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2012年7月30日 第3回新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会議事録

健康局結核感染症課予防接種室

○日時

平成24年7月30日
14:00〜16:00


○場所

経済産業省別館 10階1028号室


○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○議事

○結核感染症課予防接種室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより「第3回新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会」を開催いたします。
 本日ご出席の構成員の方々におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日の構成員の出欠状況について報告いたします。本日は左近構成員、松平構成員、三村構成員から欠席のご連絡をいただいております。
 ここからは庵原座長に議事をお願いします。
○庵原座長 それでは事務局から、本日の資料の確認をお願いします。
○結核感染症課予防接種室長補佐 1枚目に「議事次第」があり、資料の一覧を記載しております。資料1から資料4-2までと参考資料があります。資料一覧と照らし、不足しております資料がございましたら、事務局にお申し付けください。
 冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、ご協力よろしくお願いいたします。
○庵原座長 それでは本日の議題に入りたいと思います。まず議題1として「報告書(案)について」です。本日の進め方ですが、前回の検討会において都道府県ごとの返品率を比較して、返品率の高かった都道府県から考えられる要因を伺い、そこから学ぶべきとのご意見がありましたので、まず事務局から平成21年から22年当時の都道府県別返品率と、返品率が比較的高かった都道府県における医療機関在庫の発生要因の考察等について説明をお願いします。
 その後、報告書(案)についてご検討いただければと思います。報告書(案)は、これまでの検討会での議論を踏まえ事務局に指示して、資料4-2を用意しました。本日は本検討会として最後のまとめという形で取りまとめに向けて議論を行いたいと思いますので、ご協力よろしくお願いします。それでは事務局のほうから資料2から4-2までの説明をよろしくお願いします。
○結核感染症課予防接種室長補佐 まず資料2です。第1回目の検討会で都道府県ごとの医療機関在庫の引き上げ本数を示しましたが、これまでの検討会の中で返品率を比較すべきとの指摘がありましたので、事務局にて平成21年10月から22年9月までの都道府県別の返品率を示した資料を用意しました。この返品率は、国から配分したワクチンの総数に対する返品数量の割合を示したものです。全国の平均は約6.1%でした。検討会では、返品率の比較的高かった都道府県から考えられる要因を伺い、そこから学ぶべきという意見がありましたので、このグラフで返品率が8%を超えている栃木県、大阪府、広島県、香川県、佐賀県、大分県の6つの府県にご協力いただき、医療機関在庫が比較的多く発生した要因について、見解を取りまとめていただきました。
 資料3がその6つの府県からご提供いただいた資料です。各府県で取りまとめていただいた要因の多くは、これまでの検討会での議論の中で触れられてきた事項が共通に示されております。まとめると、主には、○ワクチンが本格的に供給され始めたころには、流行がピークを迎えており、すでに対象者の多くが罹患していたことや、新型インフルエンザの病原性が低く、ワクチン接種への関心が低下したことにより、当初の想定よりも被接種者が増えなかった。○接種対象者が複数の医療機関に予約し、接種後に他の医療機関の予約がキャンセルされた事例があった。○予約後に罹患したため予約がキャンセルされた事例があった。○接種開始後に接種回数が2回から1回に変更された。○医療機関に対する希望数調査の実施から実際の納入までに時間を要したため、需要の急激な減少に対応できなかった。○当初は予約が殺到していたため需要を見越して多めに発注した医療機関があった。○10mLバイアルは個別接種に対応しにくく、使用されずに在庫となった、といった点が挙げられております。
 今回新たにわかったこととして、3点ありましたので、ご紹介させていただきます。1点目は栃木県で、1頁の「3返品状況からみたワクチン接種の課題」の「(1)医療機関からの返品状況」ですが、「91.8%(1,280カ所)の医療機関は、返品量が100回分以下(返品無しを含む)であった。一方で、0.2%(3カ所)の医療機関は、返品量が1,000回分を上回った。返品量が600回分を上回った9カ所の医療機関(0.6%)での返品量は全体の28%を占め、県全体の返品量に与える影響が大きかった。これらの医療機関は、地域医療の核となる病院や、県内外の治療を行っている大学病院であり、その1日当たりの平均外来数は2,000人を超える医療機関もあるなど、半年にわたるワクチン接種において1,000回分以上の返品が生じたこともやむを得ないことと思われる」という見解が示されております。
 2点目は広島県で、7頁の「3本県の回収結果が全国2位の返品率となったことについての考察」ですが、「医療機関が抱えた在庫の引き上げについては、早いうちから県に『返品要望』が寄せられていたことから、関係者一体となった迅速な回収行動に備えていたためと考えています」と示されております。
 3点目は佐賀県で、12頁の「1県全体で医療機関在庫が比較的多く発生した要因」ですが、「一番大きな要因は、国の供給量が多かったことである」とあります。国から佐賀県に配布された割合の表が掲載されていますが、11月に配布された第3回目及び第4回目が、第1回目及び第2回目の2倍以上と、佐賀県には他の自治体への供給割合に比較して多めに供給されました。第9回目以降は国は各県に対し、配給希望方式に変更したが、佐賀県は「第9回目以降の配給希望はしておらず、返品もできなかったため結果的に他県と比較し、供給量が多いままの状態になったと思われる」という見解が示されております。
 次に資料4-1報告書(案)の概要です。これは資料4-2の報告書(案)をまとめたものですので、資料4-2のほうを使って説明いたします。資料4-2の1頁は、検討会の構成員の名簿です。2頁は目次で、この報告書は「はじめに」「新型インフルエンザワクチンの在庫の発生状況等」「在庫の発生要因の考察」「今後の対応」「おわりに」という構成になっております。3頁以降が本文になっております。本文のほうを読み上げさせていただきます。
 「1.はじめに」。平成21年4月に発生した新型インフルエンザ(A/H1N1)に対応するため、ワクチンの需給が世界規模で逼迫する中、国は、健康危機管理の観点から、平成21年10月1日に約7,700万人分のワクチンを確保する方針を決定した。
 ワクチンの出荷は平成21年10月9日から開始されたが、供給に当たっては、実際の必要量を超える量の抱え込みを防ぐなどのため、不要返品を認めないこととされた。これを受け、全国の医療機関は適正な在庫管理の下での円滑な接種に努めたが、結果として様々な要因により一部の医療機関において在庫が発生し、製造・流通業者の負担で医療機関から在庫の引き上げが行われた。
