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2012年9月3日 第1回地域医療機能推進機構の法人制度に関する検討会議事録

年金局事業企画課社会保険病院等対策室

○日時

平成24年9月3日(月) 16:00~18:00


○場所

経済産業省別館1014号室(10階)


○議題

1 座長の選出
2 検討会の趣旨等
3 社会保険病院等の現状
4 独立行政法人年金・健康福祉施設整理機構からのヒアリング
5 地域医療機能推進の使命、役割等

○議事

○依田上席管理官 定刻になりましたので、第1回地域医療機能推進機構の法人制度に関する検討会を開催したいと思います。本日は大変お忙しい中、また暑い中お集まりいただき、誠にありがとうございます。検討会の開催に当たりまして、今別府厚生労働省年金管理審議官から一言ご挨拶をいただきたいと思います。
○今別府審議官 年金管理審議官です。皆さま方には委員を快くお引き受けいただきましてありがとうございます。地域医療機能推進機構は紆余曲折をたどったわけで、語れば長いのですが、それはおいおい説明することにします。
 決まっていることは、26年4月に独立行政法人としてスタートするということが、今のところ予定されています。一方で独立行政法人制度自体が見直しをされていると。これはまだ国会で法案の成立は見ていませんが、そういう動きがあります。その過程で、本年の1月に閣議決定がなされて、この機構についても、新機構への移行までに、法人の在り方について検討することが宿題になっています。本会議はその宿題へ対応するために設けたわけです。
 今の独立行政法人制度のままであっても、あるいは新しく提案されて国会で審議をされていました新しい法人制度においても、若干病院経営という観点から見直したほうがいいところがあるのではないかと。これは先行する国立病院、あるいは労災病院の議論、ここにおられる先生方でも参加されている方がいますが、そこでもそういう議論が進められています。そういう意味で先行する2法人の議論に早く追いついて、26年4月までの間に、どのような姿がいいのか、これは恐らく見直しをするということであれば、法律改正が必要ということになるわけです。この9月にスタートして、それほど時間があるわけではありません。限られた時間の中で密度の濃い議論をお願いできればと思っています。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 続きまして本日の出席者の紹介をしたいと思います。座長選出まで、厚生労働省年金局上席管理官の依田がしばらく進行を務めます。
 お手元の資料1-1の2枚目になりますが、検討会のメンバーの一覧がありますので、ご参照いただければと存じます。それでは順次紹介します。向かいまして冨永委員です。
○冨永委員 冨永です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 お隣が田中委員です。
○田中委員 田中です。
○依田上席管理官 小林委員です。
○小林委員 小林です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 菊池委員です。
○菊池委員 菊池です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 向かいまして中沢委員です。
○中沢委員 中沢です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 福井委員です。
○福井委員 福井です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 渡辺委員です。
○渡辺委員 渡辺です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 以上7名が検討会の委員です。よろしくお願いします。今回の検討会において、年金・健康保険福祉施設整理機構、RFOの尾身理事長にオブザーバーとして出席いただいています。後にプレゼンテーションをお願いするとともに、本検討会における議論にも参画をいただくということでお願いしたいと思います。尾身理事長に自己紹介も含めて簡単にご挨拶をいただければと思います。お願いします。
○尾身理事長 尾身です。今年の4月1日に小宮山厚生労働大臣から新理事長を拝命しました。よろしくお願いします。私は自治医科大学の一期生で、卒後9年間、東京都の離島および都立病院を中心に地域医療をしてきました。その後WHO、世界保健機関に移り、各加盟国の医療改革制度、あるいは感染症対策の手伝いをしてきました。4年前に日本に帰りまして母校に戻り、教員として全国の地域医療の現場に深く関わってきました。そういうことで、地域医療に対する気持ちが大変強いものがあります。本日は委員の先生方に、これから機構の果たすべき役割、使命について、さまざまなご助言、ご指導をいただければと思います。簡単ですが自己紹介とさせていただきます。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 ありがとうございました。厚生労働省の出席者を紹介します。先ほど挨拶をしました今別府年金管理審議官です。少し遅れていますが、隣の片岡医政局国立病院課長にもご出席いただく予定です。私の隣は松尾年金局上席管理官兼大臣官房参事官です。
○松尾上席管理官 松尾です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 宇口RFO総務部長にも出席いただいています。
○宇口総務部長 宇口です。よろしくお願いします。
○依田上席管理官 以上が本日の出席者です。それでは議事に入りたいと存じます。プレスの方はカメラ撮りにつきましてはここまでで、ご遠慮いただければと存じます。

1座長の選出
○依田上席管理官 まず、本検討会の座長の選出をお願いしたいと存じます。選出については、委員の互選により行っていただきたいと存じます。どなたか座長についてご互選はありませんか。
○中沢委員 社会保険病院等に関する専門家会議の座長を務めておられまして、特に経過等をよくご承知の田中委員にお願いしてはどうかと思います。
○依田上席管理官 ただいま田中委員を座長にという互選がありましたがいかがですか。
(異議なし)
○依田上席管理官 委員の皆さま方のご賛同を得ましたので、田中委員に本検討会の座長をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。田中委員は座長席のほうに移られるようにお願いします。以後の進行を田中座長、よろしくお願いします。
○田中座長 今、中沢委員が言われましたように、昔、社会保険病院の在り方についての委員会の座長をしました。その続きで今回も司会役を務めますので、よろしくお願いします。
 今別府審議官が言われたように、スケジュールが大変厳しい中ですので円滑な運営を行っていきたいと存じます。皆さま方のご協力をよろしくお願いします。
 会議の運営上、座長代理を任命しておきたいと存じます。座長代理については渡辺委員にお願いしたいと存じますが、よろしいですか。
(異議なし)
○田中座長 渡辺委員はこちらにお移りください。少人数ですので、座長、座長代理は関係なく自由に発言することにしましょう。
 会議の運営に関して、この検討会は公開で行います。議事録についても事務局でまとめたものを各委員に確認をいただいた上で、厚生労働省のホームページに公表することになります。よろしいですか。そのようにさせていただきます。さっそくですが議事に入ります。
 本日は第1回目の検討会ですので、最初にこの検討会の趣旨や今後の進め方について確認をしておく必要があります。そこで検討会の趣旨などについて事務局から説明をお願いします。

