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2012年5月31日 第2回膵臓移植の基準等に関する作業班 議事録

○日時

平成24年5月31日(木)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 共用第9会議室(9階)


○議題

1 膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について
2 その他

○議事

○佐藤補佐
 定刻となりましたので、ただいまより第2回膵臓移植の基準等に関する作業班を開催いたします。班員の先生方におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきありがとうございます。本日は、佐多委員よりご欠席とのご連絡をいただいています。
 前回の作業班から期間が開いて事務局がだいぶ変わっていますのでご紹介させていただきます。室長の間です。
○間室長
 昨年9月より臓器移植対策室長を拝命しております、間です。どうぞよろしくお願いいたします。先生方、本日はそれぞれに大変お忙しい中をご参画いただきまして誠にありがとうございます。前回の作業班から約2年半とだいぶ期間が開いておりますが、今回は膵・膵島移植研究会からご提案のありました件を、既に深尾先生のお名前で腎臓作業班にもご検討いただき、かなり好意的なご反応をいただきました。若干の疑義もありましたので、その点の修正提案もありますが、基本的には大変謙虚なありがたい提案だというお話がありました。本日は、この点について、あともう1点、ご議論いただきまして、さらに前進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○佐藤補佐
 それから、加賀山補佐、竹内補佐、永井主査です。私は補佐の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
 これより、深尾班長に議事の進行をお願いしたいと思います。報道のカメラの方はご退席をお願いいたします。
○深尾班長
 久し振りの班会議でやり方を忘れてしまいましたが、どうぞよろしくお願いします。まず、事務局から資料の確認をしてください。
○佐藤補佐
 では、「議事次第」の「配付資料」をご参照いただきながら資料の確認をさせていただきたいと思います。資料1「『日本膵・膵島移植研究会』からの提案資料」が3枚綴りです。資料2「膵臓移植の基準等に関する作業班・今回の開催の経緯」が5枚綴りです。資料3「リンパ球交差試験について」が1枚紙です。そのほか、参考資料としまして、現行の膵臓移植のレシピエント選択基準、また、本日は膵腎同時移植の検討をさせていただきますので、腎臓のレシピエント選択基準も付けさせていただいています。落丁等ございましたら事務局までお申し付けください。
○深尾班長
 よろしいでしょうか。では、始めたいと思います。膵臓移植もこの2年半の間にずいぶん実績が上がってきているようでして、同時に腎提供などに関して多少の問題も起きてきたようで、腎臓班でも検討していただいています。今回は膵・膵島移植研究会から膵腎同時移植の取扱いについて提案がありました。提案の内容につきまして剣持先生から趣旨をお話しください。
○剣持班員
 資料1をご覧ください。今回は膵・膵島移植研究会からの提案ということで、会長の後藤に代りまして私が説明させていただきます。
 膵臓移植や膵腎同時移植を行っていまして、日常的ないくつかの問題点、ちょっと非合理的なことがありまして、その中で出てきた課題です。
 まず、1の1)として、現行の選択基準により、「意思有り」の第一候補が腎臓移植後膵単独移植あるいは膵臓単独移植、つまり腎臓が配分されない方に当たった場合には、2名の腎単独希望者がもう既に選択されます。このように、2名の腎単独希望者と、膵臓の単独のレシピエントが決まって、そのとおり移植が実施されるように動いていくのです。この時点で、膵臓の第一候補への移植が何らかのレシピエントの条件でできなくなった場合には、二番候補、三番候補が膵腎ということも十分にあり得ますし、そのほうが多いのです。そうすると、2つ配分されていた腎臓移植で進んでいた1つの腎臓が膵腎のほうに優先されるために、1人の腎単独移植患者さんは経過が途中であるにも関わらず移植が中断されることが出てきます。これは実際に大阪大学や当院、千葉東病院でもあった事例です。このような場合どうするかというと、第二候補の腎単独希望者は移植を中止せざるを得ない。既に入院されていたり透析をされている場合もあります。しかも、腎臓が別の施設にありますので、腎臓と膵臓を膵腎の同時移植施設へそれぞれを搬送するという、少し奇異な搬送の方法になるのです。場合によれば、腎移植手術は始まるのが早いですから、既に手術が開始されている場合もある。移植がされていればもちろん無理なのですが、手術が開始されてまだ移植がされていない場合は、原則的には膵腎に行くことになりますから、これは患者にとっては非常に問題があります。
 それともう1つ、2)の問題点です。現行の基準では、膵腎同時移植レシピエントが選定され、膵臓が移植に適さない場合、開腹した後に膵臓が使用できないと摘出チームが判断するような場合には、膵腎同時移植患者さんが一番目に選ばれていますから、その人が腎のみでも良いかどうかになります。良いとなりますと、この膵腎同時移植患者さんには腎臓の単独移植はされる状況になります。これは少しルールに反するのではないか。いわゆる膵腎の患者さんに腎臓が優先配分されるのは膵臓と一緒に同時移植されるからということが前提です。それが崩れた場合には、待機日数から考えても、腎臓の単独のレシピエントに行くのが本来ではないか。このようなことが膵・膵島移植研究会あるいは膵臓移植の実務者委員会の中で議論されています。
