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2012年7月2日 第7回治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会議事録

労働基準局労災補償部労災管理課

○日時

平成24年7月2日(月)14時00分から


○場所

厚生労働省中央合同庁舎第5号館共用第8会議室(6階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

委員<五十音順、敬称略>

井伊 久美子 (社団法人日本看護協会 常任理事)
今野 浩一郎 (学習院大学経済学部経営学科 教授)
今村 聡 (社団法人日本医師会 副会長)
岩崎 明夫 (ソニー株式会社人事部門産業保健部 産業医)
門山 茂 (東京労災病院勤労者予防医療センター 副部長)
塩山 あけみ (日立製作所労働組合日立支部 執行委員)
砂原 和仁 (東京海上日動メディカルサービス株式会社健康プロモーション事業部 部長)

事務局

鈴木 幸雄 (労災補償部長)
木暮 康二 (労災管理課長)
高渕 憲一 (労災補償訟務分析官)
松本 篤人 (労災管理課企画調整係長)
小島 敬二 (労働条件政策課長補佐)
木内 哲平 (安全衛生部労働衛生課中央労働衛生専門官)

○議題

(1)報告書(案)の検討
(2)その他

○議事

○今野座長 それでは皆さんお揃いですので、第7回「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」を開催いたします。本日は、本田委員が欠席です。
 今日は、議事次第にありますように、「報告書案の検討」ということでお願いをいたします。まず、事務局から資料について説明してください。
○労災管理課企画調整係長 資料1は、前回、報告書たたき台に沿ってご議論いただきまして、その内容を含めて検討会の報告書案としてまとめさせていただきました。後ほど他の資料と含めてご説明させていただきます。
 次に資料2は、前回も添付いたしましたが、報告書に添付する予定の参考資料(案)となります。資料3は、前回の第6回検討会において委員の皆様からご指摘いただきました内容をまとめたものです。本日のご議論等にご活用いただければと思います。資料4は、前回、今村委員からご指摘をいただいて用意した資料でございます。こちらは、後ほど資料1とともに内容について説明させていただきます。
 資料5は、厚生労働省版「提言型政策仕分け」についてです。こちらは、いままで先生方にはご説明はしていなかったのですが、いわゆる行政刷新会議で政府全体の仕分けを行っているのに合わせて厚生労働省内でも仕分けというものを行っているのですが、今年度は、昨年、政府全体で行いました提言型政策仕分け、いわゆる無駄の排除というものではなく、今後の政策の方向性を示すような形の仕分けについて厚生労働省版として今回実施いたしました。趣旨は、「1.趣旨」に書いておりますとおり、複数の部局にまたがる分野等について、現行の諸政策の効果を組織横断的に検証・評価するとともに、今後の政策の在り方を提言してもらう厚生労働省版の「提言型政策仕分け」を実施するというものです。
 仕分けメンバーは2.のとおりです。3.「具体的なテーマと日程」の部分ですが、全部で5つのテーマについて厚生労働省版提言型政策仕分けという形で行われました。そのうちの2つ目の?の部分ですが、「長期にわたる治療等が必要な疾病を抱えた患者に対する保健医療分野の支援と就労支援の連携」ということでして、現在、この検討会の「治療と職業生活の両立等の支援」と同じようなテーマのものについても仕分けにかけられ、先日、提言がなされました。こちらについては、省内ですと、健康局、職業安定局、労働基準局の3局という複数の部局にまつわるテーマということで提言がなされました。内容について少し説明させていただきます。
 資料5の2頁目以降をご覧ください。全体は、2週間に分けて1時間半と1時間の計2時間半でメンバーの方々から説明をいただきましたが、内容につきましては、この検討会でご議論いただいている今後の政策の方向性とかなり似たような形になっております。「総論」部分ですが、「長期の治療を要する疾病において、近年の治療技術等の進歩等により『働くこと』が可能な患者が増えており、治療と仕事の両立を図る支援の仕組みづくりを強化することが必要である。この場合に、患者側の視点にたった分かりやすさ、企業側にたった活用のしやすさ等を念頭において、これまでの取組をレビューし、さらに実効性の高い仕組みとしていくことが求められる」。こうした全体の総論がございまして、あとは医療機関や職場等における支援、今後どういった取組が必要かということが述べられております。
 中身としましては、相談支援体制ですとか、そういった治療のための休暇の普及、こちらの検討会の中でも議論いただいているものがほぼ重なっているかとは思いますが、少し違うといいますか、新しいところとしましては、次の頁の頭の部分をご覧いただければと思います。働き方について、治療と両立しながら働きやすい環境の1つとして、在宅勤務の推進ですとか、雇用管理という面だけではなくて、そういった両立支援が必要な方が起業する場合の支援なども検討すべきというような形で、今後の政策の方向性についてご議論をいただきました。今回、私どもの検討会は労働基準局がメインでやらせていただいているのですが、こちらにつきましては、現在行われてる疾患別の疾病対策の延長といいますか、それにいかに就労支援対策を結びつけていくかというような形で議論が行われました。下の部分に難病や、がん・肝炎、糖尿病という形で病気を区切った形で提言が出されておりますが、大きな政策の流れとしては、あまり変わったところはなかったと感じております。簡単ではございますが、この提言型政策仕分けについて説明いたしました。
 次に、資料6は、井伊委員から事前にご提出いただいた資料になります。こちらの内容につきましては、後ほど井伊委員からご説明いただきたいと思います。
○今野座長 ありがとうございました。それでは、資料1に基づいて、報告書案の内容について、事務局から説明をしてもらって議論をしたいと思います。それではよろしくお願いします。
○労災管理課企画調整係長 事務局から、資料1の内容について説明いたします。「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会報告書(案)」です。こちらは、前回提出させていただいた報告書たたき台から、変更のございました部分について下線を引いております。
 まず、1頁です。2つ目の○の中で「産業医・産業保健スタッフ」という形に修正をしております。こちらは前回、岩崎委員からご指摘をいただきまして、いままで全体的に、産業保健にかかわる方について「産業保健スタッフ」という書き方で一まとめにしていたのですが、実際に法令上設置義務がある産業医については特出しした形で、残りの保健師や看護師等の産業保健にかかわる方について「産業保健スタッフ」という形に書き換えることで、全体として「産業医・産業保健スタッフ」という書き方に修正しております。
