ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会) > 第1回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会




2012年9月24日 第1回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成24年9月24日(月)
13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎5号館 
厚生労働省共用第8会議室(6階)


○出席者

委員

安達委員 五十嵐委員 石川委員
井田委員 及川委員 大澤委員
小幡委員 小林委員 坂上委員
佐地委員 水田委員 益子委員

事務局

石井雇用均等・児童家庭局長 桑島母子保健課長 山本疾病対策課長
高橋母子保健推進官 山本課長補佐 玉田課長補佐

○議題

(1)委員長の選任
(2)今後の進め方について
(3)小児慢性特定疾患治療研究事業の現状と課題について
(4)難病対策の検討状況について

○配布資料

資料1小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の設置について
資料2小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の検討スケジュール(案)
資料3小児慢性特定疾患児への支援の現状について
資料4難病対策の現状と見直しについて
資料5小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する論点(案)
参考資料小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する参考資料

○議事

○玉田課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから「第1回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 委員会開催に際し、石井局長より御挨拶を申し上げます。
○石井雇用均等・児童家庭局長 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の石井でございます。
 本日御出席の皆様には、大変お忙しい中、本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
 御案内のことと思いますが、8月16日に、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会におきまして中間報告をとりまとめたところでございます。それに伴いまして、このたび、小児慢性特定疾患児への支援の在り方を御検討いただく場を設けさせていただきました。「小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会」が平成14年度に開催されて、報告書がとりまとまっておりますけれども、それ以来、実に10年ぶりの検討会の開催となったところでございます。
 小児慢性特定疾患児の多岐にわたる課題とともに、難病対策委員会で指摘された事項についても、今後の難病対策委員会の状況を踏まえながら、当専門委員会でも御議論をお願いしたいと考えております。
 本日は、第1回目ということで、現在の小児慢性特定疾患児への支援施策や難病対策の概要について事務局から御説明させていただきました後、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する論点について先生方に御議論賜ればと考えております。
 以上、簡単でございますけれども、開会の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○玉田課長補佐 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願い申し上げます。
 初めに、委員会の運営に当たり、委員の皆様へお願いがございます。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等をされる場合には、まず、発言者は必ず挙手をしていただき、挙手をした発言者に対し、委員長から指名する。指名を受けた発言者は、氏名を名乗ってから発言する、そういう運営を徹底したいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、事務的に資料の確認をさせていただきます。
 配付資料でございますが、議事次第1枚、それから本体資料が1から5まで5部ございます。最後に、参考資料として小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関するものを1点つけてございます。
 資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 よろしゅうございますか。
 それでは、最初に、本専門委員会の「設置の趣旨」について御説明いたします。資料1でございます。
 本専門委員会は、別途、厚生科学審議会の疾病対策部会のもとに設置されております難病対策委員会において「今後の難病対策の在り方」の中間報告が先月とりまとめられておりまして、それに伴って、小児慢性特定疾患児への支援の在り方を検討いただくため、社会保障審議会の児童部会のもとに設置するものでございます。
 本専門委員会の設置につきましては、9月7日付で社会保障審議会の児童部会の了承をいただいております。また、本専門委員会の委員については、資料1の(別紙)のとおりでございます。後ほど、委員の御紹介とともに、本規定に基づき、委員長の選任を行わせていただきます。
 資料1の3のところ、「主な検討事項」でございますが、本専門委員会では、小児慢性特定疾患児への医療費助成の在り方、疾患児の登録管理の在り方、それから、その他の福祉サービスなどの支援の在り方について御議論いただきまして、とりまとめをお願いしたいと考えております。
 本日、第1回目の専門委員会になりますので、委員の皆様を御紹介させていただきます。資料1の(別紙)をごらんください。名簿を掲載しておりますので、名簿の順に紹介させていただきます。
 明星大学特任准教授の安達委員でございます。
 独立行政法人国立成育医療研究センター総長で、日本小児科学会会長の五十嵐委員でございます。
 社団法人日本医師会常任理事の石川委員でございます。
 東京慈恵会医科大学小児科教授の井田委員でございます。
 聖路加看護大学教授の及川委員でございます。
 東京女子医科大学副学長の大澤委員でございます。
 上智大学法科大学院教授の小幡委員でございます。
 難病のこども支援全国ネットワーク専務理事の小林委員でございます。
 読売新聞編集局医療情報部の記者の坂上委員でございます。
 東邦大学医療センター大森病院小児科教授の佐地委員でございます。
 九州大学名誉教授で、福岡学園福岡歯科大学常務理事の水田委員でございます。
 川崎市宮前区役所保健福祉センター所長の益子委員でございます。
 明治学院大学社会学部教授の松原委員と長野県健康福祉部長の眞鍋委員でございますけれども、本日は所用により御欠席との連絡をいただいております。
 続きまして、事務局の職員の紹介をいたします。
 雇用均等・児童家庭局長の石井でございます。
 母子保健課長の桑島でございます。
 母子保健推進官の高橋でございます。
 母子保健課課長補佐の山本でございます。
 続きまして、同課長補佐の内山でございます。
 司会をしております、課長補佐の玉田でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日は、難病対策の検討状況について御説明いただくことになっておりまして、健康局疾病対策課長の山本も出席しております。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 最初に、委員長の選任を行わせていただきます。
事務局からでございますけれども、五十嵐委員に委員長をお願いしたいと考えておりますけれども、委員の皆様、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○玉田課長補佐 それでは、本専門委員会の委員長は五十嵐委員にお願いしたいと思います。
 恐縮ですが、五十嵐委員はお席を移動いただけますでしょうか。
 五十嵐委員長より、一言御挨拶をお願いいたします。
○五十嵐委員長 成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 きょう、それから、これからのミッションですけれども、小児慢性特定疾患という、日本で非常に確立している、そしてまた、患者さん、御家族のために大変役に立っている支援だと思うのですけれども、これが時代とともに大分状況が変わってきているということ、それから、やはり一番大事なことは、子どもたちが今までは小児期に不幸にして亡くなってしまうような重たい病気の方たちも、医療の進歩、あるいはケアの向上とかいろんな理由があると思うのですけれども、成人に移行していく、いわゆるトランジションということで、その方たちをどうするか、どうしてあげるかというような、こういうミッションも多分あるのだと思います。
 そういう中で、厚生労働省がこの小児慢性特定疾患の支援の在り方について再度検討するということを、そちらのほうに目を向けていただいたということは、子どもを扱う者としては大変喜ばしいことだと思います。米国や英国では、adolescents with special health care needsという概念がございまして、これは小児期に今までは亡くなってしまった子たちが、大人に移行したり、あるいは大人に移行する過程で、心やその他、アメリカでは肥満だとかぜんそくとかいう割合が多いわけですけれども、そういう方たちが、実は17歳の時点で、米国では17%、英国では12%いるということがわかっておりまして、それぞれの学会、国で、将来、そういう子どもたちが自信を持って健康に、成人になって社会で貢献できるようなことを何とかしたいと、国家目標にしているわけですけれども、日本ではまだそこまで、方向性がようやくわかってきただけで、どのようにしたらいいかとか、社会的な支援の仕方も含めてですけれども、まだまだ検討しなければいけないことがあるのではないかと思います。
 そういうわけで、そういう広い概念の中で、この小児慢性特定疾患の支援についてこれから検討して、きょう御出席いただいている方はいろんなところの代表の方だと思いますので、お知恵を出していただいて、子どもたち、あるいは大人に移行する子どもたちのためにいい施策が、あるいは提案ができるのではないかと信じておりますので、ぜひ御協力いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○玉川課長補佐 ありがとうございました。
 以降の議事進行につきましては、五十嵐委員長にお願いしたいと思います。
○五十嵐委員長 では、議事に入りたいと思います。
まず、今後の進め方について検討したいのですけれども、この資料2をごらんいただきたいと思いますが、事務局の案が示されております。小児慢性特定疾患患児への支援の現状と課題、それから難病対策の検討事項について御説明をいただいた上で、委員の皆様から自由に御議論をいただきたいと考えています。
 それから、この専門委員会は、設置の趣旨でも説明がありましたように、難病対策の検討状況を踏まえつつ議論していく必要がありますので、今後の具体的なスケジュールについては、この委員会の検討状況を踏まえながら事務的に調整するつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。
 そういう方針でいきたいと思いますが、皆様、何か特別御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、事務局から、小児慢性特定疾患患児への支援の現状と課題、それから、難病対策の検討状況について、2つ説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本課長補佐 では、まず、小児慢性特定疾患児への支援の現状と課題ということで、資料3と参考資料を用いまして御説明させていただきます。
 資料3の1枚目ですが、小慢患児への支援の概要として三つの支援について掲載しております。まず1つは、小児慢性特定疾患治療研究事業、本体部分になりますけれども、医療費助成を行う事業になります。また、それとは別に、治療研究に関する成果の報告及び各地域における小児慢性特定疾患の動向等を把握するために行っております登録管理事業というものがございます。その他の福祉施策といたしまして、日常生活用具の給付を行う事業、また、相談事業として、療育相談指導事業、巡回相談指導事業、ピアカウンセリング事業というものを行っております。また、小慢疾患児に対して手帳を交付する事業というものも行っています。
