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2012年8月24日 第5回社会保障の教育推進に関する検討会議事録

政策統括官(社会保障担当)付社会保障担当参事官室

○日時

平成24年8月24日(金)
13:00〜15:00


○場所

厚生労働省17階専用18、19、20会議室


○出席者

委員

権丈善一座長 大杉昭夫委員 梶ヶ谷穣委員
細野真宏委員 前田昭博委員 増田ユリヤ委員
宮台真司委員

事務局等

香取政策統括官(社会保障担当) 武田参事官(社会保障担当)

○議題

・教材の公開について
・地域社会保障教推進事業について
・「年金」を題材とする教材について
・その他

○配布資料

資料1厚生労働省ホームページ「社会保障教育」
資料1-1-1「政府の役割と社会保障」ワークシート
資料1-1-2「政府の役割と社会保障」ファクトシート
資料1-1-3「政府の役割と社会保障」活用マニュアル
資料1-2-1「公的医療保険って何だろう?」ワークシート
資料1-2-2「公的医療保険って何だろう?」ファクトシート
資料1-2-3「公的医療保険って何だろう?」活用マニュアル
資料2地域社会保障教育推進事業実施要領
資料2-1株式会社東京リーガルマインド
資料2-2株式会社放送映画製作所
資料2-3全国社会保険労務士会連合会
資料3わたしたちの生活と社会保障(イメージ)
資料4年金を題材としたワークシートについて
資料5-1最近の新聞報道等に見られる年金制度等に係る誤解等について
資料5-2社会保障の正確な理解についての1つのケーススタディ 〜社会保障制度の“世代間格差”に関する論点〜
資料5-3年金時代2012年5月号 宮台真司委員インタビュー
資料5-4週刊社会保障2012年5月28日号、6月4日号 「世代間格差論に対する考え方」
資料6子ども霞ヶ関見学デー配付資料 「社会保障について知ろう! クイズ日本の社会保障」

○議事

○権丈座長 時間になりましたので、ただいまから第5回「社会保障の教育推進に関する検討会」を開催いたします。
 委員の皆様には御多忙のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は残念ながら御都合が合いませんで、広井委員と宮本委員が御欠席となっておりまして、細野委員がもうすぐ到着だと思います。文科省の塩見課長が少し遅れるとのことです。
 早速ですが議事に入りたいと思います。本日の資料は事務局の方で準備していただいておりますので、まず事務局の方から配付資料の確認をお願いいたします。

○武田参事官 社会保障担当参事官の武田でございます。
 本日の配付資料でございますが、大きさが2種類ありまして、少し見たり探したりするのが大変かもしれませんけれども、資料の1としてA4縦の紙ですが、厚生労働省の社会保障教育のホームページをそのまま印刷したものをお配りしております。
 資料1-1-1、1-1-2をホチキスどめしておりますけれども、これがワークシートとファクトシートのセットで、1つ目の政府の役割と社会保障のものでございます。資料1-1-3がこれに係る活用マニュアルとなります。
 2つ目「公的医療保険って何だろう?」というのが資料1-2-1、1-2-2、マニュアルの1-2-3と3点セットで2つ目のテーマについて、ホームページで公表している資料をお配りしております。
 資料2、A4縦になりまして「地域社会保障教育推進事業実施要領」。
 資料2-1〜2-3は3種類ございますが、今回の事業の受託をしていただいた方々の企画書。
 資料3、A3、1枚の大きな紙になりますが、これが「わたしたちの生活と社会保障」。
 資料4、同じくA3、1枚になりますが、「年金を題材としたワークシートについて」。
 資料5-1「最近の新聞報道に見られる年金制度等に係る誤解等について」。
 資料5-2「社会保障の正確な理解についての1つのケーススタディ」。これは前回、検討会でお配りした資料を改めて配付しております。
 資料5-3、宮台委員のインタビュー記事。
 資料5-4、世代間格差論に対する考え方。
 資料6「社会保障について知ろう!クイズ日本の社会保障」。
 以上、今日は大変資料が多くなっておりますが、御確認お願いしたいと思います。

○権丈座長 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは、議事の一番目である「教材の公開について」に入りたいと思います。
 事務局の方から御説明お願いいたします。

○武田参事官 資料1をごらんいただきたいと思います。これまで、検討会で御議論いただきました高校生向けの教材2種類につきまして、最終的に座長と事務局で整理をいたしまして、資料1のとおり7月末ごろからホームページで公表しております。
 なお、本検討会のホームページもございますけれども、新たに社会保障教育という1つのトピックを立てまして、関係の資料を一覧性をもって見られるような形にしているところでございます。
 この資料1にありますように、教材2種類について「教材ダウンロード」という欄がございますが、ここからダウンロードできるように既に公表しているところでございます。教材に付け加えて指導者の方々に参照していただくマニュアルも事務局で作成し、併せてホームページで公表したところでございます。お手元の資料1-1-3とか1-2-3というものがそれでございます。今後、このようにホームページで公表するほかに、さまざまな機会をとらえて周知、活用を図っていきたいと考えております。
 私ども厚生労働省からは、日本年金機構、協会けんぽといった関係機関を通じて、年金委員の方々などに御活用いただけるように周知を図っていきたいと思います。また、文部科学省さんの方からも各都道府県の教育委員会を通じて周知、活用をお願いしていただけることになってございます。
 後ほど御説明がございますけれども、今年度に実施する試行事業で実際に教育現場で活用してみるということにしているわけでございます。
 ホームページで公表した後、私どもの見た範囲ということになりますが、例えばツイッターの上では幾つか反響がございまして、例えば「公的医療保険って何だろう?」というワークシートについては、大学生や大人向けにも十分使えそうだという御意見。義務教育に是非使用してほしいという書き込み。昔はこんなのはなかった、当事者意識を持たせるために是非必要という書き込みなど、私どもが見た範囲では好意的に受け止めていただく御意見が幾つか見られたということでございます。
 委員の皆様におかれましては、これまで精力的な御議論をいただいたことが、この成果に結びついておりますので、御礼を申し上げたいと思います。
 資料1については以上でございます。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 続いて、議事の2「地域社会保障教育推進事業について」に入りたいと思います。こちらも事務局の方から御説明をお願いいたします。

○武田参事官 資料2を見ていただきたいと思います。
 以前からお知らせをしておりますとおり、資料1の教材を活用する意味も含めて、今年度社会保障教育の試行事業を実施することとしてございます。
 資料2につきましては、今回の事業の具体的な内容をまとめた資料となっております。この事業は、座学と体験学習を交えた社会保障教育を実施し、結果を分析、整理し、今後、社会保障教育の全国展開に向けた検討の基礎資料として活用することを目的としたものでございます。
 今回、企画競争入札を行いました結果、委託業者が3社選出されております。これら3社の委託業者の方々に、学校や体験学習先などと調整しながら事業を進めていただきたいと思っております。
 本日は、それぞれお三方に企画内容のプレゼンテーションをお願いしているところでございますので、この3社のプレゼンテーション終了後、委員の皆様と意見交換をしていただきたいと思っております。
 それぞれの委託業者の方々につきましては、本日の意見交換の内容を持ち帰って、今後の事業に活かしていただくようお願いしたいと考えております
 事務局からは以上でございます。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 それでは、プレゼンテーションに移りたいと思います。まず、株式会社東京リーガルマインドさんお願いできますか。よろしくお願いします。

○東京リーガルマインド 桑山様 株式会社東京リーガルマインド桑山よりこちらの事業の説明を簡単にさせていただきます。本日10分と伺っておりますので、内容を割愛させていただきつつ進みたいと思います。
 皆様のお手元にある資料2-1になります。
 まず、4ページ目まで進んでいただければと思います。
 今回の社会保障のこちらの事業につきまして、私どもとしましては、社会保障制度に詳しい社会保険労務士及び社会福祉士を講師として適任と考え、そちらの方々と協力してこちらの事業の方を進ませていただきたいと思っています。
 次のページ、こちらは今回の最も重要である内容をやっていただく学校について幾つか候補校の方を実際に折衝しまして、こちらの方に載せております。
 学校は公立の商業高校、通信制の高校というふうに今回選ばせていただいております。ただ、まだ時間がありますので、できれば関東地方の公立の普通校も1校ほどこちらのメニューに加えさせていただければなと考えております。
 6ページ目、こちらが今回の内容のカリキュラムになります。こちらからちょっと詳しく御説明させていただければと思っています。
 私どもは今回御提示された資料に沿って事業を進めていくことは間違いないのですけれども、その中で更に一歩進みまして、どうしても高校生で座学だけをやってもなかなか御理解いただくのは難しいのかなと考えまして、特にその中で社会保障の制度というのはさまざまございますけれども、更にその中で介護保険の制度というものをフューチャリングというか特徴的に教えていきたいなと考えています。
 こちらの方が大体時間としては、学校の授業に合わせていますので45分〜50分なんですけれども、大体50分くらいで教科書の内容を御説明し、あと50分程度で介護保険の制度というものについて御説明させていただきたいと思っています。
 ただ、こちらの方は教材は弊社の方で改めてつくって、こちらの方に確認していただく必要があるのかなと考えています。
 ちょっとこれが今、実際に先ほど申し上げました幾つかの学校の先生と打ち合わせをした中で難しいのかなというのがありまして、社会保障制度と消費税というところで我々としましては、負担と給付というものを高校生の方にも十分理解していただきたいなと思ってこういう項目を設定してみました。ただ、こちらの企画書を最初に出したときに、委員の皆様からディスカッションについてはなかなか難しいのではないかといういろいろな御指摘を受けて、今回はグループリングと意見発表という形で高校生の方にやってもらおうかなと思ったんですけれども、実際に学校の先生と何度か打ち合わせをさせていただいたところ、消費税というものに関して高校生の理解は難しいということで、もしそういったものをやるとしたらもっと時間を延ばしてカリキュラムをつくってくれと言われていまして、ただ、学校の方でどれだけこの授業をやってくれるのかというのは別の問題でございまして、そういった調整の方をさせていただいている最中でございます。
 こちらの方をもし最後までやるとしたら、大体座学で4時間くらいかかってしまうのではないかという想定になっておりまして、長くなってしまって難しいのかなという感じもいたしております。そこを今、各学校の進路指導の先生とお話をさせていただいている最中でございます。
 7ページを飛ばして8ページ、体験学習のところです。ここで、私どもは特別養護老人ホームを始めとする老人介護施設、老人福祉施設に訪問、見学、ホームヘルパーとの方とのお話といったものをさせていただきたいと考えています。
 こちらも実を言いますと学校の先生とお話ししたところ、問題点というか論点が出てきまして、どうしても1時間では短いということで、体験学習の時間は、行って、そこで話してということを考えると最低2時間はかかるだろうということで、2時間でできるように調整をしています。2時間というのは2コマ、100分程度になります。
 また、これは個別の問題になってくるんですけれども、既にこういった施設に高校がインターンシップですとか、いろいろなボランティアで行っている場合もあって、そういう場合は二重に行ってしまうことになるので、そういうときの調整はどうするんだとか、そういう細かい実際にこの授業を実施するためにいろいろお話をしていくと、そういう細かいことが出てきまして、そういったところを本省の事務局さんと調整をさせていただければと考えています。
 あとはアンケートですとか運営体制といったものでございます。したがって、こちらの企画書の内容につきましては、以上のとおりの説明になります。何とぞよろしく御検討をお願いいたします。

