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2012年1月27日 平成23年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 議事録

○日時

【第1部】平成24年1月27日(金) 13:00~14:25
【第2部】平成24年1月27日(金) 14:40~17:30


○場所

中央合同庁舎5号館18階 専用第22会議室


○議題

【第1部】
1.優先評価化学物質の審議について
2.監視化学物質の審議について
3.その他
【第2部】
1.前回指摘事項等の確認等について
2.新規化学物質の審議について
3.その他

○議事

○MHLW事務局 白石先生はまだお見えになっておりませんが、吉岡先生がいらっしゃいまして、定足数が満たされましたので、ただいまから「平成23年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 化学物質審議会第113回審査部会 第120回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」の合同審議会を開催したいと思います。
○METI事務局 本日はNITEの業務紹介用のビデオ撮影が冒頭のみ入っておりますので、御紹介させていただきます。
○MHLW事務局 本日はいずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
 また、各審議会から本日の会合への具体的伝達手続はそれぞれの省により異なりますが、化審法第56条に基づく新規化学物質の判定に関する諮問が大臣よりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本審議会は第一部と第二部に分けて実施いたします。本日は今から15時までを第一部として優先評価化学物質の審議等を公開で行います。終了後、休憩を挟みまして、第二部として通常の新規化学物質等の審議を行いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元にお配りした第一部の資料について確認を行いたいと思います。
 一番上に議事次第がございまして、資料1-1「今回のスクリーニング評価の進め方」。
 資料1-2「分解性未判定物質の分解性に関する情報について」。
 資料1-3「人健康影響に関する優先度判定案」。
 資料1-4「生態影響に関する優先度判定案」。その下に資料1-4の別添が付いてございます。
 資料1-5-1、資料1-5-2、資料1-5-3。
 資料1-6「優先評価化学物質の再評価について」。
 資料2-1「ポリ(オキシペルフルオロ-n-アルキレン(C=1及び2))の審査について」。
 こちらはひとつづりで、資料2-1以降が付いております。
 更にその下に参考1から参考5までの資料がございます。
 もし過不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
 それでは、これより御審議を賜れればと存じます。
 本日の全体の議事進行につきましては、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会の西川座長にお願いしたいと思います。西川先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○西川座長 年が明けて最初の会議ですので、一言、本年もよろしくお願いいたします。
 初めに本日の会議の第一部の公開の是非について、お諮りいたします。
 各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定の者に不当な益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則、公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることといたしたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西川座長 それでは、本日の第一部は公開といたします。
 議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。
 それでは、議題1の優先評価化学物質の審議として、個別の審議に入る前に、事務局から今回のスクリーニング評価の進め方について説明をお願いいたします。
○METI事務局 お手元の資料1-1に沿いまして、御説明を差し上げます。
 今回、改正化審法の施行を受けまして、一般化学物質を対象にスクリーニング評価をこの審議会においてお願いしたいと考えております。
 資料1-1「1.対象物質」でございますけれども、今回の考え方といたしましては、国内外で既に有害性情報の収集・評価などがされており、ある程度有害性が明らかなものに関しまして、信頼性のある有害性情報が十分得られたようなものに関しまして、特別に選定をいたしまして、先行的にスクリーニング評価をお願いしたいと考えております。
 考え方としましては、1~5に記載してございますが、1.HPVの既評価物質に関しましては、人、生態どちらの観点からも御審議をいただきたい。
 2.3.IARCの発がん性ですとか、GHS分類においては発がん性クラスがついているものに関しましては、人健康に関する観点からの御審議をお願いしたいと思っております。
 4.旧指定化学物質のうち、生態影響に関するスクリーニングが未評価のものもございましたので、こちらに関しては、生態系の観点からの評価をお願いしたいと思っております。
 5.昨年度、ちょうど1年前に旧二監、旧三監物質を対象にスクリーニング評価をお願いしたわけですが、その中でも平成22年度に公示された旧二監、旧三監物質に関しましては、審議が行われておりませんでしたので、今回御審議の対象ということで検討いたしましたが、結論といたしましては、暴露クラスの観点からの選定の考え方に基づき、対象となるものは出ていないということになっております。
 2ページをごらんください。「(2)評価の対象(評価に用いる有害性の項目)」につきましては、先ほど御説明したとおりです。
 「(3)暴露」の観点の考え方でございますけれども、今年度、一般化学物質として届出のあった製造・輸入数量、こちらは平成22年度の実績値になりますが、これに基づき暴露の評価を実施していただきます。
 なお、製造・輸入数量につきましては、今年の届出について現在集計作業中であり、その確定値につきましては、今年度末に公表予定であるため、今回のスクリーニングにおきましては、秋までの時点に確認を終了した暫定値を使用して評価を行っていただきます。
