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2012年7月6日 平成24年度第1回血液事業部会安全技術調査会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成24年7月6日 14:00〜16:00


○場所

東海大学校友会館 霞の間(霞が関ビル35階)
(住所:東京都千代田区霞が関3−2−5)


○出席者

出席委員:(11名)五十音順、敬称略、○委員長

内田 恵理子、内山 巖雄、大戸 斉、岡田 義昭、白阪 琢磨、杉浦 亙、
新津 望、牧野 茂義、山口 照英、○吉澤 浩司、脇田 隆字

欠席委員:(1名)五十音順、敬称略

山口 一成

参考人:

三浦 左千夫参考人、日本赤十字社、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

○議題

1.献血時のシャーガス病対策について
2.HIV-NAT検査について(非公開)
3.「輸血医療の安全性確保のための総合対策」の見直しについて
4.「血液製剤の安全性確保対策に関する検討小委員会」報告
5.その他

○議事

○伯野血液対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成24年度第1回血液事業部会安全技術調査会を開催いたします。
 本日は議題2を除きまして公開で行うこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、議題2につきましては、薬事分科会血液事業部会安全技術調査会規程の第8条に基づき、非公開とさせていただきます。
 まず初めに、元愛知医科大学医学部輸血部教授、高本滋先生が委員を辞任されましたので、お知らせいたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、山口一成委員から欠席との御連絡をいただいておりますが、委員12名中11名の委員に御出席いただいております。
 また、本日の安全技術調査会においては、NATの機器・試薬に関する審議があることから、「平成20年3月24日薬事・食品衛生審議会薬事分科会申し合わせ、審議参加に関する遵守事項」に基づいて関連企業との利益相反の確認を行いましたところ、審議及び議決への参加については、退室委員及び議決に参加しない委員はともになしとなっております。
 本日は、参考人としまして、日本赤十字社血液事業本部より日野学副本部長、百瀬俊也安全管理課長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 カメラの頭撮りは、ここまででお願いいたします。
 それでは、以後の進行につきましては、吉澤委員長からよろしくお願いいたします。
○吉澤委員長 ありがとうございました。それでは、始めさせていただきます。
 初めに、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○伯野血液対策課長補佐 資料はクリップ留めをとっていただきまして、一番上に議事次第というホッチキス留めがございます。
 資料1 クルーズ・トリパノソーマとシャーガス病
 資料2 シャーガス病の安全対策に係る現状と課題
 資料3 医薬品 研究報告 調査報告書
 資料4 HIVの委員限りの資料
 資料5 将来を見すえた安全対策ビジョン(骨子案)
 資料6 平成24年度第1回NAT小委員会 概要
 参考資料1 Screening Donated Blood for Transfusion−Transmissible Infections Recommendations(WHO)シャーガス抜粋版
 参考資料2 WHO西太平洋地域で行われた3月の会議の報告書
 参考資料3 輸血医療の安全性確保のための総合対策報告書(平成16年7月)
 資料については以上でございますが、資料の不足等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 本日は、議題が1〜5までとなっていますが、先ほど御紹介がありましたように、議題2は非公開で行いますので、一番最後に回したいと思います。
 それでは、議題1、献血時のシャーガス病対策についてですが、本議題に関して参考人として、北里大学医療衛生学部健康科学科非常勤講師及び日本赤十字社中央血液研究所感染症解析部客員研究員の三浦左千夫先生においでいただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 三浦先生は、厚生労働科学研究でシャーガス病に関する調査研究を実施されておりまして、後ほどシャーガス病の現状につきまして御発表いただくことになっております。
 では、事務局から背景について説明をお願いいたします。
○伯野血液対策課長補佐 シャーガス病についてでございますが、本年5月に開催されました血液事業部会運営委員会で、シャーガス病対策のための献血制限やスクリーニング検査の在り方について、安全技術調査会で議論するように指摘されました。
 その背景としましては、これまで厚生労働科学研究班で日本におけるデータ収集がなされてきましたが、特に震災の影響もございまして、中南米出身者の研究協力者の協力が十分に得られておらず、研究の参加数が十分ではない状況にあるということで、迅速に評価する体制がなかなか難しい状況にあるということと、併せてWPROの会議の報告書が先日出されたことが挙げられています。
 本日は、三浦参考人よりシャーガス病の現状等についてプレゼンテーションを行っていただいて、日赤から今後の安全対策に関して少し御提案をお願いしたいと考えております。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、早速、三浦参考人から御発表をよろしくお願いします。
○三浦参考人 御紹介いただきました三浦でございます。よろしくお願いいたします。
 皆様には、とにかくシャーガス病あるいはクルーズ・トリパノソーマと言われても、皆目見当がつかないものだと思いますので、まず、その辺の背景を簡単に御説明いたします。病原体とシャーガス病との関係、それから、シャーガス病そのものがどんなものなのか、そういうものが現在日本のラテンアメリカ人の中でどのくらいあるのか、それが及ぼす安全血液供給事業に対するいろいろなリスクということを御考察いただけるような提案ができればと思います。
 まず、1ページ目、スクリーンを使うと非常にわかりやすかったのですが、紙メディアでいきます。まず、クルーズ・トリパノソーマ、これはまさに病原体でございます。この病原体自身は複雑な動きがありまして、まずは、この病原体を運ぶ虫はどれかというと、右にありますサシガメというかなり大きな吸血昆虫です。この虫、問題になるのは血液中に病原体がいるということで、その吸血によって媒介昆虫の体に入ります。そうしますと、左の大きな図の中の?のようにサシガメの腸の中で分裂増殖いたします。糞便中に出てくる段階になりますと、我々哺乳動物の組織細胞に感染する能力を持った虫体に変わってきます。それが右下にあります、羽がよく見えないような幼虫の段階から既に吸血が始まっております。この幼虫というのは羽がないので飛べない状態にいます。ですから、コンタミした患者さんと非常に近い環境にいつまでもいて、どんどん濃縮されていって、幼虫から感染を受ける方が多い。むしろ、成虫になりますと、ゴキブリが飛んでくるのを皆さん経験したことがあるかと思いますが、そのぐらいの勢いで飛んできますから、そんなものが我々の体につけばだれでも払いのけるということで、成虫からの感染はリスクが低い。むしろ幼虫からの感染、しかも、幼虫というのは脱皮を繰り返しますけれども、小さなものであれば2〜3mmのころから吸血しますので、子どものころ、あるいは我々が寝ているときに感染を受けても気がつかないでいることが多いです。
 実際に我々の中に入ってきますと、今度は?から?という形、?はベッドに寝ていますけれども、こういう状態ですやすやと寝ていれば全く刺された感覚がないままに、吸血と同時にコンタミした状態の病原体を含んだ糞を何となく掻いて、経皮的に擦り込んでしまうということで感染が成立いたします。