2検討会の趣旨等
○依田上席管理官 お手元の資料で検討会の趣旨等について説明します。まず、資料1-1ですが、先ほど年金管理審議官のほうから冒頭ご挨拶申し上げたように、新しい地域医療機能推進機構については、法律上26年4月1日に現在のRFOを改組する形で、病院を運営する法人として設立する予定になっています。他方、政府全体の独立行政法人改革の方向性がありまして、その中で新機構移行までに法人の在り方について検討することになっています。それを受けて新機構にふさわしい法人制度の在り方を検討するということが、この検討会の趣旨であると考えています。
 関連して若干補足します。資料2はRFO法の改正の概要です。先ほど申し上げたように、地域医療機能推進機構については現在尾身理事長が理事長を務められているRFOを改組する形で、新しく病院運営をする法人として発足することになっています。ここに書いてありますように、地域医療の機能を確保して地域医療に貢献していくことを目的としているところです。
 次に、改組のイメージを書いています。RFOについては現在病院の譲渡等を行う独立行政法人で、非常に少人数の組織です。一方、新機構に移行するまでは、国としても社会保険病院等の譲渡の推進に努めるということが、別途次の頁にありますが、国会の附帯決議等でも求められています。現在の主たるミッションとして1つは、病院の譲渡等を行っていく。これから大きくなる任務としては、新しい機構への改組準備を進めていくというところです。新しい機構については、先ほど申したように地域医療に貢献していくということで、病院を直営していくと。病院についてはRFOから後ほど詳しく説明しますが、運営の委託という形で運営されているわけですが、自ら直営していくということで、職員自ら雇用していくということで約2万人の組織になっていくというところです。こういう全体の改組の流れの中にあるということです。
 もう一つは独法の改革の関係ですが、資料3をご覧ください。これが先ほど紹介した1月の閣議決定です。新機構への移行までに、法人の在り方について検討するということになっています。次に、図の資料があります。これは政府全体の改革の大きな見取り図です。独立行政法人制度は10年を経て、従来一律に規制していた制度から、それぞれ事務事業の性格等に応じた法人制度に見直していくということです。1つは独立行政法人制度自身を見直していくということで、新たに行政法人制度を創設していくということです。
 もう一つは、このような独立行政法人制度の外に出す等の改革も行うことになっています。例えば国立病院機構は、地域医療機能推進機構と同様に病院を運営する法人です。こちらは現在独立行政法人ですが、新しい行政法人という枠組みではなく、医療関係法人ということで、医療法体系を活用しつつ、経営の自律化と医療機能の強化を実現ということで、別の体系を目指していくことになっています。
 このような全体の整理がある中で、年金・健康保険福祉施設整理機構、地域医療機能推進機構については、先ほど1頁目でご覧いただいたように、在り方について検討するということで、まだ帰趨が定まっていない状況にあるわけです。このような中で検討を進めていただくわけです。
 全体の検討の枠組みについては資料1-2をご覧ください。これが検討の全体像として事務局で整理しているものです。法人制度を考えていく上で大きく2つのパーツに分けています。一つは新しい地域医療機能推進機構が具体的にどういう使命、役割を担っていくのか。また、どのような医療等の事業を実施していくかというところです。法律上大枠としては先ほどご覧いただいたように、地域医療に貢献していくということで、特に救急医療等の5事業や、がん、脳卒中等の5疾病、リハビリテーション、その他地域において必要とされる医療および介護を提供する機能の確保を図ることを目的としています。
 特別の法律の規定としては、病院ごとに利用者が参画する協議会のようなものを設置するとか、公的な法人ということで、災害等の場合には厚生労働大臣からの求めに応じて必要な措置を講じるという法律の枠組みがあります。さらに具体的に使命や役割を明確化し、どのようなところに重点を置いていくかという議論をいただければと思います。また、そういう中で国の医療政策との関係、また、民間医療機関との役割分担をどう考えていくかというところを大きな議論のテーマと考えています。本日は新機構の使命、役割のところを中心に議論をいただければと思います。
 それの裏腹、密接に関係する、組織・業務・財務といった面での法人制度。このような使命、役割を遂行して、地域医療に貢献して、自律、効率的な運営を行う、このような法人制度の在り方をどう考えるかということで、目標や評価の在り方、また、法人としての組織運営、病院運営の在り方。特に60余りの3つに分かれる病院グループを1つに束ねて運営していくということで、そういうもののガバナンスの在り方ですとか、また、公的な法人になりますので国民目線での運営の在り方等々、それから自律して効率的な運営を行う上での財政運営の在り方、透明性や公正性の確保の在り方というところでの制度面での議論、これは2回目以降詳しく議論をいただきたいと思います。
 また、そういう中で先ほどもありましたように、病院事業の特性、診療報酬体系の下で医師、看護師等を確保し、再投資を行い、医療機能を持続可能なものにしていくというところの運営との関係を、どう考えていくかということも論点として議論をいただければと思います。
 他方、国立病院機構、これは一方で先んじた全体の絵姿も、閣議決定の方向性として出ているところです。また、その法人制度の在り方については別途検討会が設けられて検討が進んでいるところです。そうした検討状況もにらみながら検討を進めていくということで、キャッチアップをしていきたいと考えています。
 資料1-3は検討のスケジュールです。本日は使命、役割等を中心に議論をいただくということで、第2回目は10月に開催したいと思いますが、制度面全般での議論をいただき、さらに論点整理、議論の整理を踏まえて年内に取りまとめということで、事務局としてはご審議いただきたいと考えています。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。ただいまの会の趣旨および進め方の説明について質問や意見があればお願いします。いかがですか。特にないようでしたら、進め方および趣旨については了解して、このようにさせていただきます。

3社会保険病院等の現状
○田中座長 次の議題、本題に入ります。本日は地域医療機能推進機構の使命、役割を中心に議論をいただくことになります。そのために、厚生労働省から改めて社会保険病院などの現状に関して説明をいただきます。併せてRFO理事長から新機構の方針に関して説明を頂戴したいと存じます。初めに事務局から説明をお願いします。
○依田上席管理官 私のほうから、足下の今の社会保険病院等の現状について説明します。資料4-1は、基本的な話で恐縮ですが社会保険病院、厚生年金病院の沿革です。もともと社会保険病院については、国が政府管掌健康保険の保険者として、保険料財源で整備をしてきたところです。昭和20年代ということで、保険医療機関が必ずしも十分ない状況で、保険診療を提供するという趣旨で整備が進んできたものです。
 厚生年金病院についても厚生年金の保険者として整備をしてきたものです。特に障害年金の受給者等に対する整形外科診療やリハビリテーションの役割を担ってきたというところです。
 船員保険病院は昭和25年から30年ということで、船員保険の保険者である国が船舶所有者が全額負担する保険料を財源に設置をしてきたということです。これは船員のための無線医療や、そういうことで船員のための事業を実施してきたというところです。
 社会保険病院等は24年4月現在で全体で63病院あります。社会保険病院は計50病院で、社会保険紀南病院と東京北社会保険病院の2病院がそれぞれ委託をされている法人がありますが、それを除きますと全国社会保険協会連合会に委託されています。収支状況は黒字が41病院、赤字が9病院という状況です。
 厚生年金病院は10病院ありまして、厚生年金事業団のほうで7病院、全国社会保険協会連合会のほうで3病院が委託されています。
 船員保険病院については船員保険会のほうに3病院が委託されています。それぞれ収支状況は右の欄にあります。厚生年金病院については黒字が6病院、赤字が4病院、船員保険病院については3病院が黒字というのが現状です。このように公設民営型というか、それぞれの委託先団体に委託されていますが、委託先団体における独立採算で運営を行ってきたというところです。
 歴史的にたどりますと、従前、厚生年金病院については15年まで、社会保険病院については16年以前は国による保険料財源を用いた施設整備が行われていましたが、それ以降は行われていないということです。
 めくりますと一覧があります。先ほど申したように全体63病院で、黒字が50病院、赤字が13病院となっています。総計としては黒字になっています。小さい字で恐縮ですが、一番下のところに全体で129億円、23年度決算ベースでは黒字になっています。財務状況については次回のテーマと関わりますので、次回に詳しく資料提供したいと存じます。フローで見ると全体としては黒字になっていますが、かつてから公設民営でやってきたということもあり、ストック面、再投資を行っていくということでいうと必ずしも楽観できる状況ではないと見ています。
 資料4-2は、社会保険病院等が実際に今どのような地域医療の機能を担っているかを整理したものです。先ほど設立当初の趣旨は申し上げた通りですが、地域、地域でさまざまな地域医療の機能の一翼を担っているというのが現状です。医療計画における4疾病、5事業での機能の実施状況、さまざまな地域間診療連携拠点病院や緩和ケア病床を有するとか、救急災害、へき地医療、産科、小児科等々の特色ある医療機能をどのように持っているかということを整理しています。
 めくっていただくと病院ごとに整理をしています。病院によってはややばらつきもありますが、それぞれ地域での機能の一翼を担っている実状をご覧いただけるように書いています。
 医療計画において4疾病、5事業の他にも、例えば在宅医療や緩和ケア、特定の疾病についての診療機能など、書いてありませんが地域、地域での特色ある取り組みが実施されています。このように医療機能の一翼を担っているという現状があります。
 関連して国の施策の動向について若干触れたいと思います。参考資料4をご覧ください。めくっていただいて、地域医療に関連する施策の動きを整理しています。社会保障と税の一体改革において地域医療との関連でいくと、いろいろなサービスの提供体制の制度改革ということです。病院・病床機能の役割分担・連携を推進していく。また、在宅医療を充実させていくという方向性が示されています。
 このような地域医療を実現していく具体的な手立てとしては種々ありますが、特に都道府県が策定する医療計画が実際の機能を実現していく上での軸になってくるわけです。その医療計画については2頁目に書いてありますが、ちょうど改訂のステージになっています。25年度からの新しい医療計画の実施に向けて、24年度、各都道府県において改訂作業が進められています。この医療計画の改訂等を通じて実現していく医療の1つの姿として、3頁に地域完結型医療の実現をしていこうということを掲げています。
 これは地域医療機能推進機構、また、現在の社会保険病院としても一翼を担っている5疾病や5事業、在宅医療、これからの急速な高齢化等も踏まえて、このような機能について1つの病院で完結するのではなく、地域で急性期から回復期、在宅療養に至るまで、切れ目ない医療連携体制を構築していこうということが大きな課題になっています。このような医療政策の課題は、今後、地域医療機能推進機構の在り方を考える上での1つの視点ではないかということでご紹介しました。
 最後の頁ですが、医療・介護を含めた連携体制を強めながら、役割分担を明確にしながら患者の視点から切れ目なく、どこに住んでいても医療・介護のサービスが受けられる医療体制を構築していくことが課題になっています。
 社会保険病院を今後考える上で、先ほどは紹介しませんでしたが、社会保険病院の多くは介護老人保健施設などを持っているところもあり、厚生年金病院についてはリハビリテーションの機能を備えているところも加味して、考える上での素材にしていただければというところです。現状はこれぐらいにして、続いて尾身理事長のほうからお願いします。
○田中座長 お願いします。

