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2012年5月28日 第1回がん検診のあり方に関する検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成24年5月28日(月)


○場所

全国都市会館(東京都千代田区平河町2-4-2)


○議題

・緩和ケアの推進について
・その他

○議事

出席構成員:大内構成員、菅野構成員、斎藤構成員、祖父江構成員、福田構成員、松田構成員、道永構成員

○木村がん対策・健康増進課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第1回がん検診のあり方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 本検討会の開催に当たりまして、初めに外山健康局長からごあいさつを申し上げます。
○外山健康局長 本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。健康局長の外山でございます。第1回がん検診のあり方に関する検討会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 初めに、委員の皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず委員の就任をお引き受けいただきまして、厚く御礼申し上げます。
 がん対策につきましては、がん対策基本法に基づき、平成19年6月にがん対策推進基本計画を策定し、がん医療、緩和ケア、相談支援、がん検診等に対して、総合的かつ計画的に取り組んできました。基本計画が作成されてから5年が経過し、がん対策推進協議会において、その見直しを進めてきたところでございますけれども、本年3月1日に基本計画の変更案について、がん対策推進協議会より答申をいただいたところであります。
 がん検診につきましては、科学的根拠に基づくがん検診や、適切な精度管理の実施が不十分であることに加え、子宮頸がん、乳がんでは受診率が近年上昇しているものの、依然として20から30%台にとどまっている現状を踏まえまして、基本計画の変更案では、引き続きすべての市区町村において科学的根拠のあるがん検診、適切な精度管理、事業評価が実施されることを目標に掲げられるとともに、受診率については、子宮頸がん及び乳がんについては、5年以内に50%、胃がん、肺がん、大腸がんにつきましては、当面40%を目指し、中間評価を踏まえて目標値の必要な見直しを行うこととしております。
 また、科学的根拠のあるがん検診を実施するため、がん検診の項目や方法について国内外の知見を収集して検討を行うこととしております。更に、市区町村で実施するがん検診以外にも、職域で行われているがん検診や個人で受診する場合もあり、その正確な実態を把握することも課題となっております。
 次期計画につきましては、6月を目途に閣議決定される予定ですが、がん検診に関するこれらの課題につきましては、検討すべき項目も多いことから、早期より議論を始めるため、本検討会を今回設置する運びとなりました。
 委員の皆様には、がん検診の項目や方法を初め、精度管理、受診率の向上施策、そして職域のがん検診等との連携、実態把握といった幅広い事項につきまして御議論いただき、今後のがん検診に関する施策に反映させていただきたいと考えております。それぞれのお立場から有意義な御意見をいただきまして、活発な御議論をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
○木村がん対策・健康増進課長 ありがとうございました。
 それでは、第1回目でございますので、当検討会の構成員の紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、東北大学医学部医学系研究科長・医学部長の大内憲明構成員でございます。
○大内構成員 大内でございます。
○木村がん対策・健康増進課長 次に、八王子市健康福祉保健部地域医療推進課課長補佐の菅野匡彦構成員でございます。
○菅野構成員 菅野匡彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 次に、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部長の斎藤博構成員でございます。
○斎藤構成員 どうぞよろしくお願いします。
○木村がん対策・健康増進課長 次に、大阪大学医学系研究科環境医学教授の祖父江友孝構成員でございます。
○祖父江構成員 祖父江です。よろしくお願いします。
○木村がん対策・健康増進課長 次に、国立保健医療科学院研究情報支援研究センター上席主任研究官の福田敬構成員でございます。
○福田構成員 福田でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 次に、福井県健康管理協会副理事長の松田一夫構成員でございます。
○松田構成員 松田でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 最後に、社団法人日本医師会常任理事の道永麻里構成員でございます。
○道永構成員 道永でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 本日は、以上7名全員の御出席を賜っているところでございます。
 続きまして、事務局の方を御紹介させていただきたいと思います。
 これまでがん対策は健康局総務課がん対策推進室が務めておりましたけれども、今年度4月1日よりがん対策・健康増進課が新しく設置されたところでございます。これに伴いまして、事務局のメンバーも肩書に変更がございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 まず、がん対策推進官の鷲見でございます。
○鷲見がん対策推進官 鷲見でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 同じく課長補佐の秋月でございます。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 秋月でございます。よろしくお願いいたします。
○木村がん対策・健康増進課長 最後に、がん対策・健康増進課長の木村でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料を見ていただければと思います。
 まず、座席表。
 議事次第。
 そして、資料1、がん検診のあり方に関する検討会開催要綱。
 資料2、がん検診の現状。
 資料3、がん対策推進基本計画(変更案)の「がんの早期発見」部分の抜粋。
 資料4、がん死亡減少のためのがん検診。祖父江構成員の提出資料でございます。
 資料5、がん検診に関する最近の知見等について。
 資料6、今後の議事の進め方(案)。
 そして、参考資料は3つございまして、参考資料1は、がん対策推進基本計画(変更案)(平成24年5月)。
 参考資料2としまして、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針。
 最後に、参考資料3としまして、市町村におけるがん検診の実施状況等調査。
 以上でございます。もし万一、お手元になければ事務局までお申し出いただければと思いますが、ありますでしょうか。
 それでは、次に本検討会の座長を選出させていただきたいと思います。座長の御推薦がございましたら、挙手の上、御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
○祖父江構成員 大内先生を推薦したいと思います。大内先生は、乳がん検診のマンモグラフィの導入に関して中心的な役割を果たされましたし、現在、J-STARTの有効性評価の主任研究者をされています。知識・経験ともに卓越したものがあるので、座長として御推薦したいと思います。
○木村がん対策・健康増進課長 ありがとうございます。大内構成員の名前が今、挙がりましたけれども、ほかにどなたかございますでしょうか。もしなければ、大内構成員でよければ拍手をして賛意をあらわしていただきたいと思います。
(拍手)
○木村がん対策・健康増進課長 それでは、本検討会の座長を大内構成員に務めていただきたいと思います。どうぞ大内座長におかれましては座長席に席をお移しいただければと思います。
 それでは、以後の進行は大内座長によろしくお願い申し上げます。
○大内座長 ただいま座長に指名いただきました東北大学の大内と申します。
 本検討会は、後で紹介があるかと思いますけれども、平成15年12月に開催されたがん検診に関する検討会がその基になっているかと思います。当時、垣添先生が国立がんセンター総長でございましたが、座長として、それから約4年から5年、各種がん検診の評価を行った経緯がございます。その後、4年ほど経過しておりますが、改めてこのような検討会を厚生労働省の方で持てることに対しまして、私どもも大変感謝申し上げているところでございます。
 と言いますのは、日本のがん対策の中で大きく2つ重要視されております。1つは、がんをいかに予防、食いとめるかということでのがん予防・検診対策。それから、がん治療の均てん化といいますか、治療の向上です。その入り口のがん対策・予防に対しまして国を挙げて取り組むということで、大変重要な意味があると思っております。私自身、本検討会の座長を務めるに当たりまして、大変重責を感じております。国民の皆様にきちっとした形で還元できるよう、この検討会で幾つかの提言をさせていただくことを目途に頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、私の方で進めてよろしいですか。
○木村がん対策・健康増進課長 はい。よろしくお願いいたします。
○大内座長 では、早速ですが、本日の議題に入らせていただきます。
 最初に、「がん検診のあり方に関する検討会を設置する目的」と「がんの現状」について、事務局から御説明願います。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 それでは、事務局の方から、資料1から資料3まで御説明させていただきます。
 まず資料1「がん検診のあり方に関する検討会」開催要綱でございます。
 この趣旨ですけれども、がん検診は健康増進法に基づく市町村の事業として行われている。がん検診の実施については、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を定め、市町村による科学的根拠に基づくがん検診を推進しているところである。また、がん検診受診率向上に向け、平成21年度よりがん検診無料クーポンと検診手帳の配布や、企業との連携の促進、受診率向上のキャンペーン等の取組みを行ってきた。