 いざ感染が成立いたしますと、そこに腸管系あるいは循環器の心臓の絵が描いておりますが、こういうような組織細胞内に入り込みまして、真ん中の?のa、b、c、dというように、まずはa、細胞の中に入ります。そして、細胞の中で無数に増えていきます。その増えている状態というのが、左上の組織内の少し紫が濃い状態、こういう状況は後でも御説明いたしますが、筋肉細胞の中で虫が無数に増えている状況です。こういうことを繰り返しておりまして、細胞の中で増え切ると、今度は細胞を破って、また血液中に出てきて?のdの形で実際には慢性感染者の血液中に出てきたものを、また次の吸血昆虫に吸われていくということになります。今回我々が対象にする輸血という段階では、このdからaの部分で汚染血液に遭遇する可能性があるということです。
 2ページ目の写真が、実際に血液中にいる虫の状況です。中央に4つばかり大きなものが出ていますが、小さい点、これは運動核と言いまして、ここから実際には鞭毛が出ております。そして、大きな点は本来の核ですが、ここを通って後ろの方にしっぽのように鞭毛が伸びていまして、こういうことで血液内を移動しております。この形のものが実際には吸血と同時にサシガメに入ることになります。サシガメの中では、また分裂で増えていきます。
 3枚目は、本当は動画で出ると非常にリアリティがあったのですけれども、血球と同時に真ん中やや右に空間がありますが、そこに黄緑色に写っているものが虫で、動画ですと動いてわかるのですが、このようなものが混ざっているということです。
 4ページ目ですが、感染をして多くは最初にマクロファージ等に取り込まれて、右の写真は培養でつくったin vitroですが、取り込まれた細胞の中で無数に分裂いたします。それと同じようなことが、左上の赤い矢印の下に細かいぶつぶつが見えますけれども、これが筋肉細胞内で増えている状況で、この状態を更に下の電子顕微鏡の写真で見ていただくとわかるのですが、丸い形のもので、実際には鞭毛のない状態でどんどん我々の細胞内で増えていくというのが現状です。
 その間に、結局細胞を壊す、あるいはデナベーションということが起こって、循環器、消化器の方へ病気として発展していくということです。ただ、この間が非常に長いというのがみそでして、実際に発症してこない状況が20年、30年という長い期間があります。
 病気の説明に入る前に、そういうものの背景といいますか、こういった病気がある自然環境、南米の片田舎の様子を5ページに出してありますが、これは2005〜2006年という非常に最近の写真です。こういったところが南米、中米ではどこにでもまだまだあるという状況で、右下が羽のない幼虫が定住しているという状況です。
 左上に犬がいますけれども、こういったドメスティックアニマルとともに病気は保持されております。こういう環境がまだまだあるということで、現実的には南米でもまだまだ新しい感染が起こっております。
 実際にシャーガス病そのものですが、コンタミした昆虫に刺されますと、ほぼ1〜3週間の潜伏期がありますが、最近では経口感染ということで、非常に濃厚な虫体が入ったときには1週間から10日で発症することもありますけれども、通常では1〜3週間の潜伏期。その後に、虫血症という形で血液中に虫が出てくる状態になったものを急性期と呼びます。そのときに見つかれば治療もできることはできるのですが、多くは発熱と風邪のような症状なものですから、治ったなという感覚で過ごしてしまうということで、ここから10年、20年、30年という長い無症状の状況が続きます。この間、全く健常人と変わらない生活ができるということが一つはこの病気の難しさでありまして、この地域の方たち、ラテンアメリカ人の多くが日本にも来ているし、非流行国、ヨーロッパ諸国、北アメリカといったところにも移住しております。そういった問題も指摘されております。
 慢性期の発症となりますと、まずは消化器系ですとメガコロンという巨大結腸、巨大食道といったものも起こります。そして、循環器ですと、右脚ブロックを主体とした不整脈等が起こって、最終的には心臓破裂という突然死を迎えることもあります。こういうことで、心筋拡張症というものが鑑別診断の対象になります。
 特に心臓の状況を次のページで御説明しておりますが、拡張症と心尖瘤が典型的な病気として起こってくるということです。
 次が、今私どもの研究班と一緒に臨床として協力していただいている病院からのデータですが、心電図あるいは超音波という情報から心筋の機能不全ということで心筋拡張という例、この例の患者さんが当初は全く正常だったのが、最近になってこのように心尖瘤という形で見られる、病気が最終的な段階まで発展してしまったという例でございます。この方も既に20年近く日本におりますけれども、日本の医療機関でずっと心臓のコントロールをされているということで、通院という形の普通の生活をなさっています。
 そういう背景にある国々から日本にどのくらいの人の移動があるかが10ページにございます。これは、データとして2007年のものがベースになっておりますが、その後リーマン・ショックあるいは昨年の震災ということで、かなり帰国して少なくなったかなという感じはしたのですが、また現在戻りつつありまして、結局そんなに変わっていないということで、25万前後のラテンアメリカ人が日本にいますよというのが現状です。
 この25万人のうちの約8割がブラジル日系です。その次がペルー、その次がボリビア、パラグアイという国々です。いずれにしても、日系移民の多い国々からの出稼ぎという形での日本への移住です。
 そういう方々の中に既に現地ブラジルあるいはボリビアで既に感染していて、いわゆる無症状の時期に日本へ来て、そのまま発症してしまったという方たちが何人かいるわけですが、そのデータとしましては1990年以降42件、慶應時代にコンサルトがありました。そこで16名が抗体陽性で、しかも既に何らかの形で循環器の異常を発症したものです。
 抗体陽性、症状があるということ等で一応シャーガス病を疑って、更に16名のうち7名についてはPCR等でトリパノソーマ特有の遺伝子が見つかっておりまして、キャリアを示唆されたということになります。
 やはり寄生虫の病気というのは、病原体の数等が発症につながる一つの因子ですので、その7人については実際に血液をとって培養を行いました。そして、病原体の分離を行いまして4名が分離されております。キャリアであることが明らかとなりまして、この移住者の中には多くのキャリアがいるだろうということを示唆されております。これは非常に高い率でありますけれども、あくまでも医療機関を通じてのコンサルトですので、リスクグループです。
 一方、厚生科研の研究班で、いわゆるラテンアメリカ人全般についてコミュニティーを探ったところ、これも去年の震災以来なかなかうまくできませんで、コミュニティーでの検査を組織できにくくて、2008〜2010年までの成績をまとめてありますが、実際にはその間に1,108名の方たちの抗体スクリーニングを行いました。そこで20名陽性、1.8%という数字が出ております。これは、あくまでブラジル人のコミュニティーです。
 一方、ボリビア人は非常にコミュニティー、組織することが苦手というか難しい。数は非常に少ないのですが、22名中4名が陽性であったということです。この4名のうち2名は母子感染例のうちの2名です。実際に日本ではサシガメという吸血昆虫がいない限り、リスクがあるとすれば母子感染か輸血かということになりますので、去年から研究班では母子感染にも注目するようにということで、母親が陽性ならばその子どももということで調べたのが、この結果でございます。今のところボリビア人にしか見つかっておりません。
 次のページが現在、有症等で医療機関を通じて私どもにコンサルトのあったブラジル人の例ですが、大体平均年齢が52歳ぐらいです。ブラジル人及び日系ブラジル人が多いです。中でも2003年の赤い字を見ていただくと、飛び抜けて若い方がおります。この27歳の方は現地で輸血によって感染が明らかになっていたが、実際に治療をして虫がもういなくなったから大丈夫だよということで、元気だったものですから日本に来て仕事をしていたところが発症してしまったということで、実際に心臓のコントロールをして現地に戻しまして、この方は現地で亡くなりました。これははっきり本人も、それから、現地の戻したところの受け入れ先の病院でも、輸血でかかったのは明らかなことだと言っておりました。
