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2011年9月28日 平成23年度第2回血液事業部会運営委員会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年9月28日(水) 15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)
(住所:東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長、○委員長代理

○大平 勝美、岡田 義昭、花井 十伍、◎半田 誠、牧野 茂義、山口 照英

欠席委員:なし


参考人:

日本赤十字社、バクスター株式会社

○議題

1. 議事要旨の確認
2. 感染症定期報告について
3. 血液製剤に関する報告事項について
4. 日本赤十字社からの報告事項について
5. その他

○議事

○血液対策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成23年度第2回「血液事業部会運営委員会」を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに委員の出欠状況でございますが、大平委員は少し遅れておりますが、そのほか5名の委員の方々には御出席いただいていることを御報告させていただきます。
 また、本日は採血事業者と血液事業の担い手としまして、日本赤十字社血液事業本部より田所経営会議委員、俵総括副本部長、日野副本部長、菅原献血推進課長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、事務局の異動がございましたので御報告をさせていただきます。平成23年8月25日付で安田尚之血液対策企画官の後任といたしまして、丈達泰史が着任いたしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
 それでは、以後の進行は半田委員長よりお願いいたします。
○半田委員長 それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 最初に事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。
○血液対策課課長補佐 それでは、資料でございますが、クリップ留めを外していただきまして、一番上でございますが、議事次第がございます。
 資料1は前回の議事要旨。
 資料2「感染症定期報告に関する今後の対応について」。
 その下にホチキス留めで引き続き資料2がございます。
 資料3−1「供血者からの遡及調査の進捗状況について」。
 資料3−2「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」。
 資料3−3「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」。
 資料4「HBV感染既往の血液に対する更なる安全対策について」。
 資料5「血液事業本部のこの一年(平成22年度)の取組みについて」。
 資料6「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」。
 本日その他としまして、追加資料1というものがございます。こちらはXMRVに関する文献報告(続報)でございます。
 そして席上配付をさせていただいているバクスター社からの報告でございまして「人血清アルブミン製剤『ブミネート5%』の供給に関するご報告」という資料でございます。こちらは委員限りで席上配付とさせていただいております。
 資料は以上でございますが、資料の不足等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
○半田委員長 それでは、早速議事に移りたいと思います。
最初に前回の議事要旨の確認ということで資料1でございますが、特に何か御意見があれば事務局の方まで御連絡いただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 続きまして議題2、感染症定期報告についてということで資料の説明をよろしくお願いします。
○血液対策課課長補佐 それでは、お手元の資料2をごらんいただければと思います。クリップ留めのものでございます。
 5ページが今年3月1日から6月30日までの文献でございますが、今回30報ございました。順番に説明をさせていただきます。
 1つ目でございますが、オランダにおける予防接種プログラムの評価における報告でございますけれども、現在オランダではB型肝炎ウイルス感染防護のために、母子感染予防あるいはHBV感染リスク行動があるハイリスク群を対象に予防接種をする方針でございますが、ハイリスク群についてはどうしても接種から漏れる方が出てしまうことがわかりまして、今後は小児に対するユニバーサルワクチネーションを行って、かつ、ハイリスク群に対する予防接種プログラムを行うということで、全人口を保護することができると言っている論文でございます。
 2点目でございますが、オカルトB型肝炎におけるウイルス伝播に関する研究でございます。HBs抗原陰性でHBV-DNA陽性の供血者の血液を用いまして、ヒトキメラマウス4匹に投与したところ、1匹に接種から5週間後及び7週間後にHBVのDNAが検出されたということが1点でございます。もう一つが、オカルトB型肝炎供血者10名をさかのぼって特定した受血者49名のうち、1名が輸血で感染を起こしたと判明したものでございます。
 3つ目は中国におけるB型肝炎の母子感染予防に関する研究でございますが、中国ではB型肝炎の母子感染予防としまして、B型肝炎ワクチンにHBIGを併用しておりますが、新生児のHBs抗原の値によって子宮内感染と出生時感染に分けて、母子感染予防の効果について検証したものでございます。その結果、出生時感染については予防効果があったが、子宮内感染については全例キャリア化したというものでございます。
 4つ目はC型肝炎のジェノタイプ4に関する研究でございます。C型肝炎のジェノタイプ4の分布というのは、これまでエジプトとアフリカの一部に限られておりましたが、現在はヨーロッパにも広がっておりまして、エジプトでの流行は住血吸虫拡大防止運動での注射器の使用が原因で広まって、その後、性行為や医療行為によって中東、アフリカに蔓延して、更に感染者の移住や静脈注射、薬物の使用などによって世界中に広まった可能性があって、現在、慢性C型肝炎の20%がジェノタイプ4によるものであるという報告でございます。
 5つ目でございますが、EUと欧州経済領域の28か国から、2009年に新たにHIV感染と診断された方について、新規感染者の割合はエストニア、ラトビア、イギリス、ベルギーの順に高く、主な感染経路としては男性間の性的接触が35%で、異性間の性的接触が24%であったというもので、診断時にCD4の値が350未満の方の割合が高く、このため早期発見、早期治療の機会を逸していることを示唆している論文でございます。
 6つ目もHIV関連でございますが、HIV non-Bタイプ及び抗レトロウイルス薬剤耐性に関する米国の供血者における評価でございますけれども、1999年から2007年のHIV感染供血者の91%に抗レトロウイルス薬剤耐性HIVが存在して、また、米国の供血者においてHIV non-BタイプのHIV感染症の方が3%を占めたという報告でございます。
 7番目は中国の家畜におけるE型肝炎ウイルスの感染率について、豚1,967匹、ヤギ700匹、牛912匹の抗体及び抗原検査を行ったところ、豚については82.2%、ヤギについては28.2%、牛については10.4%でHEV抗体が陽性で、抗原については豚が1.9%、ヤギが1.6%、牛については0.8%で陽性であった。更にHEV RNAについては豚のみが陽性で、15検体で陽性だったというものでございます。
 8番目は日本の献血者におけるHEV IgGの陽性率に関する調査でございますが、3.4%が陽性で、西日本より東日本で陽性率は高かったというものでございます。
 9番目はPARV4という既知のヒトパルボウイルスではないものでございますが、現在まではPARV4とヒトの疾病との関連性だとか、ヒトでの保有率については明確にされておりませんでしたけれども、この研究ではヒトの心臓と肝臓で約40%、肺と肝臓でそれぞれ23.5%、18%で検出されて、何らかの疾病との関連性の可能性について示唆されたという報告でございます。
 10番目は2006年から2007年に豚の呼吸器感染等を起こす黄熱病というのが中国で流行しまして、その豚から新しいパルボウイルスが検出され、このウイルスをパルボウイルスの亜系としてCuvirusと提案されたというものでございます。
 11番目は日本におけるパルボウイルスB19感染の報告でございますが、1999年から2008年までの期間で、成分輸血に起因するパルボウイルスB19による感染患者が8人同定されて、そのうち4人が持続性の貧血と赤芽球癆を発症して、1名が汎血球減少症を発症した。今、申し上げた5人の基礎疾患としては血液疾患に罹患していた。また、それ以外の血液疾患に罹患していない外科的治療を受けた患者さんが2名いらっしゃいましたが、その方々は軽症であったという報告でございます。製剤中のウイルス量を調べてみたところ、103〜108の範囲であり、それほど高いものではなかったということから、輸血により重篤なB19感染を発症するかどうかはウイルス量という因子以外にも、患者の基礎疾患に依存することが推定されたという報告でございます。
 12番目は13種類の血漿由来と遺伝子組換え型の凝固因子製剤についてパルボウイルスB19、ヒトボカウイルス、ヒトパルボウイルス4、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスの存在について調査したものでありますが、遺伝子組換え製剤では陽性反応を示しませんでしたが、5つの血漿由来の製品についてはパルボウイルスB19を検出したという報告でございます。
 ここまでで御審議いただければと思います。
○半田委員長 ありがとうございます。
