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2012年2月22日 第3回義肢等補装具専門家会議

労働基準局労災補償部補償課

○日時

平成24年2月22日(水)15:30〜17:30


○場所

厚生労働省専用第21会議室(中央合同庁舎5号館17階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

赤居正美、樫本修、木村彰男、小西康之、住田幹男、高見健二、徳弘昭博

(厚生労働省:事務局)

河合智則、神保裕臣、河西直人、藤原毅

○議事

○藤原労災医療専門官 ただいまから第3回義肢等補装具専門家会議を開催します。 傍聴される皆様におきましては、別途配布させていただいている留意事項をよくお読みの上、会議の間はこれらの事項を守って傍聴いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 では、資料の確認をいたします。1枚目に本日の議題を付けています。資料1として前回までの議論の整理のペーパー、資料2として「片側上肢切断者に対する義手の支給について」、資料3として「基準外支給事例について」を付けています。参考1、2として、それぞれ表を付けています。お配りしている資料は以上です。それでは住田座長にお譲りいたします。
○住田座長 それでは第3回義肢等補装具専門家会議を開催します。第1に、本日の議題です。一つ目が「片側上肢切断者に対する筋電電動義手の支給について」、二つ目が「基準外支給事例について」です。前回は三つ目として「その他」の項目があったので、それについて事務局から説明をお願いします。
○藤原労災医療専門官 第1回でご承認いただいたスケジュールでは、今回は「その他」も含めた3項目をご議論いただく予定でした。しかし、主要議題である筋電電動義手について、引き続きご議論を頂戴したく、「その他」については次回以降にご議論いただきたく存じます。
○住田座長 いま議題の変更提案が出まして、今日は二つの議題について討論を集中してやりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○住田座長 それでは一つ目の議題、片側上肢切断者の筋電電動義手の支給についてに入りたいと思います。まず、前回の議論に引き続いての議論になります。前回の議論を整理した資料が今日配付されておりますので、その資料について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○藤原労災医療専門官 資料1及び資料2で説明します。まず資料1で、第2回の議論を整理させていただきました。前回の議論を順にご紹介いたします。就労が見込まれることを支給要件とすべき。真に必要とする者に対して支給することを明確化すべき。いずれの義手とするか選択できるようにすべき。すでに何らかの義手が支給されている者と今後新たに義手装着の検討を行う者とでは、取扱いを変えるべき。筋電電動義手を支給するにあたって、必ずしも能動式義手の使用を義務付ける必要はないのではないか。筋電については、実際に使用した上でないと、継続的に使用するかどうかの判断は難しいものであるため、試用期間を経て、本支給する方法とすべき。訓練期間の関係では、訓練期間中のソケット代は国が支給すべき。訓練にあたっては、入院だけに限定すべきではない。複数の義手に係る装着訓練が受けられるようにすべき。という意見を頂戴したところです。
 これらを踏まえ、事務局で整理させていただいたのが資料2です。まずは現行の取扱いです。装飾用、能動式及び作業用の3種の型式から、計2本までが支給ということになっております。現在研究用として支給している部分については、上記とは別に1本支給しています。専門家会議の意見ということで、先ほどの中で特に整理させていただいているのが、いずれの義手とするか選択できるようにすべき、複数の義手に係る装着訓練が受けられるようにすべき、すでに何らかの義手が支給されている者と今後新たに義手装着の検討を行う者とでは、取扱いを変えるべき、筋電電動義手を支給するにあたって、必ずしも能動式義手の使用を義務付ける必要はないのではないか、筋電電動義手については、実際に使用した上でないと、継続的に使用するかどうかの判断は難しいものであるため、試用期間を経て、本支給する方法とすべきです。
 2頁です。以上を踏まえて、支給要件を整理させていただきました。対象者に関する要件、装着訓練を修了した者の要件、適合判定がなされた要件というように、まずは大きく三つの要件に整理しています。まず、対象者の要件です。今回は就労が見込まれる方を支給要件とすべきというご意見も頂戴しましたので、まずは就労者であって、筋電装着によって就労能力の向上が見込まれる者というのを、一つ目の対象者と考えました。次に、現在働いていらっしゃらない方に筋電電動義手を支給することによって、就職の機会が広がることを阻害すべきではないというご意見も頂戴しましたので、現在は非就労の方でも、これを装着することによって就労が予定されている方で、装着による就労能力の向上が見込まれる者という整理にさせていただきました。次に、就労を予定していない方については、筋電電動義手を使用しなければ日常生活ができないと認められる者というのを加えております。この場合の一つの考え方としては、非切断肢側の上肢又は手指に一定の障害を残すことによって、労災の給付を受けている者という案を示しております。
 次に、装着訓練の要件です。これは前回ご意見のあった、試用装着を含む装着の訓練を修了した者ということです。
 最後に、これらを含めて現行の協力医療機関でしていただいている適合判定の要件です。これと同様ですが、こちらで適合判定の上、今後の使用継続が認められる者についてということです。最終的にはこれらの三つの要件を満たす者として、労働局長が認めた者ということになります。
 次に3頁です。実際の支給に至るプロセスをフローにまとめております。表題に「その1」と書いてあります。この裏に「その2」があります。まずは既に支給を受けている者と、そうでない者とを分けたほうがいいというご意見を基に、能動式義手をすでに装着されている方と、そこに至っていない方とを分けました。「その1」の場合は、新たに切断された方というのが入ってきます。「その1」と「その2」は、そういう形で整理させていただきました。
 まずは新たに能動式義手、筋電電動義手の装着の検討を行う方です。協力医療機関において事前の相談・説明を受けて、ご本人のニーズに即した装着訓練を選定するという選択肢を設けております。大きくはその結果を踏まえて、能動式義手か筋電電動義手かを選んでいきます。場合によっては能動式と筋電の両方の訓練を受けていくということも、このフローの中では想定させていただきました。能動式の方の選択肢は、従来の取扱いのとおりで、労働局への申請をして承認を受ければ可能とするものです。前回の議論の中で、能動式義手については、訓練費用を支給し、装着訓練を経た上で、能動式義手の支給をするべきということになりましたので、これを前提としています。
