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2011年12月13日 平成23年度第3回血液事業部会運営委員会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年12月13日(火) 16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19階)
(住所:東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長、○委員長代理

○大平 勝美、岡田 義昭、花井 十伍、◎半田 誠、牧野 茂義、山口 照英

欠席委員:なし


参考人:

日本赤十字社

○議題

1. 議事要旨の確認
2. 感染症定期報告について
3. 血液製剤に関する報告事項について
4. 日本赤十字社からの報告事項について
5. その他

○議事

〇血液対策課課長補佐 それでは、定刻より若干早いですが、全員揃いましたので、ただいまから、平成23年度第3回血液事業部会運営委員会を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まずはじめに、本日の委員の出欠状況ですが、本日は、6名の委員全員に御出席いただいていることを御報告いたします。
 また、本日は採血事業者等、血液事業の担い手として、日本赤十字社血液事業本部より、田所憲治経営会議委員、日野学副本部長、血液事業本部臨床開発課五十嵐課長、石川隆英血漿分画事業総合推進室主幹、にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
 また、議事に入らせていただく前に、本日の運営委員会においては、血液事業の運営において、日本赤十字社が調達する技術の提供企業との利益相反を確認しておく観点から、「平成20年3月24日薬事・食品衛生審議会薬事分科会申し合わせ、審議参加に関する遵守事項」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、審議及び議決への参加については、退室委員及び議決に参加しない委員は、ともになしとなっております。
 それでは、以後の進行は半田委員長よりお願いいたします。
〇半田委員長 半田です。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは早速、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。
〇血液対策課課長補佐 資料を確認させていただきます。
 クリップ留めを外していただきまして、一番上は次第等、ホッチキス留めのものがございます。
 次が資料2でございまして、感染症定期報告に関する今後の対応について。さらに、資料3−1は「供血者からの遡及調査の進捗状況について」。次に資料3−2は、血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について。資料3−3は「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」。資料4は、XMRVに関する文献報告続報でございます。資料5は、日本赤十字社からの提出資料で、平成23年度感染性因子低減化(不活化)技術MIRASOL導入に係る検討事項でございます。資料6も、日本赤十字社からの提出資料で、日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社の血漿分画事業の統合時期の延期についてという資料でございます。資料7は、「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」というプレスリリース資料でございます。
 資料は以上でございますが、資料の不足等はございませんでしょうか。
 ありがとうございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、早速、議事に移りたいと思います。
 まず議題1です。「議事要旨の確認」ですが、資料1を見ていただきたいと思いますが、もし御意見等々があれば、事務局まで御連絡いただきたいと思います。
 それでは、次に議題2「感染症定期報告について」、事務局から御説明をお願いいたします。
〇血液対策課課長補佐 お手元の資料2「感染症定期報告について」御報告させていただきます。
 めくっていただきまして、5ページ以降が今年の7月1日〜9月30日までの文献でございますが、今回、9報ございます。順番に説明をさせていただきます。
 1つ目は、米国におけるブタインフルエンザウイルス(H3N2)のヒト−ヒト感染に関する報告でございます。
 2010〜2011年のシーズンに、ブタインフルエンザ(H3N2)の感染例が5例報告され、そのうち2例は成人、3例は小児です。2例は入院したものの5例全員が回復したという報告でございます。このうち2例は、父親と子どもの関係で、父親は発症前にブタとの接触歴がございましたが、子どもについてはブタとの接触歴はなく、父親との接触で、ヒト−ヒト感染したのではないかという報告でございます。
 次に2つ目です。米国におけるポワッサンウイルス脳炎の報告でございます。ミネソタ州北部の60代女性がポワッサンウイルス脳炎を発症し、今年の5月に死亡して、また、ミネソタ州の60代の別の男性が今年の5月に発症しており、2人とも屋外でダニにかまれていたという報告でございます。
 3つ目です。欧州におけるO104感染に関する報告です。欧州で腸管出血性大腸菌O104の感染拡大の事例です。この当時、死者が35人となっており、感染経路については、ドイツ当局がドイツ北部のニーダーザクセン州の農場で生産されたモヤシ等の発芽野菜から同じタイプの菌を検出したため、この発芽野菜を感染源と特定したという報告でございます。
 4つ目です。同じく欧州におけるO104感染に関する報告です。O104による感染が拡大している問題で、先ほどと重複している内容ですが、ドイツ当局が感染源をモヤシ等の発芽野菜から同じタイプの菌を検出したため、感染源である可能性が高いとして、回収を指示したという報告でございます。また、農場が汚染された経路ははっきりしてないことをこのときは報告されております。
 5つ目です。同じく欧州におけるO104に関する報告です。ドイツの発芽野菜にO104が混入した経路として、エジプトから輸入されたフェヌグリークという植物の種の可能性が高いと判断したという報告でございます。
 6点目です。こちらも同じく欧州におけるO104感染に関する報告です。時系列的には、これが一番始めの報告になります。WHOの報道官は、このO104が新種である可能性を示唆するコメントをしたという報告でございます。
 7つ目です。米国におけるバベシア症増加に関する報告です。バベシア症と診断されたハドソン渓谷の住人の数は、2001〜2008年の比較では、1年間に6例から111例と、約20倍に増加しており、ニューヨーク州のほかの地域が1.6倍の増加に対して、非常に増加率が高いという報告でございます。また、2002年から2009年の間に、バベシア症の合計19人の患者さんが3次医療センターへ22回入院して、合併症としては、悪性腫瘍、脾臓摘出手術、エイズが含まれているというものでございます。2名の患者さんは輸血で感染していたという報告でもあります。臨床医は、ダニにかまれた方、あるいは血液製剤を受けた方が、発熱と溶血性貧血を呈していた場合には、バベシア症を疑うべきであるという注意喚起も含めた報告でございます。
