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2012年7月18日 第3回中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会議事録

○日時

平成24年7月18日(水)11:20〜12:50


○場所

於 厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路部会長代理 西村万里子委員 森田朗委員
小林剛委員 白川修二委員 花井十伍委員 
石山惠司委員 伊藤文郎委員 
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員 
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
禰宜寛治専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員 加茂谷専門委員
池田俊也参考人 福田敬参考人
<事務局>
外口保険局長 唐澤審議官 鈴木医療課長 迫井医療課企画官
屋敷保険医療企画調査室長 吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他

○議題

1 用語の定義について
2 「制度の基本的考え方」について
3 医療技術の費用対効果の評価と活用について
4 これまでの医療技術評価における費用対効果評価の資料の提出について

○議事

○関原部会長
 委員の皆様がおそろいになりましたので、ただいまより、第3回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を始めます。
 まず、委員、参考人の出席状況について御報告いたします。本日は、田中委員、田倉参考人が御欠席です。
 それでは、議論に入りたいと思いますが、まず、用語の定義を議題といたします。
 これは、前回、医療技術の議論に際しまして、様々な御意見が出たということもありまして、今後の議論で使用します基本的な用語について、共通理解が必要ということで、事務局の方に、その整理をお願いして、とりまとめてもらったもので、まず、この報告から始めたいと思います。
 では、事務局、よろしくお願いします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。お手元の費−1、1枚紙を御用意いただきたいと思います。
 部会長、今、お話がございましたけれども、前回の部会の議論の中で、医療技術という用語につきまして、基本的には、さまざまな場面で用語を活用しました議論をしていただくことになるんですが、とらえ方が必ずしも共通ではなかった部分がございます。一定の整理をお願いしようと思いまして、資料を用意させていただいたのですが、特に診療側の委員の方々から少し現場の使い方から見ますと違和感があるという御指摘もございましたので、改めまして、その辺りを整理させていただきました。
 費−1の最初に書いてございます「1.背景」については、今、お話をさせていただいたようなことでございますけれども、医療技術という用語につきましては、狭い意味といいますか、医療関係者にとっては、医療者が行う技術を指すというのが現場の感覚からして一番ポピュラーだという御指摘がございました。
 ただ、御案内のとおり、今回、医薬品医療材料を含むさまざまな広い範囲のものを医療技術と広義に呼んでおりますので、この辺りをどう整理するのかという話になります。
 一応、参考として裏に書かせていただきましたけれども、諸外国の類似の制度を参考にしながら、今回議論していただくことになりますけれども、英語でヘルス・テクノロジー、医療技術というものにつきましては、少し広めのとらえ方をしているというのが、まず、実態でございます。
 そういったことも含めまして、今回、今後の議論の前提となる用語につきましては、1ページ目の2.に書いてございますとおり、次のように整理をさせていただきたいという趣旨でございます。
 医療者等が実際に行われます技術につきましては、医療者等の技術というふうに明記をさせていただきたいと。
 2つ目、医療技術と今後呼ばせていただくものにつきましては、医薬品とか医療材料とか、そういったもの、それに今、申し上げました医療者等の技術、これら3分野を含めるものと。
 ただし、この場合、医薬品、医療材料というふうに、これを含める場合については、実際に医療の現場だけではない、研究開発とか製造等にかかる技術につきましても含めてと、こういう整理をさせていただきたいという趣旨でございます。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。では、ただいまの説明に対しまして、御意見、御質問等がありましたら、どうぞ。
 嘉山委員。
○嘉山委員
 こういうのは、英語に直すと非常にわかりやすいので、今の説明で全くいいと思うのですけれども、我々が学会等で使うときには、今、迫井先生がお話になったように、人間がやる技術としては、ヒューマン・メディカル・テクノロジーというんですよ。そうではなくて、機械だとか医薬品の場合は、サイエンティフィック・メディカル・テクノロジー、その中に括弧としてバイオ・アンド・エンジニアリング、こういうのが、普通、我々が英文で使っている用語なので、そういう意味で使っていただければと思います。
 迫井さん、それでいいですね。
○関原部会長
 企画官どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。嘉山委員、御指摘のような意味で、今回、整理させていただいていると、私どもは理解しています。
 その上で、今後、実際に部会の資料等は、日本語で出てまいりますので、用語については、こういうふうに使わせてくださいという趣旨でございます。
○関原部会長
 嘉山委員、よろしいですか。では、ほかにございますか。
 これは、用語の定義でございますので、これで共通に御理解いただいたということにいたします。
 それでは、次の議題でございます。次は「制度の基本的考え方について」を議題といたします。
 これは、前回6月27日の本部会において確認いたしました、今後の検討の進め方、費−2の参考資料ですが、これは、前回6月27日の部会の費−3という資料で、この中でございます、制度の基本的な考え方の確認です。
 今日は、それに基づきまして、制度の基本的な考え方について確認を行いたいと思いますので、まず、事務局から資料が提出されておりますので、御説明をお願いいます。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。今、部会長から御説明がございました費−2の資料、それから費−2参考という2つの資料をお手元に御用意いただきたいと思います。
 費−2参考資料の2ページ目フローチャートがございます。今から費−2の資料本体、両面で1枚紙でございますが、これを御説明させていただきますけれども、その位置づけについて、おさらいをさせていただきます。
 費−2参考の2ページ目、1回目の部会の議論、さまざま御指摘をいただきましたことを踏まえまして、前回、こういうふうな形で議論を、段階的に進めさせていただきたいということで、この2ページのフローの図の、大きく点線が書いてございますけれども、上から3分の1くらいのところ、まず、基本線、それから、具体的な評価の運用手法、(1)(2)の部分をまず確認させていただいて、少しずつ具体的な議論を進めさせてくださいと。
 前回、2回目のときに(1)の制度の基本的考え方の確認というところを着手いたしまして、今回(1)のところをおおむね一定の御理解、共通の認識に立てればということで資料を提出させていただいているものでございます。
 一応、そういう御認識をいただいた上で、費−2の説明をさせていただきます。
 両面で1枚紙でございますけれども、制度の基本的考え方という大枠の考え方について、基本的にある程度共通の認識で次のステップにということでございますので、大きく分けまして、1.でございます、対象技術の原則というもの、めくっていただきまして2.に結果活用の原則と、この2つをとりまとめさせていただいております。
 まず、表の「1.対象技術の原則」ですが、これまでの御議論を踏まえまして、前回もおおむねこういったことをお示しさせていただいておりますけれども、2つ○を書かせていただいています。内容的には、まず、診療報酬項目、これは3分野それぞれございますけれども、相当数ございますが、これらすべて、全項目やるということでは決してございません、ということが1つ目の○です。
 逆にいいますと、何を対象にするのかというのは、2つ目の○ですが、一定の合理性を有する医療技術、これを対象とするんですと。その合理性というのは、下に書いてございます(1)(2)の条件を満たすということでございます。
 (1)にまとめさせていただいたのが?〜?ですが、前回の御議論を踏まえて整理をさせていただいております。
 ?でございますが、希少な疾患は対象とはしないということでございます。考え方のところに少しブレークダウンさせていただいておりますけれども、やはり希少疾患というものの性質上、割り返してしまいますと、費用は当然、高額にならざるを得ない側面がございますし、逆にいいますと、対象患者さんも少ないわけですから、財政的な影響もそれほど大きくないということで、希少疾患は対象としないと。
 2番目でございますが、代替性のある技術を基本的に対象とする、書きぶりとしては、ちょっと裏側になっていますが、対象となる疾患については、代替性のある他の医療技術が存在すると、こういうことでございます。
 考え方のところに、2つブレークダウンさせていただいておりますけれども、まず、医療技術、費用対効果を実際に行うという場合のテクニカルな問題として、比較対照がないと、評価自体がなかなか難しいという話がございます。
 それから、そもそも代替性がない、診療上必須の技術というものが、もし、あるのであれば、それは、保険適用時の価格設定をしっかりやることで対処すべきであって、今回の分析をいきなり行うと、こういう性質のものではないのではないかというのが2つの目の○、代替性のある技術を対象とするということでございます。
