ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会 > 第6回精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会議事録




2012年6月13日 第6回精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成24年6月13日(水) 17:30〜19:30


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)


○出席者

天賀谷構成員、伊澤構成員、小川構成員、門屋構成員、川崎構成員
菅間構成員、佐々木構成員、千葉構成員、中沢構成員、中島構成員
長野構成員、野澤構成員、樋口構成員、広田構成員、福田構成員
堀江構成員、三上構成員、武藤構成員、山崎構成員、山本構成員

○議事

○福田課長
 それでは、定刻になりましたので、只今より、第6回「精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方には、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本検討会は公開でございます。検討会での審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、予め御了解いただきますようお願い申し上げます。
 本日の構成員の出欠状況でございますけれども、平安構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、ここから座長にお願いいたしたいと思います。武藤座長、どうぞよろしくお願いします。

○武藤座長
 座長の武藤でございます。
 前回まで2回にわたりまして、5つの論点、つまり、3か月未満の急性期、それから3か月〜1年未満の急性期後、それから、現在の1年以上及び今後の1年以上の長期入院、そして重度かつ慢性それぞれに関する人員配置に関して御議論いただきました。皆様方からいただきました御意見をもとに、私と事務局の方で再度論点を整理いたしました。今日はその資料に基づいて、皆様方の御意見を再度いただきたいと考えております。
 では、まず事務局から資料の御説明をお願いしたいと思います。

○中谷課長補佐
 事務局でございます。それでは、検討会(第6回)<今後の方向性に関する意見の整理>という資料をお願いいたします。
 おめくりいただきまして、2ページ目、「精神病床の現状と今後の方向性」というところで、まず、現状といたしましては、真ん中の図にまとめておりますが、現状は、1年未満で約9割の患者さんが退院している一方で、右側の図ですけれども、1年以上の長期在院者の方が約20万人、毎年、1年以上になる方が4万人強いらっしゃって、退院する方も大体同じぐらいの数ということで、20万人という状態がほぼ変化することなく推移しているというのが現状となっております。
 今後の方向性ということで、これまで議論してきた内容を大まかに整理いたしますと、現状の図の上の部分、「精神病床の今後の方向性」という部分ですが、3か月未満、3か月〜1年未満、重度かつ慢性、現在の長期入院、の状態像に応じた機能分化を進める。機能分化に当たっては、アウトリーチ(訪問支援)や外来医療の充実も推進する。段階的に機能分化を進め、人材・財源を効率的に配分するとともに、地域移行を更に進める。結果として、精神病床は減少する。
 と整理しまして、更に具体的にというところが[現状]の囲みの下の部分、矢印を引いておりますが、まず左下、「新たな入院患者への精神科医療」ということで、精神科入院医療の人員体制の充実、退院支援のための人員体制の充実、重度かつ慢性の患者を除き、できるだけ早期に退院し、新たな長期入院をつくらないということ。また、重度かつ慢性の患者には質の高い医療を提供するということ。
 それから、右下の「現在の長期入院者への対応」という部分では、地域移行の取り組みを推進する。更に、生活支援、退院支援に重点を置いた人員配置とする。地域生活に近い療養環境とするということで整理しつつ、更に具体的には次以降になりまして、3ページを御覧ください。
 先ほどの左下の部分に当たります「新たな入院患者への精神科医療」ということで、今後のイメージ図はそこにあるとおりで、具体的な中身が図の下の囲みの部分に、3か月未満、3か月〜1年未満、重度かつ慢性とそれぞれ分けております。
 まず、左側の3か月未満の部分ですが、ここについては、安全で質の高い入院医療を提供できるようにするため、医療法施行規則上、医師・看護師について一般病床と同等の配置とする。精神保健福祉士、作業療法士等の退院支援に関わる従事者の配置を規定するということであります。
 医療法施行規則上といいますのは、現在も、各病床ごとの人員の基準というのは医療法施行規則に書いておりますので、そのように書かせていただいています。
 次に、中央の3か月〜1年未満の部分ですが、この部分については、生活機能の向上などの退院支援をより充実させる観点から、医療法施行規則上、医師は現在の精神病床と同様、看護師と精神保健福祉士や作業療法士等を併せて3対1の人員配置とするということ。
 更に、右側の重度かつ慢性の部分については、まず、「重度かつ慢性」の患者の基準については、調査研究などを通じて明確化する。新たな長期在院患者を増やすことのないよう明確かつ限定的な取扱いとする。「重度かつ慢性」の患者については、新たな治療やアウトリーチなどにより地域移行を可能にするモデルを検討する。
 次に、人員体制については、ここは意見がたくさんございまして、概ね、まとめますと、以下のような2つの意見があったという記載にさせていただいていまして、まず、一般病床と同様の配置にすべきとの意見。それから、多職種で3対1の人員配置とし、状態に応じた職種を配置できるようにすべきとの意見でございました。この部分は、また今日も御意見をいただければと思います。
 更に、その下の部分、「その他」として全体にかかわることの項目を幾つかまとめておりますが、まず、機能分化は、実現可能な方策を講じながら、段階的に進めていくということ。これは、地域性もありますし、いきなりというのは現実的でないので、しっかりとした移行期間を置くといった御意見を踏まえまして書かせていただいております。
 それから、機能分化を進みやすくするため、一つの病棟で複数の状態像の患者のミックスが可能となるような仕組みを検討する。これは病棟が複数ある病院ならいいけれども、余り大きくない病院では、一つの病棟の中でいろいろな患者を見るということがあるので、そのようなことができるようにする必要があるといった意見を踏まえております。
 それから、「新たな長期在院者をつくらないための取組みを推進するため、『重度かつ慢性』を除き、入院医療は1年を上限にする」ということであります。これは規定上そのようなものを設けてはどうかということであります。
 4つ目、「重度かつ慢性については、質の高い医療を提供し、適切な処遇を目指す」ということであります。
 おめくりいただいて4ページ目、只今のような意見の整理になるのではないかということですが、それについては今日御議論いただきたいと思っております。参考としまして、これまで、今後の新たな入院医療に関していただいた意見をそれぞれまとめておりますのが4ページの資料ということになりますので、こちらは参考ということで説明は省かせていただきます。
 続きまして5ページをお願いします。「現在の長期在院者への対応」ということであります。[今後]の絵については参考までということで見ていただきたいのですが、地域移行への取り組みをより一層推進することと同時に、在院期間がある程度長いということも考慮して、それらの方々への人員配置と療養環境をどうするかということでございます。
 5ページの下を見ていただきまして、現在の長期在院者、ここは「重度かつ慢性」を除く方々ということで考えていただきたいのですが、まず地域移行の取組みとしましては、長期在院者の地域移行を推進するため、できる限り、退院、地域移行が進むような取組みを重点的に行っていくということ。次に、外来部門にも人員を再配置していけるよう地域移行のための人材育成を推進するということ。高齢者で要介護度が高い場合に、精神疾患のある人でも、退院して介護サービスなどが使いやすくなるような方策を検討するなどの意見があったと思います。
 次に、人員体制の部分ですが、退院支援や生活支援などの患者像に応じた支援を提供できるよう、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、看護補助者などの多職種で3対1の基準とする。医師は、現在の精神病床の基準よりも少ない配置基準とするということであります。
 次に、療養環境については、長期の療養や地域移行のためには、より地域生活に近い環境が適切であるとの観点から、開放的な環境を確保する。外部の支援者との関係をつくりやすい環境とするといったことがあったと思います。
 最後、その他の部分ですが、さまざま意見があったというものの中で、幾つか、多かった意見をピックアップしています。1つ目が、地域移行を進めるためには、選択肢が多い方がよいとの意見がありました。また、2つ目は、地域の受け皿として、医療と福祉のサービスを複合的に提供できるような新たな仕組みを検討するべきとの意見もありました。3つ目には、長期高齢の在院者の受け皿として、精神病床でも介護老人保健施設に転換できるようにすべきとの提案がありました。これに対しては、精神疾患があるということではなく、介護保険の対象かどうか、状態像に応じて個別に判断すべき、介護保険の対象にならない者は引き続き医療で対応すべき、といったような意見がございました。
 6ページは、先ほどと同じように、この現在の長期在院者への対応に関して今までいただいた主な意見を少し整理させていただいたものですので、参考に見ていただければと思います。
 また、参考資料の方を御覧ください。参考資料は、前回もおつけしたものを再度おつけしているものもありますが、少し追加したものがございます。スライド番号ではなくて、ページ数で6ページですが、病棟別の患者の状態像というところについて、これは第1回目の資料に出しております。上が病棟別の在院期間、ある日の在院患者のうち在院期間が何か月の者、あるいは1年以上の者が何割ぐらいいるかといった資料になります。
 それから7ページ、これは厚生労働科学研究の約1万5,000人弱の患者数の分析になっておりまして、7ページは、各病棟別に年齢がどのようになっているかというものでございます。7ページの下は、それについて、GAFスコアで言うとどのような分布になっているかというものでございます。
 このほかについて、8ページを御覧ください。第1回目の資料では、IADLやADLについては、その病棟ごとの平均の点数しかお示ししていなかったので、研究者の先生にお願いしまして、分布がわかるように集計を出し直していただいたものが8ページ以降になります。
 8ページの上の図は、IADLにつきまして、7つの項目があるのですが、それぞれについて、「問題ない」「いくらか困難」「非常に困難」の3段階の評価で、「非常に困難」とつけた項目が7項目のうち何項目あったかというグラフでありまして、一番上の網かけの黒の濃い部分が、7項目全てが非常に困難、逆に、一番下のゼロというのが下の部分になっておりまして、病棟ごとに分布がこのようになっているということであります。
 8ページの下、ADLの項目については、これは8ページの下がベッド上の稼働性、それから9ページは移動、食事、それから、更に10ページはトイレの使用と個人衛生ということで同様にその分布を出していただいたものということでございます。
 その続きは更に精神症状に関するスコアに関する分析ということになっておりまして、こちらを本日追加資料として出させていただきました。
 説明は以上になります。

○武藤座長
 ありがとうございました。このように、皆様方からいただきました意見をもとに整理させていただきました。今日は、これに関して再度御意見をいただきたいと思います。
 前半と後半に分けまして、まず前半、この資料の3ページ、「新たな入院患者への精神科医療」、そこから始めたいと思います。御意見があれば是非ともお願いします。