 次に8番目です。福岡県が実施しているサーベイランスにおいて、スクレイピーがヒツジ1匹に発症して、国際獣疫事務所に報告されたものです。平成23年3月30日にスクレイピーによりヒツジ1匹が死亡し、屍体はサンプリング後焼却されております。今回の事例は、古典的スクレイピーであったと考えられております。
 最後に9番目です。vCJD感染防止について、白血球除去が有効かどうかというレビューです。現在、輸血時のvCJD感染防止の観点から、欧州では、全製剤に対して白除処理が導入されておりますが、齧歯類のモデルからは残存血漿にも感染性があり、白血球除去処理により感染は完全には阻止できないことが示唆されております。一方で、ヒツジモデルでは、白血球除去処理後の輸血による感染は認められておらず、また、ヒトでも処理後の赤血球輸血による感染報告はないということでございますので、白血球除去の効果を否定するものではなく、白血球除去は引き続き継続すべきであるという報告でございます。
 以上でございますが、御審議のほどをよろしくお願いいたします。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、御意見あるいは御質問等々、委員の先生方いかがでしょうか。
 特にございませんか。
〇山口委員 9番目の報告ですが、白血球除去すると完全になくなるということを言ってきたわけではなく、ヨーロッパのガイドラインでも低減化できることを言ってことは間違いなく、事実、今のヒトでの臨床経験からそれは言えるし、マウスではなかなか完全ではない。そういう意味では今までの経験については否定するものではないので、そういう意味では白血球除去では一定の効果があると言えると思います。
〇半田委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇岡田委員 9番で、白血球除去は、実験方法によってはまた結果は違ってくるのですけれども、ヒツジが非常にいいモデルです。それを使って効果が完全ではないけれども、十分に発症を防ぐとレポートされていますので、完全ではないけれども、防ぐ効果はあるということで、継続するのは当然の結果かなと思います。
 7番目のバベシアは、ニューヨーク州というか米国においては、シカが増えている関係で、結構バベシアは増えています。注目を集めているので、より診断がされやすいというか、輸血をするドクターが注目をしているということで、その2つの原因によって増えているのかなと思います。我が国においても、バベシアは存在しますけれども、幸いに輸血を介した感染症としては上がってきていません。今、日本にもあるわけですので、どの程度日本においてリスクがあるのかを評価しなくてはいけないのですけれども、この評価法がなかなかなく、今は、診断薬は米国においてもないのです。そういうことで、まずは診断をどういうふうに確実にするか。もしくは抗体でスクリーニングする場合も、どの成分に対する抗原が一番有効かとか、そういう基礎的な検討を研究班としてはやっています。
 以上です。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 それ以外に何かございますか。
 よろしいですか。
 1つ、せっかくですから、異常プリオンのスクリーニング法はまだ開発途上だと思いますが、今はどの程度まで来ているか。血漿分画製剤の危険性は完全に否定されているのかどうか、その辺に関しては、何かアップデートなコメントがございますか。
〇岡田委員 発症している方の髄液からプリオンを増幅する方法を使って7〜8割ぐらいの方から陽性になるという報告があります。その発症した人です。ですので、まだまだ発症する前の方をスクリーニングするのはなかなか厳しいのではないかと思います。
 技術的には、異常プリオンを増幅するPMCA法が、以前は、ハムスターの特定のストレインにのみ増幅されなかったのですけれども、今はヒトのプリオンも増幅するような方法が開発されたという段階です。ですから、スクリーニングにはちょっと時間がかかるのかなと、そういう段階です。
〇日本赤十字社(日野) 日赤の日野です。
バベシアに関しては、実は、過去に日赤は1例だけ確認したものがございまして、99年に1例ございます。日本では全くないという話ではないのですけれども、先生がおっしゃられたように、検査法等も含めて、今後、検討をしていく必要があると思っています。
〇日本赤十字社(田所) 追加です。それは唯一の臨床例です。それ以外には報告はなく、輸血による報告例が、唯一の日本における臨床例です。ですから、そういう意味では、臨床的にまだそういう目で見られていないのかなというところはあるかと思います。
〇半田委員長 確認ですけれども、それは国内感染例ということで間違いないということですかね。
〇日本赤十字社(田所) その原因となった方は海外には出ていませんでしたので。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見をまた十分念頭に置かれまして、引き続き、症例の収集をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、ちょっと飛びまして、資料4「XMRVに関する文献報告」について、岡田先生から御説明をお願いしたいと思います。
〇岡田委員 XMRVに関する最近の文献を5つほど挙げました。
 1つはFDAのグループからの報告です。NIH Blood Bankから提供された71検体抹消単核球と110検体の血漿からPCRでXMRVの遺伝子の検出を行い、33検体については、レトロウイルスが感染するとGFPが発現して、その血漿中に感染性のレトロウイルスがいるかどうかがわかるインディケータの細胞を使って評価しました。評価した結果、1例もXMRVもしくはそれに類似した白血病ウイルスは検出されなかったという結果です。NIH Blood Bankは、過去に献血者の6.8%からマウス白血病ウイルスに関連したウイルスの遺伝子が検出されたというバンクなので、理論的には、3〜4検体ぐらいには陽性例が出てもいいかなという検体を使ってやったところ、1例もなかったという御報告です。
 2番目は、アメリカのレッドクロスが大規模に献血血液を使いましてやった研究の報告です。全米の6つの血液センターから13,399検体。これは各センターをほぼ同じぐらいの検体数に合わせてあります。その血液からp15Eとgp70は、XMRVのenvelopeに対する抗原を使って、XMRVのenvelopeに対する抗体と、逆に対する抗体の有無を検討しました。そうしますと、p15Eに対しては29検体、gp70に対しては93検体、p30に対しては2検体が陽性となりました。しかし、p15Eとgp70に対して両方の抗体が陽性となるような検体はありませんでした。これらのどちらか陽性となった検体をTMA法(PCRはDNAを増やしますが、TMA法はRNAを増やす増幅法です。)で検査したところ、すべて陰性でありました。米国の赤十字とエール大学で保管していた供血者と受血者の検体があります。その検体の解析は、供血者が3,741検体のp15Eとgp70を調べますと、p15Eに関しては5検体、gp70に関しては20検体が陽性となりましたけれども、ともに2つの抗原に陽性となったものはなかったということです。
