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2012年9月3日 第2回がん検診のあり方に関する検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成24年9月3日(月)


○場所

厚生労働省 9階 省議室(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○議題

1 開  会
   
2 議  題 
 ・子宮頸がん健診について

○議事

出席構成員:大内構成員、菅野構成員、斎藤構成員、祖父江構成員、松田構成員、道永構成員

○木村がん対策・健康増進課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第2回がん検診のあり方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 本日は、5名の方に参考人として御参集いただいておるところでございます。順に御紹介申し上げたいと思います。
 まず初めに、慶應義塾大学医学部産婦人科学教室教授の青木大輔参考人でございます。
 次に、まだお越しになっておりませんけれども、まもなく来られると思いますけれども、京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学講座教授の小西郁生参考人でございます。
 そして、お三方目が、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良参考人でございます。
 そして、4人目が、自治医科大学産科婦人科学講座教授の鈴木光明参考人でございます。
 最後に、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部 検診評価研究室室長の濱島ちさと参考人でございます。
 なお、構成員の先生方におかれましては、本日は福田構成員が御欠席との報告を受けております。
 また、私ども事務局におきましても、この8月1日付におきまして人事異動がございましたので、御紹介申し上げます。
 がん対策推進官の岡田でございます。
○岡田がん対策推進官 岡田でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 それでは、次に資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料を見ていただければと思います。
 本日は、資料番号で資料1から資料7、そして、参考資料というふうになってございますけれども、資料4のところは資料4−1と4−2がございます。そして、また、最後にお手元に今野参考人の追加資料としまして、子宮頸がん検診の経済評価予備解析結果というものがさらに追加で出されてございます。御確認いただきまして、万一ない場合には、事務局の方に申し出ていただければと思います。
 ございますでしょうか。
 それでは、カメラのほうはこれをもちまして、お引き取りいただきますようよろしくお願い申し上げます。
(報道関係者退室)
 この後の進行につきましては、大内座長によろしくお願い申し上げます。
○大内座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 その前に、まず、前回検討会にて祖父江構成員からがん検診の有効性評価のためには、常設の組織等が必要ではないかとの御意見、御提案をいただきました。この点に関しまして、事務局からその考え方について御説明願います。
○木村がん対策・健康増進課長 この件に関しましては、がん検診の有効性評価ということにつきまして、私ども医政局の方に確認しましたところ、国立がん研究センターの中期計画、中期目標にて記載があるとおり、国立がん研究センターの本来業務であるとの認識でございました。
 また、がん研究センターの研究班で行った研究成果でありましても、それはすなわち国立がん研究センターの成果となるものであるので、以前より国立がん研究センターとしてがん検診の有効性評価を実施していただきたいとの認識でございました。
 事務局からの御報告は以上でございます。
○大内座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 最初に資料1「子宮頸がん検診に関する検討の経緯等について」、事務局の方から説明願います。
○吉本主査 それでは、資料1について御説明いたします。
 まず、1枚おめくりいただきまして「子宮頸がんの検診のあゆみ」ということで御紹介します。
 まず、昭和58年に、老人保健法に基づく老人保健事業の創設と同時に、子宮頸部の細胞診による検診が開始されました。それ以前にも、検診車の整備ですとか、運営費の補助は行っておりました。
 その後、平成10年には、老人保健法に基づかない事業と一旦整理されまして、ここでがん検診等に係る費用の一般財源化が行われました。
 それから、2マス飛ばしていただきまして、平成20年4月には、再び健康増進法上の健康増進事業としてがん検診を位置づけとなっています。
 その間でございますが、子宮頸がん検診の有効性の評価ということで、平成15年12月に厚生労働省内に老健局時代でございますが、「がん検診に関する検討会」を設置いたしまして、そこで実施方法や対象年齢について、再検討をいただき、平成16年3月にがん検診に関する検討会の中間報告として、「乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについて」といった報告書がとりまとまっております。
 それを受けまして、がん検診の指針も改定となっております。下の表に行っていただきますと、こちらの検討会、以前までは対象年齢が30歳以上、検診間隔が年1年といったところでしたが、平成16年以降は20歳以上の方に2年に一度子宮頸部細胞診と問診、視診、内診といった指針となっています。
 次、おめくりいただきまして、現在の子宮頸がん検診の受診者等の状況を簡単にまとめています。
 こちらは市区町村による検診のみの数字です。現在、約430万人の方が受診なさっていて、約6万人強の方が精密検査が必要とされ、その後、3,238名の方ががんであったということです。しかしながら、未受診、未把握の方もそれぞれ1万人程度いらっしゃると、こういった状況です。下に年齢、階級別の値もつけております。
 次、おめくりいただきますと、こちらはがん検診受診率の推移でございます。近年、やや上昇傾向ではございますが、20%台といったところです。
 次のページですが、先ほど指針の御説明をいたしましたが、指針以外の検診項目ということで、平成22年1月1日現在のアンケート調査を実施しています。こちらをごらんいただきますと、子宮頸がん検診では、HPV検査を既に実施している市町村が当時26ということで、1.5%の市町村でHPV検査を実施していました。
 また、次のページをおめくりいただいますと、こちらは前回の検討会で使用した資料でございますが、近年、子宮頸がん検診、特にHPV検査について、どういった研究が主に海外でなされているかということでまとめたものです。
 インドやイタリア、米国、オランダなどで、それぞれ無作為化比較試験やコホート研究が行われています。
 それを受けた形で、1ページ、ひっくり返していただきますと、オランダや米国のUSPSTFもしくは米国のがん協会といったところでガイドラインの改訂が行われています。
 こういった状況を御考慮いただきまして、前回の検討会にて子宮頸がん検診は優先的に検討をすべきということで、今回の運びとなりました。
 これ以降のページには、統計データをおつけしています。簡単に御説明いたしますと、子宮頸がんの死亡者数は、御存じのとおり、現在、部位不明は除きまして、子宮頸がんとわかっている方で、約2,500名ということです。
 次のページには、年齢調整死亡率を記載しております。こちらをおめくりいただきまして、年齢階級別にごらんいただきますと、近年若年者の死亡率が上昇傾向といえるかと思います。
 また、罹患につきましては、次の11ページをごらんいただきますと、現在、2007年のときに、1万7,715名の方が罹患されていると。これをまた、おめくりいただきまして、罹患率で見ますと、年齢調整罹患率と次の13ページには年齢階級別の罹患率を付しておりますが、年齢階級別に見ますと、若年者で特に増加をし、中高齢の方で減少傾向といえるかと思います。
 子宮頸がん検診もしくは子宮がんの最近の傾向ということで、説明は以上でございます。
○大内座長 ただいまの御説明につきまして、御意見等はございますでしょうか。
 もしなければ、続きまして、事務局より今後の子宮頸がんの対策について、御説明願います。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 それでは、資料の順番が逆転しておりますが、まず資料7について御説明をさせていただきます。
 こちらは、現在、平成25年度の予算編成の途中ではございますが、今後の子宮頸がんの対策、特に子宮頸がん検診について、御説明させていただきたいと思います。
 1つ目の○ですけれども、先ほど説明ありましたように、市町村の実施する子宮頸がん検診については、20歳より問診、視診、子宮頸部細胞診を2年間隔で行うことを推奨しております。
 これとは別に、国としては、受診率の向上等のため、平成21年度より検診の無料クーポン券等を20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の方に配布をしております。
 ただ、子宮頸がんについては、下のグラフも併せてごらんいただければと思うのですけれども、若年層の罹患が増加してきており、死亡率については、諸外国は低下している中、日本は上昇しております。
 従来の細胞診やクーポン配布事業に加え、海外で一定程度有用性が認められているHPVの検査、これを実施することで、より正確に、より早期にがんを発見し、進行がんやがんによる死亡率を減少させることを図ってはどうかと考えております。
 具体的には、子宮頸がん罹患率が特に30代の方で高いので、この高い年齢層を中心に、そのHPV検査を実施してはどうかというふうに考えております。
 本日は、この後、5名の方にプレゼンテーションをいただく予定ですけれども、実際こういった対策を行う場合に、どういった点に留意すべきかということについても、後ほど御意見を賜りたいと考えております。
 事務局からの説明は以上です。
○大内座長 ただいま事務局から、今後の子宮がん検診についての提案がございました。
 きょうは5名の参考人の方がお見えですので、引き続きまして、参考人の方々からそれぞれプレゼンの方をお願いしたいと思っております。
 では初めに、濱島参考人よりお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
 お断りいたしますが、最初に5名の方にそれぞれプレゼンテーションを行っていただきまして、質疑応答に関しましては、5名の方が終わった後でまとめて御議論いただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大内座長 ありがとうございます。
 では、濱島先生、よろしくお願いいたします。
○濱島参考人 国立がん研究センターの濱島です。着席のまま失礼いたします。
 私の資料「子宮頸がん検診のHPV検診を巡る最近の動向」という資料をごらんください。
 1ページめくりまして、「子宮頸がん検診のガイドライン」についてまとめております。
 2008年に、国立がん研究センターを中心としました研究班で作成しましたガイドラインの結果のまとめです。
 細胞診(従来法)につきましては、死亡率減少効果を認めるということで、対策型、任意型検診として推奨しております。
 液状検体法につきましては、細胞診(従来法)と同等の制度があるということで、やはり対策型検診、任意型検診として推奨しておりますが、当時、HPV検査につきましては、研究は進んではおりましたけれども、感度・特異度などの報告が出始めたという状況でもありまして、まだはっきりとした死亡率減少効果に関する証拠がそろわないということで、推奨?となり、対策型検診としては推奨できない。任意型検診については、現状について情報を伝えて、受診者本人に受診するかどうか判断するべきであるということで、新たな研究を提言してとどめております。
 めくりまして、その当時の状況をまとめますと、幾つかの研究に基づきまして、確かにHPVの感度というのは、従来の検査である細胞診よりも高いということが期待できますが、実際に特異度については、従来の細胞診が高いという結果をまとめ、報告されております。