 3つ目でございますが、代替する医療技術と比較して、有用性の観点から財政影響が大きい可能性があると。これは、前回の書きぶりですと、著しく費用が高額、高いというような書きぶりでございましたけれども、もう少し具体的にここをブレークダウンさせていただいておりまして、考え方のところの1つ目のポツでございますが、医療技術として、基本的には単価と使用頻度が大きく財政的な影響を当然及ぼすということになりますので、単価と使用頻度両方を勘案いたしまして増加すると、それらが増加することによりまして、財政影響が大きいというものを対象とするということです。
 したがいまして、2つ目のポツに書いてございますが、幅広い患者さんを対象とするようなケース、すなわち使用頻度が大きいケースというものにつきましては、単価は必ずしも大きくない場合であっても、やはり考えなければいけないケースもございますので、そういった観点で財政影響が大きいという記載ぶりにさせていただいているということでございます。
 めくっていただきまして、4点目、これは、前回、鈴木委員が御指摘をされました。安全性・有効性に関する記載、これは、当然、前提となっておりますので明確にさせていただいて記載しております。
 この?から?に該当する技術を基本的には、今後の議論の対象とさせていただきたいと、こういう趣旨でございますが、(2)を改めて明記させていただいております。
 これは、何かといいますと、今回、議論の取っ掛かりでこういった共通のコンセンサスで議論を進めさせてくださいということで、いろんな御指摘がある中で、ここは共通項ですねというものをまとめさせていただいております。
 そういたしますと、当然さまざまな、さらに幅広い御議論、御指摘があろうかと思いますので、そういったことを一切今後やらないということではございませんから、(2)でそこは明記をさせていただきまして、今、申し上げましたような、?〜?に該当する技術以外につきまして、費用対効果の評価の対象とすべきすべき事項が生じた場合には、皆さんの御議論をいただいた上で検討を行ってはどうかと記載をさせていただいております。
 ここまでが、対象技術の考え方でございます。
 次に、2点目、結果活用の原則の部分でございます。具体的な手法等は、今後、さらに次回以降議論をいただくわけですので、概念的なとりまとめになってございますが、○3つにまとめさせていただいております。
 まず、1つ目の○でございますけれども、医療技術の評価、これ自体は、さまざまな観点で総合的な評価の結果として行われるものでございますので、基本的には、そういった考え方を維持しますと書いてございます。
 ただ、では、なぜ費用対効果の評価をやるのかという話になりますので、基本的にそういった考えを維持しつつ、費用対効果評価の結果を活用することで、より妥当な医療技術の評価を目指すと、これが基本的なスタンス、考え方ですというのが、1つの目の○でございます。
 次に2つ目の○でございますが、費用対効果評価というのは、一定の定量的な分析に基づく評価になりますので、これは、従来から指摘をされておりますけれども、一定の数字が出た、それでもって、極めて機械的、硬直的に運用するというのは非常に問題があるという御指摘もございますので、そういったことを踏まえまして、保険収載の可否とか償還価格の設定評価を、この結果だけで行うということではなく、それから、判断の基準につきましても、柔軟性をもって硬直的な運用を避けるということを原則として確認をさせていただいております。
 3点目でございますが、これは、費用と効果両方の観点で評価を行うわけですから、単純に費用を削減する、医療費削減をするというような趣旨での評価ではございませんので、そのことについても明記をさせていただいております。
 以上、3つ、結果活用の大原則を確認させていただいて、1.の対象技術と併せまして、今後の議論の前提として確認をさせていただければと思っております。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、何か御意見、御質問等ありましたらどうぞ。
 嘉山委員。
○嘉山委員
 ちょっと確認ですけれども、制度の基本的な考え方、この場合の制度というのは、対費用効果というものができたときの制度ということではなくて、今回、対費用効果をどういうふうにやったらいいかというモデルのときの考え方ということでいいですか。
 というのは、対象技術の条件の中の(1)の?のところの、代替性のない医療技術を対象にしないとなると、30年くらい前の話になるんですけれども、そういうお薬で世界一売れた薬があったんですよ。そのときに、今は、クルニカル・ランダマイズ・トライアルが、まだ、完成していなかったころなので、確かに100個の質問項目で5つが、いわゆる統計額有意な差が出たので、それで薬としては認められたのですが、その後、効果がないということで、それは却下されました。
 そういうことがあり得るので、やはり、これは、今回という意味ですね。今回のモデルづくりに関しては代替性のないものは除くのであって、将来、この制度が完成した暁には、代替性がないものも対費用効果の制度の中に入れる可能性はあるということを確認しておきたいんですが、いかがでしょうか。
○関原部会長
 事務局、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。大変重要な御指摘をいただいていると思っております。
 まず、私どもの理解は、今回、議論をいただく前提としてということですので、2ページ目の(2)の記載とも併せまして、今、御指摘のような代替性を今後議論していく上で、もう少し範囲を広げたり、あるいは代替性は何かということも、今後、もちろん議論していただきます。
 その際に、さまざまな対象の拡大とか、対象の検討を、検討するべき対象技術の議論はあろうと思いますので、そのことは、決して妨げるものではございません。ですから、表現が適切かどうかわかりませんけれども、まず、当面、今回、こういう共通の認識で議論を進めさせてくださいという趣旨です。
 (2)は、したがって、それを担保するために、必要があれば、合意の下で、議論、対象を広げていくことは前提としてございますということを明記させていただいていると、そういう趣旨でございます。
○関原部会長
 嘉山委員、よろしゅうございますか。
○嘉山委員
 はい。
○関原部会長
 それでは、ほかに、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 制度の基本的な考え方ということで、対象技術の原則と結果活用の原則ということなので、一見よさそうにも思えるんですが、まず、対象技術の原則を決めて、そして、その後いきなり結果の活用の原則ということで途中が抜けているような気がするんです。途中の評価の枠組みの検討とか、あるいは出た結果の取扱い方の検討とか、そういうところも決めておかないと、細かいようで杜撰な感じがするんですが、事務局としていかがでしょうか。
○関原部会長
 事務局、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。鈴木委員御指摘の点、実際に制度を運用するまでにさまざま検討すべき課題は当然あろうと思いますので、御指摘のとおり、先ほど費−2の参考の資料の2ページ目のフローチャートを見ていただいていると思いますが、これは、この後の議題にも関連いたしますけれども、基本的考え方を押さえさせていただいた上で、次のステップで、今、御指摘のことを含めまして、具体的な評価の運用手法、この検討の中には、実際にどういうふうな活用をしていくのかという具体論も含めて、それから評価の指標の考え方とかも含めまして、そういった検討が当然必要になりますので、そういったことも含めて次のステップに進んで議論していただこうと事務局では考えております。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 鈴木委員。
○鈴木委員
 確認ですけれども、今、おっしゃった中には、出た結果の取扱い方の検討とか、私がいった、評価の枠組み、やり方の検討、そういうものも含まれるということですか、確認したいと思います。
○関原部会長
 事務局、確認をお願いします。迫井企画官、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 1点目の評価の活用の仕方につきましては、まさにその中に含まれていると理解しております。
 鈴木委員御指摘の枠組みとおっしゃる意味には、さまざまあろうかと思いますけれども、評価全体の体系という意味で、まず、第一段階、費−2の参考資料のフローのところで、御説明しているつもりですが、まず、これは、段階的に議論を少し進めさせていただきたいという趣旨でございますので、第一段階で一定の共通認識に立つという意味では、(1)(2)に書いてございますような制度の大きな枠組みは基本的には、これで一定の整理をさせていただいた上で、当然、それだけでは足りない具体論は、さらに進めて議論をさせていただくと、こういう趣旨でございます。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 私の質問に対して、お答えがいただけていないような気がするのですが、私がいっている枠組みというのは、費用対効果の分析だけではなくて、それは、医療技術評価のごく一部なわけですけれども、全体の流れを系統的レビューから入って、その医療経済評価の一環として費用対効果分析を行い、さらにその後、総意形成を行うと、そういう流れが一般的にあるわけですけれども、そういったことを行う予定はあるのかどうかということです。
 それから、結果が出ても、これは、いわゆる仮想のデータなわけです。ですから、不確実性がありますし、恣意性による影響も懸念されるわけですが、そういったものをできるだけ少なくするためには、方法論の確立とか、組織ガバナンス、こういったものが重要になってくると思うんです。こういったことの検討をきちんと行った上でないと、対象と結果の活用だけ決めて、途中は見えないという形で議論を進めるということは、私は非常に危険だと思うんですけれども、この点について、いかがでしょうか。
○関原部会長
 ちょっと私から質問ですが、この部会で議論する話ですか、この部会の中で、今のお話全部、枠のところも全部議論すべしと、そういうことですね。
 どうぞ。
○嘉山委員
 先生、それをやる会なんですよ、この会は、だから、モデルづくりをする会であって、それを使うとか何かというのは、もっとずっと後の話になると思って、そう理解しているんですが、事務局、そうですね。ちょっと話が飛んでしまったようなので。
○関原部会長
 私も、それをちょっと確認しようかと思いまして、鈴木委員、大事なところなので。