 次に3頁です。こちらで修正したのは注釈の部分になります。前回までは、脳・心臓疾患の労災補償状況について平成22年度の数値を述べておりましたが、その後、検討会のあとに、平成23年度の数値が公表されましたので、数字を修正いたしました。支給決定件数、請求件数とも伸びている状況でございます。
 4頁です。こちらも注釈の部分になります。こちらは、先ほどの脳・心臓疾患の労災補償状況と併せまして、私ども行政のほうで精神障害等の労災補償状況についても平成23年度の数値を公表いたしましたので、数字を修正しております。こちらも上昇傾向が続いているという内容です。
 5頁をご覧ください。2つ目の○の上から5行目の部分になります。最初は、「疾病に対するリスクが比較的高い高年齢者、女性」という形にしていたのですが、前回、塩山委員から、「疾病に対するリスクが高い」という部分が「女性」のほうにもかかってしまうので読みにくいとご指摘いただきましたので、「女性や」という部分を先にもってきまして、「疾病に対するリスク」という部分を「高年齢者」のほうだけにかかるような形で修正させていただいております。
 7頁では、エの部分です。医療機関から産業医への情報提供が有用であることから、いま労災のほうの診療報酬の中で、医師から産業医に治療情報を提供した場合に、診療報酬上評価するということを行っておりまして、こちらの関係で、前回今村委員から、データの提供についてご指摘がございましたので、そちらを調べました。資料4をご覧ください。
 こちらが「医療機関から産業医への情報提供について」、労災の診療報酬上評価しているものになります。名前は再就労療養指導管理料です。全体の実績値はとっておりませんので、推計値になります。まず、1の部分ですが、各年のある1カ月の1万件のレセプトを抽出し、その中でこの再就労療養指導管理料に当たる金額を出したものが1つ目の○です。抽出した1万件のレセプトを1年間分のレセプトに復元した場合の推計値が、2つ目の○の部分になります。金額のほうは、平成21年が180万円、平成22年が101万円、平成23年が116万円ということですが、労災診療費全体に占める割合は、いずれの年度も約0.01%ということで、なかなか活用は進んでいないという状況でございます。
 2つ目のところで、労災病院にかかわるデータについても、あればということでご指摘いただきましたので、こちらは実績値ということで調べました。平成20〜23年までですが、労災病院全体の数値で、17件、16件、7件、4件と、十分には活用されていない状況であると思っております。
 こうした状況を踏まえまして、報告書案の7頁ですが、もともとはこういった既存の仕組みがあるということで、「メンタルヘルス不調については、更に加算を行うなど、復職支援の充実を図っている」とさせていただいておりましたが、十分に活用されていないというような状況がございますので、「図っているが、十分に活用されていない」と修正させていただきました。
 続きまして8頁です。一番上の行で企業における現在の取組状況を述べております。大企業においては産業保健スタッフの配置や長時間労働者に対する面接、保健指導又は私傷病の休暇制度の導入等も進んでいると最初はしておりましたが、前回、岩崎委員から、私傷病に関する休暇制度だけではなく、大企業のほうでは「復職支援の取組も充実している」ということで、そういった書き方はできないかとご指摘いただきましたので、そのとおり修正させていただいております。
 8頁は、取組例の中の「医療機関の取組例」の部分です。1つ目のパラグラフになりますが、平日に仕事を休んで治療に行くことが困難な労働者のために、外来診療や人間ドッグを土・日曜日に実施と。最初は、「一部の労災病院では」というところはなかったのですが、検討会終了後、門山先生からご指摘いただき、こちらについては全体ではなく一部ということで、「一部の労災病院では」という文言を追加させていただいております。
 9頁です。2つ目の○の真ん中の部分です。これまでの行政の仕組み、対応状況ということでして、前回、今村委員から、産業保健センター、地域産業保健センターという2つ以外にも、メンタルヘルス対策支援センターでの取組もやっているとご指摘いただきましたので、メンタルヘルス対策支援センターを設置しての対策という部分についても追記させていただきました。
 次に10頁です。こちらが前回から大きくといいますか、いちばん文章自体に修正があったところです。まずご指摘としましては、塩山委員から、もともとはワーク・ライフ・バランスに、この「治療と職業生活の両立」というものをただ位置づけるということにしていたのですが、それでは病気になるということが明らかに前提になってしまうと。病気にかからずに健康な状態で働く、そもそも病気にかからないことが第一であるということが前提ではないのかというご意見いただきましたので、まず最初に、「労働者にとって、病気にかからずに、健康な状態で働くことが第一である」という言葉を付け加えた上で、治療と職業生活の両立支援の必要性について述べる形にさせていただきました。1パラクラフ目が、「労働者にとって」ということで、次に企業の側からも、コストをかけて人材育成を行ってきた労働者を病気を理由として失ってしまうよりも、可能な限り治療を行いながらも生き生きと働き続けていただくことが合理的だと考えられるとしております。
 最後に、社会的にもということで、「治療と職業生活の両立等の支援」は、病気の種類等により必要となる支援の内容や期間等が異なるものの、広い意味で職業生活と私生活の両立という点で、育児・介護等と同様にワーク・ライフ・バランスの観点からも重要だと考えられるというような表現にさせていただきました。前回のときには、育児・介護に続く第3の柱というような書き方を事務局の考えでさせていただいたのですが、あとできちんと確認しましたところ、ワーク・ライフ・バランスの中には地域貢献や自己啓発など、育児・介護以外にもいろいろなものがございまして、その中であまり順位付けはないということでしたので、第3の柱という書き方は修正させていただきまして、こういった書きぶりにさせていただいております。
 その下の「行政を含め、関係者が十分に連携・協力しての取組ができていないことから」というのは、もともと別の段落で表現があったものを上のほうを書き換えた関係で、ここにもってきたという内容です。
 次に12頁です。1つ目の(1)「関係者が取るべき対応、連携の在り方」で「企業(人事労務者担当者)」の部分になります。今後の取組のところで、いままで産業保健推進センターの活用ということについては、産業保健の場合の取組ということで入れていたのですが、今村委員から、地域産業保健センターのほうについても何か書けないかということでしたので、企業、主に小規模のところになりますが、「地域保健産業センターや地域の保健機関等を活用しながら、疾病に対する理解を高めるよう、労働者及び管理監督者の教育に努めること」という表現に変えさせていただいております。