 こうした経緯を踏まえ、今後、新型インフルエンザが発生した場合に備え、ワクチン(パンデミックワクチン)の流通の改善に向けた検討を行うため、平成23年9月に新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会は設置された。本検討会は、平成23年9月から平成24年○月までの○回開催し、当時の在庫の発生状況、在庫の発生要因、今後の対応等について検討を行った。本報告書は、その検討結果を取りまとめたものである。
 「2.新型インフルエンザワクチンの在庫の発生状況等」。ワクチン接種は、平成21年10月19日に開始された。平成22年1月中旬までは、優先接種対象者に順に実施され、平成22年1月下旬以降は、接種希望者全てに接種が実施された。ワクチン接種が実施された平成21年〜22年当時の新型インフルエンザワクチンの出荷の状況、関係者の役割、ワクチンの流通スキーム、インフルエンザの流行状況、在庫の状況及び在庫の引き上げは、以下のとおりであった。
 (出荷の状況)。平成21年10月9日からワクチン製造販売業者よりワクチン出荷開始。その後、平成22年2月まで約2週間ごとに出荷が行われた。平成22年3月からは随時、都道府県からの個別の要望を踏まえて出荷を行った。
 (関係者の役割)。厚生労働省は、平成22年1月中旬までは、出荷の都度、各都道府県における医療従事者・優先接種対象者等の概数や人口などを勘案し、各都道府県に対するワクチンの配分量を決定した。平成22年1月下旬以降は、各都道府県に配分希望量を確認の上、その結果に基づき配分量を決定した。都道府県は、受託医療機関における優先接種対象者等に対する接種に必要なワクチン量及び都道府県に配分されたワクチン量を勘案し、受託医療機関ごとの配分量を決定した。受託医療機関は、都道府県からの要請に応じ、ワクチンの在庫量や必要量等を都道府県に対し報告した。
 (ワクチンの流通スキーム)。平成21年〜22年当時の国内産ワクチンの流通スキームは、次の図のとおりである。
 (流行状況)。平成21年〜22年のインフルエンザ(季節性・新型)の流行状況は、平成21年11月23日〜29日の週にピークを迎え、その後、急速に流行が終息に向かった。
 (在庫の状況)。ワクチンの出荷量、医療機関への納入量及び被接種者数の推移は、次のグラフのとおりである。平成22年1月下旬までは、医療機関納入数量が、1〜2週間後の被接種者数と等しくなっていたが、平成22年1月下旬以降は、医療機関に納入されたワクチンが接種されずに医療機関在庫量(医療機関への納入数量から被接種者数を引いた数量)として残ったことが、全体的な傾向として示唆される。ただし、一部の医療機関では、より早い時期に在庫が発生していた可能性もある。また、流通在庫(都道府県への配分量から医療機関への納入数量を引いた数量)については、平成21年12月中旬以降に増加したことが示唆される。
 (在庫の引き上げ)。平成22年3月末以降、流通在庫約1,600万本を卸売販売業者より引き上げた。医療機関に対しては不要返品を認めないことを周知した上でワクチンの供給を行ったが、接種の過剰予測や重複予約などにより、受託医療機関においてワクチンの過剰在庫が生じたため、製造・流通業者の負担により、平成22年9月、医療機関在庫約239万本を医療機関より引き上げた。
 「3.在庫の発生要因の考察」。本検討会においては、都道府県、市町村及び医療機関における当時の取組事例、各都道府県に対する調査結果などを踏まえ、在庫が発生した要因について考察した。(1)医療機関での接種の予約のキャンセル。接種開始後に、接種回数が2回から1回に変更されたことに伴い、予約がキャンセルされる事例があった。接種対象者が複数の医療機関に予約したために、接種後に他の医療機関の予約がキャンセルされる事例があった。予約後に新型インフルエンザに罹患したために、予約がキャンセルされる事例があった。
 (2)需要と供給のミスマッチ。流行のピーク(平成21年11月下旬)を越えてからワクチンの供給が増加することとなったが、平成21年12月以降、患者数が急減したことや、ワクチン接種への関心が低下したことにより、需要そのものが減少したため、当初の想定よりも被接種者が増えず、結果的に在庫となった。医療機関に対する希望数調査を実施してから、実際に納入できるまでに時間を要したため、需要の急激な減少に対応できなかった。
 (3)過剰な発注。初期段階では予約が殺到していたため、需要を見越して多めに発注する医療機関があった。
 (4)小規模な医療機関への10mLバイアル供給。ワクチンの接種に関しては原則、個別接種とされたが、医療機関での個別接種には適さない10mLバイアルが小規模な医療機関に供給されたため、使用されずに不要在庫となった。
 「4.今後の対応」。平成21年〜22年当時の在庫の発生要因としては、?医療機関での接種の予約のキャンセル、?需要と供給のミスマッチ、?過剰な発注、?小規模な医療機関への10mLバイアル供給が挙げられる。これらの発生要因の考察を踏まえて、不要な在庫を可能な限り発生させないための方法を検討した。その際には、次のような制度的な見直し等が行われていることも考慮した。
 「新型インフルエンザワクチン接種の制度的な見直し等」の表の中です。平成21〜22年当時は、実施主体が厚生労働大臣。協力体制として、都道府県が医療機関ごとの配分量の調整を行いました。接種方式は、主に医療機関への委託により、個別接種により行われました。今後、病原性が高い場合、実施主体は、新型インフルエンザ等対策特別措置法第46条第3項に基づきまして、市町村が実施主体となります。協力体制は、国はワクチンの供給等に関し、必要な措置を実施、国及び都道府県は市町村に協力することが規定されております。接種方式は、原則集団的接種ということが新型インフルエンザ対策行動計画に記載されております。病原性が高くない場合、予防接種法第6条第3項に基づき、市町村が実施主体となります。協力体制は、国はワクチンの供給等に関し必要な措置を実施、都道府県は市町村に協力することが規定されております。接種方式は、原則集団的接種という、新型インフルエンザ専門家会議意見書の提言を踏まえ、今後政府全体で検討予定となっております。
 (1)不要な在庫を可能な限り発生させないために考えられる対応。(都道府県ごとの配分量の調整の改善)。厚生労働省は、各都道府県の人口や優先接種対象者数等の概数、流行状況、ワクチンの接種状況、各都道府県の配分希望量や在庫状況などの情報収集に努め、その結果に基づき都道府県ごとの配分量を決定する。その際、都道府県は、流通在庫、医療機関在庫及び地域での流行状況を踏まえて、厚生労働省に配分希望量を連絡する。このような都道府県ごとの配分量の調整を通じて、地域の状況に応じたワクチン供給を行うことにより、需要と供給のミスマッチの改善に努める。
 (一元的な予約の受付け)。被接種者が複数の接種会場に予約することがないよう、市町村は窓口を統一した上で予約を受け付け、被接種者を接種会場に適切に振り分けることとする。これにより予約の重複によるキャンセルの発生や、一部の接種会場にワクチンが偏在することによる不要在庫の発生の抑制に努める。なお、円滑な予約受付けが可能となるよう、厚生労働省、都道府県及び市町村は、国民に関してワクチン供給に対するきめ細かな情報提供に努める。
