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2012年7月27日 平成24年度第4回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成24年7月27日(金)13:00~14:19


○場所

グランドアーク半蔵門「華の間」
千代田区隼町1-1


○出席者

【委員】
小山信彌分科会長 松田晋哉分科会長代理 池田俊也委員 伊藤澄信委員
井原裕宣委員 緒方裕光委員 樫村暢一委員 香月進委員
金田道弘委員  川上純一委員 工藤翔二委員 河野陽一委員
嶋森好子委員 瀬戸泰之委員 竹井和浩委員 藤森研司委員
三上裕司委員 美原盤委員 渡辺明良委員
【事務局】
迫井企画官 他

○議題

1.DPC制度に関する今後の検討方針について(検討課題とスケジュールの整理)(案)
2.DPC/PDPSの基礎係数について
3.基礎係数・機能評価係数IIの次回改定に向けた評価手法等に係る論点(案)1.外来診療に係るデータの提出について
2.基礎係数・機能評価係IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)

○議事

13:00開会

○小山分科会長 それでは、定刻となりましたので、24年度第4回の「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたします。
 お暑い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、時間になりましたので始めます。
 本日の出席状況は、相川委員が御欠席という連絡が入っております。
 1つ御報告は、委員の交代がございます。鈴木洋史委員におかれましては6月30日付で退任されておりまして、後任として川上純一先生がこの評価分科会の委員として就任されておりますので、川上委員より一言ごあいさつをお願いいたします。
○川上委員 日本病院薬剤師会から参りました川上純一と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○小山分科会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 まず席表に続きまして、先生方の名簿、議事次第がございます。
 そちらからD-1「外来診療に係るデータの提出について(案)」。
 続きまして、D-2「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)」。
 もう一点が、D-2別添といたしましてスライド集がございます。
 それと大変恐縮ですが、資料の差しかえと追加の1枚紙を準備しております。
 以上になります。不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
○小山分科会長 よろしいですか。特に脱落等ありませんね。
 それでは、最初は「外来診療に係るデータの提出について(案)」を議題としたいと思いますので、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 それでは、D-1「外来診療に係るデータの提出について(案)」をごらんください。
 こちらは基本的には御報告事項になります。
 1の方でお示ししておりますのは、今回のデータ提出加算導入の背景でございます。今回の診療報酬改定におきまして、DPC対象病院でない出来高算定の病院につきましても、DPCのデータを御提出いただくことを評価するといったことを行いました。また、DPC対象病院における外来診療にもデータを提出いただくといった取組みを始めましたので、そのための評価を新設させていただきました。
 提出いただいているデータによって、データ提出加算1とデータ提出加算2を設定してございます。データ提出加算2の方は外来診療を提出した場合に御算定いただくといった点数になっております。
 2の方がデータ提出加算1、入院診療データの届出、こちらはもう既に走っておりますけれども、こちらのスキームの御紹介でございます。
 スライドは3ページ目の上の方に入院診療の届出スケジュールといたしましてまとめてございますが、大きく3パターンございました。まず、DPC対象病院と平成23年度以前から準備病院であった病院、それと平成24年度、今年度に新規にDPC準備病院となられた病院、最後にそれ以外の出来高算定病院と3種類ございました。
 従前からDPC対象病院でおられた病院ですとか、DPC準備病院でおられた病院は既にデータ提出の実績がございますので、4月からデータ提出加算を算定いただいております。
 平成24年度、今年度に新規に準備病院になられた病院さんは、4、5、6月分のデータを7月に御提出いただいて、その結果をもって8月に厚生局に届出をしていただいてデータ提出加算を算定していただきます。
 それ以外の出来高算定病院につきましては、6、7月に試行データを作成していただいて、その結果をもとに9月に届出をしていただいて、10月からデータ提出を実際に開始していただくといったスキームで入院データの方は移っておりました。
 2ページ目の方が本日の御報告事項となります外来診療のデータの届出についてでございます。
 こちらのスライドの方が追加で配付させていただきました1枚紙の上の方になりますけれども、まずDPC対象病院、DPC準備病院、出来高算定病院それぞれ入院のデータを既にお出しいただいておりますので、試行データといった形式は今回特にとらないことにさせていただこうと思っております。
 その中でDPC対象病院I群・II群は必須でございまして、III群は任意でございます。
 DPC準備病院はすべて任意でございますが、この医療機関につきましては、これは事務的なことになりますけれども、厚生局の方へ9月2日~10月1日までに様式40-7をお届けいただいて、10月1日から実際にデータを提出いただき、同時にデータ提出加算を算定していただくといったスケジュールになります。
 出来高病院につきましても基本的には同じスケジュールなのですけれども、厚生局へ御提出いただく資料が様式40-7に加えて、DPCフォーマットデータの提出の実績をこちらから通知しておりますので、その通知の写しを併せて御提出いただくといった届出を行っていただく予定になっております。
 算定開始及びデータ提出開始は、両方とも同じ平成24年10月1日からとさせていただこうと思っております。
 以上が外来データ提出に関する御報告になります。
○小山分科会長 ありがとうございました。
 まず、議題1は「外来診療に係るデータの提出について(案)」ということです。これはほとんど決まったことの御報告という形かと思いますけれども、このことに対して委員の皆様から何か御質問あるいは御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
 よろしいですか。
 加算は一番早くて10月1日からということですね。
○事務局 そのとおりでございます。
○小山分科会長 1番の議題に関してはよろしいですか。皆さん、何か御意見、御質問がありましたらどうぞ。
 よろしいですね。
 では、1番は確認事項ということですので、これでもって1番の議題を終わりにさせていただきます。ありがとうございます。
 続きまして、「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)」を議題にしたいと思います。
 まず、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 それでは、D-2「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)」の資料をごらんください。こちらは説明の過程で適宜別添のスライドの方も併せて使わせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 こちらの資料は大きく4つの構成になっておりますけれども、まず「1.背景と前回までの検討」について御説明をさせていただきます。
 まず、背景といたしましては、今後調整係数を段階的に置き換えを行っていくことが決められておりますけれども、基礎係数や機能評価係数II等の安定的な制度運用と、一定の予見性の確保がこの置き換えの中では不可欠とされております。
 2つ目でございますが、必要な見直しを次回改定の具体的対応のとりまとめにおいて検討するという前提ですが、まずは実際にデータを収集する10月1日まで一定の内容を基本方針についてとりまとめてはどうかといったところが背景でございます。
 それを踏まえまして(2)、前回の分科会で1ページ目の下段の点線で囲ってございます論点について検討を行いまして、まずは基礎係数、機能評価係数IIの在り方を明確にするべきではないか、また基礎係数、機能評価係数IIともに改定後の影響についてまだ十分なデータが集まっていませんので、この秋の段階では何か大きく物事を変えるという時期ではないのではないかといった御指摘をいただいているところでございます。
 1.については以上でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 まず、最初のところの1ページ目について御議論をお願いいたします。これは前回の分科会で検討されましたことの確認事項であります。これをベースにして次の議論をしたいと思いますので、まずはここに書いてあります1番の背景というところ、予見性確保が不可欠だということと、平成24年10月までに一定の内容をとりまとめるということ、(2)で前回分科会での指摘事項としては、基礎係数・機能評価係数IIの在り方を明確にすべき、改定後の影響については十分データが集まっていないので、それはその次の時期にやるというようなことだったかと思いますけれども、下の点線で囲まれた視点、検討課題等がありますけれども、これに対しては御異論ございませんか。ここまでは皆さん同じ認識ということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、同じ認識を持ったということでもって次のところをお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 それでは、2ページ目をお開きいただきたいと思います。2ページ目、3ページ目でございますが、こちらは前回平成24年度改定において調整係数の置き換えに対応する基礎係数と機能評価係数IIの設定に関してさまざま御議論いただきましたので、その中で整理されたものをお示ししております。
