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2012年7月18日 第81回中央社会保険医療協議会薬価専門部会

○日時

平成24年7月18日(水)12:59〜14:03


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

西村部会長 印南一路部会長代理 牛丸聡委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
安達秀樹委員 万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
加茂谷佳明専門委員 禰宜寛治専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
外口保険局長 唐澤審議官
鈴木医療課長 迫井企画官 吉田薬剤管理官 他

○議題

1 長期収載品の薬価等について
2 諸外国における後発医薬品の使用促進策等について
3 その他

○議事

○西村部会長
 それでは、時間が長引いておりますけれども、始めさせていただきます。
 ただいまより、第81回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、全員の方がお見えになっております。
 本日、2つ議題がございます。まず、長期収載品の薬価等について、参考人及び専門委員より資料が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。
 まず、坂巻参考人、お願いいたします。
○坂巻参考人
 参考人の坂巻でございます。私どもからは、海外等の医薬品の原価に関する研究について、また、私どもの調査、あるいは医療経済研究機構で調査された結果に基づきまして、諸外国における価格政策及び後発品の使用促進策についてお話ししたいと思いますが、時間の関係がございますので、原価と後発品の価格設定のところで一回切りたいと思います。
 では、お手元の資料に沿って御説明していきたいと思います。
 まず、医薬品の原価に関しての研究でございますが、私どもで調査した限りにおきましては、特許期間中に開発コストがどの程度回収できるのかということについて明確に結論付けた研究はございませんでした。
 お手元の資料は、OECDのレポートの中に引用されております、架空の医薬品のキャッシュフローの概念図でございます。開発中の投資期間を過ぎ、市販後に回収して、それがジェネリック発売によって回収が減ってくる。ただし、あくまでも、これは単一のブランドで概念図であって、医薬品によって開発期間であるとか、市場の特性に違いがございますので、ブランドごとに特許期間中に回収できているかどうかということについては、実証されているわけではありません。
 次の資料、3ページ目でございますが、特許期間中に開発コストを回収できるかというデータはないと思われますが、恐らく新薬メーカーに関しては、必ずしも特許期間が終わったからといって、単品で、投資がすべて回収できたかどうかという考え方ではないのだろうと考えております。
 新薬メーカーは、新薬の開発リスクを抱えています。単一製品の開発の成功にかかわらず、長期継続的に新薬への開発投資が必要で、その投資のための資金を、ある意味、長期収載品から賄っていると考えられます。
 こうした開発リスクに関する研究は幾つかありますが、近年は開発の成功率が下がっていることが示されています。ある国内の研究では、1つのプロジェクトの上市のために、7.7のプロジェクトが、ある意味犠牲になっているというような研究もございます。
 このようにコストに関しましては、必ずしも明確なデータはございませんが、新薬メーカーというのは、後発メーカーとは、新薬開発の面からみて、ビジネス構造が違っているということはいえると思います。
 次は、海外ではどのような形で、いわゆる長期収載品と後発品の価格が設定されているかについてまとめました。
 外観的に見た資料ですが、これは、OECDのレポートを引用しております。結論としましては、OECD加盟国すべてで、長期収載品と後発品には価格差が存在しているといえます。これは、企業による自由価格で薬価を設定している国でも、国が公定価格で設定している国でも、いずれでも、長期収載品と後発品には価格差があります。
 各国で、具体的にどのような形で後発品の価格を設定しているかということをまとめましたが、「価格リンケージ」という方法があります。これは、後発品の価格を設定するときに、先発品の価格に連携させる方法で価格を設定するもので、日本も同じ考え方です。
 次に、価格リンケージを用いないで、参照価格制度用いている国があります。これには、デンマークなどがあります。
 ただし、参照価格を導入している国でも、参照価格は、償還価格の上限であって、医療機関や薬局等への実際の供給価格は先発品より安く設定するということが一般的になっております。これも、企業が自由に設定する国と公定で価格を決めている国とがあります。
 自由価格で設定している国、これには、イギリス、アメリカがありますが、スウェーデンに関しましては、後発品に関しては自由価格になっております。こうした国でも、企業は、市場における競争力の点から、後発品の価格は長期収載品よりも安くしているといえます。
 イギリスに関しては、価格設定は自由ですが、薬局等への供給価格は自由であるけれども、償還価格は公定であるということ、価格と償還を分けて考える必要があります。
 この公定の償還価格に関しては、薬局等への供給価格を調査して、総じて安い値段で供給されれば、安い償還価格になるという形で改定されます。その結果、企業の供給価格が安くなっていくような仕組みが導入されております。
 OECD加盟国をみたまとめですが、各国政府は、産業政策と医療費政策の両面から長期収載品と後発品の価格差というのを存在させているのだろうと結論付けられます。
 各国は、適切な価格差の存在と後発品の使用促進策の組み合わせで、薬剤費の削減につなげようとしていることが、推察されます。
 次のスライドは、特に英米独仏について、医療経済研究機構の調査を基にして、長期収載品と後発品の価格設定についてより詳しくまとめたものでございます。