 黄色いところがすべてPCRなり血液培養で一応キャリアである可能性を示唆しております。これがブラジルの状況です。
 そして、その人たちの出身地、生まれ育った地域が次のブラジルのリスクマップです。ブラジル人にもよく誤解されているのが、この病気というのは東北ブラジルあるいは北の方だよという見解がほとんどです。ところが、日系ブラジル人が多いのは南の方、そこにありますサンパウロ、パラナ州というような、どちらかというと南の方です。そこになぜ多いか。日系人が多いこととサシガメの生息地域がオーバーラップしています。サシガメの生息地域に知らずして移民としてどんどん日本から送り込まれてしまったと。そこで生まれ育ったということで、結果的に日本に来ている日系ブラジル人というのは非常にハイリスク地域から来ているということになります。
 北ブラジルあるいは東北ブラジルというのは非常に日系人の移住地が少ない。少なくともアマゾンの河口にありますベレン、トメアスというようなところから来ている方が若干というぐらいです。東北ブラジルは、ほとんどおりません。
 ただ一方、日系移民とブラジル人が一緒になって、ブラジル人が来ている場合があります。そのリスク地域としては、グリーンのライン、ブラジリアも含めての中央ブラジルの乾燥地帯もまたサシガメの生息地域と一致したところからの出身者でございます。
 次にボリビアの状況です。ボリビアも同じように、非常にリスクの高い地域です。ただ、ボリビア人に関してはほとんど兵役がありますので、そのときに検査がありまして既に自分たちでわかっているという人たちが多いのですが、日系の人に関しては、なかなか現地ではわかっていない。日本へ来て初めてわかったというような人たちが上の部分です。
 下の青と黄色の混ざり部分が、ここが初めてコミュニティーで見つかった母子感染例です。
 ボリビアにおける移住地のマップですが、ほとんどがOKINAWA移住地を経由してきた人たちがリスクが高いということになっています。
 次に、こういったシャーガス病キャリアそのものの検査はどうするかという話になりますが、こういう血液中に抗体が出てくるということで、医療機関にしても献血現場にしても、とりあえずはIgG抗体という特異的な抗体をチェックするという方法として、既に商品化されておりますSTAT−PACKあるいはTrypanosoma Detectというようなものが使われます。
 こういったスクリーニングを経て陽性となれば、更に抗体価が非常に問題になってきます。なぜ抗体価が問題かというと、結局、細胞の中に出たり入ったりしているごとにブースターがかかったような形で抗体価はどんどん上がります。そういうことで抗体価を必ず見ると。それが非常に高い場合には、周期的に血液中に虫体が出ている可能性があると判断いたしまして、次の虫体検査ということでPCRもしくは血液の培養で分離いたします。
 そういう方法を使いまして研究的に行っておりますのが、下のどのような形でのスクリーニングの進め方をするかという図ですが、この段階では恐らく日赤としては左のライン、いわゆるリスク地域に住んでいたことがあるか、あるいは来ているかということで引っかけて、怪しきはSTAT−PACKなりELISAという方法で現在は確認しております。こういうことで今後は、これらをもっと充実させた形でスクリーニングを重ねていくことにしたいと思います。
 最後ですが、こういった形で献血血液を用いた研究班でやった範囲では、現在のところ百数十名おりますけれども、全例ネガティブでした。したがって、今のところ研究班で行った献血血液では陽性者はいなかったということですが、しかしながら、輸血によるリスクという点では全く否定はできませんので、今後、血液製剤の安全性確保のためには、血漿の分画製剤のみに製造を限定するというような当面の手続が必要かということで、入念な対策が今後必要ではないかと思います。
 更に、一見健常者である一般の潜在感染者を見つけるためには、やはり中南米出身者の献血血液からのシャーガス感染予防を目的に、正確に評価するためには研究班を更に継続する必要があるのではないかと提案いたします。
 以上です。
○吉澤委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまお話いただきましたが、委員の先生方から御質問もしく御意見ございますか。
○脇田委員 ボリビアはC型肝炎が非常に多いのですけれども、ブラジルよりもボリビアの方が人数は少ないですが、陽性率は高いと考えてよろしいですか。
○三浦参考人 ボリビアの方がはるかに高いです。それは多分、ボリビア日系移住地の2000年の状態が15ページにありますけれども、実際にボリビアの血液中央研究所のデータで献血者からのデータが35%抗体陽性となっておりますが、この後、一応、献血対策ということでシャーガスも入りまして、今のところ14〜15%まで落ちてはいますが、非常にリスクは高いです。
○吉澤委員長 ほかにいかがでしょうか。
○杉浦委員 媒介昆虫のことですけれども、日本国内ではサシガメに類似の媒介するような可能性がある昆虫は生息しているのでしょうか。
 もう一つは、血液を介して感染するということで、中南米ですとどうしても、いわゆるドラックユーザーが気にかかるところなのですが、中南米におけるシャーガス病の感染ルートとしてそういったものはどのくらいの影響があるのでしょうか。
○三浦参考人 まず、サシガメといった吸血昆虫が日本にいるかどうかですが、これは非常にリスクは少ないといいますか、1種類だけ沖縄におります。ただ、専門家の言によりますと、絶滅危惧種に指定されているぐらい少ないということで、ほかの地域では、まずこういった昆虫による媒介はないのではないかと思っております。
 よく似たものはたくさんいます。それはほとんど樹液を吸うもの、それから、昆虫をえさにしているサシガメ類はかなりおります。それは、この辺の環境でも非常に見られます。
 それから、ドラッグユーザーですが、その点について中米、南米では確かにそういったことからヒトからヒトへということで懸念されておりますけれども、そういう意味ではドラッグユーザーからの献血というのは余り問題にはされておりません。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き百瀬参考人から御報告をいただき、まとめて御意見・御質問をいただきたいと思います。
 では、百瀬参考人、お願いいたします。
○百瀬参考人 日本赤十字社の百瀬でございます。資料2をごらんください。私はシャーガス病の安全対策に係る現状と課題をまとめてみましたので、お話ししたいと思います。
 まず、1番目のシャーガス病については、今、三浦先生から御説明いただきましたので、省略させていただきます。
 2番目の輸血への影響についてでございますが、これは後ろの方にとじられております別添2にございます米国血液銀行協会の専門誌『Transfusion』誌の新興感染症に関する特集号からの抜粋、それから、別添3にございます、同じく『Transfusion』誌の米国赤十字社のベンジャミン先生の総説を参考にまとめてみました。
 箇条書きで書いてありますけれども、全血製剤中の原虫は4℃で18日以上生存しております。
 4℃の赤血球製剤中での生存は、数日から数週間ということでございますけれども、赤血球製剤中の生存についての報告は、全血製剤ほど十分にリポートされていないということでございます。
 また、血小板製剤中の生存は最長5日間と言われております。
 また、凍結血漿中の生存率は24時間以下となっております。
 しかし、冷凍赤血球製剤中の生存率は不明であるということです。
 また、白血球除去フィルターや放射線照射、いずれも日本ではこの処理を行っておりますけれども、こちらはリスクを減少させますが完全ではないということでございます。
 輸血による伝播について、非流行地域においては米国で7例、カナダで2例及びスペインで5例と報告されておりまして、この輸血による感染者の多くは化学療法により免疫抑制状態の患者さんであったということでございます。