それらの血液を輸血されたレシピエント側は、頻回に輸血された109人の患者さんの検体が830検体保管されています。その検体のp15Eに対する抗体が1例陽性、gp70に関しては20検体が陽性でしたけれども、2人の供血者が陽性です。要するに、陽性となった人は頻回に陽性になったということです。この人たちに輸血したドナーの抗体はどうなのかというと、3人の供血者に対しては、抗体陽性者はいなかったということで、供血者が抗体陽性で、受血者が抗体陽性となったと、そういう例はなかったということです。まとめますと、受血者と供血者17,249人の抗体を調べましたけれども、抗体の存在は確認できなかった。109人の受血者と供血者17,063検体のTMA法による核酸増幅検査でもXMRVに対する遺伝子は検出できなかったので、ドナーの集団の中にXMRVもしくは類似するウイルスの存在は非常に少なく、及び輸血による感染の証拠はなかったということです。
 3番目は血清学的検査です。100人の米国の供血者、100人のHIVに感染したカメルーン人、1988年に採血された486人のHTLV-1感染の日本人、及びコントロールとして156人のHTLV-1非感染の日本人、311人の性感染症の検査を受けた患者さんの血漿を用いて文献2と同じように、p15Eとgp70に対する抗体の有無を調べました。陽性の場合はウエスタンでさらに確認をしました。そうしますと、献血者3名と性感染症の検査を受けた2名がgp70だけに陽性であった。一方、HTLV-1感染者は、20名がp15Eに、4名がgp70に陽性となりました。これらの人たちはいずれもPCRでXMRVの遺伝子は検出されなかった。HTLV-1感染者がどうして陽性になったかということを検索して、XMRVのp15Eの部分とHTLV-1の縁部に、共通したアミノ酸の配列があり、それがクロスしたのではないかと思い、実際、類似した構造のペプチドを合成して抗体反応系に添加しますと、一部の症例では、反応が抑制されたということでinhibitionがかかったことを示しています。しかし、すべてではありません。ということで、抗体陽性者はなかったということです。
 今までの報告は、米国の報告でしたけれども、4番目では北ヨーロッパの前立腺がん患者におけるXMRVの感染を検出しました。前立腺がん患者92名とコントロール7名の末梢血を使いまして、これを活性化した後に、核酸を抽出して、PCR法でXMRVの遺伝子を検出し、そのうちの67名に関しては、前立腺のがん細胞由来のLNCapという細胞株と混合培養を8週間しまして、その後にPCRとウエスタンブロット法によってXMRVの感染の有無を検索しました。更に、8週間培養した上清中にレトロウイルスが存在していると、感染して蛍光を発するというインディケータ細胞を使って感染性ウイルスの有無を調べました。この3つの方法でやりましたけれども、いずれも感染は検出できなかった。また、前立腺肥大と前立腺がんとか、乳がん、結腸がんの組織を張りつけたアレイをやりまして、XMRVの抗原の有無を調べましたが、1例もXMRVのウイルス抗原はなかったということです。
 5番目が、以前に報告された1番のNIH Blood Bankのその後です。8例の患者さんは、初回のサンプリングから15年後にもう一度サンプリングされていまして。8例のうち7例からGag遺伝子が検出された。その7例のうち6例に関しては、データベースに登録されていましたので、この5番のオーサーたちは、そのシーケンスを使って、15年前のシーケンスとどのようにウイルスが分子進化したのかを解析したところ、全く分子進化では考えられないところに15年後の検体はあったということで、こういうことから、ヒトの体内で感染して15年たった検体とは考えづらいということで、ウイルスの進化というよりも検体のコンタミではないかということを示したという論文です。
 結論から言えば、血液を介してXMRVもしくは類似した白血病ウイルスがヒトに感染しているという証拠は得られていないというのが結論です。
 以上です。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 ただいまの資料4の御説明について、委員の方々、何か御意見、御質問はありますでしょうか。
〇山口委員 多分、これまで岡田先生にいろいろ御説明いただいている前からの報告でもあるように、コンタミの可能性が非常に高いと思うのですけれども、一番気になるのは、今までオーストラリアとカナダでしたか、要するに、献血制限をやっている国が、このような状況に応じてその方針を変えているかどうか、もし事務局でも御存じでしたら、教えてください。
〇血液対策課課長補佐 これは聞いた話だけですが、今のところ、方針は変えていないようです。
 あと1つ、NIHがスタディをやっているようですので、その報告を待って、また議論をするという話を伺っております。
〇半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 岡田先生、確認ですが、例えば資料2もそうですが、これは抗体の測定での結果ですけれども、さっき先生がおっしゃったように、このウイルスは血液を通しては感染しないと考えていいのですか。それとも、要するに、この受血者・献血者の間での関係では、そういう関係が証明できなかったけれども、こういうウイルス自体は血液を通して感染するかどうかというところはどうなのでしょうか。
〇岡田委員 まず、ドナーからは陽性例はなかったということで、ドナーの中に存在していても、非常に少ないだろうということですね。あとは、輸血を介して感染はないということです。要するに、感染したというエビデンスが得られなかったということです。
 ウイルス学的に、XMRVは2つのマウスの内因性のレトロウイルスが組み換えを起こして、それで感染性の完全なレトロウイルスになったという論文が「サイエンス」に発表されています。それが真実だとすれば、XMRVは偶然に前立腺がん細胞を継代していたマウスの中で偶然起こったウイルスなので、一般の社会からマウスに感染したのではないということです。
〇半田委員長 例えばヒトへの親和性はないということですか。
〇岡田委員 これはXMRVのXは、ジェノトロピックということです。ジェノトロピックというのは、種を越えて感染することができる。異種親和性ということなので、ヒトの細胞にとてもよく感染します。そういう面では私自身もこのウイルスを使って実験をやりましたけれども、本当にヒトのどんな細胞にも感染するので、勿論、末梢血にも感染しますので、そういう面では信じてしまうというか、まさか、これがアーティファクトの結果とはとても思えないようなものです。ですから、ヒトに対する感染性はあります。ただ、それが人間社会にあるかどうかというのは、今までの結果から言えば、非常にネガティブだろうということです。
