徴かと思います。
 もう一つ、「進学によらない資格支援」ということで、横浜市の協力を得て「保育士プログラム」と「介護職プログラム」をセンターで行っています。両方とも夏休み中に研修をするのですが、「保育士プログラム」の方は卒業後、国家試験の受験資格を得るためのアルバイト雇用をしていただいています。この4月から2名の生徒がアルバイト雇用で保育園で常時働いている状態になっています。「介護職プログラム」は夏の研修の後、3年生の秋から土日にアルバイトという形で入って実地での研修をしていき、この4月にはそのうち2名の生徒が正規採用という形で就職しています。
 有給職業体験「バイターン」というのも実施しています。アルバイトをしなければならない状況の生徒は非常に多いのですが、中には合格できない、あるいはアルバイト面接に行く勇気が出ないという生徒もいます。そういう生徒が学校の見守りを受けつつ、働く現場で経験を積むことができるという意味のあるプログラムです。高校生のアルバイトはいろいろあるのですが、実際には非常に限られた業種、職種になっています。そういう意味で、普通にしていると非常に偏った経験しかできないのですが、いろいろな職場でのアルバイトができるようにして、そこからいろいろ仕事について学んでもらうこともできると考えています。現在、20数社の登録があって、生徒や卒業生7名が参加しています。
 このような取組をしている田奈高校ですが、周りにどんな機関が関わっているのかを簡単に図にしてみました。右上のところが一般社団法人インクルージョンネット横浜で、パーソナル・サポート・サービスを受託している団体です。ここから田奈Passの相談員が二名学校に来ている。さらにバイターンの方は、バイターン協議体ということで五団体が協議体をつくって実施している形です。田奈高校の他に横浜市、NPO法人ユースポート横濱、社会的企業であるシェアするココロ、人材派遣会社パソナが入っています。さらに会議体としてその外側のところには、以前から田奈高校の職場見学体験を受け入れてくれて以前から繋がりのあった、緑法人会があります。こういう中で非常に密接な関係を相互に持っています。実は田奈Passの2名の相談員のうち1名は、ユースポート横濱の理事でもあり、またもう1名はシェアするココロのメインのスタッフでもあって、ということで、人という意味でもここは非常に顔が繋がって、連携しながら支援ができる体制になっています。
 困難を抱える子どもを支えるということで考えてみますと、学校には本当にさまざまな困難を抱えた子どもたちがいます。質もそれぞれ違います。また複数のものが重なった生徒もいます。そういう中で学校としては別にサポステに頼るだけでなく、今までもいろいろな支援をしてきている。その延長線上で、今回はキャリア支援センターということでサポステや、パーソナル・サポート・サービスの関係がどんどんできてきたわけですが、実際にサポステや関連する若者支援機関に何を期待するかといったときに、すべてを期待するのは当然無理であると思っています。例えば不況のために仕事に就けないという状況であれば就職支援員の支援が効果的なわけですし、教育相談の方も児童相談所や医療に全部繋いでいきますから、在学中はそれでいいわけです。そういう意味でサポステに何を期待するかというところで、率直に言うと、より困難な事例です。それぞれが抱える困難が非常に複合していて、このまま学校の支援だけでは将来の自立に繋げていけないと思われる、非常に厳しいケースをサポートしていただくのがポイントで、そういう意味では地域のいろいろな資源を活用しないといけませんし、福祉や医療支援、そして学校が支援する上で行いにくい世帯の介入といったところを動いていただく必要があると思っています。ですから、学校に入る外部人材には非常に高い能力が求められると感じています。本校に来てくださっている方は経験も力もお持ちの方々で本当に助かっていますが、率直に申し上げて、すべてのサポステでそういう人材を学校に回せるわけではないのではないかと思っています。特にケースに応じた適切な支援計画を、その場で見立て、教員と相談しながら方針を立てていく力が求められますから、一度帰ってあちこちと相談してということでは困るというところがあります。そういう意味で人材の育成は極めて重要だと思います。
 さらに、学校の方も実は変わらなければならないということがあります。前回、学校はどうしても教育ですと申し上げたのですが、それはいい意味で言ったわけではなく、支援という発想は教員にも求められていると思います。そういう意味では高校では適格者主義が強いので、そういうところを変えていく。さらに外部と協働できる経験、能力を持った教員を育てていくことも非常に重要であると思っています。そしてコーディネートしていく上では、教員の方にも実は手間がかかります。うちの事務局長は大きく授業時間を減じて、こういう外部資源、人材の間を繋ぐ仕事をしています。そういうところを理解して、学校運営をしていく部分も非常に重要になってくると思います。御清聴、ありがとうございました。
○小杉座長 ありがとうございました。不手際があってすみませんでした。続きまして村越さん、よろしくお願いいたします。
○村越構成員 一橋高校の御報告をいたします。ただいま報告がありました田奈高校のように、教育委員会の施策として入っているわけではありませんので、その中で一橋高校が単独でどのように連携していったか、現状を御報告したいと思います。
 東京都にはエンカレッジスクールという名前の学校があって、30分授業を行ったり、放課後の体験活動を重視したりという学校です。チャレンジスクールという不登校の生徒を集めている学校もあります。さらに一橋は昼夜間3部の単位制定時制高校、通信制高校ということで、少しタイプが違う学校となっています。プリントを御覧ください。1は一橋高校の概要で、この間、お話したとおりですので御覧いただければと思います。カウンセラーが一人、東京都から派遣されていますが、それとは別に二人の臨床心理士に来ていただいています。これは一橋の前身の同窓会の事業ということで入ってもらっています。
 2のサポステとの連携の位置づけですが、定時制は23年度、通信制は24年度から連携を始め、学校経営計画の中の進路指導の中に位置づけました。定時制の例を挙げると、「外部機関との連携(ハローワーク、せたがや若者サポートステーション)や外部人材の活用により、進路意識の高揚、進路決定率の向上に努める」としました。(2)の定時制、通信制ともに、学校運営連絡協議会、これは評議員制度ですけれども、外部委員と位置づけました。ですから年三回は必ず公の会議に来ていただくのと、外部評価を実施していただく。そういうメンバーに入っていただきます。これが一橋高校とサポステの連携の位置づけということになります。
 3の定時制課程と「せたがやサポステ」との連携ですが、月2回金曜日の進路指導室での定期相談を行っていただいています。23年度は後期から、8回の相談日に1名が相談とありますが、1名しか来なかったということです。24年度は前期(4月)からスタートしました。8回の相談に7名が相談に来ている。相談記録は進路指導室で管理しています。校内での相談からサポステに繋がった例は後ほどお話しします。
 (2)の「保護者の会」でのサポステ講演会を23年度に実施しました。ここからスタートしたということになります。そうしたら「しんじゅくサポステ」も一緒においでいただきました。お話しを伺うと、「しんじゅくサポステ」と「せたがやサポステ」は、同じ団体で活動しているのです。ですから「せたがやサポステ」に声がかかって一緒にやっていく中で、「しんじゅくサポステ」にも来ていただいた。そういう御縁がありました。
 (3)は3・4年生を対象に、進路未決定者のための進路ガイダンスで講演していただきました。自分の進路をどうしたらいいか考えられない子たちを集めてやりました。その他のところは進路別にガイダンスをやるわけですが、どこにも収まらない子がいて、昨年までは適当にどこかに割り振っていました。
(4)の就職希望者への履歴書の書き方指導では、夏休みに4日間来ていただいて、進路指導の教員と一緒にやっています。(5)は校長による入学式・保護者会での保護者への紹介、始業式等での生徒への紹介です
 4の通信制と「しんじゅくサポステ」との連携は、同じようにやっていますが、月2回土曜日に来ていただきます。23年度は10月からなのですが、9回の相談日に32名が相談しています。昨日の進路指導部の報告だと人数がもう少し減るのではないかと思います。今年度は4月から始まり、7回の相談日に20名が相談しています。相談日には全生徒に当日配付する「スクリーニングニュース」で案内をして、進路指導主任が昼休みの校内放送で呼び掛けます。担任の先生の助言によって生徒が相談に来るということです。相談記録は後日メールで送られてきますので、それを全教員が見られるようにしています。校内での相談からサポステへ繋がった例は、また後ほど御覧いただきます。生徒向け「ミニカード」も別添の資料でありますので、あとで御覧ください。これは全生徒へ配布しています。サポステの所長から入学式・始業式・保護者会等で、生徒保護者へPRをしていただいています。卒業生・退学生徒へのサポステの紹介も別添で資料があります。生徒の自宅に送る月報での紹介もしています。とにかく生徒の自宅へ送らないと、来ない生徒がかなりいますので、そういう形で紹介をしています。