 (1)の方で、まずそもそも調整係数の置き換えに係る内容になります。
 1つ目ですが、そもそも調整係数は制度導入時の激変緩和のために設定されましたが、こちらは個別施設単位で過去の報酬水準を継続して反映しておりますので、そういった調整はやはり廃止し、それぞれの医療機関の機能を評価する新たな係数として組みかえを行うこととされております。
 2つ目で、こちらはD-2の別添資料の図1、済みません、差しかえになっておりますので差しかえの図1でございます。こちらをごらんいただきたいのですけれども、調整係数の運用の中でアウトライヤーへの対応でございますとか、施設毎のばらつき、診療報酬の改定の対応、診療効率化分の対応といった役割を調整係数が担っており、これらの調整係数に基づいた支払いの結果として、円滑な医療機関運営の促進とDPC制度を選択するに当たってのインセンティブといった効用が発生しておりました。
 3つ目の○でございますが、これら2つの効用、円滑な医療機関運営の促進でございますとか、DPC制度選択のインセンティブといったものは残しつつ、過去の報酬水準を維持するといった個別医療機関毎の調整というところから全体の平均的な報酬、これを基礎係数と名前をつけておりますけれども、それと診療実績に基づく調整、機能評価係数IIを加味する診療報酬体系に移行することといたしました。これが別添の図2の方でございます。
 こういう形で最終的には基礎係数と機能評価係数IIに置き換えていくといったことをさせていただくことになりました。
 (2)でございますけれども、その基礎係数を設定するに当たりまして、D-2別添の図3、大学病院の本院とそれ以外の医療機関で1日当たりの平均点を比べた箱ひげ図でございますが、これらを見ても明らかなように、大学病院本院は包括範囲の1日当たりの出来高点数が明らかに異なっているところがございました。これは大学病院の本院がより重症な患者への対応でございますとか、より高度な技術の実践ですとか、そういったほかの施設とは異なる機能や役割を持っていることに由来すると考えられます。
 そういった大学病院本院のような重症な患者への対応でございますとか、高度な技術を実践しておられる医療機関を、そのほかの医療機関と同じ程度に効率化・標準化していくのは、そういった高度な医療でございますとか、重症患者への対応といった役割を維持することが困難になる可能性がございましたので、DPC参加病院を幾つかの医療機関に分類、それぞれ分類した医療機関ごとに基礎係数を設定するといった対応を行うこととなりました。大学病院本院はこのように明らかに1日当たりの平均点が異なっておりましたので、まず大学病院本院を別群とさせていただきました。
 3ページ目の一番上になりますが、大学病院本院以外の病院についての検討を行いましたところ、こちらはD-2別添の図5になりますけれども、DPC算定病床当たりの医師密度が1日当たりの平均点数に密接に関係しているといったところが示唆されました。
 ただ、一方で医師密度や診療密度をそのまま評価するといったところは、単に医師が配置されていること、もしくは単なる濃厚診療を評価することにつながりかねない、また医師獲得競争を惹起する可能性があるといった御指摘を踏まえて、最終的には高い医師密度が必要とされるような機能、役割を条件とさせていただきました。その上で基準値をすべて大学病院本院の最低値とさせていただいて、それをクリアする医療機関をDPC病院II群として設定させていただきました。その図が別添資料の図7になります。
 (3)の方が機能評価係数IIとその群別評価の導入に関してでございます。
 そういった経緯で基礎係数を医療機関群別に設定することとさせていただきましたが、一方で機能評価係数IIの方は、こちらも2つの性質があると考えられました。
 1つは全DPC対象病院が目指すべき医療の実現、こちらの別添資料の図8(3)の点線で囲っている部分になりますけれども、全DPC対象病院が目指すべきものと右側の黄色く塗っている部分ですが、それぞれの医療機関の状況に合わせて機能を実現していく部分と2種類に分かれることから、カバー率係数と複雑性係数、地域医療係数については、先ほど基礎係数のところで定めた病院群別の評価体系を導入することといたしました。救急医療係数については現行評価方法の性質からは群別評価には特に導入はしておりません。また、カバー率評価については、専門病院が不利になるといった御指摘を踏まえて、III群のカバー率評価について一定の配慮を行いました。
 (3)の2つ目の○でございますが、そういった基礎係数と機能評価係数IIの群別の評価を導入したことによりまして、診療密度が高い施設についてさまざまな観点から一定の役割を求める仕組みが導入され、各施設の機能、役割に応じたより適切な評価体系ができ上がったと考えております。
 こちらはD-2の別添の図9と図10で、前回の分科会の中でもお示しさせていただきましたが、図9の方が複雑性係数とカバー率係数のそれぞれの医療機関の設定方法、係数から指数に移行する際のグラフになりますけれども、こういった形でIII群の方が比較的有利な変換方式をとらせていただいているといったところでございます。
 図10の方が実際の医療機関別係数の分布の図になりまして、必ずしもDPC病院III群がDPC病院II群よりも低い評価にはならないといったところになってございます。
 また、今回新しい資料といたしましてD-2別添の図11と図12でございます。こちらの方にお示ししておりますのが、図11の方が外保連指数の低い手術が各医療機関でどのくらい占めているのかといったところの実例を幾つか挙げさせていただきました。特にそれぞれの群のところにある合計手術数に占める割合をごらんいただきたいのですけれども、虫垂切除術は1と2それぞれ合計いたしまして、I群の病院では全体の中で占める割合は0.2%であったのに対し、III群ではそれぞれ占める割合が0.9%、鼠径ヘルニアの手術については、I群では0.8%で、III群では2.2%といった機能の違いがあったと考えられます。
 また、図12の方は、平成30年度に暫定調整係数がすべて機能評価係数IIに移行してゼロになったと仮定しておりますが、その時点でそれぞれのDPC病院III群が1つだけII群に移行した場合をシミュレーションしてみました。その結果、医療機関別係数がどのように動いていくかといったところの分布をあらわしたグラフでございます。DPC病院III群とII群では現行基礎係数が約0.04ぐらい違いますけれども、単純にDPC病院III群からII群に移行したとしても、0.04そのまま上昇するといった医療機関はほとんどございません。下の医療機関別係数の増減の0.04以下のところよりも下、左側の部分の医療機関は全部で1,324医療機関ございますが、1,335のIII群の医療機関のうち、医療機関別係数IIが0.04よりも増える医療機関は11しかすぎないといったところがございます。
 また、中にはゼロ以下といったところが24医療機関ございまして、こちらはIII群からII群に移行したことによって、逆に医療機関別係数が下がってしまった医療機関が24あるといったところになります。
 文章の方の資料にお戻りいただきたいのですけれども、そういった措置を行っていきまして機能評価係数IIを設定させていただいたところでございますが、最後の○です。
 6項目以外の追加項目についても前回改定時に幾つか議論がございまして、最終的に診療情報活用の評価、データ提出指数の見直しとも関連するところでございますが、それについて今後公表する項目でございますとか、様式等も含めて引き続き検討することとされたところでございます。
 以上が今回の平成24年度改定における調整係数の置き換え、基礎係数と機能評価係数IIの設定に係る検討の結果でございます。
○小山分科会長 ありがとうございました。
 ここが本日のメインイベントでございます。「2.基礎係数・機能評価係数IIによる評価の考え方」、平成24年度改定において整理された調整係数の置き換えに対応する基礎係数と機能評価係数IIの設定に関わる検討経過が記載されております。全部一遍にやるのもあれですので、最初1つずつやっていきまして、最後にまた全体の討論という形にしたいと思います。
 まず「(1)調整係数の置き換えと引き続き求められる役割」ということでもって3つございます。こういうような認識で我々はやってきたつもりなのですけれども、(1)に対して何か御意見あるいは御質問がございましたらお願いいたします。
 お願いします、三上委員。
○三上委員 最初の○ですけれども、「調整係数による個別施設単位での調整を廃止し、医療機関の機能を評価する」ということはそうなのだと思うのですが、「医療機関の評価」というのは「医療機関群の機能の評価」と書いた方が正確ではないのでしょうか。個々の医療機関の評価ではなくて、医療機関群としての機能の評価というふうに書いていただく方が正確かなと思います。
○小山分科会長 事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 調整係数の方は個別医療機関単位での調整でございまして、それを基礎係数と機能評価係数IIに組みかえを行いました。基礎係数の方は確かに医療機関群ごとの評価を行っておりますが、機能評価係数IIの方は個別の医療機関に対しての評価を行っておりますので、基礎係数と機能評価係数IIを足し合わせると、最終的にはそれぞれの医療機関の機能に応じて個別に評価をしているところになるかと考えております。
○三上委員 わかりました。
○小山分科会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがですか。(1)はよろしいでしょうか。こういう認識で大丈夫ですか。一番問題は、今、三上委員が御指摘になったところでもって、医療機関群ごとの評価は基礎係数ではもうなくなるということで、機能評価係数IIで行うという形で、ここら辺が大きく変化するところだと思うのですけれども、よろしいですか。
