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2012年8月23日 第67回 先進医療専門家会議議事録

○日時

平成24年8月23日(木)13:59〜15:26


○出席者

【構成員】
猿田座長 北村座長代理 赤川構成員 斎藤構成員 竹中構成員 田中(憲)構成員
田中(良)構成員 辻構成員 戸山構成員 中川構成員 松原構成員
【事務局】
医療課課長 医療課企画官 歯科医療管理官 薬剤管理官
医療課専門官 医政局研究開発振興課長補佐 高度医療専門官他

○議題

1 第2項先進医療に係る新規技術の届出状況について
  (1)7月受付分の届出状況(先−1)
  (2)6月受付分の届出状況(先−2)

○議事

13時59分 開会

○猿田座長
 それでは、時間がまいりましたので、第67回の「先進医療専門家会議」を始めさせていただきます。
 本日の構成員の出欠状況でありますけれども、天野構成員、新井構成員、飯島構成員、加藤構成員、金子構成員、笹子構成員、永井構成員、樋口構成員、福井構成員、渡邊構成員が御欠席とのことでございます。予定されている委員の方は全部いらっしゃっているということで、早速始めさせていただきます。
 メディアの方はもうよろしいでしょうか。
○事務局
 頭撮りに関しましてはここまでとさせていただきます。カメラの方は御退室をお願いいたします。
(報道関係者退出)
○猿田座長
 それでは、時間のこともありますので、続けさせていただきます。
 まず、資料の確認の方を事務局の方からよろしくお願いいたします。
○事務局
 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 お手元の配付資料をごらんになりながら御確認をお願いいたします。
 まず、本日の次第及び先生方の名簿と座席表、1枚ずつ入ってございます。
 それから、先−1ですが、7月分の届出状況の御報告でございます。A4一枚ものでございます。
 先−2でございますが、こちらは6月受付分の新規届出技術についてということで、A4の横表一枚でございます。
 続きまして、別紙1ということで、A4のホチキスどめの資料がございます。
 配付資料につきましては、以上でございます。
 乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。どうぞよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 資料の方、よろしいでしょうか。
 それから、今回の検討対象となる技術に関しまして、事前に利益相反の確認をしておりますけれども、出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいですね。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
 ありがとうございます。
 それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただきます。
 まず、最初に、お手元の議題にありますように、第2項先進医療に係る新規技術の届出状況につきまして、まず、7月分につきまして、事務局の方から。
○事務局
 事務局でございます。それでは、お手元の先−1の資料に基づきまして、第2項先進医療の新規届出技術について、7月分について、届出状況の御報告をさせていただきます。整理番号305番から順に御紹介をいたします。
 1つ目、「MRガイド下で集束超音波器を用いた子宮筋腫のアブレーション」という技術でございます。適応症は子宮筋腫となってございまして、条件が付いてございます。こちらについて、費用等についてはごらんのとおりでございます。
 続きまして、整理番号306番でございますが、「骨盤内閉鎖循環下抗がん剤灌流療法」という技術でございます。こちら、適応症としましては、手術不能な進行性骨盤内悪性腫瘍患者で、化学療法や放射線治療を行うも、がんが進行し、これ以上通常の治療を行ってもがんの進行を抑えられないと考えられる患者ということでございます。費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 続きまして、307番の技術でございますが、「難治性真菌眼感染疾患に対する包括的迅速PCR診断」という技術でございます。こちら、適応症は、真菌眼感染症が疑われる角膜炎、ぶどう膜炎、術後感染性眼内炎、転移性眼内炎というものでございます。費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 続きまして、308番でございますが、こちら、「難治性細菌眼感染疾患に対する包括的PCR診断」でございます。こちら、適応症につきましては、細菌性の眼感染症が疑われる角膜炎、眼内炎ということでございます。こちら、費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 続きまして、309番でございますが、こちら、「難治性のウイルス眼感染性疾患に対する包括的迅速PCR診断」でございます。こちら、適応症については、ヘルペスウイルスによる眼感染症が疑われる角膜炎、虹彩炎、網膜炎というものでございます。こちら、費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 310番でございますが、「CYP2C9・CYP2C19遺伝子多型検査」というものでございます。こちら、適応症等につきましては、てんかんということになっておりますが、フェニトイン、ワーファリン、トリブタミンド等の複数の薬剤を代謝するが、エビデンスのあるフェニトインを処方されるという疾患でございます。こちらがCYP2C9の場合でございます。CYP2C19につきましては、フェニトイン、ジアゼパム、クロバザム、アミトリプチンリン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、メチルフェニデート、オメプラゾール、プロプラノロールなどの複数の薬剤を代謝するが、エビデンスのあるフェニトイン、クロバザムを処方される疾患ということで、同じくてんかんが適応症となるということでございます。費用等については、ごらんのとおりでございます。
 御報告に関しましては、以上でございます。
○猿田座長
 よろしいでしょうか。報告でございますけれども。
 もしよろしければ、それでは、続きまして、6月受付分の届出に関しまして御説明をお願いいたします。
○事務局
 続きまして、6月受付分につきまして、先−2、横表一枚ものに基づきまして御説明をさせていただきます。
 302番の技術でございますが、「ダブルバルーン内視鏡を用いた胆膵疾患の診断と治療」という技術でございます。適応症等につきましては、術後再建腸管における閉塞性黄疸、胆管炎、胆管結石等の膵胆道疾患ということでございます。こちら、保険内評価技術として返戻を行っております。
 続きまして、303番の「移植用腎修復術」という技術でございます。こちら、適応症等につきましては、ドナー側が単発の小径腎腫瘍(直径4センチ以下)と診断されていることとなってございます。費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 こちら、事前評価を斎藤構成員にお願いしておりますので、後ほど別紙1に基づきまして御説明をお願いいたします。
 続きまして、304番の技術ですが、こちら、「ハイスピードデジタル撮像による声帯振動の解析」という技術でございます。こちら、適応症等につきましては、通常のストロボスコピーで解析不能な重度の音声障害、声帯振動障害というものでございます。費用等につきましては、ごらんのとおりでございます。
 こちらの技術でございますが、保険で既に評価をしているということで、こちらも保険内評価技術で返戻という処理を行っております。
 ご報告につきましては、以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今の6月受付分に関しまして、2つが戻されたということで、今日は303の「移植用腎修復術」ということになりますが、これに関しまして、特に御意見ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、早速でございますけれども、整理番号303「移植用腎修復術」の審議に入りたいと思います。