 フランスに関しまして、国が出荷価格を公定しております。長期収載品に関しましては、後発品が出た段階で20%引下げされます。20%は、今年の1月からの数字で、それ以前は15%の引下げでした。
 これに対しまして、後発品の価格設定は、先発品の引下げ前の価格、この工場出荷価格の4がけ、つまり、60%の引下げという形になっております。この数字に関しましても、今年の1月からの数字でございます。
 また、フランスでは、後発品への置き換えが進んでいない薬効領域については、一部参照価格制度が導入されております。
 ドイツは、基本的に出荷価格の設定は、企業の自由設定によるもので、その出荷価格にマージンを上乗せして、償還がなされるという仕組みになっています。
 この仕組みは、長期収載品も後発品も同じですが、基本的に、後発品のあるもの、領域によっては後発品がないものでも、出荷価格は自由設定ですが、参照価格制度が導入されていて、償還限度額が設定されています。
 長期収載品も後発品も、その償還価格まで、あるいは、償還価格より安ければ、そこまでの金額が償還されるという形になります。
 イギリスも、企業による自由価格ですが、いわゆる「PPRS」という企業の利益を規制した仕組みのもとでの、自由価格制度です。この仕組みは、特許が切れた後も同様です。
 後発品に関しても、基本的に考え方は同じであって、企業が自由に価格設定することができますが、長期収載品よりも低価格の範囲である必要はあります。また、後発品に関しましては、カテゴリーMという仕組みで償還価格が設定されます。企業の出荷価格は自由でございますが、償還価格は上限が決まっているということです。つまり、安い価格で購入されていれば、その差額が薬局等の利益につながるわけで、部分的に市場メカニズムが導入されているといえます。
 カテゴリーMは、年4回、取引価格の調査が行われて、償還価格が見直されます。
 アメリカも完全な自由価格ですが、大多数は民間保険のため、基本的に公的な価格政策はないといえますが、民間保険プランの中では、フォーミュラリ等を用いて、後発品を使用する患者の自己負担が少なくなるような方策が導入されています。
 こういった海外の政策をもとに、長期収載品と後発品の薬価の価格の設定に違いがある場合と、ない場合とでの影響をまとめてみました。
 1つ目が医療費に対するインパクトですが、長期的にどうなるかは、価格設定方法や薬価改定の方法によっても変わりますので、とりあえず、2年間のシミュレーションでやってみました。それが7ページの図です。
 左側の方が、価格に差がある場合でございます。価格の安い後発品の使用が進むことによって、薬剤費全体の金額も減少してまいります。これに対して、右側の価格に差がない場合です。患者数は同じという前提ですが、同じ価格の薬を使っておりますので、薬剤費は下がっていきません。
 薬価改定のない、短期間でのシミュレーションでございますが、少なくともこの間は、後発品のシェアが増えれば、薬剤費は減少すると推測されます。
 ただし、長期収載品や後発品の価格をどのように設定するのかということにもよりますのでそれを含め、長期的な影響についての検討は難しいと思われます。
 6ページ目に戻っていただきまして、2つ目として、患者や国民に対する説明ということを考えると、これまで後発品の使用によって自己負担が少なくなるという説明を行ってきたわけですが、同じ価格にしてしまうということで、これまでの説明と整合性が取れなくなってくるというような問題もあるだろうと思います。
 3つ目が、制度への影響でございますが、薬剤費のコントロールという目標のためには、価格に差がある場合には、現行の薬価制度の踏襲で可能でありますけれども、同じ価格にするということになりますと、新たな制度設計というものが必要になってきます。
その制度設計をどうするかによって、先ほどの図、シミュレーション結果が違ってくるわけで、これからの議論にも影響があるのではないかと考えております。
 とりあえず、ここで一回切りたいと思います。
○西村部会長
 ありがとうございました。それでは、続いて、この件について御説明をお願いします。加茂谷専門委員から、よろしくお願いいたします。
○加茂谷専門委員
 お手元の資料に基づきまして、長期収載品の薬価等について、御報告申し上げたいと思います。
 メーカーサイドの方からは、先回依頼されました項目のうち、タイトルに掲げております、「医薬品のライフサイクルの中での企業としての開発コスト回収、利益確保の実態等」並びに「先発医薬品と後発医薬品の価格差要因」、これらについて御説明申し上げるとともに、最後に、先回、委員の方から御質問、御要望いただいた点につきましても、追加的に御紹介申し上げたいと思います。
 スライドNo.2でございます。「医療用医薬品のライフサイクルと長期収載品及び後発品の役割」とタイトルを付けておりますけれども、ここに示しておりますとおり、新薬につきましては、医療現場に提供された段階から新規薬物療法等々の確立・定着等を含め、先発品としての幾つかの役割を担い、MR等により、これらの情報の収集、伝達活動を行っているところでございます。
 こうした活動は、この新薬に後発品が上市され、新薬が長期収載品になった以降にも継続して実施をしており、後発品の発売前後において、先発品の役割が大きく変化するわけではないと、我々は認識しているところでございます。
 スライドNo.3でございます。「研究開発コスト回収、利益確保の実態等」についてということで、資料を提示させていただいておりますが、日本を始め、世界的に新薬の開発成功確率が、低下している状況で、かつ、開発コストが増加しております。こうした厳しい環境の下でも、新薬メーカーは、その使命である革新的新薬の創出に向け、研究開発投資を継続していかなければならないという状況にございます。
 その研究開発原資を確保するため、国内マーケットのみならず、海外マーケットへの新たな展開あるいは新薬のみならず、後発品事業あるいはOTC事業への参入等、各企業は、その生き残りをかけ、新しいビジネスモデルへの転換を図っているところでございます。
 その結果、各社の収益構造は、多種多様、複合的になっております。前回、御指摘をいただきました利益確保の実態ということで、メーカーサイドといたしまして、各社の有価証券報告書あるいは各種資料等について、さまざま確認をいたしましたけれども、この実態について、定量的なデータをもってお示しすることは困難であるということにつきましては、何とぞ御理解をちょうだいしたいと思います。