 ここから個別の事業について詳しく御説明させていただきます。1枚おめくりください。まず、本体部分である医療費助成につきましては、児童福祉法第21条の5に規定されております。「小児慢性特定疾患治療研究事業」として、「都道府県は、厚生労働大臣が定める慢性疾患にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童又は児童以外の満二十歳に満たない者であって、当該疾患の状態が当該疾患ごとに厚生労働大臣が定める程度であるものの健全な育成を図るため、当該疾患の治療方法に関する研究その他必要な研究に資する医療の給付その他の政令で定める事業を行うことができる」と児童福祉法上規定されております。そのため、小児慢性特定疾患治療研究事業といいますものは、法律に基づく補助事業として行われております。
 3ページ目ですが、「小児慢性特定疾患治療研究事業の概要」になります。対象年齢は18歳未満の児童(ただし、18歳到達時点において本事業の対象になっており、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合には、20歳未満の者を含む。)とされております。
 実施主体は都道府県・指定都市・中核市となっておりまして、これらの都道府県・指定都市・中核市が対象患者及び重症患者の認定から医療の給付までを行っております。
補助率は、国が2分の1、都道府県・指定都市・中核市が2分の1の国庫補助になっております。
 また、保護者の所得に応じて、治療に要した費用の一部自己負担があります。ただし、重症患者に認定された場合は自己負担なしというような仕組みになっております。
 当該疾患の状態が当該疾患ごとに厚生労働大臣の定める程度ということになっておりまして、この厚生労働大臣が定める慢性疾患及びその状態の程度というものについては厚生労働大臣告示で定められています。その大臣告示により、悪性新生物から慢性消化器疾患まで11疾患群、514疾患が厚生労働大臣告示で定められています。
 4ページ目になります。よく比較の対象とされます小児慢性特定治療研究事業と特定疾患治療研究事業、いわゆる難病に対する医療費助成の制度についての比較になります。先ほども申しましたように、小慢については児童福祉法に基づく事業になっておりますが、難病の特定疾患治療研究事業につきましては、健康局長通知に基づく事業の実施要綱に基づく補助事業ということになっておりまして、補助要件のところに書いてございますが、小慢のほうでは保険の自己負担分を法律補助、難病のほうでは保険の自己負担分を予算補助ということになっております。
 また、そのそれぞれの目的というものも異なっておりまして、小慢のほうは、児童等の健全な育成を図るためということになっておりますが、難病のほうは、原因が不明であって、治療方法が確立していない、いわゆる難病のうち、治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額である特定疾患について、医療の確立、給付、普及を図るとともに、患者の医療費の負担軽減を図るということで、健康局長通知、実施要綱上定められています。
 また、対象疾患につきましては、難病のほうは、平成14年の難病対策委員会で4要件というのが整理されております。それに基づき56の疾患が実施要綱上定められております。どのような要因要件かと申しますと、まず1つとして、症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない、2番として、原因不明、3番、効果的な治療方法未確立、4番、生活面への長期にわたる支障(長期療養を必要とする)となっており、若干、小慢と難病とではその目的、対象疾患というものが異なっております。
 また、実施主体についても、小慢は都道府県・指定都市・中核市となっておりますが、難病のほうは都道府県が実施するものとなっています。
現在、小慢のほうは、129.5億円の予算で給付人員は約10.9万人となっており、難病のほうは、予算は350億円で、受給者証交付件数は約70万人となっております。
両方とも自己負担というものはそれぞれありますが、小慢のほうは難病の自己負担の2分の1となっておりまして、資料の5ページは(別添2)となっておりますが、(別添1)でして、(別添1)は小慢の自己負担、(別添2)が難病の自己負担になりますが、難病の自己負担をそれぞれ半分にして、ちょっと切り捨てしたような形の自己負担に小慢のほうはなっております。
続いて登録管理事業について、7ページになります。小児慢性特定疾患治療研究事業の実施主体である都道府県等は、厚生労働大臣への治療研究に関する成果の報告及び各地域における小児慢性特定疾患の動向等を把握することを目的として、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象児童の疾患名、発病年齢、各種検査値等の登録管理を行い、これにより得られた情報を活用することにより小児慢性特定疾患に関する研究の推進を図ることを目的として行われております。
どのような内容を登録管理しているかと申しますと、都道府県知事等から厚生労働大臣への毎年度の報告内容を登録することとされておりまして、主として医療意見書に記載された内容、その他、年齢、性別、整理番号等を登録しております。
この登録管理事業については、課題としまして、右側のフロー図のほうにございますが、医療意見書の内容を都道府県等が入力しまして、それを厚生労働省のほうに報告するという流れになっておりますが、都道府県が医療意見書を入力するということになります。医師の意見書が手書きで書かれているものを都道府県の事務方のほうで入力するという手続になりますので、入力ミス等の限界があるということ。また、各都道府県でIDを振るのですけれども、毎年度の更新の際とか転居の際に、そのIDを連結することができなかったりすることによって、予後のフォロー、その後どうなったかというような追跡ができないというような課題が指摘されています。
続きまして8ページ目、小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業になります。こちらは平成17年度から開始されておりまして、小児慢性特定疾患児に対し日常生活の便宜を図ることを目的として、特殊寝台等の日常生活用具を給付する事業になります。こちらは法に基づかない予算事業ということになります。実施主体は市町村と、小慢の実施主体より若干広いところが実施主体となっております。補助率は2分の1で、保護者の収入に応じて自己負担額がございます。
こちら、予算額を下につけておりますが、自立支援法の福祉サービスのほうが、法律に基づくもので優先されますので、実績が若干少ないということもございまして、予算のほうは漸減傾向にございます。
9ページ目に療育指導事業について詳細をおつけしております。こちらは、慢性疾患にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする事業についての療育指導等を行う事業になります。
3種類ございますが、療育相談指導事業と巡回相談指導事業については、それぞれ、小慢に限らず、長期にわたり療養を必要とする児童を対象にして、昔から児童福祉法に基づいて行われていたものになります。
一番下の小児慢性特定疾患児ピアカウンセリング事業は、平成17年に、平成14年の検討会を受けて開始されまして、小慢患児を対象にしたものでして、小慢患児等を養育していた親等の小児慢性特定疾患児既養育者が助言・相談等を行うという事業になっております。
実施主体は都道府県・指定都市・中核市と、小慢児童の実施主体よりちょっと広い、保健所設置市まで含めるところが実施主体となっておりまして、補助率は3分の1になっております。
10ページ目が小児慢性特定疾患児手帳交付事業になります。こちらは平成6年から局長通知で始められております。小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患に罹患している児童について、本人の健康状態の記録やかかりつけ医療機関の連絡先等を記入した手帳を交付する事業になります。
実施主体は、小慢の治療研究事業の実施主体と同じく、都道府県・指定都市・中核市で、国の予算事業になっておりまして、補助率は2分1になっております。
11ページ以降は小児慢性特定疾患児への支援の経緯になります。最初の1ページ目からお示ししましたような三種類の支援策はいろんな経緯を経て開始され、充実されております。
昭和43年度には、まず医療の給付として先天性代謝異常の医療給付というのが始まり、44年度には血友病、46年度には小児がん、47年度には慢性腎炎・ネフローゼ及び小児ぜんそくというものがそれぞれ医療の給付が始まりました。
昭和49年度には、その疾患別の各事業を整理統合し、糖尿病、膠原病、慢性心疾患、内分泌疾患を加えた9疾患群を対象ということになりました。
平成2年度には新たに神経・筋疾患を加え、10疾患群が対象となりました。
平成14年度には、「小児慢性特定治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会」というのが行われ、報告書がとりまとめられました。
その報告を受け、平成17年度には児童福祉法を改正し、小児慢性特定疾患治療研究事業が法定化されました。その際に、新たに慢性消化器疾患群を加えて11疾患群が対象となり、対象疾患と症状の程度が大臣告示されました。また、世帯の所得税額等に応じた自己負担分が導入され、福祉サービスとして、日常生活用具給付事業及びピアカウンセリング事業が開始されました。
参考資料の2ページをごらんください。こちらに、これまでの対象疾患がいつ入院と通院と対象になったのかということ、対象年齢が18歳未満までだったものが20歳未満まで延長というのがいつ行われたかということ、平成18年度以降の各疾患群の給付人員の推移というものをお示ししております。
また、参考資料の3ページ以降ですが、厚生労働大臣告示の514の告示で定められる小慢の対象疾患と疾患の状態の程度に関する厚生労働大臣告示をおつけしておりますので、後でごらんください。
この大臣告示ですが、平成18年度に一度改正し、気管支ぜんそくの疾患の状態の程度におおむね1か月以上の長期入院療法を行う場合というのも加えて対象としております。今回、平成24年度に「小慢患児への支援のあり方に関する本検討会」を設置というような支援の経緯になっております。
なお、参考資料の1ページ目ですけれども、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患名の技術的整理というものを現在行っております。参考資料の3ページ以降に示す厚生労働大臣告示で小慢事業の対象となる慢性疾患が定められていますが、当該告示に定められている疾患名には医学研究の進展や疾患概念の整理等に伴い、近年は医療現場に使用されていない古い疾患名がございます。制度開始当初等の古い時代に課長通知等で定められていた疾患名が残っているというようなものもございます。
また、重複または類似した疾患の複数の疾患名が並立しており、統合する必要があるものがあります。包括的な表記のため、含まれる疾患名が明確化されていないものがあります。
これらにより、申請する際に、混乱があったり、各疾患の患者数等の正確な把握に支障等が生じています。
このため、対象疾患名について、現在の医学の知見を反映させた技術的整理を行う必要があると考えています。
技術的整理の具体例ですけれども、まず、古い病名については、例えば心内膜症欠損症というものは現在医療現場では使用されていないということですので、房室中隔欠損症という、現在使用されている疾患名に改めたり、小児原発性肺高血圧症というものも、特発性肺動脈性肺高血圧症というものに改めるということ。または、微小変化型ネフローゼ症候群、ネフローゼ症候群と同じような病態が二重に指定されていまして、申請の際にどちらで申請したらいいかわからないというような事例もございますので、そこは統合してネフローゼ症候群とする。あとは、先天性代謝異常の告示には、バスケットのように1から49までに掲げるもののほか、特定の欠損酵素名を冠した全ての疾患というような形の指定がされています。その中に、アミノ酸代謝異常症や有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、ライソゾーム病など、ある意味、先天代謝異常の中ではメジャーな、割と知られている病名も含まれているという状況になっていますので、そのようなものについては明確化することが必要ではないかということで、現在、成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「小児慢性特定疾患の登録・管理・解析・情報提供に関する研究」において、関係学会の協力を得て、これらの技術的整理を進めております。