 いろいろと議論された中で、次の、改定のところに案として、改定(案)を作成しました。即ち、1)に対応して、「意思有り」で最終的に第一候補となって、膵臓単独移植と腎臓単独移植2名が進んでいるときに、何らかのレシピエント条件で膵臓移植が断念された場合に、以後の選択については、まず、いわゆる2腎はもう決まっている腎単独移植の人で動かす。ただ膵臓移植の場合は、その次に待っている膵臓単独移植とする順番でレシピエント選択をする。このような形がよいと思います。これであれば途中で腎臓移植を断念する患者さんも出ませんし、膵腎の患者さんのために膵臓と腎臓を別の施設から別々に搬送し、しかも時間も違うようなこともないので、合理的ではないかとして、この改定案を作りました。また、膵腎同時移植希望者が膵臓のみの移植を希望しない場合は、以降の選択は、腎移植後膵臓移植または膵臓単独移植より、(1)〜(4)の基準で選択することも加えています。
 その後の部分は、2)に対応する改定です。膵腎同時移植が当たって、膵臓が使用できないと判断された場合には、基本的には膵腎同時移植の人に腎は配分しない、移植しない。それはなぜかというと、膵臓が駄目になっているので、優先する原則がなくなりますから、腎臓単独移植2人を選んで腎臓単独移植を施行する。このような改定案を作っています。
 その後の資料は参考資料です。これも説明したほうがよろしいでしょうか。
○深尾班長
 ちょっとわかりにくい所がありますから、お願いします。その前に まず、1)、2)に関してご質問があればお願いします。いかがでしょうか。
 腎臓単独移植というのは、既に膵臓移植をしてあって腎臓を後から受けるという人と、膵臓は後でもいいので腎臓だけ植えてもらいたいという人、この2人を含むのですか。
○剣持班員
 それは1)についてですか。
○深尾班長
 1)に限らず、単独移植という意味についてです。
○剣持班員
 腎臓単独移植というのは普通の献腎移植のことです。いわゆる献腎移植で待っているレシピエントのことです。
○深尾班長
 要するに、腎移植だけのことですか。
○剣持班員
 そうです。膵臓は関係ないのです。
○深尾班長
 膵臓は関係ないのですね。
○剣持班員
 関係ないです。
○深尾班長
 膵臓は関係ない。膵臓移植をやっていて、これから腎移植を待っているような、例えば膵腎同時移植をやっていて、腎臓が駄目になってしまって腎臓をまた植えたいとか、そのような人はこの腎単独に入らないのですね。
○剣持班員
 それは入っていないです。普通の献腎移植です。
○佐藤補佐
 膵臓をもう植えた後であれば、普通の腎の移植希望者に並ぶ形です。
○剣持班員
 同列に扱われると思います。
○深尾班長
 ほかにいかがでしょうか。何かご質問はありますか。
○谷口班員
 膵腎同時移植をやっていて駄目になったということになると、そのときは腎臓移植を待つということですね。
○剣持班員
 腎臓が駄目になった場合はそうですね。
○谷口班員
 もし、膵腎同時移植の方が腎臓移植で同時に登録をしていた場合は、これはどういうことになりますか。
○剣持班員
 膵腎同時移植というのは、膵臓と腎臓の2つに登録しているのです。コメントには「膵腎同時移植」となりますが、登録は腎臓と膵臓を別々にやっているのです。ですから、最初に膵腎が当たって膵臓をもう移植してしまった場合は、そこで登録期間が終わって待機期間が終わるので、腎臓は新たに登録することになるのです。
○谷口班員
 1人の人が腎臓移植だけの登録と膵腎同時移植の登録はできないのですか。
○剣持班員
 膵腎同時移植の登録というのはないのです。膵臓移植の登録と、腎臓移植の登録で、コメントに「この人は膵腎同時です」となるのです。ですから、腎臓移植は普通に腎臓移植として登録されているのですが、このルールがあるので、膵腎が当たったときには優先されるということだけなのです。
○谷口班員
 ちょっとまだわからないのです。腎臓移植のほうにも登録し、別途、膵臓移植にも登録する。膵臓移植の中の膵腎同時移植を本当はやってもらいたいと。それが駄目になった場合に、その方が腎臓移植も登録していたときはそちらで優先権はないのですか。
○杉谷班員
 先生がおっしゃることは、いちばん大事なポイントは登録期間の考え方だと思うのです。膵腎で登録していたけれども膵臓だけになったときに、腎臓の待機期間はまたゼロから腎臓単独としてするのか。そうではなくて、腎臓はずっとそのまま単独で延びますね。
○剣持班員
 腎臓は腎臓で、そのまま最初からです。
○杉谷班員
 そのままですね。もう1つ、膵腎と腎臓と両方に、とにかくどちらでも当たったらいいので、跨いで登録することは、ほかの所ではありませんが愛知県では、愛知県で出た腎臓だけは、欲しい人はいますかというのは、そこのルールに入っているからなのです。ですから、愛知県の人で登録に上げるときには中日本ネットワークから、「腎単独で出た場合にはどうされますか」と聞かれます。したがって、意思をちゃんと聞かれて、「膵腎同時移植でなければ受けない」と本人が言った場合には、そこから外れることになりますが、そうでない場合にはそのとおりになる可能性があるのです。
○剣持班員
 愛知県だけの問題ではなくて、全部の問題ですね。
○杉谷班員
 施設の中で優先権があるということなのです。ほかの所は全部、膵臓も腎臓も施設登録になっています。だけれど、愛知県だけは、腎臓は10の施設の中で順番に当てようということがあったのです。それを変えようということで、2年前に中日本とのルールで配分が変わってはきましたが、まだ完全に変わっていないところもあって、そのようにして当たる人もあるので、暫定的にそのようなルールを作ってあるのです。
○深尾班長
