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2012年9月7日 専門医の在り方に関する検討会(第11回) 議事録

○日時

平成24年9月7日(金) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
東京都千代田区霞が関1−2−2中央合同庁舎第5号館


○議題

「中間まとめ」の報告について 等

○議事


     専門医の在り方に関する検討会(第11回)





        日時 平成24年9月7日(金)
        10:00〜
        場所 厚生労働省専用第22会議室(18階)

○医師臨床研修推進室長 定刻になりましたので、「専門医の在り方に関する検討会」を開催いたします。本日、先生方にはご多忙のところご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。本日は高杉委員、高山委員から所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。また、文部科学省医学教育課からは、渡辺企画官にお越しいただいております。
 以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。高久先生、よろしくお願いいたします。
○高久座長 ただいまから議事を進めてまいります。まず、資料の確認を事務局からよろしくお願いします。
○医師臨床研修推進室長 お配りしている資料です。まず検討会の議事次第、構成員、座席表をセットにした2枚紙があります。次に資料1として、「専門医の在り方に関する検討会 中間まとめ」の成案です。参考資料も付けてワンセット一体としています。次に、資料2として「専門医の在り方に関する検討会 今後のスケジュール(案)」で1枚ものです。次に資料3として「引き続き議論が必要な課題について」、2枚セットです。
 次に、参考資料1といたしまして「前回(第10回)までの主なご意見」です。最後に、参考資料2として日本専門医制評価・認定機構の「専門医制度整備指針」をお配りしているところです。資料は以上です。不足等ございましたら、お申しつけください。
○高久座長 皆さんのお手元に資料があると思いますので、議事を進めさせていただきます。まず、本日の議事は「中間まとめ」の報告について、これは事務局からしていただきます。次に「今後のスケジュール(案)について」、さらに「引き続き議論が必要な課題について」の2つがあり、特に3番目につきましては時間がある限り、いろいろとご議論いただきたいと思います。
 まず議題1「中間まとめ」の報告について、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 お配りしております資料1「専門医の在り方に関する検討会 中間まとめ」です。本件につきましては、前回の検討会におきまして座長へのご一任をいただいた以降も、委員の先生方から細部の表現ぶりも含めて、様々ご意見を賜りました。おかげ様で、座長の最終的なご了解をいただいた上で、先月末、8月31日付ですが「中間まとめ」の成案として確定し、1枚紙の概要と参考資料とを併せまして公表をしたところです。委員の先生方におかれましては、ご協力方ありがとうございました。
 内容につきましては、前回、検討会の時点から大筋において変更はありませんので、この場での詳細なご説明は割愛させていただきます。ただ1点、「総合医」「総合診療医」の表記につきまして、若干の補足の説明をさせていただきます。「概要」の右方、「新たな仕組みの導入」の3つ目、5つ目の○にありますように、「総合医」と「総合診療医」についての表記はこのような形になっております。この部分につきましては当初、「総合医・総合診療医」との文言でお示ししておりましたけれども、その後の最終確認の過程で委員の方々から原案の表記では「・」の形で決定したかのように誤解されかねないというのが1つ、もう1つは「総合医」と「総合診療医」というのは現段階では同列であって、どちらにすべきかは、今後議論していくことになるので、そのことが、より明確になるように2つを並列表記すべきであるといったようなご意見がございました。このため、座長ともご相談申し上げた上、「総合医」「総合診療医」と2つを併記するとともに、この2つの名称は、現段階では1つの定義の下で一体であるという旨を明示するため、「_」を付すことといたしまして、この形で座長にもご了解を賜ったものです。中間まとめのご報告は以上でございます。
○高久座長 よろしいでしょうか。皆さん方、既にご覧になっていると思いますので、次の議題2「今後のスケジュール(案)について」、これも事務局から資料2に基づいて説明をよろしくお願いいたします。
○医師臨床研修推進室長 お手元の資料2をご覧ください。「専門医の在り方に関する検討会 今後のスケジュール(案)」です。これは先ほどご案内いたしました「中間まとめ」のうち、括弧書きで引き続き議論が必要とされた項目をすべて挙げております。ただし、順番につきましては、これからご説明するような趣旨から一部入れ替えております。中ほどに記載しておりますとおり、これはあくまでも現段階での1つの見通しです。検討の状況においては、弾力的に対応して設定してまいりたいと考えております。今回(9月7日)が第11回、ご案内のとおりです。第12回は(10月3日)を予定しております。ここでは専門医の養成・認定・更新について、専門医の認定機関について、サブスペシャリティ領域についての3つを挙げさせていただいております。これはいわゆるプロフェッショナルオートノミーに基づいた整理、あるいは運用が必要な項目をまとめたものです。
 次に第13回は専門医の養成数について、医療提供体制における専門医について、国の関与の在り方について、専門医の位置づけについて(医療制度上の位置づけ情報開示等)です。これらにつきましては、国の関与の在り方の関点を踏まえたご議論が、予想される項目をまとめたものです。
 第14回は、「総合医」「総合診療医」の在り方について、「総合医」「総合診療医」の養成について、医師養成に関する他制度(卒前教育、国家試験、臨床研修)との関係について、求められる専門医像について(「標榜医」「認定医」との関係)についてです。「総合医」「総合診療医」につきましては、ご案内のとおり池田先生の評価機構のほうで、別途検討会を立ち上げて検討を進められているところで、そこでの検討状況を踏まえて、本検討会でご議論いただくことが適当であると考えられるために、この後ろのほうに回しているものです。
 第15回以降、つまり年明け以降につきましては、以上を踏まえた最終報告に向けての検討を進めていただければと考えております。資料2の説明は以上です。
○高久座長 いま説明がありましたように、第12回、13回、14回となかなか大変な議題になると思います。特に、第14回の「総合医」「総合診療医」につきましては、池田先生のご尽力をよろしくお願いいたします。
 引き続きまして議題3「引き続き議論が必要な課題について」に移ります。事務局から説明をお願いします。
○医師臨床研修推進室長 大変恐縮ですが、1つ説明を飛ばしてしまったものがございます。参考資料1をご覧ください。「前回(第10回)までの主なご意見」でございます。こちらは参考資料ですけれども、従来どおり新たに賜わったご意見にアンダーラインを付して追加しております。「中間まとめ」の案文についていただいた意見につきましては、適宜「中間まとめ」自体に反映させていただいておりますので、基本的にはこの中には入れておりません。
 前回、門田委員から、偏在是正についてですが、「様々な議論があったのだから、その経緯は残すべきである」という旨のご発言をいただいたところですので、その部分の記述を多めに追加させていただいております。追加部分のみ、つまりアンダーライン部分のみ、一通り読み上げさせていただきます。
 1頁の(2)の2つ目の○「安心・安全な医療」というより、「信頼できる医療」が大事ではないか。そもそも医療は様々なレベルのリスクを含むものということを国民にも理解してもらう必要がある。
 ○「安心・安全」とは「死なない医療」であるという考え方が、患者と医療者の関係を損なっている面があるのではないか。医療の不確実性について理解を得るための患者・国民側に対する情報発信も必要である。
 2頁の○ 専門医は経験を有するのみでなく、適切な臨床訓練を受けていることが非常に重要である。
 3頁、下から6つ目の○ 専門医は単なる個人の能力認定という面だけでなく、その領域の診療を担う社会的責任という面もあるため、患者や他医師に対して所属などを含めた情報を開示することが求められるのではないか。
 ○ 専門医の情報を開示することは大切な視点であるが、開示を必須とすることについては慎重な議論が必要ではないか。
 ○ 患者が専門医にアクセスしやすい仕組みが必要である一方、開示によって重複受診を助長する可能性もあり、十分な議論が必要ではないか。
 11頁、中ほどの○です。日本の医療提供体制においてフリーアクセスは重要であり、専門医制度においてイギリスのようなゲートキーパーを位置づけることは適当ではない。
 12頁の下のほうの○です。専門医制度は何よりも医療の質の向上を目的とすべきであり、医師偏在の是正を目的とすることは避けるべきではないか。
 ○ 国の関与としては、偏在是正というよりも、研修病院や指導医に対する支援を行ってもらいたい。
 ○ プロフェッショナルオートノミーというのは、専門家がその領域を全般にわたり責任を負うという面もあるため、検討会として、偏在に全く関心がないというのは本来あり得ないのではないか。
 13頁の○ 地方の専門医の確保はプロフェッショナルオートノミーのみでは不可能であり、ある程度公的な介入が必要ではないか。
 ○ 医師偏在は全国的に大きな問題であり、あらゆる医療制度の議論はこのことを視野に入れて議論されるべきではないか。