 次の「産業医・産業保健スタッフ」の部分ですが、もともとは確実な定期健康診断後のフォローアップを行うこととだけしておりましたが、そちらの具体的な内容ということで、「治療開始の促しや治療中断に対するアプローチなど」と、前半のほうでも同様の表現を使わせていただいておりますが、そちらの具体的な内容についても明確になるように追記させていただきました。
 13頁です。最初のところですが、医療資源が乏しいという書き方をしておりましたが、「医療資源が限られている中」と修正させていただきました。その下の「ピアサポートグループの活用を図ること等により、職場復帰や復帰後の治療と職業生活との両立に関する相談体制を整備するよう努めること」と修正いたしました。こちらの部分はもともと例示として書いていたピアサポートグループの活用ですが、強制的のような形に読めるおそれがございましたので、表現のほうを改めさせていただきました。
次に「労働者」の部分です。本日ご欠席ですが、本田委員からいただきました指摘です。労働者の取組として、労働者自らが積極的な情報収集を行い、企業と医療機関の情報共有・連携に協力することとさせていただいておりましたが、その前提として、そもそも企業の中で労働者の方が積極的に自分が病気であるということ、支援をほしいということが言える状況がないのではないかということを、労働者の部分の取組でも入れられないかという指摘を本田委員からいただいておりました。この対応については、もともと企業や社会全体、行政のほうの取組という形で書いておりましたが、労働者の部分でも、「労働者の職場復帰や復職後の治療と職業生活の両立を促進するための」を先に入れたことで、まず企業においてそういった雰囲気、社風ができている中で、それに労働者自らも協力することという形に表現を工夫してみました。
 次が13頁、(2)「行政の役割」の部分になります。こちらも本田委員からご指摘いただいていたところですが、今後、関係者の取組状況の実態把握をする必要があるということで、具体的な中身についてもう少し書けないかというご指摘いただいておりました。「企業や医療機関内の相談対応窓口の整備、教育研修・情報提供の有無等」という形で、今後実態把握すべき項目等について述べさせていただいております。
 次の14頁では、いちばん下の部分になります。前回、塩山委員からご指摘いただいた部分になります。相談支援体制について、企業向け、労働者向け、患者さん向けの体制の整備とあわせまして、そういった方々がどこに相談すべきか分かるようにするのも大事だということをいただきましたので、「相談支援体制の整備とあわせて、労働者や企業が相談すべき機関が分かるよう周知を図ること」という表現に言葉を足しております。
 次に15頁ですが、(3)「留意すべき事項」のところです。非正規の問題につきましては、問題提起の部分だけは前半のほうに入れさせていただいていたのですが、その対応策というところがないので何か書けないかということでこちらに追記しました。今後留意すべき事項ということで、いままで、「個々の企業、医療機関の違いにも留意する必要がある」とありましたが、それに加えて、「労働者の雇用形態の違いにも留意する必要がある」とさせていただいております。具体的な対応、取組方針として、「取組が遅れがちな非正規雇用者については、両立支援に限らず、引き続き、雇用管理の改善のための取組を進める必要がある」とさせていただいております。非正規雇用者の雇用管理の改善の問題につきましては、今回の治療と職業生活の両立という問題以前から、厚生労働省としてはいろいろなところで取り組んでいるところでして、なかなかこの両立支援の部分だけをいままでやってきたものに優先してという形というのは、そういった実情と違うのかなと思いまして、両立支援に限らず、そういったもの全体を含めまして引き続き取組を進める必要があるという書き方をさせていただいております。
 次に2つ目の○のところですが、岩崎委員からご指摘いただいた部分になります。情報共有・連携を進めるにあたっては、前提としてあまり明確に書いていなかったのですが、「個人のプライバシー保護に留意する必要がある」と表現させていただいております。
 最後に、4「終わりに」です。こちらは数名の先生からご指摘いただきましたが、今後は対策を重視しなければいけないということの前提として、「既存の仕組み・施策を活用しながら」という部分を「終わりに」に追記させていただきました。報告書案についての説明は以上です。
○今野座長 引き続いて、資料6について井伊委員からご説明いただけますか。
○井伊委員 資料6をご覧ください。好事例案ということでこういうご紹介の時間をいただき、ありがとうございます。株式会社西日本シティ銀行の例です。1枚目の左上に会社概要が記載してございます。福岡県、店舗数206カ店、海外駐在員事務所が3カ所、総従業員数は6,000名、平均年齢42歳の事業所です。
 健康管理スタッフに関しては、平成5年に嘱託の産業医がいた会社に初めて保健師が採用されております。この例は、これまでも関連の雑誌等に紹介されておりますので、紹介されているものについては、本日、資料にしております。平成16年以降、スタッフを強化して、平成18年以降に健康管理体制に力を入れるということで、現在は専属の産業医が1名、嘱託の産業医が2名、専属保健師が3名の体制になっております。会社全体としては、健康管理に関して、できるだけ職員が長く働き続けられるよう健康管理に力を入れているということです。
 平成16年の会社の合併に伴い、このときには、合併した会社があまり熱心ではない所と熱心な所が合併して、いろいろ苦労があったことは聞いておりますが、その合併に伴っていろいろな問題が出てきたと。けれども、メンタルヘルス疾患をはじめ、現時点では 
 ほぼ全員が復職をしているということで、それに対してどのような体制でやっているかをご紹介しております。
 1枚目の下に、保健師がこれまでどういうことをしてきたかを平成5年から少し羅列的に記載をしております。平成5年、就職した当時は健康診断の実施とフォローからスタートをして、社員全員に個別面談の実施をしながら、健康管理体制の整備をしてきました、とおっしゃっています。平成16年に会社合併後は、メンタルヘルス対策への取組の重視をして、平成18年からは、産業医と手分けをして全職場巡視と全員の面談を開始したということです。健康管理に関しては、新任研修とか管理者研修のときに、こういう健康管理に関する内容を教育プログラムの中に入れて、研修を実施しているということです。
 全職場を巡視するに当たりましては、保健師と産業医、保健師と人事の担当の人ということで組み合わせをしてやっておられるということです。昨年からは、専属の保健師が従業員50人未満の全職場を巡回すると。保健師のメリットはいくつかありますが、何ともないときからいろいろな形で面談ができるということで、その方の状況を把握できることが大きなメリットかと思います。
