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2011年11月4日 平成23年度第1回血液事業部会安全技術調査会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年11月4日(金) 13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19F)
(住所:東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

出席委員:(11名)五十音順、敬称略、○委員長

内田 恵理子、内山 巖雄、大戸 斉、岡田 義昭、白阪 琢磨、杉浦 亙、高本 滋、牧野 茂義、
山口 一成、山口 照英、○吉澤 浩司

欠席委員:(2名)五十音順、敬称略

新津 望、脇田 隆字

参考人:

日本赤十字社、株式会社ベネシス

○議題

1.輸血後B型肝炎ウイルスに対する更なる安全対策について
2.血液製剤等に係る遡及調査ガイドラインの見直しについて
3.血漿分画製剤の安全対策について
4.献血推進における200mL採血のあり方について
5.HEV RNAの国内標準品について
6.その他

○議事

○伯野血液対策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「平成23年度第1回血液事業部会安全技術調査会」を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、委員の交代がございましたので、お知らせいたします。
 佐川公矯先生が辞任されまして、国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部部長でございます牧野茂義先生が新たに安全技術調査会の委員に就任されました。どうぞよろしくお願いします。
 本日の委員の出席状況でございますが、新津委員、脇田委員から御欠席との連絡をいただいております。
 また、本日は、参考人としまして、日本赤十字社血液事業本部より、田所憲治経営会議委員、日野学副本部長、百瀬俊也安全管理課長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、事務局の異動でございますが、本年8月25日付で血液対策課の企画官に丈達泰史が着任いたしました。どうぞよろしくお願いします。
 また、本年4月1日付で、私事でございますが、血液対策課課長補佐に着任いたしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
 それでは、この後の進行につきましては、吉澤委員長、お願いいたします。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 では、まず、事務局から、今日の資料の確認をお願いいたします。
○伯野血液対策課課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず、次第が入ったホチキスどめのものがございます。
 資料1でございますが、「HBV感染既往の血液に対する更なる安全対策について」という資料でございます。
 資料2でございますが、「遡及調査ガイドラインにおける供血者への事後検査依頼の対象者について」という資料でございます。
 資料3でございますが、「輸血前後の感染症検査及び倦怠保管のあり方について」という資料でございます。
 資料4でございますが、「血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドライン」でございます。
 資料5でございますが、「200mL製剤と400mL製剤の安全性について」という資料でございます。
 資料6でございますが、こちらはWHOのHEVに関する資料でございます。
 参考資料1でございますが、「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン」の資料でございます。
 参考資料2でございますが、「輸血療法の実施に関する指針(改訂版)」というものでございます。
 参考資料3でございますが、「平成23年度の献血の推進に関する計画」という資料でございます。
 また、追加資料といたしまして、クリップどめさせていただいておりますが、追加資料1が「B型肝炎ウイルスに関する検査結果について」という両面印刷の資料でございます。
 追加資料2でございますが、こちらは論文でございます。B型肝炎のDNAレベルとHCCとの関連に関する論文でございます。
 追加資料3でございます。こちらは委員限りでございますが、「HEVが原料に混入していることが判明した『人アンチトロンビン?製剤』のHEVに対する安全性について」という資料でございます。
 追加資料4も委員限りでございますが、日赤から出されている「分画用原料血漿HEV−NAT陽性情報に基づく遡及調査結果」という資料でございます。
 資料の不足等ございましたら、挙手にてお願いできればと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
○吉澤委員長 どうもありがとうございました。
 本日は、議題1〜5、それから、6番目の「その他」についてということで、議題が6つありますので、てきぱきとまいりたいと思います。
 では、まず、議題の1番目「輸血後B型肝炎に対する更なる安全対策について」でございますが、日赤の事務局から御説明をお願いいたします。
○日本赤十字社(日野副本部長) それでは、資料ナンバー1を用いまして、表題にありますように「HBV感染既往の血液に対する更なる安全対策について」を御説明いたします。
 日赤では、それまで血清学的な検査については凝集法をやっておりまして、2008年からCLEIA法という、非常に感度が向上した血清学的な検査をやるとともに、NATにつきましても、HBVとHCVとHIVにについて、更に感度、精度をアップした検査をスクリーニングに導入してまいりました。その後、昨年の暮れ以降、今まで私どもが導入したスクリーニング法がどの程度効果があったかということについて検証し、その結果、更にどういったウイルスに対して安全対策が必要かということについてまとめました。
 1ページ目の1番を見ていただきたいんですけれども、現在のHBV関連の検査は、そこに示しましたように、CLEIA法ではHBs抗原。2番目がスクリーニングNATですけれども、こちらがHBVとHCVとHIVで、20本の血液をプールした形でNATを実施しております。
 HBc抗体とHBs抗体につきましては、表にありますように、判定ロジックを組んで適、不適をしているところです。HBのコア抗体のカット・オフ・インデックスにつきましては、現在はカットオフ12を境にしまして、12以上で、HBs抗体が200mIU/mL以下のものに関して不適という形で判定ロジックを組んでいるという状況があります。
 そういった状況でスクリーニングしておりますけれども、「2.輸血HBV感染の原因血液の変遷」のグラフを見ていただきたいんですけれども、50プールのNATの時代と、過去の20プールのNATの時代、それと、2008年以降、CLEIAと感度をアップした20プールのNATスクリーニングによって、輸血後のHBV感染がどの程度減少したかを表しております。
 4つの層がありますけれども、上の紫色と緑色の部分に関しては、感染ごく初期のウィンドウ期の原因血液を表しておりまして、紫色の部分が個別NAT陰性、緑色の部分が個別NAT陽性の血液であります。また、下の2つの層は、青色の部分が感染既往の血液で個別NAT陽性、赤色の部分が個別NAT陰性の血液が原因となったことが日赤で確認されたということです。
 これを見ますと、上の2つの層、いわゆる感染ごく初期のウィンドウ期の血液に関しましては、日赤の今までのスクリーニング手法は確実に効果があったということが見て取れると思いますけれども、下の2つの層、いわゆる感染既往の血液に関しましては、まだまだ対策が必要な部分と考えました。
 そういうことがありまして、この感染既往の血液に対して、更なる安全対策が必要だろうという日赤の中での結論が出ました。
 次のページをお願いします。このHBVの感染既往の血液に対する安全対策は2つ考えられます。1つは、3の表にありますように、問題となった血液はピンク色の丸で囲んだ部分ですが、コア抗体が12未満で、HBs抗体が200未満の部分に関しては、現在、スクリーニングでは適になっている部分ですが、こちらの部分が感染既往として更に対策が必要だと思われる部分です。この丸で囲んだ部分に関しましては、献血の回数で行きますと、年間6万7,000献血。約500万献血に対しまして1.3%あります。この部分をすべて不適とする方法が案2でございます。
 もう一つ、6万7,000の血液に対して、20プールのスクリーニングではなくて、個別NATを実施していく。個別NAT陽性のものについて不適としていく方法が考えられます。そうしますと、6万7,676献血のうち、約1,285献血が個別NAT陽性となることが推定されます。
 この2つの方法について、「4.HBVの感染既往に対する安全対策の実施について」という表で、メリット・デメリットをまとめてみました。案1は個別NATを実施していく方で、案2は1〜12未満の部分について排除していくという方法ですけれども、受血者をターゲットにメリット・デメリットを見ますと、案1に関しましては、日赤の過去の遡及調査等のデータからすると、年間約48名の感染予防が可能だろうと推定されます。
 一方、案2はすべて排除することになりますので、前のページで見てわかるように、赤の部分になりますけれども、一番右側の20プールNATのシステム改良というところでいくと0.6という数字が出ておりますように、この部分に関して、48名プラスアルファ名の感染予防が可能になるだろうということが推察されます。
 案1の受血者に関しましては、逆にその部分が個別NAT陰性の血液になりますので、予防できないということになります。
 一方、献血者から見ますと、案1はNAT陽性について、早期発見・早期治療に結びつくというメリットもありますし、案2は、更にNAT陽性に限定するまでもなく、感染既往であるということをドナーに認識してもらうという効果はあるだろうと思います。しかしながら、案2の方は、何といいましても献血者の減少につながるというのがありますので、その部分をしっかり対策を取っていくことが必要になるだろうと思います。
 勿論、案2につきましても、デメリットの1番目に書いてありますように、本来であれば健康上問題ないドナーに対して制限をかけることになっていきますので、特にこの部分に関しては、頻回のドナーがかなりいらっしゃるということもありますので、丁寧な説明をしていく必要があると思っております。
 一方、医療機関側から見るとどうかといいますと、こちらは遡及調査の件数が増えるということになりまして、案1は1,285件、案2は4万2,510件ということで、これは実献血者になりますけれども、そういう形で、医療機関側に遡及調査の情報提供をする機会がかなり多くなるということがあります。
 また、コストにつきましても、特にNATで使用する試薬の量が増えますので、検査費用が増えるということがあります。
 次のページをお願いします。3ページになりますけれども、案2の対応を行った場合に、不適となるドナーの数が多くなりますので、献血者のシミュレーションをしてみました。???につきましては、欄外にありますように、過去に日赤がシミュレーションした数字を発表しておりますけれども、それをベースにしました。