○小川構成員
 まず質問なのですけれども、2ページの長期在院者のところで、退院者が約4万人いらっしゃるということですけれども、そのうち過去にデータがあったのかもしれませんが、死亡退院の方というのはどのぐらいいらっしゃるのかというのをちょっと、後でも結構ですけれども、教えていただきたいと思います。
 そして、意見ですけれども、3ページのところです。3か月〜1年未満ということで、「看護師と精神保健福祉士や作業療法士等を併せて3対1の人員配置とする」という表現がございます。前回の検討会でも、ここは私は、看護師と精神保健福祉士、作業療法士それぞれ役割が異なるので、丸めて3対1ということについてはどうなのかということの意見を申し上げたつもりです。そういう意味では、両論併記というような形に是非していただきたいと思います。
 財源、人員に限りがある中で段階的に進めていくということは、私もそのとおりだと思います。また、入院医療、1年を上限にするというようなことも、非常にこれは評価したいと思います。その段階的に取り組むというときに、これまでも、いわゆる経過措置というようなことで段階的に進めていく手法がありますので、そういう意味では段階的な取組みは経過措置で、本則はきちっと、看護師は3対1、そして、精神保健療法士、作業療法士を配置するということは本則に書いていただいて、そして経過措置を設けていくという手法でやっていくべきだと考えております。
 人の生命とか、地域で当たり前に暮らす、そうした基本的な権利、あるいは人としての尊厳を守るということについては、財源がないからということで制限する、そうしたことがあってはならない。是非ここは、丸めてということではなくて、それぞれの職種を配置していくということで、看護師についても3対1ということでお願いしたいと思います。
 そしてまた、よく、当分の期間ですか、そういった表現がございますけれども、10年、20年たっても当分の間というようなことも現にありますので、きちっと期限を区切って、計画的に、着実に地域の体制も含めてとっていくということで、「当分の間」といった形でのものはやめていただけないかと思います。
 また、これはこの検討会の議論では検討課題ではないということですけれども、1病棟当たりの病床数が70床という病院があったり、あるいは畳部屋があったり、また、いまだに鉄格子がある病院もあるように伺っております。そうした療養環境もきちっと予算をとって改善していく、そうした支援も行っていただきたいと思います。
 また、3か月未満とか3か月〜1年未満という、いわゆる入院期間で医療法上規定していくということについては、私、具体的にどのような表現になるのか、そこもちょっと教えていただきたいと思います。医療法施行規則上どういう表現になっているのかということについて、これも教えていただければと思います。
 以上でございます。

○武藤座長
 今の御質問、死亡退院に関することと、あと、どのような医療法施行上の規則になるか、表現になるかということですが、お答えできますか。

○中谷課長補佐
 最初にいただきました、退院患者のうちの死亡退院の割合ですが、1年以上の在院期間の方の退院については約20%。これは第2回目に追加で出した参考資料の方になります。2割ぐらいです。
 それから最後の、医療法上どのように書くのかという点は、担当の医政局と相談させていただく必要があるので、まだそこは具体的ではございません。

○武藤座長
 では、他によろしいでしょうか。
 菅間構成員、どうぞ。

○菅間構成員
 私のところの病院は栃木県の北の外れにある一般病院で、二次救急医療を引き受けています。先日、救急外来でどのぐらい精神疾患の人が来ているかを調べてみました。救急外来に来院し死亡した精神疾患患者の症例が先月1か月の間に2例ありました。統合失調症で自殺を諮った方ですが、かなり興奮状態のため挿管できずに亡くなった1例と、鬱病で自殺されて亡くなった1例の2例がありました。救急外来に来られる精神疾患患者の数は、調べて見てみると、一般病床の7対1の算定が始まってから増えています。地方において、特に私どもの様な地方の外れにおいては精神救急は崩壊の危機にあり、民間の一般病院が精神救急疾患に対応せざるをえない形になっているわけです。地方によっては、この話でわかるように、3か月未満の急性期の対応が必ずしも現状できていないのです。その理由は人員の不足にあります。今、小川構成員が言われるように、財源的な措置がされて、人員的な配置がきちんとできれば、それにこしたことはないわけですが。現実に、地方の民間の精神病院がきちんと維持できなくなっている最大の理由は、人員配置ができないことにあります。特に看護師です。現実的に、現状の人員の再配分を考えていかないと、現状でも崩壊している気がしますけれども、更に悪くなると考えられます。この精神医療の機能分化を進めることによって、地域格差、ないし地方格差が進んで、都会ではやっていけるけれども、結局、田舎では十分な精神医療はやっていけないという状況になり得るのではないか。精神医療の機能分化は果たして本当にいいのかと、先日、つくづく考えさせられた次第です。
 これからますます少子高齢化になります。精神科を志望する正看護師さんは増えるとは全く思えません。その辺のところをよく考えたうえで、精神医療の機能分化が実現可能なように、現実的な人員の再配置で対応していくことを考えるべきと考えます。地方の民間の病院、精神病院のみならず、一般の疾患を扱っている急性期病院もやっていけない状態になってしまう可能性があります。その辺のところを御理解いただければと思います。

○武藤座長
 ありがとうございます。看護配置に関して、何か他に御意見ございますか。

○天賀谷構成員
 先ほどの説明のところで、参考資料の8ページについてなのですが、御説明のあったIADLのいわゆる病棟別の分布が示されているかと思います。前回私も、ちょっと発言としましては不十分であったかもしれませんが、入院病棟と精神療養病棟の、これはIADLのどのぐらいの割合、できる人が多いかというものであるだろうと理解してのことなのですが、そういう日常生活面で不十分なことが多い方が非常に割合としては高いということは言えるかと思います。
 私は、この点につきまして、入院基本料は基本的に15対1の配置数でやっているところが多々あるかと思います。もう一つは、精神療養病棟入院料はその半分のいわゆる6対1基準となっていることが1つありまして、その配置がこういった、いわゆる日常生活動作、または重度・慢性の患者さんが非常に混在するということを考えれば、ここは最低でも15対1をきちんと配置すべきではないかと思うわけです。
 その際に、ADLの項目ごとに見てみれば、非常に自立性の高い患者様がまたいらっしゃるわけですから、そういった状態像はとりあえず別に考えるべきではないかと思います。
 先ほどの意見の整理の方の資料なのですが、先ほど小川構成員の方からも話がありましたが、3ページの3か月〜1年未満というところで、看護師、精神保健福祉士、作業療法士を併せて3対1というところは、私もこのようには理解しておりません。ですから、この3か月〜1年とか、重度かつ慢性と文言上分かれてはいますが、私は、急性期、急性期以外でかなり患者さんが、急性期以外のところには混雑するのではないかと、かなりミックス状態になるのではないかと理解しております。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。
 広田構成員、どうぞ。

○広田構成員
 私は、昨日の朝10時にストレスケア病棟に入院して、今日の1時に退院してきました。先日会った、患者の仲間の話によると、「前に入院していたときにはいろんな患者さんがいて、電話が筒抜けでした。それで、家族に『面会に来て』と言っていた。統合失調症らしい人が騒いでいて、すごく気の毒だった」と入院患者が言っていました。私も、自分が入院してみて、たまたま24年前に自分が注射の副作用で入院した病棟がその真上だったということを夜中に気がついて、廊下を歩いてみました。24年前と同じように。11年前から私は厚生労働省の委員に出てきていますけれど、先日は自民党に、日精協さんが駆け込むという話をしましたが、今度、いわゆる福祉の人たちは民主党に駆け込んでいたのですね。今、民主党政権になったから。民主党政権がいいかというと、民主党政権は現実離れしたマニフェストを掲げた政権ですから、いいとかどうかというのはこっちに置いておいて、精神科医療は今変えないと、変わらないのではないかと私は思います。
 社会的入院が何十万人もいるとさんざん言われていて、今この瞬間に、3か月未満のように、3か月〜1年未満を3対1にして多職種というやり方を急速にすれば、現場は混乱するかもしれない。現在の入院患者の数ではですよ。それは、別に田舎の民間病院だけではなく、全国でいろんな混乱が起きるかもしれないけれど、何年間かという期間を区切ってそういうことをしないと、いつまでたっても、この国の隔離収容施策から延々と続いている。朝日新聞が一見患者の味方かなと思っていた。しかし、「医療観察法に向かっていった保岡メモを書いたのは実は朝日新聞の論説委員だった」ということを、厚生労働省のかつての精神保健福祉課長に聞いたこともあります。そのような、誰が味方なのか、敵なのか、誰が患者の背中をおすのか、門屋さんに3年以上前、在り方検討会が夕方終わったので、「ごはん一緒に食べましょう」と言ったら、とても困った顔をされて、医者以外、コメディカルの人がどんどん出かけていった。私はそこにいた武田牧子さんという当時の厚生労働省専門官に、「武田さん、私があなたの立場だったら私が外れるわよ」と言ったら、「相手が広田さんだからよ!」と怒鳴られたことを今でも忘れません。
 それは、広田和子という、行政、関係者、どちらからも操作できない患者だからこそそういう場で外すということがずっと続いています。本当に言論の自由がなくて、やたらいろんな情報が入ってきて、これが終わってもどこかで、門屋さんや、伊澤さんもみんないろんな人が関わって、「厚生労働省の援護局長まで出てくるような大がかりなシンポジウムがある」と聞いて、実際私たちのこういう施策はどこで決まっていくのか。私は、きちんとこういうところで決めてほしいと。裏舞台で決めてほしくない。自民党のところに駆け込んで決めてほしくない。民主党のところに駆け込んでほしくない。どこか裏でやってほしくない。ただ、私は、日精協ではきちんと10月9日に、「山本美雪ちゃんと一緒に、言いましょう。川崎洋子さんも、言いましょう」と発言していますね。私は、公明正大にいきたい。
 そういう中で、日精協さんもみんな腹をくくって、そろそろ日本の精神科医療を、誰もが入院して、本当に癒されたというような医療にするために、丸めだとか何とかわけのわからないこと言っていたりしない。ただ、私は1つ小川構成員に言いたいのは、私が一番安心できるのは、逆に畳部屋です。畳部屋が必ずしも悪いわけではなくて、畳部屋で少し退院の準備をして送り出している民間病院も私は知っています。鉄格子なんかは外さなければいけませんが。そういうことを考えたときに、日精協の会長も出ている、口のうるさい豊ちゃんもいる、この場できちんと、私は、何年後にこういう医療にしたい、きちんと話したいと思います。
 今回、入院した時、夜中に挨拶に来てくれた看護師さん、「60歳過ぎている」とおっしゃったので、「いつまでもいてくださいね」と言いました。「精神科は何しろ看護師さんが少ないから、お願いしますね」と、そういう意味で、次回でこれ終わりますよね。終わるときには日本の精神科医療の明日が見えるようにしていただきたい。千葉構成員も、佐々木構成員も、菅間さんとおっしゃったっけ、それから山崎会長も、是非そのようにしていただきたい。
 それで、その医療に見合った診療報酬になるような形を国民に働きかけなければ。悪かろう安かろうという医療で誰が被害者になるか。患者ですよ。私が今日資料で出している、30キロ太っている私ですよ。医療ミスの注射を打たれた副作用のため、薬漬けになった私の写真です。そして、今20キロやせた私がここにいるのです。そういう人生でなかったら、私はこんな大変な思いをしてここにいない。余りにも疲れますもの。皆さん!裏で動かず、ちゃんとここの場でやりたいということです。

