ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会) > 平成23年度第1回血液事業部会運営委員会




2011年6月27日 平成23年度第1回血液事業部会運営委員会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年6月27日(月) 14:00〜16:00


○場所

弘済会館 「萩」の間
(住所:東京都千代田区麹町5−1)


○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長、○委員長代理

○大平 勝美、岡田 義昭、花井 十伍、◎半田 誠、牧野 茂義、山口 照英

欠席委員:なし


参考人:

日本赤十字社

○議題

1. 委員長の選出及び委員長代理の指名
2. 議事要旨の確認
3. 感染症定期報告について
4. 血液製剤に関する報告事項について
5. 日本赤十字社からの報告事項について
6. その他

○議事

○伯野補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから平成23年度第1回「血液事業部会運営委員会」を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、委員に交代がございましたのでお知らせいたします。
 久留米大学医学部附属病院臨床検査部教授佐川公矯先生が辞任されまして、国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部長でございます牧野茂義先生が新たに血液事業部会運営委員会の委員に就任されました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 委員の出欠の状況でございますが、本日は岡田委員の方から電車の遅延の関係で少々遅れるとの御連絡をいただいております。
 また、本日は採血事業者等、血液事業の担い手として、日本赤十字社血液事業本部経営会議委員田所憲治さん、副本部長石川隆英さん、副本部長日野学さん、献血推進課長菅原拓男さんにお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、事務局の異動でございますが、4月1日付で難波江功二の後任としまして、私、伯野春彦が血液対策課の課長補佐を拝命いたしましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 それでは、早速ではございますが、議題1でございます。本運営委員会の委員長であった佐川先生が辞任されたため、委員長の選出が必要でございます。運営委員会規程第4条第1項によりまして、委員長の選出を行いたいと思います。委員長は委員による互選となっておりますが、どなたか御推薦はございますでしょうか。
 大平委員、お願いします。
○大平委員 血漿分画も新たな展開を迎えて、血液学とか血栓止血、輸血学で研究者として大変活躍されている半田先生にお願いしてはいかがでしょうか。
○伯野補佐 いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○伯野補佐 御異議ございませんでしたので、半田委員、よろしくお願い申し上げます。
 では、半田委員、委員長席にお移りいただければと思います。
 この後の進行につきましては、半田委員長にお願いいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○半田委員長 皆様方から御指名いただきました半田でございます。誠に大役ですが、運営委員会の委員長といたしまして一生懸命働かせていただきたいと思いますので、今後よろしくお願いしたいと思います。
 早速ですが、最初に当該委員会の委員長代理の指名を委員長の方からさせていただきます。これは運営委員会規程第4条第3項に基づきまして、引き続き大平委員にお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○半田委員長 では、大平委員、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、早速ですが議事に移りたいと思います。
 最初に、事務局より資料の確認をお願いしたいと思います。
○伯野補佐 資料の確認をさせていただきます。
 一番上にございます次第等がホチキス留めにされておりますが、次第と座席表、委員名簿、規程の資料でございます。それ以降が資料になっております。
 資料1でございますが、「平成22年度第4回血液事業部会運営委員会議事要旨(案)」でございます。
 資料2でございますが、「感染症定期報告について」。
 資料3−1でございますが、「供血者からの遡及調査の進捗状況について」。
 資料3−2でございますが、「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」。
 資料3−3でございますが、「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」でございます。
 資料4でございますが、「XMRVに関する文献報告(続報)」でございます。
 資料5でございますが、「東日本大震災への対応」、こちらは日本赤十字社の提出資料でございます。
 資料6でございますが、「改正採血基準の実施状況」、こちらも日本赤十字社の提出資料でございます。
 資料7−1〜7−4まででございますが、フィブリノゲン関係の本日公表させていただいた資料と6月24日に公表させていただいた資料でございます。
 追加資料といたしまして、一番下にございます追加資料1「男性400ml献血年齢引き下げによる影響」の資料でございます。
 追加資料2でございますが、「日本赤十字社と田辺三菱製剤株式会社の血漿分画事業の統合の検討開始に関する基本合意について」という資料でございます。
 資料は以上でございます。
 資料の不足等ございましたらお願い申し上げます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、最初に議題2「議事要旨の確認」ということで、お手元に資料をもう既にお配りしていると思いますが、もし何か御指摘がありましたら事務局の方にお申し出いただきたいと思います。
 続きまして、「感染症定期報告について」、事務局の方から資料の説明をよろしくお願いします。
○伯野補佐 それではよろしくお願いします。
 お手元の資料2をご覧いただければと思います。「感染症定期報告について」御報告させていただきます。
 5ページ目以降が、昨年12月1日から今年の2月28日までの文献でございます。今回21報ございます。順番に説明をさせていただきます。
 まず1つ目でございますが、中国におけるE型肝炎ワクチンの有効性及び安全性に関する研究でございまして、16〜65歳の健常成人においてE型肝炎ワクチン投与群と、コントロールとしてB型肝炎ワクチン投与群とを無作為割り付けを行いまして有効性を検証したところ、コントロール群では15名がE型肝炎を発症したが、E型肝炎ワクチン投与群では発症者はおらず、有効性は100%であったというものでございます。
 2つ目でございます。血漿分画プール中のHEV RNAの存在と抗HIV IgG抗体の濃度を検討したところ、その結果、約10%の血漿分画プールがHEV RNA陽性で、陽性プールの地理的分布はヨーロッパ、北アメリカ、東南アジアの数か国を含み、広範囲にわたっていたという内容でございます。
 3と4については前回の運営委員会で岡田委員から御説明いただいた内容でございますので、省略をさせていただきます。
 次に5でございますが、パルボウイルスB19につきまして、急性感染した無症候性供血者に極めて高いウイルス血症レベルが認められたため、輸血による感染リスクを調査することを目的としまして、供血者と受血者のサンプルを用いて前向き調査を行った結果、受血者869名のうち14人がB19 DNA陽性でした。そのうち1名が輸血による感染と確定され、感染率は0.12%であったというものでございます。感染率は低く、感染したとしても無症状で終わることが多いと考えられるが、新生児や免疫不全状態の方等については重篤になる可能性があるというものでございます。
 次に6番目でございますが、供血者スクリーニングにおいてウエストナイルのウイルス血症と特定された方における臨床症状の特徴について調査をしたものでございます。初回検査でウエストナイルRNA陽性となった血液供血者1,436名について経過観察と追跡調査を行ったところ、821名の供血者がウエストナイル感染症と確認され、症状を初期感染者576名と、非感染者の間で比較したところ、感染者の26%にウエストナイルの特徴である8つの症状、発疹、全身の虚脱感、頭痛、筋肉痛、関節痛、発熱、悪寒、眼痛のうち、少なくとも3つが存在すると推定されたものでございます。また、医療機関で確定診断を受けた方がわずか5%であったという報告でございます。
 7番目でございますが、ボリビアとペルーの発熱患者さんからGuaroaウイルスというウイルスが分離され、3症例でIgMセロコンバージョンが確認され、Guaroaウイルスが中南米の発熱疾患の原因になっているのではないかというものでございます。
 8番目でございますが、中国中央部で夏になると数百人が高熱と胃腸障害を来し、ある地域では30%近くが死亡していた原因を新型のブニヤウイルスと特定したというものでございます。
 ここまでで御審議いただければと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 新規のウイルス等々の御報告もありますが、何か御意見あるいはコメントはございますでしょうか。
 どうぞ。
○岡田委員 2番のHEVですけれども、これは私も今まで気づかなかったですが、「HEV RNAの存在と抗HIV」ではなくて、これは「抗HEV」の間違いではないでしょうか。
○伯野補佐 間違いです。
○岡田委員 私も気づきませんでした。