 (ワクチン供給先への配分調整の改善)。厚生労働省は、卸売販売業者が各ワクチン供給先(市町村、医療機関等。以下同じ)へ販売した量及び時期に係る情報をタイムリーに収集することにより、納入状況を把握するとともに、当該情報を都道府県に提供する。都道府県は、各ワクチン供給先における接種予定本数及び在庫本数を的確に把握し、ワクチンの偏在を生じないように供給本数を調整する。その際、医師会等の医療関係団体、卸売販売業者などの関係者との連携を密にする。以上の取組により、需要と供給のミスマッチの改善に努める。なお、各ワクチン供給先における希望数調査の実施後、迅速にワクチンを納入できるよう、厚生労働省及び都道府県は、迅速な配分調整に努める。
 (卸売販売業者の役割分担の明確化)。都道府県は、卸売販売業者等の関係者と協議の上、各ワクチン供給先ごとに担当する納入卸売販売業者を決定する。その際、可能な限り、1つの供給先に1つの卸売販売業者を対応させることとする。これにより、都道府県、卸売販売業者及びワクチン供給先における需給調整の迅速化や正確性の向上を図り、需要と供給のミスマッチの改善に努める。
 (ワクチン供給先からの発注の適正化)。各ワクチン供給先は、発注の際、被接種者数の動向などに基づき、需要を適切に見込み、可能な限り、小口に分割して発注する。一部のワクチン供給先からの過剰な発注が認められる場合には、都道府県は、医師会等の医療関係団体と協議の上、その協力を得て注意喚起を行う。以上の取組により、ワクチン供給先からの過剰な発注の抑制に努める。
 (2)制度の見直し等により期待される効果。前述の制度的な見直し等により、以下のとおり、新型インフルエンザワクチンの流通について改善が図られることが期待される。
 (集団的なワクチン接種体制等の整備)。平成21〜22年のワクチン接種は、実施主体である厚生労働省が医療機関と直接委託契約を結び、個別接種方式により実施されたが、今後は、都道府県や市町村の行政主導により、地域ごとに、集団的なワクチン接種体制を構築していくこととなる。これにより、?予約受付けの一元化によるキャンセル件数の減少や、過剰な発注の抑制、?ワクチン供給先の集約化による10mLバイアルの効率的な使用、?ワクチンの配分調整の迅速化・適正化による需要と供給のミスマッチの改善などが期待される。
 (細胞培養法による生産体制整備)。平成25年度中の実用化を目指して、細胞培養法による生産体制の整備が進められているところであり、これが実用化されれば、ワクチン生産に要する期間の大幅な短縮が図られることになる。これにより、需要に見合ったワクチンをタイムリーに供給することがより可能となり、需要と供給のミスマッチの改善や、需要を見越した過剰な発注の抑制等が図られることが期待される。
 「5.おわりに」。本年5月11日に、新型インフルエンザ等対策特別措置法が公布され、特定接種(医療の提供の業務又は国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者の従業員等に対する先行的予防接種)の制度化及び住民への予防接種(パンデミックワクチンの予防接種)実施のための整備がされた。今後、法律の施行に向け、政省令の制定、政府行動計画、それに基づくガイドラインの策定等の検討が、政府において進められることになる。
 本検討会では、平成21〜22年の新型インフルエンザワクチン接種時に生じた不要在庫の要因を考察し、その改善のために採るべき対策を提言として取りまとめた。政府においては、本報告書の提言を踏まえ、ガイドライン等の策定を行い、新型インフルエンザが発生した場合にはワクチンが円滑に国民に接種される体制を構築していくことを期待する。以上です。
○庵原座長 最初に、この前の検討会で話題になりました都道府県別返品率、これは人口当たりではなくて、出荷本数に対しての返品率という形でまとめてもらいました。それが多かった6県の各県で要因分析をしていただいた形になっておりますが、この点についてまずご質疑がありましたらお願いします。続きまして、最終的に検討会報告書(案)のディスカッションという形で進めていきたいと思います。まず、資料2、3に関して、どなたかご意見、ご質問はありますか。6県からは、ほとんどこの報告書(案)に盛り込まれているという読みでよろしいですか。一部佐賀県のように出荷数が予定よりも多かったというのが出てきているのですが、これは今後きちんと注意して配布すればということで、これは織り込み済みということでいいですか。もし、これに関してご意見がなければ、報告書(案)に入りたいと思います。報告書(案)は、各委員の先生方に前もって配られてご意見を求めたところもあるのですが、この点に関して何かご意見はございますか。
○荒井構成員 製販業者を代表してこの検討会に構成員として参加させていただいております。今回の検討会、並びに報告書(案)は、厚労省の事務方からは、次回のパンデミックの際には不要返品を認めないことを前提とした上で、不要な返品をなるべく極小化する、発生させないための具体的対策をまとめるのだというご説明があったわけでして、そういった趣旨にはこの報告書(案)は沿っていると思いますし、妥当な対策が数多く盛り込まれていると思います。
 ただ、これは以前からも申し上げておりましたが、報告書に盛り込まれなかったことについて、1つ製販業者としてこの場で明確に申し上げたいと思います。それは、前回のパンデミックの対応につきまして、特に返品が行われたわけですが、この返品が非常に歪な形であったことを、この際明らかにしておくことは、非常に重要なことなのだろうと思っております。
 前回のパンデミックでは、我々製販業者、販社、並びに卸売業の皆様方が協力して、国難と、パンデミックということで、最初は非常に強力なウイルスではないかということもございましたので、迅速な供給に最大限の努力をしてきたと考えており、我々の社会的使命は全うしたと。これはメーカーだけではなくて販社、並びに卸売りの皆さんも自負しているところです。
 問題ですが、報告書には若干の記載がございます。3頁の「1.はじめに」の第2段落で、2、3行、不要返品を認めないことにしたけれども、「製造・流通業者の負担で医療機関から在庫の引き上げが行われた」という非常に簡単な表現が記載されております。当初、パンデミックワクチンを製造する段階から、これは返品を認めないと、返品なしで行いますということで、製造数量についても明確な製造量の指定があって、最初は何と言っても買い戻しが起きたということが1つ大きなファクターです。なぜ返品はしないと言っていたものが買い戻しをしなければいけなかったのかは、この報告書の中には記載はされておりません。
 もう1つ、4頁のワクチンの流通スキームをご覧いただきたいと思います。返品は行われたわけです。買い戻しは行われましたが、通常ですと製品供給は、いちばん上の製販業者、メーカーですね、これがワクチンをつくって、厚労省に買い上げられて、それが販社に売られて、卸売業者に売られて、そして医療機関に入っていったと。どんどん所有権が変わっていったわけです。最終的に予定してなかった返品が行われたわけですが、これが非常に歪な形でした。
 医療機関からは卸売業者に返品されて、卸売業者は販社に返品をした。通常ですと厚労省は、返品という意味では販売業者から返品を受け取らなければいけなかったわけですが、例えば予算がないという事情から、販売業者から直接、製販業者がその返品を受け取ったと。当然、販社から厚労省に売り上げるとき、あるいは厚労省から販売業者に製品を売り上げるときは、そこに一定の差額がありますので、製販業者は厚労省に売り上げたときの差額と、厚労省が販社に売り上げたときの差額両方合わせた価格で返品を受け取ったと、受け取らざるを得なかったということが起こりました。