 裏をご覧ください。こういうことについて企業が保健師を専属で置くことのメリットということで、そういうことも含めていくつか羅列をしております。人事の方は、保健師が直属の部下になりますので、必要な情報を得たりコーディネートをしてもらえることがあるということです。職場の上司は、自分の部下の健康問題に関して、このようなことがあるのだけれども、どうなのということで、相談しやすいということがあるということです。ご本人の相談対応やフォローについても、相談しやすいということで、まず保健師に依頼があるということです。産業医が復職判定をする際や、職場が本人を受け入れるときに、主治医の意見を伺いたいということで、そうした調整にも活用をしております。先ほど申し上げましたように、大体全職場を巡回しているので、健診等では把握しきれなかった社員の疾病などの状況が比較的にわかると。いずれにしても、健康管理室を窓口にさまざまな相談が気軽にできることを挙げております。
 しかし、課題としては、6,000人に3名の保健師で、もちろん専属の産業医の方が1名いらっしゃいますが、店舗数が206カ店ということですので、どうしても何か問題が起こった人に優先して対応している、そうせざるを得ない状況であることが課題だということです。
 最後に、参考ということで、西日本シティ銀行の「復職支援プログラム」のご紹介をしております。いちばん左側に赤枠で「体調不良と分かった時点からの支援」。これが相談しやすいので、受診をどうするかというようなことから支援ができるということです。休職中にも休職者がゆっくり休めるように、環境調整は保健師だけでなくてみんなでやるわけですが、受診状況の確認とか、必要があれば家族への連絡、支援も同時に行うということで、休職中のコンタクトが取りやすいことが挙げられております。
 真ん中が「復職支援」です。休職中からコンタクトがありますので、いきなり復職の診断書が出されることはないわけですが、ご本人から申出があった場合にご本人と面接をして、産業医が職場復帰のための準備は可能だということを判断して、復職に向けた準備に入るというプログラムを持っているそうです。
 その下の、復帰に向けた準備第2段階、これは主にメンタルの方々の対応ということで、例えば健康管理室までだけでも通勤するとかいうことからスタートする、そういうことも相当あると聞いております。
 いちばん右側が、復帰後のフォローアップです。右上に「職場復職可否の判定」ということで、ここは産業医が面接をして、必要なプログラムをご本人と相談の上、作成していくという部分ですが、職場復帰後に約6カ月間フォローアップをするということで、直接、1カ月に1回ぐらいずつ面接を行って、状況に応じて就業状況を変更しながら正式配属に向けていく、こういうプログラムになっているそうです。こういうプログラムに乗った人たちについては、ほとんど比較的スムーズに復職をしている、ということを伺っております。
○今野座長 報告書の検討に入りますが、その前にせっかくですから、いま井伊委員からご説明のあった西日本シティ銀行について、何かご質問があったらお願いいたします。これは事例として報告書に入れようと、そう考えているのですね。
○井伊委員 許可いただいております。
○今野座長 よろしいですか。それでは、今日の本題に入ります。報告書について、修正部分を中心にして説明をしていただきましたので、それを踏まえてまた自由に議論していただいて、今日でまとめとしたいと思っていますので、よろしくお願いします。何でも結構ですので、どうぞ。
○塩山委員 前回の検討会でいくつか発言させていただきましたが、そういった箇所について報告書の修正をいただいて、ありがとうございました。その中で1点、表現について少し気になった点がありました。報告書の10頁ですが、(3)の1つ目の○の第2パラグラフで「企業にとっても、コストをかけて人材育成を行ってきた労働者を、病気を理由として失う」という表現があるのですが、「コストをかけて人材育成」という辺りのトーンが少し強過ぎるのではないかと感じたところです。この点について少しご検討いただければと思いました。
○今野座長 これは「コストをかけて」というのが気になりますか。
○塩山委員 はい。
○今野座長 では、そこだけ削ればいいだけの話ですよね。
○塩山委員 はい。
○今野座長 趣旨は、「人材育成を行ってきた」でいいでしょう。
○塩山委員 そうです。このところを加工するか削除かと思いました。その文章で、「病気を理由として失う」というところについてなのですが、ここも、いちばん初めの「はじめに」のところで表現があったかと思うのですが、「病気を理由として失う」という表現を「治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく」とか、そういった表現にしたほうがいいのかと思いました。ある程度表現をそろえたほうが誤解がないのかと感じたものですから、そこのところを訂正いただければと思いました。
○今野座長 松本さん、いいですか。私も「失う」という表現は気になっていたのですが。
○労災管理課企画調整係長 わかりました。全体の表現を見て修正させていただきます。
○塩山委員 あと、この一文にいろいろと引っかかってしまったので申し訳ないのですが、「合理的だと考えられる」という最後の表現のところを、「働き続けてもらうことが重要である」ぐらいに変更していただけるといいかと思いました。
○今野座長 あまりカネ、カネ、カネと言うなと。
○塩山委員 そうです。少しトーンを下げていただきたいと。
○今野座長 ほかにいかがですか。
○井伊委員 12頁の最後の「支援の在り方」のところですが、今ほどご紹介いたしました西日本シティ銀行の事例でも、この職場自体がこういう会社風土として、こういう疾患があっても働けるとか、復帰することを周りが応援するとか、そうしたことが非常に大事で、ここの保健師もそれをある程度、新人教育とか管理者教育とか、社内のいろいろな場を使って教育したり情報提供することで、10年ぐらい頑張ったという経緯があります。
 そういうことからすると、支援の在り方として「疾病に対する理解を高めるよう、労働者及び管理監督者の教育」という表現になっているので、それも入っているのかもしれませんが、そういう風土づくりのようなことも積極的に取り組もうという表現が1つ欲しいかと思いました。
○今野座長 目標は、疾病に対する理解を高める、さらにもう一歩いくと、疾病を持っていても働きやすい職場風土をつくるということですね。
○井伊委員 はい。
○今野座長 そのためにいろいろな方法があって、その中の1つが教育なのですよね。そうすると、「疾病に対する理解を高める」とか、この後ろ側にいま言ったようなことを入れれば平気かな。
○井伊委員 そこで入ればいいかと思います。