○鈴木委員
 ですから、今いったような話が、どこかで検討されることが含まれるのかどうかということが、どうも迫井さんのお答えは、うまくずらしているような気がしているのですけれども、やるならやる、やらないのならやらない、といっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○関原部会長
 それでは、迫井企画官お願いします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。制度を実際に運用するまでには、当然、鈴木委員御指摘のような点は確実にどこかで御議論いただくことになると思います。最終的には、私どもの理解は総会で合意形成が必要だと思いますので、制度の運用の手法でございますとか、実際の実施に係るさまざまな手順がございますね、そういったことを含めて、鈴木委員が御指摘されたと私どもは理解しておりますので、実施、実現をするまでには、必ずそういったステップの議論は必要ですから、それは、確実にやっていただくという理解で事務局はおります。
 その上で、今回、費−2参考でお示しをしておりますフローチャート(1)(2)、これが、すべて今御指摘のような、実施までにかかる議論を、すべて(1)(2)で行うという想定ではございませんで、もし、方法論とか、課題についての議論、課題は(1)(2)の中でも出てくると思いますけれども、実施手順を具体的にどういうふうにするのか、技術評価をさまざまな観点で行うわけですが、それは、この費用対効果だけではない、そもそも安全性、有効性も含めた検証を行うわけですから、それは、現行の技術評価、医療技術評価分科会もそうですし、薬価に係る算定組織もそうですし、医療材料もそうですが、それぞれの中で実施しているものを、どういうふうに全体的に整理して位置づけるかというのは、当然、どこかの段階で議論していただきますけれども、少なくとも、今、お示しをしております(1)(2)の前段階でそこまでディテールに入るというスケジュールを組んでいるわけではございません。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 そうしますと、結局、これから分かれてしまうわけですね。そうすると、やはりここで決めておかないと、不十分な原理原則なるもので議論するということになるから、不十分な結果しか出ないということになりませんか。今のここでの議論か大事なのではないかと思うんです。そこがまだ足りないような気がするんですけれども、いかがですか。
○関原部会長
 では、迫井企画官、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございますが、費−2参考のフローチャートが、矢印が一方向になっているものですから、少しミスリーディングかもしれません。私どもの理解は、あくまで総会と、この費用対効果分科会、それから3つの部会等と、これらがキャッチボールをして議論を進めていくということですので、今回(1)(2)が終わったら、二度と費用対効果部会に返ってこないということは決してございませんで、段階を踏みつつ、かつ3つのボディーを、役割分担をはっきり連携をさせていただきながら進めさせていただくという理解でおります。
○関原部会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 矢印が双方向であるということは確認いたしました。ぜひ、そこの中抜けになっているところの原則もきちんとしていただかないと、全体が評価に耐え得るものにならないので、そこはきちんと、ぜひやっていただきたいと思います。
○関原部会長
 ほかに、万代委員、どうぞ。
○万代委員
 2点確認させていただきますが、まず、対象技術の条件ということで整理していただきまして、さらにブレークダウンしていただいて、非常にわかりやすくなったと考えております。
 その中で、(1)の中の?、2点ございまして、希少な疾患を対象としていないという部分でございますが、一般的な書きぶりなので、こう書くということで、現時点では、これで賛成でございますけれども、その希少の定義について、あるいは定義というと答えにくいですので、希少のイメージについて、例えば、これまで中医協の総会で出ていたような、年間数十例の疾患を希少とイメージしておられるのか、あるいはオーファンディジーズといわれるような、もう少し患者さんの数が多い疾患も対象とイメージしておられるのか、そこをまず第一点目、お伺いしたいと思います。
○関原部会長
 事務局、お願いします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。この点、これは、非常に重要な御指摘だろうと理解しております。
 まさに今後、御議論いただくべき内容、そのものだろうと思っておりますが、たしか前回、嘉山委員が例示的におっしゃった幾つかの年間数十ケースしかないような疾患、これが、そもそもこういう評価になじむのかという御指摘、1つ具体例をいただきました。
 そういった年間数十例のものは、少なくともこういった対象にならないだろうということは、逆にいいますと、コンセンサスだろうと思います。
 問題は、今、御指摘のとおり、それをオーファンというふうに位置づけますと、かなり広がりも出てまいりますので、やはり技術の内容とか、分野によって、少しそこはディテールを議論して定めていただく必要があろうと考えております。それは、これから御相談したい事項だと考えております。
 事務局からは、以上でございます。
○万代委員
 2点目でございますけれども、?とかあるいは先ほどの嘉山委員と企画官の御答えに少し重複するかもしれませんが、現時点で、対象技術につきましては、新規の医療技術について費用対効果を検討するというふうには認識しておりますが、その費用対効果の手法につきまして、もし、一定程度確立されたということがあるとすれば、その時点において、どの時点になるかわかりませんけれども、その時点において、既存の医療技術についても、代替性のある、なしにかかわらず、費用対効果を検証するというようなことも考えていいのかということについて確認させていただきたいと思います。
○関原部会長
 迫井企画官、お願いします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。今の点につきまして、これもまた非常に重要な点なのですけれども、これは、次のステップで具体的な評価の手法、活用の手法の議論の中て整理していただく所存でございますけれども、私どもの今の時点での理解は、(1)の議論を終えた時点で、今の新規の技術なのか、既存の技術なのかということについては、必ずしもそこで絞っているわけではございませんで、次のステップの(2)のところで御議論いただいて、一定の枠組みづくりの御議論をいただければなと考えております。
○関原部会長
 よろしゅうございますか。それでは、ほかに、安達委員、どうぞ。
○安達委員
 一定の質疑が出尽くしたような感がするので、非常に基本的なことを皆さんにも問いかけをさせていただきたい、事務局、厚労省としての見解も伺いたいと思います。これをこの部分でいうのがいいのか、先ほどから議論のあった基本問題のところでいうのがいいのか、先進医療のところでいうのがいいのか、その全部が引っかかっているんじゃないのかなと思うから申し上げるわけでありますが、費用対効果の議論は、今、御議論があるように、鈴木委員の御懸念も含めてですけれども、これが混合診療導入ありきの考え方でももちろんないし、それが、値段づけに直結するものでもないという前提の中で、しかし、今の日本の皆保険制度の中で、この議論は、試行的には少なくともやってみる必要があるということで始まったものだと、私は理解しておりますから、事務局がお出しになった基本的な考え方は、私は、こういう議論を進める上では、これでいいのだろうと思っております。
 ただ、先ほどの先進医療のシステムの変更も、この議論も、これをやることと、今回成立した社会保障・税一体改革大綱に対する与野党協議の結果としての衆議院の可決、中身ということを比較したときに、今やっていることの意味があるのかどうかという基本的なことが問われかねないことが書かれているので、厚生労働省としての見解を伺いたいということで御質問いたします。
 消費税の引上げは合意をされました。ですが、審議の対象になった民主党の社会保障・税一体改革大綱のうち、与野党で合意されたのが消費税の引上げだけ、消費税の改革大綱の方は、民主党はほとんど影も形もないというのが多分実態だろうと、私は認識をしておりまして、その部分の法案は、社会保障改革推進法案となって通過をしているわけであります。
 この中の医療の部分に、給付の対象となる療養の範囲の適正化等を検討すると書かれているわけですね。この文言は、我々にとっては、いつか来た道でありまして、既に何回も目にしてきた言葉です。小泉政権になって、いわゆる市場原理主義的、新自由主義的な日本の経済、政治運用がされる中で、具体的には、規制改革会議が混合診療全面解禁を主張され、経済財政諮問会議は軽医療免責制を主張されました。つまり、皆保険制度の給付の範囲の制限であります。我々の現在の皆保険制度に対する、日本の皆保険制度に対する理解は、単純に全員が加入しているということ以外にもう一つある。有効と判断された治療については、これを保険給付の対象にするという、この2つをセットにして皆保険制度の概念だと思う。
 そのうちの後段の部分について、適正化等を検討するという前振りの中で、かつて小泉政権の下で混合診療全面解禁も軽医療免責制も検討の課題に上がったということであります。
 民主党の社会保障改革大綱には、その一文は一言もない。この一文はどこにあるのか、自由民主党が野党になって、新たに策定して法案上程まで検討された社会保障基本法の中に全く同様の文言があるということであります。
 つまり、これで与野党合意をされたということは、混合診療全面解禁に向かった方向を目指しますよ、あるいは検討しますよと書かれたに等しいと理解しなければならないので、そういう検討が始まるんだったら、先進医療のさっきのシステムの話も、この費用対効果の話も、そこの決着がつかない限り、ここで議論することは全部無駄かもしれないという気がしないでもないわけです。ですから、その文言をどう扱うかは政治決着でありましょうけれども、その文言が今回の与野党協議の結果、衆議院を可決したということについて、現在、厚生労働省保険局はどういう見解を持っておられるのかということをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○関原部会長