 しかしながら、がん検診については、科学的根拠に基づくがん検診の実施について十分でないこと、検診受診率についても依然として諸外国に比べ低いこと等の課題が指摘されている。
 本検討会では、国内外の知見を収集し、科学的根拠のあるがん検診の方法等について検討を行うとともに、受診率向上施策について、これまでの施策の効果を検証した上で、より効率的・効果的な施策等を検討することとするとしております。
 そして、2番で検討事項を3つ掲げております。主に、がん検証の項目。それから、受診率の向上に向けた施策について、そして精度管理・事業評価についてといったところを重点的に議論していきたいと考えております。
 3番は、その他ということで、省略させていただきます。
 裏に、構成員の名簿を載せております。
 続きまして、資料2「がん検診の現状」でございます。
 まず1ページ目でございますが、がん検診の種類といったときには、主に対策型の検診、それから人間ドックなどの任意型の検診がございます。当然、この検討会で御議論いただくのは、こちらの対策型の検診ということになります。
 その目的は、対象集団全体の死亡率を下げること。概要としては、予防対策として行われる公共的なサービス。そして、その構成員全員が対象になる。それから、その費用については、公的な資金を用いていること。そして、利益と不利益ですが、限られた資源の中で、利益と不利益のバランスを考慮し、集団にとっての利益を最大化するという観点で、任意型の検診とはちょっと違っております。
 それから、2枚目、がん検診のあゆみですけれども、これは昭和58年、当時は老人保健法に基づく事業として開始されました。当初は、胃がん、子宮がん検診のみだったわけですが、その後、子宮体部がん、肺がん、乳がん検診を追加しておりまして、平成4年には大腸がんを追加しております。平成10年4月に老人保健法に基づかない事業と整理いたしまして、費用についても一般財源化された。現在は、健康増進法の健康増進事業として、がん検診を位置付けております。
 3枚目でございますが、がん検診の根拠となる健康増進法を抜粋しております。第19条の2で、市町村は、第17条第1項に規定する業務に係る事業以外の健康増進事業であって厚生労働省令で定めるものの実施に努めるものとする。この省令ということで、健康増進法施行規則の中で、第4条の2の6番目にがん検診というものが記載されています。
 4枚目でございますが、がん対策基本法ではどのように記載されているかです。第13条で、国及び地方公共団体は、がんの早期発見に資するよう、がん検診の方法等の検討、がん検診の事業評価の実施、がん検診に携わる医療従事者に対する研修の機会の確保といったことが記載されております。
 5ページ目からががん研修の検診項目等ということで、6枚目に参ります。
 がん検診の方法等については、これまでも検討会を開催しておりました。前は、平成15年12月に厚労省内にがん検診に関する検討会というものを立ち上げて、その後、乳がんとか大腸がんとか、それぞれのがん種について検討会をするとともに、精度管理や事業評価についても検討会が開催されて、報告書などが出されております。最後が平成20年ということで、今回、4年ぶりに開催されるということになります。
 市町村のがん検診の項目ですが、これは今、厚生労働省の健康局長通知である「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」の中で、がん検診の項目について定めております。例えば胃がん検診であれば、問診、バリウムの胃のエックス線検査を40歳以上の方に対して年1回やることを推奨しております。
 以下、省略させていただきます。
 8枚目ですけれども、厚生労働省の方からこういった指針は出してはいるのですが、市町村によってやり方が多少異なっているということを示しています。例えば胃がんですと、胃カメラの検査をやっているところが234、すなわち13.1%。それから、ピロリ菌の検査であるペプシノゲンとかヘリコバクター・ピロリの抗体といったものの検査についても、3%あるいは1%の市町村が実施している。それから、多いところですと、乳がん検診では、現在、マンモグラフィを推奨しているわけですけれども、実際にはエコーの検査をやっているところが30%ある。
 市町村によって、検診の供給体制も問題になるのかと思いますけれども、実際には指針以外の検査項目を実施しているところも多いということです。
 9枚目ですが、指針で示しているがん種以外のがん検診の実施状況をお示ししております。一番上ですが、指針で示しているがん種以外を実施しているのが1,238で、約7割の市区町村において、厚労省で示している指針以外のがん種をやっている。
 具体的にどういうことをやっているかというと、一番多いのが前立腺がんのPSA検査が1,205、大体68%がやっております。それ以外にも、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がんといったところを加えてやっている市区町村があります。
 10ページ目は、全体の話から少しそれるのですが、発見の経緯別のがんの割合、及び進行度の分布を示したものです。
 まず、上段のグラフですけれども、これが発見経緯別にがんが発見されたときの進行度で、色が薄いほど、より早期のがんであるということを示しています。それぞれのがんについて2本の棒グラフを示していますけれども、左側の棒グラフががん検診等で発見されたがん、右の棒グラフが診療中に発見されたがん等の診断時の進行度の分布です。それぞれ2本の棒グラフを見ていただくと、左側の棒グラフの方が色が薄い割合が多いということで、検診等で発見された方の方がより早期に発見されている割合が多いことがわかります。
 ただ、後で受診率の話にも触れますが、検診で発見されるがんの割合そのものが多いというわけではなくて、下の段に円グラフを示しておりますけれども、がん検診で発見されたがんは濃い色になりますが、いずれのがん種でも全体の2から3割にとどまっているということで、こういうがん検診を受診される方が増えれば、がん検診において発見される割合も増えますので、より早期に発見し、より早期の治療につなげられるのではないかと考えられます。
 次の11ページで、非常にあらい推計にはなるのですが、がん検診を行ったことにより死亡がどの程度回避されたかという人数を示しております。
 左から2番目の太枠で囲っている部分が、現在の受診率のもと検診を行ったことにより回避された推計の死亡者数を示しています。例えば胃がんですと、約1万1,000人の方が、胃がん検診を実施していることにより、胃がんによる死亡を回避できていると推計されます。
 一方、現状、胃がんで亡くなっている方の人数というのは、一番右の列に示していますけれども、約4万9,800人となっていますので、もしがん検診を全く実施しなかった場合には、これにプラス1万1,000人、大体6万人以上の方が胃がんで亡くなっていたのだろうと推計されます。
 次の12ページが、がん検診に係る費用でございます。それぞれのがん検診の推計受診者数と検診の単価のアンケート調査の結果から、1年間のがん検診の費用を推計した値を表の一番下の段に示しています。よくがん検診の費用対効果あるいは経済評価ということはあるのですけれども、これについては単純に割り算で出せるというものではなくて、勿論、生存期間とかがんの経過や治療によっても異なりますので、そういったものをちゃんとモデル化して進めていく必要があるのだろうと考えております。
 次、13ページ目からががん検診の精度管理・事業評価についてのスライドになります。
 14枚目ですが、がん検診の精度管理・事業評価についてということで、指針とか受診率というものも当然重要なのですけれども、がん検診を正しい方法でやっていただくことも重要で、その中では目標と標準の設置、それから質と達成度のモニタリングや分析、更に改善に向けた取組み、こうしたものも重要であるということです。
 15枚目ですけれども、技術・体制的な指標ということで、現在、厚労省の方からの事業評価のためのチェックリストというものがございます。例えば検診の対象者について、きちんと住民基本台帳などを用いて作成しているか。きちんと全員に対して受診勧奨を行っているか。その受診された方についてデータベースを作成しているか。そういうチェックリスト項目を示しているところです。
 ただ、16枚目ですけれども、実際にはチェックリスト項目を8割以上実施している市区町村というのは、徐々に増えてはきているものの、大体5割から6割程度になっています。
 17枚目がプロセス指標で、これについても目標値という形で、精検の受診率や未把握率や未受診率といったものを数値で定めております。
 ただ、18ページ目ですが、現実には目標値に届いていないところもあります。例えば要精検率ですけれども、大腸がんや子宮頸がんで少し高い値になっている、あるいは精密検査の未把握率が、これはすべてのがんですけれども、高い値になっているというところで、まだ改善すべき点はあるかなといったところです。
 それから、19枚目以降ががん検診の受診率の現状及び向上に向けた取組みということで、20枚目になります。まず、そもそもがん検診の受診率の把握については、どのようにやっているかということで、主に2つのデータのソースがあります。
 1つは、地域保健・健康増進事業報告。これは、市区町村が実施しているがん検診を受けた方を把握していくということですが、欠点としては市区町村以外で行った検診については把握が不可能ということになります。
 一方、国民生活基礎調査は、3年に一度、無作為に選ばれた方を調査するものなのですが、これは完全に受診者というか、住民の方へのアンケート調査という形になりますので、欠点としては、どこで受けたのか、市区町村から提供された検診なのか、職域で提供されたのか、あるいは個人で人間ドックなどの形で受けたのかといったところが、分割が今のところはできていない。
 それから、都道府県単位では出るのですけれども、市区町村単位での受診率の算出ができていない。
 それから、調査対象者の主観的な回答。つまり、御本人ががん検診だと思えば、がん検診と回答するということで、主観的な回答になっていることが挙げられます。
 21枚目ですけれども、国民生活基礎調査を基にがん検診の受診率の推移を見ますと、大体2割から3割。胃がんとか子宮がん、実際には子宮頸がんということになりますが、乳がん、その辺で3割を超えてきてはいるのですけれども、ほかは大体2割から、3割に届かないという状況になっております。
 それから、22枚目、年齢階級別がん種別検診受診率ですが、これを見てわかるのが、若い世代、それから特に75歳以上の方ですと受診率が非常に低くなっています。一因としては、高齢者の方ですと、7割から8割の方は医療機関をもともと受診しているということもありますので、そういった医療機関へのアクセスのよさが、逆にこの受診率を下げてしまっているのではないかということも推測されています。