 この時点で製造・輸入数量が10tを超えており、また暴露クラスが4以上の物質を評価の対象といたしております。これは暴露クラスが5以下でございますと、エキスパートジャッジを除けば、マトリックス上、中、低となりまして、優先とは判定されないことも踏まえまして、事務局の作業の都合上も暴露クラス4以上のものを優先的に評価していただきたいと考えているものです。ただし、後ほど御審議いただきますが、PRTRの排出量実績が10tを超えているものに関しましては、評価の対象といたしております。
 「(3)暴露」の部分は「平成22年度の排出量実績」と書いてございますが、こちらは「21年度」の誤りになりますので、訂正をさせていただきます。
 以上をまとめますと、今回御審議いただきたい評価の物質数といたしましては、人健康の観点からは55物質、生態影響の観点からは37物質を評価の対象とさせていただきたいと思います。
 「2.有害性に関する情報」については、先ほど簡単に御説明したとおりでございますけれども、人健康、生態影響ともに既に御審議をいただいております信頼性の評価の考え方、信頼性基準に基づきまして、国が情報収集したものに信頼性を付与して、そちらの御確認をいただきたいと思っております。
 人健康ですが、HPVですとかIARC、こうしたものに関しては、基本的には信頼性が確保されているとみなして評価を行っております。ただし、生殖発生毒性につきましては、情報の収集や確認が未了でございますので、今回は有害性クラスの付与を行っておりません。
 生態影響に関しましては、HPVで評価されている項目、そのほか公知の有害性情報を国が収集して、やはり信頼性基準に基づきまして、信頼性の確認を行っております。
 「3.暴露に関する情報」でございます。こちらは先ほど御説明しましたとおり、平成22年度の実績、また届出のあった用途分類に基づきまして、スクリーニング評価用の排出係数をかけ合わせまして、全国合計排出量とし、更に分解性を加味した値ということで、前回同様の考え方で暴露クラスを付与してございます。
 なお、この際、分解性が未判定のものに関しましては、後ほど国が収集した情報に基づきまして、分解性の御審議をしていただきたいと考えております。
 ここでスクリーニング評価用の排出係数について1点御報告をさせていただきます。参考2をごらんください。参考2「スクリーニング評価用の排出係数の修正について」御報告をさせていただきます。
 こちらに書いてございますとおり、用途番号17、船底塗料用防汚剤の中の高分子化合物に用いる水域の排出係数につきまして、修正前は0.0002と0が3つございますけれども、リスク評価に用いる排出係数の計算に誤りがあったため、再度確認をしましたところ、排出係数が0.9であったということが判明いたしました。こちらの排出係数を修正して、今後は用いていきたいと考えております。
 なお、この排出係数を用いまして、昨年1月に88物質を選定したスクリーニング評価を行っていただいておりますけれども、そちらでこの用途番号かつ高分子化合物に該当するものは2物質ございまして、それらに関しては、いずれも優先判定には影響がないということを事務局では確認させていただいております。
 また、今回の評価におきましては、0.9という値を用いて評価をお願いしたいと考えております。
 別途新規の化学物質に関しましても、毎月スクリーニング評価をお願いしておりますけれども、それに関しまして、この用途番号で高分子化合物に該当するものは、これまでなかったということも併せて御報告をさせていただきます。
 併せまして、本日、参考5といたしまして、判定基準とともに、最後の方のページに優先度マトリックスですとか、排出係数をお載せしております。こちらは修正前の値となっておりますが、これでよろしければ、本日以降は修正後の値を用いたいと考えております。
 以上が暴露に関する御説明です。
 再び資料1-1にお戻りいただければと思います。資料1-1、3ページ目の「4.今回のスクリーニング評価に関する審議の進め方」でございますけれども、前回同様、以下の順で御審議をお願いしたいと思っております。
 すなわち、まず新たに収集された分解性の情報に関する御審議をいただきます。
 次に専門家による詳細評価なしで、マトリックスに当てはめた結果、優先度が高と判定される物質の御審議をいただきます。
 続きまして、専門家による詳細評価により優先評価物質相当と判定される物質の審議をいただきたいと考えております。
 専門家による詳細評価の考え方につきましては、別途参考4を配付させていただいております。参考4「今回のスクリーニング評価における専門家による詳細評価と判定基準」でございますが、基本的に昨年優先評価化学物質の御審議をいただいたときの考え方と同じ考え方を踏襲してございます。
 具体的には参考4の1ページ、中ほどにあります「1.PRTR排出量による暴露クラスの見直し」ですとか、2ページ目の下の「4.一般毒性の重大性に関する不確実係数の付与による有害性クラスの見直し」、3ページ目の下の?の2、人健康に関して優先度マトリックスにおいて中と分類された物質の専門家による審議といった辺りを、後ほど御審議をいただきたいと考えております。
 再び資料1-1にお戻りください。こうした考え方で本日スクリーニング評価を進めていただきたいと考えておりますが、4ページ目にこの審議を踏まえた「5.今後の予定」を御参考までにお示ししてございます。
 今後の予定といたしましては、今回の審議結果を踏まえまして、該当があれば、今年度中に優先評価化学物質を指定しまして、官報に告示をする。これにより指定された物質については、来年度、実績が届出をされまして、その情報を集計しましたら、リスク評価の評価?を実施する予定となっております。
 なお、今年度、製造・輸入数量の届出があった一般化学物質につきましては、引き続き国でも有害性情報などの収集を行っておりますので、信頼性などが確認された情報に基づきまして、来年度夏ごろに開催される審議会において、また優先評価化学物質の指定について御審議をいただきたいと考えております。
 以上です。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの内容について御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。どうぞ。
○西原委員 2ページ目の「(2)評価の対象(評価に用いる有害性の項目)」の2と3は同じ言葉なんですが、これでいいんですか。
