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2012年4月12日 平成24年度化学物質のリスク評価検討会(第1回ばく露評価小検討会)

労働基準局安全衛生部

○日時

2012年4月12日(木)15:30~17:30


○場所

経済産業省別館 11階 1111号会議室


○議事

○寺島化学物質情報管理官 ただいまから、化学物質のリスク評価検討会第1回ばく露評価小検討会を開催させていただきます。以降の議事進行は名古屋座長にお願いいたします。
○名古屋座長 最初に、事務局から議事次第、資料の確認等をお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 議事次第としては、進捗についてのご報告と、測定分析法についてまでは公開で行います。以下は非公開で、ばく露対象物質のばく露評価についてご議論いただく予定です。
 資料の確認をさせていただきます。資料1「平成23年度リスク評価の進捗状況」、資料2「平成23年度リスク評価対象物質に係る有害性評価の評価値」、資料3「平成24年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法(案)」、資料4は机上配付のみで非公開資料として「平成23年度ばく露実態調査の結果」です。
 参考資料は、参考1としてリスク評価検討会開催要綱と名簿。参考2として平成23年度ばく露実態調査で実際に使用した測定分析法。参考3は机上配付と書いてありますが、前の会議でお配りしておりますものと同様です。参考4としてパンフレットをお付けしております。以上です。
○名古屋座長 議事に入ります。議題1は「平成23年度ばく露評価の進捗状況について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 平成23年度リスク評価の進捗状況ということですが、前の会議でリスク評価対象物質一覧表ということで、参考3の資料がありましたが、資料1はそこから抜き出したような形で、今年度リスク評価を行う予定の物質ということでポンチ絵にしたものです。本日は、詳細リスク評価と初期リスク評価について、平成23年度の部分に書いてある10物質のうちの初期リスク評価の物質の検討をしていただく予定になっております。全体の進捗状況としては、このような状況です。
 初期リスク評価のところの○1アンチモン、○2キシリジン、○3ニトロベンゼンの3物質については、平成21年1~3月に事業者からご報告をいただいた物質の中で、測定法の開発、あるいは事業場との調整を行い、昨年度と一昨年度にばく露実態調査を行った物質等について、今年度にリスク評価を行っていただくものです。
 この中でも、平成21年1~3月までに報告のあった20物質の中で、ばく露実態調査がまだ未了の物質としてナフタレンということで、右端に書いてあるような状況になっております。これは、平成22年度に測定法の分析・開発を中災防でやっていただき、平成24年度に測定の予定となっております。
 上のほうの詳細リスク評価のほうも、同様に平成21年1~3月までに報告のあった初期評価を経て、詳細リスク評価に移行しております。いちばん上のところで、平成20年の44物質はほとんどが評価や再告示は終わっておりますが、1つだけ残っているのがフェニルヒドラジンです。昨年度測定法の開発を行っていただき、今年度ばく露実態調査に着手の予定になっております。測定できる事業場が少ないのでどうなるかわからない部分はありますが、一応今年度調査をする予定にしております。
 下のほうにあるのは、ナノマテリアルの部分です。真ん中の平成22年度の最後のところに、平成23年1~3月までの報告43物質とありますが、この中で昨年度ばく露実態調査ができて、リスク評価に着手できているのが○42-アミノエタノールと○5MDIということで、ほとんどが今年度以降にばく露実態調査を行い、来年度以降にリスク評価を行う予定のものが22物質となっております。進捗状況はこのようになっております。