 ?の本措置に伴う実献血不足数といいますのは、例えば、2012年から今回の措置を行うとなった場合に、初年度2012年度は約6万7,000、次の年度は4万9,000という具合に、日赤におきましては、陽性の方に対しては通知を申し上げて、今後の献血の辞退をしていただくという通知の事業もやっておりますし、年々献血年齢をオーバーしていくというドナーがいますので、そういったことをいろいろ勘案して?の数字を出してきたということがあります。
 最終的に、?にありますように、影響を受ける割合は少なくて、結論にありますように、新たな安全対策として、案2を実施した場合においても、ドナーの確保からすると、1%の減少程度にとどめることができるだろうということと、幸い、この4月から採血基準の改定で400mL採血に関しましては17歳に引き下げたということと、血小板献血に関しましては、54歳から69歳に引き上げたということがありますので、そういう観点からすると、安定供給に影響を及ぼすものではないと判断し、日赤とすれば、案2で行けるのではないかと考えております。
 次の4ページの「6.HBs抗体200mIU/mL以上の安全性について」ということで、以前からHBs抗体200mIU以上のものについて判定をOKにしていますが、「1)輸血後のB型肝炎症例の中でHBV感染既往の献血が原因と考えられた血液」でございますけれども、ここにあります13例のHBs抗体の部分は、mIU/mLを示しておるわけですけれども、すべて200以下のものであったということがあります。
 また「2)日赤が供給してきたHBc抗体(COI)1以上・HBs抗体200mIU/mL以上の血液について」は、?でありますように、年間約17万献血があります。そういった献血に対して、製剤がどの程度製造されたかといいますと、約1.25倍の数になりますので、年間22万製剤が供給されたということになります。18年間で320万献血ぐらいは供給されているというのがあります。
 そういった中で、上記製剤における輸血感染症例は、日赤が医薬情報活動を実際した以降、1件も見られていないというのがありますので、この措置をしたときに、前回の血液の遡及につきましては、HBs抗体の力価が200mIU/mL以上の血液については、遡及の対象とする必要はないだろうと考えております。
 以上、日赤が2008年以降、いろいろな感染症の検査につきましては感度を向上し、また、NATにつきましても精度を向上してきたということがありまして、その方法について検証した結果、HBの既往の部分について、更なる安全対策を打つ必要があるだろうという結論に達したということになります。
○吉澤委員長 どうもありがとうございました。
 大変詳細な説明で、大体おわかりいただいたと思いますが、事務局から補足がありましたら。
○伯野血液対策課課長補佐 事務局より少し補足をさせていただきます。本件につきましては、本年の9月28日に実施されました第2回の血液事業部会運営委員会でも検討が行われまして、HBs抗体が200mIU/mL未満で、HBc抗体が陽性の血液をすべて除外する案2の方向で検討を進めるのがよいのではないかという御意見をいただいております。ただし、本件はテクニカルな内容も含まれておりますので、安全技術調査会でも併せて検討することとされております。
 少し論点整理をさせていただきますと、先ほど日赤から説明がございましたが、本日は大きく3つあるかと思っております。1つは、案1、案2のどちらの方向性がよろしいかということ。2点目が、案2であった場合に、新たに不適合となる血液に個別NATを実施するべきかどうか、また、新たに不適合となる献血者への通知方法をどうするか。3点目でございますが、今回の対象者について、遡及調査の対象をどうするかということについて御議論いただければと思います。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 それでは、ここまでのところで、委員の先生方からの御意見、御質問を受けたいと思いますので、よろしくお願いします。山口先生、どうぞ。
○山口(照)委員 運営委員会でもちょっと議論させていただいたので、そのことも含めて、まず最初にコメントさせていただきたいんです。案2の方で、いろいろ詳細に説明していただいてはいるんですけれども、例えば、個別NATをやることによって、メリットとして書かれている、NAT陽性者について、早期発見・早期治療に結びつくというのは、必ずしもそう言い切れないところもあるだろうというのは正直なところです。結局、オカルトなわけで、そのときに陽性であれば、陽性ということがわかるんですけれども、陰性だからといって安心できるかという問題も内包しているだろう。それから、コア抗体ポジティブですから、既往であることは間違いない。その点は、メリットと書かれているとろはそうでもないのかなと思います。
 ただ、もう一点、別の見方をしたときに、個別NATをやらなくていいかという話はちょっと微妙になってくるだろうと思います。今まで、オカルトのもので、遡及で感染がなかったかと言われると、非常にまれだと思うのですが、あったケースもあるだろうと思うので、もしあれば、後で教えていただきたいんですけれども、そういうケースのときの対応をどう考えるかということで、遡及のためにNATをやるということであれば、そういう観点からであれば、やむを得ないのかなという気がします。
○吉澤委員長 その各論のところは後で詰めていくことにしまして、順番といたしまして、まず、この案1と案2でどうだろうか、そこから入りまして、そして各論のところは順番に詰めていったらと思います。今までの議論では、案2が大体よさそうだという線で話が進んできているわけですね。各論の詰めは問題として。
○山口(照)委員 ただ、全体として見たときに、例えば、個別NATをやることによるということを加えたときの、今後出されるという費用の問題は、適切かどうかという検討も必要だと思うんですね。その辺のことに関して、ちゃんと評価をしないといけないだろうと思います。その前提としては、全体を見たときには、2の方が、今、出されているところだけではよさそうに見える。ただ、もう少し詰めるところは、やはりこの委員会だろうと、そういう運営委員会のときの結論だと思います。
○吉澤委員長 わかりました。原点に返りまして、血液事業の血液の供給というのは、安全な血液を、必要とされる十分量を供給するということに尽きるわけで、あとはそれに付随したことになります。ですから、大筋のところをまず決めて、それから、各論のところを詰めていくというやり方がいいかと思いますが、あらかじめ少し問題点も提起していただきました。
 ほかにいかがでしょうか。山口先生。
○山口(一)委員 勿論、安全な血液を提供するということは第一義だと思います。ただ、案2を採用した場合に、毎年6万7,000人すべてに実質的には告知をして、次回からの献血を御遠慮願うということになるわけです。その場合に、今、言われましたけれども、早期発見・早期治療というとはまず結びつかないと思うのですけれども、そのことをはっきりさせるために、極めて低い確率の人に、6万7,000人にすべて告知するということは本当に正しいのかどうか。ここは非常に大きな問題だと思うんです。
○吉澤委員長 今、申し上げたのは、血液事業は、結局は受血者の安全を確保するために、どういうふうに技術的なところを詰めていくかということに尽きるわけで、勿論、協力してくれたドナーの方々に対して、できることをするというのはありますが、その比重を同じにして考えると、よくわからないことが起こります。ですから、今、先生おっしゃったように、6万何千人にどうするかという問題があります。
 ですから、これまでのデータを見せていただきますと、結局、HBc抗体陽性で、HBs抗体の力価が十分でない場合に感染のソースになる場合がある。さて、それが、1人の人を追いかけていくと、DNAが出没する例がいっぱいあるはずなんです。ですから、今、ここの案のところで話を伺いましたHBc抗体の力価が低くて、HBs抗体の力価が十分ではない人について、個別にNATをしてDNA陽性の人は通知するというふうにやっていった場合に、出没例につきましては、たまたまそのときDNAが見つかった。そのとき見つからなかった人はまた出てくることがある。そうすると、何千人、何万人の人たちについて個別のNATを延々とやりながら、たまたまDNAが見つかった人を順次通知していくということが果たして合理的かどうかという観点からもものを考える必要があるのではないかということなんです。
 まず、意見の委員を聞いてからにしたいと思います。いかがでしょうか。岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 1と2案を考えるときに、現行のシステムでNAT陽性・陰性といっても、例えば、700マイクロとか800マイクロの中で抽出したもので陽性とかと判断するわけですから、もっと量を多くすれば、当然、多く見つかる例はあると思うんです。そう考えると、供給の面を考えますと、2の案で十分な供給というか、血液不足にならないということがわかれば、2の方がいいのではないかと思います。
 それでは血液の供給に不足が生じる可能性があるとなると、妥協案として1の中で、今の感度のシステムでDNA陽性のものを排除することになるかと思いますけれども、供給量に問題がないことが予測されるのであれば、2の方がいいかなと思います。
○吉澤委員長 結局、感染の背景を考えなければいけなくて、感染既往例が極めて高い、つまり、感染既往率の高い国々では、やはり従来やってきたようなやり方で区別分けしないといけないと思いますが、現時点で献血された本数の中でのHBc抗体陽性の、しかも力価が低くて安定数がそんなに高くない、それの頻度が非常に低くなっている時点において、今の体制を整えるのがいいのか、前半で十分説明していただいた今までのデータを基にしますと、私も岡田先生の意見が妥当かと思いますが、ほかの委員の先生方の御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。もしよろしかったら、輸血学会の立場で、先生。
○大戸委員 意見というよりは、質問、あるいは確認になりますが、既往感染者、コア抗体陽性の人は一見健康に見えても、かなりの率で、あるいは100%近く、実質的にはキャリアと考えていいというふうにコンセンサス、肝臓ないしウイルス関係者は、そこまで達していると考えていいですか。
○吉澤委員長 血中にウイルスはつかまらないけれども、肝臓の組織の中で見た場合には、フルゲノムが入っているウイルスがいるということは、大体コンセンサスとして考えていいわけです。問題は、その人自身のその後の病気の、ウイルスを持っている感染既往例ですね、その人のその後の健康状態にどれぐらい影響するか。それについて1つだけあるのは、血液のがんで抗がん剤を使った場合の免疫系が抑制されたりしたときに、リアクチベーションが起こる。それがあるのですが、さて、その頻度がどれぐらいかというのはまだ出ていないんです。ケースリポートなんです。極めてまれなわけです。そうではない、普通の生活をしている人については、健康上大きな問題はない。
 その次に、そういう人の血液が輸血されたときに、輸血後肝炎の原因になるかどうか。それは今の日赤から報告されたデータを見れば、これぐらいのものであるという前提になります。
 ですから、ウイルス学的には、もう一回繰り返しますが、肝臓の中にウイルスは残る。だけれども、本人の健康上は大きな問題はない。周辺に対する感染源としても、輸血用の血液の提供以外は、ボリュームが200mLとか400mLの場合以外は大きな問題はないというのが今のコンセンサスと考えますけれども、岡田先生、それでよろしいですね。
 どうぞ。