○権丈座長 ありがとうございました。
 では、続いて株式会社放送映画製作所さんお願いいたします。

○放送映画製作所 西井様 皆さんこんにちは。私は放送映画製作所の西井と申します。よろしくお願いいたします。
 私どもは放送映画製作所と言いまして、1966年に設立されました大阪で最も歴史の古い映像の制作会社でございます。テレビ局の毎日放送の100%出資のグループ会社で、2008年に同じグループ会社の株式会社毎日EVRシステムという会社と合併をしました。、こちらの会社は主に映像や冊子等の教育コンテンツを企画制作しまして、学校や行政機関に提供する仕事をしておりました。
 学校向けに制作した映像作品では、文部科学省の特選や選定を始め、受賞させていただいた経歴もございます。また教育コンテンツを制作するにあたっては、委員会形式などで、各分野における専門家の先生方と協力体制を整えて今までやってきた実績がございますので、今回もそのような経験を生かしてやっていければと思っております。
 次に「全体のスケジュール案」なんですけれども、今、8月になりまして、事業の実施校の選定ということで3校選定させていただいております。東京2校、大阪1校で、詳細は後ほど御説明できたらと思います。東京都立蒲田高等学校・東京都立足立新田高等学校・大阪府立茨木西高等学校の3校が決定しております。
 8月に関しましては、講師・体験活動機関候補の選定を進めていこうと思っています。
 9月に入りまして具体的に授業実施校との詳細打ち合わせ、講義・体験活動の学習内容・スケジュールの確定をしていきたいと思っています。
 10月に関しましては社会保障プログラムの成果物の納品。アンケート内容の検討・決定。
2012年11月、12月で講義・体験活動の授業実施を考えております。うち1校に関してはビデオ撮影をいたします。
 年が明けて2013年1月にアンケートの実施・回収しまして、2013年2月に授業を撮影したビデオの納品とアンケートの原本の写しを納品いたします。そして、最終的に3月にアンケートの集計と報告書の作成をして、最終報告書を納品させていただくスケジュールになっております。
 次に「講義・体験活動実施校の選定及び実施概要」といたしまして、今回3校を選定するにあたり、地域性ということで関東と関西、教科に関しまして公民と家庭科ということを考慮しまして、弊社と御協力いただける学校に依頼しました。
 各高等学校ともに1つの学年で1クラスを選出しております。学校名は先ほどお伝えしましたとおり、1校は東京都立蒲田高等学校。こちらは今、対象学年を2年生、人数7名で公民の教科でお願いしております。
 もう1校は東京都立足立新田高等学校。対象学年が3年で40名。家庭科の教科で実施のお願いをしております。
 あと1校は大阪府立茨木西高等学校。3年生26名で家庭科での授業の実施をお願いしております。
 今、学校現場に関しましては、先生方が多忙かつ授業時間等の改訂により、多くの時数を割けないというのが現状です。そのため私どもは、講義と体験活動を通して計3時間の授業実施を予定しております。
 次に「講義の学習内容」ですが、今回、社会保障の教育推進に関する御検討会様にて作成いただきました教材を中心に活用する予定を考えております。その教材をもとに、学校現場の先生にアレンジを加えていただき、公民または家庭科の授業で社会保障の導入部分につきまして、主に計2時間の授業を予定しております。
 「政府の役割と社会保障」で1時間。「公的医療保険って何だろう?」ということで1時間になりますので、余り深いところまでの御説明は難しいかもしれませんが、導入のきっかけになればと考えております。
 次に「体験活動の学習内容」ですが、社会保障を理解する上で、社会福祉を中心とする体験活動を取り入れようと考えております。今回、社会福祉施設からホームヘルパーや介護福祉士等の職員を講師として学校に招きまして、出前講座という形式をとりたいと考えております。福祉施設等へ出かけるのは時間や許可などの制約があり、実施が難しいかなということで出前講座という形式を今回とろうと思っております。
 連携機関に関しましては、介護老人保健施設や自立支援センター等を考えておりまして、詳細はこれから実施校との打ち合わせをして確定していくようなことになっております。こちらは公民及び家庭科の事業で1時間の実施を予定しております。
 次に実施校別の予定ですが、先ほどから御説明が重複して申し訳ございませんが、東京都立蒲田高等学校で教科が公民で、宮崎三喜男先生にお願いしようと考えております。
 分野的には経済分野による実施で、実施時期は11月下旬から12月中旬。詳細日時はこれから決定していきます。講義に関しては、先ほどの「政府の役割と社会保障」で1時間。「公的医療保険」で1時間。体験活動(案)なのですけれども、外部講師による出前講座ということで今考えているのは、ブラインドウォークです。ブラインドウォークは、マスクをして廊下を歩いて目の不自由さを体験したりすることです。あとは専門家の方を招いてお話を聴いたりということを考えております。講師はこれから選定、依頼いたします。
 次に東京都立足立新田高等学校ですが、教科が家庭科で三野直子先生にお願いいたします。家庭総合での授業での実施を考えております。
 実施時期に関しましては、試験等の関係もありますので11月上旬から下旬ということで、こちらの体験活動(案)に関しましては、福祉現場の話を聴くということで、ホームヘルパーか卒業生の介護福祉士を外部講師として招いてお話を聴いたり、また体験をしていけたらと思っております。
 最後に大阪府立茨木西高等学校ですが、教科が家庭科で西田恵理先生にお願いいたします。こちらは「保育と発達」という選択授業で、1クラスで女子だけになります。
 実施時期は11月中旬から12月上旬で、こちらの体験活動に関しましては、講座内容が「福祉現場から語る〜社会保障の必要性〜」ということで、車いすを利用されている障害者の方等も同伴いただきまして、実際の生活などのお話を聴くことを今考えております。講師に関しましてはNPO法人のいばらき自立支援センター職員の方を想定しております。
 「企画のアピールポイント」としまして、大学教授をアドバイザーに迎え、社会保障教育推進事業全般の助言指導をいただこうと考えております。
 公民に関しましては澁澤文隆教授。家庭科に関しては野田文子教授です。それぞれ社会科、家庭科の消費者教育に精通されている先生です。
 最後は参考資料「関連事例実績一覧」です。教材を制作・配布して、活用状況を調査する事業です。
 「具体的類似事例」といたしまして、平成21年度に内閣府食品安全委員会の案件で、教材啓発素材の開発に関する調査をいたしました。対象は小学校、中学校でした。まず、冊子・DVDのサンプル版を制作して、それを実際に授業で活用いただきました。そして、授業実施前・実施後でどれだけ児童生徒の意識が変わったかについてアンケート調査をいたしました。その結果に基づいて、冊子・DVDを修正して完成版を制作する事業をいたしました。
 以上、長くなりましたけれども、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 最後に全国社会保険労務士会連合会さんの方からよろしくお願いいたします。

○全国社会保険労務士会連合会 田村様 全国社会保険労務士会連合会の田村と申します。よろしくお願いいたします。
 このたびは当連合会に社会保障教育に関する委託事業をお任せいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず資料に沿って御説明いたしますが、事業実施体制といたしまして、私どもの組織のことを御説明させていただきます。
 社会保険労務士は労働社会保険諸法令の諸手続ですとか相談、または労働紛争解決を業として行うことができる唯一の国家資格者であり、社会保障制度については熟知しております。
 その社会保険労務士が全国に現在約3万7,000人おりまして、それぞれ47都道府県の社会保険労務士会に入会して、その47の社労士会で当連合会は組織されております。
 今まで地域の社労士会では、学校教育で社会保障を広めていくことの重要性を感じておりまして、今までも広く社会保障教育を実践してきております。
 お配りの資料の8ページのところに参考といたしまして、今までの社労士会における社会保障教育の実績ということで、平成23年度のものを掲載させていただいておりますが、28の都道府県社会保険労務士会で高校から大学、中学、その他専門学校も合わせまして、全国で241校。生徒数にしますと3万2,015人の方に社会保障についての教育をさせていただいております。
 今回の委託事業を実施するに当たりまして、実績のある社労士会の中でも特に熱心に学校教育に取り組んでいる会のうちから、全国6地域で実績のある7の都県で実施することといたしました。
 具体的には北海道・東北地域では福島県。関東・甲信越地域では東京都と千葉県。中部地域では愛知県。近畿地域では兵庫県。中国・四国地域では愛媛県。九州地域では福岡県で実施することといたします。
 今後、事業を実施する高校ですとか講師、授業内容を各社労士会で決定していくこととなります。
 スケジュールにつきましては、資料の5ページに掲載させていただいております。まずは各社労士会で実施する高校を決定し、実施内容について具体的に各高校と社労士会と講師で打ち合わせを進めていただくことになっております。
 連合会では事業推進プロジェクトチームを設置いたしまして、具体的な実施要領や、アンケート内容の検討をしていく予定です。
 事業推進PTですが3名のメンバーを選出しておりまて、それぞれ千葉、東京で学校教育の講師として今まで携わってきている社労士です。ですので、現場のことはよくわかっておる社労士ということになっております。
 社会保障教育プログラムの策定に向けてこちらで今、考えております講義形式と体験活動形式の授業内容なのですが、まず講義形式につきましては、当連合会で作成いたしました教材ですとかこの検討会で作成されました教材をテキストといたしまして、現場の学校の先生ですとか講師となる社労士のアレンジ、オリジナルの資料も加えて実例などを交えて説明したり、生徒同士の意見交換を行うなどを考えております。
 体験活動につきましては、社会保障制度が運用されている現場の見学や施設等の担当者の出前講座等を考えておりますが、社会保険労務士も日々の業務で社会保障には非常に携わっておりますので、例えば給与計算の中で社会保険料分の算出を行うですとか、割と実践に基づいたことがアイデアとして出てくるのではないかなと思っておりますので、今後、事業推進プロジェクトの中でその辺も検討して、あとは各社会保険労務士会の報告のところで上がってくるものと考えております。
 現段階のところでは、具体的な学校名等はまだ決定していないんですけれども、スケジュールに基づきまして10月末までには社会保障教育プログラムを提出できると思っております。
 以上、簡単ではございますが、説明とさせていただきます。ありがとうございました。