 これはその形、返品のスキームそのものは非常に歪で、大変な問題であったと思います。また、一部返品価格については、当時、国産ワクチンのほかに輸入ワクチンもございましたが、輸入ワクチンの価格分も上乗せされていたこともあって、非常に大きな問題だったと思います。
 今回の検討会は、平成21年から平成22年までに起きたこと、これをつぶさに検討して、そこから不要返品、そういったものを極力少なくするという検討会であったはずなものですから、こういった何が本当に起きていたのかを報告書(案)にまとめていただきたいと思ったのですが、それはなかなか難しいということでしたので、今日は口幅ったいようですが、改めてこの件について我々の考えを申し述べさせていただいているということです。
 いつ次のパンデミックが起きるかわかりませんが、ワクチンを供給したあと、是非とも第1回目の返品がそういった前例にならないようにしていただきたいというのが我々の願いでして、それについてこの場で改めて一言申し上げさせていただいたということです。
○庵原座長 そうしますと、荒井構成員の意見は、ここへ何か一言付け加えようとかいうことですか。大体一部加筆されていますので。
○荒井構成員 我々はこのドラフトをいただきまして、関係者で協議いたしました。この報告書(案)、バージョン0というか1では、我々の案も一部加えておりますので、あえてこの場でこの報告書(案)を変えろと申し上げているわけではございません。そういう非常に大きな問題があったということを、今日のこの場ではなくても、またこういう会議は再び開かれるのだと思いますが、そういったところで改めて何があったかと、それに対してどうするかという話合いがきちっと持たれて、記録として残されることは非常に重要だろうと思っております。あとで販社のほうからもいろいろご意見はあると思います。
○庵原座長 要するに、実際に返品があったのだということを議事録に残しておいてほしい、ということと、今回を前例として、もし次回、何年後かわかりませんが、パンデミックが起こったときには、2009年に返品を認めたので、そのときも認めなさいという議論には応じられないと。
○荒井構成員 そうですね。医療機関が若干の使わない製品、「フヨウ」はどのような字を書くか、「不用」というほうでしょうが、不用なワクチンを持っているのは、これはある意味妥当だと思うのです。足りないのがいちばんまずいわけですから。ですが、返品を認めないことは、買い戻しを認めないことだと我々は受け取っていますので、医療機関に残った製品を何らかの形で処分することは必要なわけです。いちばんいいのは、その辺も事前に国が手当てをしておくということが非常に妥当だと思いますが、あまりそこらに触れてしまうと、返品も予算措置があるという話はあまりよくないことだと思います。何らかの形で国家買い上げをされた製品については、最終的にメーカーがすべて負担するという形でないことを是非お願いしたいと思っているところです。
○庵原座長 返品というのは、意味が2つありますね。お金をかけて返品と、単に何らかの形で専門的な処理をして廃棄するという意味の、2つの意味がありますが、あくまでもお金を使って買い戻しをするのは、これを最後にしましょうと。
○荒井構成員 そうですね。お金を使わない。医療機関が持っている、もう使わないワクチンを処理していくのは当然必要でして、それを全部集めて、そして何らかの形で処分していくことは経費がかかりますので、それは考えなければいけませんが、買い戻しと、売った価格で買い戻すということは、これは最初の方針と大きく違うものだろうと考えております。
○庵原座長 これに関して事務局は。一応次回からは、できるだけ返品が起きないシステムにするから、たぶんなくなるだろうということだと思うのですが、何かご意見はございますか。
○中原構成員 先ほどの荒井構成員のお話の続きになると思います。三村先生は今日欠席されているわけで、ここに三村先生がいらっしゃればよかったかと思うのですが。経済的に見て需要と供給は、時にこういうパンデミックのときには、供給にある程度の余裕がないと回らないと思います。これは原則的なことでして、需要と供給のミスマッチを少なくするという意味合いで今回の検討会のまとめは、先ほど荒井構成員が言われたように、非常に趣旨に合っていると思います。ですが、最終的に返品が絶対ない過程はあり得ないと思うのです。
 いま「返品」と言いましたが、実際ここの中でも文章を読みますと、「在庫の引き上げ」となっているのですね。先ほど庵原座長から言われたように、返品と回収があると思うのです。どちらかというと、国の手当てで回収業務をするということであれば、先ほど荒井構成員が言ったことに当たると思うのですが、前回の場合は返品という形で処理をしてしまったのが事実ですので、逆に言ったら、在庫の引き上げと返品の違いは、事務局ではどう考えているのかというところが疑問です。我々の立場を考えて「引き上げ」という言葉を使われたのか、実際に返品でこちらに費用がかかったという形の中での「在庫の引き上げ」という意味合いは、今後どう考えていかれるのかを質問したいと思います。
○庵原座長 中原構成員、在庫の引き上げは、何頁でしたか。
○中原構成員 5頁の下の欄です。
○庵原座長 5頁のいちばん最後ですね。先ほどから出ていますが、たぶん三村構成員からの意見でも、需要と供給をぎりぎりでやるのは難しくて、いくらかのゆとりが要るだろうと。そのゆとり分は、何らかの形で返品して、専門業者が処理する必要があるだろうと。それに対して「引き取り」とか「返品」という言葉がいくつか使われているので、その言葉はどのように使われているかと、そういう意味合いですか。
○中原構成員 返品というよりは回収と考えてはいけないのですかね。国が責任をもって最終的に回収するということではまずいのでしょうか。
○庵原座長 要するに、使われなかったワクチンをどう処理するかと、そこの話です。それをお金を使ってという話は、たぶん次回からはないだろうと。だけれども、流通過程で在庫は生じているだろうと。それをどう対応するかですね。
○中原構成員 結局、費用をどこが持つかという話にはなると思うのですが、少なくした上で最終的には国の責任の下、つくった所、流通にかかわる所、その辺の民間のほうが負担にならない形での処理を検討はしていただきたいと思います。
○庵原座長 結局、前回は買い戻しということが起こりました。買い戻しではなくて、市場には流通在庫という形でいくつかが残っていますよと。これは次のときは、もしこのシェーマからいくと、たぶん市町村が抱えると思うのですが。その市町村が抱えたものをどう戻していくか、その費用はどう考えていますかと、そういう話だと思います。買い戻しではなくて、そういう不要物品の回収の費用がかかるでしょうと、そこなのですが。荒井構成員からも言われましたが、最終的に何か処理していくときの費用などをどこが持つのだと、そこの話だと思うのですが。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 2つのことが同時に議論されているのかと思っております。いまの報告書(案)に書かれております「引き上げ」という表現については、前回どういうことが起こったかを事務局としては淡々と記録をしたつもりでおります。例えば、3頁の2段落目です。「製造・流通業者の負担で医療機関から在庫の引き上げが行われた」と。負担をしていただいて引き上げということで、要は返品が前回行われた、事実としてそういうことがあったことを記載させていただいています。この表現について、もっとこう書いたほうがいいのではないかということであれば、そこはご議論いただければと思っております。