 イメージ的な話になりますが、先ほど申しましたように、新薬メーカーとして研究開発原資を確保するための努力を継続しており、その原資といたしましては、特許期間中の新薬のみならず、やはり長期収載品から得られている収益も原資とし重要な位置づけになっているところでございます。
 また、後ほど資料で触れますけれども、新薬開発に当たっては、基礎的な研究の費用あるいは長期にわたって研究開発を継続するため、新薬等の売上いかんにかかわらず、一定の原資が必要であるということも事実かと思います。
 下の図は、製薬協加盟企業26社の研究開発費の推移を示しておりますが、2006年から2011年にかけて、約26%アップしております。これらの研究開発費の増加には、長期品からの収益も当然のことながら含まれているということは、御理解いただきたいと思います。
 スライドNo.4でございます。先発医薬品と後発医薬品への期待ということでお示ししているところでございます。先発品には、この四角囲いの中にありますように、研究開発段階から長年にわたり蓄積され、充実した情報の分析・評価・提供により、当該成分の適正使用に寄与し続ける等々、以下、このような役割を市場、医療担当者の方々から期待されていると認識しているところでございます。
 また、後発品には、医薬品である以上、同等の有効性、安全性、あるいは品質の確保、安定供給ということは、もとよりでございますけれども、薬剤費の効率化に大きく寄与するという役割が期待されている。先発品、後発品がそれぞれの役割を果たし、その特徴を生かしながら、共存共栄することで、医療の質の維持・向上と薬剤費の効率化が可能になると考えているところでございます。
 スライドNo.5でございます。以上、申し述べたような期待、役割の違いから生ずるところの価格差を踏まえ、後発品の新規収載時の価格設定については、徐々に先発品との差を広げる方向でルールの改定が行われてきたと認識しているところでございます。
 もともと後発品は先発品と同一の薬価、価格で収載していたところでございますけれども、開発コストが低いということから、後発品の価格を先発品よりも安く設定し、以後、実勢価格の動向を踏まえ、収載時の係数が引き下げられ、直近の24年度、前回の制度改革においても同様の措置をされたところと記憶しているところでございます。
 このような推移を踏まえますと、先発品よりも安く供給される後発品の薬価をあらかじめ低く設定することによって、保険財政の負担を軽減する効果が期待されているものと認識しているところでございます。
 スライドNo.6でございます。これは、市場における競争と価格差の関係をイメージしたものでございます。収載時、スタートラインの価格差がこのように付いている。そして、市場において薬価収載後、品目ごとの市場取引価格に応じて薬価が改定されるわけでございますけれども、対象市場が大きくかつ後発品の参入数が多いほど価格差が大きくなるのではないかという仮説を置いて、次のページ以降に、それを検証したデータを示してございます。
 7ページでございますが、ちょっとビジーな資料で大変恐縮でございます。4つのグラフがございますけれども、いずれも横軸に改定回数を取り、縦軸に先発品薬価に対する後発品薬価の比率を取っているものでございます。
 いずれのグラフを見ても、改定回数が増えるごとに価格差が開いていく状況がおわかりいただけるものと思います。
 左側のグラフにつきましては、市場規模が年間25億円以上の品目の汎用規格を用いて、バブルの大きさで、銘柄数を表わし、価格差との関係を見たものでございます。
 下の方に、大きなバブルがプロットされる傾向、すなわち銘柄数が多いほど、価格の差が大きい傾向が見て取れると思います。
 同様に右側は、銘柄数が、5以上の汎用規格を用いて、バブルの大きさで市場の規模を表わし、価格差との関係を同じように見たものでございます。下の方に大きなバブルがプロットされる傾向、すなわち市場規模が大きいほど、先発と後発の価格差が大きくなると読み取っているところでございます。
 このように、市場に後発品が出た以降も、競争状況によって、価格の差はさまざまであり、一定ではありません。価格差には改定回数を始め、銘柄数、市場規模あるいは投与経路との間に一定の傾向が見られるのではないかと前ページの仮説をこのような形で検証した次第でございます。
 スライドNo.8でございますが、先発品と後発品の価格の差の大きさと先発と後発の数量シェアとの関係を先発品の薬価200円未満の内用薬で見たデータが、このグラフでございます。数量シェアと価格差にも一定の傾向、すなわち価格差が大きいほど、後発品のシェアが大きい傾向が伺えるのではないかと、私どもは見ているところでございます。このような価格差の大きさと数量シェアの関係につきましても、後発品の経済性の追求という点からいえば、その役割を担っているものと認識しているところでございます。
 スライドNo.9でございます。ここまで価格差の状況を御説明申し上げたところでございますけれども、先発品と後発品の役割あるいは医療現場からの期待の違いについて、また、先発品を後発品並みに安く供給することができないかということにつきまして、まず、新薬と後発品の上市プロセスの違い、これについて1枚資料を用意させていただきました。
 新薬につきましては、いうまでもなく、開発の成功確率が昨今極めて低くなっております。かつ、長い開発期間と高額な研究開発費を費やし、上市した数少ない新製品を数十年にわたって供給していくという非常にライフサイクルの長いビジネスモデルを展開しているところでございます。上市した製品から、次の新薬への投資、これを回していく十数年のサイクルを数少ない製品で回しているという実態が新薬のモデルかと思います。このように確率が低く、長い新薬開発の期間を支えるためには、財政的な基盤も必要だと、私どもは認識しております。
 その一方で、後発品につきましては、開発の成功確率は、既存の先発品があるわけでございますので、極めて高いということに加えて、開発期間も短く、開発費用も総じて少ないところから投資費用を早期に回収し、さらに次の新製品に投入していくというビジネスサイクルを多くの製品で回していくことが可能なモデルになっているのではないか、この大きな違いがあるのではないかということをここに示させていただきました。