 HEVは日本では北海道で試験的にNATスクリーニングが行われているんですけれども、ヨーロッパではこれまで余り詳しく調べられていませんでした。調べるとこういうふうに血漿分画製剤の分画プールに陽性に出るというので、ヨーロッパでもやはり存在している。これは恐らくジェノタイプ3だと思うのですけれども、今までは症状が軽いために、ほとんどの方が感染していても軽度の肝機能障害等で気づかれないでいたと思います。こういうことがわかってくると、分画製剤でこのウイルスを排除するような、例えば肝機能異常を排除するとか何らかの制限が必要になるという可能性も出てくると思いますし、あとは輸血の方でも試験的にNATをやってみるとか、慢性化も報告されていますので、慢性化のリスクがあるような人には特別な注意を必要とする等の話も今後出てくると思います。
○半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○山口委員 1つは今、岡田先生のおっしゃったとおりのところで、私も同意見ですが、追加です。
 これは学会発表なので詳しいデータは提供されていないのですけれども、ALT値の高くない人にも高い人でも両方同じようにハイタイターなHEVがあったという話があって、一見ALTの測定が余り意味がないように見えるんですが、多分日赤で以前実施されたデータの中でALTの高い人に比較的HEVポジティブが多かったということを聞いていたような気がするのです。もし後で何か追加がありましたら教えていただければと思います。いわゆるHEVを排除するのには、ALTの測定が初期の解析のころにそれなりに有用だったという結論があったような気がしておりますが、その辺について追加がございましたら。
 もう一つ別に、5番目の報告ですけれども、パルボウイルスは非常にタイターが高いケースがあるということです。ただ、そういう意味では血漿分画製剤にもハイタイターが、多分非常に高感度にはパルボを検出しないような試験法が採用されているかと思うのです。血漿分画製剤の方は恐らく問題ないと思うんですが、輸血の方はそれなりにリスクがまだ存在し得るのかなと。その辺はちょっと気になりました。
○半田委員長 ありがとうございました。
今の山口委員の御質問もありますが、何か日本赤十字社の方からコメント等はおありでしょうか。特にHEVとトランスアミナーゼ活性の問題とかはいかがでしょうか。
○日本赤十字社(日野) 手元にデータがないので明確にはお答えできませんが、以前すべての血液についてHEVのNATスクリーニング調査をやっていた当時は、ALTのいわゆる61以上のものもやっておりましたので、そのときの数字はたしか10%あるかないかだったと思います。
○半田委員長 ほかにはございませんでしょうか。
 あと1つ、ウエストナイルウイルスに関しては我が国は幸い上陸していないですけれども、この間感染研の方からの御報告では、意外と蚊が結構長距離を飛ぶというようなデータを見せていただきましたが、何かコメントはおありでしょうか。特にございませんか。
 それでは、引き続き説明をよろしくお願いしたいと思います。
○伯野補佐 9番目でございますが、無症候性のHTLV-1キャリアを前向きに評価したところ、HTLV-1のプロウイルス量、高年齢、ATLの家族歴、他疾患治療時における初回HTLV-1の検査がATLの進行の独立したリスク因子であることが示されたという報告でございます。
 10番目でございますが、日本において厚生科学審議会感染症分科会感染症部会においてチクングニヤ熱を感染症法における4類感染症に追加することに合意したという内容でございます。
 11番目でございますが、インフルエンザH1N1流行時における血漿分画製剤の安全性について評価したものでございまして、H1N1が一般に用いられるウイルスクリアランス工程において効果的に不活化、除去されるのがわかったというものでございます。
 12番目でございますが、中国のデング熱の発生状況でございます。デング熱の流行が、これまでは南部沿岸地域にある程度限定していたものが、北部や西部にまで広がりつつあるというもので、その原因として都市化の加速や地球温暖化によるものを挙げております。
 13番目でございますが、フィリピン、タイ、マレーシア、インドなどにおけるデング熱の発生状況を報告したものでございます。
 14番目でございますが、アヒルの卵を摂取することによってサルモネラ症を発症したというもので、合計24例が報告されており、アヒルの卵の安全な摂取方法や手洗いなどの衛生管理に関する注意喚起についても触れられております。
 15番目がハイチにおけるコレラのアウトブレークを報告したものでございます。
 ここまでで御審議いただければと思います。
○半田委員長 何か御意見、コメントはいかがでしょうか。
 それでは、引き続きお願いします。
○伯野補佐 16番目でございます。インド、パキスタン、英国の多剤耐性腸内細菌におけるNDM-1の陽性状況を調査したものでございまして、それぞれの国で検出されましたが、英国の陽性者については前年にインド、パキスタンへの渡航歴があるケースが多いという内容でございます。
 17番目でございますが、日本におけるNDM-1の初めての報告事例でございまして、インドで内科治療を受けて、日本に帰国後に入院したというものでございます。
 18番目でございますが、Klebsiella pneumoniae carbapenamase、KPCを産生する遺伝子を備えた強力な薬剤耐性菌が米国の35州以上の病院で報告されているというものでございます。
 19番目でございますが、同じドナーからの腎移植のレシピエント2名が移植により脳炎を発症し、ドナーの剖検脳組織からアメーバが検出され、その後ドナーと2名のレシピエントからの検体で実施した検査によりましてバラムチア・アメーバ性肉芽腫性脳炎の伝播と確認されたという内容でございます。
 20番目でございますが、英国で集められた扁桃腺標本のリンパ網内プリオンたんぱくの大規模な免疫組織化学検査についてでございます。扁桃腺9,160検体の中で1検体が陽性でございまして、英国人口100万人当たり109人のプリオンたんぱく関連疾患の保有率であったという内容でございます。
 21番目でございますが、FDAが米国の血漿由来第?因子製剤のレシピエントにvCJD罹患の危険性があるか再検討しまして、定量的リスク評価ドラフトの2010年最新版が報告され、その中では米国で製造された第?因子製剤からのvCJD感染リスクは非常に低いと考えられるが0ではないことなどが示されております。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。ただいまの文献の報告につきまして何かコメントはございますでしょうか。特に狂牛病に関しましてはやはりまだ血漿分画製剤であってもリスクが0ではないということですが、特にございませんでしょうか。
 岡田委員、よろしくお願いします。
○岡田委員 文献の20番ですけれども、これは扁桃のEIAでは1例もなくて、免疫染色をやったグループにおいて1例陽性とここには書いてありますが、ペーパーの中では再現性が乏しいです。ほかの試験では陽性にならなかったのです。ただ、一番最初にやった組織免疫は1つが陽性と判定してもいいぐらいはっきりとした陽性所見がありましたけれども、ウエスタンとかをやると再現性がとれなかったということです。なお嫌らしいのは、この患者さんはプリオンの129番目がメチオニンとバリンのヘテロです。そうしますと病気の進行も非常にゆっくりだと思われますので、たまたま切片の中に異常プリオンが存在していて、ほかの切片にはなかったということもありますので、これはなかなかはっきりした判断が下せないです。この論文の結論としましては、これが陽性に判断されても陰性に判断されても過去に評価された陽性の確率の幅に入っているという考察で、要するに誤差に入っているという表現をしています。
○半田委員長 ありがとうございました。
 ほかにはございませんでしょうか。
 どうぞ、山口委員。
○山口委員 21番の報告ですけれども、第?因子のリスクについて評価をされているのですが、一見例えば製剤使用量が多い場合には1万5,000人に1回という、これはワンヒットすれば、異常プリオンに感染すれば感染が成立するというような計算に基づいているのだと思うんですけれども、プリオンの専門家の岡田先生にも御意見をいただければありがたいのですが、多分その点については本当に異常プリオンがワンヒットで感染すれば成立するかというのはまだ明確なことにはなっていないだろうと思います。マキシマムこれくらいのリスクだという話であればそれでいいのかもしれないなという気はします。
○半田委員長 今のものにコメントはございますか。
○岡田委員 大変難しい質問だと思います。私にもわからないです。ただ、このペーパーにも書いてありますけれども、やはり製造工程でのクリアランスが重要であるということに変わりはないと思います。残念ながら、プリオンのクリアランスを評価する標準的な方法がないんです。そういうことで簡単にここにクリアランスと書いてありますけれども、実際のところはわからない。だから一応ウイルスに有効なものはプリオンにも有効だろうということで考えられているのが現状です。
○半田委員長 ありがとうございました。
 狂牛病に関しましてはやはり引き続きかなりケアしなくてはいけないということは間違いないと思います。
 それでは、事務局におかれましてはただいまの御意見を参考にしまして、引き続き定期報告の収集等をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に議題4「血液製剤に関する報告事項について」お願いしたいと思います。
 本議案に関しましては、遡及調査の進捗状況とか副作用感染報告の状況等について、特に事例とその後の対応について御報告をいただきたいと思います。
 それでは、事務局の方から御説明願えますか。資料3−1ですね。
○伯野補佐 それでは、お手元の資料3−1でございます。供血者、献血者からの遡及調査の進捗状況でございます。
 4ページ目が最新の状況でございまして、この表の向かって右側が平成22年4月1日〜平成23年3月31日までの報告となっております。前回は4月1日〜11月30日までのものをお示ししましたが、4か月間増えたものでございます。
 調査の対象としました献血件数が1,858件。それをさかのぼって個別NATで見てみますと、陽性となったのが100件あったというもので、すべてHBVであったという報告でございます。前回の11月30日までの報告では65件でしたので、この4か月間で35件個別NAT陽性が確認されたというものでございます。
 これを遡及しました医療機関での使用状況また感染状況等を確認しますと、陽転事例が3件あったということで、これは前回も3件ございましたので、この4か月間で陽転事例は確認されなかったというものでございます。