 それでは、何か委員の方から御意見あるいは追加のコメント等おありでしょうか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 9の論文に出ている新型パルボと今まで知られているパルボウイルスとは、製剤の安全性という視点から言ったら同じような。難しいと思うんですが、B19のこの程度はまだ完全に除去できないということは、9番に出ている新しいウイルスも同じような形で、もしウイルス血症が仮にあった場合には、そういう考え方でいいんでしょうか。
○半田委員長 今のご発言に対して何かコメントありますか。
○岡田委員 もともとHIV感染が疑われていた人から遺伝子がとられたものが、このPARV4と言われているウイルスで、疾患があって、その原因ウイルスとして見つかったわけではないので、まだウイルス学的にこれが人に病気を起こすかどうかというのはわかっていません。また、非常に頻度も稀です。今回こういう形でヒトのいろんな組織からPARV4とパルボ両方を検出したんです。心筋、肝臓、滑膜で検出されたということで、従来のB19も実はそういうところからも検出されます。そういう意味では検出される率は多少違いますけれども、分布は従来のB19とかなり近いかなと思います。
 分画製剤の製造工程で除去できるかどうかというのは、大きさが同じかどうか残念ながらわかりません。もしかしたらわかっているのかもしれませんけれども、同じ大きさであれば今のシステムだとパルボB19が除去できるのであれば、大体こちらも除去できるかなという気がしますが、大きさがわかりませんのでその辺は明確には言えません。ヒトのB19は動物のパルボと違って熱にとても弱いということが分かりましたが、PARV4に関しては培養系もまだないというか、陽性の血液もなかなか手に入らないので評価が難しい状態です。中途半端で申し訳ありませんが、そういう状態です。日本に存在するかどうかもわかりません。
○山口委員 追加で、岡田委員がおっしゃったとおりだと思うんですけれども、もう一つ要するに病気を起こすかどうかという観点から考えたときに、例えばG型肝炎ウイルスというものがございますが、これは本当に病気を起こすかどうかというのはクエスチョンなところがあって、そういうふうにもし病因になっていないウイルスであれば、勿論検査がされていない可能性があるわけです。そういう意味でかなり人間というのは病気とは関係のないウイルスを持っている可能性が高いだろうと思います。これについてはまだそこまではわかっていないという現状ではないかと思います。
 あと、13番の血漿分画製剤の中に、凝固因子製剤の中でパルボが残存してくる、DNAが残存してくるという報告がありましたが、結局この論文に記されているのは、パルボというのは結構viremiaの濃度が高いというのが1つの原因ではないかと書かれております。要するに普通、例えばE型肝炎ですと、日赤の方に聞いた方がいいのかもしれません。例えば106とか107ぐらいがviremiaの濃度ではないかと思いますが、パルボの場合は1012とか、かなり濃いviremiaになるので、そういう意味では残存しやすいということがこの結果に反映されているのではないかという気がいたしました。
 もう一つ気になったのは4番の論文のタイプ4のC型肝炎ですが、国内で日赤でもし検出された経験があれば後で教えてほしいのですが。多分輸入製剤、輸入感染症になると思います。血清学的にはC型肝炎として検出できると思いますが、NATの検出感度がどのくらいあるのかというのは気になりました。
 1番の論文ですけれども、これは血液製剤の範囲を超えてはいると思いますが、ヨーロッパはかなりこういうワクチネーションによるB型肝炎の防止に力を入れているように思います。前にやはり感染症定期報告で保育園児の中にアトピーの子どもがいて、そのアトピーの子どもを介してB型肝炎が感染したという事例もございます。これは非常に微妙な問題も含んでいるんですけれども、ある意味集団活動をするような子どもに関して、そういうふうな対応というのは必要になってくるのではないかという気がしました。多分アメリカではそういうことをやっている部分もあるのではないかと思います。
 以上です。
○半田委員長 岡田委員、よろしいですか。
○岡田委員 4番のHCVのジェノタイプ4ですけれども、世界中で今、人の移動が激しく起こっていますので、従来なかったジェノタイプのものが入ってきたりというのが、日本に入ってきたりとか拡大したりというのがありますので、このHCVのジェノタイプ4が今後日本に入ってくることは十分に考えられると思います。
 WHOはそういういろんなジェノタイプに対するNATの感度を評価するために、パネルをつくって配付しています。ですから、もしくはジェノタイプ1〜6までのパネルがNIBSCというところにありますので、有料ですけれども、そこから購入することができます。それを使えば、本数が1本ぐらいずつしかないので十分とは言えませんが、評価ができると思います。それで1〜6までのものを今、実施されているNATでやったときに、極端にあるジェノタイプだけが感度が低いということで、ある程度の評価はできると思います。
 4番の関連なんですけれども、結局血液のスクリーニングをやっていると、こういう世界的にいろんな人の移動があるということになると、いろんなジェノタイプが日本に入ってくる可能性があるので、陽性の結果が出た検体というのをすべて解析する必要はないと思うんですが、年に何検体か決めてジェノタイプ等をチェックして、従来との違いなんかの解析をやるというのが、スクリーニング法として精度を維持するために必要かなと考えます。
それは6番のHIVの方でも同じことが言えますが、幸いにサブタイプB以外のものは増えていないですが、耐性のものが増えているという報告がここにあるんですけれども、それも陽性となったものを調べているのでこういうことがわかったということで、検出できたからいいのではないかというのではなくて、毎年でも2年ごとでもいいですけれども、陽性となったものの内容の違いをフォローする必要があると思います。
 11番のパルボに関して今、ウイルス量の高いものは日本赤十字社のスクリーニングで排除できていると思いますが、ウイルス量の低いもの等は通ってしまうような検体があります。11番で造血が活発な患者さんが感染した場合にどうしても症状としては強く出るということで、溶血性貧血の方とか免疫抑制の方については、どうしてもここに書いてあるとおり重篤になるということで、今後そういうリスクが高い人には何らかの対策をとらなければいけないのかなと思います。ただ、非常に人数が少ないんですけれども、そういうことが必要かなと思っております。
 以上です。
○大平委員 私も4のC型肝炎のHCV-4の感染拡大のスピードがどのくらい早く広まっているのかというのが、かなり気になりまして、ヨーロッパでも拡大しているということと、それが慢性肝炎、肝がん、肝移植の主な原因となっていると書かれてありますので、これが日本で十分それに対応できるような検査についても、ほかの先生から指摘がありましたが、その対策というのが拡大のスピードと比例した形かもしれませんけれども、早めにとっていただきたいなと、ちょっと気になった報告でした。
 5番でHIVの感染後期初診患者が多いということが書かれておりまして、日本でも昨日、HIVの動向委員会でも指摘がありましたが、感染者は少なく増加がそれほどではないんですが、エイズ患者の増加が増えているということで、特に最近、感染から発症が早いということが言われているので、検査目的で来られた方に対しての対応というのが、どういうふうに今後しなければいけないのかということをもう一度見直していただいて、適切な治療に結び付くような体制を早めにとらないといけないのではないかと感じました。
○半田委員長 いろいろ有用な御意見があったと思いますが、引き続き御報告をお願いしたいと思いますけれども、何か日本赤十字社の方で今のことについてコメントがあれば。
○日本赤十字社(田所) HIV、HBV、HCVの最近感染したもの、つまりNATが陽性になったようなものについては、引き続きジェノタイプが何なのかというのは検討しています。前にHBVについてはジェノタイプAが増えていますよということは報告させていただいていますが、C型についても行っております。ただ、私が今、記憶する限り、ジェノタイプ4というのは問題になっていなかったと思います。
 パルボについては最近更に感度がよくなって106までは検出できてきて、最終的に分画製剤が104以下になっています。検査した限りではすべて4乗以下になっているという現状です。ただ、輸血による感染というのはないわけではなくて、これはここに報告したとおりですが、実はほかに報告があるかというと、さほどありません。アメリカから1つ2つぐらいあるだけで、意外と少ないというのが現状です。恐らく赤芽球癆とか移植などで骨髄の再生が盛んなときにだけ問題になるということで、なかなか見いだせないというのもあるし、多少再生が延びるだけで大きな問題になっていないということはあるかもしれない。
 では、パルボのない血清があるのかということについては、いろいろ検討はしておりますけれども、ウイルス血症が結構長く続くというようなことがあって、どのような血液をウイルスフリーとするかというのは結構難しいところがございます。それでもDNAが出ない。抗体もないしDNAもないものを選べば選べないことはないかもしれません。そういう検討は行っておりますが、事業として用意しているというわけではありません。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き資料の説明をよろしくお願いします。
○血液対策課課長補佐 それでは、続きまして13番目からでございますが、13〜18についてはXMRVに関する報告でございますけれども、18番目以外は既に報告済みの内容でございますので省略をさせていただきたいと思います。
 18番目は中国の論文ですが、慢性疲労症候群の方、健常な供血者の方それぞれの末梢血単核細胞と血漿についてmultiplex real-time PCRまたはRT-PCRを実施しまして、それぞれ65人ずつの検査でいずれも陰性であったという論文でございます。XMRVについては先ほど資料の確認のときにもお話させていただきましたが、席上に配付させていただきましたScienceの新しい論文がございますので、こちらについては岡田委員から御説明をお願いしたいと思います。
○岡田委員 1週間ぐらい前にScienceの電子版に報告された論文2つです。文献番号1は今まで陽性と判断された15検体と、陰性コントロール15検体を9つの研究施設に送って、同じ検体を9つの施設で測って結果を出すということで、検体はすべてブラインド化されています。検査の内容はNATでXMRVの遺伝子を検出するのと、ウイルス分離を試みるということと、抗体の有無を見るという3つの方法で検討しました。