 それから、23枚目、がん検診受診率の推移ですが、これは地域保健・健康増進事業報告のデータですので、市町村が実施したがん検診の受診率になります。これは、胃がんですと非常に低くて、大体10%程度、高くても子宮がんの24%程度になっております。
 次に、24枚目ですが、これは海外諸国と比較いたしますと、がん検診受診率の国際比較ということで、一目瞭然で日本が非常に低いというのがわかるかと思います。
 それから、25ページ目、海外のがん検診についてですが、欧米諸国でも、乳がんあるいは子宮頸がん、大腸がんを国の施策として実施しているわけですけれども、1つ、欧米と違っているのは、日本・韓国ですと、40歳以上あるいは20歳以上で、年齢について青天井になっているわけですが、欧米ですと、上を65歳とか70歳というところで切っているところが多いということは言えるかと思います。
 それから、26ページ目、がん検診未受診の理由ですが、先ほど医療機関へのアクセスの話をちょっとさせていただきましたけれども、たまたま受けていないという理由以外にも、心配なときはいつでも医療機関を受診できるからとか、健康状態に自信があり、必要性を感じないということで、医療機関へのアクセスのよさとか、がん検診のそもそもの意味がまだ普及されていないというか、理解がされていないところもございます。
 それから、27枚目からが、これまで受診率向上のために取組んできたものを幾つかお示ししております。
 1つが、先ほども触れました無料クーポン事業です。子宮頸がん、乳がんについては、平成21年度から開始しまして、平成23年度からは大腸がんの方も追加しております。当初は、10分の10で国が負担しておりますが、現在は市区町村との2分の1負担ということになっております。
 最後に28枚目ですけれども、職域においてがん検診を受けられる方も多くいらっしゃいますので、平成21年度からがん検診の受診促進企業連携推進事業ということで、企業の方に対して連携を推進するということで、情報の発信とか、それぞれの取組みの紹介とか、研修を実施していまして、現在、賛同していただいている団体と企業が817になっております。
 ここまでが資料2になります。
 続きまして、資料3「がん対策推進基本計画(変更案)がんの早期発見部分抜粋」を説明いたします。
 がん対策推進基本計画の変更案については、3月1日にがん対策推進協議会の方から答申を受けました。まだ閣議決定はされていないのですけれども、おおむねこういった内容であるということで御紹介させていただきたいと思います。
 5.がんの早期発見というところで、現状については先ほど御説明させていただいたので、省略させていただきます。
 一番下の段落の取り組むべき施策のところですが、まず市町村によるがん検診に加えて、職域のがん検診や、個人で受診するがん検診、さらに、がん種によっては、医療や定期検診の中でがん検診の検査項目が実施されていることについて、その実態のより正確な分析を行うとしております。
 それから、次のページですが、がん検診の項目について、国内外の知見を収集し、科学的根拠のあるがん検診の方法等について検討を行う。都道府県は市町村が科学的根拠に基づくがん検診を実施するよう、引き続き助言を行い、市町村はこれを実施するよう努める。さらに、職域のがん検診についても科学的根拠のあるがん検診の実施を促すよう普及啓発を行うとしております。
 それから、都道府県についてですが、既に生活習慣病検診等管理指導協議会というものが設置されていると思いますので、そういったところの一層の活用を図る等により、がん検診の実施方法や精度管理の向上に向けた取組を検討する。
 それから、精度管理の一環として、検診実施機関では、受診者へ分かりやすくがん検診を説明するなど、受診者の不安を軽減するよう努める。
 それから、受診率向上施策については、これまでの施策の効果を検証した上で、検診受診の手続きの簡便化、効果的な受診勧奨方法の開発、職域のがん検診との連携など、より効率的・効果的な施策を検討する。
 最後ですが、がん検診の意義、それからがんの死亡率を下げるため政策として行う対策型検診と人間ドックなどの任意型検診との違いや、がん検診で必ずがんを見つけられるわけではないことやがんがなくてもがん検診の結果が「陽性」となる場合もあるなどがん検診の欠点についても理解を得られるよう普及啓発活動を進めるといったところを取り組むべき施策として掲げております。
 この基本計画は、平成24年から5年間の計画となるわけですが、その5年後までの個別目標として、5年以内に、全ての市町村が、精度管理・事業評価を実施するとともに、科学的根拠に基づくがん検診を実施することを目標とする。
 特に受診率については、5年以内に50%。ただ、胃、肺、大腸については、当面40%を達成することを目標とする。この目標値については、これは大体3年を目途に行うこととするのですが、中間評価を踏まえ必要な見直しを行う。
 それから、健康増進法に基づくがん検診では、年齢制限の上限を設けず、ある一定年齢以上の者を対象としているが、受診率の算定に当たっては、海外諸国との比較等も踏まえ、これは具体的にはOECDのヘルスデータのことを示しているわけですけれども、40歳から69歳、それから子宮頸がんについては20歳から69歳までを対象とする。
 それから、がん検診の項目や方法については、国内外の知見を収集して検討し、科学的根拠のあるがん検診の実施を目標とするということで、こういった基本計画も踏まえまして、今回の検討会で御議論いただきたいと考えております。
 事務局からは以上です。
○大内座長 ありがとうございました。ただいま秋月補佐から資料1、2、3に基づいて御報告がありました。
 資料1は、検討会の意義についての説明です。
 がん検診の現状につきましては、かなり詳しく御説明いただきましたが、17ページまでが、前に設置されていましたがん検診に関する検討会で議論があって、できたもので、18ページ目以降は最近のデータも入っているかと思います。
 資料3については、今回、変更案として出されましたがん対策推進基本計画で、がんの早期発見に関する部分の抜粋が記載されています。それを中心として御説明いただきました。
 ただいまの説明に関しまして、御質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○鷲見がん対策推進官 今、秋月の方から、基本計画の変更案のがんの早期発見のところについて御説明させていただいたのですが、お手元の参考資料1にがん対策推進基本計画(変更案)をお示ししておりますが、23ページをごらんいただけますでしょうか。
 22ページの4.がんの予防というところから続いているものでございますけれども、この中で取り組むべき施策の2パラ目でございます。感染に起因するがんへの対策のうち、HPVについては、子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの普及啓発、ワクチンの安定供給に努めるとともに、云々がございまして、この中で、また引き続き子宮頸がん検診についても充実を図るという記載が関連としてございます。
 また、一番下のところでございますが、検診と明確には記載はございませんけれども、ヘリコパクター・ピロリについては、除菌の有用性について内外の知見をもとに検討するという記載をさせていただいてございます。こちらにつきましては、今後、先生方に御議論いただく議題の一つに関係するものでございますので、御参考までに私の方から御説明させていただきました。
 以上でございます。
○大内座長 ありがとうございました。ただいま追加の発言にありましたように、先ほどの資料3の中身が、参考資料1の22ページから記載されています。23ページには、取り組むべき施策として具体的なことが書いてありまして、特に子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの普及啓発、安定供給、接種方法のあり方についての検討ということがうたわれております。
 第2点としましては、ヘリコバクター・ピロリについての内外の知見を検証するということがあります。恐らく今日の後半の議題で、今後、本検討会で検討していく項目に該当するかと思いますので、ここで一応確認ということでございます。
 いかがでしょうか。御質問ございますか。もしないようでしたら、次に議題を進めます。「がん検診に関する最近の知見等について」です。祖父江先生に、ここはレビューといいますか、お願いしたいと思います。では、祖父江構成員、よろしくお願いします。
○祖父江構成員 お手元の資料4「がん死亡減少のためのがん検診」と題したものです。この検討会のミッションの一つに検診項目の検討とありますけれども、検診項目を科学的根拠に基づいて決定していくためには、そのまとめとなるガイドラインというものが前提として作成されている必要があります。そのことを中心に説明させていただきます。
 めくっていただきまして、データに基づいたがん対策の推進とあります。これは検診に限らず、がん対策を実際の企画・立案、実施・評価を、予防、早期発見、診断、治療、終末期ケアと進めていく上で、その土台となるデータ、証拠というものが必要であるというものを示した図です。
 がんの実態はどうか。そのがんの死亡・罹患を減少させるために何が有効な方法であるか。実際に施策を実行した場合に、正しく実施されているかどうか。最終的に目的が達成されたのかということをデータに基づいて判断していくことが必要になります。
 検診に関しては、緑で示している、何が有効な方法かということを、有効性評価研究に基づいて。これは、特に死亡率の減少ということが指標になりますけれども、それを研究に基づいて評価していくということともに、有効性についてはそうなのですけれども、今、非常に重要になってきているのが、検診がもたらす不利益に関しても、きちんとデータに基づいて判断できるように収集し、その両者をバランスをとるという形で検診有効性ガイドラインというものを決定していく。何が科学的根拠に基づいて推奨できるものであるかを判断して示すことが必要になります。
 それに基づいて、実際の企画・立案を早期発見に対して行い、実施し、正しく行われているかということをまた検証していくことが必要になります。
 次の2ページ目が、そのことを言葉で書いたものです。
 がん検診の目的というのは、対象とするがんの死亡あるいは進行がんの罹患率を減少させることであって、そのためには有効な検診を正しく行う必要がある。有効な検診というのは、当たり前のことですけれども、これはなかなか難しい。有効な検診というのは、死亡減少効果を示す科学的根拠があるかどうかを判断する過程であり、それをアセスメントと呼びますけれども、実際にはガイドラインを作成するという作業になります。
 正しく行うという後半の部分が、質の高い検診を多くの対象者に受診してもらう。マネジメントの部分ですけれども、精度管理、受診率向上ということになります。以降、アセスメントを中心にお話をします。