 次に、筋電電動義手を選択する場合です。この場合は、まず装着訓練を受けるということで、労働局へ申請していただきます。それで承認を経て装着訓練に移ります。能動式義手と筋電電動義手を連続して訓練をする場合を、真ん中で整理しておりますが、順序からして能動式義手の訓練を終えた後に移行するという考え方です。いずれの場合も筋電電動義手については、試用装着の期間を設けようということです。試用装着の期間については、どれぐらいの期間を想定すべきかを、後にご議論いただければと思います。試用装着期間については一旦、協力医療機関から出て、実生活や仕事の場面で使うということですが、やはり協力医療機関の管理の下に進めていただくべきと考えております。表上は装着訓練にプラスして、試用装着というように示しておりますが、一つのカテゴリーの中で、従来の装着期間を延長するような考え方で盛り込むのが適当ではないかと考えております。
 こうしたことを経て、最終的に協力医療機関において適合判定をしていただきます。適合判定を得た結果に基づき、改めて筋電電動義手の支給の申請をしていただき、承認を経て支給になるという流れです。加えて先生方にご議論いただきたいのは、この真ん中の線です。一応選択肢ということで、訓練も能動式義手と筋電電動義手の両方ができるフローを考えておりますが、実際に使用する場面として、この両方の義手を同時に支給して、並行してお使いになるということが想定されるのか、その使い方が有効なのかということを、先生方のお立場でご議論いただければと思います。従来、義手は装飾用、作業用、能動式とある中で、上限2本というルールがあります。現状、事務局としては筋電電動義手が加わった場合も、上限2本については継続したいと考えております。
 裏が「その2」です。フロー的にはシンプルですが、筋電電動義手だけを選択するものと、フローそのものは変わっておりません。先ほどご議論いただきたいと申し上げた、能動式義手と筋電電動義手の併給という選択肢の場合は、結果として筋電電動義手と能動式義手が一時的に併給されることが想定されます。先ほどご議論いただきたいものと、流れの中では相反するのですけれども、継続的に両方を並行してお使いになることがあり得るのかといったことが、この後の取扱いに影響してくるものと考えております。
 続いて5頁です。支給後も引き続きのフォローアップ等を考えるべきだというご意見も頂戴しました。引き続き年に1回程度、アンケートをお願いしたいと考えております。「支給後何年間は」ということで、数字は入れておりません。必ずしも今日ここで結論をいただくものではありませんけれども、あまり長ければご本人たちにも負担がかかるのではないかと思っております。
 次に、再交付に関してです。ここで申し上げる再交付というのは、一部の部品等の修理ではなくて、全く新たに全部取り替えて支給する場合です。今回のそもそものスタートが、金額的に高額な義手で、一定の就労の場面で有効なものとして支給を認めるという考え方の中で、全く全部買い替えるときには、実際に就労されている要件と、協力医療機関による適合判定という二つの要件をもって再交付するという案を考えました。筋電電動義手の資料の説明については以上です。
○住田座長 ただいまの事務局の資料1、2の説明に関して、質問がありましたらお願いします。特に対象者の要件については、前回も議論したところですけれども、大体1、2、3ぐらいで、まとまっていると考えてよろしいでしょうか。
○小西先生 ?の対象者要件ということでは、1として筋電電動義手を使用しなければ就労ができないと認められる者と、3として筋電電動義手を使用しなければ日常生活ができないと認められる者ということで、形式的には就労できない者と日常生活が認められない者というように、並立されているかと思います。先ほどのご説明の中では1、2、3とあって、3に筋電電動義手を使用しなければ日常生活ができないと認められる者というのが入っていると思うのです。そこで一つの考え方として、「非切断肢側の上肢又は手指に一定の障害を残すことにより」云々と書かれているのですが、日常生活ができないと認められる者というのが、対象者要件の1の就労能力の向上が見込まれる者といういちばん大きな要件との兼合いでは、どう整理されるのかをお伺いしたいのです。
○住田座長 1と3の項目について、その整合性ということですね。これはもう前から議論されているところです。事務局からお願いします。
○藤原労災医療専門官 まず、いまご指摘があったことについては、前回、平成19年にご議論いただいた中で、義肢等補装具支給の基本的な考え方ということで、原則三つの考え方を整理していただきました。その中で、被災労働者が就労するために又は社会生活を送るために、身体に装着又は使用することが必要不可欠なものと認められるものであることという要件を整理していただきました。いまご質問のあったところは、就労するためと又はということで、社会生活を送るためという並列なものという定義の中で、そのいずれかに該当すればいいのであって、一部の部分について特に就労要件を限定する必要があるのかというご質問でよろしいですか。
○小西先生 はい。
○藤原労災医療専門官 この案ですが、まず、対象者の身体要件を顧みますと、1番の対象となるのは、3番の状態の方が就労するか否かにかかわらず、支給の対象とすべきというように整理させていただいたところです。一方で、そうでない方つまり非切断肢側が十分な機能を有している方については、先ほどの基準、就労するため又は社会生活を送るためというところに関しては、すでにある義手等で必要最低限の基準は満たしているのではないかという中で、筋電電動義手というのは他の種目に比べ、金額が高いという中で、まさにプラスアルファーの部分なのです。ここに反すると言うより、この基準からさらにその上を目指すものという形で考えております。
○住田座長 いまの説明でよろしいでしょうか。
○小西先生 はい。
○住田座長 ほかの方から何かありますか。
○樫本先生 いまの日常生活の部分について確認したいのです。どういう日常生活ですか。日常生活といっても、いろいろあるわけです。能動義手であればある程度のことはできるのですけれども、やはりどうしても介助が必要な部分は出てくると思うのです。そうすると、筋電義手があれば能動でできない、もう少しの部分を補えるという方でも認めてしまうのか、日常生活が全くできなくて、ほぼ全介助に近いような状態なのか。言葉で書くのは簡単ですけれども、ライン決めが非常に難しいのではないかと思うのです。いかがでしょうか。
○住田座長 事務局のほうはどうですか。
○藤原労災医療専門官 日常生活ができないということに関しては、この資料の下の点線で囲んでいる、非切断肢側の状態に着目して整理してはいかがかと考えております。具体的な想定では、例えば労働災害で非切断肢側も手首より先と言いますか、手指に一定の障害がある方というのは、やはり身体要件を外形的に判断しても、日常生活に一定の支障があると整理するのがいかがかと考えております。例えば、平成19年の議論を踏まえて、両側の切断の方に対する支給要件の中では、両側の切断もしくは1肢の切断と、用が全廃されている方が支給対象になっております。そういった状態でないまでも、指の何本かを切断された方ということで、日常生活に支障がある方という線を一つ引くのはいかがかと考えております。
 その関係で申し上げますと、本日の資料の最後に障害等級表を参考として付けております。左側の下段が手指の障害の等級になっております。指の欠損で申し上げますと、8級以上が年金になります。1の母指を含み、2の手指又は母指以外の3の手指を失った者とか、場合によってはもう一つ下の9級では、1肢の母指又は母指以外の2の手指を失った者という基準があります。こういったところに着目して、一定の整理をするというのが妥当ではないかと考えております。