 ○ 医師偏在については様々な意見が出ており、どのような意見があったかという経緯は残すべきではないか。
 15頁のいちばん下の○です。新制度への移行については、様々な議論があるが、具体的なやり方は、第三者機関において、各専門領域の状況も踏まえながら議論すればよいのではないか。
 16頁のいちばん上の○です。新しい専門医制度においては、必ずしも現在の専門医の在り方を全部保証するものではなく、移行を経てより良い制度を作る必要がある。
 追加部分は以上でございます。
 資料3「引き続き議論が必要な課題について」の説明をいたします。ここでは「中間まとめ」で、引き続き議論が必要とされた括弧書きの部分を全て抜き出して、順番については、先ほどの資料2の項目順に合わせて整理しております。本日は、これらにつきましてフリーディスカッションという形を賜りたいと思っています。その際、先ほど全体を3つのグループに分けましたが、これに沿って3つに分けてご案内したいと考えています。
 一応、一通り読み上げさせていただきます。1つ目の〈専門医の養成・認定・更新について〉でございます。
 ○ 領域別専門医に「基本診療能力」を維持させるためには、養成プログラムの中にその領域の専門性に関する項目だけではなく、「基本診療能力」に関する内容も一定程度盛り込むことについて。
 ○ 18の基本領域の専門医及び「総合医」「総合診療医」について、1人の医師が複数の認定を受けることについて。
 ○ 既存の専門医と新たな仕組みの下で認定される専門医との関係(新たな専門医への移行措置等)を、現実的かつ分かりやすい形で整理する方法について。
 ○ 多様な医師を養成するニーズに応えられるよう、専門医の養成プログラムの中に、例えば、研究志向の医師を養成する内容を盛り込むなど、バリエーションを持たせることについて。
 ○ 専門医の資格取得後も生涯にわたって標準的な医療を提供するという視点からの資格の更新の在り方について。
 ○ 医の倫理や医療安全、地域医療、医療制度等についても問題意識を持つような医師を養成する上で、例えば日本医師会生涯教育制度を活用することについて。
 2つ目が〈専門医の認定機関について〉です。
 ○ 第三者機関の設立にあたっては、組織の透明性と専門医の養成プロセスの標準化を図り、説明責任を果たせるような体制とし、運営資金に公的な性格を持たせることについて。
 ○ 第三者機関の運営と医師不足や地域偏在・診療科偏在の是正への効果について。〈サブスペシャリティ領域について〉です。
 ○ 基本領域よりも専門性の高いサブスペシャリティ領域の在り方について。
 以上がグループ1でございます。
 これらの項目に関連した資料として、参考資料2をご覧ください。こちらは先ほどご案内したとおり、専門医機構のほうで作成しておられます「専門医制度整備指針」でございます。
 1頁目の[はじめに]の中ほどに記載があるとおり、この指針につきましては、各学会での専門医制度の構築に関する基本的事項を指針として示したものであって、基本的考え方はこの指針に沿ったものとしてもらいたいというような趣旨のものでございます。今後の新しい専門医制度を構築するに当たり、プログラムの認定基準等をどのように設定、あるいは整備していくのかというご議論をいただく際の参考にしていただきたいと考えています。まず、グループの1つ目は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○高久座長 どうもありがとうございました。資料2の3つのことについて、今日ご議論いただくことに異論はないと思います。最初の問題は、専門医の養成・認定・更新について、これについていろいろとご議論をいただきたいと思います。いかがでしょうか。18の基本領域の専門医及び「総合医」「総合診療医」について、1人の医師が複数の認定を受けることについて、池田先生、いかがお考えですか。
○池田委員 基本的に、基本領域の専門医は、実際問題として、おそらく1つしか取れないだろうと思っています。原則として、複数認定を制度設計の中には入れないということだと思います。しかし、取ってはいけないという話には、なり得ないと思います。
 例えば「総合診療医」、あるいは「総合医」を取った後に初期研修を終わって、そのあと3年努力して専門医を取ったと。そのあと、やはりもう少し小児科でやりたいといったときに、また小児科のプログラムに入るということはあり得ると思います。しかし、そうした場合、結局、更新という1つのハードルがあります。更新は機構のほうでも、ただ学会に出て点数だけもらえばいいというような格好には全くしないということでコンセンサスが得られていまして、各領域の専門医制度の更新制度もだいぶ変わってきています。メディアの方たちがよく言うように、ただ学会に出て点数をもらってすぐ帰ってくれば、3年たてば更新できるというような形には考えておりません。実際、「整備指針」のところでも、更新の方向性みたいなものをずいぶん強調していますので、2つをしっかり更新していくということが、非常に難しい状況になってきているのではないかと思います。しかし、それだけ努力をされている人がいれば、それを妨げるものではないというのが、基本的な私どもの考え方でございます。
 ちなみに先生方に参考資料2として「専門医制度整備指針」をお出ししました。これは平成21年12月となっています。現在、第4版目を改訂中で、おそらく来年の頭ぐらいに刷り物として、各学会にも配付されると思います。その中ではプログラムということ、これはカリキュラムのことが書いてあるですが、プログラムをどのように作っていくかということも「整備指針」の中に盛り込むことになっていますので、参考までにです。
○高久座長 どうもありがとうございました。ほかにどなたか、この問題に関しましてご質問、ご意見はあるでしょうか。
○山口委員 山口でございます。専門医の位置づけをどうするかというところで、ちょっと申し上げましたが、従来の学会の専門医は、どちらかというと特定の個人が、どれだけの能力があるかという能力を認定するところに、メインがあったと思います。今回、第三者機関を設立して、そこで専門医を認定していくという中で、ただ単に専門医は、特定個人の専門領域における能力だけを認定するということではなくて、やはり、その領域における診療に関して、社会的責任も持っているという意味合いも、是非付けていただきたい。従って、例えば5年で更新するときに、その勉強をちょっとしました、しかし診療は全然やっていませんというような状況でも資格を更新できるというのでは、やはりちょっとおかしいのではないか。むしろ、5年間にその領域における専門医としてのそれなりの診療実績があったということが更新の条件にならなければいけないのではないか。そういうことで、専門医としての社会的責任を果たしているということも条件の中に入れるし、専門医を認定している意味合いに、そういう意味を是非入れてもらいたいと思います。従来の単なる能力を維持していたというだけの視点ではないものを、付け加えていただいたほうがいいのではないかと思います。
○高久座長 外科の場合は特にそうでしょうね、ある程度の例数が必要になる。池田先生、それは問題ないわけですね。
○池田委員 はい。資格更新のところでも、ずいぶん議論があり、いま山口先生が言われたとおりでございます。この「整備指針」の6頁にも「研修実績」とあって、「常に最新の医学医療の情報、時代に応じた医療倫理、医療安全、医事法制、医療経済、などの情報伝達内容を満たした研修」というようなことも書いてあります。学会に毎年必ず出ていればいいという格好よりも、むしろ学会は何年かに一遍出ればいいのではないか。それよりも、むしろ日常、どういう診療に従事しているかということ、診療の実績、手術件数等を大事にしていこうということを、基本的な考え方として謳ったということでございます。
○高久座長 専門医の認定機関として、第三者機関の設立ということが前から言われています。従来、この委員会でも問題になったのですが、第三者機関の運営と医師不足や地域偏在・診療科偏在の是正への効果について、どういうように考えられますか。
○藤本委員 いまのお話に関連してですが、学会でそれぞれの医師のレベルを一定にしようとすると、診療経験というのはとても大事だと思います。へき地で医師がなかなか来ない地域の住民としては、やはり症例がたくさん集まる病院に医師が集まるようになるだろうなと。そうすると私たちの地域では、医師はどうなるのだろうという不安があるのです。
 次の育成と医療提供体制とのからみでも出てくると思うのですが、学会の新しい研修制度ができた場合、それが、医師を地方から引き揚げて都会に集中させてしまうのではないかという懸念が地方としてはあります。その辺、どのようにお考えなのか伺いたいと思います。
○池田委員 いま言われたように、実は地域の先生から機構にも質問が来ました。更新制度を非常に厳しくした場合、地域で診療している人たちが診療実績等で更新できる条件をクリアできなくなる可能性はないだろうか、ということがありましたので、そういう状況を作り出さないような格好にしていかなければならない。
 ただ、その地域で実際に診療している方たちは、患者をその領域で見ているわけです。ですから、ある地域で診療するときに、患者がどのぐらいいるかで常に実績が出てきます。これは東京でも、あるいは都市でもそうかもしれません。都市は確かに患者が多いから医師が多いということですが、もし過剰に医師が多ければ、その人は更新できないということがあるわけです。これは常に医師と患者さん、ニーズとの関係で決まってくるような制度設計にすれば、防げるのではないかと思っています。
 その懸念を示された方がいらっしゃいまして、私どもはそういうような形で一応お答えしておきました。
○高久座長 それはやはり、専門医の偏在の是正ということにも将来的にはつながる可能性が高いですね。ほかにいかがですか。