 これは非常に重要な案件だと思いますし、提出された303に関しまして、申請者側の方からの届出実施計画に関するものと安全性・有効性に関するものについて、どうしても本日の審議に必要だろうという部分がございます。これに関しましては、「先進医療専門家会議の運営について」におきましては、その中の4ということで、先進医療専門家会議の運営に関して必要な事項は、座長が先進医療専門家会議に諮って定めることとするという決まりがございます。そういったことで、もし皆様方がこれからの審議でどうしても参考になると思いますので、私としては配付したいと考えていますが、どうでしょうか、委員の先生方、よければ配らせていただきますが、いいですか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
 それでは、事務局の方から、資料がございましたら、配っていただきたいと思います。
 なお、傍聴者の方々には申しわけないのですけれども、部数が足りませんので、後ほどホームページの方でごらんになっていただくようにしてございますので、御了承いただきたいと思います。一緒に提出されてきた書類でございます。
 「修復腎移植に関する臨床研究実施計画書」というものでございます。これを委員の先生方は一緒に見ていただきながら、これからの議論をしていただきたいと思っております。よろしいでしょうか。
 本日の案件の進め方でございますけれども、事務局の方から幾つかの説明をさせていただきます。次に、評価を担当いたしました斎藤先生の方から、事前評価結果についてお話しいただきます。続きまして、私は腎臓の内科の専門ですけれども、特に移植そのほかの専門であられます心臓の外科であります北村座長代理の方から意見書を出していただいておりますので、その説明についてやはりしていただいて、その後、総合的に皆様と議論するということにさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、まず、評価療養の範囲についてということで、事務局から資料が提出されております。これについて事務局の方からご説明をお願いいたします。
○医療課企画官
 事務局、企画官でございます。
 お手元、別紙1ということで、綴じ込んだ資料がもともとお配りしてあったと思いますけれども、これは網かけの部分がコピーで消えておりますので、差替えで、同じ内容でございますが、網かけをちゃんと写し出す形で配り直させていただいたものがございます。ここでは、配り直させていただいたものをベースでごらんいただきたいと思います。
 それでは、別紙1、これは事務局提出資料となっておりますけれども、今回の案件につきまして御審議をいただく前提といたしまして、評価療養で実施をするということになりますので、評価療養の範囲について整理をしておくことが必要です。お手元の資料1で論点と掲げてございます。今お話をさせていただきましたとおり、1つ目の○でございます。これは適正な医療の効率的な提供を図る観点ということで、評価を行うということでございますので、その対象範囲については、これらを踏まえて適切な設定が必要と、これが大前提でございます。
 2つ目の○でございますが、簡単なイメージ図を書いてございます。今回の届出書におきまして、評価療養の範囲というのが移植用腎修復術、これは摘出した腎からがんを切り出し、修復する手技のみとされておりまして、病腎を採取する手術や病腎を移植する手術は保険の範囲内という取扱いで申請がなされております。
 そこで、論点、2つございまして、その下に(1)、(2)と書いてございますけれども、まず1点目は、ドナーからの病腎の摘出に関しましては、通常の保険診療で行われております移植用腎採取術というのは健康な腎、いわゆる健腎でございますので、病気の腎臓を摘出するという部分については、別途評価が必要だと考えておりまして、評価療養とすることが適切ではないかと考えます。
 それから、2点目の論点(2)でございますが、レシピエントへの病腎の移植につきまして、本件は、病気の腎を移植するということを評価するわけですから、当該技術につきまして、評価療養として実施をするというのが当然前提になると私どもでは考えております。
 めくっていただきまして、したがいまして、ということですけれども、評価療養の設定といたしましては、今、御説明させていただいた論点を踏まえますと、これはイメージ図でございますけれども、ドナーに実施する部分につきましては、少なくとも病気の腎臓を摘出するという手技に特化した部分につきましては、評価療養とすべきですし、レシピエントに実施をいたします病気の腎臓の移植についても評価療養とすべきと私どもでは考えておるということでございます。
 事務局からは以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 今、病腎移植に関しての評価療養ということで御説明いただきましたけれども、どなたか御質問ございますでしょうか。
 どの部分が評価療養であり、どの部分が保険になっているかということですが、今お話しいただきましたように、移植用の腎の修復はもちろん、病腎の移植のところも、あるいはドナーに行われるものも一部評価療養だろうということでございますが、これに関して、御質問、御意見ございますでしょうか。
 もし御意見がないようでしたら、それでは、今、御説明いただいたとおり、評価療養については、この資料のとおりということにさせていただきます。
 そうしますと、これからの審議の結果にかかわらず、申請は、評価療養の範囲を改めて直していただいて出していただくということになりますね。
○医療課企画官
 そのように考えております。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 一応、事務局の方で当たっていただいたところでは、そういう形でするということですが、今日は審議の方も大切でございますので、もしこれを今日議論させていただいて、どうなるかにもよりますけれども、その点はまた改めて直していただいて出していただくということにさせていただいて、議論を進めさせていただきたいと思います。
 中川先生、どうぞ。
○中川構成員
 そうなると、先−2の資料の5万2,000円、74万7,000円という数字は大体どのぐらいになりますか。
○医療課企画官
 事務局、企画官でございます。御指摘のとおり、この数字は当然変わってくると思います。現時点でどの程度になるのかというのは、少し精査が必要です。今回はまだ未定だということでございます。
○中川構成員
 大幅に変わるという理解でいいですね。
○医療課企画官
 企画官でございます。金額の多寡につきましては、はかりかねますので、いずれにしてもそこは精査をさせていただきたいと思っております。
○中川構成員
 わかりました。
○猿田座長
 そのほか、どなたか御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
 今のお金の問題は、もう一回ちゃんと当たっていただくということにさせていただきます。
 それでは、続きまして、もう一つ、論点の整理としまして、今回の病腎の移植というか、腎移植ということは非常に大切な議題でございまして、医学的にも、あるいは倫理的にも非常に重要な課題でございますので、あらかじめ事務局の方で一応整理をしていただいたということで、わかりやすく議論を進められるような形での整理をしてくださいということで、資料を提出していただいております。これらについても事務局の方で説明していただけますか。よろしくお願いします。
○医療課企画官
 事務局、企画官でございます。先ほどの資料の下に事務局提出資料ということで、今回の届出案件、病気腎移植に関しましてはいろいろな論点が指摘をされておりますので、論点につきまして課題として整理をさせていただいております。簡単に御説明させていただきますと、両面で一枚紙でございます。大きく3点に分けて課題を整理しております。
 まず、1枚目の表ですけれども、1点目、これは技術的(医学的)な課題に類するものでございます。技術的(医学的)な課題、大きく2つに分かれると理解しておりまして、ドナー側、レシピエント側でございます。(1)、(2)に分けてございます。
 まず(1)ドナー側でございます。ドナー側に及ぼす影響等については、医学的な評価が必要だということでございますが、そこにつきまして4点考えられる論点、課題があると私どもで整理をさせていただきました。マル1からマル4でございますが、まずマル1でございます。
 ドナーの方から提供後に残存する腎機能、これは健康影響も広く含めてかもしれませんけれども、これに関する評価が必要ではなかろうか。これはすなわち、腎の部分切除術を行いまして、腎機能を温存した際の予後と、腎を全部摘出することを行った場合のドナー側に対する予後を比較する必要があるということでございます。
 2点目の論点は、移植用の腎採取術を行うことによる影響を評価する必要がある。これは具体的に申し上げますと、括弧に書いてございますけれども、通常の全摘術と血管の結紮順序が異なる等の手術の操作が違うということが指摘されておりますので、これに関しますドナーに対するがんの播種のリスクとか出血リスクなどの評価が必要ではないかという課題でございます。