○名古屋座長 資料2もお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料2は、今回の平成23年度リスク評価対象物質ということで、平成23年度にばく露実態調査を行って、リスク評価を行っていただく物質の有害性評価のほうが、今年の1~3月ぐらいの有害性評価小検討会のほうで、評価値の決定が行われていて、ここに示しますような形で二次評価値が決められております。酸化チタンであれば10?/m3。上のほうの詳細評価のほうは基本的に変更はありません。初期評価のほうはキシリジンで0.5ppm、ニトロベンゼンで1ppm。アンチモンは0.1?/m3となっておりますが、これは少し検討が必要な部分が残っていて、まだ検討中という扱いです。2-アミノエタノールについては、二次評価値は3ppm、MDIについては二次評価値が0.05?/m3となっております。
 下の2-アミノエタノールとMDIについては、がん原性に着目して選択したものではないということで、一次評価値の決め方が、有害性評価小検討委員会のほうで議論していて、例えば2-アミノエタノールであれば神経毒性の区分1、メチレンビスのほうは特定標的臓器のほうの区分1で選定された物質ということでがん原性ではないので、その辺に着目して一次評価値を再度検討する予定にしております。ばく露評価については、どちらかというと二次評価値のほうを使うということで、3ppmと、0.05ppmのほうで評価していただくという流れとなっています。以上です。
○名古屋座長 ただいまの説明についてご意見、ご質問はありますでしょうか。特にないようでしたら、議題2の「ばく露実態調査対象物質の測定分析法について」を事務局から説明をお願いいたします。
○東久保氏(中災防) 資料3にあるフェニルヒドラジンは、単年度で検討が終わったということではなくて、複数年度かかって検討をしております。個人ばく露を中心にしようということでしたので、フェニルヒドラジンを、硫酸含浸フィルターで採って、そして個人ばく露のほうに使いたいと。海外の文献にはそういうのができると書いてありましたので、それで最初検討しております。
 その結果、ヒドラジンとか、ほかのヒドラジンの物質については、そこそこ回収率があって使えることがわかったのですが、フェニルヒドラジンについては、硫酸含浸フィルターで、液クロで分析するというのは回収率が悪いことがわかりました。それで、今度は個人ばく露であるとあまり使いたくはないのですが、0.1molの硫酸を入れた溶液で、マイクロインピンジャーを作業者に付けていただいて、それで空気を引くことでできるのではないかということで、次はマイクロインピンジャーで検討しております。
 マイクロインピンジャー液クロという形でやると、実際問題として回収率が良くて、保存性も良い結果が出ましたので、これでいけるであろうというところまでは我々で検討したのですが、実際にマイクロインピンジャーを使うとなると、4時間なり、8時間なりの作業中、ずっとポンプで空気を引くわけなので、中の液体が蒸発して少なくなったり、あるいは光によってヒドラジンは別の物質に変わることがありますので、そのような変化があるのではないかということで、そこの検討を柴田科学にやっていただきました。
 その結果、遮光性のマイクロインピンジャーを使うことによって、光による影響はほとんどないであろう、保存性も良いという結果が出ましたので、今回資料3-1に示しております、フェニルヒドラジンの測定手法検討結果という形で結果を出させていただいております。実験としては、回収率、分析感度、保存性ということでやっております。別紙、基本的にこの分析法で私どもはいけるということで、委員会のほうでもいけるのではないかということでしたので出させていただいております。
 標準分析法として示されている方法でやると、マイクロインピンジャーで0.1mol硫酸6mℓを入れて、0.1ℓ毎分で通気します。それによって、基本的に240分ということで、4時間毎に引いていきます。保存性としては、5日間の保存は大丈夫であろうというところまで確認しているので、今度のばく露調査に使えるのではないかという結果を出しております。
 資料3-2のナフタレンの測定手法検討結果です。ナフタレンは、NIOSH法に基づく方法で、ばく露実態調査をいたしました。調査した結果、そのサンプラーはフィルターが付いていて、固相が2層になっているものです。分析したところ、2層目にもナフタレンが検出されたということで、測定手法の検討会ではそこまではわからずに、NIOSH法だから大丈夫であろうということでやったのですが、実際にやってみるとそのようなことで2層目に漏れがありました。その漏れも、残念ながらある一定の傾向が見えるわけではなくてばらばらでしたので、再度サンプリング方法を検討し直しております。