 5で、なぜサポステと連携できたのかというと、一つはニーズがあったということです。人手不足と教員とは異なった視点での指導が必要だということ。中途退学者が多く、その指導や対応の必要性からサポステとの連携が必要だということ。(2)は情報があったということです。都立高校の定時制・通信制校長会の23年度の研究テーマが「サポステとの連携」でしたから、東京には6カ所のサポステがありますけれども、そこを訪問したりアンケート調査をしたりして情報があった。学校とサポステとの相互理解があり、管理職と教員に意識と熱意がありました。サポステから学校へのアプローチもあり、学校とサポステとの担当者間の相互理解があったということだろうと思います。
 6の課題としては、生徒・保護者・教員への周知がむずかしいということ。それは校内ですけれども、東京都の他の高校への周知もなかなかむずかしい。相談する生徒がまだ少なく、相談日がもう少しあるといい。サポステと教員との間に遠慮がどうしてもある。キャリアカウンセラーとしてのニーズが高い。スクールカウンセラーとの連携があまりない。具体的な成果が見えにくい。学校の教育成果となりにくいところがある。校内の業務が多岐に渡り、多忙である。学校は仕事が増えることを嫌う。サポステとの連携が学校の重要課題になりにくい面がある。費用がかかる場合、予算化がむずかしい。サポステも教員も常に連携を工夫していく人材の確保がむずかしいのではないか。このようなことが考えられます。資料については時間がありませんので後で御覧いただき、何か質問かございましたらそこでお答えしたいと思います。
○小杉座長 御配慮、ありがとうございます。続きまして谷口さん、お願いいたします。
○谷口構成員 皆さん、こんにちは。「さが若者サポートステーション」の谷口です。よろしくお願いします。早速ですが、お手元の資料の2ページをお開きください。平成22年に施行された子ども・若者育成支援推進法ですが、佐賀では先行して実施されていた地域若者サポートステーション事業で構築された、自立支援ネットワーク、これをうまく活用することによって、全国初の取組を進めていくことになりました。
 同法に規定されている主要な三つの機関のうち、相互相談窓口としてのセンター、コーディネーター機能を担う指定支援機関この二つを一括で法定協議会から信任いただいている団体が、NPOスチューデント・サポート・フェイスで、サポートステーションの運営を実施しています。いわゆる支援の入口から出口に至るまで支援の過程全般をコーディネートし、自立までの経過を見守っていく体制の下でサポートステーションを運営しています。
 3ページを御覧ください。左側に書いていますように、これまでの累計で23年度末までに4万5,000件を超える相談、来所者も3万名を超えています。支援対象となった若者の実数も2,300名を超えています。これを23年度の全国平均と比較してみると、相談件数は4.3倍、来所者は2倍、実数でも2.6倍と、利用率は大変高いということですが、その背景にはこのアウトリーチというものがあり、社会的に孤立している若者に効果的にアプローチしている。だからこそ、こういった高い利用率が出ているということです。
 右側で、そういった若者たちにさまざまな支援を展開していくわけですが、その結果だけ説明させていただくと、進路決定者数は396名出ています。一つ特徴があって、そのうちの110名が進学ということで、このネットワークの中で最も重視しているのが教育機関とのネットワークです。
 4ページを御覧ください。その教育機関とのネットワークが開花したのは、サポートステーション事業を平成18年に受託してからということになりますが、とりわけ義務教育段階修了後の連携は、平成22年に実施された「高校中退者等アウトリーチ事業」によって、現場の教員の先生方と、不登校あるいは中退者等に関する効果的な支援のあり方について、現場の意識を共有できたところから発展が生まれたということです。
 そこで平成23年度からは、「高校における不登校等の自立支援事業」を県の教育委員会から受託しています。この事業は大きく二つに分かれています。一つが全公立高等学校43校への学校訪問です。そこでしっかりと地域の支援機関と学校を繋げ、中退リスクの高い若者を繋げていく。もう1点が、学校対応で難しい生徒に関しては家庭に家庭教師を送り、家庭から若者の自立を支えていく取組を、県の教育委員会と一緒に実施しています。
 5ページを御覧ください。そういった中で出てくるのが多面的アプローチという手法です。アウトリーチの特性を活かしながら本人対応、そして下の方に書いてありますように家族対応を、関係機関と共に、彼らが抱える複合的困難を一つひとつ解消していく。これを一貫してコーディネートしていくことによって、そういった深刻な問題を抱える若者でも、しっかりと自立まで見守っていける体制になってきています。その結果が進路決定者数全国2位に繋がっているということではないかと思います。
 6ページを御覧ください。その中で見えてきたものを数字として掲載しています。簡単に説明しますが、要はアウトリーチの対象者は普通に施設に足を運べる若者たちに比べて、より問題が深刻あるいは複雑化しているということです。そういった点を踏まえた上で、今後、サポートステーションを拡充していく際には、サポートステーションでアウトリーチに携わるスタッフにはまずはしっかりと専門性を、身に付けていただく。これが大前提になってくるだろうということです。もう1点は、これだけ複合的な複数分野にまたがる支援を展開するときには、しっかりとそういったノウハウを持っている人たちのチーム対応によって対応していく。そうしなければいつまで経っても縦割りの状態で、実際の自立までの過程を効果的に進めていくことはできないと考えているところです。
 7ページを御覧ください。「さが若者サポートステーション」の相談実績をグラフにしたものです。御覧いただいてわかるように、年々、ネットワークの機能のところで関係機関からの相談が多く寄せられている。その中での特徴は、困難を抱えている若者が多くサポートステーションに紹介されているということです。右下に書いていますように、特にいま著しいのが保健・福祉機関、いわゆる病院で抱え込んでいたケースがサポートステーションに繋げられている。もう一つは、ネットワークを重視している教育機関からのリファーが非常に大きくなってきている。しかしながら、このサポートステーション事業は一定額の委託事業です。その枠組みの中で実際に受けていって一定数を超えてしまうと、どんどん負担が増えていく。さらにそれを継続的に見ていくとなると、本体の方の赤字にもなってしまうことが実際にあろうかと思います。そういった中で、しっかりと応分負担で負担した分に対してのインセンティブ、対価を実際にネットワークの中に盛り込まなければ、せっかくの取組も潰れていってしまう。こういった危険性すらあるのではないかと考えているところです。
 またネットワークという観点で言えば、サポートステーションの総合相談窓口としての機能、いろいろな支援機関に若者を繋げていく役割があります。そういった点でいくと実際に民間にお願いするといったとき、その支援対象者がお金を持っていればいいですが、お金を持っていない、経済的に苦しい家庭の子どもたちをお願いするときに、無料で頼んでしまうことになると、お願いした先に負担を負わせてしまう。そういった点ではNPO活動を阻害してしまうという側面も実はあろうかと思います。そういう点でネットワークの中で実際にサポートステーションが、ある意味、費用を負担できるような仕組みも必要になってくるのではないかと考えているところです。次にインセンティブのための結果というところで、もう一度評価基準をしっかり見直さなければいけない。そうしないと適正に支出することもなかなか難しいところから、成果指標の見直しを挙げています。
 もう一つの側面は、例えば困難を抱え、多面的アプローチをしなければいけない若者を自立させた進路決定者と、単なるキャリア相談だけで終わってしまう進路決定者は比較できないわけですから、かかった労力や資源もしっかり成果として見る複眼的な成果指標も設けていく必要があると思います。
 いくつか課題を出しましたが、実際に生活支援戦略との絡みでいくと、総合相談窓口の複数年の実績の中で出てきた成果と課題を、しっかりと整理した上で、生活支援戦略との絡みを考えていく必要があります。せっかく地域でサポートステーションの取組がここまで発展しているわけですから、それをしっかり核としつつ、他の機能を付加していく視点も重要になってくると考えているところです。以上です。
○小杉座長 ありがとうございました。かなり時間が押してしまいました。最後になりますが、工藤さん、お願いします。
○工藤構成員 工藤です。よろしくお願いします。NPO法人「育て上げ」ネットでは、いま四カ所サポートステーションをやっておりまして、私はそれらを運営する法人代表としてとして来ています。本日お伝えしたいことはお手元の資料にあります四つです。一つは先ほどアウトリーチという話がありましたが、どこでもできるアウトリーチということで、PRの基本的な取組をまとめました。マスに対してと個人に対して物事を伝えるときと、あとサポートステーションそのものをPRする、若者自身にPR、情報を届けるパターンと、若者に情報が届くように情報を届けるパターンで、それぞれ左上のウェブやブログ、ソーシャルメディアとかを回って媒体を使い分けてやっています。
 その意味で「認知度の向上」というテーマがありましたが、認知度向上は御存じの方も多いと思いますが、やり方があるので、やり方に沿ってやれば基本的には向上するだろうというのが1点です。