○METI事務局 2はIARCの分類により選定した物質、3につきましては、GHSの発がん性クラスがついている物質ということで、物質によっては重複がございますが、いずれにしても人健康の発がん性のみの評価とさせていただいております。
○西川座長 よろしいでしょうか。
○西原委員 はい。
○西川座長 特にほかに御意見がないようでしたら、今回のスクリーニング評価につきましては、ただいま事務局から説明がありましたような進め方に沿って審議を進めたいと思います。また、修正については、了承されたものといたします。
 次に分解性が未判定の物質について、資料1-2に基づいて、事務局から説明をお願いいたします。
○METI事務局 資料1-2をごらんください。
 今回スクリーニング評価をすることとされた物質の中から、分解性が未判定であり、類似構造の物質から良分解の可能性がある4物質を選定いたしましたので、御審議をお願いいたします。
 1ページ、ブチン-2-ジオール-1,4になります。この物質については、類似構造の物質から類推で良分解の判定が可能かどうか御審議をお願いいたします。
 2ページになります。無水プロピオン酸につきましては、全量を加水分解して、プロピオン酸を生成することが確認されておりますので、この結果から、プロピオン酸の分解性について御審議をお願いいたします。
 3ページ、過酢酸になります。水中に有機物があると、過酢酸は容易に分解すると考えられるため、安全性既知の化学物質から分解性の判断で良分解となるか御審議をお願いいたします。
 4ページをごらんください。モノクロル酢酸ソーダになります。こちらにつきましては、既にモノクロル酢酸で良分解の判定が出ておりますので、この結果から良分解性の判断が可能ではないかと考えております。
 最初のページに戻っていただきまして、今、御説明をしました4物質に関しまして、事務局としては良分解と考えておりますが、御審議のほどをお願いいたします。
○西川座長 ただいまの内容につきまして、何かございますでしょうか。いずれも良分解とするという判定案でございます。
○西原委員 参考のためですけれども、QSARでこれらの物質はどうなりましたか。分解性のQSARです。
○METI事務局 済みません。手元にそのデータはないです。
○西川座長 良分解であるということについては、よろしいでしょうか。特に御異論ないようですので、事務局の判定案のとおりとさせていただきます。
 次に詳細評価なしで、優先度高と判定される物質の審議を行います。人健康、生態影響に関する優先度判定案について、事務局から説明をお願いいたします。
○MHLW事務局 それでは、人健康影響に関する優先度判定案から説明をいたします。資料1-3をごらんください。
 こちらが今回の対象55物質の一覧表になっております。
 左から官報公示番号、高分子に該当するか否か、名称ということで、各項目を記載してございます。
 なお、分解性につきましては、先ほど御審議いただきましたとおりでございまして、このカラムに審議と書いてあるものについては、すべて良ということで、御了解いただいたと考えております。こちらで良となりましたので、人健康に関しましては、1物質暴露クラスが変わりまして、2-268、ブチン-2-ジオール-1,4につきましては、※2が付いておりますが、こちらの分解性クラスとしては5になったとして、今後審議をさせていただきます。
 人健康影響に関する優先度判定案といたしましては、表の2-201のメタノールから2-984アクリル酸までが優先度高の判定案となっております。こちらにつきましては、一般毒性がクラス2または3、ジエタノールアミンにつきましては、発がん性のクラスで2がついております。
 臭素酸ナトリウムから中が続いておりまして、表面の最後、5-1155までが優先度中という案になっております。
 裏面にまいりまして、裏面の上の3分の1ぐらいまでが低、2-12エチレンから下が優先度外となっております。
 幾つか個別物質につきまして、若干補足説明をさせていただきますと、1-115の臭素酸ナトリウムにつきまして、発がん性クラスの2を適用しております。備考に書いてございますが、もともとの判定の根拠となりましたACGIHの発がん性物質A3が、bromateという形で評価をしております。これは特段臭素酸の何と、例えばナトリウムですとか、カリウムですとか、そういったものを特定しない形で指定しているようでございましたので、ACGIHの判定が臭素酸ナトリウムにも当てはめられると考えまして、このようなクラスづけとなっております。
 裏面にまいりまして、2-202エタノールでございますが、こちらにつきましては、IARCでアルコール飲料中のエタノールという形で評価を行っておりまして、これについてはIARC分類が1となっております。しかし、こちらの分類につきましては、エタノールそのものというよりは、むしろ飲酒という行為を念頭に置いた評価と考えておりまして、ACGIHのA3についても、人の飲酒を想定しました高容量での動物実験に基づいて分類を行っておりまして、日本のGHS分類の検討ではこれらを根拠とせず、エタノールの発がん性について区分外としております。その考え方を踏襲しまして、今回のクラスづけにつきましても、これらの発がんクラスは採用しないと考えております。
 人健康につきましては、以上です。
○西川座長 生態影響についてもお願いいたします。
○MOE事務局 続きまして、生態影響について御説明をさせていただきます。資料1-4と資料1-4別添をごらんください。
 資料1-4をごらんいただきますと、優先度高になっておりますのは、過酸化水素、ジエタノールアミン、アクリル酸、シクロヘキサンになっております。
 資料1-4別添にどのような文献から持ってきたかを書いておりますので、そちらをごらんください。
 過酸化水素につきましては、藻類の慢性データ、これはEUのリスクレポートでありましたけれども、そちらの方でvalidとなっておりますので、化審法上の信頼性を2としまして、毒性値が0.1でございました。
 甲殻類については、慢性のデータがECHAの方でありまして、ECHAの方では信頼性1になっておりましたので、化審法上の信頼性としては2をつけております。
 魚類につきましては、同じくECHAのもので、信頼性2とついておりますので、化審法上の信頼性は2ということです。
 慢性2種、急性1種のデータがそろっております。慢性は2種になりますので、慢性の種間外挿は5になりまして、それぞれ藻類が0.02、甲殻類が0.126となります。魚類については、急性データですので、ACRがかかりまして、ACRは100ですけれども、0.164となりまして、この中で一番小さい0.02の数字がありますので、藻類の慢性データがキースタディ、PNECの根拠となりまして、それを基に野外への外挿のUFも加えまして、0.002というのがPNECになります。そうすると、有害性クラスは2になりまして、優先度は高になっております。