○住田座長 残されたほうの機能に関して、どのような障害かということについての具体的な説明があったのですけれども、大体よろしいですか。
○樫本先生 今回、労災のことを勉強させていただきました。支給基準というのは非常に医学的な判断と言いますか、その方の生活状況で決めるのではなくて、とにかくこういう障害で線を切るという形で整理なさっていることが多いと思うのです。今回の日常生活ができないと認められる者というのも同じように、いずれ一定のところをお決めになって、その障害がなければ駄目です、という形にするというように理解してよろしいでしょうか。
○藤原労災医療専門官 今はそうです。
○住田座長 いずれにしても、これは大きな問題です。もう一つの法律の関係、厚生の関係との調整の問題もありますので、そういうところで今まで線引きをしてきたわけです。それ以外に何か質問はありませんか。
 それでは、次に筋電義手の支給の取扱いの「その1」と「その2」というのがありますけれども、それについてはいかがですか。このフローチャートで言うと、特に能動と筋電が併給になる可能性もあるわけです。そういう問題に関して赤居先生はどうですか。以前、3つぐらいのメニューを提示して、その中から選択するという形で、中には併給というのも想定にあったのかということも含めて、何かありますか。
○赤居先生 とにかく本人に選べるようにして差し上げる。装飾義手しか世の中にはないと思われるのは、まずいでしょうねというのはあります。
○住田座長 実際には、かなり装飾が多いのですけれども、具体的な現場や作業に入ってくると、能動が使われる場面も多い。むしろ今までは訓練などでしっかりとされていることが少ないということがあったのです。そういう意味では最初の段階からきちんと選択を想定して、こういう提示をするということは、要件としてはいいのではないかという意見です。あと、併給云々に関しては想定するかどうか。マップ上はできるけれども、実際にどうなるかは分からないという形で理解してよろしいですか。ただ、なるべくなら切断した当初にニーズがあれば、それに応えられるように被災者にメニューが提供されるという形で考えていけばいいという話で、今のところ、それ以上の議論をあまり進めてもということでいいですか。
○徳弘先生 「併給は可とするか」という件に関しては、私は併給を可としていただきたいと思っております。どうしてかというと、やはり筋電義手だけでは作業で何が起こるかわからないのです。折角職業に戻った方が職業を中断したり、下手をするとリタイヤしたりする可能性もある。そういう場合、能動義手と両方が使えるということは、職業生活の上では非常に大きなメリットがあると思います。これはポリシーとしか言い様がないのですけれども、今回の研究用支給 のときにも私たちの病院へ来られる方は、労災打切り前は、症状固定前に必ず能動義手の訓練をして、それが終わったら症状固定、それから筋電義手に移るというように、今のところはさせていただいております。
 というのは、職業を目指すということであれば、安全装置と言いますか、折角帰ったけれども駄目だったということが、できるだけないようにしたいのです。人数は限られるでしょうし、能動義手の価格も、完成させて20万円ぐらいだろうと思いますから、それほど負担はかけない。また、能動義手というのは、殻構造ですから、一遍作ると修理を繰り返して結構長いこと使えるという経済性もあるわけです。そういう意味で、できるだけ併用は可としていただきたいと思います。
○住田座長 その点に関してどうでしょうか。
○赤居先生 実際上、患者さんとやりとりしていますと、装具などのときにもそうですが、「三つ目ができたら一つ捨ててもいいけど、一つしかないのなら新しいのを作っても前のものは捨てるな」と、よく患者さんにはお話しています。要するに、こういうものと一緒で、修理に出したりいろいろしてもらっていても、1個だけだと何かあったとき、修理期間の2週間は手元になくなってしまうのです。ですから、この種のものは壊れるものだということを、ある程度織り込んで、そのバックアップ体制を取っていただくとメリットになるのではないかという気がいたします。
○住田座長 事務局もどうですか。破線で書いてある所がちょっと。
○藤原労災医療専門官 いちばん下の2本ですね。1では装飾用か作業用、もしくはその両方が支給されている方がこれからという方ですので、一時的には最大4本が支給対象となります。過去に支給したもので今後もまだお使いになる部分については、引き続きお使いいただいても結構だと思うのですけれども、その後は2本のみ更新を認めるという現状の運用の案です。そうなってきますと、たぶん筋電電動義手と能動式義手が両方とも支給された方については、その二つを選んでいただいてということになろう、ということが想定されます。
○住田座長 それとの兼合いで、コスメティックなものは認めないで、むしろ能動式と筋電が両方が認められて2本という、いままでの枠組みからは逸脱していないという理解でも成り立つのではないかということでいいですか。「その2」に関して、何か質問はないですか。
 ないようでしたら、次の5頁目に行きます。フォローアップ体制などはこの前の議論でも出て、どれぐらいを考えたらいいのかと。支給された人には年に1回ぐらい、アンケート調査をしていくわけですけれども、アンケートの内容なども含めて、そこら辺をどういう具合に考えたらいいか。それに関して以前のアンケート調査の結果なども踏まえて、議論はありますか。
○樫本先生 いまお話を聞いていて思ったのは、確かに1回能動式を作られて筋電も作っても、能動を大事に使えば、そうすぐには壊れないわけです。それで次のときに筋電と装飾を選ぶと、その方は3本持つけれども、とにかく何か2本決めていただければ、前の能動は次からは駄目ですということで、最大4本まで持つ方もいるかもしれないということですよね。やはり、ある程度の制限は大事だと思うのです。
 そうすると、そういう方はどうなるかと言いますと、実を言うと全部自立支援法に流れてくるのです。もちろん他方が優先で、先に労災で救えるものは使っていただきます。自立支援法ですと、障害がどうかという条件よりは、やはり必要かどうかという形で決めることが多いのです。しかも労災で作ったものが何本かあっても、他方で作ったものであると、自立支援法では認めてしまうことが多いのです。自立支援法で前に作ったものがまだ使えると、原則1個ですけれども、理由があれば2個という形で、やはり2個目までは認めているのです。労災で何本か作って持っていても認めてしまう。もちろん労災の方たちのフォローと言いますか、労災法で救うことも大事ですけれども、必ずこういう制限を付けますと、自立支援法に流れてきて、いずれは出すことになって、国の財政としては同じ意味になってしまうのです。出所が違うだけです。
○住田座長 いまの問題に関して、事務のほうとしてはどうですか。
○藤原労災医療専門官 義手にかかわらず、もう少しマクロで見たときに、本来労災の患者に対しては労災が給付をして、自立支援法で補うことのないようにすべきというところがポイントなのかというようにお伺いしました。