4独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構からのヒアリング
○尾身理事長 私のほうから、資料5を基に簡単に新機構の使命、役割を中心に、我々の考えを述べます。RFOの新理事長として私に与えられた主な仕事は、RFOから地域医療機能推進機構への改組に向けての準備ということです。1頁目をご覧ください。4月1日に就任したわけですが、その時点での私の問題意識は主に2つありました。1つ目は新機構の在るべき姿、および果たすべき役割で今日の課題です。もう一つは、2番目の新機構におけるべき組織運営の姿ということです。
 1番目は、特に地域医療を担う公的機関としての存在理由は何かということが最大の問題意識の1つでした。医療法人を含め多くの医療機関が実際には地域医療を担っているわけですが、いまだギャップというか、満たされていない地域医療のニーズというのがあります。我々の機構としては国民に納得してもらえる、しかも新機構独自の存在理由を見いだす必要があるのではないかというのが、私の最初の最大の認識です。
 2番目は次回にやりますが3つあります。一体感のある組織運営ということで、今、管理官からも説明がありましたが、この3団体は歴史的に見ても組織文化、ガバナンス、人事・給与体系がかなり異なります。この3つの組織を1つの組織として一体感を持って運営しなければいけないという認識が1番目にあります。
 2番目は病院経営の自立性ということです。新しい機構になると、国からの運営交付金に頼れないということですから、財政的にしっかりと自立した病院運営を行う必要があるというのが2番目です。
 3番目は公的機関としての説明責任、透明性ということです。改組になれば「公設民営」から「公設公営」になりますので、社会に対する説明責任、透明性が一層求められるのではないかと。この3つです。今日は赤字で書いた1について主に話をしたいと思います。
 今、3団体で異なる文化等があると申しましたが、実はその上に、さらに3団体の多くの職員は、新機構に移る際の将来についての懸念あるいは不安がかなり強かったのです。これは私が就任しての最初の感覚です。
 従って最初の○ですが、改組に向けた準備の一環として新機構の在るべき姿等を議論するときには、全院長などを呼んでオープンな意見交換を進めるという方式を取りました。議論の内容などについては適宜インターネットなどを利用して全職員に共有したというプロセスを取りました。具体的には○2、○3ですが計4回、全院長に集まってもらい、かなり徹底的な議論をし、3つ目ですが8つのテーマに分かれてワーキンググループを立ち上げ集中的にやりました。このような在り方だけではなくて、人事などに関してもかなり突っ込んだ議論を集中的にしました。
 そのような5カ月にわたる集中的な議論の結果、新機構の在るべき姿および果たすべき役割については、関係者の間ではほぼコンセンサスが出来上がりました。今から、そのコンセンサスに至った根拠、なぜそういうコンセンサスを得たかについて簡単に説明します。
 まず、地域医療の現場から見てみたいと思います。4頁では青が日本全国、赤が岩手県の医師数です。これはスケールがそれぞれ違いますが、全国的あるいは県のレベルで見ると医師は増えています。しかし、もう少し狭い単位で見ると、現状は全く異なったピクチャーが見えてきます。
 5頁目の赤い線は岩手県の一関市の人口です。一関にある県立千厩病院の医師数を見たものが青の棒グラフです。県立千厩病院はベッド数が約200の典型的な地域の中小病院ですが、平成13年には18人いた医師が、10年後の平成23年には5人に減っています。10年間で13人減ったわけですから、1年に1名以上の医師が辞めたことになります。辞めた医師のほとんどが臓器別の専門医です。皆さんもご承知のように、このレベルの地域の中核病院では、夜間の救急当直を1人の医者で担当することがあります。その中で臓器別の医者、例えば眼科、あるいは何科という専門家の方は、実際にはそういう病院では多種多様の、小児の熱発から高齢者のいろいろな問題まで来るということで、真面目な医者であればあるほど、そのストレスに耐えられないということで、実際に当該病院を辞めたという実態があります。残った5名の医師は幅の広い診療能力を持つ、いわゆる総合医という人たちです。
 次頁の赤い方はこの病院に来た救急患者の数です。救急患者の数はこの10年間ほとんど変わっていないのですが、そういう中でこの5名の総合医が地域医療を辛くも支えていることになると思います。
 7頁のもう一つの例は京都の丹後の久美浜病院です。左の表の真ん中を見て3病院を比較して、東京のA、B病院、久美浜病院です。小児科の急患のことですが、東京のA病院には小児科の医者が18名、京都のB病院は3名、当該病院は1名ですが、病院全体として東京のA病院は1万2,000人、東京B病院は3,000人、当該病院は3,700人の小児の急患を受け入れました。これを小児科1人に当てると、東京のA、B病院が667人、京都のB病院は1,000人で、久美浜病院は3,700人を診ているということです。なぜこのようなことになるかというと、京都の久美浜病院では小児科は1人しかいませんが、その他の医師、外科医なども、外科医ではあるが幅の広い診療能力を持っていますので、小児の軽い熱発などは診るということです。
 右の欄を見ると2つの医療圏、京都市に近いX医療圏と久美浜病院がある丹後という2つの2次医療圏について、それぞれの医療圏でどれだけ救急隊からの要請があったのか。その要請のうち何%を実際に受け入れて、何%が処置困難で断ったかということです。X医療圏には総合医があまりいないということで、実際には3,152例の要請があったが受け入れたのは76%だけで、残りの人たちは受け入れることがなかったと。一番下ですが、約10%の人を処置困難で断ったということです。丹後の場合、総合医の多いところでは95%を1回で受け入れて、処置困難で断ったのはたった1例で0.2%です。今、2つを示したのは2つの病院に特有なことではなく、総合医の役割、地域での役割を示す非常にいいデータではないかと思います。そういうことで最近総合医はいろいろなところで話題になっています。
 9頁は総合医といっても何なのかということです。総合医の定義についてはさまざまあります。定義についてここで議論することはあまり意味がないと思いますが、一般的に言われていることは9頁に掲げる4つです。特に今日の議論の文脈の中では1と4が大事だと思います。1は幅広い診療能力を持って、よく見られる、いわゆるコモンディジーズに対しての対応力が高いということで、赤で書いてあるように、多様な症状の患者を断ることが少ない。たらい回しが少ない。複数の疾病を持つ患者への総合的なケアが非常に得意だということ。4番目ですが、地域に根ざしているということで、これから超高齢化社会に必要な在宅や介護などとの連携が非常に得意であるということだと思います。
 10頁は総合医が定着すると何が変わるかということです。従来は緑のところで、単一疾患・単一エピソードの治療を行うモデルということが基本だったと思います。患者を1人の医師が診るということで、複数の疾患を持つ場合には患者が自分で複数の診療科の専門医を探すと。介護でも自分でということが大枠で言えると思います。これからは全人的な医療・介護・福祉などが連携して人々の生活をみんなで支えることになると思います。
 そのイメージが11頁です。これは先ほど管理官が説明されたことと同じですので省略しますが、簡単に言えば、地域にいる総合医たちが医療機関と介護、あるいは在宅の人たちと綿密な連携をするということだと思います。
 12頁ですが、総合医ということの議論は、この10年、20年、非常にいろいろなところでされてきましたが、なかなか定着してこなかったわけです。実は定着しなかったにはそれなりの理由があります。私は3つ理由があると思います。?総合医の重要性・役割についていろいろなところで理解の不足があったということ。?総合医の導入について医療界の一部から懸念が表明された。例えば総合医を導入すると、英国型の人頭払い制度になるのではないか、あるいはフリーアクセスが制限されるのではないかという懸念が一部出されたということもあります。
 実は本日の議論の文脈の中で最も大事なのは3番目の赤で書いたところです。総合医の資格・養成について、医療界・医学会の中でコンセンサスが得られなかったということです。ところが最近になって、資格については厚労省の専門医の在り方に対する検討会で、総合医を専門医制度の中に位置付けるという意味のことが中間発表されています。資格ということがある程度固まってくると、残りの問題は養成ということです。ところが、今は総合医の養成機関が不十分で、まだ先が見えてこないということです。
 社会保険病院等の地域の病院には、いまだ診断のつかないコモンディジーズの方が多く来院します。まだ診断がついていない。しかもコモンディジーズだと。そういう意味では総合医の養成には最も適している医療機関の一つであるといえます。しかも機構に属するであろう60弱の病院は全国的なネットワークを持っています。従って新機構は総合医の養成に大いに貢献すべきと私は考えています。
 今まで医療の現場から総合医の話をしてきましたが、わが国の医療全体について簡単に見てみたいと思います。課題ですが、未曾有の超高齢社会では、人々は複数の疾患を持ち、身体機能、認知機能がともにだんだん低くなって、ニーズはますます多様化すると。
 多様なニーズと現行の医療提供体制の間にミスマッチがあることが根本的な問題だと思います。ミスマッチを是正するための方策はそれぞれたくさんあるわけですが、あえて急所という意味で2つあると思います。1つは地域医療の連携強化ということで、急性期、回復期、看護、在宅などの関係者、施設などが、今でもやっていますが、もっと緊密に連携する必要があると思います。それから、幅広い診療能力のある医師の養成ということで、総合医と銘打っておきますが、この総合医が1番目の地域医療の連携強化の要になると思います。