 また、原因製剤にどういう製剤が使われたかを特定できたものについて、これらの症例はすべて血小板製剤によるものでした。
 T.cruzi抗体陽性の感染供血者由来の製剤による受血者への輸血感染率、要するに抗体陽性の血液を輸血されて受血者がどのくらい感染したかですが、これは全体として1.7%という低いものでした。製剤別内訳で見ますと血小板製剤が高いわけですので、13.3%ということになりますが、その他の製剤では0%ということでございました。
 メキシコを含む中南米諸国ではT.cruzi抗体スクリーニング検査が輸血に対して行われております。米国、カナダ、スペイン等では選択的な抗体スクリーニング検査が行われているという状況でございます。
 3番目に日本の現状をお示しいたします。
 先ほど三浦先生からもお話にありましたけれども、現在のところ輸血によりシャーガス病に感染した事例は報告されておりません。また、中南米からの定住者は三浦先生の御報告で約25万人、約30万人とも言われております。
 そして、三浦先生の御報告にございますように、定住者の中にもキャリアの方がいらっしゃいます。日本人の中南米長期滞在者の中にもいるとのことでございました。
 日本語を理解する日系人などが献血をしていただいております。
 先ほど申し上げましたように、発症するまで長期間にわたるため、キャリアの方が献血して輸血による感染の潜在的リスクが存在すると。これが日本の現状でございます。
 2ページの(1)にございますように、では、実際に中南米居住歴、滞在歴を有する献血者の方はどのくらいいるのかを調査いたしましたので、お示しいたします。
 現在は問診での取扱いは、シャーガス病の既往がある場合は採血しないと。これは世界的にこういう対応をとっていると思いますが、しかし、実際に既往歴を申告される方は日本においてはまずおりません。
 また、2011年4月に問診票が改訂されました。それ以前は、四角囲みの上になりますけれども、渡航歴・居住歴は自由回答形式でございました。改訂した後は、下の四角囲みにございますけれども、マラリア流行地域での滞在を想定した1年以内、または4年内に1年以上の滞在、こちらに変更されました。改訂前の調査では、中南米居住歴を有する献血者は、下に2010年の表をお示ししておりますけれども、中南米居住歴のある献血者は年間約1万人おりました。月当たりにして約800人ぐらいでございました。そのうち国別で見ますとブラジル居住歴を有するものが最も多く、全体の4割を占めてございます。
 次に、改訂以後の9か月間を2011年4〜12月ということでお示ししておりますが、以前は渡航歴と居住歴という形で分類しておりましたけれども、現在は滞在歴という形で渡航歴も含めた分類になっております。それであるにもかかわらず、月当たりの受付者数、献血者数は改訂前の約半分に減少しております。また、国別に見ますと、ブラジルよりもメキシコが多くなり、どちらかというと以前の渡航歴に近似した分布となっておりました。
 そこで、申込者を、申込票の氏名により、日本人か外国人かということで2010年と2011年を分類しましたところ、改訂前居住歴の83%、改訂後の96%が日本人と思われる氏名でございました。外国人の滞在歴の受付者数は、この9か月間で169名とございますが、そのうちやはりブラジルが最も多く、メキシコ、ペルー、アルゼンチンなどにつきましては、99%が日本人だったという状況でございます。
 以上のことから、問診票の改訂により中南米滞在歴のある外国人を現在では十分に捕捉できていないと推測されました。
 (2)につきましては、現在、三浦先生の御協力を得まして、東海4県における中南米居住歴を有する献血者に対して、研究的に抗体検査を実施しておりますけれども、イベントなどで御協力いただいているものも含めてでございますが、132名全員陰性でございました。外国人の中でブラジルの方が最も多くて112名おりまして、日本人を除く121名の年齢分布は、中央値が32歳で、30代までの若い世代が約4分の3を占めておりました。その平均滞日年数は10年ということでございましたので、献血における年代層としては比較的30代以下の若い世代の方が多く献血に御協力いただいているという状況でございます。
 4番目につきましては、非流行地域である欧米での対応についてでございます。
 3)に米国の対応が書いてありますけれども、米国では最初の1回のみユニバーサルで抗体検査を実施しております。陰性ならば以後はこの検査を行わなくてもよいと。その他の国でも流行地域の出身であるとか、一定期間滞在歴がある対象者に対して選択的に抗体検査を実施しております。
 5)のオーストラリアにおきましては検査は実施しておりませんで、対象者からは分画原料のみ可とする対応をとっています。
 別添1にございますEUの基準では、表紙裏に89ページと書いてあるものがございますけれども、このページにありますように、流行地域で出生したあるいは輸血を受けた者からは分画原料のみ可とするか、認可を受けた検査で陰性の血液を用いるとなっております。
 続きまして、5番目に日本でどういうことができるかということで対策案をお示しいたします。
 まず、中南米滞在歴を正確に把握するために、質問項目を追加する必要があるだろうと考えております。その上で、?〜?のオプションが考えられます。?は、中南米滞在歴のある方を献血制限していくという方法。?は、対象献血者の血液でリスクの可能性のある製剤について製造を制限しましょうという方法。?は、対象献血者の抗体検査を実施する。この3つが考えられます。
 また、加えて、現在実施しているパイロットスタディについても継続し、更に対象地域を拡大することを考えております。
 6番目には、それぞれの課題と検討事項を挙げてみました。
 献血制限ということでは、献血現場での日本語によるコミュニケーションを徹底し、現在、通訳を介在した献血なども地域によっては実際に行われておりますが、こういうものを制限していくかという問題もございます。
 また、滞在歴の把握におきましては、事前にポスターなどによって周知する必要があります。いずれは問診項目に組み入れていく必要があると考えますが、まずは別途、質問項目を加えて把握していく。その上で、制限する一定期間をどの程度にするかということが課題でございます。
 上の四角囲みには質問項目の例を記載いたしました。
 ?の献血制限については、一律制限にすることの妥当性を検討する必要がございます。
 ?の製造制限については、例えば、輸血用は不可、分画原料は可とした場合、採血した後、一部の製剤のみ製造制限する対応は日赤では従来行っておりませんでしたので、製造工程での工夫が必要になってまいります。
 ?では、実際に対象者というと検査件数が非常に少なくなります。現在、国内で認可されている試薬がないので、研究用として使用するしかございません。?の案で製造制限した後に研究的に抗体検査を実施するならば、後でまとめて検査することが可能ですし、リスクの評価もできますが、この場合は、別途同意をとる必要があると考えております。
 以上、現状と課題についてまとめてみました。
○吉澤委員長 どうもありがとうございました。
 先ほどの三浦先生からの御発表と、今の百瀬参考人からの御報告について、御意見・御質問がございましたら、お願いします。
○山口(照)委員 先ほどの三浦先生の御発表の中で、11枚目のスライドで、在日ブラジルコミュニティーで抗体検査の陽性率が1.8%と書いていただいているのですが、この中のいわゆる抗体ポジティブと、その中に実際に原虫がいるのか、あるいは原虫の判定がPCRによってできるのかどうかがわからないのですけれども、本当の陽性率というか、感染のリスクはどのように見積もっておられますか。
○三浦参考人 ここのコミュニティーの中1,108名というのは全くの健常者でありまして、そういった意味では、とにかく抗体陽性ですよという範囲です。だから、感染は十分に考えられるよという段階です。
○山口(照)委員 発症したときには末梢血中にはかなりの原虫がいるのだろうと思うのですけれども、キャリア期にどれだけ原虫が出現するのか、その辺のデータは。