○権丈座長 どうもありがとうございました。引き続き意見交換会に移りたいと思います。
 いろいろありますので時間として15分〜20分間を考えておりますが、梶ヶ谷委員の方から何かございますでしょうか。

○梶ヶ谷委員 3社の方からそれぞれプレゼンテーションを受けましたので、現場の教員の一人として2〜3、質問というか意見がありますのでお願いいたします。
 2番目の放送映画製作所の方は、もう既に具体的に学校の選定をされているのですが、いろいろな幅広い意見を聞くということでは、いろいろな種類の学校、また課程が望ましいと思うのですが、ただ、やはり一番生徒の数が多い、それがいいかどうかというのはまた別の問題だと思うのですけれども、できれば全日制の普通科高校での模擬授業の実施が一番望ましいのではないかなという気がしております。
 これからまだ選定をされるということであれば、全部ということではないんですけれども、できるだけ全日制の普通科の生徒に模擬授業を実施していただき、検証していただくのが私としては望ましいのかなと思います。
 もう一つは、スケジュール等、また内容にも踏み込むことになるかもしれませんけれども、家庭科にしろ公民科にしても、この社会保障関係の授業をやっておりますので、例えば通常の授業をやった後でこの模擬授業をされるのか、あるいは家庭科や公民科の通常の授業と同時にこの模擬授業を組み込んで行うのか、その実施形態で結構生徒の理解度も違うでしょうし、模擬授業をされるときのスタンスも違うのではないかと思います。模擬授業の実施においては、学校を選定される時、あるいは具体的な学校と授業の計画を立てられるときに考慮をしなければいけない点かなと思います。
 また近年、高校においてもシラバスを作成して、シラバスに従って基本的には授業をしておりますので、模擬授業については実施校のシラバスとの調整を図りながら授業内容あるいは時期の選定になるのかなと思います。
 体験学習について高校現場では、結構インターンシップなども実施していろいろな苦労が相当ありますので結構難しいかなと思いますので、よく当該の模擬授業実施校と調整をされる、あるいは相談をされて、できる限り実効性が上がるような体験学習が望ましいかなと思います。
 模擬授業についての感想なのですけれども、授業では余りテキストや資料を使い過ぎると生徒が学習内容の消化不良を起こしますので、現場としてはこういう授業事業を引き受ける場合にも、できれば通常の授業で使っている教科書や副教材、あるいは今回のように厚労省でおつくりになったテキストの内容を上手く組み合わせて使って、ポイントをはっきりさせた模擬授業をされるのがよいのではないか、また生徒の理解にとっても望ましいと思います。
 各社さんが先ほど言われていましたけれども、もし実際の模擬授業でそれぞれの会社さんがつくられたテキストや資料をポイントを絞らずに使用されると授業の時間数が足りないこともあり、生徒は学習内容を理解できず消化不良を起こし、結局は大事なことが分からなくなってしまうかなという危惧がありますので、そのあたりもできれば十分に配慮していただいて、基本的には教科書、通常の授業で使っている副教材、厚労省で発行されるテキスト内容を中心にした授業をしていただいたほうがよいのではないかなと思います。
 また、社会保障の内容の授業時数が5時間、6時間もあるというのならばともかく、公民科にしろ家庭科にしても使える授業時間というのはそんなに多くはないはずで、実際にはせいぜい年間3〜4時間くらいではないかなと思いますので、何よりも授業計画を組み立てて学習内容を考える場合には、そのあたりをお考えいただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。以上です。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございましたらよろしくお願いいたします。大杉委員、お願いします。

○大杉委員 この事業は、社会保障教育の全国展開に向けた検討をするための基礎資料ということになりますので、幾つかの学校に実践をしてもらうという形をとっておられると思います。
 その場合体験をした後、講義で理解するか、あるいは講義をして体験をしていくか等々、幾つか授業のパターンが違うものというのは想定されているのでしょうか。私は想定した方がいいと思っています。
 梶ヶ谷委員と重なるかもしれませんけれども、どういう内容をどういう順序で教えて、どのくらいの時間でやるかというトータルなプログラムが必要です。学校全体の教育計画の中で、どこに位置づけていけば一番いいのかということがないと、実際に学校でこういう授業を行ってもらうときに、やりやすいですねという受けとめ方、これがやはり一番大きい全国展開の要素だと思います。全体の教育計画の中でここに入るといいですよという提案もあったらいいと私は考えています。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 増田委員、いかがですか。

○増田委員 率直な意見を言わせていただきたいと思うのですが、体験活動と書いてあるところで例えばヘルパーさんとかそういう方を学校に呼ぶということは、学校生活の中でその話を聞くことになるので、現場に行って聞くのとは全然違ってくると思うのです。
 私自身、例えば介護老人保健施設であるとか、グループホームであるとかいろいろな機会があって行ったことがあるんですけれども、行ってみて初めていろいろなことを考えると思うんです。
 勿論、例えば車いすの方に来ていただいたりとか、現場で働いている方のお話を聞くということは非常に大事ですが、それが体験学習となるのかというところでの疑問が私自身にはあります。
 時間がないということは百も承知の上で言うわけなんですけれども、何かの形で近所でもなんでもいいのですが、現場に行って年齢を重ねた方たちがどういう生活をしているのか、それはどういうことによって支えられているのかということを、言わばショックといいますか、いろいろな意味で衝撃を受けた上で勉強するのと、準備されています、ここにワークシートがあります、講師の方もお見えです、それで学校でお話を聞くというのでは相当効果が違うと思うのです。
 ですから先ほども言いましたけれども、大変なのは百も承知なんですが、何かそういう形で現場を見るとか、いろいろな授業の時間ですとか、ここと読み替えができないかとか、何かうまく調整をしながらそういう時間がとれると、そらにその後にワークシートを勉強するという順序にしていくと、すごく効果が上がるのではないかと私自身は個人的に思いました。
 以上です。

○権丈座長 ほかに何かございますか。お願いいたします。

○前田委員 プレゼンテーションの件承りました。ありがとうございました。実際、実施していただくときですが、是非、逆に聞き取っていただきたいのですが、今、やっと新しい年金教育が始まったという感じですが、現実は家庭科や公民の中で社会保障の授業のコマが取ってあると思われるのですけれども、受験校などでは社会保障については余り熱心ではないというのが現状のようでございます。
 実際それぞれの通信制の高校や、商業高校で授業をやられるのでしょうから、何でなかなか高校の中で社会保障の教育が実施できないのか、子どもたちに対して普段そういう教育をやっていないのがまず1つの大きな問題でしょうし、学校の先生も社会保障という授業には余りかかわりたくないということも聞いております。
 今回、学校の先生を指名して授業をやるというプログラムをつくっていらっしゃいますけれども、多分この先生方は逆に社会保障にたけている先生だと思うんですが、これを普通の学校で今後実施していきますので、今日、文科省の塩見課長はいらっしゃらないのですけれども、是非、今後学校の普通の授業の中に取り込めるようにする。それを阻害しているのは何なのかということを逆に聞き取っていただいて、それをレポートとして出していただきたいと思っております。
 以上です。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 細野委員、よろしくお願いいたします。

○細野委員 細野と言います。まず最初に、先ほど増田委員がおっしゃっていた介護の実習に関して、学校の中に来てもらうより現場に行くべきでは、というのは、僕も増田さんと同じ意見で、実際に介護の現場に行って、その中で体験学習の1つとしては重要だと思います。ただ、講義と実習はきちんと別枠で考えていただきたいと思っています。
 さて今回、お三方にせっかくおいでいただいたので伺いたいんですけれども、まずは、そもそも論で、どうしてここまで社会保障の教育が進んでいないのかというところを率直にそれぞれの立場からの視点で伺いたいんです。
 特に、全国社会保険労務士会では、例えば平成23年度で241校もやられて、3万人を超す生徒さんに教えられているなど、実際に活動もこれだけされているわけですよね。これだけ積極的に活動されていて、今までの学生らのリアクションというのはそもそもどうだったのかというもの自体が、実際にこれから国が教育カリキュラムとしてやろうとする話の、ものすごく重要なサンプル例にもなっていると思うんです。そこで、是非これまでの経験を踏まえた感触などを伺いたいです。
 そして、放送映画さんで言えば、まさにメディアですよね。毎日放送さんであれば「ちちんぷいぷい」などですよね。
 例えば、一般的に情報番組や報道番組などで社会保障というのは、あおるような感じの社会問題としては取り上げやすいけれども、なかなかこの「社会保障という仕組み」といった部分には目がいかない面が大きくあります。なぜメディアは、ここに目が向かいにくいのでしょうか。
東京リーガルマインドさんは、資格など教育分野ですよね。
 つまり、国と一般の国民との間にお三方がいらっしゃると思うんです。そもそも情報をきちんと伝えていかなければいけない立場にいる人たちが機能していないから、現状の世の中があると、この検討会でもいろいろ議論はしているところで、まさにそこでキーになるような立場がお三方だとも思うので、そういった意味合いで、そもそもスタート地点のところで具体的な問題点であったり、ここをこうしていきたいといった話などを、できればお三方から伺いたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○権丈座長 どうぞ。