 ジエタノールアミンでございますが、藻類の急性データがOECDのSIDS、ECHAなどでありまして、化審法上は信頼性ランク2になります。
 甲殻類については、慢性のデータがございました。こちらはOECDのSIDSで1になっておりますので、信頼性は1になっております。
 魚類の急性につきましては、IUCLIDのデータがあったんですが、IUCLIDでは信頼性ランクが未記載でございました。したがいまして、信頼性基準に書かれている条件を満たしているかどうかを個別に確認させていただきまして、満たしているというジャッジをいただきまして、信頼性ランク2をつけております。
 こちらは甲殻類の慢性が1種で、急性が2種そろっているデータでございまして、藻類の急性についてはACRの20をかけております。甲殻類については慢性が1種しかございませんので、種間外挿のUF10がかかってきます。魚類についてはACRの100がかかってきておりまして、この中で一番厳しいものが0.078の甲殻類になりますので、このデータを採用しまして、PNECは0.0078になりまして、有害性クラスは2、優先度は高になっております。
 アクリル酸でございますが、藻類の慢性データは環境省のリスク初期評価のデータを持ってきておりまして、そちらでAでございましたので、信頼性ランクは1になります。
 甲殻類についても同じく環境省のデータがございましたので、それを採用して、2となっております。
 魚類については、急性データがございまして、これは幾つかの文献から持ってきておるんですけれども、化審法上の信頼性ランクは2となります。
 慢性が2種そろって、急性が1種でございますので、慢性については種間外挿の5のアセスメントファクタをかけておりまして、魚類の急性についてはACRの100です。こちらについては、藻類の慢性データがキースタディ、PNECの根拠になりまして、PNECは0.0006になりまして、有害性クラスは1ということで、優先度は高になっております。
 シクロヘキサンですが、藻類の慢性がECHAのデータであります。
 甲殻類の急性もECHAです。
 魚類の急性もECHAでございます。
 慢性が1種、急性データが2種になっております。したがいまして、慢性については種間外挿10、甲殻類の急性につきましてはACRの10、魚類についてはACRの100をかけまして、その中で一番厳しい魚類の急性データがPNECの根拠になりまして、PNECは0.00453で、有害性クラスが2、優先度は高となっております。
 優先度が高になっているものについては、以上でございます。
○西川座長 ただいまの判定案のうち、優先度高の物質について、御意見等はございますでしょうか。
 なお、優先度中、低の物質については、後ほど御審議いただきます。
 特にございませんか。
 それでは、優先度高について、優先評価化学物質相当と判定してよろしいでしょうか。特に御意見がないようですので、事務局の判定案のとおりとさせていただきます。
 続きまして、判定案のうち、優先度中、低の物質について詳細評価を行い、必要があれば専門的な見地から個別の判断を行うこととしたいと思います。
 それでは、参考4の順に従って検討を進めていくことといたします。
 参考4の「?.優先度『中』及び『低』区分についての詳細評価」のうち「1.PRTR排出量による暴露クラスの見直し」について、事務局から説明をお願いいたします。
○MOE事務局 それでは、資料1-5-1をごらんください。
 今回PRTR排出量による暴露クラスの見直しがありましたのは、2物質になっております。
 1つ目がピペラジンでございまして、こちらについては、化審法上の届出を基に暴露クラスを計算しますと、暴露クラス5、PRTRの届出では排出量が16tになっておりますので、暴露クラスは4になります。人健康については、有害性クラス4でございましたので、優先度は低のままで変わらないことになっております。生態影響につきましても、有害性クラス4でございましたので、優先度は低のまま変わらないことになっております。
 もう一物質、ジエチレントリアミンですが、こちらについては、化審法上の届出で計算しますと、暴露クラス5だったんですが、PRTRの排出量は85tございましたので、暴露クラスは4になります。ただし、有害性クラスの方は4でございましたので、優先度は低のままで変更ありません。
 したがいまして、今回はPRTR排出量による暴露クラスの見直しで、優先度が高になるものはございませんでした。
 以上でございます。
○西川座長 ただいまの内容について、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御異論ないようですので、事務局案について御了承いただいたことにいたします。
 続きまして、2について、事務局より説明をお願いいたします。
○MOE事務局 参考4の「2.環境中濃度による詳細評価」ですが、例えばモニタリングデータとかそういったものを使って、ジャッジをするところでございますが、こちらにつきましては、現時点では具体的な方法が定まっておりませんで、今後リスク評価手法を踏まえて検討したいと思っておりますので、今回は優先度の見直しは行わないこととしたいと思います。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、続きまして、3について、事務局から何かございますか。
○MOE事務局 3ですが、生態影響について、基本的には慢性毒性を優先ということでやっておるんですけれども、それにより難いことが出る場合は見直しをすることになってございます。今回、対象になった化学物質につきましては、優先判定に影響が出るような、キースタディになるようなものにつきまして、あるいはPNECの導出の根拠になるようなデータにつきまして、そのようなケースはございませんでしたので、御報告させていただきます。
○西川座長 ありがとうございます。
 続きまして「4.一般毒性の重大性に関する不確実係数の付与による有害性クラスの見直し」についての審議に移ります。
 事務局から説明をお願いいたします。
○MHLW事務局 それでは「4.一般毒性の重大性に関する不確実係数の付与による有害性クラスの見直し」に移ります。