○三浦参考人 その辺になりますと、ここのコミュニティーでの参加者というのは、かなり若いところにシフトしておりまして、日赤さんの献血年齢の大体32歳ぐらいのところにあるんですね。この若い人たちの中での陽性者というのは、何が原因で感染しているのかも全くわからないところで、これから先、とにかく抗体陽性というものに関しては、あなたたちは今後の献血活動には協力してもらっては困ると、それと、とにかく定期的な健康診断は受けるようにしてくださいよと。そして、発症になるべく早く気がついてもらうということで、循環器系、消化器系の検査は定期的に受けるようにという示唆はしております。
○山口(照)委員 それともう一つ、これは日赤の方に聞いた方がいいのかもしれませんが、先ほど血小板を介してという話が割と輸血によって感染が起きるという、その辺は大きさなのか、例えば、赤血球では輸血で感染は余り起きないと考えられるのでしょうか。要するに、今までの輸血の感染というのは血小板がほとんどだったという、その原因はわかっているのでしょうか。
○百瀬参考人 私どもは実際に実験しているわけではないので、文献等で把握するしかないのですけれども、流行地域においては抗体スクリーニングをやっております。非流行地域、米国などでは赤血球製剤は当然分離して、保存前白血球除去なりをしています。冷蔵していますので、活性とすれば期間が長くなれば若干は落ちるということで、虫の生存はどちらかというと血小板のように短い期間で室温で保存しているものとは、バイアビリティが違うのではないかと考えます。
○三浦参考人 付け加えますと、まず、全血輸血の場合と血小板輸血、ブラジルの27歳の例でいきますと、血小板輸血という段階でコンタミしたんですね。そういう形のものだけですと多分、簡単に分けると、バフィーコートのところに一番虫が集まるという傾向がありますので、そういう意味では感染リスクとしては非常に高いと思います。
○吉澤委員長 血液で感染するときの形態は、1番目のスライドの原虫そのものなんですか。
○三浦参考人 はい、そうです。
○吉澤委員長 その原虫は血球の中ではなくて血漿部分にいるわけですね。そうすると、感染は血小板製剤でおこっているとされていますが、原虫は血小板の中にいるわけではなくて、血小板が浮いている血漿の中にいるということですね。
○三浦参考人 正確にはそうです。
○吉澤委員長 ここまではよろしいでしょうか。
 そうしますと、実際に日本でどう対処していったらいいのか、先程、国の施策について提案をいただきましたが、この点についてディスカッションしていただきたいと思います。問診については先ほどの提案で問診票を少し改訂して把握していく。これは、これでよろしいでしょうね。
 次に、使える製剤の種類になりますが、全血ですと4℃で18日以上、赤血球で数日から数週間、血小板で5日。凍結血漿で24時間以下で感染性はなくなるとなっていますが、少しでもリスクのある血液については、最大限の安全を見込むことが大事になると思います。また、流行地での滞在期間が問題になりますけれども、どの程度の制限をかけるかが問題になると思います。
 まず、滞在期間の制限についてディスカッションしていただきたいと思います。WHOでは滞在期間4週を目安にして制限をかけるということのようですが、どのくらい滞在したら感染するかという根拠はないのですが、現段階ではどのくらいにしておいたらいいだろうかということを考えていただきたいと思います。
○伯野血液対策課長補佐 WHOの件ですが、WHOの西太平洋地域のシャーガスの会議があった際に、今後出す予定のドラフトの段階ですが、4週というのが案として、そのときに出ておりました。ただ、その後まだ正式なものは出てきておりません。
○吉澤委員長 どちらにしても確かな根拠はないわけですから、最大限の安全を見込んだときにどうしたらいいか。
 もう一つは、リスクのある血液の献血の本数との兼ね合いで考える。つまり、どの程度の制限をかけたら血液事業に差し障りが生じるのか、ということも含めて、制限の目安を決めておくということになるかと思いますが、御意見いかがでしょうか。
○百瀬参考人 資料の2ページにお示ししましたように、問診票を改訂する前の段階で居住歴と言っておりますのは、日赤ではこの時点では渡航歴と居住歴で区分けしておりましたけれども、居住歴というのは3か月以上の滞在ということです。1日でも行ったということで渡航歴と区分けしておりました。ここでお示ししました年間約1万人というのは、3か月以上滞在していた方々という意味合いでございます。
 同じように渡航歴というくくりで調査したところ、同じ期間においては約4万5,000人ということになります。これは1日でも中南米に行った場合を含めると、4万5,000人プラス1万人という内容です。実際のところ4週間で切った場合にはどのくらいであるかというものは、現在、日赤ではデータがつかめておりません。
○吉澤委員長 人数はそういうことですが、この中で献血する人は限られてくるわけですから、そういうことも考えますと、今、WHOが提案しようと考えている、大体4週当たりを目安にしてとりあえずは設定しておいて、その後の研究の進展に従って必要に応じて見直しをするとしておいてはいかがでしょうか。
 それから、製剤についてはどうでしょうか。先ほど、凍結すると感染は起こらなくなるということでしたが、安全を見込むと分画製剤に限定した方がいいのではないかと考えられますが、そうしたときに日赤としては、まだいろいろ問題があるということでしたけれども、いかがでしょうか。
○百瀬参考人 4ページの下の四角囲みにございますように、幾つかプランを提案させていただきました。実際のところ○をつけてあります分画原料のみ可とすることについては、分画原料の場合は、仮にリスクのある方に献血していただいたとしても、分画の工程の中で不活化除去、必ずフィルトレーションをしますので、少なくとも現状においてもどこの分画製剤においても原虫が入ってくるようなことはないわけです。そういった意味で考えますと、安全対策上は分画原料のみにするのがベターだろうと私どもは考えております。ただ、今までそのような形で献血をされると、全部使えるのか、全部だめなのかという区分けしかしておりませんので、製造工程中のいろいろな工夫が必要になってくるということでございます。
○吉澤委員長 それは今後工夫していただくことになりますね。
 ここまでの議論で御意見がございましたらどうぞ。
○山口(照)委員 確認だけさせていただきたいのですけれども、今まで中南米で生まれてこられた方は献血制限はしていないのですね。
○百瀬参考人 しておりません。マラリア流行地域に滞在したという観点から献血制限になる方はいらっしゃいますが、中南米に滞在したというだけでの制限はしておりません。
○山口(照)委員 4ページ目の上の四角、新しくこれを提案しておられるということでよろしいですね。
○百瀬参考人 はい、中南米滞在歴を正確に把握するとすれば、対象の質問として中南米で生まれたか、育ったか、あるいは先ほど三浦先生から母子感染のリスクについてお話がございましたが、お母様が中南米諸国で生まれたか、育ったか。上の2つに該当しない場合、日本人の場合と書いてありますが、上の2つの質問に該当しない場合でも中南米に一定期間以上滞在したと、この質問をして該当する方については製造制限ということでいかがなものだろうかという提案でございます。
○山口(照)委員 その場合には、リスクとしてはシャーガス病のリスクを考慮してということになる、要するに、それを公表するということになりますね。
○百瀬参考人 はい、そうです。これを実施する上では、いきなりはできませんので、事前にポスターなどをつくって周知するということも必要かと思います。
○山口(照)委員 今、検査の承認された機器がないということで、それが課題かと思いますが、逆にリエントリーというか、そこで生まれた方であっても、例えば、ちゃんと把握できる抗体検査があればリエントリーできるという、将来的にはそういう考え方でいけるのかどうか。要するに、今トランジェントにはこういう制限をかけるのだけれども、将来的には抗体検査によってもう一度再献血ができるような形にするのか、その辺の予定というか、そこがちょっと気になるのですが。