○武藤座長
 それでは、もう一度もとに戻りますけれども、3か月〜1年未満の看護配置に関してほかに御意見ございませんでしょうか。
どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員
 私は従来から、3か月以上のところには、そんなに看護師さんの人員はいないから、なかなかそれを実現するのが難しいだろうし、高々と理念をぶち上げるのはいいのですが、そういう高いところを掲げてしまって、結局はそこに追いつかないで、いつまでもその山のふもとにずっといるという今までの現状からすれば、やはり幾らかでも、ここにあるように段階的にという形でやっていくべきだということを主張してきているわけですが、今、小川構成員のおっしゃったように、当分の間とかそういうのはやめて、年数を区切れとか、そう経過措置をつけろとかおっしゃるのですけれども、実際には、看護師さんの実数といいますか、それはどう増えるのかと。精神科に対しての看護師さんの養成というのはどれぐらい増やせるのかということにかかっているわけでして、まるっきり魚の入ってない生けすから魚をすくえというような話はあり得ないだろうと思うのですね。
 もとより、看護教育や、あるいは看護協会等の団体がどれぐらい精神科の看護に対して熱心に取り組んでいただいて、そこに理解を持って、その道に進もうという看護師さんをつくれたかということになりますと、こう言っては何ですが、私らのところに、最近は大分意欲を持ってくださる若い看護師さんたちがぽつぽつ来るようになりましたが、以前は、精神科にあなた行くなんてとんでもないわよと、何ばかなこと言ってるのと。2級専、3級専の低レベルの看護婦になっちまうよみたいなことを看護学校の先生たちがおっしゃったり、あるいは、そういうところに行くと言うと、周りの看護師さんたちがそのように言うといったようなことがずうっと続いてきて、その結果として、看護師さんは増えていない。一方で、それに見合うだけのちゃんとしたというか、十分に発達した、成熟した精神医療を提供してこなかったという環境も悪いということも含めて、そのベースでお話を申し上げていますけれども、そのような数がないところで論議をしていても、前に進まないのだろうと思いますね。

○広田構成員
 社会的入院者を解放するのよ。

○千葉構成員
 勿論、その両側だと思っていますので、そのようなことをしていって、機能分化等が、ここにあるように進んでいけば、一番最初に掲げてあるように、結果として精神病床は減るということで、減れば、勿論、再配置ということもしていけると思うのですが、私が申し上げたいのは、そういう実数のちゃんとした把握なく、ここで理念的な話をしていたり、年数を区切るとか、非現実的な話をしていてもいけないと思います。

○武藤座長
 小川構成員、いかがですか。

○小川構成員
 看護協会という指摘がございましたので、私の方でちょっと補足的に説明いたします。
 看護師の養成数は、大学、養成所合わせて、1学年定員約5万人です。そのうちの病院に勤務する、就職する方は、4万6,000とか7,000という数が病院に就職しております。一方で、そのうち、現在は1万人ぐらいですけれども、退職や転職というか、他の病院に移って、結果的に1年間で定着するのが約3万5,000人。ですから、残りの約1万人がいわゆる潜在看護職のような形で、勿論、その方は戻ってくる可能性もありますけれども、そういう形で、定着しないという問題があります。
 看護師の就業率を各5歳刻みで年代別に見たときに、25歳未満で約1割の方が潜在している。90%の就業率ですね。25歳から30歳で約80%、30歳から35歳で約70%。要するに、35歳までに1割、2割、3割減っているのですね。ですから、この定着を進めていくことによって看護師の供給数というのは非常に上がっていくと私どもは考えております。
 精神科病院の問題ですけれども、私どもは、ナースセンター事業ということで、看護職の再就業を支援するナースバンク事業を行っております。今データは持っていないのですけれども、名前の有名な大病院とかは、我々、余り支援をすることなくて、むしろ中小の民間病院が結構私ども支援をしているのですね。その中でも精神科病院に対する支援もナースセンター事業の中で行っていて、日本看護協会、都道府県看護協会が連携して、精神科病院も含めて民間病院の支援を行っているというのが事業の内容です。
 また、精神科病院の本当にいいところというのはかなり定着率が高いのですね。そこは残業がないとか残業の時間が少ないとか、いわゆる一般病床よりは比較的、そういう意味では働きやすい職場だと私ども思っておりまして、定着対策は非常に精神科病院は頑張ってやられていると私ども感じております。ですから、魅力ある医療、そして労働条件もそれなりに整備していただければ、私どもは、これまでも着実に看護師の数は増えてきておりますので、徐々に増えていくものと思っております。

○三上構成員
 「新たな入院患者への精神科医療」の3ページの表ですが、いわゆる3か月未満、3か月〜1年未満、あるいは重度かつ慢性と書いてありますけれども、この表は人員配置のための表ということを考えますと、基本的には平均在院日数割りで病棟別の期間を決めてはどうでしょうか。今、身体の方の一般病床については、7対1、10対1、13対1、15対1で平均在院日数が決まっておりますが、この場合、3か月未満の平均在院日数のところは、主に急性期を見る精神科病床、3か月〜1年未満のところは亜急性期を見る精神科病床、そして1年以上のところを慢性期を中心に見る精神科病床という形で分類するのがわかりやすいと考えます。
 重度と書いてありますけれども、慢性期を1年以上としますと、1年以上の中で、重度とそれ以外、いわゆる中等度、軽度の方について、どうするかということですが、一般病床として考える場合には、ここで言う重度の場合は、13対1、15対1等については特定除外という制度があります。今回なくなりますけれども、特定患者になるのを除外するという制度があり、例えば重度の方は平均在院日数から除外して計算するというやり方も当然考えられるわけです。 そうすると、ここの精神病床についても看護配置と平均在院日数の分類の中でうまく分類できるのではないかと考えます。
 それともう一つは、慢性期、1年以上の平均在院日数の中で、いわゆる中等度、軽度という場合について、本当に医療が要らないのかという話になりますと、そうではありません。医療の中にも医療療養病床というのがあり、これは中等度から軽度の医療が慢性的に必要な患者さんが入っておられます。介護療養病床については、医療は軽度かもしれないけれども、ADL、IDALが非常に悪く、介護の必要度が非常に高い方が入っていらっしゃるという分類ですので、ここで「入院医療は1年を上限とする」と書かれていることについては、受け皿がまず全くないというのが今までの調査ではっきりしている中で、こういうことまで書くというのは書き過ぎではないかと私は思います。
 例えば受け皿といいますか、居住先シーンが整えば退院できるという方が調査結果では大体50%ぐらいいらっしゃるわけですけれども、その中で、もし退院した場合に家族の支援が得られるかどうかについて、全く得られないとか、週に1回電話するぐらいという結果がかなり多く、毎日そういった支援ができるというのは10%とかなり少なかったと思います。ですので、この辺の条件が整っていない状況で、入院医療は1年を上限とするということで全部地域に出してしまうということをここで宣言することについてはいかがなものかと思います。介護療養や医療療養という、地域に行けない方々を受け皿として見るところもあるわけですから、これについては考え方を見直していただく必要があると思います。

○山崎構成員
 先ほどの看護師の問題ですが、民間の精神科病院は、看護師さんが余っているのに採用しないのではありません。先ほども菅間先生がおっしゃったように、慢性的な不足が続いています。いないで、このように充足状態が続いている中で理想論ばかり言って、この人数にしなければいけないというのを法律でしてしまったら、現場はどうなってしまうのですか。
 また、先日、この検討会でもお話をしたように、国公立の看護師さんの給料というのは民間より5割ぐらい高いのですよ。そうすれば、看護師は労働環境がいい方に流れていくというのは経済原則で考えたって当然の話ではないですか。そういう基本的な、構造的な問題を全然検討しないで、公立も民間も一律に3対1を基準にしろというのは非常におかしいと思います。それから、日看協にしても日精看にしてもそうですけれども、これらの協会の精神科関係の看護師の多分8割ぐらいは日本精神科病院協会の会員病院の職員なのですよ。そういう看護師さんが安い給料で頑張って現在の精神科医療を支えているということをもうちょっときちんと理解してくれないと、理想論ばかり言ったってどうにもならない話だと思います。
 したがって、そういうことを決めるのなら、民間病院にも1点15円でくださいよ。そうすればもっと看護師さんの給料上げますよ。そのように経済的にきちんとイコールフッティングでやっておいて、人員配置を決めるとか、あるいは日看協や日精看で看護学校をつくって、年間これだけの看護師さんをつくりますというきちんと充足計画を作って下さい。これだけの人が終業できるから、これだけ補充ができて人員配置を上げていきますということならばいいけれども、そういう養成するグランドデザインも何もないところで、ここで一律に人員配置だけを論じるというのは非常にナンセンスだと思います。

○武藤座長
 どうぞ。

○天賀谷構成員
 今の山崎先生の発言の補足といいますか、1つは、先ほど理想論ということが言われましたけれども、医療という場は、基本的に状態がある程度皆さん固まっているわけではなくて、落ちつかないというか、波があるというか、そういった状態が長く入院されている方には私は多いのではないかと理解しているわけです。ですから、そういった人たちに十分な医療を提供したいというのは、医療機関にいる以上、当たり前の思いかなとは思います。
 もう一つは、先ほどの看護師の確保ということで言いますと、私は、今、大学の教員もしていまして、日精看の方の活動にも当然関わっているわけですが、基礎教育の中では、いわゆる精神科病院、または精神科の看護師というのは一般科より劣っているとかそういった見方というのは、大学ができてから随分と私は変わってきていると思います。
 また、専門学校とか准看護師の方々が精神科にたくさん入ってきたというのは、基本的に病院が附属学校を持っていて、それで、昔よく使われていたお礼奉公といったような形で入ってきたことにほかならないだろうと思います。ですから、今、病院でそういった学校を持っていてもなかなか看護師が就職してくれないという現状もこれまたあるだろうと思います。ですから、基礎教育の中で少なからず精神科蔑視といったようなものは、以前に比べれば私は少なくなってきているのではないかと理解しています。
 先ほどの、なかなか看護師が集まらないということは、基本的には私は、新入職者がなかなか精神科には流れにくいという現状は以前に比べれば少しはよくなっていたとしても、今もまだ少ないということは十分に理解しています。ですから、病院によりましては再就職者にターゲットを絞りまして、そこに就職を働きかけているという医療機関が随分増えてきているのも現状です。
 そういった、いわゆる再就職者をどう確保するかということにつきましては、医療機関の中にいる看護師の立場としましては、昨年同様、日精協の先生方と協力し合って、いわゆる再就職確保事業というものを今後も継続していく必要があるのではないかと考えます。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。ちょっと先に進めたいと思いますけれども、重度かつ慢性期の方に移ってもよろしいでしょうかね。
 こちらの重度かつ慢性期に関しても、人員配置に関して両論がございました。まず、樋口副座長の方からこれに関する考え方を述べていただけますか。