〇山口委員 細胞学的には岡田先生がおっしゃったとおりで、ただ、昔、今の生物由来原料基準を制定するときの研究班をつくったときに、マウスのレトロウイルスはα(1,3)Galという異種抗原を産生しますので、血清があると、要するに、血液があるとヒトはα(1,3)Gal抗体を持っていますので、その場合には感染は成立しないと思います。岡田先生がおっしゃるように、インビトロのときには、非常に感染しますし、遺伝子治療でも使われているぐらいですので、ある特殊な状態、α(1,3)Galが出ないようにすれば、勿論、感染は成立しません。
〇日本赤十字社(田所) 日本の献血者についても、千名余調べておりますけれども、陽性者は出ておりません。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き、XMRVに関しましても、情報収集をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、議題3「血液製剤に関する報告事項について」で、遡及調査の進捗状況、副作用感染報告の状況等を御報告願いたいと思います。
〇血液対策課課長補佐 お手元の資料3−1をごらんいただければと思います。供血者(献血者)からの遡及調査の進捗状況でございます。
 4ページ目が最新の状況でございまして、この表の向かって右側が平成23年4月1日〜平成23年9月30日までの報告となっております。調査の対象とした献血件数が1,222件、製剤の本数は1,342本。それを遡及して個別NATを見てみますと、陽性となったのが53件でございます。すべてHBVであったという報告でございます。これらについて医療機関での使用状況、また、受血者への感染状況等を確認したところ、陽転事例が4件あったということでございます。
 続いて、資料3−2は、医療機関からの報告でございます。1枚めくっていただきまして、2ページ目に、輸血による細菌感染での疑いですが、死亡事例が1件、疑いとして出てきております。こちらは、「2 事例」を見ていただきまして、輸血用血液製剤で細菌感染が疑われた事例です。今年の9月3日、4日、5日に、それぞれ濃厚赤血球を2単位ずつ輸血されまして、その原因としては、原疾患は肛門出血で、肛門からなぜ出血しているかという原因については不明でございます。4日までは大丈夫だったのですが、5日の輸血後、1時間50分後に発熱が生じまして、輸血後10時間後には体温が41℃となっております。輸血2日後にDICの状態となり、9月8日に多臓器不全で亡くなられたという経緯でございます。また、患者さんの血液培養よりセラチアが検出されております。
 3の対応状況ですが、供血者は3人おりまして、片割れである同一供血者から製造された2本の原料血漿と1本のFFPについては確保済みでございます。(2)を見ていただいて、当該製剤のセグメントチューブを用いた細菌培養試験は陰性という結果でございました。
 次に3ページ目です。劇症死亡事例で、継続して調査している症例については、新たな報告はございませんでした。
 次に4ページをごらんください。こちらは全体をまとめた表ですが、平成23年9月1日〜10月31日までの感染症報告(疑い事例を含む)です。全体で14例ございまして、B型肝炎が8例、C型肝炎が2例、HIVが0、そのほかが4例というものでございます。
 B型肝炎は、8例中7例が陽転事例、内、個別NAT陽性が4例ございました。死亡事例は0でございます。
 C型肝炎は、陽転事例が2例中2例、個別NAT陽性は0でございます。
 HIVは、すべて0でございます。
 そのほかで、B型・C型肝炎以外の肝障害、その他感染での無菌試験陽性事例は0でございました。先ほどお示ししましたが、輸血後に死亡した事例(疑い)が1例ございました。
 次に、5ページ以降でございます。まず、5ページは、HBV感染に関する供血者の陽性事例は4件でございます。まず1番上は、FFP投与による感染事例です。保管検体の個別NAT陽性で、患者検体と献血者検体とで、患者検体の1か所で塩基の混在が認められましたが、そのほかはすべて一致しております。
この製剤の片割れであります赤血球製剤は5ページ目の一番下の事例でございまして、遡及調査によって判明した事例でございます。この事例は、輸血後の受血者の検査では、HBS抗原は陰性という結果でございましたが、HBVのDNA等は実施されておらず、遡及調査によってHBV-DNA陽性が判明して、受血者を調べたところ陽転していたと。更に、患者検体と献血者検体とで塩基配列はすべて一致しております。
真ん中の事例は、FFPにより受血者が陽転化した事例で、保管検体もNAT陽性、患者検体と供血者の検体とで、塩基配列はすべて一致しております。
6ページの一番上の事例も、受血者が陽転化して、供血者の保管検体の1つでNATが陽性となった事例ですが、現在、日赤の調査中の事例でございます。
7ページ目からがC型肝炎の事例です。供血者の陽性事例はございませんでしたが、受血者の陽転化事例は2件ございました。
8ページ目からが細菌感染事例でございますが、先ほどの死亡疑い事例も含まれております。
次に10ページでございますが、こちらが北海道管内で行われている試行的HEV20プールNATの実施状況でございます。今のところ、1/8,415程度の陽性があるというものでございます。
資料3−2については、以上でございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 3−1、3−2、遡及調査と医療機関からの報告事例に関して、委員の方々、御質問あるいは御意見等はおありでしょうか。
〇岡田委員 この死亡例ですけれども、セラチアの感染で死亡したことは間違いないですけれども、これが、因果関係はあるという担当医の見解ですけれども、これは正直言って、セラチアはどこにでもいる菌で、患者さんの体内にも保有している場合もありますので、どこから感染したのかは非常に難しい。しかも、低い温度でもセラチアはある程度は発育するというたちの悪い菌ですので、本当に血液から感染したのも完全に否定するのもなかなか難しいだろうし、逆に、肯定するのも難しいという症例だと思います。
 対応としては、過去にセラチアが混入したバッグが見つかったのが日本で確かあったと思います。そういう混入したものがあったときに、色調が変わっていたとかということで、それを調べたらセラチアだったという事例があったらしいのですけれども、医療機関に、色が変わったようなバッグは使用しないようにとかという、そういうのは日本赤十字社からは定期的に指導というか情報は流しているのでしょうか。
〇日本赤十字社(日野) 最近は、初流血除去もやっていることもあって、この菌は初流血で除去できるかはまた別ですけれども、そういった状況があるということがあります。そういうことがあって、細菌感染を日赤で確認した事例はなかなかない状況です。そういう意味では、定期的にこういったインフォメーションをしているかと言われますと、特に何かあったときにはしていますけれども、そういった状況です。
 ただ、今回の事例につきましては、セグメントで精査できたのですけれども、輸血された後のバッグが試験に耐え得るような状況ではなかったというのもあるので、清潔な状態で保管していただいてなかったというのがありますので、そういう観点からすると、そういったお願いといいますか、輸血後のバッグの清潔な状況での保管をお願いすることは、今までも日赤はやっておりますけれども、今後も継続的にやっていきたいと思っています。