 10ページ目、先発企業と後発企業のコスト構造の差というものを示させていただきました。
 コスト構造ということを明確にするために、原価と費用を足したものを1として示しております。具体的には、製造原価と販売費・一般管理費、これは研究開発費、その他の販売・管理費に分けて図示しておりますけれども、特徴的なのは、後発品企業では、その製造原価の占める割合が比較的大きく、研究開発費の占める割合が比較的小さい、先ほどのビジネスモデルの違いからいわれる話が、このコストの違いにもなって表れているかと思います。
 後発品の薬価が、先発品の、仮に約半分と考えますと、この図のように製造原価のレベルは、やや後発品の方が低いのかなというような見方もできるかと思います。
 先発メーカーでは、やはり研究開発費の割合が非常に高いということ、これは、非常に長期にわたる開発を維持していく費用、更には海外を含む安全性情報の収集等々、こういった安全性情報の確保等々も含める費用がこの中に含まれているわけでございます。先発品企業と後発品企業にはこういったコスト構造の違いがあるのではないかということを10ページ目で示させていただきました。
 11ページ目に、それら研究開発の内訳といったことを、表にさせていただきました。
 これは、総務省のデータから引用したものでございますけれども、全産業で見ましても、あるいは産業別に見ましても、研究費の内訳の中で、製品化に近い領域、開発研究の割合が比較的高いというところになっております。その一方で、製薬企業、特に新薬の開発企業におきましては、他産業に比べて、ずっと川上の基礎研究の割合が非常に高い、このデータでは、約4分の1が基礎研究に費やしているということになっております。
 このような基礎研究費は、個別製品の売上に直結したものではなく、いわば、固定的な費用と考えることもできるかなと認識をしているところでございます。
 新薬開発企業におきましては、新薬創出に向け、このような探索的な研究を継続するための基礎研究費用、固定的費用を必要としているということを、この表から御理解をいただければと思っているところでございます。
 12ページ目、先ほどの坂巻先生のお話もございましたけれども、英米独仏4か国における先発品の価格に対する後発品の価格の比率を示しているところでございます。先発品の価格を100として各成分の後発品の価格をそれぞれプロットしているところでございます。
 日本では、御案内のとおり、後発医薬品間にも価格差が存在するところから、後発品の中でも最高の価格、そして、最低の価格、これらにつきましては、その比率の間を棒で示していると御理解をいただければと思います。
 アメリカとドイツでは、日本と同じく後発品間にも価格差が存在しており、このような形で示しているところでございます。
 フランスとイギリスでは、後発品の比率が一定レベルに収斂していることが見て取れようかと思います。フランスでは、大体先発品に対して7割くらいのところで1つの山があり、イギリスでは5割くらいのところと10%くらいのところで山があるというふうに御理解をいただければと思います。
 なお、ドイツとフランスで100%になっているものもございますけれども、これは先ほど坂巻先生のお話があった参照価格制度に由来するものではないかと、我々は認識をしているところでございます。
 いずれの国を見ましても、先発品と後発品を同一価格とする国はなく、価格差もさまざまであると認識しております。あくまでも13成分の結果ではありますけれども、このような傾向があるのではないかと認識をしているところでございます。
 スライドの13でございます。この資料につきましては、前回、この部会におきまして、委員から御質問のありました事項、「先発品の薬価を引き下げて、後発品と同価格とした場合、どのような影響が生ずるのか」という御質問をちょうだいしておりましたので、一応の御回答という形で資料を付けさせていただきました。
 先発と後発を同価格とした場合の影響について、フローチャートを付けさせていただきましたけれども、先発品を引下げ、後発品の価格と同価格にするということでございますので、先ほど来、言っております後発品が有している経済性は失われ、結果として、後発品は市場から撤退せざるを得なくなる、あるいは新規に参入するところもなくなってしまうのではないかと考えております。
 その一方で、どの程度引き下げられるのかという議論もありましょうけれども、先発品企業の収益は大幅に減少することになります。そうなりますと、この収益から、再三お話を申し上げました新薬開発に投資しているという実態も考慮すれば、新薬開発の停滞につながるという懸念もあろうかと思います。
 それ以上に、先発品には、もはや価格引下げ余地はなく、かつ、後発品の参入もないため、それ以降、中長期的には薬剤費の効率化も望めないということも想定されようかと思います。
 もう一つのツリーといたしましては、右側のように、本来、安定供給義務をメーカーは課せられているわけではございますけれども、厳しく引き下げられた場合、コスト面で非常に苦しくなった品目があろうとすれば、撤退ということも考えざるを得ない、可能性として、右側のように先発品が撤退するという場面も想定されようかと思います。
 このシミュレーションでは、成分によって、先発のみか、あるいは後発のみという、どちらしか残らないという、先進国には見られない市場構造になるのではないかということを想定した次第でございます。
 スライドNo.14につきましては、それをもう少しブレークダウンしたものでございます。左側の先発品のみしか、その成分で生き残らなかった場合ということでのブレークダウンでございます。
 後発品についても後発品市場としてのビジネスモデル等の崩壊で治療選択肢の減少と医薬品産業の衰退につながってしまうのではないか、瞬間的に薬剤費の削減が、見込まれたとしても、医療水準に不利益が生じることになるのではないかと、我々は想定をしているところでございます。
 最後のスライド15でございます。こちらも先回、本席で委員から御質問をいただいたところでございます。世界の後発品企業の売上レベルがどうなっているのだということでございます。