 3点目。腎を全摘する際には、摘出腎に関する病理学的な検索を実施するということが必要だという指摘もございます。これによってドナーが得られるメリットというのはどういうものがあるのかという評価が必要であると。
 最後、4点目でございますが、小径腎がんであっても、つまり小さな腎がんでありましても、患者の医学的な要件から全摘術を適用せざるを得ないような条件があり得るのか、あり得るとすればどのようなものがあるのか、といったことも含めてどのような患者像、小径腎の状態であればという条件についての評価が課題になるのではないかということでございます。
 次に、技術的(医学的)な課題の2点目、(2)レシピエント側でございます。病気腎移植に伴うドナーからのがんの伝播のリスクにつきまして、医学的な評価が必要ではないかということでございますけれども、具体的な論点を2つブレークダウンしています。1点目は移植後の発がんリスク、あるいはがんの伝播のリスクの評価が必要ではないかということでございます。
 2点目は、透析を継続することによりますレシピエントの健康影響にはどのようなものがあるのかという評価が必要ではないかという課題、2点目でございます。
 以上が、非常に簡単ではございますが、医学的(技術的)な課題でございます。
 次に、大きく3つに分けたうちの2点目ですが、倫理的な課題があるのではないかという指摘がございます。これにつきましても、大きくドナー側、レシピエント側に分けてまとめさせていただいております。
 まず(1)ドナー側でございます。病気腎移植のドナーにとりまして、メリットはどのようなものがあるのか、あるいはどのようなデメリットがあるのかということを踏まえまして、患者さんの同意が仮にあったとしても腎全摘は認められないと考えるのか、あるいは患者に対する適切な説明と同意があるのであれば認められるのではないかといったことにつきまして整理が必要ではないか。これが1つドナーサイドの課題でございます。
 次に、レシピエントサイドの課題でございますけれども、病気の腎移植のレシピエントにとって、発がんリスクについて、これは一般的な治療リスクと同列にとらえまして、透析継続と健康影響と総合して判断することができるという立場をとるのか、あるいはそういった程度の差によらず、これは認められないとするのか、ここについての整理が必要ではないかという論点でございます。
 大きく分けた3つの最後の点でございますけれども、実施をするということになった場合のさまざまな手続といった課題についてでございまして、(1)から(3)まで3つに分けてございます。
 まず1点目ですが、仮に実施をするという場合に、実施手続に関する基準、実施施設に係る基準につきまして大きく2つの課題、論点があるのかなと。
 1つ目としまして、小径腎がんに対して部分切除が実施可能な施設であるということが1つ基準として掲げられる課題ではなかろうか。
 2つ目は、摘出施設、これはドナー側に係る医療でございますけれども、それから、移植施設、これはレシピエント側に係る医療でございますが、これらの連携につきまして、透明性とか公平性、これらが担保できなければいけないということに当然なりますので、これらを担保できる仕組みをどう整備するのかというのが基準上の課題ということになります。
 残り(2)、(3)、これはドナーサイド、レシピエントサイド、それぞれについての課題でございますが、まず、ドナーサイド、患者さんサイド、ここにつきましては、中立な立場から説明を行って、移植用の腎を提供するということを仮に行うとするならば、適切な説明に基づき同意を取得することを担保できるような仕組みとしてどういったことを整備する必要があるのかという課題がございます。
 最後、レシピエントサイドの話につきましては2点ございまして、まず、レシピエントは、第三者を含めた複数の方々の登録及び選定等の手続が必要になってまいりますので、これらにつきまして、透明性、公平性が担保できる仕組みが必要だということになり、これらの整備が課題になります。
 更に、レシピエントの登録時、あるいは移植術の実施時におきまして、中立な立場から、先ほど、医学的な課題の整理をさせていただきましたが、さまざまな課題につきまして、病気腎移植のリスクを含めた説明を行って、同意を取得することが担保できる仕組みをどう整備するのかという論点課題がございました。
 簡単でございますが、事務局といたしましては、こういった課題があるのではないかということを整理をさせていただきました。
 以上でございます。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 非常にわかりやすく説明していただきまして、今お話がありましたように、医学的な技術的な面の課題と、それから、大切な倫理的な課題、3番目は実施手続上に関する課題ということで、移植の場合にはドナー側とレシピエント側と両方の問題がございますので、その面に分けて、非常にクリアカットに書いていただいたのではないか、御説明いただいたのではないかと思います。
 それでは、委員の先生方から、今の御説明に関しまして、どなたか御質問ございますでしょうか。どうぞ、中川先生。
○中川構成員
 3ページの(1)のマル4ですが、病腎移植、腎臓がんを伴ったものの移植は、4センチ以下のものと考えていいんですね。対象になるのは。
○猿田座長
 そこはどうでしょう。大きさに関しては、4センチだ、3センチだ、いろいろなことがございます。おっしゃるとおりなんですけれども、そのあたりをどうぞ事務局の方から。
○事務局
 提案書の中には4センチということで書いてありますので、基本的には4センチということを想定しておりますが、それについては、専門家の御意見で多少上下はあり得る話でございますが、基本的には4センチという提案書に沿った考え方をまとめております。
○中川構成員
 そうなると、マル4の小径腎がんであっても患者の医学的要件から全摘術を適用せざるを得ない条件というのは、どういうのが想定されるんですか。想像し難いのですが。
○猿田座長
 おっしゃるとおりで、そこのところがこれからの専門家の方の議論のところで、非常に大切な点でございます。実際に今の3センチ、4センチというところでは、海外のいろいろな論文が出ていますけれども、そこのところは非常に問題があるところだと思います。
 事務局の方でございますか。何かありますればどうぞ。
○斎藤構成員
 よろしいですか。非常にまれなケースだとは考えられますけれども、腎がんのあった場所は、残すには難しい場所であるということが小径でも一つあると思います。
 あと、もう一つ、病気のところだけ取りまして、また本人に戻すというのは、我々はそういう考えが基本なのですが、その場合も、高齢者の場合、腎外傷を帯びた腎臓を戻すということは、安静期間も長くなるということは、肺炎になるリスクがありますし、特に高齢者で循環器、また肺疾患があった方は、全摘の方がリスクが少ない場合もあるという、そこら辺のケース・バイ・ケースだと思います。
○中川構成員
 ということは、高齢者とか全身状態によっては、小径腎がんであっても部分切除は必ずしも推奨されないという理解でいいですか。
○斎藤構成員
 基本的には、今はほとんどが部分切除に大体動いています。ですから、残す方が基本だと思います。ですけれども、残すことによってリスクが生じると考えられる場合は取らざるを得ないという場合があります。
○中川構成員
 じゃ、レアケースということですね。
○斎藤構成員
 私はそう考えています。
○猿田座長
 あと、先生がおっしゃったように、できている場所にもよりますよね。そこがポイントかと思います。
 ほかにどなたか御意見見ございませんでしょうか。
 事務局の方、何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 これまでのところがこれから議論を進めていくための論点の整理ということで、大体おわかりいただけたかと思いますが、これで大体状況をおわかりいただいたらば、斎藤先生の方からこの案件に関しまして御説明いただけますでしょうか。それでは、斎藤先生、よろしくお願いいたします。
○斎藤構成員
 意見書の方に直接いってよろしいでしょうか。配られた資料では7ページになると思います。
 移植用の腎修復術に関する意見書ということで、今、事務局の方は非常にクリアカットにまとめていただきまして、議論のたたき台ができたと思います。