○樋口副座長
 2〜3回前のときに私が申し上げたことと変わってないのですけれども、そのときに申し上げましたように、やはり「重度かつ慢性」の「重度」というのは、あくまでも精神症状、病態、病状が重度であるという方に限定すべきであると私はそのとき申し上げたつもりです。ですから、ここの基準というのはこれから明確化されるのでしょうけれども、そんなに幅の広いものではなくて、かなり限定された基準のものと理解するわけですが、したがって、例えば今であれば、医療的に言うと、クロザピンを使ってみるケースだとか、これから、いろいろな新しい薬物療法にしても開発されていくわけですけれども、かなりきちんと医療的に見ていく必要があるようなケースを想定するわけです。したがって、ここはやはり3か月未満と同等の配置にすべきである。言いかえれば、それはいわゆる一般病院の精神科病床が今あるわけですが、それと基準を同一にしておくべきではないかと考えております。

○武藤座長
 いかがでしょう。重度かつ慢性に関して。

○三上構成員
 樋口先生は、重度かつ慢性というのは精神疾患だけのことをおっしゃっておられますけれども、以前からの議論では、身体疾患を合併している場合についても当然話が出ていますので、身体疾患の方が、重度という場合に、それが慢性であっても急性であっても、人員配置としては手厚く要るのだと思います。一方で、精神疾患も当然、急性であっても慢性であっても、重度であれば手厚い人員配置が要るのだという考え方だと思うのですけれども、精神疾患が重度でなくて、中等度か軽度であっても、身体合併症が重度であれば、当然、3対1でなくて2対1、いわゆる10対1とか7対1が要る可能性もあるわけです。ですので、そこのところの考え方というのは変えていただきたい。精神疾患と身体疾患を切り分けて考えていただきたいと思います。

○樋口副座長
 私が今申し上げたのは、精神の重度に関してのことを申し上げて、身体的なものを重度で、精神的にはそんなに重度でないケースってたくさんありますね。それは別途、先生おっしゃるような基準が必要なのだろうと思いますし、それは場合によっては、これからは、私思うのは、身体科でケアすべき対象にしていく必要があるのではないかというぐらいに思うのですね。

○武藤座長
 他にいかがでしょうか。

○中島構成員
 お聞きしていたのですけれども、この重度かつ慢性というところの、特に人員体制について2つの意見を併記してありますけれども、重度な人については、最低限一般病床と同等の配置というのは絶対必要なので、これは併記する必要もない。多職種で3対1の人員配置というのはもう消されたらいいのではないかなと思います。
 それからもう一つ、「入院医療は1年を上限にする」というところ、ここでこの重度かつ慢性、若干ひっかかってくる部分だと思うのですけれども、この1年目には必ずきちんとした審査が入って、あるいは受けて、やはりこの人は重度かつ慢性ですよという評価があればそちらへ移っていくというような形にしないと、この期限が切られるということはとても大切なことだと思うので、是非これは残していただきたいなと思います。
 それから、若干前に返りますけれども、3か月〜1年未満で看護師と精神保健福祉士、作業療法士等を併せて3対1の人員配置。この「等」の中に看護補助者を入れないということをひとつ明記しておいてほしいということですね。資格がない人をどんどん入れてしまって、3対1になりましたよというのではやはり話にならないなということでございます。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。他に御意見ございますか。
 では、千葉構成員どうぞ。

○千葉構成員
 まず、今の重度のところの人員基準の話ですが、我々が臨床の場面で大変困っているのは、隔離室から出せないような患者さんですね。非常に興奮状態がずうっと続いていて、昔であればかなりの多量な、しかも多剤の薬をして、へろへろと言ったら何ですが、しなければ危なくてしようがない。一人ではとても扉を開けることができないという患者さんたちで、今は勿論、そんな薬をたくさん使うということはしていませんけれども、一方で、人数がたくさん、こう言えば何ですが、屈強な男たちが何人かで保護しないと、すぐ隣の方をなぐるけるというような事故が起こってしまいそうな方というのは、どの病院にも何人かおられると思うのですね。
 現実にうちにも2人ほどおられまして、できるだけ出そうと試みても、出た途端に、そこにあった椅子を振り上げたり、灰皿でガラスを、おまえ、これでガラス割るの4回目だから勘弁してくれと家族が言っているぐらい、大変そのような、周りにパワーが要る人たちといいますか、はあるのですね。これが看護師さんで、女性で、取り囲んで何とかなるという話でない人たちもいるだろうと思うのですね。ですから、あくまで状態に応じてすべきだしと。
 例えば、我々も、統合失調症は随分軽症化したという話にもなるのですけれども、昔はやはり何人かで取っ組み合いをして抑え込んでというような形で抑制したりする時期もどうしても必要だったりするのですが、そのときに、対等な力だと、絶対本気で両側やらないとだめなのですが、片方が、ある意味、格闘技とかそういったちゃんとした技術、技能を持っている方があると格段に、子どもをひねるようにと言うと何ですが、安全にちゃんと抑えられる。諸外国の医療観察法病棟では、スタッフは必ず週に1〜2回はそのような格闘技のトレーニングをする時間さえちゃんとあるわけですね。ですから、今の看護師さんたちに全部トレーニングしていくという手もあるのかもしれませんけれども、そのような必要な人員といいますか、そのようなものもやはり入る余地がないと困るのではないか、現実に現場で困るのではないかということで、この多職種の話を私は出しています。
 それからもう一つの、「入院医療は1年を上限にする」のところですけれども、私は、上限にするとぴたっと切ってしまうこと自体がちょっと今の段階では難しい。重度・慢性の定義も、それもはっきりしていない。一方で、長期入院をつくらないための取組みを推進するというよりも、その取組みは何ぞということもまだはっきりしていないということの中で、これはちょっとここまでは言い切りにくいなあと思っていて、せいぜいここで言えるのであれば、「重度かつ慢性を除いて1年以上の新たな長期入院者をつくらないような取組みを推進する」といったような文言にしないと、ぴったり切ってどうと。勿論、今、中島構成員がおっしゃったように、他の検討チームの方でも、医療保護入院を1年以上の場合にはどうするのだと。審査をするシステムというのはやっているわけですから、それを反対するわけではないのですが、ここでぴたっと言うことはちょっと難しいなと思っています。

○武藤座長
 ありがとうございます。他によろしいでしょうか。

○佐々木構成員
 今更何でこんな基本的なことをまた蒸し返すのだと言われかねないのですが、ちょっと事務局のページ3をまとめた方にお伺いしたいのですが、3か月未満というのは、現在ある精神科の救急と急性期を合わせてここに盛り込んだのか、それとも、急性期の病棟については今までどおり別建てなのかということを1つ伺いたい。
 それからもう一つは、3か月〜1年未満の、これは確認なのですが、人員基準で、看護の話はさんざん今されたのですが、これは医師の基準が48対1ということとイコールですか。現在の基準というのは。これは48対1と考えていいのですか。

○中谷課長補佐
 まず、2つ目は、現在の精神病床と同様というのはそういう意味です。それから、前半の3か月未満については、これは特に病棟を意識したわけではないのですけれども、当然、今の急性期入院料の病棟が3か月になっていることは参考にさせていただきました。もしあれでしたら、質問、もう少し詳しく教えて。

○佐々木構成員
 つまり、これは現在の急性期を意識したものということであれば、現在の精神科救急入院料の基準ですね。そちらは、例えば看護については10対1なのですが、それはそのまま温存して、それの下に急性期を15対1で、医師の配置は16対1にアップグレードしてと、そういう意味でお書きになったわけですか。

○中谷課長補佐
 はい。これは医療法の施行規則での基準ということで、診療報酬の2対1は、勿論そのように更に。

○佐々木構成員
 これは医療法の枠ではこうで、その中で、診療報酬上、急性期とかそういうのをおつくりになるということですね。わかりました。
 2点目の方ですが、48対1に対する反感ですとか、それから、いわゆる精神科特例、それの廃止ということを随分皆さん意見としておっしゃっていたのですが、3か月〜1年というのは、今は入院の患者さんの数にしてもかなりの数がいらっしゃると思います。これからだんだん減っていくとは思いますが、ここはまだ医療の必要なところですし、それから、ある意味、医療の使用によっては入院の患者さんを減らせる、そういうパートでもあると思うのですね。そこが今と同じ48対1でいいと。今後また50年ぐらいですか、お墨付きを与えていいものだろうか。今後のロードマップをつくるのであれば、とりあえず移行措置として48対1にしても、これから減らす方向にするとかそういうことを何かしら盛り込んでもいいのではないか。32対1とか、そういう数も議論の途中で出た気がするのですが、それはもうきれいさっぱりなくなっているので、そこをちょっとお伺いしたい。

○千葉構成員
 その32対1とか24対1のところは、ここにありますように、この機能分化という言葉は、恐らく人員基準のことも含まれてのお話だろうと思うのですが、実現可能な方策を講じながら段階的に進めていくというところに入れていただいたのかなあと思っていて、この3か月のところもそうですが、いきなり16対1に全部いけといっても、現状では、勿論、そこに向かっていく何かがなければできないわけですし、また、都会部だけができて、田舎はなかなかお医者さんがいないから、では急性期の病棟はなくてもいいのかといったら、そんなことにはならないだろうと思うので、現状でも、今、佐々木構成員がおっしゃったのは、いわゆる救急入院料算定病棟の話は、あるいは総合病院等の場合は16対1の医師ですけれども、現在の急性期病棟の基準からいけば、医師は48対1でやっているわけで、これを32対1、24対1というようなステップをつくりつつそちらにいくべきではないかという意味で私は申し上げていて、それをするためには、逆に、3か月からのところは、現時点、かなり長い、医者が増える、あるいは病床が減るといったような状況がないと、そこにシフトを再配置できないのではないかと思います。