 もちろん、一番売上高の大きいテバ社に中には、新薬も一部含まれてはおりますけれども、おおむね後発品の売上だということで、テバ社を入れさせていただいております。テバ社で1兆5,000億近い売上を上げているところでございます。
 一方で、右側には、日本の主な専業後発品メーカーをリストアップさせていただいておりますけれども、世界的に見ると、日本の専業後発企業は、その規模が小さい、この差は明らかであるということが、このグラフで見ていただければと思います。
 以上、私どもの用意させていただきました資料につきまして、御報告を申し上げました。
○西村部会長
 ありがとうございました。それでは、今、お二人から説明をいただきまして、何か御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。
 安達委員。
○安達委員
 これは、坂巻先生にお伺いしたらいいか、加茂谷さんにお答えいただくか、どっちがデータを正確に把握しておられるかと思うんですけれども、日本と、その他先進諸外国において、ともに先発薬の特許期間が切れて、後発医薬品をつくることが可能になり、実際に後発医薬品が上市されたという段階で、先発品から後発品に置き換わる割合というのが、日本と諸外国では相当大きく違うのではないかというのが印象ですけれども、実際のその辺の数字というのは、具体例がありますでしょうか。
○坂巻参考人
 結論から申し上げると、今は持っておりません。幾つか調べているところでございますが、恐らくヨーロッパとアメリカとを比べますと、アメリカの方はかなり早い段階で後発品の置き換えが進む。相対的にヨーロッパは遅いだろうということについては推測できますが、現在、データを探しているところですので、機会がございましたら、御紹介したいと思います。
○西村部会長
 ありがとうございました。どうぞ。
○安達委員
 加茂谷さんからいただいた資料の最後が、日本と海外メーカーの後発品メーカーの売上高の違いですけれども、これは、市場の大きさとか、品目数とかで違うので、この額だけで一概にどうだといえないと思うのですが、やはり日本は、相当後発品に置き換わる割合あるいは速度が先進諸外国に比べて基本的には遅いという理解でよろしいですかね、このデータは。
○西村部会長
 加茂谷委員、お答えをお願いします。
○加茂谷専門委員
 最初のお話でございます、テバ社を含めて、世界の後発品企業の売上高確かに、世界各国で販売しておりますので当該企業の売上だけで、各国の比較はできないと思います。
 ただ、日本の専業後発メーカーは、日本だけをマーケットにしておりますので、そこは明らかかと思っているところでございます。
 置き換わりの話につきまして、前回、事務局の方から資料を出していただいた後発品のデータと先発品の中でも後発あり、なしのデータ、これらのところを分析いたしますと、後発品が出せるマーケットで、先発品と後発品の比は、6対4、後発品のシェアが4割くらいまで来ていると理解しております。さまざまな診療報酬上の後発品の促進策等々の状況が、ここ数年で相当効果を及ぼしてきているのではないかと思います。
 それから、企業人の立場で一つお話しさせていただきますと、この4月に一般名処方が促進策として位置づけられたわけでございますが、この一般名処方が非常に強く医療現場に浸透しているのではないか、これまでにないスピードで後発品への置き換えが進んでいるのではないかと私どもは実感しているところでございます。この辺については、どこかのタイミングで、事務局から示していただければと、私ども要望しているところでございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。そうしましたら、岩佐参考人。
○岩佐参考人
 先ほどの加茂谷専門委員のお話に若干補足させていただきますと、この4月の診療報酬の改定の中で、一般名プラス保険薬局で後発医薬品と先発医薬品の価格の差ということも患者さんに情報提供させるという中で、私どものケースでございますけれども、対前期に比較すれば、4、5、6、7と、大体2割くらい増加をしてきておるという状況ですので、確実にジェネリック医薬品を選択される患者さんが増えてきておるという認識はございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。小林委員。
○小林委員
 坂巻参考人に質問したいと思います。資料1のスライド7、長期収載品と後発品の価格設定による薬剤費への影響について、ここでは2年間の薬剤費合計が同額といった前提を設けておられ、そうした前提を置けば、確かにこのような結果になると思いますが、保険者からしますと、長期収載品とジェネリック医薬品との価格差がない右側の表について、ジェネリック医薬品の薬価が、左側のケースの30から60へと2倍に設定する前提の置き方には、やや違和感を覚えます。
 私共としては、むしろ30に近いところ、あるいは30まで長期収載品が引き下げられるケースを考えており、このシミュレーションは、こういう前提を置けばこうなるのでしょうが、本当にこれが現実的かなという感じがあります。
 もう一点、長期収載品とジェネリック医薬品の薬価が制度上同一になっている国はないかということをお聞きしたかったのですが、さきほど加茂谷専門委員から、先発品と後発品を同一価格とする国はないという御指摘がありましたので、再確認させていただきます。そういう国はないということですね。
○西村部会長
 坂巻委員、今の御回答をお願いします。
○坂巻参考人
 スライド7につきましては、御指摘のとおりでございます。前提として、2年間で薬剤費が同じようになるように価格を設定していますので、その点について現実的ではないということは御指摘のとおりです。
 ですから、右のケースですと、この後、薬剤費は下がらなかったから、先発品あるいは後発品の同一価格をどう設定するかという議論につながるのだろうと思います。
 それから、2つ目の御指摘は、私が答えていいかどうかわかりませんが、OECDのレポートでは同一価格を導入している国は、OECDではないといえます。ただし、参照価格等で償還価格の上限を定めている国はあります。価格そのものと償還価格を同じにすることとは、別の議論だろうと思います。
○小林委員
 わかりました。ありがとうございました。
○西村部会長
 ありがとうございました。では、三浦委員、お願いします。
○三浦委員