○山口(照)委員 最後の説明のところにあった点は、多分、吉澤先生が答えてくださると思うのですけれども、もう一つ、Bの血清学的な変遷を考えたときに、コア抗体がポジティブで、勿論、サーフィスがポジティブの時期があって、最初にサーフィスがなくなっていきます。そのシェアが先ほどの最後の6番目のポツの説明のところで出てきた話に近いだろうと思うのですけれども、結局、サーフィス抗体が高い間は問題ないでしょうけれども、サーフィス抗体が下がったときに、本当にリスクが出てくるのかという話がもう一つあるかなと思うんです。その辺が、今まで私が学んできたところだと、長い時期を経て再発抗体が下がったとしても、そんなに活動性のウイルスが見つかるということではなかったのかなと思います。
○吉澤委員長 結局、今まで出ているデータは、anti-HBsが高い力価で、コンビネーションのときには感染しないというだけで、その変化が起こったとき、どうなるかということについては、具体的なデータは出ていないと思います。ただ、今の献血された血液の安全性確保のための検査システムは、HBc抗体が陽性であれば、自動的にHBs抗体も図って、力価が高いかどうかまで決めて、HBs抗体の力価が十分にあるときには安全と考えていきましょうという立場です。変化したときは、その変化でとらえますから、排除に対象になるということで、安全性は確保できると考えていいんですね。
○山口(照)委員 6の部分に関しては、サーフィスの抗体が高かったときは感染価はないであろうと、要するに、実質上感染価がないと言っていいだろうということでよろしいわけですね。
○吉澤委員長 今までデータはそうであるというのが先ほどの説明ですね。ですから、今後もいいのではないかという立場ですね。
 日野さん、言い残したことがありましたら、どうぞ。
○日本赤十字社(日野副本部長) 多分、次の問題だと思います。
○吉澤委員長 では、今までの御意見を集約いたしますと、この安全技術調査会といたしましても、HBs抗体の低力価の場合、200mIU未満でHBc抗体が陽性の場合には排除の対象にしましょうという線でよろしいでしょうか。
 では、ここまでコンセンサスということで、さて、その次ですけれども、今度は遡及調査の対象ということにつきましては、今の日赤の説明からいきますと、HBs抗体の力価が十分にあるときには感染のソースにはならないというデータですから、これは遡及の調査の対象から外すということで、これもよろしいですね。
 それでは、今回新たに不適と決めました、その血液の個別NATの必要性があるかどうか、このことにつきまして、コンパクトに議論したいと思いますが、日赤の立場から伺えますか。
○日本赤十字社(日野副本部長) ありがとうございます。
 日赤では、HBに限らず、基本的には検査陽性となったドナーに対しては通知を差し上げて、場合によっては、ほとんどがそのケースになると思うんですけれども、今後、せっかく献血されたとしても、輸血用の血液に利用することはできませんということで、基本的には全員に通知をしているという状況があります。
 そういう中で、コアに関しましては、今日の追加資料1が裏表になっておりますけれども、資料ナンバー1と右肩に書いてある方が、HBs抗原の陽性のパターンと、コアでNATが陽性のパターンについて、この通知を一緒に利用しているということになります。そういう中で、検査結果につきましては、そこにお示ししたとおり、日赤でやった検査に関しては、なるべく多くのデータをドナーに返して、受診時の参考にしていただこうというスタンスがありまして、個別NATの結果も含めて、ドナーに通知しているというのがあります。
 その裏側は、コア抗体が陽性のケースですけれども、NATのところを見ていただくと陰性と表示しておりますので、こちらに関しましては、NAT結果も入れて、健康上問題となることはほとんどありませんという通知にしております。
 ただし、日赤では、この紙一枚ではなかなか説明し切れないというのがありますので、こういった冊子も一緒に入れまして、先ほど吉澤先生おっしゃったような、コアが陽性で、個別NAT陰性の人たちに対しても、万が一、その方々が今後病気になられたときに、再活性化の可能性がありますというインフォメーションもこの冊子の中に入れさせていただいているんです。そういう観点からすると、特に日赤の中でNATをやる、やらないという問題は余り問題になっていない。1つの指標になっているだけであって、今、実施しているということです。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 日赤としては、短く言いますと、サービスという立場から考えて、HBc抗体、要するに、感染既往者についてウイルスの有無を調べて、ない場合でも通知する、ある場合には勿論、通知するというふうになっているということですが、さっきからの問題は、その検査時点でウイルスのDNAが見つからなかった人も出没するという問題については、見つかったときに順次通知という形で、リピーターはそれがつながるわけですね。それが果たして妥当かどうか。そのためにこれだけの費用をかける必要性があるかどうか。最初に山口先生が言われた問題に戻ってくるのですが、このことについて少し議論をしていただけたらと思いますが、いかがでしょう。どうぞ。
○日本赤十字社(田所経営会議委員) 一度通知した方については、献血をすること自体も辞退していただいていますので、同じ方に何回もお伝えするということではないということを御理解いただければと思います。
○吉澤委員長 わかりました。そうすると、多少の自己矛盾が出てきまして、通知したときにはNATで陰性、あなたにはウイルスはいませんでしたけれども、こういうことで、こういうこともありますという説明をしているわけですね。その人を実質見ていけば、またウイルスが出ることも起こり得るわけです。というもろもろのことを考えたときに、最初に申し上げました血液事業の原点に戻ると、安全な血液を十分量供給するということから考えて、極めてレアなケースに対して、個別のNATでそこまでする必然性があるかどうかを少し考える時期に来ているのではないかと思うのですが、最初に山口先生が言われたので、つけ足して済みません。
○山口(照)委員 田所先生がおっしゃったところの話はそのとおり、わかりますけれども、1つは、ここで書いておられるように、NATをしないで早期治療に結びつくという、陽性者だけに限定する話ではないわけです。陰性であったとしても、それはたまたまそのときの検査で陰性であったかもしれない。先ほどちょっとヒストリカルなデータの話もしましたけれども、吉澤先生の御説明のように、ヒストリカルであったとしても、サービス抗体が下がってきたときに、本当にどうなるか、まだデータはないという話でいくと、NAT検査をして、陰性だからといって、余り安心をさせてもいけないというところがあるわけです。もう既往であることもわかっているし。だから、ここのメリットが、書いておられるだけの話なのかもしれませんけれども、それほどのメリットではない。
 それから、もう一つは、献血者だけのメリットになっている点がもう一つの論点なのかなと。あるとしたら、最初に申し上げましたように、その前のときに、たまたまサーフィスも高かったけれども、あるいは、両方とも出ないようなケース、レアでわからないんですけれども、受血者側から見たときには、受血者が何らかのHBの感染を起こしたというまれな例が、それを遡及でやれるということのメリットしかないだろう。
○吉澤委員長 先生、いかがですか。
○山口(一)委員 いろいろ考え方はあると思うのですけれども、私はこの全体のスキームを、これでOKならば、全国一斉にやるのか、また、エビデンスとして、本当の意味でどういうふうにしたらいいかというのが決まっていない段階では、例えば、あるセンター、非常に局所的なところで、試験的に、トライアル的にやるという考え方も考えていいのかなと思います。これで決まったら、一斉に全国的にやるというのはどうなんでしょうか。
○吉澤委員長 それにつきましては、ここは安全技術調査会ですから、十分な血液の供給のための阻害にならないで安全を確保するためにはどうしたらいいかという議論をする場ですから、今、山口先生の言われた問題につきましては、当局と日赤と後で詰めていただくということになるかと思います。まず、現時点では、サービスをということで、NATをする必然性があるのかどうかについての、ある程度の議論をしておきたいということです。
 ちなみに、2002年から始まった肝炎ウイルス検診のところでも、あれはHBs抗原で見ていますが、あのレベルでも出没があるわけです。ということを考慮して、感染しています、していませんという表現ではなくて、感染している可能性が極めて高いという、よくわからない表現をしているのは、出没のことを念頭に置いてあるわけです。そして、検査した時点ではウイルスはいないけれども、100%ではないから、何かあったら専門医のところに行ってくださいと、あそこに書いてあります。このanti-コアのレベルですと、ウイルスの量がそれより更に下のレベルでの問題ですから。ですから、そういう対処の仕方で、あとは通知を統一して、思い切ってここのところを変えていくという観点もあるのではないか。
 現に、この表と裏の通知をもらったドナーの方が私たちの現場に来ました。この通知をもらったけれども、意味がわからないという人が大半です。ですから、日赤としては極めて親切に全部のデータを書いてありますが、これを読める人は通常の内科医でも余りいないです。ウイルスがわかる人なら読めるのですけれども、その辺を考慮した上で、今後少し詰めていく必要があるのではないか。通知についても統一性を取るようなことが必要ではないかと感じております。
 このところはエンドレスになりますので、この辺で、あとのところにつきましては、おおよその方向としては、案2で、全部に通知する。それから、通知の在り方、個別のNATのことについては、もう少し事務局と詰めていただくということでよろしいですか。
○伯野血液対策課課長補佐 遡及調査の対象については、先ほど先生がおっしゃられた200mIU/mL以上はもうやらなくいいということでよろしいですね。
○吉澤委員長 遡及はそういうことになります。では、ちょっと長くなりましたが、議題1につきましては終わらせていただいてよろしいでしょうか。
 次にまいります。次に、資料2につきまして、またお願いいたします。
○伯野血液対策課課長補佐 それでは、資料2をごらんいただければと思います。「遡及調査ガイドラインにおける供血者への事後検査依頼の対象者について」という資料でございます。
 背景でございますが、受血者がB型及びC型肝炎ウイルスに感染した場合に、投与された血液製剤の保管検体のNATが陰性であっても、ウィンドウピリオドに献血した可能性があることから、供血者を改めて呼び出して検査を実施しておりますが、その対象が、現在、受血者が劇症、あるいは死亡事例に限るということになっております。
 対象の限定方法についてでございますが、B型及びC型ウイルス性肝炎というのは慢性疾患であることが特徴であるにもかかわらず、急性疾患としてしかとらえておらず、矛盾しているのではないかという御指摘がございました。本ガイドラインが策定された当時、これは平成16年でございますが、このときは、まず対象を劇症・死亡事例という社会的影響が大きい方に限定して実施するとされております。
 3にメリット・デメリットを提示させていただいております。
 4の今後の方針についてをごらんいただければと思いますが、事務局からの提案でございますが、血液製剤によるHBV、HCV感染の実態をより正確に把握し、ウィンドウ期であった供血者の早期発見・早期治療に結びつけることを目的として、供血者の事後検査依頼の対象者を劇症と死亡のみに限定せずに、陽性事例全体に広げてはどうかというものでございます。
 裏をごらんいただきまして、ただし、保管検体でNATが陽性であった事例だとか、輸血前から陽性となっている事例など、院内感染等、明らかにほかに原因がある場合については当然、除外することとしております。