 そうしますと、詳しくは論文の最後から2番目のTable 1を見れば分かりますが、1つの施設以外はすべてNAT陰性でした。その1つの施設はWPIという研究所から提出され、陽性と判断した検体10検体のうち1つが陽性と判断されていますけれども、同じ検出した施設は陰性コントロールも15検体のうち2つ陽性となっておりますので、そういう面では施設の方に問題があるかなと思いますが、それ以外の施設はすべて陰性と判断されたもの及び過去に陽性と判断されたものは、すべて陰性だという結果になりました。
 2つの施設がカルチャーをやりまして、FDAは陰性、陽性のものも含めてすべて陰性となりました。再現性はなかったということです。ところが、NCIの施設においては陰性コントロールが15検体中6つ、過去に陽性と判断された10の検体のうち3つが陽性となりましたけれども、実はこれはシークエンス等を調べますとスパイクしたコントロールのウイルスと一致しましたので、どうも培養中に混入したのではないかということがペーパーに書いてありました。
 問題がセロロジカルのものがAbbottとCDCはいずれも陰性。つまり抗体が検出されなかった。陰性コントロール、あとは過去に陽性と判断された検体15件です。一方、NCIとWPIは陰性、陽性を含めて抗体陽性となっているような検体があるということですけれども、実は測定法が違って、AbbottとCDCは組換えタンパクもしくは精製したウイルスタンパクを使って抗体を見ています。そのために陰性となっています。
一方、陽性が出ている2つの施設は感染細胞に抗体がバインディングして、蛍光強度が変化するということを調べて抗体の有無を見ているということで試験法が違います。そのために陽性、陰性ともに差がない、両方が陽性と判断されていますけれども、有意な差はなかった。つまり陰性なものと陽性なものとで陽性となった検体に差がなかったということです。
 以上から、この論文では現在の試験法においては血液からの検出ということは再現できなかったということです。それと血液のスクリーニングを実施する正当な理由はないということを示しているということが結論になっています。
 2番目が、先ほど1つ目の論文で陰性コントロールが陽性になったというWPIという研究施設が、実は2009年にScienceに慢性疲労性症候群から高率にXMRVの遺伝子が検出されたということを最初に報告したグループなんですけれども、ほかの施設との不一致があるということで再検査をしました。
末梢単核球のDNAからXMRV由来のエンベロープの遺伝子と、その実験室で使われていたプラスミドにあるネオマイシン耐性の遺伝子及びプラスミドに入っているプロモータ付近のシークエンスということで、3つの部分にそれぞれプライマーをつくってPCRをやりました。そうしますと15検体の慢性疲労性症候群の患者の末梢血由来のDNAのうち、6検体が陽性とエンベロープが検出されました。しかし、プラスミド由来の2つの遺伝子もすべて陽性なものは陽性になったということです。陰性のものからはプラスミド由来のものは検出されなかったということで、どうも慢性疲労性症候群の末梢血のDNAからXMRVの遺伝子が検出されたというのは、実は混入していたプラスミド由来のものと考えられたということです。
 以上から、DNAを用いた図表の部分は撤回するということです。ほかにデータが幾つもあるんですけれども、それは撤回はしないです。コンタミが確認されたものだけは撤回するという内容の論文です。
 以上です。
○半田委員長 ありがとうございます。
 それでは、XMRVに関しましては何か特にほかに御意見ございますか。
○花井委員 ということは、一応こことしてはXMRVにかけられたCFSの疑惑というのは、今のところはそれを示すものはないとここで認識したという理解でよろしいですか。もともとプラスミド由来だということは撤回されない部分に関しても、それによってCFSとXMRVとの因果関係を示すことにはならなかったとすれば、そういったものを示すものはすべて否定されたという理解でよろしいですか。
○岡田委員 末梢血のDNAに関してのデータは撤回するということです。しかし大元のScienceのペーパーの中には抗体を検出したり、ウイルスもたしか分離したようなことがあるので、それについては触れていませんので、そこについては撤回はしていないんだと思います。ですからパーシャルということは書いてあります。
 1番の論文にもありますけれども、結局多施設でやると特定のところが陽性になるが、ほかの施設はすべて陰性だったということです。ですから今のこの時点ではXMRVがヒトから検出されたというのは、かなり否定的なものだと思います。
 1番の論文がNIHグラントで行われたのかどうか確認していないので、NIHグラントも検査をやっているはずです。そのNIHグラントと1番のものが一致しているかどうかわかりませんけれども、もしかしたらNIHグラントの方でまた再検査をやっているのかもしれません。それでも陰性となれば完全に否定されたことになると思います。
 以上です。
○半田委員長 よろしいでしょうか。
 確認ですけれども、そうすると例えば献血者というところを対象とした場合、今回のサンプルに関しては末梢の単核球であるということですね。ということは、献血者に対してはほとんど血液を献血するという意味においては、問題がないかなというレベルまで来ていると。
 組織と血液とまた違うと思うんです。例えば前立腺がんの患者さんの組織でも検出されているという報告もあるわけで、その辺はいかがでしょうか。
○岡田委員 この前の運営委員会に論文を上げましたが、大元となった22Rv1という前立腺がんのXMRVが感染している細胞株があるんです。それは実はヌードマウスで継代されていたんです。それで継代初期のものはXMRVは検出されません。ある程度継代された後に陽性となりました。そういうことで途中で細胞株が感染したわけですけれども、継代に使ったマウスを調べてみると2つのプロウイルスがあって、それがどうも途中で組換えを起こして、それがセルラインに感染したということがScienceに報告されています。
そういうふうに組換えが起こる率は非常に低いので、そういう組換えがほかの検体、ほかのマウス、ほかの人間の体などで起こる可能性は非常に低いということで、22Rvから実験室内に広がったというのが考えられるのではないかというのが、この前の運営委員会に出した資料です。ですから、XMRVというものが存在していますけれども、それが人間の社会に存在しているかどうかというのは、かなり疑わしいということです。
 献血の問題ですけれども、慢性疲労性症候群の場合、非常に疲労感が強いので、そういう方がまず献血に来られることはないだろうということと、中には健康になられて、それで献血に来る場合にどうするか、制限するかどうかということが一度この運営委員会で議論になったと思うんですけれども、そのときも慢性疲労性症候群そのものが家族内で感染した例がない。兄弟例が1例あるらしいんですけれども、それ以外はないということで、それを考えるとどうも全く感染性のものではないということは否定できないが、その可能性も非常に低いだろうということで、特に献血は制限しないということにしたと思います。そういう面では血液に関しては現状のままでいいのではないかと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き御説明をお願いいたします。
○血液対策課課長補佐 それでは、引き続きでございますが、19番目からでございます。
 19番目はAlkhurmaウイルスのことでございますけれども、こちらはFlavivirusの一種でございまして、ダニ媒介性の出血熱グループに属しております。症状としては頭痛、関節痛、嘔吐、血小板減少を起こして致死率が25%程度ある。感染経路としては感染ダニに噛まれたり、あるいはウイルスで汚染された牛乳を飲んで感染するとされておりますが、蚊が媒介するという説もございます。
今までサウジアラビアだけで検出されておりましたが、今回エジプトからイタリアに帰国した旅行者2名がこの出血熱を発症したことから、このウイルスの地理的分布が広がっている可能性があるという論文でございます。
 20番目は活動性の帯状疱疹を呈する患者63人を前向きに調査したものでございますが、血液中のウイルスDNAを1か月、3か月、6か月後に測定したところ、6か月の患者血液でも91%に検出されたというものでございます。また、前駆症状だとか既往歴、ベースライン時に非常に強い痛みを伴っていたケースについては、血液中のDNAが下がるまでの時間が特に長かったという論文でございます。
 21番目はFDAの血液製剤諮問委員会において米国におけるシャーガスでございますが、T.cruzi感染率に関する最新情報の報告でございます。2007年1月末から22か月間はすべての供血者に対しましてcruziに対する抗体検査を実施しておりましたが、それ以降では高有病率地域では毎回すべての供血者を検査対象にすることを継続しておりましたけれども、それ以外の地域では1回でも陰性結果を受けた供血者には追加の検査を実施しておりませんでしたが、346万人の供血者を観察した結果、陽転化した供血者は1例も同定されなかったということで、現行の体制は受血者の安全性を損なうことなく、必要な検査の数を低減していることが示唆されたという報告でございます。
 22番目でございますが、日本の路上生活者におけるBartonella quintanaに関する報告でございますけれども、東京都と大阪の路上生活者それぞれ491人と10人から採取したコロモジラミからDNAの同定を行ったところ、それぞれ17例と6例で検出された。また、東京の路上生活者151例に対して抗体価を測定したところ、一般の人と比較して有意にその抗体価が高かったという報告でございます。このため、塹壕熱が特殊な集団において蔓延している可能性が懸念されたという報告でございます。
 23番目は猫ひっかき病に関する報告でございます。供血者においてBartonella henselaeの菌血症に関する報告でございますが、この血清陽性率が世界中で異なっておりまして、地域によっては50%以上に達することもあるということでございます。今回ブラジルにおいて大規模な供血者集団に対してBartonella菌の感染に関する調査を行ったものでございまして、供血者500人に対して血液検体の培養を行って細菌増殖を確認したところ、2名において感染が確認されたという報告でございます。この2名ともイヌに接触歴があって、また、ダニにも噛まれていたという報告でございます。