 では、(1)のところは大体皆さんの合意を得られたということでもって、「(2)基礎係数における医療機関群の設定」についてはいかがでしょうか。何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 お願いします。
○池田委員 図3のところについて教えていただきたいのですが、済みません、このときは多分私は委員ではなかったのでもう既に議論されたことかもしれないのですが、大学病院本院では1日当たりの平均点数が大学病院本院以外と異なっているということを示していると思うのですが、恐らく扱っている患者の病態といいますか、いわゆる診断群そのものも違っているのではないかと思うのですが、診断群をそろえたとしてもこれだけ違いがある、だから群を分けましょうということではなくて、診断群は違う、それで点数も違っている、この事実に基づいて群を分けた方がいいという理解でよろしいのでしょうか。私は診断群で調整したとしてもなおかつ差があるということを見てから分けるのではないかなと思っていたものですから、そのときの議論がどうだったかを教えていただければと思います。
○小山分科会長 事務局、よろしいですか。
○事務局 こちらは診断群分類による差を補正した箱ひげ図だったかと記憶しております。ですので、診断群分類を補正したとしても大学病院本院の方が1日当たり平均点が高かったといったところで群を分けたという議論だったかと記憶しております。
○小山分科会長 よろしいですか。
 三上委員、お願いします。
○三上委員 そういうことだというふうに、前回こういう議論だったと思いますが、前回の話でDPCの精緻化ということがございました。本来はDPCが同じであれば同じようなところに来るということが多いわけですけれども、今の言い方ですと、DPCの中でも重症のもの、あるいは高度医療技術を使うものが同じDPCの中に入っているということが問題で、松田委員が前におっしゃっていたように、DPCの精緻化をすることが本来正しい目標ではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○小山分科会長 これはどうですか。
 企画官、お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
 この話は繰り返し御質問を受けて、その都度お答えをさせていただいているのですが、ちょうど1年ほど前に議論させていただいたときの資料、極めてシンプルな図しか抜粋させていただいておりませんけれども、本日お出ししております。その時点で御指摘のような議論につきましても実際幾つかのデータをお示ししました。そのときも三上委員は必ずしも納得はしていただけなかったように記憶をしておりますけれども、件数の多い特定のDPCにつきまして、同じDPCの中にあっても重症度が違うような患者さんが混入していますので、例えば血液ガスの測定の頻度とか、あるいは呼吸器の接続とか、そういった幾つか同じ診断群に入っているけれども、患者さんを分類してみるとやはり診療の密度が異なっていて、それが特定の施設、もっと申し上げますと医師の配置密度にかなり相関があるというデータを一部お示ししました。勿論すべてについて言えるということではなくて、そういうことが言える診断群とそうではない診断群が幾つか混在しているというのが実態で、そういったことも含めてこういった違いに反映されているのではないのかと。したがって、これが基礎係数の議論につながっていくのですが、同じ診断群分類であれば同じ点数ということをすべての医療機関に機械的に適用するのは現時点では評価としては適切ではないという理解で、我々はこの制度設計をしたということでございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
○三上委員 以前もこの説明を受けたわけですけれども、基本的にはDPCの目標は医療の標準化ということで、同じような疾患の場合には同じような形で標準的に医療をやりましょうよということなので、恐らく医師密度の高い研修医の多いところは頻回に検査をするのは当然のことだと思うわけですけれども、逆に言えば濃厚診療という言い方もありますが、それが正しいかどうは別にして、標準的な医療を目標にしましょうということでDPCができたと思うので、少し考え方としては違うかなと私は思っています。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 先生は今、重症度ということを言いましたけれども、前回、松田先生の方から重症度分類もこれから精緻化の中に入れていくというお話がありましたね。そこら辺をちょっとよろしいですか。
○松田分科会長代理 今の研究班の方でいわゆる副傷病と行われた医療行為の組み合わせによって医療資源の必要度から見た重症度をもう少し細かく見る方法を検討を始めたところです。諸外国でもオーストラリアとか、オーストラリアの分類を採用したドイツもそういう形で、CCPマトリックスというのですけれども、副傷病と行われた医療行為の組み合わせによって医療資源の必要度をもう少し細かく分類する方法が採用されてきていますので、私たちもDPCをそういう形でより重症度といいますか、医療資源の必要度に対応して分類できるような形に精緻化していくということを、今、研究班で検討を始めた。これにつきまして研究班の班長の伏見先生が最近少しずつ一般の方にも説明する文章をつくっていますので、また改めて御紹介させていただきたいと思います。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 それをしないと軽症患者ばかり1か所に集まってしまうという話にもなりますし、とても大切な議論だと思います。
 この医療機関群の設定についてほかにいかがでしょうか。
 お願いいたします、渡辺委員。
○渡辺委員 3ページの丸ポツ2のところで質問ですが、すべてI群の最低値をクリアする医療機関をII群として設定したということですけれども、この決定の際に、個々の大学病院も、すべてこの最低値をクリアしているという確認があった上で決定がされたのでしょうか。この決定の経緯をもう一回確認させてください。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 これは事務局、よろしいですか。
○企画官 医療課企画官でございます。
 決定の経緯という御趣旨がどれくらい細かい、だれがどう言ったというレベルのことなのか、合意形成の過程をおっしゃっているのか、ちょっとはかりかねるのですが、私どもの理解は、先ほど前半2ページまでのところで整理をさせていただいたように、医療機関をグルーピングをして、診療単価といいますか、診療密度にはやはり一定の配慮が必要なのではないか、そのときに大学病院本院がまず違うと。そして、その大学病院本院に準ずるような施設について別途そういう取扱いをするべきかどうかという議論があって、認識として我々は基本的にはそういう配慮が必要なグループがあると。それでここに書いてあるような条件づけ、役割分担といいますか、そういう役割を果たしているから、単に診療の密度が高い、それを認めると単なる濃厚診療だという話でしたので、まず条件設定がなされました。
 問題は、多分2、3段階あると思うのですが、どういう役割を果たすことが診療密度が高いということの前提となる、容認できる条件なのかという議論がありまして、そこについてはもう純粋のこの場の御議論だったと記憶をしていますけれども、こういった役割こういった役割という中で、もともと医師の密度という話がございましたので医師の研修を一定程度やっているというのがあったのと、やはりこれは議論の過程だったと記憶していますが、高度な医療技術をやっているとか、重症患者の診療もやっている、これはここでの御指摘でございます。
 そのステップがまずあって、それから私どもの提案したもともとの原案は、一定の役割を果たしているというとらえ方を、幾つかの要件のどれかを果たしているという形で、どちらかといいますと条件は緩い御提案で、どれか1つという御提案をさせていただいたのを記憶しておりますけれども、やはり大学病院本院に準じるような役割を果たしているという前提からすると、すべて満たすのが筋ではなかろうかという御指摘がありまして、ですからそこはそういう御指摘を踏まえて御提案を変えて、もともと一定の診療密度を満たす、という前提にプラス3つの役割をすべて果たす、ですから結果的に4つの要件はすべて満たすというプロセスだったと承知をしております。
 その際、個々の大学病院がすべてこれを満たしているのかという尺度で見るというよりは、大学病院のグループI群の水準を満たすということを要件として課すという発想でしたので、それは言ってみればI群の個々の医療機関がそもそもどれくらいI群のクオリフィケーションを満たしているのかみたいな議論にもなりかねませんでしたので、そういう議論は正直この場では行っていただかなかったように記憶をしております。
 私どもの理解は以上でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 渡辺委員、よろしいですか。
○渡辺委員 今後の議論の参考になります。ありがとうございました。
○小山分科会長 ありがとうございました。
 医療機関群の設定についてほかにいかがでしょうか。(2)の議論です。
 お願いします。
○美原委員 またくどくなってしまうようなのですが、確認しておきたいのですが、2ページの(2)の下から「これらは、より重症な患者への対応や、より高度な技術の実践といった、他の施設とは異なる機能や役割を担っていることに由来するものと考えられた」という根拠はしっかりしたものがあるのでしょうか。
 つまり、重症な患者への対応といった場合に、先ほど重症度の議論もありましたけれども、例えば本当に複雑性がすごく大きい病院があるのか、それから高度な技術と特殊な技術はまた別なものであって、大学病院が非常に特殊な技術をやっていることは間違いないと思うのですが、すごく高度でいいのかということに関していかがなものかと私は思わないわけではないです。
 ですから、考えられたというならば、何らかの根拠があるので、私は明らかに他と異なる機能を持っているのは当然だろうと思うので、それは教育だったり何なり、それは議論があったのですが、前々から話しているように、高度急性期の高度、そういう高度ということがとても気にかかるのですが、その辺はいかがなのでしょうか。