 次、めくっていただきまして、先ほど秋口補佐の方から説明がありましたように、我が国のがん検診は、1983年の老人保健事業から、胃がん、子宮頸がんが国の事業として導入されました。更に5年たって肺がん、乳がん、更に5年たって大腸がんと、かなり先進的な取組みがされてきたわけです。
 一方で、その施策が本当に科学的証拠に基づいているのかということに関しては、かなり議論がありました。後になって死亡減少効果を確認したといったがん検診も、幾つかあります。その後付けにはなったにせよ、有効性評価に関して、きちんと一応の結論を出したというのが、2001年3月の久道班の報告書であったと思います。胃がん、子宮頸がん、体がん、卵巣がん、乳がん、肺がん、大腸がん、肝がん肝炎、前立腺がんについて評価して、推奨ということじゃないですけれども、証拠が十分にあるのか、そうでないのかを記述したものとして、非常にエポックメイキングな報告書だったと思います。
 その中に、「新たな研究の進展にあわせて、定期的に見直し更新することが重要であり、そのための常設的な機関をわが国に設置すること」が、今後の課題として指摘されています。そのことを受けて、がん研究助成金という仕組みの中で、我が国のアセスメントに関する取組みをまずは定式化し、それを適用していくという形で、班研究の形でガイドライン作成というものを進めてきました。大腸がん、胃かん、肺がん、前立腺がん、子宮頸がんというところを今まで取り扱い、これをがん検診検討会の方で取り上げていただいて予防指針に反映することをしていただいています。
 がん検診有効性評価ガイドラインの作成手順というのが、4ページ目に具体的に書いてありますけれども、中心となるのは文献の検索をし、それを評価するというシステマチックレビューの段階です。Analytic Frameworkの作成というのもありますけれども、文献を選択し、個別研究の評価をし、証拠のまとめを作成して、それに基づいた推奨を決定するという過程です。あと、証拠のレベルの判断基準とか推奨のレベルの判断基準を説明していきます。
 こうした作業を行う組織というものが、今のところ我が国では、がん検診に対しては研究班が取り組んでおりますけれども、ガイドライン全般に関して言うと、診療ガイドラインなどは各がんの学会が行っています。診療ガイドラインと、予防・早期発見に関するガイドラインはちょっと異なりますので、学会の診療ガイドラインの一部として検診を扱っておられることもありますけれども、早期発見がん検診に関するガイドラインを作成する機能というのが、やはり特化した形で必要じゃないかと思います。
 その外国の例で、US Preventive Services Task Forceというものがあります。英語で申し訳ないですが、5ページ目です。標題にはEvidence Practice Centerと書いてありますけれども、真ん中にUSPSTFとあります。これがUS Preventive Services Task Force で、アメリカにおける予防的な医療行為に関してのガイドラインを作成する機能を持った組織です。
 これはAHRQ、Agency for Healthcare Research and Qualityというアメリカにおける保健省の下部機関としてありますけれども、直接の政府機関というよりは、US Preventive Services Task Force を構成するコミュニティメンバーは、外部委員から組織されていて、主にプライマリーケアの専門家20人ぐらいで構成されているパネルの先生方が判断することになっています。
 我が国ですと、エビデンスをまとめるという作業も含めて、こうしたガイドラインを作成する機能の機関が担うわけですけれども、アメリカの場合は、EPC、Evidence Practice Centerというところが別にAHRQから指定されていて、そこがエビデンスレポートをつくる。先ほどの家庭におけるシステマチックレビューの実作業のところを担うことになっています。US Preventive Services Task Forceのメンバーは、そうした作業から開放されて、そのエビデンスレポートに基づいてリコメンデーションを決定する作業に専念することができています。
 そのEvidence Practice Centerはどこにあるかといいますと、主には大学にあるのですけれども、6ページ目です。アメリカ及びカナダに14か所指定されていて、Oregon Evidence-based Practice Centerというのは、US Preventive Services Task Forceのタスクに関して専属でエビデンスレポートをつくる作業をしています。
 その構成が7ページ目にあります。全体として25人ほどの組織ですけれども、中心となる4人のDirector、Senior investigator6人、それからSenior Research Associate。これはシステマチックレビューの実作業をする人が12名。あと、Librarian、Editor、Biostatistician。こういう人たちから構成される組織ですけれども、エビデンスレポートをつくるというミッションが1本来ますと、Senior investigatorが大学にいる臨床の先生方も含めて、数人からなるチームをつくってエビデンスレポートを1年ぐらいかけてつくるということをされています。
 組織として、年間6億円ぐらいの財源を使っているようであります。これは、かなり大きな組織としてやっている。常設の機関として、アメリカではこのようなものがあり、日本でも研究班を卒業して、是非ともこうしたものが必要ではないかなと思います。
 またガイドラインの作成の手順に戻りますが、8ページで、ガイドラインを作成する際に一番重要なのが、利益に関しての科学的根拠を整理する。これを定量的に行うわけですけれども、それとともに不利益、これは種々雑多なというか、複数の仕様がありますので、合併症、過剰診断、偽陽性率等を半定量的に記述して、この両者を比べて、バランスを考慮して推奨を決定することが必要になります。主に利益の方に関しては、死亡減少ということで、諸外国の結果も含めて、証拠のレベルを判断する際には、研究デザイン、個々の研究の質、一致度といったものに注目します。
 ページをめくっていただきまして、その際の有効性に関しては、死亡減少ということに注目するわけです。なぜ生存率がよくないのか。検診で発見された人の生存率が、症状で発見された人の生存率よりも高いことで検診の有効性を言うことには、このような偏りがあって、有効性を過大評価することになりますので、死亡による評価をする。先ほど事務局からあった進行度というのも生存率につながるものであって、正当な評価ではありません。死亡率による評価というものが重要になります。
 証拠のレベル判定基準表というのが次にありますけれども、先ほど申しましたように、研究デザインだけじゃなくて、個々の研究の質あるいは結果の一致性といったものを重要視して、レベルを決めていきます。有効性とともに、不利益というものに関してのデータを収集する必要があります。
 11ページです。不利益とは何か。具体的には、偽陽性者への不必要な検査・精神的負担、偽陰性者の治療遅延。右にあります四つ目表の中で、検査が陽性で疾患あり、あるいは検査が陰性で疾患なしという真のところに判断された人はいいのですけれども、間違って判断される偽陽性、偽陰性という方には、何らかの不利益が伴うことになります。
 それから、検診に伴う合併症。
 更に、寿命に比べて臨床的に意味のないがんを診断・治療をしてしまうという過剰診断、過剰治療というものが、最近は問題になっています。下にある、検診発見可能になってから症状が出る。その間に検診を受けて見つかるということなのですけれども、放置しておいたら症状が出るであろう時点までのことを先行時間と言います。これだけ早く見つかるわけですけれども、その間に他病死してしまうような例を過剰診断例と定義できます。
 こういう過剰診断が生じたであろう例が、12ページ目のアメリカにおける前立腺がんの罹患率の動向です。御承知のようにPSAという検診があるわけですけれども、1990年代前半にアメリカではこれが急速に普及しました。その結果、このような罹患率の急増が起こっています。リスク要因が変化して、このようなことがもたらされたとはちょっと考えにくく、PSA検査を普及したことで罹患率が増え、また更に下がっているということですから、落ちてもいいようなものもかなり見つけたのではないかということが考えられます。
 その結果、13ページ目ですけれども、5年生存率の推移をアメリカのSEER programという地域ガン登録のデータに基づいて見てみますと、他の国に比べるとかなり高い水準です。今や、前立腺がんの生存率は99%、本当にがんかなという状態です。ほとんどが検診発見、PSAによる発見例であるということになっています。
 似たような過剰診断が疑われる国レベルでのトレンドとしては、韓国の女性における甲状腺がんの推移があります。14ページ目で、ピンク色が乳がんですけれども、それよりも物すごい勢いで甲状腺がんが今や女性の第1位を占めている状況になっています。Annual Percent Changeというのは年間の変化率ですけれども、非常に急速に増えている。
 次のページに行っていただいて、通常は甲状腺がんというのは年齢とともに上がるのですけれども、年齢別に見たものとしてThyroid、甲状腺が緑、Breastがピンク色と、同じような年齢分布を示しています。Thyroidがなぜ急増したかの一つの理由に、エコーによる検査があります。韓国においては、乳がん検診をエコーで行う。その際に同時に甲状腺検査をすることで、甲状腺がんが見つかってしまうということで、このような推移になっているのではないかと考えられます。国レベルの罹患率が、検査を普及することで、このような変化をするという一つの実例であります。
 更に、推奨レベルを証拠のレベルに基づいて決定していく判断基準表を16ページ目に示しています。一番右に証拠のレベルとありますけれども、一番下の1-とか2-のところが証拠が不十分であると判断されるもの。上のA、B、C、Dの4つが何らか証拠があると判断されるものと大別できます。証拠が不十分というものに関しては、Iとして判断します。
 それとともに、対策型検診、任意型検診の定義に関しては、先ほどの事務局からの御説明等にありましたけれども、A、B、C、Dの中で、A、Bは死亡率減少に関して十分な証拠、あるいは相応な証拠があるということで推奨しますという判断をし、Cに関しては、死亡率減少効果を示す証拠はあるのですけれども、不利益の大きさが無視できないので、そこのネットバランスといいますか、考えると、推奨するのはできないということです。Dに関しては、死亡率減少効果がないとする証拠があるために、実施すべきではない。ここは両方とも推奨しない。