 また、最後でございますが、収集したデータは適宜、安全技術調査会に報告をして、ウィンドウピリオドのリスク評価を行って、必要に応じて検査の意義についても評価することとしたいと思っております。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 今、御説明いただきましたように、遡及の対象が劇症肝炎、それから、死亡例に絞って今までしてきたけれども、感染事例について、やはりした方がいいのではないかという御提案ですが、このことにつきまして、いかがでしょうか。これは輸血学会が関係すると思いますけれども、先生、いかがですか。
○大戸委員 基本的に大変賛成です。劇症にならなくても感染している事例が、原因がつかまらないのが何人かおりますので。
○吉澤委員長 そうですね。結局、いわゆる院内感染例と、輸血によって感染した事例が少しあいまいなまま来ている部分もあると思いますし、安全対策という観点からすると、やはり感染事例を出発点にするというのが常識的な判断かと私も思いますが、これに関して、いかがでしょうか。そうしますと、ルックバックの数が増えるという問題は、多少ここに黒い丸で書いてあるのがありますが、血液事業の原点に返ると、どうしてもこれは必要ということで、努力していただくことが必要ではないかと思います。
 岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 先ほどのHBc抗体との関係があって、HBc抗体1以上の人は採血しないということになりますと、今、遡及の対象になっているのはほとんどBですので、半分以下になることを考えると、勿論、現場の人は大変ですけれども、増加が何倍にもということはないのではないかと思います。
 あと、つけ加えたいのは、C型に関しては、多くの方が慢性化しますので、輸血によって感染したのか、それ以外なのかということは明確にするべきだと思いますので、是非これは進めていただきたいと思います。
○吉澤委員長 現実にC型で劇症肝炎というのはほとんどないわけですから、やはり感染事例を出発点にすると、BもCも含めてということと、現場への負担ということも考えて、先ほどああいう言い方をしましたが、現実にはルックバックの数はうんと減るわけですから。
 どうぞ、先生。
○山口(一)委員 平成16年にこれができて、学会のガイドラインというのは、私がタスクフォースの委員長でこの案を作ったんです。そのときに一番問題になったのは、今、赤十字側の負担はそうでしょうけれども、実際の臨床の現場は、これでもってまた相当きちっとやるということになれば、きちっとやらなくてはいけないですけれども、それは大変な負担になるわけです。それから、数年たって、今の問題は、輸血の前はいいですけれども、後をどうするかという問題ですね。今、入院期間が非常に短くなっているし、大きな病院でいろんなことをやって、その後、地方の病院に帰るということで、なかなか3か月後のフォローができない。7〜8年前に比べて大きな変化が起こっているわけです。それを考えれば、私は勿論、劇症・死亡例だけというのはおかしいと思いますけれども、そこを広げるならば、実際の運用をどうするかという、ここをもうちょっときちっと決めないと、そういうのは多分、学会に丸投げしてもいいのではないかと思うんです。
○吉澤委員長 今の先生の議論は資料3のところでもう一度出てまいりますけれども、おっしゃるような問題があると思いますので、これもまた議論していただけたらと思います。
 そうしますと、資料2に関しましては、もう一度申し上げますが、感染事例を出発点としてルックバックをということで、この委員会としては、そういうコンセンサスでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○吉澤委員長 では、そういうことにさせていただきます。
 百瀬さん、どうぞ。
○日本赤十字社(百瀬安全管理課長) 資料2についてお決めいただいたことにつきまして、了解いたしました。委員の先生方に御意見、御検討、お知恵を授けていただきたい部分がございますのは、B型肝炎とかC型肝炎被疑献血者、疑いが持たれている献血者1症例につき、平均で大体10人ぐらいございます。多い場合は、ずっと輸血をしている患者がいらっしゃいまして、被疑献血者が100人を超える場合もあるんですね。その場合、どういうことかというと、一時に大量に輸血されるだけではなくて、何年にもわたってずっと輸血を受けている、そういう献血者を呼び出していくという部分について、勿論、被疑献血者ですから、すべて対象になりますし、また、除外例につきましても、除いたものについて、献血者に御連絡、御協力いただくことになろうかと思います。場合によっては、実際に輸血した事例よりも何年もたってから報告が来るものもございますので、その辺について、どこかで線引きができるものなのかどうか、今後、運用していく上でいろいろと御意見いただければありがたいと思っております。
○吉澤委員長 それは大事なことだと思います。これも資料3のところに全部入っているわけではないですが、輸血に伴う感染が強く疑われる例が出発点になるわけで、そうかなというのはその対象にならないわけです。それから、いっぱい輸血した人について、どこからどこまでが感染のソースと想定されるかというのは、臨床医でしたら相当詰められるはずですから、その辺を詰めて、後対処するということで、やみくもにルックバックというふうにはならないと考えてよろしいですね、大戸先生。
○大戸委員 そうです。
○吉澤委員長 ということですので、余り心配しなくて大丈夫と思います。
 どうぞ、先生。
○日本赤十字社(田所経営会議委員) 血液の安全性なり因果関係を明らかにするという意味では、やれることはやるというのは、私はそういう立場でよろしいと思うんです。ただ、1つだけ考えておいていただきたいのは、献血者は善意で来ていただいているのであって、我々血液事業に関わる者としては最大の努力をしてお願いはするわけですけれども、これはあくまでもお願い事であって、献血者にやるのは当然だという基本的な我々の立場ではない。是非お願いして協力いただくという立場であって、そういう気持ちは、できたらこの会議の中でも共有していただければと思います。
○吉澤委員長 先生、それは当然だと思います。これは強制ではなくて、お願いベースで、そして、できるだけ将来の安全性を高めるために必要ということで、可能であれば御協力いただきたいという、その基本線は当然と思います。先生方、そこのところはコンセンサスでよろしいですね。
(「はい」と声あり)
○吉澤委員長 ということで、先生、よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、ここまでを終えまして、次に、資料3の説明に入っていただいてよろしいでしょうか。
○伯野血液対策課課長補佐 それでは、資料3をごらんいただければと思います。こちらは「輸血療法の実施に関する指針」の改訂案でございまして、前回の適正使用調査会で議論を行っております。ただし、本指針の輸血前後の検査、検体保管の在り方に関する記載については、血液製剤等に係る遡及調査ガイドラインに関係することから、安全技術調査会で議論することとされました。本日お示しさせていただきました資料3ですが、現行の指針と、適正使用調査会で日本輸血・細胞治療学会から提出された改正案がございますので、それを対照表として示したものでございますが、この点について御議論をいただきたいと思っております。
 簡単に説明をさせていただきますと、患者検体の保存と輸血前後の検査について記載の修正案がございます。1番目のところが、2ページの右下でございますが、輸血前検体保管のことがかなり強く記載されております。必ず輸血前の検体を保存すること。ただし、検査をちゃんとやれば保存しなくてもいいという書きぶりになっております。
 また、輸血後の検査については、これまでは医師が疑った場合という記載が遡及調査ガイドライン上はございますが、それがすべてという形で変更になっているところでございます。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 日本輸血・細胞治療学会からの御提案もここに左右の対照で書かれておりますが、要するに、これは、輸血を受けた人の感染が輸血した血液に原因があるか否かということをできるだけクリアにするための措置ということになります。
 大戸先生、変更点につきまして、これは、全部検体を保存しておいて、後でまとめてというのではなくて、現場できちんと検査できるものについてはそこで結着してよろしいと、こういうことですね。
○大戸委員 この答申を輸血学会から出したときに、この討議に山口先生が加わっているのではないかと思います。
○吉澤委員長 では、山口先生。
○山口(一)委員 改訂版と言っていましたけれども。
○吉澤委員長 いえ、これは提案でありまして、これをどうするかということをここで議論して、最終的には事務局と詰めていくことになるわけで、左右対照表で、これをこういうふうにするというものではありません。
○山口(一)委員 これは、6年前ですか、7年前ですか、そのときのままですね。
○吉澤委員長 そうです。ですから、基本的に、これをよく読むとわかりますが、そのままです。
○山口(一)委員 ただ、これの再検討は多分、されていないと思いますので、学会でやる必要はあるんではないでしょうか。
○大戸委員 もうちょっと言いますと、学会内部から、あるいは学会の外側からの批判といいますか、これに対する意見もあります。そういう意味で、学会の確立した統一案と考えるよりは、学会が出した1つの案と考えていただいて、この場で討議していただくのが一番適当かと思います。
○吉澤委員長 これに余りとらわれず、案としてこういうのが出てきたということですね。例えば、これを読んでいて一番わかりにくかったのは、1枚目ですけれども、輸血実施後の感染症検査を確実に行うために、未開封の分離剤入りのものを−20℃以下で2年間、この2年間というのは本当に必要かどうかとか、そういう細部のところは、従来のものに比べてかなり長く保存とかになっていまして、さきに申し上げました輸血が原因で感染したのかどうかという特定をするためのフォローですから、そういう意味では、6年前、先ほど山口先生が言われたもので大体完成しておりまして、問題は、それを実施するときにどういう大変さがあるかということを基にして、現実的な案に少し修正すべきだということでよろしいんですね。
○山口(一)委員 そのとおりです。
○吉澤委員長 では、そこにつきましては、そういう前提で、ここで延々としてもなかなか終わりませんので、事務局と詰めさせていただいて、また提案させていただくということでよろしいでしょうか。基本的にはこれを踏襲する。より簡便化して、この目的を達成するためにどうしたらいいかということで詰めるということでよろしいですか。
 事務局もそれでよろしいでしょうか。
○伯野血液対策課課長補佐 そうしますと、記載の内容については、委員長と事務局とで相談させていただいて、委員長預かりということでよろしいでしょうか。
○吉澤委員長 どうぞ、先生。
○?本委員 我々の医療施設にとっては、実際の主治医にとってはかなり負担というふうに考えられます。実際に前及び後の実施率というのは極めて低いと思います。多くの積極的な施設では、患者が輸血によって肝炎等が起こった場合の補償を確実にするために前のものを保存している状況だと思うんですけれども、お金もかかりますし、手間もかかりますので、できれば、こういった処置に対して、輸血前後の検体保存ということに関して、何らかのインセンティブ、輸血管理料とか、そういう中にちょっと上乗せをしていただければ、かなり実施率も上がるんではないかと思います。
○吉澤委員長 そうですね。例えば、これをつくった段階のところには、検査法もまだ固まっていなかったことがあったもので、それで保存しておいて、事が起こったときには並べて、ペア血清できっちりやりましょうという観点でこれをつくってあったと思うんです。これをつくったとき、私も少し関与していたように記憶があるんです。