○武藤座長
 確かに段階的にというところをもう少し明確にしていくことが大事ですね。

○広田構成員
 お金の話が出ています。そうすると、山崎先生がせこいと思う人もいるかもしれないし、非常にわかりやすくてリアルだという意見もありますね。例えば日経、読売、朝日、東京、毎日、産経と給与格差があります。それは、いわゆるカラーが違うから、納得して働いたり、毎日とか産経はアルバイトができるのですね。中島豊ちゃんふんぞり返っているけれど、あの人のところは税金が落ちるわけですよ。
 私、ここでどうしてこのように対立になるのかなと思うのですね。精神科の医療が安いのだったら、みんなでいい医療にして上げてもらおうよということで、小川構成員も、天賀谷構成員も、みんなそういう気持ちになって、ここに盛り込めるかどうかというと、とんでもないよ、診療報酬なんてと思うかもしれないけれど、そういう雰囲気になって、全体としていい医療に向かうために、この前、「キムタクを白衣で」と言ったけれど、看護師さん、今、探しています、モデルをね。
 そのようにして精神科医療をイメージアップする。日刊ゲンダイが、この間もうつの2つの記事を載せていましたよ。今日も、「キャリアカウンセリングで本音を漏らすとリストラ要員に」と出ていました。いろんな形で、今、うつ、うつ、うつと言って、患者がどんどん来そうなのだけれど、私は、予防、予防、予防と言っています。こういう時代に、みんなで変えていくという雰囲気にならないと。聞いているマスコミもわけわからない、傍聴人もわけわからない。この会議は何だろうということにならないように、日本の精神科医療をいい方向にしようよというふうにみんなでいかないと。足の引っ張り合いで、山崎先生、えげつない、千葉ちゃん、それに輪をかけてということでなくて、中島先生は税金投入しているからふんぞり返っている、そうではなくて、精神病院悪、地域医療善、地域福祉善でもなくて、是々非々だから。良い精神科医療にしていこうよと持っていけませんかという私の提案です。精神医療の被害者として、皆さん、よろしくお願いします。そうしなければ、国民はわかりません。

○武藤座長
 今、広田さんがおっしゃったように、目指す方向性をきちっと明確にした上で、そこへ向かって段階的に進んでいく、その具体案を是非とも今日の御意見を生かして盛り込んでいきたいと思います。時間の関係で、次の現在の長期在院患者、1年以上、これは重度かつ慢性を除いたという前提のもとに御議論頂ければと思います。

○山本構成員
 私、この検討会、非常に疑問に思っているのですけれども、結局、1回目からずうっと同じ議論が出っぱなしで、何も決まらないと。前に全く進んでいることがなくて、それで、また今日も、せっかく3か月未満のこの1年からの人員体制についていろんな意見があるにも関わらず、それについて全然集約がなされなくて、では次いきましょうということで、次回また、次回、もう最後ですよ。2時間しかなくて、それで何が一体決まるのですか。非常に時間の無駄だと思うのですよ。

○武藤座長
 今日は皆さん方の御意見を、この整理した案に関していただいて、それをまた次回まとめてということで。

○山本構成員
 要するに、次回、何らかの方向を決めるということで了解してよろしいですか。

○武藤座長
 そうですね。次回が最終回ということですのでね。
 それでは、長期在院患者に関して、山本構成員から、前回御欠席になられたので、是非とも御意見いただきたいのですけれども。

○山本構成員
 済みません。余計なことを先に申し上げまして。
 私、前からちょっと考えていたことなのですけれども、長期在院者の隔離・拘束の問題について、やはりちょっとここで議論していただきたいと思っておりまして、現在、皆さんも御存知のように、精神保健福祉法では、36条3項で、指定医の診察があれば12時間以上の隔離ができるということになっていますけれども、果たして長期在院者の病棟についてこれを今後もこのまま適用していいのかどうか。果たしてこういうことが必要なのかどうかということですね。もし必要がないのであれば、これは改める方向でこの会議で検討していただければ非常にありがたいなと思うのです。先ほど、屈強な方がいろいろ必要だとかいうことで、これは人員配置の問題とも関係していると思いますので、ここでちょっと御検討いただければと思うので、それは問題提起として。

○武藤座長
 では、隔離、身体拘束に関して御意見。
 千葉構成員、どうぞ。

○千葉構成員
 多分、山本構成員は誤解をなさっていると思うのですが、別に中にいたって病状悪くなるのですよ。

○山本構成員
 長期在院者でもそうですか。

○千葉構成員
 そうです。勿論。

○山本構成員
 病状が悪くなるということと、つまり。

○千葉構成員
 つまり、隔離・拘束は別に必要がないから我々は行っているわけではなくて、万やむ方なく隔離・拘束をしなければならないという状況が存在するから行っているのであって、それは長期在院だろうと急性期だろうと変わるものではないと思います。

○山本構成員
 長期在院者の場合、隔離の基準が幾つかありますね。自傷他害とか。

○千葉構成員
 勿論あります。

○山本構成員
 そういう基準に当たる人がかなりの数いるということですか。

○千葉構成員
 かなりではないですけれども、なくはないと申し上げているわけで。

○山本構成員
 12時間以上、上限がないですね、結局は。

○千葉構成員
 ですけれども、同じように、12時間以上ということは、12時間以内にきちんと診察をして、その必要性をもう一度判断しろという内容での12時間以内なのであって、ですから、12時間以内にその必要性がまだ残っているのか残ってないのかということで、その後は、拘束であれば、1日2回以上の診察をしてということになって、あとは行動制限最小化の委員会の会議の中でそれは頻回に検討していくということで現在は行われているわけで、その期間であるとか、長期だからとか、慢性だから隔離・拘束の必要性が生じないということではないと思います。

○武藤座長
 どうぞ。

○山崎構成員
 追加ですが、この長期在院者の隔離・拘束は、入院基本料の一般精神病床に入っている長期患者さんが中心です。したがって、精神療養病棟に隔離・拘束をするような患者さんが長期に入院していることは、まず現実的にはないわけです。したがって、精神一般病棟に、長期の重度かつ慢性の状態で入っている患者さんで隔離・拘束が必要な人が入っているのですが、問題は、その診療報酬が逓減制なので、重度かつ慢性であっても、入院したときの診療報酬の半分ぐらいまで減ってしまうということがあります。私、ほとんど隔離・拘束が必要でない精神療養病棟に精神保健指定医が常勤でいることが義務づけられているのはおかしいと思います。
 したがって、隔離・拘束のない病棟に精神保健指定医を張りつけておく必要はないので、精神療養病棟の患者さんの地域移行を考えたときには、指定医条項を外して、PSWのような地域移行に必要な職員を専任で張りつけたらどうだという話を提案しています。この6ページの人員体制のところが一番下が空欄であいているので、ここのところにその件を書いておいてほしいと思います。

○山本構成員
 となると、必要がないところは、要するにそれを外してもいいということですね。そこは、要するに、精神保健福祉法のあれは厚生労働大臣のあれになっていますので、そこを少しいじくるということも考えられるのではないでしょうかね。

○山崎構成員
 そうですね。その方が考え方としてはすっきりしていて、隔離・拘束が必要だったらば、一般隔離・拘束必要な期間は一般病棟の、精神病棟の方に移して隔離・拘束を行うというふうにした方が、精神療養病棟の指定要件を外すということの整合性から考えても、それはそうだと思います。

○山本構成員
 そうすると、先生言われたように、例えば精神保健指定医の人員配置についても、若干、要するにフレキシブルにできるということにもなり得るので。

○山崎構成員
 そうなのです。それともう一つは、病院の勤務医の精神保健指定医がどんどん開業してしまって、緊急措置、応急入院、医療保護入院を含めて業務に支障をきたしています。精神保健指定医を必要がない精神療養病棟に張りつけているという現行の基準を早急に変えていただかないと、地域の精神科の救急が回らなくなってしまいますので、よろしくお願いしたいと思います。

○中島構成員
 山崎先生のおっしゃっていることも納得できる部分はあるのですが、ただ、その場合には病院全体としてはやはり1人いるということが条件になるということですね。

○千葉構成員
 簡単にですが、実はこの間、東海地区のですけれども、某県の院長先生とお話をしていたら、精神療養病棟にいる、そこの常勤している精神保健指定医が外来を見たら、外来の時間は病棟にいなかったのだから、そこの部分は、精神療養の費用ではなく、入院基本料の一番下のところになりなさいということで返還を求められたと。かなりの額の返還になると思いますけれども、求められると。
 もともとそれほど必要かという論議もありますが、ということであれば、そこにいる指定医というのは一歩も外に出ることができない。つまり、救急にも参加もできないし、鑑定等の業務も、あるいはいろんな公務を頼まれても一切出ることができないということで解釈しなければならなくなる。それは診療報酬ですから厚生局の問題なのかもしれませんけれども、そのようないびつな機能になっているということをちょっと認識していただかないといけないのかなと。ずれますけれども。
 だから、もともとを言えば、ですから、精神指定医が精神療養に必要かということからすれば、もうちょっとそういったのは考えていただきたいなと思います。

○武藤座長
 それでは、人員配置の方に少し戻りますが。
小川構成員、どうぞ。

○小川構成員
 人員体制のところも、先ほど私が述べたように、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、看護補助者などの多職種で3対1の基準とするということで、丸めで書いてあります。重度かつ慢性という者を除くとなっておりますけれども、樋口先生から、かなり重度かつ慢性というのは狭義にというか、狭く考えるべきだというようなお話もございましたので、恐らくいろんな状態像の方が入っている病棟に、今も現実にそうですが、そういう病棟だと思います。
 先ほど、2割の方が死亡退院になっているということも含めて、本当にいろんな身体的なフィジカルアセスメントも必要な方も大部分入っておりますし、それぞれの職種が果たすべき役割が違う中でこのような形で、多職種で3対1といったような基準にしますと、実際に夜勤帯で患者さんが自殺企図をされるとか、あるいは、高齢者の多い病棟では、喉に詰まらせるという事故がかなりあるのですね。そういったときに、医師も、ここでは少ない配置基準ということもありますけれども、医師、看護師の方がきちっと配置しないと、そういった事後の対応にも支障が出てくるということもございますので、そこはやはり、それぞれの職種、何名必要なのかといったようなことも含めてきちっと考えていただきたいと思います。
 私が前回申し上げたのは、現在の長期在院者というのはいなくなるということを将来的には目指すということであれば、過渡的な形で、現在の療養病床の基準が参考資料にございますけれども、そういった基準なども参考にして、私は、この基準で理学療法士、作業療法士、あるいはPSWというのもきちっと配置するということも含めて考えていくべきだと思います。
 以上です。