研究班のほうでは近日中に技術的整理の案がとりまとまる予定と聞いておりますので、告示の改正には多少時間がかかるかと思いますが、今後の小児慢性特定疾患児への支援の在り方の検討において、個々の疾患名に言及する必要がある場合には、この研究班案を踏まえて検討を進めるということを考えております。
また資料3のほうに戻りまして、12ページになります。先ほど御説明させていただいた参考資料の2ページ目と重複しますが、小慢の予算額、給付人員の推移になります。予算額につきましては、ここ2年は予算を若干増額しており、地方の超過負担というものは、小慢に関してはほとんどないという状況になっております。
13ページは平成25年度の概算要求ですけれども、129.5億円と、平成24年と同額を概算要求しております。この概算要求につきましては、難病対策に係る検討とあわせ、当該事業の在り方について予算編成過程で検討することとさせていただいております。
14ページ以降は、平成14年の小児慢性特定疾患治療研究事業の今後の在り方と実施に関する検討会の概要、15ページは、平成17年度に見直しを行った際の概要をおまとめしておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
また、参考資料の31ページ以降には、小児慢性特定疾患に関する基本的なデータをおつけしております。疾患群別の給付人員の推移でありますとか対象者数、発病時及び現在の年齢、疾患群ごとの発病時及び現在の年齢や入院、通院の状況など、小慢患児の基本データになりますので、こちらも後ほどごらんいただければと思います。
小慢の現状については以上になります。
○山本疾病対策課長 疾病対策課の山本です。
引き続きまして、難病対策全般につきまして現状と見直しについて、お手元の資料4、横のパワーポイントの資料で御説明させていただきます。
難病対策については、この中の委員の方で大変お詳しい方もおられるので、なるべく簡単にご説明したいと思いますが、歴史的な背景から説明させていただきます。
おめくりいただきまして資料の2ページですけれども、先ほど小児慢性特定疾患治療研究事業の医療費助成は昭和43年からのスタートということがありましたけれども、難病はもうちょっとおくれます。昭和33年にスモンが社会的な問題になりました。これは当時、奇病と言われたわけですけれども、このスモンに対応するために、全国的な研究班を設置して、疫学調査をきちっとやるということで、実際にこの原因がキノホルム剤の服用による神経障害ということがわかりました。
当時、まだ高額療養費制度等がない時代でしたので、研究班として、スモン入院患者に月額1万円の、言ってみれば研究協力謝金というようなものを差し上げて、医療にきちっとかかっていただくとともに研究に協力していただくということで始まっております。
実際にこれが、昭和47年になりまして、キノホルム剤の服用によるものとわかった成功体験をもとに、当時、国会で難病に関する集中審議が行われまして、当時の日本における難病を国家的なプロジェクトとして克服すべしということで、昭和47年に難病対策要綱ができました。それが3ページにございます。
この中で、取り上げる疾患として、原因不明、治療法が未確立で、後遺症を残すおそれが少なくない疾患、経過が慢性にわたり、経済的な問題のみならず介護に人手を要するために家庭の負担が多く、また、精神的にも負担が多い疾患に対して、対策として、調査研究の推進と医療施設の整備、そして医療費の自己負担の、解消とまではいきませんが、軽減するということを柱に、当時、8疾患からスタートしました。
○が書いてありますスモン以下の4疾患は、研究をし、患者に医療費助成もする疾患、そして、サルコイドーシス以下の4疾患は研究だけをする疾患ということで、この当時から、研究費により医療費助成をする疾患と研究だけをする疾患が分かれる二重構造となっております。
ちなみに、このとき、実は希少性という言葉はどこにも疾患の範囲の中に出てこないのですけれども、実際にはその当時希少だった疾患が選定されていました。
次の4ページですけれども、それから40年たちまして今どうなっているかですが、研究費の予算で研究をやり、かつ、一部医療費助成をするという基本的な構造は変わっておりません。今の4ページの下のほうにあります難治性疾患克服研究事業、これがいわゆる純然たる研究ということで、現在、100億円の予算を持っております。つけ加えますと、平成21年度に研究費が4倍増になりましたので、それまで約25億の研究費だったのですが、平成21年に、当時の舛添大臣のときに、4倍増、100億にふえました。
一番左側に臨床調査研究分野がございます。この130疾患については、研究者は特定しませんけれども、必ず毎年どこかで研究が行われているという疾患でございます。この130疾患の中から選定して、56疾患が医療費助成も受けることができる疾患になっております。昭和47年から少しずつふえてきて、現在、56疾患になっています。
研究では、その他に、研究症例分野、真ん中に234疾患ありますが、これは疾患名を指定しているのではなくて、難病の研究としていいものがあれば手を挙げていただいて採択するというような仕組み。そして、その右のほう、重点分野等は創薬につながる研究などが含まれます。先ほど、予算350億で70万人強の患者さんに対し医療費助成を行っているということが山本補佐からありましたが、実際にかかっている総事業費は1,278億円でございます。本来、国、県、2分の1ですので、予算の範囲ではありますが、600億強ずつ支払うべきところを、国の予算が伸び悩んでおりまして、350億しか確保できていないので、自治体の超過負担が非常に多くなっており、交付率100%のところを54%強ということで、これが長らく続いているのが課題でございます。
難病患者さんからは、いわゆる難病に指定してほしいという陳情が多いのですけれども、その意味は、まず臨床調査研究分野に入れてもらって、きちっと研究してほしい。そして、できれば医療費助成対象の56疾患の仲間に、57番目、58番目に入りたいという要望が大変強うございます。
5ページには、これまでどのように疾患が追加されてきたかという歴史的な順番が書いてございます。1番のベーチェット病、昭和47年からのもの、それから、平成に入りまして、右のほうですが、平成14年からはしばらく疾患追加ができなかったのですが、平成21年の10月に11疾患追加になって、現在、56疾患対象患者数70万人強ということです。
次の6ページですけれども、濃い黒の縦が医療費全体の予算ということで、右肩上がりで伸びておりまして、平成24年度は1,278億円、ちょっと薄目の、ボトムのほうにあります棒グラフがその国庫予算ということで、平成24年度はそれでも、10%シーリングの中で努力はしてまいりましたが、350億ということで、交付率が下がっております。
平成13年ぐらいから交付率が落ちてきている。一方で、全然疾患の追加がなされないということに対して、国のほうでも何とかこの制度を改善すべくいろんな努力をしてまいりました。平成14年には少し患者さんの自己負担をふやすということで財政的な状況を改善できないかということがございましたし、平成18年度には、一部、多い疾患については、少し整理する上で新しく希少・難治な疾患について追加できないか等々やってまいりましたが、なかなか理解が得られずに問題がそのまま残ったまま現在に来ています。
それを受けまして、7ページですけれども、この難病対策については抜本的に改革しないといけない、制度疲労を来しているということもございまして、昨年の秋以来、あるいはそれより前の春以来、省内での検討チームや、先ほど紹介がありました疾病対策部会難病対策委員会という厚生科学審議会での議論を精力的に重ねてまいりました。
また、次の8ページですけれども、その下にも実はワーキンググループというのも置きまして、個別の案件についても一つずつ技術的に詰め、その上でまた委員会に諮るというようなことをしてまいりました。
平成23年12月1日には、中間的な整理ということで一度とりまとめていただいております。今後の難病対策の方向性、あるべき姿ということですけれども、9ページにございますが、難病をどうとらえるかということですけれども、「遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で一定の割合発生することが必然である。誰にも発生し得るけれども、その確率は非常に低い。ただ、たまたま罹患した患者または御家族は、大変重い負担を長期にわたり強いられる。一方で、希少がゆえの社会の理解が得られないことの問題を指摘し、ただ、財政上非常に厳しい状況の中で、今の状態では制度が非常に不安定になっているということで、安定性の確保が重要であるということで、この希少・難治性の患者家族を社会が包含し、支援する新しい制度が必要だということ」がうたわれております。
課題も、先ほど申し上げましたとおり、何といっても不公平感といいますか、疾患が限られるということの不公平性がございます。またもう一つは、医師の診断がどうしても甘くなっているというようなこと、それから、実際の医療費助成の水準が、他制度との均衡が図られているかどうかというような問題提起、あるいは、非常に事業費がふえていることの問題。そして、実は難病対策は医療費助成と研究に非常に偏っておりまして、それ以外の、例えば国民への啓発普及とか、医療体制の整備とか、その他の福祉、あるいは就労支援というような総合的な視点が要るのではないかということで、ここにも書いてありますが、法制度も視野に入れて検討すべきということになっております。
小児慢性特定疾患治療研究事業は、先ほどありましたように、平成17年の児童福祉法の改正で、一定程度法的な位置づけがきちっとしているわけですけれども、難病は完全に予算事業、研究事業でやってきたという課題がございます。
11ページでございますけれども、それを受けまして、社会保障・税一体改革の中で、24年2月の閣議決定ですけれども、社会保障改革については、共生社会の実現ということですが、難病につきましては、医療・介護の中で高額療養費の見直しのほか、難病患者さんの長期負担に対して社会全体で支えるという観点から、疾患の範囲の拡大も含め、より公平・安定的な支援の仕組みの構築を目指すということで整理されました。これは法制化も視野に入れということで、制度的な担保というのが議論されております。
それらを受けまして、12ページですけれども、先ほど局長から御紹介いただきましたとおり、8月16日に難病対策委員会で中間報告をまとめてくださいました。概要につきましては12ページ以降についております。また、15ページ以降はその全文がついておりますので後でお読みいただければと思いますが、12ページの概要をもとに御説明させていただきますと、「難病対策の必要性と理念」ということで、希少・難治な疾患についてどう考えていくかということですけれども、難病対策については、まず治療研究を進めて治療法を見つけ、疾患を克服するという柱と、それから、そうはいっても、なかなか治療法が見つからない患者さんが長期にわたって療養が必要になるということに対しての社会参加の支援、また、地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現という福祉的な側面の2つの柱を理念として立てております。最終的に患者さんを社会全体で支えることを目指すとなっております。
難病とは何かということですが、実は委員会ではこれが一番議論が大きく時間を割いたところです。冒頭、昭和47年の要綱のときに希少性ということが、文字では入ってないのだけれども、実態としては入っていたというお話をさせていただきました。これも委員会では相当な議論がございましたが、総合的な難病対策の外縁、一番外の枠としては、要綱も参考にしつつも、なるべく幅広く捉えるべきということがございました。
ただ一方で、個別施策の対象となる疾患の範囲については、それぞれの趣旨、目的を踏まえて、基本的には比較的まれな疾患を基本に選定すべきということで、医療費助成の在り方につきましては、対象疾患の4要素、すなわち?症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策は進まない、?原因不明である、そして、?効果的な治療が未確立、?生活面への長期にわたる支障を基本的に踏襲することが適当ということでとりまとめられました。
対象の範囲については、より公平に対象疾患を選定すべきということですけれども、一方で、効果的な治療が確立したというようなときには、引き続き対象とするかどうかの定期的な見直しも必要だということでございます。また、対象患者の範囲につきまして、重症度の基準を設定することが必要。小慢事業では、全ての疾患について一定程度の重症度という枠があるのですが、難病一般対策では、56疾患のうち重症度基準が入っている疾患が12疾患、逆に言うと、残りの疾患は、重症は全く関係なく、その疾病名が、診断がつけば全てが対象となっています。それを受けてのことですけれども、重症度基準の設定ということがございました。
また、対象患者の認定の在り方ですけれども、自治体の指定を受けた専門医の診断を要件とすることもうたわれましたし、治療の適正化のために治療ガイドラインを策定すること、また、小児慢性特定疾患治療研究事業と同様に、患者データをとっておるのですけれども、その精度向上や有効活用の観点からの見直しということもうたわれました。