 まず「はじめに」ということで、日本移植学会倫理指針の序文にもあるとおり、移植医療を通して人々の生命を守り、生活の質を向上させることに寄与することが、この分野の医療従事者の使命である。この使命を果たすために、新しい技術を開発し普及させることは、国民から移植医療に携わる者に付託された責務と考える。しかし、移植医療には、通常の医療としての諸問題以外に、臓器の提供者(ドナー)を必要とするという特殊性があり、それに随伴する倫理的な配慮が不可欠である。また、新しい医療技術の開発は、それによって現在、直接に得られる効果のみならず、その技術が将来にわたって人類に及ぼす影響についても、慎重に考慮されなければならない。さらに、その技術を人体に応用する場合には、その対象となる人の人権を保障することを前提としなければならない。ということは、今、事務局の方からも言われました。
 それで、マル2としまして、生体臓器移植についてということですが、健常であるドナーに侵襲を及ぼすような医療行為は本来望ましくないと考えます。臓器移植の望ましい形態は、死体からの移植です。そのために、臓器移植に関する取組は、基本的に死体移植をどのように推進するかに重点が置かれるべきであり、我が国においては、さらに取組を推進する必要があると考えます。生体腎移植については、特に、臓器の摘出によって、生体の機能に著しい影響を与える危険性が高い場合には、これを避けるべきです。例外としてやむを得ず行う場合には、各種倫理指針を遵守し、ドナーの安全には細心の注意を払うべきです。これらの考え方は、病腎移植について検討する際にも非常に重要な問題になると思います。
 病腎移植に関する総論的な意見ということで、臓器の提供者(ドナー)についての倫理的配慮等の特殊性があります。新しい移植医療に関する医療技術の開発においては、患者に害を与えないのが原則であり、特にドナーに対しては、最大限の配慮が必要です。
 その他ございますが、4番に飛ばさせていただきます。
 「移植用腎修復術」という名称について。今も事務局から提案がございましたけれども、届出では、移植用腎採取術、病腎移植術を保険診療で行うため、摘出した腎を修復する技術のみが先進医療であるとしているが、病腎摘出に伴うドナーへの影響も評価すべきであり、根治的腎摘術に加えて移植用病腎採取術、病腎移植術について一連で先進医療としてそれぞれの安全性や有効性について検討すべきである。これが大きな問題かと思います。
 主にドナーについてこれから述べます。マル5ドナーの安全性について。
 根治的腎全摘術と部分切除術の安全性の差。
 近年、小径腎がんに対しては、全世界的に根治的腎摘術ではなく、腎部分切除術が標準的治療として推奨されています。米国、欧州、日本、いずれにおいてもガイドラインではそのように記されています。
 根治的腎全摘術と腎部分切除術では、長期の生存率が異なると考えられます。ある文献では、10年生存率が根治的では82%、腎部切では93%と10%以上の大きな差がついております。腎全摘、要するに片腎を取った場合は、慢性腎症になる可能性が高いため、心血管系の合併症になる可能性が高まるためであると考えられています。
 このリスクがドナーに対して十分な説明がなされ、同意があれば許容される範囲のものであるか否かについては、十分な検討が必要であります。少なくとも、届出書にはこれに対する言及がございません。この点は十分に検討する必要があります。文献等のエビデンスの追加提出が必要と考えます。
 (2)腎摘出の操作手順が異なることによる安全性の差
 腎がんの根治的腎摘術では、腎臓の剥離ということは、腎臓を剥離するときに腫瘍をもんでしまいます。そういうことを防ぐために、まず、腎臓の動脈、続いて腎静脈を結紮して切断して、がんが血管性に播種、転移しないようにしたあとに、腎臓の周りを剥離するという操作を我々は行っています。
 一方、移植用腎採取術では、腎臓に対する血流を残すために、つまり、虚血時間を短くするために、腎周囲の剥離を行ってから腎動臓静脈を結紮する。そのため、移植用の腎採取では、根治的腎摘術よりもがんの播種リスクが上昇すると考えられます。届出書の添付文書には、腎細胞がんの摘出より部分切除の方が若年者では術後10年の予後が良好ということもあります。術式によりがんの播種や持ち込みの危険性が左右されることは非常に少ないことが示唆される。現在までに85例のがんの云々が書いてありますが、これらのことが記載はあります。
 その他のことは、申請書に書いてありますので、またよく読んでいただければいいかと思いますが、少し飛ばさせていただきます。
 (3)長期予後に関するデータについてということで、有効性・安全性に根拠として添付されている文献、オーストラリアで行われた43例、日本で行われた8例については、主にレシピエントの有効性・安全性についてのものであり、オーストラリアの文献については、ドナーの長期予後に言及されていないため、ドナーの長期予後は不明である。要するに、腎臓を摘出して、提出した方がどうなったかということが評価がありません。オーストラリアで実施された43例については、ドナーの長期予後について言及するものがあれば、併せて検討すべきであり、また日本で行われた8例についても、文献は実は2008年時点のものということであり、最新のフォローアップに基づいた文献又は報告書、文献と同等に評価可能な生存の確認、腎機能の検査等に基づき検討することが必要です。
 また、現在実施している臨床研究10症例についても、ドナーのフォローアップ計画を長期間行うものに変更すべきであります。フォローアップの方法等についても明示すべきであります。最新のフォローアップに基づいた報告書を検討することが必要であるということになります。
 (4)へ行きます。臨床研究のプロトコルについて。
 ドナーの安全性に関わる部分については、記載されている部分からは不明確な点があります。仮に、修復腎移植術を先進医療で実施するとしても、変更が必要と考えられます。
 術前には病理学的検査ができないため、どのように術前に良性腫瘍の除外診断を行っているかを明確にしなければなりません。
 ドナーに対する説明においては、例えば、上記のように、根治的腎部分切除のリスク等について定量的に言及すべきであり、同意書についても、届出書と一括して、先進医療専門家会議で検討を行う対象とすべきであります。私が見た限りでは、同意書は見られませんでした。
 ドナーに対する説明においては、第三者性の担保に関する記載が不明確であります。関係学会等専門的知識のある第三者が関与し、透明性がある形での説明がなされるよう、記載を修正・明確化することが求められます。
 現時点では、病腎移植は生体腎移植の一種と考えられる。生体腎移植の実施に当たっては、日本移植学会等の倫理指針に則って実施されるべきと考えます。10例実施された臨床研究については、どのような同意・説明の手続を行ったか、詳細、要するに、だれが、いつ、どのような文書を用いてが不明確であるため、これらについて明確化すべきであります。また、第三者間で実施した症例があるが、これらについて、日本移植学会の意見を求める等、各倫理指針に定められた手続を行っていたかどうか記載がないため、追加して記載が必要です。
 レシピエントの有効性・安全性について。マル6でございます。
 レシピエントに対する説明において、第三者性の担保に関する記載が不明確です。関係学会等専門的知識のある第三者が関与し、透明性がある形での説明がなされるよう、記載を修正・明確化することが求められます。
 10ページ、(1)総合的な安全性・有効性について触れたいと思います。
 末期腎不全状態で透析を行っていることは、心血管疾患等のリスクが高い状況です。腎移植術後、それらのリスクが減少する等の効果があるとされる一方、免疫抑制剤を使う関係上、長期投与による感染症や発がん等のリスクがあります。近年の透析医療の進展は目覚ましいものがあり、特に我が国では透析における長期予後の改善が著しい。このような背景も十分に考慮の上、がんであった腎を移植するという、発がんのリスクを含めて、総合的に病腎移植がレシピエントの健康にどのようなメリット・デメリットがあるのか、総合的に明らかになるように整理された資料の提出が必要です。
 長期予後に関するデータについてということで、これは文献にも触れていますので、また読んでいただければいいのですが、途中ですが、最新の文献であれば、添付が必要である。この時点では4名が死亡しているが、いずれも病腎移植とは無関係とされています。しかし、2名はがんによる死亡であって、無関係と言える根拠について、4名とも可能な限り明確化する必要があります。
 また、がんが発生した1例についても、18か月のみのフォローが記載されていますが、最新、どういうことかも情報が必要かと思います。
 また、万波らによって日本で行われた8例についても、文献が2008年時点のものであるため、最新のフォローアップに基づいた文献、報告書が必要であって、2例は、移植腎が機能不全、2例は死亡、1例は消息不明となっており、残りの移植腎が機能している8名中の3名については、フォローアップ期間が1例は73か月なんですが、残りは15か月、12か月となっていまして、非常に短過ぎるという印象を持ちます。8名のうち2名は死亡しているが、いずれも病腎移植と無関係されていますが、無関係と言える根拠について、わかる範囲で明確化が望ましいということでございます。