○百瀬参考人 輸血の安全性を考える上では、何らかの制限をかけることによって輸血を受ける患者さんの安全性は保たれますが、実際に献血者の方の健康管理あるいは本当に日本でどのくらいのリスクがあるのかという検討も並行して進める必要があろうかと思います。そういった場合には、このような対象者の方々の同意を得て、製造制限はかけておりますので、検査についてはタイムリーにやらなくてもまとめて行うことは可能かと思いますし、そのことによって評価もできると思います。リエントリーが必要かどうかについては、その研究結果を待って、また先生方の御意見などをいただければと思います。
○吉澤委員長 将来のことを考えると、制限をかけた検体については研究用に保存して、将来検査法がきちんとした段階で評価をするということになるかと思います。
 それから、リエントリーのことについては、先ほどの三浦先生のお話を伺っていると、日本には媒介するサシガメはおりませんし、日本国内で新たに感染するリスクはほとんどないということですから、現時点で制限をかけた場合でも、将来、確立された検査法によって感染していないことが確認できた人については、当然リエントリーの対象にすると考えておいていいわけですね。
○百瀬参考人 はい、そう考えます。ただし、中南米からの定住者、出稼ぎということで来られていると思いますけれども、しょっちゅう本国に里帰りしたりしております。そういった場合にどのように考えていくのかということは、なかなか難しい問題があろうかと思います。また、ある一定期間の滞在歴、4週間だったら4週間という期間についても、1回に4週間以上ということで考えるのか、累計で4週間と考えるのか。例えば、日本の旅行者で中南米が大好きな方ですと、毎年毎年1週間ずつ行っていれば累計で4週間ということもあろうかと思いますし、その辺についても先生方の御意見をいただければと考えております。
○吉澤委員長 リエントリーの対象とするのは、検査により感染していないことが確認された後、日本国内に居続けている限りということを前提とした話ですから。
○百瀬参考人 出稼ぎの方が本国に帰る、何回も行ったり来たりする、そういう対象の方のリエントリーについて。
○吉澤委員長 感染のリスクがあるところへ行ったり帰ったりする人については、制限の対象にすればいいわけで、リエントリーの対象にはならないということでいいわけですね。そう整理すればすっきりすると思いますけれども。
○百瀬参考人 ありがとうございます。
○山口(照)委員 今のは同意するのですが、英国でも認証されたトリパノソーマの検査によって陰性になれば献血可としていますし、十分な評価をされた試験法であれば、抗体陰性であれば感染はしていない、要するにキャリアではないと判断してよろしいわけですね。今、国内に入っているのは、そういう評価をされていない研究試薬であるので使えないかもしれないけれどもという、その辺だけ。
○三浦参考人 一応、私どもでスクリーニングも含めてですが、日本ではとにかくシャーガス病自体もよくわかっていないし、認められていないと。検査試薬についても認められていないという意味で、研究用試薬ということになっておりますが、流行地等では既に普通の臨床検査試薬として認可されているものですから、これらでネガティブという場合には、ネガティブと判断しております。
○吉澤委員長 岡田委員どうぞ。
○岡田委員 とりあえずは制限ということで、それは分画製剤の原料としては使っても特に問題ないということであれば、とりあえず居住歴がある人は分画用にのみ使うということで、その間にリエントリーに備えて診断薬というか、抗体のスクリーニング試薬の評価を行って、どういうキットが一番いいのかという評価をして、あとは何をもって抗体陽性と確定診断するのかを定めておかないと、後で困ることが起きると思います。かといって、確定診断法ができるまで待っているというのは、少なからずリスクがある血液が使われてしまいますので、分画原料のみに使用するということで一応、安全性は確保しておいて、その間にリエントリーのための試薬の整備をするということが一番いいかと思います。
 三浦先生に質問なのですけれども、例えば、抗体陽性と判断するときに米国のFDAでは時間を変えて2回陽性だったら、もう陽性ですよと。勿論、確定ではないけれども陽性ですよということで、その方は献血できないようになっているのですが、今、複数の抗体の測定試薬があるのですけれども、種類を変えて何種類か使ってすべて陽性とか、ブラジル等ではどういうことで抗体の陽性、陰性を判断しているのか、そういうのがわかっていれば教えていただきたいのですが。
○三浦参考人 今の段階では、少なくともFDAで承認されているSTAT−PACKもありますし、アボットのELISA等もありますが、そういったものを中心にして、それとどのくらいの相関があるかというようなスクリーニングキットが幾つかあります。方法としてはクロマト法が多いのですけれども、複数の異なったキットを使って陽性と示したもの、それから、ELISA法、凝集法といった方法論自体が違ったものを合わせて3つ以上の陽性を得たものを陽性と判断しております。それに基づいて、我々の方もできるだけ異なるキットを使って、しかも、方法も違うものを使ってということでやっておりますが、一番我が国で困るのは、病原体そのものを維持しているところがないものですから、かなり信頼性の高いIFAの蛍光抗体法の判断がなかなかできないということがネックになっております。今後、研究段階でどの程度まで日赤の研究室などでも準備できるかというところですが、できるだけ信頼性の高いものに高めていきたいなとは思っています。
○吉澤委員長 ありがとうございます。
 では、時間の関係でまとめさせていただきますと、まず、国内でのシャーガス病に対する安全対策については、中南米で生まれた人、中南米に滞在歴のある人については、製造の制限をかける。滞在歴については、まずは4週間を目安にして制限をかけてはどうか。そして、制限をかけた血清検体については、以後の研究的な検査のために保存をするというシステムをつくっておくということでいかがでしょうか。
 それから、陽性、陰性の判断の基準については、まだ問題点が残っていますから、研究的体制をつくっておくということが大切であると。また、最大限の安全を見込むという意味では、リスクのある血液についてはとりあえず血漿分画製剤に限って使うということでいかがかということになるかと思いますが、いかがでしょうか。
 伯野課長補佐どうぞ。
○伯野血液対策課長補佐 諸外国では、中南米で輸血歴がある方も制限している場合があるかと思いますが、輸血歴も問診で聞いた方がよろしいですか。
○吉澤委員長 現地での輸血歴ですね。それは問診で聞いておかれた方がいいと思います。
○伯野血液対策課長補佐 もう一点、母子感染というのがあるということで、日赤も母子感染も考慮した形で今後、問診を行うということを御提案されていたかと思いますが、お母さんに出生歴、輸血歴あるいは滞在歴があるという方を制限するかどうか。日本におけるリスクはかなり低い状況だと思いますが、そこはいかがでしょうか。そこは無視できるとするか、念のため聞いておきましょうとするか、それは安定供給とも少しかかわってくるかもしませんが。
○吉澤委員長 それを聞いたときに、血液製剤の安定供給に影響が起こるかどうか。やはりリスクはゼロではないということからすると、聞いておいた方がいいかと思いますが、いかがでしょうか。
○百瀬参考人 母子感染の心配につきましては、諸外国においても母方の出生地を聞いている国もございますので、それをもって私どもの方も提案の中に加えさせていただきました。
 輸血歴につきましては、既に問診の中で日本であろうが、世界中のどこであろうが輸血歴のある人は献血をお断りしておりますので、あえてここでは加えていなかったということでございます。
○吉澤委員長 従来の問診で対処できているということですね。では、それはよろしいでしょうか。
 では、陽性の判断基準や遡及調査の対象、今後のリエントリーのあり方などにつきましてはWHOも検討しているようですから、今後の動向、研究の進捗状況等を安全技術調査会で提案していただくということでよろしいでしょうか。
 もう一つは、日赤と事務局におかれましては、できるだけ早期に安全対策を実施できるように、準備を始めていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 岡田委員どうぞ。