○小山分科会長 企画官、お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
これはだんだん議事録を再現するような世界に入ってきているのですけれども、この議論は相当御指摘もありましたし、議論させていただきました。確かにメンバーは変わっていますのでもう一回おさらいさせていただくと、美原委員が御指摘のとおり、ここの部分については高度な技術とは何ぞや、そもそも大学病院が果たすべき役割との関係はどうなのかということをかなりの時間をかけて議論させていただいたように思います。
 確かに文言として「高度な技術の実践」と7文字8文字で書くといかにも薄っぺらく表現されている部分がないわけではないと思うのですが、私どもは診療密度の議論をしておりましたので、例えば高度かどうかは別としまして、大規模な移植手術のようなものをたしか議論としてイメージしていたように思いますけれども、非常に多くの人手、リソースを投入しなければいけないような技術を実施するということは、それを高度と呼ぶのか、何が高くて何が低いかという軸のとり方にもよりますけれども、一定の診療密度を要するような、一定のマンパワーなり、資材の投入を要するような技術の実践、どちらかというと我々はそれがいいとか悪いとか、それが社会のバリュージャッジメントとして望ましいかどうかというのはとりあえず棚に上げまして、診療報酬の観点で診療密度として高いという意味での高度だというのが、6文字7文字ではなかなかあらわせませんが、私どもの理解としてはそのような理解で整理をさせていただいております。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 美原委員、よろしいですか。
 瀬戸委員。
○瀬戸委員 今、大学病院の話が出ているのであれなのですけれども、一応大学病院にいる人間として高度ということだけに限って言わせていただければ、例えば手術料は基本的には同じですね。要するに大学病院であっても、高度医療機関III群でやっても、胃がんの手術であれば診療報酬上は同じなのです。なので、我々からすると、はっきり言えば本当に高度な手術という、同じ疾患に対しても、これは個人的な意見ですけれども、下がってもいいと思うのですけれども、実際は技術料はどこで受けても同じなのです。なので、高度な技術をどうやって評価するかはすごく難しい問題だと思いますけれども、今回機能評価係数IIで評価したら、今、迫井企画官がおっしゃられたように、恐らく高度な技術だけではなくて、やはり移植にかかるマンパワーとか、医療資源というか、医療密度を評価するというニュアンスの方が私からすると大きいのではないか。要するに本当に技術だけからすればもう同じ手術料でも下がっても当然なくらい実際は差があると私は思うのですけれど、ただそれは基本的にはどこで受けても一緒なわけですから、それよりももっと大きなものを評価していただいているのではないかと私は解釈をしています。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。医療機関群の設定について疑問がありましたらどうぞ。
 金田委員、お願いします。
○金田委員 金田です。
 2ページの先ほどの基礎係数の医療機関群の設定の中で2つ目の○に大学病院本院に関して「このような医療機関に他と同程度の効率化・標準化を求めることは、これらの役割や機能を維持することが困難になる」、言わば特殊な、特別な役割があるという表現かと思います。これは理解できるかと思うのですけれども、では例えば大病院のない地方の中小病院がこれを同じように考えれば、別の面で維持するのが困難な状況の中で非常に大きな役割を小さな病院が大きな負担を受けながら頑張っている、そこの評価をやはりこれと同等に、あるいは別の評価体系としてする必要がある観点も出てくるかなという思いがいたします。
○小山分科会長 貴重な御意見をありがとうございます。それはそのとおりだと私も思います。ただ、基礎係数という役割という意味ではちょっと違って、機能評価係数IIのところに非常に重要な要素が入ってくるかなと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 よろしければ(3)、またもとに戻りますので、今、金田委員が言ったことはまさにここのところだと思いますけれども、「機能評価係数II・群別評価導入」、どちらかというとここら辺のところは今、金田委員がおっしゃったところですね。ここでもって今、金田委員がおっしゃったような評価のところを何とかしてほしいというような内容かと思いますけれども、これについて何か御意見、御質問はございますでしょうか。
 三上委員、お願いします。
○三上委員 2つ目の○ですが、前回部会長の方からもありましたけれども、機能評価係数IIの評価の仕方によって、群別の評価をすることによって、必ずしもII群がIII群より有利になるとは限らないということをおっしゃいました。図9~図10によりますと、II群とIII群で同じ指数から見て係数化した場合に差があるのが大体0.003。複雑性指数もカバー率指数も最大で0.003ということになります。そうしますと、普通基礎係数でII群とIII群の差は1.0832と1.0418なので、大体0.04の差があるということになりますから、0.003が幾つ重なってもなかなか0.04まで行かない。明らかにIII群よりII群の方が有利であると思うのですけれども、ここで必ずしも有利になるとは限らないと書いてあるのは少し違うのではないかという気がいたします。
○小山分科会長 企画官、お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
 ここの書きぶりは、私どもはかなり意識をしてあえてこういうふうに書かせていただいています。今回新しくお示しをした図12にまさに今の三上委員の御指摘が端的にあらわれていると思うのですけれども、平成24年度改定の場合には機能評価係数IIにすべて移行したということではございませんので、このシミュレーションの絵を見ていただくと、大体現時点の数字で御指摘のとおり0.04がII群とIII群の基礎係数の差です。そうしますと、機能評価係数IIがどういうふうな評価体系でどれくらいのボリュームがあるかによって変わりますけれども、ここのチャートでお示しをしたいのは、単純に移行したら0.04そのまま差がつくということであれば、単に移行することが望ましいという1つのメルクマールになります。しかし、実際は0.04よりも目減りをします、機能評価係数IIがII群からIII群への移行によってかえってマイナスの評価になりますというのが大半の施設です。
 ここから先は個々の医療機関の事情によって違いますけれども、恐らくII群に要求されているような、例えば先ほどの高度かどうかは別としまして、かなりの医療資源投入を要する手術を一定程度件数を行ったり、医師の研修を行ったりということになりますと、相当のマンパワーの配置を要しますので、それらのマンパワーを配置してでも0.04に満たないような係数の上昇が本当に医療機関にとって有利なのかということを考えていただくと、必ずしもそうではないというのが私どもの理解ですので、2つ総合しましてこういうふうな理解で表現をさせていただいているという趣旨でございます。
○三上委員 言われていることはよくわかります。いわゆるIII群をII群のレベルに上げるには非常に経費がかかるんだということはよくわかりますが、単純にIII群とII群の境目のところはII群に評価されるのか、III群に評価されるのかというぐあいに、ほぼ余り医療資源を投入せずともIII群からII群に上がれるようなところがその境目のところにあるわけですが、その場合には明らかにII群と評価された方が有利である。必ずしも有利でないことはなくて、同じ状態でIII群かII群かとなれば、II群と評価された方が有利ではないかということを前回も申し上げたのですけれども、群間評価が違うのでそうとは限らないというお返事があったので、それはおかしいのではないかと申し上げただけです。
○小山分科会長 この図でいくと0.05以下のところは有利になると考えていいですか。
○企画官 これはそれぞれのバーがデータの範囲がどうなっているかというのを少し正確にお示しした方がいいと思います。御指摘のとおり、0.05以下というのは0.04を超えて0.05以下です。ですから、おっしゃるとおりここの0.05以下のところについて言うと、係数は確実に上がりますということです。
○小山分科会長 逆にその左側にある1,300幾つのほとんどの病院は減ってしまいますよというふうに考えてよろしいのですね。
○企画官 ですから、多分三上委員の御指摘のポイントは、群を変われば単純に0.04基礎係数が上がりますと、その部分を相殺するくらい機能評価係数IIが下がるのだったらわかるけれども、つまりこの図でいけばゼロ以下、マイナスになってしまいます施設がかなりの部分占めるのだったらそういう話はわかるけれどもという御趣旨なのだろうと思いますが、これは繰り返しになりますけれども、ボーダーにある施設はおっしゃるとおり、新規の資源投入は必要ない部分がかなりあるかもしれません。ですから、それは医療機関の運営の仕方によってII群に行くか、III群に行くかというのは1つのチョイスになる可能性はあります。ただ、少なからずといいますか、例えば0.03以下、ここの部分以下に相当数の施設数がありますので、一定の乖離がある施設についてはそれなりに医療資源の投入が必要ですから、そこは経営判断も含めて単純な話でない。何が言いたいかと申しますと、とにかく単純にII群に行くことが是だとはならないということが1つの重要なポイントであるというのが私の理解でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 だから、全部が有利というわけではないのだけれどもという御理解でよろしいですか。
○三上委員 別に構わないですけれども、書きぶりがちょっと誤解されるような書き方なので、伊藤委員とかといろいろお話しさせていただいたですけれども、この差を凌駕するだけの群間評価の差は起こり得ない、ここでもゼロ以下になることはなくて、先ほど言いましたように、複雑性指数ともカバー率とも最大限で0.03ですから、ほかの3項目、4項目足したとしてもなかなかそこまで行かない。逆によくなるものもあるわけです。クロスした右側の方についてはII群の方が逆に上がっていくこともあるので、それは0.05になったりするわけですけれども、基本的にはゼロ以下にはならずにほとんどがプラス、有利になるのだろうなと。0.3%くらいのところはプラスになるのだろうと。0.4まで行かなくても0.3くらいは行くんだろうなとは思います。