また、給付水準ですけれども、先ほど山本補佐から、小児のほうと大人のほうで約2分の1の医療費自己負担の上限額があるという話がありましたけれども、これについても、他制度との均衡を図るということで、給付水準の見直しを検討する必要があるとされました。
具体的には、入院時の食事及び生活に係る自己負担ですとか、薬局での保険調剤に係る自己負担、あるいは重症度基準、高額所得者の取扱い等々、重症者の取扱いについても見直しを検討すべきということでございます。
福祉サービスですけれども、こちらの難病対策も、小児と同様に、予算事業として日常生活用具の給付等を行ってきましたが、なかなか実施が伸びておりません。一方で、障害者総合支援法がさきの国会で成立したわけですが、それによって、障害者の範囲に難病も入るということになりました。それも含めまして、そちらのほうで福祉サービスをやっていくということです。
ただ、この対象疾患がどうなるのかということですけれども、先ほどの難病の医療費助成もそうですし、この障害福祉の対象もそうですけれども、これにつきましては、今、研究班のほうで疾患の医学的な情報の収集整理をしておりますので、その研究班の結果も参考にして検討していくということになっております。
難病相談支援センターにつきましては、現在、県に1か所ずつございますが、これについても充実すべきということがございますし、難病手帳(カード)の在り方、先ほど小児に対しての手帳の話がございましたけれども、ここでの手帳は、主に議論しておりますのは、例えば身障手帳のような一定のサービスを受けられる手帳、あるいはカードについても検討していくということになっております。また、研究の充実、そして医療体制の充実、14ページにまいりまして、就労支援の在り方。特に就労支援は、当課だけではなくて、厚労省全体で取り組むべきこととして、難病患者への就労支援の充実がございまして、それについて、関係機関の連携の強化についても書いてございます。
ここの委員会で非常に関係深いのが10と11の2つです。1つは、難病を持つ子どもへの支援の在り方ということで、難病相談支援センターについての子どもの相談について、他機関と連携をしていくこと、それから小児の難病の研究の充実、あるいは小児期の担当の医師と成人を担当する医師の連携の問題、あるいは、子どもに対しては教育支援、あるいはその後の就労支援を含む総合的な自立支援が重要だということで、難病全体のほうからもこのような問題提起がございました。
また、大きな課題として、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者が20歳になった後の成人移行の問題があり、これの連携について、切れ目のない支援の在り方について検討すべきとされています。
難病対策委員会での議論につきましては以上のような状況です。この後、秋以降、難病対策委員会でも、この具体化に向けて、法制化も視野に入れて、さらに委員会で検討を詰めていくということになっております。
以上です。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
小慢と難病の2つの御説明をいただいたわけですけれども、これから議論を深めることにしたいのですが、その前に、資料5に、事務局が「小児慢性特定疾患患者への支援の在り方に関する論点」というのを整理していただきました。これは案ですけれども、先につくっていただきましたので、今後の方向性をちょっと見る上で、たたき台として御説明いただきたいと思いますので、よろしいでしょうか。
○山本課長補佐 資料5に「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する論点(案)」を作成させていただいております。
その前に、資料3の最後のページ、15ページを補則説明させて頂きます。平成17年度の小児慢性特定疾患治療研究事業見直しの概要の一番下に参考として、児童福祉法の一部を改正する法律(案)に対する附帯決議がございます。関連が有りますので御紹介させていただきます。
小児慢性特定疾患対策については、法制化に伴い制度の周知徹底及び事務手続の簡素化を図るとともに、自己負担の導入が保護者に過重な負担とならないよう十分配慮すること。また、必要に応じて継続した治療が受けられるよう成人の難病対策との連携を可能な限り図るとともに、福祉サービスの充実についても取り組むこと。また、小児慢性特定疾患治療研究事業の在り方について引き続き検討を続けるとともに、患者団体、医療機関関係者及び専門家、自治体等の関係者の意見を十分踏まえ、必要に応じ制度の見直しを行うこと。これが平成16年の児童福祉法の一部改正の際の附帯決議ということでございます。
資料5のほうに戻ります。先ほどの小児慢性特定疾患児の支援の現状、難病のほうの検討状況について御説明させていただきましたが、これらを踏まえ、以下のような論点があるかと考えております。
まず、医療費助成につきましては、難病対策の検討状況を踏まえつつ、小児慢性特定疾患児への医療費助成の意義・目的やより安定的な仕組みにすることについてどのように考えるか。
また、難病対策の検討状況を踏まえつつ、給付水準、給付水準というのは公費で負担される額ですが、の在り方についてどのように考えるか。
医療費助成の対象疾患についてどのように考えるか。また、難病の対象疾患であり、小児慢性特定疾患の対象外となっている、これは子どもですけれども、難病のほうで対象で、小慢では対象外という意味ですが、そのような疾患についてどのように考えるか。
医療費助成については以上のような論点があるかと考えます。
また、登録管理ですけれども、自治体で登録することであるとか追跡について課題があるというお話がありましたが、制度の向上及び有効活用の観点から、データの収集方法及び内容についてどのように考えるかということ。また、成人移行(トランジション)する場合の難病の治療研究事業との連携の在り方についてどのように考えるか。
以上のような論点があるかと思います。
また、福祉サービスを含むその他の支援についてですけれども、その他、他の施策における支援の在り方も踏まえ、小児慢性特定疾患を抱える子どもやその家族に対する支援の在り方についてどのように考えるか。
こちら、事務局の論点の案としてお示しさせていただきましたが、追加すべき論点やその他の課題があれば御意見をいただきたいと思いますし、この論点についての御意見もいただければと思っております。
以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございました。
皆さんから御意見いただきたいのですが、その前に、ただいま御説明いただきました2つの資料につきまして、何か委員の方からご質問ありませんでしょうか。何でもいいのですけれども、皆さん御理解いただけましたでしょうか。
小慢と、それから大人の難病とでは全く違うスタンドポイントに立っているということはわかったと思うのですけれども、何か御質問ありますか。
どうぞ、小幡委員。
○小幡委員 一応小児慢性特定疾患については法律に基づいているという理解でよろしいですね。それに対して、難病のほうは予算補助ということでやっているということです。今回、小児慢性特定疾患児の支援の在り方を考える上で、より安定的な仕組みという論点が、掲げられたわけですが、そのあたりの安定という意味についてですが。法律的な見方をすると、片方は一応法律に基づいている補助であるので、他方、予算でやっているものと比べて、安定性ということについて言うと、小児慢性疾患のほうがあるように見えるので、そのあたり、御説明いただければと思います。
○五十嵐委員長 根拠法が、小慢は児童福祉法だけれども、難病特定疾患はないわけですね。
○高橋母子保健推進官 それでは、資料3をちょっとめくっていただきたいのですけれども、資料3の2ページで、法律の根拠あるということですけれども、この21条の5で、最後のところ、「都道府県は」から来まして、「医療の給付その他の政令で定める事業を行うことができる」という、これはできる規定なのですね。ですので、義務的な規定にはなっていないということで、予算の上でも、これは法律補助という位置づけになっております。その意味では、今、毎年の予算編成過程の中で査定を受けて予算を確保するという状態でございます。
○小幡委員 しなければならないという義務的な負担になっていないという意味で、多少不安定さがあるという理解でよろしいでしょうか。
○高橋母子保健推進官 そういうことです。こういう法律の根拠規定では、「国は負担する」という規定もありまして、この小慢の場合は、「事業を行うことができる」というできる規定で、負担するという言い切りになっていないと。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。ほかに御質問ありますか。
よろしいですか。
それでは、予定した時間はまだ半分ぐらいありますので、アイウエオ順だとあれでしょうけれども、安達先生から、先生がお考えになっている、今の段階で結構ですけれども、あるいはこれまでの小慢の在り方等を見ていて、先生の、現時点でこの小慢に対してどのように思って、あるいは今後どういうことを改善するのがいいかという、何かお考えありましたら、簡単でいいですけれども、ちょっとお話しいただけますでしょうか。順番にいきますので、次は石川先生ですので、よろしくお願いします。
○安達委員 安達です。よろしくお願いいたします。私は、今年の3月まで、神奈川県立こども医療センターの中にあります横浜南養護学校、病弱の特別支援学校に勤務しておりました。教育的な見地でお話をさせていただきたいと思います。
御承知のように、入院日数のほうでいきますと、13.8日という入院日数がアベレージで厚労省のほうからも多分出ているかと思うのですけれども、それに伴いまして、子どもたちの在籍が、場合によりますとないケースが非常に多いです。といいますのは、入院が短期化、あるいは頻回化に伴いまして、前籍校から、例えば病弱の学校に転校するようなケースが非常に少なくなってきております。学校として、一人一人の子どもたちに対して教育的ニーズに応じた指導というのはなかなかできにくいという現状があります。
そうしますと、子どもにとっては学習空白、あるいはストレスの問題等がありまして、そこからさまざまな課題等が生じております。また、当然、こども医療センターに入院、あるいは入所している児童生徒でございますので、厳しい医療の管理下に置かれております。どうしても、小慢等につきまして、医療の方針とかそういうのが定まらないと、いわゆる教育的な活動ができないという現状があります。
ですので、少しでも早く全国的にネットワークを図っていただきまして、一つ一つの病気に対しまして適切な治療方針ができ、また、その治療方針等につきまして、ぜひ教育関係、いわゆる子どもの病気を知るというところから、我々、教育は始まっていきますので、ぜひそのような情報等を学校教育関係にいただければと思っております。
ちょっとそんなことを今感じております。以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。教育の面から、今、貴重なお話を御指摘いただいたのですけれども、確かに難病のほうは診断基準が、研究班があって、ほぼできているわけですね。治療方針もある程度コンセンサスがあるわけですね。ところが、小慢のほうは、514疾患あるのですけれども、必ずしもというか、ほとんどが診断基準ないもののほうが多分多いのではないかと思うのですね。今回、松井班の支援をする点におきましても、その点を御指摘いただいたのですけれども、大人のほうの難病の、これは研究が主体で治療とかそういうことをやってきたわけですけれども、小慢は必ずしもそうでないというのが現状なのですね。もちろん、それぞれの現場で苦労して、あるいは学会が苦労してつくっているものもあるのですけれども、確かに、今、安達先生おっしゃったように、治療方針とか診断基準というのは必ずしも整ってないのが現状ではないか。それは確かに問題点と受けとめたいと思います。ありがとうございました。
 石川先生、いかがでしょう。
○石川委員 日本医師会の石川でございます。
 私は、日本医師会に来る前に、県のほうで認定の審査会を6年間やっていました。そのやったときの感想でございますけれども、1つは、実際に病名で認められても、今ほとんど医療費がかかってない疾患があると思うと、実は判定で除外されて、ところが、逆に毎月毎月医療費がかかっているものって結構ありまして、そういうところで、これは一体どうしたらいいのかという、審査会でもずっと頭を悩ませていたということがありました。さらに引き続き、先ほどのトランジションということがありますけれども、実際に治療が続いている方が20歳を超えたときにどのようになるのかということについては、私たち医療の側としても、実際に母親、あるいは両親といっしょになって、大変困ったねということで、双方で頭悩ますしかないような状況もありました。