 お手元の資料1-5-2をごらんください。こちらにリストしております物質が、先ほどの資料1-3で中または低となった物質でございます。これらの中、低に区分された物質につきましては、お手元の参考4の4にございますように、一般毒性について詳細評価を行い、重大な影響と考えられるものについては不確実係数を適用することとしております。今回、中、低に該当する物質が非常に多数ありましたので、事前に事務局で一般毒性の先生方に御相談申し上げまして、こちらの物質に重大性UFをつけてはどうかということで、御提案申し上げております。
 物質としましては、2-1146のモノクロル酢酸ソーダ、2-2044のヘキサメチル-ジシラザン、5-953のピペラジン、この3物質につきまして、重大性UF=10を適用してはどうかと考えております。
 これらの根拠としましては、SIDSレポートなどからの所見をこちらにそのまま転記しておりますけれども、いずれも神経毒性が見られているということで、重大性UFをつけております。
 その結果、モノクロル酢酸ソーダにつきましては、暴露クラス3、有害性クラス3が、暴露クラス3、有害性クラス2となりまして、優先度高となります。
 ヘキサメチル-ジシラザンにつきましては、有害性クラスが4から3になりますが、暴露クラス3ですので、優先度は中のままです。
 ピペラジンにつきましては、先ほどのPRTRの結果から、暴露クラスが4になっておりますが、こちらについては、もともと有害性クラスが4、優先度が低だったところ、UFの適用により優先度が3に上がりまして、暴露クラス4、有害性クラス3、優先度は中となります。
 以上でございます。
○西川座長 ありがとうございます。
 案の段階ですけれども、中から高に見直しされたものとして、モノクロル酢酸ソーダがあるということです。
 ただいまの内容について、何かございますでしょうか。吉田委員、どうぞ。
○吉田委員 今の御説明で3物質についてはよいと思うのですが、2-268のブチン-2-ジオール-1,4については、影響の重大性についてのUF10かけなくてよろしいでしょうか。
○MHLW事務局 申し訳ございません。ブチン-2-ジオール-1,4につきましては、最初の分解性のところで御審議いただきまして、良分解判定となっております。その結果、暴露クラスが4から5に落ちることになっております。今回の審議対象は暴露クラス4以上としておりますので、これは抜いております。説明が足りず申し訳ございません。
○吉田委員 審議の対象にならないのであれば、特に結構です。
○西川座長 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 特に御意見はないようですので、事務局案について御了承いただいたことにいたします。
 どうぞ。
○鈴木(規)委員 結果についてはこれでよろしいかと思いますけれども、途中の資料1-5-1「PRTR排出量による暴露クラスの見直し」ということで、見直しをされた。これも事実に関しては了承いたしますが、PRTRというデータを基に見直した結果が化審法の届出を上回る側にいくというのは、化審法の暴露クラスのつくり方について、再検討が必要だということを示唆せざるを得ない気がします。
 化審法というものの精神からすれば、基本的にこれは修正より安全側にあるという趣旨で、たしかこれまでの法律もなっていたと思いますし、その趣旨でやってきたと思いますので、こういう事例が表われることは、真摯に受け止める必要があると指摘させていただきます。
○西川座長 事務局、今の御意見に対して何かございますか。
○METI事務局 排出量係数等につきましては、こうした審議の内容も踏まえて、今後も見直しを図っていきたいと考えております。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、次に優先評価化学物質に選定する際の判断基準に進みたいと思います。
 事務局から説明をお願いいたします。
○MHLW事務局 それでは、次に移りたいと思いますが、その前に資料1-5-2に1点誤りがございましたので、修正をさせていただきます。間違いといたしましては、2-1146モノクロル酢酸ソーダについて、重大性考慮後のクラスを3、2と書いてございますが、こちらは2、2の間違いでしたので、修正をさせていただきます。
 それでは「?.優先評価化学物質に選定する際の判断基準」に移ります。先ほどの重大性UFの評価によりまして、優先度が高となったものについては、優先評価化学物質に選定することとしたいと考えております。
 参考4の3ページの「2.人の健康に係る選定の判断基準」をごらんください。優先評価化学物質と判定される物質は、優先度マトリックスにおいて高と判定される物質とするが、以下のような物質については、優先度マトリックスにおいて中に分類された物質でも、優先評価化学物質に選定することを考慮するということで、昨年も数物質選定をしております。
 今回のスクリーニングにおきましても、昨年の考え方を踏襲いたしまして、資料を作成しております。資料1-5-3をごらんください。
 ?の2の「(ア)発がん物質」。閾値のあることが知られていないなど、慎重な検討が必要と考えられる発がん物質ということで、今回こちらの表には機械的に発がんクラスがついておりまして、優先度が高になっておらず、優先度が中のものを記載しております。その基準に合致いたしましたのが、こちらにあります3物質、臭素酸ナトリウム、tert-ブチル=メチル=エーテル、フルフラールになっております。
 これら3物質につきましては、発がん性分類で2がついておりますものの、変異原性クラスが外あるいは4。臭素酸ナトリウムにつきましては、HPVでのデータがございませんでしたので、今回変異原性の調査を行っておらず、データはございませんが、いずれにしても、発がん性の懸念が非常に強く、中分類から現時点で優先評価化学物質として選定するほどの優先度はないのではないかと考えております。
 続きまして、参考4の4ページ「(イ)有害性評価値が非常に低い(0.0005以下)の物質」。一般毒性または生殖発生毒性における有害性クラス2には、有害性評価値が0.005以下の物質が該当するところ、その10分の1以下の有害性評価値を有し、暴露クラスを勘案した場合に慎重な検討が必要と考えられる物質という基準を設けておりまして、今回こちらに合致する物質としましては、5-0040フルフラールが有害性評価値0.00044ということで合致しております。
 ただ、フルフラールも詳細な所見を見ますと、備考のところに書いてございますけれども、anterior part of the noseに限られているといったところがございます。後半を見ていただきますと、posterior areas of the nose、すなわち鼻の後ろの方で出てくるのは、一番低い用量より更に4倍以上高いような用量で出ているということが記載されておりまして、ごく限られた局所の反応でもって優先評価化学物質相当という判定をする必要はないのではないかと考えております。