○岡田委員 今日、この会議で献血制限をするということに決まりましたけれども、実際に日本赤十字社が実際のセンターに指示して制限が始まるのは、一番早くてどの程度かかるのでしょうか。
○百瀬参考人 本日、御提案いただきまして、先ほども少し触れましたけれども、事前に該当者に周知するためにポスターなどもつくります。また、職員用、それから、献血者に対してのQ&Aを作成し、所内の手順なども定めたりしながら進めていきたいと思います。また、職員の教育訓練、それから、必要な資材の印刷等々を考えますと、同時に、今日は4週間ということで御提案いただきましたので、実際に4週間の滞在歴で区切った場合にどのくらいの方が対象になるかということも事前に調査も並行して進めたいと思っております。それで進めますと、10月をめどに実施に持っていければと考えております。
○吉澤委員長 では、そのようにお願いいたします。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題3、輸血医療の安全性確保のための総合対策の見直しについてですが、資料5につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○伯野血液対策課長補佐 資料5と併せて参考資料3でございますが、平成16年に輸血医療の安全性確保のための総合対策の報告書を厚生労働省から出させていただいております。これについては、既に現在行っているさまざまな取組みについて記載されているものでございますが、少し現状を踏まえてリバイスをしたり、加えたりということが必要なのではないかという御指摘をいただきました。あと、併せて、新たなリスクに対してどのように対応していくのかという危機管理的な考え方をそろそろビジョンとして示す時期に来ているのではないかという御指摘をいただきましたので、資料5に御提案させていただいておりますが、「将来を見据えた安全対策ビジョン(骨子案)」という形でお示しさせていただいております。
 簡単に説明させていただきますと、1としては、ビジョンの目的を示させていただいておりますが、基本的な考え方としては、危機管理という観点から事前対応型のリスク管理体制を構築して、迅速かつ適切な対応をとっていくと。併せて、関係者の果たすべき役割、役割分担をもう少し明確にしていきましょうということ。
 3に、平時の安全監視体制を充実させていくということで、まず、リスクを早期察知するための体制ということで、感染症定期報告がございますが、既存のサーベイランスも活用させていただいたり、新たなサーベイのようなものを行ったりということで、早期の察知の体制を構築すること。それを具体的に日本の血液製剤で考えた場合にリスクはどうなのかということで、リスク評価を行って、必要な安全対策、どういう安全対策が考えられるかということと併せて、それを導入した場合の効果予測も行った上で、4番目につながりますが、新たな安全対策が必要かどうかということを御審議いただく。これは当安全技術調査会で御審議いただくということでございます。
 5番目としましては、その安全対策を実施する際の基本的な考え方でございますが、例えば、疾病としての重篤性があるとか、感染経路としてブラッド・ボーン・インフェクションの疾患を中心とする等、どういった場合に新たなスクリーニング検査をやるとか、すべてを細かくは難しいでしょうが、基本的な考え方を示していくということでございます。
 6番目は、安全対策措置というのは危機管理の観点に立って、予防的な措置として実施しますので、その後効果があるのかどうかを検証して継続するかどうかを適宜判断していくというものでございます。
 7番目にございますとおり、既に現在想定し得る新たなリスクについては、マニュアル等を整備していくということでございます。
 8番目には、机上訓練と書きましたが、関係者が連携して常にスキルアップしていくような訓練のようなものも実施していってはどうかということで、骨子ということで御提案をさせていただいております。
 これは最終的には、参考資料3の総合対策の中にこの考え方を入れ込んでいこうと思っております。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、委員の方から御質問と御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大戸委員 輸血については、より制限を加える方向で、より安全になってきている。今、私が一番危惧するのは、平時でないときの危機管理です。今のままですと緊急事態でも輸血が非常に必要だという場合でも、NAT検査までやらないと供給できないわけです。非常事態では、失う命と安全のバランスがかなり、今考えている状況と違うと思います。関東大震災が近々起きるということですので、そのときにすべて東京に集中している状況では恐らく莫大な損失をこうむる。そのときのことまで想定しておかないといけないのだろう。その危機管理は安全性を高めるためと、もう一つは命を救うためと2つの軸での思考が必要ではないかと思います。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 日赤としては例えば、東日本大震災のときに、拠点拠点で連携をしながら血液の安定供給については実際上大きな問題なく運用できたと伺いましたが、日野参考人の方からお願いします。
○日野参考人 大戸先生おっしゃるように、日赤ではこの4月からグループ化し、広域化をしているところです。そういう意味では、過去よりも各血液センターが持っている血液の在庫は非常にいい状態で持っていると思います。
 ただ、今、大戸先生がおっしゃったのは、たしか9・11のときだったと思いますけれども、当時アメリカではすべての検査をそのときはやらなくてもいいとの対応がされました。たしか、梅毒の検査に関してはやらなくてもいいという許可が出たように記憶しています。多分そういうことをおっしゃっているのではないかと思いますが、大戸先生、違いますでしょうか。例えば、今回何かあったら、NATはもうやらなくてもいいというような。
○大戸委員 具体的にはそういう話になると思うのですけれども、もっと総合的に考えなければいけないと思います。首都機能が働かなくなったときに、例えば、責任者の権限でグレード1のときには、この検査とこの検査はやらなくていい、グレード2のときには、どこまで安全性を確保しなければいけない、グレード幾つのときにはと、一個一個の問題というよりも総合的に。重要機能は太平洋ベルト地帯に集中していますから、恐らく東海道線沿いがやられたときには、日本海側が危機管理上は重みが増す。そういうことまで含めた全体策ということになると思います。
○日野参考人 そういう意味では、今現在、東京で取り扱っている血液の量というのはかなり多くて10%を超えていますので、厳しいところがあると思います。そういう意味では、今後いろいろなところに大きな地震が起きると予告されていますので、本部としても考えていく必要があると思います。
 ただ、今現在、新しいブロックになりまして製造所も製造能力が大きくなっています。その大きさからいくと、大体、今通常製造されている処理能力の1.5倍はいつでも製造能力をパワーアップすることができます。そういう意味では、昨年までとは製造所のパワーが少し違うのかなと思います。
○吉澤委員長 もう一つ大戸先生の御提案は、緊急時における血液の供給を確保するために、災害等の危機的な状況が発生したときには検査のある部分をカットすることについては少し詰めておいた方がいいのではないかという御意見ですね。それは今後、検討していただいた方がいいと思います。
○日野参考人 検査をどうするかという問題は日赤だけの問題ではないので、原料基準の中にもそれぞれやらなければいけない検査の種類が決まっておりますので、その辺りは今後、国と一緒に考えていく必要があるのではないかと思います。
○吉澤委員長 それは確かに日赤だけでは難しいと思います。
 もう一つの問題は、例えば、新型インフルエンザとかウエストナイルとかデングとか今回話題になったシャーガスとか、まだ日本にはないけれどもこれから入ってくる可能性がある感染症について対処するためには、ある種の血清バンクのようなものをつくっておくことが必要なのではないかと思いますが、岡田先生、そのあたりのことについて御意見は何かありますか。