○門屋構成員
 今の小川構成員と同じ意見でありますが、基本的に、以前、三上構成員が発言しているように、1年未満、前段の部分で議論されたところの区分けをしていけば、この長期の在院者への対応というのは、今、小川構成員が言われたように、原則減っていくであろうと考えるところでもあります。地域移行も進めなければいけないということになりますので、そうすると、基準そのものも、医師の現在の精神病床の基準よりも少ない配置基準とするということも含めて検討していけば、全体の病床が減ることによって、さっき広田さんがいみじくも言っていたように、人員そのものの再配置が行われれば病床は成り立つというか、人員配置は成り立つのではないかと考えていますので、いずれにしましても、今回の議論は、今後の将来に向けての精神科医療、精神科病院医療をどんな形にするのだということの枠組みをやはり合意形成することだろうと思っているわけですね。
 細かなことは、いろんな御意見が出てきています。診療報酬のことや現実的な対応のことはたくさん、まだまだ検討しなければいけないことがあろうかと思いますが、この検討会の使命は、患者さんにとって、家族にとって最もいい精神科医療ではないという今の現状、あるいは今までの現状、そこのところを何とかいい方向に変えようではないかというこの合意形成だけはできていると思うのですね。どういう形に変えるかということに関して、どうも現実対応のこと、現実的なことも含めてごちゃごちゃになって議論がされているように思います。ですから、そのことを一応こういう方向性でいこうではないかという合意形成を、もう一回しかありませんので、是非座長の力でまとめていただきたいという希望を申し上げたいと思います。

○武藤座長
 やはり将来を見据えた議論を是非ともお願いしたいと思います。
 どうぞ。

○堀江構成員
 過去の非常に劣悪な精神医療を変えるという合意は大体できているのだなとずっと思っているのですけれども、次回でとりまとめがおおよそ終わるということになれば、最初に出発したところで、社会的入院を減らす、それから、いわゆる精神科特例と言われる劣悪なものをなくす、そういう前提で議論が始まったことだったと思いますので、これだけの議論の、次回のときにはそれを、最初のところでも最後のところでも結構ですから、再掲で、こういう形で社会的入院を何年間でなくすつもりです、それから、精神科特例はこういう形で整理しましたというのがわかるようにしていただきたいと思います。

○武藤座長
 ありがとうございます。他に御意見。
 野澤構成員、どうぞ。

○野澤構成員
 長期在院者への現在の対応ということですけれども、8ページ以降の参考資料を見ていると、見方いろいろあるのでしょうけれども、私は、こんなに自立ができる人がいるのだなとびっくりしているのですね。他の知的障害とか身体障害の人で、全部困難という人が今当たり前のように地域で暮らしている中で、どうして医療が、必要ということなのでしょうけれども、入院しなければいけないのかというのはもう不思議でならないですね。それが1つですけれども、1つが、療養環境を整えると。これも大事なのかもしれませんけれども、地域で暮らすための練習というのはやはり地域でやらないと意味がないのではないかと私は思います。
 私の知り合いで、知的障害の人ですけれども、米田ミツハルさんという方、神奈川県の茅ヶ崎に住んでいまして、彼は35年間、入所更生施設にいたのですね。御両親亡くなっていて、地域に出たいと言ったときに、親がわりだったおじさんに反対されて、訴訟まで起こされた。それを地域の人たちが応援して、代理人立てて、訴訟に勝って、認められて地域に出てきたのですね。
 ところが、中でいろいろ、35年間、入所更生で地域に出るための訓練をしてきたことが、地域に出たときには全く役に立たないわけですよ。人間関係というのは全然、友達とスタッフ以外に他人がいるということがまずわからないとか、お金の概念がわからないとか、自分の場所と相手の場所と、それから公共の場所があるということがわからない。もうそこらじゅうでトラブル起こすのですね。で、パニックになってしまって、彼は2000年に、私たちが関わって、いろいろなそういう方たちに聞き取り調査をして、『もう施設には帰らない』という本をつくったのです。そのとき、彼、何と言っているのかというと、福祉の世界で働いている皆さん、僕を実験材料にして勉強してくださいと。人間が35年間施設の中にいるとどうなるのか、僕がいい見本になったでしょうというようなことを言っているのですね。あるところで、私、こんなことを話していたら、たまたまそこにその米田さんが入っていた施設で職員をやっていた方がいて、猛烈反論してきて、あなたは知らないかもしれないけれども、彼はちゃんと施設の中で訓練してきたのだと、そんなことおかしいと言うわけですね。ではどんな訓練してきたのかと聞いたら、紙に1,000円とか500円とか書いて、購買部に行って、買い物学習していたというのですよ。
 それが35年間やってきたのかと思って、私は何だか悲しくなってきて、地域に出てきたときに彼が何をしたのかといったら、クリーニング屋さんで働くのですけれども、給料もらったら、その足でバーのママさんに全部あげにいってしまうのですよ。そのぐらい、地域というのは魅力的なのですよ。幾らお金のやりとりでやっていたって、そんなのわからないわけですよ。全くその学習の意味が違う。ここでも、開放的な環境をつくるとか地域生活に近い環境をつくるとか言うけれども、これも、必要なのかもしれませんけれども、地域に移って、地域でグループホームとかケアホームとか、アパートでもいいですけれども、そこにいろんなスタッフがついて、少しずつ一人で生活できるようなものをしていった方が圧倒的に私はいいと思います。そっちをやはり軸にするべきだと思います。
 それともう一つ言いたいのは、その米田さん、地域に出てからもう10年以上たちますけれども、彼は去年、ある生活介護事業所の利用者になりました。そこは何をやっているのかというと、自立支援法というのは本当にすばらしい法律だなと私は思うのですけれども、本職がロックンロールで、ステージをやって、その出演料でみんなの工賃にしているという、物すごい変わったところなのですね。プロのミュージシャンなんかいるからできるのですけれども、そこで彼が一番最初のステージに立ったときの映像というのが残っているのですけれども、そのときに、彼はパーカッションやるのですが、ステージ終わった後、支援者にしがみついて号泣するわけですね。もう65近い男性がですよ。後日、私、彼に話を聞いたら、自分は知らなかったと。地域に出て自分は自由になったと思ったけれども、こんなにおもしろいものがあるというのは初めて知ったと。そんなことも知らずにこの年まで生きてきてしまったのかと、それがショックで彼は号泣するわけですね。
 その彼に限らず、精神の人でも、私、知っていますけれども、60過ぎても、もっと年になっても、どんどん地域でいろんな体験をすることによって、人間って変わってくるのですよ。だから、年齢で一くくりにして、何か精神と介護をくっつけたものを別につくるというのは、私は基本的に反対します。やはり地域に出てどんどん本人は変わっていく。それに合わせた個人の生き方、それで介護が必要であれば、改めて介護のサービスをつければいいわけですし、それは経営する側の事情を一概に否定するつもりはないのですけれども、ここでは、患者さんというか、障害者御本人の人生というか、幸せに沿った医療と福祉というものを考えていくべきだと私は思います。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。他によろしいでしょうか。

○川崎構成員
 家族会の川崎です。
 今、野澤委員が言われたそのとおりでありまして、どんなに重症の人でも、心配することなく、地域の支援があることによって地域生活ができていくということを私もわかっております。
それで、実は家族の立場でお願いしたいことは、入院いたしましたら、その段階からやはり退院に向けて、それから本人の回復に向けての、恐らく病院側は治療計画を立てられると思いますが、退院して地域移行できる、そのようなメッセージをやはり家族にも本人にも与えてほしい。そうすることによって、何とか地域で生活できるという期待が病気を回復する大きな力にもなると思いますので、今申し上げましたように、病院の中にいてはなかなかわからないことがある。けれども、地域に出て、こんなに地域がすばらしいものかということの体験ができることにより、実は私は、重度・慢性と定義化されるということですけれども、この中の方もかなり地域で生活できる人が出ていくのではないかと思いまして、これからの精神科医療は地域医療をもう少し充実させて、本人が地域で生活できる、親亡き後もそのような体制づくりができていくことを大変強く望んでおります。
 以上であります。

○武藤座長
 ありがとうございます。他に。
 三上構成員、どうぞ。

○三上構成員
 これはやはり具体的な、現実的な話をしないと進まないと思うのですけれども、確かに地域移行や早期退院については進めなければならないですし、現在、社会的入院がこの長期入院の中にかなりおられるということも事実だと思いますが、これは社会の問題であり、以前からデータが出ていますが、受け皿がないですとか、そういった方が地域に移行されたときに、それを見る手立てがまだ整っていないために退院ができないのだと思います。これは医療機関側だけの努力ではなかなか難しいので、両方並行していく必要があります。入院は1年を期限とするとおっしゃいましたけれども、当然、1年以上の慢性に対応する、いわゆる精神療養病床などが当分の間は必要ですので、そこではどういった人員が必要なのかということを議論しなければいけません。
 そういった意味では、一般病床の身体疾患の方でも、看護師配置だけではなくて、介護職ですとか、理学療法士ですとか、そういった方々の多職種による全体の人員配置を考えておりますので、医療療養でも4対1、4対1、5対1、5対1ですとか、介護療養では、6対1、6対1の合わせて6対3対1といった形がありますので、精神療養についても当然、PSWやOTを含めた形の3対1というのは妥当性があるのではないかと思いますし、中島構成員も、先ほどから精神療養の話をされていますので、これがまだ当分の間は必要だということは、入院を1年に期限を切らないで、1年以上の方も当然、入院医療を精神療養病床等でやるのだということを前提に議論されているのだと思いますので、そこの人員配置を決めていただきたいと思います。今までの議論は、当然、地域移行というのは大事で、それに対する整備をしていくということは大切だと思いますけれども、この検討会での議論ではないと思います。

○武藤座長
 長野構成員、どうぞ。

○長野構成員
 この長期在院者の対応のところなのですが、全体でいくと、精神科医療は、財源も医師、看護師、すべての医療資源も、結局そんなに増大する可能性というのはやはり低いと思うのですね。必要なのは、全体としてとにかく医療でなければやれないことに医療資源を集中させて、医療以外でやれるところの資源を成長していただくという方向にいく、その移行が必要だと思うのですが、この長期在院患者さんのところに関しては、これは本当に過去の清算であり、急がなければいけないことであるので、非常にタイムリーに見直しをしていかないと、例えば療養環境を「開放的な環境を確保する」、第一段階としてはこれでいいと思うのですが、このまま10年置いてしまうということは完全にタブーだと思うのですね。
 こういう一つひとつのことを、たちまちここまでは改善させようということはよくわかるのですけれども、3年ごとに見直して、どんどんいくのだと。今は10年先のことは言えないかもしれませんけれども、少なくとも2年3年ごとには見直して、根本的にその施設基準を変えていくのだと、問題が出てきたらなくすし、要らなくなってきたら、その制度はなくすのだというようなところをどこかにはっきり書き込むということが大事ではないかと思います。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。他によろしいでしょうか。