 その後も、次々といろいろな研究が報告されておりますけれども、めくりまして、諸外国からいろいろな報告が出ております。
 そうしますと、やはりHPV検査と従来法の細胞診について比べますと、前がん病変の段階でカットオフポイントを変えましても、HPV検査の発見率が非常に高いことから、HPV検査を検診にどのように導入するかにつきまして、議論が続いております。
 ただ、HPV検査につきましては、次の資料、5ページ目を見ていただきますと、HPVの感染の経過という図があります。必ずしも感染者全てががんになるというわけではなく、感染したごく一部ががんに進行するという特徴がありますので、こういった前がん病変を発見することの是非の検討が必要とされております。
 そのため、めくりまして次になりますが、先進国におきましては、HPV検診をどのように導入するかということにつきまして、無作為化比較対照試験が行われております。
 カナダ、イタリアを初めとして、諸外国、微妙に方法が違っておりますが、インドにおいても、RCTが報告されておりますので、後ほど簡単に御説明をさせていただきます。
 ただ、このRCTにつきましては、結果をどう見るかということについては、いろいろ議論があるところです。2006年に出されましたEC、ヨーロッパの子宮頸がんのガイドラインでは、その評価の方法として、アウトカムにつきまして、その順位づけをしております。その結果、子宮頸がんの死亡率減少効果を証明できた研究、これが最も評価が高く、次いで子宮頸がん(浸潤がん)の罹患、そういったものをアウトカムにしたものが絶対指標とされておりまして、この絶対指標による評価が最も望ましいこととされております。
 代替指標としては、前がん病変の減少、あるいは前がん病変の発見率ということになりますが、2008年に出ました私どものガイドラインの状況では、この序列のうちの5の段階まではクリアーしておりましたけれども、4の段階の代替指標が出始めているというところで、まだまだはっきりした結論が出ないという状況でありました。
 めくっていただきまして、それ以降、2007年以降に新たな研究が出始めましたので、少しずつHPVに関する評価が変わってまいりましたので、今回、ガイドラインの検索以降の2007年から2012年につきまして、改めて検討をいたしまして、可能性のある文献を62文献抽出し、再度検討しまして、絶対指標に当たります浸潤がん罹患率、そして、死亡率をエンドポイントとした研究、3文献を抽出いたしました。
と、その抽出されました研究、3研究の特徴をまとめたのを表にしてあります。その3研究につきましては、2009年に公表されましたインドの研究、2010年のイタリアの研究、そして、つい最近報告されましたオランダの研究があります。
 これらの研究は、少しずつ対象が違っていたり、方法が違っていたりということもありますが、インドの研究では死亡と浸潤がん罹患をエンドポイントとしておりますし、イタリア、オランダについては、浸潤がん罹患を見ております。
 インド研究につきましては死亡率減少、イタリアの研究では浸潤がんの罹患率が有意に減少しているという報告が出ております。
 めくっていただきまして、10ページにそのインドの無作為化比較対照試験の結果がまとめられております。無作為化比較対象試験といいましても、インドの場合は、村ごとに割つけをするという方法をとっております。通常の診療とHPV検査、細胞診、そして、直接観察する視診というこの3つの方法を比べております。
 その結果、HPV検査のみで死亡率が減少するという結果になっております。
 細胞診、視診につきましては、死亡率減少の傾向は出たものの、有意な結果は出ておりません。
 ただ、その結果につきましては、次をめくっていただきますと、その詳しい情報をとしてまとめております。
 インドの状況に関しますと、この対象となる地域というのは、非常に子宮がんの罹患率が高い地域ではありますけれども、既に教育啓蒙活動などは浸透している状況にあります。
 とはいいましても、先進途上国でありますので、まだまだ医療体制の整備が不十分であったり、診療と検診の識別が不可能ということもありますし、そういったことからコルポスコピーを初め、精密検査の提供も不備な状況にありました。
 こういった上に、さらに、この検診は1回しか介入していないということもありまして、確かにHPV検査に関しましては有意な結果が出ておりますけれども、これを先進国にすぐ導入できるかということについては議論があるところでした。
 めくっていただきまして、イタリアの研究が出ております。このイタリアの研究は、HPV検査単独法と細胞診、こちらを比較した結果、浸潤がんの減少が認められたという報告であります。こちらは先進国での初めての報告ということで、非常に期待された部分はありますけれども、浸潤がんの罹患の減少それほど大きくないこと。さらに、フォローアップの期間が短いこと、そして、HPV検査が単独となっておりますが、その実際には半数余りが細胞診も併用していること。そして、2回目の検査は両方とも細胞診を行っているなど、幾つかの問題点も挙げられて、この研究だけでHPV単独法が効果があるかどうかというところについても議論があるところです。
 3番目の研究になりまして、次にめくっていただいたのがオランダの研究になります。
 こちらは最近出たもので併用法の研究ですが、こちらの研究では、初回ではその両群の浸潤がんの発見率には差がありませんけれども、2回目の検診になりますと、介入群のHPVを追加した併用法については、浸潤がんが減少しております。ただ、両者をあわせますと、浸潤がんの減少効果は、細胞診とHPVの併用法については認められるものの有意な結果が出ておりません。
 これらの3つの研究が出そろったところで、諸外国はエビデンスレポート、ガイドラインを変えたかということになりますが、このオランダの研究の出る前の段階で、オランダではエビデンスレポートを公表しております。
 その結果、オランダでは、HPV検査単独法を推奨し、生涯の検診を5回にする。30代では5年ごとですけれども、40歳代では10年ごとという検診を推奨しております。
 ただ、このオランダのエビデンス・レポートの根拠となっておりますのは、先ほど御紹介しました浸潤がん罹患率、あるいは死亡率減少効果を見た研究ではなくて、代替指標として最も上位にある前がん病変(CIN3)以上の病変をエンドポイントとした、オランダ、スウェーデン、イタリア、イギリスの研究を見ておりまして、1回目の検診に比べて、2回目の検診でこの前がん病変が下がったということを根拠にして導入しております。
 また、オランダの研究では、併用法が行われているのにかかわらず、なぜこの単独法を選択したかということに関しましては、次をめくっていただきますと、細胞診の併用法と単独法の感度の比較の図がありますけれども、この両者の感度についてはほぼ同じ。併用法の場合には、むしろ前がん病変が多く見つかってしまうことによって、コルポスコピー、精密検査がふえてしまうということで、不利益を招くという判断から、最終的にオランダのレポートは単独法を推奨しております。
 めくっていただきまして、このイタリアのHTAレポートというのは、現在準備中のECガイドライン更新のためのテクノロジー・アセスメントのレポートであります。現在、ドラフトの段階ですけれども、担当の研究者から御提供いただきました情報です。こちらにつきましては、イタリアの研究は、今、御紹介しました研究が出そろったところで判断しておりますので、前がん病変での減少、それから浸潤がんの減少、その両方を根拠にしております。
 ただ、こちらにつきましても、単独法を推奨しておりまして、そのHPV検査の間隔は最低5年ということになっております。
 このレポートの中では、HPVと細胞診の併用法に対する証拠はないということを言明しております。
 めくっていただきまして、アメリカにおける状況ですけれども、アメリカにおけるHPV検査の評価、2000年代の評価をまとめたものですけれども、US Preventive Services Task Forceは2003年の段階では科学的な根拠が不十分ということで、HPV検査に関しては証拠不十分の判断をしております。その時点で、2002年の段階からアメリカがん協会の方では、科学的根拠プラスコンセンサスという方法をとりまして推奨を行っております。2003年にはFDAがHPVをトリアージとして使う方法、さらに、HPVと細胞診の併用法、これを認可しております。
 それを受けてということもありますけれども、以降、コルポスコピーの専門学会と共同でもガイドラインも出しておりますし、基本的にはアメリカがん協会は推奨の方向です。
 最近のガイドラインの改訂は、このACS、アメリカがん協会とそれからコルポスコピーの専門学会など3学会で合同のガイドラインを出しておりますのが、次をめくっていただいてのまとめとなります。
 この3学会合同のガイドラインとしては、30歳〜65歳に併用法5年ごとに行うのを最適として推奨しております。細胞診は3年ごととしておりますけれども、単独の検査は推奨しておりません。
 このガイドラインの根拠となっておりますのは、いち早く出たということもありますので、根拠となる研究は非常に限られておりますけれども、このほかにモデルの結果を採用しております。
 次をめくっていただきますと「リスク別の発症予測」というのがあります。2000年代後半からそのリスク別の発症予測という研究が続々出始めましたけれども、昨年、アメリカで非常に大型の研究がカイザー(民間保険会社)から報告されております。
 次をめくっていただきますと、そちらの概要がまとめております。この結果、HPV陰性の前がん病変の発症は、細胞診陰性の1/2ということでした。アメリカからこういった成果が出たということもUS Preventive Services Task Forceの結果に大きく影響しております。
 めくっていただきまして、そのUS Preventive Services Task Forceの推奨のまとめであります。US Preventive Services Task Forceでは、30〜65歳を対象とした5年ごとの細胞診とHPV検査の併用については推奨しております。21〜65歳には、3年ごとの細胞診ですけれども、30歳以上については、検診間隔を延ばしたい方は、そのHPVを併用してもいいというような推奨を出しております。HPV検査に関しては、単独法の効果は不明という判断をしております。
 めくっていただきまして、これら3つの公的なガイドラインの比較でありますけれども、それぞれどういったものを根拠にしているかということをまとめたものです。オランダ、それからイタリアというのは、比較的評価の方法が似ておりまして、前がん病変の代替指標として一番信頼性の高いものをエンドポイントとしたもの、こういったものが減少したということを根拠にしておりますけれども、イタリアの場合には、特にインド、それからイタリアのRCT、その結果を重視しております。
 いずれのガイドラインでも、感度の比較、それから発症リスク、そして、不利益、こういったことを非常に重視した評価を行っております。
 ただ、US Preventive Services Task Forceの特徴としましては、経済評価を行っていませんけれども、判断分析というモデル評価を行っております。従来、その経済評価をガイドラインの判断基準にするかということに関しましては、これは意見の分かれるところですけれども、国際的には必ずしも標準の方法ではなく、ルーチンに利用しているのは英国のナイスなどの一部にごく限られたものになっております。
 そのほかの国の状況ですけれども、めくっていただきまして、INAHTAのレポートを出しております。INAHTAというのは、ヘルステクノロジー・アセスメントを行う国際機関で、こういったレポートをとりまとめているところですけれども、各国のヘルステクノロジーアセスメント機関と連携をとっております。
 HPVに関しましては、カナダのインスティテュート・オブ・ヘルス・エコノミクスのレポートを取り上げておりまして、こちらのレポートでは費用効果分析の結果も含めまして、細胞診を推奨し、HPVはトリアージで使うのが望ましいという結論になっております。
 このレポートを受けてというわけではありませんけれども、次をめくっていただきますと、イギリスでは自国でHPV検査の評価研究を進めまして、さらにめくっていただきますと、現在、2011年から細胞診を最初に行い、トリアージとしてHPVを用いるという検診を取り上げております。
 その結果は、その前に御紹介いたしましたイギリスの幾つか行われているHPV検査の評価研究をもとに構築されています。
 以上の諸外国の研究の成果及びガイドラインのレポートからですが、「HPV検査を含む3つの方法から、どれを選択するか」というまとめであります。