 あとは読んでいただければわかると思います。
 3番目、臨床研究のプロトコルについて。
 レシピエントに対する説明においては、がんの持ち込みリスクのみならず、免疫抑制剤や手術操作自体のリスク等について定量的に言及するべきだと。したがって、同意書については、届出書と一括して、先進医療専門家会議で検討すべきであると考えます。
 11ページへ行きます。レシピエントに対する説明において、第三者性の担保に関する記載が不明確です。関係学会等専門的知識のある第三者が関与し、透明性がある形での説明がなされるよう、記載を修正・明確化することが求められます。
 レシピエントの選定基準については、公平性に問題がある記述が散見されます。具体的には、グループ病院で透析を行っている者を優先する、移植医の意見を十分に尊重する等の記載が見られます。その他の部分についても、公平性・透明性が保たれる仕組みに改める必要があります。また、第三者性の担保に関する記載が不明確であります。関係学会等専門知識のある第三者が関与し、透明性がある形での選定がなされるよう、記載を修正・明確化することが求められます。
 マル7施設基準について。
 届出における施設基準は、移植術を想定したものになっています。摘出術、移植用腎修復術、移植術の3者に対応した施設基準を検討する必要があります。また、専門医要件が不要である等、技術の実施に当たって不適切な部分があると考えられるため、さらなる検討が必要であります。
 まとめといたしまして、以上より、医学的、倫理的課題が多数あるが、提出されている資料だけでは判断できる材料が不足しており、現状では実施と認められず、さらなる検討資料が必要であると考えられます。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 非常に細かく意見書をいただきまして、この意見書と、あと、北村先生の意見書も説明していただいて、その後、追加書類の方の説明が必要であれば、よろしくお願いいたします。
 では、北村先生、申しわけございません。よろしくお願いいたします。
○北村座長代理
 今、泌尿器科の専門の斎藤先生からの意見がございましたが、私は、腎がん、あるいは腎移植の専門家ではございませんが、心臓移植の方に関係しておりましたので、移植全般からの意見を中心に述べさせていただきたいと思います。お手元の資料では、12ページから記載されておるところでございます。
 病腎移植医療、新しい医療として登場してきているわけですが、その実施には、腎がんを取り扱う腫瘍泌尿器科医と腎移植を行う移植泌尿器科医の考え方の接点が極めて重要であろうと思いますし、一方、ドナーとレシピエント双方の医学的・倫理的配慮の必要性も極めて重要な問題と考えます。この新しい医療の根本的な問題を十分検討し、日本国民全体への利益、福祉となるために、多くの関係者が賛同し得る形でつくり上げていく必要もあろうと感じております。申請者がその実施発表を外国で行われまして、大変な賛辞を得たというコメントもございます。そういうことを考えましても、我が国が考え得る最良の病腎移植のあり方と必要なインフラを整備すべきではないかと思います。
 まず、1)ですが、小径腎腫瘍の部分切除ではなく、全切除をする必要があるのはいかなる場合か。これは既に事務局の方、あるいは斎藤構成員の方からも御説明がありましたが、現在の医療水準から見て、どこまでが妥当な範囲か。つまり、我が国の医療水準から大きく逸脱しているということになりますと、それは問題が発生いたします。なぜならば、部分切除の残りが十分に腎としてレシピエントの方々に利用できるのであれば、ドナーの方々の方に残す努力、外国ではネフロン・スペアリング・サージャリーと呼んでいるようでありますが、それをできるように、我が国でそれを普及するようにすることも、まず第一に大事なことであると思うからであります。
 また、適切な同意があって行われていると申請者が述べておりましても、がん摘出者とその後の腎移植者が同一人物、あるいは同一組織内の医療関係者であってよいのかという倫理的な問題も感じます。病腎移植を進めたいグループが、同時にがん患者の部切か全摘かを告げる場合、説明する場合、偏重的な説明がされる可能性が存在すると考えるからであります。この場合、だれがコーディネーションをするのがいいか。グループ内のコーディネーターで十分であるのか、インフォームドコンセントはどうあるべきなのかなどの検討も不十分であると考えます。
 2つ目。病腎移植腎でのがん再発は少ないと報告されていますが、先ほどの御指摘もありましたように、フォローアップ期間は大変短うございます。免疫抑制剤使用後において、中・後期の合併症には、がんの発生は多いものであります。腎がんも少なくありません。それがドナー由来なのか、レシピエント固有のものかなど、重要な医学的な問題も注意深く見守らなければなりませんが、この術後成績を見ていくための施設への報告の義務も極めて重要であります。ドナー、レシピエントの関係は、親族間の生体腎移植とは異なり、連結を切るべきであると考えますが、病腎利用の長期成績を注意深く見る観点からは、連結可能とする必要があるため、連結可能、匿名化とするためには、より重要な個人情報の管理にも配慮が必要です。申請施設におきましては、「移植センター事務室」というものを設営されておられることは、それなりの進歩と考えますが、その信頼性をどのように担保させるかも未解決であります。
 3番目。当該病院における臨床研究報告書には、ピアーレビューが必要であろうと考えます。これはいろいろな不十分な点の指摘も斎藤構成員からございましたが、学会関係者はそれを希望していますし、倫理的なところも含めて患者への面談も希望しておりますが、当該申請施設はそれを受け入れる用意があってほしいと思います。法的な強制力はないかもしれませんが、すべて移植医療における透明性を高めるためです。新しい医療であるだけに検証が必要ではないでしょうか。2008年に出された宇和島徳洲会病院調査委員会報告で指摘された点が、今回の臨床研究の在り方の中では改善されたと思われますが、第三者的検証をすべきであろうと思いますが、それが本当に必要がないか、どうなのかということもやはり検討すべきだと私は感じます。
 4番目。病腎移植は生体腎移植でありますが、第三者からの提供である点が、通常の親族間の生体腎移植の場合と異なります。親族間の場合は、まず決定されたレシピエントが存在し、ドナーの決定は同時かその後になるわけですが、病腎移植の場合でのレシピエントの選択はどうあるべきなのか。「登録患者より公正公平に選定された腎不全患者に移植する」と記述されておりますが、やはり当該施設内の登録、あるいはNPO法人「移植の理解を求める会」という病腎移植推進の組織への登録で十分かどうかということも未解決です。それは、この問題を、曖昧さを残して行いますと、金銭上の問題を生じる土壌となり得ることを心配するからであります。そして、実際、最近での事件でも見られますように、移植医療ではこの問題を絶対に避けて通るシステムが求められるわけです。
 5番目。「医科点数表の解釈」。これは、斎藤構成員も述べられましたが、記載されているごとく、第三者からの腎提供の場合には、当然精神科医を含めたドナーコンサルテーションや当該病院の倫理委員会だけでなく日本移植学会に意見を求めてくるようにと明記されていますが、先進医療としての病腎移植では、保険医療部分も含まれますので、これはやはり遵守していただかなければならないのではないかと思いますが、今回の申請書ではそれが行われていないようであります。
 いずれにしても、この医療にはいまだ明確にすべき点が少なからず残っておると感じます。これらが移植医療者にとっては不安要素となっていると感じます。結論として、将来的には保険医療を目指す先進医療として病腎移植を承認する前に、先に述べたようなその在り方や諸条件の整備など十分に時間をかけた議論をしてほしいと感じます。そして、以上のような検証・整備を経て正当な理由で摘出された腎臓、それは先ほど中川構成員から斎藤構成員への御質問があったとおりでありますが、そういった状況で、なお修復後、利用できる腎臓であるならば、廃棄することなく移植片として利用されることには正当性が生じるのではないかと考えます。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 最初に事務局の方から病気腎移植の論点をわかりやすく説明していただいて、その後、腎臓の本当の専門家である斎藤先生の方からの御意見、それから、もっと広く全体として日本のこれからの移植を考えていくとどうだということで北村先生からの御意見が出たということでございます。この3つのそれぞれの立場からの説明で大分いろいろな状況がおわかりいただけたと思いますけれども、ここで、斎藤先生、もう一回、別紙の1ということと、それから、先ほど配らせていただいた書類、あるいは先方から提出された書類、まとめまして御意見をいただきたいと思います。斎藤先生、よろしくお願いいたします。