 7ページをご覧いただければと思います。「『血漿分画製剤のウイルス安全対策について』の実施状況について」という資料でございます。
 これは毎回報告事項として出させていただいているものですが、この資料は平成15年11月7日の通知発出後に分画製剤メーカーに対しましてウイルス・プロセスバリデーションの実施状況やウイルスクリアランス値が9未満の製剤の有無について確認をさせていただいて、その結果を記載したものでございます。
 平成17年ごろまではメーカーからの追加報告に基づきまして記載を修正しておりましたが、それ以降は日付の変更しか行っておりませんでした。記載内容を改めて確認させていただいたところ、ウイルスクリアランスが9未満の海外の2製剤は既に承認整理されているなど、現状を反映したものではないということがわかりました。したがいまして、改めてメーカーに対して最新の報告を求める必要があるか、あるいはクリアランス値が9未満の製剤は既に存在しないことから、この報告自体が必要か否かも含めて御議論をいただければと思います。
 以上です。
○半田委員長 ありがとうございました。
 まず最初に、遡及調査実施状況に関しまして何か御指摘事項、御意見等々ございますでしょうか。 
 それでは、続きまして、今、御説明がありましたウイルスバリデーションに関する規定です。これは既にウイルスクリアランス9未満の製剤がないということもありますので、この報告に関しまして必要があるかどうかという点です。これを御議論いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 山口委員。
○山口委員 恐らく9未満の製剤が承認されることはなかなかないだろうと思います。出てくるとしたら、総合機構に製法変更とか新たな製剤での申請がされてくるかもしれませんけれど。そこでこの9未満という4課長通知についてはきちんと周知してやられておられると思いますので、この報告についてはもう不要ではないかなという気はします。どうしてもというような製剤があった場合には、そのケースに応じて対応を考えればいいのではないかなという気がします。
○半田委員長 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
○花井委員 今、御意見があったとおりだと思うんですけれども、そうすると逆に言えば今後9未満の製剤が申請されたときには9未満の製剤は認可しないとか、つまりこれはある種の基準になるのか、もしくは何らかの理由で9未満の製剤が新たに認可されるということがあった場合は必ずそれが報告されることになっているのであれば、これはもう不要ではないかと思います。
○半田委員長 いかがでしょうか。
○伯野補佐 済みません、確定的なことではないんですが、恐らく今後9未満のものが承認されるというのは現実的にはないのではないかと思っております。そこはちょっと確認させていただいて。
○安田企画官 今、伯野補佐の方から御説明しましたとおり、これが1つの基準というような形で平成15年の段階で出ておりまして、今後も生きていきます。これが承認される段階における1つの基準になっておりますので、その意味では今後は今の条件の下で9未満のものがそのまま認められることはないだろうと考えています。
 ただし、ちょっとわかりづらいのは、先ほど山口委員もおっしゃいましたけれども、本当に9未満のものを認める場合がないのかと言われた場合に、何かの前提条件としてどういうことを考えなければいけないのかという問題がございますので、そのときにはそのときのリスクとベネフィットの問題を考えつつ、そういうものについては今後も安全対策を個別にかけていくような問題と考えておりまして、我々はそういうふうにして処理していきたいと考えております。
○半田委員長 いかがでしょうか。
 そういうことで、この報告要件に関しましては必要ないだろうという結論にさせていただいてよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、引き続き資料3−2についてよろしくお願いします。
○伯野補佐 続きまして、資料3−2、こちらは医療機関からの報告でございます。表紙でございますが、今回劇症例やHIV感染など、個票となる新規報告事例はございませんでした。
また、継続で調査している症例でございますが、4ページの下から2番目の症例について、1名の供血者が新たに来訪していただきまして、その結果陰性でございました。
次に、全体をまとめた表が5ページにございます。平成23年2月3日〜5月2日までの感染症報告、疑い事例を含むものでございますが、全体で25例ございまして、B型肝炎が12例、C型肝炎が7例、HIVが0例、その他が6例というものでございます。
B型肝炎ですが、陽転事例が10例のうち、個別NAT陽性が1例ございました。死亡事例は0例でございます。
C型肝炎は陽転事例が7例で、個別NAT陽性は0でございました。
HIVは0例。
そのほかで、B型、C型肝炎以外の肝障害、その他感染での無菌試験陽性事例はございませんでした。
6ページの一番上にあるものでございますが、こちらは受血者が陽転化し、かつHBVでの個別NAT陽性となった事例でございます。保管検体と受血者のウイルスの塩基配列はすべて一致していたというものでございます。
その下にある事例と7ページの下から2番目の事例が、献血者が再来した際にその献血者が陽転化していたもので、受血者との塩基配列がすべて一致しているものでございます。
10ページ、11ページがC型肝炎の事例でございます。
12〜14ページが細菌感染の事例でございます。
 15ページでございますが、北海道管内で行われております試行的なHEVのプールNATの実施状況でございます。今のところ8,272分の1程度の陽性があるというものでございます。
 資料3−2については以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 医療機関からの報告事例ということで、いかがでしょうか。個別の症例をずっとご覧いただいたと思いますが、個別のケースでもよろしいですし、何か御指摘事項等々あればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 大平委員。
○大平委員 2ページからの新規報告のところで、大分さかのぼって遡及の来訪者を期待しているわけですけれども、ただ、余りずっとこれを古くから重ねていくとかなりのボリュームになっていくのではないかというところで、ある年月で切るとか、多分日赤でその後は把握されるんだろうと思うんですけれども、一応報告としては何年間という形の整理とかをしていかないと、いつまでも来ないままこれを眺めているのもどういう意味があるかなと。4ページに新しく1人が来訪してという報告があるんですけれども、多分古い年代になるとそれはなかなか把握はできないだろうなというところがあるんですが、この意味合いについて何か日赤の方、または委員の先生方から何かしら指摘があったら教えていただきたいと思います。
 あとE型肝炎の問題については、いろいろ肉の種類とかそういうものがずっと例示されているんですけれども、一般的にこれが北海道での食肉の問題としての特徴的な事例になるのかどうかがこの表ですとよくわからないところもあって、これについて何か特に注意しなければいけない問題とかそういうものが、この表を提示した日赤側としては何か意味合いがあるのかどうか教えていただきたい。
 それから、北海道の事例で献血前の動物内臓肉の喫食歴というか、それが北海道は71%、一般の献血者のパーセンテージは28%というものが出ているんですが、これは特に北海道はこういう傾向がかなり高いということを示しておられるのか、それともどういう意味合いでこのパーセンテージが出されているのかを教えていただきたいなと思います。というのは、余りにも特定の地域と一般的な差が大きいので、それについてもしかして偏見みたいな問題が出ると嫌だなというところを少し感じていただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。
○半田委員長 ありがとうございました。
 今、大平委員の方から2点御指摘がありましたが、1点目は遡及調査で随分古いものまで未だに追跡されている、これは実質的には日赤がやられていることですが、この意義はどうかというものです。
 それから、HEVの問題に関してですが、いかがでしょう。
○日本赤十字社(日野) 1点目ですけれども、確かに大平先生がおっしゃるように時間が経過しますと、その方がたとえ今後陽性になったとしても、当時本当に陽性かどうかというのはわからないというのはあるかと思います。これは平成15年からやられていますけれども、そういう意味では少し見直す時期に来ているのかとは思います。
 もう一つのHEVに関しましては、当時北海道の方で限定してHEVの調査を行っておりまして、NATを始めた当初、献血の受入れの段階で何か問診でスクリーニングすることができないだろうかということを検討した時期がありました。それで資料3−2の24ページになりますけれども、今、大平先生がおっしゃったのはこの表の下の部分だと思いますが、「一般献血者の献血前動物内臓肉喫食歴28%」は、当時受付で過去3か月以内に豚とか鹿とかの内臓肉を食べましたかということを聞いたときの結果です。この表の中に、下から2番目のポツで「動物内臓肉喫食歴」とありますけれども、これが140分の99で71%になっています。こちらの方の高いのは、献血の受付の段階に来たときには、食生活は結構日常のことなので、実際に食べたかどうかは漠然と聞いてもなかなかわからないですけれども、実際にHEVのNATが陽性でしたという通知を差し上げたときに、そういえば3か月以内にそういうものを食べたことがありますという話がアンケート調査でわかってきた数字だと思います。
 この数字が北海道特有のものかどうかということですけれども、それに関しては過去に安全技術調査会で報告した数字ですが、北海道と東京でHEVのNATの陽性率はどうかということを調査したことはありました。そのときにNATの陽性率は、北海道が大体7,000〜8,000に1本であり、東京の方は大体1万4,000〜1万5,000に1本ということでした。そのときにこういった喫食歴のデータを持ち合わせておりませんので、この数字そのものが北海道特有かどうかというのは、把握しておりません。