 続きまして(ウ)ですが、今回収集した情報の中では、こちらに該当すると考えられる物質はありませんでした。
 以上、御審議をよろしくお願いいたします。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの内容について、何か御意見ございますでしょうか。菅野先生、どうぞ。
○菅野委員 ちょっと質の違う意見というかコメントが2点あります。
 1つは(ア)なんですが、資料1-3に今回の対象のものがあるわけです。HPVの情報あるいは発がん性の情報で拾っているわけなんですが、それはちょっと置いておいて、化学物質の名前だけを見ると、発がん性に対して、どうしても過酸化水素が目を引くわけです。少し前になると思いますが、これは食品の漂白剤の関係で、広島大学の伊藤明弘先生らが発がん実験をやっているはずなんです。要するに化学物質の方では、発がん性がチェックされた物質であるという事実が比較的有名なものですから、一応コメントせざるを得ないということであります。
 今日の審議に間に合うかどうかは別問題なんですが、過酸化水素の発がん性というのが日本で論議された過去の経緯がありますので、今日もし資料があればですが、なかったとしても、次回までの検討には入れていただくのがいいのではないかというコメントが1つです。
 2つ目は(イ)のフルフラールですが、原著を取り寄せていただいて見たんですが、Food and Chemical Toxicologyのボリューム42の1389~1399ページ、2004年、著者はオランダのTNOです。プロトコールは28日間、週5日間の吸入試験で、呼吸上皮のsquamous metaplasiaとatypical hyperplasiaというものをとっていまして、これがドーズレスポンスをもって増えていって、atypical hyperplasiaが最低の用量から出ている。それをフォローするように、squamous metaplasiaが出ている。
 実験はこういう実験です。0、20、40、80、160、320と用量を増やしています。atypical hyperplasiaが最低用量の20から出ていて、squamous metaplasiaが28日間の間に160から出ているという実験です。
 私としては、たった28日間の試験でsquamous metaplasiaとatypical hyperplasiaが出ているということであると、一応拾っておく方がいいという意見になります。
 ただし(ア)の方で出てくるフルフラールは、経口投与の肝臓に対する影響だったと思います。ですから、標的が違うので、一緒に扱わなくてもいいとは思うんですが、2か所に出てきている。これは一応参考程度にアラートは発させていただきますが、肺の方の所見、原著を当たってみると、挙げておいた方がよろしいのではないか。28日間の試験だけしかやられていないものですから、そういうコメントをさせていただきます。
○西川座長 過酸化水素については、今回検討する物質に入っておりません。資料1-5-3です。以前、広島大でやった試験ですが、あれはカタラーゼがない、ちょっと特殊なマウスを使った試験であるので、最近の国際的な評価には余り取り入れられていないと私は理解しております。
 それから、議論すべきは、恐らく2つ目の点で、フルフラールで鼻腔に過形成が見られたという点についてです。この点について御意見をお願いしたいと思います。吉田先生、どうぞ。
○吉田委員 確かに今おっしゃった所見だけを読むと、腫瘍ということもあるんですが、これは恐らくかなりの刺激性の物質だと思いますので、そのデータが評価に耐えられるものかどうかも含めて、もう少し慎重な検討が必要なのではないかと思います。
 病理学的には、通常squamousでmetaplasiaが出たからanaplasticなmetaplasiaが出ますので、それがさかさまに28日間で出るということは考えにくいと思います。
○菅野委員 恐らくatypicalなものは、腺上皮の方だと思います。squamousの方ではないと思います。
○西川座長 これだけの情報では議論するのが十分かという気がしますので、フルフラールについては、もう少し詳細なデータを前にして議論しないと、仕方がないという気がします。
 事務局それでよろしいですか。
○MHLW事務局 そうしますと、フルフラールにつきましては、詳細なデータ、文献を御専門の先生で御検討いただいてということにさせていただくことになろうかと思いますが、そのタイミングとしましては、次回、夏ごろにスクリーニングをやる予定としておりますので、その段階での検討ということでよろしいでしょうか。
○西川座長 データそのものが既にそれなりの雑誌に掲載されているわけですから、事前に自分でもネットで取ることはできると思うんですけれども、事務局から一斉に担当の委員に流していただいて、次回の会議までにおおよその目星をつけておくという形にできればと思います。それでよろしいですか。
○MHLW事務局 それでは、文献を送付して、次回までに検討していただくということにします。今回はペンディングと申しますか、判断は保留ということで、そのままにしておきます。
○西川座長 そのようにしたいと思います。
 どうぞ。
○広瀬委員 事前の検討ということで、評価値とかUFなどのチェックをしたわけですけれども、資料1-1の3ページ目の上にありますように、今回は生殖発生毒性のデータを見ていないということで、結局このデータが集まった時点で、またこれらの物質はこの場に出てくるということですか。その後にもう一つコメントがあるんですけれども、まずはそれでよろしいでしょうか。
○MHLW事務局 情報収集を進めておりますので、このほかのデータも含めて、再度スクリーニングにかける予定ではおります。
○広瀬委員 そういう意味で、今日のこれらの物質は仮という感じになると思っていて、もう一つ臭素酸もそうですが、これは遺伝毒性物質がというのは有名なので、このまま中でいいかどうかというのは多分議論があるところですし、今のフルフラールの問題もデータが足りない。臭素酸の場合はVSDというのは水道の基準で決められているので、要するに評価値に当たるものが既にあるわけです。だから、今回のような評価値の計算でない評価値を使うべきであるというのは、優先順位をつける作法として、最初にADI、TDIが出ることにしていました。ただ、逆の場合もあるんです。すごく評価値はきついけれども、ADIは緩く評価されているものもあるので、これがフィックスということではないということをまず1つ確認しておきたいと思います。