○小山分科会長 機能評価係数IIのところでほかにいかがでしょうか。
 どうぞ、三上委員。
○三上委員 これはデータ提出指数を今回出来高算定病院の方にも評価をしていただきました。これはやはりすばらしいことだというか、本来出来高の部分が実数があって、それを係数化したものが機能評価係数Iである。実数はないけれどもDPC病院だけを係数として評価したのが機能評価係数IIだったわけですけれども、今回機能評価係数IIを実数化して出来高算定病院に加算をつけたということがあるわけです。これは基本的にはDPC病院に求められる機能を出来高算定病院でも一定程度備えれば、実質の評価としていわゆる逆算するとか、逆輸入のような形ですけれども、出来高点数として設定することが可能なんだということが示されたのではないかと思うのです。これはほかに救急であるとか、地域医療とか、出来高病院でもDPCに求められている機能を備えれば出来高の方の報酬が設定できると考えてもいいのかなというのを伺いたいです。
○小山分科会長 いかがでしょうか、事務局。これは私が答えるわけにはいかないと思うのです。お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 三上委員のおっしゃったことは、多分以前も我々の方から回答させていただいた部分もあるかと思うのですけれども、技術論といたしまして、現在機能評価係数IIで評価されている項目を点数化して出来高算定病院で算定できるように設定するというところは、不可能ではないといったところがございますが、出来高の方でどのような評価を行うかというのはDPC分科会の議論とはまた別でございまして、出来高の方で入院医療の在り方ですとか、医療全体の在り方の中で検討していくものと考えておりますので、DPCの機能評価係数IIで評価しているものをそのまま出来高に持っていくといったことは別の議論になるのではないかと考えております。
○三上委員 ありがとうございました。今のお答えで十分でございます。
○企画官 医療課企画官でございます。
誤解を招くのもよろしくないと思いますので、念のために申し上げますと、冒頭の三上委員の前提が少し私どもの理解と違うと思うのです。つまり、我々は機能評価係数IIにあったものが出来高で設定されたという順番での理解ではなくて、出来高報酬体系においてデータ提出に着目した点数をつくりましたというのが今回の大きな対応事項なのです。ですから、それができた以上、それは当然機能評価係数IIではないので、機能評価係数Iにしましたというのが極めてシンプルな我々の理解です。おっしゃるとおり例えば新しく重症患者加算とか、何とか管理料とかをつくります、それをデータを使って計算をしますというように結果的に同じようなものをつくるということであれば、それはまず出来高本体にそういう点数ができて、したがって、それは今、ある機能評価係数IIではない、それはもう出来高でできました、ですから機能評価係数Iに移るというふうなことは報酬の設定の技術的な観点では可能ですけれども、考え方、理念としてはIIからIに移ったということではなくて、あくまで出来高の診療報酬体系で加算を設定されましたということがまず出発点ですというのが重要なポイントだろうと思います。
○三上委員 余りこれを議論するとややこしいのですけれども、基本的には出来高の中にある救急とか、さまざまな出来高で評価されている部分を二重、三重の形で別の意味で評価した機能評価係数IIもあるわけです。データ提出については出来高の中にもともとなかったわけですけれども、そういう意味では可能かどうかという、項目はあるけれども、機能については少しDPC用に加味された評価の仕方がされているわけですけれども、そういう機能をつけ加えることで評価ができるのではないか、計算をし直すことができるのではないかということを伺ったのですが、技術的にできるというお答えをいただいたので、それだけでも十分でございます。
○小山分科会長 ほかにいかがですか。
○伊藤委員 先ほど三上先生から名前が出てきたのですけれども、機能評価係数IIで一番私たちが気にしているのは、外科系の病院はこれでいいのですけれども、内科系を主体とする病院が余りにも評価がされにくいなというところがあって、何かいい知恵を出せと言われると、ずっと考えているのですけれどもそのいい知恵がないので困ったなというところではあります。正直な感想です。
○小山分科会長 内科系に関しては今、内保連でもいろいろやっていますので、恐らくそれが出てくると。そうですね、先生。
○工藤委員 これは前回、昨年度のあれでも申し上げたのですけれども、特にII群病院の高度医療というような高度の評価がすべて外保連の手術指数でもって決められているというところについて、やはり内科系技術の評価を入れないといけないのではないかという発言をさせていただいたことがあります。今がどうこうではないですけれども、今後これは必ずそういう方向で検討していくということが重要なのではないかと思います。
○小山分科会長 これからの課題ということですね。
 ほかにいかがでしょうか。
 「2.基礎係数・機能評価係数IIによる評価の考え方」ということで3つの議題について、30分以上御議論いただきましたけれども、全体を通してでよろしいのですけれども、何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 お願いします、金田委員。
○金田委員 機能評価係数IIの意味というか、価値を改めて考えてみるときに、やはり医療の質が全般的に大事であるし、これは評価の根幹になると思うのですけれども、ずっと私も言い続けてきましたように、質と同時にその医療機関が果たしている役割、この役割は表現を変えると価値ということになると思うのです。その地域におけるバリュー、価値をどう評価するかという面で機能評価係数IIは非常に重要な役割を果たす。また、望ましい医療の実現は決してあらゆるものの質がどんどん高ければ医療もいいというものではなくて、適正な質で役割をきちんと果たす、そこを評価する意味で機能評価係数IIの意味は大変大きいものがあったと考えています。
 以上です。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。(3)の一番最後のところの診療情報活用評価に関しては、藤森委員、何か御報告がありますか。特にないですか。
○藤森委員 素案は事務局に提出済みでございますので、今後それをどう料理していただくかかなと思っております。
○小山分科会長 わかりました。では、そのうち出てくることでしょう。
 ほかにいかがですか。ここのところはよろしいですか。「基礎係数・機能評価係数IIによる評価の考え方」は、皆さん大体これでもって意見が一致したということでよろしいでしょうか。
 お願いします。
○伊藤委員 再三「高度な医療技術」というタームで引っかかっているので、何か変えた方がいいのではないかということをこの場で御提案させていただきます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
○企画官 医療課企画官でございます。
先ほど御説明させていただいたときにもそのように感じましたので、少しそこは工夫させていただくようにしたいと思います。ありがとうございました。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。
○松田分科会長代理 今のことに関連してですけれども、基本的には1日当たりの点数の外保連試案はいわゆる手間のかかりぐあいで評価していますので、医療資源の必要度という形で表現していただいたらいいのではないかなと思います。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 よろしければ、次に進みたいと思います。4ページの3、4について事務局から御説明を願います。
○事務局 事務局でございます。
 では、最後、3と4を併せて説明させていただきたいと思います。
 こちらの内容につきましては、次回分科会でも再度御議論をいただきまして、それを踏まえまして中医協の総会の方に御報告をさせていただきたいと思います。
 「3.基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針(案)」でございます。
 背景といたしましては、最初に御説明いたしましたとおり、調整係数の置き換えに向けた計画的な移行のためには予見性の確保が不可欠であるといったところと、そのために基本方針をまずデータの提出をしていただく10月1日より以前にある程度決めさせていただいて、それ以外の項目については今後議論していくといったところで整理をさせていただいております。
 その基本方針(案)としまして(2)の方にお示ししておりますが、まず考え方といたしましては基礎係数と機能評価係数IIという現状の組み合わせは、機能分化を推進しつつも調整係数を廃止するための基本的な枠組みとして大変重要であると考えております。その見直しにつきましては、一定の実績を踏まえて必要性に応じて今後中長期的に更に検討すべき課題ではないかと考えております。
 それを踏まえました次回平成26年度改定に係る基本方針の具体案といたしましては、まず○1基礎係数・機能評価係数IIにとる評価体系の基本骨格でございます。今回の改定の件も踏まえまして、医療機関群別の基礎係数と各施設の実績に基づく機能評価係数IIのところの評価体系、この基本骨格は維持することとしてはどうでしょうか。
 ○2医療機関群の設定でございますが、1つ目、現行のI群、大学病院本院でございます、それとII群、これは大学病院本院に準ずる病院としておりますが、これは引き続きそういった形態を維持することとしてはどうでしょうか。また、I群及びII群以外の病院、現状ではIII群になりますけれども、III群に関する在り方については今回の改定後の実績を踏まえまして、平成26年度改定の対応において今後検討していくこととしてはどうでしょうか。