○大平委員 今のお話ですと、スクリーニングの方ではHEV抗体がある方についての喫食歴を調べたということですか。
○日本赤十字社(日野) NAT陽性です。
○大平委員 ですから下の一般的なデータと比較にはならないですね。そこはどういうふうに考慮したらいいのか、もしあれでしたらこれはただし書を書くなりしないと、やはりそこはまずいのではないかなと思います。
○半田委員長 いかがでしょうか。
○日本赤十字社(日野) 今、先生がおっしゃられた表記に関しては、今後少し考慮したいと思っております。
○半田委員長 HEVに関しまして、そういう意味ではこれをこのままこういう形態で報告していただくのは適当かといいますか、必要があるかどうかも含めて、特に喫食歴のリストは年に1回程度でよろしいのではないかなと思いますが、この辺はいかがですか。
○日本赤十字社(日野) 日赤の方もラインリストを毎回報告させていただいていますが、この調査を始めた後、特にHEVに関しては変動がありません。北海道でも少しずつ減っているということがありますので、できましたら年に一度、今回お示ししたような例がありますけれども、こういった表なりグラフなりを示させていただいて、そのときに報告させていただければと思います。
○半田委員長 そうですね。今、大平委員が指摘されたように、こういう地域に偏ったものを果たしてパブリックに報告していいかどうかというか、そういうようなところも含めて、また報告の形態等も御検討いただければと思います。
 それから、遡及調査の年限、平成15年からやられていますので、どの辺で区切りをつけるかも御検討いただければと思います。事務局の方もよろしくお願いしたいと思います。
○伯野補佐 わかりました。
○半田委員長 あとそれ以外に事例でいかがでしょうか。何か御指摘事項等々おありでしょうか。
 私の方で気になったのは、10ページ目のC型肝炎の10歳の男の患者さんでの事例ですが、これに関してはHCVマーカーが陽性になったということで、これは肝炎とか症状が出たのでしょうか。
○伯野補佐 今、調べますが、こちらの症例は10歳未満の方で、手術と同時に血液製剤を投与されて、前後でHCVが陽転化したという事例です。たしか肝機能も動いていたかと記憶しています。今、調べさせていただきます。
○半田委員長 それは後でもいいのですけれども、遡及調査の場合、一般的なガイドライン上はマーカー陽性ではなくてやはり医学的な重篤性でしょうか、肝炎の発症、その重篤なもののみに限って遡及調査をやるというようなガイドラインの内容にたしかなっていたと思いますが、そうするとこの事例はそれではなかったと考えていいわけですね。
○伯野補佐 遡及調査というよりは、供血者をもう一回呼び出して確認調査をするかどうかという対象が、遡及調査のガイドライン上は受血者が劇症あるいは死亡に限定されているという状況でございます。ですから劇症肝炎か死亡事例でないと対象にはならないということでございますので、この事例については少なくとも劇症でもないですし、死亡でもなかったというものでございます。
○半田委員長 今の点に関しまして、もし日赤の方で何かコメントを、1つはこういう症例に関してそこで調査をストップしていいのか、あるいは供血者まで戻るべきなのかというところも含めましていかがでしょうか。
○日本赤十字社(田所) ガイドライン上は、今、御説明があったように、劇症、死亡例について調査するということになっています。現実の問題としては先ほどの個票にあったように、呼び出しをお願いしても献血者の方が全員来るというのは大変難しい状況にはあります。ですからそこを両方考えて、かつ献血者の方の都合といいますか、なかなかおいでいただけない事情もあって、我々としてはその善意に期待してやっているという状況は是非知っておいていただければと思います。この例に関してはたまたま全員来ていただけまして、全部陰性でした。
○半田委員長 今の供血者に戻った調査の対象の病態ですか、今はもう重篤性、死亡例も含めてそれに限定しているということで、これはなかなか難しい問題です。医学的に見て等々もあると思いますが、何か委員の先生方。
 山口先生。
○山口委員 BとCと多分実際の病態というか、キャリア化するかどうかということも大きな差があるのだろうと思うのです。勿論この患者さんがどうなるかまだわからないのですが、Cの場合はキャリア化すれば当然将来的には肝硬変とか肝がんのリスクを伴ってくるので、そういう意味で今の基準では対象外になってしまうんですけれども、将来の患者さんのリスクを考えた場合には対象とするべきではないかなと私は思うんです。
○半田委員長 委員の先生方、ほかには何か。
○岡田委員 遡及調査が始まった当時はなかなか投与前の検査も完全にはやられていなかったので、因果関係がいまいちでかなり死亡例とか重篤な例になってしまったと思いますが、現在は医療機関の協力で前後よく検体が調べられているため、投与後に陽転した場合にやはり真っ先に疑われるのは血液だと思います。そうすると血液が白か黒かを明らかにしておいた方が、後々血液ではないというのを時間が経ってから証明するのは大変だけれども、その時点で証明しておけば違う原因だろうということになるわけです。そういう面では重篤でない場合であっても調べた方がいいと思います。
 問題は、例えばB型肝炎で、今は陽転化しても肝炎にならないで終わってしまうような症例もあります。一過性にs抗原が出たけれども、やがてそれが消えて抗体が出現してしまうという例もありますので、すべてがドナーまでたどり着くかというと、その辺はちょっと難しいところだと思います。ただ、C型肝炎で恐らく慢性化してしまうのではないかというこの症例みたいな方は、やはりドナーを調べておくべきかなと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 CあるいはHIVに関しては慢性化する、しかしBに関しては自然に寛解するといいますか、病気がなくなってしまうということもありますので、ウイルスの種類によってはむしろ調査対象を特定すべきではないという御意見だと思います。これは感染経路の特定も含めて、専門的な見地から検討していただければと思います。もしよろしければ安全技術調査会で日本赤十字社とそれに関しては改定すべきかどうかも含めて検討していただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○伯野補佐 わかりました。
 1点だけ先ほどの件でございますが、AST、ALT値については1,500程度までいずれも上がった、ただ、劇症肝炎の定義には当てはまらなかったというもののようでございます。
 以上です。
○半田委員長 ありがとうございました。
 続きまして、資料3−3を御説明よろしくお願いします。
○伯野補佐 それでは、資料3−3でございます。献血件数及びHIV抗体・NAT陽性件数でございます。
 平成23年1月〜3月の献血者数におけるHIV陽性件数でございます。一番下の部分でございますが、29件となっております。そのうち女性が3件、核酸増幅検査のみにおける陽性件数はございませんでした。10万件当たりの陽性率は2.185と高い数値となっております。
 続きまして、2ページ目でございますが、陽性者数を年齢別に示したものでございます。この資料は昭和61年からの累計値になっておりますが、20〜30代の日本人男性が全体の7割強を占めております。今期の陽性者についても29件の報告のうち、24件が20代、30代の日本人男性となっております。
 3ページ目でございますが、都道府県別の陽性者数でございます。平成23年の第1四半期でございますが、13の自治体から陽性者の報告がございました。陽性者の報告があった自治体の数は前年同期の8自治体から増加しております。また、都道府県別に見ますと、千葉県については、昨年1年間で6件に対して、今期3か月で5件の報告がありました。大阪につきましても、昨年1年間で18件なのに対して、今期は3か月間で7件。長崎県に関しましても、昨年は1年間で0だったのが、今期は2件という報告状況でございます。
 5ページ目をご覧いただければと思います。平成18〜22年にかけての年齢別の陽性割合を示したものでございます。22年につきましては16〜19歳が5件、20代が21件、30代が43件、40代が10件、50代以上が6件という構成になっております。合計86件のうち、20代と30代の合計が64件ということで、全体の74%を占めております。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございます。
 全体の陽性件数、それから、地域的に一部前年に比べるとちょっと多い数字が出ているというようなことですが、何か御指摘事項等々おありでしょうか。
 どうぞ、大平委員。
○大平委員 都道府県の献血地別なので、特に近畿圏ですと大阪に施設が集中しているというところで、多分周辺から来られているのかなと推測はするんですけれども、地元周辺ですとかそういうところでの検査体制の充実が、本来献血の場所に集まらないでできるようにしていただきたいとずっとここの運営委員会でも言われていますけれども、なかなかそこに結び付いていないのかなと、この数字を見ると感じるんです。ですから献血の血液センターですか、そういうところに集中してしまうことの問題について、もう少し国としても関係部局で議論していただいて、やはりなるべく安全な血液を届けられるように、そういう方向でお願いしたいと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 事務局の方で何かコメントはございますか。
○伯野補佐 一般の地域住民の方のHIVの検査体制については疾病対策課がやっておりますので、その担当部局にも今、いただいた御意見をしっかり伝えさせていただいて、議論したいと思います。
○半田委員長 どうぞ、花井委員。
○花井委員 これまで検査体制ということで保健所の検査等々の充実を中心にやってきたと思うんですけれども、やはりむしろ医療機関でできるように間口を広げるということが大事かと思うので、比較的C型肝炎はそれで結構検査できていますね。HIVについては勿論今の状態では医師が疑いを持ったときは一応保険で診られるということになっているようですが、やはり運用上どうもHIVの方が検査しにくい環境があるようなので、その辺の是正をしていただけたらと思います。
○半田委員長 ありがとうございました。