 2点目、今後こういうことが起きたらどうするかについては、いま、この報告書の取りまとめとして、返品は認めないことを前提としてご議論いただいております。そういった中で、仮に不要在庫が生じたらどう処理するかを書くということは、返品は認めないことを前提にしながら、不要在庫が生じれば何らかのスキームで回収されることが同じ報告書の中に出てくることになり、報告書として自己矛盾を起こすことになります。この検討会のご議論としては、流通をより改善して、不要在庫を可能な限り減らすための取組を中心にまとめていただければと存じます。
○庵原座長 わかりました。要するに、ここはあくまでも不要在庫を減らす方式の報告書だと。ただ、事務局として理解してほしいのは、たしか三村構成員からの指摘事項もあったと思いますが、需要と供給をぎりぎりでやるのではなくて、それは何パーセントがいいというのはわかりませんが、何らかのゆとりを持ったものは絶えず存在しているので、次回にパンデミックが起こったときも、そのものは存在し得るので、それをどうするかは頭に入れて今後の課題として残しておいてほしいと、そういう形でよろしいですか。要するに、討論されたことを議事録に残しておく形にしておいて、ここには入れ込まなくてもよろしいですか。
○荒井構成員 入れ込む時間的余裕はあるのですか。あるのであれば話が違うのですが。
○庵原座長 いや、入れ込むには、ちょっと矛盾しているのかと。ここはあくまでも。
○荒井構成員 いや、ですからどういうことが起きたのかを、前回のことをきちっと書くことは、たぶん自己矛盾にはならないと思います。ですから、もしそういった時間的な可能性があるのであれば、「はじめに」というところに、あるいは別に章を設けてもいいと思いますが、平成21年から平成22年まで起きたことについて記載していただくのは、ある意味前回を振り返っての話なので、それは意味があることだとは思いますが。
○庵原座長 わかりました。
○木村構成員 販社の代表ということで話をさせていただきます。報告書(案)を見せていただきまして、この中で是非記載を盛り込んでいただけたらというお願いがあります。平成21年から平成22年にかけての新型インフルエンザのワクチンを流通させるという動きが始まったときに、当時の厚労省の窓口の担当の方々と随分頻繁に打ち合わせの会議をやらせていただいたのを覚えています。実際に10mLがあまり合わないから1mLいうときにも、事前の相談のような形の会議にも私も出ましたし、それはすごく機能していたと思うのです。
 それで、原則返品は起こらないはずだという前提がある場合に、返品の議論ということになると、「返品」という言葉を書くのは問題があるかもしれませんが、次回パンデミックが、もし不幸にしてこういう事態が、またワクチンを供給しないといけないというケースが起こったときに、そういう会議系が、検討会のようなものが事前に開かれるということを是非盛り込んでいただけたらと思います。
 当然、これらは私の解釈では、そのときに、前回はこうだったけれども今回はこうだという話が出てくる可能性は高いはずですので、そこで返品、引き上げ、その辺のことについての具体的な話合いを盛り込むことはできるのかと。この報告書の中には、製造会社、販社、特約店3つが一体となってどのような形でどのようなことをやったかは、会議を持たれたことも書かれていません。それは書いていただいて、次回にも事前にそういう会議系を必ず持って検討するという形で入れていただけたらと思います。
 前回のときにもお話をしたのですが、製造会社は製造会社で、通常の季節性インフルエンザワクチンや、ほかのワクチンの製造をやめてしまってでも、新型をつくる動きはありましたし、販社は販社の中で、全面的に大流行を抑えると、社会的な使命だということで動きましたし、特約店も相当のマンパワーを割いて、特に引き上げ・回収のところでは、温度管理が必要なワクチンの引き上げについて、相当神経質に対応されました。
 季節性インフルエンザのワクチンの場合は、通常、そのシーズンが終わってしまえば商品価値がありませんので、温度管理の必要はありません。ところが、それが新型の場合はどうするかということで、結構引っ張って長いこと管理をしたのです。私たちは、私たちの物流センターでそれを預かった記憶があります。特約店の皆さんは、また特約店の限られたスペースの中でそれを管理する動きを取っているはずです。だから、その辺の協力があったことも記載されるかどうかではなくて、ご記憶をいただければと思います。
○庵原座長 これは事務局としては、今度パンデミックが起こったら、そういう流通に関する会議は当然開くという前提で書かれたかと思うのですが、そこの確認だけしたいのですが、いかがですか。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 いまの報告書(案)でも、関係の皆様方と調整の上、配分調整をするとか、そういう形で一応反映はされているかとは思っています。
 次回どうするかについては、当然、先ほど荒井構成員から、前回はこういう関係者の皆さんの社会的な使命として、こういった迅速なワクチン接種ができたというお話がございましたが、厚労省としてもそのように認識をいたしております。次回発生すれば、前回と同じように、こちらの報告書の4頁に書かれている関係の皆様方、製造販売業者、卸売販売業者の皆様、医療機関の皆様、また都道府県や市町村にも、ご協力いただく中で、いかに迅速にワクチンを供給し、また接種していくかになります。そういった中で対応していくということになりますので、当然、関係者とのきめ細かな協議はしていくことになるだろうと思っております。
○庵原座長 木村構成員、入れ込むとか、それともこういう議論が行われたということを議事録に残しておいて、また次回は協議をするということでよろしいですか。
○木村構成員 こういう議論がされたというのは、残していただきたいと思います。
○中原構成員 1つ引っかかるのが、8頁の「ワクチン供給先への配分調整の改善」及び、その下にある「卸売販売業者の役割分担の明確化」の中で、都道府県の要因分析の1つにありました「需要と供給のミスマッチ」という言葉がよく使われているのです。この需要と供給のミスマッチの改善に努めるということで、改善はするのだけれども、それがあったときのことは何も協議されてないような感じがするのです。改善に努めて、改善のあとで、もしミスマッチがあった場合にはどうするのだというのは、実際にパンデミックになったときに始めていたのでは遅いと思うので、できたらこの会ではなくても、また別の専門家会議等でも、で進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○庵原座長 いまのご質問に関しては、事務局ですかね。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 その点についても、繰り返しになってしまうのかもしれないのですが、需要と供給のミスマッチがあって、不要返品、不要在庫が生じたときに、どういう処理をするかを記載してしまうと、それがモラルハザードを生じるのではないかということを懸念しております。つまり、発注して、仮に不要在庫が生じても、このスキームで回収されるということになってしまうと、せっかくそういう不要な在庫を生じさせないようにしましょうということでまとめているこの検討会報告書の趣旨が現場にうまく伝わらないのではないかというところを懸念しております。協議等は別途いろいろな場でさせていただくことはできるかと思いますが、この検討会の報告書としては、その点に触れるのはどうかと思っております。