 ただ、今は、検査法が確立しまして、現場でもかなりきちんとした検査ができます。例えば、輸血前の検体につきましては、保存というよりも、その段階で感染していないことを確実に検査で立証されればいいとか、その辺を詰めていけばいいんではないか。それから、輸血後の肝炎が疑われたときにはどういう検査をする。ただ、客観性を持たせるために、やはり第三者の検証も必要というところをどういうふうに保証するか。そのときに臨床の現場の負担をどれぐらい減らしてこの問題に対処できるか、これはかなり細かく詰めないといけないだろうと思いますので、先生の貴重な御意見も入れて検討してみたいと思います。
○?本委員 もう一つよろしいですか。
○吉澤委員長 どうぞ。
○?本委員 実際には、DPC等でかなり現場の医療施設での運営が厳しい状況になっています。本当に検査を全部やることがリーズナブルなのかということも含めて、いざ患者にそういう疑いが起こった場合に限ってレトロで検査するという意味では、保存さえしておけば、あとの検査はレトロでできますから、実際に術前、あるいは輸血前に検査をするんではなくて、輸血前の検体を保存しておくという施設がかなり増えているんではないかと考えています。
○吉澤委員長 この原案は、最初のものはその線で作ってあります。ですから、先ほど申し上げました現場の負担をできるだけ軽減してという意味は、検体の保存が一番ですが、それがなかなかできにくかったということもあって、いろんな紆余曲折があったということになります。ですから、検体の保存につきましても、ものすごく厳密な保存が必要なのか、それとも輸血前のクロスマッチの血液の一部分をきちんと、コンタミがないように保存しておくぐらいでいいのか、その辺について詰めればいいんではないかと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
○?本委員 結構です。
○吉澤委員長 では、そういう前提で詰めるということで了解をいただいたということです。
 どうぞ。
○伯野血液対策課課長補佐 本日いただきました御意見を踏まえて、委員長と御相談させていただいて修正案をつくるということでよろしいでしょうか。その修正案を12月に開催予定の血液事業部会に御報告させていただく予定でございます。
 1点だけ、先ほど少し話にありました輸血前後の検査については、保険適用云々との関係もございますので、省内の関係部局とも調整させていただき、記載が変更されることもありますので、こちらに関しても委員長預かりということでよろしいでしょうか。
○吉澤委員長 そうですね。保険の問題がありますね。それから、そもそも輸血に伴う肝炎の感染というのは激減していますから、この対象は本当に少なくなるわけです。それにどう対処するかという問題ですから、これを最初につくった7年前とは随分状況が変わってきているということになると思いますので、その辺も御承知おきいただけたらと思います。
 それでは、次へまいりたいと思います。資料4に入りたいと思いますが、資料4の説明をお願いいたします
○伯野血液対策課課長補佐 こちらも事務局から説明をさせていただきます。資料4をごらんいただければと思います。平成11年に発出されましたガイドラインでございますが、こちらはHBV、HCV、HIVを対象として、血漿分画製剤の製造工程におけるウイルス・プロセスバリデーションについて具体的に示したものでございます。
 そのうち、5ページの「3.3 最終製品の検査」をごらんいただければと思います。赤枠で囲った部分でございますが、最終製品のウイルス検査を行うとの記載がございます。この記載の必要性について御議論をいただければと思っております。
 背景としましては、血漿分画製剤の原料に用いられる血液については、HBV、HCV、HIVの血清学的検査が実施されておりますし、また、原料血漿でHBV、HCV、HIVの核酸増幅検査が実施されております。そこで陽性となった場合には使用できないこととなっております。これは生物由来原料基準にも書かれております。また、血漿分画製剤の製造工程においては、HBV、HCV、HIVに対するウイルス不活化、あるいは除去工程が組み込まれておりまして、プロセスバリデーションによってウイルスクリアランス指数が9以上であることが確認されております。これは平成15年の4課長通知でも明記されております。
 以上を踏まえまして、ガイドラインでウイルス検査を規定することの必要性について御議論いただければと思います。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見等をお願いいたします。山口先生、お願いします。
○山口(照)委員 このガイドラインをつくったとき、私は賛成しかねていたんです。最終製品でウイルス検査をする、勿論、最終製品でマイコプラズマとか、無菌試験とか、やらないといけないものは勿論あるでしょうし、さっき御説明でもありましたように、中間工程、中間原料でネガティブという確認をした上で、しかも、そこから109、6以上下がるということを前提に製造工程を組まれているわけで、そこで最終製品でウイルスがポジティブになるというのは、何かミスが起きたとき以外はあり得ないだろうと思っていますので、ここでウイルス検査をやる意味は余りないと思っております。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 岡田先生、いかがですか。
○岡田委員 最終製品の場合、各製品の特性が全面に出てしまって、血漿に比べてよほど工夫をしないと、かえって感度が悪くなります。
○吉澤委員長 例えウイルスがいてもという意味ですね。
○岡田委員 はい。ですから、血漿であれば、陽性になっても、それは製剤に同じ量のウイルスが入っていても陰性になることがあるわけです。そうすると、製造工程の間でウイルスは当然、減っているわけです。そうなると、正直言って、最終製品で陽性になった場合は、混入というよりも、試験の抽出かどこかやっているときに、コンタミしたとか、陽性コントロールが入ったり、そういうふうな可能性が高いと思います。そういう意味で、受入試験として、原料血漿のプールの段階できちっと検査が行われていれば、あとは各製造に関しては、GMPに基づいて製造されていますので、そこはちゃんと確認されている今の製造法を考えますと、最終製品で検査をする必要はないと思います。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 安全性確保という立場からすると、最終製品でもう一回検査をする必然性は極めて薄いというより、ほとんどないと考えてよろしいという御意見です。ですから、出発材料で調べて、途中のところで調べて出ないものが最終製品で出るということは普通考えられないということから、ここのところは削除ということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○吉澤委員長 では、この件に関しましては、ガイドラインから最終製品のウイルス検査を規定するという項目については削除ということで、御了解いただいたということにさせていただきます。
 どうぞ。
○杉浦委員 必ずしも議論についていっていないと思うんですけれども、最終製品を確認しないということは、今、岡田先生が言われたように、何かアクシデンタルなことは全然考えなくていいということなんですか。
○吉澤委員長 どうぞ。
○岡田委員 原料血漿の段階で陰性であることが確認されていれば、製造工程で感染性のものが入る。
○杉浦委員 入ることはあり得ないと。
○岡田委員 例えば、故意にだれかが。
○杉浦委員 そういうことを聞いているんです。
○岡田委員 そこまで考えると、この話は成立しないんですけれども、そういうことです。
○杉浦委員 わかりました。
○吉澤委員長 どうぞ。
○山口(照)委員 今、先生がおっしゃった話は、GMPの観点のような気がいたします。それできちんとされているのに、逸脱ということが起き得ないような工程管理をやっていただければいいのではないかと思います。
○吉澤委員長 では、ここまででよろしいでしょうか。
 では、議題の4に移りたいと思います。資料5の説明を日赤からお願いできますでしょうか。
○伯野血液対策課課長補佐 まず、この背景を事務局から説明させていただこうと思います。
○吉澤委員長 済みません。では、お願いします。
○伯野血液対策課課長補佐 200mL製剤と400mL製剤のリスク評価を行う背景を説明させていただきます。
 現在、献血推進調査会という、献血推進施策について議論する場でございますが、献血推進について協議をしているところでございます。その中で、初めて献血を経験した年齢が低ければ低いほど献血のリピーターになりやすいというデータが出ております。ですから、献血推進という観点からは、なるべく若い世代に献血に御協力いただくことが望ましいと言えると思いますが、例えば、16歳ですと、採血基準から200mL献血しかできないということになります。そうすると、若い世代の献血推進を行うことによって、200mL献血が増加して、結果として200mLの赤血球製剤が増加することにつながる可能性がございます。
 一方で医療機関の需要としては、200mLの製剤の需要は十分満たされているという状況でございますので、こういうことから、医療機関では400mLの製剤の需要があったとしても、200mL製剤を2本供給することを許容していただくことを検討すべきではないかという御意見が献血推進調査会でございました。ただし、その前提として、200mL製剤×2の安全性と、400mL製剤×1の安全性について評価する必要があるということで、今回、日赤で資料をつくっていただきまして、こちらの会議で議論していただくという背景でございます。
 以上でございます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 では、済みませんが、時間が押していますので、コンパクトに説明をお願いいたします。
○日本赤十字社(日野副本部長) わかりました。資料ナンバー5番をお願いします。本日は、今、補佐がおっしゃられたように、200mL製剤と400mL製剤の安全性について評価しました。
 1ページ、2ページ目につきましては、現在の献血の状況をあらわしております。1ページ目の1番になりますけれども、200mL献血に関しましては、青のバーが男性ですけれども、16歳、17歳に集中しているという状況があります。
 次のページの2番になりますが、200mL献血と400mL献血の男女別の平均年齢はどうかといいますと、そこにありますように、200mLに関しましては33歳、400mLは40.1歳。一番多い年齢は、200mLが17歳、400mLが38歳ということになります。いずれにしましても、200mLと400mLに関しましては、その比は、200mLが約12%、400mLが88%程度ということになります。
 3番になりますが、「400mL献血率の推移」でございます。医療機関側からのオーダーが400mLが多いということもありまして、毎年400mL献血の率を上げていますが、昨年は87.7%でした。しかしながら、欄外にありますように、今年の8月の調査をしたところ、医療機関からの発注の比率は、400mLは93%あったということがありますので、いまだ400mLに関しては需要に100%お応えできていないという現状は多分、あるんだろうなと思います。
 4番ですけれども、初回献血者数の推移ということになります。こちらは例年、少し差はありますけれども、昨年は約10%程度が初回者だったということになります。