5地域医療機能推進機構の使命、役割等
○尾身理事長 15頁では、新機構が担うべき役割や使命はどういうことなのかと。勝手に決めるわけにはいかないので、決める際には何か基準がなくてはいけないと思います。われわれは5つの基準を考えてみました。1つは未曾有の少子高齢化を踏まえ、地域、国民のニーズが高い領域であること。2番目に、公的機関が担うべき領域であること。3番目は地域医療機能推進機構としての理念・特色をしっかり打ち出せること。地域医療の諸問題の解決に貢献できること。最後に、60前後の病院群の過去の実績や経済的な側面を考慮して実行力があること。実際的な面も見なくてはいけないということです。
 先ほど管理官からも説明がありましたが、新機構に属する60程度の病院は公的機関としては大変ユニークだと思いますが、約半数の病院に老健の施設が併設されていまして、既に介護関連事業に関与しています。16頁に続きます。
 前述したごとく、総合医の必要性というのが分かる。それから、わが国の医療において克服すべき課題は地域連携の強化だということ。今申し上げた新機構が担うべき役割の際の判断基準、これら3つを総合すると、新機構としては社会保険病院などが担っている5疾病・5事業やリハビリテーションなどの医療提供、今までやってきたことの一層の充実強化はもとより、超高齢化社会を見据えて地域医療機能の確保を図るために、17頁に示した役割が求められると思います。
 17頁ですが、新機構における病院間の全国的なネットワークがあります。そのネットワークを活用して、地元の自治体、医師会、医科大学・関連医療機関などと密に連携して、1、各地の地域医療の課題を集積・分析・解析することを通し、地域連携等のモデルを構築し、全国的な地域医療の向上に積極的に関与する。2番目は、住民が安心して暮らせる在宅医療などを含む地域包括ケア実現に積極的に寄与する。3番目は、災害時の被災地域およびへき地を含む、医師不足地域に対し積極的に支援を行い、医師の偏在問題の解消に貢献する。4、幅広い診療能力を持つ総合医の養成に積極的に関与し、専門医と共同しつつ、シームレスな地域医療の構築に向け貢献する。5番目は、地域医療、地域包括ケアの要となる人材を育成し、超高齢社会における地域住民の多様なニーズに応える。そこの印に書いてありますが、機構は協議会等を通じ、地域の利用者その他の関係者の意見を聴き、運営の参考にするということです。
 18頁では、今まで申し上げたように新機構は急性期医療、リハビリテーション、老人保健事業をはじめとする医療・介護における実績を基に、公的機関としての機構に課された新たな責任を果たすため、5疾病・5事業等に係る医療の一層の充実・強化を図るとともに、病診連携、医療・介護の連携、在宅医療・地域包括ケアの推進、総合医育成、地域の医師偏在の是正等、わが国の超高齢化社会における喫緊の課題に積極的に取り組み、地域住民のニーズに応え、地域医療の機能の確保を積極的に図ることにより、国の医療政策上の重要な課題である地域医療における医療連携体制の構築に貢献したいと思います。以上、新機構が果たすべき役割について意見を述べました。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございました。管理官からは社会保険病院等の現状説明をいただきました。理事長からは機構が果たすべき今後の役割について語っていただきました。ただいまの説明について、現状、将来について意見を伺いたいと存じます。お願いします。
○渡辺座長代理 いろいろご説明ありがとうございました。最初に今別府審議官からも話がありましたが、一方で国病・労災の在り方が検討されていて、これも年内に結論を出さなければいけない。私自身もその委員を兼務しているわけですが、結論的に言うと、国病・労災は新しい独法通則法が成立したらの話ですが、新しい行政法人になることはあり得ないと。つまり独法か、多分間違いなく国病・労災は新しい医療法人になるであろうと。これは間違いないと言ってもいいと思います。そうなったときに、今お話があったように、今あるような、いわば所管していらっしゃる、社保、厚年、船保を合わせて63の病院の在り方が、今回与えられた命題だと思います。結論を先に言うと、国病・労災になぞらえる必要はないのかもしれませんが、といって全く違った形とも考えにくいというのが私の最初の考えです。つまり国立病院機構が144、労災病院が30ありますが、こちらの63病院はあり得るとすれば、独法か新しい医療法人しか考えられないのではないかと私は考えています。
 そうすると国病・労災は新しいミッション、いわゆる政策医療あるいは労働者災害医療というものになるわけです。新しい推進機構、つまり新しい63の病院は、今、尾身理事長が詳しく説明されたことが新しいミッションになるととらえれば、非常に合点がいくというか納得がいきます。これはまた別の機会にもっと詳しく申し上げたいと思います。
 尾身理事長に1点だけ質問します。総合医の養成が大きなミッションであり、各病院長のコンセンサスが出来上がったという話でした。例えば高久先生がされている厚労省の検討会のほうの総合医、専門領域18プラスワンという、あれはどちらかというと新卒者です。新しく医学部を卒業する人たちの養成についての議論が中心だと。あるいは医学界の専門医認定機構のほうも新卒者というか新しく卒業するほうです。ところが今必要なのは、既卒者というか現役の医者が総合的に診る能力です。先ほど丹後久美浜の例も話されましたが、尾身理事長が考えられる総合的な診療能力を持つ医者の養成というのは、病院ですから新卒とは考えにくいのですが、もう少し具体的に後期研修なのか、あるいは40代、50代の医者なのか、教えていただけますか。以上です。
○尾身理事長 適切なご質問をありがとうございます。どのグループを対象にしているかというご質問ですが、卒前の医学教育は大学病院で主にやっていますが、この一部もうまく地元の医科大学や医学部と機構の病院が連携すれば、本来大学卒前の教育の一部は地域でやったほうがいいということですから、この連携は卒前教育から始まるほうがいいと思います。それについて我々は地元医科大学と協議して、やれることがあればやるということです。
 卒後すぐの臨床研修初期の2年間については、既に社会保険病院等のかなりの部分が基幹病院としてやっています。臨床研修初期の2年については既に幅広くやっていますが、そこについてはこれからもコミットすると。それから、今渡辺委員が指摘された厚生労働省の19番目は、厚生労働省の2年の初期の研修が終わった後に18番目の専門としてやるということですから、それについては指導医を確保して、そちらについても十分コミットできればと思います。また、大学病院や一般の地域の病院で専門医として働いている医師が総合医を取りたいというフェーズもあるわけです。それについてもニーズがあれば積極的に関与したいと思います。そういう意味ではどこかのステージに限局するのではなく、卒前から卒後のかなり年配の人までと考えています。
○渡辺座長代理 先ほどの丹後久美浜も国保の直診で、諏訪中央病院も国保の病院として、現役の30代、40代の人も総合診療をやっています。私のイメージにはそういったことがあるので、現実問題として新たに63の病院で、今おっしゃったこともよく分かりますが、その辺のことをどうされるのかという意味で伺いたいです。
○尾身理事長 渡辺委員がご指摘のように、地域の現場では冨永先生のところもそうですが、実際に総合医的な役割をされている医師は多いです。卒業後のかなり年配の人と申し上げたのは、大学病院等でずっと専門医療をやっていたが、50ぐらいになったので地域医療をやってみたいという人にも門戸を開放したらどうかという意味で申し上げています。どこが一番のフォーカスかといえば、福井先生もおられた今度の厚生労働省の検討委員会で、19番目の基礎疾患として専門性という、ここが今までなかったわけです。これについて機構がかなり他の医療機関と連携して、養成に関与する部分がたくさんあるのではないかと。ただし、これは我々一つでできるわけではなくて、17頁の冒頭に書きましたが、機構は今言ったようないろいろな役割を果たさなければいけませんが、我々だけでやることはできないので、既にいろいろされている自治体、医科大学以下さまざまな医療機関と綿密な連携をして養成についてもやりたいということです。