○三上構成員
 5ページの「その他」のところの3つ目の点ですけれども、長期高齢の在院者の受け皿として、精神病床でも介護老人保健施設に転換できるというところの後に、「介護保険の対象かどうか、状態像に応じて個別に判断すべき、介護保険の対象にならない者は引き続き医療で対応すべき」と書かれておりますが、これは介護保険対象でない方が多いので、精神療養のままでいくとの意味合いで書いていただいたのかどうかということを確認させてください。

○武藤座長
 お答えできますか。

○中谷課長補佐
 これに対してということですので、転換ではなくてと、そういう趣旨の意見として書いております。

○武藤座長
 佐々木構成員、どうぞ。

○佐々木構成員
 ここでこの施設のことについて幾つか意見が出たと思うのですが、大多数の意見は、介護保険を利用する介護老人保健施設という話ではなかったと記憶しています。転換型の施設ということについて幾つか意見が出ましたし、それが証拠に、この裏の6ページの一番下、幾つか意見が出ているのですが、1番目と3番目は転換型の精神科の施設ですし、2番目の三上構成員の意見に至っては、これはyes but noですね。介護の対象になる人は少ないのでということで、3つとも、介護のことにイエスとは言ってないわけです。これはどうして介護保険を使った介護の施設とくくられて、表の方にこのようにまとめられているかということが非常に疑問に思います。もう少し幅を広く精神の障害者を入れてあげる、そういった長期の収容施設、特に転換型ですね。そういうメニューが必要だと私も申し上げたと思います。

○武藤座長
 ありがとうございます。
 広田構成員。

○広田構成員
 私も、言い方が乱暴な人間ですからこうなっているのでしょうけれど、閉じ込めるとかなんとかではなくて、転換老健には反対です。昭和39年に起きたライシャワー事件で、精神障害者という言い方だったか、ちょっと私、その頃の記憶はありませんけれど、野放しにするなというキャンペーンを張られて、国はそれに押されて隔離収容施策をとった。いつもそうです。世論に押されて国が動かざるを得ないのは今も同じです。そして、国内の拉致被害者のような私の仲間が現在もいる。
 そういうものにもう区切りをつけて、みんなで大同団結して。国の責任でしょう。でも、一人ひとりが裁判を起こしてお金をとる国家賠償ではなくて、きちんと国民に、この国の被害者がいる。社会の被害者ですよ。社会が追いやったのだから。その人たちを社会に取り戻す。勿論、病院も社会ですけれど、一般社会に取り戻す。その協力をしてくださいということを、岡田部長が逆立ちしても無理かもしれない、国がやるべきだと思います。そして、野澤さんには、前回、「社説に書いてね」と言いました。各社が社説に書いて、NHKもきちんと報道する。社会的入院者がいることを、多くの国民は知りませんから。そういうことを知らしめる。そして何よりも、山崎先生も、川崎先生も、こころの構想会議の岩波先生も、厚生労働省の関係者も、神奈川県も横浜市もマスコミもみんな来られた。
 かけ込み寺付きの快適な家で暮らしているところへ。カンパを集めて、日精協さんのアドバイザリーボードでいただいているお金もそこのかけ込み寺につぎ込んでいます。そのような快適な住宅の生活でも、私は1泊の休息入院をしてきましたが、広田和子が何とか、この住宅のおかげでここにいます。ところが、住宅施策を国及び自治体が全く打ってないのですよ。この国の施策として。「それはなぜですか」と、この間、フィットネスで聞かれたから、「国及び地方自治体の委員会に不動産屋がいないのよ」と。「どういう意味ですか」と聞かれたから、「福祉の事業者ばかりいるから、福祉の施策はつくけれど」と言いました。だからといって、ベッドが減ってないのですよ。神奈川県だって、横浜市は日本一補助金打って、生活支援センター、18区ですよ。来年で全区にできます。それで6,000万、3,000万補助金を出して、自立支援法でも3,000万出していますけれど、結局、ベッドは減ってない。神奈川県、中沢構成員出ていますけれど、増やしている、ベッドを。笑っている場合ではないですよ。減らさない地方自治体も問題です。謝るべきです。国も地方自治体もマスコミも、私もです。ここに出ながら、11年間、何も変わってない無力な私も謝罪です。
 そういうことをやって、みんなで合意して、社会的弱者も暮らしやすい社会作りを。今これだけうつが多発している管理社会。いわゆるスペシャルカウンセラーがどんどんリストラだというふうに追いやられて、みんなが戦々恐々としているこの日本社会、関東大震災がいつ来るかと言っているこの社会を明るく変えていく。ピンチをチャンスにしていかないと、変わりませんよ。武藤座長。腹をくくって。あなた、知り合いいない?影響力ある人。

○武藤座長
 まず、山崎構成員からどうぞ。

○山崎構成員
 私は、いわゆる精神科特例の問題にしても、社会的入院にしても、やはり受け皿の整備を具体的にどのようにつくっていくかというのをきちんと検討して、それで、その受け皿ができて、精神病床が減って、そこの精神病床の人員がこれだけ余るから、この人達を再配置してといった、きちんとした道筋をつくらなければ、幾らこんな話をしていてもしようがないと思います。また、広田さんは、一言多いですが、僕が広田さんを好きなのは、広田和子と同じ人間が多分1,000人いたら、日本の精神科医療ってかなり変わるような気がするのですよ。別段、おだてるわけではありませんが、彼女のように、地域できちんと核になって、サポーターになって、それで障害者を支える人間が少な過ぎるのですよ。皆さん、言うことはきれい事ばかり言っていて、では自分が汗かく段になると、きれい事言う人ほど汗をかかないのですよ。
 そういうことを考えると、もうちょっと地域できちんとサポートする人をどのようにつくらなければなりません。また、地域移行が外国と日本で基本的に違うのは、地域のスタッフのレベルが外国は非常に高いのですよ。したがって、病院から地域に出していっても、病院のサービスとほとんど変わらないサービスができるようになっています。それが、日本は地域に行ったときに、病院でしていた同じようなサービスを地域で受けられるかといったら、そんな地域の実態全くないわけであって、それを全然受け皿の人員の質も含めてきちんと整備ができてない中で、余り地域移行、地域移行ばかりが先行するのはおかしいと思います。

○伊澤構成員
 山崎先生からお話をいただきましたけれども、社会的入院の是正が語られてから四半世紀を超えておりまして、やはりこの問題には決着をつけていくということは大きな確認事としてあると思います。先ほど堀江構成員がおっしゃった社会的入院の是正と、それから精神科特例の解消、それに向けたプロセスをきっちり歩むということは次回の最終回でしっかり文言としてまとめる、その必要性はあると思います。これが昨年6月29日に閣議決定で課題が浮上したこの医療改革の非常に大きな眼目だと思っておりますので、それはとりもなおさず、障害者権利条約の批准に向けた条件づくりでもあるわけですから、これは社会的課題としてしっかり取り組むべき必要性があると思います。
 今の山崎先生のお話ですけれども、結局、鶏、卵の話はもうこの場ではしないというのが、何回か前に、樋口先生もおっしゃいましたけれども、そういうことだったのではないかなと思います。地域の体制整備ができなければ、退院促進、地域移行ができないという議論は、これはもうさんざん繰り返してきたわけでありまして、確かにまだ弱いです。それは認めます。だけれども、四半世紀前に比べれば地域は徐々に力をつけてきております。それから支援メニューも豊富になりました。確かに質や量の問題もあります。確かにスキルの問題もあります。対応力もまだまだ弱いかもしれない。だけれども、それを強化していくという方向も織り込んで一度にどんとやるという、そこがやはり大事なのではないかなと私は思っています。
 入院医療で提携していたメディカルサービスが地域に行ったら提供できるのか。それは確かにまだまだ弱いかもしれませんけれども、訪問診療とかやっているクリニックの医者も結構私たちの周りには増えてきておりますし、それから訪問看護ステーションが非常に活気づいております。入院医療体制の中で看護職をしていた方々が、何回か前の天賀谷先生のレポートにもありましたけれども、やりがいのある医療を求めてというところで実は入院医療体制から地域医療の方に転換してきている、そういうナースの方々が結構いらっしゃったりもしておりまして、地域はわりと訪問看護体制がしっかりと整ってきているとも思います。それもこれも含めて、四半世紀前とは随分違うのだという、様変わりした地域状況を踏まえてやはり今後のことを考えるべきではないかなと思います。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。
 では、広田構成員、どうぞ。

○広田構成員
 地域医療といったって、先生、よくわかっているではないですか。クリニックとか診療所の患者が、全国の救急隊が悲鳴上げているのですよ。「全く未受診の人でもない、病院の患者でもない、クリニック、診療所の患者ですよ。ニーズは。」だから、医療は、クリニックでも診療所でも病院でもやればいいのです。公立も民間も。ただ、ベッドを減らす。それで、地域にといったって、さっき言ったではないですか。地域にたくさん社会療床はできたけれど、ベッドは減ってないのだから、地域といったら地域住民ですよ。近所の商店街で、私が1人生活しているだけで、みんなが応援してくれている。地域住民って、皆さんも町に帰ったり村に帰ったら、言いたくなければ自分の身分を明かさなくたっていいけど、人は一生懸命やっていれば応援してくれるのです、今の日本でも。そのような機運を国全体で盛り上げないで、そんな、福祉だ、福祉だと言ったら、私がフィットネスやおふろ屋で言っているように、「不動産屋がいないから家が、アパートが、住宅施策ができないのよ」ということです。精神障害者の家庭内暴力は世帯分離すればいい。
 家族が、天使でも何でもない。私は、母が亡くなってよかった。川崎さんのようなお母さんだったら、私はもっと幸せな暮らしをしていた。堀江さんのお父さんが、うちの父と同じように知的だけれど、うちの父親は15歳のときに母と私たちを捨てて愛人のところに行ってしまった。家庭があるから、家族がいるから困っていて、親亡き後なんてのんきなこと言っていられない仲間が多勢います。親ある今、私は私の仲間たちに、私のように幸せに暮らしてほしい。だから、もう目を覚まして。もう西暦2012年ですよ。明治以来続いている、昭和39年以来続いている、昭和天皇も亡くなった、三笠宮寛仁様も亡くなっているわけですよ。私たちもそろそろ、もうみんな下り坂。ちゃんとやりましょうよということです。とにかく住宅施策です。