 検討し直すに当たり、まず検討会で考えたことは、捕集している間にサンプリングの個体の中で、固相の中で移動があったということであれば、流量を少なくして通気したらいいのではないかということと、それからほかにもっと良いサンプラー、捕集剤があるのではないかということで、そこから検討を始めております。
 最終的には、16頁の4「各捕集管における予備検討」として、捕集管1)XAD-2、捕集管2)XAD-7、捕集管3)AEROLG、捕集管4)InertSep Slim-Jというものを、SKC社とジーエルサイエンス社製のものを使っております。基本的にこれは同じような系統の捕集剤です。それを使って検討を加えました。検討の結果、いちばん状況が良かったのは4)のジーエルサイエンス社製のInertSep Slim-J AERO SDBでしたので、これで最終的には検討を続けております。
 これは1層式のものなのですが、検討はすべてサンプラーを2つ直列に接続して検討しております。1段目のサンプラーからのものが2段目に漏れ込んでいないかどうか、というところを確認しているというやり方でやっております。その結果、2層目にはすべてのもので漏れ込みがなかったということで、最終的に4)の捕集管を採用し、そして回収率を求めたところ、ほとんどの回収率が95%以上のデータでした。それから、サンプルの保存性についても、2週間まで90%以上の保存性があったということで、いちばん新しくできたサンプラーですが、このサンプラーを使うことでできるのではないかということです。
 それで、私どもが決めた標準分析法としては、いま言いましたInertSep Slim-J AERO SDBを使い、流量は非常に低流量になるのですが0.02ℓ毎分20mℓで4時間引いても破過することはないだろうということで、このサンプラーを使うと。そのときに、どこまで測定できるかというと、定量下限が0.02ppmまではできるということを見ていますので、いまのところACGIH、NIOSH、OSHA10ppmですので、十分使用に耐え得るであろうということで、この方法を提案しております。
 分析はガスマス、パルスドスプリットをかける方法でやります。以上、ナフタレンはご迷惑をかけましたが、これで大丈夫だと思っております。
 続いて資料3-3のパラ-フェニルアゾアニリンと資料3-4の2-メチル-4-(2-トリルアゾ)アニリンについては、ほとんど構造的に同じですので、同じ分析方法になります。
 いま言いました2物質については染料として使われていますので、たぶん現場ではミスト、あるいは粉じんとして飛んでいるのだろうということでした。しかも、どちらもアニリンということでアミノ基がありますので、硫酸含浸フィルターで採って分析できるのではないかと考えております。硫酸含浸フィルターで採ると、確かに外には出てこないことがわかりましたし、濾紙の後ろのほうには漏れ出ないことがわかりましたので、その後、液クロで分析する方法を考えております。
 液クロの分析をするときに、染料ですので単一で使う、あるいはコンタミでほかの染料を使うことがあるのではなかろうかというところまで考え、31頁の表9の「BS EN71で規制されている16種の色素」というのがあります。染料としては、こういうのが同じような所で使われている可能性があるということで、この16成分についても、分離・定量できる方法で、液クロでの分析を考えております。
 そのチャートが33頁から35頁です。これはゆっくり分析する方法ですと、40分ぐらいかかる分析になりますので、高速分析でやるということで考えてやっています。アミノ基を持っているものであるので、保存性についてはちょっと厳しいところがあるだろうと。ですから、なるべく早く分析を終わらせて、大量に一気に分析できるようにしたいということで、高速分析を考えて、最終的には高速分析でやるというところまでやっております。
 それで、16成分すべて分かれることがわかりましたので、43頁に示してあります、パラ-フェニルアゾアニリンの標準測定分析法という形で提出しております。2-メチル-4-(2-トリルアゾ)アニリンも同じ分析方法になります。