 3ページの5は、検査の陽性率から見た評価になります。上が200mL献血、下が400mL献血で、血清学的な検査のHBs抗原とコア抗体とHCV抗体の陽性率を見たものです。上と下のそれぞれの計を見ていただくとわかりますように、HBのコア抗体に関しましては少し差があると思いますけれども、総じて見ますと、200mLと400mLの陽性率におきましては大きな差はないと思います。少なくとも2倍の差はないということになりますので、400mL製剤1本と、同量の200mL製剤2本を比較すると、200mL製剤2本の方がリスクは高いだろうという形になります。
 次のページになります。6番は、初回献血者の陽性率。約10%程度、初回者がいらっしゃるわけです。日赤では、先ほどお話ししましたけれども、陽性通知をしているということで、頻回の献血者につきましては、少しフィルターがかかっているというのがありますけれども、初回者に関しましては、日本人の真の感染率で考えていいだろうということで、少し比較してみました。それを見ますと、200mLは400mLの約2分の1であることがわかります。しかしながら、初回の献血者の比率はもともと10%程度で、非常に少ないというのがありますので、これが200mLと400mLの由来、血液全体の安全性の比較に大きな影響を与えているものではないだろうということは、前の5番の感染症マーカーの陽性率からもわかると思います。
 その次の7番になりますけれども、こちらは、いわゆる市販後調査から見たリスクを比較したものです。200mL採血由来の感染例は、実はございません。ここにありますように、ウィンドウの感染例から見た本数そのものが26件となりますので、非常に少ないということがありますので、この表からは、200mLと400mL由来の感染リスクを評価することは難しいだろうと思いますけれども、今日、一番初めに議論していただいたように、今後、コア抗体の陽性の方をすべて排除するという対策を取りますと、更にここが減ってくるんだろうなと思います。
 次の5ページになりますけれども、こちらは、遡及調査で個別NAT陽性となった製剤の採血種別から見たリスクの比較をしております。200mLと400mLで、前回、個別NAT陽性となった本数をそこにあらわしております。200mLが11.3%、400mLが88.7%となりますので、これはまさに400mL献血の比率が87.7%であったことになりますので、そういうことからすると、両者に個別NAT陽性となる比率で差はないと考えられます。
 ここまでは感染症関連の観点から比較したものですけれども、9番は、いわゆるアナフィラキシーショックとか、じん麻疹等、非溶血性の副作用の重篤なものをターゲットに200mLと400mLを比較したものです。200mLと400mLと書いてありますのは、それぞれの製剤だけ使用されているものからピックアップしますと、200mLは赤血球製剤が19、血漿が3本、400mLは赤血球製剤が210本で血漿が63本ということになります。
 それぞれの数字について、供給比率でどうかと見たものが2)で、真ん中の症例報告頻度1万本当たりの表を見ますと、200mLは400mLの半分とは言いませんけれども、少し低くなっているというのがありますけれども、200mLのそれぞれの本数が非常に少ないというのがありますので、これだけで200mLの安全性を比較することはなかなか難しいだろうと思います。
 欄外にあります2つ目のポツになりますけれども、輸血関連急性肺障害、いわゆるTRALIの予防として、現在、日赤では、400mL由来の血漿はなるべく男性由来の血液からFFPをつくっていこうという活動をしているところです。そういう観点からすると、TRALIのリスクにつきましては、400mL由来のリスクは多分、少ないんだろうなと思います。
 結論になりますけれども、以上の結果から、200mL製剤は400mL製剤とほぼ同等のリスクがあるということで、200mLを400mLと同量の2本を輸血した場合のリスクはほぼ2倍になるという結果が出ましたけれども、HBV、HCV、HIVに関して、もともと感染例が非常に少ないという状況がありますので、その辺りの評価は非常に難しいだろうと思います。
 最後に、非溶血性の副作用に関しましては、ドナーのエクスポージャーの観点から考えると、400mLの方が多分、少ないだろうという観点もありますので、今後、もう少し評価をしていく必要があるだろうと思います。
 以上です。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 どうぞ、先生。
○白阪委員 先ほどの事務局からのお話にあったように、若い人たちの供血の推進というのは非常に大事だと思います。3ページの5の200mLと400mLの比較の丁寧なデータをいただいておりますが、これで見ると、若い方、例えば、10歳代、20歳代は、200mLにしろ、400mLにしろ、他の年代よりも抗体の陽性率は低いような傾向もございますので、これだけを見ると、今、お話にはありませんでしたが、若い方の供血は非常に安全性が高いと推察されますし、200mLが若い方に多いということから考えて、200mLを2つ入れることが400mLよりも統計学的には安全性は低いということを考えても、200mLを否定するものではない。私は結論として、むしろ若い人で200mLが多いんだったら、それを取るのがいいんではないかと、これは個人的な意見です。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ、先生。
○大戸委員 今の5番の「感染症マーカーにおける年齢別の検査陽性率」は、計算が間違っているのではないかと思います。これは単純に足して割ったのでしょう。これは掛算していないですね。
○吉澤委員長 これは、献血された血液の中での陽性本数をまとめたものだそうです。ですから、その年齢層における感染率をあらわしているものではないです。
○大戸委員 だから、10歳代は200mLが多くてというのを計算に入れていないですね。だから、この数字の何%というのは意味のない数字だと思います。隣のページの初回献血者の陽性の方がずっと正しい。
○吉澤委員長 そうなんです。評価できない数字です。先ほど先生から言われたように、若い人で200mLの献血しかできない体型の人とか、やせた人とか、そういう人たちは今、なかなかしにくいという現状があって、もう一つは、次の世代の献血を掘り起こすという意味では、掘り起こすという表現はちょっと強烈ですが、例えば、高校生になって初めて献血して帰ってきたときに、あなたも一人前になったねと親がほめるということがどれだけ次の新しい献血層をつくり出すかということを考えると、200mLの献血は否定すべきものではない。
 そして、もう一つは、感染のリスクの話は、今、日野さんから説明がありましたように、確かに理論的にはリスクは2倍になりますが、そもそもの感染のリスクが極めてレアになってきている段階での2倍というのは非常に少ないリスクですから、これにつきましては、ユーザー側、つまり、患者側、それから、医療機関側の御意見とともに、もう一つは、献血者側の意見というのは、どう聞くのか、難しいですが、そういう人たちの意見も加味した上で、将来の献血層をどういうふうに確保するかということも考えた上で、このことについては、引き続き議論していく必要があるんではないかと感じました。これにつきましては、献血推進調査会で引き続き議論を続けていただいて、今の貴重な御意見を基に入れまして、していただいたらと思います。
 日赤からの御意見をどうぞ。
○日本赤十字社(日野副本部長) 先ほどの大戸先生の御質問に関してですけれども、これはそれぞれの年代ごとの献血者数をベースにして、例えば、10代であれば何人陽性者がいたかということで割った数字です。それぞれの年代の献血者に対して、1,000人当たりの割合をここに出した数字です。
○吉澤委員長 感染率を出すときには、初回の献血者で、その年齢の人での、1人1データにしたデータを基にしないと、年齢ごとの感染率が出ないもので、評価がなかなか難しいという表現だったんですね。
 どうぞ。
○伯野血液対策課課長補佐 今の大戸先生の御質問は、例えば、3ページの5番の200mL献血であれば、10歳代のHBs抗原が1.080ですが、純粋にHBs抗原を全部年代別に足して割ったんですかという御質問ですね。そうではなくて、1.080×10代の献血者数+1.191×20代の献血者数をずっと足していって、最後に全体の献血者数を割っているんですね。だから、今の献血の実態を踏まえたリスク評価ということですね。違いますか。
○吉澤委員長 献血された血液のリスク評価ですね。ドナーの陽性率をあらわしているんではないんですね。
○日本赤十字社(日野副本部長) 吉澤先生は、初回献血者を見れば一番いいということですか。
○吉澤委員長 いえ、この表の見方を説明しただけであって、それでよろしいわけです。
 どうぞ、先生。
○内山委員 陽性のリスクの強さと、それから、バックロールの深度を掛け合わせたものがリスクですね。ですから、今後、今、おっしゃったように、10代の方がどんどん増えてきたときの平均的な日本人のリスクを考えておかないとということでよろしいですね。献血した方がたまたまこうであって、では、日本人の10代の方がほとんど献血してくださったときの陽性率はどのぐらいかと、それが将来的には関わってくるということですね。
○吉澤委員長 そうです。
○内山委員 あと、200mLの方は、単純に2倍のリスクになるというのは、そうではないのではないかと思いますが、どうなんでしょう。10代のドナーとなる方の陽性率と掛けないと、200mLを2本やるから、400mLだから2倍ということではないですね。
○吉澤委員長 ですから、それはバイアスがかかっていまして。
○内山委員 それをうまく説明しないと誤解があると思うので。
○吉澤委員長 同一の集団が200mLずつ出した場合と、同一の集団が400mLずつ出した場合とすると2倍になる。ただそれだけの単純なことであって、現実にはちょっとずれが生じるということになると思います。おっしゃるとおりだと思います。
 田所先生、どうぞ。
○日本赤十字社(田所経営会議委員) 現状ではどうかということを見るために、平均値とか、最頻値というのをお出ししていまして、現状ですと、200mLが30の初め、400mLが40の初めということで、ほぼ10歳の違いだけなんです。その範囲では全然リスクは違いませんよということです。先生がおっしゃるように、今後10代ばかりになったらどうなるかというのは、また違う結果になるかとは思います。
○吉澤委員長 そうですね。では、ここのところについては、先ほど申し上げましたように、引き続き議論しながら、200mLの推進も常に念頭に置きながら討議を続けていただけたらと思います。
 それでは、5番目の議題「HEV RNAの国内標準品について」、岡田先生から説明いただけますか。
○岡田委員 資料6ですけれども、WHOが核酸増幅法のためのE型肝炎の国際標準品をつくりました。その計画の段階から関与した関係で私たちの名前も入っていて、そのときに検討した血漿が最終的に2つ残りました。両方とも日本赤十字社から供給されたものです。
 一方、17ページを見てください。HRC−HE104とJRC−HE3という2つの血漿がありますけれども、HRC−HE104の方が国際標準品になりました。JRC−HE3が日本国内の標準品の候補品になりました。これは非常にハイタイターなウイルスですので、これをHEV RNA陰性の血漿を使って希釈して、それを凍乾品にしました。凍乾の製造に関しては、WHOと一緒につくったという関係で、WHOの標準品を凍結乾燥するメーカーで凍結乾燥品を作成しました。それを10か国24の実験室に配付して、24のうち23のラボから返事が提出されました。