 どのようなターゲットに今回は情報を届けるかがはっきりすれば、それなりにターゲットになる人が来るだろうと、そういう意味では、いま困難な人が増えているというところは、困難な人に向けてPRを意識的または無意識的にされているということもあると思いますし、逆に困難な人が全然来ない所は、その地域にいないのではなくて、困難な人には届いていない。逆に言えば困難でない人には届きやすい情報の媒体、もしくは方法論を使っているのかなと思います。
 その意味で認知度の向上と、あるターゲット層を明確にしていただくためのやり方は、PRのノウハウがありさえすればどの団体でも出来ることだと思います。逆に先ほどの谷口さんの話のような、アウトリーチの中でも特に難易度が高い、つまり、困難度の高い層へのアプローチである家庭訪問になると、長期的かつ強度の高い研修が必要なので、全体的にできることとしてPRの取組で底上げをする。
 企業連携ですが、多くは中小企業・零細企業・地元企業との連携を模索されています。私たちも地域や地元に御協力の御願いに回っています。もちろんそれはそれで重要であるとともに、特別に大企業だから連携してくれないわけでもないというのが最近の実感です。例としてマイクロソフトさんであるとかリクルートさんとか、どなたもご存じの大きな企業があると思いますが、そういう所に、「実はサポートステーションというのがあって、こういう対象者に御支援をしているのですが、協力してくれませんか」話をすれば、できる範囲の中で協力をしていただける。ここで一つ強調しておきたいのは、弊社だけで協力してもらっているわけではなくて、今回、全国14カ所のサポートステーションとか、複数のサポートステーションを包括的に協力していただくことも可能かなと思います。
 ですから、職業セミナーとか、職場体験がどうしても中小、地場に偏ってしまいがちですが、若者のキャリアの可能性を拓いていく、育んでいく際の協力・受入企業が限定的であると、受益者の中には自分の可能性が閉じられているように感じる方もいらっしゃるかも知れません。そうではない可能性を見せていかないといけないという意味で、いろいろな企業へのアプローチは大事かなと思います。
 他にもアプローチの仕方として、例えばCSRみたいなことを掲げている企業にアプローチをするとか、それ以外にもISOを取っている企業にアプローチをすれば、ISOの更新には社会貢献が必要ですので、きちんと感謝状を贈ることでISOの更新ができるので、協力をするというところから入って、実際にやってみてどうであったというところに持っていくという連携の仕方もあるかと思います。
 データ集計ですが、併社でサポートステーションに限らず独自の事業も含めて、いま法人全体インテークシートを作っています。いまシステムに移行しているのです。システム化すると瞬時に情報が把握できる。コンビニのPOSシステムみたいなものです。それによってより良い支援と、あと分析研究を生かして、定量的な情報を外にきちんと打ち出すことができるのではないか。これをやっておくと、特にコストをかけることなく、全体を俯瞰して正確に把握できるので、こういう部分をやっていきたい。
 その中で特徴的なのはサポートステーションでは、インテークシートで、生育歴から取っていますので、いわゆる出生からいまに至るまでと、ここからどうなったかということが全部取れるということです。個人の情報は別に要りませんが、5,000人規模で見ていると、やはり一定の傾向が把握することができます。例えば23歳の大学生、卒業をしてしまった人などは、明らかに4月と5月に来ているので、本来その層を狙うのなら、PRは2月と3月というように、だんだん見えてくる。どの時期に就職が決まりやすいのかが見えていけば、そこに対してプログラムを逆算して組んでいく。そして出口戦略をしやすいということもだんだん見えてきます。全体のサポートステーションにはすごい人数がいますので、こういうものをしっかり把握していくことで、より良い支援と効率的な支援が可能になるのではないでしょうか。
 最後に今後のあり方についてですが、拡充に関しては非常に賛成ではあるのですが、それに伴い物理的な限界がもう既にきています。規定の予算に対しておける人間と、当然法定雇用の中に働ける時間の限界があるにも関わらず、数値成果が上がり拡充することは、やっていく中で自己犠牲を強いろという話になってしまいますので、この物理的な限界の対応を拡充とともにセットにしてほしいというのが一つです。
 もう一つが、人は増やせばいいというものではなくて、やはりマネジメントにもまたコストがかかってきますので、マネジメント人材に対して質の高い向上研修をしっかりやっていかなければいけない。いまも当然あるのですが、研修に出る時間が支援の時間を削る状態になっていますので、支援を優先するのか研修を優先するのかは、現場で結構迷うようなこともあります。
 ここに関しては、いまはサポートステーション予算以外の、先ほどの行政の他の予算を違う形で組み合わせるとともに、外部からファンドレイジングしていくとか、さまざまな手段で金銭を何とか担保しているのですが、どうしてもしっかりやっていこうと思うと持ち出しが増える。では、この部分に対してどうアプローチするのか、もしくはやらなくていいというように社会的に合意形成していただくのかは、本来議論から逃げてはいけないものではないかと考えています。
 二つ目です。これは現場の言葉ですが、サポートステーションのもともとの理念的な話からいきますと、運営目標としてはキャリア・コンサルタントの力を最大化するところを目標にしています。基本的に総合相談窓口であり、かつ成果指標/出口が就業という建て付けになっていますので、入口ですごく苦しい人が来ると同時に、目標である出口のところを見据えていきますと、最終的には現状いちばん活躍されているのはキャリア・コンサルタントの資格を持っている個人だと思いますので、ここを最大化したい。
 そのためには何が必要かというと、キャリア形成をするキャリア・コンサルタントにその事業を集中させるために、周りのリソースをもう少し増やしたい。経理とか事務とかネットワークのために相談に行く、話に行く時間のコストはキャリア・コンサルタントのチカラを最大化するためには非常に無駄なので、それ以外の部分を担保するための整備基盤・人材活用は必要になるだろう。
 それに付随して、ハローワークの機能を最大化したいと考えています。何だかんだ言ってもハローワークの機能は非常に強大でして、地域の情報とか求職者の情報、求人の情報を持っていますので、ハローワーク等の機能を最大化するためにサポートステーションの機能とはそもそも何なのかを整備をしていく。さらに連携を強め、就労に結びつけていけるようにするのが大事かなと思っています。
 それから、利用している若者とサポートステーションの職員へのヒアリングは多いのですが、サポートステーションの周りのステークホルダーにヒアリングした情報がほとんどないので、参考までにステークホルダーの声を付加いたしました。
 最後になりますが、成果・評価、谷口さんからありましたが、私の方はいまの実情ですと、無職という人の0を就職させろと、1というようにカウントしなさいと言われているように思えます。そこに対して0から1に至る0.1から0.9までのプロセスは非常に厳しいわけですが、この変化、例えば相談を受けられるようになりましたとか、学校に行くための塾に行けるようになりましたという変化を定量化して、貨幣換算化できるSROYという仕組みがあります。変化に着目をしないことには、先ほどの大きなグランドデザインのマップの中の左端と右端しか見ていただけなくなってしまうので、その間の行程をきちんと貨幣換算できるような定量的な成果指標の導入を考えたいなと考えております。私からの発表は以上になります。ありがとうございました。
○小杉座長 ありがとうございました。大変短い中で、本当にありがとうございました。それでは質疑応答に入りたいと思います。まず御発言される方は誰に対する質問か御意見かをおっしゃってからお話しいただきたいと思います。宮本先生、玄田さんいかがですか。
皆さん反応してくださらないので私から。 
 最初のお三方は比較的現在の状態というところにウエイトを置いて話していただいています。後半に発表された方のお話しでは今後の課題にかなりウエイトがあったので、現在の状態を中心に話された、特に佐藤さんと松田さんには、今後について話す機会がなかったと思うので、いま今後の課題と思っているところを是非お話しいただきたいと思っているのですが、どうでしょうか。
○佐藤構成員 実際の運営上の問題なのですが、一つは実施期間が1年間というのは、なかなか難しいというのがあります。自治体が来年度の予算を組めないのです。来年企画競争に残るか残らないかというのは、形式上それは存在し続けますので、自治体としては来年度の予算編成がやりにくいという話が一つあります。それをどうクリアするかという問題。
それから、同じ運営上の問題ですが、都市部の実施団体との協働の問題で、小さな自治体が相手ではなかなか連携しにくいという問題があります。それを広域連携にすることは可能かどうなのかというと、やはり10万、15万の所という小さな自治体との連携ではなかなか難しいと思います。そういう問題があります。やはり実施の内容に関しましては、いちばん大きいのは教育行政、谷口さんの所のようなものが全国で出来るのか出来ないのかという問題です。そのへんをどうクリアしていくかという問題です。