 これは、医療課長にお答えいただきます。
○鈴木医療課長
 医療課長でございます。今、安達委員から御指摘いただいたものは、社会保障制度改革推進法案骨子の中身の一部でございます。
 具体的には、医療保険制度について、さまざまな記載がございまして、ちょっと読み上げさせていただきますと、「医療保険制度については、財政基盤の安定化、保険料にかかる国民の負担に関する公平の確保、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図る」ということになっております。
 今、安達委員から御指摘があったのは最後の部分の「保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図る」という部分に関しての御意見と承りました。
 私どもが理解している限りにおいては、ここは、頭が「医療保険制度については」ということになっておりますので、ある意味でいうと、個別の技術、個別の材料、薬等について保険給付をするか否やという議論ではなくて、むしろ医療保険制度の中で、例えば患者さんの負担とか、そういうものについて検討をする、適正化を図るという趣旨で書かれたものと理解していますので、安達委員がおっしゃったような混合診療全面解禁という議論がここに含まれているというふうには、私どもは理解をしておりません。
○関原部会長
 安達委員、これは、現時点での見解ですから。
○安達委員
 水かけ論になりますので、強いて申し上げませんが、今の解釈は大変苦しいですね。給付の対象となる療養の範囲の適正化ですから、明らかに、これは、例えば、高額先進医療等は給付の対象となる療養の範囲から外すことも検討するんだよと書かれていると読むしかない。
 もう一点は、先ほど申し上げましたように、かつて小泉政権の下で行われた規制改革会議や経済財政諮問会議の主張の前振りには、必ずこの言葉が付いていたということも併せて考えれば、こう読むしかない。自由民主党の社会保障基本法案に書かれた文言がそっくりここに持ち込まれているということを考えれば、今の課長の御見解は、余りに楽観論に過ぎると。これは、中医協の範囲を超えておりますから、後は政治的決着を図るしかないので、それぞれの立場で、それぞれがいろんな働きかけをすることだろうとは思いますけれども、優等生のような、お手本のような回答をいただいたのですが、私はそうだとは思っておりませんし、全く納得もしておりません。それだけ申し上げておきます。
○関原部会長
 それでは、時間もありませんので。田村委員、どうぞ。
○田村専門委員
 対象技術の条件について2つ質問させてください。1つは、(1)の?、代替する医療技術と比較して、財政影響が大きい可能性があるという、この財政影響という言葉ですが、この?の2つ目のポツにありますように、代替する医療技術との財政影響の差が大きいと書いてありますので、この財政影響が大きいというのは、その代替する医療技術との差、すなわち正味、ネットの財政影響と解釈していいかというのが1点目でございます。
 2つ目は、費用対効果評価をする場合に、海外では、技術そのもののデータあるいは疫学データが十分ないのに、どちらかというと無理をしてやって、さまざまな推計の手法はあるのだと思いますが、結局、関係者の納得が得られないということがあると聞きます。
 そこで、この条件の1つとして、信頼性に足る費用対効果評価が可能なデータが存在すること、あるいは評価者側や申請者側に過度な負荷をかけずに、そうしたデータの入手の可能性があることを、この条件に入れるというのは考えられないか。あるいは、対象技術を選んで、後で、実際に評価を進めるに当たってデータが十分なければ、そこであきらめるという方法でもいいかもしれませんが、そういった要素というのは考えられないかという2つの質問でございます。
○関原部会長
 では、特に後の質問は、ヨーロッパも含めて諸外国の実例を福田先生に話していただきますので、最初の質問についてお答えいただいたらと思います。
 では、迫井企画官、どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。財政影響のところの記載ぶり、費−2の1枚目でございますけれども、結論的に申し上げますと、これは技術それぞれに当然単価も違いますし、頻度も違いますので、具体的な要件については、今後議論いただくということでございますが、定性的にこういうふうな考え方でどうかということです。
 その黒ポツに書いてございます、単価の差云々、それから財政影響の差というのは、ここの解説の中で記述しておりますのは、田村委員が御指摘のような、その差分にかかる部分でございますが、これが、即要件という趣旨ではなくて、こういう観点でやはり財政影響をとらえなければいけないのではないかという説明でございます。
 先ほどの2点目の、部会長、仕切っていただきましたけれども、2点目の具体的な要件も含めまして、データの取扱いの要件も含めまして、この後の具体的な評価手法の議論で検討いただければと考えております。
 事務局から、以上でございます。
○関原部会長
 田村委員、よろしいですか。
 それでは、議論はこの辺りにしまして、また、今のような話は、この後ということなので、次の議論に移りたいと思います。
 次は、医療技術の費用対効果の評価と活用についてという議題でございます。これは、最初の、今日のレジュメにありますが、2つからなっておりまして、1つは、今後の検討における論点の提示と諸外国の状況ということを合わせて議論するということでございますので、まず、事務局の方から、最初の資料に基づきまして御説明をいただくと、これは、費−3というものでございます。
 では、事務局、よろしく。
○迫井医療課企画官
 事務局でございますが、今から費−3、費−4、次のステップの議論をしていただきますけれども、部会長、念のため確認ですが、費−2で大まかにとりまとめさせていただきました基本的考え方につきましては、御了解いただけたという理解でよろしゅうございますでしょうか。
○関原部会長
 先程皆さんの御意見を伺って、田村委員の質問で時間もオーバーしており、質問は大方出たかなということで、この方向でやらせていただくということでよろしゅうございますか。
 では、白川委員、どうぞ。
○白川委員
 私どもも疑問に思っていた費−2の件につきましては、先の嘉山先生や万代先生の御質問に対する適切な回答を受けておりますので、よろしいかなと考えております。
 対象技術の条件あるいは結果活用の原則については、必要があればまた見直すということとなっていますので、こういう事務局のお考えでいいのではないかと。とりあえず、これでスタートしようという意見です。
○関原部会長
 わかりました。どうもありがとうございました。
 それでは、堀委員、お願いします。
○堀委員
 確認ですが、先ほど万代先生がいわれた希少な疾患というところで、趣旨としては、疾患自体は希少でなくても、当該技術の対象となる患者数が少ないものは除くと、そういう理解でよろしいでしょうか。
○関原部会長
 事務局、お願いします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。御指摘のとおり、そこはケース・バイ・ケースでございますので、対象疾患というとらえ方の概念と、それから、対象とする患者さんの数というものは、必ずしもイコールではないケースは当然ございますので、あくまでもそれはケース・バイ・ケースと、そういう理解でございます。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 それでは、よろしゅうございますか。ただいまの議案については、この方向で皆さん合意されたというふうに判断いたします。
 それでは、さっき申し上げました4つ目の医療技術の費用対効果の評価と活用についてというものを議題にしたいと思います。
 まず、事務局から資料が提出されておりますので、こちらにつきまして、御説明をお願いします。
 どうぞ。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。費−3につきまして、御説明させていただきます。
 この後、福田参考人から御説明、プレゼンテーションをいただきます。それから、次回以降、具体的な、先ほどから御議論いただいております、(1)の合意を得て、(2)の議論、具体的な評価の運用手法に議論を移していただくことになります。
 その際、特に論点となりそうな事項につきまして、あらかじめ整理をさせていただきましたので、御参考までにという趣旨でございます。
 費−3の1ページ目に点線囲いで書いてございますが、今、何度かフローチャートでお示しをしましたけれども、改めまして、当面の検討事項で(1)は先ほど合意をいただきました。今後(2)次回以降御議論いただきます。
 その際、下線を引いて※印を付けておりますけれども、これらの中で、特にこの2つについては、大きくこれまで御指摘がございましたので、めくっていただきまして、2ページ、3ページ、ここにつきましては、評価手法の効果指標に関します取扱いの幾つかの論点。
 最後の4ページにつきましては、活用の考え方、アクセスの問題とかイノベーションに関しますさまざまな御指摘、こういったことが議論になり得ますので、今後の御参考までにということでお示しをしているものでございます。
 簡単でございますが、事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして、諸外国の状況、費−4に基づきまして、福田参考人より御説明をいただきたいと思います。
 前回の部会におきまして、福田参考人より資料のみ提出をされているということでございますので、皆さんはごらんいただいたと思いますが、改めて参考人より説明をお願いしたいと思います。
○福田参考人
 福田でございます。よろしくお願いいたします。費−4の資料に従って御説明をさせていただきます。諸外国における費用対効果の評価と活用の状況でございます。
 3枚目のスライドのところに、今回、御紹介させていただく国を並べました。諸外国は、様々な取組みをしていますけれども、今回は、特に日本で薬価算定等で参照しているイギリス、ドイツ、フランス、アメリカの状況、それに加えて費用対効果の評価に早くから取り組んでいるオーストラリアの事例を御紹介させていただきたいと思います。