 24番目は血小板採血を行う際の細菌汚染を防止するための皮膚消毒について、シングルステップ2%クロルヘキシジンスクラブと2ステップポビドンヨード法との有効性、安全性の比較調査でございますが、有効性として細菌培養陽性率というのはシングルステップ2%クロルヘキシジンスクラブの方が有意に低いという結果でございましたが、一方でアレルギー反応についてはクロルヘキシジンの方が高かったという報告でございます。
 25番目はクリプトコッカス髄膜炎の1人のドナーから臓器移植を受けた3人のレシピエントに、クリプトコッカスが伝播した症例の報告でございますが、ドナーは移植時には原因不明の神経病態でございまして、後の剖検によってクリプトコッカス髄膜炎と判明しておりますが、肝臓を移植された患者と1つの腎臓を移植された患者については、クリプトコッカス敗血症と肺炎を発症して、もう片方の腎臓を移植された患者については、クリプトコッカス敗血症と髄膜炎を発症した。そして遺伝子配列も調べたところ、レシピエント分離株4つを調べて、同じ対立遺伝子を有することがわかったという報告でございます。
 26番目はプリオン疾患の最新情報でございますが、英国では2010年の1年間で146件の疑い例の報告がございましたけれども、弧発生CJDが69名、vCJDが3名、医原性CJDが2名等々でございまして、全国的な英国のvCJD発生率というのは低下しているという報告でございます。また、この報告の中には台湾において36歳の男性の方ですが、vCJDの疑いで死亡したという方がいらした。ただし、この患者さんは1989年から1997年まで英国に居住していたという方でございました。
 27番目でございますが、異常プリオンの検出法に関する報告でございますけれども、これまでQUIC法を用いた異常プリオンの検出では脳脊髄液から高感度に検出することはできませんでしたが、改良したRT-QUIC法においては感度が80%以上、特異性は100%であったという報告でございます。
 28番目は尿性ゴナドトロピン製剤中のプリオンタンパク質に関する報告でございますが、hCG、hMG、hMG-HP製剤中にヒトプリオンタンパク質のペプチドを検出したというものでございます。一方で遺伝子組換え製剤については検出しなかったという報告です。
 29番目はvCJDにおけるプリオン感染の検出に関する報告でございますが、こちらは血液検査においてプリオン感染を検出するための検査を行ったものでございまして、vCJDのアッセイ感度が71.4%、特異性が100%であることが示されまして、これらの研究によって症候性の患者におけるvCJD診断のための血液検査の基本を確立して、無症候性についても大規模なスクリーニング検査の開発を見込むことができたという報告でございます。
 30番目はヨーロッパから出たガイドラインの報告でございますが、血漿由来製剤の添付文書の感染性因子に関する警告の記載についてでございます。これについて次のことが掲げられております。1つ目としては供血者のスクリーニング検査を実施していること。2点目としては製造工程中に不活化/除去工程があること。3点目としては既知または未知のウイルス、ほかの感染因子の伝播の可能性が否定できないこと。特にノンエンベロープのウイルスの潜在的リスクがあること。4点目としては投与した際には氏名と製造番号を記録することを推奨するというガイドラインの報告でございます。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○半田委員長 ありがとうございました。いずれも非常に重要な情報を含んでいると思いますが、何か御意見ございますでしょうか。
○山口委員 29番の論文で、これが本当であれば素晴らしいと思いますが、血液中から無症候性で検出ができれば、スクリーニング法としても採用できるのかもしれません。ただ、実験で使われているのは脳の超音波で壊したサンプルをアプライしているので、実際に血中でどういう動態になっているかいまだにわかっていないと思いますので、そういう意味で本当に血液での検査にこれが適用できるかについては、今後の課題ではないかなという気がいたします。
 28番の論文はマスで実際にペプチドの同定はしていますが、実際に測定しているのは異常プリオンを測定しているということではなくて、プリオンタンパクが尿中に出てきて、それを検出することができる。これが将来、検査とかそういうものに利用できるかどうかについて今後、研究を待たざるを得ないなと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。1つ消毒です。文献24ですが、血小板採取時の消毒ということですけれども、これに関しまして何か日本赤十字社の方からコメント等ありますでしょうか。日本の場合、細菌感染症は少ないわけですが。
○日本赤十字社(日野) 現在、日赤の方では10%のポピドンを使っています。それは過去に別の消毒薬を使っていたんですけれども、細菌のスペクトルが小さめだった。特に芽胞なんですが、そういったものがあってポピドンに変えたという経緯があります。ただ、調べてみますと日本国内においては2%のここにありますクロルヘキシジンというのは多分手に入らないのではないかと思うんです。4%というのはあるんですけれども、いずれにしても2%も4%につきましても、手指の限られた部分の消毒に限るか、それとも4%に関しては手術前の肘よりも下といいますか、こちらの方にすり込んで後で洗い流すという使い方をしておりますので、2%の方に関しては今のところ国内では手に入らないのではないかと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、大分時間を使ってしまいましたが、個別症例報告の概要をよろしくお願いします。
○血液対策課課長補佐 それでは、お手元の資料3−1をごらんいただければと思います。供血者からの遡及調査の進捗状況でございます。
 4ページ目が最新の状況でございまして、この表の右側が平成23年4月1日〜平成23年6月30日までの報告となっております。調査の対象とした献血件数が625件、製剤の本数としては678本、それをさかのぼって個別NATを見てみますと陽性となったのが25件ございました。すべてHBVだったというものでございます。これらについて医療機関での使用状況、また、受血者への感染状況等を確認したところ、陽転事例はなかったというところでございます。
 続きまして資料3−2でございますが、こちらは医療機関からの報告でございます。
今回、劇症例やHIV感染など個票となる新規報告事例はございませんでした。また、継続で調査している症例につきましては、新たな報告はございませんでした。
この個票についてでございますが、劇症肝炎・HIV感染事例については供血者の来訪状況を御報告いただいているものでございますけれども、古いものでは平成15年から追跡調査が行われておりますが、前回の運営委員会において、このような長期間の追跡調査を行う意義が疑わしいのではないかということで、一定期間で区切るなど見直しが必要ではないかという御意見をいただいたところでございます。
事務局としましては、これまでの供血者の来訪状況を踏まえまして、5年でこちらの資料で出す期間というのは区切ってはどうかと考えておりますが、後ほど御意見をいただければと思います。
全体をまとめた表が5ページにございます。平成23年5月3日〜8月31日までの感染症報告、疑い事例を含むものでございますが、全体で24例ございまして、B型肝炎が5例、C型肝炎が7例、HIVがゼロ、その他が12例というものでございます。
B型肝炎についてでございますけれども、陽転事例が3例で、うち個別NAT陽性が2例ございました。死亡事例はゼロでございます。
C型肝炎は陽転事例が7件で、個別NAT陽性はゼロ、HIVはすべてゼロ。
そのほかでB型肝炎、C型肝炎以外の肝障害、その他感染での無菌試験陽性事例はゼロでございました。
6ページ、上の2つが受血者が陽転化してHBVでの個別NAT陽性となった事例でございますが、保管検体と受血者のウイルスの塩基配列はすべて一致していたというものでございます。
7ページからがC型肝炎の事例でございますが、更にずっと行っていただきまして、9ページ目にヒトパルボウイルスB19の事例が2件上がっております。
10ページ目からが細菌感染の事例でございます。
14ページは北海道管内で行われている試行的なHEVのプールNATの実施状況でございます。今のところ8,367分の1程度の陽性があるというものでございます。
資料3−1と資料3−2については以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 供血者並びに医療機関からの報告ということで説明いただきましたけれども、いかがでしょうか。何か御意見おありでしょうか。
○岡田委員 C型肝炎の陽転事例ということで3-1100038の症例ですが、これは投与後の検査で医療機関で2回、採血日を変えて2回ともHCV-RNAが陽性になっています。一方、日本赤十字社の検査はHCV-RNAがマイナスとなっていて乖離がありますが、この患者さんは結局どういうことかわかりますでしょうか。
○日本赤十字社(日野) この患者さんは今、先生がおっしゃられたとおりHCV-RNAの検査に限るとそういう形で結果が出ているんです。ところが、その後も7月になりましてHCV-RNAとHCVの抗体検査をやっておりまして、そこでは両方陰性になっています。そういうことで医療機関側の検査結果では、4月と5月の段階でRNA陽性という結果は出ておりますけれども、抗体に関しては3回やりましたが、3回とも出ていないという状況です。
 詳しいRNAの検査方法に関しても、リアルタイムPCRでやっていることはわかっています。その検査結果が定量だと思いますが、その辺りの表示の仕方がありますけれども、そういった陽性という結果を日赤はもらっていますということしか言いようがありません。
○岡田委員 わかりました。
○山口委員 今のことに関連して、医療機関の協力があればということだと思いますが、リアルタイムPCRでやっていて、ひょっとしたら正直申し上げて偽陽性が出ている可能性もあるので、そういうことを調査することはできるものなのでしょうか。例えばプライマーダイマーができてしまって偽陽性ができているとか、そういう話があるのかなという気がしたんですが。