 あと、細かいところでは、刺激性をどう扱うかとか、UFも発がん性があるものの、刺激性のものはどうするかとか、細かいレベルでは優先のつけ方というのが違ってくると思います。今、ざっくりとしたルールしかなくて、細かいルールがまだ決まっていないということがあります。その場合、提案としてですが、もう少し細かい運用ができるものを、今回の夏ぐらいにつくれればいいのではないかと思っています。
○西川座長 そのために議論を重ねていて、今回もいい事例があると思いますので、事前にコメントをいただければと思います。このままで次回の会議と言われると、ちょっとどうかという気がします。
○広瀬委員 これをつくる過程で出てきた問題です。
○西川座長 既にその基準に従って評価しようとしている段階ですので、その点を考慮していただければと思います。
 どうぞ。
○中杉委員長 基本的に今回の評価は今のルールに従って淡々とやる。そのあれで、もし新しい知見が出てくれば、当然再評価をするというのは当たり前ですので、評価の考え方は何回も検討の中で申し上げていますけれども、ある意味では割り切りで始めているところがどうしても出てきてしまっている。そういう意味で、やりながら、一つひとつの事例を重ねながら、評価の方法もリバイスしていく。そのリバイスが固まっていけば、それに従ってもう一回評価をやる。それは当然そういう方向で進んでいると理解しております。
○西川座長 ほかに御意見ございますか。
 そうしますと、資料1-5-3ですが、(ア)に該当する3物質については、事務局案のとおり、(イ)に該当する物質であるフルフラールについては、もう少しデータを詳細に解析してという扱いにしたいと思います。
 いずれもこれは暫定的な評価ということでよろしいですか。
○MHLW事務局 先ほど広瀬先生から御指摘いただいたとおりでございまして、今回、情報収集の範囲をOECDのHPVプログラム、IARCのGHSの発がん分類に限っておりますが、昨年御審議いただきました信頼性基準では、もう少し広い情報収集をすることとなっておりますので、そういった情報収集をして、こういったデータについてもアップデートしていく予定にしております。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、次に進みたいと思います。昨年度実施のスクリーニング評価に基づき優先評価化学物質とされた物質の再評価について、事務局から説明をお願いいたします。
○MHLW事務局 それでは、次に進みまして、資料1-6をごらんください。「優先評価化学物質の再評価について」ということで、記載してございます。
 こちらにつきましては「1.経緯」のところに書いてございますが、昨年スクリーニング評価を実施しまして、優先評価化学物質が選定されたもののうち、1物質につきまして、選定の根拠に疑義が見つかりましたことから、再評価を行うものでございます。
 「2.疑義のあった物質」としましては、2-メチルプロパン-2-オール、別名tert-ブチルアルコールで、優先評価化学物質として公示済みの物質でございます。
 「3.疑義内容の検討」としましては、一般毒性のNOEL値に疑義がありまして、確認の結果、一般毒性のクラスが2ではなくて4であったという内容でございます。
 裏面をごらんいただきまして、真ん中の一般毒性の2.5のところに吹き出しが着いております。飲水投与2.5mg/ml未満であったところを、判定の際に2.5mg/kg/dayというものと取り違えまして処理したために、有害性評価値が0.0013となり、一般毒性クラスが2となっておりましたが、これを正しく換算いたしますと、230mg/kg/dayとなりまして、有害性評価値が0.012となります。
 表に戻っていただきまして、訂正後、有害性クラスが4、優先度は中となります。中、低区分につきましては、先ほど御議論いただきましたような詳細評価を行うこととしております。
 こちらの物質につきましては、所見としまして、90日間反復投与毒性試験で運動失調、自発運動の減少が見られておりまして、重大性に係る不確実係数10が適用になるケースだと考えております。ただ、その場合でも有害性評価値は0.012でクラス3となりまして、暴露クラスが3ですので、その場合でも優先度は中となります。
 この物質につきましては、発がん性の可能性も考慮して、平成10年当時に指定化学物質と判定されておりますが、平成18年の関係省庁連絡会議によるGHS分類では、ACGIHのA4に分類されていることから、発がんについては区分外としております。
 また、この物質の変異原性につきましては、昨年度のスクリーニング評価においてクラス外と分類されております。
 これらのことから、当該物質は人健康影響の観点から再評価した場合、優先評価化学物質に該当しないとできるのではないかと考えております。
 以上、よろしくお願いいたします。
○西川座長 それでは、ただいまの内容につきまして、何か御意見ございますでしょうか。
 それでは、御異論がないようですので、本物質については、人健康影響については、優先評価化学物質相当に当たらないということにしたいと思います。
 続きまして、議題「2.監視化学物質の審議について」事務局から説明をお願いいたします。
○METI事務局 資料2-1をごらんください。
 まずお配りした資料についてですが、1枚めくっていただきまして、資料2-2が分解性・蓄積性の審査シートになっております。
 7ページ目以降になりますけれども、資料2-3は分解性・蓄積性の試験の要約。
 資料2-4といたしまして、毒性評価の資料を配付しております。
 また、委員の方々には、資料2-3の参考資料として、33ページに今回御審議いただく物質と同じ構造式の昭和62年当時の新規化学物質のシート、35ページには類似構造を有する物質の平成16年当時の審査シートをお配りしております。
 1ページに戻っていただきまして、ポリ(オキシペルフルオロ-n-アルキレン(C=1及び2))につきましては、事業者から新規化学物質の届出がありまして、現在の第一種特定化学物質、当時の特定化学物質に該当しないものとして判定されておりまして、昭和62年3月にその旨が告示されております。
 3ページに物質の名称と構造式が載っておりますが、分子量が500~700の物質につきまして、分解性と蓄積性に関する新たな知見が得られたため、御審議をいただきたいと考えております。
 3ページの資料2-2をごらんください。
 分解性ですけれども、分解性の試験を行っておりまして、BODで平均3%、直接分析ではGC-MSで検出された9本のピークについて分析を行っておりまして、平均1~2%の分解度となっており、難分解性としております。