○田中座長 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 学務がありまして中座しますので申し訳ありません。
 少し分からなかった点と確認というか意見が3点ほどあります。まず、RFOについて1頁で説明責任の話がありました。説明責任についての認識はもっともというか、こういう方向でいくことには賛成ですが、改組によって説明責任がいっそう求められるというのがよく分からないのです。これはどういう意味なのかということです。機構法で、これまでの経緯もあるでしょうが、機構の目的として各社会保険事業の適切な財政運営に資することが入っていますので、各保険者ひいては被保険者等に対する説明責任等がなかったわけではないと思います。それが公設公営になるとよりいっそう求められるというのはどうなのか、少し腑に落ちないところがあります。これから新たな機関に対して説明責任、透明性が求められるということ自体は全くその通りだと思いますので、その点は私の意見とします。
 私は法律学の専門なので堅苦しい議論になって恐縮ですが、使命、役割について3点ほど考えます。まず1つは先ほど渡辺委員からもありましたが、新しい法人等をどう位置付けていくかということで、2つの意味で、国立病院との議論を無視するわけにはいかないと感じます。1つは機構が担う使命が、いわゆる公的医療あるいは政策医療の一環であるとすれば、それを担う国立病院等との議論を無視するわけにはいかないというのが1点です。
 もう一つは先ほどの機構法3条の目的に関わるのですが、もともと社会保険の福祉施設の一環として設けられた病院を引き継いだという経緯がありますので、経緯を全く無視していいということであれば関係ないかもしれませんが、現行の法律でもそれを引き継いでいるわけですので、少なくとも直営の国立病院より新しいこちらの病院が、国立病院よりも厳しい公的な規制の下に置かれることになるのはどうなのかと思います。そういう意味では、新しい国立病院等の公的な規制よりも厳格な公的な規制の下に置かれる病院になるというのにはやや疑問があります。そこは国立病院との在り方との関係で議論せざるを得ないと思っています。
 2つ目は医療法上地域医療支援病院との関係です。現在の各病院の中にも地域医療支援病院になっているところもあるようですが、そうでないところもあるようです。法律上の話で申し訳ないのですが、医療法上の位置付けをどう置くのか、どう整理するのかということをきちんと考えていただきたいと、これは事務局に対してです。当然お考えだと思いますが医療法上の位置付けです。現在地域医療支援病院という、地域医療を担うべき類型の病院の置かれている中での位置付けをどう考えるかということを議論していただきたいということです。
 3点目は、今の地域医療支援病院になっているところと、なっていないところがあるというのに関わるのですが。例えば東京厚生病院や大阪などと、先ほどご説明のあった地方の病院と、実質的な機能、担っている役割は随分違うのではないかという気がします。それをどう整理するのかということです。ただ、ここでは法人の在り方という枠組みの議論をすることがメーンだと思いますので、そうであれば、その中での各病院の在り方というのは次の議論というか中身の議論なので、ここでの議論には直接関わらないかもしれませんが、そこまで議論するのかどうかということは確認しておく必要があるという気がしました。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。意見と質問の部分がありました。透明性について理事長に質問と、議論の在り方として地域医療診療をどうするかという話でした。お答えいただけますか。
○依田上席管理官 事務局のほうからです。関連するご質問の中で、1点目は尾身理事長に対するものもありますが、制度的な話で申し上げると、これは公的法人ということで、独立行政法人につき、法律上、非常に厳しい説明責任を法的な規制として負うわけです。今もRFOは独立行政法人ですので、RFO自身に対する給与でありますとか、開示の責任義務があるわけです。実は公設民営ということで、運営自身は先ほども言いましたように、各運営団体がそれぞれ民法法人だったり、それぞれの法人類型での規制になっています。それぞれの病院自身についてのディスクロージャーという意味で言えば、法的な規制の中で、病院事業そのものについての法的なディスクロージャーの義務を負っていないということです。ただ、先ほどありましたように、これから直営して、公設公営型でやっていくということであれば、病院事業そのものについて、全体についてのディスクローズな説明責任を負っていくというところがあると思います。
 2点目の国立病院機構での議論は私どもとしても注視しながら、国立病院としては政策医療を提供するというミッションの中で、どういう医療法との関係、医療政策との関係、国の関与という中での法体系を考えていくということです。それとの関係については、次回に比較も含めた素材も提供して、今ありましたように、もう少し議論を深めるように素材を提供できればと思っています。
 地域医療支援病院との関係ですが、菊池委員のご指摘のように、確かにすべての社会保険病院が地域医療支援病院を取得しているかというと、ご覧の通り、取得しているところもあれば、取得していないところもあります。地域医療支援病院についてはご案内の通り、非常に厳しい要件が掛かっています。例えば紹介率が8割を超えているとか、ないしは紹介率が6割を超えていて逆紹介が3割あるとか、地域との紹介率などの要件が非常に厳しいということもあります。
 法律上の目的として、私どもの思いとしては、いろいろな地域医療のニーズなり求められる機能がある。地域医療支援病院も1つの果たすべき役割で、このような役割も中核になって重要ですが、社会保険病院の現状としては、例えば具体的な話でいえば、周産期医療について特色ある地域で非常に役割を果たしているとか、例えば宮城県の社会保険病院では、震災のときに透析医療を、震災時4日間ぐらいにわたって地域の透析患者を一手に引き受けるとか、地域、地域でそれぞれ求められている役割というのがあります。現状としては地域で求められる役割を担っていくということだと思います。今後ここで議論をいただければと思いますが、地域医療支援病院は地域医療への貢献の一つの仕組みだと思いますが、いろいろな役割の果たし方があると思います。
○田中座長 理事長から補足でご発言いただけますか。
○尾身理事長 菊池委員がおっしゃる通り、今までも当然説明責任があるわけで、なぜ今さら「一層」という言葉が必要なのかという、大変重要なご質問だったと思います。実態として今まで社会保険等の病院が、今までどういうことを実績としてやってきたか、あるいは給与のベースがどうだったかということを外に向かっては公表する必要もなかったし、してこなかったわけです。新しい機構になれば独法の評価委員会という、これは評価委員会ですが。RFOもつい最近評価委員会があって、恐らくこれからも国に対して、しっかりしたいろいろな説明をしていく。国が中期目標をつくりますが、それについて我々がどういう事業計画をやってどれだけ実行したか。あるいは給与ベースなどが全体でどうかということを当然説明される機会があるということが、実態的に明らかに今までと違うということで、そういう問題意識がありましたので「一層」と書きました。
 2番目の菊池委員のご質問は、地方の病院と都会の病院は違うので、今日の機構全体に関する議論の対象になるかという文脈での質問だったと理解しています。これからの議論のための情報としてあえて提供しますと、確かに菊池委員が言うように60ぐらいの病院がありますがかなり違います。むしろ違うからこそ、お互いを補完し合うというスケールメリットができるのではないかということです。そういう意味では今日の使命、役割というのは機構としてという宿題があったので、このようなプレゼンテーションの仕方をしました。実はこの4~5カ月の間の議論の中には機構全体としてという一つの役割ということと、各病院がそれぞれ特異的に何をするかという議論もあったのですが、今日の文脈の中では後者は必ずしも必要がないのではないかということで省略したということです。