 まとめてみますと、サンプラーとしては硫酸含浸フィルターを使う、保存性は5日間は変化がないことを確認している。回収率は82~98%ということで、私どもが開発するときの回収率は90%以上を目指しているのですが、非常に低濃度のところで90%を満たすことができませんでした。ただし、非常に低濃度なところですので、これをばく露濃度に換算したら、90%まで目指さなくてもいいのではないかという結論になり、回収率82~98%のところで今回は報告させていただきました。液クロについては、抽出溶媒はメタノールで、検出器としてはフォトダイオードアレイ検出器なので、それほど特殊な機械ではありません。
○圓藤委員 通常分析と高速分析と逆なのではないですか。高速分析のほうが、時間が長いのですけれども。
○東久保氏 これは、順層分析から逆層分析に1回変えているのですが、それはいいのかな。
○圓藤委員 35頁とか、34頁とか。35頁を見ていると、通常分析が22分で終わっています。
○東久保氏 8.5。「.」になっています。
○圓藤委員 これは「.」なのですか。8.5ですか、失礼しました。
○名古屋座長 これは「.」が入っているのですか。
○東久保氏 すみません、同じ分では表示しておりません。申し訳ございません。大体3分の1ぐらいの時間になるということです。いままで私どもの所では、すべて回収率90%以上でいっていましたけれども、これだけ80%があるということです。
 資料3-5の一酸化二窒素です。一酸化二窒素はガス状物質です。ガス状物質ですので、参考にしたのは、大気の分析方法を参考にしております。これは、キャニスター缶で採るとか、直接捕集しか出てこない物質です。しかも窒素がありますので、検出器は電子捕獲型の検出器で分析すると、一酸化二窒素、空気中にたくさんある二酸化炭素についても分析ができるということです。
 直接捕集の場合に怖いのは保存性です。保存性がどのぐらい大丈夫なのか、というところをテドラーバッグで調べております。その結果、テドラーバッグでの保存日数は7日やっても、濃度0.5ppmのときでも、100ppmのときでも、ほとんど100%から動かないという結果が出ておりますので、直接捕集がいちばんいいのかということで、今回はテドラーバッグで報告はさせていただいております。
 ただ、実際に作業者にテドラーバッグを付けるということになると、その辺のところは考える余地がありますので、一応テドラーバッグになっていますけれども、いま我々のほうでは小型のキャニスター缶が応用できないかということも考えてはいます。ただ、今回はテドラーバッグでこれだけ良いデータが出ましたので、キャニスター缶のほうも、委員会のときにはまだそういうのがあるということがわかっていませんでしたので、一応この報告をさせていただきたいと思っております。
 資料3-6のN,N-ジメチルアセトアミドです。N,N-ジメチルアセトアミドについては、高感度の分析ができなければいけないということでしたので、検出器はガスクロのGCのNPD、先ほど言いました燐、窒素に特異的に高感度の検出器であるNPDを使ってやることが、米国OSHA、それからNIOSH法に載っておりましたので、この方法で検討しました。皆様もご存じのように、ジメチルアセトアミドと、ジメチルホルムアミドは非常に似通った成分ですので、これが分離・定量できる。それから、尿中に排出される代謝物のN-ジメチルアセトアミド、N-ジメチルホルムアミドの4つの成分が分離できる条件ということで考えております。実際には、アニリンを内標として入れて分析するという方法で分析にはクロマトをかけております。
 問題は、分析としてはそれでいけるのであろうけれども、捕集ができるかどうかということです。捕集については、ガステックが作っている球状活性炭でやったところ良い結果が出ましたので、球状活性炭でサンプリングをして、そしてガスクロで分析することができるという結果を得られましたので、その方法でいいのではないかという結論になっております。サンプリング速度を、100mℓ毎分にすると、4時間採気した場合に、最低下限濃度として0.006ppmまで分析可能であるという結果になりましたので、今回はこの結果を皆様方に提案させていただいております。