○住田座長 実態の問題が出ました。いままで特に筋電に関しては、自立支援法でかなりカバーしていただいているという状況があったので、それが今度、新たに制度的に変わっていけばどうなっていくのか、まだ様子を見てみないとわからないところもあると思うのです。そういう意味では前回、前々回の議論で、フォローアップケアはきちんとしていこうという形であったと思うのです。そういう議論との兼合いで言えば連続はしているので、樫本先生が言われるように、なるべくなら両方に跨らないように、労災患者に関しては、基本的には労災保険に則った形で支給が円満になされるようにしていき、それが円滑にフォローアップされていけるという体制がつくられたら、いちばん望ましいのではないかと思うのです。小西先生の意見とも通じるのですけれども、一つの歯止めとして、今日のところの議論はそれでよろしいですか。
○小西先生 いまの議論ですけれども、職業生活を送っていく上で、働いたり働かなかったりということがあると思うのです。そのときにフォローアップということで、従来は就労していたけれども、現在は働いていないということになると、筋電電動義手を返却しなければいけないということになっている。しかし数年後にまた働くということになったら付けるとなると、先ほど自立支援法の話が出てきましたけれども、それだったら自立支援法のほうで結構柔軟に対応して支給が受けられるのであれば、そちらのほうで筋電電動義手を支給してもらおうかというほうが、当該労働者もしくは労働者であった人にとっては、便利な制度という評価にならないのかなと思うのです。
○住田座長 議論は二つあります。一つは、併給の問題と並んで筋電の取扱いに関して、自立支援法では他方優先という形になってはいるのですけれども、実態としては併給が実際の生活上のニーズで流されてしまうというところがあるのです。そういう意味で、一応座長としては、今後フォローをどういう形できちんとしていくのか、あるいは次の議論としての再交付の問題もあるので、どういう形で再交付を認めていくのかというところも、文面をよく読んでいただいて。特に対象者の要件と、3番目はまだ議論されていませんけれども、適合判定要件をどこがどういう具合に責任を持ってやるのかということと、最終承認をどういう形で受けるのかという要件になると思うのです。そこら辺に関しては議論をしたいと思うのですが、いかがですか。
○徳弘先生 いまの義足・義手でもそうですが、再交付のときにはドクターの判定を要しないと言われています。これは根拠のないことだろうと思います。読んでみたらちゃんと通達が出ていて、「労災の場合は適合判定の判定を受けること」と書いてあるのですけれども、再交付のときの適合判定がされていない事例もときどき見られます。やはりこれは加齢に伴う問題とか、新しいタイプが出てきたときに、古い形のものをずっと使い続けている人がいるとか、そういうことを防ぐために再交付のときの適合判定は、私は必要だと思います。特に筋電になると、本当に使えているのか、もっとほかの物のほうがいいのではないかというような判断をしなくてはいけないことがあると思います。適合判定要件をどうするかは別にして、適合判定は必ずしたほうがいいという意見です。
○住田座長 その件に関してはどうですか。
○赤居先生 適合判定がなければ、つまりフィードバックがなければ、改善はしないでしょうから。
○住田座長 ほかに意見はありませんか。木村先生はどうですか。
○木村先生 筋電義手の場合はよくわからないのですけれども、骨格構造ですと、パーツごとに耐用年数が決まっています。筋電義手の場合は殻構造に準じて、全体で一つの耐用年数で、再交付でやっていったほうが実務的ということになるわけですね。
○徳弘先生 適合判定のときに、例えば。
○木村先生 ソケットだけがどうのこうのとか、そういうこともあると思うのですけれども、先生のいまのご意見だと、実用的には1本を再交付という形で運用していくほうが良いということですか。
○徳弘先生 いや、手先具だけが壊れていて具合が悪くなっていたら。
○木村先生 そこに耐用年数がきていたら、それでいいということですか。
○徳弘先生 そういうことではないかと思います。
○木村先生 わかりました。
○高見先生 耐用年数というのも、もちろん大事でしょうけれども、指が壊れて使えなくなってしまったということも、事例としてはあるわけですから。
○木村先生 部分的に対応、流動的に対応するという解釈ですか。
○高見先生 そうです。そういうときには交換する。
○木村先生 確認という意味での質問でした。私どもも当然そう思っています。
○住田座長 前回の議論が大体まとまった形であるので、対象者要件などはいいと思うのですけれども、フォローアップ体制に関して、どれぐらいがいいかということは、今のところ議論の出ないところなので、次回ぐらいまでにもう少しアンケートを取ってもらいます。もう一つ、以前出てきた議論としては、装着訓練の期間です。それから試用期間をどれぐらいにしたらいいかというのを、事前に事務局のほうから報告してもらえますか。
○藤原労災医療専門官 先生方には一部、試用装着期間として妥当と思われる期間をお伺いしております。その結果として、前腕なら2週間、上腕なら4週間程度で十分ではないかというのが、いちばん短い期間でした。その後、4〜8週とか3カ月程度というご意見もある中、6カ月程度が妥当ではないかというのが、お伺いした中ではいちばん長い期間でした。おひとかたのご意見ですけれども、通院の場合は、すでに実生活や職場で装着の訓練をしているので、あえて追加で別の期間を設ける必要はないのではないかというご意見も頂戴しております。
○住田座長 いまの説明で、議論として何かありますか。第1回のときのアンケートでは、訓練期間とか試用期間とか、もう少し区別されたのですか。
○藤原労災医療専門官 そこの区別はしておりません。
○住田座長 訓練期間というだけで、実際に装着して試用期間というように分けたわけではないのですね。
○藤原労災医療専門官 協力医療機関のうち、兵庫県リハビリテーション中央病院の例ですけれども、これは非労災事由です。訓練期間として6カ月設けていると承知しております。兵庫リハについては、入院での訓練を原則としており、その後退院の間、医療機関のほうが筋電電動義手を貸与した上で、6カ月程度の訓練をしていただいているというように承知しております。一方でそれ以外の協力医療機関については、全体としては通院の方のほうが多うございます。そうした中で、実際の訓練も併せてやっていただいているようです。
○住田座長 アンケートのまとめの段階で、まだ少し議論が進まない感じですけれども、いままでの議論で、特に第1番目の議題については、大体整理できますか。
○木村先生 確認ですが、4頁のフローチャートですけれども、装着訓練とか試用装着に関しては、必ずしも協力医療機関でなくてもいいというように想定しているわけでしょうか。それとも、ここには「協力医療機関における」という文章が前にあると判断していいのでしょうか。
○藤原労災医療専門官 後者で結構です。現在は協力医療機関でなければ筋電電動義手の訓練はできないということです。
○木村先生 この前はそういう議論だったと思います。装着訓練、試用装着に関しても協力医療機関におけるということでよろしいわけですね。
○藤原労災医療専門官 はい。その観点から申し上げますと、その後もその協力医療機関の管理下に置いて、実際の装着訓練の期間を設けるべきであろうと考えております。