○日本赤十字社(日野) 先ほど説明しましたけれども、その後の検査結果ではNATが陰性で抗体検査も陰性という結果が病院の検査で出ていますので、医療機関側とすれば見ればそこである程度収束している可能性はあると思います。
○半田委員長 よろしいでしょうか。ほかにはございませんでしょうか。
 もう一つ、今、課長補佐の方から医療機関からの報告ということで平成15年からリストがずっとあるということでして、これは供血者の追跡調査としては5年でどうかという提案をさせていただいておりますけれども、これは前回も議論があったと思いますが、委員の先生方いかがでしょうか。
○大平委員 結局、新規で来訪していただくというのはお願いベースというか、新たに献血に来られることとか、そういうことでしか新たな情報というのは得られないだろうと思うんですが、ただ、それが来ないまま表としてずっと残っていて、これがたくさんたまっていくということで、報告としてはかなり複雑な形になっていくのではないかということで提案させていただいたんですが、5年でもし妥当であればそのような形でしていただいて、ただ、しっかりとそのデータの方は保管して、多分日赤の方できちんとやられていると思うんですが、それで新しく情報として出た場合には報告していただくという形ではいかがかなと考えています。
○半田委員長 いかがでしょうか。記録自体はどのぐらい保存されるかという問題もあるでしょうが、当然それはやられているというか、5年なんていうものではないわけですね。
○日本赤十字社(日野) 記録の保管に関しましては薬事法にも定められておりますので、その範囲内でやっておりますし、その後、新しい情報があった場合には、それを報告するという体制はできておりますので、今、大平委員がお話したようなことについては今後も引き続きやっていけると思います。
○半田委員長 確認ですけれども、薬事法というのは20年ということですか。
○日本赤十字社(日野) 私どもは製造販売業者ですので30年になりますけれども、プラス10年持っていますので、結果的には40年で、かつ、それは製造の記録でございまして、こういった市販後の記録に関しましては半永久に持っています。製剤の承認整理がされない限り持っています。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、一応5年というのを区切りにして、リストとして提出していただくということでよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
 続きまして資料3−3、HIVの陽性件数等々の御説明をお願いいたします。
○血液対策課課長補佐 資料3−3でございます。献血件数及びHIV抗体・NAT陽性件数でございますが、平成23年1月〜6月の献血者数におけるHIV陽性件数でございますけれども、第1四半期の報告数が29件と非常に高かった状況でございましたが、今回第2四半期には21件の報告がございまして、合計50件となっております。うち女性が5件でございます。前年同期の陽性件数は39件でございますので、前年比では増加しております。また、10万件当たりの陽性率は1.889となっております。
 2ページは陽性者数を年齢別に示したものでございますが、この資料は昭和61年からの累積値になっておりまして、20〜30代の日本人男性が全体の7割を占めております。今年の陽性者についても1〜6月までの50件の報告のうち、37件が20代、30代の日本人男性となっております。
 5ページ目は都道府県別の陽性者数でございます。1〜6月までに18の自治体から陽性者の報告がございました。陽性者の報告のあった自治体の数は前年同期の15自治体から増加しております。今期4〜6月の報告分を都道府県別に見てみますと、東京が6件、大阪が3件。前年同期では東京が12件、大阪が3件でございますので、対前年で大阪は横ばい、東京は半減しております。また、前期1〜3月、第1四半期で報告数が非常に多かった千葉県でございますが、5件ございましたけれども、今期は1件の報告でございました。
 5ページ目は、平成18年〜23年の1〜3月にかけての年齢別の陽性割合を示したものでございます。平成23年1〜3月につきましては16〜19歳がゼロ件、20代が13件、30代が13件、40代がゼロ件、50代以上が3件という構成になっております。合計29件のうち20代と30代の合計が26件ということで、全体の約9割を占めております。
 資料3−3については以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 何か御意見よろしくお願いします。特によろしいでしょうか。
○血液対策課課長補佐 前期の数字がもしかしたら違っているかもしれないということでしょうか。
○日本赤十字社(日野) 多分、千葉は6件です。去年6件で今年もこの時期で6件なので、かなり多くなったということでよろしいですね。
○血液対策課課長補佐 そうですね。去年1年間で6件で、今期6件。今期というのは1〜6で6件ですね。前期と言ったのは第1四半期で5件あった。今期の第2四半期については1件しかなかった。
○半田委員長 まだちょうど半年分ですけれども、2010年、2011年と比べますと、このままだと突然またばんと上がるような傾向ですが、先ほども委員の方からエイズの数は増えている。HIVの数自体はある程度安定しているということですが、特に何かコメント等々はおありでしょうか。
○花井委員 先ほど大平委員からその件は意見が出されていたんですが、要は見つかった患者さんは絶対に治療にアクセスしていないと困るわけです。ですから日赤さんはどういう対応かというのがあるんですけれども、せっかくわかった患者さんがウイルスの治療をしないと、またその患者さんから感染が広がるということもあるし、その患者さんの発症が早いということで、健康という意味でもリスクが高まるので、これはありとあらゆる場所で見つかった患者さんは、願いとしては100%適切な治療にアクセスする状況になるまで、だれかがフォローしなければいけない。
だけれども、現状は発見される場所によって、ちゃんとしたところで検査機関でもやっているところはちゃんとフォローして、病院も紹介して、その後も一応フォローするみたいなことをやっているし、そうではない、たまたま見つかった患者さんには陽性結果は告げたけれども、その後その患者さんはどうしているか知りませんみたいなこともあるわけで、それは非常にその患者さんにとっても感染拡大にとっても非常にマイナスなので、少なくても日赤さんのところで見つかった方に関しては、なるべくそういうことになるようにお手伝いいただけたらと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、これからも引き続き感染報告をよろしくお願いしたいと思います。
 次の議第4に移りたいと思います。日本赤十字社からの報告事項ということで、御説明よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社(日野) それでは、資料4をお願いいたします。
 日本赤十字社では、2008年から感染症検査の血清学的な検査とスクリーニングNATの検査を従来よりも感度を高め、精度を高めて行ってきました。それから少し時間が経ちましたので、昨年の暮れから評価をしてまいりました。評価した後、今後更なる安全対策が必要かどうかということについて検討しました。結果的には今の検査を導入した後にHCVとHIVの輸血後の感染というのは起きていない。ただし、今日後で説明しますけれども、HBVに関してはまだ残念ながら安全対策がもっと必要だろうという結果になりました。
 資料4の1ですけれども、現在日赤でやっております関連検査というのを書き出しました。1つはCLEIA法のHBs抗原が1つ、もう一つはスクリーニングNAT(HBV・HCV・HIV)を20本プールでやっております。それと同じCLEIAですけれども、HBc抗体。これはコアですけれども、HBVのコア抗体及びHBs抗体の両方を検査しまして、その下にありますように判定ロジックというものを組んで、COIはコア抗体の力価を表しているものですけれども、コア抗体の力価が12以上で、かつ、HBs抗体の力価が200mIU/mL未満のものに関しては不適という判定ロジックを組みまして、検査で適というものに関しては輸血用血液製剤に使用し、不適のものに関しては廃棄しているという形で行っているところです。そういった形でHBに関して検査を行ったところ、どういう結果が出てきたかといいますと、それが2になります。
 輸血HBV感染の原因血液の変遷ということで、これは1本のバーが1年当たりの日赤で病院の方から感染症報告がありますけれども、確認症例ということで保管検体の中にNATが陽性ということがわかった症例プラス、ウィンドウの個別NAT陰性のものも入っておりますが、その件数を表しております。
 3つ棒がありますけれども、50プールのNATの時代と、20プールのNATの時代と、最近2008年以降行っております20プールNATからシステム改良という形になっておりますが、そこでスクリーニングした血液についてどのような件数になったかということを表しております。
 それで見ていただきたいのは、丸で囲んでおりますけれども、上の紫色と緑色の部分で言いますと、数字的には1.5件と3件というところに関しての血液は、いわゆるHBVの感染ごく初期の血液よる感染を表しております。いわゆるウィンドウ期の血液による感染が丸の部分でありまして、その部分に関しましては日赤の打った対策について効果が出てきているというのが、右肩下がりになっておりますのでわかるかなと思います。
しかしながら、赤の丸で囲みました50プールの2.7、0.9と書いてありますけれども、ここの部分に関しまして、ここの層に関しましてはいわゆる感染晩期の血液でございまして、感染既往血液による感染を表しております。この部分に関しましては50プールの時代、過去の20プールの時代、今の20プールの時代も含めて、残念ながら余り輸血感染を防ぐことができなかったところになります。
 そういうことがありまして、結果的にはグラフの下にありますけれども、スクリーニングNATのプール本数の縮小と試薬改良等による検出感度の向上によって、ウィンドウ期の個別NATの陽性血液による感染が減少したということはありましたけれども、感染既往血液による輸血感染には変化は余りなかった。原因となった血液の血清学的検査の特徴は、HBVのコア抗体が1以上で12未満、HBs抗体が200mIU/mLの血液、すなわち1の表で示しましたピンクの部分に適と書いてありますが、その部分の血液が今後も安全対策を打つターゲットになるんだろうとなります。