 よろしいですか。ちょっとわかりにくいですが。要するに、膵腎同時移植も腎臓移植の希望と膵臓移植の希望の両方を出しているのですね。それで、たまたま膵移植とマッチした場合には、「腎臓もこちらに優先権があるから腎臓もいただきましょう」ということになるのです。
○杉谷班員
 そうなのですね。ですから、膵臓に付いて腎臓が行くという考え方でなければいけなかったのに、腎臓の人たちにとって、どう考えても不利ではないかと思われたということです。
○深尾班長
 よろしいでしょうか。この改定(案)は、「第一候補が腎移植後膵臓移植または膵臓単独移植希望者でレシピエント側の条件で移植が断念された場合、以後の選択は、腎移植後膵臓移植または膵臓単独移植希望者より、(1)〜(4)の基準で選択する。」と。この部分は、膵臓に関してですね、腎臓ではなくて。
○剣持班員
 はい。
○深尾班長
 次が、「当該膵腎同時移植希望者が膵臓のみの移植を希望しない場合は、以後の選択は、腎移植後膵臓移植または膵臓単独移植希望者より。」、これも膵臓だけの話ですね。
○剣持班員
 そうです。
○深尾班長
 その次が、「(1)〜(7)により膵腎同時移植希望者が選定されたものの、膵臓摘出術の開始以降に膵臓が移植に適さないことが判明した場合には、腎臓移植希望者を選択する。」、これは、膵腎同時希望者であったけれども、まだレシピエントのほうは手術が始まっていないのですね。
○剣持班員
 そうですね。まだ摘出していないですから。
○深尾班長
 ドナーの手術が始まった。ところが、膵臓は移植に適さない、腎臓しか使えないという場合、その腎臓は、膵移植と腎移植を別々で希望している人に優先権があるのですか。
○剣持班員
 いまは、膵腎同時移植が一番で選ばれたので、膵臓が駄目になったといっても「腎臓だけ、あなた受けますか」と言って、受けたい場合はいいわけです。しかし、それはやはりおかしくて、膵臓が駄目になっていますから優先権はそこで膵腎同時ではなくなったと考えると、腎臓2人を選び直す。選び直すというのは、二番目の人が一番目に上がってくるというのが筋だろうということなのです。
○深尾班長
 それから、もう既に膵移植が行われていて腎移植だけを待つという人もあり得るのですか。
○剣持班員
 それはあり得ますけれども、それは先ほど言ったように、一般的な腎移植と同じレベルです。
○深尾班長
 その場合には、膵移植を受けた人には優先権はないのですね。
○剣持班員
 ないです。
○深尾班長
 全く普通の腎移植だけの扱いということになります。よろしいでしょうか。
 では、3について説明してください。
○剣持班員
 ここは参考資料です。深尾先生に提出したのが少し前なので少し古いデータですが、基本的にはいまでも内容はほぼ同じと考えていただいていいと思います。いちばん問題になったのは、膵腎同時移植と腎単独移植、それから、心停止も含めた普通のいわゆる献腎移植の腎臓配分ルールについて、だいぶ腎臓を待つ方あるいは腎臓の先生方からのクレームが当所からあるのは、やはり脳死ドナーが急に増えたことによるのだと思います。ここに書いてあるように、法改正後に脳死ドナーが急増していて、逆に、全体の提供数はほぼ平年並みで増えていませんので、心停止ドナーの比率は低下して絶対数も減少しています。ある意味では、脳死膵腎同時移植は7倍以上に増えていますが、献腎移植数は変わらない。今後、脳死の比率が増えれば減ることもあり得るということになりますと、膵腎同時移植への優先度が高過ぎるのではないかという疑問があります。あるいは、医学的重症度に沿った適正な配分かどうか。優先度が例えば10倍以上高いとしたら、10倍以上の医学的重症度があるのかといった問題です。
 また、腎移植については20歳未満に12点が加算されましたので、今度は20歳以上の成人の献腎待機年数は同じ例数でもさらに待機年数が延びるということがあります。脳死の移植に関しては、改正臓器移植法の施行は非常にメリットが大きいのですが、最も登録待機人数の多い腎移植患者さんへのメリットが少ないことは全体的に問題ではないか。このようなことがありまして、そのデータが後ろにずっと出ています。それで我々は、いまお話したような配分を考えたのです。
 次のデータに関しては、参考にしていただければと思います。若干古いデータで平成23年までで、まだ6月なので平成24年のものはありません。最後の4の表では半年で比べています。膵腎同時移植は、それぞれ半年で、平成21年が5例、平成22年が3例、平成23年が18例で、かなり飛躍的に増加していますが、腎単独に関しては、122例、82例、104例で、改正臓器移植法前後でもむしろ減っているぐらいで増加はないということが言えると思います。
○深尾班長
 これに関して何かご質問ありますでしょうか。この20歳未満12点加算で献腎移植待機年が伸びたなど、このようなことは膵移植とは特に関係ないですね。腎臓の配分のルールなので。
○剣持班員
 すみません、これは腎臓側から見たことも書いてありますので、必ずしも膵臓移植から見たものだけではありません。
○深尾班長
 膵移植の絡んでいるところは、膵腎同時移植の優先度が高過ぎないかということ、医学的重症度に沿った適正な配分かということ、それから、最も待機者の多い腎移植患者のメリットが少ないこと。こういうことになるのですか。
○剣持班員
 はい。
○深尾班長
 これはいかがでしょうか。特にご質問がなければ、次に進みたいと思います。よろしいでしょうか。
 次は、腎移植作業班にこちらから問い掛けたことに対して、先週行われた議論の話をしてください。
○佐藤補佐
 資料2に基づいて説明いたします。先ほど膵・膵島移植研究会からの提案をもう一度ご確認していただきます。3頁からのポンチ絵をご覧いただきながら、前提条件を確認させていただきます。先ほど剣持先生からご説明があったものを絵に描いてみたものです。