○庵原座長 要するに、この報告書は「ミスマッチの改善に努める」で止めておいて、そこから先のところは、先ほど中原構成員が提案された専門家会議なり、ないしは先ほど木村構成員から提案された、実際に起こったときの協議会とか会議の席で検討するとか、そういう方法でどうですか、そういう形でよろしいですか。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 先ほど申し上げたとおり、関係の皆様方とはこまめに相談させていただく中でしっかりと対応していきたいと思っておりますので、そのようなことで進めさせていただければと思っております。
○庵原座長 ですから、ここは主に大筋のところで、実際に起こったときはもう少し細かい検討会は設けてもらうという形を暗に含んでいるという理解でよろしいですね。わかりました。
 たしかどこかで読んだのですが、卸売販売業者を各供給先1つにするというのは、独禁法の問題はないのですか。
○結核感染症課予防接種室長補佐 公正取引委員会の担当課に照会いたしまして、行政機関が直接責任を持って決定するのであれば特段の問題はないという回答を得ましたので、8頁の下から2番目の○ですが、「可能な限り、1つの供給先に1つの卸売販売業者を対応させることとする」という文言にさせていただいております。
○庵原座長 特に公正取引委員会のほうでは問題はない。でも実際、これは中原構成員とか木村構成員にお聞きしたいのですが、こういう形にしたらやりにくくはないのですか。これでも大丈夫なのですか。
○木村構成員 平成21年の新型の流行でインフルエンザワクチンの供給を始めるときにも、県のブロックでとかいろいろなイメージで、特定の卸・特定のメーカーを指定することは商取引を縛るような考え方になるのではないかと心配しましたが、それは国の事業としてやることだからというので厚労省の了解・確認をいただいた記憶はあります。ただ、現場でこの運用が本当にどう実行できるのかは、ちょっと微妙なところはあるのではないかと思います。
○中原構成員 このやり方でも可能は可能だと思いますし、問題はないと思います。「可能な限り」と書いてありますので、可能でない場合もあるのかという感じで受け取れます。実際のところ、1つの医療機関に1つの業者がすべて入れていたという事例もございますし、また、それを分けていたという事例もございます。ですから、その辺は運用の中で考えていかなくてはいけないのかと思います。もっと言えば、都道府県とか市町村がこれから事前準備に入るのですが、そのときに医師会様とか、そこに卸も入れて、その協議がいちばん大切だと思いますので、そこの中で運用を考えていけばよろしいかと思っています。
○庵原座長 わかりました。人口規模の大きい所と小さい所とでも少し違うかと思いますが、この辺はやはり現場の所に、できたら行政だけが決めるのではなくて、卸とかいろいろなところが入って決めてほしいということですね。あと、人口規模の大きい所で、白井構成員、どうぞ。
○白井構成員 人口規模とは関係ないのですが、いまのお話は前回の個別接種のときと同じような感じの話になってしまっているのかなと思います。要するに医療機関がワクチンを仕入れて、その仕入先がいろいろな卸ではいけないという、1つの卸にしてほしいという議論で進んできて、ここに書き込んでいるかと思うのですが、この次は集団接種を原則とするのですよね。そうすると、集団接種を原則としたときに、このやり方でやるわけですか。どの会場にどの卸が行くとか、そのようなことをこれは書かれているのでしょうか。ちょっと理解ができていないのです。7頁から「今後の対応」となっていますから、病原性が高い場合のことをここにはずっと書き込んでいらして、その中でいまお話が出た8頁の後ろから2つ目の○というのは、医療機関に卸していたときのことをもう一度書いているのかと思って見ていたのですが、ちょっとこの次は違ってきますよね。あるいは今後の対応という中で、病原性が高い場合、高くない場合、集団でやらなかった場合と、もう1つの枠ができているのであれば、その際はこういうようにするというのであればわかるのですが。
○庵原座長 事務局はいかがですか。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 8頁の真ん中辺りに、「ワクチン供給先への配分調整の改善」というところがあります。その1つ目の○ですが、この報告書でのワクチン供給先については括弧書きで書いていますが、「市町村、医療機関等」ということで、そういった所を想定しています。また、下から2番目の○で、「可能な限り、1つの供給先に1つの卸売販売業者を対応させる」という部分については、事務局の問題意識としては、同じ所に複数の業者が対応すると、いろいろとミスマッチも起こるのではないか。重複してしまうとか、そういう問題が生じ得るということなので、それを改善するために1つの対策として書いています。1つの供給先というのが場合によっては市町村単位ではなく、会場単位に分かれることもあるかもしれませんが、趣旨としては二重で対応することによる弊害をなくしていこうという趣旨でこのような記載をさせていただいています。
○庵原座長 これはあくまでも集団というイメージですね。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 集団を前提にしています。
○庵原座長 病原性が高い低いにかかわらず集団で、しかも都道府県がワクチンの供給をどこかに統一させるという、そういうイメージですね。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 制度的には7頁に表でまとめてありますが、実施主体は市町村になりますし、また接種方式は病原性が高い場合も高くない場合も原則集団的接種という方向性かと思っております。ただ、一部どうしても個別で対応しなければいけない部分は残ってきます。
○白井構成員 いまのお話ですが、そうなると、8頁の真ん中の「ワクチン供給先への配分調整の改善」のところで、ワクチン供給先が医療機関と出てきた場合、集団接種をやる場所として、医療機関も想定されるということです。今後の新しい接種の場合は、市町村の行政がかかわって予約や接種場所を調整するといままで伺ってきましたが、そこにこの医療機関と出てきた場合、集団接種をする場所は、一般の医療機関ではなく、例えば市立・町立の医療機関ということをお考えなのか、あるいは集団接種する場所というのは、いままでのように福祉保健センター、あるいは保健所、あるいは学校等を考えていらっしゃるのか、その辺りがすごく大事だと思うのです。