○赤居先生 身辺動作をチェックするという意味での試用期間と、就労の色彩がかなり出てきたようなところとあって、おそらくそちらのほうが負担とか、機器に加わるデューティー などは増えるわけですよね。ですからその二つをきちんと見るのだったら、そちらの場面が確保されていないと難しいですよね。入院中は基本的に身辺動作にうまく使えますという意味でのトライアルにはなるだろうけれども、例えば義足などのときにも、よく公共交通機関を利用できるかという話になると、入院中は絶対にできないので、そういうところをどこら辺まで見込むかということです。
 はっきり申し上げて、この前のアンケートだとわかりにくかった。どういうニュアンスでお尋ねなのかというところではないかと思います。限りなく就労に結び付けたいのだったら、やはりその部分の何らかの試用期間がほしいと思います。そうすると、これは2週間でいいという判断の一つの根拠になるかもしれないけれども、それはあくまでも身の回りのことができるのは入院中でも、ということではないかと思います。そこは聞かれた方たちの捉え方によって答えが違ってくるかもしれません。一応仕事の上でもというようになると、やはり3カ月とか6カ月というのは、それなりの数字ではないかと思います。ですから、そこで分かれてしまったのではないかと思いました。
○住田座長 そこら辺は高見先生、どうですか。
○高見先生 先ほど事務局からご意見をいただきましたけれども、参考までに中部の場合、このリストに挙がっている11名はすべて通院です。自宅が病院の近くとか県内ということがあり、通院で訓練をしています。その訓練の段階で、職場でやるだろうという仕事を想定してリハで訓練をしております。ですから、そこで訓練が終わって、さらにまたということは必要ないと考えています。それで先ほど、2週間ないし4週間という答えが出てきてしまったのです。
○赤居先生 そこまでを含むかどうかですよね。
○高見先生 そうでしょうね。病院によっていろいろな対応の仕方があろうかと思いますので、線引きは必要でしょうけれども、いい所に収まるのかどうかが。
○赤居先生 大事なことは期間以上に、両方を試してくださいというところがあればいいのではないでしょうか。
○藤原労災医療専門官 事務局として、前回のご意見の趣旨としては、「実際に使ってみないと、その方がこれを本当に継続して使えるかどうかが分かりません。ですから一定期間を設けて、本人が使うにしても断念するにしても、その結論がご自身として出せるような機会を設けるべき。」と理解しました。
 ただ、それに加えて、あまりこの期間が長くなりますと、協力医療機関の負担が増えるということもあります。協力医療機関がお持ちの筋電電動義手の本数の関係もあると思います。そういう意味では前回の、貸与ということが制度的に可能かという宿題もあるのですけれども、そうしたものに目安としての期間をどれぐらいにするかということが、翻って影響してまいります。したがって、ある程度の目安の期間として一定程度の結論を本日出していただければ、それが固定という意味ではありませんが、それを前提とした制度全体の仕組みを考えていきたいと考えております。
○住田座長 期間的な設定としては、大体よろしいですか。先生から追加はありますか。
○樫本先生 試用訓練の目的は、ドロップアウトする事例を見つけることができる可能性が一つあります。
 それから、今回お示ししていただいた対象者要件の1番から3番までを、改めてもう1回見ますと、1番の方は装着訓練で、リハでもちゃんと職業を想定した訓練をしていれば、試用期間はもう要らない可能性が確かにあります。短期間でいいか、もう要らない。3番の日常生活ができないと認められる方は、早く出してあげないと生活できないわけですから、3番の方も医療機関が認めれば、試用訓練は要らないと思うのです。2番の方がいちばん問題ではないかと思います。いまは就労していないけれども、筋電義手を装着することで今後、就労の見込みがある方です。ですから一律に試用訓練をやるようにと決めることでもなくて、対象者の要件によって試用訓練を位置付けると言いますか。2番の方などは、義務付けるとか、試用しないと判断できないわけですから、そういう形で整理したらどうかと思います。いかがでしょうか。
○河西課長補佐 質問したいと思います。枠組みは検討しなければいけないのですけれども、試用訓練という形になれば、例えば、方法として国のほうで貸与するような仕組みもあり得るかと思うのです。そうした場合に、半年間貸与するという形になれば、先ほど樫本先生からお話のあった、3番目の日常生活に支障があるような方に対しても、試用期間中も貸与できる、あるいは何らかの形で筋電電動義手を使用できるような状況になると思うのです。そういう意味では、試用期間のあるなしによって支障があるのかというのが、事務局としてはよくわからない部分があるのです。筋電電動義手が何らかの形で貸与になるか、レンタルになるか、あるいは協力医療機関でご負担いただくかは、いまの時点では何とも言えませんけれども、実際に使用される方、試用期間中の方のお手元にあるので、試用期間をつくらないことによって逆にメリットがあるのか、試用期間をつくることによってデメリットがあるのか、そこがどうなのかと思うのです。
○樫本先生 いまのお話を聞いていて一つ思ったのは、試用期間をつくることでいわゆる判定と言いますか、認定する正確性が上がるわけです。また、ユーザーにとってはレンタルだと早く、とりあえず試用で使えるものが手に入るというメリットもあります。筋電の場合はその前に適合まで訓練をしているでしょうから移行しやすいでしょうけれども、いま自立支援法でもレンタルを認めようかという話が、ちょうど行われています。意思伝達装置、複雑な車いす、クッション等、使ってみなくてはわからないものです。結局「意思伝達装置がほしい」と言っても、試してみないとわからないと思うのです。クッションなども使ってみないとわからない。自立支援法のほうでは、それをレンタルで国の負担でできないかということを検討しているのです。同じようにそれを検討していただくと、認定が正確に行われる可能性があります。また、支給決定までに時間がかかって、ユーザーの手に届くのに時間がかかるような場合は、早く、とりあえず試用で使ってみましょう、使いながら使えるものかどうかを見ていきましょうという事例もあるかと思うのです。ですから、そういうメリットがあります。
○住田座長 だから、基準に関しては、先生が言われるように段階に応じてという話もあったり、本当に具体的な基準が必要なのかどうかという問題があります。メリットはあるのですけれども、基準でやるべきかどうかという問題ですね。逆に言ったら、協力医療機関側での判定でいいかどうか。その判定の基準を、一律に何カ月と決めてしまったほうがいいかどうかという問題に関してはどうですか。
○樫本先生 ケース・バイ・ケースではないかと思うのです。
○住田座長 そろそろ構造的なところもだいぶ出てきましたので、一応今日の議論を踏まえた形で、それを事務局のほうでまとめていただくということでよろしいですか。
                 (異議なし)
○住田座長 それでは、次の議題に移りたいと思います。第2番目の議案は、基準外支給事例についてです。これについても資料がありますので。