 では、かいつまんで御紹介をしていきます。
 まず、イギリスについての状況でございます。評価の特徴、それから評価機関の概要、評価方法の実際の活用方法を対象とする医療技術等についてまとめています。
 スライドの5枚目にまいります。イギリスにおける評価の特徴ですけれども、イギリスの場合には、評価の対象とする医療技術等は、政府(保健省)が指定するという形になっております。
 様々な疾患領域や治療法の評価を比較するために、基本的に効果指標を「質調整生存年(QALY)」に統一する。これ以降、QALYと呼ばせていただきますが、これに統一するという形を取っています。
 それから、経済性に優れると判断する基準としては、増分費用効果比が、これは前回御説明させていただきましたが、これが1QALY増加に対しして2万から3万ポンド以下というのをおおむね目安とするという基準を示しております。
 6枚目、評価を担当しているのはNICEという国立の研究機関でございます。99年に設立をされまして、職員数が約500名いる組織でございます。大体半数くらいが事務スタッフということで、残りの半数が専門スタッフです。特に、費用対効果の評価、NICEの中では、テクノロジー・アプレイザルといういい方をしておりますけれども、ここに関係する担当者は、約35人ということでございます。
 この中には、医師、薬剤師等の医療専門職のほかに、医療経済学者、疫学者、生物統計家等が含まれております。
 この内部の職員だけではなくて、実際の評価に当たっては、外部のアカデミックセンターといわれるところで、これは、主に大学等のこの研究領域を行っているユニットです。現時点では、9つあるというのがホームページ上でも公開されておりますが、そこの協力を得て評価をしているということでございます。
 7枚目、評価方法の実際なんですけれども、具体的には、先ほど申し上げたとおり、効果指標をQALYに統一するということをやっています。
 分析の立場につきましても、医療費、ナショナル・ヘルス・サービスでカバーする医療費に加えて、介護・福祉等の費用、これは英語の原文だと、パーソナル・ソーシャル・サービスといういい方になっていますけれども、公費で負担する介護・福祉等の費用です。これについては含めるというような立場を取っています。
 閾値として、これは、先ほどお話をしましたが、1QALY増加に対しておおむね2万から3万ポンド以下であれば、効率的であるという基準をもって判断をしているということでございます。
 それから、データの提出元ですけれども、やり方として、複数の技術について一緒に評価をしていく、マルチプル・テクノロジー・アセスメント(MTA)という形式と、個別の医療技術について評価するシングル・テクノロジー・アセスメント(STA)の2つがございます。
 MTAについては、外部の専門家がデータ収集を行う、先ほどのアカデミックグループでございますが、評価をするということでありますが、STAについては、原則として、企業が資料を提出して、それを基にレビューをするという形式が取られています。
 8枚目のスライドで、基本的な考え方でございます。これは、増分費用効果比というのを用います。既存の技術を中央の点で表わしております。
 これに対して、右側の方が効果が高い部分です。既存技術に比べて、追加的な効果があるという意味でございます。
 上下が費用に関してですので、上に行く方が追加的に費用がかかるということになります。
 実際に判断をしていくときに、例えば、左上の領域、今までの技術よりお金はかかるけれども、効果が下がる、これは推奨しないということで一目瞭然であります。
 右下のところに関しても効果が高くて費用が安くなるのであれば、選択すべき領域です。
 主に議論になって評価対象となるところは、右上のエリアのところで評価対象と書いてあるところでございます。
 ここに対して閾値というのを設定しております。これが斜めの線で書いているものです。ここをおおむねイギリスでは1QALY増加当たり2万から3万ポンドと、もちろん、2万ポンドと3万ポンドで傾きは変わるわけですけれども、この線を引いて、これ以下であれば、つまり、それより費用がかからないのであれば、いいだろうということで、斜線部分に含まれる技術については、費用対効果に優れるために推奨されるという原則を取っているということでございます。
 左下の領域は、同じように考えることも可能ではございますけれども、一般には、比較対照に比べて、効果が下がるということですので、評価の対象とはされていないと考えております。
 次に9枚目のスライドにまいります。この評価結果の活用方法ですけれども、対象となった医療技術については、使用を推奨する、しない、あるいは一部の患者集団に限定して使用を推奨するというようなパターンでの勧告がなされております。
 NICEで推奨されたものについては、原則として3か月以内には、各地域の保健当局が当該技術を提供しなければいけないということになっております。これは、2002年からこのような仕組みになっております。
 NICEで推奨されなかった場合ということですけれども、NICEで出しているのは、あくまでもガイダンスということですので、必ず、これに従わなければいけないというほどの拘束力はございません、そういうふうに聞いております。ただし、予算制で運営しているという事情から、それを使うのに関しては、必要性の説明等が求められるということで、事実上、なかなか難しい状況であるというのは、現場でも聞いております。
 10枚目で、評価対象とする医療技術ですけれども、評価対象とする医療技術は、保健省によって決定されます。ただし、選定の過程にはNICEも関わっております。対象の選定に当たっては、以下のような要因が考慮されるということで、疾病の負担、影響を受ける集団とか罹患率、死亡率という辺りです。それから資源への影響ということで、NHSや公共セクターへの費用の影響、それから政策的な重要性、政府の優先的な分野であるかどうかということを考慮して保健省が決めるという形を取っております。
 イギリスについては、もう一枚ございまして、11枚目でございます。医薬品以外の医療技術については、下に挙げたような、IPP、MTEP、DAPというようなものが用意されております。
 IPPは、医療者等の技術のうち、手技のところ、MTEPについては、医療用具や診断技術の一部、DAPについては、診断技術の一部を行うということでございます。
 ただし、これらの技術についても、特に新規性が高いもの、特に前のページにある要件を満たすようなものについては、通常のテクノロジー・アプレイザルという費用対効果を含む評価が行われるという仕組みになっております。
 簡単ですが、イギリスについては、以上でございます。
 次にドイツにまいりたいと思います。13枚目のスライドです。
 ドイツにおける評価の特徴ですけれども、今の時点では、経済評価を基に判断するということが、まだ行われておりません。企業と、疾病金庫中央委員会と訳されているかと思いますが、少し後の方で出てくる疾病金庫中央連合会と同じ組織でございますが、この間での価格交渉があるのですけれども、そこが合意に至らない場合に、必要に応じて費用対効果の評価を行うという仕組みになっています。
 それと、特徴としては、効率性フロンティアという概念を用いた評価方法を提案しています。これは、御説明をいたします。
 効果指標はQALYには限定せずに疾病や治療法に応じた指標を用いるというのがドイツでの提案であります。
 次の絵で、効率性フロンティアという考え方を簡単に御紹介しようと思います。
 この図は、横軸に1人当たり費用、これはもともとドイツで提案されているそのものを訳したものですけれども、横軸に1人当たり費用を取ります。縦軸に効果を取ります。これは、原則として無治療あるいはプラセボと比較した場合の追加的な効果を表わすということであります。
 効果の指標は、先ほどもありましたが、QALYに限定はしておらず、各病気あるいは治療の目的に応じて適切と思われるものを選べばいいという立場を取っております。
 これに既存の技術がAからF、仮に6個既存の技術があったとしたら、これをこの平面上にプロットします。1人当たりの費用と効果をプロットするということです。
 この図の場合には、横軸が費用で、縦軸が効果になりますので、なるべく左上に近い方が効率的な技術というふうに判断することができます。
 そこで、左上に近いものから線で結んでいったもの、これを効率性フロンティアというふうに呼んでおります。
 これに対して、新規技術が出てきた場合、Fの次、Gという技術が仮に出てきた場合ですけれども、左上の領域、安くてよく効くというところですが、ここに来る場合には、問題なくそれを認めるということであります。
 右下の場合、高くて効かない、ここはもちろん認めないというか、ここではやっていかなくていいだろうということであります。
 問題は、右上に来た場合です。費用はかかるけれども、追加的な効果が得られる場合、どうするかということなのですが、次のスライドにまいります。
 先ほどプロットしたAからFの点についてフロンティアをプロットしたところの最後の2つ、一番効果が高いFという技術と、その一個手前のEという技術です。EFの線を延長していって、点線を右上のエリアに引いてあります。これよりも上側であればOKです。費用の追加に関して効果が非常に高く得られるということで、そのままの価格で認めましょうということになります。
 右側に来た場合、NGと書かせていただいていますけれども、実際には、これを例えば保険収載しないということではなくて、この点線から右側にはみ出す分だけを自己負担にしようというのがドイツの提案でございます。保険では認めるけれども、差額を自己負担の形を取るというものでございます。
 このような提案をされているのですけれども、まだ、実際に適用された例はございませんので、今後、こういうことを考えていると聞いております。
 次のスライドにまいります。このドイツにおける評価機関ですけれども、この提案をしているのが、IQWiGと呼ばれる組織であります。2004年に設立されて、一応、2007年以降、費用対効果の評価も行うということで、今、御紹介したような考え方が提案されているということでございます。
 職員は、約100名で、うち70人がアカデミックスタッフ、この中で費用対効果評価を担当する方は6名と伺っております。
 活用方法ですけれども、今後になりますが、企業との価格交渉に用いられる可能性があるということでございます。