 また、2つ目、現行のII群の要件は診療密度、医師研修、高度な医療技術、重症患者に対する診療、この4項目すべてがI群の外れ値を除いた最低値をクリアするといった考え方に基づいております。この考え方につきましては、大学病院本院に準ずるものがII群であるといった考え方でございますので、引き続き維持することとしてはどうでしょうか。
 ただし、それぞれの4項目の具体的な評価手法につきましては、前回分科会でもいろいろ御指摘をちょうだいしたところでございますので、現行の評価方法は基本といたしますが、必要な見直しについて今後の改定の中で対応を検討することとしてはどうでしょうか。
 最後○3機能評価係数IIの評価体系についてでございます。
 1つ目の○で、現行の6項目の評価のうち、カバー率と複雑性と地域医療は群別の評価を行っておりますが、この評価体系自体は原則維持することとしてはどうでしょうか。ただ、新規追加項目につきましては今回改定でもいろいろ議論が残っておりますので、これにつきましては引き続き検討することとしてはどうでしょうか。
 2つ目の○でございますが、各項目の具体的な評価手法、例えば指数から係数への変換方法等でございますけれども、こういったことにつきましては、今後の実績でございますとか、医療機関の役割分担をどのように進めていくのかといったところを踏まえながら、必要に応じて見直しを行っていくこととしてはどうでしょうか。
 最後、4.基礎係数・機能評価係数IIに係る今後の検討課題(ただき台)。こちらはかなりたたき台として粗い書き方をさせていただいておりますけれども、基礎係数・機能評価係数IIに係る検討を今後どのようにしていくか、基本方針を決めた上での検討課題として残っているものを幾つか上げさせていただいております。
 まず、次回平成26年度改定に向けた課題といたしましては、先ほども説明させていただきましたとおり、DPC病院III群のあり方について今後課題として残っているのではないか。
 (2)の方は中長期的なより長いスパンでの課題になっているかと思いますが、平成30年度をめどに調整係数の置き換えを完了したときに向けた課題といたしましては、まずDPC/PDPSの対象病院のあり方でございます。
 また、もう一点が、医療機関における診療内容のばらつきが今後どのように動いていくのか、それについて基礎係数と機能評価係数IIの調整分がどのように推移していくのかといったところを詳細に見守る必要があるのではないかといったところでございます。
 以上でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 3.と4.を御説明いただきましたけれども、まずは3.のことについて議論をしたいと思います。「3.基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針(案)」ということでもって背景、基本方針が述べられておりますけれども、これに対する御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。
 お願いいたします、渡辺委員。
○渡辺委員 基本方針の具体案の○2で先ほどの質問の続きになると思いますが、すべてI群の最低値をクリアするという考え方を維持するということですけれども、先ほどの質問の御回答ですと、この決定の際に大学病院本院がこの条件をすべてクリアしているかどうかは特に確認はされていないという御回答でしたので、引き続きこれを維持するとしても、本当にそれが妥当なのかという検証はした方がよろしいのではないかなと思います。この実態が大学病院本院でもクリアしている病院が少ないのであれば、II群の要件は厳し過ぎることになってしまうのではないでしょうか。この辺りを御議論いただければと思います。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 企画官、お願いいたします。
○企画官 医療課企画官でございます。
 御質問というか、御提案の趣旨を確認させていただきたいのですが、先ほど手順としては、個別に施設を確認してから設定しているわけではないという趣旨でお答えしましたけれども、基本的に外れ値を除きまして実際に分布を確認をしていただいております。幾つかの指数については確かに外れ値を示した大学がありましたので、その大学病院は除外をしていますけれども、基本的に最低値という意味は、残りのすべての大学病院本院はクリアしています。御質問の趣旨が、アンド要件で4要件をすべて満たすことが是なのか非なのかという御指摘なのか、改めて確認作業をやった上でやるべきという御指摘なのか、その辺りをもう一回お願いできますでしょうか。
○渡辺委員 両方だと思うのですけれども、個々の大学病院は一つひとつの要件がすべて最低値をクリアしているということを聞きたかったのですけれども、それは先ほどの御説明ではそのようには理解できませんでしたので、もう一回確認したということです。もう一つは、すべて最低値をクリアするという要件はもう一回検討したらどうでしょうかということです。
○小山分科会長 渡辺委員の考え方とすると、外れているところはII群に落とすべきだというような御意見なのですか。
○渡辺委員 逆です。
○小山分科会長 もっと緩くしろということですか。
○渡辺委員 そうです。
○小山分科会長 だけれども、どうですか、これは統計的な話になるのですか。
○企画官 医療課企画官でございます。
そういたしますと、私どもの理解は、これは勿論ここの場での御議論ですが、私どもは4ページの○2のところの1つ目、2つ目から次のページにかけてですが、II群の設定は大学病院本院並みの医療資源投入を要する診療をされている、あるいは現に投入されている施設だというカテゴリーです。その考え方からしますと、引き続きアンド要件で現行の要件を設定させていただいたらどうですかというのが我々の御提案ですので、渡辺委員の御指摘はそれには反対されているという理解で私どもは受けとめております。
○小山分科会長 大学病院のある意味最低値だけれども、外れ値を外すから今みたいな話になってくるのだと思うのですけれども、それは統計的な手法なのでそこまでやるかという話になってくる。
○渡辺委員 私が申し上げたかったのは、大学病院の実態が全体の個々の条件を全部クリアしているのですかという質問をしたときに、今は全部クリアしていますというお答えがあったのですけれども、先ほどの議論のときにはなかったので、もしそれがないのであれば、本当にそれがクリアしているかどうか調べた上で、それがクリアできていない大学病院があるのであれば、この条件は厳し過ぎるのではないですかということを申し上げたかったのです。
○小山分科会長 決して平均値で線を切っているわけではなくて、最低値で切っていますから、全部クリアしていると考えてよろしいのだと思うのです。
○渡辺委員 わかりました。
○小山分科会長 そうすると、ではこれでその議論はなしでよろしいですか。わかりました。
 ほかにいかがでしょうか。
 緒方委員、お願いします。
○緒方委員 今の議論が気になったので確認させてください。外れ値はどうやって定義したのですか。それだけ確認させてください。
○企画官 これは以前も同じ御指摘をたしか緒方委員からされたと思います。80病院でございますので、実際分布を目視で個別に判断していただきました。判定式とか統計学的手法は用いておりません。
○緒方委員 そういう意味ではやはり外れ値に基準がないとまた同じような議論が出てくる気がするのですが、今日はいいとしても、今後外れ値をどういうふうに定義するかというのは何か用意しておいた方がいいような気がします。必要ないですか。
○小山分科会長 どうですかね。では、今後の議論ということで。
○緒方委員 また同じ議論が出てくると思います。
○小山分科会長 ここで一番大事なことは(2)のところの考え方と、その次の平成26年改定対応に対する基本方針の具体案ということで○1○2○3までありますけれども、ここら辺のところの合意というのですか、皆さんの御意見ということで、大体こういうような考え方で今後議論を進めていくことでよろしいですか。
 そういうことでよろしいですか。
 それでは、最後「4.基礎係数・機能評価係数IIに係る今後の検討課題(ただき台)」、ここはたたき台となっているのですけれども、ちょっといいですか、ここのところの企画官の御説明をもう一度お願いいたします。
○企画官 医療課企画官でございます。
 先ほどの御議論ありがとうございました。補足ですが、外れ値の話は確かに何かメルクマールをいただけた方が我々としてはむしろありがたいので、少し緒方委員とも御相談させていただきながら、何がしそういった評価ができないか検討はさせていただきたいと思っております。
 4.の趣旨は、今回中医協にお示ししたスケジュールで検討を進めさせていただいておりますけれども、今回の分科会で基本方針に関しましてはおおむね合意をいただきましたので、併せて今後の課題についても少し御議論いただいて、3.4.をまとめまして、しかる後に小山分科会長の方から中医協に御報告をいただくということを想定しております。
 4.のイメージは、平成26年度改定が目の前の改定になりますけれども、基礎係数・機能評価係数IIにつきましては少し中長期的な視点での御議論も必要でございますし、どういった課題を今後検討することが必要なのかある程度共通の認識を持っていただきたいということがございましたので整理をさせていただければと。ですから、今回こういった投げかけ、御提案は初めてですので、たたき台ということでまず項目レベルで並べさせていただいているということです。もう少し細かい記述なり説明が当然必要かと思いますので、今日御議論をいただいて、もう一度そこを書き直して加筆をした形で、御報告いただく最終的な書面を次回お示しをした上で中医協に御報告いただこうと考えているところでございます。補足でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 そういうことなのですけれども、これから議論するに当たりましてそのたたき台的なことになりますので、御意見がありましたらどうぞ。大事なところだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 お願いします。