○藤原労災医療専門官 続きまして、資料3により、基準外支給事例について説明いたします。基準外支給は要綱に定める支給基準等では、支給対象にならない事案について、労働局長が、やむを得ない事情により必要があると認められる場合は、本省協議を経て、支給を行うというものです。今回の検討趣旨ですが、基準外支給は要綱に定めている要件に該当しないものについて、個別の判断で支給をしております。本省協議という手続を踏んでいるのは、全国斉一の運用を行うとともに、本省がその情報を集約するためです。実際に支給対象となった事案のうち、今後とも一定数の申請が見込まれ、かつ類型化や要件化等が可能なものについて、迅速な支給の観点から、本省協議を経ずに承認が可能となるよう、要綱に基準を示すなどの見直しが必要ではないかということです。
 2頁は、具体的な基準外支給の実績です。まず、平成19年以来、31件の申請があります。平成19年に「*印」を付しておりますが、この8件の他に7件の申請があります。これについては車いすの付属品の支給申請で、平成20年度にそういった申請を踏まえて種目の追加措置を講じており、現状では基準外支給の申請はなくなっております。全体で31件の申請があったものについて、本省協議の結果、すべて支給対象となっております。(2)ですが、31件については、各種目の対象者について協議があったものと支給する品目について協議があったものというように整理しております。この表で見ますと、車いすの関係と杖の関係に複数協議がありました。
 各論に入りますが、各論の説明をする前に、本日、先生方には個別の協議を経て承認に至った内容が妥当かどうかということと、一部見直しの要件として対応案を書いてありますが、こういった考え方が妥当かどうかということをご議論いただければと思っております。
3頁は対象者の要件として協議があったものです。
まず、(1)車いすの3件ですが、車いすは「両下肢の用を全廃または両下肢を亡失したことによって」ということで、労災の障害給付の支給を受けている方が対象です。義足及び下肢装具の使用が不可能な方ということになっております。事例が3件ありますが、すべて片下肢の亡失、下半身の用を全廃という形で、要件にある両下肢の方ではないということです。しかしながら、個別には脳挫傷による片麻痺とか、上肢の一定の障害により下肢装具・義足の装着や使用が困難という例でした。これについては、すべて車いすの支給をしておりますので、現在、要綱では支給対象となっていない、片下肢のみの用を全廃もしくは亡失の場合について、義足・下肢装具の使用が不可能な方については車いすを支給とすべきではないかという問題点です。
 見直しする場合の案として、例えば片下肢の用を全廃または亡失したのみであるが、上肢の障害等により、義足・下肢装具の使用が不可能な方も対象とすべきかということです。一つの目安として、両下肢の用を全廃または亡失ということになると、障害等級上は4級以上となりますが、片下肢の用を全廃または亡失であっても、他の部位の障害によっては、障害等級が4級以上になる方もいらっしゃいます。そのような障害等級の目安に基づいて、実際に義足・下肢装具、杖が使用できない方、もしくはこれらを使用しても歩行が不可能な方というのを対象とする案をお示ししております。
 4頁に入りまして、(2)電動車いすとしては1件ですが、先ほどの車いす3件と事情が同様の方です。電動車いすについては、そもそも車いすの支給要件である両下肢の障害に加え、両上肢に障害を残して車いすの使用が著しく困難な方というのが支給要件となっております。今回協議があった事案は、下半身の用を全廃というものですが、この方は非労災事由で右半身の筋力が低下しているため、自力歩行も右手による車いすの操作も困難ということでした。
 これについては、片麻痺についても本省協議を経ずに支給対象とすべきかということです。四肢のすべての用を全廃または亡失となると、そもそも電動車いすは使えませんから、ここの表現は後ほど整理させていただきます。支給要件に該当しない場合であっても、片麻痺等により、電動車いす以外の方法では移動できない方というのも対象とすべきではないかということです。これを先ほどの車いすと同様に障害等級で見てみますと、両下肢に障害のある方については、支給対象者は1級の方となりますので、これも同様に片下肢の用を全廃または亡失した方であっても、他の部位の障害により、併せて障害等級1級の方については、これを認めるべきではないかという案をお示しております。車いす、電動車いすに関して、実際に支給申請があった方については、1級もしくは2級ということでして、いまの整理の中では対象になり得る方です。
 次に、(3)歩行補助つえです。労災の場合は、障害等級7級以上の者について支給しておりますが、原則、1本支給となっております。これについて、松葉づえを2本支給してほしいという申請が3件ありました。これについては、原則として1本支給という取扱いが妥当かということです。こちらで事後的に確認したところ、松葉づえについては自立支援法上は1本とは1対、つまり2本で一つという考え方で運用していることを確認しましたので、それと同様の取扱いをすべきではないかという案をお示ししております。
 6頁の(4)以下は、眼鏡、下肢装具、体幹装具、重度障害者用の意思伝達装置の4種目があります。しかしながら、協議があったのは各1件で、冒頭申し上げたとおり、類型化といったことをするまでの内容ではないので、資料上はご紹介いたしましたが、当面、こちらについては個別協議を継続したいと考えております。
○住田座長 以上が事務局からの報告ですが、個別の問題から全体の問題までいろいろありますので、質問等を受けていきたいと思います。いかがでしょうか。
○赤居先生 ここで言っている電動車いすというのは、いわゆる普通型の電動車いすですね。簡易型という、姿勢変換が入っていないものですね。
○藤原労災医療専門官 いまご質問があったものについては、個々の事情に応じて、部品と言いますか、そういった可動式のものも労災では支給対象にはなっております。
○赤居先生 ここでは手が利くかどうかの議論しかしていないのですが、結局のところ、感覚の麻痺があって、ずっと一定の姿勢だとまずいかどうかが、これを決めるときに非常に大事なのです。いわゆる筋力が弱いとかというのではなくて、麻痺があって感覚がわからないところがあり、ずっと座っていると床ずれが起きるというようなものをどうするかの議論が主ではないかと思ったのです。電動車いすにこだわるときは、移動の自由と、安全に乗っていられるかどうかのほうが重視されるべきではないかと思います。
○住田座長 この事例に関して言った場合、見直す場合の対応案として、上肢麻痺の問題を言われていますが、上肢の麻痺云々の問題だけではなくて、例えばリクライニング、ティルトなどといった装置の問題も含んでいませんかということなのです。そうした装置の問題で協議があったのではなくて、この事例としては麻痺が絡んでいて、三肢麻痺のような感じ、ないしは四肢の麻痺で、かなり筋力低下もあったりして難しかったという形で理解してよろしいのですか、ということです。
○藤原労災医療専門官 そのとおりです。
○住田座長 対応案として、それに付け加えて、例えば四肢麻痺の場合ならば、頸損の人の場合は電動車いすを処方するということになった場合にどうなのか、そのような対応案みたいなものはあるのでしょうか。今回の事例では、それは出てこなかったという理解でよろしいのでしょうか。理解としてはそれでいいですね。