〇半田委員長 ちょっと確認ですが、基本的には、血小板を介した細菌感染症は、その保存状況から言うと、やはり起こしやすいと。この事例に関しては、赤血球製剤ですので、4℃での冷蔵ですね。そういう意味では感染症はかなり種類が限られているという認識があると思うのです。昔は、エルシニア・エンテロコリティカが有名だったのですが、これはMAP血の問題等々があったと思うのですが、今回は、そういう意味では海外ではかなり保存期間が長いような4〜5例の事例が確か報告されていると思います。それから、日本でも1例、外観チェックで見つかったという事例はあると思いますが、この辺に関して、これは直接的な証拠は勿論ないのですが、今後起こる可能性もあるということで、この辺のコメントはいかがでしょうか。ですから、事例としては、赤血球製剤に非常に集中している菌種であることが今回あったと思います。
〇日本赤十字社(田所) 赤血球製剤は、先生御指摘のように、非常に低温で保存されますので、菌の増殖が遅い。低温で増殖するような菌だけがなる。しかも、それが長く保存されていたときになるということで、日本では、当初、42日で製造承認を取ったものを、21日に短縮して運用しています。そういう意味では安全対策はとっています。
 今まで、感染が赤血球で起きているのは、エルシニアとセラチア・マルセセンス、この菌ではなかったのですけれども、ちょっと違う菌で。この菌がもしそうだとすれば初めてです。ちなみに、この菌は保存6、7、8というようなものが疑われているわけで、赤血球で6、7、8というような保存期間で感染が起きたということは、今まで世界的にもないので、可能性としては低いのかなという具合には考えています。ただ、きちんとするには、医療機関において、次の朝までで結構ですから、使用後のバッグを保管しておいていただければ、確認ができると思います。輸血学会からはそのような勧告も。
〇半田委員長 そうですね。基本的には厚生労働省の遡及調査ガイドラインの中にも、バッグの保存ですね。それから、外観チェック等々は一つのチェック項目として入っているというところはあると思うのですね。ただ、これはなかなか実際には行われてないというのが現状ですが、そういうふうな一応手順はあるということですね。ですから、そういう意味では、今回のこういう事例から学ぶところは、もう一度注意を喚起する必要があるかどうかというところだと思うのです。ほかに何か、委員の先生方特に。
〇大平委員 今、田所先生からお話がありました保管の問題として、翌朝まで保存しておいていただければ、もしかして原因がきちんとはっきりしたというところですが、半田委員長の言われるように、それがきちんと遵守されているのかどうかとかそういうのは、遵守されてないケースの方がかなり多いのでしょうか。それとも、病院としての対応がなかなか難しいのが現状で、できていないというような現実なのかどうか。それを改めて喚起することも必要でしょうけれども、大切なところは、できれば、もう少しきちんと通達を出していただいて、遵守していただけるようにということを思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇半田委員長 ただいまの大平委員の御質問ですが、例えば、牧野委員に何かコメントはございますか。
〇牧野委員 施設によりましては、使用した血液製剤すべて輸血部に戻して、そこで例えば1日とか1週間とか可能な限りのスペースで保存して、輸血部で廃棄するというのを徹している施設もあるようですが、使用量が非常に多い施設においては、輸血部内での保管するところがスペースの問題が非常に大きくて、なかなか実行できないという面もあるようです。
 本症例のように、輸血が終わりまして1時間50分後に熱が出たということですので、当然、恐らく製剤そのものはもう廃棄している可能性があると思うのですね。そこから取ってきて、それを保管することになってしまうと思いますので、全症例で24時間、次の日まで保管していくのはなかなか難しいとは思うのですが、こういう症例もありますので、それから、指針とかにも書いてありますので、できるだけその方向にとは思いますけれども、施設によってその辺りは多分対応をしていると思います。
〇半田委員長 いずれにしろ、この事例は因果関係はないこともありますし、今、牧野委員がおっしゃったように、実際、医療機関でこれをある程度実行率を上げるのは非常に難しい状況があると。それから、これは多分ごくまれな事例だと思いますので、いずれにしろ、何かもし新しい事実、多分これは出ないとは思うのですが、今後もこういう症例を集めていただいて、また、検討をしていくことがいいのかなと思うのですが、ほかに何か御意見はおありでしょうか。
〇牧野委員 先ほど、色調変化というのがありまして。当然、輸血部から病棟に出すときも、色調変化を見て、異常なものはチェックする。それから、病棟でも、輸血前にチェックするということで、院内での講習会とかそういうものでスライドを使って変化が濃いような、例えば赤血球製剤であれば、非常に黒っぽくなってしまうとか、そういう色調が変化したものがあった場合には、輸血部に連絡してもらうようにというふうなことをメッセージとしては出しています。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 これは、日本輸血細胞治療学会でも、副作用に関する種々の注意喚起といいますか、周知に関するいろいろな試みもやっていますので、また、学会を通じても、今、牧野委員がおっしゃったような色調のチェック等々ですね。それから、こういう事例があった場合、保存検体とか、バッグの保存を周知していくようにやっていきたいと思いますので、今後も注意してちょっと見ていきたいと思います。
〇花井委員 ちょっと認識不足ですけれども、今、色調変化の話が出たのですけれども、実際に、血液が色調変化することがどのくらいの頻度であるのか。あと、そもそもそれは日赤に返っていくのですか。それとも、施設内での保管の問題で、そのまま廃棄処分扱いになるとか、そういう対応は統一されているのでしょうか。
〇牧野委員 今まで、具体的に、これはおかしいというものは余り経験はないのですけれども、病棟から「この色は大丈夫でしょうか」ということで輸血部に返していただいて、我々が今までの経験から、ある程度ばらつきはあるとは思いますけれども、その中の色調変化であることを確認すると。それを超えて異常なものは、これは日赤にちょっと相談するとか、それから、もう一つは、その培養を一部採って行うとか、何らかの確認作業はする必要があるかと思いますが、頻度的にはほとんどないに近いです。
〇花井委員 ということは、日赤の方で大体全国頻度を把握されているということですね。
〇日本赤十字社(日野) 私の知る限りでは、エルシニアは昔ありましたけれども、そういったもの以外はなかったと思います。ただ、先生がおっしゃられたように、色調異常のものに関しては、苦情という形で血液センターに入ってきますので、そういったシステムはございます。
〇花井委員 僕が聞いているのは、その苦情みたいなところが年間どのくらいあるのですか。
〇日本赤十字社(日野) 赤血球の色調異常ですね。
〇花井委員 その問題があるかということよりも、そういう医療機関に対応した事例が、今のお話だと、完全には把握できないと思いますが、日赤の方にそういう情報が年間どのくらい入ってくるかというのはないのですか。
〇日本赤十字社(日野) 今、手元に資料はないのですけれども、赤血球製剤が真っ黒になったものがあれば、私の記憶にはありますので、そういう感じで。すみません、手元にないのでわかりませんけれども、ないと思います。