○宮台委員 細野委員にお答えいただく前に、こういう観点で答えていただければと思います。
 グローバル化が進みますとイギリスのキャメロン政権のスローガンどおり、小さな政府、大きな社会が不可欠になるのです。財政はどこでも厳しい状況になります。そのもとで社会の中での排除がこれ以上進まないようにより多くの包摂がなされるように、新しい公助と私助、公的な扶助と私的な扶助の関係の組み換えが必要になります。
 その場合に言わば政府に任せてクレームをつけるようなタイプの態度だけですと、どうにもならず、実はこの検討会の第1回に香取統括官の方から紹介をいただいたスウェーデンの社会科教科書にありますように、社会とはそもそも何であり、家族とは、地域とは、コミュニティーとは何であり、最後にだから政府は何をするのかというところをみずから参加しながら理解することが大切かと思われます。
 教えるという言葉がこの会議の中で比較的多く使われていますけれども、やはり学びが極めて重要で、このような社会保障に関する問題を、言わば十全な情報を準備して教えるだけでは全く役に立たないだろうと想像ができます。
 したがって、どうしても参加をメインにした授業が重要です。
 スウェーデンの社会科教科書の背後にあるのは体験学習とスモールグループのワークショップと講義の有機的な連携なんです。日本のような先生が教壇から一方的に括弧つきの十全な情報をしゃべるという形の中にあの教科書は実は組み込まれていません。
 もう一度言いますと、現場体験学習とスモールグループのワークショップのグループ学習。そして、講義なのです。
 これを例えばまず体験学習をやり、次にそれをベースにしてワークショップをやり、そして最後に統括的な講義をやるという形のようなものを含めてどのような連携を考えているのかということが、お三方からのプレゼンテーションの中では全く見えてこなかったので、私としては期待外れだったのです。その部分をちょっと意識されて細野委員の御質問にお答えいただければと思います。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 では、細野委員と宮台委員の質問に答えていただくということでよろしいでしょうか。どうぞ。

○全国社会保険労務士会連合会 河端様 全国社会保険労務士会連合会の河端と申します。
 ただいま御質問いただいた、どうして学校教育が進まないのかという御質問に対するお答えとしては、1つ端的に申し上げますと、学校の横の連絡、縦の連絡がスムーズではないのではないかという疑問を持っています。なぜならば、我々がどういうやり方をして学校に入っていくかといいますと、例えば東京であれば都立高校に我々が出張相談やりますよと全部通知を出すのです。そうなんですが、結局返ってきて交渉する相手は学校長さんです。ですので、組織的に学校教育を文科省が中心になろうかと思うんですが、そちらの組織は詳しくないんですけれども、そういうところが厚労省のように中央と地方の関係がスムーズにいくとかそういったところが、ちょっと我々がなれているところと違うなというのを感じるのが正直なところでございます。
 実際に、我々が現場に行ってこういった学校教育をやらせていただきますと、生徒さんから将来社会保険労務士になりたいとか、どうやったらなれるんですかという質問を最後に受けるようないい感じにはなっているそうなのですが、いざ全国展開していくにはそういった壁があろうかと感じております。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。放送映画製作所さん、よろしくお願いいたします。

○放送映画製作所 西井様 私どもは主に高等学校の家庭科の先生に某財団の方で、学習指導計画をウェブに掲載するお願いをする仕事もしているのですけれども、やはり2つありまして、1つはかなり先生が多忙でそういった学習指導計画などはなかなか書けないという現状があるのと、もう一つは家庭科の中でも特に食ですとか医療ですとか、そういったものに割と強い先生がいらっしゃるんですけれども、生活設計とか消費者教育といった観点のことを教えるのがなかなか難しくて、いらっしゃれば失礼なところあるかもしれないんですけれども、そこを理解されていない先生が多いのかなということをこちらの方では、今までの御意見を聞いているとそうなのかなと思います。
 なかなか生徒さんに教えるにしても、例えばちょっとわかりにくい保険の部分とかは、少し短かったりとか、詳細までちょっと伝えられないというところがあるのかなと思われます。
 私どもはメディアの関係に関しまして、私どもの事業で余りメディアの担当をしていないので詳しく言えないのですけれども、やはり社会保障というのはかなり今、大きく取り沙汰されている中で、メディアの側もなかなか詳しいことがわかってなかったり、簡単にちょっと皆さんに伝えていけるような、今後そういったかみ砕く力というのが必要になってくると思うので、あくまで社会保障に関して理解していただいた上で議論していく必要があると思いますし、事業も展開していかないといけないと思うので、できるだけかみ砕いて伝えることもこれからは課題なのかなと思っております。
 以上です。

○東京リーガルマインド 桑山様 私ども東京リーガルマインドは資格取得と就職支援の会社でございます。高校生に対する就職支援というのは本当に何千講座とやらせていただいているのですけれども、その中で本当に先の2社さんとはキャリアはこちらに関しては浅いと思いますが、現場の先生と実際に私が話していて何で社会保障の教育がなかなか普及しないのかということを考えますと、やはり社会保障に対する意見というものがなかなか現場の先生たちも、一定のものというか公式なものがないのかなと。
 例えば消費税を負担と給付ということに関して、1つ進めようと思ったのですけれども、そうすると消費税を上げることが是なのか非なのかとか、なかなかそこら辺が説明するのが難しかったのかなという感じがします。
 単純な話を申し上げて申し訳ないのですが、やはりこちらの社会保障教育というところを学校の先生自体になかなか御理解いただけなくて、キャリア教育の一環なのですかみたいな。キャリア教育というのはいろいろ学校の先生にも浸透してるみたいなのですけれども、こういう社会保障教育という単語自体は実は私、こちらの1番最初に企画書をつくる前にホームページでまず調べてみたのですけれども、なかなか出てこなかったという経験もありまして、そういうところからコンセンサスというものが社会一般としてできていなくて、新聞記事のとおりにまだ動いているのかなという現場の意見として、本当に私ごときが恐縮なんですけれども、申し上げたいと思います。
 大変失礼しました。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 先ほど宮台委員の方から出てきた意見というのもありますので、持ち帰っていただいて、期待に少し応えていただく方向への修正、変更というのは大いにあり(笑)だと私も思いますのでよろしくお願いいたします。
 もう時間になりましたので、私から一言質問ではなくお願いなんですけれども、例えば今回、高校生の授業の中に社会保障教育が新しく組み込まれることになります。何かの授業が外れているはずです。それが何なのかということは知りたいですね。
 それは恐らく授業を担当して頂く高校の先生との打合せを行わないとわからないと思いますので、よろしくお願いします。
それと大杉委員と前田委員と同じ話なのですが、そこで失った授業は一体なんなのかということも視野に入れながら、1年間のシラバスを組むとすれば、どのような形でこの社会保障教育を組み込んでいけばいいのかということ、1年間のシラバスそのものも考えていただければと思います。
 家庭科と社会科という2つの科目で授業が行われると思いますが、それらの科目の中に、先ほどの細野委員とか宮台委員とか増田委員の方からも出てきました体験授業を加えていく場合には、一体どういう形で全体的なシラバスを考えていけばよいのかというところを、報告のときにセットにして御報告いただければ助かります。 時間になりましたので、議事の2の2番目はこの辺りで終わりたいと思います。
 「その他」の方に入りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○武田参事官 3番目の議題の「その他」でございますけれども、資料の3〜6まで用意させていただいておりますが、まず資料3について御議論いただければと思っております。こういう1枚のA3の大きな紙であります。
 この資料3は「わたしたちの生活と社会保障」というタイトルをつけてみましたが、私たちの生活上で直面する可能性のあるリスクと、それぞれ社会保障制度がどのようにかかわっているのかということをイメージして絵にしてみたものでございます。
 この絵をつくることになったきっかけといたしましては、これまでワークシートで御議論いただいておりますが、例えば医療保険制度はなぜ必要なのかとか、年金制度の考え方、税と社会保険料ということでワークシートをつくったわけでございますが、これはそもそも医療があって年金があって、健康保険法があって厚生年金保険法というものがあって、秩序立って知識押し込み型の議論だとなかなか子どもたちもついてこられないということで、個別の制度からやってみたんですけれども、御意見といたしましては、それはそれといたしまして、社会保障の全体像ということがなかなかわかりにくい。全体をイメージできるような資料があるといいのではないかという御指摘をいただいたことがこの資料のきっかけになっております。
 そのときの議論で権丈座長からスウェーデンの教科書にもそういう絵があったという御示唆もありましたので、それも参考にいたしまして、かなり事務局としては苦労したのですけれども、一本の線で左から右上に向かって人生の基本ラインがあり、さまざまなリスクに直面をしたときには点線のように少し線から外れて、そこのリスクを社会保障制度が守っているという形がなるべくわかるようにということでつくってみたものでございます。
 人生大きく子ども期、成人期、高齢期と分けておりますのと、赤と青がありますけれども、赤は医療保険、労災保険、年金保険のように保険料で支え合うもの。一番下が生活保護というものがあってすべてのリスクを支えておりますけれども、公的財源、税財源で支えるものということを色分けをしてみたということになります。
 もう一つ工夫を仕掛けて、結果的に余りうまくいっていないような気もしますけれども、そういう通常のリスク。例えばケガをしてまたもとに戻れるということとは別に、障害が固定されて、なかなか通常の健常な生活に復帰できないような場合といたしまして、障害年金、障害者福祉サービスがございますけれども、これを通常のセーフティーネットと分けて書こうとしてみたのがもう一つの工夫でございますが、影がついているものが言わば空中に浮いている制度で、障害の方はむしろ生活を下の方から支えるという意味で背景の方にしてみたんですけれども、必ずしも分かりやすくなってないかなという気がいたします。
 更にもうちょっと工夫をしましたのは、退職というところの辺りを見ていただきたいと思いますが、通常社会保障の説明をいたしますときに、年金制度は老後の支えということで介護保険もそうですけれども、成人期、現役世代のときに負担をし、高齢になったら給付を受けるという説明になっております。
 ただ、特に介護保険が典型かと思いますが、高齢者の介護問題で若い方が場合によっては仕事が続けられなくなるといった問題。さらに親の仕送りということが年金に置き換わってきたという問題を表すために、現役世代が高齢者を支えるという意味での私的扶養という矢印を書き、さらに介護保険、年金保険という制度が若年者の負担軽減にもつながっているという意味で、この退職の下にあるような公的扶養等ということで負担軽減ということを書いて、必ずしもこれが世代間で意味合いが切れているわけではないということを書いて見たことがもう一つの工夫でございます。
 これもちょっとわかりにくいかとは思いますが、通常の医療保険、労災保険、失業した場合の雇用保険、さらにどうしても生活が困窮したらということで一番下に生活保護があるというふうに多重的、多層的なセーフティーネットになって支えられていることもあらわす工夫をしてみたつもりでございます。
 そういうことでどこまで見やすくなっているかということはございますけれども、多少、工夫のところを読み取っていただいた上でさまざまな御意見をいただければと思います。
 よろしくお願いいたします。