○今野座長 あるいは、何か本当はもう少しはっきりするには、いちばん先頭に目標を書いてしまったほうがいいかもしれないですね。「また、」の最初に「疾病の理解を高めて職場が受け入れられるような風土になっていくようにするために」とやったほうが、はっきりする。「ために産業医・産業保健スタッフ等を活用しながら労働者及び管理監督者の教育に努めること」と。この事例で教育以外に何かありますか。目標は、「理解促進と職場風土形成」。そのための1つの手段として「教育」とここに書いてあるわけですが、ほかに何かいい手があったらついでに並べておけばいいので。これはいまのお話だと、シティ銀行の場合は、保健師が全職場を回って、いろいろ話をして、説得ということはないな。働きかけたことも、風土づくりに貢献しているのではないですか。
○井伊委員 その部分もあるとは思います。そうですので、現在は、産業医と保健師、保健師と人事担当者が回っても、職場は受け入れて、いろいろな本音のお話ができる状況になっているのだそうです。
○今野座長 考えてください。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 教育はいいのです。あとは、いいアイディアがあったら。
○労災管理課企画調整係長 わかりました。
○今村委員 13頁の下の(2)「行政の役割」のところ、確認ですが、これは国という意味でしょうか。例えば、都道府県みたいなものは考え方の中に含まれているのですか。
 あと、14頁のいちばん下の「その他」というところで、今回、修正の文章が入っていますが、これは労働者に向けてということですよね。「行政の取組」は、結局、企業向け、産業保健スタッフ向け、医療機関向けということで、今回いちばん大きなターゲットは、労働者の人たちですよね。労働者に向けて国が何をすべきかという話の中で、相談支援体制の整備をして、そして国民や労働者がどこかにワンストップで、ここで聞いたらこういう相談の場所があるということを分かるようにするのが行政の役割だ、と言っていると私は読んだのですが。
○今野座長 これはたぶん中小企業も念頭に入っているのですよ。違いますか。
○労災管理課企画調整係長 一応、企業も念頭にあります。
○今野座長 「労働者や企業が」と書いてある。特に中小企業。
○今村委員 いや、これは行政の役割に書かれているわけで、行政がそこに対して何をするかという意味ですかね。ですから、「その他」には「中小企業は労働者向け」でもいいのですが、要するに「その他」と括られていいのですかと。
○今野座長 「その他」という括り方がね。
○今村委員 「その他」に括るというのは、要するに国としては個人やそういう所が対象として大きなものになってないから、「その他」という言い方になるわけですよね。具体的にターゲットがわかっているのだったら、はっきり書いたらいいのではないかと。「何々向け」と書いたらいい。
 もう1点、「相談すべき機関が分かるよう周知を図る」と国が言っているのは、例えば「こころの耳」のようなホームページを厚労省がつくって、そこに聞けばそういう相談機関がわかりますということを具体的にイメージされているのかどうかなのです。つまり、抽象的に書かれているので、その辺がよくわからないので、行政が考えられているものを教えてもらえればと思います。
○今野座長 順番からいきましょうか。前半の13頁の「行政の役割」は、これは主に国ですよね。
○労災管理課企画調整係長 いまのところはそうですね、国をイメージして我々がどういったことをできるかというベースで書いておりますので、あまり。
○今村委員 なぜそれを聞いたかと言うと、いちばん最後に「地域保健と職域保健の連携」という文言が入っているので、これは都道府県の地域・職域連携推進協議会というものがあるとすれば、それは都道府県の役割ということになりますよね。だから、行政と言った場合には、それは国も都道府県も含んでいると考えておられるかどうかという確認をしたかったわけです。
○労災管理課企画調整係長 もともと都道府県を明確に排除して国だけだという形では考えておりませんでしたので、確かに地域保健の部分がございますので、都道府県も含めた概念として行政ととっていただければと思います。
○労災補償部長 健康局とも確認を取った上で、また記述について考えたいと思いますが、特に具体的な疾病になりますと、4疾病5事業などは医療計画の中で位置づけますので、やはり都道府県の関与が必然になってまいりますので、あまりここで国というふうにあえて限定せずに、あとで読めるようにしておいたほうがいいのかと。
○今村委員 両方含んでいるという整理ということですか。
○労災補償部長 そのほうがいいのではないかとは思いますが。ただ、当然、都道府県に「何々すべき」とは書けませんので、そこは健康局と相談したいと思います。
○今野座長 それでは、後半の部分は「その他」のところ。いまおっしゃられた趣旨を非常に単純に言うと、同じ文章を対企業向けと対労働者向けの中に入れてしまうのが、いちばん単純なのですが。
○労災管理課企画調整係長 それでも別に構わないですが。
○今野座長 それがいちばん単純です。たぶんこれは両方にオーバーラップするから「その他」に入れたというぐらいの趣旨だと思うのですが。確かに、それでいいかな。
○労災管理課企画調整係長 もともと労働者向けという部分が少なかった。各関係者が行っていく支援を促進するためのという形で、企業・産業医・医療機関という形で書いておりまして、「その他」というところで企業と医療機関を結びつける仕組み、どこにも落ちないと言ったらあれですが、両立支援にかかわるものということで、「患者の立場に立って」という部分と「地域保健と職域保健」という2つを「その他」に書いていたのですが、「労働者や企業」という対象がわかりやすくなったものを追記しましたので、労働者向けを足します。
○今村委員 13頁に書いている「行政役割」の前の部分に、本田先生の意見を入れて「労働者」というところを作ってあるわけですので。
○労災管理課企画調整係長 そうですね、労働者。
○今村委員 ここではわざわざ「労働者」という項を起こしている。そこで「情報共有・連携に協力すること」と労働者にはこういうことを言っているわけだから、国が「労働者に対して」というのがあっても全然おかしくないのではないかと思ったものですから。
○労災管理課企画調整係長 はい。そういった形で修正したいと思います。
○今野座長 では、ここは「労働者」という項を1個作って。
○労災管理課企画調整係長 はい。「企業向け」のところにもこれと同じように書くという形ですね。
○今野座長 同じ頁なのでついでに申し訳ないですが、15頁の今日の修正があった「非正規雇用者」のところですが、少し松本さんも触れていたのですが、「両立支援に限らず、引き続き、雇用管理の改善のため」というと、ここで対象はすごく広げたのですよね。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 こういう書き方をすると、別に非正規ではなくても、いろいろなことがあるではないかという話になってしまうので、だからここも「非正規で両立支援」という範囲内で限定できる文章にしておいたほうがいいと思います。これだと「両立支援に限らず非正規雇用者に対する雇用管理全体を取り組め」と、そういう文章でしょう。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 そうしたら、例えばどこかに女性があったときに、「女性の両立支援に限らず」とか何とか同じ文章が入ってもおかしくなくなってしまうので、ここはもう少し限定してください。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 修正は考えてください。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。