○田中座長 よろしいですか。他の意見や質問をお願いします。
○冨永委員 確認したいのですが、譲渡ということに関して資料2の2枚目に、改組後、病院等の譲渡後も地域において必要とされる医療機能が確保されるものについては譲渡するということが書いてあります。参考資料1の一番上の平成14年12月の項目に主な経緯ということで、1番、2番、3番と書いてあり、3番については統合、譲渡を検討すると書いてありますが、この辺がよく分からない。参考資料の3番と資料2の2枚目の改組のところの譲渡という意味が、私の読みが不十分なのか分かりにくいということ。
 もう一つは交付金ということです。尾身理事長の話では交付金に頼れないという説明があったと思うのですが、参考資料2の4枚目の独立行政法人の改革関連法案のポイントということで、運営費交付金の適切な使用に云々という説明がありますが、それが十分に理解できません。譲渡と運営交付金ということについての2点です。
○田中座長 冨永委員の質問に対しては事務局から説明をいただきます。
○依田上席管理官 すみません。私の説明が不足していたと思います。交付金の話をします。参考資料2の2枚目ですが、これは一般的な独立行政法人制度、通常国から運営費交付金が交付されて、いろいろな公的な事業を運営するというのが、一般的な独立行政法人の運営としてあるわけです。今回の地域医療機能推進機構については特異な取り扱いというか、国から運営費交付金は交付しないということが法律上明記されています。これは先ほど申したように、かつて公設民営で国が施設整備をした経緯はありますが、一定のところで整備も国はお金を出していません。今のRFOに対しても国からは交付していません。この機構についても運営費の交付はせずに、自立経営をしていくことが法律上も求められています。従って、そこは一般的な独立行政法人とは違う取り扱いになっているところです。
 譲渡についてはもう少し経緯をたどりますと、参考資料1に経過のところがあります。先ほど冒頭で、年金管理審議官のほうから種々様々な経過をたどっているわけで、もともと社会保険病院、厚生年金病院については、譲渡も含む整理合理化を進めるべきという議論がありました。他方、社会保険、厚生年金病院については、譲渡といっても地域医療へ与える影響が懸念されるということで、慎重な取り扱いの下に譲渡を進めるべきというのが基本的な方針です。
 これは平成21年3月に厚生労働省の通知で決まっていますが、地域医療が損なわれないことに十分配慮して譲渡を進めていくということが一方であります。他方、そういう中でRFOに社会保険病院、厚生年金病院が出資をしていくわけです。譲渡対象にする病院については国が選定していくと。関係自治体の意見を聴いて、地域医療に支障がないかどうかを十分に確認した上でやっていくということが譲渡の基本になっています。
 そうした中で、地域医療に貢献していく受け皿たる地域医療機能推進機構を設けるという法律が立案されたわけです。先ほど触れましたが、資料2の法律を国会で議決するときに、衆参両方ともの委員会で附帯決議ということで決議されている内容としては、新しい機構が改組されるまでの間に、RFOの設立目的に沿って社会保険病院の譲渡の取り組みを推進するということが言われています。
 もう一つは改組後の機構の業務です。一義的には地域医療に貢献していくということで、先ほど申したような病院運営をやっていくことを第一義的な目的にしているわけです。これはできる規定ということですが、引き続き、資料2の1枚目の、譲渡後も地域において必要とされる医療機能が確保されるもの、仮に譲渡する場合は地方公共団体の意見を聴いてということです。そういう場合については譲渡もできるというところも規定があるというところはご指摘の通りです。地域医療への貢献を主たるミッションとするわけですが、譲渡しても地域医療に支障がないケースについては引き続き譲渡ができるということです。
○田中座長 冨永委員はよろしいですか。
○冨永委員 はい。私はすべての社会保険病院や厚生年金病院を知っているわけではありませんが、資料2の1頁の(3)の、譲渡後も地域において必要とされる医療機能を確保されない病院もあり得るのですか。私はすべてが確保されるのではないかと思うのですが。
○田中座長 されない場合はどうなるかという質問です。
○依田上席管理官 譲渡する場合には、いろいろな制約条件がこの条項自身にかかっているということです。地域医療の機能が確保されなかったり、自治体の意見を聴くということですので、自治体がよしとしない場合については、この規定に沿った手続きが進められないということではないかと思います。
○冨永委員 私は自治体病院、国民健康保険の病院におりまして、院長という立場です。社会保険病院が自治体に譲渡されて、自治体病院になりますと地方交付税措置があります。私どもはそれがあるわけで、病院の院長にとっては運営交付金がないよりも、自治体病院となって総務省からの地方交付税措置があるほうが経営にとっては有利なのではないか、しかも地域医療機能を確保できるということもあるのではないかと思います。その辺はいかがですか。
○田中座長 仮定の話ですがいかがですか。
○依田上席管理官 地方公共団体がどのような財政状況なりを考慮されるか、時と場合によって一概には申し上げられないと思います。先ほど私どものほうが運営費交付金を交付しないと言ったのは、法人の運営、まさに病院事業そのものに対する独立採算でしっかりやっていく制度になっているということです。地方の財政の交付金と若干視点が違う感じはしますが、いずれにしても地域医療に責任を一義的に負っている主体が地元の自治体ですので、そこの意見を聴かずには進められないということです。
○田中座長 小林委員にお願いします。
○小林委員 すごくクリティカルな問題が出たところに一般的な質問で恐縮です。理事長が説明された新機構の担うべき役割のところで、地域の機関と連携して地域医療の課題を分析、解決するということはその通りだと思います。地域、地域によって多様にいろいろな問題があると思います。そうすると、いろいろな異なる問題に直面する各地域の病院の全体のガバナンスというか、どのように解決していく、役立っていくのかという、ガバナンスのメカニズムというのがすごく問われるのではないかと思いました。63病院が公設公営になるということなので、それぞれの病院が担うべき役割は地域ごとに異なっていますが、そこを機構として全体としてどうガバナンスをしていくのか、適切に動いているのかということをガバナンスしていくのか、そこにも説明責任を問われると思います。その点はどうかということを伺いたいということです。
 もう一つは、11頁に総合医のイメージが書いてありますが、その中で機構としての病院の位置付けはどこになるのかが理解できませんでしたので、その点を伺いたいということです。先ほどの譲渡のところでいうと、地域において必要とされる医療機能が確保されるかどうかということついて、譲渡のプロセスがいろいろあって、どのように譲渡していくのかということの中で、地域の住民の福祉に役立っていかなければいけないので、そこに支障が出てくると困ると思います。譲渡の部分のプロセスというか手続きについて、その判断も含めて、国が最終的には判断するということですが、プロセス、手続きも含めてどうしていくのかというのは、住民にとっては極めて重要な問題です。しかも譲渡していくという過程まで視野に入れると、機構自体がどういう形というかミッションを持ちながら、どういう体制になっていくのかということも含めて議論しなければいけないのかどうかを確認させてください。
○田中座長 3つ質問をされました。前の2つは理事長で、最後は国が答えたほうがいいかもしれません。お願いします。
○尾身理事長 小林委員、重要なご質問をありがとうございます。一点目は、地域によって