○武藤座長
 そろそろ時間も迫っておりますが、全体を通して御意見もいただければと思います。

○菅間構成員
 患者団体、患者サポーターの方もろもろの話を聞いていて、1つ確認したいことがあります。身体疾患と同様に精神疾患もやはり病気だと思います。皆さんの話を聞いていると、精神疾患は全て社会がつくったみたいな、そういうイメージで捉えているのではないかと思います。このイメージが余りに強過ぎます。一般の身体疾患と比べても、精神科医療は大きく進歩し、20年前と今では精神疾患の薬剤治療が大きく違うわけです。薬剤治療が大きく進歩したがゆえに、今は重度・慢性期という患者は一握りになってきたと考えるのが、精神科医療を捉える一番の基礎ではないかと思います。その上で、現状で精神科医療に関わっているお医者さん、看護師さんの頭数の再配分により、疾患としての精神病を治す体制を構築すべきです。まず急性期を手厚く治療する体制、その後で地域移行あるいは社会的入院に対応する体制の人員配置を考えていくべきではないかと考えます。

○武藤座長
 中沢構成員、どうぞ。

○中沢構成員
 先ほど神奈川県のお話も出ましたので少しお話をさせていただきますと、神奈川県、人口当たり、御案内のとおり、精神病床が一番少ないという地域特性がございます。そうした中で、保健医療計画の中では、精神に関しては、三次医療圏というか、県全体が、病床数、それで基準病床ができていますので、基本的には、今の医療計画の中では、神奈川県全体として精神病床は不足していると、そういった状況がございますので、今の計画の中では、手が挙がれば、それなりの要件を満たしていれば認めているというのが現状でございます。
 ただ、当然ながら、地域移行をしっかり促進しながら、病床を減らさなければ、今回議論しているこの機能分化と質の向上等は図れるわけがございませんので。

○広田構成員
 神奈川もね。

○中沢構成員
 はい。そういった意味で、ただ、今現在、神奈川県の単科精神科病院の中で、例えば看護師さんの医療法上での充足率を見ますと、2割ぐらいの病院はせいぜいプラス10%ぐらいというところがございますので、なかなかそんなに簡単にいかないというのが現状だと思いますので、そこら辺のところはやはりしっかり地域移行を促進して病床を減らしていくという前提を段階的にとらなければ難しいかなというのが1点です。
 あともう一点、医療法の施行規則の中では、医師、看護師とともに薬剤師に関しても一応要件があるというところがございますが、それについて、今までちょっと議論なかったと思いますけれども、薬剤師につきましても、例えば服薬指導の重要性ですとか、またチーム医療を進める意味でもかなり重要なポストを担っているというところもありますので、特に一般病床と同じような配置をするとされている例えば3か月未満の場合に、薬剤師さんの役割をどのように考えるのか、配置基準をどのように位置づけるかは、次回、最終報告になろうかと思いますけれども、そのときには何らかの形を示すべきではないかなと思っています。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。
 野澤構成員、どうぞ。

○野澤構成員
 ちょっと短くですけれども、先ほど事務局の説明でおやっと思ったので、5ページの一番下の3つ目のポツで、「介護保険の対象にならない者は引き続き医療で対応すべき、などの意見があった」と。そういう意見があったのでしょうけれども、是非、障害者自立支援法の地域生活支援サービスで対応すべきという意見もあったというのをつけ加えていただきたいと思います。
 私、かなり現実的な話をしていると思うのですけれども、更に現実的な話をすれば、地域で支えるためのお金がないのであって、こういう長期入院者が減っていった分の、病床を減らした分のお金を地域に回していただきたいと思います。

○武藤座長
 他によろしいでしょうか。
 どうぞ。

○中島構成員
 短く4つほど言いたい。
1つは、5ページ、「看護師、精神保健福祉士、作業療法士、看護補助者などの」と。この看護補助者というところが現在も問題になっていて、当面の間ということで、これがずうっと続いているわけですね。やはり看護補助者ではなくて、何らかの資格のある人、介護でいいと思うのですが、何も精神に限らなくていいと思いますけれども、そういうことで3対1というのであるならいいのではないかと思います。
 それは、この3ページの、「精神保健福祉士、作業療法士等」、こことも一致していまして、これは段階的に進めていくというのですから、当然そうしていいと思います。この3か月〜1年未満のところで、「医師は、現在の精神病床と同様」というのは、3か月たったら急に医師の配置基準がどんと下がるというのではやはりおかしいので、これは将来的には、一般病床と同じところへ上げていくということを明確に言っておいた方がいいのではないかなと思いました。
 それからもう一つは、4ページの長細いところの上の3つ目のポツ。これは三上先生や、あるいは菅間先生なんかもおっしゃっていることと関連すると思うのですけれども、「身体疾患を合併する患者を受け入れる精神病床は、一般病床の人員配置をベースに、更に精神医療のスタッフを追加する必要がある」、これは僕も正しいと思うのですよ。このようにしてもらわないと、あるいは身体疾患の病棟でもきちんと見る、そこへ精神の関係の専門職が行くということで十分やれるのではないかと思います。
 それからもう一つは、地域移行において何がネックかというと、僕は、専門職ではないと思うのですね。本当は欧米の専門職は能力が高い。だけれども、日本は低い。これは事実です。だけれども、これは実践していく中でしか能力は上がってこないのですよ。だから、最初は低くてもしょうがない。これは我慢する。足らないのは住居。住むところです。住むところさえあれば何とかなるのですよ。だから、ここへ国土交通省の人がいたらいいなと思います。
 以上、終わり。

○武藤座長
 千葉構成員、手短に。

○千葉構成員
 とりまとめの話になりますけれども、さっきちょっと野澤構成員とかお話しした、IADLやADLは低いのですけれども、その後の資料のところですね。症状がどれだけ残っているのかというところも一緒に見ていただきたいなと思います。結局、精神症状も医療としての関わりもない状態で、ADL、IADLがあるからどうのという話ではなくて、まさしくここが精神医療と精神障害者の問題、他の知的障害等との違いになってくるのだろうと思いますが、この方々が地域に移行する場合には、やはり地域精神医療がしっかりとした底支えをしなければだめなのだという、そこの形というのもやはり一緒につくっていかないと、結局、回転ドアのようにまた入退院を繰り返すということでは意味がないだろうと。その辺のところは我々も主張しているのでそうだろうと思います。
 ですから、決して軽い人たちだけがこの長期入院者になっているのではないと。軽い方々は、ある意味、かなり出したつもりで我々はいるのであって、まだまだという意見がたくさんあるのですが、そこには次の仕掛けがまたもう一回り必要なのだという状況に今あると認識しています。
 私が申し上げたいのは、今、人員体制のお話や機能分化のお話をしています。どちらかといいますと、統合失調症モデルでお話がずっと進んできているかに思われます。それは、これまでの精神科医療の扱ってきているものはそれが中核で中心だったと思うのですけれども、ここから先、10年後、20年後が果たしてどういう状況になっているのかということになりますと、大分様変わりをするだろうと思うのですね。見ている疾患も多様化してまいりますし、当然それに対する対応の仕方も、あるいは人員の配置の仕方もまた変わっていくだろうと思うのですよ。ですから、現時点で、勿論、堀江構成員がお話しいただいたように、今の改革が何をしなければならないか、何を目標として、何を目的にしているのかということは明示する必要は勿論あるだろうと思います。
 ただ、現時点で統合失調症等の部分をどうするのかということだけの話になっていますので、これは何年かしたら再検討する必要があって、そのときの実情、状況等をつぶさに踏まえた上で、患者の構成であったり、あるいは、まだなおかつ長期入院者が残っている問題がどうなったか、あるいは重度専はどうなったのかといったようなことも含めて、あるいは人員体制のそのもとの人のマンパワーが、看護師はどれぐらいになったのか、医師はどれぐらい増えたのかということがあると思うので、そのようなことを含めて、やはり何年後かに更にまたこれをきちんと検証し、また検討するというような形を踏まえた上で今回のまとめをしていくべきではないかと思います。

○武藤座長
 それでは、まず樋口副座長から、今日の全体を通じてコメントいただけますか。

○樋口副座長
 恐らく、次回が最後ということで、中には不全感をお感じになっている方もあるかと思うのですが、私は、今日のこれまでの議論を伺って、あるいは自分なりに整理をしてみて、かなり一致点があると思いました。というのは、実は精神科特例からの脱却という、これがある意味では最大の私たちの課題であるし、それをいかに実現していくのかというところでの意識という点では皆さんの中に共通点があって、その中でもここで書かれている3か月未満の急性期の対応と、人的な配置も含めてですね、これに関してはほとんど異論がないと思うのですね。ここに書いてあるとおりだと。
 それからもう一つやはり重要なのは、現在の長期在院者への対応というところの基本的な考え方ですね。これについても恐らく異論がないだろうと思うのですね。意見が分かれているのは、3か月〜1年未満のところの扱いとか、1年という区切りの仕方であるとか、あるいは重度かつ慢性に対する看護配置、人的配置の問題であるとかいうところでは意見が少しまだ分かれておりますけれども、急性期の3か月未満のところでの、一般医療と同じ医療法上の配置ができて、それが一方であり、他方で、長期在院患者は基本的には地域移行を進めるのだという宣言をするわけですから、それは非常に大きなインパクトを与えると思いますし、それこそ精神医療制度改革のスタートラインであると思います。従いまして、まだ中間的な課題を残してはいながらも、全体としてそういう方向でまとめていただければ非常にありがたいと思います。

○武藤座長
 それでは、1分間ですよ。

○広田構成員
 要するに、業界の精神科医療、精神医療だったのを精神科に変えたのだから、業界の精神医療から国民の精神科医療にしていただきたいということですよ。被害者を出してはいけないということ。それから、結局は要らなくて、精神医療サバイバーとして、いわゆる転換老健には大反対です。それで、みんな可能性を信じた方がいい。人のね。それから、神奈川県でもいっぱい社会的入院いますから、一緒に病院へ行きますよ。

○武藤座長
 山本構成員、最後に一言。

○山本構成員
 やはり議論の射程を明確化するということが必要だと思うのですね。最後、とりまとめですので。この検討会はあくまでも機能分化と人員配置の問題をやっているのであって、地域の受け皿をどうするかという問題はまた別の問題だと思うのですね。だから、そこを切り分けて議論の対象を明確化しないと、とりまとめはとても難しいと思います。

○武藤座長
 ありがとうございます。それでは、そろそろ時間になりました。本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。
 次回は、今日の議論を踏まえまして、私と、それから副座長の樋口先生も含めて、事務局での資料を、今日の御意見を取り入れて修正させていただいた上で、次回の会合の前に事前に皆さん方にお目を通していただく、そしてとりまとめをしていきたいと思います。
 最後に、今後のスケジュールについて。

○中谷課長補佐
 次回の日程につきましては、6月28日木曜日、午後1時から、場所につきましては、外部のスタンダード会議室虎の門スクエアというところになります。場所やアクセス方法など詳細につきましては追って御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 以上です。

○武藤座長
 ありがとうございます。
 では、次回が最終回となりますので、是非とも皆様方、とりまとめに御協力をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会 > 第6回精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会議事録

ページの先頭へ戻る