○松尾委員 いまの点に関し、実際に専門医の認定に当たっては、確か各学会で研修施設や教育病院といったものをある程度指定して、そこで研修を一定期間しないと取れないという仕組みもあります。そうすると、いま藤本委員の言われたように認定指導医がいて、症例があって、そこで一定期間研修しないと、なかなか認定が取れないということがあります。おそらく、この制度を考えるときに「鶏が先か、卵が先か」という議論になるかもしれませんけれども、ある程度の研修病院は、地域的な配慮をして分散するといいますか、そういった配慮が制度設計上必要かなと思います。
○高久座長 そうですね、将来的に。いま、いろいろな病院の合併ということが実際に行われていますので、その時にそういう事を十分に考えてやってくださるといいですね。
○金澤座長代理 私も皆さんがおっしゃるとおりだと思いますけれども、あえて申しますが、これはかなり重要な問題で国民の皆さんの期待そのものをすべて実現しようとすることとの矛盾というのは、やはり常にあることを考えておかなければいけないと思います。
 自分の非常に狭い地域にどうしても医師が必要で、しかも専門医が必要だと言われますと、ここには無理が当然出てくるわけです。いま座長もおっしゃった病院の集約と同じ意味を持ってくると思います。専門医の集約というのは当然起こってくるわけです。そういう問題と、先ほど池田先生がおっしゃった最終的な像との間の途中の部分というのは、かなりいろいろ問題がある。やはり大きく変革しつつあるということを、私は国民の皆さんにご理解いただいたほうがいいのではないかと思います。あえて申します。
○桃井委員 現状でも、特に基盤領域の専門医育成においては、各学会で評議員の地域偏在がないように、研修施設も地域偏在のないようにということを配慮した配置が行われています。それでもいまの現状の状態なのですから、この専門医制度で地域偏在の本質的な課題を大きく変える方向に動かすのかは、かなり疑問に思います。専門医制度だけで、いまの地域偏在の大きな問題を、抜本的に大きく方向転換できるようなシステムにすることは、専門医育成という視点にマイナスを入れ込むリスクがあるし、それは無理であると思います。当然、偏在を助長しないという方向に考えなくてはいけませんし、プロフェッショナルオートノミーの理念からしても、当然、地域偏在は念頭に入れて考慮して、制度設計をしなくてはいけませんが、この制度によって抜本的に是正することを目的とするというのは、理念的にも地域医療提供体制からも無理があると思います。考慮しなくてはいけないということと、それを目的とするということは、全く意味が違います。医療提供体制そのものの問題を考えつつ、この専門医制度を設計するということは大事ですけれども、医師の地域偏在是正を目的にするということとは違うのではないかと私は思っています。
○小森委員 藤本委員がご指摘の点、こういった制度を作ることによって地域、特に限界集落が次々と生み出されている地方に医師がいなくなる。それは絶対にあってはならないことです。専門医・認定機構の指針等にも、かなり丁寧に書き込まれておりますし、また池田先生の下で、これからも議論が進められていくことと理解しています。地域医療が総合的な診療能力を有する医師のみで成り立つということではありませんし、そこには適切な数と能力を持った専門医が、それぞれネットワークを組みながら地域を守っていく。
 これからの議論であると思いますけれども、当然、藤本委員の不安はしっかり受け止めていきたいと思います。日本医師会としても、そのような制度設計にしてはいけないわけですので、そのあたりについては今後また丁寧に、地域の方々が安心できる制度設計を、これからまた細かいことで詰めていく必要があると思っています。
○高久座長 小森委員がおっしゃったように、ネットワークを作る必要があると思います。これはもちろん地域ごとで作らないといけないと思いますが、そのネットワークの中で十分に考慮していく。桃井委員がおっしゃったように、これで遍在ということは無理だと思うのですが、そういう方向に目指していくことしかないと思います。
○金澤座長代理 ちょっと追加です。小森委員のおっしゃるとおりで、私が考えていたのは実はネットワーク、もう1つ大事なキーワードがトランスポートなのです。つまり、アプローチできる空間的な利便性をセットでやらないと、これは絶対うまくいきません。その事を申し上げたかったのであって、皆様のご意見とそう違わないと思っています。
○今委員 八戸市立市民病院の今です。小規模な村とか地域には今回、専門医に加えていただける「総合医」「総合診療医」の増員で結構解決できるところがあると思うのですが、いま病院で起きていることが麻酔科医不足です。麻酔科医がいるのですが、その人たちは病院に勤めておらずフリーの立場で活動しています。彼らについて、このままだと病院の緊急手術が困っているわけで、外科側が非常に困っています。昼間の麻酔科医はバイトの麻酔科でいいのですが、夜はもう機能しません。この麻酔科問題を専門医の在り方で何とか解決できないものか。地域の偏在の是正ではなくて、日本全国、いま病院から麻酔科医が撤退しておりますので、そこを何とかできればと思っています。いかがでしょうか。
○高久座長 地域の偏在よりももっと難しい、ある程度、医者のモラルの問題なのですけどね。
○松尾委員 私も先ほどからの議論に賛成です。申し上げたいのは、やはり一定の広がりを持った地域の中で、ある程度の専門的な医療を含めて、いかに保証していくかということが大事だと思います。
 確かに、この委員会では専門医の質をいかに高めて標準的に認定していくか、それを保証するかということが、いちばんメインの議論ですけれども、我々の意図とは別に決めた途端に、どこかで専門医が集中してしまうこともあり得ないことではない。そのあたりのところはしっかり担保しながら、これは別の委員会でまた議論されるのかもしれませんが、そこは頭に入れておいていただきたいと思います。
 ただ、私が言いたいのは、そうは言っても医者は無尽蔵にいるわけではないので、一定の地域で、ある程度整合性を持って医療をやっていけるようなところも考えないといけないのではないか。そういう意味で申し上げました。
○池田委員 医療行政の大きな問題と、特に日本の医療体制の大きな問題を、いま皆さん議論されていると思います。ここは専門医制度をどのように整備するか。それぞれ「専門医」と名乗っている人たち、あるいはどのような専門医を作っていったらいいのか。その専門医はどういう資質を持っていて、どういうトレーニングの過程を経て作られるべきものなのかという議論が中心になっていて、その結果として、先ほど桃井先生がおっしゃったように地域偏在も含め、少しでも役に立つような仕組みになってほしい。専門医制度を構築しようとしている人たちは、そこを頭に置いてはいるのですが、そのために制度設計をしようということを考えているのではなくて、むしろ、いま本当に日本が抱えている大きな問題はもっと大きな視点で議論しなければいけない。その中に専門医制度をいろいろ考えていた人たちも入って議論するようになっていく、その過程が初めて出てきたわけです。いままで専門医制度というのが、あまり公に認められているような制度ではなかったので、例えば日本の医療制度を考えていく上で、専門医制度をいろいろ考えている人たちが、その議論になかなか入っていかなかったというところが問題だと思います。これから地域医療をどうしようということを、もちろんいままで厚生労働省でも考えていらっしゃると思うのですが、その中に新しくできた専門医制度がどういうように入っていけるか。そういう方向で行けばいいのではないかと思っていますので、私は桃井先生の考えに100%賛成でございます。
○高久座長 今度は「総合医」「総合診療医」という新しいものができますから、そうすると、それと専門医との連携とか、ディストリビューションといったことが当然問題になってきます。その中で、ある程度は議論せざるを得ないだろうと思います。ほかにどなたかいらっしゃいますか。
○福井委員 違う話題でもよろしいですか。「引き続き議論が必要な課題について」の専門医の養成・認定・更新の4番目の○ですが、研究志向の医師を養成する内容を盛り込むなどについてです。おそらく、これは新しくできる認定機構が、どのようなプログラム、カリキュラムを作るよう指示するのかという最後のところに関わると思います。私としては、短期間でも臨床研究について勉強することを、是非入れていただきたいと思っています。例えば、アメリカなどでも専門医養成のフェローシップのところには、病院やプログラムによっても異なりますが、ほとんどが1カ月近い研究期間が入ってきていますので、そのようなプログラムを是非考えていただきたい。それと医療の質を高めるためには、将来的にはすべての臨床医が行っているデータを臨床研究、観察研究に使えるようにすべきだという意見も出てきています。一人ひとりの医師が臨床研究の重要性、プリンシプルのようなものを若いときに勉強するような機会を組み込んでいただけるよう、各専門学会にお願いしたいと思います。
○桐野委員 いま福井先生がおっしゃった件は、いままであまり議論されていない点です。やはり、専門医を取得した後に、ある一定期間オフにするというか、例えば米国に行ってリサーチレジデント、リサーチフェローをやる期間を設けてしまうと、更新のときに難しくなる可能性があります。ですから、バリエーションをもった専門医をつくる観点も入れていただいたほうが、将来的にはいいと思います。例えば、大学の若手の方で病気のメカニズムに、かなり突っ込んでいって、それを一生懸命やりたいというような方をどうするかということも、一応考えておいていただかなければいけないと思います。
○高久座長 その場合には、専門医の取得の期間を延ばせばいいわけですね。5年のところを6年にして、1年間はカウントしないと。それは、フレキシブルにできると思います。