○岡田委員 昨年、XMRVが問題になったときに、結果的にはコンタミという結論になったのですけれども、やはり日本でどの程度感染者がいるかという情報を迅速に得られることが、すごく血液の安全性の確保には重要です。そう考えると、ある程度各世代の血清をどこかにストックしておいて、問題になったときに、どの程度潜在的に感染者がいたのかを評価できるような血清バンクみたいなものをつくっておくことが必要だと思います。
○吉澤委員長 山口先生どうぞ。
○山口(照)委員 もう一つ、個々のケースと想定されないようなケース、例えばCJDのときに、滞在歴が非常に短時間で感染した日本人が出たという話で、たしか緊急に運営委員会が開かれたと思いますが、そのニュースに対してどう対応するか。要するに、緊急時にどう対応するかということをあらかじめ決めておく必要があるのだろうと。
 1つは、運営委員会はそのためにつくられたと私は理解しているのですが、ただし、運営委員会にすべての専門家がいるわけではないと思いますので、必要に応じて安全技術調査会と合同でやるとか、全員とは言わなくても必要な先生方を招集できるような体制を考えておくことが必要なのかなと思います。
○吉澤委員長 それは事務局で考えておいていただけたらと思います。
 先ほどの岡田先生の話の続きをしますと、日赤での血清の保管検体の期限がそろそろ切れ始めていると思いますが、これを有効に使うというやり方で、出生年と採血年と男女、地域別の血清パネルを作り、エマージェンシーに対処できるような体制を考える時期に来ているのではないかと思います。確か保管検体の期限がそろそろ来ていますよね。
○日野参考人 既に96年のもので一部廃棄は始まっています。ただ、日赤としてもなるべく有効利用していければいいかなと思っていますが、もともとなぜああいった状況で保管し始めたかというのは、吉澤先生もよく御存知だと思いますけれども、輸血等の感染症があったときに因果関係をはっきりさせましょうということでできたわけです。そういう観点からすると、実は先生がおっしゃられた、今後、疫学調査をするときに最低限必要な、性別、年齢、どこで採取されたかということに関しての情報が直接検体にリンクしていません。もし、それを付加するとなると、日赤としてはかなり力仕事になるということもあるので、その辺りはまた厚生労働省ともいかに利用できるかを少し検討していければと思います。
○吉澤委員長 どのくらいの力仕事になるのか解析するための合理的な検体数等も考えた上で決める必要があると思います。もう一つは管理の問題ですが、やはりこれは国の仕事ですから、検体の置き場所、管理は国研が一番いいだろうと思います。それから、使い方については、しかるべきコミッティーを作って、公平に使える体制についても考えておくことが大事ではないかと思います。日赤の力仕事がまた増えますが、基本的にはこういう線で進めていただくということでよろしいでしょうか。
 それでは、次の議題4に入ります。NAT小委員会の報告につきまして、NAT小委員会座長の山口先生から、資料6に基づいて説明をお願いいたします。
○山口(照)委員 ありがとうございます。5月16日に、随分開かれなかったんですけれども、第1回のNAT小委員会を開催させていただきました。
 目的としましては、時代、科学技術の進歩とともにNATそのものを取り巻く環境、NATそのものの感度・精度等も変わってきておりますし、先ほどのシャーガスのときにも話題に出ましたけれども、標準品や参照パネル、その辺の整理も必要で、その辺の議論をスタートさせていただきました。
 上から順番に申し上げますと、既にNAT小委員会でHIV、HCV、HBVの国内標準品を作製させていただいているのですけれども、それに加えて、HEVの国内標準品が感染研の岡田先生の方でWHOの共同検定という形で、国内標準品の整備をしていただきまして、前回の安全技術調査会でもその方向で進めていただくということで、それについての技術的な議論をさせていただきました。今度、感染研でHEVの国内標準品を配付できるような体制にしていただくということで、それについて了承させていただきました。国内標準品にすると感染研に入るわけではないのですけれども、残念ながら2万円弱ぐらいの費用がかかりますが、これがHEVのNATに関する技術的な評価に使えるのではないかということでございます。
 もう一つが、パルボ国内標準品、これは国際標準品があるのですけれども、国内標準品が未整備であったということで、これについても現在、日赤と協力しながら岡田先生の方で進めていただく予定になっているので、これについて議論をさせていただきました。これについても安全対策の観点から、どのような標準品であったらいいのか、実際にどのように使うべきなのかという議論をさせていただきました。
 あとは、ジェノタイプパネルについては、既に吉澤先生の厚労科研費でHBV、HCV、HIVのパネルついて策定していただいております。これについては既に一部については、例えばコントロールサーベイで利用させていただいて、そういう意味では非常に有効に使われていると思うのですけれども、日赤あるいは血液製剤メーカーにとっては、またなかなか利用できていない現状ですので、どのようにしたらいいかを議論させていただきました。提案としては、それぞれのパネルの中でどれを選択するかということを今後決めて、積極的な利用ということで最終的には継続審議になっております。
 HEVパネルは、私がさせていただいている厚労科研費でHEVパネルを感染研あるいは日赤等の協力を得まして共同検定をしておりますので、これについては標準品とせずに、ただで配れるような形にしております。
 それから、パルボのパネルについては現在、研究班で検討させていただいております。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 大分整備が進んできているということですが、まだ足りないジェノタイプ、それから、特にパルボ、HEVにつきましては、今後も日赤の全面的な協力が必要になると思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかの先生から追加することはありますか。特にありませんか。WHOのパネルとのリンクも今後できるようですが。
○岡田委員 HEVのジェノタイプのパネルは作製の方向で準備はされています。具体的にいつ国際共同研究が行われるかは未定なのですけれども、整備する方向では進んでいます。
○吉澤委員長 B型、C型肝炎ウイルス、HIVについても国際共同研究を進めるという線で話は進めてあったのですが、引き続いて向こうの人たちと、これについても同じようにしていただけたら大変ありがたいと思います。
○岡田委員 一応WHOでは各パネルの整備は終わりました。ですから、入手はできます。
○吉澤委員長 では、この件につきましては、どういうふうにしたら入手できるか、その辺の整備も進めておいていただけますか。
○山口(照)委員 それについても、ちょっと議論させていただいて、最終的にはできるだけ利用しやすい形にさせていただければと思っております。
○吉澤委員長 よろしくお願いいたします。
 それでは、NAT小委員会に関しましては、これでよろしいでしょうか。
 では、残りの議題2のHIV−NAT検査に移りたいと思います。事務局からお願いいたします。
○伯野血液対策課長補佐 冒頭にも申し上げましたが、本議題は薬事分科会血液事業部会安全技術調査会規程の第8条に基づきまして非公開とさせていただいておりますので、傍聴人の方は申し訳ございませんが、御退席をお願いいたします。
 会場の準備等もございますので、5分間の休憩とさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。


(※議題2は非公開で開催された。)


○吉澤委員長 ほかに何かございますか。不手際で時間が大分超過してしまいましたが、今日の調査会はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

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