○斎藤構成員
 概略の方はすべてお話しさせていただきましたけれども、適格性の評価はまだ後でよろしいですか。
○猿田座長
 一緒にいただいて、あと、皆さんから御意見をいただいて議論したいと思います。
○斎藤構成員
 まず、5ページの方に申請のことが書いてありますので、また読んでいただければわかると思いますが、評価書は、その裏の6ページに書いてございます。先進医療評価用紙(第1号)として、先進技術としての適格性を述べたいと思います。
 先進医療の名称。移植用腎修復術。
 適応症。B.妥当でない。理由及び修正案としまして、根治的腎摘出術、腎修復術、病腎摘出術は一連のものと考えられます。ですから、現在のところは適応症としては適当ではないと考えます。
 有効性は、C.従来の技術を用いるものと同程度、又は劣る。ドナーの有効性は考えられません、という判断です。
 安全性。これは、評価不能ということです。
 技術的成熟度。C.当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制をとっていないと行えないと考えます。
 社会的妥当性(社会的倫理的問題等)。B.倫理的問題等があります。
 現時点での普及性。C.罹患率、有病率から勘案して、普及していない。
 効率性。既に保険導入されている医療技術に比較して、効率性は同程度又は劣るというC評価と考えます。
 将来の保険収載の必要性。これは、現在のところ、データが少ないので評価不能ということにいたしました。
 総合評価としまして、総合判定は、保留。コメントといたしまして、医学的、倫理的課題が多数あるが、提出されている資料だけでは判断できる材料は不足しており、現状では実施は認められず、さらなる検討資料が必要であると考えます。
 以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 先進医療専門家会議におけるまとめとして、今、斎藤先生からこういう御意見をいただきましたが、それでは、委員の先生方から、今までの御説明を総括いたしまして、御意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。中川先生。
○中川構成員
 斎藤先生の7ページから8ページにかけての所です。一連で先進医療としてというふうにおっしゃっているのと、先ほどの2ページの事務局の網かけ、これは一致していますか。ちょっと違うのではないかなと。全面的に網かけということを斎藤先生はおっしゃっているのかなと思うのですけれども、違いますか。
○猿田座長
 どうぞ、事務局。
○医療課企画官
 斎藤先生の御指摘を踏まえるといいますか、そういう趣旨で改めて見てみると、もしかしたら、詳細に言うと違うかもしれません。と申し上げますのも、私どもの認識は、事務局提出用の2ページに書かせていただきましたけれども、ドナーに実施する部分につきましては、微妙に線の書き方を変えているのですけれども、点々点と、そこに明確な線は、恐らく引ける部分、引けない部分があるのだろうと思います。ですから、すべてについてということでは必ずしもないのだけれども、かなりの部分については、この技術固有のものがあるはずですので、そこについては少なくとも評価療養ですということでございます。ここは、いずれにしても届出者にもう一度確認をして、どういうふうな手技なのか、そういったことをもう一回調整が必要だと思います。現時点で私どもとしては、斎藤先生のお話と必ずしも全部一致しているとまでは思いませんけれども、全く違うという趣旨でもなく、そこは調整の余地があるのかなと考えております。
○猿田座長
 どうぞ。
○中川構成員
 移植を前提として腎全体を摘出するということは、当該手技に特化した部分というふうになりますか。考え方としては。表現として。
○斎藤構成員
 ここで説明しておりますように、主に血管の処理又は阻血時間等において、残すためだと、最後まで血管を結ばない。取るためだと、一番最初に血管を結ぶ。ということは、ドナーに対するメリットが全然変わってくるわけですね。実は、血管を取る長さに関しましても、これは技術的な問題になって申しわけないのですが、腎臓を取るということになりますと、人体、要するにドナー側の結紮を二重又は三重にして安全性を図る。じゃ、もう一つは、移植腎として取る場合は、できるだけ腎臓側に長い血管を取って、ドナーに対しては1回しか結ばない、又は2回しか結ばないというふうに、手術手技的には細かいことまでお話ししますと、かなり異なってまいります。だから、どこまでが高等な技術なのか、どこまでが一般的な取り方と同じなのかというと、かなりファジーなところも出てきますので、そこは一つ一つ詰めていかなくてはいけないと考えております。
○中川構成員
 腎を摘出して移植するまでのタイムリミットというのはどのぐらいなんでしょうか。
○斎藤構成員
 それこそ残された腎臓の機能のケース・バイ・ケースですけれども、移植しない前提で言うと、腎臓の阻血時間は40分から1時間以内と我々は考えております。
○中川構成員
 なぜ聞くかというと、北村先生がおっしゃったレシピエントの公平性、平等性の観点から、抽出した医療機関と近くなければならないのではないかということがあるのではないかと思ったから聞いたわけです。いかがでしょう。
○北村座長代理
 僕からお答えすべきかどうかわかりませんが、死体腎移植、あるいは脳死腎移植の場合は、腎臓は、温阻血時間と云う体温が高い37度の状態での時間を短くするために、心臓死の場合は早くカテーテルを入れて、冷却、カニュレーションして冷やすのですが、取り出してから冷却した状態でも、許容時間は延長できます。ですから、心臓死腎移植の場合、半日ぐらいは十分いけますので、病腎移植も脳死から、あるいは心臓死からの提供と同じように、すぐ冷却を開始して行えば、広範搬送ということもできないというわけではないと思います。

○猿田座長
 例えば、この間、小児からの腎提供がありました。あの時の小児腎の移植を受けられた方は、移植後、順調であったとうかがっています。あれはかなり時間がたっていましたけれども、いい状態が保たれたということでございます。
 ただ、先ほどありましたように、ドナーの問題が非常に大切なことで、ドナーがどれだけこういったことをやることでメリットがあるだろうか。もちろん国民のために少しでも自分の体を提供しようということで、その点ではメリットがあるかもしれません。ただ、特にがんの場合には、ドナーの方に迷惑がかかることは非常によくないだろうということで、その点は十分、手術上の問題でも注意してやっていかなければいけないだろうということかと思います。
 ほかの先生方、御意見を。どうぞ、田中先生。
○田中(憲)構成員
 この申請には解決すべきところがたくさんあるということは、今の御説明でよくわかりました。それで、将来こういういろいろな問題が解決された場合には、この技術そのものが移植医療に画期的な治療法という位置づけになるような技術なんでしょうか。
○斎藤構成員
 これは難しい御質問なのですが、レシピエントの方は、腎臓が日本の現状は足りないので、1つでも、数少なくてもこういう技術があれば、望んでいることもよくわかりますし、技術的にも今の医療技術で十分日本では可能だと考えていますが、これをやることによってドナーが重大な損害を受けるということが将来的に恐らく出てくる可能性がある。要するに、病理的な判断ができない。要するに、腎がんの場合は、小径でも10年後に転移したとか、又は我々、ドーターチューマーといいますが、画像上見つけられる大きなメイン腫瘍の周りに、星のごとく、娘又は孫が散らばっている場合があるわけですね。それを移植してしまう可能性が十分あるということなので、そこら辺を考えると、ドナーの人権をどこまで、また、ドナーの医学的な権利をどこまで求めるか。また、それをドナーがどれだけ倫理的に理解できるか。ドナーに関して、細かいことに踏み込みますと、患者さんは、がんと言われただけで頭が真っ白ですから、それプラス移植ということがもう一つ入ってくると、ドナーだけでなく、御家族も含めて、そこら辺のところをどういうふうに心の中におさめられて納得していただけるかということが問題になりますので、単なる技術的な問題だけではなくて、そこら辺のところが将来的には問題が残ると。かなり長期的に評価しないといけない問題である。1年やそこらで結論がつけられる問題ではないと考えております。
○猿田座長
 今、田中先生から御質問がありましたように、最先端の医療をいかに安全に国民に早く届けるかということが先進医療専門家会議の一番重要な点で、しかもそれが広がるためには、いずれ保険の収載までいけるだろうか、そこが非常に重要なポイントでございます。