○池田委員 いま福井先生が言われたことは、実は最近、臨床薬理学会も含めて、臨床研究の重要性を専門医制度の中に少し取り込んでほしいという要望がありました。この整備指針の中でも、そのような要項、要するにクリニカルリサーチ、あるいは疾患のレジストリーで日本の臨床のデータベースを作ることも、専門医の1つの役割であるというような方向性を、新しい版には少し盛り込んでいただこうということが、議論されています。
 もう1つは、桐野先生がおっしゃったように、専門医を育成するプログラムはバリエーションがあっていいと思うのです。基本的には、この4年間でこういうことは絶対にやってもらわなければいけない、専門医と名乗るのだから最低限やってもらわなければいけない。しかし、この大学、あるいはこの病院の専門医のプログラムは、それプラス上乗せして、例えば2年間ぐらい基礎研究をやって6年間のプログラムがあるというようなバリエーションがあっていいと思いますので、制度設計としては、あまり横並びにしないで特徴のある専門医を育てることも、もう1つ頭におかなければいけないのではないかと思っています。
○福井委員 私も賛成です。是非、その方向でお願いしたいと思います。もう1つ大きな枠組みとしては、診療情報・医療情報を一体化する方向で国全体として動かないと、臨床研究自体が進まないと思います。電子カルテの何らかの形での一元化というか、データを速やかに互いに使いあえる、あるいは統合できるような仕組みづくりとともに、臨床医一人ひとりが臨床研究に貢献するというマインドと、知識を身につけるような方向で是非、今回の専門医制度も考えていただければと思います。
○高久座長 当然、それは継続のときにも当てはまるわけですね。ほかにいかがですか。
○門田委員 進行についての質問なのですが、いまここで提案されているのは、この内容をディスカッションするのですか。それとも、この内容だけで大丈夫か、ほかに漏れがないのか、検討すべきことがあれば、いまのうちに言っておくというのか、その後半のほうではないかと思っていたのですが。
○医師臨床研修推進室長 基本的には、引き続き議論が必要な項目は中間まとめの中でお出しいただいていますので、これを今後引き続き検討いたしますので、今回はフリーディスカッションという形で自由に意見をいただくことを前提にしています。もちろん、先生がおっしゃるように、今までの中で漏れていた観点があれば、ご指摘をいただければ追加をして、ご議論いただくことは十分考えられると思います。
○門田委員 前々回ですか、養成・認定・更新について、実はいちばん大事な4年か6年か3年か2年ということを、私は、ひとこと言いましたが、あのまま放置されていましたよね、これは、早い段階で決めておかなければ、設計はなかなか難しいのではないのかなと。そういう意味では、我々は5年を前提に考えてきたわけですが。
○高久座長 基本領域に関しては、池田委員もおっしゃったように、基本的には5年だと思います。先ほど言ったバリエーションはもちろん起こってきますが、サブスペシャリティは別の問題で、期間はサブスペシャリティによっていろいろ異なると思いますが、池田先生、基本領域は原則5年でよろしいですね。
○池田委員 外科の場合は、特に初期研修の2年も含めた形で、そのあと後期研修が3年で、トータル5年という考え方だと思うのですね。それは、いま卒前教育のところでも随分議論がありましたが、卒前教育、初期研修、後期研修を一連のものとして医師を育てる方向に当然考えていかなければいけないわけです。いまは、卒前と初期研修と、やっと後期研修が俎上に乗ったわけですが、それぞれの領域、学会では考えていますが、お互いの関係を、続いたものとしてあまり議論をしていないですね。ですから、厚生労働省では初期臨床研修の在り方に関して、平成27年度から見直して、また新しい議論をされていると伺っています。そことの兼ね合いも出てくると思うのですが、当然、5年と考えて、卒後の研修として一貫していいと思うのですが、基本的には初期研修は初期研修と法律で位置づけられている研修制度ですし、後期研修はまだそのような位置づけがはっきりしないものですよね。それを、どのように位置づけようかとしていますので、そこはやはり皆さんで議論していただいたほうがいいと思います。おそらく学会では、初期研修とは別に3年間の後期研修で専門医を取るとはっきり打ち出している所もありますし、外科の場合には実際には後期研修は3年ですが、その前の期間にも外科の研修をある程度やっていただき、トータルで5年と考えるのも1つの考え方だと思いますが、そういうことですよね、先生。
○門田委員 ですから、その辺りの考え方が皆バラバラで話を進めていっても仕方がないので、どこかの段階で5年なら5年の制度を考えるというのであれば、5年の制度で専門医を育成する過程の中で、研修の2年間の間に何々をしておかなければならないと、幅広い研修の範囲ですから、例えば外科の専門医を取る人たちが、5年といっても最初の2年は自由な研修の中だけで何をしていても構わない、あと3年でいこうという発想がおかしくなるのですね。そうなってくると、5年の制度で研修をやっているけれども、研修の中で2年間の間に少なくとも外科の専門医を取る人は、こういうものは入れておかなければならないということは入れてもいいのではないでしょうか。制度そのものを触るのではなくて、その中で何をやったかが残っていくのですから。ですから、私たちがいままでずっとその辺りを考えてきたのは、5年という制度の中で、2年間何をしているかを加味しながらやってきているので、そろそろ皆さん合意に達していただけるならと。
○池田委員 そうですね、その議論は非常に大事だと思います。機構にいて、いろいろな基本領域の18学会の先生方と何回かヒアリングをしています。その中で、いくつかの基本領域の専門医の先生方は、初期研修の2年のうちの1年は、その領域の研修をかなり必修化、条件化していて、そして後期研修に入ってもらうことを打ち出しているところもあります。ですから、それは2年間の初期研修の在り方をどうするのかというコンセンサスが得られていないので、ある領域に任せられているのだと思うのです。内科系は、どちらかというと2年間の初期研修は幅広く内科系のことをやっていただいて、外科のトレーニングも多少していただいたらいいのではないかという考え方の領域が多いように思うのです。ですから、そこをどうするかは、ここで議論をすれば初期研修の在り方とも絡んでくるのではないかと思います。
○高久座長 この前の改定で、2年目をある程度ストレートにすることも施設によっては可能になりましたね。ですから、もし2年目を外科だけやった人は、あと4年やればいいということになりますか。
○池田委員 そうではないですね。それプラスですね。ですから、どちらかというと外科のトレーニングは4年やりたいということですよね。そうですよね。初期研修の2年間のうちで、外科的なトレーニングも少ししておいてもらわないと、3年目からの後期研修にはなかなか入れませんよと。言ってみれば、後期研修に入る前のトレーニングを、ある程度規定しているという考え方ですね。
○門田委員 今回、研修制度が修正されましたね。もともと外科は必修科目だったわけですよね。ところが、それがなくなってしまったのです。これは非常におかしいと私は申し上げましたが、それが生き延びているいまの研修制度で外科系は考えてみれば、非常に難しくなりますから、その辺りをしっかりと議論して、どのようなものを研修するかを、専門医の資格として、その間にこのようなものが必要だと決めておきさえすればあまり難しくならなく、研修システムの制度を触るわけではないと思うのです。ですから、その辺りをここでクリアにしておくべきではないか、そのディスカッションが必要ではないかということです。
○山口委員 この前も出てきましたが、総合診療能力を持った専門医という言葉の中に、初期臨床研修の2年間で、本来の総合診療能力をある程度確保したら、それを維持するという発想でした。しかし、いま言われたように、その2年間の研修内容で外科が必修ではなくなったので、外科にノータッチで全く知らなくても済むような制度に初期研修が変わってきているわけですね。そうすると、5年間を1つの専門医のトータルと考えると、やはりその2年間の有り様も含めて全くノータッチではこの専門医の在り方は決まらない話です。少し話が大きくなってしまうのですが、本来はもっと大きな話として、やはり総合診療能力を有し、それを維持しつつ専門医を極めていくことが本当に是か非か、もしそうだとすれば、先ほどの外科に全くタッチしたことがない医師が、専門医として次々と出てくることはどうなのかを議論しなければいけないと思うのです。
○高久座長 それをやりますと、今度は医学教育までやらなければなりませんので、大変なのですが。
○桐野委員 基本的診療能力を養成することが初期臨床研修制度の最初の目的で、そのためには2年間が必要だったのですね。ただ、いろいろな議論があって、多様性をもっているのはいいと思いますが、後半の1年間はそのプログラムにある程度委ねることになりました。基本的診療能力の養成が1年でいいのか、2年でいいのか、1年半がいいのかは、これはまだコンセンサスに至っていないと思います。
○平林委員 私も同じことを申し上げようと思っていましたので、繰り返しにならないように一言だけ申し上げます。要するに、基本診療能力を専門医の在り方と絡めて、どう議論していくかに尽きると思います。中身は分かりませんが、そこを今後十分に議論していただければ、よろしいのではないかなと思います。
○高久座長 理想的には、基本的な診療能力は、学生のときにきちんと臨床実習をやって備えておくべきなのですね。この問題は日本の医学教育全体の問題になっていて、この問題は専門医の問題と密接に関係がありますが、時間も限られていますので、その問題はまた厚生労働省、文科省などの別な委員会で。