 ポイントは、対策型検診、任意型検診とした場合に、判断のやや難しいCとかIについても、対策型検診に関しては、少なくとも推奨する、しないの判断をはっきりして、推奨するのはA、Bに限り、C、D、Iに関しては推奨しないということで対策を進めていくのが適切ではないかということがみそです。任意型検診に関しては、やや幅広に考えて、C、Iに関しても条件付きで実施できる、あるいは個人の判断に基づく受診は妨げないということで、ある程度の自由度を確保するという判断基準表をつくって、これまでやってきました。
 次のページは、対策型検診と任意型検診の比較ですけれども、先ほどの説明と同様です。対策型検診というのは、対象とする集団の死亡率を下げることを目的として行うものであって、特定の集団構成員全員を対象とし、死亡減少効果が確立している方法のみを実施し、利益が不利益を上回ると判断できるものに限り、公的資金を利用して受診率を100%に近付けるという形態のものです。具体的には、市町村のがん検診というものが考えられ、任意型としては、人間ドックというものが想定されます。
 次の18ページですけれども、これまで研究班としてガイドラインの作成を行い、推奨のレベルをこのように決定してきました。推奨できるA、Bというレベルのものもありますし、C、Iというものもあります。特にIに関しては、これは証拠不十分と判断しているわけですけれども、表現形が推奨しないということになってしまうので、ややネガティブということで、学会の先生方からいろいろ御批判いただいているところでありますが、このように判断してきました。
 最後に、この内容に関してはホームページを作成しています。国立がんセンターの齋藤先生、濱島先生がマネジしていただいているホームページで、ガイドラインの詳細はここを見ていただけたらいいと思います。
 私からは以上です。
○大内座長 ありがとうございました。ただいま祖父江構成員より、がん死亡率減少のためのがん検診ということでレビューをしていただきましたが、いかがでしょうか。特に確認したいことはございますか。研究班ベースでこういった評価もされてきております。そもそもは1998年から久道班が始まり、2001年にはこのような報告書が出ていまして、その後、祖父江班、濱島班という経緯がございます。よろしいでしょうか。
 祖父江構成員の方からは、こういった研究班レベルではなくて、常設の委員会を置くべきであろうということのコメントがございましたが、米国におけるHRQあるいはタスクフォース的なものが本委員会に近いものなのかなという気もしますが、いかがでしょうか。そういうことを提案なのでしょうか。それとも、別途、そういった常設組織をつくるべきという判断なのでしょうか。
○祖父江構成員 いや、すぐにできるものでもないのですけれども、少なくともこういった機能を持つところをどこかに設置するということを、もう少し具体的な案をつくって提示することが必要なのではないかと思います。
○大内座長 各種がんについては、学会ベースで診療ガイドラインがつくられておりますが、がん検診に関しましては、どちらかというと広域的に構成されているのが大部分ですので、国としての対応が必要ではないかという御意見かと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題で、がん検診に関する最近の知見等につきまして事務局から御説明願います。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 それでは、資料5「がん検診に関する最近の知見等について」御説明させていただきます。ここに最近の知見をお示ししている理由は、今後はがん種別に検診の項目なり、あるいは方法について御議論いただくことになるかとは思うのですが、その前に、最近得られている知見、主なものなのですけれども、そちらを事務局と、あと、がんセンターの先生にも御協力をいただきながら整理したものです。
 今後、こういったものをベースとして議論を進めることになるかと思いますが、当然抜けているものもあるかと思いますので、もしお気付きの点があれば、あるいはこういったものも追加してはどうかという御意見があれば、是非いただきたいと考えております。
 まず1枚目です。がん種別に幾つか整理いたしましたが、子宮頸がん検診に関する最近の研究結果ということで、主として子宮頸がんの死亡率、それから浸潤がんの罹患率をエンドポイントとしているような研究を幾つかピックアップしています。細かくは説明いたしません。実際にそれぞれのがん検診の項目について議論する際に、各論で御議論いただきたいと思っております。
 例えばインドの研究ですと、HPVの検査が子宮頸がんによる死亡を減少させるという結論も得られております。あるいは、3つ目のアメリカのコホート研究ですと、子宮頸がんのハイリスク者の方を早期に同定することができるといった結果が得られております。
 2枚目ですけれども、子宮頸がんの検診に関するガイドラインということで、海外において最近、改訂とか作成されて、HPV検査の評価を行っている主なものです。先ほど祖父江先生の方からもあった、US Preventive Services Task Force の2012年のリコメンデーションの中では、例えば30歳から65歳の女性に対して、特に検診間隔を延長したい方については、細胞診とHPV検査の併用検診を5年ごとに行ってはどうかという新しいものが出ているところです。
 それから、3枚目に参りまして、胃がん検診に関する最近の知見。これは見ていただきますとわかるように、日本の研究が中心になります。これはペプシノゲン法とか内視鏡について検証したものがほとんどでございますが、胃がんの死亡率は減少したけれども、統計的な有意差が見られなかった。あるいは、胃がんの死亡率の減少があった。そうでないものもありますけれども、これ以外にもたくさんの研究結果がございますので、一度レビューすることが必要かなと考えております。
 それから、4枚目ですけれども、胃がん検診に関するエビデンス・レポートやコンセンサス・レポートということで幾つかお示ししております。例えば一番上のアジア・パシフィックのコンセンサス・レポートですと、胃がんのリスクが高い集団に対して、ピロリ菌の検査と治療は、胃がんのリスクを下げる戦略としては推奨できるのではないか。
 あるいは、2つ目のコンセンサス・レポートですと、逆にまだ胃がん検診を支持するようなデータは十分でないのではないかということで、すべてのレポートが同じ方向を向いているわけではないですけれども、幾つか新しいものが得られております。
 それから、5枚目の乳がん検診についても、マンモグラフィについて大体検討しております。例えば一番上のスウェーデンの結果ですと、マンモグラフィによって20から30%の乳がんの死亡率減少を認めている。
 2つ目のものも、乳がんの死亡率の減少が見られたけれども、それは統計的には有意ではなかったという結果が出ています。
 3つ目は、大内先生も名前を連ねていらっしゃいますが、マンモグラフィの不利益について調査いただいたところです。
 それから、その下の乳がん検診に関するガイドラインについてですが、これもさっきのタスクフォースから出ている2009年のガイドラインですと、そこでは50歳から79歳に対する隔年のマンモグラフィを推奨する。あるいは、カナダのものについても、40歳から74歳に二、三年置きにマンモグラフィをやることを推奨するとか、日本とは多少違うことが推奨されているものがございます。
 それから、6枚目の肺がん検診に関する最近の研究結果ですけれども、これは主に低線量CTとレントゲンを比較したものでございます。例えば、3つ目のアメリカのものですと、低線量CTが単純なエックス線CTとかエックス線写真と比較して、肺がんによる死亡率を20%減少させた。
 そうかと思えば、一番下のアメリカのものですと、肺がんによる死亡率は減少させなかったとか、結論が必ずしも同じではないのですけれども、幾つか最近の知見がございます。
 それから、7枚目の肺がん検診に関するガイドラインということで、こちらも幾つかステートメントあるいはガイドラインといったものが示されています。
 それから、8枚目、大腸がん検診に関する最近の研究結果は、S状結腸鏡と検診なしということで検診方法を比較しているわけですけれども、これについても死亡率の減少があったけれども、統計学的には有意ではなかった、あるいは死亡率が43%減少したといった結果が得られております。
 それから、前立腺がんについてですが、これは当然PSA検査ということになるのですけれども、例えば2012年のヨーロッパの研究結果によりますと、前立腺がんの死亡率が21%減少した。
 あるいは、次のものですと、死亡率の減少については統計学的な有意な変化は認めなかったということで、結論は違いますが、幾つか最近の知見がございます。
 次の10ページですが、これも前立腺がん検診に関するガイドラインが幾つか出ております。
 これ以外に、11ページ目に、厚生労働省の方でも、がん検診の有効性評価、精度管理、受診率向上施策などについて、最近の主な厚労科研ということで一覧をお示ししております。この中では、内視鏡を今後の胃がんの検診に組み込むべきかどうかということを検証していただいたり、あるいは先ほどもございましたが、乳がんについては、J-STARTというマンモグラフィも併用した場合の有効性の検証といったものを進めていただいているところです。
 事務局の方からは以上です。
○大内座長 ありがとうございました。ただいま秋月補佐から、がん検診に関する最近の知見等についてということで、各種がん検診の現状、アップデイトされたデータについての御紹介でした。国としても、最後にありますように、研究班も随時動いていただいているということですが、恐らくこれから検討していく中で、ピックアップしていくべきEBMに基づいた検証という中で議論になっていくと思います。
 ただいまの報告に関しまして、御質問ありますか。直近のものを整理されたということで、御苦労さまでした。よろしいですか。
 次に、今後の検討会の進め方につきまして、再び事務局からお願いいたします。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 先ほどの資料5ですけれども、もし抜け落ちている論文等がございましたら、また事務局の方まで御連絡いただければと思います。
 次に、資料6「『がん検診のあり方に関する検討会』の今後の進め方(案)」ですけれども、本日、第1回ということで、がん検診の現状とか最近の知見、また祖父江先生の方から御説明もいただきました。
 今後の第2回以降の進め方なのですが、まず検診の項目については、大体ここに掲げているようなことが論点になるのかなと事務局としては考えております。