 つまり、何が言いたいのかといいますと、実際の治療だとかそういった現状に即してこの制度だとかそういったものが実行されているかどうかということと、その実態がどうなっているかというのをきちんと調査していろいろな改善をすることが、この制度のきちっとした運用になるのではないだろうかということを考えております。
 以上です。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。小慢は一応登録事業ですから、結果的に国のほうに登録されて、そして、そのデータを成育医療研究センターの社会医療部のほうでまとめてきた経緯はあるのですけれども、それについて何か事務局のほうでコメントありますか。要するに、そういう登録事業をちゃんとやっているのだけれども、実態の公表とかそういう点で何か足りないものがあると、石川先生、お考えなのですね。
○石川委員 具体的に言いますと、例えばネフローゼ症候群、ありますね。ネフローゼ症候群は、最初のころはとても複雑な規定がありました。つまり、6か月以内の再発だとかそういった規定ですね。実際にはかなり綿密に治療が進んでいても認定されなかったということがあるのですね。ところが、佐地先生が御専門ですけれども、心疾患なんか、安定していても、病名によって認定される。そうすると、私たちから見ると、この子、1年に1回も診療してないんじゃないのと、医療かかってないんじゃないのという疾患が認定されて、毎月毎月かなりのお金がかかっているのが認定されていない、そういうものが調査すると結構いっぱいあると思うのですね。それをぜひちょっと明らかにしてもらいたい。
 それから、ぜんそくという膨大な数の子どもたちがいます。その子どもたちは、グローアウトする子どもたちもいますけれども、実は大人まで持っていく子どもたちもいますね。それから、1型糖尿病もそうですね。こういったものがどのようになっていくのかというのはやはり実態を把握したほうがいいのではないかということです。
○五十嵐委員長 ある程度実態は明らかになっているのもあるのではないかとは思うのですが、どうですか。
○山本課長補佐 母子保健課の山本です。石川委員の御指摘は、2つの点になるかと思います。1つは、登録管理がまだ十分に情報を集められている状況にはなっていないという登録管理の課題、もう一つは、重症度基準のお話だと思います。重症度基準の導入により、治療により軽減する方が対象外になるという課題、あとは、重症度基準がそもそも疾患によって違うのではないかという御指摘ではないかと思います。
 登録管理の話にしても、重症度基準のお話にしましても、自治体からのお問い合わせなどもちょくちょくいただくところではございます。軽快者については、重症度基準導入の趣旨を鑑み、当事業は、治療により軽快している方を対象にする事業にはなっていないと、お答えさせていただいております。重症度基準が疾患によってちょっと違うのではないかというご指摘につきましては、現在の基準は、平成17年に、いろんな議論と、研究の成果を踏まえてできた重症度基準であるので、御指摘はいただいているという現状にはなっております。
○五十嵐委員長 山本課長、どうぞ。
○山本疾病対策課長 ここは、小慢、子どものことなのでしょうけれども、大人の状況も同じような課題を抱えております。1つは、疾患をもう一度きちっと洗い直すということについては、先ほど五十嵐先生からお話がありましたように、大人の場合は研究班があるものですから、先ほど130疾患とか234疾患と申し上げましたけれども、研究班長に対して、全ての疾患について、実際に患者数であるとか診断基準があるかないか、重症度があるのかないのか、転帰についてどうなっているのかというのを全部洗い出していただいています。それも大変膨大な作業、文献等も集める作業をやっています。
 一方で、医療費が個別にどうかかっているのかということについては、現時点でのデータではそのまま出てきませんので、これは別途集計をかけて個々の疾患について、かかっている医療費が実際にどのぐらいなのかデータ分析をやっている段階です。
 一方で、先ほど五十嵐先生からお話がありました、子どもについては、本来、ここでの議論があると思いますけれども、トランジションの議論もあるため、先ほど委員長のほうから御紹介ありましたけれども、厚生科学研究事業の中で、現在、小慢の医療費助成の対象になっている疾患については、日本小児科学会の御協力も得て、全疾患、今、洗い出しをして、実際に患者数はどうか、診断基準はあるのか等の整理をやっております。514疾患、母子保健課とも協力してやらせていただいておりますけれども、こちらは必ずしも研究班があるわけではないので非常に難しい作業になっているのが現状です。まずはベースのデータ、医学的なデータがきちっとしないとそれからの議論が始まらないということで、石川先生御指摘の点、両課でできる限りの分析を進めようとしているところです。
○五十嵐委員長 補足的な御説明、ありがとうございました。石川先生、よろしいですか。
○石川委員 はい。
○五十嵐委員長 では、井田先生、いかがでしょう。
○井田委員 慈恵医大の井田と申します。
 先天代謝異常学会の理事をしているものですから、多分、そういうことを中心に検討してほしいのではないかということで、そこを中心にお話しさせていただきたいと思います。
 先ほど山本補佐からお話ありましたように、代謝異常症、49疾患ございます。それで、43年から、これは僕知らなかったのですけれども、小児慢特の支援が一番最初にスタートしたということで、これは、新生児スクリーニング、マススクリーニングが始まって、それに伴う特殊ミルクという治療ができたということで恐らくこの小児慢特がスタートしたのではないかと思います。
 治療法は、特殊ミルクという昔からある治療で、私が若いときは治療がほとんどなくて、特殊ミルク以外で治す疾患というのはなかったのですけれども、先ほど五十嵐先生のほうからお話ございましたように、治療法がかなり、代謝異常症、できてまいりました。先生方御存じのように、酵素補充療法、あるいはバイオプテリンと非常に高額な治療法が開発されて、しかしながら、それによって患者さんの予後が改善していることも事実でございますし、先ほど五十嵐先生からお話ありましたトランジションの問題も大きくなってございます。
 代謝異常症の中で問題点は2つ3つあると思うのですけれども、まず1つは病名の整理、さっき山本補佐おっしゃったように、分類が遺伝子異常に伴う、あるいは酵素欠損が原因で疾患が起こるのですけれども、その酵素を主体にしたものと、それから症状を主体にしたものというか、臨床分類が非常に混在しているので非常にわかりにくい分類になっているので、これをまず整理しないと現状把握がちょっとできないのではないかなと、代謝異常症は思います。
 49疾患プラスその他という形ですので、ごみ箱的というか、代謝異常症に入れられてしまっている疾患も結構あるのではないかと思うのです。希少疾患で、日本の代謝異常学会は会員の医者が600しかいませんで、その中でもかなりスペシャリティが高いのですね。なので、専門家がかなり入って、各疾患、先ほど出ましたライソゾーム病とかいろいろございましたけれども、その道の専門の先生がいらっしゃるので、この表示法はどのようにしたらいいかというのは検討しないと、それもかなり専門家の人でないとわからない分野だと思いますので、そこをまず病名の整理、これはしたほうがいいでしょうと。
 それから医療費の補助につきましては、実は代謝異常症の中ではちょっと不平等というか、になっていることがございます。具体的に申し上げますと、難病のほうにはライソゾーム病と副腎白質変成症とミトコンドリア病と3つ入っているのです。ですから、代謝異常症の中でもこれに属する患者さんは、成人になっても医療費の補助は受けられるわけです。
 ところが、先ほど申し上げましたこれ以外の代謝異常症というのがあるわけです。例えばアミノ酸代謝異常症、尿素サイクル異常症、これらに関しましては、20歳を過ぎると、ミルクはずっと、遺伝子の異常ですので、結局、治癒はしないわけですね。遺伝子治療、まだですから、対症的にいろんな治療をしていくわけですけれども、それは継続的なわけですね。20歳になって、50、60になってもずうっと続いていくわけです。その人たちが例えばアミノ酸代謝異常症、あるいは尿素サイクル異常症、アミノ酸代謝異常症はミルクの問題とかバイオプテリンがありますけれども、尿素サイクル異常症は新しい薬がどんどん今できてきているのですね。治験中の。こういう人たちの医療補助をどうするか。代謝異常症の中でも難病に指定されている疾患と小児慢特でしか指定されてない疾患と、補助に差がちょっと出てきているので、それをどのようにしていったらいいかということですね。
 あと、先ほど新生児スクリーニングのことをちょっとお話ししましたけれども、それで小児慢性特定医療疾患の補助が出るということですけれども、このスクリーニングに関して、代謝異常症の中でアミノ酸代謝異常症だけでなく、今、内分泌疾患と代謝異常症、6疾患がスクリーニングの対象になっているのですけれども、恐らくこれはちょっと拡大する方向にいくのではないかと見ています。
 それはなぜかと申しますと、この代謝異常症、非常にオーファンディズィーズですので、普通の医療機関だとなかなか発見されなくて、見落としがかなりあって、治療法が受けられないまま亡くなられている、または予後が悪くなっている患者さんもあるというのが学会で一般論になりつつありまして、その症状が出る前、あるいは早期に発見して早期に治療すれば良好な予後が得られるのではないかということで、このスクリーニングが少しずつ発展していく可能性が多うございます。
 したがって、スクリーニングで見つかってきた患者がほかにいろんな疾患ございますけれども、そういう患者さんの数がふえてくると、安定した財政的な、またどのようにそういう患者さんを扱っていくかということはちょっと難しい問題があるのではないかなと。
 以上3点ですね。病名の整理と医療費補助の平等化とスクリーニング拡大による患者数の増加と、どのように扱っていくか。難病でない方ですね。小児慢特だけの方の成人へのトランジションでの医療補助の問題が大きくなってくるのではないかと考えています。
 以上です。
○五十嵐委員長 いろいろと詳細な問題点を御指摘いただきましてありがとうございました。
 では、続いて及川委員、お願いいたします。
○及川委員 聖路加看護大学の及川です。
 私の役割は、個別の疾患と疾患群についてのお話というよりは、むしろ子どもたちの健全育成という観点からどのように支援したらいいかということの全体的なところにかかわる部分かなと考えております。
 私は、前回の検討会のときも参加させていただきまして、その点で、子どもたちに対する支援、御家族に対する支援では少し進んできたのではないかと考えておりますし、それについて本当にありがとうございましたというところもあります。
 先ほど安達委員のほうからもありましたけれども、子どもたちの入院環境が変わってきているというのはあるかと思うのですね。入院している子どもたちも中にはいるのですが、多くの子どもたちは外来通院の中で支援されているということを考えましたときに、前回は入院環境の整備という点ではかなりその点を御議論させていただいたかと思うのですが、今回は、外来の支援というあたりのところに子どもたち、御家族への強化といいましょうか、そういうことが必要ではないかと考えております。
 それは、先ほどのお話にもありました療育指導事業というようなものが、小慢のお子さんたちに限らず行われているということから考えますと、それぞれの持つニーズというのがかなり違うだろうということがあります。
それともう一つは、保健所に出向いて支援をいただくということより外来通院の身近なところで支援を受けることが大切なことかなと考えますと、子どもたちへの相談支援を外来ベースで主治医の先生方とどのようにタッグを組んで支援していくのか、きちんと検討していくことが今後必要かなと思います。
 それは、今回の議論の一つになっておりますトランジションということにもかなりかかわってくると思っていまして、前回検討会では、御家族への負担を軽減する、小慢そのものがそういう事業ではあるわけですけれども、子どもたちがこれからトランジションに向けていくという場合には、子どもの自立をどう支えていくのかということがやはり大事な視点かと思っております。
そういう意味においては、私たちはというか、医療者は比較的御家族のほうに目が向きやすいのですが、今子どもたちがどんどん成人に向かっていくといったときに、子どもたちがまだまだ自立してないなというか、もちろん、身体的には難しい部分はあるにしても、気持ちの上で、大人に向かって成熟していかなければいけないという点をどう支えていくのか。それがきちんとされていかないと、トランジションの移行は難しいのではないかと私は考えておりまして、その辺の支援を行っていく上でも、先ほど言いました外来等々での地域支援といいましょうか、それから、先ほど安達委員からありました学校との連携支援とか、そういうことを絡めてきちんと支援していく体制を整えていくということが必要なことではないかなと思っております。
 