○岩崎委員 6頁に戻りますが、6頁のエのところ、これは今回は別に修正は入ってないのですが、後段の「また」からの「産業保健スタッフを含めた企業側も、私傷病については、労働者側に起因するという面であまり関わり合うべきではないとの意識が見受けられる」というのがあるのですが、誤解を招きやすいかと読んでいて思いました。私傷病もどう定義するかにもよるのですが、私傷病であっても人事労務管理上の問題になってくるし、私傷病でも復職とではそういうことにもなりますし、また、言ってみれば健康診断で測っている生活習慣病を、前回も少し申し上げましたが、私傷病なのか作業関連疾患なのかという議論はあるにしても、それを排除するみたいなイメージに取られかねないかと、読んでいて思ったものですから、その辺の表現の問題かと思いますが。
○今野座長 排除するというか、書こうとしたことは、例えば業務命令で「お前直せ」とか、そういうことは言えないと、これはそのような感じなのでしょう。それを言いたかったのでしょう。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 だから、たぶん全く興味ないとか、そういう意味では排除してしまうとか、そういう意図で書かれた文章ではないのですが。
○岩崎委員 もとはそうなっていますね。
○今野座長 ですが、そう読まれる可能性があるとすると、何かいいアイディアはないですか。
○岩崎委員 「労働者側に起因するという側面もあり、対応が難しい場合もある」とかですね。
○今野座長 対応が難しいか。
○岩崎委員 でも人事・労務管理上の問題にもなるわけで、復職支援とかそういう、治療と就業の両立をしていきましょうというトーンがあるのだと思うので、言葉の表現はまたあれですが、そのようなイメージかと思います。
○砂原委員 逆に、いまの「作業関連疾患ではないのだ」というところを書くのも一方策かもしれません。つまり、「作業関連疾患でないから〜」という書き方もあるかもしれません。
○今野座長 「作業関連疾患ではないので」、その次はどういう表現になりますかね。
○砂原委員 「対応についての見解が分かれる」とかですね。
○今野座長 このエは、本人にもいろいろな原因もあるし、会社側にもいろいろな原因があるよな、ということを言いたかったのですよね。
○労災管理課企画調整係長 そうですね、積極的にいま企業、産業保健スタッフの中で手を出すといいますか、責任を持ってやるというところに入らない部分もあるということなので。
○今野座長 先ほど、何と言いましたか、「対応が難しい」でしたか。
○岩崎委員 そうですかね、そのような感じのことを言いましたね。対応が難しい面があるのは確かだろう、ということだったのですが。最初から拒絶的というイメージに取られないほうがいいのかなと。
○今野座長 そうか、こう書いてしまうと、この文章は最初から拒絶する雰囲気があるね、確かにね。
○砂原委員 「さまざまな配慮が必要」とか。
○今野座長 「配慮が必要」「対応が難しい」、いま案が2つ出たから、さらに何かいいアイディアを考えてください。
○労災管理課企画調整係長 はい、考えます。
○今野座長 直してください。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 ほかにいかがですか。
○岩崎委員 8頁の冒頭を少し修正いただいたのですが、せっかく井伊委員から資料6の好事例も追加していただきましたので、「また、私傷病に関する休暇制度の導入や復職面談・プログラムの実施など復職支援も充実している」という文章ですが、実際、そういう支援やプログラムの資料が入りますので、それを具体的に記述してもいいのかなと思いました。
○今野座長 松本先生、いいですか。私が気になっていたのは「休暇制度の導入など復職支援」と書くと、休暇制度も復職支援の1つとして普通考えるのですか。そう考えないとすれば「休暇制度の導入や」にしないといけない。「や」にして「復職支援」の前にいま言われた例示か何かを入れておくということ。
○今村委員 7頁のエの部分です。わざわざ診療情報のことを調べていただいて大変ありがとうございました。要するに、制度があるのだけれども活用されていませんという実態を報告書で書いたと。私が前から申し上げていて、本当にそれがいいかどうかを別として、医療機関と産業医の連携のためにはそれなりの情報が共有されるための診療情報を送る、そういうことに対して、きちんと安定的に対価が保証されていないといけないのではないかなと思っています。制度としては、労災に限ってだけれどもあると。制度はあるけれども、これだけしか使われていないのは何が悪いのかということがないと、結局、実態はこうですと言っただけで、前向きのものが何もなくなってしまうので。例えばそういうものがあることを医療機関の側へ十分に周知されていないというか、知らないのか、あるいは大変面倒な書類なので、あってもとてもこんなことは忙しい診療の中でできていないのか、何が原因なのかということは、たぶん本当はあると思うのです。そこまで細かいところを書けないにしても、最後の対策のところで、何かこういうものの活用を図るようにみたいな文言がどこかにあってもいいのかと。
○労災補償部長 いまの話は分析をしてからと思いますので、何かアンケートなど、あるいはどういった場合にこういった提供がされたのかとか、現状を把握するような第一段階が必要なのかなと。
○今村委員 結構です。私もそれでいいと思います。何かわからないのに書くのは難しい。分析をすべきだとか。
○労災補償部長 そうですね。
○今村委員 何かそういう記載がないと、言いっぱなしで終わってしまうということになる。
○労災補償部長 今回のこの検討会は、さまざまな点でそういう実態把握のデータが少ないのですけれども。宿題として、医療機関向けのところなのか、行政の役割の中で、そういった情報提供の現状や、進んでいない分析をするというような一文があったほうがいいかもしれません。
○今野座長 広い意味では後ろ側に対策が書いてあるのですよね。抽象的に、連携を取ることが必要だと後ろ側に書いてありますよね。その中に、具体的な施策としてたぶんいろいろなことがあり得ると思うのですが、その中の1つとして、エの問題もあるのかもしれないので、今回は両方の連携が必要だということを後ろ側に書いておけばいいかなと私は思ったのだけれども、そこから先を書いてしまうと、いろいろなことがあり得てしまうので。
○今村委員 おっしゃることは十分よくわかって、私もそこで読むだろうなと思ったのですが、さすがにここまで踏み込んで書いていただいた分だけ、「活用されていません。」で終わりになっているから、少しでも触れたほうがいいかなと思ったものですから。