 先ほど松田さんが出されていた、ワーカーをどう養成していくかというときには、やはり現状、長年フリースクールなり何なりで蓄績されてきたキャリアをどう活かしていくかというのは、極めて重要ではないか。サポートステーションが中心となって地域の人的資源を総合化していくような仕組みが必要だとは思っています。その上で資格要件をそこに付けていくのはいいのですが、それもですが、蓄績されたキャリアをどう活かしていくかという視点が必要ではないかなと日ごろ思っています。
○小杉座長 佐藤さんの資料の中にありました福祉住環境コーディネーターというのは、どういう位置づけなのですか。
○佐藤構成員 あれはある種の資格があるのですが、2週間ぐらいの講座で、現場で体験をしたりいろいろなことをしながら、より本格的な介護ワーカーになっていくための導入講座のようなものです。
○小杉座長 では、こちらの支援の話とは切り離されたものですね。 
○佐藤構成員 そうです。
○小杉座長 わかりました。松田さん何かありましたら。
○松田構成員 私も触れましたが、いま佐藤さんがおっしゃったように、地域の中でどうしてもリーダー的な窓口を担う必要があると思うのですが、そこが孤高の存在みたいになっていくのは非常によろしくないと思っていて、そこをどう地域に根ざしていくのか、地域の人材もサポートステーションではない所も含めて育てながら、地域を育てていくのかというところは大事だろうと思っております。
 もう1点、これ吉田先生もおっしゃって、谷口さんもそうですが、資料にもありましたが、学校との連携を強化していくと、それまで自力で繋がっていなかった人たちにも繋がれるようになってくると、本当に困難が見えてきますので、生活部分の困難、そこに単なる就労支援のところだけではやはり不十分で、ある一方で就労支援というところをボカさないで、あくまでゴールとしてそこをきちんと持っていることが、薄まらないことが私は必要だと思っているので、そこのバランスでしょうか。そこをどう維持していくのかが大切なのだろうと思っています。
○宮本構成員 うかがいたいのは、前回も少し発言したことの続きになるのですが、サポートステーションの現行の機能を拡充して(これは予算の制約とかはとりあえず一切置いておいての話ですが)、サポートステーションの対象となる方たちを、それぞれの個人の状況に応じて支援できるよう人材を配置するために、いま何が欠けているのかという点を教えていただきたいのです。
 私のザックリとした印象では、他の国々の状況と比較した時、職業訓練校あるいは職業訓練プログラムにまだ入れない人たちに対しては、通所型のデイスクールと言いますか、ワークショップというようなものが、日本にはないのだと思うのです。最長でもせいぜい数週間という状態だと思うのですが、通所型のデイスクールのようなものが必要ではないかというのが私の考え方ですが、それについていかがでしょうか。
 もう一つ必要と思いますのは、生活基礎訓練の場として、リハビリを含め、最終的な出口にもっていくために、やはり宿泊型の訓練施設が必要だろうと思うのですが、この辺りどのようにごらんになっているでしょうか。これが一つです。
 もう一つ質問ですが、吉田先生から全国でサポートステーションと学校と連携するためには、あと一段も二段も三段も支援者の質の向上が必要だというお話しがありましたが、その辺りもう少し具体的に、伺えればと思います。
○小杉座長 最初の質問はどなたに対してですか。
○宮本構成員 どなたでも。
○小杉座長 デイスクールが必要か、宿泊型が必要かは人によって。
○佐藤構成員 私は必要と思ってずっと追求してきているところなのですが、要するに職業訓練、ある種の教養とかスキルを身に付けて社会に繋げていくという側面と同時に、そのプロセスそのものが、彼らが傷ついた経験を克服していくプロセスになっていかないと、例えば……、いわゆる自信を失ったとか、自らに対する尊厳のところまで傷ついてしまったような若者たちが社会に出て行くときには、単に何らかのトレーニングだけではなくて、トレーニングのプロセスで人と出会ったり、社会と出会ったり。案外、僕いけているかもしれないという自己発見があったりというプロセスが必要だと思うのです。
 それが総合的にやられるためには、部分的なセミナーとか、部分的な講座では無理で、ある程度まとまったグルーピングと、それを経て達成したという共同体験がそこに加味されていかないと次の自信になっていかない。そういう意味では、もう少し充実した、生活等継続プログラムをもう少し拡充するのか、他のスキームでやるのかは分からないけれども、それとサポートステーションがどう連携していくかが重要なコンテンツになるのではないかというふうに思います。
○小杉座長 宿泊型はどうですか。
○佐藤構成員 宿泊体験、宿泊を通して勝ち取っていった自信というのは、極めて大きなステップになっていく。いまは求職者支援訓練があって、私たちも使いたいのだけれども、我々のところに来る若者たちにはすぐには使えないということで苦悩しているのです。若者自立塾以降、経験してきたその質というのは高いものがあるのではないか。それを削ったあと、いろいろやるのだけれども、いちばん困難なところに対する決定的な支援のメニューは若干後退しているのではないかと思っています。
○小杉座長 つまり、全員に必要な話ではなくて、最も困難な層に対しては、そこから必要だということですね。 
○佐藤構成員 そうです。 
○工藤構成員 必要性は言うまでもないと思うのですが、自立塾のときの反省などを生かしますと、やはり箱を作るのは意味がないなと思っています。民間機関も含めて既に全国でも結構デイスクールに通っていることがありますので、主体的に本人が行く場所を日本中で選ぶことができる。そこに対してバウチャーを発行する。そして、ちゃんとやっている所にはちゃんと人が集まる。ちゃんとやっていないとは言いませんが、やはりいい支援とか、こういう対象者にとってとてもいい、特徴をきちんと持った支援をしているような機関に人が集って支援を受けるような、健全な競争が生まれやすい状況で、困っている方がバウチャーみたいな形で無料で参画できる仕組の方が大事だと思っていまして、委託のような形でドンと作っても、結局生徒の取り合いみたいになったりということが起こり得るのかなと思います。
 例えば谷口さんのところにお金を払って何人でもやってくださいというよりも、谷口さんのところに一人行ったらその分、先ほどのインセンティブ的にきちんと費用が負担されるような仕組みは、民間の立場から言うと必要かなと思います。
○小杉座長 谷口さんどうぞお願いします。
○谷口構成員 その宿泊型の必要性についてですが、我々が行っている家庭訪問は、ある意味宿泊型の支援とは対局にあるような、家庭へのアプローチを中心にやっているわけですが、実はこの宿泊と家庭訪問のスタイルには、同じ要素があるのです。それは何かというと環境へのアプローチなのです。つまり本人対応への支援はもちろんあるのですが、実はそれだけではなくて、環境の中の変化を生んでいく。家庭訪問でやれるのは家族支援を通じて、その家庭環境自体を変化させようとするもの。しかしながら、それでも変えられない家庭に対しては、やはり宿泊型のように、児童相談所もそうですが、そういった養護施設という機能は、結局自立支援の分野でも実は必要で、一旦家庭などの環境から離れた状態でやっていくことが、本人の自立を大きく促していく効果にも繋がるわけです。そこは多角的に見つめていく必要があるのだろうと思っています。
○小杉座長 スタイルがあるというのではなく個人の状況によってグラデーションがあって、家庭環境の調整から、そこから引き出すことが必要になったり、毎日通うことが必要になったり、その辺はたぶん皆さん同じような御意見ではないかと思います。
○松田構成員 付け加えてデイスクールですが、必要性は間違いなくあります。ただ、私たちの現場でいつも考えるのが、私たちが彼と関わることで彼の自立が促進されるのか、あるいは逆に足止めになるのかということをすごく考えることがあります。月から金まで毎日うちに通えることで、ある種居場所を獲得する。でも、それが長い目で見たときに、それが本当に本人の自立にプラスなのかは、すごく葛藤を抱えながらやっています。そういう意味では、特にサポートステーションは15歳以降39歳まである中で、10代の方にはまずきちんと通う場を確保する必要性は高いと思います。
 30代後半になってきたときに、うちは週1、週2ぐらいの関わりで、残りの週3日をうちでない所でどう関わってもらうかという支援計画を立てますので、その辺りの年齢によって一括りにはできないということです。
 宿泊型ももちろん同じように、必要性としては利用者さんからもそう聞きますが、要はそれをオプションとして持っていて、相談をしてその人の長いキャリアを踏まえて、それが人によってきちんと使い分けられるだけの専門性と、いろいろなメニューを運営できるだけの専門性、その辺りもきちんと持った上でということになるのだろうなとは思っています。いわゆる年齢の幅の広い部分をどうするかというところも抜きには、デイスクールの部分は語れないかなと思っています。
○小杉座長 対象者の状態、特に年齢はかなり大きな要素ですね。その発達段階といいますか、その段階で何が必要かということは。宮本さんからの質問にはもう一つ、質の話がありました。
○吉田構成員 すみません。それほど過激なことを私、そんなに言ったかなと心配になりましたが、もちろん田奈高校に来てくださっているサポートステーション、あるいはパーソナル・サポート・サービスの方たちは、非常に高いお力を持っていらっしゃるのですが、学校に入っていくには、それだけ高い力がいると思うのです。