 3は安全対策の考え方ということで、HBc抗体のCOIが1以上12未満で、HBs抗体の力価が200未満のものに関してはどういった状況かということを簡単にお示ししてあります。ここの部分、適が丸になっていますけれども、この部分は年間に約6万7,000本ぐらい献血があります。陽性率にしますと1.3%になります。この部分の血液に関して個別のNATを実施していくと、約1.9%で個別NATが陽性という数字が出てきます。本数にしますと約1,300本ぐらいの本数が個別NAT陽性になってくるということがあります。
 そういうことがわかりましたので、対策とすれば1)にありますように、コア抗体のCOIが1以上12未満かつHBs抗体の力価が200mIU/mL未満の検体に個別NATスクリーニングを行って、NAT陽性の血液だけを不適としていく、いわゆる排除していくということであります。本数的には1,285本。
 もう一方の方法は、コア抗体のCOIが1以上12未満かつHBs抗体200mIU/mL未満の血液をすべて不適とする。いわゆる6万7,676本を排除していく、不適としていくという方法の2つが考えられました。
 そこで、それぞれの方法についてメリット、デメリットを整理させていただいたのが4の表であります。案1は個別NATを行っていくことになりますけれども、右側が案2ですべてCOI、いわゆるコアが1以上のものを全部落していくことになりますと、受血者、輸血を受けられる患者さんに対しては案1のメリットといたしましては、推計ですけれども、これは日赤の過去の遡及調査等のデータから持ってきた数字ですが、年間約48名の感染予防が可能だろう。
一方、デメリットの方に関しましては、どうしても先ほどの前のページの2のグラフでも見てわかるように、赤の部分になりますけれども、0.6というところに関しましては、ここは個別NATでは陰性の部分になりますので、ここの部分に関しての予防はできないことになります。感染既往があり、個別NAT陰性の血液に関しては検出できないので、その部分に関しては非常に比率的には少ないですけれども、予防できないというデメリットがあります。
 案2に関しましては年間48プラスα、ここの方は個別NAT陰性の血液をどの程度配慮できるかということになりますので、詳しいデータはわかりませんけれども、日赤の推計では5〜10人の感染予防がプラスαとして予防できるだろうということになります。一方、献血者のメリット、デメリットはどうかというと、全体的にはHBVの感染既往ということでありますので、早期発見、早期治療に場合によっては結び付くだろうということがあります。
 もう一つ、案2に関しましては特に感染既往であるということをドナーさんに認識していただくことも1つのメリットかなと思います。しかしながら、案2のデメリットということでは、こちらは現在も何回も献血していただいているという状況にありますので、特にドナーさん、献血者が健康上急に悪くなるということではないと思いますので、不安を与えることがあります。特にそちらの方は日赤として、頻回献血者の丁寧な説明が必要になってくるだろうというのがあります。勿論、先ほどの数字から御説明しましたとおり、案2の方策をとると献血者の減少に多少なりともつながるというデメリットがあります。
 一方、医療機関側に関しましては遡及調査に絡んできますので、案1に関しましては最大でおよそ1,200本くらいの情報提供をすることになるだろうと思いますし、案2に関しましては、先ほどの6万7,000という数字は複数回の献血者も入っておる数字でございますので、実献血者数はどのくらいかといいますと、4万2,520人ぐらいだという推計があります。こちらの方の情報提供があるだろうということで推計されます。コスト的にはそこに書いてあるように、いずれのコストもNATの試薬にかかる費用でございます。
 こういった状況を勘案して、先ほどの案2の場合には献血者数が少し減少するということがありますので、そのシミュレーションを少ししてみました。上3段?〜?に関しましては、以前、日赤の方から血液需給の将来推計シミュレーションというものを提示させていただいた数字を使いました。それに対して?は実際に今回の案2の措置をした場合に、どの程度減ってくるかということになります。徐々に減ってくるといいますのは、これはコア抗体が陽性になりますと、今のHBV関連もそうですけれども、ドナーさんに通知を差し上げております。陽性の通知という事業をやっておりますので、そういう方に関しましては今後の献血をお断りしている状況にありますので、その後は基本的には献血はないだろうという推計の下に、2012年から開始したとすると2018年までには大体半分程度まで減るだろうということになります。勿論2012年は開始当年ですので、かなり大きな数字になるというのは間違いないですけれども、?の措置に伴う予測献血者数の比率ということで?と?を勘案して計算すると、ここにあるような数字になってくることになります。
結論的には、献血者数の減少というのは1%程度の減少に留めることができるだろうというところが1つと、もう一つは4月から採血基準の改定がございましたので、400mL献血については18歳から17歳に、血小板に関しては54歳から69歳に引き上げられたということがありますので、安定供給に影響を及ぼす数字ではないだろうということで、日赤とすれば以前、コア抗体の検査をやり始めた当初は何十万人という献血者を失ったわけですけれども、今となってはかなり少なくなってきている状況がありますので、一歩進んだ案2の対策でいけるだろうと踏んでおります。
次のページは6番でHBs抗体の200mIU/mL以上の安全性についてということで、冒頭にも申し上げましたとおり、コア抗体の力価とHBs抗体200mIU/mL以上あるかどうかということのロジックを組んでいるところです。判定をしているところですけれども、その安全性につきましてはそこにありますように1)は2008年以降、これはCLEIAのデータになりますけれども、B型肝炎の症例の中でHBVの感染既往の献血血液が原因となった血液について、HBs抗体の力価はどうだったかということを示したものです。最高で症例No.3の76.5がHBs抗体の力価であったということで、200以上のものはこの中ではなかったというのが1つ。
もう一つは、日赤の方では1989年12月からHBVのコア抗体の検査を実施しておりますけれども、その後、MR活動を開始したのが1993年でして、18年間見てみますと年間ではHBVのコア抗体が1以上でHBs抗体が200mIU/mL以上の血液の献血数というのは17万7,000件。それを輸血製剤の数に表しますと1.25倍ぐらいになりますので、22万製剤ぐらいが毎年供給されているという状況の中で、少なくとも日赤で把握しているHBs抗体が200mIU/mL以上の血液からの輸血感染例というのは、確認されていないという状況があります。
そういう中で前回の血液に関してHBs抗体の力価が200mIU/mL以上の血液については、今後遡及調査の対象にしないということも1つの考え方だろうなと思っております。
以上、私の方の説明は終わりますけれども、文献としまして別添1に関しては日赤のデータです。それとは別に別添2が最後のページになりますが、こちらはUKのガイドラインから用いたものですけれども、HBs抗体の力価については100mIU/mL以上あれば安全と考えられるというUKのガイドラインもあるということで、少し御参考までにということでお示ししました。
以上です。
○半田委員長 ありがとうございました。わかりやすく丁寧に説明いただきまして、B型肝炎ウイルス感染既往のある供血者の方のさらなるスクリーニングをどうするかというところで2つの案が挙がったわけですが、いかがでしょうか。事務局から特にコメントはございませんね。委員の方々いかがでしょうか。案1、案2を含めて全体でいかがでしょうか。
○花井委員 案1か案2かどちらが安全かというと、明らかに大きく切り取る方が安全である。問題なのは供血者、献血者が減るのではないかとか、せっかく献血に来ているのに、その中には本当は献血できるけれども、お断りするということですが、今の御説明からするとコスト面とかいろいろ含めて、これは案2の方がかなりリーズナブルなように思いますし、事実上、安全性が48人プラスαというのはどのくらいかわかりませんが、プラスαが5人であろうが、それはすごく大きなことだと思いますし、そういう意味では受血者の都合を言わせていただくと案2の方がいいかなと思います。
 心配された献血者のシミュレーションに関しても、何とかなる範囲であるとも御説明があったので、そういったことを踏まえると案2を支持ということになるのかなと私は思います。
○半田委員長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 今、花井委員が言われたのと同じですが、適、不適のところで全部切り捨てないで少し救うというところがある部分については、ミスも起こりやすいのかもしれないし、そして現在B型肝炎は大変大きな問題として、日本の血液事業の中でも1つBがなかなか解決できないところが、数としては少ないですけれども、潜在的にあるということで、そこは献血者の方たちに丁寧に説明していただいて、それを思い切って案2で包むというのは、私もその方向がいいのではないかと思いました。
○半田委員長 ありがとうございました。
 ほかにはよろしいですか。反対意見とか。
○山口委員 多分、体制としては案2でしょうけれども、1つは固定して考えられていますが、抗体というのは年齢とともにサーフェスの抗体は下がってくるんです。だから長く献血されていた方が、多分コア抗体は下がらないと思うんですけれども、恐らくサーフェスの抗体が下がって、その途端に献血ができなくなるという状況ができてくる。実際、私はそうなんです。途中まで献血していたんだけれども、サーフェスの抗体が下がってしまったので献血できませんと言われてしまった。これはかなり皆さんに理解してもらうのはかなり難しいところがあるような気がいたします。
要するに、もともと導入するのはコア抗体とサーフェスの組み合わせでやろうというのが多分日赤のねらいで、ものすごく劇的にB型肝炎は減らしたと思うんですけれども、その考え方自体は勿論間違っていないし、それでいいと思うんですが、そういうふうに1つの固定していないところ、要するにそれぞれの献血者がコア抗体のある人はみんなB型肝炎に一旦は感染しているわけですから、ライフサイクルの中で変わる抗体と変わらない抗体、要するにコア抗体は恐らくそんなに変わらないのではないか。だからサーフェスの抗体は年齢とともに非常に低下してくる可能性が高い。そのときにどういうきちんとした説明をするのか。その辺が一番ポイントになるのではないかという気がするんです。