 もう一つ、最先端医療において重要なことは、新しい医療と安全性ということ。ここだけはしっかりと確約されなければいけないだろうということだと思うんですね。どうぞ、竹中先生。
○竹中構成員
 私も外科系の医者ですけれども、外科医とすると、機能を持った臓器は温存したい。この提案では2つある臓器の1つであるから、機能を軽く考えてもいいのではという議論が裏にあるようで心配です。どんな臓器でも、術者側とすると、有効な治療法としての手術は、低侵襲性で、温存した臓器をそのまま残したいというのがあるわけですね。そういう原則を腎臓だけ外すのかということになると、将来にわたってかなり、外科医とすれば、中川先生がおっしゃっている問題以外に、違う考え方を倫理上導入しないと、前へ進めないというのが1つあると思うのです。
 2つ目は、今日配られた資料で、登録病院と協力病院というのが出てくる。これは大きな問題だろうと。協力病院というのは、登録病院とどこがどういうふうに違って、摘出側に回る人を集める病院だとすると、そこの倫理性というのはかなり高い倫理性を持った基準をつくらないと、第三者の判定以外に、移植というものに対して協力病院というのがあっていいのかという考え方も出てくるかと思うのですが、そうすると、システムのつくり方と臓器の在り方という基本的な問題にいくのではないかと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございませんか。どうぞ、中川先生。
○中川構成員
 斎藤先生にお聞きしたいのですが、例えば、ステージ1の小径腎がんであっても、患者さんによっては全摘してほしいという患者さんが少なからずいるのだと推進する側の方はおっしゃるのですが、それはそうですか。
○斎藤構成員
 これはかなり説明の仕方によって違ってくると思うのですが、我々腫瘍外科の人間としては、使える腎臓があるなら、なぜ自分に戻さないの、というのが基本なんですね。他人にあげるよりか。それはなぜかというと、あくまで悪性腫瘍なので、再発だとか転移したときに、次の手、例えば放射線療法なり抗がん剤なり、いろいろな方法がありますが、セカンドオプション、サードオプションに入るときに、腎機能というのはものすごく影響するわけですね。それによって本来なら治るドースを使えるのに、腎臓が片方なくなったために、ドースを落とさなくてはいけないとか、そういう問題も出てきますので、社会的な問題で、例えば腎臓を取った方と、一部残した方では、入院期間は数日間しか変わらないのですが、その数日間を希望して、特に若い人は、早く退院したいから腎臓を取ってくれという方もゼロではないという程度の表現ですね。それ以上のことを、積極的に私の腎臓を片方取ってくださいという方はいらっしゃいませんで、逆に、患者さんとしては、腫瘍だけ取れないんですかという質問の方がはるかに多いですね。腎臓を全部取ってしまうんですか、腫瘍だけ取ってくださいよという患者さんの方が多いと考えます。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 もう一つ、私、この書類を見て感じたことは、病理所見も細かく一例一例がもう少し出てくるべきではないかと思いました。がんの場合には、腎臓は圧倒的にクリアセルカルチノーマ(グラヴィッツ腫瘍)が多いわけで、70%ぐらい、かなりですね。あるいはパピローマとか、そういったもののもう少し細かい病理所見が、今度出てきた書類には書いていない。前の方はありますけれども、今度出てきた書類には余り書かれていないんですね。ここは非常に重要なポイントだと私は思います。ですから、今度出し直したときは、そのあたりのところもしっかり出してもらわなければいけないだろうと思います。
○松原構成員
 私は門外漢ですけれども、確認したいのですが、基本的には、こういう臨床研究等を含めた形で倫理性を問うときに、ドナー側に対しては最良な処置をするということが求められるわけですね。そうした場合に、仮に摘出が可だと第三者が判断したとしても、今度は、実績が違った場合に、それがドナー側にとって最良かどうかという問題は残るわけで、あくまでも捨てるという場合には、最良な術式を取った後で捨てるものが再利用できるかどうかということが前提になるわけですので、最良な術式をとったもので、先ほど先生がおっしゃったことから想像すると、再利用はできないと判断するわけですか。
○斎藤構成員
 これは難しい問題なのですが、患者さんも個別性がありまして、例えば腎動脈の長い方、また、右と左でも違いますし、腎静脈の長い方によって、移植に適するか適さないかという問題は出てくるかと思います。ですから、一概には言えないと思いますが、先ほどの一般論としては、悪性腫瘍として取るという場合は、安全性を残してドナー側にある程度長さを残しますし、移植目的で取る場合は、できるだけ腎臓側に動静脈を残して、あと、手術しやすいような、生着しやすいような長さを残して取るというのが基本だと考えます。ですから、一概にこれができて、あれができて、これが不利になるというものでもなくて、中には利用可能な腎臓が残るかもしれませんし、手術時間は長くなりますけれども、腎動脈、静脈がうんと短くなった場合に、人工のグラフトでつなぐということもゼロではないと考えます。
○猿田座長
 ほかにどなたか。どうぞ。
○中川構成員
 斎藤先生の論文で、8ページの全摘と部分切除では10年生存率が82%と93%と大きな差があると、Journal of Urologyの論文を紹介されていますけれども、これに反論する論文はないのでしょうか。
○斎藤構成員
 探せばあるかもしれませんが、これは実は、私自身もこの時点のものはすごくバイアスがかかっていると思うのですね。どういう意味かというと、先ほど言ったように、高齢者はどうしても全摘になりやすいし、若年者で残す体力があって、しかも、小径は今4センチで議論されていますが、提出された資料でも1.2センチとか1.5センチとか非常に小さい。これは取らないで残すでしょうというようなものも実は散見されるのですね。そういう意味で、当然若くて腎臓が残せるような体力のある方は、それは生命予後も長いし、長いということは、評価可能な期間も長くなりますから、ちょっとバイアスがかかっているので、これのみでは言えませんが、一応今出ているものがこれぐらいしかないもので、議論のもとにするということです。
○猿田座長
 ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。
 先進医療の結論としては、先ほど斎藤先生がお話しいただきましたように、幾つかのまだ解決されていない問題点が残されていると。それから、北村先生の意見書でも同じように、幾つかまだ答えていただかなければいけない問題があると。結局、先進医療会議というのは、どんどん科学は進歩しまして、最先端の技術がきますから、その技術が、その時点で過去のことから変えて考えていかなければいけない。こういう新しいやり方も一つの考え方として生かしていかなければいけない。実際に世界的にもそういった動き、すなわち提供される腎臓が少ないならば、腎がんを取った後の残りの腎臓を使おうという試みもあります。それも確かに重要なことだと思うんですが、ただ、先進医療としてやっていく場合に、国民に対しての安全性は絶対に確保されなければいけない。先進医療でもし許可された場合には、先ほど言ったように保険の方へ行きますことと、もう一つは、今度は次の施設は、施設がちゃんとしていれば、届出でもできるような状況になっているんですね。そういったことをいろいろ考えますと、ここで本当に私どもの委員会として、これはいい技術であることはわかりますけれども、安全性がどれだけ確保できるか。
 特に、レシピエントとともに、ドナーの問題も非常に重要であります。きちんとインフォームドコンセントをとって、患者さん、家族にしっかりと理解していただくことであります。現在の高度医療評価制度ではファーストインマンでは、そういったプロトコルのときに同意書がどう書かれて、どういうふうになっているかというところまで全部委員会で検討しています。本当にこれで患者さんが納得するか、家族が納得するかというところでやっていきますから、もしそういった形でやったとすれば、ここにおいても当然それは必要と思います。特に私は、同意書はものすごく重要と考えます。
 今日、北村先生の御意見、斎藤先生の御意見もありました。それから、事務局の方も整理していただきましたけれども、一応私の考えでは、本日は保留の形にして、先ほどいろいろなことを挙げさせていただきました問題を少しでも解決していただくように、提出していただいた施設からもそういったことを出していただいて、もう一回議論させていただくということがよいかなと考えておりますけれども、先進医療専門家会議としては最終的には皆様の御意見で決めますので、どうぞ御意見をよろしくお願いいたします。