各病院の置かれている状況が違う中で、各病院に対するガバナンスを機構全体についてどうするかという話だと思います。実は第2回目のこの会議でガバナンスの話が出ると思います。先ほどの菊池委員からの説明責任という話と関係があると思うのですが、3つの団体がありましたが、3つの団体のガバナンスが全く違っていたんです。大ざっぱに言うと、単純化して分かりやすくすると、ある団体は非常に中央のコントロールが効いていたというガバナンスの仕方、もう一方の団体は各病院の裁量権にかなりの部分が任されていたということです。これが新しい機構になりますから、それでは統一的なことができないということで、ガバナンスをどうするかという話をこの4~5カ月でやって、これについては社会的に説明を求められる1つの機構になりますので、ある一定程度の範囲内での裁量権は各院長さんに持ってもらいますが、機構全体としての在り方については本部がしっかりした体制をつくらなければいけないと思います。地域における連携というのは機構だけではできないので、そこの地域におけるガバナンスが問題で、これは今日のテーマではありませんが、実はその問題もあるということです。
 11頁の図の中で機構はどこに入るかということです。ご指摘の通り、これは一般論として総合医が大事だということで書きましたが、小林委員の質問に答えるとすれば、我々は開業医の先生のグループではありませんので、病院のグループですから、ここの上のほうの2次医療機関の中で既に60程度の病院の中には多くの医師が、今までの経過がありますのでいわゆる専門医です。総合医的な役割をしている先生もいますが、あえて単純化すれば基本的には専門医です。従って新しい機構の役割としては、病院の中に総合医もいて、その中で専門医と総合医が連携して各医療機関と連携するという意味です。ここの専門医と総合医のチームワークというのは、新機構の中にそういうシステムをつくりたいということです。よろしいですか。
○依田上席管理官 譲渡の関係のお尋ねですが、一つは手続きで見ますと、地域医療機能推進機構が発足するまでの間については、国が自ら地方自治体の意見を聴いて、地域医療に支障がないかというのは国が判断をして、選定対象にしていいかどうかを考えた上で対象病院を選んで、それをRFOに通知をすると。RFOは国から通知された病院について、いろいろな譲渡条件を地域医療に支障がないように定めながら譲渡を進めていくというのが今の枠組みです。
 地域医療機能推進機構が発足した後については、地域医療機能推進機構そのものが今とは根本的に違うところは、今のRFOは社会保険病院との整理、合理化をしていくところが一番のミッションになっています。その中で、先ほど申したように、国が病院を選定していくことになっています。新機構になった後は、国というよりは新機構自身が手順を取っていくというのが法律上の規定です。機構そのものが地元の地方公共団体の意見を聴いて、譲渡して地域医療に支障がないかどうかを判断していくという手続きになります。
 具体的な要因はまだつくっていませんので、これからの議論です。大きく違うのは、今のRFOは病院の整理、合理化自身を目的にしているところです。今回の新しい機構は、譲渡業務はありますが、地域医療に貢献していくというところが大きな目的ですし、地域医療の責任を持つ地方公共団体の意見をしっかり聴いてするという手続きが定められているのが今と大きく違うところです。
○田中座長 上位目的が変わるので実務も変わる、上位目的も変わるということです。ありがとうございました。福井委員、どうぞ。
○福井委員 コメントのような質問のような発言ですが、地域連携がよくなればよくなるほど、総合診療的なことを行う機関・施設と、非常に高度な手技や手術に特化する病院が分かれてくると思います。そうなると、社会保険病院の中には500~600床という病院もあれば、110~120床の病院もあり、理事長がおっしゃったような1つの役割だけを担う病院群だけではなく、同じ機構の中でも役割が分かれてくるのではないかと思います。お話を伺って、そういう状況下でガバナンスと言いますか、機構の役割をうまく統一するのは難しくなるのではないかという危惧を持ちました。総合医を育てる、またはそういう機能を果たす病院は、日本では少ないと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 地域全体で質の高い医療を提供するにはどうしたらいいかという視点で、例えば国立病院機構とこの機構が、それぞれが独立して自分たちが生存するためにやっていくということではなく、地域の医療体制を損なわず、さらによい医療体制をつくるにはどうしたらよいかという地域全体の視点で、この機構がどういう役割を果たすべきかという考えも組み込まれるといいと思います。
○田中座長 理事長、お答えください。
○尾身理事長 福井先生、ありがとうございます。2点あったと思います。1つは、かなりベッド数の多い500以上の病院から200前後とあるので、あまりひとくくりにしないほうがいいのではないかというご指摘でした。まさにその通りです。実は病院の中には、福井先生はご存じだと思いますが、ある地域では大学病院並みの病院もあります。ベッド数もそうですし、診療内容もある部分では大学病院に匹敵するぐらいの診療科目で、地域のシエア率が高い病院があります。一方ではベッド数が200ぐらいの中小病院があり、そういう意味では福井先生が言われるように、役割を全く同じ、スタンダードを全部に当てはめることはできない。まさに地域のニーズに合わせた形でやると。しかし、機構全体としての哲学を持って、そこでそれぞれできることを補完してやることだと思います。先ほど菊池委員からもその話があり、個別の病院はそれぞれ今まで地域のニーズに合ったものをやり続けながら、新機構全体としての使命にどれだけ参加できるかということだと思います。
 福井先生の2番目の問題は、地域医療機能推進機構が自分らの組織だけの存続を考えるではなく、国病あるいは労災、自治体病院などと一緒に考えればという御意見、私はまさに同感です。地域医療機能推進機構が他の医療機関との連携を強めれば地域医療のためですから。特に公立病院と医療法人の場合には設立主体が違うのでなかなかそう言うはやすしですが、公的病院については、いろいろなところで人材の交流や、地域医療における問題の解決を一緒にするということはぜひ必要です。実はそれが日本に最もなかった。日本の場合には設立主体が異なるものが50以上あるわけです。異なる設立主体の医療機関が、端的に言えば、それぞれ経営に忙しいと。そういう意味では地域医療全体のために連携することが、努力はされていますが、まだ不十分なところがあります。機構としては、志が同じいろいろなところで、多少の強みは違うと思いますが、共通なやるべきところはたくさんあるので、福井先生が言われるように、地域全体を考えてやるということは私も同感です。
○田中座長 この次の地域医療計画には間に合わないとしても、その次のときにはそういう公的団体の集まり等が声をあげて、地域医療計画の中にも合理的な地域の案をつくるというのはいいことです。中沢委員、どうぞ。
○中沢委員 資料4-2を見ますと、現在63ある社会保険病院等の医療機能の現状が書かれています。これを見ても明らかなように、いろいろな病院がいろいろな機能を持っているという形になります。神奈川県内においても、社会保険病院等が今5つあります。例えば救急をしているところや、周産期をしっかりしているところ、リハをしているところとか、それぞれの地域においての病院の機能をそれぞれで果たしているという現状がありますので、一概に議論ができないというのは私も感じているところです。
 来年の4月から新しい保健医療計画に向けて、5疾病、5事業、在宅という視点で医療計画の見直しに当たっているわけです。確かに高齢化が進むに当たって、在宅医療のニーズが高まり、特に在宅医療というと総合医のニーズはさらに高まるというところがあります。そういう意味では病院にいる総合医の場合と、診療所の先生たちにも総合診療的なマインド持っていただくという意味合いもあります。理事長の言われるような形で社会保険病院がそういう人材の育成、養成に、大学病院や地域医師会や地域の病院と連携をしてやっていくというのはすごく重要な視点だと考えます。そういう意味では今後どしどしやっていただきたいというところです。
 そうした中で、資料4-2にありますように、今後新たに社会保険病院等の医療機能ということでの総合医の育成が、新たに1つ要件が増えるということを考えたのか、それとも、必須ということで社会保険病院等がそれを全部でやるという考えなのかが分からなかったのでお聞きしたいと思います。