 もう一つはオカルトがわからなくなるのではないかというところです。これは日赤の事業ではないですが、それはわかります。それは別に日赤が本来は対応すべきでないところではあるんだろうと思います。
○半田委員長 岡田委員、いかがでしょうか。
○岡田委員 1つ質問がありまして、案2に検査費用として3億5,000万と書いてありますが、要するにHBc抗体が陽性だったらその時点ではねてしまうということになると、何でこんなに費用がかかるのかなというので、何か特別なことを更にやるということなんでしょうか。
○日本赤十字社(日赤) 済みません、その部分の説明が少し不足しておりました。
 案2の検査費用のコストに関しましては、以前から日赤の考え方として、陽性の通知を出すときにはセロロジカルのすべての結果とNATの結果を組み合わせて、すべて御報告した形でドナーさんにお返しするということがありましたので、例えば4万2,510人年間ありますけれども、その方々に対してHBV DNAの個別NATを実施することになります。
○岡田委員 それをお知らせするということですか。
○日本赤十字社(日野) そうですね。そのための通知用のNATの試薬費用が入ってくることになるかなと思います。それと、遡及のためのNATが同じ本数だけかかることになります。
○半田委員長 よろしいでしょうか。そういう方にもう一度NATをやるかどうかという問題が1つあると思います。ですから、それをやらなければこの費用はかからない。この費用の中のかなり多くがかからなくなるということはよろしいですね。
 いかがでしょうか。大分時間がなくなってきました。多分これは議論としてはこの辺のところかなと思います。技術的な問題とか、献血者の方へどういう説明をするか。今、言ったNATをやるのか。いろんな運用上の問題が出てくると思うんですが、安全技術調査会があるので、そこで検討していただくというふうにしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○半田委員長 それでは、そういう形にしたいと思いますが、事務局の方は特に何かコメントありますか。
○血液対策課課長補佐 一応、運営委員会としては案2の方向でいいけれども、具体的なNATをどうするかとか、その辺の実際の運用上での詳細な取決めについては、少し技術的な観点があるので、安全技術の方で。
○半田委員長 そうですね。非常に重要なポイントを今、御意見をいただいたので、例えばHBs抗体に関しては抗体価が下がってくるということです。オカルトを完全に見逃してしまうというか、サーベイができなくなるという意味では、サイエンスとして非常に問題があるかなというところもあるかなと。その辺の意見を付けていただいて、安全技術調査会の方でもんでいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、最後です。かなり時間が迫ってきましたが、日本赤十字社から1年間の事業の取組みについてということで、資料5に関しまして御報告をお願いしたいと思います。
○日本赤十字社(俵) お手元の資料5をごらんください。「血液事業本部のこの一年(平成22年度)の取組みについて」御報告させていただきます。
 初めに「1.献血者の確保」についてでございますけれども、22年度の献血者数は533万人で、対前年度比で約3万人の増加となっております。献血量については22年度の血漿分画製剤用原料血漿の確保目標量が、平成21年度の100万Lから22年度は96万Lに減少していることから、全体で206万Lとなっております。
 平成22年度における献血者確保対策として(1)若年層を対象とした対策、(2)献血者の年齢層に応じた献血推進対策、(3)企業等における献血の推進対策、(4)複数回献血協力者の確保などをそれぞれ実施してまいりました。
 また、これらの確保対策の効果を上げるために(5)にありますように献血推進キャンペーンといたしまして、はたちの献血キャンペーン、LOVE in Actionプロジェクトなど、各種献血推進キャンペーンを昨年度に引き続きまして実施いたしまして、献血者の確保とともに献血への理解促進に努めたところでございます。
 3ページ目、ウの献血推進映画の制作でございますけれども、献血の重要性ですとか献血された血液の使われ方について、より多くの方に知っていただくために輸血を受けた患者さんと、その家族の実話を基にした献血推進映画「八月の二重奏」というものを制作いたしまして、全国学生献血推進委員会と共同いたしまして、各地の大学などで上映会を実施してまいりました。
 4ページ、これまで御説明しました献血者の確保対策のほかに、(6)検査サービスの充実ですとか、安心して献血できる環境の整備などに取り組んでまいりました。
(8)献血者健康被害救済制度の運用状況につきましては、今年度の対象となる医療機関を受診した件数は888件でございまして、全献血者数の0.015%でございました。健康被害を負った献血者からの請求を血液センターで受理いたしました。血液事業本部に給付判定依頼がございました医療費・医療手当請求書は、全部で722件ございました。これを国の定める判定基準に基づきまして給付判定を行った結果、すべての請求が給付の対象になり、救済が行われたということでございます。
 詳細につきましては8ページ以降に参考資料を添付しておりますので、後ほどごらんいただければと思っております。
 次に「2.安全対策」でございます。安全対策につきましては輸血用血液製剤への感染性因子低減化技術の導入に向けた検討と、5ページの輸血関連急性肺障害(TRALI)対策について実施してまいりました。重篤な輸血副作用であるTRALIについては、献血血液に含まれる抗白血球抗体が原因の1つとして挙げられておりますので、妊娠歴のある女性は抗白血球抗体陽性率が高いことから、7箇所の基幹センターにおいて男性献血者由来の400mL献血由来新鮮凍結血漿を優先的に製造する体制を整備いたしました。
 「3.血液製剤の供給・販売実績」について御報告させていただきます。近年、輸血用血液製剤の供給状況は全体として増加傾向にございまして、22年度におきましては赤血球製剤が約651万本、血小板製剤は約879万本、血漿製剤は約371万本を供給してまいりました。また、平成22年度における血漿分画製剤につきましては、赤血球アルブミンを44万4,000本、クロスエイトMを約7万3,000本、日赤ポリグロビンNを約13万本販売いたしました。
 「4.広域事業運営体制の構築」でございますけれども、(1)業務集約化の推進につきましては、平成22年度末までには検査業務10施設、製剤業務は27施設へ集約してまいります。引き続きより安全で均質な血液製剤の製造、安定的な供給体制を考慮しながら段階的に集約することとしております。
 (2)広域的な事業運営体制の導入に向けてにつきましては、昨年8月に開催されました本委員会でも御説明申しましたとおり、平成24年度の本体制の導入に向けて検討準備を進めてまいりました。14ページに資料を添付しておりますけれども、関係機関向けのリーフレットを作成いたしまして、今週9月26日に開催されました血液事業担当者会議においても配付いたしましたが、現在、関係機関への周知に取り組んでいる次第でございます。
 6ページ、東日本大震災への対応についてでございます。こちらにつきましては本年6月に開催されました本委員会で御報告いたしましたとおり、震災により献血受入が困難となった岩手、宮城、福島県における医療需要分を、他の地域の血液センターが上乗せをして採血しまして、医療機関へ血液製剤を安定的に供給するなど、被災地を含め血液センター業務の安定的な遂行に努めてまいりました。
 以上、簡単ではございますけれども、22年度の血液事業本部の取組みについて御報告させていただきました。資料には参考としてグラフ等お付けしておりますので、後ほどごらんいただければと思います。今後とも御指導のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。大変よくやっていただいた平成22年度の御報告ですが、何か。大平委員、どうぞ。
○大平委員 救済制度のところで障害給付件数が8件と出ています。8件で中身が14級が6件で12級が2件。これは級が低いほど障害が高いという認識ですか。
○日本赤十字社(俵) はい。
○大平委員 そうですね。14級が6件で、14級で44万の障害給付金がある。
○日本赤十字社(俵) 正確な数字はわかりません。申し訳ございません。
○大平委員 後で教えていただければいいんですけれども、これは固定障害としてずっと残っていく障害のことを示していますね。
○日本赤十字社(俵) そうですね。
○大平委員 ですから、そういう方たちが8件あったということでよろしいでしょうか。
○日本赤十字社(俵) はい、そういうことでございます。
○大平委員 後でもし差し障りなければ詳しく。多分VVRの伝統とかそういうものがあったりするのかもしれないので、教えていただければと思います。
○日本赤十字社(俵) では、後ほど詳しい資料をお渡しいたします。
○半田委員長 岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 TRALI対策として男性献血者由来のFFPを製造する体制を整えたというんですが、これは具体的にどの程度カバーできるぐらいですか。
○日本赤十字社(日野) ここにも書いてありますけれども、すべてのFFPができているわけではなくて、400mL献血由来なんです。400mL献血由来といいますのも、もともと男性が75%ぐらいあったということを構想して、今年に入ってからは全国で今これを行っていますので、400mLに関しましてはほぼ100%近い数字が出ていると思います。ただし、200と成分に関しましては女性の割合が非常に多いですので、こちらはできる限り、400の方もできる限りというスタンスで行っている事業です。
○半田委員長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 ということは、同じものだけれども、TRALIのリスクに関しては医療現場からすれば400mLの方がリスクが少ないという認識になっているということなんですか。ちょっと微妙な話なのかもしれませんが、結局、表向きの薬事法上のスペックでは400と200だけれども、こういうことをやっていることが周知されれば、もしかしたらそういうふうな感じも受取りとしてはある可能性があると思います。このような情報を現場に説明とかしてあるんですか。