○権丈座長 いろいろと工夫がなされております。子ども期、成人期、高齢期のフォントとが違うとか(笑)、いろいろな工夫もあるんですけれども、時間が10分くらいありますので、何かコメントをいただければと思います。
 細野委員、よろしくお願いします。

○細野委員 率直に感想をお話させていただきます。いろいろな事情を察しながらお話しすると、本当に非常によくまとまっていると思います。ものすごく頑張ってつくられたんだな、というところは素直に評価したいと思います。だけれど、今度は子ども目線に立ったときにこれがどう見えるのかと言ったら、何を書いているのかわからない(笑)。
 まさに、ここが「社会保障が何で伝わらないのか」という話なんです。世の中のことは、本当にどれをとっても、ものすごく入り組んでいる話なのです。それを一つひとつ丁寧にやっていけば、結局こういう全体像なんだけどね、という話なのですけれども、ただ、残念ながらそれは大人でもここまで意識できないんです。一般では、人は毎日、目先数センチのところで生活しているような状況なので、大きなブロックを言われて、「なるほどそうなのか」と思うことは難しいんです。年金1つとっても誤解にまみれてしまっているわけで、ましてやここまで見せられて、これで何か考えろといっても正直できない、というところが現実的な話としてあるのです。
 ただ、これをつくった意義というのは、ものすごくあると思ってもいて、これから何をしなければいけないのかといったら、要は、この全体像をみんなで共有して、例えば教科書の最後に、「結局これのまとめはこうだよ」という「全体像」としてこれをぽんと持っていくんだったらまだ成立し得ると思うんです。
 そこで、これらの要素を分解して解説していけばいいのかな、と思うのですが。例えば「子ども期」だけを1つとって、「子ども期」で20分くらいの講義の資料をつくり、次に「出産・子育て期」に。そして、その際には「もし実際に自分がそうなったら」と仮定できるようにしてあげることが大事です。自分の問題として考えてみると、こんなリスクがあるよねとか、こんなことが起こったらどうしよう、というように、具体的に自分の頭で考えることができるようにするわけです。そのときに、実は「公的医療保険」とか「労災保険」というのがあったり、失業したら「雇用保険」がある、といったように具体的な話が出てきて、ようやく「成人期」ではこんな話があるんだなというところを1つずつ頭の中で落とし込みながら考えることができるわけですよね。
 今度は、残りの20分とかで「高齢期」になったときを想像しましょうと。そういうときに、例えば、働けなくなったら所得がなくなりますよね。そういうときにどうしようかというときに「年金」というのがあるんだよ、あるいは「介護保険」とか「医療保険」というのがこんなふうにあるんだよね、というように、個別に一つひとつブロックごとでちゃんと整理していってあげれば、ようやくこの全体像が最終的には見えるようになってくると思うんです。
 つまり、そういう意味の最終形として、これはすごくよくできていると思うので、今度は逆の発想で、子ども期、成人期、高齢期といった別々のブロックで最終的にここに行けるように教材をこれからつくっていけばいいのではないかなと思いました。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 この資料3はワークシートと同じように完成後にホームページにアップするということになっておりますので、ここは本日御出席の3社の方々も含めて何とかしてうまくまとめていくためのご意見を頂ければと思います。
 こういうものは先ず、細部までいっぱい書き込んでそこからどう捨てていくかというのが重要だと思います。こういう形で先ずつくってみる。そこからどう抽象化して授業の中で使うことができるかということを考えていただければと思っております。
 私がこれを見たときに直観的に思ったのが、例えば公的介護保険というのは、確かに高齢期の給付ではあるのですが、これは高齢期の人たちだけが便益を受ける制度なのかというと、必ずしもそうではない。そうしたニュアンスが何とかして出てこないだろうかというのがあったり、あるいは生活保護がもつ自立支援という側面をどう表に出せばいいのか。
こういうのは、一回、絵ができ上がってしまいますと、その後ずっと、絵それ自体がもつ第一印象が国民の間に根付いてしまいますので、つくる段階で、できる限り工夫をしておかなければいけないと思います。今日、御出席の3社の方々を含めて、みんなが考えていくときの判断材料と言いますか、ヒントみたいなものがございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 前田委員、よろしくお願いします。

○前田委員 前田です。
 1枚のシートにまとめていただいて、すごくわかりやすくなってきたと思います。
 今回は間に合いませんけれども、できることならこれを使いながら授業を進めていただければすごく全体像がつかめるのではないかなと思うのですが、まだ公式には使えないということです。
 今、座長から介護保険の話をされましたけれども、この部分だけではなくて、若い時から介護保険というのは適用される場合がありますが、もう一つこの図をつくるときに年金の部分で老後の支えはそのとおりだと思うんですが、下の方に障害年金が入っています。
遺族年金も現実問題としてあるわけですので、このあたりはきちんと入れ込んで年金というのは老後の支えだけではなくて、早い時期に障害になるかもしれませんし、ひょっとしたら早い時期に亡くなって、その遺族の方がどうやって生活するかということがありますので、是非遺族年金のことについても最初から教えておく。そうでないと、例えば後でテーマに上がってくるのでしょうけれども、今、給付と負担の関係が逆転しているということも出てきまして、なかなか若い人が年金の保険料を払わないで自分で資産運用しよう、ということになってきてしまいますので、是非そのあたりも遺族年金という制度もあるわけですので、表の中にうたい込んでいただきたいと思っております。
 以上です。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

○大杉委員 この図は大変御苦労されてつくられたということですけれども、教科書と資料集を使って生徒は授業を受けています。教科書と資料集の中には、この図書いてある保険の名称とか、そういう項目はすべてあるのですが、教科書の整理は我が国の社会保障制度の大きな柱ということで、社会保険とか福祉とかという柱ごとに整理されて勉強します。このイメージのメリットである時系列ごとにどういうものが役立っているかとか、私たちの社会生活を安定させてくれているのかというのを明らかにするということをもっと強調したらいいと思います。
 恐らく議論になるのは正確かつ漏れなく内容を示すとなると非常に複雑になるので、工夫としては、主な保険とか機関とかという形でイメージをさせるということが非常に大事だと思うのです。子どもは成長します。徐々に正確かつ漏れなく学習していくという観点から言えば、中学校や高校で使うときには最低これは主なものとして身につけた方がいい、理解した方がいいよという内容を増やしていけばいいと思います。

○権丈座長 どうもありがとうございます。
 どうぞ。

○香取統括官 一生懸命に部下がつくったものに言うのもなんなんですけれども、私にはこれはよくわかりません。なぜかなと思ったんですけれども、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、自分の人生一生を通じて全体の俯瞰図を見ながらものを考えている人はいないはずなんです。
 これをぱっと見て私が最初に思ったのは、これを左から順番にスライドショーで説明するのが恐らく一番わかりやすいと思って、すぐ原点に戻ってスウェーデンの教科書なんですけれども、先ほど宮台先生がおっしゃったようにこれ実は個人、家族、地域、コミュニティーとずっときて最後に社会保障が来るんですが、社会保障の章立てがどうなっているかというと、まず最初はスウェーデンの子どもたち、安全な出産、ここから始まります。私たちの健康は管理されている。次が児童福祉、保育所の役割。家庭での生活。次が離婚というのが出てきます。それから、病気になったら、たくさんの障害者がいる、仕事を失う人もいる、特別な援助が必要なこともある。老人になる。最後が社会全体の安全ネットと出てきます。
 多分こういうふうにやらないとわからないのかな。だから1枚でばっと見るとわからなくて、その意味で言うと、現代はIT時代ですから多分学校の授業でもこういうものをきっと使うんでしょうから、教材として考えるんだったら、やはり端から順番に人生の歳時記を書いていって、いろいろなことが起きたときに何があるかと教えながら書いていって、最後までいってから保険の役割とか何とかの役割となってくる。
 そこまで一回説明すれば、高齢者になってこういう所得保障がある。実はそれは一緒に生活している家族にとっての支えでもあってと説明できるんですけれども、これをぽんと見ても多分わからない。考えると、教材をつくるという意味で言うと、やはりちょっと二次元でやるのは難しいかなと思いました。

○権丈座長 
 もう時間なので、一つ確認させていただきます。授業を担当していただく3社は、どういう反応になるのかというのを知るためにも、この資料はまだ未公開なのですけど、使いたいときには使うということでもよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○権丈座長 ありがとうございます。この資料をもし使っていただいて、反応を見て、その上で修正したいということがございましたらば、御利用いただければと思います。
 では、次に行きます。資料4をお願いいたします。