 提案の内容としては、膵臓の移植の第1候補が膵単独移植の希望だった方の場合、その方のレシピエントの理由により移植が断念された場合、その次に膵臓の移植の再選定が行われるわけですが、現行の基準ですと、その次に膵腎同時移植希望者が選定される可能性があります。その際に、もう既に決まっていた2人の腎臓の移植希望者の中から、第2位の方はその時点で、膵腎同時移植希望者が移植をすると決まった時点で、第2位の方は移植を断念され、膵腎同時移植希望者が膵腎同時移植を受けるということが、現行の状態です。
 剣持先生の先ほどのご提案に従いますと、膵単独移植希望者が断念した段階で、次点の候補の方は膵単独移植の希望者からしか選択しない。そうなりますと、既に決まっていた腎臓の2名の患者は移植をそのまま受けられる形になります。
 次の頁です。資料1の2つ目の●の場合はどのような条件かというと、膵臓移植希望者の中で、選定されてきた方が膵腎同時移植希望者だった際に、摘出術が開始されて以降、何らかの理由で腎臓が移植に適さないと判断された場合の条件です。
 膵腎同時移植希望者が何らかの理由で腎臓が移植に適さないと判断された場合に、その方がなおかつ膵臓単独での移植を希望されなかった場合に、また選定が膵臓の中で行われるのですが、その際に、また膵腎同時移植希望者が出てきた場合、ひょっとすると、既に決まっているもう片方の腎臓が、その膵腎同時移植希望者にいってしまう可能性が、現行の基準ではあり得る形になります。
 そういう形になってしまうので、改正案では、この膵腎同時移植希望者の腎臓が移植に適さないと判断された場合は、それ以降は膵単独移植希望者からのみしか選択をせず、その方に膵単独の移植を受けていただこうというのが、改正案の2番目です。
 最後の3番目ですが、膵臓移植の第1希望者が膵腎同時移植希望者で、摘出術開始以降に膵臓が移植に適さないと判断された場合にどうするかです。現在の基準ですと、膵腎同時移植希望者が膵臓は駄目だといった場合に、腎臓の移植希望があれば、その方が腎臓移植を受けているというのが現状で、先ほど剣持先生が言われたとおり、膵臓が受けられない時点での優先順位というのはなくなるのではないかという前提の下、今回の改正案では、膵腎同時移植希望者が、膵臓が適さないといった時点で、その方の移植は断念し、腎臓の単独移植希望者の中から選定を行い、1位と2位の方に2つの腎臓を提供する形がいいのではないかというのが、今回の研究会からの提案趣旨です。
 資料2の2つ目の●に戻ります。先週の5月21日に腎臓移植の基準等に関する作業班、大島先生が班長ですが、そこでの検討内容を報告いたします。検討内容に関して、ご依頼を深尾先生から大島先生に投げていただいて、検討させていただきました。その際に先生方から、以下の点につきご意見がありました。
 膵臓移植に携わる先生方より、腎臓移植のおかれた状況をご理解いただいた上で、このようなご提案があり、議論ができることは、腎臓移植に携わるものとして、とても感謝をしています。提案の内容は腎臓移植からは大きな変化でないかもしれないが膵腎同時移植には一定のインパクトのある可能性がある。そのような提案をしていただいたことは、非常に評価できるものであるということでした。
 ただ、先ほどのポンチ絵を確認しながら、先生方と議論をしたのですが、その中でいくつかはおかしいのではないかという話がありまして、提案の?と?は納得のいくというものでしたが、?に関しては、腎臓が2つあるという前提を考えると、腎臓が提供に至らないという事例は少ないのではないかという中で、1腎が腎臓移植に適さない場合と書き換えていただきたいということでした。腎臓が両方適さないのか、1腎だけが適さないのかというところに疑義があるということでした。
○深尾班長
 言葉だけの問題ですね。
○佐藤補佐
 そうです。その議論の中で、腎臓は基本的に2個あるので、必ず1腎は腎移植をするのだという前提に立っていただいて、残ったもう1腎は膵腎同時移植なのか、腎単独移植なのかという議論でどうだろうかというご提案でした。以上です。
○深尾班長
 必ず1腎は腎単独移植の人にいくのだという提案ですね。膵臓グループからの提案は、皆さん受け入れたと。?は言葉だけの問題で、言ってみれば全部認めたということですね。問題は、それ以外に、さらに向こうとして要求が出てきたということになるわけです。これに関してどうでしょうか。これは膵移植の実務者委員会か何かで検討されていますか。
○剣持班員
 いや、これは初めて出てきた意見です。
 1つ質問ですが、片腎の症例あるいは1腎が水腎症で、もう術前から使えないのがわかっているケースも多くはないけれどもあるかもしれません。ということは、1人のドナーが出たら、1人の腎移植患者に移植しましょうという考えは、我々としては反対する人はいないのですが、そうなりますと、例えば膵腎同時移植を優先する、実際に2腎があって膵臓があって、我々が摘出に行く場合、例えば血管の条件のよいほうを、膵腎同時移植にいただくことが多いわけです。
 そうすると考え方として、必ず1人の移植患者、腎単独移植患者にということになると、例えば摘出のときに、いいほうは腎臓にいくのだということになるのでしょうか。
○佐藤補佐
 そういうわけではないです。そこの2腎があるところであれば、前提はいままでと変わらないと思います。
 ただ、1腎であった場合、いま先生がおっしゃったような前提であった場合には、腎臓移植を必ずするのだという姿勢と。
○剣持班員
 そういう場合は、もう摘出前に1腎だということがわかっていた場合は、膵臓単独から選ぶということですね。
○佐藤補佐
 そういうことです。
○剣持班員
 わかりました。
○深尾班長
 いかがでしょうか。
○伊藤班員
 実際にあった例なのですが、1腎という場合、馬蹄腎という2つ一緒になったものがありまして、あのケースは2つに分けて、膵腎の人と、腎単独の人にいったのですが、そこの決定がなかなか難しいことがあるのではないかと思います。その辺の議論はありましたか。