 現在のところ、3つの方法としてHPV検査単独法、それからHPV検査と細胞診の同時併用法、そして、細胞診を行いまして、HPV検査でトリアージするという方法のこの3つの方法があります。
 どれを取り上げるかということですけれども、こちらにつきましては、今、御紹介しましたように、各国によって評価はかなり異なっております。最終判断は、自国の研究を重視するという方の選択を行っております。
 2005年に出ましたWHOのガイドラインのためのガイドラインでも、ガイドラインの作成においては、ローカル・エビデンスを重視するべきであるというようなコメントが出されておりますので、最終的にはその国の状況に合わせた方法を選択するということが重要になってまいります。
 現在のところ、我が国でどのような方法が適切であるかということについては、まだまだ研究が進んでいるような状況で、必ずしも定まっているものではないと考えております。
 次をめくっていただきますと、現在、そのHPV検査を行っていく上での問題点を幾つかまとめております。
 まず第1は、対象年齢ですけれども、試行的に行っている地域では20歳代をHPVの検査の対象として行っているところもあります。ですけれども、20歳代は行うべきではないという見解は、全てのガイドラインで一致した見解になっております。
 検診間隔につきましても、これもいずれもガイドラインでも、最低5年、5年以上の間隔で行うのが適切であるというところではまとまっておりますけれども、検診間隔につきまして、必ずしも一定の見解が得られていないという問題があります。
 管理上の問題ですけれども、リスク別にフォローを変えていくという、複雑な部分がありますので、従来の検診と管理の面でかなり異なる部分があります。実際アメリカでは、こういった新たなマネジメントにつきまして、HPV検査を導入した後、きちんと検査頻度を変えるということが必ずしもうまくいっていないという報告もあります。
 あと精神的な負担などの問題点につきましては、つい最近、イギリスの方から出ましたシステマティック・レビューで、やはり、HPV陽性になったことによって、不安や怒り、そういった精神的な問題が起きてきたり、あとはパートナーとの関係の問題が非常に社会的にも問題になってきているということで、こういう対応を求められているという報告がありました。
 最後になりますけれども、HPV検査導入のための研究の必要性のまとめです。
 現在のところ、先ほどもお話ししましたように、日本で適切な方法は何かということを定めることを検討する必要があるかと思います。そのためには、少なくともCIN3以上の前がん病変をエンドポイントとした感度・特異度の算出、有効性評価、こういったものも必ずしもRCTではなく、観察研究でもいいと思いますので、我が国独自の研究を行う必要があると思います。
 さらに、HPV検査に伴って、偽陽性の問題、それから過剰診断、こういった問題が出てまいります。HPV検査は、前がん病変を見つけるという利点もありますし、間隔を延ばせるというところもありますから、そちらの両方を勘案し、対象年齢、検診間隔の再検討が必要かと思います。
 さらに、最後にイギリスのシステマティック・レビューの例を御紹介いたしましたけれども、やはり適切な受診継続のためのインフォームド・コンセントを行う検診サポートシステムの構築も必要と考えております。
 以上でございます。
○大内座長 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、青木参考人より説明をお願いいたします。
○青木参考人 慶應義塾大学の産婦人科の青木でございます。
 それでは、早速始めさせていただきます。
 1枚めくっていただきまして、これは先ほど事務局からお出しいただいたものと同じ内容になっておりますが、事務局の子宮頸がんというのは、上皮内がんを含むというデータだったかと思います。もちろん下段の赤で示しました死亡率の変遷は全く同じだと思いますが、上段にこれは浸潤がんのみのデータを参考までに出してみました。
 浸潤がんと上皮内がんはほぼ半々程度に見つかると考えられますので、こういったデータもあわせて見ておかないといけないという意味で出しております。大きな傾向は変わってございません。最近は減少傾向が見られておりません。
 さて、その次の細胞診あるいは病理の写真のあるスライドでありますが、いわゆる前がん病変ということに関して、大まかなところを示したものであります。細胞診というのは、上段のこういった細胞像を見て判断する。そして、精密検査で組織診をして、診断をしていくという大きな流れがございます。
 そうしますと、CIN1、2、3、こういった診断がつくわけでございまして、もちろん浸潤がんというのも検出されてくるわけでございます。
 そうしますと、CIN1、2、3につきましては、管理をする、あるいは治療をするといったようなことが行われます。
 ところが、CIN1、CIN2では、その下の「消退」と書いてあるところがございますが、少なからず消退をする、あるいは停滞をするものが3割、そして、明らかながんに進展するものが最下段になりますが、これはCIN1、2では数パーセントという報告がございます。
 したがいまして、子宮頸がん検診の中では、こういったCIN1、2、3がたくさん見つかってくるわけでありますが、このような背景があるということをお示しした図でございます。
 さて、次でございますが、めくっていただきますと、これ上段のフィギュアは全く同じであります。CIN3について考えてみますと、CIN3、これは従来の高度異形成と上皮内がんを含んだ概念ということになっておりますし、日本産婦人科学会の子宮頸がん取り扱い規約を見ますと、今後はこのCIN3が主として用いられる言葉に変わっていくことになろうかと思います。さらに、かつてゼロ期と呼ばれていた上皮内がんは、0期から外れまして、いわゆる前がん病変の取り扱いになろうと考えられます。
 そうしますと、ここに書いてありますように、このCIN3を不適切な治療と、そのまま生検だけで観察するといったようなもの、あるいは適切な治療が行われたものに分けて、30年間の累積で浸潤がんになるリスクを計算したものでありますが、これが30倍にもはね上がります。不適切な治療をしていると、30倍も子宮頸がんになるということもございます。
 こういったデータを考えますと、CIN3程度になれば、治療を考慮する。治療をするといったようなこともコンセンサスが得られていることだと考えられます。
 大まかにこれが臨床上の取り扱い、検診で見つかった後の取り扱いと考えられます。
 次に、東京都予防医学協会のデータというのを簡単にお示ししておきたいと思います。と申しますのも、大体このくらいの数の病変が見つかっているんだということを概念的につかんでいただきたいという目論見がございます。これは東京都予防医学協会のホームページに全部出ておりますので、そこから数字を拾ってまいりました。
 左から2010年、最近から昔にかけて並んでおります。そして、最上段、これは受診者数と書いてありますが、おおよそ23万〜22万という数になっております。2008年〜2009年にこれはかなりふえております。5万人近くふえておりますが、これはクーポンの効果があったかもしれないと考えております。
 「要精検率」、要精検ということでありますが、これは大まかに申し上げまして、1%強から1.6〜1.7%程度ということになります。それから、この機関はその場所で検診を実施しているわけではありませんで、各地域の検診検体を集めて判定をして返すという機関、そういったことが主体となっている機関ですから、フォローアップをして、その要精検の方がどうなったかということを調べるのは、これはかなり至難のわざであります。
 そこで、ここに次に「未把握等」と書いてございますが、2010年の項目を見ていただきますと、3,830の中の1,972が未把握となっています。逆に言いますと、残りの約1,900は把握ができているわけで、その内訳がこの下に書いてあるということになります。
 そうしますと、CIN1、2、3がもちろん見つかってきます。浸潤がんも見つかってきています。受診者に対するこの見つかった割合というのが、この右側のパーセンテージで表示されているところでございます。そうしますと、CIN1、2、3、これを合わせまして、約1,000でしょうか。浸潤がんが50程度ですから、浸潤がんの20倍程度はこの前がん病変として見出されるということです。検診をやると、大体こういった割合で見つかってくるということでございます。
 次のスライドを見ていただきますと、次は横軸が年齢であります。赤の線の左側でありますが、これはHPVの陽性率、それから青の方はこれはがんの罹患を示しているものであります。
 そうしますと、20代の若い世代では、HPVの陽性率が高いのでありますが、30代を経て40代に向かって急激に減少すると。それに伴って増加するということでありますので、もちろん先ほどの受診率であるとか、CINの数であるとか、そういったことを見る上では、その集団の年齢分布というのが非常に大切になってくるということでございます。
 もう一つ、次のスライド、英語のスライドで恐縮ですが、これは横にフォローアップの期間が書いてあります。ゼロのポイントでは、細胞診が陰性であったということであります。約10年間フォローアップすると。その間にHPVの16型というタイプが陽性になると、10年間で17.2%がCIN3以上に進展するという図になります。青がHPVの18型であります。御存じのように、16、18型は、ハイリスクHPVということになりますが、ここで申し上げたいのは、HPVの検査を行うときに、やはりその集団の中にあるHPVの型の分布というのがいろいろ影響してくる可能性があるということでございます。
 めくっていただきまして、HPV感染が引き起こす腫瘍性変化について、いろいろわかっておりますが、簡単に言いますと、HPV感染のクリアランス、無くなるまでに6〜18ヶ月(中央値約8ヶ月)、HPV感染、持続感染が問題だということはわかっておりますが、HPVが消失する方もいると。HPV陽性の3分の1が細胞診異常を示すということになります。逆に言いますと、細胞診が陰性でも、たくさんの方がHPV陽性ということでひっかかる。16型、18型の細胞診異常に関しましては、16型は細胞診異常を示すけれども、18型はあまり示さないということが報告されていますので、やはりHPVでより多くの方が陽性にひっかかるということになります。
 もちろん、ここの最後に書いてありますように、持続感染は問題で、CIN3への進展が40%というリスクであるということが報告されています。
 こういった背景を見ながらがん検診のことを考えてみたいと思います。
 がん検診には、良いことと悪いことがございまして、上段に「利益」と書きました。ベネフィットです。下段に「不利益」と書きました。??というふうに番号を振ってありますが、まず良いことです。ベネフィット関しては、受診した集団全体の死亡率が減少するということでございます。簡単に言いますと、そのがんで死ななくて済むということだと思います。もちろん、右側の?にありますように、適切な時期に発見することによって、がんによるさまざまなダメージを減らすということも、それなりの利益かもしれません。
 不利益に関しましては、この?検診受診の不利益、ここに幾つか書いてありますが、こういったようなことが考えられます。
 ?番です、偽陽性です。がんでもないのにがんとして疑われてしまう。
 ?番、これは過剰診断ということになりますが、「ゆっくり進んで死なないがん」というふうに最上段に書いてございますが、やはり子宮頸がんの場合は、何もしないでも消えてしまうCINを見つけるということが少なからず起こっているということもこれに含まれると考えられます。
 もう一つ、最下段に赤で書かせていただきましたが、不利益の多くは測定しようと思っても、なかなか測定できませんので、不利益を定量化するという観点からは、要精検になる比率であるとか、精検を受ける延べ回数、検査を受ける延べ回数、あるいはコルポ診になる比率、コルポ診の回数といったようなことを不利益の指標とすることによって明確化できるのではないかとに考えられます。
 めくっていただきまして、これは先ほどの濱島先生のものと一部共通することでございます。見やすいようにこういった図にしてあります。諸外国のデータになります。♦が、これが細胞診従来法でございます。○がHPV検査です。この「カナダ、スウェーデン」と書いてあって、「CIN2以上」と書いてあるところは、CIN2以上の感度、特異度になります。その下の「CIN3以上」のところも同様でございます。
 総じて言えることは、HPV検査の感度がよろしい。しかしながら、特異度は、♦の方が右に行っていますので、細胞診の方がいいというのが共通したデータになろうかと思います。