 といいますのは、背景として、2011年1月に医薬品市場再編法という新しい法律が施行されました。この下では、新規医薬品の上市後3か月以内に、このIQWiGという組織が有用性を評価するということになっております。
 ただし、この有用性の評価といいますのは、効率性、いわゆる費用対効果の評価ではなくて、類似のものと比べて、追加的な有用性があるかどうかを評価するということでございます。類似薬に比べて、追加的な有用性がある場合には、企業と疾病金庫中央連合会の間で価格交渉が行われます。これが、一応、6か月以内に行われるということでございます。追加的な有用性が認められない場合に類似薬が参照価格グループに含まれる場合には、当該参照価格が償還価格となりますし、参照価格グループに含まれない場合には、その価格をベースに償還価格が決定されるということになります。これは、比較的、日本の類似薬効比較方式の考え方と近いのではないかと思います。
 企業と疾病金庫中央連合会との価格交渉が合意に至らない場合には、仲裁委員会というところが入るのですけれども、その際に、必要に応じて費用対効果の評価が行われる可能性があるということです。まだ、法律を施行して1年ちょっとということですので、ここまでに至ったケースはないというふうに伺っております。
 ただ、今後、こういう評価が行われる際には、一応、IQWiGに確認したところでは、先ほど御紹介した効率性フロンティアのようなものを使用する可能性があるというふうに伺っております。
 それで、今、ドイツではQALYを必ずしも用いないというお話をしましたけれども、次の18枚目のスライドで、QALYを用いた場合と、QALY以外の指標を用いる場合の利点と欠点を簡単にまとめさせていただきました。
 QALYを用いた場合の利点ですけれども、まず、1つは、健康関連のQOLを考慮した分析ができる。それから、結果の解釈が比較的容易ではないか、つまり、1年元気にできるのに幾らくらいかかるんだという判断ができるということです。
 それから、複数の効果を同時に考慮できる。これは、例えば、ある治療法は、生存年数の延長にも効果があるけれども、治療時には若干有害事象でQOLが下がりますというようなものがあった場合にも、両方加味した評価が可能になるということでございます。
 それから、疾患に依存しないため比較可能性が高い、様々な病気で比較ができるということになります。
 これに対して、QALY以外を用いた場合の利点ですけれども、疾患等に応じた指標を用いることができます。さらに、臨床試験等で用いている指標をそのまま使えば、評価としてはやりやすくなると、追加的な調査等は余りなくてできると考えられます。
 ただし、どちらも欠点といいますか、限界があると思います。QALYを使った場合ですけれども、QALYのみで医療技術の価値を十分にとらえられているとは限らない可能性がございます。
 例えば、ある治療行為は、それを介護する御家族等の負担というのが問題になる。例えば、認知症とか、幾つかの疾患のケースだと想定されるものかと思いますけれども、そういう場合には、当然QALYは御本人の健康状態のみを取っていますので、そういう要素は入りません。
 あるいは、これは測定手法上の問題かもしれませんけれども、回答が困難な方、健康状態が悪い方とか、認知能力に問題がある方等については、評価そのものが難しいケースがあります。
 さらに、測定方法によって若干答えがばらつくといいますか、答えに違いがあるということもいわれていますので、これについては、ある程度、標準的な方法を統一していかないと、結果の解釈は困るかなと思います。
 さらに、先ほどちょっと御指摘もありましたが、データの入手が困難な場合があります。特にQOLの評価については、国内で研究が、まだ、余り多くない状況が実態ですので、そのような評価を進めないとこのような指標は使いにくいと思います。
 一方で、QALY以外を用いた場合の限界、欠点なんですけれども、個別の指標で数字を出していきますと、最終的には増分費用効果比という形で出しますが、それぞれについて経済性に優れるというのは、どこまでなのかということを考えなければいけません。では、この指標が1単位改善するためには、幾ら払うのが妥当なのか、これを議論する必要があります。
 さらに、効果指標が複数出てきた場合には、その増分費用効果比といわれる指標も複数出てきますので、それを総合的にどう考えるのかという課題も出てまいります。
 さらに、効果指標は疾患ごとにばらばらになりますので、その結果を、疾患領域とか、治療の目的を超えて比較することはできないというのが欠点だと思います。
 続いて、フランスの状況、19枚目、20枚目にまいります。フランスにつきましては、今のところ経済評価に関する資料の提出は義務ではございません。ただし、提出した場合には、価格設定において考慮される見込みがあります。
 といいますのは、2011年にガイドラインが作成されて、今後、取り扱っていくということでございます。
 21枚目、フランスでは、これを担当するのがHAS、高等保健機構と訳していますけれども、そこで担当しています。
 2004年に設立されて、2008年に経済・公衆衛生専門委員会が設置され、費用対効果についての検討ができるようになりました。昨年、2011年に経済効果に関するガイドラインが作成されて、今後は、新規導入技術についても費用対効果評価のデータの考慮が可能になる見込みでございます。
 次にアメリカにまいります。アメリカは、23枚目だけになっていますけれども、連邦単位で取り組んでいるものとしては、ワクチン政策等では応用されています。これについては、ACIP、アドバイザリー・コミッティー・オン・イミュニゼーション・プラクティスというワクチン接種に関する諮問委員会というのがございまして、そこで費用対効果の評価を実施して、どういうものをワクチン政策としてやっていくか、こういう議論がされています。
 また、米国の退役軍人省とか民間の保険に関しては、どういう医療を給付のリストに加えるかというところに費用対効果の評価が利用されています。
 ただ、メディケア、メディケイドといった公的なものについては、今のところ応用がされていないという状況でございます。ただ、こちらでも民間保険における償還価格等を考慮して値段設定がされていますので、間接的には、こういうものが影響されていると、取ることはできるかもしれません。
 次にオーストラリアです。オーストラリアは簡単にしたいと思います。25枚目のところで、オーストラリアにおいては、医薬品の場合にはすべての新薬が評価対象です。医療者の技術等は、一部の技術が対象となっております。
 効果指標としては、QALYも使用できるがほかでもいいということにはなっております。実績を見ると6割くらいがQALYを用いた評価となっております。
 評価を元に、公的保険における収載の推奨をするということをやっております。
 具体的に担当している評価機関が26枚目になりますが、医薬品についてはPBACという委員会で、1993年から、行っています。
 それから、医療機器とか医療者等の技術については、MSACという委員会が、PBACを参考に設立され、そこで取り扱っております。
 27枚目に職員数等が書いてあります。PBACについては職員が50人で評価に関与しているのが約20人、やはり外部の大学等と連携しながら評価を行っています。
 MSACについては、職員数が19人ということで、同様の取組みを行っているということであります。
 評価の実際に関しては、QALYの使用も可能でありまして、分析の立場は、公的医療費のみを考慮する立場というふうに取っています。補足的には、もう少し幅広く、労働損失等も入れた立場からの分析を加えることも可能ということになっております。
 経済評価の結果にもとづいて、どこまでを許容範囲にするかということですけれども、臨床効果とか、ほかのPBSで償還されなかった場合の入手可能性等を考慮して、総合的に勘案するということで、特に閾値は提示されておりません。
 データの提出に関しては、医薬品は製薬企業が提示をする、ほかの技術等については、外部の評価組織に委託をして評価をするというスタイルになっております。
 活用方法に関しましては、29枚目ですけれども、評価結果に基づいて、保健省に対して保険収載の推奨をします。これに基づいて決めるということになります。
 ネガティブな評価結果が出た場合には、原則非収載になるということであります。
 ポジティブな場合に関しましては、保健大臣の判断で非収載になることもあるということであります。
 次にまいります。30枚目のスライドに、これらの国を見た中で費用対効果の評価に関する懸念等をまとめてみました。
 31枚目ですが、これらを導入することに関しては、諸外国でも幾つかの懸念が示されています。
 1つは、研究開発への影響ということで、こういうものを導入すると、民間の研究開発投資を損なうという指摘がございます。ただし、一方で、医薬品の価値に応じた価格設定をする、つまり価値の高いものがいい価格設定になるというような制度を取り入れている国が多いので、費用対効果のよい医薬品を開発するインセンティブが増加するという指摘もございます。
 それから、予算制、特にイギリスの場合ですけれども、予算制の下でも新技術の利用を推進してきたという側面もございます。例えば、NICEが推奨すると、それが使われるようになるということであります。
 それから、アクセスの遅れという指摘もございます。これは、評価に時間がかかるためということなのですけれども、これに対応する仕組みを取り入れている国もありまして、費用対効果評価を行う前に、発売する、または保険収載する等の対策を行うと、これは、イギリスも一応、制度上は使えるということになっておりますし、ドイツの場合にも、導入後、約1年をかけて評価をしていくということではありますが、導入された時点でメーカーの希望価格で収載されるという仕組みを取っていますので、収載しておいてから評価をするということに取り組んでいる国もございます。
 32枚目に、ほかの懸念として、否定的な評価結果等が国民に受け入れられない可能性というのがあります。
 この費用対効果評価の結果から、保険収載を行わないという決定をした場合に、一般市民や患者にとっては制限ではないかということで受け入れられないという指摘がございます。
 これに関しては、一方で、治療機会の公平性や疾病の性質等を考慮して、費用対効果の評価基準を緩和したり、あるいは評価対象としない技術と設定するという対応を取っているところがあります。
 いずれにしても、この評価技術とか決定のプロセスの透明化は重要で、患者、専門家、一般市民を交えた議論が重要とされています。