 1つ目が子宮頸がん、特にHPVの検査について、まずそれ自体の有効性があるかどうかということと、もし有効であるならば、どういった方法でやるのが適切かといった観点。それから、胃がんについては、ヘリコバクター抗体検査やペプシノゲン検査、それから内視鏡検査についてどうするかという話があります。それから、肺がんについては、CT検査。それから、大腸がんについても内視鏡検査。あとは、前立腺がんのPSA。乳がんについては、エコーや、今やっている視触診についてどうするか。また、これはちょっと項目とは違いますけれども、デジタルマンモグラフィも認めていくべきかといった御議論があるかと思います。
 これらたくさんの項目がございますので、幾つか優先順位を決めて取り組むべきだと思っているのですけれども、事務局からの提案としましては、次のページの※印に示しております。
 検討の順番についてですけれども、子宮頸がんについて、既に研究結果とか、あるいは最近、ガイドラインが出てきていることもありまして、先に検討してはどうかと考えています。
 もう一つが、勿論知見という話もあるのですけれども、先ほどがんの現状というところでも御説明いたしましたが、多くの自治体で内視鏡とかペプシノゲンやピロリ菌抗体の検査といった、指針以外の方法でがん検診を実施している。この胃がんについても、知見を整理した上で早目に検討を進めてはどうかと考えております。この点について、どういった順番で議論を進めるべきか、御意見をちょうだいしたいと思っております。
 それから、もう一つ御提案は、各がん種について、例えば関係学会の推薦者の方に、そのがんについて検討している間は、継続して御参画いただくよう依頼してはどうかと考えています。
 また、それぞれの目安ですけれども、勿論、これはその限りではないのですけれども、目安としては2回から4回ぐらいで結論を得るように進めてはどうかと思います。
 それから、がんの検診項目以外についてですが、受診率の向上施策、それから精度管理といったところが問題なのですけれども、受診率の向上施策については、一つの目安としては、現在、無料のクーポン事業というものをやっているわけですが、こちらは平成21年度から開始しているということで、平成25年度で一巡する。5歳刻みでやっているので、5年間で一巡するということで、その後、クーポン事業を検証して、継続すべきかどうかということも含めて、是非御議論いただきたいと考えています。
 それから、市町村の事業ですので、市町村の方とか県の方、それから職域の研修を担っている企業の方からのヒアリングをしてはどうか。あるいは、受診率向上についても、いろいろな研究結果がございますので、そういうところから報告をしていただいてはどうかと考えています。
 それから、精度管理についても、市町村、県、企業の取組みのヒアリングや研究結果の報告。こういったヒアリングを踏まえ、御議論いただいて、それを指針に反映していくということを考えております。これについても、どのタイミングで、どういったスケジュール感で議論を進めていくべきかという点について、御意見をちょうだいしたいと思います。
 事務局からは以上です。
○大内座長 ありがとうございました。ただいま事務局、秋月補佐から、今後の進め方についての御提案がありました。本日は第1回ということで、関係者の現状とか最近の知見についてお示しいただきましました。
 これからが本当の我々の重要な検討会になりますが、ここで皆さんから御意見いただきたいと思います。今、御提案がありましたように、検診項目を設定して順次検討していくべきかどうか。あるいは、受診率向上施策、更には精度管理についても議論いただくことになりますけれども、最初に今、御提案ありましたように、検診項目、特に今、話題になっておりますHPV、子宮頸がんのあり方について議論いただく。データも出てきておりますので、それを日本国内においてどのように進めていくかが第1点。
 第2点は、胃がん検診についてです。現状と随分異なった検診が普及しつつあるということで、きちっとした評価をすべきではないかということがございますので、内視鏡あるいはピロリ菌に関する検討を重ねてはどうかということです。いかがでしょうか。まず、第1点の議論の対象について御意見をいただきたいと思います。
○祖父江構成員 検診の項目に関しての話だと思うのですけれども、先ほどの資料5が議論の土台にあるかと思います。その中で2種類の資料があって、一つは個々の論文というものがあります。比較的最近出た論文というのがリストアップされていますが、それとともにガイドラインとかコンセンサス・レポートがリストアップされている。
 こういう検討会で議論する土台としては、ガイドラインとかコンセンサス・レポートという2次資料、既にまとまったもの、ある程度判断ができているものを土台として、それに基づいて判断する方が適当であって、個々の論文、最近出たものではあると思いますけれども、そういったものの吟味を個々でやっていくのは、このメンバーではなかなか難しいのではないかと思います。
 もし、そういう最近の論文をどうしても含める必要があれば、何らか作業委員といいますか、作業チームをつくって、そこでエビデンスレポートなりの形にしたものを、この検討会で討議していく方がいい。そのまま生の論文をここで見て討議するというのは、余り適当ではないのではないかと思います。
○大内座長 今の祖父江構成員の御指摘は、具体的なワークアウトをするときに、個別のがんについて検討するときの資料、論文整理については、この委員会で一からすることは無理と、私も判断します。そういったものをレビューした上で、一定のガイドラインを詰めていくような過程にあるものを議論することになろうかと思います。そうすると、想定されるのは、学会レベルあるいは研究会レベルでも結構なのですが、そういったところでの取りまとめをお願いするということでしょうか。
 この委員会としては、かつてはよく学会の方にオブザーバー参加ということで説明いただく。あるいは、場合によっては委員を追加して、その具体的な臓器、例えば子宮がんであれば産婦人科のどなたかに、連続する委員会、例えば2回ないし4回と、先ほどありましたけれども、その間はその先生に入っていただくということもございます。どういった仕組みで行くかについて御提案があれば。
○祖父江構成員 今回の私の思いは、こうしたものはきちんと常設の委員会を設けて、できたものを、データに基づいて、諸外国も含めていいのですけれども、我が国のガイドラインとしてきちんとつくったものをもとに議論する仕組みをつくっていかないと、いつも付け焼き刃で、課題があるから人を集めてということで臨時に対応するのは余りよくないという思いで、前回の検討会のときは研究班でありますけれども、そういう下支えになる組織をつくって、そこから資料を上げて討議していただくことがちょっとはできたと思っていたのですが、その後の活動が余り思わしくなくて、こうした最新の状況をきちんとまとめ切れていない。
 まず、このことを認識して、そうした仕組みをつくることが必要だということを強く思ってほしいと私は思います。
○大内座長 斎藤構成員。
○斎藤構成員 そのことに関しては全く同感でありまして、先ほどちょっと言及し損ねましたが、1つは、研究班でこういった仕組みを位置付けることの意味ですけれども、研究班としての位置付けだと、基礎資料として使うのも政策との関連ではちょっと遠いと思うのです。
 もう一つは、今お話に出てきましたが、このエビデンスをまとめるという作業は、なかなか大変なのでありまして、海外でそういう仕組みは独立したレビューチームを持っている。そして、推奨・作成するのは独立に作業できるチームである。こういう独立性、作業の量をきちんとこなす分業ができていると思います。ですから、こういう議論をするときにきちんとした基礎資料が整備されているということになります。
 そういう意味からも、私、後で言おうと思ったのですが、今回、この議論の中で、祖父江先生がプレゼンテーションの中で提案されたエビデンスをまとめる仕組み、一番重要な基礎資料であるエビデンスをまとめ、作成する機能をどう位置付けるかといった議論を、この検討会の中できちっとしていただければと思います。
○大内座長 どうぞ。
○外山健康局長 では、がんセンターというのはどういう仕事を今までしてきたのですか。説明してもらいたいと思います。
○斎藤構成員 おっしゃるとおりで、例えばそれはがんセンターの中に位置付けることも可能だと思います。ただ、それはがんセンターが決めることではなくて、今までは研究班で検討してきたにとどまるわけですが、それは議論していただくことだと思います。
○外山健康局長 それはがんセンターが決めることではないというのは、どういうことですか。がんセンターは独立して、そういう研究をする使命を持っているのではないですか。国が中期目標を掲げて、がんセンターが中期計画をつくって、そういう使命を持ってやるところであって、そういう任務を持っているのではないでしょうか。
○斎藤構成員 そういう認識で研究班としてやってきたわけです。しかし、これは研究班としての位置付けで、内容は同じものだと思いますが、そういうまとめをしてきたということです。
○大内座長 局長の言うのもわかりますが、どうぞ。
○祖父江構成員 その思いは強く持っています。がんセンターでやるべきミッションと、私は思っていました。今、ちょっと離れましたけれども、斎藤先生もその路線で継続的に活動されてきたのですけれども、更に上位のところでの判断がそうではなかったということです。ですから、どうして今までやってこなかったのかというのであれば、もっと上位の方の意見を聞いてください。
○外山健康局長 その上位というのはあれですか、局長の私的諮問機関のここでそういう議論をするべきじゃないのではないでしょうか。
○祖父江構成員 ですから、これはがんセンターのミッションであったかと言われたので、そのような努力をしてきました。我々のレベルではしてきましたということを言いたいだけです。
○外山健康局長 ですから、ここの平場でこういうことを諮問して検討していただきたいというときに、あたかも今までエビデンス・プラクティス・センターといったものがないから、こういうものをつくることを前提でとなったら、ここで議論できないわけですね。
○祖父江構成員 勿論、ここで非常に緊急性があるので、子宮頸がんについて項目を定めるための検討をすべきである。これに関しては、そのようにして、個別の論文に関しては作業チームをつくってエビデンスをまとめていくということは、申し上げました。ただ、それがずっと同じように、緊急性があるので、仕組みもなく、その時々で活動するということは余りよくないのではないかということを後で申し上げたつもりです。
○大内座長 大変重要なポイントなので、整理させていただきます。こういった作業をするためには、どうしてもデータの整理が必要になります。それで、国の機能として、欧米にありますように、いわゆるエビデンス・プラクティス・センターみたいな形でどの機関が行うかということは、今、外山局長が言われたように、本来ならばナショセンであります国立がん研究センターではないかと、それは確かにそうだと私も思います。