 ただ、血小板に関しては、たまに、汚染ではないのですけれども、色が緑色になっているというようなこともあるのですけれども、そういったもので色調異常という形で、年に1例あるかないかで返ってくることはありますけれども、赤血球製剤がエルシニアの汚染のように真っ黒になって返ってくることは今までないと思います。
〇半田委員長 つけ加えますと、血小板に関しては、スワーリングというのがあります。それがなくなってくるとか、色調ではなく、いわゆる外観チェックですね。そういうものは結構習慣的に行われているのですね。その中で、血小板の異常に関しては、クレームがときどきおありになるのですけれども、赤血球はそういう意味では色調変化まで行くことはまれであるということもあるので、これはなかなか習慣化できないところがあるのではないかと思います。
 それでは、この議論はこの辺で終わりにいたしまして、次の資料3−3、よろしくお願いしたいと思います。
〇血液対策課課長補佐 それでは、資料3−3をごらんいただければと思います。平成23年の1月〜9月の献血者数におけるHIV陽性件数でございます。
 向かって一番右下の部分にございますとおり、70件となっております。内女性が6件、核酸増幅検査のみにおける陽性件数は2件でございます。前年同期の陽性件数は61件でございます。また、10万件当たりの陽性率は、1.778となっております。
 続いて、2ページ目は、陽性者数を年齢別に示したものでございます。この資料は、昭和61年からの累計値になっておりまして、20〜30歳代の日本人男性が全体の7割を占めております。今年の陽性者についても、1〜9月までの70件の報告のうち、54件が20〜30代の日本人男性となっております。
 3ページ目は、都道府県別の陽性者数でございます。1〜9月までに、24の自治体から陽性者の報告がございました。陽性者報告のあった自治体の数は、前年同期の22自治体からほぼ横ばいですが、若干増加しております。今期の7〜9月の報告分を都道府県別に見てみますと、東京が4件、前年同期が6件でございます。大阪が2件、前年同期が3件でございまして、どちらも対前年比で減少しております。
 次のページをごらんいただければと思います。陽性者数をブロック別に見たものでございます。10万件当たりの陽性者数は、四国、九州・沖縄ブロックを除きまして、前年と比べておおむね同程度となっております。四国、九州・沖縄ブロックは、前期に引き続きまして、前年と比べて増加しております。
 次のページが、平成19〜23年の1〜6月にかけての年齢別の陽性割合を示したものでございます。平成23年1〜6月については、16〜19歳が1件、20代が20件、30代が20件、40代が4件、50代以上が5件という構成となっております。合計50件のうち、20代と30代の合計が40件で、全体の8割を占めております。
 最後のページは、平成23年1〜6月の10万人当たりの男女別の陽性者数の年次推移でございます。今回、1四半期少ない6月までのデータでございますが、今回は、男性・女性ともに増加しております。
 資料3−3は以上でございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員から何か御意見・御質問等々はおありでしょうか。
 実際、最終的には、年間ではちょっと増加傾向にあると見ていいのですか。これは上半期のデータなので、まだわからないというところでしょうか。
〇血液対策課課長補佐 今年は、一番最初の第1四半期は非常に高かったのですが、それ以降は非常に少ない形で推移しています。今期だけをとらえると、10万人当たりが1.55幾つだったかと思いますので、比較的少ない推移になっているかと思います。前年とどうなるかは、今後見てみないとわからないところでございますが、すごく大幅に増えることはないだろうと思っております。
〇大平委員 相変わらず献血者の中のこういう抗体陽性率ですけれども、検査目的とか、そういうのも含めて、なぜ献血の中で減っていく傾向にならないのかどうかというところは、実際には、日赤でも何かアンケート調査みたいなのをしているということはあるのでしょうか。検査目的の人もおられるでしょうし、偶然見つかった方もおられるのでしょうけれども、なかなか減らない傾向に対して、これは国のやるべきことなのかもしれないですけれども、そういった傾向を調べるというか、そういうのはこれまで行われたことがありますでしょうか。
〇日本赤十字社(日野) 今、大平さんがおっしゃったようなアンケート調査ではないのですけれども、もともと問診票に「検査目的ですか」という項目があるのです。その項目についての調査はしております。ただ、それが、ちょっとお話ししたかもしれませんけれども、本人確認していた当時に関して言えば、少し減ったという事実はあるのですけれども、その後に関して言えば、増えているわけではないのですけれども、大平さんがおっしゃったように、ずっとそのまま大体一定した割合で、「検査目的ですか」と聞いた場合に「はい」と答えている人が一定数はいるということです。
〇大平委員 その割合とかは、実際に抗体陽性がわかって、「はい」と答えた方の割合はどういう割合かとか、そういうのはこれまでは公表されたことはないのでしょうか。
〇日本赤十字社(日野) この審議会の中では、公表したことはなかったかもしれません。ただ、厚生科学研究班では、クローズドですけれども、そういった報告はしておりますし、冊子として、研究班報告として、そういったデータをお示ししたことはあったかなと思います。
〇花井委員 検査目的との関係は非常に難しい問題で、大体10万人当たり1.6という数字は、エイズ動向委員会が大体1,500余りで、人口で見ると2,000ぐらいになるので、微妙に実際の感染率を反映していそうな数字だけれども、ちょっと低いかというところで、そこがこれである種の結果を導き出しにくいのです。
参考で、事務局で検討をいただきたいのですが、献血は数が多いので、大体なれて陽性率10万人当たりが出るのですけれども、検査になると、検査件数によって数が少な過ぎて、ある種実際の陽性率が反映しない部分も出てくると思うので、日本全体の検査件数がわかればいいのですが、せめて各都道府県の保健所の検査件数がどうかと。人口当たりの検査件数がどのくらいかと、あと、陽性が実際何例出ているかというデータがあると、この献血陽性率と今の全体の動向と、それによって検査目的がどの程度こちらに流れている可能性があるのかという推論するデータにはなろうかと思うので、それは多分データがあるので、一回調べてもらいたい。それから、全体の陽性者が、医療機関で報告されているのか、保健所から来ているのかというのはデータがあるので、それで、厳密ではないのですが、全体として、それで、ある程度様子というか、検査目的がどのくらい流れている可能性があるかという推論するデータにはなると思うので、ちょっと検討をしていただけたらと思います。
〇半田委員長 事務局は、よろしいでしょうか。
〇血液対策課課長補佐 はい。疾病対策課でデータを持っていると思いますので、そのデータをいただいて、次回の会議に出すようにしたいと思います。
〇花井委員 県別で、検査件数に相当ばらつきがあると思うのですね。そこを見るというのはいいかと思います。そうすると、人口当たりの検査件数が低いところは、検査の場がないからこっちに流れている可能性があると言えるかなと思います。