○医師臨床研修推進室長 資料3の必要な課題についての3頁目の下から2つ目のグループで、〈医師養成に関する他制度(卒前教育、国家試験、臨床研修)との関係について〉の中で、「新たな専門医の仕組みは、原則として2年間の臨床研修終了後に専門医の養成プログラムが実施されることを前提として構築することについて」「専門医の養成プログラムにおいて、各領域に求められる内容を踏まえて2年間の臨床研修での経験をどのように加味すべきかについて」それから、「新たな専門医の仕組みが構築された際に、卒前教育や国家試験、臨床研修など卒前から一貫した医師養成を行う観点から、検討すべき課題について」を一応挙げさせていただいています。
○高久座長 臨床研修については、この前の改定のときには、大学側の意見が非常に強くて、2年目はストレート、1年目を内科と地域医療と救急に絞ったのですが、いまはまた、その見直しをしていますので、それをなるべく早くしていただいて、この専門医のこととうまくマッチングするようにしていただきたいと思います。時間の関係もありますので、今度はもっとセンシティブな問題で、専門医の養成数などについての議論をお願いしたいと思います。事務局から、説明をお願いします。
○医師臨床研修推進室長 資料3の2頁をご覧ください。〈専門医の養成数について〉です。
 ○ 新たな専門医の仕組みにおいて、診療科や地域における医師の適正数を誘導する方法を設けることについて。
 ○ 専門医の養成数の設定にあたり、国や都道府県内のバランスに配慮することについて。
 ○ 新たに専門医を目指す医師が、専門とする領域や養成プログラムを選ぶ方法(病院(群)による募集・選考や医師からの応募の方法)について。
〈医療提供体制における専門医〉
 ○ 新たな専門医の仕組みにおいて、専門医の養成プログラムの地域への配置の在り方など、地域医療が改善するような制度設計を行うことについて。
 ○ 新たな専門医の仕組みの設計において、地域医療支援の観点から、例えば、養成プログラムの中に、へき地や医師不足地域における研修を取り入れるなど、地域偏在・診療科偏在の是正の効果に視点を置くことについて。
 ○ 大学病院等の基幹病院が地域の協力病院と連携して専門医の養成プログラムを作成し、その中で「地域医療の実践」も必須項目とすることで、総合的な診療能力が習得できるとともに、地域医療の確保にもつながることについて。
〈国の関与の在り方について〉
 ○ 専門医を認定する新たな仕組みの構築にあたり、専門医の質の確保、地域偏在・診療科偏在の是正、第三者機関の運営に対する国の支援を含め、国による関与の在り方について。
〈専門医の位置づけについて〉
 ○ 新たな専門医の仕組みにおける医療制度上の位置づけについて。
 ○ 専門医に関する情報の開示の在り方について。
 ○ プロフェッショナルオートノミーを基盤とした上で、新たな専門医の仕組みを、国がバックアップしていく必要性について。
 ここまでが、2つ目のグループです。よろしくお願いします。
○高久座長 それでは、この問題についていろいろご意見をお伺いしたいと思います。
○小森委員 いま、それぞれ提案になったことは、これまでも議論してまいりました。それぞれ大切な視点だと思いますが、このことを考えるには、まずこれまでの中で議論をしてきた専門医の資質の担保をしっかりすることが前提にあったうえで議論すべきことですので、このことを同列、並列に議論すると、非常に問題が大きいと思っています。したがって、重要な視点であることは理解できますが、並列的に議論するのではなく、議論の重点としては、従来からの専門医の在り方とどのような形でするのが最も資質が担保され国民の方々が理解できるのかを議論することを優先するべきです。医療制度上の位置付け等については、拙速に議論すると制度全体を歪める可能性がありますので、この分野については相当慎重に議論を進めるべきだと私は思っています。
○高久座長 専門医の養成・認定・更新については、先ほど議論をいただいたわけです。おっしゃるとおり、それと関係は非常に深いと思いますが、数の問題は各学会にとって、非常に影響力のある問題ですので慎重に検討したいと思います。
○桐野委員 これで、診療科ごとの偏在、地域の偏在が制御できるとは、全く思えないのです。また、そのような役割もなくて、専門医制度は、本来はそれぞれの専門家の質の担保をするためにあるわけです。ただ、症例がなければプログラムが維持できないという観点から、ある程度の結果としての制御ができるということ。それから、総数についても制御をするよりは、各学会あるいは、それぞれの領域の専門医数をどうするかについては、それぞれの専門医の認定において宣言することも考えられます。機構の指針の2頁にも「現在の専門医数、将来的な適正専門医数を示す」と書いてあります。少なくとも、示すところまではやっていただけるわけですから、制御はできないにしても、ある程度の効果があるのではないかと思います。それ以上のことまでは、なかなか困難ではないかと思います。
○池田委員 いま桐野先生がおっしゃったとおりだと思います。機構でも、適正な専門医数はそれぞれの領域でどのぐらいなのか、現在は学会が専門医制度を作っていますので、それぞれの学会に投げてやっています。そして、現在の人数と適正と思われる数のギャップについて、どう考えるかに関して議論していただいていて、非常に真剣に取り上げて真摯に議論してくださって、大体の数が出るような領域もあります。そのような領域もありますし、まだそれに取り組んでいないところもあるという、その辺りの学会間のばらつきは否めません。おそらく、機構で中立的な第三者機関ができたときには、そのようなことも含めて標準的な考え方ができるのではないかと思っています。
 養成数の問題は、これは1つに、どのような専門医を育成するプログラムをつくるかに掛かっていると思うのですね。カリキュラムはいいですよね。しかし、実際にプログラムというと、1年目にどのような施設でどのような研修をして、何人ぐらい患者を診て、2年目はどうするかという実際のプログラムに落とし込むわけですから、そのプログラムがどのように出てくるかによって、数が大体分かってくることになると思うのですね。そこでは、おそらく研修施設をどのように認定するかも大体決まってきます。1つの病院では、全部完結型のプログラムは作れないということになれば、地域の場合には、いくつかの病院が協力しながら1つのプログラムを作っていきますので、プログラムがどうできるかで専門医の養成数がある程度分かっている方向でやらなければいけません。私としては、国がこの領域は何人、ここの地域には何人やるというような強制的な仕組みを作ることは、プロフェッショナルオートノミーという考え方からいうと反対であるということは、はっきり申し上げておきたいと思います。
○福井委員 おそらくこの議論も、先ほどの複数の専門医の資格を取れるようなものを考えるのかどうかとも関連してきます。つまり、週に1日、2日その分野の診療をすれば維持できるような緩い資格であれば、いくつも専門医を取れることになります。ということは、おそらく医療施設を集約化しないと、ある専門分野の患者さんを週5日間診つづけることができないような施設ばかりにはできない、という医療制度とも関わってくる話です。各専門領域でプログラムを作るときに、どういう専門医の働きをイメージしたものを作るのかに関わってくるのだろうと思います。
○山口委員 確かに、数をどうするかという話は、実際の研修プログラムを作っていく過程で、ある程度大まかなところは明らかになるのではないかと思います。しかし、現在の制度の中で、例えば、その領域の専門医を目指してどれだけの人が研修中であるかというようなデータすら、現在は分かっていないのだと思うのですね。ごく限られた学会の専門医だけが、専門医の研修を始めたときに登録するとなっていて、外科系では行われています。しかし、ほとんどの学会では、それさえも行われていないので、現在トレーニング中の人がどれだけいるか。1年目、2年目、3年以上経った人がどれだけいるか、これさえもまだ明確でないような現状からいうと、いまの時点で研修プログラムができたとして、ある程度養成する専門医数が決まったとしても、偏在是正にどれだけ向けられるかというような話は到底できないと思います。まず早く基本領域を第三者機関に集約する形で、現在の研修中の医師も含めて現状を把握するようなことに着手していかないと、その研修プログラムを含めた地域の専門医の適正な数が、把握できないのではないかと思います。特に、現在研修中の人を登録する作業だけでも、現在の学会にお願いして進めてもらうことで、現状をもう少し把握できるようになるのではないかと思っています。
○高久座長 これは、池田先生、新しい人と現在の人とを別々にするのですか。
○池田委員 そうですね。いま山口先生がおっしゃられたように、これまでは専門医制度を各学会がやっていましたので、学会が専門医制度に熱心な所は、例えば、毎年何人専門医ができて、その専門医はどのような都道府県に分布しているかというデータをしっかり持っている所もあります。しかし、そのようなデータすらあまり持っていない所もあります。ある意味では、専門医制度を作ろうとしていて、恥ずかしい話かもしれませんが、やっと昨年、各基本領域の専門医に関しては、都道府県別に何人ぐらいいるかを把握できるようになりました。それは、いま専門医を持っている人の話なのです。しかし、これから5年後にそれぞれの領域で、どれぐらいの専門医ができるのかの推計は、実際にはできないのです。というのは、多くの場合、専門医の受験資格ができたときに受験しますよといって応募するわけですから、その受験資格を持っている人が来年何人になるかは、それぞれの領域で分からないのです。ですから、山口先生がおっしゃったように、これからこの基本領域の専門医になりたいと思います。3年間のプログラムに入りますと言えば、3年後にはこの領域には何人専門医ができるかが分かります。そうすると、3年後、5年後にはこの領域の専門医はすごく多くなっていますよね。それなら、このようにしないといけませんし、おそらく多すぎてきちんと研修ができるだろうかという話にもなりますので、情けない話に聞こえるかもしれませんが、現実はやはり各学会がやっていると、そのようなことになり兼ねないのです。そのようなことをしっかりやっている学会は、たくさんあるのです。主に、基本領域の学会は、そのようなことをこなしているのですが、何回も言いますように、専門医制度を持っている学会は100以上もあるわけです。それが、全部そのようなことをやっているかというと、やっていないわけですから、そのようなことからきちんと整備するためにも、やはり第三者機関は絶対に必要だという話だと思います。