 坂巻先生、御説明いただきましてありがとうございます。坂巻先生に2点ほどちょっとお伺いしたいのですが、まず、1つ目ですが、スライド4です。長期収載品と後発医薬品の薬価、これは、各国の例が出ておりまして、下の方にまとめとしてOECD加盟国では、産業政策と医療費政策の面から長期収載品と後発品との価格差が存在することが一般的であると書いてあって、適切な価格差の存在と後発品使用促進策の組み合わせが薬剤費の削減につながるとまとめられています。
 これは、日本においても同様とお考えかどうかというのが、先ほど最後の方にちらっとおっしゃったかと思いますが、1つ確認したいということ。
 もう一つは、スライドの3でありますけれども、新薬メーカーが新薬開発リスクを抱えているということで、1997年から2001年の5か年で新薬開発の成功率が1万2,000分の1、それが、その数年後の2006年から2010年の間では、3倍近くの3万591分の1に拡大していると書いてあります。
 これは、先ほど加茂谷委員の方からもお話があった研究開発コストの回収とも関連してくるのかと思うのですが、このわずか数年の間に、3倍近くに新薬開発の成功率が悪くなっている、その辺の理由というのは何かあるのでしょうか、2点御質問したいのですが。
○西村部会長
 坂巻委員、お願いいたします。
○坂巻参考人
 2番目の御質問に関しましては、私よりも加茂谷委員からの回答の方が適切かと思いますので、1番目の御質問にだけお答えしたいと思います。
 御質問は、適切な価格差の存在と後発品の促進策で薬剤費が下がるかという御質問でございますが、私は、日本においても、これは当てはまるだろうと考えております。
 ただ、それを客観的に把握できるかというと、市場全体としては、価格の高い新薬が投入されれば、その影響もうけますので、後発品使用促進策の効果を明確に示すということは難しいように思われます。ただし、長期収載品の市場に限っていえば、後発品の使用促進というのは、薬剤費のコントロールにつながるということはいえると思います。
○西村部会長
 加茂谷委員、2つ目についてお願いします。
○加茂谷専門委員
 詳細なデータが、もし、必要であれば、後ほどと思っておりますけれども、新薬の成功確率が低下している要因は、やはり新薬の開発のレベルが非常に難しくなってきている、非常にハードルが高い、例えば分子標的薬ですとか、抗体薬ですとか、従来の低分子医薬品から非常にハードルの高いものに上がってきているということが、その要因ではないかと見ております。
○西村部会長
 ありがとうございました。安達委員。
○安達委員
 加茂谷さんにお伺いした方がいいと思います。改定は、例えば、直近の5年間、前から、私は製薬企業に対して、これはエールとして申し上げていることですが、外国他社の開発原末を持ってきて、日本で薬をつくることなんか開発と呼ばないでくれと、日本で本当に新薬をつくる開発を頑張っていただきたいということを申し上げているのですが、直近5年間、日本の新薬で、外国バルク導入による、いわゆる日本としての新薬発売と、純然たる日本の開発原末による本当の意味での開発新薬と、この比率はどのくらいですか。
○西村部会長
 お願いできますか。
○加茂谷専門委員
 済みません、今、手元に資料がないので、後ほどお示しいたします。
○安達委員
 比率が出ないなら、不等号でもいいですが、どっちが大ですか。
○西村部会長
 禰宜委員、お願いします。
○禰宜専門委員
 やはり少し国産の方が多いと思っていますが、事務局の方で資料はございますか。
○西村部会長
 今の印象というか、データ的には、ちゃんとしたものは、今はないですか。
○安達委員
 それをお伺いする理由は、多分、今の議論の根本的なところに関係があるのだと思います。開発研究費がかかる、それは、確かにかかるのですけれども、当然、我々の臨床研究でも、基礎研究でも病院においてやっていたことも全部そうなのですが、プロジェクトが全部当たるなんてことはあり得ないわけで、何十分の一だか、何百分の一かになるわけですけれども、自社で研究開発するのと、他社が研究開発してきて、それを導入して、あと、賦形剤とか剤型とかの経費だけしかかからなくて新薬で出ていくもの、研究開発費は物すごく大きく違いますね。だから、そこのところを一緒くたにしての議論はできないだろうと、だから、その比率が日本の製薬企業においてはどのくらいなのか、それが諸外国と比べたらどうなのかという議論をしないと、開発経費がかかるから、その捻出のためにという前提での議論というのは、無意味だろうということで、今、御質問したのです。
 もう一つは、その関連でいうと、先ほど後発品は、どのくらい置き換わっているのですかということも御質問しました。今後、伸びるかもしれません。しかし、これまでにおいては、日本は、まだ、後発品の伸びは、いわゆる政府的にいっても十分ではないかもしれない。
 その結果、長期収載品においてもある一定の収益を確保して、開発経費を捻出するという構造になっている、これについて、それを変えていきたいというのは、前回、加茂谷さんもおっしゃったわけでありますが、長期収載品からも開発経費を捻出するような、あるいはせざるを得ないような構造になっているのでは、ある意味では、一番後発品が進んでいない日本固有の現象をとらえておっしゃっているというふうにもいえるわけで、ちょっと言葉は厳しいですけれども、それに準拠した、それは、日本の甘えの構造でしかないんではないですかということは、あえて申し上げたい。
 特にアメリカなんかは、あっとう間に後発品に置き換わってしまうわけですから、その点を考えると、そういう環境の中で開発経費をどう捻出されるかということが、本来、企業としてのポリシーの在り方だろうと思うということを申し上げます。