○三上委員 平成30年度に向けての工程表ですけれども、これは図2のところの形で行くのだろうと思うのですが、図2が少し理解しがたいです。A病院、B病院、C病院が同じ病院群に入っているとすると、基礎係数はその群の全体の調整係数の平均的なものの75%分ですか、それが大体基礎係数、平均的なところが基礎係数になっているのではないか。ですから、基礎係数より調整係数がずっと大きなものと小さなものが混在するのではないかと思いますので、A、B、Cはすべて基礎係数より調整係数が大きいものの表になっているのですけれども、基礎係数より調整係数の方が小さい病院の例を出していただく方がわかりやすいかなと思うのです。企画官、それはできますか。
○小山分科会長 お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
 これは詳細を調べていませんので確認はしますけれども、基本的に調整係数の現在の数値と将来的にこういうふうな移行をしますという数値ですけれども、現行の考え方、追加で1枚紙で差しかえさせていただいた図1を見ていただいた方が話が早いかもしれません。A4で1枚紙で追加で机上配付させていただいたものがお手元にございますか。今、用意させます。傍聴の方には申しわけございません。ホームページにちゃんと差しかえ版をアップします。
 D-2別添の図1で用意させていただいたのが改定の前のときの議論の資料でしたので、今回の改定を受けて基礎係数と機能評価係数IIを設定しましたので、そんな関係も含めて図を追加して整理をさせていただいております。そのときに基礎係数と調整係数、理屈としては原理的には非常にまれですが、確かに基礎係数よりも低い調整係数の値を示す医療機関はございますが、どちらかというとそれはマイノリティであって、基本的にはほとんどの施設が基礎係数よりも調整係数の方が高いということでございますので、別にそこはこだわりはないのですが、よりわかりやすくという趣旨でこういうふうに書いているということでございます。
○小山分科会長 よろしいですか。
○三上委員 基礎係数よりも全部高いということは、例えばII群であればすべてほとんど1.08より高い、III群は1.04よりも大きな調整係数のところばかりということなのでしょうか。
○小山分科会長 すべてではないということですね。
○三上委員 私が前、企画官に説明を受けたときは、大体I群は大学病院の本院の調整係数を平均すると大体これくらいになるので1.1幾らなんだという話を伺っていたので、基礎係数を真ん中にして前後に同じような形でばらつきがあるのかと思っていたのですけれども、それは違うのですか。
○小山分科会長 どうぞ。
○企画官 医療課企画官でございます。
恐らくそれは基礎係数プラス機能評価係数IIあるいは平成24改定でいいますと機能評価係数IIプラス暫定調整係数ですね。それを足したものが大体相同です。基礎係数だけですと、それの調整部分が抜けていますので、暫定調整係数とか機能評価係数IIが抜けていますので、さすがにそれくらい低い調整係数を持っている施設は、ゼロではないと思いますが、非常にまれだと思います。
○小山分科会長 ほかにいかがでしょうか。
 樫村委員、どうぞ。
○樫村委員 (2)の2番目なのですけれども、「医療機関における診療内容等の変動と基礎係数・機能評価係数IIによる調整分の推移」というのがすぐには理解できないのですが、これはいわゆる激変緩和のような意味合いの内容でしょうか。
○企画官 医療課企画官でございます。
確かにこれは項目だけに近いのでわかりにくいと思います。補足をさせていただきますと、D-2の別添図2、今、見ていただいているれんがを積み上げたようなものが平成30年に向かっていく図と、追加配付をさせていただいた差しかえ版の図1でございますが、私どもが課題だと考えていますのは、図2で見ていただきますと、最終的に機能評価係数IIと基礎係数という形に置き換わります。その置き換えるもとは調整係数なのですが、調整係数のもともとの中身は何かというのが追加の差しかえ版の図1です。これは以前議論のときに事務局としても整理をさせていただいて、こういった形で役割を理解すべきだということで御提案をして、これをベースに議論いただいていますけれども、もともと調整係数として診断群分類点数表を基準に、図2でいきますと帯状といいますか、棒が4つ並んでいると思うのですが、左から2つ目と3つ目のところなのですけれども、基本的に調整係数で診断群分類点数表よりもさらに調整をかけている内容は、もともとは過去の診療報酬の水準を参照してそこが積み上がっていますので、中の内訳を切り分けるのは実は簡単な部分と簡単でない部分があるのですが、中身としてはa、b、c、dと書いている4つです。切り分けができるものはそのうちアウトライヤー対応分で、これは基礎係数の御説明をさせていただいたときに何度も御説明させていただきましたけれども、データ上アウトライヤーをはじいていますから、そこの部分の内訳はわかりますので、そこの内訳を今回基礎係数に組み込みました。それから、改定率を掛けている部分については、調整部分ともともとの診断群分類点数部分にそれぞれかかりますので、これも内訳がわかる内容なので今回対応させていただいて、最終的に基礎係数と機能評価係数IIに内訳を分けています。しかし、各医療機関ごとに資源の投入量が違いますので、ばらつきの幅があります。それが積み上がった部分の調整の部分と各医療機関が効率化を図られたので、恐らく出来高部分との比較でいくと乖離が生じる効率化部分がある。これが混じった形で残りになっていますということです。
 我々の問題意識は、効率化分がどんどん推進されるのは当然、包括評価ですからある程度期待されているところなのですが、ばらつきについても一定の標準化、診断群分類を活用していただく、いろいろな包括評価の結果として、ばらつき部分は基本的には収れんして限りなくゼロになってほしいという制度設計です。ですから、それがある程度合理的な範囲で収束をすれば、平成30年度の形での着地は基本的に問題ないことになります。しかし、ばらつき部分が依然として大きくて、何らかの評価が必要だということになりますと、やはり平成30年度に至るまでにそういったことについてどうするのかというのを、この場も含めて中医協で考えていただく必要がありますので、これは平成26年度改定ですぐに問題になることではないのですけれども、そういった課題は必ず議論することが必要だという趣旨で登録をさせていただいているということでございます。
○小山分科会長 よろしいですか。
○樫村委員 そういうことは、激変緩和は平成30年度に向かってどういう形になるかはこれから議論をしていく、これが例えば暫定調整係数が現時点で平成30年度までの間に変わっていくと、どこかでは必ずある程度の変化が起こらざるを得ないというところが来ますね。それをどう設定していくのかというのと、どう現状に合わせたようにランディングさせていくかというような流れをどこかで考えておかないといけないような気がします。
○小山分科会長 ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思います。
 いいですか。
○企画官 補足させていただきます。確かにこれは激変緩和の視点は必ずしも明確になっていませんので、もう一つ○を起こしまして、激変緩和のあり方についても引き続き検討していただく課題として登録をさせていただいて、記述をさせていただこうと思います。ありがとうございました。
○小山分科会長 ほかにいかがでしょうか。
 工藤委員、お願いします。
○工藤委員 4番のところで今後の課題としてDPC病院III群のあり方、(2)のところで今後の対象病院のあり方で「専門病院などの評価のあり方を含む」と書いてありますけれども、私は前から非常に重要な問題だと考えていたのですが、ざっくり言って、まずDPC病院III群が36万床あって、これを一くくりにするというのは果たしていかがかと思っていたわけですけれども、特に専門病院ですね。今、全体の基礎係数の考え方としては、大学病院の本院は特別に位置づけたわけですが、これは個々の診療領域すべてについて言っているのではなくて、やはり包括的に果たすべき役割が、しかもそれは診療のみならず人材育成、研究といったようなものも含めてやらなければならないそういう責務を負った病院として極めて重要だと私は思うわけですが、ただ今度は逆に各診療領域というところで見たときに、非常に優れているところもあれば、多少落ち込んでいるところもあるし、いろいろあるわけです。
 一方で、専門病院はほかは全くやっていないけれども、ある専門領域については非常に高いレベルを持ってやっているところがあって、それこそ大学から医師が研修に来るというような専門病院もあるわけです。そういうところをどういうふうに位置づけていくのかということが、例えばII群病院は大学病院に準ずると書いてありますけれども、そういういわゆる総合性はないけれども専門性が非常に高いものが今後の日本の医療の中でどういう役割を果たしていくべきか非常に重要なのではないかなと思います。幾つかはDPCはとても入れないと言って入らないところもあると私は聞いております。その辺のところを踏まえて、是非今後の議論をしていただきたいなと思っています。
 以上です。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。今後の議論というところでもってありますか、よろしいですか。
 美原委員、どうぞ。
○美原委員 今、工藤先生からお話があったこと、やはりIII群は非常にバリアンスがあって、独自に調査するとかなり大ざっぱに分けて3つくらいに分かれて、それぞれ果たすべき機能、地域における役割が異なっているので、何らかの形できちんと国民にわかるような分類があってもいいのではないかなと思っています。これは今後の問題だろうと認識しています。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 金田委員、どうぞ。
○金田委員 金田です。
 III群のことについて美原先生とこの間意見が少し分かれたところもありますので、やはりまずそれを分けるかどうかの前に検証が要るのではないかと思います。それから始めて、次にどうすべきかを考えるのが先かなという思いをしております。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