 その中で、33枚目になりますけれども、例えば、NICEのガイダンスについては、異議を申し立てるというような仕組みも導入されていますので、この事例ですと、軽度アルツハイマー型認知症患者に関する治療薬に関してですけれども、製造販売業者が司法審査請求を提出したということも事例としてございます。
 34枚目、アクセスの遅れに関してです。病院等では、一応、使えるとはいうものの、NICEの評価結果が出るまでは、少し様子を見ようということもあるようですので、NICEではSTAという方式を導入しています。これは、先ほど御紹介した単一の医薬品の単一適応症に対して行われるものですけれども、原則としては、企業が提出した分析を研究機関等がレビューすると、しかも、承認前から分析をやっていくということで、承認後、迅速にガイダンスが出るという仕組みが導入されております。
 35枚目、アクセスの確保に関してです。これは、イギリスの例でありますが、医薬品へのアクセスを確保するために、以下のような対応が取られています。具体的には、次のスライド36枚目になります。
 1つは、Life Extending, End of Life Treatmentsということで、対象人口が少なくて、余命が基本的には2年以内で、新しい治療法によって3か月以上の延命効果があるものについて規制を緩和して閾値を緩やかにした形での評価ができるようなものが導入されています。
 さらにPatient Access Schemeといいますけれども、費用対効果に優れないと評価された医薬品に対する患者のアクセスを確保するために、これは、個別に医薬品ごとの対応になりますけれども、例えば、治療効果が得られない場合に、費用を企業からNHSに払い戻すとか、あるいは規定回数以上を企業負担にするとか、あるいは一定の割引をするという条件で使用を推奨するというような決定がされているということではあります。これも全面否定ではなくて、あくまでも患者さんからのアクセスを確保するために、こういう対応を取っているということであります。
 さらに、37枚目、Cancer Drug Fundという公的なファンドが設立されまして、NICEにおいて費用対効果が優れないと評価された抗がん剤について公費での支払いを行うという仕組みが入っております。
 ただ、この取組みは、今のところイングランドのみということでありまして、しかも、各地域の保健当局が判断していきます。
 具体的には、個々の患者について担当のがん専門医が申請をするスタイルで、必要性等を説明した上で、認められれば、その分の給付がされるという仕組みになっております。
 38枚目で、オーストラリアでも新しい仕組みとして、昨年1月から行われているものがManaged Entry Schemeといいまして、医療上の費用性が高い医薬品については、費用対効果にかかる資料が提出されなくても、既存の資料で薬価を仮設定できるという仕組みがございます。ただし、有効性、安全性については確立が必要とされておりますので、きちんとそれを証明する臨床試験等があるというのが条件になっています。
 少し時間を取り過ぎて失礼いたしました。
 以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。ただいまの説明について、実は、これから質疑に入りたいと思いますが、時間の関係もありまして、まず、福田参考人への質問、しかも、今日の説明に関する御質問に限るということで、そこからスタートしたいと思います。
 それでは、御意見、御質問がありましたら、どうぞ。
○鈴木委員
 今、費用対効果の各国の取組みを御紹介いただいたわけですが、イギリスなどは、非常に医療費が抑制的な国なので、そういう国の部分的なやり方だけを導入するというのは、危険な面もあるとは思うんですが、本来、医療技術評価というのは、先ほどもいいましたけれども、費用対効果分析だけではない、全体の流れがあるわけですね。系統的レビューから、総意形成に至るまで、そういったものが、先生は、我が国においても、費用対効果分析を入れる場合、いや、費用対効果分析だけを入れればいいんだとお考えなのか、全体の中のあくまでも一部であるから、全体の流れをきちんと日本でも入れる必要があるとお考えなのか、どちらなのか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○関原部会長
 鈴木委員、まさに制度の問題です。今日の説明に関する質問に限っていただいた方が、今回は適切であるということなので。
○鈴木委員
 この中の話に含まれていると思いますけれども。
○福田参考人
 日本でどうかではなくて、イギリスではということでよろしければ、お答えさせていただければと思うのですが、イギリスでも、この評価をしていく中で、費用対効果だけを見ているわけではなくて、その前段階として、まずは、臨床的な有効性、安全性の評価をやると、システマティック・レビュー等をやるという仕組みになっておりますので、それは費用対効果をするための一連のプロセスと考えております。
○関原部会長
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 再々鈴木委員がおっしゃるので、私も日医の会員ですけれども、正直申し上げますけれども、私は、この件に関しては、鈴木委員の懸念に同意をしない部分が多々ございます。ということは、前提として申し上げます。後でまた鈴木委員ともゆっくりお話をいたします。
 その上で、福田先生には、本当に適切な資料をまとめていただきまして、大変ありがとうございました。感謝を申し上げたいと思いますし、鈴木委員が先ほどからの懸念、それから、今の御質問の件等々のことがあるので、この資料の中の31ページ以下のさまざまな懸念等々の問題点をわざわざ挙げていただいていると、私は理解しておりまして、こういう理解が、我々は今後、この日本の医療制度の中での費用対効果の議論をするときに、一番大切なことかなと思って読ませていただいております。
 もちろん、QALYを入れる、入れないということだけではなくて、そもそも費用対効果ということを日本で検討することの意味、それがある程度システム化することが妥当なのか、あるいは可能なのかという議論というのが、今回の部会の取っ掛かりの議論だろうといふうに思っております。
 内容について、福田先生、2点お伺いしたいんですけれども、ドイツのスライド14、効率的フロンティアとイギリスのQALY、これは、例えば同じ治療例をQALYで評価したときと、ドイツ的な効率性フロンティアで評価したときで、相当大きな差が出るのか、出ないのか、あるいはケースによって違うのか、一定の傾向は入れないのか、その何通りかだろうと思いますが、その点はどうなのか、あるいはそういうことをやられたことがあるのかどうかということが1点でございます。
 もう一つは、オーストラリアでございますが、オーストラリアの薬価及びディバイスの決め方は、現在は、1類と2類というんですか、国内で分かれていますね。2類というのが、日本でいうと、後発医薬品に近いような扱い方ではなかったかと思うのですが、1類の方の価格を決めるときに、オーストラリアの現在の決め方だと、どうしてもアメリカの、あくまで、これはプライスリスト上の話ではありますが、アメリカの価格に引きずられる傾向があるような仕組みになっているんではないかと、私は推察しているんですけれども、それは間違っておりますでしょうか、どうでしょうか、この2つをお教え願えますでしょうか。
○関原部会長
 それでは、福田参考人、お願いします。
○福田参考人
 ありがとうございます。ドイツの効率性フロンティアですけれども、まだ、これによって評価された事例というのがございませんので、同じ結果になるかどうかはわかりません。効果指標をQALYと取るか、ほかの指標で取るかで若干の違いが出てくる可能性はありますが、同じになるかどうかはわかりません。むしろ、これが出てきた背景としては、どこまでを許容範囲とするかという閾値を決めるために、このような発想をドイツでは提案しているということだと思います。
 QALYですと、例えば、一律に何万ポンド以下といういい方ができますけれども、個別指標で評価していった場合には、その個別の指標が1単位増加することに対して幾らまでが妥当かというのを個別に判断していかなければならなくなるので、それをEFを延長して、そこを閾値にしようというのがドイツの提案だと思っています。同じかどうかは、実際にまだやった例がないので、済みません、知見を持ち合わせてございません。
 それから、オーストラリアの例ですけれども、オーストラリアでは、価格に関しましては、PBPA、Pharmaceutical Benefits Pricing Authorityというところで決定をするというふうに理解をしております。
 そこには、ちょっとアメリカの影響がどのくらいあるか、私は存じ上げないのですけれども、費用対効果との関係からいうと、PBACで評価したものをPBPA、Pricing Authorityでも参考にして使うということですので、その結果では、間接的には価格設定には影響をしていると理解をしています。米国の影響までは、承知をしておりません。
○関原部会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 こういう議論が出てくるのは、私は、最初にがんワクチンのことで、ちょっと提案したので、もう一度、基本的な考えを述べて、先生に質問をさせていただきたいんですが、やはりこういう議論が出てくる背景には、やはり医療が非常に高度先進医療が、非常に発達し過ぎたというか、発達したからなんですね。
 従来、例えば、プロペラ機でアメリカに行っていたときには、時間がすごくかかったわけですが、それが、今、ジェット機で行けば、もう3分の1で行くとか、そういうふうに医療のレベルが上がってしまっていて、当然、そこにはお金がかかるわけですね。
 したがって、そこで、お金が限られているので、やはりこういうことを考えなければいけないということで、これを日本の医療に直接、文化も違うでしょうし、税金の使い方も違うので、直、これを鈴木先生が心配されているように、使うかどうかはまだ決定はしていないんですけれども、そういう意味でやる必要はあると思います。高度先進医療が進み過ぎたという意味で。