 4ページになります。蓄積性につきましては、分析可能な9本のピークについて分析を行っておりまして、すべてのピークについて、定常状態における濃縮倍率が5,000倍以上となっております。
 また、部位別の濃縮倍率では、可食部でも5,000倍以上となっております。
 5ページを見ていただきますと、排泄試験も行っております。5ページの真ん中の排泄試験の実施期間ですが、9日間としておりますのは、62日間の誤りですので、訂正をお願いします。
 排泄試験の半減期は30日以上と長くなっております。
 参考としまして、5ページの下にピークごとの分子量と第二濃度区の濃縮倍率をプロットしまして、各プロットを線で結んでおりますので、参考にしてください。
 なお、昭和62年に告示した物質についてですが、想定分子量が5,000を超えていまして、類似の物質の濃縮試験データから類推して、高濃縮ではないと判定しておりました。今回御審議いただく3ページの物質につきましては、分子量が500~700と低いため、昭和62年当時とは異なる結果になったものと考えております。
 一方、1ページ目の下のなお書きのところにあります、類似構造を有する物質につきましては、今回御審議いただく物質と構造は似ておりますが、分子量がおおよそ200~350程度と低い物質になっております。この分子量の物質につきましては、新規化学物質の届出の際に濃縮度試験データが提出されておりまして、高濃縮性ではないと判定されておりますので、御紹介させていただきます。
 以上の結果から、3ページの物質の判定案といたしましては、濃縮倍率が得られた分子量500~700のものに限定しまして、難分解であり、高濃縮性であるとしております。
 次に資料の最後のページをごらんください。分子量500~700の当該物質につきまして、人及び高次捕食動物への長期毒性について、それぞれ調査を行っております。
 その結果、第一種特定化学物質に該当するかどうか判定するための十分な情報がないため、事務局案としましては、判定案にあるとおり、監視化学物質相当としております。
 御審議のほどをお願いいたします。
○西川座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの内容につきまして、何か御意見ございますでしょうか。大丈夫ですか。特に御意見はないようです。
 それでは、本物質の判定としましては、難分解性かつ高濃縮性であり、人と高次捕食動物への長期毒性については第一種特定化学物質に該当するかどうか判定するための十分な情報がないため、監視化学物質相当といたします。
 事務局においては、本判定に基づき、所要の手続をお願いいたします。
 一部で審議すべき事案はおおむね終了ですけれども、先ほど暫定という言葉を使ったことについて、説明が要ると思いますので、中杉先生、お願いいたします。
○中杉委員長 暫定という言葉の響きが少し気になりました。その時点、その時点で暫定では評価をしていると私は解釈しています。常に新しい情報が出てくるので、そういう意味でいくと暫定と言えるかもしれませんけれども、仮にやっているというわけではありません。その時点、その時点ではちゃんと評価をしている。次に新しい情報が出てくれば、それで評価を見直すんだという意味では、暫定という言葉を使ってしまうと、一時的に仮にやっているので、次の本当のものが出てくるととらえられるけれども、そうではないということで、コメントしておきたいと思いました。
○西川座長 ありがとうございます。
 要するに文字通りの暫定ではないという理解でよろしいですね。そういうことですので、よろしくお願いいたします。
 あと、その他で何かございますでしょうか。
○MHLW事務局 先ほど御議論いただきました、資料1-6のtert-ブチルアルコールについては、優先評価化学物質相当ではないという結論を受けまして、関係省庁で対応を検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それから、第二部の審議でございますが、第一部が予定より早く進んでおりますので、予定は15分の休憩でございましたが、20分休憩をとりまして、2時35分の開始としたいと思いますが、いかがでしょうか。
○西川座長 それでは、2時35分に第二部を開始したいと思います。
 どうもありがとうございました。
○MHLW事務局 済みません。菅野先生、何かございますか。
○西川座長 失礼しました。どうぞ。
○菅野委員 お願いというかコメントなんですが、今回IARCの情報を使いました。前から一部のメンバーでは問題になっていたんですが、IARCのグループ3の扱いなんですが、これは4とは異質なものですから、マトリックスでの場所、書き込む場所を、次回の改正の折にでも修正をしていただけたらと思います。3はその中から2とか1になる可能性のあるものをリストアップしているので、データが出てくると、そちらに移行する性質のものです。それに対して4というのは、審議した結果、まず大丈夫というお墨つきがついたものなので、それが一緒になっているというのは、後々困るのではないかと思います。
 以上です。
○西川座長 今の意見は全く私も同じでして、デフォルトという意味からは、4よりも高目に移動させた方がいいと思っております。ですから、是非今の菅野委員の御意見を踏まえまして、検討をお願いしたいと思います。
○中杉委員長 先ほどの暫定の話に絡んでしまうんですけれども、あくまでも、今、情報があるかどうかに基づいてやるので、実際に3と4では意味が違いますが、今、発がん性という情報はないという意味で、同じところに入っていると解釈しています。だから、3と4が同じであるという意味で、同じところに入っているという意味ではない。発がん性という情報があるかないか、現時点で持っているか、持っていないかであそこを区分しているんだろうと解釈しています。
○菅野委員 余り押し問答をしてもしようがないと思うんですが、3でも情報があって、IARCとしてはこういう判定をしたというものも多少あるんです。ですから、同じデータをこちらに持ってくると、違う意見の先生もおられるかもしれないということは、お含みおきいただきたいと思います。
○西川座長 そのようにしたいと思います。
 第二部の開始は2時35分で変わりなしでよろしいですか。
○MHLW事務局 ちょっと話が延びましたので、2時40分でお願いいたします。
○西川座長 そういうことで、2時40分から第二部を始めたいと思います。


(了)

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