○今野座長 だけれども、後ろに何も書いていなくても、「活用されていません。」と書くこと自身にインパクトがあるのだから。
○労災補償部長 以前も診療報酬の話が出ましたが、14頁の「患者情報の提供を行うことにインセンティブが働くよう検討すること」という、検討の一環の前提としては、当然、実態把握がありますので、いまのご発言は議事録にも残りますし、当然、先ほどのことに関する対処はここに含まれているという。
○今村委員 確認させていただいたということで。
○今野座長 ついでに、せっかく今日、活用されていないというデータが出たので、注か何かを入れるのですか。これは出しにくいのですか。
○労災管理課企画調整係長 そうですね。1.のほうは推計値になってしまうのと、下のほうは一部の病院という形なので。
○今野座長 ちょっと検討してください。いずれにしても「活用されていない」と言い切っているから。そうすると、第三者は、ああそう、これはどこから持ってきたのと。
○労災補償部長 推計とはいえ、この数字を見ればされていないのがある程度はっきり言えると思うのですが、ほかのいろいろな参考資料なりのデータと精度が少し違うのかなと思いますので、検討させていただきます。
○今野座長 ついでに、その下のオの3行目で「就労に関する専門的知識を備えたスタッフや資料等がない」と書いてあるのだけれども、「ない」でいいのですか。ないのですか。これだとゼロだよ。いいのかなと思って読んだのだけれども。だって、相談スタッフがいる病院もあるのではないですか。ないならないでいいけれども。
○労災管理課企画調整係長 きちんと確認して、「少ない」とか「多くない」のほうが。
○今野座長 少し気になったものですから。ほかにいかがですか。私からですが、何か難しい言葉があったのです。これは多くの人が読むのですよね。9頁目のいちばん下の「ユースケースと挙げられている」。このユースケースとは何ですか。
○労災管理課企画調整係長 活用例のことです。
○今野座長 「活用例」にしてもらえますか。
○今村委員 原稿がユースケースになっているからそのまま使われたと思います。
○今野座長 ほかにいかがですか。大体、大丈夫ですか。
○岩崎委員 12頁辺りと思うのですが、産業医・産業保健スタッフの支援の在り方の部分で、制度として産業医という制度があり、それなりに普及して、日常の健康管理をしていることがあるかと思います。前にも話した話ですが、治療と就業の両立支援、これは復職の支援もあれば、重傷化防止もあればということかと思うのですが、いわゆるそれが法的には健康管理の範疇に入るという議論が一部あったと思うのですが、そこがもう少しわかるように書けないかと感じております。既存制度の活用をしていくのだというのは入れていただいたのですが、産業医はまだまだ健康診断をはじめとした日常の健康管理を健康管理と感じる現状がありまして、そういう病気を持ちながら働き続ける人の支援が、どういう表現になるのですか、健康管理の1つとして位置づけられるということなのか、少しそういう表現のようなものを、「支援の在り方」のところなのでしょうか、入れたいと思うのですが。あえて言えば、12頁の「産業医・産業保健スタッフ」の段落の2番目に書いていただいていると思うのですが。
○今野座長 もしそうだったら、これをもっとはっきり書いて、例えば「産業医・産業保健スタッフ」の1行目の「産業保健の役割は」というところで、「職場における労働者の健康確保」は、いまおっしゃられた日常的な健康管理ですよね、もう1つは「病気を持ちながら働く人を支援する」という、この2つがありますと明確に書いて、前者については1行目の後半から「人事労務担当者と協力し」という文章になって、後者の2番目は第2パラグラフに。そういうふうに書ければいちばんはっきりする。
○岩崎委員 最初の段落の後段に追加していただければ。
○今野座長 最初に原則を言ってしまって。法的にはそれでいいのですか。それは平気なのですか。そこがまず問題なのです。
○労災衛生課中央労働衛生専門官 いま、岩崎先生からもお話がありましたとおり、つまり産業保健、産業医を規定している労働安全衛生法において、目的に労働者の健康確保ということがはっきり記載があるものですから、ここには役割として労働者の健康確保の記載をしていると。そこまで、一般的な用語として読めないのではないかというご指摘があったかと思うのですが、法律上の概念からいくと、いま問題としようとしている両立支援といったものも健康確保の中に含まれるといった形で整理ができるのではないかと考えております。先生がおっしゃるとおり、これまではあまりそこまでは目がいっていなかったというところはご指摘のとおりかと思います。そこを少し。
○今野座長 ということは、あまり言い切らないで、例えば「産業保健の役割として」とかにして、1番目は「職場における労働者の健康確保」、2番目としては「病気を持ちながら働く人の支援をすることが重要である」ぐらいにしておきますか。「役割である」ではなくて「役割として重要である」ぐらいにして。前者については、1行目の後半から「人事労務担当者と協力し」という文章になって、後者については、2段落目の「労働者の職場復帰や復帰後の治療」と、こういうふうにつなげていく。いずれにしても、岩崎委員の趣旨は、産業医や産業保健スタッフの役割として、日常的な健康管理と、病気を持ちながら働く人の支援という両方がきちんとあるのだということを、最初に宣言したほうがいいという趣旨だと思うのです。
○岩崎委員 既にいまの文章で、産業保健の役割は労働者の健康確保である、目的がこうであるというのは法律どおりだと思います。その中で、委員会でも出てきたように、疾病の悪化防止という意味では、「治療開始の促しや治療中断に対するアプローチなど確実な定期健康診断後のフォローアップを行うこと」というのが1番目に既に入っていて、次の段落にも少し入っているのですが、健康確保の観点から、もう一つの復職支援みたいな形を追加で「フォローアップを行うこと」の後に入れていただけると、産業保健の目的として、日常の健康管理、あと、病気を持った人の両立支援ということが、強弱はまた別として入ればと思うのですけれども。
○今野座長 たぶん私の案のほうがはっきりしていますね。どちらがいいか少し考えてもらえますか。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○今野座長 いずれにしても内容としては入っているのですよね。入っているので、どこまで明確化して書くかということなので。もし諸処の事情を考えても書けるというのだったら私のほうがはっきりしていいと。そうでなかったら、いま岩崎委員が言われたように、少しつなぎを考えて明確にするということで、原案を考えていただいて。ほかにどうですか。
○門山委員 その次の「医療機関」の取組のところで、最後のパラグラフで「企業が職場復帰の判断を行うにあたって、医療機関は、患者の就業状況を考慮した上で、復職診断を行うこと」という「復職診断」ということがよくわからない。復職していいよというのが復職診断なのですか。具体的な意味が。