 ですから、今回出される報告書の中で、どういうタイプのワクチンのときは公民館だとか役場だとか、そういうようなパターンが出ていればわかりやすいのですが。くどいようですが、平成21年のワクチンのときには、いわゆる個別の医療機関の事務員が、かなりの接種希望者の対応をしてきて、一般診療ができないくらい大変だったということがありました。ですから、それをこのたび行政が全部やっていただけると聞いていたので大変安心しているわけですが、その振り分けた接種対象者が今度はどこへ行くのかということも、ある程度明確化しておいてもらわないと、結局、医療機関で打つなら、ワクチンを購入するのは医療機関だということになると、現場では混乱するかと思いますが。
○庵原座長 事務局はよろしいですか。では小森構成員、どうぞ。
○小森構成員 白井構成員がご懸念になっていらっしゃることは非常に重要な問題です。このことについては、新型インフルエンザ等対策特別措置法の制定を受けまして、新型インフルエンザ等対策有識者会議での検討が始められる予定になっておりまして、行動計画、ガイドライン等の作成が行われます。医療機関、現場が最もスムーズに、また、ここにおられる販社、製造会社等の方々にもご負担にならないような形をできるだけ考えてまいりたいと思います。白井構成員がご懸念になっておられることは、医療機関を代表する者として非常によく理解しております。そこはしっかり議論をして、構成をしてまいりたいと思っております。
○庵原座長 たぶんこれは集団接種する場所が、先ほど言われたいくつか出された所が、すべて議論の対象になって、どういう形で出てくるかということだと思うのです。副作用を気にするような市町村ならば、やはり医療機関を接種場所にして、誰を出すかということが議論になってくるでしょうし、教育委員会が強い所は学校で接種するのをいやがるのです。教育委員会でも弱い所というか、関心のある所は学校でやったり、地区によって全部違いますので、その辺は今後の話題というか、議論の中で決まってくると思います。
○白井構成員 なぜそのことを申し上げたかというと、確かに場所が決まっていないのは、今後それぞれ各自治体で決めていくことだとは思うのですが、要するに、この会議の中では誰が買うかということも問題になってくると思うのです。要するに、在庫の返品ということを先ほど来討議されているわけですから。最初から申し上げていますが、本来、国が製造業者から最終的に買っているワクチンをどのような展開で接種するか決まっていないわけですね。今回も2回が1回になったりとか、どんどん変則的になっていく状態のものを、最終消費者である医療機関が購入していて、値段も国が決めていますからワクチンロスもない。ワクチンロスという概念も全くなく価格を設定された。先ほど来出ているように、生の温度管理が大変なもので、本来は返品がきかないというものを、最終消費者である医療機関が購入をして、そのままかぶれとなると、今度は医療機関はやらなくなると思うのです。不要在庫というか、余分に買ってまで接種する必要はない、自分の好きなだけをして、あとは損はしないようにということも出てきかねないのではないかと思います。その辺の購入ということ、国がいままで買っていたものを、今度は市町村に責任を押し付けたような形になっているのかとも読み取れる7頁の表ですが、どなたがしっかりと買わなくてはいけないかということを是非、厚生労働省で考えていただきたいと思います。
○庵原座長 よろしいですか。議事録に残してもらうという形で、もう一度確認しますが、ワクチンは国が買って、県を通して市町村に供給ですよね。買い上げはしないのですか。まだ決定していないのでしたか。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 現時点の状況を説明しますと、専門家会議の意見書の中では、国が買い上げるべきではないかというご意見をいただいていますので、先ほど小森構成員からご紹介があったような場でまたご議論をいただき、最終的に政府としての行動計画、これは特措法ができましたので、特措法に基づく行動計画にどう反映させていくかということになるかと思います。
○庵原座長 ありがとうございました。ということで、次のところでいまの話題が出てくるだろうと思います。そうしますと、この検討会の報告書(案)について、その他ご意見はございますでしょうか。
 白井構成員が前回の検討会で少し出されていました、横浜市と政令指定都市と県との関係というのは、これでよろしいですか。前回の検討会でちょっと出されましたが。
○白井構成員 これは日本医師会の常任理事の前で大変申し上げにくいのですが、日本医師会から出る伝達事項も県を通ってきます。私たちですと神奈川県医師会です。そこで内輪の話ですが理事会があって、そこでこれは次に出すかどうかというようなことをやると、かなりのタイムラグがあり、ワクチン接種行政に関することも、やはり同じように時間がかかってしまって、これは私たちの組織の問題なので、組織内でも常々申し上げているのですが、なかなか難しい問題であります。
 ただ、新型の強毒性のワクチン云々というときに、そんなことを言っている場合ではないので、日医のほうも対応いただけるのではないかと思っております。また,市の方も,政令市では,県から通知いただいてからの対応に大きな人口をかかえているために、かなり苦労をして用意をしているのが現状です。ですから、政令市への対応を少し考えていただければと思います。例えば政令市が20ありますが、それを例えばの話ですが、人口で括ってもらっても結構ですし、実際に接種を受けたい人に早くワクチンが行き届くようなことを考えていただきたい、県という枠組みではなく、ということでお願いをしたいと思います。
○庵原座長 ありがとうございました。情報の提供を県を通してやるのか、政令市はやはり県と同じレベルだという解釈をされている所が多いので、情報を県と同じスピードで政令市にも届けてもらうかという、その辺りだと、千葉県はどうですか。
○井上構成員 千葉県庁の井上です。千葉県の平成21年のインフルエンザの流行時の経験を少し申し上げます。千葉県は人口620万人で、そのうち約100万人が政令指定都市である千葉市に住んでおられる。千葉市を含め54市町村があるという比較的大きな県です。県での経験から申し上げますと、こういう迅速な対応が求められる事案については、できるだけ情報の流れがシンプルであったほうがいいと思っています。具体的に言うと、もう620万人の県民全部が政令市の千葉市であろうが、そうでない所であろうが一旦我々のほうでお受けをし、これが市町村に流さなければいけない情報があれば、それは県下54市町村一斉に流すわけですから、その中に政令市たる千葉市も含まれる。こうしたシンプルなスタイルのほうが、こうした緊急時においてはいろいろな仕事がしやすいかと思っています。これはおそらく医師会においても県医師会があり、県医師会の下には地区医師会が20〜30あります。この20〜30の中で政令指定都市だということで千葉市医師会だけ別ルートというのも、これはおそらく医師会としても大変でしょうし、政令市であるかないかにこだわらず、できるだけシンプルな情報の流れでいったほうがいいのではないかというのが、前回の経験から私どもが思うところです。
○庵原座長 白井構成員、どうぞ。
○白井構成員 全く反対意見で、私どもはどれぐらい大変な目に遭って医療機関の取りまとめをしたかということが、県が違うのでわかってもらえるわけはないと思います。県下に同じように情報を流すのは結構ですが、その後の市での対応は規模が大きすぎてなかなかできないのです。ですから、県にはまだ流せないある程度の情報があるようですので,そういったものを含めて、やはり知っておく必要があるのではないかと思うので申し上げています。ですから、確実に決まったものではなくても、握っている情報を早めに出していただけるような仕組みが、急ぐ事業であればあるほど必要かと思っています。