○武田参事官 資料4をごらんいただきたいと思います。
 これまでこの検討会では、2種類のワークシートについて御議論をいただきました。とりまとめの結果につきましては、資料1で御報告したとおりでございます。
 次に、これまでこの検討会でもいろいろ御議論いただきました年金の問題について、年金を取り扱う、また年金未納問題を取り扱う教材の話に進ませていただければと思っている次第でございます。
 このワークシートにつきましては、前回は実際私どもの方でたたき台をつくりまして御議論いただきましたが、今回につきましては年金問題の特殊性もございますので、まずたたき台として目的、基本的な考え方、構成案といったもので御議論いただいた上で、事務局で更に形にするよう努力をしていきというふうに進ませていきたいと思っております。是非、いろいろな御意見をいただければと思っております。
 資料4の一番上ですが、目的のところがございます。「◆年金制度についての基本的な仕組みとその意義について学習する。また、いわゆる『未納問題』など誤解されやすい事例について具体的に理解させる。 ◆こうした学習を通じて、年金制度の役割と持続可能性について正しく理解するとともに、物事の本質を見通す目を養う。」ということを目的にしてはどうかということでございます。
 「基本的な考え方・アプローチ」のところを見ていただきますと、ワークシートについては「年金の基礎知識」で1枚「未納問題」で1枚ということで、年金で1枚に整理をするのはなかなか難しいかなと思いますので、2枚にわたる形でワークシートをつくってみたらどうか。対応するファクトシートも2枚を想定してはどうかということでございますが、例えば「なぜ未納が増えても年金制度が破綻しないのか」というテーマでございますと、考えるだけではなかなか正解にたどり着けない面もございますので、ファクトシートを読み込むことで答えが得られるようなつくりとするなど、一定の工夫が必要ではないかということでございます。
 構成案が左側になりますが、ワークシートに盛り込む事項といたしましては、基礎知識編としては、年金制度の基本、皆年金制度であること、どのような制度に加入をするのか。先ほどちょっと話が出ましたが、老齢年金だけではなくて、障害・遺族といったことについても必ず触れるということ。
 世代間連帯の考え方を踏まえて、保険料が現在の受給者の年金に使われるといったこと。こういう年金制度の基本について盛り込むべきではないかということがまず一つの問題点でございます。
 2つ目「年金制度の意義・必要性」につきましては、貯金と違う、年金制度が保険であるといった点、年金制度が生まれてきた理由について、私的扶養、社会的扶養という言葉はなかなか高校生的にはなじみのない言葉になるかと思いますけれども、こういった点にも触れてみたらどうかということでございます。
 ワークシート2は年金未納問題で1枚と考えておりますが、未納問題に関連して言われていることを紹介し、それについての考え方を出してもらう。国民の4割が保険料を払っていないという報道。払わない方が得ではないかという報道。未納が多ければ制度が持たないのではないかというよく言われる点について考えていただいたらどうか。
 その点について考えていただく上ではファクトシートを適宜参考するような形で制度について理解を深めていただいたらどうかということ。
 右側にまいりまして、ファクトシートを適宜参考ということで、見ていただくシートの方では「公的年金の仕組み」、「公的年金の加入者の状況」、未納者のボリュームについて国民の4割ということが、実は決して4割ではないといったようなことがわかること。
 「保険料の免除・猶予制度」ということで、未納と免除というのは将来随分大きな違いがあるといったこと。「公的年金の負担と給付」の関係について、払い損の制度ではないということ。「物価スライドとは」といった点、「少子高齢化への対応」ということで少子高齢化を今の制度がどのように前提として、飲み込みを踏まえて制度設計がされているかといった点をファクトシートに盛り込んではどうかということでございます。

○権丈座長 これは私が少し説明しましょう。
 年金つながりの話なんですけど、最近も年金に関する新聞報道で、これは明らかに誤報、つまり、主義主張の違いなどではなく、明らかに紙面で制度を間違えて紹介されているという記事がありましたので、事務局の方に資料をまとめていただいております。
 制度を間違えて理解して制度を批判するのも、逆に、制度を間違えて理解して制度を肯定するのも、これは、両方ともおかしい話なわけでして、間違いを正して社会保障制度を正しく理解してもらうということは、社会保障の教育の問題になりますので。
 よろしくお願いいたします。資料5になります。

○武田参事官 資料5-1をごらんいただきたいと思います。併せて事務局で新聞記事そのものを回覧をさせていただきたいと思います。
 最近の新聞報道で、今、座長から御指摘をいただきましたように、本テーマに関係する報道がなされております。大手全国紙の一面から二面にわたるような非常に大きな紹介記事でありまして、その中で若い世代を中心に年金制度の現状を語っているような仕立ての記事になってございます。
 資料5-1の順で申し上げますと、新聞報道では若い世代が支払いの方が多い「支払い超過」になっていると受けとめていると紹介されております。
 税・保険料の支払い総額と、社会保障サービスの給付総額の差額を、消費税5%の前提で内閣府が試算すると、ゼロ歳では3,500万円の「支払い超過」。これから生まれる世代は1億800万円の支払い超過だったという紹介がされております。
 考え方として書かせていただきましたように、これまで御議論し、また事務局として資料を出させていただきましたように、受益と負担を金額で、かつ将来の金額を何らかの数字で割り引いて現在の数字で示すことについてはさまざまな問題がございます。
 そもそも社会保障制度が、私的扶養を社会化する仕組みであるという視点が抜け落ちていること。そのため、世代間の不公平さをあらわす指標として使うことには非常に問題が大きいこと。
 社会保険の仕組みの上では負担は若いとき。10年〜30年先に受益をするということになりますので、割引率の設定次第で非常に大きく数字が動きます。こういったことで、こういう記事では特に、比較的高い割引率を用いて世代間の格差が大きく見えるような試算結果が用いられることが多いという問題もあるのではないかということでございます。
 前の御説明のときにも御指摘させていただきましたように、この内閣府の研究者個人論文が、今回の報道もそうでございますが「内閣府の試算」ということで政府の公式試算のような報道に使われてしまうということが多いということが再び起きていることだと思います。
 裏の方に若い世代の紹介ではなくて、新聞の解説の部分で「国民年金は納付率80%を前提に運営しており、低迷が続けば維持が難しくなる」という表現がございました。これにつきましては考え方にありますように、財政検証の際に80%という数字を置いて財政検証を行っているということではございますけれども、納付率が下がったとしても制度の持続可能性に影響が及ぶものではございません。そういう意味で非常に不正確な報道ではないかと考えております。
 4割が未払いというようなことも言われておりますけれども、年金制度は全年金加入者で支えられているものでありますので、1号被保険者の一定割合が納付がされないという事実を持って、年金全体の持続可能性に問題があるような議論ということは非常に注意が必要ではないのかと考える。こういった問題点があろうかと思います。
 さらにもう一つ、若い方で保険料を納めない友人もいると。新聞報道の御本人は免除措置か猶予措置をとっていらっしゃるようですけれども、保険料も納めていない人もいる。
 総理の会見で、これこれこういうことも書かれてございました。
 年金の負担と給付の関係につきまして、少子高齢化が進む中でまた年金制度が成熟する中で、世代間の差というものは避けられない面もございますけれども、給付の半分は国庫負担で賄われているわけでございますので、故意に保険料を払わないという選択をした場合は将来、基礎年金の国庫負担分も受け取れないということでありますので、そういうことでいいのか。
 本当に保険料を納めることが困難な場合は免除・猶予措置も活用できる。その場合は将来の年金の国庫負担分を受け取るという権利が確保できるわけでありますので、そういった点が問題ではないかということで、今回報道に関しての問題点を整理させていただいたということでございます。
 以上です。

○権丈座長 資料5はここまででよろしいですか。
 今のところで何か御意見ございましたらよろしくお願いします。宮台委員よろしくお願いします。

○宮台委員 資料5を踏まえて、また資料3のイメージに戻らせていただきたいんですが、例えば右端の真ん中辺りに年金加入開始、所得税開始とあります。上には支え合いの制度、つまりリスク策。公的な支援の制度、救貧策という対立が書いてあります。
 この図はとても難しい図に見えるのですけれども、概念的な柱がはっきりしないからとも言えると思うのです。せっかくここに書いてある概念的な柱を資料4のワークシートで徹底的に理解をしていただくことが大事ではないでしょうか。
 例えば、租税と保険料がどう違うのか。救貧策とリスク策がどう違うのか。そもそも論的には救貧策は租税を使い、リスク策は保険料を使うのだということ。先ほど武田さんがおっしゃったように、このような公的な扶助はもともとは私的な扶助を補うために存在するものであるということ。
 先ほどのサイクルのところも含めて、私助と公助の間の関係について書いてあるわけですが、とても重要な概念的な対立軸が織り込まれているのだけれども、この図だけを見るとわからないんです。ですので、まずはそこをよくわかるようにしてもらわないと、こうした租税と保険料。救貧策、リスク策。私助、公助。租税と保険料については行って返ってくるという意味では貯金というのも関係していますし、リスク策、救貧策についてはそれに隣接して実は所得再配分策というのもあって、結局私たちが、簡単に言えばストックに頼って生きられるのかということにかかわる問題。あるいはいざというときに何を頼れるのかという問題。
 それぞれ概念的に整理をする。整理をした上で、整理が多分資料4の課題なんだと思いますが、資料3で制度の全体的な配置を先ほどのクロノロジカルというかライフヒストリー的、イベントヒストリー的な流れの中で理解をさせるということがあれば、資料5にあったような救貧策とリスク策を取り違えて、本当に幼稚園児のような間違いなので、なぜこういう間違いが起こるかよくわからないんですけれども、つまりこれが今の教育の成果なのです。ですので、概念的に全くわかっていない人がこれだけ多いということをまず何とかしてから制度を理解することが大事ではないでしょうか。

○権丈座長 おっしゃるとおりだと思います。
 ほかに何かございますか。どうぞ。よろしくお願いいたします。

○細野委員 この時点は年金のワークシートと新聞報道の2つが大きな論点ですよね。両方とも言いたいことがたくさんあり過ぎて、多分2つ一気にやってしまうとあれなので2回に分けたいと思うので、まず新聞報道の方から発言させていただきたいと思います。新聞名は出してしまって大丈夫ですか。