 資料3-7の弗化ナトリウムです。弗化ナトリウムは、委員会で最初に問題になったのは、ナトリウムを測るか、フッ素を測るかということでした。ナトリウムを測るということは金属なので、濾紙に採って、ICPなり原子吸光でできるだろうということなのですが、我々の身の回りにはナトリウム化合物が多すぎて、その方法でナトリウムを分析すると、分析機械自体をクリーンルーム内に置いて分析しないと無理だろうということになっております。したがって、今回はフッ素をターゲットにして測定するという方法で、弗化ナトリウムの検討を行いました。  そういうことであると、フッ素ですので、イオンを測ることになりますので、まずイオンクロマト法で検討しました。最初の結果はイオンクロマト法で検討しましたが、この方法は大気の方法として既にある方法ですので、それを利用しながらやると、確かに測定できるというデータが出ました。保存性も7日間保存できるということが出たのですが、実は有機酸があると、どうもイオンクロマトの結果はうまくないことがありますので、有機酸があっても大丈夫な方法として、ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法も同様に検討しております。
 基本的にサンプラーとしては、濾紙に採って、流量は個人ばく露の場合は2~5ℓ、換気中だったら5~10 ℓでいいのではないかということなのですが、その方法でサンプリングして、次は純水で抽出して、イオンクロマトにかける。これで精度良くできる。ただし、先ほども言いましたように、有機酸があると共存物質として分析が阻害されますので、ランタン-アリザリンコンプレキソンを使う。今回の、ランタン-アリザリンコンプレキソンについては、水道のほうの分析方法を採用していますので、分析機器をオートアナライザーで抽出・濃縮させていく方法でやっています。機器は高感度の機器を使って検討は行いました。
 残念ながら、この機器は中災防にはないのですが、アリザリンコンプレキソン自体は普通の分析方法として皆さんが比色法としてやられる方法ですので、馴染みのある方法です。高感度のオートアナライザーを使うと、80ℓ採気した場合でも、弗化ナトリウムとして0.055?/m3のところまで定量下限はいけますということです。これをNIOSHのほうでいうと、2.5?/m3ということですので、オートアナライザーではここまでいけましたというデータになっております。弗化ナトリウムについてはフッ素を測って、その後で弗化ナトリウムに持っていく方法を検討しております。基本はイオンクロマトです。有機酸の混合物があった場合には、アレザリンコンプレキソンを併用するということでご報告させていただきます。以上です。
○名古屋座長 この分析方法等でご質問等がありましたらお願いいたします。マイクロインピンジャーで0.02ということですが、その精度のポンプはあるのですか。
○東久保氏 マイクロインピンジャーの場合は0.1だったと思っているのですが。
○名古屋座長 先ほどの説明では0.02というのがありました。
○東久保氏 0.02は、一酸化二窒素ではなかったですか。すみません、0.02はナフタレンの場合です。あれは固体捕集になりますので、そのポンプは私どもで使っているポンプで、流量が一定になるというところまで確認しております。
○名古屋座長 ナフタレンについては、0.1でもいいということですね。要するに、許容濃度が10ppmで、定量下限が0.1までいっているから十分大丈夫ですということですか。
○東久保氏 はい。
○名古屋座長 43頁のパラのところの中で、回収率が82~98%と書いてあります。このときに、ガイドラインにはいつも書いてあるのですけれども、回収率は90%以上を求めなさいと。ただし、90%以下であったとしても標準偏差が良かったときには、90%以下でもいいとガイドラインでなっているので、できたらこの82~98%のときに、標準偏差がどのぐらいのばらつきかというデータを入れておいたほうがいいと思います。そうしないと、ガイドラインとはちょっと食い違ってくるかもしれません。要するに、回収率も大切なのですが、回収率以前に標準偏差のほうが大切ですので、必ずここのところには標準偏差を書いていただいけるとありがたいかと思います。
○東久保氏 はい。標準偏差は表12「添加回収率」のところに書いてありますが、82±0.5ということで、RSDが0.6となっているので、ほとんどばらつきがないというデータです。