○中川構成員
 座長がおまとめいただいたのに申し上げるのは恐縮ですが、今回、評価療養という申請が出されたのですが、これは保険適用に向けて安全性・有効性を十分確認した上で保険適用にするかどうか判断するというものですね。病腎移植が現在保険適用にならないからといって、保険外併用療養を求めるという申請は、無理筋、場違いだと思うのです。ですから、保留という結論が誤解を与えないかという気もします。ということは、時期を置いてまた同じように申請を出すのではないかというのが1つ。
 先ほど斎藤先生から、レアケースであるけれども、小径がんであっても全摘をしなければならないということがある以上、病腎移植が今後普遍的な医療として根付く可能性もなくはないということは少しは残すべきだろうと思います。そのためには、高い倫理性と高い透明性と高い公平性、さらに3つ目として高い医学的な説得力、エビデンス、この3点が担保されなければならないと思うのですね。今回の申請は3点とも不十分だと思います。特に、申請した方は、関連5学会が明確に反対している以上、その5学会の理解を得るというか、納得するような努力を今後続けていただくということが必要だと思います。腎臓移植を希望してずっと待っている患者さんが本当に多いのですから、そのためにも少しの道は残すことも考えながら、今回結論を出された座長の努力に敬意を表したいと思います。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。
 そういう御意見ですが、先ほど申し上げましたように、先生方の御意見をまとめて結論にしたいのですが、どうか御意見をいただきたいと思います。なかなかこういう状況で決めることが難しいとすれば、私としては、場合によっては、先生方に紙を配らせていただいて、可否の意見をいただくのも一つのやり方かと思いますけれども。傍聴者の方もおられますし、いろいろな意見もありますし、本日の結論をどう決めさせていただくのがよいか御意見をいただければと思います。
○北村座長代理
 大変難しいし、移植を待っておられる方のお気持ちも十分いろいろわかっているつもりの上なのですが、継続審議にするのか、それと、今回の申請は、受け取れないので、いろいろな整備をするまで、これを却下すると申しますか、不承認とするのか、現時点では同じようなことかもしれません。しかし、今、中川構成員が言われたように、意味合いが違うのではないかと感じる人も少なくはないのではないかと思うのですね。現時点では、この申請の内容では、不承認とするか、あるいはこの内容で継続審議とするか、これはしっかりと議論していただきたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございます。確かに先ほど斎藤先生が言われたように、いろいろな点で答えていただかなければいけないというのがありますね。だから、それが本当に答えられるかどうかという点もありますし、中川先生がおっしゃるように、この時点のところで一回今の出された書類に関しては、やはり無理だということであれは、この処理としては否という形にさせていただく。これは先生方の御意見で決めますので、どちらをとればいいかということで、ほかの先生方、御意見ございませんか。辻先生、御意見はありませんか。難しいところだと思いますけれども。
○辻構成員
 分野が違うので、なかなか適切なコメントは出せないのですけれども、先ほどから出ていますように、公平公正な判断とか、医学的な十分な根拠とかということを考えると、先進医療の中で認める、認めないではなくて、もっと違う形のフレームワークで進める方が、より公正さは保てるのではないかということは感じました。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 戸山先生、いかがですか。
○戸山構成員
 やはり非常に難しい問題だと思うのです。北村委員が一番最初にお話ししたように、ある程度腫瘍と移植という両面がどういうふうな形でというのはすごく思うのですね。我々医療側は、確かに27万人ぐらいの方が透析をやって移植を待っていると。それを少しでも何か道があれば、それに向かうというものは決して忘れてはいけないし、そうあるべきだと思うのですね。ところが、その移植というものがある腫瘍側のところに少しでもダメージ、ないしは入り込むようなことはあってはならないと思うのですね。ですので、委員長が話したような安全・安心、確実な医療というものがまだそれに対する答えが出ていない以上は、今回のこの書類、提出されたものに関しては、私は不承認というものでもよろしいのではないかという感じがいたします。
 それから、もう一つ、北村委員の一番最後のところで、私もこのとおりだとは思うのですけれども、今ここのところで最後に、移植のところの移植片として利用されることはすべてがクリアできれば正当性があるというコメントを述べているのが、それでよろしいのか。手前の段階は私はわからないので、専門家ではないので、当然気持ちとしてはそういうふうな気持ちが非常に大きいのですけれども、現状がそこまでまだ言えるかところかどうかというのは私はちょっとわからないというところだけです。
○猿田座長
 ありがとうございます。
 松原先生、何かありますか。
○松原構成員
 申請された申請書では、透明性、公平性、医学的な妥当性、すべてにおいて不十分だと思われます。特に、どういう説明をするのか、同意説明文書すらないわけですから、非常にわかりづらい。すべての第三者機関と称するものがほとんどが施設の中にあるものであって、これが公平性、透明性が保てているとは言えないと思います。むしろ、こういった移植にあっては、関連した学会等がガイドライン的なものを出して、もし病気腎移植をするとすれば、こういったものをクリアしなければならないというものを示された上で、もう一度検討なさる方が、より合理的で説明性があるものだと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 田中良明先生、いかがですか。
○田中(良)構成員
 皆さんの意見が出ましたので、付け加えることはありません。
 専門外ですけれども、結局、小型腎がんで腎臓を摘出するような症例で、取り出した腎臓をただ廃棄するのではなくて、移植用に使えないかという素朴な考え方がベースにあるのではないかと思うのですけれども、そのときに、摘出する側とそれを利用する側というのが同じ医療機関の組織では、幾らなんでも倫理的にもおかしいし、透明性とか公平性に関しても反論できないのではないかという意見ですね。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 済みません、赤川先生もどうぞ意見をいただけますか。
○赤川構成員
 どう考えてもドナー側とレシピエント側の両方のいろいろな問題を含んでいます。関連する学会から見てもこれはおかしいということであれば、それらの指摘にきちんと説明ができるような状況をつくっていただいて、もう一度再申請されるのが一番いいかなと自分は考えます。
○猿田座長
 ありがとうございました。
 田中先生。
○田中(憲)構成員
 私は、いろいろな条件を整えて再申請していただきたいと思います。
○猿田座長
 わかりました。
 一応そういう意見で、この形では受け取れないということで否にさせていただいて、もちろんまた再申請の形でちゃんと、今問題を提起させていただきましたけれども、それをお答えいただければ、出していただくということで、北村先生、いいですか。
 それでは、先進医療専門家会議としては、この問題はこの形では通すことはできないということで、否という形にさせていただいて、ただし、今日挙げさせていろいろな点をクリアにしていただいてまたお出しいただければ、もちろん審査をさせていただくという形であることと、もう一つは、こういったことを議論するところは先進医療という立場でいいのかどうか、例えば移植のほうの対策室そのほかございますから、そういったこともよく考えていただいて、ともかく先進医療としては、今日のところはこういう結論にさせていただきたいと思います。
 委員の先生方、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第67回の先進医療専門家会議を終わらせていただきます。御協力どうもありがとうございました。





15時26分 閉会

【照会先】
厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03−5253−1111(内線3276)


(了)

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