それとは別のことですが、先ほど、村越先生が「教育委員会が」とおっしゃられたのですが、田奈高校も、基本的には学校独自で取り組んでいます。学校単独でやっていて珍しいので、いろいろな所に校長をはじめ関係の教員などが行かせていただく機会があって、いろいろなサポートステーションの方と交流する機会もある状況になっています。その中で、出てくる声として、率直なところいまのサポートステーション全体から言うと、学校に来ていただいて大丈夫な方々は三分の一ぐらいではないかという感想も聞こえてくるということです。
 学校という所も、例えば教育相談機能は持っていたりして、それなりに取り組めている部分もあったりするわけです。そういう学校自体としてやっていることと、外部のいろいろな資源などによる支援をうまく繋いでいきながら、その子にとっていちばんいい支援のプログラムを見立てて作っていくことができるか、そういう動きを教員と協働ですることができて、かつその地域のいろいろな資源ときちんとネットワークなり何なりを持ってつないでいくことができるかどうかというところは、非常に重要なポイントです。率直に言って、確かにサポートステーションの方々が入って来てくださることで役立つ場合もあるし、教員が楽になる部分もあるのですが、しかし、コーディネイトそのものにはやはり労力がかかるわけです。校内のいろいろな困難を抱えた子ども達の状況を見て、この子は校内の教育相談にこのように繋げていった方がいいだろうとか、この子はむしろ田奈Passのキャリア相談に入れていった方がこの先の展開がいいだろうとか、教員がまずそういうことを考えていき、状況に応じて繋げていきますし、任せたら任せっぱなしではありません。外部機関の方にお世話になっていても、まだ在学中であればどうなっていますかというところで情報交換もします。そういう意味で連携すること自体で労力が楽になるだけではなく、新たな労力が必ずかかるのです。そういう意味で、そういうコーディネートの仕事をしながら、労力を払ってやっていって、実際に目に見える形で、ああよかったこの子こういうふうに変わってきたねとか、方向性が見えてきてすごくよかったねとかということに繋がっていかないと、「連携なんかしてもしようがないでしょう、時間と労力ばかりかかって」という話になってしまう可能性がある。一度評価がそのようになってしまうと、非常に怖いのではないかなと、思います。連携の先にせっかくいいものがあって、もちろん力のある方もいらっしゃる中で、もったいないことになるだろう、というのが心配なのです。ですので、力のある方に学校に入っていただきたい。
 絶対学校だけでは抱えておけない困難を持っている子たちが確実にいるわけなので、そういう意味で、サポステの人材育成に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 あと宮本先生から提起されたデイスクールですが、一つ私自身が思うのは、既存の高校が何をどこまでできるのかという一つの見極めみたいなものが必要なのではないかと思います。御発言の背景にはたぶん18歳ぐらいまでは必ずどこかで、学校でなければデイスクールとか何か支援を受けられるようなイメージとかがたぶんおありなのではないかと、お話しを伺っていて思ったのですが、そういう意味でいうと、現状がまずどこまでどう進んでいるのかということでいうと、いま高校からこぼれていく子ども達の中で、少し経済的に余裕のある子ども達が通信制サポート校などに行ったりする現実があるわけです。そういう通信制サポート考の実態はどうなのか、果たして社会的な自立に向けてどのぐらいの支援がそこでは受けられているのかなども、見ていかなければいけないなと思います。
 あともう一つは、お話しをしていてなかなか難しいなと思うのですが、困難を抱えた子というとみんな入るので、とても便利に今そういう前提でお話しをしているのですが、そこにはいろいろなタイプの子がいるだろうなと、まず家庭の経済力についてもすごく違いがあるでしょうし、抱えている課題にしても発達障害的なものをもっているということなのか、そうではないようなケースなのかとか、そういうことによっても有効な対応が違ってくると思うので、その辺がお話しをしていて共通前提の部分が私はうまく掴めていない部分があるということです。宿泊型訓練などについても私は何ともわからないです。すみません。
○小杉座長 ありがとうございます。いま既にいろいろな社会的資源があると言いますか、サポート校もはじめ、そういうものを全体の中で考えなければならないというニーズが間違いなくあるので、サポートステーションはその一つの資源だけれども、他にもいろいろな資源があって、その中でどううまく協調してといいますか、最も効率的な形でそれを組み合わせていく仕方というのですか、そういうものがたぶん大事なのではないですか。
○玄田構成員 既にたくさん具体的な御提案をいただきましたが、その他にも現行のサポートステーション事業について緊急に見直しをすべきではないかと思う具体的な提言があれば、こういうフォーマルな場なので是非お話ししてただいた方がいいのではないかと思います。サポートステーションにかかわらず、今日は文部科学省の方もおいでなので、そちらに広がってもいいと思うので、どなたでもいいと思います。
○谷口構成員 本当、言おうと思ったらいくらでもあるのです。というのもこの事業は運用の在り方次第ですごく可能性を持っている事業だからです。実はその成果と課題のところでいくと、その課題はいまご指摘いただいたような人材育成の問題点も確かにあろうかと思います。しかしながら、これも発展途上でして、実際各団体でいいところはしっかりと人材育成機能を持っているところが、やはり成績も上がってきているというところなのです。しかしながら、それを持っていない団体も残念ながら一部ですがいるというようには聞いていますし、そういったところでいくと、若者自立支援中央センターがそれを取り仕切っています。訪問支援担当者であるとか、キャリア相談を受ける専任者であるとか、総括コーディネーターなど各役割をもった人たちの研修を実施されています。
 しかしながら、一つ問題点としては、サポートステーションの設置個所数が増えたにもかかわらず、中央は一つ、若者自立支援中央センターは一つですから、そこの良さがきちんと拡充されながら、しっかりきめ細かく現場まで下りていけるという状況とは、少し異なってきたなというのもあるのです。そういった点でいくと、例えば九州ブロック単位であるとか、あるいは本州であるとか四国であるとかいった所にしっかりと指導・監督できるような機能を持ってサポートステーションを指定するなり、あるいはセンターの役割を手伝うようなところの支所を作っていくのも必要なのかなとは考えたりするところです。
○玄田構成員 具体的にどういう人材支援プログラムが必要なのですか。
○谷口構成員 それ語り出すと長くなってしまうのですが、今日の資料も膨大に作り過ぎたために削ってしまったのですが、戦略的人材育成ということを我々はやっているのですが、それはどういったことかと申しますと、社会問題の解決の過程で、現場に求められる実践的な人材を育成していこうということなのです。教育・医療・福祉分野の大学生であるとか、大学院生、将来は資格取得を目指す若者たちから、OJTで育成をしていこうと、それを実施する場に適しているのがアウトリーチの現場なのです。
 アウトリーチの現場でなぜそういった研修をするのかというと、支援対象者が複数の支援機関を回ってなお駄目で、社会的に孤立している、排除された状態にある若者たちの割合が高い。この観点から行けば、いままでの公的支援のあり方の不備を現場で目の当たりに出来るわけです。さらには例えば学校の先生、教壇に立った後に見ることができなくなる、いわゆる家庭の実情というもの、これも見ることができますし、サポートステーションは特にそうですが、ネットワーク関係機関と連携をとりながら支援をしていくわけですから、いろいろな所と連携をとりながら支援をするためのソーシャルワーク的な能力を身に付けられるということで、そういった実習的なものをしっかり取り入れた育成をやる。座学的な、研修の限界をそろそろ認めていく必要があるのかなと。
 そういう意味でいくと、内閣府のアウトリーチ研修、現在佐賀に、沖縄、大阪からに実習生が2週間入っていますが、そういった現場の中でしっかりと学んでいく機会を設けていく、ノウハウを取り入れていくのが一つ必要なのではないかと思います。
○小杉座長 人材育成の仕組をきちんと作るということですね。 
○宮本構成員 いまのことなのですが、今日、内閣府からも梅澤さんがいらしているのですが、このユースアドバイザーの養成が内閣府事業で何年か前から始まって、そのあと子ども・若者育成推進法になったのですが、当初から若者支援の専門家を養成するという構想があったのです。それで一定程度全国のモデル自治体で研修が行われたのですが、それぞれの自治体の特性に応じて、必ずしも共通する線で運営されていない。けれども少なくとも参加した延べ人数でいうと相当いるのです。そういう動きと今回、谷口さんが言われるような、よりコア人材とか、ある特殊な専門家養成という課題と、それからもう少し広げて、サポートステーションやその他の若者支援の現場で、若者の特性をきちんと理解した専門家を育てるという課題、この辺りは一度整理をした上でやる必要があると思うのです。それをどこがやるのかもあるのですが、海外ですと、例えばユースワーカーなど、若者の特性をきちんと学んで、その上で一般的なサポートをやる人から、非常にスペシャルニーズの専門家までいろいろな形で養成するのですが、その辺りを整理していただくことが必要です。サポートステーション側は問題の所在を提案し、あとは役所で少し検討していただいた方がいいことなのかもしれないのです。