○佐藤補佐
 そこはないのですが、前提としては、1件は必ず腎移植というのが前提です。
○伊藤班員
 そうすると馬蹄腎は。
○佐藤補佐
 もし切れないのであれば腎移植になるという形です。
○深尾班長
 馬蹄腎の場合には、1つしか使えない場合にはとにかく腎臓単独のほうにいくし、2つに分割できるのであれば、既に両方にいくということですね。いかがでしょうか。膵移植グループとして、それはまずいのではないかというご意見はありますか。
○杉谷班員
 先ほど剣持先生がおっしゃったように、私は3番目の項目は初めて聞いたのですが、いろいろ考えてみるとそうかなと。実際に馬蹄腎のときもありましたし、もっと小さな子ども、2歳のドナーから出て、2腎をローリーポップで1人のレシピエントに上げないといけない。そういう状況が出たときにどうするのか。いまの話ですと、それは腎臓の人に上げると。子どもの膵臓だけは膵単独にということになると思うのですが、それでもいまの現行法は、個人的には妥当かなと思うのですが。
○深尾班長
 これだと膵臓優先というのは、全くないわけですね。どちらかというと腎臓優先ですね、1腎だけの場合には。
○杉谷班員
 腎臓優先になります。例えば4歳ぐらいで小さめの腎臓のときに、当たったところの腎臓の先生が、2腎が必要だと判断されると、それは2腎に分けることではなく、最初は2腎にいって、例えば膵腎の腎に1個上げるようなつもり、あるいは腎を2人に上げるようなつもりであっても、その場合には優先権のある腎臓の人の1人に2つの腎臓がいってしまうということにもなりますので、それでも私は腎臓のほうに譲ってあげるということでいいのではないかと思います。
○深尾班長
 いかがですか。
○石橋班員
 例外的なケースにどう対応するかということで、いま杉谷先生と剣持先生が言われた方向でいいと思うのですが、もう1つ例外的なことで、例えば小さな腫瘍が見つかった場合は、いまはどうなっているのでしょうか。泌尿器科では部分切除をして、腫瘍を除いて移植するという考えもありますよね。
○佐藤補佐
 いま前提として、ドナー適用基準の中では悪性腫瘍は無しになっていますので、悪性腫瘍が腎臓にあった時点で、「適応なし」という話になると思います。
○石橋班員
 ですから、今後そういう例外的な事例に対する対応をどのように考えておくかということが必要かなと。
○深尾班長
 それは必要になるかもしれませんね。今回のこれは、いままでの基本路線は膵移植が優先だったのが、これに関してだけは全く膵移植優先がなくなって、腎移植優先で、根本的に考え方が変わるわけですね。そうすると、膵移植を必要とする患者をもっている内科の先生方はいかがでしょうか、それでよろしいでしょうか。
○雨宮班員
 実際的に腎臓移植にいって、その場合に膵腎同時移植の人は1段待つわけです。そのことに1回ずつ優先順位が遅れるだけで、1回待てばいいのか、それともその準備に入ってしまっていて、腎臓は1つなくなってしまうから、そこで飛ばされるのか。その辺は実際には途中の段階でわかってしまうから、膵腎同時移植の人でも、患者として理解ができるものなのでしょうか。
○深尾班長
 優先順位が、たまたま膵腎同時移植の人たちが、ほかの腎移植だけを希望する人と比べても、優先度はたまたま順番が早いとか点数が多いという場合には、膵腎同時移植の人にいくこともあり得ますね。
○剣持班員
 そうですね。
○深尾班長
 だけれども、そういうことは極めて稀かもしれないということで、その辺でいまの先生のご質問。
○剣持班員
 具体的には、全体として膵腎同時移植の優先度は非常に高いです。それから腎移植の場合、例えば途中で膵腎に腎臓がいって、その移植を断念したとすると、次にすぐに回ってくるということは現実的にはほとんどなくて、それを逃すと、うちの症例でも1回逃して2年、3年待つということのほうが、ベースが非常に多いので、次にそのHLAに当たるという可能性は非常に少ないので、血液型とHLAとを合わせますから。そういった意味では、深尾先生は腎臓に優先の部分はあると言いましたが、現実的には稀な症例で、いままでそういうのは非常に少ないので、全体としてはまだまだ膵臓が優先されるという状況ができますので、膵腎同時移植の人からクレームがくることはまずないと思います。腎臓移植に関しては、むしろこのようにしてもらえればということなので、そういった意味でも妥当な提案かなと、腎臓移植班からはそう思います。
○石田班員
 今回のことが改まった前提は、今後膵腎同時移植の人がどんどん増えるだろうというものですから、腎単独のほうに圧迫がかからないようにという意味合いと考えて。先生、これから同時のほうがかなり増えるだろうということに。
○剣持班員
 脳死の比率が高くなって、現行であれば膵腎同時が優先されますから、増えると思います。
○深尾班長
 伊藤先生、いかがですか。
○伊藤班員
 剣持先生がおっしゃることと、ほぼ同一意見です。
○深尾班長
 外科側としてはそれでもいいのではないかというご意見ですが、谷口先生いかがですか。
○谷口班員
 3つの案に関して図も見せていただいて、大変すっきりしているという意味では、非常にわかりやすいと思います。いま剣持先生が言われたのみならず、外科の先生方、これで腎臓移植をされる先生方はお喜びになるだろうと。これは私も認めます。
 ただ、前提条件ですが、剣持先生のご説明で、最も新しいものではないということですが、数字上、確かに腎臓移植はあまり伸びていない、膵臓移植は平成22年から平成23年でポンと上がっている。こういうことがあって、石田先生がいまおっしゃったように、糖尿病がこれだけの勢いで伸びていれば、将来は腎臓が障害されるのは目に見えて多くなると思います。したがって、必要なのは膵腎同時移植であろうと。