○藤原労災医療専門官 はい。
○河合補償課長 個別に基づいて対応案を考えたということです。
○住田座長 あったということですね。
この場合、例えば四肢麻痺、すべての麻痺があっても、チン・コントロールなどいろいろな装置を使って電動車いすを使う例もあるのですよね。
○藤原労災医療専門官 そうです。
○住田座長 そのような場合は今回の事例に入っていないですね。
○藤原労災医療専門官 そうしますと、7頁をご覧いただきますと、いま言われたチン・コントローラーにしても、これ自体は基準が種目ですので、個別の協議はございます。
○住田座長 参考要件としては、これで具体的に挙がっているということですね。
○藤原労災医療専門官 そうです。今回の整理上は、個々の結果としての種目については、7頁の参考のほうで整理させていただいておりますので、赤居先生が言われた観点では、個別に判断させていただいているところです。
○住田座長 よろしいですか。そうした事例としては、現実にイのところでいろいろ案件はあったということですね。
○藤原労災医療専門官 はい。
○住田座長 ただ、見直す場合の対応案としては、この事例に関してはこういうことだったということで、イに関しては書いていないだけであって、実際には認めているということですね。
○藤原労災医療専門官 はい。7頁の説明を改めていたします。例えば、今の電動車いすのところで申し上げますと、ティルト式については支給基準に追加をしたり、個別の事案を踏まえて、種目として整理すべきところは徐々にやっておりまして、こういった個別の事案を踏まえて、整理すべきところは引き続き整理していきたいと考えております。
○住田座長 結論的には、今回の基準外支給事例について言えば、7頁に関しては結局どうなるのですか。
○藤原労災医療専門官 事務局の案としては、引き続き我々側が必要な確認をしながら、種目として掲載すべきものは載せていく、それから漏れるものについては基準外という形で、協議を経ながら引き続き必要なものは加えていく、そのように考えておりますがよろしいでしょうか。
○住田座長 ということは、本省協議を経ずに承認可能となるように要綱に基準を設け、というのは。
○藤原労災医療専門官 可能なものは、なるべく種目の中に取り込んでいきたいということです。
○住田座長 今回の事例だけではなくて、種目の中にいろいろ入ってくるという理解でよろしいですね。
○藤原労災医療専門官 はい、種目のほうはそのとおりです。
○樫本先生 労災法のほうでこのように基準の要件を少しずつ広げていって、現場の各都道府県レベルの労働局で基準外として挙げなくても済むような事例が増えていくのは大変いいことだと思うのです。今回の資料を見せていただいて、基準外支給というのはこんなに少ないのだということを一つ感じました。現場の実態を申しますと、労災はかなり厳しいと。基準に載った項目で採型指導医は一応判定はするわけですが、赤居先生が言われたようなティルト式など多機能な電動車いすなどの場合は、すんなり通すために基準の枠で出せるものの中で処方したことにして、実は差額の自己負担を業者さんとご本人とでやり取りをしているという事例もあると伺ったことがあるのです。もう一つは、先ほどの話と同様、労災で出せないから自立支援法で出せませんかという事例も、実はあるのです。ですから、私としては適用範囲を広げるということは賛成で、今回の案にも異論はありません。
○住田座長 いまの基準外交付、基準外支給について、他の項目も含めて議論はないですか。
○木村先生 全体的には非常にいい案ですし、問題ないし、事務局案に賛成です。一つ確認したいのは、歩行補助つえについて、ここでは松葉づえということになっていますけれども、現場ではロフストランド杖が多いわけです。松葉づえもロフストランド杖もこの中に含めて考えているのかどうかわかりませんが、昔からの経過があるから松葉づえという表現になっているのかもしれませんけれども、ここはロフストランド杖を含むと考えて解釈してよろしいのでしょうか。
○事務局 歩行補助つえの中に、いま先生が言われたつえを含めて6種類ありまして、そのうちの1種類が松葉づえですが、支給本数としては、歩行補助つえとして原則1本という括りになってしまっているので、松葉づえに関してのみ、2本の支給がいいのではないかということで、今回ご提案させていただいているということです。
○木村先生 そうすると、これは松葉づえに限ってという素案ですか。
○事務局 そうです。
○木村先生 私は歩行補助つえ全部に対して、そういうことを拡大していいのではないかと思いますけれども。あえて松葉づえと断らなくてもいいのではないかなと。
○赤居先生 松葉づえはあまり主流ではなくなってきている可能性があります。
○徳弘先生 四点杖とか三点杖というのは、普通は1本ですが、ロフストランドやカナディアンにしろ、松葉づえにしろ、やはりペアで考えるべきだろうと思いますので、私も、その意見には賛成です。
○住田座長 自立支援法は、それについてはどうですか。
○樫本先生 もちろん、松葉づえが必要な人は1対必要ですし、ロフストランドみたいなものでも両側使う方は両側を認めますし、その方にとって必要な本数というのが原則でいいと思いますが、なぜ、1本と決まっているのか。例えばT字杖であれば、四点杖でも2本使う方はあまりいませんから、1本で済んでしまうのです。やはり2本必要な方に1本しか出せませんと言うと、これは現場としてはかなりおかしなことになるかなと思いますので、その方の障害状況や歩行能力、歩行状況に応じて、必要な本数ということでよろしいのかなと思います。
○河西課長補佐 杖の種類によって整理をさせていただいて、松葉づえに限らず、今回必要な本数で出すような形で整理できるようにして、またご提案させていただきたいと思います。
○住田座長 ほかのところで議論はないですか。
○赤居先生 そのことでしたら、こっちも気が付いたというところです。8頁ですが、介助用リフターで電動式でないリフターなどというのは、実際上あるのでしょうか。
○樫本先生 あります。
○赤居先生 ありますか、チェーンでやるやつでしょう。しかし、今そんなの使うのでしょうかね。普通はピッとスイッチを押すのも、力が出せないからやるのであって。
○高見先生 油圧式は。
○赤居先生 油圧式のことを別というのですか。空気入れのようにキュキュキュとやるやつですか。
○高見先生 電動ではなく、油圧式。電動が基準外になっている。
○住田座長 事務局、これはどうですか。リフターは実際どうなっていますか。
○木村先生 これは個別に判断ですね。
○赤居先生 個別に判断でいいのでしょうが、電動式は基準外、油圧式は基準内ということですか。
○藤原労災医療専門官 現行の要綱に明記していないので、基準外は基準外です。
○赤居先生 そういうことなのですね、なるほど。論理としては、車いすなどを使うときも、冷蔵庫でも同じなのでしょうけれども、形はそれほど変わらないが、10年前と比べると使用電力は半分だとか、車いすにしても、各部品が次々に新しいものに変わってきていますよというのがあるので、やはり何らかの改定をするときには、主たるシェアに応じてそういうものを替えていかれるのがいいのではないかという気がしたのです。油圧式はそうかもしれませんが、普通はスイッチは家の人たちが入れて、患者さんがスーと持ち上がっていくという、いまはそういうイメージですね。