 ページ11を見てください。Figure1のSample1と2が国際標準品の候補です。Sample3と4が日本の標準品の候補です。これは横軸が力価で、縦軸が、その力価を出した実験室の数です。まだ国際標準品がありませんので、参加した研究施設独自に使っているスタンダードを使って力価を出しました。そうすると、国際標準品の候補品は、Sample1ですけれども、2logの間に力価が入っています。Sample2は1.5logの間に力価が入っている。国内標準品の候補は3と4、1.5logの間に入っているといって、非常に狭い範囲に力価が入っています。1と2は、バイヤルは違いますけれども、それぞれを測ったということで、もとは同じです。3と4も国内標準品の候補ということで、バイヤルが違いますけれども、同じものを測っているということです。ページ11のFigure1は定量性です。
 ページ13のFigure3はエンドポイントです。希釈していって、どこまで陽性になったかというエンドポイントで求めたものです。そうすると、先ほどの定量性に比べて、各ラボの値が横に広がっていますけれども、5logから6logぐらいのところに一番高い値が来ています。
 それらを計算しますと、ページ22のTable5bを見てください。これは定量性の結果ですけれども、WHOの候補品が248回の試験をやりまして、国内標準品の候補品は249回の試験をやって、それぞれのデータですけれども、平均を見ますと、5.59、5.66ということで、非常に近い値で、スタンダードデビエーションも非常に小さい値になっております。
 ページ23のTable6bですけれども、これは定性で見ました。定性の方は、実施した試験数は少ないですけれども、平均ではWHOの標準品と国内の候補品と余り変わらないような数字です。その代わり、定性の方がどうしてもばらつきが大きいという結果です。
 それらを統計処理しまして、ページ7の結論ですけれども、上から8行目に、WHOの第1世代の標準品は5.39logで、それをlog表示ではなくてあらわしますと、約25万International Units/mlと決定するということで、WHOの専門家委員会にかけられました。
 国内標準品の候補品ですけれども、WHOの値に相対力価として求められますので、ページ15を見てください。Sample1が国際標準品で、5.39logというものですけれども、それに合わせた相対力価ということで、Sample3、日本の候補品ですけれども、こういうふうな分布になっていまして、実際、計算をしますと、全く同じでした。5.39。国際標準品に対する相対力価として5.39ということで、計算上は全く一致しておりました。国際標準品が5.39、25万国際単位/mlと決まりましたので、国内標準品、候補品も同じ単位だということになります。これは実は研究班でつくりましたので、あくまでも候補品ですので、この委員会で可能であれば、候補を取りまして、国内標準品として承認していただきたい。急に言われても困るというのであれば、小委員会がありますので、そこで検討していただきたいと思います。
 なお、国際標準品をつくる際に、今まではイギリスのNIBSCというところがつくっていたんですけれども、今回はドイツのポール・エーリッヒ研究所がメインとなって、我々がサポートするような構図になりました。その結果、28ページを見てください。これは参加者ですけれども、実際、結果を出したのは23の研究施設ですけれども、うち6つの研究施設が日本の研究施設が参加しています。そういうことで、国際標準品、国内標準品の大本となった血漿は日本赤十字社が供給していただいて、それを今度は日本のメーカーが、参加メンバーの4分の1を占めるということで、国際標準品の力価決定に貢献したということで、Eに関しては、日本はWHOにとても貢献したということが言えると思います。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 確認しますが、WHOの標準品の大本は日本から出たものですね。
○岡田委員 そうです。日本赤十字社が提示されたものです。
○吉澤委員長 国内標準品もそうである。つまり、今までのC型とか、B型肝炎のウイルスの測定型の標準品というのは、ほとんどNIBSCという、さっき出ましたWHOの標準品をいただいてきて、それを基にして日本はやっていたんですが、言ってみれば、初めて日本発で世界の標準品に貢献できたわけで、これは大変画期的なことだと思います。両方とも日赤の協力の基に、感染研からこういう形で出たというのは大変うれしいことでありまして、これは承認も何も、大変いいことである。ただ、ここにありますNAT小委員会につきましては、事務局から説明をしていただけますか。
○伯野血液対策課課長補佐 先ほど岡田委員からございましたNAT小委員会でございますが、正式には安全技術調査会の下につくられている血漿分画製剤の安全性確保対策の検討小委員会という検討会でございますが、この検討会の中で、これまで国内標準品について議論されてきた経緯がございますので、今回のHEVの国内標準品についても、しばらく開催されていませんが、NAT小委員会を立ち上げて検討させていただければと思います。
 また、今、ヒトパルボウイルスB19の国内標準品についても御検討いただいているという話を伺っていますので、それについても併せて検討したいと考えております。
○吉澤委員長 これを機会に、NAT小委員会をもう一度、リコンストラクトしまして、強力に進めてもらうと、今後も日本発のこういうものの標準品の国際貢献は、多分、日赤の協力の下にできるだろうと思います。患者由来のサンプルというのはボリュームが少ないですから、どうにもなりませんが、献血由来のものでこういう形できちんとしたものの、1人のドナーからのものが供給されますと、こういう形での国際貢献が今後もできると思いますので、是非その協力の下に進めてもらえたらと思います。ありがとうございました。
 それでは、時間も押していますので、「その他」の項目で、日赤とベネシスから説明があるということですので、よろしくお願いいたします。
○ベネシス(柚木マネージャー) それでは、よろしくお願いいたします。追加資料3(委員限り)という資料を用いまして説明をさせていただきたいと思います。
 私たちベネシスにおきまして、製造開始後にHEV陽性バッグが使用されていたことが判明した、私たちにとって初めての事例について御報告をさせていただきます。文章でいろいろ書いているんですけれども、まず経緯のところから、5ページ目の図1を用いて説明をさせていただきたいと思います。
 図1なんですけれども、イベントマップを上に書いてあるんですけれども、上段が日本赤十字社でのイベント、下段が私たちベネシスでのイベントになります。今回の話の出発点は、ベネシスのところの一番左側、2010年の11月に入庫した個別血漿というところからスタートします。私たちベネシスでは、一部の製剤、凝固因子製剤に関してですけれども、ミニプールNATを実施しておりまして、この血漿でミニプールNATを実施いたしました。そうしましたら、HEV陽性という判定が出まして、2011年1月17日に日本赤十字社に陽性情報を通知いたしました。
 日本赤十字社でそれを受けまして、遡及調査を実施したところ、同一ドナーで、別のタイミングのときに採血されていた血漿がプールされて製造に入っているということで、2月10日に私たちのところに出荷されました?−1ペーストという画分が陽性であるという情報が私たちのところに来たわけです。そのときに既に私たちの製剤も工程がスタートしておりまして、いろいろ検討していたんですけれども、今年の10月に事実関係について血液対策課に御報告させていただいたということです。
 現在は、まだ出荷をしておりませんで、出荷前の状態で、12月ごろに出荷する予定にしております。経緯はここに書いてあるとおりでございます。
 今度は、4ページに戻っていただきまして、表1を見ていただきたいと思います。混入した血漿ですけれども、HEV−NAT(定性)では陽性ですけれども、定量では100copies未満、これは参考値ということで、日本赤十字社からいただいておりますけれども、血漿量453mLということで、総量といたしましては4.7log copies未満となります。血清検査の結果ですけれども、IgG、IgMも陽性であるというものです。いわゆる総量として最大で4.7log copiesのものが原料に入ったということになります。
 続きまして、表2ですけれども、ここに書いてありますのは、ウイルスクリアランス試験の成績になります。HEVのウイルスは、モデルウイルスで行きますとEMC、マウスの心筋炎ウイルスということで、表で行きますと右から3つ目のEMCというところになります。ここのウイルスクリアランス試験を見ていきますと、液状加熱と15ナノメートルのウイルス除去膜で、それぞれ5.2以上、5.4以上ということで、効果的なウイルス不活化除去が行われていることが検証されております。
 併せまして、私たちでは、E型肝炎のウイルスそのものを使った実験系を持っておりまして、液状加熱については結果が出ております。Genotype3の昔の区分ですけれども、Cluster jpというものを使用いたしまして、2.2以上という数字が出ています。数字は小さいですけれども、カイネティックスを見てやりますと、急速に不活化されております。
 15ナノメートルのフィルターですけれども、当該製剤を用いました15ナノメートルのフィルターの結果はまだ出ておりませんけれども、いわゆるPBSであるとか、アルブミンを使った結果が表3に出ております。これを見ていただきますと、少なくともウイルスのパーティクルサイズは37ナノメートルと言われているんですけれども、19ナノメートルより小さなウイルス除去膜では、すべて検出限界以下にまで落ちております。ここでさまざまなウイルスを使っておりますけれども、これは日本で分離されるHEVのメジャーなGenotypeとClusterをすべて豚から分離したものであります。アルブミンで蛋白負荷をかけてやっても3.56以上という数字が出ておりますので、これらの加熱と15ナノメートルのフィルターというのは、HEVに対して十分な不活化除去能力を持っていると判断いたしまして、私たちとしましては、製剤の安全性は確保されているという考えに至っております。
 以上で私からの説明は終わらせていただきます。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 1つ確認ですが、ウイルスのリダクションのところで、E型肝炎ウイルスのリダクションはこれだけあるという説明は、感染性で見ているんですか、それともウイルスRNAの量で見ているんですか。
○ベネシス(柚木マネージャー) 不活化実験は感染性で見ております。
○吉澤委員長 そのとき、細胞は何を使って見えますか。
○ベネシス(柚木マネージャー) A549です。
○吉澤委員長 それは何の細胞ですか。
○ベネシス(柚木マネージャー) 人の肺由来ですね。
○吉澤委員長 感受性はどんなものですか。
○ベネシス(柚木マネージャー) ウイルスの株によって変わってきますけれども、タイトレーションするには十分な感受性を持っております。
○吉澤委員長 そうですか。今回の対象となったウイルスのGenotypeに対する感受性と、それ以外のウイルスに対する感受性と、大体同等とか、その辺は確認されているんですか。
○ベネシス(柚木マネージャー) それぞれのGenotypeで感染性を見ているんですけれども、持続感染株をつくるところで差が出てきますけれども、いわゆる感染性を評価するだけで見ますと、余り差はありません。あと、フィルターの評価はPCRで、いわゆるゲノムの量の減衰量で見ております。
○吉澤委員長 E型の感染細胞系としては、自治医大の岡本先生がつくられたストレインが一番優れていると聞いていますが、それでの検討はされていますか。
○ベネシス(柚木マネージャー) 非常に時間がかかるので、岡本先生の株は使わなかったんですね。
○吉澤委員長 今回は使っていないんですね。