 ただ、今までのことを考えますと、どうもその部分がきちっとやってきたという形跡はなかったと思います。私自身はそうなってほしいと思っていましたけれども、こういった疫学あるいは生物統計学のメンバー構成を見ても、人員配置等も含めて考えますに、恐らく十分とは言えないかもしれません。しかしながら、この機能は、今、局長が言われるように、どこが持つべきかと言われますと、私自身も国立がん研究センターではないかと思っております。
 これは1つ提案なのですが、本検討会でそういったことも含めて議論していいのであれば、そういった一定のレビューをお願いするということではいかがでしょうか。はい。
○外山健康局長 予期したことと違う展開になってきているのですが、このエビデンス・プラクティス・センターなるものというのは、こういった検診分野だけのことじゃないのではないでしょうか。いわゆるエビデンスが必要な領域のもの全般に通ずることだと思います。これは、子宮頸がんとか胃がんという話に非常に近い分野なのですか。
○祖父江構成員 局長、おっしゃるように、検診に関わることだけではありません。システマチックレビューを行ってエビデンスをまとめていく作業、全般のことを受ける組織です。ですから、議論が広がってしまっているということは、そのとおりです。
○外山健康局長 ですから、私としては行政目的があって、がん対策推進協議会で、まだ閣議決定されていませんけれども、それを今後5年間遂行するために行政的ないろいろ宿題があるわけですね。それから、国会でもいろいろ指摘されておりますから、そういった視点に立って、今ある範囲内で判断しなければいけなくなります。これから、市町村もございますので。そういった視点での御検討をまずいただきたいというのが1つ。
 一方で、確かにもっと構造的な問題があるのだとしても、それが検診以外のことにも及ぶのであれば、それを掘り下げるというよりは、そういうことも一つの視野に入れた提言をいただくのはいいと思いますけれども、もし仮に他分野まで及ぶのであれば、それはそれでまた別途受け取らせていただきまして、他の分野と一緒にどうするかというのは、また別の場でやらせていただきたいと思います。
○大内座長 ほかに。
○斎藤構成員 エビデンス・プラクティス・センターは、広いほかのフィールドもつながりがあるというのはそのとおりなのですが、1つ違うとすると、がん検診というのは診療ガイドラインとは違って、言ってみればがん検診の患者は一般の国民ですので、そこがちょっと違う。より政策と近い関係にある位置付けになると思います。そういう意味では、ちょっと分けて考えた方がいいかもしれません。
○外山健康局長 もう一つ、国民の利益のために広く提言いただくのはありがたいですけれども、提言を実現するためには、例えば仮に、それががんセンターの構造というものと非常に深く関わりがあるのであれば、独法組織のあり方全般に通ずることでもありますし、それから交付金制度とか、いろいろなことも局をまたぐ話でもございます。
 私としては、前提としてこういうものが必要でという形での議論の広がりよりは、全くそういうことをしていただくなというわけじゃありませんけれども、議論としては注意喚起していただく部分はいいのですけれども、限られた回数の中で現実的な対応をやっていただきたいと思います。
○大内座長 確かに時間的な制約もございます。それから、こういった会を重点的に行っていくためには、かなりプロセスを重視しなければいけないわけです。御意見がそれぞれ出ておりますが、基本的にこのように対象とすべきがん検診の項目を設定するかどうか。そうした場合に、こういった最新の知見も含めたレビューをどの段階でするかということになります。当初予定していたのはそういう形で、順番的に見た場合には、子宮頸がんから入ってはいかがかというのが提案であったわけですけれども、これについてはよろしいですか。
○外山健康局長 一言。先ほどそういうことを言いましたけれども、提言は提言として既にお聞きしましたので、持ち帰らせてもらいまして、医政局ともよく相談して、こういった御提言のありよう、あるいはがんセンターのありようについて意見があったということで、次回、それも含めてお答えをお返ししたいと思います。
○大内座長 かなり大きな議題になりますので。はい。
○松田構成員 今までの議論とちょっと離れてしまうかもしれませんが、現場の検診機関あるいは市や町の声を聞いていると、受けたい検診と提供されている検診、一番ギャップを感じているのは胃がん検診。先ほど秋月補佐からも御説明がありました。ですから、内視鏡検診を早期に導入しろという声もありますが、その辺りをきちっと検証することを求められているのだろうなと、私は地元の声としてはそう思います。
 もう一つ、これも受診率の目標値の話が出ていたのですけれども、これは何で検証するのか。先ほどあった地域保健・健康増進事業報告なのか、あるいは国民健康栄養調査なのか、どちらなのだろうという素朴な疑問があるのですが、それはいかがですか。
○大内座長 今のご質問は、受診率の計算法ですか。
○松田構成員 ええ。何をもって40%、50%を目指すのかという質問なのです。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 現在は、受診率の目標値の算定といったときには、国民生活基礎調査の方を使用しています。これはなぜかといえば、市町村の報告ですと職域の部分が入ってこない。国民生活基礎調査が完璧な調査ではない、先ほど主観的なところがあるということは申し上げたのですが、現在はそれが最も現状を示す値に近いということで、その数値を用いています。
○松田構成員 わかりました。今まで、その点が余り明記されていないというか、従来50なのですけれども、何で50%にするのかということが言われてこなかった。その辺りが、今日はおっしゃっていただいたので、よくわかりました。
 もう一つ質問なのですけれども、よろしいですか。がん検診の中で職域という話が以前から出ていますね。職域のがん検診は、だれに提供義務があるのかということも、実ははっきりされていないのだと思います。企業との連携の中で、体力のある企業とか公務員、勿論私たちも含めて、多くの人たちはがん検診の機会を提供されていると思っているのですが、実はそうではない中小企業がたくさんあって、その人たちのがん検診はだれが提供しないといけないのか。
 それは健康増進法だと市区町村とうたっているのですが、それが必ずしも守られていないので、職域でがん検診を受けられないとわかっている人については、それ以外の人たちはすべてが市区町村の義務なのだということが、今までは実は余りうたわれていないという気がするのです。ですから、ほとんどの人たちの職域のがん検診は市区町村の義務ということでよろしいのでしょか。
○外山健康局長 そうです。うたわれていないのではなくて、ちゃんと健康増進法では住民全般を対象としたがん検診の実施を市町村の努力義務としてうたっているのです。そしてやっているのですけれども、それが行われていないだけである。
 それから、健康増進法上は、各保険者も健康増進実施事業者に位置付けられておりますし、それから各会社で行われているのは、御案内のように、健康保険法の付加給付のようなことで行われている。あとは、労働安全衛生法の関係でやっている。そういった意味ではちゃんと根拠を持ってやっておられるわけです。
 その実施の迫力に強弱があるだけであって、それはちゃんとカバーされているし、概念的には市町村民として、ちゃんとサービスを受ける権利があるわけであります。ですから、それははっきりしないのではなくて、はっきりしているのです。
○大内座長 すばらしいコメントだと思います。健康増進法に基づくがん検診ということでくくられて、それは職域も含めてという理解でよろしいでしょうか。
○外山健康局長 住民を対象とするという意味でカバーされています。
○大内座長 今日の資料3の裏面の上の方に、職域のがん検診についても、科学的根拠のあるがん検診の実施を促すようとありますので、これを我々もミッションとして、きちっと決めて入るべきではないかと思います。よろしいでしょうか。どうぞ。
○菅野構成員 八王子市の菅野ですけれども、市町村の立場から申し上げます。職域の話をここで今、流れでしていいのかということがありますが、職域で申しますと、自治体としては、今の科学的根拠がある検診をやっている機会がないから自治体のものを受けていいのか。あるいは、八王子のまちで受けたいけれども、会社が提供しているのはほかのところなので機会がないと考える方もいますし、それから安いから自治体の検診を受けたいという方もいます。
 何をもって機会がないとするかというのは、実は現場でいつも非常に困っておりまして、なるべく広く機会をとらえて受けていただくようにはしておりますが、そういう現状があるということをお話させていただきました。
○大内座長 市町村の担当者とすれば当然ですが、質の高い検診を提供するという指針的なことを議論する場でもありますので、更に御発言いただければと思います。ほかにございますか。どうぞ。
○福田構成員 専門外なのでとんちんかんかもしれないのですけれども、科学的根拠に基づいて検診のあり方を考えるのは非常に重要だと思うのですが、その中でも先ほど御指摘があったとおり、諸外国でこういうレビューが済んでいて、まとまったものをベースに議論するというのはあると思います。そのときに、例えば祖父江先生からお話のあったUSPSTFで求められているものは大いに参考になると思います。
 ちょっと気になっているのが、例えばUSPSTFで出すリコメンデーションは、だれがそれに従って実施することにアメリカではなるのでしょうか。祖父江先生にさっき聞けばよかったのですけれどもね。
○祖父江構成員 USPSタスクフォースのプライマリのオーディエンスは、プライマリフィジシャンです。ですから、日常の診療の中で、予防行為に関してもアメリカの場合はカバーされるみたいですけれども、それに関して日々、どうするかということの判断にガイドラインを使うということが、まずプライマリなのです。
 ただ、USプリベンティブ・サービスズ・タスクフォースが言うことは、かなり社会的に影響が大きくて、向こうのヘルスポリシーの決定に関して根拠として使われるとか、あるいは健康保険がカバーするかどうかということの決定に関して、その根拠となるとか、かなりポリシーメイキングに関しても影響力を持っているのが実態です。
○福田構成員 ありがとうございます。実は、そこが日本と違うのではないかと私は思っておりまして、アメリカはベースとする保険制度そのものを各民間保険が中心にやっていますので、結局それぞれが従うかどうかになると思います。私が見たリコメンデーションの一例ですが、そこでかかるコストは考えないと書かれている。結局、コストを公費で負担するわけではないですから、それが有効かどうか、安全かどうかでリコメンデーションを出している。
 今回、ここで検討するのは対策型検診ということですので、一つの大きな特徴が公的資金を使うということだと思いますので、私の視点から言うと、医療経済を専門にしているものですから、こういうものの費用対効果みたいなものを考えなくていいのかというところです。