○尾身理事長 中沢先生ありがとうございます。すべての病院が総合医の養成に関与するのかどうかということです。基本的には、先ほど渡辺委員から、どのグループをやるかということと、先ほどの議論とも関係してくると思います。今までなくてこれからあるであろうというのが、実は先ほど冒頭で申し上げた、19番目の専門医としての総合医の養成を、初期の2年間の臨床研修が終わった後にどこでやるかという話で、これが今の日本では絶対的な不足です。
 プライマリ学会が指定したプログラムの養成する医師数はすごく少ないです。それは養成機関が少ないからです。私の希望としては、すべてを強制することはできませんが、なるべく機構の病院が多く、すべてがいいと思いますが、早いうちにプライマリ学会の、総合医としての専門医を養成できる要件、実は指導医がいるということや幾つかありますが、その要件を満たしてもらって、若い人で興味のある人に、我々に採用する用意があるということを伝えて多くの人に来てもらい、効率的な養成ができればということがあります。
 そういう意味で基本的な理想としては、先ほど福井先生も言われたように各病院がそれぞれ違う強みがありますから、機構全体として総合医の育成を目指すが、最初の数年間は、上述の要件を満たした病院を中心に行い、一部は国保の病院等と連携してやるということができればいいと思っています。
○渡辺座長代理 先ほどから譲渡に関する話が出ていますが、ご承知の通り私の記憶では、自公政権のときから政権交代になっていろいろ翻弄されたというのが私の印象です。結論として、社保あるいは厚年にしても、63病院で公的な性格を持たずに不要だったら譲渡せざるを得ないと思います。そういう中で、譲渡を前提とするということではなく、先ほど尾身理事長が説明されたような新しいミッションを持って、計63の病院をやるという方向をできれば示していただきたいというのが率直な印象です。
 もう一つ分かりにくい点は、今は社会福祉施設の整理機構であるが、普通に予定通りにいくと、再来年の3月いっぱいで終わって、再来年の4月から地域医療機能推進機構に変わるわけです。1年半余りあるわけで、普通に考えると1年半余りの間というのは整理しろと。そして1年半たったら地域医療機能推進機構だという言葉になっているわけです。
 例えば1つの提案です。これは国にも聞きたいのですが、今の整理機構のときに整理だけが仕事ではなくて地域医療の推進のようなことを、現に病院があるわけだし、地域においては医師不足その他ではっきり言って困っているわけです。法律上1年半だから、今は整理の機関だから地域医療を推進できません、地域医療を推進できるのは再来年の4月からだという法解釈上の厳密な解釈ではなくて、今既にできることはやれるということが望ましいと思うのです。63も病院があるわけですから、全部にそれをやれとは言いませんが、前倒しというか部分的というか、そのようなことが法律上できるならばぜひやっていただきたいと思います。依田管理官、どうでしょう。
○依田上席管理官 準備業務との関係ですが、若干説明不足で申し訳ないのですが、実はRFOの主たるミッションは、先ほど譲渡であるということを申し上げましたが、独立行政法人の業務なり、ミッションを定める中期目標があり、中期目標をこの3月に改正しています。新たに地域医療機能推進機構への改組に向けた準備を1つのミッションとして位置付けたところです。従って、国から指示があった病院については譲渡していくというのは1つの目的ですが、併せて準備業務、改組をしっかりしていくというのは1つの今のRFOのミッションになっています。
 そのような準備業務の中で、渡辺委員が言われたのは、26年4月に向けてガバナンスなども準備をしていくとか意識改革だとかそうしたこともあると思います。準備業務の一環として、この4月から尾身理事長自身が各病院長方に対するリーダーシップを発揮していただき、準備業務の一環としていろいろな意識改革なり、新機構へ向けての考え方の浸透などをしていいただいていると思います。そのような準備業務の一環として、さらに一歩進めたというご提案だと思いますので、どういうところまでできるかというのは、ここでのご議論なりご意見を踏まえて尾身理事長とよく議論して考えていきたいと思います。
○渡辺座長代理 できればぜひやってください。
○田中座長 渡辺委員が言われたように、譲渡は政局に振り回されたところがありますので、それよりも地域医療推進だと言っていただきました。今の管理官のお答えでは、それもできるという意味だったと思いますのでお願いします。他にはよろしいですか。
○冨永委員 今まで委員の方々が発言されたことの追加になります。尾身理事長も言われていますように、私は国民健康保険病院におります。ここに出ています京都丹後市立久美浜病院や一関市立になった前の藤沢町民病院では、自治医大の出身の方が多くいて、そこで総合診療を行い、地域医療機能も推進し、経営もよく、地域住民に信頼されております。国保の病院はどちらかというと、中山間地やへき地でやっています。日本は超高齢社会で、8月の総務省の概算値で高齢化率24%と聞いています。日本の状況では総合医が必要だということは誰もが思っていることですが、アピール不足ということもあります。大学のことはよく分かりませんので福井委員に聞いて頂いたらいいのですが、家庭医療学講座をつくっている大学もできていますが、総合医の育成はまだまだ不十分であります。
 ですから、先ほど尾身理事長が言われましたが、都市部のRFOに属する病院では医師も多いわけですから、国保病院や自治体病院と人事交流等をしながら総合診療の指導医を育成し、総合医になる人の教育も担当し、また、総合医のマインドを持った専門医を育成していくということによって日本の地域医療のバランスがとれると考えています。RFOの63病院と私共の900近くある国保病院・診療所が連携して、総合医の育成ができればいいと思っています。
 福井委員が言われたように、63病院の中にはかなり専門医療に特化した病院、私の知っているところでは、玉造厚生年金病院は人工関節の手術では一般病院としては中四国で有数の病院だと思います。そういう特化した病院もありますので、地域特性、病院の特性も考慮すべきであると考えます。一律に総合医の育成が使命とは言えないと思います。今、社会保険病院で、国立病院機構や自治体病院の急性期病院と違うところは、検診などもよくやっているし、先ほど言われたように老健施設なども併設している病院もありますので、地域医療が何かということの定義はなかなか難しいです。
 地域連携による地域完結型の医療という点では社会保険病院は、国立病院機構や労災病院が持っていない機能をたくさん持って役割を果たしているということです。それをさらに推進する。それは5疾病、在宅医療。在宅医療というと病院はなかなか難しいので診療所と連携するということでしょう。そういう5疾病、5事業をさらに推進していく方向で地域医療に貢献し、更に総合医を育成していくというミッションを持っていただければ大変ありがたいという気がします。
○田中座長 第1回でいろいろな意見が出て、私たちの側の理解も進んだと思いますし、外部の委員がどういうところを懸念したり問題意識を持っているか、機構側および厚労省に伝わったと思います。

6その他
○田中座長 私はこの会が決まる前に出張を決めていました。羽田に行かなければいけないのでこの辺で申し訳ありません。10分ほど早いですが本日はここまでとさせていただきます。今後とも続きますし、正式な会議ではなくてもお互いに疑問に思ったことを尋ねるのは構わないと思います。
 第2回の検討会は法人制度全般に関して、先ほど出ましたガバナンスを含めて、それを改めてRFOからヒアリングを行います。そして皆さまからの意見を頂戴します。
最後に事務局から連絡事項があればお願いします。
○依田上席管理官 ありがとうございます。第2回は10月ということですが、まだ日程調整をしているところです。早急に定めて連絡しますのでよろしくお願いします。以上です。
○田中座長 本日はこれで終了します。大変活発な議論をありがとうございました。


(了)

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