 多分この委員会だけではなく、やはりいろいろな部局を巻き込んだ包括的な取り組みをこれからもお願いしたいと思います。
 それでは、今の御意見を踏まえて、事務局、そして日赤におかれましては引き続き血液製剤の安全情報に関しまして収集の御努力をよろしくお願いしたいと思います。
 続きましては、議題5です。資料4を見ていただきたいと思います。「XMRVに関する文献報告」についてです。
岡田委員の方から追加ですので御報告願いたいのですが、本件に関しましては昨年5月、11月、本年の3月と3回にわたり一応こちらで議論させていただきまして、当ウイルスと慢性疲労症候群の関連については肯定あるいは否定する論文がそれぞれ出されまして、いまだに不明である。それから、我が国においてはこの疾患の患者100名の血液を検査したところ、いずれもウイルスは陰性であったということです。献血現場では実際献血は健康でなければできないということで、この疾患をお持ちの方々に関しては実質的に献血は制限されている。そういう意味では既往歴を含めた献血制限の実施は患者または家族へ社会的な影響が及ぶ可能性があるということで、慎重な対応が求められるという現時点での結論で、献血者一人ひとりの既往歴にまでさかのぼっての献血制限は行っていないというのが現状でありますが、岡田委員の方からよろしくお願いします。
○岡田委員 昨年12月に慢性疲労症候群とXMRVとの関係を否定するような論文が4報ほど報告されました。今回紹介するのはそれ以後に報告されたものです。
 1番目ですけれども、これは日本の前立腺がん患者67名、慢性疲労性症候群の患者さん100名、健常人500人の血液を用いてXMRVの感染リスクを評価しました。まず、この人たちの中にXMRVのGagたんぱくの1つでありますCAに反応する抗体があるかないかを調べました。そうしますとGagたんぱくに反応する陽性者が数人いたんですけれども、XMRVのほかの抗原に対しては抗体は検出されませんでした。Gagたんぱくに対して反応した前立腺がん患者さんの末梢血からXMRVの遺伝子の検出を行いましたけれども、陽性になる場合もありますが、再現性がなく、繰り返して陽性にならないということで、培養法を併用しましたけれども、XMRVは増えてきませんでした。一方、100名の慢性疲労性症候群の血漿及び末梢血からXMRVの遺伝子をNATで検出しましたけれども、すべて陰性であったということで、日本の患者さんで前立腺がんとか慢性疲労性症候群の発症とXMRV感染との関連はないということを示唆するのが番号1の論文です。
 2番目に、今までXMRVに関する論文は患者さんの群と健常人の群がなかなか一致していない、検体がとられた年度が違っていたり、住んでいる地域が違うとかいろいろ問題があったのですけれども、このグループは同じ地域に住む100例の慢性疲労症候群の患者さんと200例の健常人の血液を、XMRV及びXMRV類似のウイルスの遺伝子、2番目で抗体の有無、3番目がウイルスを培養して増えてくるかどうかを調べました。そうしますとすべて陰性でした。この中に実は過去2年間に繰り返しXMRV陽性と判断された14例が含まれていたのですけれども、そのなかの1例も陽性となりませんでした。
更にこの人たちがこの試験をする前にTaq polymeraseの中にごく微量のマウスのDNAがコンタミしていることを見つけまして、そういうふうなコンタミしたTaq polymeraseを使いますと、感染の有無というか、NATの5%ぐらいにXMRVもしくは類似のものが陽性になってしまうということを示しています。ですからそういう面では患者さんとか健常人からは遺伝子は検出されないけれども、核酸増幅法に使うキットによっては偽陽性というか、陽性になることがあることを示しています。これは過去も同様のことを言っている論文がありました。
 3番目が、これは『サイエンス』のペーパーですけれども、過去にXMRV陽性と診断された43名を含む慢性疲労性症候群61名を2番と同じようにNAT法と抗体、あと感染性のウイルス培養法を用いて再評価をしました。ところがすべて陰性でした。つまり再現性が得られなかったわけです。
この人たちの検体は、『サイエンス』に報告された検体を提供した同じ医療機関から提供されたんです。そうしますと診断基準とか住民の方々の差は考えられないということで、ではどうして不一致が生じたのかということを解析しています。そうしますと2番と同じですけれども、まず核酸増幅法に用いられる酵素に使われている抗体などにマウスの遺伝子が混入したということです。それと検出されたXMRVの遺伝子を調べると、それは実は細胞由来のものと一致したということで、通常細胞内で継代していたりしますと、ある頻度で変異が入るのですけれども、それが全くないということ等から、どうもこの実験室で使っていたウイルスが検体の中に混入したためではないかということをその原因として報告しています。さらにXMRVとヒトの補体との関連を解析してみますと、どうもXMRVはヒトの補体に反応させると不活化されるということを報告していまして、ヒトの体内に入った場合、感染が成立しないのではないかということを示唆しています。
 4番目は、コンタミ説に最後のとどめを刺すような内容の論文です。というのは、XMRVが持続的に感染する細胞株は2つあります。CWR22Rv1という細胞株とCWR-R1という株があって、これはもともとCWR22というのがオリジンで、それが継代しているうちにこういうふうに2つに分かれたのです。このCWR22はヒト由来の前立腺がんですが、継代当初はヌードマウスで継代していたのです。継代初期の細胞株が残っていまして、それからはXMRVが検出されませんでした。最終的に現在存在しているようなというか、よく使われているようなCWR22Rv1とCWR-R1は感染しているわけです。そうすると途中でどこかから感染したのではないかということなので、それを調べますと、マウスからXMRVの先祖に当たるPreXMRV-1とPreXMRV-2が検出されました。ウイルスの遺伝子解析をしますと、途中でどうもそれが組換えを起こして現在のXMRVになったということがわかりました。その組み合わせが起こる可能性は10-12と『サイエンス』のペーパーには書いてありますが、非常に低い。ほかのマウスでそういうふうな組換えが独立に起こるということは考えづらいので、CWR22の継代中にマウスの中で組換えが起こって、それがCWR22の継代中のものに感染して、それが最終的にCWR22Rv1とCWR-R1になったということを報告しています。
そうしますとヒトの疾患と関連したXMRVはヒトサンプルへの混入だと。つまり生じたものがヒトの世界で広がってきて、そのために前立腺がんとか慢性疲労性症候群の患者さんから検出されるというよりも、実験室内でウイルスがコンタミしたという可能性が高いということを示しています。
 5番目が、3と4を『サイエンス』誌は重要視しまして、XMRVと慢性疲労症候群の関連性は67%検出されたという2009年の論文の信頼性に強い疑念があるということで、ロンバルディらの論文のところに警告文というか、この論文は正当性にこういう疑念がありますよとファイルで付けています。そういうことで対処しています。『サイエンス』誌としては今、NIHの後援の下で研究が進んでいますので、XMRVと慢性疲労性症候群との因果関係はその結果を待っているそうです。
 以上です。
○半田委員長 詳細な御報告をありがとうございました。
 今、問題になっていますウイルスと病態との関係はむしろ限りなく無関係になってきているという情勢だと思いますが、特に何かコメントはおありでしょうか。
 ということは、現在の献血者に対する対応等々に関しては特に変更の必要はないと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、今の御意見を踏まえて、今後とも情報の収集を更によろしくお願いしたいと思います。
 次の議題に行きたいと思います。「日本赤十字社からの報告事項について」ということで、資料5、これは日赤の方から御報告願うということですね。よろしくお願いします。
○日本赤十字社(石川) それでは、資料5「東日本大震災への対応」ということで御報告をさせていただきます。右下にページの番号が振ってありますので、そちらを追いながら御説明をさせていただきます。
 2ページ目ですけれども、本日は「血液センターの被災状況」など、5つの項目に関して御説明をさせていただきます。
 3ページ目ですけれども、まず「血液センターの被災状況」でございます。
 初めに、地震の発生が午後2時46分と、献血を受け入れている時間帯でございました。献血者の方については針を刺しているときでしたが、寸前に抜針をし、あるいは献血者に何か物がぶつかるとか、ところによっては採血ベッドが転倒したということでございますけれども、幸いにも献血者に被害はなかったことをまず御報告申し上げます。
 それから、東北各県の血液センターでは、建物自体には大きな被害はありませんでした。しかし、震源から一番近い宮城血液センターでは機器や設備に大きな被害が生じました。事務室のOA機器、検査・製剤機器の転倒、破損、施設の配管設備等などに被害がございました。福島センターでは天井の板が剥離して落ちる被害、あるいは郡山市にある供給出張所では建物にひび割れが生じたということでございました。
 職員はすべて無事でございましたけれども、職員の家族、親戚には亡くなられた方、あるいは家屋が流失した方がおられたという状況でございました。
 4ページ目でございます。こちらは各血液センターのライフラインの復旧状況と採血検査、製剤業務の再開日をとりまとめた一覧表です。 
まず、ライフラインですけれども、震災当日は福島県を除く5県では停電となりましたが、各血液センターに置いてある非常用の自家発電装置に切り替わり、血液製剤の保管庫など、必要な電源を確保しております。なお、翌日には電源が復旧しております。また、宮城県と福島県ではガスの供給停止、水道の断水がしばらく続きました。
次に、献血の受入れ再開の状況ですけれども、青森、秋田、山形の各血液センターの固定施設では、八戸センターが3月14日ですけれども、3月13日から再開しております。それから、移動採血ですけれども、そちらは3月14日から再開をしております。ただし、岩手、宮城、福島の血液センターでは地震、津波による影響で事業所献血また街頭献血は中止せざるを得ず、またガソリンを初め、生活物資の不足から市民生活が混乱しておりましたので、受入れ再開までは1か月以上を要しました。