○名古屋座長 「まとめ」のところに書いておいていただけると、わかりやすいと思います。
○東久保氏 はい。以後こういうパターンがありましたらそのようにしておきます。
○原委員 分析方法ではないのですけれども、一酸化二窒素というのは、いまは車の排ガス中にはあまり含まれないのですか。
○東久保氏 すみません、私どもの中では工場内のとある燃焼をする所ではそのようなものが出るという情報は得ていますので、ターゲットはそういう所で調査をしようかと思っていました。車まではまだ見ておりません。
○寺島化学物質情報管理官 67頁の真ん中辺りにあるように、中災防の検討会の中でも、大気中にもある物質ということで、定量下限の3倍ぐらいの濃度が既にあるのですね。
○東久保氏 318ppbぐらいは常時あります。
○内山委員 そうすると、実際のときにはバックグラウンドを補正して、大気中に一般にあるものを補正して測定するのですか。
○東久保氏 バックグラウンドという形であれば、ばく露のときはそうします。
○内山委員 一酸化窒素も、空気の中に含まれていますよね。
○東久保氏 はい。
○内山委員 特に、いまは喘息の方の炎症の指標として、空気中の一酸化窒素を測るというのが。
○東久保氏 一酸化窒素と、一酸化二窒素は分離できたと思います。
○内山委員 その辺りが心配で測ると、万が一、そういう炎症性の気管支喘息などをもっているときには、これが一酸化二窒素にどのぐらい測定方法に反応しているのかわからないのですが。
○東久保氏 分離できると記憶しているのですが、ただ標準ガスを使っているので、一酸化窒素も入れていたかどうか、そこまで私はトレースしていませんでした。申し訳ありませんでした。
○名古屋座長 それに関連して、例えば72頁のところは定量はあるのだけれども、回収率のデータがどこにもないのですけれども、ここはいいのですか。ほかを見ても、どこにも回収率のデータはないのですが、どのぐらい回収するのか。
○東久保氏 これは試料ガスとして標準ガスを使っているので。
○名古屋座長 もう1つ聞きたいのは、テドラーバッグのことです。ここのところでいまはスマートバッグPAと書いてありますが、これはずっと供給されるのですか。テドラーバッグそのもの自体がいまは製造中止になって、テドラーバッグがなくなるので、ほかのものに変えないと。
○東久保氏 すみません、それがわかった時点でバッグを変えて、このスマートバッグにしました。
○名古屋座長 説明がテドラーバッグになっていたので、テドラーバッグはもう生産が終わったと思いました。それから、95頁のサンプラーのところで、セルロースエステルはわかるのですが、「混合」と書いてあります。「エステル混合メンブレンフィルター」と書いてあるのは、何が混合されるのですか。「エステル混合」というのはあまり聞かない表現かと思います。エステルメンブレンフィルター、混合と入っているのは何かを教えてください。
○鷹屋委員 普通こう書いてあったら、普通のセルロースとニトロセルロースの混合ですからそう書いているのでは。
○名古屋座長 それでいいのですか。
○鷹屋委員 商品名では、こうしか書いてないことがあるかもしれないです。
○名古屋座長 ほかにお気づきの点はありますか。
○圓藤委員 弗化水素で、ランタンアリザリンを使うのは、測れなかったものについてだけ外注するみたいな形なのですか。
○東久保氏 有機酸があると沈殿物が出てくるので、その時点でもう駄目というのがわかりますので、そのときにはアリザリンでやるということです。
○圓藤委員 どのぐらいかは、やってみないとわからないですね。
○東久保氏 はい、有機酸の状況です。
○郡氏(中災防) あるいは、事前調査が取れるのであれば、それで確認をしてという方法もあるかと思います。
○鷹屋委員 もう検討が終わった話なのですけれども、有機酸と分けることに特化したカラムというのは、ダイオネクスのラインナップにあるような気もするのです。AS17でジェネレーターという、結局AS17というのは機器の標準カラムです。有機酸用の何番だったかのカラムで、逆に遅く出したりするのがありますよね。
○東久保氏 確かに、普通に出てくる可能性はあります。
○圓藤委員 ダイオネクスのカラムというのは、そんなにいっぱい種類がありましたか。
○原委員 フッ素だと速いのです。水が出てきてパンッと来るのに、昔のカラムは有機酸とフッ素が混じり合うのです。それでいろいろな研究がされて、有機酸を除去するカラムが開発されたという経過があるはずです。