○ベネシス(柚木マネージャー) 幾つか細胞をスクリーニングしましたけれども、A549が一番早く結果が出ましたので、それを採用させていただいています。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 では、日赤から補足がありますでしょうか。
○日本赤十字社(百瀬安全管理課長) では、ただいま株式会社ベネシスの柚木氏が説明しましたHEV RNA分画用原料血漿について、日本赤十字社における遡及調査の状況、製造状況をお手元の追加資料4に基づき説明させていただきます。横型の資料になります。
○吉澤委員長 進めてください。時間の関係で、コンパクトにお願いします。
○日本赤十字社(百瀬安全管理課長) 分画用原料血漿(分画用プラズマ)がHEV−RNA陽性であるとの連絡がベネシス社からあった場合、日本赤十字社では、当該献血血液の輸血用血液製剤の受血者情報を医療機関から得るとともに、前後6か月の献血血液のHEV核酸増幅検査(NAT)とHEV抗体検査を実施しております。
 なお、分画用プラズマにつきましては、ベネシス社へは6か月間の貯留保管の後、送付されている。それをベネシス社がミニプールNATを行って、個別特定した後、日赤に連絡が来るという状況です。
 1の表に2ページにわたってお示ししておりますけれども、現在までのところ、ナンバーがついております都合13件のHEV−RNA陽性情報がございました。同一献血血液のいわゆる片割れの製剤で受血者感染、輸血の血液ですけれども、受血者感染が確認できた事例が、このナンバーで言うところの?1、2、3の3件ございます。また、おのおの連絡が来た段階で、前後6か月の遡及調査によってHEV−RNA陽性が確認できた事例につきましては、1ページ目の当該献血の上に次回と書いてあります?4と、2ページ目の○をつけてありますけれども、?9の2件でございます。?4につきましては、ALTが109ということで、減損されておりますので、今回、御報告の?9のみが遡及調査で確認できた事例ということです。
 2ページ目の?9について御説明いたしますけれども、発端事例から18日後の次回献血で、備考欄にございますけれども、453mLの分画用プラズマのみ製造されておりました。
 血漿分画センターに送付しまして、6か月間の貯留保管の後、他の血漿とともにプールされ、3ページにございますように、この製造フローに従って、血漿分画製剤と各分画ペーストが製造されております。
 その内訳は、3ページの下の表にございますように、血液凝固第?因子製剤のクロスエイトM静注用1,000単位、それから、赤十字アルブミン25%50mL製剤、?+?ペースト、?−1ペースト、?−4ペーストでございます。?−1ペーストは、先ほど説明がありましたように、既にベネシス社へ送付されておりました。?−4ペーストにつきましては、HEV−RNA血漿の情報を付加して、本年9月にベネシス社に送付いたしました。?+?ペーストにつきましては、試験研究用としておりまして、製品にはなっておりません。クロスエイトMと赤十字アルブミンにつきましては、本年6月に市場出荷決定をいたしまして、赤十字アルブミンにつきましては、10月にすべて出荷が完了しております。クロスエイトMにつきましては、今月11月2日から出荷を開始したという次第でございます。
 続きまして、3ページに「3.HEV定性及び定量結果」を示しております。?の発端事例の血漿につきましては、1,400copies/mL、?の遡及事例のHEV陽性血漿については、100 copies/mL未満でございました。?のペースト原血漿となる脱クリオ血漿、それから、??のクロスエイトM及び赤十字アルブミンの最終製品については、すべてHEV−RNA陰性でございました。
 4ページには、私どもの製品になりました赤十字アルブミン25%50mL製剤とクロスエイトM静注用1,000単位のウイルス・プロセスバリデーションをお示ししております。HEVの場合は、EMC、脳心筋炎ウイルスを用いて、いずれも14log以上の値を得ております。そのような結果から、日本赤十字社では、このHEVに係る血漿分画製剤の安全性は担保されていると考えております。
 以上でございます。
○吉澤委員長 どうもありがとうございました。詳細な説明をありがとうございました。
 今の御説明を伺う限り、この製剤についての安全性については大きな問題はなさそうというふうに聞こえましたが、委員の先生方の御意見を伺いたいと思います。山口先生。
○山口(一)委員 今の委員長の御説明でいいかと思います。ただ、問題は、元に戻るようですけれども、3番目の血漿分画製剤の安全対策についてというところで、今後、最終製品のウイルス検査を実施するというのを全部削除するというのが、いわゆる生物学的製剤基準の改定を伴ってやられるのか、それはそのままにしておいて、今回のこういうガイドラインとして外すのか。特にHIVの問題は、最終製品をやらないということで、関係者からの理解が本当に得られるのかどうか、そこが問題かなと思います。
○吉澤委員長 どうぞ、事務局から。
○伯野血液対策課課長補佐 生物学的製剤基準の中には最終製品のNATというのは入っていなかったと思いますので、そこの改定は要らないかと思っております。
○山口(一)委員 これは国家検定もやっていないわけですね。そうすると、国家検定でもやらない、製造の過程でも、勿論、いろんな工程で問題はないかと思うんですけれども、最終製品について、どこもやらないというところで、理解が得られるかどうかということなんです。
○吉澤委員長 この製品については、今から国家検定に出すわけでしょう。
○ベネシス(柚木マネージャー) ベネシスは今、国家検定中になります。
○吉澤委員長 出してあるんでしょう。
○ベネシス(柚木マネージャー) はい。
○吉澤委員長 そうですね。
○山口(一)委員 ただ、ウイルス検査はしない。
○吉澤委員長 そうですね。国家検定の中にそれは入っていないかもしれません。そうしますと、今の問題はちょっとすっきりしていませんので、後ほど確認をしていただいてということで、先生、どうぞ。
○山口(照)委員 先ほどのガイドラインそのものは、ターゲットはHIVとHCVとHBVの3ウイルスのガイドラインです。ですから、最終検定で求めているのは、その3つのウイルス、今まではそういう理解ですね。ですから、今回の問題があったとしても、HEVは国家検定の中でもターゲット外のはずです。今日、結論を出していただいて、もし最終製品のウイルス試験がないとしても、HEVの話とはまた全然別の話になるのではないか。
○吉澤委員長 ということは、ウイルスバリデーションのことにつきましては、今まで3つのことについてはできていましたが、新たな問題も出てくるから、これに関しては、もう一度、グランドデザインをつくり直して、バリデーションの研究のためのチームをつくって、その辺については今後詰めていくことが必要になるかと思います。
 1つだけ疑問があるんですが、2月10日にHEVが混じっているものが原料血漿の中にあったことを認識し、そのときには既に製造の工程はスタートしているという御説明をいただきました。最終製品ができ上がって国家検定に出す直前になって通告をしていますが、この製造工程に入った2月10日、その陽性のものが入った段階で相談をするなり、止めるなりということは考えなかったんでしょうか。
○ベネシス(柚木マネージャー) 私たちにとりましても、E型肝炎の事例は初めてのケースでありましたし、ちょうどE型肝炎の研究も並行して行っているところでありました。ですから、今から思い返せば、早く御報告させていただいて、私たちと、例えば、血液対策課と同時並行に検討させていただければよかったと反省しておるんですけれども、そういう事情で御報告が遅れてしまったということになります。
○吉澤委員長 そうですね。そこのところが大事なところでして、結論的には安全性は大丈夫だろうということになりますが、プロセスの問題が残る。ですから、このことについては、今後ちゃんと詰めていかなければいけない。ほかのメーカーについても、このことについては詰めていかないといけないということになるかと思います。
 どうぞ、先生。
○岡田委員 今、原料血漿は大体2,500か何かでプールを作るのですけれども、通常のNATの方法ですと、トータルのウイルスの量が107あってやっと検出できるかどうかですので、混入したHEVの総量4.7が正しければ、調べても陰性だということになりますし、あとは、血漿分画製剤については、対象は3つですけれども、文面を読みますと、いろんな検査をやっていないウイルスが入ったとか、そういう状態から、分画製剤の安全性を確保するために、いろんなガイドライン、異なる不活化除去工程を2つ以上導入するとかということで、それで安全性を担保しているわけです。ですので、対象としていないウイルスが入って、最終製品まで残ってしまう可能性があるようなものは別ですけれども、一応、バリデーションから言えば、ある程度のセーフティマージンが担保されていれば、安全性は確保されていると考えていいのではないかと思います。ですから、非常にウイルスの量が多い、または不活化除去に頑強に抵抗して、最終製品まで入ってしまうとかいうのであれば別ですけれども、通常のものであれば、そういう考えでいいのではないかと思うんです。
 あと、もう一つ、E型肝炎は、ほとんどが不顕性感染で起こります。ですので、陽性のものが輸血されても、発症することは非常に少ないです。原料へのある程度の混入は可能性としてはあると思います。そうなると、今回の例もありますけれども、ちゃんとウイルスが製造工程で除去できていることを、ほかのメーカーも含めて、そういう情報を集めて再検討して、除去率が悪いような製品とか工程があったら、新たな工程を追加してもらうようにしてセーフティマージンを高めるようにした方がいいと思います。
○吉澤委員長 ありがとうございました。
 結論は同意見でして、安全であろう、本件については製剤の安全性に問題はないというのは大体のコンセンサスと思います。先ほど申し上げたのはプロセスの問題で、報告のタイミングとか、そういうことについては、今後はそういうことが起こらないようにするためには、その段階で報告の方がよろしい。それが結局、今、岡田先生が言われました安全のマージンを確保していく上での役割を果たすことになるかと思います。
 時間がちょうど来ましたので、まとめさせていただきますと、安全性については問題ない。ウイルスのプロセスのバリデーションにつきましては、新たなウイルスの問題もありますので、今後、研究を重ねていく必要があるということだと思いますので、その点に関しましては、事務局でまた御検討いただけたらと思います。血液の安全性対策については、どの病原体を優先するか、こういう問題も今後残ると思いますので、その辺のグランドデザインもつくっていかなければいけない時期に来ているだろうと思います。
 前後しましたが、先ほどのanti-コアのHBc抗体の低力価陽性の人の排除の問題ですが、なぜ今かということを聞かれる方が多分いらっしゃるかと思います。これは、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、ここ数年の間で知見がうんと進みまして、日赤の努力でそのリスク評価も十分できてきた。この辺で結論にしていいのではないかという時期にようやく到達したということで、今日、御了解いただいたというふうに理解していただけたらと思います。
 では、5分ほど超過いたしましたが、これで今日の委員会を終わりにしたいと思いますが、最後に何か言い残したことがありましたら、どうぞ、先生方。よろしいでしょうか。それでは、御協力ありがとうございました。委員会を終わりにします。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 伯野(内線2905)

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