○?今村座長 これは普通名詞ではないのですか。違うのですか。意味としては、復職の可否を診断するということなのですか。
○労災管理課企画調整係長 そうです。まず、医療機関、主治医の先生で復職可能かどうか診断書をいただいて、それを見た上で企業の人事の方が最終的に復職可能かどうか判断を行いますので、その復職診断という形にしたのですが、言葉がなかったでしょうか。
○門山委員 復職診断が一般的に使われる言葉なのかどうか。
○今野座長 それだったら、いま言ったような説明的な文章にしておけばどうですか。
○労災管理課企画調整係長 わかりました。
○今村委員 改めていまご指摘いただくとわかりにくいかなと思って見直したのですけれども、医療機関の側は通常は患者の就業状況がわからないということが原則ですよね。わかるように努力はするけれども、よくわからないと。もちろん情報提供を産業医の先生からもらっても、それが確実に100%わかるわけではないこともあると。その中で、医療機関は患者として医学的に就労が通常の判断でできると思っても、職場環境によっては、それができるかできないかは産業医が判断することになるわけです。この言葉が復職の診断までと読めてしまうのですよね。例えば、復職の参考になるために診断書を発行するみたいなことはできるのですけれども。
○門山委員 あくまでも意見書みたいなことは書けるけれども、復職できるかどうかは雇用者と被雇用者が決めていくことなので。一般的に使われている言葉なのかどうなのか私はわかりませんが、引っかかったのでお聞きしたのですけれども。いまみたいな説明を入れていただければよろしいかと思います。
○今野座長 では、そこはそうしてもらって。
○労災管理課企画調整係長 はい、そうします。
○今野座長 ほかにいかがですか。どうですか。よろしいですか。これでいいとなると今日は早く終わっていいですね。それでは、皆さんから今日もいろいろご意見をいただきましたので、今後の段取りはこういうふうにさせていただけますか。今日、ご意見をいただいたのを事務局でもう一度修文しますので、それを私が見させていただいて、相談させていただいて、完成版を作って、もう一度改めて皆さんにメールか何かでざっと回しますので、それを見ていただいて、それで完成とするという段取りで。そうすると目処があるのですか。例えば、いつ頃までに修文して、見るのは3日で見るとか。
○労災管理課企画調整係長 可能な限り、早急に修正してご相談させていただきますので。夏休みに入られる方がいらっしゃらなければ、早めにやってそういうご都合の邪魔にならないようにやりたいと思います。
○今野座長 ということですので、なるべく早く修正して、少し時間をもって見ていただけるように努力をしますと。そういう回答ですね。
○労災管理課企画調整係長 はい。
○井伊委員 検討会の報告書としてはそういう収まり方だと思うのですが、今回のこの検討会では、積み残しのこともたくさんあると思うのですが、そういう今後のこの課題についてはどういう方向になるのかというのを、もし教えていただけるとありがたいのですが。
○今野座長 私に質問されてもわからないですよね。
○労災管理課長 当面、来年度の予算要求の作業をやっておりまして、先ほどご説明申し上げた省内の「提言型政策仕分け」の結果とこの検討会の結果を踏まえて、来年度の予算要求はやりますが、また別途、実態把握についての調査についても今年度後半に具体的な検討と実施を考えておりますので、この検討会ということではないかもしれませんが、おそらくその辺が出揃った段階でまた何らかの形で、厚生労働省として、その次の第2ステップに進んでいくことかと考えております。
○今野座長 乞うご期待です。
○井伊委員 期待しています。
○今野座長 それでは、この研究会はこの辺で終わりにしたいと思います。事務局から何かありますか。
○労災補償訟務分析官 ご議論ありがとうございました。本検討会の報告書は、いまお話があったように、座長からご提示いただいた段取りを踏まえた上で、完成しましたら報道発表をさせていただき、さらに、厚生労働省ホームページにも掲載する予定でいます。最後に、鈴木部長よりご挨拶申し上げます。
○労災補償部長 検討会の最後に当たりまして、一言、お礼のご挨拶を申し上げます。ご参集いただきました委員の皆様方には、大変お忙しい中、7回にわたり両立等の支援に関する検討会にご出席いただきましてありがとうございました。
 当初、ご説明したとおり、なかなかこの検討会の目的は、職業病や難病、あるいは障害を持った方々への対策のように、法令に基づいた根拠があるとか、あるいは予算措置された事業で行政が過去からも個々の事例に関与しているものと違い、データがなかなか用意できないということで、はっきりした現状認識をまず提供できないという前提でご議論いただいたということで、特に座長の先生には難しい舵取りをお願いしたかと思います。
 また、何か具体的に、特定の事件のように、これまでと明らかに異なる状況や、あるいは異なるスピードで事態が進行していることもないわけですので、議論しにくい場面が多々あったかと思います。
 こうした中で、関係者のヒアリングを行うということで、職場や医療機関、あるいはNPOの活動等について事例を集積し、今回、この報告書の案ができまして、最終的に取りまとめていただくというところに漕ぎ着けたわけです。
 繰り返しになりますが、何がわからないかということも含めて、一定の現状の認識、それから今後の課題を整理できたのではないかというふうに思っております。報告書をもとに、いまほどご質問もありましたが、厚労省としては、来年度予算や、あるいはさらに実態を明確にすべく、調査などについて取り組んでまいりたいと考えております。そのほかに、これが継続的に厚労省として進められるように、部局横断的な連携、あるいは進行管理ができるような体制も重要ではないかと思っておりまして、いま、そういった働きかけを省内で行い始めたところです。
 また、労働基準局だけをとっても、職業病だけではなく、作業関連疾患、認定作業にもかかわってまいりますし、また労災病院についても国立病院と一緒にいま新しい在り方が検討されておりますので、労災病院の1つの今後の目玉の取り組みとして非常に重要になってくるのではないかと思っております。省内の連携も図りつつ、労災補償部、あるいは基準局としてしっかり継続的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、各委員におかれましては、今後とも、いろいろご支援いただくことをお願い申し上げまして、簡単ではありますが、ご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○労災補償訟務分析官 それでは、本日をもちまして、本検討会を終了したいと思います。先生方におかれましては、非常にご多忙のところ、ご参集いただきましてありがとうございました。


(了)

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