○美原委員 1つ教えていただきたいのですが、医療機関別係数は将来的には基礎係数と機能評価係数のIとIIになるわけですね。そうしたときに今の割合、すなわち基礎係数と機能評価係数IIの割合、将来的には暫定調整係数がそこに含まれるわけですが、その割合は変わらないと考えていいのでしょうか。
 というのは、現在当院における医療機関別係数における機能評価係数IIの割合はたかだか1~2%、暫定調整係数は将来的に全部それが入ってきても病院機能評価係数の10%にも満たない。要は何が言いたいのかというと、基礎係数が非常に大きくきいてきてしまう。
先ほど三上先生がちょっとおっしゃっていたように、I群とII群で基礎係数が非常に大きくきいてきてしまうのではないだろうかということだろうと思うのです。つまり、将来的に基礎係数と機能評価係数の割合はずっとこのままなのでしょうか、それとも変わり得る余地があるのでしょうか。
○小山分科会長 事務局、お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 基礎係数と機能評価係数IIにつきましては、前回の分科会でも資料を御提出させていただきましたが、基本的には基礎係数はアウトライヤーでございますとか、診療報酬改定分を含めた診断群分類点数表によって自動的に決まってくる数値でございますので、変わり得るかという御質問に対しては、勿論毎回集計を行う上で変わり得るものでございますけれども、こちらが任意で設定できるものではないといったところは御理解いただきたいと思います。
○小山分科会長 お願いします。
○企画官 今の説明は、現行制度の運用についての事務的な説明でございますが、この配分の考え方と制度設計は基本的には中医協の合意を得てやっています。ですから、現行の考え方と現行の計算方法を維持する限りは、今、担当が申し上げましたような数字になります。将来的には当然診療内容が変わりますし、それから、効率化もどれくらい進むのかという問題がありますので、ボリューム感として勿論全くこの数字がアイデンティカルだということではないのですが、このボリューム感は基本的にはこの枠組みを設定、維持する限りにおいてはほぼ同じ。ただ、ここのボリュームをどう考えるかということは、恐らく今後の中医協の重要なテーマの1つになるだろうなと考えております。
○小山分科会長 ありがとうございます。
○三上委員 先ほど激変緩和の話をまた新たに項目を立てるとおっしゃったのですけれども、確認しますが激変緩和は先ほどアウトライヤーの分とか効率化分を残すという形で激変緩和をするんだという意味合いで言っておられたのでしょうか。
○小山分科会長 お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
樫村委員の御認識が違ったら改めて御指摘をいただきたいと思いますが、私どもの先ほどの御議論を踏まえた認識は、もともと紙でお示ししました原案の○の2つ目は先ほど御説明したとおりで、樫村委員の御指摘はどちらかといいますと平成30年度にこのままの制度設計でいけば大きく変動を受ける医療機関があって、そこに対して平成25年度は現に激変緩和ということで大きく変動させないような措置をとりましたということなのですが、そのあり方についてはこの課題の中に入っておりませんでしたので、そのことについてもしっかり議論してほしいという趣旨と受けとめましたので、今、御説明したようなことを記載するというのが私どもの認識です。
○三上委員 いわゆる基礎係数の中に激変緩和の部分は既に入っているという考え方ではないのですか。ここの絵で見ますと、追加資料の図1でいいますと、アウトライヤーとばらつき分と診療報酬改定分、効率化分が基礎係数の中に入ったような形で書かれているので、これは基本的にはアウトライヤーを査定をするような形で下げるとか、あるいは効率化した分は全体的に下げるのだと、基本的な医療資源が少なくて済むようになったので下げるんだというようなことがあると困るので、円滑導入あるいはインセンティブとしてそのまま残すために基礎係数の中に入れる形で考えるというふうに書かれているのではないかと思ったのですけれども、そうではないのですか。
○小山分科会長 企画官、お願いします。
○企画官 医療課企画官でございます。
差しかえ版の図1の御説明をもう少しさせていただきますと、左から数えて3つ目のバーのところを、今、三上委員がおっしゃっていると思います。基礎係数に今回明確に整理をさせていただいたというのは、これはお手元に前回の資料がすぐ出ればですけれども、前回の6月20日のD-2-1という「DPC/PDPSの基礎係数について」というスライドの資料が幾つかございます。このスライドの4枚目になりますけれども、まず前回の資料の4枚目を横目で見ていただきながら、今回の差しかえ版の図1の3つ目のバーを見ていただきますと、調整係数によって調整している部分という診療報酬のオリジンは何かというのがa、b、c、dです。お手元にございますか。6月20日のD-2-1という「DPC/PDPSの基礎係数について」という図ですが、この「DPC/PDPSの基礎係数について」という図で申し上げたいのは、アウトライヤーについて明確に基礎係数を入れましたという説明です。ですから、そのことをわかっていただきたくて参照していただきたいという趣旨です。
 差しかえ版の図1に戻っていただきますと、アウトライヤーの処理については、今回基礎係数を設定するときにもともと群別に評価をするということも含めて、基礎係数の中に組み込んで処理をしています。ですから、三上委員がもともと御指摘の激変緩和という意味は多分樫村委員がおっしゃっている激変緩和の意味とちょっと違いまして、診療報酬なり係数なりの制度が変わっていくときに、改定のときに、大きく改定前後で医療機関の係数が変わったときに現実の問題として激変緩和してあげるべきだよねというのが樫村委員の御指摘だと私は理解しています。
 私どものもう一つの三上委員の御指摘の理解は、そもそも制度上医療機関個々に当然診療内容が違いますので、そのばらつきを吸収しているではないかという趣旨の多分御指摘だと思いますので、それは御指摘のとおりアウトライヤー分については基礎係数に入れましたが、個々の医療機関の個別のばらつきについては、これまでは調整係数による調整ですけれども、今後は機能評価係数IIによる調整で吸収をしていくという制度設計ですという趣旨でございます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 お願いします、金田委員。
○金田委員 金田です。
 小規模病院という言葉がありますけれども、小規模病院の定義は何かありますか。
○小山分科会長 ないのではないですか、あるのですか。100床未満ですか。特に規定はありますか。
○企画官 医療課企画官でございます。
これはもともと問題意識、念頭にあるのは、先ほど美原委員がまとめていただいていたように思うのですけれども、同じく4月25日にお示しをした、バインダーの中にあると思いますけれども、4月25日のD-4-1の資料の15ページを見ていただいて、I群、II群、III群で色分けをしまして、横軸に病床規模、縦軸に1日当たりの包括範囲出来高点数、これは冒頭池田委員から御質問がありましたが、ケースミックスを補正しています。縦軸が診療密度、横軸が病床規模です。現状で緑のドットがIII群になりまして、確かに相当なばらつきがあるわけですけれども、一方でかなり密集をした一定の分布をしているところもありますので、いろいろな内容といいますか、いろいろな施設が混ざっていると考えられますけれども、特に病床規模、例えばこれはたまたま目盛りが200で振ってありますので、全く深い意味はないのですが、例えば200~ゼロの間の施設についていいますと、さらに縦の診療密度の広がりがかなり大きいということになりますので、私どもの理解としては、専門病院の話は先ほど議論が出ましたので、病床規模が小さい施設についてはどうしてもこういうばらつきが生じやすいわけです。そもそもDPCの診断群分類を活用した評価はさまざまな診療科、さまざまな疾患をいかにケースミックスを補正をして評価していくのかという考え方で運用する制度ですので、患者さんの数が少ない小規模施設とか、特定の診療科に特化されたような診療形態にされているという診療内容を評価するシステムとして基本的に前提としていいのかどうなのか、その辺りも議論していただく必要があるかなという問題意識でございます。
○小山分科会長 金田委員、よろしいですか。
○金田委員 小規模になるのは人口が少なかったり、さまざまな影響があると思うのですけれども、やはり健全な経営を保ちながら持続可能性を担保しながら経営していくことになれば、適正な規模もあるし、そこに施設が少なければまたケアミックスという機能分化した格好を院内につくっていく方法が1つ出てくる。これはやはり人口がたくさんいれば医師も集まるし、患者さんも集まるし、専門特化して得意分野に集中していけばいいけれども、人口が少なかったら非常に広い範囲の方を受け入れる必要が出てくるというその辺の事情もあるかと思います。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 皆さんの認識は大体よろしいですか。議題2「基礎係数・機能評価係数IIの次回改定対応に係る基本方針と今後の検討課題について(案)」ということでもって議論させていただきましたけれども、ここのところの全般について言い残したこと、あるいは御質問はございますでしょうか。
 よろしいですか。ちょっとまだ時間には余裕があるのですけれども、そちらの方で何か追加はありますか。よろしいですか。
 もしなければ、少し時間は早いのですけれども、本日の議論は以上としたいと思いますが、事務局の方から何か御連絡をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 次回の開催は8月下旬を予定しております。詳細が決まりましたら、また御連絡をさせていただきます。
○小山分科会長 ありがとうございます。
 それでは、平成24年度第4回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を終了させていただきます。
 本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。

14:19閉会         


(了)
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