 ですから、先ほどの最初の禰宜さんの1枚目の絵の一般名処方に変わったときに、MRさんは、一番下の棒の経費なんかもう要らないですね。要するに一般名処方に変わるのだから、自社の製品を売り込むわけではないのだから、自社の製品の名前をいっても意味がないわけですよ、一般名で処方されると、そうすると、一般名全体の宣伝をするわけで、それは他社の宣伝もするわけだから、私は、院に来られる人にもよく聞くんですけれども、君らは一体これからどうやって宣伝するのと、みんな困っています。だから、こういう経費というのも、ある意味では要らなくなるということもあるということも考えると、やはり全体として開発と経費ということ、あるいは先発と後発にかかっている経費の考え方というのももう少し精緻にやらないと、議論できない部分があるということは、あえて指摘をさせていただいて、最後に申し上げるのは、禰宜さんの資料、加茂谷さんの資料の13ページのフローチャートの一番上から出ている、右の矢印へ出ているところ、コスト面で苦しくなった先発品が撤退すると、この可能性は、私は前から申し上げていますけれども、日本の製薬業の皆さんに、ここのところの矢印を書いていただきたくはなかったというのが、非常に強く申し上げたいことです。
 コスト割れをしてもつくってください。それは、医療を担われる皆さん方の義務ではありませんか。製薬企業の業績が極めて悪いなら、こんなことは申し上げません。リーマンショックのときも、日本製薬一部上場会社の株価はほとんど下がらなかった唯一の業種じゃないですか、そのことと医療界において果たしておられる責任ということをお考えになったときに、この絵の右側へこの矢印をお書きになったということは、私は大変残念に思います、ということは申し上げておきたいと思います。
○西村部会長
 牛丸委員。
○牛丸委員
 お二人の方、ありがとうございました。加茂谷さんにお聞きしたいのですが、最初、もちろん、開発にお金がかかるのはわかります。開発にお金をかけて、それで製品化して、それで現行制度の下で、薬価、特許期間があって、そして、その後、後発が出てくると、これは前提があるわけですね。
 そこを全部考えて投下した開発費用をいかに回収するか、収益を含めて、その場合に、特許期間中にそれが回収できるように、もちろん、薬価ですから自由に設定できませんけれども、ですから、すべてではないにせよ、リスクもありますけれども、投下した開発費用というのは、特許期間中に回収できないのかどうか。
 というのは、後ろで御説明のあった、特許期間が切れた後、それをどうするかと、得られる収益から研究開発へ投資と、次の話ですね。前に投下した開発費用は、すべて回収していると解釈できるんです。つまり、新たに、これから投資するのをこっちから使うということでよろしいのでしょうか。
○加茂谷専門委員
 新薬Aを上市しました。坂巻先生の1ページ目にあるような、ああいった投資と回収が単剤、1つの成分での投資と回収は、どこかでイコールになる部分というのはあろうかと思いますが、今度は、開発品B、C、Dに、また投資もしていかなければならないかと思います。その開発品B、C、Dが必ず上市されれば、品目ごとにきれいな形で開発と投資と回収がうまくいっているのかと思いますが、おおむねB、C、Dがうまくいかない場合という点のリスクが製薬企業はございます。表に出てこないと申しましょうか、先ほどいった基礎研究費もそうでございますし、そういった意味からいうと、かなり長いサイクルの中で開発投資を賄わざるを得ない状況になっております。
 「特許期間中に何とか回収できるような構造転換を行っているところである」というのは、前回もお話し申し上げたところでございますけれども、まだ、そこに至っていないというのが、現実の姿かと思います。
○牛丸委員
 新薬創出、あれができても、まだまだ不十分だということなのですか。
○禰宜専門委員
 2年前に試行的に導入していただきまして、少しその意味での、収益面での貢献も少しずつではございますけれども、一応、我々の収益の中にはオンされてきておるというのが現実でございますけれども、まだまだ、今の長期収載品については、過去2年に1回の薬価改定も受け、さらには特例引下げも受け、さらには、この2年間追加引下げも受けるというような現状もございますので、やはり将来的に、こういう新制度が恒久化されて、そして、ある程度収益が確保できるとすれば、その辺のところの長期収載品と特許期間中の品目とのバランスというものも、少し変化しなければならないし、そういうようなことができないということであれば、その企業がやはり問題があるというふうに、個人的には思っております。
 特許期間中に、そういう収益が回収できるかということで、当然ですけれども、各社新薬を導入するときには、その辺のところを、それぞれ各社によって開発しようというものは違いますけれども、一応、特許期間中にどれくらいのリターンがあるかというようなことも考えておりますけれども、現実問題として、そこまで実績を把握しているところではございません。一応、指標としては持っておりますけれども、それを数字で表わすことは、今、ちょっとできない現状を御理解いただきたいと思います。
○西村部会長
 ありがとうございます。時間を超過しておりますが、最後でよろしいですか、白川委員。
○白川委員
 加茂谷専門委員の御発言の中で、利益についてはなかなかまとめるのが難しいという御発言があったと思いますが、今日、お二人から御説明いただいたことは、概念的には、そのとおりだと思います。開発費にしても、不成功に終わる開発リスクもカバーして考えなければいけないとか、長期収載品であっても、若干利益を得て、それを開発投資に回さなければいけないということは、概念としてはそのとおりだと思います。
 企業は営利を追求するわけですから、当然、利益が関係してくると、私は認識しています。適正な利益を上げ続けなければ、企業の持続性は担保できないというのは、資本主義の世の中ですから、ごく当然です。ただのもうけ過ぎではないかといっているつもりは全くないのですが、利益が分かるような資料を出していただきたいと思っています。 今、議論されているのは、長期収載品と後発品の話ですから、例えば、先発品を主力にしている企業群と後発品の専業企業での利益率はどうなっているのか。あるいは海外で、日本の大手ジェネリック専業メーカーと同規模の製薬企業における利益率とを比較した資料を出していただくことを強く要望したいと思います。
○西村部会長
 では、今、要望ということで、ちょっと時間がございませんので、さっき安達委員は、開発経費について、もう少し詳細なデータということで、それも御要望ということでよろしいですか。
○安達委員
 はい。純国産あるいは外国品の導入の比率も含めて、参考資料としていただけるのであれば、ぜひいただきたいと思います。大きな格差があることは間違いないわけでしょうから、開発経費について。
○西村部会長