○権丈座長 いいですよ。委員と事務局以外の発言は、議事録には載せませんけど。

○香取統括官 当該新聞報道とか新聞社をどうこうするということではないですよね。

○細野委員 そうではないです。あくまで一般論として、今回サンプルで上がったのが毎日新聞の8月14日で、各紙が尖閣とかで大きく一面でやっているときに、本当に一面のトップなんですね。トップニュースかなというのは、ちょっと私もびっくりはしました。八面とか九面とかに小さく載っていたら、なるほどという感じではあったんですけれども。しかもこれが2008年くらいに載っていたのなら納得はできるんですが、今年の、というところが正直、衝撃的だったのです。
 今年の、というところの背景は幾つかあって、今日は毎日新聞の方っていらっしゃいますか。ありがたいです。議論に参加していただくことは可能ですか。正直何が起こっているのかわからないので、この場で皆さんと状況を共有したいと思っているのです。
 というのも、毎日新聞では今年の5月の報道で、社説で、そもそもこれと真逆のことをきちんと書いているわけですよね。いわゆる肩車型の常識を疑えという。今回の記事ではずっと一部で都市伝説のように使われている、昔は9.1人で1人を支えていたけれども、今は2.5人で1人を支えていると。40年後には1.2人で1人を支える肩車になって、このままだと制度が立ち行かないのは当然だというような表面的な解説がここでもなされているわけですね。ただ、いわゆるそういう「肩車型の常識を疑え」というのを社説で毎日新聞さんは出して、ちゃんと正確に論じてくれているんですよね。さらには同じ5月に毎日新聞の記者のかたが、「世代間格差をあおるな」という見出しで、論が一方的でおかしいぞ、という、ものすごく中立的な目線で的確で優れた記事を書かれていて、「新聞報道においてここまでわかる人が増えてきたんだな」と思っていました。だから、新聞社内はどうなっているの、というところが正直言ってわからないんです。

(記者との対話あり)

○細野委員 わかりました。
 ただ、これは今回たまたま毎日新聞さんだった、という話で、それは週刊誌とかでもよくあるような話なのですよね。編集部として結構トータルとしてはしっかりとしてきたけど、ちょっと暴走する記者が1人出ると、というところはあると思うので、本当に毎日新聞さんだけの話ではないということは前提だと私も心得ております。
 ちょっとこの記事をベースにいろいろ考えていきたいんですけれども、やはり大人への教育というのはすごく大事なんだなと。それはこの検討会の第3回でも朝日新聞の2001年の記事で、彦根東高等学校の具体例が載っていて、そこの中で子どもたち自身が言っているのが、「そもそも学生たちの周りが誤解していたら意味がない。もっと大人たちを中心にPRすべきだ」とちゃんと大人たちの教育もしっかりやるべきだということを語っているとおりなんです。大人が間違えていたらこれが常識化して根深く浸透していくので、子どもへの教育も大事なんですけれども、同時に大人への教育というものも併せてやっていかなければいけないのではないかと思っているんですが、それを併せていくと、「年金の未納問題」1つをとっても本当に根深いんですよ、というところを更にこの場で共有したいと思っているんです。
 というのは今回、ワークシートの話はワークシートの話でこの後時間があったらしますけれども、そもそも未納問題はそれなりに解決している気はするんですが、ただ、そうでもないぞというのが今回の記事でもよくわかるんです。
 大学生を取材した記事なんですけれども、ある大学生が中高生の頃に有力政治家らの国民年金未納問題や、消えた年金とかが起こって、こんなむちゃくちゃな制度に保険料を払うのはばかばかしいというところから始まっている話なんです。あくまで大学生の声としてこれを載せることは構わないと思うんです。教育とかが行き届いていなければそうだろうと。ただ、新聞でそれなりにちゃんとものが見えている人間だったら「そう言うけれども、実はこれは誤解なんだよね」というところが本来の新聞報道のあり方だと思うんですが、残念ながらこの記事では終始、大学生と同レベルなんです。仕組みを理解せずに、大学生と同じ目線で共感しながらつくってしまっているんです。
 それの象徴的な話として何があるのかというと、「未納三兄弟」というのが2004年に大きくはやりましたよね。あれで、政治がものすごく大きく動いてしまったわけです。ただ、「未納三兄弟」1つとっても実はあれから8年経っているわけですが、私の感覚ではいまだに国民の99%は誤解していると思います。
 今から8年前に何が起こったのかと言ったら、ここの記事にもあるように一部の政治家が年金の保険料を未納にしていた期間があった、という事実が判明した。国民に義務だと言って払え払えと言っている本人たちが払っていない。こんな悪いやつらは許せない、という感じで、未納三兄弟は許せないという論調が新聞だけではなくて、テレビもすべての媒体でそういう流れになったわけです。今、単純に未納三兄弟というのは善ですか悪ですかという話でいったときに、99%くらいの人は、間違いなく悪である、悪人だろうという判断をすると思うのですけれども、ただ、それすら実は誤解なんです。
 今、こいつは何を言っているんだという反応をされた方もいらっしゃったかもしれないんですけれども、結論から言うと、そのぐらい根深いんです。「未納三兄弟は悪だ」といまだに思い込んでいる人たちもいるんですが、実はそれは誤解なんです。なぜかといったら、このワークシートとかでも実際これから教育を機能させていくわけですけれども、未納三兄弟というのは未納期間中でも普通に消費税だったり所得税だったり税金は払っているわけです。国民年金の半分というのは税金から支払われているわけです。つまり、未納期間中もせっせと「年金のための税金」は払ってくれているのです。
 ところが残念ながら、「保険料を未納にする」というのは「年金の受給権を失う」ということなので、その期間というのは、まるまるその部分の年金はもらえないのです。つまり、未納三兄弟というのはどういう人なのかと言ったら、単に「税金の払い損」をしている、どちらかというと、かわいそうな人なんです、という事柄なのです。
 結局2004年から何が起こっているのかと言ったら、簡単に一言で言うと、いまだに「年金の未納」という話と、「税金の未納」をごちゃごちゃにしてしまっているわけです。つまり、「年金」と「税金」、言葉はすごく似ています。「払うのは国民の義務だ」というキャッチコピーを含めて、仕組みも一見似ています。でも、冷静に考えてみていただきたいのは、税金の未納はめちゃくちゃ悪いことで、実際にすぐ逮捕されます。でも、年金の未納者って300万人とかいてもほとんど逮捕とか事件とかにならないですよね。根本的にそれはなぜなのかというところまで考えてもらう必要があると思うのです。
 そもそも、これは、どこかの一社の新聞だけというレベルの話ではなくて、実は2004年で報道していた「未納三兄弟騒動」というのは、全メディアが勘違いをしていました、という信じがたい状況だったわけです。誤報については、本来は訂正記事みたいな説明が出ていてもいいんですが、少なくとも私の知る限り2004年以降の未納三兄弟とか、そこら辺の「報道の間違い」ということに気づいている人はいるのかもしれないですけれども、少なくとも自ら「報道がこういうふうに間違えていた、勘違いしていた」というところを正式に発表したり解説をしたりする媒体は多分ゼロだと思います。だから、いまだに99%ぐらいの人たちがそこで勘違いをしているままなんです。だから、本当にこの教育の問題というのは根深いんです。それは、子どもだけではなくて大人とかメディアとかも含めて、いまだに誤解して、国があそこまで動いたんですよね。今、その騒動を大きくした野党が与党になっていますけれども。

○宮台委員 それは先ほど申し上げた概念的な理解がそもそもできていないんです。貯金と租税と保険料の違い。救貧策はそもそも論的には租税。リスク税はそもそも論的には保険料。保険料を払わない人は自分のリスクを気にしない人だから、その人は自分でリスクを背負っていただくという基本的にはそれだけの話なので、本当に今の話は15秒で理解できる話ですよね。租税と保険料、救貧策とリスク策の違い、私助と公助の違い。
 実は先ほど申し上げたかったのは、それに関連して国による扶助なのか自治体による扶助なのか。これも大事です。消費税問題に直接関係してきます。ヨーロッパでは消費税はほとんど地方税、地方のお金です。さらに、今度は個人に支援するのか、家族に支援するのか。
 これは最近では、高額所得者の家族が生活保護を受けていた問題が批判されるということも出てきましたけれども、こういった概念的な理解がそもそもできていないところでストーリーを組立てようとすると、細野さんが指摘されたような目が白黒するような記述になってしまうわけです。今、申し上げていることというのは本当に授業で言えば1時間で概念的な図式というのは全部言えるんではないでしょうか。それが理解されていないと、この制度を見ても多分多くの人にとっては意味がないことになるんだろうと思います。

○権丈座長 どうぞ、お願いします。

○前田委員 このワークシートの中の「未納問題」という部分で、学生が理解していないのでこういう保険料納付が誤解されて、ある意味で新聞記事になっていると思うんですが、この新聞の記事を最後まで読んでいないのですが、事実はこういうことがあるよということと、これは学生がやっているんですよね。ですから、学生に対してこの紙面の中で学生の納付特例についての説明もやっていただければ学生も理解すると思うんです。あえて、自分で貯金しなくても社会保障というのは国が支えているわけですので、今後こういう記事を書かれるときは学生にとって納付の特例とは何かという解説記事を書いていただければ、更によくなるのではないかなと思っています。
 先ほど始まる前に座長と話をしたのですが、この委員会は高校生に対する教育を検討していますが、この未納問題というのは20歳になってから発生する問題です。一番多いのは学生でしょうから、大学生の19歳か20歳になったときに納付の特例等の説明や、そのキャンペーンやる、またその教育が必要ではないかと思うのです。 ですから、20歳になる前の人たちに対する年金教育を国の主導でやっていただく。そのあたりも予算を取っていただいて、学校は自前で教育をやる場合だってあるでしょうから、そういうことをやれば助成金とか補助金を出すよという予算措置も取っていただければ、未納問題というのは少しずつ解決していくのではないでしょうか。
 以上です。