○藤本委員 数のこととは異なる話をしてもよろしいでしょうか。医療提供体制のところなのですが、これは結局、今後提供される医療の流れが変わっていくことであり、その中で患者がどのように医療にかからなければいけないかというお話だと思います。日本の場合はフリーアクセスですから、かなりいろいろな方法で、患者の誘導というと語弊がありますが、医療機関へのアクセスの流れを変えていく必要があると思います。報告書の中の情報のところで専門医の位置づけの2つ目に、専門医に関する情報の開示の在り方についてとあります。私は、アクセスと情報の開示は重要なテーマだと思います。患者が専門医にアクセスしやすい仕組みは必要ですが、情報開示をすることによって、逆にせっかく作ろうとしていた医療の流れとは違った流れになってしまう、たとえば重複受診を助長するなどの弊害もあると思います。提供体制に則った国民、いわゆる患者の医療のかかり方については、どのような形で情報発信をするとか、医療機関・医師の情報の開示をどこまでするとかいったことも、検討していくべきだと思います。この専門医の在り方検討会で検討するべきかは分かりませんが、この会の中でやるとすれば、いま申し上げた項目に入れていただくのがよいと思うのですが、いかがでしょうか。
○高久座長 当然、提供体制は問題になりますね。
○山口委員 この前も、専門医の資格をある程度きちんと開示すべきだということを申し上げましたが、確かに藤本委員が言われるように、開示したことによってフリーアクセスで患者さんの偏った受診行動というのがあり得るとは思います。しかし本来それは、専門医の資格を開示しないことで、隠すことでコントロールする話ではなくて、むしろ受診の仕方をいろいろ考えて制度設計をする話です。専門医の制度としては、その資格を取ったらその情報を開示するということで、それはよろしいのではないか。それを簡単にススッと利用してフリーにアクセスできるところを、むしろ、違った制度でコントロールすべき問題ではないかと思います。
○福井委員 個別の話で恐縮です。〈医療提供体制における専門医〉の中の2つ目の○についてです。これも結局、プログラムの話になりますので、それぞれの専門領域で考えられるとは思いますが、これは時間軸の話になると思います。おそらく最終目標は、専門医はその専門領域だけの診療に、朝から晩まで忙しいという状況。
○高久座長 スーパースペシャリティですね。
○福井委員 一方では総合医のような人がいて、へき地や、いまでいう医師不足地域には十分な総合医が配置されて、役割分担するというのが最終目標だと思います。そこに至るまでにこのような過渡的な措置で対応しないと、いわゆるへき地や医師不足地域での医療が十分維持されないのではないかと思います。過渡的なところと最終目標とを分けて考える必要があるのではないでしょうか。
○高久座長 おっしゃるとおりだと思います。医療提供体制で、基本領域の医師には、当然、フリーアクセスで良いのですが。スーパースペシャリストの場合にはとみんなが行くと困ることになりますね。
○桃井委員 この箇所だけではなくて全体についてです。専門医の育成に関する体制、制度設計を通して、どのように医療提供体制をコントロールできるかなど、つまり、いまの日本の医療について受ける側のニーズから考える、これは専門職としていちばん大事なことなのですが、一方で、育成される側の視点が全くこの中に入っていないのです。若い医師あるいはこれから育成される医師がこれを読むと、コントロールされるような視点だけが目立って受け取られるのではないかという感じがします。医師一人ひとりを見ますと、生涯のキャリア形成という重要な問題です。我々は大学人として近隣あるいは遠方に医師を派遣する責務を持っていますが、派遣するときでも、個々の家庭環境など様々なことを考えねば派遣できず、また、その配慮なしには派遣された医師もインセンティブを持って働けないのです。そういう意味からも、若い医師を育成するキャリア形成支援の視点をどこかに入れていただきたい。例えばいまの状況でも、女性医師支援の体制がそれぞれの基盤学会の中で研修体制の中に組み込まれるようになってきましたが、それも、やっとその視点がでてきた程度です。したがって、この第三者機関を考えるときに、育成される側の視点、つまりキャリア支援の視点を十分に織り込む。それが十分にあるかどうかが、研修施設の案件として評価されるというような視点が、是非必要なのではないかと思います。どこに行くにしても何を選ぶにしても、喜んで育成されるような視点がないと、育成される側の若者にとって、これを通じてコントロールされるという観点だけが浮き上がっていてはいけないと思いました。かと言って、どのような文章にしたらよいかは、いますぐには思いつかないのですが、第三者機関を考えるときに、欠落しがちな視点なので、是非入れていただきたいと思います。
○森山委員 いまの桃井先生の議論は非常に大事な視点です。プログラムが大事だということはもちろんなのですが、プログラムの中身によって、女性医師の増加が診療科の偏在を助長させる可能性もないこともないので、いまの議論は非常に大事だと思います。プログラムをきちんとやることによって、先ほど出た、フリーター医師や民間医局等々がかなり少なくなって、養成数イコール実働数に近づくこともあるので、そういう意味ではプログラムは非常に大事だと思います。
 それから、私の以前からの主張です。私は耳鼻科ですが、首都圏の耳鼻咽喉科の疾患と地域の耳鼻咽喉科の疾患は違うのです。そういう意味からも、地域での経験を是非入れていただきたいと思います。それと、養成しても砂に水を撒くように消えていってしまうところを、いかに掘り起こして、実働数につなげていくのかという視点も大事ではないかと思います。
 それから、私の以前からの主張です。私は耳鼻科ですが、首都圏の耳鼻科の疾患と地域の耳鼻科の疾患は違うのです。そういう意味からも、地域での経験を是非入れていただきたいと思います。それと、養成しても砂に水を撒くように消えていってしまうところを、いかに掘り起こして、実働数につなげていくのかという視点も大事ではないかと思います。
○池田委員 先日、若い先生たちに、このような新しいプログラム・オリエンテッドの専門医の育成の仕組みの話をしたのです。若い先生たちは、「自分たちにとってどのように有利になるのですか」と言うのです。一生懸命に勉強しないと、なかなか専門医は取れないかもしれないのですが、その上に、自分たちのキャリアがどのようになるのか、どのように医師としての誇りを持ってやれるのか、先がなかなか見えない。桃井先生がおっしゃったように、専門医制度が何かに組み込まれるばかりなのではないか。もう少し、若い医師たちに希望が持てるような制度にしてほしいという話を、実は、いくつかもらったのです。私自身は、国がこのような専門医制度をきちんと立ち上げようと、医師のコミュニティの中でも、患者さんに信頼される良い専門医を育てる仕組みを作ろうということで一致しました。仮に国が関与するとすれば、いま先生方が言われたように、研修する若い医師、あるいは研修施設、女性医師も含めてですが、そういう人たちに実際に支援の手が差し伸べられるような、国の支援の仕方があるのではないかと思うのです。第三者機関を作ってお金を投入するというのではなくて、それを運営するいちばん大事なポイントは、プログラムを受ける若い医師たちが希望を持って、負担をあまり感じないで研修できるような、そういうところに支援をしていただければ、いちばん良いのではないかと考えています。
○山口委員 そういうことから言うと、私が個人的に気になっていることがあります。ここにずっと出てくる言葉として「養成プログラム」となっています。これは、研修を受けて専門医を目指す人から見ると、「養成」されるというのはいかがなものかと思います。「研修プログラム」という話であれば自ら学ぶという感じになりますが、「養成」というのはいかにも上から目線で、専門医の数を揃えて作っていくというニュアンスなので、ちょっとどうかなという感じがしています。
○高久座長 基本領域を含めて専門医の資格を取らないと看板を出せないということが、長い将来の目標にはなるでしょうね。だから、取らざるを得ない。ただ、アメリカのようにスーパースペシャリストを特に優遇するかどうかというのは、また別の問題でしょうね。ほかにどなたかご意見ございますか。
 それでは、次の、〈「総合医」「総合診療医」の在り方について〉です。これは、池田先生のところで少し議論されるのですね。
○池田委員 はい。現在、機構で、「総合医」「総合診療医」の在り方についてのワーキンググループができています。機構からは私と山口先生、その他、日本医師会からは小森先生に出ていただいています。また、いままで主に日本プライマリ・ケア連合学会がプライマリ・ケアあるいはファミリー・メディスンの専門医を作ろうと努力してきましたので、その学会の代表、それから、小児科から、外科から、内科から、救急医学からという格好で、代表に出ていただいています。「総合医」「総合診療医」というのはどのような医師像をイメージして作るか、どのようなプログラムを作ればイメージどおりの医師像ができるのか、について議論が開始されました。本日も夕方にワーキンググループの会合が開かれることになっています。
○高久座長 老年医学会の人は入れなくてもいいのですか。