〇血液対策課課長補佐 わかりました。
〇半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、議題4「日本赤十字社からの報告事項について」で、資料5「血小板製剤に関する感染性因子低減化技術の導入準備の進捗状況について」で、日本赤十字社より御説明よろしくお願いします。
〇日本赤十字社(五十嵐) 血液事業本部臨床開発課の五十嵐と申します。
 資料5をごらんください。「平成23年度 感染性因子低減化技術MIRASOL導入に係る検討事項」で、血小板について、感染性因子低減化技術を検討しております。今年度以降は、今後予定される製造販売承認申請のための臨床試験に対応するために必要な資料収集及び検討のデータとして、以下の検討を実施しております。
 まず、「治験業務手順書」のマニュアル整備です。本年4月に「治験業務手順書」はGCPで規定されておりますけれども、これは制定をいたしまして、そのマニュアルを作成中でございます。これについては、CROにコンサルティングを受けながら進めておりまして、来年明けには完了する予定となっております。
 次に、CaridianBCT社がフランス審査当局に申請用に作成した資料を入手し、内容について確認を行うということで、CaridianBCT社がフランス審査当局(afssaps)の承認申請用に作成した資料を、秘密保持契約を締結した上で入手しております。
この資料については、臨床試験の申請をする際のデータとして転用を計画しているGLP試験のデータ等が含まれておりますので、現在、それについて内容の確認を開始したところでございます。
続きまして、評価試験については、評価試験に際し、実施医療機関に提出する治験薬概要書等に記載する必要があることから、日本における低減化処理血小板製剤の仕様(規格)について検討を行います。
日本において、適切な製品条件を決定するための試験製造及び血小板の品質試験等を現在実施している途中でございます。
これに並行してHIV・WNV・HEV等、これまでやっていなかったものについても、ウイルスを入手して、低減化能について検証を行うこととしております。
次ページには、今後の大まかなスケジュール等を記載させていただきました。平成23年度については、今説明させていただいたとおりですけれども、例えば、この品質試験、一番上にあります「品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項」に係るデータ等の採取、及びCaridianBCT社のデータの確認とマニュアルの整備を今年度行っており、並行して実験を行っているという状況です。
平成24年度中に、それらがすべて、例えば安全性試験に足りないものがないというような状況がございますれば、治験薬概要書の治験実施計画等の作成に来年度には入りたいと考えております。適宜、機構等に相談をしながら進めていきまして、早ければ平成25年に治験申請ができればと考えております。
以上でございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 工程表をきちんと示していただきました。委員の方々からの何か御質問あるいは御意見等々おありでしょうか。
〇花井委員 平成25年度以降に治験申請、治験実施と書いてあるのですけれども、「以降」と書いてあるのですけれども、25年度中には、これは治験に入れると、そういうふうに読んでよろしいですか。
〇日本赤十字社(五十嵐) 先ほど申しましたとおり、安全性試験のデータが、フランスに申請してからもう何年かたっておりますので、現在の日本の法律に照らして全部足りていればいいのですけれども、もし足りてないような状況がありますと、その試験を追加しなければいけないというようなこともございますので、平成25年にはっきり入れると断言するまでには、まだちょっと精査ができてない状況です。
〇花井委員 これは多分フランス語の文献なのですね。
〇日本赤十字社(五十嵐) はい。
〇花井委員 今、その翻訳は終わっていて。
〇日本赤十字社(五十嵐) いや、入手してまだそれほどたってないので、翻訳まではまだできてないです。
〇花井委員 このデータが日本のレギュレーションにクリアーしているようであれば、25年中には治験に入れると、そういうことですか。
〇日本赤十字社(五十嵐) そうですね。早ければ、そういう予定で示させていただきました。
〇花井委員 わかりました。
〇半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
〇山口委員 1点だけ確認させてください。
 評価試験の中では、並行してHIV・WNV・HEVという既存のヒトウイルスに関する試験をやるということでしょうか。
 要するに、考え方は二通りあって、1つは、既存のウイルスに対する対応と、それから、パンデミックに何らかのウイルスが、WNVが日本に入ってきたときとか、それ以外のウイルスの可能性もあるし、そういうのが入ってきたときの対応と考えると、かなり広いモデルウイルスでやった方がいいのかなとちょっと思ってはいたのです。
〇日本赤十字社(五十嵐) 今のところ、特に近々にやらなければいけないのはWNVかなと思ってはいたのですけれども、そのほかに何か。何があるかというのがわからないものですから、なかなか難しいところがあります。
〇山口委員 逆に言えば、何が入るかわからないから、割と広いモデルウイルスで試験をするという考え方もあるのかなと思ってはいたのですね。もともとのウイルスのクリアランスなどは広いモデルウイルスを使って試験をしますね。そういう意味でのどこまでの広いウイルスに対応できるかというのを確認しておくということです。
〇日本赤十字社(五十嵐) 今までにモデルウイルスについては何種類かやって、報告はもうさせていただいていると思います。分画のウイルスのバリエーションに挙げられたものがすべてやっていたかどうかはちょっと記憶にないのです。
〇山口委員 ですから、そこのところと対応関係がとれていれば、広いウイルスに対応できるというストーリーになろうかと思います。
〇半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
〇岡田委員 このシステムで、日本よりも先行している国なりバンクなりがあると思うのですけれども、そういうところの情報は得られるのでしょうか。
〇日本赤十字社(五十嵐) それについては、昨年の今ごろのこの本会議で報告させていただいたと思いますけれども、ポーランドはもう導入していますが、ドイツ、イタリア等の臨床試験の計画、状況等については報告をさせていただいていると思います。
〇岡田委員 その導入したところの実際の情報は、CaridianBCT社を通して、臨床症例の情報を得ることはできないのですか。
〇日本赤十字社(五十嵐) 学会発表とかはあるのですけれども、論文になっているものが少なくて、なかなか報告できないではいるのですけれども、臨床例としては、かなりの件数が得られているとは聞いております。
〇花井委員 論文というか、CaridianBCT社と共同開発するわけですね。今、岡田委員がおっしゃった件ですが、それはそういう問題ではなくて、その社が持っていれば、当然提供してもらえることにはなっていないのですか。