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。先生は前回の検討会でも委員をされていましたので、それとの比較で、今回は外来環境、特にこういう病気を持っている方たちはなかなか社会との接点が少ない人が多いので、そういう子どもたちがセルフエスティームを上げて社会にうまく適応できていく、自信を持って社会に入っていくことのできるような、自立できるような、特に心の問題ですね。それを御指摘いただいたのではないかと思います。ありがとうございました。
 では、大澤委員、お願いします。
○大澤委員 東京女子医大の大澤でございます。
先生方と同様のことも含まれますが、第一としては、現在の小児慢性疾患は症状名で疾患が同定される形のものと、確実な疾患名として挙げられているものと両方が混在しているという状況がございます。その辺を整理する必要があると思うのですけれども、医学の進歩とともに疾患としてきちっと定義されるものが増していくという背景があり、一方ではある疾患名に入らなければ認められないという現状が一部にあるので、類縁疾患というような枠組みも必要と思います。
 というのは、現段階では病名が合ってないので認められない、しかしながら、実際に患者さん御自身や御家族の御負担としては非常に強いというものが多く見られておりますので、その類縁疾患の枠組みというのをつくっていく必要があるのではないかと思います。
 それから2番目としては、トランジションの問題はやはり非常に大きくて、医療の体制がよくなるに従って、小児年齢を超えて、20歳を超えて生存可能となっておられます。特により重症化して、より密なケアが必要になっていく患者さんがふえていますので、そこの部分でやはりトランジションの問題を明確にして小児慢性疾患の患者さんの病名が難病の中に含まれていく必要があると考えます。
 3番目は、小児科においては、残念ながら、治療方針、診断基準の確立が不明確の部分があると思いますので、その辺は学会のほうでもう少し努力して、より確立していく必要があると考えます。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、小幡委員のほうからお願いいたします。
○小幡委員 先ほど質問させていただきましたが、上智大学で行政法という法律を専門にしております小幡でございます。
 難病のほうの委員会に参加させていただいております。そこでも、小児から成人になられたときのトランジションの問題というのは意識しているのですけれども、改めて今回、小児慢性特定疾患のほうをよく伺いますと、法の目的といいますか、児童の健全育成というところで小児慢性特定疾患のほうはできているということですので、難病のほうはまたそれとは違った目的でできているものですので、多分、対象疾患がかなり違うと思います。ただ、重なっているものも一部あると思いますので、そのあたりの資料を今度またいただければと思いますが、なかなか単純に重なっていないところが多いので、大きな問題になるということだと思います。
 トランジションの場合に、しかしながら、小児だった患者さん、慢性疾患で苦しんでいらっしゃる方は、成人になっても同様な状況なので、これを何とか、やり方は工夫しなければいけないと思いますけれども、まさにここと難病のところの連携で探っていかなければいけないかと思っております。
 それから、難病のほうでも同じで、どの疾患を新たに追加していくかということが、非常に大きな問題になってくるわけです。これは恐らく小児慢性特定疾患のほうも、病名等整理して、あるいはカテゴリーを少し緩くして、今、類縁疾患というお話がございましたけれども、そのような形でできるだけ患者さんにとって不公平感がないように。不公平感と申しますのは、なぜこの疾患は助成をもらえて、自分の疾患はだめなのかというのが、類似の状況にいらっしゃる方にとってはまさに不均衡といいますか、不公平感が大きいかと思います。できるだけ不公平感がないような形にしていかなければいけないのですが、難病のほうも同じで、希少性とか、あるいは治療方法が未確立とか、そのあたりの基準で、どうしても患者さんは不公平感を持たれる場合もあると思います。新たに見直すときにどの疾患を入れるかということについて、不公平と感じられるかもしれないですが、公開の場で、できるだけ公正・透明な審議の場で議論をして、このような違いがあってこの疾患は入ってこれは入らなかったのだとか、そういうことが透明な場で議論されて、しっかり説明責任を果たすという形で行われるということが何より大事だと思います。
 それは、類似の患者さんにとっての不公平感についての説明責任というのと同時に、国民一般について、広く国民に対して、難病であれ、小児慢性疾患であれ、このような助成金を支給することについての理解を求めていくということにもつながるので、ぜひそういう形での透明・公正な手続が大事ではないかと思っております。
 それからもう一点、医学の進歩というお話がございましたので、やはり定期的にもう一度、今現状はどうなっているのだということを洗い直すという作業は不可欠ではないか。医学が進歩して改善されていくようになるということは大変望ましいことですから、その進歩の状態を刻々ときちんと反映できているようにすることも大事ではないかと思います。
 以上です。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。これから、小慢のある疾患を難病にする場合にはぜひ公開の場で、患者さん、あるいは御家族だけでなくて、国民に説明ができるようなやり方をしていただきたいという御指摘でした。ありがとうございました。
 では、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 難病のこども支援全国ネットワークの小林と申します。よろしくお願いします。
 この小児慢性疾患も、それから特定疾患もそうですけれども、私たちは以前から、法制化とか制度の改善というのをずうっと訴えたりしてきたわけですけれども、限られたその資源を多くの人々で公平に行き渡るような形の制度化というものをずっと訴えてきました。小児慢性疾患が7年前に法制化されたわけですけれども、そのときも、今もお話ありましたように、できるだけ多くの人たちに公平にこういう資源が行き渡るような制度にしてほしい。福祉の新しい制度に、それまで医療費を給付するだけだったわけですけれども、そういうことをお伝えして、法制化されて、その前の検討会でいろんな話し合いをさせていただいたのですけれども、その前の検討会の内容は大変すばらしい内容だったと。及川先生も私も委員で、この最後に出ておりますので、ごらんいただきたいと思っております。
 私からは、今回のこの委員会ですけれども、その検討会のときと同じように、患者団体からのヒアリングをぜひ実現してほしいなと思っています。あのときはたしか12団体をこの会場にお呼びして、毎回、数団体、3団体ぐらいだったかと思いますけれども、何回かに分けて、それぞれの会の置かれた、患者さんたちの置かれた状況だとか費用のことだとかいうような状況をお聞きして、その内容というのはとても委員会の議論に反映できたと思っております。そういうことをぜひまた今回実現していただけたらいいなと思います。
 それから、これも私たちずうっと以前から申し上げておりますけれども、疾患、病名単位というのはやはり永遠に不公平感が残るわけですね。今の話もありましたように、類縁疾患等という呼び方があったりするのであれば、できるだけそういうのを、重症度だとか、あるいはほかの方法でそういったことの不公平感ができるだけ小さくなるようなことを考えていただくことができればいいなと思っているわけです。
 前回、小児慢性疾患も、重症度基準というのはむしろ患者側から提案して、このようなことをすることによってより重たい人たちの負担が減っていくのだということを申し上げて実現してもらったりしておりますけれども、ぜひそんなこともまた検討してほしいなと。
 それから、先ほど安達先生が学習空白のことをおっしゃっておられました。全くそのとおりでございまして、子どもたちが入院期間の間、授業を受けられないというのがやはり少なからず報告されているのですけれども、これの大きな原因の一つは、学籍異動というのがあるのですね。学籍を異動しないと、学校に在籍できないので授業を受けられないというのがあります。学籍異動というのは、言ってみれば事務方の都合なわけでありまして、患者がそこにいるわけですから、患者本意で考えてみれば、当然そこの場で、患者が来たら授業が受けられるべきなのだろうと思っています。
 アメリカのMDアンダーソン病院、テキサスの病院なんかの報告では、患者は州を越えても、担任が書いたメモと教科書を持って入院してくると、そこの学校で担任がどこまで授業したというのをメモにまとめて、その在籍の学校へ持って帰ると出席扱いになるというような報告が以前にも、これは古いですけれども、20年前の母子医療検討会というのがありましたけれども、そこでも報告されているわけですが、そうした柔軟性のあるいろんな仕組みをぜひ文科省の方にも考えていただきたいなと思っております。
ほかにもいっぱいあるのですけれども、追い追い言わせていただければと思います。よろしくお願いします。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
 では続きまして、坂上委員、お願いします。
○坂上委員 読売新聞医療情報部の坂上といいます。
 私は今、医療記事を書いているわけですが、とりわけ難病とか小児の難病、慢性疾患については関心を持って取材してきました。その中で、今回の検討会、せっかく委員に就任できましたので、3つ、まず検討していただきたいと思うことを述べさせてもらいたいと思います。