 その次、11ページ目になりますが、これはCIN2以上あるいはCIN3以上といったところで、相対感度を見ています。CIN2以上ですと、圧倒的に○ですね。HPV検査の方が、細胞診に比べてよろしいということになりますが、CIN3以上で見てみますと、必ずしも有意差がつかないというものも出てまいります。これが両者の感度・特異度の比較ということになります。
 このHPV検査の導入が、これまでいろいろな試験で検討されてきましたけれども、その理由を考えてみました。その次の12ページです。
 細胞診による子宮頸がん検診は、死亡率・罹患率の減少が既に証明されている。非常に効果の高い方法です。そして、HPVの検査は、CIN2+に対して細胞診より感度が高い。1.5倍程度。CIN3+に対する感度は細胞診と同等かそれ以上あると、非常に魅力的な方法であります。
 したがいまして、HPV検査を用いれば、かなり効果の高く細胞診よりも死亡率・罹患率が減少する可能性があるということで検討が開始されたと理解しています。
 もう一つの理由は次のページでありまして、技術者、細胞検査士と呼ばれているような細胞診を見る技師、これは相当なトレーニングが必要でありますので、発展途上国等々ではその養成がなかなか難しい。
 それから、精度に関して地域格差が出にくいといったことも隠れた利点かというふうに考えられます。
 おめくりいただきまして、14ページ、15ページです。
 これはUS Preventive Services Task Forceが今年の初めに出しました新しい指針です
。それを出す前にとりまとめたデータを一覧表になっていたものをそのまま一部改編して引用したものです。
 最終結論が出ていないものもございますが、総じてその規模とスタディーの内容は御理解いただけるというふうに思います。そうしますと、おおむね5万程度、あるいは2万程度を対象としたRCTが行われ、そして、「Round1」と称せられるところで、赤字でCCと書いてありますが、これは従来法の細胞診のこととなりますが、全て細胞診との比較で論じるように設定されています。
 HPVの検査をどう導入するかということに関しましては、HC2というのは、これはハイブリッドキャプチャー2でありますが、それからフィンランドのところでは、ハイブリッドキャプチャー2に細胞診のトリアージ、PCRもこれはHPVの検査でありますが、種々いろいろな方法が試されています。
 そして「Round2」では、細胞診に戻るもの、あるいはHPVの検査を導入してしまうもの、さまざな方法が行われているということであります。その結果の概略が下に全部まとめてありますが、CIN2の発見率については、Round1ではHPVがたくさん見つかるが、Round2では下がる。そして「C」と書いてある、これはRound1とRound2を両方合わせたものですが、そうしますと、イタリアでは、HPVの方がたくさん見つかっていますが、オランダ、スウェーデン、イギリスでは、もうほとんど同じという結果になってきています。CIN3に関しましても、全く同じ傾向が認められています。
 そして、肝心のこの「浸潤がんの検出数」でありますが、これは右側が細胞診での数を書いてあります。イタリアでは、この2つの試験を合わせてやや下がったという報告、有意に下がったという報告がなされていますが、そのほかの国では、オランダも下がった傾向にあるというふうに先ほど濱島先生の方からプレゼンテーションがありましたし、ほかの国ではまだそういった傾向は認められておりません。
 さて、この「HPV検査を検診手法として採用するとどのような不利益が想定されるか」ということであります。次のページです。
 細胞診より偽陽性、過剰診断が多いと。特異度が低いということによる不利益、これはやはり考慮しなければいけないということであります。
 実際に細胞診やHPV検査での陽性率がどの程度であるのかということをここで見てみたいと思います。17ページでありますが、イタリア、フィンランド、スウェーデン、アメリカというふうに列挙をさせていただきました。佐賀市のデータは学会発表データですが、佐賀市のデータを書いてあります。
 そうしますと、細胞診の要精検率、検診陽性ということでありますけれども、2.4%というのが日本のデータで、先ほどの冒頭にお見せしたところが1.6〜1.7%、2%前後だろうと。それに対しまして、フィンランド1%、それからスウェーデン2.2%というふうに、かなりの幅があるように見受けられます。それからアメリカが異常に高いというのも特徴であります。
 同時に、HPV検査を見てみますと、30代でも16%、十数%の陽性率ということになっています。
 このようにかなり幅がある、細胞診の陽性率はもっと幅がありますので、果たしてこの日本でやった場合にどうなるかというのは、クエスチョンであります。
 次のページになりますが、上半分は先ほどのスライドと同じですが、不利益が想定されるので、不利益を最小化するためにはどうしたらいいかということも考えてみます。
 そうしますと、まず若い世代、20代ではやらない。
 もう一つは、HPV検査陽性者に対して、これはハイリスクの方ということになりますから、それをそのまま精密検査に持っていくのではなくて、細胞診でトリアージを行うと。
 それから、間をあけて、延べの偽陽性者数を減らすといったようなことが大事かと思います。
 そして「HPV検査を用いた1次スクリーニングの形態」というのは、先ほども濱島先生のプレゼンテーションにもありましたように、単独、同時併用、トリアージ、いろいろありますが、どれがいいかということになりますと、大変迷うということになります。
 そして、次のページに行っていただきまして、そうしますと、日本でHPV検査導入を検討するときに決めなければならないことは何かといいますと、HPV検査としてはハイブリッドキャプチャー2がいいのか、これが世界的標準ですから、まずはいいのでしょうが、新しいタイプのタイピング、その他のグループの検査も出てきているようでございます。
 それから、HPV検査を単独にするのか、あるいは両方一辺にやるco-testingがいいのか。
 それから、スクリーニング陽性症例の対応はどうするのか。
 HPV検査の対象年齢をどうやって決めていくのか。
 HPV検査を導入すると、不利益はどの程度増えるのか。
 そして、わが国の細胞診と比較して、少なくとも同等の有効性があるのかどうかというのは本当にわかっているのか。確かにいいものだというふうには思いますが、現時点での細胞診と比較するとどうなるかというのは、データが不足していて把握するのが難しい状況にあろうかと思います。
 そこで、21ページからですが、やはり幾つかの調査研究というのを提案したいと思います。すなわち子宮頸がん検診におけるHPV検査の有効性の評価、細胞診との比較をするという観点が大切だと思います。この方法に限りませんが、少なくとも対象は30歳以上、そして、5年に1回程度のHPV検査が、2年に1回の細胞診と同等のCIN3+の減少効果があるのかどうか。それからHPV検査は何年間あければ不利益が細胞診と同等あるいは減らせるのかという観点から検証するということでございます。
 そして、比較の上でPrimary endpointはCIN3+の検出数、Secondary endpointsとしては、もちろんCIN1、2、浸潤がんもカウントするわけでございますが、そのほかに受診・検査回数あるいはコルポ診・生検回数といったものを不利益の指標にして比較をしてみたいと考えています。
 実際に考えてみますと、なかなかRCTというのは難しいと思います。比較の方法はそういったことだけではなくて、観察研究でもよろしいというふうには思いますが、検体を同一のものを取っておいて、検査所で分けるというのが一番やりやすいのではないかということで、この3行目に書いてありますように、検体採取後に無作為割付を行う方法を考えてみました。
 次はそのスキームでございます。
 2つに分けるということと、片方は今までと同じです。右側、赤いところが入っていますが、ここにHPV検査を乗せてあげて、あとは細胞診単独で追いかけるということをまず考えてみました。もちろん検診陽性の方の取り扱いは、この下に書いてあるように大変複雑になりますが、これを何とかこなして、この黄色で書いてあるところが「コルポ・生検」ということになります。
 こういったものから、医療の方に入っていくわけですので、その期間中に見つけられた種々病変をカウントするということになり、その2つを比較する、そして、それなりの不利益を比較するといったようなスキームを考えてみました。是非こういった試験を行う必要があろうというふうに考えています。
 最後ですが、わが国でも、HPV検査の導入を検討する時期に来ています。このような試験を考える上での材料は全部そろっている考えられます。いずれの検査方法で実際にどういった検診体制を選ぶか決定する必要があります。
 諸外国の報告や勧告はそれぞれ異なる。したがいまして、わが国が同時に科学的に検証する必要があり、この点は早急に着手すべきだろうと考えられます。
 そして、こういったいわゆる研究としてやられた内容というのは、その後の精度管理指標に大変役に立つものと考えられます。精度管理指標を定めるのは容易ではありませんが、こういった試験結果から得られたものについては、それなりに大きな参考になるということをつけ加えておきたいと思います。
 以上です。
○大内座長 青木先生、ありがとうございました。
 大変貴重な御提言かと思います。
 続きまして、今野参考人より御説明願います。
○今野参考人 よろしくお願いいたします。
今、お2人から細胞診とHPVの検査の感度や特異度というお話がたくさんありました。
 私の御説明に関しては、そういうことも踏まえて、もう一つ今回の厚生労働省が行っている公聴会、いわゆる政策提言という立場から、考え方を御提示していきたいと思います。
 自己紹介的に申し上げますと、このHPVのこと、それから子宮頸がんとHPVに関する世界の国際学会というのは、大体年に3回ぐらいあるんですけれども、ヨーロッパ中心のもの、インターナショナルなもの、アジアのものと、大体年に3回のものを引き続きこの5、6年毎年参加していて、きょうはたくさん論文が出ていますけれども、主な著者の人たちともフェイス・ツー・フェイスでお話しをして、日本の状況なども一緒に相談しているという背景を持っております。
 それから、資料4−1、文章の方、これは後でごらんいただければ結構なんですけれども、今までお話があったように、物すごく膨大な量のパワーポイントになると、皆さん私の発表も同様にごちゃごちゃになると思いますので、その論点に関してまとめましたので、後で御参考に読んでいただければと思います。
 資料4−2ですが、これは先ほどから話題に出ているアメリカが今年の3月15日に出したUS Preventive Services Task Forceで物すごく厚いDecision Analysisという決定をするための資料集というのをつくっています。その中で出ているグラフでありますけれども、一番上のこれはMortalityのグラフですけれども、一番山が60歳のところにピークが出てきますが、これはNo screening、何も検診をしなければ、子宮頸がんの死亡というのはこういうものだということです。
 次のところにあるのが、SEERというのは、実際の子宮頸がんの死亡のアメリカの状況をプロットしてあます。
 次のscreening q3と書いてあるのは、3年ごとの検診をきちんとやると、このぐらい死亡率が減少すると。そして、子宮頸がんの検証を1年ごとにきちんとやると、このぐらいほとんどなくなると、これがいわゆる子宮頸がん検診の力ということを提示してあります。
 めくっていただいて、細胞診とHPVtesting。これは2005年ぐらいのときには、まだ当時はハイブリッドキャプチャー2しか汎用性がなかったので、ハイブリッドキャプチャー2と書いてありますけれども、2004年5月3日にWHOのがんの研究機関であるIARCが細胞診に関しては、子宮頸がんの発生と死亡率を減少させた、英語の原文では「has reduced」という現在完了で書いてあります。また、HPVtestingに関しては、子宮頸がんの発生と死亡率を減少させる(can reduce)というような表現で書いてあります。
 一般に、きょうの御発表、いずれもHPVtestingといわれているもは、このハイリスクの13あるいは14、15の方を同時に検出して、いずれかがある場合には陽性というふうになるものであります。
 3ページ目ですけれども、ここに、今、産婦人科医会でHPVtestingに関する情報をまとめたものをつくってありますが、そこから引用してあります。