○工藤構成員 私もたくさんあるのですが、一つは専門人材をつくったあとに、いろいろな困難を抱える人に当たっていくなかで、その専門人材をマネジメントできる人間がいないのです。例えばある問題に対して非常に高いスキルを持つ人間の発言が、一部ものすごく強くなってしまって、他の人は誰も意見を言えないみたいな、そこに対してきちんとコントロールというか、ビジョンに対してうまく方向性を持っていくマネジメントであるとか、先ほどアウトリーチでPRのやり方などをしましたが、専門人材が活用される手前の段階で物事を考えて動いている人間がほとんどいない。出会うまでの……とか個人でPRなどやっているかもしれませんが、行政との対応と専門的人材というのは全然別であったりするので、コーディネイトというマネジメントができる人材が本当は必要なのだなというのが一つ目です。
 二つ目が、精算払いを何とかしてほしい。後払いが結構きつくて、「育て上げ」ネットでも複数の自治体からこの時期はオファーがくるのですが、たくさん受託すると赤字になるのでたくさん受託できないのです。原則、精算払いというキャッシュのサイクルが結構厳しいというのが1点です。それに付随して、間接費は全く計上できないので、これも投資に回せないというか、次の展開にそれだけの余力が全くなくなってしまうのは、すごい長期で見た場合、問題なのでないかなというのが二つ目です。
 三つ目がサポートステーションの理解を促進するための分かりやすいテーマとか指標が欲しい。こういう若者をサポートすると社会ってこうなるのだよということが企業でも、その辺のおじちゃん、おばちゃんでもわかるようなキャッチフレーズみたいのが本当は必要で、「困難な若者」というのはマニアックな言葉なので一般の人は誰も知らないわけです。地域の協力を得るためには地域に理解される言葉であるとか、わかりやすい指標みたいなのは必要なのかと。
 四つ目が基礎自治体を飛ばして契約できないかと。基礎自治体は消極的なことも多いので、基礎自治体が契約主体にならずにできるような仕組みがほしいかなと思います。
○小杉座長 自治体と組まないのですか。
○工藤構成員 組まないのではなくて、自治体外では動けないから設置をしたくてもできない、困っている自治体内の担当者はいるのです。ある場所でやりたいけれども、どうしてもその企画が上に通らなくてできない。基礎自治体が最前線に立つのは大事ですが、その一方で、基礎自治体が動かないところでやりたいと思った人たちは、全く手の打ちようがなくなってしまう。これはこの事業に限ったことではないのですが、何かの育成制度でも、基礎自治体が後から前面に立てるという枠でもいいのですが、基礎自治体ありきというのが、実はいちばん困っているような地域にサポートステーションが設置できない可能性を高めてしまっている。ここの部分は大切でありながら本来、何かしら柔軟な対応ができるような形をとれたらいいなと思います。
○小杉座長 対応は難しい部分がいくつもありましたが、とりあえず御意見として伺っておきます。遠藤さん、いままでの関係で御質問ないし御意見がございますでしょうか。
○遠藤構成員 感想めいたことで申し訳ございません。いろいろな具体の事例をお聞かせいただき本当にありがとうございました。前回からの絡みで申し上げますと、いろいろと対処しなければいけない状況がある中で、例えばサッカーのチームを考えたら、どのチームも十一人で闘っているのではないというのがよくわかりました。さらに、十一人で闘うにしてもいろいろなフォーメーションを持っていることもわかりました。この会合の目指すべきところが十一人でチームを組む場合の一つのスタイルを検討していく。それが複数あるかもしれません。では、六人で闘わなければいけない場合だったら、六人での闘い方ってどのようなものがあるのか。何かそういうバリエーション的なものを目指して、それぞれの自治体との兼ね合いが大きいと思うので、チョイスできるようなものを摸索していくことが、求められているのかなということを感じました。
 そこで谷口さんにお聞きしたいのですが、これだけの登場人物がいて、連携を取りあうと、誰の発言力が強いとか大きいとか、これは私に任せてくれとか、いろいろ出てくると思うのです。そういった中で、それでもいまは選択肢としてこれを引こう、こういうことをやってみようともっていくためのノウハウとして、何か共有できるものがもしございましたら教えてください。
○小杉座長 今日の最初の発言にかかわってくるものと思います。それぞれの地域によって資源が違って、それぞれチームの組み方が違って、それで目標に向かって動いているという話の中で、谷口さんのところのような広いチームを作ったときに、一体どう運営するかは。
○谷口構成員 実はこれ90分ぐらいないと説明できないぐらいの、いろいろな工夫を重ねなければいけないのが前提なのですが、一つ挙げると高校の話も出てきたように、連携のときにいちばん気をつけなければいけないのは相手方の負担を増やさないことなのです。なぜそれを思うかというと、我々がいちばん負担を負ってきたからというところもあるのです。行政から投げかけられる、いわゆるお願いされるケースは重いケースがほとんどなのです。それにもかかわらずこちらには予算が回ってこない、それをある意味ボランティア的なところでやっていく。では、その負担が減った分行政は何をやっているのだというところも実際にいままであったわけです。そういった経験を踏まえてなのですが経済的なものだけではなく、連携先の多くの機関もみんな忙しく少ない予算でいっぱいいっぱいでやっているわけですから、そうであれば、その方たちが助かるというところに着眼をして連携をとるということなのです。なので、この資料にある多面的アプローチで連携しているケースも全部が全部お願いしているわけではなく、例えば個人情報のやり取りも全部開示しているかというと、絶対にそのようなことはなくて、必要な情報を必要な分だけ最小限届けて、この部分のこのことだけをやってくださいと、ある意味限定的にお願いをする。負担が重いアウトリーチの支援や全般のコーディネイトを、我々が担い、全体的なものは質的量的にコントロールができますから、関係機関は負担が軽減された状態の中それぞれの持っている専門性を十分に発揮をしていただくと、こういうやり方です。
○小杉座長 よろしいですか。
○遠藤構成員 はい。
○森原構成員 今日はいろいろなお話しを伺いましたことで勉強になりました、ありがとうございます。サポートステーションでいろいろなお話しの中で、谷口構成員の7ページで、先ほど「病院で抱え込んでいる若者」という表現をされていたのですが、そういった若者は具体的にどのような病気や疾患なのか、家庭状況がどうなのかというようなこと、また、そういった方に対して結構時間がかかるのではないかと思うのですが、どういったことも教えていただければと思います。
 吉田構成員に教えていただきたいのが、資料の中の後から3、4の(7)の生徒を支える重層的な支援の仕組みの中で、医療と福祉関係の取組、その支援が必要とおっしゃっていましたが、具体的にどのような支援が必要なのかお伺いしたいです。
 あと、松田構成員の資料の中の5ページに、自治体との共同による進路支援事業の中で、札幌市と中学校、高校との連携とサポートステーションの連携は、とてもいい取組だと思いましたし、先ほど谷口構成員のハローワークとの連携のところでも、やはりいろいろな連携が必要になると感じましたので、行政、地方自治体との連携とか、教育、福祉、就労の分野とかさまざまあると思うのですが、そういったところと定期的に話をする機会などを設けているのかどうかもお伺いしたいと思います。
○小杉座長 ありがとうございました。残り時間がわずかになってきましたので、端的にお願いいたします。
○谷口構成員 疾患についてですが、これはかなりバリエーションがあるということなのですが、「うつ」というのは結構多いということと、あとは強迫神経症であるとかいった引きこもり系の若者たちが呈するようなものも比較的多い方です。家庭の状況はさまざまなのですが、もちろん虐待とかいった深刻な問題、貧困という問題も1割から2割の間で複合的な深刻なケースには入ってくるということなのです。その多くの場合、問題を抱えていない家庭の方が少ないですから、それぞれが持っている不安であるとかいった負担を少しでも軽減できるような家族支援をしていく観点でも、かなりの割合対応できると思います。
 実際に支援にかかる時間についてですが、そういった深刻なケースに関しては複数で見ています。2年、3年、5年というスパンで見ている御家庭も実際にはあります。進路決定者数を御覧いただいておわかりいただけるように、多くの若者は1年、2年のスパンで進路決定に至っていくケースが多いということなのです。そこで一つサポートステーションのあり方で考えるならば、生活支援戦略の絡みもありますが、どこに軸足を置くのというのはすごい大事なのです。これから総合相談窓口をやるところを完全に福祉的な観点でやると、実は多くの人を困らせてしまうことになるだろうと思います。職業的な自立といった困難を抱えた人でも自立まで導けることができるノウハウが、実はとてもとてもいまの社会では大事である。もう何でもかんでも保護をすればいい、抱え込めばいいというものではない。それが実際に何とか形が見えてきたのが先ほど御指摘いただいた医療、福祉機関からのリファーの多さということなのです。医療関係者も自立支援のノウハウの必要性、薬だけではどうにもならないということを気づいていただいたということだと思っております。