 膵臓移植の中に3つのタイプがあるとしたら、膵腎同時移植と腎移植後膵臓移植、それから膵臓単独移植です。平成22年7月の移植関係学会合同委員会で移植の適用基準が決められて、そのオリジナルは、数年前に深尾先生もご出席の膵臓移植中央調整委員会でこの提案の原案ができ、そのときの私どもの考え方の基本は、時間軸の順番は、膵臓が障害されたあとに腎臓が障害される。したがって、膵臓が障害されて、そのあと腎臓が障害されるまで、内科的治療をして、これでも駄目だというとき、はじめて移植をする。だから、前提条件は「である」と断定的ではありませんが、膵移植の適用基準にも書かれていますが、「膵腎同時移植を念頭に置いて、この適用を決めるものとする」となっています。そういうところからして、今回の提案は簡単に言ったら、膵臓移植と腎臓移植を、膵腎同時移植の中でばらばらにするということにも行き着くのです。
 そういうことを考えれば、これは医学的にも医療的にもどうかという問題点はあろうかと思います。一方、剣持先生もおっしゃっている膵・膵島移植研究会から出てきた基本的な考え方は、社会的な公平性をどう担保するかということだと私は思います。腎臓が腎臓移植を必要とする患者にあまりいっていないので、その公平性をどうするのかというので、こういう案が出てきたのではないかと考えられます。もしそうだとすれば、大変な議論が要ると思いますが、元に返って、膵移植の適用基準を根本的に洗い直すというのが、1つの方策だと思います。そうするか、この提案のままで、また3年ぐらいのうちに改正か見直しをするはずですから、走らせてみてはどうかと。この2つぐらいの方法があるのではないかと思っていました。
○深尾班長
 寺内先生はいかがですか。
○寺内班員
 いまの議論を聞いていて感じたことですが、腎臓の片方は移植を断念だということであれば、議論はこのとおりだと思うのですが、優劣ということで、こちらのほうがよりいい、こちらのほうが落ちるかもしれないというときに、腎臓の方を優先するのか、膵臓の方を優先するのかについては、その辺りについてはもう何か判断というのは。
○深尾班長
 2腎とも使用できて、血管が細い太い、若干の水腎症があるなど、優劣があります。そういう場合には、いままでは膵腎が優先されていました。今後も2腎がある場合は、それは変わらないということで佐藤先生からあったので。
○寺内班員
 1腎であった場合には、膵腎ではなくて腎にいくということですか。
○深尾班長
 そこだけが変わったという理解だと思います。先生としては、1腎の場合に腎移植を優先ということに関しては、納得されましたか。
○寺内班員
 納得といっても、結局、限られたソースの中でどのように公平にやるかという議論になるので、理想を言えばどちらかの肩を持ちたいですが、それは公平性ということで考えないといけないのではないでしょうか。
○深尾班長
 石田先生、いかがですか。
○石田班員
 結構だと思います。
○深尾班長
 社会的公平性も考慮して、腎臓班の提案を受け入れたいということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○深尾班長
 それではそのようにいたします。次はリンパ球交差試験の話ですね。事務局から説明をお願いします。
○佐藤補佐
 参考資料1、参考資料2が、膵臓移植のレシピエント選択基準と腎臓移植のレシピエント選択基準の適合条件、腎臓移植は前提条件となっていますが、その1の(1)と(2)を比べていただくとわかりやすいと思います。
 腎臓のほうは、「リンパ球交差試験」となっていて、膵臓のほうは「リンパ球直接交差試験」となっているのが現状です。ちょうど1年ほど前に腎臓移植の作業班では「直接」という言葉を落としました。その際の議論の中での説明は、臓器移植委員会で報告させていただいた説明ですが、いまリンパ球直接交差試験、いわゆるダイレクトクロスマッチというのは従来から行われてきたと。近年技術的な進歩もあり、最近は間接法でもかなり高感度で、特異度の高い検査結果を得られるようになってきたということを考えまして、検査法を限定しないで、「直接」を落として、「リンパ球交差試験」と変更をしたということで了承を得て、腎臓のレシピエント選択基準は変更させていただきます。先生方のほうとしまして、この「直接」という言葉を落とすか落とさないかということを今回ご議論いただけたらということで、議題に挙げさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○深尾班長
 移植を実際にやられている外科の方々はいかがですか。
○杉谷班員
 質問ですが、「より感度の高い間接法」というのは、フローサイトクロスマッチのことですか。
○佐藤補佐
 そうです、フローサイトも含めてです。
○杉谷班員
 それだけですよね。そのフローPRAとかでは決めないわけだから。
○佐藤補佐
 ええ。どうして「直接」だけを落としたかというと、検査施設によってできるできないが多少あると伺っていますので、そこまで限定してしまうのは難しいかなということで、クロスマッチを陰性という形にしていると。
○深尾班長
 直接法あるいは間接法のどちらかで陰性ならいいということですね。
○佐藤補佐
 はい。
○深尾班長
 ほかにいかがですか、剣持先生はどうですか。
○剣持班員
 これは腎臓移植と何ら変わらない検査をしていますので、腎臓移植に合わせて、フローサイトクロスマッチなども入るような表現にしたほうがいいと思います。だから、同じにして「直接」を抜いていいと思います。
○深尾班長
 伊藤先生はいかがですか。
○伊藤班員
 2つ違う表現があったら困りますので、統一したほうがいいと思います。
○深尾班長
 石橋先生はいかがですか。
○石橋班員
 この表現だと、従来からの方法は必ずやるということは前提になっているのですよね。
○佐藤補佐
 いまだと直接交差試験、ダイレクトクロスマッチでないと駄目という形になってしまうのです。
○石橋班員