次に、検査ですけれども、東北ブロックの各血液センターの検査業務は宮城県に集約していたため、宮城県の検査業務再開までは東京と埼玉の血液センターで検査業務を行っております。製剤業務につきましては岩手県と山形県の分は宮城センターに集約しておりましたので、3月13日から献血受入れを再開した山形センター分は新潟センターで実施をしております。
5ページ目でございます。「被災地域における安定供給への影響」としましては、岩手県、宮城県の医療機関では連絡がとれないという状況にありましたので、血液センターから供給の車に血液を積んで直接医療機関を訪問し、需要を確認して血液製剤をお届けしたという巡回供給をやりました。
それから、今回の震災ではガソリンなどの燃料確保が非常に困難な状況が続きました。緊急車両については優先的に補給はしていただけたということなんですけれども、給油量に一定の制限がかけられたということで確保に大変苦慮した。また、燃料の不足は職員の通勤にも大きな影響がありました。このため基幹センターである宮城センターの供給業務を中心として、全国の血液センターから緊急車両8台、延べ100人の支援を行いました。
それから、自家発電装置を整備していない、民間ビルの一部を借用している供給出張所があるんですけれども、そういうところでは温度管理ができなくなりますので、母体の血液センターに血液を引き上げる対応をとりました。
 6ページ目でございますが、「血液製剤の安定供給と献血者の安定的確保」ということで、先ほど御説明いたしましたように、宮城県、福島県、岩手県では献血受入れ再開まで大変時間を要しましたので、来年4月から導入することを進めております広域事業運営体制の開始を念頭に置いて血液の需給管理を行いました。このため全国の被災していない地域において被災地分の血液の需要を加えて献血受入れを行い、また宮城県、福島県の製剤業務が停止する状況においては、他の血液センターで製剤するなど、医療機関のニーズに合わせて安定的な血液製剤の供給を行いました。
 7ページ目でございます。こちらは震災後の赤血球製剤と血小板製剤のブロック間の受け払い状況です。宮城ブロックで必要とする医療機関の需要分については各センターからの支援分を送ったわけですけれども、東京都センターを中継の拠点としましたので、被災地域の血液製剤の搬送に関しては東京都ブロックの受入れ数も高くなっている数字が計上されております。このようにまさに全国的な支援体制により確保し、医療機関へ円滑に供給を行いました。
 8ページ目でございますけれども、こちらは赤血球製剤の在庫の保有率です。3月11日〜4月11日までの1か月間、各ブロックにおける赤血球製剤の在庫保有率ですけれども、これはおおむね3日分を目安に100%としているんですが、年末年始から血液が不足し、ちょうど春先に不足するということで、今年は在庫を多目に確保していたということで、震災後も適正在庫を上回る在庫を維持していたということでございました。
 9ページ目でございます。献血の受入れに関しましては、阪神・淡路大震災の後もそうだったんですけれども、献血者が非常に増加する傾向にあるということが見込まれました。血液製剤には有効期限があるので、一時的に献血者が集中することで、需要以上の血液が確保され、結果的に期限が切れてしまう恐れがある。400ml献血に協力いただいた方は、次回の献血まで男性で約3か月、女性では約4か月協力いただくことができませんので、後々苦慮することになりかねないということで、3月13日に日赤のホームページに掲載したほか、地域によってはマスコミを活用し、一時期に偏ることのない献血への協力をお願いしております。
 10ページ目でございますが、「福島第一原子力発電所の事故にかかる対応」ですけれども、福島第一原発から福島県内における血液センター各施設の配置状況です。地図右側の太平洋沿いにある南相馬市の原町供給出張所といわきセンターが今回の原発事故でいろいろと影響がございました。
11ページでございます。原町供給出張所におきましては福島原発から25?のところに位置しております。ここは資料の表記が間違っていたのですけれども、実は3月12日に1号機の爆発事故がございまして、半径20?圏内の地域住民に対する避難指示が出ました。ここは「20?〜30?圏内」の自主避難と間違えた表示でございまして、20?圏内でまず避難指示が出たということで、この避難指示の拡大が見込まれましたので3月13日に原町供給出張所を撤収し、福島センターからの供給に切り替えました。
また、3月15日になりますと、先ほどの20〜30?圏内に屋内避難指示が出ました。これは後に自主避難になるわけです。実は新鮮凍結血漿は6か月間貯留保管を行っておりまして、このときに約45?圏に位置するいわきの血液センターには6,500本という大量の新鮮凍結血漿が保管してありました。これを迅速に移管するのはなかなか難しいものでございますので、3月18日をもって九州の血液センターにこれを搬送したということでございます。
それから、放射能対策として血液センターの職員にポケット線量計を配って、供給に使用しているということでございます。
スライドの12番でございますが、これも福島原発に関連した「計画停電の影響」への対応ですけれども、東京電力が実施する計画停電に関しまして、対象地域である東京電力管内の各血液センターの自家発電装置の状況を改めて把握しますとともに、適正な献血者の受入れ、製造業務を行うように注意喚起をしました。そして対象地域の献血ルームなどでは停電時間帯を避けて受付時間を変更しました。結果的には受付時間の短縮につながっているということでございます。また、検査・製剤業務を実施する血液センターでは夜間対応などをして検査を行ったということでございます。
13ページでございますけれども、これは「身元不明者の特定にかかる協力」ということで、警察庁から日赤が保管している保管検体を利用して身元不明者の特定への協力ができないかということでございました。本来保管検体は輸血による副作用の遡及調査以外の目的には使用しないということでありますが、震災における行方不明者が極めて多数に及んでおり、かつほかに身元確認の手段がもう乏しくなっているという状況を考え、例外的措置としてスライドにあります5つの条件、1つが東日本大震災の行方不明者であること、2つが本人の家族、親族の要請によるものであること、3つ目は本人の特定のためのDNA鑑定のためのみに使用すること、4番目、使用後は血液を廃棄すること、5番目、検体保管の本来の目的に支障を及ぼすことがない、それは、提供する血液が微量であるということから協力をすることといたしました。
14ページです。全体の協力の流れですけれども、警察庁からの依頼に基づき、献血履歴及び保管検体の有無を確認し、有無を警察庁に連絡します。保管検体があった場合には、保管検体から血液の血餅部分を警察庁に提供します。警察庁がDNA鑑定を実施し、結果が一致した場合にのみ献血者を識別できる氏名、住所、生年月日等の情報を警察庁に提供する流れとなっております。
これに関しまして6月12日に新聞報道がされておりますけれども、調査依頼数は150人、保管検体の引渡し本数は25人、そのうちDNAが一致し、日赤から献血者情報を提供し、身元が判明した方が6人いらっしゃったということでございます。
以上、東日本大震災における日赤の血液事業に対する対応について御説明させていただきました。
○半田委員長 ありがとうございました。
 大震災における対応についてということで、何か御意見はおありでしょうか。
 大平委員。
○大平委員 このたびの震災で日赤の方で可及的にいろいろな判断をしていただいて、特に患者さんの方に血液製剤とかそういうものが滞りなく送られるように、緊急車両ですとかで丁寧にやっていただいたという情報はいろいろな医療機関とか患者さんからも聞いておりまして、大変ありがたかったと改めてお礼申し上げたいと言わせていただきます。
 こうした事態は本当に起こってはいけない問題ですけれども、例えば停電ですとかそういう問題についていろいろ支障があったのではないかなということは推測されます。今後も随時整備ですとかそういうものをきっちりしていただいて、安全な血液製剤、血液の供給は緊急時ですから余計必要性は大きいと思いますので、よろしくお願いしたいなと。感想です。
○半田委員長 ありがとうございました。
 ほかには何か。
 花井委員。
○花井委員 やはり先ほどの広域体制が生きたのか、本当に素早い対応は大したものだなと思いました。
それとは別に8ページで、在庫保有で十分な在庫が保たれていたという御説明の中で、ある種僥倖も重なったような御説明があったと思うんですけれども、今後最悪の状況でも在庫を確保するという感覚からいえば、いわゆる通常の場合の在庫確保率を見直す必要があるのか、それとも現状のままで今回乗り切れたんだから、こういう感じのオペレーションで今後もいけば、もし次なる災害があっても対応できるという理解なのか、その辺を御説明ください。
○日本赤十字社(石川) 現状の在庫でも多分大丈夫だったんだろうとは思うんですけれども、実際にこれを見ていただきますと200%くらい持っている。要するに倍くらいの在庫を持っていたということがございますので、若干その辺は見直そうかなと思っています。これに限らず、この大震災で幾つかの課題が浮き彫りになりましたので、併せて再度検証いたしまして、いろいろなことについて見直していこうと考えています。
○半田委員長 ほかにはいかがでしょうか。
この震災はある程度特殊な面もあって、例えば神戸の大震災等の都市直下型でもっと外傷とかが増えると緊急の血液の必要性が高まりますが、今回の経験プラス典型的な大災害での想定も課題の中にきちんと入れていただきたいと私は個人的に思いますが、ほかに特にございませんでしょうか。
○大平委員 原発の事故で週刊誌とかそういうところで取り上げられたんですけれども、ある程度の地域におられる献血者に対して献血をお断りしたということがあったように報道されていました。そこについては画一的にきちんと問題が起きないように対処していただきたいのと、今後の安全性についてもいろいろな検証ですとか研究を重ねていただいて、不安のないようにお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社(石川) わかりました。一部献血者に献血のお断りをしたということがございました。日赤血液事業本部からは通知を出していましたけれども、少し通知の内容がわかりづらかったということで、改めてその辺は通知をしておりますので、今後こういうことがないようにしたいとは考えております。