○権丈座長 ありがとうございます。
 今日は模擬授業をやってくださる方々が御出席していただいているというのは非常に意義があると思っています。先ほども社会保障の教育をすると言っても、現場の先生たちから、「いろいろな意見」があるんだから社会保障の教育なんてなかなかできないという意見がありましたけれども、その辺りのところの「いろいろな意見」というものの一つがこういう意見なんです。
 私がこういう記事を見れば、素人さんが書いていることがわかります。素人さんが書いた年金の記事が一面になっているのは、8月14日だから社会保障の担当者はお盆休みでな、前日に事件もなかったことも重なったんだろうと記事を読むんですけど、普通の人にはわからないですよね。
ですから、今日5回の検討会で、5回も続いていることに私自身が驚いているんですが(笑)、4回目までの議事録をしっかりと読んでいただいて、そこで何が議論されているのかを理解して頂いた上で、社会保障教育というものを行っていただければと思います。
 宮台委員も細野委員も政府のことが好きな人では決してないのに、どうも制度は、この新聞に書かれているほどにはおかしくないぞとおっしゃっているところが面白いところだと思います。
 先ほど、新聞社の中の縦割りの話が出たので思い出しましたけど、先日8月15日にNHKスペシャルで、「なぜ戦争が早く終わらなかったのか」というドキュメンタリーで非常にいいものをやっておりました。あの番組は、主な原因は政府の中の縦割りにあったというストーリーでした。なぜこういう誤報が年金では生まれてしまうのかということをNHKに考えてもらいたいぐらいのことをやっていただきたいぐらいに、年金周りの出来事は大きな事件続きだと思います。ただ、本日話題になった新聞の名誉のために付け加えておきますと、年金の誤報は、以前よりは少なくなりましたが、各紙、おもしろいほどによくあることです。 10分間であと一つ議題があるんですけれども、この件に関して何かございますか。よろしくお願いします。

○細野委員 先ほど長くなってしまったので、ワークシートについて簡単に。
 ベースは非常によく年金の論点がまとまっていて、いいと思います。ただ、年金とはそもそも何なのかと言ったら(1)の「貯金と違い、年金は保険であること」ということを一言でやっているんですけれども、できれば「そもそも保険とは」というところから入ってほしいんです。大人から見れば保険というのは当たり前なんですけれども、そもそも「保険とは何なんだろう」というところから考えてもらいたい。それは(2)の「年金制度が生まれた理由」というところにも絡んでくるんですけれども、保険とは何かという流れから、そもそも「何で国がそういう年金であったり保険を行なう必要性があるんだろうか」というように、子どもの思考の歩幅に合わせた論理立てでやってほしいんです。
 さらにそれに続けて、先ほどの新聞にも関わってくるんですけれども、「国の年金と民間の年金という商品があったらどちらに入るか」という問いかけも同時にしてほしいのです。少なくとも先ほどの新聞で出てきている大学生は、国の年金という保険の仕組みに任せるよりは、民間の商品もしくは自分で運用した方が得だという選択肢をとったんですけれども、本当にそうなのかなと。冷静に全体像を見せていくと、実は国の年金には国庫負担といって「税金」が入っている、という話を知っていけば、おのずと結論というのは出てくると思うのです。あくまで「民間の商品」の活用は、自分でプラスアルファでやる分にはいいと思うんですけれども。そういった意味では「国民年金基金」とかの話も同時にできたら理解が深まるので、解説してほしいと思うんです。
 もう一つ、最後簡単に。
 年金の説明としては「保険」というのは割とわかりやすくはあるんですけれども、やはり「国民年金」とか「厚生年金」とか「国民年金基金」というのは訳がわからなくなるので、直観的にわかる話としては、そもそも「国の年金」というのは、たとえるなら「幕ノ内弁当なんだ」くらいの例で、「これだけで一生の生活ができるわけではなくて、あくまで国民が亡くなるまで食べていけるように、国が弁当を支給するような仕組みなんだ」というところまで見せることができたら、感覚的にもわかりやすいですし、恐らく「年金」イコール「弁当」というところさえ学べれば、年金についての根本的な軸は把握しやすいと思うのです。そのぐらいのところまで踏み込めば、私はいいと思います。
 以上です。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 時間になりましたので、次の議題に移りたいと思います。
 最後に資料6「子ども霞ヶ関見学デー」ということについて説明していただいて、少しほのぼのとした雰囲気で終わることができればと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武田参事官 事務局でございます。先ほどちょっと説明が漏れました資料5-2〜5-4というのも付けておりますが、資料5-2はかつての資料そのものでございます。資料5-3、5-4につきましては、最近の雑誌の記事からコピーをお配りしているものでございますが、出版社の御理解をいただきまして、今日の配付、ホームページの掲載については了解をいただきましたので、後ほど厚生労働省のホームページの方でも公開させていただきたいと思っております。
 資料6、今年の子ども霞ヶ関見学デーでの社会保障担当参事官室の取り組みを御紹介するものでございます。
 子ども霞ヶ関見学デーとは、子どもたちが親の職場を見学することなどを通じて親子の触れ合いを深め、広く社会を知る機会とするための取組みでありまして、文部科学省を中心として霞ヶ関全体で実施しているものであります。
 今年は8月8日と9日に開催され、厚生労働省で実施したプログラムには計1,170人が訪れていただきました。私ども社会保障担当参事官室では、「社会保障について知ろう! クイズ日本の社会保障」と題して、クイズを交えながら社会保障について学ぶプログラムを実施いたしました。主に小学生、中学生が対象の子どもたちでございますので、ここで御議論いただいている高校生よりも少し簡単な感じになっておりますが、その内容につきまして担当者から簡単に御報告をいたします。

○社会保障担当参事官室 福田係員 社会保障担当参事官室の福田と申します。
 「子ども霞ヶ関見学デー」の当日の発表の様子を簡単に御説明させていただきます。
 霞ヶ関見学デー当日はお手元の資料6をスライドで上映しながら、社会保障に関するクイズを簡単に行いました。今、スライドで写している写真が当日の様子です。当日は1日2回ずつ2日間実施、合計60名程度の小中学生に参加していただきました。簡単に当日の様子を交えながら御説明いたします。
 スライドにもありますが、まず子どもたちに興味を持ってもらうきっかけとして簡単な問題を4問連続して出しました。厚生労働大臣は誰でしょうという問題ですとか、厚生労働省のシンボルマークはどれでしょうという問題ですとか、健康の関係でメタボリックシンドロームに関する問題や、献血が何歳から始められるかという問題などを出しました。
 その後、具体的に社会保障の話に入っていくのですが、初めに興味を持ってもらうきっかけとして、社会保障と聞いて思う浮かべるものは何かありますかという質問を投げて、子どもたちのイメージを聞きながら話を進めていきました。大体、年金ですとか病院へ行くことといった話を上げてくれる人が多かったので、そういった話を踏まえて、長い人生の中でいろいろなサポートが必要な場合に私たちの生活を支えてくれるのが社会保障制度であるということを伝えていきました。
 また、概念的な話だけでは分かりづらいので、社会保障には具体的にどういうものがあるのかということとを順に説明していきました。身近なとらえやすい医療と年金の制度を具体的に紹介していき、医療では医療機関に行くときに保険証を持っていく理由は何でしょうかという問題、
年金は、夫がサラリーマン、妻が専業主婦の家庭で月に受給できるおよその年金額は幾らでしょうかという問題を、併せて出題しました。
 その後、少し視点を変え、少子高齢化が進んで社会保障制度の必要性が増していることについて説明をしていきました。まず、とりかかりとして日本の人口が40年後には何人になっているでしょうかという問題を出題して、今後どんどん人口が減っていくと予測されているということや、その内訳も、昔と比べて引退後の期間が延びていくため、高齢者が増えていくこと、毎年生まれてくる子どもの数が少しずつ減っていくことを説明していきました。
 そして、そのような中では、やはり世代間の助け合いというのが重要であるということも補足しておきました。
 続いて、社会保障にかかっている費用を紹介したのですが、今、社会保障にかかっている110兆円というお金がどのくらいの規模かということがなかなかつかみにくいと思いましたので、当日は100万円が1センチなのですが、実際に100万円のレプリカの束をつくり、子どもたちに実際に触ってもらって、100万円がどのくらいの厚さなのかを見ていただいて、その後に110兆円というお金を横に並べると東京からどこまで行けるかというクイズを出して規模感をつかんでもらいました。
 その後に、社会保険料と税金の違いや、国債で賄っている借金もたくさんあるため借金の体質から早く抜け出す必要があることを伝えておきました。
 最後に、今までの状況がこのまま続くと、お年寄りが増えて子どもが減っていってしまうということで、社会保障制度の改革が必要であるということを説明しました。
 加えて、これからはニュースなどに興味を持って、是非いろいろと見ておいてほしいということを最後に伝えました。社会保障担当参事官室でもこのような試みは初めてでしたが、当日は子どもたちが楽しそうにしていたように見受けられましたので、今後もこのように子ども向けに広報できる機会があれば積極的に活用していきたいと思っております。
 資料6について以上です。ありがとうございました。

○権丈座長 どうもありがとうございました。
 これですべての議事が終了しました。宮台委員の文章を配布資料として配らせていただいております。何か一言付け加えることありますか。

○宮台委員 今日お話ししたようなことが書いてあるだけです。

○権丈座長 よろしいですか。ワークシートには、社会保険と税の違いというような基本概念の説明をどこかで入れることができればと思います。どうもいろいろありがとうございました。
 では、もう時間になりましたので、最後に連絡事項があれば事務局の方からお願いいたします。

○武田参事官 本日はどうもありがとうございました。
 次回につきましては、別途日程調整表をメールで送らせていただきます。引き続き御協力をお願いいたします。ありがとうございました。

○権丈座長 次回以降についてもどうぞよろしくお願いいたします。
 では、第5回の検討会を終了させていただきます。本日は貴重な御意見どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官(社会保障担当)付社会保障担当参事官室

政策第三係: 03(3595)2159

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