 そうすると、今後はそれをしなくてもいいということなのですか。
○佐藤補佐
 フローサイトでもOKと。
○石橋班員
 それだけでいくということなのですか。
○佐藤補佐
 どちらかでいいということです。
○深尾班長
 どちらでもいいという。
○石橋班員
 腎臓の先生はそれでもいいとおっしゃっているということですか。従来の方法をなくしてもいいとおっしゃっているのですか。
○杉谷班員
 4通りの組合せがあるから、これは大事な問題で、要するにクロスマッチが陽性だといったら、そのレシピエントはもらえなくなるのですよね。
○佐藤補佐
 そうですね。
○石橋班員
 これはその人にとっては重大な問題だから、それを陽性か陰性かと判定することをどうしようかということで議論は出てきたと思うのです。
 実際に、いまではCDCとフローサイトクロスマッチの陽性、陰性の組合せは4通りあるはずなのです。CDCとフローサイトクロスマッチをして、どちらも陰性と判断すれば、この人に上げると。だけれども、CDCが陽性、陰性でどちらも駄目なら上げませんと。
 いまの話の前提は、CDCは陰性だけれどもフローサイトクロスマッチはポジティブになったときにどうしようかですが、現実には逆の場合もあるのです。CDCはプラスだったけれどもフローサイトクロスマッチではマイナスになるというパターンも実際に起こってきているのです。
 いまのところどのように変わったかというと、最後に言った4番目の例だと、いままでのルールではもらえないです。ところが、それでいけている人もあるようになるので、それは移植施設の判断に任せるということで、腎臓の場合は陽性です、駄目ですと言わないようになったと思うのです。そして、移植施設は、そういう場合であれば、例えば非特異的なIgMを除いてみた反応とか、自分たちがフローサイトクロスマッチの解釈をするということで、その人に移植するかどうかを決めるとなっていたと思うのです。現実的にですね。
 これは例えば東京だけ、兵庫だけと決まったところに出てくる献腎のパターンはいいのですが、膵腎のように全国のいろいろなところで出てくると、もう全血だけでOKでしたというところもあれば、T、Bを分けて、T-cellは陰性だったけれども、B-cellは陽性になるからと。これもまた施設の判断に任せられていましたよね。それなので、この言葉の意味というのは注意しておかないと、この人に上げる上げないはここで決まってしまいますから。
 たぶん幅を広げた判定をするようにしたということだと思いますが、単純にいまのCDCでは陰性だったけれども、フローサイトクロスマッチはポジティブだけとか、そのパターンをするという意味ではなくて。
○佐藤補佐
 検査の実態として、採血の量が採れなかった場合、どうしてもダイレクトではできない場合があると伺っているのですが、そういったときにもダイレクトでとなるとすると、かなりセレクションにも困難を来すと伺った中で、「直接」を落とそうというように、私は認識しているのです。
○石橋班員
 そういう意味だけを。
○佐藤補佐
 それもネットワークとしても、実際に採血の量が採れなかった場合ということも考えると、ダイレクトだけをやるという、ダイレクトをしなければならないとなるのが負担になる場合があると。
○剣持班員
 いまの献腎移植、脳死の移植は、全部ダイレクトで、CDCで判定していますよね。
○佐藤補佐
 そうですね。
○剣持班員
 だから、うちでクロスマッチでそれをやってみると陽性に出ることもあるのです。
 これは現時点ではそうなのですが、選択基準だから、今後もっと感度のいいフローサイトクロスマッチで、やはりTがポジティブだったらやめましょうといったときに、いまの基準で「直接」と書いてあるといけないという部分もあって、将来的な部分も含んでいるし、佐藤先生が言ったように、ダイレクトができなかった場合は判定ができないから選択できないということになると困るということなのだと思います。それを含めた交差を、直接をと。
○石橋班員
 言葉を広くしようという意味だけなのですね。
○佐藤補佐
 そうです。限定するわけではなくということです。
○石橋班員
 フローサイトクロスマッチが出ないと限定するという意味ではなくて、広く取ろうということですね。
○佐藤補佐
 そうです。
○深尾班長
 これはダイレクト、インダイレクトで違った結果が出た場合に、それを受けるかどうかは、移植施設が判断、それとも配分するところが判断するのですか。例えば臓器を運ぶネットワークが判断するのか、受けるところが要らないといって、また次の人を探すのですか。
○剣持班員
 いまはCDCの結果しか、来ませんので。
○深尾班長
 これからは両方やることもあり得るわけですね。
○剣持班員
 あるかもしれないですね。
○深尾班長
 あるいは間接法だけでいくかもしれないですね。
○剣持班員
 そうですね。生体腎などは、CDCがT陰性であれば、フローサイトクロスマッチが陽性でも、いまはいろいろな方法でやられているので、そこは施設で判断するということなのではないでしょうか。
○杉谷班員
 施設の判断にということになって。
○剣持班員
 複雑になって。
○深尾班長
 この改定案はどちらをやってもいいわけで、どちらか1つでもいいし、両方やっても、その施設の能力、あるいは血液の量によって決まってくると。できれば両方やって、みんなマイナスであれば最高だと。だけれども1つしかできなくて、それがマイナスであればそれでも受け入れていいではないかということですね。
○石橋班員
 表現はこれでもいいですが、現場でかなりネットワークも混乱するし、移植施設も困乱すると思いますので、例えば検査法だったらCDCとフローサイトメトリー。CDCは全部しますがフローはnot doneもあり得るわけです。