○半田委員長 ありがとうございました。
 それでは、日赤におかれましては引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、資料6「改正採血基準の実施状況」についてよろしく御報告をお願いします。
○日本赤十字社(菅原) 日本赤十字社の献血推進課菅原と申します。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、資料6の「改正採血基準の実施状況」の報告をさせていただきたいと思います。
 まず、1ページ目でございます。今回の採血基準の改正内容についてでございますが、ここにありますとおり、厚生労働省の通知によりまして採血基準が以下のとおり改正されました。施行時期は平成23年4月1日という状況です。
 改正の項目でございますが、まず1つ目には健康診断の方法の見直しということで、健康診断の方法から血液比重検査を削るということ。
2つ目には全血採血基準の見直しでございます。まず、共通としまして血液比重に係る部分を削ること、2つ目には200ml全血採血、男性に限り献血可能な者の血色素量の下限値を12g/dlから12.5g/dlに引き上げること、400ml全血採血について男性に限り献血可能な者の年齢の下限を18歳から17歳に引き上げること、また献血可能な者の血色素量の下限値も男性に限りまして12.5g/dlから13g/dlに引き上げるという内容でございます。
3つ目でございますが、血小板成分採血基準の見直しといたしまして、男性に限りまして献血可能な者の年齢の上限を54歳から69歳に引き上げること。ただし、65〜69歳までの者につきましては60〜64歳までの間に献血の経験があるものに限るという内容でございます。
続きまして、2ページ目でございます。「採血基準の改正に伴う献血状況」でございますが、日本赤十字社では本年4月1日からこの改正された採血基準による献血の受入れを開始したところでございます。それに伴う献血の状況及び改正基準の開始前後の広報展開につきまして概要を報告させていただきます。
なお、献血状況の対象期間につきましては、本年4月1日〜5月31日までの2か月間といたしました。
まず、「17歳男性の400mL献血者数の推移」でございますが、下のグラフ、表を参考までにご覧ください。対象となる献血者数は1,928人でありました。また、200mL献血も含めた17歳男性全血献血者全体の人数は2,439人でございまして、400mL献血者の構成割合は79.0%という状況でございます。今後17歳男性の400mL献血者について、この協力状況が継続された場合におきましては、おおむね年間で約1万2,000人程度になるものと推定しております。
続きまして、3ページ目でございます。「血小板成分献血者数(55-69歳の男性)の推移」でございます。
対象となる献血者数は1万969人でございました。血小板成分献血者男性の合計数は10万7,927人でありまして、55〜69歳男性の血小板成分献血者数の構成比は10.2%という状況でございます。今後55〜69歳男性の血小板成分献血者について、同様の協力状況が継続された場合は、年間で約6万6,000人程度になるものと推定しております。
続きまして、4ページ目でございます。「血色素量の下限値の引き上げにより献血できなかった方(男性)の推移」でございます。
表が2つございます。上の表は200mLの献血希望者群、下の方が400mLの献血希望者群です。まず、上の表の方ですが、200mL献血希望者122人につきましては、血色素量が12.0g/dLから12.5 g/dLに引き上げられたということで、従来献血が可能であった12.0〜12.4 g/dLの献血希望者群122名すべてにつきまして献血ができなかったという状況でございます。
それから、下の表でございますが、400mLの献血希望者で、かつ血色素量が12.5〜12.9 g/dLの献血希望者群が、6,861人でございました。この6,861人につきまして、血色素量の下限値の引き上げにより献血できなかった方は6,209人、献血希望者の90.5%となっております。また、一方で200mL献血や血小板及び血漿成分献血での協力者数は合わせて652人、献血希望者の9.5%という状況でございます。
続きまして、4番目ですが、「広報展開」についてです。改正基準の導入によりまして、その前後に日本赤十字社といたしましては広報展開としまして、1つ目としてはテレビCMの放映、2つ目に全国紙や各地域での地方紙を併せ43紙、計3,700万部への関連広告の掲載、3つ目にはラジオ番組、特に現在通年の全国統一キャンペーとして展開しております「LOVE in Action PROJECT」の中での継続的な周知を行っております。4つ目にポスターの作製、約1万部の掲出、それから、日本赤十字社ホームページへの関連情報の掲載、固定施設に設置されております映像配信機器を用いた周知などを実施させていただきました。この具体的な内容につきましては5ページ以降の「参考」に列記してありますので、後ほどご覧いただければと思います。
それと、追加資料の方でございます。
追加資料の1といたしまして、男性の400mL献血の下限年齢が男性に限り17歳に引き下げられたことによる影響ということで、VVRの発生状況を表にまとめてございます。
一番上の表1が献血者数の合計でございます。男性の400mL献血の欄を見ていただくとおわかりいただけますが、男性全体の400mL献血者数は4〜5月の2か月間で42万2,364人でございます。この中で先ほども御報告させていただきましたとおり、17歳男性の400mL献血者数は1,928人という状況でございます。
表2はVVRの発生数でございますが、男性全体の400mL献血におけるVVR発生数3,149人の中で17歳男性のVVR発生数は45人という状況でございます。下に表3としてVVR発生率がございますが、400mL献血における17歳男性のVVRの発生率は2.33%という状況でございまして、18歳男性のVVR発生率とほとんど差がないという状況がこの2か月で見られておりますが、データ数が非常に少ない部分もございますので、今後年間推移を見ていきたいと考えております。
以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 改正採血基準による現在の対応の状況を御報告いただきましたが、いかがでしょうか。何か御意見、御指摘事項等々おありでしょうか。
 まだ3か月程度ですから、今後も情報の収集等よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、その他の議題に移りたいと思います。
 まず最初に、資料7を見ていただきたいと思いますが、「フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査について」について御説明をお願いしたいと思います。
○安田企画官 それでは、資料7−1〜7−4にわたりましてフィブリノゲン関係の報告をさせていただきます。
 まず、資料番号7−1をご覧ください。これは先週6月24日にプレスリリースをしたものでございます。
 2ページ目は、フィブリノゲン製剤が納入された医療機関を対象といたしまして、過去に投与したことがあるかないか、あった場合患者さんがどの程度いるかということを平成19年から継続して調査をしているものでございます。
 その結果、6月10日現在で医療機関数としては1,011施設から元患者さんといたしまして1万4,568人の方に投与を行ったという報告をいただいているところでございます。
 そちらの方の投与事実の内訳につきましては「主な調査結果」の(4)に記載していますとおり、「患者さんにお知らせした」8,665名、「お知らせしていない」5,903名となっておりまして、この「お知らせしていない」というところの理由といたしましては、「投与後に原疾患等により死亡」あるいは「連絡先が不明又は連絡がつかない」等でございます。
 次に、資料7−2をご覧ください。資料番号7−2は「国立病院等におけるフィブリノゲン製剤投与に係る診療録等の精査状況等の調査結果について」でございます。
 これは経緯といたしましては、昨年の肝炎の弁護団、原告団と厚生労働大臣との間の大臣協議と言われているものがあるんですけれども、そちらの中に原告団、弁護団の方から、政府系医療機関につきましてはそれぞれの診療録等の精査状況についての進捗状況を調査していただきたいということで、こちらをもとに精査を行ったものでございます。
 日付は平成22年7月12日付で調査をしております。対象施設は全部で252の施設。中身は厚生労働省所管の病院と国立大学病院の合計252となっております。
 2枚目を見ていただきたいんですが、調査結果でございますけれども、個別の医療機関ごとにつきましては別添という形でございまして、それぞれ医療機関名、住所、何が残っているかというカルテの事実、あとは注釈、そしてカルテ等の確認状況、フィブリノゲン製剤の納入期間と納入本数を出させていただいております。
 こちらの方の結果といたしましては「2.調査結果」とありますけれども、平成22年7月現在におきまして、全部で252の機関のうち、215の医療機関におきましては診療録等の記録がございまして、そのうち21の機関においてすべてカルテを確認いたしました。一部ほかに残っていた記録と併せまして網羅的に確認したところが120機関ありました。そのほかに平成6年以前の診療録等がなかった医療機関については全部で37機関あったということになっております。
 現在におきましても、調査時点において網羅的な確認について回答がなかった医療機関としては68機関ございますけれども、68機関におきましては一番下の括弧に書いておりますとおり、問い合わせがあった患者に対してはきちんと診療録等の記録を確認したという形で報告をいただいているところでございます。
 その次に行かせていただきます。資料番号7−3でございます。これも本日公表させていただきました平成22年度に行いましたフィブリノゲン製剤の納入医療機関への訪問調査の結果でございます。