 先ほどから出ているように、細胞診の感度、まず英国では76.6%、ドイツでは43%、それからカナダで55%、メキシコで59%、日本で私たちがやったもので、きょうお話しする日本のデータというのは、今月後半にあります日本癌学会とそれから12月にありますインターナショナル・パピローマ・カンファレンスで発表するものでありますが、6年ぐらい前に1回横断的試験で細胞診の感度と特異度を出して、それから6年たった後で実際に先ほどから出ているようなCIN3、上皮内がん以上の病気が出たか出ないかというデータをまとめつつあって、今、発表直前という段階にありますけれども、そのデータです。
 細胞診の感度、これは86%というのは、もしかしたら世界で一番良過ぎるかもしれないデータで、現実的には、一般的な施設においてはもうちょっと低い、英国あるいはカナダ、メキシコレベルの感度になる可能性があります。
 HPV-DNAの検査に関しては、これはどこも一緒で、90%半ば、95%台と。先ほど青木先生からありましたように、特異度に関しましては、細胞診の方がややよくて、HPVの検査の方がやや悪い。悪いといっても5%〜2%ぐらいということで、併用に関しましては、感度が100%になる。
 特異度に関しましては、これは後でお話しします。
 HPVテスト併用検診としてやる場合のメリットおよび目指すところというのを考えてみます。
 HPVテストは感度が高くて、特異度がやや低いと。目指すところは先ほどからお話にありますように、CIN3、上皮内がん異常、高度異形成を含む発見精度の向上です。そのときにHPVテストの特異度が悪いのであれば、これをどうやって解決するか。これは方法によって解決するのではなくて、後で出てきますような運用上、アルゴリズムの開発によってそれをクリアしようということです。それから過剰診断、弊害をどうやって減らすかということは、受診間隔の延長や年齢の制限、これも20歳代には用いないというところはもう異論のないところだと思います。
 それから、費用対効果。これに関しましては後で申し上げますが、モデリングという学問領域がありまして、これがHPVワクチンのときにも用いられましたけれども、今回、これに関しての言及がありませんでした。これは、実は本日欠席の福田先生の専門領域でありますけれども、費用対効果あるいは医療経済の視点というところから申し上げたいと思います。
 次に4ページ目に行きまして、子宮頸がん検診のエンドポイントでありますが、従来は、ほかのがんと同様に死亡率減少でありましたが、今は浸潤がんの減少となって、CIN2あるいは3で代替指標としているわけですが、現状、今の細胞診でやっている検診の私たちの日常臨床が、CIN2以上を管理して、CIN3で治療をしているということが今の日常臨床でありまして、決して浸潤がんになるまで待っているということはしていません。
 子宮頸がんというのが、いわゆる死亡の減少はもちろんですが、女性のQOL、子宮を失わない、子どもを産めるというところで、さらに、がんを発生しないというところが、今、世界中、WHOを初め提言されている内容で、例えば、今年EUROGINいうヨーロッパを中心とする学会がありましたが、その3人の会長先生のうちの1人は、フランチェスキーというWHOのがん抑制のチームのヘッドの方でありました。
 そういうことで、さらに、がんのレジストリー、検診レジストリー、ワクチンレジストリーを構築して、それらをリンクさせる。HPVワクチンの効果を含めて、子宮頸がん全体の予防政策の評価・再評価のために基盤をつくっていく。5年後、10年後には、レジストリーをもとにワクチンの検診施策を再構築することが必要になってくるし、ほかのがんにおいても、有用な検診、あるいは代替指標が登場したときに、子宮頸がんというのは、非常によいモデルになるだろうと考えます。
 次ですけれども、この長い名前の先生なんですが、ドクターSankaranarayanan先生といいまして、これがWHOの検診のヘッドの方であります。彼からの基本的なメッセージとして提示されているものとしては、検診に関する基本コンセプトとしては、70%以上の検診受診率が必須である。検診結果が陽性の場合には90%が治療をちゃんと受けること。頻回に検診を受けるよりも、1年とか3年ではなくて、最終的には良い精度のものを5年に1回ぐらいがよい。
 それから、検診の方法としては、HPV検査は客観的であり、再現性があり、感度と陰性反応適中度が高い。
 HPV検査を検診(一次スクリーニング)に用いることで、検診間隔を5年以上に延ばすことができ、費用が削減できる。
 ワクチンが導入される。つまり、今の15歳の女の子たちが、5年、10年、15年たっていきますと、HPVの感染率というのは激減していきます。そのときに検診をどうするかということを考えつつ、今の事業を進めていく必要があるということです。
 ちなみに、この長い名前の先生ですが、インドの出身でありまして、先ほど濱島先生の方から余り信頼性のないようなデータと言われたインドのスタディーですが、このWHOのヘッドの方が推進した「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」のスタディーで、あれは実は非常によくできていて、世界で初のHPVの死亡率減少を評価した論文であるというふうに認識されています。
 HPV検査を用いたスクリーニングというのは、2002年あるいは2009年に、アメリカ産婦人科学会それからコルポスコピー病理学会で、両方の検査をやって見逃される危険は1,000分の1ぐらいであると示されました。両方ともやって陰性だった場合に、6年後にCIN3以上となる確率は0.28ということで、2009年の時点で、アメリカ産婦人科学会のリコメンデーションとして、HPV併用検診というのがオプションとして薦められています。
 日本産婦人科学会のリコメンデーションは、ここに示すとおりでありますが、昨年、アメリカの3年で大丈夫なんだというリコメンデーションに準拠して、日本でもこれでいいだろうという産婦人科医会のリコメンデーションが出ています。これに関しては、産婦人科医会の鈴木常務理事の方から後でお話が追加であると思います。
 次、8ページですけれども、実際のアルゴリズムというお話でありますけれども、先ほどからいろいろなところで出ている、イタリアだとかオランダとかというところで、臨床試験をやる際には、今年検査をして、少しでも陽性があれば、全部精密検査をして、実際の病変の検出というのを見ていくわけですが、それは運用の場合にはそういうふうにはしません。ここで提示されているのは、先ほどの産婦人科医会の内容でありますけれども、細胞診とHPV検査をして、一番左端ですけれども、両者陰性の場合には、次回検診は3年後でよいと。ここに該当するのが、全検診受信者の95%であります。つまり、ほとんどの人がダブルネガティブでありますから、検診の間隔は3年あけてもよいということです。
 それからもう一つ、過剰診断ということがよく懸念されると言われる内容ですが、細胞診がマイナスでHPVが陽性である。これは20歳代の人に特に多いわけですが、20歳代の人はHPV検査はしない。30歳以上の人で細胞診マイナス、HPVプラスの人たちに対しては、今年精密検査をやらずに、1年後の検診に回ってもらう。これはどういうことかというと、今の時点で細胞診に異常がない、HPVだけ陽性の人たちというのは、来年になると消えている可能性が大であるということです。HPV感染というのは、多くが自然にというか、免疫で消えるものなので、この人たちに対しては、今年精密検査をしないということがポイントであります。
 次がUS Preventive Services Task Forceとアメリカの3団体、それから日本のリコメンデーションの比較でありますけれども、まず、この真ん中の30〜65歳というところですが、アメリカでは、併用での5年間隔が望ましいという言い方をしています。
 日本では、これを3年間隔というふうに言っています。
 検診の対象として、「推奨せず」というのがいずれも明示されております。これは20歳あるいは21歳未満ですけれども、つまり、若い人々において子宮頸がんというのはめったに発生しないので、若い人たちを無理やり検診を受けさせることが弊害であるということであります。
 この三者の3年がいいか、5年がいいかというようなお話は後でしていきます。
 次、10ページ目ですけれども、これはヨーロッパにおける細胞診とHPVの陽性、陰性とその後の病変の検出でありますけれども、簡単に言いますと、きょう検診をして、これだと6年後になりますけれども、病変がどういうふうに発生していくかということを見ています。一番上の細胞診とHPVが陽性のものは、どんどん病変が発生していくわけですが、2番目は、細胞診がマイナスだけれども、HPVが陽性。これが大体このぐらい発生していく。一番下が細胞診もマイナス、HPVもマイナスだとかなり少ないところで、これと同じようなグラフが次の11ページにありますけれども、まさしく同じで、5年から11年後になると、HPV陽性の方からは7%上皮内がんが出る。HPVマイナスからは1%弱ということで、細胞診というのは、きょう病変があるかないかを見ていますが、HPVがあるかないかというのは、HPVがないということは、少なくともHPVに感染してから5年あるいは10年は子宮頸がんにいきなり進行することはないということがわかっているというのがこのグラフの根拠であります。HPVがマイナスということは、かなりの期間、検診をしないでも安心できるということであります。
 次の12ページですが、これが日本のデータでありますけれども、私たちがやっているものの発表です。まず、左側がCIN3以上の累積進展率ということで、細胞診、HPV両者マイナスの場合は72か月で0.6%、HPVがプラスの場合は6.9%ということで、約10倍の開きであります。これは前のページを見ていただければわかると思いますが、非常に同じような結果になりまして、HPVがマイナスであるということは、約10倍の安心感があるということです。
 それから次、13ページですけれども、「有効性評価に基づく子宮頸がん検診の検証」ということで、先ほど濱島先生からあった2008年の段階でのエンドポイントというのは、死亡率、死亡の減少ということにあったわけですが、次第に私たちはそのころから死亡だけではなくて、浸潤癌や癌の発生、妊孕性、QOLの保持ということを大事に考えています。女性の場合に、死ななければいいわけではなくてというところが子宮頸がんの場合には非常に大事にされていると。
 科学的根拠の提示というときに、2つの考え方があります。今まで御発表になったものは疫学という手法で、過去の膨大な蓄積データを後向きに解析してこういう結果だったというのを提示する方法です。これは間違いがない方法ではありますけれども、長期間の観察、研究が必要です。膨大な費用や長い時間が必要だと実現性が乏しいことがある。それから、コントロール群に対して、死んでしまったりするとまずいということがありますが、これにかわってモデリングという評価方法が、今、多用されています。これは過去・現在のデータをもとに、将来を解析するということで、過去になかった新しい技術を導入する場合には、効率性や医療経済学的な判断をして、これをもとに政策決定の根拠とするという考え方でありまして、HPVのワクチンの導入というのは、まさしくこれによって行われています。
 変な表現になるかと思いますが、疫学者というのは、この過去の膨大なデータをもとに検証していくという、がん発生、がん死亡ということに対して慎重な態度をとります。
 一方、ワクチンの研究者というのは、このモデリングという手法を用いて、今、得られたデータを非常に複雑なコンピュータのデータ解析によって、将来はこのように変化していくということを導き出し、それをもとに将来の政策を決定するという手法をとっています。
 次をめくっていただいて、14ページですけれども、これがUS Preventive Services Task Forceで出しているデータの1つですが、これはがんになる数と偽陽性、False Positiveですね。一番下にあるのが検診開始年齢です。15歳からやっていっても、偽陽性だけが多い。そして、23歳のあたりでクロスするということで、つまり、若いうちのがん検診というのは、偽陽性ばかりで、がんを見つけることには役に立たない。だから、余り若いうちからがん検診をすることは弊害であるという根拠であります。
 次が、縦軸がLife-yearsと書いてありますが、これは検診をしない場合、あるいはした場合の人生の長さを示しています。右側はコルポスコープの数、つまり精密検査をすることによって、それが過剰な治療や診断に結びつくということで、右側に行けばいくほどコルポスコープの数がふえます。一番左端にNo Screeningとありますが、これが検診をしない場合、つまり、介入をしない場合です。その次、コルポスコープが500弱のところにAge25でq5というのがありますが、これが25歳から5年おきの細胞診検診をした場合。これだけをやっただけで、Life-yearsが何もしないのに比べてかなり延びる。