○小杉座長 ありがとうございました。実はもう一つの議題があるものですから、少し短めにお願いいたします。
○吉田構成員 まず医療関係ということですが、例えば生徒の中で自傷行為を繰り返す生徒は結構いますので、場合によっては精神内科なり精神科なり必要な医療機関に繋がないと、教育機関にずっとそのままというわけにはいかないので、そういうところで繋いでいくケースは結構あります。どの学年にも大体数人児童相談所に一時保護になったりするようなケースもあります。そういったところが重なっている生徒も結構いたりします。 福祉関係ですが、生保の世帯なども非常に多く、保護者がいろいろな事情で養育できないということで、養護施設から通って来る生徒もいます。そうするとその子の進路や方向性に向けて、そこのケースワーカーの人とお話しをすることもありますし、必要な福祉上の手続をするのに教員が同行して福祉の窓口に行くケースもございます。そういったところで関係を持ちながらでないと、とても生徒が毎日安心して学校に通って来る状況を確保できないことがあります。
○松田構成員 手短に、自治体と定期的な機会がということですが、サポートステーションに限らず、他の市の事業ももっているので、月に1回その実績報告を見るなりですが、数字報告を合わせてエピソードを添えて、こういうことがありましたということは投げるようにしています。市の方にいろいろな市町村から照会があったときに、要はその若者にいま何が起こっているかをいちばんわかっている場所と、現場の若者のことを教えてと聞いてもらえる場所として、どんどん使ってもらえているという感覚はありますので、工藤さんがおっしゃったように、自治体の推薦をもらわなくても始められるということも大事で、一方で始めたあと自治体にこれはうちの市にとってあるいはうちのエリアにとっての、「オラが町の財産だ」というように思ってもらえるような、そこにたどり着くのが大事かなと思っているところです。
○小杉座長 まだまだ御質問等があるかと思います。申し訳ござません、もう一つの議題があります。その他の議題の中に、実は谷口さんの話の中にたびたび出てきました生活支援戦略ということにつきまして、事務局から説明をしていただきたいと思います。お願いします。
○浅野キャリア形成支援室長 お手元の資料7ですが、こちらに9月28日に行われました第8回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会で、具体的な制度改革等の検討を行う際の参考として、事務局で作成された論点が提示されて議論が行われたところです。この中、サポートステーションに関係するところに絞って簡単にご紹介をしたいと思います。
 まず1ページめくっていただきまして全体像ですが、大きく生活困窮者支援体系と、生活保護制度の見直しに関するものと、論点は二つに分かれますが、この生活困窮者支援体系に関する論点のうちの1の総合的な相談と包括的かつ伴走型の支援というところ、5、貧困の連鎖防止のための取組みというところがあります。こちらの辺りがいちばんかかわりが深かろうということで、その辺りですが、まず、2ページに生活支援戦略全体像が示されています。この中で、この図の第2のネットの中に、点線で囲まれている部分があります。生活困窮者が経済的困窮と社会的孤立から脱却するとともに、親から子への貧困の連鎖を防止することを促進する。これが生活支援戦略の基本的な目標の一つですが、こういったことのために、新たな生活困窮者支援体系の構築をしていくということです。
 1番目の総合的な相談と包括的かつ伴走的な支援ですが、4ページに全体像を示した図があります。経済的な困窮者、社会的孤立者の早期把握、縦割でない包括的な総合相談体制の強化を図る。初期段階から包括的かつ伴走的な支援体制を構築する。民間との共同によって就労、あるいは生活支援の展開を行っていくとされているところです。
この関係では論点の6ページに示されている関係部分のみということですが、6ページのいちばん上、今後生活困窮者に対し、谷間のない総合相談や包括的継続的な支援を行うため、費用対効果の視点も踏まえつつ、総合的な相談支援センターの設置を検討してはどうかという論点が示されているところです。
 少しページを飛んで24ページです。ここからは先ほどの5、貧困の連鎖の防止のための取組みにかかる部分です。子ども、高校中退者等に対する養育相談、学び直しの機会の提供も含めた学習支援を積極的に展開するとされているところです。
 こちらの関係ですが、論点の26ページに示されています。若者の関係部分だけ申し上げますが、上から1番目と2番目がその部分で、貧困の連鎖防止の観点から、費用対効果の視点も踏まえつつ、生活に困窮している、またはその恐れのある若者に対して、一元的な相談、対応を行う若者の相談支援センターの設置を検討することが考えられるがどうかということ。2番目はその若者のセンターでは関係機関等と連携をして、積極的にアウトリーチをすることによって、早期発見、早期対応を行い、就労支援、生活支援、学び直し支援などを個人の状況に合わせたきめ細かな支援を提供することが考えられるがどうか、といったようなことが掲げられたところです。
 これに対して委員の方から何点か意見が出されました。まず1番目にワンストップ窓口の位置づけの話が出ました。2番目に子どもと若者を無理にくっつける必要もないのではないか、といったような話も出ました。3番目はサポートステーションもニート等の若者向けにワンストップ機能、自立支援機能を果たしているわけですが、これに関してサポートステーションについては別途検討の場、この検討会のこの場ですが、これが設けられて議論が始まったところなので、その結果を踏まえて検討していくことが必要だという意見が出されました。
 4点目、居場所機能、自立支援機能には違いがあるといった指摘もなされたところです。いずれにしてもこの特別部会が10月17日に予定されていますが、その場で、引き続きこれについて議論がなされる予定です。
○小杉座長 ありがとうございました。では、いまの御説明に対して御質問、あるいは御意見はございますでしょうか。
○玄田構成員 確認です。いまの生活支援戦略の中で、地域若者ステーションに具体的に言及した何か論点があったかどうかということを確認したいのですが。
○小杉座長 お願いします。
○浅野キャリア形成支援室長 地域若者サポートステーションに言及するものとしては、意見は今回、2名の委員の方から出されました。いずれもサポートステーションについては他に検討する場、この場のことですが、そういう場があって議論が始まったところなので、そちらの議論の動向を踏まえて検討する必要があるといったような類のことでした。
○小杉座長 これまでの議論の中で、25ページですが地域若者サポートステーションがはっきりと位置づけられており、この関係は十分にサポートステーションについては認識はされている状態だと思います。
○工藤構成員 抜粋の中に費用対効果と2回出てくるのですが、これを言った人たちがこの費用対効果というのを費用はともかく、効果を何で測定されようとしているのかということを、ざっくりでいいので教えていただければと思います。
○小杉座長 それでは熊木さんからお願いいたします。
○熊木生活困窮者自立支援室長 生活支援戦略の担当をしております社会・援護局の熊木と申します。よろしくお願いいたします。費用対効果については、その前にそもそもこの生活支援戦略全体の目標として自立を目指すことを強く言いつつ、一方で自立といってもなかなか多様な人がいるので、社会参加といったところから含めて考えるべきではないかなど、いろいろな意見が出ております。したがって、この費用対効果の効果についても議論としては直接的な就労自立、就職自立といった効果を念頭に置かれている方もいらっしゃいますし、一方でプロセスというか、その過程が重要である、あるいはその方に合ったアセスメントに応じて、その方に合った目標、ゴールがあるのだろうという両方の議論がされているという状況です。
○小杉座長 途中です。他に。
○玄田構成員 私も費用対効果が気になるところで、いまの御説明も理解はできますが、一方でサポートステーションも含めたこういう総合的な支援の場がもしなかった場合に、どれだけの社会的なコストが発生するかということで考えないと、直接的なものだけで判断するというのは非常に経済的に考えても費用対効果の計測としては妥当でないように感じます。もちろんそれは難しいことですが、こういう状況にある方が、ある年齢を加して、家族の庇護が全くなくなって、生活保護という状況になった場合に、生活保護自体が問題があるという意味ではありませんが、どれだけの社会的なコストが起こるかということのシミュレーションも含めて計算していただかないと、単なる実績値だけに基づいた費用対効果の計算は、非常に危険ではないかということは、この場で申し上げることではないかもしれませんが、いまの御説明について、若干懸念を感じましたので、是非その辺は会の中で御検討いただきたいと思います。
○小杉座長 熊木さん、いいですか。
○熊木生活困窮者自立支援室長 特にございません。要は全体の流れとしては貧困の連鎖の防止をきちんとしようということなので、全体のトーンとしては、ここに資源を投下すべきだという方向での議論であることは間違いありません。それに対して資源を投下することを考えた場合に、いまの日本の中では納税者の御理解はかなり厳しく問われることがあって、いまおっしゃられたようなこの制度なかりせばどういうことになるのかということは、丁寧に私どもは説明していく必要があるだろうと思っています。