 あと細胞のほうからしたら、ダイレクトというのはリンパ球を分離しないものなのですかね。そうすると、分離しないリンパ球でする場合と、TとBに分離してやった場合というのが、一覧表ができると思いますので、そういうのを注釈のところにきちんと書いておかないと、すごく混乱するのではないかと思います。
○杉谷班員
 現実的には地方や、されたHLAセンターによって、先生がおっしゃるように違いはあるのです。全血でCDCはというところと、TとBを分けての報告書がくるところはありますが、あのときに1次判定で、先生方のところもそうだと思うのですが、見てでの判断になるのですが、結果はばらばらなのですが、それをフローサイトクロスマッチで統一してしまうと、まだまだ。
○剣持班員
 できないと思いますね。
○石橋班員
 私が言っているのは、いくつかのケースが出てくるので、最低限アグリーできるところを、その表の中で最低限これはアグリーすると。あとはこういう検査をしてもいいというのが、出てくると思うのですが。
○杉谷班員
 一応その点はCDCの範囲ではないですかね。
○剣持班員
 CDCです。
○石橋班員
 現場での混乱が、例えばフローサイトクロスマッチでTであってもやるところがあるかもしれないし、意見の分かれているところがあった場合ですね。実際の現場でネットワークがどう患者を選択するかとか、移植施設がどのように判定してもいいかというのが。
○深尾班長
 しかし、この作業班でそこまで細かいことまで決める必要はないのではないかと思います。どちらかというと現場でもって、それでもいいというところがあるし、これとこれをやらなければいけない、一覧表を出さなければいけないとか、そこまでやらなくて、リンパ球交差試験が行われている、少なくとも何らかの方法で陰性であると。全部プラスだったら当然やってはいけないわけですから。そのくらいで私としてはいいと思うのです。
○石橋班員
 注釈として、すべてがアグリーできるミニマムな条件だけは書いていただいたほうが、混乱が少ないと思います。
○深尾班長
 腎臓は、注釈を付けたほうがいいですか。
○佐藤補佐
 注釈を付けようとしたのですが、その時点で、そこでできるところとできないところが、そこで限定されてしまうのも困るということで、逆に注釈を落としたのです。
○石橋班員
 運用で混乱が生じなければいいということだけなのですが、この表現になってもですね。
○深尾班長
 伊藤先生、いかがですか。
○伊藤班員
 確かに、先ほどおっしゃったように交差試験をするところによって結果が、全リンパ球の場合と、TオーブとかTコードとかいった形で出る場合があって、実際はその施設が判定をしているということです。さらに踏み込んでクロスマッチをしようというところもあるかもしれませんが、それはその施設の判断ということでよろしいかなと思います。
○深尾班長
 この作業班としては、クロスマッチ陰性ということで、「リンパ球交差試験(全リンパ球またはTリンパ球)陰性」という原案どおりでいいということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○深尾班長
 そのように決めたいと思います。ほかに何かございますか。
○剣持班員
 本日は資料の提示はしていないのですが、いま膵・膵島移植研究会の膵臓移植の実務者委員会というのがありまして、そこで議論されていることがあります。1つは、これだけ脳死ドナーが増えてきた段階で、膵臓移植を待っている患者は、膵腎と膵単独を合わせて200名前後ということで、腎臓移植の1万2,000名に比べると非常に少ないです。その中で、膵腎の人は非常にリスクの高い人が多いということで、逆にいうと、同じ脳死ドナーの中でもドナーの適用基準を決めて、それを膵腎同時移植あるいは膵臓移植のドナーとしようという動きがあります。
 1つは、欧米の臨床の結果で、現在60歳以上を使っているところは世界的にありませんし、50歳以上もほとんどないという状況になっています。それは長期成績が悪い、合併症が多いことが出ているということです。その中で、日本で50歳以上とすると非常に少なくなるので、いま現在60歳以上、または65歳以上、それからBMIとして30以上は適用としないという方向で、議論をしているところです。
 実務者委員会、いわゆる日本の膵臓移植の認定施設の代表者の先生方にアンケートを取らせていただいたところ、ドナー適用基準の改正に反対だという人は、現状維持という人は1人もいなくて、60歳以上がいちばん多かったのですが、60歳以上のところで、それ以上は使用しないことに決めようという意見が多かったです。逆にいうと、60歳以上の方には、2腎とも腎臓移植にいくということで、腎臓移植は60歳以上でも十分に機能することがわかっていますから、それは医学的にはいいのではないかということで、まだ結論は出ていないのですが、今後この作業班の中に膵・膵島移植研究会から上げていく予定ですので、そのときにはご議論をお願いしたいと思います。
○深尾班長
 これは膵臓移植のほうで検討中のことで、そのうち正式にこの作業班に案として上がってくるということですね。この件に関してご質問はよろしいですか。これで予定の議題は終わりました。
○佐藤補佐
 本日はありがとうございました。本日合意をしていただいたということですので、膵臓のレシピエント選択基準の中の文言を書き揃えて、また先生方にご確認いただきたいと思います。本日決まったことは、今後臓器移植委員会、審議会を通しまして、局長通知となる予定ですので、実行されるまではもう暫くお時間をいただかなければならないことをご了承いただきたいと思います。本日はありがとうございました。


(了)
<厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室>
代表 : 03(5253)1111
内線 : 2365

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