○池田委員 スタートはその学会だけだったのですが、まだこれから何回かやりますので、場合によっては、先生がおっしゃったように、いろいろな領域の先生方に来ていただいて意見を述べていただくということもあります。金澤先生にワーキンググループの座長をお願いしているので、先生にも相談しようと思います。
○高久座長 「総合医」「総合診療医」の在り方の問題については、いちばん最後に。
○医師臨床研修推進室長 座長、引き続き議論が必要なところを一通り読み上げます。
○高久座長 どうぞ。
○医師臨床研修推進室長 資料3の3頁です。
〈「総合医」「総合診療医」の在り方について〉
 ○ 総合的な診療能力を有する医師の名称については、「総合医」「総合診療医」「一般医」「プライマリ・ケア医」「家庭医」等の定義を明確にした上で、国民にとって分かりやすい名称、例えば「総合医」に統一して整理することについて。
 ○ 総合的な診療能力を有する医師の定義に鑑み、その名称は「総合診療医」とし、地域医療の大半を支えている現在の開業医師(かかりつけ医)の名称を「総合医」とすることについて。
 〈「総合医」「総合診療医」の養成について〉
 ○ 患者を幅広い視点で総合的に診ることができる能力は、それ自体に重要な専門性があることを踏まえ、関連する学会で養成に必要なプログラムを一本化して養成していくことについて。
 ○「総合医」「総合診療医」の養成プログラムの充実について。
 ○「総合医」「総合診療医」を養成するためには、臨床研修に加えて一定の養成期間が必要とする見方がある一方で、卒前教育と臨床研修などを充実させることにより「総合医」「総合診療医」の養成は可能であるとする見方もあることについて。
 次の、〈他制度との関係〉は、先ほど読み上げましたので割愛します。
 〈求められる専門医像について〉
 ○「専門医」と「標榜医」、「認定医」との関係の整理について。
 以上です。よろしくお願いします。
○高久座長 12月の最後に池田先生のところの委員会で議論していただくことになると思います。この問題についてどなたかご意見ございますか。
 まだ時間がありますので、いままで議論したことにつきまして、何でも結構ですのでご意見をいただきたいと思います。
 まだ時間がありますので、いままで議論したことにつきまして、何でも結構ですのでご意見をいただきたいと思います。
○松尾委員 1頁に戻って、1つ目の○についてです。それぞれの領域の専門性に関する項目だけではなくて、「基本診療能力」に関する内容も一定程度盛り込むということです。例えば内科や外科の、いまで言う1段目の専門については、更新制度があり、若干言い方は悪いのですが、これから少し厳格にするという話があり、クオリティは保証されると思うのです。基本診療能力というのは、最初の2年間の初期研修をすると、一応、「基本診療能力あり」と認定されるのですが、例えば外科を10年もやっていると、果たしてこの基本診療能力がいつまでも保証されるかどうか。その辺のところをどのように評価してやっていくのか。もし、この基本的診療能力はずっと持ち続けなければいけないならば、その辺の保証もどうしていくのかは、一応議論しておかなければいけないのではないかと思います。
○福井委員 現実的には、それぞれの専門領域に関係する他の領域の基本診療能力を組み込むのであって、これから先、例えば分娩とは全く無関係な専門領域の専門医になるために、3年間の専門研修中に産科を組み込まなくてはならないというのは、非現実的だと思います。関連する他の領域の基本的な診療能力を組み込むような、そういうプログラムを各専門領域で考えていただくことが現実的ではないかと思います。したがって、もしよろしければ、1頁のいちばん上の○のこの文章の「基本診療能力」は、「関連する他領域の基本診療能力」程度の文言にしておいたほうがよいのではないかと思います。
○金澤座長代理 いまの、松尾先生、福井先生のお話は確かにそのとおりだと思います。いまお話があったような方向でやっていただく必要があると思います。私は、1つ、2つ、具体例を出していただいたほうがいいのではないかという気がするのです。「例えばこのような」という形で。そうでないと、非常に広く解釈する人から非常に狭く解釈する人まで出てきてしまうので、適切な例を出して、みんなが納得できるような例を出すのがいいのではないか。そのようなことは他にもずいぶん出てくるので、少し例を考えながらのほうがいいと思います。
○高久座長 それは次の議論のときに例を考えていただきたいと思います。
○福井委員 耳鼻科の先生方にとって、どのような他の領域が関係していて組み込んだほうがいいのか、また内科系であれば、例えば腎臓の専門の先生方にとって関連する分野について、どういうトレーニングを必要とするのかというような、具体的なものを出したほうがイメージしやすいと、私も思います。
○桃井委員 この委員会でも再三、初期臨床研修制度との関係の重要性について意見が出ましたが、現在資料にありますように、初期臨床研修制度は平成27年に見直し制度の下で研修開始を目標として議論が行われており、そことの議論が噛み合わないと非常に大きな問題が生じます。どのように噛み合わせるのか、あるいは、ここの委員会でどのようなことが行われているか。双方の委員会でどのような議論が行われているのかがマッチしないと大変なことになりますので、それは厚生労働省に是非よろしくお願いしたいと思います。
○高久座長 よろしくお願いします。
○福井委員 そのことに関しても、専門医に関する検討を踏まえて、最初の2年間の研修はどうしてほしいという提言もここから出すというのが、1つの方法ではないかと思います。例えば、2年間の中に必ず外科を4カ月とか6カ月入れてくださいといった提言をするのも、重要ではないかと思います。
○小森委員 臨床研修に関するワーキンググループは私も構成員として出ています。このワーキンググループは、基本的には実務家に近い方が多くて、一つひとつの問題を抽出し、それぞれの議論をして上に上げることになっています。決定は医道審議会臨床研修部会で行うということになっていますので、ここでの議論とタイムスケジュールが少し合わないところがあります。事務局から話していただいたほうがいいと思いますが、そのような中で、福井先生がご指摘になったように、様々な提言をしていただくことは大変有用だと思っています。
 時間があるようなので、教えていただきたい点があります。臨床研修は、初期臨床研修2年、後期臨床研修3年がありきという話のようですが、各学会によってそれぞれ事情があると思いますが、私が所属していました耳鼻咽喉科学会はかつては7年であったような記憶があります。ずいぶん昔になってしまって、いまはもう更新という立場ですから覚えていませんが、そのような科では、臨床研修が2年間プラス3年で果して専門医と呼んでいいのかということもあります。そこは専門認定機構でずいぶん議論なさったのだろうと思いますが、それは洗い出して整理した上で、5年という、そういう理解でよろしいのでしょうか。
○池田委員 後期研修は3年のところと4年のところがあります。あえて3年でなくてはいけないというのではありません。領域によって多少の特徴があって、やはり4年は必要だというところは4年をやるべきで、それは3年でいいというわけにはいかないということです。大体、3、4年ということで、基本領域に関しては一致していると理解しています。
○森山委員 私も耳鼻咽喉科なのですが、耳鼻咽喉科はいま2年プラス4年で、その2年のうちの1年を耳鼻科の基本的能力に充てる期間と捉えています。もう1つの臨床研修の1年は、内科、外科、麻酔科、救急等々をスーパーローテーションするとして、プラスして6年になっています。
 もう1つ、いま耳鼻咽喉科で問題になっているのは、サブスペシャルティの問題です。基本的な、いわゆるいちばん最初の専門医のところを易しくしてしまうと、その次の、鼻の専門医だ、耳の専門医だ、めまいの専門医だと、どんどん乱立してしまうので、なかなか難しくて、もっと長くてもいいという意見もあるのです。そこのところは学会によって少し弾力的に運用したほうがいいと思います。
○高久座長 研修2年目に耳鼻科をやらなかった人は、もう1年延ばすのですか。
○森山委員 いいえ。例えば、うちに入ってくるドクターの場合には、2年目にストレートで耳鼻咽喉科に来る人はほとんどいません。例えば、感染症科とか呼吸器科とか、いろいろなものを回って、せいぜい2年目に1、2カ月耳鼻咽喉科に来ます。だいぶ学生も基本的な診療能力を身に付けないとまずいことは分かっているという現実があると思います。
○高久座長 フレキシブルになっているのですね。
○森山委員 はい。
○小森委員 確認しておきたかったのは、ここは、各学会の様々な実情に応じてフレキシブルに考えていくという理解でよろしいのですね。
○池田委員 2年だったり6年だったりという、それほどのバリエーションは少しおかしいと思っているのです。外科ははっきり5年としっかり打ち出しているので、門田先生は5年とおっしゃったのだと思います。内科では、いままで初期研修を終えて1年間の内科研修をすると、認定医という格好で資格が与えられて、しっかりした資格と言っていいか分かりませんが、過渡的な身分が与えられて、認定医を取得すれば、血液であるとか、腎臓であるとか、神経であるとか、消化器であるとかという、内科系のサブスペシャリティの専門医になれるという、内科だけが違った仕組みになっていたのです。このほど、内科学会も、内科の専門医として初期研修を終えてから3年ぐらいのトレーニングをして、その後にサブスペシャリティに行ってほしいという要望を出しています。その議論がいま内科学会ではされていると理解しています。
○高久座長 総合内科ですね。