 こうしたここの場ですとか、特別部会もそうですが、そうした場では比較的積極的に前向きに御発言いただけるものですから、そういう意味では我々としては非常にやりやすいのですが、その次に制度化を果たして、さらにそこに財源を投資していく段階になりますと、ものすごいいろいろな声が出てくるので、それに対抗できるような議論を積み重ねていくことが必要だと思っていまして、この場でも御議論いただきたいし、我々としても検討していきたいと思います。
○玄田構成員 例えば雇用政策研究会報告などで毎回やっているようなある種のシミュレーションというのは可能なのではないでしょうか。つまり、こういうのでどれが投資をすることによって、どれだけの無業者であったり、非常に生活的に困窮するからきているとか、雇用政策研究報告で一生懸命議論しても、新聞に取り上げられるのは最後のシミュレーションのところだから、そういう政策対応をした場合としない場合という、数字は怖いですが、数字はやはりいまおっしゃったような納得をしていただいたり議論をするときには大事だと思うので、もちろん限られた時間の中で可能かどうかわかりませんが、そういうことも一つの先ほど工藤さんがおっしゃったような、社会全体で問題意識を共有していただく場合には、有効な手段ではないかというのが、いまの御発言に対して感じました。
○小杉座長 他に御質問や御意見はございますか。この件はよろしいでしょうか。
○吉田構成員 わからないので教えていただきたいのですが、生活保護家庭の子どもたちが自立に向かうときにはいろいろな障害というか、壁があって、一つは進学することが非常に難しいという、そうすると世帯分離をして、全部自分のお金は自分で賄ってというふうにしなければいけない。生活保護家庭の子どもたちが高卒で就職していく市場はどんどん減っていく中で、少し職業的な能力を身に付けたい、だから専門学校に行きたいと願っても、生活保護の場合は難しい。例えば高校、うちの学校などでは頑張ってアルバイトをしてお金を貯めてという話をよくするわけですが、しかし、生活保護家庭の場合、アルバイトでも控除があるのは大体2万円ぐらいが月々限界だとか。例えばアルバイトでも、進学に向けた費用であれば別の枠にしてもらえるというようなことは、今回の検討の中でなされているのかなということが一つ気になります。
 また、就労した場合も世帯単位ですべて考えられているために、若者は自分が一生懸命働いても世帯の生活保護ということがあるので、自分自身の希望になかなかつながらないような場合もあって、指導が本当に難しい。生保の家庭の子どもは就職しても仕事を辞めても同じだしみたいなことを言って相談に来るような子どもたちもいて、そういうところはどうなのだろうということが気になったりもします。いまのはサポートステーションの話からずれた話かもしれません。アウトリーチということにこれから力を入れられるといったときに、自分でサポートステーションに来る人よりは、アウトリーチの方が、個々の支援事例として重たくて支援も大変というようなことがたぶん多々あるのではないかと思うのですが、その辺はどのように考えていらっしゃるのかということと、パーソナル・サポート・サービスとサポートステーションの関係はどんなイメージなのだろうかというその辺りをお教えいただけますか。
○小杉座長 それではインセンティブの話はたぶん熊木さんからで、パーソナル・サポート・サービスとの関係は浅野さんからでよろしいですか。それではどちらから。
○熊木生活困窮者自立支援室長 いくつかありますが、一つは貧困の連鎖の防止ということでいろいろな検討をしております。そういう意味では若者サポートステーションの在り方ですとか、在り方はこちらで議論するということなので、これを踏まえてやりましょうと。特別部会では特に総合センターができるのでそれとの関係をどうするかという議論は、きちんとしておかなければいけないという前提です。その中で貧困の連鎖の防止というのでいろいろな議論をしていこうということですので、その中でどのような議論が出てくるか、いまは少なくともやらなければいけないとここに書いてあるのは、学習支援や生活保護受給の方においては、例えば高校の進学率が一般家庭では97〜98%なのですが生活保護受給の方になると90%を割り込むということがあり、そうした方には一定程度早い段階で、きちんとした支援をしなければいけないだろうという議論です。こういった仕組みは自治体で行っているのですが、まだ数10ぐらいの自治体です。いまサポートステーションをやられている所は先進的な所ですので、もしかすると自治体とタイアップされていると思いますが、まだ、そういう事業を行っているのは数10という段階にとどまっているので、こういったものはもっと全国的に広げていくべきではないかというのがここに書いてあります。それにとどまらず貧困の連鎖の防止は検討していこうということです。
 パーソナル・サポート事業ですが、私から少し申し上げますと、パーソナル・サポート事業とは特に若者に限ってわけでもなく、どちらかというとより困難な課題をいろいろ抱えた方に対して、より手厚い支援をしていきましょうというもので、かなり自立から遠い人に対してのアプローチになるのではないかということで、いまモデル事業として行われているものです。
 いまは現場レベルでパーソナル・サポート事業とサポートステーションと一緒にされている例もあります。ということは、逆にいうと、そこには現場のニーズがあって、もう少し就労から遠い方に対するアプローチを時間をかけてやるという手法が、プラスアルファで効果を発揮する可能性があるということだと思いますので、それが生活支援戦略の中で、どのようにうまくいくかを考えていこう、というのがいまのところの問題意識です。今後サポートステーションの機能がどうやって強化されていくのかという方向で議論が進んでいくと思いますが、これを踏まえ、総合センターとサポートステーションとの関係性は、特別部会でも議論していくこととなると思います。
○小杉座長 浅野さんから、いまのお話しでよろしいですか。
○浅野キャリア形成支援室長 他にもアウトリーチを進めることによって、より困難な方がサポートステーションを利用するのではないか。それについての考え方も聞かれていましたので、それについてもお答えしたいと思います。若者雇用戦略でも求められたように、アウトリーチには力を入れていくこととしております。前回の検討会の中でも、アウトリーチを始めたことによる変化についてのおも出ましたし、そういったことも踏まえて、サポステの支援のあり方について、この場で次回からお話しいただけたらと考えております。
 それからパーソナル・サポート・サービスとサポートステーションの関係については、佐藤構成員がお話しになったように、より困難な問題をたくさん抱えている方については、パーソナル・サポート・サービスで一定の支援をした上でサポートステーションにつなぐといったような関係であると言えるかと思います。佐藤構成員の資料にもいろいろ書いてあるようですので、御覧いただけたらと思います。
○小杉座長 遠藤さんお願いします。
○遠藤構成員 この場の議論ではないのかもしれませんが、先ほど吉田さんの言ったことに関連して、皆さん御案内のとおり、生活保護は世帯単位です。要するに理念的な言い方をさせていただくと、その世帯に属している人は、最低限度の生活をしなければいけないということになってしまうわけです。そうなると、それがいいのかといったときに、世帯を分離するという仕組みが生活保護の中にはあって、若い人たちの貧困の連鎖を防ぐために、世帯分離の仕組みが、いま機能しているのか機能していないのか。それを機能させることが何らかの今後の打開策になるのかどうなのかということについては、話し合っているテーマになっているのでしょうか。
○熊木生活困窮者自立支援室長 具体的テーマにはなっていないです。世帯についてどう考えるかまでは議論になっていませんが、具体的にはということですので、貧困の問題を考えていくにあたって、議論としては出てくると思いますが、いま具体的に世帯についてどう考えるかという議題としてはなっていないということです。
○小杉座長 まだ御質問はあると思いますが、申し訳ございませんが、終了時刻が過ぎてしまいましたので、ここで終了したいと思います。本日の議事については特段非公開にする理由はございませんので、議事録の公開としたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
                 (了承)
○小杉座長 では、次の日程について事務局からお願いします。
○永井キャリア形成支援室長補佐 次回の検討会ですが、10月16日(火)14時から16時ということでセットしております。会場はこの建物の19階の国会議事堂側の共用第9会議室になりますので、よろしくお願いいたします。
○小杉座長 次回は第1回、第2回の御意見を踏まえまして、事務局から論点を整理して、その論点を基に皆様の御意見を伺うということになるかと思います。では、次回もよろしくお願いいたします。それでは本日はこれで終わります。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室 若年労働者対策係

電話番号: 03(5253)1111(内線5741)

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