〇日本赤十字社(五十嵐) そこら辺が、秘密保持契約とちょっと関連してしまうところで。
〇花井委員 勿論、ここで出す必要はないのですけれども、日赤としては。
〇日本赤十字社(五十嵐) 要所、要所で何例ぐらいやっていますという話は聞いております。
〇半田委員長 花井委員、よろしいでしょうか。
〇花井委員 ちょっと具体的な話なので、余り細かいことをここでやるものではないと思うのですけれども、今、開発をやっているのだから、もうちょっと広く情報を提供するように求めていただいた方が。今のお話だと、ちょっと悠長な感じがするので、先方とのいろいろな関係があるとは思うのですけれども、もうちょっと多くの情報を出せるように言えるのであれば、出していただいた方がいいのではないかと思います。
〇半田委員長 そうですね。今回、この議題、私の方でちょっとお願いしたいのですが、これは日本国全体にかかわることだと思うのですね。いわゆる患者さんに血小板がかなり広く使われていますので、今、花井委員がおっしゃったように、情報をある程度何らかの形で公開していただいて、第三者的に途中経過等々わかるような、そういう情報提供は是非お願いしたい。特に、企業との関係がありますので、そういう意味では非常に難しいところがあるとは思いますが、その辺は、是非これからもよろしくお願いしたいと思います。今、委員の先生方からの御意見等々を参考にしていただいて、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
〇日本赤十字社(五十嵐) はい、わかりました。
〇半田委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、次は「その他」の議題であります。資料6です。
 「日本赤十字社と田辺三菱製薬の血漿分画製剤の統合に向けた進捗状況について」で、これも日本赤十字社からよろしくお願いします。
〇日本赤十字社(石川) 日本赤十字社の石川でございます。私から、資料6に基づいて、「日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社の血漿分画事業の統合時期の延期について」御報告申し上げます。
 この両社の統合については、来年4月1日を目途として、本年6月17日にプレスリリースを行い、6月27日のこの運営委員会において御報告を申し上げたところでございます。
 その後、両社間において、統合推進委員会を設置し、今日まで協議を進めてまいりましたけれども、両社の最終合意である確定契約を締結するためには、更に協議する時間が必要でありますので、統合時期を当初の予定から6か月間延期し、来年10月1日とすることとして、11月18日にプレスリリースをいたしました。それが資料6でございます。
 この理由としては、時間的な要素が非常に大きいのですけれども、3月11日に起きました東日本大震災の影響により、両社での検討の開始が3か月間と大幅に遅延をいたしました。検討時間が短縮いたしましたので、これを挽回すべく両社で鋭意努力をしてきたところですけれども、結果として、十分な協議時間が確保できないことに大きくよります。
 また、今回の統合は、一般的に行われている株式会社同士の合併のように、両社どちらかが存続母体となり、事業を行うのではなく、全く新たな法人を設立して、そこに両社の血漿分画事業を移管して、事業展開をしていくという形になりますので、新規立ち上げの様々な準備等に更に時間を要していることも重なっております。それらの結果、事業の開始時期を6か月間延期することとなったものでございます。
 なお、両社のそれぞれの血漿分画事業を統合する方針については、何ら変更はございません。国内における血漿分画事業の継続と効率化、及び、安全な血漿分画製剤を安定的に供給するという国民の付託にお応えするために、今後とも両社を始め関係者の皆様の御支援・御指導をいただきながら、より一層尽力してまいりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 私からの報告は、以上でございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 これに関しては、一応御報告いただきましたけれども、ここに書いてありますように、一層尽力して、なるべく早く統合を終了していただければと思います。
 それでは、次に、資料7を見ていただきたいと思います。これはフィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について、事務局から説明をお願いします。
〇血液対策課課長補佐 資料7をごらんいただければと思います。「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」というプレスリリースの資料でございます。
 こちらは、フィブリノゲン製剤納入先医療機関を対象として、投与事実が確認できた方が何人いらっしゃるか、あるいは、その方々へのお知らせ状況について調査を行ったものでございますが、平成19年11月7日付で実施しておりますが、その後、新たに投与の確認ができたとか、そういった情報を順次上げていただいております。今回、幾つかの医療機関から、新たな追加情報が上がってきましたので、12月13日付でプレスリリースをさせていただいております。
 具体的には、次のページ、2ページ目をごらんいただきまして、「主な調査結果」です。「(1)投与の年月について回答があった医療機関数と元患者数」は、医療機関数は、ここで941となっておりますが、これまで932でございましたので、9施設増えているという状況でございます。元患者数は、この報告の前は14,219人だったのが、今回14,366人となっております。
(2)は、逆に、「過去に投与の事実をお知らせしたという記録が残されているが、現在では投与の年月は特定できないとする回答があった医療機関数と元患者数」です。医療機関数が1つ増えて、102から103、元患者数は349から327となっております。合計は、医療機関数は1,021施設、元患者数は14,693人。これまでの調査結果ですと、施設は1,011、元患者数は14,568人でございますので、約130人弱の患者さんが増えております。
 お知らせ状況ですが、「お知らせした」という患者さんが8,665から8,733に増加しております。合計については、14,568人から14,693人に増えております。
 以上でございます。
〇半田委員長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、何か御意見・御質問はおありでしょうか。いかがでしょうか。
 ないようですので、議題は以上ですが、これ以外に何か、委員の方々おありでしょうか。せっかくですから、何でもよろしいのですが、いかがでしょうか。
 特にございませんでしょうか。
 それでは、本日の委員会はこれで終了させていただきます。
 次回の日程に関しては、また、後で、事務局から連絡が来るということで、本日は、御多忙のところ、どうもありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

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