 それで、先生にちょっとお尋ねしたいんですが、先ほどドイツで、この制度で、対費用効果で外されたようなものはないということをおっしゃったと思うんですが、ちょっと私が聞き間違ったかもしれないんですけれども、要するに、この制度によって患者さんがアクセス制限を受けたり、あと、新薬ですとか、新技術の偏りが起きたような事例があったら教えていただきたいと、ちょっと余り早口、だれもほとんどの人がわからなかったんじゃないかと思うくらい早かったので。
○関原部会長
 福田参考人どうぞ。
○福田参考人
 済みません、早口で失礼しました。ドイツの例ですけれども、改めて申し上げますが、効率性フロンティアによる評価方法がIQWiGで提案されていますが、実際に、これが応用された例はまだございませんので、これによって否定されたものはございません。
 さらに、ここでの応用のスタイルも保険償還価格の上限の設定に使うということですので、保険での給付を否定するという形の使われ方は想定されていないと考えております。
○嘉山委員
 あと、新技術の、ずっと日本は、これを議論にしてこなかったので、これをやってきたお国で、ですから、お薬にしろ、機械にしろ、こういう対費用効果という制度が入ってきている国で、要するに開発の偏りがあったか、ないか。
○関原部会長
 それでは、福田先生。
○福田参考人
 偏りといいますと。
○嘉山委員
 要するに、例えば、これはすごく少ない患者さんで対費用効果がないから、開発は、以前は、機械もお薬も薬品会社もつくっていたような分野が減ってきたような傾向があるか、ないかですね。2次的な傾向が表に出るより、一番怖いんです。何か制度をやったときに、その陰になるところを我々はフォローをしておかないと、いい制度にならないので、そういうことがあれば、あるいはまだわかっていないのか、あるいはわかっている点があるのか、そこをちょっと教えていただきたい。
○福田参考人
 現時点で、それがどのくらい影響があるかというのは、承知をしておりません。ただし、例えば、イギリスの場合ですと、どの対象の医薬品等を評価するかについては、保健大臣が指定することになっていますので、先ほど来出ている、患者さんの数が少ない領域とかは、見ていると、評価対象にされていないようでありますし、オーストラリアでも、最終的な判断は費用対効果のみではなくて、そういうほかの要素を勘案して決めていますので、それによってその領域の技術が出てこなくなるということはないのではないかと思っていますが、正確に状況は把握をしておりません。
○嘉山委員
 これで終わりにします。その辺は、先生はそういうふうにおっしゃったんですが、多分、薬品会社ですとか、機械の方の人たちは、何かデータを持っているかもしれませんので、また、教えていただきたいと思います。その辺が、鈴木先生がずっと心配されていることなので、ちょっと鈴木先生は議論がずれたかもしれませんが、心配は正しいと思いますので、私は、安達先生と同じようにフォローしたいと思います。
○関原部会長
 わかりました。それでは、小林委員。
○小林委員
 福田先生、ありがとうございました。お話を伺いますと、先ほど、安達先生からも同じ内容のお話がありましたように、諸外国では、費用対効果手法が活用される中で、例えば、新しい技術のアクセスの遅れが生じないような工夫、あるいは患者アクセスを確保するための措置の検討など、よりよい制度の運用に向けて、常に微修正や調整を行いながら制度を機能させているということがよくわかりました。
 こうした動きについては、今後も継続してフォローしていく必要があると考えていますので、適宜御紹介いただけたらと思っております。よろしくお願いします。
 質問ではなくて、要望です。
 以上です。
○関原部会長
 わかりました。では、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 お話を聞いて、イギリスは、公営医療ですから、いわば配給制なので、非常に抑制的なわけですが、ドイツの場合は、先ほど価格交渉に用いるというお話でしたけれども、社会保険制度ですから、これは、保険料を払えば、受診は権利ということになりますので、やはりそういう意味では、ドイツにおいては、こういうQALYによって一律にばさっと切るようなやり方というのは、やれないんではないかという気がするんですが、そういう考え方の制度による違いというのはあるんでしょうか、教えていただけますか。
○関原部会長
 福田参考人、お願いします。
○福田参考人
 私の理解している範囲ですけれども、ドイツでQALYを使っていないというのは、必ずしも保険制度上の違いではなくて、QALYの課題がある、あるいは無理にその課題を克服してやらなくてもいいのではないかというのがドイツの主張でありまして、ドイツにおいては、それぞれの疾患領域ごとに評価をすればいいというのが、IQWiGの立場です。イギリスのNICEの立場は、様々な疾患領域で、総合的に考えて資源配分を考えるということで、その立場の違いと思っています。それが、ベースとして、医療保険制度の違いかどうかは、よくわかりません。
○関原部会長
 では、ほかに、堀委員、どうぞ。
○堀委員
 1つ御質問で、先ほどの議論で、将来的には代替技術がないものについても費用対効果について検討することもあり得るというお話があったのですが、私の理解では、費用対効果を語るときは、代替技術があるのが前提であるという理解でいましたので、間違っていたのかもしれませんが、諸外国で、そういった代替技術がないものについて、費用対効果を論ずるとき、そういう例はどういうふうにやっているのか、もし、知見があれば、教えていただきたいと思います。
○関原部会長
 では、福田先生、お願いします。
○福田参考人
 代替技術があるかどうかについてですが、費用対効果を評価する際には、必ず比較対照というものが必要になります。比較対照をどう考えるかですが、一般に諸外国においては、その中に無治療というのを含む場合が多いので、代替という意味にもよりますが、治療をしないという選択肢を1つの代替にする場合という場合はございます。
○関原部会長
 ほかに質問は。この議論は、別に今日で終わるということではございませんので、最初に企画官の方から説明がございました、具体的な評価の運用の問題や制度に関するものは、次回以降の議論にすることにしておりますが、どうしても今日中に確認しておきたいということもありましたら、それを含めて御質問を受けたいと思うのですけれども、いかがでございますか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 どうもQALYというのを使いたいというふうに考えていらっしゃるようなんですが、その場合に、どういうふうに使うのか、いわゆる手法の使い方の標準化、ガイドラインが必要だと思うんです。外国でもガイドラインに基づいてというのはしょっちゅう出てきています。こういったものをつくる予定があるのかどうか、そういうスケジュール感だけ、お聞かせいただけますでしょうか。
○関原部会長
 これは、要するにどういうふうにやっていくかという運用方法を含めての話なので、制度も含めて、時間の制約もありますので、次回に。
○鈴木委員
 では、必要だと思われるかどうかだけ、お聞かせいただけますか。
○関原部会長
 福田先生に、必要性について。
○福田参考人
 やはり、評価する上で、評価の標準的なスタイルは決める必要はあると思います。諸外国においても、どの国でもガイドラインは作成されていて、日本で検討する際にも、それは必要ではないかと思います。
○関原部会長
 それでは、時間もまいりましたので、今日の質疑は、この辺で終わらせていただくということで、次回以降にしたいと思います。
 それから、宿題返しの資料が出ておりますので、事務局から、これまでの医療技術評価における費用対効果評価の資料の提出についてということがございますので、この説明をお願いいたします。
○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。最後になりますが、費−5、これは、前回、安達委員から御要望がございました資料をまとめたものでございます。
 これまで、現行の医薬品、医療材料、それから医療技術、保険適用に際します、さまざまな申請書類等で、どういう取扱いをしているかということでございます。もちろん、個別の品目あるいは技術によりまして記載方法はまちまちでございますけれども、少し視点といたしまして、費用対効果分析を実際に行っている、行っていない、特にQALYを使っているか、使っていないか、こういった、この表に書いてございますような着目点で整理をさせていただいて、数字的にこういうふうな数でございますという御報告です。
 特に、全体をごらんになって一目してわかっていただけると思うのですが、医薬品だけがオプションで、医療材料、医療技術につきましては、基本的には、記載項目がございますけれども、オプションで記載されている関係で、逆に書いてある場合には、QALY等を使っているケースが医薬品については多いと、こういう傾向が見て取れると思います。
 事務局からは、以上でございます。
○関原部会長
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御意見等ございましたら、どうぞ。
 安達委員。
○安達委員
 簡略にお願いいたします。ありがとうございました。(2)のQALYを用いていないもので、その下の費用便益分析でもないし、費用最小化分析でもないと、それでQALYでもないというと、どういう内容になるんですか、2番目の(2)に分類されるものは。
○関原部会長
 事務局、お願いします。
○迫井医療課企画官
 (2)のQALY以外のものというのは、例えば臨床指標を用いて比較を行った、評価を行ったものが、これに該当するということでございます。
○安達委員
 臨床資料ということは、これだけ使って、これだけ有効で、その費用が幾らと、そういうこと、個別の話ですか、わかりました。
○関原部会長
 では、そういうことで、確認いただいたということでよろしゅうございますね。
 ほかに、ございますか。
 それでは、本部会の議論は、ここで終わるということにさせていただきます。
 次回等の予定について、お願いします。
○迫井医療課企画官
 次回以降につきまして、未定でございまして、追ってまた御連絡をさせていただきたいと思っております。
○関原部会長
 それでは、これをもちまして、部会を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。


(了)
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