 まず1つは、御指摘あったように、小児から成人になると公費補助が受けられなくなるというトランジション、キャリーオーバーの問題ですね。井田先生からもお話がありましたように、私も、先天性代謝異常症の取材をしていまして、治療法として酵素補充療法が登場し、患者さんの命が延びてきました。しかし、別に完治するわけでなくて、これからずうっと一生つき合っていかなければいけない。それなのになぜ成人になったら公費補助が受けられないのか、やはり患者家族はすごく不安に感じられています。その辺、何かいい方法があればなあということをぜひとも検討していただきたいと思います。
 2点目は、教育と就労の支援の問題です。及川先生からも御指摘があったように、入院の部分での教育というのは充実されてきたという話なのですけれども、実際、平成14年の検討会の資料を見ると、一人一人の状況に合った就学、就労できるようにすると書いてありましたけれども、本当にきちんとできているのか、ぜひとも検証してもらいたいと思います。
ある患者団体から聞いたのですけれども、20歳を過ぎた患者さんに自分の病気は何ですかと聞いても、お答えできない人もいらっしゃる。お母さんがみんなかわってずうっと話してきたので。先ほども指摘された通り、なかなか自立が難しかったりする面はあると思うのですけれども、やはり教育が大切だと思います。病院内、学校へは行くことが難しいお子さんは自宅で、それぞれ学ぶ場を与えるようにしてもらいたいです。また、就労できる環境が整えば、患者さんは収入を得ることができ、治療費の補助という面ともかかわってきます。これは企業側の責任でもあります。具体的に、この患者さんのこういう症状ならばこういう、パソコンやって勉強させればいいではないかというようなところまで、今、就労支援というのはできているのだろうかというのは疑問に思っています。
 3点目は、治療法の確立とか開発は患者さん、家族が望んでいるところだと思います。先ほど、514の小児慢性疾患全部について研究班ができているわけではないとの説明がありました。できるだけ多く研究班をつくっていただきたいと思います。登録管理事業というものがありますが、それも活用して、ぜひとも治療法の開発に結びつくような研究ができるよう、制度の見直しを進めていただければなと考えています。
 以上です。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。
 では、続きまして佐地委員、よろしくお願いします。
○佐地委員 東邦大学の佐地と申します。主に子どもの心臓病、川崎病、それから心臓移植、肺移植に関連する疾患など、いつも見ているのですけれども、現場の声をちょっとお聞きいただければと思います。
 小児科には22の分科会があって、ここに小児慢性514の疾患がありますけれども、心臓は85疾患と種類は非常に多いので、幾つかの、6分の1でしょうか、心臓の病気がありますが、小児慢性から難病にいくと一気に疾患が5個しかないわけですね。ほとんどの疾患が20歳で切れてしまうということで、幾つか現場の声をお伺いしたいと思います。
 例えば東京都なんかは、石原知事の一声で、小児のぜんそくが年齢に関係なく、生涯そのままOKということになりましてこういう枠から外れてしまったのですが、例えば我々のところですと、区によって、15歳以下無料、それから小児慢性があって、難病があって、身障、ペースメーカー入れていると全てOKということもあって、何らかのところで保障が得られるといいますか、援助が得られることがあるのですが、それのダイアグラムといいますか、患者が迷って、どこに申請できるかなと数か月探しあぐねるというようなこともありますので、この疾患は年齢によってどこでどういう保障が得られるのかというもののダイアグラムがあれば非常に、子どもはやれませんので、家族がうまくできるかと思います。
 それから、今言ったgrown up child diseases、guchi症候群、guchiグループと僕らは言っているのですが、やはり20歳を超しますと親も60、70を超す時代になりまして、もう職業を持っていない時期になりますので、誰一人として収入がないという家庭になってくるわけですね。ですから、今言った保障のダイアグラムがあればいいと思います。
 例えばダウン症候群というのは小さい子しか入ってないのですが、アルツハイマーが出てきますし、心臓病も、それから甲状腺も、白血病も大体25、30ぐらいになってようやく出てきますので、そろそろいいかなと思ったころ、これは高齢出産なので、親は70超しているような段階でもう一回病院通いしなければいけないということもありますので、染色体異常、特にダウン症候群は670人に1人で、年間1,700人ぐらい常に産まれてきますので、最近、タレントかなんか、出生前診断で騒がれていますけれども、そういったことも、こういった保障があるかないかで随分変わってくると思いますので。出生前診断に関しましてもですね。そういうことも考えていただければと思います。
 それから、心疾患85疾患ありますが、20歳を超えてしばらくして悪くなってくるという病気が結構あります。今、先天性心疾患を持った子どもよりも先天性心疾患を持った成人のほうが2003年からふえてきているのですね。要するに、成人になったのだけれども、昔の先天性心疾患で苦労している。手術をして、大抵後遺症が出てくるのは25から30歳ぐらい。社会に出て、生活が激しくなって、お酒が入ったり、いろんな社会問題とか人間関係とかあって、25から30くらいになって悪くなる人が結構いて、再手術も25歳年齢が非常に多いのですね。
 そういった年齢の25歳の子に対する保障はもうないわけで、心臓の手術しますと1,500万、カテーテルだけでも70〜80万、カテーテル治療をすると200万くらいかかりますけれども、それが全部仕事ができない状態での本人の負担ということになりますので、それは収入のあるかないかをよく見ていただいて保障いただければと思います。
 それから、チアノーゼを持って産まれて、卒業して社会に出た新規型とか、特にフォンタン型手術後の合併症、最近は肝がんも出てくると言われていますが、25か30歳ぐらいになってきて、みんなまた月に1回病院にかかって、仕事もやめてということもありますし、それから、川崎病もバイパス手術をするのが大体20歳から25歳ぐらいが多くて、これも年間1万人発生して、トータル27万人で、成人に達した川崎病が10万人以上になったのですが、バイパス手術も500万ぐらいかかりますが、それも全く、どこへ出しても保障の行く先はないということで、細かい点をちょっとお話ししましたが、やはりデータベースがちょっとない疾患が、514の中の本当のわずかしかないと思います。我々、85疾患ありますけれども、希少疾患で、この5年ぐらい調べているのは15ぐらいしかありませんので、もう一度学会レベルで、22分科会にデータベースをつくっていただければ、10年間ぐらいのデータベースが利用価値あると思いますので、そういう予算をつけていただきたいのと、就労の話がありましたけれども、障害枠1.8%ですね。現場では障害枠で働いても、空調の温度が低過ぎてとても仕事ができないとか、5時過ぎたら、もう朝のシフトで4時に行かなければいけないとか、いろんな問題があって、なかなかそういう区別化をしていただけないこともありますので、そのあたりをもう一回調査をしていただく。
 それから、20歳までですけれども、在学している患者さんに関してはやはり22歳までといいますか、卒業までの面倒を見ていただくのもいいかなあと。車椅子で酸素吸いながら、京急電車に乗って50分も通っていて、20歳過ぎたら何もないというような、そういうこともありますので、就学している人にとっては20歳というのは、途中でトランジションがちょっと入ってしまいますので、22歳まで何かできる、そういった意見はないのかなと感じております。
 以上、私の意見です。よろしくお願いいたします。
○五十嵐委員長 多岐にわたりありがとうございます。特に学会が努力して疾患ごとのデータベースをつくる必要があるのではないかという御指摘もいただきました。
では、小児外科の代表である水田先生、お願いいたします。
○水田委員 皆さんの御意見、たくさん伺いましたし、もう言い尽くされたような感じもありますけれども、私は難病委員会の委員でもございまして、ずうっと言ってきたことは、小慢を20歳で取り消さないで、ずっと続くようにしてくださいということです。
 小児外科関係のものは、胆道閉鎖症という病気がございますけれども、私たちが病棟を走り回っていたころは、10歳まで生きれば、ああ、10歳まで生きた、よかったと言っていたぐらいの予後不良の病気でした。ところが、今はどんどん成績よくなって、肝移植もございますし、その人たちが結婚して子どもを産むというような時代までなってきています。といって、薬飲むのやめていいのかとか病院に来なくていいというものではないのですね。ずっと病院に来なくてはいけない。いつ変化するかもしれない。ですから、そういう方もぜひ20歳過ぎても見てやってほしいなと思うし、小児がんの人たちも、今ぴんぴんしていても、がんを患っていたという病歴がありますと生命保険とかもなかなか入れないという問題もございますので、そういうことで、いわゆるトランジットの問題というのは非常に大事だと思いますので、今後の論点のところで、登録管理についてはトランジットのことを書いてあるのですけれども、医療費に関しては余り書いてないので、ぜひこれは問題として取り上げていただきたい。難病のほうでもなさるのでしょうけれども、そこのところはぜひやっていただきたいなと思います。
それから、登録の、先ほどちらっと、お医者さんが証明書を書いて、それを地方自治体のほうでパソコンに入れるときにミスが出るというようなことがありましたけれども、それも、何回もチェックしてミスがないようにすればいいことですので、ぜひミスがないようにしていただきたいということですね。