○寺島化学物質情報管理官 すみません、ナフタレンのところで、InertSepを使うということがまとめの表に書いてあります。将来的に、これがリスク評価書になっていった場合に、商品名が落ちてしまう可能性があるかと思うのです。スチレンジビニルベンゼン捕集管を使った場合に、ほかのものだと捕集率が落ちてしまうことがある、というのを書いておいたほうがよろしいのではないかと思ったのです。先生方のご意見を伺えればと思います。
○原委員 測定法では、あまりメーカー名は入れないです。
○東久保氏 こちらは、ほとんど同じ成分なのですけれども、詰め方が違うのだと思うのです。ほかのものは、イメージ的にはナフタレンをくっ付けてくれるのですけれども、保持してくれないのです。多流路拡散か何かで、抜けていっているような感じなので、きっちり付けてくれているところでないといけないというので、最後の最後にこれを見つけたということです。海外のものなどもいろいろ当たったのですけれどもどうしても駄目でした。いまのところ、我々が見つけている間では、ここがいちばんいいのかという感じなのです。ただ、サンプラーの担体としては皆さん同じ担体なのです。
○鷹屋委員 いまのお話でも、サンプラーだけではなくて、どのみちガスクロしても、液クロにしても、同等品があってもカラムを変えてしまうと、結局分析は1からやり直しになると思うのです。少なくともこれをやりましたという段階では、すべてちゃんと書いておかないと、逆に追試ができない状態になるのではないかと思うのです。
○名古屋座長 捕集管だけだとこれだけ違って、中の陽圧が書けないとちょっと辛いですよね。
○東久保氏 はい。
○名古屋座長 これだけ見てしまうと、どれをやってもいいという話になってしまいます。これは、書くときにお願いいたしましょう。どうしても駄目だったら、やはり書かないといけない場合はメーカーを外して。でも、メーカーはジーエルしかないんだもんな。ちょっと工夫しましょう。
○東久保氏 すみません、ありがとうございます。
○圓藤委員 これは、メーカーを書かないと駄目なのでしょう。
○名古屋座長 抽象表現だと4つあって、どれを使っていいかわからなくなって、ほかは悪くて、最後の4番目が良いということがわかっているのに、1番目を使って良いと思っていたら違っていたといったらかわいそうかなと思います。ちょっと難しいですね。これは、ちょっと工夫しましょうということで、すみません。1個しかなければいいのだけれども、これだけあると、ちょっと大変かと思います。
○圓藤委員 同じ活性炭でも、こんなにばらつきが多いのですか。
○東久保氏 詰め方なのですかね。一応フィルターがあって、次に担体があるものを選んでいるのですけれども。
○圓藤委員 フィルターは、よくそういうのがありましたが。
○名古屋座長 粒状にしてからなくなりましたねということになって、活性炭の個体差があるので、作り方によって違うからというので防げたのだけれども、でもここは明らかに違うから、詰め方だけというよりは、やはりこれを使わないと駄目だというのがありますね。
○東久保氏 何かノウハウがあるのだろうと思います。
○圓藤委員 もとが違うのではないですか。
○東久保氏 メーカーに聞いたら、大体同じものなのです。だから、本当にほかの方々にはという感じで出されたので。同じものなのでということで出されたのです。でも、NIOSH法でいくと、ナフタレンはちょっと厳しいというのはわかりましたので、それはまだいいかと思っております。
○名古屋座長 何かちょっと工夫しましょう。表現ですよね。あとはよろしいでしょうか、一応ここの測定・分析法についてということでよろしいかと思います。次の議題は非公開なのですか。
○寺島化学物質情報管理官 はい、ここまでが公開となります。ここからは企業の個別情報取扱いのため、傍聴の皆様にはご退席をお願いいたします。
(傍聴者退席)
(中略)
○寺島化学物質情報管理官 次回の予定は4月26日の14時からとなっておりますので、またよろしくお願いいたします。
○名古屋座長 では、本日は閉会させていただきます。お疲れ様でした。長い間、ありがとうございました。


(了)

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