○庵原座長 それは逆に言うと、厚生労働省のほうから、急ぐから全部早く出しなさいとか、そういう情報の出し入れの段階分けは可能ということではないのですか。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 新型インフルエンザ発生時に、いかに医療の現場に情報をお届けするかというのは非常に重要な課題だと思っておりまして、従来からの取組として、都道府県だけではなくて保健所設置市も含めて140ぐらいの自治体に対して、厚生労働省から、直接メールで通知等をお送りできるような体制にはなっています。
 もう1つ、2009年の新型インフルエンザの経験を踏まえてメールマガジンを始めております。これは、現場の医療関係者に登録していただければ、厚生労働省からの情報を都道府県などを介さずに医療の現場に直接お届けできるような形のメールマガジンを始めていますので、これも毎週のように情報提供させていただいています。そういった平時からの基盤の下に、発生時には迅速に現場に情報をお届けできるようにしていきたいと思っております。
○井上構成員 先ほど申し上げたことにもう少し付け加えると、私としてはできるだけシンプルな、政令指定都市を特別扱いしないやり方のほうがいいと思うもう1つの理由は、行政から医療機関への情報伝達です。我々は、H1N1の平成21年の流行のときには、県下の主要病院にたびたび集まってもらって、さまざまな打合せをして、その結果、主要病院の中でインターネット上でネットワークをつくり、どの病院のどういう診療科に、どれだけの空ベッドがあるかないかということを、情報共有する仕組みをつくりました。これなどは千葉市の病院であろうが、それ以外の病院であろうが、我々としては区別する理由は全くないわけです。むしろ一緒にやらなければ、千葉市とそれ以外の所で患者は自由に動くので、県内の政令指定都市の中にある病院であろうが、外にある病院であろうが、すべて一斉にいろいろな情報を共有する。こうしたことも考えれば、情報の流れとしては県が一元的に取り扱うほうがよりスムーズかと考えています。ただし、神奈川がおっしゃるように、それぞれの都道府県の事情がありますので、それぞれの事情を勘案していただくことはある程度あるかと思います。千葉県の例を申し上げれば、いまのスタイルで千葉県と政令指定都市である千葉市の衛生部局の間に、私が振り返って見ていても特段のストレスはなかったように感じています。
○庵原座長 ありがとうございました。千葉県と千葉市はうまくできているのですね。名古屋市と愛知県の話を聞くと、横浜と神奈川の関係のようなのが聞こえてきて。
○白井構成員 昨日まで札幌で14大都市医師会連絡協議会という、大都市の医師会が集まった協議会がありました。その中でも、情報伝達ということが話題になったのですが、14大都市の抱える問題として、人口は県より大きいのです。何度も申し上げますが、横浜だけでも京都府より人口が多いわけです。そういう所に迅速な情報が来なければ、こういう緊急な事態に対して緊急な対応はできないということを、14大都市みんなが共有している意見です。そこには千葉市も来ています。ですから、千葉県と千葉市の行政の方が実際にお話をされたのかどうかわかりませんが、千葉県医師会と千葉市医師会とがしっかりと協議をされたということも伺えていませんから、その辺は是非、現場の意見を汲みあげていただきたいと私はお願いをしています。千葉市もそうしたほうがいいというわけではありません。また、井上構成員のご意見だけをもって、政令市はみな同じだと,思っていらっしゃらないと思うのですが、いちばん大きな政令市としてこれだけは申し上げなくてはいけないと思って言わせてもらっています。
○庵原座長 ありがとうございました。ですから、もし万一起こったときには、政令指定都市は各県の事情を配慮しながら、情報提供を速やかにすることを事務局として今後、考えていっていただく必要があるだろう。いろいろな要素があって、県単位で動かすほうがいい場合もあるでしょうけれども、現場は県単位で動かされると困ることも出てくるのでということらしいのですが、これに関しては事務局からはよろしいですか。政令指定都市にも絶えず万一のとき、急きぐときは流すとか、何らかの対策をしてもらうということです。
○結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長 情報については先ほど申し上げたとおり、行政担当者の方のメールアドレスをあらかじめいただいておりますので、政令指定都市も含めて、すぐにお送りできますし、先ほど申し上げたメールマガジンですが、これはいま1万7,000人ぐらいの医療関係者の方に登録いただいており、その数をどんどん増やすことはできます。マスメディアを通じて医療の現場が初めて情報を知るということでは、適切な医療対応はできないということを前回の反省点としてご指摘いただいていますので、決まったことはすぐに現場にお届けできるような形で対応していきたいと思っております。
○庵原座長 そうしましたら、ほかにご意見はございますでしょうか。前回出てきた議論等を踏まえると、この辺りが議論で、皆様方構成員のご意見を伺いましたところは大体出てきたようです。局長は。
○結核感染症課長 終わるなら終わっていいです。
○庵原座長 そうしますと、大体議論が出尽くしたかと思います。いくつか文面に入れ込まなければいけない部分がありましたら、それは入れ込んでもらいたいと思いますが、あとは座長一任でよろしいですか。大きな変更はないかと思います。そうしたらご異存がなければ最後は、報告書の案は座長に一任いただきます。今日の議論の細かい中身は、多くはこの報告書よりも、小森構成員も言われましたが、次のステップの段階の話が結構出てきたようですので、それはまた今後、いくつかの会議のときに検討していただく、こちらが忘れていましたら事務局から提案をしていただくという方向で進めていければと思います。
 少し早いようですが、ここで終わってもよろしいのでしょうか。あとは事務局にお戻しいたします。
○結核感染症課長 本日は構成員の皆様の精力的なご議論の成果をこのような報告書の形に取りまとめていただきまして、心より感謝を申し上げます。今後、政府では今年5月に公布されました新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行に向け、政府行動計画やそれに基づくガイドラインの策定作業を進めることとしています。厚生労働省としてはガイドライン等の策定にあたって、関係省庁とも協議の上、本日取りまとめていただいたご提言の内容が、十分に反映されるよう努力していきたいと考えております。本検討会は本日で閉会となりますが、構成員の皆様には、改めて御礼を申し上げますとともに、今後ともご指導くださいますようお願いいたしまして、最後のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○庵原座長 それでは予定よりも早く終わりましたが、ご協力ありがとうございました。また、今後とも何かお世話になると思いますが、よろしくお願いいたします。


(了)

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