 一方、一番右端に行きますと、15歳から毎年検診をした場合にということが一番Life-yearsは長いので、一番長生きできるわけですが、コルポスコープが2000という単位で物すごく多くなってくるわけですね。つまり、過剰な精密検査をしているということになります。ということは、このLife-yearsがなるべく上に行っていて、69200ぐらいのところに行って、コルポスコープの数がなるべく左に行けばいいということで、つまり、20歳の3年間隔検診とか、20歳の2年間隔検診あたりがよかろうというのが細胞診だけのデータです。
 次をめくっていただいて、全く同じ考え方ですけれども、このグラフでいうと、一番右が細胞診1年間隔で21歳からやるというのが最もコルポスコープが多い、Life-yearsが長いと、最も長生きできるわけです。逆に左から2番目、細胞診とHPV併用で5年ごとの30歳から、その上の×というのが細胞診とHPV併用の3年ごと検診で30歳からいうと、この辺が実は落としどころとしてはなかなかよいところでありまして、アメリカとしては、5年おきの併用検診をとりましたが、3年おきの併用検診というのも、コルポスコープの数はちょっと多いのですけれども、Life-yearsが少し伸びるということで、この3年、5年あたりが一番解析上はおいしいところという結果になります。
 そして、さらに、17ページでありますけれども、これが同じくUS Preventive Services Task Forceに出ている表で、これは非常に興味深いと思います。この右端に矢印をつけたところ、2つだけをごらんいただければと思いますが、下から3段目のところに、細胞診、q2、age21というのがありますが、これが、今、日本で最近行われている2年ごとの細胞診検診です。それから、上から3番目がCytology,q3,age21というのが細胞診とHPVを3年ごとにやるのを30歳からやるという、いわゆる医会でのリコメンデーションの数です。、このFalse Positiveを見ていただくと、併用検診3年ごとの方が、従来の細胞診の2年よりも偽陽性が少ないということがわかると思います。それから、コルポスコープも少ない。
 一番右端に行きまして、Cancerです。がんをどれだけ減らすことができるかということですが、がん死亡は併用検診が0.74、それから隔年検診が0.92ということで、この両者の比較では、併用3年検診の方がFalse Positiveが少なく、がんの死亡が少ないということで、これのエビデンスに基づけば、より有用性が高いというふうに考えます。
 それから、POBASCAMのデータに関しては、ちょっと後でディスカッションさせていただきたいと思いますので、省略します(結局、時間切れで触れませんでした。資料にある抄録をご覧いただきたいです。)
 ハイブリッドキャプチャー法というのが、今、世界で最も有用性が高いということで汎用されています。19ページですけれども、ハイブリッドキャプチャー法というのは、1チューブにHPVが5,000個いると陽性になります。しかし、PCRというのは、もっと感度を高くすることが、つまり、1個の検体あたりにHPVが1,000個とか100個とか10個しかいなくても陽性にするということができる。つまり、PCRの感度をすごく高くすることは可能です。
 今、世界中に140のHPVキットがあるというふうにグーグルで検索できます。その中で、信頼性が一番高いというのは、これはもうハイブリッドキャプチャー2とPCRの中では、GP5/GP6というものが使われていて、次の20ページ、このハイブリッドキャプチャー2あるいはGP5/GP6を標準として、それに比べてどのぐらい劣るか劣らないかということが今後のHPV検査キットとして使えるものということになると考えられています
 現在、日本でそういう意味で使えるのは、ハイブリッドキャプチャー2法のみで、アメリカでは、今、cobas4800というロシュのものが使われていて、日本で使えることになっているアンプリコアは、この基準は満たしていないというところです。今年後半、あるいは来年以降になってくると、ハイブリッドキャプチャー2以外のものも出てくると思います。
 今度は費用のことですけれども、もし、21ページ、HPV子宮頸がん検診の費用負担を考えるのですが、1万人の女性がいると仮定します。現行の検診は大体6,000円で行われていますが、受診率10%なんていう町もあります。
 そこで、費用は600万円かかるわけですが、実際に厚労省が提唱している50%受診率になると、費用総額は3,000万円、これは当たり前のことですが、多くの自治体というのは、従来、昨年度並み予算というものを立てているわけで、5倍の予算になったときに、これはお金が足りない、それからこれを対処するところのマンパワーが足りないということになっていきます。
 次の22ページを開けていただくと、これは複雑なマルコフモデルというのを用いて試算したものですが、従来どおりの細胞診、毎年検診というのをやって、これも同じく1万人の町ということで計算していますけれども、3年分の費用を計算しますと、毎年検診は6,300円と、隔年検診にすると3,250円で、これを細胞診併用にしますと、先ほど提示したように95%が3年後検診でよいということになりますので、費用としては、毎年検診よりも43%減らせるということで、今、行われている隔年検診とほとんど変わらない。しかも見落としがないというメリットがあります。
 実際に、島根県でこの検査を導入して併用をやったところ、1病変当たりの検出単価が36%減少したということが、これは試算ではなくて、事実として出ています。
 時間もたってきましたので、ちょっと飛びますけれども、25ページに行きます。つまり、私たち医療者側は急にたくさん来ても検診できないですね。それから女性たちは、検診したことで安心感を得たい。毎年よりは3年後とか5年後とか。無料がよいと。自治体や国はできるだけコストを下げたいということが必要になるわけです。
 「これからの子宮頸がん検診の方法と課題」としては、もうHPV検査を用いることは揺るぎないものであって、それをどういうふうに用いるかということが問題ということは青木先生からの御提示もあったと思います。
 それから、検診間隔があいた場合に、産婦人科医の収入が減るのではないかとか、細胞検査士が仕事を失うのではないかということを心配される方もあるのですが、実際には、今、受診率が低いので、受診率を上げてしまうと、先ほど言ったようにインフラとかマンパワーが足りなくなるので、これをグラデーションをかけつつ受診率を上げ、HPV検査を導入するということで、日本はWIN-WINの関係になれるのではないかというふうに考えます。
 最後に、追加資料のところだけ申し上げたいと思いますけれども、これが共同研究をしている平成帝京大学の荒川先生のデータです。これは今、予備解析という段階で、最終的な段階ではないのですけれども、結論がここに述べてあります。
 併用検診の方が費用対効果的であるということであります。2ページ目をめくっていただいて、併用の方が、費用はもちろんふえるのですけれども、検出率もふえますので、増分費用効果、ICERというのがありますが、新しい技術を導入して、400万円までの増加であれば許容できると医療経済学的には考えますが、それは37万8,000円であるということです。
 それから、3ページ目ですけれども、併用検診の費用対効果、あるいは検出数ということでいうと、4年ごとの併用というのが最も効率的であるというふうなデータが出ていますが、併用の3年であっても、検出数がかなり多いということで、一番下の細胞診というのがスタンダードでありますが、これよりも検出数が多くて費用がちょっと増えても効率的であるということがわかるかと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○大内座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、小西参考人より説明をお願いいたします。
○小西参考人 京都大学産婦人科の小西でございます。
 子宮頸がんの診断治療にかかわる1人として発言させていただきたいと思います。
 これまでの青木先生、それから今野先生からHPV検査に有用性について説明があったかと思います。
私の結論といたしましては、我が国におきまして、この子宮頸がんの発生を限りなくゼロに近づけることを目的といたしまして、子宮頸がん検診システムの中に、できるだけ早くこのHPV検査を導入していただきたいということでございます。
 資料の私の論文に沿いまして、子宮頸がんの診断治療、予防の歴史を振り返ってみたいと思います。
 その中で、今、私たちがWhere are we nowといいますか、人類の歴史の中で一体どこにいるのかということを説明させていただきたいと思います。
 子宮頸がんというのは、いつごろから知られていたかといいますと、実に紀元前450年ヒポクラテスが記載しているわけでありまして、赤ちゃんを育てないといけない子宮という大切な臓器にがんが発生いたしまして、若い女性が亡くなってしまうのだということは既に記載されているということでございます。
 その治療が発達してまいりますのが、16世紀、17世紀でありますが、本格的な治療法というのが開発を模索されているのが19世紀末でありまして、ウイーンのWertheim先生が、初めてこの子宮頸癌根治手術の開発を始めて、初めて手術をしたのが1898年でありました。
 そして、このWertheim先生と同時期に、京都大学の第2代教授であります高山尚平先生、図2の顔写真の方ですが、ほぼ同時期にこの手術の開発を始めまして、図3の岡林先生という京都大学第3代目教授が、1920年に広汎子宮全摘術、系統的に浸潤頸がんの手術療法を確立したわけであります。ちょうどそのころから放射線療法も発達してまいりまして、今日まで至っているわけであります。
 このような浸潤した子宮頸がんに前がん病変があるというのがわかってきたのが、実は1950年代でぐっと現代に近づいてくるわけであります。1940年代に図4のPapanicolau先生が細胞診を確立いたしまして、そのころから「上皮内がん」というのがあって、放っておくとだんだん浸潤していくとわかったのが1940年〜1950年にかけてであり、実に最近のことなのであります。
 この細胞診が確立したことによりまして、細胞診で早期発見して、浸潤がんになる前に治療してしまおうというのが確立してまいりました。我が国でも早くから導入されまして、浸潤がんがどんどん減ってきまして、死亡率も減ってきた。しかし、ここへきて少し停滞状況にあるということであります。
 このような紀元前から知られておりました子宮頸がんの原因は一体何だということで、いろいろずっと検索されてまいりまして、性交渉によって感染する微生物ががんの原因ではないかと予測されていたのですけれども、これがわかったのがごく最近のことであり、図5にありますけれども、ノーベル賞をもらいましたzur Hausen博士らによりHPVが同定されましたのが1983年であります。
 そして、1980年代は、本当にHPVが子宮頸がんを起こしているのかどうか基礎研究が活発に全世界で行われまして、その結果、まず、間違いなくHPVが子宮頸がんの原因であるということが確立されてきたわけであります。
 そして、1990年代は、これをいかに臨床応用していくか、臨床的な研究が盛んに行われまして、いよいよ21世紀に入りまして、この2つの方向、HPV研究の成果が活用されてきました。1つはHPVワクチンを開発いたしまして、ワクチンで感染を予防しようという方向。もう一つは、きょう話題になっておりますHPV検査ですね。できるだけたくさん見つけて治療しようではないかという2つの方向が開発されてまいりまして、それぞれ実現してきたわけであります。
 ワクチンに関しましては、厚労省の英断もありまして、平成22年度から我が国でも公費助成をなされまして、高1までに実に75%ぐらいの女子が接種を受けているところまできたわけであります。
 この調子で、政府の助成を受けまして、ワクチンが徹底してまいりますと、HPV16型、18型の前がん病変、子宮頸がんが次第に減っていくということで、2030年ごろから前がん病変が減り始めるのではないか、浸潤がんも減り始めるのではないかというふうに予測されますけれども、ワクチンだけではゼロにはなりません。ワクチンが有効である限り、罹患率は半分ぐらいまで減るのではないかと思いますけれども、あとの半分は何としてもこの検診を徹底することによって減らしたいということであります。そのためには、このHPV検査をうまく利用していくということが非常に大事ではないかということだろうと思います。