○住田座長 これは次回にもう一度いろいろなことを含めて議論になりますので、ほかに何かあればお願いいたします。
○徳弘先生 問題点と見直す場合の対応案を読ませていただきましたが、非常に合理的だと思います。3頁のいちばん下に「これらを使用しても歩行が不可能な者」と書いてありますが、不可能な者プラス、歩けても実用性のない者というのを加えるのはどんなものなのでしょうか。現場の議論というのは、歩行の実用性へ行くのです。歩けるけれども、杖が必要かどうかを判断したり、車いすを判断したりするときには、訓練の場以外の社会的な実用性で、この人は家の中では何とか歩けるけれども、外に出たら車いすのほうがいいのではないかなどといった議論が多いと思うので、文言として、歩行が不可能な者と著しく困難で実用性がない者とすれば、現場の判断がもっとしやすくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○藤原労災医療専門官 要綱という形で文言を整理している関係なのか、ご指摘のような部分が、ここにかかわらずあるのも事実かと思います。そこは我々の解釈、運用の部分ということもあろうかと思いますので、要綱全体の整理をする中で、ご趣旨を反映して整理していきたいと思います。まずはその方の状態に着目して、そこに必要なものを支給すべきだというご指摘だと承知いたしました。
○住田座長 いまの事務局の答弁で終わってしまったような感じがするのですが、ほかに何かあればお願いいたします。
○樫本先生 支給の要件の文言を整理していただくついでに、これはなかなか難しいかもしれませんが、支給個数についてもやっていただきたいのです。例えば車いすで言えば、いわゆる屋内で使う車いすと、就労等で外に出掛けて行って使う車いす、せき損の方であれば車に自己搭載したりとか、やはり条件がいろいろあって2台必要な方もいるわけです。労災で1台しか出せませんというのが、自立支援法に回ってくるときのストーリーです。基準外支給で2台目というのはあるのかもしれませんけれども、その辺を少し考慮していただきたいと思います。
○河西課長補佐 逆にちょっと質問です。私どもは自立支援法については不勉強なのですが、自立支援法の場合でも、 2台支給するような制度になっていると理解してよろしいのでしょうか。
○樫本先生  要綱上は原則1個と書いてあります。ただし、更生相談所の判断で、真に必要と認める場合は2個目も可能ということになっております。それで2台支給されている方も、実は多いのです。ただし、一度に2台出すということはあまりやらないです。まず1台出して使っていただいて、そしてニーズがはっきりしてきてから、同じものを2台出すということはまずありませんので、機能が違うものをもう1台ほしいという場合は、使えるものを1台持っていても、もう1台は認めることにしているのです。労災の考えですと、1台持っていると、2台目はもう駄目ですよね。その辺にギャップがあるのかなと思うのです。

○高見先生 ちょっと質問ですが、7頁のいちばん下のカのところです。義足の加工2件に小児用部品というのがありますが、労災に小児用部品がなぜ出てくるのでしょうか。
○藤原労災医療専門官 申請者の方はお体が小さい方でして、ちょうど合う部品がたまたま小児用の部品だったのです。型番まで表記している関係で、それにはない部品だったということです。
○高見先生 なるほど、わかりました。
○赤居先生 先生、私達もよくやります。
○高見先生 そうですね。そこまで聞けば納得します。
○藤原労災医療専門官 いま言われたとおりで、逆に、小児用の部品なので、我々とすればそもそも列挙していなかったということです。
○高見先生 わかりました。
○住田座長 時間的な制限もありますので、よろしいでしょうか。基本的には基準外支給事例について、まずは要綱に沿って決められるのですが、要綱をきちっと修正していくときに、一つは基準外種目の中で、本省協議を経ずに承認が各都道府県で迅速にやれるように、要綱に基準の見直しを図るということと、最後の7頁で、個別協議を踏まえて取扱いを決めて基準化を図ったりということもしているので、それを適宜改定を行っていくという形の原則で運用しているという理解で今日のところはいいですか。
○藤原労災医療専門官 ありがとうございます。
○住田座長 今日の議題二つは時間内に何とか収まった感じですが、それでよろしいですか。何か他に議論はありませんか。
○河西課長補佐 1点、筋電の件ですが、日常生活に支障がある方、先ほどの対象者の要件で言うと、類型3に当たる方で、事務局のほうで先走って健側に、切断していないほうの腕とか手指に関して、障害等級表に基づいて一定の線を引くようなというお話をさせていただいたのですが、障害等級表をご覧いただいた上で、どの辺で線を引くのが妥当と言えるでしょうか。どこで線を引いたら、これから上は日常生活に支障があるという判定にしていいのではないか、というようなことなのですけれども。
○住田座長 先ほどの議論については、原則的には生活そのものができないということが前提ですが、最後の資料のところで出された障害等級の8級ぐらいがという話で提案されて、労災としてはそういう基準で運用していくことに関しては、そうかなという話で議論を打ち切ったのですが、それを反映していただいて、もう少し見直すべきならば、また考えようということです。
 一つ目の議題については、まだ完全に完成した議論にはなっていないのですが、第1回、第2回の議論を経て、整理が少しずつ進んできたかなという感じがしておりまして、第1要件、第2要件、第3要件という形で要件が決まってきましたので、次回までに、また資料として事務局のほうで整理をしていただきたいと思いますが、よろしいですか。それまでに、いままでの議論で根本的に疑問を感じる点等がありましたら、事務局まで連絡していただいて、もう少し議論を深めてもらうという形にして、一応今日のところは第1の議題については終わりたいと思います。
 第2については、あらかた終了したかと思いますけれども、よろしいですか。ここで一言言っておかなくてはいけないということがありましたら、お願いいたします。
ないようでしたら、今日の議題に関しては二つとも終了したということで、事務局から次回の開催を含めて提案をお願いいたします。
○藤原労災医療専門官 次回の開催は3月7日(水)、時間は15時30分からとさせていただきます。具体的な場所については、追ってご連絡いたします。次回の議題は、「労災独自種目等の価格等について」ということで予定しております。第1回目にご説明いたしましたが、本会議の要綱の公表等に関する取扱いに基づき、非公開とさせていただきます。主要課題である筋電電動義手については、1回飛ぶ形になりますが、その間に事務局において必要な情報収集、整理をしたいと考えております。その間の進め方ですが、今日の議論を踏まえて、一定の装着期間の目安を整理する中で、それを前提に協力医療機関、メーカー、義肢補装具業者等に状況の確認をした上で、制度設計について整理をしていきたいと考えております。
  事務局からは以上です。
○住田座長 以上で第3回目を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部
補償課

電話: 03(5253)1111(内線5566)

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