○池田委員 そうです、はい。いま、サブスペシャリティの話がありましたが、サブスペシャリティについては、各基本領域において、このサブスペシャリティが基本領域の上に乗って必要だと思われるところにはサブスペシャリティを作りましょうと。しかし、基本領域があまり細かくサブスペシャリティを分けるのは決して好ましくないという結論が出たときは、例えば、めまいの学会がめまいの専門医を作ったとしても、専門医の制度の中では認定しないという考え方を明確にしようということで進んでいます。基本領域の学会が、その上に乗るサブスペシャリティをどのように考えるかを十分に議論して、サブスペシャリティも基本領域との関係を非常に重視して制度設計をしていただかないといけない。このような考え方に立って、いま制度設計がなされています。
○高久座長 そうでしょうね。
○小森委員 確認です。臨床研修については様々な理由で見直しが行われましたが、理念はそのままになっています。やはり、2年必要だというコンセンサスはまだ十分に得られていないことは、先ほどの話にもありました。そういう意味で平成27年からまた臨床研修医についての見直しが行われるわけなのです。現在の見直しありきの状況で議論をしてしまうといろいろと問題も起こりますので、それは最後に、卒前教育、医師国家試験、臨床研修制度との整合性等についてまた議論するスケジュールが示されました。いま申し上げたような理由で、先ほどの門田先生の発言に絡んで、ここに書いてあるのでこうだということではなく、現在の制度ありきで議論してしまうと少し問題もあります。福井先生がおっしゃったように、事務局も、ここでの提言を活かしていただくとか、双方向性的な機能的な議論ができると思いますので、確認と同時にお願いも含めて、よろしくお願いしたいと思います。
○高久座長 最後の答申のところで、まとめればいいですね。
○門田委員 5年というのも学会が決めたのではなく、外科の場合も、そもそもは認定制度で4年だったのです。ところが、厚生労働省から出た広告規制の緩和のときに、5年という数値が出ました。それは広告できるということで、たぶんほとんどの学会はそれに合わせたのです。私たちも、あまり深い考えがあったということではなく、4年から5年にするというのが皆さんの一致した考えになってしまったのです。ですから、内容とともに考え直すことは非常に重要だと思います。そのときに同時に考えておかなければならないと思うのは、外科や内科、明らかにサブスペシャリティとして認めざるを得ないところと、そうではなく、そのままでいけるところは、当然、制度として少々変わってくる可能性もあると思うのです。その辺りも含めて検討が必要だと思います。
○今委員 先ほど門田先生がおっしゃった外科専門医になるために臨床研修の2年目に1年ぐらい外科をやってほしいという、それは外科側からすると当然の話だと思います。外科研修を2年間に1度もやらないで、外科を志望する人はいないのではないかと思うのです。確かに、外科を研修しなくてもいいようにはなっていますが、外科志望の研修医は外科をやってみて初めて外科がいいと思って行っているわけで、必修になっていませんが、必修になっていないからと言って、外科を志望する人が少なくなるという話ではないと思います。むしろ、1年間外科をやられてしまうと、臨床研修の若い研修医に対するメリットが少なくなってしまう。小児科も産婦人科もできる、それで熟考して小児科を希望する、外科を希望する。少なくとも私どもの病院の17名の研修医にはそのような人が多い。学生のときに外科志望で来て、小児科に変更するという人がたくさんいるのです。ですから、若い人のメリットを考えると、外科を志望した人は1年間外科の臨床研修をやりなさいということだと、少しメリットが少なくなるのです。あまり長い期間は必要ではない、3カ月とか6カ月ぐらいにしていただければ影響力はないと思います。専門医制度にもっていくために、先ほどの議論にもありましたように、若い人に対するメリットがなくては駄目なので、あまり臨床研修に押し付けてしまうと逆効果ではないかと思います。
○門田委員 決して1年と主張しているのではありません。たまたま耳鼻咽喉科でそのような話をされましたが、外科の場合は、決してそのような感じで取っているのではありません。やはり、幅広くいろいろなことを経験するのは外科医としても非常に重要なことであるので、1年など長期間のことを言ったわけではありません。
○藤本委員 質問です。先ほど、池田先生のお話の中で、サブスペシャリティの領域に関して、いままで、例えば、めまいならめまいであった専門医の名前が、1つの名前としてなくなる可能性があるというお話をされたと思います。名前があるが故に標榜されるし情報開示されると思うのです。私たち患者からしてみれば、やはりめまい専門に勉強されている先生はどこにいるのだろうというときに、それが見えないのでは不安に思われる患者さんもいると思うのです。一般の患者さんに公表することが難しいのであれば、せめて先生方の間では、あの先生はめまいに関して一定のものを修めたということがオープンになっていて、どの先生にアクセスしても必ず専門医の先生につないでいただけるような、情報のネットワークがあるといいと思います。
○池田委員 おっしゃるとおりで、患者さんからすると、自分の症状や病気の専門医がそれぞれあれば非常に分かりやすいのですが、そうすると制度としては成り立たないのです。めまいの患者さんはめまいの専門医にしか行かないのかという、下手をするとそのような制度設計になりかねない。病気ごとに専門医が必要になってくる。高血圧の専門医、実際には、個別の専門医を出すと差障りがあるので出しませんが、病名が付いた、あるいは症状が付いた学会が、専門医制度を作っていますから、病気ごとに実際に専門医はあるのです。もし病気ごとに専門医制度ができたとすると、これは逆に、非常に混乱する。しかし、患者さんの考え方からすると、そういう症状を主にやっている先生はどこなのか知りたいということは言えると思うのですが、それは最初に耳鼻科の先生に診ていただく、あるいは神経内科の先生に診ていただいて、そこで判断していただく。さらに、難解なあるいは治療ができないものは誰にというのは、その先生方から情報を得るのが自然な形ではないかと思うのです。専門医の枠組みがとても大事なのです。実際に学会が専門医制度を作っているのに、それを認めないのは、我々としては非常に心苦しいのです、仲間ですから。しかし、患者さんの立場、あるいは制度設計からすると、やはりすべてを認めるわけにはいかないという考え方です。
○森山委員 耳鼻咽喉科だけに焦点が当たっているので、耳鼻咽喉科の言い訳になりますが、めまいはめまい相談医、補聴器も補聴器適合相談医という名称で、国民に情報が開示できるように、学会で認定してきちんと広報しています。そういう意味では、藤本先生のご心配に対しては、学会のホームページを見ていただければ、学会認定となっていますから大丈夫なのです。ただ、いま池田先生が言われたように、歯科・口腔外科から顎関節症専門医だとか、もうどんどん出てきてしまうと収拾がつかなくなってしまうのは事実です。
○高久座長 医者同士の間の情報の交換も極めて重要ですね。
○金澤座長代理 おっしゃるとおりで、いまそれを言おうと思ったのです。つまり、かかりつけ医の方がいまの情報を患者さんにお教えすればいいのです。そういう制度にしましょう。
○森山委員 違うことですが、1頁の下から2つ目の枠の、〈専門医の認定機関について〉の1つ目の○2段目に、「運営資金に公的な性格を持たせることについて」です。全然議論に出ませんでした。確かに公的な資金はいいのですが、高久先生が長をされている医療事故関連死の中立的なモデル事業も、一旦やったけれども、やはり公的な予算が削られて、いま学会がそれぞれお金を出し合ってやっているということもあります。公的な資金がいつも安定的な財源にはならないのです。別に厚労省の悪口を言うわけではありませんが、そういう意味では、現実的に心配です。
○高久座長 政治的な配慮などいろいろあって、必ずしも厚労省だけの責任ではないと思います。やはり公的な資金がある程度ないとやっていけないと思います。
 そろそろ時間が近づいてまいりました。ここで、医政局長から一言、ご挨拶をよろしくお願いします。
○医政局長 8月中に「中間まとめ」をしていただきまして、厚く御礼申し上げます。私事になりますが、来週月曜日、9月10日付で厚生労働審議官に就任しますので、医政局長として仕事をするのは今週が最後になるものですから、この会議への出席も恐らくこれが最後だろうと思うので、早いのですけれども、一言、ご挨拶を申し上げたいと思います。
 これまでこの検討会で、日程、中身について、いろいろご無理を申し上げたこともありましたが、真摯かつ建設的なご議論をいただいていますことを厚く御礼申し上げます。是非、立派な最終報告をおまとめいただきたいと心からお願い申し上げます。
 私の後任は、まだ予定者でありますけれども、現在防衛省に出向しております原さんという方であります。少なくとも私よりは遥かに医療に造詣の深い方でありますので、引き続きよろしくお引き立ていただきたいと思います。次の仕事も厚生労働省の仕事全体をカバーする仕事でありますし、私は、ここで議論されている中身がこれからの医療の使命を制する重要なテーマだと思っておりますので、引き続き関心を持ち続け、ここで出された結論については、いまご心配のご意見もありましたが、全面的にいろいろな形で支援を続けたいと思います。厚く御礼を申し上げ、今後ともよろしくお願い申しまして、一言述べさせていただきました。ありがとうございました。
○高久座長 どうもありがとうございました。次回の検討会の日程について事務局からお願いします。
○医師臨床研修推進室長 次回は10月3日(水)の10時から予定しています。また後ほど改めて詳細なご案内を申し上げたいと考えています。以上です。
○高久座長 本日はいろいろとご議論いただきましてどうもありがとうございました。


(了)

厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室

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