 公的な資金を使う限りは、お金としてはどうしても限りがあるわけで、それは国の補助があるにしても、自治体が負担するにしてもあるわけですから、追加的な効果がない検診だったら、勿論やる分だけむだになるわけですからやめた方がいいですけれども、追加的には確かにメリットがあるので、やった方がいいのはそうなのだけれども、どのぐらい追加でお金がかかるのかということも一緒に少し検討した方がいいのではないかと思います。
 そういう意味では、もし可能であれば、資料5に最近の知見が出ていますけれども、こういう文献的にされているものの中で、これらの検診の費用対効果がどういうふうに評価されているかというものも、言われれば私の方で出してもらって結構ですので、あってもいいかなと思います。
 ただ、そのときに更に気をつけなければいけないのは、今まとめていただいているレベルの有効性・安全性に関してのエビデンスのものと、経済的かどうかという、例えば諸外国でやっている評価のものとは、全然レベルが違う。基本的には、諸外国でやっている費用対効果の結果を日本に当てはめることはできませんので、あくまでも参考としてどんな評価になっているかというのは、明確に区別しておいた方がいいと思います。
○大内座長 大変重要なポイントを指摘されました。ありがとうございました。当然、この検討会は、最初に秋口補佐から言われましたように、対策型検診について検討を進めることが前提であります。したがいまして、コストのことも当然検討項目に入りますので、費用対効果については避けて通れないと思っております。諸外国のデータは参考にしますけれども、日本においてどうあるべきかということを議論していただくというスタンスで考えております。よろしいでしょうか。
○福田構成員 お金のことから先にやる必要はないと思いますけれどもね。
○大内座長 資源の有効活用ということですので、もともとの医療保険制度も違っておりますし、そういった背景も考えた上で優先事項も決まっていくと思います。ただし、検診の方法については、先ほど祖父江先生が言われたように、評価項目あるいはエビデンスレベルもございますから、その中でピックアップしていく。それを使った場合の費用対効果はどうなるのかということも、鋭意検討していただくということかと思います。
 さて、時間があと15分ほどになりました。議論が白熱しまして、好ましいことでありますけれども、検討すべきがん種について、ここで決めていくのか。あるいは、もしそれがレビューの件ですぐには難しいのではないかということであれば、別の観点から、先ほどの資料6の裏面に受診率向上施策についてとあります。これは、実は平成25年で無料クーポン事業が終了します。ということは、平成25年春までには、次の受診率向上施策についての素案ができていないといけないわけです。
 本検討会では、そういったことも検討してはどうかという意向がございます。これを時間的、タイムテーブル的に考えますと、遅くともこの秋ぐらいからは無料クーポン事業の今後について議論を開始して、春までには結論を出さないといけないわけです。多分、来年5月、6月ぐらいまでには一定の案が厚労省から財務省に行くのだと思いますが、そういったことを検討するということも一つの大きな課題であります。
 今後、この会議を例えば年に4回、5回あるいは最大6回ぐらいでしょうけれども、一つのがん種について半年以上かかります。一方では、このように受診率向上施策についての検討も必要になってきますので、どちらを優先するかということになりますが、いかがでしょうか。事務局、どうぞ。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 1点補足なのですけれども、クーポン事業のみの話ではないので、当然一巡するということで一区切りはつくので、別に終了と決定しているわけではないということです。確かに一つの目安としては、25年度で一巡するということで、もしその後の受診率向上のための事業を考えるというか、何かしらの御提言をいただくとすれば、そのタイムリミットとしては25年春ぐらいです。それを逆算すると、当然24年秋ぐらいからは検討した方がいいだろうと思います。
 検診項目の方も一方で進めなければいけない大切な議題でございまして、先ほど祖父江先生の方から枠組みという話がありました。確かにそういった点はごもっともだと思います。そこは、これから議論して枠組みを考えて、それをつくってという話になると、どんどん検討する時期が遅れてしまうということもあるので、検診の項目は検診の項目で検討しながら、一方で会議の半分ぐらいを使って、受診率の向上あるいは精度管理といったものを検討するということを同時並行で進めることも一案としてはあり得るかと思います。
○大内座長 同時並行でも構わないということ、私も納得しました。できればがん種を特定して、次回から検討することと同時に、受診率向上施策についても検討するということでいかがでしょうか。どうぞ。
○道永構成員 ちょっと戻りますけれども、クーポン事業の検証と書いてありますが、実際使われている率とか数は国の方で把握していらっしゃるのでしょうか。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 基本的なデータはございます。あと、委託事業の方でそういった検診の実態も分析して、その報告書も大体まとまっておりますので、そういったものを材料にして御検討いただくことは可能です。
○大内座長 いかがですか。次回以降の議論の進め方なのですが、本検討会のスケジュールについて、私の方からということで、先ほど来議論されています子宮頸がんについて、まず検討課題とするということをお諮りしたいのですが。どうぞ。
○斎藤構成員 先ほどの祖父江先生のコメントの中で、できるだけガイドラインというものを資料にした方が客観性が高いということでしたが、その観点からいくと、胃も先ほどの御指摘どおり重要なのですが、子宮がんの方が直接そういったものを使いやすいと思います。胃の方は、日本のドメスチックな証拠も必要になるので、それに比べると、今たくさん出ている子宮部位に関するガイドラインを下敷きに、そのまま議論ができると思いますので、子宮がんの方が今までの御議論に沿うと思います。
○大内座長 祖父江先生、よろしいですか。
○祖父江構成員 何から検討するかというときの優先順位付けの軸としては、最近ガイドラインが変更になったとか、新しい研究結果が出たということで、方針を変更する必要性があるものについて優先順位を上げることになのでしょうけれども、子宮頸がんの諸外国のガイドラインが変更になっていますので、適当ではないかと思います。
 あと、胃がんは現場として感覚が違う。バリウムよりも内視鏡の方を受けるという要請が物すごく強いということも事実と思いますので、その優先順位が高いということは認識されます。ただ、そこのところをエビデンスに基づいて判断していくということについて言うと、やや原資料に欠けているのかなという気もします。ただ、ここに原資料が幾つかリストアップされていますし、それを作業してエビデンスレポートをまとめ、リコメンデーションを本当は出して、内視鏡に関してどのような判断をするかということを、まずはガイドラインの形で出した上での検討会の評価という方が望ましいと思います。
○大内座長 どうぞ。
○松田構成員 先ほど現場の声としては、胃がん検診云々という話をしたのですが、その点に関しては学会ベースでも検討なりが進んでいることもありますし、エビデンスという観点から言うと、まだまだ足りないと私自身は思っています。ですから、いろいろなデータなりがそのうち出てくるでしょう。いつになるかわかりませんが、優先順位が子宮頸がんよりも上なのかと言われると、まだちょっとというところかな。ただ、なるべく早いうちに検証しないといけないという思いではおります。
○大内座長 もしよろしければ子宮頸がんから入るということで、事務局の方から何か。
○秋月がん対策・健康増進課長補佐 子宮頸がんについて、1点確認なのですけれども、先ほどガイドラインとか、幾つか変更があったということで、それを基にして議論してはどうかということです。ガイドライン自身は論文が基になっていると思うので、適宜、それは論文も引用したいと考えております。
 それから、胃がんの方ですけれども、これはがんセンターとも協力して、1,000以上、論文がありそうなので、そこは少しレビューする時間も必要というのもございますので、もしよろしければ子宮頸がんについて、まず検討させていただいて、その間に論文のレビューを進めて、胃がんという流れになるのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○大内座長 今の御提案でよろしいですか。では、初めに子宮頸がん、次に胃がんというおおよその順番で検討していきたいと思っております。
 つきましては、がん種が決まりますと、先ほど申し上げましたが、そこに関係学会の方、推薦者がおられましたら挙げていただきたいと思います。ここで決めなくていいのですけれども、この検討会に加わっていただく、あるいはアドホックにデータを出していただくことになろうと思います。よろしいでしょうか。
 子宮頸がん、HPVに関して、例えば具体的なレビューも含めたデータの提供等も更に必要になるかもしれません。先ほど来、事務局からデータがありましたように、例えば資料5の一番最後、11ページに厚労科研の研究班もございます。こういった資料を参考にしていただいて、関係学会の推薦者に検討会に参画いただくことはよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大内座長 ありがとうございます。
 では、今日は時間も差し迫ってきましたので、議論はこの辺で終了したいと思います。活発な御議論、ありがとうございました。では、事務局の方にお戻しします。
○木村がん対策・健康増進課長 では、事務局の方から2点ばかりございます。
 まず1点目の、次回の日程につきましては、皆様方の日程調整をさせていただき、後日、御連絡を改めてさせていただきたいと思います。
 2点目、今後のがん種の進め方について、子宮頸がんからという話でございましたので、私どもの方で子宮頸がんの関係学会からの御推薦をいただいた委員に、次回にはこの検討会に新たに御参画いただくことで調整させていただきたいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 事務局から以上でございます。
○大内座長 では、これにて第1回の検討会を終了します。ありがとうございました。


(了)
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健康局がん対策・健康増進課

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