 平成22年度におきましては、昨年の9月24日から開始いたしまして、3月1日まで合計34の医療機関に対して訪問調査を実施しております。その結果、34の医療機関のうち、22の医療機関におきましては平成6年以前の診療録が保管されていまして、そのうち10の医療機関におきましては診療録あるいはそれ以外のいろいろな各種ほかに残っていたデータと併せましてそれぞれの患者の特定等をしていったという形をとらせていただいています。
34の医療機関のうち、12の医療機関につきましては診療録の記録等はもう既に存在しておりませんでした。しかしながら、過去に入退院をしていた、あるいは手術をしていたというところの事実関係としては残っている記録もあるところもございまして、そういうところにつきましては問い合わせに対してきちんと事実確認等ができる体制がとられているところでございます。
 平成22年度の訪問調査の結果としては、「4.今後の対応」とございますけれども、今後とも訪問調査の結果につきましては情報を提供いたしまして、各医療機関に対して診療録のほかにいろいろな記録がございますので、そういうところも含めましてきちんと調査をしていただきたいところ、あとは網羅的な確認がなされていない医療機関に対しては引き続き確認をいただくよう協力を依頼するとともに、今後とも厚生労働省のホームページ上で提供しております医療機関における診療録等の保管状況に関する情報を更新することによって、常に最新の情報をお知らせしていきたいと考えているところでございます。
 資料番号7−4を見ていただきたんですけれども、今年度、平成23年度厚生労働省の方から行いますフィブリノゲン製剤納入先の医療機関の訪問調査についてでございます。
 全部で平成23年度におきましては厚生労働省所管の医療機関、それから国立大学法人の医療機関のうち、過去に訪問調査が実施されていない残りの158施設について訪問調査を実施する予定でございまして、年度内を目途に調査結果をとりまとめて公表していきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○半田委員長 ありがとうございました。
 ただいまの御報告に関しまして何か御意見等々おありでしょうか。
 それでは、調査の方を継続的にやっていただければと思います。 
 続きまして、追加資料2「日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社の血漿分画事業の統合の検討開始に関する基本合意について」ということで、これについて日本赤十字社の方から御報告願います。
○日本赤十字社(石川) 日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社の血漿分画事業の統合の検討開始に関しまして基本合意に至りました。先々週6月17日に公表いたしましたので御説明を申し上げます。お手元に追加資料2としてプレスリリースがございますので、少し内容をなぞりながら御説明をさせていただきたいと思います。
 「統合の趣旨および目的」のところに書いておりますように、我が国では平成15年7月にいわゆる血液法が施行され、その法律では倫理性、国際的公平性の観点に立脚し、その基本理念の1つとして血液製剤の国内自給の確保と安定供給が定められている。更に世界保健機関からも国内自給の達成について勧告が出ている。
しかし、現状では我が国における血漿分画製剤の国内自給は達成されておらず、特にアルブミン製剤については平成22年で58.7%であり、国内製造が全く行われていない製剤もある。その理由としては国内各メーカーの生産規模が全世界を市場とする海外競合メーカーに比べて余りにも小さいということで、製造コストを含め、事業の効率化にも限界があるということでございます。
また、国内市場で見ますと、年間約1,200億円程度の市場なんですけれども、海外メーカーがシェアを伸ばしているのに対しまして、国内各社はシェアを減らしている、ここ3年の販売額を見てもそうなっております。
このような状況下、日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社は、日本国内における血漿分画事業の安定的継続という国民の負託にこたえるためには血漿分画事業の統合が大きな選択肢であることで一致し、その可能性を模索してまいりました。また、本年3月の薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会で審議・了承されました「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会中間報告」においても、現在の国内4事業者の事業規模から考察すると、複数を統合すること等により生産能力の向上、製造効率の向上を図ることが望まれるなどと提言されております。この内容もこれまでの両社の協議の方向性と一致することから、新法人の設立に向けた具体的な検討を開始することで基本合意に達しました。
この法人の設立に当たり、基本的な考え方としましては、統合のスケールメリットを生かした経営によって生産段階及び供給段階でのコストを低減し、効率のよい経営を行う。また、「事業統合後の姿」にありますように、献血者の善意に基づき無償で得られた血液を原料とした血液製剤による国内自給を目指す。営利を目的としない法人とします。また、血漿分画製剤の国内必要原料血漿を一括して処理できる能力を持つ大規模アルコール分画工場の新設を行い、効率的な生産体制によって国内製造における中核的な役割を担うことも目指します。また、これは将来的ではございますけれども、国内供給ほか外国、特にアジア地域において血漿分画事業の発展にも寄与していきたいと考えております。
こういうことが概要でございますけれども、「基本合意の骨子」にありますように、これから統合に向けていろいろと検討していかなければならないということですので、両社で統合推進委員会を発足させました。4月1日を目途に新法人の立ち上げに関しての協議をこれから進めてまいります。この内容につきましては必要の都度また御報告の機会をいただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○半田委員長 ありがとうございました。
 今の御報告に関しまして何か御意見はおありでしょうか。
 大平委員、よろしくお願いします。
○大平委員 まだ統合というよりは統合に関しての検討なので、余り口を挟むことはよくないことだと思いますが、今後の分画製剤の供給の安定性ですとかそういうものを考えていきますと、こうした方向性は1つの選択の道として進めていただくことは大切な問題かなとは考えています。
 特に日本赤十字社の方の大きなブランド名ですとかそういうものも安定性の1つの大きなもとにもつながることになると思うんですが、民間の方との合併、統合について効率的な面も含めながらうまく進めていただきたいなと思っています。特に日赤の方で大きな献血血液の独占的な形態があるわけですから、それについてもう少しフットワークの軽い形でいろいろな方面に期待を持っていただけるような方向性を目指していただけるとうれしいなと思います。
 ただ、今後の課題がいっぱいあると思いますので、是非慎重に進めていただけたらと思います。
○半田委員長 花井委員、いかがでしょうか。
○花井委員 詳細については今後ということだと思うんですけれども、画期的な1歩を踏み出したということなんですが、懸念は日赤の中で分画事業だけが切り出されるわけですね。今まで輸血と一体となっている部分のある種不採算なところが切り出される。田辺に関しても厳しいところが切り出されて新しい法人ができるということなので、今後経営ということになると大変だと思うんですけれども、適応拡大の治験とか研究開発とかそういうことも充実させていただいて、何とかこの事業統合が成功するように願っているわけです。
 あと今、大平委員からも指摘がありましたけれども、やはりレッドクロスブランドというのは国民からすれば非常に信頼性の高いものなので、そういったことも大事にしてやっていただけたらと思います。
 以上です。
○半田委員長 よろしいでしょうか。
 ほとんど時間がなくなってしまいましたが、それでは、日本赤十字社におかれましては、また進捗状況等も逐一事務局と一緒に当委員会で報告していただければと思います。
 それ以外に御報告が1つ日本赤十字社の方からあります。これは口頭で資料はないですね。
○日本赤十字社(日野) 輸血用血液製剤の新しいものに関して、今、検討しておりまして、それについて若干の情報提供をさせていただければと思います。
 輸血用血液の中でもいわゆる二次製剤といいまして、赤血球製剤を原料に、例えば洗浄した赤血球とか、あと稀な血液について、それも凍っているものですけれども、それを溶かして、解凍濃厚という血液があります。そういった血液に関しては有効期間が12〜24時間と非常に短いものがあったり、容量が今お使いいただいている赤血球濃厚と比べると、ヘマトクリットが非常に低いということがあって、ヘマトクリットが大体55〜60%ぐらいのものにするということで検討を重ねているということです。その準備が大分できてきたというのが1つ。
 もう一つは、白血球除去製剤のときに新鮮凍結血漿の容量がそれまでの容量と比べて1.5倍になり、医療機関側で使用されているときに大体1単位と単位で見ておられるところが多いようです。200mL献血由来、いわゆる病院側の方では1単位と言っているものですけれども、それについての表示を120、400mL献血由来を240という形で、名称の一番最後にそういった表記を少ししたいというのが1つあります。
 もう一つは、成分献血由来の450mLのFFPですが、そちらの方についても容量を480mLにして、整数倍にしてほしいという要望が昨年輸血・細胞治療学会の方からありまして、そういったこともあって少し検討を重ねてきたところです。最終的に200mL献血由来と400mL献血由来で15種類の製剤が新たにできてくるということになりますので、所定の手続をとった後、医療機関側により使いやすいものを今後供給していきたいということで今、準備しているということです。
○半田委員長 ありがとうございました。
 時間が過ぎました。これで閉会とさせていただきますが、特に事務局の方からは何かございませんでしょうか。
それでは、次回の日程等につきましてはまた後で御連絡を申し上げるということで、本日は御多忙の中、どうもありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会) > 平成23年度第1回血液事業部会運営委員会

ページの先頭へ戻る