それから、いろんな研究がされて、そこのところの結果の公表といいますか、それが一般の人に、国民に伝わらずなかなか理解されていないというのがやはり問題ではないかと思います。どんどん、障害のある方、いろんな病気を持っている方が社会に出てくるようになったときには、やはりその病気を理解してもらわないとどうしようもないわけで、お医者さんたちがこれだけ研究をやったやったと言ったって誰もわからないことですので、どうかもう少し公表の仕方というものを国のほうでも考えていただけたらなと思います。
それから、先ほどの学校教育のことですが、非常に大事なことだと思いますし、小林委員の言われたように、学籍異動が一番問題になっていますね。お母さん方も大変だと言って、例えばがんの子どもが定期的に入院してきて化学療法受けるときでも、学籍異動の届出業務が大変だから、もうこの間休んでいいですなんてお母さんがおっしゃることがあるので、面倒な手続きなどは不要でそこの院内学級で勉強できて、そして、その証明書をもらって帰れば、ちゃんと学校に通えたということがわかればいいのではないかと思いますし、それから、そういう学校で教育することによって、例えば病気の子どもは、お母さんが、かわいそうかわいそうと言って日常生活のしつけもしないので、おはようも言わない。返事もしない。私は、そういう子どもにはなってほしくないと思います。たとえ病気であっても、普通の日常生活できちんと御挨拶とかできるような子どもになってほしいと思っています。
昔、病院というところは患者さんを隔離するところだったのですけれども、今は病気を持っていても普通の生活をするということを目標にしていきたいとずっと思っていますので、そのような、社会生活も少し身につけてほしいなと。そういうこともやはり学校生活の中でみんな仲間と一緒に学んでいきますので、手続上のことは、規則変更でできることですからどうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
以上です。
○五十嵐委員長  どうもありがとうございました。益子委員からお願いします。
○益子委員 川崎市から参りました益子です。
私は、難病の委員会の委員もさせていただいています。地方自治体の代表としてちょっとお話しさせていただきたいと思います。
先ほど石川先生がお話しされていましたけれども、私も審査会の委員をさせていただいていまして、やはり大人と違うのは、子どもは、要するに成長して、これから社会参加して大人になっていく未来のある存在なのに、重症度の基準が、重くなければ該当しないということで、重くならないように一生懸命頑張っている人は実は対象にならないというのは、ひどくならなければ対象にならないのかということで、非常にひどい話だなと思っています。
あともう一つは、先ほど及川先生からもお話ありましたけれども、私は臨床で小児の糖尿病をやっていたのですけれども、学校に自分の病気を伏せているとか、言わない、言えない、そのようなこともありますし、そうすると、修学旅行とか入学の問題とかいろいろな場面で問題が生じてまいります。子どもが自分の病気を知ってもらった上でみんなが支えてくれるような社会がつくれればいいなと思っています。やはり子どもが病気の理解を得ようとすると、今度はいじめだとかそういう問題もあるでしょうけれども、そういうことのない社会をつくっていきたいものだなと思っています。先ほど水田先生もお話しされましたけれども、大切に大切に育てられて、自立の芽を摘まれてしまうような環境で過保護に育てられるというところもあるかもしれませんけれども、子どものせいではないのに、そういうハンディを持った子どもをいかに充実した、セルフエスティームを高めて立派な大人にしていくかということなのではないかなと思いました。
それで、最後にあれですけれども、小児がんの治療を終了してから5年でもう切ってしまうのですけれども、確かに治療は必要ないかもしれませんが、小児慢性疾患に関しては長期予後がいろいろ問題になってきている。だから、もっとこの制度を、もう少し先まで追えるような制度にすれば、患者さんの予後をもっと知ることになって、病気の理解が進み、制度を充実できるのではないか。ちょっと切ってしまうのはもったいないのではないかという気がしております。
以上です。
○五十嵐委員長 貴重な意見、どうもありがとうございました。何かつけ足しで。
どうぞ。
○石川委員 さっき益子委員のお話もありましたので、ちょっと。
先ほど山本補佐が、治療していて安定しているからというようなお話ありましたけれども、あれが実は現場では一番の悩みなのです。例えばぜんそくがそうですね。ですから、後で一応重症度分類だとかそういったものが変わってきたりしましたけれども、ネフローゼもそうですし、例えば先ほどの井田先生のお話の代謝異常なんかは、治療してないともう大変なことになるわけですから、安定しているのと、要するにそれが認定されるかどうかというのは私はやはりちょっと別だと思うのですね。実際に治療していて、どれだけの負担がその家庭にあるのかということがやはり一番助成の意味なのではないかと思うので、そのことをちょっと言いたかったので、よろしくお願いしたいと思います。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。ほかに何か。
○佐地委員 今お話にありましたけれども、小児疾患の晩期障害という、1つこういったタームがあると思うのですね。10歳、20歳ぐらい、若くていいのですけれども、就労して、本当にストレスかかってみんな発症することが多いですし、今、血液も心臓も神経も代謝もそうだと思いますが、晩期障害という、20歳以上の問題になるような、そういったタームを1つ考えていただければいいかなと思います。
○水田委員 その晩期障害ですけれども、今までは出てこなかったといいますか、今までそれほどそういう障害のあるお子さんは、失礼な言い方ながら、生命予後は悪かったのです。医学が進んで、みんな元気というのもちょっと語弊があるけれども、それなりの生活ができるようになったときに、だんだん年とってきてやはり問題が出てきていますので、そういうことについてもう一度調査のし直しというか、どのような頻度であるのかなどもう少し国として行っていただきたいと思います。学会に委託することも可能ですし、国民に広く知ってもらって理解してもらえることが必要です。ぜひそういうこともやっていただきたいと思います。
○五十嵐委員長 どうもありがとうございました。かなりいろんな御意見をいただいたので、今後の方向性も少し見えてきたのではないかと思いますけれども、事務局のほう、よろしいですか。
今後の予定について、では説明していただけますでしょうか。
○玉田課長補佐 委員の皆様、ありがとうございました。本専門委員会でございますけれども、年内も精力的に御議論いただきたいと考えてございますので、皆様御多忙のところ大変恐縮ですが、御協力をお願いします。
次回の専門委員会の日程につきましては別途追って連絡させていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○五十嵐委員長 確認したいのですけれども、年内というのは年度内という意味ですか。それとも、12月という意味ですか。
○玉田課長補佐 最終的なとりまとめの時期は具体的には決められておりませんので、難病の対策委員会の進捗状況も踏まえながら、別途調整させていただきます。
○西嶋課長補佐 疾病対策課の課長補佐の西嶋でございます。
その点でございますけれども、先生方からたくさん、特にトランジションについて御意見をいただきました。これはここの委員会でも当然そうですけれども、厚生科学審議会難病対策委員会のほうで難病を議論するときに、中間報告の中にもありましたように、避けては通れないということできちっと議論しなければいけないところだと思っております。
難病については、先ほど課長が御説明させていただいたとおり、難病の定義に従って、どの範囲でどういう取り組みをするかというのは、今後、中間報告を受けて疾病対策委員会で御議論いただく形になっていますけれども、一方で、この小慢の委員会では、また難病とは別の観点の事業の目的があると最初御説明があったと思いますので、その観点でも御議論いただくことになると思っております。今後、いずれにいたしましても、2つの委員会で連携しながらこの問題については取り組んでいかないといけないと考えていますので、先ほどの小慢委員会のスケジュール等についてもそういった観点もあろうかと思っています。
その前提といたしまして、少し先生方の御意見の中にもございましたように、この514疾患の医学的な基礎的なデータというのがどうしても不足しているということで、その状況では必ずしも難病対策委員会でもなかなか議論が進むのが難しいので、現在我々のほうで所管しています研究班におきまして、日本小児科学会の協力も得まして医学的なファクトについて整理していただいているところです。今後、それらの情報に基づいて議論していくということになろうかと思っております。
○五十嵐委員長 補足説明、ありがとうございました。
では、ちょうど時間になりましたので、きょうの委員会はこれで閉会といたしますけれども、これから難病の委員会と連携して、第2回、あるいは第3回のこの委員会を開きたいと思いますので、御協力いただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局母子保健課

福祉係: 03−5253−1111(7937)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会) > 第1回小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会

ページの先頭へ戻る