 先ほど来、御説明がありましたように、これまでは日本でも伝統的に細胞診が非常に活用されてまいりましたけれども、受診率は非常に低いということで、何とかこのHPV検査を併用することによりまして、検診率を上げることが大事です。子宮頸がんの前がん病変も減らして行く必要がある。円錐切除でも早産のリスクもふえてまいりますし、浸潤がんで子宮を失う、あるいは亡くなってしまうことを限りなくゼロに近づけたいということであります。このワクチンと検診というこの2本柱によって、日本から子宮頸がんで泣く女性がなくなるという希望が目に見えてまいりましたので、是非その方向で頑張りたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 以上であります。
○大内座長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、鈴木参考人から御説明願います。
○鈴木参考人 自治医科大学の鈴木です。どうぞよろしくお願いいたします。
私の方は、焦点を絞って2点お話ししたいと思います。
 1つは、産婦人科医会が去年の11月に子宮頸がん検診リコメンデーション、特にHPV-DNA検査の併用検診に関するリコメンデーションを発刊しました。そのバックグラウンドと、問題点を少し述べさせていただくこと、もうひとつは今年の4月から栃木県の小山地区2市1町で、この併用検診がスタートしましたので、その概略と、初期段階でのデータをお示ししたいと存じます。
 まず、医会のリコメンデーションの発刊のバックグラウンドですが、HPV検査という非常に有用な検査を広めたいというのが一番大きな動機ですが、もう一点は、対策型検診としては、まだほとんど普及していないものの、人間ドックとか、一般の開業の先生たちがこのHPV検査を既に使い始めているという現実があるため、不適切な使い方を是正したいという意味がありました。そのためHPV検査は日本ではまだ進んでいないにもかかわらず、早目にこのようなリコメンデーションを出したわけです。実際人間ドックや開業されている先生方のところでは、ダブルネガティブであっても、毎年併用検診を行っている場合もあり、過剰な検診、過剰な診療が目につきました。そこで、2011年の時点で得られたエビデンスから適切な検診について、細胞診単独検診と同時に、併用検診のリコメンデーションも同時に発刊いたしました。
 2ページ目になりますけれども、先ほど来、今野先生からも紹介がありましたけれども、基本的には開始年齢は30歳以上の女性を推奨しました。それから、検診の受診間隔については、今年になってからUS Preventive Services Task Force、ならびにアメリカの3学会から、ダブルネガティブの場合は5年間隔検診が推奨されるというリコメンデーションが出ましたけれども、2011年の時点では、まだアメリカの3学会の報告が一番エビデンスレベルが高いものでしたので、そこからとって、3年間隔の受診を推奨しました。
 それから、検診の終了年齢についてですが、きょうはそのことは余り話題にならないかもしれませんけれども、日本では上限がないのが現状ですが、この併用検診を行った場合には65歳以上の女性では、ダブルネガティブかつ細胞診が3回直近でネガティブだったら、検診を終了することもできるというような、終了年齢を初めて入れたということがこのガイドラインの特色であります。
 次に、3ページに米国のリコメンデーションとの比較を表にしてあります。米国の検診間隔に比べれると大分日本は短くなっております。
 それから、6ページ目は、我々の栃木県の併用検診のデータを示しています。まだ3,000人程度の4カ月間のデータなので、まだ解析まではできていませんが、30歳以下の女性のHPV陽性率も8%強ということで、意外に低いという印象です。
 7ページ目については、もし併用検診あるいはHPV検査を導入する場合の線引きラインとしては30歳くらいになると思いますが、対がん協会のデータでは20代の後半では上皮内がんの頻度が高いというデータがあるので、25歳も線引きラインとして考慮すべきかもしれません。
 8ページ目に、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」で調査したHPV検査併用検診を導入している自治体数の調査結果を示しています。現在25位の自治体で施行されているようです。
9ページをごらんいただきますと、「日本の子宮頸がん検診の実情」がわかると思います。まずは検診受診率が極めて低率であるということ。それからベセスダシステムが未徹底であること。液状化細胞診も未普及であること。それからレジストリー制度がないこと。それからCall/Recall制度がないこと。このようにがん検診においては、日本は、非常に負の要素が多いと考えられます。
 10ページ目に検診受診率がいかに低いかをグラフで示しています。11ページには、LBCがほとんど普及していないというデータを示しています。12ページには、住民台帳、レジストリーが徹底しているオーストラリアの例を示しています。日本ではほとんどレジストリーはありません。
 それから13ページには、イギリスでの、Call/Recallセンター開設により検診受診率の顕著な上昇と、それに反比例するように子宮頸がんの発生率が下がったというデータを示しています。Call/Recall制度が、日本でも今後必要だということを実感します。
 こういった日本の検診システムの実情を考慮すると、5年間隔の検診というのは、少し危険なのではないだろうかと思われます。
 後半では、栃木県小山地区、小山市と下野市と野木町という2市1町ですが、HPV検査併用検診について14ページから資料にしてあります。
 15ページにスキームが書いてありますが、個別検診だけでなくても、保健衛生事業団(対がん協会)の協力を得て、集団検診でも併用検診を行うことにしました。これは多分、日本で初めてではないかと思われます。16ページにこのモデル地区における検診事業の特徴を列挙しました。特徴の4番目として、この併用検診の有用性の検証事業をすすめることがあげられます。RCTを行うことは、実質的には無理です。観察研究になりますが、大学の倫理委員会を通して、それから自治体の了解を得て、住民から同意書をとり、HPV検査併用検診の効果をできる範囲で検証してゆきたいと考えています。住民の同意書の中には、
HPVワクチン接種の有無、喫煙の有無なども記入してもらっています。
HPVワクチンの効果の検証については、この地区だけではパワー不足ですので5つ位の地区を選定して、共同でワクチンの効果を検証するためのプロトコールをつくり、スタートしたところです。
 17ページに4か月のデータを参考までにのせました。3,098人の検診受診者のうち、4人が不同意でした。その理由は、性病検査だと思ったというのが1名、3年間隔検診が不安であるというのが1名、それから従来どおりの検診をお願いしたいというのが2名おりました。
 ただ、このうち2名は、本検診の内容をよく説明をしたところ同意に変わりましたので、最終的には、2名が不同意、即ち不同意率は0.07%となります。
 それから、液状細胞診を導入したことの効果と思いますが、不適正標本が今のところ全くなしという結果です。
 ちなみに、HPV検査の陽性率は4.1%で、それほど高い頻度ではないことが解りました。
 私の方からは、医会で発刊したリコメンデーションのバックグラウンドと、栃木県小山地区でスタートした併用検診の実情についてお話ししました。
 ありがとうございました。
○大内座長 ありがとうございました。
 ただいま、5名の参考人の方々から説明いただきました。
 それでは、今までの資料等に関しましての質問をお受けしたいと思います。
 いかがでしょうか。どうぞ。
○祖父江構成員 膨大な資料を説明していただき、ありがとうございます。
 今野先生の資料4−2の3ページで、日本の細胞診の感度の数字が出ていますけれども、その86%というのが諸外国に比べて非常に高いと。日本の実態全般を代表しているものとはいえないというようなコメントもありましたけれども、その実態に関する情報というのはないのですか。
○今野参考人 これは実はないんですね。なぜかというと、その感度・特異度を求めるのに、ゴールドスタンダードを組織標本にして、そして、実際の細胞診の感度というのを出すわけです。、これに関して言うと、過去にあったのは東北大学から出ている前年検診を受けて、今年にがんを発見されるまでの間に見落としがあったかという計算方法でやった場合の感度というのが95%という物すごい感度というのが出ているのですけれども、それはちょっと考え方が違うということで、ここでは外しましたけれども、地方のそれぞれのいろいろな検診施設で、実際にどのぐらいの感度かというデータは本当に残念ながらほとんどないんですね。恐らく、これを上回ることはほぼないのであって、これは6施設でやっていますけれども、全ての施設にが細胞診の指導医がいて、かつ非常に綿密なマネジメントで細胞採取とかをやっていますので、実際の現場では、細胞の不適正標本があったりとか、評価にも該当しないというようなレベルのところもあったりしますので、これよりよくなることはないというふうに御理解いただいていいと思います。
○祖父江構成員 ただ、この数字を見ると、日本の方が諸外国に比べて感度がよさそうだということがわかりますね。
○今野参考人 それは私たちの自負しているところです。
○祖父江構成員 恐らく、日本の細胞診、サイトスクリーナーの人たちの能力は、諸外国に比べて高いのだろうと想像しますので、そうだと思うんですけれども、そこのところの感度が諸外国とどうなのかというところが一番HPVを上乗せしたときの有効性がどの程度期待できるのか、一番根幹になるデータだと思うのですけれども、ここを検証せずに大学のデータでもって有効性の評価、有効性の大きさというものを推測するのはかなり危険なことではないですか。
○今野参考人 それは、実際に今まで細胞診が導入されて何十年もたっているわけですね。その間に、ちゃんとしたデータは出てこなかったということで、かつ、今は非常に地味な新規の研究ではない部分の研究に労力を注ぐ方というのは余りいないので、データとしては出てこないという状況があります。
 一方、先生のその御質問に対する答えの方法として、先ほど出しました荒川先生のもののデータというか、いわゆるモデリングのあれがありますけれども、きょうの追加資料があります。また、ここのデータにはきょう出していないのですけれども、感度分析という方法があります。それは、先生がまさしくおっしゃったその細胞診の感度を、例えばドイツの四十何パーセントというのもありますけれども、それを50%、70%、86%というふうに変化させた場合に、実際の検出数と、費用対効果プラス増分費用効果、ICERというところで出されますけれども、それがどうだということになります。それは実際、現時点で今、私たち内々でのデータは持っているのですけれども、ちょっとこの場で出すのはまだ少し早いのです。手前みそですが、今年の10月の検診学会というのを、私、会長でやることになっていますが、そのときには、荒川先生にもそれを提示いただけることになっていますので、こういうモデリングのところでの感度分析という方法で細胞診の感度を50%〜86%まで変化させることによって、それでもこの併用検診が費用対効果的に耐えられるかどうかということがわかってくるかと思います。
○大内座長 今野参考人からの追加資料の中で、荒川先生からの経済評価で、感度が50%仮定とありますね。これがベースラインになっているとすると、先生が御発表の、今、祖父江構成員が御指摘の「化学療法の領域」に執筆された86%というのがかなり乖離しているということが第1点。
 もう一点は、右側に対象年齢が書いていなくて、私からも確認したいのですが、年齢階級別にどうでしょうか。例えば今、厚労省からの検討課題として、30歳代というような案が出ていますけれども、30歳代に関する感度について何かおわかりですか。
○今野参考人 それは細胞診の感度ですか。細胞診の感度は、この荒川先生のデータとは別で、私たちが癌学会で発表するという方のデータで出ています。
 ただ、今、大内先生がおっしゃゃったように、この50%を86%まで感度分析で変化させたときに、どれだけ有効性が意義するかどうかというところが結論になるわけです。今、私たちが持っている単純なシミュレーションの今回の結論というには、まだちょっと時期尚早なんですが、結果としては50%ではなくて、86%の細胞診の感度であっても、従来の細胞診単独と同等以上の検出力プラス費用対効果はまさるという結果は出ています。ただちょっとこれを出すのは、きょうの時点でははばかられるので、もう少しお時間をくださいということになります。