 では、今、御要望出ました、2つの種類のデータ提供について、御検討をお願いしたいと思います。
 では、もう一つ議題がございますので、本件については、この辺りにさせていただきます。
 次回以降、また、本日議論した内容を踏まえて議論を進めてまいります。
 では、続きまして「諸外国における後発医薬品の使用促進策等について」を議題としたいと思います。
 参考人より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
 坂巻参考人の資料に戻っていただきまして、後半部分について御説明、時間がありませんので、簡潔によろしくお願いいたします。
○坂巻参考人
 坂巻でございます。先ほどの資料の8ページ目をごらん下さい。
 これもOECDのレポートを要約したものでございますけれども、ここだけ御説明したいと思います。
 諸外国における後発医薬品使用促進策を、医師に対するもの、薬局薬剤師に対するもの、患者に対するもの、その他という形で分けております。
 まず、医師に対する使用促進策ですが、大きくは一般名処方あるいは何らかの形で経済的なインセンティブを与えるもの、とに分けることができます。
 一般名処方に関しましては、多くの国で認められておりますが、これを義務としている国は非常に少ないと理解しております。
 経済的なインセンティブでございますが、ここでは、英国、フランス、ドイツの例を示しておりますが、イギリスに関しましては、人頭払いで、安価な医薬品を使用した場合、その節約分が収益になり得る仕組みです。
 フランスに関しては、いわゆるPay for Performanceという仕組みがで、後発品の使用量について目標が設定されていて、その目標への置き換えが行われた場合には、診療報酬が上乗せされるような仕組みです。
 ドイツに関しましては、薬剤費の予算額を上回った場合に、報酬の引下げ、いわゆるペナルティといってもいいかもしれませんが、フランスの逆です。こういうペナルティ的な仕組みを導入している国は、非常に少ないといわれていります。
 薬剤師に対する使用促進策ですが、一般に、先発品では、価格に連動させる形で薬局マージンが設定されております。つまり、安価な後発品を使いますと、薬局マージンが減ることになり、ディスインセンティブになります。薬局への使用促進策は、このディスインセンティブを是正する形が取られていす。代表的な方法が、定率マージンではなく、定額マージンにするというものです。
 もっと直接的なインセンティブとしては、スイスに見られるように、後発品の代替調剤を実施した場合には薬局の報酬に上乗せされるという方法もあります。
 代替調剤ですが、この制度自体は多くの国で導入されていますが、これを義務づけているという国は少ないとされていて、義務づけされている国は、デンマーク、ドイツです。
 アメリカは州法で代替調剤が規定されていますが、一部の州では義務化されているところもございます。
 ハンガリーなどは、代替は義務ではありませんが、薬剤師が患者に対して選択肢を説明することを義務づけているという国もあります。こういった方策で、薬剤師対する使用促進策が導入されています。
 9枚目ですが、患者に対する使用促進策です。患者の負担に対して影響を与える仕組み、例えば、後発品を患者が選択した場合には、負担が安くなるような仕組みもあるし、参照価格に代表されるように、窓口負担が大きくなるような仕組みもあります。
 参照価格制度の説明を入れましたが、参照価格制度に関しましては、多くの国で導入しておりますので、もう少し精緻に調査して、機会がございましたら、御説明したいと思います。
 それ以外の使用促進策としましては、国や保険者、医療提供者が国民に対して後発品使用の意義を広報するであるとか、あるいはフランスですと、地域ごとの目標設定を行って、さらに目標がどの程度達成されているかということのフォローも含めた方策というのもあります。フォーミュラリにより後発品以外を使用する場合の制限を加えるというのも後発品使用促進の1つの手段ということでまとめました。
 次の以降の資料は、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカについて、医師、患者、薬局にまとめた資料ですが、今までの説明と重複する部分がございますので、割愛させていただきます。
 以上でございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。これについては、よろしいでしょうか。
 三浦委員、よろしくお願いします。
○三浦委員
 今、御説明のあった、例えば、スライド8でありますが、薬剤師に対する後発品の使用促進策の中に、代替調剤制度を導入している国は多いと書いてあります。この代替調剤という言葉の意味について、ちょっと確認させていただきたいのと、これは、各国共通なのかどうか、この2点をお願いします。
○西村部会長
 坂巻参考人、お願いします。
○坂巻参考人
 一般に代替調剤という言葉を使う場合には、薬剤師が処方した医師の同意を得ないで薬局の現場で変更できるということを意味していると理解しています。変更できる処方せんに制限があることも各国に特徴がありますが、言葉の意味として、各国、同じ概念なのかということは、十分に調査できておりません。調べまして、機会がございましたら、御説明したいと思います。
○西村部会長
 ありがとうございました。ほかにございますか。ございませんか。
 それでは、ありがとうございました。本件については、この辺りにしたいと思います。
 次回は、また、本日の議論を踏まえて議論を進めてまいりたいと思います。
 本日、予定された議題は以上ですが、その他として、事務局から何かございますか。
○吉田薬剤管理官
 特にございません。
○西村部会長
 それでは、遅くなりましたが、次回の日程等について、お願いいたします。
○吉田薬剤管理官
 次回でございますが、未定でございますので、追って後日、日程調整をさせていただきたいと思います。
○西村部会長
 では、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。
 どうも長い時間にわたりまして、ありがとうございました。


(了)
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