○日本赤十字社(日野) 特にこちらの方は、必ず男性由来で製造しなければならないという制限はまだ設けていません。結果的に100%に近いという状況なので、場合によっては男性だけではまかない切れない血液型が多分あると思いますので、そういうパターンのものに関しては女性のものも当然入ってくることになります。特に広報はしていません。
○半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 私の方から2点ほどですが、1つは病原体不活化というところで、多分また新たなデータが出ていると思いますし、もし可能であれば次回、中間報告等々ができるような状況であればお願いしたいなと思います。
 もう一つはちょうどこの御報告でもありましたが、大震災が起こったのが年度末であった。今、23年9月になりますけれども、多分そこによる教訓というものが今度は首都直下型とか、もっと違うところにまた新たな震災が出たときに、それが実際に今までシミュレーションとかガイドラインをつくっていらっしゃるんですけれども、その見直しとかそういうものに関して、何か新しく付け加えるべきものがあるのかどうか。もしこれも可能でよろしいと思いますが、そういう御報告があれば是非。次回でも構いませんし、平成23年のうちに何かやっていただければなということで、お願いしたいと思っています。
 ほかにはいかがでしょうか。
○大平委員 半田委員長がおっしゃられたものに付け加えですけれども、今年は大変災害が多くて、特に洪水ですとかそういう被害があって、広範囲な被害が出ているところで血液製剤ですとか医療機関へのそうした供給がうまくいっていたのかどうかというのがとても心配したんです。病院でも浸水したりしているところとかありましたので、そういった点で日赤の方で何か問題点があったら、問題点があったことを御報告いただければと思います。
 また、事務局の方でそういうものをつかんでおられましたら、教えていただけたらと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、資料6「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」ですけれども。
○血液対策課課長補佐 こちらは簡単に。資料6でございますが、毎回報告させていただいている件でございますけれども、追加調査ということで一番最近出されたリリースでございますが、9月22日に出しております。
 6月24日に公表した結果から変化は生じておりません。今後ともこちらの調査は引き続き行うこととしております。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございます。
 もう一つ、その他としまして委員の方のお手元にも資料があると思いますが、バクスター社からアルブミン製剤についての御報告があるということなので、よろしくお願いしたいと思います。
○バクスター社 それでは、弊社5%アルブミン製剤の供給に関しまして、概略を御説明させていただきたいと思います。
 まずは厚生労働省始め、関係各位には御協力いただきましたことを感謝するとともに、御心配、御不便をおかけいたしましたことを深くこの場でおわび申し上げたいと思います。
 弊社の5%アルブミン製剤「ブミネート5%」でございますが、本剤を製造しております弊社の米国ロサンゼルス工場におきまして、ガラスビンの不良、ラベルの不備並びにタンパク粒子の検出という3つの問題が同時に発生いたしましたため、同工場からの出荷量が減り、かつ、出荷時期の著しい遅れが生じました。これによりまして、日本におきまして今月から来年1月にかけまして、本製品が品薄状態となることが予測される事態となりました。市場への影響を最小限にするために、弊社といたしましては対策を直ちに立てるとともに、それらを血液対策課を始めといたします関係部署へ報告させていただいた次第でございます。
 併せて本剤の代替製品をお持ちの4社様に協力を依頼いたしましたところ、各社より協力いただける旨の回答が得られました。そこで今月半ばより各医療機関様及び特約店様に出荷規制を実施いたしますこと、また、本薬の代替薬についての御案内をさせていただいているところでございます。
 御案内をさせていただきました後、約3週間が経ておりますが、市場での混乱が生じているとの連絡は受けておりません。一重に関係各位の御協力の賜物かと理解をいたしておりまして、この場をお借りいたしまして感謝を申し上げる次第でございます。
 また、弊社といたしましては製造元アメリカのロサンゼルス工場の方に、日本への出荷を一刻も早く回復するよう、日々働きかけているところでございます。
 さて、今回発生いたしました3つの問題でございますが、ガラスビンの不良につきましては、いわゆる空ビンの輸送途中においてのこすれ傷あるいは成形時に生じる傷など、ガラスビン表面の外観不良でございました。これにつきましてはガラスビンのサプライヤーの方に改善を求めるとともに、弊社の受入基準の見直しを行っております。
 また、ラベルの不備につきましては本製品は製造元でビン、組箱並びに外箱のラベルの表示包装を行っておりますが、外箱ラベルの受入検査においてラベル面と台紙との間の境界に異物の付着が認められるロットが生じたために、使用ができなくなったということでございます。直ちに追加の発注をかけたわけでございますが、納品までにかなりの時間を要し、使えるラベルがなくなってしまったというものが、ラベルの不備と呼んでいる問題でございます。
 最後にタンパク粒子でございますが、外観目視検査におきましてタンパク粒子が認められ、製造元において原因調査を行っているところでございます。現在までにこの粒子が本製品の有効成分でありますアルブミンが、製造工程中で凝集したものであることが判明いたしております。引き続き原因調査、是正並びに予防措置を検討し、改善作業を進めているところでございます。
 以上のように、今回の供給に関してはガラスビン、ラベル及びタンパク質粒子の検出といったものが重なって生じたことに起因しております。ガラスビン及びラベルにつきましては御説明いたしましたように、適切な処置をとっておりますため、今後供給に支障が出る可能性は極めて低いと考えておりますが、引き続き全社をあげて再発防止に努めてまいる所存でございます。
 最後にはなりましたが、改めましてこのたびの御不便をおかけいたしましたことをおわび申し上げますとともに、関係各位の御協力に感謝を申し上げます。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 特に供給等々の問題はないということですね。したがいまして、なるべく早く正常化していただくことをお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
○岡田委員 1つ質問がありますけれども、タンパク粒子の問題ですが、これは今までもある一定の頻度で起こっていたんでしょうか。
○バクスター社 ある程度一定の頻度では起こっておりました。しかし、それは供給に影響を及ぼすほどの数ではなかったということであります。
○岡田委員 わかりました。
○大平委員 3つの事象が重なったということですが、これは同時に起きたんでしょうか。それともある一定の期間の中で3つの事象が交互に起きてきたという認識でしょうか。
○バクスター社 同時に起きたという表現の方が正しいと思います。
○大平委員 あとお聞きしたいのは、ガラスビンの不良はどのぐらいの本数がそういう問題があったのか。また、タンパク粒子というのはよく私たちは患者として受血の方で、タンパク変性についての問題点というのは結構シビアに考えているんですけれども、目視でそれがわかるというのは、対象となった本数というのはある程度わかるんでしょうか。
○バクスター社 本社側の検査の仕組みといいますのが、統計的な手法をとりましてサンプリングをし、その中から不適合と認められる数字を設定し、その数字に不適合の品物が至った段階で、もうそれ以上の検査はせずにロットごとすべて破棄してしまうというシステムをとっておりますので、現実的な話として具体的に何本ぐらい、ビンも含めて生じたというデータまではとれないのがプロセスでございます。
○半田委員長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 タンパクの粒子の件ですけれども、これは特定のロットに生じているということですか。
○バクスター社 はい。特定のロットでございます。生じていないロットもございまして、生じていないロットに関しましては今でも出荷ができる状態になっております。出荷がすべて止まっているというわけではございません。
○花井委員 ということは、今後特定のロットにおいてのことなので、そこの原因というのを調べて改善をする。改善した中身については報告されるんですね。法律上は別に報告義務はないんですね。
○バクスター社 法律上の義務は定かではありませんが、少なくとも解決が見えた段階で血液対策課あるいは厚生労働省の関係部署には御報告をさせていただく所存でございます。
○花井委員 わかりました。
○半田委員長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 同時に起きたこういう事故という観点から言いますと、厚労省の方では安全対策課ですとか、そういうところできちんと調べているんでしょうか。
○血液対策課長 品質とかこの問題については監視指導・麻薬対策課が担当になりますので、そちらがきちんと当たることになっております。
○半田委員長 ほかにはよろしいでしょうか。
 それでは、今の御意見も踏まえて、なるべく早く正常化していただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、時間が大分過ぎてしまいましたが、本日の運営委員会を終わりたいと思います。次回の日程に関しましては後で事務局の方からお知らせをするということにさせていただきたいと思います。
 本日はありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

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