○大内座長 ほかに御質問ございますか。
○斎藤構成員 今の議論に関連してですけれども、そのモデル評価の結果を、先生はエビデンスと呼んでいましたが、それはエビデンスになるとお考えですか。
 まず、私の認識では、モデル評価が標準的なエビデンスとは基本みなされない。エビデンスが確立しているものに対して判断する参考の手法として行うのがモデル評価だと思います。 今はモデル評価が確かに先鋭的に使われている事例も出てきましたが、あくまでもそういうものだというふうに思っています。
 先生のお考えでは、モデル評価で有効性評価を行ってよろしいというお考えなのかどうか。
○今野参考人 基本的に、例えば、今、細胞診の評価というのは、過去に50年の実績があるわけですね。対策型検診としては30年の実績があると。これはいわゆる従来の疫学的なものによって評価できる。けれども、HPVを入れて、5年では足りなくて、10年、20年、30年と研究をしないと、それを使えるものの根拠としないということでは、いつまでも待っていないといけないということがあります。
 なので、モデリングというのは、いわゆるまさしく今回のような医療政策を決める際の重要なエビデンス、エビデンスという言葉がどういう定義かということにもなろうかと思いますが、間違いなく政策を決める根拠にはなっています。
 HPVの学会、子宮頸がんの学会では、そこでの発言、例えばハーバードのスーゴールディですとか、カナダのマークブリッソンですとか、そういう方たちの研究結果をもとにどういうふうに取り組むかということが定義、検討されておりますので、モデリングだから信用できないということにはならないというのが現状の検討の場になっています。
○斎藤構成員 もう一つよろしいですか。
 そうすると、その御提示の13ページに先生が非常に大胆なことをお書きになっていますが、科学的根拠を得るための長期間の研究や何やらは、これは不利益であるということをおっしゃっていて、これは例えば抗がん剤の臨床試験を否定するような話にもなりかねない。
 それで、確かにモデル評価も一手法としては大事なんですが、モデル評価だけで政策決定を判断してよいというお考えには、保留をつけていただく必要があると思います。
○今野参考人 ちょっと斎藤先生が私の考えを曲解されていますので、訂正をお願いします。
 疫学の死亡率減少効果評価が不利益なのではなくて、疫学研究効果の不利益を上げたのが下に書いてあって、疫学研究では長期間の観察研究が必要ですと。だから、抗がん剤の評価、A法とB法とやるという場合には、当然これは必要です。
○斎藤構成員 検証はやらないのですか。
○今野参考人 当然、疫学的なという、前向き研究をして、それが時間がたってから、後から調べるということは必要です。ただ、HPVワクチンのときに、皆さん多分御存じだと思ってきょうは申し上げなかったんですが、HPVの感染から子宮頸がんに至るのは、最低でも5年、下手をすると10年、20年かかるというときに、ワクチン開発のコンセンサス形成のために、WHOに専門家が集まって、子宮頸がんの代替指標として、CIN2、3、特に3が重要でありCIN3を予防することができれば、これは子宮頸がんのワクチンとして使うということがコンセンサス形成会議で行われています。そのことと全く同じ考え方でありまして、抗がん剤の評価をモデリングでやるというふうなことは絶対にないんですね、それは。時間が10年、20年とたたないとわからないことに対して、モデリングという手技を導入して判断するということであります。
○斎藤構成員 よろしいですか。
○大内座長 ほかにございますか。
○斎藤構成員 1点だけ今の関連で。
 ワクチンと検診を、今、一緒に考えていらっしゃいますね。
○今野参考人 いや、一緒ではないです。
○斎藤構成員 いや、今の一緒に聞こえました。違うのですか。リスクベネフィット比は、ワクチンと検診で全然違いますね。
○今野参考人 一緒ということは、時間がたたないことを新規の技術を判断する場合には、モデリングという解析技術が有用であるというのが今の認識だということを申し述べているのであって、検診とワクチンは一緒だということを言っているわけではありません。
 政策提言に新しい技術を導入する場合の判断根拠として、モデリングというものが使われているということを申し上げています。
○大内座長 この検討会は、政策提言にも結びつきますので、今の点は重要かと思いますが、モデリングの位置づけ、それとRCT等のいわゆるEBNの重視といった姿勢も一方ではございますので。
 いかがでしょうか。ほかに御質問ございますか。どうぞ。
○松田構成員 鈴木先生にお伺いしたいのですけれども、この小山のモデル事業の件なんですが、先生がお示しになったように、今回、HPVテストを追加するに当たって、その上乗せ効果がどの程度あるのかということが非常に重要な問題になると思うんですが、そこで日本のがん検診の問題点として、レジストリーがない。要するに、がん検診の受診者台帳、あるいはその結果を市や町が全て把握していると私にはとても思えないという面もありますし、あとはCall/Recallがない。そのあたりが実はセットで整理されないと、例えば検診結果によって受診間隔を変えるということは不可能なんだと思うんですね。
 ですから、今回、小山ではそういったことも実は制度というか、事業には組み込まれるんでしょうか。
○鈴木参考人 一応、それに近い状態にするべく努力しております。例えば、産婦人科の周辺の産婦人科医とミーティングを開きまして、要精検になった患者さんを小山地区で捕捉できるよう努力しています。またこの地区では住民台帳もレジストリーに近いような状況になっています。患者さんからも同意を得ておりますので、データをまとめさせてもらって公表することも可能になっています。
 若い年代の方ですと、住居が変わってしまってフォローアップができなくなることがあるかもしれませんが、できる限りフォローしたいと考えています。
○大内座長 どうぞ。
○松田構成員 もう一つ追加なんですが、今の点、だれが未受診者なのかということも、その未受診者に対してリコールされるということはできるんでしょうか。
○鈴木参考人 リコールに関しては、残念ながら今のところ、まだシステムが構築できていません。自治体に働きかけたいと考えています。
○今野参考人 ちょっと追加、よろしいでしょうか。今野です。
○大内座長 どうぞ。
○今野参考人 今野です。済みません。
 今のレジストリーに関してですけれども、国全体でのレジストリーというのは当然ないわけですが、実は市町村レベルでは、検診台帳をもとにかなり正確に把握している市町村もあります。
 ただ、住民基本台帳とか、いわゆるマイナンバー制というようなものがないので、その市町村間の連結というのは全くないわけですね。それから、国のレジストリーはないわけですけれども、今の小山市もそうですし、私がいろいろ調べたり、それからワクチンに関するレジストリーをつくり上げていこうということで、厚生労働省の研究班でも仕事をさせていただいていますけれども、そういうところで見ていますと、市町村単独では持っているところも結構あるんですね。それをこういう新しいものを入れていくときに、検証するというときには、是非市町村でやっているところを提案していくような格好で、いいモデル事業のところ、今の小山もそうですし、ほかにもたくさん実はあります。それをもとに、いわゆる日本での検診レジストリーの制度をつくっていくというような点でも、モデル事業のようなものをしつつ、かつ、レジストリーの整備というような基礎づくりというものになるのではないかと考えます。
○青木参考人 よろしいですか。
○大内座長 どうぞ。
○青木参考人 今のに関連しまして、鈴木先生にこの小山市のモデル事業に関して教えていただきたいと思いますが、16ページ、この特徴というところに「従来の細胞診単独検診と比較」というふうにございます。これはこの意図するところは非常に大切で、これに賛同するところは、私、非常に大なんでありますけれども、今、このHPVの検診が始まったときに、なるべくレジストリーをちゃんとしようというような御発言がございました。そうすると、細胞診をやっていた時代はそういうことが半ばおそろかにされている可能性がある。
 そういった状況のもの同士を比較して、何かものが言えるのかどうかと。精度管理という言葉を使っていいのかどうか、僕はわかりませんけれども、従来のものと今のものとのそういった検診指標が妥当性のある方法で集められているのであればまだしも、そういったところまで含めて変えていくということになりますと、比較することが非常に難しくなるのではないかなと懸念するのですが、いかがでしょうか。
○鈴木参考人 そのとおりで、過去のデータとの比較だけでは不十分と思います。栃木県内の同じくらいの規模の自治体で、従来の細胞診検査だけを行っている自治体とのデータの比較というのもやってみたいと考えています。
たとえばCIN2/3、浸潤癌の検出頻度などの自治体内の比較などもできるかと思います。もちろん先生が言われたように高いレベルのエビデンスは得られないかもしれませんが。
○青木参考人 欧米のデータを見ると、浸潤がんだけで見てみますと、そんなに差がございませんね。そうすると、例えば併用検診と細胞診単独の方法というのは、かなり似た性能ではないかなというふうに思っているのですね。ずば抜けて併用検診がよければ、もっともっと妥当性のあるデータといいますか、政策決定するのに悩まないデータが出てくるはずだけれども、データの一致性がないというようなところもあると思います。
 したがって、そういうものを比較するときというのは、かなり厳密にやらないと間違った方向に行くというのが今の発言の趣旨です。
○鈴木参考人 非常に重要なことだと思いますので、また、十分検討させていただきたいと思います。
○青木参考人 あともう一つだけ。先ほどちょっと今野先生に揺るぎない根拠がというお話がございました。いい線を行っているというふうに私も思います。
 でも、揺るぎない根拠に至るまでは、もう少し日本の情報がほしいというふうに思っています。そのときに青木先生もおっしゃっているようにというふうに言われましたので、そこはちょっと訂正をいただきたい。お願いいたします。
○今野参考人 揺るぎないというのは、日本ではまだ揺るぎなくないと思います。
 ただ、先ほどお話ししたような、世界の学会ではHPVと何を組み合わせるか、HPVをどう使うかというのが、今、大前提になっていて、細胞診のかわりにHPVとか、そういうものではないのですね。HPVありきという時代に入っているという点に関しては、揺るぎないということの表現を使わせていただいています。
○大内座長 大変時間が押し迫っていまして、あと1分ほどですか。
 振り返ってみまして、事務局から最初に説明がございました資料7ですが、ここに具体的な提言がございます。今日5名の参考人から詳しいデータの御説明がございましたので、それから質疑等にもまだ一部不十分な点がございますので、さらに検討を深める必要があろうかと思います。
 そこで、この4つ目の○ですね、「具体的には子宮頸がん罹患率の高い年齢層(30代)を中心に、HPV検査を実施してはどうか」。それから、その際に留意すべき点は何か。これは恐らくCIN3以上あるいは検診間隔3年なのか、5年なのかとか、あるいは方法、青木参考人からいただいた資料ですと、この過剰診断を避けるための工夫とか、それから今後の研究のあり方とか、そういった提言がございました。
 こういったことは、もう少し議論が必要と思います。
 時間になりましたので、この点に留意されて、事務局の方に一旦お戻ししたいと思います。それで、今後のことについても、事務局の方から御説明願います。
○木村がん対策・健康増進課長 いろいろと御議論ありがとうございました。
 私どもとしましては、先ほど冒頭でこの資料7のときに説明申し上げましたように、予算編成の過程でこのようなHPV検査についての検診というのは、新たな導入というものを検討しているところでございますけれども、今後とも、先生方の御意見を拝聴しながら、今後はより検討を進めていきたいと思ってございます。
 その他、連絡事項について申し上げます。
 次回の検討会の開催につきましては、11月を予定してございます。詳細な日時、場所につきましては、各構成員の日程調整の上で、改めて後日御連絡申し上げさせていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 事務局からは以上でございます。
○大内座長 では、これにて終了してよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局がん対策・健康増進課

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